Tumgik
#エンゲージ・キス
kon-kon-kon-kon · 2 years
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nonging · 2 years
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anicutexd · 2 years
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nait0u · 2 years
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くえるさんはTwitterを使っています: 「エンゲージ・キス11話原画で参加してます。本編がシリアスになってきたので楽しく関係ないラクガキしました。お疲れ様でした。 https://t.co/rSTnbLKIcy」 / Twitter
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sorairono-neko · 5 years
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エンゲージ・ペーパー・チェイス
「こんにちは、勝生勇利です。今日からお世話になります。よろしくお願いします」  勇利はその言葉を、たどたどしいロシア語で言った。ヴィクトルがあらかじめ教えておいたせりふだ。ヴィクトルは、勇利のロシア語の発音はなんて幼くてかわいいんだとうっとりなったし、聞いているリンクメイトたちも、「子どもっぽい発音」と楽しそうに好意的な笑い声をたてた。勇利はそれをからかわれていると取ったのか、さっと頬を赤くした。するとまたみんな「純粋で可愛らしい」とささやきあった。ヴィクトルは咳払いをした。 「みんな知っていると思うけど、勇利は俺がいままで日本で教えてきた生徒だ」  全員が私語を慎み、さっとヴィクトルを見た。 「とてもスケーティングがじょうずで、学ぶところもたくさんあると思う。反対に、勇利もみんなから吸収することがあるはずだから、いい関係を築いていって欲しい。わからないことも多くあるだろう。困っていたら助けてやってくれ。勇利は口下手で控えめだけど、優しくていい子だよ」  そこでヴィクトルはいったん口を閉ざした。そしてにっこりと笑う。 「試合を目にして、彼のうつくしさにうっとりなった者もいると思う。普段の勇利も、見ての通り、かわいらしくてすてきな子だ」  ヴィクトルは、英語ではなくロシア語で話していた。そのため勇利はヴィクトルの発言が理解できないらしく、ただ、大勢の前にいることが居心地悪いというようにうつむいているだけだった。 「君たちも、彼に興味を持っただろうし、仲よくもなりたいだろう。だが、これだけはおぼえておいて欲しい」  ヴィクトルはそのひとことを、いかにも愛情のこもった様子で言った。 「勇利は俺の生徒であり、俺のスリーピングビューティだ」  優しい物言いだったにもかかわらず、全員の顔つきが緊張したものになった。ヴィクトルは笑顔で、しかし視線だけは鋭く、ひとりひとりのおもてを順ぐりに見ていった。 「この意味……、わかるよね?」  ヴィクトルの問いかけに、示しあわせでもしたかのように、全員がこっくりとうなずいた。ヴィクトルはますます笑みを深くした。 「それをわきまえたうえで、勇利と仲よくしてやってくれ。俺からは以上だ」  ヤコフがあとを引き取って話し始めた。彼は不審そうに、ときおりヴィクトルをじろじろにらんだが、ヴィクトルは平然としていた。 「ヴィクトル、ヴィクトル」  勇利が小声で呼んで、ヴィクトルのシャツの裾をひっぱった。 「さっき、なに話してたの」 「うん?」  ヴィクトルはとろけるような笑みを勇利に向け、甘ったるくささやいた。 「勇利は俺の大事な生徒だからよろしくねって言ったんだ」 「そっか」  勇利はほっと息をついた。 「大丈夫かな……。ぼく英語しか話せないし」 「リンクのみんなは、それなりに英語は話せるよ。ロシア語もすこしずつ勉強すればいい」 「うん……がんばる」  勇利が眉を下げ、ヴィクトルを見て静かにほほえんだ。ヴィクトルはまじめに、天使だ……と思った。  ヴィクトルはどうあっても勇利とともに暮らす心積もりだったのだけれど、勇利のほうで「それはよくない」と言い出し、断られてしまった。なんでも勝手にとりきめる彼なので、ヴィクトルが気がついたときにはすでに住処も決定してしまっていたし、手続きも済んでいた。ヴィクトルはその契約をぶち壊���てやろうかと思ったが、勇利が怒ったら困るなと考えて、とりあえずはそのままにしておくことにした。まあいい。永遠に離れ離れで暮らすわけじゃない。近いうちに勇利をうちへ呼ぼう……そんな気持ちだった。勇利の借りた住居については、日本のスケート連盟も関係しているので、心配するようなところではない。それもヴィクトルがしばらくは静観しようと思った理由のひとつだった。 「勇利、帰ろう」 「うん」  しかし、それでもヴィクトルは勇利を毎日送っていくことにしていた。勇利は「いいよ、悪いから」と遠慮したけれど、ヴィクトルとしてはありとあらゆることが心配でこうしているのである。 「どう、こっちでの暮らしは。何も悩みはない?」  ヴィクトルは、助手席でバックパックを抱きしめている勇利が死ぬほどかわいいと思いながら、落ち着いた声で尋ねた。 「うん、みんな親切だよ。アパートのほうは管理の人が優しいし、リンクメイトもいろいろ声をかけてくれる。もっといじめられるかと思っちゃった」 「勇利をいじめるやつがいたらどうなるか見ているといい」 「え? なんて?」 「いや。それはよかった」 「うん。やっぱりヴィクトルってすごいね」  勇利がほほえんだ。 「俺? なんで?」 「だって、ヴィクトルの名前でみんな丁寧に接してくれるんだよ。ヴィクトルの生徒だってわかってるからだよ。そうじゃなかったら、ぼくみたいにちっぽけな日本人、誰も相手にしてくれないよ」  勇利は相変わらず自分の魅力がわかってないな、とヴィクトルは溜息をついた。そういう無自覚なところもいとおしいけれど、その純粋さにつけこまれなければいいが、と心配だ。勇利のことはよく見ていなくては。 「勇利は庇護欲をそそるんじゃないのか」 「え? どうして? ──あ、ぼくが子どもっぽく見えるって言いたいんでしょ。そりゃロシア人にくらべたら幼稚ですよーだ」  勇利が拗ねて頬をふくらませた。俺の天使がおそろしくかわいい、とヴィクトルは思った。 「見かけはそうかもしれないけど、でもぼくだって二十四の成人男子なんだからね。ヴィクトルはちょっと過保護だよ。こうして送ってくれるのだって……」 「ロシアは日本みたいに安全じゃないんだよ」 「それはそうだろうけど、だけどヴィクトルも疲れてるのに。こっち方面のリンクメイトもいるし、ぼく帰れるよ」 「誘われたことがあるのか?」 「うん、まあ。みんなで一緒に帰ろうって言われたことはある」 「絶対に俺が送るから」 「えぇ? なんで?」  勇利はくすくす笑った。 「ヴィクトルって自由人だけど、責任感は強いよね」  勇利はヴィクトルの態度を、コーチとしての責任だと考えているようだ。 「ヴィクトル、明日は送ってくれなくていいよ」  いつものように勇利を車に乗せていると、彼がそんなことを言い出した。ヴィクトルは、とうとう勇利に手を出すやつが現れたのか……とめまいをおぼえた。 「……なぜ?」 「帰りに一緒に食事でもって誘われたんだ」  やっぱり! ヴィクトルはますますくらくらした。 「ぼく、家のまわりの店ってよく知らないし。ひとりで食べるとき便利なところを教えてくれるって」 「……誰?」  勇利は名前を言った。ヴィクトルは、なんとなく聞いたことがあるようなないような、とぼんやりした。 「安くて美味しい店なんだって。野菜中心だから食べやすいとも言ってた」 「へえ」  ついそっけない声が出た。勇利はびっくりしたようにヴィクトルを見て、「何か怒ってる?」と尋ねた。いけないいけない……。 「いや、そんなことはないよ。俺以外の誰かと出かけることも大事だし、勉強になるからね。楽しんでおいで」 「うん、ありがとう」  勇利は素直にうなずいた。  ヴィクトルは翌日のリンクで、ヤコフに、ゆうべ勇利から聞いた名前を告げ、「どの選手?」と尋ねた。 「いまリンクにいる……ジャンプしたやつだ」 「トゥループ跳んだ?」 「ああ」 「なるほど」 「なんだ? あいつがどうかしたか? おまえがほかの選手を気にかけるなんて珍しいな」 「いや」  昼休み、ヴィクトルは食堂へ行き、その選手の前の椅子を引いてテーブルについた。彼が顔を上げた。 「やあ」  にっこりすると、「あ、ヴィ、ヴィクトル……」と彼は緊張したように赤くなった。 「勇利を食事に誘ってくれたんだって? ありがとう」 「い、いえ……。俺の彼女がその店で働いてるから、たまにならおまけしてあげられるし、毎日の食べ物に困るってカツキがぼやいてたから……」 「そうなのか。親切だね」  ヴィクトルはおもむろに一枚の用紙を取り出した。それを彼の前にすっとすべらせる。相手は目をまるくした。 「書いてくれ」 「これは……?」 「申込書だ」 「え?」  その用紙には、ありとあらゆる記入項目があった。住所、氏名はもちろん、年齢、電話番号、行き先、時刻、どんな話をするつもりか、勇利が退屈したらどんな罰を受けるつもりか、などなど。 「え? え?」 「すべて埋めて俺のところへ持ってくるように。今日の帰りまでだ。できないなら、勇利を連れていくことは許可しない」 「え?」 「何か質問は?」 「あ、あの……」 「ないか。ではそういうことで」  ヴィクトルは立ち上がると、悠々と食堂を出た。ちょうど勇利が廊下を歩いてくるところだった。 「あ、ヴィクトル」 「勇利、昼食だろう? どこかへ連れていってあげるよ」 「え? いいよ、そんなの……」 「いいから行くぞ! おいで」  ヴィクトルは勇利の腰を引き寄せ、にっこり笑った。  あの選手は、おどおどしつつも、ちゃんとヴィクトルのところに申込書を持ってきた。ヴィクトルはその夜、なかなかしゃれた飲食店に入り、そこで食事をしていた。野菜中心の献立で、値段もさほど高くない。なるほど、とヴィクトルはうなずいた。 「あれ、ヴィクトル?」  そのとき、横合いから声がかかった。勇利があの選手と一緒に立っていて、ヴィクトルの隣のテーブルにつくところだった。 「ヴィクトルもここでごはん食べてたんだー」 「まあね」  ヴィクトルはにっこりした。そしてかるく手を上げる。 「俺のことは気にせず楽しんでくれ。勇利の友人関係の邪魔はしたくない」 「邪魔だなんて……」 「ほらほら、座って。たまには友達と食事したいだろう?」 「ヴィクトルがそんな気遣いをするなんて変な感じ」  勇利はくすっと笑い、「なに食べようかな……」とつぶやいた。  ヴィクトルは、ふたりが食事をしているあいだじゅう隣にいた。ずっと彼らの話が聞こえていた。ときおり勇利が、「ねえヴィクトル」とあいづちを求めてきたけれど、「俺のことはいないものだと思ってくれ」とその都度注意した。勇利は「無理だよー」と笑顔だった。  翌日は、いつも通り勇利を車で送った。 「ゆうべは楽しかったかい?」 「うん。ヴィクトルがいたからびっくりしたけど」 「彼はなかなかまじめな青年のようだ」 「そうだね。彼女とも仲がよさそうだった」 「俺たちほどじゃないけどね」 「なに言ってるの?」  それからも、ヴィクトルは勇利が誰かと出かけると言うたびに、申込用紙を相手に書かせた。ヴィクトルとしては自然な行為だったのだけれど、そのうち勇利に知られ、とがめられてしまった。 「ヴィクトル、リンクメイトに何か書かせてるって本当?」 「本当だよ」 「なんで?」 「勇利のことが心配だから」 「そういえば、出かけるとやたらとヴィクトルに会うよね」  いまごろ気づいたのか、とヴィクトルは思った。 「あれも心配だから?」 「そうだよ」 「ヴィクトルは過保護なんだよ……」 「そうかな」  勇利は考え深そうに瞬くと、「見せて」と要求した。 「何を?」 「どんな申込書なの? 見せて」  ヴィクトルはそれを勇利に渡した。勇利はじっくりと用紙を調べ、それからくすくす笑い出した。 「思ったよりまじめな感じ」 「大事なことだろ」 「この、どんな罰を受けるつもりか、ってなに? 意味わかんない」 「大事なことだろ」 「みんななんて書いてくるの?」 「練習時間を増やすとか」 「そんなの罰でもなんでもないじゃん」  よくわからないところで勇利は疑問をおぼえているようだ。 「勇利は練習が好きだからね」 「ヴィクトルも好きでしょ?」  勇利は無邪気そうにヴィクトルを見た。俺の勇利がかわいい、とヴィクトルは思った。 「練習も好きだが勇利も好きだ」 「え? なに?」 「いや……」 「ねえ、これちょうだい」 「いいよ。でもそんなものどうするんだ?」 「ないしょ」  勇利はくすっと笑った。俺の勇利にキスしたい、とヴィクトルは思った。よし、しよう。 「ヴィクトル、信号青だよ」 「あ」  ある日の昼休み、勇利が一枚の紙切れを持ってヴィクトルのところへやってきた。彼はちょっと頬を赤くし、「これ……」とヴィクトルに差し出した。その見出しは「勝生勇利と出かけるための申込書」とあったけれど、「勝生勇利」のところが二重線で消され、「ヴィクトル・ニキフォロフ」になっていた。 ・住所 **通り ・氏名 勝生勇利 ・年齢 24歳 ・電話番号 ***-***-**** ・行き先 **レストラン ・時刻 19時~21時くらい ・どんな話をするつもりか スケートの話とか、マッカチンの話 ・ヴィクトルが退屈したらどんな罰を受けるつもりか 練習時間を減らす 「……え?」  ヴィクトルはきょとんとした。勇利は眉を下げて笑った。 「どう? 許可してくれる?」 「え?」 「ぼくにあんなに厳しいんだから、ヴィクトルを遊びに誘うならもっと大変だと思って」  ヴィクトルは思わず勇利を見た。勇利は純粋そうな目でヴィクトルを見返している。ヴィクトルはもう一度用紙に視線を落とした。 「……このレストランは? 誰かに教えてもらったのかい?」 「ううん。自分で行ってみたんだ。美味しかったから、ヴィクトルも一緒がいいなって思って」  俺の天使がかわいい……。ヴィクトルは感激して思わずまぶたを閉じた。 「なんで一緒がいいの?」  もうひと声、と思って踏みこんでみたが、勇利が「うーん……」と迷い始めたのですぐにその話をやめた。 「わかった、いいよ」 「ほんと? 今日だよ?」 「いいとも」  勇利がうれしそうに笑った。ヴィクトルのほうがよほどうれしかったけれど、あまりにうれしいのでかえって冷静になってしまった。その日は、練習が終わるのが待ち遠しかった。 「ヴィクトルの口に合うかはわからないけど……。そんなに高いところでもないし」  レストランに着くと、勇利は気恥ずかしそうにほほえんで言った。 「でもヴィクトル、長谷津ではいろんなお店に行ってたでしょ。わりとおおらかなのかなあって思ったんだ」 「勇利と食べるならなんでも美味しいよ」 「あ、そうなの?」  勇利は、ぼくそういう顔してるのかなあ、と首をひねった。 「言われたことないけど……」 「にぶいな……」 「え? なに?」 「なんでもなーいよ。さて、何を食べる。どれがお勧め?」 「って言っても、一度しか来たことないから、ぼくも豊富に知ってるわけじゃなくて……」  食事は美味しかった。勇利はスケートの話とマッカチンの話をたくさんした。ヴィクトルは、もうすこし色っぽい話題がよいと思ってそちらへ導くのだけれど、勇利がすぐに修正してしまうのだ。 「勇利、ほかの話をしよう」 「え? だってあの紙に、スケートの話とマッカチンの話って書いちゃったし……」 「…………」  くそ! くそ、なんだあんな契約書! 破り捨てたい! 一時的な感情でそう考えたヴィクトルだが、いや、勇利がくれた申込書だから、とすぐに思い直した。いいだろう、ふたりでいるならどんな話題でも問題ない。ヴィクトルは、近頃のマッカチンの様子、過去のプログラムや勇利の演技、これから勇利に与えてみたい要素など、いろいろな話をした。勇利は両手の指を突き合わせ、その上におとがいをのせて、うっとりと聞き入っていた。ヴィクトルは考えた。このあと、うちに誘ってみようか。そこでなら別の話題を出してもよいのではないか? だってあれはレストランに誘うための申し込みなのだし。 「勇利……、これから、俺のところへ来ないか。とても楽しいから別れがたいよ。そこでゆっくり……」 「え? でもあの紙に、二十一時までって書いちゃったから」 「…………」  あんな紙! あんな紙!! まったく……! ヴィクトルはしぶしぶ勇利を住居まで送っていった。 「今日は退屈しなかった?」 「え?」 「だって……、ヴィクトルが退屈したなら、ぼく、罰を受けなきゃ……」  勇利のせつなそうな表情に、ヴィクトルの胸が引き絞られた。 「勇利といて退屈なんてするわけないだろう」 「本当? よかったあ」  勇利が素直そうに笑った。ヴィクトルはこころが苦しくなった。勇利……。 「誘ってくれてありがとう」 「おやすみなさい」 「おやすみ」  おやすみのキスをしよう、と思ったら、勇利はさっさと背を向け、車から降りていってしまった。  ヴィクトルは考えこんでいた。ヴィクトルとしては、あの夜の食事はデートのつもりだった。しかし勇利はそんな気はまったくないのではないか。なぜなら、彼が友人と出かけるとき、友人はあの申込書を書いている。もちろんそれはデートではない。勇利としても��ヴィクトルと食事に行くならあれが必要なのだな、と簡単に断定したのかもしれない。もしかしたら、ロシアの古い習慣だとでも思っているのか。 「そんなわけないだろ」  こうなったら、ヴィクトルのほうから誘うしかない。正式なデートにだ。ただの食事ではない。正真正銘のデートである。 「ねえ勇利。俺もいい店をみつけたんだ。一緒に行かないか。きみとふたりきりがいいな」  丁寧に誘ってみたら、勇利はにっこり笑った。 「あれ書いて」 「…………」  いや、ちがうんだ。俺はあんなものが必要ない、れっきとしたデートにおまえを誘ってるんだ。ヴィクトルはそう言おうとした。けれど勇利が、「書いてくれないの?」とかなしそうにしたので、「いや、書くとも」と急いで答えてしまった。勇利の黒い瞳は魔法である。勇利は、あれを書いてもらわないと出かけられない、と真剣に考えているのかもしれない。それならそれで、つまり俺と一緒に行きたいということだ、とヴィクトルは前向きに考えた。 ・住所 **通り ・氏名 ヴィクトル・ニキフォロフ ・年齢 28歳 ・電話番号 ***-***-**** ・行き先 **レストラン ・時刻 19時~21時くらい ・どんな話をするつもりか スケートの話とか勇利の話、俺の話 ・勇利が退屈したらどんな罰を受けるつもりか 勇利と話す機会を減らす 「ねえ、話すつもりの内容がひろすぎない?」 「いいんだ」 「ずるいなあ。あと、この罰、なに?」 「勇利と会話できないとつらいから」 「そっかー。ぼくもヴィクトルと話せないのいやだから、今日は全力で楽しもうっと」  ヴィクトルは思わず胸を押さえた。 「どうしたの? 大丈夫? 苦しい?」 「いや……」  ヴィクトルは勇利の手を握った。勇利は不思議そうな顔をしたあと、ほのかに微笑して「楽しみだね……」とつぶやいた。  ヴィクトルが勇利を連れていった店は、さほどの高級店というわけではなかった。格式張ったところへ行けば、勇利は緊張して、いつもの彼ではなくなってしまう。気軽に入れるようなところがいい。 「よかった。ヴィクトルのことだから、格調高い店に案内されるのかと思ったよ」  勇利は安心したように笑った。 「そういうところへもそのうち連れていってあげるよ」 「えぇ? 困るなあ……」  勇利は溜息をつき、しかしすこしだけヴィクトルに顔を近づけて言った。 「でもヴィクトルに誘われるのはうれしい」  彼は丁寧な手つきで、上品に魚料理を切り分け、口に入れた。 「何の話をするんだっけ? えっと、スケートと、ぼくのことと、ヴィクトルのこと……」 「綺麗だ」  ヴィクトルは思わずつぶやいていた。勇利は振り返り、壁を見、それから店内の装飾を見た。 「そうだね」 「きみのことだ」 「ヴィクトル、酔ってるの?」 「俺は酔っても勇利みたいにならない」 「うるさいなあ。ほっといて。ぼくだって好きでああなってるんじゃないんだよ」 「かわいくて好きだけど」 「ねえ、ロシアの人ってウォッカはお酒のうちに入らないって本当?」 「本当だ」 「だからヴィクトルはお酒に強いの?」 「勇利、もっとワイン飲む?」 「酔ったぼくを罵っておいて、よくそんなことが言えるよね」 「罵ってはいない。かわいいよ」 「ヴィクトル、ぼくね、かわいいって褒められるのべつに好きじゃないんだ」 「いやだった?」 「でもね、ヴィクトルが言うと、『ヴィクトルがぼくのことかわいいって言った!』ってめろめろになる気持ちもあるんだ。なんでかな?」 「…………」  勇利はいたずらっぽく笑った。 「日本語で言ってみて。『カワイイ』」 「……カワイイ」 「あっ……だめ……すごくときめいた……」  勇利はおおげさに胸を押さえた。それから顔を上げ、ふふっと笑った。ヴィクトルは目を閉じ、こめかみを指でぐいと押した。 「大丈夫?」 「ああ……」 「ロシア語で『かわいい』ってなんて言うの?」 「ロシア語には、日本語の『カワイイ』から生じた俗語があるよ」 「えっ、本当?」  勇利が目をまるくした。 「ああ……かわいい……」  ヴィクトルはロシア語でつぶやいた。 「え? いま、なんて?」 「かわいいって」 「でもぼくがかわいいって、ヴィクトルはやっぱり変わってるよね。あんなにダサいものにはうるさいのに」 「わかってないな。にぶい……」 「え? いま、なんて?」 「美味しいねって」 「あ、うん。そうだよね」  勇利がこっくりとうなずいた。彼はヴィクトルに純粋そうなまなざしを向ける。 「どうしてぼくを誘ったの?」 「どうしてこの前、勇利は俺を誘ったんだ?」  勇利はヴィクトルをにらんだ。 「ヴィクトル、ずるい……」 「ああ、かわいい」 「ロシア語?」 「そうだよ」 「ぼくがヴィクトルを誘ったのは、ヴィクトルと一緒がよかったからだよ。そう言ったじゃない」 「じゃあ、どうして俺と一緒がいいって思った?」 「ヴィクトルはどうしてぼくを誘ったの?」 「ワインを頼もうか」  勇利は、いつかのシャンパンほどではないけれど、すいすいとグラスを空けてワインを飲んだ。たちまち顔が赤くなり、目つきがとろんとなり、物言いもたどたどしく変化する。 「勇利……、これから、俺の部屋へ来ないか……」  ヴィクトルはきまじめに誘った。 「え? なに?」  勇利がまぶしそうにヴィクトルを見た。 「俺の部屋へ来ないか」 「それ……、ロシア語……?」 「英語だ」  ヴィクトルはタクシーを呼び、自宅に勇利を連れて帰った。寝室へ抱いていき、ベッドに横たえると、「寝ていいの……?」と勇利が甘えるように言った。 「だめだ」 「ここ、どこ……?」 「俺の家」 「うそつき……」  勇利がつぶやいた。 「何がだい?」 「だってあの用紙、行き先、レストランしか書いてなかったよ……」  勇利がとろとろした口ぶりでとがめる。 「時間だって……もう過ぎてる……」  上着のポケットからあの申込用紙をひっぱり出した勇利は、証拠を突きつけるように示して、「ヴィクトルのうそつき」と楽しそうに責めた。 「どれ、貸してごらん……」  ヴィクトルは万年筆を取り出し、キャップを口にくわえると、さらさらと文字を修正し、書き足して勇利に返した。 ・住所 **通り ・氏名 ヴィクトル・ニキフォロフ ・年齢 28歳 ・電話番号 ***-***-**** ・行き先 **レストラン・自宅 ・時刻 19時~翌朝まで。それからもずっと ・どんな話をするつもりか スケートの話とか勇利の話、俺の話、俺たちの将来の話 ・勇利が退屈したらどんな罰を受けるつもりか 勇利と話す機会を減らす ・勇利を気持ちよくできなかったらどんな罰を受けるつもりか 何度でも、快感を得られるまで抱く 「さあ、これでいいだろう」  勇利は眼鏡を上げたり下げたりし、「うーん、よく見えないなあ? 文字が二重になってない? ヴィクトル、器用だね」と感想を述べた。 「もうおとなしくして……」  ヴィクトルは紙を取り上げ、それを脇へ置いた。それから勇利の上着を脱がせ、シャツのボタンもはずしてゆく。 「ヴィクトル……」 「うん?」 「えっちなことするの……?」 「するよ」 「何をするか、っていう項目、なかったのに……」 「愛しあう者同士がふたりきりになれば、することはひとつさ」 「そっか……」 「そうだ」  ヴィクトルは勇利から眼鏡を取った。勇利は裸身でベッドに横たわり、自分の身体を抱きしめて隠すようにした。 「なんか、恥ずかしいなあ……」 「……かわいい」  翌朝の勇利は、ゆうべのことをおぼえているのかいないのか、きょとんとしていたけれど、とくに騒いだりはしなかった。彼はヴィクトルの腕の中であの用紙をよくよく調べ、こんなことを言った。 「ぼく気持ちよかったんだけど、それってつまりもうしないっていうこと?」 「気持ちよくできたらこんなご褒美をもらいたいと書き足しておこう」  ヴィクトルはささやき、勇利のくちびるに接吻した。 「勇利……、ここで俺と暮らさないか」  勇利はヴィクトルを楚々とした瞳でみつめた。彼はヴィクトルの耳におもてを近づけ、吐息混じりにささやいた。 「申込書、書いて……」  その色っぽい声つきにヴィクトルはぞくっとし、それからにやっと笑った。 「それ、なんていう申込書だい?」  勇利のくちびるがヴィクトルのくちびるにそっとふれた。
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akaneser3 · 2 years
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Engage Kiss(エンゲージ・キス)さんはTwitterを使っています: 「【#コミケ100 商品情報】 TVアニメ「Engage Kiss」より 8/13(土)、14(日)開催のコミックマーケット100商品として、 第5話でアヤノが着用していた「もやしTシャツ」の発売が決定!😲 これを着ればあなたもアヤノとベアルック…?💕 ▼詳細は下記をチェック https://t.co/zh0wORmXIm #エンゲージキス https://t.co/AgGtj3lO4E」 / Twitter https://twitter.com/engage_kiss/status/1555479433603346433
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recentanimenews · 2 years
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Engage Kiss TV Anime Reveals July 2 Start in 1st Trailer, New Visual
  The original TV anime Engage Kiss, from the minds of Saekano -How to Raise a Boring Girlfriend- author Fumiaki Maruto and Date a Live illustrator Tsunako, announced a slew of information for the series tonight on a live stream, including releasing the series' first full trailer, a new visual and more!
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      Alongside the previous announcement of Fumiaki Maruto writing the series composition and Tsunako drawing the original character designs, it was confirmed that Tomoya Tanaka (Visual Prison) will be directing Engage Kiss at A-1 Pictures with the following staff and companies:
  Original: Bayron City Express
World View Setting: 
Shunsaku Yano (Try Knights)
Animation Character Designer, Co-Chief Animation Director
: Masaaki Takiyama (Tokyo ESP)

Sub-Character Designer, Co-Chief Animation Director: Chiaki Furuzumi 
(Sword Art Online: Alicization)
Original Demon Designs
: Ikumi Katagiri (Visual Prison character designer)

Animation Demon Designer, Prop Designer: 
Shinpei Wada (Design Assistant on The Rising of the Shield Hero
)
Firearm Designer
: Kenji Teraoka (Mech Designer on Ghost in the Shell: Stand Alone Complex, Code Geass)

Action Design: 
Yoshihiro Kanno (Sword Art Online: Alicization)

Action Director
: Hirokatsu Maruyama (Sword Art Online: Alicization)

Background Art Director
: Nobuhisa Ogiso (Wonder Egg Priority)

Background Art: 
Kusanagi (Wonder Egg Priority)

Color Design: 
Nanako Okazaki (Deca-Dence)

Director of Photography
: Yohei Miyawaki (Interviews with Monster Girls)

Editor
: Kumiko Sakamoto (My Hero Academia)

Sound Director: 
Takeshi Takadera (To Your Eternity)

Music: 
Yoshiaki Fujisawa (Revue Starlight)

Production Committee: 
Project Engage

  RELATED: Project Engage Revealed as Engage Kiss TV Anime, Premieres in July 2022
  The opening theme song and its singer were also confirmed tonight, with halca performing "Dare Kare Scramble (He Who Scrambles)." The single is previewed in the trailer above.
  The live stream also revealed two new character designs, one being the demon version of the previously announced Kisara, as well as a new character, Sharon Holygrail, who features in the new visual and is voiced by Rumi Okubo, best known as the voice of Chinatsu Yoshikawa in YuruYuri.
    / オリジナルTVアニメーション 「Engage Kiss」 キサラの悪魔バージョンのビジュアル初公開✨ \#つなこ の原案とアニメビジュアルを公開しました!???? ▼第1弾PVのご視聴はこちらhttps://t.co/9BtRRElKUk ▼公式サイトはこちらhttps://t.co/ZYvEOIMxMW #エンゲージキス pic.twitter.com/rGpPQPQmnP
— Engage Kiss(エンゲージ・キス) (@engage_kiss) April 24, 2022
      / オリジナルTVアニメーション 「Engage Kiss」 追加キャラクター&キャストを公開???? \ ■シャロン・ホーリーグレイル役:#大久保瑠美 ▼第1弾PVのご視聴はこちらhttps://t.co/9BtRRElKUk ▼公式サイトはこちらhttps://t.co/ZYvEOIMxMW #エンゲージキス pic.twitter.com/MvMVtk0WQD
— Engage Kiss(エンゲージ・キス) (@engage_kiss) April 24, 2022
    Engage Kiss is an original TV anime that is set on an artificial island in the middle of the Pacific Ocean, with a slightly unusual romantic comedy occurring between the three main characters. It is scheduled to begin on July 2.
  Source: Engage Kiss official website
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Daryl Harding is a Japan Correspondent for Crunchyroll News. He also runs a YouTube channel about Japan stuff called TheDoctorDazza, tweets at @DoctorDazza, and posts photos of his travels on Instagram. 
By: Daryl Harding
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bamfas · 7 years
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デジタルコミックキャンペーン情報[少女・女性](11/10更新)
現在実施中の、少女・女性まんがのデジタルコミックキャンペーン(無料試し読み・試し読みページ増量)情報を紹介します。 (毎週金曜日に更新予定) 11/1(水)〜11/14(火) 集英社少女まんが誌「にこマ」「ココハナ」「ザマ」配信フェア (1)「にこいちマーガレット」配信記念キャンペーン ●無料試し読み作品 ・『矢神くんは、今日もイジワル。』1巻 ・『君はなにも知らない』1巻 ⇒同作者作品『真夜中のステラリウム』第1話収録の特別ファイル (2)「ココハナ」配信記念キャンペーン ●無料試し読み作品 ・『エンゲージ・ピンク』1巻 ・『デジログ恋愛生活』1巻 ・『男友達が好きな人に変わった夏~大学編~』1巻 ・『キミが好きで困る』1巻 ●無料試し読み作品 ・『彼と恋なんて』1巻 ・『ヘヴンリー・キス』1-2巻 ・『ベル・エポック』1-2巻 ・『imagine29』1巻 (3)「ザ…
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kon-kon-kon-kon · 2 years
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nonging · 2 years
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