2024年7月29日
トルガイ アルスラン選手/広島での初練習を終えて
……広島での初めての練習は、いかがでしたか。
トルガイ●今日は(オフ明けということもあり)ゆっくりと入ったって感じがします。でも、本当にいいトレーニングだったと思いますね。試合を(チームメイトと)一緒に重ねていくうちに、自分がどういう選手かっていうのはみんなわかると思います。また木曜日も(シュツットガルトとの)ゲームがあるので、それに合わせてやっていきたいと思います。
……木曜日の試合には出場したいということですか?
トルガイ●はい、もちろん。ドイツのチームと試合をやるのは、すごく楽しみです。今までチャンピオンズリーグやインターナショナルなチームとも闘ってきましたが、そういう試合は本当に楽しかった。ただその中でも、やっぱり自分がフォーカスしたいのは自分のチーム(広島)でどういうサッカーをやるか。Jリーグの闘いにむけて、集中していきたいと思います。
……この暑さはどうですか?
トルガイ●オーストラリアの夏はもっと暑い日もあると思いますし、こういう天気は好きですね(笑)。寒いよりはよっぽどいいです。
……トルガイ選手のオーストラリア時代やウディネーゼ時代の映像を見ると、ボールを握ってパスを供給するっていうプレーが得意なのかなと思いました。
トルガイ●(攻撃のために)リスクを負うプレーは非常に楽しい。自分はそういうプレーを楽しんでる選手だと思います。パスを出すのも前を向いて、前にパスを出したいと思っていますし、ドリブルもするのも好きです。監督がどう思うかはわからないですけど、そこもリスクを負う感じになると思います(笑)。ピンチの時にどこかに隠れるのではなく、いつもボールの近くにいたいって思っていますし、そういうプレーを心がけたい。
……ポジション的には、メルボルン・シティの時はトップ下、ウディネーゼとかトルコ時代はボランチをやられていたとは思いますが、どちらが好きですか?
トルガイ●チームが(自分を)必要としているポジションなら、どこでもやろうと思います。オーストラリアでトップ下をやっていたのも、そこの選手はいなかったっていう事情からでした。
……中盤ならどこでも?
トルガイ●自分自身はオフェンシブな選手だと思っています。ゲームをコントロールする役割が得意だと自負していますね。オープンな試合になったりしたときに、ゲームを落ち着かせるプレーをしたいと思います。
……広島の試合映像は見られましたか?
トルガイ●もちろんです。ダイレクトパスなどでゲームをコントロールする部分も、すごくできるチームだと思っています。そこにはすぐに順応していきたい。
……守備もアグレッシブなのが、このチームの特徴ですが。
トルガイ●プレスをかける方が実際は楽だと思っています。1〜2回スプリントすればOKで、しっかりとはまればロングボールを蹴ってきますからね。イタリアでやってたときは、もう行ったり来たりで、右から左っていうのをやっていた。それは本当にハードでした。
……シュツットガルトに知っている選手はいますか?
トルガイ●名前はほとんどの選手について知っていますし、何人かはちょっと話したこともあります。大事なのは自分がどういうプレーをするか。それを見せて、相手をちょっと驚かせようって思います(笑)
……ご家族はもうこちらに来られましたか。
トルガイ●(来日は)4週間後ぐらいになると思います。そこからは、日本に残ってくれる。子供たちは3人いますよ。家族は本当に大切なので。
……友達のソン フンミン選手が先日、日本に来てゴールを決めましたね。
トルガイ●彼は本当に、仲のいい友達の1人です。実は(ソン フンミンが所属するトッテナムの試合を見るために)週末に東京へ行こうかなってちょっと考えたんですけど、それはやめておきました。ただいつも、メール等でコンタクトをしています。広島に入ったときも、彼が一番最初に「おめでとう」って送ってくれました。
……日本で成し遂げたいことは?
トルガイ●私がここでプレーしたっていうことを印象づけ、爪痕を残したい。どれだけサッカーを楽しみながらやっているか、そこをサポーターとかいろんな人に見てほしいですね。
全国初!爆音走行などに特化 県警が対策室新設へ 広島(広島ホームテレビ)2024年7月29日
県警が暴走行為や爆音走行の取り締まりの強化のため対策室を新設します。
「暴走・爆音走行対策室」は12人が所属し、暴走行為や爆音走行に対し取り締まりを強化・推進する目的で8月1日に設置されます。こうした対策室は全国で初めてということです。
広島市内の爆音走行が目立つエリアでの検問などの取り締まりを強化し、SNSで検問場所などの情報が拡散される状況を踏まえてSNSの対策にも取り組むということです。
県内では「うるさくて眠れない」などのバイクの騒音に関する通報が今年1月から半年で千件を超え、前年の同時期と比べると約1・7倍に増加しています。
25年度に財政「黒字化」 政府試算、8000億円 岸田首相、歳出改革の継続強調(時事通信)
経済財政諮問会議で発言する岸田文雄首相=29日午後、首相官邸
政府は29日の経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)で、財政健全化の指標として重視する国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が、2025年度に8000億円程度の黒字に転換するとの試算を示した。
【ひと目でわかる】基礎的財政収支(PB)は赤字が続いてきた
好調な企業業績を背景に税収が増えることに加え、大規模経済対策が一巡して歳出が抑制され、収支が改善すると見込んだ。
岸田首相は会議で、「歳出改革努力を継続し、制度改革の取り組みを確実に進める」と強調。25年度予算編成ではワイズスペンディング(賢い支出)を徹底する考えを示した。
PBは、社会保障や公共事業など政策の経費を借金に頼らずに税収などでどの程度賄えているかを示す指標。黒字化が実現すれば、小泉政権下で政府の目標として掲げられてから初めてだ。バブル経済の崩壊後は税収の落ち込みや、景気てこ入れを狙った財政出動で赤字が続き、黒字化の目標期限は先送りが繰り返されてきた。
試算は人口減少が加速する30年代以降も実質GDP(国内総生産)成長率が安定的に1%を上回る「成長移行ケース」と、中長期的に0%台半ばの成長にとどまる「過去投影ケース」を提示した。25年度は歳出効率化による一定の効果も織り込み、どちらも今回試算した33年度までPB黒字が続くと予測した。ただ、物価高対策などの景気下支え策が追加されないことが前提で、25年度の達成には不透明感も残る。
財政健全化に向け、政府は債務残高対GDP比の「安定的な引き下げ」を目指している。成長移行ケースでは、国と地方を合わせた公債等残高の名目GDP比が33年度に168.9%と、22年度の211.0%から大きく低下する。一方、過去投影ケースは28年度に196.0%まで緩やかに低下した後、再び上昇に転じる。
門倉貴史(エコノミスト/経済評論家)見解 現在の日本経済は景気低迷と物価上昇が同時進行するスタグフレーションの状態に陥っている。
このまま賃金の伸びを上回る物価上昇が続けば、購買力の落ち込んだ家計が消費を一段と抑制するようになり、経済活動がさらに停滞してくる。
景気が低迷すれば、税収も落ち込むようになり、持続的な財政再建の実現は難しくなってくるだろう。
2025年度の財政黒字化にこだわらず、(今までのところ全く効果の出ていない)物価高対策に注力して景気を確実に上向かせるほうが、結果として財政再建の近道になるのではないか。
米重克洋(JX通信社 代表取締役)解説 財政・金融政策は9月の自民党総裁選でもテーマになり得る重要な論点だ。
足下、日本経済は円安の影響で物価高に見舞われている。いわば、海外からインフレを輸入しているような格好だ。それを抑えるためには、日銀による利上げが必要という意見もある。最近も自民党の茂木幹事長や河野デジタル相が利上げの必要性に言及したことで、足下のドル円相場がやや円高に振れるなど影響があった。
一方で、利上げは金融引き締めとなるため、経済が冷えるという懸念も根強い。企業がお金を借り入れて設備投資に回すには、その投資から金利以上の利回りを得る必要がある。利上げ→金利上昇で設備投資に悪影響があると言われるのはそのためだ。また、住宅ローン金利の上昇や不動産市況への悪影響も懸念される。金利が高くなると政府の利払い費が増加する点もポイントだ。
経済や国民生活に直結する論点だけに、活発な議論を期待したい。
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2019-2020 SSC Napoli Season Review
いつになくハラハラドキドキのシーズンでした。
アンチェロッティ・ナポリ二期目、今期こそスクデットを、CLでの躍進を、と挑んだ19-20シーズン。ところが昨季から一転、低調な試合が続き、雰囲気が悪くなってきたところで会長の合宿命令を選手たちが拒否し、内紛が勃発。内々に解決したと報じられたものの、その後もチームの調子は上向かず監督は解任、後任はまさかのリーノ・ガットゥーゾ。一体全体どうなっちゃうの〜?と不安な年越しを迎えたものの、守備が安定して上位を立て続けに倒す快進撃を見せたのが2020年1月。ここから一気に上位に駆け上り、といきたいところでCOVID19の影響でシーズンが中断。イタリアは約2ヶ月のロックダウンに入ります。カンピオナートの日程を終了できるのか?いや、それよりもカルチョは戻ってくるのか?
COVID19の感染者数が落ち着き、再開についての賛否ある中で、ロックダウン明けにトレーニングを解禁、まず6月中旬にコッパ・イタリアの日程を消化し、セリエAは6月末から週に2試合をこなして全日程を行い、シーズン終了が8月頭という前代未聞のシーズンとなりました。
ロックダウン明けてすぐのコッパ・イタリアでインテル、ユーヴェを倒して優勝して久々のタイトルを獲得。しかし過密日程のカンピオナートでは、コッパ・イタリアでヨーロッパリーグ出場権を手に入れたことによるモチベーション低下もあり、勝ち点は思うように伸びず7位フィニッシュ。その後、随分間が空いて再開したチャンピオンズリーグでは、ホームで1-1と引き分けていたバルセロナ相手に敵地でメッシの個人技に沈み敗退。
ローラーコースターのようなアップダウンに、COVID19による中断を挟んで約1年続いたシーズンもようやく終わり、関係者は皆ホッとしていることでしょう。
ということで今季の選手レビューです。途中で力尽きたので冬に出ていった選手など抜けもありますがまた今度。
写真はほぼ全て公式twitterから拝借しています。選手のプロフィールにある Value は Transfermarkt によるメルカートにおける Market value ですが、全然アテにならないのが面白いので一緒に載せています。
ゴールキーパー Portieri
#1 アレックス・メレト Alex Meret
Mar 22, 1997 (23) Value: €28.00m
相手に1対1の場面を作られても安心して見ていられる稀有なGK。若いくせに肝が据わっており、ナポリには珍しい冷静沈着な鬼メンタルの持ち主。セービングに関しては文句のつけようがない。カルロ期には正GKとしての待遇だったものの、リーノ期からはGKにビルドアップの能力をより求められるようになり、足元が得意なオスピナ先生が優先され出番が減ってしまった。若く才能があるのにこれで腐らないといいのだがという心配をよそに、中断明けに出番が来たときには足元の技術が向上した様子を見せている。ロックダウン中にフィードの練習なんてできなかっただろうに、一体なにがあったのか。
今季のハイライトはなんといってもコッパ・イタリア決勝でのPKストップ。出番が少ないから移籍するぞと仄めかしているが、当然です、こんな優秀なGKをベンチに置いていては罰が当たります。来季は実戦で鍛えてやってほしい。
ロックダウン後にちょくちょくボールタッチを鍛えているっぽい様子が見られる。努力家なんでしょうな。
#25 ダビド・オスピナ David Ospina
Aug 31, 1988 (31) Value: €2.80m
ピッチ外での眼鏡がオシャレな先生。ポジショニングセンス、反応速度、フィジカルではメレトに劣るものの、足元の技術とプレー中の安心感は実績あるGKならでは。
新監督着任後、相手のハイプレスを受けても繋げる足元の技術がGKに求められることに。オスピナ先生がスカッドに居たことが、ナポリ復調の大きな助けになったことは間違いありますまい。監督交代後はスタメンを務めることが多く、シーズン通しての出場はメレトとちょうど半々くらいでした。途中脳震盪を起こしたりと心配な時もありましたが、無事にシーズンを終えられて何よりです。
GKとしては脂の乗ったいい年齢で、控えにしておくには勿体ないが、若いメレトに育ってほしいし、でもハイプレスをものともせず中盤縦にも配給できる先生のパスセンスも捨てがたい。贅沢な悩みである。来季も残ってくれるものと思うが、メレトに出番をあげつつ肝心なところで助けてほしいというワガママを聞いてもらえるといいなと思います。
コッパ・イタリアでは準決勝インテル戦をオスピナ先生のファインセーブで決勝進出するも、累積で決勝は出場停止。決勝では変わって出場したメレトの相手キッカー1人目のディバラを止めるスーパープレーでPK戦勝利。2人の偉大なGKのおかげで獲れたタイトルと言ってもよかろう。
GK陣、仲がいいんだよなあ。いいですよねこういうの。
よく見たら会見のときと眼鏡が違う。オシャレだ。
#27 オレスティス・カルネジス Orestis Karnezis
Jul 11, 1985 (35) Value: €800th.
今季はチームのドタバタの中、悲しいかな、特に何の影響があるわけでもなかったカルネジス。昨季に続き3rdとしての立場を受け入れてくれましたが、いや正直やっぱり彼ほど実績のある選手をサードにというのは本人的にもクラブ的にももったいないですよね。カンピオナート終了後、リールからの選手獲得の一部としてトレードされ、来季はフランスに行くことが決まりました。実はこれまでにもポッツォファミリーの縁でウディネだけでなくグラナダ、ワトフォードにも在籍していたことがあり、リーグアンに挑戦するとなると、ギリシャリーグを合わせて5リーグ目となります。
移籍が発表されたのは8/1だったのだが、なんと今年の公式カレンダーの8月の写真はカルネジスとマノラスのギリシャコンビであった。夏にいなくなった選手が冬になってカレンダーに出てくることはあっても、カレンダーをめくった瞬間いなくなるパターンは初めてではないか。GKはコミュニケーションが命なのでこの歳で新しい言語のリーグに行くのは大変だと思うけれど、是非頑張ってほしい。今までありがとう、これからも応援してます。
ディフェンス Difensori
#26 カリドゥ・クリバリ Kalidou Koulibaly
Jun 20, 1991 (29) Value: €56.00m
胸に輝くは昨季最優秀ディフェンダーのワッペン、もはや説明不要のKKである。
と言いたいところだけれども、今季はその実力を100%発揮できたとは、正直言いづらい。アフリカ選手権のせいで夏のキャンプに合流が遅れたり、珍しくカンピオナート中に負傷したり。何よりも今まで隣でサポートしてくれていたアルビオルがいなくなったことが、いやはや、これほど影響するとは。期待されたマノラスとのコンビも最後までバランスを見つけることはできませんでした。
相手がCFに放り込んだり楔を打ち込んでくる→マノラスが突っ込んでいく→潰れたCFのこぼれ球を相手が拾ってルイの背後のスペースに配給される→KKが猛然とタックルに行く→間に合わずクロスを上げられて相手の逆サイドがフリーでシュートされて失点、というシーンが1億回くらいあり、ああこれはCBコンビの弱点を研究されてますねと嘆く日々。恒例となった機を見ての前線への出張も特に点に繋がることもなく、彼の真の実力を知るティフォージとしては、期待外れだったと言わざるを得まい。時々見せるナイーブなミスから、前カピターノのヘタレ癖を受け継いでしまったのではないかと不安です。優しいんですよね。性格が。
来季こそは本当の姿を見せてくれ、と言いたいところですが、移籍市場での価値を左右する年齢的にも、CBの層が厚くなったスポーツ面でも、CL出場を逃し収入の減ったクラブ経営面でも、金満クラブに高値で売り飛ばすなら今しかないというのも事実。ナポリの街と人を愛している、自分から出ていくつもりはないと本人は常々公言しているが、果たしてジジイの要求額、80Mユーロを満額出すクラブは現れるのか。
今年はコッパ・イタリア決勝後に盛大に誕生日パーティを催しており、チームメイトを招待して大いに楽しんでいました。
#44 コスタス・マノラス Konstantinos Manolas
Jun 14, 1991 (29) Value: €32.00m
「ユーヴェを倒せるクラブはナポリしかいないと思ってここに来た」と移籍当初からナポリのティフォージ、それからなぜかラツィオのティフォージをも喜ばせた、もう1人のセリエAナンバーワンCB。対人の強さは笑ってしまうほど。普段からクリバリやマノラスと練習してるからうちの攻撃陣は自信がないのではないか。
ユーヴェのシャツからスクデットのパッチを引き剥がすという使命を持ってやってきてくれたにも関わらず、クラブ内のゴタゴタのせいでカンピオナートの順位はグイグイ下がってしまい、本当にすみませんでした。しかし終わってみればユーヴェを倒してコッパ・イタリアを制覇、何気に有言実行の男であります。優勝を決めた帰りのバスの中でも盛り上げ役となっているところを見せており、チームに馴染んでいるようで何よりです。「イタリアに来てやっとタイトルが獲れた」とのコメントでまたもラツィオのティフォージを喜ばせていて、実はラツィアーレなのではないか。
CLバルサ戦では「マノラスがいるから勝てる」とよくわからない期待を背負ってしまいましたが、 肋骨が折れているにも関わらず ちゃんと絶対スアレス殺すマンとして仕事をしてくれました。スーペルコッパでもまた暴れてほしいので、サッカーテニスで怪我するのはもうやめてくれ。
しかしギリシャ人は不思議なファーストネームの略し方をしますよね。
#19 ニコラ・マクシモビッチ Nikola Maksimovic
今季のマクシモビッチは凄かった。これまでの「実力はあるんだけどなんか危なっかしい」というイメージを覆し、「残念!」「そこは!」「マクシモビッチでーす!」と叫ばせてくれる安心感。思えば転換点はカルロが採用した攻撃時3バックの可変システムで右サイドバックを担当しリヴァプールを完封したあたりからではなかったか。その後もKK, マノラスが怪我でいなくなっても安定感抜群のプレーを見せてくれました。いやはや、人は変われるものですね。KKが移籍しちゃうかも〜というニュースを平常心で見ていられるのはひとえに彼の今季の成長の賜物であります。来季のDF編成がどうなるかわからないが、きっとまた活躍してくれるはず。
トリノから大金で獲ってきて全然フィットしなかったときはどうしたものかと頭を抱えましたが、いやはやわからないものですな。
今季のハイライトはウディネーゼ戦、ベンチなのにレッドカードをもらって退場したシーン。試合終了間際、タッチワイン脇でウォーミングアップしているときに相手コーナーキックの判定に抗議して退場。マクシモビッチはたまにこういう楽しいイベントで楽しませてくれますね。やめてくれ。
#13 セバスティアーノ・ルペルト Sebastiano Luperto
Sep 6, 1996 (23) Value: €4.00m
背が高い方。なんだこの写真。
それにしても今季はほとんど出番がなかった。まあワールドクラスの実力派CBが3人もいては仕方ない、とも言えず、CBに負傷者が出ても本職ではないヒサイやディ・ロレンツォが起用される始末。練習中のアピールが足りないのか、単に実力不足と見做されているのか。
コンスタントに出場して経験を積めるクラブにレンタルさせてもらったほうがいいのだろうが、貴重なクラブ育成枠なのでスカッドの控えとして編成に組み込まれている。これが本人のキャリアの妨げになっているのかもしれない。高さもあるし球出しもそつなくこなすタイプなので、経験を積めばトップチームの戦力になると思うのだが。
#6 マリオ・ルイ Mário Rui
May 27, 1991 (29) Value: €12.00m
左サイドで躍動する攻撃の要。と昨季紹介していたら失笑されていたであろう。誰も予想できなかった、今季最もポジティブに裏切られたで賞を授与したいと思います。
ロレンツォとの息のあった突破、鋭いクロス、ビダルに喧嘩を売る肝っ玉。グラムの復活を望むティフォージの声をかき消さんばかりの大活躍でした。昨季クリバリに突き飛ばされていた守備の不安に対して「もっとガンガン攻撃して自分の後ろはクリバリによろしく任せる」という斜め上の解決策を提示したナイスなヒゲ。
監督が交代して4-1-4-1ブロックを敷いてスペースを埋める守備に移行したことも、対人に強いわけではない攻撃的SBには都合がよかったのかもしれない。プレーの調子が上がるにつれて武闘派としての一面が目立つようになった。だいたいいつも後半になるとキレている気がする。相変わらず逆サイドからのクロスにマークを外して失点してしまうが、そこはもう諦めているのでもっとガンガン攻めてどんどこ点を取ってほしい。
ロックダウン中にはヒサイと一緒にウイイレを楽しんでいた。確かにエンポリ時代から一緒だけど、そこが仲良かったのはちょっと意外。
#31 ファウジ・グラム Faouzi Ghoulam
Feb 1, 1991 (29) Value: €9.50m
長期離脱から戻ってきて今季こそ復活を、と再起をかけたシーズンでしたがまたしてもまたしても、今度は筋肉系の負傷。これはもうだめなのか、もうあの頃の「もうやめてそれ以上活躍しないでプレミアに連れていかれちゃう」と嘆いていた頃の輝きはもう見られないのか。
そんな雰囲気が漂っていただけに、中断明けヴェローナ戦でピッチに戻ってきたときの感動といったら。今季もスクデットは獲れなかったが、グラムが帰ってきた。それだけで十分じゃないか。そう言いたくもなりますよ。クリバリからグラムへの横パスを見ると、その優しさに泣いてしまうのは私だけでしょうか。
キックの精度とタイミングの良さは相変わらず、あとは試合を通してのスタミナと周りとの連携があれば、まだまだトップレベルでやれる人です。来季こそ、またナポリで輝いてほしい。
#22 ジョバンニ・ディ・ロレンツォ Giovanni Di Lorenzo
Aug 4, 1993 (27) Value: €16.00m
「スクデットを獲る、CLでも結果を残すと言っているチームの最初の補強がエンポリから、しかも人員過多のSBだなんて、一体何を考えてるんだ、気でも狂ったかジュントーリ」とちょうど一年前の夏に私は申し上げました。何度土下座しても足りません。うちのSDの目利きは本当にすごいですね。
初のチャンピオンズ、それも前回大会王者リヴァプールを相手にしても全く物怖じせず、なんならチーム内で最も評価の高いパフォーマンスを叩き出さんばかりの大活躍。攻守に高いレベルでこなせる、イタリア人、いやセリエAナンバーワンのRSBといっても異論あるまい。エンポリはいい選手を育ててはナポリに売ってくれてばかりなので、そろそろエンポリのファンの皆さんにお中元を送らないといけないのではないかと思っています。
ナポリ在籍中にお子さんも生まれて公私ともに絶好調でしたが、中断明けは怪我もあり、少し調子を落としてしまったか。しっかり休んでまた来季頑張ってくださいね。
#23 エルサイド・ヒサイ Elseid Hysaj
Feb 2, 1994 (26) Value: €13.00m
ここ2年ほど、マルキュイにディ・ロレンツォとRSBがテコ入れされ続けたにも関わらず、なんだかんだと結局試合に出ている頼れるアルバニア人。本職の右だけでなく左もCBもとそつなくこなすが、相変わらず攻撃面は物足りないんですよねえ、なんて思っていましたが、ホームサッスオーロ戦でナポリ在籍5年目にして初ゴール。もみくちゃにされいじり倒されている様子から垣間見えるチーム内での扱い。マリオルイもそうだったけど、SBが点を決めるとみんなめちゃくちゃ嬉しそうにしますよね。今季は交代枠5人に増えたこともあり、後半途中から彼がキャプテンマークを受け取る度に全世界のヒサイファンが大歓喜。
長いことナポリのシンボルだった、カジェッティとヒサイの迫力のない右サイド攻撃を見られるのも今季まででした。相変わらず夏になると移籍するぞと代理人がうるさいですが、残るにせよ出ていくにせよ、来季も頑張ってほしいですね。
左サイド起用されたホームサッスオーロ戦、敵陣左サイドでロレンツォとジェルーが詰まったところ戻しのパスを受け、スルスルと内側のレーンに入って目の覚めるような右足ミドルシュート。我々はヒサイの起用法を今までずっと間違っていたのではないか。
#2 ケビン・マルキュイ Kévin Malcuit
jul 31, 1991 (29) Value: €12.00m
大のONE PIECE好き、奇抜な髪型とストリート系ファッションで若く見えるが意外と歳いってるマルキュイ。開幕早々に膝の負傷でシーズンを棒に振ってしまった、と当時は見られていましたが、COVID19の中断のおかげでシーズン中に復帰することができました。負傷離脱中だったので合宿拒否のゴタゴタに居合わせず、唯一クラブからの罰金を喰らわなかったラッキーマン。
それにしたってSB多すぎでは?と思っていたが、グラムもマルキュイも負傷して、結果的には大所帯でよかったですね。来季加入予定の推しメン君と同じリール出身だけど、在籍期間は被っていない模様。コンディション戻して来季またイケイケな突破を見せてほしい。カットインする���リターノと縦に突っ込んでいけるマルキュイは相性がよさそうだと思っているが。
ミッドフィールド Centrocampisti
#68 スタニスラフ・ロボツカ Stanislav Lobotka
Nov 25, 1994 (25) Value: €16.00m
轟沈したナポリを救うべく冬にやってきた助っ人その1。ナポリの歴史であり偉大なる王であったマレク・ハムシクと同じスロバキア出身、OB紹介枠その1。「ロボ塚」という名前からどうしてもクロマティ高校のあいつが頭をよぎる。本人の見た目はキューピー・イニエスタ・マヨネーズ風。
アンカーのポジションを任され、当初はイタリアサッカーのテンポに戸惑っているようなボールキープの仕方でしたが、リーノのOJTによってだんだんとリズムを掴み「引いて守るときはデンメ、ボールを持って攻めるときはロボ塚」という役割分担が完成した。インサイドでもやれそうだし、2ボランチでデンメとコンビを組んでも面白そう。
ロックダウン以降試合中に 「ロボー!ロボー!」「ロボー!エトゥーア!(ボールを受けるのはお前だ)」「ロボ!ポジツィオーネ!(ポジションを直せ)」「ロボー!」 とリーノから絶叫されている様子が毎試合マイクに拾われており、無観客試合の新たな楽しみをファンに提供することに成功した。
#4 ディエゴ・デンメ Diego Demme
Nov 21, 1991 (28) Value: €13.50m
轟沈したナポリを救うべく冬にやってきた助っ人その2。父親がカラブリア人、母親がドイツ人のドイツ国籍。ディエゴ・マラドーナにあやかってディエゴと名付けられたという、ナポリでプレーすることを運命づけられた男。
アンカーの位置でのボール奪取のエキスパート。守備が完全に崩壊していたナポリを新監督が瞬く間に救済できたのはこの男のおかげである。アランのように猛然と突進していってボールを奪うというよりも、ススス…と寄っていってガッと奪って柔らかいパスを味方に預ける。その姿を勝手に全自動お掃除ロボットと呼んでいる。
ナポリファンの息子でディエゴという名前だが、憧れていた選手はアンチェロッティ・ミランのリーノ・ガットゥーゾとアンドレア・ピルロであったそうな。リーノのように走り回ってボールを狩り、ピルロのように長短のパスで味方を動かすプレースタイルからも、彼らへのリスペクトが伺える。そんな彼がアンチェロッティの作ったナポリを引き継いだリーノの元で、来季はピルロの率いるユヴェントスと戦うなんて、こんなベタベタな脚本は一体誰が書いたのか。
冬移籍であるが前所属のライプツィヒでは主力であり、若き天才指揮官と呼び声高いナーゲルスマンをもって「スポーツ面を考えれば絶対に放出したくない」と言わしめたという。しかし「本人と父親の夢だった」ナポリへの移籍がブンデスリーガ首位争いをするシーズン途中に認められたのは、3部時代からクラブを支えた功労者の夢を叶えてあげたいというクラブの意向であったという。ビジネス一色に染められて久しいカルチョメルカートにおいて、これほど情熱的な移籍がかつてあっただろうか。
その古巣ライプツィヒはUCLでアトレティコを破って準決勝に進出中。デンメの夢を叶えてくれたクラブなのだ。ナポリのティフォージとしては応援するしかないですね。
移籍直後にクラブのバレンタインデー動画にフィーチャーされていた。心温まるとてもいい話なので未見の方はぜひ。
#8 ファビアン・ルイス Fabián Ruiz
Apr 3, 1996 (24) Value: €48.00m
クリバリと共に「メガクラブが欲しがってるけど満額出さないとジジイが絶対売ってくれない」枠。足元のテクニックがある、点が取れる、高さがある、中盤で走れる、若い、と中盤の選手として値段が釣り上がる要素を全て持っている金のなる木。どれほど対策されてもカットインからのミドルシュートを打ちにいくあたりに若さを感じるが、それでも枠内にぶち込んでしまう技術の高さには圧倒されるばかりである。たまにある判断の悪さからくるパスミスがなくなればもう20Mユーロほど値段が上がると思う。来季はカジェッティと(たぶん)ジョレンテがいなくなるので、スペイン人が1人になってしまうけれど、ナポリの心臓として頑張って頂きたい。
個人的には冬にナポリを訪れた際、ティフォージ一家の長女である友人に「今のチームでは私ルイスが好きなの!ルイスが!ルイスがいいのよ!」と熱弁された印象がやたらと強い。ADL以降のナポリにはあまりいなかったタイプですもんね。
#5 アラン Allan
Jan 8, 1991 (29) Value: €32.00m
合宿拒否騒動で暴言を吐いたなどと報道され、今季悪い意味でナポリの中心になってしまった可哀想なアラン。ゴタゴタの後には自宅が強盗に遭うわ、COVID19のせいでブラジルにいる生まれたばかりの第三子に会えないわでメンタル的にもしんどい気の毒なシーズンでした。
カルロのナポリではポジション適正がなく、4-3-3のインサイドに特化したアランを4-4-2の中盤で使うのは難しかった。リーノの元で4-3-3に戻しても、インサイドはジエリンスキとルイスにポジションを奪われてしまった。ナポリ躍進の功労者、リーグ随一の実力者なのにベンチを温める日々。不条理である。そんなわけで今季はあまり出番はなかったが、復活を賭けたアウェイサッスオーロ戦で気迫のこもったゴールをぶち込んでくれたシーンがとても印象に残っている。
カルロのエヴァートンが欲しがっているという情報があり、今夏出ていきそうなのだが、輝かしいナポリを支えてくれたアランには幸せにプレーしていてほしいと願わずにいられません。好きな選手なのでまだまだ活躍してほしい。
交代出場時に必ずシャツをパンツに入れ直し、ちらっと下着を見せてくれるアラン。もしプレミアに行ってもこれだけはやめないでほしい。
#20 ピオトル・ジエリンスキ Piotr Zielinski
May 20, 1994 (26) Value: €32.00m
ジェルーことジエリンスキ、人呼んでポーランド製ターミネーター。マレク・ハムシクが去った今、左インサイドのレギュラーとしてナポリの攻撃を任され責任重大だが、いまひとつインパクトが薄い。
なんて思っていたのが遠い昔のようです。中断明けはまさに鬼神と呼ぶべき凄まじさ。ロックダウン中に自宅のテラスで飼い犬とドリブルの練習に勤しんでいたそうで、その成果がピッチ上に現れたものと思われます。ボールを受けると反転してグイグイ前に進み、前に預けては前線に飛び出し、ミドルシュートでも惜しいシーンが多かった。今季は2点にとどまりましたが、来季はもっと点を取れるのではないかという予感がします。本人もナポリでプレーを続けたいと契約を延長し、これからのナポリの中心であることは疑いようがない。
同郷のミリクは出ていきそうなので、寂しくなったらレヴァンドフスキでも呼んでくれ。
#12 エリフ・エルマス Eljif Elmas
Sep 24, 1999 (20) Value: €15.50m
偉大なるマケドニアの英雄、ゴラン・パンデフの後輩であり、OB紹介枠その2。19年夏にフェネルバフチェからやってきた。若い、走力がある、フィジカルを活かしてボールを奪いにいく、技術もある、セントラルでもサイドでもそこそこできる、とカリアリに行ってしまったマルコ・ログを思い出させる。体力に任せてがむしゃらに走り回るあたりに性格の素直さも似ている気がする。ログは直線的でパスやシュートも大味だったが、エルマスはより小回りが効いてコンビプレーもできる器用なタイプ。このタイプは往々にして便利な控えに落ち着いてしまいがちなのだが、リーノはその才能を買っているようで度々スタメン起用されるなど、期待されているようだ。偉大な先輩たちからスタメンを奪うべく来季も頑張ってほしい。どうも顔芸に自信があるらしく自分でもしょっちゅう変な顔をアップしている。
公式でもコメディ要員認定されているらしく、5月4日に公式からネタ画像がアップされていた。ジェダイっぽいかと言われると、反乱軍のパイロットの方が似合いそうだが。
フォワード Attaccanti
#24 ロレンツォ・インシーニェ Lorenzo Insigne
Jun 4, 1991 (29) Value: €48.00m
我らがカピターノ、ロレンツォ・インシーニェ。弟のロベルトと紛らわしいので長くロレンツォと呼んでいるが、ロベルトはベネヴェントに移籍したので、今はロレンツォと呼ぶとただディ・ロレンツォと紛らわしい。ちなみにもうひとりのロレンツォ、陽気なトネッリはサンプドリアに行ってしまった。
ミリク、メルテンスと同時起用しつつ守備のバランスを取るために採用されたカルロの4-4-2において左サイドに置かれるも、ボールを受けてからゴールまでが遠く、攻撃時にインパクトを残せないという問題が発生。本人ではなく起用方法の問題であることは明らかだったが、カルロとの良好な関係からか、本心はともかく文句も言わず頑張っていたのが意外であった(代わりに親友のカッサーノがコメンタリーの立場で文句を言っていた)。
内部のゴタゴタの際もカピターノの責任を問われ、ピッチ上でのパフォーマンスと合わせて一時責められることもあったものの、監督が交代してからは見違えるほどに立派なカピターノとしての振る舞いを見せている。リーノと話をして何かしら思うところがあったのかもしれない。長らく染み付いたいたずら小僧というイメージも今や昔、誰もが認めるリーダーである。
4-3-3の左ウイングに戻ってからは攻撃の起点として毎試合堂々とプレーしており、逆に攻撃のパターンがロレンツォに依存する問題が。しかし前カピターノと違い、大舞台でも力を出せるのは本当に頼もしい限り。ナポリにPKが与えられると100%ロレンツォが決めてしまうので、今季ナポリに与えられたPK数の少なさはそのせいなのではないかと疑っている。
カピターノがピッチ外で伊達メガネをかけるのはナポリの伝統になりつつありますね。
#11 イルヴィング・ロサーノ Hirving Lozano
Jul 30, 1995 (25) Value: €28.00m
一番高く飛んでるやつ。渾名はチュッキー。Child's playのアイツに似てるからということらしい。
昨夏に鳴り物入りでやってきたメキシカンだが、当初の期待値からすれば今季はイマイチだったと言わざるを得まい。セリエAに慣れようという時期にチーム内のゴタゴタに巻き込まれ、チーム戦術も二転三転してしまったので、そもそも何を期待されて獲得されたのかというのも曖昧になってしまい、仕方のない部分はあるのだが。縦に速く前方にスペースがある時のプレーには見るものがあるが、相手が引いた時の味方とのコンビネーションが課題か。まあ言うてセリエ1年目だし、長い目で見てあげたらいいんじゃないですかねなどと思っていたものの、メルテンスよりも高い給料をもらっていると聞きまして、そんな甘っちょろいことを言っている場合ではない。ジュントーリが獲ってきたという話であるが、当初のカルロの目論見は外れてしまったので、今後どのように起用されるのか正直よくわからない。個人的には控えに回すくらいならトレード要員にすればいいのではと思っているが。
#34 アミン・ユネス Amin Younes
Aug 6, 1993 (27) Value: €6.00m
ナポリ二年目のドイツ人ドリブラー。聞き慣れない名前なのでトルコ系なのかと思っていたが、父親がレバネーゼでレバノンのパスポートも持っているらしい。
とにかくドリブルがうまい。だが出番がない。左ウイングのレギュラーであるロレンツォが全く怪我もしないしコンディションも落ちないことと、中断前に負傷してしまったことで、中断後の超過密日程の際にもついにあまり出番がやってくることはなかった。ナポリには珍しく縦にも横にも仕掛けて抜ける選手なので、攻撃のバリエーションが増えると期待していたのだが、あまりに出番がないので出場機会を求めて移籍志願しているとの噂である。移籍してくるときはナポリなんか嫌だとゴネて破断になりそうになったという噂が経ったが、ナポリの街でベスパを乗り回したり、ルンゴマーレでストリートのキッズとリフティングをしていたりとナポリをエンジョイしている様子なので、ピッチ上でも活躍できるとよいのだが。
プロのカルチャトーレってやっぱり試合に出られないとプレイベートでもクサクサしてるのかな、なんて思いますけど楽しそうですね。でもやっぱり試合に出てるところを見たい。冬にアウェイミラン戦を見に行ったときにはアップしているユネスのキックとトラップがめちゃくちゃ上手いのに驚いたものです。
写真はSPAL戦、途中出場で入った瞬間にヘディングで決めたシーン。あまりに鮮やかだったので、毎試合ユネスを投入すれば点が取れるのではと思いました。
#21 マテオ・ポリターノ Matteo Politano
Aug 3, 1993 (27) Value: €22.50m
冬にインテルからレンタルでやってきたローマ人。カジェホンの後釜を期待されての買取義務付き2年レンタルでの移籍。サッスオーロ時代には何度も苦しめられ、なんでお前がそこに突っ込んでくるんだよという嫌らしさがまだ記憶に新しいところですが、インテルからやってきた彼はカットインマシーンになっていた。
彼のワイドに張ってからのカットインはセリエではとっくに読まれており、毎度コースを切られて効果的なパスやシュートができていなかったが、それでもウディネーゼ戦のロスタイムのカットインからのゴールは痺れました。加入後すぐに起用されており、コーチからの期待の高さを感じるので、来季はもっと攻撃のバリエーションも得点も増えるように頑張って頂きたい。
切れ味鋭いツッコミ(ダブルミーニング)。よく見るとげっ歯類っぽい愛嬌のある顔をしている。
#99 アルカディウシュ・"アレク"・ミリク Arkadiusz Milik
Feb 28, 1994 (26) Value: €32.00m
二度の長期離脱を経てコンスタントに出場ができるようになった昨季から、今季こそ怪我前の実力を発揮してくれると思いきや、どうにも振るわないシーズンでした。
CLヘンク戦ではハットトリック。カンピオナートの得点では11点でチーム得点王となったものの、問題はその内訳である。出場26試合の合計1749分、得点した試合は10試合で11点、つまり複数得点は1試合だけ(ホームヴェローナ戦)。ミリクが点を取った試合は4勝2分4敗である(ホームヴェローナ戦2得点 2-0, アウェーサンプドリア戦先制点 2-4, アウェーヴェローナ戦先制点 0-2, ホームウディネーゼ戦先制点 2-1)。チーム事情で成績は悪くなるとはいえ、エースを期待する選手にこの数字はいささか寂しいものがある。
いかんせんボールの引き出し方が悪いので、得点を決めるのはたまたまいいボールが入ったときだけ、というのが本当にまずい。リーノからも動き出しの悪さを試合中に「ヴァーイ・ヴィーア!!(どっかいっちまえ)」とキレられていた。怪我をしてしまったせいでおっさんの指導を受けられなかったことが彼のキャリアにおける最大の損失であることは間違いない。
本人はナポリに残留することを希望していたらしいが、契約延長交渉時にバイアウト条項で折り合いがつかず、今夏に放出される見込みである。ジジイは「出ていかないのなら来季はベンチだ」と脅しているが、本人はなんとユーヴェ移籍を志願しているそうである。クアリアレッラ、カヴァーニ、イグアインと過去のCFは思えば碌でもない退団ばかりである。いずれもクラブは納得した上でのものとはいえ、もう少しマシな別れ方はできないものだろうか。
今季のハイライトは写真のコッパ・イタリア優勝を決めるPKキッカーを務めたシーン。ユーヴェ移籍志望の噂が流れていただけに、まさか外すのではと不安がよぎったがしっかり決めてしっかり喜んでいた。
#14 ドリース・メルテンス Dries Mertens
May 6, 1987 (33) Value: €20.00m
我らがチーロことドリース・メルテンス。遂に前カピターノの記録121ゴールを塗り替えクラブ歴代最多ゴールを達成。今夏で切れる契約も2年延長し、ファンからも変わらず愛され、名実共にナポリの顔となったメルテンス。
今季もCF起用、チーム事情もあり得点は9得点と振るわなかったものの、内訳を見てみると出場31試合の合計1687分、得点した試合は8試合で複数得点は1試合(ホームサンプドリア戦)とミリクとほぼ同じだが、メルテンスがゴールを決めた試合は7勝1分と一度も負けていない(アウェーフィオレンティーナ戦 1-1同点弾 3-4, ホームサンプドリア戦 2得点 2-0, ホームブレシア戦 先制点 2-1, アウェーサンプドリア戦 ダメ押し4点目 2-4, アウェーカリアリ戦 0-1, ホームSPAL戦 先制点 3-1, アウェージェノア戦 先制点 1-2, ホームミラン戦 勝ち越し2点目 2-2)。
圧巻はホームでのCLバルサ戦、あのゴールで歴代最多得点に並ぶというあたりがお祭り男の真骨頂である。2点目決めて記録更新&勝利であればなおよかったが、壊滅的だったシーズンにそこまで求めるのは酷であろう。
ところで今季は交代が多かったので色々な選手がカピターノのバンドを巻いたのだけれど、意外とメルテンスが巻いた試合はなかった(と思う)。来季は若いCFがやってくるけれども、これからもナポリの生ける伝説としてチームを勝たせて頂きたい。
写真はジェノア戦でのゴールをスタンドで観戦していたカジェホンに送っていたシーン。友情の深さを感じるいいシーンでした。
#9 フェルナンド・ジョレンテ Fernando Llorente
Feb 26, 1985 (35) Value: €4.00m
かつてビルバオで圧倒的なパフォーマンスを見せ、その後ヨーロッパを渡り歩いてナポリに漂着したバスク人。19年夏にカルロたっての要望ということでトッテナムからやってきた。ジャッケリーニ以来の過去ユーヴェに所属したことのある人。
今季のハイライトはやはりCL予選でのホームリヴァプール戦での追加点でしょう。交代出場すぐにファン・ダイクからボールを掠め取って決めた鮮やかな点は、アンチェロッティ・ナポリのCLでの躍進を期待させてくれるものでしたが、その後は飛ばず鳴かずである。
昨季トッテナムがCLで見せた「戦術ジョレンテ��がナポリでも見られるのかと思いきや、あれが通じるのはアヤックス相手だけであり、放り込んでもゴール前にスペースのないセリエAでは残念ながら効果は今ひとつであった。元々足が速いわけでもない上に足元の技術が正確かというとそうでもなく、さらにお年を召していらっしゃるので、楔を打ち込んでもこぼれて相手にとられてを繰り返すばかりで虚しいシーンが多かった。
シーズン後半は謎の負傷でメンバー入りすることもなく、ホームユーヴェ戦で終了間際の時間稼ぎ交代で出場した1分が最後の出番になってしまった。あの要塞サンマメスの王も老いてしまったのだなと寂しいばかりです。放出もやむなしであろうか。年齢を考えるとキャリア最後に一花咲かせてというタイミングだっただけに残念。
#7 ホセ・カジェホン José Callejón
Feb 11, 1987 (33) Value: €9.50m
今季の成績はカンピオナート出場33試合、4ゴール7アシストにチャンピオンズ出場7試合3アシスト、コッパ・イタリア出場5試合。物足りないだろうか。物足りないと思う。もっとゴールが見たかった。もっとアシストが見たかった。もっと裏抜けが見たかった。もっと被カウンター時の爆速の帰陣が見たかった。もっとドンピシャで裏抜けしてパスも完璧なのに明後日の方向にシュートしては頭を抱える姿が見たかった。もっと大して削られてもないのにコロコロと痛がって猿芝居をしたあとにケロッと走って相手選手に恨まれる姿が見たかった。
13-14シーズンから7年、ナポリの右サイドを支えてきた鉄人が、今季を限りに退団することになりました。あの何度となく聞いた「左サイドにロレンツォ・インシーニェ…中に切り込んでファーにクロス…カジェホンが走り込んでいる!決めた!ゴール!ゴール!ゴール!」を聞くことは、もうないのだ。
同じタイミングでナポリに加入したメルテンスが契約を延長したのとは対照的に退団を選んだ背景には、提示された条件が合わなかっただけでなく、母国スペインに戻りたいという本人と家族の意向もあったとか。メルテンスはシーズン終了間際まで「まだ(カジェホンの契約延長を)諦めていない、残るように説得している」と語り、退団を決め最終戦となったCLバルサ戦後にはカピターノのロレンツォも「プレイヤーとしても人としても尊敬する君がいなくなることは寂しい」と語った。
カンピオナート最終節、ホームラツィオ戦ではロレンツォの計らいでキャプテンマークを巻き、得点こそなかったもののいつものように走り、守り、裏を狙い続けた。同郷のルイス、7年間アシストをしてアシストをされたロレンツォ、そして後継と言われるポリターノ3人(あとついでに地元っ子のインモービレ)のゴールで3-1の勝利、サン・パオロでの最終戦は有終の美を飾りました。79分にピッチを下がるときにはサン・パオロの芝にキスをしていたカジェホン。無観客のスタジアムで拍手をしていたのはチームスタッフだけでしたが、世界中のナポリファンから聞こえない万雷の拍手が彼に届けられていたはずです。功労者の最後がこんな形になるなんて、と思う反面、縁の下でずっとチームを支えてきた彼らしい幕引きだなという気もします。
派手なゴールを決めるわけでも、得点王にもなるわけでもない、活躍の割には地味な選手だったけれども、間違いなくそのセンスは世界トップレベルで、中でも裏抜けの技術はサッカー史上最高だったと言っても言い過ぎではありますまい。個人として記録に残ることはなくても、あの美しいサッリ・ナポリのトリデンテの一角として、2010年代の強いナポリを支えた選手として、長く記憶されるはずです。本当にお疲れさまでした、ナポリに来てくれてありがとう。
いつだったかカルロが言っていた「今のナポリには優秀な監督になれそうな選手が多い。一番はカジェホンだ。彼は言うべきことを言うべきタイミングで伝えることができる」という台詞を思い出す。いつの日か監督としてナポリに戻ってきてくれるといいなと楽しみにしています。
中断が明けるとダンディな口ヒゲが。ロックダウン中にボヘミアン・ラプソディを鑑賞したものと思われる。
元インテルの長友さんがロックダウン中にヒマを持て余してYouTubeにハマっていたんですが、その際に「最も対戦が嫌な選手」の1位にカジェホンの名前を挙げて「裏取りにくることはわかっていて、散々戦術ビデオで練習させられるのに裏を取られる」と脱帽していました。インテル在籍時の長友さん、いつも手玉に取られてましたからね。いつぞやは退場を誘われたこともあったような。
監督 Allenator"i"
カルロ・アンチェロッティ Carlo Ancelotti
Jun 10, 1959 (61)
誰もが認める名将であったはずが、少々おかしなことになってしまった。就任1シーズン目であった昨季に戦力とスタイルの一新を図りながらも2位につけ、躍進を期した今季はチャンピオンズリーグ予選で戦術家としての流石のインパクトを見せていた矢先である。カンピオナートでの成績は低迷し、解決の兆しは一向に見えない泥沼に。前職のバイエルンに引き続きナポリでもシーズン途中での解任となってしまった。就任時には「ナポリでは長期政権を築きたい��と発言していたのだが。
解任のきっかけは合宿拒否騒動であると見られており、会長であるジジイ、副会長でジジイの息子のエドゥアルド、SDのジュントーリ、監督のカルロ、選手たち、それぞれに思惑があったろうが、結局何が起こったのかは明かされなかった。しかしそもそも合宿を会長が要求したのは今季の低迷が理由であり、その低迷を招いたのはコーチ陣ではなかったか。
チーム内のトラブルは今更詮索しても意味のないことだ。カンピオナートでの成績低迷と、前回チャンピオンと同組だったCLグループステージを2位突破、突破を決めた直後の「カルロとの友情を守るためにはこうするしかない」という会長の決断による解任が、カルロの今季の結果である。もっとも、エヴァートン監督就任の発表タイミングからしても、カルロにいかに穏便に辞めてもらうかという水面下での動きがあったことは想像に難くない。
騒動直後の練習でSDジュントーリが「カルロ以外のコーチ陣の練習参加を禁止」するという不可解な出来事から、カルロの息子でありアシスタントコーチを努めていたダビデとその仲間がチーム内に不和をもたらしていたという噂もある。フィジオとしての教育も受けていたダビデは、ナポリにそれまであったスポーツトレーナーとメディコの役割分担のシステムを壊してしまったというのだ。それが原因なのかどうかはわからないが、何かの理由で名医デ・ニコラさんが昨季辞任してからというもの、それまでは怪我人がいないのが取り柄だったナポリにどんどこ負傷離脱者が出てしまったことに因果関係を疑ってしまう。カルロはしばらくナポリに帰ることもなかろうが、デ・ニコラさんにはチームに帰ってきてほしい。
ジェンナーロ・イヴァン・リーノ・ガットゥーゾ Gennaro Ivan "Rino" Gattuso
Jan 9, 1978 (42)
アンチェロッティ解任は時間の問題だろうと予想した人は多かった。ミランの監督を辞任してフリーになっていたガットゥーゾが候補に上がっているという噂を受けて、彼の就任を予期した人もいるだろう。だが、カルロの元でどうしようもない骨抜きのチームになっていたナポリが、ガットゥーゾの元でこうも鮮やかに復活するとは一体誰が予想したろうか。
かのアンチェロッティのミランで監督と選手の関係だった二人はナポリで前監督と新監督という間柄になった。現役時代のガットゥーゾといえば「闘犬」の渾名の通りに中盤を走り回り、華麗にパスを捌くアンドレア・ピルロの脇で汗をかき、タックルを繰り返し、ボールを奪っていた。カラブリア出身で元イタリア代表、2006年W杯優勝メンバーでもあり、優勝が決まった時に興奮のあまり当時の監督であったリッピに喉輪を食らわせたエピソードを知らぬ人はいまい。来季はナポリのリーノ、ユーヴェ新監督のピルロ、ベネヴェントを率いるピッポ、万が一フロジノーネが昇格プレーオフを勝ち抜けばネスタが、カンピオナートで同窓会です。
現役時代のイメージからモチベーター監督という印象が強いが戦術家としての能力にも秀でている、とは今季もう飽きるほど繰り返された紹介である。思えば手持ちの戦力で最適解を見つける手腕は、前職のミラン監督時代から発揮されていた。
戦術面ではアシスタントコーチのルイージ・リッチョ氏のサポートもあるのだろう。現役時代、主にセリエBでプレーしたリッチョはガットゥーゾと同じく中盤でボールを追い回すタイプであったという。リーノが初の監督を務めたシオン時代からずっと助監督として彼をサポートするリッチョ、二人の出会いは10代の頃に所属したペルージャのユースチームの寄宿舎であったそうだ。家族経営のナポリに問題を起こしたのがアンチェロッティの家族であり、それを救ったのが家族同然のリーノとリッチョのコーチ2人だったのだとすれば、なかなかにイタリア的な話ではある。
ナポリ就任後、まずは守備のテコ入れをということで、選手の多くがやりづらさを感じていたカルロの4-4-2を4-3-3に変更し、守備時はアンカーを挟んだ幅のコンパクトな4-1-4-1のブロックを敷いてスペースを消して守るやり方を徹底。冬に補強したデンメがこのシステムにおけるアンカーの役割、すなわちスペース内の入ってきた敵とボールを捕まえて、ボールを奪ったのちにポゼッションを確立するためのパスを出す役目を果たすのに最適だったことも、復活の大きな要因である。
就任後もしばらくは成績も安定せず、インテル・ラツィオ・フィオレンティーナに年明け三連敗したものの、その後絶好調のラツィオをコッパ・イタリアで完封し、飛び道具CR7で殴りかかってくるユーヴェに競り勝ち、ルカクとラウタロを揃えたインテルをコッパ準決勝で抑え、破壊力の化身のようなバルセロナにほとんどチャンスを作らせず1失点に抑えたことで、チームに自信が生まれた。その集中力は中断明けにも発揮され、コッパ・イタリアは制覇したものの、過密日程の疲労に勝てず勝ち点を落とし、CL圏内が絶望的になってしまう。コッパ優勝により既にEL出場権を獲得していることもあり、カンピオナートはスローダウンして7位フィニッシュ。CLはバルセロナ相手に力負けで敗退するものの、一時のどん底から考えればこれ以上を望むのは贅沢というものだろう。
まず何よりも、よくあの状態のチームをここまで復活させてくれたと感謝しかない。なにしろ監督選びがハマっていなければ降格争いも覚悟しなければという状態であったのだ。来季以降も継続して指揮を取ることが決まっているので、CL圏内に戻れるように攻撃面のテコ入れをお願いしたい。
今季のハイライトはなんといってもやはりこれ、ホームミラン戦で見せた素晴らしい跳躍シーン。
マウリツィオ・サッリ Maurizio Sarri
Jan 10, 1959 (61)
コッパ決勝でジジイにイジられるおっさんの図。奥でにやけているのはユーヴェ会長のアニェッリ。
エンポリでの仕事が評価され、ナポリで多方面から評価される美しいフットボールを実現しながらも、ナポリ指揮官時代にはついにタイトルに手が届かなかったおっさん。会長曰く「一言も相談せずに突然」ロンドンへ去り、心臓ジョルジーニョまで手土産に持って行ったのに、チェルシーを1年で解任されてしまった。
その後どうするのかと思っていたら、なんとナポリの仇敵ユヴェントスの監督に就任。以降ナポリのティフォージは彼の姿を激怒、困惑、落胆、悲しみ、色々の感情と共に眺めることになってしまった。
中断明けに迎えたコッパ・イタリアの決勝、チェルシーでのEL優勝が初のメジャータイトルだったおっさんにとって、初のイタリア国内タイトルがかかった試合であったが、ガットゥーゾに魂を注入されたナポリを崩すこともできず、おっさんとは特に縁のないメレトに無情にもPKを止められ敗戦。「義務である」スクデットは獲得したものの、CLではリヨンにアウェーゴールの差で破れ、ベスト16止まり。「その結果だけを受けてのものではない」とはユヴェントス強化部長であるパラーティチの言であるが、なんと一年でユヴェントスの監督も解任されてしまった。あれだけ古巣のファンに憎まれてまで、呼ばれたから行ったのに。ピッチサイドではジャージを我慢してポロシャツまで着たのに。なんとも可哀想なおっさんである。
同じくパラーティチのインタビューでは 「プロフェッショナルは努力すれば形成することが可能だが、人間的な魅力というものは努力して身につくものではない」 などと酷い言われようである。後任が監督経験のないクラブのレジェンドであるピルロであることから、よほどフロントや選手との折り合いが悪かったのであろう。思えばチェルシーでもおっさんの後任はクラブレジェンドであるランプスだったので、おっさんを雇うとクラブの古き良き時代に戻りたい気持ちにさせる何かが生まれるのかもしれない。
ナポリとの対戦では開幕二試合目のアリアンツ、クリバリのオウンゴールが決勝点となった4-3勝利と年明けのサン・パオロでの大して中身のないサッカーで1-2の敗戦。そしてコッパ・イタリアでのPKでの敗戦で、1勝2敗と負け越してしまった。アリアンツでの対戦では肺炎のためにベンチ入りしておらず、結果としてピッチ上でナポリを倒すことはないままである。
ナポリファンにとっては"ようやくおっさんがナポリにタイトルをもたらしてくれた"シーズンであったといえよう。今後おっさんが別のクラブの指揮を取ることになったとき、ナポリのティフォージはどう反応するのだろうか。将来ナポリに戻ってくることもないとは言えまい。何が起こるかわからないのがカルチョである。おっさんの未来に幸あれ。
会長 Presidente
アウレリオ・デ・ラウレンティス Aurelio De Laurentiis
今季もお騒がせだったジジイこと会長。「懲罰合宿じゃない」などと言っていたがあのタイミングで予め選手に伝えずにラジオで「合宿させる」はないでしょう。ロッカールームで選手との間を取り持ってくれている息子エドゥアルドをもってしても反発を止められず表沙汰になってしまい、ジジイのビジネスライク過ぎるところが今回は裏目に出てしまったのではないか。とはいえ成績低迷はコーチ陣の責任であり、カルロを穏便に辞めさせて、かつガットゥーゾを信頼して任せる決断をしたことで、CL圏は逃したもののカップ戦のタイトルを獲得し、ADL時代最悪のシーズンの挽回に成功したといえよう。
しかし今季に関しては何よりも、継続してきた安定経営によるCOVID19への耐性を評価されるべきだろう。無観客試合と各国経済状況の悪化により多くのクラブが収益に苦しみ選手売却を強いられる中、過去の選手売却により蓄積された内部留保のおかげで心配する要素は一切なし。ひとえにジジイのドケチな経営方針によるものであろう。今夏も既に買取義務付きレンタルでしれっと余剰戦力を現金に変えるなどしており、リールから高い買い物をしても「経営は安定しており選手を売る必要はない、値引きには応じない」と豪語している。
あまりにドライなのでユーヴェ相手でも金さえ出せば選手を売るところ(今夏もユーヴェがミリクを適正価格で買いに来たら売るだろう)、スポーツ面やファンの心情よりも経営を優先するところ(ナポリに愛されナポリに愛されるクリバリも適正価格のオファーが来れば売ってしまうだろう)はティフォージとしては気に入らないし、もうちょっとロマンを優先してくれてもいいんじゃない?と思わないでもない。もっとも、会長にとってのロマン枠がアンチェロッティだったのかもしれないが。
2010年代、リーグタイトルは獲れなかったけれど、記憶に残る美しい日々でした。ジジイも随分歳をとってしまったが、これから始まる新しいサイクル、ナポリらしいサッカーで今度こそスクデットを穫れることを祈っています。
Sempre Forza Napoli, torna campione di nuovo!
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