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#世界一おいしいコーヒーゼリー
oka-akina · 1 year
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おとといの日記。夏至の晩。冬至から数えて今日が一年の折り返しだなんて信じられないなと思った。早すぎる気がする。1月に義父が亡くなってバタバタしていたというのはあるけど、別にそういうのがなくてもそう思う。
冬至は12月の後半なので冬だなあという感じだけど、夏至の6月の半ばというのは梅雨であってまだ夏ではない…という感覚がある? 冬至と夏至で一年を半分に切り分けるとなんかアンバランスな感じがする。
ただまあ、12月が冬というのはイメージの問題だよなと思い直す。実際12月を過ごしているときはまだあんまり寒くなくて、秋の終わりが長々続いている感じだと思う…このあたりの、最近の気候では。銀杏がすっかり黄色くなるのは12月に入ってやっとだし、クリスマスとか年末の慌ただしさで冬感が強いだけのような気がした。そして冬というのは、本当にとても寒いのは1月と2月の始めくらいで、2月の半ばくらいからなんとなく春っぽい感じになるなあと思う。
まだ夏でもないな、冬ってほどではないな、冬ももう過ぎたなあみたいな、季節と季節に片足ずつ突っ込んでまたがるようなグラデーションの期間は案外長い。7月だってほぼ梅雨だし。ずっと前に勤めていた会社、やめる直前は体調を崩しがちだったんだけど、周囲の人がよく季節の変わり目だからねと励ましてくれて、でも季節はずっと変化してるじゃないですか…と思っていた。ずっと体調悪くてもしょうがないってことかとか思っていた。
夕方。会社を出たら涼しくてちょうどいい感じだった。どこまでも歩いて行けそうな、冷たいビールにぴったりの晩。夕飯は一人で済ませていい日だったので何か食べて帰ろうかと思ったけど時間が早かった。いったん家に帰って洗濯機を回し、たまっていた皿洗いをして、その間ロボット掃除機も動かした。掃除機は道に迷っているのか廊下の同じところを行ったり来たりしていて、こっちだよと手で持ち上げて掃除してほしい場所に連れて行った。動物を相手にするみたいに声をかけてしまう。
いくら夏至だからってこんな時間に洗濯物を干すこともなかなかないな…と思いながらベランダにTシャツやタオルを干した。日没すれすれのまだ明るさの残る時間で、夜風が涼しかった。平日に洗濯ができると達成感がある。
いろいろ家事を片付けて、近所のブロンコビリー(ハンバーグのファミレス)に歩いて行き、道が暗いからかやけに遠く感じた。動物病院、寿司屋、鍼灸院、何かの事務所。みんなもう閉めていて暗かった。寿司屋は定休日かもしれない。家事をぱぱっとやって徒歩で外食に行くの、村上春樹の僕みたいだな…と思った。
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ブロンコビリーはサラダバーに力を入れていて、チキンとパクチーのサラダとか切り干し大根と夏野菜のサラダとかおからと柚子のサラダとか、そういうデパ地下のデリっぽいものがいつもずらりと並んでいる。ポテトサラダとかマカロニサラダとかレタスとかトマトとかそういう定番のも。オレンジやグレープフルーツやコーヒーゼリーも。
ディナータイムは料理プラス500円でこのサラダバーがついてくる。すごい。買うより安い。値段もそうだしこんなにたくさんの野菜を使ってこんなにたくさんいろいろ作るなんて自分ではとてもできないと思う。野菜不足を感じていたので今日はブロンコだな…と思ったんだけど、そういうふうに考える人が多いのか、平日の夜だけど人の入りは多かった。近くのテーブルで男の子と父親とおばあちゃんぽい三人組がハンバーグを食べていた。べつにどうってことないし余計なお世話なんだろうけど、おばあさんがリュックを背負ったまま食べていたのがちょっと心配になった。下ろしたら背負うのが大変とかあるのかな、息子手伝ってやれよとか、ちょっと視界に入っただけなのにほんとに大きなお世話なんだけど、勝手に思った。こういう自分の覗き見根性がときどきとても恥ずかしくなる。いい子ぶってるわけでもなく、覗き見の何がしかが小説を書くことにつながっているのは否めないこと、わかってやっていることを含め、恥じ入る気持ちがあり、ありつつ、こういうふうに書いてしまう。
ハイボールを頼んで、大根サラダやポテトサラダをつまみながら読みかけの本を読んだ。正確にはわしわし食べた。メインはチキンステーキ。いつもハンバーグばかり頼んでいるのでたまにはと思った。読んでいた小説の人びとが、この中だったらなんとなくチキンを食べそうだなと思ったのもあった。「やったぜ今日はチキンステーキだ」というのは『ラスベガスをぶっつぶせ』だっけ…。
読んでいたのはジャッキーケイ『トランペット』。著名なジャズミュージシャンが亡くなり、死後彼はトランスジェンダー男性だったと暴露される。知っていたのは妻だけ。息子もバンド仲間も誰も知らなかった。妻や息子や周囲の人びとがかわるがわる語る形式の小説。息子は「親父は男ではなかった」と戸惑い、混乱する…。
死後アウティングされる。死後もなお男・女を行き来させられ、説明を求められ、過去をほじくり返され、暴かれる。「そういえば」これまでの生活でいろいろサインがあったなと「検証」され、あらゆる言葉で揶揄される。
おそらくは前フリ的なものだろうとは思いつつ、そういうシーンがきつくて読むのを中断していた。再チャレンジしてみてやはりきつかった。トランスジェンダーやノンバイナリー等当事者はちょっと注意が必要かもしれない。1998年の作品で、邦訳は2016年。作品の舞台も1997年。ちょっと古い。今だったらこういうふうには書かないかもという箇所もあった気がする。
ただ本作は悪意を持って書かれたものではないと思う。計算づくで書かれている。息子の暴言も、記者の下世話な野次馬根性も、ろくでもないものだと読者にわかるように書かれている。こういう人がこういう状況になったらこんなふうに考えるだろう、こういうひどい言動をやるだろうというのが書かれている。それはすごくわかる。わかるけれどもとてもきつい。わたしはフィクション慣れしている方だと思っているけど、読んでいてけっこう落ち込んだ。
死んだ人だからというのはあるかもしれないなと思った。本人は何も語れないのにあれこれほじくり返すのはフェアではない…これは物語の中の話だけでなく。不在の人物について周囲の人たちがかわるがわる語るみたいな物語はたくさんあり、「死後にトランスジェンダー男性だったとわかった」という話をその構造で書くとこうなるんだろうけど、現実で起きている「本人が言い返せない(言い返すすべをもたない)のに他人が勝手なことを言いまくる」というひどさを物語でもやるのは、このように書きたいのはなぜだろう? このように書かれるとおおぜいの人が読もうとするのはなぜだろう? みたいなことを考えた。
いやなぜだなんて問いはズレているとは思う。物語がどうしてそのように書かれているかは、効果をたくらんでというものでもない…。また、ろくでもない内心を小説が書けなくてどうするというのはほんとに思う。わたしもさっき近くのテーブルを覗き見したじゃないかと思う。それとこれとは関係ないかもだけど。だからこの小説がひどいとか有害だというわけではない。ただわたしとしては読んでいてきつかったという感想がある。ということ。また本作は実在の人物をモデルにしている。完全に埋没して生活していたミュージシャン。
長くなるのでまた改めて書くけど、本作はめちゃめちゃきついシーンはありつつ、彼がなぜトランスジェンダーなのかについては語らないのがとてもよかった。周囲の人間がいくらほじくり返しても、内心で悪態をついても、本人の内心には至れない。そこが本作の肝だと思った。
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takeuchiyoshihiro · 2 years
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憩いの空間
東山公園駅にある、素敵な珈琲館  竹内嘉浩
大好きな場所があります。 名古屋の地下鉄駅「東山公園」の一番出口にある 東山珈琲館さんです 今回頂いたのは、たらこのカルボナーラです。鉄板ナポリタンもよくテレビで取り上げられます。 しっかりと手間ひまかけられた深みのあるお料理や、さすがのコーヒーと、素敵なおもてなしをしていただけるお店です。 世の中のコーヒーゼリーの中で、こちらのコーヒーゼリーが一番おいしいと思っています。   マスターがこの業界に入られて、35年になるそうです。東山珈琲館さんはオープンされて16年経たれるのですが、私も会社を立ち上げて35年、くれたけ心理相談室をスタートして17年が経過しました。 ほぼ同じ時期に、大きな機会に恵まれていて、勝手に親近感をわかせていただいてます。   ごちそうさまでした!
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a2cg · 2 years
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名古屋発と私 ・ 「オモウマい店」と言う日本テレビ系列の番組が魅力的なのは出てくる店主のキャラクターや番組スタッフとのやり取り、出される料理など見どころ満載だからかと思います。 ・ 全国ネットの番組と言ったら東京発か大阪発が殆どの中、こちらの番組は中京テレビという名古屋の放送局が制作していますね。 ・ 名古屋発と言えば「ゴゴスマ」。元々東海3県で始まった情報番組でしたが、今では日本各地で見られるようになりましたね。 ・ ゴゴスマのMC と言えば石井亮次さんですが「褒める」極意を語っていて1つは「あなたと一緒にいると○○」と「○○」は自分がプラスになったことを伝えるそうです。 ・ 2つ目が「こんなに〇〇したのは初めてです!」とこちらの「○○」もポジティブな内容になります。この2つを合わせた「今日は私にとっての記念日です」が最上級表現です。 ・ と言うわけで本日のおやつは #世界一おいしいコーヒーゼリー と言うなのメニューがある #サザコーヒー です。 ・ 茨城県の勝田にある #SAZACOFFEE へ大昔に初めて #コーヒー を頂いた際に美味しい味わいで覚えていたのですが、最近では都内にも店舗が増えて来て新橋にも出来ました。 ・ #スイーツ を頼んだことが無かったので名前に惹かれて #コーヒーゼリー を注文です。休日の朝早い時間だったので、好きな席に座ってたら後から持ってきて来れました。 ・ 背の高いシャンパングラスに入った #ゼリー は高貴な佇まいです。3分の1くらいまで入った #生クリーム をかき分けすくって頂きます。 ・ 一口含んだ瞬間に広がる華やかな香りは確かに今までに味わったことのない美味しさ。そして #クリーム が甘くて美味しい。苦味の深い #珈琲 との対比がいい感じです。 ・ 上に乗っているのはアーモンドスライスでしょうか?これも美味しさを構成するための大切な要素で間違いありません。 ・ 石井さんでなくても思わず「生まれてきて味わった中で一番美味しいコーヒーゼリーを頂けて今日は本当に幸せです。」と言ってしまいました。 ・ 次回は今日売り切れていたミルクレープを味わいたいと思います。 ・ #新橋カフェ #新橋喫茶店 #新橋スイーツ #新橋グルメ #新橋モーニング #とa2cg (at サザコーヒー エキュートエディション新橋店) https://www.instagram.com/p/Chx3zH2h8fJ/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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iycoco · 4 years
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2021/03/05
美味しいものを、素敵な空間で。
カフェって本当に魅力があるよね〜。店内に足を運んだ瞬間、そのカフェの世界観に惹き込まれて、そんな中で美味しいものを食べて飲んで。一緒にいる人との会話を楽しんで。こんなって写真を見返したらその時の会話が思い浮かぶ。😌🤍
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いつからかコーヒーゼリーが大好きな私にとってこのカフェで一番楽しみにしてたのはこのコーヒーゼリー。色んなイン��タグラムにある投稿を見てたら、ミントは付けない時もあるのかな?ミント付いてるのが個人的に嬉しかった☺️ミントも大好き。もうね、今まで食べた中で一番だった本当に。アイスと珈琲自体はどこも一緒だけどトッピングがそれぞれ違うんだよね。「月を詠ム」は個人的にトッピングが理想だった〜!この写真では見えないけどチョコチップみたいなのもかかっててね、チョコチップ大好き女からしたら小さな幸せすぎた♡しかもお皿とかスプーンも凄い好み。もう一度味わいたい。カレーも凄く美味しかったです。カレー好き!ではないけど楽しめる味でした😌豆とおくらの相性バッチリ。
今までカフェに行く時は美味しい!素敵!幸せ!だったけど、ここに来て初めて自分でカフェを経営してみたい。と思った。普通の仕事が出来なくなった老後にでも開きたいな〜!そのために健康な生活を送って長生きしたい🤹🏻‍♀️今まで介護されたくないからやる事やったらもう人生終わってもいいな〜なんて思っちゃってたけど、新しいちょっとした夢ができた。長生きしたいなんて初めて思えた。嬉しい。
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yfukuoka · 5 years
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‪【2593日目②前半】20‬20-02-22 全国からカフェ女子が殺到する256nicomさん、WEB予約開始4秒で売切れだそうです!ヨンビョウってッ! . 256nicom@千葉県 新検見川さつきヶ丘団地 ‪_______________________________________________________‬ ‪苺Valentine営業‬ ◎苺ラッシー ◎カシスオレンジの雫 . (カレー ※後半の投稿参照) . “Parfait「苺とショコラ」2020” ※上から順に ◎チョコレート ◎ヘーゼルナッツのキャラメリゼ ◎苺(やよいひめ) ◎ショコラジェラート ◎ショコラクリーム ◎ラムのジェラート ◎赤ワインゼリー ◎コーヒーゼリー ◎苺の赤ワインマリネ ◎フィアルティーヌ ◎ピスタチオパンナコッタ ◎fresh苺ソース ◎マスカルポーネクリーム ◎甘夏のパッションフルーツマリネ . カシスオレンジの雫。。。想像を超えてきました。 グラスの上には、輪切りのオレンジ、カシスのジェラート、花弁、ローズマリー。こちらを半分食べてからグラスに落としていただくスペシャルドリンク。 食のエンターテインメント。 . . 続くカレーの世界を堪能して、かなりお腹いっぱいになりましたが、別腹を大解放して、パルフェをいただきました。 . カウンターにずりと並ぶ苺のパルフェ。小高く菱形に飾られた凛とした姿は、今にも崩れそうで見ていると怖い。心若きカフェ女子たちとともに恒例の撮影大会。ある意味で一番テンションが上がる瞬間です。 . パルフェは、上から食べていくとどんどん味が変わって…いや侵食されて展開していく構成。変化ではなく広がり、がイメージに合う。 今回は、ショコラの中に、シナモン、クローブなどのスパイスを使っているそうです。 . 苺とチョコで攻められた後に、赤ワインの酸味とコーヒの苦味が現れて…パンナコッタ、苺、マスカルポーネチーズ、あ…柑橘の皮とチョコが…。 宝探しをしながらいただく、とっておきのパルフェ。 本日も最高でした。 . 最後にお部屋を256nicom化するコツをちょっと教えていただき、幸せな気持ち溢れる特別な2時間を楽しみました。 . (後半 カレー編へ続く) ‪.‬ ‪_______________________________________________________‬ ‪#256nicom #nicom ‬🇱🇰 #srilanka #SriLankanfood ‪#spice #curry #parfait #cafe #strawberry‬ ‪#instafood ‬ #asia #asianfood #foodstagram #foodpic #delicious #tasty #spice #cafe #curry #currystagram ‪#sweets ‬#スリランカ ‪#カレー‬ #カレースタグラム #カレー好きな人と繋がりたい‪ #パルフェ #パフェ #千葉 #フクドローン #ふくすたぐらむ #家から遠い ‬ (256nicom) https://www.instagram.com/p/B87fBAPgHGO/?igshid=1uptms55e4lq5
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tatsumakido · 3 years
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【手作りゼリーが簡単に作れる粉末寒天で夏の冷んやりオヤツを作ってみませんか】 夏になると店主はこの寒天粉末でコーヒーゼリーを作って楽しんでいます。 お好みのジュースと混ぜて作れば世界に一つしかないオリジナルゼリーが完成♬ オススメは無茶久園の柑橘ジュースゼリー。 素材が美味しいので家庭でカフェの味をお楽しみください。 (たつまき堂) https://www.instagram.com/p/CQp0mkEr0-l/?utm_medium=tumblr
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skf14 · 4 years
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10130000
こうして世界は緩やかに、壊れていった。
それは、僅か7日間でお粗末な世界を作ってしまった神の、贖罪によるものだったのかもしれない。最後に哀れな人間共へ与えた、慈悲だったのかもしれない。意味など計り知れないが俺は漠然と、生き物が死んでゆくように、この星も、死んでゆくのだと、どこか清々しい心境で慣れ親しんだ街を眺めていた。
進み過ぎた文明は、人が衰退し星が寿命を迎えることすら先読みしていたらしい。人の繁栄を拒むかのように予測した未来に目を伏せたまま、延々と変わらないコードを実行し、人がいなくなっても滅びないよう、世界を緩やかに回し続けた。
抗う愚かな人間達は様々な策を講じ、そして諦め、権力が、国境が、戦争が消え、宗教が世界の覇権を握った。今更、金儲けなんて考える奴はいなくなった。人は争いで消えていくんじゃなく、最後はきっと、自然に無くなっていくんだろうと、まるで世界の真理でも見たような気分になった。
この一帯にも、もう生きた人間の姿は見えなくなった。と、言いながら、俺が今踏んでいるこの地面の砂も、もしかしたら、人だったのかもしれない。ただ、俺にも、誰にも、神にも、それを知る術はない。ざり、と靴底に食い込む砂の音が、赤子の産声に聞こえた気がした俺は頭を振って、思考し続ける脳を揺らしその動きを一時停止させた。
「不毛だ、やめよう。どうせ人類は、いずれ皆消える。」
その人類、の中に、俺も、君も、含まれている。ざりざり、力強く一歩進み踏み締めた砂が足裏で音を立てるが、もう気にはならなかった。街中に寂しく突っ立っているスピーカーからは、延々と穏やかなオルゴール音が流れている。まるで壊れているのは人類の方だ、と言いたげな様子で垂れ流されるメロディが煩わしく、掻き消そうと無意識に口ずさんだ音楽は、君がよく聴いていた洋楽だった。
「ただいま。」
返事がないことを理解していても、習慣というのは恐ろしい。心の中で、いつかの"おかえり"を反芻している自分がいる。君の声帯は数ヶ月前、とうにガラス化して震えることがなくなったのに。
外で確保してきた食料と水を納めながら、目の端に、窓際で椅子に腰掛ける君の姿を捉えていた。太陽の光を浴びる君の爪先と、指先は、光を通してキラキラと光っていて、眩しい。もうあの手で俺の頬に触れることも、あの足で俺を軽く突くこともない。分かっている。足掻くほど俺は子供じゃない。分かってる。分かってる。
「ただいま。」
まだ温もりの残る肩に触れると、君がびくりと身体を揺らして、そして、君は俺が触ることを待っている。手も足も動かせず、耳も目も機能せず、声も出せない君は、俺が、帰宅して、君の頬を撫で、目蓋にキスをして、肩を抱くその感触を持って、俺を俺だと認識するしか術がない。
眼窩の、まだ赤々しい血管の通る組織が見えるガラス玉を、君はきゅっと目蓋で覆う。何も見えないのに、人のように目を開けて窓の方に顔を向けている行為が、今更酷く惨めに思えてしまって、盲の食事風景が哀れに見える、なんて記した文豪の言葉に今なら納得出来る、と心の中で自嘲する。
俺はルーティンで存在を確かめさせながら、目蓋へのキスの後に開いた、君の眼だった透明なガラスの球体について考えていた。外では、まだ穏やかなオルゴールが流れていて、開いた窓から小さく部屋の中へ流れ込んで来る。君が歌う鼻歌はいつの日か、そのオルゴールのメロディーに支配されていた。
眼を取り出せないものか、と思ったことはある。俺と君が、いや、世界がまだ正常だった頃、俺は、君とよく、世界の終わりについて話していた。世界がどのように作られ、始まり、続いて、終わるのか。君が夢想する世界の終わりはいつも、二人きりになって終わっていた。どちらかが宝石になったり、砂になったり、人魚になったり、時間に閉じ込められてしまったり。それが俺と君の願望だと、互いに薄々気付きながら、君も、俺も、世界の一員として、大多数の中で何事もなく生きていた。
いつか、君が宝石になってしまう話について構想を練っていた時、君がふといたずらっ子のような顔をして、俺の目を覗き込んで言った。つん、と尖った桜桃色の唇がふるり、と震えて動く。
「おまえ、気に入った所加工して、持ち歩きそう。」
「サイコパス扱いはもう慣れてるけど、さすがに好きな奴の身体削ってどうこうしねぇから。」
「説得力なさ過ぎてウケる。」
「そりゃ、考えたことはあるよ。でも、実際俺がお前に、ノミなりナイフなりを向けられるかって言われたら、多分無理だ。」
「でもほら、眼とか。好きじゃん。ポロって取れるかも。」
「うわぁ辞めてくれ、鳥肌立った。」
「俺、遺跡みたいに残されたり、彫刻みたいに飾られたりするの、嫌だよ。消えてなくなるか、小さくなっておまえの一部になりたい。」
「熱烈な告白ありがとう。ゴムあったっけ。」
「すーぐ下半身で物考えるのやめろ?」
ふふ、と思わず漏れた思い出し笑いは君には伝わらない。その時はまさか本当に、世界で同じようなことが起こるなんて、思ってもいなかった。ただの、臆病者二人の愛情の探り合い、でしかなかった戯言を、神が間に受けて実行してしまったんだろうか。
「今日は、お前の好きなコーヒーゼリーが配給されてたんだ。」
人間の声が聞こえない環境は、思った以上に人を追い詰めるらしいと知ったのは、自分から漏れ出る独り言が異常に増えたと気付いた時だった。何か、声を発していないと、それがたとえ意味のないことだとしても、頭の中に渦巻くアレコレに脳が潰されそうになる。人は生きている限り、思考を止めることは出来ない。考えないでいよう、と考える阿呆な生き物だ。それは目の前で無機物と化していく君も、同じなのだろうか。
銀のスプーンに乗った黒い半固体の美味しさが分からずに、君に小馬鹿にされたことがある。お子ちゃまだ、と笑って、君は俺の食べていたプリンを一口すくって食べて、「甘いのばっか食べるから、俺に甘くなるんだよ。」と笑っていた。
ガラスの器に飾って、庭に生えてたミントをちょこんと乗せた。見た目にも拘る君のためだ。掬ったそれを君のまだ暖かく動く唇へと運び、スプーンの先端を触れさせた。介助、なんて嫌な言葉が脳裏にふわり浮かび上がって、自分を殴りたくなる。君は反射的にそっと唇を開き、スプーンを咥え、暫くして口を開いた。スプーンの上にはまだ、コーヒーゼリーが残っていた。そうか、俺は、一体何をしていたんだろう。もう君はとっくに、好きだったコーヒーゼリーを嚥下することも、出来なくなっていたのに。
「俺、苦手なんだよ。コレ。」
まだ君が君だった頃、俺は、世界中の全てが敵になろうとも、最後まで君を守り抜こうと思っていた。その決意は今でも変わらないし、もし全てガラスになってしまった君の美しさに目が眩んだ人間が君を奪いに来れば、どんな手を使ってでも君を守る。
人間の想像力なんてたかが知れている、自分のキャパシティーを超える想像など出来ないと、俺は自分が凡人で、何のことはないただの人間だったことを今更思い知る。
君と二人きりの世界が、これほどまでに不毛だったことを、あの頃の俺が知ったらどうしただろうか。目の前で微動だにしない君はもはやなんの意味も為さない目蓋を閉じ、無限とも思える時間をただただ何もない暗闇の中で享受している。
ある日目覚めた君は、視界が暗い、と眼を押さえて泣いていた。その声に起きて背中を摩る俺を見上げガラス玉をむけて、見えない、と子供のような弱々しい声で言った君に、俺は何と声を掛けただろう。もう、思い出せない。ただ、そばにいる、と、そんなニュアンスのことだけを答えたような気がする。太陽の光をいっぱい蓄えたそのアルパインブルーのガラス玉が濡れて、くる��、と回る。こんなに綺麗じゃ、取り出せるわけがない。他が終わっても終わらない、と思っていた俺と君の世界に、エンドロールが手を伸ばした瞬間だった。
恐らく病状は、内臓から、五感から奪っていくのだろう、と推測している。視界が奪われた数日後には関節が動かしにくくなり、指先の感覚が鈍くなった。
「ねぇ、おまえさ、何してる時の俺が好き?」
「ベッドで鳴いてる時。」
「へぇ。M字開脚のまま固まれって?」
「ごめんって。そうだな...」
俺の隣で本読んでる時。と答えたけど、本当は、本を読む君の横顔がたまらなく好きだった。君は太陽で、俺は月だった。君のために生まれた太陽から光を貰って透き通る瞳には、小ぶりな向日葵が咲いていたことを君は知っていただろうか。ページをめくるたび、君の睫毛がふわっと揺れて震えることを、馴染みのいいフレーズを見つけて、無意識にそれを口の中で転がす時の君の嬉しそうな唇を、知っていただろうか。
君はただ、「座ってるとこね。」と言って、眠る時も食事の時も、窓際のロッキングチェアへ座り続けた。
君は、優しい。右利きなのに、右手には何も持たず、必ずチェアの肘掛けに掌を、少し指の隙間を空けて天井へ向けて置いていた。それは、俺が手を握れるようにという配慮だった。指の関節が、そして手首が、肘が動かせなくなってもなお、君は俺が手を握るたび、俺のいる方向へ首を向けて、唇を弧にして微笑んだ。その優しさが、時折釣り針の返しみたいに刺さって、酷く傷むことを、君は知っていただろうか。俺は傷む胸を痛覚ごと殺して、まだ聞こえていた耳へ、「愛してる、」と、それだけを伝えるのが、精一杯、君に出来ることだった。
程なくして、君から聴覚が消えた。おはよう、と声を掛けた時の絶望感と、自分を守る為だけに生み出した諦観が、鳩尾あたりに刺さって、足が、底のない沼に引き摺り込まれていくような、救いのない感覚。でもきっと、何倍も、君は怖かっただろう。俺はひたすら君のまだ感覚が残っているであろう顔へ触れ、聞こえるはずもないのに、日頃飽きるほど言っていたはずなのに溢れ出る好きを、ただ冷たくなってしまった耳へ注いでは、零れるそれをすくうことも出来ずにただ、縋り付いていた。
神の存在を、信じたことはない。でも、神は、人の一番大事なものを簡単に奪っていくことは知っていた。君が大切にしていたお母さんは氷になって溶けていった。俺を男手一つで育ててくれた父は、砂になって崩れて、故郷の山に撒かれた。俺の世界が君でいっぱいになった瞬間に、神は、君を、一番残酷な方法で奪っていく。
口数の多い君、美味しいものが大好きで、綺麗にデコレートされたチョコレートに目がなかった君、うろ覚えの洋楽を適当に口ずさんでは、自分で笑ってしまう君。思い出されるのはいつだってガラスと化す前の、君だけだった。俺を薄情だと、嘲笑うだろうか。
この現状を、気でも狂ってしまえば、受け入れられるのかも知れない。いや、受け入れなければいけないのは、分かっている。盲目に愛していたつもりだった。君がどうなろうと、変わらず愛していける、そう過信していた。いや、今も変わらず、愛している。はずだ。これが、自分に言い聞かせているのか、本心なのか、自分でもよく分からない。
冷たい君の指に指を絡めるたび、脳裏に過るのは、夜に突然アイスが食べたいと言う俺に、眉を下げて買い物に付き合ってくれた、君の温かい手だった。目蓋が開いてガラス玉が現れる度、俺は、君の変わってしまった眼の中に、俺に向いたまんまるで潤んだ色素の薄い茶色の瞳と、小ぶりな向日葵を探してしまう。ごめん。俺は、君を愛していたはずなのに、変わりゆく君と世界に順応出来ないまま、過去を通してしか、君を愛せない。
初めて、夜中に目が覚めた。ベッド脇のデジタル時計は、午前3:26を示していた。誘われるように寝室を出て、月明かりを浴びているであろう君の元へとふらり、近寄って、そして、気付いてしまった。
君の目蓋も、頬も、髪も、全て、ガラスになってしまったことを。
君の指先が月明かりを吸い込んで、キラ、キラと呼応していた。今日の月は、ちょうど、満月で、青白く力強いその光が、君を、勿忘草色に染めて、まるで西洋の絵画のようにも、思えた。
「もう、俺の声は、何も、」
何を今更、と心の中で俺が笑う。ずっと前から、届いてなかったじゃないか。こんな世界で、どうしようもなく、それでも当たり前を手放せない俺が、君がいることで自分を保っているだけの、そんな世界だったじゃないか。
「どうして、こんな、君が一体何を、したと、」
眠る前、キスをした唇はもうつるりと凹凸の一切ない、曲線になっていた。目蓋はふわりと開いたまま、まつ毛の一本一本まで細くしなやかにガラスに変わっている。頬も、全て、愛していた全て、全てが、この刹那で、
「返してくれ、俺の、最後の、宝物を、」
君の着ていた肌触りの良いシャツに縋り付いた。白い生地が、水玉に染められていく。抱き締めても硬い身体はびくともせず、ただ、窓の外へ顔を向け、幸せそうに笑っていた。その表情は、俺が眠る前、「また明日ね。」と、聞こえもしないのにいった時に見せた、柔らかく、ただ愛を表しただけの表情だった。
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rydeen-rippop · 4 years
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世界一 おいしい コーヒーゼリー と ケニア🇰🇪アイスコーヒー(サイフォン) (サザコーヒーKITTE丸の内店) https://www.instagram.com/p/CDNuXg8B6Bb/?igshid=1kmn05pvdp26z
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aochan-dance · 5 years
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💌日本でもぜひ!【 保留コーヒー】  コーヒーに込められた......   ある日私と友人で 小さなコーヒーハウスに入り それぞれコーヒーを注文した。    テーブルにつこうとすると 二人の客がカウンターに向かい    『コーヒー五つ。三つは”保留”で』    と言って コーヒー五杯分の 支払いを済ませていた。   「コーヒーの保留って?」  「まあちょっと見てようか」    二人の女の子がそれぞれ 一杯分のコーヒーを買っていった。   次に三人の弁護士が 七杯のコーヒーを注文し  四杯を”保留”にしていった。    暖かい日差しの中 私はカフェの前にある 広場の眺めを楽しみながら コーヒーの”保留”について 思いを巡らせていた。   ●すると突然 お世辞にも裕福とは言えない 見るからに貧しさを漂わす男性が カフェのドアを抜け 店員に丁寧にこう聞いた。   ●『すみませんが ”保留”のコーヒーはありますか?」 それはとてもシンプルな答えだった。  人々は暖かい飲み物を買う余裕のない   ●『誰かのために』 ”先払い”をしていたのだ。    ★この風習はナポリで始まり 世界中に広まっていった。 ★今ではコーヒーだけでなく サンドイッチやパンも ”保留”できる場所が 現れるようになったという。    💌人の愛が込められた その《保留コーヒー》は なによりも、温かいものではないのか 『『『『『私は思う』』』』』』 #コーヒー #コーヒータイム #コーヒー好き #コーヒー豆 #コーヒーゼリー #コーヒーカップ #コーヒーブレイク #珈琲 #珈琲店 #珈琲専門店 https://www.instagram.com/p/B9x-ARPHeq3/?igshid=1soo2m0ilioog
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spiwish · 5 years
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とても可愛い冬の使い。
12時起床。
うん、だらけてるね。
今月の目標に、できるだけ生活リズムを整えようってあったじゃないか…
もうちょっと早く寝て、早く起きるリズムを作らなくちゃ。
お昼ご飯をCafe de lipaさんへ食べに行きました。
まだキャッシュレス決済対応はしていないみたいで…いつになるかなー。
チップスと、コーヒーゼリーと、キャラメルマキアートのICEのLサイズで、
なんと割引諸々入って1000円ぴったり!
お腹一杯になったし、パープルマウンテンの試食も頂けて、本当にお優しいお店だ…!
なんだか心配になってしまう…もっと払いますよ…。
職場を覗いてきました。
店長がいたら今後の話をしようと思ったけど、今日は会える時間には多分来ないということを先輩から聞きました。
先輩に雰囲気が変わったという旨の言葉を頂いて、実際には髪型がいつもと違うだけなんですけど、ちょっとした変化に気付いてもらえてきゅんとしました。
あ、言ってくださったのは女性の先輩ですが、恋が始まる予感か…!?
私からだと後輩に当たる男の子が、お昼のお仕事をしていて、
普段夕勤の子だったけど、あれ、私いよいよ戻る場所無くなった…!?なんて心配と、
ちゃんと後継が育っている安心と。
いや、私戻りますけどね!??今週末ぐらいから動きます、働けますよ!!!
今はバイトをしたい気持ちがとてもたくさんあります。
だから、戻る場所を残しておいてくれー(><)
立ち寄ったセブンで限定のリンネルを買ってしまいました。
だって…付録がミィの時計なんだもの…!
お前、前回別の雑誌の壁掛け時計もムーミンだったという理由で買ってたよな?
って突っ込んで欲しい…覚えててくれてた方はいらっしゃるでしょうか。
そうです、私の部屋には枕元に小さな時計と、ムーミンの壁掛け時計と、とび森一番くじのしずえの時計がテレビの前にと、今日の付録時計が出窓に一つ、
でも実際に見る時計ってiPadの角っこにちんまり載ってる正確な時計、という…。
なんなら、ニュース番組とかつけてたらその時計も見てしまう。
お前、時計いらないんじゃないか…?
いやいやいや、これはファンとして、ミィ推しとして仕方なかったんですよ!
必要経費…なのだ…。
お菓子もいっぱい買ってきました。
親戚一同が押し寄せてきて、お菓子を貪り尽くされてしまったんです。
スナック菓子を中心に買い集めました。
最近はスナック菓子が好きです…。
帰宅するとすぐにお荷物到着、
これは以前から待っていたも��で無く昨晩注文したもの。
平台車です。
2台買って、すでに使ってしまっているので写真には残していません(><)
ちゃっちい、耐荷重50kgの物ですが、今回は十分でした。
部屋のとある部分の荷物が直置き状態で、
いちいち退かすのが大変だったので、平台車購入しました。
これはもう職場で使ってからの長年の平台車信者の言葉なのであまり信じないで欲しいのですが、本当に便利なのです…!
荷物がスススと動かせる…!
DIYとかが得意な方は、適当な厚手の板にキャスターつけるだけでもっともっと安上がりに仕上げることができます!
クローゼット収納とかに大活躍。
地震とかの時は少し動いてしまうかもしれませんが、お掃除や奥に収納が更にある場合には本当に世界が変わったような…語彙力ないけど…とにかくすごい…。
無印良品なんかでも売ってますし、
私は持ち帰るのが大変なのでAmazonで購入しましたよ。
本当に、便利…!
お正月福袋のコンテナと合わせ技すると最強です。
いい買い物をした。
あと届いていない荷物は2件、
うち1件は今日配達の遅延のメールが来ていたので大人しく発送されるのを待ちます。
もう一つは今日届いてもいいんじゃないかなー…でも追跡番号とかない定形外なので待つしかない…。
まだかなぁ。
今日母が、私があまりに服に無頓着なのに呆れて、また服をくれました。
こっそり通販サイトを覗いているのは知っていたけど、自分用では無く私用だったのか…。
とてもおしゃれなワンピースが2着と、お出かけ用のシャツ(丈がちょっと微妙だけど対策します!)と、トップス1着。
今年は衣食住の衣だけでも自立したい…と思わされました。
私と同い年の女の子は、普通に自分で服を探して買って着てますよね…働いているし。
私はアルバイトで、服屋なんて入らないし、自分で買うことはほぼ無いです。
じゃあ服どうしてんの、って、完全にお母様の着せ替えドールちゃんですよ。
お恥ずかしい話ですが、私本当に服ってものに興味が…昔はあったのですが、それもゴシックロリータやパンク方面だったしなあ…今も昔も無いに等しくて…。
それでも、最近少しだけ服屋も見るようにはなりました。
残念ながらわがままボディにフィットするサイズはなかなか見つかりませんが、
たまに服も買うようになりました。
今年が終わる頃には、着せ替え人形脱出したい!
と、手帳のwishリストに書いておきました…。
本当に恥ずかしいな、私。
少し部屋を片付けて、
休憩してまたちょっと近所のスーパーに買い物に出てきました。
販売停止になったはずのレモン堂のはちみつレモンだけ、売れてないのか在庫が大量にあったので、今夜飲んでみて美味しかったら買い溜めしておこう。
お酒って正直進んでは飲まないものなんです…すぐ赤くなるし呼吸苦しくなるしあんまりいいことない…しゅわしゅわ苦手だし。
でもたまに、たまーに飲みたくなるんですよねー。
飲めない年齢でも無いし、嗜み程度でいいのかな。
今夜は多分、飲みます。
TOSのOVA?のテセアラ編まで観終わりました。
あとは世界統合編…どんなエンディングが待っているんだろう。
ちょっとずつゲームとは違う演出があったので、楽しみです。
そして私はTOVもクリアしなくてはならないのだ…
まだカロル先生の水塵武器手に入っていない…いつ手に入れるんだろう…
最近はポケモンがやりたくて仕方なくて、どっちが先にクリアするかな…(苦笑)
お腹が減った17:48…
今日は18時ぴったりにお食事いただこう。
今夜は鍋です。
鴨団子も入れてもらえるらしい!
楽しみだ…!きっと美味しいに違いない…!
食前、なんだか低血糖のような症状に襲われ、
今もあまり具合が良くありません。
一応食事は美味しく頂けたのですが、回復しないところを見る当たり低血糖ではなさそう。
なんだろう…?
偏頭痛がくる予感はしていますが、多分それでもない…。
不思議。変なの。
明日、具合が良かったら何をしようかな。
もうすぐお休み期間終わってしまうし、遠出をしてもいいかも。
割と遠くへ行きたい欲も強まっています。
ただ、足ぐねったら帰ってくるの大変だしなぁ…。
都心の方も、何があるか全然情報がないから無作為には行けないし。
なにか「コレ!」というものが有れば出掛けられるのですが…案外そういうところでは無欲なのかな。欲深いことで知られてる私が…。
夜は長い。
ゆっくり考えようと思います。
では。
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shunsukeir · 5 years
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日本玩具博物館は面白し
どんよりとした曇り空、天気予報も雨だったので、以前、一人で行ってとても面白かった日本玩具博物館に妻と正月休みの延長で家にいた娘を連れて行きました。
ここはミシュラングリーンガイド二つ星です。四つの古民家風の建物の中に、テーマ別に沢山のおもちゃが展示されていて、一部は触って遊べます。妻と娘は何種類もあるビー玉転がしを全て試し、「これは面白い」「これはつまらない」と評価して遊んでいました。
面白かった展示物を紹介します。
近代のおもちゃの中でも個性的なキャラクターを選んでみました。もーれつアたろう、まことちゃん、サザエさんなど。往年のスター笠置シヅ子さんの人形も見つけました。
笠置シヅ子さん
まことちゃん
サザエさん
民芸品風の古い玩具の中に、女の子と赤ん坊の人形を発見。こういうのは、やっぱり、不気味ですね。
日本各地の昔のおもちゃです。地方の特色が感じられます。赤いお面が好きです。
世界各地のおもちゃです。写真はぼけてしまいましたが、赤い卵の中のベイビーが面白いです。
おもちゃが無い棟もあります。囲炉裏などあり、とても落ち着ける雰囲気のところです。季節が良くて時間があれば、少し座っていたいようなところです。
特別展は世界のクリスマスでした。キリスト生誕をテーマにしたものが数多くあることにちょっとした驚きの納得がありました。メキシコの死霊のお面は映画「リメンバー・ミー」の世界ですね。
姫路でランチ
昼食は姫路に移動し、みゆき通り商店街のBeef Plus+でローストビーフ丼を食べました。1000円なので全く問題ない味でした。妻に、道の駅北はりまエコミュージアムのローストビーフ丼とどちらが美味しいか聞いてみると、エコミュージアムに軍配が上がりました。
はまもとコーヒーのコーヒーゼリーは旨し
この後、姫路に来たときは定番のこばやし茶店の抹茶ソフトクリームを所望したのですが、冬季は売っていないということでした。そこで、目標をコーヒーゼリーに変えて、はまもとコーヒーにいきました。苦味がしっかりしていて美味しかったです。娘が奢ってくれました。
0148.どんより曇り空。雨降りと踏んで、日本玩具博物館へ #はまもとコーヒー #みゆき通り商店街 #コーヒーゼリー #ローストビーフ丼 #Beef Plus+ #兵庫県 #姫路市 #日本玩具博物館 日本玩具博物館は面白し どんよりとした曇り空、天気予報も雨だったので、以前、一人で行ってとても面白かった日本玩具博物館に妻と正月休みの延長で家にいた娘を連れて行きました。 ここはミシュラングリーンガイド二つ星です。四つの古民家風の建物の中に、テーマ別に沢山のおもちゃが展示されていて、一部は触って遊べます。妻と娘は何種類もあるビー玉転がしを全て試し、「これは面白い」「これはつまらない」と評価して遊んでいました。 面白かった展示物を紹介します。 近代のおもちゃの中でも個性的なキャラクターを選んでみました。もーれつアたろう、まことちゃん、サザエさんなど。往年のスター笠置シヅ子さんの人形も見つけました。 民芸品風の古い玩具の中に、女の子と赤ん坊の人形を発見。こういうのは、やっぱり、不気味ですね。 日本各地の昔のおもちゃです。地方の特色が感じられます。赤いお面が好きです。 世界各地のおもちゃです。写真はぼけてしまいましたが、赤い卵の中のベイビーが面白いです。 おもちゃが無い棟もあります。囲炉裏などあり、とても落ち着ける雰囲気のところです。季節が良くて時間があれば、少し座っていたいようなところです。 特別展は世界のクリスマスでした。キリスト生誕をテーマにしたものが数多くあることにちょっとした驚きの納得がありました。メキシコの死霊のお面は映画「リメンバー・ミー」の世界ですね。 姫路でランチ 昼食は姫路に移動し、みゆき通り商店街のBeef Plus+でローストビーフ丼を食べました。1000円なので全く問題ない味でした。妻に、道の駅北はりまエコミュージアムのローストビーフ丼とどちらが美味しいか聞いてみると、エコミュージアムに軍配が上がりました。
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sakucafeaohana-blog · 7 years
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当店2強カキ氷の1つ。 珈琲キャラメルカキ氷〜コーヒーゼリー付き〜 ・ 最高の天気と日曜日が重なった、超観光日和の佐久島をお楽しみください〜! ・ 幻の古民家カフェ虹工房 改め サクカフェaohana ・ 本日9:30-18:00営業予定です(^^) ーーーーーーーー #佐久島#佐久島アート#佐久島の旅#佐久島カフェ#イーストハウス#おひるねハウス#名古屋観光#愛知カフェ#カフェ#カフェ巡り#名古屋旅行#カフェ好きな人と繋がりたい#ファインダー越しの私の世界#カフェスタグラム#インスタ映え#お洒落さんと繋がりたい#サクカフェ#aohana#サクカフェohana#旅#旅人#世界一周#幻#かき氷#カキ氷#かき氷#西尾#西尾市#西尾カフェ#世界一周 (佐久島)
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slorn-jp · 7 years
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こだわりのスペシャルティコーヒーショップ、9月のオススメメニュー紹介(Vol.1)
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素敵なスペシャルティコーヒーショップと出会えるアプリ・Slorn(スローン)では、2017年9月28日(木)まで1000円offギフトチケットが当たるチェックインキャンペーンを開催中。
参加は、Slornアプリでお店にあるQRコードをかざすだけ!
チェックインキャンペーンをやっているSlorn加盟各店では9月のオススメメニューが、ずらり揃っております。
コーヒーフラッペ、レモンスカッシュ、米粉シフォンケーキ…どのドリンク&フードも食欲の秋にぴったり!
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まずは、Life Size Cribe(国分寺)の9月のオスメメニュー。
左上は、特濃のバニラアイスを使ったコーヒーフラッペ!中には砕いたコーヒー豆がぎっしり入っており、ねっとりしたバニラアイスベースのドリンクとジャリジャリした豆の食感の対比が面白いです。コーヒーの旨味が凝縮されたかのような味も最高!
右上は、コーヒーケーデンス。こちらはなんとコーヒーをエナジードリンクで割った珍しいドリンク。夏バテの体にはピッタリでは?
左下は深煎りの豆で作ったコーヒーゼリー。もっちもちの食感がたまりません。どれも9月いっぱいまではオーダーできます!
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GRAIN BREAD AND BREW(渋谷)のオススメその1は、スペシャルティコーヒーで作った贅沢なアイスカフェモカ! チョコソースもこだわっているとのこと。コーヒーの美味しさとチョコソースが互いを引き立てあってます。
オススメその2は、フレッシュなレモンを丸ごと一個使用した爽やかなレモンスカッシュ! 夏の疲れた体にレモンはいかがですか?
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SPLENDOR COFFEE(浅草)のオススメは、国産米粉100%のシフォンケーキ専門店「浅草OTACO」さんより取り寄せたグルテンフリーシフォン。
私も食べたことがありますが、ふわふわ感がたまらないです。 トーストバージョンでは、ふわっサクッの食感に変わるそうですよ。
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ITTA COFFEE(奥沢)のオススメは、ゲイシャの中でも世界最高級クラスの希少豆、パナマ・ゲイシャ・エスメラルダ農園です。
「その味わいは甘くやわらかくスムースで、花やフルーツなどの複雑な香りが口いっぱいに広がります。(オーナーバリスタ・松浦さんより)」これはとってもレアですね。気になります!
どれか、ビビッときたメニューはありましたか? 是非、Slornをダウンロードしてお店に行ってみてくださいね。
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yukobali · 7 years
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Happy Sunday brunch💙. . ベーグルには クリームチーズとサーモン☝🏾💓. 📸 @nook_bali . . 高校時代にドトールで初めて食べた時から もうずーっとスキ😍. 好きなモノって歳を重ねても 変わらないのであーる😝. . そりゃあね、 おっこんが一番恋しいのですが シュークリームも プリンも わらび餅も コーヒーゼリーも もうすぐ食べられると 考えるだけでヨダレもの🤤💓. . . #bali #seminyak #cafe #nook #green #brunch #salmon #lunch #nook #niceview #sunday #trip #travel #バリ島 #バリ #スミニャック #カフェ #ヌック 実は #景色 も最高 #旅 #海外 #海外旅行 #女子旅 #ファインダー越しの私の世界 #南国 #リゾート #写真好きな人と繋がりたい #ベーグル #バリ島で日曜日を楽しむ会 の #ブランチ そして昼から #🍺 (NOOK)
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skf14 · 5 years
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02232315
きっかけは芝居小屋へ君と人形浄瑠璃を観に行った日のことだった。
狭い座席に君と二人肩を並べて見た演目は近松門左衛門の心中物の中でも名作だと名高い「心中天網島」。
見晴らしの良い後方の席へと座り、人形遣いの麗しい技術と語りの饒舌さに惚れ惚れしていた刹那、唐突に君から肘掛に置いていた左手を握られた僕は仰天してしまった。
その微かではない触れ合いは、情欲を匂わせるそれではなかったものの、こうした芸術、文化に触れている最中に君が起こす行動としては幾ばくかの疑問があった僕は、その手を握り返すことに一瞬躊躇い、そして、気付かない振りをしてやり過ごすという選択をした。
それはきっと周りで真剣な顔をして人形遣いの技に見入る人々の邪魔をしてはいけないという理性でもあり、微かに左の頬へ刺さる君の視線に一度応えてしまえば、もう浄瑠璃どころではなくなってしまうという口惜しさでもあった。それもそのはず、僕はこの演目をたいそう気に入っており、君にもそう伝えて今ここに二人座っているからだった。
黒子が幕を引き、人々がガヤガヤと席を立っていく中、僕は空いた右手で唇を触りながら、いつまでも僕の指の形を辿っている君に苦々しげな表情を隠すこともなく振り返った。君はそんな僕の目線を鼻にもかけず、ゆるりと形作った薄い三日月から「喫茶、行きましょうか。」と言った。
僕たちはこうして浄瑠璃や歌舞伎、狂言などの文化芸術に触れた後は必ず小さめの喫茶へ入ることにしていた。君が言うには、頭を使って見る分、糖分を取って脳を労いたい、という理屈らしい。
筋は通っているし、僕も君が考察を捏ねながらクリームソーダやらコーヒーゼリーやらを掬っては口に運ぶその仕草を見ていたいから、喫茶へ行きたいと思っているのは案外僕の方なのかもしれない。
「君、さっきのは一体どういうつもりなんだい。」
「あら、なんのこと?今日の演目、素敵だったわ。私、明日も見に行こうかしら。」
最近メニューに追加されたチョコレートパフェを口に運びながら、君は売り子が配っていた今日の浄瑠璃のチラシを見つめている。残念ながら明日の席は完売だ。先日襲名したばかりの人形遣いが主役の紙屋治兵衛をやると聞いて、皆が集ったのだろう。
僕の左手にはまだじんわりと痺れるように、君の柔らかな指の腹の感触が残っている。触れ合いなぞ、大して珍しいものでもないはずなのに不思議なことだ。と感触を消すようにティーカップを左で取り、香りを楽しんでから一口含んだ。シンプルなダージリンの豊かな香り。鼻に抜けるそれはいつも頭の熱を冷ましてくれる。君は物憂げな顔をして、目の焦点は僕ではなく僕の奥の方を見つめていた。
「君、何かあったのかい。」
「ねえ、私がどこで手を握ったのか、覚えていらっしゃる?」
「ああ、勿論。あれは確か、」
二人の子供と妻がありながら遊女の小春と思いを交わし、そして心中の約束をした紙屋治兵衛。そんな治兵衛を思いやって心中を止めようとする兄の孫右衛門と小春。一度は別れたものの、自堕落さと不運に翻弄され全てを失った治兵衛は最後、幾つもの橋を渡り網島へ向かい、そして、小春と心中を果たす。
君が手を握ったのは、その、心中のシーンだった。緊迫した息遣いと、人形の布の擦れる音、そして、小春の喉首を刃で貫き、首を吊る治兵衛。君の少し汗ばんだ手が、幕引きまでずっと強く握られていたことを思い出す。
「心中のシーン、だったかな。」
「そう。」
「何か嫌な思い出でもあったかい?」
「いいえ、違うわ。むしろ好ましい気持ちよ、きっと。」
「好ましい?それはおかしい。君、今まで何を見ても、最中に僕に触れることはなかったじゃないか。」
「そうね。それが理由よ。」
「理由?」
「貴方が聞いたんじゃない、どういうつもりなんだい。って。ふふ。」
君の頭の中は常人の世界とは少し違っていて、整った部分と雑多な部分の差があまりにも酷い。だからこそ惹かれた部分はあるにせよ、長年共に過ごしたからといって理解出来るわけではない。常人の僕にも説明を、と目線をやると、君はクリームをつけた口端を舌でぺろりと舐めて話し始めた。
「私、貴方に殺されたい。って言ったら少し語弊があるかしら。」
「かなりね。かなりあるよ、君。僕がそんな会話を側で聞いていたらぎょっとする。」
「貴方と共に、何にも縛られぬ世界へ行きたいの。と言えば、伝わる?」
「それはつまり、僕と、心中したいと?」
「ええ、そうよ。」
君がまるで僕が夕飯のメニューを聞いたときのような普通の反応を返すから、知らない間に僕が何か怒らせてしまってこんな冗談を言っているのかと思案したが、君の醸し出す雰囲気と目の色からして、違うらしい。
「一言断っておくが、僕は君以外に心を傾けたことはない。」
「貴方、不器用だもの。何人も手篭めにするような、そんな器用な真似は出来ません。」
「なら何故。」
「何故、って、貴方はいつも、貴方の舞台なのに、他人によって左右される理由に踊らされてるのね。」
君の吐いたため息が机上のストローの包紙を揺らす。いやいや、さすがに理由はいるだろう。何せ、君は今僕に殺され、死にたいと宣ったんだ。死にたくなるような事柄が、君の人生において起こったことを僕は知らない。
「残念、理由はないわ。強いて言うなら、幸福の保存、ってところかしら。」
「はあ、また難解な造語が出てきたね。して、その意味は?」
「私は、あんな、全てを失って死に縋る気持ちは味わいたくないの。」
「失うのが前提になってる部分について、僕は一言物申したいんだけど。」
「私、今、貴方といられて幸せよ。だから幸せなまま、人生を終えたいの。貴方と共に。」
問題があるとすれば、君の思考回路は理解出来るものの、僕は希死念慮を持ったことがない。まず君の気持ちに共感した上で、僕の中での着地地点を探さないといけない。喫茶には心地の良いレコードの音楽が小さく流れ続けていて、僕たちのテーブルだけが別の時空にあるような感覚を覚える。
「これから、したいことはないのかい。」
「やり残したこと、って意味なら、その質問は無意味よ。」
「どうして、ああ、そういうことか。次の世界ですれば良い、と。」
「そうよ。仮にあったとしても、ね。」
「死ぬことが怖くはないのかい。」
「私、貴方がいたら何も怖くないわ。そういう頭に、貴方が私を作り替えたの。」
「そうだったのか、それは僕にも幾ばくか責任がある。」
「ふふ、そうそう。」
「そうか、君は死にたいのか。」
「その言い方は少し正しくて、少し正しくない。死にたいんじゃなくて、貴方と共にいたいの。」
好きよ、と、まるで白桃味の飴玉のような軽やかな甘みと共に恥ずかしげもなく伝えてくるから、僕はもう面食らってしまって、冷めた紅茶を飲みながら思考をまとめた。よくよく考えてみれば、この世に未練はない。君が幸せな世界がずっと続くことが、僕の生きる理由だった。その幸せが、僕と共に次の世界へ行くことなら、僕はそれを叶えるために存在しているのでは、ないだろうか。
少々飛躍しすぎかもしれないが、僕は存外やろうと思えばすぐにでも行動する人間だった。要は、己の中で理屈が立てば、行動しない理由はない。
「帰ろうか、君。晩は何か買って帰ろう。」
「ええ。貴方、何が食べたい?今日は気分がいいから、好きなものを作るわ。」
「ああ、じゃあ僕は、君の作る生姜焼きが食べたい。」
「好きね、いいわよ。」
心中天網島のチラシは、四つ折りで閉じられたまま机に置かれた。
そうして自宅に戻り食事を済ませた頃には、もうとっぷりと日が暮れていた。時刻は午後の9時を少し回ったところだった。
夕飯の片付けを終えた君を呼び寄せて、ソファへと座らせた。取っておいた良いチョコレートを出してやれば、目を輝かせてそれの包装を器用に剥がし、ひょいっと口の中へ放り込んだ。君の目が細められて、そうして嬉しさの色を纏って僕を捕らえる。
「君、川端康成氏の「片腕」という話を知っているかい。」
「読んだことないわ。どういう話?」
「簡潔に言うとね、ある娘の片腕を肩から外して一晩借り、自宅へ持ち帰る話なんだけども。」
「あら、奇特な話。そんなの書くのね、彼。」
「あの話を読むといつも君の手を思い出すんだ。美しく、幼く、大人びていて、滑らかで柔らかい。」
「貴方の褒め言葉は、なんだか淫靡だわ。」
「僕も男だからね、そういった色が混じってしまうのは仕方がない。」
「どうぞ。」
君が王女のようにその手を僕へと差し伸べて、ああ、綺麗だと、まるで天皇陛下に献上される絹に触れるような心持ちでその手をとった。無礼にも指を絡ませ、握って、肉の感触を確かめる。
「僕は存外言葉にはしてこなかったが、君のことを、ずっと愛しているよ。」
「分かっています。私は、これからもずっと、貴方と共におります。」
今日は、ぐっすり眠ろう。と、君へ差し出した酒瓶を見て、君は思わず吹き出してしまった。文学かぶれだと笑われるのは分かって差し出したものの、恥ずかしい。
「貴方、よくそんなお酒、用意出来たわね。」
「僕はこれが好きなんだ。これが、と言うよりも、このシーンが、の方が正しいか。」
貴方、まるで大庭葉蔵ね。その台詞が、僕と君を結びつけるきっかけとなった。君から言わせれば僕は太宰治の残した「人間失格」の主人公、まさしく人間失格な大庭葉蔵で、君は、純粋で可愛らしい煙草屋の娘ヨシちゃん、らしい。僕から言わせれば君は知性の面はさておき性格において「痴人の愛」のナオミや、「刺青」の娘の方が幾分か近いような気がしないでもないが、それを言うたびに君は頬を膨らませて、「これだから大谷崎を崇敬するマゾヒストは困る。」と憤慨するのだ。
飲み残した一杯のアブサン。絵が得意だった大庭葉蔵が、過去に描きそして失われたもう取り戻せない己の傑作を思い出す時の感覚を喩えた言葉だ。胸がからっぽになるような、だるい喪失感。今思えば、僕にとって人生は、飲み残した一杯のアブサンに過ぎなかったのかもしれない。その、堪え難い喪失感を埋めてくれたのは、君だ。
「今宵の綺麗な月に、乾杯。」
「キザね。乾杯。」
からり、からり、透明な氷を君の指が混ぜてから、翡翠色の液体は君の喉を通っていく。
「ねえ、君。」
「はい。」
「次の世界でも、浄瑠璃に連れて行こう。歌舞伎だって、美術館だって、なんだって、君の望む世界を僕が作ろう。だから、」
「弱気���のね、貴方。そんなところも、私、好きよ。」
「また、会おう。いや、また、会いにいく。待っていてくれ。」
「百年、なんて、言わないで...くださいね...」
握っていた手の力が、深���吸するようにすうっと抜けていく。酒に混ぜた、ジアール。君は耐性がない分、すぐ眠りについた。遅効性の毒は、十分致死量に達している。君の身体をそっと抱え、寝室のベッドへと寝かせた。窓からは、淡い月明かりがさしている。
飲み残した一杯のアブサンは、君と二人、半分ずつ分け合って今、飲み干された。
「月が綺麗だよ、君。」
「君を食べる夢が、最後に見られると良いのだけど。」
「僕に、永遠を感じてくれて、ありがとう。愛してる。」
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