リトルバスターズ 感想
共通ルート
ゲームを購入したのは2020年の12月だったと思うが、共通ルートが長くてしばらく放置していた。
美魚ルートに入ったのは2021/3/12のことだ。気が向���たので再開した。
一度個別を経れば共通ルートは飛ばせるので、これからはさらさらと個別ルートを見ていけると思う。
総評 2024/3/20
約4年も積んでいただけに、全ルートを見終わった感慨とさみしさは大きい。
人のつながりでつらい現実に立ち向かう事を繰り返し強く描いた物語だった。
10代のうちにプレイしていたら人生の指針になっていたかもしれない。
中学の友達がプレイしていたので、借りるかプレイを見せてもらうかしていればよかった…と後悔している。
Key作品独特の世界観の曖昧さがやや難解な部分はあったが、大部分は理解できたと思う。
三枝葉留佳と二木佳奈多姉妹は、現実的な問題を描いていて感情移入がしやすかった。とても印象に残った。
CGコンプ率の残り2%を恐らく朱鷺戸沙耶ルートで回収できるが、迷路の謎解きは攻略を見ながらやっても面倒なので、きっとやらない。
西園美魚ルート 2020/3/13
美魚は今まで孤独からの逃避をしていたんだと思う。
人と関わることで孤独感は増す。人との関わりの中にこそ本当の孤独がある。人と関わらないならば孤独からも無縁だ。
理樹は美魚を逃避の道から、孤独しかない世界(ゆえに孤独は無い)へと連れだした。
他の個別ルートも、いわゆる「モラトリアム」からの脱出による成長をテーマにしているのでは無いだろうか?
美鳥はスワンプマンだと思った。
スワンプマンが本物のデイヴィドソンにはなれないように、 美鳥も美魚にはなれないのでは?と最初は思ったが、人の記憶の曖昧さが二人の区別をなくしていた。
恭介には全てをお見通しだったのではないだろうか?
ぼんやりと覚えているリトバスのアニメ内容と、「短歌を出さないと後悔するぞ」や「自分以外を信じるな」という発言が、この世界の謎への伏線になっている気がする。
個性という色が強いほど、孤独は増すのかもしれない。
人との関わりの中で孤独を感じ、向き合うことが正しい事なのかもしれない。だけど、孤独と向き合えるほど強い人間ばかりではない。
色が強いほどに孤独の苦しみが増す。
だから日本人は没個性を推奨しているのかもしれない。
孤独から弱い人を守るために。
神北小毬ルート 2022/3/3
久しぶりにゲームを起動したので共通ルートからやり直した。
時間がかかった。
小毬は立ち直ったが、こういうフラッシュバックとかトラウマは簡単に克服できるものではない。時間をかけて少しずつ回復にもっていくしかない。
なのでたぶん、小毬のフラッシュバックはまだ何度かあるだろうけど、理樹と兄との思い出があるならそのたびに立ち直れると思う。
理樹は小毬を「完治させた」というより「完治の兆しを作った」と言うべきだろう。
小毬のレイプ目が2、3日は忘れられなくなりそう。
たまに「可愛い女の子になら依存されたい」と思うけど、ここまで重たい依存は流石に怖い。
バッドエンド時の「どこまでも続く9の羅列」の辺りが意味はよくわからないけど怖かった。
コズミックホラーに似たものを感じた。
美魚ルートの感想を読んでいて、やはり「モラトリアムからの脱出」がテーマだと感じた。
理樹が電車に乗っていた時に感じた「同じ景色が繰り返されている」という感覚は、この世界の謎への伏線になっているのかもしれない。
能美クドリャフカルート 2022/05/28
最初は「クドが国に帰ってもただ被害を受けるだけでは?」と考えたが、『リトルバスターズ』の大きなテーマに沿うのであれば、確かにクドは帰らねばならない。最後には納得した。
なんでメインヒロインに「クドリャフカ」なんて不吉な名前を付けたんだろうってずっと思ってたけど、ラストを見て理解した。
あえて不吉な名前を付け最後にそれを払しょくする、なんともニクい構成だった。
ちらっと出てきた「ハイヌウェレ(神話の一つ)」が面白そう。
こういう神話もあるのか~。
母親のDVDを見る場面でKey作品の『rewrite』を思い出した。
現状維持と開拓のどちらを取るか選択を迫られたときは、自分が後悔しないであろう選択をするしかない。
何が正しいか間違いかは時間が経たないと分からない。
お互いの体に紋を描く場面は表現の枠の中で上手く二人の親密な交流を描いていた。
「エクスタシー」では明確なエッチシーンなんだろうな。
(プレイしてるのはsteamで発売されているEnglish Edition)
クドの秀才さが環境によって抑制されているのがもったいない。
こういう子はいっぱいいるんだろうなぁ。
2024/2/1追記 クド役の若林直美さんは、メダロット魂のコクリュウや、アイマスの秋月律子訳の人だと気が付いた。
葉留佳ルートのEDで名前を見て今更ながら知った。
2024/3/20追記
クド帰郷の選択時、「クドに決めさせる」を選択するとエンドが変わる。おそらくrefine後の変化要素。
クドに選択させたうえで後悔を捨てさせまいとする理樹の行為は、一見優しさに見える。
しかし実際は理樹のエゴでクドを操作してるだけであり、クドの両親を思う気持ちを知っている理樹が、クドの帰郷を勧めないのは無責任だ。
知っていて背中を押さないのは優しさではない。
帰郷を止めたクドを尊重するのであれば、ドッグタグを理樹が持ち、クドが後悔する事を確信したうえで見守るべきだ。
三枝 葉留佳 ルート 2024/1/31~2/1
「姉妹が手を取り合うことが解決への道だろう」と予想していたのが当たっていた。
葉留佳は「理解ある彼氏がいるメンヘラ」という言葉が合う。
理樹の存在があったとはいえ、最終的に善悪や憎しみから積極的に脱却てきたのは、葉留佳の強さだろう。
葉留佳は「悪者は居ない」と言っていたが、三枝の大人たちは悪認定しても良いとは思う。
姉妹が和解はできたが、三枝の大人たちとの戦いが残っている。
そこも描写してほしかった。
両親が姉妹の協力を条件にしたのは、それが因習からの脱却だと考えたからだろうか?だとすると、両親の忍耐の日々の辛さが想像できる。
佳奈多が葉留佳に成りすます場面は驚いた。ひぐらしかよ。
憎まれ役を買うことで佳奈多は自分だけ優遇されていることへの罪悪感を晴らしていたと考えていたが、もっと純粋な善意だった。
葉留佳の私服に驚いた。
制服の立ち絵でも胸の大きさは分かっていたが、私服だとなお目立つ。
傷つけあう役を演じ分けるすずきけいこさんの演じ分けが凄かった。
Keyおなじみの声優さんだ。
来ヶ谷唯湖ルート 2024/2/4,7
個別ルートでヒロインがハッピーエンドを迎えられない事が予想外だった。
来ヶ谷は一番最後の話で救われるのだろうか。
共通ルートの最初に出てきた「世界の謎」にかかわる話だった。
個別ルートは、ヒロインと 理樹が一緒に見ている夢なのかもしれない。
アニメで大筋は知ってるつもりだったが、視聴してから時期がかなりすぎているため、ほとんど覚えていない。
今までの個別ルートの中でクドルートと同じくらい、普通の恋愛をしていた。
耳掃除の一枚絵がとてもよかった。
恭介の応援方法は賢く、優しさもあるにはあるが、親友として真摯ではない。
理樹と来ヶ谷を自分の価値観だけで比較し、 理樹に勝算がないと勝手に考えているだけだ。
最初から「勝算はかなり低く、一人で悩むことになる」と言う方が真摯ではある。
棗鈴ルート 2024/2/8
他ルートを経たからか、人見知りが減ったり小毬と仲良くしたりと、鈴が若干成長した。
理樹は恭介の言う「世界の秘密」には思い至らなかったのだろうか。
なぜ理樹と恭介が野球で競うことになったのだろう。
また、メンバーは誰だろう?ヒロイン達?
鈴のことに関して恭介が何らかの権限を持っていることは察せられるが、具体的な理由が語られなかった。
事故から生還するために理樹と鈴を精神的に鍛えている恭介の役回りはとてもつらいだろう。
謙吾は何に憤ったのだろう。
アニメだと背後に古式がいたが、ゲームだと詳細が分からなかった。
理樹が他ルートをなんとなく知っているような描写があった。
特に来ヶ谷ルートはバッドエンドを直感していた。
Refrain Little Busters 2024/2/8~9
幼児退行した鈴と活力を失った恭介がいる状態から始まる。
アニメで始めた見たときはとても驚いた。
世界の秘密を知ってもなお自分らしさを徹底して貫いた真人、理樹と鈴を懸命に守ろうとする(遊びたい欲求のためでもあったが)謙吾、 理樹と鈴のために策を巡らせた恭介は最高の友人たちだ。
共に成長できる理樹、いつでも先導してくれる恭介、変わらない居場所でいてくれた真人と謙吾、初めての同性の友達である小毬がいたから鈴は成長できた。
全員で修学旅行に行くラストを知っていたので、恭介たちとの別れがあまり悲しくなかった。
一度理樹と鈴だけが助かるエンドを迎えてから改めてリトルバスターズの面々を助けに行く展開になるのは予想外だった。
理樹としっかり恋愛感情を知った鈴が付き合うのが正史なのだろうか?
約4年もかけてクリア( 放置期間が超長い)しただけに、結末を知っていても感慨と喪失感は大きい。
美魚、クド、小毬ルートの続きの言及があったが、もうほとんど内容を覚えてない。
来ヶ谷だけ個別ルートでハッピーエンドを迎えられていないが、攻略を見るにもう一周する必要があるらしい。
また、佳奈多、佐々美、沙耶ルートが解禁になっているようなので、まだまだ楽しめそうだ。
二木佳奈多ルート 2024/2/13
葉留佳とは違う苦しみを抱いた姉妹の片割れの話。
佳奈多は葉留佳を守るために三枝の大人たちに従っており、 葉留佳の敵であり続けた。
その自責と諦観ゆえに、佳奈多は救いがたかった。
傷つくことに慣れてしまった人は自分を粗末に扱うことにも慣れて、手を差し伸べてくれる他人を傷つけて遠ざけてしまう。
佳奈多が大人たちを責めないのは「そういうもの」として諦めてしまってるからだろう。
「現状維持からの脱却」は作品全体のテーマである「モラトリアムからの脱却」に通じる部分がある。
葉留佳が最初から佳奈多への憎しみを捨てていたのは印象的だった。
佳奈多の物腰が柔らかくなっていたのも印象的だった。
メンタルが安定していたのだろうか。
「責任や慣習に囚われ動けない大人」と「未熟ゆえに掟破り的な現状打破ができる子供」の対比があった。
葉留佳から理樹への好意を受け入れられなかったのは悲しい。
今後、理樹をめぐる姉妹のすれ違いが無い事だろうか?
佳奈多が相手だからか、今ルートの理樹は妙に口上手だった。
理樹は純真だがプレイボーイ的なところは持っていないと考えているので、やや違和感があった。
葉留佳が虐待をしていた親族を告発しているので、現状からの明確な脱却が望めそうだ。
四つの髪飾りは姉妹の親が贈れた唯一の贈り物なのだろう。
親が子供にプレゼントができないという状況がやはり悲しい。
自分の個人的な行為や居心地の良さを理樹と鈴のために手放せたり、「誰も憎まなくてもいい」と言える葉留佳はとても強い。
選択肢で「佳奈多に好きと言わない→葉留佳とキスする」ルートだと、 佳奈多はどんな心境で理樹と接するのだろうか。
半端な状況だ。
朱鷺戸沙耶ルート 2024/2/27
これまでと打って変わって、ADVパートがとても多いルートだった。
沙耶ルートだけ「ADV風ギャルゲー」と言ってもいいかもしれない。
何度もループする沙耶に感情移入させるための構造なのは察しが付くが正直プレイするのが面倒だった。特に一筆書きに手間取った。
やはりノベルパートと探索パートは分かれてる方がいい。
���愛さより愉快さが際立つヒロインだった。
しかし射撃パートでの口の悪さがマイナス。
おっぱいはでかい。
死が軽いのは、『Angel Beats!』を思い起こさせた。
人々の思いで出来た仮想世界だからこそ、漫画を共通項として沙耶がこの世界に表れたのだろう。
あるいは理樹の記憶が沙耶を呼んだ?
理樹の両親について掘り下げがないのでわからないが、理樹は昔海外に居た?
この世界の時間軸は一本であるらしい。
仮に沙耶が過去で理樹と会っていたとしても、おそらく結果は変わらない。
恭介が闇の執行部部長なのは予想内だった。
むしろ、 沙耶が自害した後も上手く嘘をついてくれたし、 沙耶のループに付き合ってさえもいた。
笹瀬川佐々美ルート 2024/3/20
理樹が見ていた黒猫の夢は佐々美の孤独な過去で、この世界は佐々美が自身の孤独を克服するための存在だと思っていた。
実際は、黒猫への自責ゆえの嫌悪の解消と、黒猫との再会が目的の世界だった。
最終的に現実世界とつながるルートなので、相棒的な関係にはなりつつも、佐々美と理樹は付き合わない。
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