#ギンガク
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theatrum-wl · 7 years ago
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【劇評】【レポート】どこにもない演劇のまち、西和賀:東北の湖畔の町で見た演劇の風景
第26回  銀河ホール地域演劇祭(2018/09/01-09/02) 片山 幹生
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〔西和賀町文化創造館銀河ホールの空撮。手前は錦秋湖〕
岩手県と秋田県の県境、奥羽山脈のただ中にある西和賀町は人口5000人ほどの小さな町だ。この町には客席300ほどの公営の劇場、西和賀町文化創造館  銀河ホールがある。この劇場では1993年の開館以来、毎年地域演劇祭が開催されている。第26回銀河ホール地域演劇祭は2018年9月1日(土)と2日(日)に開催され、4団体4作品が上演された。今回上演された4作品はすべて宮沢賢治の作品だった。本稿ではこの4作品の舞台評のほか、銀河ホールというユニークな地方公共劇場の活動と地域演劇祭の様子について紹介していきたい。
劇団あしぶえ『セロ弾きのゴーシュ』
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〔劇団あしぶえ『セロ弾きのゴーシュ』〕
銀河ホール地域演劇祭の最初の演目は、島根県松江市の公設民営劇場〈しいの実シアター〉を拠点する劇団あしぶえの『セロ弾きのゴーシュ』だった。あしぶえは2016年に創設50年を迎えた長い活動歴を持つ劇団だ。『セロ弾きのゴーシュ』はあしぶえが28年にわたって上演し続けている劇団の最重要レパートリーであり、アメリカ、カナダの演劇祭でいくつかの賞を受賞している。
『セロ弾きのゴーシュ』の筋立てはごくシンプルなものだ。しかしあしぶえの公演ではそのシンプルな物語が、ミニマルな舞台美術とストイックな演出によって、さらに研ぎ澄まされたものになっていた。徹底的に磨き抜かれた鉱物の結晶のような美しさを持つ舞台だった。張り詰めた緊張感が最初から最後まで維持され、冗長さはまったく感じられない。
自尊心を徹底的に打ち砕かれ、絶望で自暴自棄の状態に陥りそうになりながら、ぎりぎりのところでゴーシュは破滅への転落をまぬがれた。夜中にゴーシュの家にやってきた何匹かの動物の前で演奏することで、ゴーシュのセロは上達し、自尊心を回復する。次の演奏会でゴーシュはそれまで自分を罵倒していた指揮者から賞賛を受ける。彼はそれまで自分がどれほど傷ついていたことさえ気がついていなかった。演奏会が終了し、帰宅して一人になったときになってはじめて、ゴーシュは自分を絶望の淵から救い出してくれた動物たちの無償の優しさに気づく。
劇の最後で彼の口から漏れる感謝の言葉の真実に、私は強く心打たれた。
俳優の表現のあらゆるディテールにまで注意が払われていることが感じとることができた舞台だった。きびしくコントールされた俳優の演技は、ゴーシュの情念の動きを精密に、ダイナミックに描き出している。ゴーシュの絶望ともがき、いらだちが、舞台から豊かなニュアンスとともにまっすぐ観客席に伝わってくる。ゴーシュ役の俳優の演技にひきこまれ、観客の多くはゴーシュの重苦しさを共有していたに違いない。
なぜゴーシュが動物たちの出会いによって停滞から抜け出せすことができたのか、動物たちはなぜゴーシュの家にやってきたのか、そしてゴーシュが最初にやってきた猫に対して謝罪しなかったのはなぜなのか。いくつもの「なぜ?」に対する回答はあしぶえの舞台でも宙ぶらりんのまま提示されない。『セロ弾きのゴーシュ』はハッピーエンドの物語だろうか。ゴーシュに感情移入していた観客は、ゴーシュの演奏の成功にカタルシスは感じた者もいるだろう。終幕のゴーシュは確かに絶望からの解放を味わっていた。しかしその解放感は愚かで未熟な自分へのいくばくかの悔恨を伴っている。彼は喜びよりは、深い虚脱感をあのとき味わっていたのではないだろうか。そんなことを感じさせる演出だった。
物語を舞台化するにあたって、雑多な情報を持つ俳優の身体や舞台空間が、作品を過剰に説明的なものにし、そのノイズによって語りの持っていた本質的な魅力を損なってしまうことがままある。あしぶえの『セロ弾きのゴーシュ』は、これとは逆だ。俳優の存在と舞台空間の抽象性が、物語の純度をさらに高め、作品に内在する象徴性を際立たせることに成功している。ほぼ唯一の具象的美術であるチェロの存在が、この舞台ではなんと雄弁なことか。28年に渡る上演のなかでテクストと真摯に向かい合ってきたからこそ、到達することができた表現の逆説だろう。強くて美しい舞台だった。(9月1日14時開演@銀河ホール)
劇団田中直樹と仲間たち『水仙月の四日』
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〔劇団田中直樹と仲間たち『水仙月の四月』〕
地域演劇祭、二本目は西和賀在住の〈田中直樹と仲間たち〉による『水仙月の四日』を見た。この公演は田中ひとりよって語り、演じられる人形芝居だった。
田中直樹はもともとは地元の劇団ぶどう座に所属していたが、考え方の違いからぶどう座を離れ、ソロで公演を行っていると聞いた。会場は銀河ホールに隣接するUホール。Uホールの建物は円錐形のとんがり屋根と赤い壁の可愛らしい建物で一階は図書館になっている。二階のUホールは円形平面で、リハーサル室・会議室として利用されている場所とのこと。観客は床に座って見るが、今回の公演では後ろの壁際に何脚かパイプ椅子が用意されていた。
『水仙月の四日』は吹雪の一夜を雪原でやり過ごす少年の話だ。舞台が始まる前に田中から、タイトルの「水仙月」と作品冒頭で出てくる「カリメラ」という語についての説明がある。これらの語はいずれもは宮沢賢治の造語で、水仙月は2月から3月の雪深く寒い時期、「カリメラ」は「赤砂糖を一つまみ入れて、それからザラメを一つまみ入れる。水をたして、あとはくつくつくつと煮る」とテクストにあるので、おそらく「キャラメル」を指す。
『水仙月の四日』は日本有数の豪雪地帯であるこの付近の人々にとっては、とりわけその情景がはっきりと思い浮かぶ作品に違いない。田中直樹は赤いケット(毛布)をかぶった少年とその少年を見守る雪童子を15センチほどの小さな人形に演じさせた。これに対して吹雪のアレゴリーである雪狼は人間の顔と同じくらいの大きさの仮面、そして大吹雪のアレゴリーの雪婆は人間をすっぽり覆い尽くす大きさの紙製の面で表現していた。雪婆が登場する場面では照明が暗くなり、蛍光ライトで雪婆の巨大な顔が白く照らし出される。小さい子供たちは狭い舞台を走り回る雪狼と雪婆を怖がっていた。
少年と雪童子を小型の人形にしたことで、白くて厳しい大自然に翻弄される人間の様子が強調された。また白い美術のなかでの少年の着た鮮やかな赤のケットの色彩の対比も印象的だった。小品だが配慮のいきとどいた工夫の数々によって、大人の観客も子供の観客も異世界に誘う、優れた演出の公演だった。人形と紙製の大きなオブジェ、紙吹雪といった材料はこの作品の上演を考えると定番的な素材だが、そのスペクタクルが作り出す幻想は、宮沢賢治の物語を冗語的に説明するのではなく、その語りの美しさをより印象的に引き立てるものになっていた。(9月1日15時半開演@Uホール)
栗田桃子(文学座)ソロ朗読劇『銀河鉄道の夜』
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〔栗田桃子(文学座)ソロ朗読劇『銀河鉄道の夜』〕
銀河ホール地域演劇祭の二日目(9/2)の最初の演目は、文学座の栗田桃子によるソロ朗読劇『銀河鉄道の夜』だった。
会場は銀河ホール。舞台にはいくつものキャンドルが並べられ、中央に椅子が一脚置かれている。背景には静止画の映像が映し出される。栗田はときおり、椅子を立ったり、座ったり、あるいは歩き回ったりしながら、声色で人物を演じ分けて朗読する。
���きもスマートだし、朗読も達者ではあるが、その動作や声色の変化がことごとく定型的で、テクストに書いてあることをそのまま冗語的、説明的になぞっているに過ぎない。テクストの記述に反射的に反応するような中途半端な工夫は、かえってテクストの世界を矮小化し、観客が世界に入り込むことを妨げてしまう。あれなら座ったまま普通に読んだほうがまだ聞き手の想像力を刺激することができるだろう。広い間口の舞台で栗田の芝居が空回りしていた。栗田桃子という魅力的な女優を使った朗読劇がこんなありさまなのはいかにももったいない。演出家あるいは演者の作品に対する思い入れや独自の解釈などを感じとることができない退屈な朗読劇だった。「朗読劇ってこんなものだろう」という演出家の作品に対する取り組みの甘さを感じてしまう。
演出の単調さと照明の暗さで、五分もすると猛烈な眠気の波が襲いかかってくた。私の周囲の観客にも観客も落ちていた人がかなりいた。公演後のアフタートークで宮沢賢治記念館の学芸員と演出の西本由香の話があったが、このアフタトークでも西本の話ははなはだ曖昧模糊としていて、学芸員の語る興味深いエピソードとの対比で、演出家の作品への関心の薄さが露わになっていた。(9月2日14時開演@銀河ホール)
劇団ぶどう座『植物医師』@ぶどう座稽古場
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〔劇団ぶどう座『植物医師』〕
銀河ホール地域演劇祭で最後に見た演目は、この地を拠点に1950年以降活動を続けているぶどう座の『植物医師』だった。これは他の上演作品のような翻案ではなく、宮沢賢治の書いた短編戯曲の上演だ。私はこの戯曲を読んだことがなかったし、上演を見たことがなかった。ぶどう座は、近年は主宰の川村光夫が高齢(現在96歳)のため実質的に引退状態で、かつてと比べると活動力が大幅に衰えているという話を聞いていたのが、この『植物医師』の公演はその衰退ぶりを感じさせない充実した内容の公演だった。
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〔ぶどう座稽古場〕
公演会場は1960年代に建てられたというぶどう座の稽古場である。まさに芝居小屋といった風情の公演会場に、芝居が始まる前から心が浮き立つ。稽古場は北上線の踏切のすぐそばに、踏切の番小屋のように建っている。舞台の間口は6メートルくらいか。舞台奥の壁はさまざまな色の大きな布で覆われている。客席は板間平面と三、四段の段状、詰めれば40人ぐらいは座れると思う。
芝居の始まる前に、劇のオープニングで歌われる宮沢賢治作詞の《花巻農学校精神歌》の練習があった。観客もこの歌を一緒に歌うようにうながされる。これは楽しい趣向だった。
『植物医師』は上演時間30分ほどの小篇だ。岩手のとある村に《植物医師》を名乗る人物が引っ越してきて、植物病院を開業する。しかしこの植物医師の専門家としての知識はどうもいい加減なもののようで、いかにもうさんくさい人物だ。開業した植物病院に村人たちが次々とやってきて、枯れてしまった稲の治療法を訪ねる。植物医師はでまかせのいい加減な対処法を村人たちに伝え、お金を取る。いんちき治療法で易々とお金を稼いだ植物医師だが、彼の処方では稲の被害は収まるどころか、ますます拡大していく。村人たちが医院に戻ってきて植物医師を詰問する。植物医師は口舌でなんとかそれらの非難を丸め込もうとするが、最後には言い返す言葉もなくなり、村人たちの怒りの言葉にうなだれてしまう。善良でお人好しの村人たちはうなだれた植物医師を見て、彼に同情しはじめる。そして先ほどまでの怒りを収め、植物医師を許すのだ。その許しの言葉は、植物医師にとっては怒りにまかせた批判の言葉よりもはるかに重く感じられた。植物医師はますます打ちひしがれてしまう。
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〔ぶどう座稽古場内部〕
村人たちが入れ替わり立ち替わり植物医師のもとを訪れ、アドバイスを求める場面では、民話によく見られる同種のやりとりの反復とそのエスカレートが、笑いの効果を作り出している。岩手弁のユーモラスな響きがさらに場面の喜劇性を高めていた。不正に対する怒りと非難よりも、不正に行った人間への大らかな優しさと許しこそが力を持つという宮沢賢治らしい倫理が結末で提示されるが、最後の場面の急転が作り出すドラマの力強さと素朴さに心打たれた。村人たちの許しのことばが発せられるたびに、かがんだ体がどんどん下がり、苦悶と戸惑いの表情が深くなっていく演出と演技は見事だった。
芝居小屋の雰囲気もこの作品の上演にいかにもふさわしいものだった。まさに岩手で岩手の人たちによって演じられることによって、この『植物医師』はいっそう味わい深い作品となっていた。この地でのぶどう座の活動の歴史が染みついた稽古場で、この作品を見られて本当によかった。
終演後には稽古場内で打ち上げがあり、私も短い時間ではあったが、出演メンバーとぶどう座の旧メンバーの方々と座を��んだ。『植物医師』は主宰の川村光夫演出でもかつて公演をおこなったが、それは27年前のことだと言う。今回の公演の演出を担当した菊池啓二さんに「今回の上演は川村さんの演出を蹈襲したものなのですか?」と聞くと「いや、前の上演はもうだいぶ昔の話で、私も見ていないし。まあ川村風にはやりました(笑)」と仰っていた。
今回のキャストには二十歳台の青年も二名参加していた。彼らは昨年から活動を始めた銀河ホール演劇部の部員だと言う。銀河ホール演劇部は、アートコーディネイターの小堀陽平氏の主導で昨年から活動を始めたサークルだ。小堀さんは「ぶどう座の表現は、この地域の人たちの身体と言葉、感覚に根ざしたものなので、銀河ホールで演劇部を作って活動をはじめましたが、外からやってきた僕たちが作る演劇が、ぶどう座を引き継ぐものにはなり得ないように思うのです。やはりぶどう座は土地の人が継承していくものだと考えています」というようなことを言っていたが、実際に公演を見るとそれが実感できる。
地域演劇祭の締めくくりでこの公演を見、そして短い時間ながらぶどう座の人たちと交流の時間を得ることがでいたのは私にとってはとても有意義なことだった。(9月2日17時開演@ぶどう座稽古場)
地域演劇祭と西和賀町文化創造館 銀河ホールの活動
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〔銀河ホール(後側)とUホール(手前側)〕
西和賀町文化創造館 銀河��ールのことを私が知ったのは二年ほど前のことだ。この劇場が、年に一度の地域演劇祭のみならず、地域に根ざした様々な演劇活動を積極的に行っていること、この地を本拠とする60年以上の伝統を持つぶどう座という劇団があること、劇場の活動の軸となっているのが東京出身で日芸OBのまだ若い青年であることなどを知ったことで好奇心をかき立てられ、いつか訪ねてみたいと思っていた劇場だった。演劇は都市のものという固定観念があった私にとって、東北の山間にある小さな劇場で多彩な演劇活動が行われていることが驚くべきことのように思えたのだ。
銀河ホールはJR北上線ほっとゆだ駅から歩いて数分のところにある。ほっとゆだ駅は北上駅から50分ほど。東京駅から北上駅までは東北新幹線で2時間半から3時間かかるので、東京からだと4時間ぐらいで銀河ホールに行くことができる。地図からの印象より案外近く感じられる。
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〔北上線ほっとゆだ駅。駅舎に公衆温泉が附属している〕
西和賀町文化創造館は、銀河ホールのある本館とUホールの別館からなっている。約三百席の銀河ホールの客席はゆったりとしていて、舞台までの距離も遠くない。暖かみのある落ち着いた木製の内装で、芝居を楽しむには理想的な空間だ。劇場の背景に広がるダム湖、錦秋湖の風景が美しい。錦秋湖の湖畔には、野外ステージもあった。
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〔銀河ホールの裏手にある野外湖畔ステージ。後ろは錦秋湖〕
人口5000人程度の自治体でこんな立派な公共劇場を持っているところはそんなにないのではないだろうか。西和賀町で演劇が特権的な文化活動になっているのは、この町で60年以上活動を続ける劇団ぶどう座の存在に負うところが大きい。ぶどう座は川村光夫という優れた演劇人のもと、地域演劇の担い手として充実した活動を行い、戦後日本演劇史に重要な足跡を残した。このぶどう座の活動実績があったからこそ、銀河ホールという公共劇場の建設が可能になったのだ。
西和賀町文化創造館(当時はゆだ文化創造館)は1993年に開催された〈第8回国民文化祭いわて’93 〉の会場として建設された。この国民文化祭を兼ねたかたちで〈第1回銀河ホール地域演劇祭〉が行われ、以後、地域文化祭は毎年秋に開催されている。当時、湯田町(2005年に沢内村と合併して西和賀町となる)の役場の職員で、この劇場運営の中核だった新田満氏に話をうかがったのだが、開館から2000年代半ばまでの銀河ホールの活動は目覚ましいものがある。毎年の地域演劇祭の開催のほか、町民を対象とした演劇学校、小中学校での音楽劇制作、行政的区画を超えた高齢者による演劇公演、そしてロシアとアメリカの演劇人を招聘し三週間にわたって行われた大規模な国際的演劇交流事業など、地方の小さな町の公共劇場としては驚異的な活動を展開していく。
しかしこの初期の黄金時代は、こうした活動に熱意をもって取り組んできたキーパーソンの退職とともに終焉を迎える。地域劇団として銀河ホールの活動に大きな影響を持っていたと思われるぶどう座も、主宰の川村光夫の高齢化とともに、活動力が低下していった。おそらく湯田町が沢内村との合併で西和賀町となり、役所内の組織にも大きな改編があった2005年以降、銀河ホールの活動は停滞期に入ったように思われる。
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〔銀河ホール内部〕
西和賀が演劇のまちとして再活性化しはじめるのは2011年以降のことだ。きっかけは2012年以降現在まで継続的に行われている《ギンガク》という学生演劇合宿事業だ。この事業の立ち上げで中心的な役割を果たしたのが、当時、日芸の大学院生だった小堀陽平さんだ。今回の滞在では小堀さんからも彼と西和賀町との関わり、銀河ホールの活動について話を聞いた。
彼は2014年以降、地域おこし協力隊の一員として西和賀町に移住し、《ギンガク》の活動のみならず、銀河ホールを核としたさまざまな演劇事業を企画・遂行していく。地域おこし協力隊の3年の任期が終了した2017年度以降、西和賀町は「銀河ホール アートコーディネーター」という職を小堀さんに用意し、彼は西和賀の嘱託職員として採用された。町の彼に対する信頼と期待の大きさがうかがわれる。
アートコーディネイターとして彼が担当する業務は文化事業全般に関わるものだが、演劇に関わる事業としては、地域演劇祭のほか、学生演劇の合宿《ギンガク》、小中学校での公演・ワークショップ、高校演劇アワード、地域中学への演劇指導、銀河ホール「演劇部」の活動、そして貸し館業務など多岐にわたっている。今後やりたい事業としては、シニア演劇、温泉・観光と組み合わせたイベント、アーティスト・イン・レジデンスなどを挙げていた。
ほっとゆだ駅から銀河ホールにかけての道に「どこにもない演劇のまちをつくろう」と書かれたのぼりが立ち並んでいるが、町外からこの町にやってきた地域おこし協力隊の青年たちがもたらす刺激によって、西和賀は演劇のまちとして新たな一歩を踏み出そうとしている。
第26回銀河ホール地域演劇祭
2018年9月1日(土)- 9月2日(日)
会場:西和賀町文化創造館(銀河ホール・Uホール)/劇団ぶどう座稽古場
主催:銀河ホール地域演劇祭実行委員会
後援:西和賀町観光協会・西和賀町芸術文化協会・西和賀町教育委員会
総合舞台監督:内山勉
テクニカルスタッフ:アクト・ディヴァイス
宣伝美術:髙野由茉 小堀陽平
特別協力(記録撮影):森山紗莉
劇団あしぶえ/島根『セロ弾きのゴーシュ』
9月1日(土) 14:00~@銀河ホール
出演:松浦 優海、門脇 礼子、上田 郁子、有田 美由樹、伊達 生、有田 美由樹、門脇 礼子、原田 雅史、上田 郁子、川村 真美、牛尾 光希、岩田 和大
演出:園山 土筆
舞台/照明:稲田 道則、岡本 敦、門脇 礼子、長見 好高、原田 雅史
音響:福井 健吾 前村 晴奈
小道具:上田 郁子
衣装:有田 美由樹 川村 真美
制作:前村 晴奈
劇団田中直樹と仲間たち/西和賀『水仙月の四日』
9月1日(土) 15:30~  総入替え2回上演@Uホール
出演:田中 直樹、田中 宏樹
演出/美術:田中 直樹
照明:小堀 陽平(銀河ホール)
雪布操作:田中 真理子
協力:湯田ドライブイン
栗田桃子(文学座)ソロ朗読劇/東京『銀河鉄道の夜』
9月2日(日)14:00〜@銀河ホール
出演:栗田 桃子(文学座)
演出:西本 由香(文学座)
照明:賀澤 礼子(文学座)
映像・音響:西本 由香(文学座)
美術:米澤 純(Jun's Light Candles)
劇団ぶどう座/西和賀『植物医師』
出演:真嶋 実、池田 慣作、菊池 啓二、高橋 節子、高橋 守、三浦 勇太
演出:菊池 啓二
舞台美術:内山 勉、新井 真紀
音響/照明:真嶋 陽
小道具:髙野 由茉
●片山 幹生(かたやま・みきお)1967年生まれ。兵庫県神戸市出身、東京都練馬区在住。WLスタッフ。フランス語教員、中世フランス文学、フランス演劇研究者。古典戯曲を読む会@東京の世話人。
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ayumiyanagisawa · 5 years ago
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『あまあい』 (2017) 2D animation
おばあちゃんと孫のお話。ストーリーと作画を担当しました。
製作:西和賀高校美術部 アニメーションアドバイザー:小野ハナ 企画:ギンガク実行委員会「放課後のちいさな芸術家」
https://www.gingaku.com/
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niha-naisho · 5 years ago
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女の子には内緒『夜空の低いところに星がふえたって噂』沖縄公演 中止のお知らせ
日頃より女の子には内緒を応援頂き、誠にありがとうございます。
3月20日より上演を予定しておりました『夜空の低いところに星がふえたって噂』沖縄公演は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う昨今の社会情勢を鑑みた主催者の判断により、やむなく公演中止となりました。心苦しく、悲しいです。
作品のクリエーションに関わる俳優、スタッフの無念もさることながら、 発表を楽しみにして頂いていた沖縄のお客様には申し訳無い一心です。断腸の思いで決断致しました。
これまで公演実施のため、岩手県西和賀町で滞在制作をし、丁寧なリサーチの積み重ねから途中経過の発表(ワークインプログレス公演)まで行い、後は最後の追い上げという段階でした。
しかし、政府による更なるイベント自粛の要請や、それを受けての世論の(演劇)イベント実施に対する意識等、多面的な視点から検討に検討を重ねまして、このような判断に至りました。
今回の公演は、当劇団主催の公演です。 公演を開催することによって、どのようなイメージ的損害を負うのか、様々な情報が入り乱れる中で、想定をしてもしきれない状況におります。 批判を受けるのが主催者である私だけならまだしも、出演者やスタッフを巻き込むような状況になることは回避する必要がございました。
今回は悲しい結末となってしまいましたが、本企画は時期を改めて(2021年夏頃を検討中)、上演できる/リベンジする機会を探して参ります。 またそれに伴い、大変恐縮ではございますが、本公演中止に伴い発生した経済的損害にまつわる、そして予定する本企画のリベンジ公演を実施するための、施策を思案しております。 後日お知らせいたしますので、何卒ご協力いただければ幸いでございます。
最後に、 クリエーションの機会と経済的な支援を頂いたギンガク実行委員会さま、および西和賀町の皆さま、 そして提携カンパニーとして様々な支援を頂いた劇場の銘苅ベースさまに改めて感謝の意を示すと共に、 重ね重ね、お客様には大変なご迷惑をお掛けしますことを深くお詫び申し上げます。
2020年3月12日 女の子には内緒 代表・柳生二千翔
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ononokomarch · 6 years ago
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Profile
小野 晃太朗
劇作/演出/ドラマトゥルク/
🐤https://twitter.com/ononokomarch 📱https://www.instagram.com/ononokomarch/?hl=ja 📔https://note.com/ononokomarch
1988年9月17日生まれ。 福島県会津若松市で出生。 宮城県仙台市出身。
2014年3月 日本大学芸術学部演劇学科劇作コース卒業。 在学中、劇作家 川村毅氏の元で様々なことを学ぶ。
2009年、劇団総合藝術会議に参加��� 第二次江古田短歌会(後の象短歌会)にも参加。 2019年まで多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科に助手として勤務。
リズムよく詩的な長い台詞、短くて往復の多い会話、淡々とした文体が特徴。演劇的行為や現象を、社会性をもつ動物の性質と捉えて劇構造に組み込むことが多い。関心があったり、琴線に触れたことを扱う。いままで、群集心理や性暴力、力や持たざるものに関するアプローチを行ってきた。
最近興味あることは治癒と鎮痛のちがい。
 戯曲/ドラマトゥルク
2011年 卒業制作公演『踏ん切って、今』原案:「人形の家」上演台本・ドラマトゥルク 卒業制作公演『Our Town〜わが町より〜』ドラマトゥルク
2013年 第19回劇作家協会新人戯曲賞一次選考通過『縞縞』 戯曲 朋澤精肉店『カルネ・ウァレ』 戯曲・演出・舞台美術
2015年 Q市街+シニフィエ『潮/通過』 『通過』 戯曲・演出・舞台美術 『劇作家の作業場(展示)』 企画・展示構成
2018年 第18回AAF戯曲賞一次選考通過『投影される私はいない』 戯曲
2019年 シラカン『蜜をそ削ぐ』(作・演出:西 岳) ドラマトゥルク
2020年 第19回AAF戯曲賞 大賞 『ねー』 戯曲 theater aprtment complex libido:『libido:AESOP シリーズ』(構成・演出:岩澤 哲野) ドラマトゥルク シラカン『ぞう騒々』(作・演出:西 岳) ドラマトゥルク
2021年 ギンガクのビンヅメ(滞在制作) 作家として参加 『制動のつまさき』 戯曲 ※ギンガクのビンヅメで制作 第19回AAF戯曲賞 受賞記念公演 『ねー』 上演台本作成 イサカライティング主催『おわれる』 戯曲・演出 ouhuku no tegami 劇作家・演出家の三浦雨林さんとの往復テキスト ↪https://ofuku-no-tegami.tumblr.com/ uni「ちょいとそこまでプロジェクト高松編」 『今日のたかまつ アーカイブス』 ドラマトゥルク
2022年 T Facctory主催「T Crossroad短編戯曲祭 春」 『ほ(ころび)』 戯曲 戯曲専門誌「石版と織物」 戯曲掲載 東京芸術祭2022『くらしチャレンジ』プロジェクトメンバー/戯曲
2023年 東京芸術祭2023『くらしチャレンジクラブ』ファシリテーター 青年団リンクキュイ『非常に様々な健康の事情』ドラマトゥルク 2024年 シニフィエ『ひとえに』戯曲/演出      『波濤/波枕』戯曲/演出/録音/編集 ��野成樹+フランケンズ『ちがう形』※戯曲『キックバック』提供 譜面絵画『良いキャンペーン』 ドラマトゥルク キュイ 『OVERWORK』ドラマトゥルク
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sasabuchi-jaguchi-blog · 5 years ago
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4月14日
ハイナー・ミュラー『ハムレットマシーン』
ついでに『画の描写』も読んだ。
ギンガク合宿での「超訳」をすごく思い出した。
演ゼミとしてギンガク合宿に参加した時に作った作品『メモ:大きい雪3杯手伝ってもらう』には1ページちょいあるとっても長いモノローグがある。この台本は基本的に、東京にいる間に私がアンティゴネ(ソフォクレス作)を何とか読み、演ゼミの人たちにたくさんアドバイスをもらってなんとか書いたテキストを元に作っている。ほとんど変わったけど。しかし、そのモノローグは合宿先(岩手県西和賀)に行ってから、ゼロから作ったと言っても過言ではない。めちゃ長いモノローグを入れたら?というのは智子さんからの提案。
で、何が言いたかったかというと「超訳」について。
もともと、そのモノローグはほとんど中務さんが翻訳したアンティゴネーからの引用をツギハギしたものだった。それを智子さんに見てもらったところ、「超訳」という戯曲の書き方?を教えてもらった(気がする)。「超訳」とは、つまりスーパー翻訳のことだと思う(は?)ソフォクレスの言葉をツギハギしただけのテキストを、自分の使える言葉で、なおかつ自分の共有したい「(ソフォクレスの言葉の持つ)情景」を伝えられる言葉で、リライトしていくことだと私は捉えている。
このモノローグで1番気に入っている「超訳」は、原作の方では宗教的な?捉え方で「死体の風下にいると死臭にあてられるのでダメ」みたいな価値観を、ウイルスにしたこと。まだあの時は今ほどコロナの状況が深刻じゃなくて、ライトに戯曲に取りこめることが出来た。一応上演もできてよかった。
ハムレットマシーンの話に戻りますが、ハイナー・ミュラーもこれに近いことをしていたのではないか?そして智子さんはそれを知ってて、私たちに超訳をやらせたのではないか?と思った。
でも分からなかった。読んでも時代や文化や知識量やなにやらが違いすぎる!この隔たり感が戯曲の愛せるところ。知りたい!って思える。
なんとなくミュラーさんは不条理系なのかな?って思ってましたが(そんな分類できるもんじゃないけど)ブレヒトさんの流れを受けている人なんですね。でもやっぱり分類できないし、ミュラーさん当然も作品によって色が違う。
ついでで読んだ『画の描写』が個人的に1番好きでした。多分ハムレットマシーンより時代性が薄いというか、純粋に戯曲の仕組みと向き合った作品という感じがした。これは絶対に意図的にやっているという、客との距離感のはかりかた。イメージとしては羽虫が自分の周りを飛んでいて、急に耳元に来てゾワッとするけど次の瞬間はどこにいるのか分からなくなってしまう、みたいな感じ。私の脳内にはデ・キリコの絵みたいな情景が浮かびました。
ブレヒトについても『アルトロウイの興隆』が私の中で中途半端になっているので、着地したい。そして60年代あたりのヨーロッパ演劇を私の中で整理したい。
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jculture-ja · 6 years ago
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月刊モモット 2019年3月号
#歌舞伎 #中村魁春 [岩手日日新聞社](敬称略) 「ズブナイル」山鼻涼(西和賀高校1年) 「帰郷」中村大地(ギンガク参加者、東京都) 「雪の上の花嫁」佐藤立樹(ギンガク参加者、仙台市) 「日常狂想曲」大堰翔(西和賀高校1年) 「友との日常」田中魁(西和賀高校1年) モモットギャラリー …
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kabukiinfo · 6 years ago
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月刊モモット 2019年3月号
#歌舞伎 #中村魁春 [岩手日日新聞社](敬称略) 「ズブナイル」山鼻涼(西和賀高校1年) 「帰郷」中村大地(ギンガク参加者、東京都) 「雪の上の花嫁」佐藤立樹(ギンガク参加者、仙台市) 「日常狂想曲」大堰翔(西和賀高校1年) 「友との日常」田中魁(西和賀高校1年) モモットギャラリー ...
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kegani-base · 7 years ago
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銀河ホール学生演劇合宿事業 アートプロジェクト「ギンガクの夏2018」ダイジェスト映像
2018.09
 Website:http://gingaku.jimdo.com Blog:http://gingaku.blogspot.jp twitter:@nishiwaga_SDF ハッシュタグ:#gingaku
Direction:K.Oikawa Music:Chafouin - Le blues de là bas
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niha-naisho · 5 years ago
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【2020年春公演】女の子には内緒in沖縄『夜空の低いところに星がふえたって噂』2020.3/20 - 21
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岩手県西和賀町・銀河ホールでの滞在製作をへて、 沖縄・アトリエ銘苅ベースにて発表します!
本作は「ままならない人と、どう暮らすか」をテーマに、これまで知り合い以上・友達未満だった、接点の少なかった人と人が巡り合って、新たに親密な関係を築こうと試みます。
しかし必ずしも仲良くなるとは限りません。 むしろ価値観や意見の相違が浮き彫りになり、関わったことによって、より大きな断絶が生まれるかもしれません。
今作はそうした自分の身近にいる(いた)、自分と「ままならない」他者とのコミュニ ケーションを重ねる中で、それでも一緒の社会で生きていくことについて考える作品です。
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アトリエ銘苅ベース提携公演 女の子には内緒『夜空の低いところに星がふえたって噂』
作・演出・映像|柳生二千翔(青年団)      出演|佐藤岳、林ちゑ(青年団)
公演日時 2020年 3月20日(金)19:00 3月21日(土)15:00 ※開場、受付開始は開演の20分前より
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コロナウイルス対応について
コロナウイルス感染拡大が懸念されております。
現在のところ細心の注意を払いながら、公演を実施したいと考えております。
今後の状況が変わり、公演形態の変更等がある場合は、随時お知らせさせていただきます。
一刻も早く、事態が収束に向かうことを祈っております。
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ストーリー
東京郊外、下品なネオンが煌びやかに輝く夜。 廃れたレンタルビデオ店の店員だった本田は、電車事故に巻き込まれ死ぬ。 幽霊となった彼は、毎夜、自身の暮らしていた街中を徘徊し、時間を持て余している。
ある夜、ビデオ店に頻繁に通っていた客・安西と出会う。安西は本田のことを覚えていなかったが、彼の暇つぶしに付き合うことにする。 彼女は自宅に招き入れ話を続けるが、次第に本田のことがウザくなる。
やがて二人は眠ってしまい、 共にクジラとなって海を駆け巡る夢を見始める。
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チケット ●全席自由席● 一般[前売]:2,000円(当日券+500円) 22歳以下:1,000 円 18歳以下:無料(枚数限定) 購入はこちらから!→ http://bit.do/yozora ※年齢制限チケットは当日要証明書提示 ※未就学児童入場可能
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アクセス アトリエ銘苅ベース (沖縄県那覇市字銘苅203番地) https://www.m-base.okinawa
◎ゆいレール「古島駅」から徒歩8分。パイプラインから一つ路地に入る。 ◎専用の駐車場はございません。近隣のコインパーキングをご利用いただくか公共交通機関をご利用ください。
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スタッフ 助力|中村大地(屋根裏ハイツ)、山内晶(キリグス) 提携|アトリエ銘苅ベース 協力|ギンガク実行委員会 主催|女の子には内緒
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お問い合わせ [email protected]
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jculture-ja · 6 years ago
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月刊モモット 2019年3月号
#歌舞伎 #中村魁春 [岩手日日新聞社](敬称略) 「ズブナイル」山鼻涼(西和賀高校1年) 「帰郷」中村大地(ギンガク参加者、東京都) 「雪の上の花嫁」佐藤立樹(ギンガク参加者、仙台市) 「日常狂想曲」大堰翔(西和賀高校1年) 「友との日常」田中魁(西和賀高校1年) モモットギャラリー …
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kabukiinfo · 6 years ago
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月刊モモット 2019年3月号
#歌舞伎 #中村魁春 [岩手日日新聞社](敬称略) 「ズブナイル」山鼻涼(西和賀高校1年) 「帰郷」中村大地(ギンガク参加者、東京都) 「雪の上の花嫁」佐藤立樹(ギンガク参加者、仙台市) 「日常狂想曲」大堰翔(西和賀高校1年) 「友との日常」田中魁(西和賀高校1年) モモットギャラリー ...
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kegani-base · 7 years ago
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銀河ホール学生演劇合宿事業 アートプロジェクト「ギンガクの夏2018」記録撮影
2018.08
ギンガク企画委員会(https://twitter.com/nishiwaga_sdf)
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