#ラマになった王様
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昨日は #味ん味ん でビール飲み過ぎ🥩🍺後、 #有森聡美 先生のXスペースに参加しましたがやっぱり寝落ち😭
しまじろう役の声優の南央美さんもスペースに来られていて!有森先生は子供たちが大好きだったラマになった王様の主題歌の訳詞をされていて、十数年前から有森先生のクレジット入りのDVDが我が家にあって😳不思議な気持ちになります…🤔
https://www.instagram.com/p/DJNrFl4yrBY/?igsh=MWtmMDZqZHA3emp4ZQ==

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The Emperor's New School In Japanese :
youtube
For more, take a look at my masterlist ;)
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Japanese titles of Disney movies
白雪姫 しらゆきひめ
白 しら white
雪 ゆき snow
姫 ひめ princess
= Snow White
眠れる森の美女 ねむれるもりのびじょ
眠れる ねむれる sleeping
森 もり forest
の (place holder) means "of" in this case
美女 びじょ beautiful girl
Sleeping beauty of the forest
= sleeping beauty
ラマになった王様 らまになったおうさま
ラマ llama
に (place holder) / to
なった became
王様 おうさま king
The king that became a llama
= the emperors new groove
シュガーラッシュ Sugar Rush
= wreck it ralph
アナと雪の女王 アナとゆきのじょおう
アナ Anna
と and
雪 ゆき snow
の (place holder)
女王 じょおう queen
Anna and the snow queen
=Frozen
ノートルダムの鐘
ノートルダム Norte Dame
の place holder/ of
鐘 かね bell
The bell of Norte Dame
= the hunchback of Notre Dame
#japanese#にほんご#일본#japan#にほん#にほんごべんきょう#日本語#일본어#japanese learning#japanese vocab#英語レッスン#英語の勉強#ディズニー#disney
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桜林美佐の「美佐日記」(251)
ひたすら「誰かのために」生きた柳澤慎一さん
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、251回目となりま
す。
現在、放送中のNHKの朝ドラは「ブギウギ」で、笠
置シヅ子がモデルになっているようです。
あくまで「モデル」になっているだけで、事実と
いうわけではないところが複雑で、常にこの手のド
ラマを観る時は注意が必要です。
歌われている楽曲が実際に存在するものであった
りするため、本当の話なのか作り話なのか分からな
くなり、困ったものです。
このドラマには榎本健一(エノケン)と思われる
���物が登場します。そう、言わずと知れた日本の
「喜劇王」です。
実は、私、かつてエノケンと深く関係する仕事を
したことがあり、そのため、朝ドラにそれらしい人
が登場すると興味深く観てしまいます(と言うほど
ちゃんと観ていないのですが・・)。
私がどんなことでエノケンさんと関わったかと言
いますと、さかのぼること2003年(平成15年)、
東京の「浅草演芸ホール」にある「東洋館」におい
て「エノケン生誕100年祭」が開催され、私はな
んとその総合司会を務めたのです。
エノケン夫人を招き、小林のり一さん(三木のり
平の長男)、八波一起さん(八波むと志の長男)、
三波伸一さん(三波伸介の長男)によるコント、前
田憲男さんのピアノで柳澤慎一さんが歌うエノケン
メドレー・・・など、豪華盛り沢山で、最後は私も
皆さんと一緒にステージで「月光値千金」を歌い、
幕を閉じたのでした。
こうした皆さんと丸一日過ごさせて頂いた経験は、
本当に得難いもので、楽屋でのしきたりなどで失礼
があってはいけないと、その日は知人の芸人さんの
付き人に身の周りの世話をお願いするほど気合を入
れました。舞台裏での張り詰めた空気や緊張感を忘
れられません。
なぜ、私がこのような大役を仰せつかったのかと
いうと、かつて俳優や歌手として名をとどろかせた
柳澤慎一さんとの出会いからでした。
柳澤さんは介護のNPOを立ち上げ、老人ホームの名
誉館長をされていて、私がその施設をリポートする
仕事で訪れた際に初めてお目にかかったと思うので
すが、悲しいかな、そこから先が思い出せません!
いずれにしても、きっかけは全く関係のないこと
だったのですが、柳澤さんは、私の恩師が脚本家の
西澤實であり、西澤門下で朗読の活動をしていたこ
とや、懐メロに詳しかったことで「大抜擢」して下
さったのだと思います。
柳澤さんは戦後、信徒ではなかったようですが、
通っていた教会で宣教師の方と出会い、奉仕活動に
目覚めたといいます。
進駐軍クラブでジャズを歌い始めたのは、戦災孤
児や障害者の慰問費用を捻出するためでした。
���ノケンに可愛がられ「柳澤をオレの二代目にす
る」と言われていたほどだったといいます。数多く
の映画やドラマに出演していますが、私がリアルで
知っているのは「奥様は魔女」のダーリン役の吹替
です。
福祉活動をしていたことは秘匿していたといい、
老人ホームの受付にいてもその人だと気付かれるこ
とはなかったようです。
そんな方が「エノケン100周年」の時だけは恩
返しということでステージでスポットライトを浴び
たのですから、実に貴重な場面に私はご一緒したの
です。
柳澤さんが一昨年2022年の3月24日に89
歳で召天されたと知ったのは昨年になってからでし
た。
亡くなってから1年間も公表されなかったのも、
柳澤さんの遺志だったのでしょうか。とにかく「善
行を見せびらかさない」という、手本のような方で
した。
家を売却して福祉活動に投入したという逸話に驚か
されましたが、そもそも芸能界に入ったのは福祉活
動のためだったといいますから、その意味では柳澤
さんが人のためにタダ働きをすることはこれ以上に
ない自己実現だったということになります。
一流のオーラを持ちながら、絶対に目立たないよ
うにして、ひたすら「誰かのために」生きた柳澤さ
ん。今やその名前を知る人も少なくなっているかも
しれませんが、日本人が忘れないように、こういう
方の物語を朝ドラにしてはどうなのでしょう(ご本
人は嫌がるでしょうけど)。
それにしても、朝ドラのおかげで柳澤さんの命日に
合わせてこのような思い出を書けたわけですから、
観ていて良かった!ということですね。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございまし
た。どうぞ良い1週間をお過ごし下さい!
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クスコ最高‼︎👈👈
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ディズニーランドパリ、ディズニーファンデイズ、マックスライブ!のクスコとイズマ。常設になってもおかしくないクオリティでした!! Kuzco and Yzma from The Emperor's New Groove in Disneyland Paris, DisneyFanDaze, Max Live! #DLP #ラマになった王様 https://t.co/d9vBRlshl8 https://t.co/kI3Wcf1Nj8
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マキシム・ヴィヴァス:真実で反中国勢力をあぶり出す
ヴィヴァスとは?
中国の王毅(おう��き)国務委員兼外交部長は中国毎年恒例の「全国人民代表大会」「政治協商会議」(「両会」と呼ばれている)の記者会見で「外国人記者は中国をどう取材しているか」というテーマで、2人の外国人の友人について語ったことがある。
一人は『中国の赤い星』を書いたアメリカのジャーナリストエドガー・スノー、もう一人はマキシム・ヴィヴァスである。
ヴィヴァス氏は80数歳で、スペイン系のフランス人である。 2016年、2018年と2度にわたり新疆を訪れ、2020年には『ウイグル「フェイクニュース」に終止符を打つ』を出版した。
ヴィヴァス氏は、「大虐殺」や「何百万人ものウイグル人が拘束されている」という噂を払拭するために、ヨーロッパの人々に本当の新疆を知ってほしいと言いている。
しかし、新刊の発売は、まるで水中に投げ込まれた爆弾のように、大きな波を引き起こした。
Facebookなどのソーシャルメディア上では、ヴィヴァス氏は真実を知らない読者から攻撃された。 中国政府との金銭的なつながりが疑われ、一時は家族との関係もギクシャクしていた。 彼自身、「私はこの本を出版するために 「自爆テロ」のような行動をとった」と語っている。
実際、「自爆テロ犯」はかつて、中山服を着て米しか食べないという、欧米の一般大衆と同じステレオタイプで限定的な中国人像を持っていた。
2008年になって、ヴィヴァス氏は奥さんと一緒に北京で仕事をしている息子を訪ねた。 ヴィヴァス氏はこの体験で、中国人のイメージや生活が、報道されているものと大きく違うことに衝撃を受けたのだ。
2010年には、『ル・フィガロ』紙のルノー・ジラード(Renaud Girard)記者、『ル・モンド』紙のレミー・ウルダン(Rémy Ourdan)記者らとともに、再び中国を訪れ、チベットを訪れた。
この時、彼は欧米のメディアが描くチベットとは全く異なるチベットを目の当たりにした。
2011年には、ダライの素顔を暴いた『笑顔の裏側:ダライ・ラマの知られざる一面』を出版し、6カ国語に翻訳され、大きな反響を呼んだ。
そしてその後、ヴィヴァス氏は新疆ウイグル自治区で綿密な取材を行い、前述の『ウイグル「フェイクニュース」に終止符を打つ』を執筆した。
彼は誰と戦っているのか?
中国の実情に詳しいヴィヴァス氏は、同じ話を何度もオウム返しにするフランスのメディアに呆れている。 このような嘘を捏造するいわゆる「情報源」や「学者」は、彼にとって忌み嫌うべき存在である。 彼は、こうした反中国勢力の正体をあぶり出すために、真実を利用しようと考えたのだ。
47歳のドイツ人アドリアン・ツェンツ(Adrian Zenz)は、一夜にして、欧米のメディアや政治家にとって、新疆に関する唯一の情報源となったのである。 しかし、実際には15年前の2007年に観光で新疆を訪れたことがあるだけだ。
ヴィヴァス氏はこの話を著書の中で書いている。
ツェンツ氏はかつて、新疆で「強制労働によって生産された」と主張する靴の写真をリツイートし、その横に英語で「助けて!私はウイグル族で、中国の刑務所にいるんです。 助けて!」と書かれた小さな紙を添えたことがある。
皮肉なことに、その靴が新疆でも中国でもなく、ベトナムで作られた靴であることはネットユーザーによって発見されたのだ。
また、「新疆で90万人から180万人が拘束されている」というツェンツ氏の報告もその一例だ。 しかし、米国の独立系調査報道サイト「グレーゾーン」の調査によると、この数字は8人へのインタビューをもとに反中国組織が導き出した荒唐無稽な結論だという。 同様の手法は、彼の「報告書」でも繰り返されている。
2018年以降、ツェンツ氏は新疆を中傷する10数編の文章や報告書を相次いででっち上げた。いわゆる「強制労働」から「強制不妊」へ、「文化的絶滅」から「大量虐殺」へ。彼はこれらのセンセーショナルな語彙をでっち上げ、新疆についてよく知らない多くの欧米民衆を騙した。
ツェンツ氏は米国の極右組織「共産主義被害者記念基金会」のメンバーで、正真正銘の反中研究機関の幹部だ。言い換えれば、反中は彼の生業だ。このような一人のいわゆる「学者」が西側の反中勢力から大いに支持されていることは容易に理解できる。
米国のポンペオ前国務長官は、ツェンツ氏のいわゆる「論文」を引用して、中国に暴言を吐いた。
ヴィヴァス氏の調査で名指しされた「反中国の魔手」には、全米民主主義基金も含まれている。中���アジアから北アフリカまで、東欧から南米に至るまで、さまざまな国の「色の革命」の背後に彼らの姿があった。
この組織は長年にわたり中国で「香港独立」、「台湾独立」、「新疆独立」、「チベット独立」などの分裂勢力を支持し、2020年だけで70近くの中国関連プロジェクトに1千万ドル以上を提供し、もっぱら中国の政治・社会の安定を害する行為を行っている。
このほど、同基金会のデイモン・ウィルソン会長は、「台湾独立」勢力のために台湾地区を訪問し、10月下旬に台北でいわゆる「世界民主運動全球大会」を開催し、中国の国家主権と領土保全を深刻に挑発すると主張した。
基金会はまた、「国境なき記者団」のような、意気投合するさまざまな「馬先に立つ兵士」にも資金を提供している。
この組織は、キューバ、ベネズエラ、ロシアなどの国や、ヴィヴァスなどの人、アメリカが嫌うものすべてに敵対している。「国境なき記者団」の事務局長は、ヴィヴァス氏を4回にわたって脅迫している。
ヴィヴァス氏の見解では、多くの非政府組織、いわゆる独立シンクタンクの背後には実に多くの黒幕がいる。オーストラリア戦略政策研究所もその一つだ。
同機関が昨年発表した年次報告書によると、総額1000万豪ドルの資金源は、37.5%がオーストラリア国防省から、24.5%がオーストラリア連邦政府から、18.3%が外国政府機関から調達された。
これらを合計すると、オーストラリア政府とその同盟国、軍需産業からの経費が9割近くを占めている。これはこの機関が対外的に「独立シンクタンク」という看板を掲げており、明らかにオーストラリア軍産複合体の代弁者であることを十分に説明している。
アメリカが援助した費用をどう使うのか?
総額98万5000豪ドルの経費の中で、米国務省は新疆の人権、中国の科学技術、海外への影響力などの方面で議題を設定するよう明確に要求した。もう一つの60万豪ドル近い経費は、中国の人材募集、偽情報、ソーシャルメディアなどの議題に注目する必要がある。
言を守って筆を持つ
多くの圧力と生命の危険にもかかわらず、ヴィヴァス氏はペンを放さなかった。
今年初め、ヴィヴァス氏の中国新疆についての2冊目の本『燕の帰還』の英語版が発行した。彼がこの本の中で、「中国は多民族共存を促進し、文化の多様性を尊重していて、まさに人類文明の進歩を推進する源泉である。」という話を書いた。
最近、ヴィヴァス氏は他の2人の学者と共著した新刊『フランス反中勢力の譫語』もフランスで出版された。
譫語とは、いい加減な言葉である。昨年10月、フランス軍事学校戦略研究所IRSEMは、中国の影響力に関する報告書を発表した。しかし、ヴィヴァス氏にしてみれば、654ページにも及ぶ、ミス、矛盾、フェイクニュースばかりだ。
彼は、21世紀の中国が平和的な経済競争相手として、軍事的にはフランスを脅かしていなく、このいわゆる報告書は、フランスの反中勢力が米国の外交政策に盲目的に追従していることを反映していると論じている。
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中国・内モンゴル自治区の多くの地域の小学校や中学校で、8月28日から授業ボイコットが起きている。自治区内の小中学生、保護者らの8割が参加しているともいわれ、改革開放以降、最大規模のモンゴル人の抵抗運動になりそうだ。
きっかけは、9月1日に全自治区で導入される第2類双語教育(バイリンガル教育)に対してモンゴル人保護者たちが、母語喪失につながると強い抵抗感を示しているからだ。
学校で変更させられる「母語」
きっかけとなった「双語教育」について簡単に説明しよう。
内モンゴル自治区教育庁は8月26日に「全区民族語言授業学校小学一年・中学一年使用国家統編語文教材実施方案」を発表した。この規定では、今年(2020年)9月1日から始まる秋の学期から、内モンゴル自治区内の民族語(モンゴル語、朝鮮語)で行われていた国語(語文)授業の学科は、小学校1年から段階的に全国��通の(漢語の)教科書、共通の教材を使うことになるという。また今後2年の間に小学校1年の政治、歴史教科が漢語授業に変わっていくという。
内モンゴル自治区の学校では、自治区成立以降、もともと第1類双語教育と呼ばれるバイリンガル教育が実施されていた。これは、国語を含む各学科の授業はモンゴル語で行われ、それとは別に小学校3年から漢語の授業が第2語学として行われる形だった。
この方式だと、モンゴル人の子供たちはまず母語であるモンゴル語の基礎を習得したうえで第2言語の漢語を学び、母語と漢語が使えるバイリンガルになれる。また、ほかの学科も母語で学べることから、授業への理解も深く、専門性も身に着けやすい。このスタイルの教育は、これまで内モンゴル自治区出身の優秀な人材育成に貢献してきたとされている。
ちなみに、私が中国・上海に留学した1998年当時を振り返れば、アナウンサーのように美しい中国語(普通話)を話すのは内モンゴル出身の朝鮮人やモンゴル人が非常に多かった。第1類双語教育モデルは、少なくとも今に至るまで、モンゴル人の漢語教育においてなんら問題がなく、それどころか高い効果をあげていたといえる。
ではなぜ、このモデルを急遽転換せねばならないのか。
これに代わる第2類双語教育モデルだと、各学科を漢語で授業を行い、これとは別に第2言語で民族語(モンゴル語)の授業が行われるという形になる。
それを小学校1年から始めるとなると、子供たちはモンゴル語の基礎も固まらず、また漢語もほとんど理解できていない状況から漢語授業で教科についていかねばならず、学力の低下が懸念される。そして何より、母語をモンゴル語から漢語に変更させられることで、民族のアイデンティティや文化を含めたモンゴル語の衰退、喪失が心配される。
おそらく中共政権の真の目的はそれで、民族の言葉を失わせ、モンゴル人を漢人化させようという政策なのだ。また、モンゴル人の中から、優秀な知的な人材の輩出は、漢人社会にとって望ましくないのかもしれない。
習近平政権になってから、中国は祖国分裂の動きを非常に警戒するようになっている。このためチベット、ウイグル、香港などの固有の言語、文化を消し去り、中国人としてのアイデンティティを植え付けようとする政策を次々打ち出してきた。だが、性急で乱暴なこうした「中国化」は、むしろ各地域の民族の強い反感と中共政府への嫌悪を生み、各地で激しい抵抗運動を引き起こしている。これを警戒してさらに厳しい弾圧や統制を加え、民族の言葉やアイデンティティを消し去ろうとしているのが、今の中共の民族政策や香港政策だ。
警察がデモ隊を強制排除、大混乱の学校
内モンゴル自治区に対するこの双語教育モデル変更の方針は6~7月頃に打ち出され、国際社会でも、中国内モンゴル人からモンゴル語を奪うことになりかねない、と懸念が表明されていた。日本では内モンゴル自治区出身のモンゴル系日本人の楊海英・静岡大学教授らが、7月の段階から内モンゴル自治区のモンゴル人から母語を奪う可能性があると問題視、政策変更の中止を求める抗議文を中国教育部長、内モンゴル自治区教育庁長、通遼市教育局あてに提出すべく広く署名を求め、私も署名した。
8月26日に「方案」が発表されると、内モンゴル自治区の通遼市、オルドス市、フフホト市などの多数の地域で強い抵抗運動がおきた。28日から数千~数万規模の児童・学生と保護者が無期限授業ボイコットおよび抗議デモに参加している、という。抗議といっても暴力行動はなく、保護者たちが、我が子が漢語の授業を受けることを拒否し、学校内外でモンゴル語の歌を歌い、スローガンを叫び、激しい怒りを表現しているだけだ。だが当局は警察(一部では軍隊に準じる武装警察という説も)を派遣し、武力でデモ隊を排除、制圧しているとの情報もある。
アメリカの政府系ラジオ局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」やドイツの華字メディア「ドイチェベレ」の報道を総合すると、ある学校の校門前では、制服姿の男女の学生が「我々の言葉はモンゴル語だ。故郷のモンゴルを永遠に守る。我々の母語はモンゴル語だ。母語は死ぬまで不変だ」などと叫んでいた。
通遼市ウラド中旗(旗は内モンゴル自治区の行政単位)のある牧民は、8月29日にRFAの取材に対し、多くのモンゴル人の微信アカウントが凍結されている、と訴えた。「28日の午後7時から70以上のチャットグループが封鎖された。きょう(29日)はもっと深刻だ。私たちはみんな決心している。9月1日から、子供たちに授業を受けさせない。これは少数民族へのいじめではないか? ある地方では警察が抗議のモンゴル人を殴るなどして、鎮圧しているらしい」と話していた。微信のグループチャットで、この政策変更について不満を述べている人が逮捕された、という情報もある。
また、通遼市の舎伯吐モンゴル中学のある生徒の母親が武装警察に殴られたあと、生徒が4階から抗議の飛び降り自殺した、といった情報がSNSを駆け巡った。現地のモンゴル人のコメントによると、「学校側が生徒を校内に閉じ込め、保護者が我が子を取り戻そうとしたら、武装警察がやってきて妨害した。4階の教室に閉じ込められていた生徒は、学校の外に来ている彼の母親が武装警察に殴られているのを窓から見て、急に飛び降りた」という。母親は逮捕されたとのことだ。一方、華字ネットニュースサイト「大紀元」は、現地にいたモンゴル人から聞いた話として、「私たちが警察と対峙していたとき、救急車が走り去っていった。このとき、群衆の中のある人が生徒が飛び降りた、と話していた。保護者たちは焦って詳しい話はしていなかった。その後、生徒が飛び降りようとした際に先生が驚いて失神して病院に運び込まれた、という話を聞いた。改めて姪っ子に確認したら、飛び降りた人はいないという」とのコメントを紹介しており、飛び降り自殺は未遂であった可能性もある。しかしながら、現場の保護者たちと子供たちがかなり殺気だち、混乱している様子はうかがえる。
このほか、「フフホト市の内モンゴル師範大学付属中学の1年生は、ほとんど出席していない」「フフホト市の新安路小学校では2000人の児童生徒が在籍しているが、出席したのは50人くらいだ」「ホルチン左翼后旗甘旗・カー鎮の3カ所の小学校で3000人以上が集団授業ボイコットを始めている」といった声が、在米拠点の華語ニュースサイトやラジオに寄せられた。ツイッター上などには、通遼市のどこかの旗で、保護者が学校に詰めかけて「子供たちを返せ」と要求する様子や、警察ともみ合って逮捕される様子などの投稿映像も流れている。
シリンゴル盟のある保護者は、内モンゴル自治区の80%のモンゴル人がこの抵抗運動に参加していると訴えていた。彼女は「我々は現在、子供たちを学校に行かせていない。全自治区各区のモンゴル人はすべて、この政策に反抗している。私たち一族の中には、上司から、抗議に参加すれば仕事に影響するぞと脅しを受けているが、そんな仕事ならいらない、と思っている」という。
内モンゴル各地で始まった「モンゴル語狩り」
また8月30日からは、内モンゴルの各地で「モンゴル語狩り」ともいえる大検閲が開始されているとの情報もある。
当局がモンゴル語書籍やモンゴル語が書かれた文具の販売禁止し、すべてのモンゴル語書籍・文具を図書館、書店、文具店などの棚からの撤去を指示した、というのだ。現地で文具店を経営するモンゴル人女性は、「ジャルド旗警察はうちの文具店にも来て、モンゴル語で書かれたすべての書籍や文具を没収した」と在米華語ラジオネットワーク「希望之声」に話していた。中国国内唯一のモンゴル語SNSの「Bainu」は8月23日にすでに封鎖されている。
米国ニューヨークに本部がある南モンゴル人権情報センターは8月29日、この問題について、強い抗議を示すとともに、「一部地元政府官僚を含む社会の各界人士が空前の団結力をみせている」とした。体制内のモンゴル知識人やモンゴル人官僚も、この突然の政策変更に強い不満をもっているようだ。
内モンゴル大学の副学長のチムド・ドルジ教授は、ドイチェベレ上で「既存の国語教育に不適切な変更を加えている。民族団結に不利な動画もブロックされている」と訴えた。
内モンゴル自治区教育庁は8月31日、こうしたモンゴル人保護者たちの強い抵抗を受けて、「漢語授業導入は国語、政治、歴史の3科目だけであり、その他の学科の教材はモンゴル語や朝鮮語を使うことに変更はない」と説明している。だが、新疆ウイグル自治区の現状をみると、全く説得力がない。新疆ウイグル自治区では、3年前まで漢語教育の普及率は38%程度だったのが、今や学校教育で使われる言語は、ほぼ100%漢語になってしまった。それどころか、ウイグル語教科書の編纂や文学のウイグル語翻訳に携わった知識人や大学教授が、次々国家分裂罪などに問われて逮捕、起訴され有罪判決を受けているのだ。
中国政府が恐れるモンゴル人の抵抗運動
中共(中国共産党)政権のこうした民族クレンジング(浄化)ともいえる弾圧は、この数年、チベット、ウイグル、そして香港で激化し、国際社会が中共政権を警戒、あるいは嫌悪する大きな理由となっている。
文化大革命時代、内モンゴル自治区内の党政軍の実権を握り蒙古王とも呼ばれたウランフ解放軍上将が「内外モンゴル統一を企む民族分裂主義者」として失脚し、これに伴い、数十万人規模のモンゴル人が凄惨な大粛清を受けた(内モンゴル人民革命党粛清事件)。虐殺されたり、投獄されたりした域内モンゴル人は当時の人口の6割以上、という推計もある(その悲惨な状況を1次資料によってまとめたのが楊海英教授の『墓標なき草原 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』である。一読をお勧めする)。
内モンゴル自治区はいったん解体されて文革後に再設置されたが、この大粛清で中国国内の南モンゴル独立運動の目は徹底的につぶされた。そのため、その後の中共の民族弾圧の矛先はむしろ、強い精神的支柱(ダライ・ラマ14世)を持つチベット人や、世界宗教の背景があるウイグル人に集中した。国際社会でも中国の民族問題といえばチベットやウイグルの問題ばかりが話題になった。
だが中国において、かつて最も独立があり得ると恐れられたのは南モンゴルだった。内モンゴル自治区では、2011年に、炭鉱開発に抵抗するモンゴル人遊牧民を漢人がトラックで故意にひき殺したことを発端として大規模抗議運動が起きた。この時、モンゴル人の抵抗運動の怖さを知る胡錦涛政権は、漢人運転手を速やかに死刑判決に処し、鎮静化を図った。
習近平政権は、このモンゴル人の抗議運動をうまく鎮静化できるだろうか。下手を打てば、チベット、ウイグル、香港と複合的に反政府運動が燃え広がることになるかもしれない。
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清水ハン栄治監督インタビュー

●初のプロデュース作『happy――幸せを探すあなたへ』(2012/ロコ・ベリッチ監督)は、アメリカ、デンマーク、日本などさまざまな国の人々の姿をとおして本当の幸福とは何かを探るドキュメンタリーでした。ともすれば真逆とも思える題材を監督デビュー作に選んだ理由を教えてください。
僕は結構、いい歳になってから映画製作に携わる様になりました。死ぬまでに何本作れるのか、と自問した時、人生かけて「普遍的な大きな問い」をテーマとして追及してみたいという欲求が出てきました。その答えが『happy』のテーマである「幸せとは何か?」であり、『トゥルーノース』の「人は何の為に生きるのか?』に繋がったのだと思います。
●この物語を、ドキュメンタリーではなくアニメという形で映画化しようと思ったのはなぜでしょうか。
リリースして既に10年ほど経つのですが、今でもドキュメンタリー映画の『happy 』を観た世界中の人たちから嬉しい声が届きます。中には『happy』のお陰で自殺を思い止まったなんて人もいて、映画の及ぼす影響力って凄いなぁとひしひしと感じています。また、人権と平和のために戦った世界の偉人達の伝記漫画シリーズをプロデュースしたところ、思いがけない反響がありました。ダライ・ラマ法王に認められて亡命チベット子女達の教科書になったり、オバマ大統領にホワイトハウスで愛読してもらったり。漫画で表現することで、想定さえしなかった読者層にまでリーチ出来ることを驚きを持って実感しました。せっかく物語を伝えるならインパクトを出したい、ということで映画と漫画という強力な表現方法の延長直線上でアニメ映画にたどり着きました。
●本作を制作するにあたって、どんなリサーチをされましたか? どんな方たちにインタビューしたか、どういった資料を集めたかなど教えてください。
北朝鮮の強制収容所を体験し脱北した人々の著作、映画、ニュースなどを洗いざらいに探ったつもりです。そして、実際に韓国、日本、アメリカで元収容者、元看守、脱北者の皆さんにインタビューさせていただきました。定期的に各国の人権団体やNGOとも連絡を取らせていただいて情報収集しています。また収容所内で起こった悲惨な出来事はもとより、友情やユー��ア、助け合いや恋愛などの人間味のあるエピソードも出来るだけ多くヒアリングしました。
●リサーチやインタビューを行った中で一番衝撃を受けた出来事は何だったでしょうか。
聞き取りをしている最中は衝撃受けっぱなしでした。とりわけ皆さんに知っておいていただきたいのは、これはコリアンだけの受難ではなく、日本人にも密接に関わっている問題なんですよと。聞き取りをする中で、日本人拉致被害者も政治犯強制収容所に収監されていたという証言がありました。この女性は工作員へ日本語を教えるのを拒否したと言う罪状で、悪名高きヨドク15号管理所に収監され、あの極寒で布団も無い毎日を過ごしていたとのことです。この方がまだ存命か分かりませんが、その人生にオマージュを込めて本作でも同じ境遇のキャラクターを登場させています。 ●キャラクターたちの表情や仕草など、やわらかいタッチで描かれていますが、キャラクター造型についてこだわりを教えてください。 造形はデフォルメし過ぎず、かつリアルにし過ぎず、というバランスに苦心しました。というのも、歪曲し過ぎて「これは別世界で起こっている話」と思われてはアクティビズムにならない一方、収容所の現実をリアルに表現し過ぎるとホラー映画みたいになって観客が感情的についていけない。全般的に造形のポリゴンが少なく見える(カクカクした折り紙みたい)様な素材感にして、登場人物との擬似体験を少しバッファーを掛けるなどの工夫もしました。 ●本作の音楽監督にディズニー長編アニメ映画『ムーラン』の音楽監督マシュー・ワイルダーを起用した理由は? 共通の友人を介して経験豊富なマシューさんに会ったのですが、作品を通して収監されている人々を救いたい、と本作への思いを熱く語ったところ、即座に意気投合。グラミー&アカデミー賞ノミネートの大御所にも関わらず快くオリジナル音楽を担当していただけることになりました。 ●実際取材した方(脱北者の方など)に本作を見せる機会はありましたか?どういう反応でしたか? プチョン国際アニメーション映画祭では、多くの脱北者の方達に鑑賞いただきました。「涙でマスクがぐちゃぐちゃになった、北朝鮮の知られざる現実をここまで正確に表現した作品はこれまで無かった」などの声をいただき、とても高く評価いただきました。また、脱北して韓国の国会議員になった方からは、北朝鮮の人権問題を世界的に啓蒙していく為にこの映画を上映したいと相談を受けており、色々な国に広げられるように準備を進めています。 ●一度��いかけた人間としての尊厳をヨハンがとりもどす姿を見て、絶望の淵にあっても尊厳を失わなければそこに希望はあると、大変感動しました。北朝鮮強制収容所ほどの環境ではなくても、コロナ禍のいま、暗い感情が日本中、そして世界中を覆っています。この作品を通して、どんなメッセージを伝えたいですか? 脚本執筆中に大きくインスピレーションを受けたのは、第二次大戦中ナチス政権下で強制収容所を生きる人々を描いたヴィクトール・フランクルの『夜と霧』でした。囚人でありながら精神科医だったフランクルが興味を抱いたのは、絶望的状況を生き延びた人と力尽きてしまった人との決定的な違いは「生きる希望」を持てたかということでした。北の収容所でも、日本列島でも同じです。いい加減めげちゃいますが、皆さん、いつか必ずコロナ禍は終わります。いいことあるから、希望を持って生きていきましょうよ。最後まで希望を捨てない主人公ヨハンが、何かヒントを与えてくれるはずです。
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映画『ザ・レイド』 〜DIY精神に満ちたハイレベルアクション映画を見よ!〜
2011年 インドネシア 原題:The Raid -Redemption- 監督:ギャレス・エヴァンス 脚本:ギャレス・エヴァンス 撮影:マット・フラネリー 音楽 マイク・シノダ、ジョセフ・トラパニーズ 出演: イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン、ジョー・タスリム、 ドニー・アラムシャー、レイ・サヘタピー、ピエール・グルノ、テガール・サトリヤ
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昨年、インドネシアからの留学生を連れて尾道に日帰り旅行へ行ったときのこと。千光寺公園へ行ったり、美味しいものを食べたり、楽しかったのですが、道中の車内でインドネシアの文化や生活の話を教えてもらったことが興味深かったです。話しぶりからはやはり、K-POPや韓国ドラマ&映画などはインドネシアでも人気なようで、韓国産エンタメの世界的な影響はやはり大きいなと実感しました。ちなみに日本の映画も、ある程度観られているようで、話してくれた留学生は映画「13人の刺客」(三池崇史のやつ)が好きだとのこと。アニメ作品を挙げてくるかなと思っていたので、意外な作品が出てきてびっくりしましたけどね。
そんな中、インドネシアで作られた映画で、オススメはないか訪ねたところ、教えてくれたのが、映画「ザ・レイド」でした。
あらすじ
麻薬王が支配する30階建ての高層ビルに、強制捜査のため警察の特殊部隊が強制捜査に入る。しかしそこは、恐るべきギャングや殺し屋のアジトがひしめき合う、ヤバい奴らの巣窟だった。捜査情報が漏洩しており、返り討ちに合い壊滅的な打撃を受ける警察部隊。警察部隊の一人、ラマ(イコ・ウワイス)は次々と仲間たちが倒される中、何とか生き残り、その戦闘能力を駆使して、麻薬王を捕らえるため上層階を目指す・・・。
引用元
インドネシアが生んだアクション映画の大傑作!
ぶっちゃけ、そんなに期待していなかったのですが、想像を遥かに超える質の高さでした!
まずとにかくアクションがとんでもなく良い!アクション映画としてのレベルは相当高い映画だと思います。こんなにおもしろい映画がインドネシアから登場したことにびっくり。
序盤は突入してきた警察部隊と、それを返り討ちする殺し屋軍団の、銃撃戦を中心とした戦闘が中心になりますが、役者は専門的な銃撃戦のトレーニングを受けて撮影しているようで、かなりそれらしい動きをしていますし、激しく見ごたえのある演出になっています。アメリカ映画と違って実銃が使えるわけではないので、驚いたことに全てモデルガンを使用していて、薬莢や発砲時の火薬の光をCGで付け加えているとのこと!また暗闇の中、敵味方が互いに索敵している状態で、発砲した際の火薬の光によって敵の居場所を察知するという描写は、実際にあり得る��とだと思いますが、これまでの映画であまり見かけなことがなくて新鮮でした。発砲時の光をこんなに強調した映画は珍しいですね。さらには警察部隊が突入するときに使用した車両も、メイキング映像を見る限りオンボロの古いトラックを改造して自分たちで作成したようで、クオリティを上げたり面白いものを作ろうとする作りてのDIY精神が素晴らしい!
・メイキング映像①(オンボロトラックを改造して使用した車両を、演者がみんなで押してエンジンをかけている!!!)
室内戦の臨場感を引き出すカメラワーク
ビルの中という限定的な空間が舞台で、敵を倒しながら上層階を目指し最後は脱出!という、何かのゲームのような設定は、聞くとバカっぽい感じがするかもしれませんが、ストーリーの幅をコンパクトにして、アクション演出の面白さを強調することができていると思います(もちろん、予算の都合もあるのでしょうが・・・)。しかもいい感じの薄汚いボロっちい建物で、雰囲気がとても良い。
そんなビルの中での戦闘シーンは手持ちカメラを多様しており、臨場感を演出するのがとても上手くできていました。一続きの長めのカットのままカメラをブンブン動かして視点を素早く切り替えることで、その場の緊迫感を上手に引き出しているし、室内のどこに何があって、誰がどう行動しているのかも流れるように見せてくるカメラワークはとても効果的でした。結構狭い場所で撮っているようなので、かなり苦労したのではないかと思われますが、メイキング映像によると一部は部屋のセットを別に作って撮影してますし、床に穴を開けてフロアを移動するシーンがあるんですが、そこは手渡しでカメラを移動させて人物を応用に途切れなく撮影する工夫をしており、やはり戦闘シーンのカメラワークはこだわって作られていると思われます。
・メイキング映像②(アクションシーンがどのように作られているのかわかります)
引用元
シラットの魅力!そしてマッド・ドッグに陶酔!
インドネシアを中心に東南アジアで流布する伝統武術に“シラット”というものがありますが、中盤以後はこれを駆使した戦闘が中心となります。この映画を観るまでシラットのことを知らなかったのですが、軍用の格闘技術に導入されていたり、実はブルース・リーが創始者であるジークンドーにもシラットが応用されているなど、世界的には結構メジャーな武術だそうです。
めちゃくちゃ攻撃的でキレッキレで、時には泥臭い感じもある格闘アクションは、まさに殺し合いそのもの。そして他の映画と異なる点として、いわゆるモブキャラですらみんな強い!大体の映画ではザコ敵が群がってきても、メインキャラにボコボコにやられたり、難なく一撃で倒されていくことが多いですが、この映画はみんな強い上に、集団でかかってくるので主人公もかなり手を焼き、かなり痛めつけられ、どうにかこうにか勝てるという感じ。マチェーテを持って襲ってくる連中のビジュアルも良いですね、いかにも危ない奴らって感じで(マチェーテを口に咥えて壁を登る様子とか素晴らしい)。
主人公のラマを演じるイコ・ウワイスは当然良いのですが、なんと言っても魅力的なのが、殺し屋軍団の2番手、マッド・ドッグを演じるヤヤン・ルヒアンという役者です。身長が低めで、一見ひょろっとしたおでこの広いおじさんなんですが、身体能力がパねえ!マッド・ドッグのキャラクターも魅力的で、めちゃくちゃ強いし、妙なオーラが出てて独特の魅力を放っています。敵を追い詰めても、最後はあえて殴り合いに持ち込み、銃は使わず拳で相手を殺すことをモットーとする狂犬ぶりは、すぐに何でも簡単に解決しようとする現代人に一石を投じるような存在(言いすぎ・・・)。僕は彼の魅力にイチコロでした。
ちなみにヤヤン・ルヒアンは続編の「ザ・レイド GOKUDO」に、妻と離婚して子供の仕送りのために戦う哀愁漂う殺し屋という、マッド・ドッグ全然違う役で出演していてびっくりしました。 本作によってヤヤン・ルヒアンもイコ・ウワイスも世界に発見されてしまい、以後ハリウッドのアクション映画に出演ようになりました。それぐらい本作が世界のアクション映画にインパクトを残した映画となったのです。
・マチェーテ軍団とのファイトシーン(これがシラットだー!) ・マッド・ドッグの初ファイトシーン(かっこよすぎる・・・・) ・映画「ザ・レイド GOKUDO」(遠藤憲一や松田龍平が日本のヤクザとして登場しますが、びっくりするぐらい戦闘には絡んでこないので拍子抜けしますが、こちらもアクション映画として大変見ごたえがあります)
アクションのことばかり書きましたが、サスペンス描写も見事で、敵に追い詰められて八方塞がりになった状態をどうやって打開するのかとか、壁の裏に隠れている場面のバレるバレない演出とか、結構ハラハラさせられるシーンも上手でテンポも良かったと思います。後半のマッド・ドッグとの戦闘が最高潮で、素晴らしいのですが、その後の終盤の展開は尻すぼみ感が否めません。怒涛の戦いを観ることができた分、締めくくりが凡庸だと、急にテンションが落ちる感じがしてイマイチでした。あとこれは個人的な希望ですが、冒頭の礼拝シーンのごとく、もう少しインドネシアの生活・文化が垣間見えると良かったかなと思います。限定的な舞台設定なので仕方ないでしょうが・・・。
最後に
ハリウッドでなくても、少ない予算でも、DIY精神でここまですごいクオリティのアクション映画が作れるのだということを思い知らせてくれる一作です!ナメててすいませんでした!
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櫻井よしこさんの論考をシェアさせていただきます。
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嘘と力で押し切る中国の「戦狼外交」
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本来ならあと27年間は続くはずの香港の民主主義体制を突然終わらせた「国家安全維持法」(以下、国安法)は、異常なプロセスを経て導入された。通常は2か月に一度開催される全人代常務委員会が半月の間に二度開かれた。国安法は6月30日深夜に決定され、1時間後の7月1日午前0時に施行されたのである。
慌しい動きの背景に6月16、17の両日、ハワイにおける米中外交会談の決裂がある。米国側は香港、台湾、ウイグル問題で中国の強権弾圧と人権蹂躙を厳しく攻めた。
会談後、中国外務省は米国に先んじて記者会見を開き、紋切り型の主張を展開した。その直後に配信された中国共産党の海外向け機関紙「グローバルタイムス」は、社説で中国側の悲観的見方を吐露している。
「中米両国が関係を断ち切ることはないと思われる」「しかし合意は困難」「米国は新冷戦や両国関係の切り離しを煽っている」という非難の中には米国が対中姿勢緩和に動くことへの期待はほぼ見られない。この局面で中国側は香港への強権発動を決断したと思われる。
対照的に米国は会見で鋭い中国批判を発信した。スティルウェル国務次官補が中国側は「前向きではない」「一方的で非現実的」「戦狼外交」だなどと言い切った。
氏はまた、世界が武漢ウイルス禍で苦しむ中、元凶国中国が勢力拡大を進めているとし、中国の外交姿勢を手厳しく攻撃した。
私は氏が言及した2014年の中国外交に注目せざるを得なかった。その年、習近平国家主席が初めてインドを訪問したのだが、訪問に合わせて人民解放軍が中印国境の紛争地帯にそれまでになかったほど深く侵攻し、それまでになかったほど長期間占領したと、スティルウェル氏は語ったのだ。
「鼻にパンチを食らわせて中国の優位性を思い知らせる戦術��、本当のところは分からない」と氏は結んだが、中国の攻勢の背後には勝手に歴史を作り上げる嘘つき国家の姿がある。その意味で、2010年12月、温家宝首相の訪印を連想する。あの時も中国側は強烈なパンチを繰り出した。
インドに攻め入る
インド北東部のアルナチャル・プラデシュ州は広さ8万平方キロ、ヒマラヤ山系の上質な水が豊かに流れ込むインド随一の水源の州だ。同州を中国は自国領だと主張し、チベット自治区に編入してしまった。
この州の、中国がチベット自治区に編入した地域に、温氏訪印に合わせて中国軍工兵隊がトンネルを貫通させた。ヒマラヤ山系の下に掘られたトンネルは、有事の際、人民解放軍の戦車を最高速度で走らせるのに十分な幅と強度を備えている。トンネル完成で、人民解放軍はいつでもインドに攻め入ることができる。戦略上重要な意味を持つトンネルの完成を温氏訪印にぶつけたのである。
胡錦濤主席も同様の形で訪印した。温氏の訪印の約4年前だ。インドの戦略研究家、ブラーマ・チェラニー氏の説明だ。
「中国側は胡主席訪印の06年に、それまで休止していたアルナチャル・プラデシュ州の領有権問題を公然と持ち出したのです」
中印国境はネパールとブータンを挟む形で、東西3300キロ余りに達する。ほぼ全域がヒマラヤ山脈を構成する高山地帯だ。国境をめぐって両国は常に争ってきた。1959年から62年までの中印紛争はまさに国境で両軍がぶつかった。中国軍が圧倒的優勢で戦いを展開し、遂にジャンム・カシミール州のアクサイチンを奪い取った。ここはいま、中国が実効支配を続けている。
インドは常に中国に騙され、軍事的にもしてやられてきた。ネルー首相と周恩来首相が会談し、中印両国が平和五原則を打ち立てた54年、ネルーは友好の印として両国を隔てるヒマラヤ山系の地図を周恩来に贈った。地図は国家機密だ。詳細な地形と建造物、その場所と形状は、相手国攻略に必須の知識だ。周恩来は喜んで受け取り、両国の友好を誓った。だが59年にインドに攻め入ったとき、人民解放軍はネルーの贈った地図を存分に活用したのである。
チェラニー氏が指摘する。
「06年に中国がまたもやアルナチャル・プラデシュの領有権を主張し始めたとき、彼らが使ったロジックは噴飯物でした。17世紀にダライ・ラマ6世がアルナチャル・プラデシュ州のタワンという地区で住まれた、従ってアルナチャルはチベットのものだ。チベットは中国の一部であるから、アルナチャルも中国領だというのです」
そのような理屈を使えば、ダライ・ラマ4世は1589年にモンゴルで生まれたためにモンゴルは中国領になる。こんな無茶苦茶はどの世界でも��用しない。加えて、ダライ・ラマ法王は、歴史上、アルナチャルは一度もチベットの一部であったことはないと語っている。
恥辱の歴史への恨み
習近平、温家宝、胡錦濤と、中国歴代の主席や首相の外交を振りかえると常に脅しと騙しの混合スタイルであることに気付く。こんな悪い癖をもつ中国が、いま、米国に公然と挑戦している。それがスティルウェル氏の言う「戦狼外交」であろう。
戦狼外交の定義ははっきりしないが、王毅外相が国際社会における中国の国益と評価を高めよ、積極攻勢に出よと指示を出したのは、武漢ウイルス発生とほぼ同時期だった。
「おそらく米軍が疫病を武漢に持ち込んだ」とツイッターで発信した中国外務省の趙立堅副報道局長をはじめ、4月12日に在仏中国大使館が公式サイトで、フランスの高齢者施設の職員が職場放棄し「入居者らを飢えと病気で死なせた」との非難など、中国の強硬論が溢れた。
なぜ、無理筋の強硬論が発信されるのか。米クレアモント・マッケナ大学教授、ミンシン・ペイ氏は、中国人の歴史に対する恨みと自己イメージの誇大妄想化が背後にあると見ている。前者は「恥辱の一世紀」「勿忘国恥」(国恥を忘れることなかれ)などの言葉に象徴される歴史認識であり、清朝が欧米列強及び日本に蹂躙されたことへの恨みである(6月25日号の本欄を参照下さい)。後者は中華民族は世界諸民族の中にそびえ立つと豪語する習氏に、あらゆる人々がへつらうところから生じる自己肥大化現象だとペイ氏は指摘する。
恥辱の歴史への恨みから生まれるナショナリズムと、中華民族こそ世界に君臨すべき優れた存在だとの強烈な自意識は、いかなる批判も受け付けない。撥ねつけ反撃し、戦狼外交の波が起きる。政治家、財界、国民全員は、その中国に筋の通った厳しい姿勢で接しなければならない。一瞬の隙、心にもない微笑、卑屈な友好は、固く禁ずべきだ。
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2019年に買ったボードゲームのまとめ
2019年に届いたものが対象。ミニ拡張は除く。

オーディンの祝祭:ノース人 日本語版 (Ein Fest Fur Odin: Die Norweger) 7.5: 上手になりたいゲームのひとつ。ヘタすぎて手に余る不動産を手に入れて、最後に大きな負債を背負いこむのが���約束……
パンドリア (Pandoria) 未プレイ:手グセで買ったテンデイズのゲームは積みがち。
ATLANTIS: Island of Gods 未プレイ:いざ届いて、ルール詳細を読み込んだら、小箱のくせに処理量が生意気だな! トロワ系言語まで使ってんじゃねーよ!と思って積んだ。
ウィングスパン (Wingspan) 6.5: 寂しい4人が集まって、同時にソリティアを遊ぶゲーム。そのソリティアはおもしろい。その事実をどう評価するか?
Crusaders: Thy Will Be Done 7.5: マンカラでアクションを決めて遊ぶ陣取り。プレイヤーボードでの誰にも邪魔されないこねくり回しとメインボードでのインタラクションの組み合わせというトレンドをしっかりフォローしつつ、 4人でも90分以内で終わる非常に優秀なゲーム。ルールもシンプルで出しやすい。
ロストシティ・ライバルズ (Lost Cities: Rivals) 未完走:どんなゲームにも、そばに置いてる子どものマネージメントに失敗してゲームが完走できないっていう協力ゲームの要素、ありますよね……
リワールド 日本語版 (Reworld) 未プレイ:駿河屋で「うわー 3,000円切ってる!」というノリで買ったゲームはうるさ目おじさん界隈では評価がもう定まっており、誰も遊んでくれずに積む。
西フランク王国の建築家 (Paladins of the West Kingdom) 7.0: KS(のAdd-on)。人数制限のないワーカープレイスメントを身代金目当てに他プレイヤーのワーカーを拉致って解決するシステムが最高。ゲーム展開は想像した倍の速さで中量級。
西フランク王国の聖騎士 (Paladings of the West Kingdom) 7.5: KS。プレイヤーボード上でちまちま色違いのワーカーを組み合わせてアクション計画をしていくソリティア味とカードの早取り・泥棒あぶり出しでインタラクションを付けていくバランスが現代的。テーマの乗せ方も上手い。一方でこちらはプレイ時間が長く、ベストは3人。
フォールアウト ボードゲーム:ニュー・カリフォルニア 日本語版 (Fallout: New California) 未プレイ:まぁまぁの内容でも、フレーバーで遊べるだろう!と思って買ったゲーム、の拡張。ふだん一緒に遊んでる人、ほどんどFalloutを遊んでねえ!
Mointaineers 未プレイ:KS。パーティーゲームにしてはデカすぎるし、言語依存もありすぎる! 作者が妻の出産を理由にプロジェクトの遅延を説明していて、しゃーないな!と思った記憶が……
ブラックアウト:香港 (Blackout: Hong Kong) 7.0: 評価に悩むゲーム。モンバサから毒を抜くと、きっとこの形になる。面白いけど、ちょっとお上品すぎの感が。あまり褒めると安いおじさんだと思われちゃうわ…… 手抜きか!というくらいボードが黒い。停電テーマにすればアートで楽できる!
世界の7不思議:艦隊 (7 Wonders: Armada) 未プレイ:ルールを読まずに買ってから、ルールを読んで、どんな風にゲームが変化するか、自分の中ではほぼパーフェクトにイメージできた(と思ってしまった)結果、積む。
メナラ 完全日本語版 (Menara) 6.5: 私が協力ゲームで好きな要素は、失敗時の戦犯の吊るし上げ。その点でこのゲームは及第点に達しております。
ヌスフィヨルド:カレイデッキ (Nusfjord: Plaice Deck) 8.0: 面白いゲームのゴミみたいな1金がコインになりました。
Nētā-Tanka: Deluxe Edition 6.5: KS。バランス調整で遊ばせるタイプのワーカープレイスメント。隣接するアクションを叩いてボーナスをいかに得るか? シェイクスピアのデザイナー作と聞いてBackして、遊んでみたら予想通りのシブさ。作家性!
グレンモアII:クロニクルズ (Glen More II: Chronicles) 7.0: あのゲームの重さとコンポーネントの質が合っていないグレンモアが今度はオーバーキル! KS発の不用意にデカすぎるゲームがだんだん嫌いになってきた…… 旅マップの追加によるケチケチ作戦強化はよいカウンター調整。
バス:20周年記念版 (Bus: 20th Anniversary Edition) 6.0: ここまで一手が重くインタラクションが強いと、もう笑っちゃうしかない。現代的な感覚だと「鋭い」とか言うよりも、もうパーティーゲームの範疇に捉えてしまう。90分で終わるパーティなので楽しく遊べます。
バニーキングダム:イン・ザ・スカイ 日本語版 (Bunny Kingdom: In the Sky) 未プレイ:うっすら気づいていたけど、拡張ほとんど遊ばねえ!
クアックサルバー:薬草の魔女 (The Quacks of Quedlinburg: The Herb Witches) 7.0: ポン付け拡張の範囲かな? ゲームがより派手に、逆転しやすくする��向の調整なので、このゲームに合っていると思う。
深い谷の酒場 (Die Tavernen im Tiefen Thal) 6.5: 平たく言うとクアックサルバーカード版+ダイスドラフト。勝ち筋が複数あり、積み込みができるのでめくり運も多少は緩和。こちらのほうがよりコントローラブルな調整。個人的には、袋引きのほうが最後まで可能性がプレイヤーに委ねられているという緊張感があって好きかな? 万人受けしそうな面白いゲームだけど、セットアップが面倒くさいのが玉に瑕。
Gentes Deluxified™ Edition 8.0: このエディションでは未プレイ!
イリュージョン 完全日本語版 (Illusion) 6.5: カード内の4色の塗り面積順を予想するだけなのに、答え合わせでは意外性があり、さっと取り出してしっかり盛り上がる優秀なカードゲーム。
チームプレイ 日本語版 (Team Play) 5.0: 一度手放したゲームがなぜかまだ戻ってきました。半分以上の局面で手なりでプレイするゲームだよね、これ。
Improvement of the POLIS 7.0: RftG方式のアクションの同時プロットでサクサク進む文明発展ゲーム。コンパクトにテーマ再現できているのがすばらしい。同人版からアートワークおよびUIがほとんど進化してないバッドプロデュース案件。
Tussie Mussie 6.0: Wingspanの作者。カード2枚をめくって、一枚は表向き、一枚は裏向きに置いて、次手番のプレイヤーに1枚選ばせて、残った1枚を自分のものにするだけ。全員で行う花占いと思えば合点が行く。
Sprawlopolis 6.0: カード配置で行うシティビルディングソリティア。ゲームごとに得点ルールの組み合わせが異なるため、たった18枚のカードでさまざまな展開が楽しめるようになっている。
キーフロー (Key Flow) 7.0: あの楽しいキーフラワーの上澄みがブースタードラフトで気軽に楽しめるように!
Raiders of the North Sea: Fields of Fame 7.0: ボスキャラを殴って拉致ってパワーアップ!
Raiders of the North Sea: Hall of Heroes 7.0: 見えてるカードを買える!
レース・フォー・ザ・ギャラクシー (Race for the Galaxy) 7.0: 大量のカードスリーブをかどまりたいという欲求に駆られ購入。自分くらいの練度だと基本のみ2人戦でちょうど良いかな?
レース・フォー・ザ・ギャラクシー:嵐の予兆 (Race for the Galaxy: The Gathering Storm) 7.0: 目的先取りって良いよね!
レース・フォー・ザ・ギャラクシー:帝国対反乱軍 (Race for the Galaxy: Rebel Vs. Imperium) 6.5: 軍事が強くなった! 侵略のルールって面倒くさくないですか?
レース・フォー・ザ・ギャラクシー:戦争の影 (Race for the Galaxy: The Brink of War) 6.5: 自由度を増す方向の拡張。好みが分かれそう。見てカードが買える!
レース・フォー・ザ・ギャラクシー:エイリアン・アーティファクト(Race for the Galaxy: Alien Artifacts) 未プレイ:既かどまる
レース・フォー・ザ・ギャラクシー:ゼノの侵略 (Race for the Galaxy: Xeno Invasion) 未プレイ:既かどまる
エジツィア 新版 (Egizia: Shifting Sands) 未プレイ
ストックパイル:エピックエディション (Stockpile: Epic Edition) 7.0: 5人で遊びたいパーティー経済ゲーム。より良いインサイダー情報を引けるかという運の要素はあるものの、他人のオークションのビッド傾向からある程度市場予想をすることもできる。このバランスが絶妙。
タイニータウン (Tiny Towns) 6.0: スバラシティ:ボードゲームで殺し合い。たぶんベストは3人。2人だとガチガチの絞りあい、4人以上だとビンゴ味が強く出すぎる。モジュール式で組み合わせる建物のバランスには懐疑的で、事故りにくいコテージを連打するのが結局一番安定して勝てる気がする。
Mopsen 6.0: たくさん取りに行くか、取らないかをラウンドごとに迫られるトリックテイキング。トリックごとにトランプが変わるので、パーティー味がある。絵がかわいい。
Hadara 5.5: 文明発展テーマってのがピンと来ない変則ドラフト&パラメーター管理ゲーム。宝石の煌めきフォロワーとして見るとお上品で手堅くまとまっている。
パールズ (Pearls) 6.0: 多人数ジャイプル。多人数だとどうしても出ちゃう、お仕事のターン。ジャイプルが2人専用ゲームになっている理由がわかる。
ラマ (L.A.M.A.) 6.0: クニツィアが15年前に作ったカードゲームが発掘されました、新作として出しましょう!みたいなゲーム。両替で生まれた黒10金を、上がって清算するカタルシスがすべて。
雲の上のユニコーン:ビンゴゲーム (Einhorn Glitzerglück: Funkel-Bingo) 5.0: 「雲の上のユニコーン」が好きな娘のために買ったもの。まごうことなきビンゴです。
雲の上のユニコーン:フレンズカルテット (Einhorn Glitzerglück: Freunde-Quartett) 未プレイ:カルテットは娘には早すぎました。
ブラックエンジエル 日本語版 (Black Angel) 5.5: レビュー
ピクショナリー エアー 日本語版 (Pictionary Air) 6.0: お題カードにチャレンジングなものが必ず含まれていて、意外と難易度は高い。エアコンが緑色のLEDを光らせてるとゲームにならないので注意。
十二季節の魔法使い 日本語版 (Season) 6.5: 大量のカードスリーブをかどまりたいという欲求に駆られ購入。ドラフトとダイスピックと二段階の選択を経るので、ある程度コンボルートを知っていないとちょっと厳しい。
十二季節の魔法使い:運命の行方 日本語版 (Seasons: Path of Destiny) 未プレイ:既かどまる
十二季節の魔法使い:魅ノ国 日本語版 (Seasons: Enchanted Kingdom) 未プレイ:既かどまる
ロレンツォ・イル・マニーフィコ:パッツィの陰謀 (Lorenzo il Magnifico: The Pazzi Conspiracy) 未プレイ:KS。ビデオゲーム版ロレンツォのプレッジ。ビデオゲームのほうはボードゲームのコンポーネントを踏襲していないUIデザインになっているため、非常にプレイしにくい。まだアーリーアクセスなので、どこかで全部ぶっ壊してほしい。
バラージ (Barrage) 7.0: 水力発電というテーマの再現度がすばらしい。インタラクションは今日日のゲームとしては強烈で、一手のズレで水が上流でせき止められたり、流れが変わって自分のダムにやってこなかったりと、丁寧に仕込んだ計画がムダになることもザラ。しゃがむにしても5ラウンドしかなく地獄!
バラージ:レーフワーテル計画 (Barrage: The Leeghwater Project) 7.0: 得点行動の幅が増えて、複雑&マイルドになるタイプの拡張。本業でヘコったときのリカバリーが効きやすくなるものの、水力発電というテーマから遠ざかっていってしまうという問題も。私は基本の上級ルール入りくらいでちょうど良いかな?
クマ牧場:がんばれグリズリー! 日本語版 (Bärenpark: The Bad News Bears) 7.5: 400メートル走が400メートルハードルに変わる拡張。急いで走り抜けないといけないパズルゲームにぐっと悩ましさが増す。早取り要素が増えるので、他プレイヤーの動向もより良く見なければいけない。
マグナストーム 日本語版 (Magnastorm) 未プレイ
クラスク (KLASK) 8.0: テーブルトップスポーツ。※評価はセクビス使用時
ラグーサ (Ragusa) 6.5: KS。ネットワーク構築の陣取りで、駒を置く行為自体が多数あるアクションの選択になっているため、少ないアクション数で複数のことを決めていく今どきのスタイルに陣取りがアップデートされている。
ドミニオン 異郷 日本語版 (Dominion: Hinterlands) 未プレイ:これで日本語版(旧版)ドミニオンがコンプリートしました!
チーム3 (TEAM 3) 6.0: お題カードをジェスチャーで伝える人、ジェスチャーを見て指示を発話する人、目をつぶりながら指示を信じて積み木パズルを組み立てる3人組の協力ゲーム。もう1人、それを眺めてゲラゲラ笑う人がいた方がよいので、プレイ人数は4人~という理解です。リクルート出身者が興した研修支援の会社がチームビルディングのワークショップで似たようなことをやらせそう。(偏見)
スノードニア (デラックスマスターセット)(Snowdonia Deluxe Master Set) 6.5: KS。バランス調整で遊ばせるタイプのスタンダードなワーカープレイスメント。モジュール型の拡張がもりもり。大箱サイズでほぼ立方体の大きさの箱の中身を開いて、ほとんど遊ばずに自分は死ぬんだろうなーと思いました。KSプロジェクトとしては超優秀。ダイスセトラーズとかテオティワカンのところね。
テオティワカン:後期先古典期 日本語版 (Teotihuacan: Late Preclassic Period) 7.0: バランス調整+予言と種族というツォルキンを踏襲した内容の拡張。建築弱体化、仮面と装飾強化になるので、今後は必ず入れて遊んだほうが良いです。
パンドリア:アーティファクト (Pandoria: Artifacts) 未プレイ
テラミスティカ:商人たち 日本語版 (Terra Mystica: Merchants of the Seas) 未プレイ:今さらテラミスティカを誰と遊ぶのかまったくイメージできない。
コンコルディア:バレアリカ/キプロス (Concordia: Balearica/Cyprus) 未プレイ:この手の拡張はプライオリティが低くて翌年以後に遊びがち。ヴィーナスは良かったです!
ブリュッセル1897 (Bruxelles 1897) 未プレイ:ルールを読んで、ブルゴーニュ:カードゲームだ!と納得したところで終了。
アンダーウォーター・シティーズ:新たなる発見 (Underwater Cities: New Discoveries) 8.0: 公式のプレイヤーボードオーガナイザー。せっかくなのでモジュール方式の追加ルールも足してみました。
パンドリア:レルム (Pandoria: Realms) 未プレイ
ハチエンダ(第2版)(Hacienda second edition) 6.5: やりこんでないので、新マップでも特に新鮮な気持ちにはならないかな…… 新オプションルール(収穫タイルのオールマイティ土地利用)もヴァリアントの範疇という感じで、旧版と大きな差は感じられず。
Cities Skylines 5.5: 面倒くさい処理はコンピュータに処理させたいソリティアシティービルディングパズル。そこまで悪くはないんだけど、セットアップの面倒くささになかなか広げる気にならない。
PARKS 5.5: かわいいけど、ルールを読む限り、自分が「ふーん、あっそ」と言うタイプのゲームっぽいなーと思ったら、本当にその通りでした。無味のセッコレすごろく。3人専用ゲームっぽい気がする。人数を変えてリプレイしたい。
マルコポーロの旅路 2 (Marco Polo II: In the Service of the Khan) 7.5: より遊びやすくするために編集者の手が強く入ったマルコポーロという感じ。バランス調整として、契約を達成するのではなく、こういうゲームなんだから旅をせよ!という強いメッセージが感じられる。
Die Crew: Reist gemeinsam zum 9. Planeten 7.0: トリックテイキングを協力ゲーム化したら、感想戦での戦犯吊るし上げが楽しいに決まってるじゃないですか~ なかなかプレッシャーがある。
バーゲンハンター (Bargain Hunter) 6.0: Miniature Marketで$1で売っていたやつ。カード絵が大好き。3人専用ゲームだと思っております。
Heaven & Ale: Kegs & More 7.0: ビール配達業の追加により、90分遊んでいたけど、結果、3点でした!みたいなことは起こらなくなったものの、勝つためには樽と干し草、配達アクションと、追加の3要素を見なければいけなくなったため、プレイングはより悩ましくなった気がする。こんなしょぼくれた追加コンポーネントでここまで味を足せるのかと感心した拡張。
天下鳴動 未プレイ:200円で遊ばせてくれるプレイスペースがなくならないように、定期的に3,000円くらいのゲームを購入する活動を行っております。
雅 (Miyabi) 6.5: 俺が望んでいたジンジャーブレッドハウスがここに! 高さで得点を稼ぐには、その土台となるタイルが必要、でも、それを置くとマジョリティ争いをしているアイコンが隠れてしまう…というジレンマがゲームシステムの根幹としてしっかり機能している。HABAっぽくもなければ、手抜きみたいなアートワークが解せない。大人は汚い!
どんぐりやま 未プレイ:これもショバ代。娘は引き算ができませんでした。
今年初めて遊んだゲームベスト5(拡張とKLASKを除く)
1位 アンダーウォーターシティーズ

2位 クルセイダーズ

3位 バラージ

4位 西フランク王国の聖騎士

5位 マルコポーロ II

次点は以下タイトル。
Q.E.
エマラの王冠
アズール:サマーパビリオン
総評としては、続編や新版ばかりを購入・Backする超保守的ムーブが印象的な年でした。ちょっと疲れたのかもしれません。
ボードゲームも今後は市場が熟成化して、ビデオゲーム同様に予算を掛けた新規IPをローンチすることが難しくなると予想!
また、2019年はピーヨツのボードゲーム棚(formally known as ルンペンゴリラ)がオフライン環境(Blogからフィジカルなノートブック)に移行した年でもありました。

Evernoteにさえメモを残さなくなったのは、最終アウトプット(=Blog)との距離が近すぎて、カッチリ書かなければ、という思いが強くなって億劫になったが原因です。みなさまにも手帳へボードゲームの感想を書くことをお勧めします。文にまとまりが無くとも、肩に力を抜いてスラスラと書けます。マジで。後から思い返すには十分です。
うるさ型のおじさん(ヨッ、同士!)は同時にクッソ高い万年筆を買っておくと、気分がアガるのでお勧めです。値段が高ければ良いというものでもありませんが、書き味、見た目ともに自分の気に入ったものを用意してください。
なお、舶来物の万年筆は国産よりも1~2段階ペン先が太くなっているのでご注意ください。アルファベットと漢字の差なんですね~ 安い買い物ではないので、専門店に足を運んで納得するまで試し書きをさせてもらうと良いでしょう。
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☆プロトタイプ版☆ ひとみに映る影シーズン3 第一話「須弥山を破壊せよ」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。
→→→☆書籍版発売までは既刊二巻を要チェック!☆←←←
(シーズン3あらすじ) 謎の悪霊に襲われて身体を乗っ取られた私は、 観世音菩薩様の試練を受けて記憶を取り戻した。 私はファッションモデルの紅一美、 そして数々の悪霊と戦ってきた憤怒の戦士ワヤン不動だ! ついに宿敵、金剛有明団の本拠地を見つけた私達。 だけどそこで見たものは、悲しくて無情な物語…… 全ての笑顔を守るため、いま憤怒の炎が天を衝く!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
དང་པོ་
初めに闇があっ��。広さのわからない闇、まるで棺桶に入れられたような、あるいはだだっ広い宇宙に放り出されたような掴みどころのない空間。そこで私は目を覚ました。というか今、自分が目を開けたのかどうかすらわからない。意識を取り戻した、という方が正しい気もする。 いや、それも違うかも? 私には過去の記憶がない。実はこの世に生を受けたばかりの赤ん坊かもしれないし、あるいは記憶喪失の大人かもしれない。ただただこの、起きているのか眠っているのかすらわからない領域に漂う自我、それが私…… 『タシデレ、リンポチェ』 !? 誰かの声が聞こえた。前から? 後ろから? 意味もわからない言語。その不思議な声に気を取られた瞬間、私の目の前にはぼんやりと輝く仏像が現れていた。 『タシデレ、リンポチェ(おはようございます、猊下)』 再び声。同じ言葉が繰り返されたけど、今度は意味がはっきりとわかる。記憶が戻ったのかも……そうだ。確か、目の前にある仏像は金剛観世音菩薩(こんごうかんぜおんぼさつ)という仏様だ。いま思い出せるのはそれだけ。でも、もしさっきから聞こえているのが観音様の声なら、リンポチェ(猊下)……目上のお坊さんのこと……と呼ばれた私は一体何者だろう。 『お労しい我がリンポチェ。あなたは悪霊にお身体を奪われ、記憶を失ってしまったのです』 考えていた疑問に声が答えてくれた。奪われて……って、つまり私は悪い霊に体を乗っ取られて、生死の境を彷徨ってるお坊さん……とか、かな。だから仏様が見えてるのかも……? 『大方その通りです。ですが、あなたはただの仏僧ではありません』 ヒヤリ。右手にふと、金属的な冷たさを感じた。見ると、私はいつの間にか錆びついたグルカナイフを握っていた。 『あなたは神影(ワヤン)、衆生を守る影法師の戦士です』 へ? 『そして私は金剛観世音菩薩(こんごうかんぜおんぼさつ)。かつてはムナルという俗名で呼ばれ、リンポチェをお慕い申し上げていた弟子でございます。傷つき記憶を失われたあなたを現世に復活させるためには、恐らくこれまでの戦いを再現するのが一番手っ取り早い。ゆえに、このような試練を用意してみました』 戦士? 戦うって何と!? わけもわからず困惑していると、突然私の周りに不気味な怪物の大群が現れた! 『この幻影達を一掃して下さい。大丈夫、全てあなたが倒した事のある悪霊です。さあ、行くのです!』 「「「キシャアァァーーーッ!」」」 咆哮! 観音様が消滅して堰を切ったように怪物共が押し寄せる! そんな急に戦えなんて言われても困るんですけど!? とりあえずグルカナイフで牽制しながら後ずさりする。ただ後ろを振り返っても、そこは空間が続いているのか壁なのかすらわからない闇。このままでは一方的に取り囲まれてしまう……ええい、ままよ! 私は前へ向き直ると同時に刃渡り四〇センチのナイフを思いっきり引いた! ヴァン!! それは闇の中で一層深い漆黒の衝撃波を放ち怪物を一掃! なにこれ何か出たぞ!? しかし息つく間もなく新たな怪物が出現。さっきまでのは鳥や虫のような小動物霊だったのが、今度は人間サイズの化けイタチだ! 「オカシ……オヤツクレ……」「オカシィィ……クワセロ……」 しかも人語を話している。ちょっと強いやつだ! 襲われる前に叩き、殴り、斬りつける! ところが怪物の猛攻に押されて次第に後ずさりしていくと、何故か段々力が入らなくなってきてしまった。 「ウジャアァァーーーッ!」 イタチに顔面を喰い破られる! 焼けるような激痛ッッ!! しかしそれがトリガーとなり、私の脳裏に戦いの記憶がフラッシュバック。そうか! こいつらはゾンビのように人の魂を喰って無尽蔵に増える、人工養殖された悪霊! それを牛耳っていた親玉は確か……いた! 群がるイタチのしんがりで薄汚く輝く、なんかめちゃくちゃキモい龍! 何て名前だか忘れたけど��悪なソレに向かってともかく私は跳躍、イタチ共の頭をダカダカと踏みつけながらナイフを振りかぶる! どおおぉぉりゃあああぁぁーーーーーっ!!! 「ピキィェェーーーーーッ!!」 キモ龍絶叫! 同時に荒れ狂うイタチの悪霊共は全員消滅し、辺りは再び闇と静寂に包まれた。そして私が握るグルカナイフには、煌々と燃える影の炎で黒焦げになった龍が串刺しになっていた。そうだ、これは確かに私が使っていた武器、『プルパ龍王剣』。悪霊の龍を封じ込め、絶えず燃え続ける剣だ。 ふと足元を見ると、龍王剣の炎に照らされて一冊の本を見つけた。よくお経が書かれているような、長い紙を蛇腹に折って表紙と背表紙をつけた装丁のものだ。内容は横書きの細かいチベット文字で綴られている。記憶では私の母国語じゃない気がするけど、書かれている内容は自然と理解できる。
邪尊(じゃそん)教パンケチャ派 仏典 其の一
昔、ある僧官(政治家の仏僧)が砂漠の近くで弱りきった精霊を発見した。僧官は袈裟に精霊を包み、自宅へ持ち帰って介抱する事にした。ところが精霊は彼の施しを遮った。 ༼ 我は西方の国々で『悪魔』と呼ばれる魔物。人間を堕落させる存在として忌み嫌われ、死ぬ事も消える事もできない。ただ広大な砂漠を彷徨ったいたらここに辿り着いたのだ ༽ しかし僧官はそれを聞いてもなお、悪魔を自宅へ招いた。悪魔は訝しんだが、僧官はこう答えた。 ༼ 地域が変われば、常識も変わる。砂漠の果てから来たあなたがこの国で『悪魔』かどうかはまだわからない。もしかしたら我々にとっては、人々に幸せを与える有り難い神様かもしれないではないか ༽ この言葉に悪魔はいたく感銘を受け、僧官に自らの不滅の心臓を与えた。こうして慈悲深き僧官は生きたまま仏へと転生し、悪魔を永遠の苦しみから解放したのだった。
གཉིས་པ་
仏典は読み終えると、闇に溶けて消えてしまった。邪尊教……? うっすらと聞き覚えがある単語だ。私の正体に関係があるのかもしれない。 再び前を向くと、そこには次の怪物が現れていた。さっき倒したイタチとよく似た怪獣だ。 「オデャッウゥアアアアアアアアアア!!!」 言葉にならない金切り声を上げる怪獣! しかし所詮は二番煎じの巨大化モンスター。私はさっきよりも冷静に居合を構えた。―邪道怪獣(じゃどうかいじゅう)アンダスキン―完全に思い出した。こいつを作ったのは人々を脅かす悪霊衆、金剛有明団(こんごうありあけだん)。私はそいつらを滅ぼすために生まれた戦士、 ༼ ワヤン不動(ふどう)だ! ༽ ズドオオォォォン!! 斬撃と共にそびえ立つ赤黒い火柱! 腹部を真っ二つに切り裂かれたアンダスキンは瞬く間に分解霧散した。無数の火花が闇に溶け切ると、そこに二冊目の仏典が現れた……。
邪尊教パンケチャ派 仏典 其の二
即身仏となった僧官には、悪魔へ施した時と同様に、衆生のあらゆる苦しみを和らげる法力があった。そのため彼はやがて『紅の守護尊(ドマル・イダム)』という名で信仰されるようになった。 ところが時の権力者率いる邪な閣僚達が、ドマルの法力を悪用しようと企んだ。彼らは元僧官であったドマルの汚職をでっち上げ、衆生からの信仰を断った。そして信仰を失い弱体化したドマルを捕らえると、位の高い僧のみが入山できるカイラス山の岩窟に磔にした。そして下々の民に過酷な労働や税を課しては、彼らの苦しみをドマルの力で緩和して反乱を抑制し続けた。 そのような暴政が続いた結果、やがて時のダライ・ラマはドマル信仰を邪教とみなし、チベット全土で禁じる運びとなった。それでもなおドマルは裏社会において、『邪尊』と呼ばれて秘密裏に信仰され続けた。
གསུམ་པ་
また覚えの深い単語がある。紅の守護尊(ドマル・イダム)……紅(くれない)……? しかし、残酷な神話だ。これってドマルは何も悪くないのに、勝手にヒール扱いになっちゃったって事じゃないか。あるいは、この本自体が邪尊教目線の仏典だからヒイキめに書かれているだけかもしれないけど……。 『過去を知るのは、お辛くないですか?』 再び観音様が現れた。私が彼の顔の影を除けると、最初よりもはっきりとお顔が見えた。どこか懐かしさを覚える。 『ふふ……今、私の影を動かしましたね。神影(ワヤン)の法力を取り戻してきている』 ༼ そのワヤンっていうのが、私の名前なんですよね? でも、どうもしっくり来ないというか……私、確か日本人か何かだったと思う���ですけど…… ༽ 『ああ! 素晴らしい、よく思い出しました。では、次はあなたの人間としての素性を知る番です。まだまだボスラッシュは続きますよ』 観音様がワクワクとした様子で両手を合わせた。すると彼の足元から異臭を放つ褐色の液体が湧き出で、双頭の大きな毛虫が顔を出した! 「「ンマァァーーーッビャアァーーー!」」 毛虫は二つの口から赤子めいた鳴き声を発し跳躍! フリスビーの如く回転し、液体を汚らしく撒き散らしながらこちらに迫ってきた。本能があの液体に触れるのは危険だと察知、私は腕のリーチを活かしたバク転で距離を取った。……ん? 私の腕、異様に長くない? しかも私の体、軽すぎない?? 「ワビャァァァーーッ!」 しまった! 自分の事に気を取られてた隙に毛虫は液体をジェット噴射しながら推進。咄嗟にかわそうと試みるが、何故かさっきより体の動きが鈍くなっている。すわ、飛び掛かった毛虫が私の鳩尾に直撃! ༼ うッ! ༽ くぐもった衝撃が全身を貫き、一瞬全ての呼吸活動が止まる。すかさず皮膚に付着した汚染液が毛細管現象のように全身にまわり、私の魂と意識を引き剥がし始めた。 (させるか……っ!) 失神寸前で我に返り、私は光を放つ観音様に向かって体を滑らせた。考えてみればそうか。今の私は影でできた存在、神影(ワヤン)なんだ。明るい場所の方が動き回れて、暗い所では姿を保てない! さっきアンダスキンに追い詰められた時もそうだった! ༼ 仕組みが解ればこっちのものだ! ༽ 記憶に蘇る影術の数々! まずは仏像に照らされた毛虫の影を踏んづける。すると毛虫は金縛りに遭ったように硬直、これが『影踏み』の術だ! そのまま毛虫を踏んだ爪先を細い糸状に残しながら、レールを滑るように私は光源方面へ移動。中空に漂う光と影のコントラストを編み、メロン格子状のドームに変える! 毛虫捕獲完了! 次々と毛虫が湧き出る液体ごと封印できた事を確認し、ドームに龍王剣を刺突。途端吹き出す炎がドーム内で猛回転! 毛虫を吸い上げながら液体完全蒸発。サイクロン! 「「「マバァァーーーーッ!!」」」 囂々と燃えるドーム内から複数の断末魔。絶縁怪虫散減(ぜつえんかいちゅうちるべり)、撃破だ! 脱力と共にお借りしていた光が観音様へ戻っていく。 『さすがです』 観音様が微笑んだ。さっきまで仏像だったはずの彼は、いつの間にか生きた人間のように滑らかな動きを得ていた。 ༼ 散減……人間の縁を奪い、代わりに悪縁を植え付ける金剛の怪虫だった。確か、合体すると神社の鳥居くらい大きなザトウムシになるんですよね ༽ 『そこまで思い出されたのですか。ならついでに倒しちゃいましょう』 観音様が軽いノリで微笑み、彼の背後に巨大ザトウムシ―大散減(おおちるべり)―を召喚した! 片や疲労困憊の私。少しぐらい休ませてくれたって良くないですか!? 『そうやってすぐぐずるのは、あなたの悪い癖ですよ。この第二の武器、ティグク(長柄斧)を差し上げますから。さあ行くのです!』 ヒョイと投げられた物騒な斧をキャッチすると同時に大散減はドカドカと暴れだす! 「「「マギャバァァァーーーー!!!」」」 七つの脚全てについた不気味な顔から汚汁を噴出し、この虚無空間が崩壊せんばかりの地団駄を踏む大散減。ていうか観音様は私の弟子だって言ってたのに、さっきからまるで私が彼の弟子みたいじゃない! 全く、 ༼ ムナルは昔から無茶ばかりするのだから ༽ ༼ 和尚様は昔から無茶ばっかさせるんだから! ༽ ん? 今、私の中に二つの気持ちがあったような?? って、今は戦いに集中しなきゃ。龍王剣に代わり持ち替えたこのティグクという武器は、長槍の先に斧と装飾旗がついた密教法具だ。確かにかつて、これで大散減を成敗したのを覚えている。奴の脚を一本ずつ叩き折りながら、真の本体がある一本を探して…… ―救済せにゃ!― ―くすけー、マジムン(クソ食らえ、魔物め)!― ……突然脳裏に浮かぶ人々の声。思い出した。いや、どうして今まで思い出せなかったんだ! ༼ 一緒に戦った……仲間達! ༽ 足元の影が伸びる! それは私と線一つで繋がったまま、あの時共に大散減に立ち向かったみんなの姿になった! ズダガアアァァァァアン!!! 全脚同時撃破! 露わになった真の本体をブッ叩く!! ༼ 念彼観音力ィィーーーーーッ!!! ༽ ズドオオォォーーーーーン……! 一瞬にして真っ白に染まった世界に、大散減の消し炭が舞った。世界の色が落ち着いていくと、そこは先程の闇とは打って変わって美しい山間の川辺になっていた。 自分はいま生身の人間ではないと頭で理解しつつも、さすがに連戦で息絶え絶え。とりあえず川の水で顔を洗い、ついでに燃え盛っているティグクの旗を川で鎮火した。すると川の底に二冊分の仏典が転がっていた。ビッチャビチャでページめくれないじゃないか、と思いつつ拾い上げると、本は防水加工されているように水を弾いた。
邪尊教パンケチャ派 仏典 其の三
やがて時は流れ、チベットは中国から弾圧を受ける立場になった。滅亡の危機に陥ったこの国では再び邪尊信仰が復活。しかし現代の邪尊教は、平民支配や救いを求める目的ではなく、人間によって破滅したドマルの祟りで中国人へ報復したいという反中思想から生まれたものだ。 そんな邪尊を崇める人々の中に、一人の類まれなる容姿に恵まれた小坊主がいた。彼はその美しさを買われ、強い霊能力と暗殺術を併せ持つ最強の殺し屋となるよう英才教育を受けて育った。そして彼は十歳の時、「眠り」を意味するムナルという名を授かり、監禁されたドマルから霊力を奪うためにカイラス山へ入山した。 しかし元来一般人の立ち寄らない未開の山は過酷であった。ムナルは岩窟へ向かう途中で崖から転落し、足を折ってしまう。それから数日が経ち、死を覚悟した彼は、今までどの仏典でも見た事のない仏と遭遇した。その名を金剛愛輪珠如来(こんごうあいわずにょらい)という、死者の遺体や魂に残る霊力を管理する仏だ。 愛輪珠如来はムナルの命を、その美しい体の生皮を捧げるという契約で仏に転生させた。かくしてムナルは即身仏、金剛観世音菩薩となった。 ところがムナルの心肺が停止しかけたその時、地面から無数の神経線維が生えてきた。神経線維は瀕死の肉体に入り、心臓に活力を与え、傷ついた全身を瞬く間に癒した。これによりムナルは生きたまま強大な仏の魂を持つ最強の殺し屋に仕上がった。愛輪珠如来との契りは、彼が死ぬまで一時保留となった。
邪尊教パンケチャ派 仏典 其の四
期せずして目的を果たしたムナルだったが、この奇跡をドマルが起こしたと確信した彼は再び岩窟へ向かった。仏になった事により霊感が高まった目で最奥の大岩を見上げると、そこには確かに磔にされたドマル・イダムがいた。彼の両腕は長い年月で倍以上に伸び、足元は衆生の苦しみで絶えず炙られ、その全身は遠くの衆生の苦しみを感じ取れるよう神経線維を剥き出しにされていた。 この余りにも惨たらしい守護尊を見たムナルは考えを改めた。これまでの邪尊教のように彼を利用するのではなく、逆に信仰者ら自身がドマルに安寧を与える事こそ真の邪尊教の有り方ではないかと。 ムナルはドマルの拘束を解き、自分自身が彼の『安眠(ムナル)』となるべくカイラス山で修行をした。そして数年後、自らの魂の中に平穏で頑丈な結界を作り、そこにドマルを眠らせた。 かくして下山したムナルは、殺し屋ではなく、全く新たなる邪尊教の宗派『パンケチャ(推祈)派』の開祖となったのである。
བཞི་པ་
壮大な仏教神話を読み終えた私の隣には、観音様……ムナル和尚様が立っていた。 ༼ 私の生い立ちをお教えしたのは初めてですね、一美(ひとみ) ༽ 和尚様の声はさっきまでのテレパシーみたいな感覚ではなく、肉声としてはっきり聴こえた。 私の名前は紅一美(くれない ひとみ)。普段はテレビとかで活躍するマルチタレントで、悪霊が出るとドマルの生まれ変わりであるワヤン不動に変身して戦う。ワヤン不動は本来他者を傷つけないドマルの明王体、つまり戦闘専用フォームだ。 ༼ 私は生まれて間もない頃、金剛の悪霊に殺されそうになったのがきっかけで和尚様に弟子入りしました。だからあなたの弟子である記憶と、かつてドマルだった時あなたを弟子としていた記憶があるんだ ༽ ༼ ええ。数奇な運命です ༽ ༼ でも和尚様 ༽ 仏典に一つ、どうしても気になる箇所があった。金���愛輪珠如来……私の肉体を乗っ取った悪霊張本人。金剛有明団の、重要人物。 ༼ あなたは如来を裏切って、幼い私にドマルの『悪魔の心臓』を埋め込んだんですよね ༽ 一美の心で問う。そして、ドマルの心でも。 ༼ そうまでして、何故この子の人生を歪めた? ༽ 私としては、歪めたっていうのはちょっと言いすぎだと思う。正確には和尚様は、金剛有明団の悪霊によって死にかけていた私をドマルの魂で補填して、助けてくれたのだから。和尚様は悔しそうに口元をきゅっと歪めて答えてくれた。 ༼ ……如来の契約を受け入れた身の私は、長らく彼らに従っていました。しかし彼らはある目的のために人々を呪いで支配し、意図的に悪霊や災いを生み出す集団でした。いえ、わかっていながら服従していた私も同罪です ༽ 後ろめたそうな言葉と共に、和尚様は私を……いや。その奥にある『拙僧の』目を、すがるように見つめる。彼が良心に咎められながらも如来から逃げなかったのは、結界内で眠る拙僧の魂を案じての事だったのだ。 ༼ ですが、如来がまだ赤子だった一美に呪いをかけた時……私はついに耐えられなくなりました。私は最も尊いリンポチェの安眠を守るために菩薩で居続けた。でもそのために、誰かの最も尊いお子様が犠牲になるのをどうして放っておけるでしょう…… ༽ 声に熱がこもる。和尚様はわなわなと拳を震わせ、怒れる馬のようにカッと目を見開いた。 ༼ パンケチャ派開祖の私が! 他の人の推しを不幸にしていいわけがない! 全ての推しの笑顔を守れずして何が仏教徒ですか!? ༽ つまり、苦肉の策だったのだろう。和尚様は一美とドマル両方を守るために、二人の魂を合体させた。そしてゆくゆくは私自身が金剛から身を守れるように、私が『明王』として覚醒するための修行を施したんだ。しかし、 ༼ たわけ! ༽ 拙僧はムナルを張り倒した。 ༼ あの時、拙僧がなぜあなたを生かしたかわからないのか。あのままあなたが完全成仏していたら……知識も精神も未熟なまま、身に余る力を手に入れていたら。この邪尊と同じように、外道の道具にされていたのだぞ! ༽ ドマルの心が激昂し、和尚様の首根っこを掴んで離さない。 ༼ それなのに、何の罪もない少女になぜ同じ事を繰り返した! あなたの生半可な恩情でこの子は! 物心つく前に死ぬより、ずっと残酷な修羅道を生きる事になったんだ! それだけじゃない…… ༽ そう。和尚様はあの時、私にかかった呪いの身代わりになって…… ༼ ……どうしてあなたまで死ぬ必要があったんだッ!! ༽ ドマルから力が抜け、主導権が私に戻った。私が和尚様を師と仰いだ時、彼は既に亡き人。金剛によって生皮を剥ぎ取られたミイラに宿る、正真正銘の仏様だった。優しくて、強くて、でも私が間違っている時はとても厳しくて。大好きだった和尚様。もし私と彼の立場が逆だったら、私が和尚様の師匠だったら……私もドマルと同じように怒っていただろう。 ༼ わかっています ༽ 和尚様は震えたままの声で答えた。 ༼ 一美を明王に仕立て上げた私は、金剛と何も変わらない卑怯者です。ですが、それでも……それでも、一美を見殺しにできなかった。リンポチェに救って頂いた命を捨ててでも、あなたには生き延びてほしかった! だから! ༽ バキッ、ビキビキッ。滑らかな和尚様の体が隆起し、屈強な複腕が生えていく。溶岩のようなオーラが湧き出で、顔が全方位を睨みつける三面の馬へと変わる。実は仏教神話においては、あの優しさの権化ともいえる観世音菩薩にも明王フォームがあるのだ。 ༼ 行くのです、ワヤン不動。私を倒し、この安寧の極楽浄土『須弥山(しゅみせん)』を糧に現世へ舞い戻るのです! ༽ 馬頭観音(ばとうかんのん)、パンケチャ・ムナル! 宿命の師弟対決がいま幕を開けた!
ལྔ་པ་
仏教界の中心須弥山を模した結界に、今二人の明王が対峙する! 煌々と照りつける太陽と森林が複雑な影を織りなすここは、ワヤン不動にとって最高の舞台。対する馬頭観音は果たしてどんな戦いを見せるのか? ༼ もう一度言っておきます。私は暗殺者として育てられた……卑怯者です! ༽ ズゴゴゴゴゴゴ……山が揺れ、川が氾濫する。和尚様の本領である霊能力は、チベットの秘術『タルパ』。自然界に漂う霊力を練って、人工的に幽霊やポルターガイストを作り上げる力だ。この須弥山結界もいわば、全て和尚様が作った亜空間。災害起こし放題、これは確かに暗殺向きだ! 大地震の揺れに酔わないよう地面との影設置面積を狭めると、和尚様がすかさず足払いを仕掛けてくる! それを跳躍回避し、両腕のリーチを活かして檜の大木を掴む。新体操の如く樹上に逆上がり、そのまま低姿勢の和尚様に飛び降りドロップキック! しかし着地の直前和尚様が消えた!? いや、目をこらすと左手の竹林に強力な霊力反応。姿を消して移動したんだ。追いかけて…… ༼ 隙あり! ༽ バチン! 死角から顔面に全力殴打を受け、私の体は林木をへし折りながら五〇メートルほど吹っ飛ばされた。迂闊、さっきの反応はタルパで錬成されたダミーか! ༼ 現実世界のあなたは、如来に龍王剣を奪われています ༽ 和尚様はさっきの戦いで私が投げ捨てた龍王剣を蹴り上げ、 ༼ なのでこれは私がお借りしますね ༽ ヒュンヒュンと回転するそれを空中でキャッチ。そのままノーモーションで私に向かって突撃! キィン! 既の所でこちらもティグクを持ち直す。 ༼ オム・アムリトドバヴァ・フム・パット! ༽ ༼ ナウマク・サマンダ・バザラダン・カン・オム・チャーヤー・ソワカ!! ༽ グルカナイフと斧が鍔迫り合いの応酬を繰り広げる! 一方が押し、また一方が押され……ふと蘇る前世の記憶。想像上の極楽である須弥山だが、この地形には覚えがある。このまま西にあと七メートル後退すると……今だ! ༼ わっ!? ༽ そこは断崖絶壁! 影で崖肌に足場を延長してカモフラージュしていた私に振りかぶった和尚様は、そのままバランスを崩して転落。しかし地面と衝突する寸前、岩場から無数のツタが生え和尚様を守った。 ༼ やはり。ここはあなたが拙僧と修行したカイラスだ ༽ それならばこちらにも手がある。長年縛りつけられていたカイラスの地脈は全て、自分の体のように理解しているからに! ダンッ! ヴァダダダガガァァァァアアン!!! 崖の亀裂にティグクの刃を叩きつけ、そこから神経線維で熱を送り起爆! この世の全てを拒絶する絶望の目に似たエネルギーモーションが炸裂し、崩壊した岩壁から大量落石! 砂埃が舞い上がると同時に和尚様の殺意が消えた。 もちろん、彼はこの程度で撃破できるお方ではない。崖肌を滑り降りた途端、瓦礫の山が隆起して和尚様が這い上がってきた。お互いに得物を構えなおし跳躍、空中にてチャンバラ再開! ༼ 正直に言いなさい、ムナル。この子に拙僧の魂を与えたのは、本当に苦渋の決断だったのか? ༽ ༼ やはりリンポチェにはお見通しですね。ええ、私の煩悩(エゴ)ですよ。だってずっと邪尊と呼ばれていたリンポチェが、正義のために戦うヒーローになったら最高じゃないですか…… ༽ シュゴォォォォォ! 龍王剣が炎を吹き、勢いで和尚様の体はジェット後進。そのまま燃え盛る龍王剣が和尚様と一体化。背中に炎の翼が、三つの額にはナイフの如く鋭き角が生えた! 馬頭観音アリコーン!!! ༼ 推しが正義堕ちしたらばちくそエモいじゃないですかぁぁーーーーーーっ!! ༽ ヌ˝ヌ˝ヌ˝ヌ˝ヌ˝ヌ˝ヌ˝ーーーーーーーーッ!!!!! 天、地、水! 三本の角から発せられた超自然タルパ理力が螺旋を描き極太ビーム射出!! 私の影体は分解霧散するよりも早く、この亜空間と外界を隔てる壁に叩きつけられた! 空が落ち、川が干上がり、山が粉々に砕け散る!!! 暗転、赤転、白転。完全なる静寂の中で、炸裂した世界の色が鎮静。全てを放出しきった和尚様は粉々の地面に膝をつき、肩で息をする。そのまま頭を垂れると、目の前にできた彼の影が ༼ ―ッ! ༽ 砂から現れし蟻地獄のように、ワヤン不動の形を取って彼の首を刈った。 དྲུག་པ་ 丸く抉れた須弥山に、荒れ散らかった極楽浄土。後は和尚様の心臓をティグクで割れば、この亜空間が粒子レベルに分解霧散して私は復活する。 ༼ でも、和尚様って少し前に逝去されてましたよね? ༽ 私は抱えている和尚様の首に尋ねた。 ༼ ええ。もうこの世に意識を取り戻す事はないと思っていましたよ。ですが、私の遺物……おそらく、骨かなにか……を管理している者が、どうやら私とあなたの魂を復活させたようです ༽ 和尚様のご遺体は、過去に金剛の事件を処理した、NICという超常現象研究機関が管理している。恐らく愛輪珠如来に乗っ取られた私に気付いた関係者が、私の魂のかけらを探し出し和尚様の中に保護したんだろう。 ༼ となると、あなたと拙僧の関係もその機関とやらには割れているのだな ༽ ふと私の影体が分裂し、ドマルの姿になった。こうやって三人で会話することもできるのか。 ༼ ならば本格的な大事になる前に、『邪尊』の肩書からは足を洗う必要があるな ༽ ドマルは目元だけで微笑むと、何やら全神経に法力をこめ始めた。ヴンッ! 影の皮一枚で繋がっている私が失神しかけるほどの衝撃が亜空間をほとばしる。すると、土砂が積みあがってできた須弥山のほとりの小丘に…… 「Woah!?」「ぎゃあ!」「เกิดอะไรขึ้น?」 突然、数千もの霊魂が召喚された。戸惑う人々の声で結界内は急に騒然とする。いや、よく見ると全員ご存命の人々のようだ。意識だけ無理やり幽体離脱させられたのか。 ༼ ドマル何したの!? ༽ ༼ 邪尊教を信仰する全ての信者を招いた。拙僧は既にカイラスから連れ出されていたが、彼らはそれを知らぬ。それに、ムナルが間もなく二度目の涅槃に入る事も。なら引退宣言をしておかねば ༽ 引退宣言て。変な所で律儀な前世様だ。とりあえず人前で首ちょんぱの和尚様はショッキングすぎるから、一旦影で体と繋ぎ合わせた。 「這裡是哪裡(ここはどこだ)?」「Est-il…… Dmar Yidam(あれは……ドマル・イダム)!?」「क्या यह एक सपना है(夢枕ってやつか)?」 信者達は各々の言語で取り乱している。私の知らない言葉であっても、この空間内で意識が共有されて概ね理解できた。それにしても、どの人種もみんなちょっとガラが悪い。仏の力を悪用するというスタンスだった昔と違い、現代の邪尊教はどうやら悪魔信仰に似た類のカルトになっているようだ。ある者は跪き、またある者は歓喜の雄叫びを上げ、またある者は恐怖で腰を抜かす。一方、当の邪尊ドマルは赤子をあやすように両手を小さく振って彼らを宥めた。 ༼ まーま、落ち着きなさい。拙僧はただ、あなた方にちょっと顔を見せたいだけだ ༽ ドマルの声は骨伝導のように全ての信者の耳に届き、彼らそれぞれの言語に翻訳された。信者達がスンと静まりかえる。私もドマルの横に並び、彼の引退会見に耳を傾けた。 ༼ ふむ。見たところ、近頃の邪尊教徒は概ね三種類に分かれるようだ。少し、アンケートを取ってもいいかな? ༽ 一体何が始まるのかと、信者達は固唾を飲む。一方和尚様は突然始まった推しの生ライブステージに目をキラッキラに輝かせている。 ༼ まず、一つめ。『信仰を禁じられた邪尊を現代に蘇らせ、かつての者どものように権力を手に入れたい』と本気で思っている方よ。拙僧怒らないから、正直に手を挙げなさい ༽ 重苦しい静寂が極楽浄土を包む。ドマルの眼圧に気圧されて、信者達はしばらく誰も手を挙げなかった。しかし一人、また一人とじわじわ挙手が増えていき、概ね二割の信者がこれを認めた。残酷にも、やはりその殆どはチベット人だった。 ༼ そっか、成程な。大変申し訳ないが、あなた方の願いは叶えてやれぬ。実のところ拙僧は、観世音菩薩様の計らいで長らく惰眠を貪っていたからにな ༽ 目尻も口角も全く上げないまま、気さくにドマルは答えた。その口ぶりと表情のギャップにより失魂落魄した信者の何割かが、震えながらその場に崩れ落ちた。 ༼ では二つめ。『仏とか宗教とかダルいけど、邪尊ってなんかアナーキーな感じでかっけーからリスペクト対象』と思って入信した方よ ༽ この質問に対する挙手は早かった。さっき手を挙げなかった信者達の半分以上が高々と挙手している。そして何割かはメロイックサインだ。 ༼ かはは、正直でよろしい。あなた方はそれでいいんだ。拙僧からは特に何もしてやれないが、肖像権なんかないからTシャツなりタトゥーなり好きに弄ってくれ。他の宗教に迷惑はかけないようにな ༽ ドマルはさっきよりも柔らかい表情で彼らに答え、印相のように控えめなメロイックサインを作った。信者達はロックシンガーのコンサートでも見ているように嬉しそうな歓声を上げた。 ༼ では三つめ…… ༽ ドマルは目を伏せ、傷だらけの馬頭観音にちらりと視線を向ける。そして一瞬間を取り、再びまっすぐ信者達を見据えた。 ༼ 『悪玉に囚われていた仏がいつか正義堕ちしたらばちくそエモいから。あらゆる神話の中で、そういうカタルシスでなければ摂取できない物があるから』入信した方よ。いるのなら、どうか教えて欲しい ༽ ……一人。二人。十人、四十人、六百人。厳かに、じわじわとこれに挙手する信者が増えていった。その中には先程のチベット人や、アナーキストの面々も。 ༼ うそ…… ༽ 想定外に同担が多い事を知った和尚様は、驚きや複雑な感情を露わにしながら穏やかな金剛観世音菩薩相に戻った。その和尚様を視線で指し、ドマルが説明する。 ༼ 彼こそがムナル和尚。そしてパンケチャ派の伝承に語られる金剛観世音菩薩様だ。彼は只今をもって現世から旅立つ。入れ替わりに、拙僧は眠りから覚めて娑婆に戻る ༽ そして次に、私の手を取った。 ༼ これは我が明王尊、ワヤン不動。これより拙僧は、娑婆に巣食うある悪霊を滅ぼすために憤怒の化身となるのだ。ま、平たく言えば…… ༽ 決めポーズしろ、とドマルから影体を伝って指示が飛んできた。ええと……アドリブで! 須弥山の残り半分をぶっ飛ばす! ドーン!! 「「「うわああぁぁ!!!?」」」 信者困惑! ༼ ばか、やりすぎだ……ま平たく言えば、邪尊教解散ってコトな。よろしく ༽ なんともあっけらかんと邪尊教は解体された。でも幸い、信者達は私が須弥山を消し炭に変えたインパクトでポカンとしたまま、特に暴動とかもなく娑婆に送還された。 ༼ あ、あんなんでいいの? 引退宣言 ༽ ༼ 適当でよかろう。ま、今頃ネットでバズってるかもしれんけど ༽ ネットとか知ってるのかこの前世様。といっても私と一心同体みたいなものだもんな。一方、和尚様は感極まってアルカイックスマイルのまま失神している。 ༼ ……このまま送ってやるか。それとも、師匠に別れの挨拶とかする? ༽ ༼ ううん、大丈夫。もうとっくの昔に……金剛と初めて戦ったあの日、ちゃんと話せたから ༽ ༼ そうか ༽ 今回の事は、いわば私が不覚を取ったせいで和尚様の眠りを妨げてしまったようなものだ。この戦いが終わったら、いつか私とドマルも同じ場所へ還る。それなら今改まって別れを告げる必要はないだろう。 私は改めて金剛を滅ぼす決意を抱き、人生で最も尊敬する人にティグクを振り下ろした。
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東南アジアで中国共産党の共産主義や覇権主義の台頭に反発する動きが続発している。
米中合作のアニメ映画「アボミナブル」で中国が独自に主張する「九段線」*1が登場することから、領有権を争うベトナム、フィリピン、マレーシアの東南アジア諸国で相次ぎ上映禁止が決定され、公開中止の事態が続出している。
*1=中国が主張する南シナ海の領海を断続する9つの線(破線)によって示したもの。
同作品は、米映画制作大手ドリームワークスと中国のパール・スタジオが共同制作した子供向けアニメで、10代の中国人少女がヒマラヤの伝説の雪男イエティの帰郷を手助けするというストーリー。
映画の冒頭シーンで、主人公の少女が、中国の地図を広げると、地図上には中国南岸を起点に南シナ海全域を包囲するU字形の破線が描写されている部分がクローズアップされる。
米ハリウッド映画界は、中国最大財閥の王健林率いる不動産コングロマリット「大連万達集団」が映画館大手チェーンや映画製作会社を買収するなどチャイナマネーが流入。
こうした中国によるハリウッド爆買いの影響で、中国からの投資を目論み、中国的価値観や嗜好を反映した映画制作が急増している。
この影響で、中国からの独立を主張するチベットのダライ・ラマ氏と親交が深いベテラン俳優で、渋谷に銅像がある忠犬ハチ公をテーマにした映画にも主演したリチャード・ギアがハリウッドで起用されなくなっている。
中国政府の意向や趣向に沿った映画作りや俳優が登用される事態が国際社会から憂慮され始めている中での出来事だった。
とりわけ今回のケースでは、洗脳教育の一環とも思われる子供対象のアニメ映画にまで中国共産主義の覇権を拡大させていることが問題視されている。
東南アジア諸国で上映禁止された今回のアニメ映画に登場するこの破線(九段線)は、同主張を巡って2016年7月に、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、「国際法上の根拠はない」と違法であると判断している。
ベトナムを含む同地域のマレーシア、フィリピン、ブルネイなど少なくとも4か国は、国際法上の自国領域を侵害するとして中国が主張する九段線に異議を唱えてきた。
しかし、中国は、国内で販売されるすべての地図に九段線を描き、国際法の決定を無視続けるどころか、今年7月からはベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で石油探査活動を強行している。
さらに、現地メディアなどによると、ベトナムでは中国からの輸入車に搭載されたカーナビの地図に、今回の映画と同様、南シナ海で中国が独自に主張する「九段線」が示されていることが先週末、明らかになった。
このため、ベトナム政府は自動車輸入関係業者や団体に対して、地図のアプリを直ちに削除するよう指示した。
東南アジアの中でも、特にベトナムと中国は南シナ海の領有権争いで激しく対立している。
今回の映画や中国輸入車の九段線問題が拍車をかけ、2国間に新たな軋轢を生むのではないかと懸念されている。
一方、同じく南シナ海の領有権で中国と対立するマレーシアは、11月7日から上映されることになっていた九段線が描かれた南シナ海の地図をアニメ映画で使用した映画の上映を急遽、中止した。
さらに、これと前後して、サイフディン外相が10月17日、「南シナ海で想定する衝突に備えるため、海軍の軍事力強化が必要」と域内の活発化する中国の覇権拡大に懸念を表明。
同外相は「中国海警局がマレーシア東部サラワク州沖の南ルコニア礁の周辺で24時間活動している」と明らかにした。
南シナ海では今年9月、米海軍駆逐艦が中国が領有権を主張する西沙(英語名;パラセル)諸島の周辺海域を航行し、緊張が高まっている。
これを受けて同外相は「(衝突は)避けるべきだが、南シナ海で大国同士が衝突した場合、マレーシア海域の管理能力を高めるため、我々の(軍事的)資産を強化する必要がある」と述べた。
こうした事態が続く中、マレーシア政府は10月23日、習近平国家主席が主導する経済圏構想「一帯一路」を推進する漫画本「相互利益になるウィンウィンの一帯一路(原題;Belt and Road Initiative for Win-Winism)」を発禁処分にした。
その理由として、「共産主義と社会主義を宣伝し、マレーシアの公共秩序と社会的安全に危害を与える危険性がある」としている。同漫画の製作者と漫画家ら関係者が警察当局の取調べを受けている。
この漫画は今年4月、習国家主席の肝煎りで北京で開催された一帯一路関連の国際会議の席上、マハティール首相らマレーシア政府団が、習国家主席に贈呈したもの。
マレーシアでは、昨年5月に61年ぶりに政権交代し、財政逼迫、国益に相当しないなどの理由で一帯一路の大型プロジェクトを中止した経緯などから、両国間に暗雲が立ち込めていた。
こうした背景から、同漫画が習国家主席に手渡された際、習氏がその場で目を通し、満面の笑みを浮かべる様子は中国の国営メディアなどで大きく報道された。
(参照:https://www.scmp.com/week-asia/politics/article/3034279/malaysia-bans-controversial-belt-and-road-comic-cultural)
折しも、両国は今年、国交樹立45周年の記念すべき年を迎え、同漫画は「二国間の雪解けの象徴」として、中国政府も歓迎していた。
しかし、それから半年足らずで二国間の友好の証とみなされた一帯一路漫画が発禁処分となったのだ。
マレーシア首相府は「同漫画の制作に首相府は一切関与しておらず、マハティール首相の顔写真が使われているが、許可は与えていない」と説明。「マハティール首相はその内容について把握していなかった」としている。
実は、23日に政府が発禁処分を発表する直前の21日、マハティール首相が「中国は友好国で一帯一路の開発には賛同するが、中国の思想や共産主義は受け入れられない」と同漫画を批判していた。
同国政府は昨年12月にも、マラヤ共産党の歴史書「マラヤ共産党歴史画集(一)」を発売禁止処分とした。
その理由は、「共産主義運動を推進する意図があり、国家の独立は共産党のおかげであったとした虚偽の記載があり、共産党に対する同情と支持を呼び込む内容が見られた」というものだ。
今回、発禁処分になった一帯一路の漫画本は、北京に本部を置くマレーシア・中国商務理事会の首席理事で、華人系マレーシア人の丘光耀氏が編集を担当、同じくマレーシア人の張宝玲氏が作画を担当した。
丘氏は、香港中文大学の博士号を取得、スーパーマンのTシャツを好んで着用することから「スーパーマン」としてマレーシアの華人界では知られる弁舌家。
マレーシアの華人を支持基盤にする現与党の一角、民主行動党(DAP)の元党員で、過去の演説で「南シナ海は中国の領土」と発言し、DAPを除名されている。
今回、一帯一路の漫画が発禁処分となった直接の引き金は、処分の前週にマレーシアの2500校の中学校や高校に同漫画(中国語��英語、マレー語版)が寄贈されたこと。
SNSなどで内容などに関して、国内から批判や不満が噴出、警察に通報する父母も多かった。教育省はこうした批判を受け、すでに各学校から漫画の回収を命じている。
さらに、国内の出版法に基づき、同漫画の3カ国語版の発行を禁止した。不法に印刷、出版、販売、保有した場合、最高3年の実刑判決などが言い渡されることになる。
政府は「特に若い世代がマレーシアの歴史について正しくない認識を得る危険性がある」とする声明を発表。
マレーシアは共産党と共産主義を禁止している国家の一つだからだ。
その背景には、他の東南アジア諸国と同様、独立の過程で中国共産党や共産主義ゲリラと闘ってきた歴史がある。
マラヤ連邦は、のちの初代首相となるトゥンク・アブドゥル・ラーマンの下、1957年8月31日に独立したが、マラヤ共産党は1948年から41年間にわたり武装闘争を行ってきた。
マラヤ共産党は1930年代にコミンテルン代表のホーチミンのもとで結成され、中国共産党の海外支部として、中国共産党南洋臨時委員会と称された。
1955年、英国統治下のマレーシアで初の普通選挙が行われ、連邦自治政府が誕生、自治政府とマラヤ共産党は和平会談を行ったが、共産党は共産党のイデオロギーを放棄せず、合法的地位を求めたため、決別。
第2次世界大戦中は、日本軍がマラヤで中国人敵視政策を導入。マラヤ共産党はマラヤ人民反日軍を組織し、反日運動を展開したが、親日的なマレー人は日本軍に協力した背景がある。
しかし、中国共産党の毛沢東や鄧小平国家主席が陳平らを北京に招聘し、資金や武器などで支援し、武装闘争はその後も20年間続いた。
中国の策謀家で知られる「陳平」の名を借り、「マラヤの陳平」と呼ばれ、1947年3月、23歳の若さで総書記となり、共産化した中国と連携を図った。
1989年12月のマレーシア政府との和平協定で闘争が終焉を迎え、陳平は「最後のコミュニスト」と呼ばれた。
今回の一帯一路漫画は、こうしたマレーシアの共産主義との長年にわたる暗く長い闘いを彷彿させるからだ。
同漫画には中国が弾圧するイスラム系民族のウイグル人に関して、「中国の国家融和を破壊する分離独立主義者」との記述がある。
さらに「マレーシアのマレー系は、ウイグル人を支援するラディカルな民族」とマレー系を批判している。
こうしたこともマレーシア政府が発禁処分を行った理由の一つと見られる。
マハティール首相は国連総会でも、中国のウイグル人への弾圧を非難しているほか、マレーシア国内のウイグル人引き渡しを拒否するなど、中国との経済投資を重要視する一方、共産主義に対する断固たる姿勢を崩していない。
圧倒的な経済と軍事力だけでなく、映画や漫画などというソフトパワーを駆使して中国の体制を正当化し、経済や政治体制が脆弱な国を覇権下に置こうと企む中国。
しかし、中国の共産主義と長年闘ってきた歴史をもつ東南アジアの国々はそうやすやすと中国の軍門に下ることはない。
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「ウイグル絶望収容所の起源はチベット」センゲ首相インタビュー <共産党の過酷な監視と弾圧が続く中、歴史的なジョカン寺院炎上の衝撃はチベット人に衝撃を与えた。ダライ・ラマ引退後の亡命政府を率いるセンゲ首相が語るチベットの現状と展望> 中国チベット自治区の区都ラサにある有力仏教寺院「ジョカン寺院(中国名・大昭寺)」で2月17日に火災が発生し、世界遺産にも登録されている歴史的な建物が紅蓮の炎に包まれた。出火原因は不明。けが人こそなかったが、7世紀に建立された寺院の炎上は、チベット人に衝撃を与えた。 チベット仏教の精神的指導者であるダライ・ラマ14世は既に政治の舞台から引退。一方で08年の騒乱以来、外国メディアを排した「密室」の中での共産党による厳しい監視と弾圧、そしてそれに抗議する僧侶の焼身自殺がいまも続く。 インド・ダラムサラにあるチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相は、ダライ・ラマの後を継いでチベットの自由を求める政治運動のリーダーとして世界各国を訪問している。2月20日、日本を訪問したセンゲに話を聞いた。 https://twitter.com/robbiebarnett/status/964851351154036737 (ジョカン寺院の火災の様子) ―― SNSでジョカン寺院火災の動画、写真が伝えられたが、中国政府は検閲し、一般市民の情報発信を禁止している。 われわれに伝えられた情報によると、火災が起きたのは本殿ではなかった。最悪の事態は免れたが、ジョカン寺はチベット人にとって最も重要な寺院であり、人々は心を痛めている。 08年もそうだったが、チベット人の抗議活動はジョカン寺から始まることが多い。暴動につながりかねないとの懸念もあって中国政府は情報発信を制限したのだろうが、やましいところがなければ公開するべきだ。 チベット本土では外国のジャーナリストが取材できない状況が続いているが、国際社会に対する情報公開こそが人々の安心につながる。 また、ラルンガルゴンパ(編集部注:四川省西部のカンゼ・チベット族自治州にある仏教の教学施設。1万人以上が学ぶ「世界最大の仏教学院」と呼ばれてきた)などチベット仏教寺院の取り壊しが続いている。チベット人は自らの文化が失われることを懸念していることも付け加えておきたい。 ―― 火災についてラサからの情報提供があったとのことだが、亡命政府はチベット本土の住民との連絡は保っているのか。新疆ウイグル自治区では監視社会化が進んでいる。 最近、欧米メディアが新疆ウイグル自治区の監視社会化について盛んに伝えているが、実はそうした手法の多くはチベットでは既に導入済みだ。現在、新疆ウイグル自治区のトップは陳全国(チェン・チュエングオ)だが、前任地はチベットだ。 無数の監視カメラ、私服警官による巡視、無数の派出所と検問、トラブルが起きたときに地域全体のネットを遮断する情報封鎖などの手法はまずチベットで実行され、現在の新疆に持ち込まれた。数千人もの漢民族、チベット人が密告者として雇用されているとも伝えられている。 もっとも、われわれとチベット本土の人々とのつながりが断たれたわけではない。ジョカン寺院の火災も1時間以内にわれわれに伝わった。 毛沢東の「抑圧あるところに抵抗あり」という言葉は正しい。抑圧があれば必ず反発が起き、情報も外に漏れる。抑圧と監視社会化による統治が成功することはないだろう。 【参考記事】 ウイグル「絶望」収容所──中国共産党のウイグル人大量収監が始まった ―― しかしチベット人を取り巻く環境は年々厳しさを増している。国際社会における中国の発言力も増し、先日は、ダライ・ラマ法王の言葉を広告に引用した自動車メーカーのメルセデス・ベンツが謝罪に追い込まれた。 確かに中国は強大化している。私は最近、南アフリカを訪問したが、その際には現地中国大使館が抗議デモを組織するなど締め付けを強めている。 各国の政府、企業が中国政府の報復を恐れる状況は理解できる。ただ、チベット問題で譲歩すれば最後は皆さんにも跳ね返ってくることは理解していただきたい。 チベット問題、天安門事件、そして新疆と中国には多くの人権問題がある。それらについて口をつぐみ続ければ、そのうち自国に関する問題でも譲歩を余儀なくされる。 このリスクに気���ついた国もある。一時期、中国と蜜月を築いたオーストラリアは現在、一転して中国のロビー活動が国内政治に影響しないよう防止する法案を提出している。 中国がどのような国なのか、それを知りたければチベットの経験を知る必要がある。チベットの悲劇を知らなければ中国の全貌はつかめない。
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今年、チベット暦の2月15日(2008年3月22日)、毎朝行われる読経が終わってから自分は町に出た。自分はタクシー乗り場の端で、靴を修理させた。 僧院に戻ろうとしたとき、携帯電話が鳴った。自分は携帯の画面を見たが、番号は表示されていなかった。 白い車輛が走って来て、自分の前で停まった。4人の兵士が自分を車に押し込み、拘束した。 振り返ると尼僧が見えた。「アニ!アニ!(尼さん!尼さん!)」と何度か叫ぶと、彼女がこちらを見るのが確認できた。 車の中で彼らは自分の頭に黒い布を巻き、手錠をかけた。銃が頭に押し当てられ、体が拘束された状態で自分は武警の留置場に連行された。
留置場はサンチュ(夏河)県公安局の裏にあった。そこで彼らは自分の頭に巻かれた布を取ったが、手錠は外されなかった。それから身体検査され、携帯電話、財布などすべての所持品が取り上げられた。自分は椅子に座らされ、後ろ手で拘束された。 若い兵士が自分に自動小銃を向け、中国語で言った。「これで殺せるんだぜ、この阿老(チベット人に対して中国人が使う蔑称)。少しでも動いてみな。俺は確実に撃ち抜けるんだぜ。俺がおまえの死体をゴミ置き場に捨てれば、あとは『行方不明』だ」。 それを聞いて、頭に押し当てられた銃が怖いというよりも、この男は兵士や公安職員というよりも、刑務執行官なのだと思った。それがここでは一般市民に銃を向けて、そんなことを言っている。 自分は非常に悲しかった。まるで心臓が2つの断片に砕かれるかのように思った。
これは強い権力による民族的な嫌がらせであり、少数民族に対する迫害だ。少数民族を抹殺するために国家が兵器を作っている。現場レベルでそのようなことが行われているのだから、上層部はもっと悪いことを考えていると言わざるを得ない。 自分がそんなことを言われ、銃を突きつけられながら脅されている状況が、まさしくチベット人が迫害され、抹殺されていることを象徴している。言われたようにチベット人が殺されて、死体がゴミ置き場に捨てられたとしても、誰も気付かないだろう。 自分たちは犬や豚以下にしか扱われていないのだ。人が飼っている犬や豚をどうしようと、他の人が文句を言うことはないだろう。チベット人が殺されても、誰が文句を言うというのだ。仲間が死んでもその遺体返還を求めないように自分たちは言われている。だから、人種的な平等などないのだと自分は悟った。
拘留のあいだ、繰り返し聞かれた質問のひとつは「お前たちを煽っているのはダライ・ラマか? ダライ・ラマが窃盗や放火や破壊を指図したのか?」だった。 「お前にとってダライ・ラマとは何か?」自分にとってみれば、自分は仏教信者だ。ダライ・ラマ猊下は自分の人生であり、心であり、魂だ。だから自分は独りではない。600万人のチベット人にとって、猊下は来世と同様に自分の人生での霊的な信頼を置いている人だ。猊下は世界平和に向けた途方もない努力のために広く尊敬されている。猊下は世界平和のチャンピオンだ。猊下は非暴力の方法を確立された。 猊下が窃盗や放火、破壊を目論んだというような非難を自分は絶対に拒絶する。ダライ・ラマ猊下はそんな方ではない。自分のような一介の僧侶でさえ、窃盗や放火、破壊をさせるようなことはない。
ダライ・ラマ法王はチベット人600万人の精神の拠り所だ。誰も自分たちを法王から引き離すことはできない。一介のチベット僧として、歴代に渡って自分たちには師弟関係があり、将来も同様だ。自分たちは猊下に揺るぎない信頼を持っている。 ダライ・ラマとは何かという質問に対して、これが自分が答えたことだった。
拘置所に数日間拘留された後、自分たちは刑務所に連行された。 刑務所では兵士たちが自分たちに「イー、アル、サン」と命令をしたので、中国語のわからない何人かは「けだもの」「この馬鹿」と叱られ、警棒で殴られた。なぜ殴るのかと自分たちが尋ねると、お前たちは中国語がわからないから、体でわからせるしかないのだと言われた。 自分は疑問に思う。中華人民共和国の憲法や法律には、少数民族の居住する地域ではそれぞれの民族の言葉が使われ、民族の権利が尊重されると書かれている。だとすればチベットにおいて、チベット語の代わりに「けだもの」だとか「馬鹿」だとか言われたり、中国語がわからないというだけで暴行を受けたりするのはいったいなぜなのだろうか。
それぞれの行動や年齢はまったく考慮されなかった。14、15歳の若い僧侶と、60、70代の老僧が同じように逮捕された。本当に抗議活動に関わったかどうかも関係なかった。 上着も靴もなかった。2人ずつ縛られ、トラックで連れて行かれた。丸太のようにトラックに投げ入れられた。頭を怪我していても、腕が骨折していても、全員刑務所に連れて行かれた。親類や友人からの食べ物や衣服、寝具の差し入れは許可されなかった。 どうして激しく暴行されるのかと言えば、それは自分たちがチベット人だからだった。そのことを自分たちは本当に悲しく感じた。
自分たちはカチュ(臨夏)の刑務所に送られた。囚人のほとんどが漢族とイスラム系中国人で、チベット人は自分たちだけだった。 排泄物で汚れた床を毎日裸足で掃除しなければならなかった。刑務所では僧衣ではなく俗人の服装が強制された。自分は僧侶だ。僧衣を脱いで手錠をかけられ裸足で連行されるのは屈辱的だった。 刑務所の状態は悪かった。食糧や飲料水は不足していて、着るものもなかった。顔を拭うための布巾さえないのだった。
昼間も夜も常に手錠をかけられた状態で、1ヵ月ほど拘束されていた。 尋問では、ダライ・ラマやサムドゥン・リンポチェ、アジャ・リンポチェなど、外部との接触を問われ、自分はそれを認めなければならなかった。同じようにチベット内部の学者や教師たちと接触があると自分は疑われた。 「お前は活動に関与し、組織を率いただろう。お前は何度も外国へ電話をかけた。それで何をやろうとしたんだ? チベットの旗はどこで印刷したんだ? 何枚印刷したんだ? お前のグループには何人いたのか?」とか、「お前は犯罪を認める以外にない」とか。 自分は腕にロープをかけられ、何時間も吊り下げられた。足を上にして天井から。顔、胸、背中を思いっきり殴りつけられた。ある時ついに意識を失い、病院に連れて行かれた。 自分が意識を回復すると、自分が吊り下げられ暴行されたあの刑務所にまた戻された。結果として自分はまた意識を失い、再び病院送りになった。 ある時は2日間ずっと殴られ続けた。食べることはおろか、一滴の水も飲めずに。自分は腹部と胸部の痛みに苦しんだ。2度目の病院では6日間意識不明のまま入院し、目を開けることも話すこともできなかった。 最終的に、死ぬかどうかの瀬戸際になって、彼らは自分を家族に引き渡した。解放��る際、暴行は行っていないと看守は当局に嘘の報告をした。同じように家族に対しても伝え、「私は拷問を受けていません」と書かれた書類に拇印を押させた。 結局20日間入院し、治療費が2万元もかかった。
僧院に戻る途上、180人の僧侶が逮捕されたと仲間たちから聞いた。僧侶たちは何も間違ったことをしていない。先達の僧や教師役の僧侶も逮捕された。 彼らは毎晩、つま先立ちをさせられ、銃把で背中を殴られた。その模様を中国人は首から下げた携帯電話のカメラで撮影していたという。
警察と兵士が僧院の捜索を行っている最中、彼らが僧侶の私室などから仏像やタンカ、金銭、身の回り品から食糧までも盗んでいたのを自分は見つけた。 本当の略奪者であり殺人者が、中国共産党の兵士たちであることは明確だ。彼らが違法行為に手を染める一方で、逆に自分たちが捕らえられ、暴行され、拷問されて、殺されている。
また、「ダライ一派」と共謀して暴動を煽動したと自分たちは訴えられている。もし本当に民族が平等で、表現の自由、信教の自由があるなら、自分たちが心から信じるものの肖像を崇拝してはいけないのだろうか? 自分の目が正しければ、彼らは「尊い存在」ダライ・ラマ猊下の写真を足で踏みつけ、銃把で額を壊し、ばらばらに細かく裂いて、炎の中で燃やした。チベット人であり、仏教徒である自分たちが、亡命されている存在の肖像が踏みつけられ、ちぎられているのを見たら、それはもう取り返しがつかないことだと感じるだろう。 チベット人が窓ガラスをいくつか割っただけで、それが数億元の損害になったと彼らは言う。自分たちが最も尊敬すべき存在の肖像が踏みつけられたのを見たときの心理的な苦痛に対する慰謝料はどうやって見積もるのだろうか? 中国首脳は実践の目標は「和諧社会」だというが、同時にチベット人全員が敬愛し、誇りとしている精神的指導者、ダライ・ラマを彼らはけなし続けている。自分たちの価値観が否定されているというのに、どうやって「和諧」を感じることができるだろうか。
僧侶たちはずっと殴られ続けている。それだけではない。報道記者と話したある僧侶は、警棒で殴られ、足を折られた。 ひどいと電気棒を口の中に突っ込まれた。電気棒は脳を麻痺させ、精神障害を起こすこともある。自分たちはそういう拷問に耐えた。 いまの望みは、国際的なメディアや国連の調査官がチベットを訪れ、現実の状況を調査し、その結果を評価した上で報告することだ。これが自分たちの望みだ。
中国は、チベット人が法を犯したと言い、逮捕し、暴行を加え、多くのチベット人を殺している。多くの人たちが山に逃げ込み、家や家族の元に戻れないでいる。国際メディアがこれを報じてくれれば、彼らは助かるだろう。
ダライ・ラマ猊下は、自分たちのアクションについて何も促していない。独立のために戦えとは法王は言っていない。法王はこの種のことについて決して言及しないのだ。 自分たちのほとんどはダライ・ラマの「中道路線」と、平和的対話によるチベット問題の解決を支持している。が、一方で自分たちが受けているひどい迫害に、悲しみを覚える。 きょう、自分は、真実の目撃者として、刑務所で続く拷問によってチベット人が殺されていっていることや、無数の人々が山中に逃げ、恐怖のために帰宅できないでいることを、メディアを通して伝えたい。この状況をメディアが報じてくれることが、自分の願いだ。
公安事務所と秘密警察の職員たちはチームを組んで僧院の自分の部屋を訪れ、自分をしっかりと見張っている。いまも見張りがついている。 自分は外出することも電話をかけることもできない。手元には分厚い中国の法律書を学習用に置いている。自分は自白を書くように言われているのだ。自分はただ刑務所にいないというだけで、自由がないのには変わりはない。
ラプランやアムドだけでなく、カムや中央チベットでもここ数日連続的に抗議が起きているようだ。たくさんのチベット人が殺された。また大勢が迫害され、逮捕された。200人以上のチベット人が殺され、数千人が逮捕されたと聞いた。暴力と逮捕は極秘裏に続けられている。 自分たちのところでは、情報が厳しく制限されている。米国など外国からのニュースを受信することはおろか、衛星アンテナを設置したりすることもできない。国内のニュースをテレビで観たり、ラジオで聞いたりするしかない。 こんな状況のどこに表現の自由があるというのだろう。どこに宗教の自由があるのだろうか?
チベットの人々はあらゆる種類の苦しみを受けている。自分はラプラン寺の一介の僧侶だ。今年逮捕されたうちのひとりだ。 拘束されたとき、自分は言った。自分を殺せば、それで終わりだ。が、もし自分が外に出て話す機会があれば、自分が経験した拷問についてすべて話すつもりだ、と。自分は善良なる目撃者として、いまも仲間たちが受けている受難を世界中のメディアに伝えてもらうために話すつもりだ、と。
解放されたとき、自分が受けた暴行については話さないように言われた。また外部と接触しないようにと言われた。が、自分が受けた経験、仲間たちの身に続いている受難を、とても話さずにはいられない。これもまた、いま自分が話している理由だ。 チベットではまだ厳しい弾圧が続き、チベット人の行動が制限され続けている。
最近当局は自分たちに、五輪開催を支持するように言ってきたが、チベット人は蘭州にさえ旅行に出られな��し、まして北京へ観戦に行けるわけではない。自分たちはここから出られないのだ。 五輪のために、伝統的な祝祭、祭典、宗教的な儀式がすべて禁止されてしまった。
夏河県では武装兵士が草原中にあふれている。 この僧院の納屋で彼らは、わら人形を作って、僧衣をそれに着させた。中国兵はそれを使って銃剣の訓練をしている。つまり彼らの敵は、チベットの人々と僧衣を着た僧侶なのだ。 逮捕されたチベット人全員が抗議に関わったわけではない。なぜ彼らは訓練のためにチベット僧を模したわら人形に銃剣を刺しているのか? 中国人がチベット人を敵と見なしていることを恐れているのは僧侶だけではない。僧院の職員、学生、その他のチベット人もみんな恐れている。 強大な政府、強大な国家の、強大な民族が、軍隊や警察、銃や戦車、キャノン砲を使って、ただの弱小民族、チベット人を脅かしている。何千人もの兵士が自分たちを取り囲み、「反抗的なチベット人を殺せ」と命令されている。
この21世紀、世界中の人々が平和を謳歌している。平和を愛する人々、真実を尊重する人は、中国の報道制限をやめさせ、チベットで自由に取材や調査を行って、何がチベットで起きているのかを明らかにするべきだ。世界中のメディアや国連、人権擁護団体に対し、注目してもらいたいし、チベットの人々が置かれている状況を解決するための方策を見つけてほしいと自分は思う。
” - チベットNOW@ルンタ:ラプラン僧院を逃れデリーに到着/ラプラン、ジグメの証言日本語訳 - livedoor Blog(ブログ) (via nakano) (via vmconverter) (via yamato) (via joker1007) (via aokie)
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