#角張った世界
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ブログを更新しました。 毎回、一つの楽曲を徹底考察し、あなたの心に癒しと力をお届けする【メンタルエイド】BRAND-NEW MUSIC DAYS。 Uru『春~Destiny~』の歌詞を徹底考察! 「君に届け…愛」―― 恋が愛へと変わる瞬間、「角張った世界」の意味とは? 運命(Destiny)が「重なる」から「繋がる」へ――。 春風のように優しく、時に切なく響く歌詞の真意を紐解きます。
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「企業のネットが星を 被おお い、電子や光が駆け巡っても」国家や民族が消えてなくなるほどではない近未来が舞台の『攻殻機動隊』などで、後のクリエイターに多大な影響と衝撃を与えた漫画家、士郎正宗さん(63)。デビュー40年を迎え、世田谷文学館(東京都)では初の大規模展が開催される中、読売新聞の単独書面インタビューに応じ、これまで生み出した作品や創作の秘密、AI(人工知能)がもたらす人間の未来などについて縦横無尽に語った。近年ほとんどメディアの取材を受けていない士郎さんの貴重な語録をご覧あれ。(文化部 池田創) 展覧会では、『攻殻機動隊』の主人公の素子の印象的なセリフが印刷されたのれんが来場者を出迎える(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 世田谷文学館で大規模展 ――デビュー40年を迎えられて、どのようにお感じになっていますか。 そもそも寡作な上、諸事情による中断・未発表・ボツ作品が多過ぎて読者諸氏に申し訳ないものの、何とかここまで生き残る事が出来て大変に幸運だったと思っています。活動が東京や他業種に広がるに連れて「水中を歩いて進むかの様な状態」になり、40年、色々と大変でした。また書籍などの荷物が転居や避難に適さない分量になっています(笑)。 ――代表作「攻殻機動隊」は海外でも熱狂的な人気が続いています。 最初期に出版物の海外展開を頑張りました。望外に細長く継続しており、ありがたい限りです。 ――今回の世田谷文学館の展覧会は大量の原画が間近で見ることができ、充実した展示内容です。 士郎正宗さんのコメントとともに作品世界を振り返る巨大な年表(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 今回このような機会を頂き大変感謝しております。僕程度の小規模 傭兵ようへい 型漫画家でこういった事が可能なら、日本のコンテンツ業界はもっと多様多彩な作家・作品を、深掘り探索・開発活用出来るのではないかと思います。 ――「攻殻機動隊」をはじめ、ご著書は情��化社会を予見していると言われます。 たまたま運良くタイミングや関係者の都合に合致し話題として取り上げて頂いているだけで、僕以外にもそういった作家・作品は多数存在していると思います。情報化社会の好ましくない側面があまり大きくならなければ良いですね。物騒、殺伐、トラブルは架空妄想物語の中だけで十分です。 ――AIの発展についてどのように感じていますか。 利便性と損害可能性は表裏一体、これまで考えられなかったレベルの明るい未来の可能性が開ける一方で、悪用や視野 狭窄きょうさく が起き、見えざる支配も容易になっている。研究開発に係る方々には頑張って頂きたいなと思います。 簡易強化外骨格、遠隔操作系ロボット類の開発が現実的 ――幼少期に親しんだマンガや小説はどのようなものがありますか。 デビュー作『アップルシード』のラフスケッチなどが並ぶ展示室(東京都世田谷区の世田谷文学館で) アニメ版の「鉄人28号」や「エイトマン」から入って、雑誌「りぼん」(一条ゆかり氏、大矢ちき氏、弓月光氏などなど)、松本零士氏、永井豪氏、細野不二彦氏の影響が大きいですね。大学以降は諸星大二郎氏、星野之宣氏、大友克洋氏の存在が大きいと思います。 ――「攻殻機動隊」で描いた人間の身体と精神の関係はどのように感じていますか。 脳や体が一体として機能している中では、脳が優位の制御系があったり、体が優位の制御系(例えば副腎とか脊髄反射系とか)があったり、交換可能な部分や欠損許容部分(例えば昔は虫垂や 胆嚢たんのう を結構普通に切除していた)があったり、複雑で不思議に出来ていると思います。 義体化のような、身体交換は僕が生み出した要素ではありません。スタニスラフ・レム氏の『君は生きているか?』や、日本のマンガアニメ界においては石ノ森章太郎氏の『サイボーグ009』などの有名作品がすでにありました。サイバネティクスの一般的な目的は医療や軍事だと思いますが、今後は老化・劣化対策というのも存在感を増すかもしれません。個人的には年々増加中の災害現場における簡易強化外骨格や遠隔操作系ロボット類の開発を進める方が現実的かなとは思います。 ――ご著書に細かく書き込まれた欄外文章の役割や狙いを教えてください。 リズム感が単調になりがちな説明セリフや会話を物語内部から減らせる、それによってキャラの��度・演出を高めに設定出来る、物語と読者の距離の調整ができる、などでしょうか。昨今、いや昔もこういう方法は 流行はや りではありませんが……。 ――押井守監督のアニメーション映画版のご感想をお聞かせください。 個人的には原作に気を使っている部分が押井氏にしては多めの1作目より、押井氏節全開の『イノセンス』の方が好みです。いずれも一生懸命作って頂いてありがたいなと思っております。 ――ネット社会の広がりやAI技術の発展をどう感じておられますか。 人工知能の偏向学習、悪意ある人 達たち による人工知能活用と、対策する側の人工知能活用の格差、オンライン上に無い膨大な情報の無視や軽視など、課題は山積しているのではないかと感じています。世界は 繋つな がって狭くなると同時に、逆に分断細分化が進んで互いの距離が開き、問題解決の可否、明暗の格差も広がっている様に感じています。今まさに『言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている』状態でしょうか。人工知能育成では可能な限り、真実や実態に近い情報を得て優先解とするような、何らかの情報検証機構が必要でしょう。 コスパタイパ重視では驚きや発見も無い ――ネットに常時接続することが当たり前になりました。そのことをどのように感じてらっしゃいますか。 一般的なネット通販をほぼ利用しておりませんが、ネット社会になってからの方がサービスの質が低下&商品を探しにくくなったように感じています。便利、合理的、コスパタイパ重視の姿勢は内向きになりがちで、冗長性や余白が少ない分、周囲を見渡す余裕が減少し続けるし、ひいては驚きや発見も無く窮屈ですね。昔のSFでは「監視管理社会」は人々の敵として描かれるのが一般的だったのですが、現代では意外とそういう管理監視社会の利点も許容されているように思います。とはいうものの、今後もDXが進み常時接続が常識常態化し、行政サービスやインフラなどの分野で、高度化し便利で安全で充実した幸福度の高い世の中になっていくと良いのですが……。 ――「攻殻機動隊」ではサイボーグ化しても人間の内にある「ゴースト」という概念が存在します。「ゴースト」とは何でしょうか。 展示室の中央には『攻殻機動隊』の原画が並び、迫力のある筆致を間近で感じられる(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 正確か否か、定義可能か、とは別にして、宗教や哲学や文学昔話の分野で古くから使われている「たましい」「霊魂」「ソウル」などの単語が印象として一般的には伝わりやすいのではないかと思います。「何だかよくわからないが、存在しているように思えるモヤっとしたものを『ゴースト』と呼ぶ」のも娯楽分野では分かりやすくて良いかな、ということで単語を使用しています。 犬や小鳥も感情を有することが一般的にも知られており、感情は人間だけが持つ最上位の機能・特別な評価対象ではない、という観点から、マンガ版ではゴーストという単語において「感情に特別な意味を持たせていない」つもりです。当然ながら人の価値観はそれぞれなので、僕と他のアニメ版の監督諸氏とでもこうした諸々に対する考え方に違いがあるわけですが、その事自体も含めて、作品を異なる角度から捉えて楽しんで頂ければ良いなと考えています。 神話は魅力の塊なのだが… ――ご著書はシリアスな展開と迫力のある戦闘シーンの間にギャグが挟まりますね。作中におけるギャグの効用とはどのようなものでしょうか。 シリアスとギャグの挟み方や割合���そもそも混在を容認するか否か、など受け取る方々の価値観も観点も実に多様なので「万人にとって満足できる作品」というのは僕には難しいなと考えています。僕の取り扱うキャラクターたちは明日をも知れぬ立場なので、悲観的に備え楽観的に対処する、冗談でも言っていないとやっていられない、といったタイプが多めになっています。会話の軽さと行動、判断の速さ厳しさのギャップを楽しんで頂ければ良いかと思います。 ――『仙術超攻殻ORION』は日本神話をモチーフにしたファンタジーです。神話の魅力を教えてください。 神話と呼ばれる物語達は限られた要素と根源的な思考や解釈と想像力で織り上げられ、時代や民族の壁を越えて生き残っている、「選び抜かれた精鋭達」です。人々の心情や思考型や文化を映す鏡として、魅力の塊と言っても良いですね。一方で歴史を振り返ると、建築や芸術や情報戦において支配者や宗教組織や抵抗組織の都合や思惑と深く関わったと思しきものも多く、純粋に「素晴らしいか?」と問われると、答えに困る側面もあります。 ――『攻殻機動隊』のフチコマや、『ドミニオン』の小型戦車ボナパルトなど、作品からは戦車愛を感じます。 正義感にあふれる女性警察官のレオナが活躍する『ドミニオン』のコーナー(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 「頑丈で壊れにくくて安全度が高い&移動以外にも何か作業が出来る乗り物」が好きですね。作品内に描く機会はなかなかありませんが、消防関連や港湾作業用の特殊車両、土木建築系や農林作業系の特殊機能車両なども同じように楽しくて興味深いと思っています。 気負わず欲張らず、自己ベスト更新維持 ――現在はイラスト制作や、画集刊行に活動の比重を置いて��られますね。 マンガやアニメやゲームの企画書・プロット・シナリオなども色々と作っているのですが、なかなか最終商品の形にまで進める事が出来ておらず、イラストや画集は関係者や予算が少なくても実現可能な 為ため か商品の形になりやすい、というのが理由かと思います。 ――女性のエロチシズムを感じさせる美麗なイラストを生み出されています。 展示室の後半は、雑誌に発表した色鮮やかなカラーイラストが目を引く(東京都世田谷区の世田谷文学館で) モノクロでは描写しにくいがカラーでは比較的描写が容易で、競合が起きにくいと思われる光沢の肌にこだわっています。近年の画集においては、似た構図やポージングの微差バリエーションを連続、重複して描くことで、アニメの原画をパラパラと連続で見る時に近い印象や効果の誘発が起きないかと工夫しています。 ――近況を教えてください。 今も40年前も変わらず東京ではなく関西にいて不規則不健康な生活をしながら昼夜延々と絵やプロットや駄文を描き続けています。視力体力の減少により、未読書籍が積み重なっています。 ――今後の執筆への意気込みや読者へのメッセージをいただければと思います。 気負わず欲張らず、自己ベスト更新維持で変わりなく、他にしたい事も無いので、ダラダラ延々と何かを作る日々を送ると思います。読者諸氏にはまた次の作品でお会いした際に、何らかの形でお楽しみ頂けると幸いです。
「攻殻機動隊」士郎正宗、ネット社会・AI発展に警鐘「言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている」 : 読売新聞
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白夜の世話が世界一過酷を極めまして精神が参りそうです
第一章 困惑の始まり
「砂紋(さもん)、これは一体どういう状況なんだ?」
京極碧皐(きょうごく あおさ)は眉間に深い皺を寄せながら、目の前の光景を見つめていた。リビングのソファに座る白夜(びゃくや)は、毛布にくるまって小さく震えている。その様子は、まるで迷子になった子供のようだった。
「俺に聞かれても困る」砂紋は髪をかき上げながら答えた。「看護師の仕事では患者の世話はするが、こういうのは…」
白夜がちらりと二人を見上げる。その瞳には不安が宿っていた。
「あの、僕、一人でいるの怖いの…」白夜の声は震えていた。「碧皐(あおさ)さんも砂紋さんも、お仕事で忙しいのは分かってるんですけど…」
碧皐と砂紋は顔を見合わせた。二人とも、これまで誰かの世話をするという経験がほとんどなかった。碧皐は法廷で冷静に判決を下してきた男だし、砂紋は職務上の看護はできても、プライベートでの世話となると全く勝手が違う。
「とりあえず、何か食べ物を用意した方がいいんじゃないか?」碧皐が提案した。
「そうだな。白夜、何か食べたいものはあるか?」砂紋が尋ねる。
白夜は毛布の中からもじもじと顔を出した。「えっと…砂紋さんの作ったものなら何でも」
砂紋の顔が青ざめた。「俺の料理は…その、あまり期待しない方がいい」
第二章 料理という名の戦場
キッチンは戦場と化していた。
「砂紋、その野菜の切り方は危険すぎる」碧皐が指摘する。「包丁の持ち方から間違っている」
「うるさい! お前だって卵も割れないじゃないか」砂紋が反撃した。
確かに碧皐の手元では、卵の殻が無惨に砕け散っていた。黄身と白身が殻と混じり合い、���とも言えない状態になっている。
「僕、手伝うね!」白夜がキッチンに駆け寄ってきた。
「ダメだ」二人が同時に声を上げた。
「君は座って待っていろ」碧皐が言うと、白夜の表情が曇った。
「…でも、僕も何かしたい! 二人だけで頑張ってるの見てると、申し訳なくて…」
砂紋が振り返る。白夜の目には涙が浮かんでいた。
「分かった。でも危ないから、野菜を洗うだけにしてくれ」
白夜の顔が一気に明るくなった。「うん!」
三人でキッチンに立つと、狭いスペースがさらに狭く感じられた。白夜は丁寧に野菜を洗い、碧皐は何度目かの卵割りに挑戦し、砂紋は包丁と格闘していた。
「砂紋さん、その人参、四角すぎない?」白夜が小さく指摘した。
「…料理は見た目じゃない」砂紋が苦し紛れに答える。
「碧皐さん、その卵…」
「分かっている。分かっているから何も言うな」
第三章 不格好な優しさ
結局、三人で作った夕食は見た目こそ不格好だったが、温かい食事になった。
「いただきます」白夜が嬉しそうに箸を取る。
「まずかったら正直に言ってくれ」砂紋が言うと、白夜は首を振った。
「美味しい。二人が僕のために作ってくれたんだから……」
碧皐が咳払いをする。「まあ、次回はもう少しうまくやるさ」
食事の後、三人はリビングに戻った。白夜は再び毛布にくるまり、今度は二人の間に座った。
「ねえ、明日も一緒にいて…もらえますか?」白夜が上目遣いで尋ねる。
砂紋と碧皐は再び顔を見合わせた。
「当然だ」碧皐が答えた。「君を一人にしておくわけにはいかない」
「俺も明日は休みだから大丈夫だ」砂紋が続けた。
白夜がほっとしたように笑顔を見せる。
「でも、俺たちは世話が下手だぞ?」砂紋が念を押すように言った。
「それでも、二人がいてくれるだけで嬉しいんだ」白夜が毛布を二人に分けるように広げた。「一人だと、すごく、すっごく…寂しくて……」
碧皐が少し考えてから口を開いた。「なら、俺たちも勉強しよう。世話の仕方を」
「そうだな。看護師の経験があるとはいえ、こういうのは別物だ」砂紋も同意した。
白夜が二人を見上げる。「僕も、もう少し一人でいられるように頑張るね」
「無理をする必要はない」碧皐が言った。「俺たちも、君と一緒にいる時間��…悪くない」
砂紋が苦笑いを浮かべる。「不器用な俺たちだが、よろしく頼む」
第四章 小さな進歩
翌朝、三人は朝食作りに再挑戦していた。
昨日の経験を活かし、今度は役割分担を明確にした。白夜が野菜の準備、碧皐がパンを焼き、砂紋がスクランブルエッグに挑戦する。
「今日は殻が入らなかった」碧皐が小さく達成感を味わっている。
「僕の人参、昨日より綺麗に切れました!」白夜が嬉しそうに報告する。
「俺の卵も…まあ、食べられるレベルにはなったかな」砂紋が恐る恐る味見をした。
朝食を終えると、白夜は二人の膝に頭を乗せ、満足そうにテレビを見ていた。
「重くないか?」砂紋が尋ねる。
「全然」白夜が即答した。「このまま一日中いたい……」
碧皐が白夜の髪を撫でる。「甘えすぎだぞ」
「でも、碧皐さんも嫌がってない…よね?」
「…まあ、たまにはいいだろう」
砂紋が呆れたように首を振る。「俺たちも大概甘いな」
「でも、これでいいんじゃないか?」碧皐が言った。「完璧じゃなくても、三人でいれば何とかなる」
「…そうだね」白夜が安心したように微笑んだ。「不器用でも、一緒にいてくれるだけで十分…だから…です」
外では雨が降り始めていたが、部屋の中は温かく、三人はそれぞれの不器用な優しさを分け合っていた。
エピローグ
それから数週間が経った。
三人の生活は相変わらず不器用だったが、確実に進歩していた。料理は見た目こそまだ不格好だが、味は格段によくなっていた。白夜も、短時間なら一人でいられるようになっていた。
「今日は俺が夕食を作る」砂紋が宣言した。
「本当に大丈夫か?」碧皐が心配そうに尋ねる。
「任せろ。最近、料理本を読んで勉強してるんだ」
白夜が目を輝かせる。「僕も手伝う!」
「ああ、頼む」
三人がキッチンに立つ姿は、もはや日常の風景となっていた。不器用でも、一緒にいることで補い合える。それが、三人なりの世話の形だった。
「ねえ、明日は何するの?」白夜が尋ねる。
「掃除でもするか。部屋が散らかっている」碧皐が答える。
「その前に、まずは今日の夕食を無事に完成させよう」砂紋が苦笑いを浮かべた。
三人の笑い声が、小さなアパートに響いていた。完璧ではないけれど、確実に温かい日常がそこにはあった。
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HN
葵ななせ
HNの由来
お花が好きだから「葵」、爽やかな名前が良いなと思ったので「ななせ」にしました
性別
女の子
誕生日
2004年8月7日 19歳です◎
星座
しし座
血液型
A 型
前世
全然分からないので前世占いをしたら「平安貴族」って出ました(笑)
住んでいるところ
東京都
生まれたところ
岡山県
家族構成
父、母、妹です。仲良しなので毎日連絡取ってます
職業
大学生です。週3回くらい喫茶店でバイトしてます。
学年
1 年生
絡むーちょ
よく遊ぶのは大学の友達とか高校時代の友達
似ている芸能人
え~~あんまり言われたことないです(笑)
身長
155cm
体重
内緒です…
足のサイズ
23.5cm
手の長さ
測ったことないです!
胸のサイズ
Gカップ
趣味
映画鑑賞(アクションが好き)、お散歩
特技
ピアノ(3~18歳までならってました)
握力
測ったことないけど結構強いと思います(笑)
髪型
ロング
口癖
「そやな~」とかですかね?
性格
真面目、完璧主義って言われます。
嗜好品
コーヒー(ブラック)たまに飲みます
自慢なこと
耳が動かせます!
持っている資格
むかーし漢検を取ったような…?
使っている携帯電話
iPhone
好きな男性のタイプ
人生にワクワクしている人
好きな女性のタイプ
美意識が高くて自分を持っている人
好きな言葉
二兎を追う者は一兎をも得ず
好きな芸能人
山田孝之、役所広司
好きな食べ物
和食
嫌いな食べ物
パイナップル
好きな飲み物
黒ウーロン茶
嫌いな飲み物
特にないかな?炭酸はちょっと苦手です。
好きな教科
国語
嫌いな教科
英語
好きなテレビ番組
水曜日のダウンタウン!
好きな映画
最近ワイスピを見ました
好きな本
漫画ですがキングダムが好きです!
好きなスポーツ
バスケ、水泳
好きな音楽
RADWIMPS
好きなブランド
ブランドはあまりこだわりが無くて…SHEIN で買います!
愛用の香水
マルジェラの香水が好きです!
好きな花
お花はなんでも好きです
好きなゲーム
最近はあんまりしてないけど、スプラトゥーンハマってました!
愛車
持ってません。でもいつか大きい車が欲しい!
将来の夢
誰かのお嫁さん
好きな動物
ワンちゃん
休日の過ごし方
家で映画見てるかたまにお散歩します。
尊敬する人
やりたいことを全力でやっている人。MINAMO ちゃん。
今一番欲しいもの
ワンちゃんが一生生きられるお薬。
今一番行きたいところ
海とか自然の綺麗なところ
今一番やりたいこと
バンジージャンプ!
よく遊ぶところ
なんだかんだで原宿らへんによくいるかな?
マイブーム
香水、キャンドル集め。
最近ひそかに興味があること
誰がこの世界のトップなのか(笑)陰謀論とか結構好きです(笑)
生まれ変わったら
また自分になりたいかな。
世界平和に必要なのは
他人への干渉を無くすこと。
兎に角主張したい事
意外と私、面白��です…。
疑問に思っている事
本当に人間は猿から進化したのか。
ここだけの話
私のデビュー作、どうですか?気に入ってもらえるかな…
経験人数
2人。どちらも彼氏です。
初体験
17歳の時、初めての彼氏と。
なぜAVに?
友達に進められたのと、もともと興味があったからです。30代までの人生設計を立ててみた時に、やりたい仕事だけが無くて、興味があるならやってみようと思って応募しました。特に頑張れたことも無くて何やってもそれなりの私なので、AV を通して自己表現をしてみたいです。あとやっぱり、エッチなことが好きなので…。
S?M?
結構Mだと思います…
自分がエッチだなと思う時
エロのアイディアが出てくる時です。ああ、やっぱり好きなんだなって思います(笑)
オナニー
週3回くらい、おもちゃでします。
オカズは?
妄想です…
AVでやってみたいこと
潮を吹いたことが無いので吹いてみたいです。
尊敬する女優
MINAMOちゃん。上品さとか間合いが素敵だなって思います。
女優としての夢
毎作品自信作にできるように頑張りたいです。私のファンでいて良かった、と思ってもらえるような女優さんになりたい。

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なんだかエジプトにはずっと惹かれていた。一昨年は近代美術館の古代エジプト展に2回行った。ツタンカーメンが観れると思ったのになくて少し残念だった。小さい頃は図書館でミイラの作り方を知ってドキドキした。なんて現代離れしていて、ミステリアスで、丁寧で神秘的なんだろう。でも、まさかエジプトに行くとは思わなかった。高校の世界史は31点だったけれど、授業の合間に話す先生の旅の話が好きだった。先生、わたし暗記が苦手でテストは31点だったけれど、今度はエジプトに行きますよ。あれもこれも人生の伏線だったようで少しこそばゆい。
最初はベトナムに行くはずだった。ひょんなことからエジプトというワードが出て、恋人とエジプトに行くことになった。あれやこれやと出発日になり、出国する。機内のEgyptwifiに繋いでみるが、まったく更新されない。眼下には夜景。7年前にインドに行く途中でみた景色に似ていた。あの時も深夜のフライトで、照明が落とされて暗くなった機内で、ひとり静かに感動したのを覚えている。調べてみると北京の夜景らしい。あれは北京だったのかとまたひとつ伏線を回収する。
インドへ行く時よりも緊張している。家族に予行表を作って送信したり、事前にホテルをとり、ピラミッドや神殿への行き方を調べ、古代エジプト文明についても勉強した。インドの時は、行きと帰りの飛行機しか決めずにあとは現地のインド人と直接交渉した。言葉もわからないのに友達になってバラナシに1週間いた。良い旅を!と送り出してもらって、ピンク色のジョードプル、蜂蜜色のジャイサルメールへ行き、そしてニューデリーに帰った。懐かしい。あの頃は初めての冒険にワクワクして、怖いもの知らずだったみたいだ。今はエジプトへ行くワクワクと怖さと半々な気持ちで、飛行機に乗っている。
14時間も直角に近いシートで過ごせないと思って、持ってきたデエビゴを飲む。そこからは1時間ごとに寝たり起きたりして、途中でサンドイッチが配布されたからうつらうつらとしながら食べた。胡瓜とチーズが挟まっていて、チーズが美味しくてエジプトはチーズ美味いのかなあとぼんやり思ってまた眠った。8時間の眠剤の効果よりも早く目が冴えてしまって、今これを書いている。あと3時間半で着くという。折角の旅だ。恋人と協力して、しっかり楽しもう。年老いた日に思い返して、微笑んでしまうような旅になれば良いなと思う。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)4月12日(土曜日)弐
通巻第8736号
『経済的に豊かになれば中国は民主化する』という根拠のない期待感は消えた
トランプの窮極の目的は中国経済の息の根を止めることにある
*************************
トランプ政権が発動した高関税措置は経済取引というより政治取引への武器化だ。
ところが、日本の議論をみていると、やれ株が暴落した、サプライチェーンが分断される、国債が上がった、さがった、金利がどうした、企業利益が脅かされたという経済のレベルである。率直に言って、エコノミックアニマル世界の議論だ。
重ねて力説しておきたいのだが、トランプの窮極の目的は中国経済の息の根を止めることにある。
中国がアメリカを超えるか、あるいは並ぶかの壮大なパワー���はさせないのだという基本戦略を了解しておかないと、この無謀ともとれる高関税政策は理解できないのである。
パンダ・ハガーだったマイケル・ピルズベリーが「我々は半世紀に亘って中国に欺されていた」と深く自省を吐露した『チャイナ 2049』の刊行は十年前の「事件」だった。
嘗てピルズベリーは「中国と軍事協力すべきだ」と主張していたのだから尚更の驚きだった。かれは『中国がいずれアメリカの同盟国になる』としたのは幻想だった。「韜光養晦」の中国を見誤ったとした。トランプ大統領は第一次政権で、このピルズベリーを評価した。そして中国政策を助言する「国防政策委員長」抜擢した。
バイデン政権の四年間は中国にかたちだけ強硬をみせながら通商、技術、金融面では大
甘、議会を手なづけるためにいくつかの中国制裁やブラックリストを作成したが、いずれもザル法だった。なぜなら最先端のハイテク技術がほとんど中国に漏れていたからだ。その典型的な例証はSMIC(中芯国際)が7ナノ半導体を自製したこと、エヌビディアの特性半導体を輸入したディープ・シークの唐突なる登場だった。特殊半導体はシンガポールのダミー会社から迂回輸出され、中国の手に渡っていた。
つまりアメリカの技術優位性の足下が崩れ始めていたのだ。
アリカの中国に対する評価は、ニクソン時代からオバマまでの半世紀が中国成長を助ける政策、即ち『経済的に豊かになれば中国は民主化する』という根拠のない期待感であり、1989年6月4日にそうした展望は見事に
崩れ去ったのに、制裁を解除するや、ブレジンスキーなどは「G2」とかの寝言を並べていた。
オバマ政権末期から薄ぼんやりと中国の不気味な脅威を認識し始め、トランプ第一次政権以後は中国封じ込めへの転換である。右から左へ、つまり中国を甘やかす方向から、敵対し封じ込める逆方向へと転換した。
いまやアメリカの合い言葉は『中国人とみたらスパイを思え』だ。
アメリカ国民は自国の経済成長、国際貿易の優位性を過信してきた
2008年のリーマンショック以後の金融危機、19年からのコロナウイルス感染症のパンデミック、これらが中国をして決定的に劣勢に陥ったと誤認した。
ところが数年を経ずして中国は「ゼロコロナ」政策を放棄し、瞬く間に経済成長を回復させた。
一方で中国は先進国同様の若者の減少と高齢化という深厚な人口動態をかかえ、大學の新卒に職がないという失業率の高さと、爆発する債務、不動産暴落が経済活動を停滞させた。
中国は鉄鋼、太陽光パネル、EV、風力発電、ドローンなどを過剰に生産し、ダンピング輸出、ともかく死にものぐるいでドルを稼いでいた。
イェーレン前財務長官が警告したように、中国の過剰生産はとまらない。これは世界経済の攪乱要因である。
▼米国が世界GDPの七割をしめるという『アメリカの世紀』はとうに終わった。
中国が米国を追い抜くことはありえない、という楽観論がしばしアメリカ政治を支配した。いま、アメリカに溢れだすのは中国脅威論、それも軍事脅威論から技術脅威論を含む総合的な脅威論に軸足が移っている。
中国が世界貿易機関(WTO)に加盟し、わずか20年間で、世界の製造業に占める中国の割合は5倍の30%に増加した。対称的に米国のシェアは15%となりました。
米国が世界GDPの七割をしめるという『アメリカの世紀』はとうに終わった。重要な指標で、中国はすでに米国を上回っている。製造能力は米国の3倍。EVは寡占状態、特許と引用頻度の高い科学論文数も米国よりも多い。
セメントの生産量は米国の20倍、鉄鋼13倍、自動車3倍、電力2倍である。
軍事的にはいつのまにか世界最大の海軍力を保有し、米国の200倍の造船能力を誇り、夥しいICBMを保有し、極超音速能力を示した。ペンタゴンはこれを「スプートニク・ショック」に喩えた。
「中国製造2025」の目標を達成したと中国は胸をはり、世界の化学製品のほぼ半分、世界船舶の半分、電気自動車の3分の2以上、電気バッテリーの4分の3、民生用ドローンは80%、太陽電池パネルとレアアースの90%を生産している。産業用ロボットの設置数でも地球の半分を占め(米国の7倍)、第4世代原子力技術の商業化では、他国より10年先行している。くわえて次の20年で100基以上の原子炉を建設する計画である。
しかも中国は、その優位性を継続拡大するために多角的な政策を実施している。
かような認識に立つなら、トランプが中国に145%の関税をかける荒技をなぜ講じるのか、中国経済の発展が中国御軍事力を高める近未来は『アメリカファースト』、世界一の軍事大国を目ざすアメリカにとっては、たたきつぶしておかなければならないほどの脅威になったからだ。
スパルタはアテネの台頭を許せず、戦争を仕���けた。まさに「ツキディデスの罠」が、これから再現される。
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バビロニアの世界最古の地図「イマゴ・ムンディ」を解読、ノアの箱舟伝説と酷似した記述を発見 公開:2024-11-03・更新:2024-11-03
著者konohazuku・パルモ
「イマゴ・ムンディ」��およそ2600年前(3000年前という説も)に作られたバビロニアの世界地図だ。
粘土板に描かれたその地図はすでに多くが失われ、現存するのは一部のみだが、大英博物館にあるそのかけらから、最近新たな発見があった。
裏面に刻まれた楔形文字の解読が進み、聖書のノアの箱舟伝説と酷似する大洪水物語が描かれていたことがわかったのだ。
1882年、現在のイラク、バグダッド近郊、かつてのバビロニアの都市シッパルで発見されたこの地図は、専門家たちが今日に至るまで、その謎を解明すべく、様々な研究が行われている。
古代バビロニアの世界最古の地図 手のひらよりわずかに大きいこの粘土板には、世界最古の地図が描かれている。
「よく見ると二重の円が描かれていて、そこに楔形文字で〝苦い川〟と記されているのがわかります」 大英博物館のキュレーター、アーヴィング・フィンケル博士は説明する。
二重円の内側には、メソポタミアを表す水域の境界線に囲まれたバビロンがある。そして、ユーフラテス川とバビロン自体を含むいくつかの主要都市が境界内に描かれている。
この画像を大きなサイズで見る 写真:(左)1925年、B・マイスナーによるバビロニアとアッシリアのスケッチ、(右)偽色彩法のために疑似着色されたもの image credit:Left; Bruno Meissner/Public Domain, Right; FlorinCB/CC0 既知の世界の向こうには、山か遠くの神秘的な土地を表したと思われる三角形が描かれている。
この場所は異世界の特徴と関連していて、フィンケル博士はこれを「魔法と謎に満ちた場所」と言っている。
まわりに刻まれた碑文は、ある奇妙な土地について述べている。そこは太陽がけっして輝かず、宝石のような木々が育ち、飛べない巨大鳥が歩き回るところだという。
フィンケル博士は、周囲の8つの三角形がつくる領域がバビロニアにおける日常を超えた異世界のネットワークを形成していることに注目している。
この画像を大きなサイズで見る バビロニアの世界地図「イマゴ・ムンディ」のかけら image credit:The British Museum/SketchFab/CC BY-NC-SA 4.0 ADVERTISING
ノアの箱舟を思わせる古代の洪水物語の記述を発見 粘土板の裏面は、見知らぬ土地へのガイドになっていて、冒険者が未知への旅で遭遇するであろう事柄を述べている。
ある箇所には、第4の三角形に到達するには「7つのリーグを通過しなくてはならない���とあり、「その先にはパルシクトゥの船ほどの分厚いものを見つけるだろう」という。
パルシクトゥという聞きなれない単語は、船の正確なサイズを示していて、ほかのバビロニアの粘土板、とくに巨大な箱舟のような建造物に関するバビロニアの洪水物語の中でのみ見られる。
この船はバビロニアの伝説の王ウトナピシュティムによって建造された。王は家族やさまざまな生き物を洪水から救うために、エア神の支持に従って船を建造したとされ、まるでノアの箱舟の話を思わせる。
「イマゴ・ムンディ」の碑文には、ウラルトゥという山にたどり着いたこの古代の箱舟のことが詳しく語られている。
聖書では、ノアの箱舟も同じように「アララト」の地にたどり着いたとされていて、専門家はこれがバビロニア人がウラルトゥと呼んだ山と同じだと考えている。
この話はノアの箱舟とまるで同じです。もちろん、一方がもう一方につながったのです(フィンケル博士)
バビロニア人にとって箱舟の旅は歴史の事実で、それが彼らの宇宙観と地理に反映されたのだ。
この画像を大きなサイズで見る アララト山のノアの箱舟、シモン・デ・マイル(1570年) image credit:WIKI commons メソポタミアの洪水伝説とその影響 バビロニアの洪水伝説は、ノアの箱舟話だけでなく、ほかの古代中東の洪水物語とも酷似している。
これは、異なる文明の間でも大洪水の文化的記憶が共有され、互いに影響を与えあっていたことを示している。
ギルガメッシュ叙事詩の洪水物話は、およそ3000年前の粘土板で知られているが、聖書のノアの洪水物話は約5000年前にさかのぼる。
これら文明の神話の間に古くから深く根づいたつながりがあることがはっきりわかる。
フィンケル博士は、このような大洪水の発生や、そこから生き残り、最終的に山の上で箱舟の残骸を目撃する話は、バビロニア人にとって単なる伝説ではなく、それが彼らの世界観や宇宙観に織り込まれたものであることだと説明する。
「イマゴ・ムンディ」の地図はこの物語を文字通りに象徴的に表していて、その描写は既知の世界の境とそれを超えた世界の始まり、つまり伝説と想像の場所の始まりを表しているというのだ。
The Babylonian Map of the World with Irving Finkel | Curator’s Corner S9 Ep5 知識と伝説が絡み合う興味深い地図 古代にバビロニアと聖書の洪水物語がつながっていたという今回の発見によって、ノアの箱舟と舟がたどり着いたアララト山の山の位置をめぐる論争が再燃している。
アララト山の遺跡を調査してきたイスタンブール工科大学の研究者たちは、海底粘土と古代人らの活動の証拠を発見した。その時期はおよそ3000~5000年前にさかのぼるという。
ここからまた、古代の洪水がこの土地の景観を形作り、こうした洪水伝説発生のきっかけになったのかどうかという疑問が出てきている。
シドニー大学のアンドリュー・スネリング博士は、洪水が起こるまではアララト山は存在せず、箱舟がそこに到達することは��可能だったと主張している。
歴史家の多くは、ノアの箱舟の話は歴史的事実ではなく象徴的な物語だとみなしているが、「イマゴ・ムンディ」のような遺物やその他文献の発見は、こうした物語が、現実に起きた出来事から生まれた可能性に心��かれる人々の興味をそそり続けている。
「イマゴ・ムンディ」は、バビロニア人の世界と宇宙に対する認識を明らかにするだけでなく、中東の古代文化が大洪水という共通の文化記憶を共有して、粘土板に永遠に刻みつけていたことを裏付けている。
References: A new finding on the 3,000-year-old Babylonian Map of the World reveals the legendary tale of an ark and a Great Flood, drawing parallels with the Biblical story of Noah's Ark.
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(バビロニアの世界最古の地図「イマゴ・ムンディ」を解読、ノアの箱舟伝説と酷似した記述を発見|カラパイアから)
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もみあげから顎に至るまでのこのくらいの毛量の髭描くの楽しい。無名さんの衣装は初期が好き。仕官衣装もシルエットが好きだけど足元がこっちかわいいので。以下、民のため連呼の二人の違い夢想メモ。(冗長なので読まなくて大丈夫ですよ...)
今回の張角さんは大賢良師→天公将軍の変化が見えて面白かった。でも「天公」を誰が言い出したにしろ名乗っちゃ駄目じゃない...?そんな感じで身の丈を超えて(もしかしたら授かった力に溺れた)手を広げすぎた結果、救えない者も暴徒も増えてしまった気が。 そもそも、授かった術が何なのか。"窮する人々を救え"とは、はたして武器をとれという方向だったのか。仙人は全般善悪わからんので、スマホ無双のあの方のように、主人公という駒を投げたマインクラフトな世界で実験しているのかも。 術が薬を作る方法や土地や作物を改善する系統に使えたならば、「俺は何を間違えた」の答えの一つが元化くんなのかもと思ったり。 授かったものを自分だけに留めず、広く世に伝え繋いでいく大賢良師として地道にいっていたら...? 同じく民のためと行動する劉備殿と違う点は、「己の力量を知っているか」と「信念を貫けるか」、そして「頼れる者がいるか」? 劉備殿はこれで良いのかと迷いつつも出来ないことはしないし逃げたりもするし、自分の道理は曲げたくないと人に言える。「大事を済すには必ず人を以て本となす 今、人、吾に帰するに、吾何ぞ棄て去るに忍びんや」と危機に瀕して言える強さ。 張角さんは「巨悪を戦うと誓った同志たちが、俺のあずかり知らぬところで暴走している」とどこか他所事だし、張角さん自身に感服しているのは兄弟か初期面子くらい?「戦いが終わったら罰する」という言葉も、今を生きている者をスルーしてる感じが残念。もうそこまで余裕ない、大志を為すためには仕方ないんだいう現れでもあるんでしょうが、諫めたり支えたりする人が居たらなあ。 理想で統率はできても、末端まで統制できる組織ではなかった。素人の寄せ集めならでは。太平道関係なしに、黄巾党に入ったらくいっぱぐれない位の気持ちで入った人もいるだろうし。 絆MAXの意味不明な会話がもう、理想に囚われる亡霊ぽくてちょっと怖いと思ってしまいました。ラストの方、太平の世へ導く者たちがいたあの村で「人々に見せてきた太平の夢を、せめて自分だけは見続けていたいのだ」というセリフが諸々やばかった...一周してから読ませるなんて...! 張角さんは太平の夢の中で同じ轍を踏まぬよう選択できるのか、徐庶殿のように「同じ選択をするだろう」と認めるのか。 ともあれ、夢の中だけは幸せでいて欲しい...!
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ナンモシタクナイト Nammositaknight ~Don’t wanna do anything tonight~
■Lyrics・Music・Video / Mashima Yulo
■Art / Sushinin, Soda, Rein, Kawaisouni❗️, Kageta Yu, Minko, Masuno, might, Satou5g, Irasutoya ■Logo / Chinatsu ■Translation / Serene_Neko, Kagamine_Snowfall ■Subs / Kagamine_Neko
off vocal→https://myriico.com/inst
Lyrics:
得意教科は睡眠 特に最悪なタイミング オフラインの荒廃に ネオンサインのゴーサイン 惰性で生きてる日常 過程で朽ちてく感情 叫んでみるほどの力も 近所迷惑でQED At school, I excel in sleeping at the worst possible times A neon sign signals me toward the offline ruin At this point, I’m just living out of habit, emotions stripped during the process I don’t even have the will to scream cause my annoyed neighbours will QED me
語れるほど好きなこともないし 語彙力もないし 平常を装うほどの演技力もないし あんまわかんないし There’s nothing I like enough to go on a tangent about, no vocabulary to do so either I don’t have enough acting skills to pretend I’m alright, don’t really know how that looks either
おしえてよ 何が聞きたかったのかも 忘れたけど 絡まったイヤホンがぐにゃり もうおわり Please tell me Even though I’ve forgotten what I even wanted to ask you My tangled earphones bend into a pretzel, it's over
ナンモシタクナイト 寝転んでりゃ倒れもしない もう何もしたくない うさぎとアンモナイト 何もしたくないけど 何かしとかないとな I don’t wanna do anything tonight, if I lay on the ground nothing can knock me down I don’t wanna do anything anymore, a bunny and an ammonite I don’t wanna do anything, but I feel uneasy not doing anything
眠れない夜に ナンモシタクナイト 笑った仮面を外せない もう何もしたくない いたちとパトランプ 何もしたくないけど 何かしとかないとな On this restless night I don’t wanna do anything tonight, can’t take off this smiling mask I don’t wanna do anything anymore, a weasel and a beacon light I don’t wanna do anything, but I feel uneasy not doing anything
自己アピールは散々で シボウドウキも曖昧だ 虚勢で満ちてる肉体を 離れたがっている 殻に籠もっている そのままずっと眠っている 今日は何もしなくても勝手に過ぎていく “Tell me about yourself” I have nothing to say, my reason for applying* isn’t too clear either I want to leave this body that’s a complete bluff I’m hiding away in a shell, sleeping away my time The day will be over even if I accomplish nothing
結構人生は長いらしい まるまったって 世界は四角いまま 好きなことだけで生きてたい けど頑張りたくはない Apparently living life is quite a long journey and even if we curl into a ball, the world would still be a square I wanna live with only the things I like, but I don't really wanna try that hard
ナンモシタクナイト ふとんが縋って離れない もう何もしたくない きつねと八宝菜 何もしたくないけど 何かしとかないとな I don’t wanna do anything tonight, my futon clings to me and won’t let go I don’t wanna do anything anymore, a fox and some chop suey I don’t wanna do anything, but I feel uneasy not doing anything
踊れない夜に ナンモシタクナイト 抗っても敵いやしない もう何もしたくない うなぎとサーモンフライ 何もしたくないけど 何かしとかないとな On this danceless night I don’t wanna do anything tonight, even if I resist I’m no match for it I don’t wanna do anything anymore, an eel and some fried salmon I don’t wanna do anything, but I feel uneasy not doing anything
nammositaknight
ナンモシタクナイト 寝転んでりゃ倒れもしない もう何もしたくない うさぎとアンモナイト 何もしたくないけど 何かしとかないとな I don’t wanna do anything tonight, if I lay on the ground nothing can knock me down I don’t wanna do anything anymore, a bunny and an ammonite I don’t wanna do anything, but I feel uneasy not doing anything
眠れない夜に ナンモシタクナイト 笑った仮面を外せない もう何もしたくない 宴と三元豚 何もしたくないけど 何かしとかないとな On this restless night I don’t wanna do anything tonight, can’t take off this smiling mask I don’t wanna do anything anymore, a party and a three-bred pig I don’t wanna do anything, but I feel uneasy not doing anything
何もしたくない ナンモシタクナイト 何もしたくない ナンモシタクナイト I don’t wanna do anything I don’t wanna do anything tonight I don’t wanna do anything I don’t wanna do anything tonight
ナンモシタクナイト I don’t wanna do anything tonight
🐇🐚🦦🚨🥗🐍🐠🐰🦑🍺🐷
Tl notes *could also be read as reason for death :)
#youtube#ナンモシタクナイト#Don’t wanna do anything tonight#Mashima Yulo#vocaloid#hatsune miku#miku hatsune#miku#translation
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秋旅2023 東北散策 - 秋田市内 千秋公園・県立美術館
秋の北東北散策、2日目の朝は秋田市内からスタート。


少し肌寒い透き通った空気をかみしめながら、久保田城址 千秋公園まで朝のお散歩。江戸時代の久保田藩主佐竹氏の居城跡に整備された公園は、紅葉シーズンということで、程よく色づいたグラデーションが見頃。比較的はやい時間帯でしたが、外国人観光客を中心に賑わいをみせています。佐竹氏の扇の家紋が描かれた本丸表門や御隅櫓等、(なんちゃって)復元ものではあるものの、雰囲気の良い場所でした。




公園散策を終えちょっと一息、時計の針が10時を回ったので、千秋公園向かいの秋田県立美術館へ。コンクリート打ちっぱなしが代名詞的な建築家 安藤忠雄の設計。入ってすぐ、エントランスの螺旋階段がお出迎え。カメラを向けるも広角側のレンジが足りず。。。スマートフォン(Pixel7)の広角側で頑張ってみた(旅スナップには広角レンズもあったほうがよいな、と思う今日この頃)。米蔵を借りて制作された巨大な壁画『秋田の行事』をはじめ、世界を旅した画家 藤田嗣治と斎藤真一の作品を楽しめました。

朝が早かっただけに小腹がすき、この日のお昼は稲庭うどんを。乾めんと生めんの食べ比べセットをいただくことに。つるっとした触感とこしのある乾麺、もちっとした嚙み心地の生めん。どちらもおいしかったですが、個人的に好きなのは乾めんかな。細いけれど弾力のある感じが好みでした。

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白銀の森
森が俺を呼んでいる。
故郷を奪われ、家族を奪われ、怒りのままに呪わしき男の影を追いかけた。しかし、暗黒の牢獄の奥底で、彼はすでに生き絶えていた。 手当たり次第に怪物たちを倒し、激しい怒りを、悲しみを、憎しみを、全身で湧き上がらせる。野獣のように暴れ狂う俺の前に、一頭の狼が現れた。
彼女はムーンレス。歪んだ世界で様々なものと融合してしまったが、人懐っこい狩の名手であった。腐肉を食べるとすぐに懐いて、俺の飢えた、悲しき心に彼女は寄り添ってくれた。たくましい四肢と夜の草むらのような香りがする毛並みを撫でると、子供の頃に真夜中ひとりで用を足しに行った時、遠くの河岸にこっちを見ていた狼の母子を思い出した。 感傷的になっていた俺の頬をムーンレスが舌で舐める。
この監獄でなすべきことは残されていなかった。より奥へと進んで、さらに強い敵を探し、死に場所を求めることもできただろうが、ムーンレスの湿った鼻が手に当たると、虚しい殺戮に溺れることを諦めることができた。
仇討ちのためだけにはるばるこの地に降り立ったが、もう帰る場所はない。諦めたら諦めたで、やはり虚しい。監獄を後にしても、ムーンレスは俺を心配してついてきた。今にも死にそうな仲間に思われたのだろうか。ムーンレスもこんな姿では森で他の狼と暮らすことはできないだろうに、外の世界に出て良かったのだろうか。尤も、俺自身も今どんな姿になっているのか分からなかった。もしかすると、あの生白く巨大な護衛か、爪や角が生えた悍ましい怪物に成り果てていたとしても驚くまい。
牢獄を覆う森の中、特に目的もなく彷徨っていたら、道のど真ん中で行き倒れている人間を見つけた。黒い服、長い髪、片腕が無く、雑な処置をしただけでまだ包帯から血が滲んでいた。 血の色と匂いからまだ生きていそうだ。ムーンレスが吠えると、身じろぎした。 「大丈夫か」 声をかけると顔をこちらに向けた。痩せこけており、目の周りに黒い影がある。あの牢獄にいた闇の司祭に似ている。 奇妙な化物たちに追われ、仮面を被った全裸姿の謎のカルトを見てきたせいで、普通に服を着て生きている人間を見つけただけで妙に信頼をしてしまった。普段なら服を着ているだけでこんな風には思わないだろう。倒れていた男が何かを言おうとしていたようだが、そのまま意識を失った。
安全なところに運び、水を飲ませて焚き火のそばで温めた。しばらくすると目を覚ました。 「気がついたようだな」 「…………」 「お前あんなところで何をしていた?」 「…………」 俺の言葉が下手なのか。一応街や船では通じていたが。ムーンレスが近寄ると身体を強張らせていた。 「大丈夫、彼女は何もしない」 「私は動物が嫌いなんだ」 「おや、口が聞けるようだな」 手招きしてムーンレスを呼び寄せる。 「俺はラグンヴァルドルだ。お前は?」 「……エンキだ」 エンキも俺と同様に地下牢を探索していたようで、敵に腕を切り落とされて、森で薬草を探してる最中に行き倒れたそうだ。 「街で治療を受けるべきではないか?」 「ロンデンの外科医の腕前を知らないようだな」 「……何か俺が助けになることはあるか」 「何故初対面の私を助けようとする」 「じゃあどうするんだ」 エンキは私の腕を指して言った。 「肘のあたりに鱗がある。貴様、サーモンスネークの魂を持っているな?」 「え?ああ、これのことか?」 坑道の水辺に現れた怪魚の魂を込められた石を見せる。身につけていると身体が硬化し出血しなくなる代わりに、少し皮膚に鱗が現れるのが難点だが、怪物たちと対峙するときに大いに役立った。 「貸せ、止血に使いたい」 「嫌だ」 「おい!さっきは私を助けようとしていたのではないか?」 「貸した後に返して貰えないと困る。これのおかげで俺も四肢を失わずに済んだし、珍しいから渡したくはない。何か差し出せるものはないか?」 「……何を要求するつもりだ」 とはいえ別に何も欲しいものはない。幼い頃から、獲物をどこまでも追いかける狩人であることと、自分の獲物をなるべく外国人に高く売る商売人であるように、周囲から叩き込まれた。仲間には気前よくどんな頼みでも聞き、困ってる人には手を差し伸べるが、いざ取引できそうになると、交渉してしまう癖があった。 「……しばらく一緒に行動しないか」 「それが要求か?」 「そうだ」 「いい、分かった。逃げないから、早く貸してくれ。血が減ってきた」 怪魚の魂を込めた石を受け取ると、包帯を外して腕の傷が塞がったことを確認した。 「これもしばらくつけていろ。体力と気分が落ち着く指輪だ」 革紐に二つの指輪を通したものを、首にかけた服の下にしまっていたが、それを外してエンキにつけた。 「……悪いな」 「今から仲間だからな」 「変な気を起こすなよ」 「冗談じゃない」
俺の格好やムーンレスは人里や街中ではあまりにも目立つ。森の外れ、水辺のあるところで次の目的地が決まるまで、簡単な拠点を作り野宿をすることにした。 彼は魔術を操るようで、俺が魔導書や魔術に関するアーティファ���トを要求するならば殺すつもりだったらしい。俺はただ、あの地下牢に閉じ込められた男に復讐を果たすために来たのであって、この地にまつわる伝承や儀式には全く興味関心がないことを聞いて納得したようだった。 「私もあの地下牢には立ち寄ったが、私が到着した時には彼は死んでいた。貴公が殺したのだな」 「いいや、違う」 「ならば、良かった。復讐なんてくだらない」 「黙れ、お前に何がわかる」 「…………」 「いや、すまない」 焚火で木が爆ぜる音だけが響く。不穏な空気に、ムーンレスは悲しそうに鼻を鳴らす。
来る日も来る日も、薪を切り、狩りをして、家を建て、次の目的が思いつくことを待っていた。エンキはだいぶ回復したようだが、片手でできることは限られている。エンキは毎日丸太に座って、地下牢の探索で見つけた本を、何度も読んでいた。 「エンキはこの先どうするんだ」 「私は貴様の次の目的が見つかるまで囚われの身なのでね。貴様が決めなければ私も決まらない」 「そうか」 「私にも、私の帰りを待つ故郷も家族もない」 「そうか」 何かを誤魔化すように、薪を割ることに集中しすぎていたら、数日分もの薪が溜まって、明日の俺の仕事を減らしてしまった。
真夜中に目が冴えて、水を浴びに近くの湖へと訪れた。水面に夜空が映し出され、どこまでが地面で、どこからが水なのか境界は見え辛くなっていた。足元の感覚で境目に屈むと顔を洗う。ふと顔を見上げた時、白い大きな鹿が湖の向こうに立っているのが見えた。なんて大きい、初めて見る美しい鹿を見ていると、引き込まれていった。
ムーンレスの激しく吠える声で、意識を取り戻す。気がつくと腰まで水に浸かっている。動物嫌いなのに、ムーンレスのすぐ隣にはエンキも立っていた。 「何をしている。こんな時間に水遊びするな。死ぬぞ」 エンキが嫌味ったらしく俺を引き留めた。呆けてただけなのに入水しようとしたと思われた気がする。恥ずかしくなって急いで湖から上がった。 濡れてしまった装備を木にかけておいた。まだ夜明けまで時間があり、二人とも眠いだろうに、ムーンレスが口で薪を積んで、そこにエンキが何かをぶつぶつ唱えると薪に火がついた。 「しばらく火にあたれ。地下牢から離れても森は常に人を惑わす存在がいる」 「そのようだな。ありがとう、エンキ、ムーンレス」 火に当たると、他人からの優しさに触れて急に涙が出た。俺の精神が大分だめになっているようだ。 「月だ、月が心を乱しているんだ。だから、早く天井を作ってくれ」
三人で並んで横になっていた。星を見ていると不安な気持ちが募る。まだ眠れなくてエンキに話しかけた。 「あの男が、死んでお終いなんておかしい。きっといつか、再び世界に混乱を引き起こす」 「ラグンヴァルドル」 「俺の考えすぎならいい。だが、あの立方体のために俺の故郷を滅ぼす必要があっただろうか。取引や交渉の場があれば、誰も、何も……」 「休め。今夜は満月だ。狂気に飲まれやすくなっている」 「月は関係ない」 「ああ、そうだ」 「エンキも関係ない」 「それは違う」 「ムーンレスも」 「可哀想なことを言うな」 俺と関係ないことが傷つくのか? ヒルデの歌が聴きたい。ニョルンの寝顔が見たい。ウルドと酒が飲みたい。もう全部できない。二度と幸せは戻らない。かけがえのないものを奪われたのに、復讐することすら失敗した俺なんかと、関係がある人間はどこにもいない。
誰の目から見てもラグンヴァルドルの精神は追い詰められていた。 「貴様は人里の中にいないといけないのに、人を避けて暮らしているせいで気が触れている。私は一人きりの世界にいくらでも過ごせるが、貴様はそうではない」 「…………」 全くもってエンキのいう通りだ。だが、故郷を失い、他の地域でどうやって暮らせばいいのか分からない。 「ロンデンへ行く。ムーンレスは森に残ってもらう」 「森の中でひとりぼっちなんて、ムーンレスが可哀想だ」 「愚か者め、こいつも私と同じだ。一人でも平気だが貴様への好意だけで寄り添っていた」 「えっ」 「何だ、そんなに意外か」 「エンキは俺が好きなのか」 「言葉の綾だ。揚げ足をとるな」
ムーンレスとの別れの挨拶を十分過ぎるほどやった。ムーンレスは俺がいなくても平気かもしれないが、俺は平気じゃない気がしている。森を後にして街に向かってひたすら歩いた。道すがら馬車が見つかって、後ろに乗せてもらった。 3人で過ごした小屋は壊すのが惜しくて残していった。人がいなくなると家は一気に壊れやすくなるので長くは持たないだろうが、かといって自分の手で壊してもいいとは思えなかった。血まみれの故郷が今どうなっているのか考えるとまた目の前が真っ暗になりそうになった。具合の悪そうな俺を見て、エンキは黙ってタバコを手渡してきた。はじめは怪我をして弱っていたのはエンキの方で、俺の方が元気だったのに、今ではすっかり逆転してしまった。
ロンデンに到着すると、エンキの知り合いであるブレア家に世話になることになった。大きな屋敷の中、使用人は俺とエンキを怪訝な顔で出迎える。家主とエンキが話をつけると、馬車で街まで出ることになる。 「仕立て屋に行く。"そんな姿"では目立つからな」 俺の自慢の毛皮はここでは場違いだ。エンキの服も大分周囲から浮いているだろうに。 こんなに大きな男は初めてだと仕立て屋がぼやきながら、身体を紐で測られた。しばらくの間は簡易なローブを借りたが、着慣れない服や靴に戸惑った。
屋敷では毎日講師がついて、ロンデンの貴族のマナーを叩き込まれる。我流で覚えていた言葉も、文法から細かい語彙まで覚えて、さらにテーブルマナーまで教わった。 しばらくすると仕立て屋に頼んでいた服が卸された。エンキは俺の着替え姿を見て鼻で笑った。 「馬子にも衣装だな」 「お前なりの似合っているという意味の言葉だと解釈した」 自分としては何がどう"良い"のかさっぱりわからないが、されるがまま着ていた。全身ぴったりな服は着慣れなくて、エンキのあの薄っぺらいローブが羨ましく感じた。
ほとんど立ったり座ったりしているだけで、身体が鈍りそうだった。 「狩りができないので気がどうかしそうだ」 「キツネ狩りにでも参加したらどうだ」 「キツネなんてわざわざ食べるものじゃない」 「そうだ。遊ぶために狩りをする。キツネは犬に食わせるだけで、人間はそれを馬に乗って追いかけるだけだ」 「なんと……」 「社交界で生きるためだ。参加しろ」 ブレア家の猟犬たちは甘やかされて、獲物を追いかける執念がなく、主人が気軽に肉や残飯をあげ過ぎているので少し太っていた。運動をさせて餌をやり過ぎないように助言し、許可を得て狩りの訓練を重ねた。元々良い血統を持っているようで、少し鍛えただけでみるみるうちに上達し、キツネ狩りでも活躍してくれた。毎日寝そべって、主人が食事を持ってくるのを待つだけのどんよりした目が、森で狩りをしてまた輝きが戻って嬉しく思った。 しかし、犬にとっては刺激的でも、人間にとってキツネ狩りは命や怪我の危険もない、ただの遊戯であった。俺の故郷の狩りは、生きるか死ぬか身体を張って命の糧を得るための重要な仕事であるが、これは全然違う。また昔のような狩りができるのを楽しみにしていたので少し残念であった。
ある日部屋に帰ると、手紙が置いてあった。美しく繊細そうな文字で書かれた恋文のようで、差出人は家主の娘であった。遠回しだが夜の誘いをしている。断るつもりであるが、それにしても何と言って断るか考えるためにエンキに相談することにした。 「ブレアの娘から手紙をもらったんだが、その、彼女は結婚はしているのか」 「してないが、やめとけ。あいつは父親と寝ている」 「侮辱にも程がある」 元から受ける気はないというのに、とんでもないことまで明かされた。 「侮辱も何も、真実だし、お互い同意の上だ。ちなみにお前にロンデンのマナーを指導したあの講師も手を出している。愛嬌に騙されたのなら仕方ない。ただ、お前はもうすこし"マシ"な相手を探した方がいい」 「…………道理に反する」 「何と思おうと厄介になっている身の上であることを忘れるな。正義感など振り翳さないことだ」 「エンキは何とも思わないのか」 「よく考えてみろ。私がその事実を知っているからこそ、私の頼みを断れず、見ず知らずの山男に服を仕立ててマナーを教えて世話を焼いているんだ。今の貴様は彼に感謝こそすれ批判できる立場ではない」 「…………」 「こんなのはお行儀がいい方だ。王族も貴族も聖職者も、もっと堕落し腐敗している。白夜騎士団はそれを正そうとした。しかし、正道では何も変えられず、邪道に手を染め、野望のために貴様の故郷を滅ぼした」 それを聞いて、手のひらに爪が食い込むほど、拳を握りしめた。 「今は何かを変える力がない。仲間もいない。変えたければこの群れの中で強くなることだ。羊の皮を被った狼になれ。獲物を狙う獣のように、最後まで、自分の姿を見せるな」 「やっぱり俺には、やっていけない」 「その気持ちは腹の中にしまっておけ。私も、貴様にここの常識に染まってほしくはない。だからこそ、羊の皮をかぶるんだ。怒りを内に秘めて、貴様の信じる正道を忘れず、牙を隠して笑え。だが、故郷の誇りを忘れるな。群れの掟が気に食わないなら、群れの中で強くなって、群れの親分になって、良い群れと良い掟を作れ」 俺なんかに文句が言える権利はないのはわかっていた。義憤に駆られた無知で田舎者な俺を、エンキはもっと馬鹿にすると思っていたが、意外なほど励まされてしまった。 「お前だけが俺の唯一の味方なんだな」 「馬鹿なことを」 「ああ、俺は馬鹿だ」 そう言って盛大に笑った。
新しい環境に放り込まれて、気疲れが絶えないが、過去を振り返る余裕がない分、森の中にいた時の陰鬱な気分は治っていった。 ブレア家の貴重な収入源である荘園で、ぶどうの出来が悪い土地を、売値は安いが痩せた土地でも育つ野菜に変えて収量をあげたり、野生動物たちを追い払うために猟犬をときどき見回りさせた。犬の訓練が得意なので、狩猟好きな貴族たちのために猟犬の躾や鍛え方も教えた。自分の得意な分野で力を示すことを実践するようにした。 収入が増え、他の貴族たちとの交流が増えると、ブレア家の領主と娘もだんだんと正気を取り戻したようで、領主は後妻を迎え、娘も別の領主の息子と結婚して家を出ていった。 「生まれついてのものではなく、ただ収入の不安を忘れようとしてあんなことをしていただけなんだな」 「それは好意的に考えすぎだろう。まあ、たまたま上手くいったと思うんだな」 禁じられた行為をやめた途端、領主はエンキを邪険にし追い出そうとした。エンキに頼んで、自分たちの快楽のために何やら怪しい呪文を使わせていたのに、都合のいい連中だと思った。 「これが普通の反応だ。私を疎むのが常識で、私を歓迎するのが非常識なんだ。戸口に立ってるだけで不気味がられる」 「誰もお前が幸運を運ぶ妖精なことを知らないなんてもったいない」 「精神をやられて目がおかしくなったようだな」
とはいえ、俺にとって何の縁もゆかりもないブレア家にこれ以上世話になるのは限界だった。ブレア家から独立するために、きつね狩りで懇意になった他の領主や商人たちと出資し海運会社を持つこともできた。故郷にいた頃では考えられないほど大金が動く大きな取引を、様々な国の人と取り交わすことは刺激的だった。騙されることも、見通しが甘くて大損することもあったが、市場は大きくていくらでも逆転の可能性があり、まだまだ試したいことが沢山ある。
そんな中、近所の森で恐ろしく巨大な獣が、次々に人を襲う話が出てきた。何年も会ってないムーンレスのことではないかという不安がよぎる。討伐のため若い男たちが松明を手に森の中を探索することになって、俺も志願した。 「狩りの名手と名高いラグンヴァルドルがいるのは心強い」 野獣討伐隊の指揮は俺が執り行うことになる。2〜3人1組で行動し、何か見つけたら笛で知らせるように指示した。
どうにかしてムーンレスを見つけたら逃がしてやりたいと思うが、何か心変わりして町の人々を襲う本能が抑えきれなくなったのならば、俺の手でムーンレスを殺そうという覚悟を決めていた。しかし、暗い森の中を歩くと、一時期収まっていた幻覚と絶望が蘇る。 悪夢と現実が渾然一体となり、俺に襲いかかる。 草陰でムーンレスが人間の子供の腸を食いちぎっている。弓を構え、ムーンレスの片目に弓矢を射ると、ムーンレスが人間の姿に変化する。美しい赤毛の美女、ヒルデが、片目を潰されて絶叫した。どこからか飛んできた槍が、彼女の心臓を貫きとどめを刺す。槍の飛んできた方向を見ると、プレートメイルに身を包んだ白馬の男が、甲冑の隙間から覗く鋭い視線で、俺を見下ろしていた。 「白夜騎士団!よくも、よくも!」 甲冑の隙間を縫って目を射抜くと、今度はウルドに変わった。 「ウ、ウルド!」 「ラグンヴァルドル……」 俺の名を呼ぶと、ウルドは死んだ。 森が真っ赤に染まる。炎が全てを焼き尽くす。白銀の甲冑に身を包んだ魔物たちが、剣で俺の家族を切り裂き、槍で仲間を串刺しにし、棍棒で老人の頭を叩き潰し、ナイフで子供達をバラバラにした。
気がつくと、山小屋で目を覚ました。俺が気を失ったのを、討伐隊の仲間が安全そうな小屋に運んでくれたそうだ。
帰ってきても、悪夢のことが頭から離れなかった。 「も、森が恐ろしい。俺はここでの暮らしに慣れすぎて、俺の心から森が伐採されてしまった」 「森がもう嫌いか」 「違う。俺の体は森の生き物でできている。自然の中で力がみなぎっていたが、心は、忌まわしい過去によって怒りと憎しみに染まった。愛と憎悪が綯い交ぜになっている。森に入ると幻覚が見える」 まだ消えない復讐心で、自分が制御できなかった。自分の手で、愛する妻ヒルデと、俺の叔父であり狩の師匠であるウルドを殺してしまった。血に飢えた暴力的な本能を恐れている。 エンキの手が俺の顔を撫でる。 「本当に、もう思い出すだけで辛いなら、記憶から消してやることができる」 「魔法みたいだな」 「みたい、ではない。魔法だ」 片腕がないので、口で革手袋を外すと、エンキは手のひらを俺に差し出した。 「この手に額を置いたら、貴様の記憶から、故郷の惨劇を消し去ってやる」 手首には無数の傷があり、手のひらの真ん中には、杭を打ち込まれたような大きな丸い傷痕がある。じっと見ていると、だんだん吸い込まれるように、顔を近づけていった。 が、俺はエンキの手袋を拾うと、その手にまた嵌め直した。 「お前は言ってくれたな、故郷の誇りを捨てるなと。だから、大丈夫だ」 「……そうか」 「悪いことに使えそうな魔法を知っていたんだな」 「どうする?私と何かした記憶を消されていて、私だけが覚えていて、貴様だけ何も覚えていないことがあったら?」 「何かだって?ハハハ!別に良い。こんなに世話になったからには、俺の心も体も、すべてお前のものだ。お前の好きなようにしろ」
森に関する恐怖と怒りの記憶をかき消すためにウイスキーとタバコを懐に携えた。記憶が蘇りそうな時は酒を煽るか一服することにした。どちらも感覚が鈍るので、獣の気配を見逃しそうになる。だが、仲間と共に獲物を追いかける行動が、一族の記憶と結びつく。 酒を飲みすぎてフラフラしていると、獣の唸り声が近付いていたことに気が付かなかった。恐ろしく大きい。だがその声も、臭いも、姿も、ムーンレスとは異なった。 「よかった」 俺の二回りも大きいグリズリーを目の前にして、安堵してしまった。ムーンレスを殺さないですみそうでほっとした。 弓矢で目を狙おうとするが、酔ってて狙いが定まらない。仲間は驚いて先に弓を射るが、射角が悪く、獣の肉体に深く刺さることができず、逆にこちらの居場所を教えてしまった。逃げる仲間を庇って、鋭い一撃を喰らう。肩から血が吹き出す。逃げろ、みんなを呼べ!と叫ぶと、笛の音が森中に鳴り響く。 自分の血を見て一気に興奮した。酔いは覚めて、肉体は本能的に戦闘状態へと入る。特製の強弓を引くと、目から脳天を貫く。が、グリズリーは片目を潰されて一瞬怯んだが、まだ力強く唸りをあげている。腕に力を入れたことで、傷口から血がさらに吹き出した。痛みは麻痺して感じない。
巨大な上に素早い。森の支配者の堂々たる咆哮に、本能的に自分が無力な生物であることを思い知らされる。攻撃を避けて次のチャンスを待っていたが、太い木の根に躓いて足元を踏み外してしまう。グリズリーは大きな前脚を振り上げる。終わったと思った次の瞬間、黒い影が獣に襲いかかる。 「ムーンレス!」 彼女は鋭い牙でグリズリーの首筋に食らいつく。思わず立ち上がった隙に懐に入り込み、グリズリーの腹に剣を突き刺して引き裂いた。 全てが終わった後に、ようやく仲間たちが辿り着く。 「ラグンヴァルドル!無事か!?」 「こんな巨大な獣を、お前一人でやったのか!?」 「いや、それは……」 「やるじゃないか!」 「英雄だ!」 仲間たちにはグリズリーが転んだ拍子に腹を切り裂いたと説明した。グリズリーの首の後ろには無数の牙が突き刺��った歯形が付いていたが、知らないふりをした。 倒したグリズリーの毛皮をもらえた。部屋に飾ると捨てさろうとした故郷の風習が戻ったみたいで、嬉しい気分の中に、森の中で感じた絶望が一滴おとされる。エンキは獣の死骸を壁に飾るなんて悪趣味だと言ったが、誰のだか分からない人骨を壁や棚に飾る人間に言われる筋合いはない。
グリズリーの貴重な生肝を持つと、森に向かって叫ぶ。 「ムーンレス、助けてくれてありがとう!これはお前の取り分だ!」 草陰にむかって生肝を放り投げた後、何かがさっと通り過ぎる音がして、彼女の遠吠えが聞こえた。
一度は持ち直したのに、獣を討伐した英雄として、今後の領地開発のために森の開拓メンバーに選ばれたが、森に足を運ぶ頻度が増えると、だんだんとまた悲しみを消すために酒やアヘンに溺れた。 熊の毛皮が俺自身の無惨な姿にも見えてきた。山で生きればよかったのに、人里に降りてきて、まんまと退治されてしまった姿が、ロンデンで今調子のいい俺が、現実に打ちのめされている姿と重なる。俺は生まれ変わりたい。なのに、心の奥の獣は、生まれ変わった後の、今の俺を食い殺そうとする。
エンキはブレア家を後にしてからも同じ家で暮らしている。とはいえ、今も昔も相変わらず朝は起きずに昼過ぎまで寝てばかりいたが、最近は夜中に研究だと言ってどこかに出かけていくようになった。以前やっていたロンデンの図書館の司書に復帰しているようで、たまに泊まり込みになって帰ってこないことも増えてきた。図書館に夜中の仕事があるのか俺にはわからないが、エンキは俺の仕事に首を突っ込まないでいてくれるように、俺もエンキの仕事について詮索するつもりにはなれなかった。ただ、生活する時間帯が真逆なのですれ違うことが増えている。それでも週に何度かは食事を共にしている。
だんだん社会復帰していくエンキと反対に、俺の生活はどんどん爛れていく。見かねた闇の司祭から健康的じゃないと言われた。 「よりにもよって一番不健康そうなお前に言われちゃおしまいだな」 「ふざけている場合ではない」 「別にふざけてもいいだろう。仕事も、少しばかり休むことにした」 「ちょうどいい。貴様を連れ出す手間が省けた」 「え?」
エンキと共に船旅に出る。出航時はよく晴れていたが、沖に出ると潮風は容赦なく帆を叩きつけ、波が荒れていた。だが、ベテランの船長が巧みに船を操作し、懐かしの故郷へと向かう。悲しみから逃げ続けて我武者羅に働いていたせいで、気がつけば5年もの歳月が流れていた。
壊された家の壁や床にはまだ血痕が残っている。野生動物に荒らされた痕跡はともかく、白夜騎士団の襲撃の後に、また別の人間によって家捜しされた後もあった。家具や絨毯はほとんど無くなっており、わずかに残された遺体でさえ、装飾品や金目のものは残らず取られ、服を着ているのは小さな子供の骨くらいだった。命だけでなく尊厳も遺品も奪われたことに言葉を失いそうになった。 何度も吐いて、泣いて、叫んで、湧き上がる怒りを地面やその辺の木にぶつけた。だが、変わり果てた姿は、幻覚で見たそれに比べればましで、現実という風が、一番残酷な瞬間を灰にしてしまった後だった。 どうやっても取り戻せないものが多すぎることを思い知らされる。一人ではどうにもできないものの大きさを知って、もう一人でなんとかしようとするのをやめようと思った。 「村のものを埋葬する」 「手伝わないぞ」 「じゃあ応援してくれ」 村人全員分の遺骨や遺品を探し出し、見つからなければ森の奥まで分け入って探しに行った。野宿しながら数日かけて捜索を続け、近くの森に立つ最も大きな唐檜のそばに、みんなを埋めた。 「私は闇の司祭だが、普通の司祭と違ってどんな神にも祈れる。貴様の神は何だ」 「オールマー信仰も、それ以外の"よその神"への信仰もない。我々は自然そのものを信仰している。みんなが先祖と同じ楽園にたどり着いて、再び自然の一部になることを祈ってほしい」 「分かった」 エンキは手を組んで、目を伏せる。人々の闇を暴き、より深い闇へと引き摺り落としてきた闇の司祭が、ただ一人の人間として、俺の一族の魂が安らかに眠ることを祈ってくれた。
お供えものとして、立派な鹿を取り、捧げた後に焼いていた。この地での最後の食事を終えると、エンキは言った。 「もうすぐ旅に出る。何だかんだで長い付き合いになったな」 「どこへ行くんだ」 「私の知らないものがある場所。東方、あるいは、もっと遠い場所へ」 「そうか。寂しくなる」 天へと続く、鎮魂の狼煙を見上げる。愛した人はみんな遠いところへ行ってしまう。村のみんなも、ムーンレスも、エンキも。 「お前には、数えきれないほど世話になった。どうしてこんなに、と聞いたらいなくなる気がしてずっと聞けなかった。だが、今聞いてもいいか」 「……本の続きが読みたかった。ラグンヴァルドルという男が、ほんの些細な、ありふれた絶望に敗北して堕落した廃人になったら面白くない。私はラグンヴァルドルという男の物語が続く方向に誘導した」 「期待通りの展開か」 「おおむねは」 「期待を越えられなかったのが残念だ」 「私の反応を気にされたら興醒めだ。貴様の気にすることではない」 「復讐が下らないと言ったのは、ロンデンで立身出世し、正しいやり方で世界を変えることが本当の復讐だからか」 「は?何の話だ」 「違うのか」 「貴様は知らんだろうが、レガルドや白夜騎士団は、当時ロンデンに住んでいた私に言わせれば、あんな山賊崩れの傭兵団を世界の救世主だと信じて支持していたのはごく少数派だ。一部の司教や貴族が囃し立てていたにすぎない。大抵の人間は、何も知らない若者が周囲の老獪におだてられたせいで何かを勘違いして、世界を革命すると息巻いていたのを冷ややかな目線で見ていたし、挙句に地下牢行きとなったことも当然の結果と感じていた。特に貴様の故郷を殲滅したことについては、誰の目から見ても意味のない虐殺で非常に反感を抱いていた。分かるか、ロンデンの民衆はお前の味方だったんだ」 「…………」 「元から支持者は少ないのに敵だけは多い。こんな下らない連中のために、復讐ばかり考えていたら自分の人生を見失う。そんな心底くだらないことを私のラグンヴァルドルにやってほしくはない。もう白夜騎士団なんて考える時間すら無駄だ。貴様にはもっと貴様にしかできないことがある」 「勝手な主張すぎる」 「ああ、自分勝手なことを言っている。貴様は私のものらしいから私が面白いと思う人間にしたって悪くないだろう」 「まあそうだ」 日がくれて夜空いっぱいに星が輝く。月のことはもう気にならなくなった。これから何かが起こっても、エンキが読んでる本の中にいると思えたなら、孤独も感じなくなるだろう。
里帰りから戻ると、まもなく旅に出発するエンキを港まで見送る。俺の知り合いにインデスへ向かう商工会の船があり、船に乗せてもらうことができた。 「陸路も考えたが船が出るならありがたい」 「いつでも、ロンデンに戻ってくることがあれば歓迎する。助けが必要ならば何でもやろう」 「ひとつ欲しいものが」 「なんだ」 「一束、髪をくれ」 「髪でいいのか、腕でも片目でもあげるぞ」 「いらない。別に魔術に使うものではなく、ただ思い出にするだけだ」 欲しい分だけ髪を摘んでもらうと、毛束をナイフで切って、散らばらないように編んで渡す。 「俺もお前の髪が欲しい」 「……いいだろう」 エンキの首の後ろの目立たないところから、一束髪の毛を切り取った。 「元から私がいなくても、貴様はこれくらい一人でできたんだ。私はただ貴様の大きな影に腰掛けていただけだが、悪くなかったと言っておこう」 「謙遜するな。今の俺にとって、お前が一番の親友であり家族だ」 エンキは最初に出会ったときに渡した怪魚の魂と、回復の指輪を返してきた。 「長いこと借りていたな」 「別に返す必要ないのに」 「あの地下牢の思い出だろう。取っておいて、子供にお守りとして受け継いでいけ。あの地獄から生きて持ち帰れた戦利品は貴重だ」 「そう言うなら」 船の汽笛が鳴る。そろそろ出発するようだ。 「ムーンレスにもたまには会え」 「彼女が暮らせるような土地を持って、お前の帰りを待つよ」 「そうか、少し遅くなるので食事は先に済ませてくれ。では」 貿易船に帆が張られ、船が出航した。
水平線の向こうに船が消えるまで、手を振った。
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自分は多数の子宮頸がんの患者さんに関して、告知や治療やお看取りを行ってきた産婦人科専門医(医学博士)です。 日本のマスコミが決して報じないこの裁判の実態を、以前からツイートしています。 今回で傍聴記録は8回目です。 これまでのHPVワクチン薬害訴訟傍聴記録も、遡ってnoteで順次上げていきますので参考にしてください。 これまでで最も衝撃的な事実が明らかになりました。 “HPVワクチン後遺症”の診断を現在進行形で量産している唯一の大学病院である鹿児島大学病院。 しかしその診断の実態は、鹿児島大学病院放射線科が作成した読影レポートでは異常がないと判断されたにも関わらず、鹿児島大学病院神経内科が独自に脳血流の画像を異常だと判断していました。 新規疾患の存在を証明するための臨床研究としては、極めて非常識です。 最終的に鹿児島大学病院で ”HPVワクチンによる脳血流の異常” と診断されてしまい、HPVワクチン薬害訴訟の原告となった女性たちの脳血流画像は、今回の法廷の証人である畑澤順先生(大阪大学医学部核医学診療科のもと教授・日本核医学学会前理事長)が確認した全例において、異常なしの診断。 にもかかわらず、鹿児島大学病院神経内科医たちの独自の判断により ”HPVワクチンによって脳血流障害が生じた被害女性” に対して、鹿児島大学病院が被ばくを伴う検査や免疫吸着療法を施行していた事実が、法廷にて明らかになりました。 前回、畑澤順先生が証人として法廷に立った福岡地裁のレポートはこちら。 https://x.com/tanuk_ichi/status/1883897806471225818?s=46&t=aKCnQ_jX0p0aWhyp8OMJ0w マスコミが大々的に取り上げた"HPVワクチン後遺症"は、法廷でも今回を含めて複数の医師(近畿大学医学部微生物学講座角田郁夫教授、東北大学病院総合診療部もと教授本郷道夫先生、行岡医療大学三木健司特別教授、北里大学大村智記念研究所中山哲夫特任教授、大阪大学病院核医学診療科もと教授畑澤順先生など)から誤診の疑いやワクチン接種と無関係だと指摘されています。 例によって法廷では録音録画が禁止されているので、自分のメモからの書き起こし。 なので、一字一句が正しい記載ではない点はご了承ください。 非常に長文です。 特に途中の中西弁護士登場から盛り上がりますが、結論だけを読んでも十分に衝撃的な結果かと思います。 今回は以前の畑澤順先生の証言に対して、原告側弁護士が反論する形で裁判が進行。 以下からは形式的に、畑澤先生は畑、原告弁護士は弁と記載します。 裁判傍聴の抽選は全員通過 法廷は9割ほどが埋まっており、そのほとんどが原告支援者の中高年世代 いつも通り、江戸川大学マス・コミュニケーション学科教授の隈本邦彦も登場 もとNHK記者であり、薬害オンブズパースン会議という団体のメンバー 日本各地で謎の反HPVワクチン講演会を開催している人物 畑 (深々と原告席へ一礼) 弁(若い女性弁護士・うつむき気味でやや不慣れそう) 証人がグラクソスミスクライン(GSK)から証言の依頼を受けたのはいつですか? 畑 2年前くらいです 弁 その前から平井論文を知っていましたか? 補足:帝京大学病院神経内科平井利明による未査読論文、脳SPECT検査でHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の存在を主張 以前の法廷で畑澤先生が論文の問題点を複数指摘し、科学的価値のない”ただの読みもの”と評価 畑 今回依頼されてから読みました 弁 荒田論文は? 補足:鹿児島大学病院神経内科荒田仁による未査読論文、脳SPECT検査でHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の存在を主張 以前の法廷で畑澤先生が論文の問題点を複数指摘し、科学的価値のない”ただの読みもの”と評価 畑 同様です 弁 脳SPECTに関する、この松平論文(静岡てんかんセンター松平敬史医師の論文、おそらく未査読)は? 畑 日々多くの論文を読んでいますので、今から読みます 少し時間を下さい 、、、、、読んだことはありません 弁 ではこちらの別の松平論文は読みましたか? 畑 また時間を下さい 、、、、、読んでません しかし論文の方法などを見る限り、画像の専門家から見れば大きな問題のある論文です この論文を読んでいるかいないかで、調書に変更はありません 弁 池田修一先生の脳SPECTに関する論文は? 補足:信州大学神経内科もと教授池田修一らによる未査読論文 池田修一はマスコミに対してHPVワクチンに関する不適切な研究発表を大々的に行い、厚労省と信州大学から厳重注意を受けたのちに開業医に転身 現在に至るまで、査読を受けたHPVワクチンに関する論文はゼロ 画像 マスコミが大々的に取り上げた池田修一の発表 畑 核医学に関して方法論を含めて様々な問題がある この論文をもとにして調書を作成するのは無理がある GSK弁護士 それは“調書”ではなく”意見書”ですね 畑 失礼しました、そうです 弁 原告の脳SPECTは何例確認しましたか 畑 鹿児島大学病院の診断で異常があるとされた方のうち、提供を受けた3-4名の画像を確認しました 異常はありません 弁 その他の原告の脳SPECTは? 畑 提供されていないので確認していません 弁 証人は患者を実際に診察していますか? 畑 大阪大学病院放射線科では、産婦人科や内科などから依頼を受けて画像検査・診断を行います 検査の必要性・有用性を協議することもあります 大阪大学病院ではHPVワクチンの後遺症診断で依頼を受けた例は1例もありません 弁 証人は、脳SPECTは脳血管障害・認知症・てんかんに対して施行する検査だと主張していますね 畑 90%はそうです 弁 脳SPECTとアルツハイマーに関する論文を書きましたか? 畑 2012年ですね 3D-SSP(統計的画像解析法)の使用法に問題がある論文が多く、正常人のデータベースも不十分 その不十分なデータベースを使用して、異常がないにもかかわらず異常だと判断している医師がいる カメラでの撮影条件が一定でなく、そのためにZ scoreが高くなったり低くなったりというエラーが生じる そういった臨床の場での問題を指摘する必要がありました 長くなりましたが、これでよろしいでしょうか? 弁 はい、いいえで答えられる質問には、はい、いいえでお答えください 放射線科医はどのように3D-SSPを使いますか? 畑 主にアルツハイマー型認知症で使用します 原画像の処理を行うために使用するが、あくまで補助診断です 原画像を優先して診断すべきです 繰り返し述べていますが、3D-SSPだけを見て判断してはいけません 弁 証人の論文では、3D-SSPは臨床的に有用性が高い、と述べていますね? 畑 はい、そうです ただし様々な条件をクリアしてなければなりません 対象とする特定の疾患、主にアルツハイマー型認知症では有用性が高いことが世界的に判明しています 弁 3D-SSPはあくまで正常と比較して用いるのですか? 畑 そうです 平均的な血流量やそのばらつきを見ます ある特定の疾患では、異常の有無の基準に用います 白髪の原告側男性弁護士(のちに何度も登場、乞うご期待)が大きな声で割り込む つまり、質問への回答は「はい」ですね! 畑(無視して継続) 健常人の数・年齢・性別などを測定した上で、解析を行う必要があります 白髪の原告側男性弁護士 つまり!「はい」ですね! 畑 ご質問がきちんと数・年齢・性別などを勘案しているのであれば、回答は「はい」になります 別の控えめな原告側男性弁護士 時間がないので、はい、いいえ、のどちらかで答えて頂けると、、、 畑 可能な限り正確に述べる必要があるかと思いまして。 それなら「はい」です 弁 次にデータベースに関する証人の論文についてお聞きします 畑 2012年には多数の論文でノーマルデータベースに問題がありました 撮影するカメラの機種が異なる画像が、データベースに混在していることもあり、これを問題視してきました 撮影の条件には一定の基準が必要です シャッタースピードも統一されていなければ、エラーが混在してしまう そういう論文です 控えめな原告側男性弁護士 あのー、これ以上の説明はもう結構ですので、、、、 弁 現在ではデータベースの問題は? 畑 大阪大学病院では自施設でそういった問題をクリアしたデータベースを構築しています 他の大学病院がどうなっているかまでは分かりません 弁 データベースを使用していれば、ある程度は正しい結果が得られるのでは? 畑 典型的な誤った考えです アルツハイマー型認知症においては、世界的に有用性が認められている ただ、精神疾患や未知の疾患に使用するのは不適切 大阪大学病院ではそんなことはしないし、他の医療機関でも普通はそのような不適切な使用はしていません 弁 特定の疾患だけでなく、脳の機能を評価する際に3D-SSPを使用することもある ここにはそう記載されています 畑 読みますね、、、、 はい、そのように書いています ただし前提として、臨床試験や倫理委員会などを通して評価することが必要です それを経て有用性が確認できれば、診断に有用と言うことが可能です 弁 証人は脳SPECTの教科書執筆にかかわっていますね? そこでアルツハイマー型認知症以外にも、脳SPECTを用いてますね? 畑 はい 弁 前頭葉型認知症にも有用で、アルツハイマー型認知症との鑑別にも有用ですか? 畑 はい、そうです アルツハイマー型認知症、前頭葉型認知症、移行型や混合型の認知症、それぞれ20-30%ずつありますが、有用な検査です ただし移行し得るので、必ずしも判断が変化しないわけではありません 弁 ハンチントン病では脳SPECTで尾状核・前頭葉の血流低下がありますね? 畑 はい、ただし非常にまれな疾患であり、自分も実際に診断したことはありません 弁 ハンチントン病が非常にまれならば、どのように診断しますか? 畑 その場合は診断基準など、、、(メモが追い付かず、書き取りできず) 弁 脳炎などのまれな疾患や新規の疾患の場合には、脳SPECTは使用しますか? 畑 既に知られている疾患の診断に、あえて脳SPECTを使うことはないです 新規の疾患を疑っても、その診断のために行う検査でもないです 弁 質問の回答は「はい」でよろしいでしょうか 畑 もう一回質問を伺えますか? 白髪の原告側男性弁護士 「はい」と答えて頂ければいいんです! 畑 質問が限定的過ぎます 誤解があってはならないので、説明が必要です 別の女性弁護士 時間の節約のために協力をお願いします 裁判長 申し訳ありませんが、可能な限り簡潔にお願いします 畑 分かりました 弁 脳SPECTで所見��乏しい疾患もありますね 2017年の報告では、橋本脳症では脳SPECTで64%は正常と判断されると 畑 最近知りました ただし頻度や割合に関して述べる際には、感度・特異度を合わせて判断する必要がある その論文では、病気でない人の所見がどうかの記載がなく不適切な論文です 傍聴席から、そんなのどうでもいいじゃん!、とヤジが入る 弁 ムラマツ先生が抗NMDA受容体脳炎や橋本脳炎において、3D-SSPを用いた解析を行って、特徴的な所見を報告しています 畑 その報告もノーマルデータベースの記載が不十分であり、世界的なコンセンサスもありません 信頼性が高い報告とは言えません 弁 しかしこの論文は”ユーロピアンニューロロジー”の査読論文です 医学界で評価された論文ですね? 畑 その解釈は正しくありません 査読のプロセスが不透明で、他の研究者による論文引用もされていない 医学界の中で評価されるには、そういった積み重ねが必要です 橋本脳症の知見としては確立していない あくまでそのプロセスにあると判断します 弁 アルツハイマー型認知症やてんかんでは長い歴史の中で脳SPECTの意義が確立している、ということですね 畑 そうです 弁 患者の脳機能を確認するためにも脳SPECTは行われるのでは? 畑 そういった研究には研究チームやプロトコルを揃える必要がある あくまで研究目的で、精査したうえで知見として確立します 新規の疾患を疑ったから試しに検査をしてみよう、という手法は非常によろしくありません 例えば脳波に異常などがあるから、その裏付けとして脳SPECTを行うのはあり得ます しかし脳波などに異常がないにもかかわらず、とりあえず施行するような検査ではありません 弁 保険診療では脳SPECTや脳シンチグラフィーは、脳炎・脳症が保険適用とされています 有効性が認められた検査ではありませんか? 畑 誤った解釈です 保険適用だから脳炎・脳症を疑ったら脳SPECTを施行する、というのは誤りです 統合失調症やうつ病や解離性障害などでも保険適用ですが、脳SPECTは行いません 科学的な意義が不明だからです 保険適用の話をするならば、脳死でも脳SPECTは保険適用です しかし脳死患者に脳SPECTは行いません そういったことは10年以上前に議論されて、既に決着がついています 保険の適応疾患をそのように解釈すること自体が誤りです あくまで診療報酬が支払われるかどうかという話です 弁 それはあくまで先生のお考えですよね 分かりました 次は土田先生による報告です 新型コロナ後遺症のブレインフォグに対して、脳SPECTを221人に対して行ったところ、その全例で脳血流が低下していました この報告を知っていますか? 畑 初めて聞きました そもそもブレインフォグの定義などは医学的には確立していません 弁 新型コロナに関して、、、、、、(10秒ほど言葉に詰まり、書面を目で追う) 新型コロナ後遺症の診断において脳SPECTは広く利用されている、ということでよろしいでしょうか? 畑 えーと、新型コロナのワクチン後遺症でしょうか? 弁 ワクチンではなく、新型コロナ後遺症へ脳SPECTは行われていますか? 畑 一般的にはありません 傍聴席から:いやー、あるでしょうよ! ここまでで午前中の尋問が終了 90分間の昼休憩へ 傍聴席からは、高嶋先生の診断を否定したくてしょうがないんだろうなぁ、誠実さが足りないよ、などの声 補足:高嶋博 鹿児島大学神経内科教授 HPVワクチン接種後神経障害を提唱して脳SPECTで多数の患者を診断するも、その謎の疾患に関して未だに査読論文はゼロ 前半はまだ落ち着いた展開だが、後半はハチャメチャが押し寄せてくる ワクワクを100倍にして読んでほしい 特に白髪の原告側の男性弁護士に注目 法廷再開5分前 係員が傍聴の注意点を説明するが、中高年世代の原告支援者の雑談がうるさすぎて聞こえない あの界隈って非常識な大人が多いんだよね 思春期からずーっと、”支援者”たちに囲い込まれてきた”被害女性”たちが、本当に気の毒です 質問を行う原告弁護士が交代 既に何度も登場している白髪の男性弁護士へ(中西弁護士、以下中西と表記) この裁判において、常に笑いと涙を提供してくれる有能な弁護士である ぜひ、カプコンの名作ゲーム『逆転裁判』に登場してほしい 中西 まずですね、質問には、はいかいいえ、でお答えください 回答しているうちに、質問が何だったかよく分からなくなる場面もありましたよね 時間もありませんので 製薬会社弁護士 ご存じのように専門性が高い領域なので、はい、いいえ、だけでは答えられないこともあります 前提条件などを確認する必要があります 裁判長 証人はできれば簡潔にお願いします ただ、それが難しいこともあることは理解しています 一方で原告は、質問の導入で”記載があるかどうか”を証人に確認するのは不要かと思います 中西 平井論文に関して証人は”読み物に過ぎない”と言いました。 覚えていますか? 補足:帝京大学病院神経内科平井利明による未査読論文、脳SPECT検査でHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の存在を主張 以前の法廷で畑澤先生が論文の問題点を複数指摘し、科学的価値のない”ただの読みもの”と評価 畑 はい、そうです 査読を経た原著論文ではありません 中西 著者らはその論文の中で、脳SPECTによってマウスの脳炎を示した平井・黒岩論文を注釈して引用しています これは2016年の日本自律神経学会の雑誌”自律神経”において、査読を受けています これを読んでいますか? 畑 はい、読んでいます 査読があっても、きわめてレベルの低い論文です 中西 査読を経た論文を引用しているのに”よみものに過ぎない”と評するのは、アンフェアです 畑 もともと提示された論文は、査読を経ていないただの読み物です 引用された論文も読みましたが、通常の査読を通るレベルに達していない 解析は不十分で、採択されるには、、、 中西 (畑澤先生の証言を遮って) いや、そんなことはないでしょう それ以上は必要ない 製薬会社弁護士 異議あり、必要です 裁判長 続けてください 畑 この論文が採択されるまで、8日間という異例の短さです 私は査読誌の編集長を務めてきましたが、査読者の選定などを含めて、通常は早くても2週間は必要です そしてこの論文は、核医学の専門家の査読を通っていません 中西 端的に答えてほしいんですよね! 前回、証人は査読論文ではなく”読み物だ”と主張していたでしょう 製薬会社弁護士 誤誘導です 証人が”読み物”と言ったのは査読を受けていない平井論文の方です 中西(ヒートアップして) じゃあ、アンフェアだと私は感じたんです! それは言わせてもらいます 次に、脳SPECTを判断するには専門家が必要だと言っていましたね? 畑 はい 中西 平井論文の共著者の内山眞幸、慈恵医大放射線部所属 知っていますか? 畑 知っています 専門家の一人ですが、専門は呼吸器の悪性腫瘍です 脳SPECTの専門家ではありません それは強調させていただきたい 中西 日本核医学学会が発足・推進させた会の役員 内山眞幸 そうですね? 畑 はい、私が理事長としてこの会を発足しました 中西 では、内山医師は核医学の専門家でしょう 畑 はい、内山先生は核医学領域では脳神経ではなく呼吸器の専門家です (ここからの展開は、さらにカオスに突入) 中西 改めて平井論文です 脳SPECTの論文作成に当たって放射線部の協力を得る必要がありますね 平井論文の共著者には平瀬技師、太田技師という方もいて、この方々は他にも論文を書いています 畑 放射線技師の役割を誤解されているかもしれません 検査の条件を整える専門家ではあります 撮影された画像の診断を行う役割はありません 技師が論文を書いたり論文に名前が記載されているからと言って、その論文の正しさを担保するものではありません 中西 技師が論文に関わっていれば、信頼度が高いのでは? 畑 技師は放射線画像の撮影を、責任をもって行う職種です 平井論文からは、統計画像解析の信頼性は読み取れません 中西 平井論文には放射線部と技師に対して、協力して下さった、と謝辞が記載されています なので、検査の信頼がおけるのではありませんか? 畑 謝辞を述べるのは論文の作法であり、謝辞があることと論文の信頼性は無関係です 中西 それはあくまで証人の感想に過ぎませんよね 次は先ほどの雑誌“自律神経”の論文です これには東大病院の黒川清先生も関わっています、日本学術会議の 知っていますか? 畑 知っているが、会ったことはありません 中西 本研究の目的は脳SPECT・内分泌・脳波などと中枢神経疾患の関連を見つけること そう記載されていますね 畑 はい 中西 提唱されているHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の診断基準を提示します 他覚的所見として、脳SPECTでの異常、これが挙げられていますね 畑 私はその医師たちのように脳SPECTの所見だけで診断することはありません 客観的に診るためには、科学的エビデンスに基づいた正しい手法を使うべきです 多数の画像診断をしてきた専門家としての経験上、脳SPECTから結論を導くのは不可能です 中西 科学的エビデンスと言っていますが、このような蓄積がエビデンスが確立する過程なのでは? 畑 既に言いましたが、HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)という研究の過程や手法に問題があれば、それには意義はありません 脳SPECTはあくまで特定の疾患の補助診断に用いられるべき検査であり、新規の疾患を疑ったから撮影してみるという検査ではありません HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)に関して脳SPECTを使用することで、有意義なエビデンスが得られるような研究デザインがなされていません 誤った結論が導かれてしまうことを危惧しています 中西(明らかにイライラいている) 次は教科書からの記載です 3D-SSPを使用して健常者と有病者の脳血流を比較することで、異常を検出できる そう書かれていますね! 畑 本の一部分だけを抜粋しても、、、 中西 (話を遮って)書かれていますね!! 畑 この部分だけではなく、全体を読んで判断する必要があります 中西 実臨床では特定の疾患に対して脳SPECTを行うことがあり、3D-SSPを用いることもある それには倫理委員会などを通す必要がある、午前中はそのように言っていましたね? 畑 午前中は答える時間が無さ過ぎました 臨床研究では、例えばアルツハイマー型認知症と診断された方に対して、経時的に観察したうえで治療を行い、脳血流が変動するかを確認しています 既に診断がついている既知の疾患に対して用いる検査であり、新規の特定の診断を行うために用いる検査ではありません 中西 脳血流の異常を脳SPECTで見つけて、それを知見として積み上げる そういった方法を用いても良いのではありませんか? 畑 それはきちんとした研究として、倫理委員会を経てプロトコールを作成し、、、 中西(怒鳴り声で割って入る) だから〇〇(聞き取れず)とはですね! 畑(無視して進める) 実臨床の場ではそのような手続きを踏んだ上で脳血流を見ています 中西 平井論文では、脳梁や脳の広い範囲での血流低下が認められると記載されていますね 畑 はい、記載はあります ここで別の若い女性弁護士へ交代 明らかに慣れていない様子で、発言に詰まって固まったり、言い間違いなどが多い ここからは、赤い・青いについて謎の論争が始まる、、、 弁 視床基準を用いると、画像では赤い部分が多いように見えます これは異常ではないのでしょうか? 畑 そう判断するのは間違いです というのは、、、 中西 (話に割り込んで)赤く見えるか見えないかを聞いているんだ! ワイの心の声(いやそうではなく、女性弁護士は赤く見える部分が異常かどうかを聞いてたやろ、、、マジでやばい弁護士やな) 製薬会社弁護士 異議あり 不適切な質問です 赤いのは確かに赤いですが、赤いかどうかを証人に確認する意義は何ですか? 弁 では、赤いように見える、それで回答はよろしいでしょうか? 畑 赤く見えることの解釈は別として、赤いか赤ではないかといえば、赤が正しいです 弁 では赤いところは相対的高灌流であり、血流低下がある それは違うのでしょうか? 畑 説明が必要です 視床が正常という前提が必要であり、3D-SSPでは正常な部位を基準とします なのでこの手法で3D-SSPを用いるというのは、そもそもやってはならないのです GSK弁護士 原告弁護士は相対的低灌流を相対的高灌流と誤って発言したと思われます 弁 失礼しました ご指摘の通りです 畑 3D-SSPは1つの元データを、全脳平均・視床・小脳・橋の4か所の基準で確認する必要があります 弁 視床基準だけで異常が見られた場合 これをもって異常と判断してもよいのではないでしょうか? 畑 誤りです 脳SPECTでは視床基準のみ異常が見られた場合、エラーを見ているだけと判断すべきです 中西(期待を裏切らない再登場) はい!わかりました! 証人はもう結構です 製薬会社弁護人&裁判長 証言を遮らないで下さい! 畑 100%のケースでこれが正しいわけではないですが、視床を正常と仮定すべき この画像をもって異常と判断することは誤りです 中西 私は納得ができないがね 多くのHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)患者でのZ map分析では、相対的低灌流域が見られている ここに記載のある患者は異常と言えるのでは? 畑 そもそもそこに記載されている “減弱像のZ map” という言葉の意味が不明であり、私は使ったこともなければ聞いたこともない むしろこの意味を私に教えてください 中西 方法、に書いていますけどね この全脳基準でも、19名のHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)患者では特定の領域で有意な灌流量低下が見られています これも見たことがない? 畑 この論文のデータベースの使用法そのものが不適切 ノーマルデータベースを用いて患者1人1人をそれぞれ解析して、ここに異常、ここにも異常と挙げている 通常のエビデンスのある手法とは著しく異なるので、この解析では何の推論もできません 中西 それこそが科学的データの集積では? 畑 誤ったデータを集積させても、それはむしろ有害です というのは、、、 中西 !!!(怒鳴って話を中断させる) 製薬会社弁護士 明らかに話の途中で遮るのは不適切です 中西 話が長すぎる! 製薬会社弁護士 いや、明らかに、、、 裁判長 いえ、この点に関してはもう大丈夫です それに証人の話の長さは、午前中よりも改善していますし(会場・畑澤先生を含めて笑) 中西 別の専門家が出したデータに対して、それが有害になるというのは言い過ぎでは? 畑 誤った方法で誤った結論を導くのは有害です その論文の話ではなくとも、これは科学の一般論です 先ほどの明らかに慣れていない女性弁護士へ交代 弁 再び荒田論文に関して伺います。 証人はこの論文の問題点として、カラースケールがない点や、原画像を確認すると異常とは言えないと証言していますね? 補足:鹿児島大学病院神経内科荒田仁による未査読論文、脳SPECT検査でHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の存在を主張 以前の法廷で畑澤先生が論文の問題点を複数指摘し、科学的価値のない”ただの読みもの”と評価 畑 はい、そうです 弁 「臨床医・RI技師のための脳SPECTパーフェクトガイド」 この教科書を作成しましたね? 畑 作成しましたが、詳細な内容までは覚えていません 弁 右内頚動脈血栓の術前術後のカラースケールを見ると、赤に近ければ血流が上昇し、青に近ければ血流は低下している それでよいですね? 畑 カラースケールには種類があります これは治療前後の比較をしていますが、一概に赤だから血流増加で青だから血流低下ではない 色分けは目的に応じて使います あくまでもこの画像は脳血管障害による大きな血流差を見ています 弁 次は単純ヘルペス脳炎の項目です こちらはモノクロ画像ですが間違いないですか? 畑 これは白黒だと、、、分かりにくいですね、、 弁 証人は意見書ではこの項を引用していますが、、、、(明らかに困惑) 畑 ずいぶん前のことなので、はっきりとは、、、、(お互いに困惑) 弁 ここではコントラストを比較しており、カラースケールはないですね 畑 教科書のこの部分ではそうですが、実際の診断時にはカラースケールも用います 弁 荒田論文が投稿された雑誌”臨床核医学”の投稿規定には、カラースケールの有無はありませんね 製薬会社弁護士 異議あり 論文が投稿された時期に、その投稿規定があったか不明です 裁判長 証人は当時の投稿規定を知っていますか? 畑 はい、知っています この雑誌の投稿規定には、投稿された論文に事務局が手を入れることが許されています 普通の医学雑誌ではありえないことであり、そういうジャーナルだろ理解しています 私の投稿にも手を加えられていたことがあります 裁判長 規定の時期は分かりますか? 畑 分かりません 長期間かと 弁 ご自身の文献で、てんかんの発作時と間欠時の脳SPECT画像を使用していますが、カラースケールは使用していませんね 畑 脳の左右の血流差を見ている文献ですが、カラースケールを使用する必要がなかったからです 目的に応じて使用します 弁 では発作時と間欠時をどのように判断していますか? 畑 まずは原画像で判断します そしてこの文献は原著論文ではなく、画像を広く知ってもらうために書いた文献です 目的が異なります ここで10分間の休憩 原告支援者たちからは、、、 ・なんかよくわからない ・薬害を起こしたのに誠実さが足りない ・オンラインでまたカワバタ先生(?)に教えてもらいましょう、いつもすごくわかりやすく教えてくれるの 毎回毎回、原告支援者たちは休み時間のたびに「よく分からない」と連呼しているが、それでも傍聴に来るのは偉いですね 非科学的で煽情的な反HPVワクチン報道を繰り返してきたマスコミも、少しはその姿勢を見習ったら??? 慣れていない感じの女性弁護士で継続 弁 検査時の部分容積効果についてうかがいます 大雑把に言えば、赤・青で血流量を判断してもよいのですか? 畑 そうですが常に変動しています 体温など同様と考えていただければ 弁 健常者でも青く見えてしまいますか? 畑 1秒ごとに揺らぎが生じます 大脳皮質には1秒で80ccの血流があります 脳SPECTの画像では解像能力に差が生じます なので、”画像で血流が低下しているように見える”からと言って実際に血流が低下しているとは限りません 弁 実際に血流が低下している場合には、脳SPECTではどのようになりますか? 畑 その場合、脳SPECTではもっと明らかに低下しているように見えます 大脳皮質の薄い部分では、適切な画像��フトウェアを使うという方法もあります 弁 より青ければ、血流低下はあると判断できるということですね? 畑 一般的にはそうです 弁 この画像では? 畑 異常に低下しているように見えているだけです 実際にはあったとしても数%の差なので、その画像を見て異常だと判断する方が危険です 弁 紙ではなくディスプレイで見ても、そうなのでしょうか? 畑 そうです 信号の強度をより正確に確認するために、白黒の画像を用います カラーの場合はわずかな差でも大きな差に見えてしまうことがある点に、注意が必要です 弁 この論文では血流低下は評価できないのでしょうか? 畑 正しく診断するには、多数の正常・異常の画像パターンが頭に入っていなければなりません この方の脳血流は正常です 弁 シルビウス裂の血流に異常が指摘されている、免疫吸着療法の前後の脳SPECT画像です 解剖学的標準化を行っていればシルビウス裂の評価は可能ですね? 畑 シルビウス裂は位置や大きさの個人差が大きく、脳SPECT・3D-SSPではエラー信号が生じやすい 異常や正常の判断基準から外す必要があります 原画像を確認して判断すべきです 弁 橋本脳症の3D-SSP画像です ここがシルビウス裂でしょうか? 畑 そうです 弁 解剖学的標準化を行えば、シルビウス裂の評価ができるのではありませんか? 畑 申し上げたように、もともと個人差が大きい部位であり、さらに加齢によってその差は増大します 弁 しかし画像を見ると、血流が低下していると解釈できるのではありませんか? 畑 誤っています この画像ではシルビウス裂だけではなく、側頭葉先端・前頭葉下部にも信号が見られます エラーが出ている状態です この場合も、原画像を確認したうえで推論されるべきです 弁 荒田論文では免疫吸着療法を行う根拠として、シルビウス裂での信号増幅を挙げています 以前の法廷で、証人はこれを批判していますね? 畑 批判ではなく、画像を評価するにあたって正確な手法を用いることを勧めているのです 弁 解剖学的標準化を行えば、3D-SSPで評価は可能だと思うのですが、、、 畑 違います 画像撮影時の頭の位置、あごの位置などの差によって、同じ患者でも3D-SSPの結果は異なります なので、免疫吸着療法の前後で3D-SSPを用いて評価することそのものが不適切です 原画像を見て判断すべきです 弁 マーカーなどを設置すれば、大丈夫なのではありませんか? 畑 20分間程度の検査でも、微妙な動きやずれは生じます そのため、検査の前後でも異なった画像になります 弁 証人は正常データベースの年齢との不一致を問題にしていますが、年齢が一致していれば3D-SSPを用いてもよいのでしょうか? 畑 同じ人物であっても、治療前後の評価に3D-SSPを用いることそのものが不適切です 原画像を比較する必要があります エラーが生じている3D-SSPのみを使用して判断することは、正しくありません 弁 治療効果を判断するためのサブトラクションは、てんかん発作に有用でしょうか? 畑 はい 原画像にそのように用いることで、てんかん発作の部位、焦点を判断するのに有用です 弁 原告27番の画像です 鹿児島大学病院で脳SPECT・3D-SSPによって脳血流に異常があるとされています 原画像を確認しましたか? 畑 ここに提示されているのはあくまで原画像の一部です もっと細かいのが原画像です その原画像は全て確認しました ここで提示されているのは、ごくごく一部の画像に過ぎません (いつものことだが、ここで傍聴席の原告支援者には睡眠に突入している人々が散見。いびきがうるさいおっさんもいる。勘弁してくれ。あんたら真面目に原告女性たちを応援する気、本当にあるん?) 弁 脳血流SPECTでは、必ず原画像が必要ですか? 畑 3D-SSPは補助診断にすぎません あくまで原画像の所見を優先します 弁 右後頭葉・側頭葉の血流低下はありませんか? (鹿児島大学病院で脳の血流異常と診断された原告の画像に対して) 畑 はい、まちがいありません 弁 鹿児島大学病院の報告では、RI検査の結果でも軽度の左右差ありとのことですが? 畑 どのようなプロセスでそのような判断に至ったのかが分かりません 弁 報告書は見ましたか? 畑 血流異常があると鹿児島大学病院で判断されて、鹿児島大学病院から提供されたすべての画像を確認しました 全例において異常はありませんでした 弁 鹿児島大学病院で異常があると読影した医師は、解剖学的標準化を行っていましたか? 畑 記載がないのでわかりません 弁 鹿児島大学病院では解剖学的標準化を考慮したのでしょうか?無視したのでしょうか? 畑 わかりません ただ、解剖学的標準化を行われなかった結果で出てくることの多い典型的なエラーに見えます 弁 HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)に関しての池田修一論文ですが、読みましたか? 補足:信州大学神経内科もと教授池田修一らによる未査読論文 池田修一はマスコミに対してHPVワクチンに関する不適切な研究発表を大々的に行い、厚労省と信州大学から厳重注意を受けたのちに開業医に転身 現在に至るまで、査読を受けたHPVワクチンに関する論文はゼロ 畑 はい、画像分野に関しては それ以外の領域は私は専門家ではないので 弁 池田修一医師はHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)と診断された163人をもとに、診断基準を作成しました 診断基準を確認します 補足:信州大学神経内科もと教授池田修一 池田修一はマスコミに対してHPVワクチンに関する不適切な研究発表を大々的に行い、厚労省と信州大学から厳重注意を受けたのちに開業医に転身 現在に至るまで、査読を受けたHPVワクチンに関する論文はゼロ ① 前提条件 HPVワクチン予防接種後(期間は限定しない) HPVワクチン接種前には明らかな異常がない ② 症状 広範な痛み、関節痛、全身疲労感、起立性障害、月経異常など合計10項目 ③ 他覚的所見 脳SPECT検査を含む合計6項目 脳SPECTが含まれていますね 畑 全く理解ができない!(この法廷で唯一、畑澤先生が語気を荒くした瞬間) 脳SPECTを加えるべきではない この診断基準がどのような根拠をもって作られたのか、エビデンスがないです 弁 HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の確定診断には脳SPECTも使用される、そう記載されていますね 畑 はい ただ脳SPECTを使用する根拠はありません “脳SPECTの異常”の定義も定められていません 大変、深い憂慮を感じております 弁 脳SPECTだけでは、判断できないのでしょうか? 畑 池田修一医師や、それに属するグループがなぜこのような基準を作ったのかが分かりません 補足:信州大学神経内科もと教授池田修一 池田修一はマスコミに対してHPVワクチンに関する不適切な研究発表を大々的に行い、厚労省と信州大学から厳重注意を受けたのちに開業医に転身 現在に至るまで、査読を受けたHPVワクチンに関する論文はゼロ 私は核医学のことならわかります 脳SPECTが本当に有用ならまだよいのですが、かなり無理があります 医学の世界で到底受け入れられる主張ではありません ここで最終弁論へ向けて10分間の休憩 寝ていた支援者たちも目が覚めた模様 ・のらりくらり言っててよく分からない ・あーあ、イライラするわ などの愚痴が聞こえる この方々が理解できる日は、永久に来ないでしょうね ここからはGSK弁護士が畑澤先生に質問し、これまでの内容を補完する形になる 製薬会社弁護士 証人が全く分からないと、途中で話に出た”減弱像Z map分析”に関してです 英語だとdecrease viewのことで、Z scoreは2を基準とされているようです 畑 それなら分かります 血流低下部位を判断するために用いられます 製薬会社弁護士 それを踏まえて、今回の3D-SSPではどうでしょうか? 畑 これだけでは血流低下を判断できません 製薬会社弁護士 ノーマルデータベースとHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)患者を比較した場合に、違いはありますか? 畑 ノーマルデータベースを作成するには、対照群として多数の健常者が必要になります また、同じカメラ、撮像パラメーター、フィルターなどの条件を統一する必要があります それができていなければ、3D-SSPやZスコアはいくらでも変化してしまいます 今回の論文ではそれができていません 製薬会社弁護士 今回の論文では、他の病院での19人分のデータも併せていますが 畑 ゼネラルエレクトリック社のカメラでノーマルデータベースが作成されていますが、そこに併せられた19人分の他院のデータに関しては、撮影条件が不明です 製薬会社弁護士 鹿児島大学病院で脳血流に異常があると診断された原告27番を含めると、3人か4人分のデータの提供を受けましたね 結果はどうでしたか?また、鹿児島大学病院放射線科の作成したレポートは見ましたか? 畑 まずは鹿児島大学病院放射線科の読影レポートを確認せずに、原画像を含めて読影しました 全例で異常は見られず、正常な脳の画像と判断しました その後に鹿児島大学放射線科の読影レポートを確認しました 鹿児島大学放射線科も異常なし、と診断していました 異常の可能性も疑われるという旨の記載がされているレポートもありましたが、私が確認したところ異常はありませんでした 製薬会社弁護士 検査においては感度と特異度が重要とお話しされていましたね 畑 感度というのは、ある病気の検出を行う指標です 特異度というのは、実際には病気ではない人を判断する指標です 100人中50人が病人、50人が健常者という集団があったとします ある検査を行ったところ、この全員に陽性反応がでた場合には感度100%で特異度0%になります 精度は50%です 病気でない人も、病気であると判断してしまう検査になってしまいます 検査では感度・特異度はともに高いことが望ましいです 製薬会社弁護士 感度100%、特異度0%の検査があったとして、それには意義はありますか? 畑 コイントスと同じです 検査に意義はありません もし院内で他の診療科の医師からそういった意義のない検査を依頼された場合、私たちは断ります 検査の意義を説明して、再考を促します 製薬会社弁護士 証人は、今も脳SPECTの診断を行っていますか? 畑 私は1970年から放射線科の医師として多数の画像を診てきました 2019年に大阪大学病院の教授職を退官したのちにも、今も大阪大学病院で勤務をして医療現場で診断業務を行っています 本当なら、本日月曜日も勤務日なのですが(笑) 画像診断はこの裁判での中心的な問題の一つです 新しい科学技術が開発されて、それが医療現場に応用されてきました 3D-SSPもその一つです 日本人である箕島聡先生がアメリカに渡って開発し、世界に広まった技術です 認知症、特にアルツハイマー型認知症において非常に有用な検査です ただしあくまで補助診断なので、その利用においては原画像を確認することが重要です 専門家へ相談せずに誤った使用を行えば、誤った結果が導かれてしまいます エビデンスの積み重ねの失敗につながります 中西(久々の登場、やったぜ) 今回の論文でのDecreased viewに関してですが、脳SPECTの撮像条件や他院を併せて19例のデータは、診断にあたって満足できる数でしょうか? 畑 2016年の大西論文では、ノーマルデータベースは多ければ多いほど望ましいと判断されています 20例以上が望ましいのですが、19例であれば数だけなら絶対にダメというほどではありません 男女が混ざっているので、精度の限界はあります 中西 ノーマルデータベースを作成するにも、健常者に放射線を浴びせる必要があります なのでどうしても制約はあります それはご存じですか? 畑 はい 日本では健常者と判断された上で、データベースに登録をしていただいたのは5例です その困難さはよく分かります それを考慮した上で、解析には十分に注意すべきです 画像を見て、異常に見えたから異常にする、というやり方は好ましくありません 中西 こちらが提示した論文では、HPVワクチンを接種していないノーマルデータベースを作成している それに、撮影にあたっての薬剤の投与量や撮影条件も詳しく記載されていますがね? 畑 専門家から見れば、何も書いていないに等しいと言えます カメラの機種や感度やフィルターや組織減弱係数など これらは核医学の論文では必ず記載されるように、2012年から公表されています この法廷で提示された研究には再現性がありません 科学的エビデンスとは、再現性の積み重ねが必要です そういったデータとはいいがたい 中西 私は、この論文の記載は詳しいと思うんだけどね 製薬会社弁護士 異議があります あなたの個人的感想は聞いていません 中西(だったか、後半で出てきた女性弁護士��記憶が曖昧) 最後に質問です ハンチントン病の脳SPECTでの感度・特異度はご存じですか? 畑 この場でハンチントン病の脳SPECTの感度・特異度を思い出して、答えることはできません 向かって右の裁判官が初めて口を開く(以下、右と略) 既知の疾患では、例えば脳血管障害・認知症・てんかんでは、脳SPECTでの感度・特異度は判明していますか 畑 しています 右 新しい疾患が疑われた際に、脳SPECTでは感度・特異度をどのようにして出すのでしょうか 畑 初めのころは感度も特異度も分かりません 脳血管障害に関しては、MRIでの血流低下を確認して、その後に補助的に脳SPECTを施行する過程で確立したデータが得られるようになりました てんかんでは約10%に難治性てんかんがあり、病巣を特定して手術を施行する過程でデータが確立してきました IDG-PET検査を含めたその後の追試を得て、現在に至る過程で感度や特異度は判明していきます 新しい疾患への検査というのは、多くの病院で実施されてから、ガイドラインが確立していきます ここで傍聴席の中年男性から唐突に 「おう、ひっくりかえしてやるよ!」との声 治安が悪いですね 右 脳炎や脳症の診断に脳SPECTが適切ではない理由は、感度・特異度が不明だからですか? 畑 そういった疾患は極めて稀であり、症状が多様です 少数の症例報告などはあっても、エビデンスとはいいがたいです 医学の世界でのコンセンサスが確立するのを待つしかなく、感度や特異度は現状では不明です 閉廷 (畑澤先生は開廷時と同様に、深々と原告席に一礼して退席) 以下:以前記載した傍聴感想文に加筆・修正 これが今回のHPVワクチン薬害訴訟です。メモが追い付かない、理解できていないなどの点もありますが、ほぼ全容といってもよいかとは思います。 ある程度以上の理解力がある方ならば、このHPVワクチン薬害訴訟と弁護団の実態も伝わったかと思います。 医者から見れば、開いた口が塞がらないレベルの茶番に見えるでしょう。 この薬害弁護団を正義の味方として祭り上げてきたマスコミの方々も、まさかここまでとは思っていなかったのではないでしょうか。 マスコミ報道だけを鵜吞みにしていた一般の方々は、騙されたと思うかもしれません。 しかし、これがこの裁判の実態です。 HPVワクチン接種後に体調を崩した少女たちに向けてマスコミが旗を振って、結果的にこの裁判へと導いたのです。その責任は甚大ですが、反省や謝罪を表明したマスコミは皆無です。 もちろん厚労省にも大きな問題があります。 鹿児島大学病院や、信州大学病院の責任は、紛れもなく甚大です。 自分が直接お話を伺ったところ畑澤先生も憤慨していましたが、特に鹿児島大学病院のガバナンスには間違いなく大きな問題があります。 現在、日本中の産婦人科外来では数多くの日本人女性が子宮頸がん・前がん病変と診断されて通院されています。そのうち、若い世代の女性たちは本来HPVワクチンを適切に接種していれば、そんな事態を避けられた可能性が極めて高いという事実も判明しています。 この裁判は2016年から開始され、既に10年間が経過しています。それぞれの地方裁判所の判決が出るのは2027-2030年ですが、タミフル薬害訴訟のように最高裁までいくならばまだまだ長期に渡ります。 原告やその関係者の方々も、一度はフラットな目線で上記の記録を参考にして頂いてもよいかとは思います。 超長文でしたが、ここまでお読みいただいてありがとうございます。 これは日本の数多くの女性たちの健康や命に直結する問題です。 一人でも多くの方やマスコミの方々が、この問題に関心を持つ契機になれば幸いです。 最後に、今回の法廷終了時に原告支援者たちがの呟きを紹介して、今回の傍聴記録を終了します。 マスコミや鹿児島大学病院やHPVワクチン薬害訴訟弁護団などによって訴訟に巻き込まれてしまった女性たちに対して、このような発言や考え方をする事が本当に適切なのかを、再考する必要があると思います。 “確かにSPECTではワクチン後遺症の判断ができないことは分かったよ。でも、エビデンスエビデンスって言うけどさ、ワクチンを打ったらこうなっちゃったという事実がすべてなんだよ。だから国や製薬会社はワクチン後遺症を認めて、治療方法を開発する姿勢を見せないと誠実じゃないよ。” なおこの記事は、自分が自腹で交通費・宿泊費などを負担し、丸一日を傍聴に費やし、8時間ほどかけて書き起こしました。 ここまでお読みになって良記事だと感じた方は、投げ銭も頂ければ非常に嬉しいです。 頂いたお金に関しては、今後の傍聴レポート作成の経費にさせて頂きます。 投げ銭は以下からお願いします↓
【必読記事:薬害を捏造する医師・弁護士たち】2025年4月14日 HPVワクチン薬害訴訟傍聴記録⑧|たぬきち
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2024-6月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「中華」です◆
今月は参加者の皆様に「中華」のお題でアンビグラムを制作していただいております。中華といえば漢字発祥の地。現代の蒼頡たちの宴をご覧ください。今月も逆さまな作字が集まっております。
ではまずはdouse氏から。

「麻婆茄子」 回転型:douse氏
180°回転させても同じように麻婆茄子と読めるアンビグラムです。中華には「福到了」という福の字を上下逆さにひっくり返して貼るアンビグラム的な縁起物の風習がありますが 本作は麻婆茄子が無限に到来しそうな御目出度い回転字面になっています。対応解釈が最高ですね。この語句でこの文字組みが出来るのはきっとdouse氏だけでしょう。

「酢豚」 回転型:peanuts氏
世界範囲で有名な中華料理の一つです。酢豚は日本で付けられた名称で 中華料理においては広東料理の「古老肉」や上海料理の「糖醋排骨」が該当するようです。本作は作字のデザインと対応解釈が高次で両立した理想的アンビグラムです。「乍/月」部分のギミックは美しくてかっこいいです。

「酢豚」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
左右の鏡像図地で酢豚。作者いとうさとし氏はネガポ字(図地反転)の達人です。本作は真ん中から折りたたむとピッタリ嵌ります。まるでこの漢字がもとより嵌り合う構造を持っていたかのような自然さです。
「回鍋肉」 図地反転鏡像型:douse氏
四川料理の一つ。本作は斜め鏡像の図地反転アンビグラムです。文字の組み方がテクニカルでブリリアントカットされたような光学的な装いが抜群にカッコいいです。

「回鍋肉」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
上下の鏡像で図地反転になっている回鍋肉。日本語のアンビグラムは2022年に入ったころから飛躍的に進化発展した印象がありますが とくにネガポ字(図地反転)の進化は顕著で 英語圏でも作例はさほど多くないこのジャンルが日本ではたくさん作られるようになりました。それも本作の作者いとうさとし氏の尽力が大きいでしょう。
「酸辣湯」 鏡像型:螺旋氏
中国料理のスープの一つで 酸味・辛味・香味が特徴。本作は斜めの鏡文字で組まれています。斜めの鏡像型は漢字のアンビグラム制作に向いた対応だと思います。うまく作ればアンビグラムだと見破られない作字が可能で 本作も「束」部分が自然で驚きます。

「中華そば」 敷詰振動同一型:Jinanbou氏
発想が面白いです。「華」の字の中に異なる文字を幻視し抽出するその眼力には感服します。これは文字に隠された秘密のゲシュタルトを解析する行為でアンビグラム作りには欠かせないセンスです。

「青椒肉絲」 重畳型:きいろいビタ氏
ピーマンと細切りにした肉などを炒めた中華料理。本作 重畳型は同じ図形で韻を踏み 青椒肉絲と読ませるアンビグラムです。そのまま亜細亜のどこかの国で商品のロゴとして使用されているのではと思えるほど完成度が高いレタリングです。
「杏仁豆腐(⿸广フ)」 旋回型:Σ氏
中国発祥のデザート。135°回転の旋回型アンビグラムです。「腐」の字が「广」の中に片仮名の「フ」を入れた略字になっているところが凄すぎます。この略字は実際にゲバ字(アジビラ文字)などで使用例があります。柔軟な発想ができる人のアンビグラムは読みやすいですが 本作は作者Σ氏のアンビグラムが優れている理由の一端が垣間見える好例です。
「中華/北京/上海/広東/四川」 共存型(回転・鏡像):ラティエ氏
一般に四大中国料理と言われている4つの場所に お題をプラスした多面相アンビグラム。なんと5パターンの変化が起こる作字なのです。北京/上海/広東/四川は回転型で 大きく表示された中華はその鏡像になっています。 多面相漢字アンビグラムの制作はある種「挑戦」ジャンルです。多面相を作ろうとするその発想や度胸だけでも凄いですし 本作はその挑戦に成功していると思います。
「横浜中華街」 回転型:ぺんぺん草氏
東アジア最大の中華街を回転アンビグラムに。細かい説明は無用の傑作。この完璧な対応解釈をご覧ください。けしてアンビグラマビリティは高くない語句ですが冷静的確に作字されています。最高です。
「神戸」 回転型: 「長崎」 鏡像型: 「横浜」 重畳型:.38氏
日本三大中華街。それぞれ趣向を凝らした楽しい対応解釈で可読性も充分高い設計です。 これは文字数寄にはたまらない作字ですね。そのまま都市の紋章に使用してほしいナイスデザインです。

「横浜中華街散策中隠処的拉麺店発見」 回転重畳型:超階乗氏
ブレードランナーに出てきても違和感のないサイバーパンクアンビグラムの名作。文字の各所に丼図案などが組み込まれていて そのおかげで回転重畳構造を把握しやすい親切設計です。回転重畳型とは ある図形の上に同じ図形をレイヤーで重ね、上に重ねた図形だけを規則正しく回転させて文字を形成するアンビグラムです。
「西安」 回転型:うら紙氏
陝西省の省都で、旧名は長安というのは有名でしょう。 かっちりした輪郭でありながら墨のカスレを生かしたステキなタイポグラフィですね。アンビグラマビリティの高い語句ですが図案としてきれいにまとめるには作家の力が必要で、うら紙氏はその能力に長けています。

「Qingdao/青島」 図地反転回転共存型:ヨウヘイ氏
青島(チンタオ)は中国有数の港湾都市・商工業都市・国際都市。 図地反転で漢字の隙間にアルファベットを見出そうとすると、青島は横画が多くて打ってつけの言葉なのですね。省略があっても読み取りやすい作品です。

「シャンハイ」 旋回型:つーさま!氏
上海は中国で最高位の都市である直轄市の一つ。 五面相の旋回型。「シ/ン」の点の有無のみの差をどう表現するか難しいところですが、少し角度を変えるだけで違って見えてきますね。羽様の形状とグラデーションも読みやすさに一役買っています。すばらしい作品です。

「万里の長城」 回転型:douse氏
中国にある城壁の遺跡。中国の象徴の一つでしょう。 回転中心の作り方が見事です。「の」が伸びているのも不自然に見えず、「長」の横画を切っているので「長」のバランスもよく見えます。「万/戈」の字画接続の切り替えが見事ですね。さすがの一作です。

「麺/龍」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
どちらも中国を象徴するものでしょう。 自然に読めすぎて言うことがないですね。図地反転にピッタリすぎる組み合わせが今回のお題によって発掘されたと言えるかも知れません。一点、「龍」の上部の突き出した部分は作者も悔しいところだと想像しますが、それを差し引いても可読性最高の傑作です。
「伝奇/でんき」 振動型:kawahar氏
中国の古典的な演劇である戯曲形式の1つ。 氏の得意な「読み漢」で一作。ぐにゃりとした書体が「ん/ム」の振動などにマッチしていますね。読み漢はひらがなしか読めない人にも漢字が読めてしまう実用的な手法ですが、適用できる漢字は少なく本作のように限られた言葉だけです。
「太極図」 図地反転回転型:lszk氏
「易」の生成論において陰陽思想と結合して宇宙の根源として重視された概念である「太極」を表した図。 中央の「極」に本家の陰陽魚太極図があしらわれています。太極図の円形を「太・図」にもあしらって統一感を出していますね。図と地が絡み合い逆転しながら文字を形成しているところが、陰と陽が互いに飲み込みあい無限に繰り返す太極の思想を表しているようです。

「造書 研究」 回転共存型:意瞑字査印氏
「造書」を90°傾けると「研究」と読める対応です。造書とは文字を造るという意味。『蒼頡、鳥獣蹏迒の跡を見て分理の相別異すべきを知り、初めて書契を造る』 そのむかし蒼頡という人が鳥獣の足跡をヒントに漢字を発明した故事からの語句選択です。なるほどアンビグラム制作とは 新文字を発明する行為とも言えますね。

「東夷/西戎」「南蛮/北狄」 回転共存型:兼吉共心堂氏
四つまとめて「四夷」、古代中国で中華に対して四方に居住していた異民族に対する総称。 筆文字の効果を生かした表現がすばらしいです。「夷/西」「虫/北」ではカスレにより字画の本数を増減させ、「南亦/狄」では墨垂れで字画密度差を克服しています。真似が難しいテクニックです。
「東夷」「西戎」 重畳型: 「南蛮」「北狄」 振動型:lszk氏
「四夷」は「夷狄」あるいは「夷狄戎蛮」とも。 お誂え向きの言葉がきれいにそろっていたものですね。というのは簡単ですが読みやすく仕上げるのは難しい字形もあります。氏は知覚シフトのバランス感覚が抜群なので調整の妙もさることながらこの対応にも気付けるのでしょう。

「劉備玄徳/関羽 張飛」 回転共存型:KSK ONE 氏
「蜀漢」を建国した劉備と、劉備に仕えた関羽・張飛。三国志の武将からのチョイス。 髭文字ならではのハネなど遊びの部分を生かした作字ですね。一文字目の「劉」が読みやすくすらすらと読みを捕まえることができます。関連する名前同士でうまく対応付けできるのが運命的ですね。
「熊猫」 敷詰図地反転型:松茸氏
ジャイアントパンダのこと。 パンダの白黒は図地反転にもってこいの題材ですね。どうやって考え付くのかわからない図案が毎回驚異的で目を白黒させてしまいます。きちんと敷詰できるのか不安になりますがちゃんと隙間なく並びますので安心してください。

「伊布」 旋回型:YФU氏
「イーブイ」の漢字表記。 久方ぶりに参加していただきました。言葉のチョイスも氏らしいですね。図形の長さを読みやすいところに調整するバランス感覚は健在です。

「マオ」 交換式旋回型:ちくわああ氏
かいりきベア氏の楽曲名より。「猫」の意味もある中国語らしい言葉の響きです。 線種を変えているのでかわいらしい作字になっています。対応付く字画も分かりやすいですね。それでもうまく敷き詰めてみるのは骨が折れそうです。

「西游记」 回転型:オルドビス紀氏
16世紀の中国の白話小説、繁体字では「西遊記」です。 簡体字をうまく活用しているのですね。「遊」よりも自然に回りますし、「記」よりも「西」との相性がよく一石二鳥です。「西・记」の右下がりのラインと「游」の右上がりのラインの視覚効果が心地よく作字として最高の仕上がりだと思います。

「 不 此 君 我 / 当 今 災 偶 成 夕 已 為 / 時 日 患 因 長 渓 乗 異 / 声 爪 相 狂 嘯 山 軺 物 / 跡 牙 仍 疾 但 対 気 蓬 / 共 誰 不 成 成 明 勢 茅 / 相 敢 可 殊 嘷 月 豪 下 / 高 敵 逃 類 」 交換型:繋氏
「山月記」より。縦に読んでください。 7×4の組全体を縦横に交換するともう一方になるという超絶技巧です。「爪」(爪痕の装飾がにくいです)を基準にすると見つけやすいでしょう。じっくりご覧ください。
最後に私の作品を。
「截拳道」 交換式旋回型:igatoxin
≪友よ水になれ≫で有名なブルース・リーの武術、截拳道(ジークンドー)から。
お題 中華 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「猫」です。長靴をはいた猫、シュレディンガーの猫、仕事猫、吾輩は猫である、猫男爵、猫目石、煮干し、マタタビ、夏への扉、蚤、百閒、注文の多い料理店、ハローキティ、ドラえもん、など 参加者が自由に 猫 というワードから発想 連想してアンビグラムを作ります。
締切は6/30、発行は7/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
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2023年 1月{フリー} 2月{TV} 3月{クイズ} 4月{健康} 5月{回文} 6月{本} 7月{神話} 8月{ジャングル} 9月{日本史} 10月{ヒーロー} 11月{ゲーム} 12月{時事}
2024年 1月{フリー} 2月{レトロ} 3月{うた} 4月{アニメ} 5月{遊園地} 6月{中華}
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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潮風とオイスター
海洋国家都市リムサ・ロミンサは断崖の上に広がる港町だ。中央の石畳の通りを進めば、潮風に混じって香辛料や魚介の匂いが鼻をくすぐる。リムサの商魂たくましい者たちが軒を連ねる国際商店街通りがある。
左右に並ぶ露店には、色鮮やかな帆布の屋根が張られ、陽射しを和らげながらも客引きの声を反響させている。船乗りたちが好む塩漬け肉や干し魚、香草に漬け込まれたラム酒の瓶、そして見慣れぬ異国の工芸品までもが雑多に並ぶ様子は、まるで港そのものを凝縮したかのよう。それだけではなく武具に宝飾品や細工道具、服飾素材といった品を扱う店も並び、目端の利く冒険者やクラフターたちが、真剣なまなざしで商品を品定めしている。
「ほらほらそこの兄ちゃん! 朝獲れの新鮮な魚だよ! 塩焼きにすりゃ、提督様だって唸るって!」
威勢のいい魚売りの声に、子どもたちの笑い声、そして時折聞こえる酔っぱらいたちの小競り合いまで――それらすべてが、リムサの“生きている街”としての息吹を刻んでいる
潮風が吹き抜ける西国際街商通り――喧騒が入り混じった通りの一角。冒険者は防具屋の店先に立っていた。
「客のフリして、市場の価格を調べてこい……か」
手元の調査書に目を落とし、小さく息を吐く。
「いらっしゃい、うちで取り扱う商品はナルディク&ヴィメリー社謹製のまっさらな新品ですよ!!」
朗らかなルガディンの店主が胸を張った。
「中古は扱ってませんから安心してくださいね!」
棚に並んだプレートアーマーに目を走らせる。鍛えられた鋼の輝き。値札もしっかり確認。
「へぇ……質がいいな。結構な値がついてるが、悪くない」
「ええそうとも、冒険者さん! うちの品なら命が三日は延びるって評判でさぁ!」
軽口を交わしつつ、調査書に一行を走らせる。
続いて足を運んだのは、にぎやかな声が響く小さな露店。
「お客ちゃん、いらっしゃい。キョキョルン、しょーばい、たのしいっちゃ!」
キキルン族の商人、キョキョルンが手を振りながら近づいてくる。
「キョキョルン、いっぱいさーびすっちゃ! 新鮮おさかな、やっすいやっすい!」
並べられた品を見渡すと、ラノシア産の魚、野菜、干し肉に香辛料。値は……そこそこしている。
「たのしそうで何よりだな。……おっこいつは」
「買う買う? 特別、きょー��け大サービスっちゃ!」
露店に並んでいる木箱の中の一つ。潮の香りを含んだ貝がずらりと並んでいた。厚みのある殻の奥からは、わずかにぬめりを帯びた乳白色の身がのぞいている。
「じゃあ、これをくれ」
そう言ってロズリトオイスターをいくつか購入する。これでサンレモンでもあれば生でもいいし、焼いても旨いにちがいない。良い買い物ができたとほくほく顔で最後の店へと向かう。
訪れたのは無機質な雰囲気の道具屋。カウンターの奥にいたゼーヴォルフ族のルガディンがじろりと睨む。
「いらっしゃい、と……見かけない顔だね? あんた、まさか市場調査の覆面調査員じゃないだろうね?」
ギクリとしたが、涼しい顔で返す。
「まさか。たまたま通りかかっただけさ。なにせ、うわさの店って聞いてな」
「……やめてくれよ。うちはおかしな品物なんて扱っちゃいないよ」
疑いの眼差しを感じながらも、道具と値段はしっかり確認してそそくさと立ち去る。全ての調査が終わり、指示にあった場所――通りの外れに行くと一人のルガディンがひっそりと立っていた。彼はベーンシングと名乗った。
「おや、今回はあなたが調査してくれたのかい? どれどれ、市場価格調査書を見せてくれ!」
手渡した書類に目を通しながら、ベーンシングは頷く。
「ふむふむ……あなたの報告によると、今回の価格は波風がなさそうだな。海賊による略奪品が市場に流れ込むと、市場価格が急激に下がったりするからね。こうして日ごろから価格を調べてんのさ!」
「なるほどな。意外と、こういう仕事も侮れないってことだな」
微笑みつつ、ベーンシングから受け取った報酬袋を懐にしまいながら、良いことを思い付いた。仲良くなっておいて損はない。
「ところでこいつで一杯どうだい? さっき旨そうなロズリトオイスターを仕入れてね」
「ほぅ。そりゃあいいな」
ベーンシングが懐から取り出したのは、小さな革の酒瓶だった。海の男らしく、塩気の強そうなラベルが貼られている。
「ロズリト湾のラム酒さ。香草に漬けてあってな、冷やして飲むと、これがまた魚介に合うんだ」
「へぇ、それはちょうどいい」
笑って見せると、ベーンシングも口角を上げた。
「――あっちにあるベンチでどうだい? ここから海も見えるし、潮風が肴になるってもんだ」
市場の喧騒から少し離れた一角。石造りの古びたベンチに腰を下ろすと、目の前には、断崖の下に広がるリムサの港と、碧い海がきらめいていた。
ベーンシングは器用に酒瓶の栓を抜き、小さな木製のコップを二つ取り出した。中にラム酒を注いで差し出してくる。
「乾杯、ってな」
「……調査員仕事に、乾杯」
二人のコップが軽く鳴った。潮風が香草の匂いを運び、舌にラムの甘さとスパイスの刺激が広がる。
「どうだ、悪くないだろう?」
「悪くない。……確かにこの牡蠣と相性抜群だな!」
口に運んだロズリトオイスターは、海の旨味をぎゅっと閉じ込めていた。酒の芳香が後を追って、味わい深い。
「市場ってのはな、モノとカネのやりとりだけじゃねぇ。“街の生きざま”が詰まってるんだ。だから俺たちは、こうして見張ってるのさ」
ベーンシングの言葉に、ふと騒がしい通りの景色を思い出した。売り子の声、子どもの笑い声、そして潮風――それらすべてが、リムサを形作っている。
「悪くないな……この街も、この仕事も」
「だろ?」
どこか満足げなベーンシングの横顔を見ながら、静かにもう一口、ラム酒を喉に流し込んだ。
今日も海を渡って誰かがやってくる。リムサ・ロミンサ――それは、世界と世界をつなぐ港であり、冒険のはじまりの地でもある。
(終)
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『世界で一番美しい工具図鑑 』 セオドア・グレイ 著、ニック・マン 写真、高野倉 匡人 監 (創元社)
工具に歴史あり。
はじめに デウォルト族 道具とは何か? 本書の構成 安全上の注意 ハンマー ドライバービット しゃれたハンマー ポンチ、刻印 ツイストドリル 偶数角のレンチ 奇数角のレンチ パイプレンチ はんだ付け用具 ドライバー(ねじ回し) マレット リベット工具(カシメ工具) フォスナービット(座ぐりドリル) ホールソー モンキーレンチ(クレセントレンチ) 変わり種のレンチ 溶接用具 マルチドライバー スレッジ(大ハンマー)と斧 手動式釘打ち機 ナイフ スクレーパー やすり スニップ(作業鋏) ニッパー 木材用ノコギリ ハックソー(金属用弓ノコギリ) ノコギリの歯 銅製工具 変わったノコギリ 石材用ドリルビット ハンドドリル ソケット&ハンドルセット ラチェットハンドル 鋳造用具 精密ドライバーセット ツルハシ、ピック、バール 動力式釘打ち機(パワーネイラー) ノミ、たがね、彫刻刀 スクライバー(ケガキ針)と千枚通し ルーター ワイヤーカッター 枝切り・剪定鋏 パイプカッター ボウソー(木工用弓ノコギリ) ジグソー 丸ノコギリ 接合用ノコギリ リーマ ねじ切り工具 コードレスドリル トルクレンチ メイカー用ツール スイスアーミードライバー 動力式ハンマー エクストリーム釘打ち機 ハンドグラインダー(手持ち研削機) サンダー 旋盤 ボルトカッター ポンチ/パンチとダイス(押し抜き工具) 空気圧工具 クレイジーなノコギリ レシプロソー マイターソー(卓上丸ノコ) バンドソー(帯ノコ) オーガードリル(螺旋工具) チャック アングルドリル インパクトレンチ 光学機器 スクリューガン 引き抜き工具 裁縫用具 ベンチグラインダー(卓上研削盤) かんな フライス盤 シャー(剪断工具) パンタグラフ ジグ(治具) チェンソー 糸ノコ盤 大型の固定式丸ノコ その他の工具 アンティークなオーガー(螺旋工具) ボール盤 大型ドリル ハンマードリル おもちゃの工具 ビス打ち機とインパクトドライバー 定規 2D測定器 巻尺 プロトラクター(分度器) 水準器 ディバイダとキャリパーゲージ 精密キャリパー、ノギス シックネスゲージ(厚み測定器) ダイヤルゲージ マイクロメーター 特殊なマイクロメーター ハイトゲージ(高さゲージ) 石定盤 マイクロケータ グラバー(はさんでつかむ道具) プライヤー、ペンチ 特殊なプライヤー プライヤーレンチ バイスグリップ 繊細なクランプ 荒っぽいクランプ 小型のバイス(万力) 大型にバイス(万力) 特殊なバイス(万力) プレス機 スプレッダー(拡張工具) ジャッキ マルチツール
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篠田英朗 地政学から見た「緩衝地帯」ウクライナの終焉
篠田英朗(東京外国語大学大学院教授)
「マッキンダーの理論が正しければ、ソ連という衣をなくした後も、ロシアは不可避的に拡張政策をとってくる」。篠田英朗・東京外国語大学大学院教授は、ヨーロッパの国際紛争を理解するためには地政学が重要だと述べる。その視角からロシア・ウクライナ戦争を読み解いていただいた。
(『中央公論』2022年10月号より抜粋)
目次
「歴史の地理的回転軸」
ソ連崩壊後の変化
地政学から見たNATO東方拡大
「緩衝地帯」ウクライナの終焉
ロシアのウクライナ侵攻は特別な要素をいくつか持っていたため、日本でも大きな注目を集め、日本政府の対応も歴史的に特別な内容を持つものとなった。それを反映して、戦争がテレビのワイドショーの話題となり、コメンテーターらが、「ウクライナは降伏して早く戦争を終わらせるべきだ」といったお茶の間受けする空中戦の議論をするような光景も見られた。
しかし最近では、そのようなやりとりも減ってきたようだ。長期的な視座で構造的な問題を捉える議論に、よりいっそう力を入れていくべき時期にきている。
「歴史の地理的回転軸」
2015年の拙著『国際紛争を読み解く五つの視座』では、多種多様な国際紛争を、構造的な事情に着目して理解していくための理論的な視座を五つ特筆した。その際、それぞれの理論が最もよく説明する特定地域も明示した。そこで私は、ヨーロッパの国際紛争を理解するために重要となる理論的な視座は、地政学の理論である、と論じている。
今回のロシア・ウクライナ戦争は、当時描いていた構造的事情の根深さを、あらためて痛感する事件である。東欧から、コーカサス(アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア)を経て、中央アジアへと至る地域は、ハルフォード・マッキンダー(1861~1947年)以降の地政学理論家たちが、「ハートランド」などの特殊な概念を駆使して、その特徴を強調しようとし続けてきた。
マッキンダー以降の地政学は、「大陸国家」と「海洋国家」のせめぎあいとして、国際政治の全体動向を捉えようとする。両者の勢力が構造的な緊張関係を持つのは、ユーラシア大陸の外周に沿った地域だ。なぜなら特に「ハートランド」と呼ばれる大陸の深奥部の特殊地域に位置するロシアが、海洋を求めて南下政策をとり続けるからである。この「大陸国家」の「拡張政策」に対して、「海洋国家」は大陸へのアクセスポイントの維持を目指した「封じ込め」政策をとる。
この構造は、小手先の政策では消滅しない。なぜなら「大陸国家」の「拡張政策」は、その地理的環境から不可避的に発生してくる現象であり、「海洋国家」の「封じ込め」政策も、地理的環境から不可避的な反応であるからだ。そのためマッキンダーはこれを「歴史の地理的回転軸」と呼んだ。「ハートランド」を回転軸にして歴史は動く、ということを意味する。
あまりにも有名なマッキンダーの「歴史の地理的回転軸」論文は、1904年に著された。マッキンダーが19世紀を通じて「大陸国家」の代表者であるロシアと、「海洋国家」の雄であるイギリスの間で繰り広げられた「グレート・ゲーム」を観察し続けた結果、この論文で強調した理論的見解に辿り着いたことは、言うまでもない。
ソ連崩壊後の変化
後にマッキンダーは、第一次世界大戦の勃発を見て、ロシアではなくドイツを、「大陸国家」の雄とみなすようになる。
他方、第二次世界大戦以後、マッキンダーの「歴史の地理的回転軸」理論は、あらためて強い影響力を持つようになった。イギリスにとって代わって「海洋国家」としての覇権を握ったアメリカが、ロシアの拡張政策の発展後継者と目された「大陸国家」の覇者としてのソ連と対峙する冷戦時代においてである。
この「大陸国家」の覇者であるソ連と、その衛星国集団である共産圏の崩壊は、マッキンダー地政学からすれば、構造的な変動をもたらす大事件であった。もっともソ連の崩壊は、マッキンダー理論の時代の終焉ではない。なぜなら、たとえソ連が崩壊しても、その中核で拡張主義的な政策を推進していた「ハートランド」のロシアが持つ地理的性格には、変化はないからだ。マッキンダーの理論が正しければ、ソ連という衣をなくした後も、ロシアは不可避的に拡張政策をとってくる。
冷戦終焉後の新しいロシアの拡張政策の対象となるのは、ソ連の崩壊によって失った地域だ。上述の東欧から、コーカサス、そして中央アジアに至る地域が、それだ。すでにプーチン大統領登場以前の90年代の冷戦終焉直後の時期にも、東欧では、モルドバで沿ドニエストル共和国という現在まで続く未承認国家をめぐる紛争が起こった。92年以降、ロシアは平和維持軍の名目で、沿ドニエストルに軍事駐留し続けている。
コーカサスでは、88年にナゴルノ・カラバフ戦争が勃発していたが、ソ連崩壊後の92年にナゴルノ・カラバフ共和国(アルツァフ共和国)の独立宣言という事態に至る。当初から背景にロシアの影があったが、2020年の第二次戦争以後は、平和維持軍の名目でロシア軍が駐留している。また、91年には同じコーカサスのジョージアで南オセチア紛争が発生し、92年にはアブハジアでも分離独立運動が武力紛争に発展した。現在は国際的には未承認でも事実上の独立国家の状態にある南オセチアとアブハジアを支えているのが、平和維持軍の名目で軍事展開もしているロシアである。
さらに言えば、ジョージアの隣に位置するチェチェン地方で、94年に第一次戦争が勃発した。チェチェンはロシア共和国内に位置しているとはいえ、コーカサス地域としての性格を持つ。つまり、ソ連崩壊によって不安定化したロシア共和国の国境線に近い地域としての性格である。
中央アジアでは、タジキスタンがソ連崩壊直後の92年に内戦に突入した。武力で内戦を勝ち抜いたエモマリ・ラフモン大統領は、現在も権力の座にとどまり続けている独裁者だが、ロシアはその後ろ盾である。タジキスタンは、ロシアが主導する集団安全保障条約機構(CSTO)の92年の条約成立時からの加盟国である。CSTOは、2021年にカザフスタンで暴動が発生した際に平和維持部隊を展開して鎮圧にあたったことで注目されたが、ロシア主導で旧ソ連諸国の安定を図る地域機構としての役割を持っていると言える。
かつての冷戦時代であれば、ソ連が、ワルシャワ条約機構(1955年、ソ連と東欧の8ヵ国が、西側のNATO=北大西洋条約機構に対抗して結成した軍事同盟)の名目を掲げて、共産主義諸国の政治的不安定化に対処するために、軍事介入をするのが常であった。冷戦終焉後の世界では、ロシアが、旧ソ連諸国の争乱に軍事的手段も含めて介入するのが常となっている。
マッキンダー地政学からすれば、冷戦期から冷戦終焉後の時代への転換で生まれた変化は、表層的な問題である。構造的な核心は、「ハートランド」に位置するロシアは、ほぼ運命的に拡張政策をとる、という点である。したがって、マッキンダー理論から見ると、ソ連の崩壊は、ロシアと国境を接する旧ソ連構成地域の恒常的な不安定化を意味する。
地政学から見たNATO東方拡大
こうした情勢を考慮すると、NATOの東方拡大でロシアがウクライナへの軍事介入にまで追い込まれた、といった見方の信憑性が疑われる理由がわかるだろう。NATO東方拡大は、共産主義政権の崩壊という体制変動を経験した旧ワルシャワ条約機構の東欧諸国からの要請にしたがって、進展したからである。
当初、アメリカのクリントン政権は、NATO東方拡大に消極的だった。しかしロシアの潜在的な脅威を恐れる東欧諸国を「力の空白(何者かが事象の統制を失い、誰もそれに代わることができない)」状態に置き続けることは、かえって地域の不安定化につながるという見方が政権内部で大勢を占めることになり、第2期クリントン政権の99年から東方拡大が実現し始めた。
東方拡大を進めるにあたってNATOが採用した政策は、ほとんどマッキンダー理論にしたがったものであった。ロシアを恐れる東欧諸国の懸念に、NATOは、歴史的・地理的裏付けを見出した。そして、東欧諸国をNATOに吸収して「力の空白」から脱出させた。ただしその一方で、ロシアが「近い外国」とみなす旧ソ連を構成していた諸国については、拡大の対象とはしない、という方法をとった。ロシアの「勢力圏」の考え方に配慮したのである。
今やワルシャワ条約機構を構成していた旧ソ連諸国以外の全ての国が、NATO加盟国となっている。他方、旧ソ連を構成していた地域の独立国が、NATOに加入した例はない。バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)は、もともとソ連に併合されたこと自体が無効だったという理解が公式見解であるだけでなく、ソ連崩壊前に分離独立したという点で、旧ソ連を構成していた地域として位置づ���られないと考えることができる。
不可避的なロシアの拡張政策に脅かされる東欧諸国は、「力の空白」から救い出された。しかしどこかに線引きがなされなければならない。そこでロシアの拡張政策の核心と想定される旧ソ連地域に対してまでは、NATOは拡大していくことをしない、という不文律が生まれた。
これは、冷戦終焉後の世界に不可避となった政策的修正を施しつつも、マッキンダー理論における「歴史の地理的回転軸」を完全否定することまではしない、という政策的見取り図であったと言える。
「緩衝地帯」ウクライナの終焉
ただし、マッキンダー理論を意識したからといって、NATOとロシアとの関係が安定したものになるわけではない。むしろマッキンダー理論の意識化とは、「恒常的なせめぎあい」が不可避であることを受け入れる諦念のことでもある。そのせめぎあいの管理の困難から逃れることはできない。
もともとウクライナを典型例とする「緩衝地帯」に曖昧な位置づけが与えられたのは、それぞれの国の内部に、たとえばロシア語話者が多数存在しているなど、ソ連時代の影響の残滓が色濃くあるからでもあった。ウクライナでは、東部地域と西部地域の政治的対立は、2014年頃まで国内政治の基本的な性格であった。それは、国際政治における「緩衝地帯」としての位置づけとも連動していた。アメリカなどのNATO構成諸国のみならず、ロシアもまた、ウクライナ国内の「親欧派」または「親露派」への支援を欠かさないようにしつつ、ウクライナ国内の複雑な事情を理解していた。
14年の「マイダン(ウクライナ語で広場の意)革命」で首都キーウにおける国内政治が、「欧州派」優勢で進んでいくようになったとき、まず国内政治の「バランス」が崩れた。首都における政変を見たロシアのプーチン大統領は、クリミアの併合と、東部地域における分離独立運動への支援という形で、明確にウクライナ領土の分割と自国の「勢力圏」の具体的な確保へと動いた。これによって起こったのは、ウクライナの残りの地域における「親欧派」の勢力基盤の確立であった。特に首都キーウの政治情勢は、一気に「親欧派」優位の方向へと動いた。
この国内政治の動きが、国際政治に連動しないはずはなかった。なぜならロシアの介入による東部地域の紛争の長期化と、国家としてのウクライナの欧米への傾斜は、ほとんど不可分一体だったからだ。ロシアが東部地域を自国の「勢力圏」として固めれば固めるほど、ウクライナは、かつてないほど明確に、NATO及びEUへの加盟を目指すようになった。
この情勢の帰結は、実態としてのウクライナ東部の分離と、ウクライナ国家の欧州化であった。つまり「緩衝地帯」としてのウクライナの終焉であり、地政学的なせめぎあいの最前線としての混乱であった。
今回の侵攻に至るまでのプーチン大統領の考えは、詳細には明らかになっていない。しかしプーチン大統領が、「緩衝地帯」としてのウクライナの終焉を好ましく思っておらず、これを阻止しようとしたことは明らかだろう。ウクライナ東部地域を自国の一部として併合したうえで、残りのウクライナ地域を限りなく自国の「勢力圏」に近いものとして残そうとした。
戦争原因には様々な要素がある。一つの要素が戦争原因の全てだ、という状況はほとんどありえない。そうだとしても、プーチン大統領の思考に、自国に有利な地政学ゲームを遂行する意図があっただろうことは、否定できない。
そこで本稿では、ロシア・ウクライナ戦争を理解する際に求められる、国際政治を構造的に捉える視点を提供する。特に焦点を当てるのは、伝統的な地政学の理論と、ロシア・ウクライナ戦争との関係である。
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