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cazucun · 1 year
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推理小説のトリックについて - WikipediaJP周りの情報ざっくりまとめ
推理小説 - WikipediaJP
推理小説の始祖はエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』とされるらしく、それが1841年。推理小説の黄金期とされる時代が1910年頃から。
ただ、確実に言えるのは、1830年代のイギリスに警察制度が整い、犯罪に対する新しい感覚が生まれたということである。この頃一世を風靡した『ニューゲイト小説』は、ニューゲート監獄の発行した犯罪の記録『ニューゲート・カレンダー』を元に書かれた犯罪小説であり、後の近代推理小説が生まれる基盤を作ったと言える。 権利と義務の体系が整い、司法制度や基本的人権がある程度確立した社会であることも、推理小説に欠かせない要素であろう。 推理小説というジャンルにとって警察組織の存在は大きい。法を手に犯罪者を捕らえる新しい形のヒーローが誕生したからである。その裏側には、急速に都市化が進むイギリスで、一般市民が都市の暗黒部に対し抱く不安が高まっていた、という歴史的事実がある。 そして都市化に伴うストレスのはけ口として、「殺人事件」という素材の非日常性が必要とされていたという見方もある。
推理小説
トリック - WikipediaJP
トリック (推理小説)
トリック (trick) は、主に犯罪行為を隠蔽するための、詭計・たくらみである。ここでは、推理小説などのミステリー作品で描かれるトリックについて述べる。
代表的なトリックジャンル
物理トリック
機械的な仕組みを用いたトリック。
最も基本的なトリックであり、これらを用いたり組み合わせることで、後述の密室トリックやアリバイトリックが作られたりする。
具体例
氷の弾丸を用いた射殺
針と糸で構成された密室
時限殺人装置を使ったアリバイ作り
遠隔殺人装置を使ったアリバイ作り
心理トリック
心理の盲点をついたトリック。
その場にいない人物の名前を呼ぶ演技をするなどして、その場にいた別の人に名前を呼ばれた人物がいたと思い込ませることや、鉄道の乗務員や新聞・郵便配達員などのような、普通は意識に上りにくい人物による犯行、また、単独犯と思い込ませて複数犯、あるいはその逆など。物理トリックの対概念と言え、これもまた他のトリックを達成するための基本トリックとして用いられることが多い。
後述の叙述トリックも、著者が読者に仕掛けるという観点で心理トリックと言える。
密室トリック
死体が発見されるが、その場所への犯人の出入りが不可能に見えるというトリック。
出入りができないことから密室と言う。必ずしも物理的密室であるとは限らず、逃走経路が常に監視下にあった場合や、障子や畳などで構成された部屋でそれらを損壊した跡がない場合など、一見すると脱出が不可能であるというものも含まれる。
推理小説でポピュラーなジャンルであり、世界最初の推理小説と言われるエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』も密室トリックを扱った作品である。しかし、20世紀前半の推理小説の黎明期において現実ではまず実現不可能な奇抜な物も含め、ほぼ出し尽くされてしまった感が否めず、後年はそれらを組み合わせたものが多い。また近年では、トリックそのものより「なぜわざわざ密室を構成したのか」という動機が問われることが多い。
詳細な分類は『三つの棺』での密室講義が詳しい。
『三つの棺』の密室講義
人間が出入りする秘密の通路や、凶器が通れる大きさの穴の類は下等なトリックとして分類からは排除する。
密室内に殺人犯はいなかった。
偶発的な出来事が重なり、自殺や事故を殺人と誤認。
暗示や毒物の効果により被害者が死ぬように追い込む。
室内に隠された何らかの仕掛けによる殺人。
殺人に見せかけた自殺。
すでに殺害された人物が生きているように見せかける。
犯人は室外にいたが、犯行は室内で行われたと誤認される。たとえば室外でのアクションが室内に届き被害者を殺害する。あるいは室外で致命傷を負った被害者が室内に入ったのち死亡する。
未だ生きている人物を死んだように見せかけ後で本当に殺害する。
ドアの鍵が内側から閉じられているように見せかける。
鍵穴に差し込んだままの鍵を糸などで操作し鍵をかける。
蝶番を外す。
ボルトを糸などで操作する。
カンヌキや掛け金を、氷などを利用して部屋を出た後落としこむ。
鍵を隠し持っておき、扉にあるはめ殺しのガラスなどを割ったときに、いち早く中に手を突っ込み抜き取ったふりをする。
外から鍵を掛け鍵を中に戻す。
アリバイトリック
存在しないアリバイを存在するかのように誤認させるトリック。
時間的にあるいは場所的に犯行を行なうのが不可能であったということを偽装する。現実の犯罪でも、第三者に自身のアリバイを頼むことで偽装するということはしばしばあり、裁判でも争点となることがある。
基本的にアリバイとは事件そのものに関わる要素なので、多くの推理小説(ひいてはトリック)は必然的にアリバイが関わってくる。ここで特にアリバイトリックと呼ばれるものは、「犯人に犯行が不可能であったという証明」が重要視されるものを指し、(犯人が)犯人として仮定された場合に初めて効力を発揮するようなものを言う。つまり、「別人に罪を着せる」と言う犯人以外の他者に直接関わるような場合は当然、密室トリックのように「(始めから)誰にも犯行が不可能と思われる」と言うような場合なども、アリバイトリックとは呼ばれない。
トラベルミステリーで頻繁に用いられる「時刻表トリック」は、アリバイトリックの典型例と言える。
詳細な分類は「有栖川有栖のアリバイ講義」を参照。
一人二役トリック
犯人が別の人物を演じたり役割を担う一人二役で嫌疑を免れるトリック。
犯人が装うのは被害者や第三者、あるいは故人や架空の人物など様々。広義には共犯者によるトリック(二人一役、共犯者が被害者に化けるなど)も含まれる。これらは古くは双子トリックが有名であるが、マジックやトリックの基礎ということもあり、簡単に見破られることなどからあまり多用されない。一部では、『十角館の殺人』のような、叙述トリックとして利用されている。
具体的な分類は類別トリック集成の「第一:犯人(または被害者)の人間に関するトリック」が詳しい。また、『類別トリック集成』では最も頻度の高いトリックジャンルとされている。また横溝正史は「密室」「顔の無い死体」と並んで「一人二役」を推理小説の三大トリックとしている。
死体毀損トリック(顔のない死体)
死体に何らかの加工を施すことで事実誤認を招かせるトリック。
被害者の死体を損壊させることで、死因や身元を隠蔽する、あるいは死体運搬手段の簡素化などいわゆるバラバラ殺人を含む。また、フィクションとしては、被害者を別人だと誤認させる、特に犯人が自分自身を被害者であると見せかけるために別の人間を殺害する、などの例がよくある。具体的な方法とし���は、死体の顔を潰す、首を切断して隠す、焼死体にするなどで、顔からの身元判明を阻もうとする例が多く、この場合に特に「顔の無い死体」と呼ばれる。
しかし、指紋鑑定やDNA鑑定といった新しい捜査手法の発達によって死体損壊トリックその物に強い制限がかかり、もっぱらそのような捜査手法が排除できるクローズド・サークルで用いられることが多い。また近年では、例えば見立て殺人において損壊させた意図を隠すためにそれを行なった、といった、死体損壊トリックそのものを別のトリックによって覆い隠すというような例が多い。
「顔の無い死体」の例は古くからあり、江戸川乱歩は紀元前からあると指摘している。具体的にはヘロドトスが『歴史』(紀元前5世紀頃)に記述した「ランプシニトス」 (紀元前12世紀の古代エジプトのファラオであったラムセス3世に比定) の話と、これに影響を受けたと見られるパウサニアスの記録(紀元前2世紀頃)を挙げている。また横溝正史は「密室」「一人二役」と共に推理小説の三大トリックとしている。
叙述トリック
小説という形式自体が持つ暗黙の前提や、偏見を利用したトリック。
典型的な例としては、前提条件として記述される文章は、地の文や形式において無批判に鵜呑みにしてもいいという認識を逆手にとったものが多い。登場人物の話し方や名前で性別や年齢を誤認させる、作中作(劇中劇)を交える、無断で章ごと(時には段落ごと)の時系列を変えることで誤認させるなどがある。
映像作品においても、上記のように無断で時系列を交える、劇中劇を交える、その作品の形式を逆に利用する(倒叙物と見せかけて真犯人が別にいる、など)などがしばしば用いられる。
推理小説の歴史では、アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』を巡って大きなフェア・アンフェア論争が起こったのが有名である。広義の意味でこの作品が叙述トリックの元祖というわけではなく、『アクロイド殺し』と類似するトリックの先行例については江戸川乱歩の「チェーホフ「猟場の悲劇」について」が詳しい。が、この騒動によって叙述トリックが推理小説の1ジャンルとして認知されるようになった。
基本的に、著者が読者に仕掛けるトリックを指すものではあるが、作中に登場した捜査資料・手記といった文章を直接的に明示すること(他の探偵の捜査記録等を原文のまま全部引用するというような様式)によって、作中の探偵と読者が同一の手がかりを得るという、本格推理小説の要請と叙述トリックの面白みを問題なく両立させたものもある。
英語には叙述トリックに対する直接の訳語はなく、「信頼できない語り手」という単語が同義語として使われる。詳しくは信頼できない語り手も参照。
トリックの分類法 - 『類別トリック集成』
類別トリック集成
ジョン・ディクスン・カーの小説『三つの棺』の17章「密室の講義」に触発された江戸川乱歩が、古今東西の推理小説におけるトリックを分類、それぞれの項に簡単な解説をほどこした評論である。 また、下記の分類表からも明らかなようにトリックの分類は第一項から第六項までで、第七項以降はアイデアの分類であって厳密にはトリックではない。特に第九項は乱歩自身「副産物である」と述べている。
第一:犯人(または被害者)の人間に関するトリック
全225例
A.一人二役 - 130例
犯人が被害者に化ける
共犯者が被害者に化ける
犯人が被害者の一人を装う
犯人と被害者と全く同一人物
犯人が嫌疑をかけたい第三者に化ける
犯人が架空の人物に化ける
替玉二人一役
双生児トリック
一人三役、三人一役、二人四役
B.一人二役のほかの意外な犯人 - 75例
探偵が犯人
裁判官、警官、典獄が犯人
事件の発見者が犯人
事件の記述者が犯人
幼年または老人が犯人
不具者、病人が犯人
死体が犯人
人形が犯人
意外な多人数の犯人
動物が犯人
C.犯人の自己抹殺(一人二役以外の) - 14例
焼死を装う
その他の偽死
変貌
消失
D.異様な被害者 - 6例
第��:犯人が現場に出入りした痕跡についてのトリック
全106例
A.密室トリック - 83例
犯行時犯人が室内にいなかったもの
イ.室内の機械仕掛け
ロ.窓または隙間を通しての室外からの殺人
ハ.密室内にて被害者自ら死に至らしめる
ニ.密室における他殺を装う自殺
ホ.密室における自殺を装う他殺
ヘ.密室における人間以外の犯人
犯行時犯人が室内にいたもの
イ.ドアのメカニズム
ロ.実際より後に犯行があったとみせかける
ハ.実際より前に犯行があったとみせかける--密室における早業殺人
ニ.ドアの背後に隠れる簡単な方法
ホ.列車密室
犯行時被害者が室内にいなかったもの
密室脱出トリック
B.足跡トリック - 18例
C.指紋トリック - 5例
第三:犯行の時間に関するトリック
全39例
A.乗物による時間トリック - 9例
B.時計による時間トリック - 8例
C.音による時間トリック - 19例
D.天候、季節その他の天然現象利用のトリック - 3例
第四:兇器と毒物に関するトリック
全96例
A.兇器トリック - 58例
異様な刃物
異様な弾丸
電気殺人
殴打殺人
圧殺
絞殺
墜落死
溺死
動物利用の殺人
その他の奇抜な兇器
B.毒薬トリック - 38例
嚥下毒
注射毒
吸入毒
第五:人および物の隠し方トリック
全141例
A.死体の隠し方 - 83例
一時的に隠す
永久に隠す
死体移動による欺瞞
顔のない死体
B.生きた人間の隠れ方 - 12例
C.物の隠し方 - 35例
宝石
金貨、金塊、紙幣
書類
その他
D.死体および物の替玉 - 11例
第六:その他各種トリック
全93例
鏡トリック
錯視
距離の錯覚
追うものと追われるものの錯覚
早業殺人
群集の中の殺人
「赤髪」トリック
「二つの部屋」トリック
プロバビリティーの犯罪
職業利用の犯罪
正当防衛トリック
一事不再理のトリック
犯人自身がその犯行を遠方から目撃するトリック
童謡殺人
筋書殺人
死者からの手紙
迷路
催眠術
夢遊病
記憶喪失症
奇抜な盗品
交換殺人
第七:暗号記法の種類
(小説の例で)全37例
A.割符法
B.表形法 - 4例
C.寓意法 - 11例
D.置換法 - 3例
普通置換法
混合置換法
挿入法
窓板法
E.代用法 - 10例
単純代用法
複雑代用法
イ.平方式暗号法
ロ.計算尺暗号法
ハ.円盤暗号法
ニ.自動計算機械による暗号
F.媒介法 - 9例
第八:異様な動機
全39例
A.感情の犯罪 - 20例
恋愛
復讐
優越感 
劣等感
逃避
他の犯罪
B.利慾の犯罪 - 7例
遺産相続
脱税
保身防衛
秘密保持
C.異常心理の犯罪 - 5例
殺人狂
芸術としての殺人
父コンプレックス
D.信念の犯罪 - 7例
宗教上の信念
思想上の信念
政治上の信念
迷信
第九:トリッキイな犯罪発覚の手掛り
全45例
A.物質的手掛りの機智 - 17例
B.心理的手掛りの機智 - 28例
密室殺人 - WikipediaJP
密室殺人
密室殺人は、「偽造アリバイ」と並んで本格推理小説の代表的な題材である。
特定の登場人物(犯人)による犯行が不可能であるように見せかけるのがアリバイトリックであるのに対して、登場人物のみならず作品世界の全人類に実行が不可能であるように見せかけるのが密室トリックである。
この見せかける主体は第一に作者であるが、作品中に密室殺人を現出させるにおいては、「犯人の意図」「被害者を含む犯人以外の意図」「偶然の作用」の三つの経路があり、さらにこの三つはしばしば入り交じる。
作者がダイレクトに読者に作用を及ぼす叙述トリックは、密室構成への適用はごく少ない。
密室で他殺死体が発見されながら、室内に犯人がいないという、狭義の密室殺人の場合、以下の要素のいずれかに欺瞞(トリック)が存在する。
外部の力が及ばない
室内で
閉鎖期間中に
他の人間によって
殺害され
閉鎖解除と同時に
犯行と
加害者たり得る人間の非在が
確認される
密室トリックは目的によって2種類に分けられる。不可能を可能にすることと、可能を不可能に見せかけることである。前者はすでに存在する密閉を突破するトリック、後者は犯人が偽の密閉を生成するトリックと言える。
特に長編において、実は自殺、抜け穴、「針と糸の密室」、殺人機械などという解決は批判される。千篇一律の類例、読者の知り得ない技術はアンフェア、気のきいた手掛りを配置し難い、逆に普通に伏線を張れば読者に一目瞭然といった理由である。
意図的な密室の場合まず必要になるのは実行動機である。以下のような理由が、設定された犯人にとっては、密室を作り出す手間や露見のリスクを圧倒しうると読者が納得しなければ、現実的ではなくアンフェアという批判の対象となる。
実行動機が発生時に推測できる場合
自殺に偽装
超自然現象に偽装
殺す相手が密室内にいる
密室内の第三者に罪を着せる
実行動機が解決時まで不明な場合
方法が判明しなければ立件は不可能
事件発覚、または嫌疑をかけられるまでの時間をかせぐ
自己顕示欲の発露、リスクを問題にしない精神状態
実は事故や自殺だった、殺人者があずかり知らぬ偶然や第三者の工作によって密室殺人と化す、などの作例も多い。
密室の分類と密室講義
密室殺人には、不可能状態を作り上げるトリックが必要であり、数多くの作家や評論家が密室殺人の体系的な分類に取り組んできた。作中で探偵役など登場人物によって示される分類を、カーにあやかって「密室講義」と称することがある。
カーの密室講義
「三つの棺」の17章「密室の講義」(The Locked Room Lecture) において探偵役のフェル博士は、密室殺人に用いられるトリックを分類している。概略は以下の通り。
まず
秘密の通路や、それを変型させた原理は同じもの
を除外した上で(博士はきたないやり方と評した)
密室内に殺人犯はいなかった
偶発的な出来事が重なり、殺人のようになってしまった
外部からの何らかにより被害者が死ぬように追い込む
室内に隠された何らかの仕掛けによるもの
殺人に見せかけた自殺
すでに殺害した人物を生きているように見せかける
室外からの犯行を、室内での犯行に見せかける
未だ生きている人物を死んだように見せかけ、のちに殺害する
ドアの鍵が内側から閉じられているように見せかける
鍵を鍵穴に差し込んだまま細工をする
蝶番を外す
差し金に細工をする
仕掛けによりカンヌキや掛け金を落とす
隠し持った鍵を、扉を開けるためガラスなどを割ったときに手に入れた振りをする
外から鍵を掛け鍵を中に戻す
クレイトン・ロースンは『帽子から飛び出した死』(1938)の13章「脱出方法」で、カーのものをほぼ踏襲する形で密室講義を書き、新たに「死体発見時に犯人が室内にいる場合」を加えている。
H・H・ホームズの分類
H・H・ホームズ(アントニー・バウチャー)も『密室の魔術師』(1940)で密室の分類を試みている。
部屋が閉ざされる前に犯行が行われたもの。
部屋が閉ざされている間に犯行が行われたもの。
部屋の密室が破られてから犯行が行われたもの。
カーと比較すると単純な分類ではあるが、犯行が「いつ」行われたのかという点に目を向け、分類に時間軸を加えている点で重要である。
江戸川乱歩の分類
江戸川乱歩は、カーの講義を絶賛したが、これで完全というものではないとして、改編が加えられた。例えば、密室の原因、というものにおいては統一されていない、などという欠点がある。乱歩は『類別トリック集成』(1953)で、カーやロースンを倣っているが、独自に改良を加え、四つの大きな項目に再編した。
犯行時、犯人が室内にいなかったもの。
犯行時、犯人が室内にいたもの。
犯行時、被害者が室内にいなかったもの。
犯行時、被害者が室内にいたもの。
乱歩の分類に対して、泡坂妻夫は『トリック交響曲』(1981)で、二階堂黎人は『悪霊の館』で問題点を指摘している。
例えば、『悪霊の館』の探偵役、二階堂蘭子は、室外から鍵を掛ける機械的トリックをこの中のどれに分類するかが難しいことを挙げている。
また、山口雅也の『13人目の探偵士』(2002)は、基本的に乱歩の分類を踏襲するが、「部屋」と、「被害者」「犯人」「凶器」の三要素との殺人があった時点における関係性という視点を示し、ホームズが示した動的な要素を組み込んだ。
天城一の「密室作法」
天城一が雑誌『宝石』(1961)の密室特集号に「密室作法」を書いた。カー、乱歩など過去の分類を挙げた後に、乱歩の分類の欠点として密室の作り方に触れていないことを指摘し、密室の定義と分類を行った。
天城は、時間Tについて、殺人が犯された時刻R、推定犯行時刻S、被害者絶命時刻Qとしたときに、QとSがRと一致しないことが「手品の種になる」として、密室殺人の定義をT=S において、監視、隔絶その他有効と「みなされる」手段によって、原点O(密室)に、犯人の威力が及び得ないと「みなされる」状況にありながら、なお被害者が死に至る状況をいうとしたうえで、二つの「みなす」に着眼して密室の殺人を以下の通りに分類する。
不完全密室
A1:「抜け穴」が存在する場合
A2:「機械密室」
完全密室
B3事故または自殺
B4「内出血犯罪」
純密室
C5時間差密室(+)推定犯行時刻よりも後に殺人が犯された場合
C6時間差密室(-)殺人が犯された時刻よりも後に犯行時刻が推定されていた場合
C7逆密室(+)被害者を運び込む
C8逆密室(-)被害者を運び出す
C9超純密室
この記事が雑誌掲載以後単行本などとして刊行され、入手が容易となるのは、推理小説論のアンソロジー『教養としての殺人』に収録される1980年を待たねばならなかったが、多くの密室アンソロジーの解説などによってその存在と概要は広く知られていた。
二階堂黎人の密室分類
二階堂黎人の『悪霊の館』では、探偵役の二階堂蘭子が複数の密室分類法の原理を例示している。
密室の構成要素による分類
鍵の施錠法に関する方法等で密室を構成するもの
殺人手段に関する方法等で密室を構成するもの
犯人及び被害者の出入りで密室を構成するもの
密室の性質による分類
犯人が独力で密室を構成出来る場合
機械や動物の手を借りて密室を構成する場合
共犯者や被害者自身の手を要して密室を構成する場合
被害者の自殺や偶然が密室を構成する場合
密室を成立させる要素による分類
心理的な錯覚による密室
機械的な作為による密室
物理的な偽装による密室
また、柄刀一は『時の結ぶ密室』の中で、横軸を機械性・心理性、縦軸を人工性・偶然性として、そこに時間軸を加えて、三次元のグラフを示して密室を分類している。
さらに麻耶雄嵩は『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』の中で、犯人が密室を作る動機の分類を試みている。
アリバイ - WikipediaJP
アリバイ
アリバイ(英: alibi)とは、犯罪などで被疑者・被告人が犯行に関わっていないことを推認させる間接事実の一つ。現場不在証明(げんじょうふざいしょうめい)とも訳される。
ラテン語の副詞 alibī に由来し、これは alius ibī(alius = 他の、ibī = 場所に)の合成語である。
犯行が行われた際、被疑者がその場に存在していなかったことを主張(現場不在証明)し、犯罪の直接的な実行が不可能であったことを主張するのがアリバイである。もっとも、この場合、その人物がその場にいなかったことそれ自体を証明するのではなく、実際にはその時間に別の場所にいたことを主張立証する活動が行われる。
推理小説などにおける扱い
推理小説においては「アリバイ崩し」が見せ場となっており、そのため各々の作家がアリバイの偽装工作にアイデアを凝らしている。アリバイもので著名な推理作家としてはF・W・クロフツやヘンリー・ウェイド、鮎川哲也、笹沢佐保らがいる。
殺人事件が起きた時間が完全に特定できる場合に、その場にいなかった、という場合と、殺人の時間は完全に特定できない、だから被疑者のアリバイもその前後に違う場所にいた、という場合とでは扱いがかなり異なる。後者の方が現実的であろう。
後者においては、アリバイの主張もその間の時間に、事件の現場と被疑者のいた場所の間での移動が不可能だ、ということになるから、普通にはあり得ない移動をどうやって可能にしたかが問われる。これに鮎川哲也が『ペトロフ事件』で初めて列車の時刻表を用いて以降、作品中に時刻表を用いることが定番となった。とくに松本清張の『点と線』は秀逸で、日本のその後の推理小説、サスペンスに一つの定型を作ったとされる。
逆に、事件が起きた時間を誤認させることにより、アリバイが成立するかのように見せるトリックもある。
有栖川有栖のアリバイ講義
有栖川有栖は、『マジックミラー』の第7章「アリバイ講義」において、ディクスン・カーの『三つの棺』の「密室講義」における密室トリックの分類に倣(なら)って、ミステリにおけるアリバイトリックの分類を行っている。作品例は、『マジックミラー』(講談社文庫)の「文庫版のためのあとがき」に紹介されているものである。
証人に悪意がある場合
証人が嘘をついていた場合
例:『ナイルに死す』(アガサ・クリスティ)、『不連続殺人事件』(坂口安吾)
証人が錯覚している場合
a.時間を錯覚している場合
証人が見る時計の針に細工をする、日にちを間違わせる、曜日を間違わせる、など。
例:『ウィスタリア荘』(コナン・ドイル)
b.場所を錯覚している場合
証人が犯人と一緒にいる場所(アパート、新幹線、山や川など)を間違わせる、など。
c.人物を錯覚している場合
犯人が替え玉を使った場合。
例:証人がa、b、cすべてを錯覚している場合の作品 - 『人それを情死と呼ぶ』(鮎川哲也)
犯行現場に錯誤がある場合
例えば実際の犯行現場はA市の山林で、後で死体をB市の雑木林に移動させてB市を犯行現場と思わせるもの。
証拠物件が偽造されている場合
写真トリック(合成写真)が典型。
例:『フレンチ警部の多忙な休暇』(F・W・クロフツ)
犯行推定時間に錯誤がある場合
a. 実際よりも早く偽装する場合
例えば3時に殺された被害者が、2時には既に死んでいたように見せかけ、2時のアリバイを用意するというもの。
b.実際よりも遅く偽装する場合
例えば3時に殺された被害者が、4時まで生きていたと思われるよう細工して、4時のアリバイを用意するというもの。
例:2件の事件でaとbのそれぞれを用いている作品 - 『鍵孔のない扉』(鮎川哲也)
A.医学的トリック
死体を冷やしたり熱したり、胃の消化物を加工したりして、死亡推定時刻の判定を狂わせるもの。
B.非医学的トリック
医学的トリック以外の方法で、aとbの例に挙げたような細工をするもの。
※AとBにそれぞれaとbがある。
ルートに盲点がある場合
例えば移動するのに1時間かかる2地点間を、意外なルートを使って30分で移動するというもの。
時刻表を使った鉄道ミステリに作品例が多いが、例えば歩いて1時間かかる山道を断崖の上からパラシュートで数分で下ったというものも該当する。
例:『シタフォードの謎』『ゼロ時間へ』(アガサ・クリスティ)
遠隔殺人
a.機械的トリック
時限装置によって発射される拳銃や時限発火装置など。
b.心理的トリック
催眠術をかけた相手や夢中歩行癖のある相手に、危険な行為をさせるというもの。
例:『空白の起点』『炎の虚像』他(笹沢佐保)
見立て殺人 - WikipediaJP
見立て殺人
筋立て通りに殺人が行われるという異様な不気味さを狙ったもので、トリックというよりもプロットに属するが、アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』や横溝正史の『八つ墓村』のように、見立てることがトリックという例も少なくない。
上記のように推理小説(ミステリー作品)における見立て殺人の目的は、読者に異様な不気味さを与えるというものである。
他方、それを実行する犯人の理由は様々であり、基本的には先入観を与えることで次の標的候補・犯行順序・犯行現場・凶器を予測させて探偵役(ひいては読者)を欺くことにあるが、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』のような異常な心理が主因という場合もままある。
ただし、トリックに関係しない場合でも、見立てられないままに起こった殺人などをきっかけにして、犯人の糸口をつかむということはある。
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アイヌ「パナンペウエペケレ」の“呪的逃走”について
「呪的逃走」とは、呪物を投げることで、追手を邪魔し、窮地を打開して逃走する神話的モチーフのこと。ほぼ全ての世界地域で見られるモチーフである。
ーーーーーーーーー
〔巫女パナンペが、鬼の捕縛から抜け出して、小鬼たちを殺し宝物を盗んで逃げるシーン〕
パナンペはたまらなくなって、「アハハーイ」と笑い転げながら大川に逃げ、走りながら革の小舟を広げ、それに乗って逃げると、鬼は泳いで追っかけた。パナンペが後ろのほうへ黒い糸玉をなげようとすると、鬼はこの大きな川を呑みほ した。鬼が二間三間ほども身近に迫った時、パナンペは舟の中に立上がり、尻をまくって鬼に向かって突出し、「プッ、プッ」とまるで叫ぶように、つづけさまに放屁した。鬼は今の今までそのような屁を聞いたこともないものだから、おかしくて笑い続けた。それと同時に、鬼の口から水がまかれてついに再び大川が流れだした。またもや鬼は追っかけた。
急いで黒い糸玉を後ろの方へ投げると、後ろにはまっ黒な雲が濛々と川の面を覆った。パナンペの行く手は明るく開けていたので、革の小舟は水面を流れるように 走って、家へ着いた。鬼はまっ暗闇なので目が見えず、あてどもなくやみくもに泳ぎ続けてとうとう疲れ死んでしまっ た。
ーーーーーーーーー
以上にあげた「呪的逃走」物語は、アイヌの神話。緊張のシーンなのに笑いが絶えない、不思議な魅力がある。この神話では投げた呪物がそのまま障害物になることが特徴的なところだ。
古事記のイザナギの「呪的逃走」は、少しタイプが違い、投げた呪物が食べ物であるパターン。
ーーーーーーーーー
〔黄泉国で「見るなの禁」を破って、黄泉醜女(ヨモツシコメ)から逃げるシーン〕
ここに伊邪岐命、黒御鬘(ツル草を巻いた、長寿を願う髪飾り)を取りて投げ棄つれば、すなわち蒲子(ブドウ)生りき。こを拾い食む間ひ逃げ行くを、なほ追ひしかば、またその右の御角髪に刺せる湯津津間櫛(歯の多い櫛)を引きかきて投げ棄つれば、すなわち筍(竹の子)生りき。こを拾い食む間に、逃げ行きき。且後には、その八はしらの雷神(=妻イザナミ)に、千五百の黄泉軍を副へて追わしめき。ここにまかせる十拳剣を抜きて、後手振りつつ逃げ来るを、なほ追ひて、黄泉平坂の坂本に到りし時、その坂本にあら桃子(桃)三箇を取りて、待ち撃てばら悉に逃げ返りき。
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ブドウと、竹の子を食べている間に逃げて、最後は桃で追い払う。黄泉国=死の世界からの逃走であるから、ツタ植物であるブドウと成長速度が速い竹の子=生命の象徴で対抗したのか。ちなみに、櫛は呪的なイメージをもって、またスサノオのヤマタノオロチ退治のところでまたでてくる。最後の桃だけは、時間稼ぎで食べさせるために使うのではなかった。桃3つを投げて、それが直接攻撃になっていた。扱いが他のものと違うので、もしかしたら中国神話からのイメージの流用なのかもしれない。
「呪的逃走」では、追手=敵対する化け物、は、倒されることはない。英雄譚であればこの強敵は倒され、征服されるはずだ。新たな境地にいくため、殺されなければならないものとして敵はでてくる。しかし、時には征服することができない敵もでてくるだろう。それはあるいは死、あるいは夫や妻。生活の実感の中で、無くすことができない大きな問題。「呪的逃走」は、それらのものを乗り越える方法を教える物語である。それは、呪物を投げることによってだった。これは、境界を作ることを意味している。敵との契約関係によって、それをコントロール下、理解可能な範囲の中にいれることを、この「呪的逃走」物語は示していると考えることができるだろう。
 
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cazucun · 1 year
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Tumblr, 日本人が少ないんよなあ
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cazucun · 2 years
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enダッシュは、数値的な範囲や区間を表す場合によく使われます。 emダッシュは、文の途中に補足的な説明を挿入するときなどに使われます。
論文執筆で泣かないために―英語表記の注意 - エナゴ学術英語アカデミー
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cazucun · 2 years
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投稿してないと無限にbotにフォローされるみたいなやつある?
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cazucun · 2 years
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大衆による批判を「キャンセル」と呼ぶことは、現在では揶揄的なニュアンスを帯びてしまっているが、そもそも社会的に周辺に置かれている人々が偏見や差別に対して”叫び声をあげる call-out”ことは社会の必要な構成要素であって、黒人の大衆文化やクイアのアクティビズム、Me too ムーブメントなど今までもずっとあった。
科学における「キャンセルカルチャー」論争 - わが忘れなば
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cazucun · 2 years
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cazucun · 2 years
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(酸欠少女さユり『かみさま』MV(フル) TXドラマ25「東京怪奇酒」オープニングテーマ - YouTubeから)
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cazucun · 2 years
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超高齢化社会とはすなわち多死社会。 日本人にとって死生観の再構築は大きな課題
日本の経営のDNAに見る「経済と倫理」の一致 [広井良典] | ISSUES | WORKSIGHT
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cazucun · 2 years
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cazucun · 2 years
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cazucun · 2 years
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初心者のObsidianメモ - DAY 2
作成日時:2022-11-17 14:54 更新日時:2022-11-17 15:58 (レイアウトの修正)
はじめに
Obsidian の使い方についてのメモ。
正しさには公 / 私で2種類あるが、その衝突の記録とも言える。
また、いまのところ私は Obsidian をコアプラグインのみの、いわばバニラの状態で使っている。
リストについて
リストを空行で区切ると、それぞれの文章を p タグで囲む。するとレイアウトが崩れてしまう。
これはどうも仕様らしい。
これを回避してリストの要素を分けて表示するために、空行に br タグを挿入することにした。
最初はリストでの記載自体をやめようかと思ったんだけど、フォールドっていうリストを折��たたむような機能もあって、アウトラインプロセッサっぽく Markdown のリストを使うことを Obsidian 側も想定してるようなので。
また br タグを埋め込むこと自体は別に反則ってわけじゃないし。
ファイル名 / タイトル名について
最初の悩み
ファイル名はどのように記述するのが適切なのか。
極力ファイルの階層化を避けて、UniqueID として日時 ( YYYY-MM-DD HH-mm-ss ) を秒まで含めて記載し、そこに拡張子 .md をつけるのが良さそうな気がするが、その場合内部リンクで指定するときに分かりづらい。
また、アイディアを出していく目的なら日時でも良いけど、そうでない場合、つまりすでにある資料をまとめるため等に Markdown を使うのであれば、日付によるファイル名表記は不適切な気もする。
ファイル名の頭を日時にして並び替えしやすくする(のでファイル名は日時から始めると良い)、というアイディアもあるが、そもそも更新日時等でのソートが可能なのであまりクリティカルには思えない。
それにファイル名と日付で異なった並び順を作れるほうが面白い気がする。
そもそもファイル名とタイトル名を一致させるべきかどうか。
ファイル名をテキスト(いわゆる「概要を示すタイトル」)にした場合、ノート内容の更新によって、ファイル名 = タイトル名がそのノート内容から乖離する懸念がある。 例)りんごのノートなので apple.md でファイルを作成したが、ノート内容を更新していくうちに他の果物についても記載するようになり、apple.md というファイル名にも関わらず内容的にはフルーツ全般についてのノートになっている。
かといってそこでファイル名を変更すれば、すでにあるそのファイルへの内部リンクが破損するだろう。 ファイル名が変更された際にそのファイル名を参照している URL すべてを自動更新するようなプログラムも無い。
候補として挙げられるのは、日時・階層・識別子、の3つ。
最初の気づき
Front matter の aliases に日本語を記載できるので、そこに「タイトル名」を入力してやれば、他ファイルから内部リンクを繋げる際に、そのタイトル名がリスト候補に表示されるようになる。
これによって、ファイル名とタイトル名を一致させる(いわゆる「概要を示すタイトル」にする)必要が無くなった。
第二の悩み
ファイル名とタイトル名を一致させる必要が無くなったとして、その上でではファイル名はどのように記述するのが適切なのか(最初の問いに戻る)。
候補として挙げられるのは、日時・階層・識別子、の3つ。
日時によるファイル名に対する懸念として、「内部リンクで指定する際に分かりづらい」というのがあったが、これは aliases でタイトル名を記述することによって解決した。
そのため、日時によるファイル名も候補として十分考えられる。
第二の気付き
日時によるファイル名を試してみたが、日時を秒まで一発で入力することが出来ない。
Win10 のタスクバー右下にある日時表示は、秒までは表示してくれず、秒までを見たいのであればその都度クリックする必要があり、デフォルトで秒まで表示するためにはレジストリをいじらないといけないらしい。
また、Front matter に記載された {{date}} {{time}} とファイル名では分・秒が少しズレる。そのズレがなんとなく気持ち悪い。
ファイル名を記述するタイミングというのは、主に新規ファイルを作ったタイミングなので、そこで変に頭を悩ませたくないし手間もかけたくない。
第三の気づき
ファイル名は階層名(英字) + 識別子 + 拡張子で記述することにした。
これなら新規ファイルを作った際にファイル名をすぐ入力してノートの内容に集中できる。
この「識別子」はページ数のような感覚。ただし、1-1 だとか 1-3-2 みたいに階層化は進む。
例)recipe-noodle-1-3-2.md
これは本当に最低限の記述で、階層名も「階層」というより「なにに思考をフォーカスしているのか」程度の要素(First floor でなく Ground floor としての階層)しか持たず、さらに識別子を採用することによって日時による序列も放棄している。
思考に時間的な前後関係を持ち込まないということ(「時間は存在しない」)。
日時は数字だけなので特定の言語へ依存しないため、デジタル環境では最強の階層要素なのではないか。
階層名による階層と、識別子による階層を区別したいな……。
前者を「土地 / 地名」と捉え、後者を「階層」と捉えよう。
土地 / 地名のアイディアは Magic: The Gathering から。なので英語なら Land と書く。
土地のイメージは階層的な上下のイメージではなく、同じような高さで横へと並ぶイメージ。
横軸での位置関係と縦軸での位置関係でファイル名を作るということ。
結論 / 2022-11-17 14:06:36
以上の思考から、ファイル名は、土地名 + 識別子 + 拡張子と記述する。
内部リンクについて
内部リンクは Wikilink でなく Markdown link で記述する。
内部リンクは、それぞれのファイル名でなく、aliases に記載された日本語タイトル名を参照する。
これによって、内部リンクの表記がファイル名でなく日本語でのタイトル名になる。
Markdown link の URL 自体はファイル名を指定しているので、タイトル名をどう変更してもリンクは破損しない(ぱっと見で分かりにくくはなる)。
見出しへの内部リンクは避ける。
見出しが変更されるとリンクが破損するため。
もちろんブロックへのリンクも避ける。Obsidian 特有のマークダウンフレーバーのため。
これが一番丸いのではないか? Zettelkasten の実践というよりも Obsidian の実践として。
Front matter / aliases / tags について
Front matter とは
読み方は「フロントマター」と「エイリアス」。
要はメタデータのこと。具体的にはこのノートの頭にある、3つのハイフンで囲まれた要素のこと。
aliases とは
エイリアスはそのファイル名の別名のことで(単語としても別名・仮名・偽名という意味)、ここに別名=タイトル名を記入することで、内部リンクを作る際にファイル名でなくそのタイトル名を参照することができる。
Markdown link 自体はファイル名を参照するので、タイトル名をいじってもリンクが破損することはない。
tags とは
tags はそのまんまタグのこと。
Front matter に記述することで、ノートの本文には表示されなくなる。
ただし現在のバージョン 1.0.3 では、プレビューでは表示される。
ウェブブラウザの拡張機能である MarkDown Preview Plus でも、Front matter に対応していないのか(そりゃそうだ)、普通にノートの頭に表示されちゃう。
PDF ファイルを書き出すとちゃんと非表示になっているのが分かる。
参考資料
# [Markdownの原典にあたる](https://m12i.hatenablog.com/entry/2014/07/22/000730)
「Evergreen notesについて」#知的生産の技術
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cazucun · 2 years
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cazucun · 2 years
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適切に内容とタイトルが設定されたノートは、そのタイトルが内容の概要を示しています。そのタイトルを示せば、そこに含まれる内容が過不足なく指定できるのです。別の言い方をすれば、タイトルによって概要が示せるように内容を調節することが「一枚のカードには一つの事柄だけを書き込む」ことになります。
Evergreen notesについて/仕事を選ぶこと/いかに文化は生まれ、残っていくのか|倉下忠憲|note
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cazucun · 2 years
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Zettelkasten Note-Taking Method: Simply Explained
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