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dengenmushi · 3 years
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「歴史の終わり」や近年の著書「IDENTITY」で有名なフランシスフクヤマのインタビュー記事。彼の趣味である日曜大工と絡ませ、台頭する「民主主義の退行」に対する彼の思いが記される。「歴史の終わり」後のフクヤマの問題意識を理解し、「アイデンティティ」「チューモス」といった哲学的・心理学的な概念を多用する最新著作へ繋げる橋渡しとして面白く読める良質の記事だ。
気になる語彙・ノート
- credenza:サイドテーブル
- pride of place:重要な位置、注目を集める位置
- bijou:小さいが綺麗な
- perturb:心配させる、そわそわさせる
- blight:台無しにする汚点・障害、気持ちをくじくもの
- bulky:大きな
- Monterey Cypress:モントレーサイプレス   - 西洋ヒノキの一種でカリフォルニア原産   - 防風林で使われた   - 原生のものは希少
- Seussian:絵本作家スースの作風を思わせる、スースの作品に出てくる
- fissure:割れ目、ひび、隙間
- mortise:ほぞ   - 記事中のbutterfly mortiseは蝶千切りのこと
- exhaustion:使い切ること、枯渇
- viable:実行可能な、現実的な
- inexorably:容赦仮借なく、とどまることなく
- pristine:原状の、新品同様の、傷一つないきれいな
- undermine:(価値・機能などを)損なう、換骨堕胎する
- postulation:仮定、仮説、主張、公理
- jingoistic:対外強硬的な、盲目的・好戦的愛国主義の
- masquerade:ふりをする、見せかける、(なんらかの)面をかぶる、仮想する   - マスカレード=仮面舞踏会でご存じの単語
- resurgent:復活、再起、再興
- size up:点検する、評価する、つぶさに見る
- benign:良性の、優しい、穏やかな
- scowl:眉間にしわを寄せること、しかめっ面、眉をひそめること
- carpentry:大工仕事、木工
- exquisiteness:繊細優美なこと、雅やかなこと
- deafening:(何も聞こえなくなるほどの)大音量の、圧倒的な、他に気づかなくさせる
- clutter:雑多にする、雑多なものを散らかす、雑多なものをつめこむ
- plane:かんな、特に西洋かんな   - 記事中のjointer plane=ジョインタープレーンはかんなの一種
- catch the bug:夢中になる、熱中する
- lumber:材木、木材
- Pembroke table:ペンブロークスタイルの机   - オーバル状で、典型にはleaf-drop=端っこが折り畳み式の机
- caked:粉にまみれて固まった、粉に埋もれた
- atop:on top ofに同じ
- spindle:スピンドル、細長い棒状のもの、特にそのような家具の脚
- clamping:挟み込む、挟んで固定する
- vice:万力   - ほかにも、副・代理、不道徳な行為などを意味する
- curlicue:(カリグラフィーなどの)飾り模様・細工
- grain:石目や木目など自然の模様、転じて生来の気質、学問・政治派閥の本来の発想や方向性   - ほかにも、穀物一般をさす
- dissent:異議、反対
- disillusionment:失望
- thatched:藁ぶきの、藁でできた
- mooring:停泊所、係留場、格納庫
- Hepplewhite:ヘップルホワイト式の   - 18世紀の家具デザイナーで、日本では椅子が有名
- federal:Federalist eraの   - アメリカの年代区分で、創成期である1800年前後の思想・文化潮流を指す
- pull:誘惑、衝動、誘い
- addendum:補遺、追補、アペンディクス
- gelded:去勢された、生気を失った、牙を抜かれた   - 動詞としては、castrate=去勢するを意味するが、形容詞としてはgeldedが比喩的に使われやすいか
- clamour:(群衆などが)やかましく騒ぎ立てる、要求をまくしたてて騒ぐ
- hole up:隠遁する、隠居する、逃げ隠れる
- tinker:治して回る、治す
- bliss:よろこび   - in blissの形でよく使われる
- irk:苛立つ
- despise:蔑む、軽蔑する、嫌悪感を抱く
- megalothymia:メガロスーミア   - 自身がほかの何より優れていなければ気が済まない人
- coinage:発明   - one’s coinageの形で   - ほかにも通貨量総体=流動性を指したりする
- speed bump:スピードバンプ、減速帯
- incessant:とどまることのない、終わらぬ、飽くなき
- harangue:熱弁、退屈な長話   - 特に非難調で、内容がしょうもないもの   - harangueと言いたくなった人からすれば、もはや聞く価値もなく、眠気か苛立ちに帰着するもの   - 上司や校長先生の無駄に長くて訓戒的なスピーチがこれ
- groan:うめく、うめき声をあげる
- chisel:工具ののみ   - 漢字で「鑿」らしい。誰が書くんやこんな複雑な文字。。。
感想・考察
フランシスフクヤマ。学生時代に国際政治を学んだ身としては懐かしい人物だ。
自由民主主義(およびその当然の帰結としての資本主義)をイデオロギーの到達点として奉じる彼は、冷戦終結・ソビエト崩壊をもってイデオロギーとしての共産主義の敗北と捉える。その上で、マルクス主義がイデオロギー間の闘争という意味で用いた「歴史」という術語を使って、 (他に有力かつ現実的なイデオロギーがない以上) これを「歴史の終焉」と説くのだ。
確かに冷戦の終結後、自由民主主義の形態をとる・目指す国の数は爆発的に増えた。しかし現在、アメリカ・欧州など先進国の傾向や中国の台頭など、自由民主主義とは異なる潮流が世界中を席巻している。そしてThe 1843 magazineの記者がフクヤマに事態をどう見るか問いかける、というのが内容だ。
フクヤマはこの事態を、新たな有力・現実的なイデオロギーの登場とは考えていないという。つまり、最上のイデオロギーを巡る旅の終着点を見定めるという意味での「歴史」はやはり終焉している。自由民主主義は変わらず人類が目指すべき社会形態であり、ただ我々はその途上を逆行しだしたのだという。
その前提に立ち、彼の学問的興味は次の二つに移っている。「なぜどのようにして『自由民主主義の退行』が生じるのか」、「逆行した社会・国家や道半ばの社会・国家に、どのようにして自由民主主義への移行を完遂させるのか」である。
このことを、フクヤマの趣味である木工家具・細工を例にとり、記者が面白くまとめている。フクヤマは木工を学ぶのに「This Old House」というテレビシリーズを熱心に見ているが、イライラする点があるという。それは、番組内では失敗をしないし、ゆえに挽回の方法を紹介してくれないことだ。何事も完璧に上手くいくことはないのだから、どのように失敗に対処するかも技術の重要な一部分のはずだというのだ。
彼の最新の著作「IDENTITY」は、こうした問題意識に立ち、少々哲学的な思索を展開している。そこでの中心概念はソクラテスの言う「チューモス」である。平たく言えば「承認欲求」だろうか。BLMやLGBTQなど一連のポリティカルコレクトネス運動や宗教原理主義の台頭、あるいは先進各国での排他主義の復活なども、こうした概念枠組みで説明できるとしている。
「IDENTITY」では、詳細な議論・検証が薄いし、「ではどうすべきか」という処方箋もまだまだ曖昧だ。しかし、postulationとしての主張や概念枠組みとしては、少なくとも私にはかなり魅力的に映った。「歴史の終わり」並みのインパクトがあると思う。今後の検証や詳細な処方箋に向けた議論が待たれる。
訳注が多少うるさいが邦訳も出ているので、ぜひ手に取って読んでみてほしい。
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dengenmushi · 3 years
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イギリスの行政機関は複雑怪奇
イギリスのドラマ、特に貴族・王室あるいは政治関連のものを観ていると、やたら奇怪な役職名が矢継ぎ早に飛び出てきて訳が分からなくなることがある。 しかも、同じ人が複数のタイトルを持っていたりするのでややこしい。
そこで、すこしずつ英国の国家機構周りの用語を整理していきたいと考えている。まずは、その中でも行政機関に焦点を当ててみた。
学生時代は法学部で法律や政治を学んだものだが、それでも頭が痛くなってくる。。。極めて長く複雑な継時変化の積み重ねで今の仕組みが成り立っており、それらが必ずしも成文化されていないからだろう。
21世紀に入ってからの変化も激しいし、慣習通りでない場合もあるしで、必ずしもこの図の通りではないことも多々あるだろうが、イングランド・ウェールズを中心とした2020年あたりの行政機関の図としては大きく外していないと思う。。。誰か偉い人に教えてほしい。
“royal prerogative“=「国王大権」こそが行政権の源とされており、現在その多くが首相率いる”H.M. Government”=「英国政府」に委譲されている。 女王に残った大権も、彼女の諮問機関である”H.M. Most Honourble Privy Council”=「枢密院」の助言に基づき行使されるのが通常らしい。そして枢密院議長はじめ主要メンバーは、英国政府の最高意思決定機関である”Cabinet“=「内閣」メンバーからなることが多く、基本的には内閣の意思が政府や枢密院の意思となり、最終的にthe Crown=「国家」の意思となる。
イギリスにおける”ministers”は図中の緑枠で示された人全員を指す。 “Cabinet”=「内閣」内部のものは”senior ministers”で、省庁のトップだったりする。内閣外部のものは”junior ministers”で”senior ministers”を補佐する幹部として省庁を担当することが多い。
省庁にも大きく二つあり、”ministers”が直接幹部となって実権を握る”ministerial departments”と、上級の公務員がトップとなる”non-ministerial departments”の二つだ。図にある通り検察系の機関は、その特性上、”non-ministerial departments”となっている。
こうした”departments”=「省庁」の下に各種の”executive agencies”=執行機関がぶら下がっているところまでは分かる。さらに”non-departmental public bodies”=「政府外公的機関」なるものまであるが、これはなんだ???
わからないことはまだある。内閣が名目上は枢密院の一委員会という位置づけだとか。MoJとA-GやGLDの役割権限の違いだとか、もうね。。。
今回の不明点や、立法・司法パート、スコットランドなどについては、また別稿でまとめていきたい。
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dengenmushi · 3 years
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Doc Martin(ドクターマーティン)2-1
英国の長寿人気ドラマ「ドクター・マーティン」の中で気になった語彙や表現のメモや感想を書いている。大体語彙数が1万語を超えた人を想定した語彙の選択を意識している。字幕なしだと少ししんどいが、字幕ありならドラマ・映画をストップせずに観られるという人にはちょうど良い選定になっていると思う。
今回からはいよいよシーズン2に入っていく。 しばらくは、シーズン1で気になった領域の雑学系まとめと並行することになると思う。
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ピーターの騒ぎ、そしてルイーザとマーティンのファーストキスからしばらく経つが、マーティンは気まずくてルイーザを避ける(子供か?笑)。 一方で、ジョウンの友人ミュリエル・スチールの様子がおかしくなり、彼女の息子ダニー・スチールがロンドンから帰ってくる。この男、実はルイーザと旧知の仲であり。。。
気になる語彙・ノート
医療
- house calls:(家庭への)往診
- dement:痴呆になる   - 使うとすればShe’s dementingなど進行形で
- cognitive impairment:認識機能障害
- PCT:Patient Care Technicianの略   - 日本には同類の認定職位・役割が存在しないので、訳出は難しかろう   - 看護師の助手として、彼らの仕事の内で、簡易・定型業務の一部を代行する感じか   - 高卒+認証コース終了でPCTにはつけるようになる   - 日本の所謂「看護助手」が近いが、医療資格なしなので医療行為はできない。一方でPCTは資格に基づき採血など一部医療行為ができる
- minor ops:小手術
- splint:添え木、添え木をあてる、骨折の手当てをする   - 木の裂片を意味する   - splinterとなると、より小さく、指にささったりするアレになる。広島民なら知っている「すいばり」
- diclofenac:ジクロフェナク   - 商標「ボルタレン」に代表される、非ステロイド性抗炎症薬の一種   - インドでは、ジクロフェナクが投与された家畜体内で蓄積し、この家畜を食べたハゲワシが副作用の腎不全に陥り、頭数を大幅に減らす事態が発生しているらしい   - ハゲワシの減少は野犬の増加につながる。いまだに狂犬病リスクの高いインドでは無視できない事態だろう。。。
- lucid:明快な、明晰な   - 混迷や錯乱の間隙あるいは最中に現れる明快・明晰な状態   - 痴呆症のお爺ちゃんが他人と話す時だけシャキッとするのが、これ   - あるいは明晰夢 = lucid dream
- contusion:挫傷   - 外部への出血を伴わない「損傷」= trauma   - 厳密には、このうち打撃によるものを打撲傷という
- fracture:骨折   - breakの中でも骨や岩などhardなものが破断することを指す   - snapとなると、brittle(脆い)でthin(薄い)なものが瞬時にぽきっと壊れるものを指すか
- carotid artery:頸動脈
- transient ischemic attack:TIA、一過性脳虚血発作   - 大事な神経系への血液供給が何らかの原因で一時的にとまることで引き起こされる   - 本チャンの脳卒中の前兆ということも。。。
- EEG:脳波測定   - electroencephalogramの略
- epilepsy:てんかん
- primary brain tumor:原発性脳腫瘍
- secondary brain tumor:転移性脳腫瘍
- trapezius muscle:僧帽筋   - 「肩が凝る」という時、「肩」の示すところが大体僧帽筋の範囲
一般
- airwaves:公共の電波、ラジオ
- culture secretary:文化大臣   - 大臣というとministerと覚えている人も多いだろうが、歴史の長いイギリスさんは、一筋縄ではいかない。。。   - 議員がなれる各省庁のポストには、偉いのから順番にSecretary of State、Minister of State、Parliamentary Undersecretary of Stateなどとなる。これらを総称してministersという。その意味で、各省庁にministerが2名以上いることも多い。   - 一方で、事務方のトップはParmanent Undersecretary of State(通常Parmanent Secretary)という。   - うーん、イギリスの政治制度については、学生時代の復習と最新情報のアップデートを兼ねて、別稿でまとめるべきか
- get on in years:年をとる
- lose one’s nerve:怖くなる、臆病になる   - ここでのnerveはcourageとしてのもの
- hankie:ハンカチ   - handkachiefの略。hankyとも
- keep the weight off one’s feet:足に体重・負荷をかけない。立っていないようにする   - take the weight off one’s feetで、長く立ったり歩いていたところ、その負荷を取り除いて座る・寝転ぶことを意味する。その継続版と思えばよいか
- muddle:困惑させる、混ぜる、錯乱させる   - すなわち、受動態ではボケるということ
- lose it:正気を失う、おかしくなる、気が狂う   - これも同じで、劇中ではボケるということ
- have kittens:極端に気を張る、逆上する
- bang on:長々と講釈をたれる、まくしたてる   - ぶん殴ること、そこから正鵠を射ること、なども意味する
- its’s not on:unacceptableに同じ
- bleak:良くない、どんよりとした、侘しい、薄ら寒い
- Penzance:ペンザンス   - コーンウォール南西部の港町で人口2万人ほど   - イギリスの中にあって珍しいほどの温暖な気候とか
- Newlyn   - さらにペンザンスの外れにある漁港。ド田舎だ
- scupper:(うまくいくことを)邪魔する、台無しにする、お釈迦にする
- offspring:子供   - 「できたもの」を意味するので、そこに個別の人格的な響きは少ない   - 神の意図や自然の営みの結果としての子供・子孫というニュアンスを感じる   - 神の恵みで子だくさんという場合、できちゃった婚の子供を揶揄する場合など良くも悪くも使えるので、自分が使う場合は文脈に要注意
- with flying colours:余裕で、大成功で
- Selfridges:セルフリッジズ   - ハロッズとならぶ英国の巨大百貨店   - ハロッズよりも流行に敏感なイメージ。リテールビジネス苦境が続く中でも、E-commerceの成功やエシカル消費のリードなど、新聞紙面を飾るのをときどき見る
- be light on one’s feet:身軽である、よい身のこなしである
- take the lord’s name in vain:主の名をみだりに呼ぶな   - 旧約聖書『出エジプト記』でモーセが受け取る十戒に由来する   - Exodus:20:7: Thou shalt not take the name of the Lord thy God in vain; for the Lord will not hold him guiltless that taketh his name in vain.   - アラビア語やヘブライ語は原則的に子音しか表記しないため、発音は専ら口伝によるが、神の名をみだりによんではならないため、遂には神の名の発音がわからなくなったという話はあまりにも有名
- idiosyncrasy:個性、くせ   - 一人ひとりが持つ特性のこと   - 芸術家の独特のタッチや技法もこれ
- wade:徒渉する   - 水の中を歩くこと
- round the clock:日夜、24時間
- apprehend:逮捕する、把握する、心配する   - arrestよりも固い語
- cherish:大事にする、(野望・大志を)心に秘めて温める
- pine for:(特に過去に失った)何か・誰かがいなくて悲しむ、懐かしむ   - missに近い
- woozy:ふらふらする、めまいがする   - 特に飲酒後のそれ
- flask:フラスコ、魔法瓶、水筒   - a flask of teaなど
- mugger:強盗犯、ひったくり犯
- worm:(犬などについて)虫下しする
- tick:ダニ   - 特に大きな吸血性のものをいい、小さくてアレルギーを引き起こすようなものはmiteという   - 動物を飼っている人には、flea & tickはなじみ深い言葉のはず
- bonfire:大きなかがり火、焚火   - campfireよりも大きなものを想定する   - 日本語のキャンプファイアはどちらかというとbonfireに近いかも
- cite:引用する、引証する、召喚する
- blast from the past:過去を思い出させるもの、懐かしのもの   - たとえば元カレが吸っていたタバコの匂い、旧友との再会、ベルボトムのジーンズ、ゲームボーイ
- discretion:分別、思慮深さ
- hoist:吊り上げる、巻き上げる、締め上げる   - でかいマグロやカジキを計量のために港で吊り上げたりする   - もしくはUSJのジョーズが吊り上げられているので、それがhoist up
- consent:同意する、承諾する   - agreeと違って、意見の相違を埋めたり妥協したりするニュアンスはない
- the bee’s knees:最上のもの   - 諸説あるが、由来は不明
- cat’s whiskers:最上のもの   - 諸説あるが、これも由来は不明   - この動物シリーズはほかにも色々ある。確かfrog’s eyebrowsとか笑   
- codger:年寄
- flatulence:腸内ガス、鼓腸、虚勢、空虚、誇張   - オナラが出そうなあの感じ笑
ストーリー・感想(※ネタばれ注意)
本話のテーマは老いだが、これまでの話にくらべると浅いというか「えぐみ」が足りないというか。。。長寿番組に仕立てる上で表現をソフトにしたいのかもしれないし、高齢化問題は我々日本人の方がよほど先を走っているからかもしれない。(2019年時点の高齢化率は日本:約28%、英国:約19%)
ジョウンは自分の友人でもあるミュリエルが施設に預けられることに大反対する。それはもちろんミュリエル自身が嫌だと言ったからでもあるが、自身の未来を見ているようで、それを受け入れられなかったのだと本話の最後で振り返っている。
また、息子のダニーはロンドンで建築士というキャリアを突き進んでおり、Portwennに戻ってくるという選択肢も、ミュリエルを呼びつけるという選択肢も簡単ではない。施設に入れるのも苦渋の選択だろう。しかも痴呆の親が、補助金認定や入所時の面談などに限ってシャキッとしてしまうところなどは、経験ある方も多いと思う。 それを、外野から「息子としての責任」だの「恩知らず」だの言われるのはきつい。こういう問題はそれぞれの家族がそれぞれに決断するほかないのに。
もっと言えば、選択肢があるだけ幸福だとも言えるのか。。。 これからの世代を思うと、頭が痛くなる。。。
もう一つのテーマは嫉妬。
前シーズンの最後にルイーザと気まずくなってから、二人は暫く会っていなかった描写がされている。彼らの会話からすると、マーティンの方がルイーザを避けまくっていたらしい。さらにロンドンから戻ってきたダニーを露骨に気にするマーティン。ポリーンとアルの恋愛話を自分のことと勘違いして聞き耳を立てる。普段の威厳は何処に行った?笑
また、ダニーのキャラ設定と役者の演技が絶妙で、視聴者にもウザさ伝わってくるのがいい。特にこの熱心なキリスト教徒ぶりが、いちいちマーティンと合わないのよね笑
Danny “Bless you” Martin “... I didn’t sneeze”
本シーズンはこの三角関係が主軸になりそうな予感。
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dengenmushi · 3 years
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英語の湿地・沼地について
ドラマを見ていると、その舞台について前提知識が求められることがある。 芸術、政治、歴史、地理、あるいは流行りものなどがそうだ。
特に、土壌や気候の違いに起因する植生の違いは、多かれ少なかれ文化の差異を創出し、文化の差異は言語の差異を創出する。(文化と言語は鶏と卵なので、鏡写しという方が正しいかもしれない) 英米ドラマを見ていると、森林や湿地に関する語彙が豊富なように思われた。古代から近世にかけてのケルトやゲルマン系の人々の暮らしを反映しているのだろう。
今回は、イギリスのドラマ「ドクター・マーティン」を見ていて湿地・沼地関連の語彙が気になったので、一稿立ててまとめておくことにした。
英米でwetlandsについて概説している資料を見ていると、おおむね四つの言葉が頻出している。すなわち、marsh、swamp、bog、fenだ。
marshとswampは隣接あるいは重複した概念。共通点は、海・河川・湖・池などの地表面水分が定期・非定期にやってきては引いていくことで、水と豊富な栄養が供給されるという点だ。
厳密な使い分けの定義はなさそうにみえる笑
あえて言えばmarshは水源内部の”はし”にあって水に浸かっている度合いが高く、swampは後背湿地など自然堤防の外にあるような湿地を指すように見受けられる。日本の地理では後背湿地を「バックマーシュ」=”back marsh“などと紹介することもあるが、上記の傾向からすれば”backswamp“の方が適切に思われるし、Google検索結果でも3-4倍で後者がヒットする。 しかし、私にはmarshと思われる「マングローブ林」が”mangrove swamp”だったりする。。。 基本的に両者に違いはなく、あとは複合語の成立過程や話者に応じて理解するのが正しいのだろうかな。
bogとfenは典型的に「泥炭」=peatの積層を伴うという点で共通する概念だ。
そのうち、fenは地下水を主要な水源・栄養源とする湿地をさす概念のようだ。 地下水からミネラルが供給されるので、bogよりは栄養に富み、植生が豊かになる傾向がある。
bogは大気の水分=precipitationを主要な水源とする湿地で、典型的には栄養の乏しい酸性土壌となる。そのためコケ類などごく一部の特徴的な植生が残ることになる。
以上のように違いを見てきたが、日常生活では相互入り乱れで使われることが多いので、それぞれGoogle画像検索してなんとなくのイメージをつかんだあとは、とりあえず湿地として覚えておくのがいいように思う笑
さらに隣接する領域をカバーすると、mireは泥炭地=peatland一般を指し、その意味でbogやfenを包含する広い語義を持つ。 moorは上記の概念全体やさらにその他も含み、人間の古典的な農耕活動に適さない荒野を指すように思われる。その点でheathも近いが、heathはheathやheatherといった植生に覆われたものを特に意味するのだろう。
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dengenmushi · 3 years
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Doc Martin(ドクターマーティン)1-6
マーティンの血液恐怖症の噂がPortwennを駆け巡る。一方ルイーザは、嫌がるピーターを体育の授業に参加させるも、器械から転落した彼は病院に転送されてしまう。。。
気になる語彙・ノート
医療
- melanoma:メラノーマ、悪性黒色腫   - 皮膚がんの一種
- intercostal sprain:肋間捻挫  - sprainは捻挫とされることが多いが、今回のように必ずしも捻じれによらないものも含むようだ。日本語では肋間筋損傷という言葉が正しいように思われるが、医療専門家にでも聞いてみたい。
- homoeopathic medicine:同毒療法、その薬品  - いわゆるホメオバシー
- spleen:脾臓  - 脾臓には、古くなった血液細胞や細菌を破壊処理する機能と免疫機能がある
- abdominal trauma:腹部損傷  - traumaは精神的なトラウマだけでなく、このように物理的損傷一般を指す
- haemaccel:ヒトアルブミンの商標  - human albuminはplasma=「血漿」中でも最重要なプロテイン
- forceps:鉗子、ピンセット  - Spencer Wellsなどいろいろ種類があるもよう
- quadrant:四分円、象限  - 四つに分けたうちの一つが原義  - 劇中では、腹部という広い範囲の中で部位を特定するための語として使われる  - upper left quadrantなど
- scalpel:メス
- splenic artery:脾動脈
- pancreatic:膵臓の
- rhinositis:rhinitisの別つづり、鼻炎  - 鼻を意味する接頭辞”rhin(o)-”と炎症を意味する接尾辞”-itis”の合成語  - ラテン語・ギリシャ語由来の合成語はこのように人によってやり方が異なったりするので要注意  - Google検索結果ではrhinitisのほうが圧倒的優勢なので、こちらを使うのがよさそう
- gastroesophageal reflux:胃食道逆流
- aero-digestive tract:気道消化管
一般
- buxom:巨乳の、豊満な、ムチムチの   - buxom maid、buxom nurseなどなど、汚い男の妄想を掻き立てる言葉笑
- mole:モグラ、ほくろ   - ほかにも、スパイ、消波ブロック、化学単位のモルなどの意味を持つ
- consolation:慰み、慰謝
- chastise:叱責する、罰する
- connotation:言外の意味、含意   - implicationよりも、単語や事物単体が持つもう一つの含意というニュアンスを感じる   - con-と-noteの融合なので覚えやすい
-thuja occidentalis:ニオイヒバ   - 北米東部原産の常緑樹でシトラス様の芳香を有する
- puerile:ガキじみた、子供だましの、幼稚な   - such a puerile toy!
- impair:損なう、傷める   - 機能や特性を毀損すること
- rupture:破裂する、破断する   - または、調和していた関係や状況を破壊して不和にすること     - Difference in political opinions often ruptures family relationships.   - 似た語にrapture=「有頂天」があるので要注意
- dietary:食事の、食習慣の
ストーリー・感想(※ネタばれ注意)
シーズン1もいよいよ最終話。
マーティンのような高IQ低EQの人々は、他の人からすれば理解し難い言動が多く、付き合いにくいことが多い。本話は、そうした人とそうでない人が互いを尊重し互いに歩み寄ることの大切さ、すなわち性格・人格の多様性についてメッセージを打ち出しているように思われる。これは主人公のキャラ設定から言って、本話・本シーズンに限らないDoc Martin全体を通したテーマの一つだろう。
ミニマーティンとも言えるピーター・クロンクも、知識や理屈に頭が回る一方で、人付き合いが苦手な少年だ。理屈の通らないことが大嫌いで、自分が納得しないことに盲目的に従うなんてありえないというタイプ。 こういう子供からすれば、授業・宿題・集団行動などに対して「なぜ必要なのか?」を問うのは当然だし、ろくな答えも与えずにごり押しする周囲の大人がバカに見えてしょうがない。
一方、大人からすれば面倒で生意気な世間知らずのクソガキと思われるのが関の山だろう。しかし、教師や大人自身が必要性を腹落ちして理解していない物事を押し付けていることはないだろうか。そんなときに「なぜ必要なのか?」と問われてドキリとし、思わず怒鳴り返したりしていないだろうか。
こうした子供の問題点は、自分が理解・マスターした領域のみを出発点として理屈をこねくり回してしまうことにあるだろう。物事には、内容を理解して初めてその必要性がわかる性質のものがある。
低IQパターンであれば、勉強についていけず、「こんなものは社会に出ても何の役にも立たない」と考え、ますます勉強に身が入らない悪循環に陥るやつだ。 高IQ低EQの場合、「人付き合い」そのものはともかく、「人間に対する洞察」がそれにあたる。運が良ければ、成長に従ってこの必要性を痛感し、会得できるものもいるだろう。そういう人間は持ち前の知能で社会矛盾や学問の未解決領域に果断に切り込み、「人間に対する洞察」を使って意義ある問題点を導出したり、必要なリソースを集めたりし、最終的に大きなインパクトを残すこともある。それができないと、ただただ他者を見下す一方で、ときには明日の飯のタネすら危うい「敗残者」になってしまいがちだ。(いわゆるアスペルガーと診断されるレベルになると、また違う話なのだろうが。。。)
謙虚に真摯に彼らの疑問に答えつつ、「人間に対する洞察」については、必要に応じて強制を使いながら、彼らの視点を高く・幅広くしてあげられるような柔軟な教育が必要だろう。 もちろん莫大なコストを要するだろうが、人類総体の発展を思えばこの手の子供をただの「社会不適合者」にしてしまうのはもったいない。
「人付き合い」という面でも、中にはこの手の人々を魅力的に思う人もいるだろう。自分のクローンが親友や恋人になるとは考えにくい。人はそれぞれ違うからこそ、反発したり惹かれ合ったりするのではないか。 互いに少しずつ歩み寄ることが前提として成り立つのであれば、ルイーザの言うように、敢えてピーターのような子供をextrovertにsociableに矯正する努力は無用だろう。
M. “Un... what did Peter mean when he said, “Let them tease you?”“ L. “It’s the advice I gave him, which pretty much resulted in him rupturing his spleen. Maybe the truth is that people like Peter, they’re never gonna quite fit in. They’re never gonna quite be ordinary, and maybe that’s not such a bad thing. And that’s why we love the Peters of this world. And maybe that’s why we... or I... I...”
とはいえ、たとえ医学的観点からであっても、ファーストキスの直後に口臭に言及するのはよろしくない。ルイーザが歩み寄ったのだから、今度はマーティンが歩み寄るべきなのだが笑
かくしてマーティンとPortwenn・ルイーザの関係が、三歩進んで二歩下がったシーズン1。シーズン2以降、どのような展開を見せるだろうか。
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dengenmushi · 3 years
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Doc Martin(ドクターマーティン)1-5
Portwennにイケおじがやってくる。どうもマーティンの叔母ジョウンとは旧知の模様。その傍らで、マーティンは脱臼を直しただけの少女に惚れられ、付きまとわれる。一方、アルはエレインと接近するが。。。
気になる語彙・ノート
医療
- atrial fibrillation:心房細動  - 心室細動はventicular fibrillation
- embolism:塞栓症  - 血液中の塊などが剥離し、別の個所で詰まることで引き起こされる病状
- angioplasty:血管形成術
- stent:ステント  - 血管などを管腔内から拡張する機器
- orthostatic hypotension:起立性低血圧
- sedimentation:沈降  - 液体などで物が沈降、沈殿していくこと  - ここでは、sedimentation rateとして、赤血球沈降速度の「沈降をさす」
- motor neurone:運動ニューロン  - これに異常が起きるとALSなどの辛い病に侵されたりする
- streptococcus:レンサ球菌
- infective endocarditis:感染性心内膜炎
一般
- clinch:説得する、(契約・判断を)決める   - 例えばwhat clinched it was...決め手になったのは
- dinghy:小艇、ディンギー   - 日本語で言うモーターボートくらいの大きさのものを指すが、帆船も含むより幅広い語
- concuss:激しく揺さぶる、脳震盪を起こす
- pillock:バカ、アホ   - 比較的軽度   - 仲間内の冗談などで使いやすいレベルとなると、関西弁のアホが近い?
- get a grip:落ち着け、冷静になれ
- obnoxious:不快な、醜悪な、嫌われた、嫌な���
- moor:停泊させる、係留させる、もやう
- headland:岬、枕地   - ちなみに枕地とは、耕作地の端っこにある未耕作地のこと
- haunt:旧遊の地、行きつけの場所   - 実家周辺の懐かしい場所を地元の友人とまわったり、卒業した大学の周辺をかつての学友とめぐるのは、visit some old hauntsがぴったりか
- rattle:ガタガタ音を立てる、不安にさせる
- lookout:結果、展望
- enamor:好きである、好意を寄せている   - 受動態で He seems enamored of herなどと使う
- exile:追放、流刑、放逐
- fab:fabulousの略   - ほかにも半導体製造工場のことも指し、デバイス設計・発注専門業者をfablessといい、逆に半導体製造工場を保有し専ら製造を請け負う業者をfaundryといったりする
- lush:性的に魅力がある   - ほかにも、(植物などが)豊かに育った、飲兵衛、酒をあおるなどの意味がある
- bum:お尻   - ほかにも、浮浪者、なまけもの、何かに時間と情熱を殊更に注ぐ人のことをさす   - 例えば、he’s a ski bum:あいつはスキーバカさ
- run something by:説明する・知らせることがあって行く・来る
- besotted:のぼせ上がる、夢中になる   - infatuatedのより強い語   - 長期的で確立された恋愛感情よりも、急に立ち上がった激しい即席の恋情を指す
- condone:しぶしぶ受け入れる   - 特に道理や筋の通らないものごとを受け入れること   - ソクラテスが毒をあおったのは、彼自身にしてみればcondoneではないということか?いや、悪法とは言っているから、やはりcondoneでよいのか?
- pubescent:思春期の
- put nose out of joint:いらだたせる、ムカつかせる   - 特に自身の立ち位置を軽視されたり、粗雑に扱われることでムカつくこと   - IT部門を巻き込まずに、マーケティング部門が勝手に販促ツールの導入検討したりする場合がこれにあたるか笑
ストーリー・感想(※ネタばれ注意)
※本話から、ストーリー要素を減らし、感想要素を増やしていきます
本話では、三組の様々な愛(?)のカタチが描かれる。
メインはジョウン叔母ちゃんと元恋人のジョン。 ジョンはなかなかのイケおじである。若いころはブイブイ言わせていたと見える。そしてフィルという夫がありながら、この男と恋仲にあったジョウン叔母ちゃん。彼女の若いころが気になって仕方がない笑
少し真面目に不真面目な話をしよう。
不倫は字のごとく褒められたものではない。但し、これは倫理の話であって論理の話ではない。つまり、魅力的に思ってしまう誰かに出会ってしまうこと自体は原則的に運の問題で、行動に移すかどうかが問われていると思う。 自分のパートナーがほかの人に気持ちを揺さぶられるなんて考えたくもないが、揺さぶられるまでなら理屈上は仕方がない。むしろ、それでも自分との絆を大事にしてくれることを尊ぶべきなのではないか。 「自分はパートナー以外を魅力的に思うこと自体あり得ないし、気持ち悪い」という人もいるだろう。そんな人は、認知を捻じ曲げるほどの強靭な精神力・倫理観をお持ちか、70億分の1の宝くじを一発で当ててしまった強運の持ち主か、はたまた人生経験の薄いティーンズかだ。
過去の過ちはともかく、今のジョウンの気持ちを考えるとどうだろう。 一生を添い遂げようと思った人の気持ちでさえ裏切る決意をさせるような相手、あるいはそうした倫理の神経回路を根本から活動停止に追いやるほどの相手が、灰色に染まりきった彼女の人生に突如あらわれ、「一緒に旅に出て、一緒に余生を送ろう」と言うのだ。 そりゃ、舞い上がると思う。ステファニー・コール演じるジョウンが、深い愛情とともに、それこそ少女のようにウキウキ・ドキドキする様がとても印象に残った。本シーズン一番の好演ではなかろうか。
さて、二組目はマーティンと、彼が脱臼を治してあげた15歳の少女メラニー。 この年の少女にはありがちだが、年上の地位ある男性であるマーティンに疑似的な恋愛感情を感じてしまう。憧れが多分に含まれるこうした感情は、大人からすれば一時的で疑似的な恋情に過ぎないとされる。メラニーのしつこく大胆なアプローチにマーティンは社会的に正しく対処するが、現実世界ではそうもいかない事例も散見される。。。
まあ何を本物とするかは、本来本人だけのものではある。誤解を恐れず言えば、少年少女と大人の間でも本物はありえる、または本物に育つ可能性はありえると思っている。ただし大人が一方的に搾取しえる可能性を踏まえれば、現代社会において社会的な規制を一律で敷くのは全く当然だろう。
最後の一組は、配管工バートの息子アルと、診療所の受付エレイン。 グレッグと別れたエレインは、手近で自分に想いを寄せる男を当面の憂さ晴らしとして弄んでいるように見える。その証左に、グレッグからより戻しの電話がかかってこないか常に気にしている様子。 一方、異性慣れしていないアルはそうとも知らず、用事もないのにエレインに電話しまくったり、iPodに曲を詰め込んでプレゼントしようとしたり、結構な熱の入れようだ。
これもありがちだが、エレインとグレッグはあっさり復縁し、アルはあえなく撃沈。自分か他人かはともかく、誰もが見覚えのあるシーンではなかろうか?
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dengenmushi · 3 years
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Doc Martin(ドクターマーティン)1-4
マーティンが断り余ってしまったダンスパーティーのチケットを、ルイーザは駐在マークにあげてしまい、頭の痛い勘違いを引き起こす。一方マーティンは、ポートウェンから離れて住む森林保護官のもとへ出張診療するが。。。
気になる語彙・ノート
医療
- bacterial strain:細菌株
- nitrazepam:ニトラゼパム  - ベンゾジアゼピンの一種で睡眠薬などとして処方される  - 依存性が強く、長期服用の場合などは忌避される
- insomnia:不眠症
- benzodiazepine:ベンゾジアゼピン
- CPN:地域精神専門看護師  - イギリスの地域精神医療制度のもよう。自宅へ行ったり、GPの診療所へ出張して診療し、より高度な医局へreferしたりする  - GPも含めて、イギリスの地域医療はナカナカ面白い仕組みの模様
- sprain:捻挫
- ligament:靭帯
- ascorbic acid:アスコルビン酸  - ビタミンCとして作用する
- de-alpha tocopherol:D-α-トコフェロール  - ビタミンEとして作用する
- pyridoxine:ピリドキシン  - ビタミンB6として作用する
一般
- mug:強請る、たかる   - ほかにもマグカップ、バカ、変顔する、(知識を)詰め込むなど幅広い意味がある   - The drug is a mug’s game:ヤクなんてのは愚か者のやることさ
- auspicious:素晴らしい、吉兆の、成功を見込む
- nab:取り押さえる、捕まえる、とっ捕まえる   - We’ve got to gather 4 people to play Mahjong and still one to go. Why don’t we nab the guy over there? Hey Stewart, come over!:麻雀するには4人必要だが、あと一人たりない。あそこのヤツをとっつかまえるとするか。おいスチュワート、こっちこいよ!
- pass up:(良い機会を)のがす
- appal:ぞっとさせる、嫌悪感をもよおさせる
- blimey:冗談じゃない、おいおい、まじか   - イギリスではよくつかわれる表現   - ハリーポッターの親友ロンが連発する傾向にあり、邦訳で「おったまげー」などと訳されているのは”blimey”
- blackbird:クロウタドリ
- blackcap:スグロムシクイ
- bluetit:アオガラ
- brambling:アトリ属の一種
- bullfinch:ウソ
- chaffinch:ズアオアトリ
- thistle:アザミ
- groundsel:キオン属の総称、主にノボロギク
- whinger:泣き言野郎、不平屋
- perky:はつらつな、活発な、生意気な
- the showers:勃起時と通常時で男性器の大きさが変わらないこと   - the growersが対義語   - 劇中では、この「シャワーズ」のことなのか、シャワーで見る限りではということなのか少し判別つかない。面白いから「シャワーズ」の意味でとっている笑
- arm and a leg:(コストが)莫大な
- afar:遠く   - from afarなどとするが、少し古風な用法
- jamboree:お祭り騒ぎ、パーティー、ボーイスカウトのキャンプ大会
- bloke:lad、chapに同じ   - この手の言葉のニュアンスの違いをだれか教えてほしい。。。おそらく地域や年代によって差異があるのだろうが
- lynch:私刑、リンチ   - 古典的な”lynch”は”get tar and feathers”。。。タールと羽を体中にくっつけて市中引き回しというマジで意味不明な儀式   - 宗教もしくはケルトの伝統か?
- neurotic:神経質な、神経症の
- audacity:豪胆さ、厚顔さ、ずうずうしさ
- conceive:妊娠する、はらませる   - 劇中の表現にならえば、こうなるか   - Christmas Eve. It’s the night most of Japanese children are conceived.   - 言い過ぎは承知笑
- fussy:小うるさい、こだわり屋
- delusion:妄想、錯覚、間違った信念
- every now and then:しばしば、時折、折に触れて
- over the top:やりすぎる、いきすぎる   - You’d better apologize to her for the last night drink. You’ve gone over the top.:昨日飲んだ時のこと、彼女に誤っておいたほうがいい。あれはやりすぎ。
- gang up on:寄ってたかって攻撃する、徒党を組む
ストーリー・感想(※ネタばれ注意)
第3話のラストで一緒にパブに出かけるなど、少し距離が近くなったルイーザとマーティン。バートからダンスパーティーのチケットを二枚買ったルイーザは、マーティンを誘う。本話もルイーザが積極的に動くものの、マーティンのような人間に「パーティー」なんて持ち出すのは論外だろう。案の定、断られてしまう。 やむを得ずパーティーに参加することがあっても壁に寄りかかって静かに時間をやり過ごし、頃合いを見て早退するのが 、私も含めたこういう手合いの生態だ笑
行き場を失ったチケットは、たまたま通りがかった駐在マークの手に入る。これが要らぬ誤解を生んでしまう。 マークはアホとまで言わないが、そこら辺にいる「ちょっと挙動が人とズレた」感じの人だ。例にもれず異性関係も得意でない。そんな人だから、実は恋焦がれていたルイーザからパーティーのチケットをもらったとき、即座に「デートに誘われた」と解釈してしまったのだった。 まあ世の大半の男性であれば、少しソワソワしてしまうシチュエーションだし、私もするだろう笑 そして同じような文脈で本当にデートのパターンだって少なくないだろうことを思えば、ルイーザの言動も軽率だったはずだ。女性の意見を聞きたい笑
さて、彼のウキウキもつかの間である。マークは以前付き合った女性に”too gentle”と言われてフラれたことを曲解?してか、アレの大きさが不安でしょうがない。不安のあまり、ネットで見つけたサプリを常用しているほど。 ルイーザの「誘い」をきっかけに、彼は診療所を訪ねる。ここのやり取りがナカナカ秀逸だ。
Netflixの邦訳はかなり飛ばしたり暈したりしているので、拙訳を下記に。
Doc「つまり、あー、君はアレの大きさに問題があると?」 PC「わからない。”The showers”であることも一つだけど、わからない」 Doc「専門医を紹介しよう」 PC 「いや、普通のサイズを知りたいだけなんだ」 Doc「普通にも範囲があって……」 PC 「そうじゃなくて、僕も測ったわけじゃないけど……そう、6インチ、6インチは普通だと思うか?」 Doc 「6インチなら普通だろう、うん、うん……よし、問題は解決だな」 PC「そうか……」
一度席をたつが、振り返るマーク
PC 「……つまり、5インチあたりは少し……」 Doc 「そうとも限らないさ」 PC 「さらに言えば、5インチよりも小さいのは良くない…と?」 Doc 「いや、あー、問い合わせてみないことには」 PC 「7-8インチであれば、と、と、問い合わせる必要すらないだろう?」
ちなみに、イギリスの公的保険機関である”National Health Service”は男性器のサイズについて大学との共同研究結果を公表している。 こちらの大本の研究やKCLの研究によれば、通常時は約9.2cm、勃起時は約13.1cmつまり5.1-2インチ程度ということらしい。らしいぞ、男性諸君。 そ���てこの話題が男にとって如何に興味惹かれるテーマかは、マークの言動や、私がどれだけ字数を割いているかからもお察しいただけよう笑 くれぐれも言動には注意し給へ、女性諸君。
閑話休題、ここからは2つ目のサブストーリーも展開されていく。 エレインが現れ、町はずれに住むレンジャー(森林保護官)の電話が繋がらないから出張診療が必要であるという。 マークがルイーザからデートに誘われたとその直前に聞いたマーティンは明らかに動揺しており、レンジャーについての大事な情報を聞き逃す。
レンジャーのスチュアートを訪れるマーティン。Portwenn住民の悪口で意気投合するが、依存性の強い向精神薬を寄こせといい、さらにその薬はスチュアート本人ではなく友人アンソニーのためのものだという。
Ranger「アンソニーは今とても心細いんだ。ハイイロどもがそこら中にいやがるし」 Doc「ハイイロ?」 Ranger「ああ、やつらは何処にでも出てくる。しかもかなり攻撃的だ。お陰でアカはほとんど残っていない……おいおい、アカがいつもおびえて暮らしてるのはみんな知って…」
いきなり散弾銃をかますスチュアート
Ranger「見たか?あのクソいまいましいやつめ!ただ違う色だとか、触り心地がよさそうだとか言う輩もいるが、奴らはリス版のナチスだ!」 Doc「あー……君の友人アンソニーはリスなのか?」 Ranger「そうさ、この国には昔300万ものアカがいたものさ。いいか、300万だ。アンソニーはただのリスなんかじゃない。生残者だ」
いきなり妄想に向かって散弾銃をぶっぱなすイカレ野郎であった。さらに言えば、このアンソニーは人間大の赤毛のリスだという。怖いわ! スチュアートが引き留める中、マーティンはなんとかPortwennに帰り着く。彼をしかるべき保護監視下におくため、ダンスパーティー会場にいる駐在マークを探しにいく。
折しもダンスパーティーはピークだった。ルイーザはなんとか誤解を解こうと話をもちかけるが、マークはお気に入りのナンバーにノリノリで、とても話ができる状態ではない。音響もうるさいからと彼の耳元へ口を寄せた瞬間、間の悪いことにマーティンが到着し、二人の目が合う。ルイーザは言葉を失い、マーティンはそのまま会場を後にする。
会場を出ると、外は外で人だかりがある。スチュアートが激情して、他人の家で鳥の餌やりなどを壊して回っていたのだ。 翌朝、マーティンはマークとともにスチュアートを再訪し、薬を手渡す。前任者がニトラゼパムと偽って処方していたのがただのビタミン錠だと知り、しばらくはマーティンも同じやり方で様子見することにしたらしい。
帰りの車内で、ルイーザとの関係が進展しなかったこと、「これが運命の人」だと思えなかったことをマークから聞くマーティン。それで表情を緩めてしまうマーティンが可愛い。マーティンは逆に、マークが購入した「増大化サプリ」の真の姿はマルチビタミン錠、つまりプラシーボであることを明かす。もちろん動転するマークだが、ルイーザの件で振り回されたマーティンとしては多少胸のすく想いだろう笑
ちなみに本話には、小さいが大事な3つめのサブストーリーがある。小学生ピーターは学業的には極めて優秀。しかし社交性がなく、思ったことをずけずけと言い放ち、むだな教育には関心を示さない、教師としては扱いづらい生徒だろう。さながらミニマーティンだ。 ピーターは、本話の途中、スチュアートが破壊した鳥の餌場を持っているところを発見され、状況証拠から犯人に仕立てあげられてしまっていた。パーティーの夜の騒ぎで真犯人が判明すると、ルイーザからは「勘違いで咎められて、なぜ弁明しないのか」と問われ肩をすくめる。
これは盛大なブーメランではないか。ルイーザにあっても、誤解を与えたと思ったなら、マークやマーティンにすぐ説明すればよかったのだ。大人が子供を詰問するとき、冷静に考えるとブーメラン発言ということは少なくない。本話の視聴者に向けたメタ的メッセージと捉えるのがよさそうだ。
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dengenmushi · 3 years
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COVID-19の影響におけるUKと日本の違いについての記事だ。 お題として”Correspondent’s diary”とあるように、確かな分析に裏打ちされた記事とは異なり、 エコノミストの特派員が4年担当した日本を引き上げるにあたっての雑感をまとめている。
内容はこうだ。 英国は、全人口や高齢者人口が日本より少ないわりに、コロナによる死者は日本を大幅に上回っている。経済や暮らしへの影響も、英国に比べれば日本のそれは軽微だ。なぜか? 巷間で囁かれる説をいろいろ引っ張り出すが、彼の印象に残っている一番の違いはマスクだという。コストも安いし、科学的調査でも効果が裏付けられているからもっと真面目にマスクをつけるべきだという。
前提となる両国のパフォーマンスの違いについては具体的な数値もあり、「確かに大きな違いがある」ことがよくわかる。また、筆者の観察や数値を通して英国のマスク着用率が低いこともよくわかる。しかしその因果関係については、「各種調査でどんどん裏付けられてきている」とするのみで、具体名は一つもない。よしんばマスクが鍵だとして、これからどのように英国でマスクを普及させるかの処方箋もない。
正直、「感想文」の域を出ない記事であり、こんなもののために”The Economist”に金を払っているのではないという人も多かろう笑 第一段落からして日本アゲが激しく、日本人としては「苦しゅうない」心境であるが、イギリス人にしてみれば曖昧な根拠で自国サゲをされて面白くはないはずだ。よく日本で「海外では云々」と引き合いに出して自国を批判(非難)する人を「出羽守」と呼ぶが、まさにその正反対の事象だ。
しかし、何も真実を伝えるのは上質な科学論文だけではない。小説や手記も異なる形式で異なる形式の真実や示唆を持つ。日本に滞在した一流誌の記者がこの事態をどのように見たかという「手記」とみれば、それはそれとしての価値がある読み物ではないか。英国の紳士淑女諸君には、ティーカップでも持って、心に余裕をもって読んでもらいたい。
しかし日本人にも、「出羽守」とあっては刀を抜かずにおれぬ連中がいる。海外が正しいとは限らないという高説はもっともだから、徒に喚き返さず、丁寧に玉と石を取り分け、より良い国に向けた努力をすればよいだけのこと。抑々、それこそが維新の大望ではなかったかな。
気になる語彙・ノート
- undulation:うねり、波動
- surge:大波、殺到
- perspex:アクリル樹脂   - 特定商標が一般名詞として定着した例だろう   - ベルクロ、セスナ、ホンダなどなど
- trepidation:戦慄、恐怖、不安   - もともとは体の震えから
- guffaw:バカ笑い   - laughよりも大声で制御の利かないレベルの笑い
- churlish:しみったれた、粗野な、道理のわからぬ   - churlというのがもともと農奴(serf)に対する自由農民をさした。そこから低い身分一般、あるいは金持ちのくせにケチな人など意味を広げたようだ   - 最後の意味から類推するに、何にでもすぐケチをつけ、およそ人を褒めることをしない人間の振る舞いという感じか   - 入社当初はダメダメだった新人君が徐々に頭角を現し、実績をいくつか残したあとでも、ろくに実績のないロートルが「まだまだあれがダメ、これがダメ」とふんぞり返って言っているのがchurlish
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dengenmushi · 3 years
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Doc Martin(ドクターマーティン)1-3
Portwennを下痢症の集団感染が襲い、マーティンはありうる様々な原因を検証していくが、なかなか尻尾をつかめない。
気になる語彙・ノート
医療
- vascular specialist:血管専門医   - 心臓外科医(cardiologist/cardio surgeon)とは隣接の領域か
- chemo:化学療法、特に癌に対する抗がん剤治療を指す   - chemotherapyの竜
- remedy:治療法、療法、または治療薬を指す
- adrenal:副腎の   - かの有名なadrenalineは副腎髄質から発生する   - adrenalineが果たす”fight or flight”態勢への移行に対して「闘争か逃走」と訳されていたのは感心した
- inhaled corticosteroids:吸入ステロイド薬   - 副腎皮質で発生するホルモンの一種   - 全身性の副作用を避けるため、
- fluticasone:フルチカゾン   - コルチコステロイド剤の一種
- MRHA:MHRAの誤りと思われる、Medics and Healthcare Regulatory Agency
- chlorinate:塩素消毒する
- cryptosporidium parvum:クリプトスポリジウムパルバム   - 下痢症をもよおす寄生虫クリプトスポリジウムの一種   - 日本では感染症法で特定病原体として指定されている
- fecal coliform:糞便性大腸菌
一般
- hare:ノウサギ   - rabbitはより小型で穴に生息するが、hareはより大型で野に生息する
- splash out:大盤振る舞いする、奮発する
- thrust:ぐっと押しやる、押し込む   - 劇中では受け身でhappen to get intoという意味合いで使われているか
- natural:生来の性質・気質として向いている
- out of commission:故障の、機能していない   - もともとは退役、予備役を示す
- air one’s laundry in public:プライベートのことをべらべら話す
- wheel out:繰り返し引き合いに出す、繰り返しその手段に出る
- tyke:ちびガキ
- cagy:警戒して話さない
- thong:ソング   - タンガなどとともに日本ではTバックとして認知されることが多いらしい
- fire away:どしどし質問・意見を投げつけ始める
- make sb redundant:余剰人材とみなす、クビにする
- swab:綿棒
- ‘ere:hereのhの発音が落ちたもの
- stale:味・香りが落ちた、劣化した、賞味期限切れ   - 時間がたって劣化したことを示す
- a run of:立て続けの、続けざまの
- tummy bug:腹痛、おなかの不調   - 腹部の軽度な不調一般をさす
- as strong as ox:牛みたいに頑健   - oxは去勢済みの役牛をさす   - 日本語では牛は牛だが、英語ではcow, cattle, oxなど様々。生活に密着したものは、単語レベルでの細分化が進むのだろう   - 逆に、日本語では稲、米、飯などの細分化が例になるだろうか
- county:州   - イギリス系の行政区分でstateの下
- concentration:濃度
- take calls:電話対応する
- culprit:原因、犯人
- get hold of:得る、つかむ、獲得する
- on the dole:失業手当を受けている
- balls-up:騒動、さわぎ
- pitchfork:ピッチフォーク
- inbreed:近親相姦
- field day:運動会、野外演習、大騒ぎで楽しむ日
- water treatment plant:水処理施設
- obstructive:邪魔になる、邪魔な
- constructive dismissal:推定解雇、外形的自主退職
- pull the rug out from under:裏切る
- set the ball rolling:すでに͡コトをはじめる
- lurgy:病気、体調不良
- back to square one:元の木阿弥に戻る、白紙に戻る
- vindicate:嫌疑をはらす、無実を証明する
- hindsight:後知恵、結果論
- shambles:ごみ、わやくちゃ、流血沙汰、修羅場
- direct debit:直接送金
- standing order:定額自動振り込み
- shoot off:出ていく
ストーリー・感想(※ネタばれ注意)
本話のサブストーリーは例にもれず二つ。一つはPortwennで広がる集団下痢症の原因追及、もう一つは息子アルの独り立ちをめぐる配管工バートの葛藤を描く。
集団での下痢症が広まっていることを確認したマーティンは、紆余曲折を経つつ、原因が水道水にあると仮説を立てる。被害の拡大を防ぐため、水道水の検証結果が出る前にラジオで水道水汚染の可能性と対処法を伝えるのだが、ラジオパーソナリティのキャロラインはじめ現地住民から大反発をくらう。 実は、Porwennでは過去にも水道水汚染さわぎがあり、観光業をはじめ甚大な経済的損失を被っていた。最終的に事実でないことが確認されたものの、自殺者や今でも失業中の家族がいるという。
マーティンは極めて優秀な医者であるが、彼の目的は人々の健康や公衆衛生の維持にあり、その先にある人々の暮らしや幸せまで考慮することは少ない。マーティンの場合、ミクロでの彼の社交性の無さがマクロ的に職業観などにまで影響しているのだろう。その意味で、第一話の冒頭でルイーザが指摘した、マーティンが相手にしてきたのは”body”であって”people”ではないというのは的を射た指摘かもしれない。 しかし実際のところ、正しいバランスを見つけるのは難しい問題だ。コロナ禍にある我々にはなじみ深いconflictでもあり、考えさせられる。すべての人間がhomo economicusであるという仮定がなくとも、大規模化・複雑化した現代社会においては原理・原則を重んじるマーティンの考え方が正しいのだろう。しかし、小規模な共同体では個別具体的な影響がより大きな意味を持つ。その中で必ずしも致命的ではないリスクに対しては、もう少し柔軟な対応もあり得るのかもしれない。
一方、Portwennで配管工を営むバートは息子のアルと喧嘩してしまう。 アルは配管工として生きていくことに疑問を抱えており、大学でコンピュータの勉強をしたいと思っているが、バートはそれを許せない。 バートは一人親として息子に抱く想いを、町で出会ったマーティンに語る。いつかアルを一人前に育て上げ、一緒に配管工として成功を収めるという夢を忘れられない、そんな親心をアルがわかってくれないというのだ。そしてバートの肩を持たないマーティンにも”shove it!”と当たり散らすありさま笑 しかしさっきまでブツクサ言っていた男が、ミネラルウォーターの箱を抱えてマーティンを訪れる。配管工を営むかたわらミネラルウォーターの販売も手掛けており、今回の騒動のおかげで大儲けできたので「還元」しにきたらしい。気丈というか面の皮が厚いというか。。。笑
そうこうする内に水道水の無実が示されると、マーティンの疑いの目はこのミネラルウォーターに向けられる。 バートの家を訪ねたマーティンは、フランス産と謳ったこの水が実は井戸水をボトル詰めしたものであることを突き止める。水源近くではヤギが飼育されており、どうやらこの水が騒動の原因だ。
この商売を諦めなければならないことを知ったバートはひどく落胆する。口ではアルに反対しつつ、心のどこかで息子が独立する未来を覚悟していたバートは、 学費捻出のためにこの副業を始めていたのだった。 マーティンの勧めを受け、バートはアルに本心を打ち明ける。副収入はなくなったが、アルが仕事を続けながら夜間学校に通えばいいとバートは言う。 一般的に子供というのは親の思った通りにいかないものだろう。それぞれの家庭がそれぞれのやり方で折り合いをつけなければならないが、自分や周囲を見てもナカナカ簡単ではない笑
偶然ではあるが親子をとりもったマーティンはラージ親子の信頼を手に入れ、診療所のコンピュータの定期メンテをアルが請け負うことになる。
個人的なつながり第一号といえばルイーザ。本話中で彼女はマーティンをパブに誘う。正確には、マーティンが彼女を誘うように話題を仕向けており、もちろん彼の性格的に到底スムーズにはいかなかった。。。お前らは初デートに挑むteenagerかと。。。笑 しかも落ち合ったパブで、マーティンは駐在マークにつかまり、しょうもない恋愛相談を持ち掛けられてしまう始末。
ともあれ、 ルイーザとマーティンの関係は一歩(半歩?)前進。前回のロジャー然り、徐々にマーティンが共同体に受け入れられていく様子が気持ちいい。
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dengenmushi · 3 years
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Doc Martin(ドクターマーティン)1-2
エピソード1でコーンウォールの田舎町PortwennにGPとして赴任したマーティン。奇天烈な現地住民の手荒い歓迎を受けつつ開業の意思を固めたが、その開業初日から何一つ上手くいかない、、、。
気になる語彙・ノート
医療
- indigestion:消化不良
- erectile dysfunction:勃起不全
- thyroid:甲状腺
- osteoporosis:骨粗鬆症
- biopsy:生検   - 転じて、生検の検体も指すように思える
- appendicitis:虫垂炎
- anaesthetics:麻酔薬
- tonsillitis:扁桃炎
- larynx:喉頭
- laryngoscopy:喉頭鏡検査   - laryngoscopeは咽頭鏡
- carcinoma:癌腫   - tumorは良性・悪性双方の腫瘍を指す   - cancerは悪性腫瘍一般をさす=ひらがなの「がん」   - carcinomaはcancerのうち、上皮細胞(epithelium)由来のものでがんの大半をさす=癌腫、漢字の「癌」   - sarcomaはcancerのうち非上皮細胞由来のものをさす=肉腫
- tumor:腫瘍
- histology:組織学、顕微解剖学   - 転じてプロセスや検体を指しているような用法がみられる
- prostate:前立腺
- carotid:頸動脈
- squamous cell:扁平上皮細胞
- nausea:吐き気
- cauterize:焼灼する   - 止血などを目的に外傷表面を焼く医療用語らしい
一般
- imbecile:バカ   - 英語のバカ関連語はいつか別稿でまとめてみたい
- bimbo:見た目はいいが浅薄な女性、ギャル?   - この手の語は画像検索が手っ取り早い。白人・ブロンド・日焼け・巨乳・ピチピチで露出の多い服装あたりがステレオタイプなbimboの要素   - ちなみにググると最初に出てくるのは可愛いクマのキャラクター。製パン最大手のメキシコ企業”Bimbo”のマスコットだ   - 世界的企業の名前が「ぴちぴちギャル」とはナカナカだが、すでにブランドが浸透している以上、変更も勇気のいる判断だろう。。。   - 1944年と近年創業のくせに名前の由来は不明らしい。スペイン語でも特に意味のない単語だ。となるとスケベな創業者がそれと知って名づけ、後継者は言うに言われぬというのが私の推測だ笑
- bap:ある種の丸くて柔らかいパン、転じて女性の胸部   - loafよりも小さいものを指す   - 大きいbapsはbimboの必要条件だが十分条件ではない
- petty cash:小口現金
- operative word:文中で最も重要な言葉   - That chap used to get into fight with random men. Well,  here “used to” is the operative word. He’s changed some now.   - 「あの人もなかなか乱暴で通った人だったんだ。『だった』というのがミソでね、今は少し違う」
- brittle:脆い   - 物理用語の脆性もbrittlenessのもよう
- nigh on:almostに同じ   - もともと、nearはnighの比較級として発達したらしい
- gawp:口を開けてまぬけに見とれる、唖然とする
- hoarse:かすれ声で
- pass the buck:責任転嫁する
- stuff:やめる、興味を失う   - Oh, stuff the diet, dear!
- obituary:死亡記事   - obitとも
- in a pickle:in troubleに同じ
- sack:首にする
- borstal:(英)少年院   - 旧制度の名称だが、一般名詞として生き延びている
- by the bucketful:in large quantitiesに同じ
- dote:(主に親戚などで)溺愛する
- fancy:likeに同じ   - 英国人がほんとによく使う表現
- get tar and feathers:私刑を受ける   - 昔の私刑で使われた手法だそう。。。画像を見てもやはりわからん
- wrath:怒り、怒りに触れたことによるしっぺ返し   - 世界共通で怖いものといったら、“the wrath of my wife”
- loo:トイレ
- diddums:おかわいそうに、お気の毒に
- Spot On The Farm:児童向けの図鑑で、farm, seaなど身の回りの環境で見つけられるモノゴトを楽しみながら学べる
- gather:推測する、思う
- P45:退職にあたっての税務関係申告書
- mundane:平凡な(天国・浄土・神界と対比した)人間界・浮世   - 作中ではMidas touchとの対比で出てきた語だろうか
- vile:卑劣な、不愉快な、不潔な、不道徳な
ストーリー・感想(※ネタばれ注意)
Portwenn Surgeryの開業初日、マーティンは受付のエレインと仕事のやり方で衝突を繰り返し、さらにミスを犯したエレインは診療所をクビになる。 直後、エレインの父親が再婚相手を連れて診療所を訪れる。間の悪いことこの上ない。 この女性も一話のみのキャラながらエッジが効いている。父親がこんなやつを連れてきたら嫌だなぁを凝縮しているのだ。若くてバカっぽくて、おまけに犬にぞっこんで、カバンにチワワを入れて歩き回る。
マーティンは街の方々でチマチマと嫌がらせを受けることになる。エレインをクビにしたことに対する復讐だ。これをして”wrath of Elaine“とは、駐在さんにしては上手いことをいう。
そんな中、エレインがまだ小さいころに母親を亡くしていることが明かされる。そして未払い賃金を求めて診療所を訪れ、スペイン旅行に行くから父親の結婚式には参加しないというエレイン。いつか父親も娘も”move on”しなければならないのだから、意固地にならずに結婚式に参加したらどうかとマーティンなりに配慮をもって優しく諭すが、エレインは聞く耳を持たない。
一方、開業初日の患者のひとりである元小学校教師ロジャー・フェンに咽頭癌が見つかり、彼はマーティンを含め周囲の人に当たり散らす。 若いころにはバンド活動に熱を入れ、音楽を退職後の生きがいとして考えていた彼にとって、たとえ発声そのものが回復しても、「彼自身の声」が失われることが辛くてたまらないのだろう。 
ロジャーは違う病院に移され、彼の様子を観るために訪れた病院で血液恐怖症の発作を起こすマーティン。 面会で相変わらず毒づくロジャーだが、マーティンの様子がおかしいことに気づく。声を失う不安に駆られるロジャーの境遇に自分を重ねたのか、マーティンは血液恐怖症で外科医を辞めた話をする。 自身の生きがいを不条理に奪われるという共通の体験を通じて二人は歩み寄り、和解する。ここで互いに飛ばすブラックジョークがイギリス人らしい笑
本話のラストはエレイン父の結婚式で締めくくられる。 マーティンはそこでルイーザと鉢合わせるも無視されてしまう。マーティンがロジャーの見舞いに行ったことを彼女は知らず、なんと冷淡な男だろうと大層ご立腹である。ロジャーとの会話で誤解は解けるものの、素直にごめんなさいができないのは、直前までプンスカしていた勢いもあるだろうが、マーティンが気になる存在だからでもあろう。ウザいという視聴者もいそうだけど、なかなか可愛い笑
結婚式の最中にエレインが姿を現す。その後のパーティーでマーティンに語った「ときにはプライドを捨てて、なすべきことをなさねばならない」という言葉は、本話の締めくくりにふさわしいように思う。人生は不条理に溢れていて、気に食わないことなど星の数ほどある。そのたびに臍を曲げたり自暴自棄になっては人生をフイにしてしまうというのだろう。ロジャーやマーティンのように生きがいを奪われようと、与えられた境遇をまっすぐに見据えた人生は尊く、価値がある。 自分も、深く肝に銘じておきたい。
最後にマーティンも「プライドを捨てて」エレインの復職を許した。 For he’s a jolly good fellow, and so say all of us!
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dengenmushi · 3 years
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Doc Martin(ドクターマーティン)1-1
このところ、イギリスのドラマ「ドクターマーティン」にはまっている。 現在、Season9まで放送されており、NetflixでSeason1から8まで配信中だ。来年にはSeason10が放送予定というなかなか息の長いドラマではないか。 たまたまイギリス英語を模範にして発音改善に取り組んでいたこともあり、Doc Martinを題材として英語学習に取り組んでいる。自身の学習記録も兼ねて、ストーリーや気になった単語・表現を一話一稿形式で書いていきたい。
Doc Martinの紹介
youtube
先ずはDoc Martinというドラマを簡単に紹介しておこう。 ロンドンの一流外科医であったDr. Martin Ellinghamが血液恐怖症をきっかけに外科医を辞め、コーンウォールの田舎町Portwennに地域のかかりつけ医として赴任する。医療関係ではあるが、個人の成長・恋愛・家族・友情・共同体など幅広いテーマの人間ドラマが主体だ。大学や都会の大病院を舞台に権力闘争と人命救助の葛藤を描く、よくある医療ドラマとはかなり毛色が異なる。
本作の魅力といえば、堅物マーティンとPortwenn住民の多様で奇天烈な個性、そしてそのギャップだろう。序盤ではマーティン中心の話がほとんどだが、Seasonを経るにしたがって現地住民それぞれにスポットライトを当てることが増え、ドラマは群像劇の様相を呈していく。 また、劇中を通して描かれるコーンウォールの自然と街並みが美しく、BBCのドキュメンタリーを見ているようでもある。
さっそくSeason 1の1st Episodeを振り返っていこう。
気になる語彙・ノート(追記予定)
医療
- dilated pupils:散瞳、瞳孔散大   - mydriasisという医療語もあるらしい   - コカインや大麻の使用による典型的症状でもあるので、海外ドラマでも登場することは多そう
- acute glaucoma:急性緑内障   - 眼の中を循環する水の排出先である隅角の閉塞によって眼圧が高まり、視神経にダメージを生じる病気らしい
- sphygmomanometer:血圧計   - 日常会話ではblood pressure monitorが使われる
- gynecomastia:女性化乳房   - 遺伝やホルモンバランスの乱れによる乳腺発達による
- asylum:(古)精神病院   - psychiatric/mental hospitalの古い言葉。精神病患者がlunatic/idiotなどと呼ばれ、ある意味隔離されていた時代の言葉
- Hippocratic Oath:「ヒポクラテスの誓い」、医療倫理   - 古代ギリシャのヒポクラテスとその一派が打ち立てた医療倫理の始原といわれるが、実際は後代に成立したものとされる   - 劇中では、Portwennでは数少ない教養人が、単に医療倫理を指すために使っている
- HRT cream:女性ホルモン補充クリーム   - 更年期障害への対症療法として一般的なエストロゲン補充を目的としたクリーム   - 身体に幅広く塗布する
- complaint:(患者が訴える)病状
- beta-blocker:交感神経受容体βブロッカー   - 緑内障に点眼薬などとして処方される、眼圧を下げる薬
- lumbago:腰痛   - low back painとも
- arthritis:関節痛   - rheumatoid arthritis(関節リウマチ)など
一般
- lay member:市民委員、外部委員
  - 日本でも行政への市民参加を求める動きが盛んになってきているが、そうした身分での行政・委員会等参加者をいう
- innit:~だろ?、~だよね?   - イギリスのスラングで、三単現に限らず付加疑問として使われる。エレインのように、付加疑問ですらなく語尾にお構いなしにつけることも
- In you go:さあ中に入って   - Off you go、in you comeなどCSVの倒置型が多く使われる   - 子供など目下の人への使用が普通か
- with one’s tail between one’s legs:しょんぼりして、負けて   - 都落ちして帰ってきた人などに使うのが最適
- lad:やつ、あいつ、友達、同僚   - ladやchapはアメリカ英語のbro・man・dudeに近いか
- stich up:(厄介ごとなどから)救う
- Lieutenant Colonel:中佐   - イギリス英語だとFの発音が入り、leftnantという発音になる。かつて下士官が上長の左に立った慣習から、さらに韻を踏む形で定着したという説もあるが、どうだろうか
- chap:やつ、あいつ、友達、同僚
- Bodmin:madに同じ   - 劇中では盛んに使われるが、リアルではどうだろうか笑
- arse:assに同じ
- bags of:lots of に同じ   - この手の表現は話者によって半ば自由に作出可能とみるべきか
- splinter:木のささくれ、とげ   - 広島出身であれば「すいばり」という言葉が完璧
- swanky:豪奢な、きらびやかな   - 外資の弁護士や投資銀行家なども、いわゆるswanky professionだ
- see hide nor hair of sb:なんの兆候も見聞きしていない   - 狩猟が身近だった時代の名残だろうか。道中でジビエを処理して食べると骨・皮・毛などが残り、そうした残滓の有無・状態によって人をトレースできた。そうした兆候すら無いということ   - 独立した息子・娘が一向に手紙も寄こさないときに使うとよい
- plumber:配管工、水道屋   - マリオ・ルイージ兄弟がまさにこれ
- plumbing:配管、水道
- lot:もの、やつ、stuffに近いか
- hang on to one’s hat:まあ見ていろ、焦らず見ていろ   - あまり実生活では聞かないが、ドラマなどではちょくちょく
- pull one’s chain:(戯言で)ちょっとからかう   - yank one’s chainでも同じ
- in a jiffy:一瞬で
- endearing:lovelyに同じ
- barmy:madに同じ
- treat yourself to:(褒美として)自分にふるまう   - treat yourself to a cake
- moor:湿原、原野   - 英国の典型的な泥炭地
- granite:花崗岩、御影石   - 劇中のgranite skyはなかなか文学的表現ではないか
- fount:fountainに同じ   - fount of knowledgeの形で頻出
- skulk:こそこそする   - 悪いことをした挙動不審なガキんちょ
- stickler:こだわる人、杓子定規な人   - He’s a stickler to/for the rules!
- catch one’s drift:話の顛末・意図を察する   - witにとんだ話やジョークあるいは皮肉の真意をつかむこと
- know sb in the biblical sense:肉体関係がある   - 聖書翻訳の都合で、あるヘブライ語を一律にknowで訳したことから   - 日本でも「男/女を知る」という近い用法があることを思うと、概念に対する人間の普遍的な姿勢を感じる
- slapper:bitchに近い
- dreary:わびしい、もの寂しい
- squidge:bitに同じ
- chipper:lovely, cheerfulに同じ
- tend:に向かう、世話をする   - tend to doの用法ではない、本語の本質的用法
- tosh:ごみ、ガラクタ
- stall:屋台、ブース
- tosser:ばか、まぬけ
- mar:台無しにする
- antagonize:反感を買う、敵にまわす
- bog:沼、トイレ   - アングロサクソンを含むゲルマン系は、その出自からか森林や沼地に関する語彙が豊富だ。bog, fen, moor, mire, heathなどの違いはいずれ別稿でまとめたい
- tow:牽引する
ストーリー・感想(※ネタばれ注意)
本エピソードでは、主人公マーティンがGPとしてPortwennに赴任し、奇天烈な現地住民の手痛い歓迎に戸惑いながら開業準備を進める様子が描かれる。
本作では、一エピソード中に複数のストーリーラインが埋め込まれることが多い。本作の長期的かつ主たるストーリーを構成するマーティン自身の血液恐怖症・人格・家族愛・恋愛などの話や、医療の問題発生・原因追及・解決の話、そして現地住民などの人間ドラマなどが多い。本エピソードも入れ子状の二つのストーリーラインで構成されているとみえる。
一つは、マーティンが開業準備を進める中で現地住民とのカルチャーギャップに苦い思いをするも、半ば開き直ってPortwennでGPの仕事を始める意思を固めるストーリーだ。 二つ目は、女性化乳房という珍しい症例の診断・治療を通じて現地住民の不倫問題に巻き込まれてドタバタするというところか。
主人公であるマーティンはロンドンの一流外科医という過去を持ちながら、血液恐怖症によりGPとして片田舎へやってきた。その経歴や社交性の無さも相まって、現地民からのウケはよろしくない。
エピソード1では、そうした現地民の主要メンバーと出会っていく。 先ずは美人小学校教師であるルイーザ。彼女のマーティンに対する評価・態度はシリーズを通して右に左に揺れまくる。ときに彼の失礼な振る舞いに憤慨し、ときに彼の医療に対する姿勢や技術あるいは暖かく優しい心根に感銘を受ける。Portwennにおいては常識人に見えるし本人もそう自認している節があるが、思い込みや気性が激しく、トラブルのタネになることも。
診療所では、受付を担当するエレインと出会う。 強烈な性格をしており、Londonerであるマーティンと村民とのカルチャーギャップを表出させる。”innit?”や”you was”を連発するなど、彼女の語彙・文法・訛りはかなり強いし、遅刻・上司であるマーティンをパシる・診療所の電話を長々と私的利用するなど都会的職業倫理を大いに欠いている。 一方で、来客者に茶菓子を振る舞い、年寄を気遣うなど性根の優しいところもある。 我々日本人にもなじみ深い構図で、日系企業のおじさんがベトナムの田舎で工場を立ち上げたり、都会人が田舎へ引っ越したりするとこうなる。
Portwenn郊外ではマーティンの叔母ジョウンが農場を営んでいる。 世話好きで、いかにも田舎の親戚という風情である。 マーティンにとってはPortwenn唯一の肉親であり、シリーズを通して心の支えとして、またマーティンの複雑な家庭環境を解き明かすカギとしての役割を果たす。
診療所の配管修理業者としてジョウンが手配したのが、バートとアルのラージ親子だ。バートはよくいる田舎のおっちゃん、アルはこれまたよくいる田舎の気弱いあんちゃんだ。この二人は今のところ全シリーズを通して出演しており、準主役級の活躍をみせている。それぞれ味があり、コメディパートにおけるバートの貢献や、アルの成長を通じた人間ドラマは本作の魅力の一つだろう。
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