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きひろぶっくす
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読書のアウトプットたち
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kihirobook · 1 month ago
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原田マハ『ジヴェルニーの食卓』読了。
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原田さんらしい美術をテーマにした短編集。芸術家自身ではなく、その近くにいた人々――家政婦や家族、周囲の人物を語り手に据えた視点がとても面白く、芸術家を教科書的に語るのではなく、一人の人間として感じられる構成になっている。 特に印象に残ったのは、芸術家に「早く帰ってきて」と手紙を送り続けるだけの一編。行間から相手を信じて待ち続ける語り手の気持ちがにじみ出ていて、構成も含めて心に残った。 また、芸術家同士のつながりや時代背景が各編に自然に織り込まれていて、絵画の裏側にある人間関係や日常を垣間見ることができるのも魅力。 芸術家をそばで見守っていた人たちは、作品を深く理解していた理解者でもあり、彼らの視点から描かれる物語には静かな温かさがある。 印象派の作品を見るときの解像度が少し上がるような、そんな読書体験だった。
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kihirobook · 1 month ago
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📖 朝井リョウ『どうしても生きてる』
「生きている」じゃなくて、「生きてる」。 そのラフさに、きっと何か理由があると思いながら読み進めた。 だけど最後まで、はっきりした“答え”には出会わなかった。 でも、不思議とそれでいいと思えるようになっていた。
朝井リョウさん、初読。 名前は知っていたけれど、作品を手に取ったのはこれが初めて。 するすると入ってくる、読みやすいけど深い文章。 会話は控えめで、心理描写が多め。こういう文体、好き。 読みながら、自分の中のいろんな感情がノックされる感覚があった。
人はどうして、自分の経験だけで他人を決めつけてしまうんだろう。 昨日まで笑っていたのに、ある瞬間にふと心が折れることがあるのはなぜだろう。 周りから見ればくだらないプライドを、どうしてこんなに必死に守ろうとしてしまうんだろう。
そんな、言葉にしにくいもやもやを、 この小説は静かに、でも確かに言葉にしてくれる。 少し皮肉まじりで、でも優しさのにじむ筆致で。
"どうしても生きてる"って、 ちょっと苦しくて、ちょっと照れくさくて、でもとてもリアルだ。
読み終わったあと、心の中に小さな光がともるような、 そんな一冊だった。
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kihirobook · 2 months ago
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『謎の香りはパン屋から』(土屋うさぎ)読了。
第23回『このミステリーがすごい!』大賞、納得の受賞作でした。
日常のちょっとした言葉や仕草の奥に潜む謎を、やわらかく、丁寧に解いていく感じが心地よくて。
パンにまつわる思いや、その香りがまとう空気感までも、じんわり伝わってくる物語でした。
なんだか、心まで焼きたてのパンみたいにふわっと温まる一冊。おすすめです。
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kihirobook · 5 months ago
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瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』を読了。
読む人の立場や年齢によって、きっと感じ方が変わる物語。
私は「子育てできる幸せ」をあらためて噛みしめました。
今この瞬間、子どものためにできることは、やっぱり“今”しかできないんだなぁと。
読んでよかった。心がじんわり温かくなりました。
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kihirobook · 5 months ago
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瀬尾まいこさんの『その扉をたたく音』を読了しました。手に取ったきっかけは「ナツイチ2024」にあったということ。読者の声「疲れた時には、瀬尾まいこさん。心が温まります」という言葉です。 この本を通して、「自分の意思とは関係なく動く現実の残酷さ。だからこそ言葉のような表面上のものだけでなく相手を思う時間こそが大事」だと再認識しました。また、私個人的には「読書をしているシーンを読書するのが好き」という変なフェチみたいなものがあることもわかりました。
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kihirobook · 5 months ago
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『か「」く「」し「」ご「」と「』住野よるさんの本を読了しました。
高校生たちが感情や心の動きを視覚的に感じ取ることのできる特殊な力を持つ物語。 感情は一つに定まらず、時間とともに変化し、周りの影響を受けていくことを描いています。 自分の感情や心を変えられるし、他人の助けもできるというメッセージに共感。 自分らしく生きることの大切さ、そして人それぞれの感情の反応が違うことを尊重しながら生きていくことが、心に響きました。
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kihirobook · 5 months ago
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『京大式おもろい勉強法』(朝日新書)を読了しました。山極寿一京大総長の考えに直接触れているような感覚で、非常に学びが多い一冊でした。ゴリラの話はメタファーの具体例だと思い、軽く読み流しましたが、本書の核心は「目標を持ち、それに夢中になることが人間らしさ」という点。そして、「問題はあるのではなく、“There is a solution.”」と信じる姿勢が重要だと教えられました。相手の立場に立ちつつ、自分で決定し、対話を通じて解決策を導く大切さを改めて感じた読書体験でした。
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kihirobook · 5 months ago
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おやすみラフマニノフ
中山七里さんの『おやすみラフマニノフ』を読了しました。
読後の感想
- 楽器や音楽の知識があると、チューニングや練習シーンなど、より深く楽しめるだろうなと感じました。
- この本をきっかけに、クラシック音楽を再び聴くようになりました。作中の曲を聴きながら読むと、情景が目に浮かび、想像が膨らみます。
- ステージで演奏するシーンや、音楽に陶酔するシーンは、まるで自分もその場にいるかのような臨場感で、感動を味わえました。
- ミステリー要素もさることながら、音大生たちがオーケストラを作り上げる物語としても、非常に面白かったです。
音楽の知識がある人はもちろん、クラシック音楽に触れたことがない人でも楽しめる作品だと思います。
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kihirobook · 6 months ago
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『朝1分間、30の習慣』読了
Kindle Primeで見つけた自己啓発本。朝が苦手な私にとって、「1分」という手軽さに惹かれて手に取りました。
読んでみて、ある程度は本書に書かれていることを実践することができました。もちろん、習慣化するにあたって形骸化してしまう部分もありましたが、朝の時間を大切にするための具体的な行動が書かれているため、非常にとっつきやすかったです。
実践していくうちに、心なしか朝起きるのが楽しみになってきたように感じます。少なくとも、目覚めてすぐにスマホで情報をインプットするのではなく、一度立ち止まってメモを書くというアウトプットをするようになりました。
本書には、朝の時間を有効活用するためのヒントがたくさん詰まっており、朝のルーティンに取り入れやすい具体的なアイデアや、習慣化するためのコツが参考になりました。まだ始めたばかりですが、少しずつ朝の時間を有効に使えるようになってきた気がします。これからも本書を参考に、自分なりの朝の習慣を確立していきたいと思います。
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kihirobook · 6 months ago
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『スキマワラシ』恩田陸 読み終えました
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概要:
「‘もの‘が持つ記憶の断片をつなぎ合わせて。」 兄と古道具店を営む散多(さんた)は古い物に触れるとそこに宿った記憶が見える。古いタイルや、廃ビルに現れる少女。ちりばめられたキーワードから自信のルーツをたどる。
感想:
現実の中にフィクションをひとつふたつ放り込んでみたら、こんなにあたたかなエピソードができるのか
美しい表現や、なるほどたしかに言語化したらそう言えるのかと唸る言葉がちりばめられていて、物語はもちろん国語としても楽しかった
恩田陸さんの小説は長い
家族曰く「中だるみする」
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kihirobook · 6 months ago
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『チョコレートコスモス』恩田陸さん
やはり恩田さんは心の動きを書くのが良い。迷いや、自分でも理解できないんです、という不安を、読者にもモヤモヤを与えて、決して「あーあれね!」なんてさせない。
そして、期待を上回る天才のセンスのアイデア。
とても良きでした。
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kihirobook · 6 months ago
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『空中庭園』 #読了
角田光代さんの本を読むと、心の奥に隠しておきたい自分の嫌な部分を、そっと掘り起こされて直視させられる感じがする。良くも悪くも、逃げずに向き合わされる。
本としての感想は、
家族って何だろう。
「嘘をつかない」「隠し事をしない」…そんな言葉自体が、時には嘘になることもある。
貧しくても幸せだったり、触れることでしかつながりを確かめられない存在なのか。
それに、心の中で決めた“言わない”が、時には裏目に出ることもあります。誰も何も正解じゃなく、みんな全てが正解。
純文学読んだなーって気持ちになれました。
良い本読んだ。
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kihirobook · 7 months ago
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ずっと読み続けていた『天人五衰』を読み終えました。
三島由紀夫さんの豊饒の海のシリーズ4巻中の4巻。
難しくて読み飛ばした部分もあるので、またシリーズ最初から結末ありきで読みます。
風景描写、心理描写のボキャブラリーの多さといい、美しさといい。その中にちりばめられた奥の深い意味合いを探っていきたいです。
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kihirobook · 7 months ago
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『青くて痛くて脆い』住野よる さんの本を読了しました。
人を傷つける怖さ、謝るという行為の自己満足である無意味さ。
大切にしていることは人それぞれで、そこへ向かう道もさらに多種多様であること。
どんなことがあっても変えない正義と変える柔軟さ。
色々と思うところがあります。
#読了 #読書
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kihirobook · 9 months ago
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kihirobook · 1 year ago
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kihirobook · 1 year ago
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