ほうじ茶ミルクのかき氷がツボ❣️ #かき氷 #ほうじ茶ミルクかき氷 #ほうじ茶ミルク #大久保麻衣 #aiokubo #ふわふわかき氷 #ふわふわ #甘いものは別腹 #甘いもの大好き #下北沢グルメ #下北沢 #下北沢カフェ #tokyogurumet #織部 #japantrip #おりべ #shimokitazawa #下北 (織部下北沢店) https://www.instagram.com/p/Ch4z39QpgPy/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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【すき家】330円のレベルじゃない。新登場のかき氷、これは要チェックでしょ - Peachy - ライブドアニュース
以下引用
牛丼チェーン店「すき家」で、2023年6月20日9時から新商品「かき氷」が販売されます。
ず~っと濃厚!追いシロップ付き
牛丼チェーン店「すき家」から、夏にピッタリな「かき氷」が登場。フレーバーは、ほんのりと甘いミルクシロップをかけた、ソーダ・抹茶・イチゴの3種類。別添えで追いシロップが付いているので、最後まで濃厚さを楽しめます。
トッピングのアイスホイップクリームは、ふんわりとろける食感です。「かき氷」のシャリシャリ感と、アイスホイップクリームの優しい口あたりがベストマッチ。食後のデザートにはもちろん、単品・テイクアウトでも購入できます。価格は各330円(税込)とお手頃な点も魅力です。
彩り豊かな3種の「かき氷」ラインナップ
「かき氷 パチパチクリームソーダ ソーダシロップ付き」は、りんごとライムの果汁で、さっぱり爽やかなソーダシロップが特徴です。トッピングには、口の中でパチパチ弾けるキャンディと、カラフルなラムネたち。鮮やかで見た目も可愛い一品です。
「かき氷 宇治金時ミルク 宇治抹茶シロップ付き」は、風味豊かな宇治抹茶シロップを使用。芳醇な抹茶と粒あん、ホイップクリームの相性は抜群です。
「かき氷 いちごミルク いちごシロップ付き」は、少し酸味のあるいちごフローズンがアクセントに。食感も楽しめて、甘いシロップとホイップクリームのバランスが絶妙です。
持ち帰りにも対応。これからの時期に、すき家の「かき氷」でひんやり涼んでみてはいかがでしょうか。
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大阪
いつのまに瞼を擦ったのだろう。手のひらでアイシャドウが煌めいている。飛行機から降りた途端、エスカレーターの立ち位置が札幌と逆になっていて一瞬戸惑う。仕事が終わってすぐに地下鉄と電車を乗り継いで飛行機に乗ったから、大阪に着いた頃には22時を過ぎていた。乗り間違えたら朝まで新世界で呑む羽目になるけど、まあそれも面白いかもと、緩やかなプレッシャーを携えて終電でホテルへ行く。街灯に照される見覚えのある風景、だけどそれは初めて見る風景だ。あ、ここ。と何度も錯覚する。チェックインした頃には0時半を回っていて、近くのコンビニで買った缶チューハイで乾杯。2泊3日ではあるけれど、大阪1日目は1時間半で終わって、「いや〜1日目楽しかったねえ」とかふざけて早々に眠る。
ガイドブックに載っていない良店が知りたくて、ここで呟いたらお2人から返信がきた。ユニバの招待チケットを譲ってもらったから大阪に来たのだけれど、わたしは高校の修学旅行でディズニーもユニバも行かずに、食べ歩きと伏見稲荷を選んだ人生だ。せっかくだから旅行の合間でどこで呑んでどこでお茶しようかと企んでいた。
怒涛の終電チェックイン翌日に行くユニバはそれなりに楽しかった。ジオラマを眺めるかのような面白さがある。一応、ジェラシックパークの恐竜カチューシャを着けて回った。こういうのは振り切ったもん勝ちだからと思ってはしゃいでみた。でも、その日の午前に行った海遊館のジンベイザメも楽しかった。映画を予習してたらもっとユニバを楽しめたのかもしれないけれど、巨体をゆらゆらと翻して回遊するジンベイザメを一日中見ていたかった。小さな小さなセーラ服に体育帽子を被った幼稚園児の団体と一緒になって魚を見て回る。遠足だろうか。子ども特有のふにゃふにゃした声色で、かわいいかわいいと連呼している。“わ”の部分にイントネーションが付いていて、こんな小さな頃から大阪人なのかと当たり前のことを思う。
夜は、教えてもらった“十忠八九”という海鮮居酒屋に行く。名物だと言う生サーモンレアフライもどれも美味しかった。店員がみんな仲良さそうで良かった。かと言って雑然とした接客じゃない。傘がないと言ったら、帰り際に大きなビニール傘をくれた。いつかの客の忘れ物らしく、どうせ取りに来ないんで要らなくなったらどっかほおってくださいと言う。訛りのある敬語に甘えて、傘を差して帰る。旅先の雨だと言うのに気分が良い。「なまら美味しかったです!」と教えてくださった方にメッセージを送る。
次の日は大阪城へ。3年ほど前に弟と大阪に来た時はかなりゆっくりできたから、新世界と通天閣、道頓堀、太陽の塔までみれたから大阪の観光で行ったことないのはあと大阪城ぐらいだった。日本史を履修していないし、戦国時代はよくわからない。天守閣まで登って、ぐるりと回って大阪の街並みを見る。展示は、兜や屏風など目に留まるものだけ解説と合わせて見て足早に城をでる。わたしの目当ては大阪城ではなく、その横で静坐している珈琲屋だ。これもまた教えてもらった“ばん珈琲”という店だった。この方は質問箱に匿名で教えてくれたのだけれど、文章でなんとなく誰だかわかった。大阪ってたこ焼きとか虎柄とかあめちゃんとかのイメージが強かったけれど、失礼ながらこういう生活を営む大阪人もいるんだなと素直に思った。静かだけれど、強要されるような圧力はなく、ただただ上質な珈琲をしっとりと飲める店だった。少しだけアイスコーヒーを残して、ミルクとガムシロを加える。小さな氷がジャラジャラとぶつかり合う音が、店の隅まで聞こえてしまいそうだった。他にもお店を教えてもらってたけれど、時間が合わなくて行けなかったから次来た時に行く。麒麟堂ってところにも行きたかった。忘れないよう位置情報をブックマークしておく。
空港まで帰る電車で通天閣を横切る。鉄道はずっと街の上を走っている。街並みが圧縮されているなと思う。同じ車両に乗っているはずなのに路線の名前が変わるのに少し焦る。たまに道外に出てしまうと人間として根詰まりしちゃってないかな、いろんな場所を旅行して心底惚れた街に住むのもいいよなと思う。ともかく観光チックになりすぎない観光っていうのが性に合ってて良かった。死ぬまでにまたこの場所にくるのだろうかと思いながらその場所を歩きたい。知らない地の誰かの生活に倣って過ごすことで、こんな人生も良いよなと想像してみる。
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9/27(火) かき氷営業🍧13:00-完売まで(最長22:00)本日栗40食強🌰です。 ・ ・ ・ ——————————- 【本日のメニュー】 1. れもな娘(檸檬と梨と杏仁) 檸檬ソース×梨ソース×パインソース ×マンゴーソース×梨 ×シャインマスカット×檸檬ピール ×杏仁ミルク×杏仁ジェラート ×ホワイトチョコクリーム 他 ※本日途中よりクリームチーズジェラートに切り替わる可能性があります。 2.和栗日和🌰(40食強) 和栗ソース×ほぐし和栗×店主の渋皮煮 ×ほうじ茶ジェラート×餡クリーム ×黒豆煮×芋どろりん×きなこ 他 3. お芋黒胡麻バナナ(季節氷) お芋ソース×芋チップ×くろみつ ×黒胡麻バナナジェラート×芋どろりん ×南瓜チーズクリーム×バナナ ×黒胡麻きなこ 他 1//2000yen 2//2200yen 3//1800yen ※複数杯ご注文のお客様は、 数の小さいものから順にお作りさせて頂きます。 ——————————————- 今日は和栗日和🌰は出し切り。 40〜50食位です。 そして季節氷のお芋があります。 今日と、来週もう1日だけの限定です。 私がまかないで食べたいパーツを 詰めました🍠✨^^ 作ってもらった黒胡麻バナナジェラートが 凄く私の好みだったので 共感くださる方がいてくれされば 嬉しいです。 昨日はれもな娘🍋のフィーバーでした。 かわいいビジュアル、 写真をinstagramで紹介したいのに 私はまだ撮影できていません>< 和梨のソース始め、 スッキリした秋のフルーツ達が勢揃いの れもな。 このシリーズは どれも256nicomらしいですね^^ お時間合う方、 よければmauveにいらしてください🍧 ・ ・ ・ ・ ・ 現行のかき氷営業と 来月からのcurry&parfaitの再開、 1年怠ったレシートの山の処理 (これが難関だけど、 完全なる自業自得、、( ๐_๐)) 新店舗に伴う、 千葉からの移転の件もあるので 私がめいっぱいになってしまっていて、 昨日も、れもながももな表記となってしまいご迷惑をおかけしてしまい 申し訳ありませんでした。 10月の予定のお問合せも 頂いているので、 朝書いて、 まだ修正テープだらけの下書きですが←汗 最後にスケジュールも入れました。 こちらは 明日以降、ちゃんとしたものを投稿します。 ・ ・ ・ 来週からは柿がメニューに入ります!! ラムレーズンの氷も組み込まないとです。 今日が終わると、 残すかき氷営業はあと10日!! 出し切ります。 来週もよろしくお願い致します。 いつもありがとうございます。 256nicom eri #256nicommauve https://www.instagram.com/p/Ci_oiTyvVX1/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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おはようございます! MOCMO sandwiches & Craft beerです☁️🥪🍺 9月もまだまだ暑いですねーーー!三鷹はまだまだセミが鳴いています🌳 この夏好評でした【台湾風ミルクかき氷】は続投販売中です🍧 フレーバーは全3種!写真はほうじ茶金時🍵 一日数量限定ですのでご希望の方はお早めにご来店下さい🏃♂️💨 本日も皆様のご来店心よりお待ちしております🙌 #mocmosandwiches #モクモサンドイッチーズ #萌断 #吉祥寺 #吉祥寺カフェ #吉祥寺ランチ #kichijoji #三鷹 #三鷹カフェ #三鷹ランチ #mitaka #グルテンフリー #glutenfree #クラウドブレッド #cloudbread #craftbeer #craftbeerlife #nicebeer #クラフトビール備忘録 #クラフトビールライフ #beergeek #craftbeergeek #craftbeerreview #ビール #ビアスタグラム #ビール好き #クラフトビール #クラフトビール好きと繋がりたい #かき氷 #台湾かき氷 https://www.instagram.com/p/CieHCfHvUO_/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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佐久市岩村田にあるかき氷と甘味の「雪あそび」です。本日カミさんと揃って病院に行き、ランチした後寄りました。
ここは日光市今市の松月氷室の天然氷を使用しています。だからフワッとして、サクサクじゃなくてサワッとした雪のような食感になるのだそうです。店内も落ち着いた雰囲気。
真夏では無いので一人で一個は無理だろうということで協議の結果、「大人女子の抹茶ミルク(税込1,000円)」になりました。静岡産抹茶とオリジナル練乳、ホイップクリームを使用しています。私、女子ではありませんが、一応大人です。そしてチューブ入りの練乳をチュルチュル吸うほど練乳が大好きなんです。とにかく上から下までしっかり抹茶、練乳が入っていて大満足。お店のHPの写真より私の撮ったこの写真の方がボリュームがあり、実際に近いと思います。フワフワなので時間を置くとすぐに溶けてしまいますしね。
そしてもう一個は「わらび餅(税込500円)」。毎日こねてこねて作っているそうです。もちもちでトロ〜ッと伸びます。かき氷の口直しにもピッタリでした。二人で両方に急かされるように手を出し、あっという間に食べ切りました。(2023/9/30)
お店のURLは
https://r.goope.jp/yukiasobi2022/
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鮫麗 (サメウララ)
栗ほうじ茶ミルク
西区に移転されてから初めてお邪魔してきました【鮫麗】さんにお邪魔してきました。この日はちょっとどんよりしたお天気で翌日にワニワニクリスマス会を控えた日でした。こちらのかき氷はブラッドオレンジ・パッションフルーツ・マンゴーなどの南国な果物をメインとしたお店なので私には敷居が高い(酸っぱいのが苦手で)のでお店の選択としては案外ランクは下の方なんですが実は食べたいかき氷があったので行ってみました。ですがそちらのメニューはありませんでしたwwwお話を伺ったところそのメニューは他の店さんとのコラボメニューだったのです。残念です。ですが一度だけ食べた感想は私の中では絶大なもので♡いつか食べられたらいいなっ♡
#かき氷は趣味です
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河越ほうじ茶
ストロベリーパンナ🍧
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閉店してしまったカフェ アンティのかき氷
去年 食べに行った時のもの
お友達とシェアして食べました♩*。
パンナって生クリームって意味なんですね
ショートケーキみたいで可愛い🍓
どちらも甘すぎなくて美味しかった ❤︎*。
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.
カフェ アンティ / 川越
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73. 10段アイスクリーム
(英題)Decuple-Scoop Cone
2021/07/26
作曲: thus(2021)
編曲: thus(2021)
歌詞: thus(2018-2021)
絵: thus(2021)
動画: thus(2021)
(フォント: ふい字P, トガリテ Heavy, トガリテ Black)
(集中線: つくP(2013))
© 2021 thus. Composed by thus
ニコニコ動画
https://nico.ms/sm39646222
YouTube
https://youtu.be/NUD_2v7DVCk
哔哩哔哩
https://www.bilibili.com/video/BV16Q4y1U7Dm/
---
(氷菓子(アイスクリーム)食(た)べたい 10段(だん)乗(の)ったやつ)
(氷菓子(アイスクリーム) 食べたい 10段(だん)乗(の)ったやつ)
氷菓子(アイスクリーム)食(た)べたい 10段(だん)乗(の)ったやつ
世(よ)の期謀(きぼう)を 金(きん)差(さ)し悲願(ひがん)で嵩(かさ)練(ね)り亢(たか)く
第一段目(だいいちだんめ)最初(さいしょ)は宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)
慎重(しんちょう)に慎重(しんちょう)に 次(つぎ)を積(つ)み上(あ)げる
第二段目(だいにだんめ)宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)ミルク
慎重(しんちょう)に慎重(しんちょう)に 全乗(ぜんの)せ目指(めざ)し行(ゆ)く
第三段目(だいさんだんめ)季節(きせつ)限定(げんてい)宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)
第四段目(だいよんだんめ)超高級(ちょうこうきゅう)の宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)
第五段目(だいごだんめ) デリシャス宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)
第六段目(だいろくだんめ) プレミアムな宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)
第七段目(だいななだんめ)透明色(とうめいしょく)宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)
第八段目(だいはちだんめ)宇治(うじ)☆SUPER☆濃厚(のうこう)抹茶(まっちゃ)
第九段目(だいきゅうだんめ)宇治(うじ)マッチョ・プロテイン味(あじ)
第十段目(だいじゅうだんめ) シン・宇治(うじ)抹茶(まっちゃ)
ぐらついた
全部(ぜんぶ)落(お)っことした ドロドロ融(と)けていく
全部(ぜんぶ)落(お)っことした 蒸発(はつ)香(かお)り良(よ)く
全部(ぜんぶ)落(お)っことした 昇華(しょうか)し消(き)えていく
予報(よほう)通(どお)りに暑(あつ)さがかんかん照(て)り焼(や)く糖分(とうぶん)を
嗚呼(ああ)
サヨナラ氷菓子(アイスクリーム)勝手(かって)に融(と)けてけ
サヨナラ氷菓子(アイスクリーム)持(も)ち手(て)に落(お)ちてけれ
サヨナラ氷菓子(アイスクリーム) もういっそ焼(や)き殺(ころ)してくれ(?)
青天(せいてん)が殴(なぐ)る熱光浴(ねっこうよく)膝(ひざ)から崩(くず)れ落(お)ちて
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. . 塩ミルクあずき 食べてきました! 中まで餡子が入ってて嬉しいっ 明日は何を食べようか… . . . #Repost @_tsumiishi_ with @make_repost ・・・ こんにちは! 本日8/6(金)も喫茶ケルンオープンしています! 11:00-16:00です! 暑すぎる日にオススメしたい梅氷。 クエン酸で疲労回復!暑さを乗りきりましょう🍧 かき氷、ドリンク全てテイクアウト容器でご提供させていただいております! 店内ばっちり換気しておりますが暑すぎず、良い加減になっております🙆 お楽しみWOOLYさんのワークショップは明日ですー! 今週のかき氷 🍧 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ○北本産完熟梅 650円 北本産の青梅とてんさい糖で作ったシロップに、完熟梅ジャムをかけました。甘酸っぱさがくせになるかき氷です。 ○北本産ルバーブ&プラム 650円 北本産のルバーブと北本産のプラム「太陽」という品種の2種類のソースと自家製豆乳ミルクを使ったかき氷です。ジューシーな甘さと酸味が美味しい! ○塩ミルクあずき 650円 十勝産の小豆と奄美の素焚糖で、一日かけてじっくり炊いた粒あんに、自家製の豆乳塩ミルクと豆練乳をかけた甘しょっぱいかき氷です。 (ブルーベリーは控え選手です🏃🍇 試作中のお米のお菓子に使うかもしれない!) ドリンク🥛 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ○有機ほうじ茶(hot) 450円 ○アイスコーヒー(ノンカフェ) 450円 ◎アイスソイラテ(オーツミルク+50円) 500円 ○自家製梅ジュース(ソーダ/水割り) 500円 ○GOHAN-MAYUのあらごし新生姜エール 500円 ○こども国産100%ジュース(りんご/みかん) 250円 【 ◎‥ 豆乳またはオーツミルク 】 豆乳 : 大豆由来のミルク。グルテンフリー対応。 オーツミルク :オーツ麦由来の植物性ミルク。ほんのり甘く、さっぱりとした口当たり。食物繊維が豊富で、環境への負担が少ないミルクです。 ‐‐ 全てテイクアウト容器でのご提供となります。 ひとり営業の為、混雑時にはお待たせしてしまう事があります。ご了承頂けると幸いです🙇 駐車場は、店舗前2台となっております、よろしくお願いします。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ #ケルン #北本ケルン #北本 #シェアキッチン #喫茶ケルン #かき氷 #塩ミルク #小豆 #プラム #太陽 #ルバーブ #梅 #完熟梅 #青梅 #豆乳 #ソイミルク #オーツミルク #ジンジャーエール #ノンカフェイン #グルテンフリー #ヴィーガン #自家製 #白砂糖不使用 #乳製品不使用 #プラスチックフリー #オーガニック #有機 #地球に優しい暮らし #何かやってみたい人 https://www.instagram.com/p/CSN6kSTqgHU/?utm_medium=tumblr
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朝霧と
梅の花が咲くころ、海から近いこの町では少し先も見えないほどの朝霧がかかる。
何年も前のそのような日にシズカという少女が行方不明になった。まだ14になったばかりの少女で、素行に悪いところのない真面目な少女だった。シズカの失踪は町を動揺させた。犯罪者が町に入りこんでシズカをさらったのではないか、と憶測が飛び交った。犯人探しにしばらく町中の人間が躍起になったけれども、日が差して散る霧のように痕跡を見つからなかった。
今日は霧が出ていた。珍しくはないが、ここまで濃い霧は初めてだ。足元さえ白く霞んで、街路灯の光がまるで湯船にミルクを零したかのように空気を白くぼやけさせている。通いなれた道でも合っているのか不安になるほど、いつもと道の雰囲気が違った。まるで昔話の主人公のように別の世界に迷いこんでしまったかのようで、でも道の形や目を凝らして見える道沿いの家の形は見慣れたもので、ちゃんと現実で、町の中にいるという実感が持てた。
そんなことを考えていると、道の向こうに人影が現れた。輪郭しか分からない。小柄で、華奢に見えた。まっすぐ進むとぶつかりそうで、横にずれる。すれ違うまでの距離に近づくと、顔が見えてくる。うっすらと浮かびあがるのは血の気のない女の顔。黒い髪が朝霧のせいか頬に貼りついている。磯の臭いがした。着ている服は中学校のセーラー服で、それがびっしょりと濡れていた。夜遊びの代償だろうか。そんなことを思いながらずぶ濡れの少女とすれ違った。
三月も半ば、学生はそろそろ春休みだろう。卒業式も近い。どこか落ちつかない時期だったような気がした。最後に、という言葉でいろいろと無茶をしたのも今日のような日だった。あの日も何もかもを白く曖昧にする朝霧が出ていた。その朝霧のなかを誰にも見つからないようにこっそりと家に帰った記憶がある。はじめて体験した夜の朝で、体中に一つ年上の彼女の感触が残っていた。それが歩きながらも発作のように自分をたまらない気持ちにさせたのをしっかりと覚えている。
事務所の形が見えてきた。
一つ足を進めるほどに霧が晴れて、事務所の扉が見えたころには霧は嘘のように消えた。扉を開け、中に入るとすでに社長がいて、今日の工事の書類を眺めていた。おはようございます、と声をかける。
「酷い霧でしたけれど、運転は大丈夫でした?」
「霧?」
「ちょっと先も見えないぐらいでしたよ。もしかして、泊まりですか?」
「違うが、霧なんて今日は出てなかったが」
「え?」
社長がいぶかしそうに私の顔を見つめる。釣られるように自分の頬を撫で、それから髪に触れた。あれだけ濃い霧の中を歩けば、毛先が湿るものだけれど、指先に伝わったのは乾いた髪の感触だった。霧のなかですれ違った少女の姿が急に思い出され、氷を飲みこんだように芯が冷えた。
「大丈夫か?」
「体は元気ですよ」
「そうか」
社長はそう言って立ちあがると、給湯室に消えた。少ししてマグカップに黒い液体を――コーヒーを入れて戻ってきた。とりあえず飲んで落ちつけ、と言われる。社長からマグカップを受け取り、それを一口飲む。インスタントコーヒーの香り、苦味と強い酸味。ただ熱さだけが喉をすぎ、体の形をなぞるように落ちていく。
「霧の中で、」
社長は首を横にふって、私が話しだそうとするのを遮った。
「何も言うな」
「……どうして?」
「聞きたくない」
社長は嫌そうな顔をしていた。もしか��たら怖い話が苦手なのかもしれない。もう一度、霧のなかであったことを切り出そうとすると言葉よりも先に社長の手が私の口をふさいだ。
「そんなにホラーが苦手ですか」
「得意なやつは同じ人間とは思えないな」
社長は、それよりも、と話題を変える。今日の工事だが、と実務的な話を始められると、自分の頭も仕事に切り替わって、朝霧のこともその中ですれ違った少女のことも頭の片隅に追いやられた。
前も後ろも分からないぐらいの朝霧に遭遇したのは、これまでにその日のことが最初で、二回目はいまだにない。
飲み会や友人にそのことを聞いても同じような経験は誰からも聞けなかった。何だったのかは分からないままだ。
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🎉新商品情報🎉 明日8/1〜気温が下がるまで(笑) MOCMO特製台湾風ミルクかき氷を販売致します🇹🇼🥛🍧 選べるテイスト3種類! ・ミックスベリー(写真) ・キウイ ・ほうじ茶金時 甘く味付けした牛乳を凍らせて使用しているので、氷が溶け始めてもミルキーで濃厚な味わいが楽しめます👍 ぜひご賞味下さい😋 #mocmosandwiches #モクモサンドイッチーズ #三鷹 #三鷹市 #mitaka #三鷹カフェ #三鷹ランチ #吉祥寺 #吉祥寺カフェ #吉祥寺ランチ #kichijoji #craftbeer #craftbeerlover #craftbeershop #クラフトビール #クラフトビール専門店 #クラフトビール好きと繋がりたい #かき氷 #かき氷部 #かき氷好きな人と繋がりたい #かき氷研究所 #かき氷大好き #かき氷マニア #かき氷食べたい #大盛り #いちご味 #キウイ #ほうじ茶スイーツ #ほうじ茶 #台湾かき氷 https://www.instagram.com/p/CgqU-5UvlXs/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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一夜では終わらない
氷の上にいるヴィクトルを見て、勇利は感激し、ものが言えなかった。彼はただ両手で口元を覆い、黒い目をうるっとうるませた。
「なんだい?」
ヴィクトルは可笑しそうに笑った。
「どうしてそんな、ヴィクトル・ニキフォロフを見る勝生勇利みたいな顔してる?」
「勝生勇利がヴィクトル・ニキフォロフを見てるからだよ」
ふたりの会話を聞いて、そばでクリストフが「なにこれ?」と言ったけれど、勇利の耳には入らなかった。ヴィクトルだ。ヴィクトルがいる。ヴィクトルが氷の上に立っている。氷上の皇帝が。
もちろん、ロシア選手権やヨーロッパ選手権に出場していたことは知っていた。映像も見たし、金メダルを獲ったことも心得ていた。そのときは最高にうれしかった。しかし、こうして彼を実際目の前にすると、ヴィクトルは本当に復帰したのだ、同じ氷の上に立てるのだという喜びが押し寄せて、勇利はどうしようもなくなるのだった。
「さあ、そんなうっとりした目で見てないで、きみもおいで。練習しなくちゃ。勇利は俺に勝たなくちゃいけないんだよ」
「わかってます」
この世界選手権でヴィクトルに勝てたら最高だし、勇利はそういう心意気だった。ヴィクトルに勝つ、勝ちたい、とずっと思っていて、その気持ちはいまがいちばん強かった。だから公式練習の時間はめいっぱい使ったし、気力もじゅうぶんだった。練習しながらヴィクトルの動きを真剣に観察すると、この選手にはとても敵わないのではないかという気がしたけれど、そんなことない、ぼくにはヴィクトルコーチがついてるんだ、と自分を奮い立たせた。
「勇利のまなざしがあまりに熱烈だから、練習のときから全力でやってしまって困る」
その夜ヴィクトルは、ふたりの部屋で愉快そうに勇利に話した。
「そんなにうっとりしてた?」
「それはそうなんだが、あこがれだけじゃなく、絶対超えてやるという意気込みを感じる。恋い焦がれてでもいるかのようだ」
「ぼく、ヴィクトルに勝ちたいんだ」
勇利はこぶしを握って、子どものようにきっぱり言った。ヴィクトルは楽しそうにうなずいた。
「ヴィクトルに勝って、それで……」
「それで?」
「それで……」
それで、なんだろう?��勇利は言葉が続かなかった。ただ勝ちたい。ヴィクトル��競える選手なのだということを証明したい。そうすれば、ヴィクトルもすこしは勇利のスケートを認めてくれるかもしれない。
「俺に勝って、結婚する?」
「え?」
「金メダルを獲ったら」
ヴィクトルが口の端を上げて得意そうにした。勇利は赤くなって怒った。
「そういうことじゃないだろ!」
確かに、金メダルで結婚とかなんとか言っていたけれど、そういう話ではない。ヴィクトルは何を言っているのだ。
「ぼくはただ──ヴィクトルに認めて欲しくて──それに、ヴィクトルがコーチとしてすばらしいことを証明したくて──」
「わかったよ。そう一生懸命否定しなくてもいい。そんなに俺と結婚したいのかって期待する」
「だからなんでそういう話になるの!?」
ヴィクトルは声を上げて笑った。本当にどうしようもないひとだ。こんなことばかり言って勇利をからかっているのだ。まったく……。でも好き、と勇利は思った。
「言っておくけどね、そうやって余裕ぶっていられるのもいまのうちだからね」
勇利は胸をそらし、ヴィクトルの前を行ったり来たりしながら、学校の先生のように指を振った。ベッドにゆったりと腰掛けたヴィクトルは、おもしろそうに勇利を眺めて「へえ」と答えた。
「そうなのかい?」
「そうだよ! ぼくはもうすごいんだから」
「なるほど」
「ぼくのプログラムは、コーチがぼくのことを考えてつくってくれたやつなんだからね。ショートだって、ぼくには似合わないんじゃないかって思ったけど、勇利はセクシーだよって言ってくれたんだから」
「うんうん」
「ぼくはね、フリーの最後にクワドフリップを跳ぶんだよ! すごいだろ。GOE+3つくやつだよ。ヴィクトルも、勇利のそのジャンプが見たいって言ってくれたんだ!」
「ああ、それは高得点になるだろうね」
ヴィクトルは請け合うというようにうなずいた。
「……成功すればね」
「…………」
そのとおりだ。成功すれば──よいジャンプが跳べれば高得点を得られるだろう。しかし失敗すれば、いやな印象を与えたまま演技が終わる。最後のジャンプひとつがすべての得点に影響するわけではないけれど、勇利の精神にとってもよくないことになりそうだ。
勇利の瞳がうるっとうるんだ。
「なんでいまそういうこと言うの……」
ヴィクトルが目をまるくした。
「練習でも成功率低いし、本番になるとさらに下がるだろうし、ぼく不安なのに……」
「ああ、わかったよ、勇利。ごめんごめん」
ヴィクトルは笑い出し、勇利を引き寄せて自分の膝に座らせた。
「大丈夫。勇利ならできるよ」
彼は優しい声で言って、勇利の髪を撫で、こめかみのあたりにくちびるを押し当てた。
「できないわけないじゃないか。俺の勇利だ。俺が教えたんだ」
「……本当?」
勇利はくすんと鼻を鳴らしてヴィクトルを見た。
「本当だ」
ヴィクトルは真摯にささやき、ちいさくうなずいた。
「こんなにかわいい俺の生徒が、失敗するわけがない。勇利の演技は完璧だよ」
「かわいいは関係ないと思うけど……」
「関係あるよ。大ありだ」
「ない」
勇利が断言すると、ヴィクトルは笑いをこらえるような顔をし、「そうかな?」と不賛成の意を示した。勇利は、演技にかわいいかかわいくないかなんて関係あるわけないだろ、と思った。
「まあいいよ。勇利の意見だね。とにかく俺の勇利は完全な演技をするから」
「そう?」
「そうとも」
「絶対?」
「絶対だ」
「……うん」
勇利はうなずき、目をきらきらと輝かせてヴィクトルに顔を寄せた。
「ぼく、ヴィクトルに勝つからね!」
「そうかい?」
「そうだよ! 勝つんだ! 勝って……」
ヴィクトルのすばらしさを証明する、と宣言しようとしたら、ヴィクトルがおどけて言った。
「勝って俺と結婚するんだね」
「だからなんでそういうこと言うの!?」
ヴィクトルは八ヶ月も休養していたのだから不利だとか、さすがにリビングレジェンドでも今回の金メダルは難しいだろうとか、そんなうわさが飛び交っていた。ロシア選手権もヨーロッパ選手権も、ヴィクトルは優勝したけれど、自分の調子を確かめているような、試合をしながら調整しているようなところがあった。それがファンや解説者たちを不安にさせたのかもしれない。
だが、勇利は信じていた。絶対にヴィクトルは完璧に仕上げてくる。グランプリファイナルのフリースケーティングのようなすべりをしても、自分はまだ勝てない。彼より高い位置へ行くためには、あれ以上のものを見せなければ、という強い決意があった。
そして同じくらい、新しいヴィクトルを見たいと思っていた。親しくなる前も、彼と試合で会うことはあったけれど、いまは、そのときとはどこか──何かがちがう気がしていた。説明はできない。ヴィクトルはいつもどおり陽気だったし、とくに気負っている様子も緊張しているところもなく、ごく自然に練習に参加し、選手たちと言葉を交わしていた。勇利に対しても笑顔ばかりだった。これまでと異なるのは、ヴィクトルが選手であるだけでなく、勇利にはコーチとしてふるまうところだけれど、勇利が「ちがう」と感じるのは、そういう点ではなかった。もっと目に見えない──とらえがたい何かだ。
なんだろう、と思った。勇利にはわからなかった。だが、うれしい感じはした。そう、ヴィクト��を見ているとうれしくなる。胸がどきどきし、わくわくし、ときめいて、たまらなくなる。前からそうだったけれど、もっとはしゃぎたくなる。ヴィクトルに抱きついて、一緒にスケートして、とねだりたくなるような感覚だ。そうしたら、ヴィクトルが笑顔で勇利を抱きしめ、いいよ! と答えてくれるような──。
勇利はヴィクトルの演技をリンクサイドで見た。彼は、これまでのどんなヴィクトルともちがっていた。もともとかっこうよく、威厳があり、優雅でうつくしく、絶対的なスケートをすべるひとだったけれど──それを超えた何かがいまのヴィクトルにはあった。ただ人々を見蕩れさせるだけではなく、耐えがたいほどの激情と喜びで包みこんでしまい、完全に魅了し尽くすような──彼のスケートを知ったら戻れなくなるような、そんな何かだった。
勇利は瞬きもせずヴィクトルを見ていた。いつの間にか、彼の両目から涙があふれ、頬に流れ落ちていた。ヴィクトルが挨拶をしても、リンクサイドに戻ってきても、勇利は同じ姿勢のままじっとしていた。涙は止まらなかった。
「勇利」
ヴィクトルが息をはずませながらほほえんだ。勇利は何か言うべきだった。感じたことを。思ったことを。しかし言葉にならなかった。言葉にできるような演技ではなかった。
涙に濡れた目を上げた勇利をヴィクトルはみつめ、長い指でまなじりをぬぐった。親愛の抱擁もできず、勇利は瞳をみひらいたままヴィクトルを見ていた。ヴィクトルはキスアンドクライへ勇利を連れていこうとしたけれど、勇利は動けなかった。
ヴィクトルの得点が出たとき、勇利は両手でおもてを覆い、しゃくり上げて泣き出した。
勇利は表彰式のときも、記者会見のときも、ずっとヴィクトルのそばにいたけれど、どこか近寄りがたい──話しかけづらいものを感じていた。ヴィクトルがそっけないわけではない。彼はいつもどおりほほえんでいるし、勇利のこともちゃんと見てくれる。しかし、勇利はためらいをおぼえた。ヴィクトルからぴりぴりしたものを感じる。いや──すこしちがうかもしれない。だが、まるで試合前のような緊張は常に伝わってきた。これから氷に立つのだというふうな、差し迫った雰囲気である。ヴィクトルは会見でもごく普通に受け答えをしたし、選手や観客にも笑顔で応えていたので、思いちがいかもしれないが、しかし勇利は、確かにヴィクトルからそういう熱気を感じた。ほほえみかけられ、微笑を返すけれど、勇利のほうも緊張していた。その感覚は部屋へ帰っても続いた。
「長い一日だったね」
ヴィクトルが言った。勇利はうなずき、ヴィクトルをじっとみつめた。
「なんだい?」
「……ううん」
「勇利、なんだか変だね」
ヴィクトルは笑った。
「……ヴィクトルに、金メダルにキスさせてあげられなかった」
「そうだね。残念だ」
ヴィクトルは優しい目をし、自分の金メダルを勇利に差し出した。
「さあ、キスしてくれ」
「もうしたよ。表彰台で」
「もう一度。何度でもして欲しい」
ヴィクトルは優勝したのだ。八ヶ月休養し、三ヶ月練習し、それで金メダルを獲った。新しいヴィクトルを見て、勇利はずっとどきどきしていた。負けてものすごく悔しいのに、同じくらい誇らしく、うれしかった。ヴィクトルはやっぱりヴィクトルだった。彼は氷を支配する。勇利は興奮しきっていた。ヴィクトルもそうなのだろう。だから雰囲気がちがうのだ。昂ぶっている。
「金メダル、うれしい?」
勇利はそっと尋ねた。
「うれしいよ」
ヴィクトルはにっこりした。
「前よりずっとうれしい」
「そうなんだ」
「勇利は?」
「すごく悔しいけど、すごくうれしいよ」
ヴィクトルは笑ってうなずいた。それ以上、お互い、何も言わなかった。言わなくても伝わった。しかし、伝わらないこともある。この言葉にしがたい、とどめがたいほどの強い感情……。勇利は口が利けなかった。ヴィクトルからもそういう気持ちを感じた。彼も黙っていた。お互い、言葉にしようという発想すらないのかもしれない。どうすればよいのだろう。
勇利は、ヴィクトルの演技を思い出した。氷の上にいる彼について考えると、自然と涙がこぼれそうになってしまう。困ったことだ。ヴィクトルはどうしてあんなことができるの? なぜ? ぼくの神様。でも、神様っていうだけじゃない……。
気がつくと、ヴィクトルがまっすぐに勇利を見ていた。勇利は彼と並んでベッドに座っていた。なんとなく気恥ずかしくなって、両脚をそろえてみた。まだヴィクトルの視線はそれない。
ヴィクトルの目つきに熱烈なものをおぼえた。勇利はさっきより胸がどきどきした。どうしてこんなに見るのだろう? 疲れたからシャワーを浴びてもう眠ろう。そう言えばこの時間は終わるのだろうか。勇利は、ヴィクトルの視線から逃れたいけれど、ずっとこの目でみつめられていたいような気がした。ヴィクトルの、言葉ではあらわせない情熱。普段には感じない緊張。近寄りがたいけれどそばにいたいこの感覚……。
ヴィクトルといると矛盾ばかりだ。一緒にいたいのに隣にいるとせつなくて、たくさん考えることがあるのに安らいで、甘い気分なのに胸が痛くて、うれしいのに苦しくて、涙が出そうで……。ヴィクトルはふしぎなひとだ。
勇利は思いきってヴィクトルをみつめた。ヴィクトルはずっと勇利を見ていた。彼の熱狂的な、こわいほどのまなざしがそこにあった。青い瞳はひんやりとしているはずなのに、ひどい熱さを感じるほどの熱意だった。勇利は──。
勇利は、ヴィクトルに求められている気がした。
気のせいだろうか? いや、ちがう。思いちがいにはできないほどその熱は強い。ヴィクトルは勇利を欲している。確かに。
勇利は彼に応えたかった。ヴィクトルの望むようにしたかった。しかし、どうすればよいのか、それがわからなかった。彼のねがいは何だろう。勇利のほほえみが必要なのか。勇利と語りあいたいのか。勇利と踊りたいのか。勇利のスケートが見たいのか。勇利とキスがしたいのか──。
どうすればいい。どうすれば。ヴィクトルのまなざしは圧倒されるほどの威力を持っている。勇利は混乱した。ヴィクトルからの興奮が伝わるだけでおかしくなりそうなのに、こんな目で見続けられたら本当にどうにかなってしまう。言ってくれればいいのに。こうしてくれと。勇利とこんなことがしたいと。言ってくれさえすれば、勇利はどんなことだって──。
勇利はすっと立ち上がった。彼は眼鏡を外し、そばの棚に置くと、すこしうつむいてゆっくりとナショナルジャージのファスナーを下ろした。そしてそれを脱いで椅子にかけ、下に着ていたシャツも脱いだ。ジャージパンツを取り、下着姿になって、胸にそっと手を当てた。ややうつむきがちでちいさく呼吸する。頬がほてっている。頭が痛いくらい熱かった。勇利は思いきって下着に手をかけた。それはすとんと足首まで落ちて、勇利の裸身があらわになった。
「ヴィクトル……」
勇利は目を伏せ、かぼそい声でささやいた。
「抱いてください……」
「…………」
「抱いて欲しいです……」
何をしているのだ、とんでもない、という気持ちはまるで起こらなかった。ありのままの、ごく自然な、当たり前のいとなみをするのだという気がした。ヴィクトルがあきれたらどうしようとか、彼の望みはこれではないかもしれないとか、そんなことも思い浮かばなかった。快楽が欲しいのではなく、ただ、ヴィクトルを深く感じたかった。ヴィクトルも感じたがっている。彼は求めている。勇利の何かを。このぴりぴりするような緊張の中──。
ヴィクトルが立ち上がった。彼は勇利を引き寄せ、額にくちびるを押し当てた。勇利はヴィクトルの胸に寄り添った。鼓動の速さはいままででいちばんではないかというほどだ。
勇利はヴィクトルの瞳を見た。ヴィクトルもじっとみつめ返した。彼は笑わなかったけれど、こわくはなかった。なんて情熱的なまなざしなのだろう……。
「おまえが欲しい」
ヴィクトルがささやいた。
「うん」
勇利はちいさくうなずいた。
「勇利の、何もかもがだよ」
「うん」
勇利はヴィクトルにすり寄り、まぶたを閉ざした。
「ヴィクトルのことしか、考えられないよ……」
くちびるが重なった。すこし荒っぽいしぐさでヴィクトルはそうした。勇利は喉をのけぞらせるようにして彼を見上げ、子どもみたいにすがった。閉じた目元から、真珠のような涙があふれた。
「どうして泣いてる?」
「ヴィクトルのスケートを思い出すと、涙が出るんだ」
ヴィクトルはもう一度くちづけした。奪うようなやり方で、抱きしめる手つきは熱狂的だった。おまえが欲しい、という言葉を肌で感じた。勇利は、ヴィクトルにすべてを捧げたかった。
ふたりでベッドに倒れこみ、夢中で抱きあった。勇利はヴィクトルの首筋に腕を投げかけ、指先で彼の髪を梳いた。熱い、と思った。熱い……。
くちびるを離し、ヴィクトルが勇利を見下ろした。緊張と熱意をたたえた瞳に勇利はぞくぞくした。全部あげる、と思った。ぜんぶ、ぜんぶ……。
何もかも。
目ざめるとすぐそこにヴィクトルの寝顔があった。勇利はしばらく黙って彼の顔を観察し、それからちいさく笑った。
ヴィクトルの顔つきは穏やかそのもので、安心しきっており、やすらかだった。昨日感じた緊張や昂ぶり、ぴりぴりしたものはかけらもない。ゆうべ抱きしめられている最中もそれはずっと続いており、勇利はその情熱が苦しいほどだったのだけれど、いまは落ち着いていた。あの熱された時間も、この物静かな瞬間も、どちらもたまらなく幸福だった。
「ふふっ」
勇利はもう一度笑い、ヴィクトルの髪にふれてから起き上がった。いささか身体がけだるいのは、試合に全力で取り組んだからだろうか。それともヴィクトルと抱きあったためか。しかしそれは快いけだるさだった。
勇利はかるくシャワーを浴び、簡単な衣服を身に着けて、お茶を飲みに行こうか迷った。時刻は十時を過ぎている。空腹感があった。携帯電話を確認してみたところ、二時間前にピチットから「ごはん食べない?」という誘いがあった。
『ヴィクトルと食べるのかな? そうだろうね。わかってて誘ったんだよ』
勇利はくすくす笑いながら、いま起きたということをピチットに知らせた。するとすぐに返事があり、それはこんな内容だった。
『えっちしてたんだ! 勇利、大人になったんだ!』
勇利はまた笑い、冷静な意見を返した。
『ピチットくんの考えてるようなことじゃないから』
彼の言うとおりなのだけれど、彼の思う「えっち」とはちがうものなのだ。そういうことではない。とてもしあわせで、情熱的で、すてきだったけれど……。
勇利はみちたりていた。ヴィクトルに自分のすべてを捧げることができてうれしい。それだけで世界が輝くようだ。
勇利はまだ寝息をたてているヴィクトルを見ながら、窓辺の椅子に座った。いつ起きるのかなあ、と首をかしげる。起きたらどんな話をしよう。べつに恥ずかしくないけど、恥ずかしいな……。あ、また矛盾だ。
勇利はすこし考え、ルームサービスを頼むことにした。トーストとミルクとスープ、卵料理という簡単なものだった。ヴィクトルに日が当たらないようにわずかばかりカーテンを開け、トーストをかじっているとき、ヴィクトルが目をさました。
「おはよう」
「勇利……なに食べてる……?」
「トーストです」
勇利はもぐもぐと咀嚼した。何度も何度も噛んでいると、ベッドに身体を起こしたヴィクトルがじっと視線をそそいだ。
「なに?」
「いや……かわいい食べ方をするなと思ってね」
「かわいい食べ方ってどんなの?」
恥ずかしくないけれど恥ずかしい。しかし、ごく普通に話せている。勇利はほほえんだ。
「ヴィクトルのぶんはないよ。どうする?」
「なんでそういうことする?」
「いや、食べるかわからなかったから……」
「勇利はひどい」
「うそだよ。びっくりした? ほんとはふたりぶん頼んだ」
「かわいい」
ヴィクトルはシャワーを浴びてくると言って立ち上がった。勇利は目をそらして抗議した。
「素っ裸でうろうろしないでよ」
「素っ裸で抱きあった仲じゃないか」
「そういうこと言わないで」
ヴィクトルは笑いながら浴室に消えた。彼が戻ってきたとき、勇利は両手でグラスを持ち、ミルクを飲んでいた。ヴィクトルは向かいに座ってまっすぐに勇利を見た。
「なに?」
「いや。見ていたいだけだ」
「変なの」
食事をするヴィクトルはごく普通の様子で、やはり、昨日の興奮はもうないようだった。勇利は微笑した。すてきな夜を経てこんなふうになめらかになれたのなら、お互いこれほどうれしいことはない。ゆうべの情熱は最高に甘美だったけれど、それが続くのは大変なことだ。次にあんなふうになるのはいつのことだろう? 試合があればああなるというものではないということくらい、勇利にもわかる。だからこそ貴重なのだ。またあんな体験をしたいものだ。
勇利はグラスを置き、カーテンをすべてひらいた。陽光がさっとさして、まくらべの棚に置いてあった金メダルがきらりとひかった。勇利は目元を手で隠した。
「メダル、しまって」
「なぜ?」
「思い出して悔しくなるから」
「喜んでくれたじゃな��か」
「だめだめ。もう……」
ヴィクトルはくすくす笑った。
「そんなに俺と結婚したかった?」
「そういうことじゃないんだよ。いつまでその話してるの」
「俺はしたかったよ」
「はいはい」
ヴィクトルはしばらく黙ってスープを飲んでいた。勇利はぼんやりと座り、今日の予定は、とおおまかなところを思い出そうとしていた。
「勇利」
「ん?」
「ゆうべ、どうだった?」
勇利は瞬いた。変なことを訊かないで欲しい。
「貴方がご存じのとおりです」
「よくわからないな。夢中だったから……」
「ぼくも夢中だったからよくわからない」
「おぼえてないの?」
「ヴィクトル、おぼえてないの?」
ヴィクトルはおおげさに溜息をついた。勇利は笑いだした。
「すてきだったね」
短いひとことだったけれど、その言葉には勇利の気持ちがいっぱいに詰まっていた。
「最高だった」
勇利は残りのミルクを飲んで、しあわせそうにしていた。ヴィクトルは彼の言うとおりだと思った。確かにゆうべは幸福だった。最高の夜だった。ただ試合に勝ったからということだけではなく、ゆうべの熱気には、さまざまな意味がこもっていた。勇利と出会って変わったヴィクトルのスケート──勇利がそばにいること──彼と同じ氷の上に立てたこと──勇利のすばらしい演技──唯一無二のスケートをすべったときのヴィクトルに向けられた彼のまなざし──感じた愛──どうしようもなく湧き上がる感情に、それをのせたヴィクトルのプログラム──。ほかにもたくさんのことが重なって、自分でも制御できない感情だった。あの興奮は、一生に何度かしか経験できないたぐいのものだ。それを勇利と共有し、彼と夜を過ごした。ヴィクトルは勇利を求め、勇利はそれに応えた。ただの献身的な気持ちではなく、勇利の愛を感じた。貴重で得がたい、どうしようもなく幸福な──そんな夜だった。
いまはそれも落ち着き、ふたりの中に愛情は静かに流れている。前夜の経験を経て、また新しいお互いを知った。しかし──。
勇利はすっかりみちたりて、物穏やかな気持ちになっているようだ。ヴィクトルもそれは同じだけれど、満足しきっているとは、彼は言えなかった。もっと勇利が欲しい。もっと、もっと。昨日とはまたちがう情熱で、勇利のことを欲している。彼にはそれがわからないのだろうか?
「いい天気だねー」
勇利はのんきな様子で窓から外を眺めている。かわいい微笑が口元に浮かんでいた。ミルクを飲む姿が愛らしくて仕方ない。
「ヴィクトルのエキシビション、楽しみだな」
彼はわくわくしたようにつぶやいた。ヴィクトルもわくわくしていた。これからの勇利との関係に。
「また勇利のエキシビションに飛び入り参加しようかな」
「本当に?」
勇利ははしゃいだように笑ってヴィクトルを見た。
「ぼくはうれしいけど、スケ連に怒られるんじゃない?」
「構わないさ。慣れてる」
「そういうのに慣れるのもどうかと思うけど……」
「まわりを気にしてたら何もできないよ」
「ヴィクトルの理論だね……」
「勇利のほうが俺よりずっと傍若無人だ」
「どこが?」
聞き捨てならないというように勇利が口をとがらせた。そうやって、何もかも終わった顔で、みちたりて、一夜限りの情熱だと思いこんでるところがだよ。
「俺はあれだけで終わるつもりな���てないからね」
ヴィクトルはきっぱりと言った。
「そう……、グランプリファイナルのエキシビションは評判よかったから、お客さんは喜ぶだろうし、ぼくもそうだけど」
「そういう話じゃない」
「何が?」
勇利は無邪気にヴィクトルをみつめた。ヴィクトルは、ゆうべ腕の中で熱っぽくとろけ、いちずにふるえた彼を思い出しながらみつめ返した。
「俺たちの甘い関係」
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光の庭
!Fire Emblem Heros fan fiction!
・カミュとプリシラの話。名も無き森の夢語りの続き。
・独自解釈・ネタバレ・異世界交流を含みます。カップリング要素一切皆無。
Image song:光の庭(D)
00.
ある時、美しい真白の城に美しい姫君が居た。美しい姫君は、一人の王子様に恋をしていた。幼い頃に、出会った異国の王子様。だが、王子様は黄金郷を探しに長い長い旅に出てしまった。姫君は戻って来ない王子を慈しみ、会いたいと願った。だが、彼女の前に現れたのは、美しい悪魔だった。悪魔は言った。
「お前の願いを叶えてやろう」と。
01.
たまに愚痴りたい時もある。とかつて、この世界には居ない部下のロベルトが言っていた。王だって、王子だって――たまに不満を漏らしたい時もある。
アスク城にある酒場で、レンスターの王子はミルクを飲んでいた。
「不思議な感覚だな」
目の前に居るレンスターの王子はそう言い、椅子に座りながら此方を見ていた。
「この世界に来てから、驚きの連続だと思った。セリスの父上と母上が一緒に居て、アレスの父上と…伯母上もこの世界に居る。最初は夢だと思っていたけど、頬をつねっても、夢じゃない――本当の世界なんだなって」
「リーフ王子は、どう思いますか?」
「でも…この世界に来ていない父上と母上が来たら――僕は、どんな気持ちでいけばいいんだろうって。それが不安なんだ。フィンやナンナも、僕に気を遣ってくれているけど、僕は王の器に立つのが相応しいのかどうか、悩んでいるんだ」
リーフは王の立場であるが、王の立場に相応しいかどうかは――自分自身でも分からないのだ。幼い頃に国を追われ、若き騎士と、異国の王女と共に各地を帝国軍から逃げるように転々として来た日々。とある村でエーヴェルと言う女性に救われ、村の人達と、家族のように過ごしてきた日々。その平穏な日常が、ずっと続けばいい。その平穏が――帝国軍の襲来と共に終わった時。
自分にも見覚えがある筈だ。幼い双子の王子と王女も、立場が災いし、暗い、孤独のような日々を送ってきた。王族の頂点に立つのも、王族に生まれるのも、碌な事が起きない。それがリーフ自身が理解している事であり――黒騎士カミュの悲しみでもあった。
「貴方は貴方の道を進めばいい」
だから、自分なりの言葉を贈る事が、精一杯の類でもあった。
「王族であっても、貴方は貴方の道を進めばいいのです。誰の言葉に惑わされなくたっていい、自分の、信じる道を突き進めばいい」
それが――自分自身の答えでもあり、嘗て――自分自身が下したつらい決断でもあった。だが、目の前の王子は、
「…何だか、あなたの言葉に、救われた気がするよ…有難う、カミュ将軍」
――救われた、か。
自分は、誰かの助けになれたのだろうか。酒場からの帰路についている最中、自分自身はその言葉に悩んでいた。
『…それでも、人は何処へ行くのでしょうか』
トルバドールの女性のプリシラから言われたその言葉は――確かに、彼の胸に響いた。人は、死んだら何処へ行く。
「…カミュ将軍、聞こえていますか?」
リーフの護衛騎士であるフィンから、ハッと我に返った自分は彼の方を見た。
「先程、リーフ様と何かお話しされていましたが…どうしましたか?」
「あ、ああ…少し、彼の悩みについて相談したりしていた」
「…そうですか、有難う御座います」
フィンからいきなり感謝され、こちらも理解がイマイチ分からなかった。何故、感謝されてしまうのだろうか。
「…私でも時、リーフ様のお力に、なれない時があるのですよ。自分自身では耐えきれない、立場故や、ナンナ様の事――そして、キュアン様とエスリン様の悩みを抱えているのですから…ですが、こちらに来てから打ち明けられる人が居て、嬉しかったと思うのですよ。だからこそ――」
「いえ、いい…此方こそ、感謝する」
自分自身でもどうすることも出来ない悩みは――リーフやフィンだけが抱えているのではない、エレブ大陸の杖使いのプリシラも心配していたと言うのなら、自分は結局。一人で悩みを抱えているのだな。と苦笑しながら。
02.
「光と闇、どちらが正しいかなんて私には分からないんですが、どちらも間違っている、どちらも正しいって言うのは、人其々なんだと思います」
モノクルをクイッと片手で正し、闇魔導の使い手である彼――カナスはそう述べた。カナスの自室の書斎は彼にとって、宝庫であろう。ナーガ神についての伝承、ギムレーに関してのレポート、ラーマン経典、正の女神アスタルテの本…探究者である彼は、異国の騎士である自分にそう述べた。
「貴方が出会ったあの闇に堕ちた暗黒皇帝ハーディン…でしたっけ、彼は元々、善良な騎士だったと聞きます。オルレアンの方々から慕われていて、草原の民達からは希望だったと聞きました…例えるなら、闇に堕ちてしまえば、後は奈落の底――私は、堕ちてしまった人達を知っています」
黒い牙の者達の事を、述べたいであろう。剣を振るう『白狼』のロイド、獰猛な凶器を振るい、戦場を大暴れする『狂犬』ライナス――彼らの事を言いたげであった。自分は「何も言わなくていい」と告げ、カナスは「有難う御座います」と申し訳無さそうに言った。
「…闇は、必ずしも負の一面、悪とは限らないと、私は思うのです。歴史に葬り去られた、真実。語られざる、英雄の物語――それは、貴方が経験していると自分自身が物語っているからこそ、歴史が証明している。そう、例えばマルス王子が」
光の英雄なら、貴方は闇の英雄でしょうか。
「…妙な例え方だな、しっくり来る」
「でしょう?」とカナスは人差し指を振った。彼が椅子に座っており、机には色々書物が積み重なっていた。「バレンシア大陸の歴史」「ギムレー経典」「アステルテ経典」「魔石と魔王」「神竜ナーガとメディウスについて」知識を欲する彼が、異界の書物を欲するのも無理はない。と我ながら思う。するとカナスは、ある一冊の本を本棚から出した。
「英雄王マルスの物語」
知識を欲する彼が、この英雄譚に興味を持つのは珍しい事だ。自分の悩み故の決断力であろうか。
「マルス王子が、皆から慕われている光の英雄ならば、貴方とハーディンは闇の英雄です。ですが、彼と貴方の闇は、断然に差があり――違うのです。暗黒皇帝と化したハーディンは、心の闇に、呑まれた英雄。そして貴方は――例えるのは少し難しいのですが、歴史の闇に葬り去られた、英雄でしょう」
ああ、納得した。あの時の自分は黒騎士ではなく、ただの旅の者であった。カミュではなく、シリウスと名乗っていた。
「史実なき戦い、影に隠れた者――闇に葬り去られた者は、私の世界でも居ます。ですが…光と闇は、バランスが成り立たなければ存在意義を見出す事が出来ない。そして、貴方は――何を見出したのでしょうか。何を――」「カミュしょーぐん!マークス様とミシェイル様が呼んでるの!」
自分とカナスが振り返ると、ピエリとラズワルドが自室のドアを開けて、自分を呼び出しに来たのだろう。ラズワルドが「だ、大事な話をされていたの��すね…!」と申し訳無さそうな表情をしたが、自分は「いや、良い」と手を振った。
「では、この話はまた、後程で」
まるで自分らしくない。と言い聞かせながら――自室のドアを、閉めた。
「…行ってしまいましたか」
カナスは、飛び出して行ったカミュを見つめ、ふぅ…と疲れた息を吐き出す。やはり、自分はこの世界でも探求を求めすぎている悪い癖が出てしまったようだ。
「…後で、ピエリさんとラズワルドさんに、お菓子でも贈っておきましょうか」
申し訳ない事をしてしまった表情をしたラズワルドに、お詫びの礼の品を考えておきながら、カナスは一つ、気になる事を呟いた。
「…それに、まるで彼女について話したくない素振りを、していた気がしますね…」
03.
「彼の王は泥から生まれた」
アカネイアの大陸一の弓騎士は、そう答えたという。泥から生まれた――その例えは、何処から来たのだろうか。レベッカはそう思った。
それは前、あの自分でさえも畏怖する力を持つ暗黒皇帝と相対していた時の事だ。ジョルジュやカミュが、苦虫を噛んだ表情をしていたのを忘れられない。それに、プリシラも、カミュやマークスについて余所余所しい態度をつい最近していたのも切っ掛けである。あまり他人の過去に突っ込みたくない(エリウッドや彼の御子息の有り難い御忠告である)のだが、ジョルジュと話をするタイミングが偶然にも弓を射る練習の休憩時に出来てしまったのだから。
「…ハーディンは、元々はオレルアン王の王弟だ。��かし、兄より劣る弟と言うのが災いなのか、少し心に歪があった」
ゼフィールもそうだった。彼は優秀過ぎるが故に、父親から忌み嫌われていた。とエリウッド様の御子息であるロイ様もそう仰っていたわね。とレベッカは納得の表情を浮かべた。それと同時に、遣る瀬無い感情が浮かび上がった。
「だが、アカネイアも元々は、高貴な血で建てられた国じゃない、それと同時に――神に守られし王国でもなかった。三種の神器を竜の神殿から盗み、其れを統治して出来上がった王国だった」
「こっちも、竜と人に歪な亀裂が入っていたのね」
「…人間、そう簡単に上手くいくもんじゃないがな。俺だってアカネイアの傲慢な貴族が嫌いだった。ラング将軍やエイベル将軍も、俺は死ぬほど嫌いだったが、アカネイアの為に、と何処かで逃げていた。現実逃避をしていたのかもしれない」
「こっちも大変なのね。ロイ様から、可愛らしいギネヴィア姫様が美しく成長したって言うから…もし会える機会があったら、見てみたかったなぁ」
「そうか…此方もニーナ様と出会える機会があったら、宜しく頼む」
分かった、約束するわ。とにこやかに微笑んだのだが――ジョルジュは口を開き、重たく、ある事を語る。
「――俺も、何時かはああなるだろう。と何処かで諦めていた」
「いつかは、ああなる…?」
「アカネイアの血を引く民が、他国の者達を蔑み、愚かだと嘲笑い、奴隷階級の者同士を戦わせ、動物の様な目でしか見ない剣闘士達の闘技場を見世物の様に観戦し…俺はそれが嫌いだった。だが、俺では何とかならなかった。ニーナ様は、その現状を変えようと必死に頑張っていた。だから俺は彼女の手伝いをしようと考えていた。だが、俺では役不足だったと…グルニア軍と戦う時に、気付いてしまった」
「あ…ああー…黒騎士の、カミュ将軍の事かしら?」
「だが、彼でしかニーナ様の心を開く事しか出来なかったんだろうな。敵国の騎士と、我々の国の王女、相容れない関係なのに、出会ってしまった。出会わなければ良かったのか、出会ってしまったのは必然だったのだろうか。それは今の俺にとっては分からない事だった」
ジョルジュの疑問に、レベッカはある事を口にしようとしたが――開けなかった。
――ねえ、それはもう、必然だった方が良かったのじゃないかしら。辛い事や、悲しい事、楽しい事があるけれども、出会わなければ、何かが産まれなかったんじゃないかしら。
ニニアンの事を思いながら、レベッカの拳は固く握りしめた。
04.
ニノは歌を歌っている。古い、エレブに伝わる歌である。まだ幼さが残っている魔導士の少女は、アスク城のバルコニーの冷たい夜風に吹かれながらも、用意されている椅子に座って歌を歌っていた。
それを遠回しに見ていたカミュとミシェイルは、暗夜第一王女カミラの臣下である竜騎士の少女から貰った(彼女曰く、日頃レオンやマークスと接していたからそのお礼らしい)暗夜王国産のワインをグラスに注ぐ。
「何処か、遠い国の歌のように見えた」
とカミュはそう述べた。歌は、竜と人の物語を準えた叙事詩のようであった。竜と契約した者と、美しい少女の物語。エレブ大陸に伝わる、悲しい物語でもあった。
「あの少女は、雪を義理の兄と一緒に見た事があるらしい…俺も、ろくに妹であるマリアに、其れらしい事が出来なかったな」
王の激務に追われ、妹のマリアと一緒に、遊んだり一緒にお出かけする事が出来なかったらしい。その王位が、自らの父を手をかけた代償だったとしても、マリアはミシェイルが大好きだった。大好きな兄を、慕っていたのだ。
「…私も、同じ気持ちだ」
敬愛する王の子であるユミナ様とユベロ様と、一緒に遊んだり笑ったり、泣いたりする事はごく僅かで、彼等に何か残す事が出来たのか――後悔した事もあった。
カミュはそう、述べていたがミシェイルに至っては
「貴様はバレンシアであのリゲルの王子と楽しく接していたのではないか」と答えたが、カミュは首を横に振った。
(貴様は本当に優しすぎるな。それが仇となる時があるのだがな――)
ミシェイルはそう思う。マリアから見たら自分は「優しい兄」だと思うのであろう。だが、自分はそう優しい兄ではない。妹のミネルバから見たら「父親殺しの自分勝手な兄」と認識された事もあった。
ニノが歌を歌い終わり、立ち上がる。バルコニーの玄関に優しい兄であるロイドとライナス、大事な人であるジャファルが居て、ニノは駆け寄ってロイドに抱きしめる。
(兄である俺が、何をしてやれたんだろうな)
ミシェイルは思い悩む――すると、カミュは笑って誤魔化した。
「だとすれば、貴方も私も同じ悩みを抱えていたのではないか。優しい兄と、王子と王女に仕える騎士が、何をやれたのだろうか」
「お前は悩んでいるのか?」
「ええ、自分は――優しすぎるのではないのか。と思い悩む事があるのです。少し、コンウォル家の令嬢と出かけた時に」
あのトルバドールの少女の事か。とミシェイルはすぐに分かった。彼女は厳格な兄と、彼に使える優しげな、柔らかな声音をした修道士の従者が居る。
「…カミュ」
「…何だ」
「――ドルーアに従った者同士、同じ悩みを抱えているが…貴様も俺も、『どうしようもない大人同士』また、飲む事があったら悩みを打ち明けようか?」
「…それは遠慮しておきます」
やはりこいつは騎士であるが故に優しすぎるな。とミシェイルはそう思いながらも、最後の一杯であるワインを飲み干した。
05.
戦場を駆ける漆黒の駿馬、まるで父上の様だと最初は、そんな感想を自分の心に抱いていた。
「…おい、貴様」
プリシラはゲストルームで暗夜王国のあのドジなメイドのフェリシアが淹れた紅茶を飲んでいる最中に、ある人物と出会った。プリシラは唇をハンカチで上手に拭き取り、後ろの方を振り返る。やはり、最近召喚されたばかりの――師子王エルトシャンの息子であり、セリスやリーフと共にユグドラルの解放戦争を戦った仲でもある…。
――黒騎士アレス。父親譲りの剣裁きをし、戦場にその名を轟かせている聖騎士だった。
「はい、何でしょうか」
自分がそう答えると、アレスは「丁度良かった、貴様に話がある」とソファに腰掛けた。ベルクトといい、ミシェイルといい、兄と同じ融通が利かない人達と何気に縁があるのだろうか。とそう思っていると、アレスは意外なことを口にする。
「…最近、カミュについて気にしているのだな」
「えっ」プリシラはティーカップを落としそうになったのだが、アレスは「いや、忘れてくれ」とそっけなく答えた。これでは話になっていないのでは。思い切って、プリシラが思い当たる部分を考え、アレスに対してある事実を口にする。
「…貴方のお父様を、思い出しちゃったの?」
無言。どうやら図星のようだ。だが、アレスは「ああ、そうだ」と答えを口にする。プリシラは「やっぱり、そうなんですね」とふふっと笑う。早速だから、彼もお茶に誘ってしまおう。と、隣に居たジョーカーに、紅茶を頼んだ。
「エルトシャン殿下と、カミュ将軍は無茶をし過ぎなんだと思います」
毎回、シグルドとミシェイルが彼等を抱えて私やセーラさんの所に駆けつけて杖の治療を受けてしまうんです。と口にする。
「父上が、シグルド…様と本当に親友だったのか」やはり彼は敵討ちのシグルドに対して敬語をつけるかどうか、まだ迷っているみたいだった。
「で、カミュがミシェイルに抱えられているのは…どんな関係なんだ?歴史書だと、ドルーア側に就いたマケドニアとグルニアの総帥だったと聞いているが」
「…どんな関係、ですか」
確か、その時カミュの事を話していたミシェイルは、友人と言うか、親友とは言い難い…所謂、共犯者?の様な態度をしていた。
「ええっと…一緒に戦った、戦友?」
上手く誤魔化しておく事にした。彼等に首を突っ込むと、余計事態が悪化してしまう。
「そうか」とアレスは納得した表情をした。
「正直、思う。俺はずっと復讐の事を考えていたが…実は、父上の背中を追っていただけだろうな。と今は思ってる」
プリシラは、何も口にしない。アレスの話を、ただ聞いているだけだ。
「…父上は、立派な騎士だったと、母上から聞かされていた。高潔で、誇り高く、優しい騎士だったと聞いていた。俺はそんな父上に憧れていた」
だが、父上が死んだ時は――全てが変わった。とアレスは何処か暗い表情で語る。
「…そうですか、誇り高い黒騎士さんでも、弱音を吐く事はあるんですね」とプリシラは、ちょっと皮肉を込めた言葉を吐き出した。
「騎士である彼等は、誰かを守る為に戦っているんです。貴方のお父様やシグルド殿下、セリス様に、エリウッド公…それに、カミュ将軍や、ミネルバ王女も、前線で戦っている。人はいつか死にます…ですが、その何かを、また次の誰かが受け継いでいるのでしょう」
アレスは「そうか」と口にすると、ソファを棚代わりにして置いているミストルティンを構える。
「…この剣は、父上が俺を見守っている証だったんだな」
プリシラは、そんな彼を見て――ゆっくりと微笑んだ。
「私も貴方も、似たような悩みを抱えているんですね。だったら、一緒にお話ししましょうか」
「んで、俺が弓兵に狙われている若を守る為に、颯爽と弓兵を背後から攻撃して、若を助けたんですよ!」
「成程…今度、ミカヤが狙われた時にはその戦法を組み込む事も考えてみるか」
「じゃあ弓兵はあたしに任せるね!マシューは魔導士をお願い!」
「いやいやいや、俺は若様命だからな!じゃあ魔導士はガイア、お前に任せるぜ!レベッカー、期待してるぜー」
「何で俺!?おい、アズ…ラズワルド、笑いを堪えるな!」
ハハハ…と、食堂で弾んでいるマシュー達の姿を見て、ルーテは考える。プリシラがカミュについて気にしている。つまり、プリシラはカミュを見て何かを思い出した可能性は高い。だとしたら、カミュと関わりのある人物を探ってみる事にした。ジョルジュ、リンダ、ミシェイル、ミネルバ、マリア、パオラ、カチュア、エスト、ベルクト、アルム…思い当たる節が見当たらない。だとすれば、まだ可能性がある筈だ。此処はプリシラに尋ねるしか方法は無いだろう。ルーテが心の中でえいえいおー!と誓った途端に、カミュがミシェイルと一緒に、食堂に入って行った。
「いっつも行動しているのは、お友達なのかしら?」とラーチェルが困惑している表情をしていた。何時だったか、覚えていない。ふと、彼等の会話が聞き取れた。
「…で、最近その御令嬢が貴様を気にしていると?」
「ああ、そうだが……恐らくは、あの一件で」「そうか」
(つまり)
「一緒に出掛けた時に、彼女の言葉が…うん…」
(プリシラさんと出掛けた――つまり、彼女の方程式に考えると、ピクニックか何処かに行ってきたのでしょう。そして、彼女の言葉を考えると――やはり、カミュ将軍の過去に何か関係が?)
ルーテがその光景を見ていると――後ろからカナスが「何をやっているんですか?」と話しかけてきた。
「いえ、人間観察です」
「人間観察って…ああ、カミュ将軍の事ですか」とカナスは、何か納得した表情で見据えた。
「多分、彼等については、放っておいたほうがいいと思います」
「どうしてですか?私は非常に気になるのです」
するとカナスは――微笑み、こう答えた。
「あれが、彼等なりの答えなのですから」
(彼等なり、ですか)
恐らくは、自分が介入しなくても、無自覚に彼の善人さが――悩みを解決してくれるのだろう。ルーテはそう思い、魔導書を持ち、立ち上がる。
「カナスさん、有難う御座いました」
ルーテが立ち去った後、一人取り残されたカナスは――ちょうど部屋に帰ろうとしていたマシューを呼び出す。
「…マシュー、少し良いですか?」
「えぇ、何だぁ?」
「私の悩みも聞いてくれませんか」「は、はあ…」
恐らく、カミュについては…勝手に誰かが、悩みを解決してくれるのだろうから。
07.
「わぁー!雪だ!」
黒い天馬に乗っている軍師ルフレの娘と名乗る少女は、降り積もる雪を見て感想を述べた。護衛にはパオラが居るが、どうやら雪と聞いて駆け付けたターナと、追っかけてやって来たであろうフロリーナも参加した。ミシェイルは不満げに竜で空を飛んでいるが――そう言えば、雪なんて久々だろう。とこの時思った。
『貴様は、雪を見たと言っていたが――何時頃だ、アンリの道か?』
『アンリの道…確か、氷竜神殿に行く最中に、だ。ミシェイルは雪の中を行くと言うのか?』
『少しあの軍師の娘とやらが雪を見たいと言っていてな…全く、あの黒い牙の少女もそうだが、少しは危機感を…』
『いえ、それは構わないと思った方がいい――こんなに降り積もる雪の中で戦った時は、氷竜神殿で竜達と戦った時以来だったな。だが、こっちの方が、まだ暖かい』
『…まだ、暖かい?』
『あの時、猛吹雪で――凍えるような息吹を感じたが、ニフルで降り積もる雪は…暖かさを感じる。死を感じられない雪だ』
出発前のカミュとのやり取りを思い出す。自分が彼女らの護衛に立候補に参加したのは、マークが自分の末っ子の妹を思い出す故か、将又他の立候補役が彼女等を任せられない故なのか(ナーシェンやヴァルター)…。だが、ミシェイルはこの雪に、確かな暖かさを感じられたのは事実だった。
「…あの、ミシェイル様?どうなされましたか?」
「いや、少し昔の事を思い出してな」
「…昔の事、ですか?」
「もし、俺と貴様、どっちがマルス王子率いるアカネイア軍を討ち取れるかとしたら――貴様はどっちを選ぶ?」
カミュは自分の忽然とした問いかけに戸惑いを隠せずに居るが、『もし仮にマルス王子を討ち果たし、そしてガーネフを倒せるか』についてを答えるとしたら。まあ、小難しい問いかけに彼は答える事が出来ないだろう――と確信した矢先。
「…ミシェイル、陛下だろう」
驚きを隠せない答えだった。何故自分がマルス王子を倒せるか?とカミュに問いかけた。しかし彼は
「騎士として死ねるのなら、それでいい」と答えるだけだった。丁度その頃は、雪がしんしんと降り続いていた。
結局は、この戦いに何も意味がないと分かっていただろうか、それとも――あの双子の未来が掛かった戦い故の、結論だろうか。
この雪には何もいい思い出がない。が、カミュは気楽に答えた。勝者と敗者の答えなのか、それとも…まあ、いい。これが終わったらカミュにさっさと暖かい酒を寄越せと訴えかけてやろう――降り積もる雪に、舌打ちをしながら。
08.
あいつの顔を見る。高慢な性格のリゲルの王子であるベルクトから見た黒騎士さんについての物語と言うのを誰かはそう言う。俺は彼ではなく、リゲルにいた頃を思い返す。叔父上と話していた時に、今と違う笑い方をしていた。何となくだが、あの時は陰りがない顔をしていた――あのティータという女性と幸せそうに、睦まじく過ごしていた。だが、今の姿は――リゲルの騎士ではなく、グルニアの黒騎士団を率いる騎士の姿だ。何処か、陰りが見えたような気がした。
「貴様からしたら、どうなんだ」「だが、彼が優れた騎士であるのは間違いないだろう」
ノディオンの騎士であるエルトシャンから見たら、自分から見たら優れた騎士である事を直ぐに見抜いた。若くして死んだ者であるが、シグルドの戦友である彼の下す判断は、流石はクロスナイツ騎士団長でありながら、ミストルティンを持つ(どうでもいいが、息子も優れた騎士であるが俺と似た性格をしている)騎士である判断であろう。
「優れた騎士でも、弱点を取られると直ぐに脆くなる」「例えば?」
エルトシャンは口ごもった。きっとあのノディオンの王女や妻の事を言いたいのだろう。自分はそう易々と言及する事は無かった。自分もリネアの事を思い返していたからだ。
「父上は、そう仰っていたのか」
「そうだ」
アレスは自分の問いかけに答え「そうか…」と悩める、思春期の少年らしさをまだ残している表情をしていた。すると会話している自分達の後ろでプリシラが絵本を持って何処かに行こうとしていた。
「おい、いったい何をしに行くつもりだ?」
「あれ、ベルクトさんに…アレスさん?珍しいですね。二人で何をしていたのですか?」
「ちょっとな…貴様こそ、何をするつもりだ?」
「ノノやミルラが絵本を読みたいって言うから、書斎から絵本を取り出してきたんです。この絵本が一番好きそうかなー…と考えてしまったんです。じゃあ、私は先を急いでますから」
それでは、失礼します。と言い、彼女は先に行ってしまった。
(分からない事だらけだ、結局は――自分は皇帝にはなれないと、何処かで感じてしまったのか。だが、あいつは…王になる器になんて持っていなかった。そう言えば、カミュも何時だったか、ある事を自虐していたな)
『私は騎士の器を持っているとは思えないのですが――王には、猶更向いていなかったのかもしれません』
(…似たもの同士、って事か)
急に用事があると言い、ベルクトが立ち去った後一人取り残されたアレスも自室に帰ろうとした瞬間、後ろから肩をポンポンと叩かれた。後ろを振り返ると――不機嫌な表情をした、従妹のナンナが居た。
嗚呼、これはまた説教のパターンか。と理解したのだが…ナンナは、意外な言葉を口にした。
「ちょっと、話があるの」
09.
「最近、プリシラと言うあのトルバドールの少女とよく話してるわね…私だけじゃ、相手にならないと思っているわけ?」
伯母上譲りの気の強さが得りなナンナの言葉に、アレスは言葉を詰まらせた。別にそう言う訳ではない、ただのお茶会仲間だ。と上手く話せば、ナンナは「…そう」と溜息を吐きながらそう言った。彼女と話をするのは久々だろうか?…いや、ナンナはいつもリーフと話をしていた。そりゃあ彼女はリーフの大事な人だから…幼い頃から一緒にいた仲だろう、仕方がないとは言え、彼女に詰め寄られては困る。「気の強いナンナ様」に言い寄られては、流石の黒騎士アレスもお手上げだろう。
「…そうだな、ナンナ。俺は今、悩んでいるんだ」
「…悩んでいる?どうしたの、らしくないわよ」
らしくない、か。そうだな。と確かに今の発言はまずかっただろうか。ふと考えると、ナンナにある事を尋ねた。
「…ナンナ、一ついいか?」
「どうかしたの?」
「…お前は、フィンの事をどう思ってる?」
えっ。まさかアレスから、フィンの事を尋ねられるとは思っていなかった。これは、答えに迷ってしまう。私はフィンのことを理解している母とは違うのだ…だが、ナンナははっきりと答えた。
「大切な人よ。私やリーフを、立派にエーヴェルと一緒に育ててくれて…エーヴェルが石化した時も、支えてくれた人」
そうか。とアレスは無表情で頷き、天井を見上げた。
…アレスと別れた後、ナンナは彼の行動に不可解を感じた。
(…でも、どうしてあんな事を。いつものアレスだったら――あれ?)
そう言えばプリシラと言えば、一つ気になる事がある。プリシラは別の異界で黒騎士と言われているカミュについて詳しく調べている様子が見受けられた。アレスも、プリシラとお茶会をしていたと言う訳ではなさそうだ。じゃあ、一体何の為に?とナンナが考えるとしたら――直接カミュ本人に問い質すしか無さそうだ。
「…でも、どうしてアレスは悩んでいたのかしら…あら?そういえば、カミュ将軍と、叔父上は一緒に出撃していたから…もしかして、そのせい…?」
ナンナは、やっぱりアレスの気持ちも考えた方が良いのかしら。とぼやいた。
10.
ざく、ざく、ざく。プリシラはニフルの土地を歩いていた。雪が降り積もるこの国は、雪合戦でも出来そうだ。と考える程だった。そう言えばカミュも、カナスに話をしていたらしく、自分も彼も、似た悩みを持っているのだな――と思いながら、雪がじゃりじゃりとなるこの地を足で踏みしめながら、前に――カミュと一緒に森を歩いていた事を思い出した。死んだら、魂はどこへ行くのだろうか。と問いかけていた。彼は、ニーナ王女の事を語っていた。救国の聖女。と何処かの記述ではそう記され、或いは傾国の魔女。と記されていた。他者を犠牲で成り立っている平和と言うのは、あまりにも残酷だったのだろう――ロイが語っていた『女王ギネヴィア』の物語――ゼフィールの豹変、そしてベルン動乱…竜と人が、分かり合える日は何時かは来るのだろうか。もし、そうだったとしたら…この冬景色を、竜達が見られる日が来るのかもしれない。
ふと、プリシラの足元に、誰かが居た――下を見たら、竜の少女であるファが、雪を見てキラキラと目を輝かせていた。
「ファ、雪を初めて見た!」「ふふふ、そうですね。これが雪なんですよ」
あのね、ニニアンお姉ちゃんからお話しをしてもらったの!イリアの雪はね、綺麗なんだって!と健気に話す姿は、とても楽しかった。
カミュとミシェイル、それに兄とルセアも一緒に連れて来て、ファと一緒に遊ぶのも考えたのだが――雪を見て、思った。
「カミュ将軍に――また、問いかけたい事があります」
この世界にきて、どう思ったのでしょうか。私はそれが、聞きたいです。
「…」
外でニフルの雪を見て、カミュは思う。自分は役目を果たしたからそれでいい。と何処かで思っていた。だが、バレンシアのアルムやベルクト、ティータを見て――一度は考え直した。生きると言うのは、とても残酷な事だ、だが、必死に生きていれば、結果が見えてくる事もある。と言うのも、事実だ。だが、一つだけ心残りがあるとすれば――。
「…この雪を、一度だけニーナに見せてもらいたかったな」
彼女がこの世界に来るのは、まだ遠い。
11.
真白のお姫様に王子様に会える対価というのは、人の心臓でした。人の心臓を悪魔に渡せば、お前の願いは叶えてあげる。そう、1000人の人間の心臓を私に渡せ。と。
お姫様は必死に人間の心臓を食らい続け、悪魔に献上をしました。そして残り一つの心臓を悪魔に上げれば、王子様に会える――しかし、現実は残酷でした。何故なら、残りの心臓は、王子様でしたから。
そう、お姫様は、王子様の国の民や、家族の心臓を喰らい、悪魔に献上したのです。
怒り狂った王子様は、国の民や家族を殺したお姫様にこう言ったのです。
「人殺し」と。
そうして真白のお姫様の心臓は剣で貫かれ、ドレスは真っ赤に血に染まったのです。
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