レサマ=リマ『パラディーソ』について、トーク・ショー! ついにやることになった。こういうことができることになるとは、実はあまり予想していなかったのだ。しかし、注釈の必要な本ではあるので、思う存分話したい気持ちはあり。ラテンアメリカの詩の専門家、棚瀬さんと。7月28日(金)19時30分より、千駄木の書店「ブーザンゴ」にて。とにかく小さいところなので、ご希望の方は予約を急いだほうがいいらしい。
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さらに、質疑応答タイムで、お二人から嬉しいアドバイスをもらった。
マルケス『百年の孤独』でガツンと犯られ、ドノソ『夜のみだらな鳥』で中毒となり、次に何を読めばいいのか分からない。傑作の上に傑作を上書きされ、これ以上なんて存在しないのではないか……!?という質問に返されたのが以下の通り(他にもあったけど聞き取れず残念……)。
・ホセ・レサマ=リマ
・アレホ・カルペンティエル
・カルロス・フエンテス(?)
さらに、寺尾さんより直々に「フィクションのエル・ドラード」シリーズをお薦めされる。出版社が押し付ける「任され翻訳業」ではなく、寺尾さんが選書したシリーズだから鉄板らしい。確かに、『別荘』と『夜のみだらな鳥』は傑作だったので、レーベル読みをしても良さそう。
『夜のみだらな鳥』の魅力を2,000字ぐらいで語る(一夜限りのドノソ祭レポート): わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
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ラテンアメリカ十大小説: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』
―――記憶の人、書物の人
アレホ・カルペンティエル『失われた足跡』
―――魔術的な時間
ミゲル・アンヘル・アストゥリアス『大統領閣下』
―――インディオの神話と独裁者
フリオ・コルタサル『石蹴り』
―――夢と無意識
ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
―――物語の力
カルロス・フェンテス『我らが大地』
―――断絶した歴史の上に
マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』
―――騎士道物語の継承者
ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』
―――妄想の闇
マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』
―――映画への夢
イザベル・アジェンデ『精霊たちの家』
―――ブームがすぎた後に
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「パラディーソ」の大佐
『パラディーソ』の重要な登場人物に主人公の父親である「大佐」というのが出てくるのだが、ラテンアメリカの小説で大佐というと、誰もがガルシア=マルケスに出てくるような、ひげを生やした太った不機嫌な老人を思い浮かべると思うが、歓喜の小説である『パラディーソ』では全然違う。ここでは大佐は、若くて快活で有能で、よく朗らかな笑い声をあげる。この作品はこういうところでも、ラテンアメリカのイメージを書きかえていると思う。
それでも、たくさんの人から頼りにされているこの人物は実は死につきまとわれていて、それを、孫たち三人ともども世話になっている老マミータは、こんなふうに見ている(有名な「死のアニミズム」の一節)——
「‥‥マミータは大佐の近くに身をおくたびに、予兆に満ちた、ある種の恐ろしいような歓喜をおぼえるのだった。それは、たくさんの人の支柱となっているこの人物が常に、ごく近くから死につきまとわれているという直観があったからだった。彼が人にあたえる安心の感覚すら、死がいつでも彼のすぐそばにあるので今さらそれを恐れる理由がないせいであるように見えた。ちょうど、狩りに出かけたときに、まわりにたくさんブルドッグをひきつれていても誰もそれに咬まれることを恐れないのと同じように。」p.38
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レサマ=リマ『パラディーソ』(国書刊行会)
1966年のキューバでは一度は猥褻疑いで回収されかけたが、コルタサルが惚れこんで世界じゅうに宣伝したので、キューバでも回収を撤回せざるをえなくなったという。
10月末にようやく本屋に並んだところだと思っていたら、ツイッター上では、すでに読み終えたという猛者もいる。
「バルドビーナの手がガーゼ生地の蚊帳の入口をかきわけ、中にいるのが五歳の少年ではなくスポンジででもあるかのように‥‥」有名な書き出し。
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レサマ=リマ『パラディーソ』 20世紀の奇書であることはまちがいないが、魅了される。こんなわがままな本は現代では無理だろう。
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レサマ=リマ『パラディーソ』。これが伝説的な初版なのだ。コンテンポラネオス版、総617ページ、1966年刊。4000部を作ったとある。キューバの人口は1000万人ぐらいだから、読書人の国であることを差し引いても、けっこう多い初版部数ではないか。しかし、この版は校正者によってさまざまに不可解な修正がされてしまったらしく、評判は悪い。レサマ=リマ自身、ゲラをほとんど校正しなかったようだ。これをフリオ・コルタサルが入手して読んで、改訂版をメキシコで出すことにした。
僕が1999年にキューバに行ったとき、奇跡的に古本市で購入できた。必需品を買うために泣く泣く手放した一冊だったはずだ。前の持ち主によって丁寧にビニールのカバーが貼ってある。
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