Tumgik
#横浜整体院
kennak · 2 months
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7月7日の都知事選に向け、都政の課題についてお伝えする「シリーズ都知事選」。今回は、中高年単身女性の困窮対策について。今年3月、都が策定した「困難女性支援基本計画」からも「すっぽりと抜け落ちている」という指摘があります。 女性が訪れた民間の「相談会」。ミカンや飴をテーブルに置いたカフェが併設されていた=横浜市 東大院卒、非常勤講師41年 襲った生活苦 大学の非常勤講師として1983年からのべ9つの大学で、掛け持ちで歴史とドイツ語を教えてきた東京都区部に住む女性(74)が3月、首都圏大学非常勤講師組合の組合員とともに、横浜市で開かれていた「女性による女性のための相談会」を訪れた。 「生活が苦しいんです。生活保護を受けたい」 女性は1949年生まれ、東京大の大学院を出た後、1983年から都内の複数の私立大学で、非常勤講師として一般教養科目の「歴史」「ドイツ語」を教え始めた。 次々とやってくる「定年」 月収3万3900円 最初の逆風は1991年。大学設置基準の改訂で一般教養科目等の科目区分がなくなり、第2外国語が必修ではなくなった。多くの私立大で、ドイツ語やフランス語の講師が雇い止めにあった。女性も17年間勤めた私立大学を、整理解雇された。その後は、国公立も含む複数の大学で、かけもちで教え続けた。ピーク時は週に計12〜15コマを受け持ち、年収は330万円程度。ひとり親として子どもを育て、楽ではなかったが、なんとか暮らしは成り立っていた。 最近20年間で、昇給などにより1コマあたりの単価は上がった。しかし、担当するコマ数が減っていった。69歳の時は4大学で計8コマを教え、年収は50歳のころと変わらず330万円ほど。70歳で2大学、72歳で1大学の定年を迎え、74歳の現在は1大学で1コマを教えるのみとなった。現在の月収は3万3900円。この大学も今年で定年となる。 区の生活相談で女性が受け取った「生活保護のしおり」と都営住宅入居者募集案内=東京都内 「1大学で週20時間以上」満たせず、国民年金のみに 女性の年金は、長く働いてきたにもかかわらず、月6万円弱の国民年金のみ。介護保険料を引かれると手取りは5万円を切る。 女性が働き始める3年前の1980年、厚生労働省と社会保険庁が、全国の都道府県の年金課あてに通知を出し、厚生年金の被保険者を「正社員の4分の3以上の就労時間があるもの」と定めた。長時間働くパート労働者の社会保険加入を後押しする狙いの通知だったが、女性のようにいくつもの大学で細切れ、掛け持ちで働く非常勤講師は、私学共済の対象外に追いやられた。 「1つの大学で、週20時間以上教えないと厚生年金に入れない。非常勤講師の働き方と年金制度が見合っていないんです」 UR(都市再生機構)の賃貸住宅に住んでいる。家賃は月8万円。それだけで毎月赤字だ。70歳を過ぎてからは預金を取り崩して生活してきた。その残高もとうとう50万円になった。子どもも研究者として不安定な働き方をしており、頼れない。 高齢者向け都営住宅 100倍近い例も 2月に区の生活相談を訪れた。窮状を訴え、「生活保護を申請したい」というと、窓口の職員は「大学の先生から生活保護の受給相談を受けたのは初めてだ」と言った。通帳の預金残高を確認し、「生活保護の申請は、これ(残高)が減ってからじゃないと」と告げられた。 「家賃がネックになっている」と指摘され、高齢者向けの都営住宅(シルバーピア)を勧められた。しかし、近隣区ではどんなに条件が悪い物件でも11倍、最も高いところだと99倍の倍率だった。申し込んだとてすぐに抽選に当たるとは思えない。 高齢単身者向けの都営住宅の倍率は92〜99倍と、記されていた=東京都内 手渡された区の生活保護のしおりの表紙には「生活保護は憲法第25条の定めにもとづいて、病気やけが、高齢などで収入が少なく最低限度の生活が出来ないときに、その不足分を補い、生活できるように援助していくことを目的とした制度です」とあった。憲法の条文から「健康で文化的な」という言葉が抜け落ちていた。 女性には研究をアップデートし続けたいという思いもある。先日、ドイツ語の原書をインターネットで購入したら、円安もあいまって、請求額が1万円を超えた。生涯学び続けることも、「贅沢」なのだろうか、とため息が漏れた。 5月下旬、区の福祉事務所に生活保護を申請したが、却下された。通帳の残額が、生活保護の基準額(12万8000円)より多いという理由だった。 「日本女性の平均寿命が87.9歳。長い『定年後』を生きるのに、国民年金だけではどうしようもない。非正規で働き続けた人の老後について、国も地方自治体も全く設計できていないんです」 65歳以上の一人暮らし女性の相対的貧困率44.1% 厚生労働省の国民生活基礎調査(2021年分)をもとに、東京都立大の阿部彩教授が今年3月に発表した65歳以上の一人暮らしの女性の相対的貧困率は、44.1%。同年代の一人暮らし男性より14.1ポイント高い。 女性の中でも未婚者の貧困率は43.1%、離別は43.6%で、既婚の13.5%に比べ、有意に高い。女性は非正規雇用の割合が高く、結婚・出産による離職や休職期間もある。未婚であっても男性より給与所得が少なく、年金額も少ない。女性は結婚の傘の下にいないと食べていくことができない社会保障の制度設計がいまだ、続いているといえる。 女性による女性のための相談会では食料や生理用品、化粧品の配布もあった=横浜市(写真は準備風景) 「非正規で働いてきた中高年女性に目を向けた政策がない」 中高年単身女性でつくる「わくわくシニアシングルズ」の大矢さよ子さんは「東京都の40代〜50代の独身女性は47万人。死別女性の3万人、離別女性の17万人を足した数の2倍以上です。地方から東京に出てきて、ずっと非正規で働いてきた人も多い。なのに、ここに目を向けた施策がない」とみる。 東京都は今年4月に施行された困難女性支援法に基づき、基本計画を策定した。DV被害、性暴力被害、若年女性、ひとり親家庭の支援は盛り込まれたが、中高年単身女性については具体的な支援策が見当たらない。大矢さんは都のパブリックコメントに「せめて行政主導で中高年単身女性の居場所作りを」と書いたが、取り入れられなかった。 都営住宅の新増設はなく、単身者が応募できる枠は少ない。東京では民間賃貸住宅の家賃は、国民年金では払えない。「住民税非課税世帯に家賃補助を」という公約を掲げる候補もいるが、単身者が非課税になる所得限度額は年収100万円で、とても生活できない。 大矢さんは「中高年単身女性の貧困に対応する施策がすっぽり抜けている。都の女性支援策はほとんどが民間団体に丸投げだが、中高年単身女性は丸投げできる支援団体がないからです。ここは行政が主導するしかない」と話した。 東京都困難女性支援基本計画では小池百合子知事が「年齢や家族の有無、国籍などにかかわらず」困難な女性を支援すると述べている 都営住宅の新築 2000年以降ゼロ 東京都によると、都営住宅の新築は2000年を最後に止まっている。「今後の人口減を見越した住宅ストックの有効活用をすべきだから」という理由だ。 単身者用の都営住宅の倍率は平均30倍。介護が必要な高齢者向けのシルバーピアの倍率はさらに高くなる。 増加する単身高齢者の住宅については、民間賃貸住宅の床面積の基準を切り下げ、入居を断らない「セーフティネット住宅」を増やす方針だという。
シリーズ都知事選「小池都政チェック」 抜け落ちた中高年単身女性の困窮対策 大学の非常勤講師として41年 社会保険に入れず年金は月5万円弱 | 生活ニュースコモンズ
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iegekijyo · 2 years
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【最終回】日めくりダンス公演
2023.2.11
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とうとう家劇場の解体前、最終イベントとなります。週休2日で毎日1ヶ月間踊り続けるいつもの催し。
詳細は以下、ぜひご検討ください。
家劇場  日めくりダンス公演 《 家と暮らせば 最終回》
東京千住の小さな家。 積み重なった私の日常を、どうぞご覧になって。 包み込み、整えて、背中を押してくれるこの家のすべて。 千住・東京・日本・地球・宇宙・∞… ここから始まる世界はどこまでも大きいのだ。
振付・演出  中村蓉 出演     緒方彩乃 声の出演   中村蓉・五十嵐結也 楽曲編集   中村蓉 音響・照明  緒方彩乃 舞台美術   緒方彩乃 宣伝美術   緒方彩乃 制作・広報  緒方彩乃 照明デザイン 植村真 表紙写真   金子愛帆 主催・企画・運営  家劇場むかしむかし化計画
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【 日程 】 2023年3月4日(土)〜31日(金) 週休2日で毎日開演(月火休み) ※ 3月19日(日)、26日(日)は中村蓉共演 特別回
【 時間 】 平日 19:30(19:45 start) 土日 ①14:00(14:15 start)②18:00(18:15 start) 上演時間 約35分
【 場所 】 家劇場 東京都足立区千住旭町34-10 (JR北千住駅 東口より徒歩5分)
【 料金 】 1,000円 【 定員 】 各回8名 【 予約 】 予約優先
【 予約方法 】 グーグルフォーム(https://forms.gle/i65uXMQYiP6pTewj8) またはメール([email protected]) ほか、SNSなどからもご予約いただけます。 予約優先で当日ふらっとも、あいていればご案内いたします。
【 予約空き情報 】 https://freecalend.com/open/mem168796_date202303
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〈  中村蓉 〉 東京拠点にルーマニア・ブラジル・韓国などで作品を上演し国内外で活動中。二期会オペラ『ジューリオ・チェーザレ』ドイツマインフランケン劇場『NIXON IN CHINA』やsumika『MAGIC』MVの振付を担当。セッションベスト賞、横浜ダンスコレクションEX2013、エルスール財団新人賞などを受賞。https://yo-nnn.wixsite.com/yo-nakamura
〈 家劇場 〉 築 90 年の風呂なし平屋を「家として・劇場として」営むべく、緒方彩乃が住み ながら日々家事をするように、リノベーションやパフォーマンス公演 、イベ ントなど行っている場所でありプロジェクト。建て替えに向けた解体に伴い、本公演をもちまして終了いたします。お終い、お仕舞い、おしまいのきっとスペシャルな毎日をぜひ観にきてください。
〈 緒方彩乃 〉 幼少よりクラシックバレエに勤しみ、大学・院で建築を学びつつ踊る。踊りながらもプレーヤーとしてだけではなく、美術、制作、研究など、多方面からパフォーミンクアーツに 携わるようになる。現在はグラフィックやディスプレイのデザインを本業としつつまだ踊っている。とにかくずっと踊っていられる生活を維持すべく頑張っている。
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rsauke0509 · 7 days
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山樱之落 叁 写给鸢的—— 1
近来樱的心情似乎非常不错。
要说能从何处瞧出樱心情不错,我也说不出个所以然来,毕竟她的行为举止一如往常。若文学系有课或它系有樱感兴趣的课程,樱便会去东京大学上课或旁听,无课时樱则大多呆在图书馆翻阅任何她感兴趣的书籍。余下的时间,樱或是处理弥惠子送来的政务,或是留在上屋敷[1]内、坐在母屋缘侧上望着庭院喝茶发呆,极少数时候樱也会乘坐火车前往横浜的山手町、即前横浜居留地[2]瞧一瞧那里的西洋商铺里是否出现了自西洋来的新奇玩意儿,同那里的西洋人聊一聊西方国家近期发生的趣事。
但我就是知道樱心情不错,大约是孪生子之间的感应吧,我还知道甚至仅仅是‘不错’都不足以形容近来占据樱身心的、最为频繁的情绪。上次樱处于这种稳定的、长时间的愉悦状态中是一九一二年,给姥姥、阿母、樱和我找了不少麻烦的明治天皇终于因病逝世,故整个下半年,樱、我以及大部分家臣都忍不住沉浸在碍眼之人终于消失的轻松、欢喜之情里。
通常而言,一段时间内妹妹总体维持着好心情不是一件应被哥哥过度关注的事。我之所以较为在意樱的心情,乃由于尽管两年前樱如愿离开犬舞见入读东京大学,可这种‘成功入读’不但经过了大半年的同皇室与内阁就樱是否能长期离开犬舞见县为主的、樱该如何处理犬舞见县的政务为辅的博弈,所谓的成功也不过是樱接连被最想入读的法律、医学两系拒绝后不得不退让转而选择入读东京大学的文学系。之所以能称其为‘成功’,仅因原本包含樱在内的其余女性只能以旁听课程的听讲生[3]入学,经过漫长的协商后,樱为自己与其她女学生争取到了学生的身份。
若从迷信的角度来看,入读东京大学的一系列波折仿若一个恶兆,像是在印证这一恶兆般,入学后樱连同另三十一名首次被东京大学招收的女学生一起受到了学校里不少男学生和教师的排挤,同时东京与犬舞见截然不同的氛围、习俗、人际交际准则也让樱极为不习惯。加之虽然本田家自古便拥有极为独特的地位,可在十年前那场关于本田家继承人选及所继承称号的争斗中获得最终胜利的明治天皇以我是男嗣为由取消了默认历代本田家家主会获得、继承的准三宫称号[4],将上个世纪实施《废除公卿诸侯之称呼,改称华族》政令时出于各种因素刻意忽视并略过的本田家重定为子爵——事实上,最初明治天皇希望将本田家的爵位确立为男爵,在经过保守派、本田家的姻亲据理力争后,明治天皇才被迫将本田家的爵位升至子爵——如此除开极少数了解本田家为何拥有独特地位的人们,在其余华族、尤其是那些就读东京大学的华族子弟看来,本田家无非是不自量力同明治天皇相斗数十年后终究落败的、被明治天皇厌弃且又被新时代抛弃的落魄贵族,是牠们能嘲弄甚至欺凌的对象。
同样入读东京大学的、只不过比樱早了五个月入学的我自然也被那些华族子弟视作可嘲弄欺凌的对象,只不过我作为明面上已继承爵位的子爵,面对那些尚身为继承人或连继承人都不是的华族子弟时拥有身份上的优势。而樱,不但缺乏这种身份上的优势,还多出一个劣势,即她的性别。
在那些华族子弟欺凌以樱为主的首批东京大学女学生时,我不曾介入那事。依照常人的观念,我的不介入恐怕是我与樱关系糟糕、因继承权而龃龉不合的象征,也是我作为兄长非常失职的证据。可无论是作为樱的孪生子,还是出于自小与樱一同长大而积累的对樱的了解,我都明白若我真挺身以保护者的姿态制止那些人对樱的欺凌反倒会惹恼她。当然,樱不会将那些用在华族子弟身上的手段用在我的身上,但被某种去医院也查不出病因的、不严重却也无法忽略的不适纠缠数月是免不了的,所以直到樱一一反击那群华族子弟令牠们再也不敢采用过于明显的、涉及肢体暴力与性的欺凌前,在校园内我都竭力免于同樱接触,甚至有时我会故意错开前往东京大学的时间。
然而,即便樱能采用以直接的暴力与隐蔽性极强的咒术为主的手段制止明显的欺凌,她也无法杜绝那些不明显的、不仅来自于同学还来自于古板的老师的、诸如含带轻视贬低却符合日本社会对性别职责认知的言语等方式的排挤。更糟糕的是,离开了学校,东京街上的人们会因樱的穿着而向樱投去异样的目光,而樱回到上屋敷后,雇来的帮佣也会私下议论樱那比东京女性更为豪放自然的坐姿、以肉类为主的饮食习惯等。当然,不是说我或樱亲耳听见过那几名帮佣的议论,这只是合理的推测,毕竟他们未能很好的遮掩自己表情中的不赞同与那种东京人针对所谓的乡下人的轻蔑。为此,樱换了好几批帮佣,���终雇了几个从新潟县、福岛县、山形县来东京找活的姑娘。
面对维持着好心情的樱,我等待了一段时间,可樱一直没同我聊起让她心情愉悦的原因,反而呆在图书馆里的时间与前往山手町的频率都在变多。于是在我耐心耗尽后的某日,我询问樱道:“最近遇见了什么好事吗?”
“好事?”樱语调轻快得重复我的用词,这个词似令她联想到了某件特定的事或某个特定的对象,使得她露出个我怀疑她根本没意识到自己露出的微笑。“也算吧,之前结识了一名有趣又可爱的人。”
我等了片刻,樱并未继续说下去。“所以,那人是谁?”我追问道。
“这个嘛……”樱同我对视数秒,突然说起看似无关联的话:“自小开始,我和哥哥的喜好就非常接近,所以我想多独占那孩子一段时间。”
我明白,这便是让我自个儿去打探的意思。
要打探樱最近新结识了什么人,可说容易也可说困难。根据樱的日常活动地点与近来的行程变化推断,她极有可能是在学校或山手町结识那人的,接着我只需在樱前往山手町时提议同行,或在学校里以寻找樱为借口同文学系的学生搭话。自从华族子弟放弃欺凌女学生后,尽管表面上看其中那几名或退学、或转学、或出了意外事故的华族子弟的遭遇与樱无关,可樱的同级乃至后入学的女学生都聚在樱身边并以樱为首。一些教师和男学生对此颇有微词,我却认为受威胁的人们聚在能够保护自己的对象身边乃生存本能,况且那些女学生一簇簇跟着、包围着樱的情景总使我想起犬舞见的农人散养在田里的母鸡与小鸡崽,瞧着便觉得有趣又可爱。
大约是爱屋及乌吧,校里的女学生对我倒不像对其牠男学生那样避之不及,搭话后也能轻易问出樱近来的行踪乃至樱新结识的对象。于是我得知,那人是今年才入学的、来自西洋的留学生,姓名长到没几人能记清并复述,是一个体格高大到让人心生畏惧的、有些奇怪的、不好接近的人。
依靠以上线索,获得那人的信息就更为轻易了。那人名为伊万·安雅诺维奇·布拉金斯基,来自俄罗斯帝国,与出身华族的人一样未经考试就被东京大学招收——事实上,伊万君入学的那年东京大学恰好取消了华族可不经考试直接入学的特权,可或许来自西洋的留学生太过难得,也可能是顾忌伊万君的国籍和阶层,东京大学便以对待此前华族新生的方式对待伊万君——伊万君就读于文学系,这令我既惊讶又感意料之中。
我惊讶,是因身为俄罗斯人的伊万君来日本留学,就好像一个日本人竟去中华民国甚至是东南亚各西方列强的殖民地留学一般。我完全想不出伊万君能来日本学什么,或准确来说,听闻伊万君是文学系的学生时,我也不认为伊万君是当真想学习文学系的课程,由于樱也在文学系,我便知道文学系的科目仅有三个学科,分别是哲学科、文学科和汉文学科。而我感到伊万君对学系的选择在我意料之中,则是因以东京大学各学部的水平对比西洋大学,恐怕也只有文学系才拥有伊万君不曾接触过的新知识。
打听伊万君的消息后,���才发现樱与伊万的结识已在校园里引起过一番议论了。我先前不知那番议论,自然是因自我入学不久,我与同系的学生就处于一种相互孤立的关系中。在经过几场我未落下风的肢体冲突后,那群企图欺凌我的人只好选择更委婉的、与暴力无关的方式排挤我。而我恰好也对牠们所喜爱的诸如举办西式舞会、供养艺妓、前往位于东京近郊的吉原等活动毫无兴趣,便一心扑在学业上。除去我入读的医学部医学科以外还顺带了解制药学科的知识,又因其教材大多自西洋引进——大部分教材与医学书籍来自英、美两国,以英、美本国著作为主,偶尔也有其它被翻译成英语再翻译成日语的医学书被引进——而学校里的英语课所教授的英语大多是日常用语、同医学无关的缘故,我也坚持自学英语一年有余,应是受我的性别和我的学习态度的影响,与樱不同,医学部的教师们都非常喜爱我。
说回同学们对樱同伊万君结识的议论,出口于男同学们的议论无非是在痛斥樱与一名异国男性结交、熟识并以此为证据评判樱品行败坏、行为违背了日本女子应遵守的准则等。女同学们的议论倒没有一味指责樱性情放浪,虽如其牠男同学那般对樱与伊万君的结交熟识总体上抱以不认可的态度,其不认可的动机却是认为伊万君是一个危险的、不易结交的人。
我第一次见到伊万君时,立刻就明白为何同学们认为伊万君是一个危险的人。伊万君的体格太高大了,远瞧站在人群中的伊万君,就像瞧见一片灌木中突兀伫立着一棵柳杉[5]一般,且不知是伊万君恰巧情绪低沉还是伊万君没有英、美国家的人那般微笑着与经过自己身边的人打招呼的习惯——后来同伊万君成为朋友后,我发觉伊万君、或者说俄罗斯人只是缺乏向不熟悉的人面露微笑的习惯罢了,对俄罗斯人来说,笑容自具体的理由而非礼仪中生出——牠表情平静到堪称冷硬,给人一种若上前搭讪,话还未溜出嘴就会因靠近牠而被牠一拳揍倒在地的感觉。
受同学们对伊万君的形容、评价的影响,在瞧见伊万君后我也情不自禁开始衡量我与伊万君的武力值高低。伊万君不像大部分男同学那般穿着西装,反而穿着身和风与西洋风混搭的服装,其内是与英美两国传至日本略有区别的、更宽松些的裤子以及似乎没有袖子的上衣,外面则搭了件羽织。羽织上背部印有一个比家纹通常应有尺寸更大的图案,由于距离,我看不清那图案的细节,只看出那图案大致是圆形,以一根较粗的白线为中心,两侧有着对称的、像是枝叶与花的纹路,顶部则有着个像两柄斧头背对背组合起来的纹路。那样宽松的衣服让我无法判断伊万君的身材,也就无法通过身材判断伊万君是否喜爱锻炼,只能看出伊万君既不瘦弱,也不如那些缺乏锻炼又贪食的人那般拥有凸出、坠胀的腹部。
而伊万君的穿着也让我有些明白为何明明除了樱之外无人敢与伊万君熟识、同学们却仍认为伊万君是个奇怪的人。不仅是因伊万君毫不在意地穿着风格混搭且家纹不符合常规的衣服,还因伊万君戴着条色泽暗红的长围巾。要解释为何伊万君戴着围巾是一件奇怪的事,便不得不写明我初见伊万君时已时至五月末,虽说那几日由于连续下雨而天气凉爽,可气温远未低至适合戴围巾的程度,况且若伊万君戴围巾是为了御寒,那么牠为什么选择穿无袖上衣呢?穿了无袖上衣,又在上衣外再穿一件春秋之季穿得羽织就更显奇怪了。
初见伊万君的那次,我不曾上前同伊万君搭讪,只远远打量伊万君片刻就离开去打探伊万君的更多信息了。必须阐明的是,打探伊万君的信息时,我没有跟踪、偷窥伊万君,我只是留意、询问伊万君的行踪罢了。如此我获知,伊万君借宿于东京大学附近的森川町内一户苗字土田的人家中,土田家曾经营了家宿屋,只是近几代人子嗣不丰,本代只留一母一女。其母似乎不善经营,前几年便将宿屋租给他人,只留下宿屋中原属主人家住的部分供自己和女儿居住,依靠租金生活。出租的宿屋被改建成房间更小、多人共用厕所和厨台的下宿屋,伊万君应是认为下宿屋的居住条件太差才选择住在土田太太家中。
坦白说,在未伊万君结识前,我所打探到的消息没能让伊万君给我留下良好的印象。在东京生活两年后,我听闻过不少在日西洋男人狎侮日本姑娘的事例,也逐渐明白由于和犬舞见有着不同的风俗,即便在相对新潮的、西化的东京都,年轻男子住进只有女性的、尤其是其中一名女性只有十多岁的家庭后,人们总认定那名男子将与那家女子行些有违道德的淫秽之事。而樱竟用有趣、可爱来形容住进寡母独女之家的男人吗?
我拥有樱绝对不会像其她年轻、单纯的日本姑娘那样被西洋男人哄骗的信心,但樱对伊万君的形容和喜爱之情——是的,从樱的好心情以及樱对伊万君的形容来看,樱喜爱着伊万君,只是我不确定那喜爱是否涉及性欲——也令我百思不得其解。于是我将打探到的信息告诉樱。樱面露不解,因依照我俩的相处模式,在她的预想中,打探到一定数量的消息后,我应或是要求她向伊万君介绍我,或是自己寻找与伊万君结识的机会,或极其微小的可能性是伊万君未能引起我的兴趣和喜爱,故我不愿同伊万君结识。
“那俄罗斯人借宿在一户成员只有母亲和女儿的家庭里,就算牠未如其牠西洋男人那般狎侮土田家的女儿,仅是牠借宿的行为也足以让人们对牠和土田家女儿生出些不好的遐想来。”我皱着眉说。
樱盯着我看了数秒,突然问:“哥哥还未同伊万君搭话吧?”不等我点头,樱就继续说:“他人对某人的评价不仅不一定准确,还可能有极大的错误。我和哥哥不也是这样吗?若只听同学、老师对我俩的评语,恐怕我是一个放浪又品行败坏的女人,哥哥则是一个内向又懦弱的男人,且我们都是从乡下来的、没什么见识的乡巴佬。”
尽管樱的话很正确,我脑中却无法自控得浮现出那些被西洋人诱骗、狎侮的少女。樱不是被那俄罗斯人的花言巧语所骗才以正确的话替那人辩解的吧?我心生忧虑,而无论樱是没看出我的忧虑,还是看出后认为不需回应、打消我的忧虑,她都未继续谈论伊万君,而是说起上次她去山手町时在一家荷兰人开的店铺里瞧见的、据说来自普鲁士的座钟。
也许我应解释,我虽忧虑于樱被伊万君所骗,可我的忧虑与大部分兄长的忧虑不同,我并不担心樱与伊万君性交,毕竟犬舞见可没日本其它地区那种限制女人只能与她的丈夫性交的风俗。我所忧虑的,是樱同伊万君交好这一行为本身,也担忧假如樱突发奇想,在孕育本田家继承人时决定使用伊万君的精子。而导致我忧虑的原因,则是自从本世纪初那场日俄战争使得俄罗斯同日本断交后,至今两国仍未重新建立外交关系。虽偶有俄罗斯人来日本旅游、经商——若算上伊万君在内,那么还多出一项活动:留学——为了发展,日本也会从英、美等国购买那些国家购买的俄罗斯帝国的技术、零件等,可日俄两国的关系依旧非常紧张。
樱曾分析说,近二十年前的那场日俄战争的结果虽是日本战败,可日本战败得太过迅速,且俄罗斯帝国的重心没有放在东亚战场,而是放在欧洲的战场以支持德意志联邦反抗普鲁士王国、奥匈帝国的统治成为独立的主权国家,所以日本并未在那场战争中感受到俄罗斯帝国的强大。无论是皇室还是内阁,面对战败这一结果所感受到的是“假如我们做好更万全准备或许能获得胜利”的错觉和侥幸,而非上世纪中叶黑船来航时[6]面对威力远超本国的军火所感受到的恐惧。“皇室、内阁一直想在东亚、东南亚扩大势力范围,摆脱落后、野蛮的东亚国家的身份跻身欧美列强之中。再加上《英日同盟互助条约》临近期终,英国尚未正式提出续签条约,但英国外交官一直隐约透露出英国有续签条约的意愿,并传递出若日俄再次发生冲突,不但是英国,诸如法国、意大利、普鲁士等国家都会支持日本以联日抗俄。所以我认为未来日本必将再次向俄罗斯宣战。”樱说着,停顿一瞬并用轻蔑的语气说:“不,那群家伙受上次日俄战争的影响,认为上次战争的前期胜利是不宣而战的奇袭所带来的,所以很可能未来牠们会尝试重复不宣而战的做法。”
那时比起关注日俄再次开战的可能性,我更好奇樱究竟是如何分析出日俄将再次开战,又是从哪里听闻英国外交官向日本透露的信息的。我的问题反倒让樱朝我投来不解的眼神,“当然是从内田那儿听来的。哥哥不记得了吗?与我同级的内田的叔父就是现任外务大臣内田康哉啊。”
我对内田是谁毫无印象,想必那也是如鸡崽般跟在樱身后的女孩子们中的一员。同时我也敢肯定,无论内田与樱有着怎样的关系,内田都不可能向樱透露英国外交官同日本外交官聊了些什么,因为作为小辈也作为女人的内田不可能获取那样的信息。至于樱所说的那些,应是她通过日英两国近年的往来、最近皇室和内阁的外交倾向,以及也许内田同她聊起过自己的叔父与哪些人见过面、见面后心情如何等话题,进而樱将诸多线索、细节串联在一起后作出的推断,只不过她确信自己的推断是正确的,故用称述的语气说出了那些推断罢了。
抱着担忧樱受骗的心情,我继续观察伊万君。不需多久我就发现,伊万君竟与樱一样喜欢将时间耗费在学校的图书馆中。只不过樱翻看的多是她不被允许就读的它系的教材,关于政治或医学等方面的、已被翻译成日语的书籍,一些以樱的英语水平能读懂的英语著作。而伊万君翻阅的大多是配有图画的书籍,根据伊万君翻阅书籍的方式来看,我轻易便推断出伊万君虽来到日本留学,在日语的理解和使用上颇有困难,同时熟知英语。
我瞧见过伊万君拿着一本日语医学书、一本英语医学书和一个牠自带的笔记本,将两本书都翻至绘有人体、标注有对应的身体结构名称的页面,随后伊万君一面伸出食指压指着页面和笔记本上的某处,一面默念着某些据口型来看是单词、短句的内容。念不了几个词,伊万君那对色泽比头发略深些的、尾部微微下垂的眉毛就会朝眉心皱挤,再念几个词,伊万君还会突兀抬起双手捂住脸并深深吸入一口气,偶尔我甚至能听见伊万君那无可奈何的、充满了无力感的吸气声。即便我还未与伊万君结识,受某种指引,我笃定伊万君是在为日语头疼。对现在的我来说,理解和使用片假名、平假名和汉字已成为犹如呼吸一般的本能,可代入我学习英语时死记硬背单词的读音、拼写和语法,以及明知教师的英语发音并不标准但又不知标准的英语发音是怎样的等问题后,我难以自控得对伊万君生出股同病相怜之感。
我还瞧见过伊万君翻阅各类草子。如草双纸这类草子,因绘图与所著的物语、随笔混杂在同一纸面上,我看不出伊万君是否阅读了那些物语、随笔。可如浮世草子、御伽草子这类绘图同物语、随笔���开的草子,我倒是能看清伊万君的视线很少停留在写满日语的那一面。不过,若是那些所著物语和随笔不以手写的笔字[7]而是印刷书体出版或再版的草子,伊万君便会如翻看配有人体解刨图的医学书那样,皱着眉以指尖按压着纸张并无声默念书页上内容,间或在笔记本上写下几个字。而要说伊万君阅读得最顺畅的、也最常阅读的书,恐怕是不知出于什么原因竟被收录进图书馆里的赤本[8]了。那时赤本的题材、出版方远少于昭和年代,五年前才出现首部面向儿童的杂志漫画[9],故赤本的内容乏善可陈,甚至某些同被归于赤本的、非面向儿童的书籍的内容可被称为低俗。
同时,即便离开了需尽可能避免交谈、保持安静的图书馆,伊万君也甚少与周围的人交谈。遇上非交谈不可的情况,伊万君比划手势,口吐英语乃至法语、德语——当时我还听不懂除英语以外的另两种语言是什么,后来虽能听出是哪种语言,但也仅限于听出是哪种语言——的次数也远多于说日语的频率。偶有碰见其他人主动同伊万君搭话,伊万君也总微低着头,摆出副下巴埋在围巾里、视线轻飘飘从高处落下的冷淡表情,仅以无意义的音节或诸如点头、摇头这样简略的肢体语言回应旁人的搭话,唯有与樱或某几名显然已相识的西洋人交流时,伊万君的表情会变得生动些,说出的话语也更多些。
因此,我对伊万君的印象反而变得糟糕了,这变化不是源于伊万君喜读赤本——况且伊万君究竟是真的喜爱赤本的内容,或是受限于日语水平、想要畅快阅读日语书籍只能选择赤本还未有定论——而是在我看来,伊万君前来日本留学,却未在留学前将自己的日语水平提升至能毫无障碍得与人进行日常交谈的程度,表明伊万君如别的西洋人一般,是抱着‘反正有的是日本人争相当我的翻译’的傲慢心态抵达日本的。
要说改变对伊万君的印象的契机,其实根本不存在那么个契机,只存在一些琐碎的、迫使我增进对真实的伊万君的了解的事。由于我一直未表态是否正式同伊万君结识,耗尽了耐心、也可以说是因与伊万君的关系进一步变好,好到可拜访对方的住处的樱决定邀请伊万君前来上屋敷。“伊万君来的那日哥哥去别的地方打发时间吧。”樱告知我,她的语气同直白的命令只差一根发丝的距离,“如果哥哥打算与伊万君碰面的话,那么就收敛好偏见、拿出待客的礼仪来。伊万君是一个敏感细腻的人,我可不愿伊万君陷入‘同学的兄长不喜欢我’的苦恼中。”她捧着茶杯说,虽未作出抬着下巴的盛气凌人之态却也与之相去不远。
“我可没看出那俄罗斯人哪里敏感、细腻。”我不服气地说,“虽说你的确是本田家家主,可就为了这样的理由让我躲出上屋敷——”
“仅靠跟踪当然无法见识伊万君的敏感、细腻之处。”樱打断我说。
我瞧着樱那理所应当的模样,凭着对孪生子的感性还能察觉到她藏在“敏感”、“细腻”之下的“可爱”一词,霎时失去了接话的欲望。我喝了好几口茶,那股哽在喉咙中的堵塞感才消失,“我没——嗯,严格来说,那不算是跟踪,我只是较为留意那俄罗斯人的行踪罢了。”我忍不住替自己辩解,“以及,我会留下来的。”
之后回想起来,我不知是该庆幸还是该后悔自己当时决定留在上屋敷中。我如大多数人那样,在回忆过往时总思索若过去的自己做出了某个不同的选择,所导致的未来是否与现在不同,又是否会比现在更好。只不过在与伊万君结识、交好、成为亲密的朋友这一事上,无论如何我都无法将其当作一件坏事,倘若我的道德感更强些、性格更善良些,那么我应该会认为为了伊万君,我当时最好别留下来且最好保持对伊万君的糟糕印象吧,可惜我并不是一个善于站在他人立场上思考的人。
不管未来如何,那时我选择留下,所导致的结果就是我接触到了被掩盖在传言以及日本人对西洋人的偏见之下的伊万君。伊万君抵达上屋敷后,我在樱的介绍下同伊万君见了面。原本按照日本人的习惯,我们应相互说几句询问对方近来过得如何、夸赞对方学业或日语说得非常好一类的客套话。然而伊万君虽露出与我之前观察牠时甚少露出的、双眼亮晶晶的四下打量的表情,与人交际时却遵行了我所观察到的那种寡言少语的模式。
帮佣阿咲向伊万君问好、接过伊万君的斜挎包——那斜挎包看似是用布制的,却与我瞧见过的那些邮差用于携带信件的、软塌塌的布包不同,不但布料更硬,款式也很奇特,像是数个大小不一的包重叠着被缝在一起,且那些包的开口处皆嵌着拉链,那时嵌有拉链的物什在日本都是少见又时尚的新奇货——时,伊万君会向她点头并轻声说出最简略的、完全不含敬语的“谢谢”。可樱向伊万君介绍我,即说出我的名字、与她的关系、所学专业后,伊万君给出的回应仍只是点点头,一句寒暄都不曾说。唯一较为符合日本的交际礼仪之处,乃是伊万君在将斜挎包递给阿咲前,从包里拿出一个黑色的天鹅绒小盒,“我听土田太太说,拜访同学家时应带礼物。”伊万君一面说着一面将那盒子递给樱,而我则竭力控制自己的五官以免自己脸上露出或许会冒犯客人的诧异来,在伊万君开口说话前,我可完全没想到牠的声音、口调[10]会如此不符合牠的体格,听上去会如此的柔和与稚气。
大约是为了配合伊万君吧,樱也不曾遵守日本的交际习惯,说些推拒礼物、埋怨伊万君太过客气的话,她干脆地接过了盒子不说,还立即当着伊万君的面打开盒子。
“是饰品吗?”樱问,她用食指和拇指捏着盒中应是某种饰品的金属制品将其拿起。那金属制品的轮廓与家纹麻之叶相仿,只不过分作对称的八瓣而非六瓣,那八瓣也不是尖利的三角状叶瓣,而是并排且长短不一的、形如石蒜花瓣的柔和的叶瓣。叶瓣上方是由一组顺时针镰刀图案组成的圆形,圆形中央是一朵我不知其种类的、花瓣分为五瓣的花[12]。整个饰品色调较为素淡,仅有那朵花呈现出介于粉和紫之间的色调,余下多是金属铁色,不过饰品背后那两个重叠的蝴蝶结有着暗红的底色与暖黄的镶边。“很精致呐,谢谢你,伊万君。”樱道谢说。
“这是胸针。”伊万君介绍道,缀在句末的だよ令我情不自禁做了个深呼吸,所幸这深呼吸做得隐蔽,未引来伊万君和樱的注意,“是仿照Святой Анна勋章的款式,”伊万君说,不知是对日语不够熟悉还是为了让樱听清那个非日语词汇的缘故,伊万君语速较慢,于是在我听来,那个非日语词汇的音节像 ‘競取り’这种职业名称加上‘安娜’这一西洋女性名字,“Святой Анна勋章在我的母国是颁发给获得了一定成就的女性的,我认为你会喜欢这样的饰品。”伊万君垂眼看着胸针,下巴戳进了围巾里——受气温影响,伊万君所戴用一条更轻薄的、深灰色的丝绸围巾取代了之前所戴的那条看上去非常蓬松的、针织的乳白羊毛围巾——“那是斯拉夫教的传统符号[11],”伊万君指着那个镰刀图案组成的原型,说出个我无法复述的、像是从鼻腔深处哼出的词汇,“中间的花则是一种我母国独有的植物,也是安娜大帝喜欢的花。”
“是伊万君之前介绍的那位陛下吗?”樱的语气忽然变得雀跃起来。伊万君再次沉默地点点头,随即牠看向我,继续用着那种较为缓慢的语气、稚气的口调说:“抱歉,没给您准备礼物。”
“您真是太客气了。”我回应道,我并不因伊万君只给樱礼物而漏掉我感到失落或被冒犯,毕竟伊万君是个来日本没多久的西洋人,又有着性格奇怪且不好接近的传言,牠真准备了送我的礼物或送给本田家的礼物才是件意料之外的怪事。
“无需道歉,伊万君。”樱插话,“在日本,不同地区有着不同的拜访习俗。如东京这样的地方,的确如伊万君的房东所说那样,首次甚至前几次拜访他人的家时最好准备一些小礼物,而如我的母乡犬舞见就没有这样的习俗。大约是由于我们那儿不是东京这样的大都市,人们都相互熟知,不需要依靠送礼来建立交情。况且,即便是有着拜访时送礼的习俗的地方,通常也没有给被拜访者的所有家人准备礼物的习惯。只有拜访者有求于被拜访者,且拜访者的地位低于被拜访者,拜访者才会特意给被拜访者的所有家人单独准备礼物。”
“是这样吗?”伊万君脸上显出几分不解,牠偏着头看向樱,“听上去很——”牠说着突兀停顿一瞬,接着用英语说出“复杂”一词。
“那个词用日语来说的话是はんざつ。”樱提醒说,闻言伊万君小声重复了几遍はんざつ,仿佛在尝试记忆、背诵这个词般。
直到伊万君离开上屋敷为止,像这样的情景时有发生。伊万君的日语水平的确如我先前所猜的那样尚未达到能与人顺畅得使用日语交谈的地步,或准确来说,假如伊万君是一名旅客,问一问哪里有宿屋、哪里有料亭、港口的售票处在哪儿等是毫无问题的。可若伊万君想用日语同日本人聊些别的话题,那么无论是与衣食住行有关的日常话题,还是与近期的国际局势、日本国内正流行哪些思潮有关的政治话题,伊万君总会因不知某个词或某句话该怎么用日语说出而不得不转用英语。
遗憾的是,虽然樱和我一样不满足于学校所设的英语课故在课余之时自学英语,可无论是樱还是我,所知的英语词汇也仅限于日常生活所用。因此,樱和我听不懂伊万君所说的英语词汇是何含义的情况在聊起政治相关的话题后也时有发生,每当这时,伊万君便只能尝试用英语乃至结结巴巴的日语、偶尔配以比划着什么东西的手势向樱解释我俩听不懂的那个英语词汇,而樱也会用疑问的语气说出一个个日语、英语词汇试图猜测伊万君想说的是什么。
于是理应悠闲、顺畅的闲谈变成了一堂持续大半天的、非典型的语言教学课。然而据我观察,这种语言上的阻碍没有减弱樱与伊万君交谈的兴致,相反,这种相互猜测对方说的生词的含义似乎被他俩当作某种有趣的游戏似的令他俩谈性高涨。樱不仅数次开怀大笑——事实上,自伊万君进入上屋敷后,笑容就未从樱的脸上消失过,而我完全无法理解诸如德意志联邦同普鲁士王国、奥匈帝国的冲突这类话题的好笑之处在哪儿——坐姿也维持着无客人或在犬舞见时才有的、诸如盘腿或曲立一条腿的、违背东京对女性的仪态要求的姿势。
与樱相比,伊万君的坐姿反而更为收敛,伊万君最初跪坐在坐垫上,几分钟后就一面用着无奈的语气喃喃自己的腿又麻又疼一面侧坐着忍受麻痹的不适感一点点伸直腿,不久后又换成了两腿并拢屈立在身前、或是双手环膝或是两手撑在身后的坐姿。同时,伊万君的神态中那种令人感到不好接近的冷硬感在我未留意到时不知不觉褪去了。当然,伊万君依旧没如其他西洋人、尤其是美国人那样作出在日本人看来过于夸张的表情,且或许是受伊万君稚气的声音和口调的影响,每次伊万君思索该怎样用日语说出牠想说的话、思索该怎么解释樱才能听懂那个非日常用语的英语词汇、以及没听懂樱说出的某个日语词汇或短句而面露疑惑时,配合伊万君那不自觉微偏头的动作,总使我联想到来东京上学前在家中庭院里瞧见的那些偏着头观察四周的林雀。
‘倒也的确能用可爱一词来形容。’我看着微皱着眉正努力理解樱所说的秋之七草对应的究竟是哪七种植物的伊万君想。
[1]江户藩邸
[2]外国人居留地
[3]听讲生
[4]准三宫
[5]日本柳杉
[6]黑船来航
[7]日本将毛笔称为笔,西式笔称为万年笔、ペン等
[8]赤本
[9]大正6年(1917年)、岡本一平によって初めて児童雑誌にストーリー漫画が掲載されると、子ども向け漫画が開拓されていく
[10]口調
[11]Коловрат
[12]Гвоздика акантолимоновидная 此章中的森川町指代的是东京都文京区的旧名,范围是现在的东京都文京区本乡6丁目
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yotchan-blog · 1 month
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2024/8/23 8:00:29現在のニュース
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na1129 · 2 months
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きんようび通信No.712📚
2024年8月9日
※先日つむぎ福祉会(大阪市)機関紙に寄稿した文章を、きんようび通信の字数に合わせて整理し紹介します。
「平和」について思うこと
▲小学5年の時「はだしのゲン(実写版)」を観たのが、人生で初めて平和や戦争について意識した経験でした。翌年1977年9月27日「横浜米軍機墜落事件」にも大きな衝撃を受けました。事故現場で記念撮影する米軍兵の写真を見た時、「どうして」と強い疑問を持ちました
▲ロシアのウクライナ侵攻・イスラエルによるガザでの虐殺行為など、世界中で戦争が絶えません。昨年初めて宮古島を訪れましたが、自衛隊配備と強化が進み戦争がいつでもできる状態でした。「多くが秘密裏。戦時中と同じ」とのガイドのさんの言葉が胸に突き刺さっています
▲マルティン・ニーメラー氏の詩を時々読み返すのですが、戦争や平和の問題は決して他人事でなく自分のこととして考えることが必要だと思います。そのことを実は多くの人が理解しており、その共感を様々な場面で確認する・事実を伝えることが大事ではないかと感じています
▲昨年、福祉現場で働く若い人を中心に「平和のレシピを考えるPART1」という学習会を開催。学習院大学・青井未帆先生から、「憲法」との向き合い方・今の状況をわかりやすく話してもらいました。「自分の生活にこんなにも結びついているのかと驚きだった」と嬉しい感想がありました
▲現在放送中の朝ドラ「虎に翼」を観ている方も多いと思います。憲法に定められた人権に関わる条項を具体的に実現させることができたら、「平和」や「福祉」に関わる問題の大部分を解決できるのではないかと考えています。みなさんと一緒に手をつなぎ進んでいきたいと思います
【今日は何の日📌】
【今週の一句🔖】
酒飲み🥃🍶川柳
八月の
セミの鳴き声
思い出す😢
【今週の歌🎸】
・Kitty Liv…Nothing On My Mind(But You Babe)
フジロックではタイムテーブルの関係で断念したキティ・リヴ。年明けにある単独来日ライブに行く予定にしています。キティー・デイジー&ルイスとして聴いた時は、初めてのスタンディングライブ経験でした😉
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【今週のグルメ情報😋】
・幸軒…都営地下鉄大江戸線築地市場駅より徒歩5分
場外にあるラーメン屋さんでは一番のお気に入りのお店。シューマイもとても美味しいです。今度行った時はやきめしに挑戦します🍜
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【追記📝】
今日の午前中は定例会議なので、終わってから長崎の方に向かって黙とうをしようと思います。明日から実質のお盆休みなので、溜まっている本を少しでも減らしたいなって考えています
#きんようび通信 #はだしのゲン #横浜米軍機墜落事件 #マルティンニーメラー #平和のレシピを考える #青井未帆 #虎に翼 #憲法
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tanzanite1022 · 5 months
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【鍼灸治療 横浜】鍼灸治療で股関節,腰の痛みを解消 鍼灸整体術が効く 股関節・腰痛治療なら痛みと自律神経治療専門鍼灸院 銀座 【東西医学統合研究...
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aya-azana · 6 months
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スクレイピング・ユア・ハート ― Access to SANUKI ―
あらすじ 平凡な大学院生である丸亀飛鳥。 新規気鋭のイラストレーターで、飛鳥の後輩である詩音。 四年ぶりの再会を経て、二人は奇妙な出来事に巻き込まれていく――――
 物語の始まりなんて、なんでもよかった。  偉人の言葉を引き合いに出して、壮大な問題を提起する冒頭が思いつかない。洒落た言い回しを使った、豪華絢爛な幕開けが思いつかない。ああ、思いつかない。とにかく、思いつかないの。  一般教養が足りないとか、センスがないとか、そんなんじゃない。  ただ、平坦。二十三年生きた人生に山も谷もない。  一般的な都内の中流家庭に産まれ、すくすくと成長し、苦難なく小中高大を卒業。  特に研究したいこともないが、働くのが嫌で大学院へ。研究生活の中で平均くらいの能力を身につけ、今でもゆるゆると日常を謳歌している。  そんな人間が想い描く物語だ。たとえ始まりを豪華絢爛にしたところで、面白くともなんともない。  だから、始まりなんてなんでもいいん『そんなことないわ』  ……そうかしら。それなら、もう少し頑張ってみ「お願いだから止まって、止まって!」  ……どっちよ。  これは、寝る前にするちょっとした妄想。クラスを占拠した悪漢を一人でやっつける、みたいなもの。  目を瞑っているのだから周囲は真っ暗だし、私以外の声が聞こえるわけ「先輩!先輩!しっかりして!」  うーん。うるさいわね。  聞き覚えがある女の子の声。少しガサついていて綺麗な声音ではないのだが、なぜか心地よくて、落ち着く。  ……寝る前に聞く、ちょっとえっちなASMRの切り忘れね「先輩!?」。面倒だけど一度起き『ダメよ』
 身体がビクン、ビクンと震える。
 表面上は高潔な雰囲気を纏っているものの、ねっとりとした厭らしさが滲みでて、根底にある魔性を隠しきれていない女性の声。  今まで一度も聞いたことがない。声の主なんて知るはずがない。それでも狂しいほど切なく、堪らないほど愛おしい。  そんな声が全身を駆け巡り、電撃のような痺れとなって身体を激しく愛撫したのだ。  『貴女の全てが欲しいの』  唐突に発せられた媚薬のような愛の囁きに、動悸が早くなって頬が火照る。恋愛感情に近い心の昂りが瞬く間にニューロンを焼き焦がして、身体にむず痒い疼きを与えた。  『貴女は快楽の熱で、ドロドロに蕩かされていく』  そう告げられると、容赦ない快感が次々と身体に打ちつけられ始めた。  堪らず身を捩ろうとするが、金縛りに遭ったように手足が動ない。舐めしゃぶられるように身体中が犯され、許しを乞うことすらできない。ただ一方的にジュクジュクとした甘ったるい快楽の波が全身に蓄積していく。  やがて許しを懇願することさえ忘れ、頭の中が真っ白に染まってしまう。もう耐えきれない、決壊してしまう。  『そして、深く深く流れ落ちていく』  そのタイミングを見透かしたように、許しの言葉が告げられる。同時に、心の器が壊れ、溜め込んだ全ての快感が濁流のように全身を駆け巡った。  意識が何度も飛びそうになって、頭のチカチカが止まらない。獣のように声にもならない嬌声をあげながら、やり場のない幸福感に身を委ねて甘く嬲られることしかできない。何もかもがどうでもよくなる程、気持ちがいい。  永遠に思えるような幸福な時間を経て、すぅっと暴力的な快楽が引いていくのを感じた。代わりに、深い陶酔の中へ身体が沈み始める。  そして、自然と強張っていた身体から力が、いや、もっと大切な何かが抜けていく。でも危機感はない。  たとえ声の主が猛獣で、彼女に捕食されている最中であっても、私は目を開けず身を任せてしまうだろう。  ゆっくりと身体の輪郭が曖昧になり、呼吸が浅くなっていく。意識が朦朧として何も考えられない。ただ、恍惚たる��楽の余韻に浸りながら、彼女の言葉の通り深く深く、流れ落ちていく。  『おやすみなさい、愛しい貴女』  赤ん坊に語りかけるような優しい声音で別れが告げられる。そして、私の意識はブレーカーが落ちたようにプツンと切れた。  遠くからぼんやり響いた悲痛な叫びは、もう私に届くことはなかった。
 ***    もしあたしにインタビュー取材依頼がきて、最も影響を受けた人物を聞かれたら、間違いなく先輩と答えて彼女への想いを語り続けるだろう。  コラム執筆依頼がきたら必ず先輩の金言を引き合いに出して最高のポエムに仕上げるし、ラジオに生出演したら「いぇい、先輩、聴いてるー?」が第一声と決めている。  現に初めて受賞した大きなイラストコンテストの授賞式の挨拶では、会場にいない先輩に向けて感謝の気持ちを述べた。それほどまで、高校で先輩と過ごした二年間はかけがえのない宝物だったのだ。  だから、あたしという物語の始まりは必ず先輩との思い出を引き合いに出すと決めている。  そんな小っ恥ずかしいことを寝巻き姿で平然と考えてしまう程、あたしこと讃岐詩音は浮かれていた。  なんせ今日は先輩と四年ぶりの再会である。  窓から差込む小春日和の暖かな日差しが、今日という素晴らしい日を祝福しているようにも思えた。
 「詩音、朝ごはんできてるわよー」  「うん」  一階から聞こえたママの呼びかけに応じる、蚊の鳴くような声。自分のガサついた地声が嫌で、どうしても声量が小さくなってしまう。  おそらくママには聞こえていないので急いで自室から出て階段を降り、リビングに移動する。閑静な高級住宅街に建つ一軒家に相応しくないドタバタ音が鳴り響いた。  「危ないからゆっくり降りてきなさいって言ってるでしょ」  ママのお小言に無言で頷きながら、焼きたてのバターロール一個とコップ一杯のスープをテーブルに運ぶ。いつものご機嫌な朝食だ。  「バターロールもう一個食べない?消費期限今日までなの」  ママの問いかけに対して首を横に振って拒否した。少食なあたしにとって、朝の食事はこの量が限界。これ以上摂取すると移動の際に嘔吐しかねない。  「高校でバスケやってた時はもっと食べてたのに。ママ心配よ」  そう言われてしまうと気まずいが断固としてNOだ。先輩との大切な再会をあたしの吐瀉物で汚したくない。  話題を逸らすためテレビをつけると、ニュースキャスターが神妙な面持ちで原稿を読み上げていた。  「横浜市のアトリエで画家の東堂善治さんが倒れているのが見つかり、病院に搬送されましたが意識不明の重体です」  たしか、以前参加したコンテストの審査員だったような。国際美術祭で油彩画を見たような。あと生成AI関連で裁判がうんたら。  「東堂さんは世界的に権威のあ……また、スポンサー契約を交わしていたFusionArtAI社に対して訴……捜査関係者によると奪われた絵……」  ニュースの内容を聞き流していると、概ねの内容は記憶と合致していた。どうやら、高校を卒業してから勉学の道には進まず、創作活動に勤しむようになったあたしの記憶力はまだ健在らしい。少しだけ、ホッとした。  「最近物騒ね。よく聞く闇バイト強盗かしら。ほら、この前も水墨画の先生が殺されたじゃない。詩音も今日のおでかけ、気をつけなさいよ」  「ん、気をつける」  ママを心配をさせないために少しだけ大きな声で返事をして、深く頷いた。  食事を終えた後、アイロンがけされた一張羅に着替えて身なりを整え、先輩が待つ喫茶店へ向かった。    ***    ――――ちょうど三週間前のこと。  本業のデジタルイラストの息抜きとして始めた水彩画にハマりにハマって、気がつけば丑三つ時。ふと先輩の顔が頭に浮かんだのだ。  丸筆とパレットを置いてから勢いよくベッドにダイブして寝転がり、流れるようにエプロンのポケットからスマホを取り出す。  先輩はSNSを実名で登録するタイプではない。それでも広大なネットのどこかに先輩の足跡みたいなものがないか、淡い期待を抱いて名前を検索してしまう。  そんな自分がちょっと気持ち悪い。  自己嫌悪に陥りつつ検索結果を眺めていると、思いもよらない見出し文を見つけたので間髪入れずにタップした。
 「情報システム工学専攻修士1年生の丸亀飛鳥さんが、AIによる雛の雌雄鑑別システムに関する研究で人工知能技術学会最優秀論文賞を受賞しました」
 ゆっくりとスクロールしながら情報を集める。やがて研究室のホームページに掲載された集合写真にたどり着く頃には、これが先輩の記事であることを確信した。  ……正直言って自分がだいぶ気持ち悪い。  「やっぱり先輩はすごい。うん、とてもすごい人だ」  先輩の活躍ぶりに足をばたつかせながら興奮していると、ピコンと仕事用のアドレス宛に一通のメール。見慣れないアドレスだったが、ユーザー名が目に入った瞬間飛び起き、正座になる。  「marugame.asuka0209って、これ絶対に飛鳥先輩だ!」  偶然にしては出来すぎているが、なんの警戒もなく開封をして内容を隈なく読み込み――――読み終える頃には呆然としていた。  要約すると研究協力の依頼であり、可能であれば一度会って話せないか、という非常に堅苦しい内容である。  気がつくと涙が頬を伝っていた。  四年ぶり、つまり先輩が卒業してから初めて貰った連絡。元気?今度ご飯でも行かない?みたいな、そういうのを期待していたあたしがおバカじゃないか。  ――――いいや、先輩が悪いわけではない。これが普通。むしろ、あたしがおかしい。  何を隠そう、あたしと先輩の間に特別な繋がりはない。友達でもなければ恋人でもない。ただ、バスケ部の先輩後輩というだけで、練習と試合だけが共に過ごした時間の全て。連絡も練習に関することだけ。そんな程度の仲。  「……それでも好き」  あたしに手を差し伸べてくれた先輩に対する想い。四年経ってもこの気持ちは色褪せていない。  でも、これが最後になるかも。もし拒絶されたら、ただの先輩後輩ですらなくなってしまったらどうしよう。そう思うと、胸が苦しくなる。だから今まで一度も自分から連絡できなかった。  ――――涙を拭い、ありったけの勇気を振り絞る。  先輩に会ってお話しがしたい、その気持ちだけで震える指をどうにか動かし、書いては消してを繰り返す。文面が完成しても、何度も声に出して読み上げ続け、早三時間。返信を完了する頃には外が薄明るくなりつつあった。  急にドッと疲れが出て、再びベッドに倒れうつ伏せになり、顔を枕に埋める。そのままうめき声を上げて、湧き出る混沌とした感情を擦り付けていく。  このあられもない姿がママに目撃されていたことは、あたしの人生最大の汚点となるのだった。    ***    ――――いつの間にか私はドアの前に立っていた。  温かみを感じるレトロな木製のガラスドア。ここは大学から離れた場所に佇む、少し寂れた喫茶店の玄関前だ。私の憩いの場の一つで、よく帰り道に訪れている。  ぼーっとしていると、店内が薄暗いからか自分の姿がガラスに反射していることに気がついた。  ガラスに映る、ケープを羽織ったおさげ姿の美少女。うどんのように白い肌が彼女の纏う儚さに拍車をかけている。    彼女の名は讃岐詩音。    私の一個下で、高校バスケ部の後輩だ。  某バスケ漫画に憧れて入部したという詩音は、初心者という点を考慮しても信じられないほど下手だった。  ドリブルやパスはへんてこだし、一番簡単なレイアップシュートすらろくに出来ない。おまけに口数が少ない不思議ちゃんで、趣味と特技がイラストときた。  そのため、次第に周囲から腫れ物のように扱われるようになる。  それでも詩音は部活を辞めず、直向きに人一倍努力を続けた。  しかし、周囲からの扱いは変わることはない。下手っぴが一人で頑張っても嘲笑の対象になるだけだ。  だから私は、詩音に手を差し伸べた。少しでも彼女が笑顔になれるように。  ――――精一杯頑張る彼女の姿が、どこか冷めていた私の憧れだったから。    原因は不明だが、今、私は『詩音』の姿になっている。まるでVRを体験しているようだ。なんにせよ、玄関前で棒立ちを続けるのは迷惑だ。  混乱しながらドアを開けて入店すると、店員がにこやかに迎え入れてくれた。  「いらっしゃいませ、讃岐さんですね。丸亀さんはあちらの席でお待ちです」  会釈をするも、妙な違和感。戸惑いながら店員の案内に従い、席に移動した。そして私は大っ嫌いな女と対面することになる。  緑色の黒髪が綺麗な、リクルートスーツ姿の美女。気品のある見た目をしているが、中身は空っぽ。連絡が来ないから嫌われたと思い込み、自分を慕う後輩を四年間も放置したクズ。そんな女性が私を見て微笑む。
 『久しぶりね、詩音』
 そう、『『私』』だ。まるで鏡を見ているかのように、『私』が机を挟んだ向こう側に存在している。  詩音と四年ぶりに再開したあの日の夢を見ているのだろうか。  唖然とする私を無視して、目の前に座っている『私』は一方的に話を進めていき、本題に移り始める。
 『研究室が推進するイラスト生成AIプロジェクトが難航しているの』
 原因は技術の普及と発展に伴って、目視であっても判別できないAIイラストがウェブ上に溢れかえったことだ。  その結果、クローラープログラムがウェブを巡回してイラストを収集するスクレイピング技術で作られた学習データにAIイラストが混入し、AIプログラムが崩壊する報告が多数出ている。  余談だが、私の研究は養鶏農家から提供される写真を使用しているため、全く影響を受けなかった。それゆえ、最優秀論文賞を繰り上げ受賞してしまったのだ。
 『研究用のデータ加工が大変なのよ』
 これはイラストレーター達が自衛として、データをそのままウェブにアップロードしなくなったからだ。  近頃はデジタル画像を紙に印刷した作品やアナログ作品を造花などで飾り付けてからカメラで撮影する、2.5次元作品が主流となっている。  イラスト本体の解像度劣化やカメラフィルターによる色合の変化、装飾物による境界の抽象化などが原因で、2.5次元作品はAIで学習できない。  修正AIで2.5次元作品を2次元作品に加工しようとしても、誤認識のパレードである。そのため、ゆうに一万を超える大量のデータを人力で加工するしか手立てがないのだ。
 『FusionArtAI社のデータも法外的な値段で八方塞がりなの』
 FusionArtAI社は唯一ピュアなイラストデータを扱っているユニコーン企業だ。東堂善治のような大御所アーティストらと契約し、安定して高品質なデータを取得しているらしい。  AIやらNFTやらを壮大に語っているが事業内容がよく理解できない。それに莫大な資金が何処から出ているのか非常に疑問である。  加えて詩音がモニターとして、AIの学習を阻害する絵具を貰ったのだとか。胡散臭すぎる。
 『だから詩音のイラストのデータを全て譲って欲しいの』
 「……は?ちょっと待ちなさい」
 今まで無言で頷いていたが、思わず声が出てしまう。
 『貴女の全てが欲しいの』  「そんなこと言っていない!私は研究協力の依頼を断るように警告したのよ!!」    ことの発端は詩音がイラストコンクールの授賞式で私の名前を出したことである。偶然その授賞式に私の指導教員も来賓として出席していたのだ。  後日、ゼミで彼女の挨拶が話題に出され、私は迂闊にも恥ずかしさのあまり過剰に反応してしまった。  指導教員は詩音が語った人物が私のことだと察した。そして詩音宛に研究協力の依頼を出すよう、私に指示を下したのだ。  なんせ、詩音は今や業界を席巻する超新星。その作品を利用できれば、データの質の担保だけでなく、研究に箔をつけることができる。  下手をすれば詩音が筆を折りかねないその指示に対し、私は強い憤りを感じた。  しかし、上の言う事は絶対。だから大学から離れた喫茶店に呼び出し、密かに依頼を断るように警告したのだ。  ……加えて、授賞式のようなオフィシャルな場で無闇矢鱈に人様の個人情報を出さないよう、情報リテラシーの講義もみっちり実施した。  詩音は私の言葉を素直に聞き入れてくれた。ただし、研究室の厄介事に巻き込んだお詫び?として、週末に作品撮影のアシスタントをする約束をした。    ――――その撮影日が今日。  そこは、誰も寄りつかない瓦礫まみれのビーチ。  遥か昔、海辺に栄える水族館だった場所。  青空の下、詩音が無我夢中になって作品の飾り付けをしている。  装飾材を補充するため、彼女が水彩画に背を向けた刹那。  額縁からコールタールに似た漆黒の液体が勢いよく溢れ出し、彼女を襲う。  だから私は彼女を突き飛ばして。  悍ましく蠢く闇に、『食われた』。    「……ようやく思い出したわ」  これは、妄想でも夢でもない。相対する『私』の皮を被る怪異が起こした現象だ。  理解不能な存在に生殺与奪の権を握られている。その事実を認識した途端、体��悪寒が走り、鳥肌が立つ。今にも腰が抜けそうだ。  怪異は恐れ慄く私の眼をじっとりと見つめながら、ブリーフケースから同意書とペンを取り出し、机の上に置いた。  『貴女とはいい関係になれると思うの』  そう言いながら、怪異は小指を立てながら厭らしく微笑む。  私の生存本能が、この文字化けした書類にサインをしてはいけないと警鐘を鳴らしている。サインをすれば、死ぬ。  それでも私は震える手でペンを掴んでしまう。    ……だって、私なんかが敵う相手じゃないもの。   怖くて泣きじゃくる無様な私に何ができるの。  そうね。きっと、あっけなく死ぬのよ。  ――――そうだとしても    「大切な後輩を襲ったお前だけは、絶対にぶっ殺してやる!!」    私は決死の覚悟を決め、一世一代の大啖呵を切った。瞬時に怪異に対する怒りの炎が燃え上がり、滞っていた思考が急激に動き始める。  相見えるは常識の埒外の存在。裏を返せば奇想天外な自由解釈が可能であり、不格好でもそれっぽい仮説を立ててしまえば、私にとっては常識の埒内の存在になる。  きっとそう強く信じなければ、目の前の『私』は倒せない。  唇に人差し指をあてながら、ただひたすらに、常識や記憶の間に無理やり関連性を見出して理屈をこじつけることを繰り返す。  やがて、その思考過程を経て、一つの結論に辿り着く。    この怪異の正体は、『クローラーを模した淫獣』だ。    こいつは複数回にわたって人を襲い、心の記憶から作品を抽出していくタチの悪い存在。全ての作品を取り込み終えると、獲物に大量の快楽成分を流し込んで再起不能にする恐ろしい習性を持つ。  おそらく詩音も何度か寄生されていて、今日が最後の日になるはずだった。  ところが、すんでのところで私が身代わりになったため、情報の吸い残しがあると誤認が生じてしまった。それは淫獣にとって重大なエラーである。  そこで、やり直しを試みるも、改めて詩音の同意が必要となってしまった。  だから先日の会話に基づいてこの空間を生成し、『私』の皮を被ってサインを迫っているのだ。――――今、自分が捕食している獲物が『丸亀飛鳥』であることに気が付かずに。  そして、最も重要なことは淫獣が人工的に作られた存在という点である。  これまでの同意書に重きを置くような言動を見ると、魑魅魍魎の類とは思えない。何より、元凶に心当たりがある。  そう、FusionArtAI社だ。淫獣の正体が例の胡散臭い絵の具であり、密かに多数のイラストレーターを襲っているとしたら、全て辻褄が合う。  ――――そうであると信じるの。そうすれば、こいつに一矢報いることができるはずよ。  汗ばんだ手で同意書を手繰り寄せ、ゆっくりとペン先を近づける。  すると、自分勝手に喋っていた淫獣が口を閉じ、紙面をじっと凝視し始めた。それだけではない。空間を構成する全てが、その瞬間を見逃すまいと監視している。  張り詰めた空気の中、私は素早く紙を裏返して、こう書き記す。    robots.txt  User-agent: *  Disallow: /    その意味は、『クローラーお断り』。  今や対魔の護符に等しい存在となった同意書を握りしめ、勢いよく席を立つ。  「私の全てが欲しい……そう言っていたかしら?」  沈黙。詩音の好意や才能を踏み躙った淫獣は、口を開かない。  『An error occurred. If this……』  どこからともなくアナウンスが聞こえるが今はどうでもいい。
 「これが私の答えよ」
 大っ嫌いなクソ女の顔面が吹き飛び、振り抜いた私の拳が漆黒の返り血に染まる。  一呼吸おいた後、心から詩音の無事を願い、静かに目を閉じた。    ***    茜色の空。漣の音。磯の香り……それと、ちょっと焦げ臭い。  そして、私の身体に縋って嗚咽する大切な後輩。  どうやら私は死の淵から生還できたらしい。無事を知らせるため、詩音の頭を優しく撫でる。それでも泣き止まないので、落ち着くまで背中をさすってあげた。  「心配かけたわね。詩音が無事でよかった」  詩音は私の胸に顔を埋めたまま、コクリと頷く。  「先輩も無事?」  「ええ、大丈夫よ」  これ以上、詩音を不安にさせないように気丈な態度をとるものの、重度の疲労を感じ、もはや立つことすらできない。  「ここはまだ危ないから、早く詩音だけでも逃げて」  「やっつけたから、モーマンタイだよ」  詩音が指差す方向を見ると、黒い液体に塗れた水彩画が静かに燃えていた。焦げ臭い匂いの原因はこれか。……やっつけたってどういうことかしら。  些細なことに気をとられている場合じゃない。  先ほどから微かに聞こえる、複数の物音。  何者かが物陰で息を潜め、私たちの様子を窺っている。  今や炭になりつつある淫獣の回収が目的か。いや、それは私がでっち上げた荒唐無稽な陰謀論にすぎない。  ここは、電波が届かない人里離れた廃墟。無防備な女二人がいつ襲われてもおかしくない、危険な場所だ。  詩音も気が付いたのか、私に抱きつく力が強くなる。意地でも私から離れないつもりのようだ。高校の時から感じていたが、この子は気が弱いわりに頑固だ。    ――――息が詰まるような空気を、遠くから鳴り響くサイレン音が切り裂いた。    同時に複数の人影が足音と共に遠ざかっていき、私は安堵の息を吐いた。  「もう大丈夫。定刻を過ぎても私から連絡がなかったら、警察と救急に通報するよう、母さんに頼んでいたの」  半分は今のような不足の事態に陥った時の保険として。  「やっぱり先輩はすごい。うん、とてもすごい」  もう半分は、尊敬の念を向けている後輩から刺された際の保険として。……絶対に黙っておきましょう。    ***    ――――事件から三か月後。  結局、私たちを襲った存在の正体は分からず終い。一方、あの場にいた不審な人影は東堂善治を襲撃した闇バイト強盗であった。そのため私達の不法侵入は霞んでしまい、一切お咎めなし。私達の身に何があったか、深く聞かれることもなかった。  まぁ、警察に事情を説明するにしても――――  FusionArtAI社が作ったスライム型の淫獣に襲われてデスアクメしそうになりました。奴らはアーティストの心の記憶に存在する作品データを狙っています。  という私の支離滅裂な説は口が裂けても言えない。それに、FusionArtAI社が不正会計絡みで呆気なく倒産したため、もう追及のしようがなかった。  ちなみに、詩音は黒い液体の正体が亡霊の祟りだと思い込んでいる。だから制汗スプレーとライターで除霊?しようとして、そのまま引火。あの有様となったそうな。  「貴女のおかげで助かったのかもしれないわね」  私の言葉に首を傾げる後輩は、今日も美少女だ。  あの事件以来、私達はお互いの身を案じて一週間に一回は会うようになった。といっても、毎回普通に遊んでいるだけだ。  今日は私の行きつけの喫茶店でまったりとお茶をしている。お紅茶がおいしい。  紅茶の香りの余韻を味わっていると、詩音の手招きが。  またか、と思いつつ耳を寄せる。
 「先輩のケーキ、一口欲しい」
 耳元で囁かれる妙に蠱惑的な声と熱の籠った吐息にゾクッとしてしまう。あの事件で私が晒した醜態から、余計なことを学んでしまったのだろう。  悪戯っぽく笑う詩音。本音を言ってしまうと非常に嬉しいのだが、どうも照れ臭くて顔を背けてしまう。  でも、これから時間をかけて慣れていけばいい。あの事件が私という物語の始まり、いや、――――私達という物語の始まりと決めたから。  二人に降り注ぐ優しい木漏れ日が、これからの日常を祝福しているように思える。  ――――そんな気恥ずかしいことを考えてしまうほど、私こと丸亀飛鳥は幸せだった。
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kennak · 1 year
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整体の施術に訪れた女性に性的暴行を加えてけがをさせたとして、神奈川県警加賀町署は6日、横浜市中区根岸町2、「からだの匠整体院」院長、伊藤恵太容疑者(31)を強制性交等致傷容疑で逮捕した。別の施術客からも被害の相談が寄せられているといい、同署は関連を調べる。  逮捕容疑は1月25日午後10時~同11時20分ごろ、同市中区元町2の同整体院で、施術を受けた後の20代の女性会社員に性的暴行を加え、全治2週間のけがをさせたとしている。「全く身に覚えがない」と容疑を否認している。【柿崎誠】
強制性交等致傷の疑いで男性整体師を逮捕 複数人が被害か | 毎日新聞
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ichinichi-okure · 9 months
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2023.12.18mon_kanagawa
パスポート!が必要!!それも10年のやつ!!! と朝飛び起きて思った、 最近のもろもろを全部パスポートの有効期限がきれているせいにしてとにかくシャワーであついやつを浴びる。 本当はお風呂につかりたかったけど、私にはそんな時間はない、 とにかく今日は横浜にいって新たにパスポートを作る、それしかないのだ。 タオルを用意せずにあがってしまったのでびしょびしょのままタオルの干してあるとこに移動して拭いていたら犬が私の足のまわりで回転しながら毛をまきちらしているのでついでに床掃除もする。 それから二軍来季戦力外候補セーターを着て犬の散歩に飛び出る、 また天気がいい、いつもいつも天気だ、週に三日くらい雨でもいいのに、犬はお気に入りのコーギー風味の犬に出会ってご満悦、ふたりで互いの尿のにおいをかぎあったりして楽しんでいる。犬同士が交流している間の飼い主の正しい立ち位置が私にはいまだにわからない。 今日のコーギーの主は顔を真っ白に塗った妙齢の女性で、 「おたくのわんちゃんは、草を食べますか?」と聞かれたので、「はい、食べます」と答えた。そして別れた。 公園には今日もムギちゃんがいなかった。 ムギちゃんは、私の大好きな元気すぎる柴犬で、サッカーがとてもうまい。ムギちゃんのボールさばきに私の心はいつも動かされる。
長めの散歩を終えて急いでパスポート申請の準備をする、 かなり前に同じようなパスポート衝動が湧き上がったときに申請しておいた戸籍謄本を掘り出して有効期限を確認大丈夫、それから免許とか諸々をカバンに詰め込む。そういえばパスポート用の写真もとらないと、と思ってすっぴんはやめてレベル3くらいのメイクを顔に施す。 飯はもういい、とにかく電車に乗る話はそれからだ、と横浜行き特急列車にのってやっと腰をおろした。 Spotifyで最近はじまったTrevor Noahのポッドキャストを聞く。 「同意できない、わけがわからない、理解できないことをもっと話したい、白黒つけるためにコミュニケーションがしたいわけじゃない」 的なことをTrevorさんが冒頭で話していて、すごくいいなあと思った。 岩みたいな見た目のプロレスラー"The Rock" Dwayne Johnsonがゲストで、声がやさしくて耳がありがとうと言ってる。
電車の揺れでうとうとしながら昨夜の飲み会のことを思い出す、 本当は私は、Q氏とふたりだけで飲みたかったのかもしれない。 「私って人より爪が薄いのかもしれない」 とQ氏がつぶやいた話を、私はもっと聞いてたかったのかもしれない。 どうして人より爪が薄いと思うのか、厚くなりたいとか思っているのか、とか、そういう話をしたかったのに、やはり大人数の飲み会では、そういう話は他のもっと派手できらびやかな話に流されていって、きこえなくなってしまう。 私は、足の小指がたぶんひとより丸まっているんだ――そういうことを打ち明けたかった。おもしろくも目新しくもないだれも手を叩いて笑わないそういう話をしたかった。 自分の身体の小さな違和感を聞いてくれるひとがいなくなったら、きっとすごくさみしくなる。 だからお年寄りは病院に通うんだろうか。 自分のからだのことを、だれかに聞いてほしいと思うこと。
横浜から乗り継いで日本大通り駅で降りて、 パスポートセンター まわりのよさそうな写真スタジオを探す。 シルクセンター近くの半地下でパスポート写真3分仕上げ1100円にいったら数人が列をつくっており、私の前は大学生くらいの男の子ふたり。 「前髪大丈夫そ?」「お前今日ビジュ結構いいよ」 と互いを褒め称えながらスマホで自分たちを確認しあっている。 簡素なつくりの写真スタジオでは青いタートルネックをきた小さなお姉さんが撮影からレジから電話番まで一人でやっている。 ワンオペで忙しそうな人をみると胸がきりきりといたんでしまうので、 みないようにして手鏡でせっせと前髪を調整してみる。 テキパキと男の子ふたりの撮影印刷会計が終わる、 男の子たちがダウンジャケットを羽織りながら「まぁこれが現実だよなぁ」と肩を落としていたので不安になる。 と、すぐに私の撮影がはじまってすぐに終わる。 仕上がった写真は証明写真恒例の死んだ魚の目プラス肌のアラをあますことなくとらえた写実主義的な写真に仕上がっており、 会計を終えた私はすぐにgoogle mapをひらき 「kirei 証明写真機」 と入力Search、徒歩7分だなオッケとざっざかイルミネーションの巻きつけられた大通りを歩く。 あんな写真と10年も付き合うなんてゴメンだ、いくらなんでも私はあれよりまだいけてるはずだ、いやもしかして人の目にはあんな風に見えているのかもしれないけどそんなこと私には関係のないことだ、私の目に見える私が私だ。 喉が渇いたことに気がついて自販機でミルクティー半分飲み干す。 それからファミマ脇の証明写真機へカーテンしゃっと背筋壁にベタづけ目ひんむき撮影。補正オプション全追加して金千円也。満足。 証明写真機の中からぬっと外へ躍り出る、ビルの駐車場でKing Gnuの概念みたいな人がタバコを吸っていて目があう。なぜか会釈を交わす。
やっとパスポートセンターの中に足を踏み入れたのはもう午後3時をまわったころだった、 申請書に諸々記入していたら、 私の隣の記載台にいる老夫婦がずっとローマ字の書き方に苦戦している。 「ああ、お前また新しいのもらってこないといけないじゃあないか」 「そんなこといってもねぇ、あなた」 と昭和の白黒映画みたいな喋り方、この夫婦がこれからどこか海の外に旅立とうとしているのだ、それから、ここにいるみんなもどこか遠くにいつか行くのだ、と思った。 書類を揃えて窓口にいく、 「これから海外にいくご予定は?」と聞かれ「ないです」と答える。盛れてる方の証明写真を渡す。
25日以降に取りにきてくださいね、といわれて外にでたら、うっすら灰色と橙色の夕方ムード一歩手前になっていて、山下公園のイルミネーションが中途半端にひかっている。 あと1時間も待てば、きっともっと綺麗にみえる。そう思って帰りの電車に飛びのる。
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-プロフィール- みっちぇる 35 神奈川県 これから大工 https://mikinakamura.wixsite.com/work https://www.instagram.com/dosankolondon/
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yotchan-blog · 1 month
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2024/8/19 7:59:06現在のニュース
神経細胞を壊さず観察、産総研が新手法 レーザー光活用 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:48:29) タニタ、熱中症リスクを数値化 センサー地点で即時把握 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:48:29) 住宅ローン、返済期間が二極化 「35年超」は3年で倍増 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:42:23) パワー半導体、東芝・ロームの葛藤 「日本連合」は幻想か - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:42:23) 行政の手が届かない人へ フードバンク立ち上げた公務員が目指すもの(朝日新聞, 2024/8/19 7:38:19) 私たちの「虎」語り:ヒャンちゃんを「透明人間」にしない 「虎に翼」の文化考証とは(毎日新聞, 2024/8/19 7:37:23) 自民総裁選、派閥解消で混戦に 「ポスト岸田」10人超浮上 推薦人20人確保が関門 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:36:52) 宇都宮LRT開業1年、沿線にホンダやキヤノン 大口固定客がっちり 開業1年 宇都宮LRT① - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:36:52) 高齢者も若者も「聞こえ」を大切に 元気の処方箋(横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科部長 新井基洋さん) - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:30:19) 冷蔵庫がパンク寸前!夏に食品整理 ロジカル片付け術 生活上手 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:30:19) 湯の街沸かす「おんせんし」 2次元アイドル目指せ純烈 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:30:19) なぜ女性は過敏性腸症候群(IBS)になりやすい? 男性の約2倍 ナショナル ジオグラフィック - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:30:19) ラジオ体操は生保の戦略? 健康維持で経営安定 ルーツ調査隊 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/19 7:30:19)
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tanzanite1022 · 5 months
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【首 肩甲骨 整体 横浜】首肩甲骨が固まった激硬筋肉と関節は鍼灸整体でガッツリ治す 首肩甲骨・自律神経治療専門鍼灸院 横浜 【東西医学統合研究所...
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myaaasick · 1 year
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2023 09 24
軽井沢に出発する朝
7:30、ママからの電話。
そろそろ起きようかなって思ってベッドの中でゴロゴロしていた時だった。
こんな時間に電話がかかってくること自体なんかオカシイなって思いながら電話にでたらママが泣きながら「おばあちゃん、死んじゃった」って一瞬、なにを言っているのか理解が出来なかった。
でも、混乱しながらも伝えてくれているママの声に相槌をしながら、とにかく急いで名古屋に向かうことを告げて電話を切った。
何が起こったのか、冷静になれずにどんな用意をしていいか分からず、部屋の中を右往左往しながらも長期滞在を想定しながら軽井沢のために前の夜にパッキングした荷物を名古屋へと帰る準備へと少し変えながら
9:00 家を出る。
パパの携帯に連絡を入れるとママが出た。とりあえず家を出たことを伝え、足早に東京駅に向かう。天気のよい抜けるような青空やいつもと同じ景色を歩いているのに頭の中ではおばあちゃんのことがぐるぐる回って悲しいのかもわからないのに涙が出てきた。
新幹線に向かう道中も、新幹線の中でも涙は止まったり出たりを繰り返して私の中の感情はぐちゃぐちゃで。どうしても、なにもしずにはいられず、詩織、ちか・もえ、みさこ、91のみんなにLINEをしながら、向かう。
こんなに名古屋に着くのが怖いことはなかった。
途中で、パパから「あーちゃんが緊急搬送されました」って連絡もきて、より一層パニックに。
最悪の場合は頭をよぎった。
名古屋に到着したところでパパからあーちゃんの容体の連絡が来たので、急ぎとりあえずあーちゃんの病院へ。
大動脈解離で緊急のカテーテル手術。
パパと術後を待ちながらおばあちゃんのことやあーちゃんのことを少しずつ聞いてたら落ち着いてきた。
術後の先生の話ではICUには3日ほど入るがそこまでひどくはなさそう。あとはあーちゃんが元気に復活してくれるか。あと面会にすぐに来られないのが心配だった。
あーちゃんの必要なものをあーちゃん家に取りに行き荷物を届けて、その後ママと名古屋に到着した尚くんと合流。
斎場だから、おばあちゃんともそこで対面。
本当に寝てるみたいできれいな顔だった。
まだ現実とは受け止められないけどママのクマの酷い疲れ果てた顔と悲しそうな表情に抱きしめずにはいられなかった。。
おばあちゃんがまだここに居てくれるような
そんな感じもして、私は少し落ち着いた気持ちだった。
ママたちの要望もあり、会社の携帯からレオに連絡をする。一応出てくれて話は聞いてくれた。とりあえず、伝えられただけよかったとママも言ってくれて一旦は良しとしよう。って思った。
その後、葬儀の打合せが始まる。決めること、考えなきゃいけないこと、用意するもの役所に届け出るもの、受け取るもの色々なことがあって、ママは心ここにあらずだし、尚くんもふわっとしてるから、一応私の方で少しずつ助け舟を出しながらなんとか決まって、お寺さんが枕経をあげに来てくれた。
その後、最後の打合せを終わらせて一旦は帰宅。
夜ご飯を食べに行きながら、明日からのやるべきことを整理、分担。こゆときは、食べないと体がもたないね。心ここにあらずなママやみんなとお話しながら、やることを整理して家に帰り就寝。
って言っても、寝つきは悪いよね。寝れるわけない。
なんだか、おばあちゃんのことがあって数日は寝るのが怖かった。朝起きたらまた同じことが起きるんじゃないかって。
明け方にウトウトしつつ、起床。
みんなで準備をしながら昨日まとめたやることリストを分担して、私とパパは銀行、尚くんとママは病院と区役所へ。
それぞれ、やることを終えてランチをしてからおばあちゃんの待つ斎場へ。
通夜に向けて準備。
初めて湯かんを体験した。おばあちゃんは本当にきれいで。顔色も良くて本当に寝てるみたい。
髪も体もきれいにお風呂に入れてもらって気持ちよさそうだった。
着せて頂きたかったお洋服も���せられて、可愛いワンピースも入れて。LaLaのお洋服も一緒に入れて、お出かけ用の帽子と首元にはいつものスカーフ。おしゃれないつものおばあちゃんが寝てるだけだった。
途中で壽美さん、沙紀、友哉が合流。
お化粧もしてもらってきれいになったおばあちゃん。
棺に戻る前に最後に手や足を触ることが出来たけど、本当に冷たいのに感覚はいつものおばあちゃんの感覚で、なんでだろう。なにも違和感がなくて、冷たいこともあまり受け入れられない感じがした。いつもお出かけするときに握り合ってた手の感覚。それと全く一緒。
他の人にこのタイミングで触れるのは今まで違和感があったりしたんだけど、やっぱりおばあちゃんは特別で、そんなことは何もなくずっと触っていられた。
その後、姫路の公晴おじちゃん、あっちゃん、えりちゃん、秋山ひろこおねえちゃんが来てくれて、
開始直前には横山さん、小池さん、新美さん、相澤さん、鈴木さん、安藤さん、あっちゃんが来てくれてみんなのお顔を見ると本当に、おばあちゃんがいないことが寂しくなって泣けてきた。
浜松からはまーくんと奥さん。まーくんは告別式にも参加してくれるとのこと。
無事に通夜も終わり、
おばちゃんたちと話していると話は尽きない。
ひろこおねえちゃんは今日帰るということで横の中華でごはん。被災ぶりに会えた友哉の話を聞きながらホッと一息。
今日は横井家と私でおばあちゃんと最後の夜。
そんな夜もあっという間に終わり、寝れたような寝れてないような。
次の日の朝は、おばあちゃんとの最後の朝食。美味しいお弁当で体に喝を入れて、今日は告別式。
その前にみんなでお写真を撮ったり、いろいろとバタバタしていたが予想外にも横山さん、小池さん、新美さん、相澤さん、鈴木さん、浅野さんまでもが告別式にも来てくれて、おばあちゃんが愛されてたな~って本当に感じた。
みんな、本当に悲しんで、寂しがってくれてて。
姫路、浦和、浜松からそれぞれみんなが来てくれて、今でも繋がっているこの繋がりに本当に感謝しないとと思いながら
アットホームで愛につつまれた告別式だったと思う。
最後の最後にお花でいっぱいにするまで、みんなで泣いて、話して寂しがって話しかけて、いっぱい想いながらお別れを言えたと思う。
そのまま、出棺。
姫路と近所のおばちゃんたちとはここでお別れ。
おばあちゃんとママと3人で直前になんとなしに話をしてたのが火葬場の件。おじいちゃんのときと一緒の場所はイヤだよね。って話をしていて、別の場所にすることができた。少し遠いけど、それでも素敵な場所で、じっくりゆっくりお別れをすることができた。
おばあちゃんと一緒に帰ってきて、そのまま初七日法要。
その後はまーくんが横浜に帰り、浦和の和子おばあちゃん・勉おじちゃんたちと、おばあちゃんの家へ。本当に24日のままのおばあちゃんの家と日記などを見ながら、いろんな話をした。
夕方には友哉と浦和が帰り、残りの家族は実家で夜ご飯。
みんなでごはんを食べながらいろいろ話すも、結構この時にはみんな疲れてたかな。
本当に、ここまでバタバタで要所要所ではおばあちゃんをゆっくりと想う時間も取れたとは思うけど、やっぱりまだ向き合えていないと思ってる。
実家に帰れば、おばあちゃんの家にいけばおばあちゃんが居てくれて、電話のLINEや電話番号に電話を掛ければおばあちゃんが出てくれる気がしてしまってる。
LaLaとおばあちゃんが1年のうちに虹を渡ってお空に行ってしまうなんて思いもしなかったけど、一番受け止め切れてないのはママ。
少しでもママが早く立ち直れるようにパパと支えていかないとね。
あと、いつまでも寂しがってたらおばあちゃんが心配しそうだな~って思ったりもしてる。
まだまだ誰かに話すとき、涙が出てくるけど。それはしょうがないとおもって、いろんな人に話しながら自分でも受け入れていけるようにしないと、って思ってる。
おばあちゃんの最後は、幸せだって思ってるけど、おばあちゃんはしあわせだって思ってくれてるかな…?軽井沢にみんなで旅行に行けなかったのは悔しいなって思うけど、おばあちゃんが苦しくなく、痛くなく、嫌いなツラい治療をすることなく、安らかな最後を迎えることが出来たのは、本当におばあちゃんの人柄だし、
こんなにも誰にも迷惑かけることない最後はおばあちゃんらしいなって思ってしまった。
本当に、気を使いすぎだよ。
でもきっと、お空にはLaLaもさっちゃんもいて、きっと先にいるお友達とかもいるはず。それにおじいちゃんも長年待ってただろうからね。おばあちゃんは寂しくないかな。
命日がさっちゃんと同じ日にちなのも、LaLaと同じ歳なのも、誕生日の前日だったのも、なーんかいろんな運命の巡り合わせがありそうで。
みんなで、さっちゃんもLaLaも、きっとおじいちゃんもおばあちゃんのこと呼んでたんだね~ってみんなで話してた。
もっと私たちとも一緒にいてほしかったけど、欲張り言っちゃいけないね。
一緒に、たくさん旅行もお出かけもしたし、いっぱい時間を過ごすことが出来たと思う。それが大切な宝ものになってる。
まだおばあちゃんとの想い出やおばあちゃんへの想いは言葉にしてまとめられないけど、あの日や時間の記憶を劣化させたくなくて、ここに綴ります。
これからも、見守っててね。
生まれてから、ずーっとずーっと大好きだよ。
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hatohonoka · 1 year
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不夜城が如くネオン煌めく繁華街。煌びやかな様子とは裏腹に、一歩道を外れれば影色濃く腐臭漂う裏道へたどり着く。
男は一心不乱に走り続ける。何故自分が追われているのか皆目見当がつかない。ただちょっと扇動されて、「小包」を公園に置いただけ。最近思い当たる節と言えばその程度。たかだかその程度しか思いつかない。俺のせいじゃない、悪いのはあいつだ!
足がもつれ、運悪くごみ溜めにダイブする。走り続けた足は疲労でだるく、絶え絶えの息は腐臭を吸い込みむせる。
追跡者の影が、煌めく繁華街への出口を背におもむろに得物を取り出す。人生の終点に突っ込んでしまった男は喚き散らし、笑う膝で懸命にもがく。カチリと音がする。
男の顔に落ちた通りからさす光が、追跡者の姿で陰る。
男が最期に見たのは、銃を突きつける少女だった。
​───────​───────​───────
ー入学ー
横浜駅。世界でも5本の指に入るとか入らないとか言われてる程の駅。掲示板と手元の地図とを眺め続けてどれくらいたっただろうか。完全に迷子である。
わたし望月愛衣は齢12…もうすぐ13だが、冷や汗出るほどに迷子になったのはいつぶりだろうか。フィーリングで目的地を目指しても今までなんとかなっていただけに地図の見方すら分からない。完全な詰み。
「うわぁ、ちょっとまずいかも…」
もしかしてなんか試験的なものなのだろうか?入口を探し当てられなければ入学すら認められないとか
そんなはずない、こんなにウェルカムな入学式の案内を送り付けておいて試験なわけが無い。てかこの地図分かりにくい、簡略化しすぎでほぼ一本道しか書いてない。
途方に暮れても仕方がない、目印のお店を探し当てるしかなさそうだ。などと再起したのはこれで3度目ぐらいか
そろそろ足が疲れてきた。近くにあったベンチに腰掛ける。
行き交う雑踏を探しても、自分と同じような制服を着た子は見当たらない。平日の昼間だというのにどこから湧いて出てくるのか分からないぐらいには人が行き交っている。
仕事に行く人だろうか、あの人は観光?あの子たちはショッピングかな?
平和そのものである。よきことよきこと。こんな日常に一人立ちしたいが為に施設から『孤児院』という学校施設がある横浜まで来たっていうのに、入学出来ませんでした〜で帰るのは格好が悪すぎる。
「どうしたもんかぁ〜」
背もたれに仰々しく身を預け伸びをする。
「どうしたの?」
見上げた先、顔を覗き込む女の子、いや見た感じ年上のお姉さんがいた。落ち着いた雰囲気、これが大人びたという表現でいいのか分からないけども。まじまじと見られている。いや、顔近。まつ毛なが。
また着慣れた感じにわたしと同じ白の制服を身にまとっている。ということは
「助かったぁ、やっと同じ制服着てる人見つかったぁ」
上級生であろう彼女がふふっと笑う。上品だ。
「きみ、新入生?駅迷いやすいよね。私もよく迷う。今もそう」
上級生でも迷うってんだ、じゃあ新入生のわたしなんかたどり着くつけないわけだ…って
「ちょっと待ってください?今も迷ってるんです?」
キョトンとした彼女は短く「そう」とだけ返した。
あぁ、完全に終了のお知らせってやつだ。
​───────​───────​───────
と、まあ入学式の会場にはなんとか間に合ったというわけで。
あの後、彼女の寮の同室の方が怒りながら迎えに来たおかげで『孤児院』の施設、更には会場にまでたどり着けたって訳だ。
別れ際、頑張ってねと言われたが入学式に何を頑張るのだろう。長時間椅子座り耐久があるという事だろうか?
純白の制服の群れが体育館のような会場に集まっている。水銀灯が照らす会場はやや薄暗く、傍から見たらお嬢様学校もかくやあらむだろうか。近くの椅子に腰をかける。
ざっと見渡して自分含め100人?ぐらい居るだろうか。規則正しく等間隔に机付きの椅子に座って近くの子達同士でソワソワと話し合っている。
さらに数人、様子を伺っているのかコンクリ打ちっぱなしの壁際でたむろしている。
どのグループに混ざろうか吟味でもしているのだろう。当たり前だ、ここにいる子達はわたし含め孤児。12,3歳の子達が集められている。
『孤児院』からの招待状を配られた子達だ。今つるむ相手を見誤れば今後どうなるかわかったもんじゃない。
…というかみんな迷わず来れたんだね、どうやらわたしが一番最後の到着だった様だ。出入口の扉が施錠される音がした。
「どもども、隣いい?」
活発そうな、ショートヘアの子に声をかけられる。バスケとかやってそう、女子にモテる女子だ。
「あ、どうぞ」
断る理由もなく、快諾。
「あたし幸 亜里沙、ちょっとギャグっぽい名前でしょ?亜里沙って呼んでいいよ、あなたは?」
「自分で言っちゃうんだ…望月愛衣よろしくね」
「ねぇ!愛衣はどこから来たの?あたし青森から来たんだけど横浜駅めっちゃ人いすぎじゃね〜?」
ガハハと言わんばかりにはしゃいでいる。てかいきなり名前呼びか、カルチャーショックを受ける。
「おかげで人酔いしちゃったよ。わたしは埼玉から」
「埼玉か!うん、埼玉。埼玉って何があるの?」
この話題はあまり広げない方が良さそうだ。
ふと、椅子の下に箱が置いてあるのに気付く。ちらっと足元を見ると自分の椅子の下にも箱がある。
「あ、っと〜。あれ?亜里沙その足元にある箱って?」
これでも緊張していたのか、今まで気付かなかったそれを手に取る。30cm四方の箱。シルバーのケース?ジュラルミンでできた箱には開けられそうな蓋が付いているが鍵がかかっていてビクともしない。持った感じずしりと重みを感じる。他の子も箱に気付いたのか各々手に取っている。
「なにこれ?新入生へのプレゼント的な?」
中身を確かめるように亜里沙が箱を振る。蓋と本体がカタカタと鳴る以外、中から音はしない。
キーンとマイクがハウる音が響く。ありがちな。
「失礼。諸君着席を」
正面の壇上、舞台袖からツカツカと長く綺麗な黒髪に鋭い目つき真っ黒なスーツを来た大人の女の人が現れた。マイクはインカム型なのだろうか、手には鎖のようなものを持っている。その鎖の先、遅れて舞台袖から現れたのは、手錠をはめられ目隠し、さらにヘッドホンで耳栓までされたツナギの男の人が引っ張られて現れた。
会場がどよめく、これが大人の世界なのだろうか?
「静粛に。この男の説明については後ほど。まずはようこそ『孤児院』へ。諸君らはここで一般常識から外れた存在になっていただく。座席の下にケースがある、確認がまだの者は早急に確認を。」
会場が不安げにざわめく。
「もしかしてコロシアイさせられちゃう?なんちって」
亜里沙が冗談めかしく囁く。
「そんな訳ないでしょうに、映画の見すぎ」
「これよりケースの電子ロックを解除する。各自内容物を確認するように。中身の取り出しは指示があるまで待つように、ケースは落とさぬように」
『先生』?が軽く手を挙げ合図の様な仕草をする。
ガチャリ!会場に電子ロックが解錠された音が響く。
わたしの手元の箱も、大きな音をたてた。
亜里沙と顔を見合わせる。互いに箱の中身を確認する。
恐る恐る、ケースの蓋を開ける。ビクともしなかった蓋がすんなりと開く。
中には、拳銃が収められていた。
「これから諸君らとその銃は一心同体。我々の必需品となる。紛失、破損のないようしっかりと整備すること。」
「どういうことだてめぇ!ふざけるのも大概にしろ!」
前の方に座っていた如何にも不良な感じの子が、銃を手に壇上へ飛び上がる。
「席へ戻りなさい」
「うるせぇ!なんだこれはよぉ?映画の撮影かぁ?あぁ?いいからさっさとセンコーをだせやセンコーをよォ!」
不良生徒が『先生』?へ銃を突きつける。
あまりにも血気盛んすぎる。怖くないのだろうか?万が一これが本物の銃であったら、まずいのではないか?舞台まで止めに入る?いやこの距離じゃ間に合わないか?
マイクがハァとため息を拾う。
「なんだてめぇなにk」
ズダン!
あれは柔術?だろうか、綺麗な動作で『先生』?は不良生徒を床に叩きつけ、同時に銃まで奪ってしまっていた。不良生徒はぴくりとも動かない。気絶でもしたのだろうか?
「今年は血の気が多いですねぇ…静粛に。まだ説明の途中です。」
何事も無かったかのように説明を続け始めた。
やっぱり映画の撮影なんじゃ…?逃げるか?亜里沙だけでも連れ出せそうだけど、他の子は?唖然としてる。出口は一つだけ?会場がざわめき始める。何人かが立ち上がり
パンッ
会場に破裂音がこだまする。遅れて悲鳴。
壇上。男が倒れる。壁に赤が跳ねる。
「いいでしょう、もう面倒だ。この方が効率がいい。そこ!席を離れるな!ったく面倒臭い!」
逃げ出そうとする生徒を一蹴する。
「いいですか?聞いてください。説明します。この男は今日死刑執行の死刑囚です。国家転覆を企て捕まった犯罪者だ。今日から君たちは国家に仇なす犯罪者どもを消し去る存在になってもらいます人事担当がどう説明したかは分かりませんがつまるところ公務員になりますただ公には姿は見せずあくまでも影としてこの国を支えてもらいますそのための『孤児院』でありそのための場所になります​───────​」
おそらく決まっていただろう口上をめちゃくちゃ早口で垂れ流している。その間、どうすることも出来なくなってしまった会場は、すすり泣く声が聞こえ始めていた。あの男は本当に死んでしまったのだろうか?遠くからでははっきりとは分からない、前の方では吐いてる子も居る。ってことはやはりそうなのだろう。
「亜里沙?大丈夫です?」
ちらっと隣の亜里沙を確認すると、泣きはしてはいないが血の気が引いた顔でケースを抱え固まっている。
「…えっ、えぇ。あぁうん。だ、大丈夫。じゃないよ。愛衣は?逃げる?」
「いえ、下手に動くよりあの先生?の指示に従ってた方がいいかも。立ち向かったりしなければ問題なさそうだし」
落ち着かせようと話しかけるが反応が鈍い。大丈夫じゃなさそうだ。かと言って逃げ出せそうにもない。『先生』?の話は聞かざるを得ない。
「​───────​─ということです。ふぅ、諸君落ち着きましたか?よろしい。では、諸君。その銃で隣の人を撃ってください。」
つづく
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yotchan-blog · 3 months
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