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#紅白折り鶴
shin-kackey · 2 years
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終戦記念日 何年か前に@designoffice.momi さんに頂いた#紅白折り鶴 と一緒に正午のサイレンと黙祷を捧げました。 蝶がひらひら舞ってたので、折り鶴の近くにおいで~♪って待ちましたが、フラれました。(^^;) 世界に平和な日々が訪れますように。。。 #pentaxkx #tamron1750f28 #フィルター加工あり #広島86815 #ラベンダー #ヤマトシジミ #蝶 #平和 #世界平和 #終戦記念日 #黙祷 #サイレン  https://www.instagram.com/p/ChRJaxMv_Nk/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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wabisukepons25 · 6 months
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Epilogue.
禁書庫。かつて特殊部隊達が制圧した脅威に関連した異常現象をまとめた書庫。最古のものであると1000年も昔の資料も保管されている。
遥か昔、世界がゲートに接続された事で、異界よりこの世界に脅威がもたらされた。人類は脅威に対抗するため現在も交戦を行っているが、人の所有する領土はわずかしかない。
それでも、人類には営みがある。私は今、その営みの中で発生する問題を解決する仕事をしている。
私は脅威専門の考古学者の「羅 李春」。過去に起きた脅威に関する資料を作成するべくこの禁書庫に訪れた。
「紅龍眷属亜譚」。この書籍は50年ほど前に鎮圧された「獣の国」に関するものだ。国を構築する「龍」という脅威の主が獣に人の形を与え、人類の真似事をしていたのだ。
何とも忌々しい。
何も知らずに人の文明を真似たため、人類と衝突することは数知れず。また他の脅威に対しての対策がなかったため、海の脅威による「浸食」も確認された。他にもいくつかの脅威と混ざり合っており、「評議会」にて管理不十分の重要不安分子と判断され、制圧されたのだ。
制圧での記録では「社と思われる場所までに、人型の獣により数多の犠牲が出た。中には元特殊部隊員と思われる人物もいた。すべて鎮圧し即処分した。最深部には巨大な蛇がおり、多数の特殊部隊員の犠牲の上鎮圧。腹部を割くと、窒息死した龍が摘出できた」とあった。所詮獣。何を考えているのか分からない。この事件で重要参考人として、眷属の一人を拘束し尋問を行ったそうだが、その後の所在についての資料が紛失している。
脅威が人の文明を真似ているという特殊な案件により、一般的には「カルト宗教の洗脳と過激なテロに対する処置」として認知されている。しかし、「評議会」の事項改定に伴い、正確な内容の一般公開を行うこととなった。そのため、私が改めてこの脅威についての再調査を担当することとなったのだ。
「紅龍眷属亜譚」。
書籍といっても、形は一般的な業務用のファイル冊子数十冊からなるものである。内容な経理的なものから、業務成績、仕事内容などが挟まれている。時折菓子による油の汚れが目立つ。管理が悪い。
冊子の12冊目、それは隠すように挟まっていた。
「狼と鼬」
と書かれた随筆の冊子であった。著者は「羅 狼」。祖父と同一の名前だ。個人的に気になったこともあったので、許可をもらい持って帰ることとした。
薄く汚れた本ではあるが、かなり書き込まれている。何気なく最後の頁を開いた。
ー「狼と鼬」と書かれた冊子の最後にはこう書かれていた。
1月。まだ雪の残る寒空の下。ついに歲の護りが無くなった。丑三つ時。朧さんを護る為に皆一様に社に集った。蠎の家、神社の本殿。だだっ広い本殿の奥座に朧さんが胡坐をかき目を閉じている。ただそれだけなのに先ほどかじったレーションが逆流するような異様な覇気を感じる。空気がピリピリし毛が逆立つ。嫌な汗が出て血の気が引く。まるで蛇に睨まれた蛙のように。やはり朧さんは龍神なんだ。と身を挺して感じた。 窓から外をうかがう。深夜であるのにも関わらず空は赤く燃え、遠くに悲鳴や銃声が聞こえる。そこにしんしんと冷たい雪が降る。血と煙と鉄。硝煙の匂い。あそこにはたくさんのものを置いてきた。仲間、友、家族、姉。みなもう居なくなった。 畳に座りこみ、外勤用の装備を整えながらうなだれた。もうダメだろう。俺らは負け戦をしているんだ。絶望。雪が降る。寒い。姉ちゃん。鼬ちゃん。 しばらくして蠎が零につかみかかった。胸ぐらをつかみ、 「お前がアイツらを入れ込んだんやろ。お前が、お前が…!!」蠎の声が震えている。憎しみのこもった声が本殿にこだまする。 「僕は一切関与していない。むしろあいつ等に捨てられたんだ。僕の家はここ。一緒に泣き、笑い、ともに過ごした紅龍組の仲間を捨てることはない。」と。最期までここに忠誠を誓うと周りを説き伏せた。蟒は苦虫を噛んだ顔をするも、「ここに集ったものの思いは皆同じだ」との朧さんの鶴の一声で厭だ厭だと言いながらも、口を嗣んだ。
各自守備する場所を決め配置に付く。ぬかるんだ雪を踏む足が重い。言葉は出ない。雪を踏む以外の音が聞こえなくなった。きっとここでみんな潰える。火を見るより明らかな事だった。
結局鼬ちゃんには自分の中で渦巻いているあらゆる思いを半分も伝えられなかった。嵐の前の静けさ。今伝えられなかったら、きっと次はない。次は…
「狼ちゃん」
鼬ちゃんが透き通った声で静寂を割った。
「狼ちゃん、きっとみんな死んじゃうってウチ思うんよ。そうきっとウチも狼ちゃんも」
「アホ言うな。んな事ないやろ。俺もお前も、零も鮫も鹿さんも、後、蠎もみんな強いんやしなんとかなるわ」
「狼ちゃんは嘘つく時、目が泳ぐ癖あるの気づいてないんやなぁ。ハハ、可愛いなぁ……本当に、本当に可愛い」
「何言うとんねん」
「なぁ狼ちゃん。いや、ちゃんと聞いて欲しいから改まって言うね。狼ちゃん、私の最後の我儘を聞いて欲しい。今まで沢山我儘聞いてもらってごめんね。狼ちゃんの我儘全然聞かないで、自分ばっかり。なのにずっと私を想ってくれて。愛してくれて。お嫁さんにしてくれて。 ありがとう。とっても楽しい人生だったよ。だからこそ最期まで狼を守りたい。ここでは死なせない。 …私の分まで、みんなの分まで、死が近しい友となるまで。
生きて欲しい」
首に軽い衝撃を受け視界が黒くなっていく。必死に鼬ちゃんに手を伸ばしたが、その手は空をつかみ意識が遠のいた。鼬ちゃん。
気がついたら知らない天井を見ていた。四角のタイル。消毒液の匂い。よく知っている機材や器具が周りに見える。カーテンに太陽光が柔らかく当たっている。腕に点滴。あー、この点滴パックをよく交換したな。なんて思っていた。起き上がれない。トイレに行きたい。腹減った。鼬ちゃんはどこにいるんだろう。
そこからは慌ただしく、あまり記憶がない。半年ほど施設で聴取とは名ばかりの尋問を受け、どう判断されたのかこのノートと、発見さ��たときに手に握っていた白く艶やかな長い毛束とを持たされて釈放された。
そしてこの知らない国にて支給された、集合住宅地域の一角で生活することとなった。生活の基盤を整えるまでは何を考える暇もなく、あくせく働けていたのは幸せだったのだろう。今こうして、腰を据えてあの日の出来事を想起し書き起こすと落涙が絶えない。
結局「愛してる」とは鼬ちゃんに云えなかった。いや、その言葉を鼬ちゃんは聞きたくなかったんだろう。
最後まで、弱音やなよなよした好きだの愛してるだのを云う俺を見たくなかったんだ。そう理想の狼を見ていたかったんだろう。きっと。
でも、それはあまりにも我儘がすぎる。あまりにも…あまりにも…。
何度毛束を握り締めて、言いたかったことを叫んだか。何度、辛かったこと悲しかったこと伝えたかったか。
飾らない演じていない本音を、本当の思いを伝えたかった。 でも鼬ちゃんはもういない。
もうこのノートも最後になる。色々あって、俺にも伴侶が見つかり子供も産まれた。でも、鼬ちゃんほどの想いは持てない。
だが俺もそろそろ前を向いていく必要がある。鼬ちゃんの髪の毛もここに挟んで全部終わりにする。
さようなら。また会う日まで。
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gamedoinc · 1 year
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2023.01.13 ゴチになりました
REIです。
年末年始は例年通り実家に帰省して、ごちそうを食べて、紅白歌合戦を見て、ごちそうをたべて、正月特番を見て、ごちそうを食べて、配信サービスでドラマ見て、お餅を食べて・・・を繰り返していました。
そして自宅に戻る際も、日持ちするごちそうを持たされてしまうという。
思い返せば、初詣に行ったことと、お茶葉の袋が可愛かったので久しぶりに折り鶴を折ったことくらいでしかカロリーを消費していません・・・!正月太りというか家族の愛太りですね。体重計に乗るのが怖くて、年明け2週間が経とうとしてる今も自分の体重を把握していません!
これからの1月後半戦で節制しようと心に決める2023年の幕開けなのでした。
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kachoushi · 3 years
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各地句会報
花鳥誌 令和3年5月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和3年2月3日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
帯の色白と黒との寒稽古 世詩明 初夢や逆夢にして安堵せり 同  受話器より来る熱燗の酔ひつぷり 清女 もう雪も落ちついたかとココア飲む 同  湯のたぎる薬罐の音の冬支度 誠   ゆつくりとガラスを滑る霙かな 同 
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月4日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
寒の明け空の青さのどこまでも 柏葉 雪の舞ふ上へ下へと北陸路 喜代子 寒戻り雄島は浪に翻弄す 都 
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………  
令和3年2月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
祈る人白く光らせ春の寺 小鳥 壺菫傾ぐ黄昏の密会 季凜 饅頭屋の幟ぱたぱた春疾風 美智子 嬰児へ春の揺籃なりしかな 順子 寒紅や鏡の中の女たち きみよ 春を描く赤で縁取る黄土色 千種 ギャルソンのベストの在庫春埃 荘吉 バーの椅子冬日も遊ぶ道具街 荘吉 春潮のかをる手をもて貝洗ふ 順子 ペンダントはづして春の風邪に寝る 光子 黄泉の国へとラビリンスめく雪間 眞理子 オキーフとゴッホの黄なる春の蝶 伊豫 ロマノフ朝語る早春のため息 慶月 仲見世の半分閉ぢて亀鳴けり 梓渕
岡田順子選 特選句
江戸つ子へ黄水仙咲く格子窓 光子 春の日の跳ねたりしつつ神田川 小鳥 壺菫傾ぐ黄昏の密会 季凜 吾輩は道具街の猫日脚伸ぶ 荘吉 春浅き野へと黄衣の遊行僧 慶月 花瓶売れざり春の日を黄昏れて 俊樹 笊は受く春の日差や道具街 季凛 菜の花や主のゐない家に棲み 伊豫 大方は縁なき道具街うらら 秋尚 隠れ耶蘇語る窓辺の余寒かな はるか 遣り手婆春画を鬻ぎつつ春眠 俊樹 黄塵万丈浅草に人沸き出す 梓渕 産土の海光を背に絵踏せり 光子 生国を刻みし墓へ梅香る 慶月 祈る人白く光らせ春の寺 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
散歩みち犬に吠えられ日脚伸ぶ 三四郎 子等はしやぐ声の大作雪だるま みす枝 寝るだけに戻りし部屋の虎落笛 ただし 初詣巫女の化粧の濃かりけり 世詩明 贔屓目にみても毛皮の似合はざる 上嶋昭子 大氷柱剣のごとく堂宇守る 時江 崖の上に耐へて咲きたる水仙花 久子 神杉に裂けし傷あり斑雪 時江 風花の散華の中を柩ゆく 信子 湯たんぽを母の温もる如く抱く さよ子 廃屋の雪の声きく真暗がり ただし 嚏して饒舌の人黙りけり 三四郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月9日 萩花鳥句会
住所録ゐぬ人ばかり春時雨 祐子 降り立てばカルスト台地草萌ゆる 美恵子 春まだ来産卵仕掛ける川漁師 健雄 春時雨ビニール傘に裂け目あり 吉之 下萌えて平幕力士の賜杯かな 陽子 雪雫八分音符と四分音符 ゆかり 微睡の草木起こせし春時雨 明子 面接の練習の声寒明くる 克弘
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令和3年2月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
護摩焚きの煙の深き節分会 あけみ 節分や子の夢に出��方相氏 登美子 節分や炒豆撒いて稽古終ふ 令子 車窓には雪しろの山々続く あけみ 大雪も奮闘えち鉄動き出す 紀子 野兎の駈けし跡あり野辺深し 同  ひらがなの娘の手紙春隣 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
白杖の突けば凍土鼓動して 都   磯竈海女と蜑との声太く 益恵 獣園の柵に並ぶ子草青む 栄子 春の雪店はいつものビートルズ 佐代子 日脚伸ぶ明るき方へ人も鳥も 都   寒木瓜の棘の交差に交差して 悦子 白髭を撫で庭を掃く春隣 幸子 寒月へ町定位置に静もりて  都   春雷や酒供はりて力士像 宇太郎 さよならと筆置く音に落椿 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月13日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
人生は借り物かしら春一番 修子 日の永き台所にて聖書読む 同  永く生きすぎた気もして春の風 同  どの家も砦のやうに雪積みて 寛子 街路樹の上に余寒の空低し 同  針供養叔母は短気でお人好し のりこ 掌に一滴春の化粧水 岬月
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
ひたすらに鶴は鶴とし凍つるのみ 雪   寒鴉申し合はせしごと啼かず 同  観念をしたる如くに大枯木 同  温石に温石と云ふ石の貌 同  薄氷や着物をつまみ避け乍ら 千代子 深々と音消し積もる真夜の雪 同  春炬燵くの字しの字の混み合へり みす枝 ランドセルに筆箱入れて春を待つ 同  銀の波揺らし川辺の猫柳 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
薄氷の割れて漂ひ重ね合ひ 千加江 数独に挑んで老の春を待つ 清女 節分や柱時計がつと止る 啓子 薄氷を張り尽したる法の池 泰俊 鴬や何か賑やかなる甍 同  凍て鶴として人の世を凍つるのみ 雪   華やかに古りし虹屋の桐火桶 同  凍て様も金輪際や檻の鶴 同  人の世の枷を解かれし古火桶 同  寒鴉啼くを忘れてゐはせぬか 同 
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月19日 さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
冴え返る言葉の綾に躓きて 雪   勿体なや冬籠りにも厭きしとは 同  乾杯の種の尽きたるちやんちやんこ 同  うららかや犬が好みの猫まんま 清女 虹屋へと二月礼者の関西弁 千代子 水仙の花に折鶴遊ばせり 希   路地裏を斜めに走るうかれ猫 啓子 水尾も無く流れのまゝの鴨滑る 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
飄々とした人の訃や冬の果 佑天 学舎の武張りて遠く春の富士 圭魚 アトリエに遺せし絵の具冴返る ゆう子 シスターの病むや余寒の廊長し 和子 手の皺の翳は目立ちて春を待つ ます江 存分に椿の落ちて椿寺 佑天 堂裏の日溜り豊か落椿 圭魚
栗林圭魚選 特選句
よき喫茶閉ぢし通りの余寒かな 慶月 磐座の裳裾にこぞる蕗の薹 幸風 菰踏めば春泥ぬると動きたる 三無 朝光の瀬音そびらに蘆の角 幸風 アトリエに遺せし絵の具冴返る ゆう子 寺領ひっそり孕猫つとのそりゆく 文英 細波の煌めき尖る浅き春 斉   シスターの病むや余寒の廊長し 和子 春みかづき童話の色の夜の街 和子 春光や眉毛一本づつ描く 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年2月22日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
二度三度黙の呼び鈴冴返る 一涓 遠き日の武原はんの風花す 同  雪掻きて掻きて怨嗟を紛らせり 同  佐保姫来式部の像の辺りより 同  古里ぞ遠海鳴りも温石も 雪   其の頃はへつつひ二つ竈猫 同  お駄賃は袋のお菓子春の風 上嶋昭子 アプレゲールと言はれし卒寿日向ぼこ 同  春一番絵馬カタカタと恋の宮 信子 夕焼けを少し暈して春の色 紀代美 春着着しより梵妻の顔となる 中山昭子 水仙や少女一心勉学す みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
東風に扉を開けよ羽衣なびくまで 美穂 面影のちよと夫似なる古ひひな 千代 波音のままに揺蕩ふ若布かな 桂   大津絵の鬼の飛び出す春の雷 喜和 梟の吾を呼びたる父祖の山 千代 遠き目でみる耶蘇浦の若布船 かおり 薄氷を踏むもふまぬも人の道 睦子 冬灯しらじら明けの裏酒場 勝利 恋猫の敗れ幣履のごとく消ゆ 伸子 その沖は霞み衣桁の陣羽織 由紀子 寂しらの汀に寄する若布かな 久美子 浮かみくる七色の泡春の池 愛   集落を貫く碧き雪解川 由紀子 タンデムで若布を買ひに島日和 美穂 結ひ髪のほろほろ解けて絵踏かな かおり 紙漉の若き水ほどよく躍る 佐和 蹼に薄氷つきしまま歩む 睦子 星辰の恵みに育つ若布かな 美穂
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
なかみち句会(投句のみ) 栗林圭魚選 特選句
探梅の坂より駅を見渡せり 貴薫 焼山の命の早さ確かめり ます江 風尖りをれど遠山霞みをり 怜   枝影の網目ぼんやり春の土 秋尚 受診日や梅林抜けて隣り駅 せつこ 料峭の森覚ましゆく水の音 三無 野焼見る怪しくはやる気持あり あき子 日を浴びて胸張る如し犬ふぐり せつこ 青海苔を採って沖には白い波 史空 梅林や古木の幹に力あり 迪子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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kamagaya · 4 years
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author 石井幸一
演出家。梨農家。
1979年生まれ。千葉県鎌ヶ谷市在住。東京農業大学卒。
鎌ヶ谷アルトギルドと一徳会の主宰者/京葉演劇研究會メンバー/かまがや南初富演劇部芸術監督/(公財)舞台芸術財団演劇人会議会員/第20回BeSeTo演劇祭実行委員/演劇活動体La+メンバー/利賀演劇人コンクール事務局(2013年、2014年)/鎌ケ谷市梨出荷組合組合長(2017-2018)/梨直売まるた石井園所属
【お問い合わせ連絡先】
【略歴と受賞歴】
2002年(横溝正史生誕100年の年)、『百日紅の下にて』を東京農業大学百周年記念講堂に於いて上演。以降、一徳会名義にて横溝正史の小説を連続して舞台化。並行して鎌ヶ谷アルトギルド名義にて東西の古典戯曲、近代戯曲に取り組む。
2007年、(公財)舞台芸術財団演劇人会議が主催する利賀演出家コンクールにおいて優秀演出家賞を受賞。
2009年、利賀演劇人コンクール10周年記念大会に参加。別役実『象』を上演。
2013年、富士山世界文化遺産登録記念ふじのくに野外芸術フェスタ新世代ショートスペクタクルに招聘され、グランシップ芝生広場にて『M78-光の国から-』を上演。
2013年、第2回アジア演出家フェスティバルに日本代表演出家として出場。A・ストリンドベリ『令嬢ジュリー』の演出において中国、韓国、台湾の演出家とともに奨励賞を受賞。
2014年、ふじのくに野外芸術フェスタに招聘される。清水マリンパークと浜名湖ガーデンパークの2会場にて『白鳥の湖まで』(原作:チャイコフスキー)を上演。
2017年、舞台『ACCA13区監察課』(原作:オノ・ナツメ)の演出をする。
2020年、鎌ケ谷市主催の市民参加型創作プログラムにて、『東海道四谷怪談』(原作:鶴屋南北)を演出する。
2020年、京葉演劇研究會を結成。三好十郎『胎内』にて旗揚げ公演を行う。
2021年、長野県芸術監督団事業「NAGANO ORGANIC AIR」に参加。
2022年、月影瞳コンサート「Home coming」に演出と美術で参加。
2022年(横溝正史生誕120年の年)、長野県上田市の劇場【犀の角】との協働により横溝正史『犬神家の一族』を舞台化。
【演出】
一徳会+犀の角『犬神家の一族』(原作:横溝正史)@犀の角[2022年12月]
文化財de文化祭『月影瞳ライブ』@安楽寺[2022年10月]
鎌ヶ谷アルトギルドのドライブインシアター2『名人伝』(原作:中島敦)@まるた石井園直売所の駐車場[2022年7月]
月影瞳コンサート『Home coming』@サントミューゼ[2022年2月]
長野県芸術監督団事業NAGANO ORGANIC AIR小諸『破戒-試演会-』(原作:島崎藤村 脚色:黒岩力也)@ブルーベリーガーデン黒岩[2021年7月]
鎌ヶ谷アルトギルドのドライブインシアター『folklore』(宮沢賢治「春と修羅」、他)@百景社アトリエ駐車場[2020年7月]
京葉演劇研究會『胎内』(作・三好十郎)@まるた石井園直売所[2020年3月]
きらりホールでお化け屋敷!?『東海道四谷怪談」(作:鶴屋南北)@鎌ケ谷市民会館きらりホール[2020年1月]
KPR/開幕ペナントレース【息子企画】『息子』(作:小山内薫)@ギャラリーエフ浅草
『THE DIVER』(作:野田秀樹)@まるた石井園直売所、百景社アトリエ
『恋愛曲線』(原作:小酒井不木)@渋谷HOME
舞台『ACCA13区監察課』(原作:オノ・ナツメ)@品川プリンスホテルクラブex[2017年11月]
『ユメノ劇』(原作:夢野久作「一足お先に」)@石井園直売所
ネルケプランニング昭和文学演劇集5『孤島の鬼-咲きにほふ花は炎のやうに』(原作:江戸川乱歩)@赤坂レッドシアター[2017年2月]
『リチャード三世』(作:W・シェイクスピア)@鎌ケ谷市東部学習センター内レインボーホール
『いつも心に太陽を』(原作:つかこうへい)@百景社アトリエ、まるた石井園直売所、七間町このみる劇場、テアトル・ドゥ・ベルビル
都市生態演劇博inソウル『プロメテウス体験』(原作:アイスキュロス「縛られたプロメーテウス」)@西江大学メリーホール
『蜘蛛の糸』(原作:芥川龍之介)@石井園仮設野外劇場
ふじのくに野外芸術フェスタ2014『SL-白鳥の湖まで-』(原作:チャイコフスキー「白鳥の湖」)@清水マリンパーク、浜名湖ガーデンパーク
ネルケプランニング昭和文学演劇集3『蝶々殺人事件』(原作:横溝正史)@紀伊国屋サザンシアター
第20回BeSeTo演劇祭『わが西遊記』(原作:中島敦)@アトリエ春風舎[2013年10月]
アジア演出家フェスティバル2013『令嬢ジュリー』(作:A・ストリンドベリ)@利賀芸術公園リフトシアター
富士山世界文化遺産登録記念ふじのくに野外芸術フェスタ2013新世代ショートスペクタクル『M78-光の国から-』(原作:創世記)@グランシップ前広場
『四人の俳優による「授業」』(作:イヨネスコ「授業」)@神楽坂ディプラッツ[「授業」フェスティバル2012年5月]
『悪霊島』(作:横溝正史)@まるた石井園仮設野外劇場[2012年3月]
『オイディプス王』(作:ソフォクレス)@静岡県舞台芸術公園BOXシアター
利賀演劇人コンクール10周年記念大会『象』(作:別役実)@利賀芸術公園利賀山房、2009年8月
『龍を撫でた男』(作:福田恆存)@日暮里d倉庫
『蔵の中』(作:横溝正史)@ザムザ阿佐谷[2008年2月]
『熊野』(作:三島由紀夫)@利賀芸術公園リフトシアター[利賀演出家コンクール2007]
『ひとり八つ墓村/丹夫人の化粧台』(原作:横溝正史、脚本:野呂淘汰)@乃木坂コレド
『鬼火』(原作:横溝正史)@STスポット横浜
『お前はもう死んでいる』(原作:古典落語「粗忽長屋」)@鎌ヶ谷市三橋記念館
『三つ首塔』(原作:横溝正史)@千本桜ホール
『白と黒』(原作:横溝正史)@千本桜ホール
『塙侯爵一家』(原作:横溝正史)@千本桜ホール
『殺人鬼』(原作:横溝正史)@大塚ジェルスホール
『百日紅の下にて』(原作:横溝正史)@東京農業大学百周年記念講堂[2002年12月]
【脚本】
*pnish*プロデュース『黄金仮面』(原作:江戸川乱歩)@全労済スペースゼロ、北國新聞赤羽ホール、神戸朝日ホール[2011年2月-3月]
ネルケプランニング昭和文学演劇集2『少年探偵団』(原作:江戸川乱歩)@青山円形劇場
ネルケプランニング昭和文学演劇集3『蝶々殺人事件』(原作:横溝正史)@紀伊国屋サザンシアター
ネルケプランニング昭和文学演劇集4『孤島の鬼』(原作:江戸川乱歩)@赤坂レッドシアター
ネルケプランニング昭和文学演劇集5『孤島の鬼-咲きにほふ花は炎のやうに-』(原作:江戸川乱歩)@赤坂レッドシアター[2017年2月]
舞台『ACCA13区監察課』(原作:オノ・ナツメ)@品川プリンスホテルクラブex[2017年11月]
きらりホールでお化け屋敷!?『東海道四谷怪談』(原作:鶴屋南北)@鎌ケ谷市民会館きらりホール[2020年1月]
【他】
『億土点の第3夜』(作:夏目漱石/演出:億土点)@鎌ケ谷市民会館きらりホール[2022年10月]プロデュース
鎌ケ谷市民会館きらりホール主催『劇場入門!』講師
文化財de文化祭『月影瞳ライブ』@安楽寺[2022年10月]舞台美術デザイン
かまがや南初富演劇部『骨と記憶』(作・演出:伊藤全記)@鎌ケ谷市郷土資料館[2022年7月]監修
第二回鎌ケ谷市民創作ミュージカル『大仏さまの折り鶴』(作・演出:相澤美智子)舞台美術デザイン
鎌ケ谷市民会館きらりホール夏の舞台ワークショップ講師
きらり☆かまがや冬期舞台ワークショップ講師
百景社『誤解』(作:カミュ/演出:志賀亮史)@百景社アトリエ[2020年10月]舞台美術デザイン
月影瞳コンサート「Home coming」舞台美術デザイン
梨園の宴々主(プロデュース)
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oooorip · 4 years
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刀ステに描かれた三日月と鶴丸の物語
シリーズ通して共演の多い二振り。彼らの間には、虚伝初演から最新作の維伝に至るまで「二振りだけの物語」があります。
若い刀を一緒になっていじり回す一方、どちらも作中に意味深なセリフが多く「腹を探り合っている?」とも考察される三日月と鶴丸。
刀ステ本丸における彼らの物語を、二振りの関係が大好きなオタクが時系列順でプレゼン&考察します。
虚伝〜燃ゆる本能寺〜初演
記念すべき刀ステ初演。この虚伝初演から既に、三日月と鶴丸は同じ年長者で気が合うもの同士、仲が良いという描写が多くあります。
三日月「眉間に皺を寄せたとて妙案が浮かぶわけでもあるまい」
鶴丸「わかってるなあ三日月は」
という台詞や、紅白戦終了後の「織田刀仲直り作戦は失敗かあ」からの顔を見合わせお互いの役割を確認しあうように頷く姿など。
軍議もそのひとつです。「大体この青い人と白い人が悪い」とカテコでまんばくんが言っていた通り、青い人と白い人が揃ってまんばや長谷部を散々いじる姿は印象深かったと思います。
タチの悪い年上な面もありますが、三日月は新たな近侍であるまんばを支え、鶴丸は織田の刀たちを仲直りさせるために紅白戦を提案します。
虚伝は作中に「三日月と鶴丸はどちらも年長者らしく若い刀たちを見守り、導くために行動する刀である」ことがはっきり描かれているんですね。
なんですけど、初演軍���は鶴丸役がアドリブ上手の染谷さんだったこともあり、二振りの悪ノリはひどいです(褒)
その悪事のすべてを見ることができる「蔵出し映像集」なるものが刀ステ円盤には存在しているので、ぜひ確かめて見てください。
どの回も三日月と鶴丸がめちゃめちゃ仲良く若い子をいじめてます。うちの青い人と白い人がごめんね…
虚伝〜燃ゆる本能寺〜再演
初演と話を同じくしてまったくの別物、「初演とは違う刀ステ本丸の虚伝」を描いた再演。
再演は何振りかの刀たちがキャスト変更されており、鶴丸もその一振りです。
そもそも初演と再演は同じ時間軸ではない上、「キャスト変更された刀は二振り目」と刀ステでは考察されています。
そこでぜひ注目して頂きたい。再演でも三日月と鶴丸は仲良く若い刀たちをいじり、彼らを気にかけています。つまり「時間軸が違う刀ステ本丸でも、二振り目であっても三日月と鶴丸は気が合う者同士」なんですね……
別の個体でも三日月宗近に近しい存在になってしまう鶴丸。既に運命じみたものを感じませんか?
ちなみに、三日月役の鈴木さんは虚伝の時点で「三日月と鶴丸は行動が似ていて、波長が合う」と思ってくださっていたそうです。
余談ですが再演の軍議ネタは作中後半まで引っ張られます。三日月と鶴丸の悪ノリも、物理的に2倍になります。
その悪事も再演の蔵出し映像集に収録されているので、ぜひ見てみてくださいね。
義伝〜暁の独眼竜〜
虚伝でひたすら仲良く、また本丸内で似たような役割を持つ姿が描写されていた三日月と鶴丸。
義伝では二振りの関係が更に深く掘り下げられています。
序盤の二振りの手合わせシーン。後にまんばに「こんな朝早くから」と言われていたことから、「皆が起きていない早朝に二振りだけで行っていた」のがわかります。
三日月に「手合わせに身が入っていないな」と言われ「ここのところ少し、驚き欠乏症なんだ」と鶴丸が答えるシーン。
「鶴丸が退屈している」姿を描いたこのシーンは、後に彼が黒甲冑に取り込まれに行く伏線です。
これは自分の考察ですが、鶴丸の「驚き欠乏症なんだ」を聞いた時点で三日月は(こいつは近いうちになにかやらかすな)と勘付いていたんじゃないかと思います。
それが、後の藤森での「三日月は山姥切の心配ばかりで大変だな」「俺はお主のことも心配しているぞ」という会話に繋がるのではないかと。
そう考えると「時には退屈も悪いものではないぞ」というセリフや、鶴丸が呆れるほどお茶に誘うのも、彼が驚き欠乏症で無茶をやらかさないか三日月は心配だったからなんでしょうね…
「三日月と鶴丸は腹を探り合う仲なのではないか?」と言われはじめたきっかけであろう、藤森での遠足シーン。
「俺はいつか、あの天をも驚かせたいと思っている。だが、もっと驚かせたいものがある。……あんただ」という鶴丸のセリフ。
「天をも驚かせたい」は虚伝において鶴丸の見せ場である「復讐したいものはないが、驚かせたいものはある。天だよ」から続く鶴丸の野望です。
せっかく生まれてきたんだから、俺はこの天くらいは驚かせてみたい。
そう言っていた鶴丸が、天以上に驚かせたいものを三日月だとはっきり本人に伝えたこのシーン。
それに対し、三日月は「俺を驚かせるのは骨が折れるぞ」と他の誰に対しても使わない冷たい声色と顔で答えます。
正直、このシーンはめちゃくちゃ難しい!
なぜかというとこのセリフの中には、三日月と鶴丸のいろいろな感情が込めているからです。
ループする三日月を驚かせるのは容易でない、だから天以上に驚かせなくてはならない=鶴丸は刀ステ本丸で唯一、この時点で「三日月宗近がループしていると勘付いていたんですね。
どこで彼が気付いたのかは明らかになっていませんが、三日月と悪ふざけなんかをしているうちに、鶴丸は言葉や態度の節々から三日月に違和感を覚えていたのかもしれません。
何故、ループする三日月を鶴丸は驚かせたいと思ったのか?気付いていたのなら、三日月が円環を廻る理由を何故問いたださなかったのか。
それは彼の優しさだと私は思っています。
刃生には驚きが必要だ。予想しうる出来事だけじゃ、心が先に死んでいく。
心が死ねば、それは心ではなくなってしまう。
悲伝で鶴丸はそう語っています。
鶴丸にとっては、三日月がループしている理由よりも三日月の心が死んでしまうことのほうが心配だったんですね。
鶴丸に自分がループしている存在であることが暴かれ、内心激しく動揺したであろう三日月。彼は同時に鶴丸に隠し立てはできないとすぐに悟り、山姥切と対する時のような笑顔や飄々とした態度を取り払います。
あの体の芯から凍るような声色は動揺と肯定、「それ以上踏み込んでくるな」という牽制、「円環を廻る結の目としての本性」が露わになったがゆえのもの。
悲伝を迎える前から、鶴丸だけがここで三日月の本当の顔を垣間見ていました。
二振りは直接的な会話をほとんどしないので意味深なセリフばかりが目立ちますが、その中できちんとお互いだけにわかるよう対話をしているんです。
(「三日月が藤森で冷たく答えたり、鶴丸にすら頑なに自分の背負うものの正体を離さない理由は、別ルートで話した結果鶴丸が折れてしまったことがあるからなんじゃないか」って他の方が考察されてるのを見たんですが、そういう背景のことまで考えると尚更深みが増すシーンですよね…)
「三日月と鶴丸は腹を探り合っているようなところがある」というのは、他ならぬ三日月役の鈴木さんがStage pashのインタビューで仰っていました。
腹の探り合い、とだけ聞くとどうしても不穏な匂いがしてしまいます。
けれど、三日月と鶴丸はお互いのことを心から思いやった上であえて言葉にしないことを選び、結果的にあそこで腹を探り合うようになったのだと私は思っています。
実際、義伝後半で鶴丸が黒甲冑に飲み込まれに行った理由は「大倶利伽羅を助けるため」「三日月を驚かて彼の心を死なせないため」「持病の驚き欠乏症の自己治療のため(自分自身を驚かせるため)」でした。
自分の心を思いやってくれたがゆえの行動でもあると三日月はわかっていたから、最後に崩れ落ちそうになった鶴丸を走って抱きとめに行ったんだと思います。
ちなみに、黒鶴丸VS三日月のシーン。配信版には写っていませんが、実は三日月相手の時だけ黒鶴丸が唯一片足を地面にトントンしています。これは虚伝〜義伝内で度々見られる戦闘時の鶴丸のクセです。
髪が一筋銀髪のままなのと同様、黒甲冑に乗っ取られながら鶴丸国永としての意識ははっきりあること、その上で鶴丸は三日月との本気の斬り合いを楽しんでいることがわかる描写です。
激しい戦いの末、三日月に肩を抱かれながら「驚きの戦法だったろう?」とわざと黒甲冑に飛び込んでいったことを明かす鶴丸。
満足げな鶴丸の横で三日月は大きく目を見開き、呆れたような気の抜けたような顔をします。
この表情からも、三日月は鶴丸をとても心配していたことがわかります。
(ここの三日月の心底安心したような顔は円盤には映ってないので、ぜひ配信版を買って目に焼き付けておいてください…!)
この後、小十郎が政宗公の無事を確認しに来ます。二人が話している間、三日月は抱きかかえた鶴丸に何かを囁き、鶴丸もそれに答えています。
このヒソヒソ話をする姿は配信版にも映っていませんが、先述のStage pashのインタビューであのシーンはなにを話していたのか聞かれた鈴木さんが「あそこは『大丈夫か?』『痛かった…』『おお、そうかそうか』など、他愛ない話をしていた。でも二振りは腹を探り合っているようなところがあるから普段はしない、あの場だからできた会話だった」と答えてくださっています。
三日月と鶴丸はどちらも年長者で、行動が似ているキャラとして描かれています。
自分の弱みを見せず、相手のことを想って行動するのが当たり前な二振りだからこそ、腹を探り合うような空気になってしまったのかもしれませんね。
ちなみに鶴丸役の健人さんは義伝パンフで「刀ステ本丸で三日月を一番理解しているのは鶴丸なのではないか」と仰っています。
実際、刀ステには鶴丸が三日月に対して同意を示す姿が数多く描かれています。
これは後の悲伝にも繋がりますが、鶴丸国永は唯一最初から最後まで三日月宗近を信じ、なにがあっても彼を肯定しつづけた刀なんです。
悲伝〜結いの目の不如帰〜
この配信で、多くの人々にトラウマを植え付けていったであろう悲伝。
刀ステ本丸の三日月宗近の物語が行き着く円環の果て。これまで刀ステに描かれてきた三日月と鶴丸の物語から、ついに三日月がいなくなります。
悲伝は描かれている物語の数がかなり多いのですが、その中にもしっかり三日月と鶴丸の別れはピックアップされています。
「心が死ねば、それは心ではなくなる。心に非ずと書いて、悲しいと説く」「自分に都合の良い驚きだけを求めようなんて傲慢なことは言わん。たとえそれが、悲しい驚きだとしても…俺は飲み込んでやるさ」と鶴丸は三日月に言います。
「悲しい驚き」。そう、ここでも鶴丸は三日月が近いうちに本丸からいなくなることに勘付いていたんですね。だからこそ三日月に「飲み込んでやる」と言ったんです。
彼の行く末を感づいていながら、同時に止めても無駄だともわかっていて、鶴丸はたとえ自分が悲しくても三日月の背中を押してあげたんです。
この時の三日月は、各時代に時鳥が現れはじめたことで円環の果てが近づいている=仲間を傷つけなくてはならない、自分の顕現が解かれる日が迫っているせいで、まさに心ここにあらずといった様子です。
そんな中で鶴丸から飲み込んでやる、と声をかけられ、三日月の心はきっとほんの少しだけ軽くなったのではないでしょうか。
言葉を深く噛みしめるように「それがお主の心か。鶴丸国永よ」と三日月は答えます。その声色は、義伝の藤森で「俺を驚かせるのは骨が折れるぞ」と言った時のものにどことなく似ています。
腹を探り合う一方で三日月は、鶴丸にだけは本性を隠し切れていないんですね。
鶴丸役の健人さんは、このシーンが悲伝の中で一番好きと悲伝パンフの質問欄で答えてくれています。
演じていても、三日月との別れの会話を印象深く思ってくれていたのかもしれません。
三日月が結の目となり、本丸に次々押し寄せてくる遡行軍。
審神者が遡行軍たちを弾き出そうと開けた巨大な時空の穴に、三日月は「この本丸での俺の物語もここまでだ」と言って時鳥と共に去ってしまいます。
その背中を暗闇の中で、三日月を思わせるような一筋の青いライトに照らされながら鶴丸は見ていました。
「悲しい驚きでも飲み込んでやるとは言ったが、容易いことではなさそうだ」と彼はひとり呟きます。
この時はあまりにも周りが暗く、鶴丸がどんな表情をしていたのか劇場ですら殆ど見えませんでした。
ただ、この世に長くあったはずの鶴丸が感情をコントロールできないほど深く悲しんでいることだけが、セリフや声色から読み取れます。けれど、ここでも彼は三日月を止めま��ん。
三日月がいなくなった後、その背中を追いかけるでもなくただ見送った鶴丸の姿がわざわざ一振りだけピックアップされている。
このことから、脚本の末満さんはシリーズを通して続いてきた三日月と鶴丸の物語の一旦の幕切れを、悲伝に描こうとしてくれたんだと私は思っています。
義輝のもとへ向かった三日月や骨喰たちを追いかける部隊に、鶴丸は「今ならまだ間に合うかもしれない」と自ら志願します。
義輝たちと会話する三日月たちを遠くから見つめる大包平、鶯丸、鶴丸。説得して連れ戻すぞ!と意気込む大包平に「それで連れ戻せるなら、初めからいなくなったりはしないだろう」と冷静に返します。
鶯丸たちが伝令の狐を送りに行った後も鶴丸は三日月のいた場所を見つめながら「三日月……どう出るのか拝見させてもらおうか」と呟きます。
ここの鶴丸は、恐らく殆ど三日月を連れ戻せないと確信しながら僅かな希望が捨てられなかった&連れ戻せなかったとしてもその最期をできるだけ見届けたいと思って追って来たのではないかなと私は考えています。
物語の終盤、三日月と本丸の仲間たちが対峙するシーン。他の刀たちが「どうして」と三日月に問う中でただ一振り「なるほど、そうきたか」と鶴丸は言います。
三日月の意思が固いことを理解し、「刀もちて語り合おう」という三日月の願い通り彼は斬りかかるのです。
このシーン、鶴丸役の健人さんはとても印象深いシーンだったとpash 2019年6月号のインタビューでお話ししています。「全力で戦いながら、でもすごく悲しかった」と。
鶴丸は悲伝の中で、仲間に対しその悲しみを露わにすることは最後までありません。仲間と共に本丸に残された彼は、三日月に心の一部を囚われたまま「今日はどんな驚きが待ち受けているかな」と、三日月のいない日々を日常にしてゆくのです。
慈伝〜日々の葉よ散るらむ〜
三日月を失った、悲伝より先の本丸のお話。まんばと長義の邂逅をめぐり長谷部や同田貫たちがてんやわんやする中、鶴丸はなにかを失くしたらしい五虎退の探し物にずっと付き合っています。
困っている刀に寄り添う姿はまるで在りし日の三日月。きっと三日月がいたら、彼も五虎退の探し物を手伝ってあげたに違いありません。ここにも「鶴丸と三日月は似ている」という描写がされているのです。
物語の終わり際にようやく見つかった五虎退の探し物。それは、三日月が五虎退に託したどんぐりでした。この本丸を旅立つ者に渡してやってくれと、三日月は本丸を去る前に五虎退に預けていたのです。
鶴丸は皆の中心でどんぐりを掲げ、「心に非ずじゃない。心はここにあったんだ」と呟きます。
「心に非ず」は悲伝での三日月との思い出、彼との別れの会話に繋がります。
このセリフを言いながら、鶴丸は何かを悟ったような顔をします。三日月が本丸の仲間を深く愛していたこと、自分がいなくなった後の未来をあらかじめ考えていたこと。三日月の心は刀ステ本丸に今もありつづけていることに、鶴丸は気付かされたのです。
三日月がこのどんぐりを拾うきっかけになったのは、義伝の藤森での遠足です。その遠足を提案したのは鶴丸であり、藤森は鶴丸にとても縁の深い場所です。
少しだけ刀ステ本丸そのものの話をさせていただきますが、三日月を円環から救うためにはさまざまな条件を揃え、物語を集める必要があります。
その大きな条件の一つがこのどんぐりです。「鶴丸が義伝で遠足を提案→三日月がどんぐりを拾う→そのどんぐりが五虎退に渡され、慈伝の物語の最後で三日月の心が明らかになる→三日月の心を知ったまんばが修行に旅立つ」
この段階を一つも取りこぼさなかった時間軸の本丸だけが慈伝の先、「維伝」の物語を正しく迎えることができるのです。
三日月を救うきっかけを作る鶴丸が、最後にみんなの中心で三日月の心の象徴であるどんぐりを掲げるのは、「慈伝が三日月を救えるルートに入った」希望を示唆する演出なのかもしれませんね。
維伝〜朧の志士たち〜
三日月を失った刀ステ本丸の、慈伝よりも更に続きを描いた作品。
正直ここを一番書きたかったです!!でも未見の方もいらっしゃるかもしれないのでネタバレはしません。
が、三日月と鶴丸の関係性が好きな方には絶対に絶対に絶対に見てほしい公演です。
特に悲伝ラストや慈伝で「あれ?鶴丸、あんなに仲良しだった三日月がいなくなったのにめっちゃ平然としてない?」とキョトンとしてしまった方。絶対に見てください。今ならdmmで7日間版が775円!!
あとがき
最初に書いた通り、刀ステの三日月と鶴丸の物語は今日まで脈々と続いています。
その中にはまだ、ここに書かれている以外の物語も眠っているはずです。
これを読んでくださった方が、ここはああだったんじゃないかな、ここもそうだったんじゃないかな?など、二振りの物語に想いを馳せてくだされば嬉しいです。
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kazuphotos82 · 4 years
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『折り鶴への願い』 藤枝にあるベトナムハンモックのお店pic 内装はとってもゆったりとしていて雑踏とした日常の忙しさを忘れられるアンティークなカフェ☕️ ・ 今日は河口湖の紅葉まつりを探索🍁まだそんなに色づいてなかったけどたくさんの人で賑わってた🥰そんな中、セルフポートレートにTRY❗️ いやー面白かったー勉強になった❗️ -#ファインダー越しのかずの世界 より- ------------------------------------------------ 📍撮影地:静岡県藤枝市 ------------------------------------------------ ✨ポートレート作品はこちら✨ ⬇️⬇️⬇️ @kazuphotos ------------------------------------------------ #かずさん写真部 #静岡カメラ部 #癒しの空間 #カフェ #カフェ巡り #びく石ふれあい広場 #ゆるびく村 #藤枝pr隊 #藤枝 #カメラ初心者 #一眼レフ初心者 #ap_japan_ #bnwcsc_lovers_jp #daily_photo_japan #my_daily_capture #bestjapanpics #bestrainbowpics #sumasumatai_love #daily_photo_japan #lovers_amazing_group #love_bestjapan #everyones_photo_club #raw_japan #pixlib_jp #vivid_impact #happy_rainbowclub_green #bokehphotofan #ig_bokehlovers (ベトナムハンモック& 雑貨カフェ ホアスゥア) https://www.instagram.com/p/B4pRNEiAaFY/?igshid=ajg8wcl9gn2y
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2ttf · 12 years
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judachigeiju · 5 years
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白鯨212
参議院選挙静岡県選挙区。「徳川家」は有効票でも「徳川家康」は無効票かな。
もはや同人誌というより囚人誌だ。
口語俳句と口語で書かれた俳句は違う。
前者の「口語」は思想、後者は形態。
なので口語俳句は文語で書かれた俳句も含まれる。
夏の夕に汗で靴下跡が痒くなる人は、朝に白色ワセリンを足首に塗るといい。
心の「傷」つきやすさ=防御するための語彙数の少なさ、愚かさという結論めいたもの。
頭で作った俳句とは機知俳句であり、作者の賢さをひけらかす効果しかない俳句。賢さにひれ伏すけれど、心には響かない俳句。
「シュルレアリスムとはおそらく、誰もあなたに真理を与えることはできないが、ただそうわかった瞬間にだけ到来するかもしれないものに賭けてみてはどうかという提案なのである」(鈴木雅雄『マクシム・アレクサンドル』水声社)
身体誌somatography
浜松の文壇も民藝も報徳社運動も松島十湖ぬきに語れないとは。
層雲の荻原井泉水は河東碧梧桐を越え、中塚一碧楼もまた謀反した河東碧梧桐から海紅を渡されるのだ。
層雲と海紅とは別派の自由律、のちの感動律としての、萩原蘿月から内田南草への系譜は、やがて口語俳句へと連なる。〈あすも快晴おれは醗酵している/内田南草〉
〈貞操輝くエアロビクスの覚めた骨盤/古川克巳〉切れがいい。〈自閉症児とくらい鶏いて木が友だち/古川克巳〉
『形象』から〈鶴の肢ねむればみな折られゆく未明/高岡修〉、未明が効いている。〈二月の森から鴉が咥えてくる夕焼け/高岡修〉、夕焼けへの屈折。〈毛髪の森で死んだ鳥と逢引きする月/高岡修〉、切れは月の前に。
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text-huruhota · 3 years
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#探索者の容姿を140字で描写する
随時追加(値草、石鏡、高瀬、霧守、飾、アキネ→雨、千歳、高瀬→唯さん、ハティ→ライル、帷→朝日奈先輩)
人の容姿をじろじろと眺めるのはマナー違反だと承知していても、つい視線を留めてしまうような容貌をその青年は持っていた。長く垂らした前髪と白いガーゼの下に覗く傷は火傷の跡なのだろうか。睫毛に縁どられた右目と白い混濁が残る左目のアンバランスさが痛々しい。視線に気が付いたのか、半分色の違う瞳がキッと睨むようにこちらを向く。謝罪しなければと反射で下げた頭に降ってきたのはけれど罵声ではなく、逃げるように走っていく硬い足音だけだった。(二見値草/街中にて)
人もまばらな金曜昼の山手線、次の駅を確かめようと顔を上げて、ふと向かいの席の男性に目が留まる。コスプレ用の鬘みたいな発色のピンク髪が帽子から覗いていた。地毛? 恐らく地毛。色だけならばこの土地柄珍しくはないけれど、驚くべきはその長さだ。何重にも括ってどうにか一人分に収めているが、下ろしたら地面につくほどの。停車する、ぱちり、顔を上げた彼と目が合う。困ったようににこ、と笑ったその顔にどこか見覚えを感じると同時に、髪色と記憶の隅の黒いカチューシャが線で結ばれる。――あ、前テレビで見たお笑い芸人だ! そう気が付いたのは、鮮やかな後ろ姿が扉の外に消えてからだった。 (石鏡シェヘラザード/長髪時代、オフの日、山手線)
話し易さは確かでも『良い警官』と形容するには極端に軽薄さを隠さない男であった。くるくると器用に替わる表情も時折上げる笑い声の軽さも、警官というよりは夜の街に屯する若者と相対しているような錯覚を抱く。揶揄うように細められたその目を、私は何故だか水底の色だと思った。(高瀬景良/取調室)
すれ違いざま翻る長い白衣の裾を踏みかけて思わず振り返る。今時漫画でしか見ないような瓶底眼鏡を装備した白髪の頭は俺の目線よりも随分下の位置にあり、一瞬校内見学中の中学生かと錯覚しかける。でもそう、あの上靴の色は確か三年生だ。ああ、電気工作部の。横の友人が呟く。(霧守灯/高校の廊下)
テレビで見るお兄さんより却って大人びた印象に見えるのは、少しの野暮ったさを感じる細いフレームの眼鏡のせいかもしれない。くっきりとした目鼻立ちを隠してしまうそれが少し勿体無くコンタクトにしないのか尋ねれば、九重くんはこれが慣れているのでと愛想良く笑みを見せた。(九重飾/大学構内)
海辺の景色が黒目に反射してちらちらと点滅している。パッケージ借りの洋画は思いの外彼の琴線にヒットしたようで、ゆるゆるとポテトチップスを摘んでいた手がいつのまにか止まっていた。じっと画面を見る顔の角度はそのままに、長い髪の一房がパーカーの生地を撫でてするりと落ちる。(鬼取空音/映画)
一限前に鏡の前で長居する男子学生はそう多くない。共同制作で泊まり込んだのだという顔には確かに薄い隈が浮いているもののぴんと伸びた背筋が曲がることはなく、髪型も話す内にいつの間にやら常のセットに戻っていた。肌が荒れるわ、と軽口を叩く声に左程嫌そうな色はない。(紅鶴千歳/大学構内)
すっと通る鼻筋も下睫毛の主張が強い垂れ目も静止画なら完成された美形だろうに。車内照明に照らされた双眸が完全に溶けきっていて残念さに笑いが漏れる。ああ運の悪い人。視界に入る現在時刻を教えてやらない人間を選んだのは自己責任なので、明朝はスヌーズ機能の駆使をオススメします。(高瀬景良→阿久津唯)
犬耳じみた毛先がぴょこんと跳ねる。古傷だらけのその顔を見るなり不覚にもああ戻ってきたなと思ってしまった。きょとんとした眼は土産物の袋を突き出した瞬間爛々と輝き出す。見知らぬ土地の話などどうせおまえは毛程も興味を引かれないのだろうけど、この土産代分くらいは付き合えばいい。(ハティ→ライル)
煙草を挟む長く細い指がいつかの喫煙所と重なって、瞬きで掻き消えてしまいそうなその景色をただ見ていた。淡い髪色は陽の光を含んでゆたかに輝き、朝焼けの空をやどす瞳がこちらを向く。形良い唇で紡がれる名前が自分のものであることが今だって泣きたくなるくらい不思議だった。(夜野帷→朝日奈明之/探偵事務所)
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shin-kackey · 3 years
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被爆76年「ヒロシマ」の日。 運転中で黙祷出来ませんでしたが、カーラジオで黙祷の鐘を聴きました。 紅白鶴は出勤前に引っ張り出して祈りました。😊✨ 今日も暑く厳しい日差しが降って来ます。 #86815折り鶴 #紅白鶴 #86815折り鶴project #ダークベルグデージー #ヒロシマ #原爆記念日 #被爆76年 #HFM #広島エフエム 聴きました。#panasonic #lumix #tz95 #フィルター加工あり #平和 #世界平和 https://www.instagram.com/p/CSNrL9SBBvC/?utm_medium=tumblr
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baikatei1958 · 3 years
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敬老お祝い
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敬老のお祝いに、沢山の特注品をいただきました。ありがとうございます。
紅白の鶴亀、松竹梅
小粒の小さな紅白饅頭
ピンクの菊薯蕷饅頭と、練り切りの松竹梅の折詰
おめでとうございます。
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groyanderson · 4 years
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ひとみに映る影シーズン2 第三話「招霊上等仏恥義理」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
☆キャラソン企画第三弾 加賀繍へし子「我等、五寸釘愚連隊」はこちら!☆
?????
 その夜、私は激しい雷雨の音で目が覚めた。雷が鳴る度に地面が微かに振動し、天井から垂れ下がる人天蓋も揺れているようだ。ベッドから起き上がり、着崩れた僧衣を軽く直して様子を見に行く。重たくなった引き戸をこじ開けると、水没した橋のようになった露台から雨水が雪崩込んできた。目の前に見える安達太良山は山頂付近が重い雲で覆われ、普段露台で寛いでいると挨拶をしてくれるトンビやカラスも、当然今日は飛んでいない。妙だ。石筵観音寺(いしむしろかんのんじ)で、天気がこんな風に荒れるのは初めてだ。私は美しい木彫りの観世音菩薩像の御前で印相を組み、真言を唱える。 「オム・マニ・パドメ・フム……オム・マニ・パドメ・フム……」  すると仏像に蛍火のような淡い光が灯り、既に御仏になられた私の恩師、ここ石筵観音寺の和尚様が金剛観世音菩薩として顕現された。 『外で何が起きているのですか』  声ではない波動で、和尚様の言葉を感じる。私は雨が降りしきる露台の方を向き答えた。 「まだわかりません。ですが昨日、散減という怪物と遭遇しました」 『チルベリ』  それはこういう怪物でしたか? と聞かんばかりに、和尚様の手から霞のようなエネルギーが立ち上り散減の姿を象った。飛行機の機内では気がつかなかったけど、散減は毛虫状の体の両端に顔がついていて、どちらも頭になっているようだ。右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している。和尚様はそれをグシャッと握り潰した。彼の御顔は穏やかな観世音菩薩から、憤怒相をたたえる馬頭観音に変わっていた。 『行くのです、一美。偽りの金剛を斬るのです』
དང་པོ་
 午前〇時半、ホテル千里アイランドリゾート宴会場。川の字に並べられた中央の布団で、私は目を覚ました。どうやら観音寺の夢を見ていたようだ。外は夢と同じ雷雨。とても嫌な予感がする。様子を見に行きたい。けど、佳奈さんの枕元からスマホの光が漏れている……まだ起きているみたいだ。さてどうしたものか、と考えていると、私の背中側に誰かがコロンと寝転んだ。 <こんばんは! お邪魔していい?>  私の影にテレパシーが伝わってくる。万狸ちゃんだ。 <一美ちゃん、ムニャムニャ寝言言ってたけど大丈夫?> <うん、ありがとう万狸ちゃん。……お願いがあるのだけど>  私は夢や嫌な予感の事を万狸ちゃんに伝えた。そして、私の代わりに少し外を見てきてほしいと。 <散減……一美ちゃんは、お昼の怪物の事知ってるの?> <ほんの少しだけね。昔戦った悪霊の仲間なんだって> <じゃあ、一美ちゃんがパトロールに行った方がいいかな。私がこの体回しておくから、行ってきていいよ!> <頼んじゃっていいの? じゃあ、十分ぐらいお願いしようかな> <オーケー。あ、ちょっと待ってて>  万狸ちゃんは襖をすり抜け、男性側の寝室に入っていった。『体を回す』。つまり霊能者が幽体離脱をする時に心臓や呼吸が止まらないよう、誰か他の霊に体を預けておくことを意味する専門用語だ。普通は親戚とか、余程信頼できる霊にしか頼まないものだけど、彼女はプロ霊能者である後女津斉一さんの娘だ。安心して体を預けられる。  程なくして万狸ちゃんは、斉三さんを連れて戻ってきた。護衛につけてくれるそうだ。私は万狸ちゃんに肉体を預けた後、肉体から念力で影だけを集め、幽体離脱した霊魂に纏う。こうする事によって、影法師使いは影と念力でできた体を持つ強力な霊体になれる。世間では未確認生物シャドーパーソンとも呼ばれる、まさに『影法師』という形態だ。準備ができた私と斉三さんは、ホテルの中庭方面へ見回りに向かった。 「こんな時間にお付き合いさせてしまってすみません」 「構いませんよ。むしろこの島では、一人で出歩かれる方が困る」 「……あの、万狸ちゃんから伺ったんですが、あなたは……斉一さんの、ドッペルゲンガーだとか」  歩いていた斉三さんがピタリと立ち止まる。 「……十年以上前の話です。台風による津波から避難するため、斉一は身重の妻を乗せて運転していた。すると山が崩れ、彼らは土砂で生き埋めになりました」 「土砂災害……!」 「三人は救出されましたが、斉一が次に目覚めた時、妻は酸欠の後遺症で植物状態に。子供も流れていました。それを聞いた斉一の精神は三つに分裂して、そのうち一つが僕……」  斉三さんはゆっくりと振り向きながら、狸から人間の姿に変身した。 「事故当時のまま、時が止まってしまった側面です」  それは十数歳ほど若い頃の斉一さんだった。右半身が血と細かいガラス片でキラキラと輝いていて、右腕は折れているのか肘から下がだらりと垂れている。嫌でも凄惨な事故現場を想起してしまう、痛ましい説得力のある姿だ。 「すいません、そんな過去とは知らずに……」 「お気になさらないで下さい。今の僕達には、万狸がいますから」  後女津万狸ちゃん。流産してしまった水子の魂が妖怪になったのか。十数年前に赤ちゃんだった彼女は今、中学生ぐらいだ。恐らくは、生きている子供と何ら変わらない愛情を注ぎ込まれて育っているんだろう……。何があっても、この島で彼らの縁は守らなければならない。そう思った丁度その時だった。 「きゃああっ!」  ホテル棟とやや離れた中庭奥、業者用駐車場方面から悲鳴が上がった。私達は一瞬顔を見合わせ、声の方向に駆け寄る。斉三さんは小さな化け狸姿に戻ってコンクリート壁をすり抜け、私は壁沿いに灯る照明の光をつたって影体を這わせた。
གཉིས་པ་
 駐車場にいたのは加賀繍さんを取り巻いていたおばさま軍団だ。よく見ると中央のおばさまがナイフを掲げている! 「不思議よねぇ……。今日までずっと一緒に活動してきたのに、なーんかストンと醒めちゃったわ。加賀繍へし子なんかペテン師よ、ペテン師……イヒヒ……」 「な……何を言ってるの!? こんな夜中に急に呼びつけて……ともかくそのナイフを下ろして!」  別のおばさまがナイフを持ったおばさまを宥めている。ナイフのおばさまは口角から茶色い液体を垂れ流し、目も焦点が定まっていない。それを見た瞬間、私の中で二つの手がかりが繋がった。 『右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している』 『母乳を奪えば子は親の因果を失い、他人の母乳を飲ませれば、子とその相手は縁で結ばれる』 「そうか、あの液体が縁の母乳なんだ!」 「縁の母乳?」 「はい。どういう仕組みかはわからないですけど、散減は人の縁をミルクみたいな液体にするんです。あの人のは茶色く濁ってるから、散減に縁を奪われて、代わりに悪縁を植え付けられたんだと思います」 「母乳か……エーテル法具と呼ばれる物の類だろう。それじゃあ、散減は何処に……?」  斉三さんが周囲を見渡す。確かに大雨で視界が悪いせいでか、散減本体が見当たらない。おばさまはナイフを舌なめずりし始めた。 「一体どれだけの人間が、あの強欲バブアァァーに毟り取られたのかしら。成敗しなきゃ……共犯者の私達が責任取らなきゃでしょぉ? 暗殺ゥ、あなた達も協力しなさいよォォ……!」  フシャアァァァ! おばさまの口から穢れた母乳が霧状に吹き出す。霧は雨風に飛ばされる事なく、他のおばさま方の方に流れ……すかさず斉三さんが飛び出した! 「そうか、気枯地(けがれち)だ! まずい!」 「気枯地?」 「説明は後!」  斉三さんの尻尾が回転しだす。たちまちそれは極彩色に輝く糸車になった! そこから数本の糸が放たれ、伸長しながらおばさま方を繭状に包み込む。すると繭に触れた穢れ母乳霧は空気清浄機を介したように消滅! 「ふぅ……。気枯地、パワースポットの逆、厄や災いを招く地。木々は曲がりくねって伸び、水が歪んで流れ、磁場も気圧も狂っている。この島に来た時からずっと嫌な感じがしていた。地相学的に言えば、この島全体が大きな悪霊なんです」  斉三さんは極彩色の尻尾を引っ込めた。 「それじゃあ、あの人は……千里が島そのものに取り憑かれているんですか!?」  言われてみると、確かに私も島に来てから体に不快感を覚えていた。しかも今、母乳霧は雨を貫通して漂った。これは明らかに異常だ! 「どうして? どうして仲間になってくれないの! 断ち切ってやる……お前達のその縁、断ち切ってやるゥーーーッ!!」  ナイフのおばさまがおばさま方に襲いかかる! 「きゃあああ!!」 「危ない!」  私は咄嗟に飛び出し、ナイフのおばさまの影を踏みつけた。するとおばさまはスカートの裾を踏まれたようにその場から進めなくなり、べしゃりと転倒した。 「ギャッ!」  影法師の『影踏み』という技術。でも夜は暗く、しかも大雨で影が朧になっているから力が出せない。私にとって最悪のコンディションだ。 「ヒヒヒィーッ……悪霊だあぁぁ! 悪霊が私を押さえつけていて動けない! 誰かあぁーーーっ助けてぇーーー!!!」  おばさまが大声で喚き散らしながら暴れる。私も彼女に必死にしがみつくけど、長くは押さえつけていられない。 「斉三さん!」  叫ぶより前に、斉三さんはおばさまからナイフを奪い取ってくれていた。アンダースローでナイフが投げられたと同時に、私の念力も限界を迎えて影体がおばさまから弾け飛んでしまった。一瞬気が遠くなるような浮遊感を覚えた後、魂が雨に流されないよう何とか街灯の光で影体を繕う。 「今よ、エイッ!」   ナイフがなくなった隙におばさま軍団が暴れるおばさまを取り押さえた。これでひとまず一安心か…… 「……! みんなその人から離れろ!!」  突然斉三さんが叫んだ。しかしカラキシであろうおばさま方には聞こえていない。すると先程まで暴れていたおばさまがビクンと大きく痙攣し、ボキボキ脱臼音を立てて仰け反っていく! 「ゴッ……ゴボッ……ホバアアァァーーーーッ!!!!」  バキミチッ、パァン!! おばさまの体が背中側に折りたたまれ、さながら昔の二つ折り携帯電話を無理やり逆向きに閉じた時のように背骨が砕ける音がした。皮膚伸縮の限界を迎えた胸は裂け、彼岸花状に開いた肋骨が剥き出しになる! そこから天高く鮮血を吹き上げながら、次第に右第二肋骨が膨張しだし……いや、おばさまの魂や血、生命力を吸収しだし、グロテスクな芋虫状の怪物に姿を変えていく! 「きゃああーーーっ!」「誰か、誰かあぁーーーっ!」  おばさま方は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。雨で足元が覚束ず、何人かは転倒する。 「ボココッ……ポコッ……ンマアアアァァーッビャアアァーーー!!!」  おぞましい咆哮! 細長い芋虫状の体にまばらに毛が生えだした怪物……散減は、逃げ遅れたおばさまの一人に狙いをつけた。 「いぎゃあああ! 何かがいる、何かが私に触ってるの���ーーっ!」  散減は飛行機内で見た物と比べれば遥かに小さい。ただ、それでも全長一メートル程はある。片方の口に二つ折りおばさまを咥えているからリーチは短いけど、足がもつれたおばさまに組み付こうとビタビタ暴れ回っている。 「やめろ!」  斉三さんは咄嗟に二つ折りのおばさまに憑依した。苦痛に歪んだ表情のまま散減を掴むと、力任せに放り投げる! 「ン厶ァッ!」  地面に叩きつけられた散減は陸に打ち上げられた鯉のようにのたうち回る。斉三さんは血反吐を吐きながら脱臼した肉体の姿勢を整え、尻尾の糸で傷口を塞いでいった。 「大丈夫ですか!?」 「はあ、はあ、言ったろ……僕は、止まっている側面……死にかけた人間を未練がましく延命させるのが得意なんだ……妻の、時……」  掠れた最後の一言は雨音にかき消されて、『妻の時』とだけ聞き取れた。しかしそれを考察する間もなく、身軽になった散減が猛烈な勢いで逃げ遅れのおばさまに迫っていた! 「オゲエェェ、ヴォエエエェェェ!」 「ぎゃああああ! くっさあああぁああ!?」  散減が口から大量の穢れ母乳を吐瀉! おばさまを悪縁汚染させようと試みる。 「させるか!」  私はまだ復旧が不完全な影体を振り絞って、おばさまの周囲の影を編みドーム状バリアを張る。行き場を失った光線がメロン格子状に輝き、念力と光エネルギーで多少は霊体からの攻撃を防げるんだ。でも相手が怪物では、数秒しか持たない! 「ンマウウゥゥゥ!」 「う、くぅ……!」  散減がバリアに体を何度も叩きつける! 想像の何十倍もの衝撃に、まるで息が出来なくなるような鈍い激痛が私を襲った。ジリ貧だ。せめて明るい昼間だったら。せめて雨が止んでさえいれば。せめて自分の本体とプルパさえ近くにあれば力を出せるのに! もう、ダメなのか……? 魂の消滅をも覚悟した、その時だった。
གསུམ་པ་
 ブアァァン、ギャギャギャギャギャ!! 張り詰めた状況を突然切り裂くエンジン音。昨日昼に見たイケメンライダーズのバイクが、中庭にドリフトしながら現れた! 爆音に驚いた散減は攻撃を止める。停車したバイクから降りたライダーは、ダマスク柄のフルフェイスヘルメットを脱ぎながら念仏を唱え始めた。 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」  それはお経にしては余りにも禍々しく、殺意に満ちた響きだ。ヘルメットの下からライダーの素顔が見えかけた瞬間、ビシャァァーン! バイクの背後に雷が落ち、そのライダーを……特攻服に身を包んだ占い師、加賀繍へし子のシルエットを強烈な後光が照らした! 「加賀繍さん!?」  加賀繍さんは昼間と同じぬか床の壺を地面に置いて開く。そして猛禽のような目つきで散減(がいると思しきアサッテの方向)を睨みつけると、 「救急車を呼びに行け」 「はい!」  逃げ遅れのおばさまを逃がした。そして散減(が実際はいない方向)を睨みつけ、壺からヌラリと光る金属製の何かを取り出す。あれは、五寸釘……? ぬか漬けの色を良くするために入れていたんだろうか。 「よくも私の可愛い仲間を乗っ取ってくれたね……ご先祖様の怒りを知れ!」  更に加賀繍さんはぬか床からナスビやキュウリ等を取り出すと、そこに五寸釘をプスプスと刺していく。まさか、あの形は…… 「精霊牛と精霊馬!?」  そうだ。あれはどう見ても、お盆にご先祖様を送迎するのに使う野菜の牛馬だ! けど脚を丑の刻参りじみた五寸釘で作る事で、何やらとんでもなく罰当たりで禍々しい物体になっている! 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」  殺意に満ちた念仏に連動して、ナ��ビとキュウリはフルフルと震えだす……ブォン……ブォン……バッバッバッバッバッ! するうちまるでエンジン音のような唸り声を上げ、眩いエクトプラズム光を発した! 次の瞬間そこにいたのは……精霊牛馬ならぬ、精霊大型改造バイクに跨る二人のレディース怨霊暴走族だ。 「五寸釘愚連隊(ごすんくぎぐれんたい)総長、悪死蟇魔耶(おじま まや)! 夜露死苦(ヨロシク)!」 「五寸釘愚連隊総長妹、悪死蟇禍耶(おじま かや)! 喧嘩上等!」  レディース二人は目に殺気をたたえ、燃え盛る二本の蝋燭を『五寸釘愚連隊』と極太毛筆フォントで書かれたハチマキで額に巻いている。更にスレッジハンマーを背負い、胸からは藁人形を彷彿とさせる巨大な釘の頭が飛び出している。総長魔耶さんは牡丹が刺繍された特攻服を纏い、針山のようなマスクをつけた薄幸そうな女性だ。一方妹の禍耶さんは薔薇が刺繍された特攻服を纏い、『ナメるな危険』と書かれたスプレー缶を腰に携えた高飛車そうな女性だ。 「ああ、嫌な夜だわ。とっても嫌な夜。それで、今日は誰を祟り殺せばいいのかしら?」  物騒な事を言いながら、バイク上で禍耶さんが色っぽく脚を組んで私を睨む。 「ち、ち、違います! 敵はあっち!」  殺されては困るから、私は慌てて散減を指さした。 「ヤダ、何あの毛虫!? 気持ち悪~い。あっち殺そっと!」  助かった! しかしなんて横暴な即断だろう。そうと決まれば禍耶さんはブォンブォンとエンジンを吹かせ、加賀繍さんが作る他の精霊漬物からどんどん凶悪そうなレディース暴走族を顕現していく。呆気に取られていると、魔耶さんが申し訳なさそうに耳打ちしてきた。 「ごめんね、ごめんなさいね。最近へしちゃんが呼んでくれないから、今日の禍耶は不機嫌なの。手出ししなければ殺さないから安心して」  へしちゃん……って、やっぱり加賀繍さんの事だろうか。手出ししたら殺されるんだから何一つ安心できないけど、いずれにせよ満身創痍な私はただウンウンと頷くだけしか出来なかった。気がつくとぬか漬け野菜は全て立派なレディース暴走族になっている。しかしそこに散減が破竹の勢いで突撃! 「ンマアアァァァ!」 「あらいけない。ちょっと待っててね」  魔耶さんが精霊牛バイクを急発進、散減の横腹に闘牛めいて突撃した! 「ムバァッ!」  バコォン! 散減は五メートル先の自販機まで吹き飛び、機体を大きくへこませた。ガコンガコン、ピヨヨヨヨヨ!! 故障した自販機から缶ジュースが飛び出し、けたたましく非常警報音が鳴る! 「ああ、惨たらしい。私ったらなんて惨い事をするのかしら……」  魔耶さんが恍惚とした表情で呟いた。そこに先程顕現した愚連隊員も寄って集って散減を罵倒し始める。 「ダセェ音出してんじゃねーぞクソ虫が!」「五寸釘愚連隊なめんな夜露死苦!」  ブォン、ブォン! 五寸釘愚連隊はエンジン威嚇音をたてながら散減の周囲を旋回する。一方散減は間抜けにも、頭にりんごジュース缶を乗せたままヒクヒクと痙攣している。 「そうだわ。みんなでジャンプして、あの缶だけを轢けるか勝負しましょ。ねえしましょうよ!」 「「「押忍!」」」  禍耶さんの鶴の一声で五寸釘愚連隊は総員散減目掛けてジャンプ! 集団ウィリアム・テル・チャレンジだ! 「ゴッ……コハッ! ンママ……マバーーッ!」  全員失敗! 缶ジュースもろとも連続轢殺! 「トドメよ、お姐さん!」 「ええ、見せてやりましょ禍耶。目にもの見せてやる!」  魔耶さんと禍耶さんは互いのバイクを横付けして、エンジンを空吹かしながらスレッジハンマーを振り回し始めた。鬼冥武魎呪女霊、亡武噴火死戯荒……ブォン、ブォン、ブゥン……鳳憎墓殺陰意地、罪攻死罪汚物消……ブァブァブァブァ、パラリラパラリラ……殺気に満ちたツッパリ念仏が、空吹かしのエンジン音が、隊員達の掲げる五寸釘愚連隊チーム旗が、総長姉妹を禍々しく高めていく! 「「怒悪羅阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿(ドォラアアアアアアアアアアア)!!!!」」  ブァオォォン! 精霊牛馬発進! 勢いをつけた総長姉妹がフルスイングでスレッジハンマーを振るい、散減を吹き飛す! 「マバアァアーーーッ!!」   更に愚連隊総員が一斉に猪突猛進! 散減に追突! 衝突!! 激突ゥゥ!!! 「「「翔進激憑張怨覇霊怒(ショウシンゲツッパリオンパレード)ォォォ!!!」」」  ドガアァァアン……! くぐもった爆発音と共に散減は分解霧散し、あっけなく灰燼と化した。あるいはそれは遠くで鳴った雷の音だったんだろうか。ともかく安心した私は影体を闇に還して幽体離脱した。散減を生み出したおばさまは斉三さんの糸で護られたまま、到着した救急車に搬送される。ふと加賀繍さんを見ると、彼女はまだ念仏を唱えていた。 「いっけなぁい。終わったわよ、へしちゃん。終わったわよーーっ!」  ブォンブォン! パラリラパラリラ!! 魔耶さんが五寸釘愚連隊を率いて、加賀繍さんを取り囲み今日一番の爆音を鳴らした。 「ン……」  そこで初めて霊の存在に気付いた加賀繍さんは、先程作った精霊達から釘を回収し壺に収めた。残った漬物は手近な生垣の土に埋め、悪鬼除滅水をばら撒く。私はそれがお清めの水だったのだと今更理解した。
བཞི་པ་
 それから数時間後、私は宴会場の布団の上で目が覚めた。傍らには万狸ちゃんが寝ていて、玲蘭ちゃんと佳奈さんも布団の中。外はうっすらと明るくなっている。洗面所に向かうと、途中ロビーのテーブルで誰かが話していた。近づくと、魔耶さんと禍耶さん、それに斉一さんだった。 「おはようございます、紅さん。ご無事でなによりです」 「おはようございます。あの、皆さん、昨夜は本当にありがとうございました」 「『皆さん』? あなた見えてるの?」  禍耶さんと目が合った。 「あ、私が昨夜の影法師です」 「あら、あの命知らず! よくもまあ、あんな夜に影の体で出歩こうと思ったわね」 「そんな言い方無いじゃない、禍耶。この人達がいなきゃ、へしちゃんのお弟子さん今頃は死んでたんだから」  今頃は? という事は…… 「魔耶さん、あのおばさま助かったんですか?」 「ええ、そうよ! そうなの。おかげさまで一命は取り留めたわ。あなたと、この狸ちゃんのお陰でね」  魔耶さんの視線を追うと、斉一さんの膝の上で斉三さんが横たわっていた。尻尾は竹串みたいに細くなって、モフモフだった毛並みも養鶏場の鶏みたいに所々禿げてしまっている。 「だ、大丈夫ですか!?」 「……峠は越えました。依然重体だが命に別状はない」 「いやお前の事心配して下さってるんだよ」  斉一さんが白いパワーストーンの指圧棒で斉三さんをマッサージしながらツッコむ。禍耶さんも乗じて斉三さんのお腹をムニムニつまみ始めた。 「あなた達ってとんだお人好しね。そんなボロボロになるまで、敵の私達を助けるなんて。理解できない。全然理解できないわぁ」 「あはは、私達コンペには興味ないので。そう言う禍耶さんと魔耶さんはその、加賀繍さんのご先祖様……なんですか?」 「やだぁ、違うわ! 違うわよ。私達がそんなに大昔の人間に見えるってーの?」 「いえいえそんな! でも加賀繍さんが」 「あの子は一人だけ助かっちゃったのよ」 「え?」  魔耶さんが意味深な事を言う。 「天険断崖(てんけんだんがい)でチキンレースしてね……いえ、あれはもう殆ど集団自決だったわ……きっかけは何だったかしら。確か皆で同じ男を奪い合って、殺し合って……ああ懐かしい、懐かしいなぁ……」 「わわ、わかりました! もういいですありがとうございます!!」  これ以上聞いていると、魔耶さんの醸し出す殺気で斉三さんがもっと禿げそうだ。 「ま、いくらへしちゃんでも守護霊が私達だって事ぐらい気付いてるわよ。さすがに昔の族仲間だって言うのは世間体が悪すぎるから、ご先祖様って言ってるだけでさ」 「そうなんですねぇ……」  禍耶さんがついに加賀繍さんを『元レディース』だと明言した。なんだか今後加賀繍さんを見る目が変わってしまいそうだ。 「では、私達はこれで」  斉一さんが席を立つ。壁時計によると、朝食の時間まであと三十分ぐらいか。私も五寸釘の総長姉妹に一旦の別れを告げ、洗面所へ。途中でふと外を見ると、水たまりの上でザトウムシが一匹死んでいた。
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kachoushi · 4 years
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各地句会報
花鳥誌 令和2年9月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
令和2年6月4日 うづら三日の月句会
坊城俊樹選 特選句
走り梅雨水たまりにも空があり 英子 網戸より闇を通して隣家の灯 都   厨口丸の一筆夏暖簾 都   さヾれ会(六月五日) 路地の子に路地の遊びや蚊食鳥 雪   蜘蛛の巣の裏側のぞきゐる女 同   万緑に仕上げられたる故山かな かづを 老鴬に誘ひ込まれて故山かな 同   点眼しなほ万緑の溢れをり 希   もどる道忘れ戸惑ふ蟻二匹 笑   夏のれん家紋もしかと杜若 雪子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月6日 零の会(投句のみ)
坊城俊樹選 特選句
色街に飼はれ緋鯉の水暗く 美紀 下闇を流るゝ水は星と遭ふ 順子 噴水を昂りながら離れけり 伊豫 水音を石柱に聴く夏館 眞理子 父の恋滲んでをりしサングラス 順子 元帥のポーズ決まりてサングラス 佑天 夏蝶のやはき香りとすれ違ふ 三郎 万緑や石の狐の舌真赤 和子 蛞蝓が引く銀の道辿る子ら 緑   霍乱やあなたのあとを追はうにも 公世 モンスーンにバナナ追熟してをりぬ 光子 梅雨寒やエプロンの紐床に垂れ 和子 抱かれてパナマ帽へと手を伸ばす 久   島の夜は客もボーイも裸足にて 光子 サングラス語彙の乏しき親しさよ ゆう子 眉上げしグレタ・ガルボのサングラス 公世 行列に並ぶサングラスの不満 久  
岡田順子選 特選句
サングラス浜の女になりきつて 秋尚 そうだねと答へてくれる水母かな 小鳥 水上を死してもワルツ水馬 伊豫 男独り仏を彫りて短夜を 炳子 中止かも知れぬ祭の飾りかな 淸流 噴水の風にながれてゆく港 伊豫 掌の水母は沫となりゆけり 伊豫 緑蔭に謎の石組み団子虫 要   サングラスを旅荷の上に眠りけり 光子 尺蠖は雲の高さを測りつつ ゆう子 行列に並ぶサングラスの不満 久   胎の子に夏の沖てふ水遙か 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月8日 武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
馬鈴薯の花の果てなる夕日かな 上嶋昭子 新茶に酔ひ眠れぬ一夜過ごしけり さよ子 日焼顔八の字眉を太く描く 世詩明 久に来し女が覗く麻暖簾 昭子 この闇を待ちこがれてか初蛍 英美子 水鉄砲母はこのごろ無愛想 上嶋昭子 蒐集の香水全部置いて嫁く 上嶋昭子 田植終へ一村水の都なる みす枝 早苗みな南に伏せる風荒し 清女
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月9日 萩花鳥句会
かたつむり昨日も今日も同じ葉に 小勇 田植すむ水田きらきら水鏡 祐子 手を添へて田植手解き父の顔 美恵子 見えざる手過疎に残りし植田かな 吉之 バスカード遠出叶はぬ木下闇 健雄 安らぎと安堵を呉るる植田かな 陽子 夏木立過ぎ去りし日々いとほしむ ゆかり 手鞠花天日続きてしぼみゆき 明子 五月晴校庭に子の声あふれ 克弘
(順不同) ………………………………………………………………
令和2年6月11日 さくら花鳥会
岡田順子選 特選句
夏の日や馴染の店の解体す 光子 籐椅子の色艶増して定位置に 寿子 青梅雨に身を翻しゆく男の子 登美子 麦青む坂井平野に一両車 令子 待合や堤防はみな葉桜に 同   昼休我等一斉草取女 紀子 紫陽花の色いつかみた淡い夢 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月12日 鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
海神へ茅花流しは波を繰り 都   投網打ち子らに教へて夏座敷 すみ子 若き日のミシンを踏んで縁の夏 立子 牛蛙点さぬ街へ真言を 都   漸うやつと背中割れつつ羽化の蟬 ���太郎 目が合へば半夏の仏微笑まれ 悦子 アマリリス元気をくれて聞き上手 史子 緑蔭に車座になる仕事師ら 史子 遺跡田に古代米てふ田植ゑかな 益恵 朝まだき森の静寂や白き蟬 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月13日 枡形句会
栗林圭魚選 特選句
張り替への網戸広ごる緑かな 亜栄子 玉葱を切る音小気味良く響き 秋尚 菩提樹の仄かな花の香をくぐる 同   根のするり抜け丈高き草引けり ゆう子 庭の闇深まり網戸よりの風 秋 尚 こぼれ落つ南天の花友の逝く 多美女 レールより外れし網戸雨止まず 白陶 小さき傷膿む予感して梅雨に入る 恭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月16日 鯖江花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
迷ひたるとしか思へぬ初蛍 雪   魚板の目魚板の鱗梅雨に入る 同   里いもも大字小字梅雨に入る 一涓 新緑の香を纏ひ来し太公望 信子 ぼうたんの匂ひもとろも崩れけり 同   金魚掬ひ息を合せて息止めて みす枝 何もせぬ事に疲れて梅雨籠 中山昭子 静謚の山河を籠めし梅雨の霧 同   あれぐらゐ事とゆるせる冷奴 上嶋昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月16日 伊藤柏翠俳句記念館俳句会
占師燕巣立ちし軒を借り 雪   花楝今宵は月の師の句碑に 同   消灯し一人窓辺に蛍待つ 文子 初蛍草に生れて水に消ゆ ただし 万緑の故山を包みゐる山気 かづを 火取虫左手払ひ文を書く 清女 梅雨最中相合傘を楽しめり みす枝 毬なさぬ四葩あまたや渕の上 一仁
(順不同) ………………………………………………………………
令和2年6月17日 福井花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
すたれゆくものの一つに団扇かな 世詩明 三国向く継体帝像風薫る 千代子 眦を上げし少年雲の峰 和子 女童の手首ふくよかさくらんぼ よしのり 野放図の庭蜘蛛の囲の無尽蔵 同   大いなる魚板の鱗梅雨に入る 雪   天地の焦げんばかりの麦の秋 同   知りし悔知らざりし悔髪洗ふ 同  
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月21日 風月句会
坊城俊樹選 特選句
代を掻くまでは白詰草のもの 淸流 青蔦や電波塔とも火の見とも 炳子 万緑の底濁したりむじな池 千種 合歓ひらく淡き浮雲からめつつ 千種 通し鴨谷戸の天地思ふまま 芙佐子
栗林圭魚選 特選句
頼りなき影揺れ止まぬ植田かな 秋尚 里山を見渡すやうに立葵 貴薫 万緑の底濁したりむじな池 千種 一匹の川蟹子等の宝物 久子 植田風ふはりと谷戸を包み込み 三無 堰溢る水の勢ひの青田かな 炳子 梅雨晴れや女が二人むじな池 佑天 合歓の花目覚めて空の眠さうに 斉   静寂なる谷戸田の隅に余り苗 幸風 広き森定まりてゐる蟻の道 貴薫
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月 なかみち句会(投句のみ)
栗林圭魚選 特選句
街道に昼を小暗く楝咲く 怜   くつきりと轍ぽとりと柿の花 あき子 紅熟のゆすら輝く狭庭かな エイ子 服濡らし目高掬ひて子らの缶 有有 闘病や寄り添ひ歩く夏木立 美貴 水槽に寄れば忙しく目高散る 有有 赤い靴細いジーパン跳ねる夏 和魚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月 九州花鳥会(投句のみ)
坊城俊樹選 特選句
下闇や崩るるままに石仏 ひとみ 会へぬ日の刻の長さよ梅雨に入る 久美子 瞑りても耳朶へ涼しき鳥語かな 寿美香 貸しボート乗る人もなく寄り添うて 順子 匂ひたる女の齢白日傘 孝子 天界の風ながれきて枇杷熟るる 佐和 啼きながら何処へ真夜の時鳥 由紀子 霊のせて飛べよ折鶴明易し 成子 短夜の空白むまで子守唄 順子 万緑や孵らざるもの影をもつ 寿美香 夏草や百済見据ゑし狼煙山 寿美香 入り口はこちら闇夜に茅の輪立つ 愛   トロ箱にポピー育てて漁師妻 初子 短夜の点滴終のとき刻む 朝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和2年6月 札幌花鳥会
坊城俊樹選 特選句
潮風のそよぐ故山の夏の浜 独舟 麦秋を裁ちて一直線の道 美江 麦秋の村を最後の一輌車 同   雨蛙水の匂ひの米どころ 同   人数に勝る牛馬や大夏野 岬月 天空も風も緑をなす十勝 同  
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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sanko-k · 5 years
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梅林と幕山と南郷山
普段なら1日5便ほどしかないが、ちょうど梅祭り期間中なので、湯河原駅から幕山公園へ直行の臨時バスが出ていたのは有り難かった。予定より早く着いたので、登山道沿いに咲き香る白梅や紅梅をゆっくり眺めながら登った。幕山の岩壁にはロッククライマーたちの逞しい姿もあった。
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つづら折りの坂道を登って幕山の山頂に立つと、真鶴岬が浮いているように見えた。山頂の広場では、ぽかぽかと春の陽を浴びながら、三々五々に輪をつくって、みんな食べたり飲んだり喋ったりと楽しそうだ。まだ昼メシには早いので、南郷山をめざした。
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南郷山へは森の中をなだらかな道がのびていて快適である。笹のトンネルもあった。途中に「史跡 自鑑水(自害水・自鏡水)」の石碑が建っていて、「年中枯れることなく清水を湛えたこの窪地は、昔から自鑑水と呼ばれている……石橋山の合戦に破れた源頼朝主従は地元郷土の英雄土肥実平一族の庇護のもと、平家の追手から逃れ、この地に辿りつき、喉を潤し、水鏡で乱れた髪を結い直すと、平家を破り天下を納める自らの姿が映り、自害を思い留まり、気を強く持ち直したという、頼朝再興の礎として伝えられている」(土肥会八十周年記念事業建之)と刻まれていた。
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南郷山の山頂でおにぎりランチと食後のコーヒーを楽しんだあと、白銀林道への急坂を下って、そのあと大石ヶ平を回って幕山公園に帰り着いた。幕山を背景に紅梅や白梅が輝き、亀の甲羅干しも心地よさげな一日であった。
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tsuntsun1221ts · 5 years
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2018.12 鎌倉アルプス
近場で日帰りで帰ってこれる山はないかなーと探していたところ、茂原から乗換なしで行ける鎌倉に「アルプス」と冠したハイキングコースが存在するのを知り、観光地でもあるのでちょっと行ってくることに。
【コースタイム】茂原駅  (0652)→ 逗子駅(0918)→名越切通 (1005)→ 水道山展望台 (1025)→ 関東の富士見百景 (1040)→ 衣張山 (1050)→ 天園ハイキングコース明王院方面入口 (1115)→ 天園休憩所 (1150)→ 休憩 → 天台山 → 太平山 (1225)→ 鷲峯山 → 勝上嶽(1250)→ 半僧坊 (1255)→ 天園ハイキングコース今泉台4丁目入口 (1310)→ 明月院 (1320)→ 亀ヶ谷切通し→ 化粧坂切通し → 源氏山公園 (1350)→ 大仏坂切通し → 長谷配水池 (1425)→ 極楽寺駅 (1435)→ 稲村ヶ崎駅入口 (1450)→ ヨリドコロ→ 稲村ヶ崎駅 → 鎌倉駅 (1701)→ 茂原 (1915)
歩行 5時間20分(休憩含む) 19.8km
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茂原から逗子まで乗り換え0回!バスに乗り換える必要もなくそのままハイキングをスタートできるし、かなり快適。
逗子駅に降りたのは初めてだけど、割と栄えてるし人が多い。線路沿いの商店街を通っていく。途中の八百屋さんが長ネギ3本100円とかブロッコリー70円とか、恐ろしく安い値段で売られていてすごく買いたくなった。長ネギもってハイキングする人なんていないだろうけどな。
まず向かうのは名越切通し。幹線道路に沿って向かうのだが、そのまま進むと切通し下のトンネルをくぐってしまう。途中で看板も何もないので、トンネル入口まで着いたときに、自分が行きたいのはこの真上であることに気が付いた。本当は「栄光LPGスタンド」直前で左に曲がるのが正解(写真右上)。こんなの分かるか!
道を曲がるとすぐに坂になる。この道であれば確かにトンネルの上まで登れそうだ。普通の住宅街の道なんだけど傾斜がエグくて、車で登るには苦労しそう。登りきった十字路は右に曲がる。道なりに進むとコンクリートの道から土の道になる(写真左下)。ここがさっきのトンネルの上かな。向こうから小学生が先生に連れられてゾロゾロとこっちへやってきた。地元のことを勉強する校外学習だろうか。写真を撮るために通過を待っていたらめっちゃジロジロ見られた。
名越切通し(なごえきりどおし)とは、鎌倉時代に尾根を掘り割って作られた通行路で、鎌倉と三浦半島を結ぶ重要な道だったとのこと。1233年の資料にも名前が出てくるらしく、約800年前から存在が確認されている。この目で見てみると、たしかに山がかち割られたように強引に道を作った感じがする。しかもずいぶん深く掘ったよう��、両側が5mくら���の崖になっている。この道を切り開いた鎌倉時代の人間たちのエネルギーに圧倒される。
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切通しを通過してすぐのところに、まんだら堂やぐら群への分岐がある。せっかく来たので向かってみるが土日しか公開しておらず、本日は平日のため見学できなかった(写真左上)。分岐まで引き返し衣張山方面へ向かう。道中は割と整備された道で歩きやすいし、この時期でも緑が多いのが印象的。途中で通過した展望台のようなところは駿河湾の一部が見渡せる(写真左下)。一応富士山も見えた気がするが木々がちょっと邪魔かな。
先へ進むと次に現れるのが「お猿畠の大切岸」という、高さ3~10mの断崖が尾根に沿って 800m以上連続する遺構(写真右下)。最近の研究で石切作業跡であることがわかったとのこと。両側でススキが揺れる中、大切岸の横を通過していくのがなんか季節感あり歴史感ありで、この日みたく天気が良いときはハイキングコースとして最高だと思う。
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大切岸を近くで見てみると、崖の一部が削られてえぐられた感じ。800年の年月を経て風化し、なめらかな壁になっている。鎌倉時代の石切作業ってどんなだったんだろう、ずいぶんと労力がいりそうだけど。
大切岸を通過し、次に向かったのが水道山展望台。途中の分岐を、上り坂のコンクリートの道の方へ進むとたどり着く。ここからの展望が素晴らしかった!駿河湾が広く見渡せ、富士山を遮る木々もない。開放的な広場にベンチが2つ備えられていて、座って休憩しながらこの景色を眺めることができる。山登りしながら青い海を間近で展望できるところってそんなに多くないと思う。通過するのはもったいない穴場なので、次に来たときも休憩地点としてまた利用させてもらおう。
分岐まで戻り、本来のルートへ。少し進むとそのまま住宅街が現れる。ここからまた山に入るまでの道は「関東の富士見百景」と言われており、進行方向左側正面に富士山を見ることができる(写真左下)。横に植わっているのはおそらく桜の木で、春なんかは富士山を眺めながらのお花見ができて、それこそ百景の名にふさわしい景色となるんじゃないかな。
そして再び山の中に入り、いつの間にか衣張山山頂を通過していた。途中展望広場みたいなのが二箇所あったような気がしたのだが、それのどちらかが衣張山山頂だったと思う。看板とか目立たたなかったから気が付かずに通過してしまった。写真右下がおそらく衣張山山頂から撮ったと思われる景色。
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衣張山を通過すると100m以上一気に下る。登りだと結構きつい道だったかも。草木が生い茂っており、快晴なはずなのに結構暗い。この林を通過すると市街地へ出る。以上の道は今回の縦走のほんの前哨戦でしかないんだが、途中にいくつもの展望広場や史跡を通過し、しかもこれから歩く道と比べて人が圧倒的に少なく静かであった。ぶっちゃけ以降のハイキングコースはそんなに展望よくないし、今回の登山の良いところの7割はこの道だった。これから向かうコースは「天園ハイキングコース」と言って知名度があるわけなんだけど、こっちの道の方が断然人気になってもおかしくなく、かなり不思議。鎌倉アルプス縦走するなら絶対オススメ!
市街地へ降りたらしばらく道路を進み、明王院へ向かう。この神社の裏手に天園ハイキングコースの入り口がある。
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明王院へは入らず、神社と民家の間の細い道を進んでいくと登山道っぽくなる。このとき、この道を真っ直ぐ進み続けると行き止まりとなる・・・って民家のおじさんが親切にも教えてくれたんだけど、正直何も言われなかったらまっすぐ進んじゃうよ、いかにもな道だし。登山道は写真左下の、石段を登り林に突入する方が正しい。いやいや、これどう考えてもこれまっすぐ進んじゃうから!しかも石段の道は民家の敷地っぽい感じだったし。そして石段の方の道を進むと最初のうちはかなり急勾配。ロープとか無いので、土や落ち葉でずり落ちやすい。
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藪のトンネルをくぐり、切通しと思われる道を通過するなど40分ほど進むと、なんだか人の声が聞こえてきた(今までは誰ひとりとして遭遇しなかった)。ちなみに途中まで特に展望など無し。
人の声が聞こえてきたのは天園休憩所という、なんかモノがあちこちに散らかっている小屋から。ちょうどお昼時でもあったし、ここでお昼休憩にしようかなと思い寄ってみる。ベニヤ板でできた手作りの椅子とテーブルが設置されており、20人も座ったら満員になりそうな程度の休憩スペースである。営んでいるのは老夫婦かな?
注文したのはおでん。普通おでんといえば醤油ベースとか、鰹だしの聞いた茶色の汁だと思うんだけど、ここのは塩味の無色透明の汁。具はうどん・豆腐・わかめ・人参・こんにゃくと、自分の常識が間違っていなかったらこんにゃく以外はおでんとしては珍しいのでは?まぁこういう郷土料理なのかもしれん。決して美味しくないわけではないが、やはり食べ慣れたおでんと比べるといろいろ物足りない感じがするのが正直なところ。からしが異常に辛かった気がするが、これは気のせいか?この小屋の名物は「ふろふき大根」で、他の人が注文したのを見たのだが、煮た大根1/2をタワーのように皿に立てて、その周りをキャベツで覆って味噌ダレをかけたもの、といえば伝わるだろうか。見た目のインパクトがすごすぎた。あれは1人じゃ絶対に食べきれないかな、自分は
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この天園ハイキングコースは明王院以外にもいくつか入り口があり、最初のうちは全然空いていたんだけどこの休憩所あたりからは人が急に多くなった。ココらへんは人気のコースなのかも。ところどころ富士山が見れるような展望の良さそうな場所あったし(ただし前述の前哨戦ほどではない)。この日はたしか金曜日だったはずだが、それにしては人がかなり多かったと思う。太平山山頂すぐ近くにある広場は100人くらいお昼休憩していたし、ツアーで来た団体客も見かけた。
ちなみにこの太平山は鎌倉市で一番高い場所なのだそうだ。そして車で上まで上がってくることが可能な模様(山頂のすぐとなりが何かの建物の駐車場になっている)。近くにゴルフ場があったけど、これのかな?
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大平山から約30分進むと建長寺の裏山、 勝上嶽に着く。ここからは建長寺を後ろから見下ろせ、さらにその先には鎌倉市と駿河湾までセットとなっている(写真左上)。朝は天気が良かったが、この時間になると雲が出てきており、もう富士山は見えず。とりあえず急な階段を下り半僧坊まで行ってみることに。半僧坊から先は建長寺への拝観料500円払わないと入れない。建長寺に降りようか迷ったんだけど、ここはこのまま天園ハイキングコースを終わりまで進むことに。おかげでまた急な階段を登り直すことに。
もとの道に戻ってからハイキングコースの終わりまでは10分くらいだったか、市街地へ下り終了となった。ここからまた街歩き。
12月だけどココらへんはまだ紅葉が残っており、チラホラと色づいた木々を見かけた。また10分ほど歩くと明月院という神社に着く。
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この明月院付近から横須賀線の線路にぶつかるまで南下する道が、なかなかに風情があった。道路と民家の間には水路があり、民家に入るにしてもいちいち橋が架かっている。また民家といってもお茶屋だったり美術館だったりレストランだったり、この古風な道に似合った風貌をしており、ここでも時代を感じることができる。
横須賀線とぶつかったところで進路を東へ変える。ちなみに西へ向かうと北鎌倉駅。亀ケ谷切通しに向かうため途中で右折するが、そのまままっすぐに進めば鶴岡八幡宮に着く。
亀ケ谷切通を通過したはずなんだけど、どれがそれに当たるのか正直わからずに通過した。コンクリートで舗装されている道しか歩かなかった(と記憶している)し、今までみたいに尾根を人間が削った荒々しさはまったく無かったので通り過ぎたと思われる。
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亀ケ谷切通しを通過し、源氏山公園へと向かう。途中 地元の中学生と思われる3~5人組をいたるところで見かけたが、おそらくこれも校外学習で、地元周辺の歴史を探ろう的なやつだと思われる。みんな源氏山公園を目指していると思われ、一緒になって歩いていった。
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案の定、源氏山公園では先生が待機しており、到着した生徒を確認して次の場所へと向かわせていた。源氏山公園の源頼朝像を見たとき遥か昔の記憶が蘇ったのだが、ここ小学生の頃来たことある!!たしか小学4年生の頃、学校の校外学習で。ここで昼食のお弁当食べて、上空を飛んでいるトンビを見ていた気がする。一応ここも展望広場みたくなっているけど、そこまで眺めは良くない。まぁこの銅像が有名なのかわからんが、まぁ来なくてもいいかも・・・。
さてお次は大仏坂切通しへ向かう。途中の道、特に展望が良いとかはない・・・。ニワトリがいたよ。
大仏坂切通しも亀ケ谷切通しと同様、よくわからずに通過した。
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面白かったのは大仏坂切通しを下った先の、江ノ電と合流してからの道。民家を抜けてまず現れたのが江ノ電のトンネル。トンネル上の橋は撮り鉄の住処なのか、10人くらいカメラ持った人たちが電車が来るのを待機していた。おそらくトンネルを抜けて出てきた江ノ電が撮れるのだろう。トンネルのすぐ先に極楽寺駅があり、ここから稲村ヶ崎駅まで江ノ電の線路に沿った道となる。
ちょっと驚いたのは、電車と道路を隔てるような柵は一切なく、普通に線路に侵入できる、と思いきや江ノ電も割と頻繁に通過するので、歩いている真横を電車が通っていき迫力ある。平成が終わり次の元号が控えている中、このように電車が街に溶け込むような場所も珍しいのではないか?
やがて正面に海が現れ、今回の旅の終わりが見えてきた。海岸に到着すると正面には大島が、右には江ノ島。さっきまで山にいたのに、今目の前は海。鎌倉は歴史も自然も充実してますなー。
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偶然通りかかって偶然見つけたお店が↑の写真、「ヨリドコロ」。稲村ヶ崎駅近くにあり、古民家をリフォームしたそうで、外観は古いが内装は普通のカフェ。立地が独特で、目の前で江ノ電が通過するのを眺めることができるように線路ギリギリに建てられた物件となっている。
15時くらいに通りかかり、早めの夕食にするか栄えている鎌倉駅まで我慢するか、外から店内を眺めたりメニューを見たりして吟味していると、多くの人がお店の写真を撮ってる。なんか有名なお店の予感がしてグーグルマップで調べてみると、星4.4(205)という驚異の高評価(笑。もうここまで来たら入るしかない!と思い店員さんに人数伝えてから外で待たされること20分。ようやく席が空き店内に案内される。なにせ小さいお店で定員20人くらいだし、やはり人気のお店らしく混んでいたため。
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待機中に何本も電車が通過していったが、外の席では目と鼻の先を江ノ電が通過していく。この時期の夕方だと外は結構寒いけど、それでも敢えて外がいい!という人がたくさんいた。たぶんこれが店一番の名物なのかと思われる(ちなみに外の席はたった3席限定)。自分が通された席は5人が座れる個室で、こんなところを一人で使ってしまっていいのかなーと思った。個室だと窓は線路側を向いておらず、通過する電車の音だけを堪能するという形になる。
おすすめメニューは干物と卵かけご飯らしく、朝は後者を200円台でたのむことができる。昼から夜にかけては干物定食がメインとなるが、値段が最低1000円、最高1700円と決して安くはない。ただ、定食を注文すると卵かけご飯もついてくるので、お店のおすすめを2つとも味わうことができる。
まず干物が焼き上がるまでの時間に卵かけご飯のたまごを準備するよう勧められる。黄身と白身を分け、白身を泡立て器を用いてたくさん泡立てるのがこのお店での召し上がり方のようだ。この作業が結構時間かかるので、定食が出てくるまでの15分くらいで準備しておくのが良いとのこと。
注文した料理がやってくるとご飯に白身をかけ(あまり泡立たなかった)、黄身を乗せて(崩さないほうが良かったかも)めっちゃインスタばえする画となる。味の方は、卵黄が濃厚で、干物は脂が載って外はパリッ!美味しくて皮まで全部食べてしまった。味噌汁は甘味噌を使っているのかな?口当たりが柔らかい気がする。これで1500円くらいと高めだけど、行く価値は全然あり!今回は平日の15時という変な時間だったからよかったものの、休日は2時間待ちになることもあると、お店の人が言っていた。あと、やはりテレビに出たことがあるみたいだねこのお店。
ヨリドコロで早めの夕食を終えたあと、すぐ近くの稲村ヶ崎駅から鎌倉まで江ノ電で移動。 車内はさすがにもうレトロな感じはなくなってきたね。 鎌倉駅から茂原までは総武線快速・横須賀線を利用して乗換なしで帰れるのが本当に便利。ここまでの長距離移動だとグリーン席がお得で、120キロ135分の移動でグリーン席代980円(平日料金)。下の階なら横浜駅まで貸切状態。品川から半分席が埋まり、東京駅でグリーン席も立つほど混雑する。このときちょうど18時。あと鎌倉駅周辺は結構賑わってるので、江ノ電からJRへは乗り換え専用改札は使わず、一度出てぶらぶらした方がいい。
朝夕の気温5℃はくらい、日中は10℃まで上がるが歩くと少し暑くなる。歩行時間は5時間20分で、距離にしてちょうど20キロ。考えようと思えばいくらでもルートがあるので、次は自分なりのルートを編み出してみたいと思う。逗子~衣張山は外せない。次は建長寺へ降りてみようかな、明月院の雰囲気も良かったな。源氏山公園は省いてもよい、極楽寺駅~稲村ヶ崎駅はわりと面白かったし、またヨリドコロに寄ってみたい。
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