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#117N7
kagatadahabamara · 4 years
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117N7シングルアンプ
真空管に手を染めはじめた頃、たまたま117N7を入手した私は「いいじゃん、電源トランスレスで、すげーシンプルにアンプが組めるじゃん」などと調子に乗ったものだ。しかし当然の成り行きとして、ハムノイズの厄介さや電源トランスレスの恐ろしさを思い知ることとなり、117N7との格闘に敗北することとなった。
117N7は(ある意味)面白い真空管で、半波整流ユニットと増幅ユニットがひとつの真空管に納められ、ヒーターの7番ピンが直接整流ユニットのプレートに接続されている。それゆえに、増幅ユニットが整流ユニットからのひどいハムノイズを拾ってしまう。半波整流だからなおさらひどい。通常、ラジオや鉄道模型などに使われていたようだ。例えばこんな風に。
オーディオ用途には不向きだと思って長年放置していたが、はたして本当に不向きだろうか? 117N7のデータシートには、DC点火してもOKと書かれている。要は、リプルフィルターできっちりハムノイズを除去すれば良いのだ。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言下でヒマをもてあました私は、117N7にリベンジすることにした。
目論見としては、117N7を三極管接続してミニワッターアンプを作りたいと考えた。出力1Wもなかろうが、小さな仕事部屋なら十分だと思う。117N7のデータシートには特性曲線が掲載されていないので、117L7の特性曲線からアタリをつけることにした。117L7の五極管接続時の特性曲線から三極管接続時の特性曲線を想定した記事は下記に掲載してある。
●117L7の三極管接続時の特性曲線を想像してみる
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当初、5KΩの負荷を掛ける予定だったが、仮組み時に試してみたら2〜3KΩの辺りの方が心地よい(個人の感想です)。手持ちのアウトプットトランスが春日無線変圧器のOUT-45B-57だったので、16Ω端子に8Ωのスピーカーをつないで見た目上の負荷を2.5KΩにした。
回路図は以下の通り。
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整流ユニットは、いわゆるリニアライザとして活用してみることにした。が、効果の程は???だ。リニアライザ有り無しで聞き比べてみたが、明確な差は感じられなかった。とは言え、使わないのも可哀想なのでリニアライザ有りの状態で組み上げることにした。電源トランスには出力100/110/120V(40VA)のものを用意した。B電圧は113〜117V辺りとなる。ヒーターの7番ピンには必ずB電源の+をつなぐことを忘れてはいけない。LM317による定電流バイアスで、増幅ユニットに24.5mAが流れるようにしてある。類推した特性曲線グラフを使うときは、定電流バイアスが安心だ。
ハラワタは以下の通り。相変わらず汚い配線。変なノイズが出なければそれで良い。
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解体した古いアンプのシャーシを流用しているので、見た目はよろしくないね。
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軽く周波数特性を測ってみた。
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60Hz辺りから低域がスルリと落ちているが、聴いた印象では、低域が物足りないという感じでもない。メリハリがあって良い感じ。ミニワッターだがオーディオ用途としては十分アリだ。
という訳で、117N7へのリベンジはこれをもって完了としたい。課題が多くて楽しかった。
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kagatadahabamara · 4 years
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117N7のシングルアンプを仮組みし、試運転中。電力増幅管と整流管を合体させるというオーディオ的には無茶な真空管だけど、直流点火してもOKと仕様書には書いてある。B電源にリプルフィルターを使えば、ハムノイズはほとんど聞こえない。整流部は、いわゆるリニアライザーとして利用してみたが、効果の程はどうだろうね。オカルトだからね。
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kagatadahabamara · 4 years
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117L7の三極管接続時の特性曲線を想像してみる
カーブトレーサーを作ってみたものの、私の所有する安物USBオシロスコープは、X-Y表示にすると頻繁にフリーズし、しかも解像度が悪い。ただでさえ根気の要る作業なのに、これでは胃に穴が空く。
そこで、ネット上で拾った117L7の五極管接続時の特性グラフ(下図)から、三結時の特性曲線を想定してみることにした。ホントは117N7の特性グラフが欲しかったのだけど、無いものは仕方ない。
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まず、プレートとスクリーングリッドにそれぞれ105Vを掛けると想定して、プレート電圧105Vのところに縦線を引く。
次に、この縦線と五結時ゼロバイアス曲線の交点を求め、その交点とグラフの原点を通る直線を引く。
この直線と平行に、各バイアスの特性ライン(仮)を引いていく。すると、下図のようになる。
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実際には、もうちょっと垂れ下がった曲線になるし、スクリーングリッドを流れる電流(5mA程度)を加味する必要があるし、バイアスが深くなるほど曲線が寝てしまう。他の三極管の曲線を参考にしつつ、その辺りの事情を考慮すると、ざっくり下図の青ラインのような特性曲線になるのではないか、と、想像できる。
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もうちょっと右に広げて、寝かせても良かったかなぁ。でも、まぁ、おおよそこんな感じでしょう。
試しに5KΩ負荷のロードラインを引いてみた。
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プレートに100〜110V程度を掛けて、25mA位の電流を流す感じ。これはL7の「想像」曲線だけど、手持ちの117N7も、おおよそこんな感じで行けるんじゃないかと思う。
この連休、新型コロナウイルス感染拡大防止の外出自粛を、そこそこ真面目にやってるんだけど、良い暇つぶしになった。
さて、次は177N7との格闘であり、リベンジマッチだ。
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kagatadahabamara · 4 years
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117N7シングルアンプ、組立中。今日は電源部まで。
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