#ちょっとバカな質問をする
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#ChatGPT#便利#誕生日プレゼント選び#ちょっとバカな質問をする#プロジェクトのブレスト#デートの計画#聞く時間がない長いポッドキャストの要約#晩御飯の献立#ワークアウトのメニュー#友達が困っているときのアドバイス#キャリアコーチ
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民主党政権のほうが明らかに酷いです。「民主党政権の何が悪夢だったのか、きちんとした説明を聞いたことがない!」といった主張は定期的に出現しますが、さすがに「聞いたことない」なんてはずはないので、おそらく「自分の気に入る説明ではない」という意味か、「バカに分かるように説明したところで、そもそもバカは聞いてない」パターンのいずれかとは思いますが。 前回の悪夢のような民主党政権時代を生き抜いてきた者として私が言えるのは、「とにかく、あのような惨劇は二度と繰り返してはならない」ということだけです。 歴史修正は容赦できません。あの時代がいかに酷いものであったか、ご存知ない方もぜひこの機会に知って頂きたいので、支持者から叩かれること覚悟で説明していきますね(過去同様の投稿を複数おこなっていますが、毎回更新改訂しています。今般のバージョンが最新版です)。 個人的に、「悪夢の民主党政権」における大きな問題点は次の3点と考えています。 (1)国家運営能力の欠如により、内政上の失敗を数多く引き起こし、国益を損ない続けた。 (2)拙劣な外交を繰り返し、日米関係をはじめ、周辺諸国からの信頼を大きく毀損した。 (3)総理・閣僚をはじめとする所属議員の度重なる不祥事や、自分たちに都合が悪い情報を隠��する体質によって、国民の政治に対する信頼を失い続けた。 では、それぞれどんなことがあったか振り返っていきましょう。これがわずか3年間で起きた出来事です。はらわたが煮えくり返る覚悟で読み進めてください。 (1)国家運営能力の欠如 ・財源の見込みが甘く、政権交代の際に掲げたマニフェストはほぼ未達成。 ・官僚を敵視して排除し、国家業務の停滞と質低下を招いた。 ・金融政策と財政政策が食い違い、タイミングの悪い増税も重なり、景気や株価は低迷を続けた。 ・歴史的水準まで進んだ円高を放置し、デフレを加速させた。 ・法的根拠がないばかりでなく、仕分人の選定や対象事業選定にも透明性を欠いた「事業仕分け」をデフレ時におこない、必要な公共投資を削減。経済を悪化させたにも関わらず、結果に責任を負わなかった。 ・「コンクリートから人へ」という誤った政策により、災害対策を疎かにしたうえ、地域社会を破壊した。 ・「朝鮮王室儀軌引渡」「尖閣事件の船長釈放」「運用3号通知」「国家公務員採用大幅減」など、閣僚たちが思い付きレベルの意思決定を独断でおこない、結果的に我が国の将来に禍根を残した。 ・難民申請から6カ月たった申請者に対し一律に就労できる運用を始めた。 ・法的根拠のない組織を乱立させ、意思決定過程が曖昧になり、指揮命令系統も混乱。 ・法的根拠のない大臣や副大臣を任命したり、個人的な友人を参与に、党職員を内閣官房職員に任命するなど、ルールを無視、公私の別がつかない人事を実施。 ・原発停止、ダム建設中止など、法令根拠や事前協議が必要な決定を手続無視で断行。 (2)外交能力の欠如 ・普天間基地問題が迷走し、沖縄とアメリカの信頼を大きく損なった。 ・来日したオバマ大統領を日本に残したまま、鳩山総理がAPEC首脳会議に出席するためにシンガポールに向かうという非礼行為。 ・尖閣沖漁船衝突事件では、中国側の脅迫や報復に屈して船長を早々に釈放、不起訴に。その後の尖閣諸島国有化でも迷走。 ・領空侵犯が頻発するも、実効的な対策をとらず。 ・防衛上特に秘匿することが必要な「防衛秘密」3万件を破棄。 ・韓国に対しては、通貨スワップ協定締結、朝鮮王室儀軌引渡し、慰安婦問題での「知恵を絞っていきたい」発言など、不用意な譲歩を重ねた。 ・韓国の歴代大統領として初めて、竹島へ李明博大統領が上陸。 ・旧ソ連時代を含めて初めて、北方領土へロシア国家元首が上陸。 ・実現に向けた方策が何ら決まっていない状態で、国連気候変動サミットにおいて「CO2の25%削減」を突如国際公約化。 ・実現の見込みも全くないまま、G8の場で、「太陽光パネルを1000万戸に設置する」と突如国際公約をおこなった。 (3)閣僚・所属議員の度重なる不祥事と情報隠蔽体質 ・鳩山総理⇒偽装献金問題、脱税問題、引退撤回、「最低でも県外」「Trust me」「国民の皆様が聞く耳を持たなくなった」 ・菅(直人)総理⇒外国人献金問題、北朝鮮関係団体献金問題、「顔が見たくなければ法案を通せ」 ・野田総理⇒在日韓国人献金問題、脱税企業献金問題、民団選挙協力お礼発言、「大きな音だね」 ・小沢元代表⇒政治資金規正法違反容疑で強制起訴(無罪判決)、献金虚偽記載で公設秘書が逮捕(有罪判決) ・仙谷官房長官⇒尖閣漁船衝突事件、「自衛隊は暴力装置」 ・赤松農水大臣⇒口蹄疫問題、「だから早く殺せって言ってるのに」 ・松本復興担当大臣⇒「知恵を出さないやつは助けない」「書いたらその社は終わりだから」 ・長妻厚労大臣⇒運用3号独断決定、職務停滞 ・蓮舫行政刷新担当大臣⇒事務所費架空計上問題、国会内ファッション雑誌撮影、「2位じゃダメなんでしょうか?」 ・安住財務大臣⇒「1ドル75.63円の時点で介入を指示した」「学校のプールにガソリンを貯蔵できないか」 ・前原外務大臣⇒外国人から政治献金受領 ・岡田外務大臣⇒「核兵器めぐる日米密約は存在した」 ・川端文科大臣⇒事務所費架空計上問題、キャバクラ費用を政治資金で計上 ・鹿野農水大臣⇒対中不正輸出疑惑、機密漏洩疑惑 ・鉢呂経産大臣⇒(記者の一人に、着ていた防災服をなすりつけ)「放射能つけちゃうぞ」「市街地は人っ子一人いない、まさに『死のまち』」 ・一川防衛大臣⇒「安全保障に関しては素人」 ・柳田法務大臣⇒「答弁は二つだけ覚えておけばいい」 ・���岡消費者担当大臣⇒マルチ商法業者からの献金問題 ・岡崎国家公安委員長⇒議員時代、韓国で日本大使館に対する反日抗議デモに参加 ・中井国家公安委員長⇒議員宿舎にホステス連れ込み&カードキー貸与、式典で秋篠宮ご夫妻に「早く座れよ」とヤジ ・輿石幹事長⇒「間違った情報ばかり流すなら、電波を止めてしまうぞ」「電波が止まったら、お前らリストラどころか、給料をもらえず全員クビになるんだ」 ・小林議員⇒違法献金問題で選対委員長が逮捕、選対幹部が公職選挙法違反で有罪 ・土肥議員⇒竹島領有権放棄を日本側に求める「日韓共同宣言」に署名 ・横峯議員⇒賭けゴルフ、女性暴行、恐喝事件への関与 ・緒方議員⇒「スーパー堤防はスーパー無駄遣い」 ・太田議員⇒「そうでしたっけ? フフフ」 ・原発事故対応(SPEEDI、米実測値の非公表、議事録不作成など)、尖閣ビデオ、北朝鮮ミサイル発射への対応、温暖化対策の家計負担、年金改革の財政試算 など、自分たちに都合が悪い情報は隠蔽し、政府への深刻な不信感を招いた。 ・総理-閣僚間で見解の方向性や意見の不一致が常態化。それらも含め、自民党で同様の事態があれば野党のみならずマスコミも総出で吊し上げられる事態となるが、マスコミも概ね民主党に好意的な報道姿勢。 そんなに民主党時代が良かったなら、下野以降何度でも政権を取り戻すチャンスはあったはず。なのにただ一度もそうなっていないということは、それが民意ということです。私はあんな地獄のような時代は二度と御免です。
Xユーザーの新田 龍さん: 「民主党政権のほうが明らかに酷いです。「民主党政権の何が悪夢だったのか、きちんとした説明を聞いたことがない!」といった主張は定期的に出現しますが、さすがに「聞いたことない」なんてはずはないので、おそらく「自分の気に入る説明ではない」という意味か、「バカに分かるように説明したところで」 / X
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朝、大学に行く前に個包装の飴を数個、鞄に忍ばせた。午前中の用事を終わらせ、午後になって院生室でPCを開いたときに、そのことを思い出して飴を舐めてみる。ちょっとだけハッピーな気持ちになった。生活ってこれくらいで良いのかもしれない。
午前中の用事は学生プロジェクトのミーティングだった。プロジェクトの代表であるI先輩を個人的にとても尊敬しているので、あまりそういうタイプでもないのに活動に参加している。ぜんぜんデザインを得意としているわけじゃないけれど、一通りcanvaを触ったことがあるということと、お洋服や身に着けるものにそれなりにこだわりがあるという理由だけで、組織のデザイン担当になってしまっている。あと、noteが使える&そこらへんにいる人よりは文章を書くのが好きなので、今後はnote担当になるだろう。それとはまた別に、専攻分野の関係で質問紙調査に造詣が深いので、統計担当として働いている。わたしってもしかして多才かもしれない(自惚れんな)(器用貧乏でぜんぶ80点を叩き出せるだけ)。
午後は研究科のオリエンテーションに参加した。学生証をゲットした。やっと身分を証明するものをゲットすることができて、とてもうれしい。のだけど、学生証の顔写真の欄の印刷がズレていて最悪だった。せっかくバカ盛れ証明写真が撮れたのに。まあいいや。
研究科のガイダンスで先生が、「違法薬物は所持しているだけで重罪です、やめましょう」と結構キツく言っていた。これはきっと、昨年に覚醒剤所持で逮捕されたうちの研究室のAくん(留学生)のせいだ。ウケる。
ずっと表で書いていた小説を完結させた。ちらほらと反応が来ている。明日以降ゆっくり返そうと思う。おつかれさまでした 今日はふつうに大学で疲れたので、ねる
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↓以下、各々好きなものを語るスレ
おはようございます。今年度初稽古日誌、むぎでございます。6/22の稽古日誌ですわよ。
発声
発声、やってたみたいです。何故か僕はやった覚えがありませんが。なんでなんでしょう。みんなやってたんですって。
起承転結エチュード
一人一人が4つそれぞれを担当するやつ。応援VSエアバスケVSダンス、面白かったですね。
シーン練
人数少なくて1部だけやりました。後輩たちがダメを吸収していく様は見ていて楽しいものですね。
通し
人少ないながらに通しました。休んだ人の代わりに入った誰かさんのせいでめちゃくちゃになりました。アドリブ力を磨くのが今のひとつの目標かな。
昼ごはん
他脚本と合同でマクドナルドぱーてぃー。期間限定のアボカドチーズのヤツ、めっち���美味しかった。
発声
なんか祀られてた気がしなくもない。
東京30
2回目ですね。何回みても面白い。初参加の人もいて、楽しかったです。
通し
通しです。誰がなんと言おうと通し。たまにはこういう日があったっていい。
~~~以下、雑談~~~
最近20歳になりました🎉🎉🎉お酒を飲みました。どうやら僕はバカほどお酒弱いみたいです。檸檬堂1缶を5時間かけて飲みました。檸檬堂ってもうちょい甘くてもいいと思うんです。
その点ほろ酔いは美味しい。甘い。甘さは正義。皆さんオススメの飲みやすいお酒お待ちしてます。
誕生日の次の日、やっっっっっっとバイトを始めました。スーパーのバイト。所属部門にバイトが2人入ってる時はめちゃくちゃ楽。ビックリするぐらい楽。こんな楽でいいのかってぐらい。ただ、時々部門のバイトが僕1人になることがあるんです。バイト始めてまだ1ヶ月も経ってないのに、締め作業僕1人。しんどい。普通に残業です。1時間ぐらい。惨めで寂しい。そんな日常。
バイト2回目で締め作業1人はさすがに舐めてると思う。
質問リレー、楽しいですね。稽古日誌にまだこんな楽しみ方があったのかと。ということでまたしてもまたもや老害日誌ということで
「みんなに布教したいもの」
漫画「よふかしのうた」
これほんとに好きなんですよ。作品全体に漂うこの空気感。セリフがないところからも伝わってくる雰囲気。コトヤマさんはほんとにこういう「空気で伝える」のが上手い。ギャグとシリアスのバランスが絶妙で読みやすい。
最終話までチョコたっぷり。あ、完結してます。サンデーうぇぶりで毎日数話ずつ無料で読めるのでぜひ。

漫画「マチネとソワレ」
演劇系のバトル漫画です。���れを読むと演技がしたくなる。現実にはよっぽどいないような化け物な演者が出てきますが、その凄さの言語化がしっかりされているので、漫画ほどにはなれないにしろ、多かれ少なかれ得るものがあります。納得感のある読み応え抜群な漫画です。
まだ完結してません。こちらも同じくサンデーうぇぶりで無料で読めます。

ゲーム「ファンタジーライフi」
おそらく何人かの人が「また言ってるわこいつ」となっていることでしょう。また言います。何度でも言います。このゲームおもしろいんです。元々3DSのゲームだったんですが、その続編が12年半の時を経て登場。レベルファイブのゲームの2作目は面白いって決まってるんですよ(2作目はスマホで出てるだろって?知らない子ですね…)
3DS版から2個増え、計14個になった職業(ライフ)をそれぞれ使いこなしながら、ストーリーを進めていく転職系RPGです。
キャラメイクしたり、島作りをしたり、職業のスキルを使って戦闘・製作・採取をしたり、仲間を増やしたり、友達とマルチプレイをしたり…無限に楽しめます。みなさんぜひ!ファンタジーライフをやりましょう!!

ここまで書いといてなんですが、僕はファンタジーライフi���ほうは未プレイです。3DSの方はやってたんですけどね。やりたい。お金ほしい。
長々と失礼しました。思った以上に長くなっちゃった。リレーのお題は変わらず
「みんなに布教したいもの」
でお願いします。きっと次こそはフレッシュな新人が書いてくれることでしょう。
それでは。
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🩷クリエイティブ・カラフルプリキュア - 第1話「情熱のアーティスト!キュアチェリーが世界を彩る!」🩷
「できた!!」
小柄な金髪の幼稚園児、さくらけいこちゃんが笑顔でクラスの前に立ち、手に持った紙をめくると、自分が描いた絵が現れた.
雑然とした庭の絵。三角形が草のようで、オレンジ色の棒に紫色の塊が木として描かれ、ターコイズブルーの空にはバナナとサクランボが浮かんでいる。少なくとも、バナナとサクランボなのかもしれない。紙の上で見ると、緑とピンクの線のようにも見える。
「外の庭よ!」 とケイコは興奮気味に言った。そして「木」を指差して、「見て!ピンクの木よ!きれいでしょう?」と言った。
彼女は他の子供たちの沈黙の中で返事を待ちます。
すると誰かが「あれは木じゃない!ブドウだよ!」と叫びます。
すると、笑いが湧き起こります。
「枝も葉もないよ!」
「バナナは緑色じゃないよ、バカ!」
「それは果物じゃない!塊だ!」
「果物は飛ばないよ!」
「それは青空じゃないよ!」
からかい合いの会話はしばらく続き、一人を除く全員が指さして笑いながら、ケイコの絵がどれだけ下手かを延々と語り、ケイコ自身と絵を笑いながら笑って��た。
ケイコはその場に留まり、笑顔はますます作り笑いになっていく。笑い声と侮辱の言葉が頭の中に吸い込まれていく。彼女は硬直し、教室の淡いヴィンテージ調の色合いは薄れ、笑い声はますます大きくなる。紙に置いた手は震えている。
「それは芸術じゃない!ゴミだ!」
その最後の侮辱は小さな子供をすすり泣かせます。
「おい!もういい!もういい!」先生の優しい声が聞こえたが、ケイコの耳には雑音のように聞こえた。「優しく話すか、何も話さないかのどちらかだ。さくらに謝って――」
ケイコはすでに教室のドアを飛び出して逃げ出しました。
「さくら!!」
ケイコは小さな校舎のドアからよろめきながら出て行った。階段を下り、レンガ敷きの道を駆け下りる間、涙以外のことには何も注意を払っていなかった。
彼女はつまずいて膝を打撲し、あざができた時にようやく立ち止まった。写真を胸にしっかりと抱きしめ、まだ泣き続けている。
再び顔を上げ、目を拭うと、彼女は自分が学校の近くの畑の脇の歩道にいることに気づいた。彼女は実物を見つめ、それから写真を顔に当て、そしてまた実物を見つめた。
その木は丸くも茂りもせず、枝いっぱいに淡いピンクの花びらが四方八方に広がり、その一部は落ちて柔らかな緑の草の上へと舞い落ちていく。
確かに、果物は飛びません。
確かに空は青いですね。
彼らは正しかった。
ケイコは、涙が落ちた自分のぐちゃぐちゃな絵をじっと見つめている。彼女の作品はひどい。ひどいものだったら、芸術を作る意味なんてないだろう。
「やあ、坊や」
鋭い爪が皮膚に食い込む手で恵子の顎が上がる。
女性は灰色の肌色で、背後に黒い髪を乱雑に垂らし、太陽の光を遮っている。鋭い歯を見せてケイコの目を見据える。
恵子は、目の前にいるこの女性の姿が気に入らないと泣き言を言った。
女性は「素晴らしい創造的な取り組みですね、ぜひ見たいです」と言いました。
女性の手が恵子の顔に伸びる。その動きに続いて、恵子の胸に痛みがこみ上げてくる。
最後に彼女が見たものは、彼女のバージョンのすべてが灰色に変わり、何かが引き裂かれるかのように胸が燃え、暗闇しか見えなかった。
彼女は動けなかった。
彼女は叫ぶことができなかった。
"停止!!!"
突然、オレンジ色の光が点滅した。ケイコは何も見分けられなかったが、明るいオレンジ色の光と、目の前に誰かの影が見えた。
「これは取らせないぞ!」少年が懇願する。
女性の声が嘲笑う。「もう何年も使えるインクがあるのに、なぜこんな無意味なことをしろと言うの?」
オレンジ色の光がより明るく輝き、少年は彼女の発言に衝撃を受けたようだ。
彼女は嘲る。「あなたはこの世界に一人残され、誰もあなたのような人間を気にかけないわ。新しい姿ではなおさら。価値のない動物よ。もう二度とあなたの泣き声を聞くことはないわ」
感情を表せるのは思考だけだったケイコは、その言葉を信じずにはいられなかった。みんなが彼女の絵を見て笑っているのに、一体誰が彼女の作品に関心を持つというのか?誰が彼女のことを気にすると言うのか?
「それでも……この子を連れて行くわけにはいかない!」
そこから恵子ができるのは、震えながらも言葉に自信に満ちた少年の声を聞くことだけだった。
「勝てません。魂の創造性を奪うことは決してできません…それは素晴らしい祝福です。そしてこの子たち…この子たちは…私が亡くなった後も情熱を追い求めるでしょう…そして、愛するものを決して諦めません。彼らは世界のために絵を描くでしょう!」
青い光が影を覆い、オレンジ色の光を消し去り、漠然とした悲鳴が聞こえます。
ケイコの目が覚めた。辺りを見回しながら、彼女は草むらに転がり落ちた。何が起こったのか、ただの夢だったのか、それとも全て現実だったのか、ケイコには分からなかった。
彼女の前にはもう誰もいません。ただ、畏敬の念を抱きながら青い空を見つめる彼女と、ぎこちなく震えながら通り過ぎるオレンジ色の鳥だけが残っています。
彼女は涙を拭って受け入れた。この不思議な声が正しいと知っているからだ。
彼女は誇らしげな笑みを浮かべて、再び絵を手に取りました。
「さくら!!」先生が駆け寄ってきて、さくらを見つけた。いつものように安心した様子で、さくらを抱きしめる。「大丈夫?!そんなに飛び出さないで!」
ケイコはただ空を見上げて、もういなくなってしまった鳥を探すことしかできなかった。「鳥?」
「学校に戻ろうね。戻ったらすぐにクラスのみんなで謝るからね。」
先生はケイコの手を取り、学校へ連れて帰りました。ケイコは空いている手で微笑みながら手を振り、「じゃあね、鳥さん!」と言いました。
彼女は何人が笑おうと気にしない。自分の情熱を追い求めるつもりだ。
どういうわけか、彼女は偉大な芸術家になるでしょう。
彼女はこの世界のために絵を描くつもりです。
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8年後
「もう着く?」14歳のケイコが尋ねる。彼女は顔と手をバンの窓に置き、薄紫色の瞳で外を通り過ぎるたくさんの建物を楽しそうに眺めている。ケイコはシートベルトを締めておらず、車の後部座席にひざまずいている。
「50回」前の席に座っている妹は、ケイコが何回この質問をしたかを数えている。それ以外は、ケイコは手に持ったタブレットにしか注意を払っていない。
「遠くないって言ったでしょ!」ケイコは泣き言を言った。「そんなに何度も聞いたわけじゃないのに!」
助手席に座ってい��母親は、落ち着いてこう言った。「もうすぐ着くわよ。ケイコ、シートベルトを締めてね。」
「ブー…」ケイコはそれを聞いて、自分の席に深く腰掛け、シートベルトを締めた。それでもじっとしていられず、席の中で身をよじりながら、同じく乱れたウェーブのかかったブロンドの髪を指で弄んだ。髪は同じように乱れたお団子にまとめられ、ピンクのリボンが付けられている。「まさか夢の学校に通えるなんて想像もしてなかったわ!まさか夢だなんて言わないでくれるの?」
もう夢だとは思えない。彼女は寄宿学校の制服を着ている。淡いピンクのブラウスに濃い色のオーバーオールスカート、ローファー、ストッキング、そして真っすぐに結ばれていない赤いリボン。
「こんなに長い間、嘘をつくわけないよ」運転中の父親がそう言って彼女を安心させた。
珍しく、妹は数字以外のことを言った。「そもそも、どうしてこれに興奮しているの?寄宿学校なのに」と彼女は尋ねた。
「芸術を称える寄宿学校よ!」ケイコも答えた。彼女はシートベルトを外し、後部座席の反対側にあるスクールバッグに手を伸ばした。前のポケットから、キャンパスのパンフレットを取り出した。「ここのアートプログラムは、全国でも最も有名で成功しているプログラムの一つよ!」
彼女はページをめくると、絵を描いたりスケッチをしたりする大人の写真を見せてくれた。「石川の有名人もたくさんこの学校に通っていたのよ!絵で表彰されているのよ!」
彼女はバッグから別のものを取り出す。それはバッグの中にしまってあるたくさんのスケッチブックのうちの1冊だ。彼女はまた椅子に膝をついていて、気づかない。「まあ、たぶん無理だろうけど、この作品で表彰されるなら…」
紙に描いた2枚の絵は、まるで絵画みたいだった。ところが、紙がくっついて、まるで塊みたいに見えてしまった。彼女はそれに気づき、眉をひそめた。「あら、紙を両面印刷するべきじゃなかった…」
「ママ!」妹が告げ口する。「ケイコはまだシートベルトを締めてないわよ!」
「ケイコ」
「あ、ごめんなさい!」ケイコは席に戻り、シートベルトを締め直した。忘れていた。
彼女はまだスケッチブックとパンフレットを腕に抱えている。目を大きく見開いて、それらを見つめる。そして、熱意を込めて言う。「でも、絵を完璧に描けるようになるの!それに、次郎ちゃんとあおいちゃんと一緒に習うし、私と同じような子たちと何時間でも絵について話せるし!」
「念のため言っておくけど、君をここに転校させたのは、そういう理由じゃないわよ」母親が席の上で指を立てて、ケイコに見せながら口を挟んだ。「君はこの環境で成績が上がるか確かめるために来たのよ。楽しいことよりも、これが一番大切なのよ。ここは寄宿学校よ」
ケイコの笑顔が消える。両手で顎を支え、家族から目を離し、窓の外を猛スピードで走る車を眺める。
「ケイコ、このことについては話し合ったのよ」母親はまだ言い続けている。「どんなに情熱を持っていても、学業に関係ないなら、大人になっても成功できないわ。夢が叶うのと同じくらい真剣に受け止めなきゃいけないのよ」
ケイコはため息をついた。「わかってるよ、ママ。真剣に考えてるんだから…」それからまた顔が明るくなった。「あら、もう着いたの!」
ケイコの叫び声に、妹は耳に指を当てた。ケイコは「ママぁ …
寄宿学校のキャンパスは街の反対側の丘陵地帯にあり、遠くには赤レンガと白い石の縁取りで囲まれた巨大なアカデミーの建物が見えます。最も大きな建物は3階建てで、光沢のある緑色の傾斜屋根と白い窓が建物を区切っています。中庭は庭園のようで、パティオとベンチがいくつか置かれています。2つ先の丘の向こうにある建物も同じ外観ですが、塔のような形をしています。建物と建物を結ぶ小道はすべてピンクと紫の石畳で敷かれています。キャンパスのいたるところに様々な花が植えられ、色とりどりの花が咲き誇っています。丘の麓に下りる階段もあり、そこにあるキャンパスの入口の建物は、正面のパティオの両側に石の鳥の像が置かれた、大きな白い美術館のようです。正面のガラス壁からは、絵画で飾られた内部が垣間見えます。正面玄関の上には、「ようこそクラフトアカデミーへ」と書かれた大きなラベルが虹色で掲げられています。
「よし、もう着くぞ!」父親はケイコを降ろすために建物の前に車を停めながら、からかうように言った。ケイコは急いで車から降りると、畏敬の念を抱きながら、その場に立ち尽くし、すべてを眺めていた。
キャンパスは、いつも通っている学校よりもはるかに多くの色と光で満ちている。賑やかな十代の学生たちの声が、彼女の五感を音楽で満たす。美術館の建物自体も、少女とは比べ物にならないほど巨大で、まるで彼女が探検できる魔法の世界を思わせる。小さな雲が少しあるだけの晴天で、太陽の光がすべてを輝かせている。
「どう?」残りの家族は柔らかな笑顔で車から降りてくる。父親が尋ねる。「これで全部期待通りだったか?」
恵子は喜びに目を潤ませながら、振り返り両親の方を向いた。「冗談でしょ?!もう、全部よ!」
恵子は両親に駆け寄り、抱きしめた。その抱擁の中で、ついに喜びの涙がこぼれた。溢れ出る感情に、恵子は静かに「愛してる」と告げた。
「大丈夫だよ」父親は娘の背中を優しく撫でた。別れ際、恵子は涙を拭うと、母親は説明した。「家はここから少し遠いけど、通りの向こうに海沿いの町があるの。綾乃さんと康弘君が、必要なお金は何でも手伝ってくれるわ。それに、もし何かの理由で家に帰らなきゃいけない時は、バスに乗ればいいのよ。もしその日、何かの理由でバスがなかったら、電話があるでしょ。電話して」
「わかった」ケイコは親指を立てた。「わかった。オープンハウスの後、私の作品を見せてね」
ケイコは二人から立ち去ろうとしたが、立ち止まり、振り返って再び二人を抱きしめた。「最後のハグ!」と生意気な声で言った。
最後の抱擁を交わした後、ケイコは目の前の美術館へと楽しそうにスキップしていった。
階段を下りきった途端、ポケットの中の携帯が振動した。ケイコは取り出してメッセージを見た。
というか、5分おきに同じ内容の大量のメッセージが送られてきた。
葵 綾乃「入り口すぐ左の鳥の像のところで、私と次郎が待ってます!」
ケイコは親指を立てて、アオイにメッセージを受け取ったと伝える。
ケイコはパティオへの階段を駆け上がり、左の方を向いて頂上まで行き、反対側がきちんと見えるまで歩く。
像の背にもたれには、女の子と男の子の2人のティーンエイジャーが寄りかかっている。男の子は3人の中で一番背が高く、濃い紫色の髪をしていて、明るい青色の瞳を縁取るようにグレーの眼鏡をかけている。制服は濃い紫色の可愛らしいジャケットにグレーのパンツ、そして同じ赤いネクタイとローファーだ。女の子も眼鏡をかけているが、彼女の眼鏡は赤で、瞳はより濃い青色だ。濃い青色の前髪の片側を耳の後ろに引っ掛けるように、赤いバレッタを留めている。制服の上には紺色のタイツと紺色のジャケットを着ており、ネクタイの位置も完璧に揃っている。
「次郎!あおい!」ケイコは笑顔で二人に大きく手を振った。
あおいはスマホから顔を上げてケイコに気づいた。安堵のため息をつき、優しく手を振り返した。「ケイコ、よく来たね。」
ケイコは二人に向かって歩き出した。三人の中で唯一、元気いっぱいだった。「さて、クラフトアカデミーでの冒険が始まるのが楽しみな人はいる?!」
彼女が興奮して飛び跳ねているにもかかわらず、他の二人は不安そうな表情を浮かべている。「え…わからない…」と次郎が言う。
ケイコは言葉を止めた。「私が何かしちゃった?」
「いいえ、あなたじゃないわ!」あおいは手を差し出してケイコを落ち着かせながら保証する。そして緊張した笑みを浮かべる。「私…あなたが私を転校させようとし���なんて信じられない!一体私は何をしているのかしら?」
「すごいことしてる!」ケイコは友達を励まそうと、いつものテンションを保った。「後悔しないよ!」
「もう…」アオイは腕を組んで呟いた。
「寄宿学校だ!!」ジローはノートをぎゅっと抱きしめ、自分がどれだけパニックになっているかを表現した。女の子たちと話すというより、支離滅裂なことを言って一人で笑っている。「もちろん寄宿学校に行くよ。だって、どうして寄宿学校に行きたがるの?!こんなの慣れてないんだもん!!」
「次郎!」ケイコは彼の肩に手を叩きつけた。「深呼吸してね?」
彼は耳を傾けた。
ケイコは親指を立てて、彼に念を押す。「パニックになった時は、現実の存在を忘れるまでアニメを見るのよ」
「ああ、でも学校だよ」と次郎は答える。
「美術学校だよ!」ケイコは彼を放し、両腕を広��る。興奮が戻ってきたようだ。「僕たち仲良し3人、すぐに馴染むよ!」
「えーと…」次郎は二人を横目で見る。「それはどうかな…」とネズミのように小さな声で言った。
ケイコはすでにガラス張りの玄関ドアに向かって歩き、友達を先導している。「え?入るの?」
葵はため息をつき、ジローに自信に満ちた笑顔を向ける。「ケイコちゃんが幸せなら、私たちも幸せでしょ?」と彼女は認める。
ジローは首を傾げ、「さようなら、ビジネスの世界…」と呟く。
三人は一緒にドアを開けて中に入る。
ケイコが中に入ると、目と口を大きく開け、悲鳴を上げ始めた。
ロビーは開放的な空間で、大理石の床と青いカーペットが、中央の飾りの周りのドアや階段へと続く通路を形作っている。階段には専用のバルコニーと窓がある。窓のうち二つは抽象的な色ガラスがはめ込まれたガラス板だ。窓の周りには、それぞれ独自のスタイルで描かれた絵画が数点、天井には手作りのシャンデリアがいくつか飾られている。
しかし、ケイコの目を惹きつけたのは、中心にある作品だった。キャンバスを模した巨大な粘土像だが、全体に繊細な装飾が施され、淡いラメが散りばめられ、まるで魔法のような雰囲気を醸し出している。絵の具の点々はそれぞれ異なる色で、キャンバスから虹のように飛び出している。
次郎と葵が中に入っていき、二人はより落ち着いた様子でその場の雰囲気を味わった。次郎は「おやまあ、すごい…パンフレットとこんなに忠実だとは思わなかった」と言った。
「本当に本物だなんて、嬉しい!」ケイコは像に近づこうと駆け寄った。周りの柵に少し強くぶつかってしまったが、気にしない。「本当に生徒が作ったのよ!生徒が…作ったのよ!」
葵と次郎は、もっと気楽な様子で近づいて見てみた。葵は「すごいですね」と認めた。
次郎はぎこちなく握手を交わした。「えーっと、ちょっと雑な彫刻作品ですね。学生が作った作品だと分かりますよ」
恵子は批判に首を横に振った。「え、そんなことどうでもいいの!芸術ですよ!素晴らしい!」
次郎は何か文字が書かれた看板を見つけた。それを使って説明する。「『芸術のキャンバス』。これは卒業生が最初に作った作品の一つで、僕たちが生まれる前に作られたものなんだ。確かな証拠は失われているが、これを作ったのは『プリキュア』という魔法少女だったという言い伝えがあるんだ。」
ケイコはその情報に驚き、小さく微笑んだ。
視界の隅で、ケイコは友人たちの背後の扉が開き、中から何かが出てくるのを捉えた。
「あそこにブースがあるわよ!」ケイコはドアを指差した。他の二人は振り返る。二人が理解する間もなく、ケイコはドアに向かって歩き始めた。「さあ、見に行こう!」
「待って、ケイコ!」アオイは手を伸ばすが、ケイコは聞かない。
「捕まえた!」ジローもケイコに続き、すぐ後ろをついていく。
「あなたたち二人はだめ!ちょっと待って…」
葵は二人の後を追おうとしたが、そこに人影が���ってきた。彼女は上半身を抱きしめ、固まった。
「あら、そこにいたのね。あなたを探してたのよ」葵は作り笑いを浮かべ、友人たちが入ったドアの反対側のドアを指差した。「ビジネスホールとプログラムを見せてあげるわ」
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廊下は広大だ。少なくとも、ブースの数からするとそう思える。ブースには上級生たちが何人も参加し、様々なアートプログラムを披露している。陶芸ブース、折り紙ブース、宝石学ブース、写真ブース、クロスステッチブース、木工ブース、フラワーアレンジメントブースなど、数え切れないほどのブースがある。圧倒されるが、同時に魔法のような空間でもある。
ジローはアニメーションブースでプレゼンテーションを見ている子供たちの中にいた。3年生の男子生徒が2台のモニターでプレゼンテーションをしている。1台は走るアニメーションの絵コンテ、もう1台は2Dの走るアニメーションの未完成版で、色付けもされておらず、粗削りだ。
彼はこう説明する。「それで、ここにあるボードを参考に、思い通りのアニメーションを作っていくんです。」
小さな観客席の他の子供たちが拍手する。ジローは手を挙げて尋ねる。「そのソフトはどこで手に入れるんですか?僕は紙でアニメーションを作ることしかできないんです。」
「プログラムに参加すれば、学校がリソースを提供してくれるんだぞ!」男は嬉しそうに答えた。パンフレットを配りながら、次郎に直接一枚を手渡した。
「ありがとう」次郎は手に持ったパンフレットに微笑みながら言った。「ねえ、ケイコ、あれ、すごく素敵だったよ…?」
隣に友人がいないことに気づき、次郎は言葉を詰まらせた。「ケイコ!?」
ケイコは走り去り、今は絵画ブースにいた。彼女は絵画の真正面にいて、畏敬の念を抱いていた。どれも細部まで緻密に描かれ、写実的で、色彩と光の深みが深く、すべて絵の具だけで描かれている。
「ねえ」ケイコはもう一人の新入生、男子生徒に邪魔された。「視界を遮ってるよ」と何気なく言った。
「すみません!」ケイコは恥ずかしそうにそう言って道を譲った。
その男子生徒がブースの係員に「僕の作品を見て、感想を聞きたいんだけど」と尋ねるのが聞こえた。
それでも、ケイコはそれを見て嬉しくて仕方がなかった。いつか自分もこんな作品を作るんだ。「他に何かあるかな…?」
「みんな、グルメ!」誰かが声をかける。振り返ると、絵付けブースの十字架は料理ブースだった。店番をしているのは男子制服を着た人物で、肌は濃いオレンジがかった色で、目は緑色、髪は濃い緑色のマレットヘアだ。「私から料理プログラムについて聞きたい?」
ケイコは肩をすくめて、そこへ行くことにした。「料理?それって何?」と尋ねる。
生徒は嬉しそうに答える。「そう、聞いてくれて嬉しいわ。料理とは料理の芸術よ。私たちのプログラムでは、生徒に何でも料理の仕方を教え、自分だけのオリジナルレシピを作れるようにしているの。こんな感じよ。」
彼らは緑と白のクッキーの無料サンプルが載ったトレイを手に持っていた。ケイコに差し出すと、ケイコは一枚受け取り、一口食べる。彼女は鼻歌で答える。「これはパンダン��ッキーで、ダークチョコレートが入った、私からもらったのよ!」ケイコは眉を上げた。二人は付け加える。「私はタイ人よ。」
「あれ、何個作ったの?」隣のブースにいる3年生が尋ねる。それはさらに肌の色が濃い女の子で、制服の上にダークレッドのセーターを着ている。深紅の髪は彼女の瞳の色に合わせて編み込まれている。彼女は舞台芸術のブースで働いている。
料理を学ぶ学生は腰に手を当て、女の子にニヤリと笑う。二人はウインクして「ショーの観客数に合わせてね」と言う。
女の子はクスクス笑う。それから気を取り直して腕を組んだ腕を解く。「あ、そうそう、そういえば、ここは舞台芸術のプログラムなの。演技、合唱、ダンス、あと…楽しいことを教えているの。興味があるかどうかわからないけど。」
「ケイコ!」ケイコが返事をする前に、ジローは友達を見つけた。「いた!探していたんだ…」目の前にいる人物を見て、彼は立ち止まる。そして大げさに息を呑む。「この二人を見つけたのか?」
「投影する方法の一つだよ…」赤毛の少女は再び腕を組みながら認めた。
「ケイコ、これは伝説の人物なんだよ!」次郎はケイコを掴み、揺さぶる。ケイコは困惑している。「あ、分かった。もし分からなかったら…」
次郎は緑髪の生徒から説明を始める。「あれはキアオ・モンド…」
「キアオ・ミドリ」二人は訂正する。
「キアオは料理の天才よ。小学校1年生から料理を習ってるのよ!」
「正しくは『彼女』よ」と二人は訂正する。
「この辺りの街の『川崎ダイナー』でパートのコックをしていて、ここに転校してきた時からずっと働いてるの。たぶん、ダイナーの大人のほとんどより腕がいいわ!」
「え、私、全然違うの!」ミドリは慌てる。
ケイコは驚きしか感じなかった。男子制服を着ているから気づかなかったのだ。「え、女の子なの?!じゃあなんで…?」
次郎は赤毛の生徒の話を続けた。「そしてこちらはスカーレット・アケミ。地元の舞台のほとんどに出演しているパフォーマーなんだ。女優、歌手、ダンサー、その全てを兼ね備えている! あまりにもスターで美人なので、今生で見るのはちょっと申し訳ない気持ちになる…」次郎は言葉を失い、言葉を失った。
アケミは恥ずかしそうに顔を赤らめ、何も言わなかった。
「あ、この学校で一番の生徒だよ。それが言いたいんだ」次郎が付け加えた。
ケイコは満面の笑みを浮かべた。「すごい!」
「あ、ありがとう」とミドリが言った。
しかし、ケイコは両方のブースに手を叩きつけ、テーブルを揺らした。「あなたのレベルに達するにはどうすればいいの!秘訣は?」
そうすると、ケイコは誤って舞台芸術ブースにあった喜劇の仮面を倒してしまった。床に落ちた仮面の下には悲劇の仮面が隠されていた。
「えっと、サン…?」アケミはそれを拾い上げるために前へ駆け出した。
「すみません!」ケイコは手を離した。
「あなたの経歴も仕事内容も知りません」とミドリは答えた。「でも、スカーレットさんと私は長年、プロの現場で技術を学んできました。正直、そういう経験がないと難しいと思います。でも、不可能ではありません。夢を見続けてください。」
「ああ…」ケイコはその答えに少しがっかりした。彼女らほどの経験はない。この二人はケイコより2歳くらいしか年上ではないのに、既に彼女よりもはるかに素晴らしいことをしている。他の生徒たちもそんなレベルなのだろうか?
「1年生の皆さん!」もう一人の3年生がチケットの入ったカゴを持って歩き回っています。できるだけ多くの人の注目を集めようと、チケットを空中に振り回しています。「ショーケースのチケットをゲットして!」
ケイコとジローは数歩近づくだけでチケットを受け取ります。ジローが「これは何のチケットですか?」と尋ねます。
「このチケットを持っている1年生は、2階の工作ブースに入場できます。」生徒は答えます。「大人向けのアートショーケースにご招待します。アカデミーのみんなに自己紹介するための工作をしてください!最高の第一印象を与えてください!」
ケイコとジローは驚きの声を上げます。二人は互いに顔を見合わせ、チケットを見つめ、また見つめ合います。そして、二人とも興奮して飛び上がります。「これは最高!」と叫びます。
次郎は落ち着くために息を吸い込み、それから付け加えた。「うまくできたら…」
ケイコはまだ興奮していて、落ち着きがない。彼女は次郎に言った。「これをやらなきゃ!ここにいるみんなに私の実力を見せつける、最高の第一印象になるわ!」
彼女はチケットを空高く掲げ、興奮して笑いながらくるりとくるりと回る。次郎は体が硬くなり、どう反応していいのか分からなくなる。
するとケイコは立ち止まり、ようやく息を吸った。「…何を描いたらいいのか分からない」と彼女は気づいた。
「ああ、まずはそれを整理した方がいいんじゃないかな」と次郎は涙を浮かべながら認めた。
ケイコはすでに考え事をしていて、周りの声がかき消され始めていた。「私自身の自己紹介は…」
「つまり、まずは正確に…」
「自分の気持ちを表現する機会…」
「それで、みんなが見てるから、恥ずかしい思いをすることになるのよ」
「そして、たくさんの人がそれを見ることになる…」
「ケイコ?ケイコ?」
「さくらケイコの絵よ!」
この時点で、ケイコは自分の小さな世界に浸り、すべての雑音はかき消されていた。世界は抽象的なワンダーランドで、すべてが色で彩られている。彼女はかつての桜畑に戻ったが、今度はすべてが色で彩られている。
彼女はため息をつき、偽りの世界の新鮮な空気を吸い込んだ。「芸術は本当に世界を美しくしてくれるのね、そう思わない?」と微笑みながら言った。
彼女は畑を歩き、周囲に散る花を眺めた。花はどれも様々な色に輝き、きらめいていた。「まるで誰かが作ったみたい。頭の中にある抽象的な考えを、誰かが思い描いていたみたい。」
彼女は一輪の花を掴み、畏敬の念を込めて見つめた。「そして、彼らはそれを恥じない。称賛され、愛されている。」
彼女は花を空に投げ上げ、くるくると回って、花が鳥に姿を変えて飛び去っていくのを見送った。「すべては創造性。そして、すべてが芸術となり、みんなの目に触れる!ここが私の居場所!」
彼女は一歩下がって木に寄りかかり、考え込んだ。「他の場所では、私の脳はあまりにも違っていて、恥ずかしい思いをするけれど…でもここなら?私はありのままでいられる。そして、成功する。」
彼女は目をこすって考えようと��る。彼女の周りには、鏡が埋め込まれたさくらんぼが浮かんでいる。すべてが瞬いている。彼女は顎に手を当て、考えながら、その中を前へ前へと歩いていく。「みんなをあっと言わせるようなものを作らなきゃ…技術を磨くことができる、充実した学校生活につながるものを。そうすれば、私は有名な芸術家になって、称賛される。私の人生の目的が達成されるわ!」
彼女の心は、すべてを輝かせる輝く日の出へと向かう。彼女は微笑みながら、「ここにいるみんなは何かを作るために生まれてきたの。そして私がこの世界に生み出すものは、きっと美しいものなのよ!」と語りました。
ケイコは片足でジャンプし、両手を上げたが、体が後ろに倒れた。
想像の中でのすべてが崩れ落ち、現実に戻った。
現実では、ケイコはドアに寄りかかっていて、それが開いた。ケイコは裏庭のポーチに落ち、背中から着地した。
「痛っ…」ケイコは衝撃にうめき声を上げた。彼女は膝をついて背中をさすった。彼女は再び屋外、裏庭にいた。柵で囲まれた小さな庭があり、真ん中に噴水がある。反対側には門があり、そこから丘を登ってキャンパスの他の部分へと続く階段へと続いていた。
その時、けたたましい鳴き声が聞こえた。
彼女は振り返って庭を見渡した。小さな子供たちが外で遊んでいた。そのうちの一人が鳥の尻尾をつかんで引きずり下ろしている。他の子供たちは皆、鳥が必死に鳴きながら逃げようともがいているのを見て笑っていた。
ケイコはそれを見た途端、立ち上がり、拳を振り上げた。動物の虐待に我慢ならなかったのだ。
「おい!!!」ケイコは怒りに駆られ、叫びながら突進した。「あの鳥を放して!うわっ!」
彼女は階段でつまずいて、顔から転んだ。
小さな子供たちは、もがく鳥を抱きかかえたまま、困惑した様子で彼女を見つめる。
ケイコはすぐに立ち直り、地面に両手を叩きつけ、頭を振り上げて子供たちに、まるで怪物のように恐ろしい怒りの表情を向けた。そして、その事実をわざとらしく、彼女は恐ろしい雄叫びを上げた。
子供たちは恐怖のあまり叫び声をあげ、鳥を放した。皆、両親のところへ泣きに走って逃げ出した。
放された鳥は惰性で後ろに投げ出され、何かペンのようなものを地面に落としてしまう。鳥はそれに気づかない。
鳥は飛び去ろうともがくが、地面に落ちてしまう。ケイコはきちんと起き上がり、膝をつきながら鳥に近づく。優しく近づき、驚かせないよう声を低くする。「大丈夫?」と優しく尋ねる。
ケイコは鳥の足元にそっと手を滑り込ませ、顔の方へすくい上げる。ケイコの手の中で、鳥はぎこちなく立ち上がる。こうして二人はきちんと向き合うことができた。
二人が目を合わせた瞬間、世界が止まったように思えた。目の前にいる存在の姿を、ケイコは吸収していく。
その鳥は鮮やかなオレンジ色で、さらに鮮やかなオレンジ色の縁取りが施されている。くちばしは薄茶色で、羽の先端には紫色が少し見えている。額にはピンク色の斑点がある。ケイコが今まで見たことのない鳥だ。
鳥は深い青色の目で彼女を見つめている…まるで人間のような目だ。
すると鳥は翼を広げ、ケイコの手から飛び立った。ケイコは衝撃を受けた。
ケイコは鳥が飛び去るのを見上げ、視界から消えるまで目をそらさなかった。そして声に出して尋ねた。「あれは何の鳥なの…?」
その時、太陽の光が彼女の視界の隅で何かを照らし、彼女はそれに目を留めた。
地面にペンが落ちていた。普通のペンではない。ピンク色のペンで、キャップが凝っていて、大きな赤い丸とピンクの羽根が描かれている。
不思議そうにケイコはそのペンを拾い上げ、「どうして鳥はこれを持っていたの…?」と声に出して尋ねた。
「ケイコ!」ケイコは振り返ると、ドアのそばにアオイとジローがいた。アオイは「いたわ!ずっと探していたのよ!」と叫んだ。
「あおい!」ケイコは立ち上がり、ペンを手に友達のところへ急いだ。「絵に決めた!」と元気よく宣言する。
「もう決めたの?」三人が校舎の中に戻ると、あおいが尋ねる。
背後のドアが閉まった直後、遠くから空に浮かぶ人影がこちらを見ていた。彼は眼下のキャンパスを眺め、得た情報を整理していた。
「芸術を称える学校…なんてひどい…完璧だ。」
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「外で見た鳥の絵を描いてるの!」
ケイコは美術館の廊下を歩きながら友達と話していた。
「わかった?」ジローは返事に眉を上げた。「あれはオリジナル?」
ケイコは両手を前に突き出して説明しようとする。「違う、違う、わからない!珍しい鳥だったの!誰も見たことない鳥よ!」
「ああ。」アオイの声のトーンと腕を組んでいる様子から、彼女はそれほど感銘を受けていないようだ。
「オレンジ色の鳥だったのよ!」
「ええ…」
「ピンクの斑点のある、明るくて美しい鳥よ!」
「ええ、きっとそうだったわ。」
「紫色もあったわ!」
「それなら魔法ね。」
「深い青い目で、じっと私を見つめていたのよ!」
「わあ、きっと意識があるのね」葵の声はずっと無表情だった。それが彼女の言葉を信じていない証拠だとは思えなかったが、次の言葉で明らかになった。「私の推測では、あの鳥があなたに魔法の粉を降らせて、それを右から二番目の星まで空へ運んだのね」
ケイコは皮肉に体が震え、頭上に雪雲がかかっているように感じた。笑顔が作り笑いになった。「あなた…信じてないの?」
「ええ、信じてますけど…でも…鳥でしょ。鳥に魔法の力があるなんて?」葵は疑問形に答えた。
「じゃあ、私がそれをしてはいけないと思うの?」ケイコは尋ねた。
「いや、やれ!君の芸術なんだから!」と葵は言い張る。「鳥を描きたいなら、鳥を描けばいい。」
「そうだな、俺は恵子とプロジェクトをやるんだ。」ロビーの階段に近づくと、次郎は葵に尋ねる。「本当にやりたくないのか?」
「きっと良くないだろうな…」葵は視線をそらし、少し不安そうな表情を浮かべる。
恵子は抗議しようとした。「何だって?でも…」
次郎は彼女の言葉を遮る。「でも、一人でここにいるのは辛いだろうから、それは分かってる。これ以上無理強いはしない。」
次郎はそれを聞いてケイコをじっと見つめる。ケイコは意味を理解し、頷いて同意する。
「二人とも楽しんで!」アオイは手すりにもたれながら笑顔で言う。「ただ、誰かを轢いて気が狂わせたりはしないでね。」
「ええ!」ケイコは敬礼をして、埃まみれの猛スピードで二階へ駆け出す。
次郎とアオイは少し心配そうに見守る。
「誰か轢いちゃうよ」次郎が指摘する。
「ええ、分かってるわ。」アオイはため息をつく。
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美術館の2階には、生徒用の絵の具ブースとして区切られた��リアがあります。イーゼルと棚があり、絵の具と筆、そして水の入ったコップが全員に用意されています。すでに何人かの生徒がイーゼルで絵を描いています。
ケイコは、ホールの他の部分からすべてを遮断する支柱のそばで生徒を見守っている近くの先生に近づきます。生徒たちがケイコの方を向くと、チケットを見せます。「ショーケース用のものを作りに来ました。」
「わかりました。」先生は親切にもケイコからチケットを受け取り、支柱の一つを開けてケイコを中に入れます。先生は空いているイーゼルを腕で指し、「パネルのないイーゼルは空いています。好きなイーゼルを選んでください。ただし、他の人のブースを横取りしないでください。」と説明します。
「わかりました!」ケイコは同意し、目の前のイーゼルに向かいます。キャンバスと絵の具と筆は反対側の棚にあるので、ケイコは必要なものを取りに行かなければなりません。彼女はそうする。小さなキャンバス、水を入れたカップ、筆、そしてオレンジ、青、ピンク、茶、紫の絵の具の入った容器を手に取る。色を混ぜて明るくするため、白い絵の具の容器も用意する。
全てが揃うと、鉛筆で鳥の輪郭をなぞる。鳥が翼を大きく広げた姿勢でなぞる。確かに、なぞった線はちょっと…雑だ。どの線もまっすぐではない。しかし、これは絵画の美しさでもある。骨格は単なる参考資料であり、完成品では誰も見ることはないので、完璧に描く必要はないのだ。
「うーん…」ケイコは鉛筆を顎に押し当て、輪郭をじっくりと眺める。「ちょっと華やかにしたい…棚にラメでも置いてあるかな?」ラメがあったかどうかは確認できなかった。
何かがチラッと目に留まった。視線を下に落とすと、制服の襟に付いていたペンが目に入った。不思議に思いながら、ケイコはそれを手に持ち、歩きながらそのペンから目を離さない。
ジェルペンのようなペンのようだが、インクは入っていないようだ。ペンをカチッと鳴らし、何も期待せずに手の上で何度も軽く叩く。
しかし、手にラメのピンクのインクが付いているのを見て、ケイコは目を見開いた。
どうして?!頭の中で考えてみる。インクなしで、どうしてこんなことができるの?!
ラメペンだ。本物のラメなんて関係ない。これなら完璧!
景子は振り返ろうとしたが、顔を上げなかったので、その瞬間…
ドスン!
別の女の子に頭からぶつかってしまった。二人とも床に倒れ込んだ。床には本が散乱している。景子は一瞬の間を置いて、傷ついた顔に手を当てた。
「気をつけて!」もう一人の女の子が叱責する。
「本当にごめんなさい!」景子は謝り、手を離して女の子を���た。彼女は怒りで歯を食いしばり、深い黄色の瞳が鋭く彼女を見つめている。オレンジがかった赤毛はバサバサとしていて、肩にほとんど触れていない。制服のネクタイは外され、袖はまくり上げられている。赤い指なし手袋をはめている。全体的に、彼女は強面かつ恐ろしく、その表情もそれをさらに引き立てている。
「あの…」景子は何と言えばいいのか分からなかった。「あ、本を持ってくるのを手伝おう…」
しかし、ケイコが本に手を伸ばすと、少女は本を引っ掻き、自分の腕の中に投げつけた。それは何かを恐��ていることを示す行動だった。「私のもの触らないで!私が持ってるのよ!」
「ごめんなさい!」ケイコは少女が一人で本を拾うのを見守った。
「アキノ!」駅の先生が二人を叱った。「転校生にそんな意地悪しないで!彼女は親切にしているつもりなのに!」
「それに、私のもの触らせないで!」少女は怒鳴り返した。
少女はまだひざまずいているので、ケイコが先に立ち上がり手を差し伸べた。「せめて私が手伝わせて。」
少女の目は、険しい表情から困惑へと変わった。きっと彼女は親切の基本的な行為を理解しているのだろう?「あなた…どうして?」
「轢いちゃった。お詫びしたいの」とケイコは優しく言った。「ここはそんなに難しいことじゃないでしょ?」
少女はためらいがちにケイコの手を取り、ケイコは彼女を抱き上げた。
「もしよかったら、さくらケイコです」とケイコは挨拶した。
「秋野レイ…」少女は少し懐疑的な様子で挨拶を返した。
「それで、ご職業は?」ケイコは手を組んで尋ねた。
「あなたのは何ですか?」レイは質問に返答する。
「私、画家なの!」ケイコは嬉しそうに言った。「ほら、見て!見て見て見て!」
ケイコはレイに見せるためにキャンバスに駆け寄った。誇らしげに満面の笑みを浮かべた。「外で見かけたこの鳥を描くの!まだ描いてないけど…でも、きっと美しくて、みんなをびっくりさせるわ!」
「あらまあ…」レイは肩の力が抜け、表情も柔らかくなった。「羽が小さすぎると、そんなに美しくないと思うわ。羽がメインになるべきよ。キャンバスのスペースを最大限に活用して。誰も白いものを見たい人なんていないわよ。」
「あら…」ケイコの笑みは、批判されて少し曇った。
「おい、アキノ!あっちへ行っちゃえよ!」先ほどブースにいたあの少年が、レイを叱った。「あんたがみんなを引き裂くなんて、誰も望んでないわよ!」
レイは腕を組んでケイコにニヤリと笑う。そして、皮肉たっぷりにこう言った。「私、ここではすごく人気者なのよ。わからない?」
ケイコは皮肉に気づかなかった。「じゃあ、どうしてみんなあなたのことが嫌いなの?」とケイコは尋ねた。
レイは言葉を失い、どう答えていいか分からなかった。彼女は振り返ることにした。「わかった。じゃあ、もう行かなきゃ」
「じゃあ、学校で会おうね…」とケイコは言った。そして、ケイコに手を振って付け加えた。「ああ、感想ありがとう!すごく参考になるわ!」
レイは言葉を止める。その言葉に、彼女は驚きで目を見開いた。
レイはほんの数秒、感動の表情を見せたが、すぐにそれを隠して立ち去った。
そう言うと、ケイコは輪郭を修正し、羽を大きくする作業に戻った。レイの言う通り、これでもういい感じだ。
ケイコはすっかり自分の世界に浸り、完全に集中すると、頭の中のあらゆる音や背景が消え去る。彼女の背後にあるものはすべて、ピンクと紫の魔法のゾーンだ。
さあ、作業開始だ。
ケイコは小さな斜めの筆、毛先が尖った筆を取り、オレンジ色の絵の具に浸す。丁寧に線に沿って筆を動かし、鳥の体の輪郭を描き出す。
それが終わると、別の平筆を取り、オレンジ色の絵の具に浸す。これでオレンジ色の輪郭を塗りつぶす。
それが終わると、両方の筆をきれいにする。3本目の筆を取り出し、パレットの上の白い絵の具に意識を向ける。手に持った筆で、オレンジ、紫、茶色、ピンクの絵の具に絵の具を浸し、混ぜ合わせて色を薄くしていく。オレンジはクリーム色のようなオレンジ色に、紫���ラベンダー色に、茶色とピンクの色はより柔らかい色合いになる。
斜めのブラシを再び使い、鳥のお腹と尾羽の残りのオレンジの輪郭を描きます。頭と翼の先端には紫色の部分、くちばしと足には柔らかな茶色を使います。平筆を使って、これらすべてを塗りつぶします。
頭の3つの部分が空白になっているので、斜めのブラシを使ってピンクのハゲ部分を丁寧に塗りつぶし、次に濃い青色の目を塗りつぶします。
この時点で残りの部分は乾いているので、ケイコは大きくてふわふわした扇形のブラシに移ります。オレンジ色の塗料をブラシに軽く含ませ、鳥の体全体にも軽く塗りつけて、羽の質感を出します。
残りの質感には扇形のブラシは使用せず、代わりに小さなトリムブラシを使って羽と足の線を丁寧に描きます。次に、トリムブラシを使って瞳孔と目の白い部分を塗りつぶします。
アート制作の過程では、アーティストが自分の要素に没頭し、シンプルな紙に情熱を注ぎ込むこと以外に何も大切なことはありません。
仕上げに、ケイコは見つけたペンを手に取り、鳥の周りにピンクのグリッターで背景を描きます。絵全体が輝き、ペンで鳥の輪郭を描くことで鳥自身も輝きます。小さな渦巻きや星が至る所に散りばめられています。額のピンクの斑点にもペンを使い、際立たせています。
ケイコは自分の作品に感嘆し、出来栄えに微笑んでいます。
ある意味、芸術的な境地が終わってしまうのは残念ですが、最終的な結果には必ず価値があるのです。
背景の音や物音が脳裏に蘇り、最初に聞こえてきたのはアナウンスだった。「5分後に展示会が始まります!」
外は夕暮れ。体感するよりもずっと時間が経っている。
「ケイコちゃん!」ジローがケイコを見つけて、こちらへ来ている。「こんにちは!」
「ねえ、ジローちゃん!」ケイコは嬉しそうに挨拶する。
ジローがケイコの隣に来ると、絵がちゃんと見える。「わあ、すごい…」
「素敵でしょう?」ケイコは誇らしげに尋ねる。
「正直、こんなにいい作品になるとは思わなかったよ」とジローは認める。手に持っていたノートを開き、ケイコに見せる。「ところで、僕の作品、どう思う?」
スケッチブックの上部に指先を置き、端を少し傾けるとページが落ち、物語を描いた複数の絵が現れる。
鉛筆で描かれた女の子が本を持っているアニメーションだ。ページから猫が現れ、女の子の肩に飛び乗る。最後は女の子が子猫を抱きしめるシーンで終わる。
「可愛い!」ケイコは頬をぷにぷにさせながら大喜びする。
「え?」とジローは照れくさそうに尋ねる。
「つまり…子猫ね」とケイコが指摘する。
ジローは顔を赤らめ、どもりながら言う。「えっと…ちょっと可愛いものが描きたかったんだ」
「大丈夫!あなたにぴったりよ!」ケイコはジローの肩に手を置いて安心させながら言った。「あなたの仕事は本当にすごいわ。こんなにたくさんの絵を繋げて、動くアートを作るなんて、誰にでもできることではありません。」
「ええ、でも、もし笑われたらどうしよう?」
ケイコの笑顔が消える。その言葉が彼女の心の奥底を突き刺した。
からかい合いの喧騒はしばらく続き、一人を除く全員が指さして笑っていた。ケイコの絵がどれだけひどいかを延々と言い続け、絵とケイコ自身を笑っていた。
ケイコはその場に留まり、笑顔はますます作り笑いに変わっていった。笑い声と侮辱の言葉が頭の中に吸い込まれていく。ケイコは硬直し、教室の淡いヴィンテージ調の色合いは薄れ、笑い声はますます大きくなっていく。紙に置いた彼女の手は震えている。
「それって芸術じゃない!ゴミ!」
最後の侮辱の言葉に、小さなケイコはすすり泣いた。
もし絵が気に入らなかったらどうしよう?幼稚園で起きたことと同じことがまた起こったらどうしよう?
「えっと…」次郎の小さな声がケイコを現実に引き戻す。「列に並んだ方がいいよ。あおいはもう並んでるし。僕はここにいて、間違いがないか4回くらい確認するから。」
ケイコの頭上に暗い影が垂れ込める中、彼女は低く「わかった…」と言った。
次郎はケイコに親指を立て、視界から消えた。ケイコは一人で絵を持って階下へ降りる。廊下のすぐ近くに、彼女が使える階段がある。
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階下に降りると、ケイコは講堂のすぐ近くの裏口に気づいた。舞台上のアナウンスの声が反響し、ショーがすでに始まっていることを知らせていた。扉の前には、作品を発表しようと待つ子供たちの列が続いていた。
ケイコはキャンバスを握りしめ、列の最後尾へと急いだ。絵を見つめると、胃がムズムズしてきた。実際に見てみると、輪郭が完璧に描かれておらず、粗い部分がある。絵の具の塗りが均一ではなく、ざらざらとした質感だ。まるで幼児が描いたかのようだ。
その時、ケイコは目の前に何かが映り込み、思わず息を呑んだ。
先ほどの少年が、イカのキャンバスを持って目の前にいた。背景には本物の海があり、水や岩礁がとてもリアルに描かれている。イカ自体は複雑な生き物だが、その描き方はプロ並みだった。陰影、重なり、色彩、絵画に求めるものすべてがそこにあった。
それを聞いたケイコは、自分の絵をぎゅっと抱きしめた。そしてついに、静かに、真実を認めることができた。「私はここには合わないの…」
ゆっくりと、しかし確実に列は進み、ケイコは舞台裏へと向かった。舞台の前方にスポットライトが集中し、辺りは薄暗い。カーテンの隙間から、ケイコは保護者や上級生たちの観客の姿を見る。本当にたくさんの人がいる。じっと見つめすぎると、観客は大きくなり、目つきも険しくなる。
その光景に、ケイコは息を呑んだ。自分にもできるのだろうかと不安になった。
絵が下手すぎる!みんなにバカにされるぞ!
その時、目の前の少年がスポットライトを浴びる。ケイコの体は石のように硬直している。あと一人、そうすればケイコは立ち上がる。この少年の素晴らしい絵をみんなが見て、それから彼女の下手な絵なんて誰も気にしなくなるだろう…
少年は誇らしげな口調で、笑顔で自分の絵を披露する。「これは、メソニコテウティス・ハミルトニ、通称ダイオウイカだよ!この生き物を忠実に再現するように描いたんだ。南の冷たい海に生息し、肉食獣として何日も魚を捕食するんだ!たくさんの触手を持つ美しい生き物で、そのうちの2本は人をしっかりと掴んで口元に引き寄せるようになっているんだ!」
彼は明らかに自分の作品と、このテーマに情熱を注いでいる。ケイコは鳥について何を知っているというんだ?飛ぶ…それだけだ。だから、観客全員が拍手しているのが聞こえても不思議ではない。
驚いたのは、近くで誰かがゆっくりと拍手する音���った。
その音を聞いて、ケイコは意識が朦朧とした状態からハッと目覚めた。舞台の向こう側に、影に隠れた二つの目があることに気づいた。
「おめでとう!誰も気にしない!」
その言葉に皆が立ち止まり、声の方に注目する。
人影がスポットライトの中に現れる。小柄な十代の少年だが、制服を着ていない。片方の襟を折り返した淡い色のトップスに、グレーのパンツ、指なし手袋をはいている。黒髪はジェルで尖らせたようにツンツンとしており、肌は人間離れした灰色の色合いに見えるほど青白い。彼のあらゆるものに色彩と彩度が欠けている。まるで白黒のようだ。それでも、顔には悪意に満ちた薄笑いが浮かん���いる。
「え、あなたは誰ですか…?」 男子学生は困惑して尋ねる。
「ああ、気にしないでください。みんなが思っていることを言っているだけです。」 灰色の少年は宣言する。「あなたのくだらない絵なんて誰も気にしません!次の100枚のくだらない絵を見れば、みんな忘れてしまいますよ!」
「おい!」先生がステージに上がり、彼を呼び出した。「ここにいるなんておかしい!どうやって入ったんだ?」
「君の安全なんて、簡単に隠蔽できるもんだ」灰色の少年は、全く恐れることなく言った。「文字通りだ」
彼は両手を掲げ、指を鳴らした。たちまち、教師は壁に投げ飛ばされた。腕や物理的な力で投げ飛ばされたようには見えない。まるで…魔法のようだった。
誰かが倒れるのを見て、観客全員が立ち上がり、パニックに陥る。ケイコは暗闇に隠れ、恐怖で体が硬直し、何もできない。
しかし、少年はこの謎の男の手に委ねられ、無防備な状態になっている。彼は明らかに緊張し、声は震えていた。「な、何がしたいんだ…?」
「僕が最後に君の目に映るんだから、隠しても仕方ないだろうな。」灰色の少年は肩をすくめ、銀色の瞳を光に輝かせながら、両手を差し出した。「僕の名前はノワール。この世界から醜い色をすべて消し去るために来た…君は僕を助けてくれるんだ。」
ノワールの掌から黒い破片が飛び出し、彼は「情熱よ、逆転せよ!不安よ、我のもとへ来い!」と唱える。
生徒が胸を掴み始めたのを見て、ケイコは恐怖に震える。ノワールは一体何をしているんだ?
黒い破片が学生の体から飛び散る。体中の色がすべて吸い取られ、灰色の影だけが残った。彼は動かなくなった。
黒い破片はノワールの手に当たり、黒い折り紙の鳥へと姿を変える。ノワールは顔に笑みを浮かべる。
「わあ、美しい!」ノワールは言った。「これで完璧だ!」
ノワールは手と折り紙を頭上に掲げた。「見よ!インクリング!」
折り紙は辺り一面に黒魔術を噴き出す。イカの絵に反応し、黒魔術も噴き出す。
折り紙は巨大でインクのように黒いイカに変身し、銀色に輝く二つの目だけがその対比を成す。
目撃者たちの悲鳴が響き渡り、ほとんどが既にドアの外へ逃げ出していた。舞台上の巨大イカモンスターが無数の触手を動かすと、その下では舞台の色が消え、灰色に染まり始めた。モンスターは舞台から飛び降り、椅子を叩き壊し���二本の鉤爪の触手で壁を掴む。壁もまた灰色に染まる。やがて、部屋の中のすべてが色を失い始める。
モンスターが舞台からいなくなると、ケイコはパニックに陥り、少年のもとへ駆け寄る。「先生!先生!大丈夫ですか?!」
彼は返事をしない。
ケイコは彼を掴もうとするが、恐怖に息を呑む。彼は…石にされてしまった!
この混乱を見守るニヤニヤしたノワールを見つめ、ケイコは叫ぶ。「どうしたの!?」
ノワールはニヤニヤを止め、ケイコの方を向く。彼は無礼にも「どうして気にするんだ?」と尋ねる。
彼が何をしたかは明白だ。わざわざ説明するまでもない。
「建物から避難しろ!」教師が叫び、全員を出口へと誘導する。「今すぐ避難しろ!!」
退散する群衆の中にいたアオイは立ち止まり、振り返る。ステージ上にまだ友人がいるのに気づき、「ケイコちゃん!」と叫ぶ。
ノワールはケイコを無視して飛び始める。そして声に出して言う。「いいか?行くぞ、インクリング!建物全体をカバーしなければならないんだ。まずは上から始めよう!」
インクリングは動きを止め、主の後を追う。触手で天井を叩き壊し、そこから這い上がる。瓦礫が飛び散る。
ケイコはそれを見ながら、頭の中で理解する。2人は2階へ行く…!
2階だ!!
「えっと…」次郎の小さな声が恵子を現実に引き戻した。「君も並んだ方がいいよ。葵はもう並んでるし。僕はここに残って、間違いがないか四重に確認するから。」
次郎は2階にいるよ!
それに気づいたケイコは、危険が迫る舞台裏の階段へと全力疾走し始めた。
「ケイコ!!」アオイもそれに気づき、ケイコの後を追う。ケイコがドアノブを掴むと、アオイも追いつき、ケイコのもう片方の腕を掴む。怖くなったアオイは、ケイコをドアから引き離そうとする。「さあ、行かなきゃ!」
「でも…」ケイコは腕を引っ張られるケイコに抵抗する。「…次郎!」
「次郎?」アオイはケイコの言い分に気付く。
その言葉にアオイは油断し、ケイコはアオイの腕を振り払う。ケイコは勢いよくドアを開け、壁に激しくぶつかる。階段を駆け上がる。
「ケイコ!!!」アオイはドアにしがみつき、叫ぶ。「ケイコ、やめて!!!!」
ケイコはもういない。
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インクリングは廊下を駆け下り、周囲のあらゆるものが色を失いつつある。触手が四方八方飛び回り、触れたものすべてにへこみをつけている。2階にいる人々は皆、叫び声を上げながら、見つけ次第階段へと駆け寄っていく。
窓の外では、オレンジ色の鳥が一羽、この光景をじっと見ていた。
鳥は、窓を割って穴を開ける触手から、かろうじて逃げ出した。触手が避けた後も、鳥の視線は建物の中へと続く穴に釘付けだった。
次郎は群衆の後ろで、ノートを抱えて逃げている。しかし、インクリングは群衆と、そして彼自身に追いついてきた。
次郎は出口の階段を見つけ、それを見据える。彼は出口へと全速力で駆け出す…
しかし、触手が階段の前に激突し、出口を塞いでしまう。
悲鳴をあげながら、ジローはどもりながら振り返ろうとしたが、目の前にインクリングがいた。インクリングの上に浮かんでいたノワールはニヤリと笑った。ノワールは「え、犠牲者って何?」と考えた。
ジローは逃げ出そうとしたが、その場に硬直していた。インクリングは触手をジローに向け、ジローは目を閉じた。
その時、ケイコが階段のドアを勢いよく開け放った。「ジローちゃ���ーーーーー!!!」
絶望の波が押し寄せ、彼女はドアを塞ぐ触手を体から投げ捨て、友人に向かって突進した。彼女はジローを抱き寄せ、二人とも道から押しのけた。触手は狙いを外し、床に落ちた。ケイコとジローは重なり合って床に倒れ込んだ。ノートはジローの手から投げ飛ばされた。
ジローは何が起こっているのかほとんど理解できていない。ケイコは何も理解しようとしていない。階段のドアから触手が逃げていくのに気づいた。「ケイコちゃん…?」
ケイコは彼の言葉を遮り、腕を掴んで引き上げた。「行け!行け!ここから出よう!すぐ後ろにいるわ!」
二人は立ち上がり、ドアに向かって走り始めた。ケイコはジローを先に出せるようにドアを開けた。あとはジローの後を追うだけ…
「何これ?」
ノワールの声が聞こえ、ケイコはためらった。振り返ると、ノワールがジローのノートを手に取り、パラパラとめくっていた。ノワールは見たものに冷酷な笑みを浮かべた。「猫の絵だって?冗談だろ」
ノワールの拳がノートを砕く。ノワールの手の中で、ノートは黒い粉と化し、消え去った。ノートの下部だけが残され、床に落ちた。ジローが一生懸命に描いたノートは、一瞬にして破壊された。
ケイコはそれを見て心臓が止まるかと思った。血が熱くなった。
この少年は、友人が一生懸命に作った作品を、何の罪悪感もなく破壊したのだ。
ケイコは眉をひそめ、歯を食いしばって怒りの唸り声をあげようとした。
ケイコが何かするよりも早く、何かが視界を横切った。
オレンジ色の何かがインクリングに向かって飛んできて、ギャーギャーと鳴いているのを見て、ケイコの目は怒りから驚きへと変わった。あれは…?
速い飛行が落ち着くと、ケイコはそれをはっきりと見ることができる。同じ柔らかな紫色の羽、同じピンクの斑点、同じ青い目…
鳥?!
確かに、それは先ほどの鳥だった。建物の中でインクリングに向かって突進している。ノワールも驚きながら、頭を振り返った。「何だ…!?」
鳥はインクリングの周りを素早く飛び回り、触手を避けながら、くちばしでインクリングの体をつつこうとする。しかし、どうやら効果がないようだ。
ケイコは気づかないうちに、外に出てその光景を目にしていた。ノワールと同じように、ケイコも混乱している。なぜこの鳥が建物の中にいて、インクリングと戦おうとしているのだろう?普通の鳥が、なぜこんな危険に身をさらすのだろう?
これらすべてが結果をもたらし、鳥はインクリングの目を撃ち、片目を閉じさせた。しかし、もう片方の目には、開けた場所に立っているケイコが映っていた。
インクリングは触手をケイコに投げつけ、ケイコはそれに気づき悲鳴を上げる。
鳥は急降下し、ケイコの体に体当たりし、二人とも勢いよく壁に投げ飛ばされた。ケイコの背中は壁に激しく打ち付けられ、鳥を胸に抱きしめたまま床に倒れ込んだ。
「ううっ…」ケイコはうめき声をあげ、起き上がろうともがく。目を開けると、腕の中にいる鳥に気づいた。仰向けになっていたケイコは、鳥を抱きしめた。鳥は怪我をしているようには見えなかった。
気のせいかもしれないが、鳥は彼女の触れ方に反応して息を呑んだ。まるで人間のような息切れだ。鳥自身も驚いたようで、硬直した表情から困惑した表情へと変わった。
その時、腕が頭上の壁に穴を開け、鳥を掴んだ。
ケイコは悲鳴を上げて這いずり下がったが、背中が壁の柱にぶつかった。
ケイコは、その人物が全身で壁を突き破るのを防いだ。それはまたしても薄灰色の男だった。ただ、この男の方が背が高く、黒髪を小さくまとめたポニーテール��していた。同じ灰色のパンツを履いているが、黒いシャツの上に白いノースリーブのロングジャケットを羽織っている。腰と上腕二頭筋のベルトは、どちらも銀色のバックルで、非常に淡く彩度が低い緑色だった。
ケイコはただ見ているしかなかった。相手は自分が捕まえた鳥にレーザーのように集中していて、ケイコに気づいていないようだ。
男は外に出て、もがく鳥に得意げに微笑みながら、空中に浮かんだ。
「モノ!!」ノワールが叫び、相手の名前を明かす。モノはノワールの隣に飛び上がり、二人ともインクリングの頭上になる。「今、現れたのか!?」
「残念ながら、そうせざるを得なかった。」モノの声は、以前よりはしわがれ声や泣き言っぽくなくなり、落ち着いた単調な声になった。「それが私の任務だった。」
「そして、私があなたの任務をこなしている姿を見ろ!」ノワールは怒って叱る。「仕事中に寝てると思ったんだ!」
「寝てたけど、ラウンジから追い出されたんだ。」モノは呆れたように目を回す。「こう考えれば、私の仕事量はあなたより少ないのに、私の方があなたより多くを成し遂げている。」
「そんなわけないだろ!」ノワールは鼻で笑う。
「鳥に負けそうになったんだぞ。」
「負けてない!」
二人はしばらくそう言い争っていたが、鳥がモノの掴みから逃れようともがいているのを見て、再び注意が戻った。
モノは鳥の必死で無駄な試みに思わず笑ってしまった。彼は鳥を揺すり、挑発するように言った。「ああああ、どうしたんだ、鳥ちゃん?何もで��ないのか?」
鳥はまだもがいている。ノワールもニヤリと笑って加わる。「好きなだけ試してみろよ。プリキュアはもういないんだから!安心だ!」
「プリ…キュア…?」ケイコは理解する。柱の後ろからこの話を聞いていたのだ。
二人の少年は狂ったように笑う。インクリングは触手を伸ばし、口を開けている。鳥を食べようとしている。モノはインクリングの手に鳥を掴み、悪意に満ちた口調で尋ねる。「何を言っているんだ?イカの餌食になる覚悟はできているか?」
「…絶対に…」
部屋の全員が目を見開く。
しわがれ、緊張しているが、これが人間の声であることは明らかだ。
「まさか…」ノワールは信じられない思いだった。
ケイコ自身も信じられない。あの鳥が…喋ったなんて!?
「…まさか…」モノは息をしようとして、えずく。「…終わった…」
そうだ。あの鳥は喋っている。
あの鳥に知性があるなんて!?
「えーと…」モノは否定するように、ぎこちなく笑う。「地球の鳥が喋るなんて知らなかった…」
「おい!」ノワールはモノの肩を叩く。「あれは妖精だ!」
鳥は呼吸に、いや少なくとも窒息しないように話すのに苦労している。「私を…処分して…よければ…」モノ、というか彼は、外に出る。
「私は、この姿では何の役にも立たない…でも…この子たちの情熱…処分できない…この人たちは…この世界を…永遠に彩り続けるだろう!」
ケイコの目に輝きが宿る。鳥の言葉に誘われて過去に戻った彼女は、かつて自分を救ってくれた謎の人物を思い出す…。
「勝てません。魂の創造性を奪うことは決してできません…それは素晴らしい祝福です。そしてこの子たち…この子たちは…私が亡くなった後も情熱を追い求めるでしょう…そして、愛するものを決して諦めません。彼らは世界のために絵を描くでしょう!」
ケイコは階段のドアのそばにある鳥の絵に目を留めた。インクリングはそれを見���した。ケイコは手を伸ばして拾い上げ、じっと見つめた。
これを描いた時、ケイコは情熱を持っていたのだろうか?もちろん。
だから、たとえ無駄だったとしても、何もできないわけにはいかない。
「妖精がどうやって逃げ出したのか、私には理解できない」ノワールは鳥に言った。「まあいいだろう。これでだいぶマシになった!」
モノは再び、インクリングが食べられるように、鳥を触手にかざした。二人はこれから起こる出来事に笑い出した。
「おい!!」
一同は立ち止まり、廊下の奥へと視線を向けた。ケイコが目の前に立っていた。ケイコは絵を差し出し、インクリングに見せると、「消し忘れてるよ!」と言った。
「何ですって?」モノは自分が何をしようとしているのか分からず、片方の眉を上げた。
ケイコは安心させる。「ほら、きっとこれはあなたの…ペットの…イカ…モンスターにとって、もっと美味しいおやつになるわよ…」
「震えてるじゃないか」ノワールが言う。「どうして他のみんなみたいに走らないんだ?」
「わ…わかんない…」ケイコは認める。「でも…友達の絵を台無しにして…それに、知性のある人間を殺そうとしてるなんて…鳥だろうとなかろうと、そんなことは許せないわ!」
「人間だって?」鳥はケイコの言葉を理解した。それからケイコの制服の襟元に目をやった。ペンがそこにあった。「待って…!」
「馬鹿だな」モノは指摘する。肩をすくめて微笑む。「でも、もしどうしてもと言うなら、インクリングはまず君の絵を食べるだろう…そして君も!」
インクリングがケイコに突進する。ケイコは怯え、どうしたらいいのか分からず、すすり泣く。もう、終わりだ。
「あなたの情熱は何なの!?」
ケイコは鳥が叫んでいることに気づいた。「どうしてそんな絵を描いたの!?生きたいなら答えて!」
「私…私…」ケイコは鳥が何をしようとしているのか分からなかった。深呼吸をした。彼を信じなければならない。
「この世界のために絵を描きたい!!!」
フラッシュ
ケイコの絵からまばゆいピンクの光が放たれる。
インクリングは後ろに倒れ、少年たちの目はくらみ、鳥は逃げ出すチャンスを得る。
「な、何が起こっているの?」ケイコは閃光に不意を突かれる。
ピンクの光が魔法のようにケイコの周りを巡り、彼女を守ろうとする。絵自体が形を変え、別の何かへと歪んでいくのをケイコは見守る。
「ついに!ついに!!」鳥は喜びの涙を流しながらケイコの腕の中に飛び込む。「プリキュアを引き受けてくれたんだね!」と嬉しそうに言う。
「何言ってるの!?」ケイコは驚きの声を上げる。「なんで言ってるの!?」
「いいから、ここからが大事よ!」
絵が新しい形へと変化し終える。ケイコの目の前に現れたのは、パレットのようなものだった。それは、宝石がちりばめられたピンクの縁取りの、きらきらと輝く派手なパレット。ガラスの蓋が付いていて、真ん中に空いているスペースがある。周りのスペースには、黄色、オレンジ、赤、ピンク、紫、青、緑の順に色が塗られている。
「これがプリキュアパレットよ!」ケイコの手の中で浮かんでいる装置を見ながら、鳥が説明する。「さっき私を助けてくれた時に見つけたペン、覚えてる?」
ケイコはそれを取り出す。「これ?」
「ペンをクリックして、パレットの好きな色を3色タップして、空いているスペースで混ぜて、『プリキュア クリエイティブチャージ!』と叫ぶだけで、あとはお任せ!」
ケイコはためらう。これが自分にどんな影響を与え���のか、彼女は知らない。
「信じて!」鳥は懇願する。
鳥の表情からして、本物らしい。以前も彼女を助けてくれた。きっとまた助けようとしているのだろう。
ケイコはうなずき、自分の選択を決める。
ピンクネオンペンのクリック音とともに、背景はピンク色の魔法の空間へと変化します。
全身がピンク色に染まった佐倉けいこは、ペンを頭上に高く掲げています。もう片方の手でプリキュアパレットを持ち、それを開きます。
「プリキュア クリエイティブチャージ!!」
彼女はペンでパレットのピンク、赤、緑の点を軽く叩く。3つの点が光り、真ん中にキラキラと輝くチェリーピンクが現れた。ペンをペンに浸すと、ペンがペンで満たされた。
ケイコはペンを持って飛び跳ね、あちこちに絵の具をこぼした。背景は緑と赤の絵の具の斑点で覆われた。ケイコ自身の腕、脚、頬も絵の具の斑点で覆われており、ケイコは目に見えてそれに気づいた。
彼女はペンを手首の周りで回転させ、魔法の絵の具で円形の白い腕章を作った。
彼女はペンを足の周りで回転させ、足を広げて地面を踏み鳴らし、つま先とヒールが濃いピンクの、膝丈の丸い白いブーツを作った。
彼女はペンを差し出し、全身を回転させると、渦巻くインクが彼女の胴体に触れ、フリルのついたピンクのスカート、太い赤いベルト、そして薄緑の縁取りと花のような白い肩パッドが付いたゆったりとした薄ピンクのジャケットを形作った。
彼女はペンを掲げ、微笑む。カチッという音とともに、ペンは燃え上がり、ピンクの絵の具の斑点がついた。彼女はペンを投げると、ペンは回転し、絵の具が四方八方に飛び散った。
絵の具は彼女の胸に落ち、大きな赤いリボンと薄緑のブローチが現れた。
絵の具は彼女の耳に落ち、赤いチェリーのイヤリングが現れた。
絵の具は彼女のベルトの後ろに落ち、淡い半透明のピンクのリボンと、スカートの後ろから垂れ下がった厚手の布地が現れた。
絵の具の飛沫は彼女のスカートに落ち、赤と緑の絵の具の斑点となった。
絵の具は彼女のリストバンドに落ち、赤いリボンが現れた。しかし、彼女が腕を前に伸ばすと、ペンがリストバンドに落ち、彼女がそれを振り払うと、リボンはほどけ、今度は赤いリボンがリストバンドから垂れ下がった。
再びペンを握り、彼女は頭の上をなぞると、側面に赤いチェリーが飾られた薄緑のヘッドバンドが現れた。ヘッドバンドから魔力が漏れ出し、ブロンドの髪がマゼンタ色の塗料で覆われた。
ケイコはお団子ヘアを持ち上げ、放すと塗料が髪に反射して光り、髪に溶け込む。髪は濃いピンク色の髪型になり、何本かの後ろ髪と大きなトップのお団子ヘアが重なり、大きなつむじが桜の茎のように見える。
ペンを顎に当て、歯を見せて笑う。恥ずかしそうに親指で顎についた塗料をはじく。瞳は髪の色と同じピンク色に輝いている。
彼女は空中に飛び上がり、ピンク色の魔法が彼女から噴き出す。
ジャンプの頂点に達すると、ピンク色の魔法が背後で塗料となって爆発し、彼女は四肢を大きく広げてポーズをとる。
ネオンペンとパレットが彼女のベルトに取り付けられる。
ヒロインは落下し、上からさらにピンク色の魔法が彼女から噴き出す。
「筆で情熱と命を世界に広げる!」
彼女はぎこちなく着地し、危うく転倒しそうになったが、なんとか踏ん張った。そして最後のポーズを決めた。片足を上げ、反対側の腕を頭上に上げてピースサインを作る。
「ピンクのペインター!キュアチェリー!」
ノワールとモノはゆっくりと床から立ち上がり、目の前のピンク色の光を見つめる。膝をついたままのモノは、息を呑みながら尋ねた。「これは一体…?」
ノワールは腕と歯を食いしばる。「こんな…ありえない!」
「やっと!!」鳥は喜びに溢れ、光の周りを飛び回る。嬉し涙が頬を伝う。「プリキュアが帰ってきた!!」
ピンク色の光は人影から放射されており、その存在によって周囲の絨毯も同じ色に染まる。ピンク色の光が消えると、窓から夕陽が差し込む。ヒロインは鮮やかなチェリーピンクの瞳を見開く。
そして、その瞳は驚きの表情に変わる。「な、な、な、なに?!何が起こったの!?」彼女は驚きのあまり、自分の変わった姿を見て身をよじり始める。「な、な、なに!?私に何が起こったの!?!な、なに!?」彼女はピンク色の髪を掴む。「私の髪に何が起こったの!?」鳥はキュアチェリーの腕に飛び込み、胸に顔を埋めて泣きじゃくる。「会えて嬉しいよ!!」
「私って何なの!?」チェリーは疑問に思うように叫ぶ。
鳥は翼で涙を拭う。興奮している。「わかった���かった、プリキュアになったんだね!創造の力を持つ伝説の戦士!インクリングを止めてみんなを救えるんだ!」
「ちょっと待って、プリキュア、ゆっくりして!力だって?!」チェリーは言葉に詰まる。息を吸って少し落ち着こうとする。「それで…伝説の戦士?どういう意味?」
「インクリングと戦わなきゃいけないの!」
チェリーは言葉を止める。
彼女はインクリングを見る。
それから鳥を見る。
そして再びインクリングを見る。
そして鳥を見る。
「だめ!」彼女は振り返り、鳥を抱きかかえたまま走り出す。
「そこに突っ立ってるんじゃない!」ノワールはインクリングに向かって叫び、拳を床に叩きつける。そしてもう一方の手で、走ってくるキュアチェリーを指差す。「捕まえろ!生きたまま食べちまえ!!」
インクリングは命令に従い、彼女を追いかける。インクリングが追いついてくるのを見て、チェリーは叫びながら廊下を走り続ける。触手は絶えず彼女を追いかけ、攻撃しようとしてくる。
「なぜ逃げるんだ!」鳥は叫ぶ。
触手が降りてくる。チェリーはそれを避けようと右によろめく。
「正気か!?」チェリーは叫び返す。
「インクリングと戦わなきゃいけないんだ!!」鳥は要求する。
触手が地面に叩きつけられる。チェリーは左に倒れ、床に倒れ込んだ。彼女は素早く立ち上がり、次の触手に捕まる前に走り続けた。
「できない!!」チェリーは叫んだ。
「でも、あなたはプリキュアなのよ!!!」鳥が反撃する。
触手が上からチェリーを掴み、突き刺そうとする。チェリーはそれに気づき、叫び声をあげる。触手に突き刺される寸前、チェリーは予想以上に高く飛びのいた。その動きに、チェリーは鳥を放してしまう。両足は隣の壁の頂上に着地する。
「な、何しちゃったの!?」チェリーは自分の行動に愕然とする。「どうすればいいの!?」
インクリングは別の触手をチェリーに向けて放つ。反射的に、チェリーは脚を使って壁から飛び降りる。その結果、全身がものすごい速さで吹き飛ばされ、ガラス窓を突き破ってしまう。衝撃で窓ガラスは粉々に砕け、それを支えていた壁の梁が崩れ落ちて横に傾く。他に掴むものが何もなかったチェリーは、梁に掴まり、建物の外にぶら下がったままになった。
「キュアチェリー!」窓の内側から飛び立つ鳥が叫ぶ。
「助けて!!」チェリーは叫び声をあげ、宙ぶらりんの状態から���元をすくい上げようと必死に逃げ回る。「助けて、助けて、助けて、助けて、助けて!!」
「私は鳥だ!持ち上げられない!」鳥は翼でくちばしを包み込みながら答える。
鳥は振り返ると、インクリングが梁に引っかかっているキュアチェリーに触手を向けているのに気づく。インクリングはキュアチェリーの方を向き、「俺の言う通りにしろよ!いいか?」と詰め寄る。
「えっと…いいか?」チェリーには他に選択肢がない。
触手は窓の外へ飛び出す。
「ジャンプ!」
チェリーは触手を飛び越えます。
「手を叩け!」
チェリーは足を開き、両手で触手を叩きつける。するとピンク色の魔法の弾丸が飛び出し、インクリングは身悶えした。チェリーの体が少し突き上がった。
「スライド!」
チェリーは触手に足を引っかけ、体が滑り落ちて中に戻ります。
「インクリングの顔を殴れ!」
チェリーは触手から飛び降り、インクリングの顔に拳を打ち込んだ。パンチの衝撃でピンク色の魔法が拳から放たれ、インクリングは壁に叩きつけられた。
チェリーは着地に失敗し、つまずいて転げ落ちた。
「よし!練習してるんだね!」鳥は祝福し、大丈夫かとチェリーのところに飛んできた。
チェリーは難なく立ち上がった。床にひざまずき、自分の手を畏敬の念を込めて見つめた。「私には本当に力があるのね…」
「ええ。髪を見ればわかると思ったのに」鳥は答えた。
チェリーは前を見ると、インクリングが立ち上がった。髪のつむじが乱れながら、彼女は叫んだ。「まだ続くの?!」
チェリーは立ち上がり、また逃げ出そうとするが、振り返った途端、鳥が目の前に舞い降り、耳元で鳴き声を上げた。あまりの音に、チェリーは思わず耳に指を突っ込んだ。
「もう二度としないぞ!」鳥は、チェリーに厳しいように、翼を突きつけた。「お前はもうプリキュアだ!このインクリングと戦って、みんなを助けろ!断るなんて許さないぞ!」
チェリーは涙がこぼれるのを感じた。これは要求の厳しい鳥だ。
「しっかりしろ!さもないと、あの世でお前をハーピーにしてやる!」鳥はチェリーの顔に向かって唸り声を上げた。
「ハーピーって言うの?」チェリーはそれがどういう意味かと尋ねた。
「背中に標的がいる。お前の力で、奴らに撃ち返せ。」鳥は説明する。それから、チェリーの顔から離れたインクリングに翼を向けた。それから彼は何気なく言った。「気をつけろ」
二人は触手の攻撃をかわした。柱の陰に隠れていた。
「コスプレの力って、どういう仕組みなのかしら!」チェリーは両手を爪で引っ掻きながら叫んだ。
「だって、ほんの数分前に目覚めたばかりだし…」鳥は翼で自分の頭を押さえながら認めた。二人は少し考え、それからもっと分かりやすく説明しようとした。「絵を描くのが好きなんでしょう? 君の力は、戦闘を楽にする敏捷性と強さを与えてくれる。絵を描くのと同じで、筆を撫でるのではなく、殴ったり蹴ったりするんだ。」
「わ…わかったような…」チェリーの言い方から、彼女は明らかに確信が持てていない。
「手伝うから、思いつきでやればいい!」鳥は彼女を安心させた。
チェリーは彼を睨みつけた。
「ダジャレを言おうとしたわけじゃないのよ。」
キュアチェリーは再び開けた場所に歩み出し、インクリングと対峙する。彼女は走り出す体勢を取り、標的を睨みつける。深呼吸をする。
インクリングは四方八方に触手を放ち始める。キュアチェリーは前に駆け出す。
触手は彼女の周りに乱れ飛ぶ。チェリーは一本の触手をくぐり抜け、反対側から来たもう一つの触手をかわす。そして飛び上がり、インクリングの顔面に回転キッ���を放つ。別の触手が彼女に向かって振り下ろすと、チェリーは飛び降りてインクリングの顔面に再びキックを放つ。
もう一本の触手が、既に彼女を巻き付けるようにループ状に巻き付いて、彼女に向かってくる。彼女はそれを防ぐために、グリップの両側を掴み、かろうじてしがみつく。彼女は手を離し、触手に捕まる前に手足を閉じて飛び降りる。
彼女は床に着地し、体を転がして着地する。さらに触手が追いかけてくるが、チェリーはその度にそれらをかわし、触手を踏み台にして飛び降り、獣を蹴り飛ばす。3回目以降は、腕で触手の攻撃を1回防ぐのがやっとだった。別の触手が彼女を刺そうとしてきたが、彼女はなんとか後ろに倒れて殴りつけた。反対側からも別の触手がやってきて彼女を掴もうとしたが、彼女はかろうじて足を滑らせて床に横たわり、触手が絡まるのを防いだ。
不運なことに、3本目の触手がどこからともなく現れ、倒れている彼女の体を叩きつけた。触手は彼女の体を投げ上げ、天井に叩きつけた。
天井からシールのように剥がれ落ちていくチェリーは、柱にしがみついていることに気づいた。頭を振って衝撃から逃れようとする。インクリングの触手が2本、まだ絡まってしまっているのが見える。あと8本だ。
このインクリングをもっと包めるかも!チェリーは微笑みながら考える。
「おい!」チェリーはインクリングの注意を再び引こうと叫ぶ。「こっちにいるよ!」
「何をしようとしているんだ?」遠くから鳥が尋ねた。
触手が一筋、彼女に向かって噴き出してきた。チェリーはそれをかわすどころか、掴んで強く引っ張った。それに対し、別の触手が彼女を掴もうと迫ってきた。チェリーは掴んでいた触手で攻撃を防ごうと、二本の触手は絡まってしまっていた。
チェリーは床に飛び降り、インクリングの周りを走り回り、触手を誘い込んだ。上から一本の触手が追いかけてくる中、チェリーは一本の触手をくぐり抜けた。彼女はその触手を飛び越えると、さらに二本の触手が絡まってしまっていた。
彼女は絡まりから飛び降り、宙返りするが、隙を突かれて一本の触手に捕まってしまう。わざと両手を頭上に上げて、自由にしている。キュアチェリーはインクリングの顔に抱きつき、口を開けた…
手でインクリングの皮膚を弾き、インクリングをひるませた。すると触手が頭を貫こうとしたが、空いた腕で掴まれていた触手を振り払い、避けた。触手は互いにぶつかり合い、絡み合った。
今や、そこにいたのは二本の爪のような触手だけになった。
キュアチェリーは柱に向かって走り、両手を大きく振り回して柱に近づく。二本の爪が追いかけてくるが、キュアチェリーは柱をよじ登って避ける。爪は必死の力で柱に打ちつけ続け、その力は構造物にひび割れを起こし、崩れ落ちようとしている。崩れ落ちるだろう。
まさにこれこそが、キュアチェリーの狙いだった。柱の上に乗り、柱の後ろに回り込み、壁を支えに両足で柱を押し上げる。
構造物は折れ、柱はインクリングの頭に叩きつけられた。明らかな脳震盪とともに、それは気絶し、残った触手は床に縮こまった。
キュアチェリーは床を転がり落ちて着地する。今度は両足で着地し、自分の巧みな技に微笑みを浮かべる。鳥は驚きで目が真っ白になる。彼女は誇らしげに尋ねる。「こんな感じ?」
「わ…感心しました…」鳥は認める。しかし、壊れた柱と、その残骸には目を留める。「…本当に壁の破片をぶつけたんですか?」
「うまくいったわ!」チェリーは反論する。
鳥は言う。「今度はペンキを撃って仕留めるのよ」
チェリーのプライドは崩れ落ち、混乱が広がる。「何ですって?」
鳥は説明する。「プリキュアパレットを取り、ネオンペンをピンクのボタンにもう一度押し当てて、クリエイティブウィングを塗るんだ。パワーが上がり、大量のペンキを好きな攻撃の形でインクリングに投げつけることができるんだ!」
「わかった…」チェリーはベルトからペンとパレットを取り出し、鳥の指示に従う準備をした。
ピンクネオンペンのクリック音とともに、背景がピンク色の魔法の空間へと切り替わる。
「ピンクネオンペン!私の翼を創って!」
彼女はパレットのピンクのボタンにペンを押す。中央のスペースにピンクの絵の具が現れ、ペンを浸すと、ペンがペンで満たされる。
キュアチェリーは魔法の絵の具をくるくると回し、激しく飛び跳ねる。
回転が遅くなると、魔法の絵の具は彼女の周りを回転し、背中に降り注ぎ始める。
ピンクの光が瞬く中、彼女の姿が完成し、チェリーは足を外側に蹴り上げ、頭上にピースサインを描いてポーズをとる。
チェリーは驚いて彼女の背中を振り返る。「それは…」言葉が出ない。
彼女の背中には、丸いピンクの妖精の羽が生えていて、濃いピンクの縁取りが施されている。
チェリーは両手を握りしめる。両手を広げると、赤いペンキが手からこぼれ、赤い球体の形になる。
「ゴー・ワイルド・チェリーズ!」
球体はいくつかの小さな球体に分かれ、彼女の体の周りを回転する。
「プリキュア…」
彼女は頭上に手を上げる。球体はすべて合体して、大きな赤い球体になる。彼女は手を後ろに引く。彼女は標的を見つめる。
「チェリー…スプラッター!!!」
彼女は球体を投げる。球体はいくつかの球体に分かれ、すべてインクリングに命中する。それらはモンスターの体に張り付く。
キュアチェリーはペンを手に振り向く。ペンをカチッと閉じると、羽が消える。彼女は歓声を上げながら空中に飛び上がる。「やった!」
球体は、インクリングの体中にピンク色の塗料を轟音と混沌のごとく次々と爆発させる。爆発はインクリングを色で覆い尽くす。
「カラフル…」インクリングは呟き、その反応として体が光る。ピンク色の光に包まれ、インクリングの体は消え去る。後に残るのは、白く浄化された、宙に浮いた折り紙だけ。
攻撃を受けたチェリーは息を荒くした。振り返った自分の仕業を確認するが、めまいでほとんど集中できない。「私、やったの…?もう終わったの…?」
疲れ果てて、彼女は膝から崩れ落ちる。
「きっと、君の体はそんなに力を使うことに慣れていないんだ」鳥は彼女に説明する。「心配するな。何度か戦えば慣れるし、それほど消耗もしなくなる。」
「何度か戦えばってどういうこと?」チェリーは信じられないといった様子で息を呑む。
「ほら見て!」鳥は翼で空を指差した。チェリーは見上げると、浄化された折り紙が空中に浮かんでいた。
「あれは、彼らが盗んだあの少年の情熱だ!君は彼を救ったんだ!」
折り紙は飛び立ち、階段の扉から出て行く。
「どこへ行くの?」チェリーが尋ねる。
「宿主のところへ戻る。」鳥が答える。
折り紙は講堂に戻り、少年の像と対面する。折り紙は形を失い、輝く魔法へと変わり、少年の体に流れ込む。
石が彼の体から砕け、色彩が戻り、少年は膝から崩れ落ちる。めまいで頭を抱えながら、彼は尋ねる。「ここはどこにいるんだ…?」
「ちょっと待って、あの少年たちはどうなったの?」チェリーは辺りを見回しながら尋ねる。「どこへ行ったの?」
ノワールとモノは、心配そうな表情で建物の上空に浮かんでいる。
「ショキョ様はきっと喜ばないだろうな…」ノワールは呟き、自分を抱きしめる。
モノはニヤリと笑って、「いいだろう…お前のせいだって言ってやる」と決意する。
ムーは空中に消える。
ノワールは怒りに目を見開き、「ちょっと待って!」と叫ぶ。
ノワールは空中に消える。
キュアチェリーと鳥のいる場所から、おそらく警察のサイレンの音が聞こえる。
「わかった」鳥は飛び上がり、ノワールに指示を出す。「元の髪に戻したいなら、ペンの蓋を閉めてくれ。裏で会おう。」
「待って!」チェリーは叫び、手を伸ばしたが、鳥はすでに窓から飛び出していた。
階段を上ってくる人の足音が聞こえ始める。彼女は慌ててペンを取り、閉じようとした。
一瞬のうちに変身が解け、制服姿とブロンドの短いカールヘアが戻った。
ケイコは、これがうまくいったことに驚き、自分の手を見る。膝の上にプリキュアパレットがあることに気づく。それは服の他の部分のように消えていなかった。ケイコはそれを拾い上げ、「パレットはそのまま…?」と観察する。
階段のドアが勢いよく開き、数人の警察官が被害状況を確認するために入ってきた。一人の警察官がひざまずいているケイコに気づき、近づいてきた。
「さあ、行きましょう。大丈夫ですよ。」彼はケイコを階段を上り下りさせるのを手伝った。警察はケイコを襲撃に巻き込まれた、ごく普通の被害者だと考えている。「怪我は?」
「いいえ。」ケイコは静かに答えた。
—-------------------------------------------------------------
ケイコは階下のロビーに案内された。そこには警官たちが警備にあたる場所があった。ケイコは二人の警官が教師と話しているのに気づき、そのうちの一人が状況を説明しているのを耳にした。
「犯人は顔と身元を明かしました。しかし、どうやら逃げてしまったようです。見つけることができません。しかし、彼らはここでのテロ行為で社会の敵となっています。彼らが作り出した怪物については…私たちはあなたを信じています。目撃者がそれを証明しています。しかし、私たちがここに到着した時、怪物は…消えてしまいました。問題の少年は怪我をしていませんが、ショック状態です。何が起こったのかは分かりません。少なくとも2週間はかかる工事のため、博物館の警備に警官を派遣します。また、このようなことが再び起こった場合に備えて、学生を守るためにキャンパスにも警官を配置します。」
次郎と葵は正面玄関で、他の学生たちが警察の検問を受けている列に並んで待っています。葵はケイコを見て息を呑み、次郎の肩を軽くつついて自分にも気を引こうとします。
「ケイコちゃん!!」葵は泣きながら、ケイコの元に駆け寄り、ぎゅっと抱きしめます。「大丈夫?!何があったの?」
「葵!」恵子は恵子に会えて嬉しくて抱きしめ返す。「大丈夫よ。本当に。」
葵は慌てて恵子から離れ、髪を引っ張る。「二度とあんな風に驚かせないで!」と厳しく言い放つ。そして少し間を置いてから、「怖がらせるのは分かってるけど…でも…」と付け加える。
次郎も一緒に恵子を抱きしめる。彼はさらにパニックになっている。「恵子、何が起こったのかわからない!! 君、君は僕のすぐ後ろにいたって言ってたから、見なかったし、階下に降りても見えなかったんだ…ごめん!あのものにやられたと思ってた!!」
「次郎、大丈夫よ。」恵子も次郎を抱きしめる。「ただ、君が無事でよかった。」
「ええ、どうしたの?」次郎が離れると、葵が尋ねる。「次郎のすぐ後ろにいたのよ!だから…」
「それは…」恵子は全てを説明しようとした。喋る鳥、パレット、キュアチェリー、喧嘩…
しかしその時、窓の外に鳥がいて、彼女をじっと見つめているのが見える。鳥は厳しい表情をする。
「あれは…」ケイコは言葉を戻した。「ノートだった…次郎、落としたんだ…」思い出して、ケイコの表情は悲しげになる。「取り戻そうと思ったんだけど、あの男が…壊しちゃった…ごめん、次郎、頑張ったのに…」
「ケイコ」次郎はケイコの肩に手を置き、目を合わせるように言った。「ノートはもう一冊作れる。サクラケイコっていう友達はもう二度と作れない」
二人は再び抱き合い、ただ二人とも無事で良かったと喜んだ。
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ケイコはこっそりと裏庭へ出た。ありがたいことに、柵に止まっている鳥以外、誰もいない。
鳥はケイコが現れたのを見て微笑んだ。「君みたいな人をずっと探していたんだ。奇跡だよ…ありがとう。今まで本当にありがとう。」
「それで…私はこのままでいいのか?」ケイコは尋ねる。鳥はケイコに口を挟もうとするが、ケイコは自らの問いに答える。「いずれにせよ、私は自分で選んだのだから。」
「もう?」鳥は首を傾げる。
「今日、友達の作品が壊されちゃったの。他にもたくさんいるのよ。」ケイコは説明する。彼女の表情は終始、厳しく真剣そのものだった。「そんなことはさせたくない。誰もこんな目に遭うべきじゃない。誰もが自分の情熱を世界に示し、利用されるべきではない。そして…もしそれが、私が愛するものを守るための手段なら、あなたの望みを叶えてあげる。私はキュアチェリーになるわ。」
鳥は安堵の笑みを浮かべた。「そう言ってくれると期待してたのに。」
「それで…私と一緒にいるってことだよね?」ケイコは彼を指差して尋ねた。「ところで、お名前は?」
鳥は羽根を広げて握手を申し出るように答えた。「オレニジです。お会いできて光栄です。」
「サクラケイコです…ケイコと呼んでください。」彼女は羽根に手を伸ばしながら答えた。
二人は握手を交わし、約束と新たな同盟を固めた。二人は希望に満ちた笑顔で見つめ合った。
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「息子が5年間にわたりいじめられ続けていたにもかかわらず、学校はまともな対応をしてくれなかったんです」 こう憤るのは、小学校で壮絶ないじめを受けたA君の母親だ。 神奈川県・大磯町の小学校で深刻ないじめが起きていた。当時5年生(現・中学1年生)だった男子児童A君が入学以来数人のグループからいじめを受け、命を絶つ寸前まで追い詰められていたのだ。A君の保護者が再三にわたり学校へ対応を申し入れても状況は改善されず、いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」に認定されたのは深刻な被害に耐えかねて転校した後だった。現在も、第三者委員会による調査が進められている。 A君の母親が胸の内を語った(以下、ことわりのないコメントは母親)。 「いじめが始まったのは小学1年の時。息子の体操着を入れた袋が破れていることが何度かあり、はじめは『使い方が荒いのかな』ぐらいに思っていました。しかし、授業見学の時にクラスの子が袋を破る姿を目撃したんです。その子は普段から体格のいい息子に『おいデブ、邪魔だ』と言ったり、下校時に嫌がらせをしていることもわかりました。担任教師や教頭に伝えてもいじめは収まりませんでした」 「自分で解決してほしい」 クラスの内外に数人のいじめグループがいて、学年が上がってもA君への攻撃は続いた。 「息子のランドセルを蹴ったり、靴箱から靴を投げ捨てられることが続きました。バカにした態度で名前を呼んだりすることはしょっちゅうで、いじめをした子が息子に『(周りに)チクるなよ』と隠蔽を図るなどやり方も陰湿でした。息子はいじめを受けたストレスで目を強く瞬きするなどのチック症状が出て、胃痛にもなってしまったんです」 いじめグループは普段から授業をさぼってトイレにたむろし、大声で奇声を上げるなどしていた。4年生になるとA君へのいじめは、さらにエスカレートする。 「顔付近を殴り、テストの採点用紙を奪って捨てられたりもしました。給食時には息子に向けて『デブは食うなよ』と悪態をつきながら配膳したため、おかずがほとんどないことも続いたんです。息子はこうしたことを担任の教師に訴えたのですが、取り合ってもらえませんでした」 A君は落ち着いてトイレに行けず、給食もまともに食べられない状態が続いたため早退が続くようになる。いじめグループから「階段から突き落としたい」と言われたこともあり、学校では常に背後を気にしながら行動せざるをえなかったという。 母親は事あるごとに学校へいじめを訴え、父親は校長に適切な対応をするよう手紙を書く。しかし、学校側からは「小さないじめは自分で解決してほしい」、「A君には(いじめを受け流す)スルー力が足りない」など信じがたい言葉を受けたという。 「何を言っても期待できないため町議や町長にも相談しましたが、校長は『学校として対応しているから心配ない』と言うだけ。息子は10回以上も担任に助けを求めましたが、『しつこい、いじめる子供たちと目を合わせるな』と言われたそうです。そのうちいじめグループは下校時にも集団で暴言を吐くようになり、息子はストレスから心臓が痛い、手が震える、涙が出るなどの症状が表れ始めたんです。 5年生になるといじめによるストレスが原因で持病の気管支喘息が悪化し、『これ以上続くと心が壊れてもとに戻れなくなる』、『いじめられるために生きているんじゃない』と訴えるようになりました。『もう無理だ』と感じて(近隣の町の)小学校へ転校を決めたんです。それ以降はいじめに遭うこともなくなったため、逆に5年間の酷さが浮き彫りになりました」 文部科学省のいじめ重大事態のガイドラインでは、被害児童が転校した場合に学校は適切な対応を行う必要があると定めている。だが、学校は転校してしまった児童のことなど知らないとばかりにいじめの調査をしてこなかった。 「調査を申し入れても『息子のいじめに関して記録も記憶もない』と言われました。いじめグループの保護者に指導さえしていません。ここまでいじめの事実を隠す理由として考えられるのは、いじめグループに町議(当時)の息子がいて学校や教育委員会の管理職との関係性が強いことです。 小さな町なので、有力者の子供には何も言ってはいけないとの空気感があったのではないでしょうか。事実、夫が校長に町議の子の指導を頼んだ際には『親と仲が良いのでできない』と断��れ、相談した別の町議からは『息子さんのいじめのことはみんな知っているけど(親が有力者だから)きちんとした対応はしないだろう』とも言われました」 「厳しく追及されるべき」 このままではいじめがなかったことにされてしまう危機感から、母親は証拠を求めて’23年4月、町に開示請求をする。すると一転して町の教育委員会はいじめ重大事態に認定。開示された資料からは、ずさんな管理体制だったことも明らかになる。 「開示された出席簿では、息子が4年生の時に早退した65日間がすべて出席扱いになっていたんです。これではいじめの事実を隠蔽していると思われても仕方がない。こんなことをしながらいじめの記録がないという学校は信じられないし、学校が変わらないとまた同じことが起きるでしょう。現在、第三者委員会で息子のいじめに関する調査が進んでいますが、起きた事実を明らかにして二度といじめが起きないような体制にしてほしいと思っています」 こうしたいじめの事実があったことを、当該の小学校はどう思っているのだろうか。適切な対応を取らなかった理由などを小学校の校長に尋ねたところ、「取材には町の教育委員会が対応する」との返答。あらためて大磯町教育委員会に質問を送ると、「現在いわゆる第三者委員による重大事態調査が行われているため、個別の案件についての回答は控えさせていただきます」(教育部学校教育課教育指導係)との回答だった。 文科省によると、’23年度に全国の小中学校で起きたいじめ重大事態は過去最高の1306件を記録。いじめが原因とみられる自殺も後を絶たない。いじめ問題に詳しい高橋知典弁護士は、適切な対応をしてこなかった学校側をこう批判する。 「本来なら、被害児童の保護者がいじめではないかと伝えた時点で学校は調査と対応を行わないといけない。今回のケースでは、子供が転校しなければならないほど精神的に追い詰められているのに、その段階になってもいじめ対策をしてこなかったことは厳しく追及されるべきです。調査の段階になると『問題だと思っていた』と手のひらを返す教師もいるため、録音などの証拠を残しておくことも必要です」 いじめが進めば、被害者が命を絶つような深刻な事態にもなりかねない。保護者だけでなく学校や教師もしっかり対応し、小さなうちにトラブルの芽を摘むことが大切だ。
命を絶つ寸前も「スルー力が足りない」…大磯・小学生壮絶いじめ「母親が憤る」学校側の信じがたい言葉 | FRIDAYデジタル
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午後十二時、浩志は上野駅にいた。正面改札の前で、壁に寄りかかりながら猪熊弦一郎が描いた絵を見つめていた。彼は、大学を卒業して帰郷することになった時のことを思い出していた。あの日、幸雄とはしばらく会えないと何度も上野駅のホームで抱擁と接吻を交わし、発車直前の電車に乗ったっけ。当時は未だ特急がなかったから上野から水戸まで二、三時間かかった。脳裏に渡辺はま子の「夜のプラットフォーム」が流れ、ホームが途切れるまで幸雄は手を振りながら見送ってくれたなァ…。再上京した時も彼は抱擁し、おかえりと言ってくれた。
そんな記憶が次から次へとよみがえり、浩志はため息をついた。過去と現在が彼の中で交差する中、生天目が手を振りながら走ってきた。一緒に働いていた時より腹が出ているなと、浩志は思った。生天目は言った。
「久しぶりだな、元気か?」
「あぁ。しかし、お前…太ったか?」
「実は、お前が学校を辞めた後に結婚したンだ。嫁さんが料理好きで…。子どもも二人いるンだ」
嗚呼、幸福太りかと浩志は思った。結婚すると男も変わるンだな。オレは結婚したとしても、あぁはなりたくないなァ…。そう思いつつ、二人はこの界隈で食事をすることにした。交差点を渡ってすぐのレストラン「J」で、二人は定食とビールを注文した。この日は家族連れで混雑していた。恐らく、「上野動物園」へのお客さんが殆んどだろう。浩志は子どもの声が嫌いだが、まァ、生天目は酒に「飲まれる」質だからとすぐ食事が済んだら喫茶店でも行くかと思い、我慢することにした。
互いに乾杯をし、一口飲むと生天目はハァ〜と笑顔で、
「美味いなァ!」
と声を上げた。すっかり「デブ」と化してしまったなと、浩志は苦笑した。嗚呼、もし「ノンケ」じゃなければ連れ込み宿でいじめてやりたいと、彼は思った。
生天目は、忍が卒業してからも文通をしていることを話した。東京には月イチで来ては上野の美術館を観て回っており、あの忍の裂けてしまった学生服のスラックスを縫った家庭科の女性教師と結婚したのだそう。浩志はあの、スラックスの後ろが上から下まで縫い目がほどけ、弾けるほどに肉付きのよかった忍の真っ白なブリーフを思い出した。やはり、忍も話していたが、浩志の代わりを務めたラグビー部の新しい顧問はあまり熱心でなく、最終的には廃部になった様だった。浩志が教えていた時には英語が好きだった生徒も、担当が変わったことで嫌いになってしまった者もいたらしかった。生天目は、
「お前のいない県立M高校は、本当につまらなくなってしまった」
と話した。彼は続けた。
「オレが今の県立J高校に異動する前、実は忍のお姉さんが直接話に来たな。彼女はてっきり佐伯が忍に手を出したと思ったらしく、教育委員会に告発してしまったと。しかし、親父さんから『忍には手を出していない』と言われたンだろうな、彼女は自分の勘違いだと思って謝罪したそうだよ」
この言葉に浩志は、何を言うンだと思った。どれだけオレが傷付いたのか解っているのか?と、彼はビールをもう一杯注文した。生天目も、オレもと追加を頼んだ。おいおい、大丈夫か?と浩志は心配そうに生天目の表情をうかがった。ビール一杯で顔はうっすらと赤くなっていたが、急に彼は真面目な顔つきになった。
「…佐伯。また教壇に立つ気はないか?」
一瞬、浩志は周囲のざわめきが聞こえなくなった。え、何だって? 彼は酔った勢いで言いやがったンだなと思い、
「おいおい、冗談はよせよ。オレ、二度と教師はやらねぇよ。学習指導要領だって変わっちまったッぺよ。それに、��ったん懲戒免職になったンだ。何処も使ってくれねぇよ」
と、彼は揚げだし豆腐を口に運んだ。しかし、生天目は急に正座をし、頭を垂れた。
「お願いだ、また戻って来てくれ!」
二人のすぐ隣に座っていた数人がびっくりして振り向いた。浩志は、土下座するンじゃねぇよ!とあたふたした。ここではちょっと無理だなと、とりあえず食事を済ませて他でじっくり話すことにした。
現在はマルイとなっている通りを二人は入り、ちょうど御徒町駅の間に位置する純喫茶「O」に向かった。古めかしい、今の言葉でいえば「レトロ」なシャンデリアが室内を照らす空間で、二人は先刻の話の続きを始めた。生天目は、恐らく独身の頃から着ているのだろう、歩いているうちにはみ出したワイシャツをスラックスのホックをいったん外して直した。チラッと赤と青のラインがはしったブリーフのウエストゴムが見えた。浩志はその様子を見ながら、
「生天目、少し痩せないとヤバいぞ」
と言った。彼は、
「…嫁さんからもそう言われてるンだよ。一度、学校で忍みたいにスラックスがケツのところで裂けちゃって…。授業中でのハプニングで恥ずかしかった」
と話した。
コーヒーを片手に、二人は話を再開した。こんなオレを使ってくれる学校があるのか?と浩志は聞いた。すると、
「実は、水戸駅南にある私立S高校ってあるだろ? まァ、私立だから『滑り止め』だけどね。大学時代の友だちが勤めているンだが英語が教えられる教師を探してるらしいンだ。でも、名前を書けば入れるところだからレベルは低い。よほどタフな精神力がなければならないらしいよ。お前、大学時代からラグビーをやって全国大会までチームを導いた実績もあるし、適任かな?と思って」
と生天目は言った。私立S高校…昔からある学校ではあるなァ。親父が再三バカにしてたっけ。浩志は若干気持ちが向いたが、この東京での生活も申し分ないし、迷った。それに、幸雄とまた離れるのは辛い。彼は、コーヒーをスプーンでかき混ぜながらしばらく沈黙した。今夜、幸雄に相談してみるか…。
「…ちょっと考えさせてくれ」
浩志は生天目にこう言った。
午後三時に浩志は生天目と上野駅で別れた。生天目は、連絡を待ってると電話番号を書いたメモを渡した。今住んでいるのは常北町らしかった。随分、田舎の方に住んでいるなと、浩志は思った。
正面改札で生天目を見送ると、浩志は営団地下鉄の方に向かい、浅草まで銀座線、東武鉄道で向島へ行った。幸雄はこの日はずっとアパートにいると、予め公衆電話からかけた時に言っていた。たどり着くと玄関で幸雄は待ってましたと言わんばかりに浩志を抱きしめ、唇を奪った。あれよあれよと彼はワイシャツのボタンを外され、スラックスも脱がされてしまった。幸雄も欲情のままに下着だけになり、ブリーフ越しに己の股間を浩志のものに押し付けた。
喘ぎ声と、何度も愛の囁きを呪文の様に繰り返しながら、二人は絡み合った。職場は同じでも、ここ二週間は情事が殆んどなかった。浩志も幸雄も、これまで溜めていた愛液を枯れるまで跳ばし合い、快楽の極地まで流されていった。
午後七時を回っていた。二人は最寄りの銭湯で身体をキレイにし、少し散歩でもしようかと言問橋の手前で階段を下り、隅田公園を歩いた。大学時代、一秒でも一緒にいたいとよく散策をしたのを浩志は思い出した。水戸に戻る前日もそうだった。未��、ちらほらと梅の花が散らずに残っていた。微かに沈丁花の香りもし、もうじき春を迎えるなと浩志は思った。背後から幸雄の姿を追いつつ、彼は言った。
「…実は」
なかなか次の言葉が言い出せずにいた。あんなに沢山愛してくれた後に再び別離の話をするのは、正直心苦しかった。幸雄は振り向くとこう言った。
「…もう一度、教師を目指すのか?」
えッ!?と、幸雄には一言も話していないのにと浩志はびっくりした。彼は、
「な、何で知ってるの…!?」
と聞いた。すると、幸雄は近寄って浩志身体を両腕の中に包み込んだ。グッと引き寄せながら、
「先刻、君が途中泣いてたし、何度もオレの名前を呼びながら強く抱いていて、何となく…」
と言った。彼も、浩志が東京を離れる前のことを思い出していた様だった。胸の中で抱かれながら、浩志は幸雄のぬくもりにふと涙した。彼は言った。
「昔の同僚が知り合いのいる高校で英語を教える教師を探してるって話をされ、一昨日は昔の教え子も来て…。何か、行かなくちゃならないかなって…。幸雄とまた離れるなんて…」
「…否、オレはいつでも待ってるよ。また辛くなったら来ればイイ。オレは君が幸福に生きてくれればそれでイイんだ」
「…幸雄!」
翌日、浩志は勤めていた新聞社に辞表を提出した。間もなく私立S高校で面接もあり、浩志は四月から正式に勤めることになった。みいは、また水戸に戻ることに半ば淋しさを感じながらも祝盃を共にした。幸雄も、水戸に戻る前日に銀座の「Lビヤホール」で一緒に飲んだ。そして、向島の下宿で朝まで愛し合った。
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私以外やってた人に会ったことがないゼミ教材、ハイメックスについて-2025.3.14
カメックスに空目した人もいるかもしれないが、ハイメックスです。ポケモンじゃないです。ゼニガメの進化系じゃないです。
私は大学受験を「ハイメックス」だけで乗り越えた唯一の人間である(個人的見解)。私以外に「ハイメックス」をやっていた人にはこれまで会ったことがなく、なんやそれと毎回言われるので、私を大学合格に導いた「ハイメックス」について、ここらでいっちょ説明してやろうと思う。
「ハイメックス」について説明する前に、私がどんな子どもだったか説明しておくと、勉強に対する嫌悪感があまりない子どもだった。親から「勉強しなさい」と言われた記憶がほとんどない。勉強しなさいと言われなくてもしていた。テストで良い成績を取らねばならないプレッシャーも特に感じておらず、良い成績だとただ自分が嬉しいので、誰と競うでもなく、比較的楽しく勉強していた。
もちろん、宿題がめんどくさい日もあった。数学は嫌いだったし、うたた寝して教科書が蛍光ペンまみれになったこともあるし、課題提出が間に合わず居残りしたこともあるので、勉強大好き!ってわけじゃないのだが、シンプルに勉強をコツコツやっていた。夏休みの宿題は、その日の宿題を終えると母が計画表にスタンプを押してくれるのが嬉しいというそれだけで、バカ正直にドリル1日1ページみたいなペースでコツコツ仕上げていた。進研ゼミをやっていた時代もある。漫画だけ読んで捨てる人が大半の中、私は届いた冊子を毎日コツコツやり続けて、赤ペン先生のテストまでやっていた。夫にそれを言うと、「そんな子どもはいない」と否定された。ちなみにだいたいの友達にも否定されるし、ある友達には「進研ゼミを本当に真剣にやるやつはバカだ」とすら言われた。私もそう思う。とにかく私は純粋でバカ正直な子どもだったということを、ハイメックスの購入を検討する前に一応念頭に置いていただきたい。
ある日のことである。バカ正直な私のもとに、ハイメックスのおじさんは突然あらわれた。
学校から帰宅すると、社宅の狭い玄関に知らないおじさんが来ている。おじさんはスーツ姿で玄関に膝をついて、足元にたくさん教材を広げ、母とふむふむ話をしている。よく覚えていないが、たぶんその時に母が私に「やってみたい?」と聞いて、私が「うん」と言ったので、母は「ハイメックス」を契約することとなった。それが、「ハイメックス」と私の出会いである。
ハイメックスとは、自宅でやるゼミ教材のことで、私のようにバカ正直な子どもに当たるまでひたすらピンポンし続ける、訪問販売によって契約をとっている。ハイメックスのおじさんいわく、進研ゼミのように毎月届くものとは違って、契約時から高校までの国数英理社の教材を最初に一気に届けるシステムだから、子どもの実力によっては勉強を先取りできてとってもお得なんですよ!しかもハイメックスは、子ども一人の契約で一気に高校までの教材を買うので、子どもが二人、三人いるご家庭はよりお得になるんですよ!つまりお姉さんが使った教材をそのまま弟くんが使えるんですよ!つまり一人の契約で二人分の教材を手に入れることになるんですよ!つまりめちゃめちゃお得なんですよ!!とのことである!なんやそれは!!めっちゃお得やないか!!!ということで、弟がハイメックスなどまったくやる気もクソもないとはつゆとも思わず、つまりそれはお得でもなんでもなく単に私一人分の教材をただ定価で購入するということになるのだが、我が両親はまんまとハイメックスを買わされてしまった。
数日後、我が家に大量の教材を(私の記憶では)ハイメックスのおじさんが直接持って再びあらわれた。宅配とかじゃないんだな…と、今改めて考えると思う。ハイメックスのおじさんが私に言った。「ちゃんと勉強してるかどうか、おじさんが時々チェックしに来るからね」。小学3年生の私はものすごくピュアで、先述のとおりバカ正直だったので、赤ペン先生のようにハイメックスのおじさんが本当に時々勉強の具合をチェックしに来るのだと思った。しかもハイメックスのおじさんが言うには一人分の教材で弟さんにも使えてますますお得とのことだったので、私はドリルに直接書き込まずわざわざハイメックスノートを用意して、バカ正直に問題を書き写したりしていた。親に勉強をやらされているという感覚はなかった。むしろ部屋に「数Ⅰ」や「日本史」などといった未知の単語が書かれた分厚いファイルが並べられているだけで私は大人びた気持ちになりテンションが上がった。しかも、進研ゼミとは違って誰も聞いたことのない教材なので、「もあいちゃんって塾とか行ってるの?」的な質問に「ううん。ハイメックスやってる(どや)」と答えていた。友達からしてみれば「は?」だったと思うが、当時の私はもう、未来の私が解くことになるドリルが部屋にあるってだけで、それはそれは得意げな気分だったのである。
とはいえ、別に長崎の田舎で中学受験するわけでもなく、学校で習った範囲より先をやるのは嫌だったので、(学校でまず習いたい)(つまり何もお得ではない)中学入学まではそこまでハイメックスに力を入れていなかった。しかし私が転勤族だった故に、ハイメックスのおじさんがチェックしに来るかもしれないという脅しが謎の信憑性を持つようになった。
私は小学校を3回、中学校を3回転校しているので、転校するたびに教科書が変わった。(ちなみに転校するたび好きな人も変わる。転校のたび教科書と好きな人が変わる。)私が転校して困るのはハイメックスのおじさんである。ハイメックスのおじさんは、教科書が変わるたび、教科書に合わせた教材を届け直さなくてはならないのだ。だから私が転校するたびハイメックスのおじさんが家に新しい教材を届けに来た。私はてっきりハイメックスのおじさんニアリーイコール赤ペン先生だと思っていたので、私になんのアポもなく突然来訪するかもしれないおじさんにノートをチェックされることを恐れていた。実際のところハイメックスのおじさんは単なる訪問販売員なので、ノートを見せられたところで微笑ましいだけで何も起こらない。結局、どのおじさんも私のハイメックスノートをチェックすることはなかった。
ある日ハイメックスのおじさんをめぐり事件が起こった。私は何かの用で友達の家から自宅へ電話することになり、友達の家の電話を借りて家に電話をかけた。すると、知らないおじさんが電話に出た。私はなぜか咄嗟に、ハイメックスのおじさんが電話に出たと思った。当時小学6年生、ハイメックスノートはほぼ白紙の状態であった。今ノートをチェックされたらハイメックスをやっていないことがハイメックスのおじさんにバレてしまう。私はおそるおそる「どちら様ですか」と聞いた。電話の男が「あなたのお父さんですが」と答えた。普通に自分の父親だった。自分の家にかけてるからね。なんだこの話。
ハイメックスが真の実力を発揮するのは高校生頃である。先述のとおりバカ正直な私は、テスト2週間前に部活が休みの期間に入ると、テスト範囲を端から端まで復習していく計画表を作成し、計画表のとおり勉強した。その計画表の中にハイメックスが組み込まれた。ハイメックスのドリルも追加でやっておくことで、テストに出題されるかもしれない応用問題に対応できたのである。私が高校生になるまで静かに棚に眠っていた日本史一問一答集がここで火を吹きはじめる。テスト前日はその一問一答集から母に出題してもらうのである。おかげさまで一問一答集は私の代でずいぶんボロボロになり、弟が使うも使わないも関係なく元を取ったと言えるだろう。どちらにせよ日本史一問一答集は一代でその一生を遂げた。
そして結局、私は大学合格までハイメックス以外、塾にも家庭教師もいかなかった。それで国公立に合格できたんだし、ハイメックスの宣伝文句になれるくらい、良い顧客だったと思う。ハイメックス…私以外にやってた人がもしいたら、連絡…別にしなくて大丈夫です。
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たくさんのリプライを頂きましてありがとうございました。とても全部は返信できないので、批判的だったコメントにまとめて返信したいと思います。 ①高齢者優遇はやめろ 1番多かったのはこの反応でした。私も業務においては高齢者の意思決定に抗うことが多いのですが、年寄りを大切にできる社会のほうが姥捨社会よりも良い社会だと思います。年老いた母、障害を負った父を持つものとしてもケアが充実した社会の方がよいなぁと思います。 元のポストで意識したのは、医療・介護費を抑制するために、ケアワーカーの賃金が抑えられてきた、という現実です。医療・介護費を潤沢に出そう、賃金を引き上げよう、とした方がハッピーなのではないか? もうひとつ。ケアを削減しろ!という圧力に乗っかることは、高齢者ケアは削減して、子どものケアは増やせ!とはならないだろうということ。連帯を示さないものには、他者からの連帯を示されないからです。分かち合いの社会を目指した方が、いいのではないかな。 ②医療費亡国論 伝統的な批判ですが医療費や介護費が増えると国が滅びる=経済成長率が下がる、というものです。人口のボーナス(現役世代が多い)があるときに経済成長した、という過去の経験の裏返しの問題意識。これは生産性が向上した現代からすれば妥当しないと考えられます。 経済成長のコアは生産性の向上ですが、サービス産業が大宗を占める知識社会では、より美味しいご飯が食べられること、よりアトラクティブなコンテンツ(小説、音楽、映画、アニメ、ゲーム、スポーツ)が提供されること、より良質なケアが提供されること、これらの付加価値(賃金)が上昇することが経済成長を意味します。一次二次産業の高い生産性をベースにして。 医療・介護がそのほかの分野と違って市場(自己負担)で成り立っていないので、ほかの産業と比べて反発があるのは分かります。が、経済成長の足枷になるというのは間違いでしょう。ただしやり方次第では足枷になる場合があります。それはこれまで日本政府が行なってきたような単価の引き下げと量的拡大を組み合わせることです。産業の低付加価値化は亡国への道かもしれません。だから、disるより応援した方がいいのだと思うわけです。 ③負担が重い 再分配を強化せよ、がポストの意図でした。財政赤字は増やしたっていいけれど再分配を強化しない理由にはならないでしょう。ここへの批判は、「私は高所得層である、高所得層を虐めるな」というもの、「私は中低所得層であるが、高所得層を虐めるな」というものです。 ここでの高所得層はトップ10%の所得で、大体額面で1100万円以上のひとたち。私たちも生活は苦しいんだ!という意見は多いですね。正直、私も共働きでそこそこ所得はあるはずなのに全く生活は苦しいです。が、中低所得の苦しさとは別物です。貧困の母子家庭で育ち、タンパク質は卵で、食物繊維はモヤシで摂取する子ども時代を過ごしましたので、やはり累進的な負担の方がいいだろうと思います。 年収1億円以上の超高所得層が相対的に低い租税・社会保険料負担をしていることは、とにかく不公平なのですが、高所得層のおかげで経済成長しているのであって、高所得層に負担を求めたら回り回って中低所得層の私たちの生活も脅かされるのである、という意見も多く頂きました。 高所得層が海外に移住しても、財産を海外に移転しても日本の豊かさにはあまり影響ないでしょう。というのは経済的豊かさというのは生産力がベースにあって財産ではないからです。財産はこの生産力を利用する権利のことですから、これを国内で行使しないということであれば生産力にはむしろ余剰が生まれる。 ④内容のない罵詈雑言 ハラスメント気質が疑われますので自戒なさることをお勧めします。職場でも、家庭でも、批判はしてもハラスメントはいけません。特に「学生がかわいそう」などとして矛先を私の大切な人たちに向けるのはかなりいただけない。おやめください。 そのほかバカ、アホ、無能、マル経といった罵詈雑言を頂きましたが、マル経が悪口になるとは思いませんでした。マルクス・トゥッリウス・キケロー、マルクス・アウレリウス・アントニヌス、カール・マルクス。対して勉強してないのに学んだというのは烏滸がましいですが、誇らしく批判は享受しましょう。
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「民主党政権のどこがどう悪夢だったのかきちんとした説明を聞いたことがない」という主張は定期的に出現しますね。とはいえさすがに「聞いたことがない」なんてはずはないので、おそらく「自分の気に入る説明ではない」という意味か、「バカに分かるように説明したところで、そもそもバカは聞いてない」パターンのいずれかとは思いますが。 悪夢のような時代を生き抜いてきた者として私が言えるのは、「とにかく、あのような惨劇は二度と繰り返してはならない」ということだけです。あの時代がいかに酷いものであったか、ご存知ない方もぜひこの機会に知って頂きたいので、支持者から叩かれること覚悟で全力で反論していきますね。 個人的に、「悪夢の民主党政権」における大きな問題点は次の3点と考えています。 (1)国家運営能力の欠如により、内政上の失敗を数多く引き起こし、国益を損ない続けた。 (2)拙劣な外交を繰り返し、日米関係をはじめ、周辺諸国からの信頼を大きく毀損した。 (3)総理・閣僚をはじめとする所属議員の度重なる不祥事や、自分たちに都合が悪い情報を隠���する体質によって、国民の政治に対する信頼を失い続けた。 では、それぞれどんなことがあったか振り返っていきましょう。はらわたが煮えくり返る覚悟で読み進めてください。 (1)国家運営能力の欠如 ・財源の見込みが甘く、政権交代の際に掲げたマニフェストはほぼ未達成。 ・官僚を敵視して排除し、国家業務の停滞と質低下を招いた。 ・金融政策と財政政策が食い違い、タイミングの悪い増税も重なり、景気や株価は低迷を続けた。 ・歴史的水準まで進んだ円高を放置し、デフレを加速させた。 ・法的根拠がないばかりでなく、仕分人の選定や対象事業選定にも透明性を欠いた「事業仕分け」をデフレ時におこない、必要な公共投資を削減。経済を悪化させたにも関わらず、結果に責任を負わなかった。 ・「コンクリートから人へ」という誤った政策により、災害対策を疎かにしたうえ、地域社会を破壊した。 ・「朝鮮王室儀軌引渡」「尖閣事件の船長釈放」「運用3号通知」「国家公務員採用大幅減」など、閣僚たちが思い付きレベルの意思決定を独断でおこない、結果的に我が国の将来に禍根を残した。 ・法的根拠のない組織を乱立させ、意思決定過程が曖昧になり、指揮命令系統も混乱。 ・法的根拠のない大臣や副大臣を任命したり、個人的な友人を参与に、党職員を内閣官房職員に任命するなど、ルールを無視、公私の別がつかない人事を実施。 ・原発停止、ダム建設中止など、法令根拠や事前協議が必要な決定を手続無視で断行。 (2)外交能力の欠如 ・普天間基地問題が迷走し、沖縄とアメリカの信頼を大きく損なった。 ・来日したオバマ大統領を日本に残したまま、鳩山総理がAPEC首脳会議に出席するためにシンガポールに向かうという非礼行為。 ・尖閣沖漁船衝突事件では、中国側の脅迫や報復に屈して船長を早々に釈放、不起訴に。その後の尖閣諸島国有化でも迷走。 ・領空侵犯が頻発するも、実効的な対策をとらず。 ・韓国に対しては、通貨スワップ協定締結、朝鮮王室儀軌引渡し、慰安婦問題での「知恵を絞っていきたい」発言など、不用意な譲歩を重ねた。 ・韓国の歴代大統領として初めて、竹島へ李明博大統領が上陸。 ・旧ソ連時代を含めて初めて、北方領土へロシア国家元首が上陸。 ・実現に向けた方策が何ら決まっていない状態で、国連気候変動サミットにおいて「CO2の25%削減」を突如国際公約化。 ・実現の見込みも全くないまま、G8の場で、「太陽光パネルを1000万戸に設置する」と突如国際公約をおこなった。 (3)閣僚・所属議員の度重なる不祥事と情報隠蔽体質 ・鳩山総理⇒偽装献金問題、脱税問題、引退撤回、「最低でも県外」「Trust me」「国民の皆様が聞く耳を持たなくなった」 ・菅(直人)総理⇒外国人献金問題、北朝鮮関係団体献金問題、「顔が見たくなければ法案を通せ」 ・野田総理⇒在日韓国人献金問題、脱税企業献金問題、民団選挙協力お礼発言、「大きな音だね」 ・小沢元代表⇒政治資金規正法違反容疑で強制起訴(無罪判決)、献金虚偽記載で公設秘書が逮捕(有罪判決) ・仙谷官房長官⇒尖閣漁船衝突事件、「自衛隊は暴力装置」 ・赤松農水大臣⇒口蹄疫問題、「だから早く殺せって言ってるのに」 ・松本復興担当大臣⇒「知恵を出さないやつは助けない」「書いたらその社は終わりだから」 ・長妻厚労大臣⇒運用3号独断決定、職務停滞 ・蓮舫行政刷新担当大臣⇒事務所費架空計上問題、国会内ファッション雑誌撮影、「2位じゃダメなんでしょうか?」 ・前原外務大臣⇒外国人から政治献金受領 ・川端文科大臣⇒事務所費架空計上問題、キャバクラ費用を政治資金で計上 ・鹿野農水大臣⇒対中不正輸出疑惑、機密漏洩疑惑 ・鉢呂経産大臣⇒「死の街」「放射能をうつす」 ・一川防衛大臣⇒「安全保障に関しては素人」 ・柳田法務大臣⇒「答弁は二つだけ覚えておけばいい」 ・山岡消費者担当大臣⇒マルチ商法業者からの献金問題 ・中井国家公安委員長⇒議員宿舎にホステス連れ込み&カードキー貸与、式典で秋篠宮ご夫妻に「早く座れよ」とヤジ ・小林議員⇒違法献金問題で選対委員長が逮捕、選対幹部が公職選挙法違反で有罪 ・土肥議員⇒竹島領有権放棄を日本側に求める「日韓共同宣言」に署名 ・横峯議員⇒賭けゴルフ、女性暴行、恐喝事件への関与 ・緒方議員⇒「スーパー堤防はスーパー無駄遣い」 ・原発事故対応(SPEEDI、米実測値の非公表、議事録不作成など)、尖閣ビデオ、北朝鮮ミサイル発射への対応、温暖化対策の家計負担、年金改革の財政試算 など、自分たちに都合が悪い情報は隠蔽し、政府への深刻な不信感を招いた。 ・総理-閣僚間で見解の方向性や意見の不一致が常態化。それらも含め、自民党で同様の事態があれば野党のみならずマスコミも総出で吊し上げられる事態となるが、マスコミも概ね民主党に好意的な報道姿勢。 そんなに民主党時代が良かったなら、下野以降何度でも政権を取り戻すチャンスはあったはず。なのにただ一度もそうなっていないということは、それが民意ということです。私もあんな地獄のような時代は二度と御免です。
新田 龍 / X
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250419 STRETCH
精神が酔っ払っている。その酩酊が、ただでさえ散らかった駄文をさらに散らかしてしまう
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まずは毎日、ルーティーンをきっちりこなす
その間にもリハビリ終えた同類はどんどん先のステージ行って加速カタパルトに乗ってぶっ飛んでる
まず、その「乗り場」に行くために地味ルーティーン繰り返しシーズンってもんが必要なんだ。最低でも3ヶ月
元々プロとしてやってて仕事の勘が眠ってるだけの人なら、1ヶ月半くらいで「これもう次のステップ行ってもいいんちゃう?」って思うだろうけど、セミプロやアマチュアなら逡巡と不安がほぼゼロになるまで(初心者用基本ルーティーンを)続けた方がいい
-----------------------
無論、加速カタパルトに乗って上位ステージ行くと簡単には戻ってこれない。そうやって考えなしに分不相応なステージ行ってPTSD背負って戻ってきたのが30~40過ぎても「社会的実績ゼロ」のダメ人間とク●なんだから
不公平さに対する憎しみと復讐心の権化。意地悪で不親切なやつばかりがどうして優遇されるのか? という掘っても得のない問いの掘り下げマニア
そんな他者批判や世の中の不寛容さにまつわる洞察ばっかして全然実力は磨かない。すべてに納得してからじゃないと運動できないやつは死ぬまでヒョロガリだ
そんな当たり前の事すらわ��らないから「バカ」だと言われる
事実を認めるよりも先に「侮辱への怒り」が先立つ
「お前みたいなやつよくいるよ、負け組クラスタにな」と言われ、殺意の波動()に目覚める
「ああ、そうだ、ならば俺はこの侮辱されクラスタん中で圧倒的な害意持つ最強の"悪"になる!!!」
無理。だってガチの悪人って「善人の仮面」被ってるもん
そんな事にすら気付けない
そういう冷静な「勝つための嘘」をつく為の理性とメタ視点が足りてない
だからなーんもできない。ザコ・オブ・ザコ
チクシオォォォーーー バカにしやがってヨォォォォ~~~~
今お前ッ、俺のことバカだと思っただろッ!!!
わかりづれぇ事ばっか言いやがって! 国語の先生かよてめぇはよォォォォ~~~~~
・
うむ。今描けているなら、今やれているなら、そんな「Ifルートの自分のヘイト」なんてどうだっていいはずだ
「ピュアで自然な被害妄想」はぜんぶ「他人事」にしてしまって構わない
----------------------- ◆それでも敗北しちゃうルート:
自身の怠惰で悪辣な性質抑え込み、不純で、不自然で、お花畑な善アンド正義ぶん回して何が悪い!!!
何が悪いよッ!!!!
「ぜんぶ悪いよ」
は・・・ッ?!
「それはお前に絵を描く才能がないからだよアクマ。大声で騒ぐほどの事じゃない」
そん・・・な・・・はず・・・
(がっくし....)
佐久間学。その後暴力事件起こし卓球部退部
でもなんかちょっと天然なかわいい彼女見つけて付き合いはじめる
「うん、うん、こーいう生活もアリだな。温み...平和...寛容。むしろ、競争やめられてよかったわ。ありがとよ、スマイル」
(競争で)敗けたら敗けたなりの人生の落とし所ってもんもある。素直に本音晒してヒスる事で開ける道(シナリオ)もある
【完】
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Relative Zero° (相対零度) Japanese Transcription (Edited Ver)
The original version of this VD has a mistake in it where Yuno says she's 16. This is the corrected version found in the script book.
Unedited Version
Feel free to use this how you like with no credit to me required. Credit should go to Yamanaka.
エス: Es
ユノ: Yuno
1|ミルグラム監獄内尋問室
薄暗い尋問室の中。
のんきに鼻歌を歌っているユノ。
ユノ 「~♪」
扉の外からコツコツと足音。
ユノ 「お。来たかな......ふふ」
イタズラっぽく笑うユノ。
まもなくガシャンと乱暴に扉が開く。
エス 「囚人番号2番ユノ。尋問を始め......」
部屋の中にユノが見当たらず、あたりを見回すエス。
エス 「......?どこにいった......」
ユノ 「わっ!!」
扉の裏に隠れていたユノ、エスの後ろから驚かす。
動じないエス。
エス 「......何をしている」
그ノ 「あれ~。看守さん、リアクションうっすいなぁ。もっと驚いてよ〜」
エス 「......さっさと座れ���尋問を始める」
ユノ 「は~い....」
椅子に座るユノ。
目の前に立つエス。
エス 「ミルグラムはお前たち囚人の罪を明らかにし、適切な判断をくだすために存在している。そのためにいくつか話をしよう」
ユノ 「おっけー。話そ話そ」
エス 「......まず」
言いかけたエスを遮る楽しげなユノ。
ユノ 「まず自己紹介とかしとく?カシキユノ。18歳。高校生。9月2日生まれの乙女座のO型」
エス 「......ストップ、ユノ」
ユノ 「なになに?」
エス 「質問はこちらからする」
ユノ 「どうぞどうぞ〜」
咳払いをし、続けるエス。
エス 「シン囚人としてミルグラムに囚われて数日というところか。率直に、どうだ?監獄生活は」
厳粛な雰囲気を作ろうとするエスだが、ユノは取り合わない。
그ノ 「んー?意外と楽しいよ。家族がどうしてるかなぁって心配はあるけど......不思議体験って感じで」
エス 「楽しい......か......」
ユノ 「そうだね、他の囚人の人たちもみんな面白いし、まだ色々探り合いって空気もいいね。そういう時期の人間観察ってやっぱり楽しいよね~?」
エス 「ユノ」
ユノ 「はいよ?」
まだ喋りそうなユノを制止するエス。
エス 「......緊張感がなさすぎる。尋問だと言っているだろう」
ユノ 「あぁ、看守さんったらムード大切にするタイプだ」
エス 「最低限は。お前の罪を許すか、許さないか、判断するための貴重な場だからな」
睨みつけるエスのことを意に介さず、笑顔で続けるユノ。指を3本立てて見せる。
ユノ 「緊張感がない理由は3つありま~す。......聞きたい?」
エス 「......それを解決すれば真剣に取り組むんだな?」
ユノ 「ん~。まぁ、そうなるかな?」
エス 「話してみろ」
ユノ 「3000円になりま〜す」
エス 「いいから話せ」
ユノ 「けち~......まぁいいや。じゃあひとつめ。看守さんの見た目が全然怖くなくてむしろ可愛いから」
エス 「......はぁ?」
思いもしない回答に拍子抜けするエス。
ユノ 「おかしいでしょ。看守なのに。あたしと同じくらいの歳じゃない?むしろちょっと下くらい?」
エス 「......知らん」
あからさまに不機嫌になるエス。
ユノ 「ほらほら、無理でしょ~。そんな可愛い顔で緊張感持てなんて」
エス 「......あぁ?」
普段以上に威嚇するように睨みつけるエス。
ユノ 「あはは、眉間にシワ寄せても無駄だって」
エス 「......大変不服で不愉快だ!それに反論もあるぞ」
ユノ 「ほうほう?聞きましょう?」
ビシッとユノを指差すエス。
エス 「僕が屈強な大男だったとして、暴力をもって支配しようとしたところでお前の態度が変わるとは思えないな」
エスの指摘に少し驚いた顔のユノ。
ユノ 「......たしかに!そうかも」
エス 「だろう?それはお前自身の気質の問題だ。よって僕の見た目は関係ない。まったく関係ない」
ユノ 「めちゃくちゃ気にしてんじゃ〜ん。まぁいいや。じゃあ第一問クリアってことで」
エス 「いつの間にクイズになった?」
ユノが指を2本立てて見せる。
ユノ 「あたしが緊張感のない理由ふたつめ。先に尋問から帰ってきたハルカがニッコニコしてたから!」
エス 「あぁ......」
頭を抱えるエス。
エス 「それは僕のせいじゃない......」
ユノ 「おかげでよっぽど楽しいことが待ってるんだと思って期待してたんだけどなぁ~」
エス 「お前が帰るときは絶対に暗い顔で帰れよ」
ユノ 「ねぇねぇ。ハルカと何話したの~?あの子をあんなにニコニコさせるなんてすごい手腕じゃない?」
エス 「僕は尋問での会話の内容を漏らすことはしない。だが、そうだな......僕が何をしたか教えてやろう。思いっきりビンタをお見舞いしてやった」
の歳
ユノ 「わーお!」
ニヤニヤするユノ。
ユノ 「それでニコニコで帰ってきたのか。そりゃハルカが変態さんだ。第2問もクリアかな......」
エス 「なんだか気づかないうちに、お前のペースに巻き込まれている気がする......」
笑顔を崩さないままのユノが、少し冷たく言い放つ。
ユノ 「みっつめ。看守さんに人を赦す.赦さないなんて決めれっこないと思っているから」
ユノの顔は笑顔のままだが、空気だけが変わっている。
ユノの言葉に眉をひそめるエス。
エス 「......聞き捨てならないな。僕の能力を疑問視しているということか?」
ユノ 「あぁ、違う違う。看守さんがどうこうってわけじゃないよ」
エス 「......詳しく聞かせてもらおうか」
不愉快を隠せないエスに対して、少し冷めた様子のユノ。
ユノ 「まぁ......システムを聞いたときからずっと思ってたんだよ。ここ、看守さんが有罪無罪決めるんでしょ」
エス 「そうだな」
ユノ 「看守さんの好き嫌いでしかないでしょ、それ」
エス 「......」
ユノ 「あんまり詳しくないけどさ、日本って法治国家ってやつでしょ?法律以外で良いとか悪いとか決めたらおかしくなっちゃうでしょ?」
エス 「ふむ」
ユノ 「例えばニュースとかさ〜。不倫とか不適切発言とか不謹慎とかで騒いでるでしょ?同調した人たちも叩き始めるでしょ?......バカだなぁって思わない?法律以外で人が人を罰するなんてキリがないよ」
心底つまらなそうなユノ。
エス 「......一般論になるが法律も人が決めたものだ。すべての人間が納得する妥当性を得られるものではないだろう」
ユノ 「それ。自分が納得したいからって、無関係の他人に干渉してくる人が嫌いなんだよねー。それってマス......あー、ただ自分が気持ちよくなりたいだけじゃん?.....その人達は、結局何もしてくれないよ」
エス 「ユノ......」
ユノ 「あたしがどんなに寒い思いしてても、なーんもあっためてくれない人たちだよ」
どんどんトーンの堕ちていくユノ。
そんな自分にはっと気づいて笑顔に戻る。
ユノ 「へへ、話それちゃった!えーと、何が言いたいかというとね」
エス 「結局僕次第だと......」
ユノ 「そう。結局もう好みじゃん?まぁ別に良いと思うんだけど、潔くて!��も、看守さんがどう思うかなんてあたしにはどうしようもない。だから取り繕う意味がない。普段どおり楽しく過ごしているってわけ!」
あっけらかんとしたユノに、ため息をつくエス。
エス 「......なかなかクセモノだな、お前も」
ユノ 「そう?普通じゃない?」
エス 「良いだろう。お前がお前らしくいるように、僕も看守らしくやらせてもらう」
バッとコートを翻し、
エス 「ユノ。お前自身は自分の罪についてどう考えているんだ?」
ユノ 「え?」
エス 「お前のその感性をもってすれば何故自分がここに入れられたかはわかっているんだろう?」
少し考えたのちに、口を開くユノ。
ユノ 「......まぁ『ヒトゴロシ』呼ばわりされそうなことは一件ほど」
エス 「よろしい。では、お前はお前の罪をどう感じる?赦されるべきものか?赦されざるものか?」
ユノ 「んー......」
少し考え込むユノ。
あきらめたようにパッと顔をあげる。
ユノ 「......さぁ?わかんない。考えるのめんどくさいかなぁ」
エス 「考えろ」
ユノ 「うーん、ぶっちゃけ看守さんがさないならさないでいいよ」
エス 「赦されたいとは思わないのか?」
ユノ 「必死で謝ってまでは別にいいかな。自分のしたいことをした結果だから」
エス 「罪の意識はないのか?」
ユノ 「どうかな?それも考えるのやめちゃった」
エス 「......適当だな」
ユノ 「......世の中が真面目すぎるだけだよ」
問答を終え、納得したようなエス。
エス 「ユノ、お前はふざけているように見えて頭の良い人間だ」
ユノ 「......それはどうも?買いかぶりだけどね」
エス 「だが、それゆえか諦観している。自分にも、人間にも、社会にもすべてを悟って冷めた顔をしているな」
エスの言葉にあからさまに不機嫌になるユノ。
ユノ 「......ヘー、なに。お説教?精神論系のやつ?一番嫌いだよ?」
エス 「くくく......」
わずかに微笑むエス。
エス 「へらへらと空虚な言葉を吐いているお前より、今のイラついたお前の方がずっと好ましい」
ユノ 「......え?」
エス 「冷めたままでいい。ごまかさなくていい。僕の前ではな」
突如部屋にある時計から鐘の音がなる部屋の構造が変化していく。
ユノ 「部屋が、変わっていく......」
エス 「尋問はこれにて終了。ここからはお前の記憶から生み出される心象を覗かせてもらう」
ユノ 「......歌で引き出す、って言ってたやつ?」
エス 「そうだ。お前の冷めた心も、適当な言葉も、何故そう至ったかも......すべて僕が突き止め、受け止めてやる」
ユノ 「看守さん......」
エス 「隠し事は不可能。ゆえに何も取り繕う必要はない。お前はお前のままでいればいい。ありのままのお前を、僕が身勝手に判断してやる。......それがミルグラムだからな」
ユノ 「なぁに、そのめちゃくちゃな理論......」
呆けていたユノ、目を閉じ微笑む。
ユノ 「でも、そうだなぁ。想像してみるとそれは......。ちょつとだけ......あったかいな」
ユノの肩に手を載せるエス。
エス 「囚人番号2番、ユノ。さぁ。お前の罪を歌え」
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10月4日、2024年
久しぶり日記を書きたいと思った。それはなぜなのかと言われると色々な理由があるが、結局は自分を肯定できる何かが欲しいからなんだと思う。
俺は今酔っ払っている。酔っ払っていない日なんてないのだけれども、30歳を超え体調に不具合を感じるようになり、尿酸値は順調に7を超え、γ-GTPは3年連続Bを記録してるというのに俺は酒を飲むのをやめない。それは何故なのかと自問するまでもなく、結論はわかっていた。
幸福の閾値を下げたい。そう初めて考えたのは20とかそこらの北海道滝川市という場所に住み始めた頃だった。人間、いつだって隣の芝は朝露に濡れて青々と輝いている。社会生活を送る上で他人との関わりはどうしても避けられない。友人、家族、同僚、後輩、上司。自分がどんなに自分のことを幸せだと思っていても、他人との比較なんてしょうもないと心から念じていても、他人と関わる以上どうやったって自分と誰かを比較してしまうことは避けられない。他人が自分よりも幸福なんだという事実はなくても自分の中にあるなんらかのバイアスで自分以上に幸福な他人像を作り上げて、事実とはかけ離れているかもしれない他人という偶像に憧れ、労り、嫉妬して、自分自身したくもない感情の坩堝に囚われて結果自分自身を不幸にしようとする。お前らがそう思うかどうかは置いておいて、俺は少なくともそうだったしきっと今もそうだ。
若くて聡かったころの俺がはその真理に気がついて、他人との関わりの中での何かを幸福の指標とするのをやめようともがいていた。そんな中で、一つの結論として辿り着いたのが中毒物質だった。
朝起きて、トーストを焼く。湯を沸かし、温かい珈琲を淹れる。昨晩から切らしているニコチンの成分を指先の細胞までもがジリジリと欲していることを肌と脳で感じなかまらも、まだ我慢を続ける。
トーストを腹に入れ、胃袋の準備を整えてから、淹れた珈琲を口に含む。ステンレスの台所にマグカップを置く。すべての準備が整ってから、マルボロの箱から一本のタバコを取り出して、火をつける。深く息を吸い込む。できる限りゆっくりと煙を吐く。
それまでの苦痛、不快感でしかなかった煙草を吸いたいという衝動がふた息で浄化される。その瞬間だけおれは他人や社会とは全く関係のない幸福感に浸れる。
それは俺の俺の中だけの俺が俺で完結する幸福の一つの構図だった。
これらの行為は要するに馬鹿になるってことだ。本当はしなくてはいけないあれこれや、関わらなくてはいけないあれこれが生きる上で無限に存在しているというのに、それらを意識しなくてもいいような肉体にまで自分をあえて追い込んで、それらを意識の範疇から留めなくて良いような快楽に浸る。それは人によって煙草だったり、筋トレだったり、酒だったり、セックスだったり、宗教だったり、あるいは仕事だったりとさまざまだろうけれど、要するに人間はど���かで全てを切り離せるほど馬鹿になりたいという構図を持ち合わせた生き物なんだろうということはわかっていた。
そんな俺が酒を飲む理由なんてその馬鹿になりたいという理由でしかなくて、結果俺は馬鹿になったあげく身体を壊してゆっくりと朽ち果てて行くんだろうなという考えすらも酒飲み前ではどうでもよくなるほどまいにち飲んでいる。
物事を俯瞰できることは幸福なんかではなく、俯瞰すれば俯瞰するほど自身のしょうもなさが黒く浮き彫りになって水面に現れる。お前も俺も酔っ払っていないつもりかもしれないが絶対に何かに酔っ払って生きている。どんなに取り繕ったって俺は酔っ払っているこも、馬鹿になること、それで損をすることや得をすることも関係なく酒とともに生きていくしかないことを俺の魂は肯定している。
事実とか社会とか、複合的で一面的なものに付き合っている暇はもうない。俺は24時間きちんと酔っ払って生きていきたい。
ほんとはこんな日記じゃくてこの半年で起こった事実をたくさん書きたかったはずなんだけれども、今は酔っ払って幸せなバカになつまてるからなんもできない。
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この前元太としたインスタライブで、「 MBTIなんですか? 」 って質問がきて、いやなんじゃそりゃ。分かんねぇ!ってなってしまったんですけど。診断してみたら結構自分の性格に当て嵌まっていて、裕翔が 「 涼介やっぱりそれかー!俺の周りそれの人多いんだよね。合うんだよー。」 って言うから尚更当たってる気がしてきて。俺の周りの人達が何なのかも気になってきた。めちゃくちゃ昔に血液型診断がバカみたいに流行ったけど、それの令和版って感じだよね。
ちなみに俺のMBTIが何かっていうのはここでは伏せますが、特徴をあげると、社交的に見えて内向的、自己開示が苦手、興味のある事柄には時間を忘れて没頭する事が多い、他人の干渉を受けない環境でこそ、最高のパフォーマンスを発揮する。こんな事が書いてありました。ここまで読んでだいぶ納得してたんだけど、極め付けがこれ。
例えば、友人が何か悩みを抱えている時に、解決策を提案する事には長けていますが、その友人の気持ちに寄り添う事が出来ない場合があります。これが原因で、時には 「 冷たい 」 と誤解される事もあるでしょう。…いや俺じゃない?超俺じゃん。誤解というかまあ、こういうところは冷たいなという自覚、あります。同情出来る場合は勿論フォローするけど、そうでなければ自分の気持ちくらい自分で整理して下さいと思ってしまいます。頼られる事は嫌いじゃないけど都合の良い捌け口にはされたくないんだよね。なので、第三者からのアドバイスが欲しい、とか、どっちか決められない、とか。そういう時にオススメです。
性格ってさ、別に自分で選んでこの性格で生きてるワケじゃないから生きづらさを感じる事もやっぱりあるじゃないですか。たまに、もっとこうだったら良かったのにって思うし、この性格だから損する事だってこれまでいっぱいあったし。だからといって明日から変えちゃおーなんて出来るもんでもない。それでもこんな性格の僕を受け入れてくれる友人や仲間、家族が居る事、つくづく幸せだなあって感じます。
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「芸術新潮」2月号 特集「会田誠が考える新しい美術の教科書」

現代美術家・会田誠。自身の作品《MONUMENT FOR NOTHING - にほんのまつり》(部分)の前で。 Courtesy of Mizuma Art Gallery

――「芸術新潮」の編集部から、「新しい美術の教科書をつくりませんか?」というオファーを受けた時はどう思われましたか?
会田 おもしろい企画だと思いました。迷うことなく、「やります」と返事をしました。でも落ち着いて考えると、これはなかなか難しいお題だな、とも思いましたね。僕には息子がいて、最近の美術の教科書は実��に見ていたのですが、僕らの時代の教科書と比べると、ずっと良い方向へ進化していると思っていました。僕が何か提案しても、それはもう今の教科書に出ていますけど、ということになりそうで……。
――それで、どのように内容を構想していったのでしょうか?
会田 結果的には、ずばり言ってしまえば、「ドクメンタ」的現代美術の紹介が中心になりました。ドクメンタは、ドイツの田舎町カッセルで4~5年に一度開催されている芸術祭です。つまりは「社会派アート」というようなことになるわけですが、日本の一般社会から、あるいは美術の世界からも比較的無視されがちなジャンルかなと思って、そのあたりを多く紹介することになりました。とはいえ、僕個人が社会派アートが大好き!というわけではありません。ドクメンタには、2002年に1回行ったことがあるだけです。ナイジェリアのキュレーター、オクウィ・エンヴェゾーが欧州人以外で初めて芸術監督をつとめた時でしたが、すべての作品が社会正義を訴えるような、ドクメンタとしてもちょっと極端な回だったようです。「これが芸術? 社会科の発表会じゃないんだから」と、僕はその時は反発しました。しかし僕の作品も、もともとは絵画中心だったものがそうではない形式の作品も増えていって、この20年ほどで、ドクメンタ的な美術もやはりいいなと思うようになりました。第一印象で嫌いだった人がだんだん好きになっていくような感じでしょうか。美術の教科書であれば、まずは「形」と「色」、というのが当然のことだし、僕もそう思っているのですが、今回の教科書では、あえて「形」と「色」については何も語っていません。そして「絵画」と「彫刻」についても、それ自体をテーマとしてはほとんど扱わずに、ドクメンタ的な、社会に拡張してゆく美術を中心に紹介することになりました。
――教科書の「1時間目」のテーマは、「美術に政治を持ち込もう!」ですね。
会田 いちばん最初に出てくる図版が、酒井抱一の《四季花鳥図屏風》です。我ながら節操がなくて笑ってしまいますが、僕はまるで日本絵画大好き人間のような感じで、「死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100」という「BRUTUS」の特集を監修していたりするのに、いきなり否定材料として抱一の絵を出しています。日本美術の特徴のひとつに「花鳥風月」があって、それにはいい面もありますが、裏返すと悪い点も抱えている。また、それに続いて、フランス革命と並走して近代芸術が生まれていった、という話になりますが、それも若い頃には、反発して、「オレたちは西洋と同じようにしなくていいんだぜ」と心の中で吠えるために調べていたことでした。立ち位置ひとつで全否定から全肯定に変わったり、出だしから、僕自身の矛盾した姿をそのままさらけ出すことになりました。

――会田さんが教科書すべてを執筆するのではなく、ゲストの執筆者も何人か招いています。フェミニスト・アートについては岡田裕子さんが執筆したり、課外授業として、卯城竜太さん(Chim↑Pom from Smappa!group)と松田修さんの対談があったり、他の美術家の方々にも登場してもらっています。
会田 僕がすべて書くのでは読者もおもしろくないだろうし、僕が不得意なジャンルもありますから。ゲスト執筆者を招待したのはうまくいったと思います。

――掲載作品は、どのように選んでいったのでしょうか?
会田 ほとんどは僕の頭の中から、つまり記憶にあるものから引っ張り出してきています。ただ、「美術から性のいろいろを学ぼう!」というパートでは、X(旧ツイッター)で呼びかけて教えてもらいました。性にはややこしい側面があって、男女が恋愛して結婚して子供を産む、というだけではない部分がある。それを考えるのに、最初に僕の頭に浮かんだのは男性作家の作品が多かったので、なるべく男女半々にしたいと思って、「現代美術で、女性アーティストで、みずからの性を題材にしている人は誰でしょうか」とXで質問を投げかけました。そこで教えてもらった名前を検索して、作品を見たりしましたね。ただ、この教科書全体で言うと、使いたかった図版で使えなかったものがいくつかあったのは残念でした。使用許諾や使用料の問題などで……。
――「3時間目」の「美術でバカ♡万歳!」というパートがとても楽しいです。
会田 乱暴なカテゴリーで、冗談で許していただけたら、というコーナーです(笑)。アブラモビッチみたいに命がけでバカをやっている人と、泉太郎さんや僕のような、ちょっとひねくれた白けた笑いのものを、「バカ♡」のひとことでまとめるのもひどいなと思いつつ(笑)。
――これについては、詳しくは誌面をご覧いただくことにしましょう。今回の教科書は、今私たちが生きている、この時代のアートとはどういうものなのか、それを知るための最高のガイドブックになったと思います。
会田 現代美術のとっつきにくい部分の入口づくりとしては、これ以上やさしくはならないだろう、というぐらい、やさしいものになったと思います。僕はそういう語りは割合得意なほうで、でも一方で、あまりオタク性がないというか、知識の奥の細道に分け入っていくような癖がないんですよね。作家ならではの偏ったこだわりさえも、あんまりないのかもしれない。
――会田さんの作品に通底しているのは、「アートとは何か?」という問いかけが常にあることだと思います。今回の「芸術新潮」の「新しい美術の教科書」特集も、「アートとは?」と考えていくための恰好のテキストになりました。美術部で今デッサンのトレーニングに励んでいるような生徒たちに、ぜひ読んでもらいたいです。
会田 そうなんですよね。仕方がないのかもしれないけれど、日本の美術大学へ入るための勉強は、やはり「実技」が中心です。日本の美大は、入ってからも、「作品をつくることが社会に対するアピールなんだ!」と熱く語って教える先生は少ないのではないかと思います。だから、そういう作家になる人は、海外留学を経験してから、というパターンが実際に多いです。深いところで言うと、そもそも日本語がそういうものに向いていない抒情的な言葉なのかもしれず、だから美大の教授が悪いのだとか、そんな単純な問題ではないのかもしれません。この教科書には、そういうものを補えるような読物になってくれたらいいな、という思いも込めています。

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関東各地で相次ぐ「仕出し弁当」の詐欺事件に、急展開! 悪質な営業を繰り返していた男が、ニュースの放送を見て、10日夜に警察署を訪れたという。 無職・高本伸浩容疑者(57)と妻(63)を逮捕 「お弁当の件で弁明したい」 詐欺の疑いで逮捕されたのは、無職の高本伸浩容疑者(57)と、その妻・久美子容疑者(63)。 (Q.逮捕されました) 被害に遭ったカートルズ草加・足立店 神谷準店長: あ、そうなんですか。。本当捕まって良かったなって思いますね。被害者が多くて、みなさん捕まるのを待っていたので。 「イット!」は、高本容疑者の親戚を独自に取材。 高本容疑者は、周囲の人から、多額の借金をしていたことがわかった。 (Q.合計いくら貸した?) 高本容疑者の親族: 690万ぐらいだったかな。たった1500円か1万5000円ぐらいの詐欺を起こして、バカだなと思って思ってますけど。 1都3県で少なくとも20件超の被害 警察によると、高本容疑者は5月29日、横浜市鶴見区の自動車販売会社を訪問。 こんな風に仕出し弁当を売り込んだ。 「30名限定でお弁当配達のモニターを募集しています。一人5000円で2ヶ月の間お弁当を毎日配達するサービスです」 高本容疑者は、お試し価格として、1食100円ほどという超格安料金を提示。 自動車販売会社から、1万円をだまし取った疑いがもたれている。 番組の取材では、同様の詐欺事件で、1都3県の少なくとも20件以上の会社などが被害に遭っていることがわかっている。 小田原市内にある中古車販売店に、高本容疑者とみられる男が姿を現したのは、5月20日のこと。 オート・エース 渋谷陽店長: ちょうどここのカタログのところに三脚を立てて、ビデオカメラみたいなのを設置して(SNS用の)動画を撮っている時に、ちょうど男性の方が訪問販売みたいな形で(中略)来られたって言うことですね。 これがその映像。画面左手に映っているのが、高本容疑者とみられる男。 男「お弁当2ヶ月間毎日お届けできて、5000円で食べられるお弁当なんですけど」 店長「これで(通常)いくらになるんですか?」 男「普通だったら500円になります」 店長「安い!ほんとに?」 店長は、3人分の1万5000円を現金で支払った。 店長「これ一万5000円払って、バッくれられるってことないよね」 男「ないです。大丈夫です」 店長「だって、まず御社の会社も知らないし」 男「か、会社ですか?会社は、な、な、ないです。私は会社ない。会社員じゃないんで」 店長「どういうこと?」 男「私はアルバイトです」 しかし、弁当は契約日になっても届かず、警察に被害届を提出していた。 オート・エース 渋谷陽店長: 捕まって良かったなって感じですかね。これで反省してくれればいいなって。二度とこういうのしてほしくないですよね。 一方、千葉市の建設会社では、5月7日に高本容疑者とみられる男が姿を現している。 千葉市の建設会社の職員: 高本と名乗ってましたね。本当にセールスをしてるように、飛び込みのセールスマンみたいに話してましたね。 男は、ファイルに入れた写真を見せながら、10日間3000円で仕出し弁当を売り込んできたという。そして…。 千葉市の建設会社の職員: 3000円なら良いかなということで現金渡して、注文書と領収書控えと書いて、私に渡して。私が内容を見ようなと確かめてたら、もうその場からすーっと消えていった感じですかね。怪しさは感じましたけど。 壮絶な借金人生 一体、なぜ夫婦は、決して高額とは言えない金額をだまし取るために、詐欺行為に及んだのか。 高本容疑者の親戚に取材すると、壮絶な借金人生が浮かび挙がってきた。 高本容疑者の親族: 最初は20万貸しました。2023年の12月の末です。それで、年を明けて、正月早々に来たんですよ。その時は80万貸したと思うんですよね。 (Q.合計いくら貸した?) 高本容疑者の親族: 690万ぐらいだったかな。マンションを売りたいから、2軒持っていて、6000万で売れるから、近々(金が)入るからっていう話で、その言葉を信じてました。 さらに、高野容疑者は以前、横浜市で自動車関係の会社に働いていたといい、このようなトラブルも起こしていたそう。 高本容疑者の親族: 会社の車を借りてたみたいなんですよ。それを辞めたら返さなきゃいけないのに、売っちゃったんですよ。お金にしちゃったんですよ。 容疑については2人とも否認しており、高本容疑者は警察の調べに対し、「だまし取ろうとはしていない」と話しているという。 一方、妻の久美子容疑者は、「どうして逮捕されたかわかりません」と話しているという。 (「イット!」6月11日放送より)
【独自】壮絶な“借金人生”「仕出し弁当届かない」詐欺容疑で無職男(57)と妻(63)逮捕…1都3県で20件超の被害(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース
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