#常不軽菩薩
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moko1590m · 2 months ago
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【常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)って、どんな話のどんなキャラ?】
『法華経(AD1世紀ころインドで編纂)』という大乗仏教の超重要経典に出てくるキャラクターやね。
● ストーリー
常不軽菩薩は、ひたすら人に会うたびに
「私はあなたを軽んじません。あなたは必ず仏になれるお方です」 と言って、合掌礼拝する。
それだけ。説教をゴリゴリやるんやなくて、
ひたすら相手を尊重して礼拝
でもそれが逆に
「何やお前、偉そうに!」
「うざい!」
って受け取られて、石を投げられたり棒で追われたりする。
それでも
「すみません、でもあなたは仏になれるお方です」
と繰り返し、最後はその誠意が人々を動かし、法華経を広め、自分も仏になる。
● 雰囲気のイメージ
・めっちゃ真面目で不器用 ・空気読めないけど悪気はゼロ ・「人を尊重する」一点でブレない、究極にしつこい誠実さ ・嫌われてもやめない鋼の信念
ある意味「宗教系の天然キャラ」やけど、法華経では
「仏になれることを全員に認める態度の究極例」 として大事にされとる。
【『法華経』での意味】
『法華経』は
「すべての人は成仏できる」 を説く大乗仏教の中心経典。
常不軽菩薩の話は
「教義を押しつけるんやなくて、相手を仏として敬う」 という、法華経が重視する実践的な菩薩行のモデルやね。
【中国の「智顗(ちぎ)」】
この法華経を中国でガッツリ体系立てたのが
天台宗の開祖、智顗(538~597)。
智顗は
「法華経こそ仏教の最高峰」
「常不軽菩薩の礼拝行は理想の修行法」
と位置づけた。 要するに
「仏性はみんなにある。相手を仏として礼拝せよ」 という思想を徹底した。
【日本の「聖徳太子」】
日本では飛鳥時代に
聖徳太子が『法華経』をめっちゃ重視。
彼が書いたとされる『法華義疏(ほけぎしょ)』は、日本初の仏教経典注釈書ともいわれる。
太子の国家理念づくりの中心にも法華経の
「みんな仏になれる」 「互いに敬う」 という思想があった。
【最澄と比叡山延暦寺】
平安時代、最澄は
「法華経こそ日本仏教の根本」 と主張して 天台宗を開く。
比叡山延暦寺は
法華経の教えを日本で徹底的に学ぶ場
「常不軽菩薩の礼拝行」を理想の菩薩行として重視
最澄自身も
「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」 (すべての存在が仏になる可能性を持つ) を説き、日本仏教に大きな影響を与えた。
【比叡山で学んだ人たち】
比叡山延暦寺は日本仏教の大学みたいなところで、日本中の僧侶がここで修行した。 有名なのが:
法然:念仏による阿弥陀仏の救いを説く。浄土宗を開く。
親鸞:法然の弟子。より徹底して阿弥陀仏に帰依する浄土真宗を開く。
道元:曹洞宗を開く。ひたすら座禅する「只管打坐」を強調。
日蓮:法華経を唯一無二の教えと位置づけ、「南無妙法蓮華経」を唱えることを説く。
みんな若いころ比叡山で天台宗、つまり法華経の思想と「常不軽菩薩みたいな礼拝行」をしっかり学んだんや。
【まとめ】
✅ 常不軽菩薩 → どんな相手も「あなたは仏になれる」と礼拝し続ける、超真面目で空気読めないけど究極に誠実なキャラ。 → 『法華経』の「全ての人に仏性がある」という思想の象徴。
✅ 法華経 → 大乗仏教の中心経典。「誰でも成仏できる」と説く。
✅ 智顗 → 中国天台宗の祖。法華経を仏教の最高経典に位置づけ、常不軽菩薩の実践を理想化。
✅ 聖徳太子 → 日本に法華経を国家理念レベルで導入。
✅ 最澄・比叡山延暦寺 → 法華経を日本仏教の核に据え、常不軽菩薩の礼拝行を理想の修行法にした。
✅ 法然・親鸞・道元・日蓮 → みんな比叡山で法華経を学びつつ、それぞれ独自の道を切り拓いた日本仏教の巨人たち。
「常不軽菩薩」っていうキャラを理解すると、日本仏教の基礎に流れてる
「誰でも仏になれる」「相手を尊重する」 って思想のイメージがめっちゃつかみやすくなるで。
もし
もっとざっくり要約
もっと専門的に
物語風
とか、別バージョンが欲しかったら気軽に言うてや!
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fantasybrade · 4 years ago
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うまくてえらいやつ
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アイドルマスターがシンデレラシリーズ以降になって失ったあれこれを再起動した唯一のコンテンツことウマ娘みたいな認識ある ある?
デレ以降のアイドルマスターをそこまで詳しいわけではないけど、なんか、明らかにこう、何かを手に入れる代わりに何かを失った感がメチャクチャにあるくない?というなんか拭いきれぬむむむ感を抱えて今日まで生きてきて、やっぱあったじゃん!ってなった ウマ娘のキャラクターってなんか、アイドルマスター初期のノリを強く感じないか? 
ウマ娘のキャラクターどいつもこいつもメチャクチャ濃くて、「濃いキャラクター性の裏側にはこんな一面が…!まじ…?!」みたいな鬱陶しさがなく、ただ、メチャクチャ濃いので掘り下げるとメチャクチャ情報がドカドカ出てくる 結果、最近のソシャゲのキャラクターと同じくらいの情報量を持ったキャラクターが生成されている 感
全部感覚でいま話している 感覚で聞いてほしい
アイマス初期的な時代のノリの正当なリブートっぽい感覚?
ある
そういう昔のキャラクターのノリを崇拝するということでもない 昔のキャラはなんかノリがメチャクチャ濃いが、いかにも消費されるために産まれてきたぜェーー!!みたいな頭の悪さがチラつくこと(チラつくキャラ)があり、それもなんかよくない(なんかよくない以外の説明方法なくないか?ここでドヤ顔で男性権力が…みたいなこと言う元気、ない!!) 
ウマのキャラクターはまあそれぞれ色々あるにしてもとりあえずの目標として「勝つ」が前提にあり、勝つ為の行動をやりまくるので、消費されるために産まれてきたぜ感もなんか薄い(無いとはおもわないが)
メチャクチャ濃いので、初見のインパクトと喋りで「ウッ」ってなる、どいつもこいつも…ダイワスカーレットさんとか初見の感想は「オッやってるねえ」って感じだったが、育成イベント終盤では「オッやれやれやれスカーレット勝て勝て勝て勝て行け行け行け行け!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」って感じになっていた
俺これを765プロで味わった経験があるから非常に懐かしい気持ちになってしまった 星井美希とかそうで、星井美希、初見で「オッやってるねえ」ってなるけど、星井美希を追っていると「星井美希~いいねえ!!!!!!!」ってなるくない?
ハルウララさんも「オッやってるねえ」が、「ハルウララッ!」になった
そういう、ある
ソーシャルゲームのキャラのなんか難しい感じとして、「このゲームはキャラクターの人間性をめっちゃ掘り下げてます」感が強すぎて触れづらいみたいなコンテンツがちょくちょくある
ウマ娘は、なんかたまーに産まれる人間がウマ娘だったりするみたいなクッソ適当な世界観のおかげでこのゲームマジ何も考えてねえんだなみたいな軽さがあって(実際はそんなことはないんだろうが)めちゃくちゃ親しみやすい
サクラバクシンオーとかめっちゃノリで喋ってない?
スタッフは陶酔とか信仰とかに呑まれることなくしっかりキャラクターを作っている感があってめっちゃくちゃ偉い Cygames偉いな!!
グランブルーファンタジーもついていけないぐらい難しいのでやめたけどキャラはめちゃ良いなって感じがあった Cygames、偉いな!!
ノリとパワーで全部なんとかせい至上主義みたいなところあるので本当に嬉しくなってしまった
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ななどなどなどの1巻の売れ行きの話きいて頭バグりそうになった
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https://www.youtube.com/playlist?list=PLSBWvYm8t6uYmXhVFcUr41qKRtzZpK0p7
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ちょっとマジの文章にしたためなおす
(アイドルマスターを例えにメチャクチャ出すけれど、メインストリームのキャラクターの描き方全般に思っている感覚かもしれない)
アイドルマスターは765時代からシンデレラ、シャニ?ミリ?みたいな様々なあれこれに進化していって、現在メチャクチャ様々な方法でキャラをやっている感じがある 実際、なんか小耳に挟む情報だけでホエーなんかやっとるなあと思うものの、なんか触れにくいままなのは自分の老害化が原因なのか?とずっと思っていた
実際老害っぽくて、知り合いと765の話で盛り上がったりして集団老害化現象は確実に起きている気がする
最近のマンガ・アニメのキャラクターの会話って明らかに765プロとかやってた10年前とは違うノリで、これは…進化じゃな とは思っているものの、なんかこうじゃない進化ルートもあったんじゃないか?みたいなちょっとヌチョッとした居心地悪さみたいなものがずっとあった
「老害化が原因なのか?」に「?」がついてるのには理由ある 普通に考えたらこういう感覚は老害だろう しかし、改めてアニマスとかを視聴すると、それはそれで普通に古臭さみたいなものを感じてしまう時があり、単に昔のもの褒めたがりおじさんならこんな感覚は沸かないくないか?と思っていた やはり「別の進化ルート」という言い方がしっくりくる
アイドルマスターに限った話じゃないというのは、例えば…自分は呪術廻戦というマンガを読んだ時も似たようなことを思った えっあれ?!2020年のキャラのノリって、こういう感じ?!というか そのルートなのか…?みたいなヌチョりとした違和感が拭えない 最新アニメとかをなんか適当にクリックして見てみるみたいなことをたまにするが、ンー…という感覚が結構つきまとう 確かに新しいし、なんかいい感じに今っぽいのはわかるが…みたいな
たぶんキャラクターの描き方というのは絵柄もそうで、髪の毛がサラッサラで目がキラッキラで顎がシュッとしているキャラに上手くノレない感覚に似ている気がしている これは、シンプルに俺の感性が古いだけですが、、
キャラクターの内面やセリフには、明らかに別のルートの可能性がある気がしていて、何か大事なものを取りこぼしてないか、アイマス!!っていう気分がずっとあった 765の地続きコンテンツ的にミリマスが存在するが、ミリマスはミリマスでなんというかうまいことハマらなかった まあ765のノリは765のノリで、他のアイマスは違うノリなんだぞと言われればそうだな…という感じの話なので、何を言っとるんだコイツ(私)は ってなる
アニマスとデレアニの話をするのが一番はやい気がしてきたので、その話をします あ、すいません 俺は天海春香の話をすると早口になるタイプのオタクです あなたは? アイドルになるにあたって主人公がぶつかる問題を解決するという下りが両アニメの20話くらいにあって、ここが一番わかりやすい
・アニマス…主人公の天海春香は20話くらいになって「みんなで楽しくアイドルやりてえのに仕事増えて上に昇っていくにつれてみんなでいる時間が短くなっていってクソ寂しいよ」という問題にぶちあたる
→なんかよくわからないけど小さいころの自分の幻影みたいなものを白昼夢みたいな感じで見てなんか自己解決してしまう
・デレアニ…主人公の島村卯月は20話くらいになって「私はみんなみたいな突出した才能がないことがメチャクチャコンプレックスなんだよ」的な問題にぶちあたる
→プロデューサーの懸命な努力によって自分自身に向き合い、自分の良さを理解することができて解決
メッチャ雑に言うとこういう感じになる 絶対アイドルマスターのファンに殺される デレアニもウワ~~涙涙って感じで見たが、個人的にはアニマスが良いなと感じる アニマス、冷静になって見返すと天海春香の問題がめちゃくちゃどうしようもない問題であることとか解決法があんまりにも適当すぎる感じが本当に面白いし、なんでも好意的に解釈する病の自分としては、天海春香の理解不能感を菩薩っぽさだと解釈していて、アニマス映画でマジで菩薩みたいになった天海春香を見て号泣したりした 島村卯月って人間だけど、天海春香ってなんかもう人間よりちょっと凄くないか?みたいな感じがあり、それでも天海春香が人間なことがメチャクチャ…
あっすいません 俺は天海春香の話をすると早口になるタイプのオタクでした 対戦ありがとうございました
あっ…この天海春香と島村卯月の下り、全然話したい内容と関係な��った…
戻します
リブートの流行の時もこの感覚はあった あの名作がリブートかあ!と思い見てみると、「あの名作」の中で「私が良いと思った部分」が抹消された状態で何かよくわからない追加要素を引っ提げて進化?している様を見て、まあ…モヤったりした いや、それも最先端なのだろうと思い、自分の老害化の可能性を感じてフォッフォフォとなった
が!
ウマ娘はなんか、いい感じにナムコプロっぽい遺伝子を感じる というだけの話だが、なんでこんなに真剣に長文でまとめてるのかわからなくなってきた 素直にウマ娘が好きー!と言えないだけで恥ずかしがっているのかもしれない そんな…
キャラクターではなく人間を描くんじゃいと意気込む作風にキャラクターはキャラクターじゃないか?みたいなモンニャリした何かを思うことは結構だれしもあると思っていて、キャラクターをめちゃくちゃ色んな角度から見まくると人間なんじゃないかぁ?みたいな、そういうモンニャリとした思想がたぶん…
あっすいませんシン・エヴァンゲリオンのネタバレします シン・エヴァンゲリオンのネタバレ見たら死ぬ人は、死ぬかどこか行って下さい
なんか、シン・エヴァンゲリオンってキャラがめちゃくちゃテキトーに喋りまくっていて、エバの一番苦手な部分「全てのセリフに意味があります感」がぜんぜんないと感じた シン・エヴァンゲリオンは見た人みんな感想違うねえという印象があるので、これも自分だけが思ったことかもしれないが…「ネオン・ジェネシス!」とか完全にノリだけで言ってるな感があって好きだった 「あんたメンタルよわすぎ。。っ」とか「エバっぽい何かです」とか、ちょっと狙ってる感もあるけどいい感じに雑な印象を受けて、雑な印象を受ける作品、好きだァ~~ってなった 雑な印象を受ける≒本当に雑 ではあるとおもうが 神木隆之介とかノリで選んだ感がある (じゃあノリで残酷な天使のテーゼをラストに流してバアンと終劇してほしかったとか思っているが)
この、いい感じに雑っぽい雰囲気・・みたいなものをウマ娘にも感じている可能性がある(チェンソーマンのデンジ君とか、このニュアンスで良いと感じている)
どうなんだろう、どう…?
あーもうまたわけわからん文章になってしまった もうむりかもしれん
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shoufukuji · 7 years ago
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身延山大学を会場に行われた『"社会イニシアティブ"世界フォーラム』にて、「仏教と人智学の対話」。 お相手はブラジルのスラムで何十年にもわたってシュタイナー教育を実践しつづけるウテ・クレーマーさん。 日本語、英語、ポルトガル語があちこちで飛び交うなか、ブラジルから、スイスやドイツから、南アフリカから、もちろん日本からも、そのほか世界中から集まった多くの参加者といろいろ意見交換し、感じることいっぱいです。 私は日蓮聖人と常不軽菩薩について話しましたが、常不軽菩薩が"Never Disregard Anyone!"と訳されていました。 そしてそう訳されるとあらためて、誰かにまっすぐ向かいあい、敬いをもって語りかけていくことの大切さ! このエンパシーは常不軽菩薩と日蓮聖人も真骨頂ではないか! この素晴らしい経験を与えてくれた世界フォーラム関係者の皆さん、心から御礼申し上げます。 どうか4月2日まで世界フォーラムに集まった皆さんが実り多く素晴らしい時間を共有されますことを心から祈っています。 #社会イニシアティブ #エンパシー #ルドルフシュタイナー #シュタイナー教育 #ウテクレーマー #日蓮聖人 #常不軽菩薩 (Minobusan University)
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takahashicleaning · 2 years ago
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TEDにて
リー・クローニン: 自分専用の治療薬を3D印刷しよう!
��詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
化学者リー・クローニンは、物体ではなく、分子を印刷することができる3Dプリンターの開発に取り組んでいます。
これが応用できれば、将来は化学物質をインクとして自分専用の薬を印刷するという驚くべき可能性も期待できそうです。
また、科学的な方法でヒト中枢神経システムには、明らかに生命体を維持するもの破壊的なパターンと区別する、鋭敏で素晴らしい能力が存在していることが判りました。
ヒト中枢神経システムとは、科学的に現在はA10神経とも呼ばれていて太古からインドでは、アジナチャクラ(印堂)とも呼ばれています。
fMRIでスキャンすると眉間に血流が集まって第三の眼と呼ばれている部分が開き活性化します。
高いパワーのアトラクターのエネルギーパターンは、脳のエンドルフィンを放出してすべての臓器を活発させるので、体は強く反応します。
逆に、低いエネルギーパターンによる刺激は、アドレナリンを放出して免疫反応を抑圧するので即座に体は弱く反応しそして刺激の性質によっては特定の臓器に支障を引き起こすことさえあります。
そして、病気からの回復は、高いエネルギーのアトラクターパターンにつながる態度の結果、回復することを、何百万という自助グループの人々が見せてくれました。もう一度言います!
仏教でも危険性を指摘しているように、A10神経は、日本では法律の範囲外の薬を誤って服用してしまうと、この部分が破壊されてしまいます。
現在の再生医療では復元不可能の領域です。テーラワーダ仏教のウィパッサナー瞑想、祈りでもA10神経は活性化します。
それ以外では、身体の鍛錬によるランナーズハイでも同様です。他にもありますがこれはほんの一部分です。
最後に、細菌(微生物)とウイルスは異なります。
アルテミス計画による月面環境や国際宇宙ステーションの無重力化で、3Dプリンターで薬を作る可能性も不可能ではありません。
2018年現在では、サピエンスは20万年前からアフリカで進化し、紀元前3万年に集団が形成され、氷河のまだ残るヨーロッパへ進出。紀元前2万年くらいにネアンデルタール人との生存競争に勝ち残ります。
そして、約1万2千年前のギョベクリ・テペの神殿遺跡(トルコ)から古代シュメール人の可能性もあり得るかもしれないので、今後の「T型オベリスク」など発掘作業の進展具合で判明するかもしれません。
メソポタミアのシュメール文明よりも古いことは、年代測定で確認されています。古代エジプトは、約5千年前の紀元前3000年に人類最初の王朝が誕生しています。
(個人的なアイデア)
2019年に日本では、元号も「令和」に変わっていくため、ここで記しておくことは、今後の人類の発展に貢献できるかもしれないためでもあります。
マインドフルネスという瞑想法が流行していますが、個人的には危険性が高いと思っています。まだ科学的とはいえ「魔境」の克服が解明されていません。
仏教は、長い年月で練られた瞑想法が確立されているので、克服法も適切な指導者にて行わないと日常生活に支障が生じる恐れがあります。
瞑想法は気軽にするものではなく、自己責任でどうぞ。警告として、記入しておきます。
続いて
皆さんにも、「イラっ」とした感覚が生じる瞬間があるはずです。これは、「憎しみ」と誤解して、表現する書物がたくさんある。
しかし、誤りです。ブッタによると、「憎くて憎くて、あんたが憎い!だから、私の最大の敵なんだ〜」として、「イラっという感覚」と「目の前の敵」をリンクさせたがる。
これも、誤りです。ブッタは「私は、おまえの敵ではない!おまえの敵は自分自身なのだ!」と言います。自分自身ほど手強いライバルはいないとも言います。つまり、人間の特質がそうさせる自我がライバルです!
アインシュタインの相対性理論によるとある時点で光が、トポロジー的に反転して、今、自分の見ている対象が、自分自身の姿として写って脳内が認識してしまう!という現象も計算で判明しており、鏡のようになってしまうこともあり得ます。
「イラっという感覚」と「他者を敵という概念」は、リンクせず、関連もない!ただ単に、自分自身の勘違いと言うこと。これが理解できれば、憎しみの連鎖は断ち切れます。他人に教えても減らないプラスサムのブッタの知恵です。
また、ネイティブアメリカンでも、「イラっ」とする感情は、慈愛、慈しみと言うらしいです。
そして、親、兄弟姉妹は、ウザいという感情表現は、最高の慈愛、慈しみを感じてるから!らしいです。最悪、感情を自分自身で消化できないなら、物理的な距離感を大事にすればいい。ということになります。
これと似た現象に、政府の陰謀?影の政府?誰かの陰謀と具体的でない言葉で発言して自分以外の責任になすりつける人物や団体には、盲点があります。
つまり、邪悪な影の政府は具体的に発信している本人自身ということ。
なぜ?言葉の定義もなく指摘も抽象的ならその人や団体自体が最も具体的だから!
自分自身が、真の影の政府になるというパラドックス
そして
日本では、西遊記の物語にでてくる天竺(てんじく)に行く三蔵法師が有名だが、アビダンマは、根本経典である三蔵(経・律・論)の一部。
阿毘達磨とも。サンスクリット語から、漢字に翻訳するとこう書かれる。武道の��人でもあった達磨大師。ダルマ様とも呼ばれる。
数十年単位では、悪性でも数百年単位では善性という事象は多数ある!
なぜ?一神教に比べて、多神教や漢字などに概念が多いのは、お釈迦さまが膨大に構築し、先人達の蓄積したアビダンマが根本だから!
宗教の創始者たちの概念上の教え。
原本は、ものすごくパワー(「パワーかフォースか?」の本でのパワー)の高い状態であることが確認されている。
ここで言われる「Powerパワー」は(スター���ォーズでのライトサイドのForceフォース)そして、「Forceフォース」は(ダークサイトの方)という前提です。
しかし、宗教概念が、二元的であればあるほど(例えば、「神と悪魔」や「法律で暴力装置をがんじがらめにしたテロリスト集団が警察機構なのに絶対に善のような先入観を強調する構造」など)
つまり、ゼロサムになると誤訳される危険性も大きくなるように思います。
ロジェカイヨワの戦争論にある「いけにえ」も似ている。
あれこれと姿は変わっても、それらは常に存在し続けてきました。
上があれば下があるように、光と闇があります。人間の心理への探求、そして、高い精神的レベルに達しようとするコミットメントは、宗教として社会的に組織化されます。
逆に、そうなることによって、最も低いエネルギーフィールドに落ちていくのです。
よく組織に入ると優秀な人が無能化するのもこの構造原理にあるためです。
なぜなら、組織化されると言う偽りが最初から伴っているからです!!
だから、マスメディアを通すと意味が反転して届き易くなる傾向があります。
世界中のさまざまな宗教の創始者たちの概念上の教えが言うように、慈愛と言うエネルギーフィールドは、一神教でいう神の恩恵への入り口です。
多神教の仏教では慈悲とも言う「悟りへの入り口」とも呼びます。「ラーマ」「道(タオ)」バージョンもあります。
これらのキャパシティを増やすことで、私たちは、誰であり、なぜ?ここにいるのかと言う最終的な気づきに導かれ。
さらに、このアトラクタフィールドの光の中では溶かされ、すべての存在の究極の源へと導かれます。
これが、この世界で自らのパワーを高める唯一の方法なのです!!
そして
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大宗教って、すべて一神教。数学の群論、トポロジーの圏論で多神教の仏教の視点で俯瞰すると、ある意味、多神教の一形態とも言えるんだよな。
インドでも似たようなのあるからね。ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神など。
なお、日本では、あまり知られていないヴィシュヌ神は、日々、時空を超越して、同時に姿を変えて人々を救っていたという場の量子論的な特徴があります。
その時のそれぞれの姿は���身を意味する「アヴァターラ」と定義されており、オンラインゲームなどで呼ばれる自分の分身となるキャラクター「アバター」の由来ともされています。
日本では、観自在菩薩に似ていますが、シヴァ神よりも強くて最強。宇宙を維持する役割もあるので、最新物理学では、イメージ的に不確定性原理に近く、スーパーストリング理論や陰陽五行理論も含まれています。
日本人は皆、神社にいくでしょ!
あれ神道で神社庁も公的にありますよ。
お寺にいくでしょ!あれ仏教ですよ。
お盆やお祭りや年中行事に参加するでしょ!あれ仏教ですよ。
これらに関わらない人も・・・
数%の大企業を中心にしたマスメディアやテレビなどもナショナリズムと言うカルトの定義になるんだけどね。
カルトの定義「中立的なバランスの欠けた極端な思想を対象にする少人数の狂信的な崇拝を持つ教団」に当てはまる?
カルトを論じる前にカルトの定義をしないと風評被害になります!
ご注意下さい。
お金に色がつかないように、量子にも色はつきません(数学の言葉で裏付)人間が色を定義していく。
お金に色がつかないように、量子にも色はつきません(数学の言葉で裏付)人間が色を定義していく。
お金に色がつかないように、量子にも色はつきません(数学の言葉で裏付)人間が色を定義していく。
テーラワーダ仏教では「色」も定義されていて、「色」とは「五蘊(ごうん)」の一部であり「存在する物や事を視覚で認識」すること。
「色即是空」の「色」です。
「五蘊(ごうん)」は「五根(ごこん)」という身体の感覚器官から執着が生じていると論じています。
偶然の一致か否か?不思議なことに・・・
「量子力学」という分野を開拓し、発展させた三人の物理学者「ニールス・ボーア」「ヴェルナー・ハイゼンベルグ」「エルヴィン・シュレーディンガー」たちは
とても奇妙なことに気がつきました。
素粒子の物理学を究極まで追求していくと、驚いたことに、はるか昔の東洋の賢者たちが説いた哲学に
どんどん接近してしまうのです。
これは何を意味するのでしょうか?
次に
老子の道教の徳(テー)とアリストテレスのニコマコス倫理学の徳(アリテー)が似ていることから・・・
どちらの起源が先か?調べるととても面白い仮説が出てきた。
中国の道教は紀元前750年位。古代ギリシャ末期のアリストテレスは紀元前350年位。
共に多神教。この時代の情報の伝達速度を考えるとシルクロードで相互的に交流して伝わった可能性も高い。
プラスサムな概念だから。道(タオ)が先で、アリストテレスのニコマコス倫理学の徳(アリテー)が変化して
老子の道教の徳(テー)となり、神仏習合みたいな道徳になった?アリストテレスのニコマコス倫理学の徳(アリテー)は具体的だが、道徳経ではあいまい。
当時は、西洋と東洋の最先端を統合?古代中国では、老子は仙人とも言われていたし、始皇帝もこの頃の激動の時代。
どうなのか?
バラモン教に対して創始した仏教もブッダにより誕生し、アリストテレスの時代��近い年代であることは偶然の一致だろうか?
ニコマコス倫理学に似ている仏教最高レベルの奥義が「中道」ということ。チベット経由で中国にも伝わります。そして、日本にも。
その後、古代ギリシャは300年後、多神教の古代エジプト文明を滅ぼしてローマ帝国になっています。キリスト教も誕生。
その後、国教へ。一神教が広まり紀元後が始まります。
現在のEUは、NATOがウクライナ侵攻でクローズアップされたこと。さらに、13の暦がひと回りして2000年前位の状況も含めて考えると
トルコまで領土にしたローマ帝国の民主主義版をフランス、ドイツは構築しようとしてる?
イギリスがブレグジット(Brexit)で離脱したのは、かつてのローマ帝国の過ちを回避した可能性も?
もし、以前、機運が高まった時にロシアがEUに加盟していれば、古代ローマ帝国2.0(民主主義版)が建国していたかもしれない。
大西洋を超えてアメリカ大陸からロシアを含めて、北半球に巨大なモンゴル帝国を超えた人類史上最大の領域が誕生するので・・・
今からでもロシアは遅くないので加盟したほうがいいような気がします。
真実はわからないが、そんな仮説がインスピレーションとして出てきた。
仏教最高レベルの奥義が「中道」と言葉で言うのは簡単だけど、体得して実践するのは至難の業。
ピータードラッカーも言っている。
それを可能にする方法を段階を踏んで導いた最初の人が釈迦です。
初心者向けとして、アビダンマや八正道がそれに当たります。具体的な方法を体系化しています。
極端な見解にとらわれない(顚倒夢想:てんとうむそう)よう人が心の苦しみから逃れるには、八つの道を守れば良い。
正しい見かた、正しい思い、正しいことば、正しい行い、正しい生活、正しい努力、正しい判断。そして、正しい考えかたである。
ところで「正しい」とは、何をもってそう言うのだろうか?
ここでは、アリストテレス(サンデルの正義)の定義ではありません。
この場合の定義は、ブッダの説いている「中道」が「正しい」という意味です。両極端にとらわれない正しい立場(中道)が悟りへと導く唯一の道なのです。
悟りから始まり、この世は、様々な概念が重なり合うため、概念の機微や均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!
最初は大変だが、ドラゴンボールに登場するスーパーサイヤ人みたいに、これを大変なレベルじゃなくなるくらいに習慣化することがコツです。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統��二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
続きは、後ほど。倫理は強制ではなく一定のプロトコルに基づく自由権なので
アリストテレスのニコマコス倫理学には、快楽的生活、社会的生活、真理を追求する生活がある。
思考の知的な徳は、形式知の根本?
もう一つ、性格の徳は、暗黙知の根本?
アリストテレスのいう定義である悪徳の反対は、有徳。有徳に転換する努力が必要。
悪徳に似た概念として、仏教でも、具体的に邪道四つと定義されている。
テーラワーダ仏教に似ている。顚倒夢想(てんとうむそう)になるため悪行為を段階的に最小限する努力が善行為。
こうすることで「パワーか?フォースか?」の書籍でいうパワーが人類全体で平等に底上げされる。
ここで言われる「Powerパワー」は(スターウォーズでのライトサイドのForceフォース)そして、「Forceフォース」は(ダークサイドの方)という前提です
そして、ブッダの説いている「中道」は、「パワーか?フォースか?」の書籍でいう「意識のマップ」内の「中立」レベルに当たるかもしれない。
アビダンマとは異なる領域なので、うつ病、ADHD、自律神経失調症、発達障害などは、精神科医や心療内科へどうぞ。
もう少し、テーラワーダ仏教で教え伝えられている経験則を初心者向けから二、三歩、歩みを進めると「預流道心」と言われる悟りの最初の心が生まれる瞬間があります。
自力で到達するのは危険なので、お寺のお坊さんに詳しくは聞いてください。
自分の解釈では、ここに到達する感覚としては、量子力学の本質である「場の量子論」を本当に理解した瞬間が一番近い感覚です。しかし、検証できないので本当に到達したかわかりません。
テーラワーダ仏教のアビダンマでは、「預流道心」に到達すると自然と悟りの道に自動的に回帰できるようになるそうです。次に、七回生まれ変わるまでに完全に悟りの流れに乗れる。
前世で「預流道心」に到達してると子供の頃から、桁の違う天才になりやすい傾向が発現してくるそうです。
そして、六道輪廻するのは、人間界か天界のみだそうです(一神教では、天国に近い領域に似ている)他にいくつか特徴があります。
「預流道心」に到達すると「第一禅定(ぜんじょう)」状態に自動的になります。
一神教では「天国」に相当することですが、テーラワーダ仏教には、この先がありますが、ここまでにします。
厳密には違うけど、わかりやすく言うと精神領域がスーパーサイヤ人に到達するようなイメージ。しかし、すぐ心の状態は普通になります。
漫画のイメージのように身体は強くなりません。
言葉の定義として「禅(Zen)」は、ブッダが伝授された「第一禅定(ぜんじょう)」が起源。
言葉の定義として、ここでの「定」は、サマーディとも「梵天」の「梵」とも呼ばれます。
日本語ではわかりずらいけどサンスクリット語などにすると全て関連してることがわかります。
サマーディ瞑想とも深く関連していて、瞑想しすぎると「あの世」の人になってしまうので、ほどほどの八正道で「この世」の状態���維持しないと危険です。
戻ってこれ��くなります。
再起不能になる可能性が高いため、本当に詳しくは、歴史あるお寺でお坊さんに聞いて下さい。
再起不能になる可能性が高いため、本当に詳しくは、歴史あるお寺でお坊さんに聞いて下さい。
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歴史に耐え抜いた哲学の基盤がない権力者が最も危険な存在です。
<おすすめサイト>
セリーヌ・バレリー:複数の薬を併せて服用することの危険性
ダン・クワトラー:ワクチンはどのくらい速く作れるのか?
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groyanderson · 3 years ago
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☆プロトタイプ版☆ ひとみに映る影シーズン3 第二話「現れたイヤなヤツ」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。
→→→☆書籍版発売までは既刊二巻を要チェック!☆←←←
(シーズン3あらすじ) 謎の悪霊に襲われて身体を乗っ取られた私は、 観世音菩薩様の試練を受けて記憶を取り戻した。 私はファッションモデルの紅一美、 そして数々の悪霊と戦ってきた憤怒の戦士ワヤン不動だ! ついに宿敵、金剛有明団の本拠地を見つけた私達。 だけどそこで見たものは、悲しくて無情な物語…… 全ての笑顔を守るため、いま憤怒の炎が天を衝く!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
དང་པོ་
 娑婆に戻ると、一面に緑の木々があった。日本の山林には自生していない植物が多く、人工的な庭園か、あるいは日本国外なのかもしれない。  まずは人がいないか探してみよう。少し歩いていると、開けた場所に誰かが立っていた。魔女みたいにつばの広い帽子を被っているから顔は見えなくて、等身の低さから辛うじて子供だとわかる。その子の前には何故か、屋外じゃなくて家の中で使うようなアンティーク鏡が立っている。 「鏡よ鏡、鏡さん。四一四〇の過去三年の売上高変化率を出してみて」 「はい。四一四〇、養医所製薬の売上高変化率は、三年前年度比マイナス六.二%です」 「十の十一致……っと。アシスタント機能のバグ修正は上手くいったみたいね」  その子……声は低い。声変わり直後の男の子だろうか……は、喋る鏡と会話をしている。童話みたいなシチュエーションで、随分ビジネスライクな話題だこと。邪魔をしては悪いけど、声をかけてここがどこだか尋ねてみよう。私は物々しいワヤン不動から紅一美に姿を変え、霊感がない人にも自分が見えるよう影を濃く取った。そして༼ あの ༽と声をかけようとしたその途��、それを遮るように男の子がまた口を開いた。 「ねえ、鏡よ鏡。どっかの誰かさんがふざけた引退宣言なんてやらかしてくれたけれど、ここの情報はどこにも漏洩してないでしょうね?」  え? 「はい、CEO。リアル株式運用NFTゲーム『白豚姫と七十二の法則』はまだリークしていません」  鏡がよくわからない答えを返しているうち、CEOと呼ばれたその子が振り返った。未就学の子供のように小柄なのに、顔は陶磁器でできた人形のように美麗な大人の顔で……一目で作り物だと理解できた。 ༼ ひょっとしてここ、ゲームの中ですか? ༽  人工庭園どころか、ここはバーチャル空間だったようだ。3DCGにしては随分とよく出来ている、なんなら和尚様の須弥山よりリアリティが高い。CEOさんは白雪姫の魔女を模したアバター姿だけど恐らく男性だ。 「そう。ブロックチェーン技術で仮想通貨や実際の小額投資が運用できる、次世代のゲームを作っているの。最初はお手軽なモバイルアプリとして発表するつもりだけど、世界観を大切にしたいから、開発チームには全員メタバース内に潜ってリアルタイムプログラミングさせているのよ……あ、これ社外秘ね」  CEOはなんだか凄そうな極秘事項を、初対面の私にペラペラと喋る。大丈夫なのか? と思っていると、私の中でドマルが閃いた。この魔女、もしや…… ༼ 失礼、少しよろしいか? あなたは一美のお知り合いと見受けられるが、拙っ……私は本体である紅一美の肉体を悪霊に盗まれて、『ワヤン不動』の記憶以外殆ど思い出せないのです。できれば今一度、あなたや一美の話をご説明頂けないかな ༽ 「えぇ? またまた。……って、マジで私の事、忘れちゃったの!?」  魔女アバターが驚きの表情を作った。よく出来ている。 ༼ マジです ༽ 「勘弁してよ一美ちゃん! 私よ私、平良鴨悟(へらがも さとる)! 平良鴨証券グループ会長、金融アルマゲドンを制し世界長者番付第一位を獲得した億り人の!」 ༼ なるほど、つまり芸能界のタレント仲間 ༽ 「ちっがーう! そりゃ一美ちゃんと初めて会ったのはショービズの世界でだけど、今はもうNIC関係者同士の友達。うちの本社にデグーの霊が出た時だって助けに来てくれたじゃない!」  そんな可愛いイベントあったっけ、ぜんぜん思い出せない。でも、こうして話しているとどこか懐かしさは覚える。……あれ? そういえばこの人、対アンダスキン戦で共闘したNIC出身の超脳力者さんと似ているような…… ༼ ひょっとして、譲司(じょうじ)さんのご家族ですか? ༽ 「なんで兄ちゃんの事は覚えてるのよ!!」  なるほど、彼の弟さんだったみたいだ。  悟さんから情報を聞き、改めてこれまでの経緯を整理してみる。まず私は二〇一三年の夏に如来に肉体を奪われた。以降も一美は表向き、これまで通り芸能界で活躍している。しかし彼女と親しかったNIC関係者が異変に気付き調査したところ、下水道からワヤン不動の魂が宿った金属ペンダントの一部破片を発見。過去金剛の霊障事件の証拠品として保管していたムナル和尚様の遺骨を使い、ワヤン不動の復元に成功した。そうして蘇った私の魂は、NIC本部よりも狙われにくいスポンサー企業、平良鴨証券グループに移送され、まだ世間には未公開の亜空間(メタバース)内に安置されていたという。ちなみに今は二〇一四年十二月末だそうだ。 「うちのローカルサーバーは対霊性も高い特別なセキュリティルームにあるの。機密情報がお化けとか透視脳力者経由でリークしないとも限らないから��。それなのにあんたったら、何千人も生霊を引き込むんだもの。全くとんだ邪尊様よ!」 ༼ す、すいません。まさかそんな事になってるとは知らなくて ༽ 「まあいいわ。ともかくNICも金剛有明団を潰す方針は一緒だから。あなたが目覚めたからには明日から忙しくなるわよ」
 གཉིས་པ་
 NICは正式名称を『国際超脳力研究機関(National Institute of Cerechology)』という。人の脳が百パーセント活性化する全知全脳(ぜんちぜんのう)という現象に着目し、エスパーや霊能力などの超人的な力を研究する医師団だ。ワヤン不動復活と邪尊の引退宣言も当然関係者の耳に入っていて、NIC全支部合同で金剛有明団への対策を話し合う緊急カンファレンスが開かれる事になった。  私達は悟さんの自社用セスナで、カンファレンス会場であるNICアジア支部本部、インドネシアのバリ島へ向かう。アイドリング中の機内で待っていると、悟さんを含めて三人が搭乗した。一息つく間もなく離陸が始まり、セスナは轟音に包まれる。お互いの挨拶が始まるのは雲の上に上がってからになりそうだ。  外は夜だった。見覚えがあるような、ないような、しかしなんとなく日本っぽい夜景が広がっていく。記憶を完全に取り戻したら、ここがどの都市だかわかるのかな。  夜景はやがて灰色の雲に覆われ、機体が地面と平行になる。ジェット音が落ち着くと、悟さんがシートベルトを外して、私のいる後部座席側に向き直った。 「金���の夜景も綺麗だったでしょ? 東京より上品で。鼓門は見えた?」 ༼ カナザワ? ༽ 「これは重症だわ」  なんとなく日本の地名らしきニュアンスしかわからない単語をオウム返しすると、悟さんはまるで原始人を見るような目をする。 「本当に殆ど戦いの記憶しかないようね。いいわ、みんな改めて挨拶会しましょう。『蟻』は初対面だしね」  セスナの乗員は私と悟さんのほか、小柄な運転手の壮年男性と、ダウンコートのフードを目深に被った身長二メートル越の寡黙な偉丈夫。蟻と呼ばれたのは……運転手さんだろうな。 「まず私。さっきも名乗ったけど、平良鴨悟。NICのコードネームはエイミィ。ヒエロニスト(熱念力使い)で、霊感はチョットだけ。移動費はこっち持ちだから気にしなくていいわよ」  自己紹介しながら、悟さんは細い煙草を取り出す。眉間から一瞬小さなスパークが走ると、煙草が火花を上げて発煙した。彼は自分の脳力を実演し終えると、そのまま煙草を咥えた(自社用機だから喫煙は自由なんだろう)。そしてコードネームというのは恐らく、秘密組織であるNIC内で使われる名前か何かだと推測できる。  次に運転手さんが振り向いた。 「初めまして、ワヤン不動様。私は平良鴨証券CEO秘書、有働義人(うどうよしひと)と申します」  有働さんは年齢の割に背筋がぴんと張った男性だ。眼鏡の右目部に装着されたウェアラブルディスプレイが引っ切り無しに明滅し、時折右目だけギョロギョロと何かを読み取っている。 「私専用の『SSR秘書』よ! マルチタスカーで、重度のソーシャルゲーム廃人。ゲームさえ自由にさせてあげれば、どんな仕事だってこなしてくれる最高の働き蟻なの!」  悟さんに誇らしげに紹介されると、有働さんは奥ゆかしい笑顔で会釈して再び飛行機操縦に戻った。彼はスマートグラスで常に様々なゲームを並行周回しながら業務に従事しているようだ……NICの脳力者並にすごくない? SSR秘書。 「あんたも何か喋りなさいよ、旦那クン。それとも、奥さんに忘れられてるかもしれないのが怖いのかしら?」  有働さんの紹介が終わった後、最後に悟さんに声をかけられたのは偉丈夫だ。彼がのそのそとフードを取ると、中の顔も重たい前髪で殆ど隠れていた。でも、その淡く発光しているような青白い髪にはとても見覚えがある。 ༼ 御戌神(おいぬのかみ) ༽ 「!」  名前を呼ばれたその偉丈夫、御戌神は、僅かに口元を引きつらせた。彼は御戌神。江戸時代に金剛によって生み出された祟り神の生まれ変わりだ。人間としての名前は……何故だろう? ワヤン化している最中も何度も呼んでいたは���なのに。まるで心に鍵がかかっているように思い出せない。 「なに、あんた達夫婦喧嘩でもしてるの?」  私が御戌神と呼んだからだろう。悟さんが茶化す。夫婦と言ったが……よく見ると、御戌神が隠すように握っている左手の薬指には、シンプルな銀の指輪があった。 ༼ もしかして……私の、夫? ༽  一美は結婚していた? そんな記憶は毛ほどもない。しかし会話の流れからすると、私は実の夫の名前すら忘れているのか!? 「……一美ちゃんとは、結婚してない」  御戌神が初めて口を開いた。 「僕が入籍した彼女は、如来に乗っ取られた後ので。嫌で嫌で仕方なかったけど……金剛の変な男に一美ちゃんを取られたら、本当にコトだから」  少し訛った言葉を絞り出しながら、御戌神は左手の薬指を苛立たしそうに掻きむしった。その指先は蕁麻疹のようにぼつぼつと荒れていた。彼は相手が如来だと気付いていながら、私を金剛から少しでも遠ざけるためにプロポーズしたのか。なんて事をさせてしまったんだ……。 ༼ 光(ひかる)君 ༽  自責の念で心臓がきゅうと絞られるような感覚になり、その拍子に私は自然と彼の名前を口にした。すると光君は諦めきったような微笑みを浮かべ、 「今は御戌神で。名前は一美ちゃんが完全に戻ったらだ」  私を遮った。 「僕は御戌神。影法師と対になる、光で戦う犬神。ワヤン不動にゃ及ばないかもけど、ちゃんと戦力に」  皮肉にも、彼の戦闘状態は鮮明に覚えている。青白く輝く巨大な狛犬になった彼と、影の私は連携して大散減を倒したんだった。  しかし彼は初対面時と比べ、とても垢抜けた。柔らかそうなファー付きロングダウンコートが胴をすっきりと見せ、下半身は座っても丈がしっかり足首まである、ストレッチ性が高そうなサイドラインのジャージパンツ。だけど都会的になった彼を見ると、どこか悔しさを覚える自分がいる……。その気持ちの理由を知るためにも、絶対に自分の体と記憶を取り戻さなきゃ!
གསུམ་པ་
 バリ島に到着すると、まず通常の旅客機と同様ングラ・ライ国際空港に着陸する。そこから先は一般客と異なる動線へ誘導され、いかにもVIP待遇といわんばかりのトントン拍子で入国審査が完了。あっという間にインドネシア入りしてしまった。  入国後は有働さんがチャーターしたロールなんとかという車で、アジア支部本部がある港町パダンバイへ向かう。時刻は既に深夜一時過ぎ、酔った外国人観光客を乗せたタクシーの大群で道路は埋め尽くされている。でも信号がほとんど無いから、意外と早く目的地に到着した。  世界規模の秘密組織の支部と聞いた時、私は二種類の外観を想像していた。政府関係者しか入れないような厳重な門がある施設か、あるいは地下室など一般人に気付かれないようカモフラージュされた見た目だ。その答えは実際どちらでもなく、よくありがちな総合病院の別棟に構えられた関係者向けフロアだった。御戌神も私と似たような思索を巡らせていたようで、「意外と普通だ」とつぶやいていた。  入口で名前と指紋を登録して本部に入館する。心霊扱いの入館手続を行う私だけ、指紋代わりに魂からエクトプラズムの一部を採取されるようだ。 「わぁ、シャドーパーソンの方なんですか! 私、この採取で幽霊さん以外のお手続き初めてなんですけど、痛かったら言って下さいね~」  心霊担当の事務員さんが親切に声をかけながら、注射器に似た機器で私の魂を採取した。特に痛みはない。私は彼女に快く会釈して入館した。  エントランスは二フロア吹き抜けのホールになっており、端に来客用のソファがある。そこに座っていた恰幅のある黒人男性が私達を見ると、立ち上がって出迎えてくれた。 「ワヤン不動様ご一行、ようこそいらっしゃいました。NIC総本部長のヴァーヴィアポワです、よろしく」  ヴァーヴィアポワ氏と挨拶の握手を交わす。その手はじっとりと汗ばみ、少し震えているように感じた。私に続いて悟さんも彼の手を握る。 「やだぁ、固くなっちゃって。そりゃ彼女はワヤン不動だけど、私の友達だから緊張しなくていいのよ、『オニイサマ』」 「えっ!?」  ヴァーヴィアポワ氏がギクリと硬直した。お兄様? 「い……いやぁ~! だって、その。仏様を前に緊張しない人はいないぜ、エイミィ! あ、あはははは……」 「?」  どういう関係かは解らないけど、二人は旧知の仲のようだ。秘密組織トップと大スポンサーのCEOだから、当然といえば当然かな。悟さんは私に内緒話をするように身を寄せるも、ヴァーヴィアポワ氏が振り向いたらそのまま離れていった。  私はカンファレンスルームに、他のみんなはラウンジに通された。カンファレンスルームは非常灯や天窓がくっきり見えるほど薄暗く、広さや内観がわかりにくい。ただ奥の壁にある窪んだ飾りスペースに、やけに気味悪い黄色い顔の人形が飾られているのだけ見えた。なんだかやけに陰鬱な雰囲気だ。  長い一本の机に等間隔に並ばった椅子には、既に数名の男女がズラリと座っている。彼らが世界各地域の支部長だろう。その最奥、上座というかいわゆるお誕生日席にヴァーヴィアポワ氏が着席。私の席も彼の横に用意されていた。背後から不気味な黄色人形の視線を感じる。 「改めて皆さん、お集まり頂きありがとうございます。こちらがこの度ご復活なさったドマル・イダムの憤怒尊、ワヤン不動様です」  まばらに拍手が起こる。 「本題に入る前に、皆さん簡単な自己紹介をお願いします。まずは僕、総本部長のヴァーヴィアポワだ。専門は脳神経外科、脳力はチャネリング(精神交信)。よろしく」  薄暗くて読みづらいけど、机にはそれぞれ名札が立てかけてある。ヴァーヴィアポワ氏のは「Vurviapois(ヴァーヴィアポワ)(Ralf Haenel(ラルフ・ヘイネル))」、上がコードネームで下が本名か。私のは「Wayang Acala(ワヤン不動)(Hitomi Kurenai(紅一美))」となっている。 「EU支部長、耳鼻科医のトミスです……体内に、特別な放線菌(バクテリア)を飼ってます。感染症でお困りの時、力になれますです」 「やあワヤン不動! 僕ぁ欧米一のカリスマ美容外科医、ストイコル。脳力はもちろん、プリシジョン(超緻密動作)さ!」 「アタクシはセントプリーア。幽霊だけど、歴とした南米支部長の産婦人科医よ。これから生まれる胎児ちゃんとお話したり、カワイソウな子に才能を与えてあげる仕事をしてるの」  そういえばNICは医師団。ここにいる支部長さん達も、みんな様々な分野で活躍するお医者さんのようだ。EU支部長は控え目な若いヨーロッパ系の女性で、欧米支部長は絵に描いたようなガタイのいい白人アメリカ人男性。南米支部長は痩せ細ったヒスパニック系の幽霊女性だ。引き続き、時計回りに机の向かい側の方々も挨拶する。 「アフリカ支部長のナサモー、職業は軍医です。脳力はありませんが、一族伝統の整体術を心得ています。その効力を現代医学で解明するのが我が使命です」 「やーあ支部長諸君、そしてワヤン不動君! 私は中東支部長のコネンティンだ! 私の予知脳力は、小児科病棟のちびっ子諸君に大人気なんだぞ!」 「Hey Yo! 俺はベェフェ、アジアの妖神(アヤカシ) 牛の身体に一本足 音楽療法士! カウンセリング 患者の話はシカッティング 着ぐるみ疑惑? それすら俺のブランディング!」  ……こっち側の人達、みんなキャラが濃い。アフリカ支部長はアフリカっぽいフェイスペイントをした男性で、何故か会議の日にも関わらず迷彩服を着ている。ユダヤ教徒ルックな中東支部長はこの中で最年長のおじいさんなのに、一番声が大きくてハツラツとしている。アジア支部長はなんというか……牛だ。角があって可愛い女の子声の、性別不明の牛。ドマルの記憶知識によると、古来から音楽を通じて人間と関わってきた中国の神様らしい。  それにしてもさっきから、ずっと薄暗い部屋にいるせいかどうも具合が悪い。以前は動きが鈍くなりこそすれ、こんな風に���ならなかった。復活したてで本調子じゃないのかな。 「全員挨拶したね。そうしたら金剛有明団対策会議を始めるけど……実はワヤン様、僕達はあなた方が来る前に既に結論を出しているんだ」 ༼ 結論? ༽ 「ああ。僕達は……」  彼が答えようとしたその時、突然私の魂に直接テレパシーが届いた。 『逃げて、ワヤン不動! 僕達は操られてる!!』 ༼ へ? ༽ 「……僕達は金剛側につく。そしてここで君を始末する事に決めたのさぁ!」  ガタガタッ! NIC支部長達が一斉に立ち上がり、薄暗かった部屋の電気が完全に消えた。しまった、これは罠だ!
བཞི་པ་
 突然の不意打ちから始まった戦闘、相手は世界を代表する七人の超脳力医師! 漆黒に包まれた最悪のコンディションで、私は迷わず非常口のライトに影体を滑らせる。ところが危ない、何か鋭利な刃物を持った欧米支部長が突撃! ༼ おっと! ༽  間一髪で回避! しかし取り囲まれてしまった。私が光源の近くでしかまともに戦えないのを全員知っていたようだ。 「君の弱点はお見���しさ、ワヤン不動!」  夜目を凝らしてよく見ると、得物は硬化した彼の爪だ。全身を細胞レベルで自在に動かせる彼の脳力、プリシジョンによる技だろう。爪ならティグクで折れそうだ、こちらも武器を捻出して……うっ!? 「多勢に無勢だと忘れてませんか?」 「うふふ、カワイソウ……そそるわ、その苦しそうな表情……!」  その声は、放線菌を飼っているEU支部長と幽霊の南米支部長! 体が重い。私は菌と霊障に感染してしまったようだ。動きの鈍ったところでアフリカ支部長に関節技をかけられて拘束される。普通の敵ならここで影炎で一掃が可能、けどさっき『彼らは操られている』って声が聞こえたから火傷をさせるのはマズい! ༼ それならこうだ! ༽  非常灯の僅かな光源を編み、メロンバリアを張る! 押し出されたアフリカ支部長を影踏みで拘束し、壁伝いに天井へ這い上がる。非常灯より暗いなりにも外光がさしているし、天井付近は飛べない人は近寄れないはず! 「はっはっは、天窓に向かうのも想定内だ!」  予知脳力者の中東支部長が高笑い、天窓には既にラッパー妖怪アジア支部長が待ち構えていた! この最悪コンディションで牛一頭と闘えっての!? 『落ち着いて。ベェフェ君は僕より運動音痴だから!』  再びテレパシー! いや、いくら運動音痴とはいえ牛! 「怖気づいてるぜ明王!」  牛突撃! ……いや、めっちゃ遅い! 普通に避けて、そのまま影踏みで足止めを……ん? 動けない!? 「俺はツイてるぜ衝動!!」  牛激突! 体感した事のない鈍い衝撃が全身を貫き、私はカンファレンスルームの最も暗い角に叩きつけられた! 影体がバリバリと電気分解し、気の遠くなるような感覚に襲われる。何だ、さっき��……体を硬直させる脳力者はいなかったはずじゃ!? 『あわわわ、どうしよう、ワヤ……「いや、さっきからうるさいんだけど! 邪魔しないでくれる!?」  ヴァーヴィアポワ氏が自分の頬をバシンと叩くと、唯一私に味方してくれていたテレパシーが遮断された。そうか、彼はチャネリングの脳力者、操られながらも僅かに残った意識で警告してくれていたんだ。でも、私は既に支部長達に取り囲まれて万事休す。金剛を倒すため蘇ったワヤン不動も、もはやここまで……この場の誰もがそう確信したその時! 「ガルァァァ!!!」  カンファレンスルームを突如切り裂く青白い閃光! それは一直線に私の影体を攫うと、その広い背中にヒョイと乗せて威嚇体制を取った! ༼ 御戌神! ༽ 「話は全て聞かせてもらったわ。どこの豚だか知らないけど、NICと私達に喧嘩を売るとは見上げた根性ね」  目や指先を鉄のように赤く熱した悟さんも入室! 実はさっき、悟さんに背中に何か付けられた感触があった。取ってみると、それは霊声やテレパシーも拾える小型の高性能盗聴器だった。 「い、いや、違うんだエイミィ! これは……」 「NICコードネームは脳力者職員同士が敬意をもって呼び合う。しかし家族やプライベートな間柄は本名で呼ぶ事が殆ど……あらぁ? 妹の夫である私の事は下の名前で呼んでいらっしゃってましたよねぇ、『ラルフ』義兄(ニイ)さま?」 「ぐッ……いやいや、最初から見抜かれてたとはね……。いや! でも形成は変わらないよ。君らに支部長共は攻撃できないからねぇ!」  攻撃特化の二人、欧米アンドアフリカ支部長が出る! 欧米支部長は爪を通り越して肘下全体を硬化し御戌神へ、アフリカ支部長は見たことのない一族伝統格闘技の構えで悟さんへ! 「黙れ焼豚!」  ブァホオオォォオ!! 悟さんのヒエロニズムでアフリカ支部長炎上! 私も光君の輝きを借りて回復そして武器発現、欧米支部長の両腕を炎のティグクで容赦なく切断! 「ギャアアアアア!!」 「いや、なッ、お前ら人の心ないの!?」  操ってる奴ドン引き! すると相変わらず片目でゲームをしながら有働さんも入室。 「ここは病院ですから、介抱なら後でいくらでも可能です。そしてワヤン不動さんは本来癒しの仏。彼女がお力を取り戻せば、皆さんの感じる痛みも和らげてくれるでしょう。それから……」  有働さんが斜めに半歩下がると、彼の後ろから一人の女の子が現れた。少女が支部長達に両手をかざすと、 「スリスリマスリ!」  シュパアアァァァ! 突然辺り一帯にパステルカラーの雲霧が立ち込め、次の瞬間支部長達は全員気絶! この力……そして、この子は! 「お久しぶりです、ヒトミちゃん。オモナ! かわいいワンちゃんね!」 ༼ イナちゃん!? ༽  彼女はパク・イナちゃん。私と同じく愛輪珠如来に因縁のある、巫俗(巫��)の女子高生だ。どういう経緯かは思い出せないけど、アンダスキンを退治した時一緒に戦った仲間だ! 「譲司兄ちゃんの弟さんに呼ばれてびっくり、パジャマのまま来ちゃたヨ。ここのみんな、気が乱れてた。でも私治したからもう大丈夫! ねえワンちゃん触っていい?」  イナちゃんの霊能力は理気置換術(りきちかんじゅつ)、人や霊魂の乱れた気を正す、儒教に伝わる気功療法だ。支部長さん達はとりあえず憑き物が取れ、全員動かなくなっているが命に別状はなさそうだ。心なしか部屋全体も明るくなった。しかしイナちゃんは御戌神を撫でながら首をかしげる。 「オモ? ヘンね。この人達操ってたお化けいないヨ? 理気置換術当たったら、いい子ちゃんになてるのに」 「逃がしたかしら? そんな気配はなかったけど」  悟さんと有働さんも周囲を見渡すが、それらしき気配はない。ところで、私にはなんとなく敵の正体がわかる気がする。敵は大人数を操っていたにも関わらず、一人か二人ずつでしか攻撃してこなかった。本人の気配も少ないし、術を使っていたのは一人である可能性が高い。特徴としては、暗い場所に関わらず正確に行動でき、乗っ取りを解除されたら室内が明るくなった。そして何より、最初から影法師が暗闇に弱いと知っていて、幽霊や脳力者の金縛りは通常効かない影体の動きを止められた。それに当てはまる人物は…… ༼ ひょっとして、相手も影法師か? ༽  そう。同業者である可能性が高い。すると有働さんが何か閃いたようにタブレットPCを取り出した。 「インドネシアで影神(ワヤン)と申しますと……私が愛好しているソーシャルゲームに、このようなキャラクターがいます」  一同でモニターを覗くと、そこには黄色い肌のアニメ調美少女キャラクターがいた。格闘家の道着に似た格好で、足元から伸びた黒い触手が体の周りを漂い、額には黒い大穴が空いていて、そこからさらに小さな顔が覗いているデザインだ。右下には銀色の文字でNと書かれている。 「これはバドゥクン・サンテット、インドネシアに古来から伝わる暗殺呪術師です。未確認生物シャドーピープルを生み出した開祖とも言い伝えが……」  すると有働さんが説明している最中、どこからか声が聞こえた。 「……いやレア度ノーマルかよ!」 「ん?」  全員が周囲を見渡す。やっぱり誰もいない。 「気のせいですかね。ともかく、そういう神様がいるんです。非常に狡猾で好色、風見鶏のような事大主義者と言われています」 「いやいや悪意ありすぎ! 人間は賢いボクたまに嫉妬してるだけっしょ!」  今度ははっきりと聞こえた。声の方角にいたのは……あの不気味な黄色い人形だ。私は悟さんに目で合図し、ヒエロニズムの遠隔発火攻撃を頼んだ。 「イヤあっちゃちゃちゃちゃ!!?」  人形が炎に包まれると同時に、黒々とした大量の帯電エネルギーが溢れ出す。それはたちまち部屋中の影を吸収しながら人形の炎を鎮火し、その体を人型サイズにまで肥大化させた。 「いやいやいや~。キミたち如きカスどもが、このボクたまを見つけるとはイヤ恐れ入ったよ! いやそれにしても、そのキャラクターちょっとは可愛く描けてるね。いや、本物のボクたまには到底及ばないけど!」  妙に否定から入る口癖のソレは、どうやら有働さんの読み通り。これが全ての影法師(シャドーピープル)の開祖とは眩暈がするが…… 「いやあ、ボクたま優しいからちゃんと名乗ってあげる。大神影(ワヤン)、バドゥクン・サンテット。可愛ぃ子ちゃんには弱いけど……ボクたまが一番カワイコチャーン!!」 ལྔ་པ་  バドゥクンも影法師なら闇には弱いはずだ。となるとさっきの暗い部屋は、恐ろしい事に全て彼の術下だったのだろう。だからさっきやけに具合が悪かったんだ。 ༼ 待て、バドゥクンとやら。お前も金剛の手先か? ༽ 「いや、あいつらとは関係ないね。けどあいつらすっごく強ぇから、ボクたまうーんとゴマ擦ってあやかってやるのさ!」 ༼ なるほど、伝承通りのゲス野郎。なら容赦する必要なし! カハァーーーッハハハハァーーー!!! ༽  ティグク発炎! 私は嬌声を上げながら御戌神の背中を跳躍しバドゥクンに迫る! 最近ずっと恩師とか味方の人とばっかりで本気で戦えなかった鬱憤を晴らしてくれるわ!!! 「イヤアァあっちぃ! いやんもぉ、ボクたまの超キュートなお顔が燃えちゃうだろ!?」 「ぜんぜんかわいくないヨ! お顔キモいヨ!」  オルチャンガールの辛辣なツッコミ! バドゥクンは外殻である人形の体を盾にしながらちょこまかと動き回り、影法師術の数々で私の体力を削ろうと試みる。影踏み、影移し、影鏡、メロンバリアー……だがそれらは全て私も使える技だ! 応酬! 「いやね? 金剛有明団はアガルダっていう楽園を作るのにお前が邪魔らしいけど、それはボクたまにとってどーだっていい。でもワヤン不動、ボクたまはお前の事が個人的に気に入らないんだ!」  するとバドゥクンが見た事のない構えを取る! 「せっかくボンキュッボンのクセにぜーんぜん色気のない戦闘狂いって感じでさぁ、しかも前世が邪尊で引退宣言!? いやいやふざけんな! 世界的に神影(ワヤン)のイメージが悪くなっただろうが!」  チュタタタタ! 突如バドゥクンの手元から光と影を練った小弾が射出される! 私は一歩下がってそれを回避。するとその瞬間既に間合いを詰めていたバドゥクンが私を掴み、 「死ね、『影縫い』ッ!!」  ブレーンバスター! 吹っ飛ばされる! しかし間一髪、壁に叩きつけられる直前に柔らかい光のクッションが私を守った! 「援護は僕が。反撃を!」  背中に私を受け止め、御戌神は跳躍状態のまま空中で翻り激しく発光! バドゥクンへと続く光のトンネルを作りそこへ私を振り落とす。 ༼ こちらにも奥の手はあるぞ! ༽  空中無敵ゾーンで体制を整えた私はそのまま突進すると見せかけ直前で停止。相手の反撃ビームを一度かわしたのち、光の壁に隠して這わせた灼熱神経線維でバドゥクンの全身を爆破! 「いやああぁぁ!?」  ヴァダダガガァン!!! 須弥山をも砕く衆生の怨恨で外殻人形は瞬く間に灰塵と帰す! 現れた中の本体は……人形と寸分たがわぬ同じ顔! どれだけナルシストなんだこいつは!! ༼ 念彼観音力ィィーーーッ!!! ༽  本体一刀両断! スタングレネードの如く光と影が爆ぜる!! 「チクショオォォーーー!! ……いや、まだだぁ!」  明暗錯綜するカンファレンスルームの中で未だ闘志衰えぬバドゥクンは必死に影体を練り上げ、天井に黒々とタールのような不定形塊を捻出した! まさに影法師開祖の意地! 「喰らいやがれ究極奥義、影影無窮(えいえいむきゅう)……」 「お黙り焼豚!」「ガルルァァ!」「スリスリマスリ!」 「イヤアアアァァーーー!!?」  必殺キャンセル!! まさかの仲間三人同時攻撃でバドゥクン再破裂! さしもの開祖様もあえなく墜落。丁度落ちていた人形の灰の山にスルリと入魂すると、もはや再び動き出す体力は残っていなかった。 དྲུག་པ་  最古の神影(ワヤン)はしぶとく、バドゥクンは消滅は免れたようだ。水をかけて冷ました灰にイナちゃんのお札を貼って封印し、みんなで荒れたカンファレンスルームの机や椅子を片付けていると、NIC支部長さん達が目を覚ました。 「うう……酷い目に遭いましたです……」 「やれやれ! 天下のNIC支部長軍団が全員乗っ取られるなんてな」  EU支部長は菌達の無事を確認するように全身を見回し、欧米支部長は崩れた髪型を直す。一方アフリカとアジアの支部長達は自分の身なりには目もくれず、弱体化したバドゥクンの灰山をペンなどで刺して仕返しに興じている。中東支部長は、引っくり返って一人で起き上がれなくなったヴァーヴィアポワ氏……もとい、ラルフさんを手伝っている。 「ふぅ、ごめんねワヤン不動。NIC職員は自分の脳力を過信しすぎちゃう悪い癖があるけど、ここのセキュリティはもうちょっとしっかりしないとね」 ༼ いえ。ラルフさんに送って頂いたテレパシーのおかげで、悟さんに一早く異変を伝えられました ༽ 「ああ、サトくん! 久しぶり! 金融アルマゲドン、お疲れ様。カスプリアもサトくんが一位で喜んでたよぉ」 「まあラルフお義兄様、お体は大丈夫? ヘルニアやってるんだから、少しは痩せなきゃだめよ!」  正気に戻った総長と悟さんが内輪の話を始めたので、私と御戌神、イナちゃんはバドゥクンに尋問を行う事にした。 ༼ さっきお前が言っていた究極奥義とやらは、どんな技だったんだ? ༽ 「イヤ……誰がお前なんかに……」  圧。 「ヒェッ! い、いやだなー、御冗談���すって不動の姐御! いやね、影影無窮というのは、つまりあのメロンみたいな結界をもっと強固に張って、中の暗黒空間で影���者や影写しした傀儡を好きに操るっていうか」 「よくわかんないヨ!」 「イヤぁん!」  イナちゃんに小突かれて涙目になるバドゥクン。まあ、専門用語が多かったがメソッドは理解できた。NIC支部長さん達を操り、あの部屋全体を自分の術下に置いていた技が影影無窮か。かなりエネルギーを消費しそうだけど、御戌神と一緒なら私もできそうだから練習しておこう。 ༼ もう一つ。さっきお前が言いかけた金剛の楽園アガルダとやらは、どこにあるんだ? ༽ 「へへぇ、それはですね……」  バドゥクンが言いかけたその瞬間、目の前に急に柱のようなものが立った。……いや、違う。これは……これは、散減!? 「いっ……ゃ……ァ……!?」  パシュン! 散減に食われたバドゥクンは溶解と破裂の中間のような音を立てて分解霧散、完全に逝去してしまった。金剛に因縁深い御戌神とイナちゃんも戦慄する。 「ああ、カワイソウ、カワイソウ。弱くて惨めなお人形さん……壊れちゃった」  その時、散減が発する白濁乳と同じ悪臭を纏っていたのは…… 「南米支部長、セントプリーア?」  ラルフさんが驚愕する。まさか、NICの中に金剛の人間がいるなんて。 「それに比べて、ワヤン不動。囚われの仏じゃなくなったあなたってぜぇんぜんカワイソウじゃない!」  私は考えるより先に動いていた。南米支部長の幽体にティグクを振りかぶる。ズンと物を斬る感触! が、それは南米支部長を庇って飛び出た散減! 「きゃあああぁぁーーーーーーーっ!!!!!」  つんざくような悲鳴! 散減の断末魔か……違う! 南米支部長だ! 「ついにッ! ついにワタクシに手を出した……暴力を振るったわね! 繊細でか弱いこのワタクシを! 卑劣な加害者め、あなたを絶対に許さない!」  南米支部長は私を軽蔑に満ちた目で睨む。な、なんなんだこの、被害者意識の塊みたいな女は!? 「フゥ、フゥゥ……ワタクシはこれから代理母のお腹から生まれ変わるわ。そうしたら仏のあなたはもうワタクシを傷つけられない! 衆生になるんですものね。それともワタクシを殺して殺人鬼になる方が、邪尊さんにはお似合いかしら? ウフフフフ、それじゃあね」 ༼ ま、待て! ༽  裏切り者の南米支部長はそのまま消えてしまった。バドゥクンは消え、敵の本拠地ももうわからない。何もかもが振り出しに戻り、カンファレンスルームは再び陰鬱な沈黙に包まれた……。
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daibaka · 3 years ago
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賢治は貧しくとも農民は心豊かな生活を送るという信念を持たなければならないとし、それを推奨するために自ら農業技術者として活躍しました。人々からどんな批判があろうとも、東北の人々を敬い、人間礼拝をする。それは正に常不軽菩薩の行法そのものであったのです
常不軽菩薩品|ざっくり納得 法華経のすべて|仏教の教え|日蓮宗ポータルサイト
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chitose-hoshiyama · 3 years ago
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multi-tool  Sadāparibhūta
三味線創作曲。 あらゆるジャンルの常不軽菩薩たちへ。
 for bodhisattvas in various fields
filmed and recorded at live and arrangement at the studio.
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kachoushi · 3 years ago
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風月句会
2022年1月16日
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多摩市民館4F6会議室
坊城俊樹選 栗林圭魚選
坊城俊樹選 特選句
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坊城俊樹選 特選句
寒菊を供へよその名隠すまで 和子 逆光の毛帽子二人戻り来る 和子 寒晴の少しづつ伸ぶ女坂 慶月 寒菊の色とりどりを抱く地蔵 和子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 歪なるまま土を上げ霜柱 貴薫 綿虫を連れて一山参りたる 和子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 ゆっくりと天を目指してゐる冬芽 久 おほどかに傾ぐ石仏冬ぬくし 和子 悴める指先包む手のありて 貴薫 蝋梅の香に絡まれて石仏 三無 満目の凍て山陰の黝し 千種
坊城俊樹選 入選句
句碑に添いひ師の灯籠の寒の水 ます江 そのひとつ先のほぐるる牡丹の芽 秋尚 年尾句碑白文字光る春隣 三無 氷片で池の氷を割り給ふ 久 子等遊ぶ日射し燦々春隣 亜栄子 日に向かひ蕾を緩べ冬椿 久 厳冬や地蔵菩薩の赤シャッポ 佑天 池普請メタセコイアの翳映し 亜栄子 鉦の音の無量の功徳牡丹の芽 三無 何もない空に富士嵌め寒の晴 秋尚 法の鐘堂より洩るる寒詣 慶月 寒中の城址へ息のはづみけり 圭魚 陽子墓碑撫でれば温し四温晴 三無 辛夷の芽白くみ空を突き上げて ます江 枯蔓の音を揺らして年尾句碑 文英 朝の日をぽつぽつ溜めて寒椿 秋尚 足元をただ見て歩く霜柱 久 寒鴉ひと声発しそれっきり 秋尚 神南備の奥の日溜り福寿草 幸風 曲がりたる姿勢を正し女正月 貴薫 枡形門山の神とし凍蝶に 亜栄子 まどろみの天使の像を花はこべ 和子 万両の灯り石仏群傾ぐ 慶月 純白に凛然とあり冬椿 貴薫 小寒の鴉とび交ふ母の塔 文英 初春の光滅びし城主へと 慶月 寒晴や心新たに年尾句碑 秋尚 氷投ぐ玻璃のはじけるごと砕け 眞理子 御堂より誦経秘かに冬の�� 佑天 武士の合戦絶えて雪の富士 圭魚 母の塔冬日さんさん包みこむ 亜栄子
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栗林圭魚選 特選句
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栗林圭魚選 特選句
梅探る退くに退けざる道となり 千種 何もない空に富士嵌め寒の晴 秋尚 つと掴む霜の手摺りや昇り坂 久子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 綿虫を連れて一山参りたる 和子 笹鳴や我が影長く落す坂 久子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 城跡のことども語る榾火守 兎生
栗林圭魚選 入選句
二三輪咲きて早梅年尾の碑 亜栄子 侘助や恥らってゐるおちょぼ口 文英 梅の芽の紅さし年尾句碑待てり 慶月 晴々と今日初富士を賜りぬ 佑天 そのひとつ先のほぐるる牡丹の芽 秋尚 年尾句碑白文字光る春隣 三無 日に向かひ蕾を緩べ冬椿 久 年あらた吐く息強く坂上る 白陶 池普請メタセコイアの翳映し 亜栄子 蝋梅の仰げば淡くまぶしかり ます江 鉦の音の無量の功徳牡丹の芽 三無 法の鐘堂より洩るる寒詣 慶月 万両の実の熟したる常夜灯 文英 陽子墓碑撫でれば温し四温晴 三無 日に風に磨ぎすまされて早梅よ 眞理子 歪なるまま土を上げ霜柱 貴薫 辛夷の芽白くみ空を突き上げて ます江 師の縁蝋梅高く空薫り 亜栄子 冬晴に曙杉の伸び上がる 白陶 枯蔓の音を揺らして年尾句碑 文英 厚氷軽く音たて光跳ぬ 千種 朝の日をぽつぽつ溜めて寒椿 秋尚 探梅や息弾ませて急磴を 眞理子 寒晴や白富士凛と空を抱き 三無 寒鴉ひと声発しそれっきり 秋尚 神南備の奥の日溜り福寿草 幸風 ほころぶる寒紅梅や喜寿の朝 幸風 万両の灯り石仏群傾ぐ 慶月 純白に凛然とあり冬椿 貴薫 氷投ぐ玻璃のはじけるごと砕け 眞理子 おほどかに傾ぐ石仏冬ぬくし 和子 蝋梅の香に絡まれて石仏 三無 釣り鐘の天女の足に日脚伸ぶ 和子
(順不同特選句のみ掲載)三無記
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oki-haru · 3 years ago
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第1章「まことの道」と天の幻想 第2節〈天人〉 2 堕天
 心象スケッチ「〔堅い瓔珞はまっすぐに下に垂れます〕」において、〈天人〉は堕天する。彼らは湖に堕ち、「溺れながらその苦い鹹水を/一心に呑みほさうとする」。「それは全く熱いくらゐまで冷たく/味のないくらゐまで苦く /青黒さがすきとほるまでかなしい」ことだという。色の変化、無色化によってかなしさを強調する独特な言葉遣いである。
 「小岩井農場」において〈素足の生物〉は、時に透明な童子や魂であり、「すべてさびしさと悲哀とを焚いて/ひとは透明な軌道をすすむ」という。「青黒さ」が「修羅」の、透明さが天の印であ��とするならば、この色の変化は「修羅」の罪が報われ天に回帰できると解釈できなくはない。しかし天上へ行くことが「修羅」賢治の望むことであるなら、それを「かなしい」と感じるのはなぜであろう。
 童話『雁の童子』においてはどうだろうか。『雁の童子』にて、雁の姿に変えられた天の眷属は堕天した存在である。鉄砲で撃たれた雁は、炎に包まれて悶え苦しみ「世にも悲しく叫びながら」人の姿に変わる。彼らは地に落ちると、一人が「私共は天の眷属でございます。罪があってただいままで雁の形を受けておりました。只今報いを果しました。私共は天に帰ります。」と言い、燃え尽き消えていく。この場面で天へ回帰できることに喜ぶ様子は描かれていない。罰のために受けてきた苦痛が凄まじいものであったであろうことが、読者に示されるだけである。苦痛に満ちた処罰が悲しいことで、その悲しみが天への回帰の喜びよりも勝ったのであろうか。
 「〔堅い瓔珞はまっすぐに下に垂れます〕」の堕天した天人は、湖で苦痛を受けることで罪の報いを果たし、天へ回帰できるのだろうか。賢治は続けて「あなた」にこう伝える。このような堕天した人々の話を聞いて想像するだけでは、彼らの苦しみや悲しみを理解できないでしょう、と。そして、彼はこのように続ける。
こんなことを今あなたに云ったのは あなたが堕ちないためにでなく 堕ちるために又泳ぎ切るためにです。 (略) いちばん強い人たちは願ひによって堕ち 次いで人人と一緒に飛騰しますから
 「飛騰」とは「〈菩薩〉の理念の形象化」(杉浦, 1988, p93)とされる。菩薩とは仏教で悟りを求めて修行する人のことで、大乗仏教では自利・利他を求めて修行する人を指す。
 山内修(1991, p117)は、定稿「小岩井農場」 における、万人の幸福を祈願する宗教的倫理の表出をもって、「修羅」は菩薩であると主張し、「自己を煩悩という生の欲望を体現する《修羅》と規定し、その煩悩という存在の悪にからめとられた現存在を汚濁にまみれて生きつつ、なおかつすべての生とともに無上道に至ろうとする存在、これを菩薩といわずして、いったい何を菩薩といい得るだろうか」と断言する。
 1917 年の歌稿 A[435]「わるひのき まひるみだれし わるひのき 雪をかぶればぼさつ姿に」でも、「わるひのき」は「修羅」と目され、「菩薩と修羅との対立、相互転換」(小野, 1979, p141)が歌われていると読まれてきた。ここにおいて、天人と「修羅」は菩薩を介して重なるのである。
 そもそも「修羅」と天は、菩薩を介さずとも近接していた。小野隆祥は、賢治が自身の「修羅」像を形作る上で、 彼の座右の書である島地大等編『漢和対照妙法蓮華経』中の聖徳太子の解説した「法華義疏」が重要な役割を果たしたと考察する。
聖徳太子による修羅の語釈は、鬼趣摂(鬼の系列、特性に属させること)と説くかのようであるが、実は天趣摂(天に属せしめる)を本来のものと説いたと見てよい���「もともとは鬼ではなく、貶されて鬼とされたのだ」との太子の語釈は、つねに自己卑小感に悩み、限りない反撥心を感じていた賢治を、精神的に救い、解放する作用を発揮する。(p144)
と「修羅」の天の属性に注目する。そして「小岩井農場」には、人間界を拒絶する激情すなわち天へ昇ることを誓願する「ウル修羅」の感情が記されていると分析する(p152, p224)。
 一方大塚常樹(1999, p31)は、賢治は「魔界と仏界の近似性、類同性」に惑っていたと指摘する。例えば、1918(大正 7)年の保阪嘉内宛書簡[63]には、
けれども一寸油断すると魔に入られます。唯摩経にある菩薩の修行をして居る所へ帝釈が万二千の天女を従へて法をきゝに来てその菩薩が法を説いてゐると唯摩が来てこれは魔王で帝釈でないと教へた事がありました。魔の説く事と仏の説くこととは私共には一寸分かりませんでせう。世尊が道場に座したとき魔王の波旬が来てこれを防害し語巧に世尊の魔と闘ふことの悪いことを説きました。
とある。天と魔を区別することの難しさは、「修羅」が天の聖性と〈鬼神〉としての魔性を併存させる「アンビヴァレントな存在」であることにつながるという。さらに大塚(1999)も「修羅」賢治は「捨身布施への投企によって天上世界への回帰」 試みたと述べ、1919 年に書かれた短篇『手紙一』にはそれが表わされているという(p102, p140)。『手紙一』は、自分の体を猟師や虫に分け与えることによって「まことの道」を進んだ竜が天上に生まれ変わり、「世界でいちばんえらい人、 お釈迦様になってみんなに一番のしあわせを与え」る物語である。利他行為によって「修羅」も天に昇ることができるという考えを読み取ることができる。したがって、苦痛に悶えるかなしみの〈天人〉とは「まことの道」を進む者であり、同時に天への回帰を目指す「ウル修羅」といえるのではないだろうか。
 では一体なぜ、賢治は自身のアイデンティティに〈天人〉ではなく「修羅」を選んだのか。〈素足の生物〉の幻想を描いていた頃の賢治は、まだ「まことの道」とその先の天を目指していたと考えられる。
 『ひかりの素足』でも「ほんたうの道」つまり「まことの道」を歩むよう促されるが、そのためには「〔硬い瓔珞はまっすぐに下に垂れます〕」の〈天人〉同様、罪の有無に関わらず苦痛に耐えられる人にならなければならない。以下の部分である。
「お前はも一度あのもとの世界に帰るのだ。お前はすなほないゝ子供だ。よくあの棘の���原で弟を棄てなかっ た。あの時やぶれたお前の足はいまはもうはだしで悪い剣の林を行くことができるぞ。今の心持を決して離れ るな。お前の国にはこゝから沢山の人たちが行ってゐる。よく探してほんたうの道を習へ。」
 しかし自己犠牲的・利他的な「まことの道」の修行についていけず、「あかるくつめたい精進のみちからかなしくつかれて」「青ぐらい修羅」(「無声慟哭」)の道を歩んでしまう。
 賢治は、弱く不甲斐ない信心と幻覚を見る特異な体質から、天の属性や性質、聖性の強い「ウル修羅」を自分の中に見出していたと考えられる。彼が「まことの道」から外れてしまった理由の一つは、自己犠牲・利他主義が苦痛と悲哀に満ちているからではないだろうか。菜食主義者でもあった賢治は、人間に命を捧げる動物たちの犠牲に涙を流したという。加えて困窮極まる東北の農村で、賢治の実家は質屋という農民たちに犠牲を強いる商売をしており、彼はその家業を酷く憎んでいた。
 1923 年に書かれたとされる『学者アラムハラドの見た着物』は、西域が舞台の未完の童話である。主人公のアラムハラドは、彼の弟子たちに「人が何としてもさうしないでゐられないことは一体どういふ事だらう」、と問いかける。いくつかの問答から「すべて人は善いこと、正しいことをこのむ。」という答えが出たところで、アラムハラドが一人の愛弟子に意見を求めると、彼は「人はほんたうのいゝことが何だか考へないでゐられない」と答えた。それを聞いたアラムハラドの瞼の裏には「軽い黄金いろの着物を着た人が四人」浮かぶ。これは〈天人〉であろう。 彼は「人は善を愛し道を求めないでゐられない」とまとめ、授業を終える。
 「善」は利他行為、「道」は真理のことであり、両者は並列の関係である。つまり自分が善や正しさを好むということと、誰かが善や正しさを必要としていることは独立した事象である。利他行為と真理は簡単に一致しない。けれども賢治は、利他行為と真理を等号で結んだものを「まことの道」と捉えたのではないだろうか。自分の好みのための利他行為は自分にとって喜ばしいことかもしれないが、結局は利己的であり、エゴイズムに陥る可能性がある。
 ゆえに賢治は、自分の利益を完全に度外視した上で得られる利他行為の本質的な喜びと痛みを矛盾なく受け入れられないか思案した末に、むしろ痛みの中に喜びを保存しようとしたと考えられる。苦痛がエゴイズムに向かう心を抑え、深いかなしみが自己犠牲を受け入れさせる。利他行為と真理が一致する地点を「まことの道」と定め、かなしみと痛みが人々を「まことの道」へ導いてくれると結論するのである。
 単なる「いゝこと」ではなく「ほんたうのいゝこと」を追求しなければならないのは、人間の利己的な部分を排さなければ納得できない思いが賢治にあったからである。
 文学者の続橋達雄(1992, p717)は、次のように論じる。
彼は自分の修羅性をごまかそうとはしない。ごまかさずに凝視し、戦慄する。孤独な状態に置かれたこの苦しいいとなみにおいて、凍るようなさびしさを感じていたたまれない。「巨きなまつ白なすあし」を仰ぎみるのはこの時だ。彼が好んで用いる「底」の世界から立直り得るのは、この時である。自己の修羅性を徹底的に見究める苦しい戦いに耐えしめ、その修羅性を否定することによって正しく生きる希望を投げかける力こそ、「まこと」の光にほかならない。
 「まことの道」を進むためには、悲痛に耐え、悲痛を噛み締めなければならないゆえに、遂行が非常に難しかった。菩薩行や罪報の苦痛の場面に〈素足の生物〉が登場するのは、「ウル修羅」を抱えていた賢治にとって〈素足の生物〉 の幻想が「まことの道」の信仰の重要なモチベーションとなっていたからだと考えられる。
参考文献 山内修『宮澤賢治研究ノート』(河出書房新社、1991年)。 続橋達雄「修羅から菩薩へ:宮沢賢治の法華信仰」大島宏之編『宮沢賢治の宗教世界』(北辰堂、1992年)。 大塚常樹『宮沢賢治 心象の記号論』(朝文社、1999年)。
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returntoclear · 5 years ago
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11月の語り
11/2
少なくとも八百鼡ちゃん、人間に化けてお店で働いてた時に、人間のおっさんにお尻触られた時は下衆とか思ってそう
このシーンは下種って思われても仕方ないかな〜と思ってるw 你博士に拐われた時にナニを噛みちぎる宣言したりする気丈さがあるし、気の強い部分があったりするのかなーと思ったりもしている。 …人間の男は下衆と思われてても仕方ない気がしてきたぞw  八百鼡はライバルポジとしては八戒と対になるキャラだし、八戒と同じく二面性を含んでいる可能性もあるのかな? 百眼魔王のところに行く時は泣くしか出来なかったけど、独角兕を叱咤激励したり心がたくましくなったよね…! 
烏哭、カミサマのことベタベタに甘やかして育ててるんだよね。育てたことも育て方コントロールできるのもやっぱ器用だよなぁ
11/3
5と8に関しては雨の日シチュは結構お見かけするし、みんなガンガン書いて欲しい。3も確か雨苦手なんだよね。雨が苦手じゃないのもしかして9だけ!?
君は一行の太陽だね!
11/5
リロブラ借りてきて見てるんだけど、石田さんの声低くなってますな! 幻想魔伝の声で印象止まってたから不思議な感じ。
11/6 リロブラ視聴
 哪吒が急に動き出したのって天界の誰かが操ってるってことでいいのかな?
敵対相手に対してどうしても非常になりきれない紅孩児だけど、一度目は封印されて、二度目は独角兕を奪われた哪吒に対してどんな反応をするのか楽しみ。憎しみをぶつけるんだったら殺気がこもった本気の戦いを見られそう。
 でもなー操られてた子供だって分かったらまた手加減しちゃうんだろうなーお兄ちゃんだからなー!!
八百鼡ちゃんと李厘ちゃん全然出てこないなって思ってたらサービスでちょこっと出してくれて一ファンは大変喜びましたどうもありがとう! 
 リロブラ面白かったし綺麗にまとまってた。原作の雰囲気には一番近いんだろうけど、特殊効果はリアル寄りな色のスプラッターだったので精神年齢が子供��私には幻想魔伝の方があってたかなぁ。 アニメのリロードまだ未視聴なんだけど、こっちもスプラッターだったりする?
 悟浄ってお父さんもお母さんもいなくて、義母に縋るしかなくて、お兄ちゃんはいたけどそのお兄ちゃんが自分のために義母を殺めて行方不明になった…ってだけでも不便極まりないのに、お兄ちゃん生きてて自分の面影がある子のために命を落としたって事がしんどいのにその事実を知らないのとても残酷だわ  妖怪化して暴走する引き金になりそうだし、紅孩児とバトったりするのかな?紅孩児も自責の念があるから苦悶しそう。まだ紅孩児悟浄ってしたことないよね?見境無しになって普段なら絶対しない八百鼡や李厘に襲いかかったりするのかな?八戒止めてくれるかな?  桃源郷には紅い髪の子は不幸になるジンクスでもあるのぉ!? 痣をわざわざ出してきたからシナリオ的に妖怪化はすると思うけど、それまでお腹暖かくして健やかであって欲しい。    悟浄知ら���いところでみんなに先立たれすぎじゃない?って思ったけど鷭里がおった!原作で首にかけてた髑髏の数(あれ食べた三蔵だったはず)だけ先立たれたりするの?
  観世音菩薩が哪吒の世話を任されてるのかな? 公に任されているのか、はたまた秘密裡に残しているのかは分からないけど、天界での騒動後に処分対象になってないのはまだ利用できると考えてる人たちが居るってことでだよね? 李塔天の残党とかまだいるのかなぁ?   死体処理も不浄行為にカウントする? 実は哪吒もどきたちもそのままになって何体か生きてたり、増え続けてたりする?誰かが哪吒実験を引き継いで続けていたりするのかも。 神×妖怪らしい哪吒だけど、精子提供が李塔天?母体が妖怪なのかな? 禁忌の子供たちがどういう結末を迎えるのかも気になる。
 西のさいゆーきベースで考えるとカニバ的に3のこと食べてるから納得して描くなら5×3かな。創作だから3×5でも全然良いのだけども! 妖怪化して暴走状態になったら真っ先に食べようとするの人間の3の可能性高そう。   5の妖怪化デザイン確定したら5×3でおまえ うまそうだなパロして欲しい。   押さえつけて噛みつこうとしたら真正面から紫暗の瞳に見つめられる。昔熊を怯ませた時みたいに5が怯む。  我に帰った後で「うな丼食い損ねた気分」「お前には吉●野の牛丼で十分だろうが」とかいつもみたいに軽口叩き合って欲しい。
11/7 ~ 81オナホアンソロ~
1×8は支部に何件かあるから書く人も需要もあると思うんだ。 8×1は需要ないの?どうしたら増えるんだ…?
よくよく考えてみたら1は原作で8に抱かれて逝ったんだから8×1はありなんじゃあないかなぁあ?????
アオヤギ → 81なんで無いんですかね…っっっ ………増やすか(腕まくり
(^ω^ ≡ ^ω^)おっおっおっおっお〜!?!?!?!? これは!?期待しても良い感じですか!?!?!?!?
そういち→イライラが溜まると式神をオナホにする鬼畜八戒?  
8だってフラストレーションとか…溜まるものはいろいろ溜まるから…
アオヤギ → いろいろと取り外せますしねえええええええ(痛みを伴わない)
そういち → 81オナホアンソロ
R18Gアンソロになりそう
アオヤギ →それはそれで見たい
注文とって限定生産する貴重なご本になりそう!
アオヤギ → 10部いかないかもしれないチャレンジ!
そういち → (くだしゃいな)
アオヤギ → こっちは読む用保存用布教用で3部お願いしまーす!!
8だってフラストレーションとか…溜まるものはいろいろ溜まるから…
とろろ→ 小説サイトさんで昔、1総受けサイトさんありました
心臓ギュってなりました…ホントですか!?まだ残ってたりするかなぁ…すごく読みたいです!!サイトの名前とかうろ覚えでもよいので…何かヒントになりそうなこと覚えていらっしゃることってありますか?
おっ、おっ…目次見ただけで動悸がしてきた… ゆっくり、ちょっとずつ読ませてもらいます…
うっうっ…まだ全部読めてないけど解釈が一致してる…思ってたこと考えてたことが物語になって綴られてる…楽園がここにあった〜!!
普段はほとんど好き嫌いないのですが、実は最近「流石にこれは酷くて地雷だぁー!!」と叫びたくなるような夢主の話を読んだばかりだったんですよ… 夢主に非道い踏み台にされた推し(まぁ敵役だしね…)の話を見た時は憤慨してもんどり打ちましたが大分心が癒されました。ありがとう、ありがとう…
11/8
空×清もあった…なんていうか… 甘ーーーーーい!!!!!(笑)
私なんて空が清にアイスの蓋舐めろよって詰め寄る話描いてたのに!この差!!すごい…八に惚気てた…どうしたらこんなシチュ思い付くんだ…ちゃんと虫のことネタとして組み込んである…天才の所業じゃん…
清一色が出てくる話がバイキングみたいに沢山あってすごく楽しいですw すばらしいブックマークを残してくれていたとろろさんグッジョブです おかげさまで今日も幸せです、ありがとうございます
11/10
教えていただいたサイト全部読んだけど何回も読み直しに行ってる…幸せだ…リンクの切れたイラストに残されてるコメントもいろいろ想像できて楽しい。…
たまに、ほんとにたまーに!!イラストのリンクが残ってるやつを見つけると「Hoooooo!!!!!」ってなる。 
閉鎖された空間に作品が残されているのなんだか美術館みたいな趣があっていいな。読み物が置いてあるし静かな図書館の雰囲気って言った方がいいのかな。静かな場所で作品に向き合ってるみたいでとてもいい。 
11/11
 独角兕飛んで你…というか烏哭の誕生日が設定されてるとしたら、誕生日設定がある子たちが主役級のキャラってことになったりするのかな?
え…悲しい!他の子の誕生日知りたい!
 清さん2月とか寒い日に生まれたのかな?地下みたいにジメッと湿気が多い6月生まれかも?猪姉弟と奇跡的に同じ日でも面白い。
読んでた話の比喩でよく銀糸って出てきてたんだけど、これ色のことじゃなくてなんかこう、ツヤのあるキューティクルな長い髪の毛の比喩っぽかった。よしよし、またひとつ賢くなれたな!
イベント当日にこの画像見せてくれたらオマケつけます!とかフリートしたらいい?24時間限定クーポン
11/13
自分の推しカプに興味がある人が自分だけに分かるのってこっそりアンケートとってるみたいな使い方できそうで楽しそう。 …あっ!あなたこのカプに興味がおありだったんですか!?あぁっ?あなたも!?隠れなくてもいいんですよ!一緒に沼の淵で小躍りしましょうね…!
十数年前の先輩方、清さんのこと儚げなキャラとして扱ってたりしてそういう味付けもアリだな!って新鮮だった。確かに三蔵たちについて行ってもいつ壊れてもおかしくない感じするものね。 …儚げなイメージだから石丸清さんはイメージに合わずに阿鼻叫喚だったっぽいことが分かったのも面白かったw
二又清さん派の人が多いっぽいのもうなづけましたわ。 石丸清さんは中の人ジャッキーだし、冷んやりより熱っぽい感じするよねw 手を握ったら体温ありそう。 演者が石丸さんだと分かった時の三蔵一行の中の人たちのエピソードも好き。みんな違ってみんないいのだ。
石丸さんが抜擢された経緯を知りたい。先生にキャラの声のイメージとか聞いてこら選ばれたんだろうか?スタッフは石丸さんにどんな演技してって指示したんだろう?教えて当時のスタッフの方〜!!
三蔵の誕生日が分かるとは思わなかった。死亡日まで分かるの!?
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お昼は汁なし坦々麺! 温玉トロ〜リ、花椒が効いてて好吃〜!
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11/18
清ハベストシーンどれか一つって選べないんだけど、最初に八戒を壊すつもりだって気づいた三蔵の回想シーンも好きです。 …あれって三蔵の想像する人間を壊すイメージなのかな?結構ロマンチックなとこあるじゃないの〜!  
11/19
猪八戒に往復ビンタできるのもしようと思うのも世界で清一色くらいなんじゃない?…ヤバイな!!
11/20
最期ムッキムキになってた呉道雁も神経敏感になってたんだろうな。 阿羅琊の呪が完全に根を張ってたから常時長期間痛みに苛まれてたと思うんだけどその辺も狂気が加速する要因の一つになってそう。  
11/21
光明に煙を吹きかけられて上司から部下の場合の意味なのか、同格の男同士という場合の意味なのか困惑する烏哭 (この時の光明はなんとなく吹きかけてみただけで特に深い意味はない。若い子がなんか眉間にしわ寄せて考え込んじゃってますね~そうだイタズラしてやろうくらいのスタンス)
シュガー×ドッグのイベント用に作ったアバターです。 イベント限定になりますが、よければ使ってみてください。
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以前投稿したpngがjpgに変換されてた原因、容量の問題らしい。アバター用の容量が小さいpng画像ならpngで投稿できるみたい。
11/22 シュガードッグ開催日
イベント会場重たくなってて入れないwww
自分がログイン状態の時にお客さんが来るとベルが鳴るの初めて聞いた。ポン!とチン!の間みたいな音?
こうりゅうちゃんは絵本みたいですごくかわいい本なんですよ!印刷のやり方も面白い。毎ページ見開きで刷り色変えてあるから印刷大変だったんじゃあないかなぁ?私はたまに出てくるこうりゅうちゃんの顔芸が好きですw
ブロックされてる人のところに遊びに行っちゃった☆
話しかけるタイミングむずかしいなwww 打ち込んでるうちに相手がさってしまうw 「あああああ」とか打ち込んでとりあえず意思表示した方がいいのかな?
11/29
三蔵って男らしい立派な眉毛してますよね。年取ったら待覚さんタイプのおじいさんになるのかな? 
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hananien · 5 years ago
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横浜トリエンナーレに最終日ギリギリで滑り込む。
  2020のテーマは『光の破片をつかまえる』。なんとなく勉強しなさい!と叱られてる気がしながら観覧する。意識高くなることうけあい(皮肉っぽくなっちゃった…)
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裸電球が吊るされている暗い会場にまず入る。千人針(戦地に向かう人にあげたお守り・一枚の布に赤い糸で一人一針、玉結びをする)の結び目を一個ずつ写真にとって展示してある。電球は常に点いているわけじゃなくチカチカと点いたり消えたりするので私のような目の悪い人間にはつらい。千人針については寅年のおばあさんが話すのを聞いたことがあって(寅年の人だけが自分の年だけ結び目を作れる)、生きて帰ってくるのが必ずしも誉でなかった時代だろうに、やっぱり無事を祈らずにはいられないものなんだな~と思ってた。よくテレビで見るじゃない「お国のために死んでこい!」って身内を送り出す華々しい出征のシーンとかさ。。でも表向きそうやって国家に殉ずるをヨシ!と振る舞っていても本心ではやっぱり死んでほしくないと思ってて、その証拠に千人針のような呪いみたいな風習があったんだと思うと、ホッとするというか切ないというか。これを腹に巻いて死んでいった兵士もたくさんいたんでしょうね。
初めはこっそりと始まった千人針も、戦争末期になると銃後の守りの象徴みたいなものとして国が推奨するようになったらしいです(制作者のインタビューより)。個人的な祈りがゆがめられ利用される。だからなのか、ただ「千人針」という言葉じたいに不穏なものを感じてしまうせいか、赤い結び目の整然と並ぶ白い布地がまがまがしく見える。
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何かだんだんと字が浮かび上がってくるみたいです(超適当)。赤いのは土らしいんですが上のスライドするやつから水が噴き出して土を洗い流してるとか。説明文読んでもよくわかんなかった。ダメな観覧者
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絶対にあると思ったマスクネタ。これはコロナ対策のためのマスクでなく、汚染除去作業に当たる作業員がマスクをすることについての皮肉というか。いや皮肉られているのは彼らにマスクを着けさせることで”汚染された境界”の中に彼らを押し込んでいる我々なんだけど…(多分…)。私も冬場はマスク必須の仕事をしているのだが今年は真夏でも湿度80パーセントの室内でも外すことを許されなくてマスクネタには敏感なのだ。見えないトコでは取るよね~みたいな皮肉もあっていかにもあるあるみたいに描かれていたのだが現場ではそんなこと許されるわけもなく…
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こういうのいいよね。私の好きな美はパターンなんだよなとすごいわかる。
これの展示会場は面白くて、中央に赤いカーペットが敷いてあるんだけどクッションでいろんな凹凸が作ってある。靴を脱いで自由に歩いてください!とあり老若男女ワイワイ歩いてたけど私は絶対に転ぶと思ってやめといた。
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問題の映画です。これから見る人は軽い気持ちで見始めちゃだめですよ。だって見たってわけわかんないし1時間弱あるんだから。(暴言)
タイトルは『遅れてきた菩薩』。ちなみに会場は上のカーペットが敷いてある広い会場の一番奥で、カーペットを踏んだりそれを見てたりする私たちは不気味なすすり泣きや読経を聞きながらわりとポップな観覧を経てこの暗がりへ引き寄せられるのだ。
放射能は怖いってことと原発施設はみんな壮大な名前がついてるんだなあってことくらいはわかる映画。ただ面白さは皆無だけど(面白さとは…??)若干ホラーだったし音響もよかったんで1時間眠気も来ずじっくりと見ちゃった。運よく座れたので。座れなかったら5分で回れ右です。後ろで見てた人たち尊敬する。
白黒かつ反転した色彩なのでマジわけわからん(途中でそのわからん色彩でよかった!と心底思った、私ホラーの中でもスプラッタが特に苦手なのだ!)し、主に三者のそれぞれの視点を繋いでいくんだが同一時間帯なのか概念なのかドラマウィッチャー的な時間軸バラバラなのが後で収束する感じなのか…と考えながら見てると「よ、いたの?」みたいな感じで合流するのに驚かされるし、わけ…わかんない…けど…それで多分いいんだ!と思わせてくれる現代アートという額があるので今となってはなんだかいい時間を過ごせた気がします。
極限の世界でそれぞれ孤独に旅を続けてきた者たちがついに互いを見つけ、救われる。(仏陀は遅れてきた弟子を待って火葬されたそうで、この作品はその故事をテーマにしている。)シンプルにそう考えると感動ですね。!
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映画を見て疲れ果てた頭と体で残りの展示物を見物したのでこれを見つけた時には息も絶え絶え、足もナヨナヨだったけどなんか一番好きかな。
プロット48には行かなかった。大型の映像作品が多くて一日では受け止めきれないゾ、これで徒歩10分の別会場に行けとか正気か??と思いましたね正直。
唯一心残りなのは隔離ブースにあった成人指定の映像作品を見なかったこと。女性の外性器がどうのって説明文があって人も並んでたので並んでまで見るのはチョット…と思いクギの刺さった木とか美青年の全裸のポートレイトとか見てたら忘れちゃった。これから行く人はそんなにいないかと思いますがせっかくだから見てきてください。
あと印象的だったのが岩間朝子さんの『貝塚』という映像作品。写真を一枚一枚と重ねて置いていきながら語られるお父様の人生。他人の人生を語るように突き放したような口調や疑問がありながら、けれども最後のお母様の言葉によって一緒に歴史を作ってきた家族であった事実に落ちてきて、ぐっときました。
おわり。絵がね、もっと絵が見たかったです。立体とか彫刻でもいいけど、自分のペースで見て自分のタイミングで離れられるものがね。
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moko1590m · 2 years ago
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『法華経』の狙った人たちは、一切の方々と一緒にともに成仏する。あるいは一切の方々に尽くすんだ、という考え方ですね。例えば常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)なんていう方が、『法華経』の、これは後の方に説かれるわけですが、常に軽んじないというのは、何を軽んじないかというと、どんな人でも人を軽んじない。何故、じゃ、どんな人に対しても軽んじないのか、ということは、どんな人でも仏になる可能性をもっているんだ。専門の言葉で「仏性(ぶっしょう)」と言いますが、どんな方でも仏性をもっている。その仏性を拝むんだ、と。だから常不軽菩薩という方は、どんな方に対しても拝むんですね。拝まれた人は気持が悪いですよね、知らない人に拝まれると。ところが何故拝むか。みんな尊いんだ、と。みんな仏になる素質をもっておられる。ですからたとい今現実には貧しい方であっても、いろいろ困っている方であっても、みんな尊いんだ、というので拝んだんですね。これは素晴らしい考え方だと思うんですね。『法華経』を全部貫いているのは、常不軽菩薩の考え方だと言ってもいいと思うんです。大体どんな人でも、いつでも軽んじないというのは、なかなかできるものではないんですね。どうしても自分が偉いとか、人と自分を比べてみたりして、人を羨んだり、自分がまたダメだと思ったりすることが多いでしょう。そうじゃなくて、人間は本質的にみんな平等なんだ、と。
鎌田茂雄
1999年 NHK「いのちの探求~大乗仏典に学ぶ 2」
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getsuryoukai · 6 years ago
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2019.11.2~4奥秩父 金峰山~雲取山
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Lまっさん、kumiko(記)
紅葉シーズンの美しいシーズン! 憧れの金峰山~雲取山縦走へ行ってきました。
来年アイガーへ行こうと計画を立てている私に、訓練山行としてまっさんが声をかけてくれたのは10月上旬。
それから楽しいフリークライミングにばかり時間を費やし、ロクなトレーニングもせずに当日! 色々無謀で、かなり脚を引っ張ることになるであろう…と容易に想像出来る中、始発に揺られて韮崎駅へ。
DAY1
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3連休初日。
バス席の場所取りのため、一本早い電車でまっさんが並んでくれていたおかげで、長蛇の列を横目に無事先頭にて合流。 彼のザックを持ってみると、上手に軽量化しており軽い!私のも同じく軽量化したはずが、何故か重い。初端からやらかした感満載です。
みずがき山荘に到着すると、たくさんの登山者が。いつも平日にしか行かないので、とても新鮮。 まっさんにテント類と鍋を押しつけ、私は定番大量の野菜を担ぎ、ヨロヨロ歩き出す。
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道の途中には、ボルダーがゴロゴロ。登れそうだな~と横目で見ると、みずがきトポを持っているクライマーがおり、やっぱり登れるんだ!と嬉しくなる。
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こんな天気の良い日にここにいるのに、クライミングしないなんてと二人で笑う。
まっさんの奥秩父愛は終始炸裂していて、楽しい話をたくさん聞かせてくれる。
歴史に興味の無い私でも、聞きながら歩くか否かでは全然違う。 美しい撮影場所、美味しい水が有るところ、最高の休憩ポイントなどなど、とにかく知識量が半端無い!もはや、奥秩父一番の専任ガイドだ。
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富士見平小屋で、まっさん顔なじみの主人から楽しい開拓話を聞いた。天才というのはここまで凄いのか。クライミングは手じゃない脚だという言葉にとてつもない重みが宿る。
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美しい小屋の中には美しい写真がたくさん飾られていた。
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8年前雪のある時期に歩いた道も、クライミングにハマった今改めて見るとたくさんの岩が目に入る。登ったら楽しそうなスラブもたくさん!ボルトが打っていないことが不思議なくらいだ。
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「ここが千代の吹き上げですよ」とまっさんが物語と共に教えてくれた���クライミングルートの終了点があるなんて知らなかった。美しい稜線を進んでいく。
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既にまっさんのペースにバテ気味になりつつ、金峰山小屋にもお友達がいるということでそちらへも寄ってみる。談笑タイムに耳を傾けながら休憩。美味しいモノを頂いた。どうやら国師ヶ岳より先は台風の影響でかなり荒れている模様。こちらも美しい小屋で思わず泊まりたくなる。優しいお人柄がかいま見れて、もっとここにいたくなった。
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ごったがえす金峰山頂から、本日のお宿、大弛峠を目指す。 私は金峰山はこれで3回目。まっさんはなんと10回以上! さて楽しい下りと思ったら、登りがあることをすっかり忘れていた。以前歩いたのは夏。気温は違っても、奥秩父のまったり加減と苔の美しさは変わらない。初日ということで?まっさんは出来る限りゆっくりゆっくり歩いてくれた。
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風が抜ける大弛峠。車はたくさん、テントもたくさん。
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この日は初日なのでkumikoのド定番、野菜たっぷり鮭のチャンチャン焼き。のはずが、前日準備していたら味噌を買い忘れる。
で、ハーブ塩を持ってきたが味が薄い。しかも、いつも「くみちゃんの食当は量が多すぎる」と言われるので今回は反省を交えて量を減らしたら、なんとまっさんは大食漢であった。何でいつも一緒に山行ってるのに気づかなかったんだろう。まっさんごめん。しかし一応大量の野菜を満足気に食べてくれた。
冷たい風の抜ける大弛峠。そんなこんなで美しい夕焼けと星空を堪能した後、寒さに震えながらテントに入り、19時過ぎには消灯。お互い朝まで一度も起きなかった。
DAY2
3時頃起床。
風が強かったためか、テントはカラカラに乾いていた。起きて寝袋を終おうと思ったら、股関節が痛すぎて身体が動かせず超スローペースで片付ける。
実はまっさんには内緒にしていたが、数日前クライミング課題で股関節を痛めたまま今回やって来た。 UTMBに脚の小指を骨折したまま出場した魅力的な女性のことを何故か出発前に思い出し、私は股関節くらいで騒ぐなんて何だと決行した。どうしてもこの時期にこの縦走を歩きたかったからだ。珍しくストックとサポートタイツ、トレランでたまに使う鍼灸シールまで常備した。
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またしても量の少ないフリーズドライを食べる。今日は長丁場。飲料水1.5L、たどり着かなかった時のためにプラス1Lを炊事用としてお互い担ぐ。やはり水は重い!まっさんにテントやら鍋やら押しつけているのに、何故かやはり私の方が重い。
今日は元々、夜間行動覚悟で「将監峠」まで行くことを目標にしていたが、台風による登山道の状況が分からないこと、夜の寒さを考えてやはり笠取小屋まで歩くことにする。
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国師ヶ岳までは私が先頭。歩き始めなのでゆっくりゆっくり高度を上げる。
途中で「北奥千丈、行きますか?一応奥秩父最高点です。俺は何回も行ってるのでここで待ってます」と言ってくれたので、ザックをデポして真っ暗な中、山頂を目指す。
しかし、たった往復10分なのに一人は怖い。幽霊に、熊、動物と嫌なことを考える。
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歌を歌いながら進み、真っ暗な中山頂の証拠写真を撮り急いでまっさんの元に戻った。
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国師ヶ岳山頂に到着。
まっさんが国師の名前の由来を教えてくれた。恵林寺の名前が出てきてちょっと親近感が沸く。月稜の山行が中止になった時、皆で観光に行った定番の観光名所だ。
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朝焼けに染まる中、富士山に見守られながら進む。
あまりの美しさに、思わずため息が出る。
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ここからは倒木が多いということで、まっさんが先頭。
長い足でヒョイヒョイ倒木を交わし、進んでいく。私は短い足でヨロヨロ乗り越えその度に遅れて彼を追いかける。
一瞬迷いそうになるが、直ぐに復帰する。倒木が多い割には、意外と登山者とすれ違い驚く。
美しい朝焼けの木漏れ日だなぁ…とノホホン歩いていると、このペースではたどり着かないとまっさんがペースを上げる。どんどん遠くなる後ろ姿を必死で追いかける。
まっさんは2~3時間に1度しか休憩を取らない。激しく息が切れて立ち止まりそうになるが、ここで止まってたまるかと食らいつく。
ふと、月稜加藤さんや平岡さんの後ろ姿がちらつく。モンブラントレーニング、そして他の山行でも本当にお世話になった。
まっさんは東梓で待っていてくれた。タイム差は10分だったそうで、まぁ許してやろうという雰囲気だった。
その後もまっさんとkumikoの差は開き続けたまま、ゼイゼイ言いながら追いかけた。 股関節の痛くない角度がやっと分かってきたが、たまにバランス失敗して悶絶する。 離れているので、私の叫び声が彼に聞こえないことが唯一の救いだ。
私があまりに息を切らしていたのか、すれ違った登山者に「頑張ってください!」と声をかけられた。いや、そんな中でも美しい富士山や紅葉とか、笹藪とか、一応めっちゃ見てるんやで。
美しい景色が見える度、まだまだ行ける、ガンバ!と自分を励ます。
昨年登った鶏冠尾根が美しく見える。見える山、尾根の見える角度が変わる度、まっさんは毎回丁寧に説明してくれた。
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どうにか甲武信ヶ岳の山頂にたどり着いた。「山頂よりもこっちの景色の方が好きなんです」というので着いていくと…
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確かに美しい景色が!本当に良く知っているなぁと関心する。
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甲武信小屋の主人ともお友達とのことで、小屋に寄ると美味しいネパール茶と、またしても楽しい話を聞くことが出来た。
後から来た女性がテント泊装備だったので話してみると、なんと同じ笠取小屋を目的地にしていると教えてくれた。テント泊できちんと軽量化しており、しかも健脚。私ののろのろペースをとっとと追い抜き爆走していった。 あれくらいにならなければ。
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甲武信を振り返る。
「これから核心が2つ待ってますよ。あれが雁坂峠、水晶を超えて、更に笠取山です」と尾根を説明してくれる。遙か彼方が私には見えない…まだまだ先は長い!昨年来た木賊山を通過すると、サイの河原がお出迎え。 甲武信がガンバと言ってくれたかは定かではないが、気合いを入れ直す。
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美しい笹の広がる破風山避難小屋からは激登り。
ここでも置いて行かれるが立ち止まらずに頑張る。「コースタイムより少し早いですよ」の一言に、ちょっと嬉しくなる。小屋でまったりしていた時間を差し引いても早いのは以外だった。
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2~3分休憩して雁坂峠を目指す。これが私は一番辛かった。もはや脚がヘロヘロ。股関節をかばっていたため片方の膝が痛くなってきた。雁坂峠で止まったまっさんを見たときが一番嬉しかったかもしれない。
 またしても10分ほど待たせたが、ここまでも立ち止まらずに歩けた自分を褒めたい。相変わらず息が切れるのを整えつつ、ここで10分大休止。
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  休憩の度にゼイゼイと座りこみ、回復に時間がかかる。しかし休むとその後一定期間は足取り軽くまた歩けてしまうのが不思議だ。陸上部時代のタイムトライアルトレーニングを思い出す。
しかし、景色は本当に美しい。歩いてきた尾根が遠くまで見渡せる。思えば遠くへ来たもんだ。 
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時間が読めたということで、先頭は私に変わった。
ノロノロ歩くとあっという間に水晶山に辿り着いた。
まっさんが戦国時代にここでのろしを上げていたと知っており、残っていないかと探すが見つからない。 時間も無いので諦めると言い、古礼山を目指す。巻き道もあるのに…と思ったが、ここからの展望は本当に素晴らしいと教えてくれた。
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行ってみると本当に美しかった!「ここを抜かしてしまう人も多いんですよ。本当にもったいないです。ここでテント張りたいくらいですよ」しばし二人で景色に見とれ、もう少しと仕方なく重い腰を上げた。
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雁峠でまったりした後、
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古くなり使用禁止となっている無人の雁峠山荘をチラ見して(前に来たときはシュラフが干してあったらしい)、笠取小屋のテント場へ。
「綺麗な木道の道だね」とまっさんに伝えると「ここは水道局が道を管理しているんですよ。ハイカーも来やすい場所です」と教えてくれた。
分水嶺の標識もあり、���切に使われていることが伺えた。
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笠取小屋のテント場は大盛況で、人間達の他にも鹿10頭以上おり、夕食パーティーしているくらいの混雑ぶりだった。
担ぎ上げたウィンナーと野菜でスープを作るが、またしても量が足りず、味の薄いモノが出来上がった。小屋でカップラーメンを黙って買ってきたまっさんを見て本当に申し訳なくなる。次は、量はどれくらいあれば足りるのか、多いのか少ないのかもっと相談しよう。そして、次は調味料も忘れないように常備!
19時前にシュラフに入るも、食当の失敗が私の中で尾を引き、考えても仕方のないことを色々考えてしまう。明日も3時起きだ。
DAY3
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朝3時。
股関節の状態は相変わらず痛いが、昨日よりは少しだけ機敏に寝具を片付ける。
またしても少ない朝食を取り、足らないので、担いできた行動食の食パンを提供した。 周りのテント群の明かりがつき始めた頃、昨日と同じく真っ暗な中出発。
この日はゆっくり歩こうということで、田中が先頭。水1Lと野菜が無いおかげで、昨日よりは身体が軽い。初っ端から登りの笠取山を目指す。
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頂上付近は意外と岩稜帯で、驚く。
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唐松尾山までは以外と風が抜けて寒い。シャクナゲの木がたくさん群生しており、良い時期に来たらどんなに美しいだろうと想像する。
ここからは稜線の景色と朝焼けを見ながら進む。
この縦走中、殆どの場所で富士山が私達に微笑んでくれていた。夜間行動をしていたら、この美しい景色は見られなかったと思うと、結果的に良かったのだと私は思う。
将監峠へ行く途中の笹の分岐で、まっさんからこの付近は武田信玄の金塊発掘の場所だったと話を聞く。 連日彼はそのような場所や道をいくつも教えてくれていたが、その度、昔の人はここまで来ていたのか…と思いを巡らせる。
「今、登山道はスポーツとして使われていますけど、昔は人々の生活の道だったんですよ。それを考えながら歩くのが俺は好きなんです」
黒部の話や、昔の人々の食料事情など色々聞くうちに、いつも何気なく歩いている登山道から人々の息づかいが聞こえてくるようで、不思議な感覚になる。
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まるでスキーが出来そうな将監峠へ続く下り道を降りると、綺麗なトイレのある小屋に着いた。
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ここも水道局が管理しているそうで、とにかく美しい。 「まだ疲れてないんで行きましょう」と休憩も早々に歩き出す。ここからはアップダウンの少ない長いトラバース。
「この道も、昔の水道局の人々が作ったんですよ。今も管理してます。重い荷物も運びやすいようにわざと平行に作ってあるんです」とまっさん。
それを聞いてから歩くと、苔の生えた石垣に妙な愛着を感じてしまう。岩には美しい苔の群生していて、時間の経過を感じさせる。その場でずっと人々の営みを見てきたのか… 連休最終日だからか、ここまで誰にも会わなかった。
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そろそろ飽きてきた頃、ハゲ岩の標識が目に入る。スルーしようとすると「ここで休憩しましょう!」と言われノコノコ着いていく。そこにはもの凄い絶景が待っていた!!
歩いてきた稜線が見える。金峰山も見える。ここを知らずにスルーしようとしていたなんて、なんてアホだったんだろう。ここで、雲取山から来たという人々に会う。本日初めての人間達だ。
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大休止の後、飛龍権現へ。「飛龍山山頂へ行きますか?俺はここで待ってますけど」行きたい気持ちはあるが、元々今回、飛龍山は行動予定に入っていない。今度改めて来ようと思い、先へ進む。
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ここからはずっと笹の生い茂った登山道をトラバースしていく。
夏は綺麗に刈り込まれていた気がしたが、秋はやたらと元気に伸びていて以外と歩きづらい。気を抜くと脚を踏み外し笹藪へ転落しそうになる。
途中で間違えて道をロストし、後方のまっさんが気づいてくれた。稜線通しで歩かなければならないのに、踏み跡にまんまと騙され情けなくなる。
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だんだん近くなる雲取山に、まだかまだかと期待が高まる。
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延々歩いて、やっと三条ダルミ!
金峰山方面と雲取では、全く気温が違う。ここに来て、始めてお互いに夏用の日よけ防止を出した。 「あとはもう雲取山だ~!」と最後に登り切ると、見慣れた雲取山の山頂に出た!
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私が来る時はいつも曇っている雲取山は、今回珍しく雲が少なく、大菩薩などの山々がしっかり見えた。
まっさんは今回の道を全て歩いており、雲取はもう何十回も来ているそうだが、繋げて歩けたことはやはり嬉しかったようで、二人でしばし感傷に浸る。
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さてここで、下山場所をどうするか話し合う。計画書は奥多摩駅までと提出していたが、朝は、鴨沢下山にしようかと話ししていたからだ。
お互いにまだ脚は行ける。石尾根は何度も歩いている。3泊4日ではなく、2泊3日だから歩く意味がある。まだ時間に余裕があるのだから、奥多摩駅まで歩こうと意見は一致した。
見慣れた道を歩く安心感に浸りながら、まっさんから雲取山の名前の由来や、森林の話を聞きつつゆっくり下っていく。
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 七ツ石山の山頂から、七ツ石小屋の主人と奥様へまっさんが電話を入れる。
私が先日七ツ石小屋へ寄った際、縦走の計画を伝えたからだ。明るい奥様の笑顔と猫のデン五郎に会えないのは寂しいけれど、目的を果たすべく、先を急ぐ。
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私の奥多摩デビューは、トレランで来た石尾根だった。
それから何度か来ているが、相変わらずの走りやすそうな道は変わらない。15時前になると段々と寒くなってきた。
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鷹ノ巣山避難小屋には一人泊まっているようだ。
お互いの行動食が底を着いてきた。厳しいクライミングでは皆酷い食糧事情だよねと話す。頭の中で食料の算段をする。
ここからは夜間歩行もあるため、ヘッドランプを早めに装着して進んでいく。
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暗くなるとペースが落ちることを考え、私はスピードを上げた。荷物は重いし脚も痛いが、トレランしていた頃の血が騒ぎ小走りに駆け下りる。「転ばないでくださいよ!」とまっさんが追いかけてくれる。
暗くなってきた頃に、登ってくる登山者とすれ違う。随分遅くに上がってきたなと思う。そろそろヘッドランプの明かりがないと厳しくなってきた頃、足元が見えずに躓くようになり、仕方なくスピードを緩めた。
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六ッ石山近くでキラキラと稜線が光ったので、人がいるのかと思ったら、なんと街の明かりが美しく瞬いていた。
真っ暗な中、お互い無言で歩く。まっさんの持ってきたラジオの音に癒される。 限界の脚と空腹を引きずりながらゆっくり下っていくが、真っ暗になり道が良く分からなくなってきた。何度も歩いているはずなのに、核心を持って進めない。
まっさんが現在地を的確に捉え、後ろから指示を出してくれる。何とも情けない気持ちのまま進んでいく。 不老線の明かりがチラチラと見えて、転びそうな土道を越えまだかまだかと思っているとやっと見慣れた神社と道路へ出た。
前はここに大きな百合が咲いていたなと思っていると、ここでまたしても少し道をロストする。情けなし。
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登山道と道路を交互に歩き、当初の計画通りの時間に奥多摩駅へ到着した。
ずっと歩いてみたかった金峰山~雲取山縦走。
この紅葉の美しい時期に最適な気温の中、素晴らしい仲間と歩くことが出来て本当に楽しかった。
久々の縦走は、当然のように体力不足の実感と、様々な登山技術の不足を改めて実感する山行になった。いつもは気にとめていなかった失敗もたくさんした。しかし、アイガートレーニングも、私の山もまだまだ始まったばかり。長くやっていると、だんだん形になってくると信じて、また一から作っていこうと思う。
まっさん、最高の3日間をありがとう!
コースタイム 一日目 みずがき山荘9:59~富士見平小屋10;42~鷹見岩分岐11:36~金峰山小屋13:45~金峰山14:27~16:30頃大弛峠(テント泊)約6時間半 二日目 大弛峠4:17~北奥千丈ヶ岳17:01~国師ヶ岳17:15~甲武信ヶ岳9:35~破風山11:54~雁坂峠13:21~水晶山14:00~古礼山14:23~雁峠15:35~笠取小屋16:00頃(テント泊)約12時間半 三日目 笠取小屋4:26~笠取山5:09~唐松尾山6:02~将監峠7:48~ハゲ岩9:52~三条ダルミ12:30~雲取山13:16~七ッ石山14:38~鷹巣山避難小屋15:56~六ッ石分岐付近17:22~道路合流地点17:05~奥多摩駅19:43  約13時間半
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shoufukuji · 7 years ago
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造園家・矢野智徳さんと「杜の学校」のスタッフさんたちがそれこそ夜を徹して榧(かや)の治療をしてくれています。有り難いです。 その様子は、思はずこれらの言葉を思い出させてくれます。 「一草一木、一礫一塵、各一佛性あり(一本の草木にも、一つの小石や土ぼこりにさえ仏になる能力がある)」(『金錍論』) 「我深敬汝等不敢軽慢。所以者何。汝等皆行菩薩道当得作仏(私はあなたを深く敬い、けっしてあなどったりしません。なぜなら、あなたは菩薩の道を進んでこれから必ず仏になっていくのだから)」(『妙法蓮華経』「常不軽菩薩品」) #矢野智徳 #造園 #榧 #水脈 #境内環境改善 #杜の学校 #昌福寺 #妙法蓮華経 #法華経 #金錍論 #常不軽菩薩 #妙楽大師 (昌福寺)
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lovecrazysaladcollection · 6 years ago
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(1)如来グループ
 大仏が属す。最も位が高い。  企業の役職に例えると、社長、会長、名誉会長。  如来は真理に目覚め悟りを開いたもの。如来以外は全て修行中。
 世界最初の仏像は釈迦如来。1世紀に作られた如来の一種。作られたのは釈迦の死後およそ500年後。それまで仏像はこの世には存在しなかった。
 しかし仏教の布教には仏像が必要だった。釈迦の姿を拝みたいという信者たちのラブコールに応え、釈迦は仏像となり釈迦如来となった。つまりお釈迦様の仏像が作られたのだ。  歴史が下ってくるとだんだん仏教を信じる人の裾野が広がっていく。それによって、こういう仏がいたらいいなという庶民のニーズに応える形で様々な仏像が出てきた。
 その後、庶民の細かなニーズに応える形でも仏像が作られた。  医療を中心にした薬師如来。極楽浄土の案内人として阿弥陀如来。阿弥陀如来は「南無阿弥陀仏」と唱えれば成仏できるという手軽さが受け、日本の寺院で最も多く祀られている。  さらには太陽を神格化した大日如来など、経典に記された数々の如来が仏像となっていった。  奈良の大仏は毘盧遮那(びるしゃな)如来を仏像にしたもの。鎌倉の大仏は阿弥陀如来。  如来は釈迦が悟りを開いた姿を表したもので、その多くが座っていて、衣をまとっただけの質素な形。
 これらは仏像界の頂点に立つグループなのだ。
(2)菩薩グループ
 弥勒菩薩、観世音菩薩、地蔵菩薩(お地蔵様)。  庶民から圧倒的支持を受ける。  企業の役職でいうと部長など中間管理職。  菩薩は悟りをめざし修行中。上を目指して修行しながら苦しむ人々を救う仏。
 菩薩とは、修行僧という意味の、古代インド語(サンスクリット語)のボーディ・サットヴァが元になっている。  ちなみに、釈迦の次に悟りを開くとされているのは弥勒菩薩だが、悟りを開くのは56億年7千万年後。  如来は難しい語り口で教えてくれるため理解しがたい。菩薩はそれを優しく説いて��れる。なので、菩薩の方がより身近。
 全ての人を救うには如来だけでは手が足りない。そのため、菩薩は如来の脇に立ち、如来とユニットで作られることが多かった。  釈迦如来の脇には文殊菩薩と普賢菩薩。文殊菩薩は知恵を司り、普賢菩薩は修行を司る。「三人寄れば文殊の知恵」は、この文殊菩薩から来ている。
 如来が座っているのに対し、菩薩は動物に乗っていたり立っていたりしている像が多い。その理由は、菩薩は少しでも早く人々を救えるように。腰を捻ったり片足を踏み出してる像もある。  他にも、菩薩は美しい布をまとい、多彩なアクセサリーを身に付けた姿。これは釈迦の出家前の王族時代の姿を現したもの。
 菩薩は俗人に近いため人気が出た。特に鎌倉時代以降、庶民信仰の中で人気に。  それを象徴するのが観世音菩薩。優しそうな外見で人気を集めた。観音様はもともと男性でも女性でもないが、優しいイメージのため、いつしか仏像の姿も女性のイメージになり爆発的人気に。
 あまりの人気に、如来を差しおき単独で活躍することになり、さらに人々の欲望のままに変身を遂げ、二本の手だけでは救えないだろうと手を増やした結果、千手観音が生まれ、また、世界中をもっと見渡せるようにという十一面観音も。  さらに、大船観音、高崎観音のように巨大化したものまで。
 寺まで行かなくてももっと親切な菩薩もある。アンパンマン顔負けに助けに来てくれる、それが地蔵菩薩。  人々を助けるため自ら出向き、救いの手を差し延べ、ダメな人ほど救ってくれるという。
 なぜ親しみのある愛らしい顔をしているのか?  地蔵菩薩は地獄に堕ちた人までも救ってくれるという。親より先に死んだ子は賽の河原で親不孝の責め苦を受ける。それを救うのが地蔵菩薩。そこで賽の河原から連想される石で作り、顔も子供たちそっくりの丸い形で作られるようになったのだという。  上流階級がきらびやかな観音様に傾倒していく中、お地蔵様は身近さから庶民のアイドルに。
 地蔵菩薩というのは庶民のささやかな願いも聞いてくれる、身代わりになってくれるという信仰が強い。身代わり地蔵、とげ抜き地蔵、子育て地蔵などなど、全国さまざまなバリエーションを生んでいった。
(3)明王グループ
 歌舞伎の市川海老蔵が結婚を報告した成田山新勝寺のご本尊は不動明王。  が、不動明王はなぜ怒っているのか?
 京都の東寺の講堂には、不動明王を中心とした四体の明王が。東に降三世明王、南に軍荼利明王、西に大威徳明王、北に金剛夜叉明王。不動明王とあわせて五大明王。  しかしこの仏像、他と違いみんな怒っている。なぜか。
 明王は密教で大日如来の化身・分身。特に明王が救うのは難解の衆生(なんげのしゅじょう)、すなわち、いくら言っても聞かない人。
 大日如来が変身して悪を懲らしめる、これが明王。  明王は激しい煩悩を背後の炎と剣で焼き尽くし、左手の縄で縛ってでも救うという。慈悲の心ではなく怒りで仏教界を守る、いうなれば闇の仕事人、裏のガードマン。
 平安時代に弘法大師が中国に留学して密教を学び、不動明王を持ち帰った。当時の人々は非常に衝撃を受けたと伝えられている。武力でもって力尽くで人を救う。   (4)天グループ
 明王グループと同じく武道派集団。  「天」とは耳慣れない言葉と思われるかもしれないが、「寅さん」で有名な葛飾柴又の帝釈天、戦の神様の毘沙門天、東大寺の金剛力士も天の一員。
 同じ武道派集団の明王との違いは?  天は元々インドの神話に出てくる神様で、仏教界の一員ではない。  天とは、神という意味の、古代インド語(サンスクリット語)のテーヴァが元になっている。天は当て字。
 仏教が広まる前のインドでは、ヒンドゥー教という多神教が信仰されていた。その中には最強の戦士インドラという神や、ブラフマンという宇宙を作った創造神など多彩な神様がいた。インドラは帝釈天、ブラフマンは梵天として仏教に取り入れられていった。
 元々いたインドの神様たちを、仏教を守るガードマンとして取り入れたのが天。いわば正規軍ではないが、外から助けてくれる助っ人外国人のようなもの。
 天はインドの神話に出てくるということで様々な姿をしている。菩薩や如来より、より身近なものがあった。  たとえば、天の最高位の四天王と呼ばれる多聞天、広目天、増長天、持国天は東西南北に分かれ、如来・菩薩を守ると言われる。足の速さを形容する韋駄天、地獄の王の閻魔様も天の一員。
 そして天はしばしば、御利益によりユニットのように複数で組む。例えば、多聞天が武将の間で人気があるとなると、多聞天はソロデビュー。  多聞天は戦国時代に名前を変えて活躍した。それが上杉謙信の守り神で有名な毘沙門天。毘沙門天はさらに弁財天、大黒天とともに日本の神様ともユニットを組み、七福神として日本にすっかり定着した。
 以上4グループ以外に、空海、鑑真などの高僧も仏像となっている。
 その年、その時代に合わせ、救いの形を進化させ、日本の民衆に愛されてきた仏像。願いの数だけいろんな仏像がほしい、そんな人間の御利益主義が多種多様な仏像を生んだのかもしれない。
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ぼやきくっくり | 「たけしの教科書に載らない日本人の謎」仏教特集 (via vampir)
2012-01-01
(via gkojax-text)
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groyanderson · 5 years ago
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ひとみに映る影シーズン2 第三話「招霊上等仏恥義理」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
☆キャラソン企画第三弾 加賀繍へし子「我等、���寸釘愚連隊」はこちら!☆
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 その夜、私は激しい雷雨の音で目が覚めた。雷が鳴る度に地面が微かに振動し、天井から垂れ下がる人天蓋も揺れているようだ。ベッドから起き上がり、着崩れた僧衣を軽く直して様子を見に行く。重たくなった引き戸をこじ開けると、水没した橋のようになった露台から雨水が雪崩込んできた。目の前に見える安達太良山は山頂付近が重い雲で覆われ、普段露台で寛いでいると挨拶をしてくれるトンビやカラスも、当然今日は飛んでいない。妙だ。石筵観音寺(いしむしろかんのんじ)で、天気がこんな風に荒れるのは初めてだ。私は美しい木彫りの観世音菩薩像の御前で印相を組み、真言を唱える。 「オム・マニ・パドメ・フム……オム・マニ・パドメ・フム……」  すると仏像に蛍火のような淡い光が灯り、既に御仏になられた私の恩師、ここ石筵観音寺の和尚様が金剛観世音菩薩として顕現された。 『外で何が起きているのですか』  声ではない波動で、和尚様の言葉を感じる。私は雨が降りしきる露台の方を向き答えた。 「まだわかりません。ですが昨日、散減という怪物と遭遇しました」 『チルベリ』  それはこういう怪物でしたか? と聞かんばかりに、和尚様の手から霞のようなエネルギーが立ち上り散減の姿を象った。飛行機の機内では気がつかなかったけど、散減は毛虫状の体の両端に顔がついていて、どちらも頭になっているようだ。右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している。和尚様はそれをグシャッと握り潰した。彼の御顔は穏やかな観世音菩薩から、憤怒相をたたえる馬頭観音に変わっていた。 『行くのです、一美。偽りの金剛を斬るのです』
དང་པོ་
 午前〇時半、ホテル千里アイランドリゾート宴会場。川の字に並べられた中央の布団で、私は目を覚ました。どうやら観音寺の夢を見ていたようだ。外は夢と同じ雷雨。とても嫌な予感がする。様子を見に行きたい。けど、佳奈さんの枕元からスマホの光が漏れている……まだ起きているみたいだ。さてどうしたものか、と考えていると、私の背中側に誰かがコロンと寝転んだ。 <こんばんは! お邪魔していい?>  私の影にテレパシーが伝わってくる。万狸ちゃんだ。 <一美ちゃん、ムニャムニャ寝言言ってたけど大丈夫?> <うん、ありがとう万狸ちゃん。……お願いがあるのだけど>  私は夢や嫌な予感の事を万狸ちゃんに伝えた。そして、私の代わりに少し外を見てきてほしいと。 <散減……一美ちゃんは、お昼の怪物の事知ってるの?> <ほんの少しだけね。昔戦った悪霊の仲間なんだって> <じゃあ、一美ちゃんがパトロールに行った方がいいかな。私がこの体回しておくから、行ってきていいよ!> <頼んじゃっていいの? じゃあ、十分ぐらいお願いしようかな> <オーケー。あ、ちょっと待ってて>  万狸ちゃんは襖をすり抜け、男性側の寝室に入っていった。『体を回す』。つまり霊能者が幽体離脱をする時に心臓や呼吸が止まらないよう、誰か他の霊に体を預けておくことを意味する専門用語だ。普通は親戚とか、余程信頼できる霊にしか頼まないものだけど、彼女はプロ霊能者である後女津斉一さんの娘だ。安心して体を預けられる。  程なくして万狸ちゃんは、斉三さんを連れて戻ってきた。護衛につけてくれるそうだ。私は万狸ちゃんに肉体を預けた後、肉体から念力で影だけを集め、幽体離脱した霊魂に纏う。こうする事によって、影法師使いは影と念力でできた体を持つ強力な霊体になれる。世間では未確認生物シャドーパーソンとも呼ばれる、まさに『影法師』という形態だ。準備ができた私と斉三さんは、ホテルの中庭方面へ見回りに向かった。 「こんな時間にお付き合いさせてしまってすみません」 「構いませんよ。むしろこの島では、一人で出歩かれる方が困る」 「……あの、万狸ちゃんから伺ったんですが、あなたは……斉一さんの、ドッペルゲンガーだとか」  歩いていた斉三さんがピタリと立ち止まる。 「……十年以上前の話です。台風による津波から避難するため、斉一は身重の妻を乗せて運転していた。すると山が崩れ、彼らは土砂で生き埋めになりました」 「土砂災害……!」 「三人は救出されましたが、斉一が次に目覚めた時、妻は酸欠の後遺症で植物状態に。子供も流れていました。それを聞いた斉一の精神は三つに分裂して、そのうち一つが僕……」  斉三さんはゆっくりと振り向きながら、狸から人間の姿に変身した。 「事故当時のまま、時が止まってしまった側面です」  それは十数歳ほど若い頃の斉一さんだった。右半身が血と細かいガラス片でキラキラと輝いていて、右腕は折れているのか肘から下がだらりと垂れている。嫌でも凄惨な事故現場を想起してしまう、痛ましい説得力のある姿だ。 「すいません、そんな過去とは知らずに……」 「お気になさらないで下さい。今の僕達には、万狸がいますから」  後女津万狸ちゃん。流産してしまった水子の魂が妖怪になったのか。十数年前に赤ちゃんだった彼女は今、中学生ぐらいだ。恐らくは、生きている子供と何ら変わらない愛情を注ぎ込まれて育っているんだろう……。何があっても、この島で彼らの縁は守らなければならない。そう思った丁度その時だった。 「きゃああっ!」  ホテル棟とやや離れた中庭奥、業者用駐車場方面から悲鳴が上がった。私達は一瞬顔を見合わせ、声の方向に駆け寄る。斉三さんは小さな化け狸姿に戻ってコンクリート壁をすり抜け、私は壁沿いに灯る照明の光をつたって影体を這わせた。
གཉིས་པ་
 駐車場にいたのは加賀繍さんを取り巻いていたおばさま軍団だ。よく見ると中央のおばさまがナイフを掲げている! 「不思議よねぇ……。今日までずっと一緒に活動してきたのに、なーんかストンと醒めちゃったわ。加賀繍へし子なんかペテン師よ、ペテン師……イヒヒ……」 「な……何を言ってるの!? こんな夜中に急に呼びつけて……ともかくそのナイフを下ろして!」  別のおばさまがナイフを持ったおばさまを宥めている。ナイフのおばさまは口角から茶色い液体を垂れ流し、目も焦点が定まっていない。それを見た瞬間、私の中で二つの手がかりが繋がった。 『右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している』 『母乳を奪えば子は親の因果を失い、他人の母乳を飲ませれば、子とその相手は縁で結ばれる』 「そうか、あの液体が縁の母乳なんだ!」 「縁の母乳?」 「はい。どういう仕組みかはわからないですけど、散減は人の縁をミルクみたいな液体にするんです。あの人のは茶色く濁ってるから、散減に縁を奪われて、代わりに悪縁を植え付けられたんだと思います」 「母乳か……エーテル法具と呼ばれる物の類だろう。それじゃあ、散減は何処に……?」  斉三さんが周囲を見渡す。確かに大雨で視界が悪いせいでか、散減本体が見当たらない。おばさまはナイフを舌なめずりし始めた。 「一体どれだけの人間が、あの強欲バブアァァーに毟り取られたのかしら。成敗しなきゃ……共犯者の私達が責任取らなきゃでしょぉ? 暗殺ゥ、あなた達も協力しなさいよォォ……!」  フシャアァァァ! おばさまの口から穢れた母乳が霧状に吹き出す。霧は雨風に飛ばされる事なく、他のおばさま方の方に流れ……すかさず斉三さんが飛び出した! 「そうか、気枯地(けがれち)だ! まずい!」 「気枯地?」 「説明は後!」  斉三さんの尻尾が回転しだす。たちまちそれは極彩色に輝く糸車になった! そこから数本の糸が放たれ、伸長しながらおばさま方を繭状に包み込む。すると繭に触れた穢れ母乳霧は空気清浄機を介したように消滅! 「ふぅ……。気枯地、パワースポットの逆、厄や災いを招く地。木々は曲がりくねって伸び、水が歪んで流れ、磁場も気圧も狂っている。この島に来た時からずっと嫌な感じがしていた。地相学的に言えば、この島全体が大きな悪霊なんです」  斉三さんは極彩色の尻尾を引っ込めた。 「それじゃあ、あの人は……千里が島そのものに取り憑かれているんですか!?」  言われてみると、確かに私も島に来てから体に不快感を覚えていた。しかも今、母乳霧は雨を貫通して漂った。これは明らかに異常だ! 「どうして? どうして仲間になってくれないの! 断ち切ってやる……お前達のその縁、断ち切ってやるゥーーーッ!!」  ナイフのおばさまがおばさま方に襲いかかる! 「きゃあああ!!」 「危ない!」  私は咄嗟に飛び出し、ナイフのおばさまの影を踏みつけた。するとおばさまはスカートの裾を踏まれたようにその場から進めなくなり、べしゃりと転倒した。 「ギャッ!」  影法師の『影踏み』という技術。でも夜は暗く、しかも大雨で影が朧になっているから力が出せない。私にとって最悪のコンディションだ。 「ヒヒヒィーッ……悪霊だあぁぁ! 悪霊が私を押さえつけていて動けない! 誰かあぁーーーっ助けてぇーーー!!!」  おばさまが大声で喚き散らしながら暴れる。私も彼女に必死にしがみつくけど、長くは押さえつけていられない。 「斉三さん!」  叫ぶより前に、斉三さんはおばさまからナイフを奪い取ってくれていた。アンダースローでナイフが投げられたと同時に、私の念力も限界を迎えて影体がおばさまから弾け飛んでしまった。一瞬気が遠くなるような浮遊感を覚えた後、魂が雨に流されないよう何とか街灯の光で影体を繕う。 「今よ、エイッ!」   ナイフがなくなった隙におばさま軍団が暴れるおばさまを取り押さえた。これでひとまず一安心か…… 「……! みんなその人から離れろ!!」  突然斉三さんが叫んだ。しかしカラキシであろうおばさま方には聞こえていない。すると先程まで暴れていたおばさまがビクンと大きく痙攣し、ボキボキ脱臼音を立てて仰け反っていく! 「ゴッ……ゴボッ……ホバアアァァーーーーッ!!!!」  バキミチッ、パァン!! おばさまの体が背中側に折りたたまれ、さながら昔の二つ折り携帯電話を無理やり逆向きに閉じた時のように背骨が砕ける音がした。皮膚伸縮の限界を迎えた胸は裂け、彼岸花状に開いた肋骨が剥き出しになる! そこから天高く鮮血を吹き上げながら、次第に右第二肋骨が膨張しだし……いや、おばさまの魂や血、生命力を吸収しだし、グロテスクな芋虫状の怪物に姿を変えていく! 「きゃああーーーっ!」「誰か、誰かあぁーーーっ!」  おばさま方は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。雨で足元が覚束ず、何人かは転倒する。 「ボココッ……ポコッ……ンマアアアァァーッビャアアァーーー!!!」  おぞましい咆哮! 細長い芋虫状の体にまばらに毛が生えだした怪物……散減は、逃げ遅れたおばさまの一人に狙いをつけた。 「いぎゃあああ! 何かがいる、何かが私に触ってるのぉーーっ!」  散減は飛行機内で見た物と比べれば遥かに小さい。ただ、それでも全長一メートル程はある。片方の口に二つ折りおばさまを咥えているからリーチは短いけど、足がもつれたおばさまに組み付こうとビタビタ暴れ回っている。 「やめろ!」  斉三さんは咄嗟に二つ折りのおばさまに憑依した。苦痛に歪んだ表情のまま散減を掴むと、力任せに放り投げる! 「ン厶ァッ!」  地面に叩きつけられた散減は陸に打ち上げられた鯉のようにのたうち回る。斉三さんは血反吐を吐きながら脱臼した肉体の姿勢を整え、尻尾の糸で傷口を塞いでいった。 「大丈夫ですか!?」 「はあ、はあ、言ったろ���…僕は、止まっている側面……死にかけた人間を未練がましく延命させるのが得意なんだ……妻の、時……」  掠れた最後の一言は雨音にかき消されて、『妻の時』とだけ聞き取れた。しかしそれを考察する間もなく、身軽になった散減が猛烈な勢いで逃げ遅れのおばさまに迫っていた! 「オゲエェェ、ヴォエエエェェェ!」 「ぎゃああああ! くっさあああぁああ!?」  散減が口から大量の穢れ母乳を吐瀉! おばさまを悪縁汚染させようと試みる。 「させるか!」  私はまだ復旧が不完全な影体を振り絞って、おばさまの周囲の影を編みドーム状バリアを張る。行き場を失った光線がメロン格子状に輝き、念力と光エネルギーで多少は霊体からの攻撃を防げるんだ。でも相手が怪物では、数秒しか持たない! 「ンマウウゥゥゥ!」 「う、くぅ……!」  散減がバリアに体を何度も叩きつける! 想像の何十倍もの衝撃に、まるで息が出来なくなるような鈍い激痛が私を襲った。ジリ貧だ。せめて明るい昼間だったら。せめて雨が止んでさえいれば。せめて自分の本体とプルパさえ近くにあれば力を出せるのに! もう、ダメなのか……? 魂の消滅をも覚悟した、その時だった。
གསུམ་པ་
 ブアァァン、ギャギャギャギャギャ!! 張り詰めた状況を突然切り裂くエンジン音。昨日昼に見たイケメンライダーズのバイクが、中庭にドリフトしながら現れた! 爆音に驚いた散減は攻撃を止める。停車したバイクから降りたライダーは、ダマスク柄のフルフェイスヘルメットを脱ぎながら念仏を唱え始めた。 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」  それはお経にしては余りにも禍々しく、殺意に満ちた響きだ。ヘルメットの下からライダーの素顔が見えかけた瞬間、ビシャァァーン! バイクの背後に雷が落ち、そのライダーを……特攻服に身を包んだ占い師、加賀繍へし子のシルエットを強烈な後光が照らした! 「加賀繍さん!?」  加賀繍さんは昼間と同じぬか床の壺を地面に置いて開く。そして猛禽のような目つきで散減(がいると思しきアサッテの方向)を睨みつけると、 「救急車を呼びに行け」 「はい!」  逃げ遅れのおばさまを逃がした。そして散減(が実際はいない方向)を睨みつけ、壺からヌラリと光る金属製の何かを取り出す。あれは、五寸釘……? ぬか漬けの色を良くするために入れていたんだろうか。 「よくも私の可愛い仲間を乗っ取ってくれたね……ご先祖様の怒りを知れ!」  更に加賀繍さんはぬか床からナスビやキュウリ等を取り出すと、そこに五寸釘をプスプスと刺していく。まさか、あの形は…… 「精霊牛と精霊馬!?」  そうだ。あれはどう見ても、お盆にご先祖様を送迎するのに使う野菜の牛馬だ! けど脚を丑の刻参りじみた五寸釘で作る事で、何やらとんでもなく罰当たりで禍々しい物体になっている! 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」  殺意に満ちた念仏に連動して、ナスビとキュウリはフルフルと震えだす……ブォン……ブォン……バッバッバッバッバッ! するうちまるでエンジン音のような唸り声を上げ、眩いエクトプラズム光を発した! 次の瞬間そこにいたのは……精霊牛馬ならぬ、精霊大型改造バイクに跨る二人のレディース怨霊暴走族だ。 「五寸釘愚連隊(ごすんくぎぐれんたい)総長、悪死蟇魔耶(おじま まや)! 夜露死苦(ヨロシク)!」 「五寸釘愚連隊総長妹、悪死蟇禍耶(おじま かや)! 喧嘩上等!」  レディース二人は目に殺気をたたえ、燃え盛る二本の蝋燭を『五寸釘愚連隊』と極太毛筆フォントで書かれたハチマキで額に巻いている。更にスレッジハンマーを背負い、胸からは藁人形を彷彿とさせる巨大な釘の頭が飛び出している。総長魔耶さんは牡丹が刺繍された特攻服を纏い、針山のようなマスクをつけた薄幸そうな女性だ。一方妹の禍耶さんは薔薇が刺繍された特攻服を纏い、『ナメるな危険』と書かれたスプレー缶を腰に携えた高飛車そうな女性だ。 「ああ、嫌な夜だわ。とっても嫌な夜。それで、今日は誰を祟り殺せばいいのかしら?」  物騒な事を言いながら、バイク上で禍耶さんが色っぽく脚を組んで私を睨む。 「ち、ち、違います! 敵はあっち!」  殺されては困るから、私は慌てて散減を指さした。 「ヤダ、何あの毛虫!? 気持ち悪~い。あっち殺そっと!」  助かった! しかしなんて横暴な即断だろう。そうと決まれば禍耶さんはブォンブォンとエンジンを吹かせ、加賀繍さんが作る他の精霊漬物からどんどん凶悪そうなレディース暴走族を顕現していく。呆気に取られていると、魔耶さんが申し訳なさそうに耳打ちしてきた。 「ごめんね、ごめんなさいね。最近へしちゃんが呼んでくれないから、今日の禍耶は不機嫌なの。手出ししなければ殺さないから安心して」  へしちゃん……って、やっぱり加賀繍さんの事だろうか。手出ししたら殺されるんだから何一つ安心できないけど、いずれにせよ満身創痍な私はただウンウンと頷くだけしか出来なかった。気がつくとぬか漬け野菜は全て立派なレディース暴走族になっている。しかしそこに散減が破竹の勢いで突撃! 「ンマアアァァァ!」 「あらいけない。ちょっと待っててね」  魔耶さんが精霊牛バイクを急発進、散減の横腹に闘牛めいて突撃した! 「ムバァッ!」  バコォン! 散減は五メートル先の自販機まで吹き飛び、機体を大きくへこませた。ガコンガコン、ピヨヨヨヨヨ!! 故障した自販機から缶ジュースが飛び出し、けたたましく非常警報音が鳴る! 「ああ、惨たらしい。私ったらなんて惨い事をするのかしら……」  魔耶さんが恍惚とした表情で��いた。そこに先程顕現した愚連隊員も寄って集って散減を罵倒し始める。 「ダセェ音出してんじゃねーぞクソ虫が!」「五寸釘愚連隊なめんな夜露死苦!」  ブォン、ブォン! 五寸釘愚連隊はエンジン威嚇音をたてながら散減の周囲を旋回する。一方散減は間抜けにも、頭にりんごジュース缶を乗せたままヒクヒクと痙攣している。 「そうだわ。みんなでジャンプして、あの缶だけを轢けるか勝負しましょ。ねえしましょうよ!」 「「「押忍!」」」  禍耶さんの鶴の一声で五寸釘愚連隊は総員散減目掛けてジャンプ! 集団ウィリアム・テル・チャレンジだ! 「ゴッ……コハッ! ンママ……マバーーッ!」  全員失敗! 缶ジュースもろとも連続轢殺! 「トドメよ、お姐さん!」 「ええ、見せてやりましょ禍耶。目にもの見せてやる!」  魔耶さんと禍耶さんは互いのバイクを横付けして、エンジンを空吹かしながらスレッジハンマーを振り回し始めた。鬼冥武魎呪女霊、亡武噴火死戯荒……ブォン、ブォン、ブゥン……鳳憎墓殺陰意地、罪攻死罪汚物消……ブァブァブァブァ、パラリラパラリラ……殺気に満ちたツッパリ念仏が、空吹かしのエンジン音が、隊員達の掲げる五寸釘愚連隊チーム旗が、総長姉妹を禍々しく高めていく! 「「怒悪羅阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿(ドォラアアアアアアアアアアア)!!!!」」  ブァオォォン! 精霊牛馬発進! 勢いをつけた総長姉妹がフルスイングでスレッジハンマーを振るい、散減を吹き飛す! 「マバアァアーーーッ!!」   更に愚連隊総員が一斉に猪突猛進! 散減に追突! 衝突!! 激突ゥゥ!!! 「「「翔進激憑張怨覇霊怒(ショウシンゲツッパリオンパレード)ォォォ!!!」」」  ドガアァァアン……! くぐもった爆発音と共に散減は分解霧散し、あっけなく灰燼と化した。あるいはそれは遠くで鳴った雷の音だったんだろうか。ともかく安心した私は影体を闇に還して幽体離脱した。散減を生み出したおばさまは斉三さんの糸で護られたまま、到着した救急車に搬送される。ふと加賀繍さんを見ると、彼女はまだ念仏を唱えていた。 「いっけなぁい。終わったわよ、へしちゃん。終わったわよーーっ!」  ブォンブォン! パラリラパラリラ!! 魔耶さんが五寸釘愚連隊を率いて、加賀繍さんを取り囲み今日一番の爆音を鳴らした。 「ン……」  そこで初めて霊の存在に気付いた加賀繍さんは、先程作った精霊達から釘を回収し壺に収めた。残った漬物は手近な生垣の土に埋め、悪鬼除滅水をばら撒く。私はそれがお清めの水だったのだと今更理解した。
བཞི་པ་
 それから数時間後、私は宴会場の布団の上で目が覚めた。傍らには万狸ちゃんが寝ていて、玲蘭ちゃんと佳奈さんも布団の中。外はうっすらと明るくなっている。洗面所に向かうと、途中ロビーのテーブルで誰かが話していた。近づくと、魔耶さんと禍耶さん、それに斉一さんだった。 「おはようございます、紅さん。ご無事でなによりです」 「おはようございます。あの、皆さん、昨夜は本当にありがとうございました」 「『皆さん』? あなた見えてるの?」  禍耶さんと目が合った。 「あ、私が昨夜の影法師です」 「あら、あの命知らず! よくもまあ、あんな夜に影の体で出歩こうと思ったわね」 「そんな言い方無いじゃない、禍耶。この人達がいなきゃ、へしちゃんのお弟子さん今頃は死んでたんだから」  今頃は? という事は…… 「魔耶さん、あのおばさま助かったんですか?」 「ええ、そうよ! そうなの。おかげさまで一命は取り留めたわ。あなたと、この狸ちゃんのお陰でね」  魔耶さんの視線を追うと、斉一さんの膝の上で斉三さんが横たわっていた。尻尾は竹串みたいに細くなって、モフモフだった毛並みも養鶏場の鶏みたいに所々禿げてしまっている。 「だ、大丈夫ですか!?」 「……峠は越えました。依然重体だが命に別状はない」 「いやお前の事心配して下さってるんだよ」  斉一さんが白いパワーストーンの指圧棒で斉三さんをマッサージしながらツッコむ。禍耶さんも乗じて斉三さんのお腹をムニムニつまみ始めた。 「あなた達ってとんだお人好しね。そんなボロボロになるまで、敵の私達を助けるなんて。理解できない。全然理解できないわぁ」 「あはは、私達コンペには興味ないので。そう言う禍耶さんと魔耶さんはその、加賀繍さんのご先祖様……なんですか?」 「やだぁ、違うわ! 違うわよ。私達がそんなに大昔の人間に見えるってーの?」 「いえいえそんな! でも加賀繍さんが」 「あの子は一人だけ助かっちゃったのよ」 「え?」  魔耶さんが意味深な事を言う。 「天険断崖(てんけんだんがい)でチキンレースしてね……いえ、あれはもう殆ど集団自決だったわ……きっかけは何だったかしら。確か皆で同じ男を奪い合って、殺し合って……ああ懐かしい、懐かしいなぁ……」 「わわ、わかりました! もういいですありがとうございます!!」  これ以上聞いていると、魔耶さんの醸し出す殺気で斉三さんがもっと禿げそうだ。 「ま、いくらへしちゃんでも守護霊が私達だって事ぐらい気付いてるわよ。さすがに昔の族仲間だって言うのは世間体が悪すぎるから、ご先祖様って言ってるだけでさ」 「そうなんですねぇ……」  禍耶さんがついに加賀繍さんを『元レディース』だと明言した。なんだか今後加賀繍さんを見る目が変わってしまいそうだ。 「では、私達はこれで」  斉一さんが席を立つ。壁時計によると、朝食の時間まであと三十分ぐらいか。私も五寸釘の総長姉妹に一旦の別れを告げ、洗面所へ。途中でふと外を見ると、水たまりの上でザトウムシが一匹死んでいた。
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