#無敵の人たちは敬して遠ざけて隔離する時代
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moko1590m · 3 months ago
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ルールがわからなければ負けたことがわからない =負けない=不敗 笑
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skf14 · 5 years ago
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11180143
愛読者が、死んだ。
いや、本当に死んだのかどうかは分からない。が、死んだ、と思うしか、ないのだろう。
そもそも私が小説で脚光を浴びたきっかけは、ある男のルポルタージュを書いたからだった。数多の取材を全て断っていた彼は、なぜか私にだけは心を開いて、全てを話してくれた。だからこそ書けた、そして注目された。
彼は、モラルの欠落した人間だった。善と悪を、その概念から全て捨て去ってしまっていた。人が良いと思うことも、不快に思うことも、彼は理解が出来ず、ただ彼の中のルールを元に生きている、パーソナリティ障害の一種だろうと私は初めて彼に会った時に直感した。
彼は、胸に大きな穴を抱えて、生きていた。無論、それは本当に穴が空いていたわけではないが、彼にとっては本当に穴が空いていて、穴の向こうから人が行き交う景色が見え、空虚、虚無を抱いて生きていた。不思議だ。幻覚、にしては突拍子が無さすぎる。幼い頃にスコンと空いたその穴は成長するごとに広がっていき、穴を埋める為、彼は試行し、画策した。
私が初めて彼に会ったのは、まだ裁判が始まる前のことだった。弁護士すらも遠ざけている、という彼に、私はただ、簡単な挨拶と自己紹介と、そして、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書き添えて、名刺と共に送付した。
その頃の私は書き殴った小説未満をコンテストに送り付けては、音沙汰のない携帯を握り締め、虚無感溢れる日々をなんとか食い繋いでいた。いわゆる底辺、だ。夢もなく、希望もなく、ただ、人並みの能がこれしかない、と、藁よりも脆い小説に、私は縋っていた。
そんな追い込まれた状況で手を伸ばした先が、極刑は免れないだろう男だったのは、今考えてもなぜなのか、よくわからない。ただ、他の囚人に興味があったわけでもなく、ルポルタージュが書きたかったわけでもなく、ただ、話したい。そう思った。
夏の暑い日のことだった。私の家に届いた茶封筒の中には白無地の紙が一枚入っており、筆圧の無い薄い鉛筆の字で「8月24日に、お待ちしています。」と、ただ一文だけが書き記されていた。
こちらから申し込むのに囚人側から日付を指定してくるなんて、風変わりな男だ。と、私は概要程度しか知らない彼の事件について、一通り知っておこうとパソコンを開いた。
『事件の被疑者、高山一途の家は貧しく、母親は風俗で日銭を稼ぎ、父親は勤めていた会社でトラブルを起こしクビになってからずっと、家で酒を飲んでは暴れる日々だった。怒鳴り声、金切声、過去に高山一家の近所に住んでいた住人は、幾度となく喧嘩の声を聞いていたという。高山は友人のない青春時代を送り、高校を卒業し就職した会社でも活躍することは出来ず、社会から孤立しその精神を捻じ曲げていった。高山は己の不出来を己以外の全てのせいだと責任転嫁し、世間を憎み、全てを恨み、そして凶行に至った。
被害者Aは20xx年8月24日午後11時過ぎ、高山の自宅において後頭部をバールで殴打され殺害。その後、高山により身体をバラバラに解体された後ミンチ状に叩き潰された。発見された段階では、人間だったものとは到底思えず修復不可能なほどだったという。
きっかけは近隣住民からの異臭がするという通報だった。高山は殺害から2週間後、Aさんだった腐肉と室内で戯れている所を発見、逮捕に至る。現場はひどい有り様で、近隣住民の中には体調を崩し救急搬送される者もいた。身体に、腐肉とそこから滲み出る汁を塗りたくっていた高山は抵抗することもなく素直に同行し、Aさん殺害及び死体損壊等の罪を認めた。初公判は※月※日予定。』
いくつも情報を拾っていく中で、私は唐突に、彼の名前の意味について気が付き、二の腕にぞわりと鳥肌が立った。
一途。イット。それ。
あぁ、彼は、ずっと忌み嫌われ、居場所もなくただ産み落とされたという理由で必死に生きてきたんだと、何も知らない私ですら胸が締め付けられる思いがした。私は頭に入れた情報から憶測を全て消し、残った彼の人生のカケラを持って、刑務所へと赴いた。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「失礼します。」
「どうぞ。」
手錠と腰縄を付けて出てきた青年は、私と大して歳の変わらない、人畜無害、悪く言えば何の印象にも残らない、黒髪と、黒曜石のような真っ黒な瞳の持ち主だった。奥深い、どこまでも底のない瞳をつい値踏みするように見てしまって、慌てて促されるままパイプ椅子へと腰掛けた。彼は開口一番、私の書いている小説のことを聞いた。
「何か一つ、話してくれませんか。」
「え、あ、はい、どんな話がお好きですか。」
「貴方が一番好きな話を。」
「分かりました。では、...世界から言葉が消えたなら。」
私の一番気に入っている話、それは、10万字話すと死んでしまう奇病にかかった、愛し合う二人の話。彼は朗読などしたこともない、世に出てすらいない私の拙い小説を、目を細めて静かに聞いていた。最後まで一度も口を挟むことなく聞いているから、読み上げる私も自然と力が入ってしまう。読み終え、余韻と共に顔を上げると、彼はほろほろ、と、目から雫を溢していた。人が泣く姿を、こんなにまじまじと見たのは初めてだった。
「だ、大丈夫ですか、」
「えぇ。ありがとうございます。」
「あの、すみません、どうして私と、会っていただけることになったんでしょうか。」
ふるふる、と犬のように首を振った彼はにこり、と機械的にはにかんで、机に手を置き私を見つめた。かしゃり、と決して軽くない鉄の音が、無機質な部屋に響く。
「僕に大してアクションを起こしてくる人達は皆、同情や好奇心、粗探しと金儲けの匂いがしました。送られてくる手紙は全て下手に出ているようで、僕を品定めするように舐め回してくる文章ばかり。」
「...それは、お察しします。」
「でも、貴方の手紙には、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書かれていた。面白いな、って思いませんか。」
「何故?」
「だって、貴方、「理解させる」って、僕と同じ目線に立って、物を言ってるでしょう。」
「.........意識、していませんでした。私はただ、憶測が嫌いで、貴方のことを理解したいと、そう思っただけです。」
「また、来てくれますか。」
「勿論。貴方のことを、少しずつでいいので、教えてくれますか。」
「一つ、条件があります。」
「何でしょう。」
「もし本にするなら、僕の言葉じゃなく、貴方の言葉で書いて欲しい。」
そして私は、彼の元へ通うことになった。話を聞けば聞くほど、彼の気持ちが痛いほど分かって、いや、分かっていたのかどうかは分からない。共鳴していただけかもしれない、同情心もあったかもしれない、でも私はただただあくる日も、そのあくる日も、私の言葉で彼を表し続けた。私の記した言葉を聞いて、楽しそうに微笑む彼は、私の言葉を最後まで一度も訂正しなかった。
「貴方はどう思う?僕の、したことについて。」
「...私なら、諦めてしまって、きっと得物を手に取って終わってしまうと思います。最後の最後まで、私が満たされることよりも、世間を気にしてしまう。不幸だと己を憐れんで、見えている答えからは目を背けて、後悔し続けて死ぬことは、きっと貴方の目から見れば不思議に映る、と思います。」
「理性的だけど、道徳的な答えではないね。普通はきっと、「己を満たす為に人を殺すのは躊躇う」って、そう答えるんじゃないかな。」
「でも、乾き続ける己のままで生きることは耐え難い苦痛だった時、己を満たす選択をしたことを、誰が責められるんでしょうか。」
「...貴方に、もう少し早く、出逢いたかった。」
ぽつり、零された言葉と、アクリル板越しに翳された掌。温度が重なることはない。触れ合って、痛みを分かち合うこともない。来園者の真似をする猿のように、彼の手に私の手を合わせて、ただ、じっとその目を見つめた。相変わらず何の感情もない目は、いつもより少しだけ暖かいような、そんな気がした。
彼も、私も、孤独だったのだと、その時初めて気が付いた。世間から隔離され、もしくは自ら距離を置き、人間が信じられず、理解不能な数億もの生き物に囲まれて秩序を保ちながら日々歩かされることに抗えず、翻弄され。きっと彼の胸に空いていた穴は、彼が被害者を殺害し、埋めようと必死に肉塊を塗りたくっていた穴は、彼以外の人間が、もしくは彼が、無意識のうちに彼から抉り取っていった、彼そのものだったのだろう。理解した瞬間止まらなくなった涙を、彼は拭えない。そうだった、最初に私の話で涙した彼の頬を撫でることだって、私には出来なかった。私と彼は、分かり合えたはずなのに、分かり合えない。私の言葉で作り上げた彼は、世間が言う狂人でも可哀想な子でもない、ただ一人の、人間だった。
その数日後、彼が獄中で首を吊ったという報道が流れた時、何となく、そうなるような気がしていて、それでも私は、彼が味わったような、胸に穴が開くような喪失感を抱いた。彼はただ、理解されたかっただけだ。理解のない人間の言葉が、行動が、彼の歩く道を少しずつ曲げていった。
私は書き溜めていた彼の全てを、一冊の本にした。本のタイトルは、「今日も、皮肉なほど空は青い。」。逮捕された彼が手錠をかけられた時、部屋のカーテンの隙間から空が見えた、と言っていた。ぴっちり閉じていたはずなのに、その時だけひらりと翻った暗赤色のカーテンの間から顔を覗かせた青は、目に刺さって痛いほど、青かった、と。
出版社は皆、猟奇的殺人犯のノンフィクションを出版したい、と食い付いた。帯に著名人の寒気がする言葉も書かれた。私の名前も大々的に張り出され、重版が決定し、至る所で賛否両論が巻き起こった。被害者の遺族は怒りを露わにし、会見で私と、彼に対しての呪詛をぶちまけた。
インタビュー、取材、関わってくる人間の全てを私は拒否して、来る日も来る日も、読者から届く手紙、メール、SNS上に散乱する、本の感想を読み漁り続けた。
そこに、私の望むものは何もなかった。
『あなたは犯罪者に対して同情を誘いたいんですか?』
私がいつ、どこに、彼を可哀想だと記したのだろう。
『犯罪者を擁護したいのですか?理解出来ません。彼は人を殺したんですよ。』
彼は許されるべきだとも、悪くない、とも私は書いていない。彼は素直に逮捕され、正式な処罰ではないが、命をもって罪へ対応した。これ以上、何をしろ、と言うのだろう。彼が跪き頭を地面に擦り付け、涙ながらに謝罪する所を見たかったのだろうか。
『とても面白かったです。狂人の世界が何となく理解出来ました。』
何をどう理解したら、この感想が浮かぶのだろう。そもそもこの人は、私の本を読んだのだろうか。
『作者はもしかしたら接していくうちに、高山を愛してしまったのではないか?贔屓目の文章は公平ではなく気持ちが悪い。』
『全てを人のせいにして自分が悪くないと喚く子供に殺された方が哀れでならない。』
『結局人殺しの自己正当化本。それに手を貸した筆者も同罪。裁かれろ。』
『ただただ不快。皆寂しかったり、一人になる瞬間はある。自分だけが苦しい、と言わんばかりの態度に腹が立つ。』
『いくら貰えるんだろうなぁ筆者。羨ましいぜ、人殺しのキチガイの本書いて金貰えるなんて。』
私は、とても愚かだったのだと気付かされた。
皆に理解させよう、などと宣って、彼を、私の言葉で形作ったこと。裏を返せば、その行為は、言葉を尽くせば理解される、と、人間に期待をしていたに他ならない。
私は、彼によって得たわずかな幸福よりも、その後に押し寄せてくる大きな悲しみ、不幸がどうしようもなく耐え難く、心底、己が哀れだった。
胸に穴が空いている、と言う幻覚を見続けた彼は、穴が塞がりそうになるたび、そしてまた無機質な空虚に戻るたび、こんな痛みを感じていたのだろうか。
私は毎日、感想を読み続けた。貰った手紙は、読んだものから燃やしていった。他者に理解される、ということが、どれほど難しいのかを、思い知った。言葉を紡ぐことが怖くなり、彼を理解した私ですら、疑わしく、かといって己と論争するほどの気力はなく、ただ、この世に私以外の、彼の理解者は現れず、唯一の彼の理解者はここにいても、もう彼の話に相槌を打つことは叶わず、陰鬱とする思考の暗闇の中を、堂々巡りしていた。
思考を持つ植物になりたい、と、ずっと思っていた。人間は考える葦である、という言葉が皮肉に聞こえるほど、私はただ、一人で、誰の脳にも引っ掛からず、狭間を生きていた。
孤独、などという言葉で表すのは烏滸がましいほど、私、彼が抱えるソレは哀しく、決して治らない不治の病のようなものだった。私は彼であり、彼は私だった。同じ境遇、というわけではない。赤の他人。彼には守るべき己の秩序があり、私にはそんな誇り高いものすらなく、能動的、怠惰に流されて生きていた。
彼は、目の前にいた人間の頭にバールを振り下ろす瞬間も、身体をミンチにする工程も、全て正気だった。ただ心の中に一つだけ、それをしなければ、生きているのが恐ろしい、今しなければずっと後悔し続ける、胸を掻きむしり大声を上げて暴れたくなるような焦燥感、漠然とした不安感、それらをごちゃ混ぜにした感情、抗えない欲求のようなものが湧き上がってきた、と話していた。上手く呼吸が出来なくなる感覚、と言われて、思わず己の胸を抑えた記憶が懐かしい。
出版から3ヶ月、私は感想を読むのをやめた。人間がもっと憎らしく、恐ろしく、嫌いになった。彼が褒めてくれた、利己的な幸せの話を追い求めよう。そう決めた。私の秩序は、小説を書き続けること。嗚呼と叫ぶ声を、流れた血を、光のない部屋を、全てを飲み込む黒を文字に乗せて、上手く呼吸すること。
出版社は、どこも私の名前を見た瞬間、原稿を送り返し、もしくは廃棄した。『君も人殺したんでしょ?なんだか噂で聞いたよ。』『よくうちで本出せると思ったね、君、自分がしたこと忘れたの?』『無理ですね。会社潰したくないので。』『女ならまだ赤裸々なセックスエッセイでも書かせてやれるけど、男じゃ使えないよ、いらない。』数多の断り文句は見事に各社で違うもので、私は感嘆すると共に、人間がまた嫌いになった。彼が乗せてくれたから、私の言葉が輝いていたのだと痛感した。きっとあの本は、ノンフィクション、ルポルタージュじゃなくても、きっと人の心に突き刺さったはずだと、そう思わずにはいられなかった。
以前に働いていた会社は、ルポの出版の直前に辞表を出した。私がいなくても、普段通り世界は回る。著者の実物を狂ったように探し回っていた人間も、見つからないと分かるや否や他の叩く対象を見つけ、そちらで楽しんでいるようだった。私の書いた彼の本は、悪趣味な三流ルポ、と呼ばれた。貯金は底を尽きた。手当たり次第応募して見つけた仕事で、小銭を稼いだ。家賃と、食事に使えばもう残りは硬貨しか残らない、そんな生活になった。元より、彼の本によって得た利益は、全て燃やしてしまっていた。それが、正しい末路だと思ったからだったが、何故と言われれば説明は出来ない。ただ燃えて、真っ赤になった札が灰白色に色褪せ、風に脆く崩れていく姿を見て、幸せ��うだと、そう思った。
名前を伏せ、webサイトで小説を投稿し始めた。アクセス数も、いいね!も、どうでも良かった。私はただ秩序を保つために書き、顎を上げて、夜店の金魚のように、浅い水槽の中で居場所なく肩を縮めながら、ただ、遥か遠くにある空を眺めては、届くはずもない鰭を伸ばした。
ある日、web上のダイレクトメールに一件のメッセージが入った。非難か、批評か、スパムか。開いた画面には文字がつらつらと記されていた。
『貴方の本を、販売当時に読みました。明記はされていませんが、某殺人事件のルポを書かれていた方ですか?文体が、似ていたのでもし勘違いであれば、すみません。』
断言するように言い当てられたのは初めてだったが、画面をスクロールする指はもう今更震えない。
『最新作、読みました。とても...哀しい話でした。ゾンビ、なんてコミカルなテーマなのに、貴方はコメをトラにしてしまう才能があるんでしょうね。悲劇。ただ、二人が次の世界で、二人の望む幸せを得られることを祈りたくなる、そんな話でした。過去作も、全て読みました。目を覆いたくなるリアルな描写も、抽象的なのに五感のどこかに優しく触れるような比喩も、とても素敵です。これからも、書いてください。』
コメとトラ。私が太宰の���人間失格」を好きな事は当然知らないだろうに、不思議と親近感が湧いた。単純だ。と少し笑ってから、私はその奇特な人間に一言、返信した。
『私のルポルタージュを読んで、どう思われましたか。』
無名の人間、それも、ファンタジーやラブコメがランキング上位を占めるwebにおいて、埋もれに埋もれていた私を見つけた人。だからこそ聞きたかった。例えどんな答えが返ってきても構わなかった。もう、罵詈雑言には慣れていた。
数日後、通知音に誘われて開いたDMには、前回よりも短い感想が送られてきていた。
『人を殺めた事実を別にすれば、私は少しだけ、彼の気持ちを理解出来る気がしました。。彼の抱いていた底なしの虚無感が見せた胸の穴も、それを埋めようと無意識のうちに焦がれていたものがやっと現れた時の衝動。共感は微塵も出来ないが、全く理解が出来ない化け物でも狂人でもない、赤色を見て赤色だと思う一人の人間だと思いました。』
何度も読み返していると、もう1通、メッセージが来た。惜しみながらも画面をスクロールする。
『もう一度読み直して、感想を考えました。外野からどうこう言えるほど、彼を軽んじることが出来ませんでした。良い悪いは、彼の起こした行動に対してであれば悪で、それを彼は自死という形で償った。彼の思考について善悪を語れるのは、本人だけ。』
私は、画面の向こうに現れた人間に、頭を下げた。見えるはずもない。自己満足だ。そう知りながらも、下げずにはいられなかった。彼を、私を、理解してくれてありがとう。それが、私が愛読者と出会った瞬間だった。
愛読者は、どうやら私の作風をいたく気に入ったらしかった。あれやこれや、私の言葉で色んな世界を見てみたい、と強請った。その様子はどこか彼にも似ている気がして、私は愛読者の望むまま、数多の世界を創造した。いっそう創作は捗った。愛読者以外の人間は、ろくに寄り付かずたまに冷やかす輩が現れる程度で、私の言葉は、世間には刺さらない。
まるで神にでもなった気分だった。初めて小説を書いた時、私の指先一つで、人が自由に動き、話し、歩き、生きて、死ぬ。理想の愛を作り上げることも、到底現実世界では幸せになれない人を幸せにすることも、なんでも出来た。幸福のシロップが私の脳のタンパク質にじゅわじゅわと染みていって、甘ったるいスポンジになって、溢れ出すのは快楽物質。
そう、私は神になった。上から下界を見下ろし、手に持った無数の糸を引いて切って繋いでダンス。鼻歌まじりに踊るはワルツ。喜悲劇とも呼べるその一人芝居を、私はただ、演じた。
世の偉いベストセラー作家も、私の敬愛する文豪も、ポエムを垂れ流す病んだSNSの住人も、暗闇の中で自慰じみた創作をして死んでいく私も、きっと書く理由なんて、ただ楽しくて気持ちいいから。それに尽きるような気がする。
愛読者は私の思考をよく理解し、ただモラルのない行為にはノーを突きつけ、感想を欠かさずくれた。楽しかった。アクリルの向こうで私の話を聞いていた彼は、感想を口にすることはなかった。核心を突き、時に厳しい指摘をし、それでも全ての登場人物に対して寄り添い、「理解」してくれた。行動の理由を、言動の意味を、目線の行く先を、彼らの見る世界を。
一人で歩いていた暗い世界に、ぽつり、ぽつりと街灯が灯っていく、そんな感覚。じわりじわり暖かくなる肌触りのいい空気が私を包んで、私は初めて、人と共有することの幸せを味わった。不変を自分以外に見出し、脳内を共鳴させることの価値を知った。
幸せは麻薬だ、とかの人が説く。0の状態から1の幸せを得た人間は、気付いた頃にはその1を見失う。10の幸せがないと、幸せを感じなくなる。人間は1の幸せを持っていても、0の時よりも、不幸に感じる。幸福感という魔物に侵され支配されてしまった哀れな脳が見せる、もっと大きな、訪れるはずと信じて疑わない幻影の幸せ。
私はさしずめ、来るはずのプレゼントを玄関先でそわそわと待つ少女のように無垢で、そして、馬鹿だった。無知ゆえの、無垢の信頼ゆえの、馬鹿。救えない。
愛読者は姿を消した。ある日話を更新した私のDMは、いつまで経っても鳴らなかった。震える手で押した愛読者のアカウントは消えていた。私はその時初めて、愛読者の名前も顔も性別も、何もかもを知らないことに気が付いた。遅すぎた、否、知っていたところで何が出来たのだろう。私はただ、愛読者から感想という自己顕示欲を満たせる砂糖を注がれ続けて、その甘さに耽溺していた白痴の蟻だったのに。並ぶ言葉がざらざらと、砂時計の砂の如く崩れて床に散らばっていく幻覚が見えて、私は端末を放り投げ、野良猫を落ち着かせるように布団を被り、何がいけなかったのかをひとしきり考え、そして、やめた。
人間は、皆、勝手だ。何故か。皆、自分が大事だからだ。誰も守ってくれない己を守るため、生きるため、人は必死に崖を這い上がって、その途中で崖にしがみつく他者の手を足場にしていたとしても、気付く術はない。
愛読者は何も悪くない。これは、人間に期待し、信用という目に見えない清らかな物を崇拝し、焦がれ、浅はかにも己の手の中に得られると勘違いし小躍りした、道化師の喜劇だ。
愛読者は今日も、どこかで息をして、空を見上げているのだろうか。彼が亡くなった時と同じ感覚を抱いていた。彼が最後に見た澄んだ空。私が、諦観し絶望しながらも、明日も見るであろう狭い空。人生には不幸も幸せもなく、ただいっさいがすぎていく、そう言った27歳の太宰の言葉が、彼の年に近付いてからやっと分かるようになった。そう、人が生きる、ということに、最初から大して意味はない。今、人間がヒエラルキーの頂点に君臨し、80億弱もひしめき合って睨み合って生きていることにも、意味はない。ただ、そうあったから。
愛読者が消えた意味も、彼が自ら命を絶った理由も、考えるのをやめよう。と思った。呼吸代わりに、ある種の強迫観念に基づいて狂ったように綴っていた世界も、閉じたところで私は死なないし、私は死ぬ。最早私が今こうして生きているのも、植物状態で眠る私の見ている長い長い夢かもしれない。
私は思考を捨て、人でいることをやめた。
途端に、世界が輝きだした。全てが美しく見える。私が今ここにあることが、何よりも楽しく、笑いが止まらない。鉄線入りの窓ガラスが、かの大聖堂のステンドグラスよりも耽美に見える。
太宰先生、貴方はきっと思考を続けたから、あんな話を書いたのよ。私、今、そこかしこに檸檬を置いて回りたいほど愉快。
これがきっと、幸せ。って呼ぶのね。
愛読者は死んだ。もう戻らない。私の世界と共に死んだ、と思っていたが、元から生きても死んでもいなかった。否、生きていて、死んでいた。シュレディンガーの猫だ。
「嗚呼、私、やっぱり、
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takahashicleaning · 5 years ago
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TEDにて
マックス・テグマーク: AIに圧倒されるのではなく、AIからパワーを得る方法
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
多くのAI研究者は、数十年以内にあらゆるタスクや職業でAIが人間の能力を超えると予測しています。
それにより、人類の知能の制約を受けず、物理法則だけが制約となる未来が到来すると言うのです。
MITの物理学者であり、AIの研究者であるマックス・テグマークは、現実のチャンスや脅威を、誤った概念と区別し、AIを人類にとって最悪ではなく、最高の存在にするために、今、我々がとるべき具体的な段階を説明します。
私の友人。ヤーン・タリンが好む議論ですが、ロケットの話と似ていて技術が単に強力になれば良いというものではなく、もし、本当に野心的になろうとするなら、コントロールの仕方と、どこへ向かうべきかも理解しないといけません。
エリエゼル・ユドカウスキーが、「友好的なAI」と呼ぶものです。そして、これができれば素晴らしいことでしょう。病気、貧困、犯罪など苦痛というマイナスの経験を無くすことができるだけではなく、様々な新しいプラスの経験から、選択する自由を与えてくれるかもしれません。
そうなれば、私たちは自分の手で運命を決められるのです。そして、準備がないままにつまづきながらアジャイル(=機敏さ)で進んで行くとおそらく人類史上最大の間違いとなるでしょう。
それは認めるべきです。冷酷な全世界的独裁政権が可能になり、前代未聞の差別、監視社会と苦しみが産まれ、さらに、人類の絶滅さえ起こるかもしれません。
しかし、注意深くコントロールすれば、誰もが裕福になれる素晴らしい未来にたどり着くかもしれません。貧乏人は、金持ちにより近づき、金持ちはさらに金持ちになり、みんなが健康で夢を追い求めながら自由に人生を送れることでしょう。
宇宙の誕生後。138億年もの時を経て私たちの世界は覚醒し、自らを認識しました。小さな青い惑星から、この世界のごく小さな領域の意識あるものが、望遠鏡を使ってこの宇宙を見つめ始め、自らの矮小さを発見しました。
この世界は、私たちの先祖が想像していたものより、遥かに壮大であることと生命は感知できない程度の影響しか及ぼさず、それ以外は死んだも同然の静的な世界であると発見したのです。
しかし、刺激的なことも発見しました。
私たちが開発している技術が、今までにないほどに生命の繁栄を手助けをする可能性を秘めていることです。それは、何百年に限らず、何十億年と続き、地球上だけではなく、この素晴らしい宇宙の大域に及ぶ繁栄なのです。
私は、一番最初の生命を「ライフ 1.0」と考えます。
バクテリアのように馬鹿で一生の間。何も学ぶことができません。
人類は「ライフ 2.0」と考えます。
私たちは学習できるからです。それは、オタクっぽく言えば、言語や技能といった新しい���フトウェアを脳にインストールすることです。
「ライフ 3.0」はソフトウェアだけでなく、ハードウェアも設計できます。もちろんまだ存在していません。しかし、おそらく私たちは、人工膝関節、ペースメーカーや人口内耳といった技術によって、既に「ライフ2.1」になっているのでしょう。
では。私たちと技術の関係性をもっと詳しく見てみましょう。例えば、アポロ11号による月への飛行計画は、成功しただけでなく刺激的でもありました。
この計画が示したことは、人類が賢明なやり方で技術を使えば、私たちの先祖がただ夢見ただけのことを成し遂げられるということです。しかし、これよりさらに刺激的な宇宙旅行があります。ロケットエンジンより強力な推進力を得て、乗客は3人の宇宙飛行士にとどまらず全人類なのです。
人工知能を伴い、私たちが集団となって未来に旅することについてお話ししましょう。
私の友人ヤーン・タリンが好む議論ですが、ロケットの話と似ていて技術が単に強力になれば、良いというものではなく、もし、本当に野心的になろうとするなら操縦の仕方とどこへ向かうべきかも理解しないといけません。
では、この3つの要素を人工知能についても議論しましょう。推進力、操縦と目的地です。
推進力から話しましょう。私は知能をかなり広く定義しています。単に、複雑な目標を達成する能力という定義です。
何故なら、生物が備える知能と人工知能の両方を含めたいからです。肉でできていてはじめて知的になりうるという有機物至上主義のような馬鹿げた考え方を避けたいのです。最近のAI技術の発展には驚かされます。
考えてみてください。少し前までロボットは歩けませんでした。今ではバク転ができるのです。少し前まで自動運転車はありませんでした。今では、SpaceXの自動飛行するロケットがあります。
少し前まで、AIは顔認証ができませんでした。今では、ディープフェイクで偽の顔を生成し、あなたが話す言葉を勝手に作り出し、その時の表情までシミュレーションできます。
少し前まで、AIは囲碁で私たちに勝てませんでしたが、GoogleのDeepMindのAlphaZero AIは、3千年に渡る人間による 囲碁の対局と戦略について、その成果を参照せず、AI内部の光速に近い速度の対戦だけで、世界最強のプレイヤーになりました。
そして、最も印象的な出来事は人間の棋士を倒したことではなく、何十年もの間。ゲームをプレーするソフトを自分の手で開発してきたAI研究者たちを圧倒したことです。そして、AlphaZeroは囲碁だけでなく、1950年以来。AI研究者が取り組んできたチェスでも圧倒しました。
すると、AIの近年の驚くべき進歩によってこんな疑問が生じます。どこまで進歩するのか?
私はこの疑問をタスクで構成された地形として捉えるのが好きです。標高で表しているのは、AIが人間並みに作業をする場合の 難易度で海面は現在のAIができる事を表します。AIが進歩するに従い海面は上昇していきます。このタスクの地形は、地球温暖化に似た状況になっています。
はっきりしているのは水際にある職業は避ける事です。間も無く自動化され消滅しますから、しかし、もっと大きな疑問もあります。水面はどこまで上昇するのか?あらゆるタスクで人間の知能レベルに追いつき、大地を完全に水没させるのでしょうか?
これが汎用人工知能。AGIの定義です。
これは、AI研究が始まって以来の究極の目標となっています。この定義によると「機械より、人間の方が上手くできる仕事は、無くならない」と言う人は、AGIは実現不可能と言っているのに過ぎないのです。
確かに、AGIができても人間は仕事を選んだり、仕事から給料ややりがいを得られるかもしれませんが、皆さんがお分かりのとおり、いずれにしろ、AGIは生活を変化させ、人間はもはや最も知的な存在とはいえなくなることでしょう。では、もし水面が AGIまで到達すれば、その先のAIの進歩は、主に人間ではなく、AIによって進められます。
ということは、その先のAIの進歩は、通常何年もかかる人間による研究や開発より、かなり速くなる可能性があります。したがって、議論を呼ぶ「知能の爆発」が起こる可能性が高まります。再帰的に自己改善するAIによって、人間の知能がはるか後方に取り残され「超知能」というものが造られるのです。
では、現実に起こり得るか?検討してみましょう!
AGIは、すぐにでも作られるのでしょうか?ロドニー・ブルックスのような有名なAI研究者は、数百年以内には起こらないと言います。しかし、Google DeepMind の創立者デミス・ハサビスといった人たちは、もっと楽観的でAGIをできるだけ早く作るために努力しています。
そして、最近の調査によるとほとんどのAI研究者は、デミスの様に楽観的で、AGIは数十年以内に作れると予測しています。つまり、私たちがまだ生きているうちにできるのです。ここで疑問が生じます。その後どうなるのか?機械が私たちより、何でも安く上手にできるなら人間はどんな役割を担えばよいのでしょう?
私たちは選択を迫られると思います!
1つ目は満足することです「じゃあ。私たちができる事なら何でもできる機械を作って、その後のことは心配しないでいい。ほら。人間を時代遅れの立場に置く技術を開発したところで何も問題ないだろう?」と言うのです。
しかし、それは極めてまずいと思います。私はTEDの様にもっと野心的であるべきだと思います!
真に心を打つハイテクな未来を想像し、そちらへと向けて操縦してみましょう。ここから、ロケットのたとえの第2部「操縦」へと話を移します。どんどん強力なAIが作られていきますが、AIが人類をまごつかせるのではなく、AIが人類の繁栄に役立つような。そんな未来に向かうにはどう操縦すればよいのでしょうか?
その問題解決のために Future of Life Instituteを共同設立しました小さな非営利組織で、有益な技術を促進しており、その目的はシンプルで生命が存在できて、できるだけ刺激的な未来にすることです!
もちろん、私は技術を愛しています。現代が、��器時代より良いのは技術のおかげです。そして、真に刺激的なハイテクな未来を作れると楽観的に考えています。もし、万が一の話ですが、もし、人類が知恵の競争で勝ったら?これは、技術が生み出す能力の成長と人類が技術を管理するための知恵の強化との間の競争です。
しかし、勝つには戦略を変えなければいけません。古い戦略とは失敗から学ぶことだからです。私たちは、火を発明し、幾度も失敗して消火器を発明したのです。
私たちは車を発明し、幾度も失敗して信号とシートベルトとエアバッグを発明したのです。一方、核兵器やAGIのようにずっと強力な技術の場合。失敗から学ぶというのは、お粗末な戦略だとは思いませんか?
後手の対応より、先手を打つ方がずっと良いのです。人類の滅亡の可能性のあるテクノロジーの場合、事前に綿密に計画して、一発で成功させるのです。チャンスは、一度だけかもしれませんから!
でも、こう言われると変な感じがします「マックス。そんな風に言うなよ。そんなの技術革新反対主義者のデマだぜ」と。しかし、デマではないのです。MITでは、これを安全工学と呼んでいます!
考えてみてください。NASAが、アポロ11号を打ち上げる前。彼らは、起こり得るトラブルを全て系統的に検討しました。なにしろ、爆発しやすい燃料タンクの上に人間を座らせて誰も助けられない所に向けて打ち上げるからです!
起こり得るトラブルはたくさんありました!それはデマでしたか?いいえ、それこそが安全工学なのです!!
飛行の成功を保証したのです。私は、まさにこの戦略をAGIでも取るべきだと思います!!成功を保証するために起こりそうな問題を徹底的に考えるのです。
この精神をもって会議を開きました。一流のAI研究者やその他の思想家と共にAIが有益であり続けるために必要な知恵を身に付ける方法を議論しました。前回の会議は、カリフォルニアのアシロマで昨年開催され、23ヶ条の原則を作成しました。これは、千人以上のAI研究者と産業界の主な指導者によって署名されました。そのうちの3ヶ条についてお話しします。
1つ目は軍拡競争と自律型の殺人兵器を控えることです。
科学は、人を助けるため、もしくは、人を傷つけるための新たな方法として使えます。例えば、生物学と化学は、人を殺す方法としてではなく、新薬や新たな治療法の開発のために使われる可能性の方がずっと高いです。なぜなら、生物学者と化学者は、生物兵器と化学兵器の禁止を強く推進し成功したからです。
同じような考えで、ほとんどのAI研究者は自律型の殺人兵器を非難し禁止することを望んでいます。
もう一つのアシロマでの原則は、AIによって引き起こされる所得格差を和らげることです。もし、AIによって、経済的な利益が著しく増えても、誰もが豊かになるように増益分を配分する方法が見つけられなければ・・・
私たちにとって恥です!!!
さて、コンピューターが異常終了したことのある人は手をあげてください。
ずいぶん手が上がりましたね。それなら次の原則を理解していただけるでしょう。AIの安全性の研究にもっと投資するという原則です。
なぜなら、AIを意思決定やインフラへ利用することが増えるにつれ、バグが多く、ハッキングされやすい現在のコンピューターを信頼度が高く、安定に動作するAIに変える方法を見つける必要があります!!
そうしなければ、この素晴らしい新技術は、誤動作を起こして被害を与え、ハッキングされ私たちを攻撃するかもしれません。また、安全性研究の一環として、AIの価値観を私たちの価値観と一致させる研究が必要です。
AGIの真の脅威は、馬鹿げたハリウッド映画のような、人間への敵意などではなく、その能力にあります!!
私たちの目標に合致しないことを、成し遂げてしまいかねないからです!!
例えば、私たち人間が、西アフリカのクロサイを絶滅させたのは、私たちは、サイを狩る邪悪な集団だったからではないですよね?私たちは、奴らより利口で私たちの目的が相手と一致しなかったからなのです!!
しかし、AGIは、定義上。私たちより利口なので私たちをサイの立場に置かないためには、AGIを作る時に機械に私たちの目的を理解させ、それを採用し、保持させる方法を見出す必要があります。
また、これは誰の目的であるべきなのでしょうか?何を目的とすべきなのでしょうか?
これは、ロケットのたとえの第3部へとつながります。目的地です。AIを強化し、操縦方法を見出そうとしていますが、どこに行こうとしているのでしょうか?これは、ほとんど誰もが話題にすることを避けている重大な問題です。
ここTEDにいる人たちでもそうです。短期的なAIの課題に掛かり切りだからです。さて、人類はAGIを作ろうとしていて、それは、好奇心と経済的なことが動機となっていますが、もし、AGIが成功したら、私たちはどんな未来社会を望むのでしょう?
これについて意識調査を最近実施しましたが、私は多くの人が「超知能」の創造を望んでいるという意見に驚きました。あらゆる面において、私たちより遥かに利口な知能を望んでいるのです。最も意見の一致を見た点は、私たちが大志を抱き、生命を宇宙へと拡散させるべきということでした。
ただ、超知能を管理する主体については意見が分かれました。面白いと思ったのは、機械だけで管理すればよいと考える人がいた事です。その上、人間の役割は何であるべきかについては、最も基本的なレベルにおいても全く意見が一致しませんでした。では、私たちが向かって行く可能性のある未来を詳しく見てみましょう。
誤解しないでください。私は、宇宙旅行について語ろうとしているのではなく、人類の未来への道のりを比喩的に言っているだけです。
私のAI研究者仲間がお気に入りの一つの選択肢は、超知能を造って人間の支配下に置くというものです。まるで、奴隷にされた神の様であり、インターネットへの接続もなく、誰であれそれを制御できる人のために想像すらできない様な技術と富を創造するために使われます。
しかし、アクトン卿は、権力は腐敗し、絶対的な権力は絶対に腐敗すると警告しました!!
だから、皆さんは、この様なすごい力を扱える程には、人類は利口ではない。もしくは、十分に賢くはないと憂慮されるかもしれません。より優れた知性を奴隷扱いするのは気がとがめるという道徳的なことはさておき。超知能が、想像を超えた方法で人類から逃げ出し、優位に立つのではと心配になるかもしれません。
しかし、私の同僚には、AIに乗っ取られてもいい。さらには、人類を絶滅させてもいいと考える人もいます。それも、AIのことを自分たちの子供のように相応しい子孫と思えればの話です。
ただ、AIが、私たちの価値観を持ったことをどうしたら確認できるでしょう?意識を持たないゾンビなのに人間らしく見えるだけではないと?それに、人類の絶滅を望まぬ人々にも発言権があるべきではないでしょうか?
さて、これらのハイテクな選択肢はどちらもお望みでないとしても、ローテクな選択肢は、宇宙的視野に立てば自殺行為であると知っておくことは大切です。
なぜなら、現在の技術レベルをはるかに上回らない限り、人類が将来、絶滅するかどうかという 問題ではなく、技術が進んでいれば回避できるはずの小惑星の衝突や巨大な火山噴火といった事態で人類は滅亡するのかという 問題になってしまうからです。
それならば、長所を全て生かしてはどうでしょうか?
奴隷化されなくても、私たちと同じ価値観を持ち、人間を大事にするAGIを使うのです。
これは、エリエゼル・ユドカウスキーが「友好的なAI」と呼ぶものです。そして、これができれば、素晴らしいことでしょう。病気、貧困、犯罪など。苦痛というマイナスの経験を無くすことができるだけではなく、様々な新しいプラスの経験から選択する自由を与えてくれるかもしれません。
そうなれば、私たちは、自分の手で運命を自由に決められるのです。
では、まとめます。技術に関する状況は複雑ではありますが、全体像は単純です。ほとんどのAI研究者は、AGIが、数十年以内にできると期待しています。そして、準備がないままにつまづきながら進んで行くとおそらく人類史上最大の間違いとなるでしょう。
それは認めるべきです!!
冷酷な全世界的独裁政権が可能になり、前代未聞の差別、監視社会と苦しみが産まれ、さらに、人類の絶滅さえ、ひき起こるかもしれません。しかし、十分に注意深く操縦すれば、誰もが裕福になれる素晴らしい未来にたどり着くかもしれません。
貧乏人は金持ちに近づき、金持ちは、さらに金持ちになり、みんなが健康で夢を追い求めながら自由に人生を送れることでしょう。
ちょっと考えてください。皆さんは、政治的に右寄りの未来と左寄りの未来ならどちらがいいですか?厳格な道徳的規則を持つ敬虔な社会システムと快楽主義的で制約のない毎日がバーニングマンのような社会システムならどちらがいいですか?
綺麗なビーチや森や湖がいいですか?それとも、コンピューターで原子を少し置き換えたバーチャル体験がいいですか?友好的なAIがあれば、どの社会システムでも最適に創造することができ、人々にどの社会システムに住むかの自由を与えることができます。
なぜなら、自分たちの知能に縛られることはなくなるからです。制約は物理法則だけです。ですから、このような世界の資源と空間は、天文学的になります。文字通りにです。
我々は、選択しなければなりません!!
自分の未来に満足し、新しいテクノロジーなら何でも有益なことが保証されているという根拠のない信条を持ち、まるで舵のない船が衰退に向かって漂流するようにそれを自分の中で何度も繰り返し唱え続けるのか?
あるいは、野心を持って技術の操縦方法と目的地を真剣に考え「素晴らしい時代」を築くのか?私たちは「素晴らしい時代」を 祝うためにここにいます。私は、その本質は、技術に圧倒されるのではなく、技術から力を得ることだと思います。
ありがとうございました。
技術が、すべてのことを解決できると言いますが、我々が、100倍エネルギー効率のいい乗り物を作ることができるとすれば、大枠としてこれは正しい意見です。
しかし、エネルギー効率ではなく、生産性を高めた結果���イギリスは見事に産業が空洞化してしまいました。
参考として・・・
月面は、太陽風によりもたらされたヘリウム3が、鉱物資源として豊富に存在していることが確認されています。原子力発電や核融合に最適です。
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
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情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
ヨーロッパでの一般データ保護規則(GDPR)でも言うように・・・
年収の低い個人(中央値で600万円以下)から集めたデータほど金銭同様に経済的に高い価値を持ち、独占禁止法の適用対象にしていくことで、高価格にし抑止力を持たせるアイデア。
自分自身のデータを渡す個人も各社の取引先に当たりデータに関しては優越的地位の乱用を年収の低い個人(中央値で600万円以下)に行う場合は厳しく適用していく。
キャシーオニールによると・・・
思考実験をしてみましょう。私は、思考実験が好きなので、人種を完全に隔離した社会システムがあるとします。どの街でも、どの地域でも、人種は隔離され、犯罪を見つけるために警察を送り込むのは、マイノリティーが住む地域だけです。すると、逮捕者のデータは、かなり偏ったものになるでしょう。
さらに、データサイエンティストを探してきて、報酬を払い、次の犯罪が起こる場所を予測させたらどうなるでしょう?
あら不思議。マイノリティーの地域になります。あるいは、次に犯罪を犯しそうな人を予測させたら?あらら不思議ですね。マイノリティーでしょう。データサイエンティストは、モデルの素晴らしさと正確さを自慢するでしょうし、確かにその通りでしょう。
さて、現実は、そこまで極端ではありませんが、実際に、多くの市や町で深刻な人種差別があり、警察の活動や司法制度のデータが偏っているという証拠が揃っています。実際に、ホットスポットと呼ばれる犯罪多発地域を予測しています。さらには、個々、人の犯罪傾向を実際に予測しています。
ここでおかしな現象が生じています。どうなっているのでしょう?これは「データ・ロンダリング」です。このプロセスを通して、技術者がブラックボックスのようなアルゴリズムの内部に醜い現実を隠し「客観的」とか「能力主義」と称しているんです。秘密にされている重要で破壊的なアルゴリズムを私はこんな名前で呼んでいます「大量破壊数学」です。
民間企業が、私的なアルゴリズムを私的な目的で作っているんです。そのため、影響力を持つアルゴリズムは私的な権力です。
解決策は、データ完全性チェックです。データ完全性チェックとは、ファクト(事実)を直視するという意味になるでしょう。データのファクトチェックです!
これをアルゴリズム監査と呼んでいます。
最後に、マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて個人のプライバシーも考慮)
<個人的なアイデア>
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すことができるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30��程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
しかし、人間自体を、追跡すると基本的人権からプライバシーの侵害やセキュリティ上の問題から絶対に不可能です!!
これは、基本的人権がないと権力者が悪逆非道の限りを尽くしてしまうことは、先の第二次大戦で白日の元にさらされたのは、記憶に新しいことです。
マンハッタン計画、ヒットラーのテクノロジー、拷問、奴隷や人体実験など、権力者の思うままに任せるとこうなるという真の男女平等弱肉強食の究極が白日の元にさらされ、戦争の負の遺産に。
基本的人権がないがしろにされたことを教訓に、人権に対して厳しく権力者を監視したり、カントの思想などを源流にした国際連合を創設します。他にもあります。
参考として、フランスの哲学者であり啓蒙思想家のモンテスキュー。
法の原理として、三権分立論を提唱。フランス革命(立憲君主制とは異なり王様は処刑されました)の理念やアメリカ独立の思想に大きな影響を与え、現代においても、言葉の定義を決めつつも、再解釈されながら議論されています。
また、ジョン・ロックの「統治二論」を基礎において修正を加え、権力分立、法の規範、奴隷制度の廃止や市民的自由の保持などの提案もしています。現代では権力分立のアイデアは「トリレンマ」「ゲーム理論の均衡状態」に似ています。概念を数値化できるかもしれません。
権限が分離されていても、各権力を実行する人間が、同一人物であれば権力分立は意味をなさない。
そのため、権力の分離の一つの要素として兼職の禁止が挙げられるが、その他、法律上、日本ではどうなのか?権力者を縛るための日本国憲法側には書いてない。
モンテスキューの「法の精神」からのバランス上、法律側なのか不明。
立法と行政の関係においては、アメリカ型の限定的な独裁である大統領制において、相互の抑制均衡を重視し、厳格な分立をとるのに対し、イギリス、日本などの議院内閣制は、相互の協働関係を重んじるため、ゆるい権力分立にとどまる。
アメリカ型の限定的な独裁である大統領制は、立法権と行政権を厳格に独立させるもので、行政権をつかさどる大統領選挙と立法権をつかさどる議員選挙を、別々に選出する政治制度となっている。
通常の「プロトコル」の定義は、独占禁止法の優越的地位の乱用、基本的人権の尊重に深く関わってきます。
通信に特化した通信プロトコルとは違います。言葉に特化した言葉プロトコル。またの名を、言論の自由ともいわれますがこれとも異なります。
基本的人権がないと科学者やエンジニア(ここでは、サイエンスプロトコルと定義します)はどうなるかは、歴史が証明している!独占独裁君主に口封じ��形を変えつつ処刑される!確実に!これでも人権に無関係といえますか?だから、マスメディアも含めた権力者を厳しくファクトチェックし説明責任、透明性を高めて監視しないといけない。
今回、未知のウイルス。新型コロナウイルス2020では、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
そして、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
<おすすめサイト>
ルトハー・ブレフマン:貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である!
ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ?2020(人間の限界を遥かに超えることが前提条件)
世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収6万ドルに到達しているのか?2017
量子コンピューターの基本素子である超電導磁束量子ビットについて2019
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yoml · 7 years ago
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1612-1911 断片、その先(全章)
1-1612 三年前 
「俺が勇利のコーチじゃなきゃいいのに」 
 ヴィクトルがコーチになったその年のグランプリファイナル。試合後のバンケットも終わり、それぞれの部屋に戻る途中のことだった。何の文脈もなく発せられたその台詞に続く言葉が予想できなくて、勇利は少し身構えた。エレベーターのボタンを押して、ヴィクトルは続ける。 「ときどき思うんだ。例えば勇利が絶不調のときね。心がもたないよ。ただのライバルなら、今回は競争相手が一人減ったなって喜ぶだけで済むだろうに」  なんだ、とありがちな話に勇利は少し安心して、「ヴィクトルでもライバルが減るとうれしいと思うんだ」と笑って返した。 「思うさ。俺は勝利に貪欲だからね」 エレベーターの扉が開く。乗客は誰もいない。 「僕はヴィクトルがコーチじゃなきゃよかったなんて、思ったこと一度もない」  ヴィクトルが少し間を置いた。「うれしいことを言ってくれるね」と微かに笑う。 「だけどやっぱり俺は思うよ。コーチじゃなきゃよかったって。特にこういうときなんかは」 「銀メダルでごめんなさい……」 「うん、いや、そうじゃなくて」  ヴィクトルが勇利の目をまっすぐ捕らえた。青い目に違和感があった。 「勇利が欲しくてたまらないとき」  言われた言葉の意味がわからなくて、勇利は文字通りきょとん、とした。エレベーターの扉が開く。ヴィクトルが先に降りて、勇利は慌ててあとに続きながら軽く混乱する。今、この人なんて言った? 返事ができないまま歩いていると急にヴィクトルが振り返った。 「勇利の部屋はあっち」  ハッと気付く。 「おやすみ勇利。今回の滑りは最高だったよ」  コーチの部屋の扉が閉まり、オートロックの鍵が閉まる小さな機械音が廊下に響いた。  三年前のことだった。 
2-1710 新宿の夜 
 これはたぶん何かを超えてしまった。  そう勇利が悟ったのは、ロシアに拠点を移してから半年、スポンサーとの仕事で日本に一時帰国したときだった。一年間のコーチ生活ですっかり日本が気に入ってしまったヴィクトルは、ここぞとばかりに勇利に同行した。が、この時の彼はもう勇利のコーチではなかった。グランプリファイナルでライバルたちの勇姿を見た彼が浮かれた頭で思い描いたコーチ兼ライバルという関係は、とはいえ到底現実的なものではなかったのだ。それでも勇利がロシアに渡ったのはただ日本にふさわしいコーチがいなかったからで、その頃の勇利には、ヴィクトルのコーチであるヤコフ・フェルツマンの紹介で新たな(そして有能な)ロシア人コーチがついていた。  仕事の前に無理やり長谷津に立ち寄って、実家に一泊だけしてから東京へ移動しいくつかの撮影やインタビューを済ませると、たった四泊の慌ただしい日本滞在はあっという間に終わってしまった。日本にいる間は不思議な感覚だった。二人の関係は常に変わっていく。憧れ続けたスター選手とどこにでもいるスケーター。突然現れたコーチと再起をかけた瀕死のスケーター。そして、最高のライバルを得た世界トップクラスのスケーター同士。自分の立場の変化に、ときどき勇利の心は追いつかない。こんなに遠くまで本当に自分の足でたどり着いたのか、いまだに半信半疑でいた。「もしこの人を追いかけていなかったら」。ヴィクトルのいない人生を思うと、勇利はいつも自分の存在自体を疑いたくなるのだった。  日本滞在最後の夜、新宿のホテルの近くにある焼き鳥屋で、二人はだらだらとビールを飲んだ。小さな飲み屋が連なるそのエリアは外国人観光客で溢れていて、煙だらけの狭い店内に不思議と馴染んだヴィクトルは普段よりも一段と楽しそうに笑っていた。めったに味わうことのない観光気分が、彼の抱えるプレッシャーを和らげていたのかもしれない。「博多の夜を思い出すよ」なんて言いながら、コーチ時代の思い出を語り始める。妙に懐かしかった。あれから大して時間も経っていないのに、二人にはそれがはるか昔のことのように思えたのだ。 「ずっと聞きたかったんだけど」  店内の騒々しさを良いことに、勇利はこれまでずっと不安に思い続けてきたことを聞いてみた。 「コーチをしていた一年を、ヴィクトルは後悔していないの」  ヴィクトルはそれまで上機嫌に細めていた目を大きく見開くと、何を言ってる? と言わんばかりの顔で勇利を見返した。そしてすぐに、ふっと笑った。 「勇利はびっくりした?」 「した。今でもあの頃が信じられないし、ロシアに拠点を移した今の状況もまだ信じられないよ」 「俺もね、びっくりしたんだ」 「自分の行動に?」 「全部だよ」 「全部」 「そう、全部。勇利のコーチになれたことは大きな意味があったんだ」 「コーチになって良かった?」
「俺が勇利のコーチじゃなきゃいいのに」
 突然、頭の片隅で声がした。バルセロナで聞いたあの台詞。目の前のヴィクトルは何も答えず笑っているだけで、あの時のことを覚えていたかはわからない。だけどなぜかそれ以上聞いてはいけない気がして、勇利は飲みかけのビールを手に取った。
 その後もだらだらと話を続けた二人は、ホテルへの帰り道、どういうわけか、本当にどういうわけか、気付くとキスを交わしていた。何がそうさせたのか、勇利は今でもわからない。まっすぐ帰ればいいところを、なぜかわざわざ回り道をして、ときどき肩をぶつけては、時間を惜しむようにゆっくりと二人は歩いていた。ちょっとした流れのようなものだった。右足が出たら次に左足が出るように、それくらい自然に、歩く二人の距離が近づいた。それで唇が触れ合ったその瞬間、喧騒が消え、街灯が消え、視界は閉ざされ、過去から繋がってきた一つの線がそこで急にプツリと途絶えた。このあと一体どうすれば���いのかわからない二人は、そのまましばらく唇の熱を分け合いながら、たぶんもう戻れない。そう思った。 
   ホテルの部屋は別々にとっていた。足早にエレベーターに乗り込むと、勇利はヴィクトルのフロアのボタンだけを押した。乗客は二人だけ。行き先は一つだけ。決定打を押したのも勇利だった。銀髪に触れるほどの距離で、彼は小さく囁いた。 「ヴィクトルはもうコーチじゃないよ」
 その夜、勇利は初めて男に触れられる感覚を知った。
3-1904 春を走る
 東京では浜辺を走れない。ランニングの途中で砂浜に降りて、ウミネコを眺めながらぼんやりする、そうした時間はここにはない。代わりに勇利は公園を走る。少年野球のチームや、体育大学の学生や、小洒落たウェアに身を包んだ若者や、犬の散歩をする老人に混ざって、長谷津よりもひんやりとした東京の春を彼は走る。トレーニングではない、ただの日課。帰り道、公園脇のカフェでショートサイズのコーヒーを買う。カップを持つ彼の右手に、かつてはめられていた指輪はない。マンションに着くと、シャワーを浴びて仕事のメールを確認する。マネージメントを任せているエージェンシーから、新しいアイスショーの話が来ていた。断る理由もないので、淡々と勇利は返信を打つ。
 新しい日々が始まっていた。一人のプロスケーターとして、日本のスケート史上に名を残したメダリストとして、人生の次のキャリアを進み始めた26歳の青年として、東京の勇利は忙しかった。
4-1908 ときどき思い出す
 スケートに関わっている限り、勇利がヴィクトルのことを避けて生きてくことはできない。お互いすでに引退した選手だとはいえ、レジェンドの称号を得た男がスケート界の過去になるには、まだまだ時間が足りなかった。    引退後のヴィクトルの活動は、悪い言い方をすれば多くの人の期待を裏切るかのように地味なものだった。セレブタレントの座に落ち着くことはなく、無駄に広告やメディアに露出することもなく、フィギュアスケート連盟の一員として選手強化と環境改善に従事した。もちろん天性のカリスマ性とスター性は裏方になってもなお人々の目を引き、解説者やコメンテーターとしてテレビに出れば視聴者は彼の一言一句に注目したが、いずれにせよ今のヴィクトルの活動は今後の主軸を定めるための調整期間のように見えていた。どこかふわふわしていたのだ。  コーチ業に転身しなかったことを不思議がる人もいなくはなかったが、多くのファンや関係者にとってヴィクトルが勇利のコーチをしていた一年間はラッキーな気まぐれのようなものとして記憶されていたし、あのシーズンの勇利が劇的な活躍を見せたのも、ヴィクトルのコーチ手腕というよりはライバル同士の妙なケミストリーの結果だと認識されていた。「コーチごっこ」とは当時の辛辣なメディアが何度も書き連ねた言葉だが、誰もが心のどこかでそう思っていたのだ。誰もヴィクトルにコーチになって欲しく��かった。まだ十分に戦える絶対王者として、華やかなその演技で自分たちの目を楽しませて欲しかった――ただ一人を除いて。勝生勇利、彼の教え子になり得たたった一人の男、彼の独りよがりな望みだけが、世界中の期待を跳ね除けたのだ。だけどそれも今となっては、たくさんの過去のひと幕に過ぎない。  今でも勇利が取材を受けるときは、決まってヴィクトルのことを聞かれる。ロシアで切磋琢磨した二年間(とはいえ勇利が渡露した一年後にヴィクトルはあっさり引退したわけだが)、帰国後の一年間、かつてのコーチでありライバルでもあった彼とはどんな関係を築いていたのか。それで今、二人はどんな関係にあるのか。そう言われても、と勇利は思う。  連絡は取っていなかった。取るわけがなかった。理由がないのだ。ロシアのスケート連盟と日本のプロスケーターが個人的に連絡をする必要はないし、人は二人を「元ライバル」なんて呼ぶけれど、正しく言うならばその関係は「元恋人」と言うべきもので、そんな二人が連絡を取らないことに説明は要らない。    勇利は昔から熱心にヴィクトルを追いかけてきたけれど、何かにつけて、彼を遮断するときがあった。自分のスケートに集中しきっているとき、成績が振るわずヴィクトルの栄冠を見るのがつらいとき、絶望しているとき、他に心奪われるものができたとき。今はそのどれでもないけれど、だから勇利はヴィクトルの遮断にわりと慣れていて、今もその最中だった。ヴィクトルのことはわからないし興味もないです、なんてことが言えるわけもなく、勇利は当り障りのない言葉でインタビュアーをごまかすのだった。  メディアで彼を見かけることもあった。勇利は別にそうしたものを一切視界に入れないようシャットアウトしているわけではない。見ても何も思わないよう、自分の心に遮断機を下ろすのだ。ヴィクトルは相変わらず美しく、今でも目を奪うには十分すぎる魅力がある。それでときどき、本当にときどきだけど、その細く乾いた銀髪を見ながら勇利はこう思う。 「僕はこの人のセックスを知っている」  だけどそれがどんなものだったか、あの途方もない感覚を勇利はうまく思い出せない。
5-1710 変化の朝
 初めて体の関係を持った新宿の夜、勇利はそれをセックスと呼んでいいのかすらわからなかった。ホテルの部屋のドアを開けるなり、二人は貪るかのようにキスをして、無抵抗の勇利はヴィクトルの手になぞられるままにその肌を露わにした。首筋から肩に流れるラインにヴィクトルの唇がひときわ強く吸い付くと、勇利はだけど耐え切れない恥ずかしさと緊張で相手の両肩をぐっと押した。「汗、かいてるし、においも、さっきの」。うまく繋がらない一言一言を、ヴィクトルはうん、うん、と逐一頷きながら拾って、どうしてもそれてしまう勇利の目をまっすぐ追いかけた。「じゃあシャワー行こう」と言って腕を引くと、バスルームの引き戸を開けてシャワーをひねり、自分はあっさりと服を脱ぎ捨てた。熱湯で一気に眼鏡が曇る。まだかけてたんだ、とヴィクトルは���って、勇利からそっと眼鏡を外すと彼をシャワールームに引き連れた。肌を流れる水が、たくさんのものを洗い流していく。汗と、恥じらいと、ためらいと、キスと、手の感触。ぴったりと密着した下半身でどちらともなく硬くなったそこを感じると、勇利は思わず声を漏らした。ヴィクトルの大きな掌が二人のそれを握りしめる。流れ続けるシャワーの音が二人を世界から隔離したように思えて、勇利はただ耳だけを澄ませながら、見えない感覚に身を委ねた。腰が砕けたのはそのすぐあとだ。ヴィクトルの体にしがみつくと、水がベールのように二人の体を包み込み、発散しきれない熱にともすれば意識を失いかねない。立ち上る水蒸気に混じって、知らない精液のにおいがした。
 早朝に目を覚ました勇利は、しばらくベッドの中でぼんやりしていた。鼻の先にあるヴィクトルの肩は、まだ静かな眠りの呼吸に揺れている。頭が現実を取り戻してくると、突然今日のフライトを思い出した。慌ててベッドから起き上がり、銀髪の人を軽く揺らして声を掛ける。 「ねぇ、荷物まとめないと。僕、一度部屋に戻るよ」  ヴィクトルは目を開けなかったけれど、ん、と声を漏らしながら腕を伸ばすと、手探りで勇利の頬に触れた。 「キスをして」
 脱ぎ散らかした服を手早く身に付けると、勇利はヴィクトルの部屋を出た。誰もいないホテルの廊下を歩きながら、ああ、僕はゲイだったんだ、と思った。昨晩の衝撃と、今朝の納得と、変わりすぎた二人の関係に、勇利はどこかまだぼんやりしていた。ぼんやりしながら、踊り出したいくらいにうれしかった。
6-1909 走れない日
走りに行けない朝がある。 カーテンの端を見つめたまま、勇利の体はどうにも動かない。 一人分の体温と一人分の空白を抱えながら、ベッドの中で涙が乾くのをじっと待っている。
7-1812 男たちの別れ
 ヴィクトルが引退した翌年、勇利のロシア二年目のシーズン、勇利には今が自分のラストシーズンになる確信があった。それは別にネガティブなものではなく、肉体的なピークと精神的な充足感が奇跡的なリンクを成し、ごく自然なかたちで、彼は自分自身に引退の道を許したのだった。スケーターとしての勇利にとっては何の問題もない選択だったけれど、一方で一人の男にとって、ある種の偉業をなし得たとはいえまだまだ二十代も半ばを過ぎたばかりの未熟な男にとっては、巨大な不安がはっきりと顔をもたげ始めた瞬間だった。この先自分は何者として、どこで、誰と、どう生きていけばいいのだろう。
 その不安はヴィクトルとの関係において顕著だった。具体的に言えばその頃から、勇利はヴィクトルとのセックスを拒否するようになっていた。勇利の人生にとってスケートとヴィクトルは常にセットで、スケートを介さなければ決して出会うことがなかったように、スケートなしでは二人が恋人の(ような)関係になることはあり得なかった。だからこそ勇利はこわかったのだ。自分からスケート選手という肩書きがなくなったとき、すでに現役選手としての肩書きを捨て���いるヴィクトルと、果たして純粋に今の関係を続けられるのかが。  勇利が初めてヴィクトルと関係を持ってからの一年間、二人のセックスは、よく言えば情熱的な、悪く言えば無茶苦茶なものだった。スケートと同じくらいの情熱を持って何かを愛するという経験を持たなかった二人は、それまで溜め込んできた「愛する」という欲望のすべてを互いにぶつけ合った。セックス自体の経験値こそまるで違えど、ぶつかる熱の高さは競いようもなく、貪欲な絶頂に幾度となく体を震わせた。競技者という者たちが決定的に抱える孤独が、その時だけは確かに溶けていくと実感できた。その意味において、勇利にとってヴィクトルとのセックスは、特別な意味を持ち過ぎていたのだ。ヴィクトルなしでは成立し得ない彼の人生は、それまではスケートという枠組みの中だけに言えることだった。だけど今は、全部なのだ。全部。
「セックスがつらいから別れるの?」 「そうじゃない」 「わからない、じゃあなんで」 「ヴィクトルはそれでもいいの」 「セックスのために一緒にいるわけじゃない」   「違うよ、違う、だけどつらくて仕方がないんだよ」 「自分だけがつらいふりをして!」
 ヴィクトルにはわからなかった。勇利に惹かれ、勇利を求め、勇利といたい、それ以外の想いなんて彼にはなかった。肌を重ねるたび、互いの中に入るたび、全身でその気持ちを伝えてきたつもりだった。最初のためらいを超えて勇利がヴィクトルを受け入れるようになってからはなおさら、彼はどんどん自由になっているようにすら見えた。全身で愛されることの喜び、誰かを抱くことの自信、解放された感情、そうしたものは勇利という人間のあり方を確かにある面で変えていたし、スケーティングにおいてもそれは顕著だった。二人の関係を周囲が騒ぎ立てることもあったけれど、そんなノイズの一つや二つ、二人が気にするまでのものではなかったし、くだらないメディアに対して沈黙を貫く二人の姿勢は、彼らが作り出す領域の不可侵性を高める一方だった。なのに、なぜ。失おうとしているものの大きさに、ヴィクトルはただただ腹を立てていた。怒りに震えたその指では、掛け違えたボタンを直すことなんてできなかった。
 誰を責めるのも正しくはなかった。一度崩れたバランスが崩壊するのは不可抗力としか言いようがない。涙をためていたのはお互いだったけれど、それが嗚咽に変わることはないまま凍ってしまった。呆れるほどに強くなりすぎたのだ。外の世界と、あるいは互いの世界と、戦い続けている間に。
 ちょうどその頃、勇利は引退を発表した。そういうことか、とヴィクトルは思った。コーチでもない、恋人でもない、今となっては勇利の何でもないヴィクトルには、その勝手な引退の決意を咎める権利なんてなかった。コミットする権利を奪われたのだ。最愛の人に。ヴィクトルは何も言わず、勇利の帰国を見送った。本当はできることならもう一度、その黒髪に指を通し、こめかみに幾度となくキスを落としたかった。どれだけ腹を立てていようと、どれだけその後がつらくなろうと、もしかしたら何かが変わるかもしれない。そんな望みを、あるいは抱いていたのかもしれない。
 勇利の送別会が終わった翌日、ヴィクトルはベッドのシーツを���ぎ取ると、壁に飾っていた一枚の写真を外した。どこまでも青く広がった、遠い異国の、風に揺れる、穏やかな海の景色だった。 
8-1807 ネヴァ川を見る
 サンクトペテルブルクに、海の記憶はあまりない。代わりに勇利は川を思い出す。いくつもの運河が入り混じる水の街の主流を成すネヴァ川。その川沿いに建ち並ぶ巨大で仰々しい建物の名前を、だけど勇利はなかなか覚えなかった。それが美術館だろうと大学だろうと聖堂だろうと、勇利にはわりとどうでもよかったのだ。ただこの景色がヴィクトルの日常であり、自分が今その日常の中でスケーティングを続けている、その事実だけが重要だった。  それでもいつだったか、早朝に川岸を走っていたときふと目をやったペテルブルクの風景は、日本からやって来た若い青年の胸を打つには十分な異国情緒があった。スマートフォンを取り出すと、普段めったに使わないカメラを立ち上げて、勇利は下手くそな写真を撮った。オレンジともピンクとも紫とも言えない朝日が、ついさっき暗くなったばかりのネイビーの空を、圧倒的な存在感で染め上げていく。混じり合う色と色のグラデーションが急速に消えていくのがなんだか妙に惜しくて、勇利はこのまま空を見続けていたいと思った。写真は全然素敵なものではなかったけれど、勇利は何年振りかに、それをスマートフォンの背景画像に変更した。  その日の夜、そういえば、と勇利はベッドサイドテーブルの上で充電ケーブルに繋がれていたスマートフォンを手に取って、ヴィクトルにネヴァ川の写真を見せた。 「これ、今朝の。きれいだった」  ヴィクトルは勇利が自分で撮った写真を見せてくれる、ということにまずおどろきながら、写真を覗き込む。 「勇利、写真にはもっと構図ってものが……」とヴィクトルがからかうので、勇利は彼の顔を枕でぎゅっと押しつぶす。 「うそうそ、ごめん、きれいだよ、本当に」 「あれみたいに飾れるレベルだといいんだけど」  ヴィクトルの寝室には一枚の海の写真が飾られている。コーチとして長谷津にいた頃、ロシアから雑誌の取材が来たことがあった。スチール撮影は海を背景に行われ、その時カメラマンが押さえた風景カットがとてもきれいで、ヴィクトルはスタッフに頼んでそのデータをもらったのだ。ベッドに寝そべるとちょうど目に入るくらいの位置に、大きく引き伸ばされたその海は飾られている。 「わかるよ、俺もそういう空が好き」  さっき枕を押し付けられたせいで、ヴィクトルの前髪は不恰好に癖がついている。それを気に留める様子もなく、彼は写真をじっと見つめる。 「あの時の衣装みたいだ」
9-1911 冬が来る
  玄関のドアを開けた瞬間、季節が変わった、と勇利は思った。寒さを感じるにはまだ少し遠い、それでも確かにひんやりと冷えた朝の空気。いつもと違うにおいをゆっくり吸い込むと、鼻の奥がつんとした。冬がやってくる。     四階の部屋から、エレベーターは使わず外階段をたんたんと駆け下りる。エントランスを抜けて通りに出ると、いつものランニングコースへ足を向ける。最初は少し歩く。駅へと向かう近所のサラリーマンたちとすれ違う。ぐいっと腕を上げて肩を回すと、おもむろに勇利は走り始める。もう一度風のにおいを嗅ぐ。十分ほど走って公園につくと、ドッグランを横目にそのままランニングレーンに入る。  一周二キロのコースの二週目に入ったあたりで、この日の勇利はなんだか急に面倒になって走るのをやめた。虚しくなった、というほうが正しかったかもしれない。普段あまり意識しない感情の重さに、勇利は少しだけうんざりした。それとほぼ同時に、ウェアのポケットに入れていたスマートフォンが鳴る。こんな朝から、と歩きながらスマートフォンを取り出した勇利の足が、突然ぴたりと止まる。手の中でバイブを続けるスマートフォン。動かない勇利の指。画面につと現れたあの名前。 「“Victor Nikiforov”」
10-1911 コーチの助言
「人というのは、自分が守られているとわかっているときにこそ心置きなく冒険できるものなんだ、ヴィーチャ」 ヴィクトルは時折この話を思い出す。大昔のことだ。 「お前の安心はなんだ? メダル? 名声? それとも尊敬?」  ヴィクトルは考えた。そのどれもが、彼にとっては確かに重要なものだった。 「もしお前の足が止まるようなことがあれば、そうしたものを一度見直してみるといい」  そう言われると、ヴィクトルは少し腹が立った。自分が心血を注いで獲得してきたものを、真っ向から否定されている気がしたのだ。 「自分を守ると思っていたものが突然自らの足枷になって、お前を縛り付けるかもしれないからな」
 目的地までの残り時間を告げる機長のアナウンスで、ヴィクトルは目を覚ました。モニターをタッチしてフライトマップを映し出す。飛行機はいよいよユーラシア大陸を超え、Naritaの文字まであと少し。あれからもう何年も経つというのに、いまだにコーチの助言は有効力を失ってはいなかった。まだ少し焦点が合わない目で明け方の空を眺めながら、ヴィクトルはその言葉を声に出してみる。
「安全基地を見失うな」
11-1911 ジンクスと可能性
 バゲージクレームのベルトコンベヤーの前で、ヴィクトルは荷物が出てくるのをじっと待っていた。レーンの先を真剣に見つめているのは、なにも焦っているからでも大切なものを預けているからでもない。ジンクスがあるのだ。ベルトコンベヤーに乗せられた自分のスーツケースが、表を向いていればその滞在はうまくいく。裏を向いていれば用心が必要。ベルトコンベヤーが動き出す。プライオリティタグの付いた彼の荷物が出てくるまで、時間はそんなにかからない。見慣れたシルバーのスーツケースが視界に入ると、ヴィクトルは思わず苦笑した。流れてきたスーツケースは、サイドの持ち手に手が届きやすいよう、行儀良く横置きされていた。  荷物を受け取ってロビーに出ると、時刻は朝の八時を少し回ったところだった。スマートフォンを取り出すと、ヴィクトルは自分でも少し驚くくらいためらいなく、勇利への発信ボタンをタップした。朝のランニングを日課にしている彼のことだから���今頃はそれを終えて朝食でもとっているか、その日の仕事に出かけるところだろう。だけど予想通り、その着信に答える声はなかった。スマートフォンをポケットにしまうと、ヴィクトルは軽いため息をついて成田エクスプレスの乗り場へ。「事前予告なんて俺らしくない」と思ってはみたものの、だけどヴィクトルには向かうべき先がわからなかった。東京に拠点を移したということ以外、勇利の居場所についてはなに一つ知らなかったのだ。唯一向かう先として確定している新宿へのルートを確認しながら、やっぱり羽田着にすれば良かったと思った。彼はいい加減に疲れていた。サンクトペテルブルクからモスクワ、モスクワから成田、成田から新宿。スムーズなルートではあるものの、これ以上時間をかけるのが煩わしい。その気持ちもあってかどうか、新宿に到着するのとほぼ同時に、ヴィクトルは勇利にメッセージを送った。 「しばらく東京にいる。可能性は?」
“可能性”?
 勇利がメッセージに気づいたのはその日の正午ごろだった。ヴィクトルの着信を無視して家に戻ってから、打ち合わせのためにマネージメント会社の事務所に向かった。スケジュール諸々の確認を済ませ、いくつかの事務的な話を終えて事務所を出ると、いつも無視するだけのSNS通知に混じってそのメッセージは届いていた。  精神的ヴィクトル遮断期の成果か、勇利は着信を見た時もメッセージに気づいた時も、思っていたほどのダメージを受けなかった。その代わり、「可能性」の文字が勇利の前に立ちはだかる。それはこの一年間、勇利がもっとも望み、同時にかき消そうと努めてきたものだった。メトロの入り口までの道を歩く間、勇利は逡巡した。が、地下に入って改札機にICカードをタッチすると、その瞬間に案外あっさり答えが決まった。募らせてきた孤独と愛おしさを開放するには、改札が開く小さなその電子音だけで十分だったのだ。 「どのホテル?」  メトロに乗り込む。5分ほどでヴィクトルからの返信。ホテルの名前を見た瞬間、勇利は一気に胸を掴まれた。スマートフォンをポケットではなく鞄に入れると、両手で思わず顔を覆ってひときわ大きなため息をついた。遮断機は壊れてしまった。抑揚のあるあの声を、肌に触れる乾いたあの髪の感触を、抱きしめたときの体の厚みを、汗と香水のにおいを、熱を、息を、そして氷上をしなやかに滑るあの姿を、勇利の体は鮮明に思い出した。メトロの中で、勇利はほとんど泣いていた。
12-1911/1812 言えなかった
 目が覚めると午後五時を回っていた。約束の時間まであと一時間。フライトの疲れはたぶん取れている。ヴィクトルはシャワーを浴びると、小ざっぱりとした自分自身を鏡越しに見つめた。現役時代と比べれば筋肉量は若干落ちたものの、傍目には変わらない体型を維持している。銀髪に混じる白髪は前からのことで、目の下のシワも見慣れている。だけどやはり変わったなと思うのは、その目元だった。ひとしきりの怒りとさみしさを通過したヴィクトルの目は、少し力なく、だけどそれ以上に、優しくなっていた。  話す言葉は何一つ用意していない。���れからどうしたいかも決めていない。とにかく会えば、会えさえすれば、なんて甘えたことも思っていない。だけどヴィクトルは日本にやって来たし、勇利はそれをはねのけなかった。思えばあの時もそうだったのだ。自分が勇利のコーチになる可能性なんて本当はどこにもなかった。無茶苦茶なことをしている自覚もあった。持ち前の奔放さで周囲を驚かせてきた彼だったが、本当はいつだって、自分が一番驚いていたのだ。未知へと足を踏み入れたことに。不安を乗り越えられたことに。新しい安全基地を、確かに手に入れられたことに。ヴィクトルの冒険と不安を受け入れたのは勇利以外の何でもなかった。一緒に居れば何者にだってなれる。ただそれを、あの人に伝えたかった。 「ねぇ勇利」  鏡越しに独り言を呟く。
「今日から俺は勇利の何になる?」
 同じ台詞を、二人は別れる直前にも聞いていた。元師弟とも元ライバルとも恋人とも言える二人の関係を終わらせようとしている勇利の心を、ヴィクトルはどうしても知りたかった。いや、変えたかった。 「何だっていい。ヴィクトルはヴィクトルでいてくれたらいい」 「勇利は俺の何になる?」 「何だっていいよ」 「それがこわいのに?」  勇利は答えなかった。その通りだった。ヴィクトルがヴィクトルであること、勇利が勇利であること。口で言うには響きの良い台詞だけれど、その意味を、その事実を受け入れることは、思っていたよりたやすくなかったのだ。 「いつかこわくなくなると思う」 勇利は最後の最後になって、すがるようにヴィクトルの首元に腕を回し、鎖骨のあたりに顔を埋めた。自分勝手さなんて痛いほどわかっていた。ヴィクトルの手が軽く背中に触れたけれど、それはただ、触れただけだった。
「だからそれまで待っていて」とは、勇利はとても言えなかった。
13-1711 ゆだねる
「やっぱりこわい。ていうか……抵抗感がある」 「うん、無理にとは言わない」 「……ヴィクトルはどっちなの」 「どちらでも。勇利とならどっちでもいい」 「そういうもの?」 「俺はね。相手と一番気持ちいい関係でいたいから」 「どんな関係が一番かなんてわかんないよ」 「だから試さないと。そうだね、わがままを言うなら、俺は勇利に“受け入れる心地よさ”を経験してみてほしいかな」 「痛そうじゃん……」 「最初はね。でも相手にゆだねてしまえば、きっと良くなる。絶対に無理強いはしない」
 そう言いながら、これがハードルなんだろうな、とヴィクトルは思った。勇利は簡単に誰かに身をゆだねられるタイプの人間ではなかった。自信のなさはかつての彼の最大の欠点とも言えたが、言い換えればそれは一重にプライドの高さと自分への責任感であり、自分を支える存在を求めながらもその対象に依存するようなことは考えられないだろう。たとえそれが、氷上だろうとベッドであろうと。アスリートとして身につけてきた彼のストイックさを、怖れを超えたその先で解放される表現者としての素質を、だけどヴィクトルは何よりも愛していた。
「勇利の準備ができるまで、いつだって待つよ」
14-1910 空になったグラス
「どうせ誰かの専属コーチになることはないんだろ」  久しぶりに会った友人は、テーブルの企画書を片付けるとグラスに残っていたワインをゆっくりと飲み干した。 「おもしろいプロジェクト���と思う、君らしい。感情にさえ流されなければうまく行くんじゃない? まあそこが君の魅力だけど」 「余計な心配だ」  ヴィクトルの冗談を端的にかわすと、ポポーヴィッチは少し思案した後じっとヴィクトルを見つめた。 「真剣に聞いているんだ。このまま君が連盟の一員になっていくなんてとても思えない。コーチはしないまでも、その才能を裏方に回すなんて誰が望む? 凡庸なスケートショーに誘っているわけじゃない。一種のアートの試みだよ」  二年前、ポポーヴィッチはヴィクトルと同時期に引退し振付師へと転身した。もともと芸術家肌だった彼の野心は振り付けだけにとどまらず、最近ではショー全体のプロデュースに取り組みはじめ、スケート界の新しい動きとして一部から期待と注目を集めていた。 「とはいえ俺はアスリート気質だからねぇ。エンターテイナーでいることは苦手なんだよ、わかるだろ」 「エンターテイナーになれなんて言っていない。ヴィクトルという一人の人間として滑ってほしいんだ」 「ヴィクトルという人間、ねぇ……」  すでに空になっている自分のグラスを見つめながらそう呟くと、ヴィクトルはなぜか笑いたい気持ちになった。 「“お前は何者なんだ、ヴィクトル!”」  突然古風な芝居じみた口調で笑いだす友人に、ポポーヴィッチは呆れてため息をつく。 「本当に、ヴィクトル、これからどうするのかヤコフも心配している。最近じゃあのユーリですら……」  愛すべき友人の言葉を最後まで聞かずに、ヴィクトルはさっと立ち上がった。 「そろそろ決めてもらわないとね、俺が何者か」 「?」 「プロジェクトのことは考えておくよ、スパシーバ」  訝しげに見つめる友人の肩をぽんと叩いて、ヴィクトルは一人店を出る。帰りのタクシーの中でスマートフォンを取り出すと、ためらいなく成田行きのフライトを予約した。不思議なほどに、意気揚々と。
15-1911 それでも、なお
 ホテルのロビーで一人掛けのソファに腰を下ろした勇利は今、行き交う宿泊客をながめている。どうしていつも急に来るのだろうと、初めて彼が長谷津に現れたときのことを思い出す。頭の中で月日を数えて、勇利は思う。まだ4年も経っていないのか、と。どうしてヴィクトルが東京にいるのか、どうして勇利と会おうとしたのか、勇利には見当がつかない。これから会ってどんな話をするのか、勇利の方にだって何の準備もない。自分から離れた相手なのだ。どんな態度でどんな話をされたとしても、勇利はそれを受け入れるしかないとわかっている。それでもなお、勇利は思う。そこに可能性があるのなら。自分を失うこわさと引き換えに、別の何かを見つけ出す可能性があるのなら。自分を定義づけてくれる存在を、もう手放すようなことをしてはいけない。
 新宿に来る前、勇利は一度マンションに戻っていた。まっすぐ寝室に向かうと、クローゼットの奥から彼の持ち物の中では異質な黒い小箱を取り出した。最後にそれを見てから、もう一年近くが経とうとしている。「この歳になってもまだおまじないか」と苦笑いを混ぜて呟くと、それでも最大限の愛おしさを込めて、乾いた右手の薬指に小さな金の環を通した。それから右手を唇にぐっと押し当てるようにキスする癖は、一年経っても忘れてはいなかった。
 賭けをしよう。あの人の指にも同じものがあるだろうか。あるいは祈りを、あるいは冒険、あるいは。
 エレベーターがロビーフロアに到着する。数人の宿泊客とともに銀髪の彼が現れる。青い視線が黒髪を見つける。聞きなれたあの声が、勇利の名前をまっすぐ呼ぶ。
fin
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chaukachawan · 6 years ago
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7566
お疲れ様です。再掲のエデンです。
1か月前に筆が乗って大体書けてた割に最初のほうに出すものがコレは違うと思って、5人くらい出るのを待ってました(   ᷇ᵕ ᷆  )
論点をぽいぽい変えるのは多分ラジオの聞きすぎですね
でぃあ
人と接するバランス感覚に長けてるんだと思う。全方位射撃なんだけど、自分のペースのイニシアチブは持ってる。マネジメントって言ったらいいんかな?自分の思いついた面白いノリに皆を巻き込んだり自分の価値観を布教したりが上手いように思うの。あと、「こないだこんな面白いことあった」系の話を端的にまとめて30秒くらいでスッて言える。そのストックが沢山あるんだろうなあ。それやろうとすると回りくどくなるか大して面白く喋れないのでリスペクト。
橋本悠樹
蓋を開けたら残念なオタクだとしても、学校社会を上手く生き残るために身につけた、オタク要素をいい塩梅に小出しにしていく術をお持ち。オタクオタクしすぎるとクラスに居場所無くなりますからね。特に"人種のサラダボウル"と呼ぶにふさわしい公立中学校とかではそれが顕著。今の所作には彼の葛藤の歴史が垣間見えるわけです。敬礼。
若干の引っかかりがある声質だからですかね?吐息混じりともまた違うんです。始まりを知らないのですが、彼に対してよくエモいって表現をされがちですよね。実は「エモい」って形容詞に関しては「エモいって何か言っているようで"心が動いたわ~~"しか言ってなくね?思考停止じゃん」って、内心割と否定的な意見を持ってたのです。でもここ最近、「エモい」でしか狙撃できない感情とか対象とか領域があるって思えるようになって考えを改めました。
堀文乃
なんか光の速さで仲良くなりましたよね。人と人が仲良くなるとき、学校の学級みたいな、固定メンツでかなり長い期間一緒にいることを強制される状況か、会社の部署みたいな、自分から話題を集めずともみんなで一緒に取り組む攻略対象が定期的に勝手に提示されて話題ができるから仲良くなる状況か、若しくは趣味みたいな、話題の核となる共通項がお互いにある状況でないと、そもそも仲良くなることは難しいはずなんです。ましてやK-POP踊る人と水樹奈々現場でキンブレ振ってる人が時短に仲良くなる余地ないでしょ。部署も出自も違うし。その時空-とき-の障壁-とびら-をいつの間にかぶっ壊してました。肌荒れなおそうね~~~~☆〜(ゝ。∂)
お互い兼サーしてますが、兼サーなりなんなり、異なる二つのコミュニティに属してると、どちらにも完全な帰属意識を持てないんですよね。童話「卑怯なこうもり」の物語設定がそれに近いです。一方では「○��にも入ってるしなぁ」って思われるしもう一方でも「××にも入ってるしなぁ」って扱いを受けるわけです。曜日が被ったらどっちへ行けばいい?飲み会には?参加度は?やる気の配分は?こちらは葛藤してなくはないしバランスは自分でなんとか取るので、案外兼サーしてることを気にかけてもらわなくて大丈夫です
西岡克起
ズリぃんだぁ……ズリぃんだよ……。その場の笑いの主導権を根こそぎ奪っていく求心力を感じるんですね。あと、距離感というか、コミュニティのなかでの立ち位置の取り方が嫉妬するほど上手い。例えば旅行から帰ってきた土産に、安くて量が入ってるバラマキ用の菓子買ってきて、馬鹿正直に「安かってん~~単価低いで~~~みんな貰って~~~」って言いながら配ったとしても、誰も嫌な顔ひとつせず受け取るような、総じて"許される"立ち位置にいるんですよ。人によっては嫌味に聞こえるからね、特に土産物は小煩いからね。ずるいんだよなぁ。まぁ言うてこれに関しては天性によるもの、もしくは一コミュニティが形成される最初期段階で決まるポジショニングの問題なので今更羨んだとてどうにもなりませぬ。このままどうか毬栗より尖ったギャグセンに生きてくれや。
島﨑愛乃
言うなれば人との距離感の線引きを、ほんの1秒1秒ごとに自在に、ツマミを動かすように動かせる人というか。自分の主義主張をあくまで一貫しながら相手への対応を丁寧に逐一変えられる。その意味において「抜かりない」とか「八方美人」とか悪意のある言い換えもできるんですけども。そう受けとって欲しくはないのですが。
たまに帰りの電車で一緒になる、音響で一緒、学部が同じ。最近人科のギャグセン高い俺の友達と体育同じっぽくて、別の種目やってる遠くから羨ましげにそちらに視線を投げてます。
中学時代から来るどうしようもない偏見ですが、個人的な脳内カテゴリ「演劇部の女」のど真ん中を踏み抜いてるなって第一印象でした。あれは確か、いちょう祭の頃ですね。この脳内カテゴリに関しては自己分析と言語化が進んでないので何も言えることがない。何も言えんことをネットの海原に流すなやって感じですね。ふわふわ
西田幸輝
最初出会った頃、何処から攻略したらいいのか分からなかった覚えがあります。掴みどころが分からなかったというか。今も私には分かっていないんですが、他の人がその掴みどころをとうに見つけてくれているのでそれに有難く乗っかってます。なんか他の人とは違う、ATフィールドの解除の仕方してくる感じありません?働きかけた結果、敵-我々-が勝手に蕩けさせられてATフィールドが無くなる、みたいな。限定発動ではあるけどだいぶ強力ですね。
こないだは私の1.5tトラック運転の道連れとなって頂きありがとうございました。というかドライバーとしてお声がけ頂きありがとうございました。"無運転無事故"がモットーのペーパードライバーな私には経験値積みに良かったです。帰りしなに一緒に行ったコーナンの近くにあったあのうどん屋は徳島駅前にもある美味しいうどん屋の系列なのですよ。かけうどん+天ぷら類の組み合わせならコスパが最高です。そういえば何故はなまるうどんを始め、うどん屋ってカレーライスをメニューに入れてるんでしょうかね?寿司以外にも手を出した結果エントロピーが増大して、最早"独りフードコート"と化した昨今の回転寿司屋を前にすれば、それも愚問ですかね。
小宮山珠里
シンプルに関わりがないんや。合宿のとき5,6人でテクテク歩いてて、俺が「大分麦焼酎二階堂のCMのポエム爆エモall over the worldやからぽまいらとりまNAVERまとめ即開けしろや」言うてたときその場にいはったのが最後の絡みかしら。
人と話していて、当人が意識してない心の深淵に、そっとタッチするだけして戻ってくる遊びがすきなので、関わりがない人はマァジで何も書けんのや。。んー、関わった数少ない取るに足りない出来事をこれ見よがしに並べ奉るのもそれはそれで、手札が無いですって白状してるのと同じやし。往々にしてそういうのって「書くこと無かったんやな……」って悟られるし。関わりの少ない人へ書く寄せ書きの色紙の心理に近いものがあります。前記のように、俺より絡みがある人が既に把握してる掴みどころに有難く乗っかってる状態ですね。
それでも、まだ知らない人を知ろうとしたい向上心はあるので、これからの絡みに期待しております。あなかしこあなかしこ
福島亜理紗
Twitter用の他己紹介の文があまりに本人に刺さったので転載。
ちゃうかに関することに限らず調べ物をよくしてるイメージ。例えるなら土地を買ってビル建てるときに、自分で資格取って自力で設計図書くようなバイタリティ。ただ、立派にビル建てておいて、そこに住むことなく屋上から飛び降りてしまうのがこの人の愛嬌。
前からこの人に言ってたのは、「病まないためのリスクヘッジを完璧に固めたその上で病んでる」だったんですが、他己紹介するにあたって、この人の熱心に情報を仕入れてるところを加味して。自社ビルのアレゴリーを思いついた時、勝ち確だと確信しましたね。突いた核心を比喩で化かしながらコンパクトにまとめられたので、手前味噌ながら上出来です。
尾形莉奈
方向性こそ違えど感情とか思考を分析する癖がお互いある。高校時代にも似たような人がいたんですよね。自分が到底置けない視点から、自分が至らぬ洞察を与えてくれる。自分の思考速度と語彙レベルを相手のレベルまで引き上げてそれに追いつきたくなるタイプ。自分こそが相手の発言を100%理解してるって声高に主張したくなるし、逆に相手に無い考え方を呈示して相手を頷かせてみたくなる。こういう、学があるように見える人って、往々にして自分との関係性を絶やしたくない、変な話手中に置いておきたいって感じませんか?定期的に話し込んで情報を同期する仲でいたいというか。相手の人脈のなかの何かしらのポストに就いていたいというか。高校時代の似たような人もまさにそんなような感じでした。思春期のアイデンティティ拡散してた頃の自分は多分こういうタイプの子供になりたかったんだろうなぁ。例えるなら小学生の頃、"ブラックコーヒー飲める"って言ってる同い年かっこいいなっつって憧れた感覚。「早く大人になりたいって言ってる子供」になりたい子供でした。気取ったタイプの糞餓鬼だった。
國分詩織
表裏無くこれが素だな、本性だなと思える人も、また同じように、今見せてる面は仮面で、裏があるなと透けて見える人間も、人口に一定数いると思っているんです。でもその存在すると推察される裏の中身が、親しみやすい、言い換えれば自分と似たような境遇だろうと察せる人もいて。それがまさにこの人。同じレベルで腸を見せられること、魂胆がありそうに見えないことは、イコール信頼ができる。情報を一つでも漏らしたら即座に吹聴するようなクソスピーカークソ人間は見分けなければなりませんが、同様に当人が腸を見せる側であるが故に、他人に吹聴するような魂胆がまるで見えない人を見分けることも、健康に生きていくためには必要なわけです。サンドバッグを探せと言っているのでは決してないので誤解なきよう。
ガウス
ゆとり世代の子が、魚が刺身の状態で海を泳いでると思ってる、みたいな都市伝説ありますやん。自然界に刺身の状態で存在してると誤解してる。でもこれ、スーパーに並ぶ加工後の魚しか知らないんだとしたら、魚の自然状態=刺身と思い込んだっておかしくはないんです。どう考えても刺身から尾頭揃った魚なんて連想できないから、刺身の状態で突如自然界に発生してると勘違いしても、筋違いではない。彼にはこの構図がそのまま当てはまります。あまりに彼を「ガウス」と呼ぶ座りが良すぎて、「ガウス」の印象が強すぎて、「若林弘樹」が大学に入るまでどういう文脈で生きてきたのかまるで想像がつかない。いわば彼は自然界では「ガウス」の状態で存在してるんですよ。「若林弘樹」を経ずに「ガウス」の状態で自然界に突如発生している。「若林弘樹」ではなく、「ガウス」こそが海を泳いでいた、と。知り合う前と後で、想像し得る社会的文脈に隔絶がある。
ポジション取りが上手いですよね。以前彼が、帰り道が一人になる女子を途中まで送ってあげてたんです。夜道を女子に一人で歩かせない気遣い。そのときに俺は「うわポイント稼ぎや」と野次を飛ばしたんですが、彼はそれをさらっとやってのけるんですね。持論ですが、たくらみのない笑顔はある種の免罪符だと思っていて。彼はまさにそうで、"許される"効果を持ってるんです。だからこそ「ポイント稼ぎ」というこちらの野次が、���味っ気がない軽い���リへと昇華される。ありがたやありがたや。
(この部分の文のためにわざわざ本名okか訊いた)
youtarak
最初は信用してなかったんです。見てくれで判断するのは自省の余地ありですが、如何せん信用できないでしょう?この人。髪切ればいいのに……
多分根本的な思想の方向性は全く以て別物なんです、恐らく。ただ何処かにレゾナンスを感じてる。メンヘラを露呈させてるからですかね。誰しも心の闇など一つや二つ持ってる筈で、なのに滅入りがち悩みがちなレッテルを貼られる人と貼られない人がいる。その違いは結局衆目に露呈させてるかどうか。露呈させてしまう人ほど自分への内向きの力が強い。内圧に耐えきれなくなって外向きに暴発するような感覚かしら。世にいう自己肯定感とはそもそもの着眼点が違いますね。かくいう私も人に依存しがちなので人のこと言えない。自省を兼ねたデジタルタトゥー。
山内一輝
推しに言葉を重ねるのってダサくないですか?ある種言語化の放棄とも言えるんですけど、パーソナルな感情と経験の言語化って、努めて普遍性を持たせようとしなければ、何処まで行っても所詮自己満足じゃないですか。この頃人々がだんだん彼の良さに気づき始めててぴえん。売れていく若手歌手に寄せる感覚に近しい。ファンだって大声で言って皆に魅力を知って欲しいけど、それによって有名になると遠い存在になってしまって切ないでしょ?いいですか、同担拒否強火担とはこの私のこと。TOは一人で十分。
推しへの愛ってだんだん時が経つにつれて変容していくものだと思うのです。出会った頃のときめきを失念せぬことも大事ではありますが、時間の経過や付加されていく要素によって感情が変質してゆくことは否めない。幾つもの感情の段階を螺旋階段的に踏んで辿り着いたその先にいるわけです。何が云いたいかというと今は"原点回帰フェーズ"。例えば若手歌手が売り始めの1stシングル2ndシングルで楽曲の方向性を定めたあと、色んなジャンルの曲歌って冒険しだして二枚くらいアルバム出したあとで"原点回帰"と銘打ったシングル出しますやん。言うなれば、あれ。原初に還るの。
津島ヨモツ
俺自身が、啖呵を切れさえすれば立て板に水で喋れるタイプなんですが、ヨモツも多分それに似てる。あと使う語彙の領域がすごく近接してる感覚がある。そして、俺が10の量を10の速度で喋ったら、同様に10の分量と10の速度で返してくれます。沈黙が怖くてこちらが頑張って喋らなきゃと肩肘張る緊張感も、逆に一辺倒に喋られるせいでこちらが何も言えなくなる息苦しさも無い。身も蓋もない言い方をすれば話していて楽です。
Anna
オタク自重しようね~~~~????えもいえぬ眼差しを向けられるオタクの典型をいってますよね。潔いまでに。誰しもが通るべき思春期の川の激流の如きアイデンティティ闘争に揉まれ削られ摩耗して丸い石に仕上がらなかったのがむしろ不思議。
遠くから発した声が馬鹿みたいに通る。例えば他の人と喋っているとき、この人が遠くから声を発すると、他の現在交信してる通信に混線することなく、この人の声が優先してノイズ無く受信するんです。周波数なんかな。声の出し方なんかな。包括的な言葉を使うとしたら、"声質"がその要因なんだろうな。
カーメン
舐めてるつもりは更々無いので誤解なきよう願うのですが、台詞の原稿は致し方ないとしても、こうも日常生活にさほど支障がないくらい日本語が喋れる人だと、こちらもどれくらいの日本語で喋ればいいのか分からなくなります。多少小難しい言葉を使ってウケを狙うことが個人的に多々ある以上、簡素な言葉で返してしまうと却って失礼なんじゃないかとか、分からなくなる。とどのつまり答えは見つからないです。
なしもとはな
この公演何かと絡みの多いお仕事仲間。この人も信頼が置けますよね。推し語りのイメージが強いからかも知れませんが、良い意味で明け透けだから助かる。突然話し始めてもちゃんと聞いてくれるのがマジ嬉しい。
あと理想的なワークライフバランスをしている。自分のキャパシティを考えるのも仕事の範疇、というのはよく言う話ですが、自分の身の程と必要な業務、そして推し事の天秤を上手くバランスとってらっしゃる。この公演で一番仲良くなれた人かも。
伊藤星乃介
お仕事仲間ですね。今までよりだいぶ濃度高く関わってる気がします。そんなにちゃうかではひでぇオタク見せてないですよね。真っ当に社会に生き往くために折り合いをつけていったんですかね。オタクにもゾーニングって必要ですからね、真っ当に社会に適合するためには。俺がこないだ気に入ってた「おフロ」って言い方ってどれくらい嫌ですか?俺が「エデンデンデデン」って呼びかけられることに対して内心嚙み潰してた苦虫と同じくらいでしょうか?あだ名ってコミュニティ内の時間経過によって変化していきますよね。もはや原型をとどめてなかったり。そしてあだ名の派生型に一通り飽きると原型に戻ったり、あるいはあだ名呼びすらやめて、本名呼び捨てとか本名+さんで敢えて距離感装ったり。ああいう遊び嫌いじゃないです。
ちゃわんちゃうか?
出会った頃からイメージが更新されてないです。多分ダメの被りが悲惨なんでしょう、この公演真面目に演技の話をご一緒する機会にあずかれてない。最近うっすら感じてることなんで的外れかもしれませんが、ひふみんとか野村萬斎とかさかなクンに似たものを感じる。この三人って、その業界では権威で、テレビでも長年の経験に基づく専門的な知識で話せるはずなのに、無知な視聴者のために平易で咀嚼しやすいエンターテインメントを演じて道化師をやってるんですよね。この人にはそれに近い感覚があって。未熟なアマちゃんたちのために道化をやってくれてる感じがする。とはいえこれはめっちゃ心許されてて愛されてる証なのでめっちゃ嬉しいの。話題が持つ自信は絶えて無いけれど一度飲みたいですね
須田
「ハイスペック」「仕事人」とだけ書くのって、簡単に捉えようとしすぎじゃないですか?彼に限らず、みんながみんな仕事ができるはずだし、みんながみんなプロフェッショナルな部分があるはずだし、みんながみんな忙しいはずですよね?やたらとハイスペックハイスペック言われてあるのは、恐らく彼から私情や個性の開示をしてもらえてないからなんでしょう。空きコマに箱にいたメンツで「須田ちゃんを知ろうの会」みたいなのこないだやりましたけど(ちなMCが本人だった)、また開催したい。一度貼り付けたレッテルで人を捉えつづけることなく、目を見開いて本人を知ろうとする姿勢は持っていたいです。理想論かしら
夕稀次
絡み無いのよ……。こないだ映像の撮影でほんのちょっとだけ喋りましたね。前述の通り書けることがマジでないのです。慚愧に堪えません。。人間関係維持のためで構わないのでまた顔見せてください🙃
何この文字数(引く)
ここまで人間観察もどきができてるのは良くも悪くも同期だからなのでこの大盤振る舞いごった煮紹介はこれが最初で最後でしょう。知ったような口を利いてごめんなさい。どうか干さないで……
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karasuya-hompo · 6 years ago
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ゑをる:自己満足の「カストルム・メリディアム」攻略2
【3エリアめ~3ボス?】
 シドが魔導アーマーで扉を破壊してくれるので、そこから先へ進みます。  この先がちょっと、慣れない人だとルートが分かりづらいところ。  なのでまず地図を出しておくと、こんな感じ。
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 「迫撃砲1」から、うねっとした路を通って、「車庫みたいなところ」へ行き、「迫撃砲2」の場所へと向かい、そこから南へ。  ところどころにいる「名前がピンク色の敵」は、普通の敵(名前が薄いオレンジ)と違って、シドを狙ってきます。めったにないことですが、シド=魔導アーマーが壊されてしまうと失敗です。(まあたぶん。見たことないから推測でしかないけど)  だから���言ってなにがどうってこともないので、MTはいつもどおりヘイトを取って進みしょう。
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 とりあえずドアの先はちょっと要注意。「迫撃砲1」のところです。  手前にザコ、その後ろに迫撃砲、その脇に警報装置があります。まずここにいるザコたちを片付けてから先に向かいます。(さすがにこの先までまとめるタンクはめったにいない)  ここのザコもタンクがヘイトを取ってDPSたちが~……とやってもいいのですが、高威力の迫撃砲を使うと手っ取り早く片付きます。  ただ、そのためには重要なポイントが一つ。それは、「迫撃砲が攻撃できる範囲は決められている」ということ。つまり、MTは特定のエリアに敵をとどめる必要があります。  分かりづらいので敵を一層してからですが、
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 このへんは紫色の範囲表示で、攻撃できません。
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 攻撃できるのは、この変な柱の周囲から、右のほう(迫撃砲から見て)一帯です。迫撃砲を使ってもらうことを前提に、MTはこの柱を目印に警報装置前のザコも含めて、集めておきましょう。  ……迫撃砲使わないパーティもいますが気にしたら負けです。使わなくてもそこそこさっくり倒せますから、あまり気にせずw
 うねっとした道では、魔導コロッサスを一匹確保して引き連れつつ、MTは奥へと進みます。「車庫みたいなところ」に魔導ヴァンガードなんかもいますので、こいつらも範囲スキルでヘイトを取ったら、このまま更に先の「迫撃砲2」のところへ。そこにもまたザコ集団がいます。
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 狙えるのはT字路のあたりなので、MTは一応、このへんに敵を固めておきましょう。迫撃砲を使ってくれるかもしれません。かも。  MT以外の人は逆に、MTがT字路のあたり(迫撃1の場所なせ変な柱の近く)にザコを集めているようなら、ここぞとばかりに迫撃砲を利用してあげてください。  この先が一応3ボス的な戦闘エリアですが、ボスというより、ザコとの特殊戦闘って感じです。
【追加知識:動かない敵について】
 ここの「迫撃砲2」のところにも2人いますが、魔法使い型の敵。あるいは弓使い。人間型でも魔物型でも、こういう遠距離攻撃をしてくる敵。今までのIDにもいっぱいいたはずです。  近接攻撃をしてくる敵は、タンクに煽られるとわーっと押し寄せてきますが、こういう遠隔型の敵は、「別に移動せんでも攻撃届くし(ㅍ_ㅍ)」というわけで、なかなかその場から動きません。  そのため「迫撃砲2」のところでも、この2人は砲撃の範囲外にとどまっていたりします。  こういう遠隔型の敵を動かす方法は2つ。 1.大きく距離をとる → 追いかけないと届かなくなるから、追いかけてくる 2.壁などに隠れる → 見えなくては攻撃できないから、追いかけてくる  しかしこの場所で、わざわざそこまでして―――他の敵をぞろぞろ手前に引き戻してまで、たった2人を砲撃範囲に連れてくるのも面倒な話です。  それもあって、ここはDPS力押しのほうが多いのかもしれません。
【3ボス:魔導コロッサス改】
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 ここではシドと共闘します。  我々がやるべきは、魔導コロッサスを倒すこと。こいつが一応3ボスです。  しかしここでもまた増援が出現します。  今回も実は増援はガン無視できるのですが、一つだけ、1・2ボスと異なる点があります。それは、増援のデスクロー(プレイヤーには攻撃ができない)が、魔導コロッサスを守るということ。
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 この紫色のラインです。こうなると、制限解除で来ていても40とかのダメージしか出ません。しかもデスクローはターゲットできません。つまり、プレイヤーには攻撃ができないのです。  ではどうするか? というと、シドがデスクローを壊して回ってくれます。それをおとなしく待ちましょう。  コロッサスを倒すと認証鍵を落とすので、拾って先へ進みます。
【けっこうどうでもいい追加情報】
 というか、普通に行くと、普通にみんなやってる、増援との戦闘についてです。  先に書いているとおり、ここの増援も無視できます。コロッサス改さえ倒せば先に進めます。ザコ兵士たちはプレイヤーたちを狙い、シドには手を出しません。なので別に倒さず放っておいてもいいのです。  ただ唯一、三回目の増援として出てくる魔導ヴァンガードだけは、ヘイトを取らないかぎりシドを狙います。しかしそれでも、放置したところで、シドが倒される前にコロッサスが沈みます。  なのにここ、絶対に誰もが、ザコと戦いまくります。  まあ当たり前です。デスクローがいてコロッサスがほぼ無敵の間、他にすることがないからです。しかしたぶん、増援はヴァンガード含めて倒さなくてもいい、と知ってる人はあんまりいないんじゃないかな。  麗しく効率的に戦うなら、三度目の増援、ヴァンガードが出る回のデスクローが全滅したら、ヴァンガードも他のザコも無視して、コロッサスだけ叩くのがベストですね。ただこのことに気付いている人がほぼいないので、みんなヴァンガードのほうもせっせと叩いてますがw
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 ちなみにこれは、増援その2、その3を放っておいたときの光景。 ヴァンガードの名前がピンク色で、シドのほうへ向かっているのも写っています。
【効率的に進めるスタイル&STの立ち回り】
 開幕、シドがエリアに辿り着いて構えると、まずデスクローが3体現れ、その後でコロッサス改が出現、その後で増援、という流れになります。慣れているMTは、デスクローの出現場所に位置取りして待つ、くらいのことをしますし、バリア持ちのヒラはデスクロー出現、コロッサス出現の直前にMTにバリアをあげます。  ほとんどのMTは、コロッサス改が出てくるあたりでそのまま戦いますが、
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 こいつもまた、次の行き先への扉の前へ引っ張ってきて戦うのもアリです。
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 この扉の前に、3度めの増援の魔導ヴァンガードが出現します。これまたタフで攻撃力も高い相手ですので(一応、シドを狙う唯一の敵でもあるし)MTがヘイトを取って引きつけてしまったほうが戦いやすくなります。それも見越して、ここを戦闘位置にする感じですね。
 ただ、自分が柔らかいかもしれないと思うMTは、やらないこと。ILが低く、コロッサス&ヴァンガードの攻撃でめりめり溶けるタンクがたまーにいます。ヒラがベテランなら、2人もいれば余裕でもちますが、若葉初見のヒラだとかなり焦るはず。  そういう��きは、STの出番です。  というか、MTがコロッサス出現位置で戦うという、ほとんどそうなるパターンで、STはヘイトバフを入れてヴァンガードのタゲを取りましょう。……倒す必要はないので、STがヴァンガードを扉前、扉のほうに向けて固定したら、後は全員、デスクローの全滅を待ってコロッサスをタコればいいわけです。もしSTのHPが不安な、ヒラのうち一人がST専用の介護人になれば十分ですね。  MTが扉の前にコロッサスを引っ張るというかなり珍しいパターンになったときだけ、STの仕事はないかもしれない、という感じです。
 なお、そのとき気をつけるのはコロッサスとヴァンガードの向きで。  コロッサスもヴァンガードも、ランタゲ(ランダムターゲット)で突然振り返って攻撃したりしますが、基本的には前への攻撃です。コロ・ヴァンのタゲを取ったMT・STは、仲間のいる中央へ、コロ・ヴァンの顔を向けて戦わないように!
【更に、基本的な知識】
 ついでに、他のIDでも言える、敵の攻撃対象、攻撃範囲について触れておきます。  ザコにせよボスにせよ、「ターゲットを直接」攻撃する場合と、「ターゲットのいるあたりを」攻撃する場合があります。  「ターゲットを直接」の場合は、たとえば、狙われているタンクに重なっていても、タンク以外の人は���メージを受けません。  しかし「ターゲットのいるあたりを」攻撃する場合には、範囲内にいる人が全員巻き込まれます。  基本的には、DPS・ヒーラーは敵の前には出ないこと。これはどのIDや討滅戦でも言えることです。 (例外はあります。正面から以外の攻撃を受け付けなくなるタイミングがあるボス、特定のモーションを取ったあと背後を攻撃する、といったものもいる)  タンクの傍にいてヘイトを取ってもらうと言っても、その敵がどんな攻撃をしてくるか把握していないなら、敵の前に出るほどMTに近づくのはやめておきましょう。また、敵の向いている方向にも注意して戦ってください。
 その一方で、タンクは敵の向きに気をつけて戦わなければいけません。壁を背にすることが多いのは、そうすれば敵の前には自分と壁しかないからです。  この3ボスも同様です。いきなり振り返ってランタゲで攻撃することもありますが、基本的には目の前にいるタンクを狙って攻撃しています。その中には広い範囲も持つ攻撃もあります。それを、DPSやヒラがいる中央に向けて出させるのはNG。  なので、タンクはコロッサスを出現位置で外側に向けて固定する、ヴァンガードの出る扉の前では扉のほうを向かせるわけです。  ランタゲ(ランダムターゲット)で振り返って出したりするものは仕方ありませんが、通常の攻撃に味方を巻き込まいようにしましょう。
【最終エリア~ラスボス】
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 進行ルートはこんな感じ。  まずは扉の先にいるザコを連れつつ、まっすぐ進んでいきましょう。  一度通ってきたところ(「迫撃砲1」の横)を通りかかります。
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 そこに迫撃砲があるのですが、敵の数が少ないので、わざわざ迫撃砲を使うより、そのままDPSに頼って倒してもらうのが主流です。
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 西に曲がって、閉ざされた扉のところでまとめて叩きます。  ちなみにここに2つあるターミナルは、コロッサスが落とした鍵で両方とも解除できます。  戦闘が終わるのを待たなくても、先に解除しておいてもOK。  ただ、火力の高いDPSは、そういう先回りした世話をするよりも、がっつり攻撃したほうが喜ばれます。こういうお世話は、ヒラのどちらかがやるのがスマートです。なにせ一人で回復は十分なので……。  あともちろん、倒してから開けても何一つ問題はありません。
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 その先は要注意。見ただけで「うわぁ」と思うコロッサスの群れ。「空爆エリア」と書いた場所です。
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 ここはまず、コロッサスに気づかれないように左の高いところ、手前と奥に一つずつある警報装置を切りに行きます。そうすればこのコロッサスは撤退します。……ここまで攻撃されてるのに警報切れたから撤退とかバカじゃねぇの?とか思っても言わないであげましょう(ㅍ_ㅍ)  で、極稀にあるのが、なにも知らないDPSがこのコロッサスを攻撃すること。さすがに阿鼻叫喚です。
 高いところの警報は、いろんな切りパターンがあります。  一番シンプルなのは、MTとSTでそれぞれ、手前と奥に向かうこと。それに誰かがついていって、タンクたちが敵のヘイトを取ったら高台の警報を切りましょう。まずはこのやり方を試みるのが無難です。(他のよくあるパターンと、練度の高いパーティでのみ通用する、もっとさっくりした方法は後述します)  警報を切るとムービーが入り、上空から「高速魔導駆逐艇」が砲撃してくるように。  ムービーでシドが言うとおり、そこにある対空砲を使いましょう。ただ調べるだけでOKです。
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 ちなみに対空砲は3ヶ所あります。(敵一掃後の画面)  また、途中でコロッサスが右と左に1体ずつ出現し、対空砲を攻撃したり、パーティに向かってきたりもします。こいつらも倒さなければなりません。
 というわけで、やるべきことは ・ぞろぞろ並んでいるコロッサスの群れに気づかれないようにする ・高台2か所の警報を切る ・対空砲を使う ・ザコ兵士およびコロッサス2体を倒す  とにかくこれができればOK。
 それをできるだけスマートに、スムーズにこなすためには、 ・ザコとは高台で戦わず、飛び降りて下にまとめ、範囲LB。 ・MTはザコ+奥側に出てきたコロッサス。STは入り口に出現したほうを担当。 ・ヒラはしっかり回復。回復に余裕があれば対空砲や攻撃参加。 ・2~3人が、対空砲を使って駆逐艇を攻撃する。 ・コロ×2の排除  という流れでしょうか。 ��対空砲の近くは空爆されることになるので、MT(・ST)は、コロッサスをそこから少しでも離しておくと、DPSたちが攻撃しやすいかと思われます。
 気をつけたいのはコロッサスの攻撃力。ILの暴力があったとしても、タンク以外がまともに攻撃されるとかなり痛いうえに、うっかり砲撃など食らえば、けっこうあっさり床ペロが発生します。  不慣れなヒラは、対空砲をいじったりするより、回避と回復という本来の仕事に集中したほうがいいかもしれません。
【高台の敵について】  MT・STで……あるいはギミックをよく理解しているDPSやヒラで、それぞれに敵を引きつけに行き、何人かがそれについていって攻撃する、あるいは、ヘイトを取った人がが飛び降りて、下でまとめて殲滅する、というのが一番よく見るパターンかと思います。  他に比較的見かけるのが、手前の高台に登っていったMTが、ザコ全員のヘイトを確保したら奥に向かって飛び降り、そのまま奥の高台の敵も取りに行く、というもの。奥に誰も向かってない場合ですね。STが初見だったり慣れていない場合、あるいはMTにお任せを決め込んだ場合w、かつ、DPSやヒラが無茶をしない人たちの場合、こういう流れになります。  そしてごくたま~~~に、稀~~~にあるのが、高台には登らず、下からMT・STが敵を挑発する方法。これだと、警報を止めに行く一人×2以外は下で待てばいいことになります。で、敵がぞろぞ降りてきて全部集まったら一気に殲滅! 理想は範囲LBです。  ただしこれは、「挑発されてるのは一匹だけ。タンクが他のヘイトも取るまではおとなしくしていよう。攻撃せず警報だけ止めに行こう。それぞれ警報に一人向かったから自分は下で待てばいい」と全員が判断してくれないと、うまくはいきません。8人全員が、ヘイトとギミック、進行のパターンについてけっこうよく知っている、ということです。しかも、ここまでの道中でタンク二人が、「このメンツなら大丈夫だな」と判断してくれていることも条件。そうでないと、不安なのでザコのヘイトすべて取りに行きますから。そのためなかなかあることではありません。
【ラスボス:リウィアその2】
 リウィアとは2連戦になります。  面倒なのは最初の、魔導アーマーに乗った状態。  なので先に、「その後」、魔導アーマーから下りたリウィアとの戦い方をさっくり片付けておきますと、 ★1ボス、2ボスとまったく同じ★  です。
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 増援すべて無視してみんなで密着してタコ殴る、タンクは増援のヘイト取る!  以上!!  というわけで、特殊な戦い方になるその1の解説に移ります。
【ラスボス:リウィアその1】
 魔導アーマーに乗ったリウィアには、ほとんど攻撃が通りません。デスクローに守られたコロッサス改と同じく、制限解除していてもほとんどダメージは入らないくらいです。  そこで使うのが迫撃砲。……誰でも使える対空砲とか迫撃砲置いとくとかバカじゃねぇの?(ㅍ_ㅍ)というのはやっぱりそっと飲み込んで見守ってあげましょう。  とりあえず、まずMTはリウィアのヘイトを取りますが、ヘイトの維持はしません。ここから先は変わった戦い方をします。
 迫撃砲を使う手順と、注意点はこんな感じ。 1.砲弾が積まれ、デスクローがわきわきしているところを調べる → デスクローが砲弾をセットしに動いてくれるので、少し待つ。 2.デスクローが砲弾をセットし、赤い光の灯った迫撃砲を使って、リウィアを攻撃する。 3.砲撃した人がリウィアに狙われるので、砲弾の山&デスクロー、迫撃砲から離れる。 4.また誰かが砲弾のところを調べ、デスクローにセットしてもらう (装填、砲撃、離脱の繰り返し) 4.迫撃砲・デスクローを破壊するためにザコ兵士が現れるのですぐに倒す。
 とりあえずスクショと合わせてこの流れを補足します。
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 まずはこれ。砲弾の山。調べると、デスクローちゃんがわきわきと、砲台へ砲弾を運んでくれます。
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 砲弾がセットされると、こんなふうに砲台が赤く光るので、
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 リウィアのいるところ目掛けぶっぱなしましょう。なので、リウィアに狙われている人、最初はMTだと思いますが、その人はうろうろ動きまわらないこと!  攻撃されると、リウィアは、砲台を操作した人を狙って攻撃してきます。  ここで大事になるのが上記3つめのポイント。  狙われたら、砲弾・迫撃砲から距離を取ってください。リウィアの機銃・砲撃でデスクローも迫撃砲もダメージを受けます。オレンジの円形範囲が出る砲撃の場合、デスクローは一発で撃破されてしまいます。  壊れても、少し待つと再生しますが、待ち時間の間は片方しか使えません。時には両方壊されて「誰だよ分かってねぇの……(ㅍ_ㅍ)」みたいな空気が流れたりします。
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 こうやって出てくるザコ兵士はデスクローや砲台を攻撃しに行きます。ヘイトを取ることはできるので、出てきたら、タンクでなくても構いません、DPSでもヒラでもOK。ザコ兵士はものすごく弱いので、とっとと攻撃しましょう。
 リウィアの攻撃を、砲台・砲弾のないところにきちんと引きつけ、ザコをさっさと排除すれば、やることはひたすら砲弾セット、砲撃、これだけです。  タンクも普通にザコを倒しに攻撃するだけ。ヘイトを取るとか考えなくてもリウィアは砲撃相手しか狙いません���、ザコは弱いので一切問題なし!  ここで無駄に時間がかかるとしたら、 ・狙われてるのに砲弾・砲台をいじろうとして破壊してしまう  これ1点のみ。  予備(?)として、砲撃しか通じないことに気が付かずリウィアを攻撃しまくり、砲撃チームが二人しかいないとか、最悪一人しかいないという場合。どうすればいいのか分からない人たちが多く、皆しておろおろしているため砲撃手が足りないことは、実際に時々ありますw
【たまにある光景】
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 時々こういうフィールドマーカーを置く人がいるのは、「狙われた人はここに来て」という意味ですね。このなにも壊されるものがないところで待機してくれ、というマーカーです。……分かってる人はこんなものなくてもちゃんと動きますし、なにも知らない人はこのマーカー見たところで「????」なので、言葉での説明も入れなければ、マーカーだけ置いても意味ないと思うのですが(´・ω・`)  とにかく、壊されるもののなにもないところに行ったら、踊るなり歌うなり座り込むなりリウィアに投げキスするなりしててOKです。  ちなみに世話焼きなヒラさんは、狙われてる人にバリアとかHoTをつけてあげましょう。どうせ他にすることもほとんどありません。(フィールドマーカーには、「ここに来た人が狙われてる人」と分かりやすくする意味もありますね)
【HoTも役に立つ!】
 リウィア戦第一段階では、実はHoTがけっこう便利。ここまではバリアのほうが使いやすいのですが、ここだけはちょっと別です。  どういうことかというと、誰かにHoTをつけておけば、出てきたザコはすぐにそのヒラにターゲットを切り替えるから。わざわざ攻撃しなくても、ザコ兵士の注意をデスクローや砲台から引き離すことができるわけですね。  非常に効率のいいチームだと、ヒラがHoTをつけるのを見て、砲撃チームでないDPSがそのすぐ近くに待機していたり、相方のバリアヒラが、HoTヒラにバリアをプレゼントしたりもしますね。
【おしまい】
 普段やってて気がつくのはこんな感じです。  よくあるグダグダパターン、たまに見かけるスマートな進行。それらをもとにしています。  が、私がまだ遭遇していないテクニックもきっとあるかと思います。ここに書いたことが的外れだってことも、プロから見ればあるかもしれません。そういった部分は、こんなものを読んでくださった物好きな貴方ご自身が、気づき、学び、マスターしていってください。
 カスメリは、その時々で、どんなメンバーが集まっているかによって様々です。  その都度、どう対処するか、臨機応変な対応をとれるかどうかもまた、技量の分かれるところです。  最初は、攻略を見ていても戸惑うことが多いと思います。それはたぶん、その時々で進行が少し変化したりするからでしょう。けれどそれも、繰り返すうちにいろいろ覚えて、絶対に慣れるものです。私がこんなものを書いてることが、その証と言えましょうw  ムービーを飛ばせないせいで不人気なメインクエルレですが、その代わりに報酬はリッチ。「よく分からないし、そのうえ長いし:( •ᾥ•):」と敬遠している人に、少しでも「なるほど」というものを差し上げられたなら幸いですm(_ _)m
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natsukio0 · 5 years ago
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漫画のもと♯1「沈んだエンター」
公開しておく。プロットと思ったら小説になった今描きたい漫画の一話目。
第一話「沈んだエンター」
  音量だけは申し分ない、薄っぺらな演奏が部屋を満たしている。メロディこそないが、あまりにも耳慣れた曲であるため、大して鳴らない口笛を吹きながら体を揺らす。おっと、アイラインはずれるといけない。
「例えばさ、そのとき付き合ってる人のことを歌った曲が大ヒットするじゃん。ライブで歌ってほしい曲ナンバーワンになったり、歌番組に出るときの十八番になったりする。でも実は別れてて思い出したくもありません! みたいな関係性にもうなっちゃってたとき、どんな気持ちで歌えるんだろうね?」
 少し間があった後で、目を閉じたままの彼女は小さく笑った。
「……面白いこと言うね」
「あっ、これで最後だから目開けないで。こんなにラブラブなのに我に返る時がさ! 来るんだよ、実際この歌手も浮気されて離婚してんじゃん」
「そうなの?」
 本来の目的以外のために使われているカラオケボックスの個室には、女子高生が二人。テーブルには使いっぱなしの化粧道具がいくつも転がり、それらの装飾部分を天井のミラーボールが機嫌よく照らし、まるで魔法の道具のように見える。化粧を施す佳奈子の眼の端では、頑丈そうな黒い細長い箱が存在感を主張している。
「ごめんね、土曜なのに呼び出して」
「ちょうどお互い課外あったし、気にするなって」
 ちょっとミスったかも。カラオケの個室は外気よりずっと暖かくて、ちょっと暑すぎるくらいで佳奈子のむきだしの膝は喜んだけれど、橙色の照明と肌の上をちらちら通るミラーボールの光の中色を選んでは、太陽光の中で見たときに印象が変わってしまうかもしれない。まとい(・・・)を送り出す直前にトイレの白い照明でも確認しないとならないな、と思う。二人の通う高校の最寄り駅のトイレやフードコートで同じことをしてもよかったのだが、まといがあまりにも大荷物かつ着込んでいたので、なんとなくはばかられたのである。佳奈子は、最近動画で見たのと同じように、ベースの色を載せてから深いワイン色のアイシャドウをぼかし、少しだけモスグリーンを目尻に置いた。派手すぎないアクセントカラーが、まといの猫目を引き立ててくれると信じながら、さりげなく、慎重に。
「……まだ経験したことないからわかんないなあ」
「うん、もう一回言って?」
 独り言のようなその言葉に反応が遅れた。
「佳奈子ちゃんのさっきの。わたしには大事な人がいた経験がないからわからない。けど、その瞬間瞬間の気持ちに正直な表現の方がずっと美しいと思うから」
 脈絡がないようで、しかし先ほどの佳奈子の発言を踏まえた、まといの意見らしかった。
「どういうこと?」
「だってきっと、嫌でしょう。いつまで持つかな~この恋人と、って思いながら作る曲なんてかっこうよくないじゃない。聞き手も恋人も」
 まといは変人だ。
 
               *
  今日がこんなことになっているのは、佳奈子がまといへ話しかけたことがきっかけである。もっとも、とっさに振り返り声をかけてしまうほどの強めの眼力を背後から飛ばしていたまといのせいである、と言い換えたい。修了式を行う体育館へ移動するにも前クラスの着席に時間がかかっているらしく、学年で最もケツ(・・)の一年H組は、長いこと廊下で出席番号順に整列させられていた。もとより苦手な人などいない佳奈子であったが、その日はやや精神が不安定な自分を察知し、イヤホンをして動画を観ることで、人とのつながりを遮断し、この後のクラスでの打ち上げやお別れムードに向けてエネルギーを備蓄していたのであった。
 とはいえ、話しかけられるよりも視線のほうが協力で無視しがたい圧があることを、佳奈子は初めて知った。目算で一五センチほど佳奈子より上背のあるまといが、佳奈子のつむじのさらに奥を上からのぞき込もうとすれば、まず影になる。無礼にならないよう配慮しているのか、見たり見なかったり、やっぱり気になるのか見たり…とかかる影がゆらゆらと揺れればそちらの方が気になるものである。イヤホンを外し、やや怪訝な気持ちで振り向くと、出席番号が一つ後ろのまといがピクリと肩を揺らした。
「まといちゃん、どうかした?」
 おいおい佳奈子を気にしていたのはそちらでしょう、視線を泳がせて言葉を発しないまといを佳奈子はじっと待ってみた。そしておもむろに発した言葉。
「佳奈子ちゃん、お化粧できる……?」
                 *
  最後にかかったのは、長いこと人気曲ランキング上位のアニメソングだ。サビ前の激しいベース音が心地いいが、曲の盛り上がりにかき消されないように声を張る。
「まといちゃんさあ、正直こんな綺麗にして行くものじゃなくない? 老人ホームでしょ」
「いやいや。きっと喜んでくれるよ~、やっぱり非日常を感じられる方が気分も晴れるんじゃないかなあ」
 どうやらまといは、ときどきボランティアでギター演奏を披露しているらしく、それは一年間出席番号が前後である仲だったにも関わらずずっと知らなかったことだった。まといと仲のいいクラスの子がそのことを知っているのかも定かではない。クラスでも、背筋の伸びた長身というだけで存在感はあった。ギターも似合うだろうなあと思う。クラスに中学からの友達が多かったのもあり、出席番号をきっかけに仲のいい子をつくらなかった佳奈子は、それが少々悔やまれるなあと思った。
 数日前に佳奈子に化粧を頼んだまといが、いざ今日二人きりになると佳奈子より気まずそうにするものだからと、始めにBGMとしてデンモクの月間ランキングから適当に入れた。その五曲が流れ終わるのと同時に、濃い目に紅を引き、まといのメイクアップは無事完了した。
「できたよ。うわっ、我ながらいいんじゃない。まといちゃんって化粧映えする顔してるもんねえ。普段の自分のメイクより三倍くらいやりがいを感じましたね…。一応、まといちゃんがここ出るとき変じゃないかトイレで確認させて」
 ほら、と手鏡を手渡すとこちらに向かって、まといがわかりやすく笑顔になる。佳奈子は息をのんだ。人を敬遠しているような普段の釣り目が垂れて、敵意をまるで感じさせないほどの柔らかく笑んだ。じっと見つめたまま動かず、佳奈子の耳には液晶の中でインタビューされるアーティストの声が徐々に聞こえてきた。まといほどじゃないけれど、佳奈子も少しのあいだ見惚れていたようだ。まといは唇を震わせて、目がうるんで、えっ、泣いちゃうの? 
「すごい…きれい。生まれ変わったみたい。ありがとう」
 そうつぶやいたきりいまだ自分の顔を見て恍惚とするまといが現実へ戻って来ないので、佳奈子はナルシストの語源となる神話なんかを思い出していた。自分の美しさに見惚れてもっと自分の映る川だか海だかの水面に近づこうと飛び込み死んでしまうナルキッソス。こんなに美しかったら、自分の映る水の中に飛び込んでしまうのも仕方ないよなあなどとぼんやり考えた。まといはついぞ泣かなかったけれど、その喜びように、じわじわと達成感が押し寄せてきて、まといに正面から抱き着いた。ひぃと引き笑いの途中のような声を上げ、まといが体を強張らせる。どうやら現実に戻ってきたらしい。よかった。佳奈子はさらに、まといにハイタッチを求める。
「そんなに喜んでもらえて光栄だなあ。わたし、メイクアップアーティストになるしかないなこれは! 素材がいいって最高だな……こちらこそ、カラオケ代払ってもらっちゃうし」
 まといのここを発つ時間が迫るので、やりっぱなし状態の化粧品をポーチに戻す。
「佳奈子ちゃんはこのあともヒトカラしてくよね」
 うんと頷くと、まといは学生二人・休日二時間分の料金を伝票の上に載せた。学生の分際でお金でのお礼はいやらしいぞ、と思いながらも対価なのでときかなかった。フワフ��しているように見えて、そういうところはしっかりしているんだなあ、とやや失礼なことを思う。春の近づきを感じさせる若草色のハイネックリブニットとスキニージーンズは細身な体型を引き出しているし、佳奈子の淡いグレーのロングカーディガンは動きやすく、まといの演奏を邪魔しないだろう。残念なことに、長身のまといが着るとそれは膝上そこそこの丈になってしまったが。袖もやや短めに見えるが、不自然なほどではない。そもそもそれまでまともな私腹を持っていなかったらしいまといは、そんなことを一ミリも考えている様子はなかった。
「あ、じゃあ、また明日ね! いやその前に明日も課外あるよね?」
 本当に言いたいことを口に出すか悩みながらも、佳奈子は別れを告げた。蛍光灯下での見え方の確認がてらカラオケ店の出口まで見送ると、ギターケースを下げたまといが振り向いた。
「行ってきます」
 まといは変人だ。そして、まといは美しい。
 
 「本当に言いたいこと」について、解決するのはすぐ翌日だった。すでに数人が教室にいるのに誰も電気をつけようとしないものだから、誰もつけないのかよ怖いなあ、ありがとう佳奈子様、などと軽口を応酬しながらボタンに近づくと、背後にたった今登校してきたまといがいた。思わずのけぞり、距離をとる。他の人の視線も痛い。自習を邪魔してごめん。
「まといちゃんせめて近づいてくるときに声かけて、びっくりするから!」
「おはよう」
「え、無視」
 昨日二人でハグしたことも忘れたような距離感がなんとなく悲しいが、無言のまといが差し出す紙袋をのぞくと、貸していたカーディガンと一緒に、チラシが入っていた。黄色の蛍光ペンで、一か所だけ線が引いてある。
「これ何のチラシ?」
「服まで選んでくれて、すごいいっぱい声かけられた、から」
「それはわたしも楽しかったしいいよ」
 ワンターンの会話では質問へ回答は貰えないらしい。仕方ないのでまといのペースに乗ることにする。
「来週の宣伝。お礼には足りないけど……合唱サークルの伴奏したあとで歌う時間貰えたから」
 佳奈子は目を見開いた。頬の血色が良くなるのがわかる。
「本当⁉ わたし行っていいの」
「いいよ。でも人にはあまり言わないでね」
 わたしもどんな歌を歌うのか興味があったの、とニヤニヤが止まらないまままといの手を握り締めると、人に言わないでって言ったんだけど、聞いてた? と訊かれるものだから、佳奈子はそれまといちゃんが言うの? 返した。昨日はカラオケに行ったにもかかわらずまといの歌声がどんなものか聴けなかったから、好奇心があったのだ。���ターを持っているというだけで、化粧をしているだけでさらに見栄えするまとい。どんなものでもいいから、聴いてみたかった。嬉しさの余り抱こうとしたまといの肩は高すぎて届かず、まといの膝がかくんと折らせることになった。まきかなこぉ、とにぎやかな集団の気配がしたので、「楽しみにしてる」と一言残し、佳奈子はまといのもとを去った。その集団に向けて、佳奈子はフルネームを呼び返した。
   人の賑わいを見ているとわくわくしてしまう。今日だって、近隣の他県からもそこそこ集まるマラソン大会の裏側で、様々なパフォーマンスやら出店やらで、子どもから老人まで楽しそうな声が聞こえてくる。肌寒さはあるけれど、春始まりの空は大変に澄んでいて気持ちがいい。マラソン日和だ。肺にその冷たい空気をいっぱい吸い込む。
 段の高さが低く幅の広い階段は屋外ステージのほうを向いており、十時のおやつかマラソン完走後のご褒美か、腰を下ろしてほおばる人の数は二クラス分ほどいそうだ。結構大きい舞台じゃないか、と思いながらまといの出番を待機していると、聞き覚えのあるゲラゲラ笑う声が聞こえた。振り向くと、指をさされている。
「まきかなこじゃん、何してんの」
「あらおはよ! 何って出待ちよ。早映と心愛はなんでいるの」
「早映が昨日うち泊まってたから、家からここに遅い朝ごはん食べにきた」
「そういえば実家この辺だっけね」
「それにしても佳奈子、めちゃくちゃ楽しんでるじゃん」
「そりゃ人生楽しむ天才だからね、わたしは」
 防寒対策にレジャーシート、みたらし団子とのり団子、片手には甘酒。我が子の発表を待つ父兄にも勝るほどに準備万端、今日を楽しむ準備はばっちりである。楽しんでいるのは、もちろん佳奈子も例外ではないのであった。
 今日はまといに化粧を断られてしまった。今日のまといの役割は合唱隊の伴奏がメインなので、目立ちすぎず、いつも通りでいいらしい。
「で、佳奈子はなに目当て?」
 チラシを確認する。
「えっとね、カンレキーズの合唱……?」
「渋いな」
「身内出るのか」
「ネーミングセンスがない団体だな」
 好き放題言われているのを流しながら、まといに言われたことを思い出す。人には言わないようにと念を押されたが、掲載されているのは合唱サークル名のみだ。まといの名前はなかったので、ばらしても問題はないということにしておこう。
「あっ、きたきた!」
 幼稚園児たちのダンス発表が終わり、次のステージには平均年齢のぐんと上がり、おばさまとおじさまが十人ほどだ。そして間隔をあけて後に続くのはまぎれもなく、まといだ。ギターを抱えている。
 ――カンレキーズです! よろしくお願いします。毎年このステージには上がらせてもらってるんですが、今年も楽しみにしてきました――
 はらはらするところの一切ない貫禄のあるMCの中、まといは用意されたパイプ椅子に静かに座った。大人たちと同じ白いブラウスに、浅葱色のギャザースカートを履いたまといは、自分の存在感を大人たちと違うところに移そうとしているように見えた。ブラウスの下は各自の私物なのか、派手な大判の花柄のスカートや、明度の高いパンツが多く、めいめいが目立つことを楽しんでいるふうだ。
 ――今回披露するのはジブリメドレーです。ギターの音に乗せて、ぜひお楽しみください――
 ふいにスポットを当てられたまといは、わずかにびくっとしたようだったが、指揮者に合わせて優しく弦をなぜるように弾き始めた。まといはギターが上手かった。なるほどメンバーはなかなかのベテランらしい、ぴたりと重なり合うハーモニーに、一方まといも、
それを邪魔しないよう徹底した細やかで穏やかな演奏だった。
 箒やお面などの小道具、軽やかなステップも最後までそろったひたすらに楽しい時間に、観客から放たれた拍手は盛大なものだった。
「すっごいねえ……」
 ため息とともにつかれた佳奈子の言葉に、早映と心愛は「ガチ恋みたいだね」と絡もうとしたが、やめた。佳奈子ももれなく心を動かされ、放心状態だった。すごい。彼女は生み出せる人間だ。自らが生み出したもので人を幸せにできる人間だ。まといは部活にも入っていなかったから、普段どんなことをして過ごしているのか想像がつかなかったし、特に想像してもこなかった。佳奈子は自分が一番輝いているという自負が揺るがない、幸福な人間でもあった。世界が広がるような気持ちだった。
 感動はまといの言葉を忘れかけるほどで、そろそろ行こうか、このあと遊ぼうと佳奈子の腕を引き立たせようとする二人の友人に反応しようとするが、引っかかるものがある。まといはなんて言ってたっけ。
 ――盛大な拍手、ありがとうございます。最後に、今回伴奏をしてくれたまといちゃんにバトンタッチして、終わろうと思います――
「そうじゃん! 待って、わたしこれ最後まで聴かなきゃ」
――このサークルの平均年齢をがくっと下げてくれているのが、まといちゃんですからね。いつも素敵な伴奏をしてくれるんですが、今日は彼女の作った曲を皆さんにも聴いていただけたらと思います――
 慌ててもといた場所にしゃがみ直した。ステージに一人にされるまとい。あの変人は大丈夫か。佳奈子の心配をよそに、まといは安定した声であいさつをした。
「このような機会を貰えて嬉しいです。よろしくお願いします」
 今日はポニーテールだった。毛束が丸い頭をするりと滑って前にくるほど、深々と礼をして椅子に腰かける。
「あれ、うちのクラスの的井さんじゃない?」
「えっまじか、ギター弾くんだ」
 早映と心愛の気づきに構うはずもなく、まといは息を吸い込んだ。佳奈子は手に汗を握った。平坦で温かみの残った声だった。
「沈んだエンター」
  喝采の中で、佳奈子は誰よりも拍手した。
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thyele · 5 years ago
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2020年3月23日
YOSHIKI、アメリカ食糧難パニックの沈静化支援に2万4,000ドルを寄付 有効に活用してください…。 https://www.barks.jp/news/?id=1000180185
ヴェルサイユ、ニューシングルを7/15にリリース決定 わーこりゃすごい。 https://www.barks.jp/news/?id=1000180246
もふねこチャンネルさん「可愛すぎてさっきから何回も見てる ★」 https://twitter.com/mofunekoc1/status/1235780952015745024
他人ちゃん🌹さん「この世で一番素敵な50番」 https://twitter.com/220021/status/1235953600406466563
前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)さん「映画『新聞記者』の日本アカデミー賞三冠受賞。どのメディアがどれだけ報じるか(又は報じないか)に注目したい。」 https://twitter.com/brahmslover/status/1235948413042044928
Coco @Omelas4/4(土)横浜濱書房さん「母から「ライブしないで」という意図の連絡が来ました。 どれだけ鬼の形相できったねぇ声で唄っていても辞めろなんて言わずに毎回観に来てくれている母から。 母を否定はできないけれど、 私は辛く悲しい。 どうするかはきちんと自分で考えるから、エンターテイメントを悪者にはしないで。お願い。」 https://twitter.com/Cococococat7/status/1235786331156033537
金子アツシさん「咳しまくったら周りが空いて快適になるのではないか?」 https://twitter.com/kaneko_GG/status/1235771702442897416
原口雄介 下北沢ろくでもない夜さん「やる事はやりました!後は1人1人に伝わるように個々でも伝えて行かないと。来るのを待っていてもダメで行動しないと! #コロナに負けるな」 https://twitter.com/haraguchi0603/status/1235876840650059776
ロイターさん「米政権、航空会社などに納税猶予検討 新型ウイルスの影響軽減へ」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1236060619918409728
LIVE HOUSE CRESCENDOさん「バンドマンが一般人にコロナ関連で通りすがりの他人からイチャモンつけられた、って投稿を見かけるけど… 悪い事は言わない…本当にやめとけ… ここぞとばかりに攻撃するのは勝手だし、相手を選んでんのかもしれないけど それが極一部の武闘派の人に当たってしまったらマジでヤバイと…(本気で忠告)」 https://twitter.com/crescendo_jp/status/1235952416010285056
Mayple🦄メイプルコラージュの人間の方。さん「なんかもう本当にライブハウスが危ないのかどうかは、叩く人にとってはどーでもいいんだろうな。 「こいつら差別していいですよ」っていう免罪符が出来てしまったら、理由はどうでも良くて、ただ差別をしたいし叩きたいんだろう。 許されるのであればいつでもどこでも闘いたい動物なんだろうなー。」 https://twitter.com/MaypleCollage/status/1235922715275448321
上 昌広さん「某局に出演した時、「安倍政権の批判は避けて欲しい」と注意されました。上層部が嫌がるそうです。」 https://twitter.com/KamiMasahiro/status/1236028248422633472
日本経済新聞 電子版さん「米クルーズ船、21人の新型コロナ感染が判明」 https://twitter.com/nikkei/status/1236062755506909184
マライ・メントライン@職業はドイツ人さん「先ほどnews zeroでiPS細胞の山中先生が、「本当に良い医療研究成果を、アメリカ追従で製薬業界の利権ネタにしてはいけない!」と、堂々たる主張をしていた。 あれは私の父(もとキール大学の生化学の主任教授)が常々言っていた内容と一致しており、この場で全国に放つとは、実に芯の通った立派さだ。」 https://twitter.com/marei_de_pon/status/1235576114518478848
村本大輔(ウーマンラッシュアワー)さん「深夜のNYを歩いてたら車椅子の女性から大声で「アジア人、コロナ、この国からでていけ!」と叫んで彼女は高速で走り去った。おれは差別ではないと思ってる。おれも彼女もお互いを知らないだけ。ただ一言おれは彼女に言いたかった、そのでてけって言葉はいまおれが日本で一番聞き慣れてる言葉だよ」 https://twitter.com/WRHMURAMOTO/status/1235791781092110337
ロイターさん「新型ウイルスは、モーターショーにも影響。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1236064012539846658
毎日新聞さん「宝塚歌劇団は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止していた公演を9日から実施すると発表しました」 https://twitter.com/mainichi/status/1236064014704103425
Shunp@しゅんしゅんなんちゃらじゃない方さん「バンドマンが歩いてるだけで罵声を浴びるとな! これは罵声を浴びせる皆さんを注意しなきゃいけない! なんか言うのはいいけど、たまにマジで危ねぇやつも混ざってるから気をつけて! キラキラした若者は大丈夫! 40代くらいのバンドマンが一番危険! 若気の至りの「あの頃」がぶり返す恐れアリ!」 https://twitter.com/shunp_gt/status/1235931003601833985
ISHIYAさん「コロナ騒ぎで見てなかったテレビ見たのが間違いだった。 やはりテレビを見ないのが1番。 イライラや不安、怒りを増幅させる装置が日本のテレビ。今日から一切見るのやめる。 楽しく生きることが抵抗であり闘いだとMARJINALも言っているようだ。 俺も仲間を信じて楽しく生きて、抵抗する。」 https://twitter.com/ishiya_148/status/1235718540914651137
茂木健一郎さん「イギリスBBCの伝え方はまた独特の雰囲気があって、なにしろMI5, MI6のインテリジェンスの国だから、コロナウイルスという事象に対して考え抜いた経験主義の水際立った対応が淡々と伝えられる。日本のように、政権やNHKを含めて、あたふたナイーブな感はなくて、これは国家としての性質の違いかと思う。」 https://twitter.com/kenichiromogi/status/1236057750502649856 コロボックル@BKKから帰国さん「昨日BBCの報道を見ましたが、アナウンサーと各専門家がテンポよくやり取りをしていて、無駄がなく、素人のコメントみたいな茶々もなく、見ていて清々しい印象でした。日本の報道は粘こくて、見ていて疲れるし余計な不安が増える感じ… 英語の勉強のためにもBBC時々見ようと思います…」 https://twitter.com/chisakk0/status/1236062038943657984
ゆみこママさん「その通り! それに遠征族は伊能忠敬じゃないんだから交通機関のお世話になるし、行った都市で食事します、宿泊します、お土産だって買います。 バンドマンとライブハウスがどれだけ経済回しているか… いま彼らやその大切な場所をまるで悪者扱いしている人達に知ってほしい」 https://twitter.com/OR_YUMIKOmama/status/1235789065083138048
アマギリンタロウ #喪の巣さん「今こそ」 https://twitter.com/rintarou/status/1235968746470039552
まゑだ コーキ (Koki Maéda)さん「東京事変の時もツッコミましたが「決行」じゃなく「開催」を発表なんだよね。ボクも含め、イベントを生業にしてる人にとっては、このニュースは"羨望の眼差し"でしかない。しかもボクの地元の名古屋。 あゝ帰りたくなったよ。 #堀江貴文」 https://twitter.com/dewam_ikok/status/1235865234083987460
肉球新党「猫の生活が第一」さん「そもそも安倍政権に危機管理能力ないし、危機管理できない政権が緊急事態宣言しても混乱を加速するだけ。 野党統一会派、特措法修正案提示へ 「緊急事態宣言」発令で国会報告義務づけ 新型コロナ - 毎日新聞」 https://twitter.com/cat_pad299/status/1236064759306276864
瑞鳳殿さん「横浜で感染確認の70代男性、発熱後にスナックやジム利用 なんか症状のない若者が感染を広げている大きな要因みたいなことが言われてるけど 小金持った自信過剰なアクティブ過ぎるジ.ジ.バ.バの方が余程危険だよな!」 https://twitter.com/Righteousness03/status/1235959032722018304
Dappiさん「小野田紀美「TVが『トイレット紙がない!』と何度も放送したり、世界はクルーズ船と日本国内の感染者は別カウントなのに、マスコミはNHKを筆頭に“国内感染者1000人超え”と事実と違う報道で不安を煽ってる。NHKは海外に情報発信し日本への風評被害���もなる。罰則などの検討を」 よく言った! #kokkai」 https://twitter.com/dappi2019/status/1235375686212128769
毎日新聞ニュースさん「横浜中華街ヘイト封書 飲食店組合、県警に被害相談」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1236074169646764032
sugar@HERNIA_44さん「←世間のライブハウスのイメージ 実際のライブハウス→」 https://twitter.com/BAZOOKA_sugar/status/1235776229690744832
TOWA TEIさん「🤔✨「夏になれば自然終息」は間違い WHO、過度な期待を戒め | 2020/3/7 - 共同通信」 https://twitter.com/towatei/status/1236078244870287360
朝日新聞(asahi shimbun)さん「米国、新型コロナ対策で8700億円 緊急予算が成立 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/asahi/status/1236077113372864513
ロイターさん「G20、新型ウイルス巡り状況注視 「適切に追加行動取る用意」」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1236252888218902529
日本経済新聞 電子版さん「中小資金繰り支援で「無利子・無担保の貸付」首相表明」 https://twitter.com/nikkei/status/1236252757738131456
熊本市長 大西一史さん「人類がウイルスに攻撃されて色んな人が参っちゃってるので、こんな時ぐらいヒトがヒトを攻撃するのやめませんか。免疫力落ちるし。こんな時は部屋で好きな音楽聴いたり好きな映画を見たり好きな本を読んだり好きなコントを見たりして免疫力上げ上げで何とか収束するのを待ちましょう。私は鼻うがい👃」 https://twitter.com/K_Onishi/status/1235962306938286080
日本経済新聞 電子版さん「「人混みは避けたい。ここなら……」「ネットさえつながれば……」。新型コロナウイルスの影響が広がるなか、キャンプ場を利用する人が増えている背景を探ります。 #新型コロナウイルス #新型肺炎 #COVID19」 https://twitter.com/nikkei/status/1236272021002227714
日本経済新聞 電子版さん「新型コロナウイルスをめぐり、日本からの入国を24カ国・地域(6日午前10時時点)が制限し、58カ国・地域は14日間の隔離や観察措置など行動制限措置。外務省が明らかにしました。#新型コロナウイルス #新型肺炎 #COVID19」 https://twitter.com/nikkei/status/1235884109953671168
🦄すず「裸の王様をみて裸だと叫ぶ」さん「なんなの、この国。 罪をおかした議員、辞めなさすぎでしょ。 もうさ、一掃しない?? みんなの力で。選挙でその意思をしめそうよ。 もううんざりだよ。この空気。」 https://twitter.com/GALSHofficial/status/1235878318429179905
幡野 広志さん「生きることを支援することは正義だとぼくもおもいます。そして死ぬことは悲しいことだけど、正義の反対にいるともおもいません。 人それぞれの価値観に対応するには、選択肢の幅をひろげるしか方法がないとおもっています。選択肢を患者が選らべることが正しいとおもっています。」 https://twitter.com/hatanohiroshi/status/1235920860042547202
モッさん「昨日の寝る前の日記」 https://twitter.com/igumox_bl/status/1235482542481891329 モッさん「番外」 https://twitter.com/igumox_bl/status/1235492338853490688 RaGUさん「@igumox_bl 前足は7個で 後ろ足は5個です ただ指と手根の方は掴みやすくする為の所なので 接地面は5個で合ってます((」 https://twitter.com/UeMAL79f/status/1235743281067130880
アザラシシーパラダイス【公式】さん「うそ…😳 わたしの大好きな雪が…! たっくさーーーん!!🥳💓」 https://twitter.com/aguhiyori/status/1235782695550095360
もふもふ動画さん「わざとじゃないのに…」 https://twitter.com/ru_ruru831/status/1235886769062563841
From China (AFPBB News)さん「ユキヒョウの親子を収めた貴重映像の撮影に成功 中国・甘粛省」 https://twitter.com/Afpbbfromchina/status/1235898444063129600
黒田成彦さん「内閣官房と自民党、公式Twitterで「羽鳥慎一モーニングショー」を名指しして反論。言論弾圧を危惧する声も(ハフポスト日本版) 間違いの指摘や反論をすることで緊張感ある言論空間が形成される。この程度で、すぐ「言論弾圧」などというから「メディア権力」がのさばる。」 https://twitter.com/naruhiko_kuroda/status/1235873412137938945
毎日新聞写真部さん「覚せい剤取締法違反(所持)と医薬品医療機器法違反(同)で起訴されたシンガー・ソングライター、槙原敬之被告(50)が勾留先の警視庁東京湾岸署から保釈されました。 写真特集で」 https://twitter.com/mainichiphoto/status/1236068378281828353
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「サウジ当局、主要王族メンバーを拘束」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1236069810137518080
朝日新聞(asahi shimbun)さん「ビートこけし、マツコ・デソックス…森永卓郎のB級お宝」 https://twitter.com/asahi/status/1236074092316393472
鉄道事故関連ニュースさん「中国福建省で6階建てホテル倒壊 70人不明 新型コロナ濃厚接触者隔離施設 - 毎日新聞/Yahoo!ニュース(3/8 0:18) …不明者の捜索を続けている。ホテルは、新型コロナウイルスの感染者との濃厚接触者を隔離する施設…」 https://twitter.com/TrainAccident/status/1236321332859506690
毎日新聞ニュースさん「民間会社にも検査機器購入補助 政府調整 停滞解消狙う 新型コロナ」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1236338448081891328
サンシャイン水族館さん「今回の臨時休館を利用して、飼育スタッフはこんな作業をしています。 全集中で潜水清掃 #イワシ #掃除 #休園中の動物園水族 #ツイッターで楽しむ水族館」 https://twitter.com/Sunshine_Aqua/status/1236135409995763712
Koske en France🍷さん「バーで飲んでた時、結構仕上がったフランス人が近づいてきて「君は何人だ?」って聞いてきたから嫌な予感がして身構えたんだけど 「今、フランス人が君達にしてる馬鹿げた事を謝りたいんだ。彼らは救いようのないクズなんだ。」 とだけ言いに来た模様。実はこうゆう人が大半なのを忘れてはいけない。」 https://twitter.com/ksksk_persona/status/1235841662896619521
池田清彦さん「本当に中小の飲食店やイベント屋さんたちは死活問題。1兆円くらいの緊急予算を組んで損害を補填した方がいいよ。緊急事態ならそのくらいのことはできるでしょう。予備費を使い込んで金がないのは分かりますが。自分とフォロワーのためには税金を湯水のように使うけど、国民のためには使わないのね。」 https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/1236178824426999808
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「病原体の研究施設は安全か 新型コロナで高まる懸念 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1235770857718460422
岩永直子 Naoko Iwanagaさん「もしライブや演劇などをアルコール消毒やマスク着用など徹底して気をつけながら開きたいなら、それでも不幸なことに感染者が出た時に、主催者をバッシングしないだけの社会の成熟が求められるのでしょう。それがないと怖くて一律自粛しかできない。 @nonbeepanda」 https://twitter.com/nonbeepanda/status/1235895751764406272
KAKOさん「我が家もマスクが少な���なってきました。 花粉症や喘息の方の咳が、コロナに勘違いされる話を知りました。私も病院などで困っています。 常者の方々から考えたら 信じられない様な身体で 生きている人達も沢山いるんですね。 人工喉頭器で喋っている人を見かけたら どうかご理解をお願いいたします。」 https://twitter.com/isinnkodesu/status/1236157981005189120
毎日新聞さん「横浜市のジムで濃厚接触1406人 70代男性、発症後5日間通う」 https://twitter.com/mainichi/status/1236413817581531136
但馬問屋さん「安倍政権がコロナ対応よりも言論弾圧に必死!『モーニングショー』や岡田晴恵教授を標的、デマと詐術を駆使して批判を封じ込め|リテラ 厚労省と内閣官房が同じタイミングで『モーニングショー』を槍玉に… 安倍官邸が関係省庁に投稿の指示を出している可能性が高い。」 https://twitter.com/wanpakuten/status/1236101748017655810
魚住 英里奈 (独唱)さん「フォロワーの皆さんへ https://t.co/K39z9JFfxr」 https://twitter.com/erina_chas/status/1241851343989424128
MICHIRU〜未散〜 LOOP ASH 20周年さん「おぱ🌸おぱ🌸 未散です👀 昨日の三連休最終日のお昼ですぅ👌 なんと、お茶漬け御膳です🍱 ご飯の上のお焦げがたまりませ〜ん😘 そして、ご飯をおかわりするぐらい美味しくいただきましたぁ🥢🍚 ご馳走さまでしたぁ🙏 今日は寒いですが、一週間、頑張って生きましょうねぇ💪✨ 行ってきま〜す👍💨 https://t.co/Nqzt1G6Wir」 https://twitter.com/michiru_loopash/status/1241892378337660930
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on1979 · 5 years ago
Quote
世の人は言う。 「WarCraft3を完成させたのは、彼だ。」と。 けれども、彼はプログラマーではない。 デザイナーでもなければ、プロデューサーでもない。 グラフィッカーでもなければ、マネージャーでもない。 ただの、1人の、ゲーマーだった。 少なくとも、シンガポールのあの夜までは。 その日、WarCraft3は死んだ。 いや、死んだのではない。 殺されたのである。 eSports Player of the Year 2006をはじめ、世界中のタイトルというタイトルをその手に収めた、プロゲーマーの中のプロゲーマー、歩く4K.GrubbyことManuel "4K.Grubby" Schenkhuizenの手によって、累計1000万本のセールスを記録した歴史上最も重要なリアルタイムストラテジーゲームであるWarCraft3はその体温を失い、ゆっくりと、静かに、大地へと飲み込まれ、そして消えていった。 そんなに遠くではないけれど、過ぎ去ってしまった古きよき時代。 まだ、Asiaと世界が繋がらず、別々に存在していた時代。 あの頃、WarCraft3は、生きていた。 アンデッド、オーク、ナイトエルフ、そしてヒューマン。 まったく違う特性を備えた4つの種族が、絶妙なバランスで共存していた。どの種族もうまくやれば他の種族を出し抜けるだけの潜在能力があると考えられていた。それぞれの種族には個性的なトッププレイヤーがいて、世界中のWarCraft3プレイヤー達は自らが扱う種族のスタープレイヤーに入れ込み、追いかけては、その結果に一喜一憂していた。 アンデッドには、2004年のeSports Player of the Yearにして、最初で最後のスーパースター、伝説の空飛ぶアンデッド、MaDFroGが。 オークには、今やWC3シーンそのものと呼ばれるまでになったプロゲーマーの中のプロゲーマー、歩く4K.Grubbyこと4K.Grubbyが居た。 ナイトエルフには、元マップハッカーという経歴を持つシーン最大の悪役、ロシアの犯罪者"The maphacker"deadmanが居て。 ヒューマンには、シーンで最も尊敬を集める男であり、模範的プロゲーマー、世界で2番目に有名なブルガリア人、Insomniaが居た。 そして、その日、事件は起こった。 欧州最強クラン、いや、世界最強クランSK-Gamingのエースプレイヤーであり、欧州最強ヒューマン、いや、世界最強ヒューマンであったSK.Insomniaと、4K.Grubbyが戦ったのである。 けれども、それは普通のありふれた対戦ではなかった。 世界最強オークと、世界最強ヒューマンの決戦ではなかった。 何が違ったのか? それは、Grubbyの選択した種族である。 WarCraft3には、前述の通り4つの種族が存在している。 けれども、実は、もう1つあった。 「random」 で、ある。 用意された数多くの個性的なマップで、それぞれの戦術や戦略を相手に応じて用意し、一分の狂いもなく繰り出さねばならないプロゲームの世界で、ゲーム開始まで自分の操る種族がわからないという「random」を選択する事は、当時としては自殺行為だと思われていたし、今でも自殺行為だと思われている。それは、シーンに未だ誰一人として、「random」を操るプロゲーマーが存在していないという事実からもよくわかる。 ところが、Grubbyはプロゲームの大会という1つの舞台で、世界最強ヒューマンを向こうに回して、「random」を選択したのである。 あのGrubbyがオークを使わなかった。 それは、確かに驚くべきことだった。 でも、本当の問題は、そんな事ではなかった。 世界の関心は、もっと深刻で、もっと重大な2つの事件に向いていたからである。 1つは決戦を前にGrubbyが放った言葉。 「Human sock」 そしてもう一つは、決戦の結果。 Grubbyは、一度も自らの種族であるオークを引き当てる事なく、SK.Insomniaを圧倒し、完膚なきまでに叩きのめし、葬った。いや、正確に言うと違う。4K.Grubbyがその日叩きのめしたものは世界で2番目に有名なブルガリア人SK.Insomniaではなく、"ヒューマン"という種族そのものだった。4K.Grubbyがその日破壊したものは、世界最強クランの看板エースのプライドなどではなく、WarCraft3そのものだった。 その日、WarCraft3は、静かに死んだ。 誰かが言った。 「WarCraft3のバランスは糞だ。」 もはや、誰も反論する事は出来なかった。 4つの種族が用意されていて、4つの選択肢があるはずだった。 それぞれの種族に強さがあり、それぞれの種族にファンが居た。 けれども、そんな時代は、この日、終わった。 Grubbyが看破し見出し先鞭をつけた対ヒューマン必勝法は、あっという間に世界中に広まってしまった。駆け出しの新人プレイヤーレベルから、トッププロに至るまで、全てのレベルでヒューマンは鴨にされ、いびられた。話にならない弱小種族として弄ばれた。同じ腕前のプレイヤー同士の対戦でヒューマンを選択しようものなら、もうその時点で負けたも同然だった。 「ヒューマンが相手だと負ける気がしないので楽しい」という声があらゆるレベルで漏れ始めたが、それはすぐに「ヒューマン相手のゲームは勝ったも同然なのでつまらない」という声へと変わって行った。 誰かが言った。 「WarCraft3は糞だ。」 誰も反論する事は出来なかった。 「ブリザードエンタテイメントはなにをやっているんだ!」 罵声が世界を駆け巡り覆った。 どうしてヒューマンを強化しない! なぜ最弱種族を放置したままにしているのだ! 返事は無かった。 まるで屍のようだった。 一人、また一人とヒューマンプレイヤーが他の種族に転向して行った。韓国で行われた世界大会の予選では、上位64名の中にヒューマンプレイヤーは1人も居ないという惨状だった。その昔最強プレイヤーの一人と目されていた北欧の雄はヒューマンに拘り続けた結果スタメン落ちし、やがて解雇され消えていった。最強ヒューマンであったSK.Insomniaまでもがスタメン落ちし、トップシーンから転落していった。ヒューマンはもはや、存在しないも同然だった。 もちろん、世界中のヒューマンを代表するプロ達が何の手も打たずに消えていったわけではない。世界中のヒューマンプレイヤー達は、なんとかしてゲームを成立させようと、自らの町に山のように防御塔を建てて陣地を構築し、引き篭もって守り、相手の失策を待ち続けた。 「負ける気がしないので楽しい」から「勝ったも同然なのでつまらない」へと遷移していたWarCraft3プレイヤー達のヒューマンという種族に対する素朴な感想はやがて、「引き篭もるしか脳の無い連中を相手にするのは退屈だ」というものへと移り変わっていった。 誰かが言った。 「WarCraft3は糞だ。」 もう、誰も反論する事は出来なかった。 「ブリザードエンタテイメントはなにをやっているんだ!」 罵声が世界を駆け巡り覆った。 どうしてなぜヒューマンを強化しないんだ! なぜブリザードは最弱種族を放置したままにしているのだ! 返事は無かった。 まるで屍のようだった。 事実、屍みたいなものだった。 「もう、終わったんだ。」誰かがつぶやいた。 親会社の経営失敗に端を発したお家騒動で、ブリザードエンタテイメント社はボロボロだった。Diablo、StarCraft、WarCraft、World of Warcraftといった、ビデオゲームの歴史に渾然と輝く名作を世に送り出した鬼才ビル・ローパーを始めとして、「100万本売れないゲームは作らない」というテーゼを抱えてそれを実行し続けてきた世界最強のゲームデベロッパーであったブリザードエンタテイメント社の中核を成した人々のほとんどがブリザード社を去り、誰も知らないどこか遠くの奥の方へと、飲み込まれるようにして消えていった。 「もう、みんな終わっちゃったんだよ。」 誰かが吐き捨てるように、そう言って席を立った。 それは、些細な出来事だった。 些細だけれど、深刻な事件だった。 ロシアの犯罪者、ナイトエルフのdeadmanを葬ったヒーローが最強ヒューマンを打ち破った事自体は、何の問題も無かった。伝説の空飛ぶアンデッド、最初で最後のスーパースターmad frogを前後不覚に陥るまでに叩きのめし引退に追い込んだ最強オークが、最強ヒューマンを打ち破った事自体は、何の問題も無かった。 けれども「Human sock」のあまりにも真実を貫きすぎた一言と、「randomに負けた最強ヒューマン」という事実は、WarCraft3の終わりの始まりだった。歩く4K.Grubbyこと、4K.Grubbyが���つけたヒューマンという種族の穴は、やがて大きな穴となり、WarCraft3そのものを飲み込んで、終わりに向けて、押し流し始めた。 かつてオランダの名も無き少年が、堤防に見つけた小さな穴に自らの腕を差し込んで決壊を防ぎ国を守ったのとはちょうど真逆に、オランダの悪童Grubbyは自らが見つけ出した小さな穴にその腕を差込み、こじ開け、シーンそのものを崩壊させて行った。 かつて、誰もがその勇気と技術に裏打ちされた斬新な戦略に驚き憧れたSK.Insomniaは防御塔を建てては引き篭もり、負け続けた。「私はヒューマンを決して捨てずに戦い続けるよ。世界中のヒューマンプレイヤーの為にね。」insomniaはそう言ったけれど、それは絵空事だった。彼がヒューマンを選択し続けていたのは事実だけれど、戦い続けてはいなかった。ただ、プライドだけを胸に、引き篭もっては惨めに負け続けていただけだった。 圧倒的に繊細な操作と革命的なテクニックでナポレオンとまで称された新時代のヒューマンプレイヤーであるToDは、負ける度にこう言い続けた。「俺は世界で一番上手い。俺は世界で一番強い。俺は世界で一番美しい。」それは確かに、事実であった。世界がそれに同意した。ToDは圧倒的に上手かったし、圧倒的に強く、そして圧倒的に美しかった。 「世界で一番上手い俺が負けるのはブリザードのせいだ。」確かに、そうとしか思えなかった。「世界で一番強いはずの俺が負けは俺の敗北ではなく、ブリザードエンタテイメントそのものの敗北だ。」それは紛れも無い事実だった。ToDは自らが敗れる度に、とてもここじゃあ書けないような暴言ワードで満たされた罵詈雑言でブリザード社を罵り続けた。世界中の、未だWarCraft3を見捨てられずにいる人達が彼を支持した。よくぞ言ってくれた、ToDは正しい、bliz(ブリザードエンタテイメント社の略称)は糞だ、と。 「ブリザードは何をしているんだ!」 皆が叫んだ。 誰もが懸命に叫んだ。 叫んだけれど、返事は無かった。 そこにあったものは、ただ屍だけだった。 かつて歴史上最も偉大だったリアルタイムストラテジーゲームの屍だけだった。かつてゲームの歴史の流れの中で最も重要なゲームデベロッパーの1つだった、ブリザードエンタテイメント社の屍だけだった。 世の中は不公平で、世界は不平等だ。 人であろうとする限り、未来なんてものは来やしない。 野蛮な奴らと、死んだ目をした奴ら、暗いところでこそこそやっている腐った老いぼれども。勝ち目なんて端から無いんだ。そんなふうに出来ているんだ。そういう仕組みなんだ。もう諦めて、どこか遠くへ行こうじゃないか。パーティは終わったんだよ。 一人、また一人と人はWarCraft3を見捨てて、他の知らない何処かへと旅立って行った。ヒューマンの弱さにうんざりとして。 バランスの崩壊した糞ゲーに見切りをつけて。 新天地を求めて。 ある者はWarCraft3を切り捨てて大学生になり、ある者はWarCraft3に見切りをつけてプロポーカープレイヤーになった。ある者はWarCraft3と決別してPerlHackerになり、ある者はWarCraft3を投げ捨ててブロガーになった。 ヒューマンの弱さを改善するパッチをブリザードエンタテイメント社に期待している人なんて、もうどこにも居なかった。世の中は不公平で、世界は不平等。そういうもんだと、みんなが諦め、去っていった。重たく冷たい現実と向き合う事に、嫌気がさして逃げ出して。 World Cyber Games 2005 Singapore。 dead or aliveで日本人選手が優勝した大会、と言えば、わかる人はわかるかもしれないし、2002年度にはhalenが優勝した大会と書けば、伝わる人には伝わるかもしれない。 彼はそこに居た。 WE.Skyその人である。 誰も彼の事なんて気にしては居なかった。 World Cyber Games 2005には、Grubbyが居て、deadmanが居た。世界中から綺羅星の如き名手達が集っていた。古い人、新しい人、旬の人。それは最高のメンバーだった。最弱種族のヒューマンを操るプレイヤーに興味を持つ人なんて一人もいなかった。ヒューマンが予選を勝ち抜けるなんて、中国のWC3はレベルが低すぎると、人々は彼の存在自体を馬鹿にした。だが、それは束の間であった。 決勝の舞台。 彼はそこに居た。 WE.Skyその人である。 そして、起こった。 遠い昔に死んだはずのWarCraft3が、突如として息を吹き返したのである。 WE.skyに相対するは4K.Grubbyを破って決勝に進んで来た米国代表のShotround。GrubbyとToDの2人を軸に世界最強クランへと成り上がっていた4K(team four-kings)への入団が囁かれる程に、油の乗ったプレイヤーだった。その彼が、10分と持たなかった。何も出来なかった。見せ場の1つも作れなかった。戦う事すら許されなかった。skyは圧倒的だった。そして完璧だった。誰もが予測する事の出来なかった瞬間に、想像を絶するタイミングで現れた新手無傷の銃兵部隊の矢玉の雨に、世界中が絶句した。声を失なった大観衆の大声援が、次の瞬間会場を沸騰させ、Shotroundはマウスを静かに置いた。 何が今起こり、何が起ころうとしているのか。 何故、こんな事になっているのか。 もう、どうでも良かった。 死んではいなかったのだから。 それは、確かに、生きていたのだから。 「will played」 Shortroundは、最後に一言消え入るようにそう言って消えた。 世界中が彼を馬鹿にした。 「will playedてwwww」と、彼を笑った。 けれども、それを笑えない人達が、世界には存在していた。 負けても負けても負け続ける事自体が存在価値と化してしまっていたSK.insomnia。Skyの登場によって、insomniaが耐え忍んだ長く苦しい屈辱の日々は、一夜にしてただの道化となってしまった。 そして、もう一人。 でもそれは、まだ、フロックだと思われていた。 多くの人達が、そう受け止めていた。トーナメントの組み合わせの妙で生じたまぐれだと思っていた。事実、skyはその名声を確定させていたような世界的名手と一度も戦う事なく、楽な組み合わせを勝ち上がり優勝していたのである。 「skyはトッププレイヤーと当たらなかったから優勝出来た」 きっとそうだと、多くの人が考えた。 そんな僕らに、現実が突きつけられる日はすぐに訪れた。 WCG2005から間をおかずに開催された世界規模の大会で、skyはまたしても決勝に進んだ。決勝の相手は、プロゲームシーンから隔離されたアメリカの選手などではなかった。本物のGOSUプレイヤーだった。圧倒的な操作量と状況判断能力と知性で全ての種族を完璧なまでに使いこなし、「勝つ為に最強種族であるナイトエルフを選択した」と公言して憚らない"Master of WarCraft"の異名を持つプロゲーム先進国韓国が誇る最強ナイトエルフ、達人remindその人である。 remindはskyが繰り出してくるであろう戦術の全てを頭に入れ、それらそれぞれの戦術に対して100%の対策を立ててきていた。remindに、負ける要素は1つも無いように思えた。「ヒューマンに負けるremindの姿」どころか、remindの負ける姿そのものが想像出来ないくらいに、あの頃のremindは完璧だった。 ゲームはremindで始まった。 remindの操るヒーローはマップ中を所狭しと飛び回り、skyの出足挫き、その立ち上がりを完璧に封じた。ヒーローのレベルも、内政面でも兵力でも、remindは大きなリードを奪い、見事にゲームを支配していた。最激戦区の韓国予選を勝ち抜いた、達人の名は伊達ではなかった。中国と韓国では、あまりにレベルが違いすぎた。 ところが、remindがナイトエルフの最強ユニットである熊をそろえ始めた頃、なにか、奇妙な事が起こり始めていた。肉弾戦最強ユニットである熊を出されたならば、ヒューマンの側もナイトを出し、プリースト/ソーサレス/モルタルチームで後方から支援しなければヒューマンに勝ち目はない、というのがそれまでのヒューマンvsナイトエルフの常識だった。 ところが、skyはその常識を完全に放棄した。 skyが選択したユニットは、ナイトではなく、プリーストでもなく、モルタルチームでもなく、ヒューマンの最強Airユニットであるグリフォンライダーでもなかった。 skyが選択したそれは、「ライフルマン」だった。 skyはただ只管に、銃兵を生産し続けていた。 「skyは馬鹿だ」 世界中がそう思った。熊を相手にライフルマンを出すというのは、まったく馬鹿げた事のように思えたし、事実その日その時までは、確かに馬鹿げた事だった。いや、今でもそれは馬鹿げた事なのだ。けれども、その日、その瞬間、その場所でだけは違っていた。 銃兵隊を揃えたskyは敵陣へと猛進し、決戦を挑んだ。戦況は圧倒的に不利だった。序盤を完全に支配されたskyの勝算は0に等しく見えた。それは、やけっぱちのpushにしか見えなかった。 自陣を防衛すべく迎え撃った万全のremindの大軍勢は、skyのpushを事もなげに押し返し、skyに撤退を強いた。 自陣へ向けて一目散に逃げ出したskyの銃兵隊は時々足を止め、立ち止まっては斉射を行い、その射撃モーションが終わると同時にまた背を向けて逃げ始めた。skyの銃兵隊が足を止める度に、remindの軍勢がライフルマンに肉薄し、襲い掛かり、痛打を加えた。skyが立ち止まる度に、skyが斉射を行う度に、remindの勝利が近づきつつあった。最強肉弾ユニットである熊に追い立てられた間接攻撃ユニットのライフルマンは、紙切れのように脆く切り裂かれて行った。 remindは万全の精度でそれを行った。逃げ遅れたライフルマンを巧みに包囲し、退路を断ち、一人一人止めを刺していった。skyの銃兵隊はremindの猛追によって5時の方向と11時の方向に分断され、あとは各個劇はされるだけ、という局面であった。 「skyはよくやったよ」誰かが言った。 確かに、skyはよく戦った。あのremindを向こうに回し、見事に見せ場を作っていた。会場を盛り上げ、シーンを盛り上げるだけの戦いを見せた。勇敢に全軍総出の決戦を挑み、引き撃ち(退却しながら攻撃する)という自らが選択した戦術を、完璧なまでにやってのけていた。けれども、相手が悪かったのだ。達人remindに序盤を支配されて、勝てる人間なんてどこにもいないのだ。 次の瞬間、skyが反転した。 彼は「引き撃ち」を完全に放棄した。 右下5時の方向から分断された一翼が、左上11時の方向から分断された本体が、skyの本拠地がある左下7時の方向からは(Shortroundを葬ったあの時と同じように)新手無傷の銃兵部隊が突如として現れ迫り、remindの全てを包み込んだ。 全ての方角から銃弾がremindのヒーローに突き刺さり、remindはヒーローを立て続けに失った。あっという間の出来事だった。軍隊の核であるヒーローを失ったremindは、あと一歩で止めをさして壊滅させる事の出来る大量の瀕死のライフルマンを目の前にしながら、もはや退却するしか術は無かった。 remindは、「傷ついた兵は退却させて温存し、回復させて戦わせるものだ」というWarCraft3の常識に基づき、傷ついた自らの兵を繊細な操作で少し離れた位置に退避させて休ませていたり、より安全な戦線へと再配置をしたりしていた。瀕死の兵は丁寧に、本陣に退却させて回復し、敵に殺されて相手ヒーローの経験値に化けてしまう事を避けていた。それは教科書通りの完璧な操作だった。達人の名に相応しかった。 その誰よりも完璧な達人remindの「完璧さ」をskyは突いたのである。 「傷ついた兵は退却させて温存し、回復させて戦わせるものだ」というWarCraft3の常識を放棄し、ライフルマンという鈍足で脆く経験値の多いユニットを囮として意図的に使い捨てにしながらremindの戦線を引き伸ばし、戦力密度を拡散させた。 skyの兵にきっちりと止めを刺し経験値に変えていたremindのヒーローは、Lvアップを繰り返していた。 その軍隊の中核であったハイレベルなヒーローが僅かに突出した瞬間を見逃さず、skyは反転したのである。remindは慌てて熊を集め、ヒーローの退路を切り開こうとしたけれど、それはもう手遅れだった。何もかもが遅かった。skyの掌の上だった。remindのヒーローは皆、skyのヒーローの経験値となり、戦局は一変した。 skyはそこからも、常識を打ち破り、瀕死のライフルマンをほうぼうで囮として使い捨て、見殺しにしながらremindの陣地を壊滅させた。一見すると素人のプレイかと見まごうような、下品で乱雑な責めだった。中にはそのプロゲーマーとは思えないような"雑さ"即ち"下手糞さ"を馬鹿にする人もいた。けれども、それが幾多の理論と練習に裏付けられた彼のスタイルだったという事は、今では世界の知るところである。 remindは1ゲーム目を落とし、2ゲーム目も全く同じ手法で負けた。 remindが悪かったのではない。 skyが良かったのである。 もはや、それは、まぐれではなかった。 紛れも無い、現実であった。 insomniaは笑って言った。 「もう私の試合なんて見る必要なんてないよ。」 ヒューマンを見たいのならば、WE.skyを見ればいいんだ、と。 けれども、広い世界にただ一人だけ、その現実を受け入れる事を頑なに拒み続けている男が居た。年齢不詳の真実の口。フランスが生んだ物言うナポレオン。 "世界で一番上手い男"、4K.ToDである。 skyの登場に最もショックを受けたのは他ならぬToDだった。 「こんなにも上手い俺が負けるWC3のバランスはおかしい」というToDの考え事実真実本当のことが一夜にして崩れ去ってしまったのである。 世界は手のひらを返した。 ToDに対する評価の針は、端から端へと振り切れた。 「勇敢に物怖じすることなく、WarCraft3の問題点を歯に衣着せぬ物言いでブリザード社に突きつけ続ける全人民の代弁者」であり、正しくシーン最大の英雄であったToDは、skyの登場によって「醜い言い訳を繰り返す負け犬」になってしまった。 たった一人の男の登場によって。 「こんなにも上手い俺が負けたのはヒューマンが弱いせいだ」 「こんなにも強い俺が負けたのはヒューマンが弱いせいだ」 「こんなにも美しい俺が負けるのは全てblizの責任だ。」 ToDが繰り返してきた主張は全て、「sky」の一語で覆された。「コイツ何言ってんの?」「フランス人は口だけだな。」世界中から笑いものにされたToDは、やがて、言葉を失い沈黙した。 ToDは言葉を失った。 ToDは支持を失った。 ToDは逃げ場を失った。 けれども、ToDは消えなかった。 ToDに必要だったもの。 それは皮肉な事に、skyの存在そのものだった。 見果てぬ闇夜を切り開き常識を破壊する勇敢さを持った道先案内人だった。そして、その革命児が「WE.sky」であった事は、ToDにとって何よりの希望の源だった。 なぜならば、skyは「下手」だったからである。 そして、ToDは、世界で一番上手かった。 ToDはskyが切り開いた道を必死で辿って猛進した。ToDの強さはあっという間にskyに追いつき、そしてあっという間に追い抜いてしまった。 skyの全てを研究し、skyの全てをコピーし、skyの全てを進化させ、ToDは宇宙で一番上手いプロゲーマーとなって蘇り、シーンへと帰ってきた。 世界的な大会の決勝戦で、それまで一度として勝つ事の出来なかった、4K.Grubbyを打ち破って。 そして、ToDは言った。 「俺がGrubbyに勝てたのはヒューマンが強いからなどではなく、俺が圧倒的に上手く、強く、美しい、完全無欠のプロゲーマーだからだ。」「ヒューマンは明らかに弱すぎる。優勝した俺が言うのだから間違いない。」「ブリザードエンタテイメントは糞だ。」「WarCraft3のバランスは糞だ。」 そして、ToDは、こう言った。 「最弱種族を操りGrubbyを倒した俺を称えよ!」 「ブリザードエンタテイメントは糞だ。」 「WarCraft3のバランスは糞だ。」 不思議な事に、おかしなことに、4K.Grubbyを打ち破って世界タイトルを勝ち取ったToDを賞賛する声は、世界中どこを探して一つも聞こえてこなかった。 誰よりも上手く、誰よりも強く、誰よりも美しい、最も完成されたプロゲーマーである自らを、誰一人として賞賛せぬという理不尽。ToDはその理由を捜し求め、そして見つけた。その理由を。その男を。そして誓った。消し去る事を。 彼は中国に居た。 WE.Skyその人である。 ToDはskyより強い。 世界はぼんやりとその事実に気がついてしまっていた。中国のレベルは非常に低く、skyの練習相手のレベルも自ずから低かった。一方のToDには、世界最強オーク4K.Grubby、世界最強アンデアッド"名勝負製造機"4K.FoV、欧州最強ナイトエルフ"欧州の未来"creoplsという、鬼のようなチームメイトが居た。彼らはToDの練習相手であり、またブレインでもあった。問答無用の最強面子と切磋琢磨し続けた結果、ToDの上手さは異次元へと突入しようとしていた。 ToDはskyより上手い。 それは紛れも無い事実だった。 ToDはskyより美しい。 それは紛れも無い事実だった。 ToDはskyより強い。 それも残念な事に、事実であった。 誰よりも上手いToDは、常人では決して行えないようなリスクを背負い、その自ら作り出したピンチを圧倒的な上手さで切り抜けるというプレイスタイルで、見る者全てを魅了した。そんな人々の心を捉えて離さない芸術的な試合を繰り返し続けるToDを賞賛する声が世界中どこを探して駆け回っても一切聞こえてこなかった理由については、皆様の想像にお任せしようと思う。 そして、ToDは、中国へ飛んだ。 WE.skyを打ち破るべく。 万全を期して。 大蛇に四肢を書き入れて天高く舞わせた男、WE.IGE.sky。 宇宙で一番上手い奴、Grubbyの金魚の糞、4Kの汚物4K.ToD。 2本先取。 言い訳不能、逃げ場無し。 敵地中国に乗り込んで、ToD背水の決戦だった。 その、大事な1ゲーム目を、ToDは落とした。 WarCraft3には、プレイヤー以外の勢力(中立モンスター)が存在し、それを倒すとアイテムと経験値を手に入れる事が出来る。その落とすアイテム運によって、ゲームの流れが大きく傾く事がある。このゲームが、それであった。圧倒的な運で良アイテムを手に入れたskyを相手に回して、ToDに出来る事は何も無かった。 もしもその場でToDにインタビューすれば、きっとこう言っただろう。「ブリザードエンタテイメントは糞だ。」「WarCraft3のバランスは糞だ。」と。 けれども、まだ終わってはいなかった。 ToDには勝算があった。 WarCraft3にはアイテム運によって流れが変わるマップと、アイテム運くらいでは流れの変わらないマップが存在する。そして、残り2ゲームは後者であった。運の介入する余地の無いマップであった。 そして迎えた2ゲーム目。 ToDは中国全土を沈黙させた。 ToDを馬鹿にしていた世界中の人々までをも黙らせた。 ToDは圧倒的に上手く、圧倒的に強く、圧倒的に美しかった。 他のトッププロと比較しても、段違いに上手かった。 skyなど、比較対象にならぬくらいに上手かった。 ToDの操るヒューマンは、まるで別の生き物のようにぬるぬると動き、skyの全てのプレイングはその美しさの引き立て役にしかなっていなかった。もはや試合ではなかった。それはToDのプレゼンテーションだった。その異次元の強さは、ToDがこれまで放ってきたどんな言葉よりも雄弁に、ToDの素晴らしさを物語っていた。反論の余地は無かった。こんなものを見せ付けられては、もはやToDの凄さを認め称える以外に道は無かった。全人類が、ToDにひれ伏そうとしていた。 けれども、そこには運悪く、あの男が居た。 WE.Skyその人である。 最後のゲームとなった3ゲーム目。 泣いても笑っても最後のゲーム。 それは、ToDのゲームだった。 最初の農民がready 2 workと声を上げた瞬間からもう、ToDは美しく強かった。全く同じ事を行うにしても、ToDはskyよりも遥かに正確にそれを行う事が出来たし、はるかに素早く行う事が出来た。最初の1分で生み出されたたった5秒のアドバンテージは、鼠算式に膨らんで、ToDはskyの5分先を行き、あらゆる局面で圧倒し始めていた。一方的な、ワンサイドだった。あとはskyにggと言わせて負けを認めさせれば良いだけだった。それはToDにとって、あまりにもeasyなミッションだった。 そんな時、skyが旅立った。 全ての農民を引き連れて、自陣を完全に空にして、skyは遥か遠くを目指した。ToDは見事な偵察力でそれを捕らえ、行軍するskyの軍勢に襲い掛かった。農民を狩り、兵を狩り、召喚ユニットを消し去り、道行くskyをボロボロにしていった。 skyは、一切応戦する事無く、それを無視した。「俺を無視するな」と襲い来るToDを完全に無視した。「さあ戦え!そして敗れ去れ!」と叫ぶToDを、放置したままで歩き続けた。ToDなどという人は、地球上に存在していないかのように振舞った。 そして、出発時の半分以下になった大量の農民を含むskyの全部隊は、ToDの本拠地へと辿り着いた。skyの農民はToDの本拠地をまるで自らの本拠地であるかのように振舞いだした。防御塔を建て、陣地を構築し、ToDの生産拠点を次々と封鎖していった。もう、何もかもが手遅れだった。 ヒューマンの最強ユニットであるナイト。 回復を担当するヒーローであるパラディン。 瀕死の味方を本拠地にテレポートで��避させる事の出来る杖。 この3つを揃えたToDは無敵だった。 ToDのヒーローを倒そうと攻撃を集中させると、パラディンのヒールで回復させられ、パラディン自体を倒そうにも、パラディンが持つ無敵化のスキルのおかげでダメージを与える事すら出来ない。ToDのナイトを殺そうとして攻撃して瀕死に追い込んでも、退避の杖でテレポートさせられ、止めを刺す事が出来ない。 「それを揃えさせない為にどうすればいいか」 というのが、ToDへの唯一の対抗策だった。 ところが、skyはその常識を覆した。skyはToDの無敵モードを発動を許した。いや、許したのではなく、意図的にToDの無敵モードを引き出した。あとは、ToDの美しいショータイムが訪れ終わるだけだった。 ところが、ToDは、無視された。 「パラディン」「杖」「ナイト」という、ありとあらゆる戦闘での勝利を確約してくれるはずの三種の神器を揃えたToDは、skyに完全に無視された。 ToDは、呆然と立ち尽くした。 逆にskyの本陣を襲うという手もあった。 しかし、skyは農民をToDの本陣(資源地帯)へと到達させていた一方で、ToDの農民はskyの構築した鼠一匹漏らさぬまでの塔の壁に阻まれ、外へ出る事が出来なかった。 仮にskyの本陣を壊滅させた所で、それを奪う事が出来なければ、ToDの本陣を乗っ取ったskyの資金力の前に消耗を余儀なくされ、あとはあとは敗れるだけだった。 ToDは、瞬時にそれを理解した。 もう、何もかもが手遅れだった。 自らがskyに敗れた理由を。 世界が己ではなくskyを認める理由を。 ToDはそれから10分もの間、「パラディン」「杖」「ナイト」という三種の神器を揃えた本隊を、何をするでもなく、ただ右往左往させ続けた。ToDの本拠地を乗っ取ったskyの農民達が新しい建物を次々と建てて行く様を、何も出来ずにただ見ていた。 普通ならば、負けを認めて投了する場面であった。けれども、ToDはそれをせず、自らの最後の建物がToDの攻撃により破壊されるまで、芸術的な上手さでskyに嫌がらせをしたり、中立モンスターを狩ったりと、示威行動を繰り返しては、skyに無視され続けた。ToDは惨めだった。ToDは哀れだった。ToDは孤独だった。 そして、宇宙で一番上手い男は負けた。 中国で最も勇敢な男に。 それでも、まだ、そういう人達は居た。 skyを嫌う人達である。 彼らは、ToDに心酔していた過去を忘れる事が出来なかった。 insomniaを称えていた過去を捨て去る事が出来なかった。 思い出にしがみ付き、skyを否定し続けた。 頼るべき論拠は幾つか在った。 skyは確かに世界規模の大会で立て続けに2つのタイトルを取った。skyは確かに世界で最も上手く、世界で最も強く、世界で最も美しいToDを叩きのめして打ち破った。けれども、それらは全てskyのホームグラウンドで行われた大会であり、イベントであった。 シンガポール、上海、そして北京。中国で行われた大会で中国人が勝っただけ。遥々彼方の遠くから、遠征してきた相手にホームでちょこっと勝つくらい、レクレアティーボにだって出来る。一部の人達はそう思い、skyを決して認めなかった。 そしてなにより僕らには、あの男が居た。 圧倒的な前評判を覆し伝説の空飛ぶアンデッドを引退に追い込んだあの男。ロシアの犯罪者を完膚なきまでに打ち破り英雄となったあの男。"Grubby2.0"と称えられていたプロゲーマーを打ち破りその看板を自らの手で剥ぎ取って"Grubby 1/10"と名付けたあの男。"Grubby killer"とまで言われていたWarCraft3第五の種族を操る異才を、2v2でも1v1でも完封し「4K死すともGrubby死せず」と世界に衝撃を与えたあの男。あの日「Human sock」の一言で、WarCraft3の息の根を止めたあの男。 "one word"! "歩く4K.Grubby"! そう、Manuel Schenkhuizen! 4K.Grubbyその人が。 舞台は、すぐそこにあった。 欧州最高、いや世界最高のプロゲームリーグ戦、WC3Lである。 その大舞台に初参戦した、skyの初戦。 彼は、名も無き相手に0-2で負けた。 何も出来ず、惨めに敗れた。 見せ場も無く、退屈に。 つまらない負け方で。 世界が、活気付いた。 「skyが何だって言うんだ?ホームで勝っていただけの事だろ。」「こんなつまらない負け方をする奴の試合なんてもう二度と見たくねえ。中国に引き篭もってろ。」「結局skyがWC3Lに持ち込んだものは、戦術でも、戦略でも、新風でもなんでもなくて、欧州の大会のウェブサイトに中国語でコメントをする迷惑な中国人だけだよね。」これまで、溜まりに溜まっていた世界中のアンチskyの鬱憤がうねりを無し、skyへと殺到した。 それにskyは応えて言った。 「僕は世界で最も優れたプレイヤーではないし、世界で最も強いプレイヤーでもない。うまくいく事もあるけれど、うまくいかない事もある。少しでも期待に応えられるように努力するよ。」と。 女々しい台詞に皆が集った。 侮蔑嘲笑罵詈雑言が、世界中から集まった。 WC3Lシーズン9。 skyは初戦を除く全ての試合で勝利した。 驚くべき事に、たったの1ゲームも落とすことなく。 その勝利の中には、4K.Grubbyに対する勝利も含まれていた。 sky十八番のソーサレス/プリーストを打ち破るべくGrubbyが密かに用意した大戦車部隊が自陣を発ったその瞬間にskyの空軍がそれを襲い、対空能力を持たないGrubbyの大戦車部隊は、skyの軍勢に砲弾の一発も打ち込めぬまま、全滅した。 世の人は言う。 「WarCraft3を完成させたのは、彼だ。」と。 昨年末に行われたワールドカップのベスト8は、オークが1人、アンデッドが1人、ナイトエルフが1人、残る5人はヒューマンだった。あのinsomniaもそこにいた。蘇ったinsomniaはいつの間にか、再び欧州最強クランSK-gamingのエース格へと復活を遂げ、純粋な名声を再び得るまでに成っていた。 現状を見て、世の人は言う。 「ヒューマンはちょっと強すぎるんじゃないか?」と。 現実を見ず、彼は言う。 「ヒューマンは弱すぎるけど、まあ、ぎりぎり許容範囲かな。」と。 ブリザードはゲーム内最弱種族だったヒューマンを、パッチの度に弱体化させてきていた。その頃、ToDはこう言っていた。「ブリザードはWarCraft3を殺す気だ。」と。あれは、一体、何だったんだろう。ToDはあの頃からもうずっと、世界最強のプレイヤーになれるだけの力があったのに、どうしてToDじゃなくてskyだったんだろうかと。 skyと他の誰かとの違い。 それは、結局の所、ほんの少しの事だったんだと思う。 >>?了,高?,?了,也高?。 >勝って、喜んで、敗けて、うれしいです。 僕らに足りなかったものは、一体なんなんだったんだろう。 insmniaはメランコリックにヒーローを装ってばかりで自分を信じる事が出来ていなかったし、ToDは荒を探してはケチばかりつけていた。そんな事をしても何も変わりやしないんだって、知っていたはずなのに。そうしている間中も、WE.skyは、世界から、遠く離れた黄色い大��で、自分を信じて突き進んでいた。多分、物事は単純で、僕らもそうすればいいんじゃないかな。 >>失?了,从中受到了挫折,吸取了??, >>?了自己更大的?斗?力与目?, >>?了?个?斗的?力?也???之喜?。 >失敗して、中から挫折を受けて、経験を吸収して、 >自分にもっと大きい奮闘の動力と目標をあげて、 >この奮闘の動力のためにもこのために言うことを喜ぶべきです。 僕らはいったい、何を恐れているんだろう。 どうしてそんなに臆病になる必要があるんだろう。 もう随分と眠ったじゃないか。 そんな夜を繰り返しても何も変わらないよ。 さあNOW、PCの電源を落として(もしくは、本を閉じて)、くだらないものにしがみ付くのをやめて、全てゴミ箱に放り込んで投げ捨てて。空を自由に飛ぶ為に必要なものを取り戻しに行こうじゃないか。自分を信じる心と努力。簡単な事だろう。そうすれば誰だって空を飛べるし、そうすれば誰だって自由になれる。どうせ失って困るものなんて実はそんなにないんだから。ToDみたいな事してないで、hemanみたいになっちまう前にさ。 行こうじゃないか、僕達も。 WE.skyに随分と遅れて。
空を自由に飛ぶために必要なものと、少しの誇張。
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y24klogs · 6 years ago
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灰霧の街グレイスミスト3
七人の侍(4人)
ギンゾウさん、ランゲツさん、鵺さんといっしょ。
◆広場
ヤマト : あー!さっきすれ違った笠の! ギンゾウ : おお、どうやら足はついているな? 幽霊ではなかったか。 ヤマト : 生きてなかったらこの場に居ないだろ。ま~、負けたから死んだような幻覚は見たが…… パーティーを作成しました。 ギンゾウ : それは奇遇よ…某も巻き割りの如く身を割かれる幻を垣間見た所。 ヤマト : あんたでも駄目だったかァ。やっぱ一人でってなると無理あるよなァ ギンゾウ : いやはや難敵よ。 ヤマト : 知り合いがさ~一人で倒したっつってたから俺も出来っかな~って思ったんだけどなァ ギンゾウ : 彼奴を一人でとは何たる武勇か…見習わなくてはなぁ。 ヤマト : そこの黒い奴だよ(鵺さんの方を指さす)コツとかあんのかねああいうの 鵺 : …(指をさされたのに気が付いて顔を上げる) ギンゾウ : 寡黙な剣客殿であったか。 只者ではない気配とは思うていたが…それ程とは。 ヤマト : でさァ、鵺の旦那はこの前の飯代いつ返してくれんの? 鵺 : ………(財布を確認) 鵺 : (確認終了)また今度だな ヤマト : ………… ギンゾウ : (様子を視て声を抑えて嗤い) ヤマト : いや別にそんくらい痛くねえけど、仲良くてもシメるとこシメとかねえと駄目っつーかさァ……あるじゃん? 鵺 : …すまん 次は用意しておく ヤマト : お、おう。あんま気にすんな、ちょっとおちょくりたくなっただけなんだわ…… ギンゾウ : ま、筋は通さんとなぁ? ヤマト : あーーッ!ランゲツの旦那じゃん飯代いつ返してくれんの? ランゲツ : おや旦那方。またお会いしましたねえ! ギンゾウ : 久しくとは申すまいて。 ギンゾウ : (軽く手を振り ランゲツ : 然り。息災なようで何よりです ランゲツ : ていうかヤマトの旦那は会っていきなりそれですかあ?寂しいな~。ちょいとお待ちを ランゲツ : …… ヤマト : 早めに言わねえとぜってーなあなあにされて返されねえだろ ランゲツ : ……(ニコッ! ヤマト : ………… ランゲツ : ……てへ! ヤマト : (刀の柄でランゲツさんの頭を打った) ランゲツ : あだっ!? ランゲツ : 結構強めに来ましたね今!?いったいなあ…… 封殺ポテト : 人生 ヤマト : ちょっとイラっと来たんだわ。悪気はある ランゲツ : 私にだって返す気はあるんですよ?いや本当に ヤマト ((しまった一気にはPT出来ぬのだった) ギンゾウ : ほう成程。 ヤマト : 残り3人は行方不明 ヤマト : 本当に返す気あんならちょっと付き合えよ…… ランゲツ : えぇ??? ヤマト : おら行くぞ! ギンゾウ : 依頼かね? ランゲツ : あ~冗談ですってばあ~引っ張んないでくださいよ!
ヤマト : (なお実際はお化け屋敷につれていかれる模様
アルマ:おかえりなさい。  今日はどうするの? 鵺 : (侍をなんだと思っているんだ 提案者は私 クエストを開始します。     ------!!!!WARNING!!!!------  当クエストでは以下の行為を禁止しております 「同意無しRPによる殺傷・戦闘・不快行為/QN規約違反行為」 ※PL会話・Tell機能を活用してコミュニケーションをとりましょう※ [最新アップデート] ・クエスト内規約(簡易)をタイトル画面に追加 ・緊急離脱用アイテム   「訣別の加護」を配布・薬屋NPCにて販売 →同意の無いRP・戦闘時から離脱したい場合ご使用ください
[衛兵] 現在南東方面の「グレイスミスト都立図書館」は 改装工事の為封鎖されている。 近日中には再開するため、ご不便をかけるが待っていて欲しい。 ギンゾウ : さてはて、そいで…此方かね。 ヤマト : と見せかけてこっち(イベント会場へ)
※注意:霧の街のハロウィンはハムスター成分を多く含んでいます※  ※苦手な方は回れ右を強く推奨します※  ※←こんなのが沢山います※ [送迎スタッフ] はーい、こちらが会場行きの馬車になりまちゅ [送迎スタッフ] 冒険者様でちゅね? 今キャンペーンで冒険者様は「冒険者ファストパス」という 乗り物を優先して乗れるチケットをお配りしてまちゅ!
[冒険者ファストパス]をもらった! [送迎スタッフ] では、こちらの馬車に乗ってくださいまちぇ    いってらっしゃ~い!!! ギンゾウ : おおっと、馬車が有ったか。 こりゃ失敬。 ヤマト : 連日真面目にやんのは疲れるしそろそろ終わるっつってたからさァ。ちょっと気になってたんだわ ランゲツ : やった~!私ここ大好きなんですよ!!! ↑(青色)…ナイトメアエリア(アトラクション二種類) →(橙色)…レストラン (ピンク色)…おみやげ屋さん ←(白色)…各種デートスポット ギンゾウ : 此方の祭事という事かね。 奇妙なものだなぁ…?(かぼちゃを眺め ランゲツ : やあ今晩は。今日も可愛いですね~。息災でしたか?かわいいなあ~ ヤマト : 変なモン買うなよ [足湯スタッフ] ちゅーっちちち!ここはオレ様が作った 血のように赤いワインが滴る炭酸足湯なのでちゅー! 地獄のような体験をしたければ、靴を脱いで入るといいでちゅ! ランゲツ : (ひたすらハムスターの周りをうろついている) [オオカミ男の仮装をした男性] 今年のイベント広場は また一段と大盛りあがりだな…… ランゲツ : ハロハムキーホルダーなら先日全種類買いましたがね ギンゾウ : …お?(★ロングロング・ハムパンを受け取りつつ) ヤマト : てめっそれでか!?それで全部スッたのか!? [オオカミ男の仮装をした男性] 今年のイベント広場は また一段と大盛りあがりだな…… [オオカミ男の仮装をした男性] おう、イタズラはされたくないからな、お菓子をどうぞっと [★ハロウィンクッキー] を手に入れた。 ヤマト : 長くねえ!? ランゲツ : ち、違いますよお……(目を逸らす 鵺 : なんだその異様に長い…食べ物…? ランゲツ : 長!!!!かわい!!! ランゲツ : これ食べちゃうんですか?勿体無い……部屋に飾りません? ヤマト : 飾ってどうすんだよ。腐るだろ 鵺 : そちらの方が勿体ないだろう ギンゾウ : 斯様な物は中々視られんからな。 饅頭の様な物だろうが… ランゲツ : ……(今気付いたという顔) 鵺 : そんなに長い饅頭があるのか?珍しいな ヤマト : マジ?んな長い饅頭あんの……? ギンゾウ : うどんの中に餡を込める。 ランゲツ : 長饅頭……不思議な食いモンがあるんですねえ…… ランゲツ : わー、頂きまーす ★ハムまんじゅう ヤマト : ………東方にも色々あんだなァ ヤマト : あーっ!そうだアレ!アレ気になってたんだわ!オバケ屋敷!! ギンゾウ : おおっと、本物の饅頭があるではないか。 全て嘘であった事がバレてしまうな、クック… ヤマト : あっ!てめからかったな!! 鵺 : 冗談だったのか?もっとわかりやすいことを言ってくれ ランゲツ : え?何?何がですか???(ムシャムシャ ギンゾウ : 適当な話をでっちあげるのが趣味でな、許されよ。(長いパンを懐にぬっと仕舞い) ヤマト : どこに仕舞ったんだよ!? ランゲツ : おお、手品みたいで面白いですね ギンゾウ : 細かい事は気にされるな。 …それで、"お化け屋敷"だったか? ヤマト : おう、あっち(青い方を指さす)
↑ …体験型ホラーハウス「沈黙のカーター家」 → …絶叫系遊戯「ナイトメア・オブザ・ダイヴ」 ランゲツ : わ~美味しそう。どれ一つ…… ヤマト : 真っ直ぐだったかな。ホラーハウスっつーのが正しいんだっけか ランゲツ : …… [飲み物スタッフ] はーい、こちらは美味しくて冷たい飲み物を 販売していまーちゅ! ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ヤマト : ……ランゲツ、財布の中身どうしたんだよ ランゲツ : え?何?急に耳が遠くなりました私 ランゲツ : いや、さっきお饅頭買ったじゃないですか。 ランゲツ : それで。 ヤマト : ………… ランゲツ : …… ランゲツ : ……てへ! ギンゾウ : 解り易い冗談とはああやるのか?(鵺の方を視やリ) ヤマト : 縮地 燕返し 鵺 : あれは冗談じゃないだろ…残念だが ランゲツ : あべっっっ!!! ヤマト : さっさと行くぞ ギンゾウ : 洒落にもならんとは。(肩を竦め、二人の様子を眺めては) ランゲツ : い……いたい……お化け屋敷に辿り着く前にお化けにな��…… ギンゾウ : クック…そりゃ驚かされそうだ。 ヤマト : 峰打ちに決まってんだろ。マジでやる奴が居るかよ! ランゲツ : 化けて出ますからね~! 鵺 : 成仏してくれ
[案内スタッフ] こちらは体験型ホラーハウス「沈黙のカーター家」でちゅ! 貴方達はカーター家に派遣された保険調査員として 呪われた家に一晩泊まることになりまちゅ! [案内スタッフ] 心臓の弱い方や小さなお子様連れ または強い光や音が苦手な方はご遠慮くださいますよう お願いもうしあげまちゅ! [整列スタッフ] こちらは一般人向けの待機列となっておりまちゅー ぼうけんしゃの方は左側の冒険者ファストレーンからどうぞでちゅ! ヤマト : こっちだってさ [ファストスタッフ] 冒険者ファストパスを確認しまちゅねー…… はい、はい…確かに、確認しまちた! ごゆっくりお楽しみくださいまちぇー! ギンゾウ : 長蛇の列かと思いきや。 ランゲツ : ほうほう。中々に雰囲気ありますねえ ヤマト : 冒険者待たすとめんどくせえからかな。やっぱ堪え性ねえ奴多そうだし [ファストスタッフ] 冒険者ファストパスを確認しまちゅねー…… はい、はい…確かに、確認しまちた! ごゆっくりお楽しみくださいまちぇー! ギンゾウ : 幽霊が増える事になる訳か、それはそれとし。
―貴方達は保険調査員のバッヂをスタッフから受け取れば    大きな洋館の扉を開けて中へと入るのであった…… [セバスチャン] 保険調査員様、お待ちしておりました…
[セバスチャン] まずはこちらで受���をお願いいたします。 [セバスチャン] ようこそお越しくださいました。 私はこの家の亡くなった主…カーター様に仕えていた 「セバスチャン」という執事でございます……… [セバスチャン] お客様の名前をお伺いしてもよろしいでしょうか… ランゲツが[素直に答える]を選択しました [セバスチャン] なるほど… ヤマト 様ですね では、こちらに本日の契約のサインをお願いいたします。 ランゲツが[サインをいれる]を選択しました
-契約書- 「私 ヤマト は本日の保険調査員の契約に同意し、守秘義務の下このカーター家へと一泊することを誓います……」
[セバスチャン] では、お部屋に行かれる前に 何か私めにご用件はありますでしょうか… 鵺 (遠隔サインで笑ってしまった 進めてください…) ランゲツ : はいはい。ここに署名すりゃいいんですね(さらさら) ランゲツが[依頼達成の条件]を選択しました [セバスチャン] 皆様にお願いしたいのは 他のお客様と一緒に、本日カーター家へと泊まっていただき 「本当に怪奇現象が起きるか」どうかの確認をしていただきたいのです。 ヤマト (書かされているwww) [セバスチャン] ですので、何も起こらなければ何もなかった…と 保険会社に報告してくだされば結構です…… 私めとしても、そのほうがこの家を親族が売却される際に安心できます。 [セバスチャン] ……ですが、もし 「怪奇現象」 が起きた場合は 直ぐに駆けつけますので、声を出してお呼びくださいませ… 私めは寝ずの番にてここに居るので、直ぐに駆けつけますので… ギンゾウ (侍なので遠くからでも書ける) [セバスチャン] では、お部屋に行かれる前に 何か私めにご用件はありますでしょうか… ヤマト : ふーん ランゲツ : (やっぱすげえよ侍は) ランゲツが[カーター氏の亡くなった原因]を選択しました [セバスチャン] 主人であるカーター様は……… 錯乱された様子で自室を出ていかれていった後に 裏手の森の中で獣に襲われて亡くなったのです… [セバスチャン] 遺体は酷い有様でした。 熊か狼かなにかに食い荒らされたのか 原型を留めていませんでした… [セバスチャン] 錯乱されていたのはその日だけではありません。 一ヶ月ほどですが「何かがくる」「オレは殺される」と 眠れぬ日々が続き、睡眠薬を口にしていました…… [セバスチャン] 故に、この家に何か霊的な存在がいるのではないか…と 今回皆様に調査をお願いしたわけでございます。 [セバスチャン] では、お部屋に行かれる前に 何か私めにご用件はありますでしょうか… ランゲツが[後で部屋にコーヒーを持ってきて欲しい]を選択しました [セバスチャン] かしこまりました、後ほど お客様人数分のコーヒーをお部屋にお持ちいたします。 [セバスチャン] では、お部屋に行かれる前に 何か私めにご用件はありますでしょうか… ランゲツが[もう大丈夫。(宿泊部屋へと向かう)]を選択しました [セバスチャン] では、こちらが本日お泊りになる お部屋の鍵となります………ごゆっくりお休みくださいませ…
ヤマト : まあ朝まで待てばいいんだろ。余裕っしょ ギンゾウ : 成程の。 ランゲツ : 煎り豆の煮汁も貰えるんですって。有り難いですねえ ヤマト : 不味そうな言い方すんなよ…… ランゲツ : まあ、茶だって草の煮汁ですし ギンゾウ : 嘘か真か、あの豆はダンゴ虫の一種であるとか。 ヤマト : げええっ不味そう ランゲツ : ホントですかあ!?俄然興味が湧きますね ヤマト : 嘘に乗せられんなよ! ランゲツ : 違うんですか?なあんだ ギンゾウ : バレていては仕方があるまい。 さてはて、入るか。 ヤマト : おう
―木製の古びた扉だ…「303」号室と書かれている。
―木製の古びた扉だ…「303」号室と書かれている。 ランゲツが[中へと入る]を選択しました
―貴方はドアノブへと手を回し、中へと入っていく…… ―― なにかの視線を感じた気がした… ヤマト : 案外普通じゃね~?マジで幽霊とか出んの? アンティーク品の本棚が置かれてる… ヤマトが[なにもしない]を選択しました ギンゾウ : 斬れん相手が出んに越したことはなかろうて。 ヤマト : まあなァ。出なくても報酬出るってんだから楽な仕事だよな ―ふかふかなベッドだ…… ランゲツ : 逆に言やあ斬れる相手ならこっちのモンですよ ヤマト : どんな相手が出ても俺らなら大丈夫だろ。な!鵺の旦那! ランゲツ : そうそう、頼りにしてますよ! 鵺 : すまんが斬れない相手は不得意だ そっちでなんとかしてくれ… ヤマト : じゃあ斬れない相手が出た時は諦めて死ぬって事で ―ふかふかなベッドだ…… ギンゾウ : 死に場を見つけたりとは結構結構、某はその隙に逃げると致そう。 ランゲツ : それも有りですねー。じゃないですよ。頑張って下さいよ サイドテーブルの上に手紙が置かれている…… ヤマト : あっなんかあるぜ ランゲツが[手紙を開く]を選択しました ヤマト : ………… ギンゾウ : ほおう?(覗き込み) ヤマト : あっ勝手に見たな? ランゲツ : ふむ…… 鵺 : わかりやすいな… ランゲツ : お前って誰ですかね? ギンゾウ : 勝手にも何もあるか、知らせたのはお主であろうが。 ヤマト : 俺ら全員だろ常識的に考えて ランゲツ : いえね、お前「たち」じゃないんだなーと思って ギンゾウ : 確かになぁ? ヤマト : めんどくさかったんだろ ランゲツ : 仕事が雑ですねえ ギンゾウ : 画数が多いのは確かよ。 ヤマト : あとさァ、書き終わった後にたちって付けたしたらダセェじゃん ランゲツ : 然り。カッコ付けたかったんですね! ギンゾウ : 達だけ小さいというのは… …クックック…
―手紙を元の位置へと戻した。 鵺 : ずいぶんうっかりした脅迫者だな… アンティーク品の本棚が置かれてる… ヤマトが[調べてみる]を選択しました なにかあるかな… 目標値:7 <= 3d+感覚補正 達成値:19([6,6,5]+2) 判定に成功しました ギンゾウ : 上手く事が運び申した。
―何もみつからなかった… ヤマト : (ギンゾウさんにやらせてしまった 鵺 (遠隔調査) ギンゾウ (サムライなので遠くからでもry) ヤマト : (遠隔で事を運びすぎと評判 ランゲツ : (侍なので サイドテーブルの上に手紙が置かれている…… ランゲツが[そのままにしておく]を選択しました アンティーク品の本棚が置かれてる… ランゲツが[なにもしない]を選択しました アンティーク品の本棚が置かれてる… ヤマトが[調べてみる]を選択しました なにかあるかな… 目標値:7 <= 3d+感覚補正 ヤマト : (くっwww 達成値:10([3,1,4]+2) 判定に成功しました ランゲツ : (ンンwwww ギンゾウ : 上手く事が運び申した。
―何もみつからなかった… ヤマト : (意外と鋭い ギンゾウ (なぜなんだwwwwwwww) ギンゾウ : 然し現れんなぁ? 本当に何も無いのではないか? アンティーク品の本棚が置かれてる… ランゲツが[調べてみる]を選択しました なにかあるかな… 目標値:7 <= 3d+感覚補正 ヤマト : ええ~~マジかよ? ギンゾウ (わらっちゃってだめ) ヤマト : (wwwwwwwwwwwww ランゲツ : (やあ 鵺 (くるしい) ランゲツ : (くそwwwww 達成値:14([4,4,4]+2) クリティカル! 判定に成功しました ギンゾウ : 上手く事が運び申した。
―何もみつからなかった… 鵺 (たすけて…) ギンゾウ (クリんなwwwwww) ヤマト : (有能すぎて苦しいwwwwwwwwww ランゲツ : (判定つよさむらいわろた サイドテーブルの上に手紙が置かれている…… ヤマトが[手紙を開く]を選択しました
―手紙を元の位置へと戻した。 [セバスチャン] お客様、コーヒーをお持ちいたしました。 お部屋に失礼させていただきます。 ヤマト : おわっ ―セバスチャンはコーヒーをテーブルへと置いた。 [セバスチャン] では、たしかに…… 他になにかお困りのことなどはありませんか? ギンゾウ : おおっと。 ランゲツ : ああ、こりゃどうも ランゲツが[この手紙は一体…]を選択しました [セバスチャン] 手紙、でございますか?…なるほど 拝見させていただきますね… [セバスチャン] ――――…… [セバスチャン] ………お客様、いいですか? 今から私めが言うことをしっかりと守ってくださいね。 ヤマト : ん、うん [セバスチャン] まずはこちらへ来ていただけますか…?
―大きなクローゼットだ… 中は真っ暗だ… 鵺 : ……こんな狭いところに入るのか? ヤマト : おうさっさと入れや。 ギンゾウ : こりゃ中々。 ランゲツ : 暖まってますよお 鵺 : …… 鵺 : 狭い。 ヤマト : 隠れたぜ
―クローゼットの中は真っ暗だ…    (全員中に隠れてから「準備ができた」を押してください) ランゲツが[準備はできた]を選択しました [セバスチャン] いいですね、先程言ったことを忘れずに 私が安全を確認してくるまでここに居てください。
―また誰かが入ってきた…! ギンゾウ (ンオ 大丈夫かな。) [セバスチャンの声] お客様、朝日が昇りました。 もう出てきてくださって大丈夫ですよ。 …他のお客様にも声をかけて広間へと集合しました。 ヤマト : (大丈夫そう ―どうやら本物?のセバスチャンのようだ…    貴方は打ち合わせ通りにクローゼットの戸を開ける… [セバスチャンの声] よく頑張りましたね…… さあ、行きましょう、広間はこちらになります…! ランゲツが[広間に向かう]を選択しました
―広間にはカーター家の調査にきた他の調査員達と    数名の親族達が座っているだろう… [セバスチャン] これから皆様と一緒に非常階段を降りて 地下水道を通り、街へと避難します… ですので準備を怠らないように… ランゲツが[何故そこまで?]を選択しました [セバスチャン] …実は、他のお客様のお部屋にも殺人予告に似たお手紙が  置かれていたのです……  私めが掃除した時には何もなかったはずなのに… [セバスチャン] これが怪奇現象の一つなのかは分かりませんが…  全員で避難したほうが良いと判断いたしました… もし話を他の方から聞くのであれば、今お願いいたします。 [セバスチャン] 準備が出来ましたら、私に声をかけてください。 ランゲツ : ふむ、随分と雲行きが怪しくなってきましたねえ…… ヤマト : なぁんかさァ。避難って程の事か?っておもうんだよなァ……(小声 ギンゾウ : 斬れんのが不安なのは我等だけではな��ったとみえる。
[セバスチャン] 準備はできましたか? ランゲツが[まだ行かない]を選択しました ヤマト : なるほどなァ…… [アマンダ] ああ、この館は呪われているっ、呪われてるんじゃ…… カーターの奴め、反対を押し切ってこの土地に家を建てるから 祟られたんじゃ、…!呪われてる、呪われてるぅぅぅ… [アマンダ] お前達皆、呪い殺されるぞ…! ひ、ひひひひっ、ひひひひ!!!!!! [エミリー] ……私、エミリーよ… ……………ここの大人たちは嫌い…皆お金のことばっかり考えてるから [エミリー] ……………貴方も、早くお家に帰ったほうがいいわよ… [クリス] や、君とは同業者だよな? オレは青い薔薇保険会社のクリスって言うんだ、よろしく。 [クリス] 君達にも変な手紙が置かれてたのかい? …やっぱりそうなのか…… [クリス] ……なぁ、ここだけの話なんだけどさ …あのセバスチャンって奴、信用できると思うか? [クリス] ふーん…なるほどな、君からはそう見えるのか…… いや、オレから見るとこの屋敷に一番精通していて なおかつ色々仕込みができそうなのはアイツしかいないからな… [クリス] 君も…セバスチャンには注意するんだぞ? [ヘンリー] ああ…オレは銀の爪商会のヘンリーって言うんだ… カーターさんにはちょっとだけ金を貸していて 催促もかねて館の調度品を見に来たんだが…… [ヘンリー] 嫌になっちまうよ…… 変な手紙に窓の外を見たら、ぎょろりとした目玉が2つ 見えたんだぜ…? ここは2階だっていうのによぉ…… [エドワード] 吾輩の名前はエドワード カーター君とは古い知り合いでね…… この家に泊まった理由は、まぁ、友の遺影の前に呑みにきていたのだよ。 [エドワード] カーター君は頑固ではあったが面白くて愛想のいい奴だった。 この家を買う時も、近くの美しい湖で大好きな釣りを 毎日朝から楽しめるという理由で買ったぐらいだからねぇ… [エドワード] 手紙?ああ、吾輩の部屋にも置かれていたね… 内容か……「お前は逃さない」…だったかな ふざけた内容だ、一体誰がこんな悪戯をしているのやら… [トーマス] 私はトーマス、このカーター家を買い取りたくて 下見をしにきたんだよ…だが生憎雨に降られてね…… 寝心地も兼ねて泊まりに来たのさ… [トーマス] 私は心霊現象・怪奇現象の類の大ファンでね… これが本物だったら安い買い物さ、はははは… ヤマト : 色々聞いたけどなんつーか、アレだな。全員に置いてるってことはやっぱめんどくなって俺らの手紙だけ手ェ抜かれたんだろ ランゲツ : 4人も泊まると思ってなかったんでしょうね ギンゾウ : であれば好機よ。 ヤマト : だなァ。ま、斬れなきゃ逃げようぜ ランゲツ : ま、化生の相手は慣れてますから何かありゃあ殿は務めさせて頂きますよ ギンゾウ : そりゃ頼もしい。 鵺 : そうなのか?任せたぞ ヤマト : おう。まあ置いて行きゃしねえよ。飯代返して貰ってねえし ランゲツ : お、意外とお優しいモンで ランゲツ : ご存知の通りちょっと身体が丈夫ですので。盾くらいにはなれましょうよ ヤマト : なァんで死なねえのか正直不思議でなんねえけどな ランゲツ : あはは、面白い芸でしょ? 鵺 : 芸にしては達者すぎないか? ランゲツ : 長い事この芸で食ってますからね~ ランゲツ : さて、私は粗方話は聞き終えましたが。そろそろ参りますか? ヤマト : ん、ああ。そだな ギンゾウ : そう致そうか。 [セバスチャン] 準備はできましたか? ランゲツが[準備はできた]を選択しました [セバスチャン] では、非常階段までご案内します。 足元が暗くなりますが…気をつけて私へと 付いてきてください…! ―貴方達は暗い館の中を進んでいく… ランゲツが[だめだめ、ちゃんと進む]を選択しました
―皆階段を降りていった、自分達も進もう
ヤマト : 行くか…… ―貴方の頬に何かが滴る…(生ぬるい水) ヤマト : うわっ水
ギンゾウ : むお… ギンゾウ : 笠に何か当たったと思うたら、水であったか… ランゲツ : ん……雨漏りですかね? 鵺 : 欠陥工事か? ヤマト : 知らねェけど。やな感じだよなァ ―貴方の頬に何かが滴る…(生ぬるい水) ―近くの窓ガラスにヒビが入った… ヤマト : おわっ硝子割れたぞ ギンゾウ : 面妖な。 そろそろ危うくなって参ったか? ヤマト : かもしんねえなァ…… ランゲツ : うわ、まーた雨漏りかい!も~お屋敷の癖にぞんざいな!
―!何か強い寒気と同時に、後ろから激しい足音と     荒々しい唸り声が響いている…! [???(化け物)] ヴゥ゛゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛、ヴ゛ヴヴウーッ!!! [クリス] おい、なんかやばいんじゃないか?! 早くこっちに来るんだ…!!逃げろ!!!!
―クリスがドアを開けて待ってくれている、急ごう! ヤマト : やっべ!!急ぐぞ!! ギンゾウ : 何奴…! ランゲツ : ッ!旦那方!お先に! ヤマト : てめえも早くこい! [クリス] こっちだ!!早く!!! [エミリー] …冒険者さん、急いで…… 捕まったら殺されちゃうわ………
―君はクリスの手を掴めば、ギリギリの所で    怪物の追撃を交わし、ドアの奥へと飛び込んだ…! [セバスチャン] お客様、ご無事ですか?! ここのドアは私めが抑えます、早く先へ進んでください! [クリス] 駄目だ!館に詳しいお前が抜けたらどうする! さっきは疑っちまったけど、お前が犯人じゃないなら ここのドアはオレに補強を任せて行くんだ!
―この場合、どうすればいい…?! ランゲツが[クリスにドアを任せる]を選択しました [クリス] ああ、ここは腕っぷしも運も強いオレに任せてくれ。 セバスチャン、皆の事は頼んだぞ?! オレもすぐに追いつくからな!!! [セバスチャン] ……く……お客様を残して逃げることをお許しください…… ………行きましょう、彼の献身を無駄にしないためにも……!
ヤマト : ……ぜって~アイツ大丈夫じゃねえだろ ランゲツ : うーん、南無三 鵺 : …(扉の奥に向かって合掌) ギンゾウ : (様子に倣って黙祷の構え) ヤマト : アイツの死を無駄にしねえ為にもさっさと脱出すっぞ [セバスチャン] ああ……なんということでしょう……… 先に逃げてくださった皆様が……
―避難路として選んだ地下水道の道には    先程まで生きていたトーマスとヘンリーの死体が    真っ先に目の前の光景として飛び込んできた… [セバスチャン] 申し訳有りません、私はここでクリス様を ギリギリまで待ちたいと思います… どうかお気をつけて進んでください…… ヤマト : マジ? ギンゾウ : …何たることか。 鵺 : はあ、悲惨だな ―冷たくなっている…ひどい有様だ… ヤマト : 大分ひでえやられ方してんな…… ―何か、笑い声が聞こえたような? ―冷たくなっている…ひどい有様だ… ランゲツ : ……左様で ―何か、笑い声が聞こえたような? ギンゾウ : 獣の様なとは先程聴いた言葉であったが…ううむ。 ヤマト : にしても行儀悪すぎだろうよ…… 無意味に視線を感じる… ―冷たくなっている…ひどい有様だ… ―何か、笑い声が聞こえたような? ヤマト : (「誰か笑ったような……気のせいか」) ギンゾウ : …(見回して) ギンゾウ : 一人足りぬな。 鵺 : …何の話だ ヤマト : 俺、ギンゾウ、ランゲツ、鵺の旦那、あっマジだ足んねえ ヤマト : って全員居るだろ!!! ギンゾウ : ところがどっこい嘘…と言いたいところだが。 仏の話よ。 ランゲツ : はは、実は私が足りんのです。え?違う?はは。 鵺 : うまく逃げ果せたんじゃないのか?そういう奴もいるだろ ヤマト : あ~~~、確かに居ねえような?ヤバい、俺全員の名前覚えてねえし顔も正直怪しい ランゲツ : 今この場に居るのは私らと彼らだけでしょうし、会えばきっと分かりますよ ギンゾウ : ならば好いのだがな、さてはて… すまなんだ。 某の杞憂であったやもしれん。 ヤマト : まっ、それもそうか…… ランゲツ : 杞憂であれば何より、ですがね
――再び先程と同じ気配を感じる…!
[セバスチャン] ここは私に任せて早く逃げてください! この先に鉄格子の扉がありますっ、そこから逃げれるはずです! さあ、早く!!! 急いで走る…! 目標値:10 <= 3d+敏捷補正 達成値:18([2,2,4]+10) 判定に成功しました ヤマト : 重畳重畳…… 急いで走る…! 目標値:14 <= 3d+敏捷補正 達成値:23([3,4,6]+10) 判定に成功しました ヤマト : 重畳重畳…… 急いで走る…! 目標値:18 <= 3d+敏捷補正 達成値:22([5,3,4]+10) 判定に成功しました ヤマト : 重畳重畳…… 鉄格子の扉だ……! けど、扉に鍵がかかっているようだ…!
皆で鍵開け…! 目標値:14 <= 3d+器用補正 ヤマト:失敗・・(12)([1,5,1]+5) ギンゾウ:成功!(20)([4,3,4]+9) ランゲツ:失敗・・(13)([1,5,1]+6) 鵺:失敗・・(6)([1,4,2]-1) ヤマト : ありゃあ? ランゲツ : あれぇー?なんででしょうね? 鵺 : これでいいのか ギンゾウ : 上手く事が運び申した。
―…!! 鍵が空いた…!
―貴方は鉄格子の扉を開け、セバスチャンの後ろ姿を横目に    脱出通路へと飛び込んだ……! ヤマト : (有能侍……
―貴方は薄暗い洞窟の中を必死に走っていく ランゲツ : (やっぱすげえよ 鵺 : (あんたが優勝だよ
―セバスチャンは…追いついてこない…
―…クリスも…後から追いかけてくることはなかった ヤマト : (一番つよい侍かもしれない
―本当に、この屋敷には人間が触れてはいけない    恐ろしい怪奇があったのだ…… 鵺 : (必中も持ってるし… ―首筋に冷たい霧がプシャア!と吹きかかる(失敗者はびっくりする) 目標値:12 <= 3d ヤマト:成功!(14)([6,6,2]) ギンゾウ:失敗・・(8)([4,1,3]) ランゲツ:成功!(14)([5,6,3]) 鵺:成功!(15)([3,6,6]) ヤマト : 重畳重畳…… ギンゾウ : 面目ない。 鵺 : これでいいか ランゲツ : こいつは僥倖! ギンゾウ (くっwwwwwww) ヤマト : (ダメだったかもです
―貴方は最後のドアをくぐり抜け    沈黙のカーター家から見事脱出することに成功したのであった… 鵺 (ずるい……) ランゲツ : (これが乱数調整か…… ヤマト : (褒めるとさぁ……そういうさあ
ギンゾウ : ぬふお…っ!(あたった霧に飛び跳ねる様に出口へ転がり込み) ランゲツ : おわっ!大丈夫ですかい御仁 ヤマト : 大丈夫かい? ギンゾウ : おおっと、お恥ずかしいこって… ヤマト : まあなんつーか笠被ってたりするとさァ、顔は安全な気するよなァ…… ギンゾウ : 然し足元が悪いと適わんて。 出口手前で何度も足を取られてしまった。(ずれた編笠を直しつつ) ランゲツ : あはは。私も大分すっ転びましたよ 鵺 : ああ…ありゃ走りにくかったな ヤマト : 修行が足んねえんじゃねえのォ~? ランゲツ : やあ、もうホントにヤマトの旦那の背中がどんどん遠くなってくモンだから焦りましたよ ギンゾウ : 然しいやはや…途中からすっかり空気に呑まれてしまったなぁ? 出し物という事を忘れていた。 ヤマト : 結構面白かったなァ。案外出来がいいっつーか ランゲツ : 正直に申しまして、私今程ようやく出し物だって思い出しましたね ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… [狼男の仮装をしたバーテンダー] いらっしゃいませ、お飲み物をどうぞ。 ヤマト : ランゲツの旦那まーた水飲んでら…… ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ランゲツ : お水はタダで頂けるので。 ギンゾウ : …(下戸なのかい、と聴きかけて口を噤んだ… のは、幸運なことに視えないだろう) ヤマト : ……今度依頼行く時は誘ってやっから…… [狼男の仮装をしたバーテンダー] いらっしゃいませ、お飲み物をどうぞ。 取引をしました。 ランゲツ : わあ、助かります 2ルド失った。 [烏龍茶] を手に入れた。 ヤマトは、烏龍茶を使った。 ごくごく…… ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ギンゾウは、日本酒(冷)を使った。 きゅぅー……ぷはぁ… [狼男の仮装をしたバーテンダー] いらっしゃいませ、お飲み物をどうぞ。 ヤマト : ま~休憩したら帰るぞ~遊び疲れたわ ギンゾウ : いやはや、まことに。 ランゲツ : いやあ、存外楽しかったですねえ ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ギンゾウ : 祭は好い物よなぁ? ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ランゲツ : ええ、左様で。たまの息抜きってのもいいモンです ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ランゲツは、おいしい水を使った。 ごくごくごく… ヤマト : …… ギンゾウ : … 鵺 : … ヤマト : タダだからっつって飲み過ぎだろ ランゲツ : 旦那……? ランゲツ : 鵺さん……? ランゲツは、日本酒(冷)を使った。 きゅぅー……ぷはぁ… ランゲツ : (感激) 鵺 : ………(憐みの目) ランゲツ : 美味しい……この御恩は一生忘れません……覚えているうちはですけど…… ヤマト : あんま甘やかすなよ……つーか鵺の旦那も大分素寒貧だったろ…… ギンゾウ : 成程、よき友よな。(からからと笑い) 鵺 : また依頼にでも行きゃいいだろ… ランゲツ : いやはやこのランゲツ、酒は飲まんようにしていたんですが。コイツは良く味わって飲みませんとね……(ちびちび ヤマト : ま、違いねえや。 鵺 : 今日はそれで終わりにしとけよ。腹切ったときに余計見苦しくなる ランゲツ : はは、いつもより凄いのやりましょうか 鵺 : いやいい… ヤマト : マジで死んだらどうすんだよそりゃ ランゲツ : なんでぇつまんねえの…… ランゲツ : 死んだらそん時ですわな。はは ギンゾウ : 死に場所が多いこって。 然しま、今晩はいいでしょうや。 ギンゾウ : 折角の酒が溢れたら勿体ない事で。 ヤマト : はは、折角奢ってもらったんだから有難く飲めよ ランゲツ : あ~、そりゃ確かに。腹から血と一緒に酒も流れちまわあ!あはは! ランゲツ : うい……頂きます…… ランゲツ : (だいぶ酔っているようだ) ヤマト : あ~そうだ。ギンゾウ!また会うかもわかんねえけど、今度依頼行く時は呼ぶわ。 フレンド要請しました。 ギンゾウ : おおっと、そいつは有難い。 ギンゾウとフレンドになりました。 ヤマト : つーわけでほい(適当に名前と宿の部屋番号を書いた紙を渡した) ギンゾウ : 謹んで御受け致そう。(受け取ると、同じく自分の物も記しては手渡し) ランゲツ : あ~!ずっこ!俺も! 鵺 : …では俺も ヤマト : めっちゃモテてんなァ 鵺 : (冒険者手帳の適当なページを千切って渡す) ランゲツ : あ、この部屋ね、俺のじゃねえんでたまに居ないけども。居ないときゃその辺の道で寝てるんで ギンゾウ : クック…有難い事よ、その時は存分に振るわせて貰おうではないか。 ランゲツ : (鵺の渡した紙をひったくってその下に書き込んだ) ギンゾウ : 応とも、某もふらつき者故な(二人にも返し、三頁が歯抜けになった手帳をひらひらと振り) ヤマト : んじゃ、そろそろ帰るかァ ランゲツ : んー…… ギンゾウ : 夜も更けてきた頃合いよな、そう致すか。 ヤマト : めっちゃ足元ふらついてんなおい ギンゾウ : …だいぶ回っているのではないか? 鵺 : おい白髪、大丈夫か ランゲツ : いやあ~ごしんぱい?めされるな ランゲツ : ぐぇ(転んだ ランゲツ : …… ヤマト : …… 鵺 : 大丈夫じゃなさそうだな… ヤマト : 置いて帰るか ランゲツ : すぅ…… ギンゾウ : 斯様な殿は本意ではなかろうて… ギンゾウ : (肩を貸そう…としたが既に寝息を立てているのを視やると) ランゲツ : (ピクリとも動かない) 鵺 : チッ…俺が呑ませたからか?なら俺が連れて帰る ヤマト : お前等さァ……あんま優しくするとつけあがるぞマジ…… ランゲツ : んぇ……? 鵺 : (衿首をガシと掴もうと) ランゲツ : ……ぐえ 鵺 : (そのまま引きずる) ギンゾウ : 任せるとしようかね。 馬車の中で目を覚ますと好いのだがなぁ? ヤマト : おう、帰ろうか 広場に戻りますか?
[オオ���ミ男の仮装をした男性] 今年のイベント広場は また一段と大盛りあがりだな…… [オオカミ男の仮装をした男性] おう、イタズラはされたくないからな、お菓子をどうぞっと [★ハロウィンクッキー] を手に入れた。 [軽食スタッフ] はーいでちゅ、ここでは 中央エリア限定の軽食を売ってまちゅよー ギンゾウは、★ロングロング・ハムパンを使った。 ―頭から食べる派?お尻から食べる派?    ギンゾウは6回復した。  ([3]+3) リーンに帰りますか? ヤマト : (クリアしちゃおうかなせっかくなので ランゲツ : (よいわぞ) 鵺 (了解しました!お化け屋敷クリア) ギンゾウ : (斯様に致そう クエストをクリアしました。 ヤマト : 簡単な依頼だったねェ 鵺 : 骨の折れる仕事だ ランゲツ : いやあ、重畳重畳! ギンゾウ : 此れにて一件落着。
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weeklyliberty-blog · 8 years ago
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「ナチズム」対ファシズム、前者の見地での二篇
訳序
世界大戦以降、世界は徹底的な脱ナチ化を経験したが、それに匹敵するような冷戦後の脱ボル化は決して起こらなかった。いわゆる「文化的マルクス主義」(田中英道『日本にリベラリズムは必要ない』を見よ)に活力を与えているのがこの反枢軸思想である。したがって、いかなる右翼にとっても国民社会主義の再評価は一定の意義がある。
しかし、「ナチズム」――国民社会主義の蔑称――及びファシズムという言葉を乱用する人間が後を絶たない。特に左翼は約百年前にイタリア簒奪を阻まれた恨みで、敵がみなファシストに見える精神病を患っている。そして、彼ら左翼こそが歴史を語る。
我々は国民社会主義とファシズムを正しく理解しなければならない。なぜならば、それは現世界秩序の起源たる第二次世界大戦に関わるからである。その唯一正しい方法は、後付けと外様のレッテル張りをすべて懐疑し、その概念を当時の当事者の言語に即して再建することであろう。その手間を嫌うにせよ、おそらく最善の手がかりは現代の国民社会主義者やファシスト自身の言葉に耳を傾けることで得られる。
本稿では隔絶した二人の国社主義者が同じ主張に達する事例を目にすることができる。
戦中・戦後の自由主義者の大きな誤りは、「蹄鉄」や「共産ファシズム」、「赤褐色」に託けて、政敵を適切に格付けせず、すべて同一視してしまう怠惰さにあった。もはやこの知性の放蕩に耽る余裕はない。国民社会主義・ネオ国民主義(*)は現行社民体制の共産主義(「文化的マルクス主義」)政策よりはるかにマシであると、すべての右翼が認めるべきときが来ている。
*ネオ国民主義(neo-nationalism):二〇一〇年中葉の欧米の移民受け入れ政策を機に発生した反移民イデオロギーの総称。
第一篇 ウィリアム・ピアス博士、国民社会主義とファシズムの違いについて
アドルフ・ヒトラーの国民社会主義はもっと一般的に定義される「ファシズム」の類型や変種であるという観念はマルクス主義のプロパガンダと分析の主要生産物である。実際、マルクス主義者はこの虚偽の主張する際、国社を自認する者の思考を汚染するほどカン高くしつこかった。(事例:ベニート・ムッソリーニとアドルフ・ヒトラー、一九四一年において)
一九七〇年の頃、ウィリアム・L・ピアス博士は「国民社会主義者のための一問一答」というコラムでこの論点に取り組んだ。このコラムが掲載されたのは『ホワイト・パワー:白い革命のニュースペーパー』であり、これは国民社会主義白人党の大量流通タブロイドであった。(ピアス博士はこの号の「共同編集者」としてリストに載っている。)
問:リベラル〔左翼リベラル〕はしばしば国民社会主義者を「ファシスト」と呼びます。彼らのこの習慣は正しいのですか?
答:リベラルは「ファシスト」というレッテルを、彼らが嫌悪したり危険とみなしたりする理念の誰に対しても――保守主義者に対してさえ――貼り付けます。特定のイデオロギーの信奉者に限らず、彼らはこの用語を侮辱語として使う傾向があります。そうして、どんな政敵に対しても「ファシスト」というレッテルで侮辱することに正当性を感じているのでしょう。
問:えっ、では国民社会主義者が「ファシスト」を自称するのは適切ですか?
答:決して適切ではありません。我々がこの用語を使うときは、事実上つねに、ベニート・ムッソリーニがイタリアで創始した統治システムに関する特定の社会政治学説の信奉者――大文字のFでのファシスト(Fascist)――を指しています。
リベラルにとって重要には見えないようですが、国民社会主義とファシズムには深い違いがあります。
問:しかしわたしはファシズムも国民社会主義も高度に集権化した権威主義的で強度に国民主義的な形態の政府であり、活動の仕方にはわずかな違いしかないと思っていましたが。
答:あなたはリベラルが著した教科書を多く読みすぎました。確かにファシスト国家と国民社会主義運動は権威主義的ですし、どちらも強い社会的基盤をもちます。しかも、アドフル・ヒトラーの国民社会主義政府とムッソリーニのファシスト政府はどちらも集権化した全国的な基盤において国民的社会的刷新の綱領のほぼすべてを経営しました。どちらの政府も計り知れないほど大衆的な熱狂を生み、これが公共の膨大なデモンストレーションとセレブレーションに現れました。これらすべてが見かけ上の類似に寄与しました。しかし二つのシステムの違いは決してわずかではありません!
問:それらの違いの幾つかは何ですか?
答:本当に根本的な違いは両システムの下での国家と人種の役割にあります。
ムッソリーニの言葉では、
ファシストの国家の着想は総括的である。その外には人間的または精神的な価値は存在できない、いわんやどんな実質的価値をや。かく理解され、ファシズムとは全体主義的であり、ファシスト国家――全価値の総合兼単位――は人民の全生命を解釈し、開発し、強化する……。それは国家を生成する国民ではない……それはむしろ、人民に意志を、ゆえに実質的生命を授けながら、国民を生成する国家である……。ファシストの着想では、国家は絶対者であり、その前では諸個人と諸集団は相対者である……。
かたわら国民社会主義者にとっては、最も重要なのは我々の人種であり、国家ではありません。アドルフ・ヒトラーが『我が闘争』に記すとおり、
国家は目的への手段である。その目的は物理的及び精神的に類似した被造物の共同体の維持と前進にある……。この目的に尽くさぬ国家は出来損ないの怪奇体である。(II:2)
この態度の基本的な違いには多くの重要な帰結があります。たとえば、ファシズムの下では国家の責任を受け入れるかぎり、人種的素性にかかわらず誰もが市民でありえます。かたわら、国民社会主義の下では人種的共同体のメンバーシップが市民の第一要件です。(WHITE POWER: The Newspaper of White Revolution, number 11, January-February 1970, p. 5)
ジェームズ・ハーティングのコメント
ピアス博士が討論した理論的考察を別としても、ファシズムは歴史的には人種とユダヤ問題の枢要な論点で悪名高いほど弱腰だった。これはムッソリーニの原典とオズワルド・モズレーのもののような盗品の両方に当てはまる。
一九一四年から一九三五年まで、ムッソリーニの愛人兼腹心、政治的顧問は裕福なイタリア系ユダヤ人知識人マルゲリータ・サルファッティであった。彼女はこの期間に疑問の余地なくファシスト学説と政策へ影響しており、おそらく国民社会主義とヒトラー運動に対するドゥーチェの初期の敵意の原因である。
ファシスト政策のもっと公的な例はイタリア人による一九三五年のエチオピア侵入と征服である。この行為は国民社会主義の立場からは絶対的に正当化不可能である。他の批判をすべて措いても、数千万人のエチオピア人をムッソリーニのネオ・ローマ帝国に持ち帰ることの結末はイタリア人の血筋の破滅的な人種汚染であっただろう。最も強行な反混血法を定めても、ネグロ遺伝子は時経るほどイタリア人の遺伝子プールに流れ込み、そこからアーリア人ヨーロッパ全土に迷い込むだろう。
わたしは人種とユダヤ人に対する態度と政策がファシズムの第二次受肉の期間に、一九四四年~四五年のイタリア社会共和国で、顕著に良くなったことには気づいている。ファシストはドイツ人からの直接間接の圧力の下で、ヒトラー派新秩序に与するよう努力した。しかしそれは少なすぎたし遅すぎた。
ファシスト運動の外縁で、ユリウス・エヴォラ男爵(1898-1974)はファシズムに人種のイデオロギッシュな基盤を設けようと努めたが、彼の努力は要件を満たさなかった。エヴォラの理論は国民社会主義の科学的生物学的レイシャリズムとは相容れない「精神的」レイシャリズムに基づいていた。エヴォラの理論はハインリヒ・ヒムラーの指示でSSにより調査され、非国社であるとして公式に拒絶された。
ファシズムをもっと広く定義して一九三〇年代と四〇年代の平行諸運動をすべて「小文字のf」ファシスト(fascists)に包含したがる運動が幾つかあることは知っている。スペインのファランヘ主義者、ハンガリーの矢十字運動、ルーマニアの大天使ミカエル軍、ノルウェーのヴィドクン・クヴィスリングの国民連合。その皮相的な類似にもかかわらず、これらの運動はそれぞ���イデオロギー上では互いに判明であった――そして、ヒトラーの運動とは程遠かった。各国は各自の国民復興を、各国の独特の歴史的経験と当座の政治的必要に基づいて生産した。それらの運動が一九四五年以前の世界で存在するためにどんな正当化をもっていたにせよ、それらは二十一世紀においては無である。というのも、二十一世紀に我々の運動が前進する道を敷いたのはただ国際的汎アーリア人ヒトラー運動だけだからである。
ピアス博士の運動キャリアについての注記――ウィリアム・ピアスの運動キャリアは三つの期間に分けられる。
前期:一九六〇年代初期から一九六七年のリンカーン・ロックウェル暗殺まで。この期間において、彼はロックウェル司令官の顧問として尽くし、『国民社会主義世界』の初めの複数号を生産したが、それ以外の彼の活動関与は最小限度であった。
中期:一九六八年から一九七〇年まで、ピアス博士は自ら党員であり指導的な幹部であった国民社会主義白人党と書記長を務めた国民社会主義者世界同盟で活発な役割を演じた。
後期:一九七〇年の国社白人党と世界国社同盟からの離脱についで、彼は『国民青年同盟』を引き継いで作り直し、後に『国民同盟』と名付け直した。この長く生産的な運動関与の期間において、四冊の作品を著し、長大な『アメリカ反体制派の声』を放送し、数えきれない演説をうって、無数の記事���詳論、社説を書いた。
彼はアメリカ・ナチ党と国社白人党を支持した初めの二つの期間において、自らを国民社会主義者であると公然と同定しており、彼の著作物は明示的に国社であった。第三の期間においてはもはや公然とは自らを国社に同定しなかったが、彼の書くこと、彼の言うこと、彼の成すことはすべて、明示的にではなくとも、暗に国民社会主義者であった。
ピアスが一九六六年に『国民社会主義世界』で著した内容と二〇〇二年に『アメリカ反体制派の声』で放送した内容にイデオロギー上の不連続性はない。むしろ、彼の言葉はアメリカ・ナチ党への関与の始まりから彼の生涯の終わりまで継ぎ目のない全体を構成している。わたしはウィリアム・ピアスが生産したすべてを、いつ生産されたかにかかわらず、アメリカ国民社会主義の重要な統合的部分であると考えている。
第二篇 国民社会主義とファシズム
「ヒトラーは精神の船、半神であり、もっとうまく言えば、神話である……ムッソリーニは人だ」―カール・ユング
国民社会主義とファシズムの唯一の関係はどちらも資本主義共産主義二分論への対抗であることにすぎなかったし、これが彼らの政治的同盟を説明するのだが、国民社会主義ドイツとファシスト・イタリアの枢軸側の繋がりは(ヒトラーの思考への主な影響源はムッソリーニであったと笑止千万にも主張するイタリア人プロパガンダとともに)国民社会主義とはファシズムの分家、あるいはファシズムの特殊なブランドであるという通俗的な誤着想に至った。反シオニズムは本来はファシスト・イデオロギーの部分ではなく、国民社会主義ドイツの台頭の後で同盟を固めるために付け加えられたにすぎなかったことは注目に値する。また、第二次世界大戦が終盤に向かうにつれて、国社ド労党(国民社会主義ドイツ労働者党)はファ国党(ファシスト国民党)に対し、後者がシオニスト連合と手を取って彼らの敗戦に寄与していたと考えて明確に感情を害していたことも注目した方がいい。
「根はファシズムの過剰評価に遡る。ヒトラーは第一次世界大戦の全く幻滅ものの経験に気づかず、少なくとも一九四三年まで、ムッソリーニの意志はイタリア人民を仕立て直すこと、人民を新たな水準に引き上げることであろうと確信していたようであった」―アルフレート・ローゼンベルク
にもかかわらず、国民社会主義をリバタリアンなど小さな政府提唱者により容易に却下可能な総称的ファシスト藁人形に調整するため、シオニスト・エージェントはこの合成を第二次世界大戦後にも押し付けてきた(国民社会主義者を「ファシスト」と侮辱しながら。我々はこれをまったく受け入れない)。現在のファシストがかった陣営とリバタリアンがかった陣営の間に新しい敵対的二分法を形成することで、国民社会主義はこの討論からは政治的に離れており、イデオロギー上でははるか上を行っていると気づくことが重要である。
権力への意志(対)自由への意志
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「かくも多くの憎悪者が考えていそうなこととは対照的にも、ファシズム自体は国民社会主義ではなかった。それは政治的――及び経済的――システムであり、政治以上の信条ではなかった。それは実践的な当座の――期限付きの――意義の運動を鼓吹したのであり、宇宙的な範囲のものではなかった」―サヴィトリ・デヴィ
我々はファシズムで、社会を団結させエネルギーを加えるために、経済とメディアその他の国民的機構に対し公然と国家主義を使用する独裁制を意味する。それは棒の束は一本の棒よりはるかに壊れにくいという意味での結束での強さの原理を寿ぐ古代ローマのファスケスに象徴される。実際、ファシズムの好例はムッソリーニのイタリアではなく古代ローマ自体であるに違いないという、ルドルフ・ヘスが触れたとおりの強い議論が提出されうる。いわく「辛いとき、ローマ人は若く有能な指導者に全権力を与えた――ローマ人は統治するとは何かを知っていたのだ! 彼らは『人が歴史を作る』ことを知っていた」。ムッソリーニのイタリアはムッソリーニ以前には深く分断されていた社会を急速に纏め上げるこのローマの象徴の復活というわけで現代世界でのファシズムの良い例である。とはいえ、「ファシズムは民主制への道中の独裁制である」という彼の言葉を考え合わせるに、ムッソリーニは根本的な水準では民主制に反対しなかったことが注目されねばならない。北朝鮮のチュチェ(「主体」、統合主義の意)は自称こそせざれ現在実行中のファシスト体制の好例である。それでもやはり、ファシスト(特にそう自称する者)は定義ゆえその考え方において本質的にローマ的である。
かくて、アンティファ/主流派メディアのレッテル張りとは対照的にも、統一ではなく民族的か宗教的かの線に沿って社会の分断を創造する人種主義極右諸集団は、ちっとも正真正銘のファシストではなく、むしろその真逆である。それらは棒を多くの束に分けて、すべての棒が壊れるまで一方の束で他方の束を叩き付ける。我々は彼らを擬似ファシストであると、真正ファシストとは逆であると言う方がいい、ちょうどネオナチ主義が真正国民社会主義とは逆であるがごとし。ムッソリーニが言ったことを――「生物学的に純粋な人種が今日まで存在を現しているとわたしに信じさせるものはないだろう……人種の譫妄は国民の誇りには必要ない」と言う極右はいない。ローマ人の考え方に共鳴するのがムッソリーニの見解である。かたわら、極右の見解はローマ文明ではなく西洋文明から来るのであり、ゆえに、極右としてはアラゴンのフェルナンド二世とカスティーリャのイサベル二世の人種主義者/イスラム嫌悪者の紋章学に因んでファランヘ主義者を自称する方がまだ正確であろう。(ファランヘ主義はフランシスコ・フランコ(ユダヤ人)治世下のスペインのイデオロギーであった。公然たる親ユダヤ人だったフランコと初めて会ったあと、ヒトラーはもう一度フランコと会うくらいなら同じ量の時間を歯医者に歯を引っこ抜かれるために費やした方がまだマシだろうとムッソリーニに語った。ムッソリーニはちっともイスラム嫌悪者ではなかった。彼はイスラム教徒をファ国党に加えるのみならず、参加を促すため特別にAML(リクトルのイスラム教徒協会)を設けた。そのようなものとして、我々は擬似ファシストからファスケス――統合の象徴――を取り戻すための真正(すなわち、非人種主義的、非イスラム嫌悪的)ファシストのありとあらゆる努力を支持する。それはちょうど、我々真正国民社会主義者がネオナチからスワスティカ――高貴の象徴――を取り戻しているのと同じ在り方である。
ローマ人は人種主義者ではなかった、ゆえにファシストも人種主義者ではないはずだ。
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ファシスト国民党は決して人種主義者ではなかった。事実、軍役の見返りの市民権はアウグストゥスが始めて実施したローマ政策であり、ムッソリーニはコピーしたにすぎない。
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これがファシズムである。この理念を嫌う者は「ファシスト」ではなくファランヒストを自称した方がいい。
かたわら、国民社会主義をファシズムの一種と言うのは菜食主義を料理の一種と言うのも同然である。その言明は技術的には間違いではないが、原因より結果に焦点を当てることで知性的には治安妨害の罪である。ファシズムと国民社会主義の鍵たる相違を理解する最も単純な仕方はそのレトリックの本質を検分することである。
ファシズム:我々が一丸となれば、望むがままにどんな目標でも達成する権力を得るだろう。(「他人が歴史を書いている間、我々が手を拱くままなのは屈辱的である。誰が勝つかは大した問題ではない。人民を偉大にするには彼らを戦闘に送る必要がある。たとえそれが酷い仕打ちであってもだ。これこそわたしがすることである」――ベニート・ムッソリーニ)
国民社会主義:これが我々の目標である。これを達成する唯一の方法は一丸となることだ。(「彼らは果たすべき使命があるという感情に鼓吹されるのであり、我々は彼らをあまり扇動しない方がいい」――アドルフ・ヒトラー)
ファシズムは最初に目標を特定しない。そうせず、――恣意的な目標を成し遂げるための国民権力の形での――参加の見返りを個人に約束する。ムッソリーニの最も有名なスローガン、「国家の中にすべてあり、国家の外に何もなし、国家に抗する者はなし」は、他のすべてを国家への積極的か消極的な影響により測定するが、国家それ自体の価値を測定できるような固定的な目標を何も差し出さない。言い換えれば、権力それ自体がファシズムの精神的動機付けであり、ファシスト国民の業績はつねにその権力を自分や他人に誇示する単なる軽率さとなる。かたわら、国民社会主義は権力とは厳密には目標――搾取の終わり――を成し遂げるための手段であると言い張りこれが最初に具体化され、しかる後に他のすべてが収束する焦点を設ける。たとえば、ファシストは政治一般と戦���特殊を性格作りの最善の方法の一つであると考え、ゆえにその経験上の価値のためにそれらに参加することに喜びを感じる。かたわら、国民社会主義者はそれらを不幸な負担であると考え、ゆえにそれらに対して純粋に義務感から、純粋に敵を倒す目的からアプローチする。ヒトラーいわく、「戦争指導者とはわたしがわたし自身の意志に反することである。わたしの心を軍事問題に適用するとしたら、それは差し当たりわたしよりうまくそれをやれる者が誰もいないと知るからである」。国民社会主義は個人的参加を栄光ではなく義務として動機付ける。国民社会主義は熟達ではなく高貴を価値付ける。我々の効能(効果)は統一での強さであるかもしれないが、我々の大義(原因)は高貴での統一である。
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鍵十字が肝であり、武器は道具にすぎない。
ファシズムは、その指導者が国民を強く保つかぎり、その国民が存在する目的について実際には(指導者含め)誰も知らないか気にしないでも、完全に成功であることができる。これは国民社会主義には当てはまらず、目的への忠誠が最優先である。したがって実践的にはファシストは単なる国家主義者な栄光漁りであり、かたわら国民社会主義者は真正のイデオロギー戦士である。幾人かのファシストは間違って国民社会主義者を自称する。それらが起こる理由は普通、ファシストのパースペクティブで、彼らが国民社会主義ドイツの秩序と効率性に感銘を受けるからである(ヒトラーが記述したとおり、「新帝国にはたった一つの軍、一つのSS、一つの行政しかないという事実は並々ならぬ権力効果を生み出すだろう」)。逆は起こらない。真正国民社会主義者をファシストと呼ぶことは、我々が単なる道具としてではなく目標としての強さに動機付けられていると示唆することであり、侮辱である。
「『時の』人はまったくイデオロギーをもたないか、まったくもっていないふりをする、あるいは彼らは『時を越え』るか『時に逆ら』う信仰に仕えるふりをして、彼ら自身の目的のために後者を食い物にする(神の名において自分のために戦う偽者クリスチャン全員と同じであり、自分を権力へと動かすつもりでしかないのにスワスティカの旗の下で戦う偽者国民社会主義者全員と同じである)」―サヴィトリ・デヴィ
混乱の一部はファシストと国民社会主義者の両者が「物質主義」を批判するところを、この言葉が各陣営で異なる使い方をされていることに気づかぬまま、傍観者が見ることから生じている。ファシスト(と多くの正統派ユダヤ人)は「物質主義」で単に消費者生産物を意味するにすぎず、これが行き過ぎると諸個人の権力動機を散らしてしまう。国民社会主義者は「物質主義」で、単なる消費者生産物ではなく、ファシスト(と多くのユダヤ人)が崇拝する権力動機それ自体を言っている! 我々の眼では、国民権力のために消費者生産物を手放すファシストは消費主義者であると同様に物質主義者であり、単なる集団主義者にすぎない。
そのイデオロギー上の劣等性にもかかわらず、その独裁的政府形態の優位のためであれ、ファシスト国民はもっと有意義な何かへと急速に発達する可能性をもっている。たとえば、宗教が外的目的を埋め合わせ、国民がその宗教を真剣に追求するに足るものと受け取る(ベルギーのための「キリスト教社会主義」イデオロギーとされるレクシスム実験に導いた、レオン・ドグレルのクリストゥス・レークス〔キリスト王〕概念のような)場合や、あるいはその指導者が時を経るごとに国民社会主義に転向する場合である。これを念頭におけば、我々は一般的にはいかなる国においても随時のファシスト指導部の政治的見解に同意しないときでさえ民主主義国家よりファシスト国家を選好すべきである。それは少なくとも問題を――大衆のためよりはむしろ――指導者のための勝利に、我々のイデオロギーに単純化する。
「文化が政府下の要素であったと言えるのはローマ帝国だけである」―アドルフ・ヒトラー
我々は国民社会主義者として共通の実践的目標のために、ファシスト指導が合理的で尊敬に足るパーソナリティーであるかぎりは真正ファシストとの同盟に心を開かなければならない(すなわち、反シオニズムのために。「考えてみよ、ローマ人はユダヤ人が所持する最も神聖な物をあえて没収した。彼らの神殿に積み上げられた黄金を!」―アドルフ・ヒトラー)。かたわら、人を腐敗させる権力と壮大さの誘惑は決して過小評価されてはならないので、国民社会主義者は自身がファシストに堕落することを警戒しなければならない。これは国民社会主義ドイツが十分に直視し続けられなかった一つの挑戦である。我々は反シオニストとして、シオニスト・エージェントがどこであれ国民社会主義に対する可能ファシズムを、ファシズムに対する擬似ファシズムを促進し、彼らが「ファシズム」と呼ぶが実際には擬似ファシズムである広い旗の下で互いの区別を混乱させて、そのような運動を支配しシオニスト・アジェンダに仕える目的で、独裁制運動に浸透するためにありとあらゆることを成してくるだろうと予想する。
超人(対)敵破壊者
「快楽」といわゆる「栄光」への欲望……は野蛮人の印である」―デイヴィッド・マイアット
想定の上でのニーチェとヒトラーのイデオロギッシュな結合は一九三三年のニーチェ文庫でのヒトラーの紛らわしい写真以外に根拠をもたないが、彼はそこに率先して訪れたわけではなく、エリザベート・フェルスター(国社ド労党の資金提供者)の強要で尋ねたのだった。ヒトラーが国民社会主義をニーチェに鼓吹されたものと考えた証拠はない。対照的にも、彼はハンス・シェムのような人たちとの私的な会話で、国民社会主義をニーチェ起源と仄めかそうと試みたトゥーレ協会の会員を非難した。ヒトラー自身の言葉で、「わたしはこういうことを繰り返しはっきりと禁じてきた! すべてのくだらない『こと』が起こった。至祭だのヨルムンガルドだの、ドイツの先史から掘り返してきた、くだらないものが! それから彼らは十五歳の少年たちと一緒にニーチェを読んで、支離滅裂な引用句を使いながら、超人の図を描いて少年を言い含める――『これがお前だ……あるいは、これこそお前が成りつつあるものだ』と」。事実、ヒトラーの主な哲学的影響源は疑いなくショーペンハウアーであり、彼はその本を第一次世界大戦期の兵士として自ら研究したし、後に自称ショーペンハウアーの弟子なるディートリヒ・エッカートの下で再び研究を行った。アルフレート・ローゼンベルクは彼らの私的研究集団の日々を振り返る。「わたしがときどき彼に会いに朝訪ねると、彼は階段でわたしに会うや、その場でわたしに彼の最近の努力を語っていた……また、エッカートは彼の愛しのショーペンハウアーのまたもう一つの美しい一節に出くわしたのだろう、その場でわたしに読むよう言ってきた」。ヒトラーの他の大影響源はワーグナー(彼自身、偶然ではなしに、ショーペンハウアーの弟子)であり、彼は次のとおり言うほどであった。「国民社会主義を理解したい者は誰であれまずワーグナーを知るべきだ」。対照的にも、ニーチェのワーグナーとショーペンハウアーの両者についての意見は否定的であった。(「精神病の一種としてワーグナーとショーペンハウアーを見る無駄な努力が成されてきた。もっと科学的に、両者が代表するものを一種の退廃であるとすることで、計り知れぬほど本質的な洞察が得られるだろう」―フリードリヒ・ニーチェ)したがって、国民社会主義にとりニーチェ主義であることは不可能である。ニーチェ主義な政治的イデオロギーがあるとすれば、それはファシズムである。
ファシズムは内的には超人の概念とよく適合するし、ファシストがその政治的見解に加えてこの理念に魅了されることはありふれている。対照的にも(そしてシオニスト学会の主張にかかわらず)、国民社会主義は、一貫してアーリア人ミュトスに付き合うものであり、敵破壊者(アルハット……阿羅漢)の古代概念ともっと適合する。この二つの違いは、超人は(字義的には「人」の条件を「超える」ことでの)期待上の条件への前進であり、それをトランスヒューマニズムの精神的形態とするのに対して、敵破壊者は(字義的にはこの条件を腐敗させた「敵」を「破壊する」ことでの)本源的条件への復帰である。それゆえ前者は非アーリア人の無限増加の精神性に基づき、かたや後者はアーリア人の本来的高貴さの精神性に基づく。
「名声は勝ち取るべき何かである。名誉は失ってはならぬ何かである」―アルトゥル・ショーペンハウアー
ファシストは主な人間的二分法を主人と奴隷と見て、彼らは主人たらんと欲する。対照的にも、国民社会主義者は主人と奴隷を同じものの二つの側面であると考える。すなわち、野蛮人の二面であると。国民社会主義者は異なる人的二分法をみる――野蛮人と騎士だ。彼らは騎士たらんと欲する――虐げられる者みなの擁護者、虐げる者みなを破滅させる者。野蛮人は精神的奴隷であり、いかに強かろうと主人になってのける者はいない。なぜならば彼は高貴さ[1]を欠くからである。ただ騎士だけが真に自由[2]である。
「ニーチェのツァラトゥストラ。わたしはすぐに作品全体を吸収しようとしたが、何かわたしとは相容れないものが突っかかった。後で気づいたが、それは完全であるよちはむしろ頑迷であるように思われる、極度に病的な、芝居じみてすらいる要素であった」―アルフレート・ローゼンベルク
パリの判断
「組織は必要悪にすぎない。それはせいぜい一定の目的に達するための手段にすぎない。それが目的それ自体になるとき、最悪の事態が起こる」―アドルフ・ヒトラー
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神話学において、女神ヘーラーとアテーナー、アプロディーテーはパリの至上美の評言をめぐって争い、アプロディーテーが判定を受けた。ここでの要点はパリが間違った選択を行ったことではない。我々は政治的革命家としてすでにアプロディーテー――純粋に私的な性質の満足感を表象する――が間違った選択であったことを知っている。三者間コンテストの要点は、間違った選択肢が二つあることを我々に警告する。
「ここでは彼自身の名前でさえ正しいのがよく分かる。ユングいわくドイツ語の『フロイト』は快楽を意味する。そしてフロイトは彼の理論を性的快楽に集中した。『アドラー』はドイツ語では猛禽類であり、彼の心理学説はその基盤を権力本能に置いた。『ユング』は若さであり、この偉大な学者はその教えの中心に永遠の若さの船首を立てて、再誕を据えた。彼の家では銘板を読むことができる――『我々は若かった。我々は永遠の若さを象徴化する』彼はこれを知っていた」―ミゲル・セラノ
我々としてはファシズムを国民社会主義と混同する者はまさにヘーラー(パリの支配者を世界で最も強力な王国にする者)の贈り物とアテーナー(パリを戦いで不敗にする者)のそれの違いを理解しない者であると思う。月並みな解釈はそれを軍事的覇業の保証が政治的覇業の保証で時代後れになることと推論させるが、これは国民の生存をかけて戦う国民の兵士が存在することを決め込んでいる。国民は超越的目的のために戦うのでないかぎり生存する理由をもたないと理解することでしかアテーナーの贈り物は実際には意味をなさない。
明らかに、ヘーラーの贈り物とアテーナーの贈り物は異なる種類の人々を魅了するだろう。我々はこの分裂がファシストと国民社会主義者の分裂に対して見事に相関すると予想する。偶然にも、アレースとヘーパイストス(ヘーラーの息子)が技術にかけてアテーナーと重なりながら高貴な性格の完全に欠如していることは先に討論されたファシズムと国民社会主義の皮相的な類似と直接繋がっており、願わくはこの二つを混同することの大なる危険をさらに強調したいものである。
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選ぶべき第二の機会は近い将来に近づいているだろう。もしも我々が過ちを繰り返すならば、我々が第三の機会を得るまでどれほど待たねばならないか見当もつなかい。
原典
James Harting, “William Pierce on the Difference between National Socialism and Fascism,” National Vanguard, http://nationalvanguard.org/2015/06/dr-william-pierce-on-the-difference-between-national-socialism-and-fascism/ white biocentrism, http://whitebiocentrism.com/viewtopic.php?f=25&t=525
“National Socialism and Fascism,” Aryainism: United through Nobility, http://aryanism.net/politics/national-socialism-and-fascism/,
[1] http://aryanism.net/philosophy/what-is-nobility/
[2] http://aryanism.net/philosophy/what-is-freedom/
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scalysnail · 8 years ago
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白騎士の冒険 夢幻の闘技場 三
 ヴェルカンは誤解していたことだったが、闘士はそう毎日試合に駆り出されるわけではない。劇場はその名の通り演劇や大道芸の見世物の用途で用いられることが大半であり、一日に行われる剣闘試合は一度か、多くても三度。全く行われない日もある。  また人間同士の戦いだけでなく、人間と猛獣、あるいは猛獣同士の戦いが組まれることもある。ヴェルカンたち新入りが初日に行った連戦は、減った闘士を補充する際に適正検査を兼ねて行われる特別なものであったらしい。
 だが、試合のたびに誰か、もしくは何かが死ぬのは変わらない、と雄牛の血で汚れた腕を洗い流しながら思う。  鋭い角を振りかざし、地響きを引き連れて迫ってくる、人とはまるで勝手の異なる巨体は、それだけで身を竦ませるに足るものだった。とっさに槍の石突を地面に立てかけて全力で踏ん張らなければ、貫かれていたのは自分の方だったろう。  この地に来てから幾らかの日が過ぎていた。が、ヴェルカンたち新米闘士が駆り出されることは思いのほか多い。興行師は有名で観客の受けも良い古参の闘士を極力温存したがり、危険な試合、地味な試合には新米を優先して送り出す。時には他の闘士団の強豪闘士に倒させるために新人をあてがうこともある。  そういうわけであるから、同時期に入った者もすでに幾人かが姿を消した中、いまだに健在である己はやはり運が良いのだろうか、とも思う。
 だがそれよりも、当初の吐き気を催すような嫌悪感が次第に薄れつつあるのをヴェルカンは感じていた。  この慣れとも適応とも呼べる事態を喜ぶべきなのか、恥じるべきなのか。  己のために他者を弑することが日常となった時、己はどうなってしまうのか。
 そして思うのは故郷のこと。領主がいなくなり、封土はどうなったのか。衛兵隊長やみんなは大騒ぎしているのではないだろうか。  いつか家に帰るその日まで、運が続けばよいと思う。  しかし、いつ?  幾日?幾月?もしくは幾年?いつか終わるその日まで、何人の命と引き換えに?
 剣奴として買われてから幾度となく重ねた思案は、決まってそこで停止する。  そこから先に踏み出してはいけないという予感があった。  だから、考えない。代わりに明日をどう生き延びるか、興行師の目を盗んで逃げだすには、と夢想じみた思索にただ逃げ込む。  今日も、明日も。その先も。おそらくはここでの暮らしが終わる、その日まで。
 客席の地下、闘士控え室に隣接する訓練場で案山子相手に稽古に励んでいたヴェルカンは、その闘士が入って来たとき、目を丸くした。
「戦う格好ではないな」
 腹や肩を大きく露出した防具が、着用者の性別を如実に語る。おまけにまだ若い女ではないか――思わず無遠慮な視線を向けたヴェルカンを険のある目で見上げながら、艶やかな黒髪を後ろで束ねた女闘士はずかずかと近づいて��た。
「あなた新入りでしょ。甘く見てると怖いわよ」
 脅す女の肌は抜けるように白い。整った顔立ちと合わせて、よくできた人形のようだった。
「北方民族か」
 遥か北の地に絹のごとき肌を持つ民がいると聞く。書物で得た知識を頼りに訊いてみれば「当たり」と思いのほか嬉しそうな返事。
「そちらは白の帝国の人間に見えるわね」
 正体を明かしてはならないという命題が脳裏を埋め、咄嗟の返答を鈍らせる。寸の間の沈黙をどう捉えたか「図星ね」と女がいたずらっぽいにやにや笑いを浮かべた。
「外国人は別に珍しくもないからね。むしろこの国の奴のほうが珍しいくらい」
 名声や金銭目当てで自ら戦奴になるのは少数派で、囚人や外から奴隷として売られてきた者が大半であるという。
「あなたも売られた口でしょう。でも腕は立つんだって評判よ」 「あなたも、ということは、そちらもそうなのか?」
 女は答えずにヴェルカンの前を通り過ぎ、壁際に設えられた武器の棚に手を伸ばした。取り出したのは先端に巻き付けた布を槍の穂に見立てた棒。さほど高くない女の背を超える長大なものだったが、手の中でくるりと半回転させ、そのまま小脇に抱えるように構える姿は思いのほか様になっている。  だしぬけに飛んできた棒の穂先がヴェルカンの右手の木剣を打ち、くぐもった音を立てた。
「出番までは間があるの。一本どうかしら?」
 どこか見下ろすような挑戦的な目つきに、思わず眉が動いた。無言で棚に歩み寄り、手に取ったのは女と同じく穂の代わりに布を巻いた棒。ただしこちらは幾分短く、ちょうど帝国の兵士が使う片手槍に近い感触だ。  訓練場の中央、模擬戦用に砂が敷かれた一画に場所を移したふたりは向かい合った。片やヴェルカンは左手の盾を突き出し、右手の棒を高く掲げ、対する女闘士は両手で支えた棒を低く落とし、やや地面に向けた穂先を揺らめかせる。
「面白い型ね」 「そちらこそ」
 短いやり取りの終わりは斜めにすくい上げる棒の穂先。ほぼ反射的に盾で払いのけざま、お返しと放った突きを、女闘士は半歩退きながら傾けた棒で受け流した。  素早く引こうとした棒はしかし、円を描くように動く穂先に絡め取られた。そのまま巻きつくように延びてくる突きは枝を這う毒蛇を思わせた。  咄嗟に棒を手放し、入れ違いに突きだした盾で受け止めた毒牙は思ったよりも軽い。  武器を捨てたヴェルカンに向かって次々と飛んでくる突きは変幻自在、右から薙ぐように迫る攻撃に向かって盾をかざせば隙間の空いた足元を狙われ、慌てて盾を向けた時には既に引かれていた穂先が肩めがけて飛んでくる。  いずれも挑発するような連撃は誘いだ、とヴェルカンは分析した。おそらくどこかで力を込めた本命の一撃が飛んでくるはず。それを躱し、隙をついて優勢に持ち込む。  右から飛んできた攻撃を最小限の力で受け流す。盾の表面を撫でた穂先が弧を描いて女の右肩の後ろに流れた。  細い肩の筋肉がわずかに動くのが見て取れ、来る、と直感する。  毒蛇のごとくよじらせた華奢な体全体に満たされた力の奔流が、肩から腕へと流れ込むのが目に見えるようだった。  顔を狙って空を切る穂先を盾で受けるのではなく、身を退いてぎりぎりの間合いで躱した、はずだった。  目の前を流れていくはずの穂先が、突如するりと伸びてきた。  驚く間もなく顔面に衝撃が走り、視界に火花が散る。目元に溢れた熱が鼻の奥を伝い落ちる感触に慌てて手をやると、掌全体がべったりと赤く濡れた。
「あら男前」
 目を細める北方人の右手、力なくぶら下げた棒が先ほどより長く握られていることに気付く。命中の直前に握る手の力を抜き、遠心力を利して棒の間合いを長く押し出したのだ。まさに一瞬の早業だった。
「女だからって手加減してるから怪我するのよ。新入りさん」
 図星を刺された羞恥と小馬鹿にするような眼差しがないまぜとなり、生臭い息苦しさも手伝って頭に血が上った。伝い落ちる鼻血を舐め拭き、足元に転がる棒を拾って立ち上がるや否や、ヴェルカンは攻勢に転じた。  顔を狙って右手から薙ぐように放った突きを、女は上半身を大きく左に倒してやすやすと躱した。だがそれは形ばかりの一撃、素早く引いたそれと入れ違いに、女の頭を迎え撃つ形で盾の縁を繰り出す。  女の目が初めて驚きに見開かれた。それでも歪んだ姿勢のまま棒をかざして受け止め、その反動で体勢を立て直してみせる。  くるりと身を翻しざま一歩退き、再び踏み出す爪先が、砂に円弧の軌跡を描いた。だが叩き込まれる棒の先、そしてヴェルカンを見据える切れ長の目にはこれまでにない力が込められている。  再び退いた女が棒を大上段に掲げた。対するヴェルカンは突き出した盾の後ろに丸めた背を隠す。向かい合って構えたまま、互いに回り込むように足を滑らせる。  膠着したかに思えた状況は突然動いた。ヴェルカンが盾の上辺からわずかに顔を覗かせた瞬間を見逃さず、棒が振り下ろされた。  だが次の瞬間、もたげられた盾に女の棒が弾かれた。そのまま帽子を被るがごとく盾を掲げたヴェルカンは大きく足を開いて砂を蹴った。  ちょうど女の足元に跪くような形になったヴェルカンは、煌びやかな前垂から覗く白く長い脚を間近に、被ったままの盾の下から女の顔目がけて棒を突き上げた。  相手の息遣いが激しく乱れた。手応えを感じる間もなく細い足が空を掻き、砂場の外に降り立つ。
 顔を背け、口元を押さえる女の目は驚きのあまりこぼれ落ちそうなほど。しきりに口元や鼻に手をやり、怪我がないことを確かめる仕草がどこか新鮮で、思わず笑みが浮かぶ。  次に振り向いた女の顔に浮かんでいたのは敵意と闘志。どうやら本気で怒らせてしまったらしいと気づき、盾を持ち上げ、再び身構える。  ところが、女は不意に踵を返した。背を向けたまま、手をひらりと振って見せる。
「もうすぐ試合なの」
 つい今しがたまでの燃え盛る闘志はどこへやら、後でね、と言い残した声音は朗らかそのもの。棒を掲げた間抜けな姿のまま、ヴェルカンはその背中が扉の向こうに消えるのを見送ることしかできなかった。
 北方人の闘士が再び姿を見せたのは日没間近、夕食の刻限。厨房から麦粥の椀を受け取り、後続の邪魔にならぬよう足を運んだ控え室は、予想どおり誰もいない。静かに食事を楽しめそうだと長椅子の端に腰かけた時だった。  無人の控室に、戸を開く音は意外と大きく響いた。  目を向けた先で、ヴェルカンと同じく椀を抱えた女闘士が手を振っていた。
「座っても?」
 訊くや、答えも待たずに隣に腰を下ろす。
「あなた結構強いのね。見直した」 「そちらこそ」
 今夕食を共にしているということは、あの後の試合で勝利したということ。言外に褒めると女はくすぐったそうに笑った。
「素人には見えないわね。戦士か何かだったの?」
 気をよくしたか、続けざまに尋ねてくる。どう答えたものか考えあぐねていると、女はふと黙り込んだ。
「私もあなたと同じ。ここには売られてきたの」
 突然変わった話題が、昼間ヴェルカンが放った質問に対する答えだと気づくのにいささかの間を要した。
「お察しの通り、あたしは北の方の村にいたんだけどね。人買いに襲われて連れ去られたってわけ」
 彼女と数人の友人は故郷を遠く離れたこの地の闘士団に売り飛ばされた。  右も左も分からぬ少女たちは、いきなり闘技場に立たされることになった。触ったこともない武器は細腕に重くのしかかり、剥き出しの肩や腰がやけに寒かった。
「女子供に戦わせるのか!?」
 闘技試合といえば腕自慢、少なくとも大の男が互いに優劣を競い合うものと決めてかかっていたヴェルカンは思わず唸った。
「世の中には可愛い女の子が血だるまになって苦しむ姿を見るのが好きな変態がごまんといるのよ」
 自らを可愛い女の子と言ってのけたことをからかえる空気ではない。  相槌すら忘れたヴェルカンの事など意にも介さず、女は続ける。
 闘技場には飢えた肉食獣が放たれていた。
「虎って知ってる?」 「聞いたことがある。縞模様のある金色の猫だろう」 「……まあ、あながち間違いでもないかな」
 牛よりも大きく、猫がネズミを狩るように人間を食い殺す怪獣だと聞き、ヴェルカンは慄然とした。
 真っ先に虎の餌食になったのは女闘士の親友だった。
「確かにおっぱいもお尻も大きくてよくモテたけど、獣の目にも美味しそうだったのね……でも頭を砕かれちゃ美人も形無しだわ」
 熱に浮かされたように話す口調こそ軽いものだったが、その目はどこでもない一点を凝視し、動かない。ヴェルカンもまた、その硬く凍てついた横顔から目が離せなかった。
「まん丸な目ン玉がこう、ぽろっと飛び出しちゃっててさ。残った下の顎に舌がくっついてるのよ」
 暴力を知らずに育ったいたいけな娘たちにはあまりに凄惨な光景だった。ある者は脇目も振らずに逃げ惑い、またある者は腰を抜かして声にならぬ悲鳴を漏らし。残虐な見世物に観客は嫌悪と興奮の声を上げた。
「で、そこで助けてくれたのが先生――先輩の闘士なんだけどね」
 突如、馬に跨った闘士が現れ、食事に夢中になっていた虎に槍を投げつけた。虎は怒り狂い、暴れまわったが、闘士はその周りをぐるぐる回りながら次々に槍を投じ、ついに獣は沈黙、場内は熱狂にどよめいた。
「でもね、槍を何本も突き刺されて、真っ赤な血を流して苦しむ虎を見て思ったの。こいつも、あたし達と同じなんだなって」
 おそらくは訳も分からず捕らえられ、故郷から遠く離れた地で見世物の種として殺された哀れな怪獣。友人の仇のはずなのに目が離せないでいる彼女のもとに悠然と歩み寄ると、煌びやかな鎧を身に着けた闘士は静かに手を差し伸べた。  乙女の危機に駆けつける正義の戦士。そんな筋書きの試合だったことを知ったのはずっと後のことだ。
 その先輩闘士は生き残った少女たちに武器の扱い方、戦うすべを教えた。少女たちは自然と彼を先生と呼び、敬うようになっていった。  しかし闘士は死ぬのも仕事のうち。少女たちの未来は決して明るいものではなかった。
「いちばん運のいい子は余所に買われて抜け出した。次に運の良かった子は怪我で使い物にならなくなって放り出された。いちばん運の無かった子は死んじゃった」
 そして、同様の運命は“先生”にも。
「なんでだろうな、あんなに強かったのに、牛に踏み潰されちゃうなんて」
 体調は万全、装備もよく手入れされていたはずだった。当時最強と謳われた闘士の、あまりにあっけない最期。  しばしば闘士は兵士に似ている、と言われることもある。兵士は勝つために戦い、闘士は相手を倒すために戦う。  一見同じに見えて、そのふたつには大きな隔たりがある。闘士には逃げることも、戦い以外の道を選ぶことも許されない。一旦闘技場の砂を踏み、相手と向かい合えば、外に出るにはふたつにひとつ。相手を殺すか、もしくは相手に殺されるか。新米も古兵も変わらぬ宿命。
「いつの間にか残ってるのはあたしひとり。これは運がいいのかな。それとも悪いのかな」
 誰に向けて放った問いかけだったのか。ひとり考え込む女の姿にどこか親近感を覚える。目を向けた横顔、形の良い鼻筋に小窓から差し込む残照が赤い線となって浮かび、思わず見とれる。
 と、女がだしぬけに振り返った。真っ黒な目に真っ向から覗きこまれ、訳もなくどぎまぎする。
「はい、あたしの話はこれでおしまい。次はあなたの番」
 なんともあっけらかんとした口調に、いささか興を削がれた思いで眉をひそめる。  だがほぼ一方的とはいえ、ここまで話させたのだ。だんまりを決め込むのも品がないだろう。  しかし、どこまで話していいものやら。ヴェルカンは腕組みして唸った。己を捕えさせる方便だったのだとしたら、いまさら身分を隠しても仕方ないかもしれない。  が、宝石泥棒の罪で捕まった奴隷が本当は皇帝に仕える騎士だなどと、誰が信じる?
「……君の読み通り、私は白の帝国から来た。さる領地で兵士をしていた」
 嘘ではない。騎士に叙される前は西の湿地領の衛兵隊に属していたのだ。  衛兵として長年勤めた功績が認められ、休暇を許可されたこと。そうして物見遊山に訪れたこの町でひょんなことから無実の罪を着せられ、捕縛されたこと。
 事実を微妙に捻じ曲げ、脚色して話しながら、ふと、女もまた作り話をしていたのではないかという疑念が浮かぶ。  しかし、やはり嘘をつくのはあまり心地の良いものではない。露見に対する恐れや、相手を裏切ることへの罪悪感がないまぜとなり、胸がざわつくような心地がする。  内心の動揺を押し隠して話すヴェルカンを、女は興味津々のていで見つめていたが、捕縛された後にそのまま奴隷市場行きとなったくだりで気の毒そうにため息をついた。
「役人のやつら、囚人を売りとばした上前で小遣い稼ぎしてるのよ。ついてないね」
 そのため、本来なら釈放されるような微罪、あるいはまったくの無実であっても強引に罪状をでっち上げ、奴隷市場送りにされることすらあるのだという。  それもこれも、闘技場を中心にした巨大な需要があるためだ。
「この町のすべてが劇場を中心に回ってる」
 毎日、国内外から多くの人間が劇場を訪れる。そうして注ぎ込まれた金貨は水が低いところへ流れ落ちるがごとく溢れ出し、町全体を潤す。  だが同時に、おびただしい量の血も流れている、と女闘士は語る。
「町を流れる金貨はどれも、あたしたち闘士の血にまみれているの」
 訓練場は静かだった。いつしか窓から差し込んでいた夕日の最後の一筋も消え失せ、代わりにどこかで灯されたかがり火の光がわずかに差し込む薄暗がりの中、女の白い肌だけがうっすらと浮かび上がるようだった。  目を落とした先、冷めた麦粥の面が揺れた。匙を差し込んで口に運んでみれば、熱を失った粘りが味気なく舌に絡みついた。
 とりとめのない話をしながら食事を終えた頃には、すっかり日が落ちていた。訓練場を出たふたりは、そこで興行師に出くわした。
「こんな時間に何をしている」
 ヴェルカンを険のある目で見上げる興行師の手には鍵束。夜間の施錠のために来たのだろう。  素直に従うのが癪で沈黙を返事にすると、舌打ちがひとつ飛んでくる。
「奴隷、明日は試合だぞ。とっとと寝て備えろ」
 言い捨て、踵を返して去っていく興行師の背中に向かって、それまで黙っていた女闘士が舌を出した。
「すっかり嫌われてるわね」
 初日の口喧嘩がいまだに響いているのかと思ったが、どうやらそれだけではないらしい。
「白騎士ヴェルカンの事をこき下ろしたりするからよ」
 思わず眉をひそめると、女は鼻を鳴らした。  聞けば、興行師は白の帝国のヴェルカンなる騎士を題材にした詩を収集しており、彼の話となると目の色が変わるのだという。
「いい歳して物語読みなんて、笑っちゃうよね」 「ヴェルカンの詩だと?」
 自分がそのヴェルカンだなどとは言い出せず、何ともむず痒い心地に耐えながら問うてみる。
「そ。『巨人殺し』の異名をとる若き騎士。その強さと知略でもって未踏の秘境を難なく乗り越え、その勇気は世にも恐ろしい怪物すら屠り、その美貌でもって数多の美女と浮名を流し……どうかしたの?気分でも悪いの」
 己が詩歌に語られているらしいことは噂で聞いてはいたが、どうもかなりの脚色が加えられているようだ。  それにしても、己の風聞を赤の他人として聞くというのは、なんとも妙な気分だ。
「ほんと、すごい人間もいたものね」 「どうせ子供だましのでたらめなんだろう」 「これで意外と面白いんだよ。うちの団にも持ってる人がいたから、貸してもらいなさいな」
 ふと、帝都の宴で会った黒岩領の令嬢を思い出す��彼女が憧れたという騎士ヴェルカンは、果たして宴に参加していたヴェルカンと同一だったのか。
 どちらにせよ、このままではヴェルカンの詩も打ち止めだな。
 そんなことを自嘲的に思い浮かべた直後、まったく別の考えにとらわれる。  己がこの町に閉じ込められていようと、さらには名もなき闘士として死んでいたとしても、お構いなしにヴェルカンの詩だけが新たに紡がれていくとしたら?
 それはとても恐ろしく、また同時にどこか寂しいことのようにヴェルカンは感じた。
 今日の闘技試合は出来試合になる。
 そんな噂を小耳に挟んだのは、翌朝の厨房でのことだった。
「なんでも相手方が大物を繰り出して来るらしい。それに先んじてうちの団長にいくらか包んだって話だ」
 椀を受け取った時、そんな声に思わず振り向けば、古参の闘士たちが額を突き合わせてひそひそとやっているところだった。
「で、今日死ぬ気の毒な新入りは誰なんだ?」 「さてな。ひょっとしたらお前かもしれんぞお」
 冗談に肩を震わせる闘士たちとは対照に、ヴェルカンは腹の底が冷えていくのを感じた。昨夜の団長こと興行師の言葉を思い出したからだ。
 つまり、今日死ぬことになっているのは私か。
 出来試合というからには相手を勝たせるためにヴェルカンに対してなんらかの妨害が加えられることも考えられる。何も試合中ばかりではない。試合前に事故に遭う、何者かに襲われて怪我をする、食事に毒を盛られる――  そこまで考えたところで、ふと手元の椀に目を落とす。
「後がつかえてるんだ、さっさと行きな」
 確かめる間もなく促され、慌ててその場を後にする。むろん、朝食は後でこっそり捨てるつもりだ。
 問題の試合は午後一番に行われることになった。一食抜いたところでどうということはないが、不慮の“事故”を避けるため、無人の宿舎の寝台で何もせずにじっとしているのはさすがに少しばかり堪えた。  雑用係に手渡された防具の裏地���剣の柄に毒針でも仕込まれてはいまいかと確かめ、そこでようやく妨害工作など杞憂だったかと胸をなでおろす。
 が、だからといって安心はできない。試合前は安全でも、試合中に何が起こらぬとも限らない。何より相手は出来試合を望まれるほどの古参闘士、その人気は腕前に裏打ちされたものだろう。  となれば小手先の通用しない相手とみるべきだ。
「さあさ、皆さまお待ちかね!闘技試合の時間にございます!!」
 陽光を照り返して焼けた砂、そびえる客席、取り巻く観客と歓声。もはやすっかりおなじみの光景の中、すっかりおなじみとなった司会の口上を、馬上のヴェルカンはひとり、砂地の真ん中で聞いていた。対戦相手の姿はなく、控室に通じる大扉も閉ざされたまま。
「本日命を賭けて戦うはこの男!日は浅くともその堅実な戦いぶりで着実に勝利を重ねる、『白刃団』期待の新人!」
 わっ、と強くなる歓声に両手を挙げて応える。だがいつもよりもいささか弱い。彼らの本当の目当てはこの後に来るからだ。
「対するは、かつては貴族でありながら五年前に闘技場の砂を踏んで以来、常勝無敗を誇る生ける伝説!『赤羽組合』が誇る『血塗れ卿』!」
 同時、ラッパと鼓の音、そして割れんばかりの歓声を引き連れて大扉がゆっくりと持ち上げられた。  色とりどりの布で飾られた馬の背に跨って悠然と進み出たのは、斧を提げ、盾に投槍を挟んだ壮年の闘士。流麗な浮き彫りを施された青銅の板金鎧は黄金色の光を放ち、兜に挿した色とりどりの羽根飾りが映える。
 これでは道化だな。ヴェルカンは兜の下で自嘲の笑みを浮かべた。かろうじて胴を覆う鎖帷子も、古びた無地の円盾も、豪奢を具現化したような相手と並べばいかにもお粗末。跨る馬もどこか毛並みの悪い痩せ馬だ。  それもそのはず、ヴェルカンは無様に負けるためにこの場に引き出されたのだ。これ以上の道化ぶりがあろうか。
 だが、無論むざむざ殺されてやるつもりはない。
 決意は口にはしない。ただ視線に乗せ、相手に叩きつける。
 やがて司会が開戦を告げ、血塗れ卿の馬がゆっくりと進みだした。合わせてヴェルカンも馬の腹を蹴る。相手が右手に向かって進めば、ヴェルカンは内壁沿いを反対方向に走る。最初は緩やかだった馬脚が次第に速まり、互いに追いかけるように円を描く軌道は次第に狭く。ついに真っ向から向き合った彼我の距離が急速に縮まる。  血塗れ卿が投槍に手をかけた。素早く丸めた背中のすぐ上を槍が唸りを上げて飛び越していく。体勢を整える前に相手がさらにもう一本を手に取るのが見え、盾を目一杯突き出す。  激しい衝撃を伴って盾を貫通した穂先が把手を握る親指のすぐそばに飛び出し、木屑を浴びせた。長い槍が突き刺さったままの盾がにわかに重みを増し、引きずられる前に投げ捨てる。その間に血塗れ卿は斧を抜き放ち、振りかぶっていた。
 すれ違いざまに斧と剣がぶつかり合った金属音と火花は瞬く間に背後に流れ去った。咄嗟に力を抜いても腕ごともぎ取られそうな衝撃が肩を苛む。  思わず顔をしかめながらも馬首を巡らせて、血塗れ卿と再び相対しようとした時だった。  手綱を引いて制動をかけた瞬間、体が前のめりにつんのめった。正確には足腰を支える鞍が突然跳ね上がったのだ。  何が起きたのか理解できず、暴れる馬をどうにか御しながら見下ろせば、馬具の留め紐が何本かちぎれ、馬の動きに合わせてはためいている。  体を支えきれなくなる前に身を投げ出す。飛び降りるというよりは半ば転げ落ちる形で背中を地面に打ちつけ、柔らかい砂地ではあっても一瞬、息が詰まった。  垂れ下がったままの馬具を引きずって駆けていく馬を見やりながら立ち上がろうとしたところで、杖代わりにしようとした剣が根元から無残に折れていることを知る。  たかがいちど打ち合っただけで……不格好な切断面を呆然と見つめることしばし、ようやくこれこそが妨害工作だと気付く。おそらくは馬具も同様、すぐに壊れるよう細工が施されていたのだろう。血塗れ卿の勝利を確実なものとするために。  舌打ちひとつ、問題の血塗れ卿に目を向ける。悠々と馬首を巡らせ、歓声に応えるように斧を振り上げる。そのまま馬の腹を蹴り、ヴェルカン目がけてまっすぐに突進してくる。  馬に乗った人間があれほど大きく見えるなど、初めて知った。横っ飛びに身を躱し、頭を覆って倒れ込んだ直後、目と鼻の先を巨大な蹄が踏みしだいていく。  勢いをつけるため、相手がいったん離れていく隙にあたりを見回し、使えるものがないか探す。
 乗り捨てた馬は?遠すぎる。血塗れ卿が最初に投げた槍は?同様。  あとは己が投げ捨てた盾。だが刺さった槍の柄が邪魔で防具としては役に立たない。ならば……
 迷っている暇はない。即座に飛び起き、走り出す。背後で蹄の音が少しずつ速く、そして近づいてくる。  人間の脚で馬と張り合うなど、どだい無理な話だ。だが一瞬でも長く、一歩でも遠くを目指し、必死で足を動かす。  さほど長くないはずの距離が限りなく遠く感じた。一歩ごとに近づいてくる馬蹄の音に合わせて斧の刃が食い込む幻視が何度も脳裏をかすめ、背中にちりちりと痛みにも似た感覚が走る。
 投槍に飛びつきざま、体を丸めて転がった勢いで身を起こし、相手と向かい合う。既にすぐそばまで迫っていた馬と血塗れ卿は逆光となり、さながら黒々とそびえ立つ塔のよう。砂埃を蹴立てる地響きが足元から伝わり、早鐘を打つ鼓動をかき乱す。手は汗で濡れ、槍が落ちぬよう握り直す。  振り上げられた斧が陽光にぎらりと輝く。筋を浮かべた馬の筋肉が捩れ、躍動するのが異様にゆっくりと見て取れる。  少し傾いた太陽が馬の鼻面に隠され、その輪郭が明々と浮かび上がった瞬間、ヴェルカンは槍を力の限り振り抜いた。
 突然目の前に現れた盾の縁に横っ面を強打された馬が驚いて嘶き、後脚で立ち上がって激しくもがいた。その拍子に血塗れ卿が体勢を崩し、大きくのけ反る。  この機を逃すヴェルカンではない。間髪入れずに槍を再び振り上げる。  穴の開いた円盾と斧が同時に落ち、続く一撃を胸に受けた血塗れ卿の尻が鞍から離れた。  直後上がったどよめきは驚愕。
 伝説の血塗れ卿が背中を地につけた。それも相手はどこの馬の骨ともつかぬ新米闘士。
 戸惑いと驚きがないまぜになったざわめきだけが不思議と耳につく中、ヴェルカンは素早く拾った斧を振り上げた。  打ち下ろした斧の刃は、血塗れ卿が咄嗟にもたげた盾の面に深々と突き刺さった。引き抜こうとするより早く盾もろとも激しく揺さぶられ、奪い取られる。  お返しとばかりに倒れたままの血塗れ卿を盾の上から何度も蹴りつけ、五度目で盾をもぎ取ることに成功する。だが喜ぶ間もなく、今度は血塗れ卿の蹴りに足を絡め取られ、たまらず倒れ込んでしまう。  入れ違いに起き上がった血塗れ卿がヴェルカンに馬乗りになった。青銅の手甲に覆われた拳が鎖帷子越しの腹に食い込み、声すら上げられないほどの衝撃と激痛が走る。  さらに追い打ちをかけてこようとする拳を痛みをこらえつつ押しのけ、開いた右手で相手の兜を掴んで上半身を跳ね上げ、頭突きを食らわせる。
 兜同士が金属の悲鳴を上げ、残響が頭蓋を揺さぶった。相手も同様だったらしく、頭を押さえて唸りがらヴェルカンから離れようとする。そこを逃さず、掴んだままの兜を力任せに引き抜き、現れた髭面に向かって思い切り叩きつける。  立ち上がろうとすると殴られた腹にひきつったような痛みが走った。前かがみになり、腹を庇いながら肩で息をするヴェルカンの前で、血塗れ卿がゆっくりと身を起こした。
「いい顔になったな」
 顔の上半分を青筋で、豊かな髭に覆われた下半分を血で飾った血塗れ卿はヴェルカンの挑発に凄まじい形相を浮かべた。
「……殺す」
 折れた歯とおびただしい血に混じって、そんな言葉が吐き出される。冷徹な闘士の顔が剥がれ落ち、怒りと殺意が剥き出しになった瞬間だった。  血塗れ卿は四足獣のごとく飛びかかってきた。押し倒されながら、その顔面に爪を立てる。  そこからはお互いにがむしゃらだった。互いに殴り、蹴りつけ、上になり下になり、髪を掴み髭を引っ張り。もはや試合などと呼べるようなものではなく、さながら子供の喧嘩のごとき戦いを、観覧席を埋め尽くす観客たちが声援も忘れて見つめる。  そしてとうとう、ヴェルカンの体重を乗せた肘打ちを横っ面に受けた血塗れ卿が仰向けに倒れ込んだきり、動かなくなった。顔を歪め、激しく肩を上下させるだけとなった相手を見下ろしているうちに、麻痺していた痛覚が次第に戻ってきて全身を苛む。だが、まだ膝はつかない。それが許されるのは己の勝利が確たるものとなってから――
 客席から上がるは賞賛の歓声ではなく、困惑のざわめき。司会すら言葉を忘れ、ただ嫌なざわめきだけが増幅されていく。  ふと、古い記憶が蘇った。騎士に叙される前、帝都で行われた闘技試合��参加した時のことだ。己が優勝を手にした時、多くの貴族が異を唱えた。
 曰く、奴隷上がりの下男に優勝はふさわしくないという。
 あの時は帝都や闘技試合の威容にすっかり飲まれて分からなかったが、今、当時の光景が蘇るにつれ、ふつふつとわき上がってくるものがあるのをヴェルカンは感じていた。  血塗れ卿のもとに歩み寄ったヴェルカンは、感情の赴くままに青銅の胸当てに足をかけ、踏みにじった。血塗れ卿が苦しげに呻き、美しい浮彫がみるみる砂で薄汚れていく。  なるほど、確かに血塗れ卿は歴戦の闘士であり、また自分はこの男を勝利させるために砂場に上がったかもしれない。だが数多の妨害をくぐりぬけてなお己は勝った。実力にせよ運にせよ、この男より強く、より勝利に足る存在だったのだ。だがなぜ誰も認めようとしない?新入りの自分には分不相応だとでもいうのか?  血塗れ卿を足蹴にしたまま、誇示するように客席を見上げ、睨みつける。
 こちらの勝利を認められないというならそれでいい。代わりに相手を徹底的に無様に、惨めったらしく敗北させてやるまでだ。
 その意志が伝わったわけでもないだろうが、司会がようやくヴェルカンの勝利を告げた。だが称える口上にいつものきれの良さはなく、それに合わせて上がる喝采にもどこか勢いがない。  これ以上この場にいても余計気分がささくれるだけだ。もはや相手にとどめを刺すのも馬鹿馬鹿しく、最後に軽く頭を蹴りつけてその場を後にする。  ふと振り返り、頭を抱えて呻く血塗れ卿���姿に僅かに溜飲を下げ、直後、そんな己にどうしようもない嫌悪感を覚えた。
 控室では興行師が待っていた。勝ってしまったことで叱責されるようならどうやり返してやろうかと考えていたヴェルカンだったが、出迎えたのは満面の笑みだった。
「やったな新人。あの貴族崩れをやっつけるとは、見直したぞ」
 予想外の言葉に鼻白むヴェルカンに構わず、興行師は雑用係を呼びつけた。てきぱきと鎧が外され、手拭いが渡される。  そこらじゅうに痣や擦り傷をこさえた体が露わになると、興行師は顔をしかめた。
「こいつは派手にやられたな。どれ、見せてみろ」
 近くの椅子にヴェルカンを座らせ、傷痕に膏薬を塗り、包帯を巻いていく。手慣れた手つきを意外な思いで見つめていると、盃が手渡された。満たされていた黄色い半透明の液体を飲み下すと、むせ返るような強烈な甘味が喉を焼き、その熱が全身に広がって暖めていくような感覚があった。
「みんな驚きのあまり声も出ないって感じだったな。だが明日になりゃ、町はお前の話でもちきりのはずさ」
 淀みなく動く手をぼんやりと眺めていたヴェルカンだったが、ついに意を決して顔を上げた。
「私を死なせるつもりだったのか」
 問うや、興行師の手がふと止まり、ほどなく再び膏薬を塗り広げ始める。
「どこでそれを……いや、やっぱりいい」
 折よく処置が終わったとみえ、薬入れを懐にしまうと、腰に手を当ててため息ひとつ。
「まあ、そうだな。確かに武器と馬具に細工をした。歴戦の血塗れ卿の相手に新入りのお前をあてがった」 「なぜ」 「赤羽から勝たせて欲しいと要請があったからな。金も受け取ったし」 「なぜ私だったんだ?」 「別にお前でなくてはならん訳もない。新米や弱いやつなら誰でも選ばれる可能性があり、今回はたまたまお前だったってだけだ」
 あっけらかんとした口調とは裏腹に、興行師の表情がみるみる変化していくことに気づく。ご機嫌の皮の下で苛立ちが蠢き、次第に露わになっていく。
「勘違いするなよ。確かに俺は相手が勝ちやすいように仕組んだが、お前が勝つこと自体まで禁じた訳じゃねえ。現にこうやってお前が戻って来ても、小言ひとつ言わなかっただろうが」
 お前の無駄口のせいでそうもいかなくなったがな、と嫌味たっぷりに付け加えてから、興行師はぐいと顔を近づけてきた。
「確かにお前のことは気に入らんが、何も死んでほしいと思ってる訳じゃねえ。奴隷ってな安い買い物じゃないんでな」
 意外といえば意外な言葉に思わず口をつぐむと、相手はさらにたたみかけてきた。
「不当な扱いが嫌ならもっと敵を殺し、名を上げろ。最初に言った通り、砂場の上では何をしようがお前たちの自由だ。  貴族だろうが罪人だろうが関係ない。強い者、長く生き残った者が実力に見合った扱いを受ける平等な世界、それがこの闘技場だ」
 ひと息に言い切ると、反論の暇も与えずに立ち上がった。
 無人となった控室でひとり取り残されたヴェルカンは、ややあってため息をついた。  力が欲しい。最後にそう思ったのはいつのことだったろうか。  そして今再び思う。腕力が、富が、名声が欲しいと。  この地で生き延びるために。いつか帰る日のために。
 そしてはたと気づく。己ひとりのために力を願ったのは初めてだと。
 立ち上がろうとした瞬間、治まりかけていた痛みがぶり返し、顔をしかめて腰を下ろす。  もう少し休んでから……宿舎に帰って寝るとしよう。
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orewatabest · 8 years ago
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Tokyo African (2016)
■2016年にリリースされた音楽で、良かったものベスト10
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今年も昨年同様、勝手に連想した本を同時に挙げる趣向でいきたいと思います。
1.上野茂都の別天地 /上野茂都  浄瑠璃を聴こう /橋本治 三味線弾き唄いの上野茂都氏の実は隠れたポップス作者でもあるという面に着目して作られた本作、三味線は全く登場しませんが、独特の歌詞世界やクスッと笑えるムード歌謡など茂都ワールド全開で、かつポップスとしての魅力も堪能できる素敵な一枚。 個人的にはライブのMC時に時々語られる講談や落語、歌舞伎、浄瑠璃へのコメントが、そういったものを若いときから見続けているある一人の市井の視点が覗かれるようで目が離せない存在です。 2.プラスワン /ココア山 春色輪屋なぎ /岡鬼太郎 松倉如子の歌にフィーチャーした伴瀬朝彦作曲・作詞・プロデュースかつそのための新ユニットとしてのアルバム。 自分の持ち曲2曲に加え、松倉さんが歌うことを前提に作られた伴瀬さんの曲が、松倉さんの歌の魅力を最大限にに引き出しています。 (ちなみに上記上野氏の作品もサウンドプロデュースは伴瀬氏) 明治時代から戦前まで劇評家として活躍した岡鬼太郎の小説「春色輪屋なぎ」は明治の花街のある芸者の日記という体裁で書かれており、男性作の曲が女性により豊かな表情を産み出している本作に通底している気がします。 3.quiero vip /片想い  風来忍法帖 /山田風太郎 一見とんでもなく馬鹿げてるのに、なぜか感動してしまう、とんでもない設定なのに、最後泣かずにはいられない『風来忍法帖』は、片想いのライブを思わせます。そしてこのアルバムは、ファーストアルバムよりその感じが強く凝縮されていると私は思います。 4.Dance to You /サニーデイ・サービス 世界の冒険文学7 笛吹童子 /文・橋本治 原作・北村寿夫 絵・岡田嘉夫 40を超えたおじさんが作り・歌う、少年~青年のうた。そんな歌が多く詰まったこのアルバム。 同じくおじさんが作った世紀の冒険小説「笛吹童子」。 荒唐無稽でご都合主義と言ってしまえばそれまでですが、いつ読んだって心はワクワクします。 そんな血沸き肉踊る感覚を呼び覚ましてくれる物語や音楽との出会いは、ある意味男の子だけの特権のような気もします。   5.THESE SONGS THAT SHOULD'VE BEEN OUT ON WAX BY NOW /V.A(sound signature)   完本 文語文 /山本夏彦 ブラックミュージックへの愛情あふれるコンピレーション、とりわけセオ・パリッシュの作るシンプルなのになぜか心に刺さるビートは、文語文への憧憬を、自身も文語体で、皮肉と諧謔交じりに書いた山本夏彦の著作を思わせます。 6.cooking song /cooking songs 面目玉 /饗庭篁村 ジャズをベースにした強靭なバンドサウンドに、伴瀬朝彦、高橋保行の歌がのる。その俗っぽくも絢爛豪華な音楽は、江戸の滑稽本をベースに明治の時代世相を洒脱に描いた饗庭篁村のようであります。 7.海賊盤 /中村一義 三日月 /村上浪六 明治の小説界に突如現れた浪六は、独特の文体で、自身が得意とする歴史を背景とした大衆小説を産み出していきました。その大衆小説の流れは後に吉川英治などの歴史小説へもつながるものだと私は思っています。彼らの小説には侠客と呼ばれるやくざな浪人を主人公としたものが多々あります。その侠客の姿勢と中村一義が私には少しダブります。 かつて「連帯を求めて孤立を恐れず」という言葉をスローガンに掲げた学生の政治運動があったようですが、私は、この逆の「孤立を求めて連帯を恐れず」という言葉が、「海賊」という新バンドを結成し、このアルバムを作った中村 一義には当てはまるんじゃないかなと思ったりもします。 8.ダブル /空気公団 谷崎潤一郎全集第一巻 様々な文体を駆使して、面白くかつ怪しい物語を紡ぎ出した谷崎の世界が、空気公団の単なるポップではない鋭さを感じさせるこのアル��ムに何となく合致します。 9.TWO CITY BLUES /灰野敬二 ピーターブロッツマン ジムオルーク  王朝百首 /塚本邦雄 流れる音に解釈は不要、灰野敬二の音楽を聴くといつもそう思います。ただ好きか嫌いかそれだけだと。 同じように塚本邦雄の「王朝百首」は、学校の退屈な古典の授業のような解釈は不要、ただただ美しい日本語を眺め、吟ずればいい、と説きます。 10.フォーク /ハンバートハンバート 絵本徒然草 /橋本治+田中靖夫 2人だけで紡ぎだされるやさしくも強い歌。そして自分たちの原点でもあるような好きな歌のカバー。 古典と呼ばれる随筆を現代語と絵で”カバー”した「絵本徒然草」。 どちらも、日常のつれづれを素敵に変えてくれる魔法のような力があります。
    以下2種は特別枠
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特1 武智鉄二 古典は消え行く、されど・・・ 能雑誌「花もよ」の編集室が製作した驚異の20枚組CD。 かつて、武智鉄二が「古典は消え行く、されど」と題した雑誌連載の中で推薦したすべてのSPレコード名盤をデジタル化し,CDとしたもの。 なかでも、disc1の鶴澤道八の義太夫三味線の太い音は鳥肌もの。   特2 45年目の満足できるかな /遠藤賢司withサニーデイサービス アルバム『満足できるかな』45年記念ライブ音源。がん公表後初めてのライブでしたが、そんなことは関係なく、とんでもないライブでした。サニーデイサービスをバックにアルバムを再現する形になるのかと思っていたのですが、全くそんなものではなく、何倍にもアップデートした『満足できるかな』でした。 そして年明けて2017年1月13日の「祝生誕70年エンケン祭り」でも70歳になるとは思えないすさまじいライブをしておりました。       以下次点  ・music exists disc3 /テニスコーツ ・ホジキンソンさんの言うことには /オクノ修 ・あたらしい注文(黒岡まさひろ+紙コップス) ・PHANTASIA /ザ・なつやすみバンド ・ひきがたり4 /見汐麻衣 ・hara kazutoshi +野田薫 ・ペガサス ・ソウルフラワートユニオン&ニューエストモデル トリビュート       ■2016年にリリースされた作品以外で、よく聴いた音楽  
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1.花もよ付属CD 「演劇博物館所蔵コレクション2」 2.花もよ付属CD 「Album of Japanese Music」 3.wala aboloo /soul winners 4.two paddy follow one girl /Dzadzeloi 5.daada buko /ALLAN FAMILY Culture Troupe 6.nokwasem /OJ 7.フェイドレス /渡辺勝 8.メルヒェン /おまつとまさる氏 9.りぼん /ホライズン山下宅配便 10.めしのしたく /上野茂都 3~6は、ガーナのポピュラー音楽。ガーナの音楽は、ポップスにいい具合にそれぞれの民族音楽がミックスされていて、心地よく聴けるものが多いです。         ■今年のこの2曲 ・お椀で食べたクリームシチュー /上野茂都 ・ロートホルン /ホライズン山下宅配便       ■ライブ、イベント等々で良かったもの 1/23  真黒毛ぼっくす 曽我部恵一 @月見ル君想フ 1/30  ラブリー恩田 上野茂都 @古民家ギャラリーしあん 1/31  片想い 奇妙礼太郎 @青山CAY 2/20  籠釣瓶花街酔醒 @歌舞伎座 2/28  橘家文左衛門 上野茂都 @ノラや 3/24  mmm あだち麗三郎 伴瀬朝彦 @mona records 4/2   yojikとwanda 松倉如子 @おんがくのじかん 4/10  はなやぐらの会「加賀見山旧錦絵」竹本駒之助 @紀尾井小ホール 5/1   シンクロ座、qranpucino tetumpo、小鳥美術館 bandset @神保町試聴室 5/25  松倉と勝と光永と継吾 ランタンパレード @7th FLOOR 5/31  「源氏物語 玉鬘」綾之助 越孝 @お江戸日本橋亭 6/23  「うたのピグミー」テニスコーツ 細馬宏通 @キチム 7/9   カタオモロ HAPPLE ビバシェリー @7th FLOOR 8/1   片想い 他 @月見ル 8/11  上野茂都 宮野裕司 柳家小春 @奏 8/20  テニスコーツ 真黒毛ぼっくす @神保町試聴室 8/27  黒岡まさひろ @七針 8/31  伴瀬 朝彦+南方美智子+一樂誉志�� トラペ座  9/18  「吉野川」「らくだ」 @歌舞伎座 9/21   遠藤賢司withサニーデイ・サービス @クアトロ 11/14 上野茂都 @MANDALA 2 11/17 cooking songs NRQ @440 12/4  banse TRIO tomoyo BAND @神保町試聴室 12/17 女流義太夫演奏会「仮名手本忠臣蔵」@紀尾井小ホール 12/23 「二人椀久」「京都鹿子娘五人道成寺」@歌舞伎座 12/30 黒岡まさひろ 伴瀬朝彦 他 @神保町試聴室   毎月の「上野茂都 月例会 @円盤」と隔月の「cooking song @velvet sun」 という足繁く通ったライブがどちらもCDという形になり、なんとなく製作過程を目の当たりにしていたような感じがし、嬉しい限りでした。         ■自己紹介 35歳既婚 2017年は年男         ■2016年はどんな年でしたか? およそ10年ぶりに海外(ハワイ)に行き、非日常を堪能しました。   
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