#碧い家で僕ら暮らす
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johnkatsmc5 · 6 months ago
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Jyocho  " 祈りでは届かない距離"2016 + "碧い家で僕ら暮らす"2017 +  " 美しい終末サイクル" 2018 + "しあわせになるから、なろうよ"2022 + "互いの宇宙" EP 2018 + "綺麗な三角 朝日にんげん" EP 2019, Japan Prog Pop,Math Pop Rock,Post Rock,Indie Rock
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JYOCHO (じょうちょ) is a Japanese math rock and post rock band from Kyoto. JYOCHO was originally started as a solo project of guitarist Daijiro Nakagawa (ex. Uchu Conbini) in 2016. JYOCHO is the spiritual successor to Uchu Conbini's sublimely crafted math-pop. The songwriting and tone have matured, and the addition of flute brings with it an almost folk flair. Daijiro recruited an elite group of musicians to bring his intricately beautiful compositions to life and JYOCHO’s sound. JYOCHO is the phenomenal solo project of Daijiro Nakagawa and his beautifully intricate and soulful take on math-rock will unequivocally appeal to fans of This Town Needs Guns (TTNG), toe, and American Football.......~
Jyocho " 祈りでは届かない距離"2016
Credits Bass – Sindee Drums – Hatch Flute – Yuki Hayashi Guitar, Lyrics By, Music By, Producer – Daijiro Nakagawa Vocals – rionos Tracklist 1 Family 4:51 2 安���命 5:57 3 Furusato 0:47 4 故郷 4:56 5 太陽と暮らしてきた 4:56 6 あの木にはわたしにない���のを 5:47 7 365
Jyocho "碧い家で僕ら暮らす"2017
Credits Bass – Sindee Drums – Hatch  Flute – Hachi (8) Guitar, Chorus, Programmed By, Composed By, Producer – Daijiro Nakagawa Vocals, Keyboards – Nekota Netako Tracklist 1 Lucky Mother 2 碧い家 3 hills 4 tree,stone 5 ほんとうのかたち 6 三つに分けること 7 グラスの底は、
Jyocho " 美しい終末サイクル" 2018
Tracklist from long ago つづくいのち Aporia 美しい終末サイクル わたしは死んだ sugoi kawaii JYOCHO family (Re-Rec ver.) my room my rule 太陽と暮らしてきた (Re-Rec ver.) pure circle こわかった
Jyocho "しあわせになるから、なろうよ"2022
Tracklist 回想増えた 0:35 みんなおなじ 4:22 光あつめておいでよ 4:09 輪の中にいればたいせつにしてあげる 2:25 碧に成れたら 3:53 悲しみのゴール 3:32 夜明けの測度 4:25 忘れないで 0:34 DVD: August 29, 2021 Jyocho Presents "Mahiya Extra Session" at Wall & Wall Lucky Mother Pure Circle Hills 遠回りのアイデア わたしは死んだ 美しい終末サイクル こわかった つづくいのち 光あつめておいでよ Family
Jyocho "互いの宇宙" EP 2018
Tracklist 互いの宇宙 Pure Circle ユークリッド 互いの定義
Jyocho "綺麗な三角、朝日にんげん" EP 2019
Tracklist 1 綺麗な三角、朝日にんげん 2:38 2 いつか一人で 4:28 3 遠回りのアイデア 4:31 4 Atlas 4:31
Jyocho "Guide and Devote" EP 2024 Japan Prog Pop,Math Pop Rock,Post Rock,Indie Rock
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Jyocho  " 祈りでは届かない距離"2016 + "碧い家で僕ら暮らす"2017 +  " 美しい終末サイクル" 2018 + "しあわせになるから、なろうよ"2022 + "互いの宇宙" EP 2018 + "綺麗な三角 朝日にんげん" EP 2019, Japan Prog Pop,Math Pop Rock,Post Rock,Indie Rock
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stormfrozen · 5 months ago
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消滅する里・新たな破滅のプログラム
遥か昔。ヒスイの地が存在し、未だアルミアが存在しない頃。今でこそ「キタカミ」と呼ばれている地も、それ以前では全く別の名前だった。
その地では家すら存在しておらず、生物のみが自然と共に生きていた頃。そして、その時いた生物は今観れる生物はその時代にはおらず、混ざり合った血統のみがいた。どこかで見た火を吹くライオンや、骨だけの魚、晴天や雨天を齎す生物、燃える火の妖精の姿した武人など………。
しかしその時代は、生物諸共突如として消え去った。何処かの地方の守神に取り憑かれた災厄を振り撒く巻きついた木簡の蝸牛・折れた刀剣の雪豹・デカい器を載せた鹿・燃え上がる勾玉の金魚。元々は災厄を起こしたとして大穴の存在する国に封印されたが、再び解かれた事でまたしても暴走。海を渡り4つの島のある国を襲撃したが、万事に際し駆けつけた守神達に自然の怒りによって再び遠くの地に吹き飛ばされたのだが、その浴びた一撃によって元々持っていた災厄の性質が変化し、守神のもう1つの性質・祟り神の力まで混ざり合ってしまったのだった。
この吹き飛ばされた遠くの地こそ後の「キタカミ」と呼ばれる地で、無名の頃は生物が集まる集落すら疎の、文字通りの田舎に近い様な場所であった。そんな大自然だらけの地が、4体が振り撒いた災厄によって一晩にして、そして1日にして壊滅した。
激しい雷と共に草木が生えては枯れる春、灼熱の業火と共に冷流の洪水が渦巻く夏、旱魃の如き乾燥と砂嵐の埃吹き荒ぶ秋、無邪気さにも似た光差す空に舞い上がる猛吹雪と氷雪の冬。そのまさに地獄の如き季節のサイクルが、混ざり合った生物達………後の『メレンジア』と呼ばれる様々な種が次々と全滅・絶滅していった。
命辛々その地から逃げた数少ない種は、偶然開いたウルトラホールから魔界のウルトラメガロポリスに迷い込み、そのホールを開けた張本人である『かがやきさま』と呼ばれていた虹彩神に出会い、星座神達が未だ都市開発中としている「カロル(仮)」と呼ばれる世界に避難させた。同時に、彼らがいた地を襲撃した災厄を知った星座神達からはその災厄が封印されていた地を含めて、「カロルディア」と言う名称に変わったのだった。
そんな中、襲撃される前の地とその当時の生態をを知る者がいる。その強さ故に、当時いたメレンジアの生物達から畏怖の念を込めて『鬼』と呼ばれた1人の女である。
星座神の存在を当時から知っている彼女を、ある一族は恐れ慄き、ある一族は鬼の首を取らんと襲いかかり、ある一族は跪き敬った………。しかし、時に同胞としても戦っていたメレンジア、その大半の種族が他の地方へ向かった時の迫害を恐れ、及び腰となってしまったが故に、予測すら出来なかった災厄に襲われ、絶滅してしまったのだ。その為、当時の環境と彼女を知る種族はほんの極僅か、そして星座神のみと言われている。
当時の彼女は他の国を旅しており、災厄を受けずに済んだ。そして道中ばったりと出会った1人の男との出会いが、彼女の運命を、そして人生を変えていったのだった。
男はパルデアの地…それも、禁足地であるエリアゼロにあった、結晶を採取する。彼女と共に来た嘗ての大自然の地はすっかり姿を変え、極僅かに置かれた翠緑の町に人も住み着き、以前のメレンジア達はいなくなってしまった。男が聞いた話によると、その地には人が村を興してから新たに『キタカミ』と呼ばれる様になり、荒ぶっていた災厄は何者かによって再び何処かに封印され、消え去ってしまったと言う。
里に来た男は、採取した結晶を大きな深い池のある山に投げ入れた。その山は光を放つ様になった。パルデアの地に起きていた不思議な現象が、その光を浴びた事で棲んでいた生物達にも影響を及ぼした。そこの山の池の成分を含んだ結晶のかけらを改めて採取し、男は職人に頼んでお面を4種類作ってもらった。男と共にいた1人の女はすっかり変わり果てた土地、生物、そしてそれまでいなかった一般の人間…互いに困惑し、なかなか溶け込めずにいた。作ってもらったお面はそれを憂いた男が、里の人間と仲良くなる為に頼んだ物である。
その4つのお面は火の面、水の面、岩の面、そして緑の面。その素晴らしさは瞬く間にキタカミの生物にも、人間にも伝わった。それまで���窟で密かに暮らしていた、幸せを噛み締める男と1人の女。
だが、そんな幸せも長続きはしなかったのだった。そのお面の珍しさと貴重さを聞きつけ、同じく生まれ故郷が滅びた序でに新たな棲家を求めていた欲深い鎖を持つ3人の輩達がキタカミを襲来したのだ。
女がいない隙を見計らい、お面を持っていた男が襲われて命を落とし、4枚あったお面は3枚を奪われてしまったのだった。それでも男が命を賭して守ったのは、碧の仮面だけだった。
それは、女がキタカミの人間達と仲良くしていた矢先の出来事。倒れた男の遺体を前に深い悲しみに襲われ、彼女は大粒の涙を流した。絶対に許さないと誓い、蔦棍棒を構えて彼女は残された碧の仮面を被る…。
俊敏な体で舞い、動き、探した果てに捉えた3人の輩。そして、彼女は復讐と共に鉄槌を下した。怒りと哀しみと咆哮と共に、悲鳴が響き渡る。しかしそこまでして、尚も彼女の激情は終わらない。輩を従えていた主人に向か��、止めの叩き潰す一撃を喰らわせた。
死屍累々の森、息が切れる女。敵討ちは成し遂げたが、お面は何処かへと無くしてしまっていた。その残り3つのお面を探す暇も、怯える生物や人間に目を向ける事すら無く、彼女はふらふらのまま山付近の洞窟へと帰っていった。
夜が明け、その3つのお面は里の人間が回収した様だが、どうやらお面は文化財という扱いで大切に仕舞われた様だ。しかし、それだけでは無い。男が死の危機に遭った事を知らない生物や人間は、鬼が怒り狂いあの輩達を襲撃した、と決めつけてしまったのだった。襲いに来た輩は実はお面を命懸けで守っていたのでは………と間違って伝えられ、彼らを従えていた主人が、まるで桃太郎の如き出立ちから3人の輩達は「ともっこさま」と呼ばれる様になって、遺体は丁寧に埋葬された。
愛する男とお面を失い、孤独に苦しむ女。涙も流れなくなり、ただもう全てがどうでも良くなってしまった。彼が生前遺した、照らす池の湖面を見詰める。最早もう、自分を知る人は誰もいない。彼女は男に会いたいと言わんばかりに、消えてしまいたいとさえ願っていた。
その時だった。キタカミ一帯が大地震に襲われ、森は土砂崩れで沈下し、町は大打撃を受け、人々は避難を余儀なくされた。一体何が起きたのか。恐る恐る彼女が町に向かうと家はバラバラになり、寺院にも人がいなくなってしまった。万事に際し、彼女はあの時回収し忘れていた3つのお面を手に取り、永久の森に向かった。
逃げ遅れた生物を何とか救い出し、沈下した森に流れる土砂崩れを堰き止めんと彼女は礎の仮面を使い、対抗する。流れる土石流を大きな岩山で堰き止め、他の生物の退避をスムーズに行える様に別の退路を作った。そして、その中に逃げ遅れていた最後の1人。彼はカミナギ寺院や深紅沼の湿地帯などが存在するヒスイの地にいた生物。長い年月を経て、キタカミの里へと流れ着いたのだと言う。
彼は聞いた。何故君は僕なんかに手を差し伸べるんだ、僕は嫌われ者なのに、と。翻って彼女は言った。私もまた、この土地の人達に怖がられて誰も近寄らなくなった。だけど君は、私の事を知ってるの。その問いに彼は答える。君がどういう人間なのかは知らないけど、里の人間に怖がられているのは知らなかった。彼女は答える。そっか。そう来れば、もう話は早いね。行こう。決して君も、私も1人じゃない。
そして避難する2人。この土地と彼らの負った傷が癒えるのはいつなのか、それは誰にも分からない。
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yuupsychedelic · 1 year ago
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小詩集『Poetry Showcase 08 : Happiness! Happiness!! Happiness!!!』
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小詩集『Poetry Showcase 08 : Happiness! Happiness! Happiness!!!』
1.『Happiness in Life』 2.『Coming Summer '24』 3.『Promised Happiness ~ 最低で最高な結婚しようよ』 4.『Happy Lunch Time』 5.『We Are The Idol』
1.「Happiness in Life」
僕たちが幸せと呼ぶ日を想像する それは晴れやかな日か あるいは曇り空か どちらも違うかもしれない
ときめきを探してきた人生だったけれども やっと君に出逢って こうして共に暮らして やっと気づけたのは傍にある幸せ
何度も叱られたし 君を何度か泣かせた 見たことのない景色の中で いつしか僕たちは次を描き始めた
人生の幸せはどこにあるんだろう 恋でも夢でもない幸せの在処を 僕たちはずっと探し続けている
人生の終わりに何を掴むんだろう 君でも他の誰かでもない意味 僕はずっと見つめ続けている
かつて出逢った頃は気付かなかった ふたつの人生が重なり合う日々 やがて僕たちの色になる
僕が十代の頃は臆病だった みんなが好きなアイドルとか 誰もが好きなあの芸人とか 好きなフリをしてた
誰かと違うって恐ろしいことだ あの日々はそう思い込ませた 本当は違ったってどうでもいい あの頃の僕にはわからなかった
でも君と出逢って僕は変わった 君は僕に自信を持たせてくれた 出逢った頃からずっと言ってくれてたよね 君が思うよりも僕には力になってるんだ
何度も笑ったし 何度も見つめあった 川のように止まらない人生の流れに 僕たちは抱き合ったまま身を委ねていく
人生の始まりはどこにあるんだろう 物心ついた時には考えなかった過去の話 今なら見つけられる気がする
人生の夜明けに誰がいるんだろう 咲かなかった花に別れの歌を贈ろう 今こそ乗り越えられる気がする
僕だって幸せになっていいんだ 傷つき傷つけあった日々 すべてを抱きしめた先 やがて僕たちの色になる
ほんとうは謝りたかったんだ 僕は強がりすぎて 君の声を聞けなかった 光が眩しすぎて 影に溶け込めない孤独
淋しさに未だ慣れることはできない だけど君にも未だ慣れない 慣れなくたっていい それが僕たちの幸せと呼べるなら それで十分じゃないか
人生と呼ぶものの価値ってなんだろう 何者にも決めつけられないからこそ 僕たちはずっと求め続けている
人生はどこに向かおうとしているんだろう 僕はどこへ行こうとも知らない道を 三輪車が壊れるまで走り続けている
人生の始まりはどこにあるんだろう 物心ついた時には考えなかった過去の話 今なら見つけられる気がする
人生の夜明けに誰がいるんだろう 咲かなかった花に別れの歌を贈ろう 今こそ乗り越えられる気がする
かつて出逢った頃は気付かなかった ふたつの人生が重なり合う日々 やがて僕たちの色になる
この人生が終わるまで 僕たちは抱きしめあう すべての雨が降り終えた先 僕たちは青空になる
人生になる 幸せになる
2.「Coming Summer '24」
今年の夏はいつもと違う気がする 毎年言ってる気もするけど
恋とか愛とかそんなのどうでもいい ずっとそう信じてた でも君に出逢ってから 心がざわめくんだ
海の見える坂道を自転車立ち漕ぎで 走り出す二人の目の前は碧空 深緑の桜は未来を占うよ
もうすぐ夏は来る ふたりの季節だ 忘れられない夏がこれから始まる だからもう迷うな 一瞬で夏は終わるんだ
何度も経験しただろ? 運命は僕の中にある
夏に始まった恋が終わった去年の秋 ふたりは別々の道を行く
あの日から僕は誰も信じられず ずっと迷ってた でも君に出逢ってから やっと振り切れたんだ
カフェテリアで他にも空いてるのに 突然隣に座ってきた君の笑顔 いちごソースの酸っぱさも甘く感じた
もうすぐ夏は来る ふたりの時代だ たとえ夢だって青春のうち だからもう憂うな 一瞬で時は過ぎるんだ
何度も泣いただろ? 夜明け前の闇に問う
ホントのことは誰にも言えない 誰も僕のことを知りたくなんかない でも作り笑いはしたくない いつだって正直でありたい 君となら素直に自分を好きになれる そんな気がしたんだ
もうすぐ夏は来る ふたりの季節だ 忘れられない夏がこれから始まる だからもう迷うな 一瞬で夏は終わるんだ
もうすぐ夏は来る ふたりのストーリー 高校最後の夏がこれから始まる 二度と来ないこの夏は すべての夢がジャムになる
青春ラプソディ もうすぐ夏は来る もう僕は好きかどうか迷わない 君に出逢ってからわかった ホンモノの恋を探してたのだと 好きだよ
3.「Promised Happiness -最低で最高な結婚しようよ-」
僕は君を好きじゃない 私もあなたが好きじゃない 僕は君を愛してる 私もあなたは愛してる
最高で最低な恋をしよう 好きじゃなくてもいいじゃない 愛しあえるのなら
君の傍にいたら曇り空も好きになる あなたと傍にいたら夜もやり過ごせる 君に薦められたワインはなぜか��味しい あなたと飲むビールはなぜか苦くない
最低で最高な暮らしをしよう 嫌いだっていいじゃない 憎みあわないなら
出逢った頃にはよく喧嘩した 街中で取っ組み合いだってした なぜか離れられなかった 好きになんて一度もなったことないのに いつの間にか一緒に家まで買った
婚姻届じゃ掴めない恋愛の容もある 世間体には見えない恋愛の姿もある ニュースが伝えない恋愛の端もある 時流れても消えない恋愛の麗もある
僕たちの恋は僕らにしかわからない 私たちの愛は私らにしか見えない
青空に浮かぶ雲みたく その形はさまざまで だからこそ不思議だ
最高で最低な結婚しようよ 最良で最悪な生活しようよ 最初で最後の青春しようよ
僕と私の謎めいた暮らし
僕は君を好きじゃない 私もあなたが好きじゃない 僕は君を愛してる 私もあなたは愛してる
僕は君を好きじゃない 私もあなたが好きじゃない 僕は君を愛してる 私もあなたは愛してる
僕は君を好きじゃない 私もあなたが好きじゃない 僕は君を愛してる 私もあなたは愛してる
4.「Happy Lunch Time」
「今日のお昼は何食べよっか?」と 隣の恋人に訊ねる 「なんでもいいや」と大きな目は こちらを見つめていた
何度も通い詰めたインド料理店 家族ぐるみの付き合いがある寿司屋 この街には美味しいが詰まってたから 僕はこんなに大きくなれた
とっても素敵な恋人と 大好きな街を巡る こんなに幸せなことなど 他にあるはずがない
永遠に続けばいいのに キスのおまじない
明日のお昼は何食べよっかと 満腹の恋人に訊ねても 「気分でいいじゃん」とうつろな目は ホワイトボードを見つめていた
マスターが愉しい喫茶店 やたら量の多い定食屋 この街で美味しいに囲まれたから 僕はこんなに優しくなれた 
とっても素敵な街に生まれて 大好きな恋人と巡ってく こんなに良い青春なんて 他にあるはずがない
二度と帰らぬ日々 一瞬を大事に
遅刻寸前に手を繋ぎ 教室に何度駆け込んだ���ろう? 夕焼けとともに手を振り 明日も良い日になれと笑顔を重ねた たとえすべてが今終わっても 僕は後悔しないだろう
とっても素敵な恋人と 大好きな街を巡る こんなに幸せなことなど 他にあるはずがない
永遠に続けばいいのに キスのおまじない 二度と帰らぬ日々 一瞬を大事に 「今日のお昼は何食べよっか?」
5.「We Are The Idol」
憧れていたんだ アイドルという存在に 夢見てたんだ あなたという輝きに
ステージの上 きらめくあなたが わたしの人生を 塗り替えてくれたから
ここからわたしも 元気と勇気を届けたい
みんなアイドル 君もアイドル わたしもアイドル あなたもアイドル
We Are The Idol 君も僕も誰かのアイドル
大好きなんだ アイドルという概念が 信じてるんだ あなたという群青を
ステージの上 笑うあなたが わたしの生き方を 塗り替えてくれたから
今日からわたしも 愛とぬくもりを伝えたい
みんなアイドル 君もアイドル わたしもアイドル あなたもアイドル
We Are The Idol あなたも私も誰かのアイドル
みんなアイドル 君もアイドル わたしもアイドル あなたもアイドル
犬もアイドル 猫もアイドル ハムスターもアイドル ぬいぐるみもアイドル 世界中がアイドル
青春アイドル 純情アイドル 星空アイドル 最高アイドル
みんなアイドル 君もアイドル わたしもアイドル あなたもアイドル
わたしもアイドル わたしはアイドル あなたがアイドル あなたとアイドル
We Are The Idol あなたも私も誰かのアイドル You Are My Sunshine あの歌のように 誰もが誰かの太陽
Get it On!
We Are The Idol We Are The Idol We Are The Idol
La La La…………
We Are The Idol!!
小詩集『Poetry Showcase 08 : Happiness! Happiness!! Happiness!!!』Credits
Produced by Yuu Sakaoka Designed by Minoru Ichijo
All Words Written Except “You Are My Sunshine” by Yuu Sakaoka “You Are My Sunshine” by Jimmie Davis「You Are My Sunshine」
Drafted by Yurine(No.1)/ TORIMOMO(No.2)/ Koharu Takamoto(No.3)/ Sakura Ogawa(No.5)
Management by G.Slope & Hill's Planet
Dedicated to Yukihiro Takahashi(No.1)/ Mizuki Yamashita From Nogizaka 46(No.5)
Very very very thanks to my friend, my familly, and all my fan!!
2024.5.9 坂岡 優
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ano5555 · 4 years ago
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Rexsoka week 2021 Day 4: It happened once in a dream/AU Day
I reposted the story of Rexsoka babies that I wrote a few years ago in the original Japanese version.
I think this story can be read as a dream of Rex who broke up with Ahsoka and retired to Seelos.
狩り
シーロスの砂漠を吹く風は、いつもベタついている。地表に厚く堆積した岩塩を砂嵐が削り、粉々に砕けた塩の結晶が風に乗って舞い上がるからだ。塩の岩盤の下には巨大なワーム類が棲んでいて、僕と僕の家族はそいつらを狩って暮らしている。この過酷な土地に生きる者にとっては、ワーム…特に脂の乗ったジューパは御馳走だ。干し肉にしても良いし、ベーコンにしても美味い。砂漠の縁、岩だらけの山の麓に細く貼り付いた緑地帯に住む人々のところに持っていけば、クレジットや他の品物に替えてくれるから、僕達はそれで食料や燃料、必要な生活用品を手に入れる。
その日、コックピットで“家”を操縦していた父さんは、僕に双眼鏡を渡して言った。
「ジャンゴ、上で周りの様子を見てこい」
「分かったよ、父さん」
僕は双眼鏡を首に掛け、テラスからコックピットの上に突き出したキャノンの砲身にコワキアン・モンキーみたいに飛びついて、するすると上に登る。赤ん坊の頃からやってることだから朝飯前だ。
こんな風に話すと、どうして家にコックピットやキャノンがあるのかって、皆不思議に思うみたいだけど、僕らの家がクローン戦争時代の全地���対応型戦車だと言うと納得してくれる。見かけは鈍臭く見えるけど、6本の脚で広大な砂漠を渡り、切り立った崖も登ることが出来る、とてもタフな乗り物だ。父さんは宇宙空間でも戦えるって言ってたけど、ホントかな。AT-TEと呼ばれるこの戦車を、父さんと母さんは廃材を使ってあちこち改造しまくった。キッチンと煙突を付け、車体の横に新しく出入り口を開け、家の周りにはテラスを巡らして、外からもコックピットに出入り出来るようにした。屋根の上は広いデッキになっていて、風のない穏やかな日にはここで食事をしたり、夜には星を眺めたりする。もちろん戦車としての機能もちゃんと残っている。5門のキャノンはまだ現役だ。特にコックピットの上の長い砲身を持つ主砲には“リール”が装備されていて、これでジューパを釣り上げ、主砲でとどめを刺す。
屋根のデッキに上がった僕はコックピットの真上、主砲の脇に立って空を見上げた。紺碧の空には雲ひとつ無く、ぎらぎらと陽が輝いている。風は強く吹いていたが、砂嵐の兆候は見えなかった。
天候を確認すると、僕はゴーグルを上げ双眼鏡で注意深く地表の観察を始めた。ジューパが地中を移動すると、地殻が崩れて地表にひび割れが出来る。その方向や崩れた幅からジューパの大きさや移動方向を推測するために、地道な観察は欠かせない。
「…2時の方角に地面の割れを発見!」
下のコックピットの窓から剃り上げた褐色の頭を出して、父さんが怒鳴った。「規模は!」僕も負けずに怒鳴り返す。「全長7~80、幅1.2ってとこ!」
「でかいな!」
「ビックボンゴかな?」
「わからん」
視界の前方にうっすら砂煙が上がった。
「ああ、俺にも見えた!来るぞ!!」
地響きを立てて地面が盛り上がり始め、地殻が割れて、紅い八つの複眼を持つ巨大なクリーチャーの白い頭が現れた。「ビックボンゴだ!」ゾクゾクと鳥肌が立つ。普段、地中深くにいるジューパだけど、僕たちが撒いた餌…今日は小さめのワームだ…の匂いを嗅ぎつけたらしい。
「思いのほか早く来やがったな!」父さんの口調は荒っぽいが嬉しそうだ。「奴さん、よほど腹を空かせてるらしい。母さんは主砲に付いたか?」
「さっきまで配線をいじってたけど、今はクーンにお乳をやってる」クーンは僕の妹だ。まだ赤ん坊だけど、お腹が空くとガンダークみたいに凶暴になる。
「早くするように言え」
「無理!クーンがグズってるんだ。あいつ行っちゃうよ!!僕にやらせて!」
「駄目だ」父さんは短く答えて、母さんを呼んだ。「アソーカ!」
車体の脇の扉が開いて母さんが出てきた。肌蹴た胸にはまだクーンが吸い付いてる。母さんの頭には青と白の縞模様で彩られた二本のモントラルと、それに繋がって左右に二本、後ろに一本のレックが生えている。トゥーカの耳みたいに尖ったモントラルとカラフルな肌の色(母さんのは綺麗な夕焼け色だ)はトグルータ種族の特徴だ。父さんと母さんは種族も違うし、歳だってどう見たって父さんのほうが20くらい上なんだけど、とにかく僕は父さんと同じ褐色の肌で、頭には白地に灰青色のまだら模様が付いた小さな瘤みたいなモントラルとレックがある。つまり、僕は父さんにも母さんにも、半分ずつ似ているんだ。妹は目の色以外は母さんとそっくりだけど。
「レックス、ここで止めて。クーンをお願い」
母さんは胸から引き剥がしたクーンをコックピットの開いた窓から父さんに渡した。クーンはギャー!と砂漠中に響き渡るような声で喚きながら暴れてる。「そう怒るなよ、おチビさん…いてッ」キックとパンチをまともにくらいながら、父さんは猫撫で声でクーンの機嫌を取っていた。「父さんの膝においで。母さんは忙しいんだ」僕に怒鳴る時とは全然違う。ホント、妹って得だよな。
デッキに上がって、キャノンの砲座に掛けた母さんに僕は頼んでみた。
「母さん、僕に撃たせて!一人で出来るから」
「一人じゃ無理よ」
「大丈夫だよ!この前僕が仕留めたの、母さんだって見てただろ?」
「あの時は獲物が小さかったからね」母さんは僕に構わず機器を操作し始めた。
「そんなことないよ!僕は…!!」
下から父さんが笑いながら叫んだ。
「ジャンゴ、母さんの言うことを聞け!我が家のコマンダーだからな」
「レックス、からかわないで」
母さんは砲座から降り、僕の眼を見つめて言った。
「いい?ジャンゴ。このキャノンは撃った時の反動が大きいの。あなたの身体じゃ、吹っ飛んじゃうわよ」
「…そんなら母さん、手伝ってくれる?狙いは僕がつけるけどね」
母さんは笑って僕の頭の小さなモントラルにキスをした。「勿論よ。やってごらん」
僕は歓声を上げ、トンボ返りで砲座に掛けた。あのビックボンゴを僕が仕留めるんだ!母さんは座席ごと僕を抱えるように後ろから支えてくれている。
今回ジューパを仕留めるにはキャノンを2発使う。1発目、ケーブルの付いた鉤針を獲物に撃ち込んで電流を流し、弱ったところに2発目でもって頭を撃ち抜くのだ。
ジューパまでは少し距離があったが、僕には”当たる”っていう確信があった。自信とは少し違う。上手く行くときもそうだけど、上手く行かないときにもそういう予感がして、大体その通りになる。
砲身にはケーブルを繋いだ鉤針をセットしてある。撒き餌を食べ尽くしたのか、ジューパは地表に半身を出して他の餌を探していた。今のこいつに鉤針を命中させるのは���そんなに難しい事じゃない。僕は狙いを定めてキャノンの発射ボタンを押した。ケーブルを巻き取るドラムが凄まじい勢いで回転し、繰り出されたケーブルは真っ直ぐにジューパへと向かって行く。ケーブルの先の大きな鉤針が上手いことワームの白い背に突き刺さった。ガクンと衝撃が伝わる。やった!僕はやったぞ!!
「踏ん張れ!!」父さんが叫ぶ。慌ててリールにストッパーを掛け、電流を流す。ワームが失神した隙にケーブルを巻き上げ、とどめを刺すって算段だ。でもジューパは感電してビクッと跳ね上がりはしたものの、次の瞬間には激しく暴れ出した。「弱過ぎる!!もう一度だ!」父さんが怒鳴る。母さんは電圧を最大に上げようとした僕の手を抑えた。「配線の修理がまだ。回線が焼き切れるわ」
僕は叫んだ。「もう!なんだよそれ!」クーンのバカ!!おまえが母さんの仕事を中断させたせいだぞ!
そんな僕の心の声が聞えたのかどうか、母さんは涼しい顔で淡々と言った。「オーケー、文句はあと。とにかく、今のこの事態をどうにかしないとね」
こういうときの母さんはいつも妙に落ち着き払っていて、一体何を考えてるんだろう、って不思議に思うよ。
僕はブツブツ言いながらリールを巻き上げ始めた。クリーチャーは巨体を大きくうねらせ、無茶苦茶に暴れているから、AT-TEの重い車体は軋んだ音を立ててギシギシと揺れる。ひっくり返るんじゃないかと思うくらい、物凄い力だ。「ジャンゴ!キャノンを使え!」父さんの声に身を乗り出すと、ジューパはもう尻尾まで全身が地表に出てしまっていた。「無理ならケーブルを切って」ワームは大きく左右に身体を振って、鉤針を外そうともがいている。母さんの言う通り、ここで仕留められないなら、これ以上獲物を引き寄せるのは危険だ。近づき過ぎて、あのびちびちと跳ねる尻尾が直撃したら、僕らはぺしゃんこになる。僕は全く気が動転してしまった。キャノンを撃つ手が震えて狙いが定まらない。
その時、母さんが僕の肩に手を置き、静かな声で、きっぱりと告げた。「目を閉じて。ジューパに意識を集中してごらん」
母さんの手から僕の中に、何か暖かい、力強いものが流れてくるのを感じる。僕は落ち着きを取り戻し、大きく息を吐いて眼を閉じた。
照り付ける陽射し、唸るエンジン音と振動、吹き付ける風さえも息を凝らして、世界が静まり返った。動いているのはビックボンゴと僕だけだ。
僕の頭の中で、ジューパの動きはスローモーションのようにゆっくりと、或いは静止したかのように見えていた。巨大なクリーチャーの尻尾がのたうつ不規則な動きさえ、コマ送りの連続画像を見るように数秒先の様子が分かる。
今だ。
砲弾は標的に向かって飛んだ。だが、ジューパに引っ張られた僕たちのAT-TEは前のめりになっていて、後脚は少し浮いて不安定になっている。車体が振動して気を散らした僕は思わず目を開けてしまった。弾道は僅かに逸れてワームの頭を掠めていく。まずい、と思ったその瞬間、パキッと何かが割れる音がして、次にAT-TEの後脚がドスンと落ち車体がガクンと揺れた。鉤針がケーブルから外れたのだ。自由の身になったビックボンゴは鉤針を付けたまま地中に逃げ込んで行った。
「あああああ…」
僕は情けない声を上げて、地面に潜り込んで行くクリーチャーを見送ることしか出来なかった。ものすごくがっかりだ。噂に聞いていた大物を仕留められなかったのと、大事な鉤針をジューパに持って行かれちゃったからだ。
「ジャンゴ」母さんに肩を叩かれて、僕は我に返った。「最後まで気を抜いちゃダメ。焦りは禁物よ」だけど叱った後で母さんは僕をぎゅっと抱き締めた。「でも、最初にしては頑張ったわね」
僕と母さんはデッキからテラスに降りた。父さんとクーンもコックピットから出て来た。父さんの腕に抱かれたクーンは眠っている。あの騒ぎの中で寝ちゃうなんて、どういう神経なんだろう。
「アソーカ、助かったよ」
「いいえ。私じゃないわ」
父さんは母さんの顔を見、次に僕の顔をまじまじと見た。僕も顔を上げて見慣れているはずの父さんの顔を見返した。陽に焼けて深く皺が刻まれた褐色の顔には、怒りの色も失望の表情も無く、ただ何かに驚いているように見えた。そして、僕の目には、父さんが急に老け込んだように見えた。頬と顎の無精髭に白いものがちらほらと混じっているのを、見つけてしまったからかもしれない。
「ごめん、父さん…ビックボンゴを逃しちゃった。それに鉤針も」
父さんは少し笑って、僕の頭の瘤を大きな手でわしわしと撫でた。「何事も経験だ。次は上手くやるさ」
ふと見ると、父さんのシャツにしがみ付いてるクーンが、よだれを垂らして眠ったまま、にっこりと微笑んでいた。
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mikishito-music-japan · 8 years ago
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JYOCHO
tree,stone
2017/09/13
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nemosynth · 6 years ago
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小学校中退した私が婦人画報に載った YMO と出会うという、てれんこてれんこした書き下ろし
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そう、私は小学校中退。
まじほんま、ほんまにほんま。卒業証書あらへんねんで。
合衆国の小学校を中退し、日本の中学校に途中編入。日米では年度が始まるタイミングが違うから、はからずもその間をすり抜けて帰国してしまったことになる。
在米生活中、まだ英語がそんなに出けんかったとき、ピンクレディーが合衆国の歌番組に出演してるのを、偶然テレビで見た。ワイよりよっぽどたくさん英語をしゃべってて、さすがーって思った。でも、なんか発音とかイントネーションに違和感。それでもよーけしゃべったはるさかい、なんや変やけど、やっぱさすがーって感心してたら、オカンが 「へたくそな英語やなー!」 って、一刀両断してもーてびっくりした。でもそんとき、違和感の正体がわかった。
私が米国で見たピンクレディーは、だが日本がお留守になって、人気凋落。 私が米国で見ることもなく、私が帰国するまでは存在も知らなかった YMO は、だが米国はじめワールドツアーに出ても、日本では人気が衰えるどころか人気うなぎのぼりだったらしい。
この違いは、なんで? アイドルとアーティストの違いかなぁ? せやさかい、客層も違うのかなぁ? 誰か教えてください、えらいひと。
帰国して途中編入した中学校。電子工作部があって、ある日そこに、NEC の原始的なパソコン PC-6001 か、6001 mkII だったかがやってきた。
ひとしきり皆でそれでわいわい遊んだのち、しばらくしてから先輩がそれに、何日もかかって BASIC でプログラムを打ち込み、RUN させると、曲が鳴るのだが、ビープ音がへぼい内蔵スピーカーで歪んでナチュラルオーヴァードライヴ。でもその歪んだ音色が速いテンポと相まって、かっこええ疾走感! この音色、この曲、かっこええなぁー、って、部室たる理科室の隅っこで ASCII とか I/O とか読みながら聴きながらひそかに感動してた。
今を思えば、元祖チップチューン。
これが、ワテが初めて聴いた YMO、かの「テクノポリス」。PC-6001 系のチップでも演奏できるよう、ちょっとアレンジしてあった。それがまたクール。でもそんとき、それが YMO とは分からんかった。曲名くらい先輩に聞いとけばよかった。
クラスの同級生は、みんな YMO ファン。大人気。 でも私は、わいえむおー、が何たるかを知らんわけです。そもそも「YMO は、全世界で有名になった」って言うけど、ワテが住んどったとこでは全く名前すら聞かんかったさかい、知らんかっとてんちんとんしゃんや。
ある日、中学校の先生に 「わえいむおー、ってなんの略ですか?」 ほな先生 「いえろー、もんきー.............おっさんず」
関西の先生やさかい、ええかげんなことを言うわけ! せやけどこっちも知らんさかい、信じてええんか悪いんか、わからへん! あんな当時、ファクトチェックしようがあらへん。
でも当時から私はヴァンゲリスにジャールにタンジェリンに冨田勲の音楽にお熱だったので、YMO を知ったあとも私は彼らを勝手にチャラいアイドル連中と決めてかかり、YMO を聴きもせず 笑
同級生は、みんな、オフコース、Queen、パープル、ツェップ、イーグルス、ジャーニーなどにも夢中。でれでぅ、でぅ、でぅ、あなざわんばいつざだすっ! って言ぅとった。 去年、ワイは映画「ボヘミアン」を観て、ああ、俺はこんな時代を生きてたんやなぁーって、遅すぎた感涙に。
ある日、クラスの友人が皆「YMO が解散するねんてー!!」って泣き叫んでた。ふん、諸行無常じゃ。冨田さんのクラシックは永年に timeless じゃぼけ。
はからずも元祖チップチューンのディストーションがかったサウンドにしびれてもーて、音色フェチの私は、のちにほんまの YMO の音をテレビで聴いたとき、なんやこのうすっぺらい音、ってがっかりw まぁ、音色フェチなんで、ごめんなさい。オフコースも、唯一「一億の夜を越えて」だけは、ギターがハードロックっぽぅて好みの音w
金持ちのボンボンたる友人が、JUNO-60 を買い、数年後には DX7を買い、うらやましー俺そんなん買うカネあらへんさかいしゃーないんよねーん、ってオモてたら、京町家に住んでた彼女が 「そういやウチにもシンセあるワぁ。なんやしらん昔カメラ屋さんで十五万くらいで売っててん。」 え? ほんま? って借りてみたらミニコルグ 700S!
そのころ、さすがに散開から時間もたち、ふと「皆そない夢中になってる YMO がどんなんか、いっぺんくらい聴いてみたろ」と思い、関西のスーパー「イズミヤ」の二階に売ってた赤いカセットテープ「アフター・サーヴィス」購入。へー、こんな音色かぁ。うすっぺらいけど、このエレドラの低音ええなぁ。
そんな私を知って、彼女が貸してくれた YMO のアルバムは、カセットテープ「BGM」。そん中の「Happy End」という曲が、ほとんどホワイトノイズにフィルターとフェイザーかけただけやのに、その音色が気に入り、へー、こないおもろいことしはる人らやってんやー。
そこから徐々に聴きはじめ。
大学に入っても、みーんな周りは YMO ヲタ。学祭で、シモンズのエレドラ持ってるパイセンとかが「東風」をコピー。友人の下宿にあるミニコンポとか、学生控室にあるラジカセとかでも、日に一度は彼らのアルバムがかかってた。そこで初めてスタジオ盤ソリステ聴いて、あのぷいぷい言ぅイントロの音のまぬけっぷりにひっくり返るw
でもさすがに大学に入ると、音楽とか人民服とかチャリ毛とかよりも、むしろ浅田彰とか柄谷行人とか、そこらへんのニュー・アカデミズムに関心が行く。文庫本「Eve Cafe」なんべん読み返したかしらん。あれはいろんなものへの入口を提供してくれる絶好のハブ空港みたいな本!
ヘーゲル、ヴェーバー、レヴィ=ストロース、クリフォード・ギアツ。 あれ、やっぱ「Eve Cafe」からにしても、行き先が変w
今を思えばきっとあれは、おっさん連中がメンターとして輝いていた最後の時代。あれ以降、フォローしたくなるおっさんがおらんよーんなり、子供が思想面での最先端になってしまったがために、世��おっさん連中は女子高生とかばっか追い回すようになった。 キッチュな音に隠れてじつはディープな YMO。それは、おっさん教養の最後の輝きやった。
再結成というべきなのか、ノット YMO。
あのライヴを見に行った人らは、みんな真剣に鳥肌たったらしく、熱っぽぅ語るんやけど、やがて本人らが「じつはあれは不本意でー、ファンの呪いにうながされてー」みたいなこと言い出すと、途端にあれはおもんなかった云々とか言い出す不思議。 ええやん別に。本人に忖度せんでも好きなんやったら良かったやん。あれを聴いて、そっからプロに目覚めた人もおるんやさかい。
心斎橋クラブクワトロで、いろんなバンドが出演する機会があって、そこでテクノバンドに参加、矢野アッコちゃん版「東風」をカヴァー、白いモーグ・リバレイションでシンベを弾き、挙げ句、重たいのに客席乱入まで果たしたワテは、若気の至れりつくせり、あんなもん桜田門外不出の変w
それから幾星霜。 先日、ついに婦人画報に特集されし YMO、これは前代未聞のネタやでー、ぜったいゲットしとかなあかんやろー、おーぉ本屋で御婦人の雑誌探すんは苦労しますなぁ、お、平積みやでー、あ、えらい婦人画報だけ冊数が少ないなー、ワイみたいなシンセヲタが買いしめたかー、っていうか、これがラストワンやん!
婦人画報がどういう雑誌なんか、今の今まで知らず。初めて購入、帰宅後じっくり拝見。
なんか婦人画報でアートをするなんて勘違い平行棒か? まぁ、初心者向けということか? 婦人という単語が、もはや古いなー、労働者、という言葉と同じくらい古ぅて、これまた勘違い平行棒。ご婦人、婦人部、婦人警官、婦人科、婦人服、どれもこれも女性という言葉で代替できる。古いなぁ。プロレタリア革命をこころざした時代か? ほんで YMO 世代も、今やご婦人ということか。
もはやおっさんメンターがおらん今、めんどくさい YMO ヲヂサンによるウンチク満載マシンガントークも要らん。せやさかい、おっさんではなく、おばはん向け「婦人」画報か。
ひやー、今見るとぜんぶ武道館ライヴみたいに広いステージングかぁオモたら、おもっきし狭いやん。んなとこにモーグとイーミュのタンス2台も押し込めてまぁ。パリ公演とかハンブルグ公演とか、んーまに狭いでー。
ほんでまた風吹ジュンさんのコメも、その時代の先端に、最初のライヴ、結成直後に実験的ライヴしたのを観た話とか、文字通り居合わせた人ならではの迫力あるなー。
でもいちばん印象的やったのは、冒頭の高橋源一郎さんの寄稿やな。 あの当時、YMO に夢中になった人々は「世界は一つ」であるということを音楽によって証明できると思っていた、とある。なるほどぉーぉ! これはずん!と、みぞおちにくる碧眼。
せやでー、あの当時、このまま人類はハイテクでもって諸問題を克服してって、約束された未来に向かって突き進んでって、そのうちみーんな地球連邦へと一つにまとまっていくんやー、いう、根拠レスな、なんとなーくな希望があった。テクノロジーに裏打ちされ、無邪気に信じる健全な未来観。 その最先端に、日本が、自分たち若者が位置するんやーっていう、そんな明るい自信に満ちとったわけや。ニュータイプ、スペースノイドの楽園コロニー国家やで。
冷戦、東西両陣営、双方にもの��っつい数の核兵器、最終戦争への恐怖、それらと対になっとった明るいハイテク社会、それが、いっつも善と悪の二項対立になって、僕らをとりまく背景画となっとった。その二項対立いぅんは、自分の理解を超えたテクノロジーへの狂喜と畏怖、その顕在化でもあったわけやな。
その陰陽二元論が崩れてもーて、今はすべてがグレイ、すべて灰色で白黒つけられず、人々はあせって答に飛びつこうとしてもーて無理やり白黒つけてまう、ほんで複雑なもんをそのまま受け入れられへんで過剰に単純化してまう。白黒つけられへんさかい、えらいまたよーけいろんな人がでてきた中で、俺のことも分かってくれぇと多様性を認めたものの、多様性のために他者は理解を超え、かえって誰も分からへん分かってもらわれへん孤独と幻滅とを呼んでもーた。恐るべき分断によって、すべてがずたずたに引き裂かれ、「世界は一つ」であるどころか、未来も信じることもできんよーんなった。 せやさかい、初心に帰るべく、YMO なわけや。なるほど。
かく言うワテも、かつて YMO 知らんかったけど、ワテなりに無邪気に未来を信じてたわけや。少年が見た合衆国は、まさに超絶ハイテク、底抜けに自由なクリエイティヴィティ、明るく豊かな感受性での交感能力、それらによって、差別や社会問題すらをもみーんな話し合ぅて解決していこう言ぅ、意志とやさしさとが共存するユートピアに思えた。日本にいたら想像もでけん多様性に満ちた世界が、その多様性を内包しつつ、ひとつになってくんや! ほんで俺はその最先端や!
そんな初心に立ち返って、今という英雄のいない時代に負けた無ぅて、ご丁寧に因果律によって YMO おじさんと、じじいのワイとがシンクロニシティを経験してるわけやね。
こないごっついでっかい重たい雑誌でアートをするのが勘違い平行棒なんかどうなんかはさておき、せやったとしてもワテみたいなおっさんが買い占めてもーて、肝心の読者には届かへんやろうことはさておき、レアな写真もあるし、もー、知らんことだらけや。
年齢だけなら YMO どんぴしゃ世代のはずが、日本におらなんだがために未だ YMO を知らず。 たぶん、永遠に知らんままやろなー。
まぁ、ええがな。
総括もないまま、ゆるゆる戦後時代を生き延びていく戦友会みたいなもんかな。
そのうちにまた、なんかおもろいもん見つけて、ほんで日々、愉快に暮らすって。
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cotatsu · 6 years ago
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この花火をわすれるころには
──もう、はぐれないでって言ったのに。
毎年、この時期になると実家から少しの距離にある小さな神社で夏まつりが開かれる。小規模ではあるけど、境内にはところ狭しと出店が数多く並び、家族連れやカップルなどで賑わう夏の終わりの一大イベントだ。近所の浜辺では花火も上がる。
「今日っておまつりあるんだって? いいじゃないか、行こうよ勇利。おれと2人で」
さっき練習の合間に優ちゃんに聞いたらしい。滑り終えて汗を拭うぼくの肩を抱きながら、彼が有無を言わさない笑顔でのぞき込む。
「えぇ……。ヴィクトル行ったら大変なことにならない? まあ、もう町の人たちも大分慣れて来てるとは思うけど……」
「だぁいじょうぶさ。ふだんその辺おれが歩いてたってみんな普通に挨拶してくれるだけで誰も騒がない。行こうよ。日本のおまつり興味あるよ」
うーん、と少し悩んだけど、まあ、ぼくももう何年も日本のお祭りなんて行けなかったし、折角だからヴィクトルにもこの町のイベントを楽しんで欲しいし。
「そうだね、行こっか! でも、人多いと思うから絶対にぼくからはぐれないでね」
「分かった。じゃ手繋ぐ?」
「つなぎません」
そうして午後の練習を少しだけ早めに切り上げたあと、軽く晩ご飯を食べてから2人で神社までの道を歩いた。
「ちょっとずつだけど日が暮れるのが早くなってきてるね」
「そうだねえ。日中は暑かったけどこの時間はだいぶ涼しくなってて助かるよ」
彼に話しかけながら見上げると、澄み渡った空の青からまだらな紫陽花色が混ざり、淡いグラデーションを作っている。まだ明るい夕焼けをバックに、浴衣を着た中学生くらいのグループやカップルがそれぞれにはしゃいだ声をあげながらぼくたちを追い越していった。
「勇利は浴衣着ないの? 似合いそうなのに」
「ぼく? いやいやもう何年も着てないよ。こんなちっさい頃に着せてもらったきりかなあ」
手のひらを低くすると彼がワオ、そんなに? と大げさに笑った。
「ヴィクトルのほうが似合いそう。着てみたかった?」
「んー……そうだなあ。勇利とお揃いで着るなんてのもいいね」
友達同士、お揃いの柄の浴衣を着て歩く女子たちを眺めながら彼が僕の肩を抱いた。
「えっ やだよお揃いの浴衣なんてはずかしい……。ていうか暑いでしょそんなくっつかないで」
夕暮れの時間とはいえ、歩いていればじんわりと汗が滲んでくる。それでも彼は御構い無しにぼくより体温の高い体をさらに密着させた。
「お揃いいや? じゃあ柄違いにしよう。来年の夏はそれ着てまたおまつり行こうよ」
耳元で囁かれるお誘いの言葉に思わずぞくりとする。蒸し暑��も厭わず爽やかに笑う彼に対して、ぼくは、う、ん……と返事にもならないものしか返せなかった。
「もう、だから言ったのに…… ヴィクトルどこ行ったんだろ」
神社に着くと、いい匂いを漂わせた屋台がずらりと並び、すでに早めに来て楽しんでいる家族連れなどでなかなかの賑わいを見せている。はじめはちゃんとぴったり横について、この棒に刺さった肉はなに? あそこのたくさん魚がいるのはなに?と楽しげに騒いでいたヴィクトルが、気がついたらいない。メッセージを送っても既読にもならない。
──まあ、あれだけ長身だし目立つ容姿をしてるから、すぐに見つかるかな。
とはいえ、すでに日は暮れてしまっていて向こうの方までは暗くて見えにくい。屋台が並ぶ参道はそう広くはないし人混みを掻き分けて進むのは気がひける。せっかくだし、ぼくは色とりどりの屋台を眺めながらゆっくりと歩くことにした。フランクフルト、ベビーカステラ、焼きそば、りんご飴、……あ。かき氷だ。去年の夏、ピチットくんと作って食べたの、あれ美味しかったんだ。……いいなぁ、久しぶりにお祭りのかき氷食べたいなあ。だめかなあ……。
よし、とぼくは本腰を入れて彼を探し出した。ほんとは勝手に食べたいけどきっとバレるし、こっそり食べたと怒られたらやだし。コーチに許しをもらわなきゃ。
周りをキョロキョロと見渡しながら少しずつ前に進んでいく。出店の白熱灯は明るいけど、それだけじゃこの人混みの中を探すのはやっぱり難しい。あちこちから威勢のいい呼び声が飛び交う中、楽しげな学生のグループやカップルが笑い声を上げ手を繋ぎながらすれ違っていく。ひとりぼっちでこんなところウロついてるのなんて、ぼくぐらいだ。
……あーあ。彼には行くのを少し渋った素振りを見せたけど、ほんとうはぼくだってヴィクトルとお祭りに来れて嬉しかったんだ。ここ数年お祭りなんて縁がなかったっていうのもあるけど、それよりも、ただ思い出がほしくて。彼と過ごす、最初で最後の夏の終わりの、ささやかな思い出が。彼は来年は浴衣を着て来ようね、そう言ったけど、きっとそれは叶わない。来年の今頃、ぼくがどこで何をしているかわからないけど、彼はきっとロシアに戻り氷の上に立っている。かならず、そうでなくちゃだめなんだ。
でも、それまでは彼はぼくのコーチだ。毎日、誰よりもそばにいてくれる。信じられないけど、限られた今だけ、ぼくはそれを許されている。だからこんな小さなお祭りの思い出だって欲しいし、一緒に楽しみたいのに。
「……どこいったんだよ……」
屋台の列が途切れてため息が零れた瞬間、突然後ろから腕を引っ張られた。
「勇利! やっと見つけた! だめじゃないか、迷子になっちゃあ」
「……ヴィクトル」
振り向くと、片手に缶ビールを持った彼が悠然と笑みを浮かべながら立っていた。……迷子って、それこっちのセリフなんだけど……。
「……どうした? そんな泣きそうな顔して��あ、一人でさみしかった? ごめんね早く見つけてあげられなくて」
へらへらと笑う彼になんか腹が立つが、不覚にもすこしだけ心細くなってたのは事実なので強く否定できない。黙ってしまったぼくがほんとにさみしがってたとでも思ったのか、彼はぼくの右手をとると、そのまま優しく握った。
「これで迷子にならないから大丈夫だ。キョロキョロしてはぐれないでよ、勇利」
「もう、さっきから…… はぐれたのはヴィクトルのほうだろ? いったいどこいってたの」
「あっちに美味しそうな店がたくさんあったんだよ。いか焼きに焼きそば、魚の塩焼き、唐揚げ、どれもうまいし味が濃くて最高にビールに合う」
「そんな食べたの!? さっきご飯食べたじゃん!」
「こういう場所で食べるのはまた格別だろ?勇利は?何か買った?」
えぇーどんだけ……。ぼくなんてかき氷ひとつ食べるのにも悩んだのに……。あ。
「あっ ねえ!ぼくかき氷食べたい!ほか何も食べてないから!ねえ、だめ?だめですかコーチ」
懇願するように見上げると、彼が少し驚いた顔をしたあと、ぷ、と吹き出した。
「なんだ、そんなの。いいよ、せっかくお祭りに来たんだ。勇利も楽しもう。そうだ、おれが買ってあげるよ!優しいコーチのおごり」
そう例の如くキザなウィンクを飛ばすと、ぼくの手を握ったまま喧騒の中を歩き出す。さっき通ったのとほぼ同じ場所を歩いてるのに、不思議だ。景色が全然ちがう。そばに彼がいるだけで、こんなに世界の彩度は変わって見えるんだろうか。
「ほらー勇利早く。 ちゃんとはぐれないでよ」
ぼくの手を引きながら、ほろ酔い顔の彼が笑顔で振り向く。缶ビールを煽りながら、完全に酔っ払いみたいな顔してる。あーあ、もうしょうがないな。でも何だか楽しいや。さっきから胸がどきどきするのにあったかい。ふわふわする。やっぱり不思議だ。
「あれー、ないなあ…… さっきは見かけたんだけどなあ…… あ」
かき氷を探していたぼくたちの目線の先にあったのは、射的の屋台だった。
「銃? えらく物騒なものがあるね」
「コルク銃だよ。あそこに並んでる賞品どれかを狙って撃ち落とせたらもらえるんだよ。ヴィクトル腕長いし得意なんじゃない」
「……ふーん、面白そうだね……」
「やってみる?」
店のはしでのんびりタバコをふかすおじさんに料金を払うと、コルク弾を4つ渡される。台に並んでいる銃を選ぶと、中にコルクを詰めて彼に渡した。
「なに狙うの? ヴィクトル。多分上の段が一番むずかしいと思うよ」
景品は3段の棚に等間隔に並んでいて、下の段にはキャラメルやビスケット、飴など小さくて軽そうなお菓子、真ん中の段はフィギュアや小さめの置物などの小物類、上の段はゲーム機や大きめのぬいぐるみなどが置かれている。
「そうだなあ……。勇利、どれがほしい?」
「え? そんな、ヴィクトルが欲しいのにしなよ。せっかくなんだから」
「��っておれよく分からないし。勇利の欲しいものがいいよ」
えぇ、そう言われても。何がいいだろ……。でもやっぱり落としやすそうな物がいいよね。戸惑いつつも景品の並ぶ棚を順番に眺めていく、と……。
「あ…… あれがいい……!」
思わず指差した先に視線を向けると、彼がオーケー、と頷きながらぼくの後頭部に軽く触れた。
おもむろに右手で銃をとり、片方の手を台につくと標的に向けて長い腕がすっと伸びていく。前髪に隠れて表情は見えないけど、その姿は恐ろしいほど様になっていて、めちゃくちゃかっこいい。毎日一緒に過ごして、何だかんだ見慣れた筈なのに、ふとした時にぼくの心をぎゅっと掴んで虜にする。やっぱり彼は……。
その表情の見えない横顔に見惚れているうちに、パン、と横から弾けるような音が響く。瞬時に我にかえると、ヴィクトルが狙った標的に弾が命中したようで、ぱたんとひっくり返っている。一発で撃ち落とすことができなかったからか、彼は少しくやしそうな様子で軽く舌打ちをしていた。
「あー惜しいな。 でもだいたい要領はつかんだ」
「……えっ、すご……!ふつうは倒すだけでもむずかしいのに……」
まさかの凄腕に思わず興奮して彼を見ると、まぁまかせなよ、そう笑いながら彼が左腕でぼくの肩を抱いた。そのまま銃を構えると、再び標的めがけてゆっくり腕を伸ばしていく。
「……え……」
この姿勢で? とあっけに取られていると、ぼくの肩を抱く手にうっすらと力がこもる。今度は見逃さないように、ぼくが強請った標的をじっと見つめると、パン、と音とともに見事にそれは棚の後ろに倒れ落ちていった。
「……う、わ、やったぁ……! え、すごい、ねえ、ほんとにすごい……!」
「すげぇな兄ちゃん」
横でのんびり眺めていたお店のおじさんも驚いたように首を振りながら手を叩いてる。もうひたすらにかっこいい、すごい、かっこいいを連呼するぼくらにヴィクトルは当然、とばかりに満足気に頷いていた。
「すごいすごい! ねえヴィクトルまだ弾2つ残ってるよ! 何狙うの?」
興奮のままに彼の腕を揺さぶると、はい、と銃を渡された。
「今度は勇利がやりなよ。おれはもう楽しんだし」
「ぅえっ ぼくが?」
こんな凄腕のあとに撃つなんてだいぶ気がひけるんだけど。
「何狙う? 勇利」
「……んー せっかくだから難しいのがいいな。 上の段の、あのゲームとか」
ちょっとやそっとの弾じゃ倒れなさそうな、人気のゲームソフトのパネルを指差す。負けず嫌いを発揮するぼくに、彼がニヤリと嬉しそうに笑った。
「いいねえ。 そういうとこ大好きだよ」
コルク弾を詰めると、銃を持った右腕をギリギリまで伸ばす。やっぱりヴィクトルほど距離は縮められないな。うーん、と狙いすまし、パン、と撃った弾はうまく標的に命中はしたけどびくとも動く様子はなかった。
「うわーやっぱり難しいな…… 威力が足りないのかな……」
最後の弾を、今度はぎゅうぎゅうに詰めてみる。いつのまにかぼくの背後に立っていたヴィクトルが、両肩に触れながらそっと耳打ちをした。
「角を狙うんだよ、勇利。右でも左でもいい、上部の角を狙うんだ」
静かな吐息とともに耳元に吹き込まれる声に、思わずぞくりと肌が粟立つ。
「は、はい……」
もう一度、標的めがけて思いきり腕を伸ばす。肩に乗ったままの彼の手のひらからじんと熱さがつたわってくる。教え通りに、ぼくは標的の右上に狙いを定めて引き金を引く。
「よし……」
パン! とコルクが目標の位置にうまく当たって跳ねた。軽快な音に弾かれるようにパネルがくるりと回る。そのままバランスを失うと、回転しながら後ろに倒れ落ちていった。
「勇利!!」
ワァ、と小さく歓声が上がると同時に後ろから思いきり抱きしめられる。
「すごいじゃないか、勇利! やっぱりおれの勇利は最高だ!」
ギュムギュムと抱きすくめられながら周りを見ると、気づかないうちに結構な人だかりができていた。
「あれ、ゆうりだ」「ヴィクトルじゃない?」そんな小さなざわめきがだんだんと広がっていく。
「わ、やばい……」
せっかくみんなそれぞれにお祭りを楽しんでるのに騒ぎになっちゃう、そう青ざめたそのとき。
「ほら行くよ、勇利。みんなお祭り楽しんでねー!」
ぐい、とぼくの手首を掴むと周りにヒラヒラと手を振りながら走り出す。
「あ、ちょ、ヴィクトル、待って……! っ、あ、すみませ……」
そのまま巧みに人の波を掻き分けてどんどん進む。まるで祭り囃子の笛に乗るように器用にステップを踏んでいく。屋台の群れから外れ、ようやくペースを落とすとふいに彼がこちらを振り向いた。
「勇利、人気の無さそうな場所はどこ?」
「え、人気のないところ……? どこだろ……」
ふと、周りを見渡すとさっきお参りした本殿のそばまで来ていた。──そうだ。
「ヴィクトル、こっちこっち」
手を繋いだまま彼を本殿の裏に引っ張っていく。薄暗いそこは木が生い茂るだけで何もなく、お祭りの喧騒がうそのように静黙と落ち着いている。ぼくたちは はあ、と一息つくと、顔を見合わせてどちらからともなく笑っていた。
「あー つかれた…… 人集まっちゃったね」
「やっぱりヴィクトル目立つんだって!あんなカッコよく決めちゃうんだもん、みんな見るよ……」
「えぇ? 勇利が人を寄せたんだろ? ……あ、そうだ。 はい、勇利が勝ち取ったゲームと、これ」
彼がぼくの手を取り、ぽん、と掌に乗せてくれたのは、透明なケースに入った、薄いブルーの、小さなトイプードルを模ったクリスタルの置物���ヴィクトルに、どの景品がいいかと聞かれてねだったもの。
「……わ、ありがとう……! やっぱりヴィっちゃんみたいだ、かわいい…… ありがとう、ヴィクトル……」
彼がぼくの為にとってくれた、それだけでたまらなく嬉しい。一生の宝物だ。
両手で大切にそれを包みながら彼を見上げると、うす暗闇でもわかる綺麗な碧の瞳が静かにぼくを見下ろしている。今までに憶えのない眼差しに息をするのも忘れて見とれていると、ふいに彼の指先がおとがいを上げ、唇をなぞってくる。そのまま少し捲られた、と思った瞬間、あたたかい息��柔らかな感触がふわりと唇にふれた。
「……っ」
どれくらい、息を止めていたのだろう。実際には一秒もなかったのかもしれない。我に返って唇を離すと、ひときわ鋭く光る瞳に射抜かれる。わけがわからない。いま、彼とぼくは何をした?
反射的に遠ざかろうとする体を彼の強い腕が捕まえる。大きな掌に後頭部を掴まれると、こんどはさっきよりも激しく、噛み付くように唇をこじ開けられた。
「ん……、ぅ……っ」
鼻先を擦り付けながら、角度を変えて何度も唇を啄ばまれる。何もかもを塞がれているみたいに、うまく息ができなくて苦しい。舌を吸い上げるように引っ張り出されて端から唾液がだらりと垂れ落ちていく。顔も体も火照るように熱くて、体中が心臓になったみたいに騒がしく脈打っている。足に力が入らなくてまともに立っていられないのに、ぼくを支えるヴィクトルの腕が、離れることを許さない。どうして、なぜ彼はこんな。ぼくは、なにかおかしな夢でも見ているんだろうか。
混乱する頭の中、突然、静寂を破るように乾いた音が轟く。立て続けにドーン、ドーン、とお腹にずしんと響くような爆発音が鳴り響く。
やっとの思いで唇を離すと、向こうの空に色鮮やかな花火が咲くのが見えた。次から次へと下から打ち上げられた細い火柱が爆音とともに暗闇を彩り、菊、牡丹、椰子、柳、さまざまに美しい色を開かせる。なかには可愛らしい猫の形も。
「……わぁ……」
抱き寄せられた体は解放されないまま、カラフルに色を変える空をただ眺めていた。こんなに美しい花火を見ているのに、背中に触れる彼の熱い手のひらにどうしようもなく心が乱される。いま、彼はどんな顔で見ているのか。気になるのに、視線を合わせるのがこわい。それでも、体を離すこともできない。触れられる手の強さが少しずつ増していき、うるさいのは、花火の音なのか、だれかの心臓の音なのか。
「ヴィクトル……、花火、綺麗だね……」
やっと絞り出した声は小さく掠れて、爆音にかき消される。それでも耳に届いたのか、彼の大きな手のひらがぼくの頬を包むように触れてくる。そのまま眼鏡を外すと、ゆっくりと唇が近づいた。
「……勇利のほうが綺麗だよ」
隙間に見えた、その瞳の色が違って見えたのは鮮やかな空のせいか。
「……ん……、ぅ……」
その瞬間、まるで透明になったように周りの音はすべて消えた。耳に入るのは2人の鼓動と、唇の絡み合う音だけ。
すがるように逞しい背中に手を回すと、後頭部を押さえる手がくしゃりと髪の毛を搔きまわす。
彼とぼくの間に距離は一ミリもなかった。ぴったりと、まるで体がひとつだけになったみたいに、体温までも溶け合っていく。どちらともなく、からだを擦り付けるように強く抱きしめ合う。
このまま、ほんとうにひとつになれたらいいのに。ぴったりくっついたままひとつになれば、ずっと離れないでいられるのに。
「はぁ……っ」
苦しさに唇を解放させて���、髪に差し込まれた手の強さに押さえつけるようにまた捕らえられる。くちゅり、くちゅりと卑猥な音をさせながら、舌の先までひとつになるように絡めあっていく。
ひときわ大きな音がして、再び耳元にさざめきが戻った。クライマックスが近いのか、派手な音とともにいっそう華やかな大輪の花を咲かせている。うっすらと開けた視界で眺めた色はぼんやりとしか見えないけれど、まるで終わりを惜しむように鮮やかに大きく広がっていく。いつだって、儚いものは美しくて、だからこそ目が離せない。この花火が消えれば、煌々とした明るさが嘘のように夜空に静寂が戻っていく。
ぐい、と咎めるような手つきが後頭部を掴んだ。集中しろと言わんばかりに激しい動きで口内を攻めたてられる。燃えるように熱い、ぼくの舌も、彼のも。
それでもいつの日かこの熱でさえ何もなかったように消えて無くなる。残るのは少しの思い出と寂しさだけ。
そのうち今日みたいに2人で屋台ではしゃいだことも、一緒にスケートをしたことも、彼が長谷津に来たことさえも、遠い記憶の中に消え去って、きっと思い出すこともなくなる。
2人で見た、この花火のことも忘れてしまう。
──そんな日が、いつかほんとうに来るんだろうか。
「花火、綺麗だったねえ。最近のは動物の型とかあるんでびっくりしたよ。あ、あとゲームのキャラのとか」
帰り道は静かだった。祭り客はみんな浜の方に行ったんだろう。街灯が少なく立ち並ぶ夜道を2人でぽつぽつと歩く。
さっきからずっと、ヴィクトルはほとんど無言だった。無言で何かの雰囲気を醸し出そうとしていた。それを感じたくないぼくは、微妙な空気をかき消すかのようにずっとしゃべり続けた。
「マッカチン何してるだろうね? まりねえちゃん、おやつあげすぎてないといいけど」
「そうだね」
「そういえば優ちゃんたちもお祭りに行くって言ってたのに会わなかったね。浜の方に見に行ったのかなあ」
「そうかもね」
「あ、さっき当てたゲームさあ、多分ユリオ好きなやつだよ。こないだ長谷津に来た時似たようなのやってたから。あれ人気なんだよねー」
「……そう」
「……そうだ、途中でコンビニ寄っていい?ぼくなにか飲み物」
「勇利」
数歩前を歩いていた彼が、立ち止まってぼくを見た。街灯の灯りが遠くて、その表情まではよくわからない。
「……どうしたの? さっきからずっと喋ってばっかりで子どもみたい」
薄明かりのなかで、彼の銀髪だけが煌めいてみえた。夏の終わりを思う風がひやりと頬を冷やしていく。
「……そう? べつに?」
何もわからないような顔で笑うと、彼が少し間を置いて再び歩き出す。ぼんやりと佇んだままその後ろ姿を見ていると、歩きながら振り向いた彼がその長い腕を伸ばした。
「ほら、はやくおいで勇利。コンビニ寄るんだろ? コーチのおごりのアイス、食べたくないの?」
「……たべる!」
いつもの彼の声に、弾かれたように駆け出して手を伸ばす。暖かい手のひらを掴むと、ポケット���なかの宝物がコロン、と踊るようにちいさく揺れるのを感じた。
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lyrics365 · 3 years ago
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一番星
置き去りの砂の城 いつかにわか雨が溶かすよ 軋むチェーンブラブラ揺れる僕の世界 日暮れは今日も紺碧 空泳げコウモリ 一粒堂々と燃えゆく一番星 明日はハレルヤ 晴れてよ 大人になれば鈍くなって 隕石 お化け ミサイル 全部平気になると信じてた 違うよ隠すのが上手くなっただけ こわいものは良くも悪くも増えていくばかり 擦り傷まみれの手足誇らしくて 長く伸びた影は優しくて 足早な季節駆け回ろう 最初で最後の一等賞になりたい 黄昏れが染める爪先ノスタルジー 一粒堂々と燃えゆく一番星 さぁ帰ろう ほら ほら 家路が灯るよ ふわ ふわ まつ毛に光をのせて
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pmisosiruoic · 3 years ago
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円城寺雄護(えんじょうじ ゆうご)
▶ 探偵|28歳|男 ▶ 195cm|金髪|碧眼
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実家が医者の家系なので高いレベルの教育を受けていたが、医者にはならず道楽探偵の道を選んだ。 いい加減で自分の世界にこもりがちで助手が世話を焼かないととことん自堕落になる。 幼少時は家長に従順・勤勉なおとなしい子どもだったが、大学に入って視野が広がり、抑圧される生活に耐えられず大爆発した。 現在は生前分与された財産を元手に自由気ままに暮らしている。 探偵社設立にあたり、経営者として法律の勉強をしようとしたが面倒になったので専門家を雇った。 基本的にコネクションのある相手の蔵掃除とか美術品鑑定とか古文書整理ばかりしている(そういった類のものに価値があることは理解しているが興味はない)。 「俺が解きたいのはモルグ街の殺人みたいな理不尽な謎だ。猫だとか浮気調査とかいう小銭稼ぎがやりたいなら君が勝手にやりたまえ」 「普通の事件は警察の仕事だろ!」
円城寺家には数代前に海外の血が入っており、母にあたる人物も外国人だったので、雄護自身も日本人離れした色素を持っている。 日本生まれ日本育ちだが、医者になるための教育の一環として外国語教育を受けた。 自ら探偵という職を選んだだけあって���探偵小説を読むことは割と好き。護身術の一環として空手を学んだこともある。 助手に対しては「いないと困る」という認識はあるが、幼い子供を従者のように使うことに対する社会の目の厳しさにはいまいち疎い。 かっこいい探偵なので大体何しても許されると思っている。
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▶ 助手との関係性について
元々家同士の面識があり、ユーゴ自身も金田家に招待されたことが何度かあったが、クリスは両親による熱心な教育を受けていたため、会ったことはなかった。 嬉々として息子に施す教育について語るクリスの両親の姿に、かつて自分が同じように抑圧されていたことを思い出し、内心ではクリスに同情していた。 クリスが家を飛び出し、彼が唯一知っていた「探偵と名の付く知り合い」であるユーゴの元へ来たとき、名目上は「執事見習い」として家に置くことを許可したのも、彼を救うことで過去の自分を救いたかったのかもしれない。
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▶ 通過シナリオ
・同居人 ・AND/HAND ・狂魘惨毒ストレイド ・君に劇薬、僕に媚薬 ・救いに非ず ・心中 ・甘に宿鳥 ・花は落、標に鳥
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friendship-korea-japan-jp · 5 years ago
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7.高麗の建国と滅亡についてのまとめ
問い3:高麗の建国と滅亡について>7. 高麗の建国と滅亡についてのまとめ
目次は こちら
7.高麗の建国と滅亡についてのまとめ
 「高麗の建国と滅亡について」に関してその要点を以下にまとめます。
①  羅第51代の真聖王は、昔から角干の魏弘と私通しており、彼女が887年に即位すると魏弘を常に宮廷に出入りさせ、少年や美丈夫2~3名を、密かに宮廷に引き入れ、。
②  889年、国内の諸州・郡では、貢賦を輸送しなかったので、王都の府庫はすっかり空になり、使者を各地に派遣し、督促させると、各地の盗賊が一斉に蜂起しました。
③  892年、完山の賊の甄萱が、完山州を根拠地にし、後百済の国号を自称すると、武州の東南方の郡や県は皆、甄萱に降伏しました。
④  898年7月、弓裔が泪西道および漢山州管内の三十余城を奪い取り、松岳郡(京畿道開城市)に王都を建て、911年に弓裔は国号を泰封と改め、年号を水徳万歳としました。   これで、新羅・後百済・泰封(後高句麗、後の高麗)の後三国が揃いました
⑤  911年、新羅の52代王が身分の賎しい女を寵愛して、政治を顧みませんでした。大臣が諫めましたが、これを聞き入れませんでした。新羅では第51代・第52代と政治を顧みない王が二代続きました。
⑥  918年6月、弓裔の部下たちが弓裔を追放し、王建を王に推戴しました。王建は国号を高麗としました。高麗の誕生です。
⑦  927年9月、新羅の第55代景哀王が妃や嬪などと宴游に耽っている時、後百済の甄萱が王都に侵入し、王は妃や妾���人と共に甄萱の軍中に引き出され、甄萱は新羅王に自殺を強要し、王妃を強淫しました。彼の部下たちに王の妃や妾を勝手にさせました。そして、新羅王の一族の者を立て、これが敬順王です。
⑧  敬順王は衰えた新羅を自力では維持発展できないと判断して、国民がこれ以上悲惨な目に遭わないようにと考え、王子たちや大臣たちの反対を排除して、国を挙げて自ら高麗に降り、新羅は高麗に併合されました。
⑨  936年、後百済では甄萱の長男の神剣が父の甄萱を金山寺に閉じ込め王位を奪うと、甄萱は脱出して高麗に入り、この状況を利用して高麗は神剣の後百済軍を撃破して併合し、高麗が韓半島を再び統一しました。韓半島では3重の併合が行われています。
⑩  高麗の太祖(王健)は統一前にすでに収取制度を変更し、農民の生活を安定させ、開国功臣や地方豪族を役人として登用し、有力な豪族と婚姻を通じて関係を深め、諸制度を実施して地方豪族を牽制しました。
⑪  太祖は訓要十条の第一で、国家の大業は必ず諸仏の加護によるとして、仏教を保護して禅宗や教宗の寺院を創建しました。しかし、国家護持の仏教は驕り高ぶって腐敗し堕落して、農民や奴婢や下級官吏を下僕扱いし、朝鮮時代に儒者から廃仏論が出る種を蒔いていました。
⑫  また太祖は「逸楽するなかれ」と言っていますが、いつしかそれが忘れられ、その後の王や執権者の多くが政治にはまったく興味を示さず、逸楽に耽っていました。
⑬  逸楽に耽った国王の代表として、毅宗の例を次に記します。第18代の毅宗(在位1146~1170年)は遊ぶのが好きで、そのことが『本当に悲惨な朝鮮史』の巻11の毅宗の条に記されています。
[【高麗史節要巻11(1152 18毅宗)】
正月に毅宗が康安殿に出かけ、舞楽をご覧になった。前日の夕方に始まった燃灯会は既に終わっていたが、もう一度やれと命じた。毅宗は時のたつのも忘れて舞楽や観劇を楽しんだ。午後になってやっとお開きになった。
さて、夜には宮廷の苑林の木々の間に怪しい火が見えた、焔が高く上がり煌々と輝いた。近くの住人が火事だと思って宮門に駆け付けたが、火事でないことが分かって戻っていった。人々は、王は夜に遊ぶのが好きなのでこういうことが起きたのだと言いあった。
毅宗が万寿亭で宴会を夜通し催し、翌朝になってようやくお開きとなった。(後略)。
【高麗史節要巻11(1156 18毅宗)】
毅宗は宮殿の東北の隅に一軒の閣を建て『衝虚』という額を掛けた。黄金や碧玉が眩いばかりに輝き、その内装は言葉を失うぐらい美しかった。また宮廷の別の一室には良く効く高価な薬をいろいろと取り揃え、その部屋には「善救宝」という額をかけた。また亭をその隣に築き、奇妙な岩や、立派な花卉を集め、「養性」という額をかけた。
これだけに止まらず、毅宗は豪華な庭園を次々に造った。たとえば、庶民の家、50軒を取り壊して「太平亭」を造らせたが、庭には立派な花卉や珍しい果物の樹を取り寄せ、道の左右に植えさせた。また、「養貽亭」を造り、高価な青瓦で葺いた。]
  一方、庶民は宮殿や庭園の造営に駆り出され、苦しい労役に携わっていました。このように庶民の苦しみなどに無頓着に遊楽に明け暮れていた毅宗ですが、1170年の武臣のクーデターで島流しになり、その後数年して殺されてしまいました。
⑭  1170年の軍事クーデターで政権を掌握した武臣政権は、執権者が次々と殺して交代し、崔忠獻が執権者の李義玟と関連した人物を皆殺しにして崔氏政権を打ち建て、4代60年続きました。崔氏政権を含めて武臣政権は100年続きました。
⑮  武臣政権の時、過酷な収奪と使役に反発し、農民と賎民の反乱が相次いで各地に起こり、身分解放や三国復興運動も起きました。また、1200年前後に、新羅・百済・高句麗を復興しようとする運動が起こったことは、13世紀初めには、一つの朝鮮民族としての意識が高麗の人々になかったことを示しています。
⑯  1231年以降、モンゴル軍の侵略を受けて、王たちは早々と江華島に逃げ込み贅沢な生活を続けましたが、残された高麗の人達は奴婢までも果敢に戦い、モンゴル軍を敗退させる場合もありましたが、6次にわたるモンゴル軍侵攻に蹂躙され、甚大な被害に遭いました。
⑰  1259年、高麗王は江華島を出てついに元に降伏し太子を元に送りました。そして高麗王室は元皇室���の婚姻を重ね、高麗は元の一つの領域として新羅王が統治する形となりました。
⑱  高麗は多人数の処女を何度も貢女としてお土産を持ってゆくように元皇室に提供し、また元の要求により高麗政府が専門部署を設置して多くの婦女子を拉致して、元軍のために提供しています。このことは『本当に悲惨な朝鮮史』に記されていますが、韓国の教科書は一言も記していません。
⑲  1274年と1281年の二度の元と高麗の連合軍による大規模な日本侵攻のことが、韓国の歴史教科書にはまったく記されていません。
⑳  元の衰亡により、親元派が粛清され、高麗から元が排除されました。そして明は元が支配していた地域を要求したので、これを拒否して明を攻撃するために李成桂が派遣されましたが、1388年、彼は威化島回軍をして、王と執権者を排除しました。李氏朝鮮の建国への序曲が始まったのです。
 高麗時代の歴史上の大きな国際的な出来事の一つは、元と高麗の連合軍による1274年と1281年の二度の日本侵攻です。この二度の侵攻ともに悪天候の影響と、侵攻軍が矢を使い果たしてしまって戦えなくなり、将軍たちは全員が無事に引き上げました。この時日本側では対馬と壱岐島の住民と守備の将兵はほぼ全滅し、九州でも多くの戦死者が出ました。元軍と高麗軍の将兵も日本の武士との戦いで多くの将兵が死にました。
 元寇の後、1284年、日本と元と高麗の将兵の死者を悼んで、鎌倉幕府の執権であった北条時宗は鎌倉に円覚寺を建立し、二回の元寇による犠牲者を、敵も味方も区別なく平等に供養しました。すなわち日本の武士の死者だけではなく、この戦いで亡くなった元と高麗の将兵の冥福も平等に祈って、丁寧に円覚寺に弔いました。このことは臨済宗大本山円覚寺のホームページ(www.engakuji.or.jp/about.html)に記されています。
 韓国の方はご存知ないかも知れませんが、元軍に強制されて日本へ来て戦い、無念の死を遂げた多くの高麗将兵の霊がこの円覚寺で今も眠っています。そして、多くの日本人がこの円覚寺を参拝して、その霊を慰め冥福を祈っているのです。
 韓国の方々も、どうかこの日本人の心を知って頂き、日韓両国人を不幸にする無益な敵対的な反日活動を止めることだけが、両国民を幸せにする唯一の道であることに一時も早く気付いて欲しいと思います。
 また韓国は、「日本による朝鮮の併合は不法かつ不当である」とし、故にこの併合は無効であると主張していますが、世界の歴史を見れば、強国が弱小国を併合した歴史であると言えます。例えば次のような併合が知られています。
① ローマ帝国:エジプト・フランス・スペイン・ギリシャ・中東諸国などを併合
② 元帝国:ユーラシア大陸の殆どすべての国を併合
③ 秦帝国:中国大陸に存在していた多くの独立国を総て併合
④ オスマントルコ帝国:中東地域と東欧南部諸国・バルカン諸国・アフリカの地中海沿岸諸国などを併合
⑤ 漢帝国:衛満朝鮮を制圧して併合し、楽浪郡など四郡を置いて直接統治した。
⑥ 中国各王朝:アジア大陸における諸国の勃興と分離独立および武力制圧や禅譲による併合と統一
⑦ 高句麗:東扶余・楽浪郡・北方諸国を併合
⑧ 百済:周辺の50カ国余りを併合
⑨ 新羅:周辺12カ国と弁韓12カ国を併合
⑩ 新羅:百済を併合し、朝鮮半島を統一
⑪ 高麗:新羅が自ら降って来て、平和的に併合
⑫ 高麗:後百済を軍事力で制圧して併合し、朝鮮半島を統一
 これらの併合は、歴史的事実です。そしてこれらは殆どが軍事力によって相手の国を制圧して、有無を言わせずに併合しています。唯一の例外は、⑪に記した新羅を高麗が併合した事例です。
 新羅の最後の敬順王は、反対した王子たちや大臣を退��て、高麗に降って、新羅を高麗に平和的に併合させました。それは、腐敗し弱り切った新羅を自力で維持発展させるのは不可能であると判断したからです。これ以上の国民の苦難の発生を防ぐために、新羅の為政者は国内の反対を排除して高麗との平和的な併合に踏み切ったのです。
 この併合時の弱り切った新羅の状況は、大韓帝国が日本との併合条約を締結した時の状況に非常に良く似ています。しかも大韓帝国皇帝が併合の勅諭を発し、時の政府が調印している併合は、歴史上稀に見る平和的な併合です。それにも拘らず、韓国は、「日本による朝鮮の併合は不法かつ不当である」とし、故にこの併合は無効であると主張しています。その理由は、大韓帝国内の一部の併合反対者に対する強圧や排除の上でなされたからであるとしています。しかし、新羅の国王も反対者を強圧して排除の上に異種族の高麗との併合を進めましたが、現在の韓国の人は日韓併合と同様なこの併合に対して誰もこの併合を不法かつ不当であるとはいっていません。このことから、「日本による朝鮮の併合は不法かつ不当である」との韓国の主張は一貫性がなくご都合主義的であり、根拠がりません。
 その上、過去の歴史的併合が、不法か合法か、不当か正当か、有効か無効かを決定する国際的な規定は、存在していません。
 このようなことを考えた時、唯一出来る意味のあることは、併合がもたらした結果の評価です。その併合された地域の人々を平和で幸せに暮らせるようになったか否かの評価です。その評価によって、併合の良否を論議することは有意義であり、可能だと思います。
 さらに韓国は、「併合は加害者と被害者の関係であり、その関係は1000年経っても永遠に変わらない」と主張しています。これは併合された被害者の後百済人は加害者の高麗人に対して、精神的苦痛を含めた補償や賠償及び謝罪を永遠に要求し続ける権利があることになります。
 しかし、このような不毛な論議をすることは、誰にも好ましい結果をもたらしません。そして、新たな問題を誘発させるだけで、まったく無益で有害な論議といえます。
 ですから大切なことは、過去に囚われて相手を非難して争うのではなく、未来に向けて感情に流されずに誠実に接することです。このような交流を続けているうちに、友好的な雰囲気も生まれて来るのではないでしょうか。これ以外に、韓日両国民を幸せにする途はないと信じています。
 世界の人々に、この信念の是非を問う次第です。
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t3rra-bull · 8 years ago
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JYOCHO『碧い家』(Official Music Video) / 『The Bluish House』
“ 惜しまれつつ解散した " 宇宙コンビニ " のリーダー " だいじろー " こと中川大二朗が始動したプロジェクト "JYOCHO"(じょうちょ)。 早くも2nd mini Albumをリリースしました! 
2017.9.13 Release 2nd Mini Album 『碧い家で僕ら暮らす』  
1. Lucky Mother 2. 碧い家 3. hills 4. tree,stone 5. ほんとうのかたち 6. 三つに分けること 7. グラスの底は、夜 
** NBPC-0045 / ¥1,800(tax out) / No Big Deal Records ** 
【i Tunes Store】 http://apple.co/2xZ58Kn 
【レコチョク】 http://recochoku.jp/album/A1008451276/ 
HP: http://jyocho.com twitter: https://twitter.com/jyocho_jp FaceBook: https://ja-jp.facebook.com/jyocho.jp/ 
----- The guitarist DAIJIRO NAKAGAWA (formely of Uchu Conbini) has launched a solo project JYOCHO, opening up a new window for math rock. 
2017.9.13 Release 2nd Mini Album 『Day in the Bluish House』 
1. Lucky Mother 2. The Bluish House 3. hills 4. tree,stone 5. A True Figure of 6. Becoming One-third 7. A Glass of Night 
** NBPC-0045 / ¥1,800(tax out) / No Big Deal Records ** 
【i Tunes Store】 http://apple.co/2xZ58Kn 
HP: http://jyocho.com twitter: https://twitter.com/jyocho_jp FaceBook: https://ja-jp.facebook.com/jyocho.jp/”
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yuupsychedelic · 1 year ago
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選詩集『poetryactivist』
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選詩集『poetryactivist』目次
1.「青春プリズム(詩集『十代プリズム』より)」 2.「強がり(詩集『真夏の誘惑』より)」 3.「#シュウカツ(詩集『もしも、昨日の僕をぶん殴れるなら』より)」 4.「波巣(詩集『現代神話』より)」 5.「BUZZのキューピッド(詩集『Black Star』より)」 6.「ぼくはラジカル・ティーンエイジャーに憧れていた(詩集『蜂蜜』より)」 7.「異銀河旅団の帰還(詩集『異銀河旅行』より)」 8.「DEMAGOG RHAPSODY(詩集『ACID WAVE』より)」 9.「ゆびきり抱擁シンドローム(詩集『今日からはじまる永遠の青春』より)」 10.「いらない!(詩集『Aries 〜 白緋』より)」 11.「哀愁ぴえん(詩集『蒼糸楽団トーラス』より)」 12.「愛のバラッド(詩集『Gemini -Evergreen Story-』より)」 13.「No.4(詩集『Cancer -アダジュニティ-』より)」 14.「おにぎり、あなたは何が好き?(詩集『獅子の食卓』より)」 15.「SINCE 2022(詩集『いつかの君に逢いにゆく』より)」 16.「ヒプノシス叙事詩(詩集『CANVAS -時喰う人たち-』より)」 17.「革命の世代(詩集『夜明け前』より)」 18.「ことば叙事詩(詩集『言語天体 -The Kotobatic Love Orchestration-』より)」 19.「みかんのうた(詩集『グロリアス・モーニング』より)」 20.「21世紀生まれの僕らに(詩集『青春群像 -Youthful Crowd-』より)」 21.「愛してるよ(詩集『私たちの青春』より)」 22.「サヨナラは言わない(詩集『消費期限』より)」 23.「恋愛ポートフォリオ(詩集『Poetry Showcase 03:恩師へ / 大人になるってなんだろう?/ 私の十代』Bonusより)」 24.「電脳都市(詩集『Poetry Showcase 04:アジアの旅人』より)」 25.「じゃあね(詩集『人類再考』より)」 26.「ブルー・エデュケーション・ラヴァーズ(詩集『青春謳歌』より)」 27.「孤独な海(作品集『GIFT2020』より)」
1.「青春プリズム」
屈折する、 感情も、行動も、何もかも。
挫折する、 夢も、目標も、何もかも。
愛なき時代とは言わないけれど、 今の時代に希望なんてない。
何もせず、 何かを始めようとするわけでもない、 そんな奴に希望なんて叫んでほしくない。
僕らに芽生えた反抗心は、 ひとつの青春プリズムを産み落とすこととなった。
かつて、大人にその力で反抗しようとした学生たちのように。
表面的には沈静化したつもりでも、 学生たちにはずーっと芽生え続けている。
大人にもなれず、子供にもなれない。 ジレンマが僕たちを大人にする。
2.「強がり」
【1】 旅行鞄に 夢を詰め込み 独り旅に出たあの日
手を振る君が 贈ってくれた 赤いミサンガを見つめてみる
トンネルを抜ければ 広がる摩天楼 これから始まる物語(ストーリー) 想い浮かべて 胸を膨らませた 都会の新たな暮らし
生きるために何が要るのだろう 悲しみか? それとも歓び? 涙の果てに何が見えるかなんて 誰もわかりはしない
碧い海に 強がりな僕 孤独を抱きしめて 君に逢える その日信じて 憂いを越えてゆく
【2】 君のため息 淡いベッドシーン 大人への階段 登るための旅 エンディングはない 君と共に行こう
約束を交わした 放課後の教室 独り涙堪えても
流れる涙 君の笑顔が 黒板に映し出されて 忘れかけていた 君との思い出 生き生きと蘇る
悲しみを乗り越えるために 僕は何をすればいいんだろう? 諦めか? 目を逸らすのか? きっと答えはひとつじゃない
淡い河に 強がりな僕 弱さを抱きしめて 君に逢える 未来を信じて 自分を越えてゆく
【3】 決して忘れることはできないだろう 君と過ごした青春の頃の思い出 僕はここで夢追っている 現実と真実の闘争 淡い目論見 脆い約束 今僕は何処にいるのだろう
水たまりに 強がりな僕 青春プリズムよ 君に逢える 希望を信じて 夢を叶えてみせるから
碧い海に 強がりな僕 哀しみ抱きしめて 君に逢える 流星を信じて 涙を越えてゆこう
もう強がったりしないから……
3.「#シュウカツ」
埃だらけのアルバム 捲ってみれば あなたと過ごした日々 眩しく光る
純情な日々 みなぎる若さは 今の僕らに 無縁だけど……
何度も喧嘩して 何度も微笑んだ日々 青春の終わりが見えてくると 当たり前が輝きだした
別れの日に 涙は要らない 笑顔で送り出してくれ いつまでも泣いてちゃ 君らしくない いつかまた逢えるから
いとしさ せつなさ ぜんぶ閉じ込め 君に最後の愛を ここに贈ろう
青春のときめき 思い出してみれば あなたと暮らした日々 まるで走馬灯
若さに溺れ 何も言い出せず 堂々巡り続けた日々 それも蒼さか?
別れの日に 涙は要らない 笑顔で送り出してくれ クヨクヨすんなよ 君らしくない 必ずまた逢えるから 希望 絶望 ぜんぶ閉じ込め 君に最後の愛を ここに贈ろう
埃を被った小説の 栞はあの日のまま さらば思い出よ 愛しき日々よ さよなら
君と暮らしたこの家 出逢った日に もう一度戻れたとしても やり直したいとは思わない 君が好きだよ この胸に飛び込め 必ず幸せにするから!
別れの日に 涙は要らない 笑顔で送り出してくれ 人生の終わりに 涙は要らない 笑顔で送り出してくれ
いとしさ せつなさ ぜんぶ閉じ込め 君に最後の愛を ここに贈ろう
一緒にいてくれて 本当にありがとう
4.「波巣(なす)」
通知音 通知オン - 通知オフ 通知待ち
フォロワー数 フォロー - リムーブ フォロバは精神安定剤(medicine)
僕らはこの波で 波に乗れずに 溺れそうな身体を 無理に支えて
僕らはこの波を 希望と信じて 今日を生きている
フォロワーの数がなんだ フォロバされないからってどうなの 所詮 形のない関係なのに 接続する 現実生活(real life) 減速する 心(Heart) 使い捨て 素材(contents) サイバーパンクを誰もが夢見ている いい気になってんじゃねえと お前に叫びたい 遥か後ろにいると思い込んでいる 僕は僕じゃないさ
この波に真実(ほんとう)を求めてはいけない 虚無と虚像に騙されてるだけさ 僕は僕じゃない 君も君じゃない
少女のように見える人も 実はおじさんなのかもしれない 加工アプリ 音程調節 声も 映像も 姿も 自由自在 魔法逃避 そこにいるはずの人が ヴァーチャルに消えてく 絶望しても 誰も知らんぷり 誰かを傷つけるために 誰かをダシにしてさ 右だとか 左だとか あいつが気に食わねえとか 単なる思い込みが 社会現象になる あの有名人(スーパースター)を この声で苦しめよう
波は人を変えてしまう 依存は人を殺してしまう
ヒットは崩壊する 消滅した世論 ニュースや新聞がどんなに叫んでも 時代は変わらない 季節は過���てく 生き残るためには 受け入れる勇気も必要だ
目の前にある 吐息を感じて
すぐ傍にいる あなたを愛して
確かめよう わたしの波を
5.「BUZZのキューピッド」
寝ぐせをつけて シワだらけの服で ここに現れた そんな彼が私のdarling
抜けてるとこばかりで とても頼りなくて 時々ムカつくけど そんな彼が私のhero
髪型を変えたら褒めてくれるし メイクしたら「かわいい」って言ってくれるし まるでスターになった気分ね そんな彼が私のprince
今夜もカシスオレンジで 恋のBPM(鼓動) フジヤマ越えて昇天しそうだ 明日もカシスオレンジで 赤く染まった顔が見たいの
寝惚け眼で ドアを開けてみれば 恋のシャッター こんな恋が世間にバレた
通知 つぶやき 無限大 慌てふためく彼が ちょっと哀れに見えた こんな恋に…… 気分はdrama queen
倍々ゲームでフォロワーは増えてく 通知が止まらず慌てる まるでスターになった気分ね そんな彼に大好きのキス
今夜も夢のコスチュームで キミのBPM(鼓動) フジヤマ越えて 悩ましく身体重ねる 明日も夢のコスチュームで 赤く染まった顔が見たいの
私はBUZZのキューピッド
私がいなくなっても 私のこと 忘れないよね? 忘れたら 今度は���り憑くぞ☆ 今夜のうちに荷物纏めて 次の彼の下へ……
今夜もgeekを惑わせて 愛のBPM(鼓動) 高鳴る彼を 艶やかに嘲笑う
明日もgeekを惑わせて 赤く染まった顔が見たいの 私はBUZZのキューピッド 明日はあなたのキューピッド
世界は私で回ってる
6.「ぼくはラジカル・ティーンエイジャーに憧れていた」
君に逢ったのはいつだろう。 過ぎ去りし日々、あなたに贈る愛の歌。 そして、とびきりのラブレター。 この素晴らしき愛のために、今日も歌い続けている。 ぼくらは貴方たちと共に、終わらない夢を追いかけている。 ぼくらは貴方たちと一緒に、永遠の愛の歌をここで歌い続けている。
ひとつ、告白しよう。 ぼくはラジカル・ティーンエイジャーに憧れていた。 貴方のようになりたかった。 貴方みたく素敵な歌を作りたかった。 でも、今のぼくはダメだ。 どこにでもいるような、普通に満足したままの猿だ。 だからこそ、貴方たちの背中を追いかけたい。 届かないかもしれないけれど、適わないかもしれないけれど、せめて…… 同じ時代を生きる歓びを噛み締めたい。
「諦めない夢は終わらない」 確かに、貴方はこう言った。 ぼくもこの言葉を信じている。 どんなに不器用でも、諦めなければ、頑張り続ければ、きっと夢は叶う。 ——創作者になりたい! あの日、ぼくは夕陽に向かってこう叫んだ。 今のぼくは何処にいるのだろう。 どの道を進んでいるのだろう。 先の見えない時代で、ほんとは怖いんだ。 世界をどんなに変えたくても、自由に動いてはくれない。 思い通りにならない、上手く進めない。 だから、ぼくはラジカル・ティーンエイジャーに憧れていた。 ただ、あの時代の熱に、憧れていたんだ。
7.「異銀河旅団の帰還」
ひかりが現れ すべてを飲み込んでいく 僕らの翼は 宇宙に消えていく
終わりが来たのさ 還る日が来たのさ 僕らは役目を終え 宇宙に還るとき ブラックホールに吸い込まれる仲間へ 静かな歌声 天使の微笑み 目の前に広がる ひかりがささやかな贈り物になる
希望を持って帰ろうか 自由になって帰ろうか
語らうのは…… 幸せと僕らが犯した罪 微睡むのは…… 愛しさと僕らが犯した罪
舟は語るよ ひかりは語るよ
異銀河旅行を僕らに贈ってくれたのは 明日への希望と その先にある“期待”を 抱きしめるためなのだろう
やさしさの祝福 ぬくもりのファンファーレ
僕らが旅に出てから 母なる星が選んだ道は 何も知らない僕らの舟を 抱きしめることだった 絶望した神々は再生を選んだ
見たこともない渦に 僕らは吸い込まれていく 何千兆のひかりは 僕らに語らずに 人がすべてを悟ったとき 息の根をとめるだろう
地球は碧く 美しく輝く……
地球は碧く 美しく輝く……
喜びも 怒りも 哀しみも 楽しさも 誰かのタクトに導かれて 結末へ向かうだろう
もう誰にも 止められはしない 手遅れになったとき やっと人は気づくだろう
仲間たちの涙が 真実を示すだろう
地球は碧く 美しく輝く……
地球は碧く 美しく輝く……
これが涙か 地球の涙なのか
嗚呼…… 嗚呼…… 嗚呼……
8.「DEMAGOG RHAPSODY」
幸せになりたくない人なんていない 優しくなりたくない人などいない 淋しいのがいいって人はいない 怒られるのが好きな人もいない
ああ 愚民たちよ なぜ君たちはそんなに愚かなのか? ああ 愚民たちよ どうして君たちはそんなに馬鹿なのか??
悲しいほど静かな街の中で ただ大好きなものを投げ捨て 俺はここまで歩いてきた 素直に夢を追いかけてきた
ラララ ラララララ ラララ ラララララ
文句を言う前に 君のやるべきことをやれよ 誰かをアジる前に 君のやるべきことをやれよ
言いたいことを言えば 風の噂で火は巻き上がり 還ってきた時には姿を爆弾に変え 俺の前で導火線が切れる
あきらめろ もう遅いぜ あきらめろ もう遅いぜ
声を挙げるのが遅すぎたのさ もう止まりはしないのさ
暴走電車にようこそ 華やかな宴にようこそ
怒れ 怒れ 怒れ 怒れ 怒れ 笑え 笑え 笑え 笑え 笑え ぴえん ぴえん ぴえん ぴえん ぴえん しくしく しくしく しくしく しくしく しくしく
自分がヒーロー気取りで 正しさの意味さえ知らずに 君は正しさを語るつもりなのか それならケチャップを丸呑みしてまで 苦労の道を歩むことはないだろう?
おかしいことはおかしいと言うのだ 違うものは違うと言うのだ 寂しいときは寂しいと言うのだ せつないときにはせつないと言うのだ
神がこの星を創り 俺たちがここに産み落とされた 宇宙の法則の中 流星群に乗り 飛びたて 夜が嵐に包まれて かつてない狂騒 明日は闇に覆われて かつてない競争 着せ替え人形のように お前も変わり身が得意だな!
壊してばかりじゃ何も始まらない 叩いてばかりじゃ何も産まれない 涙ばかりじゃ何処も渡れない 争いばかりじゃ夢も翔ばない
華やかな週末に 綺麗なドレスで着飾って 鏡の間 集結する若人よ
ひどく暑い夏に あの橋を駆け抜けてゆく 髪を束ねた 少女ランナー
黒雲に青空は見え 彼方には遥かなる山 その滾るような美しさ 忘れかけてたもの 子供たちのあどけない微笑み 淋しかったから 声をかけてみよう
ロックは死んだ ロックは死んだ ロックは死んだ サイレントマジョリティー 広場に人は集まり まだ終わってないと声を挙げる 意味がないと知っていても 変わる可能性がある限り 闘い続ける 走り続ける それが人の慣性
ダイスを振れば 転がる石のように 気まぐれに時代は変わる
誰かの声に揺られて 転がる石のように 気まぐれに世間は変わる
最高の詩があれば 世界も変わるはずさ
もう一度 信じてみたい もう一度 愛してみたい
愛する勇気をみんなで持てば きっと世界は良くなる
パンドラの函を開く前のように カオスのない世界 まだ物語は始まりすらしない 人間なんだもの 毎日 君も生まれ変われる 世界はもっと良くなる
9.「ゆびきり抱擁シンドローム」
あなたは頑張っているよね 頑張れないこともあるよね もう頑張らなくていいよ 頑張れなくてもいいよ
その一言がどんなに心を軽くしたか あなた次第でわたしは空を飛べたのに
精一杯生きてる あなたは頑張りすぎてる 今日くらいは深呼吸してさ 好きなように生きてみようよ
いつか頑張り方がわからずとも ちゃんと生きていけるようにって ここで指切りしよう
あなたに言われたこと 今も覚えているよ もう頑張らなくていいよ わたしが見てたから
その一言がわたしをどれだけ救ったか 言葉次第でわたしは散ってたかもしれない
性懲りも無く生きてる あなたは頑張りすぎてる 今夜くらいは深呼吸してさ 好きなように生きてみようよ
いつか生き方がわからずとも ちゃんと生きていけるようにって ここで握手しよう
あなたが人生にサヨナラを告げる日まで どんなに幸せでも憂鬱でも 生きていかなきゃいけないのだから わたしが出来ることはなんでもするよ この一言があなたを傷つけたことに気付いたのは あなたが死んでからだった
精一杯生きてる あなたは頑張りすぎてる 今日くらいは深呼吸してさ 好きなように生きてみようよ
いつか頑張り方がわからずとも ちゃんと生きていけるようにって ここで指切りしよう
ここで生きたあなたは ほんとに頑張りすぎてた 今日くらいは泣いてもいいよね 好きなように泣かせてよ
精一杯生きてる あなたに気付けなかった 今日くらいは叫ばせてよ ごめんね…… 救いたかった……
独りよがりの言葉 馴れ合いの世界 好奇心で集う若者 薄汚れた社会
性懲りも無く生きてる あなたは頑張りすぎてる 今夜くらいは深呼吸してさ 好きなように生きてみようよ
いつか生き方がわからずとも ちゃんと生きていけるようにって ここで握手しよう
いつか頑張り方がわからずとも ちゃんと生きていけるようにって ここで指切りしよう
いいや…… なんでもないよ
10.「いらない!」
あれもこれもいらない! 無駄だからいらない! 使わなさそうだからいらない! 気に入らないからいらない!
こんな世界で夢追いかけても 何も変わらないとわかっているから
夢なんていらない 愛なんていらない いっそ全部捨ててしまおう
君もあなたもいらない! この街にいらない! 社会にいらない! 間違えてるからいらない!
一生子供のままでいい 世界に大人なんて一人もいない
光なんていらない 影なんていらない いっそ全部捨ててしまおう
人はいらない! 生き物もいらない! 地球もいらない! 太陽系もいらない!
星なんていらない 宙なんていらない いっそ全部捨ててしまおう
時間はいらない! 過去も未来もいらない! 無も有もいらない! ありとあらゆる偶然も必然もいらない!
いらない! いらない! いらない!
11.「哀愁ぴえん」
寝ぼけ眼に 目覚ましパニック DOKIDOKI☆FORTUNE 調子はどうだい?
苦し紛れの とびきりスマイル 遅刻ごめんね その場凌ぎ
“夜空を繋ぐふたりの愛は 渚に揺れる波のよう”
やけに文学的なキミの言葉 恋の終わりは突然やってくる
そんな時はぴえん どんな時もぴえん 魔法の言葉で時代変えよう
やっと会えたぴえん 話聞いてよぴえん ポンポンポーンで青春天国 いつでもどこでもぴえん日和
Love Love Love 哀愁ぴえん!
カルシウム足りない 愛も足りない TARINAI♡DUKUSHINO 切ない友情
“あなたはいつもウワベだけだね”
別れ際のキミの言葉 一生許さない
そんな時はぴえん どんな時もぴえん キュンキュンバンバン あの歌みたく
忘れたくてぴえん 泣きたいよぴえん キラキラ輝く青春天国 いつでもどこでもぴえん日和
Love Love Love 哀愁ぴえん!
ドラマのような恋愛がしたい 雑誌のような顔になりたい これが魔法の言葉 ぴえん ぴえん ぴえん
そんな時はぴえん どんな時もぴえん 夕陽に向かって愛を叫ぼう
恥ずかしくてもいい 上手く言えなくていい 私らしくいたい 青春は終わらない
やっとわかったぴえん 大好きだぴえん キラキラ輝く青春天国 いつでもどこでもぴえん日和
あなたがくれた 群青ぴえん Love Love Love 哀愁ぴえん
12.「愛のバラッド」
悲しみの夜が 今日もやって来た 君との時間だけは 終わらないと信じてた
あの頃の俺達は ずっと若かったね 君が傍にいる 意味もわからなかった
夕陽に照らされて 自転車を押して帰った日 アヤメの花を握ってさ 約束したこと
今も覚えてるよ 忘れたフリをしたけど 些細なすれ違いが いつしか大きな傷になった
今だから言える 後悔してると 別れてもいいと言って ごめんね
安らぎの夜が 今宵も明けてゆく 君と共に過ごした日々が 無性に恋しくなる
思い出話に 浸りたくはないが 夜が深くなる程に 後悔が止まらないよ
泣き明かした夜は ずっと電話したよね アヤメの花は枯れたまま 月の光を浴びて
今も覚えてるよ 無かったことにしたけど 些細な嘘が 心のかさぶたを開く
今だから言える あの言葉の意味を 別れてもいいと言って ごめんね
君のことだから 新たな恋を育むだろう 俺なんかよりずっと立派な恋人 でも忘れられない 忘れてはいけないんだ 忘れてはいけない気がする 過去に縋るなんて こんなの俺じゃないけど 自尊心……
今も覚えてるよ 忘れたフリをしたけど 些細なすれ違いが いつしか大きな傷になった
今だから言える 後悔してると 別れてもいいと言って ごめんね
今だから言える あの言葉の意味を 別れてもいいと言って ごめんね 愛のバラッド
13.「No.4」
サヨナラを言う前に、 ちゃんと話したかったよ。
ごめんね、 ありがとう、 そして、 サヨナラ。
もっと話したかった、 あなたを知りたかった、 私を知ってほしかった、 人と分かり合いたかった。
僕らにはお互いに、 余裕などなくて、 ふとした言葉が君を、 傷つけていたんだ、 正直に言うと、 私もあなたの振る舞いに、 ちょっとムカついてたし。
だから、 たくさんの言葉に、 もう何も返さないまま、 無かったことにしてしまおうと、 削除キーを押したよ。
しかし、 時が経つほど、 言葉が重荷になって、 忘れられない過去に代わり、 傷口を開いてく。
二度と話すことなど出来ないが、 最後に一言だけ言ってやりたかった。 「君もさほど変わらないでしょ」
14.「おにぎり、あなたは何が好き?」
恋人とのランチタイム 互いにおにぎりを作ってくることにした 綺麗な三角は作れなかったけど 僕なりに頑張ってみた
中庭でランチボックスを広げると 恋人は僕のおにぎりに驚いた 高菜と昆布を入れたのだが その組み合わせが不思議だったらしい
コンビニのおにぎりなら 梅とツナマヨがいい でも折角自分で作るのなら いつもと違うものを作ってみたかった
そんな話をすると 恋人はおひさまのように微笑んだ この笑顔が好きだ 君を好きになった理由を思い出した
恋人がつくったおにぎりは やさしい味がした 恋人も同じように思うのだろうか 表情と仕草が気になった
青空に雲がぷかぷかと浮かんでいるように 穏やかな時は流れていく いつか別れが来るかもしれないが 今はこれでいい
恋人と過ごす この瞬間が好きなのだ だからこれでいい ずっとこのままがいい
15.「SINCE 2022」
ひとつ上の先輩に憧れて 私もピアノを始めたよ 最初はこんなステージに立てるなんて 想像もしてなかったけど
今はあなたがいるから どんな歌も声も力になる 大切な人や愛を守るために 今日もここで音楽を奏でるわ
三国ヶ丘のステージで 恋の歌を歌っていた頃 聞いてくれたのはふたりでも 心は胸いっぱいのぬくもりに満たされてた
今こそあの頃に感謝を あなたと青春を謳おう
明日に向かって 一歩目を踏み出す 勇気があれば それでいいよ
夕陽が沈む寸前の公園で あなたとよくセッションをしたよね 庄内の街で愛を叫んでいた頃は まだ大人になりきっていなかった
いつか友と夢を語り合った日は どんな歌も届く気がした 遠い国で音を見つめるあなたに この声は届いているかな?
心斎橋のステージで 無邪気に歌っていた日は どんなに叫ぼうとも明日は見えずに 帰りの電車で愚痴をこぼしてばかりだった
今こそあの頃に感謝を あなたと青春を謳おう
夢があるなら 私と一緒に 勇気があれば それでいいよ
もう愛の歌を唄いたくはないと 恋人とぶつかった日もある 大恋愛が終わった夜 かつての友に久々に電話をした
嫌いになりかけていた音楽が 友と歌うだけでまた好きになった
私はやっぱり音楽しかないの 愛すべきものがわかった気がした
三国ヶ丘のステージで 恋の歌を歌っていた頃 聞いてくれたのはふたりでも 心は胸いっぱいのぬくもりに満たされてた
今こそあの頃に感謝を あなたと青春を謳おう
明日に向かって 一歩目を踏み出す 勇気があれば それでいいよ
あなたと私のこのステージは すべての物語の始まり かつて私が音楽を始めた頃 無邪気に夢見てた場所
夢は叶えるためにあるもの 一緒に手を取り合って 私はそれが偶然音楽だっただけ あなたとまだ見ぬ夢を叶えよう
今こそあの頃に感謝を これからもあなたと…… 青春を謳ってゆこう
16.「ヒプノシス叙事詩」
【A】 神秘の港で 新世代のブルースを奏でる少女 想像は現実を越え さらなる超絶技巧を求める
走るウマグマ 心臓をすげ替えた男 虹色の牛が街をたむろし 不気味に帽子が笑う
その名は誰も知らず その顔も知らず いくつもの噂の果てに 虚構の素顔が生み出される
打ち棄てられたエシクス 解れたままのイデア
【B】 電気の武者が やさしく老人の世話をする おせっかいなほど丁寧に 不似合いな言葉を並べる
電子・光・管弦楽団 聖地巡礼 土曜・早朝・写真
百眼の巨人アーガス この世のすべてを飲み込む 未だ序章 トリロジー
自動車の群れ ハイウェイは狂騒に包まれる 突然雲の影 Crying Laughing Loving Lying
ロマニーの愛 オリビアの嫉妬 狂気が誘う 殺戮のハイタッチ Pair! Pair! Pair!
第三世界の曙に さらなる深みへ……
【C】 聖なる館 灰は燃ゆる 四枚目のウィッシュボーン バンドよ駆け抜けろ
ブロードウェイ 眩惑される 競獅子 不安は募る 悪に染まる会社 運命のカード
見つからない……エルドラド 精神の波……いつかのトイレ あなたがここにいてほしい
アラビアンナイト 火星の女神 荒廃した街角で
アメリカを越えてゆけ 己に酔いしれてもいい 悪戯電話プレゼンス 愛ゆえに泣き叫んだ後の 突然やって来た静寂よ
空が燃えている 生き物たちは笑ってる
【D】 究極 顔を合わさなくとも 大都会の孤独 乗り越えられる スリリントンはロンドンで唄う デイヴ・ギルモアのギターが唸る傍で
薄濡れの夢 トマトを食べろ そして残ったのは三人の勇者 Never Say Die…… 神に誓おう 宇宙を取り戻すまで 終わらない Resistance!!
血塗れの旅人 滅亡したインカ帝国
銀河のヒッチハイカー ようこそ愛のドライブへ
【E】
やけに乾いた愛 - Yes, Sir!! やけに吼える狼 - Yes, Sir!!
昨日逢えませんか? 夕闇をひとり 彷徨う少女
共同戦線 闇からの一撃!
【F】 銀河船VOYAGER ダイヤモンドは粗く深く 君を見つめるだろう 恋の炎のままに
銀河船VOYAGER ダイヤモンドは粗く深く 君を見つめるだろう 恋の炎のままに
銀河船VOYAGER 原子力で駆動する棲家
銀河船VOYAGER 狂気の先へ行こう ヒプノシス 永遠に
17.「革命の世代」
【A:革命の果て】
闘いの果てに 平穏は戻った 普通の暮らしは 今や過去のもの
街は静けさの中 リュートの音が響き 誰かの涙を語る 世界は変わった
【B:名誉の唄】
民衆の選んだ者が 独裁者に変貌する 誰も気付かぬまま 国は染め上げられていく 気づいた時には もう手遅れだった
罪なき者が武器を取り 侵略者の恥も何処へやら 正義を信じてここまで来た ある日突然現実に気付いたのさ 心に襲いかかる嵐の影 立ち上がらなければと決意した
いつか歴史は語る 物事の正当性 勝者を見つめて 敗者は怨念を秘めた あの頃の僕らに想像もできない 現実は空想を凌駕するもの
自分自身の正義を信じて かつての王朝を倒すと決めた 身の危険は厭わず 時代を変えるために 君よこの手を取り 明日を掴み取れ
【C:我に勝利を】
陰謀の果てに 街に民衆は集う 未来を見つめ 誓いあった者達
慌てふためく 独裁者の姿 宮殿に人々は集い 正義が勝利した
センセーショナルに 報道は伝える 不変の壁や体制が変わる 民衆は時代を破った
【D:英雄よ理想郷を築け】
英雄が舵を取る 新しい時代の到来 人々は祝福し 未来を思い描く
まだ見ぬ青春 素晴らしき人生 ロックスターは夢を語り 俳優は銀幕で躍る 理想郷の幕開け
【E:歴史は繰り返す】
降り止まぬ雨が本質を語る 笑顔の裏に果てなき欲望 力は人を変えてしまったのか 群衆は再び涙を流す
【F:革命よ再び】
S通信の一報が センセーショナルに 世界を駆け巡る
見えない壁に 囲まれた国にも 言葉は透過する
涙が怒りに 怒りは力に もう一度自由のために! 英雄は悪魔になった!
【G:止まらないカオス】
なぜ人は過ちを犯すのか 痛みを厭わないのか
怒りは届かぬまま 今日も晴れ渡る この空も皮肉屋になったのか
【H:運命の唄】
家の中に国境が敷かれ 離れ離れになった恋人たち
好きになった時は同胞だった 結ばれた時も想いあっていた
新たな生命が生まれた瞬間 あの革命が起こり 家族は引き離された
Breaking News!! Shall We Dance!? 踊らされる人
Breaking News!! Shall We Dance!? 罪なき人
終わらない 怒りの果てに
【I:時は語る】
数十年の時が僕らに流れた 子どもの顔も思い出せぬようになった いつか見た夢の痕は 無邪気な幼虫の踊り場
【J:自然摂理】
すべては自然に還る 安らぎと不変の時 風は憂いを吹き払い 光は生命を育む 時代は天の思うがまま
【K:革命の果てに僕らは……】
闘いの果てに 平穏は戻った 普通の暮らしは 今や過去のもの
街は静けさの中 リュートの音が響き 誰かの涙を語る 世界は変わった
嗚呼 僕らは何のために 立ち上がったのだろう
歴史は僕らを慰めない 現実が今を語る 革命の果てに僕らは大人になった
18.「ことば叙事詩」
(地球誕生)戦禍の中に 言葉はいらない 理想を掲げ 使命を果たせば��い
悪魔の声が この胸に轟く 理想の先に 何を攫めるというのか
過ちの果てに 掴み取った未来を 壊す奴を許すな 悪魔に悪魔が笑う
単語(恋) 文節(してる) 文章(恋してる)
恋してるの訳し方を 76億の民は知らない I Love Youじゃ訳せない 言葉の隙間にある真意よ
曖昧さを愛するがゆえに 一元的な正義に恐怖する そのくせ一つになると 揺るぎない連帯
流されることに気づかぬフリして 考えるのを諦めた
君の声に怯えて 僕らは顔を覆ったまま やりたいことをやるために 悪事に手を染める
君と目を合わせず 僕らは安らぎを探して やりたいことをやるために 自分を妥協する
僕らはいつ歌うことを覚えたんだろう? 僕らはいつ踊ることを覚えたんだろう?
忘れはしないよ 君がそこにいたこと 青春と後悔の果て 涙は止まらない
全部捨てちまえ! 言葉も愛も捨てちまえ! 炎で燃やしてしまえ! 日常を投げつけてしまえ!
激情のままに踊ろう 退屈な言語天体で 踊り明かすことしかできない 自分の無力さを嘆く
あいうえお かきくけこ さしすせそ たちつてと なにぬねの はひふへほ まみむめも やゆよ らりるれろ わをん 憎み合うために 生まれてきたわけじゃない 恨み合うために 生きてきたわけじゃない
未だ終わらぬ戦争よ 人を嘲笑う差別や格差よ 最後に誰が笑うのか
言葉は生まれ もうすぐ死んでゆく 協調という名の欺瞞が見えた
それでも生きてゆく 強く分かちあう 言葉にまだ出来ることはあるさ まだ死ぬ時は先さ
サイバー空間の中で 僕らが生きる意味を探そう 言葉の価値を決めるのは 他でもない君自身さ
今生きている君こそ ことば叙事詩の主人公
19.「みかんのうた」
みかん みかん 僕のみかん みかん みかん 君のみかん みかん みかん 一粒つぶ みかん みかん 一口でも
酸っぱくて顔を顰めるキミも 甘くてサムズアップするキミも まるで恋愛のようなその味に ずっと一目惚れしたままなんです
僕らはきっとみかんが好き あなたもきっとみかんが好き 和歌山 愛媛 静岡 熊本 みかんと一緒に大きくなる
20.「21世紀生まれの僕らに」
【1 - 子どもたちの詠唱(アリア)】
20世紀終わりの狂騒を 僕らは何も知らない 21世紀始まりの歓喜を 僕らは何も知らない
安らかに生まれ 健やかに生きる
希望に満ちた未来へ向かう 子どもたちの声が聞こえるか
【2 - 夜明けの戦争狂交響曲(シンフォニー)】
平和へ向かっていたはずの 人々たちの群れに Shocking!!
崩れ堕ちた平穏に 慌てふためく為政者たち 群衆は熱に浮かされたように 戦争へと足を進める
時は満ち 風は起こり 安らかな日々を求める
群衆は熱に浮かされたように 戦争へと足を進める
独裁者のせいでも 民主主義のせいでも メディアのせいでもない
すべては群衆が求めたこと あまりに無責任だ
他意も悪意も鋭意もなく 無邪気に…… 世界は塗り替えられていく
【3 - 精神科医の輪舞曲(ロンド)】
ニュースは女と子どもに寄り添う 群衆は報道に涙する
本当に目を向けることまで 感傷的な声に惑わされ 大切なことが見えなくなる
性別と年齢の調和が 彼らに武器を持たせた 近隣に住む友人は 国境線の向こうにいる
ふと地面を見ると 転がる死体の群れ 傷ついた首に光るネックレスが 友の面影を語る
もう武器は持てぬ 人は殺せぬ 愛と正義のために
精神科医は夜明けまで 休みなしに働く
この戦争はもう 永久(とわ)に終わらないのか
誰のための戦争か 戦争は何を生むのか
現状打破への焦りが 人類最後の叡智を 隣人へ遣わす!
踊る精神科医 笑う精神科医 嘆く精神科医
【4 - 電子幻想曲(エレクトリック・ファンタジア)】
世界を揺るがす 銀色の箱に 新世界への扉が 開こうとしている
音楽を1$で買えるようにして インターネットの民主化を目論む
その先に何があるのか 誰も知らない
だけど…… 禁断の果実は すでに齧られてしまった
もう止まらぬ 止められぬ シリコンバレー発の革命
世界を揺るがす 銀色の箱に 新世界への扉が 開こうとしている
【5 - スマートフォンの哀歌(エレジー)】
見渡せば スマートフォン 見つめる人の群れ
聞こえない スマートフォン 見つめる人の本音
感じない スマートフォン 見つめる人たちには
味のない スマートフォン 見つめる人が見ているもの
【6 - 正義の小歌劇(オペレッタ)】
独裁者が倒された 正義は勝った
歓喜に沸く群衆に 指導者は主張する
愛する人が傷ついて 目の前に現れる そんな現実の中で なぜ群衆は喜ぶのか
私にはわからない(何故!) 私にはわからない(今!) 私にはわからない(さあ!) 私にはわからない(変えよう!)
戦争は人を豊かにはしない 戦争は偽物の富を国家にもたらす
だから止められない 他人を唆して 都合のいい嘘で塗り固め 愛と平和の名の下に 無名戦士たちを戦場へ送る
私にはわからない(何故!) 私にはわからない(今!) 私にはわからない(さあ!) 私にはわからない(変えよう!)
ここからが本当の 戦いだ
【7 - アラブ奇想曲(カプリッチオ)】
銀色の箱が 塗り替えた世界は 指導者たちの横暴を 決して許さない
片手で収まる 銀色の箱は 写真も撮れるし 声も録れる
ひとりひとりが かつてのマスメディア ひとりひとつの メディアを運営する
あなたの一声が 世界を変えられる 隣の国が出来るんだ 私たちにだって出来るさ
希望を見つけた 群衆は止まらない
影響を持つ人を 誰もが夢見る時代
SNSの海で巻き起こった嵐は 目に見えないままに この国のアンシャン・レジームも 打ち破る!
気概を持て! 勇気を持て! 明日をこの手で創り出せ!
【8 - 群衆の舟歌(バルカローラ)】
安らかな眠りにつく 子どもたちに 平和の意味を尋ねられた時
君はどのように 言葉を紡いでみせるのか
希望に塗り固められた 虚構を伝えるか
それとも現実を素直に 言葉にしたためるか
何れにせよ 大人たちの態度が問われる
安らかな眠りにつけない 子どもたちに 生きる意味を尋ねられた時
君は如何にして 愛情を伝えられるのか
誇張に塗り固められた 誇張を伝えるか
それとも静かなる愛を素直に 言葉にしたためるか
何れにせよ 子どもたちはいつも見ている
【9 - 社会の小即興曲(インベンション)】
未曾有の危機に うねりが生まれて 若者たちは 隙間を見つける
小さな成功が 大きな夢へと導く
大人になって忘れていた 目の前の物事へ 夢中になること
蹂躙されてきた 人々が声を上げる その背中を見て 群衆が時代に乗る
明日なき暴走が 希望の未来を創る
目の前の物事を ひとつずつ変えていく
でも置き去りにされたままの 大人や老人はどうなる?
目の前の物事を ひとつずつ変えていく
時代遅れと糾弾され 存在理由すら若者は否定する
踏み台にされたままの生き物たち 彼らの断末魔が聞こえた
過去と未来を繋ぐ 果てしなき分断の影 そこにあるのは 潜在的現実
何者でもない人に 名前が生まれて かつてない時代の波に 誰もが流されたまま
Fire! Fire! Fire! Fire! Fire! Equally! Equally! Equally! Equally! Equally!
【10 - 21世紀夜明詩(オーバード)】
今こそ! 地球に 目を向けよう
今こそ! 君だけを 愛してみよう
世界を変えるには 目の前の私から この星を守りたいなら 目の前のあなたから
21世紀の始まりに 生まれた僕らの物語は もう一度ここから 愛と希望を胸に旅立つ
世界では この瞬間も 誰かが生まれる
世界では この瞬間も
誰かが死んでいく
戦争を知らない子どもがいるなら 戦争しか知らない子どももいるだろう
空腹を知らない子どもがいるなら 空腹しか知らない子どももいるだろう
今こそ! できることを 私の力で
今こそ! できることを あなたの思うがままに
21世紀生まれを誇りあるものとして 未来の子どもたちに語り継げるように
今何が出来るのか考えてみよう そこから新たな未来が生まれるさ
夜明けはきっと すぐそこに
21.「愛してるよ」
愛してるよ 本当だよ 嘘じゃないよ 信じてよ
そりゃ束縛もしたけど 誰よりも好きだから
前より増えた煙草の本数 ちょっとした変化に気付けない私 本音を気軽に言えない彼は 合鍵を置いて家(ウチ)を出た
そりゃ束縛もしたけど 誰よりも好きだから
愛してるの 気付いてよ 抱きしめてよ 逃げないでよ
そりゃ束縛もしたけど 誰よりも好きだから
人懐っこい笑顔の裏側 なんで言ってくれなかったの? ウチら恋人同士じゃんか 私に何か不満があったの?
そりゃ束縛もしたけど 誰よりも好きだから
愛してたよ わかってよ 嘘つかないよ 目ェ合わせてよ
そりゃ束縛もしたけど 誰よりも好きだった
ゴミ箱にはありったけの写真 想い出を捨ててしまうよう そこにもうあなたはいなくて 独りになったことを自覚する
そりゃ束縛もしたけど 誰よりも好きだった
愛してる 愛してたんだよ あなたのこと 心から愛してた
22.「サヨナラは言わない」
時の魔法は 川の流れに似て 君が呼吸するうちに 少女を大人に変えてゆく
手を伸ばせば 太陽に手が届きそう 何度も折れた翼を縫い合わせるうちに 君は空を飛べる鳥になった
裸足で駆け抜けた 海岸線に行く度 あどけない微笑みが美しすぎて 涙が止まらなくなる
今際の別れではなくとも 君と別れるのがつ���いよ サヨナラは言わない また逢おうと伝えたい 僕は君を愛していたから
初めて逢った日は忘れられない 今日もこの先もずっと
君がここにいたこと 僕は永遠に語り継ぐから
何度も涙した Graduation 春は待たない Destination 心がつらくなる Sensation 君の時代 My Generation
愛する意味さえわからず 涙色の雨に溺れて 絶望に打ちひしがれた日々よ そんな時も君がいたから 僕は強くなれたんだ
あの舞台で歌う君に 青春を重ねた
風に吹かれて 揺れるカーテン 春の夜明け前は静寂の中
ここから君は夜明けを待ち 大いなる翼を広げて旅立つ 涙も憂いもすべて置いてゆけ どんな嵐も糧になるさ
初めて逢った日は忘れない 今日もこの先もずっと
君がここにいたこと 僕たちは永遠に忘れない
梅の花が咲く 美しい満月の夜 桜はその時を待ちながら 別れを見送る 君はもう飛べる鳥だ この坂道から……
23.「恋愛ポートフォリオ」
最初に告白した彼は クラスの人気者でした スポーツも出来て頭も良く 誰もが羨む存在
でも賢いがゆえに影もある 彼には二人目の恋人がいました
二番目に付き合った彼は 図書室が好きでした 静かに見えて冗談がわかる 付き合うほど好きが増していく
四季を重ねたって 少しも飽きずに いつまでも傍にいたいなんて 公園で言葉を交わしたこともある
でも転校してしまった 小学五年の秋 木枯らしが切なすぎて
もう恋なんてこりごりだと 闇雲にスポーツに打ち込んで 気付けば中学に進学し 髪をばっさりと切った夏
同じ部活の先輩に思わず恋をした あっという間に距離は縮まって ふたりは友達以上になり 三番目の恋をした
あなたは私を好きだと言うけど 実は他の女の子が好きだった 気づいてたのです 机の中のプレゼントに
ただ、やりたいことをやればいい! ただ、やるべきことをやればいい! ただ、やれないことをやればいい!
先輩方の背中を追い ここまでやって来たんだ 最後にスリーポイントを決めたら 全国大会への切符を掴む
私たちは跳べると信じていたのに 私のせいで跳べなかった そんな時に慰めてくれたあなたが 四番目の恋人になる
あれほど優しかった人が 付き合った途端に豹変する 言葉も交わしてくれなくなり 身体にアザは増えていく
そんな時に救ってくれたのは 幼馴染でした 男の子は信用ならないと この時心から思ったのです
一本のビデオが運命を変えてしまった 私のことを誰も知らない街へ向かう その音声は偽物であなたの陰謀が蠢く それでも人は人気者のあなたを信じるだろう
桜の咲く季節にひとりでクラスに佇んでた 私に気付いた少年とふと目と目が合う もう恋愛なんて二度としないと決めてたのに あなただけは信用できると恋に堕ちたんだ
最初のキスはあなたから ある放課後のこと 胸がこんなに熱いのは 初夏の陽射しのせいじゃない
あなただけは信用できると思っていたのに また裏切られたのは SNSの通知に気付いてしまったから
リコメンドは人の首を絞めることもある あなたの温もりはすべて嘘でした
六番目の恋は自然発生的なもの 塾で隣の席に座ることが多かった彼と いつの間にか付き合ってた
大した仲じゃなかったけれど 一緒にいて心地よかった でも何かが物足りなくて 大学進学と共に別れた
Evergreen…… すべてが真っ白な季節 同じ学部のあなたに恋に落ちたのは
アイビー・ファッションが似合う シティボーイなアイツよ 颯爽と現れる仕草と同じように 光の速さで浮気された
最初は気づかぬフリしたけど そのままじゃいられない 誤魔化し合うだけの関係は すぐに破綻していった
最後のキスは夏祭りで 私から切り出した 七番目の恋はこれでおしまいと もう開き直っていました
誰もいない街 ヒステリックなニュース 何もすることがなくなった私は マッチングアプリを始めた
最初に出逢った彼とは音信不通になり 次の彼は口を開けば ケ・セラ・セラ
でも八番目の彼は他の彼とは違った カメラが好きなあなたに思わず恋をした だけど良い恋人に限って目の前から消えてく さよならも言えないまま この世界から去っていった
私に一言くらい言ってくれてもいいじゃんか ひとりで死ぬなんて狡すぎるよ
九番目の彼は狡猾だった 元カレの死に落ち込んだ私を まるで飲み込むように恋に堕としたの そんな関係は長続きしない 安らぎも温もりもなく 私たちはどこへも向かえなくなっていた
あなたと出逢うまでは 恋なんか信じられなくて いつかは裏切られると 心に過っていた
何度恋に期待しただろう そして何度裏切られただろう ある時は浮気され ある時は無関心だった
さよならを告げるまでは 恋は終わらないけど 自然に終わった恋を見るたび 胸が痛くなる
それでも誰かを好きになることを あきらめたくはない 誰かを愛していくことを あきらめたくはない
星空にあなたと誓う 幸せな未来を信じて たしかな明日を信じて……
十番目の恋人よ あなただけは信じてもいいですか? 私愛してもいいですか?
24.「電脳都市」
九段下の駅から 遥か彼方を見つめる 少年たちのその眼に 希望はあるのか
安らぎなどない世界 明日など見えない世界 強さも正しさも 正解にはならない
さすらうのは風だけでなく 人も同じだから 時代の波に押し流されて 居場所を見失う
山積みになったままの社会問題たちよ 政治家は居眠りしながら 子羊たちの収穫を待つ
シティポップに浮かれて クールジャパンに惑わされ 輝ける日々に憧れた者が 描いた五輪の夢
あきらめにも近い 若者たちの視線に 大人は気付かぬまま カオスへ突き進む
魑魅魍魎たちが闘う 電脳都市TOKYO 「淋しい」なんか見向きもされず ビル群に舞うだろう
もう泣かないと決めた日をもう一度思い出せ 君は君の責任で生きるしかない 大人が選んだ道なのさ
青春と現実の光と影の狭間 少年少女たちは苦悩し いつしか夢を失くしたまま 子供を卒業する
真っ黒なスーツと 後ろに束ねた髪 パンプスは血だらけで まるで本音のよう
ソーシャルメディアで誰もが繋がれる時代に 見たいものも見たくないものも すべてが無編集のまま 拡散される
資本主義が紡いだ世界に疑問を抱いた人 そしてこの世界を諦めかけた人 さらに夢だけを見つめる人
魑魅魍魎たちが蠢く 電脳都市TOKYO 新しい夜明けへのCollaboration
怒りと痛みのこれから始まる Harmagedōnはどこへ向かうのか? 魑魅魍魎たちが棲む ここは電脳都市TOKYO
25.「じゃあね」
その日は雨だった 玄関にはハイヒール 胸騒ぎがしてドアを開けると ふたりは抱き合ってた
何も言う気にならず 涙を流しても あなたは腰を揺らすばかり こちらに気付きもしなかった
星空を見上げて 愛を誓い合った あの日のやさしさは何処へ なぜ貴方は貴方を殺してしまったの?
話をしようよ 腹を割ってさ 最後くらいは 本音で言ってよ
浮気しても止めないけれど せめて家には入れないで 私を殺すつもりなのか それでも答えは返らない
ある日荷物が消えた 貴方はここからランナウェイ そしてコロナが始まり 新たな恋を探す
遥かなる愛を求め 恋の歴史は深くなる それでも愛には出逢えず 貴方を夢に見る
模造真珠の指環 いつかの贈り物 青春色の記憶は癒えず 今も貴方の面影がコンパス
貴方にサヨナラ 突きつけられるなら 胸に残らない 水に流せるかも
大好きだった狂おしい時間 心から愛してた 胸騒ぎがした日から私は 変わってしまった
あんなに優しい人が 女で変わっていく 私にさえ向き合えないのに 誰と向き合うの?
シャネルのドレスを着た彼女と ヴィスポークのスーツを着た女が 有楽町マリオンの表で メルツェデスに乗り込む
それでもなお 貴方と話したい 別れ話でいい サヨナラが言いたい
貴方にサヨナラ 突きつけられるなら 胸に残らない 水に流せるかも
狂おしいほど貴方を 心から愛していた 愛おしいほど暮らしを 守ろうとしていた
26.「ブルー・エデュケーション・ラヴァーズ」
ついに言えなかったよ あなたのことが好きだと もう良いんだ 僕も君が好きじゃない
負け惜しみのようだが 言い訳させてくれ アオハルの気まぐれという 風に吹かれていただけ
遥か夕陽が沈む春の日に ふたり電車に揺られて話した その言葉は今でも忘れられないけど 君のことは明日で忘れるよ
バレンタインも貰ったし 誕生日のお祝いもあった でも僕は鈍感で 何も言えなかったんだ
君は僕を好いていたはずなのに 何故だか素直になれない 五月の道に咲くジギタリスを見つめ 花言葉に想いを馳せる
遥か朝陽が昇る夏の日に ふたり朝まで語り明かした その言葉は今でも忘れられないけど 君のことは明日で忘れるよ
思い出を宝石に閉じ込められたら ずっと美しいままでいられたのに お互いを知りすぎてしまった関係は 秋の静けさに溶けていく
恋する気持ちは嘘じゃない でも僕の気持ちは嘘ばかり 遥か月が見えない冬の日に ひとり布団に包まり涙した
君ほど好きになれた人��いないのに 最後まで伝えられないまま 卒業式の朝は憂鬱で 打ち上げにも行かないと決めた
僕の心はまだコバルトブルー 桜は春を待っているというのに 君との日々はずっと忘れられないだろう でも君のことは今日で忘れるよ
27.「孤独の海」
水滴がぽつりと零れる 雨音はぽろりと溢れる
夜の静寂(しじま)に怯え 沈��した子供みたく 安らぎを求めて 誰もが暗闇に背を向ける
遥か彼方に未来があるなら なぜ僕らはまだ答えを知らない? 理想 現実 幻想 失望 ロゴスの源流
華やかに艶やかに 厳かにしなやかに
細胞に刻まれた 愛の痕は何処へ? 未知なる海へ舟を漕ぐんだ 僕らは孤独な旅人
波の滴は満ちて 月が踊り出す 君はペシミスト(星はペシミスト) 誰もが絶望するその時
自由な夜の夢よ  僕らを抱きしめろ 希望の鐘が鳴ろうとも  二度と目覚めはしない 夢想 瞑想 妄想 失想 ロゴスの誘惑
密やかに心地良く 穏やかに優しく
遺伝子に囁いた 時の印は何処?
宿命と闘い 明日を掴み取れ
未知なる海へ船を漕ぐんだ 僕らは孤独な旅人
詩集『poetryactivist』制作クレジット
Produced / All words written by Yuu Sakaoka Designed by Minoru Ichijo(G.Slope & Hill's Planet)
Co-Written by Sakura Ogawa(No.23) Drafted by TORIMOMO(No.25) / Sakura Ogawa(No.23,24, 26)
Dedicated to My Best Friends Management by G.Slope & Hill's Planet
Very very very thanks to my friend, my familly, and all my fan!!
2024.3.31 坂岡 優
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miro13-blog1 · 6 years ago
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ジャスミン碧螺春(へきらしゅん) ベースの茶葉は三狭の碧螺春、ジャスミンは台中の花壇の物茶葉の3倍の量のジャスミンで香り付けした文字通りとても華やかな仕上がりです。 お盆も休まず営業します! 三軒茶屋のイタリア郷土料理店ペペロッソ Ristorante regionale italiano "PEPE ROSSO" https://www.peperosso.co.jp/ Webマガジン 「SHOP ITALIA ~あなたが知らないイタリアここにあります」にて僕が働いているペペロッソの我らがシェフ今井和正がイタリアについて執筆させていただいております! 是非ご覧下さいませ! https://shop-italia.jp/author/28 以前から大好評頂いていたシェフが作ったオリーブオイル!なんと、ネット販売開始します! ペペロッソオリジナルプロデュースオリーブオイル 冷蔵便でイタリアから空輸しているこだわりの輸送 本物の100%イタリア産 【オリーブオイル EVO1118 500ml 】 料理にフレッシュ感をプラス https://store.shopping.yahoo.co.jp/peperosso/pepe-oliveoil500.html #暮らし #手料理 #家庭料理 #foodstagram #instafood #dekistagrammer #kurashiru #locari #クッキングラム #cookingram #igersjp #ellegourmet #おうちごはん #マカロニメイト #三軒茶屋 #イタリアン #ペペロッソ #イタリア #ワイン #ランチ #贅沢ランチ #昼飲み #ワイン #イタリアワイン #パスタランチ #ディナー #ティーペアリング #ノンアルコールペアリング #ジャスミン (ペペロッソ 三軒茶屋 イタリアン cucina italiana) https://www.instagram.com/p/B0znUo4goNU/?igshid=1pj209vk00bpb
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negipo-ss · 8 years ago
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ケイ
 四月の頭ごろに書いていて、だめになってしまったかなふみの草稿です。全体の分量の30%ぐらいです。  ここに埋葬させて下さい。
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 ローファーに桃色がぴたぴたと貼り付いてうざったかった。太陽は明るくまっすぐな光を打ち下ろ��ていて、だからこそ私の心に強く固い影を落とす。やわらかな春のあたたかさが桜の枝から砂のように花びらを振り落としていて、私は顔の前で手を二、三回払った。  バス停に辿り着いて、谷崎潤一郎をスクールバッグから取り出した。好きな曲のイントロがスマートフォンから私の鼓膜にやってきて、やっと少しだけ呼吸ができる気持ちになる。数行も読み進めると、とん、と肩を叩かれた。私は気づかれないくらい薄く眉をひそめて、イヤホンを片方外して、相手の話すことを聞いているふりをする。 「速水さん、おはよう。今日は早いね」 (さみしいかみさま あたしのこといってんの) 「……そうね、たまたま起きられたの」 (さみしくなんかない さみしいとか考えない)  彼女と話す間、片耳から流れ続ける音楽にずっと意識を向けていた。彼女の反対側にもう一人クラスメイトがやってきて、会話とも言えない会話は一瞬で終わった。私はそのまま文庫本と歌だけの世界に戻る。なぜか少しだけ涙が滲んでいて、視界が膜がかかったように曇っていた。  私の目の前には膜か幕がいつもあって、私はそのこちら側にいた。あちら側には自由に生きる人たちがいて、私と彼らは永遠に交わることはない。早くかみさまが降りてきて、この世界が作り直されればいいのにと思った。  やがてバスがやってきて、私は文庫本を閉じて定期券を取り出した。くるくるとひっくり返して、そこからお金が引き出されてバスや電車の会社にお金が支払われていくのを想像し奇妙なことだと思った。そうやって私は学校に運ばれて、授業が終わると、今度はアイドルになるために事務所に運ばれる。手を取ってやたら熱心に私のことを褒めそやす男の顔を思い出して、ふ、と薄く笑い、一歩踏み出した。  シャッフルに設定されたスマートフォンが、こんどは幽霊について歌う。
 * * *
「ケイ……もうちょっとだけ、待って下さい」  戸棚の缶から猫のためのごはんを取り出して、ケイ専用の茶碗にそれをもくもくと詰めた。少しも残さずにきちんと盛られたのを確認して、そっと地面に置く。ナアナアと鳴いて私に擦り寄っていた彼女が椀に頭を突っ込むのを見て、ほうと息をついた。そして、特徴的な低いエンジン音が換気のために少しだけ開けていた窓からしているのに気づいて「ああ」と低く悲鳴をあげた。時計を確認すると、果たして私が乗るはずのバスが出てしまった所だった。  私はいろいろなことを諦めて、わざとのろのろと支度をする。本棚から今日の友人に春琴抄を選ぶことにして、少しうれしくなった。なにせ今日は春らしいあたたかさだ。頭のなかで、たかだかとした鶯の声がする。 「いってきます……おとなしくしていてくださいね」  私はくろぐろとしたかたまりがナアとまた鳴くのに微笑みかけて外に出た。
 いつもより十分以上遅いバスから大学に降りたつ。その瞬間春の風が文庫のスピンをふわ、と持ち上げて、私は愉快な気分になった。普段は文章と共に歩く道を、ゆっくりと顔を上げて歩く。風は心地よく木々を撫でて、落とされた桜の花びらはやさしく息づく赤ん坊の前に置かれたかのようにふわふわと地面で揺れていた。私はその赤ん坊と共に大きく息を吸い込む。  とん、と肩を叩く人がいた。 「おはよう、文香」 「……ああ……アヤさん。今日は、早いのですね」 「なにそれ、皮肉?」  もう一限は遅刻だって。あはは。二人で笑いあった。 「今日からあれか。レッスンだよね、アイドル」 「はい」 「いやあ、楽しみだねえ」  ふふ、とアヤさんは笑って、とんとんと肩を叩いた。 「文香がアイドルになるの、楽しみにしてるよ。頑張って」 「……はい、精一杯、努力します」  私の手を取って、興奮気味にアイドルについて話す、プロデューサーと名乗る男性の姿が頭に浮かんで、くすくす笑った。 「……とても、楽しみです」 「ん、あたしも!」  私はアヤさんと、期待でいっぱいの目を合わせた。春は、始まりの季節なのだと思った。
 * * *
「や、すごいね、奏さんは」プロデューサーは目を輝かせて、私のことをなにか、かみさまのように見た。少なくとも、駆け出しのアイドルに向ける視線では無いと思った。 「ボイストレーナーさんが新人をあんなに褒めてるの、初めて見たよ」 「……私には、ただ無口なだけに見えたけど」 「何もしゃべらないってのがすごいんだよ」男はしゃべり続ける。「初回でそもそもレッスンらしきものが成立する時点ですごい。うちはスパルタで有名なんだ。何か経験がある人でも、まずめちゃくちゃに叩きのめされる。そうやってゼロからスタートさせるんだ」そして、急に不安になったかのように私を見た。「未経験って、ことだったけど。アイドルの経験があるわけじゃ……」 「ないわ、もちろん」私は半分だけうそをついて、彼の瞳を素直な高校生の目でじっと覗き込む。「そういうふうに見える?」 「ぜんぜん」男は笑っていった。 「そういう子はね、やっぱりわかるんだよ」 「そういう子って?」 「誰かのために、歌ったことがある子。そういう子は、ほんの少しだけど、世の中との関わり方をわかっている感じがするんだ」  私は少しだけいらついて彼を見つめた。彼は何も分かっていなかったし、その彼になにかについて理解が足りていないと言われているのは、どんな内容でもいらいらした。 「……で、次は何をすればいいのかしら」 「えーとね、ダンスレッスン、兼顔合わせ」  彼がにこりと笑ってスタジオのドアを開き、言葉を継ごうとして、内側から聞こえてきた怒声に遮られる。 「おいおい、頼むよ! これは本当に、マジの基本なんだ。ここでへばられると、すごく困る」  そこには、トレーナーに手を叩かれて、リズムに合わせて基本のステップを延々と踏まされている女性がいた。印象的なのはその前髪の長さで、顔の半分を隠しているように見えて、それできちんと前が見えるのかと言いたくなってしまう。長いうしろ髪はきちんとまとめられて、動きやすい服は汗で重々しく濡れていた。  プロデューサーが渋い顔のトレーナーをむこうに引っ張っていって、様子を聞いている。 「……だめそうですか」 「リズム感ゼロ。体力ゼロ。今わかるのはそれだけ」  密やかな声が漏れ聞こえたその間にも、彼女は誰も見ていないレッスン室の端でステップを踏んでいる。そのひたむきさには少しだけ心を打たれたが、私は輝きの無いものに対する憐れみを彼女に向けていた。 「奏さん」  私はプロデューサーに声をかけられて、真剣な表情の彼の元に歩く。 「文香さん、ちょっと中断して、こちらへ」  文香と呼ばれた彼女も私達の元へ来た。はあはあと、荒い息をついている。 「……おつかれさま、です」  やっとのことでそれだけ言った彼女の、息が整うのを待って、プロデューサーはにこやかに笑った。 「奏さん、文香さん。本当はこういうのは本決まりする直前に共有するものなんだけど、必要だと僕が思うから、今言います」  私たちは、続きを待つ。微かな期待が、仄かな光として私たちの胸にあった。 「あなたたち二人に、僕はユニットを組んでほしいと思ってるんだ。ユニット名は、まだなし。今後の活動も未定。だけど、きっと、ふたりはぴったり合うと僕は思ってる。だからできれば、今から特別になかよくして欲しいな」  私たちは顔を見合わせて、初めて顔を合わせるものたち特有の、不安を込めた笑顔をお互いに投げかけた。 「速水奏です。よろしくお願いします」  私がはっきりとそう言うと。彼女は手の汗を腰で、さす、と拭いて、差し出した。私がその手を取ると、意外に強い力で握られて、私もしっかりそれを握り返した。その手を離さないように握っていることが、いま私に許されている唯一の線路だと思った。彼女は消え入りそうな声で言う。 「……鷺沢、文香です。こちらこそ、その……よろしくお願いします」
 * * *
 苦しいレッスンはしかし楽しかった。私は昔から前に進むこと、新しく何かを獲得することが好きだった。それを確かな形として書籍に求めていた私が(何しろそれは気づかぬうちに年金のように増えていった)、アイドルというぼんやりとした世界に飛び込むと、人々は騒がしく波のように私の周りでさんざめいて、押したり引いたりした。いくつかのちょっとしたイベントの手伝いに駆り出され、少しずつ同業者の知り合いが増え、覚えたステップもまた増えた。 「まるで、除雪車だね」  プロデューサーさんは私に冗談めかして言った。 「文香さんは、とにかく弱きに逃げないんだ。力強い。それでいて、どこか自由に道を選び取っている感じもする。僕はそこがいいと思ったんだよな」 「……私を見て五秒もしないうちに、声をかけてきたのにですか……?」 「あはは、ごめん。今のは後付け」  プロデューサーさんは誤魔化したように言う。そして、取ってつける。「最初に声をかけたのは、文香さんがすごく美しいと思ったからだよ。それは、本当にそう思った」  私はそういう褒められ方にいつまでも慣れなくて、顔が火照って俯いてしまう。前髪でうまく、醜い私を隠せることができていたらいいなと思う。  だって、本当に美しい少女は、隣で黙って紅茶を飲んでいる。
���ケイ……?」  その日は大学から帰って、すぐに事務所に出るつもりだった。レッスン、レッスンの黒黒とした予定が、今日もカレンダーに黒星をつけている。ケイは、私が帰るとナアと鳴いて玄関にかならずカチカチつめを鳴らして滑り込む、長野の郷里を離れてひと月ふた月の、さみしい猫なのだ。そのケイの気配がなかった。  私は、はっとして窓を見た。閉めたはずの窓が、開いていた。そこから不安がごうごうと押し寄せて、目の前がまっくらになる。私はレッスンのことなどわすれてしまって、そのままドアを開けて外に走り出た。  やがて、夜になる。あたりを走り回った私の心は金切り声を上げてまっくらにあたりを照らしていた。じじ、と街灯が鳴った気がして、ぼうっと空中を見上げた私に「文香」と奏さんが声をかけた。 「……奏さん、どうして」 「あなた今日、レッスンを連絡なしに休んだでしょう。電話も出ないし、心配で住所を聞いたのよ」  私はそれでやっと予定のことを思い出して、しかし何の気力もなく俯いた。 「何があったの?」  近寄った奏さんが、私を見つめている気配がした。額に手を当てられて、やっと少し顔を上げることができる。 「……ケイが……」 「ケイ?」  奏さんが少し大きな声を出した。私は驚いて、彼女を見る。 「……猫の名前です。私が、飼っている。大学から帰ったら、いなくなっていたんです」 「……なるほどね」  奏さんはさっと頭を巡らせて、私に質問をした。 「行きそうな場所に心当たりは?」  私は首を振る。「彼女は室内飼いの家猫です。外には出ないんです。だからしらみつぶしに、探していて」 「生まれてからずっと室内だったのかしら」 「……いえ、実家では外に出ることが……」  私ははっとした。「よく、月を見上げていました。家の近くに公園があって、滑り台は、彼女の縄張りでした」  私と奏さんは、満月を見上げる。そして、奏さんが言った。 「行きましょう。心当たりがあるわ」
 数分ほど歩いた場所にあった公園で、私はケイを見つけた。彼女は公園の滑り台の上で、好奇心でいっぱいの目で月を見上げていた。「ケイ!」と私が叫ぶと、彼女はニャアと鳴いて滑り台から私の胸に飛び降りた。安堵の涙がぽたりと落ちて、私は短い嗚咽を漏らす。しっかりと彼女を抱くと、彼女の心臓がとくとく鳴っているのが分かって、熱かった。背中に添えられている奏さんの手は、ほんのりと暖かい。 「とりあえず、あなたの家に帰りましょう」  奏さんが言った。「あたたかいものでもゆっくり飲むといいわ」  家まで私を送ると奏さんは帰ろうとしたが、私はもう少しだけ彼女と一緒にいたくて、家に招き入れた。天井まで届く巨大な本棚と、その周辺に散らばっている大量の文庫に、彼女はあっけにとられている。 「分かってはいたけど、こんなレベルの病気だったのね」  私はすこし恥ずかしくなって、何も言わずにお茶をことりとテーブルに置いた。すぐにするべき質問を思い出す。 「奏さんは、なぜあの公園をすぐに思いついたのですか」 「単純よ」奏さんは言う。「私の家、ここから歩いて十五分くらいなの。私たち、家が近いことも知らなかったのね」  私はそれで、なかよくして欲しいというプロデューサーさんの言葉をやっと思い出した。 「……すみません、私、人と話をするのが、うまくなくて……」 「文香だけのせいじゃないわ」  奏さんは、一冊の本を手に取って、私に問いかけた。 「私も聞いていいかしら」  私はその口調に、なにか非難めいたものを感じて、たじろいでしまう。落ち着くために、ソファに座ってから「どうぞ」と言った。 「なぜ猫に、ケイ、なんて名前をつけたの」  私は、彼女の質問についてしばらく考えた。そして、彼女が私に手渡した本に目をやって、やっと合点がいく。  それは、夏目漱石の『こころ』だった。私は思わず吹き出してしまう。 「なぜ笑うの、文香」 「……いえ、その……。ふふ、ケイと聞いた時に、『こころ』のKが思い浮かぶのは、よほどの病気ですよ、奏さん」  奏さんは、さっと顔を赤くして、「じゃあ、一体どういう意味?」と聞いた。 「そうですね、ケイ、と言ったら、恵む、継ぐ、など色々当てられる字はあるでしょう……。それらでも私は十分詩的だと感じますが……ケイについて言えば、もっと実務的ですよ」  はあ、私は息をついて、彼女を見た。 「ケイは、アルファベットの十一番目のKです。……彼女は彼女の母親の、十一番目の子供なんですよ。寂寞の中で死んだ、浄土門のKではありません」  私がそういうと、彼女は全てを理解して、糸が切れたようにふら、とよろめいた。そして私の隣りに座ると、真っ赤になっていた顔を覆って、ごめんなさいと言った。 「勘違いをしたわ。私、文香をとても冷たい人だと、一瞬だけ思ってしまったの」  そして、私を涙でいっぱいの目で見て「ごめんなさい」と繰り返して言った。 「なぜ、泣くのですか」と私がびっくりして言うと、彼女は口元だけで笑って答える。 「多分、恥ずかしいのが半分」  そして続ける。 「どうしてかしら。救われた気がしたの。ケイという名前に、あなたが意味を見出していなかったことが、何故か嬉しくて」  そう言って、彼女は私の手を取って、親指で少し撫ぜた。 「だから、ありがとう。それがもう半分」
 落ち着いてからお茶を飲んでいると「そう言えば、私達の名前にもケイが入っているわね」と彼女が何気なく言った。 「……本当ですね、ふみか、かなで」 「ユニット名の候補に使えそうね」 「ケイを、ですか」 「まさか」奏さんは笑う。「猫に悪いわ。もうちょっとひねらないと、そうね……」 「つなげてしまって、ふみかなで、とかでしょうか」 「悪くはないけど、もう少し短く……文頭に持ってきて『かなふみ』とかはどうかしら」  かなふみ。私は口の中で言葉を転がして、中々だ、と思う。 「……大変柔らかい音で、私は好きです。きっとひらがなで表記するのですね」 「そうね」  かなふみ。奏さんも発話した。ふふ、と笑う。 「今度、プロデューサーさんに伝えてみましょう。気に入ってくれるといいわね」
 * * *
「ごめんなさい、少し遅れてしまったわ」  私が謝ると、文香は頭を振って、顔を綻ばせた。 「私も、いま来たところです」  そんな定番のやり取りすら嬉しくて、私たちは顔を見合わせてふふふと笑う。  先日のおれいがしたいのですが、土曜日のごごはあいていますか、確か文面はそんな内容だったと思う。私たちは少しずつお互いのことを知っていって、私は文香があまりに機械に疎いのでびっくりしたのだった。幾つかの、定番の連絡用アプリケーションを彼女のスマートフォンに入れてやって、その全てで私は彼女の最初の友だちになった。彼女は満面の笑みで眩しく私に笑いかけ、そしてその場で辿々しく、私をデートに誘った。私はくらりとして、もちろん、と返信をした。  彼女のそういった拙さは、私の目にはのびのびとした自由さに映った。彼女はあらゆる世俗的なことがらから自由で、自分がやりたいように本を読み、自分がやりたいようにステップを覚え、自分がやりたいようにうつくしい言葉を大事そうに手渡してくれた。文香は信じられないような速さで、私と並ぶように走っていて、そしてもちろん、彼女は漱石を知っていた。私よりも、数段詳しく。  「おれい」の内容は自由に決めていいということだったので、私は彼女を自由に飾り付けてしまうことにした。代官山をぐるりと周り、渋谷にも歩いていって、あらゆる服飾を彼女に着せてみた。文香は信じられないくらいスタイルが良く、それを信じられないくらい野暮ったい服で隠してしまっていた。今年流行りの帽子と眼鏡を被せて、初夏を思わせる青々とした色のブラウスとダークブラウンのガウチョパンツを合わせ、少しヒールのあるショートブーツを履かせると、彼女は見違えるぐらい美しくなった。あれもこれもと着せてしまった私自身がちょっとはっとするくらいの生命力が彼女から溢れ出していて、周囲の人間が見とれているのにいらいらしてしまうくらいだった。文香はそれくらい、素敵だった。
 ちょっと落ち着こうと入ったカフェで、私は彼女と再会した。  彼女は、そのカフェでディスプレイの中にいた。正確には彼女の姿が映っている訳ではなく、彼女の曲がさらさらと流れていたのだ。そこに彼女のクレジットが流れてはいなかったが、私には一発でそれは彼女のトラックだということがわかった。彼女と私のつながりが、そうさせてしまったのだと思った。  それは手触りの良いポップスで、画面の中で踊る有名なアイドルユニットのために書かれていた。ぱっときいた印象としては聞きやすいが、最新のトレンドを多様なジャンルから拝借していた。ときどき王道から外れる微妙な展開があり、それが私の心に心地よく波紋を投げかけていた。私は、文香が「奏さん?」と声をかけるまでうっとりとそれを聞いていた。 「ごめんなさい、なんでもないの」 「あのアイドルが、どうかしたのですか」  文香は買ったばかりの眼鏡越しに、じっと私を見た。 「……本当に、なんでもないわ。気にしないで」  文香にはそう言ったが、私の心には、投げ入れられた音楽によって立てられた波紋が固い波となっていた。それは一年前の記憶と合わさって、やがて耐えられな���ような大きな波となる。私が乗った帆船の舷から真っ暗な水がばしゃばしゃと入ってきて、私は転覆してしまいそうになった。私の目に、はっきりと涙が滲んだ。私は助けを求めて文香を見る。  そのとき、文香の静かな碧い瞳が私を貫いて、私の舟は文香に全てが委ねられた気がした。びり、と電流が走ったようになって、私のてのひらに、汗が吹き出した。そうして、音が戻ってくる。私のための音が戻ってくる。それは心の内側の、船室とドアと、カーテンの向こう側から聞こえてきて、やがてそれは周囲のざわめきとなった。 「……奏さん? その……本当に、大丈夫でしょうか」  文香が心配そうに、私の震える手を取ったので、私は頷く。 「ごめんね、文香。今日は私のそばにいて」  文香は頷いて、もちろん、と言う。 「私の家に来て、文香」私は縋るように文香に言った。 「お願い」
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mikishito-music-japan · 8 years ago
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JYOCHO
グラスの底は、夜 
2017/09/02
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image-weaver · 7 years ago
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79 Sense
三人は、ディオレが<雨の郷>と呼ぶ地を進んでいた。バルナバーシュとルドには延々と渺茫たる闇沙漠が続いているようにしか思えなかったが、ふいに青鈍色の遠い雨雲に金の光がちらと瞬いたのを見る。
「コリアンカだ」
目の良いディオレが言って、すかさず鏑のついた威嚇の矢をつがえ、光の動向をかたく見守った。風を切って近づく光の正体は開かれた両翼の差しわたしが十フィートを越える黄金のイヌワシであり、沙漠の果てから太陽の力を引き連れてきたのか、そぼ降る雨にも動じず頭上高くを真っすぐに通り過ぎていく。バルナバーシュの知るところではイヌワシは狩りの名手であり、たくましい脚力で小鹿をも空へ連れ去ってしまう猛禽であるが、この闇沙漠は彼らの生息に適した地とは思えない。コリアンカは一声、悲しげに乞うような鳴き声を天に響かせて雨のかなたへと消えていった。
「闇沙漠について今少し、さだかならぬ話をしておかねばなるまい」
弓矢をしまいながら、ディオレが雨除けの頭巾の奥からそうつぶやいた。バルナバーシュもまた、暗い頭巾の陰翳からどこか解している碧眼を向ける。
「ここは何を意味する場所なんだ、ディオレ」 「意味? 言葉遊びをするなら、忌みとしたほうがいいかもな」
ディオレが一笑する。意味などというものは呪わしく、ゆえに愛しいと言いたげでもあった。
「ここ雨の郷は、コリアンカのような乾いた高峰に住む鳥たちや、乾ききった死体、雨を求める行者、熱砂に育つはずのサボテンなどが、どこからともなく集まってくるんだ。だから雨の生まれる場所とも言われている」 「雨が生まれるって……どういうことなんですか?」
依然として変わらない雨雲を見上げながら、ルドが興味深げに聞いた。
「雨を渇仰するあまたの祈り、夢の多くが、この地に集積されていく。いや、集積された夢がこの一帯を生み出しているとさえ……私はそう考えている。人々の雨への憧憬がイメージを結び、ここは夢見られた郷なのだと告げているんだ」 「……フェリクスに聞かせたら喜びそうな話だ。彼もこのイススィールは現実ではなく夢の世界なのだと言っていたから」
バルナバーシュは肩をすくめたが、声に否定の色はなかった。ディオレは半眼にし、うっそりと翳る金の瞳をけぶる地平に放ちながら話を続ける。
「君たちはこれまでイススィールがどのような次元なのか、考えたことはなかったか。今の私はこの闇沙漠を、つくりあげられたイメージ――すでに線を引かれ、枠にはめこまれた合理的な地図ではなく、心に闇沙漠のイメージをとらえながら進んでいる。そこには記録も概念も存在しない。あるのは忘れがたいものたち――秘密と馥郁たる思い出、悲喜とはるかな願い、想像と果てしない夢想――それらが属し、研ぎすますこの力を、私は感覚(センス)と呼ぶ。繊細にされた感覚がこの雨の郷に集う祈りを聞き、道を見失わずに辿れたんだ。おかしいことを言っていると思うかもしれないが」 「いや、信じるよ。ただそれしか言えないが……」
そう肯いて、バルナバーシュはふとルドを見る。ルドは首をかしげ、ディオレの言葉を分かりかねている様子だったが、彼と自分は、理屈では証しがたい力――ディオレ曰く、センスによって互いがとり結ばれている気がしてならなかった。それは思い出なのか。願いなのか。あるいは想像によって生まれる何かなのだろうか。
「私とともに灰城ロマルフまで冒険した、イラーシャという友は……」
ディオレが子供めいた声音で、やぶから棒に切り出した。
「イラーシャは精確な地図というものを頭に描けなかったし、自分に素直で、何かを緻密に計算するのも苦手だった……でも私は、そんな彼女に嫉妬さえしてしまうんだ。彼女の感覚はつねに、とらえがたいイメージにあふれ、豊かな秘密の園だったから。進むべき道は色とりどりの五感が導き、生きられた知識が冒険を教えてくれる。闇沙漠の道案内の技をいち早く覚え、先達として教えてくれたのも彼女だった――とても偉大な力なんだ。だが、その力は生まれながら幸運な者だけにもたらされるのではない。私やルド、バルナバーシュ殿にも芽吹き、長い時をかけて樹木として育っていくかけがえのないもののは��。私はそう信じている」 「僕がバルナバーシュさんを守りたいとか、この戦いに負けたくないと強く思ったときに力が湧いてくるのも、そのセンスのおかげなのかな」 「当たらずといえども遠からず、だろうか。決して無関係ではない。きっとね」
彼らのかたわらでバルナバーシュもまた、故郷の景色や人々――セニサやウィロー、飼い犬のブレイドと優しき父、また屋敷で忠実に仕えた数少ない使用人らを思い出し、胸中で懐かしんだ。五年前、ウィローが貴族らのおぞましい実験に巻き込まれて下水へ打ち捨てられ、探究のはてに禁術の解き放たれた故郷ゲルダットの多くの地が穢れ、荒々しい狂気や血も凍る悲鳴、淫らな苦悶と哄笑に侵されていくなか、己れの戦いと心を支えてくれたのは彼らとの愛しい思い出だった。胸元にあるフェレスの懐中時計を手にとって心を馳せれば、世界の涯たるイススィールにあっても鮮やかに五感を満たしてよみがえる。路地裏で酌み交わした酒の熱、乳白の光差す石の回廊、月の芳しい浜の砂、つかのま暈を広げる銀灰の髪、絨毯に臥す老いた犬、生家の地下室の気配、父の憩うやわらかな墓土――時計の針はガラスのふたを被せられた円い文字盤のなかで、時間を切り分けるためにはなく、日々を時間に刻むようにして生きていた。喪失なき夢幻。未来をさすフェレスの導きは、脈打つ今を経た、終わりなき追憶の旅でもあった。
明かりを照りかえす砂丘のなだらかな向こうにさびしいくぼ地が仄見える。<眠れるオアシス>と呼ばれる中継地点であったが、オアシスは無限にそそぐ雨水を受けとることもなく枯れ果てていた。ディオレの案内はまどろむ海をたゆたうような足取りだったが、イメージを手放さずに伝い来れたらしい。オアシスに到着するとルドは思わずくぼ地のへりから中を覗きこんだが、かつて沙漠に住む者たちをあまねく潤わせた砂の器には一滴の水もなく、郷愁に暮れる深藍色の影が鬱積しつづけている。あたりは草木のうわった痕跡すら見当たらず、途方もない年月の眠りと風化が過ぎ去った寂寞だけが取り残されていた。
「このオアシスに雲の小舟を隠してあるのだけど――待て、静かに」
ディオレが後をついてくる二人へ、前方の闇を見澄ましながら手で制する。するとひとすじの銀光が流星のごとく夜を裂いて飛び、ディオレの目は見開かれ、またバルナバーシュとルドも直面した。青白い光に包まれた小さな人影が、雨の薄膜に揺らぎながら砂地の上にたたずんでいる。オパールの遊色に波打つ銀髪、白絹の衣の少女――フェレスの亡霊だ。少女は過去にバルナバーシュとルドの前に現れた者と同じ妖異な気配を放っている。
「―――!!」
ディオレが人ならぬ声、竜とも精霊ともつかぬ異形の声域と言語によって地を割る雷鳴さながらに何かを叫んだ。あのベドウィンを呼ばわった鐘の音のように現次元にはまったき無音で表れながらも、異次元の激しい振動を耳にしたバルナバーシュとルドはすさまじいめまいに身をかしぎ、ディオレが「ストラーラ」と紡いだのを半ば直感的に、明滅する頭蓋へあとから追いかけてくるこだまの中に聞きとった。果たしてそれが少女の名なのか。そう思い至った途端、今まで隠されていた少女の面立ちが見るまに二人の視覚に認識されていく。少女は儚く、美しかった――だが現次元の尺度をはるかに逸したこの世のものならぬ美しさであり、極光の七色に移り変わる瞳は未知のロジックの力を放射してフェレスの主らを真っすぐに見据えている。バルナバーシュはその美しさに耐え切れず目をおおったが、ディオレとルドは威圧にもひるまなかった。
少女は突然、破砕音とともに光の粒子となって弾け飛んだ。光と光のはざまで空間は奇妙にねじくれ、ひずみの向こうから二人の神秘的な女性がゆっくりと、輪郭をさだかにしながら儀式めいた歩を進めてくる。女たちも美しく、また人間ではなかったが、尾を引いて神さぶ霊気はバルナバーシュにもかぎ取れるものだった。聖霊に属し、また天使と呼ばれる女神の使徒――今は闇沙漠の侵犯を許さざる哨戒役として見張る者たち。それぞれが剣と杖をたずさえ、法に連なる冷然な面持ちでフェレスの主らに相対する。
《私はオヴェルル……》 《私はユステルル……》
仮借なきプレッシャーに、毅然たる構えでディオレがサーベルを抜き放つ。バルナバーシュとルドも様々な疑念を強いて収め、ディオレに続いて剣柄に手を飛ばした。
《ユテァリーテ様はフェレスに関わらない》 《それはユテァリーテ様の悲しみ》 《それはイススィールで育つ争いの種》 《お引きなさい》 《さもなくば》
《涙受ける砂となりなさい……》
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