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#すっからかんのショーケース、初めて見ました笑
apoandbangpo · 1 year
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BTS Sugaのワールドツアーは究極のポップス転覆 / The Atlantic 翻訳
アメリカでグループ初となるソロコンサートを開催、アーティストとしての個性を強烈に宣言した。
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Story by Lenika Cruz
フォグマシーンの柔らかな吐息に包まれたステージから、フードを被った4人の人物が舞い降りてきたかのようだった。その肩には、黒をまとった体が乗っている。雨と稲妻が背後のスクリーンに真っ白に映し出される。ようやく、その男が地面に横たえられた。その後には、まるで死からの復活を思わせるような光景が待っていた。スポットライトが彼を見つけ、歓声が上がり、ついに彼は動き出した。そして、マイクを口に当てた。
このロックスター、ラザロの正体はミン・ユンギ。グラミー賞にもノミネートされ、チャートを席巻している韓国のグループ、BTSのラッパー兼ソングライターのSugaとして広く知られている。しかし、その夜ニューヨーク州ロングアイランドにあるUBSアリーナのステージには、彼のバンドメンバーは誰もいなかった。なぜなら、この日は彼のソロワールドツアーの初日だったからだ。昨年の夏以降、メンバーは各々の兵役義務遂行に向け、個人活動に集中してきた。BTSで初めてソロツアーを行うSugaはグループ作品よりも暗く、生々しく、パーソナルな音楽制作のために2016年につけた名前、Agust Dとしても公演を行っていた。先月、Agust Dの3部作の完結編となる強烈なスタジオアルバム『D-Day』をリリースした。このアルバムで社会批判やトラウマの黙想、名声、精神疾患、孤独、そして許しについて語っている。
同じくD-Dayと題されたSugaの現在進行中のツアーは、彼の作品を初めて本格的にショーケースするものだ。完売したアメリカでのツアーは、まるで10年以上の歳月を経て作り上げた芸術的個性の宣言のようだった。コンサートはフロントマンのエネルギーと作家主義的な華麗さで爆発していた。しかし、彼の最も際立った功績はポップミュージックが持つ共感を生み出す潜在的な力を受け入れながらも、その非人間的な作用に立ち向かっていることだ。
水曜日の夜、カリフォルニア州オークランドで幕を閉じた全米ツアーの全11公演は雷雨の中、道路に横たわるSugaの姿で終わるショートフィルムからスタートした。これはBTSとしてデビューするまでの練習生時代、生活費を賄うためにソウルで配達のアルバイトをしていた時に、車にはねられたことにちなんでいる。この事故で肩に傷を負った彼はBTSが世界的な名声を得た後も、この怪我に悩まされ続けた。この映像の後に命を落としたかのような実物のSugaがステージに担ぎ込まれる展開は、スムーズでありながらも衝撃的であり、何日も会場の外で待ち続けるファンを持つポップスターの人間的な脆さを再認識させるものであった。
初日のUBSアリーナ、そしてアメリカ最終日のオークランド・アリーナで私が観たSugaの公演は、ポップ・コンサートの常識を覆すものだった。ある面では子供の頃に日本の作曲家である坂本龍一の曲をサンプリングして自分のビートを作っていた技術に長けたラッパーによるダイナミックなヒップホップショーだった。Sugaは『Haegeum』でこの夜の空気を作った。タイトルは韓国の弦楽器と解禁を意味する。「溢れ返る情報は想像の自由を禁ずると同時に思想の統一を求める」「資本の奴隷 カネの奴隷 憎悪と偏見 嫌悪の奴隷 / YouTubeの奴隷 Flexの奴隷」とSugaは韓国語でラップする。Haegeumの耳に残るストリングスと、心地よく荒れたベースが空気を振動させた。この曲はすべて韓国語で書かれたものだが、観客は歌詞を大声で彼に歌い返した。反骨精神に満ちた『Daechwita』、初期のファンに人気の『Agust D』、『Give It to Me』と激しいラップ曲で序盤を駆け抜ける彼は催眠状態にあるかのようだった。
観客がまだ落ち着かないうちに、Sugaはアコースティックギターを取り出した。ギターにはBTSの他の6人のメンバーからのメッセージや絵が描かれていた。パンデミック期間中にギターを習得した彼のアンプラグド・バージョンの『Seesaw』は、振り付けやバックダンサー、凝ったセットを伴う過去のパフォーマンスとは一線を画すものであった。序盤の盛り上がる曲で見せた力みのない威勢が、静かなシンガーソングライターモードのSugaへと移り変わっていった。その後、アップライトピアノの前に座り、2020年のBTSの楽曲『Life Goes On』の自作バージョンを披露した。特に感極まる瞬間は、歌手のWoosungと亡き坂本龍一が参加した楽曲『Snooze』のソロパフォーマンスだった。2022年後半にSugaと坂本が唯一対面した時の映像が、前もって大型スクリーンに流れた。グランドピアノで曲を演奏する年上のミュージシャンと喜びを抑えようとする若者。Snoozeは、坂本にとって最後のコラボレーション作品のひとつになった。坂本を敬愛し、苦闘する若きアーティストを慰めるためにこの曲を書いたSugaにとって曲中の坂本の存在は、とりわけ心に響くものだろう。
BTSの活動で、できなかった試みをD-Dayで再三にわたり実践するSugaの姿は、実にスリリングだった。 そう、彼は依然として熟練したエンターテイナーなのだ。何万人もの観客の心をつかむ術を熟知している。BTSのコンサート中盤の爽快なラップメドレーで見せるとおり、息をつく様子もなくラップをしながらステージを飛び回れる人なのだ。そして、ロサンゼルスの2公演ではアメリカ人歌手、MAXとHalseyをゲストに迎え、それぞれのコラボレーションを披露した。その一方で、彼の破壊的な選択も際立った。コンサートに散りばめられたショートフィルムは、デヴィッド・リンチの夢の論理とグラインドハウス映画の粗い質感を思わせる。ポップアイドルのSuga、影のAgust D、そして人間ミン・ユンギという3つのアイデンティティーのストーリーが描かれている。このコンサートにおける究極の芸術的意図は、それぞれの自己を観客に明瞭に示すと同時に、それらがすべて共存していなければならないのだと認識させることにあるようだ。BTSのソロ曲である『Interlude: Shadow』やBTSの他のラッパーたちとの曲のヴァースを披露する姿を見て、彼は自分の過去を否定しているのではなく、むしろ誇りに思っているのだと確信した。なにしろ、その過去が彼を韓国の青瓦台、アメリカのホワイトハウス、国連総会、そしてグラミー賞の舞台にまで導いたのだから。
もうひとつの魅力的な演出があった。公演全体を通じて、舞台の一部がチェーンで天井に引き上げられ、Sugaのパフォーマンスできるスペースが次第に狭くなり、より慎重に舞台を進行させる必要があったのだ。 アンコール前の最後の曲『Amygdala』では、寂しげな四角い床に立っていた。周囲には炎が燃え上がり、まるで恐ろしい牢獄のようだった。アルバム D-Dayの核となる、このエモ・ラップトラックには、Agust Dのオルター・エゴの起源が記されている。交通事故、母親の心臓手術、父親の肝臓がん宣告など、彼の人生を決定づけたトラウマに言及し、それらがいかに彼を形成したかを語っている。曲の最後のフレーズで、力尽きたように地面に倒れ込むとフードをかぶった人物たちが戻ってきて彼を運び去った。ただし、今回は全身真っ白な服を着ていた。まるで浄化されたかのようだった。彼のカタルシスが完了したのだ。
アンコールの頃には舞台装置がすべて取り払われ、下に隠れていた機材が露わになった。 消火器、電気コード、発火装置などが散乱していた。Sugaはもう観客の頭上に立つことなく、地面の高さからファンの目の前で最後の数曲をパフォーマンスした。時にはファンの携帯電話を手に取り、自身の姿を撮影してみせた。最後の瞬間は、ほろ苦かった。ほとんどの観客は、6月下旬にあるソウル公演でツアーが終了した後、Sugaが少なくとも18ヶ月間の兵役に就くことを知っていたからだ。その現実がコンサートを一時的な別れのように感じさせた。ファンが持つライトスティックの輝きが、まるでひとつの波のようにアリーナ全体を駆け巡った。 時折、野生的なエネルギーに駆られた観客が吠え始めるとSugaは驚いたり笑ったりしていた。オークランドでは観客に向かって、BTSの他のメンバーと一緒に戻ってくること伝え、ファンにもう少しだけ待って欲しいと頼んだ。
ツアー初日の夜、もうひとつのサプライズが待っていた。私は最後の曲は感傷的なものなのか、軽快なものかだと思っていた。 ところが、Sugaは不気味なビデオカメラの輪の中に入っていき、その真ん中に立った。つぶやきはじめたのは『The Last』のヴァースだった。第一作目のミックステープに収録されているこの曲は、彼の最高傑作であり、私が最も好きな曲のひとつだ。そして、このところ私が聴くのに苦労している曲でもある。The LastでSugaは、強迫性障害、鬱、社交不安について語っている。低く控えめな表現から徐々に切迫していき、最後には叫び声と泣き声の間のような声へと変化していた。数年前、この曲を初めて聴いたとき、私は自分自身の絶え間ないパニック障害による発作と息苦しい死への渇望を思い出した。この曲は私の心に刺さり、歓迎すべき欠片になったのだ。
ここ数年、Sugaは成長、自己愛、不安や苦しみを肯定することをテーマにした音楽を多く作ってきた。 コンサートの序盤、彼は英語で「あまり怒りを抱えずにパフォーマンスしたい」と語り『SDL』、『People』、『People Pt.2』といった曲に焦点を当てた。これらの曲は人生の試練を前にして冷静に考え、許し、謙虚でいられる人物像を描いている。ひどい苦しみから解放され、自分なりの癒しを見つけられたときの安堵感を私もよく知っている。だから、The Lastの出だしの歌詞(「有名なアイドルラッパーその後ろに、弱い俺が立ってる 少し危険だ」)を聴いたとき、私は凍りついた。彼は一体何をしているのだろうか。 監視システムのように並んだカメラ、その映像が映る彼の頭上のスクリーン。彼が見せる苦しみを貪るように映し出す。つまり私もまた、彼の苦しみを貪っているのだ。
しかし、すぐに理解できた。23歳のときと同じように息もつかせぬ情熱でラップしているが、単なる激���ではなく時間とともに和らいだ怒りでパフォーマンスしているのだと。その感情の力強さや真摯さに陰りはないが、それを発信する側が受けるダメージは少ないのだ。今の彼は炎の中に立って熱を感じながらも、その炎に飲まれることはない。若き日の自分に回帰することなく、当時の自分と心を通わせられる。
そして、魔法が解けた。曲が終わった瞬間、客席の照明がつき、彼が舞台袖に無言で歩いていくのが見えた。別れの挨拶も、長々とした感謝の言葉も、歓声を上げる観客に手を振ることもない。後ろを振り返ることさえもしなかった。初日の夜、突然の退場に衝撃を受けた人々は戸惑いの表情を浮かべた。このフィナーレを観客との静かな対決、愛されてやまない芸術家による大いなる自己主張と捉えることもできるかもしれない。けれども、もしそれが対決であったなら、それは見下しているのではなく、むしろ信頼に基づくものだ。観客が不快感に耐えられるだけの知性を備えており、彼が見せたものに気分を害したり、恐怖を感じたりしないのだという信頼だ。
完璧なエンディングだった。闇と神話作りから始まったコンサート��明かりの中で、さらけ出すように終わったのだ。他の誰かに運ばれきてスタートさせた公演をSugaは自らステージを去ることで終わらせたのだ。これ以上、何を望むというのか。彼は私たちに何もかも見せてくれたのだから。
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shukiiflog · 11 months
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ある画家の手記if.115  雪村絢視点 告白
なるべく毎日日記だけは書き続けてたけど翻訳の練習が疎かになりがちだった最近、俺もそろそろ仕事探したりしなきゃ、って思い始めたころ、バレンタインが近いことに気づいた。
光さんが大学に遊びに行く(本人談)ときの行き帰りについてける日は俺が一緒についてって、その道中で見かけるお店がどこもバレンタイン一色になってた。 俺がなにか思うより先に光さんがいろんな種類の小さなチョコがたくさん並んで入ってる箱を買ってって、真澄さんにあげるのかなと思ってたらその日の夜の食卓にそれが出てきた。 光さん曰くロシアンルーレットバレンタイン、たくさんの小さなチョコの中のどれか一つを光さんが凶悪な味のチョコに取り替えておいたらしい。三人で一個ずつ代わりばんこにチョコを食べてった。光さんはどれか知ってるから当たらないにしても、俺はいつ来るかなって思いつつ慎重に選んでたら、20個以上あったのにラスト一個まで誰も当たらずに残っちゃって、結局その誰も引かなかったラスト一個の凶悪なチョコは冷蔵庫に厳重に封印されてる。 それがバレンタイン当日より三日前くらいの話。
俺もあげようかなとか、せっかくだから自分で作ってみるかなとか、でも相手の好みとかアレルギーとか分かんないから迂闊なことできないやってことで、今日は本人とチョコを選びにいく約束した。もちろんそんなことまでは言ってないけど。 今日はバレンタイン前日。
まこと待ち合わせしたテラスで、一人でタピオカジュースを買って飲みながら待つ。 予定より30分くらい早くついちゃった。 最近は体への負担考えてなるべく出歩くときは荷物少なめにしてるから今日も財布とケータイだけでほぼ手ぶら。前はこういうときは持ち歩いてる本とか読んでたけど、今はそれもない。 どう時間を潰そうか考えてたらテラス席の俺の向かいの椅子が引かれてそこに一人の男の人が座った。 「………」 その人は俺に向かって愛想よく笑いかけた。…なにこれ、逃げるべき?  「はじめまして、雪村絢くん。僕は佐伯岬といいます」 にっこり笑ったその人はなんの不思議もない発言みたいに滑らかにそう言った。…佐伯…岬?!?って、海外で亡くなったって… 「……」 俺はキョトンとした顔でタピオカ飲む、だけでまだ何も返さない。本人確認できないし、いざとなったら他人のフリで逃げられるラインを保っとく。 その人はにこにこしながら「あ、それいいね。流行ってるのにまだ飲んだことないな、僕もそれにしよう」なんて呑気に俺と同じタピオカジュース頼んでる。 タピオカが来るまでその人は俺の返事を待たずに一つの小さい綺麗な箱を差し出した。 「チョコレート。光に渡してくれるかな」 …この人が春輝さんとグルでヤバいやつだって可能性とか…名廊の関係者だとか…他にも色々ありすぎて、疑うときりがない、…でも、 キラキラした大きな瞳、優しげな人懐っこい笑顔、どこかいたずらっ子みたいな幼げな空気… …似てはいる、ただ年齢差的に若すぎるなとは思うけど、光さんもそうだからもしかしたらそういう血筋なのかな… 俺が最後まで黙ってじっと見てるだけでも、その人は機嫌よさそうににこにこしたまま「捨てるも渡すも君次第で」って箱だけ置いてタピオカジュース受け取ってそのまま席を立ってどっか行っちゃった。 慎重に箱を開けてみたら危険物とかじゃなくて一応普通にチョコが入ってた。ひとまず箱をコートのポケットに突っ込んで持ち帰ることにする。帰ったら二人に見せて報告はしよう。
時間通りに来たまこと早速チョコを選びに店内を回る。 まこの格好はいつも通り。服には詳しくないけど俺とちょっとだけ系統とか色味が似てる気がする。 俺が着ててもあんまかっこいい感じになんなくて香澄にも「爽やか」とかって言われたような。まこはちょっと尖っててかっこいい感じにきまってる。 バレンタインとか、興味なかったけどそういう行事は彼女いた頃はきっちり押さえてて、忘れてスルーとかはなかったな。イベント押さえとくのはああいう関係が円滑にいくためのポイント、て感じだった。…はぁ。 まこにも彼女いるんだった。まこの場合は行事とかイベントごともきっとちゃんと気持ちが伴ってるんだろうな。 「まこは彼女にもう買ったり作ったりしたの?」 ショーケースの中に宝石みたいに飾られたチョコを眺めながら隣のまこに振る。美味しそう… 「考えてない。男はもらう側じゃね?」 一瞬フリーズしてから瞬時に怒涛の思考が過った。頭を振って元に戻す。 「そういうもん…?俺あげるの変かな…」 もしかして俺が買ったのあげても…引かれる…?とか…? 「別にいんじゃね?こういうのは気持ちだろ」 気持ち…   気持ちか。 光さんが三人一緒に遊びながら楽しく食べられるような形のチョコにしたのも、あの人の場合はそういう気持ちが込められてたかも。俺のことはスルーしてパートナーの真澄さん一人にだけ渡したって別におかしくはないし。光さんがバレンタインの趣旨をまだよく知らなかったって説もなくはない。 「それにバレンタインが女性ターゲットの商戦みたいになってんの日本くらいらしいじゃん」 まこがさっきからいつもの凪いだ目で静かにチョコを流し見てるから隣からまくし立てる。 「え。バレンタインに売ってるチョコどれも綺麗だしかわいいし美味しいのとか凝ったの多くて美味いよ? たくさん売ってるからいっぱい買って毎日違うやつ食えるよ?」 両手パタパタさせて言ったらまこが笑った 「それは絢の自分用だろ」
ちょっと場所移動してお高めのチョコのスペースを見ながら聞きたかったことを訊く。…無遠慮に傷つけないための、以前にしてた武装と逆の装甲を言葉にさせるみたいな。 「気持ちってことなら、まこは香澄にあげるのも手なんじゃん?」 チョコを物色しながら横目でチラッとまこの様子伺ったらなんか顔逸らしてってる。まずかったかな。 「いや俺はいいわ。…あーいや」 なんか言葉に迷ってる…?首筋引っ掻きながら少し言い淀んでる。 「あいつにクリスマスもらったから…誕生日のプレゼントてことで何か選ぼうかな。綾の誕生日今月なんだよ」 香澄の誕生日。…真澄さんのデータで頭に入っちゃってて知ってた。真澄さんから聞いたってことにしてメッセージだけ当日に送ったけど、俺もなんか買おうかな。こういうこと一つ一つに、俺に来年があるのか怪しいのかもしんないし。 「そういう誕生日とかに掛けてたら香澄に気持ち伝わんなくない?」 まこは香澄のことまだ好きだと俺は思ってるけど、勝手にそう感じてるだけで違うのかもしれないから、デリカシーのないこと言わないように…少し濁してしか言えないな。 「なんだそりゃ…告れってことなら俺はしないぞ」 コートに突っ込んでた手を出してまこのほうに少し向き直る 「綾は友達だから。そう思ってるから彼女つくったし。俺はあいつを好きっていっても結構ぼんやりしてたってか、付き合いたいと思ったことは無かったから」 ーーーどういう… ? まこは…香澄のことがまだ好きだけど彼女作った…? 彼女…は…? 「…  そう思ったから…  てのはさ…  えと…  まこは… 今の彼女のこと  好きで付き合ってるんだよね …? 」 珍しく動揺したのがちょっと態度に出た …指先冷たい ぎゅっと手を握りこむ  「…。あー…」 まこは言葉濁しながら少し視線落として続けた 「絢達が…お互いにそんだけ好きなのを好きって言うなら俺のは全然違うんだろうけどな」 俺と…香澄のことか。お互いに好き…まこの彼女への気持ちと比されてる…色々訂正入れたほうが良さそうな気もするけど…黙ってまこの話を最後まで聞く。 「まぁ好きだよ。付き合うくらいには…、てか、俺は関係とかって作り上げてくもんだと思ってるから…最初ある程度好意があるならあとは付き合ってるうちにさ、こう…その関係が大事になってくみたいなさ」 …俺とは順序が違うのか。…いや …生まれた時から一緒に居るしかなかった相手への恋情なんてそれこそ…  いや、今はいいや。こんなこと昔に何千回も考えたし。今更考えてもな。 まこの言葉と様子に意識を集中させる。 「…あんま感情的に相手を想ったりってできたこと無いかもしれん。お前ら見てるとそう思う、淡白なんかなーとか。自分が」 ?お前ら… って俺と香澄か…。 「だからまぁ好きは好きなんだけど…これからってとこ?」 まこの言ってることを自分なりに整理しながら言葉になおす。 「名前のついたものが先にきて、そっから関係構築するみたいなのは、まこのと同じじゃないかもしんないけど、俺んちがそんなかも? 他人同士で急に会って親子関係なったりしたけど、一緒にその枠の中で過ごすうちに色々知ってったりして、大事な人が増えた、かも」 そういうことで、合ってるかな。自信はないけど。昔は恋愛した者同士が付き合って結婚とか家族になるとかってほうが少数で、なかなか成立しないものだからこそ純愛小説とかが流行ったのかもだし、てか昔は個人より家の存続だもんな。家主体の婚姻も当事者がまこみたいな感覚なら人間関係もちゃんと育まれてったりするってことなのかも。 …淡白か… 「感情的すぎると視野が狭まる。淡白とか…そういうのを、俺も持ちたいなって思ったりするよ。俺の好きだった人、そういうことで死んじゃったから」 感情ばっかり。そうじゃなきゃやってらんなかった、情緒だけが頼りだったのもあるけど、好きな気持ちが現実的な困難や苦痛から俺を遠ざけてた。俺の体は結果こうだし、あの人はああだしで。 「たぶん同じことになるのが怖いから、俺は今の好きな人相手にもわりと冷めてるかんじなんじゃないかな」 相手への自分の盲目的な部分を自覚しようとしたり、気持ちに溺れないように 愛し合うだけで人間の命は守れない、あの時は香澄の命に対してだったけど、そこに俺も追加しないとこの言葉は嘘になっちゃうしな 「え?」 俺が半端なこと喋っちゃったからまこの語尾が疑問形になっちゃった 「…そうか」 返事しにくいこと言ったのにまこは相槌うちながら考えつつ話題を繋いでくれた 「まぁ家族って先に肩書きが来る関係の代表格だよな」 俺もそのワードに乗る。 「そういえばまこは家族とか親戚でチョコやりとりとかもしないの? 俺前は妹にあげてたし、今年は母さんにもあげるよ、父さんにもあげる、あっ 香澄にもあげようかな」 全部嘘じゃない本当のことだけど、付け足した最後のが本題。ここにもしかして俺ら齟齬がない? 「え?」 チョコ選ぶのに視線をあちこちに散らばらせながらまこの反応を見る。 「家族は…まぁ一緒に住んでた頃はもらってたしホワイトデーもやってたけど…え、あのさ…お前…んん?」 当たってるかな、どうかな。俺は首をかくんて傾げて次の言葉を待つ。 「俺てっきり今日お前が選んでるのって綾にあげるんだと思ってたんだけど」 うーん、やっぱそうか。ピタッと歩みを止めて隣のショーケースの中のチョコを見る。ちょうど今日のまこの服の色合いに似てて、丸い惑星みたいな星みたいな綺麗な模様のチョコがあった。「本命チョコこれにしよ~」 店員さんにケースから出してプレゼント包装してもらいながら、コートの袖で口元押さえてまこににまっと笑いかける。 「フッフッフ 実は俺、前の家脱出する前くらいから好きな人いるんだよね、香澄じゃないよ!誰でしょー?!ヒント、まこも知ってるひとだよ!」 香澄じゃないってとこが意外だったのかまこはちょっと考えてたけど、秒で回答。 「直人さん」 一瞬思わず俺のほうが目を丸くした。 …な、直にぃか。なるほど…?以前の俺の行動とか発言的にはその線もありか。今の俺と直にぃってそういえばまあまあ距離近いな、容赦なくじゃれてるからな… 包装してもらったチョコを受け取ってから視界の先にあるタピオカの看板を指す。 「まこには教えてもいいよ、その前にタピろう~」 タピオカ飲むのをタピるっていうらしい、最近知ったから一度言ってみたかったワード。 だったけど、そういえばまこはタピオカに若干ゾワッとするんだった。俺がタピオカ飲んでる間にまこはトロピカルジュース飲んでた。
A:タピるって一度言ってみたかったんだよね。ふつーに家ん中にいたらあんま使わない語彙だしさー。 M:そうかもな。 A:前の家では空気感的に漫画とかアニメとかゲームとか色々ダメなもの多くて、それで文学ばっか読んでたとこあったけど、最近俺漫画にハマってるよ。 てか母さんが本屋で漫画見つけて、二人で読んでたら一緒にハマってさ。母さんは、現段階の表現形式から言語表現とcaricatureどっちが先発後発ともつきにくい完成された融合体とか、鳥羽僧正?の鳥獣人物戯画が始まりかなとか、なんか色々言ってたな、そういうこと抜きにしても好きみたいだけど。 M:そういう会話が家族でできるってのはいいな A:そういう会話。どの部分~? M:ハマッてることとかさ。ダチに親子で下ネタ話すとかいう奴も居たけど、気兼ね無い話ができるってことだろそれも A:そうかも。うちみんなノリがいいのかな。パリピ家族ってこととも違うんだけど。俺がくだらないことでも何かにマジになってたら二人ともわりとガチめの反応とか意見くれる…かも。 前の家と違いすぎてよく分かってなかったけど、漫画読んでてちょっと気づいたとこあるな、たぶん母さんも。あの人俺より…箱入り娘?てやつだったみたいで、日常系の漫画を現代のハイコンテクストの帯を知るのに最適って言ってた。それは分かる気がする。 M:へー。面白いな 俺いま研究内容が教育学とかなんだけど、そこの分野が言語学だった奴が書物を読む意味にそういうの挙げてたぞ。ハイコンテクストを汲むことで内容理解に至る、書物を読むなら字面だけ追っていても意味が無いってさ マンガは絵がついてるけどあれって何が描いてあるかを具体的に伝達する文字の補佐だから象形として見ることもできるのか。文字のみの書物よりも現実に可視化された物事を参照しやすいかもな。…まぁそのダチは文学が好きでマンガの具体性に寄った表現に偏るのは問題だってブツブツ言ってたけど…マンガを研究してる美術科の知り合いも居たしな… A:そうそう、文字の補佐だから象形、つまり文字情報媒体における漢字が漫画の絵で、漢字にふられる読み仮名とかルビがふきだし部分に相当するとか母さんは言ってたかな…?確かに具体性に寄るから想像の余地は範囲によっては狭まるんだけど、そもそものコンテクストをどこからも知り得ない人間にとってあれほどいい情報の詰まりまくったものもないっていうか。だから今の俺と母さんにタイミング的にも需要がマッチしたのかな。翻訳するときになんか違ってきそうな気がして面白い。 そういえば俺は翻訳家になろうかなって思ってるんだけどさ、まこは教育学の研究して、それを将来的にどう活かしたいとかはもう考えてるの? M:え俺?…あー…まぁ野望みたいなんはあるけど…とりあえず研究続けるか現場に出るかで迷ってるとこ。てか翻訳家すごいな。次海外行くことあったら通訳頼むわ A:野望… え。通訳はいいけどさ、俺が喋れんのフランス語と英語とドイツ語くらいしかないよ、あんま役立たなそう~… M:(笑)まぁ行けたらな。夏休みの留学、定員があるし。お前が歩けるうちだったら依頼する。読み書きはできなくもないんだが話すのがね A:読み書きだけでもメールのやりとりとかチャットとかで結構広く通じる気はするけど、信頼得たりって段階にくると対面がいいのかな…。 行きたい。これまでやってたのって文字から文字への変換作業ばっかだからそれだと感覚偏りがちになるしさ、音声情報のみの俺の通訳が現地でどこまで通じるのか試してみたいかも。 俺の体はなんともいえないけど、時期が近づいて可能性上がってきたら一応行く国と地域の一覧、決まってるなら話す相手の人種とか場合によってはフェイスブックとかも相手が公開してる範囲の情報教えてほしいかも。宗教観とかデリケートな点は踏まえときたいし。相手がオープンにしてる範囲でだけど。 …国外にもタピオカあるかな? M:応募しよかなって思ってんのはオーストラリアかニュージーランド…だからそこまで宗教色は濃くない。タピオカは知らんけど食事は旨いらしい。英語の小論文提出して通ったら行ける。…依頼するなんて言ったけどマジで来てくれんならお前も応募書類出さなきゃいけないわごめん。 提出期限まだあるからすぐ決めなくていいよ。マジで体調とか色々都合もあるだろうし… A:小論文と応募書類? 俺そういうの得意。オーストラリアとニュージーランドか、つまり牛とか羊肉だな。地域によっちゃプレサレだ、やったー。 …体調とかはどうともいえないからこそ、俺は動けるうちにいろんなことしときたいな。ただ健康な人よりは迷惑かける可能性は高いだろうから、特に海外だとふつうに病院かかるだけで大変だって聞いたし。そこは俺の意思がどうこうってより、いざって時に多分いろいろ面倒ごと被っちゃうまこに判断は任せるよ、俺もついてっていいかどうか。 M:…応募のとき健康診断の結果とかも出すから問題があればわかる 今度ウチ来た時に書類一式渡すわ。…ふ、まさかお前と行くかもとか
俺がタピオカ飲み終わる頃にまこはそう言いながらちょっと笑ってた。 あんましょっちゅう笑うほうじゃないと思うけど、俺といて少しでもなんか楽しかったらいいな。
帰り道、近くの駅で俺とまこは方向が違うから別れる。 けっこう歩き回ったから体疲れてるし、明日はバレンタイン当日だし、今夜俺がまこんちに泊まるのはさすがになしかなと思って。 じゃあまた、ってなった時に、立ち止まってまこのほうにきちんと向き直ったら、何かあるのを察したのかまこも俺のほうに少し向き直る。 さっき買ったチョコレートを袋から出して手に持ってじっと眺める。 それをまこの背中の大きめのパーカーの中にストンと突っ込んで、まこの目を見て言った「あげる、本命チョコ。今日はそのために来たから」
「まこのことが好きだよ。友情とか兄弟みたいなとか、そういうんじゃなくて。俺はまこに恋してる」
からかってるとかふざけてるふうに取られないだけの真剣な目を数秒まっすぐ向けて、優しく笑った。 そのまま、じゃあまたねってだけ言って、俺のほうが先に背を向けて反対方向のホームに歩き出す。一人で電車に乗って家まで帰った。 食べてくれるかはわかんないし、俺ふられるのかもしんないけど、生まれて初めて渡せた、好きな人に。
張磨寿峯視点 続き
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heyatoengeki · 11 months
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部屋と演劇 対談① 関田育子×福井裕孝
部屋と���劇の中村、野村、福井が話したい同世代かつなんとなく距離の近そうな作り手三人にお声がけをして実現した対談企画です。当初は六人全員でワッと実施する予定でしたが、スケジュール的に無理があったため、一対一に分けて実施しました。8月にSTスポットでおこなった『部屋と演劇』vol.1を見ていただき、後日オンライン上で話したものを書き起こして編集しています。今回は関田育子さんと福井が話しました。
福井 たしか下北ウェーブ2019の打ち上げ中に、本番見に来てくれた松田(松田正隆)さんから「近くで飲んでます」って連絡来て、ちょろっと顔出したらそこに関田さんもいはって「どうも」って挨拶だけ交わした記憶があるんですけど、あってますか?
関田 楽園でやってたやつです?楽園?
福井 楽園です。下北沢のちっちゃいとこです。
関田 松尾(松尾元)さんが出てた?
福井 そうです。あと生実(生実慧)さんとか。だからその二人もいたはず。
関田 私いたっけ?(笑)
福井 (笑)でも何喋ったとかは覚えてないから記憶違いかもしれないです。
関田 ちゃんと喋ったことはないような気がします。
福井 作品も何度か拝見できそうな機会はあったんですけど、ずっと見逃してて。去年YPAM(横浜国際舞台芸術ミーティング)のやつで横浜にいたときにもやってはったんですけど。
関田 急な坂(急な坂ショーケース Vol.3)ですよね。
福井 はい。前日知ったときにはもう完売してて。当日で行けるかなと思って一泊したんですけど結局ダメで、すぐ京都帰りました。
関田 吉田(吉田萌)さんから聞きました(笑)
福井 そうそう。YPAMのイベントのあと吉田さんらと飲んでて、明日当日で行けたらーって話してたら吉田さんも当日券で行きますって。
関田 あのとき私たち客席を本当に少なく作ってたんですけど、吉田さんは当日券チャレンジをしてくれて入れてました(笑)
福井 あ、吉田さんは入れてたんすね(笑)なので、まだ作品はYouTubeに上がってるのを見たことがあるだけで。
関田 なんか私もお名前はよく拝見するんですけど、会ったことはなくて、なんかニアミスが多いっていうか。私の中でもすれ違いがあって。
福井 マレビト(マレビトの会)もそうですし、村社さんとか、中澤さんとも何かご一緒されてましたっけ? なんか知り合いの知り合いが多いみたいな感じですよね。
福井 関田さんは「関田育子」という個人名で活動されてますけど、その名前の元に集まっている人たちとの協働を大切にされてる印象があります。普段の活動のありかたや創作体制について教えていただけますか?
関田 私たちは「関田育子」という個人名をそのまま団体名として使っていて、任意団体みたいな形で活動しています。自分たちの中ではクリエーションメンバー制というものを採っているんですけど、例えば、俳優は舞台に出演するという役割を担うだけじゃなくて、他の制作業務だったり公演にまつわる全ての情報を平等に知る権利がある。それは何か公演にまつわるタスクを必ず平等に分担するとかではなくて、何かを知る権利だったり情報を持つ権利がメンバー全員に等しくあるということです。常に私一人が何かを判断するのではなく、その都度メンバー間で話し合って問題意識を共有しながらやっていくので、その分時間がかかってしまうんですけど、そういうことを一つ一つ話し合って作れる人たちと創作していくことに大きな意味を感じています。
メンバーの中にはある程度回数を重ねてる人もいれば、はじめましての方もいます。初めて参加する人ともこういう風に都度話し合って決めるので、もしかすると他の現場とはやり方が違うかもしれませんとお話しして、お互いにやっていけそうか確認した上で創作をスタートしています。一つの作品を作るのにやっぱり時間が相当かかるっていうのがあって、まあ最低でも3か月は必要で、いつも大体公演の3か月ぐらい前から動き始めるっていうような感じですかね。
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関田育子『驟雨』(2017) 撮影:小島早貴
福井 そういう作り方や集団のあり方は、活動を始めた当初からイメージされてたんですか?
関田 もともと私一人で何かを決めることの危うさは感じていて…。なんだろうな、私の周りにいる人がとても面白い人たちが多くて、自分一人で何か決めたこととか、頭の中で思い描いていることを単純に再現することは面白くないと思っています。色んな面白い人たちと創作の場所を軽やかに変えながらやっていくってことが面白を生み出す気がしています。いわゆる演出家一人がイニシアチブを握っているような状態ではない集団のあり方っていうのは最初から目指してました。
福井 僕も普段個人名義でやってるんですけど、作品ごとに俳優やスタッフと集まってやるっていう形なので、集団というよりはただの個人の集まりなんですよね。でも演劇の助成制度の対象には、なんらか社会的に認められた集まりが活動単位として想定されてるし期待されてるという側面がある。だから団体化するかどうか考えたタイミングも何度かあって、それこそある助成金の申請で「福井裕孝」っていう名前の団体ですって出したこともあるんですけど、代表者の個人名と一致してるからダメですって突き返されて。いやボン・ジョヴィとかヴァン・ヘイレンみたいにフロントマンの名前がそのままバンド名っていうやつと同じやんと思ったんですけど。それで聞きたかったのは、関田さんたちは集団の名前を新しく付けようって考えたことはこれまでにあったんですか?
関田 あります。やっぱり傍から見たら個人名じゃないですか。実は元々集団名があったこともあるんですよ、大昔ですけど。ただそれが解散してバラけたとき、いろんな手続きとかをやり直さなきゃいけなくなって大変でした。その経験から、名付ける行為が苦手になりました。それに、集団を名付ける行為があんまり自分たちのやってることとしっくりこない感じがします。でも内側にいる人たちが、これは個人名じゃなくて集団名なんだっていう自覚を持つことってすごく難しいと思うんですよ。頭では分かっていても「いや、結局関田じゃん」ってなったりするときに「じゃあ団体名付けたらいいじゃん」っていう解決がすごく嫌だったというか。それが名詞の効果でもあると思うんですけど、でもそれって名詞の効��みたいなものに頼ってるだけで、結局その中身のところ、集団の中で誰がどう動くとか、代表格みたいなものを作らないといけないとか、結局同じ問題が出てくる。だからその解決を名付けるだけで済ませるのではなくて、内側にいる自分たちの意識から変えてみようって、それが私たちのやり方とも合ってるんじゃないかということで、集団名を付けるのをやめたんです。
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関田育子『浜梨』(2019) 撮影:小島早貴
関田 「クリエーションメンバー」ってクレジットもかなり危うい問題を含んでいて。一見すると誰がどの仕事をやったか分からないから、本当はこの仕事をしたのに評価されないとかそういう弊害も出てくる。例えば、私が戯曲を書いてるけど「劇作」とは書かないし、誰が作家なのかとか聞かれたこともあるんですけど、でも私的には戯曲を文芸というか作品としては考えてなくて、あくまで演劇の一つの要素として考えてるから、そうやってピックアップされることに抵抗があってあえて書いていない。そのために劇作家個人としては認知されないみたいなことはあります。私の場合は団体名が自分の名前だからちょっと違うかもしれないけど、外から見て内部の仕事の内訳が分からない、それぞれの仕事が個人の功績にならない状態っていうのが、果たしてやってる本人たちにとって良いのかなって考えることがあります。全ての仕事に同等の価値があるよねって、そういうことも含めて考えてみたいんです。そこも「広角レンズの演劇」って自分たちが言ってることともすごくリンクしてて。一つ一つの仕事の尊さはもちろん分かった上で、何か一つを取り立てて言うようなことではなくて、敢えて並べてみるみたいなこと。でもそういう風にやってると、やっぱり責任がどこにあるのかとか問われることもあって。最近「クリエーションメンバー」って表記する団体が結構増えてきていて、SNSでこんな発言を見つけました。「クリエーションメンバーって書かれてしまったら、この作品の責任をどこに問えばいいか分からない」って。でもうちの場合は、団体名が「関田育子」だから、その責任はこの人に言えばいいっていうのはすごく鮮明なんですよね。そこはそうであっていいと思うんです。そういう意味でも「関田育子」っていう名付けは今のところ効果的だと思ってます。
福井 団体名もそうですし、クレジットの問題もありますよね。僕は作品を作るために集団を構えるのが煩わしくて一人で始めたところがあるので、近い世代で劇団やってる人たちとかすごいなと思います。
関田 なんか本当は芸人さんがネタを作るときみたいな、(もちろん色々やり方があると思うんですけど)私の理想はネタの案出しをするときみたいなノリで作りたいんですよ。
福井 たしかに。その軽さへのあこがれはすごいわります。
関田 私が必ずしもスタートじゃなくてもよくて、クリエーションメンバーの中で「これ面白そうじゃない?」「じゃあこうやってみようよ」「こうしてみようよ」みたいな。それはやっぱり言語観とかがある程度共有できているとスムーズにできる。もちろん共有って言っても何年やっても言葉の認識のズレはあるから、そこは丁寧にやっていかないといけないなっていう意識は常に持ちながらですけど。これ面白くなりそうだよねっていう感覚を調整するまでに経験が要るんですよね。このぐらい間が欲しいって思ったところでも、やっぱり初めて参加する人と何回も参加してる人では間の取り方って違くて、それをどのくらい安定させられるか、そういうすごいシビアなことを考え始めると、やっぱり同じ人で複数回創作を繰り返していることの意味や良さを感じるんですよ。自分の問題意識としてはこういう間の秒数とかが作品を作る中で結構重要になってくるから。一方で新しく入ってくれる人の良さっていうのもあって発話や間のとり方などに新たな視座、眼差しを与えてくれるんです。
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部屋と演劇 vol.1 福井裕孝『帰る(帰れ)』
関田 この間の『部屋と演劇』で上演されてた作品のことに触れちゃうんですけど。出演してた中川(中川友香)さんは、[関田育子]作品に何度か出演してもらっていて、舞台上の中川さんの身体を見たことはあるのですが、今回不思議に思ったことがあって、なぜか外から見えるぐらい心臓がバクバク動いてたっていうか、なんか前後してたんですよ、身体が。心臓がこんなにダイレクトに動いてるのを初めて見て、「ああ!これ演出が付いてんのかな」と思って、後で中川ちゃんに聞いたんですよ。そしたら普通に緊張してたって言ってて(笑) 稽古って動作を確認するとか覚えるとかいろんな意味での反復だと思うんですけど、それがいつもより少ない状態で本番を迎えたから特殊な緊張があったって話を聞いて、そうか緊張だったんだって思いました(笑)
福井 そうですね(笑)どうしても「1日で作る」っていう条件の中では準備が追いつかないところはあるし、普段とは違う緊張や気苦労はかけてしまってたと思います。そういう意味で今回の試みは普段の関田さんの創作の方針とは真逆の方向性だと思うんですけど、この間の本番を見ていただいて何か感じたこととかありましたか?
関田 この企画自体存在できてるのがめっちゃいいなって思ってて。これを短スパンで何回もやってみたら面白いんじゃないかって思いました。何か芸人さんでいうところの「叩く」っていうか、同じネタでも何回も叩く中でちょっとずつ変わっていって、もはやそれって稽古と似てるっていうか、本番でもあり稽古でもあるみたいな、そういう洗練のされ方もあるんじゃないかなって思ったりしました。でもそれはほんとに短い期間で何回もやるってことになっちゃうかもしれないんですけど、そういうのも演劇であっていいんじゃないかなって。やっぱりどうしても3ヶ月拘束とかになると関わっている人全員にある程度負担というか影響が出てくるから、ああいう形でできるのはすごくいいなって思いました。あと俳優さんが公募だったじゃないですか。それはどうして公募だったんですか?
福井 去年京都でvol.0をやってから話してたのは、自分たち三人がやりたいことをやるだけの場ではなくて、誰もが何かを作って試すことができる場、特に俳優にとってそういう場であってほしいというところで、今回も作品の作り手として俳優に入ってもらおうとしてたんです。ただ色々あってそれが叶わずで、じゃあせめてこういう場に何かを期待している俳優がいたら、まずはそういう人たちと作品づくりをご一緒して試演会のあり方を模索したいねということで、出演者を公募することにしました。もともとは自分たちがもっと身軽に作れるようにっていうところから始まってて、今後続けるにしてもその思いは変わらないんですけど、じゃあそれに出演する俳優のモチベーションは何なのかとか、見に来る観客にとってこの試みは何なのかとかは考えていかないといけないですね。
福井 ちょうど話にあがったんですけど、普段お客さんについて何か考えてることはありますか? 自分らの公演に来る人ってなんなんやろうみたいな。
関田 それはめちゃくちゃ考えます。基本的にやっぱり問い立てとかはあった上でやるんですけど、それも別に観客からしたら興味ない可能性もあるというか。自分の中で頑張って言語化したものであっても、別に世間からしたら「だから何だ」っていうこともあり得るし、だからやっぱり何を考えずに見ても面白いとか、私で言うところの面白いが、これは私がお笑いが好きだからっていうのもあるけど、理屈じゃなくてちゃんと笑えるとか、そういうユーモアがないと駄目かなって思っています。もちろん私が作るならというところですけど、そういうのは一つありますね。
 例えば、かながわ短編(かながわ短編演劇アワード2023)の時とか、コンペに参加すること自体自分たちにはあんまりない経験だったので、そのことを念頭に置いて考えて。30分の中で6シーンぐらいあったとして、各シーン必ず一つ盛り上がりを見せるだとか、何分に一回はきちんと笑えるところを作るとか、あるいは審査員にこういう人たちがいるならこう見てくれるかもしれない、じゃあこういう見せ方もできるかもしれないとか。もう自主公演とは違う感じで、コンペっていうことを踏まえて対応策を練ったんです。もちろん関田育子を見てくれる人たちだけじゃなくて、この大会自体だったり他の団体に興味がある人も来るわけじゃないですか。その中でも誰にも共通して分かるようなもの、このシーンでやりたいことはこれだけど、そのやりたいことに持って行くまでお客さんに付いて来てもらうための導線を考えてました。前半とかは私たちがやれる手法かつお客さんにも分かってもらいやすいような笑える要素とかを入れて、ラストシーンは本当に自分たちがやりたいことだけをやるみたいな。自分たちの中でめっちゃ計算をしたんですよ、30分全部。
福井 すげ~~
関田 何かやりたいことっていうよりも、こう伝わってしまわないかとか、生意気にもそんなことを考えてました。でもそういう風に考えてたから観客賞をもらえたときはとっても嬉しくて。普段の関田育子にしては間が短いところがあったりとか、声の大きさとか演技のニュアンスが違ったりとかもあったと思うんですけど、自分たちがやりたいことと乖離しないまでも、お客さんにどういう風に見られるかってことを考えることができた30分でしたね。でも自分的にはそうやってお客さんのことを考えることが辛いとかはなくて。自分の作品も自分が作ってるけど、どこか観客のように見ているところもあるから。観客の目線に立って考えることはどこまでいっても不可能かもしれないけど、極力考えるようにしてるって感じです。
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関田育子『micro wave』(2023) 撮影:小島早貴
福井 M-1で勝てるネタは何秒で1笑いみたいなの分析してた人いましたよね。紳助?
関田 NON STYLEの石田さん。
福井 ああ。
関田 そういう分析とか、あとは芸人さんでいうと掴みとかですね。
福井 始まって何秒以内にみたいな。
関田 そうそうそう。私も何秒まで耐えられるかとか昔は測ってました。セリフを言うまで何秒待てるか、どこまで伸ばしたら集中が途切れるかとかやってましたね。
福井 へ~。勝手に想像してた感じと全然作り方違いますね。
関田 なんか個人の感情とか考え方とかを極力消したいんですよ、私は。だからもう本当に誰が見てもそう見えるとかにしたくて。そんなことできるのかって言いながら思ってますけど。逆に、自分的には作り手個人の内的な感情とか思考を作品にアウトプットできることがちょっと凄いなというか、自分はそれができなくて。それって何かを信じてないとできない行為だと思ってるから。多分何も信じてないんですよ、私は(笑)
福井 その感覚はわかります。僕もはじめた当時はとりあえずウケたいというか、なんかおもろいことやりたいっていうだけでしたね。
関田 演劇ってだけで何かお客さんの雰囲気があるじゃないですか。それがどういう感じかはちょっとわからないんですけど。例えば、面白いことが起きても演劇のお客さんってあんまり笑わないっていうか。お笑いライブのお客さんって、笑いに来てる団体、いや団体っていうか、観客の目的が一緒じゃないですか。演劇のお客さんの目的って、作品を見に来てるっていうことがあったとして、でもそこにいるのは必ずしも笑いに来た人ばかりじゃなくて…。自分たちが故意にお笑い要素を作品にとり入れていった時期があったんですけど、その時、「何で急にお笑いの要素を入れ出したんだよ、この団体は」みたいなことも言われて、そういうのを求めてない人もいるんだなあと感じました。でも面白いものって笑ったらいいじゃないっていう気持ちがある。どうやって演劇で大きな笑いを起こせるのかっていうのはすごい考えてますね(笑)
福井 大きな笑い(笑)
関田 笑っていいのにって思うけど、みんなこらえて笑ってて。後ろで見てると苦しそうにしてる人とかいるんですよ、こらえてうつむいてる人とか。いや、何で何で(笑)って、不謹慎な笑いとかじゃないから笑っていいんですよって思ってるのに、何で演劇の人ってお笑いライブのお客さんとかとは違うんだろうなって。
福井 別にそういう場面でもないところで、やけにわざとらしいというか、悪目立ちする笑い方する人がいて、それ聞いて周りは冷めちゃうみたいなのはわかります。お笑いでもそういうのあると思うんですけど、演劇の方がより繊細というか。みんなで空気を作ってる感があるから。
関田 たしかに演劇のお客さんの方が笑ったら「お、こいつ笑ったな」ってなりますよね。ここで笑うんだ、みたいな。ZOOMの画面で喋る人だけが画面にパッて抜かれる瞬間あるじゃないですか。意図せず表情が抜かれて真ん中に出て来ちゃうみたいなことが起きてるっていうか。お笑いライブももちろん笑い方によって冷めるとかは全然あるとは思うんですけど、今YouTubeに上がってるM-1の予選とかでも、前の方でめっちゃ声出して笑ってる人がいて、この回やりづらそうだな思ったり。現場にいる人と配信とか画面越しで見る人ではまた違うし、冷め方も違うだろうけど、パッて笑った人に一瞬の集中が持ってかれる可能性もある中で、それでもなんだろう、堂々と笑えるような客席作りをしたいというか。
福井 余計な緊張を与えないみたいな。
関田 劇場っていう建物とか機構自体が何かこう厳かな雰囲気を醸すつくりになってますよね。ブラックボックスはそれが顕著ですけど、「黒」って何か気を引き締めないといけない場面でよく現われる色な気がして、そういうのも感覚的にあるのかもしれないけど。
福井 これまで劇場以外の場所で多く上演されてきたと思うんですけど、上演する空間や環境について何か考えてることはありますか?
関田 私はまず劇場が決まって、こっちを舞台面にするとか劇場の使い方が決まって、人が決まって、台本っていう順番なので、場所のことはまず初めに考えますね。例えば、KAATだったら天井が高い。SCOOLだったら天井は高くないけど、左右に出ハケを作ることができる。あと壁が白くて、でも所々補修痕がある、とか。私は結構情報量の多い壁が好きなので、じゃあこういう面を舞台面にしようとか、その場でできることだったり、その人たちでできることだったりを常に一番最初に持ってきます。野外はイレギュラーなことが多すぎて偶然性に任せ過ぎるところがあるから今は挑んではないですけど、劇場以外の場所でも全然面白そうと思えばやるっていう感じですね。
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部屋と演劇 vol.0
福井 今回みたいな普段の公演よりはもうちょっとコンパクトな規模感でパッと作って発表するみたいな企画って興味ありますか?
関田 めちゃくちゃありますね。何か私の勝手なイメージですけど、あの3人がいらっしゃったじゃないですか、今回作品を発表された演出の3人に出てほしい(笑) 今まで出演してなかった、言い方に語弊があるかもしれないですけどブレーンみたいな人たちが出てやるっていうのもありなんじゃないかなって。例えば、俳優だとしても自分が俳優として試したいことがある人がいて、急な坂の企画も新田(新田佑梨)さんっていう青年団の俳優さんが私たちをオファーしてくれたんですよ。新田さんが私たちに関心を持ってくださっていて、で、新田さんの中で俳優として試してみたいことがあって、じゃあ私はこういう風な戯曲を書いたらいいんだって。そういう人とやるっていうのがすごい重要で、なんだろうな、トライしたいことがある人たちが集まってやるとこんなに楽しいんだって思ったんです。パッとやるっていうのもその人たちだからこそできる動きがあって、もしかしたらそこに俳優と演出っていう線引きなんてなくて、それぞれ人としてどういうことを考えていてどういう風に動きたいのかぐらいな感じでいいんじゃないかって。
福井 実は去年京都でやったvol.0は、出演者一人と言いつつ、三人ともなんらかの形で自分のやつに出たんですよね。限られた条件の中で作り込めなかった部分をフォローするためといったらどうしようもなく聞こえるけど、少なくともこの企画においては、演出も一緒に作った立場としてリハーサルと地続きに上演の場に居合わせるというのが個人的にしっくりきたんです。さっきおっしゃられてた俳優と演出の線引きがないような状態っていうのは、もしかしたら一つの理想の形かもしれないです。
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新田佑梨×関田育子『波旬』(2022) 撮影:小島早貴
関田 3人は元々知り合いだったんですか?
福井 昔僕がSCOOLで一人で作品をやろうとしてたとき、それをどこかで知った中村さんから何か一緒にやりませんかって声をかけてもらって。中村さんとはそれが初めてだったんですけど、それから京都で知り合いだった野村さんを僕が誘って三人でやろうっていう流れです。
関田 その誘い合える関係の同世代の人がいるのがめちゃくちゃ羨ましくて。
福井 僕も繋がりが多い方じゃないので、気軽に相談したり話せたりできるのは助かってます。
関田 めっちゃいいですね。同世代の他団体との交流がほぼなくて。それで今年から交流をしようって思い、ムニの宮崎(宮崎玲奈)さんと劇団あはひの大塚(大塚健太郎)くんとなんか月一で集まってみようみたいな会を開いたりしてるんですけど、やっぱりその会もなくなってきました(笑)
福井 (笑) そういうの続かないですよね。長く続けばいいとも思わないですけど。クリエーションメンバーとは普段交流あるんですか? 作品作る以外になんか定期的に集まったりとか。
関田 なんか次の助成金とかそういう話はしますね。稽古がないときは会わなくなっちゃってます。それこそ学生のときは元々友達とか先輩、後輩とかなんで全然ありましたけど、今はそうですね、助成金の会議とかになっちゃいます。
福井 ぜひこれを機に仲良くしてください!
関田 ぜひぜひ、ぜひです。っていうか作品めっちゃ面白くて。お笑いの要素をびしびし感じました。てかもうお笑いですよね。
福井 そうやったかもです。パッと作るにあたってやっぱり既存の形式は借りようと思ってて、もともとコント漫才の身軽さがいいなと思ってたので、出演者が一人から二人になった時点でそれっぽいことをやろうとはなんとなく考えてました。
関田 中川ちゃんの無言のツッコミがよくて。で、最後は「もういいよ」って、そこは言うんだ(笑)みたいな。「もういいよ」って結構勇気がいるワードじゃないですか。
福井 そうそう。稽古で繰り返し見てたらやっぱ普通に寒いなってなって。適当に濁して終わらせようと思ったんですけど、いやちゃんと言った方がいいなって。中川さんには悪いんですけど。
関田 あれは中川ちゃんが舵取りを任されてるなと思って。
福井 そうですね。ツッコミというか立ち回りになったので。
関田 あの演技のニュアンスというか、南風盛さんの方を見るタイミングが結構重要だと思うんですけど、あれって決まってたんですか?
福井 いや、「家に帰るところを見ててもらっていいですか?」って南風盛さんに言われた通りにそこで見ててくださいってだけで、見方とかは決めてないです。中川さんが良い感じにやってくれてます。
関田 めちゃくちゃ上手かった。あれって洗練させてった方がいいのか、それともこういうパッとやって一回きりの方がいいのか、どうなんですかね。
福井 去年やったのも含めて「1日で作ってやる」っていうのはわかりやすいけど、体感的にはせめて2日か3日は必要な気がします。1日だとその余裕のなさと目標への至らなさが問題になるし、5日とかになると今度は「パッ」の勢いが死んじゃう。ただ今回自分がやったやつは、個人的に期待してた以上の手応えがあったので、また別の形でつくり直すみたいなことはあるかもしれないです。
関田 また洗練したら見え方が変わる作品なんだろうなって。今の良さと洗練されていったときのまた別の良さがあると思って。もちろん俳優も繰り返すことで良くも悪くも手慣れてくると思うんですけど、その中でできることは増えるわけじゃないですか。考えなくてもできることが増えていったときに、もしかしたらまた違う「もういいよ」を引き出すんじゃないかなって思ったりして(笑)
福井 そうですね(笑)最後それについて考えてる時間が「もういいよ」ってなって、最後なあなあで決まったから。さっき関田さんがおっしゃってたような同じ作品にしても短いスパンで繰り返し叩くみたいなことだと、また色々可能性は生まれそうですね。
関田 また見たいです、あの作品。同じのじゃなくてもいいんですけど。
福井 全国各地の劇場から家に帰るっていうパッケージでどこでもやれるので、またやりたいです。
2023年9月上旬 ZOOMにて
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デザイン:坂本学
関田育子(せきた・いくこ)
1995年生まれ。立教大学現代心理学部映像身体学科卒。2016年に同学科教授・松田正隆氏が代表をつとめる、マレビトの会のプロジェクト・メンバーとなる。フェスティバル/トーキョー16・18主催プログラム『福島を上演する』に演出部として参加する。その後、演劇ユニット関田育子としてクリエーションメンバーとともに活動。俳優の身体と劇場の壁や床が、観客にとって等価に見える『広角レンズの演劇』を提唱し、その実践として演劇作品の創作を行っている。
HP https://ikukosekita.wixsite.com/ikukosekita
〈次回公演〉
関田育子『雁渡』 2023年11月17日(金)~11月19日(日) シアターグリーン BASE THEATER
https://href.li/?https://ikukosekita.wixsite.com/kariwatashi
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swimming2boy · 1 year
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One day Trip
少し前、金沢に行った。
初めて行ったのは学生の時で、課題として行ってこいというものだった。10年以上前の話だから、どうやって行ったのか覚えてないんだよなあ。バスだったのか、電車だったのかさえ(笑)
同じ専攻の友達と行って、21世紀美術館と兼六園に行ったことと、たくさん写真を撮ったことは覚えてるんだけど。
その日はよく晴れていて、金沢は大きな街なのに緑が多くていいな~羨ましいと思ったこと。近代文学館のある通りを車で走って、あの時と変わってない景色に安心した。電線がないのも、ごちゃっとしてなくていいな。
初日は金沢駅の鼓門を見て、大きさに圧倒された。みんなやっぱりあの前で記念写真を撮るのね。
駅周辺をうろうろして、お店に入って、いい時間だし調べておいた素敵なカフェに行こう~、ということで移動。
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ここのカレー、とってもおいしかった。スパイス効いてるけど辛くないし、味が好み~。量もちょうどよかった。
(ていうか、朝4:30起きで車の中でおにぎり食べただけだったから、とにかくお腹が空いてた。)
カフェのカレーってなんであんなにおいしいんでしょう。家ではめんどうで真似できない。
カフェのインテリアは外国みたいで、ブルックリンとかポートランドにありそうな感じ。しらんけど。
ケーキやマフィンが並ぶショーケースも、真鍮とガラスでできててかわいいの。クッキーがガラスボトルに入れられてた。
Restroomの表記とかも全部英語で、海外からのお客さんもたくさんいて、「なんか外国にいるみたいだよね~」って話したり。
2階は雑貨屋さんだと思ってたら、セレクトの服だけだったのでちょっぴり残念。
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テラス席もよかったな~。ちょっと肌寒い時期にここでコーヒー飲めたら最高。カレー食べてるとき、ちょうどテラス席が見えたんだけど、女の子二人がずーーーーーっと自撮りしてるのがかわいかった。食べ終わるころチラッと見たらまだ同じポーズで撮ってて面白かったなあ~。
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21世紀美術館のミュージアムショップにて。ピンバッジとアクリルキーホルダー。
ミュージアムショップは昔から大好きで、必ず見る。最近になってグッズがおしゃれになってきたよね。ありがたい~。ついつい大量に買ってしまう。
複数家族で行ったので、美術館の展示はさらっと。小学生もいたしね。
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泊まったホテルは綺麗で新しくて、洗練されたシンプルな内装がよかったな。朝ご飯おいしかったし。
旅のパッキングはすごく慣れてるし、わりと好きな作業。今回は車で行くことになってたから、重さとか気にしなくていい。だから好きなパッケージのものを持って行けるのがうれしかった。(いつもはいかに軽くするかが勝負なので。)
最近韓国にも行ったので、念願のTAMBURINSのハンドクリーム。VEINの香り。少し塗るだけでも香りがふわぁ~っと広がるから幸せ度が増す。
トラベルグッズを集めるのも好きで、使いやすそうなポーチをたくさん買ってしまう。ナイロンやビニールポーチが使いやすい。たくさん入るのと、化粧品が漏れても洗えるのが条件。
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本わらび餅がおいしくて感動!こんなに美味しいきな粉初めて。
黒蜜もそんなにくどくないし、ハマりそう…。甘いものは苦手でたくさんは食べられないんだけど、わらび餅ならいけるかも。
出掛けるとついついカフェに入っちゃうけど、こういう甘味屋さんもいいね。わらび餅が美味しいお店を見つけたい。
久しぶりの金沢はやっぱり素敵だった。何年も前に行った場所にもう一度旅するのって楽しい。お店とか自分の価値観も変わってるし、新しい発見もある。
来月は展示を見に、東京だ~。
福岡も行きたいな。
ここ数年ブログやってなかったから、こうして旅行の思い出を記録として残しておくことっていいなと、改めて思う。その時自分が何を感じたかだけじゃなくて、単純にどこに行って何を食べたのかも残しておける。覚えてると思っても、時間が経つと忘れちゃうしね~。
一度書き出したことで、誰かと話す時にまたきちんと言語化できるというか。
Instagramはもうリアルタイムな写真をストーリーズポストするだけで、文章も書かないから記憶に残らないんだよね。たくさんの物を見て、食べて、歩いて、話して…ってことをしてても。
そのくせ、他人のポストを見て「ああ、こんなに充実した毎日。楽しそうでいいな」なんてうらやましく思って。ちゃんと振り返れば、自分も十分楽しくて素晴らしい経験をしているのに。
気が付くのが遅い気もするけど、…でもよかった。
Instagramに書かないのは、友達に見られるのは恥ずかしいから。誰も私のことを知らない、ここに書いていこう。
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megtamakeiko · 1 year
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2023年度初の展示替え
生駒市図書館本館エントランスにあるショーケースの展示。 4月で4年目に入りました。
さて、今年のテーマは「かお」です。 今回は、街の、家の、中にある「かお」。
「2月は顔集めの月!」と決めて、街を歩いていても、家の中にいても、どこかに顔がないかキョロキョロ探して写真を撮る毎日。 相棒ごまちゃんと約100枚(人?)の顔を集めました。
一番初めに撮ったのはこの子。 押しボタンくんです。
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彼は銀座のCITY BOY。
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ごまちゃんの娘さんが見つけました。思わず大笑い!
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こんなところにも!
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そして出来上がったのは・・・
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大きいサイズの建物は、このショーケースのある建物、図書会館さんです。
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インターホンおじさんと
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火災報知器くんとわんちゃんです。
これ何かな~と思ってみてもらえたらうれしいです。 図書館では展示に関連した本を集めて特集されています。 https://twitter.com/Ikoma_library/status/1645600924717690880?s=20
おじさんと散歩の人は、SILHOUETTE DESIGNさんのを使用させていただきました。 https://kage-design.com/
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wuma1 · 2 years
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DANIEL & SHINOBANAI。Present SAS×IN-YOU 解放を奏でるセッションと自己発見の美しさを表現するパフォーマンスによるエクスペリメンタルDAY --------------------- 🔥ABOUT “SAS”

様々な表現者が集い2006年より毎週開催しているCommunication COMMUNITY。
踊りやARTにおける、遊び、対話、哲学、などクリエイティブな空間をご提供。生きる情熱と遊び心あるART好きの為の魂の解放を奏でる本気のARTFULLな遊びの聖地!
出会いの場。創作の場。対話の場。実験の場。
あなたを思う存分描いて皆んなで即興SESSIONを奏でる場。 
--------------------- 🔥ABOUT “IN-YOU” ダンスを通して、自己発見の美しさと人間の精神の深さを体験する」ユニークで親密なパフォーマンスに参加しましょう。
各ダンサーは短いソロ作品を発表し、Danielの指導のもと、振付のパートに参加します。 English follows I "Experience the beauty of self-discovery and the depths of the human spirit through dance"

Join us at a unique and intimate performance- 
The finale showcase of the "In-You" movement course
Immerse yourself in this deeply personal experience and be inspired.

Each dancer will present a short solo work and participate in a choreography segment under my guidance.
--------------------------

Mc: @bodypoet._.kazuma 最も才能のあるパフォーマーの一人!!!

Dancers: 
@chiho_is_electro
@emiiiiiko_no5
@yocchan_house 
@mitarashiiiii 
@atsumihanawa Director by Daniel_royzman
------------------------- ショーケースの後は‼️ After the show case everyone are invited to the @soul_art_session!! ============================== Date: 3/4(土) 🕓Drinks at 16:00 
🕔Show at 17:00
🕖Session 19:00
💴¥3000- 1枚のチケットで2つのイベントに参加できます 事前予約はDMまで Showcase@ (東京都世田谷区代田5-27-12 Room -B) @新代田駅 Session@ (東京都世田谷区代沢5丁目8−19 2階 ROOM 4) @下北沢駅 ===========================
【アーティストプロフィール】 Atsumi 学生時代は新体操に夢中だった。踊るのが好きで社会人になってからは、たまにダンスクラスに行っていたがのめり込むことは無かった。昨年のイベントでダニエルさんのショーをみて、ずっと探してたものを見つけたような感覚を受け今回思い切ってIN-YOUコースに参加。自分の心のままに踊ることが気持ちよく、幸せを感じることに気づいた。 柏崎絵美子 踊り狂う女優という肩書きで、��台・映像・MV・バックダンサーなど数多くの作品に出演。 また振付師としても多くの作品に参加。 最近では様々なアートやスピリチュアルなどの分野を混ぜ込んだ『ジャンルフリー』なパフォーマンスを模索しながら、現代を生きる1人の人間として誰かの笑顔や活力になる事を目標に活動中。 Yocchan JapanDanceDelight Finalist 近年は畑/狩猟/ヨガを愉しむ一方、映像/楽曲制作などに取り組む。人生のテーマはsomethigood。 CHIHO ダンサーとしてはアジア人初のエレクトロダンスチャンピオン。フランスを代表するチームALLIANCE CREWのメンバーとして、日本にエレクトロダンスを広めている。 普段はこの世の真実や、人の内側、魂の成長に興味があり、ワンネスについて考えている。

daniel_royzman 大学でストリートダンスを始め、同時に音楽や文化にも強く惹かれていく。 「素直に表現すること」「エネルギーや空間を共有すること」を主軸とし、ダンス以外にもイラストやアニメーションにも創作の幅を広げている。 ----------------------- 【注意事項】
 ※肖像権について イベントでは、撮影が入ります。写真および動画はSHINOBANAI OFFICIALがSNSにアップロードすることがありますので、ご了承ください。 (Setagaya, Tokyo) https://www.instagram.com/p/CpIefxCynaM/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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soratanet · 3 years
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2021.11.06 Saturday
早い時間の新幹線に乗って東京まで。
着いてすぐに五反田にあるお粥のお店にとねさんと行ってみたものの行列ですぐ諦めました!
で、朝ごはんは食べず先に中目黒に行ってしまえと、my pandaの展示会場へ。
(まあそこはつまり私がスマイルズに入社する時に訪れた場所なのですが)
(諸事情によりあっという間にスマイルズ時代は終わりましたが)
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必死に選んでる私の後ろ姿。
時間が早いから中村さんを独占出来ましたね。
次のSSのお洋服もかわいい~
もはや試着しなくても大体わかる。自分に似合うもの、似合わないもの。
で、結局いつも同じアイテムを選びがちなんですが。
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このジャケットがお気に入りでした。
袖の部分はシャツなのです。4色どれもかわいかったので決められず2色買い...
(ちなみに中の白シャツとパンツは着てきたもの。もちろんmy pandaですぞ)
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撮ってくれた写���を確認中。
私と中村さん♡
一緒に行ったとねさんもオーダー。panda仲間が増えてうれしいな。
最後は中村さんと記念撮影してお別れ。
さて次はどうしよう、っていうかお腹空いたからご飯行こう!
で、私がずーーっと行ってみたかったお店へ。
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こちらです。J-COOK。
この近辺には何度か来てるのにここにあるとは知らず。
半地下になってる場所も良い感じで。
混んでないといいな、と恐る恐る覗いてみたら1組しかいなかった。
「お飲み物のご利用ですか」と奥さん。
「いや、ご飯食べます~」と私たち。
と、そこで急に奥さんが私の履いていたチェックのパンツを
かわいいかわいいと褒めてくれて。
急に距離感近い!と驚きつつ、既に老舗の域に入っているお店だというのに
初来店の私たちにフレンドリーで、とても優しくしてくれて
すごく嬉しかったのでした。
ということですぐに「何このお店ー!すきー!」と、なりました。笑
きっとお客さんみんなに対してそうなんだろうなあ。
なんて素敵なんだろう。
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ランチはお肉かお魚か、ってことで2人ともお肉にしました。
カツレツです。
このスープもおいしかった...
こういうメニューうれしいよねえ、と、とねさんと喜んでいただきました。
食べながらも店内にあるショーケースの中が気になっており
食後はもちろんデザートも頼みました。
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ぽってりとした焼き物に入ったプリンのようなもの。
(プリンより軽めなのです)
優しくておいしいお味。
お会計の時も色々お話しして、本当に優しくて素敵なご夫婦でした。
2人に会いにまたここに来たくなる感じ...。
今回の東京でのこの出会いは印象的だったなあ。
ほんわかあったかい気持ちになったよ。
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お店の外に掲げてある黒板のメニュー。
朝からやってるのね。またすぐ行きたくなっている。
しかし営業時間長くないですか?
お身体に気をつけて続けていただきたい...そしてまた必ずや行きます。
(ENGLISH SPEAKINGってことは喋れるの?すごー!素敵ー!)
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幸せな気持ちで次の場所へ。
今度はとねさんの行きたいお店。
恵比寿の写真美術館の中にあるカフェ「フロムトップ」は今年の8月にオープンしたばかりだそうです。
東京っぽいデザートを食べよう!と私。
お洒落なパフェでございました。
(大分既にお腹いっぱいになっていたけど。笑)
2人並んで仲良く同じものを食べました。
久々にとねさんと遊べて楽しかったよー。
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とねさんとお別れしてテクテク歩く私。
途中でタミゼを見つけました。(こっちはもうすぐ閉店しちゃうんだよね)
でも入る勇気はないので外から眺めてました。
恵比寿三丁目まで歩いて
あっこちゃんのお店の前を通って心の中でSAY HELLOして
(お客さんの髪を切ってるところだったので入ることはせず)
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OUR FAVOURITE SHOPです。
『photography & us』展開催中です。
織江ちゃんの写真を見に来ました。
本当は「写真を手に入れること」したかったんですけどね。
そして夜は更け
私のiPhoneの充電はどんどんなくなっていき
どこかで充電できないかな~とスタバやマックを覗くも土曜日ですし
どこもいっぱい。
というか明らかに今までこっそり遊びに来ていた東京に比べて
街に人が戻ってる!改めて東京って人が多いな~と感じておりました。
で、最後は品川に辿り着き、カフェに入り、新幹線の時間まで
持って来ていた本を読んで過ごしておりました。
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夕ご飯は海苔弁。(辞めても愛社精神すごいでしょ)
車内で鮭は食べづらいですね。笑。
でもおいしかったー。
日帰り東京楽しかったー。
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hummingintherain · 2 years
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7月25日(月)|ぴかぴか夏の味
 電車が運休になっているので何事、だと確認すると、なんと不発弾の処理のため広範囲に渡って運行規制をしていたとのこと。少し調べてみると、不発弾発見は4月。太平洋戦争の際にアメリカから投下された一トン爆弾とのこと。戦争から70年以上が経ってもまだ市街地に兵器は眠っていると考え気が遠くなる。発見されて以来実に3ヶ月はその場に置かれ、安全に処理ができるように準備を施し、昨日、無事に撤去された、ということになる。
 朝から昼過ぎあたりまで規制は続き、何故わざわざ昼間人の多い日曜に……と思ったのだけれども、平日は平日で朝だけみれば出勤や通学に影響を及ぼすわけで、まあどの曜日にしたところ��何かしらの影響は出るわけだから仕方ないのかもしれない。ただこの不発弾処理についてまったく知らなかった私は、みいちゃんのお菓子工房のある近江八幡へ予約時間にちょうどいい電車を狙おうとしてその電車がちょうど運休になっていると直前で気付き、まあ普通電車は動いているからそれでゆっくりと行ったらいいかとのんびりスタイルでいたら、乗ったその先の線路沿いにて、まったく別の案件で煙が上がったとの情報が入り、20分近く足止めをくらってしまい、結局予約時間を過ぎての来店となってしまった。
 みいちゃんのお菓子工房は特徴的な巨大な三角屋根をした白塗りの可愛らしい外観で、テレビやインスタで写真は見かけていたものの初めて目の当たりにしてどきどきする。実際に中に入ると、もう予約時間を過ぎていたこともあってケーキはほとんどなくなってしまっ��いたけれども、よく写真で見かける笑顔が描かれたプリンだとか、オレンジを使ったケーキは少しだけ残っていて、いくつか買う。予約していたけれども遅れてしまったこと、不発弾処理だけでなく火事で更に電車が遅れてしまったこと、全然店の人には関係ないのに話してしまう。みいちゃん本人は、人前に出ることが今のところはとても難しいけれど、磨り硝子越しにあるキッチンスペースに、恐らくはみいちゃんとみられる人の姿がぼやけて見えた。茶色いエプロンをした小さな女の子のシルエット。私はテレビでたまたま見かけて、インスタでもケーキを見ていてとても癒やされているのだとお母様に伝えようとして話したけれども、なんだかいまいち伝わらなかったような気がして、もしかしたら面倒臭いお客だと思われたのかもしれない。伝えておきたい、というのは、どこか一方通行な、傲慢な可能性があって、押し付けたくはないけれどもあの瞬間の自分に押しつけがましさがなかったかというと、それは嘘で、どう思い返しても押しつけがましさがあったと思う。憧れていたものについに会えた、というような、ミーハーな感覚で訪れた感は拭えないのだった。
 ずらりとショーケースに素敵なケーキが並んでいてその中から選ぶ経験はしたいので、こりずにまた行きたい。
 家に帰ってから食べたオレンジのムースは、あまりに瑞々しく、口の中に夏の光がぴかぴかとはじけていた。
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trm517 · 3 years
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忘年会の帰り、上司が寝袋を持って私の家へ泊まりにきた 明け方に眠り、9時に起きるともう上司はいなかった 不思議な夢を見ているようだった 浮遊感のあるまま、2年ぶりに友人と会う 
地下鉄の階段を登ると、雪が舞っていた 初雪 窓の大きな喫茶店で、ピカピカのショーケースからケーキを3つ選んで分け合って食べた ドリンクを頼むと、白いパンのようなケーキのようなお菓子がついてきた 明日も雪だね、さむいね、仕事の話、色々したけど忘れてしまった 駅まで送り届け、初めて会う人が待つ喫茶店へ向かった 
クリスマスを終えた街は、お正月に向けて忙しなく賑わっていた 数字の話をした 行事や気分で服装を選ぶ話をした 大きな動物やミイラを見たい話をした 初詣を何度もしたい、2度詣、3度詣したいと言った 適当に電車に乗って、できるだけ遠くに行きたいと言った 彼はSuicaに上限の2万円を入れていると教えてくれた いつでもどこへでも行けるよ、と笑っていた 「後藤ひもリボン」看板の文字を繰り返し口に出して、やっぱり素敵な名前だねと確かめ合った
帰り道、雪が積もっていたのですくって渡してみた 冷たいだろうに、少しも嫌な顔をしない人 駅の反対、私の家の近くの横断歩道まで送ってくれた 
嘘がつけない人 好きになってみたい人
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01-08-m-n · 3 years
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10-10-2021 sun
こういう日があるから生きていたいし生きていられるんだと思える日だった、幸せってよく分からないけど、無条件に愛してもらえることの幸福というか、泣きそうになってしまった
どう書いたらいいかわからないな、でもわからないくらい嬉しいということを覚えておきたい、私が生きて感じたことを忘れたくないし、過去の私をわたしが愛してあげたいから いつだって誰かの記憶に掠れるくらいでいいから残っていたいと願っている わがままかな
今日のことを書くね、だからあなたも忘れないでいてほしいよ
優斗くんと待ち合わせをした、待ち合わせっていつになっても慣れない、久しぶりに彼の姿をそこに見て、やっぱりこの人の世界が好きだなと思った 誰かのことをぜんぶわかることはできないけれど、あの頃からずっと彼とはいい距離感で話せている気がする 最近は人との話し方を忘れてしまっていたのに、再開した瞬間から普通に話せていた、自分はこんなにそのままでいられるんだと思った、ずっとその気持ち 朝からドタバタしていた今日は自分のことを好きになれていなかったけれど、そんな気持ち忘れてしまうくらいに素敵な日だったな 人の多いお店を抜けて、ひっそりとしたお花屋さんで花束を作ってもらった 愛咲子さんと舞さんを思い浮かべて悩む優斗くんがおもしろくて、早くおふたりに会いたいなと思った まだ出会ったことのない人に花束を渡したのは初めてで不思議な心持ちだった、思い描いていた以上にあたたかくて素敵な人だった、素敵だった
だめだ、なんか昨日のことを思い出そうとすると泣きそうになってしまう、昨日も泣きながら少し書いていつの間にか眠っていた ほんとに嬉しかったな、ほんとに些細な全部が好きでどうしたらいいかわからないくらい心がぎゅーってなる、「好きをさりげなく教えてくれるんだ」って目を輝かせて微笑んでいた彼がそこまで魅了される意味がわかった 信濃川の青いキラキラ、走るモーターボートの水しぶき、父親から投球フォームを習う小さな女の子、ディズニーランドのアトラクション並に混むLOFTのレジ、花屋のショーケースが開いた瞬間の冷たさ、小さな花束の重み、おふたりがくれたカルピスの味、「好きなものがたくさんあるって豊かなことだよ」って言ってくれたこと、私の名前を素敵だと言ってくれたこと、仲良くしようねってまた会おうねって言ってくれたこと、寂しいようで寄り添ってくれる手の中にある写真と言葉 みんなが認めてくれたな、私の毎日 今まで というか私自身をそれでいいんだよって抱きしめてくれた 愛咲子さんも舞さんも快子さんも純さんも優斗くんも、みんな さよならがさらっとしていたのはまた会えることの裏付けのような気がした 私が会いたいからきっといつか会えるんだろうな 中華料理屋の薄くて硬い座布団や私の好きな天津飯をお揃いで食べてくれたこと、ドクターペッパーの味がする杏仁豆腐(5ポイントもらった!)、知らない道を歩くこと、昨日は特別星が綺麗だったらしい 時速80kmで走る音が心地よかった 大きな窓のついた車から見える景色を、忘れたくないなと思った、きっとこの日は大切な日になるんだとわかった はじめましてでも、なんだか手を繋いでいるような感覚をくれる人がいる、壁にうつる自分の影と手を繋いだ日を思い出す、私は今日の光を忘れないよ、言葉よりも涙が先に出ちゃうくらい心が話したがっている今日を忘れるわけないか 私の記憶を作ってくれたすべてが、すべての人のことを願っている、これが涙の答え、ありがとう
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jaguarmen99 · 3 years
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206 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:21/03/20(土)11:21:12 ID:6F.zv.L1会社の上司がスレタイ。上司のカメラの腕は中々で、賞をもらった、いつも○○というサイトに投稿していてそこ主催の賞なんだーと自慢されたことがある。そこで仕事の合間、そのサイトを部署のみんなで探してみると、当時のアクセスランキング常連の中にAがいた。思いっきり顔出しでやっていたからすぐ分かった。そこで見たのは、明らかに盗撮と思われる写真ばかり。勿論いかがわしいものではないのだけれど、例えば海辺で遊ぶワンピース姿の女の子や、倒れているホームレスや、救急車で運ばれる急病人、若い女の子が高級ブランドのショーケースを覗いているところなど、絶対許可とってなさそうな作品がやたらドラマチックに撮られて、説明欄にはポエムが沿えられていた。みんなが驚いたのが、作品の中に同期とそのお母さんが写っている写真があったこと。ニコニコと笑って出店でご飯食べてるところを撮られていたらしい。タイトルは「僅かな幸福」みたいなタイトル。説明欄には「写真右の幸福そうな娘さんは私の部下です。隣はお祖母様でしょうか。おそらく先は長くないお祖母様のために休日を割いてまで遊びに出ている優しさを撮りました」みたいな説明。コメント欄には「なんて愛らしいお嬢さんでしょう!」「穢れを知らなさそうな初々しさが良いですね」などキモいおっさんのコメントだらけ。しかもお祖母様ではなくお母様だったそうだ。同期母は高齢出産だったため、よそのお母さんより年上だ。当時はグッと老け込んでいたため、祖母と間違われることもたまにあったらしい。同期はすぐさま上司に抗議し、私の母を先が短いと���めつけ、盗撮してネットに上げるとは何事かと詰め寄っていた。上司は「よく取れてるでしょ?」とニコニコしていて暖簾に腕押しだった。ただ、カメラオタクなら晒しスレなんかが絶対にあると踏んだ私が色々調べると、当時の2ちゃんにスレが立っていた。上司の専スレが立っており、「勝手に撮影した被写体にポエムをつけるだけの簡単な作業」と批判されていた。カメラ好きの中でも、「モデルを用意しない」もしくは「被写体の許可を得ない」というのはあまり良くないこととして映ったようだ。撮影仲間もそのスレに書き込みをしており、「可愛い女の子や病人なんかを見つけるとすぐにシャッターを切るのが気味悪い。奥さんもカメラ仲間だが、奥さんが一緒の時は絶対やらないんだよな」「○○(大手)ってこんな奴が役職ついてるんだな。絶対個々の商品は買わないわ」と書かれていた。それを同期に見せると、同期はそれと写真を全てコピーして人事に提出。流石に問題になり、上司はアカウントの削除、同期への謝罪に追い込まれていた。少し前に「私が婆ちゃんの車椅子を押してたら勝手に写真に撮られてお涙頂戴のストーリーになってた。それが受賞した」という話があったけど、そういうことをやらかす連中はホントに理解できない。
続・妄想的日常
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asagaquru · 4 years
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わたしのことなんて忘れてよ
「○○さん、✳︎✳︎✳︎さん以上の人この先現れないと思うって、忘れられる訳ないって言ってましたよ」
そんなこと言われたって、と思う。2個下の男の子と3個下の女の子の飲み会に誘われる。社会人になって半年経ったけれど、未だ月に何回か元バイト先のこの子らと会えるのは素直に嬉しい。一昨日まで富士山見るのに山梨県まで行ってたのだけれど、丁度旭川の彼が内定式で札幌に来ていてこの女の子とご飯したらしい。うちのバイト本当に仲良いな。ジョッキの分厚い縁を指でなぞる。
元彼がまたわたしの彼氏になって1週間経つ。昨日、彼氏と同じベッドの中で久々に寝て朝に旭川の彼の名前を声にしてしまって焦った。寝ぼけてたにしても自分の中でその彼はまだ存在として大きいことや、彼氏にちゃんと向き合おうと思って選んだ未来の中にいるのに断ち切れてなかったのかと疑心してしまう。これは決して旭川の彼にも彼氏にも伝えずして、自分の中でゆっくりと解決しなきゃいけない。今はただ選んだ選択肢を正解にするために、粛々と彼氏との時間を重ね、愛を注ぎ、愛を感受するしかない。それがふたりがふたりでいるための支えになると信じてる。彼氏が目尻に皺を作って笑うのが本当に愛おしい。その気持ちが全てだって心底思えるように。
彼氏に向き合うと決意してここにいるけれど、わたしは旭川の彼を忘れたわけではない。1週間そこらじゃ忘れるもくそもないでしょうよとも思うけれど、彼も未だわたしのことを見てくれるのは申し訳なさの中に嬉しさもあった。どうしてこんな意味のわからない女のことを好きだと豪語できるのか、それこそ意味がわからないけれど。彼の好きは真っ直ぐで迷いがなくて、自分に向けられたものだと忘れて惚れ惚れしてしまう。山梨にいる間にラインが来て、そこからまた続いてるけど、どうやって切るべきか考えてるし、親しさの一線を越えなければ無理に絶とうとしなくてもいいんじゃないかとも堂々巡りしている。彼氏に向き合うということから逸れなきゃいいんじゃないかなとか。
人生にひとりやふたり忘れられない人がいても良いと思うっていうか、むしろその方が一種の心の拠り所となって自分を安定させられる気がする。たとえ金輪際会わないとしても、神を信仰するのと似ていて、自分を真っ当な道に導いてくれる。わたし自身もそういった人がいる自分を許して過ごしてきた。信仰されると言ったら烏滸がましいけれど逆の立場にもなってみて、何かする訳でなくとも、誰かにとってわたしがそういう存在になることは、わたしがわたしとして人生を生きることを奮い立たす熱量の一滴になるなと思ってしまった。
わたしは2軒目からの合流だったから次は公園で軽く呑もうとなって、コンビニで缶チューハイを買いに行く。酒類が並ぶショーケース前で「酔った時に思い出す人が、好きな人なんだよねえ」と呟くと「元彼のこと思い出します?」と独り言を拾われる。あはは、と笑い返してひとつ缶を取り出す。最初にちらついた顔は彼氏ではなくて、我ながら馬鹿だなと思う。感情は時に理性というか思考を軽く超える。未来にビビりたくないし、過去に縛られたくないのにな。
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koha-omise · 5 years
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2019年の営業前に急いで撮っていたショーケースの写真達。。 その時々で思う事はあったけれど、なんとか無事終わる事が出来ました。プライベートでは役員仕事も2年目。まぁ慣れましたが心身休まる日があまりなく、でも生活もあるし、、で、ただただ働いた1年だった気もします。 その中でも、やっぱり楽しく仕事したいし、来年以降に残る何かを見つけたい、やりがいや課題、成果を見出したい。忙しいけれど、何かしらのきっかけを見つけられたら。そんな事をやんわり思いながら、いろんなことをやってみたりしました。 やりたいと思うと、なぜか叶うもので(笑)どこからか、叶えてくれるきっかけや運、人、場所、が目の前に現れて私は乗っかってみた、、そんな1年。 反省もあるし、成果を出せたのか疑問な部分もありましたが、本当に全てに感謝です。ありがとうございました! そして。 今年もkohaに足を運んで下さいましたお客様、今年初めてのお客様、、ありがとうございました!来年はまた来年の風が吹くわけで(笑)営業日が増えるかもしれないし減るかもしれないし、あれだけ出ないって言ってたイベントも出るかもしれないし、それはまだ決めていません。子供達の進学がどんな風に生活リズムに関わってくるのかも分かりませんし、私が1つ歳を取り(笑)体力の衰えがどこまで影響するかも分からないです。そう、スタッフを入れるかもしれないですし。 ただ1つ言えるのは、今まで通りこうやってお店を開けられる日を1日でも増やす事。いつも前に進もうと思える自分、店でいようと心掛けていく事。 変わらないように変わり続ける、、矛盾した言葉ですが、ブレずに自分らしく生きていきたいと思うのはkohaを始めた15年前から変わらないわけで、でも続けて来れたのは変わり続けてきたからなわけです。多分。。笑 そこは柔軟に。変わらず。 また何が言いたいのか分からなくなってきましたが(笑)よく説教される事が多いんですけどね、私。あまりにボワ〜としてて。何がやりたいのか分からん。やりたい事やってるだけだって。 頑張ってるのに、否定されるのは辛いですが、心配してくれているんだと思うことにして、、来年も過ごしていこうと思います。 て、感じかな?笑 2019年、あと少しですが! ありがとうございました!! https://www.instagram.com/p/B6siylLF6yk/?igshid=ryz9lzahnf3h
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olddigitalcamera · 5 years
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CANON EOS Digital X
いつものようにハードオフを巡回していて、出物が見当たらずに帰ろうかな、と思っていた所に、ショーケースの片隅に置かれていた本機に気がついたのである。 フィルム一眼レフのAFが捨て値でズラリと並んでいる所だったので、まったく気が付かなかったのだ。 値段が2000円弱。AFが微妙だと書かれていてジャンク扱いになっていた。 バッテリーと充電器が付いている。 うーむ… EOS Digitalは10DとKiss Digitalの初代があるが、このKiss Digital XとNはバッテリーが違う。 オールドデジカメでの鬼門の一つであるバッテリー問題に寄与することができないのだ。 (デジイチって、あんまり使わないんだけどなァ) そう思いながら店員さんを呼んでしまった時点で負けである(笑)
「バッテリー、充電がなかったら呼んでくださいね」
店員さんはぼくよりも年上な感じのおじさんだった。 ハードオフにしては珍しい。 同じショーケースから28-105mmのEFレンズを出してもらってバッテリーを入れてスイッチをオンにする。 う、うん…? 起動は普通に起動したのだけど、ファインダーがやたら暗くAFも合焦しない。 (なんだこりゃ…) 設定をリセットしてもMFに切り替えてもダメ。 これは完全なジャンクなんだなァ、と諦めて返そうと思った時、ふと別の考えが浮かぶ。 (もしかしてレンズの方の問題?) 幸い店は暇そうだったので、店員さんをもう一度呼んで、今度はEF-S17-85mmを出してもらう。 やっぱりか。
AFはUSM(ウルトラソニックモーター)ですいっすいっと動く、ピピッという合焦音も頼もしい。 いわゆる完動品である。
EFレンズ
ペンタックス10D以来の1000万画素である。 いったい何時代の人なのかと自分でも思うが、まァ、ネットでこねくり回す程度なら、1000万画素でも大きすぎるくらいだ。 さて1000万画素となってくると、確たる理由はないが、フィルム時代のレンズでは心許ない。 デジタル専用設計のレンズが欲しい。
キヤノンはAFを導入した際にマウントを変更した。 MF時代のFDからEFに。 デジタルも10DまではEFレンズのみが対応する。 しかしスタートが28mmくらいのEFレンズ標準ズームでは広角側が物足りない。 フルサイズなら問題ないが、キヤノンのAPS-Cは他のセンサーよりも、ほんの少し小さいので換算すると1.6倍する必要がある。 28mmは44.8mmに。これでは標準レンズ域だ。 そのためかKiss Digital、中級機なら20Dから、デジタル専用設計のEF-Sレンズが使えるようになる。 18mmスタートなので、換算で28.8mm。
その店では見つからなかったが、別の店でEF-S18-55mmの初期のものが、やはりジャンクで1000円で売られているのを見つけて購入した。 締めて3000円程度。 そんなに悪くない買い物だったと思う。
ジャンクたる所以
さてこれは購入した時に気がついていたのだけど、ちょっと汚い。 埃が付いているのは仕方ないにしても、どうも粘り気のある物が付着していて、その上から埃が付いているような感じなのだ。 まァ、無水アルコールとかで拭き取ればいいやと気にしなかったが、これがなかなか取れない。 そればかりか、もう一つ気がついたことがあった。 「臭い」のだ。 タバコ臭とか加齢臭とかが混ざったような、梅雨時の満員電車のような臭いなのだ。 これには参った。 現状、かなり薄まってはいるが、それでも目鼻に近づけて撮る一眼レフなので、どうしても臭ってくるのだ。 機械モノだし、タバコのヤニとかが良いはずがないのは誰でも分かりそうなものだけど、たぶんヘビースモーカーだったのだろう。 そうでもなけりゃ、ここまで臭いが染み付くことはないはずだ。 こういうのもジャンクたる所以だろう。
400PLUS 
Kiss Digitalの時にロシアンファームについて書いたが、Xも標準のままだとISO1600が上限である。ISO AUTO機能もなく、機能としては少し物足りない。 それでXにもロシアンファーム的なものはないかと探したら、400PLUS マジック・ランタンというのが見つかった。
これを導入すればISO AUTO機能が追加、最高感度はISO3200。ほかに ミラーアップ機能、9枚ブラケティング、フラッシュ光量調整などなど。 これは導入すべきだろうと、いろいろ調べ始めるが少し導入が面倒くさい。 これはファームウェアというよりも、CFカードにパッチを入れておいて、そのCFカードを使う時だけパッチが有効になるような仕組みなのだ。 したがって、画像を見た後でうっかりカードをフォーマットしてしまうと、全部パッチを削除してしまうことになるので注意が必要である。
導入は個人の責任になるのでリンクは敢えて貼らない。
2006年のカメラなので、性能には一切文句がない。 色んなスイッチの反応も素早い。 ライブビューとかバリアングルとかはないけれど、カメラとしての本来の性能には関係ないし、ぼくはそういうものにあまり恩恵を被ったことがない(老眼なので見えない 笑)ので、まァ、これくらいで必要十分なわけだ。
ジャンクカメラ遊びにしては高額なものになったが、ちゃんと使えるし、一般的な価格(この辺りのカメラは未だに値段がつく)よりも安価に買えているのだから良しとしよう。
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bnb-special · 5 years
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vol.16【2019 SS】ギンギラギンにさりげなく 03
「ギンギラギンにさりげなく」02より続く
ーーではショーケースを移動して、続きましてはアクセサリーです。辻さんがちょうど着けてらっしゃるので、有刺鉄線のブレスレットからいきましょうか。
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辻 これ、着けてたら自分の手首に刺さりそうに見えませんか?
ーー確実に見えますね。
辻 でも普通に着けてたら、自分には刺さらないんです。
ーー不思議ですね。
辻 職人さんに「もうやらへん!」っていわれるぐらい何回も刺さらないように作り直したから。
ーー刺さらなくするポイントはどこにあったんですか?
辻 有刺鉄線の部分をジャラジャラと動くようにした。はじめは固定してたけど、それだとどうしても刺さるので。
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ーー意外なところに答えがあったんですね。それにしても有刺鉄線をブレスレットにしようなんて、何をしてて思い付くんですか?
辻 有刺鉄線を見て(笑)。
ーーそのまま(笑)。
辻 いや、ちょうど西部開拓時代の本を見ててね。そしたら、その当時はみんな牛を飼ってて、その牛が勝手にいろんなところに行きよると。そうなったら、どれがどこの牛かわからなくなるでしょ。
ーー確かに。
辻 そうならないよう牛を囲うために発明されたのが有刺鉄線やねんて。で、たとえば辻家の形状はこれ、誰々家の形状はこれ、みたいな感じで、有刺鉄線って形状にパテントがもう何百ってあるらしくて。それ見てたら「有刺鉄線オモロイ!」ってなって。
ーーそれをアクセサリーにしようっていう発想も、かなり面白いですけどね。安全ピンのキーホルダーのときも思いましたけど。
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辻 安全ピンはパンクの人がいろんなとこに着けてはるやん。そっからのイマジネーション。
ーーこれも手曲げですか?
辻 引っかける部分は違うけど、ピンの部分は手曲げ。
ーーこんなキレイに曲げれるんですね。
辻 すごいよ。ボクらがやっても曲がらへんのに、その人はキュッと曲げはるから。
德田 この秋冬の新作で結び目を作ったバングルが出るのね。それは手とか足とかを駆使して引っ張ったりしながら曲げていくんだけど、「もう限界です」って職人さんにいわれてしまった(笑)。
ーーいままでに作ってきたアクセサリーで、思い出に残ってるものとかありますか?
辻 一番最初に作った『どんぐりの鈴』かな。
(鈴を振る)
ーーいい音しますね。
辻 そうなんです。これで1万4千円は、めちゃくちゃ値打ちあると思うねんけど。
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德田 はじめは音が鳴らなくて、中に何を入れたらいい音がするのかをいろいろ考えたよね。
お客様 中に入ってる玉もシルバーなんですか?
辻 (中を覗き込んで)真鍮です。
ーー見えるんですか?
辻 見えた(笑)。
德田 これは面白いアイテムよね。
辻 鈴は魔除けにもなるしね。あ、もひとつ思い出のアイテムあった。
ーーなんですか?
辻 『レスラーバッジ』。パッと見たら七宝焼きっぽい仕上がりでしょ。でもこれ、実はニセモン七宝なんです(笑)。
ーーニセモンって(笑)。
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辻 なんでそんなことを思い付いたかっていうと、作ってもらってる職人のおじさんが七宝焼きの作家さんでね。七宝焼きでアクセサリーを作ってもらったことあったんですけど、数がなかなか作れなくて。
ーー手間掛かりそうですもんね。
辻 そうそう。で、その職人に相談したら、「透明のエポを入れたりして工夫したら、七宝焼きみたいにできるかもしれん」と。それでやってもらったら、すごくいい感じに仕上がって。
德田 面白い手法よね。しかもマスクのカタチには、ハサミとか糸ノコを使って手切りしてるし。
ーーオール手作業なんですね。
德田 もうなんでも手作業(笑)。てんとう虫のピンバッジも1匹1匹手塗りしてるし。
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辻 そうそう。一気に塗って、ホットプレートの上で乾かすんです。
德田 模様を描いてしまったらわからなくなるのに、なぜか土台はシルバーだし。
辻 着けてたらたまにおばあちゃんとかに本物と間違われたりすんねん。「てんとう虫とまってますよ」って。
ーーそれ、ボクもホテルマンにいわれたことあります(笑)。時間も長くなってきたのでアクセサリーはこれぐらいにして、大阪店で展開してる「EXTRA VAGANZA(エクストラ ヴァガンザ)」のお話を。
辻 EXTRA VAGANZAはね、ボクの友達にアメリカのニューメキシコ州でシルバーのアクセサリーとかを買い付けてくる人がいてて。聞いたらその世界では、やっぱりネイティブアメリカンっぽいアイテムがもてはやされるらしいのよ。
ーーわかりやすいんでしょうね。
辻 そう。でもニューメキシコに行くと、ネイティブアメリカンが作ってるけど埋もれてしまってるアクセサリーがいっぱいあると。
德田 面白いのに、まだ誰も価値を見いだしてないというかね。
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辻 じゃあ大阪店のショーケースをその友達にひとつ渡すから、そういうのを好きなように置いてっていうのがEXTRA VAGANZAの始まりです。
ーーということは置いてあるアイテムが替わったりもするんですか?
辻 そうです。年に8回ぐらいかな。
松尾(大阪店店長) アメリカの美術館に作品が収蔵されてるアーティストのアイテムが並んだりもしますよ。
ーーこのクシとかスプーンのネックレスもEXTRA VAGANZAですか?
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辻 そうです。それはどっちもドイツ製です。いろんなものを輸入してる友達が持ってて、穴を開けたらアクセサリーになりそうと思って輸入してもらった。
ーー何でできてるんですか?
辻 水牛の角。平たく伸ばして貼り合わせてる。家族で���ってるらしいよ、ドイツで。
德田 アクセサリー用じゃなくて、普通にクシとかスプーンとしてね。
ーーへ~。面白いですね。
辻 有名無名を��わずいろんなアイテムが並ぶので、大阪店の真ん中のショーケースはちょっとギャラリー的な感じで見てもらっても面白いと思いますよ。もうそろそろいい時間ちゃう?
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ーーですね。ひとまず2019年の春夏の公開トークはこれが最後ということで。
德田 次回は9月かな。また大阪店のインスタとかで告知しますね。
辻 本日も長いことありがとうございました。またお会いしましょう!
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tukumoteiog · 5 years
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ハワイのショップの話と、D&D×MTGオープンセッションレポート
 皆様こんばんは。またしばらく更新をさぼっておりました。その間べつに食っちゃ寝していたわけではなく(いや、食ったり寝たりはしていたけれども)、同じプレイグループの友達とたわむれにネットの動画配信をやってみたり、会社の研修旅行でハワイに行ったりゲームマーケットに出たりとわりと忙しい日々を送ってしまっていたわけです。というわけでその辺の話とか、6/1に行われましたD&D×MTGオープンセッションの様子とかをお届けいたします。
ハワイのアナログゲームショップ
 カラッとして過ごしやすかったですね。多少……いや、かなり暑かったですけど酷暑と言うほどでもなく、夕方になるとちょっと雨が降って過ごしやすくなります。一応名目上は会社の研修旅行なので初日は時差ボケと戦いながら研修と立食パーティのコンボで心身ともグダグダになりつつ、解放された2日と3日目はアナログゲームショップへ。
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 ハワイのカードショップは外観も内感も日本の地方にある個人店舗って感じでそんなに特殊な雰囲気もないんですけど、どこの店舗もシングルカードの管理がwebショップと連動しているのは日本ではまだあんまり見ない形式ですね。いわゆるシングルストレージはなく、全部店頭のパソコンで注文。パックやスターターなどはレジ下のショーケースで販売している形式です。扱ってるゲームはMTG、ポケカ、遊戯王。あとは店によってブシロード系のタイトルがちょっとあるくらい。Da PlanetというチェーンではゲーミングPCが借りられるe-sportエリアが広くとられており、そのあたりは日本ではまったく見ない光景ですね。ゲームセンターの取り扱いタイトルの違いも影響しているのではと思います。
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 さてTRPGはどうかというと、郊外にある「Other Realms」がオススメです。実は2年くらい前にも1度行ったことがあるのですが、アメコミ、TCG、TRPG、ボードゲーム、ミニチュアゲームを総合的に扱う大型店舗で品ぞろえも抜群です。
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 D&Dは出ているサプリメントはすべてあり、ミニチュアもかなりの量。ウォーハンマー系はウェブストア限定の在庫もあり、池袋のウォーハンマーストアを凌ぐ品揃えでした。MTGのプレイスペースではEDHが盛ん、というかEDHだけでしたね、遊ばれてたの。僕と同僚もスペースに入ったら「EDHやってる?」って聞かれて「スタンダードだけ」って答えたらすぐに興味を失われてしまいました(笑)
 D&Dに関しては遊んでる様子を見ることはできませんでしたが(平日昼間なので当たり前)、ゴブリンやビホルダーのミニチュアが売り切れていたのを見るにセッションもしっかり行われているんじゃないかなーと。  そしてなにより、ミニチュアとサプリメントが物理的にも価格的にも手軽に手に入るのが羨ましい……。
 翌日に行ったアラモアナショッピングセンター(ワイハで一番デカいショッピングモール。免税店とかで女子ウケがいいぞ)の大きな書店でもD&DやパスファインダーをはじめとしたRPGやボードゲームの取り扱いがあり、日本であればクトゥルフとかソードワールドとかの扱いに似た雰囲気を感じました。  ミニチュアがあれば、とか書店で取り扱いがあれば、というのは鶏と卵の話になってしまいますが、日本国内でもミニチュア流通に向けて動いてくださっている店舗や会社が出てきていますしD&Dのルールブックやサプリメントの取り扱いを始めるカードショップも出てきてますので、後押しできるように頑張っていきたいですね。
――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― 
D&D×MTGオープンセッション第3回
 さて、去る6/1(土)に東京MTG様にてMTGセッティングを使ったD&Dイベントの第3回を開催させていただきました。なんと最大人数の5名参加。本当にありがとうございます。
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 今回はゴシックホラー次元「イニストラード」を舞台に、田舎の村で起こる失踪事件を調べる異端審問官、というシナリオ。熱血漢の聖戦士をリーダーに、一行はダンジョンへ。心を掻き乱す不気味な詠唱が響き渡る中、魔術に引き寄せられて罠に引っかかったりしつつも犯人である屍術師を追い詰め無事解決となりました。
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 MTGセッティングで遊べるということはD&Dプレイヤーにはなんとなく浸透してきましたが、MTGプレイヤー側にはまだまだという印象です。同日にラヴニカ本の日本語版が権利関係で出版できない旨が報じられましたが、僕個人で出来る範囲でプレーンシフトセッティングやラヴニカのサポートは引き続き行っていきますので、今後もごひいきに。
 次回のオープンセッションイベントは6月末~7月頭に開催の予定です。現在、Twitchでラジオ的なものも不定期にやっておりますので、ご興味がある方はそちらもご覧いただければと思います。Twitchの方は動画が2週間で消えてしまうので、それ以前のアーカイブはYoutubeチャンネルで公開しています。
 というわけで取り留めもない感じになってしまいましたがまた次回。でわで
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