シュ~~~~~ッ
コォ~~~~~ッ
(※ベイダー卿の呼吸音)
今日の収穫♥️♥️ライトセーバーモンチャン♥️♥️すきぴ♥️♥️♥️♥️
今日の2位マジで許せねぇよぉ~~~~~何が許せねぇってああいう場面でどうしようもなくなる己の頭の悪さとカスエイム✌️😉ハントレスほぼ外しまんた。切腹
宗教上の理由で絶対に負けたくないPTだったのもカス極めとる👋😫はいはい水技つよいつよ~いすごいね~
この悔しさをバネに次会ったらバッチバチのボッコボコにしたるからなお前お前お前~~~~~👊😡😡😡😡😡😡
まぁあたしゃ2位だろうが1000000000位だろうが、かわちいモンゾチャンがイターリヤで幸せにイチャイチャしてたらそれでいいんで✋☺️わりぃな誰がなんといおうと公式なんだモンゾチャンは👊
や、やっぱり許せねぇあの野郎~~~~~ッ!!!!!!!!
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『マッドマックス:フュリオサ』を観てきました
ヒャッハーーーー!!!観てまいりましたよ『マッドマックス:フュリオサ』をwith姉!!マジありがとうジョージ・ミラー監督。
余談ですが退館後高架下にある自転車置き場に行ったら橋脚にスプレーでこんな落書きがしてあって姉と「いやちょっと待てwww!!!」と大笑いしました。こんな落書きです↓
もしかして名古屋、はぐれウォーボーイズおるか(撮影して載せたかったのですが人目を気にしてしまいました。撮るべきだった……)???
映画の感想はというと……激熱でしたね。色々語りたいことがありすぎて逆に語れないのと、本当は日付を超えてでも視聴したその日である昨日に書くべきだったのですが寝落ちして記憶が少し飛んでいます(最悪)。本当すいません!6/30に書くべきでした本当に!!
ここから先、がっつりネタバレを含みますのでご注意ください。
☆前作のオマージュ
今作は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(以下MMFR)の続編であり、大隊長・フュリオサの若き日を描いた前日譚でもあります。今作だけいきなり観に行るのは、個人的にはあまりお勧めしません。恐らく世界観等が理解しづらいであろうことと、純粋に前作視聴後に観た方が間違いなく楽しいであろうことからです。ネトフリのリンクを貼るので俺を見ろ!!
頭蓋骨から蜥蜴が這い出てきた瞬間「これは……!!」と思ったら期待通りの展開(※別に蜥蜴が嫌いで死んでほしいとかではない)になったのでにっこりです。そして【俺を見ろ特攻】も!やはりマッドマックスと言ったらウォーボーイズによる高空からの自爆特攻ですよね(※すいません当方シリーズ中2作しか鑑賞しておりません)!今作は前作以上に"高さ"を感じられる演出が多く、思わずアガりました。
あと生体メカニックの彼は最初はディメンタス軍団所属だったんですね……。
☆ラストについて
ラストでフュリオサがディメンタスを鎖で拘束した時、私はてっきりフュリオサは意趣返しとしてジャックがされたことをするのだとばかり思っておりましたが、全然違いましたね。まぁバイクで引きずり回すのと車で引きずり回すのは手応えが全然異なるでしょうしね……。ディメンタスによるフュリオサへのご高説、まーーー鬱陶しいこと笑!!その場で殺さなかったフュリオサの忍耐強さと執念よ……。
その後いきなりお笑い漫画道場で富永一郎が描きそうなカット(今時の若者が絶対分からない比喩やめろ)が出てきて私はかなり動揺したんですが、周囲の誰もが特に反応していなかったのでますます動揺しました。え、あれ笑っていい場面じゃないんですか!?不意打ちであの絵面出てきたら絶対笑うんだが!?
……真面目に書きますと、フュリオサから日常を、母を、恋人を奪った挙句彼女の希望を否定しひたすらに絶望しかないと唱え続けた男が最後(最期?)「希望(※)」の苗床として生かされる痛快なオチに感動しましたね。林檎又はそれに似た果実を取りに行った結果彼女は攫われディメンタスとその一味に目の前で母を殺されたのですが、最後は彼女がディメンタスを果実のなる樹の苗床として利用し、いずれ母となるであろう前作でいう「子産み女」の女性達に実を分け与えるのです。ディメンタスはフュリオサに最早希望などないと散々喚き散らしておりましたが、前作……時系列では後日なんですが(ややこしいな)、フュリオサは自身と同じように攫われ砦(シタデル)へ連れてこられた、或いはそこで生まれ育った子産み女達を解放し、自身の生まれ育った「実りの大地」へ戻る為にウォー・タンクを率いて離反します。これは彼女の中に希望が残っていたからこそ成せたことでしょう……ディメンタスの完全なる敗北ですね。実りの為に母を殺した男の最後が母(子産み女)の為の実りを生み出す苗床なんて、流れが美しすぎますよ。
※個人的な解釈ですが最後に出てくる林檎の果実は母を失い絶望を味わったフュリオサが地獄の日々を乗り越えた果てに母(子産み女)を守る為に育てている希望の象徴みたいなものかな、と勝手に思っています
※林檎の実についての興味深い資料がありましたのでよろしければどうぞ 出典:敬和学園大学
「表象としてのりんご 」
☆イモータン・ジョー
以下イモータンと表記します。ディメンタスが言ったように、彼の行いは「搾取と奴隷労働」ではありますが、ディメンタスと異なり余興や見世物の様に仲間の命を奪ったりすることは決してありませんし、何なら前作で描かれていたように水もちゃんと分け与えています。もっといい配り方してやれよとも思いますが
ノブレス・オブ・リージュ……ではないのですが、支配者としてきちんと統治してはいるんですよね、イモータンは。実際ガスタウンや弾薬畑も施設としてかなり立派でしたし、だからこそあそこまでウォーボーイズ達に盲信されているのでしょうね。なんだかんだでディメンタスの煽りを受けても乗っからずにうまく返して撤退させていましたし、終盤の再襲撃に逸る配下達の意見ではなくフュリオサの案を採用しましたし、状況判断に長けていますよね……うっかり装置の誤作動で殺す予定ではなかった人質を殺めてしまったディメンタスとはわけが違いまさぁよ!!
ディメンタス軍団は全員ガチムチ!殺し合い上等!な感じでしたが(冒頭でバイク軍団に選ばれた女性、終盤まで終始前線で奮闘していてすごかったですね)、イモータン達やシタデルにいる人間達はディメンタス軍団の様に元気な体!って感じではないんですよね。MMFRで水の配給を待っていた人達は高齢者や体のどこかに障害や疾病を抱えている(ように見える)人達ばかりでした。リクタスは大型で筋肉質で肉体こそ元気ですが知能がちょっと怪しいですし、スクロータスは顔つきが一般的な人間とはやや異なっており皮��が独特の様相を呈しています。ウォーボーイズは短命ですし、その中でもボミーノッカー係だった赤ちゃんは完全に奇形児でしたしね……これ、もしかしたらディメンタス軍団は肉体が健康でない者はもしかしたら処刑なり何かしらの手段で選別されている可能性も出てきましたよ……ざわ……ざわ……。もしかしたら流れてきた"そういう者達"を、シタデルが受け入れているのかもしれません。知らんけど
……こう書くとイモータンがまるで人格者のように思えてきますが、ディメンタスよりはマシというだけであって別にいい人ではないので気を付けてください!本当に!!
☆フュリオサ
シャーリーズ・セロンに較べるとどうしても華奢さが目立つアニャ・テイラー=ジョイですが、悪くはなかったのではないでしょうか。フュリオサ、ここからMMFRの間に体躯をめっちゃマッチョに鍛えたのかもしれませんしね!
☆ディメンタス
お前の事誰が好きなん?
いやーーー本当にこいつは……こいつは本当に……キャスティング良すぎィ~~!!クリヘムことクリストファー・ヘムズワースを持ってきた人にもうあげちゃうわッ…あたしの銀のスプレー!
ガタイのいい俳優は履いて捨てるほどいますが、ディメンタスという悪辣で愚かで豪快な脳筋人格破綻者を演じるにはクリヘムのそこはかとなく漂う陽キャ感が必要だったように感じます。もしこれがステイサムだったら首尾一貫スマートに片づけそうな気がしません?少なくとも乳首を吹き飛ばすような真似はしないでしょう
あの腰につけているぬいぐるみは息子の形見と言っていましたがあれ本当なんですかね。本当のような、攫ってきたばかりのフュリオサに心を開かせるためについたその場しのぎの出まかせのような……うーん。
ディメンタスは随所に余り賢くない描写が挟まれており、「シタデル」と聞いて「何デル?」みたいなことを言う、乳首を吹き飛ばす、生き字引として常に「賢者」を伴っている、はぐれウォーボーイズの発煙筒を自分で被る、等。もし彼が賢かったならきっとフュリオサを傷つけることなくうまく彼女のいた土地を陥落できたのでしょうが、彼は暴力と殺戮と支配を選んで��まったので、結果的に実りの大地への道は閉ざされてしまったわけです。有能な№2でもいたらきっともっとうまく様々な土地を手中に収められたのでしょうが、彼の周りにいるのは支配によってイエスマンと成り果てた者ばかりでしたね……その点イモータンは一応人食い男爵達に(採用するかは置いておいて)発言権は与えていたりするので、やはり格が違うんですよねぇ。仲間をウォーボーイズに仕立て突撃するために撃ち殺したり、或いは死体を自らの身を守るための盾として使ったり、気に入らないものは首を吊らせたり……この点でも、喜んで自ら命を捨てるウォーボーイズの育成に成功しているイモータントの対比を感じます。小物感!
すいません眠くてまともな文章が書けなくなってきてしまったため、ここらでクローズといたします。ジャックについても書きたかったのですが……。海外版山田孝之!なルックスで「あんまりシュッとした感じの人じゃないな」などと思っていたら処刑シーンでブタ野郎呼ばわりされていてちょっと申し訳ない気持ちになりました(最悪)。しかし本当にあの処刑シーンは余りにも人の心がなかったですね。邦画だったら逃げ切りそうなところを……。
最近ちゃんとした長文を書けていない為、リハビリ目的で頑張りましたが全然ダメでした、さーせん!でも映画はめっちゃよかったです!!!
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ポケモンSV!🌸スグリがいっぱいコレクション編🫐
追記:幾分か読み易く再編集️しました📝🐱
👆おむらぁいすに貰ってた猫ミームミータマ(可愛い)
👆ダチ達と過ごす美しき日々(ワロタ)
拙者てゃ、けーちゃん、おむのイツメンすこすこ侍。
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おはこんハロチャオ! ᕲ(˳⊙̿͆˳)ᕳ みーくんです( ΦωΦ )
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おいッ‼️みー太郎テメェッ‼️忘れてねぇだろなァ⁉️😡👇
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👆覚えとるよ🐈⬛🎶 ホントォ?��😅
上記のような口約束は簡単に責任を作れる呪いの言葉なので迂闊に発しない方が身の為というのが今回の教訓です。ッてもスグリはやっぱり可愛いので久々に記事を書いてくぞ‼️ほぼ三ヶ月近く空けやがってよ‼️
👆マジでこれといって特に見所が無いミー太郎VSスグリ戦(30秒録画を継ぎ接ぎしてるのでお見苦しくてスマソ)
さっそく完走した感想なんですけど僕はね、これでもちょっと重めの記事を書こうとしていたんです。藍の円盤がね、まぁ結構ね、重かったじゃないですか。スグリに感情移入が出来るか否かで大分その辺の受け取り方は変わって来るとは思うんですが。人によっては最悪ただの拗らせちゃった子で印象が終わってしまう場合すらある。
だからね一応、本当は真剣にド真面目な記事を書こうとしていたんです。していたんです。(過去形)
番外編を遊ぶ前までは。(キビキビ)
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番外編はキタカミが舞台として戻って来たのもあって、藍の円盤の補足でスグリ休学までの過程に対して匂わせ程度でも仄暗い話も来るかな?って身構えてたんですよね。とはいえ流石にスグリにスポット当たり過ぎかとも思ったので、あくまでメインはホームウェイ組で三人がスグリに助言してくれたりするのかな?とか。
したらね。唐突にギャグホラーが始まるもんだから温度差でブッ倒れたミー太郎はキタカミの公民館に用意された自室に戻り、畳の上に敷かれた質素であるが清潔な布団に潜り、瞼を閉じて深く深く考えた…
―…スグリ、俺らって本当に色々あったし…お前の事、俺なりに寄り添って沢山考えてみていたけど…―
畏まった堅苦しい言葉の羅列を並べる段階は、とうの昔に過ぎ去ったもので、そんなちんけな文字よりも今必要なのは前を向く事なのだ。スグリにも。俺にも。
スグリ、俺はさ…―――
お前が笑って明日を迎えてくれるなら、それで良いよ。
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感動の再会。挨拶がてら猫吸い宜しくスグリ吸い。髪型そのままなんかーい。
番外編はホームウェイ組メインかと思いきや割とガッツリとスグリが関わってて笑ってしまったが、そういや藍の円盤だと闇堕ちスグリとはそれなりに関わっていたものの光堕ちスグリとは一瞬しか絡めてなかったもんな…お前気づいたら失踪(休学)してたもんな…。
ここの掛け合いザ・少年漫画のようで大変◎‼️心做しかスグリも主人公に頼られて嬉しそうに見える!
前述でギャグホラーとは書いたものの、おばあちゃんのお餅催促のくだりとか要所要所では従来通り怖い演出を踏襲して来るのは流石ゲーフリ。子供泣くぞ。
特にお餅は「ひぐらしのなく頃に」のおはぎのくだりを思い出した平成生まれトレーナーは多かったのではないか。
tumblrで画像付きの記事を書いた事あるブロガーの皆様なら薄々この詰めッ詰めな画像見て察してらっしゃるかと思うのですが画像転載数がとうに上限の10枚超えてるのでもうこの記事は限界です。そんな…!🐣
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ホームウェイ組に触れれてなかったが、ペパ先は愛が重くて刺さる人には刺さった男だろうなと思うし、ネモちはヒソカネモちのままで実家のような安心感があったのと要所要所で育ちの良さが垣間見れたのがポイント高かったし、私的にMVPだったのはボタちゃんで主人公ん家のオヤツに駆け寄る程はしゃいでたり、礼儀が少々なってない場面でペパ先に窘められたりとメスガキ過ぎて可愛かったのでホームウェイ組で最初に特別講師に呼んだりしてました。ボタちゃんの特殊会話での主人公へのお礼もまた良いんだよな(涙) まあ結局三人とも好きなんだが。
ゼイユは相変わらずおもしれーイイ女だったし番外編だと出番少なかったのが若干寂しかったが碧と藍で露出が多かったのでバランスとっての事かなと自己解釈。
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四天王とか更生スター団とか諸々書きたい事は沢山あるが記事内容がごっちゃになりそうなので割愛‼️
…するが、ブルベリ四天王についてはちょっと書く。僕はおタロとアカマツが特に好きです。おタロはキャラビジュ出た時点でもう好きだったんだが、アカマツ…!真っ直ぐで素直な少年に弱いのだ俺は…!!特にあの空気が最悪の状況下だったから一筋の光みたいに見えていた。
ギスギス四天王時代のカキツバタとスグリに対してのアカマツの 「 そーゆーの! マジで めんどくさいよ!!」 マジで好き。
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あとパルデア四天王の方だけど特別講師のポピーちゃんとの特殊会話可愛すぎない❓マジでオススメ。
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こっからメッチャ自己満なガチ余談&懺悔室✍️
癒しを求めて最近は某美少女ゲーってか所謂ブルアカってかブルーアーカイブにハマりまして、イラストが可愛い〜😻ので勿論キャラの可愛さも要因だが〝エデン条約〟というストーリー(序盤は良くある?美少女ものなんだけど中盤辺りから血を見る展開に…🙀)ととにかく各自BGMが良い‼️戦闘曲ガチで良い‼️(星カビのマルク好きな人はゴズ戦の曲を聴いてみてくれ多分絶対好き) 因みに僕は曲の良さから入った人間。
因みに嫁。(強い意志)
ンでね。久しぶりに(2年ぶりぐらい?)Xで新規垢動かしてるぐらいには絵の方ちょっと頑張ろうかなと思えてるので暫くブログの更新を休止します🙏
なので本当、そういやこんなブログあったな〜って���い出した時にでも立ち寄ってくれると嬉しいです😽💋💕あ、 イツメンはディスコまた声掛けると思うので不定期的に遊ぼうネ★🤪(なんて身勝手な野郎だ👹🔪)
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ここからが懺悔室。ちょっと恥ずいので敢えて改行無しで読みづらくしてます、すみません🙇♂️💧ブルスカ🦋の方に一瞬だけナポ男🍝垢で生息してました。支払い関係の都合で近々会員を抜けてしまう&自分が描くものに思うところがあり現在は更新停止してます。ポイピクにも同じ絵➕気に入らなくて消した絵載っけてますがブルスカにはポイピクのURLすら貼っていなかったと思うので一応、同一人物ですよ〜とだけ。推しを推す皆様に幸あれ!💐とはいえ描かなくなった=もう推してない&動画を見てないという訳でもなく、私生活内で使える時間的に全部は追えないので、どうしても摘み食い的にはなるうえ大昔から基本的に見る専なので陰ながら応援のスタイルにはなりますが、一視聴者は継続中。これは以前大変お世話になった界隈の船長♡🏴☠️や、FAは描いてないけど実は推してる界隈(🌈🕒のうづコウやTOP4ほかect)にも言える。実況やVの視聴は学生時代から継続しているものなので、表立ってFA描くことは無くなっても今後もずっと好きだろうなあ。
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ほなばいに���ら〜🌻🐈⬛ (2024/03/25)
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御茶ワールド「ここが表版仮想大鉱山のメンバーが入ったきり籠っている封鎖ビルだね」
〜レンタルヒーロー業開始〜
高級ゴールドデューク/バズー「ピクピクッあはははは 俺は大物だ、(ガタガタガタガタガタ)」超電チャブル「早速精神崩壊してるクズ発見」御茶ワールド「頭に留めてほっとこう、😬」
二人が探索してから15分、ある謎の女の子と出会う(主人公達は思った、このミステリアスな雰囲気は只者ではないと)
御茶ワールド「さっきフェイグランドの幹部が精神崩壊してたけど君何か知ってる?」謎の女の子「私が善良でしか例えられない感情を起こした」超電チャブル「(あいつらに救いようはない)。……💡、もしかして血の繋がりがある存在だけを苛めた事だけ覚えたままにして他人や大物だけを忘れさせて一方的に嗤った?」
謎の女の子「これから睡眠をとっている間の霧島04の記憶をいじるの。プライドを傷つけて自己矛盾を生ませる為に、捕獲はすんでる 後は一方的な暴力で荒療治」超電チャブル「つまり良心に見える恥の部分で改心させると?……うまくいくかなあ…あいつマジで頭おかしいからとんでもない屁理屈こねるよ オムニバス形式みたいな存在のゴールドバズー達より異質だから」御茶ワールド「※やつは表版仮想大鉱山みたいな焼き直しの有象無象とは違います」 二人はもう時間がないと説明されて、どんな��り方でやるのが効果的か聞かれた
謎の女の子「みっともないわねwww改心したら少しはマシになるのに」
レッドラバ「いつの日かお前を殺す日が来る。必ずな」
謎の女の子「ばーかwwwお前をいじめたA達も私も痛くも痒くもないよ?口先だけで恥ずかしくないのかな?」
レッドラバ「まずは心からだろ?強さは後から手に入れればいい。家族やペットしか殺せていなくたっていつか他人の大物を殺せるさ {{{勝ちたいと勝てるは、きっと一緒だよ(ニチャア❤️🔥)}}} だから自分が情けないなんて思えないよ。お前みたいなのに弄ばれたら俺と一緒に育つ、より弱い家族だけがまたあおり食うだけなんだよ(赤き真実)」
ピシッバリバリバリバリ‼️‼️ 封印は解けた。
御茶ワールド「下がって!こいつの周りには”””””真の裏ストボス”””””しか比較対象が居ないんだから格落ちするなんて当たり前だよ何もおかしくない。それでも敵は想像以上の化け物 表主人公の俺達より遥か上。だから逃げるよ」
謎の女の子「……本当に、誰も敵わないのね。表版仮想大鉱山の方がずっと青臭いじゃない)」
霧島狩魔「いいや、敵うやつなんて沸くほどいる。パラレルワールドの獅童正義さんが相手にしたのは全世界を騒がせた怪盗団ファントム。一人残らず現実で殺害するチャンスは幾らでもあったのに狡賢さの短所をオールカバーする傲慢さが、勝ち続けてきた根幹となるリーダーシップで不運の積み重ねを引き起こし、結果改心させられた。兼ね備えた溢れる才能が元で洗脳されてしまったら泣くしかない(自分が自分じゃなくなるんだから)」
主人公二人「(やばいいつもの絶対悪のペースが始まった。本当によく喋るよな(・・;))」謎の女の子「つまんない話しは無視してこそこそと立ち去る💦」
無印04「俺達は経験値にしかならない雑魚に恵まれていただけなんだ。シックスさんが前世で相手にしたのはネウロだよ??、チートフィクションがリアルに来てしまったら仕方無い しかも終盤辺りの所で主役二人それぞれを二手に分かれて追うメンバーが逆だったら普通に勝っていた。ゾディアさんが負けた理由は自分を信じてたからだ 自らが弥子ではなく強者だと考えているネウロを屠ろうとしたプライドの上位を意味する魔王の資質が仇になったらどうしようもない…ダメなんだよ、無理に決まってるけど、ちっぽけな俺が、自分が超えなきゃ」
主人公二人&謎の女の子「ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘」
霧島04(裏ストボス)「この野郎逃げんな!待て待て〜〜(゜0゜)」
〜三時間前〜 高級ゴールドデューク/バズー「2ちゃんのフェミババアに言ってやるぜ!!目を覚ませ現実を見ろよwww女ってのは白馬の王子様どころかコミュ障や陰キャ以外なら誰でも手に入るメス豚コンテンツなんだよwww」高級ゴールドクイーン/ガッチャ「それにしても我はワンピースを追いかけ視聴しておるのじゃが、モンキー・D・ルフィが勝ちまくってカッコいいのじゃ。我のメスに対するような男の優しさと芯の強さが伝わってきおる」高級ゴールドキング/バラバズー500F「それに引き換え……ハイエナのベラミーは終わってると思わないかね?」ゴールドデューク「あいつよえーんだよ、本当の悪って奴を教えてやりてえわザコが、あ〜あ。ルフィとゾロに勝ちを諦めさせて無抵抗にして一方的に痛ぶってやった時が全盛期だな。チッ!何が2年後に変わっただよ、真の勝利を手に入れたのはこの時だけなんだからな(黄金の真実)」
漫画とアニメの負けが定まってる悪役に共感する現実の存在はいつだって善良な人間、モデルとなった現実のクズに限って心の底から自分の分身として生み出されたキャラクターを馬鹿にして何も学ばず嘲笑う。彼らにはカッコいいか、強いか。そんな事しか見えていない
“””霧島04”””はこれ以上に終わっている。騙されてはいけない ベタ褒めは確かにある絶対的な現実でしかない。だから守るべき弱者にはもっと残酷な事も言える(赤き真実)
賢者の預言書「野比のび太君より小さいチンコを武装色の覇気で固めると、何本目に死ぬかな〜?と言いながら女性の腹のあちこち50か所に突き刺して遊ぶ頭のおかしい奴が産まれる(大量のバイ菌が入って刺された穴から腐った糸を引く死体が幾つも出来上がった)。それは空前絶後の純粋硬派柱を司る申し子 鬼難バラワッシャの最上個体」
今回の後日談➡︎ 御茶ワールド「いや〜のっけから大変だったかも😵」超電チャブル「なんだこの映像?」チー牛「ゴミクズのディストピア自慢です。最後まで観たら通報します」ゴールドバラバズー500F「お邪魔させて貰っているのだよ、劣化ラオウコンビ(笑)」
〜ビデオ〜
高級ゴールドキングが操作する女子中学生(15)「女の子って筋力が男性の身障並にない性能がデフォルトなのよ?🧡 」G(グランド)「それでもこれから何百本もの肉棒をしなやかなスジで気持ちよくしなくちゃいけないんだゾウ💛」〜現在〜 防聖孤島「おいみんな、ポケモン程尊く無いにしても女性の人生の敵を討つぞ。例の音楽かけろ🖕😡👎」 キモオタ「ガッテン承知の助🌟」カチッ☠️
〜ビデオ〜
ゴールドバラバズー500F(女体操作)「そうやって私達下等生物を見下しながら貧弱な後ろ手を掴んでいっぱいするんでしょ?ハメハメ💛」もみっもみ🧡⤴︎ ゴールドバラバズー500F(女体操作)「んっ💛(���゚シャッ///) あ、あッ🧡」 クリクリッ🧡 スリスリスリスリwww ゴールドガッチャ「これはお手て、ふむふむ……これは…チュパチュパされる為の母性の象徴…に、ピストンの度に揺れる柔らかい太もも🧡そして、最後に調べるこれが、❕ッ」総勢「ペニス様を喜ばせるッ!おマンコ!(笑❕)!」グイッ🧡パンパンパン★ ゴールドバラバズー500F(女体操作)「ちょっとッ?何の取り柄もない身障には優しくしなさいよ💛はあああ、あ、あ、あ/// 誇り高き乙女の赤ちゃん部屋がキモデブペニスから攻撃を受けている‼️」ゴールドガッチャ「こいつ知恵遅れなのじゃあ〜w、貴様はもう薄汚れて恋愛的価値も失った肉便器なのじゃぞ?ww……… ビュルルルルルーーーッ🧡 ほっほっほほぉ💛(笑)
もう使用済みには何の価値も無い(真顔)」
チー牛「僕達はカモネギ様に敬意を払って調理させて貰っています」キモオタ「増して俺達のような誇り高き猪の一族は宝魔 端武者の大幹部程度に従う気はない」高級ゴールドキング/バラバズー500F「言ってくれるではないかね。我々の食用ポケモンinデスゲームの娯楽を理解できない愚か者だったとは(笑) そんなに慈悲深いならベジタリアンとして生きたまえw」超電チャブル「お前本当にわかってねえんだな」御茶ワールド「人類の祖先は肉を食べて進化してきたんだよ、そんな事言って退化するリスクを背負えって??」超電チャブル「御茶ヶ滝みたいに生物学の基礎くらい勉強しろよ。カモネギ殿とヨワシ様は俺達の命なんだからよ。肉がなきゃ幸福ホルモンが枯れて自殺するのがたかが人間ごときだ(黄金の真実) ラオウ様はラーメンを食べる。強くて優しいから、男の中の男だから、霧島04がビビらなかったんだ(赤き真実)」
高級ゴールドキング/バラバズー500F「ああそうかね、せいぜい会話の刺激が無い下等生物とお幸せに。我々は性奴隷と幸せに暮らすよ(ぺっ)」
プルルルルッ(電話音) ガチャ★ キモオタ「ええと、秘密結社ゲゼルシャフト様ですよね?ああ、はい。害悪な人を殺せる阿部鬼を、…表版仮想大鉱山に派遣して欲しいんですけど……え?色違いのアルセウスの提供者B(バグ)への借りを倍にして返す?ありがとうございます。ポケモンがよく懐いてるエレクトロ・ゾルダート様が誘導作戦をとるんですね分かりました」ガチャ🌟
表主人公二人&複製電脳軍要塞メンバー「もうどれだけ逃げれば良いんだよ四面楚歌ヽスタコラサッサ〜( ̄д ̄;)ノ=3=3=3」
ゴールドバラバズー500F「我々に土地を差し出すと言うのかね?それならそうと」踵をクルッ★
❓❓❓「やらないか?」
300時間連続アッーーーーー‼️‼️‼️(肛門裂傷)‼️‼️‼️
霧島04の涙はラオウ様の小便より汚い(赤き真実) 、それと同様に
ゴールドバラバズー500の脳味噌はラオウ様の大便より全くもって価値が無い(黄金の真実)
おまけ⤵︎
防聖孤島「まさかこんな所で修行する事になるとはな。今回紹介してくれる訓練はなんだ?」
知球GrassShining2 キモオタ「茶々松ブラザーズ軍団。ヤツらは腕相撲でこちらを負かした後に弱すぎるね、才能が全てなんだよwwはは。と馬鹿にしてくる その瞬間にトレーニング器具の数々が神のような光を帯びながら君臨をして君達は無駄な努力と煽られる中で成長するコンテンツだ」
ダーン!!!(御茶ヶ滝の勝利)
茶々松君1号「はは、所詮腕相撲だよw」 超電波油「負け惜しみか?それすらできねえのがお前だ」茶々松君2号「僕には勝てないよwwその兄は最弱と言っていい。ははw」御茶ヶ滝「何い!より優れた弟がいただって!?😱」
ダーン‼️ 超電波油「次❗️ 」
茶々松無数兄弟「ゾロゾロゾロゾロ⭐️🤩⭐️」表主人公二人「え、🥶」
新しくガンガン増える茶々松147番目の兄より強い新型弟「その通りだよ。はは、無駄な事をよく頑張るね」超電波油「テメェも超えてやる‼️」 〜しかし遂に負け三日間、サンドバッグを使ってスパーリングに筋トレを重ねて能力値で上をいった表主人公達〜 茶々松148「ザコな旧型兄に勝っても無駄だよ。僕は更に上を行く(ドヤ)」防聖孤島「それも通じないぜ!ズバーン‼️」※彼等の伸び代は無限大の為、ここから70人増えた弟達を連続でボコボコした 〜3分後〜 御茶ヶ滝「茶々松くん無限ブラザーズ修行飽きたね(ーー;)」 超電波油「こいつら虫けらだろ。生産が追いついてねえ、重大な枯渇問題だぞ」知球GrassShining1 チー牛「二人とも強すぎです…この拠点の住人なら、僕達についていけない設計ではないのですが……」知球GrassShining4 パワー系池沼「怒りの力で体を鍛える上級者向けの安価なトレーニングルームなのに無双物になってるww」御茶ヶ滝「そう言えば、どうしてみんなは夢いっぱいあるこの世界線で強くなろうとしないのかなあ?😶」知球GrassShining3 細デブ「無茶いうな、人口の0.001%以下しかいない無限成長型のお前らと違ってそれは一生叶わない夢なんだよ」超電波油「夢がある世界って弱者には更に残酷になるんだな)」
複製電脳軍要塞の住人達「今回の件は絵になるほど良かった、君達イケメンだし筋肉質だからモテまくるよww」 テレビのインタビューの前で 御茶ヶ滝「あー、俺そういうの興味ないから」 (目を閉じながらツンと澄ました態度をとる表主人公の片割れ。そうしてオカズにされながら夜が明けた
御茶ヶ滝「複製電脳軍要塞では繰り出す攻撃を強力に思い込むイメージするのが大事だよね」超電波油「これ考えてみるとアニメや漫画で影響を受けたパワー型ってのも意外と悪くねえよな。さっきのコンテンツが限界のある器に入った住人でも攻略できる理由はこれか」知球GrassShining1 チー牛「そうなんです。NPCと違ってより重要な対人戦では相手が恐怖した分も威力が上乗せされるから初対面で慣れられてない内は誰にでも有効ですよ」防聖孤島「だから俺は鋭い斬撃で攻めようと思う。ところで……前々から度々聞くリベンジブラックジョーカー検定。何を盗む予告をするか決めたか? 俺達は初めてだからあんまり高価なのは狙わないつもりだ。」知球GrassShining1 チー牛「コーラ」御茶ヶ滝「可愛い🤭」
続く
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サブリミナルでオリンピックエンブレム大不運
趣味と苦悩
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東京五輪エンブレムで佐野さんって人がメチャ怒られてて、マジ不運だと思う。
私があのオリンピックのエンブレムを作ったとして、まず考えるのは『エンブレム一回使われるごとに30円くらい金もらえそうだから1万回使われたら30万かーとりあえずアマゾンでプラモ12個買うぜ』みたいなことだと思う。もちろん塗料もふんだんに買う。なぜ12個なのかを説明しておくと、毎月ひとつ作るからです。それでプラモが届いたら、関連商品に復刻されたマイティーフロッグとトマホークが出てくるから、次はラジコンを買うと思う。どうせエンブレムで金入るだろって思ってるから絶対に注文する。お母さんに怒られるかもしれないけど、俺が東京五輪エンブレムだッて威張って切り抜けることができる。これは俺の場合だけど佐野さんも似たようなもんだと思う。佐野さんの場合は風貌がワガママっ子っぽいから、余計なものを買ってもお母さんは怒ってこないけど、奥さんが怒る。だけど佐野さんは「俺がオリンピック金メダル東京五輪エンブレムだッ!」とか絶叫して勢いでプラモ24個買うしゲームも買いまくるしこの夏の縁日には金魚すくいも10回連続でした可能性が高い。あと私も佐野さんも、買ったプラモはタミヤのものです。
この様に最高の日々を満喫していたところ、翌朝なにも知らずに起床すると、インターネットでメチャ怒られてるっていうのはマジ最悪だと思う。寝起きでよく分からねぇけど、みんながお前さっさと謝れドカスがって怒っている。ムシってりゃそのうちみな忘れるだろ放っときゃいいんだよって俺なら思うけど、偉いオッさんとかも血相変えて責任押し付けてくるし、もう謝罪するしかねぇってなって謝罪したものの、謝罪したら謝罪したで今度はお前今更謝って許されると思うのか絶対許さんぞクソがみたいな雰囲気になってくる。どうせ怒られるんだったら謝罪しなきゃよかったよなーって私なら後悔すると思うんだけども、佐野さんはどうなのか?
これだけならまだしも、オリンピックエンブレム大不運はまだまだ続く。よく分からないけど盗むという意味で『佐野る』とかいうゴミムシそっくりのクソサムい表現まで登場、佐野さんは別にサムいこと言ってないのに、常時クソサブ人間みたいになってしまった。本当に最悪としか言い様がない。
佐野さんも仕事をしているから、やりとりしている会社に出向くことがあると思う。そこで偉いオッさんと会話なんかをすることになるわけだけど、オッさんというものはウザい。OL(オフィス・レディー)の山本さんがお茶を出すとオッさんは「山本クン、瞬間接着剤を持ってきて」などとホザき、瞬間接着剤で湯呑みを机に固定、「ホラ佐野られると困るだろ、山本クン、佐野られると困るから俺は湯呑みを接着したのよ」などといつのまにかポケットに入っている塵芥のようなユーモアセンスを山本さんにアッピール、山本さんの舌打ちが聞えるなか打ち合わせなんかをするんだけど、佐野さんは瞬間接着剤で固定されてるの忘れて茶を飲もうとして前につんのめって机で頭を打ったりする。オッさんは「ホホー佐野るの失敗ですな、我が社のセキュリティーは万全だってわけかワッハッハッハー」などいった愚にもつかんコメントをなし、山本さんはこのクズ野郎の顔面の形が変るくらい殴りつけてやろうか、あと佐野もさっさと帰れよマジウゼーと思いながらも曖昧な笑みを浮べるのであった。
こういう風に佐野さんは、本当にかわいそうな状況にある。もうひとつの佐野さんの不幸として、日本はデザインというものが、理解されにくい土壌であるという点を挙げることができる。西洋では食前酒から、前菜、主菜、デザートと続き、コーヒー、食後酒というように時間に沿って推移していく。これは不可逆な流れで、デザートの後に主菜を食べる気にはなれない。なぜならそういう風に料理が設計されているからだ。ところが日本では、食事に明確な時事系列も中心もない。あってもゆるやかである。
一番分かりやすいのは鍋料理で、ダシ汁さえあればあとは具材を放り込みながら、いつまででも食べることができる。『鍋奉行』という言葉からも分かるように、調理すら食事の中に入り込んでしまっている。もちろんこれは料理に限った話でもなく、宗教もはやり同じで、キリスト教に産れ変わりはない。この様に西洋の文化では、時間が戻ったり循環したりすることがない。
デザインは、特定の機能を実現するために存在する。機能を実現するプロセスには、時間の流れが存在する。時間が戻ることのない西洋文化の中で生きている人々は、体感的にデザインを理解できる。ところが中心のない日本の文化で生きている人々は、デザインの意味をなかなか理解することができない。明治時代、西洋の学問を受容する際にも、デザインは芸術のおまけとして扱われている。最初期だと詩と絵画すら同じようなものとして認識されている。これは文人画なんかの影響もあるのかもしれない。
日本というのはこういう文化風土を持っていて、だから「デザインなんて人の好き好き」といった不思議な意見が普通に交わされてしまう。良いデザインは絶対のもので、好き好きなわけがないのだが、今の佐野さんが置かれている常に怒られ続けるといった状況はみんなが大嫌いだと思うし、こないだテレビを見てたら、佐野さんの顔がバーンって出てきて、こいつがデザイン盗用しやがったみたいな雰囲気の番組をしていて、人権がかなり薄味でヤバかった。だから私は個人的には佐野さんは本当に運が悪いよなって思ったし、佐野さんのことを庇うようなことをしようと思いました。あといろいろ分析みたいなことも書いたら、頭良さそうにみえるなって思った。だからサンフランシスコ?の山小屋みたいなところ(格好良い感じの家? 別荘?)で、この文章を書いています。なぜそんなことをしているのかというと、みんなからこの人は優しい上に、鋭い分析をする偉い人だと思われたいからで、そろそろみなさんがこの人は優しい上に鋭い分析をする偉い人だなと感心しはじめている頃合いだと思う。まあそれ程でもないんですけど、みなさんがそう思ったのなら、そうなんだろうなと私は思います。
それでテレビの話に戻るんだけど、とにかくテレビ見てたら佐野さんって人の顔がバーンって出てきて、こいつがデザイン盗用しやがったみたいな雰囲気の番組をしていてヤバかった。この国に正義はないのかと、私は怒りに燃えたわけだが、ところでみなさんはサブリミナル効果というのをご存知だろうか? 映画が映写されているスクリーンの上に、コカコーラのスライドを1/3000秒ずつ5分ごとに繰り返し二重映写するとコーラが売れるというものだが、佐野さんの場合は5分間ずっと写ってる。これをコーラに換算すると、計算するのが面倒だからだいたいで書くけど、サブリミナル映像の3000倍x5分くらいの勢いでコーラを買ってしまうということになる。だから私も佐野さんが泥棒だとは思っていないけど、サブリミナル効果でうっかりこいつ泥棒かって思ってしまう。
少し話は変わるんだけど、私は3年ほど前に、自転車を盗まれました。まだ犯人は捕まっていないが、ここにきて容疑者として浮かび上がってきたのが佐野さんである。なぜ佐野さんなのかというと、あまりにテレビで佐野さんがデザインを盗んだ盗んだと騒いでるから、サブリミナル効果によって俺の自転車も佐野さんが盗んだんじゃないかと疑い始めたという経緯がある。私の自転車は一五年くらい乗っていたもので、かなりボロかった。佐野さんは頑張って仕事をする人だから、自転車くらいすぐに買えるくらいには、収入はあるだろう。だから私の自転車を盗んだのはまず佐野さんではない。それは頭で理解できるんだけど、ついつい佐野さんを疑ってしまうのがサブリミナル効果の恐しいところだ。
私の意見だけど、佐野さんは東京五輪のエンブレムは盗作していないと思う。他のはいろいろあったんだろうけど、まあ悪気はなかったんじゃないのかな? だけどテレビで佐野さんはすぐ盗むとか放送していたし、私の自転車を盗んだ犯人の可能性は高い。テレビが嘘言うわけないからなッ! 謝罪している暇あったら俺の自転車を今すぐ返しにこいよ馬鹿野郎がと言いたいところだが、私の自転車を盗んだのは絶対に佐野さんではない。世界中の人間が佐野さんが犯人だと決め付けたとしても、私だけは佐野さんを信じている。そんなにみんなが疑うんだったら、3年前に俺の自転車が盗まれた日になにをしていたか、佐野さんに聞いたら疑いは晴れると思うけど、アリバイなんかいくらでも偽証できるからな、お前絶対に許さんぞってなるけど、私の自転車を盗んだのは近所の大学生だと思う。大学生の半分は人間の屑だから、もう犯人は大学生で確定ってことでよいと思う。でも3年前に佐野さんが大学生だった可能性も否めない。つか玉川?とかそういう美大で先生してるらしいな、大学生の半分は人間の屑なんだから、クズの総元締が俺の自転車盗んだに決ってんだろ絶対許さんぞといった様に、サブリミナル効果は人間を壊してしまう。あまりの危険性から米国連邦通信委員会で公聴会が開かれ、サブリミナル広告は禁止されることになった。日本では1995年に日本放送協会(NHK)が、1999年に日本民間放送連盟が、それぞれの番組放送基準でサブリミナル的表現方法を禁止することを明文化したという噂すらある。佐野さんの取引先のオッさんがサブリミナル効果によって、佐野さんは佐野るから瞬間接着剤で湯呑みを貼り付けなきゃーなどとホザくのも致し方なしといったところであろう。
そんな疑惑とはどうでもいいとして、未だに佐野さんの不運は続いている。奥さんから毎日ローキック喰らわされながら「おいエンブレム野郎、お前この大量プラモどうすんだよ、作れよダボハゼが」とか罵倒され続けてると思う。小柄な女性とはいえ同じ位置ばかり執拗に蹴ってくるからダメージが蓄積されて、すでに足腰立たない状態になってる可能性があるし、とにかく悲惨としか言い様がない。私の自転車を盗んだ犯人は未だ不明だし疑わしい人間は1人しかいないが、この短期間で佐野さんは普通の人が人生で怒られる総量の5倍くらい怒られてるし、もう十分に罰は受けた気がする。
そういや私はこの文章を、佐野さんの状況が酷すぎるから擁護しようと思って書き初めたんです。だけど下手に擁護して頭に血が昇ったアホが突進してきて、俺まで怒られたら嫌だよなーなどといった人間として至極当り前の損得勘定���発生し、途中で佐野さんにちょっと説教するみたいなことも書いとくかとか思った。そうこうするうちに、私の盗まれた自転車の事を思い出し、書いてるうちにムカ付いてきたというのもあってこういう結果になりましたが、どうして俺はこうなのかな……好意でやったことなのにいつもみんなが嫌な顔をするんだなどといった、惨憺たる気持になりました。この様にサブリミナル効果と自転車泥棒は人間の心を壊してしまうわけだが、ボロいし誰も盗まねぇだろといった雰囲気で自転車に鍵をしてなかった私が悪いと思う。
無施錠は 無法地帯の 薔薇の花 2重ロックで 守ろう自転車
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第2話「地(とし)上」
目覚めた先に見えたのは、暗闇に染まった無機質な天井だった。左右に視線を動かし、シンプルな照明器具があるのを見つけて、ここが自室でないと思う。その直後に、自室を最後どころか、地下都市クーニャを出たのだと思い出した ゆらぎは、がばりと慌てて起き上がる。
身体の軽さで、クーニャを出るときに着ていた上着が脱がされていることを知る。そろりと、暗闇の中で少し手を伸ばした先に、上着は丁寧に畳まれて置かれてい���。
掴んだ上着を身につけつつも、暗闇に慣れた視界は、現在地を把握するのにそう時間は掛からなかった。と言うよりも、随分とシンプルで物がない部屋だったのだ。
窓に引かれた濃い色のカーテン、彼が寝ているベッドも似たような色合いだ。部屋の片隅に積まれたのは、頑丈にそして入念に封をされた無機質な��がいくつか。それだけがあった。それしかなかった。
ゆらぎはベッドから静かに降りると、窓際へと移動する。夜闇の冷たさを吸い込んだカーテンを掴み、隠された光景を広げた。
「うわっ」
ガラスのキャンバスに映り込む外の景色に、驚きの声をあげる。
そこに広がっていたのは、光の洪水であった。
地下都市クーニャでは見られなかった高層ビル郡。それらの間を通り抜ける幾つもの光が流れる道。ギラギラと輝くのは車か部屋の灯りか。消灯時間になれば真っ暗になっていたクーニャとは対照的な光景に、ゆらぎは一歩後に引く。
その時、来客を告げる音がした。ついで、慌ただしい様子の足音が、部屋の外ーーおそらく廊下を駆け抜ける。聞き覚えのある声がしたが、その内容まではさすがに聞き取れなかった。
ゆっくりと、そしてこっそりと部屋の扉をゆらぎは開ける。ほとんど音はせず、来客と家主の会話は止まることなく進められていた。
「新人を列車から連れ去った上で、イカロスに直接乗せるとか馬鹿じゃねーの!」
「うるさい。結果的にペティノスたちを殲滅したから良いだろう。大体お前だって、ノリノリで組んでたじゃないか」
「まさか、移送中のまっさらな新人のことだとは思わないじゃねえか。直接搭乗は禁止されてる。それを、兎成姉妹のイカロスにわからないよう小細工までしてやったことにオレは怒ってんだよ」
「だが、あれをしなければまず間違いなくペティノスを削りきれずに、犠牲者はもっと出た。左近だって、まっさらな何も知らない新人を尊い犠牲とやらにはしたくなかっただろ?」
「それはッ」
そこで来客者は押し黙る。わなわなと握る手を震わせてはいたが、それでも怒りを相手にぶつけることはしなかった。
ゆらぎは、そこまで聞いてようやく来客者の男が、あの黒のイカロスから聞こえてきた声の主だと気付く。そして、家主と思われる人物が、ゆらぎをイカロスで連れ去ったあの痩せた男だとも。両者ともがどこか似たような声質で、髪型や目の色などは違うが、それでも面影が重なる不思議な感覚に支配された時、第三者が現れた。
「はいはーい、右近も左近も夜中に大声で怒鳴りあうんじゃないの。あんまりにもうるさいと、獅子夜くんが目覚めるよ?」
先程まで言い合っていた二人とは違う、落ち着いた声。けれど、茶目っ気も含まれた言い方に、右近と左近の二人はムッとした表情を浮かべる。
二人の間に、文字通り床から浮き上がるようにして登場したのは、イカロスの中で現れたエイト・エイトと呼ばれる人物だった。その身体は透けており、彼がAIで、現れたのがホログラムだと分かる。
左近と呼ばれた来客は、少し落ち着きを取り戻したようだが、それでも言いたいことはまだまだあったようだ。
「だいたい、エイト・エイトも右近の無茶振りに応えるなよ。めろり教官だってカンカンに怒ってたし、ユタカ司令官も」
「あー、はいはい。うん、左近の怒りが治らないのはよーく分かった。オレちゃんだって、まずいなぁって自覚はあったさ」
「だったら、なおさらやるなよ」
テヘッとふざけたポーズをするエイト・エイトに、遂に毒気が抜けたのか。項垂れる左近に対し、エイト・エイトや右近は大して反省している素振りもなく、また慰めることすらしなかった。
がくりと膝をついていた左近は、そこでようやくゆらぎの存在に気づく。お、と顔を明るくさせた彼の様子に、右近もまた後輩が目覚めたのを知ったらしい。エイト・エイトだけは、肩をすくめた後に、パチンとウィンクをして、その場から消えた。
「よー、起きたんだな」
馴れ馴れしく近づいてくる左近に、彼がこれまで接したことのないタイプだったゆらぎは身体を固まらせる。
白い髪と桜色の目。けれど面立ちは右近とよく似ているし、痩せ型であるところも同様だ。色だけが違うだけで、あとは殆ど一緒であることに違和感がある。人間のクローンは違法であるが、ペティノスの一件を黙っていたこれまでのことがあるからか、ゆらぎはその説を捨てきれないでいた。
「獅子夜ゆらぎ、だっけ? お前すげーな、ダイブ直後だったんだろ? それであそこまで乱戦に対応できるなんて、本当天才だな。なぁなぁ、オペレート中の景色どこまで見えたんだ?」
ゆらぎの肩を組み、矢継ぎ早に繰り出される左近からの質問。それらに答えるだけの度胸もなく、ゆらぎは視線をきょときょとと不自然なほどに、あちらこちらに向けた。
その様子が、あまりにも哀れに思われたのか。右近から助けが入る。
「左近、獅子夜くんが怯えている。一旦、離れろ」
「えー、親睦だよ、親睦。右近だけでなく、オレとも仲良くなろうよ、獅子夜くーん」
「だから、獅子夜くんは、まだ俺たちのことを知らないんだ。お前だけでなくて、俺のことも、この場所のことも」
そこまで言われて、左近の動きがピタリと止まった。
「え? マジ?」
「大マジ」
確かめるように、か細い声で左近が問いかければ、重々しく右近は頷く。その答えに、左近はゆっくりとゆらぎの肩から手を引いた。
「……自己紹介も、もしかしてまだ?」
とんでもない相手をみる、怯えるような左近からの問いかけに、ゆらぎは無言で頷く。その様子で現状を客観的に見た左近は、右近に近づくと、彼の頭を叩いた。
「この大馬鹿野郎が! 完っ全に誘拐犯じゃねーか!」
そのまま右近の頭を床に押し付けようとする。が、右近は右近でそれに抵抗しているようだ。十数秒の攻防だったが、右近が左近の脛を蹴り飛ばしたことで決着がついた。
床にうずくまる左近を放っておいて、右近がゆらぎに近づく。そして、ゆっくりとした丁寧な口調で自己紹介を始めた。
「今更ではありますが、自己紹介を。俺は神楽右近(からき うこん)。君を連れ去った張本人であり、あの青のイカロス、つまりナンバーズ五番のパイロットです」
そこまで一息に告げて、右近はぎこちなく握手を求めてくる。ゆらぎもまた、ぎこちなく握手を返した。互いにその手は冷たい。
続けて右近は説明する。
「ここは、俺が住んでいる家で、獅子夜くんがいたのは……君用の部屋のつもりです。本当は新入生は寮に入る規則なのですが、ここはナンバーズ用の宿舎なので、多少融通は効くと思って、連れてきました」
それと、と続く言葉にゆらぎは首を傾げる。
「そこにいる、俺とよく似た男は神楽左近(からき さこん)。察していると思いますが、あの黒のイカロス、つまりナンバーズ六番のパイロットで、俺の双子の兄弟です」
ゆらぎは双子という言葉を初めて聞いた。
地下にいる人類は全員、統一マザーコンピューターによって、ガラスによく似た材質の擬似子宮から生まれる。ランダムに選出された卵子と精子が受精し、擬似子宮に着床。その後十ヶ月ほどかけて生まれ落ちた胎児は、血縁関係にない、統一マザーに選出された二人組の親の元で一定期間育てられるのだ。
ごく稀に、何らかの事情で兄弟姉妹の関係になる子供たちがいるらしいとは、ゆらぎもクーニャで聞いているが、双子の兄弟はどういう意味なのかと戸惑う。
「どーも、神楽左近デス。��の大馬鹿野郎とは双子デス。双子なのを後悔してマス」
先程まで床にうずくまっていた左近は、恨めしげな声で、右近の背後をとる。ぎりぎりと首元に腕を回し、大馬鹿野郎の評価に反抗する右近を押さえつけた左近。両者の表情はまるで違っていたが、それでもそっくりに近かった。
「あの……双子ってなんですか? クローンとは違うんですか」
ゆらぎの質問に、気がついたらまた一戦交えようとしていた二人は、動きを止める。
「あー、そっか。そうだよな、普通は双子なんて見ないだろうしな」
「俺だってここに来るまで、左近の存在を知りませんでしたからね。もしかしたら、双子は別の環境で会わないように設定されているのかもしれません」
「可能性あるよなぁ……たまたまオレたちがここにいるっていう、滅多にないというか、とんでもない偶然があったから、話が広がってここ最近は双子の説明をする必要がなかったんだもんな」
そこまで互いに確認し合ってから、右近から説明が入る。
「ええっと俺と左近は、全く同一の受精卵から発生してます。とある受精卵が二つに別れたのち、別の人間になっていったのが双子、というわけです。統一マザーへ情報の確認をしましたが、俺と左近は二つに別れた後に、そのまま同じ擬似子宮で成長を続けます。その後、健康状態に不備はなく、無事に生まれ、全く違う親の元で育てられました。説明した通り、同一の受精卵なので同一の遺伝情報を持っていますから、結果瓜二つの人間となるわけです」
「え、でも髪色も目の色も違いますが」
ゆらぎの疑問に、カラリとした笑顔で左近が答える。
「それは、オレが脱色してカラコン使ってるだけ。元々は右近と同じ色合いだったんだ。オレも右近の存在を知ったのは、この『都市ファロス』に来てからで、お互いあまりにもよく似ているもんでな。周囲が間違えて間違えて、すっげー面倒になったから、じゃあカラーリング変えちまえって。その結果これよ」
「双子といえど、別の人間ですからね。進路適正には性格も含まれますが、まさか双子が揃ってイカロスのパイロットになるとは思わなかったのでしょう」
「さすがに、めろり教官や他のAIは間違えなかったから良かったといえば、良かったけど」
「替え玉試験はできなかったですけどね」
「そこは惜しかった」
うんうんと腕を組み合って頷く動きがシンクロしていることに、これが双子なのかぁ、とゆらぎは妙な感想を抱く。そして、二人がゆらぎを見つめているのに気づくと、今度は自分の番なのだと悟った。
「えっと、獅子夜ゆらぎです。クーニャのエリア6出身……というか、今回の卒業はエリア6の番なので、ご存知かと思います。兄弟はいなくて、両親と暮らしていました。あとは……その、特には」
他に何か言うことはあったかと空回りする思考の中、「よろしくな!」と左近が肩を組んでくる。おずおずとゆらぎは「よろしく……お願いします」と二人に改めて挨拶の言葉を告げる。
「ええ、よろしくお願いします」
ようやく家主であり、正体不明の相棒である右近の表情が和らいだのを見たためか、ゆらぎの体から力が抜ける。
その瞬間、盛大な腹の虫の音が鳴った。
「……」
「……」
音の出どころを確認する双子に対し、ゆらぎは顔を真っ赤にさせながらも俯く。
「食事にしましょうか」
「そうだな」
「あの……本当にすみません」
右近と左近の「気にするな」の言葉が重なった。
こっちです、という右近の案内で、ゆらぎはリビングへと案内される。彼の一人暮らしというには、テーブルやソファなどは広々と置かれていた。
ゆらぎは案内されたダイニングテーブルとその椅子に座る。
「エイト・エイト」
右近の呼びかけにAIが再び姿を表す。今度はエプロンを身につけたホログラムで、完全に主人の用件を把握しているようだった。
「はいはーい、夜食だね。獅子夜くんだけでなくて、右近と左近も食べるかい?」
「ええ」
「お、エイト・エイトの夜食だ。やった、ラッキー」
じゃあ、少し待っててねー、とキッチンの方へ向かうAIと、その様子になんの疑問も抱かない双子の様子に、ゆらぎは一拍だけツッコミが遅れた。
「え、いや、AIのホログラムって料理できませんよね!?」
「エイト・エイトは起動してから長いもので……ああ言った小芝居をよくするんですよ」
ゆらぎの言葉に、あっさりと右近は返す。が、そんな理由で彼が納得するわけもなく、苦笑いを浮かべた左近が補足する。
「いや、起動してから長いって理由だけじゃないよ。ほぼ同時期に支給されてるオレのAIに料理頼んでも、温めた料理プレートをテーブルに置かれるだけだぜ。……まぁたぶんだけど、当初この家住んでたオレ含めた連中の世話している内に、ああいう小芝居というか、親みたいな対応し始めたんじゃないかな。料理の好き嫌いが全員極端だったし、いちいち対応するのも面倒な連中だったしな」
懐かしい風景だと言わんばかりの左近の表情に、ゆらぎは困惑を隠せない。
「左近さんも、この家に住んでたんですか?」
「そう。二、三年前に出てったけどな。それでもエイト・エイトの料理はうまいし、たまに食べに来てるぜ」
「たかりにきているの間違いでは?」
「いいじゃんか。右近がちゃんとメシ食ってるかどうかの、確認も兼ねてるんだし」
どうも彼の言葉通りならば、この家には複数人の人間が住んでいたようだ。この広さや部屋数も納得できる。しかし、どうみても今は隣にいる右近だけが住んでいる状況。なんとなく違和感がゆらぎを襲ったが、空腹を刺激するいい匂いが立ち込める。
ぐぅと再びゆらぎの腹が鳴った。
「今もっていくから、獅子夜くん待っててね!」
軽快な言葉と鼻歌交じりで登場したエイト・エイト。彼の周囲には、物理ハンドで運ばれている三つの器があった。
「空腹限界の獅子夜くん用、ごろごろ野菜のスープです。ブイヤベースは、この間調べた改良型を合成してみたよ」
どうぞ、とテーブルの上に並べられた器の中身は、ゆらぎがこれまで見たこともない色と形をしたスープだった。香りもまた、見た目以上に食欲をそそる。
「うまそー」
「ああ、そうだな」
先輩二人がエイト・エイトに一言礼を告げて、スプーンで口にする。その二人の嬉しそうな顔に、ゆらぎはいてもたってもいられずに、スプーンを掴んで食べ始めた。
一口で止められずに、二口、三口とかき込むように、野菜を運び込む。あつあつのスープに、舌がやけどしかけたりもしたが、それでも水を飲んで冷ますと、また次を食べ始める。
がつがつと食べるゆらぎを見て、エイト・エイトは満足そうな顔をした。
「いいねー、こんなに勢いよく食べてくれる子がいてくれると、お兄さん嬉しいなぁ。見てておいしいってのがわかるのは、本当にありがたいよね」
にこにことするAIに対し、何か後ろめたいこともあるのか、双子たちは黙って食べ続ける。それなりに好き嫌いがあった彼らは、それはもう数多くのわがままを、AIに対してぶつけていたのを後輩には悟らせないようにしよう、と無言のまま誓い合った。
「ああ、そうそう。ユタカ司令官から、明日の十時に司令室に来るよう連絡があったよ。獅子夜くんも連れてくるように、だって」
三人が三人とも食事を終えた頃に、エイト・エイトが右近に告げる。その内容に、家主は嫌な顔を浮かべた。
「もう少し遅い時間にはできないのか?」
「だめだめ、さすがに今回の一件は早めに説明した方がいいよ。獅子夜くんだって、これ以上蚊帳の外に放置すべきじゃないし」
「……」
「右近が恐れるものは、AIのオレでも分かるさ。でも、彼はスバルとは違う。彼をスバルと同一視しないって、前に約束したよな?」
「……ああ」
すまない、と口に出した右近にエイト・エイトは満足そうに笑った。
その様子を横から見ていた左近は、からかい混じりに「司令官はめちゃくちゃ怒ってたぞー。あ、でも夢見博士は普段通りで、むしろ直接搭乗の件ですっげぇ興奮してたな」と、ここにくる前の光景を告げてくる。
「憂鬱だがしょうがない。獅子夜くん、明日はファロス機関の本部に……獅子夜くん?」
これまで何も尋ねてこなかったゆらぎを不審に思った右近は、彼の名を呼ぶ。が、それに対しても返事はない。
「あ、これ寝ちゃってるな」
隣にいた左近が、うつ伏せになっていたゆらぎの肩を揺らして、その顔を確認したところ、大変健やかな寝顔を晒していた。
「まぁ、空腹も解消しましたし」
「疲れてるだろうしなぁ……部屋まで運ぶの手伝うぞ、右近」
「ああ、助かる」
今日はオレもこのままこっちに泊まるかなと零す左近は、ふとした疑問を右近にぶつけた。
「どこの部屋だ? もしかしてオレが寝泊まりしてたあの部屋?」
客間に改造されていたのは知っているが、だがこれでは寝泊まりできないかも、と彼が思った矢先に、右近から静かに答えが返される。
「……スバルの部屋だったところだ」
その説明に、一拍だけ左近は動きを止めた。
「……そっか。うん、そうだよな。あそこは、もう誰も使わない部屋だもんな」
むりやり自分を納得させるかのような口調の彼に対し、話はもう終わりだと言わんばかりに双子の兄弟は指示を出す。
「左近は、獅子夜くんの足元を持ってくれ。俺は頭側を運ぶ」
「りょーかい、了解っと」
三人を見守っていたエイト・エイトは、静かにその場から消えた。
***
都市ファロスは、中央に街で一番長い塔があることが特徴である。その塔こそが、対ペティノスに特化したファロス機関の本部であり、その塔からイカロスたちが発射される。
塔の周囲ほど街は発展しており、主要な役所、対ペティノスの防衛学校、さらにはペティノス研究や医療機関も集中していた。
逆に街の外側へ向かうほど、植物園や食肉の合成工場、あるいは交通網が可視化されており、隠されているが街の防御に関連した施設も多数ある。
人々は、そういった施設の合間合間に住居を作っていた。
「というのが、大まかな都市ファロスの構造となります。移動は基本徒歩と自動通路。あのチューブみたいなのは……自動車の一種です。あんまり俺は使わないのですが、知り合いのパイロットの中には、あれのマニアも何人かいますね」
右近からの説明に対し、ゆらぎは「はぁ」と気の抜けた返事しかできなかった。何もかもが地下都市クーニャとは違いすぎて、驚くのも飽きてしまったほどだ。
「で、今からこの塔に登るわけですが、ここはさすがにセキュリティが強固ですので、獅子夜くんは俺から離れないように。ナンバーズ権限で、一緒に司令室まで向かいますから」
「は、はい」
右近が指差す先にそびえるクリスタルのように輝く塔。下の方へはより広がっていて、細長いラッパを置いたような形だとゆらぎは思った。
入り口と思われる場所は無人で、誰もいない。エントランスとも言えない場所に右近は立ち止まる。その横にゆらぎが並ぶと、入り口が一瞬にして閉じ、光が途切れる。完全な闇にたじろぐ彼だったが、すぐに二人の前にホログラムが現れた。
「……ペンギン?」
どういうわけか現れたのは、アデリーペンギンだった。いつだったか祐介がおもしろいと持ってきた映像にあった姿のままだ。
何故と首を傾げるゆらぎに対し、隣の男に驚いた様子はない。
ーーご用件はなんでしょうか?
ペンギンから女性の声がした。合成音特有の、ぶつ切りにされた音に、これまでのAIたちとは違い随分と雑な印象を抱く。ペンギンのくちばしすら動いていない。
「ユタカ司令官への面会を予定している、神楽右近だ。同席者として獅子夜ゆらぎもいる」
ーー音声照合実施。声門に相違なし。ユタカ・マーティンのスケジュールを照会、矛盾なし。未承認の人物がいます。この人物が獅子夜ゆらぎですか?
「ああ」
右近の右人差し指がゆらぎを指した。
ーー獅子夜ゆらぎを登録します。バッジを提示してください。
指示された通りにゆらぎは卒業バッジを掲げる。その瞬間、何か光の線が複数彼を通り抜けていった。おそらくなんらかの光学センサーが、彼の中身ごと分析したに違いない。
ーー登録を完了しました。それでは、司令室へと案内します。
ぴょこん、とペンギンが跳ねて背を向けたかと思えば、一瞬にして暗闇が消えた。
「うわっ、すごい……」
全面がガラス張りの箱のような部屋が、塔の中を上昇していく。何かしら特別な作りなのだろう。都市ファロスが眼下に広がる。
「それなりに機密の多い建物ですから……都市の景観が見られる代わりに、この塔でどれだけの人間とAIが働いているのか一切わからないようになっているんです」
そんな右近の説明を話半分で聞き流しながら、広がる街と覆う空を眺め続けるゆらぎ。彼の様子に、右近はこれ以上の説明は野暮かと思い口を閉じた。
ーー司令室に到着します。
先程の女性の声が響く。再度ペンギンが跳ねて、二人の方を見た。バイバイとジャスチャーのために羽をばたつかせたペンギンが、その場から消える。その直後に見えない扉が横に開き、広い部屋に出た。
大きな窓が都市ファロスを映し出す。その窓の前に置かれた重厚な執務机には、いくつかの画面が浮かび上がっている。全体的に品のいい家具で揃えられた部屋だった。
その中央に、男が立っていた。身長はゆらぎや右近よりも高い。一眼でわかるほどに、鍛えられた体躯だ。
「待っていたよ、神楽右近君。そして初めまして、獅子夜ゆらぎ君。ファロス機関の歯車の一つ、ユタカ・マーティンだ」
友好的な挨拶、浮かべる笑みは柔らかい。けれど、顔や手に刻まれた皺も、白髪に染まった頭も、血のように赤く鋭い目も、全てが年老いた狡猾な重鎮である彼を構成する圧となる。
「今回、君たちを呼び出したのはただ一つの理由からだ。神楽右近君。私は君に尋ねよう。何故、何も知らない新人に直接搭乗などという暴挙をさせたのか」
その言葉でようやくゆらぎは、目の前にいる男が非常に強い敵意を持っているのだと気付いた。
右近が挑発的な眼差しを添えて、質問に答える。
「俺のオペレーターを迎えに行っただけです。あのままでは、まず間違いなく今回の新人は犠牲となった。大多数の命を救うために、強行しました」
その迷いない答えに、ユタカは冷笑を浮かべた。
「そのために、直接搭乗のリスクも説明せずに、たった一人の新人を犠牲にすると? 確かに、事前情報で獅子夜君のオペレーター適正が高いことは事実だ。だが、直接搭乗はオペレーターに過度の負担がかかる。まして、基礎情報を直接的に脳内にインプットする『ダイブ』直後に、乱戦を行うことがどれだけの負担になるのか、長くイカロスに乗っている右近君が知らぬわけではあるまい」
何も知らないゆらぎにも、どのような事態だったのか分かるよう、ユタカが淡々と丁寧に説明を交えて問いかけていく。昨晩あれほど左近が怒っていたのも、この説明を聞けば頷けるものだっただけに、ゆらぎは顔をこわばらせた。
少年のその様子で、ユタカはパチンと指を鳴らした。途端に室内が暗くなる。
「どうも君は、獅子夜君に説明していないことが多いようだ。改めて、ペティノスやイカロス、そして現在の戦況について説明しよう」
ふわり、と天井から三つのホログラムが降りてきた。
一つはペティノス。
一つはイカロス。
最後の一つは、地球だ。
「約百五十年前に飛来したペティノスの正体は、現状分かっていない。彼らの形状も実に様々で、飛来した直後は絶滅した動物を模したものが多かったそうだ。が、近年ではその姿に統一性も法則性もない。ただ、小型なものは素早く、大型なものはパワー重視の戦略をとることは共通している」
ペティノスのホログラムが複数に分かれ、さらに形状が数秒ごとに変化していく。
「ペティノスが攻撃するのは、人類に限られる。数が大変少ないが、その他の動植物に対しての攻撃は、人間を狙うために巻き込むこと以外はないと断言していいレベルだ。つまり、あれらの狙いは人類の滅亡である」
ここまでいいかね、とユタカからの問いかけに、ゆらぎは無言で頷いた。
「ペティノスへの有効な攻撃方法は、必ず存在する人の顔を砕くことだ。砕く、と表現したが、それは銃撃でも切断でも構わない。ただ、顔を破壊しなければ、あれらは再生を続ける。
そして、その攻撃手段として開発されたのが、イカロスと呼ばれる機体だ」
ペティノスのホログラムと対峙するように、イカロスのホログラムが横に並ぶ。しかし、その形状はどこか弱々しく、ただの骨格標本と表現してもいいほどに細かった。
「イカロスは素体と呼ばれるものを基本とし、その周囲の装甲と武器をパイロットやオペレーターの得意とする戦法によりカスタマイズしている。獅子夜君が昨日、搭乗したあの青のイカロスは、乱戦を得意とする機体であり、背に羽のような銃を身につけた形状だ。似たような戦法をとる、黒のイカロスは腕を六本つけてのガンマナイフを用いた超接近戦での乱戦を得意とする。同じ銃を使う赤のイカロスは、長距離戦でのスナイパーのような戦法を。白のイカロスは、剣と銃を使い分ける中距離型だ」
ユタカの説明により、イカロスのホログラムが複数の姿へと変化していく。そこに映るのは、確かにゆらぎが見たあのイカロスたちだった。
「さて、そのイカロスだが、操作にはパイロットとオペレーターという二人の人間が必要となっている。パイロットはその名の通り、機体そのものの操作を行なっており、オペレーターは簡単に言うとレーダーだ。ありとあらゆる信号をキャッチし、あらゆる方向からの攻撃の察知および計算による敵の動きを予知レベルで推測していく。このオペレーターの成り手は非常に少ないのだが、理由は脳負荷が挙げられている」
そこでホログラムが一旦消え、どこかの映像が流れ始めた。そこには、ボサボサな髪を乱雑に結いあげた、白衣姿の女性が映し出されていた。
「今、写っているのは夢見・リー博士だ。ペティノス研究の第一人者であり、またオペレーター適正に対して脳科学分野からの研究もしている」
画像の中の夢見博士は、気怠げな口調で論文を読み上げる。
『つまり、オペレーターたちはありとあらゆる刺激を元に、自身の脳内に仮想領域を形成しているのです。AIならともかく、常に仮想領域を展開し続け、現実と仮想の二重の視界の中で戦闘をすることは、多大な負荷となっています。
ここで掲示しているのは、イカロスで取得できる情報量を徐々に拡大していったときの、オペレーターたちのストレス値の上昇具合をグラフ化したものです。
見れば分かると思いますが、一定の法則性があります。
そして、オペレーターを続けられる限界点の存在も見えてきました。これまでストレス値への耐性や、仮想領域の形成精度には個人差がありましたが、このグラフを用いればより適正な人材の判別および、長期的なオペレートの限界点の早期発見が可能でしょう。今後の進路適正試験において、これらの情報を元にしたオペレーター適正試験も導入すべきことが分かります』
そこで、ぶつりと映像が消えた。ついで、イカロスと地球のホログラムが再び現れる。
「これらのストレス値を軽減するために、導入されたのが間接搭乗という手法だ。二重の視界をなくし、より精密なオペレートを可能とした手法で、オペレーター病とも言われた頭痛・視力低下・記憶障害および色覚異常がなくなった。それを……」
そこで、再びユタカは右近へ視線を向ける。
「右近君は、利己的な理由で、一人の人間を使い潰すつもりか」
ぎらりとユタカの赤い目が右近を睨みつける。だが、右近もまた譲れない部分があったようで、負けじと言い返した。
「使い潰すなんて、そんなひどいことはしません。確かに直接搭乗にはデメリットも多い。が、メリットだってあります。それに、機体の性能向上によりAIとの連携も進み、オペレーターの負担は減りました。最後の空中楼閣撃破を狙うのならば、タイムロスの存在しない直接搭乗を行うべきです」
突如新しい単語が出たことで、ゆらぎは「あの、」と緊張した面持ちで手を上げる。ユタカは彼の疑問を察して、地球のホログラムを指さした。
「……確かに、右近君の言うことも、もっともな部分がある。だが、私は三十年前の大敗を知っている身だ。安易に、その意見を呑めない事情がある」
彼は、地球のホログラムのとある一点を指さした。その一点が拡大され、一つの奇妙な浮島が現れる。浮島は東洋のどこかの建築物を核として、その周囲に木々が生えている、なんとも奇妙なものだった。
これは……とユタカは説明を始める。
「空中楼閣と名付けられた、高度二十キロ地点に浮かぶ、ペティノスの拠点だ。この拠点周囲での時空転移により、ペティノスは現れ、地球に襲来する。……三十年以上も前に、地球上にこの空中楼閣は五十基ほど存在していた」
絶望的だったと続くユタカの感想に、ようやく彼の暗い過去が垣間見えた。
「人類の空中楼閣撃破が、初めて為し得たのは三十年前。とある英雄たちにより、その大半が撃破されたが……そこで油断してしまったのだろうな、人類は」
ずらりと地球上のいたるところにあった空中楼閣の映像は、その撃破の映像であったが、歓喜にも似た雄叫びが流れるのとは対照的に、ユタカの声は淡々としすぎている。
「最後の空中楼閣撃破を目指した人々は、ある英雄の死により任務を失敗。歴史的大敗により多くの同朋が亡くなったが、特にパイロットを庇ったオペレーターたちがその割合を多くしていた」
スッと、司令官の視線が右近とゆらぎの間を通り抜けた。まるで、誰かが彼らの間に立っているかのように、視線が固定される。
「……同じ悲劇を繰り返さないためにも、次の空中楼閣戦において、オペレーターは間接搭乗を行うべきだ。そして間接搭乗によって起きる、目下の問題として地上と高度二十キロ地点での通信ラグについては、多くの技術者と科学者が解決方法を模索している。そう、焦るべきではないんだ」
それまでの怒りが勝った口ぶりとはうってかわった、ユタカの諭すような口調に、しかし右近は噛み付く。
「ですが、基地本部とのコンマ一秒以下のタイムロスが原因で、あの最後の大敗が起きたと言われています。オペレーターとパイロット間でのタイムロスは、それ以上に命取りなのは自明でしょう。そして、人類に残された時間が想像以上に少ないのは、俺の元オペレーターのスバル・シンクソンが証明しています」
あいつは、とそれまでにない激情を込めて右近は言葉にする。
「間接搭乗をしていたスバルは、それでも原因不明の病に倒れました。最期まで何の解決策もなく、薬も意味を成さず、原因すら不明で、この世を去ったんです。そして、スバルのような最期を迎える人間は、年々多くなっています。今は、確かにペティノスに滅ぼされていないけれど、いずれ時間が過ぎれば過ぎるほどペティノスに抵抗する力さえ失って、滅びるのは事実です」
右近の言い分で、ようやくゆらぎは、あの広々とした家の隙間を誰が開けたのか理解した。一緒に住むほどに、彼らは仲が良かったのだろう。そして、いなくなった後そこから引っ越しすることもできないほどに、未練を残す最期を迎えたのも察せられた。
その痛みをゆらぎは感じ取った。ユタカもまた���感じてはいる。いるのだが、頷けない。
「……これは、私だけの意見ではない。同じく、三十年前にオペレーターを亡くした現見さんもまた、直接搭乗には反対している。死の重みは、平等であるべきだ」
痛々しい吐露に、現見という人物とユタカが、同じ傷を負ったのだと察せられた。それでも、右近はたたみかける。
「現見さんには、俺が言います。俺が説得します。あの人だって、時間がないのは知っているはずです」
「そこまで言うのなら、明日のこの時間に他のナンバーズを召還しよう。そこで、君一人で彼らを説得してみなさい」
私ができる譲歩はここまでだ、とユタカは告げる。そして、彼はそのままゆらぎの名を呼んだ。
「獅子夜ゆらぎ君」
「……はい」
「君は、本当に直接搭乗でいいのかね? 先程から君の様子を見ていると、何も右近君から教えられていないようだ。先程説明したように、直接搭乗には多くのリスクが存在する。そのリスクを全て了承した上で、君はイカロスに乗るのか?」
ゆらぎは、どうすればいいのか正直分かっていなかった。
卒業してから、地上に出てから、ペティノスを見てから、イカロスに乗ってから、目覚めた先の空虚な部屋を見てから、右近の周囲の人間を知ってから……ありとあらゆる場面で、激情とされる何かは顔を見せていた。だが、その感情の正確な名前は分からない。それがどんな意味を持つのかも、彼は知らない。ただ、理解していることは一つ。
「おれは、まだ何一つ分かりません。分からないから、とりあえず右近さんと一緒に、イカロスに乗り続けようと思います」
「……そうか」
ゆらぎの答えに、満足はしていないユタカだったが、それでも一つの区切りとなったらしい。要件は終わりだと彼は告げて、退室を促す。それに右近は無言で頷き、ゆらぎは丁寧な礼をして去っていった。
再び、二人は都市ファロスを見下ろす見えない道を辿って帰っていく。その後ろ姿を見送ったユタカは、誰にも聞こえないことをいいことに、独り言を零した。
「きっと、こんな中途半端な私のことを卑怯者だとも言ってくれないんでしょうね、海下先輩と高城先輩は」
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「ニーア レプリカント」をトロコンする第一歩、その価値を抽出しようと🌴「緑薬灸[全]in複製電脳軍要塞」を1コマ、ツモる為に努力ナウ
大量に出てくる雑魚敵を蹴散らし、最初のボスが倒し方解説をよく見ないで楽しもうとして苦労した、結果逆恨みのご立腹である😵 最初期からデボルさんとポポルさん、しれっと登場、少し🤏雰囲気が違う気がする(・・;) ヨナさんが戦犯(後から考えて、ラスボスにとって鍵となる人物だから仕方ない)となった序盤、シロちゃんが手に入り結果世界を救う。想定外がもたらしたいつもの愉快なファンタジーもの😊(前作の方が虚無感すごいww) 露出の多い服を着た口の悪い女性Xが…A2のようにツンデレと化すかは楽しみにプレイしてください 初めての釣りが難易度爆上がりでゲーム内時間2日を要したイベントに縋りついた(・・;) 掟の国の住人達に美味い話が降りかかる飯うま展開、これは年齢問わずほっこり😋(途中のある試練があーもう!!、ラストのボス戦でスカッとしたからいいかw) 死の夢初見突破‼️(後から調べたらゲームオーバーにならない模様)‼️
こんなの笑うしか無いWWW
前作とはキャラの雰囲気がかなり異なる 今回も最初から最後までノーマル縛り
信じられない程タフなマリオが楽しめるwww(直後辛すぎる結末、リプレイ性が壊滅的でスカッとしない??い〜や、立派なファンタジーとしてキャラみんなが虚無を吹き飛ばすように盛り上げてる) クエストみるとどの世界にもシロちゃんの方が立派な人間としての資格があると断言できるクズ親もやっぱりいるんだなあ……
とにかく、今作は「歌おう!遊ぼう!踊ろう!」なんて愉快で可愛い奴らを殺戮するような作品じゃなくてよかった(でもこの哀しい戦争とちょっと違うだけで倒してきたのがある者の成れの果てだから壮大な悲劇で何もといってもいいほど変わらないが。だめじゃん‼️)……でも最強兵器の本能が発動した結果、一つの村が消し飛んだからもっと鬱になった……なんかアクションも戦略も神ゲーなのにロボット山の兄弟の末路というか、…二度やりたくないレベルで辛い。これさ、寂しい感動を味わいたいリア充向けのゲームだわ。俺じゃ自分の人生と雰囲気が似てて鬱が悪化する 寝込んでた
俺「リベンジといこうぜ👎😬🖕」←つまり人殺し
海岸の酒場で、時を経てもDTはDT、サブイベントを癒しの中心にするのやめろ^^; ニーア「あの夫婦みたいに変わらない人が羨ましく感じるよ」←フラグ立てんな🥶 ………あああああ、やっぱりこうなるのか…それも想像を絶するホラーゲーム展開。一瞬ゲームオーバーかと思ったボス戦(勝っても救われなかったが)
ここが一周目で抱く最大のツッコミ入れる場面。無理矢理のこじ付け漕ぎ着けレベルで前触れもない演出の挙句に悪魔が因果律操作してるレベルのバッドエンドにぶっちぎるのやめろ💢😬👊 この件はエンディング前の成長した王の中の王に相応しい活躍で許したし二周目で納得のいく理由があって救われたが、本当に、本当に、魅力的なキャラクターを虐待するのふざけるな。最早なろう系の方が真剣に気分良い所まで来ちまってる ヘイトが溜まりに溜まって……スッキリしないで呑み込ませる所業をこのニーアの続編でも繰り返すんじゃない‼️‼、だからといって二週目から胸糞描写された悪い奴が死んでいっても………
結局は平等に事情が発覚した狼含めて善良な命同士が争ってみんな死んでるだけで、それが発覚する度に思い知って、マジでいやだ(・・;💢🐙)
ちなみにブログ主は来世で女の子の性別も両方手に入れた場合、”””霧島04(裏ストボス)”””とか”””””シックス様(新しい血族)”””””とだけは恋人になりたくありません。”””今西健太さん(エピソードボス)”””の方がずっと魅力的で優しくて男らしいと断言できる次元の話しに突入しちゃうので…(黄金の真実)
あと、カモネギを崇める………↓
ありがたい神ネームを身勝手に受け継いだブログとはいえエロ漫画載せるのやめろ✋ せめて俺みたいにギャグに極振りするとかユウリさんとは関係のない卑猥で馬ッ鹿野郎ーー‼️なグラビアにしろよ。B(バグ)の家族達の羞恥心を煽ってんのか 零すのはエッチなよだれじゃなくてタコ🐙汁にしなさい💢😡💢
Dエンド終了前に忘れ去られた主人公、解放するか人間にするかで全く違う。それくらいの意味を生命は持っている感動 AとEの初めのプロローグに繋がるんじゃない。プレイヤーの視点のように本当に時間通りの物語なんだ…… クライマックスはやっぱり前作と雰囲気の似たあの光景。寂しくなっちゃったなあ 繰り返す時の中での業苦とは違ってかけがえの無い思い出だけは二度と返って来ない。前に進む真エンドを観ました
何もかも”””ノーマル縛り(それは高速ファイターの実績も例外じゃない。ちなみにこれのタイムは6:53:37)””” しかし、これから素材集めに入る段階なのでHARDにだけは浮気する事になりそうですm(__)m
まさか貴方……
月光花のトロフィー🏆だけが残ってしまった。どうやっても現実時間の経過が必要な為、のんびり待つしかない
🌴「緑薬灸[全]in複製電脳軍要塞(守護女神ブラックハート様達の魅力にも好影響を与えるアイテムだが、エルンスト・フォン・アドラー様をはじめとする絶対悪のカリスマを強化[特大]する効果も秘めている熱源✖️6コマになあれ★5%の願望) ←実績有りのゲームをオールクリア、ノベルゲー以外(別Ver2)
5%の願望、叶ったよ💖
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やりやがった!!マジかよあの野郎ッ!!やりやがったッ!!
野田サトル先生すげえッ…!!!
ネタバレしないようにそれしか言えないけどゴールデンカムイ最終回読みました…!有言実行凄すぎる…!!7年半お疲れ様でした…!✨
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裕くんが三日月亭でバイトする話(タイトル)
定晴ルート入った辺りのお話。
委員会イベやら本編の描写やらとあるルートネタバレやら有。
「なぁ裕。お前、数日ここでバイトしねえか?」
「は?バイト?」
いつものように三日月亭に買い物に来ていた俺は、店長から唐突な申し出を受けた。
「お前ドニーズでバイトしてたって言ってたよな?調理スタッフとしてもやれるだろ?」
「はあ。まぁ、確かにキッチンもやってたのでやれなくはないですが。どうしたんです?随分と突然ですね」
三日月亭は店長が一人で回している。
繁盛している時間は確かに忙しそうではあるが、注文、調理、配膳と見事に捌いている。
港の食堂を稼働させていた時の俺のような状態ではとてもない。
これが経験の差というものか。
いや、それは兎も角人員を雇う必要性をあまり感じないのだがどうしたというのだろうか。
「いや、その・・・ちょっと腰が・・・な」
「腰?店長腰悪くしたんですか?ちょ、大丈夫ですか!?海堂さん呼んできましょうか?あの人ああ見えてマッサージ得意なので」
「あー・・・そういうワケじゃ、いや、元はと言えばお前らがブランコなんか・・・」
なんだかよくわからないが随分と歯切れが悪い。
腰悪くしたことがそんなに言いにくい事なのか?
言葉尻が小さくて上手く聞き取れない。
「・・・あー、海堂の旦那の事は頼む。屈んだりすると結構痛むもんでな。基本はホール、こっちが手一杯になったらキッチンもやってもらうつもりだ。で、どうだ?まかない付きで給料もしっかり出すぜ。時給は・・・こんくらいでどうだ?」
「おお・・・意外と結構な金額出しますね」
「臨時とは言えこっちから頼んでるわけだしな。その分コキ使ってやるが」
海堂さんの事を頼まれつつ、仕事内容も確認する。
まぁ、ドニーズの頃と左程変わらないだろう。お酒の提供が主、くらいの違いか。
時給もこんな離島の居酒屋とは思えない程には良い。田舎の離島で時給四桁は驚きだ。
内容的にも特に問題ない。直ぐにでも始められるだろう。
とはいえ、屋敷に世話になっている身。勝手に決められるものでもない。
「非常に魅力的ではあるんですが、即断即決とは・・・。申し訳ないですが、一度持ち帰らせてください」
「おう。言っとくが夜の居酒屋の方だからな」
「キッチンの話出しといて昼間だったらそれはそれでビックリですよ。わかりました、また明日にでも返事に来ますよ」
話を終え、買い物を済ませて三日月亭を後にする。
バイト、かぁ・・・。
夕食後。皆で食後のお茶をいただいている時に俺は話を切り出した。
夜間の外出になるのでまずは照道さんに相談するべきだし、海堂さんにもマッサージの話をしなければならない。
「成程。裕さんがやりたいと思うなら、私は反対はしませんよ。店長には日ごろからお世話になっていますし」
「ほー。ま、いいんじゃねぇの?懐があったかくなることは悪いことじゃあねえじゃねえか。マッサージの方も受けといてやるよ。店長に借り作っとくのも悪くないしな」
難しい顔をされるかと思ったが、話はあっさりと通った。
海堂さんに至っては難色を示すかと思っていたが、損得を計算したのかこちらもすんなりと了承を得た。
ちょっと拍子抜けしつつ、改めて照道さんに確認する。
「えっと、本当にいいんですか?」
「ええ。ただ、裕さんの事を考えると帰りだけは誰かしらに迎えに行ってもらった方がいいかもしれませんね」
確かに。禍月の時ではなくても、この島は気性が荒い人は少なくない。
まして居酒屋で働くのだ。店長がいるとはいえ何かしらトラブルに巻き込まれる可能性もある。
「じゃあ、俺が迎えに行くぜ。なんなら向こうで普通に飲んでてもいいしな」
お茶を啜っていた勇魚さんがニカッと笑う。
あ、湯呑が空になってる。
急須を取り、勇魚さんの湯呑にお茶を注ぎながら問い返す。
「俺は助かりますけどいいんですか?はい、お茶のおかわり」
「お、さんきゅ。いいんだよ、俺がやりてえんだから。俺なら酔いつぶれることもねえしな。それに、そういうのは旦那の仕事だろ?」
自然な流れで旦那発言が出てきて驚きつつ、その事実に一気に顔が火照る。
うん、そうなんだけど。嬉しいんだけど。そうストレートに言われると恥ずかしいというかなんというか。
「え、と・・・ありがとうございます」
「けっ、惚気は余所でやれってんだ」
「ふふ・・・」
海堂さんのヤジも、照道さんの温かな眼差しもどこか遠くに感じる。
ヤバい。凄い嬉しい。でもやっぱ恥ずかしい。
そんな思いに悶々としていると、冴さんがコトリと湯呑を置いた。
「で、バイトはいいんだけど、その間誰が私達のおつまみを用意してくれるの?」
「はっ、そういやそうだ!オイ裕!お前自分の仕事はどうする気なんだ」
冴さんの一言に、海堂さんが即座に反応する。
ええ・・・酒飲みたちへのおつまみの提供、俺の仕事になってたの・・・?
「それこそ三日月亭に飲みに来ればいいのでは・・・?」
「それも悪くはないけれど、静かに飲みたい時には向かないのよ、あそこ。それに、この髭親父を担いで帰るなんて事、か弱い乙女の私にさせるの?」
確かに三日月亭は漁師の人達がいつもいるから賑やか、というかうるさい。
ゆったり飲むには確かに向かないかもしれない。ましてや冴さんは女性だから漁師たちの視線を集めまくることだろう。
さり気なく、海堂さんを担ぐのを無理ともできないとも言わない辺りが冴さんらしい。
「ふむ。俺が裕につまみのレシピを教えてもらっておけばいいだろう。新しいものは無理だが既存のレシピであれば再現して提供できる」
「それが無難ですかね。すみません、洋一さん。今日の分、一緒に作りましょう。他にもいくつか教えておきますので」
「ああ、問題ない」
結局、洋一さんが俺の代わりにおつまみ提供をしてくれる事になり、事なきを得た。
翌日、午前中に店長へと返事をした後、島を探索。
少々の収穫もありつつ、昼過ぎには切り上げ、陽が落ち始める前には三日月亭へと足を運んでいた。
「説明は大体こんなもんか。不明な点が出てきたら逐一聞いてくれ」
「はい。多分大丈夫だと思います」
注文の仕方、調理場の決まり、会計の方法。
業務の大半はドニーズでの経験がそのまま役立ちそうだ。
むしろ、クーポンだのポイントだのない分こちらの方がシンプルで楽かもしれない。
渡されたエプロンを付けて腰紐を後ろで縛る。うん、準備は万全だ。
「さ、頼むぞルーキー」
「店長が楽できるよう努めさせてもらいますよ」
そんな軽口をたたき合いながら店を開ける。
数分も経たないうちに、入り口がガラリと音を立てた。
「いらっしゃい」
「いらっしゃいませー!」
現れたのは見慣れた凸凹コンビ。
吾郎さんと潮さんだ。
「あれ?裕?お前こんなとこで何してんだ?」
「バイト・・・えっと、店長が腰悪くしたみたいで臨時の手伝いです」
「なに、店長が。平気なのか?」
「動けないって程じゃないらしいので良くなってくと思いますよ。マッサージも頼んでありますし。それまでは短期の手伝いです」
「成程なぁ・・・」
ここで働くようになった経緯を話しつつ、カウンター近くの席へご案内。
おしぼりを渡しつつ、注文用のクリップボードを取り出す。
「ご注文は?まずは生ビールです?生でいいですよね?」
「随分ビールを推すなお前・・・まぁ、それでいいか。潮もいいか?」
「ああ、ビールでいいぞ。後は―」
少々のおつまみの注文を受けつつ、それを店長へと投げる。
「はい、店長。チキン南蛮1、鶏もも塩4、ネギま塩4、ツナサラダ1」
「おう。ほい、お通しだ」
冷蔵庫から出された本日のお通し、マグロの漬けをお盆にのせつつ、冷えたビールジョッキを用意する。
ジョッキを斜めに傾けながらビールサーバーの取っ手を手前へ。
黄金の液体を静かに注ぎながら垂直に傾けていく。
ビールがジョッキ取っ手の高さまで注がれたら奥側に向けてサーバーの取っ手を倒す。
きめ細かな白い泡が注がれ、見事な7:3のビールの完成。
うん、我ながら完璧だ。
前いたドニーズのサーバーは全自動だったから一回やってみたかったんだよなぁ、これ。
「はい、生二丁お待たせしました。こっちはお通しのマグロの漬けです」
「おう。んじゃ、乾杯ー!」
「ああ、乾杯」
吾郎さん達がビールを流し込むと同時に、入り口の引き戸が開く音がした。
そちらを向きつつ、俺は息を吸い込む。
「いらっしゃいませー!」
そんなスタートを切って、およそ2時間後。
既に席の半分は埋まり、三日月亭は盛況だ。
そんな中、またも入り口の引き戸が開き、見知った顔が入って来た。
「いらっしゃいませー!」
「おう、裕!頑張ってるみたいだな!」
「やあ、裕。店を手伝っているそうだな」
「勇魚さん。あれ、勇海さんも。お二人で飲みに来られたんですか?」
現れたのは勇魚さんと勇海さんの二人組。
俺にとっても良く見知ったコンビだ。
「勇魚から裕がここで働き始めたと聞いてな。様子見ついでに飲まないかと誘われてな」
「成程。こっちの席へどうぞ。・・・はい、おしぼりです。勇魚さんは益荒男ですよね。勇海さんも益荒男で大丈夫ですか?」
「ああ、頼むよ」
「はは、裕。様になってるぞ!」
「ありがとうございます。あまりお構いできませんがゆっくりしていってくださいね」
勇魚さんは俺の様子見と俺の迎えを兼ねて、今日はこのままここで飲むつもりなのだろう。
それで、勇海さんを誘ったと。
もう少しここにいたいが注文で呼ばれてしまっては仕方ない。
別の席で注文を取りつつ、すぐさまお酒の用意を準備をしなければ。
「いらっしゃいませー!」
「おッ、マジでいた!よう裕!遊びに来てやったぜ!」
「あれ、嵐の兄さん、照雄さんまで。何でここに?」
勇魚さん達が来てからしばらく経ったころ、店に見知った大柄な人物がやってくる。
道場の昭雄さんと嵐の兄さんだ。
「漁師連中の噂で三日月亭に新しい店員がいるって話を聞いてな」
「話を聞いて裕っぽいと思ったんだが大当たりだな!」
「確認するためだけにわざわざ・・・。ともかく、こっちの席にどうぞ。はい、おしぼりです」
働き始めたの、今日なんだけどな・・・。
田舎の噂の拡散力は恐ろしいな。
そんな事を思いつつ、2人を席に誘導する。
椅子に座って一息ついたのを確認し、おしぼりを渡しクリップボードの準備をする。
「おお。結構様になってるな。手際もいい」
「そりゃ照雄さんと違って裕は飲み込みいいからな」
「・・・おい」
照雄さんが俺を見て感心したように褒めてくれる。
何故か嵐の兄さんが誇らしげに褒めてくれるが、いつものように昭雄さん弄りも混じる。
そんな嵐の兄さんを、照雄さんが何か言いたげに半目で睨む。ああ、いつもの道場の光景だ。
「はは・・・似たようなことの経験があるので。お二人ともビールでいいですか?」
「おう!ついでに、裕が何か適当につまみ作ってくれよ」
「え!?やっていいのかな・・・店長に確認してみますね」
嵐の兄さんの提案により、店長によって「限定:臨時店員のおすすめ一品」が即座にメニューに追加されることとなった。
このおかげで俺の仕事は当社比2倍になったことを追記しておく。
後で申し訳なさそうに謝る嵐の兄さんが印象的でした。
あの銭ゲバ絶対許さねえ。
「おーい、兄ちゃん!注文ー!」
「はーい、只今ー!」
キッチン仕事の比重も上がった状態でホールもしなければならず、一気にてんてこ舞いに。
「おお、あんちゃん中々可愛い面してるなぁ!���
「はは・・・ありがとうございます」
時折本気なのか冗談なのかよくわからないお言葉を頂きつつ、適当に濁しながら仕事を進める。
勇魚さんもこっちを心配してくれているのか、心配そうな目と時折視線があう。
『大丈夫』という気持ちを込めて頷いてみせると『頑張れよ』と勇魚さんの口元が動いた。
なんかいいなァ、こういうの。
こっからも、まだまだ頑張れそうだ。
「そういえば、裕は道場で武術を学んでいるのだったか」
「おう。時たまかなり扱かれて帰って来るぜ。飲み込みが早いのかかなりの速度で上達してる。頑張り屋だよなぁ、ホント」
「ふふ、道場の者とも仲良くやっているようだな。嵐の奴、相当裕が気に入ったのだな」
「・・・おう、そうだな。・・・いい事じゃねえか」
「まるで兄弟みたいじゃないか。・・・どうした勇魚。複雑そうだな」
「勇海、お前さんわかって言ってるだろ」
「はは、どうだろうな。・・・ほら、また裕が口説かれているぞ」
「何っ!?ってオイ!勇海!」
「はははははっ!悪い。お前が何度もちらちらと裕の方を見ているのでな。あれだけ島の者を惹きつけているのだ、心配も当然だろう」
「裕を疑うわけじゃねえ。が、アイツ変なところで無防備だからよ。目を離した隙に手を出されちまうんじゃないかと気が気じゃねえんだよ」
何を話しているのかはここからじゃ聞こえないが、気安い親父たちの会話が交わされているらしい。
勇魚さんも勇海さんもなんだか楽しそうだ。
「成程な、当然だ。ふうむ・・・ならば勇魚よ、『網絡め』をしてみるか?立会人は俺がしてやろう」
「『網絡め』?なんだそりゃ」
「『網絡め』というのはだな―」
あまりにも楽しそうに会話しているので、まさかここであんな話をしているとは夢にも思わなかった。
盛大なイベントのフラグが既にここで立っていたのだが、この時点の俺にはあずかり知らぬ出来事であった。
そんなこんなで時間は過ぎ、あっという間に閉店時刻に。
店内の掃除を終え、食器を洗い、軽く明日の準備をしておく。
店長は本日の売り上げを清算しているが、傍から見ても上機嫌なのがわかる。
俺の目から見ても今日はかなり繁盛していた。
売り上げも中々良いはずだろう。
「いやぁ、やっぱお前を雇って正解だったな!調理に集中しやすいし、お前のおかげで客も増えるし財布も緩くなる!」
「おかげでこっちはクタクタですけどね・・・」
「真面目な話、本当に助かった。手際も良いしフードもいける。島にいる間定期的に雇ってもいいくらいだ。もっと早くお前の有用性に気づくべきだったな」
仕事ぶりを評価してくれているのか、便利な人材として認識されたのか。
両方か。
「俺も俺でやることがあるので定期は流石に・・・」
「ま、ひと夏の短期バイトが関の山か。ともかく、明日もよろしく頼むぜ」
「はい。店長もお大事に。また明日」
金銭管理は店長の管轄だし、もうやれることは��い。
店長に挨拶をし、帰路につくことにする。
店を出ると、勇魚さんが出迎えてくれた。
「さ、帰ろうぜ、裕」
「お待たせしました。ありがとうございます、勇魚さん」
「いいって事よ」
三日月亭を離れ、屋敷までの道を二人で歩いていく。
店に居た時はあんなに騒がしかったのに、今はとても静かだ。
そんな静かな道を二人っきりで歩くのって・・・何か、いいな。
「・・・にしてもお前、よく頑張ってたな」
「いや、途中からてんてこ舞いでしたけどね。飲食業はやっぱ大変だなぁ」
「そうか?そう言う割にはよく働いてたと思うぜ?ミスもねえし仕事遅くもなかったし」
「寧ろあれを日がな一人で捌いてる店長が凄いですよ」
「はは!そりゃあ本業だしな。じゃなきゃやってけねえだろうさ」
勇魚さんに褒められるのは単純に嬉しいのだが、内心は複雑だ。
一日目にしてはそれなりにやれたという自覚もあるが、まだまだ仕事効率的にも改善点は多い。
そういう部分も無駄なくこなしている店長は、何だかんだで凄いのだ。
「にしても、この島の人達はやっぱり気さくというか・・・気安い方が多いですね」
「そう、だな・・・」
酒も入るからか、陽気になるのは兎も角、やたらとスキンシップが多かった。
肩を組んでくるとかならまだいいが、引き寄せるように腰を掴んできたり、ちょっとしたセクハラ発言が飛んできたり。
幸か不幸か海堂さんのおかげで耐性がついてしまったため、適当に流すことは出来るのだが。
「裕、お前気を付けろよ」
「はい?何がですか?」
「この島の連中、何だかんだでお前の事気に入ってる奴多いからな。こっちは心配でよ」
「勇魚さんも俺の事言えないと思いますけど・・・。大丈夫ですよ、俺は勇魚さん一筋ですから」
「お、おう・・・」
勇魚さんは俺の事が心配なのか、どこか不安そうな顔で俺を見る。
モテ具合で言ったら寧ろ勇魚さんの方が凄まじい気がするので俺としてはそっちの方が心配だ。
でも、その気遣いが、寄せられる想いが嬉しい。
その温かな気持ちのまま、勇魚さんの手を握る。
一瞬驚いた顔をした勇魚さんだが、すぐさま力強く握り返される。
「へへっ・・・」
「あははっ」
握った手から、勇魚さんの熱が伝わってくる。
あったかい。手も。胸も。
温かな何かが、胸の奥から止まることなく滾々と湧き出てくるようだ。
なんだろう。今、すごく幸せだ。
「なぁ、裕。帰ったら風呂入って、その後晩酌しようぜ」
「閉店直前まで勇海さんと結構飲んでましたよね?大丈夫なんですか?」
「あんくらいじゃ潰れもしねえさ。な、いいだろ。ちょっとだけ付き合ってくれよ」
「全くもう・・・。わかりましたよ。つまむもの何かあったかなぁ」
という訳でお風呂で汗を流した後、縁側で勇魚さんとちょっとだけ晩酌を。
もう夜も遅いので、おつまみは火を使わない冷奴とぬか漬けと大根おろしを。
「お待たせしました」
「おっ、やっこにぬか漬けに大根おろしか。たまにはこういうのもいいなあ」
「もう夜遅いですからね。火をつかうものは避けました」
火を使っても問題は無いのだが、しっかりと料理を始めたら何処からかその匂いにつられた輩が来る可能性もある。
晩酌のお誘いを受けたのだ。
どうせなら二人きりで楽しみたい。
「お、このぬか漬け。よく漬かってんな。屋敷で出してくれるのとちと違う気がするが・・・」
「千波のお母さんからぬか床を貰いまして。照道さんには、俺個人で消費して欲しいと言われてますので・・・」
「ああ、ぬか床戦争って奴だな!この島にもあんのか」
ぬか漬け、美味しいんだけどその度に沙夜さんと照道さんのあの時の圧を思い出して何とも言えない気分になるんだよなぁ。
こうして勇魚さんにぬか漬けを提供できる点に関しては沙夜さんに感謝なんだけど。
というかぬか床戦争なんて単語、勇魚さんの口から出ることに驚きを感じますよ・・・。
他の地域にもあるのか?・・・いや、深く考えないようにしよう。
「そういえば前にからみ餅食べましたけど、普通の大根おろしも俺は好きですねえ」
「絡み・・・」
大根おろしを食べていると白耀節の時を思い出す。
そういえば勇魚さんと海堂さんでバター醤油か砂糖醬油かで争ってたこともあったなぁ。
と、先ほどまで饒舌に喋っていた勇魚さんが静かになったような気がする。
何があったかと思い勇魚さんを見ると、心なしか顔が赤くなっているような気がする。
「勇魚さん?どうしました?やっぱりお酒回ってきました?」
「いや・・・うん。なんでもねえ、気にすんな!」
「・・・???まぁ、勇魚さんがそう言うなら」
ちょっと腑に落ちない感じではあったが、気にしてもしょうがないだろう。
そこから小一時間程、俺は勇魚さんとの晩酌を楽しんだのであった。
翌日、夕方。
三日月亭にて―
「兄ちゃん!注文いいかー?この臨時店員のおすすめ一品っての2つ!」
「こっちにも3つ頼むぜー」
「はーい、今用意しまーす!ちょ、店長!なんか今日やたら客多くないですか!?」
「おう、ビビるぐらい客が来るな。やっぱりお前の効果か・・・?」
もうすぐ陽が沈む頃だと言うのに既に三日月亭は大盛況である。
昨日の同時刻より明らかに客数が多い。
ちょ、これはキツい・・・。
「ちわーっとぉ、盛況だなオイ」
「裕ー!面白そうだから様子見に来たわよー」
「・・・大変そうだな、裕」
そんな中、海堂さんと冴さん、洋一さんがご来店。
前二人は最早冷やかしじゃないのか。
「面白そうって・・・割と混んでるのであんまり構えませんよ。はい、お通しとビール」
「いいわよォ、勝手にやってるから。私、唐揚げとポテトサラダね」
「エイヒレ頼むわ。後ホッケ」
「はいはい・・・」
本日のお通しである卯の花を出しながらビールジョッキを3つテーブルに置く。
この二人、頼み方が屋敷の時のソレである。
ぶれなさすぎな態度に実家のような安心感すら感じr・・・いや感じないな。
何だ今の感想。我が事ながら意味がわからない。
「裕。この『限定:臨時店員のおすすめ一品』というのは何だ?」
「俺が日替わりでご用意する一品目ですね。まぁ、色々あってメニューに追加になりまして」
「ふむ。では、俺はこの『限定:臨時店員のおすすめ一品』で頼む」
「お出しする前にメニューが何かもお伝え出来ますよ?」
「いや、ここは何が来るかを期待しながら待つとしよう」
「ハードル上げるなァ。唐揚げ1ポテサラ1エイヒレ1ホッケ1おすすめ1ですね。店長、3番オーダー入りまーす」
他の料理は店長に投げ、俺もキッチンに立つ。
本日のおすすめは鯵のなめろう。
処理した鯵を包丁でたたいて細かく刻み、そこにネギと大葉を加えてさらに叩いて刻む。
すりおろしたにんにくとショウガ、醤油、味噌、を加え更に細かく叩く。
馴染んだら下に大葉を敷いて盛り付けて完成。
手は疲れるが、結構簡単に作れるものなのだ。
そうして用意したなめろうを、それぞれのテーブルへと運んでいく。
まだまだピークはこれからだ。気合い入れて頑張ろう。
そう気合を入れ直した直後にまたも入り口の引き戸が音を立てたのであった。
わぁい、きょうはせんきゃくばんらいだー。
「おーい裕の兄ちゃん!今日も来たぜ!」
「いらっしゃいませー!連日飲んでて大丈夫なんですか?明日も朝早いんでしょう?」
「はっは、そんくらいで漁に行けない軟弱な野郎なんざこの打波にはいねえさ」
「むしろ、お前さんの顔見て元気になるってもんだ」
「はァ、そういうもんですか?とは言え、飲み過ぎないように気を付けてくださいね」
「なぁあんちゃん。酌してくれよ」
「はいはい、只今。・・・はい、どうぞ」
「っかー!いいねぇ!酒が美味ぇ!」
「手酌よりかはマシとは言え、野郎の酌で変わるもんです?」
「おうよ!あんちゃんみたいな可愛い奴に酌されると気分もいいしな!あんちゃんなら尺でもいいぜ?」
「お酌なら今しているのでは・・・?」
「・・・がはは、そうだな!」
「おい、兄ちゃんも一杯どうだ?飲めない訳じゃねえんだろ?」
「飲める歳ではありますけど仕事中ですので。皆さんだってお酒飲みながら漁には出ないでしょう?」
「そらそうだ!悪かったな。・・・今度、漁が終わったら一緒に飲もうぜ!」
「はは、考えておきますね」
ただのバイトに来ている筈なのに、何だか何処ぞのスナックのママみたいな気分になってくる。
それも、この島の人達の雰囲気のせいなのだろうか。
「あいつすげぇな。看板娘みてぇな扱いになってんぞ」
「流石裕ね。二日目にして店の常連共を掌握するとは。崇といい、これも旺海の血なのかしら?」
「もぐもぐ」
「さぁな。にしても、嫁があんなモテモテだと勇魚の野郎も大変だねぇ」
「裕の相手があの勇魚だって知った上で尚挑めるのかが見ものね」
「もぐもぐ」
「洋一、もしかしてなめろう気に入ったのか?」
「・・・うまい。巌もどうだ?」
「お、おう」
料理を運んでいる途中、洋一さんがひたすらなめろうを口に運んでいるのが目に入る。
もしかして、気に入ったのかな?
そんな風にちょっとほっこりした気持ちになった頃、嵐は唐突に現れた。
嵐の兄さんじゃないよ。嵐の到来って奴。
「おーう裕。頑張っとるようじゃのう」
「あれ、疾海さん?珍しいですね、ここに来るなんて」
「げ、疾海のジジィだと!?帰れ帰れ!ここにはアンタに出すもんなんてねぇ!裕、塩持って来い塩!」
勇海さんのお父さんである疾海さんが来店。
この人がここにやってくる姿はほとんど見たこ��がないけれど、どうしたんだろう。
というか店長知り合いだったのか。
「なんじゃ店主、つれないのう。こないだはあんなに儂に縋り付いておったというのに」
「バッ・・・うるせェ!人の体好き放題しやがって!おかげで俺は・・・!」
「何言っとる。儂はちょいとお前さんの体を開いただけじゃろが。その後に若い衆に好き放題されて悦んどったのはお前さんの方じゃろ」
あー・・・そういう事ね。店長の腰をやった原因の一端は疾海さんか。
うん、これは聞かなかったことにしておこう。
というか、あけっぴろげに性事情を��露されるとか店長が不憫でならない。
「のう、裕よ。お主も興味あるじゃろ?店主がどんな風に儂に縋り付いてきたか、その後どんな風に悦んでおったか」
「ちょ、ジジィてめぇ・・・」
「疾海さん、もうその辺で勘弁してあげてくださいよ。店長の腰がやられてるのは事実ですし、そのせいで俺が臨時で雇われてるんですから。益荒男でいいですか?どうぞ、そこの席にかけてください」
「おい、裕!」
「店長も落ち着いて。俺は何も見てませんし聞いてません。閉店までまだまだ遠いんですから今体力使ってもしょうがないでしょう。俺が疾海さんの相手しますから」
「―ッ、スマン。頼んだぞ、裕」
店長は顔を真っ赤にして逃げるようにキッチンへと戻っていった。
うん、あの、何て言うか・・・ご愁傷様です。
憐れみの視線を店長に送りつつお通しと益荒男を準備し、疾海さんの席へと提供する。
「よう店主の手綱を握ったのう、裕。やるもんじゃな」
「もとはと言えば疾海さんが店長をおちょくるからでしょう。あんまりからかわないでくださいよ」
にやにやと笑う疾海さんにため息が出てくる。
全く・・・このエロ爺は本当、悪戯っ子みたいな人だ。
その悪戯が天元突破したセクハラばかりというのもまた酷い。
しかも相手を即落ち、沈溺させるレベルのエロ技術を習得しているからなおさら性質が悪い。
「にしても、裕。お前さんもいい尻をしておるのう。勇魚の竿はもう受けたか?しっかりと耕さんとアレは辛いじゃろうて」
おもむろに尻を揉まれる。いや、揉みしだかれる。
しかも、その指が尻の割れ目に・・・ってオイ!
「―ッ!」
脳が危険信号を最大限に発し、半ば反射的に体が動く。
右手で尻を揉みしだく手を払いのけ、その勢いのまま相手の顔面に左の裏拳を叩き込む!
が、振り抜いた拳に手ごたえは無く、空を切ったのを感じる。
俺は即座に一歩下がり、構えを解かずに臨戦態勢を維持。
チッ、屈んで避けたか・・・。
「っとぉ、危ないのう、裕。儂の男前な顔を台無しにするつもりか?」
「うるせえジジイおもてでろ」
「ほう、その構え・・・。成程、お前さん辰巳の孫のとこに師事したんか。道理で覚えのある動きじゃ。じゃが、キレがまだまだ甘いのう」
かなりのスピードで打ち込んだ筈なのに易々と回避されてしまった。
やはりこのジジイ只者ではない。
俺に攻撃をされたにも関わらず、にやにやとした笑いを崩さず、のんびりと酒を呷っている。
クソッ、俺にもっと力があれば・・・!
「おい裕、どうした。何か擦れた音が、ってオイ。マジでどうした!空気が尋常じゃねぇぞ!?」
店内に突如響いた地面を擦る音に、店長が様子を見に来たようだ。
俺の状態に即座に気づいたようで、後ろから店長に羽交い締めにされる。
「店長どいてそいつころせない」
「落ち着け!何があったか想像はつくが店ん中で暴れんな!」
「かかかっ!可愛い奴よな、裕。さて、儂はまだ行くところがあるでの。金はここに置いとくぞ」
俺が店長に止められている間に、エロ爺は笑いながら店を後にした。
飲み食い代よりもかなり多めの金額が置かれているのにも腹が立つ。
「店長!塩!」
「お、おう・・・」
さっきとはまるきり立場が逆である。
店の引き戸を力任せにこじ開け、保存容器から塩を鷲掴む。
「祓い給え、清め給え!!消毒!殺菌!滅菌ッ!!!」
適当な言葉と共に店の前に塩をぶちまける。
お店の前に、白い塩粒が散弾のように飛び散った。
「ふー、ふー、ふーッ!・・・ふぅ」
「・・・落ち着いたか?」
「・・・ええ、何とか」
ひとしきり塩をぶちまけるとようやく気持ちが落ち着いてきた。
店長の気遣うような声色に、何ともやるせない気持ちになりながら返答する。
疲労と倦怠感に包まれながら店の中に戻ると、盛大な歓声で出迎えられる。
「兄さん、アンタやるじゃねぇか!」
「うおッ!?」
「疾海のじいさんにちょっかいかけられたら大体はそのまま食われちまうのに」
「ひょろっちい奴だと思ってたがすげえ身のこなしだったな!惚れ惚れするぜ!」
「あ、ありがとうございます・・・はは・・・」
疾海さんは俺と勇魚さんの事を知っているから、単にからかってきただけだろうとは思っている。
エロいし奔放だし子供みたいだが、意外と筋は通すし。
あくまで「比較的」通す方であって手を出さない訳ではないというのが困りものではあるが。
そんな裏事情をお客の人達が知っている訳もなく、武術で疾海さんを退けたという扱いになっているらしい。
けど、あのジジイが本気になったら俺の付け焼刃な武術じゃ相手にならない気がする。
さっきの物言いを考えると辰馬のおじいさんとやりあってたって事になる。
・・・うん、無理そう。
「おっし!そんなあんちゃんに俺が一杯奢ってやろう!祝杯だ!」
「いいねえ!俺も奢るぜ兄ちゃん!」
「抜け駆けすんな俺も奢るぞ!」
「ええっ!?いや、困りますって・・・俺、仕事中ですし・・・」
「裕、折角なんだし受けておきなさいな」
どうしようかと途方に暮れていると、いつの間にか冴さんが隣に来ていた。
と、それとなく手の中に器のようなものを握らされた。
「冴さん。あれ、これって・・・」
横目でちらりと見ると『咲』の字が入った器。
これ、咲夜の盃・・・だよな?
「腕も立って酒にも強いと知っとけば、あの連中も少しは大人しくなるでしょ。自衛は大事よ」
「はぁ・・・自衛、ですか」
「後でちゃんと返してね」
これって確か、持ってるだけで酒が強くなるって盃だったっけ。
その効果は一度使って知っているので、有難く使わせてもらうとしよう。
店長もこっちのやりとりを見ていたのか何も言うこと無く調理をしていた。
「おっ、姐さんも一緒に飲むかい!?」
「ええ。折角だから裕にあやからせてもらうわ。さぁ、飛ばしていくわよ野郎共ー!」
「「「「おおーっ!!」」」」
「お、おー・・・」
その後、ガンガン注がれるお酒を消費しつつ、盃を返す、を何度か繰り返すことになった。
途中からは冴さんの独壇場となり、並み居る野郎共を悉く轟沈させて回っていた。
流石っス、姐さん。
ちなみに俺は盃のご利益もあり、その横で飲んでいるだけで終わる事になった。
そんな一波乱がありつつも、夜は更けていったのだった。
そんなこんなで本日の営業終了時刻が近づいてくる。
店内には冴さん、海堂さん、洋一さんの3人。
冴さんはいまだ飲んでおり、その底を見せない。ワクなのかこの人。
海堂さんはテーブルに突っ伏してイビキをかいており、完全に寝てしまっている。
洋一さんはそんな海堂さんを気にしつつ、お茶を啜っている。
あんなにいた野郎共も冴さんに轟沈させられた後、呻きながら帰って行った。
明日の仕事、大丈夫なんだろうか・・・。
後片付けや掃除もほぼ終わり、後は冴さん達の使っているテーブルだけとなった時、入り口が壊れそうな勢いで乱暴に開いた。
「裕ッ!」
「うわっ、びっくりした。・・・勇魚さん、お疲れ様です」
入り口を開けて飛び込んできたのは勇魚さんだった。
いきなりの大声にかなり驚いたが、相手が勇魚さんとわかれば安心に変わる。
だが、勇魚さんはドスドスと近づいてくると俺の両肩をガシリと掴んだ。
「オイ裕!大丈夫だったか!?変な事されてねえだろうな!」
勇魚さんにしては珍しく、かなり切羽詰まった様子だ。
こんなに心配される事、あったっけ・・・?
疑問符が浮かぶがちらりと見えた勇海さんの姿にああ、と納得する。
というか苦しい。掴まれた肩もミシミシ言ってる気がする。
「うわっ!?大丈夫、大丈夫ですって。ちょ、勇魚さん苦しいです」
「お、おう。すまねえ・・・」
宥めると少し落ち着いたのか、手を放してくれる。
勇魚さんに続いて入って来た勇海さんが、申し訳なさそうに口を開いた。
「裕、すまないな。親父殿が無礼を働いたそうだな」
「勇海さんが気にすることではないですよ。反撃もしましたし。まぁ、逃げられたんですけど」
「裕は勇魚のつがいだと言うのに、全く仕方のないことだ。親父殿には私から言い聞かせておく。勘弁してやって欲しい」
「疾海さんには『次やったらその玉潰す』、とお伝えください」
「ははは、必ず伝えておくよ」
俺の返答に納得したのか、勇海さんは愉快そうに笑う。
本当にその時が来た時の為に、俺も更なる修練を積まなければ。
・・・気は進まないけど、辰馬のおじいさんに鍛えてもらう事も視野に入れなければならないかもしれない。
「裕、今日はもう上がっていいぞ。そいつら連れて帰れ」
「え、いいんですか?」
「掃除も殆ど終わってるしな。色々あったんだ、帰って休んどけ」
俺に気を遣ってくれたのか、はたまたさっさと全員を返したかったのか、店長から退勤の許可が出た。
ここは有難く上がらせてもらおう。色々あって疲れたのは事実だ。
「じゃあ、折角ですので上がらせてもらいます。お疲れ様でした」
「おう。明日も頼むぞ」
店長に挨拶をし、皆で店を出る。
勇海さんはここでお別れとなり、俺、勇魚さん、冴さん、海堂さん、洋一さんの5人で帰る。
寝こけている海堂さんは洋一さんが背負っている。
「裕、ホントに他に何も無かったんだろうな!?」
「ですから、疾海さんにセクハラ受けただけですって。その後は特に何も無かったですし・・・」
で、帰り道。勇魚さんに詰問されております。
心配してくれるのはとても嬉しい。
嬉しいんだけど、過剰な心配のような気もしてちょっと気おくれしてしまう。
「俺に気を遣って嘘ついたりすんじゃねえぞ」
「冴さん達も一緒にいたのに嘘も何もないんですが・・・」
「裕の言ってる事に嘘はないわよ。疾海の爺さんに尻揉まれてたのも事実だけど」
「・・・思い出したら何か���立ってきました。あのジジイ、次に会ったら確実に潰さなきゃ」
被害者を減らすにはその大本である性欲を無くすしかないかな?
やっぱり金的か。ゴールデンクラッシュするしかないか。
あの驚異的な回避力に追いつくためにはどうすればいいか・・・。
搦め手でも奇襲なんでもいい、当てさえすればこちらのものだろう。
そう思いながら突きを繰り出し胡桃的な何かを握り潰す動作を数回。
駄目だな、やっぱりスピードが足りない。
「成程、金的か」
「裕、その、ソイツは・・・」
洋一さんは俺の所作から何をしようとしているかを読み取ったようだ。
その言葉にさっきまで心配一色だった勇魚さんの顔色変わる。
どうしました?なんで微妙に股間を押さえて青ざめてるんです?
「冴さん。こう、男を不能寸前まで追い込むような護身術とかないですかね?」
「あるにはあるけど、そういうの覚えるよりもっと確実な方法があるわよ」
「え?」
「勇魚。アンタもっと裕と一緒にいなさい。で、裕は俺の嫁アピールしときなさい」
嫁。勇魚さんのお嫁さん。
うん、事実そうなんだけどそれを改めて言われるとなんというか。
嬉しいんだけど、ねぇ?この照れくさいような微妙な男心。
「裕。頬がだいぶ紅潮しているようだが大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。何というか、改めて人に言われると急に、その・・・」
「ふむ?お前が勇魚のパートナーである事は事実だろう。港の方でも知れ渡っていると聞いている。恥ずべきことではないと思うが?」
「恥ずかしいんじゃなくて嬉しくも照れくさいというか・・・」
「・・・そういうものか。難しいものだな」
洋一さんに指摘され、更に顔が赤くなる。
恥ずかしいわけじゃない。むしろ嬉しい。
でも、同じくらい照れくささが湧き上がってくる。
イカン、今凄い顔が緩みまくってる自覚がある。
「流石にアンタ相手に真正面から裕に手を出す輩はいないでしょう。事実が知れ渡れば虫よけにもなって一石二鳥よ」
「お、おお!そうだな!そっちの方が俺も安心だ!うん、そうしろ裕!」
冴さんの案に我が意を得たりといった顔の勇魚さん。
妙に食いつきがいいなァ。
でも、それって四六時中勇魚さんと一緒にいろって事では?
「勇魚さんはそれでいいんですか?対セクハラ魔の為だけに勇魚さんの時間を割いてもらうのは流石にどうかと思うんですが」
「んなこたあねえよ。俺だってお前の事が心配なんだ。これくらいさせてくれよ」
「そう言われると断れない・・・」
申し訳ない旨を伝えると、純粋な好意と気遣いを返される。
実際勇魚さんと一緒に居られるのは嬉しいし、安心感があるのも事実だ。
「裕、あんたはあんたで危機感を持った方がいいわよ」
「危機感、といいますとやっぱりセクハラ親父やセクハラ爺の対処の話ですか?」
冴さんの言葉に、2人の男の顔が思い浮かぶ。
悪戯、セクハラ、煽りにからかい。あの人たちそういうの大好きだからなぁ。
でも、だいぶ耐性はついたし流せるようになってきたと思ってるんだけど。
「違うわよ。いやある意味同じようなモンか」
「客だ、裕」
「客?お店に来るお客さんって事ですか?」
え、海堂さんとか疾海さんじゃないのか。
そう思っていると意外な答えが洋一さんの方から返って来た。
客の人達に何かされたりは・・・ない筈だったけど。
「店にいた男たちはかなりの人数が裕を泥酔させようと画策していたな。冴が悉くを潰し返していたが」
「何っ!?」
「え!?洋一さん、それどういう・・・」
何その事実今初めて知った。どういうことなの。
「今日店に居た男たちは皆一様にお前をターゲットとしていたようだ。やたらお前に酒を勧めていただろう。お前自身は仕事中だと断っていたし、店長もお前に酒がいかないようそれとなくガードしていた。だがお前が疾海を撃退したとなった後、躍起になるようにお前に飲ませようとしていただろう。だから冴が向かったという訳だ」
「疾海の爺さん、なんだかんだでこの島でもかなりの手練れみたいだしね。物理でだめならお酒でって寸法だったみたいね」
「えっと・・・」
「食堂に来てた立波さん、だったかしら。ここまで言えばわかるでしょ?店長も何だかんだでそういう事にならないよう気を配ってたわよ」
あァ、成程そういう事か。ようやく俺も理解した。
どうやら俺は三日月亭でそういう意味での好意を集めてしまったという事らしい。
で、以前店長が言っていた「紳士的でない方法」をしようとしていたが、疾海さんとのやりとりと冴さんのおかげで事なきを得たと、そういう事か。
「えー・・・」
「裕・・・」
勇魚さんが俺を見る。ええ、心配って顔に書いてますね。
そうですね、俺も逆の立場だったら心配しますよ。
「なあ裕。明日の手伝いは休んどけ。店には俺が行くからよ」
「いや、そういうワケにもいかないでしょう。勇魚さん、魚は捌けるでしょうけど料理できましたっけ?」
「何、料理ができない訳じゃねえ・・・なんとかなるだろ」
あっけらかんと笑う勇魚さんだが、俺には不安要素しかない。
確かに料理ができない訳じゃないけど如何せん漢の料理だ。店長の補助とかができるかと言うと怪しい。
この島に来てからの勇魚さんの功績をふと思い返す。
餅つき・・・臼・・・ウッアタマガ。
・・・ダメだ、食材ごとまな板真っ二つにしそうだし、食器を雑に扱って破壊しそうな予感しかしない。
勇魚さんの事だからセクハラされたりもしそうだ。
ダメダメ、そんなの俺が許容しません。
「様々な観点から見て却下します」
「裕ぅ~・・・」
そんなおねだりみたいな声したって駄目です。
却下です却下。
「裕、ならば俺が行くか?」
「お願いしたいのは山々なんですが洋一さんは明日北の集落に行く予定でしたよね。時間かかるって仰ってたでしょう?」
「ふむ。ならば巌に―」
「いえ、海堂さんには店長のマッサージもお願いしてますしこれ以上は・・・」
洋一さんが申し出てくれるが、洋一さんは洋一さんで抱えてる事がある。
流石にそれを曲げてもらうわけにはいかない。
海堂さんなら色んな意味で文句なしの人材ではあるのだが、既にマッサージもお願いしている。
それに、迂闊に海堂さんに借りを作りたくない。後が怖い。
「洋一も無理、巌も無理とするならどうするつもりなんだ?高瀬か?」
「勇魚さん、三日月亭の厨房を地獄の窯にするつもりですか?」
「失礼ねェ。頼まれてもやらないわよ」
勇魚さんからまさかの選択が投げられるがそれは無理。
冴さんとか藤馬さんに立たせたら三日月亭から死人が出る。三日月亭が営業停止する未来すらありえる。
頼まれてもやらないと冴さんは仰るが、「やれないからやらない」のか「やりたくないからやらない」のかどっちなんだ。
「明日も普通に俺が行きますよ。ついでに今後についても店長に相談します」
「それが一番ね。店長も裕の状況に気づいてるでしょうし」
「巌の話だとマッサージのおかげかだいぶ良くなってきているらしい。そう長引きはしないだろう」
「後は勇魚がガードすればいいのよ」
「おう、そうか。そうだな」
そんなこんなで話も固まり、俺達は屋敷に到着した。
明日は何事もなく終わってくれればいいんだけど・・・。
そんな不安も抱えつつ、夜は過ぎていった。
そしてバイト三日目。
俺は少し早めに三日月亭へと来ていた。
「ああ、だよなぁ。すまんな、そっちの可能性も考えてなかった���ケじゃ無いんだが・・・そうなっちまうよなあ」
俺の状況と今後の事を掻い摘んで説明すると、店長は疲れたように天井を仰ぐ。
「何というか・・・すみません。腰の具合はどうです?」
別に俺が何かをしたわけではないけれど、状況の中心にいるのは確かなので申し訳ないとは思う。
「海堂の旦那のおかげでだいぶ良くなった。もう一人でも回せそうだ。何なら今日から手伝わなくてもいいんだぞ?」
店長はそう言うが、完治しているわけでもない。
悪化するわけではないだろうが気になるのも事実。
なので、昨日のうちに勇魚さんと決めていた提案を出すことにする。
「でも全快というわけでもないんでしょう?引き受けたのは自分です。勇魚さんもいますし、せめて今日までは手伝わせてくださいよ」
「心意気はありがてえが・・・。わかった、面倒ごとになりそうだったらすぐさま離れろよ?勇魚の旦那も頼むぜ」
「おう!」
「はい!さ、今日も頑張りましょう!」
昨日話した通り今日は開店から勇魚さんも店に居てくれる。
万が一な状態になれば即座に飛んできてくれるだろう。
それだけで心の余裕も段違いだ。
「裕、無理すんなよ」
「わかってますよ。勇魚さんも、頼みますね」
「おう、任せときな!」
勇魚さんには店内を見渡せる席に座ってもらい、適当に時間を潰してもらう。
俺は店長と一緒に仕込みを始めながら新メニューの話も始める。
途中、勇魚さんにビールとお通しを出すのも忘れずに。
「新しいメニュー、どうすっかねぇ」
「今日の一品、新レシピも兼ねてゴーヤーチャンプルーでいこうかと思うんですよ」
「ほー。確かに苦瓜なら栽培してるとこはそこそこあるしな。行けるだろう」
「スパム缶は無くても豚肉や鶏肉でいけますからね。肉が合わないなら練り物やツナでも大丈夫です。材料さえあれば炒めるだけってのも高ポイント」
「肉に卵にと寅吉んとこには世話になりっぱなしだな。だが、いいねえ。俺も久しぶりにチャンプルーとビールが恋しくなってきやがった」
「後で少し味見してくださいよ。島の人達の好み一番把握してるの店長なんだから。・・・でも、やっぱり新メニュー考えるのは楽しいな」
「・・・ったく、面倒ごとさえ無けりゃあこのまま働いてもらえるってのに。無自覚に野郎共の純情を弄びやがって」
「それ俺のせいじゃないですよね・・・」
調理実習をする学生みたいにわいわい喋りながら厨房に立つ俺達を、勇魚さんはニコニコしながら見ている。
あ、ビールもう空きそう。おかわりいるかな?
そんな風に営業準備をしていると時間はあっという間に過ぎ去り、開店時間になる。
開店して数分も経たないうちに、店の引き戸がガラリと開いた。
「いらっしゃいませー!」
「裕、お前まだここで働いてたのか」
「潮さん、こんばんは。今日までですけどね。あくまで臨時なので」
「ふむ、そうか。勇魚の旦那もいるのか」
「おう、潮。裕の付き添いでな」
「・・・ああ、成程な。それは確かに必要だ」
「おっ、今日も兄ちゃんいるのか!」
「いらっしゃいませ!ははは、今日で終わりなんですけどね」
「そうなのか!?寂しくなるなぁ・・・。なら、今日こそ一杯奢らせてくれよ」
「一杯だけならお受けしますよ。それ以上は無しですからね」
「裕の兄ちゃん!今日でいなくなっちまうって本当か!?」
「臨時ですので。店長の具合もよくなりましたし」
「兄ちゃんのおすすめ一品、好きだったんだけどよ・・・」
「はは、ありがとうございます。今日も用意してますから良かったら出しますよ」
「おう、頼むぜ!」
続々とやってくる常連客を捌きつつ、厨房にも立つ。
店長の動きを見てもほぼ問題ない。治ってきてるのも事実のようだ。
時折お客さんからの奢りも一杯限定で頂く。
今日は以前もらった方の咲夜の盃を持ってきているので酔う心配もない。
「おう、裕のあんちゃん!今日も来たぜ!」
「い、いらっしゃいませ・・・」
再びガラリと入り口が空き、大柄な人物がドスドスと入ってくる。
俺を見つけるとがっしと肩を組まれる。
日に焼けた肌が特徴の熊のような人だ。名前は・・・確か井灘さん、だったかな?
初日に俺に可愛いと言い、昨日は酌を頼まれ、冴さんに潰されてた人だ。
スキンシップも多く、昨日の一件を考えると警戒せざるを得ない。
取り合えず席に案内し、おしぼりを渡す。
「ガハハ、今日もあんちゃんの可愛い顔が見れるたぁツイてるな!」
「あ、ありがとうございます。注文はどうしますか?」
「まずはビール。食いモンは・・・そうさな、あんちゃんが適当に見繕ってくれよ」
「俺が、ですか。井灘さんの好みとかわかりませんけど・・・」
「大丈夫だ。俺、食えねえもんはねえからよ。頼むぜ!」
「はあ・・・分かりました」
何か丸投げされた感が凄いが適当に三品程見繕って出せばいいか。
ついでだからゴーヤーチャンプルーも試してもらおうかな。
そんな事を考えながら、俺は井灘さんにビールとお通しを出す。
「む・・・」
「どうした旦那。ん?アイツ、井灘か?」
「知ってるのか、潮」
「ああ。俺達とは違う港の漁師でな。悪い奴では無いんだが、気に入った奴にすぐ手を出すのが玉に瑕でな」
「そうか・・・」
「旦那、気を付けた方がいいぞ。井灘の奴、あの様子じゃ確実に裕に手を出すぞ」
「・・・おう」
こんな会話が勇魚さんと潮さんの間でなされていたとはつゆ知らず。
俺は店長と一緒に厨房で鍋を振っていた。
「はい、井灘さん。お待たせしました」
「おう、来た来た」
「つくね、ネギま、ぼんじりの塩の串盛り。マグロの山かけ。そして今日のおすすめ一品のゴーヤーチャンプルーです」
「いいねえ、流石あんちゃん。で、なんだそのごーやーちゃんぷうるってのは?」
「内地の料理ですよ。苦瓜と肉と豆腐と卵の炒め物、ってとこでしょうか。(厳密には内地の料理とはちょっと違うけど)」
「ほー苦瓜。滅多に食わねえが・・・あむ。うん、美味え!美味えぞあんちゃん!」
「それは良かった」
「お、美味そうだな。兄ちゃん、俺にもそのごーやーちゃんぷうるってのくれよ」
「俺も!」
「はいはい、ただいま」
井灘さんが美味しいと言ってくれたおかげで他の人もゴーヤーチャンプルーを頼み始める。
よしよし、ゴーヤーチャンプルーは当たりメニューになるかもしれない。
そう思いながら厨房に引っ込んでゴーヤーを取り出し始めた。
それからしばらくして井灘さんから再びゴーヤーチャンプルーの注文が入る。
気に入ったのだろうか。
「はい、井灘さん。ゴーヤーチャンプルー、お待たせ」
「おう!いやー美味えな、コレ!気に入ったぜ、ごーやーちゃんぷうる!」
「あはは、ありがとうございます」
自分の料理を美味い美味いと言ってもりもり食べてくれる様はやっぱり嬉しいものだ。
作る側冥利に尽きる。
が、作ってる最中に店長にも「アイツは���を付けとけ」釘を刺されたので手放しに喜ぶわけにもいかない。
「毎日こんな美味いモン食わせてくれるなんざあんちゃんと一緒になる奴は幸せだなあ!」
「はは・・・ありがとう、ございます?」
「あんちゃんは本当に可愛い奴だなあ」
屈託ない笑顔を向けてくれるのは嬉しいんだけど、何だか話の方向が急に怪しくなってきたぞ。
「おい、裕!早く戻ってきてこっち手伝え!」
「ッ、はーい!じゃあ井灘さん、俺仕事に戻るので・・・」
こっちの状況を察知したのか、店長が助けを出してくれる。
俺も即座に反応し、戻ろうと足を動かす。
が、その前に井灘さんの腕が俺の腕を掴む。
あ、これは・・・。
「ちょ、井灘さん?」
「なあ、裕のあんちゃん。良けりゃ、俺と・・・」
急に井灘さんの顔が真面目な顔になり、真っ直ぐに俺を見据えてくる。
なんというか、そう、男の顔だ。
あ、俺こういう顔に見覚えある。
そう、勇魚さんの時とか、立浪さんの時とか・・・。
逃げようと思うも腕をガッチリとホールドされ、逃げられない。
・・・ヤバイ。そう思った時だった。
俺と井灘さんの間に、ズイと体を割り込ませてきた見覚えのあるシャツ姿。
「なあ、兄さん。悪いがこの手、離してくんねえか?」
「勇魚さん・・・」
低く、優しく、耳をくすぐる声。
この声だけで安堵感に包まれる。
言葉は穏やかだが、どこか有無を言わせない雰囲気に井灘さんの眉間に皺が寄る。
「アンタ・・・確か、内地の客だったか。悪いが俺の邪魔・・・」
「裕も困ってる。頼むぜ」
「おい、アンタ・・・う、腕が動かねえ!?」
井灘さんも結構な巨漢で相当な力を込めているのがわかるが、勇魚さんの手はびくともしない。
勇魚さんの怪力はよく知ってはいるけど、こんなにも圧倒的なんだなあ。
「こいつ、俺の大事な嫁さんなんだ。もし、手出しするってんなら俺が相手になるぜ」
そう言って、勇魚さんは俺の方をグッと抱き寄せる。
抱き寄せられた肩口から、勇魚さんの匂いがする。
・・・ヤバイ。勇魚さん、カッコいい。
知ってたけど。
知ってるのに、凄いドキドキする。
「っ・・・ガハハ、成程!そいつは悪かったな、旦那!」
「おう、分かってくれて何よりだぜ。さ、裕。店長が呼んでるぜ」
「あ、ありがとうございます勇魚さん。井灘さん、すみませんけどそういう事なので・・・」
勇魚さんの言葉に怒るでもなく、井灘さんは納得したようにあっさりと手を放してくれた。
井灘さんに謝罪しつつ、促されるまま厨房へと戻る。
「おお!あんちゃんも悪かったな!旦那、詫びに一杯奢らせてくれや!」
「おう。ついでに裕のどこが気に入ったのか聞かせてくれよ」
漁師の気質なのかはたまた勇魚さんの人徳なのか。
さっきの空気はどこへやら、そのまま親し気に話始める2人。
「ちょ、勇魚さん!」
「いいぜ!旦那とあんちゃんの話も聞かせてくれよ!」
「井灘さんまで!」
「おい裕!いつまで油売ってんだ、こっち手伝え!」
店長の怒鳴り声で戻らざるを得なかった俺には二人を止める術などなく。
酒の入った声のデカい野郎共が二人、店内に響かない筈がなく・・・。
「でよ、そん時の顔がまたいじらしくってよ。可愛いんだこれが」
「かーっ!羨ましいこったぜ。旦那は果報モンだな!」
「だろ?なんたって俺の嫁さんなんだからな!」
勇魚さんも井灘さんも良い感じに酒が入ってるせいか陽気に喋っている。
可愛いと言ってくれるのは嬉しくない訳ではないけれど、連呼されると流石に男としてちょっと悲しい気分になる。
更に嫁さん嫁さん連呼されまくって複雑な心境の筈なのにどれだけ愛されているかをガンガン聞かされてオーバーヒートしそうだ。
「何故バイト中に羞恥プレイに耐えなければならないのか・・・」
「おい裕、いつまで赤くなってんだ。とっとと料理運んで来い」
「はい・・・いってきます・・・」
人が耐えながらも調理しているというのにこの銭ゲバ親父は無情にもホール仕事を投げて来る。
こんな状況で席に料理を運びに行けば当然。
「いやー、お熱いこったなあ兄ちゃん!」
「もう・・・ご勘弁を・・・」
「っははははは!」
茶化されるのは自然な流れだった。
勇魚さんと井灘さんのやりとりのお陰でスキンシップやらは無くなったが、祝言だの祝い酒だの言われて飲まされまくった。
咲夜の盃が無ければ途中で潰れてたかもしれない。
そんな揶揄いと酒漬けの時間を、俺は閉店間際まで味わうことになったのだった。
そして、もうすぐ閉店となる時間。
勇魚さんと一緒にずっと飲んでいた井灘さんも、ようやく腰を上げた。
会計を済ませ、店の前まで見送りに出る。
「じゃあな、あんちゃん。俺、マジであんちゃんに惚れてたんだぜ」
「はは・・・」
「だが、相手が勇魚の旦那じゃあ流石に分が悪い。幸せにしてもらえよ!」
「ありがとうございます・・・」
「また飲みに来るからよ。また今度、ごーやーちゃんぷうる作ってくれよな!」
「その時に居るかは約束できませんが、機会があれば」
からりとした気持ちの良い気質。
これもある種のプレイボーイなのだろうか。
「じゃあな!裕!勇魚の旦那!」
「おう!またな、井灘!」
「おやすみなさい、井灘さん」
そう言って手を振ってお見送り。
今日の三日月亭の営業も、これにて閉店。
店先の暖簾を下ろし、店内へと戻る。
「裕。そっちはどうだった?」
「こっちも終わりました。後は床掃除したら終わりですよ」
「ホント、この3日間マジ助かった。ありがとうな」
「いえいえ、久しぶりの接客も楽しかったですよ」
最後の客だった井灘さんも先程帰ったばかりだ。
店内の掃除もほぼ終わり、閉店準備もほぼ完了。
三日月亭のバイトももう終わりだ。
店長が近づいてくると、封筒を差し出してきた。
「ほい、バイト代だ。色々世話もかけたからな。イロ付けといたぜ」
「おお・・・」
ちょろっと中身を確認すると、想定していたよりかなり多めの額が入っていた。
店長なりの労いの証なのだろう。
「なあ裕。マジで今後もちょくちょく手伝いに来ねえか?お前がいると客足増えるし酒も料理も注文増えるしな。バイト料もはずむぜ」
「うーん・・・」
店長の申し出は有難いが、俺は俺でまだやらなければならない事がある。
悪くはない、んだけど余り時間を使うわけにもなぁ。
そんな風に悩んでいると、勇魚さんが俺の頭にぽん、と掌をのせる。
「店長、悪いがこれ以上裕をここにはやれねえよ」
「はは、旦那がそう言うんなら無理は言えねえな。裕の人気凄まじかったからな」
「ああ。何かあったらって、心配になっちまうからな」
今回は勇魚さんのお陰で事なきを得たけど、また同じような状況になるのは俺も御免被りたい。
相手に申し訳ないのもあるけど、どうすればいいか分からなくて困ったのも事実だ。
「お店の手伝いはできないですけど、またレシピの考案はしてきますので」
「おう。売れそうなのを頼むぜ。んじゃ、気を付けて帰れよ」
「はい、店長もお大事に。お疲れ様です」
「旦那もありがとうな」
「おう、おやすみ」
ガラガラ、という音と共に三日月亭の扉が閉まる。
店の前に残ったのは、俺と勇魚さんの二人だけ。
「じゃ、帰るか。裕」
「ええ、帰りましょうか。旦那様」
「おっ・・・。へへ、そう言われるのも悪くねえな」
「嫌味のつもりだったんだけどなァ」
そう言って俺と勇魚さんは笑いながら屋敷への帰路につくのであった。
後日―
三日月亭に買い物に来た俺を見るなり、店長が頭を下げてきた。
「裕、頼む・・・助けてくれ・・・」
「ど、どうしたんです店長。随分疲れきってますけど・・・」
「いや、それがな・・・」
あの3日間の後、事あるごとに常連客から俺は居ないのかと聞かれるようになったそうな。
俺がまだ島にいるのも事実なので連れて来るのは不可能だとも言えず。
更に井灘さんがちょくちょく仲間漁師を連れて来るらしく、『姿が見えない料理上手な可愛い店員』の話だけが独り歩きしてるらしい。
最近では聞かれ過ぎて返す言葉すら億劫になってきているそうな。
ぐったりした様子から、相当疲弊しているのがわかる。
「な、裕。頼む後生だ。俺を助けると思って・・・」
「ええ・・・」
それから。
たまーに勇魚さん同伴で三日月亭にバイトに行く日ができました。
更に後日。
勇魚さんと一緒に『網絡め』という儀式をすることになり、勇海さんに見られながら致すというしこたま恥ずかしいプレイで羞恥死しそうな思いをしたことをここに記録しておきます。
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210114
怒りは全て「過去」に向く。
未来には向けようがない。恨むべき人間を予想する事なんてできない。
大元をどんどん辿っていくとどうしても4歳~11歳くらいまでの体験で刻まれたトラウマが原因って事になる。
うん。それは心理学的なやつで散々書かれてるだろう。
「今、絶賛不愉快なんだ、それを今すぐなんとかしたい」っていう気持ちも、結局は「過去から続く負債や勘違い」を払拭しない限り、収まる事はない。
「悪い欲を他罰して解消」しても、より一層、自己欺瞞を積み重ね、過ちを重るだけだろう。それは、バカじゃん。
面白いけどさ。ああ、その道は面白い。
ドラマティックだ。ドラマティックなもんは好きだ。
でも、僕が好きなそのルートは、自分をどんどんバカで不幸な道に叩き落とす破滅の道だ。
いいや。そもそもこれが「本当に好き」なのかどうかもわからない。
またコジレが2018年くらいの段階まで戻った。
自分の「好き」という感情が信用できない。この好意自体、病気やトラウマが見せる幻ではないのか?
僕がいいな、と思うものや好きだと思う人、
全員僕が病気だからそう感じているだけで、実際はサイテーなクソ野郎なんじゃあないのか?
つまり、僕がサイテーなクソ野郎だからクソに共感してるだけなんじゃねーのか?
・・って。
いや。それはないでしょ。それこそ逃げっしょ。
金銭絡むレベルであからさまな迷惑かけられた事あるのは数人だけでしょ。そして彼ら彼女らから過去の人生に何があったのかもざっくり聞いて、場合によっちゃ彼ら彼女らの親とも会って「この親に育てられたんじゃあしょうがないか」って思えるとこまで関わり、納得得たじゃあないか。
もう十分だ。
「傷」に反応して好きになるんでしょ、どーせ、僕は。
そしてそれが「フェイクの傷」だと分かったら「騙したなッ!!」とキレるんだ。フェイクを装ったガチ傷だと分かると、「え、なんで? なんで?」と混乱するんだ。
エンターテイメント、マジでわからない。これを摂取して「どうなる」というのだ?
金が稼げる。甘えたダメ人間達と繋がって夢が観れる。
だから?
いや、楽しいでしょ。
本当に?
楽しいって思わなかったら悲しいでしょ。
宗教でもやったら?
信じるのが怖い。シンプルに、辛い。
✓
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雑な旅行の記録in北陸 20200823
中学の同級生5人組でGOTOした記録です。自分のために記憶をあとからリコールできるように思い出せたものは全部書いてるのでクソ長いです。クソ長いのでとりあえず1日目だけ。
8時20分集合なのに8時集合だと思い込み微妙に暑い中重い荷物を持って待ちぼうけ。中学の同級生なので基本的には近所なのだが一人だけ別の場所に住んでいるので梅田で合流。JRの大阪駅からサンダーバードで金沢まで移動。みんなまだ何かしらの学校に通っているので大学の話をした。今年入った奴は未だに学校に一回も行ってないらしい。ウケる。
金沢駅に到着し、とりあえず例の門を見た。思ったよりショボいけどまあ京都のパチもん(ヘイトスピーチ……ッ!!)だしこんなもんか、となった。12時過ぎていたので金沢駅周辺のラーメン屋で昼飯。味噌ラーメンの店なのだが「全員が看板メニューみたいなやつを頼むのはダサい」という考えのもと、私だけ期間限定の冷やし煮干し味噌ラーメンを注文。味がして美味しい。添えてある豆板醤的サムシングを少しづつ溶かすと味が変化して美味しい。電車の中で「酢が大好きなのでラーメン屋の味変ゾーンに酢が置いてあったが最後、最後の一口はだいたい酢の味しかしなくなる」と話していたフラグを回収。歩いて駅に戻る途中、縦3文字横4文字なのに縦書きな上左から読むという超絶トリッキーな張り紙に目を奪われた結果信号を逃す。直射日光を存分に浴び、クソ暑いが大阪よりはマシかなと感じた。
駅の付近で3日間の足となるレンタカーを借りる。私が何故か1年以上ぶーぶー学校に通い続けているため運転手は1名。マジで大変だったと思う。荷物を置くためホテルに移動。車で移動中に気づいたが金沢市内は右折レーンが以上に多い。直進のが大通りなのに(左折or直進)(右折)(右折)のレーン配分はなんかおかしいだろ。
ホテルに到着。5人1部屋なので最上階のデカイ部屋に移動式のベッドが1台、布団が2枚追加されていた。私は普段からベッドで寝てるのでベッドを所望したが、普段から布団で寝てる一名を除き全員ベッド寝を主張して譲らない。運転手以外の3人でじゃんけんした結果、負けたので仕方なく布団でネル羽目になったが、結果から言うと何の問題もなく寝られた。ハム太郎か?
まだ時間があるのでどこかに行こうという話になり、とりあえずで兼六園に行くことにした。「兼六園って何?」「庭」「なんで観光地なの?」「デカイから」「誰が作ったの?」「偉い人」とかなり雑な会話をしつつ移動。���カイ庭だった。確かに周りと比べると1,2度程度涼しいがそれじゃ焼け石に水、という感じの趣であった。というより花も咲いてなきゃ紅葉もしてなきゃ雪も降ってないという最悪のタイミングで行ってしまったのもある。パーティメンバーがみんなゲーム脳なので「ここ射線通って強いな」とか「ここ最終安置だったら投げ物なきゃ詰みじゃん」みたいな会話をしていた。
隣接するので金沢城にも寄った。同行者の城マニア曰くここは石垣がすごいらしい。自然石をそのまま積んだ石垣から方形に切り出した石を一分の隙間なく積んだものまで変遷が見て取れてよかった。国の重要文化財らしい蔵の説明を覚えろと言われたが、未だにちゃんと覚えている。えらい!鶴丸倉庫って名前だけここに置いときゃいつでも思い出せるな!
あまりにも早い時間ではあったが、どうせ夜中にカップ麺買うし他にやることもなかったので晩御飯を食べることに。現地で有名な回転寿司店に行った。味がして美味しい。私はありとあらゆる親戚に「お寿司が大好き」というイメージを持たれているのでどこに行っても寿司を食べさせられるのだが、今まで食べたお寿司の中でもベスト3に入るくらいに美味しかった。2貫で480円する甘海老が特にカルチャーショックだった。今まで食べてきた甘海老は「ほんのり甘海老」あたりに改名しろ。あとはいくらとうにが半々で乗った軍艦も良かった。味の情報量が多すぎてブラクラ扱いされそうだった。
ホテルに荷物を取りに戻り、近くの銭湯に行った。一応温泉の上に建っているらしく、ぬるめの湯は若干味がした。おいしくはない。我々はバカなのでシャンプーその他諸々が置いてないのを失念していたので、忘れ物っぽい桶に入ったものを拝借した。そのボディソープがピーチの香りだったのだが、私の中でピーチの香り、味はストッパ下痢止めと結びついているため、全身から下痢止めの香りがしてマジヤバだった。こういう謎の結びつきは他にもあって、ヨドバシ梅田を見るとすた丼が食べたくなる(最上階に入っているので)という話を行き道でしたばかりだった。
その後は24時間営業のスーパーでおやつとカップ麺を買い込んだ、富山ブラックのカップ麺にしようとしたが、明日にでも行こうという話になり、棚に戻した。色々あり結局食べられなかったのが今回の旅ほぼ唯一の心残りである。朝飲まないと気持ち悪いのでゲロ汁(野菜一日これ一本のことです)も買った。クソ不味いのに飲まないと気がすまない。
部屋に戻ってからは持ってきたトランプで大富豪をしていたのだが、前日まともに寝てなかった私はめちゃくちゃ眠かったので皆が騒いでいる中半畳くらいのスペースで丸まって寝ていた。我ながら本当にどこでも寝られるな。日付が変わる頃に起きて大富豪に参戦した。テーブルゲームをやるときの私はだいたいお嬢様言葉なので、例にもれず1ターンキルをキメたりしていましたわ!1時間位で切り上げて他の人が早々に食べてたカップ麺とかいう食べ物をわたくし一人で食べましたの!ちょうどそのときに私が大富豪だったので、下々の者に湯やら箸やらを手配させたのはきもちよかったですわね。畳に座りながら食べてた上場所の都合で新喜劇のセットみたいになって全くお嬢様感はなかったのだけ残念ですわ……
1時半くらいに福井に行く、というくらいでろくに明日の予定も決めずに就寝、旅行は行きあたりばったりこそが至高なのだ。
そのうち書く2日目に続く……
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RDR2:53:変人たちと遊ぼう!2
さて、バレンタインで例のおばかな双子に会ってしまい、付き合ってあげたりしたおかげでその日の内にストロベリーまで行くこ��はできませんでした。
そんなわけで翌日改めて、賞金首を捕まえに、ストロベリーへ向かうアーサーです。
道中で★3エルクの皮ゲット。賞金首のいるとこからそう遠くないので、先に罠師のお店へ行かなければ。この状態では捕まえた奴を乗せられませんのでね。
エルクの皮ってなにかに使うのかどうか覚えてませんが、まあ売る先なんて肉屋か罠師かだし。だったら罠師に売っておけば、お金になるだけでなく���材にもしてもらえるのでお得。
そして改めてやってきた賞金首のとこ。名前なんかとっくに忘却してましたが、内容だけ覚えてますよ。絶対決闘になるだろってことと、なのに殺しちゃいけないこと、それから、こいつを狙う他の賞金稼ぎもいるってこと。
だからアラブで来たんじゃないかね!
アーサーさんの顔撮るのに、これだけ光が当たってること珍しいなぁと思ったのですが、ちとタイミング狂いましたな。まあ気にしません。
で。
決闘は相変わらずルールというか、やり方がよく分かりません!
R2をゆっくり押していって、ゲージが溜まるとなんなの? 負けないためには���うすればいいの?
よー分からんまま何度か適当にやって、別にちんでペナルティがあるわけでもないので勝てるまでひたすらリトライですよ。
Rゲージを溜めた量が多いほど、狙う時間が長くなる?
でものんびり溜めすぎると、相手が抜いてしまう?
こっちが撃つ前に撃たれれば100%死亡なので―――つまり、Rゲージを溜めつつ相手のモーションに注意して、抜かれそうだとなったら一気にR押し込めばいい、のかな? 押し込みきった時点から、いわゆるデッドアイ的に狙う時間になる?
ので、相手に抜かれない範囲で、自分が抜く+狙う+撃つの時間を確保しなきゃいけないってこと?
ともあれ7回めくらいで無事に銃を落とさせて、あとはちょっと追いかけて確保。
案の定帰り道に出てきた賞金稼ぎは、めんどくせーので、頼んだぞ黒部!!(←安直なクロ・ブでクロベくん) ってなもんでダッシュで置き去りですよ。弾だってタダじゃないんだしさぁ。
ちなみにジョシュアは延々と、決闘したなら殺せ、みたいなこと言ってましたね。獲物を奪い合うおまえらはコヨーテだとか。けど最後には、なんかアーサーの腕を褒めてたような?
7回くらいやりなおしてるのはなかったことってことで(๑>•̀๑)、殺すほうがマトがデカくてラクなのに、あえて銃を狙う腕前は認めたってことなのかな。
うーむ、この町の市長はなんだかなですな。しかし中途半端な観光事業なんて、やろうとしてもコケるだけだと思うんだが。この町の観光資源ってなんなんだよ。まあ俺の知ったことじゃないけどな。
さーて、これで目的は果たしたけど、どうせここまで来たなら、クーガーの出たあたりまで行ってこなければ。鹿と狼は入手チャンス多いのでともかくとして、クーガーは狙わないとゲットできまい!!
とか思って進んでたら、街道脇にキャンプ。誰がいるのかなーと思って見てみてもよく分からないけど……なんかこいつらのいるところがレーダーで赤っぽくなるし、ギャング系かな。近寄るのやめとこっと(´・ω・`)
とか言ってたら別の方向のレーダー枠まで赤くなりまして。なんだと思ったら、狼でした! よっしゃ来い皮寄越せ!!( ✧Д✧)バッグ ツクル!!
そして気づいた、レーダーの「?」マーク。なにかと思ってマップ見てみると、ここはあれかな。高床じゃないけど、ハシゴで登った小さな山小屋。前はなにもなかったけど、誰か戻ってきたんだろうか?
と思って近寄���たら、おまえらか!! ブラック&ホワイト!! そうかー、ここに逃げてきたのか!
無事にいい隠れ家見つけたことに、アーサーさんも嬉しそう。だからこの人基本的にお人好しなんだって。それとも、悪人プレイしてると表情とか違うんですかね?
法執行官が活発に動いてるから油断はできないぞ、と警告してやると、白人のブラックのほうが「大丈夫だって」と言ってる派で、黒人のホワイトが懸念はしてるのかな。相変わらず言い合う二人。
しまいにはホワイトが怒って小屋の中に入って鍵をかけてしまった様子。入れてくれ、と謝るブラック。この二人のイベントはこれで終わりのようですが、章が移り変わっても無事に住んでるのだろうか。はしごがはずされてるのでアーサーはもう登れなくなってますけど、またいつか見に来ようっと。
さーて、道なりに鹿も狩って、これでもう後はクーガーだけ!!
そして……来た!! レーダーの外枠が赤いと思ったら、間もなく全然違う方向にドットが現れるこのパターン!! このときのためにボルト式ライフル装備済み、弾は念のための炸裂弾よ!!
皮寄越せえぇぇぇ―――ッ!!( ✧Д✧)
ってなもんでとりあえず狩猟完了、そして皮のグレードは!?
よっしゃ★3~~~!!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››
必ずしも最良とは限らないはずなのですが、これはただの運ですかね? ヒョウといい、基本的に最良を一発で手に入れています。
よし、あとは死なないように拠点に戻って、ピアソンに渡すだけだ!!
というわけで帰る!!!!
リッグズ駅からローズへ。駅舎に手配書がありました。脱獄囚? 25$はずいぶん安いけど……。まあいいや。また今度行ってみよう。
そして!! ついに!!
東の伝説バッグ作れるぞ―――!!٩(ˊᗜˋ*)و
これって、素材を実際に見るまでは、もっと後、ともするとエピローグ後じゃないと手に入らない素材とかがあるのかなと思ってましたが、その気になればかなり序盤でも作れますね。
これであらゆるものが99個まで持てるから、お肉の納品とか売却とかもやりやすく。植物とか薬とかお酒とかもたくさん拾えるしー。仕組み? そんなこと気にしたら負けですよ。伝説なんですから。
バレンタインからストロベリーと、またまったり遊んできたので、雑用をいくつかこなして、お金もちょっと入れておかないとな。
誰よりも稼いでいても、入金しばらくしてないとスーザンに小言言われるのはマジ納得いかない( ・ὢ・ ) 他の連中なんて10日に一度数$入れていればいいほう、くらいなのにさぁ。
そこまで貢献していればこそ待遇もよく、たまにミスっても「まあまあ」で済ませてもらえるのなら、文句言われる筋合いもなくね?( ・ὢ・ )
ギャングの資金については、もう少し仲間もしっかり入金してほしいですね。実質アーサー一人で拡張費用とか全部負担してるわけで。飾りとかもそう。そのへんも、他の誰かが手に入れて納品しててもおかしくないのに、なんでアーサー一人の納品しかカウントされないのか。バッグみたいな私物ならね、「自分のものは、自分で手に入れた素材で作る」でいいと思うけどさ?( ・ὢ・ )
んー……なんだか改めて不公平感味わっちゃったからー、メインはやっぱり後回しにして、ラジコン博士のとこ覗いてこよってかなぁ。
最近拠点で見かけてないのっていうと、ティリー、キーラン、マイカ、ダッチあたり? ビルはこの間馬車強盗言い出してたから、たまたまここんとこ見てないだけか。ダッチはおそらくホゼアが抱えてる案件でどこか別のとこにいると思われ。とするとお気に入りのマイカもか? ってことは、メアリーベスが持ってる件に、ティリーとキーラン? ともあれ……うーん、でも女の子たちが関わってる話は、先に見てあげたいかなぁ。うーん……。
というわけで、メアリーベスとお話です。
メアリーベスとの話自体は他愛もないこと。メアリーと会ったんでしょ、どうなったの、とかいうね。
もうお互いに同じ道を生きていくことはないと分かってるのに、それでも互いに会いたいと思ってしまうバカな二人。でも、誰かを好きになったら、理屈が引っ込んでバカになるのは道理ですからな。
そして、ミッション自体にはメアリーベス、全然関係ありませんでした(´・ω・`)ナンジャソラ
突然スーザンが猛々しくやってきて、「アンソニー一味にティリーがさらわれた!!」と。
おいおいミッション内容はそれかよ! なんでそれをメアリーベスからスタートするんだ。とはいえ、スーザンがクエスト持ってたら、それもそれでアーサーが話しかけるまでじっとしてるのは変なわけでね。ここはあくまでも、メアリーベスとの他愛のない話の最中に、そんな話を聞いてスーザンがすっ飛んできた、という流れが自然。
そして……えっ? スーザン自身が行くの!?
すげぇ……このおばちゃん、普段どんなにガミガミ言ってても、「うちの子たちに手ぇ出したらはらわた引きずり出してやるよ!!」と自ら乗り込むんだ……。
ティリーはアンソニーのところで一人殺して、それで逃げてきたそうです。アーサーは初耳だったようで、「あの子はあんたが思ってるほど純真なかわいこちゃんじゃあないよ」と。(字幕では純真無垢と出るけど、スイートと言ってる)
メアリーベスもわけありでこんなところに転がり込んで、やっと人並みにちゃんと扱ってもらえ、危険と背中合わせとはいえ、それまでよりは安心した暮らしができている。そんな話もちらっとしたばかりです。
ティリーもそう。みんないろいろ事情があって、真っ当な暮らしから転げ落ちてしまった。ティリーも黒人ですからね。いろいろあったでしょう。
そして、自分の懐、ダッチギャングに逃げ込んできた娘たちは、性根がどうしようもないのでないかぎり、スーザンにとっては、守ってやるべき妹分、あるいは娘分か。
それどころか、「中にはより助けを必要としてる子もいる。あんたみたいにね」とか、アーサーすら子供扱い。
拠点でのポーカーで「昔を思い出すねぇ。ダッチとホゼアとあんたと一緒に、一晩中やってたっけ」とか言ってますし、彼女も10年ではきかない古参なのかな。
どういう事情であれ落伍者の集まりで、見守ってあげる誰かが必要。スーザンはやっぱり、気性もあると思いますが、それに加えて自らオツボネサマの役割をこなしているのでもあるんだなと思った次第です。
それに……きぃやああぁぁぁぁぁ……っ:((((; ๐ᾥ๐)))): 「ジャックのパーティの後で、誰かあのキーランって子見た?」と言い出した……。こ、これは……フラグだ。もう完全にフラグだ。アーサーは「裏切ってコルムのもとに戻ったのか」という可能性を考えないわけではないようですけど、スーザンはきっぱりと、「あの子は一人で生きていけるタイプじゃない」と言い切ります。おいらもそう思う……そう思うからこれは……キーラン……これはもうダメだ……きっとどこかでコルムに捕まったんじゃ……。
こえぇよぉ……グロとかゴアとかシナリオが残酷なのとかゲスなのはどーでもいいけど(←)、ちょっとだけでも報われてほしいと思ってたキーランがひどい目に遭ってるなら、それを知るのが嫌だよぉ。゚(゚´д`゚)゚。
……そしてますます現実逃避に拍車が……:( •ᾥ•):
ともあれ進めてしまったものは仕方ないので、アンソニー一味のアジト……というか小屋に接近。スーザンが、「私が行く」と言って見張りに近づき、「ねえ、ちょっと迷ったんだけど、教えてくれないかしら」と接近すると……懐柔とか騙すとかどーでもええんやなこのおばちゃん。十分近づけさえすれば良かっただけか。女が相手だと撃って来る奴は稀……女の地位が低ければ低いほど、ナメてかかるのでまともに相手にしない、イコール油断するって判断はあるにしても、すげぇ度胸。
あとは俺に任せろ!! ってことで突入して他の連中を片付け、
無事ティリー救出!!
ティリーのことはスーザンに任せ、……おおっと、アンソニーと一部の手下は逃亡か! 逃さん!
ってわけで、そのへんにいたレオパルドのアパルーサに乗って(一応黒部連れてきたんだけどな)、スーザンと2ケツ。さすがに走らせてればスーザンが倒してくれるってわけてはないので、雑魚は始末し、アンソニーは捕縛。
ティリーのところへ連れて行った後、運命の決定権はアーサーか。
……こいつ絶対後で絡んで来そうだけど、それはそのときでいいから、今は見逃してやるよ( ・ὢ・ ) ティリーが本気で100%嫌って憎んでたら、彼女が自分で始末するか、あるいは俺に殺してって言っただろうしな。顔も見たくない、もう関わりたくないとは思ってても、死ぬことまで望んでるわけではないかもしれないなら、チャンスはくれてやる。……たぶん無駄にする気しかしないけどな。
アパルーサは、他人の鞍がついた状態ではたぶん馬屋に預けられない=自分のものにできなそうなので、馬の盗品商に売りました。親密度1でも40$弱くらい。けっこう高いな。よしよし。おまえ、今度はも��とまともな飼い主に出会えるといいな。
帰り道、ついでに賞金首のマークとやらのところへ。
子供に馬の乗り方仕込んでたところで、別に逃げやしないからとすすんで縛られてくれます。しかし……あー、子供になにか耳打ちしたの、これは怪しい。こっちに聞こえないように「必ず守ってくれよ」とか言う必要ないじゃん。これ、子供になにか仕込んだだろ?
運ぶ途中で縄ほどいて逃げるし(すぐ馬に蹴られて転倒し一瞬で捕まえ直したけど)、なんか二人くらい取り返しに来たのが、子供通じての差し金なんじゃねーの? わざわざ死にに来なくてもいいのにな( ・ὢ・ )
これ、極悪人プレイで、こいつ縛ったままここ戻ってきて、目の前で妻子撃ちころころするとかできますかね? どっちも捕まえて縛って、即死させないように足先とかから撃っていくとかさ? まあまずはこんなクソなおやじの使い���りやるクソガキだな。それを親二人の目の前でゆっくりころころして、それからよめはんな。で、おまえは生かしたまま刑務所行きだ。なあ。素直に捕まって連行されてれば俺にも仏心っていうか慈悲みたいなものはあったけど、くだらねー真似したせいでこんな目に遭ってんだぞ? な? 今どんな気分?? 俺はサイコーに楽しいぞ?(´ω`╬)
―――みたいなこともしてみたーい!!(←
しかし残念ながらアーサーさんは基本が天使というか、たふんシリオ的には善人プレイ推奨なんでしょうけどね。プレイヤーとしては、素直ないい子には礼儀正しくちゃんとした対応、慈悲もかけるし同情もする。けど気に食わないとなったらできるだけ悲惨な目見てもらうのもとっても楽しい、という……。極悪人プレイするなら、すれ違いざま挨拶して、普通に返してくれる人、無言の人はともかく、悪態ついてくる奴は人けのないところまでつけていってころころするくらいのキッチーもやってみたいと思ってます。いきなり撃つとかしませんよ? 馬鹿じゃないんだから。悪事は見つからないように。当たり前でしょ? 善人は馬鹿にも務まるけど、悪人は聡明でなきゃ生き残れないんですよ?
うん、まあ次に行こうか? 良かったな、天使アーサーで?
教授マークがあったので、処刑見に来ました。
おー、やってるやってる。
うーん……電圧低いのか、皮膚がピリィとか目玉ぽーんとかはないけど、安楽死には程遠いんだなぁ。全っ然人道的でないのは、皆さんによく分かっていただけているのではないかと。
挙げ句に自分が感電死しおった……( ತಎತ)アホ ダナ 処刑されたなんとか氏も「一思いに殺してくれぇ」と言いつつご臨終。
……あれ。ここの警察署ってどこだっけ? 署長からこいつの報酬金もらえないか見に行きたいんだけど……手配書マーク出てないと場所分かんないや。たしか劇場の近くだったっけ?
日記読むと、「報酬は結局もらえなかった」と書かれているので、もしかすると警察署行ってもダメなのかもなぁ。人道的で都会的な処刑方法のはずが、全然ダメだったわけだし。
で……シャルル……:( •ᾥ•):
逃げ出すからエスコートしてくれ、と?
酒場で脱糞して? 借金して? 人妻寝とって? そこらじゅうで迷惑かけまくってるじゃねぇかおまえ。そんな奴が相手でも断る選択肢がなく、そのままついていくからアーサーさん大概変態もとい変人好きよね?
あっやばい!! と、ぶっちゅー( ˘ ³˘)❤されました:( •ᾥ•): 挙げ句に知らない人だったって:( •ᾥ•):
こいつ野郎のヌードも書いてたから両刀使いじゃないかって気もするし、大丈夫かアーサーさん。狙われてないか。
しかもこんな髭に胸毛なのに「お嬢さん、どこいくの」とか声かけてくるド近眼野郎がおるぞ。近視に乱視も入ってるのか。
波止場でとうとう見つかって乱闘になり、それを制して、やっとこさシャルルは無事に船の上へ。
あーやれやれ、ひどい目に遭った。しかもこの喧嘩騒ぎはさすがに天使効果も通用せず、5$くらいですけど懸賞金がつきました。
しかも、こっちもこっちで一文も儲けてないよな俺? 最初に会ったとき酒奢った分マイナスだよな? もらったシャルルの絵って売れるのか? ……まあ、端金にするくらいなら、このドタバタの記念に取っておくけどさ。
こうなったら、サンドニの変な人はコンプすべく、ラジコン博士のところもまた見に行ってみようっと。章が進まないとダメとかもあるかもだけど、まあ、のんびりとね!
そこでアーサーが見たものは!? ってあたりで、また次回!
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青森市古川にある「#グローバルキッチンサイゴン」さんにも職場(#青森ビジネス専門学校)のポスターを貼っていただきましたー! うぉぁああぁッッ!! やったー!!! グローバルキッチン サイゴン(@globalkitchensaigon) 青森県青森市古川1丁目20-3 Tel:017-776-7212 「#サイゴン」さんは#八甲通り(いわゆる#アスパム通り)にあります。 店主さんはATV(青森テレビ)16:50~(月~金) 放送の「わっち!!」っていう番組のいちコーナー「わっちtheキッチン」で隔週水曜日に出演されてる方。 オミコロ野郎のせいで色々な飲食店が営業時間を頻繁に変更しなきゃならない感じの今日この頃ですが、2022年3月現在では 月~金がランチ営業(12:00~14:00 ラストオーダー13:30)、夜営業(17:30~23:00 ラストオーダー21:45)。 土曜日は夜営業のみみたいです。 テイクアウトは 月~金は昼営業と同じですが、夜営業は(17:00~20:00)、 土曜日のみ(15:00~20:00)になるみたいです! 気づいた時にGoogleさんに営業時間の編集提案をたまに出してみたりしてますが、結構簡単に出来たりするので「Googleに古い営業時間が出てる!」っていうの見つけたら協力してあげるとお店だけじゃなく利用者とか色んな人の助けになったりならなかったりする気がしますよ! で、肝心の「サイゴン」さんなのですが、なんとなく南国料理とかインドネシア料理のお店なのかな、と思ってたんですが「#グローバルキッチン」の名前はマジで伊達じゃなかったでした・・・! メニュー表見たら世界中の料理が滅茶苦茶な種類が並んでいて、どんだけ料理のレパートリーがあるの!?ってビックリさせられました・・・! 絵師で言ったら萌え絵も描けるし、イケメンも描けるし、老人も描けるし、デブキャラも描けるし、ゆるキャラも描けるし、さらにアニメ塗りも出来るし、厚塗りも出来るし、エアブラシ塗りも出来るし、水彩塗りも出来る、みたいな感じだと思います。 プログラマで言ったらC/C++もPHPもPythonもJavaもJavascriptもGoもC♯もVBも書けるし、さらにDartもKotlinもJuliaもRustもTypescriptもElixirも書けるみたいな感じだと思います。 SEで言ったらネットワーク構築もサーバー管理もクライアントキッティングも(略 とにかくメニュー表の写真もうpしてますが、お酒の種類ももっっの凄い豊富で、実はこれでメニューのごく一部という驚異のメニュー数・・・! で、ビビるのが味も美味しさがヤバかったです・・・! たくさんの種類の料理がなんとなく作れる、ってだけじゃなかった・・・ッ!! お酒に合いそうな料理は、お酒が滅茶苦茶欲しくなるし、普通に#ランチ や晩御飯として食べたい物は食事としての満足感が半端なかったです・・・! っていうか#ルーロウ飯 !!! #目玉焼き 乗ってるヤツ!! これマジでまた食べたい・・・!!! ボリュームが凄いんですが、お米がたっぷりってワケじゃなくて、お肉の量が凄いんです! 目玉焼きをめくった下にもお肉がたっぷり敷いてあるし、お肉の下にもまだたっぷりのお肉が隠れているという、どれだけお客さんを満足させたいんだ!っていう神料理でした・・・!!! 正直お米大好きな人種にとっては、半分のお肉でお米食べきれちゃうと思うので、残り半分のお肉でお酒を楽しむ、って事も出来そうだし、 糖質を気にしてる方はお米以外の物でお腹いっぱいにしたいと思うのですが、このルーロウ飯はまさにうってつけだと思います! 今回頼んだ料理がたまたまだったのか分かりませんが、野菜も結構多いので栄養バランスも凄く整ってるように見えます! 味もボリュームも凄いのに、これでいてお値段がリーズナブルなんです・・・! この大変な時期にこれだけ食べても凄く安くてなんとなく申し訳なさすら感じました・・・! うp出来てないですが、実は私が結構量食べるって事を知ってくださっていて、サービスでも料理を出してくれて、もうヤバいくらい幸せな気持ちにさせてもらえました・・・! 店主さんの奥さんや、店員さんに接客してもらう時も接客レベルの高さが伺えて、正直飲食店��してレベルカンストしてるんじゃないか、ってくらい「最強」を感じさせられるお店でした・・・! またランチでも早く訪問したい・・・! っきゃーーッッ!! #青森県 #青森市 #青森市古川 #古川 #aomori #aomoricity #あおもり #アオモリ #青森市ディナー #青森ディナー #青森グルメ #青森市グルメ #青森市ランチ #青森ランチ #チョリソー #生春巻き #青ビジ #えびの揚げトースト #トースト #ソーセージ (グローバルキッチン 居酒屋 サイゴン) https://www.instagram.com/p/CauPYuVp_vH/?utm_medium=tumblr
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【一生分の長さを】No.080【ざっと115万キロ】
待ち望んだゲームタイトルの続編に心を傾けていたら、あれよあれよと長月も末。秋を分け、日暮れも随分と早くなりました。朝晩の寒暖差や台風接近で気分が落ち込みやすい時候ですので各方ご自愛下さいませ。それでは今週のネタバレ本誌感想と参りましょう。
「好きだぜ」 「風子」
先週全てのクラスタをロマンスの嵐で吹き飛ばした大告白を携えて全裸の王子様が見参で候〜ッ!!!瞬きすら許さぬ早業で奪取GOGOGO(祭)
全部持った腕を飛ばしてその腕から再生してカード戻してるの天才的なアクションだな…風子に何かを託してまだまだ減速しない!!アクセル全開ーッッッ!!!!(峠を攻めるニット帽の幻覚)
「よぉ」
「久しぶりだな」
「師匠(ゆうさい)」
オメェよォーーーーーーッッ!!!!!そう表現できるなら最初っからそう言えよバカ野郎!!!!!!!!(思い出して急にキレる)激エモか…?バーンの剣は結局友才さんが使用する事になったんですね。順当と言えば順当だけれど、没収されたのか譲ったのか取り引きしたのかによって印象が随分違ってきますね。なんとなくだけれどここの対峙、3巻ヴィクトル戦のセルフオマージュを感じる。
不運弾も切り離した指とはいえ、いよいよ本格的に飛び道具になってきましたね。やっぱりそのうち特定の物にも付与できるようになりそう。ビリーの両手拳銃早抜き早撃ち、大変健康に良い。
「…友才 太刀筋に迷いが視えたが?」
上司風吹かせてくるやんボスぅ!!ヒュウゥ(茶化さないと死ぬオタク)
友才さんの迷いは不死相手なのか風子相手なのか、二人に対してなのか…風子がアンディに言われてた「ダチになれ」は達成できたんですかね。思いだしたらまたちょっとムカついてきた…誠意を見せろ不死!!(アンダーニュースがログインしました)
ここから暫くの少女漫画パートはさ…もう……私が仔細を語らなくてもいいと思います…「死ぬかと思った」に全部詰まってるよ…あぁ言葉ってむじぃなアンディ!!お前の言うとおりだよ!!!
❴奇々怪々❵
❴この大塔が❵
❴傾くか❵
待って春殿めちゃ楽しそうなんだけどこの頁情報量が多い待ってとりあえずひとコマ目にしれっと推しの顛末答え合わせしてるの待って深呼吸しよ一回落ち着いて暫く姿は見られないと高を括っていたせいで心の準備全然出来てなかった待って(心臓を叩く)
…とりあえず気になっていた右腕謎球体がクリードの装備では無くニコボール(仮)だった事に今更気付いた。なる程つまりは無事な腕もソイツで拘束しちまう算段だったんだな?ていうかニコえもんの秘密道具、万能チートアイテム過ぎんか?その割にめちゃくちゃ古典的な方法で大人しく縛られてる約2mの大男じわじわくる。普通のロープじゃなくてワイヤーとかなんだろうけどさ…(普通のロープだと力入れて千切って脱出してきそう)(偏見)トップ君はキャストオフ前に四肢を圧し折られたんじゃないのか、立ってる上にチカラ君助け起こしてるよこの子、根性あり過ぎだろ…覚悟完了ボーイが過ぎる。クリードは負けこそしたけど割と無傷で、リップの方が痛そうな鼻血出てるのもなんかシュールだね?
「とある建築家の能力だ」
ヒェッ…!
「建物の均衡を否定する」
UN BALANCE
「俺が使えるのは組織の能力だけではない」
ひとりハリウッドおじさんカッコよすぎて泣いてしまうから勘弁してほしい。ノイズ入りクソデカフォント嫌いなオタクいんの?????だが建築家にこの能力付与した神は絶対に許さない。絶対にだ。
「浮いてやがる…何の能力だ?」
もうアベンジャーズとか呼ばないと勝てないじゃん。空中を歩くのは…もしかしてジーナ後継不変から…?でも新しい不変の居場所は夏討伐報酬だったから別能力かな。あ〜でも能力解除でアンディのとこ行った時に裸足になってる!やっぱり不変か…!?…おや、風子の腕がなんか……
「守るものがあるから隙が生まれる」
「だからお前は弱いんだ」
「…寂しいな」
「すっかり強くなっちまった」
ここの演出というか台詞回し、漫画力高すぎるのでは。ビリーの台詞へ対する“お前は寂しいヤツだな”に思わせ��おいて、頁を進めた瞬間風子への“俺は寂しい”になるの強すぎでしょビックリしちゃう。流石戸塚御大…
「ありがとうクロちゃん」
クロちゃん有能UMAすぎるしもはや乗っ取るとか微塵も考えてないじゃん。理性の塊かよ。帰ったら高級な毛糸いっぱい貰いなね…
「信じるぜ」
「風子」
「今のお前なら」
「春を倒せる!!」
春風タイマンか〜!!!激アツ…今回もUMA戦は消化試合みたいになっちゃうのかなと思っていたんだけれど、対人戦テンポよく済ませてこっちにメインを持ってきたの、なかなか思い切りましたね…死ぬ気のマッチメイクやUNDERの守りがマジで薄く見えてしまうのが惜しい部分ではあるけれど、読者も知らぬUNDERインターン編で風子が学んできたものが垣間見える戦いになる事を期待したい!!そして来週センターカラーという情報が健康に良すぎてニッコリしてしまうね!!!
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これは持論なのだけども、
ザワ先生を劇場版のレギュラーキャラにするにはもはや彼をヒロインにするしか無いのでは?
いやどうもすみません。改めまして、劇場版ヒロアカ第3弾の映画の感想をば取り急ぎ失礼致します。
内容から小冊子までネタバレ全開です。要注意。
まさかのキービジュアルが冒頭で来るとは思わなんだ。最初からクライマックスだぜとはよく言ったものです。
とにかく格好良いめちゃくちゃ格好良い
あの最高格好良いステルスコスチュームのフードを被るところとか『今から壮絶な戦いが始まるぞ!』って感じがしてとてもドキドキしたし格好良かった!
各国のヒーローとヒーローの卵たちのスタンバるシーン良かったな……
ワンシーンだけでもザワ先生が出てくれないかと必死に探してしまいました😂
カチャとロキくんの掛け合い可愛いしプロの現場で殺陣回るカチャなんかこう、すごく、感慨深いのは何故��…?
ア、散々妄想してきたプロヒカチャの活躍がこうして擬似的にも実際に見れているということに感動しているんだ、わし……!!たぶん、これは雄英の生徒寮で待つザワ先生もテレビの前で同じようなこと思ってる、筈。
ロキくんの戦闘シーンは技が豪快なだけあって見ていて清々しいね!
映画のタイトルのところスタイリッシュで格好良いしザワ先生マジで一瞬だったけどメチャスコ格好良かったです!
使いっパシリトリオ可愛いね。現地でずっとサンコイチの扱いされてたら大変宜しい☺ 作戦のチームの一員とはいえインターン生だからなんかあるとアカンで外出る時は三人で必ず行動することって言いつけられてたら尚良し!👍
しかしまぁ町並み綺麗!カチャに置かれましては数年後是非ともザワ先生とまたプライベートで行ってほしいです。
当然のように現地に馴染んでるけど3人とも英語喋れるんかしらね……?えぁあ……かっこよ……。ヒロアカの世界では英語が第二母国語としてしっかり学校で学ばせるのかしらね……?
ロディ表情豊かでめちゃくちゃ可愛い……。
気軽に対価を要求するところが環境の違いがあってとても感慨深い。そうやって彼は処世術を学んで生きてきたのね……。
イズクミドリヤによるジャパニーズ土下座が見事に美しかった!
ロディ中の人めっちゃハマってて良かった……。演技上手……全然ストレス無く見れる……好き……。
ここぞとばかりに黒鞭がダイナミックに活躍していてすごくすごくすごく良かった!!デクの運動神経の良さよ!!
逃げるロディも良かった!この子ヒーローになれるんでね!?ってくらいめっちゃすごい!!
「事件に大小つけるなんざインターンで学んでねぇなァ?(セリフうろ覚え)」ってエンデバさんにいちゃもんつけるカチャめっちゃ良かったどす!!
デクのこと心配するロキくん良いね……萌えるね……すごく良い……。
ロキくんがデクに「落ち着け」って言ってるのなんだか新鮮で「ほう🤔」ってなった。良かった。
満を持して指名手配されるデク😂 あまりに気の毒😂 ザワ先生もきっとテレビの前で「はぁ!?」ってなってたことでしょう……
ロディとデクのコンビ旅すごく良かった……。景色があんまりにも美しい……。朝も昼も夜も、透き通った空気が伝わって見惚れちゃった……。オンボロ車に乗って国境を越える旅とかロマンあり過ぎぃ!!良ぉぉぉ!!!
国境線での戦闘シーンめちゃくちゃヒリヒリした……。これぞアニメヒロアカ!!って感じがしました……。私服で戦うロキくんとカチャ大変スコでした……。
そして滑空してるヘリに外からへばりつくカチャの迫力がすごくて😂
目の前で人が飛び降りる瞬間を見てしまったときのカチャの心境について誰か解析を求む。
カチャがただの爆発三太郎てきな扱いじゃなくて本当に良かった。
トリオの中で頭脳派を発揮するところに花丸💮をつけたい。
肝心の大詰め戦闘シーンなんだけど、
カチャスタッフに性癖押し付けられすぎではないか!?カチャでなかったら死んでたぞ確実に!?
いや良かったけどね!?最高にエクスタシー感じたけどね!?アイマスク半分剥がれたところとか攻撃をされるごとに徐々にコスチューム裂かれていくところとか痛がる声とか!?血に染まった片方の眼球とか!?!?ザワ先生と同じ右目だったね!?!?最最最最高でしたがね!?ありがとう!?!?!?(混乱)
ロキくんが終始王子様でした……。デクロキくんにお姫様抱っこされてへんかった?あれ!?わしの見間違い!?
左目の炎を片手で掻き上げるように消すところとかイケメンでした……。
ロディが素敵過ぎて目眩しそうだったし、そしてわしは号泣した。
ロディ……あああロディ………この感情、この気持ち、おれはうまいことこの想いを表現出来ない……好きしか言えない……。
100%のデクがあまりに最強過ぎて一瞬敵が可哀想に思えた😂
デクとロディのシーンで全わしが号泣しました。
そして満身創痍の彼らを一体誰が回収したのでしょう🤔
空港でのハグも良かったな……。離れていても文通とかフェイス通話とかで連絡取り合っててほしい。ロディとにかく推せる。
冒頭の段階でザワ先生の登場は諦めてたけれども、エンドロールでちょっと出てくれて良かった……!
学生寮でイイダくんたちとソワソワしながら待ってるザワ先生すこぶる可愛かった!映画スタッフ様!ザワ先生推し民への慈悲をありがとうございます!
さて、本当はもっと言いたいことが沢山あるのですがキリが無いので総評に入ります。
とても良かったです。
まったくこれに尽きる。
何とかしてザワ先生の活躍シーンぶっ込んでほしかったのは正直な気持ですが、それはそれとして映画としてとても良かった。
ロディというオリキャラをここまで追求して好印象に描いてくるとは露とも思わず、終わった頃にはまんまと彼という存在に惚れこんでおりました。
ロディといることでデクも主人公としての良さがすごく引き立ってて、とにかく良いコンビでした……。
ここまで良い関係性を築いた頃にカチャとロキが合流しても特に違和感無く物語が進んでいってて、まぁとにかくストレスが無い。純粋に最初から最後までワクワクしながら見れた。
てっきりライジングトリオが中心になって動くかと思いきや、良い意味で期待を裏切られました。
え、ロディ、原作いないの?今後本誌で見れない???うそぉ………。
終始デクの心配をして奔走するロキくんと、そんな彼に腕を引っ張られながら付き合うカチャという構図がたまらなく良かったです。ありがとうございます。
そして小冊子!!!
ちょ、やば、おもしろすぎた。
一問一答wwww元No.1ヒーローにして圧倒的レジェンドに懐かれるザワ先生wwwww
え、すごすぎない??? これまでの人生浅く広くの人間関係を徹底してきたあのレジェンドオールマイトに、唯一懐かれる男、相澤消太。いやいやいやいや語感が強い。すごく良い。面白い。
懐くっていう一方的な矢印がまた良いwww
猫には威嚇されるのに世界的ヒーローには唯一親愛的な好意を寄せられてるという何とも言えないバランスwwwはぁぁザワ先生最高ですwwww
そしてザワ先生の休日の過ごし方よwww
生徒たちの教育方針を考えてるって………マジ………マジ…………理想的な先生過ぎて百億万回惚れ直した…………。
時々野良猫追いかけてるって………えぇええ………最高かよぉう…………。もうやだ…先生の身のこなしだったらどこまででも追いかけられるじゃん………。猫もびっくりだよ……。その内深追いし過ぎて猫の恩返しの世界へ迷い込んで天国を味わってほしい………。
いや、まぁ、あれだ。追いかけて気付いたらカチャの実家の前まで来ちゃって、光己さんにお昼ご飯ご馳走してもらってください……。うっかり家庭訪問しちゃって恐縮しながら学校でのカチャの様子を光己さんに話して下さい………。
はぁ……小冊子も含めて本当に何もかも良かった……。
良い映画だった。たぶんあと10回は見に行く。ありがとうございました。
しかしそれはそれとして、である。
ザワ先生ザワ先生ザワ先生ああああああザワ先生が足りない!!!!
劇場のスピーカーでザワ先生の声が聞きたかった!!!ザワ先生が動いて喋って戦って活躍してるシーンをでっかいスクリーンで見たかった!!!!
何故ザワ先生をお留守番させたわけ!?!?(ヒント※大人の事情)
カチャがボロボロに刻まれて大ピンチになるたびに「爆豪ッ!」つってザワ先生が助けに来やしないかと本気でマジでガチで願ってた!!!だってわし!!!相爆の女だもん!!!!
そんなわけで、ザワ先生最推しのわし、不完全燃焼の為妄想にて気持ちの補完を試みます。
わしのわしによるわしのための映画その後の相爆です。
【セレナーデよ届いておくれ】
なんもかんもが勢いだ。
海外遠征先での行動も、敵の本拠地に突っ込んだのも、イカれクソモブツインズをぶっ倒したのも。
そして帰国して学校戻って寮に帰って、迎えてくれた留守番組の中にあの人の顔があったことに何だかいやにホッとして。ほんの一瞬だけ合った視線が、解けるように優しいものだから、すぐに逸らされた時は一抹のもの足りなさなんてものを感じたりもした。
──だから。
だから、部屋に戻ってベッドに寝っ転がった時、思いつきというか何というか。
無意識に携帯を弄って開いたメッセージアプリに担任の名前を出して、しばらく見つめて、感情に任せて文字を打った。
『そっち行っていいか?』
色気も飾り気も無い文章の上、普段なら絶対に打たない内容だ。
今の爆豪の純粋な気持ちだった。
会いたい。声が聞きたい。できるなら傍に寄り添いたい。
ゲロが出るほど甘ったれたワガママである。
けれどこれを、爆豪は送信してしまった。つい、勢いで。
ポン、と間抜けな音を立ててトーク画面に表示されてしまった己のメッセージを見て、しまったと真っ青になった。
外はとっくに夜更けを過ぎている。
海外での戦闘でまだ浮かれ気分が抜けきっていないのか。
口の中でクソ、と毒づいて���ぐに取り消そうと両手でスマホを持ち直した直後、無情にも送ったメッセージに『既読』の文字がついてしまった。
相澤にこのゲロ甘な爆豪の懇願を見られてしまったということだ。
何だってこんな時に限って直ぐに携帯確認すんだよ!!
何か返される前に弁明を申し上げてそのうえで見なかったことにしろと続け様に送る。送ったそばで直ぐに『既読』がつく。
リアルタイムで相澤が携帯を見ている。
爆豪のこの独り相撲を、彼は一体どんな気分で見守っているのだろうと考えると、モノスゴク死にたくなった。
顔が見えない分めちゃくちゃ不安で、自分がひどく幼稚な奴に思えて嫌になる。こんなんでも、相澤と付き合っている仲だというのに。
もう何だかスマホを見ているのも嫌になって、端末を握りしめたままうつ伏せで枕に顔を埋めた。籠った声で仕切りに「クソッ」と呻く。
すると、小さな電子音を一つ上げてメッセージが届いた。当然のことながら、相手は相澤である。
ロック画面に無機質に浮かぶ彼の苗字を目に留め、顔をクシャッとさせて口を引き結ぶ。息がしづらくて胸が切ない音を立てるこの症状、本当に何とかならないのだろうか。
もう二度とメッセージなんてしないと誓ってすらいたところだったのに、『相澤』という文字が画面に浮かぶだけで何もかも忘れてただただ嬉しさだけしか残らなくなる。どんだけ情緒不安定なんだって話だ。
端末を胸に引き寄せて、瞼をぎゅぅっと閉じて息を吐く。
目尻を釣り上げたままそっと目を開けて、息苦しそうな顔をしながら画面を開いた。
『いいよ、おいで』
同じく飾り気も素気も全くない文面だった。
それでも、爆豪の心臓を撃ち抜くには、その言葉は充分な威力があったのだった。
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ひとみに映る影シーズン2 第六話「どこまでも白い海で」
☆プロトタイプ版☆
こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。
最低限の確認作業しかしていないため、
誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。
尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ)
私はファッションモデルの紅一美。
旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!?
霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった!
実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ……
なんて言っている場合じゃない。
諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ!
憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
☆キャラソン企画第六弾 金城玲蘭「ニライカナイ」はこちら!☆
དང་པོ་
アブが、飛んでいる。天井のペンダントライトに誘われたアブが、蛍光灯を囲う四角い木枠に囚われ足掻くように飛んでいる。一度電気を消してあげれば、外光に気がついて窓へ逃げていくだろう。そう思ったのに、動こうとすると手足が上がらない。なら蛍光灯を影で覆えば、と思うと、念力も込もらない。
「一美ちゃん」
呼ばれた方向を見ると、私の手を握って座っている佳奈さん。私はホテルの宴会場まで運ばれて、布団で眠っていたようだ。
「起きた?」
障子を隔てた男性側から万狸ちゃんの声。
「うん、起きたよ」
「佳奈ちゃん、一美ちゃん、ごめん。パパがまだ目を覚まさなくて……また後でね」
「うん」
佳奈さんは万狸ちゃんとしっかり会話出来ている。愛輪珠に霊感を植え付けられたためだ。
「……タナカDはまだ帰って来ないから、私が一美ちゃんのご両親に電話した。私達が千里が島に連れてきたせいでこんな事になったのに、全然怒られなかった。それどころか、『いつか娘が戦わなければいけない時が来るのは覚悟していた。それより貴女やカメラマンさんは無事なのか』だって……」
ああ。その冷静な受け答えは、きっとお母さんだ。お父さんやお爺ちゃんお婆ちゃんだったらきっと、『今すぐ千里が島に行って俺が敵を返り討ちにしてやる』とかなんとか言うに決まってるもん。
「お母さんから全部聞いたよ。一美ちゃんは赤ちゃんの時、金剛有明団っていう悪霊の集団に呪いをかけられた。呪われた子は死んじゃうか、乗り越えられれば強い霊能者に成長する。でも生き残っても、いつか死んだら金剛にさらわれて、結局悪い奴に霊力を利用されちゃう」
佳奈さんは正座していた足を崩した。
「だけど一美ちゃんに呪いをかけた奴の仲間に、金剛が悪い集団だって知らなくて騙されてたお坊さんがいた。その人は一美ちゃんの呪いを解くために、身代わりになって自殺した。その後も仏様になって、一美ちゃんや金城さんに修行をつけてあげた」
和尚様……。
「一美ちゃんはそうして特訓した力で、今まで金剛や悪霊と戦い続けてた。私達と普通にロケしてた時も、この千里が島でもずっと。霊感がない私やタナカDには何も言わないで……たった一人で……」
佳奈さんは私から手を離し、膝の上でぎゅっと握った。
「ねえ。そんなに私達って信用できない? そりゃさ。私達は所詮、友達じゃないただの同僚かもしれないよ。けど、それでも仲間じゃん。幽霊見えないし、いっぱい迷惑かけてたのかもしれないけど」
……そんな風に思った事はない、と答えたいのに、体が動かなくて声も出せない。
「いいよ。それは本当の事だし。てかだぶか、迷惑しかかけてこなかったよね。いつもドッキリで騙して、企画も行先も告げずに連れ回して」
そこは否定しません。
「だって、また一美ちゃんと旅に出たいんだもん。行った事のない場所に三人で殴り込んで、無茶して、笑い合って、喧嘩して、それでも懲りずにまた旅に出るの。もう何度も勝手に電源が落ちるボロボロのワイヤレス付けて、そのへんの電器屋さんで買えそうなカメラ回してね。そうやって互いが互いにいっぱい迷惑かけながら、旅をしたいんだよ」
……
「なのに……どうして一人で抱えこむの? 一美ちゃんだって私達に迷惑かければいいじゃん! そうすれば面白半分でこんな所には来なかったし、誰も傷つかずに済んだのに!」
「っ……」
どの口が言うんですか。私が危ないって言ったって、あなた達だぶか面白半分で首を突っ込もうとする癖に。
「私達だって本当にヤバい事とネタの分別ぐらいつくもん! それとも何? 『カラキシ』なんて足手まといでしかないからってワケ!?」
「っ……うっ……」
そんな事思ってないってば!! ああ、反論したいのに口が動かない!
「それともいざという時は一人でどうにかできると思ってたワケ? それで結局あの変態煙野郎に惨敗して、そんなボロボロになったんだ。この……ダメ人間!」
「くっ……ぅぅうううう……」
うる��い、うるさい! ダメ人間はどっちだ! 逃げろって言ったのにどうして戻ってきたんだ! そのせいで佳奈さんが……それに……
「何その目!? 仲間が悪霊と取り残されてて、そこがもう遠目でわかるぐらいドッカンドッカンしてたら心配して当然でしょ!? あーそうですよ。私があの時余計な事しなければ、ラスタな狸さんが殺されて狸おじさんが危篤になる事もなかったよ! 何もかも私のせいですよーっ!!」
「ううう、あああああ! わああぁぁ!」
だからそんな事思ってないってば!! ていうか、中途半端に私の気持ち読み取らないでよ! 私の苦労なんて何も知らなかったクセに!!
「そーだよ! 私何もわかってなかったもん! 一美ちゃんがひた隠しにするから当たり前でしょぉ!?」
「うわあああぁぁぁ!! うっぢゃぁしいいいぃぃ、ごの極悪ロリーダァァァ!!」
「なん……なんだどおぉ、グスッ……この小心者のっ……ダメ人間!」
「ダメ人間!」
「ダメ人間!!」
「「ダメ人間ーーーっ!!!」」
いつの間にか手足も口も動くようになっていた。私と佳奈さんは互いの胸ぐらを掴み合い、今まで番組でもした事がない程本気で罵り合う。佳奈さんは涙で曇った伊達眼鏡を投げ捨て、私の腰を持ち上げて無理やり立たせた。
「わああぁぁーーっ!」
一旦一歩引き、寄り切りを仕掛けてくる。甘いわ! 懐に入ってきた佳奈さんの右肩を引き体勢を浮かせ、
「やああぁぁぁーーっ!!」
思いっきり仏壇返し! しかし宙を回転して倒れた佳奈さんは小柄な体型を活かし即時復帰、助走をつけて私の頬骨にドロップキックを叩きこんだ!!
「ぎゃふッ……あヤバいボキっていった! いっだあぁぁ!!」
「やば、ゴメン! 大丈夫?」
「だ……だいじょばないです……」
と弱った振りをしつつ天井で飛んでいるアブを捕獲!
「んにゃろぉアブ食らえアブ!」
「ぎゃああああぁぁ!!!」
<あんた達、何やってんの?>
「「あ」」
突然のテレパシー。我に返った私達が出入口を見ると、口に血まみれのタオルを当てて全身傷だらけの玲蘭ちゃんが立っていた。
གཉིས་པ་
アブを外に逃がしてやり、私は玲蘭ちゃんを手当てした。無惨にも前歯がほぼ全部抜け落ちてしまっている。でも診療所は怪我人多数で混雑率二〇〇%越えだという。佳奈さんに色んな応急手当についてネットで調べてもらい、初心者ながらにできる処置は全て行った。
「その傷、やっぱり散減と戦ったの?」
<うん。口欠湿地で。本当に口が欠けるとかウケる>
「いや洒落になんないでしょ」
<てか私そもそも武闘派じゃないのに、あんなデカブツ相手だなんて聞いてないし>
「大体何メートル級だった?」
<五メートル弱? 足は八本あった>
なるほど。なら牛久大師と同じ、大散減の足から顕現したものだろう。つまり地中に潜む大散減は、残りあと六本足。
<てか一美、志多田さんいるのに普通に返事してていいの?>
「あ……私、もうソレ聞こえてます」
<は?>
私もこちらに何があったかを説明する。牛久大師が大散減に取り込まれた。後女津親子がそれを倒すと、御戌神が現れた。私は御戌神が本当は戦いたくない事に気付き、キョンジャクで気を正した。けど次の瞬間金剛愛輪珠如来が現れて、御戌神と私をケチョンケチョンに叩き潰した。奴は私を助けに来た佳奈さんにも呪いをかけようとして、それを防いだ斉二さんがやられた。以降斉一さんは目を覚まさず、タナカDと青木さんもまだ戻ってきていないみたいだ、と。そこまで説明すると、玲蘭ちゃんは頭を抱えて深々とため息をついた。
<最ッ悪……金剛マターとか、マジ聞いてないんだけど……。てか、一美もたいがい化け物だよね。金剛の如来級悪霊と戦って生きて帰れるとか>
「本当、なんで助かったんだろ……。あの時は全身砕かれて内臓ぜんぶ引きずり出されたはずなんだけど」
<ワヤン化してたからでしょ>
「あーそっか……」
砕けたのは影の体だけだったようだ。
「けど和尚様から貰ったプルパを愛輪珠に取られちゃって、今じゃ私何にもできない。だってあいつが、和尚様の事……実は邪尊教の信者だとか言い出すから……」
<は!? 観音和尚が!? いや、そんなのただの侮辱に決まってるし……>
「…………」
<……なに、一美? まさか心当たりあるの!?>
「あの」
佳奈さんが挙手する。
「あの。何なんですか? そのジャソン教とかいうのって」
<ああ、チベットのカルト宗教です。悪魔崇拝の仏教版と言いましょうか>
「じゃあ、河童の家みたいな物?」
とんでもない。
「テロリストですよ。ドマル・イダムという邪尊の力を操ってチベットを支配していた、最悪の独裁宗派です」
「そ、そうなの!?」
ドマル・イダム。その昔、とある心優しい僧侶が瀕死の悪魔を助け、その情け深さに心打たれた悪魔から不滅の心臓を授かった。そうして彼は衆生の苦しみを安らぎに変える抜苦与楽(ばっくよらく)の仏、『ドマル・イダム(紅の守護尊)』となった。しかしドマルは強欲な霊能者や権力者達に囚われて、巨岩に磔にされてしまう。ドマルには権力者に虐げられた貧民の苦しみや怒りを日夜強制的に注ぎ込まれ、やがてチベットはごく少数の貴族と無抵抗で穏やかな奴隷の極端な格差社会になってしまった。
「この事態を重く見た当時のダライ・ラマはドマル信仰を固く禁じて、邪尊教と呼ぶようにしたんです」
「う、うわぁ……悪代官だしなんか罰当たりだし、邪尊教まじで最悪じゃん……」
<罰当たり、そうですね。チベットでは邪尊教を戒めるために、ドマルの仏画が痛々しい姿で描かれてます。まるで心臓と神経線維だけ燃えずに残ったような赤黒い体、絶望的な目つき、何百年も磔にされているせいで常人の倍近く伸びた長い両腕……みたいな>
「やだやだやだ、そんな可哀想な仏画とか怖くて絶対見れない!」
そう、普通の人はこういう反応だ。だからチベット出身の仏教徒にむやみに邪尊教徒だと言いがかりをつけるのは、最大の侮辱なんだ。だけど、和尚様は……いや、それ以上考えたくない。幼い頃、和尚様と修行した一年間。大人になって再会できた時のこと。そして、彼に授かった力……幸せだったはずの記憶を思い起こす度に、色んな伏線が頭を過ぎってしまう。
<……でも、一美さぁ>
玲蘭ちゃんは口に当てていた氷を下ろし、私を真正面から見据えた。
<和尚にどんな秘密があったのか知らないけど、落ちこむのは後にしてくれる? このまま大散減が完全復活したら、明日の便に乗る前に全員死ぬの。今まともな戦力になるの、五寸釘愚連隊とあんたしかいないんだけど>
「私……無理だよ。プルパを奪われて、影も動かせなくなって」
<それなら新しい武器と法力を探しに行くよ>
「!」
<志多田さんも、来て>
「え? ……ふええぇっ!?」
玲蘭ちゃんは首にかけていた長い数珠を静かに持ち上げる。するとどこからか潮騒に似た音が聞こえ、私達の視界が次第に白く薄れていく。これは、まさか……!
གསུམ་པ་
気がつくと私達は、白一色の世界にいた。足元にはお風呂のように温かい乳白色の海が無限に広がり、空はどこまでも冷たげな霧で覆われている。その境界線は曖昧だ。大気に磯臭はなく、微かに酒粕や米ぬかのような香りがする。
「綺麗……」
佳奈さんが呆然と呟いた。なんとなく、この白い世界に私は来たことがある気がする。確か初めてワヤン不動に変身した直後だったような。すると霧の向こうから、白装束に身を包む天女が現れた。いや、あれは……
「めんそーれ、ニライカナイへ」
「玲蘭ちゃん!?」「金城さん!?」
初めてちゃんと見たその天女の姿は、半人半魚に変身した玲蘭ちゃん。肌は黄色とパールホワイトのツートーンで、本来耳があった辺りにガラスのように透き通ったヒレが生えている。元々茶髪ボブだった頭も金髪……というより寧ろ、琉球紅型を彷彿とさせる鮮やかな黄色になっていた。燕尾のマーメイドドレス型白装束も裏地は黄色。首から下げたホタル玉の数珠と、裾に近づくにつれてグラデーションしている紅型模様が美しく映える。
「ニライカナイ、母なる乳海。全ての縁と繋がり『必要な物』だけを抜粋して見る事ができる仮想空間。で、この姿は、いわゆる神人(かみんちゅ)ってやつ。わかった?」
「さっぱりわかりません!」
私も佳奈さんに同じく。
「よーするにここは全ての魂と繋がる母乳の海で、どんな相手にもアクセスできるんです。私が何か招き入れないと、ひたすら真っ白なだけだけど」
母乳の海。これこそまさに、金剛が欲しがってやまない『縁の母乳』だ。足元に広がる海水は、散減が吐く穢れた物とはまるで違い、暖かくて淀みない。
「今からこの海で、『マブイグミ』って儀式をする。一美の前世を呼んでパワーを分けて貰うってわけ。でもまず、折角だし……志多田さんもやってみますか?」
「え、私の前世も探してくれるんですか!? えーどうしよ、緊張するー!」
「アー……多分、思ってる感じと違いますよ」
玲蘭ちゃんは尾ビレで海水を打ち上げ、飛沫から瞬く間にススキの葉を錬成した。そして佳奈さんの背中をその葉でペンペンと叩きながら、
「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー」
とユルい調子で呪文を唱えた。すると佳奈さんから幾つもの物体がシュッと飛び出す。それらは人や動物、虫、お守りに家具など様々で、佳奈さんと半透明の線で繋がったまま宙に浮いている。
「なにこれ! もしかして、これって全部私の前世!? ええっ私って昔は桐箪笥だったのぉ!?」
「正確には箪笥に付着していた魂の欠片、いわゆる付喪神です。人間は物心つくまでに周囲の霊的物質を吸収して、七歳ぐらいで魂が完成すると言われています。私が呼び戻したのは、あなたを構成する物質の記憶。強い記憶ほど鮮明に復元できているのがわかりますか?」
そう言われてみると、幾つかの前世は形が朽ちかけている。人間の霊は割と形がはっきりしているけど、箪笥や虫などは朽ちた物が多い。
「たしかに……このおじさん、実家のお仏壇部屋にある写真で見たことあるかも。写真ではもっとおじいさんだったけど」
「亡くなった方が必ずしも亡くなったご年齢で現れるとは限らないんですよ」
私が補足した。そう、有名なスターとか軍人さんとかは、自分にとって全盛期の姿で現れがちなんだ。佳奈さんが言うおじさんも軍服を着ているから、戦時中の御姿なんだろう。
すると玲蘭ちゃんは手ビレ振り、佳奈さんの前世達を等間隔に整列させた。
「志多田さん。この中で一番、あなたにとって『しっくりくる』者を選んで下さい。その者が一つだけ、あなたに力を授けてくれます」
「しっくりくるもの?」
佳奈さんは海中でザブザブと足を引きずり、きちんと並んだ前世達を一つずつ見回っていく。
「うーん……。やっぱり、見たことある人はこのおじさんだけかな。家に写真があったなら、私と血が繋がったご先祖様だと思うし……あれ?」
ふと佳奈さんが立ち止まる。そこにあったのは、殆ど朽ちかけた日本人形。
「この子……!」
どうやら、佳奈さんは『しっくりくる前世』を見つけたようだ。
「私覚えてる。この子は昔、おじいちゃん家の反物屋にいたお人形さんなの。けど隣の中華食堂が火事になった時、うちも半焼しちゃって、多分だからこんなにボロボロなんだと思う」
佳奈さんは屈んで日本人形を手に取る。そして今にも壊れそうなそれに、火傷で火照った肌を癒すように優しく海水をかけた。
「まだ幼稚園ぐらいの時だからうろ覚えだけど。家族で京都のおじいちゃん家に遊びに行ったら、お店にこの子が着てる着物と同じ生地が売ってて。それでおそろいのドレスを作ってほしいっておじいちゃんにお願いしたんだ。それで東京帰った直後だよね、火事。誰も死ななかったけど約束の生地は燃えちゃって、お人形さんが私達を守ってくれたんだろうって話になったんだよ」
佳奈さんが水をかける度に、他の魂達は満足そうな様子で佳奈さんと人形に集約していく。すると玲蘭ちゃんはまた手ビレを振る。二人を淡い光が包みこみ……次の瞬間、人形は紺色の京友禅に身を包む麗しい等身大舞妓に変身した!
「あなたは……!?」
「あら、思い出してくれはったんやないの? お久しぶりどすえ、佳奈ちゃん」
それは見事な『タルパ』だった。魂の素となるエクトプラズム粒子を集め、人工的に作られた霊魂だ。そういえば玲蘭ちゃんが和尚様から習っていたのはこのタルパを作る術だった。なるほど、こういう風に使うために修行していたんだね。
佳奈さんは顕現したての舞妓さんに問う。
「あ、あのね! 外でザトウムシの化け物が暴れてるの! できれば私もみんなと一緒に戦いたいんだけど、あなたの力を貸してくれないかな?」
ところが舞妓さんは困ったような顔で口元を隠した。
「あらあら、随分無茶を言いはりますなぁ。うちはただの人形やさかい、他の方法を考えはった方がええんと違います?」
「そっかぁ……。うーん、どうしよう」
「佳奈さん、だぶか霊能力とは別の事を聞いてみればいいんじゃないですか? せっかく再会できたんだから勿体ないですよ」
「そう? じゃあー……」
佳奈さんはわざとらしいポーズでしばらく考える。そして何かを閃くと、わざとらしく手のひらに拳をポンと乗せた。
「ねえ。童貞を殺す服を着た女を殺す服って、結局どんな服だと思う? 人生最大の謎なんだけど!」
「はいぃ???」
舞妓さんがわかっていないだろうからと、玲蘭ちゃんがタルパで『童貞を殺す服』を顕現してみせた。
「所謂、こーいうのです。女に耐性のない男はこれが好きらしいですよ」
玲蘭ちゃんが再現した童貞を殺す服は完璧だ。フリル付きの長袖ブラウスにリボンタイ、コルセット付きジャンパースカート、ニーハイソックス、童話の『赤い靴』みたいなラウンドトゥパンプス。一見露出が少なく清楚なようで、着ると実は物凄く体型が強調される。まんま佳奈さんの歌詞通りのコーデだ。
「って、だからってどうして私に着せるの!」
「ふっ、ウケる」
キツキツのコルセットに締め付けられた私を、舞妓さんが物珍しそうにシゲシゲと眺める。なんだか気恥ずかしくなってきた。舞妓さんはヒラヒラしたブラウスの襟を持ち上げて苦笑する。
「まあまあ……外国のお人形さんみたいやね。それにしても今時の初心な殿方は、機械で織った今時の生地がお好きなんやなあ。うちみたいな反物屋育ちの古い人形には、こんなはいからなお洋服着こなせんどす」
おお。これこそ噂の京都式皮肉、京ことば! 要するに生地がペラッペラで安っぽいと言っているようだ。
「でも佳奈ちゃんは、『おたさーの姫』はん程度にならもう勝っとるんやないの?」
「え?」
舞妓さんは摘んでいたブラウスを離す。すると彼女が触れていた部分の生地感が、心なしかぱりっとした気がする。
「ぶっちゃけた話ね。どんなに可愛らしい服でも、着る人に品がなければ『こすぷれ』と変わらへん。その点、佳奈ちゃんは立派な『あいどる』やないの。お歌も踊りもぎょうさん練習しはったんやろ? 昔はよちよち歩きやったけど、歩き方や立ち方がえろう綺麗になってはるさかい」
話しながらも舞妓さんは、童貞を殺す服を摘んだり撫でたりしている。その度に童貞を殺す服は少しずつ上等になっていく。形や色は変わらなくても、シワが消え縫製が丁寧になり、まるでオーダーメイドのように着心地が良くなった。そうか、生地だ。生地の素材が格段にグレードアップしているんだ!
「うちらは物の怪には勝てへんかもしれんけど、童貞を殺す服を着た女に負けるほど弱い女やありまへん。反物屋の娘の誇りを忘れたらあかんよ、佳奈ちゃん」
舞妓さんは童貞を殺す服タルパを私から剥がすと、佳奈さんに当てがった。すると佳奈さんが今着ているサマーワンピースは輝きながら消滅。代わりにアイドルステージ上で彼女のトレードマークである、紺色のメイド服姿へと変身した。けどただの衣装じゃない、その生地は仙姿玉質な京友禅だ!
「いつものメイド服が……あ、これってもしかして、おそろいのドレス!?」
舞妓さんはにっこりと微笑み、輝くオーラになって佳奈さんと一体化する。京友禅メイド服とオーラを纏った佳奈さんは、見違えるほど上品な風格を帯びた。童貞やオタサーの姫どころか、全老若男女に好感を持たれる国宝級生人形(スーパーアイドル)の誕生だ!
བཞི་པ་
「まぶやー、まぶやー、ゆくみそーれー」
またしても玲蘭ちゃんがゆるい呪文を唱えると、佳奈さんの周囲に残っていた僅かな前世残滓も全て佳奈さんに吸収された。これでマブイグミは終了だ。
「金城さんごめんなさい。やっぱり私、バトルには参加できなさそうです……」
「お気になさらないで下さい。その霊的衣装は強いので、多少の魔物(マジムン)を避けるお守り効果もあります。私達が戦っている間、ある程度護身してて頂けるだけでも十分助かります」
「りょーかいです! じゃあ、次は一美ちゃんの番だね!」
いよいよ、私の前世が明らかになる。家は代々影法師使いの家系だから、力を取り戻してくれる先代がいると信じたい。
「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー」
玲蘭ちゃんが私の背中を叩く。全身の毛穴が水を吹くような感覚の後、さっき見たものと同じ半透明の線が飛び出した。ところが……
「あれ? 一美ちゃんの前世、それだけ??」
佳奈さんに言われて自分から生えた前世達を見渡す。……確かに、佳奈さんと比べて圧倒的に少ない。それに形も、指先ほど小さなシジミ蝶とか、書道で使ってた筆とか、小物ばっかり。玲蘭ちゃんも首を傾げる。
「有り得ないんだけど。こんな量でまともに生きていけるの、大きくてもフェレットぐらいだよ」
「うぅ……一美ちゃん、可哀想に。心だけじゃなくて魂も小さいんだ……」
「悪かったですね、小心者で」
一番考えられる可能性としては、ワヤン不動に変身するためのプルパを愛輪珠に奪われたからだろう。念力を使う時、魂の殆どが影に集中する影法師の性質が仇となったんだ。それでも今、こうして肉体を維持できているのはどういう事か。
「小さくても強いもの、魔除けとか石とか……も、うーん。ないし……」
「じゃあ、斉一さんのドッペルゲンガーみたいに別の場所にも魂があるってパターンは?」
「そういうタイプなら、一本だけ遠くまで伸びてる線があるからすぐわかる」
「そっか……」
すると、その会話を聞いていた佳奈さんが私の足元の海中を覗きこんだ。
「ねえこれ、下にもう一本生えてない?」
「え?」
まじまじと見ると、確かにうっすらと線が見えなくもない。すると玲蘭ちゃんが尾ビレを振って、私の周囲だけ海水を退けてくれた。
「あ、本当だ!」
それは水が掃け、足元に残った影溜まりの中。まるで風前の灯火のように薄目を開けた『ファティマの目』が、一筋の赤黒い線で私と繋がっている。そうか。行きの飛行機内で万狸ちゃんを遠隔視するのに使ったファティマの目は、本来邪悪な物から身を守る結界術だ。私の魂は無意識に、これで愛輪珠から身を守っていたらしい。
「そこにあったんだ。やっぱり影法師使いだね」
玲蘭ちゃんがファティマの目を屈んで掬い取ろうとする。ところが、それは意志を持っているように影の奥深くに沈んでしまった。
「ガード固っ……一美、これどうにかして取れない?」
参ったな。念力が使えれば影を動かせるんだけど……とりあえず、影法師の真言を唱えてみる。
(ナウマク・サマンダ・バザラダン・カン・オム・チャーヤー・ソワカ)
だめだ、ビクともしない。じゃあ次は、和尚様の観世音菩薩の真言。
(オム・マニ・パドメ・フム)
……ん? 足の指先が若干ピリッときたような。なら和尚様タイプⅡ、プルパを発動する時にも使う馬頭観音真言ならどうか。
(オム・アムリトドバヴァ・フム・パット!)
ピクッ。
「あ、今ちょっと動いた? おーい、一美ちゃんの前世さーん!」
佳奈さんがちょんちょんと私の影をつつく。他の真言やお経も試してみるべきか? けど総当りしている時間はないし……
—シムジャナンコ、リンポチェ……—
「!」
—和尚様?—
—あなたの中で眠る仏様へ、お休みなさい、と申したのです。私は彼の『ムナル』ですから……—
脳裏に突然蘇った、和尚様と幼い私の会話。シムジャナンコ(お休みなさい)……チベット語……?
「タシデレ、リンポチェ」
ヴァンッ! ビンゴだ。薄目だった瞳がギョロリと見開いて肥大化し、私の影から飛び出した! だけどそれは、私が知っているファティマの目とまるで違う。眼球ではなく、まるで視神経のように真っ赤なエネルギーの線維が球体型にドクドクと脈動している。上下左右に睫毛じみた線維が突き出し、瞳孔に当たる部分はダマになった神経線維の塊だ。その眼差しは邪悪な物から身を守るどころか、この世の全てを拒絶しているような絶望感を帯びている。玲蘭ちゃんと佳奈さんも堪らず視線を逸らした。
「ぜ、前世さん、怒ってる?」
「……ウケる」
チベット語に反応した謎のエネルギー眼。それが私の大部分を占める前世なら、間違いなく和尚様にまつわる者だろう。正直、今私は和尚様に対してどういう感情を抱いたらいいのかわからなくなっている。でも、たとえ邪尊教徒であろうとなかろうと、彼が私の恩師である事に変わりはない。
「玲蘭ちゃん、佳奈さん。すいません。五分だけ、ちょっと瞑想させて下さい」
どうやら私にも、自分の『縁』と向き合うべき時が来たようだ。
?????
……釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩……。座して目を閉じ、自分の影が十三仏を象る様を心に思い描く。本来影法師の修行で行う瞑想では、ティンシャやシンギング・ボウルといった密教法具を使う。けど千里が島には持ってきていないし、今の私にそれらを使いこなせる力もない。それでも、私は自らの影に佇むエネルギー眼と接続を試み続ける。繋がれ、動け。私は影。私はお前だ。前世よ、そこにいるのなら応えて下さい。目を覚まして下さい……
「……ッ……!」
心が観世音菩薩のシルエットを想った瞬間、それは充血するように赤く滲んだ。するうち私の心臓がドクンと弾け、業火で煮えくり返ったような血が全身を巡る。私はその熱量と激痛に思わず座禅を崩してしまうが、次の瞬間には何事もなかったかのように体が楽になった。そしてそっと目を開けてみると、ニライカナイだったはずの世界は見覚えのある場所に変わっていた。
「石筵観音寺……!?」
玲蘭ちゃんが代わりに呟く。そう。ここは彼女も昔よく通っていた、私達の和尚様のお寺だ。けどよく見ると、記憶と色々違う箇所がある。
「玲蘭ちゃん、このお御堂、こんなに広かったっけ……?」
「そんなわけない。だってあの観音寺って、和尚が廃墟のガレージに張って作ったタルパ結界でしょ」
「そうだよ。それにあの外の山も、安達太良山じゃないよね? なんかかき氷みたいに細長いけど」
「あれ須弥山(しゅみせん)じゃん。仏教界の中心にある山。だぶか和尚はこの風景を基に石筵観音寺を作ったんじゃない? てーか、何よりさ……」
「うん。……いなくなってるよね、和尚様」
このお御堂には、重大な物が欠けている。御本尊である仏像だ。石筵観音寺では和尚様の宿る金剛観世音菩薩像がいらした須弥壇には、何も置かれていない。ここは、一体……。
「ねーえ! 一美ちゃんの和尚さんってチベットのお坊さんなんだよね? ここにいるよ!」
「「え?」」
振り返ると、佳奈さんがお御堂の奥にある扉を開けて中を指さしている。勿論観音寺にはなかった扉だ。私と玲蘭ちゃんが中を覗くと、部屋は赤い壁のシンプルな寝室だった。中心に火葬場の収骨で使うようなやたらと背の高いベッドが一つだけ設置されている。入室すると、そのベッドで誰かが眠っていた。枕元にはチベット密教徒特有の赤い袈裟が畳まれている。佳奈さんがいて顔がよく見えないけど、どうやら坊主頭……僧侶のようだ。不思議な事に、その僧侶の周りには殆ど影がない。
「もしもーし、和尚さん起きて下さい! 一美ちゃんが大ピンチなんですーっ!」
佳奈さんは大胆にも、僧侶をバシバシと叩き起こそうと試みる。ただ問題がある。彼は和尚様より明らかに背が低いんだ。
「ちょ、佳奈さんまずいですって! この人は和尚様じゃないです!」
「え、そうなの? ごめんごめん、てへっ!」
「てへっじゃないですよ………………!!?!?!??」
佳奈さんが退き僧侶の顔が見えた瞬間、私は全身から冷や汗を噴出した。この……この男は……!!!
「あれ? でも和尚さんじゃないなら、この人が一美ちゃんの前世なんじゃない? おーい、前世さムググム~??」
ヤバいヤバいヤバい!! 佳奈さんが再び僧侶をぶっ叩こうとするのを必死で制止した。
「一美?」
玲蘭ちゃんが訝しんだ。面識はない。初めて見る人だ。だけどこの男が起きたら絶対人類がなんかヤバくなると直感で理解してしまったんだ! ところが……
༼ ……ン…… ༽
嘘でしょ。
「あ、一美ちゃん! 前世さん起きたよ! わーやば、このお坊さん三つ目じゃん! きっとなんか凄い悟り開いてる人だよ!」
あぁ、終わった……。したたび綺麗な地名の闇シリーズ第六弾、千里が島宝探し編終了。お疲れ様でした。
「ねー前世さん聞いて! 一美ちゃんが大ピンチなの! あ、一美ちゃんっていうのはこの子、あなたの生まれ変わりでー」
༼ えっ、え?? ガレ……? ジャルペン……?? ༽
僧侶はキョトンとしている。そりゃそうだ、寝起きに京友禅ロリータが何やらまくし立てていれば、誰だって困惑する。
「じゃる……ん? ひょっとして、この人日本語通じない!?」
「一美、通訳できる?」
「むむ、無理無理無理! 習ってたわけじゃないし、和尚様からちょこちょこ聞いてただけだもん!」
「嘘だぁ。一美ちゃんさっきいっぱいなんかモゴモゴ言ってたじゃん。ツンデレとかなんとか」
「あ、あれは真言です! てか最後なんて『おはようございます猊下(げいか)』って言っただけだし」
私だけ腰を抜かしている一方で、佳奈さんと玲蘭ちゃんは変わらずマイペースに会話している。僧侶もまだキョトン顔だ。
「他に知らないの? チベット語」
「えぇー……。あ、挨拶は『タシデレ』で、お休みなさいが『シムジャナンコ』、あと印象に残ってるのは『鏡』が『レモン』って言うとか……後は何だろう。ああ、『眠り』が『ムナル』です」
༼ ! ༽
私が『ムナル』と発音した瞬間、寝ぼけ眼だった僧侶が急に血相を変えて布団から飛び出した。
༼ ムナルを知っているのか!? ༽
「ふわあぁ!?」
僧侶は怖気づいている私の両腕をがっしと掴み、心臓を握り潰すような響きで問う。まるで視神経が溢れ出したような紅茶色の長い睫毛、所々ほつれたように神経線維が露出した肌、そして今までの人生で見てきた誰よりも深い悲壮感を湛える眼差し……やっぱり、間違いない。この僧侶こそが……
「え? な、なーんだ! お坊さん、日本語喋れるんじゃん……」
「佳奈さん、ちょっと静かにしてて下さい」
「え?」
残酷にも、この僧侶はムナルという言葉に強い反応を示した。これで私の杞憂が事実だったと証明されてしまったんだ。だけど、どんな過去があったのかはともかく、私はやっぱり和尚様を信じたい。そして、自分の魂が内包していたこの男の事も。私は一度深呼吸して、彼の問いに答えた。
「最低限の経緯だけ説明します。私は一美。ムナル様の弟子で、恐らくあなたの来世……いえ、多分、ムナル様によって創られたあなたの神影(ワヤン)です。金剛の大散減という怪物と戦っていたんですが、ムナル様が私の肋骨で作られた法具プルパを金剛愛輪珠如来に奪われました。それでそこの神人にマブイグミして貰って、今ここにいる次第です」
༼ …… ༽
僧侶は瞬き一つせず私の話を聞く。同時に彼の脳内で凄まじい速度で情報が整理されていくのが、表情でなんとなくわかる。
༼ 概ね理解した。ムナルは、そこか ༽
僧侶は何故か佳奈さんを見る。すると京友禅ロリータドレスのスカートポケットに、僧侶と同じ目の形をしたエネルギー眼がバツッと音を立てて生じた。
「きゃあ!」
一方僧侶の掌は拭き掃除をしたティッシュのようにグズグズに綻び、真っ二つに砕けたキョンジャクが乗っていた。
「あ、それ……神社で見つけたんだけど、後で返そうと思って。でも壊れてて……あれ?」
キョンジャクは佳奈さんが話している間に元の形に戻っていた。というより、僧侶がエネルギー眼で金属を溶かし再鋳造したようだ。綻んでいた掌もじわじわと回復していく。
「ど、どういう事? 一美。ムナルって確か、観音和尚の俗名か何かだったよね……そのペンダント、なんなの?」
僧侶の異様な力に気圧されながら、玲蘭ちゃんが問う。
「キョンジャク(羂索)、法具だよ。和尚様の遺骨をメモリアルダイヤにして、友達から貰ったお守りのペンダントに埋め込んでおいたんだ」
༼ この遺骨ダイヤ、更に形を変えても構わんか? ༽
「え? はい」
僧侶は私にキョンジャクを返却し、お御堂へ向かった。見ると、和尚様のダイヤが埋まっていた箇所は跡一つなくなっている。私達も続いてお御堂に戻ると、彼はティグクという斧型の法具を持ち、装飾部分に和尚様のダイヤを埋め込んでいた。……ところが次の瞬間、それを露台から須弥山目掛けて思い切り投げた!
「何やってるんですか!?」
ティグクはヒュンヒュンと回転しながら須弥山へ到達する。すると、ヴァダダダダガァン!!!��須弥山の山肌が爆ぜ、さっきの何百倍もの強烈なエネルギー眼が炸裂! 地面が激しく揺れて、僧侶以外それぞれ付近の物や壁に掴まる。
༼ 拙僧が介入するとなれば、悪戯に事が大きくなる…… ༽
爆風と閃光が鎮まった後の須弥山はグズグズに綻び、血のように赤い断面で神経線維が揺らめいた。そしてエネルギー眼を直撃したはずのティグクは、フリスビーのように回転しながら帰還。僧侶が器用にキャッチすると、次の瞬間それはダイヤの埋め込まれた小さなホイッスルのような形状に変化していた。
༼ だからあなたは、あくまでムナルから力を授かった事にしなさい。これを吹けばティグクが顕現する ༽
「この笛は……『カンリン』ですか!?」
༼ 本来のカンリンは大腿骨でできたもっと大きな物だけどな。元がダイヤにされてたから、復元はこれが限界だ ༽
カンリン、人骨笛。古来よりチベットでは、悪い人の骨にはその人の使っていない良心が残留していて、死んだ悪人の遺骨でできた笛を吹くと霊を鎮められるという言い伝えがあるんだ。
༼ 悪人の骨は癒しの音色を奏で、悪魔の心臓は煩悩を菩提に変換する。それなら逆に……あの心優しかった男の遺骨は、どんな恐ろしい業火を吹くのだろうな? ༽
顔を上げ、再び僧侶と目が合う。やっぱり彼は、和尚様の事を話している時は少し表情が穏やかになっているように見える。
༼ ま、ムナルの弟子なら使いこなせるだろ。ところで、『鏡』はレモンじゃなくて『メロン』な? ༽
「あっ、そうでしたね」
未だどこか悲しげな表情のままだけど、多少フランクになった気がする。恐らく、彼を見た最初は心臓バクバクだった私もまた同様だろう。
「じゃあ、一美……そろそろ、お帰ししてもいい……?」
だぶか打って変わって、玲蘭ちゃんはすっかり及び腰だ。まあそれは仕方ない。僧侶もこの気まずい状況を理解して、あえて彼女と目を合わさないように気遣っている。
「うん。……リンポチェ(猊下)、ありがとうございました」
「一美ちゃんの前世のお坊さん、ありがとー!」
༼ 報恩謝徳、礼には及ばぬ。こちらこそ、良き未来を見せて貰った ༽
「え?」
༼ かつて拙僧を救った愛弟子が巣立ち、弟子を得て帰ってきた。そして今度は、拙僧があなたに報いる運びとなった ༽
玲蘭ちゃんが帰還呪文を唱えるより前に、僧侶は自らこの寺院空間を畳み始めた。神経線維状のエネルギーが竜巻のように這い回りながら、景色を急速に無へ還していく。中心で残像に巻かれて消えていく僧侶は、最後、僅かに笑っていた。
༼ 衆生と斯様にもエモい縁を結んだのは久しぶりだ。また会おう、ムナルそっくりに育った来世よ ༽
ལྔ་པ་
竜巻が明けた時、私達はニライカナイをすっ飛ばして宴会場に戻っていた。佳奈さんは泥だらけのサマードレスに戻っているけどオーラを帯びていて、玲蘭ちゃんの口の怪我は何故か完治している。そして私の手には新品のように状態の良くなったキョンジャクと、僅かな視神経の残滓をほつれ糸のように纏う小さなカンリンがあった。
「あー、楽しかった! 金城さん、お人形さんと再会させてくれてありがとうございました! 一美ちゃんも、あのお坊さんめっちゃ良い人で良かったね! 最後エモいとか言ってたし、実はパリピなのかな!? ……あれ、金城さん?」
佳奈さんが振り返ると同時に、玲蘭ちゃんは焦燥しきった様子で私の首根っこを掴んだ。今日は色んな人に掴みかかられる日だ。
「なんなの、あの前世は」
その問いに答える代わりに、私は和尚様の遺骨(カンリン)を吹いてみた。パゥーーーー……決して癒しの音色とは言い難い、小動物の断末魔みたいな音が鳴った。すると私の心臓に焼けるような激痛が走り、全身に煮えたぎった血が迸る! それが足元の影に到達点すると、カセットコンロが点火するように私の全身は業火に包まれた。この一連のプロセスは、実に〇.五秒にも満たなかった。
「そんなっ……その姿……!!」
変身した私を、玲蘭ちゃんは核ミサイルでも見るような驚愕の目で仰いだ。そうか。彼女がワヤン不動の全身をちゃんと見るのは初めてだったっけ。
「一美ちゃん! また変身できるようになったね! あ、前世さんの影響でまつ毛伸びた? いいなー!」
玲蘭ちゃんは慌ててスマホで何かを検索し、悠長に笑っている佳奈さんにそれを見せた。
「ん、ドマル・イダム? ああ、これがさっき話してた邪尊さん……え?」
二人はスマホ画面と私を交互に三度見し、ドッと冷や汗を吹き出した。憤怒相に、背中に背負った業火。私は最初、この姿は不動明王様を模したものだと思っていた。けど私の『衆生の苦しみを業火に変え成仏を促す』力���変身中の痛みや恐怖に対する異常なまでの耐久性、一睨みで他者を黙らせる眼圧、そしてさっき牛久大師に指摘されるまで意識していなかった、伸びた腕。これらは明らかに、抜苦与楽の化身ドマル・イダムと合致している!
「……恐らく、あの前世こそがドマルだ。和尚様は幼い頃の私を金剛から助けるために、文字通り彼を私の守護尊にしたんだと思う。でもドマルは和尚様に『救われた』と言っていた。邪尊教に囚われる前の人間の姿で、私達が来るまで安らかに眠っていたのが何よりの証拠だ。観世音菩薩が時として憤怒の馬頭観音になるように、眠れる抜苦与楽の化身に代わり邪道を討つ憤怒の化身。それが私……」
「ワヤン不動だったってわけ……ウケる」
ウケる、と言いつつも、玲蘭ちゃんはまるで笑っていなかった。私は変身を解き、キョンジャクのネックレスチェーンにカンリンを通した。結局ドマルと和尚様がどういう関係だったのか、未だにはっきりしていない。それでも、この不可思議な縁がなければ今の私は存在しないんだ。この新たな法具カンリンで皆を、そして御戌神や千里が島の人々も守るんだ。
私は紅一美。金剛観世音菩薩に寵愛を賜りし紅の守護尊、ワヤン不動だ。瞳に映る縁無き影を、業火で焼いて救済する!
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