Tumgik
#クローゼットの中の修道女
misasmemorandum · 2 years
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『クローゼットの中の修道女』 ドロシー・ギルマン う柳沢由実子 訳
『おばちゃまな〜〜スパイ』シリーズを書いている人のノンシリーズ。本国アメリカでは1975年に、日本では1993年に出版されたもの。1960年代のアメリカが舞台。世俗世界から完璧に遮断されていた修道女たちが修道院から出て車を運転して、目的地で銃撃された人に出会ったり、ヒッピーに会ったり、社会運動家に会ったり、グルに会ったり、コーサ・ノストラと会ったり、悪徳警官に会ったり、社会運動の集会に行ったり、豚箱に入ったり。ドタバタコメディでした。気楽に楽しく読みました。以上。
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guragura000 · 4 years
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自殺未遂
何度も死のうとしている。
これからその話をする。
自殺未遂は私の人生の一部である。一本の線の上にボツボツと真っ黒な丸を描くように、その記憶は存在している。
だけど誰にも話せない。タブーだからだ。重たくて悲しくて忌み嫌われる話題だからだ。皆それぞれ苦労しているから、人の悲しみを背負う余裕なんてないのだ。
だから私は嘘をつく。その時代を語る時、何もなかったふりをする。引かれたり、陰口を言われたり、そういう人だとレッテルを貼られたりするのが怖いから。誰かの重荷になるのが怖いから。
一人で抱える秘密は、重たい。自分のしたことが、当時の感情が、ずっしりと肩にのしかかる。
私は楽になるために、自白しようと思う。黙って平気な顔をしているのに、もう疲れてしまった。これからは場を選んで、私は私の人生を正直に語ってゆきたい。
十六歳の時、初めての自殺未遂をした。
五年間の不登校生活を脱し高校に進学したものの、面白いくらい馴染めなかった。天真爛漫に女子高生を満喫する宇宙人のようなクラスメイトと、同じ空気を吸い続けることは不可能だと悟ったのだ。その結果、私は三ヶ月で中退した。
自信を失い家に引きこもる。どんよりと暗い台所でパソコンをいじり続ける。将来が怖くて、自分が情けなくて、見えない何かにぺしゃんこに潰されてしまいそうだった。家庭は荒れ、母は一日中家にいる私に「普通の暮らしがしたい」と呟いた。自分が親を苦しめている。かといって、この先どこに行っても上手くやっていける気がしない。悶々としているうちに十キロ痩せ、生理が止まった。肋が浮いた胸で死のうと決めた。冬だった。
夜。親が寝静まるのを待ちそっと家を出る。雨が降っているのにも関わらず月が照っている。青い光が濁った視界を切り裂き、この世の終わりみたいに美しい。近所の河原まで歩き、濡れた土手を下り、キンキンに冷えた真冬の水に全身を浸す。凍傷になれば数分で死に至ることができると聞いた。このままもう少しだけ耐えればいい。
寒い!私の体は震える。寒い!あっという間に歯の根が合わなくなる。頭のてっぺんから爪先までギリギリと痛みが駆け抜け、三秒と持たずに陸へ這い上がった。寒い、寒いと呟きながら、体を擦り擦り帰路を辿る。ずっしりと水を含んだジャージが未来のように重たい。
風呂場で音を立てぬよう泥を洗い流す。白いタイルが砂利に汚されてゆく。私は死ぬことすらできない。妙な落胆が頭を埋めつくした。入水自殺は無事、失敗。
二度目の自殺未遂は十七歳の時だ。
その頃私は再入学した高校での人間関係と、精神不安定な母との軋轢に悩まされていた。学校に行けば複雑な家庭で育った友人達の、無視合戦や泥沼恋愛に巻き込まれる。あの子が嫌いだから無視をするだのしないだの、彼氏を奪っただの浮気をしているだの、親が殴ってくるだの実はスカトロ好きのゲイだだの、裏のコンビニで喫煙しているだの先生への舌打ちだの⋯⋯。距離感に不器用な子達が多く、いつもどこかしらで誰かが傷つけ合っていた。教室には無気力と混乱が煙幕のように立ち込め、普通に勉強し真面目でいることが難しく感じられた。
家に帰れば母が宗教のマインドコントロールを引きずり「地獄に落ちるかもしれない」などと泣きついてくる。以前意地悪な信者の婆さんに、子どもが不登校になったのは前世の因縁が影響していて、きちんと祈らないと地獄に落ちる、と吹き込まれたのをまだ信じているのだ。そうでない時は「きちんと家事をしなくちゃ」と呪いさながらに繰り返し、髪を振り乱して床を磨いている。毎日手の込んだフランス料理が出てくるし、近所の人が買い物先までつけてくるとうわ言を言っている。どう考えても母は頭がおかしい。なのに父は「お母さんは大丈夫だ」の一点張りで、そのくせ彼女の相手を私に丸投げするのだ。
胸糞の悪い映画さながらの日々であった。現実の歯車がミシミシと音を立てて狂ってゆく。いつの間にやら天井のシミが人の顔をして私を見つめてくる。暗がりにうずくまる家具が腐り果てた死体に見えてくる。階段を昇っていると後ろから得体の知れない化け物が追いかけてくるような気がする。親が私の部屋にカメラを仕掛け、居間で監視しているのではないかと心配になる。ホラー映画を見ている最中のような不気味な感覚が付きまとい、それから逃れたくて酒を買い吐くまで酔い潰れ手首を切り刻む。ついには幻聴が聞こえ始め、もう一人の自分から「お前なんか死んだ方がいい」と四六時中罵られるようになった。
登下校のために電車を待つ。自分が電車に飛び込む幻が見える。車体にすり潰されズタズタになる自分の四肢。飛び込む。粉々になる。飛び込む。足元が真っ赤に染まる。そんな映像が何度も何度も巻き戻される。駅のホームは、どこまでも続く線路は、私にとって黄泉への入口であった。ここから線路に倒れ込むだけで天国に行ける。気の狂った現実から楽になれる。しかし実行しようとすると私の足は震え、手には冷や汗が滲んだ。私は高校を卒業するまでの四年間、映像に重なれぬまま一人電車を待ち続けた。飛び込み自殺も無事、失敗。
三度目の自殺未遂は二十四歳、私は大学四年生だった。
大学に入学してすぐ、執拗な幻聴に耐えかね精神科を受診した。セロクエルを服用し始めた瞬間、意地悪な声は掻き消えた。久しぶりの静寂に手足がふにゃふにゃと溶け出しそうになるくらい、ほっとする。しかし。副作用で猛烈に眠い。人が傍にいると一睡もできないたちの私が、満員の講義室でよだれを垂らして眠りこけてしまう。合う薬を模索する中サインバルタで躁転し、一ヶ月ほど過活動に勤しんだりしつつも、どうにか普通の顔を装いキャンパスにへばりついていた。
三年経っても服薬や通院への嫌悪感は拭えなかった。生き生きと大人に近づいていく友人と、薬なしでは生活できない自分とを見比べ、常に劣等感を感じていた。特に冬に体調が悪くなり、課題が重なると疲れ果てて寝込んでしまう。人混みに出ると頭がザワザワとして不安になるため、酒盛りもアルバイトもサークル活動もできない。鬱屈とした毎日が続き闘病に嫌気がさした私は、四年の秋に通院を中断してしまう。精神薬が抜けた影響で揺り返しが起こったこと、卒業制作に追われていたこと、就職活動に行き詰まっていたこと、それらを誰にも相談できなかったことが積み重なり、私は鬱へと転がり落ちてゆく。
卒業制作の絵本を拵える一方で遺品を整理した。洋服を売り、物を捨て、遺書を書き、ネット通販でヘリウムガスを手に入れた。どうして卒制に遅れそうな友達の面倒を見ながら遺品整理をしているのか分からない。自分が真っ二つに割れてしまっている。混乱しながらもよたよたと気力で突き進む。なけなしの努力も虚しく、卒業制作の提出を逃してしまった。両親に高額な学費を負担させていた負い目もあり、留年するぐらいなら死のうとこりずに決意した。
クローゼットに眠っていたヘリウムガス缶が起爆した。私は人の頭ほどの大きさのそれを担いで、ありったけの精神薬と一緒に車に積み込んだ。それから山へ向かった。死ぬのなら山がいい。夜なら誰であれ深くまで足を踏み入れないし、展望台であれば車が一台停まっていたところで不審に思われない。車内で死ねば腐っていたとしても車ごと処分できる。
展望台の駐車場に車を突っ込み、無我夢中でガス缶にチューブを繋ぎポリ袋の空気を抜く。本気で死にたいのなら袋の酸素濃度を極限まで減らさなければならない。真空状態に近い状態のポリ袋を被り、そこにガスを流し込めば、酸素不足で苦しまずに死に至ることができるのだ。大量の薬を水なしで飲み下し、袋を被り、うつらうつらしながら缶のコックをひねる。シューッと気体が満ちる音、ツンとした臭い。視界が白く透き通ってゆく。死ぬ時、人の意識は暗転ではなくホワイトアウトするのだ。寒い。手足がキンと冷たい。心臓が耳の奥にある。ハツカネズミと同じ速度でトクトクと脈動している。ふとシャンプーを切らしていたことを思い出し、買わなくちゃと考える。遠のいてゆく意識の中、日用品の心配をしている自分が滑稽で、でも、もういいや。と呟く。肺が詰まる感覚と共に、私は意識を失う。
気がつくと後部座席に転がっている。目覚めてしまった。昏倒した私は暴れ、自分でポリ袋をはぎ取ったらしい。無意識の私は生きたがっている。本当に死ぬつもりなら、こうならぬように手首を後ろできつく縛るべきだったのだ。私は自分が目覚めると、知っていた。嫌な臭いがする。股間が冷たい。どうやら漏らしたようだ。フロントガラスに薄らと雪が積もっている。空っぽの薬のシートがバラバラと散乱している。指先が傷だらけだ。チューブをセットする際、夢中になるあまり切ったことに気がつかなかったようだ。手の感覚がない。鈍く頭痛がする。目の前がぼ���けてよく見えない。麻痺が残ったらどうしよう。恐ろしさにぶるぶると震える。さっきまで何もかもどうでも良いと思っていたはずなのに、急に体のことが心配になる。
後始末をする。白い視界で運転をする。缶は大学のゴミ捨て場に捨てる。帰宅し、後部座席を雑巾で拭き、薬のシートをかき集めて処分する。ふらふらのままベッドに倒れ込み、失神する。
その後私は、卒業制作の締切を逃したことで教授と両親から怒られる。翌日、何事もなかったふりをして大学へ行き、卒制の再提出の交渉する。病院に保護してもらえばよかったのだがその発想もなく、ぼろ切れのようなメンタルで卒業制作展の受付に立つ。ガス自殺も無事、失敗。
四度目は二十六歳の時だ。
何とか大学卒業にこぎつけた私は、入社試験がないという安易な理由でホテルに就職し一人暮らしを始めた。手始めに新入社員研修で三日間自衛隊に入隊させられた。それが終わると八時間ほぼぶっ続けで宴会場を走り回る日々が待っていた。典型的な古き良き体育会系の職場であった。
朝十時に出社し夜の十一時に退社する。夜露に湿ったコンクリートの匂いをかぎながら浮腫んだ足をズルズルと引きずり、アパートの玄関にぐしゃりと倒れ込む。ほとんど意識のないままシャワーを浴びレトルト食品を貪り寝床に倒れ泥のように眠る。翌日、朝六時に起床し筋肉痛に膝を軋ませよれよれと出社する。不安定なシフトと不慣れな肉体労働で病状は悪化し、働いて二年目の夏、まずいことに躁転してしまった。私は臨機応変を求められる場面でパニックを起こすようになり、三十分トイレにこもって泣く、エレベーターで支離滅裂な言葉を叫ぶなどの奇行を繰り返す、モンスター社員と化してしまった。人事に持て余され部署をたらい回しにされる。私の世話をしていた先輩が一人、ストレスのあまり退社していった。
躁とは恐ろしいもので人を巻き込む。プライベートもめちゃくちゃになった。男友達が性的逸脱症状の餌食となった。五年続いた彼氏と別れた。よき理解者だった友と言い争うようになり、立ち直れぬほどこっぴどく傷つけ合った。携帯電話をハイヒールで踏みつけバキバキに破壊し、コンビニのゴミ箱に投げ捨てる。出鱈目なエネルギーが毛穴という毛穴からテポドンの如く噴出していた。手足や口がばね仕掛けになり、己の意思を無視して動いているようで気味が悪かった。
寝る前はそれらの所業を思い返し罪悪感で窒息しそうになる。人に迷惑をかけていることは自覚していたが、自分ではどうにもできなかった。どこに頼ればいいのか分からない、生きているだけで迷惑をかけてしまう。思い詰め寝床から出られなくなり、勤務先に泣きながら休養の電話をかけるようになった。
会社を休んだ日は正常な思考が働かなくなる。近所のマンションに侵入し飛び降りようか悩む。落ちたら死ねる高さの建物を、砂漠でオアシスを探すジプシーさながらに彷徨い歩いた。自分がアパートの窓から落下してゆく幻を見るようになった。だが、無理だった。できなかった。あんなに人に迷惑をかけておきながら、私の足は恥ずかしくも地べたに根を張り微動だにしないのだった。
アパートの部屋はムッと蒸し暑い。家賃を払えなければ追い出される、ここにいるだけで税金をむしり取られる、息をするのにも金がかかる。明日の食い扶持を稼ぐことができない、それなのに腹は減るし喉も乾く、こんなに汗が滴り落ちる、憎らしいほど生きている。何も考えたくなくて、感じたくなくて、精神薬をウイスキーで流し込み昏倒した。
翌日の朝六時、朦朧と覚醒する。会社に体調不良で休む旨を伝え、再び精神薬とウイスキーで失神する。目覚めて電話して失神、目覚めて電話して失神。夢と現を行き来しながら、手元に転がっていたカッターで身体中を切り刻み、吐瀉し、意識を失う。そんな生活が七日間続いた。
一週間目の早朝に意識を取り戻した私は、このままでは死ぬと悟った。にわかに生存本能のスイッチがオンになる。軽くなった内臓を引っさげ這うように病院へと駆け込み、看護師に声をかける。
「あのう。一週間ほど薬と酒以外何も食べていません」
「そう。それじゃあ辛いでしょう。ベッドに寝ておいで」
優しく誘導され、白いシーツに倒れ込む。消毒液の香る毛布を抱きしめていると、ぞろぞろと数名の看護師と医師がやってきて取り囲まれた。若い男性医師に質問される。
「切ったの?」
「切りました」
「どこを?」
「身体中⋯⋯」
「ごめんね。少し見させて」
服をめくられる。私の腹を確認した彼は、
「ああ。これは入院だな」
と呟いた。私は妙に冷めた頭で聞く。
「今すぐですか」
「うん、すぐ。準備できるかな」
「はい。日用品を持ってきます」
私はびっくりするほどまともに帰宅し、もろもろを鞄に詰め込んで病院にトンボ帰りした。閉鎖病棟に入る。病室のベッドの周りに荷物を並べながら、私よりももっと辛い人間がいるはずなのにこれくらいで入院だなんておかしな話だ、とくるくる考えた。一度狂うと現実を測る尺度までもが狂うようだ。
二週間入院する。名も知らぬ睡眠薬と精神安定剤を処方され、飲む。夜、病室の窓から街を眺め、この先どうなるのかと不安になる。私の主治医は「君はいつかこうなると思ってたよ」と笑った。以前から通院をサポートする人間がいないのを心配していたのだろう。
退院後、人事からパート降格を言い渡され会社を辞めた。後に勤めた職場でも上手くいかず、一人暮らしを断念し実家に戻った。飛び降り自殺、餓死自殺、無事、失敗。
五度目は二十九歳の時だ。
四つめの転職先が幸いにも人と関わらぬ仕事であったため、二年ほど通い続けることができた。落ち込むことはあるものの病状も安定していた。しかしそのタイミングで主治医が代わった。新たな主治医は物腰柔らかな男性だったが、私は病状を相談することができなかった。前の医師は言葉を引き出すのが上手く、その環境に甘えきっていたのだ。
時給千円で四時間働き、月収は六万から八万。いい歳をして脛をかじっているのが忍びなく、実家に家賃を一、二万入れていたので、自由になる金は五万から七万。地元に友人がいないため交際費はかからない、年金は全額免除の申請をした、それでもカツカツだ。大きな買い物は当然できない。小さくとも出費があると貯金残高がチラつき、小一時間は今月のやりくりで頭がいっぱいになる。こんな額しか稼げずに、この先どうなってしまうのだろう。親が死んだらどうすればいいのだろう。同じ年代の人達は順調にキャリアを積んでいるだろう。資格も学歴もないのにズルズルとパート勤務を続けて、まともな企業に転職できるのだろうか。先行きが見えず、暇な時間は一人で悶々と考え込んでしまう。
何度目かの落ち込みがやってきた時、私は愚かにも再び通院を自己中断してしまう。病気を隠し続けること、精神疾患をオープンにすれば低所得をやむなくされることがプレッシャーだった。私も「普通の生活」を手に入れてみたかったのだ。案の定病状は悪化し、練炭を購入するも思い留まり返品。ふらりと立ち寄ったホームセンターで首吊りの紐を買い、クローゼットにしまう。私は鬱になると時限爆弾を買い込む習性があるらしい。覚えておかなければならない。
その職場を退職した後、さらに三度の転職をする。ある職場は椅子に座っているだけで涙が出るようになり退社した。別の職場は人手不足の影響で仕事内容が変わり、人事と揉めた挙句退社した。最後の転職先にも馴染めず八方塞がりになった私は、家族と会社に何も告げずに家を飛び出し、三日間帰らなかった。雪の降る中、車中泊をして、寒すぎると眠れないことを知った。家族は私を探し回り、ラインの通知は「帰っておいで」のメッセージで埋め尽くされた。漫画喫茶のジャンクな食事で口が荒れ、睡眠不足で小間切れにうたた寝をするようになった頃、音を上げてふらふらと帰宅した。勤務先に電話をかけると人事に静かな声で叱られた。情けなかった。私は退社を申し出た。気がつけば一年で四度も職を代わっていた。
無職になった。気分の浮き沈みが激しくコントロールできない。父の「この先どうするんだ」の言葉に「私にも分からないよ!」と怒鳴り返し、部屋のものをめちゃくちゃに壊して暴れた。仕事を辞める度に無力感に襲われ、ハローワークに行くことが恐ろしくてたまらなくなる。履歴書を書けばぐちゃぐちゃの職歴欄に現実を突きつけられる。自分はどこにも適応できないのではないか、この先まともに生きてゆくことはできないのではないか、誰かに迷惑をかけ続けるのではないか。思い詰め、寝室の柱に時限爆弾をぶら下げた。クローゼットの紐で首を吊ったのだ。
紐がめり込み喉仏がゴキゴキと軋む。舌が押しつぶされグエッと声が出る。三秒ぶら下がっただけなのに目の前に火花が散り、苦しくてたまらなくなる。何度か試したが思い切れず、紐を握り締め泣きじゃくる。学校に行く、仕事をする、たったそれだけのことができない、人間としての義務を果たせない、税金も払えない、親の負担になっている、役立たずなのにここまで生き延びている。生きられない。死ねない。どこにも行けない。私はどうすればいいのだろう。釘がくい込んだ柱が私の重みでひび割れている。
泣きながら襖を開けると、ペットの兎が小さな足を踏ん張り私を見上げていた。黒くて可愛らしい目だった。私は自分勝手な絶望でこの子を捨てようとした。撫でようとすると、彼はきゅっと身を縮めた。可愛い、愛する子。どんな私でいても拒否せず撫でさせてくれる、大切な子。私の身勝手さで彼が粗末にされることだけはあってはならない、絶対に。ごめんね、ごめんね。柔らかな毛並みを撫でながら、何度も謝った。
この出来事をきっかけに通院を再開し、障害者手帳を取得する。医療費控除も障害者年金も申請した。精神疾患を持つ人々が社会復帰を目指すための施設、デイケアにも通い始めた。どん底まで落ちて、自分一人ではどうにもならないと悟ったのだ。今まさに社会復帰支援を通し、誰かに頼り、悩みを相談する方法を勉強している最中だ。
病院通いが本格化してからというもの、私は「まとも」を諦めた。私の指す「まとも」とは、周りが満足する状態まで自分を持ってゆくことであった。人生のイベントが喜びと結びつくものだと実感できぬまま、漠然としたゴールを目指して走り続けた。ただそれをこなすことが人間の義務なのだと思い込んでいた。
自殺未遂を繰り返しながら、それを誰にも打ち明けず、悟らせず、発見されずに生きてきた。約二十年もの間、母の精神不安定、学校生活や社会生活の不自由さ、病気との付き合いに苦しみ、それら全てから解放されたいと願っていた。
今、なぜ私が生きているか。苦痛を克服したからではない。死ねなかったから生きている。死ぬほど苦しく、何度もこの世からいなくなろうとしたが、失敗し続けた。だから私は生きている。何をやっても死ねないのなら、どうにか生き延びる方法を探らなければならない。だから薬を飲み、障害者となり、誰かの世話になり、こうしてしぶとくも息をしている。
高校の同級生は精神障害の果てに自ら命を絶った。彼は先に行ってしまった。自殺を推奨するわけではないが、彼は死ぬことができたから、今ここにいない。一歩タイミングが違えば私もそうなっていたかもしれない。彼は今、天国で穏やかに暮らしていることだろう。望むものを全て手に入れて。そうであってほしい。彼はたくさん苦しんだのだから。
私は強くなんてない。辛くなる度、たくさんの自分を殺した。命を絶つことのできる場所全てに、私の死体が引っかかっていた。ガードレールに。家の軒に。柱に。駅のホームの崖っぷちに。近所の河原に。陸橋に。あのアパートに。一人暮らしの二階の部屋から見下ろした地面に。電線に。道路を走る車の前に⋯⋯。怖かった。震えるほど寂しかった。誰かに苦しんでいる私を見つけてもらいたかった。心配され、慰められ、抱きしめられてみたかった。一度目の自殺未遂の時、誰かに生きていてほしいと声をかけてもらえたら、もしくは誰かに死にたくないと泣きつくことができたら、私はこんなにも自分を痛めつけなくて済んだのかもしれない。けれど時間は戻ってこない。この先はこれらの記憶を受け止め、癒す作業が待っているのだろう。
きっとまた何かの拍子に、生き延びたことを後悔するだろう。あの暗闇がやってきて、私を容赦なく覆い隠すだろう。あの時死んでいればよかったと、脳裏でうずくまり呟くだろう。それが私の病で、これからももう一人の自分と戦い続けるだろう。
思い出話にしてはあまりに重い。医療機関に寄りかかりながら、この世に適応する人間達には打ち明けられぬ人生を、ともすれば誰とも心を分かち合えぬ孤独を、蛇の尾のように引きずる。刹那の光と闇に揉まれ、暗い水底をゆったりと泳ぐ。静かに、誰にも知られず、時には仲間と共に、穏やかに。
海は広く、私は小さい。けれど生きている。まだ生きている。
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heyheyattamriel · 4 years
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エドワード王 六巻
昔日の王の一代記、六巻
訓練
その日は、エドワードがアーチマジスターに召喚され、ミスリルの杖の贈り物とともに別れを告げられて塔を去る日でした。
彼の小部屋に戻って、エドワードは入門者用のローブを脱ぎ、灰色のシャツと黒いズボンに着替え、塔に締めてきた赤いサッシュを巻きました。彼はサッシュをいとおしそうに指でなぞりました。きちんとして見えるし、旅の土埃が目立ちにくいと言って彼の母がこのシャツとズボンを買ってくれたのです。モラーリンは彼に双子の葉っぱと花、小鳥と蝶を、ミスリルとドワーフとエルフの金属糸で刺繍した絹のサッシュを贈ってくれました。でも、彼は運河を超えるまで待っていました。アリエラが、とても大切なものだと言ったのです。彼女はモラーリンの古い服を切り詰めて作ってはどうかと提案しましたが、かのエルフは断固として彼女にそれを渡しませんでした。エドワードはそれを思い出しながら笑い、サッシュを彼の腰に二周巻き、慎重に端を結びました。彼は杖を取り、両親に会うために駆け下りました。
彼は二人に抱きつくつもりでいましたが、モラーリンは一人で、エドワードは立ち尽くしました。「母さまは?来て―」
「彼女は残ってお前のために馬を選びたいんだそうだ。ビーチに任せておけないんだね」
「馬?僕に!ほんと?」
「もちろんだ。モロウィンドまで歩いてはいけないよ」
「僕、後ろに乗るんだと思ってた―誰かの。見て、アーチマジスターが僕の杖をくださったの!きれいでしょう?」
かのエルフはそれを手に取って重さを確かめ、何度か振ったり突いたりしてみました。「お前にはいい重さでバランスもとれていると思うよ。私には軽いがね。どんなふうに使うのか見せてくれ。攻撃するふりをするから」彼は素手を使い、エドワードは防御の姿勢を取り、彼の攻撃を防ぐと、モラーリンの足の方に杖を突き刺しました。彼は軽々と避けましたが、少年を褒め称えました。
「メイジは短剣も持っておくべきだ。お前がトゥースを持ちたいかと思ってね」エドワードの目が飛び出しました。トゥースは、エボニーの刃と、本当のドラゴンの歯でできた柄を備えていました。エルフが鞘から滑り出させてエドワードに渡すと、彼は慎重に受け取りました。刀身は先端が曲がっていて、剃れるほど鋭い刃がついていました。マッツが時々それを借りていました。その柄を削り出したのは彼なのです。
「マッツは本当に気にしないの?」
「気にしないとも」モラーリンは彼のベルトを外して鞘を抜き取りました。蛇革でできたエドワードのための新しいベルトは、柔らかくてしなやかで、モラーリンのものと同じように、モロウィンドの黒い薔薇が留め金に描かれていました。「これは仲間たちからだ」彼は膝をつくと、サッシュの上からベルトを合わせてダガーを差しました。エドワードは彼の首に抱きついて言いました。「すごいや。本当にありがとう。あなたにも、みんなにも!ああ、それに僕、ずっとみんなに会いたかったんだ」
「我々もお前を恋しく思っていたよ。さあ、行こう。潮目を逃してしまう」
「母さまを心配させるのは嫌だな」努めて自分に心配してくれている母がいることが気楽に聞こえるように、エドワードが言いました。
「心配はいらない。明日の夜まで探しに来ないようにと言っておいた…念のためにね。だが、彼女を驚かせてやろう」
「いいね」
彼らはかなりの速さで船を漕ぎ、満潮になる前に入り江に着きました。
「トゥースの使い方を見せてあげようか?それとも、休憩の方がいいかね?」
「トゥースがいい!僕はボートで寝られるもの」
トゥースのひと噛みは冗談ごとではないからと言って、モラーリンは自分と、エドワードにもシールドの魔法をかけました。「僕、自分でシールドの魔法をかけられるのに」エドワードは誇らしげに言いました。「上手なんだよ。だけど、ヒールは全然なの」
「できるようになるさ。時間がいるんだ」
明らかに、トゥースにも時間が必要でした。どんなに頑張っても、彼はエルフに近付くことさえできませんでした。モラーリンが足を地につけたまま、ただ身体を揺らし、身を反らせたり左右に動かしたりしているだけなのに…しかも、笑いながら。鬱憤が溜まって、エドワードはトゥースを鞘に納めて杖を取ると両手で振るい、彼に強く打ち付けました。実害は何もありませんが、シールドをぴしゃりと打つ満足のいく音をたてました。魔法の効果が切れると、モラーリンは彼に打たせましたが、いとも簡単に杖を止めました。エドワードは杖を地面に投げ出して、後ろを向きました。エルフは慰めようと彼に歩み寄りました。エドワードは鞘からトゥースを抜くとエルフの心臓めがけて突き刺しました。刃は彼の手から叩き落され、くるくると回転しました。エドワードは動くトゥースを止めて掴もうとしましたが、シールド越しでも衝撃を感じました。するとモラーリンが彼の前に膝をついて左手を右膝に置きました。彼の顔はショックと信じられないという気持ちで灰色になっていました。血が噴水のように手首から噴き出しています。「お前のサッシュを貸せ!」
「僕―僕そんな―」エドワードは歯の根がかみ合わないほど震えていました。彼は気分が悪くなり、眩暈がしました。胃液が口の中に上がってきました。「つもりじゃ――な、なかったのに」血はどんどん流れています。
「坊や、今気絶しないでくれ。お前の助けが必要だ。サッシュだ。さあ、エドワード!傷口に巻きなさい。まったく、なんてこった!」彼の片方の手が手首から半分取れかけていました。エドワードは放心したように座り、全身を震わせていましたが、彼の手は開いた傷口にサッシュを巻いていました。それから、残りの部分を手と手首に巻き付けました。「私のサッシュを取って吊り帯を作るんだ」モラーリンは怪我をした腕を吊り帯に落ち着けると、片手を離しました。彼はベルトから水筒を取り出して飲み下しました。「もっと水がいる。お前の杖はどこだ?2マイルほど戻れば井戸がある。トゥースは?探しに行きなさい。怪我をするんじゃないぞ」
「もういらない」
「モラーリンの血に浸った剣はそう多くない。幸運を連れてきてくれるだろう。言われた通りにしなさい」
「満潮だ」
「ああ。ファーストホールドにジョーンのお恵みがあるだろう。片手では魯が漕げんな」
「僕が―」
「いや、お前には無理だ。力がない。ここは流れが速い、私は地面の上で死ぬ方がいいよ。エドワード、ここに留まってはいられない。血の匂いが獣を引き寄せるからな。もし私が気絶したら、充分離れて木に登るんだ。そして祈りなさい」彼は荒い息で杖に寄りかかって立ち上がりました。「離れるなよ。だが、何があっても私にしがみつくな」彼は小さく一歩を踏み出し、またもう一歩歩きました。
「ごめんなさい」
「まったくだ。アサシンに変身するにはまずい時と場所を選んだものだ。優れたアサシンは常に離脱の手立てを持っている」
「はい」エドワードは涙を流しながら鼻をすすりました。「僕、ヒールはできないけど、少しは力を回復できるよ」
「本当かい?そりゃ助かる」エドワードが唱えた呪文に、エルフは衝撃を受けました。彼は息を呑みましたが、極力まっすぐに立っていました。衝撃が去ると、いくぶん姿勢を保ちやすくなりました。「僕、もう一度できるよ」エドワードが熱心に申し出ました。
「いや。お前は大変な力を持っているが、調節する技能がいる。だが、良くなったよ」
モラーリンは歩きやすくなり、声にも力が戻りました。エドワードは心の中にある怪我の絵を滲ませようとしました。彼らはゆっくりと歩き、時々モラーリンは木にもたれて休みました。彼らに危害を与えるものはありませんでした。無言の長い旅の果てに、彼らは古い井戸に着きました。モラーリンが水筒の水を飲み干すとエドワードが水をくみ、彼も飲みました。それからもう一度水を詰めました。
「今晩はあそこで過ごそう」 『あそこ』は、大きな荒れた建物で、明らかに人はいませんでした。エルフは鍵のかかったドアを蹴りつけて開けました。中は真っ暗でした。「明かりの魔法はいる?」エドワードが申し出ました。
「いや、私は見える。力を温存して私のそばにいなさい」何かが素早く動く音がします。ネズミです!エドワードは考えるより早く二人にシールドをかけ、トゥースを抜いてエルフの背中に自分の背をつけました。1匹のネズミが跳び上がって、刃に身を投げました。モラーリンは杖を振るい、もう2匹を倒しました。他のネズミたちは逃げて行きました。
「よくやったな、坊主!」彼らは小さな窓のない部屋を見つけ、中に入ってドアを閉めました。そこにはいくばくかの薪があるようでした。おそらく、台所の隣の倉庫か何かでしょう。モラーリンは壁際に座りました。
「で、ナイフが使えるじゃないか。全部芝居だったのかね?私を油断させるための?」
エドワードは不安と恐怖でいっぱいになりました。そうしようとしてモラーリンを傷つけたのではないと抗議しながら、涙をあふれさせました。「僕、ふざけただけだったんだ、笑わせようとしたの…最初は怒ってた、だけど自分にだよ、僕がぶきっちょだから、あなたにじゃないんだ…思いついて…本当に大好きなんだ!」
エルフは怪我をしていない方の手を伸ばし、エドワードを引き寄せました。「それなら、片手なんて安いものだ」
モラーリンが優しくとんとんと彼の肩を叩いて鎮めている間、エドワードは彼の肩にもたれて泣きました。「僕の本当の父さまだ」
「エド��ード、私は…」
「いいえ、あなたがそうなんです。僕の幸せを何より大事にして、そんな値打ちがない時すら僕を愛してくださる。あなたはずっと親切で寛大で、僕の利益になること以外、何も要求したことがないんです。あなたの人生を僕に捧げてくださってる。それは本当の父親がすることです。それに僕は、あなたに痛みしか与えていないのに。僕を生ませた人は、僕がその人に似ていないからって僕と母さまを忌み嫌っていました。僕たちはあなたにも似ていないけど、それでもあなたは僕たちをとても愛してくれる。あなたがいれば、僕、もっといい子になれると思うんだ。大好きな父さま」
「私はお前に攻撃する十分な理由を与えたんだよ。私はお前から母を奪ったのだから」
「僕を父親から引き離さないために、母さまを失う危険を冒したんだよ。僕のことなんか知らないのに、それに、僕の父親は憎むべき敵だったのに。それでも僕たちのことを考えてくれてる。彼がどんなにおかしいか、あなたにはわからないよ。父さまの中にはないから」
「わかった。それでも、お前の中に反感と怒りは残っているね」
「愛してるよ!」エドワードは抗議しました。でも彼は、自分の声の中に怒りを聞きました。
「そして憎んでいる」モラーリンの声はとても穏やかで、静かで、まるで天気の話でもしているようでした。
「両方はできないよ…そうでしょ?」
「どうかな?」
「傷つけるつもりなんかなかったんだ」
「信じるよ」
「僕は―僕は邪悪なの?とても後悔しているんだ、あれをなかったことにできるなら何だって差し出すよ、だけど―僕―」
「いくらか満足のいく答えだ」
エドワードの喉が嗚咽で詰まりました。彼は口がきけませんでしたが、モラーリンの肩に向かって頷きました。エルフの手が、優しく彼を撫でていました。
「アイリックはデイドラのことを話したかね?」
「悪魔のこと?いいえ。僕にあんなことさせたのは悪魔なの?じゃあ、僕は邪悪なんだ」
「お前はそうじゃないよ。だが、デイドラはあのような行動に餌をやっている。やつらはそれを―力づけるんだ。そして、お前の怒りは彼らを引き寄せる。しかし、やつらがお前に何かをさせることはできないし、やつらも、それも、お前の中にはない。つながっているがね」
「そんなの嫌だよ。どこかに行ってほしいな。どうやったら追い払えるの?」
「なぜ嫌なのだね?そこから力を引き出すんだ。それが、お前が襲ってきたネズミから身を守るために私たちにシールドをかけさせたんだよ」
「魔力のこと?あれは悪魔からのものじゃないよ」
「そうだ。だが、それを使用する能力がね。いいかい、お前の行いの一部がデイドラの餌になる。だが、それと同時にお前はそこから力を引き出すんだ。そうすれば、どのような目的で使うにしろ、その力はお前のものだ」
「デイドラを持ってるの?」
「持っているよ。それも大きなものだ。だが、皆同じものか、それ以上のものを持っていると思っている。他の者より強いのがいる、それだけのことさ。だが、そんなことを聞いて回ってはいけないよ、慎ましい行いじゃないからね」
「僕のにはどこかに行ってほしいよ!」泣きながらエドワードが叫びました。
「お前はそう言うが、それがない振りをしていたら、それが達成されることはないだろう。デイドラを持つことは、馬に乗るようなものだ。制御し続けなければいけない。デイドラはお前のことなど気にかけない。そいつはお前の痛みや、けがや、死のようなものすべてを餌にして命に代え、新しい宿主を探している。やつらは我々がするように考えたり計画を練ったりはしないし、我々と同じように時間を経験しているとは、私は考えていない。だから、デイドラが餌にする行為はその瞬間に起こり、それに捕らわれている間は、過去も未来も存在することをやめてしまう。それは非常に強い快楽に満ちた経験だが、非常に危険にもなりうる。そして、とても中毒性が高い。だから、自分のデイドラに餌付けをすることだけを考え始める。神や愛する者、自分自身のことさえ考えるのをやめてしまう。その道を行き過ぎると、他を選ぶ意思を失ってしまうんだ」
「怖いよ!じゃあ、僕は何をしなきゃいけないの?」
「恐ろしいことだよ、人間が陥る中で最も最悪の事柄だ。今夜のことを覚えておきなさい。どう感じたかを。デイドラの飢餓が何なのかを把握し、自分の行動を考えなさい。お前は若くて、とても大変なことだが、お前はその危険に直面しているからね。ああ!」エルフの体が硬直して息が乱れました。エドワードはあの傷が痛んでいるのだと思いました。
モラーリンは少し眠らなければいけないといい、エドワードに見張りをして、一時間後に起こしてほしいと頼みました。そのあとで、ドアに鍵をかけて一緒に休むことができます。
「うん、父さま…それに、僕、何かもっとできるかもしれない。僕は鍵をかけられないけど…」ドアには掛け金がかからず、開きっぱなしでもありませんでしたが、バタンと音をたてるほど揺れていました。エドワードはその後ろの壁の近くを探って、くさびを見つけました。彼はドアを閉めてくさびを木切れと一緒に差し込みました。「思った通りだ。材木を両腕いっぱいに抱えてこんなドアを通るのはおかしいもん。こういうの、僕の―ゲラルドの宮殿にあったんだ。これで何かが入ってこようとしたら大きな音で知らせてくれる。鍵の魔法の代わりにヒールを使えるよ」
「へえ、実によく考えたね」彼は剣を取り出して、横の床に置きました。「これなら二人とも眠れるかもしれん」
彼らは身を寄せ合って眠りました。ドアと壁を引っ掻く音は頻繁に聞こえましたが、この小さなクローゼットに入ってくるものは何もありませんでした。モラーリンは夜の間何度かヒールを唱えました。朝になる頃には、「片腕の男としては」調子がいいと宣言しました。彼はサッシュの包帯を解いて傷を調べました。出血は止まっていて、片手を触るとまだ温かいままでした。触っても顔色が変わったり体が竦むようなことがない程度には痛んでもいませんでした。でもまだ傷口は開いたままで、片手は使えません。神経と筋肉、小さな骨の数本が傷ついていました。このような怪我の修復は彼の能力を超えていました。エドワードはその光景の中に食事をするデイドラを感じて、急いでそれを追いやりました。
モラーリンがにやりと笑いました。「食べさせておけばいい。害のない類の餌だ。もう済んだことだからね」
「飢えさせるつもりなんだ」エドワードがしっかりとした声で言いました。
「それをやってみてもいいし、代わりに制御することを学んでもいいが、それでも、神々とともに歩きなさい。我々はタワーに戻るのが最善だと思うね」
「うん。そこなら治せるよね?」
「どうかな。少なくとも今よりはしっかりくっつけられるだろう。ああ、そんなにうつむいてはいけない。もし塔に治療の力がなくても、どこかで見つけられる。スサースは戦の負傷は得意だし、塔のメイジたちよりも治療に優れていることで有名な寺院もある。それに、左手だからね」彼は乾いた血のしみがついた丸めたサッシュを持ち上げました。「この色はお前の母上が考えていた以上に実用的だったな。少しは洗い落とせるかやってみよう。こんなに用意の整わない旅はしたことがない。エボンハートの大通りをぶらぶらした時ぐらいのものさ。お前の母上に殺されてしまうな」
「僕を殺してからだよ」エドワードはため息をつきました。「少なくとも塔に戻って帰りが遅れるもの」彼らは明るい中庭に出ました。朝日は西の空に既に高く昇っていました。
「そうでもないぞ、エドワード。仲間たちが近くに来ている。聞こえるぞ。マーラ、どうかうまい嘘を思いつかせたまえ!」
ミスが中庭に馬を速歩で駆ってきました。「ここにいるぞ!」彼が他の者たちに声をかけました。「なんてことだ、怪我をしてるじゃないか!見せてみろ。船を漕いでいる途中で会えると思っていたんだが、岸で血を見つけてここまで追ってきたんだ。何にやられた?」
「デイドラだ」※
「デイドラって!一体どういうことだ!?昼日中のこんな開けた場所で?得物は何だったんだ?黒檀の大太刀か?」ミスが怪我を検めると口笛を吹きました。アリエラと他の者たちが駆け寄ってきて、彼女はエドワードを抱きしめました。「大丈夫?心配してたのよ」そして、夫の手を見た彼女の顔色は真っ青になりました。
「腕が鈍ったに違いないな。一体何をやってデイドラにこんな目に?」ミスが強い口調で訪ねました。
「この子だよ…怖がって私の腕を掴んで、シールドの呪文をしくじったんだ。彼のせいじゃない。事故だ。アリ、見ちゃいけない。エドワード、母上にお前が殺したネズミを見せて差し上げたらどうだね?」
「僕、スサースを見ていたいの」エドワードは異議を唱え、それからそのことがデイドラの養分になることを思い出しました。でも、見ていれば治癒に関する何かを学べるかもしれません。それはいいことでしょう。これは、彼が考えているよりずっと複雑なことでした。
「まあ、エドワード」アリエラが言いました。「戦いでは意識をはっきり保っておかなければなりませんよ」
「この古びた宿屋で彼がネズミを殺したんだよ。実によくやった。頭をしっかりと上げて私と背中合わせになって、両方にシールドの魔法をかけたあとにね。初めての戦闘では誰だってうろたえる。特に予想していない場合には」
最後にスサースが普段通りにやってきて、他の者たちを肘で横に追いやると、怪我の具合を調べ、シッシッという声で言いました。「なおせせせるよ。きれいな傷だっしし」彼は注意深く怪我を見ながら、腕を曲げて傷口を開きました。すると、傷口の組織の両端が触れるように手を前に出しました。彼はそれがきれいに並ぶことにとてもこだわっていました。それから、呪文を唱える間、マッツにそのまま支えさせました。外側から見える怪我の痕跡が、切り傷すら残らずに消えてしまいました。モラーリンは満足げに腕を振り、指を曲げました。「ありがとう、スサース。少し痛むが…」
「あしした、ししし仕上げをすすすするよ」
「かわいそうに」アリエラがエドワードを案じて言いました。「怖かったでしょう。それに、こんなひどい家で一晩過ごすなんて」
「僕は赤ちゃんじゃないよ。怖くなんかなかった。父さまと一緒だったもの」
※原文ではDemonの表記ですが、デイドラの意と解釈しています。
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donut-st · 5 years
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あなたにだけは忘れてほしくなかった
 アメリカ合衆国、ニューヨーク州、マンハッタン、ニューヨーク市警本部庁舎。  上級職員用のオフィスで資料を眺めていた安藤文彦警視正は顔をしかめた。彼は中年の日系アメリカ人である。頑なに日本名を固持しているのは血族主義の強かった祖父の影響だ。厳格な祖父は孫に米国風の名乗りを許さなかったためである。祖父の信念によって子供時代の文彦はいくばくかの苦労を強いられた。  通常、彼は『ジャック』と呼ばれているが、その由来を知る者は少ない。自らも話したがらなかった。  文彦は暴力を伴う場合の少ない知的犯罪、いわゆるホワイトカラー犯罪を除く、重大犯罪を扱う部署を横断的に統括している。最近、彼を悩ませているのは、ある種の雑音であった。  現在は文彦が犯罪現場へ出る機会はないに等しい。彼の主たる業務は外部機関を含む各部署の調整および、統計分析を基として行う未解決事件への再検証の試みであった。文彦の懸念は発見場所も年代も異なる数件の行方不明者の奇妙な類似である。類似といっても文彦の勘働きに過ぎず、共通項目を特定できているわけではなかった。ただ彼は何か得体の知れない事柄が進行している気配のようなものを感じ取っていたのである。  そして、彼にはもうひとつ、プライベートな懸念事項があった。十六才になる姪の安藤ヒナタだ。
 その日は朝から快晴、空気は乾いていた。夏も最中の日差しは肌を刺すようだが、日陰に入ると寒いほどである。自宅のダイニングルームでアイスティーを口にしながら安藤ヒナタは決心した。今日という日にすべてをやり遂げ、この世界から逃げ出す。素晴らしい考えだと思い、ヒナタは微笑んだ。  高校という場所は格差社会の縮図であり、マッチョイズムの巣窟でもある。ヒナタは入学早々、この猿山から滑り落ちた。見えない壁が張り巡らされる。彼女はクラスメイトの集う教室の中で完全に孤立した。  原因は何だっただろうか。ヒナタのスクールバッグやスニーカーは他の生徒よりも目立っていたかもしれない。アジア系の容姿は、彼らの目に異質と映ったのかも知れなかった。  夏休みの前日、ヒナタは階段の中途から突き飛ばされる。肩と背中を押され、気が付いた時には一階の踊り場に強か膝を打ちつけていた。 「大丈夫?」  声だけかけて去っていく背中を呆然と見送る。ヒナタは教室に戻り、そのまま帰宅した。  擦過傷と打撲の痕跡が残る膝と掌は、まだ痛む。だが、傷口は赤黒く乾燥して皮膚は修復を開始していた。もともと大した傷ではない。昨夜、伯父夫婦と夕食をともにした際もヒナタは伯母の得意料理であるポークチョップを食べ、三人で和やかに過ごした。  高校でのいざこざを話して何になるだろう。ヒナタは飲み終えたグラスを食洗器に放り込み、自室へ引っ込んだ。
 ヒナタの母親はシングルマザーである。出産の苦難に耐え切れず、息を引き取った。子供に恵まれなかった伯父と伯母はヒナタを養子に迎え、経済的な負担をものともせず、彼女を大学に行かせるつもりでいる。それを思うと申し訳ない限りだが、これから続くであろう高校の三年間はヒナタにとって永遠に等しかった。  クローゼットから衣服を抜き出して並べる。死装束だ。慎重に選ぶ必要がある。等身大の鏡の前で次々と試着した。ワンピースの裾に払われ、細々としたものがサイドボードから床に散らばる。悪態を吐きながら拾い集めていたヒナタの手が止まった。横倒しになった木製の箱を掌で包む。母親の僅かな遺品の中からヒナタが選んだオルゴールだった。  最初から壊れていたから、金属の筒の突起が奏でていた曲は見当もつかない。ヒナタはオルゴールの底を外した。数枚の便箋と写真が納まっている。写真には白のワイシャツにスラックス姿の青年と紺色のワンピースを着た母親が映っていた。便箋の筆跡は美しい。『ブライアン・オブライエン』の署名と日付、母親の妊娠の原因が自分にあるのではないかという懸念と母親と子供に対する執着の意思が明確に示されていた。手紙にある日付と母親がヒナタを妊娠していた時期は一致している。  なぜ母は父を斥けたのだろうか。それとも、この男は父ではないのか。ヒナタは苛立ち、写真の青年を睨んだ。  中学へ進み、スマートフォンを与えられたヒナタは男の氏名を検索する。同姓同名の並ぶ中、フェイスブックに該当する人物を見つけた。彼は現在、大学の教職に就いており、専門分野は精神病理学とある。多数の論文、著作を世に送り出していた。  ヒナタは図書館の書棚から彼の書籍を片っ端から抜き出す。だが、学術書を読むには基礎教養が必要だ。思想、哲学、近代史、統計を理解するための数学を公共の知の宮殿が彼女に提供する。  ヒナタは支度を終え、バスルームの洗面台にある戸棚を開いた。医薬品のプラスチックケースが乱立している。その中から伯母の抗うつ剤の蓋を掴み、容器を傾けて錠剤を掌に滑り出させた。口へ放り込み、ペットボトルの水を飲み込む。栄養補助剤を抗うつ剤の容器に補充してから戸棚へ戻した。  今日一日、いや数時間でもいい。ヒナタは最高の自分でいたかった。
 ロングアイランドの住宅地にブライアン・オブライエンの邸宅は存在していた。富裕層の住居が集中している地域の常であるが、ヒナタは脇を殊更ゆっくりと走行している警察車両をやり過ごす。監視カメラの装備された鉄柵の門の前に佇んだ。  呼び鈴を押そうかと迷っていたヒナタの耳に唸り声が響く。見れば、門を挟んで体長一メータ弱のドーベルマンと対峙していた。今にも飛び掛かってきそうな勢いである。ヒナタは思わず背後へ退いた。 「ケンダル!」  奥から出てきた男の声を聞いた途端、犬は唸るのを止める。スーツを着た男の顔はブライアン・オブライエン、その人だった。 「サインしてください!」  鞄から取り出した彼の著作を抱え、ヒナタは精一杯の声を張り上げる。 「いいけど。これ、父さんの本だよね?」  男は門を開錠し、ヒナタを邸内に招き入れた。
 男はキーラン・オブライエン、ブライアンの息子だと名乗った。彼の容姿は写真の青年と似通っている。従って現在、五十がらみのブライアンであるはずがなかった。ヒナタは自らの不明を恥じる。 「すみません」  スペイン人の使用人が運んできた陶磁器のコーヒーカップを持ち上げながらヒナタはキーランに詫びた。 「これを飲んだら帰るから」  広大な居間に知らない男と二人きりで座している事実に気が滅入る。その上、父親のブライアンは留守だと言うのであるから、もうこの家に用はなかった。 「どうして?」 「だって、出かけるところだよね?」  ヒナタはキーランのスーツを訝し気に見やる。 「別にかまわない。どうせ時間通りに来たことなんかないんだ」  キーランは初対面のヒナタを無遠慮に眺めていた。苛立ち始めたヒナタもキーランを見据える。  ヒナタはおよそコンプレックスとは無縁のキーランの容姿と態度から彼のパーソナリティを分析した。まず、彼は他者に対してまったく物怖じしない。これほど自分に自信があれば、他者に無関心であるのが普通だ。にも拘らず、ヒナタに関心を寄せているのは、何故か。  ヒナタは醜い女ではないが、これと取り上げるような魅力を持っているわけでもなかった。では、彼は何を見ているのか。若くて容姿に恵まれた人間が夢中になるもの、それは自分自身だ。おそらくキーランは他者の称賛の念を反射として受け取り、自己を満足させているに違いない。 「私を見ても無駄。本質なんかないから」  瞬きしてキーランは首を傾げた。 「俺に実存主義の講義を?」 「思想はニーチェから入ってるけど、そうじゃなくて事実を言ってる。あなたみたいに自己愛の強いタイプにとって他者は鏡でしかない。覗き込んでも自分が見えるだけ。光の反射があるだけ」  キーランは吹き出す。 「自己愛? そうか。父さんのファンなのを忘れてたよ。俺を精神分析してるのか」  笑いの納まらないキーランの足元へドーベルマンが寄ってくる。 「ケンダル。彼女を覚えるんだ。もう吠えたり、唸ったりすることは許さない」  キーランの指示に従い、ケンダルはヒナタのほうへ近づいてきた。断耳されたドーベルマンの風貌は鋭い。ヒナタは大型犬を間近にして体が強張ってしまった。 「大丈夫。掌の匂いを嗅がせて。きみが苛立つとケンダルも緊張する」  深呼吸してヒナタはケンダルに手を差し出す。ケンダルは礼儀正しくヒナタの掌を嗅いでいた。落ち着いてみれば、大きいだけで犬は犬である。  ヒナタはケンダルの耳の後ろから背中をゆっくりと撫でた。やはりケンダルはおとなしくしている。門前で威嚇していた犬とは思えないほど従順だ。 「これは?」  いつの間にか傍に立っていたキーランがヒナタの手を取る。擦過傷と打撲で変色した掌を見ていた。 「別に」 「こっちは? 誰にやられた?」  キーランは、手を引っ込めたヒナタのワンピースの裾を摘まんで持ち上げる。まるでテーブルクロスでもめくる仕草だ。ヒナタの膝を彩っている緑色の痣と赤黒く凝固した血液の層が露わになる。ヒナタは青褪めた。他人の家の居間に男と二人きりでいるという恐怖に舌が凍りつく。 「もしきみが『仕返ししろ』と命じてくれたら俺は、どんな人間でも這いつくばらせる。生まれてきたことを後悔させる」  キーランの顔に浮かんでいたのは怒りだった。琥珀色の瞳の縁が金色に輝いている。落日の太陽のようだ。息を吸い込む余裕を得たヒナタは掠れた声で言葉を返す。 「『悪事を行われた者は悪事で復讐する』わけ?」 「オーデン? 詩を読むの?」  依然として表情は硬かったが、キーランの顔から怒りは消えていた。 「うん。伯父さんが誕生日にくれた」  キーランはヒナタのすぐ隣に腰を下ろす。しかし、ヒナタは咎めなかった。 「復讐っていけないことだよ。伯父さんは普通の人がそんなことをしなくていいように法律や警察があるんだって言ってた」  W・H・オーデンの『一九三九年九月一日』はナチスドイツによるポーランド侵攻を告発した詩である。他国の争乱と無関心を決め込む周囲の人々に対する憤りをうたったものであり、彼の詩は言葉によるゲルニカだ。 「だが、オーデンは、こうも言ってる。『我々は愛し合うか死ぬかだ』」  呼び出し音が響き、キーランは懐からスマートフォンを取り出す。 「違う。まだ家だけど」  電話の相手に生返事していた。 「それより、余分に席を取れない? 紹介したい人がいるから」  ヒナタはキーランを窺う。 「うん、お願い」  通話を切ったキーランはヒナタに笑いかけた。 「出よう。父さんが待ってる」  戸惑っているヒナタの肩を抱いて立たせる。振り払おうとした時には既にキーランの手は離れていた。
 キーラン・オブライエンには様々な特質がある。体格に恵まれた容姿、優れた知性、外科医としての将来を嘱望されていること等々、枚挙に暇がなかった。だが、それらは些末に過ぎない。キーランを形作っている最も重要な性質は彼の殺人衝動だ。  この傾向は幼い頃からキーランの行動に顕著に表れている。小動物の殺害と解剖に始まり、次第に大型動物の狩猟に手を染めるが、それでは彼の欲求は収まらなかった。  対象が人間でなければならなかったからだ。  キーランの傾向にいち早く気付いていたブライアン・オブライエンは彼を教唆した。具体的には犯行対象を『悪』に限定したのである。ブライアンは『善を為せ』とキーランに囁いた。彼の衝動を沈め、社会から悪を排除する。福祉の一環であると説いたのだ。これに従い、彼は日々、使命を果たしてる。人体の生体解剖によって嗜好を満たし、善を為していた。 「どこに行くの?」  ヒナタの質問には答えず、キーランはタクシーの運転手にホテルの名前を告げる。 「行けないよ!」 「どうして?」  ヒナタはお気に入りではあるが、量販店のワンピースを指差した。 「よく似合ってる。綺麗だよ」  高価なスーツにネクタイ、カフスまでつけた優男に言われたくない。話しても無駄だと悟り、ヒナタはキーランを睨むに留めた。考えてみれば、ブライアン・オブライエンへの面会こそ重要課題である。一流ホテルの従業員の悪癖であるところの客を値踏みする流儀について今は不問に付そうと決めた。 「本当にお父さんに似てるよね?」 「俺? でも、血は繋がってない。養子だよ」  キーランの答えにヒナタは目を丸くする。 「嘘だ。そっくりじゃない」 「DNAは違う」 「そんなのネットになかったけど」  ヒナタはスマートフォンを鞄から取り出した。 「公表はしてない」 「じゃあ、なんで話したの?」 「きみと仲良くなりたいから」  開いた口が塞がらない。 「冗談?�� 「信じないのか。参ったな。それなら、向こうで父さんに確かめればいい」  キーランはシートに背中を預け、目を閉じた。 「少し眠る。着いたら教えて」  本当に寝息を立てている。ヒナタはスマートフォンに目を落とした。
 ヒナタは肩に触れられて目を覚ました。 「着いたよ」  ヒナタの背中に手を当てキーランは彼女を車から連れ出した。フロントを抜け、エレベーターへ乗り込む。レストランに入っても警備が追いかけてこないところを見ると売春婦だとは思われていないようだ。ヒナタは脳内のホテル番付に星をつける。 「女性とは思わなかった。これは、うれしい驚きだ」  テラスを占有していたブライアン・オブライエンは立ち上がってヒナタを迎えた。写真では茶色だった髪は退色し、白髪混じりである。オールバックに整えているだけで染色はしていなかった。三つ揃いのスーツにネクタイ、機械式の腕時計には一財産が注ぎ込まれているだろう。デスクワークが主体にしては硬そうな指に結婚指輪が光っていたが、彼の持ち物とは思えないほど粗雑な造りだ。アッパークラスの体現のような男が配偶者となる相手に贈る品として相応しくない。 「はじめまして」  自分の声に安堵しながらヒナタは席に着いた。 「彼女は父さんのファンなんだ」  ヒナタは慌てて鞄から本を取り出す。 「サインしてください」  本を受け取ったブライアンは微笑んだ。 「喜んで。では、お名前を伺えるかな?」 「安藤ヒナタです」  老眼鏡を懐から抜いたブライアンはヒナタに顔を向ける。 「スペルは?」  答える間もブライアンはヒナタに目を据えたままだ。灰青色の瞳は、それが当然だとでも言うように遠慮がない。血の繋がりがどうであれ、ブライアンとキーランはそっくりだとヒナタは思った。  ようやく本に目を落とし、ブライアンは結婚指輪の嵌った左手で万年筆を滑らせる。 「これでいいかな?」  続いてブライアンは『ヒナタ』と口にした。ヒナタは父親の声が自分の名前を呼んだのだと思う。その事実に打ちのめされた。涙があふれ出し、どうすることもできない。声を上げて泣き出した。だが、それだけではヒナタの気は済まない。二人の前に日頃の鬱憤を洗いざらい吐き出していた。 「かわいそうに。こんなに若い女性が涙を流すほど人生は過酷なのか」  ブライアンは嘆く。驚いたウェイターが近付いてくるのをキーランが手を振って追い払った。ブライアンは席を立ち、ヒナタの背中をさする。イニシャルの縫い取られたリネンのハンカチを差し出した。 「トイレ」  宣言してヒナタはテラスを出ていく。 「おそらくだが、向精神薬の副作用だな」  父親の言葉にキーランは頷いた。 「彼女。大丈夫?」 「服用量による。まあ、あれだけ泣いてトイレだ。ほとんどが体外に排出されているだろう」 「でも、攻撃的で独善的なのは薬のせいじゃない」  ブライアンはテーブルに落ちていたヒナタの髪を払い除ける。 「もちろんだ。彼女の気質だよ。しかし、同じ学校の生徒が気の毒になる。家畜の群れに肉食獣が紛れ込んでみろ。彼らが騒ぐのは当然だ」  呆れた仕草でブライアンは頭を振った。 「ルアンとファンバーを呼びなさい。牧羊犬が必要だ。家畜を黙らせる。だが、友情は必要ない。ヒナタの孤立は、このままでいい。彼女と親しくなりたい」 「わかった。俺は?」 「おまえの出番は、まだだ。キーラン」  キーランは暮れ始めている空に目をやる。 「ここ。誰の紹介?」 「アルバート・ソッチ。デザートが絶品だと言ってた。最近、パテシエが変わったらしい」 「警察委員の? 食事は?」  ブライアンも時計のクリスタルガラスを覗いた。 「何も言ってなかったな」  戻ってきたヒナタの姿を見つけたキーランはウェイターに向かい指示を出す。 「じゃあ、試す必要はないね。デザートだけでいい」  ブライアンは頷いた。
「ハンカチは洗って返すから」  ヒナタとキーランは庁舎の並ぶ官庁街を歩いていた。 「捨てれば? 父さんは気にしない」  面喰ったヒナタはキーランを窺う。ヒナタは自分の失態について思うところがないわけではなかった。ブライアンとキーランに愛想をつかされても文句は言えない。二人の前で吐瀉したも同じだからだ。言い訳はできない。だが、ヒナタは、まだ目的を果たしていないのだ。  ブライアン・オブライエンの実子だと確認できない状態では自死できない。 「それより、これ」  キーランはヒナタの手を取り、掌に鍵を載せた。 「何?」 「家の鍵。父さんも俺もきみのことを家族だと思ってる。いつでも遊びに来ていいよ」  瞬きしているヒナタにキーランは言葉を続ける。 「休暇の間は俺がいるから。もし俺も父さんもいなかったとしてもケンダルが 相手をしてくれる」 「本当? 散歩させてもいい? でも、ケンダルは素気なかったな。私のこと好きじゃないかも」 「俺がいたから遠慮してたんだ。二人きりの時は、もっと親密だ」  ヒナタは吹き出した。 「犬なのに二人?」 「ケンダルも家族だ。俺にとっては」  相変わらずキーランはヒナタを見ている。ヒナタは眉を吊り上げた。 「言ったよね? 何もないって」 「違う。俺はきみを見てる。ヒナタ」  街灯の光がキーランの瞳に映っている。 「だったら、私の味方をしてくれる? さっき家族って言ってたよね?」 「言った」 「でも、あなたはブライアンに逆らえるの? 兄さん」  キーランは驚いた顔になった。 「きみは、まるでガラガラヘビだ」  さきほどの鍵をヒナタはキーランの目の前で振る。 「私が持ってていいの? エデンの園に忍び込もうとしている蛇かもしれない」 「かまわない。だけど、あそこに知恵の実があるかな? もしあるとしたら、きみと食べたい」 「蛇とイブ。一人二役だね」   ヒナタは入り口がゲートになったアパートを指差した。 「ここが私の家。さよならのキスをすべきかな?」 「ヒナタのしたいことを」  二人は互いの体に手を回す。キスを交わした。
 官庁街の市警本部庁舎では安藤文彦が部下から報告を受けていた。 「ブライアン・オブライエン?」  クリスティナ・ヨンぺルト・黒田は文彦が警部補として現場指揮を行っていた時分からの部下である。移民だったスペイン人の父親と日系アメリカ人の母親という出自を持っていた。 「警察委員のアルバート・ソッチの推薦だから本部長も乗り気みたい」  文彦はクリスティナの持ってきた資料に目をやる。 「警察委員の肝入りなら従う他ないな」  ブライアン・オブライエン教授の専門は精神病理学であるが、応用心理学、主に犯罪心理学に造詣が深く、いくつかの論文は文彦も読んだ覚えがあった。 「どうせ書類にサインさせるだけだし誰でもかまわない?」 「そういう認識は表に出すな。象牙の塔の住人だ。無暗に彼のプライドを刺激しないでくれ」  クリスティナは肩をすくめる。 「新任されたばかりで本部長は大張り切り。大丈夫。失礼なのは私だけ。他の部下はアッパークラスのハウスワイフよりも上品だから。どんな男でも、その気にさせる」 「クリスティナ」  軽口を咎めた文彦にクリスティナは吹き出した。 「その筆頭があなた、警視正ですよ、ジャック。マナースクールを出たてのお嬢さんみたい。財政の健全化をアピールするために部署の切り捨てを行うのが普通なのに新しくチームを立ち上げさせた。本部長をどうやって口説き落としたの?」 「きみは信じないだろうが、向こうから話があった。私も驚いている。本部長は現場の改革に熱意を持って取り組んでいるんだろう」 「熱意のお陰で予算が下りた。有効活用しないと」  文彦は顔を引き締めた。 「浮かれている場合じゃないぞ。これから、きみには負担をかけることになる。私は現場では、ほとんど動けない。走れないし、射撃も覚束ない」  右足の膝を文彦が叩く。あれ以来、まともに動かない足だ。 「射撃のスコアは基準をクリアしていたようだけど?」 「訓練場と現場は違う。即応できない」  あの時、夜の森の闇の中、懐中電灯の光だけが行く手を照らしていた。何かにぶつかり、懐中電灯を落とした瞬間、右手の動脈を切り裂かれる。痛みに耐え切れず、銃が手から滑り落ちた。正確で緻密なナイフの軌跡、相手はおそらく暗視ゴーグルを使用していたのだろう。流れる血を止めようと文彦は左手で手首を圧迫した。馬乗りになってきた相手のナイフが腹に差し込まれる感触と、その後に襲ってきた苦痛を表す言葉を文彦は知らない。相手はナイフを刺したまま刃の方向を変え、文彦の腹を横に薙いだ。  当時、『切り裂き魔』と呼ばれていた殺人者は、わざわざ文彦を国道まで引きずる。彼の頬を叩いて正気づかせた後、スマートフォンを顔の脇に据えた。画面にメッセージがタイピングされている。 「きみは悪党ではない。間違えた」  俯せに倒れている文彦の頭を右手で押さえつけ、男はスマートフォンを懐に納める。その時、一瞬だけ男の指に光が見えたが、結婚指輪だとわかったのは、ずいぶん経ってからである。道路に文彦を放置して男は姿を消した。  どうして、あの場所は、あんなに暗かったのだろうか。  文彦は事ある毎に思い返した。彼の足に不具合が生じたのは、ひとえに己の過信の結果に他ならない。ジャックと文彦を最初に名付けた妻の気持ちを彼は無にした。世界で最も有名な殺人者の名で夫を呼ぶことで凶悪犯を追跡する文彦に自戒するよう警告したのである。  姪のヒナタに贈った詩集は自分自身への諌言でもあると文彦は思った。法の正義を掲げ、司法を体現してきた彼が復讐に手を染めることは許されない。犯罪者は正式な手続きを以って裁きの場に引きずり出されるべきだ。 「ジャック。あなたは事件を俯瞰して分析していればいい。身長六フィートの制服警官を顎で使う仕事は私がやる。ただひとつだけ言わせて。本部長にはフェンタニルの使用を黙っていたほうがいいと思う。たぶん良い顔はしない」  フェンタニルは、文彦が痛み止めに使用している薬用モルヒネである。 「お帰りなさい、ジャック」  クリスティナが背筋を正して敬礼する。文彦は答礼を返した。
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“347 名前:名無しさん@おーぷん[] 投稿日:2015/09/16(水)07:54:55 ID:xdf 双子の姉がひき逃げされてから人生が滅茶苦茶になりました。 私は妹の方。一卵性だからよく知っている人間でもない限り見分けがつかなかった。 高校に入ってすぐ姉が部活帰りにひき逃げされた。普段は自転車通学をしていた姉だが、 その日は雨の日で親が車で迎えに来るのを校門から少し離れた場所で待っていた。 幸い発見が早く命は助かったけど、入院生活が続いた姉は留年した。犯人は捕まらなかった。 双子だから当然同じ学年だったけど、私が二年に進級したころ姉は不登校になった。 部屋に閉じこもったまま泣きわめいて部屋を荒し八つ当たりするようになった。 その時罵倒の対象になるのが決まって二年に進級した私で、自分だけ二年に進級���たことが申し訳なかった。 母や兄に妹子も留年してやればよかったと言われたことも私のなかでは修羅場。 結局姉は中退。一日中部屋に閉じこもって過ごしていた。 このころから姉はリストカットを繰り返すようになった。 最初は私も心配したが、次第にそれが姉のかわいそうな自分を演出するためのパフォーマンスだと気づいた。 三年になって、私は大学進学を希望していたけれど相変わらず引きこもりの姉が私の進学を快く思うはずもなく、 ひき逃げに遭って以来姉を溺愛するようになった母と二人がかりで家庭内イジメが始まった。 食事に洗剤混ぜられたり、腐った物を弁当に詰められたり。 私の部屋やクローゼットにわざと生ゴミを置いたりしてくれたおかげで私や衣服には腐ったにおいが染み付いた。 そんな部屋で過ごしているので、自分のにおいがイヤで毎日早朝に家を出ては銭湯に行ってから 学校に通うようになったけれど、それでも制服についたにおいがとれなくて学校でもイジメを受けるようになった。 受験を控え、連日課外授業を受けていた私に17時門限を強いて、守れるわけもなく連日門限破りの罰と称して体罰をされた。 ストレスで夏休みに入る前には元は50kg台の体重が35kgになっていた。頭にハゲがいくつもできた。 父は仕事仕事で家におらず、電話をしても「忙しい」の一言で切られる。兄は無関心。救いはどこからもなかった。 何もかも嫌になって、姉が何度目になるかわからないなんちゃってリストカットをした日、 私は腐ったにおいが充満する自分の部屋で本気リストカットをした。 普通の女の子の握力では手首を切っても大した出血にならないらしい。 実際姉のリストカットは薄皮を切る程度ですぐに後も消える。 ただ、私は姉が事故に遭ってすぐに辞めさせられたが、バレー部だったので握力が男の子並みにあった。 バスケットボールを片手でつかんで振り回すくらいのことは簡単にできた。 私は見事に動脈をぶった切ったらしい。発見したのが元医療従事者の祖父母でなければたぶん本懐を遂げただろう。神経をやったらしく、私の右手は今でも動かない。(左利き��す) 母方の祖父母は遠方に住んでいて、その日は偶々姉を心配して夫婦で訪ねて来ていた。 家の中で孤立していた私は知らなかったが。 もっとも私は168cmあるので、35kgはいつ死んでもおかしくないレベルだ。 今思えばリストカットをしていなくてもそう遠くないうちに倒れていただろう。 祖父母が私を救急車で病院に運んだ。病室で意識が戻った時、もう何もかもがどうでもよかったので私は何一つ反応らしい反応をしなかった。 精神病院に放り込まれた。正直そのころのことは曖昧でよく覚えていない。覚えていることといえば、 ああ平和だな~ってぼんやり思ったことと、面会日に祖父母が来てくれたことだ。 頭がはっきりしたのはそれから随分経ってからだ。 医師の適切な治療もあって、35kgまで落ち込んだ私の体重が40kg台になった頃だと思う。 祖父母が面会に来てくれた日に当然ばああああっと、姉がひき逃げされた日から手首を切るまでの日々が頭に浮かんだ。泣き叫んで暴れた。 祖父母は私が家でどういう立場にいたのか知っていた。そのときは知らなかったが、 私の戸籍は実家からすでに抜かれ祖父母の養子になっていた。祖父母は母と絶縁し、 行き場のない私を拾い上げてくれていたのだ。 348 名前:名無しさん@おーぷん[] 投稿日:2015/09/16(水)08:01:18 ID:xdf 精神病院を出た時私は20歳になっていて、祖父母の地元で静養しながらいくつかの受験をして22歳で大学に進学した。 卒業するまで祖父母のところにご厄介になった。 お節介な親戚からの情報で、両親の離婚と姉がなぜかAV女優になっていると聞いたが このまま二度と関わらないでくれればそれだけでよかった。親戚情報でタチの悪い男に引っかかったとか、 借金の返済に追われているとも聞いたが、正確なところはわからない。 私は大学在学中に顔の整形をした。 費用は祖父母から借りた。自分で作るつもりでスナックで働いていたものの、昔気質の祖父の猛反対もあって辞めた。 スナック勤め以前に整形そのものに反対したが、鏡を見るたびに姉を嫌でも思い出すのでどうしても整形したかった。 借りたお金は、大学を卒業して社会人として働くようになったら月賦で払うと借用書を書いた。 数年で完遂したが、結婚したときに子供に使うよう全部返された。 夫は私が整形していることも、右手が不自由になった理由を含めて何もかもを承知のうえで結婚してくれたが数年で破綻した。姉に寝取られた。 呆然としたが、私以上に義母が怒り狂った。実の息子を包丁で刺し殺しかねなかったので 私のほうが必死に止めていた。右手が使えないことをこのときほど悔やんだことはない。 同時に、整形していてよかったと遅まきながら思った。AVの世界で活躍されている方々には申し訳ないが、 自分とまったく同じ顔の女が複数の男と乱交したりアンアン言ってる映像が世に流れているのだ。 もし整形していなければたまったものではない。 後日ネットで確認したら引退と書いてあったが、一度世間に流れた映像は消えない。 私の元夫は姉の現夫だ。元夫がどういう流れで姉と関係を持つようになったのかはわからないが、 姉が略奪に走った動機なら何となくわかる。私のものは何でも取り上げなければ気が済まないのだ。 祖父母は亡くなる時、私と伯父(母兄)にのみ遺産を遺し、縁を切ったあの家のひとたちにはまったく遺していなかったのでそれも一因かもしれない。 プロのお姉さんの色気に血迷った元夫からいわゆるロミオメールやSOSが届くので携帯を変えた。 子供もいないし、医療従事者だった祖父母は堅実に暮らしていた人達で私がのんびり暮らしていけるだけのゆとりをくれた。私自身の給料もある。 義母があんなのよりもっといい男を捕まえろと言うけれど、もう結婚はいい。 姉がよく金の無心にきたので、住み慣れた町を離れて遠方に引っ越した。 義母さんと距離ができてしまったのが残念だが、ようやく身辺が落ち着いて穏やかな日常を送れるようになった。今は猫とうさぎと同居中だ。 死にぞこないが一つ言えるとしたら、手首を切っても人間は死なないということ。 痛いだけですめばいいけれど、私のように一生不便な生活を余儀なくされる場合もあるのでリストカットはやめておいたほうがいい。” - リストカットはやめておいたほうがいい - 2chコピペ保存道場 (via darylfranz)
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maborice · 5 years
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ぼくとスーパーダンガンロンパ2 CHAPT. 2
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 それは違うぞ(迫真)
 超小学生級の反省も終わったところでChapter 2の話に入ろう。 前回は見事被害者を的中させたので今回も僕の頭脳の冴えを見せてやるぜ、という意気込みでやっていく(登場人物16人のうち半分を予想に入れてたらそら最低半分は当たるわ、というツッコミは忘れてほしい)。
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ご丁寧に前回予想した部分をバッサリ切り捨ててくれる狛枝には困ったもんだぜ。一番反論してくれそうな人間が初手で消えたから仕方なくはあるが他のメンツがドン引きするばかりで疑問を投げかけてくれないので彼の思考が全く伝わってこない。ちゃんと疑問を投げかけたら会話にはなると思うんだけどなあ。流石に制作陣も今更単純サイコパスのつもりで設計してないでしょうし。言っても仕方ないんだが。でも君前話のラストで最後まで見届けたくなってきたよ! って言ってなかった? それはそれとして前作でさんざん真の希望とはみたいな話をやっておいてこの希望フェチはモノクマの用意した絶望を前提においた希望が最も輝く瞬間、と言っているのはテーマ的に誤りである可能性が高いので最終的にここが取り沙汰されてくれると僕が嬉しい。まあゲーマーがコロシアイは絶対許さないとか言ってるあたり最終的にこの対立軸が解消されないまま狛枝退場、というルートもありそうだが。そもそもゲーマー強くない? 舞園さやかの人当たりと霧切響子の推理力が合わさっているのは反則ですよ?
 ようやく朝が来て、日本舞踊家が臭い謎設定とモノケモノが居なくなって第二の島が開放された話を聞く。ミラクルモノミでやってたの本編時間軸なのかよ! 思い出させんな! 今回はまあ島が増えていくんだろう。前作やったプレイヤーでこの発想しない奴いるの? って感じだけど4つ目の島あたりで開放されずに路線が変わったら恥ずかしいので黙っていることにする。
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厨二病の扱いも委員長キャラの扱いも本当にうまい。
 ゲームのやりすぎなので島が変わったら環境もガッツリ変わると思ってたが第二の島に関してはそういうことではなく単純に拡張された形らしい。明らかに前作で見たことある門を備えた遺跡、やっぱりあった図書館、そして海の家。またシャワー壊れてるけど制作陣はシャワーに恨みでもあるの? そしてジェノサイダーの話が出てきたのでとりあえず同一時間軸ではあるらしい。腐女子のことを指してるのかは知らんけど。 んで……何? 世界の破壊者? 前作ラスボスの所属組織とイコールでいいの? ぶっ殺さなきゃいけないって言ってたけどナチュラルに対立煽るな当たり前だけど。ただまあ前作は絶望振りまいてりゃ満足って言ってたのが明確に破壊思想を表に出してきたのは新しい。いやあんだけやっといて結局リセット願望かいって思わないでもないのでそのへん絶望とか破壊とかのワード組み合わせてオサレにしてほしいけど。
 そして今回の動機として用意されるゲーム中ゲーム。相変わらず全力投球するなあ。それはそれとしてバックログが読めなくなるのは勘弁してほしい(作中設定として生徒手帳の中の機能だった気がするから正しくはあるのか?)。 なるほど記憶は返さないけど過去が存在してたことについては積極的に触っていくのか。流石に有効活用されている。前作ボスが突っ込まれた点を修正していくスタイル。いや本当にツッコミ入ってたのか知らんけど。
 カメラマンから狛枝の朝食の話をされる。なんか日本舞踊家のおねぇ呼ばわりといい急にフォーカス入ったな嫌な予感がするぞ。
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想像より縛り方が激しかった。どっから用意したその鎖。隙あらばコロシアイを煽ってくるのはもう完全に確信犯的だなあ。自由時間で既に選べなくなっていたんだけど今作1話時点で3人消えるの前作より悪化してんじゃねーか! スクールモード無かったら怒るぞ!
 トワイライトシンドロームをプレイして思ったのがやっぱゲームキャラのセリフって現実的な頭身から出てくるとこそばゆくなるね。「ごかいした」のメッセージに気づいた瞬間とりあえずボタン連打したが5回押す前に表示が終わってしまったのでこれ隠し要素逃したか!? としばらく一人で騒いでいたがゲームジャンル的にここで分岐要素あったらあとで困るということにしばらくしてからようやく気付いたので事なきを得た。なお、そもそもこの画面で押しても意味なかったことに気付くのは少し後のことになる。
 和ーちゃんに誘われて海水浴イベント。おおノゾキじゃなくて参加する方なのか、と思ったがノゾキが発生するのは風呂の方だしそれは前作でやってた。一番見たかった子はイラストに描かれてなかったがな!!!!!!!!! そして次々に登場する女性陣(ギャラリー開放する時に必要なコインが高くて笑った)、カメラマンは調子が悪いから来れないのメッセージ、海の家から走り去る日本舞踊家……あっ……。
・自由時間の話
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王女ストーリーを完了。制作陣の作るキャラクターと僕の推したいキャラクターが一致していることが分かったので後はどう魅せてくれるかを期待したい。豹変はやめてね。
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続いて軽音楽部。ほんまこいつギリギリのギリを毎回突いてくるな。 自由時間の話終わり。
 小泉真昼というキャラクターの第一印象は「ジェネリック朝日奈」だった。気の強い物言いに委員長気質……。前作ではずいぶんと振り回されたものだ。 そこに男嫌いとかいう要素までプラスされてるものだからそれはもう大いに警戒した。こいつ裁判中に「男だからこいつが犯人」とか言い出してもおかしくないな、と思うぐらいには。 蓋を開けてみればどうだっただろうか、いざChapter 1の事件が発生すれば自分の信条は脇においておいて出来ることをしっかりやり、議論にも参加し、「コロシアイなんて絶対にやらない」とスタンスをはっきりと表明し、ヘイト製造機のコントーローラーにまでなった……。今度こそ僕は元気なムードメーカーと一緒にプレイできるんだ、そう思った。
 しかし、朝日奈の残した呪いは強烈だった。彼女に向けられたヘイトが時間差で爆発してしまった(完全な被害妄想)。ついに牙を剥いた新たな犯人の魔の手は、その大いなる力によって小泉真昼に牙を剥いてしまった。 ……うん、これで2話連続被害者枠的中だな! 既に加害者を2回連続で外しているので今後の予想は全部外れることが確定的なのはまあ許してくれよな!
 この事件について考える上でまず第一に引っかかるのはやはり死体発見アナウンスである。そういえばアナウンスルールの話を聞いていなかった気がするが、前作に則るのであれば犯人で1、日本舞踊家で2、和ーちゃんで3なので日本舞踊家はシロということになる。ただこれは前作でもっとややこしいシチュエーションでせっかくやったのにまた引っ張り出してくるか? というところなのでなにかあるだろう。今更この作品が前作でやったことをチュートリアルしてくれるとは微塵も思えない。 捜査開始。キラキラちゃんのお面が露骨に出てきた。クローゼットにグミ。露骨な落とし物。シャワールーム上部の窓。いやこれ登れないっつっても道具あったら登れそうじゃない(ポイ捨て禁止ルールをまた忘れている)(結果的に正解だった)? ……ところで、突然全部知った後の目線で書くけどペットボトルから水出したんならシャワールームの床まだ濡れてなかったりしない? プレイしたのが深夜だったから細かく覚えてないんだけど最終的にその水が何処に行ったのかは誰も触れてなかった気がするんだけど……。 そしてゲーマーを連れ立ってトワイライトシンドロームをプレイ。……この女……助手枠に綺麗に収まってやがる! 前作の助手枠は……うっ、頭が……!
 うんこれD子が小泉だったら割と悪いことしてるね。というか在学中に割とガッツリ悪い子としてるっていうの第三者目線で見せられてこの後この子達をどういう目で見たら良いのかわかんないよ僕は。何処までも何処までも警戒心を煽ってくるぜ。というかF男(か、その手の者か)、E子を殺した後どうやって誤魔化したんだ? もう普通にアウトじゃん……。 メタ的にも犯人じゃないのは割と露骨なのに非協力的な姿勢を見せてしっかりヘイトを稼いでいく日本舞踊家。コントローラーがいきなりぶっ壊れたからまた逆戻りだよ。
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意外と上手く行っているように見えるような見えないような当時の写真を回収、狛枝の活躍で砂浜の足跡とグミ袋を回収。これがなかったら普通に日本舞踊家死んでたぞ……。罪木の検死報告、あと何回見れるんだろう……。
 ここで捜査フィニッシュ。この状況で最も怪しいのは順当に考えれば極道である。トワイライトシンドロームの件からして既に容疑度満漢全席であるが、「俺は最後まであがくぞ……」とか言ってる当たりもはや隠す気あんのか? というレベルなので流石に何かあるだろう。ほぼ全くと言っていいほど今話で印象のなかったマネージャーあたりがクロでもまあおかしくはないがそれは流石に扱いが露骨すぎるし、そもそも登場人物A,B,Cは主人公の目で見てアリバイがあるしで他に思い当たるフシもないし……。キラキラちゃんが突然出てきて二重人格パターンはもう勘弁してほしいけど。
 裁判準備で色々入手したスキルをセット。今作は前作と違ってスキルポイントとスキルの入手タイミングが同じだからSPダダ余りとかない上に序盤からバカバカ積めるから難易度低いな、ガハハ! とか言ってた。この段階では。
 裁判開始。いきなりトワイライトシンドロームからか。逆転裁判だと最初は現場検証から入るので文化の違いを感じる。 E子が使った凶器は何? って話題が出た瞬間水着でブラックジャックでも作ったんだろ、ガハハ! SSRカードみてえだな! とか言ってたらマジで水着ブラックジャックでびっくりした。素材的にいけるのか……? と思ってたからいける扱いでちょっとびびった。というか結局どうやって処分したんだ。 ところでヤマダといえば前作に居たけど繋がりあったりするんかな。
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ところでその声でそれ言うのやめろ。漢字違うけど。
 そして日本舞踊家のビーチハウスに行ってない! という主張を崩す展開。これ前作の葉隠で似たようなの見たぞ?
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……しかしまあ、「一人で服着れないから返り血をごまかせない」っていうの、「字が汚い」並の情けなさだな。それよりも問題は相手の反論斬っていくやつで極道の発言が硬すぎることだ。10回ぐらいミスった。この後早めにセーブポイント来たから事なきを得たが危うく僕の集中力が切れてゲームオーバー寸前だった。元々そうなのかプレイ環境が悪いのか知らんがなんかレスポンスが悪くて斬りづらいんだが!?
 そしてセーブ明けに始まるロジカルダイブとかいう新モード。なんかこのポリゴンと床PS1のサルゲッチュで見たな。
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……ところで何か操作説明おかしくない?
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案の定ゲーム中で操作説明開いたら全然違うこと書いとるしよォ!!!!!!!!
それはそれとして犯人がクローゼットに隠れているまでは良かったがじゃあ何処? って聞かれてめちゃくちゃ迷った。Chapter 1でも思ったけどこの絵柄で物体の大きさを測らせるのやめて超やめてめっちゃ苦手なの!
 そのまま犯人の手口の話題になるとペコの反論が入るが入ってくる時のボイスがめちゃくちゃ格好良くて転げ落ちた。ついでに斬るやつの文字の動きもスタイリッシュで興奮した。でも耐久力無くて難易度的にはクッソ低かった。 道具使う予想までは合ってたなヤッター! とか思いながら事件再現漫画の小泉がアホみたいに可愛い
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ことに失われたものの重さを痛感しつつ、なおも不気味な雰囲気な犯人を追い詰めていくと……
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これだもんな。カーッ、たまんねえな!
 ……ところがどっこい、クライマックス推理でも「なんでか知らんがキラキラちゃんの犯行だと示すために面を置いたんだろう」と主人公に直接言われたように登場が唐突すぎる。そもそもこれから居なくなるキャラ掘り下げても意味ねーじゃん……と思ったがこのゲームは吊られてからが本番なのでそこはそうでもなかった。 ともかくとして、無事犯人投票に成功……と思ったら新規ルート。 なるほど~~~~、「私は人ではないので犯人ではない」は前作では出てこなかった主張だな~~~~~。新しいな~~~~。
 ここで流れを変えるきっかけになったのは王女の一言であり、毎回毎回存在感を示してくれることには感謝したい。 そしてようやく出てくる死体発見アナウンスが前作と違う仕様であることの意味。そう、キラキラちゃんなど後付け、最初から���場にはもうひとり居たのだ……と。 こうして事件の全貌が本当に明らかになり、裁判は終わった。
 マジ!!!!!!!!!!!!??????????????????????????!!!!!!!!!!!!???????????????????????!!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????????????????? そんな設定突然生やすなや! と思ったらこれまでに単独行動する極道を誘ってたのは常にペコだったわ!!!!!!!! マジか!!!????????!!!!!!!!! ああーいけませんいけませんよこれはこういうのに弱いんですよ僕。隠してきた秘密が明らかになる瞬間っていうの本当に弱いんですよ。とくに対人関係の秘密。この突然評定バリエーションが増えたペコの破壊力が高いこと高いこと。全部張っていい? いい加減誰もネタバレ気にして見てないでしょ。貼るぞ?
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「私の仕事は終わった」って聞いた時裏切り者設定もう消化するの? って思ったがそういうことでは無かった。色んな意味で手遅れになった諦めと覚悟を秘めたサイコーの顔をしている。
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突然歪む表情。狂った目的を達成したという満足感がみられる。
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トドメの表情。押し殺してきた全てが少しずつ溢れていくような印象。主人の情けなさにある種の諦めを抱いたような表情に見えなくもないのは主人の中途半端さが原因か。
 完全に油断してた。極道が犯人だとストレート過ぎるけどそれにしたってせいぜいトワイライトシンドローム関係者の内輪もめだと思ってたから突然予想外の方向からストライク送球が飛んできて死んだ。 極道に生まれながら心優しくどうしても人が殺せない跡取り息子とその用心棒としてずっと一緒に育ってきた剣。うーん、いい。いいですよ。問題はこのゲームだとこのご主人ただの役立たずなことなんですけど。
 それはともかくとして狛枝を始めとして登場人物がちょくちょく言及していた裁判全体の方向性の違和感をビッチリ決めてくる設定を打ち込んできたことに本当に感謝したい。このコロシアイの設定がこれほどまでに自己犠牲によって誰かを生かす事ができ、自己犠牲以外に自分以外の誰かを生かすことが非常に難しいという状況を見事に作り出せることに前作プレイ時点では全く気付いてなかった。まあ全員初対面という前提を勝手に思い込んでいたというのはあるが。ある意味前提をひっくり返すどんでん返しなので、今作になるまで温めていたのも納得である。 前作の2話では過去の事件の発覚を恐れた口封じ(間接的に)だったので、今作では過去の事件そのものについては誰も重要視していなかったのが綺麗に対比になっていて良い。ただ極道はこれから生き残ってどうするんだ? というのはあるが。
 前作の感想で隠し事がバレる瞬間に今まで積み重ねてきたものが崩れていくのが好きだと書いたが、今作でも形を変えて見れたのは非常に嬉しい。どちらかというと崩れるというより全貌が明らかになる瞬間、という趣だったが。 互いが互いを想いあったが本心から分かり合うことが出来なかったために間違いを止めきれなかった、というのはトワイライトシンドローム内で語られた事件とも一致しており、演出の妙が際立つ。結局、過去の事件も今回の事件も誰かがもう少し素直になれれば起きなかった事件なのだから。 お互いともに死んでほしくはなかっただろう。けれども極道には妹という動機があった。結局天秤に乗せた結果妹を取ったのか、劇場に駆られたのか、そのはっきりしない中途半端なスタンスのせいでいまいち見せ場を作りきれなかったが、もう嘆くことは許されない。賽は投げられたのだから。
 しかし犯した罪を反省する間もなく退場してしまうこのゲームにおいて、ついに後悔と反省が許されるキャラクターが現れた。そう、極道はまだ生きている。最後の瞬間に少しだけ本心で会話できたふたり(その感情が何であるのかはナードの僕には分からんので横に置いておく)、生きてほしかったという願いを受け取った彼は今後十神白夜並の手のひら返しを見せてくれるのかどうか、今後に期待したい。これで元気にヘイト製造機1号2号やってたら許さんからな。
・キャラクター所感
・ゲーマー どんどんメインヒロインとしてのポジションをガッツリ確保しにかかってる。コロシアイ絶対許さん発言といいめちゃくちゃ目立つ。最終的にどういうポジションに落ち着いて、どんな背景が合ったのかは注目していきたい。多分生き残るんだろうな。 ・ガンダム 相変わらず厨二病発言は全くなりを潜めないのにギリギリ会話が成立するギリギリの社会性を表現するのがうまい。キャラクターとして無理なくハマってしまっている。ただいい加減キャラに発展が無くなってきたので次当たりポックリいってもおかしくないかもしれない。 ・日本舞踊家 無事今回もヘイト製造機1号の立場を守り抜いてしまったのみならず、容疑者候補から復帰というぶっとい生き残りフラグを立ててしまった。完全に逆転裁判世界からやってきたかのような裁判中の煽りといい
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全く嬉しくない可愛さアピールといい朝日奈を超える勢いでヘイトを稼いでいる。大丈夫か? 本当に。でも極道との復習の連鎖はまだ残ってるので4話あたりでやらかしてくれるかもしれない。 ・極道 ヘイト製造機の座は暫定で脱出したが今回はマジでいいところがなかった。いや妹殺しの共犯が目の前に居たら殺りたくなるのは分かるけどカッとなってうっかりやっちゃうのはチンピラでしょ。裁判中でのスタンスも中途半端(これについては狛枝が言及していたように制作陣からそういうやつだと太鼓判を押されていることになる)だし、本当に次が大事。でも女子メンバーとのわだかまりは普通に残ってるわけだし仲良しこよしは出来そうにないよなあ……。個人的には3話でいいところを持っていって十神白夜ルート乗ったと思ったら4話で結局トワイライトシンドロームメンツと揉める展開が良いです。 ・保健委員 いじめられるならこっちだと思ったらD子の方だった。相変わらず検死が有能で着眼点もよく、しかもあまり人を殺しそうにないと非常に好感の起きやすいキャラクターとなっているがまさかトワイライトシンドロームの話がこれで完結するわけではないだろうし以下略。 ・軽音楽部 そろそろ見た目以外に言うことが無くなってきたので掘り下げが欲しい。 ・マネージャー 言うことがない。 ・オワリ 裁判に協力的と言うだけでこんなにもバカが許せるのか、と感心している。この言うこと無いトリオにそろそろ脚光当ててみてほしい。 ・ペコ 推したい、が彼女はもういない。主人の中途半端さに割を食らった感があるので無事成仏してくれることを願う。 ・王女 とりあえずキャラクター性も見えてきたし、あとはこの異常空間でどのように輝くか。天然変な趣味お嬢様路線のまま散っていくのだけはやめてほしい。 ・メカニック このギャルゲーの親友枠みたいなの地味に前作にいなかったな……と感心している。3話は軽音楽部以下のメンツの誰かに軸が置かれるはずなのでそこで生き残れるか。「生き残って欲しい」という感情をプレイヤーから稼ぎやすいキャラなので生存可能性低そう……。 ・超高校級の幸運 しばらくは危険なやつという路線で進んでいくようなので掘り下げ待ち。中の人にこいつのオファー来た時「え!? 次は思いっきり怪演していいんですか!?」ってなってそう
・番外・カメラマン
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殺され方まで委員長キャラ貫いたなあ……ってしみじみ。 まあ(間接的協力者とは言え)殺した側が言っていいセリフじゃないし残念ながら当然みたいなとこある。どうして前作はこうならなかった。
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touden-tztt · 7 years
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STORYSHIFT 日本語訳 Part 14 ver 2
リンク 前へ 次へ ver1 目次 注意事項
ヨッ!お前も彼女を見るために抜けてきたのか?
ヤバイくらい… 彼女はかっこいいよな?!
彼女が悪者を捕まえるためのお菓子を持っているといいなあ。
なあ、オイラの親にここにいること言わないでくれよ? ハハ。
やあ旅人さん。 何か用?
私かい?私はこの見張り小屋を温めているのさ。
まあ正直、座り心地はあまりよくないけどね。
これからあったかい所に行くんだけど、来る? ♥うん
何ボーッとしてるの?近道さ。着いて来て。
うん、やっぱこっちがいいね。
ごきげんよう、みんな。
やあ、ちびっこ。 こんにちは、キャラ。
ごきげんよう、キャラ。 やっほー、ちび~
よう、キャラ。あんまり外にいると誰かさんが心配するんじゃないか?
平気だよ。rei も私が親を心配させるような無茶をしないって分かってるから。
それに、向こうも出かけているからね。アイツも文句は言えないさ。
ほら、座りなよ相棒。
いい所だろ?自信あるよ。ここは地下で美味しい食べ物が出てくる所なんだ。
そして、私が一番時間を過ごしてる場所でもある。
何か頼む? ♥ポテト
オッケー、おごるよ。
グリルビー、ポテト二個よろしく。
さて、話は変わるけど…
私の秘蔵チョコはどうだった? ♥おいしかった
まあ落ち着きなよ。まだいっぱいあるから気にしないから。
あれを一気食いはきついしさ。飽きてしまうだろうし。
ま、二人とも楽しかったみたいだね。
あんなにクールな奴とデートするなんてとてもラッキーだよ。
ありがとう、グリルビー。
何かかける? ♥うん
自分のにね。
あなたはケチャップを傾けた。
キャップが外れて中身が全てかかってしまった…
あー、
ごめん、私のをあげるよ。
それはこっちが食べるから。
そうそう、君に聞きたいことがあったんだ。
でもこれは二人きりの方がいいね。
ざっくり言うと、ウォーターフォールの方の家で色々あってね。
それで私たちは出ていきたかったけど、ママはまだ子供だからって許さなかったんだ。
でもrei はロイヤルガードに入隊するため、可能性を広げたいって決意してたのさ。
1週間近く説得してね、ついにママが折れたんだ。
私たちだってもう子供じゃない。だから修行のため、家を出るのを許可してくれた。
クローゼットの中身もちょっと子供用じゃなくなったしね。
ああそれと、これも話したかったんだ。
言葉を話す花を聞いたことある? ♥はい
そうか、知ってるんだね。
Boogie のことを。
アズリエルが言うには、彼の後を付いて回る金の花らしいんだ。
周りに誰もいないとき、そいつはささやくんだって。
お世辞、予言。
そして約束。
試しに植物図鑑を見てみたけど、喋る花?聞いたことない。
恐らく、まだ誰も知らない新種のモンスターなんだろうね。
君も気をつけてほしい。
こんなこと誰かに話せたのは久しぶりだよ。
本当にありがとう。
お金はすぐに返すからさ、今日は見逃して。それじゃあね。
また今日みたいに話そうね、相棒。
キャラはしょっちゅうここに来るんだ。ほぼ毎日な。
考えてみれば最近、あいつは前よりもこっちに来るようになったなあ。
他の犬とカードゲームをしているらしい。
接戦のようだ。
フルリングのようだ。
うん?お前はキャラと友達になったのか?
あいつは変わったガキだよ。動かずに俺を撫でていなくなるんだ。
キャラは妙に地上とその食べ物のことを知ってるんだ。 ここでよくその話をするよ。
ただ、料理人はこっちの方がいいってよ。どういう意味なんだ…?
ちびっこぉ~…、戻って一緒に座って~…
おばちゃんに可愛がらせて~…
(キャラのことは好きだよ。) (あの子はテーブルの下にバーガーを滑り込ませてくれるから。)
(でもその兄弟が拾って家に持ってっちゃうんだよね。)
(来なよふわふわ子犬ちゃん!) (一緒に遊ぼうよ!)
キャラがボクの頭とあごをナデナデしてくれないかなあ。
キャラは戻って来るよね?戻って来て!待ってるから…
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crowdsurfingrabbit · 6 years
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2012年01月05日19:16
2011年3月~
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あけましておめでとうございます☆ ていうか、お久しぶりです! 毎月日記書こうと思ってたのに、気がついたら去年の3月から書いてない!!(;゜O゜) 3月から書いてるので無駄に長いです。。。 3月は、会社で2月に新商品が発売されてとにかく残業残業。 ちなみに仕事は、某レンタカー会社の予約センターで、旅行代理店がコンピューターで操作した予約を処理してる部署。 5年前から働いてて、2年半前くらい前からはリーダーとして働いてます。 3月からこんなに残業して夏の繁忙期はどうなっちゃうんだろう?なんて思ってたら、 11日、 この日は出勤日で、隣の新人さんに教えてたら、大きな揺れが。 みんな自然に机の下に。 私は見てないけど、近くのサンシャインが折れそうなくらい揺れてたそう。 震源地宮城で、相馬では大津波って聞いた時は、南相馬市にある実家はきっと流され、家族もワンコ達も流されたと連絡つくまでは本気で思った。 実家までは、なんとか津波も到達しなかったし、食器棚が倒れたり、家のいろんな所にひびが入ったり、屋根の瓦が落ちた程度で、誰も怪我せず無事。 ほっとしたと思ってたら、原発の放射能問題が。。。 実家、原発から32キロって妹が言ってたかな? そのため、避難して福島の山奥の道の駅に野宿するって聞いた時はびっくりした。 その後、入院してて家を空けてる、宮城のおばさんの所に、家を引き払う日までは居れるって聞いて、とりあえず一安心。 引き払う前に、お父さんの仕事が再開して、放射線量もだいぶ減ったって事で実家に戻れたけど。 私が養っていく事になるかと思った。 ちなみに私は11日当日は、数時間待ってやっと乗れたバスで、歩いて10分くらいの距離を2時間かけて移動したあげく、バスを降り結局約2時間くらい歩いて帰りました。 会社に歩いて通勤してる人達に泊まっていってもいいよ、と声かけてもらったけど、家に置いてきたうさぎさんが心配で心配で風邪ひいてたけど、頑張って帰宅。 特に何か倒れたりもしてなく、うさぎさんが無事でほんと良かったぁ(TOT) その後仕事には震災の影響がかなり出て、東北利用のキャンセル、関東周辺の代理店からは自粛によるキャンセルの嵐。 ガソリン不足や、計画停電の影響でキャンセルを進めたり。 たまに、ガソリン満タンで貸せないとはふざけるなとか、仙台空港に飛行機が一部飛び始めたのに、仙台空港店が再開してないなんておかしいとか、怒る人達もいて、しばらくは切ない日々を過ごしてました。 ガソリン不足の時にガソリン買い占める事なんて出来ないし、店舗流されたんだから、そんな簡単に再開出来る訳ないじゃないか。。。 ゴールデンウイーク前辺りから自粛ムードも徐々に減り、予約が徐々に増え毎日残業に。 7、8月は、サマータイムが導入され、通常9時が8時出勤になり21時過ぎまで働いて、毎日ぐったり。 あと、節電対策のためト○タの休みが土日から木金になり、食堂と売店も木金休みに変更ななり曜日感覚もおかしくなってたなぁ。 8月には、10年住んだ家から引越。 最寄り駅は変わらないけど、前と違うのは、風呂トイレ別、室内洗濯機置き場、二口ガスコンロが置けてシンクも広いキッチン、広い部屋に広いクローゼットに広いベランダ、テレビインターホーン、網戸、南向き、いっぱい入る下駄箱、築浅、良くなったのはこんな所で、反対に悪くなったのは、これだけ条件が良くなったのでもちろん家賃はかなりあがりました。 あと、JRの駅から徒歩20分かかる! もう慣れて普通になったけど。 10年住んでた家を引越たと、会社の営業の方に話したら、今いくつなの?となり、年齢言ったら25歳くらいかと思ってたって言われた!若く見られると、嬉しい年齢になってきたw 前のとこは、うさぎさんだけじゃなく私も色々破損させてしまい、修復代をびっくりするくらい取られました(^^;) ちゃんとどこにいくらかかるというのを全部説明してもらって、納得してお金を払いました。 自分ですぐに用意出来る額じゃなかったので親に借金。 10年も住んでたら色々壊してしまったりもするよね? 今の所は、賃貸マンションは借りてるという事を肝に銘じて暮らしてます。 9月末は、繁忙期も終わるので、短期スタッフが契約終了に。 ウサビッチちゃんは、短期で入ったんだけど、毒舌天然メルヘン少女なのに、仕事に関しては覚えも早く理解力もあるため、長期スタッフとして残れる事に。 繁忙期の間は私の隣の席になり、面倒みてて、仕事に関してはしっかり教育したけど、生活指導は出来ず。。。 変な人見かけて写メ撮ってたら遅刻とか、財布と定期忘れて駅員さんに携帯を人質にするから入れてくれと頼んだけど断られ結局遅刻、目覚まし時計壊れて5時間遅刻とか、うさぎのぬいぐるみを私の方に向けて応援するという謎の行動を取ったり、自分の飼ってるうさぎを新幹線顔って言うしw 長期スタッフでも、バンド活動が忙しくなってやめちゃった人も。 ディスクガレージのオーディションで優勝してからは、ラジオのレギュラー番組をもったり、アニメの主題歌になったり、最近ではフットボールアワーの岩尾がやってる番組に出てるらしい! 来年は赤坂ブリッツでワンマンするんだって!! ブリッツでワンマンって凄いよね!? あと、ジュンスカが出るライブのオープニングアクトとか☆ Sissy頑張れ!ドラムのハム君頑張れ☆ ハム君も辞めちゃってうちの部署は、20人中男性スタッフは1人に。 前に働いてた時に、女子ばっかりの職場はもう絶対に嫌!って思ってたのに、今の職場も女子ばっかり! 女子ばっかりだと普通は色々起きたりしますよね~。 でもうちの職場の女子達は、ふわふわした人が多いのか、人間関係良好☆ 前にリーダー間ではちょっとあったけど。 未だにあの2人が接してるのを見てるとドキドキします。。。 11月後半辺りからは、暇すぎて、早い日は15時辺りからはやる事が全くなくなり寝ない事が仕事にw パトロールという名の徘徊に出掛けちゃう人や、サンシャインにくじ引きに行く人とか。 クリスマスには毎年恒例のマネージャーからのケーキの差し入れ☆ 今年はカップケーキだったから食べやすくて良かった♪ ライブは、引越のためにお金貯めないとと思って、かなり本数は少なめだった。 特に印象に残ってるのは、 5月には初めてのカミング神戸に! ゴウさんには大変お世話になりました☆ 久しぶりのレトロ可愛かった!かなちゃん大好き☆ レイザーズは砂埃がとにかく大変だった! 禁止なのしらないでダイブしたら、リストバンドにバツつけられて次したら退場と言われました(*_*) レイザーズの時だけ禁止とは思えないほどダイバー多かったけど!w あとはヘイスミスとかゲル、マーサス見たり。 交通費を安くすませようとして、夜行の4列シートに乗ったら行きは隣が男性でちょっと辛かったな。。。 もう乗りたくない! デビュー10周年ってことでけっこうガガガSPのライブに行ったなぁ。 その時に必ず募金も! 千円入れた日も。 ホスコの七夕無料ライブは、無料なのに長かった♪ ドラドナッツに突然はまりはじめて、ツアー初日の新宿と柏に。 新宿は曲いっぱいやってくれて良かった♪ 2月のワンマン絶対行く☆ 10月の終わりくらいに、仕事も忙しくなくなってきたし、震災後一度も実家に帰ってなかったので、6連休を取って実家へ。 震災前までは上野から特急で3時間ちょいで帰れたのに、今は途中までしか走ってないので、バスで仙台まで行って、そこから電車で30分、その後は電車がまだ走れてない区間になるので代行バスで90分。 電車が走ってれば仙台から1時間で行けるのに。 代行バスは駅のトイレに入ってたら乗るの自分が最後になっちゃって、ギリギリ補助席に乗れたから良かったけど危なかった~。 実家の家族達は、今までと変わらない感じでした。 でも前と大きく変わったのは、妹の旦那さんとその猫が一緒に住んでた事!! ほんとは震災の2、3日後に二人暮らしするため引越予定だったんだって。 それが出来なくなり、旦那さんの元々住んでた所も原発に近くて戻れないため、震災後はずっとうちの家族と一緒に行動してたそう。 で、けじめつけるのにと、妹の大好きスティッチの誕生日にめでたく入籍☆ 妹の旦那さんだから弟になるんだけど、5歳くらい年上! 気を使います。。。 妹の旦那さんの猫、なっちっていうんだけど、そんなに猫好きじゃなかった私を虜にしてしまうほど可愛い!!!! とにかく全てが可愛いい(*´д`*) すぐなついてくれて膝の上に乗ってきたし~(*´д`*) 職場の猫好きの間でも、なっちはアイドルになってます(^^) また実家帰ったらなっちと遊ぶぞ☆ 妹の車で海の方に行ったけど、ほとんど流されて見通しがいい感じに。 田んぼには、片付けられてない船がいっぱい転がってたり。 海にバスが浮いてたりもしたなぁ。 帰りも仙台からバスで。 バスに乗る前にハワイアンのライブへ。 ダストが対バン☆ 新生ハワイアン最高でした(*^_^*) 年末年始は、年中無休の職場だけど、普段の四分の一しか出勤人数いらないため、30日から3日までの5連休に☆ 4日から仕事で5日まで出て、明日6日からまた連休! 7連休取って明日から実家に帰ります☆ やる気のないリーダーで申し訳ございませんw 年末年始出勤してて、今実家に帰ってるリーダーから引き継いだ件も、全て電話してちゃんと終わらせたし、気になる件は引き継いできたし、やり残しはないはず! 明日の乗る高速バスにトイレがなくて不安だけど、頑張ります(/_・、) では、みなさま今年もよろしくお願いします☆ ※写真は実家の猫、なっちです
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aeeeee---eeeka · 8 years
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おぼっちゃま学校ばんたん
yoonseok みんないい服を着て綺麗にしていて挨拶の角度までぴったりで、きっと何かの手違いだと思う。 思いたい。 孤児でスラムの街で生まれて教育なんて一回も受けたことのない俺がこんなお坊ちゃん学校に入学だなんてどうかしてる。 入学式だって俺だけが汚い格好していて笑われるのなんの。 そのあと寮の部屋ごとに分かれたんだけど同い年のやつは背は大きいわ頭は良さそうだわで話しかけることもできなくて寮長だと紹介された綺麗なブロンドの髪色をした人のあとを着いて行く。 その間も飛び交う言葉がお兄様とか僕だとかもう帰りたい。 寮の名前も俺のじゃないと期待していたのに俺の名前がちゃんと入っていた。 「僕はソクジン、みんなジンて呼ぶからジンて呼んでね。それで、ここがこれから君たちが生活するスペース。少し狭いしベッドルームも一つだけど楽しいから我慢してね」 それでね、といろんなところに連れて行かれて戻ってきた頃には晩ご飯の時間。 テーブルいっぱいに肉やらパンやらスープやらが並べられていて生まれて初めてこんなご馳走を見た気がする。 数年前に農家のおじさんとおばさんに引き取られてからはご飯にありつけていたけれど裕福じゃないからスープばっかりで肉なんて生まれてこのかた食べたことがない。 食事の前にはお祈り、と両手を合わせて難しいことを言うジンヒョン。 食事はなんだか厳かに始まってフォークとナイフを綺麗に使ってお肉を食べるみんな。 俺は周りに散らかしてしまって結局フォークだけで食べている。 そのうちどこから来たという話になってジンヒョンは北のほう、ジンヒョンの一つ年下のユンギヒョンは王族の住む特別区でナムジュンは南のほうだった。 「で、ホソクは?」 ニコニコ笑っているジンヒョンだけど本当のことを言ったら話してくれなくなるのかな。 こんな学校に来れるくらいだからきっとスラムの人とは関わったらいけないとか言われているんだろうなとかグルグル考えて結局おじさんおばさんの住んでいる東、とだけ答えた。 でもきっと汚い格好をしているから気が付いていると思う。 ジンヒョンはそうなんだねーと嬉しそうに言うと今日はホソクがお風呂一番に入っていいよ、なんて。 俺そんなに臭かったかな。 料理の味もわからなくてとりあえず飲み込めるだけ飲み込んでごめんなさい、お風呂行ってきます、とか言ったと思う。 気持ち悪くて吐き気がして思いっきり吐いてお風呂の入り方も知らないから冷たいまま頭からかぶってタオルを巻きつけてベッドルームに駆け込む。 チョンホソクと書いてあるベッドで固まっていたら急にランプがついてジンヒョンが入ってくる。 「ごめんね、そういう意味で言ったんじゃないんだ。僕、そういうところ無神経でさ。お風呂初めて入るんじゃないのかなって、なら最初に入れてあげたいなって思って」 タオルで優しく頭を拭かれてジンヒョンなんかに触ってもらうのも申し訳なくてただごめんなさいってつぶやく。 俺なんでこんな場違いなところに来てしまったんだろう。 その日はジンヒョンが一緒のベッドで眠ってくれた。 次の日から俺にとっては試験の毎日で紙とペンをもらったのに字も書けないし言っていることもちんぷんかんぷんだからテストの点数も悪いわけで。 その上入学式で目立っていたからいじめられるのは当然だった。 教科書なんてボロボロだし学校でもらえる制服だってジンヒョンが縫ってくれなかったらビリビリのまま授業に出ないといけないところだった。 その反対にナムジュンはテストなんて勉強しなくても一位で毎回先生に褒められて嬉しそうにしていた。 ナムジュンに教えられてもまずなんの話をしているのかわからなくてナムジュンはそのうち諦めたみたいだった。 そのうち2年になって下級生が入ってきた。 ジミンとテヒョン。2人は双子でしゃべらなくても相手の考えていることがわかるらしい。 入学するまではこの学校の修道院でシスターたちと暮らしていたって言っていた。 だから静かなんだろうなとか勝手に思っていたけど大違い。 2人でガラスは割るし厩の馬を逃すし食事なんてマナーなんて糞食らえとか言いながら両手でつかんで食べるし、ひどい。 3年になったらもう一つ下にジョングクっていう目が真っ黒のなんの感情も無さそうな子が入ってきた。 テストはできないらしいんだけど剣術のクラブに入っているらしくてクリケットなんかやらせたら誰もグクには勝てない。 それくらい強い。 双子は弟ができたのが嬉しいらしくて授業にも出ないでグクに張り付くから校則の同室の連帯責任でみんな一年留年が決定した。 2人は笑ってごめんね、なんて言っていたけど俺にとったら地獄が一年増えただけだからやめてほしい。 まあみんなといるときは本当に楽しいけど。 ある日ユンギヒョンが楽譜を広げてピアノを弾いているときに倒れた。 原因はわからないけれどきっと疲れすぎだって先生は言っていた。 それからヒョンはよく寝るようになって一日中起きてこない日もあったりした。 で誰か一緒にいないとまた倒れたりしたら大変だからって言って授業がちんぷんかんぷんな俺が寮に残ることになった。 寝ているヒョンは本当に綺麗でいつもの悪口なんて想像できない。 傷跡なんてもちろんないし日焼けもしていない。 本当に俺がここにいて意味なんてあるんだろうかと思う。 ヒョンみたいな人が健康ならみんな喜ぶしヒョンだって嬉しいだろうに、なんで俺が健康なんだろう。 ヒョンにこの体をあげたい。 ああ、でもダメなんだ。 俺の体は一回車に轢かれ損ねてそこらじゅうに傷が残ってるし内臓もぐちゃぐちゃになったみたいでよく吐く。 あのとききちんと轢いておいてくれたらこんなことにはならなかったのに。 ヒョンの少し冷たい手を握ったまま泣く。 俺がここにいてもなんの価値もないのになんでこんなところに来てしまったんだろう。 ヒョンに泣いているところを見られた。 誰も見ていないと思って泣いていたらヒョンが見ていて笑われるのかなって思っていたけどヒョンは焦って俺の背中を擦ったり涙をシーツで拭いてくれたりして抱きしめてくれた。 それからヒョンからくっさいせりふとキスをもらって付き合おうって。 お前のことが心配すぎて寝るに寝られないって言われえて俺は笑えてたと思う。 嬉しいけどヒョンは王族の親戚で王族が一般人とは付き合えないのは俺でも知ってる。 でもヒョンは嘘でも俺に笑ってほしいのかなって思って。 だからちゃんと笑うよ。 大丈夫。 ヒョンと付き合って一年が経った。 また2人が今度は先生の禿げた頭を撫でながら綺麗〜って言ったとか授業に出ないで遊び呆けてて今日授業に出なかったらまた今年も留年だとか言ってて頭が痛くなる。 ヒョンと一緒にいたらすごく幸せなのに現実を見たら幸せになれる方法なんて少しも見つからなくて1人になると泣くようになった。 膝を抱えて泣いていたら布の擦れる音がして慌てて涙を拭う。 「お兄様」 おはようと寝ぼけた顔が不細工で思わず口元が緩む。 ジミンは制服は着ているけれど授業に出る気があるのかないのか皿の上に乗っているバターでベタベタのパンを口に運ぶ。 授業が始まるまであと10分。 今日授業に出ないと留年なのにそれを注意できない。 それはまだどこかでユンギヒョンと離れたくない、この生活から抜け出したくないと思っているから。 「今日お昼ジンヒョンがサンドイッチ作るとか言ってたけど帰ってくる?」 今日俺はユンギヒョンが体調悪そうだったから授業でないけどとポツリと呟くとジミンはじゃあ僕も休みたい、だなんて。 俺は兄として何を言ってやることが正解なんだろう。 「…ホソク、水」 ズルズルとシーツを引きずりながらユンギヒョンがベッドルームから出てきて俺の隣の席に座る。 寒いでしょ、お湯じゃなくていい?なんていうと水がいいって。 ここは年中綺麗な水だしお湯も出るしなんでも食べさせてもらえる。 だれが金を出しているのか聞きたいくらい。 「お前泣いてた?」 水の入ったコップを置くとそのまま手を取られて覗き込まれる。 「大丈夫」 涙は全部吹いたはずだしジミンも気がつかなかったのに。 なおさら泣けてくるし離れられなくなるからやめてほしい。 「あ、ヒョン、たった今俺たちの留年決まった」 「じゃあまだ一緒にいれるな」 頭を撫でられてああもうダメだと涙が落ちる。 ジミンがそっとベッドルームに戻るのが見えて心の中で謝る。 「やっぱり泣いてたんだろ」 まとっていたシーツで乱暴に拭かれて顔が痛いけれどヒョンが一緒にいてくれるって言ってくれて本当に嬉しくて。 でも現実はそんなに上手くはいかない。 それから数日後シスターに呼び出された。 あの7人の中で俺だけ。 シスターは微笑んで俺の奨学金が5年分、つまりストレートで卒業できるだけの奨学金しか出ないから今年までしかいられないとはっきりと言った。 あと、2ヶ月だけ。 ヒョンと一緒にいられないもう。 この生活を知ってしまったらあの生活には戻れない。 部屋に戻るとヒョンは真っ白な譜面を埋めていてやっぱり生きている世界が違うな、なんて思って明日にはもう出て行こうと思う。 これ以上ヒョンと一緒にいたら出ていけなくなるから。 俺はここにいてはいけない。 ここにいること自体が間違いだったんだ。 でももうおじさんおばさんももう新しい子を引き取ったから帰ってこなくていいって手紙が来てそれに返事をしたのに全然返事なんて帰ってこないからまたスラムの街に帰らないといけない。 帰る場所なんてないのに。 ヒョンは俺を見て何があったのか、なんて聞いてきたけれど今日はちゃんと笑えている、大丈夫。 ヒョンの隣はもっとちゃんとした人じゃないとダメ。 その日の夜、俺はヒョンからもらった指輪だけを持って学校を出た。 この先どうしようなんて考えていない。 ただ、ここにいてはいけないと思っただけ。 ヒョンは幸せにならないと。 ヒョンが、ホソクヒョンが起きたらいなかった。 トイレかななんてのんきに二度寝しようと布団をかぶりなおしたらユンギヒョンが真っ青な顔で寝室に戻ってきてホソクが学校辞めた、なんて呟いた。 ヒョンたちのことは知っていたからなんで辞めたのか見当がつかないわけじゃないけれどでもなんでこのタイミングなのかわからない。 来年もまたここにいれることになったのに。 しかも行くところなんてないのに。 ナムジュンヒョンも青い顔をしながらみんなを起こして学校の外を探そう、なんて。 でもホソクヒョンが辞めたくて辞めたのに。 そうテテが呟いたから繋いでいた手を強く握りしめてやる。 ホソクヒョンならきっと見つかる、大丈夫。 6人で6方向にわかれて森の中を歩く。 昨日の夜雪が降ったみたいで歩きづらい。 もしかしたら寒すぎて死んじゃうかもしれない。 ホソクヒョンのクローゼットからはコートしか抜かれていなくて手袋もマフラーも置いてあったからどこか雪の下でうずくまっているかもしれない。 お願いだから戻ってきてほしい。 木と木の間からテテがホソクヒョンいた!!!なんていう叫び声が聞こえて雪に足を取られながら走る。 ちゃんと息をしているか聞くと冷たすぎるからとにかく部屋に連れて帰る!なんて叫ばれたからみんなを呼び戻しながら部屋に戻る。 部屋に戻って見たヒョンは紫で指輪を握りしめていた。 息はたまにするくらいだけどまだ間に合う。 お風呂に温かいお湯を張って服のまま入れてその上からさらにタオルをたくさんかける。 ユンギヒョンは自分が死にかけみたいな顔をしていてジンヒョンが大丈夫だってなんて言っているけれど本当に大丈夫なのかわからない。ただホソクヒョンを信じないと。 ほっぺが赤くなってきてホソクヒョンが目を開ける。 「ヒョン?!大丈夫???痛いところない???」 みんなで話しまくっているのに反応はなくてただごめんなさいって言うからみんなでたくさん抱きしめる。 その日はユンギヒョンが付きっきりだったから気がつかなかったけど後で凍傷になってしまった脚はもう動かないらしい。 指も細かいことができなくなって食べることもできないって。 ホソクヒョンのためにシスターたちから見つからないようにしないといけない。 ホソクヒョンは俺たちが守らないといけないんだ。 ヒョンが何もいってくれないから言うまで待とうってみんなで決めて前みたいに明るく笑わなくなって泣くことしかしなくなったヒョンの面倒をみんなで見たりして。 トイレとかお風呂とかはさすがにユンギヒョンがやるって言ったけど。 自分からはなにも言わないしトイレに行きたいとかそういうことすら言わないからすっごく気をつけないといけない。 でも、今生きてて本当に良かったと思う。 だってユンギヒョンが卒業する前に辞めて家で面倒みるとか言いはって聞かなくて。 そんなヒョンは初めてだったらしくてご両親も了承してくれたってすごく嬉しそうにしてたし。 というか別にヒョンは長男じゃないし上にヒョンが何人もいるから好きなことが通るって言ってて、きっとヒョンがホソクヒョンと付き合い始めたのだってそれを知っていたから。 そこまでヒョンは無責任じゃない。 静かな部屋で指輪を握りしめて泣くヒョンを見る。 大丈夫、そんな気持ちを込めて頭を撫でると細い声でごめんなんて返ってきたから嬉しくなってぎゅうぎゅうに抱きしめる。 ねえ、ホソクヒョン大丈夫だよ。 俺たちさ、ちゃんと生きてるから。 生きていたら大丈夫、辛いことだけじゃないって。 「ユンギヒョンいるし、俺たちもいるからさ」 抱きしめながらそういうとまた小さくごめんね、と呟いた。 俺の家に連れてきて数日。両親の優しさと兄たちの面倒見の良さでホソクはもうちゃんと笑っているし指輪を指から外して握っていることも少なくなった。 母親がホソクの面倒を見まくって風呂の世話までやるとか言い始めたからすぐに断った。 だってホソクのやつ断るのが忍びないとかで全部やらせるからそのうちシモの世話までやらせるんじゃないかってすごく心配になる。 「ホソク、お前音楽やってみない?」 家でただ過ごすのも嫌になってきた日、ホソクにそう言ったらすごく嬉しそうな顔をしたもんだから俺の作った曲の楽譜を渡して楽譜の読み方から教える。 「俺バカだからこんなに覚えらんない」 「じゃあ一つずつな」 それからホソクはそんなことを言っていたくせにすぐに楽譜なんて読めるようになって今度は自分の声とピアノの音とを合わせるのに躍起になって一日中ピアノの前に張り付いている。 「焦らなくていいんだからな」 「うん、でも早くヒョンと合わせたくて」 そう言ってニコニコするお前が愛おしくて唇にキスすると耳まであかくして不自由な手で叩いてくる。 前みたいに力も強くないから全く痛くない。 部屋に入ってきた女中にお顔が大変と笑われるくらいにはニヤけていた自信がある。 あいつがなにを思ってあんなことをしたのかなんてわからないわけじゃないけれどもうなにも言わなくていい。 今こうやって一緒にいるしこれから���一緒だから。 そのうちこいつがなにも思わなくてよくなるくらい甘やかしてやりたい。 ホソク、お前がどう思っているのかわからないけれど俺は死ぬまで、死んでもお前を離せないと思う。 好きだ、愛している。 そんな言葉たちはあんまり伝えられないけれど俺の曲をきちんと歌えるようになったら教えてやる。 書きっぱなしで汚い
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midomonnarunee · 6 years
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【お久しぶりでございます!椿ハンは生きとります!元気ヤデェ❣️】 2週間ぶりやケロ!!!! 笑笑笑。ꉂ(˃̤▿˂̤*ૢ)'`,、 椿ハンは生きとりますヨォ❣️**(ू•ω•ू❁)** タダねぇ… 何と言うか、時間に追われてると言うか? 時間が足りんとです! 時の過ぎるのが速すぎテェ…(´◦ω◦`)!? 自分のボケっとする時間がないとです!(・_・; ホンマに😆👊 何というか、したい事の3分の1も出来ないくらいに、別な時間の使い方してる出ねぇʅ(´⊙◞⊱◟⊙`)ʃ 何でかなぁー😂👍 さてさて、2週間の間に変わった事とか、あった事🤭行った所とか?して来た事を纏めると… 先ずは、月末東京から帰ってから、… オークションで落札したノートパソコンと💻格闘が始まったわけですが… これにホンマに時間を費やした!!!! ずっと前に座ってェ、パソコンと携帯2台Padと繋げてェ、SNSとメール📩とデーターのバックアップ等に、1人でイジりまくってェ? 3日くらいで、何とか徐々に慣れて来て、動画も音楽もアプリを取り込んで1つずつ増やしてやって行った。 身体も目ん玉も、ゴリゴリになった前半戦!!!! 唯一の楽しみは食事❣️**(ू•ω•ू❁)** と、3番目娘とのやり取りで、2ヶ月振りに逢って食事してェ、カラオケして🎤6時間!!!! 次の日に4番目の娘と家でゆっくりマッタリして食事してェ、振り返りの思い出話と本音トークで、スッキリした。 後は、7日の大安の日には、4ヶ月振りの藤森神社⛩参りに行ってェ、椿の花が全開🌺で綺麗やったのでパシャり!!!!ฅ( ̳͒•ಲ• ̳͒)♪ お札と刀のお守りと買うて帰りしなに、又、京都のオバ様達がいる、【キッチンエミ】に寄ってェ、又散々喋ってェ、楽しい会話でいっぱい笑うて帰って来た! コレが、椿ハンの充電と癒やしの時間成りなぁー😂👍 あゝ→ぼくいるのライブも行って来たなぁー**(ू•ω•ू❁)** なんかもう、バタバタとしてェ、師走ってェ、ホンマに1年の内の最後やからなぁ〜〜 やり切らんとあかんからサァーᕦ(ò_óˇ)ᕤ 意欲的になって動くよなぁー😂👊 にしても、又朝やん!!!! 寝取らんがヤァー(・_・; あいだに少し落ちたくらいやなぁー(・_・;💦 今日も又切れ目が分からん1日の終わりと始まりが一緒に来たやん! ⊂('ω'⊂ )))Σ≡=─༄༅༄༅༄༅༄༅༄༅ コノ調子で、やり残しなく新しい年を迎えられるかしらネェ⁉️(´◦ω◦`)!? 少し不安では有るが…心配は無い!!!! わしゃー元気ジャーはーい(。Ő▽Ő。)ノ by TSUBAKI AOKl PS.何か、今は家の中に不用品となって出て来たモノが、商品としてェ 売れて居りますよね(๑・ิ◡・ิ๑)ナルホド 片付く、クローゼットの中に眠ってるモノがドンドン整理されてく気分に、思い切ってもう良いよなぁー😂って具合に新旧問わず入れ替えないとネェ😍👊 ようやく何かやれた気がする!!!! 自分の今やるべき事がネェ👍😆 前に進んで行くためにも、こっから、人生のA面からB面に変わってェ、真逆の人生を歩んで行くネンからなぁ〜〜(^_−)−☆ ホンマに楽しみで期待しか無いこの先の人生を歩んで夢から遠ざけかけたのを修正して行くネン!!!! 再スタートラインから戻るのではなく、全く違う人生を生きて行くネン!!!! 結果が逆転して行くネンからB面ってェ… だからって、自分の性格やら根本が変わるんでなくテェ、運気や結果が違うって事やからネェ😍 改めて感謝してェ生きて行かんとなぁー😆👊 ハイハイε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(๑ʘ∀ʘ)┘ よーい…ドン! 頑張るなリィ💪💪💪💪💪 ᕦ(ò_óˇ)ᕤ ほなぁーっ! またネェ😍👍 bye-bye(^^)/~~~ #ノートパソコン #機械音痴 #パソコンの前で格闘する #SNS復旧作業 #慣れない事すると肩凝る #時間がかかるから足りない #毎日の切れ目がない生活してました #3日周期でカレンダーが進む感じ #オークション #不用品整理に活用する #今までは進まなかった事が出来る #クローゼットの中 #新旧変わらずに #思いっきり進める #人生のA面からB面に変わる行動 #全く違う結果へ導く為に #青木椿 #成りたい自分に成る #AV女優 #本音トーク #雪国生まれ #生きているだけで幸せ #cpeキャットファイター #12月はかなり忙しく #やり残しなく #時間が足りないんです #自己責任 #1人で行動する #娘とカラオケ #娘との時間 (道頓堀) https://www.instagram.com/p/Bra6sqOlqfx/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=xldispo4zvzj
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lvreigstorecor-blog · 7 years
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知っ��おくべきおしゃれ女子の新常識! 靴を長持ちさせるコツ
  知っておくべきおしゃれ女子の新常識! 靴を長持ちさせるコツ
热烈推荐2017夏09-12報道: 誰もがひとつは持っている、上質な靴。でも、素材がよく履きやすいがために頻繁に履いているものや、逆に大切にしすぎてクローゼットに眠っているものはありませんか?グッチ靴人気靴を長持ちさせるには、お出かけ前と帰宅後のケアはもちろん、履く頻度に気を遣うことも大切なようです。 横浜で56年間、靴修理を行う「ハドソン靴店」の2代目オーナー・村上塁さんに聞いた、知っているようできちんと知らなかった、靴を長持ちさせるコツを紹介します! 同じ靴を続けて履かない
村上さんいわく、人は1日で靴の中にコップ1杯分の汗をかくといわれているそう。その水分が乾かないうちに履いてしまうと、型崩れやひび割れの原因になってしまうのです。同じ靴を続けて履かず、4足以上をローテーションさせることが、長持ちさせるコツ。 また、次の日に履かないからといって、帰宅後すぐに靴箱に入れてしまうのもNG。乾ききっていない靴を通気性の悪い空間に入れると、菌を繁殖させてしまい、臭いやカビの要因になってしまいます。1日履いた靴は玄関など風通しのいい場所で陰干ししましょう。 しまい込まず、コンスタントに履くこと
大切な靴は特別な日のためだけにとっておく、という人も多いでしょう。覚えておいて欲しいのは、家と同じで靴も人が使わないと劣化のスピードが速くなってしまうということ。シャネル靴コピー大事な靴だからといって、箱に入れてクローゼットにしまっていませんか? 実はその環境は、リフトの硬化やソールをとめている糊の劣化を招くため、靴にとってよくありません。 ブーツやサンダルなどの季節ものはそのシーズンに必ず数回は履き、シーズンレスなパンプスなどは月に最低1度は履きましょう。 日々の汚れはその都度落とし、お出かけ前に防水スプレーをひと吹き
革はもともと動物の皮膚。表面には通気性を保つ役割の毛穴があり、そこにホコリなどの汚れが詰まってしまうと、 ファッション服品質を保てません。忙しい平日は帰宅後のブラッシングとお出かけ前の防水スプレーを忘れずに。そして、時間がある週末などに靴クリーナーを使ってしっかり汚れを落とし、靴クリームを塗って品質を保つケアを心掛けて。 靴クリームを馴染ませるブラシは、馬や豚など、動物の毛のブラシを使いましょう。革も動物の皮膚なので、本物を使うことで毛穴の奥までクリームの栄養を届けることができるのです。 日々、体を支えてくる靴。お気に入りの靴を長持ちさせたいなら、素材に合ったケアをして、適度に履いてあげることが肝心です。ルブタン 靴 コピー自分が持っている靴を今一度見直してみましょう!
Reproduce:http://l-reiglv.blogspot.com/2017/09/blog-post_11.html ムートンブーツ靴コピー|ルイヴィトン靴コピー|ルブタン靴コピー|Chanelレディースブーツコピー
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superlvreig · 7 years
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知っておくべきおしゃれ女子の新常識! 靴を長持ちさせるコツ
  知っておくべきおしゃれ女子の新常識! 靴を長持ちさせるコツ
热烈推荐2017夏09-12報道: 誰もがひとつは持っている、上質な靴。でも、素材がよく履きやすいがために頻繁に履いているものや、逆に大切にしすぎてクローゼットに眠っているものはありませんか?グッチ靴人気靴を長持ちさせるには、お出かけ前と帰宅後のケアはもちろん、履く頻度に気を遣うことも大切なようです。 横浜で56年間、靴修理を行う「ハドソン靴店」の2代目オーナー・村上塁さんに聞いた、知っているようできちんと知らなかった、靴を長持ちさせるコツを紹介します! 同じ靴を続けて履かない
村上さんいわく、人は1日で靴の中にコップ1杯分の汗をかくといわれているそう。その水分が乾かないうちに履いてしまうと、型崩れやひび割れの原因になってしまうのです。同じ靴を続けて履かず、4足以上をローテーションさせることが、長持ちさせるコツ。 また、次の日に履かないからといって、帰宅後すぐに靴箱に入れてしまうのもNG。乾ききっていない靴を通気性の悪い空間に入れると、菌を繁殖させてしまい、臭いやカビの要因になってしまいます。1日履いた靴は玄関など風通しのいい場所で陰干ししましょう。 しまい込まず、コンスタントに履くこと
大切な靴は特別な日のためだけにとっておく、という人も多いでしょう。覚えておいて欲しいのは、家と同じで靴も人が使わないと劣化のスピードが速くなってしまうということ。シャネル靴コピー大事な靴だからといって、箱に入れてクローゼットにしまっていませんか? 実はその環境は、リフトの硬化やソールをとめている糊の劣化を招くため、靴にとってよくありません。 ブーツやサンダルなどの季節ものはそのシーズンに必ず数回は履き、シーズンレスなパンプスなどは月に最低1度は履きましょう。 日々の汚れはその都度落とし、お出かけ前に防水スプレーをひと吹き
革はもともと動物の皮膚。表面には通気性を保つ役割の毛穴があり、そこにホコリなどの汚れが詰まってしまうと、 ファッション服品質を保てません。忙しい平日は帰宅後のブラッシングとお出かけ前の防水スプレーを忘れずに。そして、時間がある週末などに靴クリーナーを使ってしっかり汚れを落とし、靴クリームを塗って品質を保つケアを心掛けて。 靴クリームを馴染ませるブラシは、馬や豚など、動物の毛のブラシを使いましょう。革も動物の皮膚なので、本物を使うことで毛穴の奥までクリームの栄養を届けることができるのです。 日々、体を支えてくる靴。お気に入りの靴を長持ちさせたいなら、素材に合ったケアをして、適度に履いてあげることが肝心です。ルブタン 靴 コピー自分が持っている靴を今一度見直してみましょう!
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touden-tztt · 7 years
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STORYSHIFT 日本語訳 Part 14 ver 1
リンク 前へ 次へ ver2 目次 注意事項
キャラさんと in グリルビーズ
ヨッ!お前も彼女を見るために抜けてきたのか?
ヤバイくらい… 彼女はかっこいいよな?!
彼女が悪者を捕まえるためのお菓子を持ってるといいなあ。
なあ、オイラの親にここにいること言わないでくれよ? ハハ。
やあ旅人さん。 何か用?
ボク?ボクはこの見張り小屋を温めてるのさ。
まあ正直、座り心地はあまりよくないけどね。
これからあったかい所に行くんだけど 来る? ♥うん
何ボーッとしてるの?近道さ。着いて来て。
あー、やっぱこっちがいいね。
ごきげんよう、みんな。
やあ、ちびっこ。 こんにちは、キャラ。
ごきげんよう、キャラ。 やっほー、ちび~
よう キャラ。あんまり外にいると誰かさんが心配するんじゃないか?
平気だよ。rei もボクが親を心配させるような無茶をしないって分かってるから。
それに、向こうも出かけているからね。アイツも文句は言えないよ。
ほら、座りなよ相棒。
いい所でしょ?自信あるよ。ここは地下で美味しい食べ物が出てくる所なんだ。
それに、ボクが一番時間を過ごしてる場所でもある。
何か頼む? ♥ポテト
オッケー、おごるよ。
ねえグリルビー、ポテト二個ちょうだい。
さて、話は変わるけど…
ボクの秘蔵チョコはどうだった? ♥おいしかった
まあ落ち着きなよ。まだいっぱいあるから気にしないって。
あれを一気食いはきついしさ。飽きちゃうだろうし。
ま、二人とも楽しかったみたいだね。
あんなにクールな奴とデートするなんてとってもラッキーだよ。
ありがとう、グリルビー。
何かかける? ♥うん
自分のにね。
あなたはケチャップを傾けた。
キャップが外れて中身が全てかかってしまった…
あー、
ごめん、ボクのをあげるよ。
それはこっちが食べるから。
そうそう、君に聞きたいことがあったんだ。
でもこれは二人きりの方がいいね。
ざっくり言うと、ウォーターフォールの方の家で色々あってね。
それでボクらは出ていきたかったけど、ママはまだ子供だからって許さなかったんだ。
でもrei はロイヤルガードに入隊するため、可能性を広げたいって決意してたのさ。
1週間近く説得してね、ついにママが折れたんだ。
ボク達だってもう子供じゃない。だから修行のため 家を出るのを許可してくれた。
クローゼットの中身もちょっと子供用じゃなくなったしね。
ああそれと、これも話したかったんだ。
言葉を話す花を聞いたことある? ♥はい
そうか、知ってるんだね。
Boogie のことを。
アズリエルが言うには 彼の後を付いて回る金の花らしいんだ。
周りに誰もいないとき、そいつはささやくんだって。
お世辞、予言。
そして約束。
試しに植物図鑑を見てみたけど、喋る花?聞いたことない。
多分 まだ誰も知らない新種のモンスターなんだろうね。
君も気をつけてほしいな。
こんなこと誰かに話せたのは久しぶりだよ。
本当にありがとう。
お金はすぐに返すからさ、今日は見逃して。それじゃあね。
また今日みたいに話そうね、相棒。
キャラはしょっちゅうここに来るんだ。ほぼ毎日な。
考えてみれば最近、あいつは前よりもこっちに来るようになったなあ。
他の犬とカードゲームをしているらしい。
接戦のようだ。
フルリングのようだ。
うん?お前はキャラと友達になったのか?
あいつは変わったガキだよ。動かずに俺を撫でていなくなるんだ。
キャラは妙に地上とその食べ物のことを知ってるんだ。 ここでよくその話をするよ。
ただ、料理人はこっちの方がいいってよ。どういう意味なんだ…?
ちびっこぉ~…、戻って一緒に座って~…
おばちゃんに可愛がらせて~…
(キャラのことは好きだよ。) (あの子はテーブルの下にバーガーを投げてくれるから。)
(でもその兄弟が拾って家に持ってっちゃうんだよね。)
(来なよふわふわ子犬ちゃん!) (一緒に遊ぼうよ!)
キャラがボクの頭とあごをナデナデしてくれないかなあ。
キャラは戻って来るよね?戻って来て!待ってるから…
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