シンギュラリティ
シンギュラリティ(技術的特異点)とは
人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、
人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。
シンギュラリティという概念は、人工知能の権威である
レイ・カーツワイル博士により提唱された「未来予測の概念」
でもあります。
「2029年、コンピューターは人間レベルの知性を獲得
することでしょう」(カーツワイル氏)
かねてより人工知能が人間の知性を超越する「シンギュラリティ
(技術的特異点)」が、2045年にやってくると予想されていたが、
カーツワイル氏は16年も早まるとの見方を示した。
今から僅か10年後には、英物理学者スティーブン・ホーキング博士
をはじめとした名だたる知識人が危惧する「AIが人間を支配する世界」
が実現してしまうのだろうか?
レイモンド・カーツワイル博士(Raymond Kurzweil)
1948年2月12日 オーストリアから亡命したユダヤ系移民の子
として生まれる。
アメリカ合衆国の発明家、実業家、未来学者。
2005年に『シンギュラリティは近い』(『The Singularity
Is Near:When Humans Transcend Biology』)を発表して世界に
衝撃を与えた。
発明家としては、オムニ・フォント式OCRソフト、フラットベッド
・スキャナー、"Kurzweil"ブランドのシンセサイザー「K250」、
文章音声読み上げマシーン(カーツワイル朗読機)などを開発して
いる。
カーツワイル博士は2012年に、フルタイムのエンジニアリング
・ディレクターとしてGoogleに入り、GoogleのAI、とりわけ機械学習・
深層学習(Deep Learning)の研究開発を推し進めるバックボーン
として活躍してきた。
シンギュラリティが注目される背景
人工知能研究の歴史は古く、1950年代後半に第一次人工知能ブーム
が起きたとされており、1980~90年代には第二次人工知能ブーム
が起きています。
90年代後半には、コンピュータの性能が飛躍的に向上し、チェスの
世界チャンピオンを破ったと話題となりました。
2010年から人工知能を用いたビッグデータの蓄積やディープラーニング
(深層心理)によるビジネスへの活用が始まり、第三次人工知能ブーム
が起きると同時に、シンギュラリティの可能性や脅威が議論されるよう
になりました。
2015年10月、テンサーフローを基盤にハードウェアまで合わせて
機械による深層学習を極限までチューニングしたGoogleの子会社
開発のAIソフト「AlphaGo(アルファ碁)」が、欧州囲碁選手権
3連覇を果たした中国のファン・フイ(プロ二段)を5戦全勝で
下した。
2017年5月にはAlphaGo(アルファ碁)が中国の世界最強棋士、
柯潔(か・けつ)九段を破った。
ついに今年(2019年)3月米国で発売にこぎ着けたEdge TPU
(Tensor Processing Unit) はそれの第1弾となる好例だ。
このEdge TPUは「Google Cloud Platform」(GCP)向けのプロセッサ
として開発された。
GCPでの深層学習の推論に特化した製品だ。
Google傘下のCoral、日本でもMouserなどの商社から購入可能。
コンピューターが人類の知的活動を凌駕する時代、
「シンギュラリティ」の提唱者、レイ・カーツワイル博士は
かねてからAIを「人工知能」と呼ぶのは適切ではないと発言
してきた。
自然界の事象が起こる仕組みを解明し、それをコンピューターが
再構成する仕組み、今の世界の進化をつぶさに分析していくと、
脳神経の働きを真似ることで機械が自律的に学ぶ力を身に付ける
ことができる。
このまま世界が進化していけば、2045年頃には人間の脳の働きを超
えていくかも知れないと予言したのだ。
プレシンギュラリティの意味
プレシンギュラリティとは、PEZY Computingの代表取締役で、
優秀な科学者でもある斎藤元章氏が提唱した人工知能とスーパー
コンピュータを併用した技術によって、もたらされる社会変革
(社会的特異点)を指します。
2005年にレイ・カーツワイルが『特異点は近い 人類が生命を
超越するとき』で、シンギュラリティ(特異点)コンピュータ自身の
知性か、それが作り出す新しい人工的知性が「人類全体の知性の総和」
を大きく超越する世界、という概念を示した。
その前にプレ・シンギュラリティが到来するという。
このプレシンギュラリティは5~10年の間に起こるといわれており、
エネルギーの無料化、不老不死、不労社会の実現、戦争がない世界の
実現を可能としています。
2025年にはAGI(汎用人工知能もしくは人工汎用知能のこと、
ArtificalGeneral intelligenceの略)の登場により、人間が担う
ほとんどの仕事が機械に置き換えられ、少子高齢化、労働人口減少の
影響を受けることなく、高度経済成長が可能と予測しています。
そのため、企業は規模に関係なく、さまざまな労働の機械化が
実現し、自社の商品開発力の向上とマーケティング強化に向けた
経営戦略を実施することができるといわれています。
シンギュラリティ(技術特異点)がもたらす2045年問題
レイ・カーツワイル博士は、少なくとも2045年までには人間と
人工知能の能力が逆転するシンギュラリティ(技術特異点)
に到達すると提唱しています。
人工知能が人類の能力を超えるには、パターン認識能力
(文脈や状態が異なる同一の物や事象を同じものと認識する
能力)や生物と機械のアルゴリズムの違いなどの課題があり
ます。
しかし、近年の研究では、機械は生物のアルゴリズムを摸倣できる
ことがわかっているため、生物と機械との唯一の差はニューラル
ネットワーク(ニューロン間のあらゆる相互接続)の数のみと
いわれています。
人工知能が人間の脳を超えると、人間の生活環境は大きく変わり、
これまで人間でしかできなかった多くのことが機械によって代替
されると予想されています。
真空管をどんどん小さくし、性能を高めていくといずれその容積に
収まらなくなるが、その時にはそれを解決する半導体技術が生まれる。
ロボットはどんどん小さくなって、いずれ血管の中を自由に航行する
血球ロボットになり糖尿病やガンに立ち向かってくれるようになる。
リバースエンジニアリングして分かったノウハウをコンピューターで
再現すれば脳の働きを拡張する知性が生まれる。
そしてその知性が長い時間をかけて進化し、自分で学習する力を備え、
自らを作り上げるところまで成長する。それがシンギュラリティだ。
シンギュラリティは来ない、と散々叩かれた
AIがいくら進化していったところでシンギュラリティなんか
起きっこない、と散々誹謗中傷された。
しかし、カーツワイル博士の考えるAIすなわちAugmented
Intelligence(拡張機能)は人間の脳神経細胞の働きを完全に
リバースエンジニアリングして、コンピューターがその反応を
再構成する仕組みを目指しているのだ。
一般的にAIというと「Artificial Intelligence (人工知能)」
を意味してます。ここが違うところです。
ロボット産業分野
深刻な労働人口の減少に対する補完施策として注目されているのが
ロボット産業です。
製造業において、工作ロボットの導入は既に行われており、
日本の「ものづくり」を支える重要な技術として、現在も活躍して
います。
しかし、今後はロボットに人工知能を組み込むことで、
人間によるプログラミングを必要とせずにロボット自らが動作を
自動生成することが可能となります。
この技術により、最初の指示と目的を示すだけで、ロボット自らが
途中プロセスを考え、実行に移すことができます。
途中プロセスを制御するプログラミングが省略できるだけでも、
大幅な人件費の削減が期待できます。
ナノテクノロジー分野
ナノテクノロジーとは、原子や分子の配列をナノメートル単位で操作・
制御することで、新たな構造物を作り出し、様々な物質を小型化する
ことに長けた技術を指します。
この技術により、膨大な量の情報を指先ほどのマイクロチップに
収めることを可能とし、理論上は細胞レベルまで小型化した機械を
生物の体内に組み込むことも可能とします。
IoT分野
IoTとは、パソコンやサーバー以外の「モノ(電化製品や建築物、
自動車など)」にインターネット接続を行い、相互に情報をやりとり
する技術を指します。
「モノのインターネット」とも呼ばれ、人々を取り囲むあらゆる
「モノ」に情報の相互通信を可能にすることで、より豊かで快適な
暮らしを実現できると考えられています。
ビジネス倫理の問題
シンギュラリティの到来は、「ビジネス倫理の崩壊を招く」と
指摘する特異点論者も存在します。
近年、注目を集めている「フィンテック(IT技術を活用した
金融サービスを指す造語)」という分野で、シンギュラリティに
よって誕生したとされるのが「仮想通貨」です。
従来の物理的な貨幣の価値を仮想空間に移転し、流通・匿名性を
高めたサービスでもあります。
日本国内で、超スマート社会「Society 5.0」の実現をテーマと
したイベントCEATEC 2019(シーテック 2019)
( Combined Exhibition of Advanced Technologies)が
2019年10月15日(火)~18日(金)幕張メッセに於いて開催
された。
ANAが「瞬間移動手段」をCEATECに出展
ANAアバターは、VRやロボティクス、センサー、ハプティクス
(触覚)などの最先端のテクノロジーを用いて、異なる複数の
場所に設置したアバターロボット(遠隔操作ロボット)に
「アバターイン」して、まるでその場にいるような感覚で
「見て」「聞いて」「感じて」といった体験ができるのが特徴だ。
「距離、身体、文化、時間、あらゆる制限を超える瞬間移動手段」
と位置付ている。
ANAアバターは、すでに数多くの実証実験を行っている
「AVATARテストフィールド」で、宇宙開発、農林水産業、観光、教育、
医療などでの実証実験を開始。
JAXAを含む産官学との連携では、アバターによる月面施設の遠隔建設
などの地上実証を行い、宇宙開発や利用を推進している。
近未来予測
コンピュータは小さくなり、ますます日常生活に統合される。
高品質なブロードバンドインターネット接続は、ほとんどどこ
でも利用できるようになる。
バーチャルリアリティの生成。
ユーザの網膜上にビームの映像が投影される眼鏡の登場。
これらの眼鏡は新しいメディアとなる。
例えば、外国語で話される言葉は眼鏡(2018年時点の用語では
スマートグラスと呼ばれる)をかけているユーザーへ字幕のよう
に表示される。
「VRメガネ」の登場。
さまざまな日常のタスクでユーザーを助けることができる
「バーチャルアシスタント」プログラムを搭載したコンピュータ
の登場。
携帯電話は、衣類に組み込まれ、ユーザーの耳に直接音を投影する
ことができるようになる。
2015年
家庭用ロボットが家を掃除している可能性がある。
2018年
10TBのストレージ(人間の脳の記憶容量に相当)が1000ドルで
購入できる。
2018年時点で、カーツワイルの2005年の予想の(全てではないが)
かなりの部分が的中している。
2020年代
遺伝学/バイオテクノロジーにおける革命はそのピークに到達する。
2020年代の間に、人間は自分の遺伝子を変化させる手段を持つ
ことになるだけではなく、「デザイナーベビー」は自分の皮膚
細胞を若々しい他の細胞に形質転換することによって、自分の
身体の組織や臓器のすべての若返りが実現可能になる。
人々は根本的に平均寿命を延長し、病気や老化から離れて自分の
生化学を「再プログラム」することができるようになる。
ナノテクノロジーの革命が開始される10年:この10年はまた、
ロボット(強いAI)がチューリングテストを通過。
教育を受けた人間と同等の知性になる。
1000ドルのパーソナルコンピュータは人間の知性を
エミュレート(模倣)するために必要なハードウェア性能を
持っている。
サイズが100ナノメートル未満のコンピュータが可能になる。
最初の実用的なナノマシンが、医療目的のために使用される。
人間の脳全体の正確なコンピュータシミュレーション。
血流に入ることができるナノボットは、この10年の終わりまでに
(必ずしも広く使用されていないが)存在することになる。
この10年の後半では、仮想現実(バーチャルリアリティ)は、
本当の現実と区別がつかないほど高品質になる。
2025年
一部の軍事無人偵察機や陸上車両は、100%コンピュータ制御
される。
2030年代
精神転送(マインド・アップローディング)は成功し、
人間がソフトウェアベースになる。
ナノマシンは、脳内に直接挿入することができ、脳細胞と
相互作用することができる。
その結果、真のバーチャルリアリティが、外部機器を必要とせずに
生成することができる。
記憶用脳ナノボット、または「経験ビーマー」として知られている
人間の日常生活のリアルタイム情報脳伝送を使用して、��人の感覚を
「リモート体験」できるようになる。
人々の脳内のナノマシンは脳の認知、メモリ・感覚機能を拡張する
ことができる。
ナノテクノロジーは人の知性、記憶や人格の基礎を変え、人々は自分の
脳内の神経接続を自由に変更できる。
バーチャル売春が盛んになり、法規制が行われる。
2040年代
人々はマトリックスのように仮想現実で時間の大半を過ごす
ようになる。
「フォグレット」(人体をとりまくナノマシン群。
人間の外見を自由に変化させる)が使用されている。
2045年: シンギュラリティ
1000ドルのコンピューターは全ての人間を合わせたより知的
である。
これはローエンドのコンピュータであっても人間よりはるかに
賢いことを意味する。
技術的特異点、人工知能は地球上で最も賢く最も有能な生命体
としての人間を上回るように発生する。
技術開発は、自ら考え、行動し、通常の人間には何が起こって
いるのか理解できないほど迅速に相互通信できるマシンによって
引き継がれる。
マシンは、AI自らの手でそれぞれの新しい世代が迅速に開発される、
自己改善サイクルの「暴走反応」に入る。
これ以降、技術の進歩は、マシンの制御下におかれ、爆発的である
ため、正確に(それゆえ「特異点」という)予測することはできない。
特異点は永遠に人類の歴史の進路を変更する非常に破壊的、
世界的な変化を起こすイベントとなる。
暴力的なマシンによって人類が絶滅させられる可能性は
(ありえなくはないが)、人間と機械の間の明確な区別は
もはやサイボーグ化で強化された人間とコンピューターに
アップロードされた人間の存在のおかげで存在せず、
ほとんどありえない。
「真に生きるに値する時代」の到来。
ポスト2045: 宇宙の「覚醒」
AIは"最大速度"(光速に限りなく近いかもしくは超光速)で
全宇宙に進出する。
その速度はAIが光速の限界を回避する技術を発見できるかどうかによる。
2100年
人々は過去の人間が記憶のバックアップを取らず生きていたことに
ひどく驚くようになる。
人間の知能は数千億倍まで拡張されている。
不老長寿への挑戦
カーツワイルは1940年代生まれ(つまりカーツワイル自身も)が
人類が最初に不老不死を手にする世代になると考えており、
科学者の立場からなるべく消化器に負担をかけず栄養を摂取しようと
1日に200錠ものサプリメントを摂取したり、毎日のように栄養注射を
行ったりする等、寿命延長への野心に事欠かない。
厳密な栄養と体調の管理により、本人は「糖尿病を克服した上、
老化の抑制に成功している」と主張している。
しかし一方で「生身の体を健康に保つのはものすごい苦労を伴う
(ので嫌になっている)」とも著作で語り、
「1日も早く機械の体に入れる日を夢見ている」と語っている。
The Singularity Is Near(2005年)より
博士は自らの目でそのシンギュラリティを目撃することは
できないかも知れない。
だから、脳に電極を埋め、クラウドにバックアップを取り、
来るべきシンギュラリティを目撃したいと考えている。
博士は無神論者ではあるが、AIが遠い将来に全知全能に近い
存在になることを見越して「神はまだいない。
だがいずれ現れる」と語っている。
東大、光量子コンピュータに進展
東大の古澤明教授の研究室では、
2次元クラスター状態を使った量子操作の実証を
進めていく他、同状態を10円玉サイズのチップに
回路を収めることも見込めるという。
研究成果は、米科学雑誌Scienceに10月18日付で掲載された。
ネガティブな側面
100億円戦闘機を叩き潰す10万円ドローン
2019年9月18日、サウジアラビア国防省は、自爆ドローン18機と
巡航ミサイル7発をミックスした攻撃にあったと発表した。
1機100億円以上のF-35戦闘機も、現状では、弾道ミサイルしか迎撃
できないのに数千億円するイージスアショアも、手りゅう弾を積載
した10万円程度の民生ドローンで破壊され、戦わずして、主要戦力が
壊滅しかねない。
ドローンの軍事革命の到来である。
映画「1984」はジョージ・オーウェルのSFディストピアの世界。
絶対的な権力による監視システム、言語の破壊、個人という存在
そのものの否定など「思想犯罪」として弾圧される世界を描いて
います。
だが、過去の映画の話ではない、現在進行形なのだ。
Chinaがウィグルやチベットの人々の人権を弾圧している。
街中に顔認証システムを設置、人民を24時間監視している。
次は香港かといわれ、若者が今戦っている。
今年もノーベル化学賞を日本の吉野氏が受賞したことは喜ぶべきこと
ですが、日本の足元は脆弱です。
来るべき未来への備えは万全かどうか、今一度問いたいと
思います。
映画『アップグレード』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=3HYxQgCzzFA
AIを埋め込み進化した男が復讐に立ち上がる!
舞台は近未来。
「STEM(ステム)」と呼ばれる最新のAIチップを障害者となった
主人公の人体に埋め込むと超人的な力を手に入れアップグレードし、
やがて、人間を超えた戦闘能力を手にする。
この能力を駆使して、妻を殺害した謎の組織への復讐に立ち上がる。
80年代の『ターミネーター』(1985) や『ロボ・コップ』(1988)
を彷彿とさせる、クリエイティブな物語と独創的なアクションシーン
が話題を呼んでいます。
AIが進化した近未来を舞台に復讐に燃える男性を描いた
SF・アクションスリラーです。
『アップグレード』は10月11日より渋谷シネクイントほかにて公開
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