Tumgik
#三重カフェ巡り
ace-burger-cafe · 3 months
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おはようございます!
本日お昼からエースバーガーの
夏の風物詩
フレッシュな桃を丸ごと1個使った
ピーチパフェと
ピーチパンケーキを
販売します🍑🍑🍑
(⚠️午前中はまだ販売準備が出来てないので12時前後からの販売となりますのでご注意下さい)
エースバーガーのパフェの中でもダントツの1番人気😆
例年だと9月末までの販売予定です!
どうぞ宜しくお願いします🍑🍑🍑
定休日:金曜日、土曜日
⭐︎営業時間⭐︎
10:00〜16:00
(ラストオーダー15:30)
💰現金払いのみ
お席のご予約(平日のみ)
テイクアウトのご予約は朝8時から承っております。
⭐︎駐車場はお隣のあんぱんさんと
共有の21台分をご利用下さい。
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tutai-k · 2 years
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旅の記録
12月3日~4日、友人と鎌倉・江ノ島旅行をする。
鎌倉文学館で没後35年特別展、澁澤龍彦・高丘親王航海記の展示があったので、鎌倉へ行こうと計画をしていたところ、友人が声をかけてくれて、ひとり旅でなくなった。
ひとり旅だと、どうしても鳥を探したくなって重いカメラを担いで、ワークマンの服を着て出かけることになる。鳥を撮影するようになってから、文化財を巡るような「旅」とは疎遠になっていた。
旅のルートは、 一日目 北鎌倉・浄智寺(澁澤龍彦の菩提寺)―鎌倉・鶴岡八幡宮/大河ドラマ館/鳩サブレーで有名な豊島屋のカフェ「置石」/クルミッコ/桜貝アクセサリー店/鎌倉文学館 二日目 江ノ島(特にどこという予定は決めずに江ノ島とだけ決めていた)
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・北鎌倉 浄智寺 北鎌倉で待ち合わせをした。そのまま浄智寺へ。地図を見なくても、なんとなく歩いて行けばたどり着けた。 人生で一番通っている寺というのは、どう考えても地元の檀家になっている寺だが、そのつぎがたぶん、東大寺だろう。地元の友人とよく奈良へ行くし、奈良は鳥がたくさんいるので、バードウォッチングを始めてからも何かにつけて出かけている。だがその次は?となるとおそらく浄智寺ではないかと思う。 そんなに通っているのに、じつは一度も澁澤龍彦の墓にたどり着いたことがない。浄智寺は、拝観料が必要な文化財としての寺だけれど、檀家もいて、お墓があるのだ。それはつまり、地元のひとびとの暮らしと地続きの場所で、そこを、ただ澁澤龍彦のファンであるというだけの自分が「墓参りに来ました」と言っていいものか、というのをずっと迷っていて、聞けずにいて、見つけることができなかったのだ。 だが今回、どうしても澁澤に報告したいことができたので、澁澤の墓前に立ちたかった。寺の受付のひとに聞くと、わかりづらい場所にある、と言いながら親切に教えてくれた。いままでたどり着くことのできなかった墓前にたどりついて、いろんな報告をした。 澁澤にしてみれば赤の他人が急に墓にやってきて、あなたのファンです、やっとここまで私の人生がたどり着きました、なんて報告をされても知ったことではないだろうと思ったが、人生の一つの区切りとして訪れることができてよかった。矢川澄子は岩波の校正員時代に、龍子さんは芸術新潮の編集者のときに、澁澤と出会っている。 御朱印をもらって帰るとき、そのふたつ前のページが、以前訪れたときの浄智寺のものだった。文化財から足が遠のいている自分を発見してすこし苦々しく思う。
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・鶴岡八幡宮/大河ドラマ館 カモメが群れになって飛んでいた。七五三の子供がたくさんあるいていて、成人式の前撮りの人たちもいた。 今期の大河ドラマを見ていないのでついていけるかどうか不安だったが、楽しそうにする友人を見ているだけで楽しかった。映像資料やジオラマ、体験コーナーなど、ドラマを見ていない人間でも楽しめた。舞台セットの時代考証の映像がとてもよかった。 ハトがたくさん歩いている。
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・クルミッコ/置石/桜貝のアクセサリー店 前回鎌倉旅行をするときに、地元の友人に「クルミッコ」というお菓子がおいしいと教えてもらった。そのときはお昼過ぎに店舗に立ち寄ったのだが、行列ができていてなかなかお店に入れなかった。「並ぶんだよ~」と言いながらお店にいくと、列ができていない…。もうクルミッコブームは終わったのか? とお店に入ると……クルミッコ、売り切れていた。まだおひるすぎだというのに。 置石へむかう。エクレアサンドとチョコレートパフェをたのむ。紅茶がとてもおいしいと友人が教えてくれたのでそれも注文する。紅茶はとてもおいしかった。そして……チョコレートパフェ、800円という金額なのにとても巨大だった。エクレアサンドを食べたあとに食べるサイズではなかった。ふつう、コーンフレークがいるところにおそらくは粉砕されたハトサブレが陣取っていて、それがとてもおいしかった。巨大だったが、おいしかったのでつるっと食べられた。 その後、桜貝のアクセサリー店へ行くまでに、鳩サブレー本店にたちよる。鳩サブレーグッズを買う。ここも行列。宿で食べるおやつに矢口餅を買う。大河ドラマに登場した餅らしい。何も知らずに求肥に釣られて買った。 桜貝のアクセサリー店も長蛇の列だった。列に並んでいるあいだ、「桜貝ってわれわれでも拾えるのかな」「由比ヶ浜にいくから打ち上げられてないかな」などと話をしていたら、前に並んでいた人が、「六時半くらいに行くと拾えますよ」と拾った桜貝の写真を見せてくれる。早起きして桜貝探しをすることを誓い合う。 どれもかわいくて迷いに迷って、桜貝のヘアピンを買う。
・鎌倉文学館 鶴岡八幡宮の門前町を楽しみすぎて、文学館が16:30閉館なのにたどり着いたのは16:00だった。高丘親王航海記の展示を見る。こぢんまりとした展示だったし、見たかったのは創作メモだけだったので、そこだけ重点的にみる。三島の影響を感じる部分などある。 リスが木を歩いていた。鎌倉にはたくさんリスがいると警備員さんに教えてもらう。宿までの道すじでもリスがいて、うんこされる。
二泊目
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・由比ヶ浜 約束通り6時に起きられたので、6時半に由比ヶ浜に到着する。もうサーファーが海にたくさん入っていておどろく。 桜貝を探す。海で貝を探すときは、一点を見ない方がいい。とはいえ、タカラガイを探すことは得意でも、桜貝用の「目」ではない。一つ目を探すのに苦労する。それでも一つ見つけると目が慣れてぽつ、ぽつと見つけられる。メダカラを一つだけみつけるが、擦れていたので拾わずおいてゆく。桜貝に孔をあけるツメタガイも打ち上げられている。 「朝日曇っているから見えないのかなあ」と言っていたら、背後の山のほうから日が昇る。朝日はいつでも海からのぼると思っていたが、そうでもないらしい。
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・江ノ島 江ノ島へ行く前に、クルミッコへもう一度。開店直後にお店に到着したのに、お店のかげまで行列ができていておどろく。ほしかったカンカン入りのクルミッコが買えたので満足する。 江ノ電に載り江ノ島へ。 江ノ島までの道にたくさんお店が並んでいる。家族には「わざわざ江ノ島まで行ってしらすを食べなくても地元で食べればいいじゃないか」と言われながら出かけたのだが、しらすピザは地元にはない。絶対しらすピザをたべたいと言い続ける。 弁天橋から鳥を見る。見たことのない鳥だったのでコンデヂだったが撮影する。帰ってから調べるとカツオドリで、どうして重いからという理由でミラーレス×超望遠を置いてきたのかと後悔する。 江ノ島神社への参道には、貝を売る店がおおくある。夜光貝やナンヨウダカラを見てはほしいほしいと騒ぐ。 江島神社へ到着する。弁財天をまつる神社もある。わたしは弁財天を見つけると必ずお参りするようにしている。弁財天は芸能の神様なので、小説の上達を必ず祈ることにしているのだ。弁財天のお守りももらう。新しい仕事の鞄につけようと思っている。 山頂まではエスカーにのる。エスカー、ケーブルカーのようなものだと思っていたらエスカレーターだった。だからエスカーか……。 参道で行列ができていたタコせんべいのお店が山頂にもある。そこも行列ができていたが、参道ほどではない。生のタコをまるまる一匹、プレスして作るせんべいは、タコをおしつぶすとき、悲鳴が聞こえる。あつあつのを、トンビに狙われながらたべる。 シーキャンドルという展望塔に向かう途中、鳥のような鳥じゃないような鳴き声が聞こえる。近づいていくとリスだった。至近距離でも逃げない。奈良の鹿のように、鎌倉にはリスが多い。クルミッコにリスが描かれていることに納得する。 シーキャンドルにのぼる。眺めがよく、ずっと見ていられそう。富士山がとても近い。わたしたちの住んでいるところでは、富士山は条件のいい冬にしか見られないが、関東では天気がよければそうめずらしくないらしい。 念願のしらすピザをたべる。めちゃくちゃ大きい。鎌倉野菜としらすのピザだった。とにかく大きい。おなかがいっぱいになりながらそれでもおいしいので完食する。はじめてクリームソーダを食べる。おいしかった。窓からは湘南の海だろうか、海と富士山が見える。SUPのひとたちがときどき通り過ぎてゆく。
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電車に乗り、友人と別れる。 先週の横浜行きでは売り切れていた崎陽軒のシウマイ弁当を食べる気満々でいたものの、しらすピザが大きすぎて全然おなかがすいていなかった。崎陽軒のチャーハン弁当(シウマイが2コ入っている)と、真空パックじゃない方のシウマイを買う。新幹線で食べるつもりだったが全然おなかがすかなくて、帰りの近鉄電車で食べた。おいしかった。
コロナ禍に入ってからバードウォッチングをはじめ、神社仏閣をまわったり、博物館へ行ったり、素敵なカフェやお土産を探したり、観光地をぶらぶら歩く旅から遠ざかっていたので、今回の旅ではそれができたことがとてもうれしかった。 いつのまにか、旅=探鳥になっていたけれど、こういう旅を好んでしていたなあ……旅といえば、博物館や美術館を探し、神社仏閣を巡っていたのは、つい二、三年まえのこと。それなのに、なんだかはじめての旅をしたような心地だった。
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2023年2月11日朝6:30、コーク市内のフラットを出る。約2時間半、電車を乗り継ぎ、キルデア州キルデア(Kildare, Country Kildare)を目指す。
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朝8時17分、乗り換えのサーリス(Thurles)駅プラットフォーム。日照時間がまだまだ短く、朝8時過ぎでも明け方の気配が残る
雨上がりの生臭い都市のにおいと、町外れから風にのって運ばれてくる野原のわずかなにおいが混ざりあって、日の出前の暗闇がつつむ冷たい空気に溶けている。
サマータイムのはじまりまで残り一ヶ月半、日中の陽が短く、曇天と雨の日ばかりが続くアイルランドの冬の厳しさは、南米や南ヨーロッパ出身の友人たちのメンタルを目に見えて明らかにすり減らしていた。
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霜が降りたフィッツジェラルドズパーク(Fitzgerald's Park, Cork)、リー川(River Lee)沿いのキンポウゲの葉
「あなたは日本でも北の方の出身だから、こういう冬の気候に慣れているんでしょ?」と、げっそりした表情の移民の友人たちが訊ねてくるたびに「アイルランドにおける英語の『冬』と、日本語の『冬』は、その言葉に含まれているバックグラウンドが違う、このふたつは完全に違う季節だと思う」と答えた。
彼らが「冬」と呼ぶ、11月初旬から3月後半あたりまで、わたしたちのイメージする冬らしい冬の日もあるにはあったけれど、それはせいぜい1ヶ月半くらい。あとのおおよそ4ヶ月間は、気温一桁台から二桁台前半あたりをうろうろする。メキシコ湾からアイルランドとイギリスに届く暖流の影響で、振り続ける雨は雪になること無く、その影響で湿度が下がらない。体感は寒いのに、大気は霧と湿度に包まれてなんとなくじめじめしている。
要するに、冬の厳しさの質が全く違う。
東北の冬が、雪という抗いようのない大きな重量を持った物体に対して、歯を食いしばりぐっと耐え忍ぶようなイメージなら、アイルランドの冬は、浴室に生えるカビのように毎日少しずつ心の中のしんどさの領土を広げていく。
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コーク郊外、冬はよく町が霧に包まれる
春が来る。
2月1日はケルトの暦の春分の日、ゲール語でインボルク(Imbolc)。
暦の上での春と、体感としての春におおよそ1ヶ月の時間が空���こと、そしてその到来がそこに住む人々にとって他の季節のどれよりも特別であることは東北と同じだ。
前回記事のハグ・オブ・ベアラ(Hag of Beara)についての文献を調べていたときに何度も目にしたブリジッド(Brigid)の名前は、ケルト神話に登場する存在だった。
なので当然、2月1日の聖ブリジッドの日(St. Brigid’s Day)の日や、その名前を冠して2023年から公式にアイルランドの祝日になった2月の第一月曜日も、それに関連する日だと思い込んでいたがどうやら違うらしかった。
聖ブリジッド(St. Brigid)は現在の北アイルランドとの国境近く、ラウス州フォアハート(Faughart, Country Louth)に生まれ、5世紀から6世紀にかけて実在していたとされるアイルランド人の修道女だ。
幼い頃から貧しい人々に施しを与え、アイルランドの守護聖人である聖パトリックによって洗礼を受けたあと、各地で教会や修道院、アートスクールまで設立したと言われている。
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1902年から続く雑誌 Ireland’s Own の表紙の聖ブリジッド、手には彼女の信仰の象徴の十字架の藁細工
彼女に関して興味深い点がふたつある。
ひとつは、彼女が実在したことを確実に証明できる文献が残っていないこと。
そしてふたつめは、前述の通り全く同じ名前のケルト神話の女神が存在することだ。
日本に五穀豊穣や学業成就を祈るためのモチーフとしての神々があるように、キリスト教圏の聖人にもその多くに守護の対象がある。聖ブリジッドの守護対象は家畜、詩、歌、鍛冶、病気からの回復など、周知されているものだけでも非常に手広い。
そしてそれらの守護は、女神ブリジッドの守護するものと同じだ。
普遍的な祈りである「病気からの回復」は、アイルランドにおいて井戸や湧き水と関連付けられることが多い。古くはドルイドの信仰の対象であり、地下から湧き上がる水は癒しや命の源とみなされ、アイルランド国内に約3000ある「聖なる井戸」の内の少なくとも10の井戸がブリジッドと紐付いて周知されている。
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聖ブリジッドの泉の井戸、井戸の水自体は正直あまり綺麗な水質には見えなかった
彼女が修道院と教会を建てたあとそこに没したとされる町、キルデアの町外れには、それらを巡礼する人々のために用意された聖ブリジッドの泉(St Brigids Garden Well)がある。
もともとの小川の曲線に沿って整備されたと思われるその小さな公園には、聖キルデアの銅像が経ち、彼女に対する崇拝の象徴であるイグサや藁で編まれた十字架のモチーフが散見される。
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聖ブリジッド像、聖ブリジッドの日から5日後だったこともあり供えてあった花はすべて瑞々しい
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外壁に刻まれた聖ブリジッドの十字架(St.Brigid’s Crosses)モチーフの彫刻。2月1日にこの十字架を玄関に飾るとブリジッドの守護が受けられるという信仰がアイルランドにおいて広く分布する
その周囲や周りの木々、公園の奥に位置する井戸の近辺には多くの供え物が並ぶ。供え物の多くは治癒を望む体のパーツにまつわるものであるらしく、パンデミック後ということもあってかマスク(文脈を知らず一見すると捨てられたマスクのゴミに見える)が目立った。
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ストッキング、マスク、靴紐、靴下、スカーフ、ネックレス、供え物は様々。木から供物が落ちると祈った箇所が加護を受け、病気や外傷が治癒すると信じられている
町外れに位置するにも関わらず、絶えず入れ替わり数名の人が訪れる。
録音レコーダーをまわしながら、来訪者が途切れたタイミングで公園の全景を眺める。澄んだ小川が風を運び、もとの地形にも配慮されデザインされたと思われる、心地の良い公園である。にも関わらず、なんだか妙な感じがした。
公園の奥にある井戸と、入り口付近を流れる小川が繋がっていないのだ。地下で繋がっているのかもしれないと思い小川の上流を視線でたどっても、井戸とは90度逆の方向だ。上流は茂みの奥へと続き、その先は見えなかった。
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公園全景。撮影地点の背後に井戸がある。小川は写真左奥の茂みの方から水が流れて来ている
録音を終えると、キルデアの中心部に向かう。
中心部といっても、人口9000人に満たない小さな町だ。もとは数えられるほどのパブとカフェ、そして聖ブリジッドが設立したといわれる中規模の教会がある比較的静かな町だったが、2007年にオープンした大型アウトレットモールには隣県である首都ダブリンからも大型バスが乗り入れる。
土曜日の昼下がりに町を歩くほとんどの人が、有名ブランドのショップバッグを持ち、駅の方角へと歩いていく。
中心部にやって来たのは聖ブリジッド大聖堂(St Brigid’s Cathedral)に行くためだった。だが、この日に限ってメンテナンスのために敷地全体が閉鎖されていた。
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聖ブリジッド大聖堂、閉じられたメインエントランスのフェンスに手をつっこんで撮った写真……
アイリッシュ・ナショナル・スタッド&ガーデンズ(Irish National Stud & Gardens)に向かった。
時間が余ったらついでに行けたらいいかな、と思っていた場所だ。
競走馬の繁殖とトレーニングの場として20世紀初頭に設立され、今では市民に親しまれる広域公園としても機能するこの場所には日本庭園がある。
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1906年、ロンドンで日本趣味の骨董品店を経営し、自身も骨董商だった Tassa Eida (日本名: 飯田三郎)は、日本庭園をつくるためにキルデアに派遣され、その後の4年間を彼の息子 Minoru と共に造園に従事する。
(彼らの詳細については こちら と こちら の記事が詳しい、どちらも素晴らしくリサーチされたポスト)
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手入れの行き届いた枯山水
19世紀後半から20世紀初頭にかけてジャポニズム、つまり「日本っぽいもの」がヨーロッパで流行ると、貴族たちはこぞって「日本っぽい建築」や「日本っぽい庭園」を作りたがった。
ただし、やはりそれは「日本っぽいもの」の域を出ないものが多く、日本で生まれ育った人間が見ると、形容し難い、ちょっとした居心地の悪さのようなものを覚えるようなものが多い。
そういう類のものだろうとあまり期待せずに訪れると、良い意味でその期待を裏切られる。
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庭園の動線、ちょうどまんなかあたりにある洞窟?からの景色。右にあるのは藤棚で春にはきれいに藤の花が咲くらしい
清らかな水が美しい動線で引かれ、人が生まれてから死ぬまでを表現したその庭園は、当時イギリスで流行したエドワード様式建築の影響を受けて少しだけ華美ではあるものの、正真正銘の日本庭園だった。
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庭園の石灯籠によじ登っていた鬼。庭園にある多くの植物やオブジェクトが日本から輸入したものだが、たまにこういう西のものとも東のものとも分からないモチーフも見かけて興味深かった
町の中心部に戻ると、帰路の電車の出発まで1時間弱の時間があった。
少し散策したあと、聖ブリジッド大聖堂に戻ってくる。
地域の人だけが使う入り口とかあってそこから入れたりしないかな……などと不届きなことを考えて外壁の周りをうろついたが、それらしきものは見つからなかった。
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入り口を探っているときに外壁から見えたラウンドタワー、実際に登れるものとしてはアイルランド国内でいちばん高いらしい
しかたなくキルデア駅に向かう。
プラットフォームの椅子に座って電車を待っていると知らない女性に、どこから来たのか、と声をかけられた。
薄暗いプラットフォームで目をこらすと、大聖堂に戻る前に一瞬だけ立ち寄った、メインストリートから少し外れた場所にあった雑貨屋の店員だった。
日本から来たこと、リサーチに関すること、井戸とスタッドガーデンの方には行って、教会にどうにか入れないか模索したが結局入れなかったことを拙い英語で説明する。
すると「どっちの井戸に行ったの?」と訊ねられた。
聞き間違いかと思い、どういう意味ですか?と返すと、彼女が説明してくれた内容はこうだった。
ブリジッドの井戸はふたつあって、ひとつはおそらくあなたが行った聖ブリジッドの泉、 聖人の方のブリジッドを祀ってるところ。地元民にとってはずっと特別な場所だったけど、パンデミック中にきれいに整備されて、観光客が来たり滞在したりが以前よりも更に容易になった。
もうひとつあるのが、Wayside Well(日本語直訳: 道端の井戸)と呼ばれている場所。こっちがキリスト教伝来前のドルイド(ケルト人たちの信仰における祭司)のブリジッドを祀っていると言われている。スタッドガーデンの駐車場からすぐそばの、とても素朴な井戸で、観光客はまず行かない。
そして、聖ブリジッドの泉の公園を流れる水は、Wayside Wellが源泉。
そう、この話を初めて聞いたとき、わたしもとてもおもしろいと思った。
地味で、ほぼ地元民しか知らない、古代ブリジッドの方から湧き出た水が、キリスト教のブリジッドの方に流れていって、そしてその公園の方が立派に整備されていて、人がたくさん来る。歴史が辿ったストーリーと水の流れが同じなんて、ちょっとロマンチックだよね。
そして、あなたの旅のことも同じようにロマンチックに感じる。
日本庭園に行ったんだよね?
あそこを流れる小川の水も、同じWayside Wellから引いた水だよ。
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スタッドガーデンの日本庭園に流れる小川
水の情報記憶に関する文章を読んだことがある。
スプーン1杯の水が1TB分の情報を記録できる、という科学研究だ。
信仰が人々の普遍的な祈りを運ぶ船だと考えたとき、わたしたちは船を替えても、変わらず同じ水の上に浮かぶ。
あれこれ考えて右往左往するよりも、もっと単純に、すべては最初から土地とそこを流れる水にメモリーされていて、わたしたちはきっと、そのぼんやりとした断片にただ触れることだけができるのかもしれない。
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聖ブリジッドの泉公園を流れる小川。水がとても綺麗でクレソン?が群生していた
ふたつの井戸の話にあまりにも驚いて「そんな情報、どこにも書いてなくて全然知らなかった、道端の井戸(Wayside Well)の方にも行くべきだった」とわたしが言うと、彼女は微笑みながらこう言った。
「また来ればいいよ、水が止まることはきっとないからね」
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doctormaki · 8 days
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四日目に予定していたツアーに行く。アフリカプレートとユーラシアプレートの出会うモロッコ、イタリアは地震が多い。そして、北アフリカのアトラス山脈は、プレート運動によるもの。非常に複雑なプレートなのだ。ちなみに4167mの北アフリカ最高峰のツブカル山近辺では、冬はスキーもできるざます。嫌、ワシはスキー好きだけど、ここにはスキーでは来ないけどね。
そこでワシが見たいのは、ズバリ、プレート運動である。我ながら、なんとマニアックなんだろう。流石、学生時代に地理学者の高木先生と251と言われた国土地理院の25000分の1縮尺地形図を持って藤沢近辺歩きまくったり、ネパールまで一緒に行っただけあるざます。まだ紙の地図の時代。等高線を赤鉛筆でなぞったりして、標高毎の土地利用を見たり、土地利用から地質を推測したりと楽しかった。高木先生は、慶應退官後どっかの大学の学長やってたけど、先生なら当然だろうと思う良い先生だった。そこで、渓谷巡りしながら、アイットベンハドゥというカスバを目指す。カスバとは、アラビア語で城塞、城砦を指す。
一緒に行くのは、ベルギーのリエージュから来た若い夫婦。こんなに乾燥しているのに、嫁は粘度の高そうな鼻水を何度もかんでいた。ワシなんか、乾燥しすぎて鼻粘膜から鼻血が出る上に、勝手に修復活動しているから、ともすると、鼻の奥の粘膜部分にできてしまう巨大鼻くそで窒息しそうになる。鼻かんでも出てこないざます。ので、ベルギー人が羨ましい。ベムでさえ棒よだれタレなさそうな勢いの乾燥度合いの中、さすがエウロッパ人の粘液体質である。感動。ツアーガイド兼運転手のお兄ちゃんには、早々とワシがフラ語をわかっている事がバレる。細��な、例えば地震とかいう単語は知らないけれど、文脈でおおよその予測はつく。だんだんと、フラ語でしか説明されなくなる。汗。
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アイットベンハドゥを目指し、午前中は、ツブカル山側の渓谷。山並みが美しい。感動的に不毛な大地。人々は、オリーブやアルガンなどを育てて、羊飼いなどをしながら生計を立てているらしい。でも、段々と都会に楽な仕事と現金収入を求めて出稼ぎに行っているらしい。道路建設や、昨年9月もマラケシュで大規模地震があったが、復旧工事などが地元である間は、生活が潤うのだとか。現金収入を手にしてしまうと、元の生活に戻れなくなるのは世の常なんだなぁ。福島の祖母の家の周りの急速なにわか金持ち達の家々を思い出す。日本は、豊かである。こちらは、家は壊れたまま、未だにテント生活しながら、干し煉瓦と干し草と土で固めた家を、少しずつ、自分の手で再建している。神戸と東北震災の差異を感じたものだったが、ここまで来ると、政府なんてあって無きが如くである。などと思いつつ、絶景を堪能。
午前中にアイットベンハドゥに到着。世界遺産。そして、映画の撮影地でもある。アラビアのロレンスを撮影したのはここ。その後、ハリウッドはここからまだ南下するワルザザートに撮影所を作っている。多くの観光客は、そちらへ行くらしいが、ワシ一切興味無し。入場料払って撮影所に行くのは、太秦でさえ行かないんだから、モロッコで行くわけないでしょ。
太秦といえば、コロナ中に、母を連れて、憧れのトロッコに乗りに行ったっけ。ワシは、予約無しでトロッコに乗れた事に、感動。と同時に、子供の頃、信楽で買ってもらったタヌキを思い出さされるタヌキだらけの駅を通り、タヌキ熱にかかってしまった。今年、久しぶりに車で関西に帰る途中、憧れの信楽タヌキをまたゲット。前回の、つぶらなお目々に惚れて買った子は割れてしまったので、母が随分と前に捨てちゃったのよね。
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アイットベンハドゥです。手前は、川。橋もあるのだが通行料を取るらしいので、鴨川のように飛び石になっている無料の渡し場を通って、暑い中、ワシ、頑張って、上のぴょこんとなっている丘の上まで、城塞都市を通り抜けながら、登山。あのぴょこんとなっている所には、攻められた時用の食料が置いてあります。今は半壊になっていました。このカスバには、まだまだ人が生活していて、世界遺産だから、土産物屋とカフェ、ホテルだらけ。ホコリっぽく暑い。けど、おまけに迷路です。
ワシ、道がホウキで封鎖されているので、戸惑っていると、中からこすっからい感じのババァが出てきて、その道通れない。我が家を抜けてこっち通れ。近道あるよ。1ユーロに当たる10ディルハム払え。という。マジかーと思ったが、もう今さら戻る気にすらならないよ。何段階段登ったんだよと愚痴り、お金を払う。もっと最悪な事に、近道という道は、確かに近道だが、上からペットボトルなどのゴミが流れる、いわゆる砂防のような砂利道斜面。膝悪いワシには最悪。ゴミを避けながら、滑り落ちないように、足場を確保しつつ、たまには手もついて、必死に登る。一歩滑ったら、そのまま崖である。冷や汗出まくりだけど、暑い。ワシ、山登りしてて良かった。普通の人なら、無理レベルだと思う位に、斜度がきついし滑る。
興味深くお宅拝見できたのは良かった。水が来ているのだ。どうやって水を上げているのか、不明。気になる。けど、カスバの頂上には何も水関係の施設がなかったので、多分、下から川の水をポンプで汲上げしているのだろう。面白い事に、郵便も届くらしく、玄関と思しきドアの横には、郵便ポストもある。中は、分厚い壁のために、嘘みたいにひんやりと涼しい。そして冬は暖かいのだという。やっぱ壁の分厚さによる断熱だよなーとワシは思う。ドイツとか北欧の家も、壁分厚いもん。日本の薄壁に断熱ウール入れて、断熱してまーすってやっぱ、どう考えてもなんちゃってだろう。ワシは、ワシの部屋のクーラーをママが買い替えてくれたので、国士舘柔道部出身のおッちゃんの工事の一部始終を詳らかに観察したが、これで断熱って、騙されてるーと思ったっけ。
パッシブソーラーハウスの典型として出てくるモロッコの住宅。壁分厚く、中にパティオを作って水を流すので、適度な湿度が保たれ、冬温かく夏涼しいと、建築学の本で読んだ通り。昔の人の方が賢い。風土に合った建築を作っている。え、まてよ。日本は、なぜあそこまで寒さに耐えなくちゃいけない家なんだ。。。東北の家の中にある蔵、内蔵は温かそうだけど、あれが持てるのは金持ちだけだしなぁ。。。オンドル無いし。辛すぎやろ。ワシ、暑いのも寒いのも苦手な段ボール箱の箱入り姫様ですねん。
昼食は道中の村でタジン鍋。ワシ、下痢中なので、控えめに食べる。帰路は、アトラス山脈側の渓谷。運転手が、急遽、古代からの塩田に連れて行ってくれた。白いのは塩。雨が降ると、地面から滲み出て、塩田になるらしい。舐めてみると、とても優しい塩だった。昔、この辺り一帯は海。それがユーラシア大陸とぶつかって隆起している。道端の土産物屋では、アンモナイトに三葉虫などの化石がたくさん売られている。感動しているのは、当然ワシだけ。ベルギー人夫妻の感動ポイントは、良く分からない。向こうも、ワシがなぜ、sel de fleurと大騒ぎしておるのか、さっぱり意味不明だっただろう。ここは、昔、海韃靼だよと言っても、アホにな何も通じない。アホってマジで救いようない。
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この上の写真を観ているだけだと、完璧に、アルゼンチンのサルタ、フフイの感じ。ワシ、地球の活動に感動。地球は生きとる。そして、美しい。人間の無知なんて、ここでは、笑いものにすらならない。無知な奴は死ぬだけ。ラクダのキャラバンに必ず一頭はロバをつけるのは、ラクダは水分なら何でも飲んでしまうらしいが、ロバは危険な鉱物が入った水は飲まないらしい。なんなら緊急時、ラクダのオシッコでさえ貴重な水分源になるキャラバン隊にとって、ラクダが飲めるからと言って、オシッコ活用しなきゃいけない時にラクダちゃんの身体がろ過した危険鉱物をいただく訳には行かないのだ。だから、まずはロバに水を飲むか確かめさせてから、人間もラクダも水を飲むらしい。いやぁ、侮れないぞ。ロバ。
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yotchan-blog · 1 month
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2024/8/23 13:01:00現在のニュース
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nuthmique · 2 months
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『ヌトミック寄席 夏』プログラムノート
『ヌトミック寄席 夏』は、各回三本のパフォーマンスからなる公演です。全回共通のヌトミックの作品2つに加え、日替わりでゲストによる演目が披露されます。
どの回でも上演するヌトミックの演目『わたしは薬売り』と『ウルトラトリップストーリー』について、作品が生まれた経緯を紹介できればと思います。
執筆:額田大志
『わたしは薬売り』
口上語り+歌謡ショーを組み合わせた「現代の薬」を巡る作品です。初演は2022年の秋となり、今回の上演場所にもほど近い「千住ほんちょう商店街」の薬局の前で披露しました。私と出演者の一人である稲継美保さんは、共に東京藝術大学の同じ学科の卒業生です。大学から企画をもらい、どうしようかな……と思って、思い切って先輩の稲継さんに声をかけました。
何度か北千住のカフェでお喋りしたり、大学の繋がりで足立区役所の方とお話しする中で「なんだか、ビヨンセみたいな作品にしたいね」と盛り上がったのを覚えてます。「誰かをエンパワーメントしたいね」とも。でも、それは誰なんだろう。作品が、そんな漠然としたイメージからはじまることは、���くあります。
とりあえず、商店街での上演は決まっていたので「商店街のCD屋さんの前で歌っている地元の歌手」を想像しました。今ではほとんど見ないですが、私の世代くらいまでは、CD屋の前でミニライブをする演歌歌手、という不思議な共通認識がある気がします。恐らくは昭和の名残でしょうか。サザエさんやちびまる子ちゃんのアニメでも、そういう風景を見たような、ぼんやりとした記憶もあります。
歌うことはやりたいと思ったものの、では「何を歌うか」。もう一捻りしないと作品にはならないだろうと思い悩んでいるとき、稲継さんから漢方薬の話を聞きました。厳密には「アートは漢方薬のようなものだ」という話です。「アート」という言葉の定義は広く、美術だけを指すこともあれば、音楽や舞台も含む芸術全般を指すこと、さらにはよりカジュアルに表現全般を指すこともあります。テレビや広告、街づくりの文脈で「アート」を使う場合は、表現全般を示すことが多く、ここが少し曲者です。どういう「アート」を示しているのかで、色々な齟齬が生まれてしまうことも多々あります。
「アートによる効果」のような文言は、日々様々なメディアで語られています。しかし、実際に演劇を作っている身からすると、そんなに効果があるのかな、と思うこともあります。いや、もちろん、効果があると言い切ることは大事なのですが、それが市販薬のような即効性と均一性を持った効能を期待されると、正直難しいのではないかとも思います。ただ、市販薬にはなれないけど、漢方薬にはなれるかもしれない。その人に合わせた調合がある。もしかしたら効かないかもしれない。でも、あるときには自分だけの薬に出会うことができる。そんな不確実性とともに存在するのであれば、「アートによる効果」も、もしかしたらあるのではないか……。そんなことでしょうか。ちなみにこの話は、稲継さんが長島確さんから聞いたのを、さらに私が聞いて解釈した形なので、本来、長島さんが伝えたかった意味とはちょっと異なるかもしれません。
ただ、そのとき、この話を聞いて考えたことが『わたしは薬売り』へと繋がったことは事実です。そこには、演劇の可能性を定義し直すような、ある種の開き直りもあったような気もします。ある薬売りが街へ訪れ、商店街の思い出を語り、歌って踊る。そんな作品です。歌って踊る、という古来からの演劇の魅力も詰まっている上演となっています。「誰をエンパワーメントしようか」という大きな問いは、いつの間にか消えていました。そうしたことは、本当の歌手に任せて、『わたしは薬売り』は別の道を歩むことにしたのです。
////////////////////////////// 『わたしは薬売り』 作・演出・音楽:額田大志 出演:稲継美保/原田つむぎ(ダブルキャスト)    額田大志、深澤しほ(北千住公演のみ)、長沼航(国見町公演のみ) 振付:酒井幸菜 作詞:稲継美保、原田つむぎ //////////////////////////////
『ウルトラトリップストーリー』
夏の怪談話が、何度も何度も嘘と本当を繰り返して、どこか遠くの世界へと移り変わっていく、そんな作品です。ヌトミックの長沼航をメインキャストに迎えた新作になります。
何を作ろうか悩んでいるときに、アキ・カウリスマキの『枯葉』をみて、あぁ、こういう作品をつくってみたいと思いました。こういう作品とは、カウリスマキの要素というよりは、もっと純粋に映画的である、ということでしょうか。専門的な手法の名前があるのかもしれませんが、例えば前後の脈絡と関係なく、急に列車が走るシーンが挿入されるような。予期せぬ映像が挿入されることで前後のイメージが変わる……そんな、映像だからこそ許された飛躍を、演劇でどうやったらカッコよくできるだろう、といった感じです。カッコよく、が重要で、演劇の生々しさに対して、カウリスマキの極限まで洗練された美意識に強く惹かれたのかもしれません。
そんな話を長沼くんと渋谷の喫茶店で話している中で、もう一つ、人称のことも気になり始めました。話している人がいつの間にか変わったり、一人称だったのが三人称に移り変わるのは、現代演劇ではもはや使い古された手法ですが、なんでしょう、手法ではなく、それをもっと感覚的にできないか。観客の想像や体験を変えていく装置ではなく、もっと何者かわからない存在が、人称を目まぐるしく変えていくことで舞台上に存在できないか。
何者かわからない存在は、演劇にとってとても重要で、その存在が劇を躍進させたり、ときに混乱させたりもします。『わたしは薬売り』は、そうした曖昧さを意図的になくしている作品ですが、『ウルトラトリップストーリー』は、できるだけ混乱を歓迎していく上演にしたいと思いました。そして、この混乱から解放される快楽はまさに「ストーリー」的であるとも思います。ある人物の正体がわかる、意図がわかる、謎が解明される。その答えを知る快楽が「ストーリー」が演劇に求められる理由なんだろうな……と、恐らく物語をつくるタイプの作家だったら誰もが感覚的にわかっていることを、今更ながらに感じました。
ヌトミックでは珍しい、しっかりとした物語が存在する作品になるので、あまり内容の多くは語れないのですが、稽古場の作業は普段と変わらず、一言で表すと「共感を疑う作業」を行っています。「共感をしない/させない」のではなく、常に疑い続けている状態でしょうか。決して「共感して欲しくない」のではなく、共感してくれたらそれはそれで嬉しいです。ただ共感するということのハードルは相当高いと思っていて、「共感を求める」上演は、結果的に「共感を遠ざける」ものであると感じます。自分だけわからないと、なんか冷めちゃう、ということかもしれません。パフォーマーの家族や熱心なファンであれば、そうした思い入れは比較的得やすいと思いますが、あくまで演技として、作品と観客の平等性を保ちつつ、上演だけで伝える、その距離感と質のことを稽古場ではずっと考えています。
長沼くんと日々稽古を続けていて、これを書いている7月10日は、はじめて通しを行った日でした。少し新しい手法を試していることもあり、演出の自分も心配ではあったのですが、通しを見てこれはいける、と前向きな気持ちに変わりました。そんな気持ちになれたからこそ、こうした紹介文を書けているとも思います。上演時間は寄席の中でも一番長い、40分くらいになりそうです。
『ヌトミック寄席 夏』は、ダブルキャストによる再演、ゲストパフォーマー、新作演目と盛りだくさんの公演です。屋外と屋内を行き来する、近年の野外劇の活動で思いついた構成もあったり、国見町公演では屋台がでたり、とにかくいろんなやってみよう、を詰め込んでます。やってみよう、だったことが作品として届いていく、その時間を一緒に体験してもらえたら幸いです。ぜひ、ご来場をお待ちしています。
////////////////////////////// 『ウルトラトリップストーリー』 作・演出・音楽:額田大志 出演:長沼航、稲継美保 //////////////////////////////
▶︎公演詳細・ご予約はこちら
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ace-burger-cafe · 1 year
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2023.07.05
おはようございます!
水曜日どうぞよろしく‼️
平日はお席の予約が出来ますので
承っております!
お席が埋まるとお断りする場合もありますのでお早めにどうぞ☎️0596-65-6224
ceburgercafe
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mori3322 · 1 year
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グリダニアは雨が多い。森林と河川が切り拓かれることなく、国家政策によって頑なに守られ続けるこの湿潤な土地には、その豊かな自然体系を育む緩やかな恵雨が頻繁にもたらされる。
とはいえ、全ての生き物が雨を喜ぶとは限らない。少なくとも「蝙蝠」にとって、今日の雨は災難のひとつだった。
その日の蝙蝠は運搬作業を頼まれていた。木箱入りの物資を指定の場所まで運ぶことを、日が暮れるまで繰り返さなければならない仕事だった。肉体労働であり、決して楽な仕事ではなかったが、誰であれ、仕事をこなせば給与を弾むという雇い主の物言いを聞いて、蝙蝠は尽力して数をこなそうとした。
雇い主は若い子が来てくれて嬉しいだの、このまま社員にならないかだのと調子のいいことを言う壮年の男だった。蝙蝠はなんと返して良いのかわからず、愛想笑いをしてその場を誤魔化していたが、騒がしいほどだった雇い主の態度は、正午を過ぎて休憩を挟もうと思った頃に急変した。
雇い主は蝙蝠をひとり戸建ての扉前に呼び出し、戸の隙間から体の半分を隠し、睨め付けるようにして言った。
「悪いがあんた帰ってくれ、もう気が変わったんでね」
蝙蝠は最初、何と言われたのかわからず狼狽した。困惑と驚きが喉に詰まり、舌がうまくまわらなかった。
「あの、……え、あの、い、いったい、どういうことですか?その、日が暮れるまで仕事をするというご契約でしたが」
雇い主は目を細めて盛大に鼻で笑いかけた。そんなものを持ちかけた覚えはないとでも言わんばかりに肩をすくめた。
「だから、もう帰ってくれ。働いた分の給料はくれてやるから。仲間から聞いたんだ。あんたみたいな人を、うちで働かせるわけにはいかないんだよ。」
蝙蝠は胸から下にかけての血が冷えるように感じた。肺が潰されるような痛みを感じ、足はたちまち震えてきた。蝙蝠はこの雇い主のような振る舞いには覚えがあった。実のところ、蝙蝠はこうした態度の人物にこの先何を言われるか、「蝙蝠」はたいがいの目星はついていたが、それでも尋ねずにはいられなくて声を出した。
「何を誰に聞いたというんですか。僕は、ただしい仕事でお金がもらえると聞いて、志願したつもりだったのですが」
「"ただしい仕事"ねえ。ああ、まあ、ここは確かにまっとうな仕事場だよ。」雇い主は口端を釣り上げて笑った。その相貌は笑ってはいなかった。
「誰が知らせたかをあんたに教えるわけにはいかないな。あんた、洞窟の蝙蝠だろう。それに、仲間から聞いたが、どうやら名前もあんたらの古い言葉でそのまんま"蝙蝠"らしいな。俺のだちはなあ、蝙蝠どもに、商品を馬車ごと奪われたことがあるんだよ。わかるか?その悔しさが。俺のだちが、その後どれだけ苦労したか、知らないだろ?あんたらはそういうのを何とも思ってないんだろうが。それにあんたの肌の色は………」
間髪も入れずにまくしたてる雇い主の声は、そのうちに何か恐ろしいばかりの音になって蝙蝠を囲い込み、ぐるぐると巡り出し始めた。ように感じた。蝙蝠は何とか言葉を搾り出そうとした。
「その。あなたのご友人に起こったことは、とても残念なことだとお察しします。でも、その…でも…僕は…」
次の言葉に迷っているうちに、雇い主は踵を返し、乱暴な音を立てて扉を閉めた。音の大きさに身をすくめて固まる蝙蝠をよそに、雇い主はふたたび、腕が通る程度に扉を開け、蝙蝠の胸元に、彼の手のひらにも満たない小さな麻袋を投げつけた。麻袋は金物がこすれる音を立てて地に落ちた。蝙蝠は肋骨に響くような痛みを感じた。
「悪いけど、文句ならあんたらのお仲間に言ってくれないか。こっちにだって暮らしというものはあるんだ」
それだけ言うと、雇い主は今度こそ扉を永久に閉めてしまった。蝙蝠は呆然と扉を眺めることしかできなかった。悲しみより驚きが強いばっかりに、涙はひとつも出なかった。
蝙蝠は煮えたぎるような店主の憎悪に満ちたまなざしを思い出し、それから馬車を襲う野盗の姿を思った。どんな姿かなど疑問に思うことはない。こそこそと群れあって茂みに隠れ、道ゆく他人に飛びかかっては金品や衣服を剥ぎ取る……彼らは罪悪感などとうの昔に擦り切れていて、むしろ社会を逸脱することに誇りすら感じている……
蝙蝠は彼らを知っていた。そんなやり口も、そんな思考も、かつて己の家族だった連中のものだ。でも今は違う。蝙蝠は、家族たちがうんざりするほど嫌いだった。少なくとも蝙蝠は、家族の輪から逃れるために、どす暗い地下を出てきたのだった。
だから己には仲間なんていない。ナイフの鋭さや、奪った金銀財宝や、盗みの腕、嘘か真か今更判別すらできない、過去の栄光ばかりを褒め称え続けて暮らすような仲間からは、逃れてきたつもりだった。彼らのもとに帰ったところで、助けてくれないどころか、裏切り者として口汚なく己を罵るだろう。帰るなどとんでもない。帰る場所など蝙蝠には残されていなかった。
震える手で地に落ちた麻袋を拾う。中にはわずかな貨幣が入っていた。言われていた時給よりもずいぶん少ない金だった。
仕事の正当な対価では無かった。言われていた額でも無かった。
ため息をつきながらも、「蝙蝠」は背鞄から引っ張り出した財布に貨幣を入れ直す。これでは足りない。「蝙蝠」は残りの持ち金を眺めた。何とかしなければならないものはたくさんあった。護身用にもった杖は経年劣化で欠け、木肌はひびやささくれを起こしてしまっている。少しでも衝撃など受けたら今にも折れてしまいそうだった。手持ちの食料は乾物にした豆と果物、干し肉が三日分。すぐにでもまた買いだめしなければならない。
しかし文句を言おうにも、もう蝙蝠はすっかり疲れ切っていた。瓶から漏れ出す水のように、悲しみに任せて地に身を広げて倒れてしまいたかった。かろうじて、扉に背を向けて歩きはじめることはできた。その場に崩れ落ちて泣くようなのはなけなしのプライドが許さなかった。
どうやらまだやれるようだ。歩き出してしまえば、足はさほどに重くはなかった。
まあ、まだやれるのだ。あと一ヶ月くらいなら、毎日宿屋に泊まれるようなお金だって残っている。カフェで一夜を明かせば節約できる。晴れた日には野宿ができるはずだ。食事を一日一回、働いているときだけに減らせば、なんとかなる……
本当にそうだろうか?でも、なんとかするしかない。
野宿をすればいいだろうか?と考えた矢先、雨がとつとつと降ってきた。
それは恵雨というには、今の蝙蝠には冷た過ぎた。
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brdc-a · 1 year
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『林田直樹のカフェ・フィガロ アーカイブ放送』  2023/05/14 18時配信
ゲスト:ギタリスト 福田進一さん(15年8月放送)
今回は、ギタリストの福田進一さんのアーカイブ放送をお送りします。 最新リサイタル情報も掲載中✨
<再生はこちら▶️>
※スマホ/タブレットはアプリからご視聴ください。 過去の放送は、Back numberで🎧
今回は、福田さんのライフストーリーからギターの演奏法や技術、ギタリストの荘村さんと共演されたアルバム「DUO」についてお話をお聞きします。 また、作曲家の武満徹やハバナ出身のギタリストのレオ・ブローウェルとの交流など貴重なエピソードについてもご紹介して頂きました。どうぞ、お楽しみに♪
※この番組は、2015年8月16日、2015年8月23日に放送されたものです。
【最新リサイタル情報】
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『福田進一 ギターリサイタル2023 シリーズ 「新たなるスタンダードを求めて 其の四」 ~スペインを巡る旅~』 日時:2023年5月20日 (土) 13:15 開場 / 14:00 開演 会場:東京文化会館 小ホール 出演:福田進一(ギター) 入場料:全指定席 ¥5,000円 <曲目> 【近代スペインを巡る旅】 E.グラナドス(福田進一編):スペイン舞曲 第2番「オリエンタル」~ 第5番「アンダルーサ」 F.タレガ:アラビア風奇想曲 ~ アルハンブラの思い出 I.アルベニス:グラナダとカディス(スペイン組曲Op.47より)    コルドバ(スペインの歌 Op.232より)   加藤昌則:3つのポピュラー・アレンジ(世界初演 / 福田進一委嘱作品)   【現代スペインを巡る旅】 M.オアナ:ティエント V.アセンシオ:小品集「内なる想い」 J.ロドリゴ:祈りと踊り(ファリャ讃歌) M.デ・ファリャ:ドビュッシー讃歌 ~ 粉屋の踊り(バレエ「三角帽子」より) ・詳しくはこちら ・福田進一 公式ホームページ
【アルバム情報】
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『福田進一×荘村清志 「DUO」』 クラシック・ギターの第一人者としてギター界を牽引してきた福田進一×荘村清志、両巨頭による初の共演録音盤。あたたかな円熟のアンサンブル、自在の境地 が生み出した“大人の音楽”!2015年に第10回を数えるHakujuギター・フェスタによって委嘱された作品やギター・デュオの定番曲、クラシック曲 の編曲作品、美しい映画音楽を収録。レーベル: 日本コロムビア 発売:2015年6月24日 価格:¥3,000(税別) 詳しくはこちら 【楽曲リスト】
2015/8/16 放送分
『ア・ファンシー』 作曲:J. ダウランド 演奏:福田進一(ギター)
『5つのバガテルより第1番』 作曲:ウォルトン 演奏:福田進一(ギター)
2015/8/23 放送分
『エディット・ピアフを讃えて - 「15の即興曲」より』     作曲:プーランク     編曲:福田進一     演奏:福田進一(ギター)、荘村清志(ギター)
『Shaking Anxiety and Dreamy Globe』 作曲:久石譲 演奏:福田進一(ギター)、荘村清志(ギター)
音源提供:福田進一
番組テーマ曲:「フィガロの結婚 序曲」 (音源提供:ナクソス)
過去放送一覧はこちら <ブルーレディオTOPに戻る>
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doctormaki · 4 months
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4泊5日のポーランドへの旅の帰路についている。
初日は夕方にワルシャワに到着したのでショパンホールで、日本人男子の演奏を聞きに行く。観光客相手に娼婦のような演奏である。中学、14歳からマンガに感化されてピアノを初めて、音高卒で単身ポーランド留学7年目らしい。良く指は動くのだが、色々な意味でショパンのリズムが内省化されていない。かわいそうだが、自己満足と他者に評価されないジレンマとエゴの世界を、二十代後半の彼が今後、自分の人生として自分で自己修正していかなくてはならない時期に差し掛かっている。良くてピアノ教師か通訳程度か。自分の能力の勘違いには、自分で気付くしかない。数々のコンクールで受賞したという触れ込みだが、コンクールだって色々なレベルあるよねと、再認識。
コロナ中にショパンコンクールを予選から毎晩聞いて、めちゃくちゃ楽しんだワシ。そして中学生の頃、初めて買ったピアノ曲CDはホロヴィッツのショパン名盤だった。ロシアの巨匠ホロヴィッツの美しい繊細なショパンがデフォルトのワシ。最近のJazzyなショパンも良いけれど、ワシはショパンの解釈にはうるさいざます。そんじょそこらでピアノ弾いている自慢している底浅い人々よりも、ピアノ諦めたくせにショパン遍歴は長い。ワシは人生の何分の一かの貴重な時間を真剣にショパン鑑賞に割いています。
ワルシャワ滞在の4日目は、ショパン博物館で4時間過ごしてしまったが、その代わり、博物館内の無料コンサートを2回も鑑賞できた。ポーランド人の22歳の演奏家は、物心ついた頃からピアノを弾いている。ワシは申し訳ないけれど、プロになるには物心ついた頃から楽器に触れていないと、プロにはなれんと思う。アマチュアで上手ですね~と褒められる程度でも、ワシのように幼少期からやっていないと音楽的には話にすらならないと思う。音楽家の道は、留学したから開けるとか、金かけたから良いとか、それも必要だけど、それだけではなく、センスや才能、何時間、楽器や楽譜と向き合ったのか、が効いてくる。ワシは天才なので、これ以上向き合うと理性を失うと気付いた頃から、バイオリンは適当にしている。ハマる沼は限りなく深く、中産階級のワシの家庭では、ワシの音楽への憧憬をサポートできる財力は到底ないことに高校生で気付いたからだ。
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ショパンホールのピアノのメンテナンスは酷く、Steinwayだが、変な共鳴をする鍵盤があって、どの音か分からないけれど、その鍵盤に触れる度に金属共鳴がして耳障り。あんなピアノで良く人さまから金取るわと、観光地のなんとも言えない客をバカにした態度に腹立つ。しかし、教養の皆無な人間ほど見た目重視なので、ホールは美しい。そして、一曲弾き終わっても拍手しないので、そんなもんなのかと思って、ワシも拍手するほどでも無いしな。。。などと小休憩まで拍手せず。
他方のショパン博物館のホールは小さいながらも完璧な空間で、ピアノはsteinwayだったが、調律も完璧だった。人にピアノ聞かせるなら、こうじゃないとね。。。ポーランド人のピアニストは、ショパンコンクールなら、準々決勝位までは残れる感じ。音の収め方、鍵盤の叩き方、音楽の緩急に、ポーランド民踊のリズムが非常に美しく、曲の解釈も、時たまやり過ぎ感があるが、素直で良かった。でも、ミスタッチしちゃうしスタミナ面で足りないのかな。。。という感じ。もう少しどうにかなんないと、ショパンコンクールで上位は狙えないだろうが、そもそもショパンコンクールにすら出られないだろう演奏を初日に聞いたので、満足度は高い。いやぁ、ロシアの宝石エリザベートのピアノ聞いたばかりだし、ワシの批評も辛口ですが、ちょっと弾けたからと自己満足に陥っていられるほど、音楽の世界は甘くない。
国内の無教養な新ブルジョワが、ピアノコンサートに行くの、と言える事がステータスであり、そう言えるだけで嬉しい人々を相手の演奏活動家なのか、あるいは世界中の愛好家のコノシエ達に心から愛される演奏家になれないのであればプロじゃないよね。。。と冷たく言えるのか。ワシは昭和世代なので、ウィーンの貴族ウォルター博士の意見に限りなく近い。天才を知る為には、自分もかなり嗜む必要があるが、自分の才能程度だからこそ真の天才の素晴らしさが分かるのだ的なスタンスである。そして、ワシは自分の演奏より下手な演奏をして金を貰おうなんて思っている世間知らズを見ると、心底笑えると思うし、そういう輩を持ち上げて、大枚はたいてコンサートに行く輩も同じ穴のムジナと思う。が、それはそれ、我々はパラレルワールドを生きているので、無教養には無教養の、コノシエにはコノシエの楽しみがあるのが当然だし、それで良いとも思う。所詮、好みの問題である。
それにしても、前回のショパンコンクールでは中国人が勝ったので、中国人の多いこと。それも、お金持っているだけの無教養まるだし。それでも、中国人はまだ大人しくしているので良い。白人どもと来たら、演奏途中で出ていくわ、明らかに飽きているという態度のため息つきまくるわ(その人々は曲間で退出した)、音楽に集中せずにビデオ取ってたりと、なんで来ているのか不明。世界的にバカがお金もちになっている事を痛感。こんな観客相手にサロンコンサートやらなきゃいけないピアニストに同情を禁じ得ない。
ショパンのファクシミリを買おうとしたが、どでかいので、絵葉書を買う。日本ショパンコンクールで高校生ながら優勝したのに東京理科大に行った知り合いの坊やへ、ワシからのささやかなプレゼント。ショパンの手書き文字は、メンデルスゾーンみたいに繊細でデリケート。ココアが好きで、ピアノが下手な弟子を教えながら、楽譜に鉛筆で注意点の書き込みし、下手すぎると苛ついて何本も鉛筆を折っちゃうような人でもあったらしい。おしゃれで、最新のファッションに身を包む。皮でできた大きな帽子カバンや、真珠のカフスなどが展示されていた。完璧な身のこなしで現れるショパンに、レッスン前に鉛筆を何本も差し出して、ココアでリラックスしてもらってからレッスンしてもらっていた弟子達を思うと可笑��い。そして、ショパンはジョーク好き。ワシは、ショパンとお友達になれただろうと思う。
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という事で、ワルシャワ最古のショコラティエに行く。1851年開業なので、ショパンが亡くなってからの営業だが、美味しいのでテースティングサンプル三杯に、ダークチョコレート一杯も追加。朝から、二日目に行ったアウシュヴィッツへのツアーでお友達になったアメリカインド人のBarvieおじさんとワルシャワ最古のカフェで開店三十分後から、激論朝から生トークを朝食を食べながらしたので、ランチをスキップ。ほうれん草オムレツとサラダに、ナポレオンケーキ、コーヒー二杯で、トークも炸裂。Barvieおじさんのフライト時刻ギリギリまでお喋りしてお別れした後、ショパン博物館、ショパンが亡命先のパリで亡くなった後、姉がショパンの望みで持ち帰った心臓を納めてある教会で夕方のミサに少し与ってから、ユダヤ人歴史博物館へハシゴしたので、18時過ぎの博物館巡りを終えた身体にココアが染みるざます。
こちらのココアはロシア的に、ジャムを入れる。ダークチョコにはサクランボジャム。ホワイトチョコにはラズベリージャム。ミルクチョコにはオレンジマーマレード。疲れていないと飲めない甘さだったと思う。
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yuutanman · 2 years
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【祝開店、とろり天使のわらびもち 北千住に3/3オープン!】これは美味しい‼️‼️まさに新感覚の飲み物です〜 【1. 希少な本わらび粉を使用】山菜のワラビの根の部分10kgからわずか70gしか採れないという貴重な「本わらび粉」を使用【2. 想像以上のとろとろ食感】究極のとろとろの食感を追求。 材料の配合や炊き方など試行錯誤を重ね、“やわらかさ”をとことん追求【3. 焙煎にもこだわったきな粉】色や味が濃く、本来の風味がより際立つよう 焙煎温度や時間など細部までこだわり抜いたこだわりのきな粉を使用。砂糖不使用 ■昔ながらのお菓子「わらびもち」■ 多くの方から愛される「わらびもち」を若い世代やより多くの人たちに届けたいと考え、あらたな魅力プラスし、「新わらびもち」が生まれました。 ★とろとろ生わらびもち★ とろとろ食感を追求したわらびもち。こだわりのきな粉を贅沢にたっぷりとかけた見た目も、インパクト大です 【フレーバー】和三盆/あずき/ほうじ茶【カロリー】和三盆136Kcal/あずき179Kcal/ほうじ茶141Kcal【アレルギー】和三盆:大豆/あずき:大豆/ほうじ茶:大豆【お日持ち】生菓子ですので本日中のお召し上がりをおすすめしております。※とろとろ食感を保つ為、たっぷりのきな粉をお入れしています。【保存方法】高温多湿は避けてください。 当日のお召し上がりの場合は、常温保存してください。 翌日のお召し上がりの場合は、冷蔵保存でお願い致します。 ★クリームわらびもち★ クリームとわらびもちの、新しいマリアージュ。 とろっとした冷んやりわらびもちと濃厚な純生クリームが絶妙です【フレーバー】プレーン/黒胡麻/ほうじ茶【カロリー】プレーン171Kcal/ほうじ茶152Kcal/黒ごま172Kcal【アレルギー】プレーン:大豆・乳/ほうじ茶:大豆・乳/黒胡麻:大豆・乳・胡麻【お日持ち】 お日持ち お渡し日含め3日となります。【保存方法】冷蔵保存してください。 ※解凍方法 常温2時間もしくは、冷蔵庫は3?4時間程度。 ★飲むわらびもち★とろけるわらびもちを追求したからこそ実現した、「飲めるわらびもち」は、新しい食感がくせになります。【フレーバー】黒みつ/ミルクティー/抹茶 【カロリー】黒みつ:和三盆423Kcal・あずき459Kcal/ミルクティ:和三盆485Kcal・あずき521Kcal/抹茶:和三盆626Kcal・あずき662Kcal【アレルギー】黒みつ:大豆・卵・乳・コーヒー/ミルクティー:卵・乳・大豆/抹茶:卵・乳・大豆【お日持ち】氷をお入れしている商品です。お受け取り後なるだけ早めにお召し上がりください。 北千住駅前店がオープン予定!!商品は、口の中にいれた瞬間、とろけてしまう程の“とろとろ食感”の生わらびもち。本わらび粉を使用した生わらびもちは高級砂糖で有名な【和三盆】【あずき】をご用意しております。またTVでも話題の【飲むわらびもち】もご準備しております。 とろとろ過ぎて飲めちゃうんじゃないか?との女子高生のアイデアで誕生した新食感ドリンクです。 ●店名 とろり天使のわらびもち 北千住駅前店 ●住所 東京都足立区千住旭町41-14 ●電話番号 090-4645-5387 ■交通手段 北千住東口1分 ●営業時間 10:30~19:00 #東京美食 #東京ランチボックス #love #photooftheday #happy #followme #follow #food #likeforlike #foodporn #北千住ランチ #北千住 #北千住おいしい店 #北千住スイーツ #おいしい店 #北千住ディナー #北千住グルメ #北千住わらびもち #とろり天使のわらびもち #スイーツ #スイーツ巡り #スイーツ好きな人と繋がりたい #スイーツ好き #わらびもち #わらびもちドリンク #わらびもち専門店 #スイーツ部 #北千住カフェ #北千住駅 #北千住テイクアウト https://www.instagram.com/p/CpWXXw3OAND/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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pix-ied · 2 years
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2022年Wish List100 振り返り
今年も終わりが見えてきたのでまずはWishListの振り返り。〇が42個ってことでまあまあじゃない?一方ですっかり忘れていたものもけっこうあってやっぱり途中で振り返らないと意味ないよなとも思っている。
週記を毎週書く〇
ジムに月7回行く〇(仕事の繁忙月以外は行けたと思う)
体脂肪率24%目標×(なんとなく月1くらいで計ってて、5月に1度だけ達成してた。最近のトレンドは体重は減っているけど体脂肪率は上がっている...)
家でも筋トレをする×
筋肉・骨格について勉強する×
姿勢を良くする△(筋トレした翌日はやっぱり姿勢良くするの楽だよね)
泳ぐ×
MCU復習する×
スパイダーマンの実写を全シリーズ観る×(何も見てねぇ)
地方の映画館に行く〇
50カ国を目標に世界の映画を観る ×(ほぼ忘れてた)
今年上映される台湾映画は映画館で観る〇(全部じゃないけど、頑張ってホラーも観た)
台湾映画と歴史の対応表を作る△(作りかけ)
海外文学を買う(図書館と使い分ける)〇
買った本をちゃんと読む〇(全部じゃないけど例年よりまし)
読んだ本をリリースする〇
応援したい古本屋を見つける×
旅行先の本屋で本を買う〇
ガルシア=マルケスを読む△(着手中)
三島由紀夫を読む  〇(『金閣寺』)
ネタバレせず興味を引ける感想文を書く×(批評の本とか読んだけど実践できてないな)
本を快適に読める場所を開拓する×
新約聖書を読む×
コーランを読む×
月1でフィクション以外も読む ×(年間9冊でした。しかもビジネス系の本は読んでない!)
読書会に参加する×(友達誘ったので来年こそ)
寄付する×
台湾に行く×
香港に行く×
福岡で水炊きを食べる×
海外に行けなそうなら沖縄に行く×
飛行機に乗る〇
ロシア料理を食べる〇
チェコ料理を食べる×
バーに行く〇
フランス料理を食べる〇
素敵なビストロを見つける〇
魚料理を作る〇(イメージと違うけど鮭のパスタを作った気がする)
レイトショーを見てホテルに泊まる×
K5に泊まる×
行ったことのない県に行く〇(宮崎初上陸)
ホテルホッピングする〇
カフェ巡りをする×
建築を見に行く×
スタバのスタンプを貯める(どうせ飲むなら行ったことのない店で)〇
お酒を飲む〇
ハッピーアワーに行く〇
好きなお酒を探す×(去年よりはいろいろ試したけど見つかってはないね)
ワインについて学ぶ〇(学んだけど全然分からなかったね!)
スパ・ラクーアに行く〇
銭湯に行く×
美術館に行く〇(最後に滑り込み)
イチゴ狩りに行く〇
SUPをする〇
かき氷を食べる×
国内のナシレマッを食べる×
ナシレマッを作る〇(なんちゃってナシレマッ)
台湾料理を食べる〇
台湾華語を勉強する×
ラジオの英語講座を聞く×
英語の文法を復習する△
新しいTwitterアカウント作って英語を書く〇(ほぼ作っただけで��と言えるのかどうか...)
仕事の勉強にYoutubeを使う〇
仕事の分野外の勉強をする×
論文を読む×
何か目標の資格を探す〇
仕事外の勉強テーマを見つける×
はっきり挨拶をする△
コートを買う〇
アラブで買ったランプを使う〇
美顔器を買う×
ネイルシールする×
脱毛する×
足裏のメンテナンスに行く×
ボディクリームを塗る〇
ジム用のオールインワンを買う〇
枕を買う〇
快適な椅子を買う×  
読書用の椅子を買う×
マニキュアを塗る〇
ネイルシールを買う×
机を片付ける×
部屋を片付ける×
会社で取ってる出版物をやめる〇
人に会う〇
サウナで整う△
資産運用する〇
好きな会社の株を買う×
週1で定時退社する△(繁忙期以外は概ね)
毎週仕事の予定を組む×
後輩に毎日話しかける〇(たぶん)
笑顔を意識する×
楽しそうでいる×
会って面白い人はどんな人か研究する×
学生時代の書類などいらないものは処分する×
着ない服は捨てて、今着る服を買う〇
部屋を借りる×
フィルムカメラを使う×
渋谷TSUTAYAを利用する〇
優雅な生活で復讐をする×
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akihiro0119 · 2 years
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. 鈴鹿 白子 Coffee Uno 鈴鹿のコーヒースタンドからもう1軒。 #鈴鹿サーキット の最寄駅としても知られている白子駅前の商店街にあるお店。 店内の落ち着きが本当にいい!電車に間に合わないんじゃいかというくらいにゆっくりしてしまいました。翌日に #ジャパンコーヒーフェスティバル に出店する様子で、その準備にも追われていらっしゃいましたが、淹れていただいたコーヒーはおいしかったです。こういうお店が商店街にあるといいですね。 #coffeeuno #白子 #鈴鹿 #三重 #suzuka #suzukacircuit #mie #コーヒー #珈琲 #coffee #カフェ #コーヒースタンド #cafe #coffeeshop #カフェ巡り #カフェ好き #コーヒー好き #鈴鹿カフェ #鈴鹿グルメ #三重カフェ #三重グルメ #名古屋カフェ #cafestagram #cafepic (at Coffee uno) https://www.instagram.com/p/CdyBTABp8Xt/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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namuahi-san · 2 years
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ああああ
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「もういいかなあ」と兄が言ったのでわたしは読みかけの本から視線を上げないまま「なにが?」と訊き返したけれど返事はなく仕方なしにスピンを挟み本を閉じ、読書を邪魔されことに対する文句でも言ってやろうと兄の方を見ると、兄は最初からそうであったかのようにいなくなっていた。わたしはまず部屋の中をくまなく探し、家中をひっくり返し、両親に訴え、警察署に届け、兄の行きそうな店や公園を巡り、学校に確認し、町中に尋ね人のビラを貼り、六年間通った学校に行かなくなり、水晶玉を覗き、Lロッドの行方を追い、恐山でイタコに口寄せしてもらうも圏外だと言われ、失意のわたしを車で轢きかけた男と結婚、兄のことをSNSで拡散してもらい、バズり、当時の同級生を名乗る人物から連絡があり、知り合いだという霊能力者を紹介され願いが叶う薄緑色の石を買い、徳が足らないので世界に三枚しかないというありがたいお札を買い、離婚と同時に出産、ダイソーで売っていたトンカチで薄緑色の石を割り、ガスコンロで札を焼き、海水から作った塩を売って暮らし、わたしが結婚したのと同じ歳まで育った娘が「会わせたい人がいるの」と言って初老の男(以下初老)を連れてきて、わたしはいま初老の運転するバスの中。
「みかん食べる?」娘が冷凍みかんを渡そうとしてきます。初老が娘の恋人なのか気になりましたが、彼がハンドルを握っておりますので機嫌を損ねたら窓の外に広がる渓谷に真っ逆さまということにもなりかねずわたしはなにも言い出せないのです。それにしても、どこに向かっているのでしょうか。ねえ、と娘に尋ねようとすると娘はみかん由来の黄色い手で機械を触っており「なにそれ?」「株」覗いてみようとすると画面を隠し「インサイダ!」と拒絶。反抗期なのでしょうか。
 ハッピ、バッデ、トゥユ、
 ハッピ、バッデ、トゥユ、
 邪悪な秘術を想起させる汚らしい文句。声は娘と初老のものでした。「お母さん」顔を上げると娘がこれまで見せたことのないような笑顔でわたしにノートとペンを差し出しています。ありがとうございます。心根の優しい娘なのです。お義母さあん! と突然、運転席から初老がマイクで叫ぶのでノートを落としてしまいました。ちょうど開かれたページには赤のボールペンで『ギターピックとして代用可能な動物一覧』と書かれているではありませんか。ありがとうございます。ペンギン。ライオン。ワオキツネザル。
「クイズです」初老クイズが始まりました。
「東京タワーと東京スカイツリーは何がために建てられたでしょう」「答えは痛いから」
音割れした初老の声に娘が即答します。
「痛いから?」とわたし。
「東京にはかつて建設を予定されていた塔があった!」「名は東京バベルタワー」「東京は、夢想していた。正しい、理想の己の姿を」「だがそれが叶うことはなかった」「計画は頓挫したのだ」「なんという悲劇!」
 娘と初老が交互に、オペラのように歌い上げていきます。ありがとうございます。
「東京は悲しみました」「そして、いつしかそこが傷み、疼きはじめたのです」「東京の悲しみを受け、時の権力者はバベルタワーの代わりに塔を建てました」「順番に、二本」「ですが、それは両方的外れだったのです!」「正解はこれから向かう場所にあります」
「どこに向かっているの?」
「アール県」
 ふたりの声が重なり時間はズレます。アール県にある塔は巨大ですがまだ根元しかなく、建設反対派との戦争真っ只中。人を殺傷するのに最適な速さで銃弾が飛び交いバスを出るなり初老と娘がその餌食となりました。二人を埋める余裕もなく走りますと、作りかけの塔の先端にはギトギトとした黒い木でできた小屋。入り口の看板にはペンキで大きく『いろっしょい』と書かれています。ドアは開けっぱなしで、中に入ると小屋と同じくギトギトの木でできた本棚に手作りらしき本がいくつか並んでいました。
「いろっしょい」見ると焦げ茶色のエプロンのギトギトな男が口をOの字にして立っており、わたしにコーヒーを差し出しました。
「テンミニッツ・コーヒーです。黙祷」その十分間でわたしは全てを理解しました。このカフェにいつの間にか忍び込んでは自作の本を勝手に置いていく輩がいて困っているそうです。コーヒーはライカ泥水で、わたしはそれをマスターの顔面に浴びせ本棚に向かいます。悲鳴をあげるマスターこそが犯人なのです。そうやって他人の興味をひいてこの本を読ませようという肚なのです。たちの悪い妖怪のような男。ありがとうございます。そうしてわたしはマスターに代わりそこで本を作ることにしました。絵と文字、それと声。三十年もそうしていると分かります。兄は、そこで奇妙な人生を送っていたのです。兄はこちらで弁当屋の娘に恋をし、交換日記を始めようと迫り、右の耳を捻りちぎられ、通報され、服役し、気のいい模範囚として罪を償い、釈放後は殺人鬼のための懺悔室を西麻布にオープン、週五で気のない相づちを打ち、休みの日にはDIYでギロチン作り、ギロチン繋がりで知り合った女性と結婚するも新婚初夜に誤って妹である���の名前を呼んでしまい、手先の器用な兄の妻がハズバンドと物理的に距離を置くために増築し続けていった家は迷宮となり、膨大な固定資産税に兄がぐずりすぐ近くに地獄を顕現させたことで地価は暴落、やがて妻とも別居し地獄のすぐ隣にある三畳一間に住むことになった兄は、やることがないあまりペンとノートを手に取り本を作り始めました。絵と文字、それと声。その本にはわたしの人生が書かれているではないですか。でもよく見てください、兄の背後から地獄より漏れ出た炎がちるちると、兄(とわたしを)を舐めるようにああ(ああ)。
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brushupcreate · 5 years
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【癒し系コーヒー専門店】 四日市にあるこだわりのコーヒー専門店 「 @hard_bop_coffee 四日市新正」のオーナーの 岡野康司さんと名駅でお会いしました。 . 岡野さんは 「お客様が帰る時に来た時よりも 少しでも気持ちが軽くなっていたらいいな」 という想いでコーヒー専門店を やっているそうです。 . お店では手作業でカビを排除した 厳選コーヒー豆を自家焙煎しています。 . コーヒーへのこだわりもすごいですが、 オーナーの岡野さんの人柄も素敵です!! めっちゃ癒されます笑 . ちょっと人間関係に疲れたなと思ったら コーヒーとオーナーに癒されに Hard Bop Coffee 四日市新正に立ち寄ってみては いかがでしょうか? . お店の情報はこちら👇👇👇 @hard_bop_coffee . #コーヒー #コーヒー巡り #コーヒー好き #コーヒー大好き #コーヒーのある生活 #コーヒーのある暮らし #コーヒー豆 #珈琲 #珈琲館 #珈琲好き #珈琲グルメ #珈琲好きな人と繋がりたい #珈琲大好き #珈琲のある暮らし #三重県 #カフェ #四日市 #四日市カフェ (Hard Bop Coffee 四日市新正) https://www.instagram.com/p/B3bIh-7gK-g/?igshid=12xn0mxd9ytdb
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ace-burger-cafe · 2 years
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【冬季限定メニュー】 安納芋のキャラメルパフェ🍠 今年はグラスも大きくなり、安納芋クリームも増量し少し中身もバージョンアップしました。 内容は下から 自家製キャラメルソース パンナコッタ サツマイモの甘露煮 グラノーラ 自家製クッキークランブル キャラメルアイス 自家製シフォンケーキ ソフトクリーム 安納芋クリーム キャラメリゼしたサツマイモの甘露煮 生クリーム サツマイモチップ になります。 欲張りな方には安納芋とモンブランのハーフ&ハーフパフェもご用意しております。 冬季限定になりますので是非是非☺️ #aceburgercafe #三重県#伊勢市#三重#伊勢 #三重カフェ#伊勢カフェ#東海カフェ #伊勢神宮#伊勢志摩#iseshima #iseshrine#松阪カフェ#ー#パフェ#Parfait#三重パフェ#sweets#instasweets#コーヒーのある暮らし #retrip_cafe#retrip_mie#伊勢パフェ#しんぷるぐらむ#retrip_japan#モンブラン#モンブランパフェ#安納芋#安納芋パフェ#パフェ巡り (Ace Burger Cafe) https://www.instagram.com/p/ClmphxmhEB1/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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