Tumgik
#保志総一朗
kennak · 20 days
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○日時 平成28年10月31日(月)16:00~18:00 ○場所 TKP新橋カンファレンスセンター ホール3A (東京都港区西新橋1丁目15-1 大手町建物田村町ビル3階) ○出席者 (構成員等) 山本輝之座長、岩崎俊雄、久保野恵美子、田中正博、中原由美、平田豊明、松田ひろし、 松本俊彦、村上優、森隆夫 、森祐司、日野博愛、久保厚子、萩原勝己、桐原尚之、 小幡恭弘、松田ひろし、田村綾子、窪田彰 (関係省庁等) 堀江裕     厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長、 朝川知昭   厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長、 内山博之   厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長 、 田原克志   厚生労働省社会・援護局精神・障害保健課長、 石垣健彦   厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長、 河邉正和   厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課薬物取締調整官、 坂本大輔   内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(障害者施策担当)、 今福章二   務省保護局総務課長、 矢崎正子   法務省刑事局付、 高須一弘   警察庁生活安全局生活安全企画課長、 河原雄介   警察庁刑事局刑事企画課刑事指導室長、 和田勝行   文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課長、 森下平    文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育企画官、 佐久間信哉 神奈川県保健福祉局長、 熊坂誠    相模原市健康福祉局長 ○議事 ○山本座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第7回「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。  では、まず初めに本日の出欠状況について事務局からお願いいたします。 ○厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長 事務局でございます。本日は、構成員の皆様全員が御出席となっております。事務局からは以上でございます。 ○山本座長  どうもありがとうございます。それでは、続きまして、事務局から資料の確認をお願いいたします。 ○厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長 資料の確認をさせていただきます。座席表、クリップ留めの資料がございまして、資料1から資料10となっております。それぞれの関係団体ヒアリングの出席者名簿や関係団体からの提出資料でございます。青いドッチファイルがございますけれども、これは前回までの資料でございます。このほか別冊といたしまして、全国手をつなぐ育成会連合会から資料が配付をされております。 以上について足りない資料がございましたら、事務局までお申しつけください。 ○山本座長 ありがとうございました。それでは、以上をもちまして撮影については終了とさせていただきます。また、本日は関係団体の皆様からのヒアリングを行いますので、議事は公開とさせていただきます。  それでは、議事に入ります。本日は、関係団体の皆様からのヒアリングを行います。まず、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会から御発言をお願いいたします。よろしくお願いいたします。 ○森参考人 日本身体障害者団体連合会の森と申します。今日は、本来ならば阿部会長が来て御説明するところでございましたが、私が代わりに説明させていただきます。  お手元に資料2「相模原市の障害者施設津久井やまゆり園における事件について」ということでございまして、本年7月26日に神奈川県相模原市の障害者施設津久井やまゆり園において19名もの尊い命と二十数名の方が負傷されるという悲惨な事件が起きたことについて、二度とこのようなことが起こらないよう、事件の真相の究明をしていただくとともに、精神障害に対する偏見、無理解が広がらないようにすることが緊急の課題であると考えております。  また、同施設を建て直すという話がございまして、財政的支援並びに新たな施設ができるまでの間、入居者の住まいの確保や事件による心的外傷後ストレスの疑いのある職員の方などに対して適切なケアを、関係する方々や地元の自治体と連携して、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  なお、障害者の権利条約が批准され、そして、本年4月から障害者差別解消法が施行されたわけでございまして、このようなときにこのような悲しい事件があったということ、大変残念だと思っておりますが、これを機会といたしまして、障害のある人もない人も分け隔てることない、共生社会の実現に国を挙げて邁進していただきたいと思っております。  以上でございます。 ○山本座長 どうもありがとうございました。私から事前に、各団体10分以内で御発言をいただくよう、よろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。それでは、続きまして、全国身体障害者施設協議会から御発言をお願いいたします。 ○日野参考人 身体障害者施設協議会の日野でございます。  今日はこのようなヒアリングの場を設けていただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。お手元の資料3に私たちの協議会のヒアリングの資料をつけておりますので、その朗読とポイントのみ説明をさせていただきたいと思います。  身体障害者施設協議会は、全国で約510施設の団体でございまして、医療的なケアの高い方を含めた重度の身体障害者の方に対する施設支援と、それから地域で生活されている方、在宅の方、相互に対する生活支援というものを身障協の姿勢として謳って、今日まで事業を継続してまいりました。  4点について述べさせていただきますけれども、今回の事件を契機に、障害のある方への偏見が助長されたり、施設と地域との関係を閉ざすことにつながりかねない過度な施設管理体制整備と行政指導等が先行しないよう、地域と一体となった開かれた社会福祉施設づくりが不可欠です。折しも国は地域共生社会の実現を目指しており、そうした社会の実現に向けた関係施策に係る御配慮をお願いいたしますということで、ここで申し上げたいのは、過度な施設管理体制ということで、外部からの侵入防止を強化する余り、例えば施錠をしっかりしろとかいう通知が来ておりますけれども、そういったことを過度にやりますと、万が一災害が発生したときに、避難に時間がかかったり、あるいは避難経路の確保の妨げになったりとかいうことがございますので、ここで申し上げたいことは、防犯と防災は一体化して取り組んでいかなくてはいけないということが重要ではないかと思っております。  2つ目でございます。障害のある方への支援のための高い志とスキルを持つ職員がいつまでも働き続けることができるよう、人材確保・育成・定着に向けた職場環境の改善及び施設職員の処遇改善に向けた取り組みが推進されるよう、お力添えをお願いいたします。また、抜本的な職員配置基準の見直しにより、施設利用者の安全・安心につながる夜間の職員配置体制の強化に向けた施策検討が推進されるようお願いいたしますということで、まずは施設内の職員体制を整備することが重要だろうと思います。職員の配置基準であるとか、夜間職員体制の見直しが必要ではないかと考えております。  3つ目についてでございます。共生社会の実現に向けては、幼少期の教育、学校教育において、正しい人権感覚と知識を養う必要があり、障害者福祉施設を積極的に活用するなど地域における福祉教育の推進につきまして、御検討いただきますようお願いいたしますということで、やはり福祉教育の重要さを申し上げておりますが、これはそれぞれ行政とか社会福祉法人が別個にやるのではなくて、やはり一体的に取り組んでいくことが重要ではないかと思います。  4つ目、最後でございますけれども、平成28年度補正予算において、障害福祉サービス等の防犯対策の強化に関して示されておりますが、まさに社会福祉施設における防犯対策は喫緊の課題であり、早期の対応をお願いしたいと思っています。また、補正予算成立前に施設独自で実施した防犯対策についても、補助対象とするなど柔軟な対応が可能となるようお願いをいたしますということで、やはり早急な対応を図らなくてはいけないということで、施設によってはこの事件が発生した直後から既にそれぞれの施設で防犯強化体制に取り組んでいる法人が多いわけですけれども、通知では成立する前に取り組んだ事業は補助の対象にならないということになっておりますが、ぜひこれも補助の対象としていただきたいということと、もう一つは、取り組み方が自治体によって多少違うのではないかということも聞いておりますので、ぜひ統一した実施をお願いしたいと思います。  以上です。 ○山本座長 どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、全国手をつなぐ育成会連合会から御発言をお願いいたします。 ○久保参考人 全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。  本日はこのような場を設けていただきまして、まことにありがとうございます。  私どもの意見書としましては、資料4に出させていただいております。私どもは、障害の程度にかかわらず、各ライフステージに応じた適切な支援の基で安心して暮らせることを願っておりまして、共生社会の実現を求めております。本事件の検証及び再発防止に関する提案が、誰もが安心して暮らしていける社会の構築につながることを願っております。  1番目の精神鑑定の結果と当該施設の検証結果を反映していただきたいという要望でございますけれども、現在、容疑者への精神鑑定が行われておりまして、結果が1月ぐらいに出るとも聞いております。具体的な情報は今、私たちの中にはないと思っておりますし、容疑者が措置入院していたという事実と事件との因果関係が今もってはっきりとしていないという状態でございます。その中で、中間報告で焦点化された措置入院ですけれども、その鑑定の結果次第では、事件と距離感のある、そんなまとめになりはしないかということを危惧しております。  容疑者は、予告文を用いてその思いを世間に示したわけでございますけれども、書かれた内容とか本人の粗暴な振る舞いというのがありまして、結果として措置入院での対応となりましたけれども、本来、本当に措置入院の対応が適切であったのかどうかということも少し疑問視をしております。結果として、そんな対応をすべきではなかったのかなという思いもしております。いずれにしろ判断が困難だったこのような事例につきまして、当時の司法とか行政、医療、福祉を検証して、関わりが難しい人、対応の困難な方とされている方に、医療に託されがちな人の支援について、地域の関係機関が谷間を埋めつつ、本当の意味での連携がきちんと図れて、対応策が示されるように検討を深めていただきたいと思っております。その際、誤解とか偏見が生じないように御配慮いただきたいと思います。  皆さんのお手元に、私どもの方でコピーをしました「知ってほしい・知っておきたい-知的障害者と『警察』-」ということで、警察向けの冊子を私どもの会でつくっております。要は、すぐに犯人と思うというのではなくて、少し対応の困難な方に向けて、各方面で特性を御理解いただきたいなという思いがありまして、こういう冊子をつくらせていただいておりますので、こういうものもいろいろな方面で御活用いただいて、御理解いただけたらなと思っております。  そして、防犯対策ですけれども、中間報告の取りまとめの時点では情報が余り得られていないために、内部犯行を前提にしての検討がきちんとなされていないのではないかという感覚を持っておりまして、神奈川県では、まずやまゆりの報告書が出まして、今、神奈川県の方でやまゆり事件の検証委員会が設置されているとも聞いております。そこでまた結果が出てくるとも思いますので、この事件の検証が行われていますので、そうしたことの結果を少し踏まえながら、ここでも検討していただく必要があるのかなとも思っております。容疑者の犯行声明にどう対応したのかとか、離職後の容疑者をどのように犯行予告に備えてきたのかとかいった具体的な情報が十分に得られていないように感じておりますので、防犯対策の強化の経緯と結果への評価を踏まえて、今後の全国の施設への防犯対策としての検討を行っていただきたいなと思っております。  また、防犯を行う職員へのケアという点でも、職員同士の人間関係とかその辺のところも重要でありまして、職員の人間関係の中でその職員の特性だとか人柄みたいなものも分かってまいりますし、いろいろな情報が得られるだろうと思っております。これらの情報を得て、今後の対策として職員体制、施設職員の処遇とか、そういうことを検討していただきたいなと思っております。  2番の再発防止のことですけれども、これからの対応について段階的に整理していただきたいと思っておりまして、私どもは第3回の会議にも意見書として提出をさせていただいておりますけれども、2つの課題を踏まえての具体策が必要であると考えておりまして、1つ目は、事件の事実から抽出された「対策」。2つ目は、事件の事実そのものには関わらないものの、背景として考えられる課題を解決していくための「政策」が必要ではないかと思っておりまして、下のほうに対策と政策という形でずっと書かせていただいております。新たに書かせていただいたこととか、今までに意見書として出させていただいたこととか、いろいろ混ぜておりますけれども、お読みいただけたらと思います。  先ほどからも意見がありますように、共生の社会を目指して障害者への理解とか偏見をなくしていくという部分では、やはり育成会としましても、学校教育が重要な役割を果たすと思っておりまして、ぜひ学校教育の中で教科の一つのようにしながら、子供たちに多様性を認める共生の社会をつくっていくのだということで強く意識をつけていただきたいなと思っております。  具体的に今回示させていただきましたけれども、そういうことも含めて、未着手のものもございますので、さらに深く、広く御検討いただきたいと思っております。  今回の事件が社会的に与えたダメージは大変大きなものがありまして、私どもの会のほうにも、障害のある御本人や御家族から、怖いとか、自分の隣にいる支援者が信用できないとか、外に出られないとかいろいろな声が届いております。今もまだぽつぽつと届いている状態でございますので、本人や家族については本当に深く深く心に傷をつけたなと思っておりますし、それをまた一生懸命支援しようとしてくれている職員の方のところにも、心に傷をつけた事件であったと思っております。  そういう意味でも、この間違った発言を徹底的に払拭していけるような共生社会の実現を目指していけるような、そんな要因が必要だと思いますので、事件及びその影響に躊躇することなく、お互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会の構築に向けて、私たちみんなが着実に歩みを進めていくことが実現できるような検討の報告書をつくっていただくことを強く期待しております。  どうもありがとうございました。 ○山本座長 どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、公益財団法人日本知的障害者福祉協会から御発言をお願いいたします。 ○萩原参考人 日本知的障害者福祉協会の危機管理委員会委員長を務めております萩原と申します。  当協会につきましては、知的障害福祉サービスを提供する施設・事業所の集まりでございますけれども、1934年が設立になっております。82年を迎えておりますが、会員数が本日現在6,215施設・事業所、そのうち施設入所支援を行う会員数が1,575施設となっております。この1,575施設の中には、津久井やまゆり園も含まれてございます。本日、私どもの方といたしましては、中間報告、中間の取りまとめに対応する意見として、何点か報告させていただきたいと思っております。  まず、精神医療の対応についての検証が進んでいると思いますけれども、この植松容疑者が犯行に至る、障害者は死ぬべきだという思想を抱くに至った要因などの検証解明といったものが必要と考えております。今後、裁判などで明らかになっていくと考えられますが、さらに時間をかけた中で、なぜこのような思想を抱くに至ったのかといったようなところの解明をお願いしたいと思っております。  それから、検証内容には入っておりませんが、障害者なんて要らないといった言葉がストレートに報道されましたことで、その言葉が印象づけられ、支援現場では、「私は要らないのでしょうか」と利用者が支援者に相談された方の例もございます。知的障害のある方への配慮ある報道のあり方について、御検討いただきたいと考えております。  それから、施設における防犯対策でございますが、施設においては従前から、夜勤の職員について法令上の最低基準が決められております。仮にこの知的障害者関係施設が基準以上に夜間対応を手厚くしたとしても、重度の障害者への対応などさまざまな支援がある中で、侵入者への警戒や対処には限界がございます。各施設におきましては、既に防犯対策の研修会あるいは設備の整備といったようなところに検討や着手しているところがありますけれども、実際にそういった対応についても限界がございます。今回のように犯行予告があった場合には、警察の対応が強く望まれるところだと考えております。  それから、施設における防犯対策に関する今後の検討課題という中に、設備面のみによる一律の対応には限界があるため、地域住民との連携など、いわゆるソフト面での対策も具体的に示すことが課題であると記載されております。この件について���、私どもといたしましても賛同いたします。これまで知的障害関係施設におきましては、利用者の地域での生活を支援するために、地域に根差し、地域に開かれた施設であること、そして、これこそが共生社会の原点であるとの理念を持って活動してまいりました。このような事件が起きたからといって逆行するわけにはまいりません。報告書にあるように、地域住民との連携など、いわゆるソフト面での対策を具体的に示すことは重要と考えますので、早急に着手をお願いいたします。先進的なモデル事例などを収集される場合につきましては、御協力もさせていただきたいと考えております。  また、この中間取りまとめが出された翌日、9月15日に発出されました「社会福祉施設等における防犯に係る安全の確保について」、「社会福祉施設等における点検項目」、これが地方自治体におきまして指導項目としてひとり歩きしないように徹底していただくことも、あわせてお願いいたします。  最後になりますが、今回の事件によって、障害者の方々への偏見や差別が助長されるようなことは断じてあってはいけません。全ての人々がお互いの人格と個性を尊重し合い、共生できる社会を実現していく。そのための具体的な行動として、国民に向け、障害者差別を解消するために、人権意識を醸成するために啓発を早急に進めていただきたいとお願いいたします。  以上でございます。 ○山本座長 どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、全国「精神病」者集団から御発言をお願いいたします。 ○桐原参考人 全国「精神病」者集団の桐原です。  本日は、このような場に呼んでくださり、心より感謝を申し上げます。  このたびの相模原の障害者施設で発生した連続殺人事件で亡くなられた方々に心から御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々が一日も早く回復されることを願っております。  私たちは、精神障害の当事者の全国組織ですので、精神障害の当事者という立場から、以下4点の意見を述べたいと思います。  まず1点目です。あらゆる事実の精査というふうに書かれているのですが、幾つかの重要な論点が中間取りまとめでは検証されていないのではないかと感じます。1つ目は、職員の採用基準についてです。このような行動を起こしてしまった職員を採用してしまった施設の採用基準を検証すべきではないかと思います。  2つ目は、教育・労働・安全衛生等の労働実態です。例えば職場の上司や同僚に相談することができたかなど、そうしたことを通じて技術の向上とか人材育成ができていたのかなど、そういった労働実態についての検証がされるべきではないかと思います。  3点目は、施設の提供するサービスの内容についての検証です。例えば意思の表出が困難な重度障害者が狙われたと聞いているのですけれども、こうした人たちの意思決定や意思疎通、コミュニケーションの支援というものがどれぐらいなされたかということに関心を持っています。そういった人でも意思を読み取れる職員がいて、読み取られることによってその人は意思を持った、人格を持った個人なのだと周囲に認識されると思います。そうした支援がされていなかったがために容疑者のような「生きていてもしかたない」という認識に至ったのかもしれないわけですし、意思疎通の支援がどれぐらいされているかなどの検証が必要ではないかと思います。  職員に対する研修ですが、第2回検討チームで一定されてはいるのですけれども、先ほど言った意思疎通の支援に関する研修がされていたかどうかということが検証されているかどうかが中間取りまとめを読んでもよくわからないので、これは検証が必要ではないかと思います。  そして、警察官通報を初めとする警察の対応について、この検証ももう少し、特に捜査方法や施設への情報提供、警職法判断や精神保健福祉法に基づく通報、こういったことが妥当であったかどうかといったことを検証しなければならないのではないかと思います。  続いて、2点目のほうですけれども、中間取りまとめで問題に思った点です。  主に今回の件は、検証が措置入院の入院や解除、施設の防犯といったところに重きが置かれているわけなのですけれども、しかし、これは余りにも精神保健医療福祉の検証・検討に偏重した枠組みではないかと思います。特に措置入院になったということは精神障害者という要件を満たして措置入院になるわけですので、容疑者に何らかの精神障害があったのだということは、それはそのようになるだろうと思うのですけれども、その疾病や障害と事件時の行為の因果関係に関する検証というものがされていないのです。これは刑事事件における精神鑑定を根拠に置かなければならないので、精神鑑定を待ってからでなかったら、本来これは検証できないのではないかと思います。  だけれども、再発防止策という形で措置入院解除後のフォローアップに対する関心が非常に高い。そのような中間取りまとめのつくりになっておりますので、精神障害による行為を抑止するための措置入院という形でなければ筋が通らなくなるので、そうなると容疑者の犯行時の障害の状態と行為との因果関係の検証、証明が必要になると考えます。しかし、この中間取りまとめは検証、証明がされておらず、容疑者に精神障害があったという事実をもって措置入院に対する関心が書かれてしまっている点で問題があると思います。  今までもこういった精神保健上の問題という形で社会的に取り扱われた事件は、往々にして責任能力ありというふうにされる傾向にあります。本件もやはりそうした可能性があるので、そこは慎重に検討されなければならないのではないかと考えます。  あと、警察官通報に関して、警職法の通報なのですけれども、どうしてもこれを法律の手続にのっとってやったら問題がないというのは、法律の手続にのっとっているから法律上問題ないことにはなるのですけれども、警察官がどのような必要性を判断して警察官通報にしたのかとか、警察官側が必要とした根拠について、それが妥当であるか、妥当ではないのかといったことの検証も必要ではないかと思います。こういったことをしなければ、広く恣意性というのは許容されていきます。法律の手続に従ってなされた手続は妥当であったものとして処理されるきらいがありますけれども、そこについてはもう一歩踏み込んで検証が必要ではないかと思います。  それから、神奈川県警の方で具体的に結束バンドで職員を縛るだとか、外部との連絡を取れなくするとか、抹殺したあとは自首するとか、そういったことを書いた衆議院議長宛ての容疑者が作成した手紙があるのですけれども、これを施設側、かながわ共同会に神奈川県警が見せていなかったということが報道されたり、議会で質疑されていたりしています。神奈川県警は、事件の発生予防という観点から、逆に危機感を失わせる結果になるのではないかということで、事態の危険性を正確に理解していただけるようにその内容を口頭で説明したのだと、だから手紙そのものを示すことは必ずしも適切ではないのだということで、見せなかったと報道されています。  ですが、明らかに犯行の方法などを事細かに書かれているわけなので、この神奈川県警の見立てというものが果たして本当に妥当だったのか、否、妥当ではなかったから実際に事件が起きて、施設側は対応できなかったわけですから、この点に関しては踏み込んだ評価が必要であろうと思います���そうでなければ現場の職員は、手紙を見せられずに情報共有がないまま防犯対策の責任だけを負わされることになるので、施設側の努力だけに解決の糸口を求めていくと、そういう解決策の筋書きになってしまいます。警察官のそのときの手紙を見せないという判断が妥当であったかどうかということを検証しなければならないのではないかと思います。  3点目ですけれども、これは実際に再発防止策という形で期待を寄せられている継続支援チームと多機能垂直型統合診療所についての私たちが思っていることについてです。  まず、兵庫県で実際に実施されている継続支援チームについては、兵庫の精神障害者の団体と協力して独自に調査した結果、次のような事実がわかってきました。精神科救急の輪番を組んでいて、その日当番だった病院が、あまり評判がよくない病院で、そこにたまたま救急で入院した。入院して、その後、継続支援の対象になって、通院自体をかなり厳密に管理されてしまって、逆にしんどいということで体調を崩した人がいるということと、それから、かなり他害防止のための監視という部分が強いので、そのあたりで監視されているということで体調を崩して入院を繰り返したりとか、そういった人がいるので、実際の面でも慎重に考えられなければならないと思います。  多機能垂直型統合診療所に関しては、これもやはり福祉のマターに対して精神科医が非常に入りやすくなってしまうということと、その大きな権限を持って精神障害者の地域生活に常に医師の目がつきまとってしまうことで窮屈なものになるのではないかと懸念します。  4点目は、措置入院見直しについてとか、犯罪防止機能の強化といったことに対して一般論なのですけれども、措置入院解除の検証というものは非常に力点が置かれているのですが、再発防止策として措置入院解除後の過度に管理的な干渉がなされるのではないかと私たちは危惧しています。そういう意味では、こうしたやり方には反対しています。地域の精神障害者は、報道でそういう事件があって、精神障害の犯行というふうに報道されたことによって体調を崩す者がいますし、検討チームの報道を耳にして、自分も措置入院にされてしまうのではないかと、そうやっておびえている人もいます。ですので、その部分については慎重に進められるようにお願いしたいと思っています。  精神保健医療福祉の問題という形で総括されてしまうことによって、結果として私たち精神障害者の実際の生活が規制されていく法制度になり得る状況にあるので、精神保健医療福祉を犯罪の防止のための策にすることに対しては、強く反対します。  ありがとうございます。 ○山本座長 どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会から御発言をお願いいたします。 ○小幡参考人 本日はヒアリングの機会をいただきまして、ありがとうございます。本来ですと、理事長の本條が発言するところなのですが、別件の会議が重なっておりますので、私、小幡のほうからかわって発言させていただきます。  私どもの団体は、精神障害者の家族会を中心とした団体・組織になっております。私たちとしては、今回の再発防止策の検討は必要なことだとは思っておりますけれども、今回の中間まとめ、また、この間の報道や、各団体さんからもるる発言いただいているところですけれども、このことが精神科医療全般の措置入院やそういったところに偏重しがちなところについては危惧を持っております。そういった意味では、予防拘禁的な機能や犯罪予防というような部分がしっかり押さえられるのであれば、別途対策も必要かと思っているところです。ただし、今回の再発防止策の中では、これに関するところがかなりまとめられておりますので、危惧されるところも含めて当会として意見を述べていきたいと思っております。  容疑者の特異な考え方というのは、精神の症状から発生するとは私たちは考えておりません。そういったことで治療で治るものではないとすれば、この入院措置、いろいろな対応というのは一時的な対応手段でしかなくて、本来の解決というところの糸口をともすると見失ってしまうようなことになりはしないかと思っています。  既に国のほうでは、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会というものが設置されておりまして、当会からも構成員に入っておりますけれども、そちらのほうで保護入院等の非自発的入院と措置入院というのは本来連動するものと思いますので、関連があるのであれば、そこの部分をしっかりそちらの検討会のほうにも盛りつけていけるような方策が必要ではないかと思っております。  それから、今回の防犯対策としての救命というところを本当に区別していかないと、元職員の犯行であるとなれば、幾ら防犯策をとっても内部的なところからの観点というのは網羅されていないところがありますので、盲点として残ってしまうのではないかと思います。退院後のフォローアップにつきましても、精神疾患の患者さんということであれば、いろいろな方策がもちろんとられるわけですけれども、入院中からの退院支援に向けての取り組み、ここに支援者の参加を、専門員などを含めてですけれども、必須としていただきたい。  それから、地域の訪問支援の拠点というものに圏域をどう定めるかということはあると思いますけれども、小回りのきく小規模な拠点、区域にして、ここにも多職種、いろいろな目が入るようなチーム編成を築いていただきたいと思っております。  地域生活に移った後は、治療の中断、今回はそれに当たるところもあるかとは思うのですけれども、ここにどうアクセスしていくのか。また、家族とは今回、容疑者の方は一緒に暮らされていなかったところもありますが、そういった背景がどこから生まれているのか。精神の特性等にもし起因するところがあるとすれば、医療中断がないように、また急性期に陥らないようにしていくというところは、本人のみの対応ではなくて、本人を取り巻く家族やそういったところに関する医療へのアクセスの方法についてもつぶさに見ていかないといけないのではないか。そういったところでは、診療報酬との兼ね合い等も出てくるのではないかと思っております。  また、今回、容疑者の友人等もいろいろ変調を感じ取っていたりというようなこともあったようですけれども、そういった意味では相談をする窓口をきめ細かに、また、どんなものもたらい回しにせず、ワンステップでそのことを受けとめ、関係機関等につながっていくというようなサービス体制も整えていくことが求められているかと思っています。  また、いろいろな事件が起きたときに対応するには、国や行政等のかかわりももちろん必要でしょうけれども、当事者や家族会等が、なぜそういったこと至ってしまったのかというところで独自に情報を入手し、介入していけるようなシステムを自治体等の後押しをもってできていくということがあるといいのではないかと思っています。  それから、今回、容疑者が緊急措置入院になったときの状況は余り詳しくわからない部分があると思うのですけれども、措置入院になったときの身体拘束等が広がってきているというような背景を見たときに、例えば一般的な緊急措置入院になった場合と、今回の容疑者が措置入院になったときの受け入れや治療方針を立てるときの差異というのは逆になかったのかどうか。特異な事件としては扱われるのだけれども、ほかの状況と比べたときにどうだったのかというところは私たちも情報を得られないところがありますので、そういう観点から検証するのであれば、他の類似事件等も含めて比較対照が必要だと思いますし、現在、事件とは直接関係のない状況であっても、措置入院や緊急措置入院、また保護入院の実態というものもたださないと、明確な対策はとれないのではないかと思っております。  いずれにしましても、精神疾患、精神医療のところに偏重しない検証というものを進めていただきたいですし、今回の事件は防犯をしても内部から起こさせてしまえば、それは対応のしようがないという部分もありますので、こういった点については、より掘り下げて検証いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○山本座長 どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、公益社団法人日本精神科病院協会から御発言をお願いいたします。 ○松田構成員 資料7です。私、構成員ですけれども、たまたま日本精神科病院協会の役員ですので、その立場で今、お話しさせていただきます。  声明を日精協で出しました。その中で、終わりのほうですが、今回の事件でさまざまな立場から多くの意見表明や議論がなされていますが、日常的に措置入院患者を受け入れている日本精神科病院協会としては、今後二度とこのような悲惨な事件が生じないように、十分に人権擁護に配慮した措置解除後のフォローアップ体制の充実を含め、制度の見直しが早急に必要であると考えます。そして、今回の事件が地域移行の流れを阻害し、精神障害者への偏見を助長することのないように、そして、精神障害者と地域がともに安心かつ安全な生活を実現するために、各団体の団結が望まれますということです。  次のところには、今度、私どもの会長の意見が書かれています。その最後の方で、途中は飛ばしますが、再発防止を目的に治療・改善を行うための保安処分の検討や、医療監察法の対象者を治療可能な精神障害者のみに限定してよいのか。本来は司法モデルであるべき案件を安易に医療モデルとすることで、精神科病院に責任を押しつけてはいないかといった根本的な検討が求められているような気がしてならない。病院はあくまでも治療の場です。それを司法の考えを導入するというのはなかなか難しい。今回の事件に関しても、司法の側の検討をぜひお願いしたいと思っています。  以上です。 ○山本座長  どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、公益社団法人日本精神保健福祉士協会から御発言をお願いいたします。 ○田村参考人  公益社団法人日本精神保健福祉士協会副会長の田村と申します。よろしくお願いいたします。  資料8に従いまして、私どもの協会の意見を述べさせていただきます。  また、その前に、今回の事件におきまして被害に遭われた全ての方々に対して、慰めがありますようにお祈りしたいと思います。また、この検討会におきまして、先生方が熱心に御議論くださっていることと、本日こういう機会を頂戴いたしましたことに感謝申し上げます。  それでは、資料8に従いまして述べさせていただきます。  私どもの団体は、精神障害者の社会的復権と福祉の向上ということに取り組んでおります専門職の団体であります。  まず1点目、幅広い見地から事件を検証し、再発防止策を検討すべきです。事件発生後の早い段階でこの検討チームが設定されたこと、そして、措置入院制度の見直しが規定のことかのように議論が進んでいることに、本日も幾つかの団体の方が御意見をおっしゃっていますけれども、私どもも違和感、そして危機感を強く覚えております。こうした類似の事件の再犯防止のために最も重要なことは、生きるに値する命とそうでない命といったものを選別するような差別思想、これといかに私たちが闘うかということの検討が必要だと思います。その意味では、政府としてもその方策を議論する必要があると考えます。  また、そのためにも、今回の事件の刑事司法における対応の検証と課題抽出が欠かせないと考えます。  2点目です。本協会としましては、精神科医療や措置入院制度のあり方及び退院後の継続的な支援のあり方を今回の事件の再発防止策として論ずることに反対いたします。これも他の方々も述べられていますが、被疑者の措置入院歴あるいは精神障害ということと、今回の事件との因果関係は明らかになっていないと思います。そういう中で、措置入院制度の見直しを検討することは、あたかも犯罪の再発防止の機能を精神科医療が担うということを肯定しているように映ってしまいます。精神科医療の守備範囲というのは、あくまでも精神疾患のある人への適切な医療の提供であります。その一端を担う措置入院制度におきましても、極端な差別思想に基づく行動をとる方、そういった方を取り締まるような治安機能はあり得ないと考えます。  また、私どもソーシャルワーカーである精神保健福祉士は、基本的に御本人中心の支援を行う立場にありますので、社会防衛のために私たちの支援が機能するということは直接的にはあり得ません。  3点目です。改めてノーマライゼーションやインクルーシブな社会の実現に向けた取り組みを推進すべきです。日本における障害者入所施設の入居者の方あるいはその御家族は、本当に幸せな日々を送っていらっしゃるのでしょうか。今回亡くなられた方々のお名前も公表されなかったということ一つとっても、その人生がどのようなものだったのかということを想像させられます。たとえ障害を持って生まれてこられたとしても、地域社会から排除されることなく幸せな人生を���れるような社会づくりが本当に必要だと思います。そのためにも、財源を伴った社会保障の充実は欠かせません。国としては、生存権の保障ということを貫く姿勢を今こそ見せていただきたいと考えます。  また、改めまして、福祉専門職や研究・教育者が差別思想というものに対峙できるような共生思想を再構築し、広く啓発することも重要な使命であると考えております。  4点目です。福祉人材の確保と育成方法について見直すべきです。今回の事件と障害者施設が置かれている状況やそこに従事する福祉労働者の実情等を切り離して考えることはできません。福祉人材を養成する教育現場においては、人権教育を一層充実させること、また、一定の資質を備えた人材を雇用できるだけの待遇を確保すること、そして、福祉現場での教育研修体制を充実させること、これらが一体的に図られる必要があると考えます。  5点目です。私どもソーシャルワーカーとして、本事件の被疑者をもしも私たちの支援対象であるクライエントと捉える場合に、その時間と費用の保障ということが必要であると考えます。もし本事件の被疑者に精神保健福祉士として支援介入するとしたら、もちろんこれは医療の対象とは限らず、福祉的な支援の対象ということを多く含んでおりますが、長時間をかけて援助関係を形成するということ、そして、この方が持っている心の闇に入り込みながら詳細なアセスメントを行うということ、その上で御本人の不満や不充足感といったものがどういったところから起こってきているのか、その根源を探ること。そして、この方がどういう生き方をしていきたいと考えているのか。そういった生き方探しに伴奏するようなソーシャルワークの関わりが必要となります。  こういった支援を丁寧に行うことを考えますと、仮に例えば今回のように措置入院でしたけれども、そういった短期間に限定される、そして強制的な治療の場においては、この関係形成においた支援は不可能と思います。また、これをもし成し得ようとしましたならば、制度的、経済的な裏づけなしには行うことは困難と考えます。  以上の5点を総括させていただいた上で、措置入院制度のあり方ということに関しましては、特に措置解除の判断やその後の通院など強制医療提供の部分に特化して議論が矮小化してはならないと思います。警察官通報のあり方、措置診察件数の都道府県格差を初めとした措置入院に至る過程の検証も含め、現在厚労省に設置されております、これからの精神保健福祉医療のあり方に関する検討会、こちらで精神保健福祉法の改正の検討がなされているところですので、そちらにおいて議論すべき事項であると考えております。  このため、私どもの協会としましては、そちらの方へ措置入院制度のあり方に関する具体的な意見提出をしたいと考えていることを申し添えて、本日の意見とさせていただきます。  なお、添付は私どもの協会で2度にわたって、今回の事件とそのことについての報道等に関しまして見解を出させていただいておりますので、御参照いただければ幸いです。  以上です。 ○山本座長  どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、日本多機能型精神科診療所研究会代表世話人、窪田彰氏から御発言をお願いいたします。 ○窪田参考人  今日は発言の機会をいただき、ありがとうございます。  今回の事件で亡くなられた方々の御冥福をお祈りしたいと思います。  さて、私は、今回の事件の本人が措置入院として適切であったかどうかについては、詳しく知るものはでありません。ただ、今回のことで気づかされた措置入院後の地域支援体制の乏しさ等について意見を述べさせていただきたいと思います。  医療保護入院では、退院後にケア会議が位置づけられている一方で、措置入院においては退院後の支援を検討するケア会議すら求められていないのが現状です。  私は、精神科診療所を開業している精神科医師で、日本多機能型精神科診療所研究会の代表世話人をしております。日本の精神科医療は、入院ばかりに頼らない地域ケアがなかなか実現できていないことが問題だと思っています。そのためには、重い課題を持つ患者さんを地域で支援できる包括的精神科外来医療チームを生み出していかなければならないと考えています。この考えに至った道筋と今後の方向性について述べさせていただきます。  それでは、1枚目のスライドに移ります。  東京の下町は、精神科病床が極端に少ない地域で、1978年に日本で最初の精神科救急病棟がこの錦糸町の都立墨東病院に生まれました。このときに私は着任しています。都立墨東病院の30床の入院病床は、日本一の短期入院期間を誇っていましたが、当時は退院後の治療継続支援もリハビリテーション支援もなく、日が経つにしたがって、再発再入院患者さんが増えてきたのです。このような経緯から、退院後の再発再入院を少なくするためには医療の継続支援が必要であり、同時に、地域に当事者たちの心の拠り所になる拠点も必要だと考えました。  そこで、周囲から寄附を集めて、当事者たちが自由に利用できる「友の家」と名づけた部屋を墨東病院の近くの町の中につくりました。その後、それらを支援し、継続的な医療を提供するために、1986年に錦糸町に精神科診療所を開業しました。墨田区等の行政や地域の医療・福祉機関との連携を構築し、必要な地域資源を立ち上げるなど、様々な活動をしているうちに30年の歳月がたちました。必要に応じて必要なサービスを提供できる体制を整えていくことによって、気がついてみると、まだ不十分ながらも重い課題を持った患者さんのための地域ケア体制ができてきました。  2枚目のスライドに移ります。  入院ばかりに頼らない地域での生活を支援していくためには、まず、重い課題を持った患者さんを外来で支援できなくては始まりません。重い課題を持った患者さんとは、この表のように例示できます。措置入院後とか、長期入院後とか、刑務所出所後とか、そういった課題を持った方たちがおられます。また、重い課題を持った患者とは、この表のほかにも、急性期の激しい病状を示す患者さんも短期的には含まれます。正直に言えば、重い課題を持った方たちを当院で診なくてはいけないとの制度はありませんから、本音のところではつらいなと時には思うこともあります。しかし、重い課題を持った方こそ手厚い支援が必要であるにもかかわらず、そのような患者さんを積極的に診療する医療機関は非常に限られており、当院では何とか診てまいりました。  今後は、市町村からの委託事業等により、何らかの責任と公的役割を認められたほうが、覚悟して実施ができるように思っています。  次のスライド、3番目に行きます。  当院の通院患者さんの特徴をグラフでお示しします。左側の円グラフのように、当院は統合失調症の患者さんが半分近くを占めています。鬱病や神経症圏の患者さんが多い一般的な精神科診療所と比較すると、当院は比較的重い患者さんが多いことが特徴です。  右側の円グラフは、当院でのフォローアップ期間を示しています。当院では、10年以上治療継続している方が40%以上を占めており、多くの方に長期の継続支援をしていることがお分かりいただけると思います。さらに、スライドには示しておりませんが、最近のある水曜日を急遽調べたところ、その日の私の外来患者さん69名中、措置入院経験者が6名、医療監察法通院処遇中の患者さんが2名、刑務所経験者が3名、拘置所経験者1名、計12名が重い課題を持った患者さんでした。刑務所経験者3名のうち2人は違法薬物の使用経験があります。この方たちは、外来通院につながっているという意味で成功例です。問題は、通院治療中に中断し、再三の電話連絡をしても応じない、つまりは継続支援からドロップアウトしてしまう方たちが問題としてあると思います。  4番目のスライドに移ります。  これは現在の当院の実践を図にしたものです。赤い字の箇所は診療報酬外のサービスで、ボランティアになっています。当院の特徴は、外来で医師の診察に加えて精神保健福祉士などのコメディカル職員も個別面接や家族支援を行い、ケースマネジャーとしての調整役を担っていることです。このことが毎日夕刻に開かれている院内ミーティングでのアセスメント等の検討時にチーム医療の重要な要の役割を果たしています。  精神科デイケアは、リハビリテーションへの入り口の役割とともに、人間関係が苦手な患者さんが安心できる環境で仲間に出会える場の役割があります。訪問看護や訪問診療、往診といったアウトリーチ支援を行うことによって、外来で通ってくるのが難しい方への医療継続支援等、ある程度の危機対応が可能になります。また、患者さんが実際に生活する場を見ることで、より本人のニーズに即した包括的な支援を行えることも、アウトリーチ支援の利点です。このようなアウトリーチ支援を当院は1カ月間に合計400件ほど行っています。ケア会議は、行政や入院中の精神科病院の職員との協議を行う大切な場ですが、ほとんどの活動は持ち出しで、報酬はありません。  5番目のスライドに移ります。  この図は、錦糸町の地域精神保健マップです。地域全体で精神障害のある人々を支えるために、顔の見える連携を構築しようと考えています。このようにサービス拠点が地域に点在して町に溶け込んでいる、町に散らばっているところがうちの特徴です。住みなれた地域でサービスを受けられることが特徴です。区役所やスカイツリーで患者さんがデイケア等でつくった作品を販売するなど、さまざまな活動を通して地域住民の精神障害者への理解も促進されてきたと感じています。このような地域に根差した活動や支援の提供を通じた地域共生社会の実現が、私たちの目指しているところです。  次に、6番目のスライドに移ります。  医療機関では提供困難なサービスについて考えてみます。当院では、このように創意工夫をして実践してきましたが、それでも力の及ばないことがあります。以下にあるような方々には支援が大変に困難なものです。  第1には、引きこもり等で初診すら困難で、もしくは受診拒否の方への治療導入。  2番目には、重い課題を持った患者さんが受診を中断・拒否している場合です。私たちは、患者さんの自己決定権を尊重しつつも、患者さん及び周囲の人々の生命、健康、生活を守るための支援をしていきたいと考えていますが、現実には難しい問題が多いのです。治療契約が成立しない患者に対しては、たとえアウトリーチ支援が可能な体制があっても、強制的な治療提供はできず、手を出せないのが現状です。できれば措置入院などの強制力を発動するために、入院にならないうちに地域で見守りを続けて孤立を防ぎ、根気よく働きかけることにより関係性を構築し、本人が納得した上で外来治療への導入もしくは再開することが望ましいと思っています。そのためには、公的な事業委託のような診療報酬とは違った仕組みで当事者を見守り、関わっていける枠組みが必要と考えています。  さらに第3には、薬物依存症等の濃厚なケースマネジメントを必要としている場合でもケースマネジャーが実施するサービスは現状では診療報酬の対象外であります。これらの課題は市町村から医療機関への業務委託が制度化されれば、地域への責任が生まれ、公的役割を果たすことができます。  7番目のスライドに移ります。  ここで、通常の医療機関では対応困難な方たちの医療継続支援の提供方法について提案したいと思います。  市町村からの医療継続支援については、2つの方法があると思っています。一つは、この図の右側の部分で、市町村が直接支援として保健師等の力で支援する現状のスタイルです。もう一つは、図の左側の部分、民間医療機関に業務委託をする案です。市町村の役割と責任の一部を実際に外来診療を行っている医療機関に業務委託することにより、民間医療機関でも市町村の保健師等と協力しながら一定の役割と責任を果たすことを可能にするのです。つまり、通常の診療では対応困難な患者にも、温かな見守りによる孤立防止や十分な時間をかけた関係づくりや必要時の危機介入ができるようにするのです。仮にこのような医療拠点を意欲のある外来医療機関、つまり、全体の精神科外来の約10%が引き受けてくれれば、全国に500から600カ所ができると思います。  すなわち人口10万から20万に対し1カ所程度ができてくれれば、継続的な医療支援が機能しやすくなると思います。例えば措置患者さんの退院前にケア会議を開き、その後の支援を行う場合を考えてみます。東京都は、人口当たりの措置入院が最も多い自治体の一つですが、例えば人口26万人の私がいる墨田区では、年間では二十数人が措置入院しています。月に直して言えば月に2人程度ですから、1つの機関で十分対応可能と考えられます。そして、このシステムの透明性を確保するためには、各都道府県単位の精神保健センターがモニタリング機能を担うようにすれば良いと考えています。  8番目のスライドに移ります。  次に、個人の生活・価値観を尊重した医療継続支援を実現するための条件について触れたいと思い��す。  第1には、医療機関が適切なアセスメント、ケースマネジメント、24時間365日のミクロ救急等を実施することです。手厚い支援が必要な人には、さまざまな医療資源や福祉資源を活用し、多機関との連携を密に行うことが必要となってきますので、それらのサービスの連携、構築のためのケースマネジメントが支援の鍵になります。そして、病状や生活状況が改善したときには、定期的アセスメントにより、逆にサービスを減らしていくということも必要になってきます。  第2には、外来医療の充実です。入院医療中心から地域中心へという国の方向性が明確に示されていますが、残念ながら、外来医療の診療報酬は従来と変わらず手薄なままです。デイケア、アウトリーチ、多職種によるケア等の外来医療全般の質の底上げが必要だと思います。  3番目はスライドのとおりです。  第4には、自治体の実情に応じて、民間医療機関への業務委託をすることにより、官民協働で包括的地域ケアを提供することです。これにより、地域共生社会の実現を果たしていけると考えています。  最後の9番目のスライドになります。  このように、市町村単位で民間医療機関への業務委託による官民協働の体制が実現すれば、カナダやイギリスやイタリア等の先進諸国と同様に、日本にも地域に責任を持ち、重い課題のある患者さんにも対応可能な精神科外来医療拠点が生まれます。ここに多機能で包括的な精神科外来医療チームを形成して、人口10万から20万人に1カ所の地域精神保健センターを日本にも創設する必要があるのではないかと考えています。  以上です。 ○山本座長  どうもありがとうございました。  それでは、田原課長、よろしくお願いします。 ○厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長  事務局でございます。  追加資料を今、配付させていただきたいと思います。全国手をつなぐ育成会連合会から冊子が届きましたので、お手元にお配りいたします。  以上でございます。 ○山本座長  どうもありがとうございました。  それでは、そのほか本日御発言いただいた方々から、もし追加の御発言があれば承りたいと思うのですが、いかがでしょうか。  どうぞ。 ○日野参考人  身体障害者施設協議会でございます。  他の団体の方とは、施設という視点から若干違う意見を申し上げたいと思うのですが、今回の事件について、協議会としていろいろな意見が出たのですが、侵入防止という観点から考察しますと、まず第1は、敷地内への侵入防止策をいかに図るかということと、2つ目は、建物内、要するに利用者の方が生活をされている居住空間への侵入防止策をいかに図っていくかということと、3つ目が、今回の事件のように建物内に侵入された場合にどう対応していくかという、この3つの視点から、私たちの協議会は具体的にこれから取り組んでいかなくてはいけない重要な課題だと思っています。  もう一つは、今回の事件が元職員であったということは、やはり重視しなくてはいけないということで、特異なケースではあるにしても、今、職場環境改善ということも先ほど申し上げましたけれども、職員のメンタルヘルスケアというものをしっかり取り組むことが、職員の資質の向上にもつながると思っていますので、その部分だけ追加をさせていただきました。 ○山本座長  ありがとうございます。  他はいかがでしょうか。  どうぞ。 ○久保参考人  今、お手元に配っていただきました9月号の「手をつなぐ」という冊子ですけれども、私ども、先ほどのお話の中でも意見を言わせていただいたのですが、知的障害の方だけではなく、精神障害の方や身体障害の方からもお声をたくさんいただいておりまして、助けてほしいというような意見とか、今の報道されていることが障害のある人たちや家族から見るとマイナスのイメージばかりになってしまっているというのがあるのです。それで私たちは、もっと前向きに、みんなと家族や仲間と本当に明るく前向きに元気に生きている、こういう人たちのことを、障害のある人たちのところに余り関心を持っていない方も含めて、この人たちの命がなくていいものでしょうかというので発信をしたいなと思って、9月号を出させていただきました。  みんなマイナスイメージで、怖がって助けてほしいという声が聞こえてきますので、前向きに生活をしていけるような、そんな活動の一つとしてこの9月号をやらせていただいていますので、報道関係にはそういうところに御注意いただきたいという気持ちもありまして、今日提供させていただきました。よろしくお願いします。 ○山本座長  ありがとうございました。  その他いかがでございますか。よろしいでしょうか。  それでは、本日御発言いただきました各団体の方々、本当にどうもありがとうございました。御礼申し上げます。  それでは、各団体からのこれまでの御発言を踏まえまして、御質問、御意見があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。  田中構成員、どうぞ。 ○田中構成員  育成会連合会としても2つ要望させていただいておりますけれども、1つは、本人の精神鑑定がどのような進捗状況になっているのかということと、この会をどのように進めていくのかということについて、今日意見提出をしていただいた団体からも、そこを踏まえての検討が必要ではないかとされておりましたので、神奈川県での検証委員会の動きと、精神鑑定についての見通しはどのようになっているのかについて、お答えいただける方がいればお願いしたいと思います。 ○山本座長  ありがとうございます。  今の点に関しましては、神奈川県のほうはいかがですか。 ○神奈川県保健福祉局長  神奈川県の保健福祉局長の佐久間です。  今日は大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。  私どもでやっております、先ほど団体の方からも検証委員会のお話を具体的に出していただきましたけれども、厚労省のチームと余りほどなく設置をさせていただいて、主に事実関係をどう認定していくかということと、それに対してどういう課題があったのか、課題に対する対応はどうすべきかと、こういった視点で検証をやらせていただいております。  もちろん第三者による検証委員会でございますので、私ども事務局がいつ出るとはなかなか言いにくいのですが、今の見通しですと、最終的なある程度のまとまりある報告、レポートというのは11月中にいただけるのではないかと受けとめてございます。  以上でございます。 ○山本座長  ありがとうございました。  田中構成員、よろしいですか。 ○田中構成員  であるとして、この会がいつ結論を得るのかということと、幾つかの団体や私たちから要望した精神鑑定も含めて検証につなげるということについて、事務局としての見通しについてもお聞きしたいと思います。 ○山本座長  事務局、よろしいですか。 ○厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長  精神鑑定の方の見通しは、まだ我々も十分承知はしておりませんが、この検証チームの再発防止策については、秋頃にまとめるということで申し上げておりました。大体11月中を念頭に置いていたものでございますので、神奈川県の検証の状況なども念頭に置きながら、この場でのいろいろな意見集約を見て、再発防止策がまとめられるように進めていきたいと考えております。 ○山本座長  ありがとうございました。  田中構成員、どうぞ。 ○田中構成員  団体からの意見としても強く上がっておりましたし、私も構成員としては2つの結論を待ってから検証報告を出したほうが、いろいろ指摘されたことに対してもバランスよく答えていくことになるのではないかと思いますので、11月ごろに報告書を出すという見通しを立てた時期とかなり情報が変わってきておりますので、もう一度そこは再考していただきたいと意見としては述べさせていただきます。 ○山本座長  この点につきましては、今の御意見をいただきまして、ちょっと検討させていただきたいと思います。  他はいかがでしょうか。もう田中構成員はよろしいですか。 ○田中構成員  今の件1つです。 ○山本座長  他はいかがでしょうか。  平田構成員、どうぞ。 ○平田構成員  今の精神鑑定との関わりについては、何回目かの会議で私も指摘したと思うのです。やはり鑑定の結果といいますか、被疑者の病理と事件との関係が解明されなければ、結論を急ぐべきではないという話をしたつもりなのです。ただ、それが確定するのを待つということになると、最高裁まで行ってしまう可能性がありまして、いつなのか見通しがつかないという事情もありますので、制度的な問題に限ってこの検証委員会で取りまとめるということはあってもよいかなと私は考えているのです。  ただし、鑑定結果が出たところで、もう一度そこに焦点を絞った検討会は再開すべきではないかと、ここで述べさせていただきたいと思います。 ○山本座長  ありがとうございます。  その点について、松田構成員、いかがですか。 ○松田構成員  全く同じ意見です。 ○山本座長  ありがとうございます。  村上先生、どうぞ。 ○村上構成員  確かに精神鑑定の結果を待って、それからというのが一つの正論ではあるのですが、私はちょっと違った観点でお話をさせていただきたいと思います。  医療監察法ができました池田小学校事件の場合にも、要するに彼がこれまで医療を受けてきた経過を検討されて、そして、医療監察法という制度がスタートいたしました。制度が発足したときには随分反対意見も多かったと思います。ですが、ああいう不幸な事件をきっかけとして、医療としては、松田先生は司法モデルとおっしゃいましたが、あれは司法モデルを取り入れてはいるけれども、病院そのものは医療モデルで動いております。そういう意味での展開を考えてみますと、今回の措置入院という状況の中で、措置入院個々に関して、そのときに医師がどのように判断をしたのかに関しては、実際に診てきていただいた先生も含め、我々もいろいろ書類を読ませていただいた関係も含めた上で検討をさせていただきました。  ですから、確かに精神鑑定というのは、とどのつまり最後の結論はこれでしたという正解みたいなものがあるのだけれども、我々は全て正解を知った後に判断をしているわけではない。日常臨床というのは、そのときその場で状況を含めて判断をしております。その上で我々が陥りやすい落とし穴があったり、我々が用心しなければいけないことだったり、我々が準備しなければいけないということは、現時点でもしっかり論議はできるし、提案はできると思っております。  何度も申しますが、池田小学校のときの事件に関しては、岡江先生が、亡くなられる直前ですけれども、鑑定書を公にされました。お読みになった方もおられると思います。その鑑定書の中は、最終的には情性欠如の精神病質、パーソナリティー・ディスオーダーという判断なのですけれども、読み方によれば、もっといろいろな議論ができそうなものでした。  あれは一審でほぼ確定して、控訴したものもすぐ取り下げましたから一審で確定して刑が執行されましたけれども、不幸な事件を契機にして、でき上がった制度というのは必ずしも間違いではなかったと私は思っております。 ○山本座長  ありがとうございます。  今の点について、いかがですか。  座長でございますが、私も中間取りまとめの際にも申し上げましたけれども、鑑定の結果が出るまでは相当時間がかかるわけです。しかも、我々は検証におきまして課題を抽出したわけですから、その課題につきまして制度的に再発防止策を出すというのは義務だと思います。そして、これは秋頃までを目処に出すということを公にしておりますので、そういうことで再発防止策を出していくという方向で堅持したいと思います。それでよろしいでしょうか。  松田先生。 ○松田構成員  それで全く問題ないです。ただ、先ほどから皆さんの意見の中に、措置入院とかそのあり方を検討しているかのような御発言がありましたが、そういうことは一切ありません。この事案に関してどうなのかということをやっていますので、それに対して今、再発防止をどうしたらいいかということに特化しています。措置入院はこうあるべきだなどという上から目線の議論は一切していないということをお伝えしたいと思います。 ○山本座長  ありがとうございました。  他はいかがでしょうか。  松本先生、どうぞ。 ○松本構成員  私も今回の事件をきっかけにして、質の高い地域精神保健福祉のサービスが実現できればいいなと思っているのですが、その中で、きょう窪田先生に御指摘していただいた、本当にだんだん地域中心の精神科医療になっているのだけれども、診療報酬は本当に入院中心についていて、外来などではやせ細った形で支えている現実がありますし、地域保健の行政サービスのほうも年々人員的には厳しくなってきて、直接住民を支援するというよりは、役所仕事になっていってしまっているという現状があるなと思っています。  その中で、今日は窪田先生の御紹介された内容にちょっと関心を持ったのですけれども、2点ほど質問させていただければと思います。もしわかればということなのですけれども、現状の日本の中で、多機能垂直型のこのサービスをやっている医療機関というのがどのぐらいあるのか。例えば実態として、そういったところが担えるぐらいの潜在的な数があるのかどうかということが1点。  もう一点、私自身は薬物依存症を専門とする精神科医なのですけれども、本当になかなか医療機関が少なくて苦慮しているのですが、例えば行政から一定の委託費があれば診られるのか、あるいは診るだけのソフト面というか、職員のスキルなどは高められる可能性はあるのか。この2点について御意見をいただければと思います。 ○山本座長  ありがとうございます。  では、窪田先生、お願いします。 ○窪田参考人  御質問ありがとうございました。  まず、名前なのですが、今、垂直まで言うと余りにも長いのと、多少の概念の混乱がありますので、多機能型精神科診療所と言っています。それに相当する今回のようなきちんと地域でケアできる体制を持った医療機関がどれだけあるかといいますと、もしこれが制度として発足したときには、診療所レベルでは恐らく50から多くて100ヶ所くらいだと思います。日本中の精神科診療所でデイケアを持っているところは大体多機能になっているのです。それが約450件です。その中で重い患者たちを責任を持って診ると手を挙げる精神科診療所は、恐らく3分の1から4分の1というところだと思います。  これが始まったときには、精神科病院の外来で多機能になっているところは随分全国的にありますので、そこが中心的に担っていただいて、都市部については多機能型の診療所がやるというような現実的な形になると思います。それから、公立病院や総合病院でもそういったことが担える病院は幾つもあるだろうと思いますから、日本の総力を合わせて500~600カ所できてくるのではないかと思っています。  実際の力についてはどうかということを言われると、たしかに能力的にはまだばらつきがあります。少なくともデイケアをやっているところはスタッフが10人以上いますが、当院や幾つかの力をこめて実践しているところは50人を超える職員がいる診療所が増えてきています。全体を見れば、まだ研修も必要ですし、これがもし委託を受けることになれば、責任を持って薬物依存の患者を診療所も診なければいけないし、そのことについての研修もしなければいけないと思っているところです。  ありがとうございました。 ○山本座長  ありがとうございました。  松本先生、よろしいですか。 ○松本構成員  はい。 ○山本座長  他、いかがでございましょうか。  岩崎構成員、どうぞ。 ○岩崎構成員  私、再発防止ということに関連して言えば、先ほど育成会あるいは身障協の会長さんからお話がありましたように、教育の必要性というのは大変大事だと考えておりまして、文科省でもカリキュラム編成の際にそのような努力をしていきたいという前向きな回答をいただいております。  私が知る限りでは、平成の1桁の時代には、福祉の教育モデル校みたいなものがあって、学校教育の中でインクルーシブ社会の創設に向けた検討が行われていたのですけれども、このところは余り聞かれなくなってきた。ということは一般化してきたということで、評価すべきなのかもしれませんけれども、子供たちにとってはそういう機会に接することがなくなったということで、ぜひ団体としても御活躍をお願いしたいと私個人的に思っております。  それから、日野会長から出た中で、防犯対策と防災対策は一体的にしていくべきではないかという御発言をいただきました。私、初めてこういうことを聞いたのですけれども、今回出されました4課長通知の防犯に関する通知と、これまで行われてきた防災対策の中で示唆に富むようなお話があればお伺いしたいと思ったのです。  といいますのは、今回の防犯対策について、ちょっと細か過ぎるのではないかとか、幾つかの批判を各種別からお話しいただいているものですから、もしあれでしたら、身障協としてどんなお考えかも含めて。 ○日野参考人  岩崎構成員のほうからおっしゃったこと、教育の話は本当に重要だろうと思いますので、協議会としても、ライフステージに沿った教育というのが必要なので、教育委員会と社会福祉法人と一体的に取り組むことが必要だろうと思っております。  それから、防犯対策につきましては、示された通知とかでちょっと表現が過度な体制整備をしないようにとお願いしていますけれども、例えばある団体、先日の別のところのヒアリングでおっしゃったのは、防犯カメラを設置するということについては人権の問題、例えば監視をされるとかいうこともあるので控えていただきたいという御意見があったのです。それは身障協としては、外に向けての監視カメラであれば特に問題ないのではないかと思っておりますけれども、やはり一番危惧するのは施錠のところです。施錠の方法もいろいろあるのですが、例えば外から今回の場合はハンマーか何かでガラスを割って、そこから解除して侵入した。そのことであれば、例えば割れにくいようなビニールを窓ガラスに張るとか、そういう方法をとれば、例えばハンマー等でガラスを割るにしたって時間がかかるし、音がしますので、それは職員が気づくと思うのです。その程度であれば問題ないのですが、何カ所も施錠するとかいうことに関しては、先ほど申し上げました防災、万が一災害があったときに避難に時間がかかる。避難経路の確保ということを含めて一体的に検討しなくてはいけないのではないでしょうかということで発言をさせていただいたということです。 ○山本座長  岩崎構成員、よろしいですか。  ほかはいかがでございましょうか。  部長、どうぞ。 ○厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長  ありがとうございます。  防犯と防災ということで、社会から閉じた施設にならないようにというのは、どの委員からも共通して出ている話でございまして、私どものほうも通知の中で、地域と一体となった開かれた社会福祉施設となることと、防犯に係る安全確保がなされた社会福祉施設となることの両立を図るために、日ごろから利用者が地域に出て活動するということ。それから、地域開放など地域の関係者との交流に向けた諸活動について、防犯に係る安全確保に留意しつつ、これまで以上に積極的に取り組むことが重要で、また、利用者の自由を不当に制限したり、災害発生時の避難に支障が出たりすることのないように留意するということを書かせていただいております。  そうはいうものの、また改める必要があるのではないかという御示唆、御提言がありましたら、またお聞かせいただければと思います。 ○山本座長 ありがとうございました。  そのほか、いかがでございましょうか。  どうぞ。 ○松本構成員  先ほどの多機能型クリニックの話の続きなのですけれども、今、なかなか公的機関で地域のサポートをするマンパワーが少ない中で、こういう民間のそういったところに委託するというのは一つのアイデアだなと思う一方で、本日、全国「精神病」者集団の方がプレゼンテーションしてくれた中に、やはり医療の抱え込みみたいな感じになるのではないかという、それも確かに危惧すべきことかなと思っていて、先生のクリニックなどは本当に地域に根差してやっているのですけれども、地域によってはかなり病院で抱え込んでいるなという感じもある。  多分、その解決策の一つとして先生が提案された中で、市区町村などとの人的な交流であるとか、精神保健センターのモニタリングみたいなことを添えられたのかなと思っているのですけれども、どうでしょうか。やはりこれが医療の抱え込みとかになって、それは私もとても危惧すべきことなのかなと思っているのです。 ○窪田参考人  ありがとうございます。  これまでの日本の精神科診療所を考えますと、余りにも非力だった。医者と事務の2人しかいない。これで一体、重い人たちを地域で支えられるのかという、とても無力な状況があったと思います。やっと最近はデイケアができ、訪問ができて、他職種多機能になり一定の力を持てるようになってきたのです。さらに近年では、障害福祉サービスのほうも障害者自立支援法ができてから株式会社も実践する時代ですから、医療機関も包括的ケアや垂直統合型と言うなど、一つの医療チームでしっかり支援する必要があります。重い急性期の状況にある人たちについては、とにかく相当力を込めないと支え切れない。医師が外来で10分間程度面接するだけでよくなるかというと、それだけでは無理です。地域の中で様々な力を統合していく必要があります。しかし、日本の現状はまさに個々ばらばらです。たくさん地域に福祉施設はあるのだけれども、どれもみな別々の法人がやっていて、チームになっていないのです。これが日本が諸外国に遅れをとっている面だと思っています。重い人をサポートするときには、多職種による多機能の連携をチームとしてやっていく必要があります。そのためには、一つの医療法人でチームとしての実践をしっかりやらなければいけないと思っています。  ですから、一定程度の安定を見たら、そこからは福祉レベルに移すことを私は水平連携と言っていますが、力を込めるときには力を込めてやる。そして、一定程度安定したら地域の福祉の人たちにお任せしていくということが必要です。一つの医療法人だけで抱え込まないことは大事だし、開かれた場である必要がありますが最初の急性期のときには力を集中して対処しなければならないわけですから、最初の大変なところは医療チームがしっかりと支えて、そして一定程度よくなったら、より広い範囲の中で見ていくという構造が必要と思います。今までの日本にはこのような医療ケアが無さ過ぎたのではないか思います。 ○山本座長  私からも1点よろしいですか。  これは継続的支援を行う場合、期限とかはどのようにされているのでしょうか。それと、行われていることについて、もし課題を感じていることがあられたら、ちょっと挙げていただければ非常にありがたいのですが。 ○窪田参考人  特に統合失調症の方については、現状で言えば、やはり再発予防が大事ですから、5年、10年と長いお付き合いになるのはやむを得ないと思っています。ただ、かなり力を込めてサポートする、これもかなり個人差がありますね。本当に数週間で急性期を立ち直る人もいれば、引きこもった状況からやっと友達ができて、人の輪の中に入っていけるのに10年かかる人もいますから、何とも期間については一概には言えないと思います。ただ、評価を定期的に行って、不必要な支援は減らしていくという作業がいると思っています。  現状で我々のクリニックで困っているのは、例えば家を探しに不動産屋さんへ行っても、それは診療報酬にならない。仕事を探しにソーシャルワーカーがハローワークに行っても、これもボランティアにしかならない。そろそろ退院だから来てくださいねと、当院のスタッフが精神病院のケア会議に行っても、これも診療報酬にならない。全部持ち出しでボランティアではなかなかやれないのです。そういった生活支援の活動に対して経済的な手当がつく必要があります。  逆に言えば、私の提案の中にある地域精神保健センターをというのは、そこに2人でも3人でも自由に動けるコメディカルがいてくれれば、個々の活動のたびに診療報酬にしばられずに動けます。例えば八王子の病院に地域移行のケア会議が必要な患者がいれば飛んでいくし、地域で困っている人がいれば夜でも飛んでいくことができます。さまざまな応援ができる。そういう自由に動ける人手がいないというのが実は一番困っているところです。 ○山本座長  ありがとうございました。  これは民間委託をするのも一つお考えだということですが、そういう場合でも情報提供の問題とかがあると思うのですが、何かその点についてお考えはございますか。 ○窪田参考人  情報提供というのは、病院との間ですか。 ○山本座長  要するに病院との間です。市町村から。 ○窪田参考人  例えば現在入院中の患者さんで、退院してから当院の外来へつなげる必要があったとき、こちらはその患者さんがもともと当院に通院中の患者さんならば、ケア会議に行くことはオーケーだけれども、今まで当院にかかったことがない人だと、情報提供上の問題が起きてきますね。それが区からの委託を受けて当院が責任を持って退院促進もやってくださいと言われていて、公的な契約関係があれば、情報の共有は可能になるのではないかと思っています。 ○山本座長  その辺はちょっと制度的な検討が必要だと思いますね。ありがとうございます。 ○窪田参考人  そうですね。それから、民間であることのよさは、やはりローコスト・ハイパフォーマンスでできる。アメリカも精神保健センターができたけれども、どんどんNPOに委託になっていると聞き及んでいます。そういう委託の良さがあると思っています。 ○山本座長  大変貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。座長のほうからいろいろすみません。  では、松田先生。 ○松田構成員  窪田先生に引き続き質問で申し訳ないですが、先生のような意思ある人がきちんとやるというのは大事なのだけれども、やはりどこかでポシャっちゃうのではないかという心配があるのです。そこら辺のところは地域力のアップ、地域での治療共同体でもいいし、福祉共同体でもいいし、生活共同体、そういったものを同時に考えていかないといけない。そこら辺の運動とか活動をどうリンクさせるかという問題があるのだけれども、そこら辺はどうお考えですか。 ○窪田参考人  ありがとうございます。  当然そこが中心になれば、その医療機関の周辺の、例えば障害福祉サービスとも水平連携していかなければいけない。ただ、そこが委託を受けて一つのリーダーシップを発揮できれば、周辺の支援機関と一緒にケア会議を開くことが可能になります。今のところ現状で言えば、当方のクリニックはクリニックとしてやっているだけで、言うなれば八百屋さんと何の変わりもないのです。当院が周辺に呼びかけて一緒にケア会議を開こうなどという権限も何もないわけです。でも、そういうことをやれる、少なくとも言い出しっぺになれるような権限を与えてくれると、もうちょっと地域がうまく連携してやれるようになると思っています。 ○山本座長  松田先生、よろしいでしょうか。 ○松田構成員  はい。 ○山本座長  それでは、いかがでございましょうか。  また私からで申しわけないのですけれども、幾つかの団体の方から、警察の取り組みといいますか、警察官行政についての検証ということが指摘されておりますが、これに関しては、警察のほうではこの事件に対する対応として検証とかを行っているのでしょうか。どうぞ。 ○警察庁生活安全局生活安全企画課長  警察庁の生活安全課長でございます。  こちらの考え方としましては、チームに参画して一緒に検討させていただいているという理解でおります。 ○山本座長  特に内部ではされていない。 ○警察庁生活安全局生活安全企画課長  内部というか、もちろんこの検証チームがありますので、それにその都度、上司等に諮って相談申し上げておりますので、そういう意味では検討はしているところでございます。 ○山本座長  わかりました。  神奈川県のほうは、警察についての検証はいかがですか。 ○神奈川県保健福祉局長  神奈川県の検証委員会のほうにも県警本部の生安の総務課長さんに常時御出席いただいて、当然秘密会でやっております関係もあって、さまざまな資料でありますとか、いろいろな状況説明でありますとか、非常に丁寧にやっていただいて、今、そのおかげで非常に検証がはかどっているという面はございます。 ○山本座長  神奈川県では検証がはかどっているわけですね。 ○神奈川県保健福祉局長  おかげさまをもちまして。 ○山本座長  わかりました。  どうぞ。 ○窪田参考人  松田先生からの御質問で、だめなところはどうするのかというお話を思い出しました。委託したけれども、ちゃんとした成果を上げないところについてはどうするかについてです。自分が考えているのは、5年ごとに見直しをすることです。それぞれのところについてちゃんとやれているのか、そういったことを県の精神保健センターがモニタリングする。もしくは各自治体、市町村が委託を5年ごとに再契約をするというような形にすることによって、ちゃんと機能していないところは他に替わってもらうという道があるのではないかと思います。  恐らくこれが制度としてスタートすれば、かなりやる気になるところが出てくるのではないかと私は思います。逆に言えば、一つの地域で2つも3つもやりたいと言ったらどうするのかということがありますから、何年かごとに再契約し直すという制度が必要になってくるのではないかと思っています。 ○山本座長  ありがとうございました。  松田先生、よろしゅうございますか。  村上先生、どうぞ。 ○村上構成員  先ほど山本先生からも出たのですけれども、この間、私もグレーゾーンという表現で、これは警察が扱うべき事案なのか、医療が扱うべき事案なのかという、要するにはっきりとしない領域についてお話を伺いました。私自身、例えば日常臨床の中でも、当院は窪田先生のところと似ているのか、多機能型病院と言っていいぐらい問題な方ばかりがお見えになりまして、ほとんど警察の方がお連れになります。診断もやはり多様です。基本的には、すっきりと統合失調症という方はほぼおられません。多かれ少なかれ事件的なことを起こしておられます。  やはり我々自身も悩むのですね。多分この方を引き受けられた病院も悩まれたと思うのです。悩まれた経過はよくいろいろなところで調べていただいたものを見て、そのように悩んだけれども、やはりこれは受けようと思っておられたということは随分我々自身も共感を持って追跡ができるわけです。ただ、この悩んだ過程に関して我々は共有できない。  日常臨床はそういうことで、お巡りさんが連れてこられるので、お巡りさんとはすごく仲がいいわけですけれども、悩んだときに、この意見の交換がどれぐらいできるかということが、やはりこういう難しい場面に対応するような病院は必ず必要になってくるので、ぜひ警察のほうも、悩んでいただきたいというのはおかしい話ですけれども、悩んでいただいて、そこの悩みの部分は共有していただきたい。その結果において、我々医療が引き受ける場合もあれば、お戻ししてそれは司法といいますか警察の方で対応する場面もあるのだろうと思いますが、その領域があるのだということは、非常に難しい場面をどのようにマネージしていくかにとって非常に重要なポイントになるのだろうと思います。よろしくお願いしたいと思います。 ○山本座長  ありがとうございます。  田中構成員、どうぞ。 ○田中構成員  私も窪田さんにお聞きしたいのですけれども、プレゼンテーション資料の中の6ページの「行政からの業務委託により対応可能に」という文言は、4ページの図全体に対しての提案なのかなと理解しているのです。今日お話しいただいた精神の分野の医療の伴った対応ということになるわけですけれども、ケースマネジャーと相談支援専門員がかかわる分野は、3障害だけではなく発達障害、難病にも広がった状況ですので、業務委託に関してのウエートは、ソーシャルワーク的に動く相談支援専門員を指しているのか、医療的な背景を伴っていることに対して業務委託と御提案なのかということについて御意見をお聞きしたいと思います。 ○山本座長  窪田先生、お願いいたします。 ○窪田参考人  ありがとうございます。  やはりチームとしては一部のソーシャルワーカーだけの業務というわけにいかないと思うのです。包括的なコミュニティーケアという意味では、この医療法人の中の医者もソーシャルワーカーも心理も看護も、それから周辺にある訪問看護ステーションとか、就労移行支援事業所とか、様々なところが一体的に機能していく必要があると思っています。  ただ、一般外来では鬱病や不眠症の人も大勢来ていますから、そちらについては直接かかわらないでしょう。より重層的な多機能な支援が必要な人たちを対象にしたセクションになっていくと思っています。 ○山本座長  よろしいですか。 ○田中構成員  一言だけ。私たちの提案としても、対応が難しい方の特性を理解した見通しを見立てていくということが非常に重要だと思っていますので、この一体的な機能について、窪田さんからの提案を受けて、今後の対策の中で強めていただければということで、今の御意見ですとなかなか分かちがたい部分があるということだったかと思いますけれども、これを参考にして、ぜひ何らかの形になるように検討、報告にも反映していただければと思いますし、政策にも取り込んでいただければと思っての意見表明です。  以上でございます。 ○窪田参考人  ありがとうございます。 ○山本座長  ちょっと話が飛んでしまったのですが、先ほど村上先生から御指摘いただいた点につきまして、警察からいかがでしょうか。 ○警察庁生活安全局生活安全企画課長  村上先生は以前からおっしゃっておられることは認識しておりますので、その趣旨は理解しているつもりではありますけれども、警察側も決して悩んでいないわけではありませんで、以前、ちょっと今数字を思い出せませんけれども、保護した中でも全て23条通報しているわけではないというお話もさせていただいたかと思います。あくまで23条におきましては、精神障害のために自身を傷つけ、または他人に害を及ぼすおそれがある、自傷他害のおそれがあると認められる者を発見したときは直ちにその旨を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に通報しなければならないとございますので、そういう意味では真面目にやらせていただいているところでございますので、また導き等、よろしくお願いしたいと思う次第でございます。 ○山本座長  村上先生、よろしいですか。 ○村上構成員  そういう関係性をつくるのに、日々、我々、日常的には警察の方と連携をとってきて、やっと信頼関係ができてくるというプロセスがございます。だから、警察の方も一生懸命されていることは十分承知しているのですが、ただ、何回も言うように、グレーゾーンというかはっきりと判断が出ないような、幾ら専門家が見てもたった1~2時間の世界では信頼がつかない場面があって、そこだけで何かの決定を出さないといけないわけですから、そういうときにお互いの意見交換がフリーにできるようなことは非常に重要なのだと。精神鑑定で結論が出てくるのは、入ってくる情報量の桁が3つ違うぐらいの情報量の中で診断をしたり判断をするわけですけれども、実際の診療というのはもっと生きている状況の中で、時々刻々の中で判断するわけですから、お互いに100%正解な答えを出しているわけではないというところを共有していただければと思いました。 ○山本座長  ふだんからの密接なコミュニケートというものは必要だと思うのですが、今後そういう具体策みたいなもの、村上先生、ございますか。 ○村上構成員  私、司法精神学を専門としているので、私がまいりましてからそういう非常に難しい患者さんに関して、かなり丁寧なケア会議を開かせていただいて、その中に警察の方がお入りになることもあるし、それから、先ほどお話ししましたように、ほぼ問題な患者さんは地域にある意味ではそのままいます。問題が起こるたびに余り有効な手が打てずにおります。そこが少し医療という観点で入ることについて、私のほうからも手を出したところ、警察の方もすっかりと、それこそ対話ができるようになったというプロセスがございます。だから、医療とこういう困難な方の処遇に関することは、やはりお互いの歩み寄りなのだと思います。  それは例えば児相も出てくるし、保健所も出てくるし、相談機関も出てくるわけですが、やはり一番判断の難しいところは、手つかずにあるということの事実なのです。この事実を我々が認めて、何か手をそこに出していかないといけない。多分今回の相模原のケースだって、手を出し始めるとそんなに簡単にいかない。単に寄り添うといっても、非常に二面性があってどのように判断するのかわからない局面が多分あったのだろうと。そういう非常に難しい局面にある方が実際に地域に多くおられるということ、そこを我々はどのように医療なのか、司法なのか、対話をしていくということが重要なのではないかと思いました。 ○山本座長  ありがとうございました。  ほかはいかがでしょうか。  中原構成員、どうぞ。時間がありませんので、済みませんが簡単に。 ○中原構成員  今の村上先生のお話の中に出てきた警察との情報共有というのは、保健所としても一番大事なところだと思っておりまして、要は地域で保健所とそれぞれの地域の警察がきちんとそのような意見を共有できるような関係性をつくる。それもまた各全国の保健所の役割だと思っています。  司法のほうでも、そういったところを十分に認識していただけるように意識していただければと思っておりますので、これは警察の方にお願いです。よろしくお願いいたします。 ○山本座長  ありがとうございました。  警察の方、今の点について何かございますか。 ○警察庁生活安全局生活安全企画課長  私自身も先週、座長に御一緒させていただいて兵庫の取り組みを拝聴してまいりましたので、そうした形で保健師の先生方、あるいはお医者様方とのつながりというか連携が必要だと思っております。 ���ただ、余りこちらから言って、各いろいろなところがあろうかと思いますので、構築というのは一朝一夕には難しいのかなという気もしているところでございます。 ○山本座長  ありがとうございました。  最後に、幾つかの団体から障害者に対する差別や偏見をなくす教育が必要だと、そういう体制をとっていくのが政府として非常に重要なのだという御指摘がございましたが、これについて、文科省か、内閣府のほうがよろしいですか。何かちょっとこの取り組みについてお話ししていただけますか。 ○内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(障害者施策担当)  内閣府でございます。  この事件、内閣府の取り組みということで申しますと、9月20日、第5回のこの場でも申し上げたことでございますけれども、うちの加藤大臣もやまゆり園を訪問するといったようなこと、それから、神奈川県との共催で障害者差別解消地域フォーラムに出席して、命の尊さ、あるいは共生社会の重要性ということで発信したところでございます。  内閣府のホームページでも、やまゆり事件に対する取り組みということで特設ページを設けまして、いろいろな取り組みについて一覧できるようにしております。それとともに、あと1カ月ちょっとたちますと障害者基本法で決められている障害者週間というものがあるのですけれども、今年は12月2日に内閣府でやることにしております。そういう中でも、改めて命の尊さについて考えるという形で、原点に立ち返ったようなテーマでパネルディスカッションのようなことも行うといったことで、いろいろな形で、今、久保会長もおっしゃっていましたけれども、とにかく当事者がいて、その家族がいて、お互いすごく大事な存在としているのだという、みんながある意味当たり前、本来それが当たり前だというようなところを一人一人の命の尊厳ということとあわせて発信することができればと考えております。  内閣府としては以上でございます。 ○山本座長  文科省、いかがですか。 ○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育企画官  文部科学省でございます。  障害者理解の教育につきましては、実はこの会議の場でも折々重要性を指摘されておりまして、私ども、これから努めていきたいと思っております。  委員の皆様には繰り返しになってしまうのですけれども、現在の学習指導要領においても、障害者についての理解ということでいろいろな場面で障害のある子供たちと一緒に学習をしたりする場面を設けたり、あるいは道徳であるとか社会科の中で勉強するというのも盛り込まれていますけれども、現在、学習指導要領全体を見直しておりますので、その中でさらにとりわけ今度の改訂は、次のオリンピック・パラリンピックが東京であるタイミングでもございますので、それに合わせて障害者への理解等の充実をしていきたいと思っております。  1点、先ほど学校のモデル事業のような御指摘がありましたけれども、現在もそういったことをやっておりまして、現在、私どもで行っているのが、心のバリアフリー推進事業という通称で呼んでいますけれども、特別支援学校等において障害のある子供たちと障害のない子供と交流する場を設け、スポーツを題材にして、例えばパラリンピアンを呼んできて講座を聞くとか、障害者スポーツを一緒にやるとか、そういった場面を活用して行う委託事業をしているところです。  今、概算要求ではそこに文化の事業についても使えるように活用しようと思っていまして、これからもこうした形で事業を進めていきたいと思っています。 ○山本座長  よろしくお願いしたいと思います。  それでは、時間になりましたので、本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。  最後に、事務局から今後の日程などについて御説明をお願いいたします。 ○厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長  次回の日程につきましては、追って御連絡をしたいと考えております。  また、先週24日、兵庫県の取り組みの視察をしておりますけれども、その内容につきましては、次回説明をしたいと考えております。  配付した資料のうち、ドッチファイルにつきましては、机の上に置いていただきたいと思います。  事務局からは以上です。 ○山本座長  ありがとうございました。  本日はお忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。  また、各団体の方には、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。  それでは、これをもちまして、第7回「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」を閉会したいと思います。どうも長時間にわたりありがとうございました。 (了)
相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム(第7回)議事録(2016年10月31日)|厚生労働省
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stellamancer · 10 months
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here for my (idolish7) assigned song 🫡🫡🫡 i await ur judgement nikoo
what if i just assigned you taiyou no esperanza since it changed your life.
i know there are like 16 versions of this song but it would be inappropriate for me to give you anyone other by moom's.
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cheery happy song for the cheery happy moda!!
[send me an ask and i will assign you a song that is probably from idolish7]
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hegotthesun · 2 months
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『ドギーアンドバニー:前篇』
~追うものと追われるもの~
<前篇|中篇:新古生代/新中生代|後篇>
▽序章『龍馬が通る!』
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英語は義務教育を受けた“全人類”に通じる共通語である。
しかしながら私は単純な英単語までは理解できても、仔細な文法となるとまったくもってさっぱりよく解せない。昭和時代に於いての義務教育では、中等教育から"This is a pen"と実用性の乏しい幼稚園児以下の文脈をようやく学び始め、1から100までを英語で数えられるのか否か朧気ないい年をした大人たちが為政者、"内閣総理大臣"となり、そうして今日の日本国があるのだ。
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幾度となく飼い犬との意思疎通を試みたが、7割くらいは理解に及ばなかった。
犬は純粋無垢な心でどこまでも飼い主を信頼するから飼うのは荷が重い。
時々「俺はお前が思ってるほど善い奴じゃないんだよ」と言いたくなるが伝えようがない。
でも僕はお前の飼い主になれて嬉しかったよ。
僕は君の飼い主になれて幸せだったけど、君は幸せだったのだろうか。
少しでも君を幸せに出来たのならいいのだけど。
今となって言えるのは「生まれて来てくれてありがとう」ということくらいだ。
もう二度と生き物を飼うことはないだろうけど、沢山の思い出をありがとうな!
親愛なるカナ。
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■Bump Of Chicken - "スノースマイル"|YouTube 一聴したらただの恋愛歌ですが、一説によると実は「死別」について歌っているのだとか。
普通なら老人にならないと気付かないようなことを、二十代の段階で気付き、歌えてしまうのが凄いところだと思います。
一体、何度目の人生なのでしょうか?
男女が出逢い、結ばれても、いつか死が二人を分かつ日が来ます。
子供を儲けても自立させれば、結局はまた独り暮らしに戻ってしまうこともあるでしょう。
人にとって最も畏怖すべき事柄は自分自身の死ではなく、大切な人との死別だと私は思います。
結末を予知しながら生きることが「未来の概念」に気付いてしまった“人類”だけの背負う最大の恐怖であり免れない運命です。
「今日あるのものは、明日なくなるかも知れない」
「生きるということは、少しずつ死にゆくことだ」
それを理解した上で、どう振舞い生きるかは自分で決断すればいいだけの話に過ぎません。
《キリスト教》におけるプロテスタントの結婚式では、「良いときも悪い時も、富めるときも貧しき時も、病めるときも健やかなる時も、死が二人を分かつまで」と牧師の前で宣誓しますが、ヨーロッパでは古くから「死別」を理解しながらも、家庭を築き子孫を残す道を歩むべきだと、《仏教》とは正反対の思想が説かれ続けているのでしょう。
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『歴代の飼い犬』
――時は明治時代。
日独両国の通商条約が締結されたのを契機に、ドイツの軍用犬ジャーマン・シェパード・ドッグが日本に輸入され始めたのでした。
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▲🇩🇪"七福亭七不思議シュバルツヴァルト菜々子"(通称:ナナ)
筆者が3歳の時分に拾った雑種の捨て犬。日本犬とシェパードの混血だと慮る次第であります。
シェパードは、1880年頃にドイツ陸軍騎兵大尉のフォン・シュテファニッツ氏が、馬学の知識を活かし、各地の牧羊犬を基礎として、如何なる作業をもなし遂げる万能な犬の作出を目指して完成させました。
ドイツ陸軍は戦争に備え、シェパードに訓練を仕込み大量に配備。その真価を遺憾なく発揮したのは第一次世界大戦でした。この「第一次世界戦争」という用語が初めて使われたのは、1914年9月にドイツの生物学者のエルンスト・ヘッケルが「恐れられた『ヨーロッパ戦争』は疑いもなく(中略)完全な意味での『初の世界戦争』となる」と述べた時とされます。
それ以来、各国が軍用犬として採用し、さらに盲導犬、麻薬探知犬、災害救助犬としても成果をあげました。
日本には1920年代に輸入され、軍用犬や警察犬として使用されましたが、近年に入り他犬種の台頭もあり減少の傾向があります。
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▲🇮🇹"猛虎《タイガー》ジェットペペロンチーノ"(通称:ペロ)
初等部入学時に譲り受けた雑種犬。
か細く秀麗な為に幾度となく女狐と呼ばれたが、中々の耳年増かつおしゃまさんでありました。
近所の子供らに「カンガルーや!」と言われたこともありましたが、慥かに何の犬種を交配したらこのような犬が誕生するのか未だに疑問ではあります。
▼英傑"フラッシュ"列伝  ─《序章》─
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▲🇯🇵"閃光爆裂犬FLASH拳志朗"(通称:フラッシュ)
初等部四年生の頃に迎え入れた犬界の"チャップリン"こと、ドイツ原産の狩猟犬ミニチュア・ダックスフント。
しかしながら面白いのは短足胴長の容姿だけであって、彼自身にユーモアは一切備わっていなかったように思います。
明治時代に幕府が開国政策に移行し、日独通商条約が締結された頃に、日本へ輸入されたドイツの犬もまたM. ダックスフントである。
歴代の飼い犬の中で唯一の雄犬で、繁殖用として去勢をしなかった為に大型犬のような野太い美声を持ちます。先祖にあたるアイルランド原産の狩猟犬“アイリッシュセッター”の如く馬のような色艶の良い毛並みが特徴。ストレスが溜まると短い両前脚で頬を挟みながら欠伸をするポーズから「ムンクの叫び」の異名を与えられました。温厚な性格で、他の犬と異なり唸っても絶対に牙を見せないお人良し。ただし、狩猟犬のくせに小動物が苦手な憶病者。
筆者が10歳の頃、ミニチュア・ダックスフントの"フラッシュ"と初めて邂逅した日のことを今も鮮明に覚えています。
ある日のこと、母上から突然「犬を買(こ)うたる」と提案され、新装開店のペットショップまで赴きました。
幼い頃は日本犬に多い立ち耳の犬が好みでしたが、その頃は垂れ耳の犬もめんこいのでは考えを改め始めた頃で、スヌーピーのモデルとなった「ビーグル」にするか、はたまたゴールデンレトリバーの親類とされる「ミニチュア・ダックスフント」の赤毛を選ぶべきか悩みながらも、色合いが綺麗な後者を選ぶことにしました。
ペットショップに入り、三匹のM. ダックスフントが入った檻を見ると、その内の二匹は仲良くじゃれ合っていましたが、一匹だけ隅に座りそれを厭うように縮こまっていました。
店員に頼んで三匹を順番に抱きかかえさせてもらうと、先ほど仲良くじゃれ合っていた二匹は私の顔を見るなり尻尾を振って顔を舐めてきましたが、角で固まっていた一匹だけは、こちらと目も合わせようとしませんでした。
その時、周囲に馴染めないこいつは自分と同類だと直感して、我が家に迎え入れることにしました。
"フラッシュ"という名は、いかがなものだろうと思いましたが、三歳年上の兄上が命名したので甘んじて受け入れた次第です。
血統書に記された正式なJKC登録名は"Beat of Friend Pretty JP" (ビート・オブ・フレンド・プリティ・ジェイピー)という名らしく、祖先たちはドイツ本国のドッグショーで何度か優勝経験があるようでした。
ちなみに「血統書付きの犬」のことを富裕層にしか購入できないほど高価な犬だと思い込む人もいるようですが、ペットショップで販売される犬は須《すべか》らく血統書付きの犬であります。
国内の血統書付きの犬の管理は"一般社団法人ジャパンケネルクラブ"(JKC)の管轄で、犬の交配を行う際は雄雌双方が血統書付きでなければ正式な犬種としては認められず、ペットショップでの取り扱いも困難になる場合もあります。
しかしながら昨今ではミックスの犬も流行っていますし、愛玩犬として飼うのであれば犬の血統なんてものは無関係ですが、もし店側が客に対して"ゴールデン・レトリーバー"として販売した犬が実は雑種であった場合は「詐欺罪」に抵触するおそれもあるので遵守しなくてはなりません。
犬の純血を保つことにどのような価値があるのか判然としなくても、需要と供給があるということはそれもまた必要とされる分野であるということなのでしょう。
ちなみに随分と前より《メンデルの法則》における「優性遺伝子・劣性遺伝子」は、語弊を避けるために「顕在遺伝子・潜在遺伝子」という語に置き換えられたようであります。
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1997年春。人類だけの持ち得る高度で複雑な言語野による誹謗中傷が一切通用しない英傑"フラッシュ"と桜並木を散歩!
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ペロとフラッシュの記念写真。
一つ断わりを入れると、妻と出逢う以前の健全な交情の記念写真であり、いかがわしい点は皆無である。
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▲左・娘の"ケモ耳ドジっ子メイド巫女カナスタシア"(通称:カナ)
◇中・花嫁"百合ゆりっぺリリィ"(通称:ユリ)
◆右・女房の尻に敷かれ苦悶の表情を湛える亭主"閃光爆裂犬FLASH拳志朗"(通称:フラッシュ)
「ノストラダムスの大予言」が大外れした1999年夏撮影。
人類だけの持ち得る高度で複雑な言語野による誹謗中傷が一切通用しない英傑フラッシュが我が家に訪れて二年の歳月が流れた頃、少々強気で高飛車なご令嬢ユリ様と婚姻し、子宝に恵まれました。
1998年頃の飼い犬関係
ある日のこと。フラッシュが近くの炬燵に座る母の膝の上に乗ろうと歩き出した処、それを見たユリに先回りされた。仕方なさそうに今度はクッションに座ろうと反対方向に歩き出したが、またユリに先回りされていた。
困り顔でフラッシュは私の方を見ながら「ぼふぅ……」とひとりごちていましたとさ。
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先に庭で飼っていたペロと、後から我が家に来たユリは仲が険悪だった。ユリが先にペロに噛みつき、返り討ちに遭ったこともあった。一方のフラッシュとペロは仲が良く、以前から何度も交尾を試みようとしていた。尤も、腰の高さが違うので未遂で終わった。犬にも性格の相性があるのだろうか。
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ある日、何となくフラッシュの口に手を入れてみたら、怪訝な顔をしてすぐ放してくれた。それでも懲りずに手をさし入れたら、今度は甘噛みを始めた。しかし、少しずつ噛む強さを強めるので「痛い」と言ったら、噛む強さを緩めてくれた。
それを何度か繰り返して、犬なりにどれだけの強さで噛んだら人は痛がるのか試しているのだなと感心しました。
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犬が何処まで人の言葉を理解し得るのか確かめた処、「御飯(餌)」や「散歩」と云った、自身の欲求や生存に繋がる単語迄は覚えられる事を確認出来た。
また、フラッシュが炬燵のコードを噛んで感電した際に「ビリビリ」という単語を教えたところ、その単語を聞くだけでも脅えるようになってしまったので以後、気を付けたい。
さらに犬の言語理解がどれほどのものか確かめる為、「食卓の肉は元々犬や人間と同じ哺乳類の肉」と教えようとしたが、少々難しいのか、あからさまに怪訝そうな顔をするだけなのでそっとしておく事にした。
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――人類が誕生する前。肉が主食の哺乳類は、トラやオオカミ等の肉食目(ネコ目)だけでした。
本来は多くの哺乳類にとって肉食目は天敵でした。
その天敵から逃れる為に、霊長類は智慧を振り絞り「木登り」を会得しました。
さらに"ヒト"だけが、道具を作り、それを駆使し始めたのです。
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■1999年8月"ミニチュア・ダックスフント四姉妹"誕生!
長女。父犬フラッシュの幼少期と同じく、背に一本の黒い線のような毛色を持つ赤毛。安産にて誕生。健康状態や発育は良好でありました。
次女。姉妹の中で唯一の背中に黒毛がない綺麗な薄茶の犬。難産にて誕生。分娩の際に羊膜が半分ほど見える状態で産道に長時間留まり、生まれてもすぐに産声を上げませんでしたが、しばらくして奇跡的に仮死状態を脱して産声を上げてくれました。他の姉妹よりも体が小さく、母乳の取り合いの際はいつも競り負けてしまう目の離せない虚弱児でした。
三女。全体的に黒っぽい毛色。次女と同じく難産。分娩の際、逆子だったので引っ張り出した思い出があります。事前に買っていたオペ用のゴム手袋が役に立ちました。
四女。三女と同じく黒っぽい個体。安産で誕生しました。
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――時は明治時代。
徳川幕府の鎖国から開国政策に移行し、日独両国で通商条約が締結。
丁度その頃にドイツの狩猟犬M. ダックスフントも日本へ輸入され始めました。
それから月日は流れ、筆者が12歳の時分に飼育するM. ダックスフントの交配と繁殖に成功しました。
そうして産まれた虚弱体質の次女犬"カナ"を手元に残し、他の仔犬3匹をペットショップに売って得た《ブリーダー業》の14万円が筆者の初収入でした。
犬の発情期は半年に1度で妊娠期間は約2ヶ月。1度の出産で産まれる仔犬の数は4頭ほど。繁殖期ごとに40頭を売れば月30万円ほどの収入になります。オス1割に対しメス9割が理想の繁殖環境といわれるので、この場合はメス10頭に対しオス1頭が理想的な比率になります。
しかし当時の家庭環境では、そんなに多くの飼育は困難な上に、母体を危険に晒しながら産ませた子供らを売りさばくことに罪悪感を感じ、早々にこの《ブリーダー業》は廃業したのでした。
「生と死」は、対義ではなく表裏一体。
生まれたということは――いつか必ず死ぬということだ。
ならば産ませたということは――殺したことと同義になる。
法的には男女同権を目指すべきであっても、男と女では担う使命や資質が異なるから、お互いに出来る事と出来ない事があるが故にそれを補い合いつつも分かち合うのが理想的な社会であると常日頃から考えたりするようなしないような判然としない状態で今日に至る次第であります。
──僕は君の飼い主になれて幸せだったけど、君は幸せだったのだろうか。
少しでも君を幸せにできたのならいいのだけど。
今となって言えるのは「生まれて来てくれてありがとう」ということくらいだ。
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■『風のクロノア』(ナムコ, 1997年)
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・予兆
1999年当時に発売されたPS用ゲーム『クロノ・クロス』をプレイした日のこと。
前作『クロノトリガー』はSFC時代のスクウェアを代表する作品だっただけに、ファンの間で期待が大きかったようですが、正直「地味な作風だな」という感想でした。
そんなことを思いつつも気付いたら朝から6時間もプレイして兄にあきれられてしまいました。
戦闘システムやストーリーはとにかく、なぜだか登場人物の台詞がしばらく脳裏に焼き付いて離れませんでした。
「歴史は選択と分岐で成り立っている。自分で選び取ったものが新たな世界を創り、新たな未来を生み出す。しかし、何かを選び取るということは、同時に選ばれなかった他の未来を失ってしまう、ということでもあるんだよ」
「今日あるのものは、明日なくなるかも知れない」
「生きるということは、少しずつ死にゆくことでもある」
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▼英傑"フラッシュ"列伝  ―《完結篇》─
・寸劇
「――どうやら生き残ったのは俺たちだけのようだな」
ついに私たちは敵に包囲された。 背中合わせの彼は構えの姿勢を取った。
「俺が囮になる。その隙にお前は逃げるんだ! 妻と娘を――よろしく頼むッ!」
そう言い残すと、彼は敵陣に向かって突撃して行ったのだった。
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・別れの曲
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1999年10月24日。筆者が12歳の頃に、不慮の事故でフラッシュが亡くなった。1997年10月17日の出逢いから、僅か2年後の出来事だった。
最初は死の実感が湧かず「これは夢かもしれない。朝起きたら全て元通りに戻っているかもしれない」と思いながら、その日の夜は眠りに就いた。
しかし、深夜に目覚めて、まるで眠っているかのようなフラッシュの亡骸を改めて見て「これが現実なんだ、もう二度と会えないんだ」と理解した途端に、はじめて堰を切るように涙があふれ出たのだった。
飼い犬や家族が亡くなって泣いたのは、その時が最初で最後だった。
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■『テイルズ オブ ベルセリア』ストーリーの冒頭|YouTube 歴史の長い姉よりも、まだ幼いのに知識の豊富な金髪碧眼の弟!
『ベルセリア』はシリーズ初の女主人公とショタヒーラーを起用した異例の作品でしたが、Amazonレビューでも好評なのがわかります。
冒頭でライフィセットが朝起きる場面の「ベルベットのモーション」に驚きました。
まるで私がフラッシュをしつける時の動きを再現したかのようでした。
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▲歴代最後の飼い犬"ケモ耳ドジっ子メイド巫女カナスタシア"(通称:カナ)
虚弱で片目の視力も芳しくありませんでしたが、おっとりとした"やまとなでしこ"だったと慮る次第であります。
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1.千年、続きますように
『君が代』の原文は藤原定家(ふじわら の さだいえ)らが編纂《へんさん》した『古今和歌集第7巻(912年以前)』に記載されています。
「わが君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」
現代語に訳すと「あなたは千代も八千代も長生きしてください。小さな砂利が悠久の年月を経て巌となり、さらにそれに苔が生えるほどまでも」
「わが君」とは、"皇帝"を指すだけではなく広義の意味も含むとされ、"主君"、"両親"、"親族"、"配偶者"、"友人"等にも当てはまり、敬愛する人に向けた長寿を祝福する歌とされています。
日本では古来より人は生まれ変わるものだと信じられていました。肉体は老い、死を迎えても、魂は再び人となってこの世に生まれる。つまり「さざれ石の巌《いわお》となりて」は、「生まれ変わって何度でも」という意味として捉えられます。
忘れてならないのは、さざれ石は、小さな小石が結束して大きな岩石となるという点です。ひとつひとつは小さな小石でも、大きな力で団結したら、それは大きな「巌」となります。
つまりさざれ石は「きみ=男女」の結束で生まれる子供らや、新たに親戚となる者たち、その総ての人々が固く協力し合うことの象徴でもあります。
そうして最後に『君が代』は、「苔のむすまで」と締めます。苔は冷えきったり、乾燥したところには生えません。濡れていて、水はけの良いところに生育します。濡れたものと固いものがしっかりと結びついたところに苔は生えます。
また、「苔のむす」のむすを漢字で書くと「生す」と書きます。生すとは子供を養い育てると言う意味合いがあり、苔は永遠に存在するものではなく、その中で新しい生命が誕生し、古いものが死に土となり、徐々に広がりを見せるという子孫の繁栄を示しているというのです。
《神道》の中心にあるのは「生む」ことではなく「育てる」ということ。「苔の生すまで」とは、古いものが土となり、新しいものを生み、育て繁栄させましょうという意味合いなのです。
すなわち「苔」とは、「きみ=男女」が互いにしっかりと結びつき、一緒になって互いに協力し合い、時には笑い涙を流し、長い年月をかけて生育する。
男女の慈しみと協力を意味します。
「きみ」=成長した男女が 「代」=時代を超えて 「千代に八千代に」=千年も万年も、生まれ変わっても 「さざれ石の巌となりて」=結束して協力し合い 「苔のむすまで」=固い絆と信頼で結び付こう
以上のように『君が代』とは、人類の持ち得る愛情を高らかに謳い上げた「祝辞の歌」だと慮る次第であります。
賛否両論あるかと思いますが、たとえばフランス国歌は「国のために心臓を差し出し盾となれ」というような内容なので、経緯はどうあれこの和歌の内容自体はずいぶんと平和裏だと思う次第であります。
『君が代』の作曲は幕末~明治前期の雅楽演奏者"林廣守"。編曲はドイツ人の音楽教師"フランツ・エッケルト"です。明治時代の日本にはまだ西洋和声・音楽理論の専門家がいなかったので、ドイツ人の音楽家によってオーケストラ編曲がなされたのです。
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冒頭をC長調と仮定すると、長9度の音から旋律が始まります。この音使いは戦場のメリークリスマスや千本桜のサビ、《ビートルズ》のイエスタデイの歌い出しでも聴けます。途中のルートが半音階で動く箇所は、G長調として捉えると《D#dim - Em》というコードの流れとも読めます。このルートの半音階の動き(《#Ⅴdim7 - Ⅵm7》)は昨今のアニソンやボカロ曲のサビでも頻繁に聴けます。また、筆者がその昔にブログで取り上げたFountains of Wayneの《Stacy's Mom》のサビでも聴けます。
2.『平家物語』の冒頭
祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。
祇園精舎の鐘の音には諸行無常、即ちこの世の総ての現象は絶えず変化して行くものだという響きがある。沙羅双樹の花の色は、どれだけ勢いが盛んな者も必ず衰えるという道理を表す。世に栄え得意になる者も、その繁栄は永久に続かず、春の夜の夢のようである。勢い盛んな猛き者もいつか滅び去り、まるで風に吹かれる塵と同じようである。
3.釈迦
紀元前5世紀前後の北インドで釈迦(シャカ)族の王子として生まれた“釈迦”(後の仏陀)は、子供の頃に城下町で老い・病み・死にゆく者たちを見てこの世の無常を覚ったのだとか。
それ以来、思い悩み塞ぎ込むようになってしまった釈迦の将来を案じた国王は、釈迦が16歳になる頃に隣国の姫と結婚させた。
そうしてしばらくの間は平穏を取り戻したかのように見えた釈迦だったが、19歳の頃に息子が生まれてからまた何かを思い詰めたように表情に影が差し始めたのだった。
「人は老いるのを免れないのに、他人が老衰したのを見て考え込んでは嫌悪した。そう考える自分もまた老いゆくもので、その宿命は免れない。私はこのように『病』『死』を観察して、健康時における健康の意気はまったく消え失せてしまった。そうして生存時における生存の意気もまったく消え失せてしまった」 (中村元『ブッダ 釈尊の生涯』中村元選集第 11 巻、春秋社)
この世の総てのものは恒常な実体はなく縁起によって存在する。目に映るもの、形創られたもの《色》は、実体として存在せずに時々刻々と変化するものであり、不変なる実体は存在しない《空》。仏教の根本的考えは因果性《縁起》であり、その原因《因果》が失われたら、たちまち現象《色》は消え失せる。それが「色即是空」である。
《此》が有れば《彼》が有り、《此》が無ければ《彼》が無く、《此》が生ずれば《彼》が生じ、《此》が滅すれば《彼》が滅す。
《見られる人》がいなければ《見る人》はなく、《読む人》がいなければ《書く人》はいない。
諸行無常、すなわちこの世の総ては移り変わるもので何一つ確かなものはなく、富や名声、愛する人の命も永久には続かない。
釈迦は29歳の頃に安逸な生活に留まらず、人生の真実を追求するために王子の地位を捨てて出家したのだった――
4.馬の耳に念仏
「馬の耳に念仏」とは、馬に念仏(お経)を唱えても馬の頭では理解に及ばないという意味合いの諺ですが、そもそも人間に生まれたところで坊さんに読経されたとしても、ほとんどの人類に���って理解不能なのが念仏なので「人類の知能は馬に等しい」という意味合いにも受け取れてしまうのではないでしょうか。
人類史において真っ先に文明が発展した国々の共通項として、"馬"を活用していたことが挙げられます。車のない時代では馬が車の役割を果たしていたからです。荷車を数頭の馬に牽引させれば馬車になり、それを戦場で応用すれば戦車にもなりました。つまり当時は車・電車・貨物車・戦車として馬は必須だったのです。
ちなみに日本では4世紀末頃に中国大陸より騎馬の風習が伝わって6世紀には広まり、武芸の一つとして「弓馬の術」が、鎌倉時代・室町時代以降に盛んになり諸流派を生みました。しかしながら、戦国時代・関ヶ原の戦いを経て江戸時代には戦のない世になり、数百年後には黒船が到来し、明治時代に政府は兵制の改革を行い、日本式馬術は採用せず洋式馬術が取り入れられました。
これにより古来より日本にあった馬術はほぼ廃れ、現在は一部の研究家が実践するに留まっており、時代劇や大河ドラマなどの乗馬シーンのほとんどは、🇬🇧ブリティッシュ(イギリス式)馬術か🇺🇸ウエスタン馬術が用いられます。
■暴れん坊将軍 第一話[公式��|YouTube
カルマ(業)
■ Bump Of Chicken - "カルマ"|YouTube 排卵や受精について歌っているのではないかと諸説のある曲。
インド哲学の《仏教》におけるカルマ(業)とは、行為や所作、意志による身心の活動や意志による生活を意味する語。仏教、及びインド発祥の宗教では、善悪の業を作ると因果の道理によってそれ相応の苦楽の報い、果報が発生するとされます。
インドには宗教と哲学の境界線がなく、またこれを東洋哲学とも呼びます。仏教はすべての結果について「偶然による事物の発生」「原因なく事物が突然、生じること」「神による創造」を否定し、その因果応報を説きます。カルマの思想はインド発祥の宗教と道教において輪廻転生(生まれ変わり)と強く結びつく概念で、これらの説では善因善果、悪因悪果をもたらすとされます。
16進数
Google、Microsoft、Adobe等など世界を牽引する著名なIT企業におけるCEO(代表取締役社長)はインド系アメリカ人の方が多いようです。筆者の認識では「0の概念」や仏教発祥の地がインドであり、その他にも義務教育(算数)の学習が4歳から始まり、小学二年生の段階で20×20までの暗算を覚え、小学校を卒業するまでに三桁の掛け算の暗算を会得すると聞き及んでいます。インド人は関節のしわを用いて、片手で16まで数えられますが、それが16進数の礎になったようです。
16進数とは、0から9までの10個の数字と、AからFまでの6個のアルファベットを使って数値を表現する方法。16進数では一つの桁において0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B、C、D、E、Fと並ぶ16個の数値を扱うことが可能で「A」が10進数における「10」に相当し、「F」は同じく10進数の「15」に相当。「F」の次は位取りをして1桁上がり「10」となります。
日常生活では0から9までの10個の数字を使った10進数が主に使われますが、コンピュータでは2進数と並んで16進数を扱うことが多く、ASCIIコードや日本語の文字コード、色を示すカラーコード等は16進数を使用します。
16進数の3F7Bを10進数に変換すると4096×3+256×15+16×7+1×11=16251になります。また、10進数の12345を16進数に変換するには次のように計算します。
12345=4096×3(余り57) 57=256×0(余り57) 57=16×3(余り9) 9=1×9(余り0)
10進数の12345は、16進数では3039になりますが、わざわざこのような計算をしなくてもweb上には10進数と16進数の相互変換サイトがそこら辺に転がっているので、異なる進数間での変換が必要な際はそちらを利用すればいいでしょう。
■2進数、8進数、10進数、16進数相互変換ツール
その数値が16進数であることを示すために、3F7B(16)や0x3F7B、3F7Bh、&h3F7B、$3F7Bのように記述することもあります。なお、AからFまでの6個のアルファベットは小文字で表記してもいいとのこと。
プログラムや遺伝子は「1《有/優性遺伝子》」「0《無/劣性遺伝子》」の二進数で表記されることが往々にしてあります。インドが「0の概念」を発見していなければ、コンピュータのプログラム表記は今と大きく勝手が違っていたのかも知れません。
ちなみに世界中の人類が使用する数字(1, 2, 3)は、インド数学に起源を持つ「アラビア数字」です。
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▼英傑"フラッシュ"列伝  ―《俺の屍を越えてゆけ》―
🌸"さくらみこ"に轢かれる"米津玄師"|YouTubeショート
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■Bump Of Chicken "車輪の唄"|YouTube
=== ■"リリィ"|YouTube インディーズ時代最後のアルバムにして金字塔『THE LIVING DEAD〈2000年発表〉』収録曲。'00年代初頭の"FLASH"(フラッシュアニメーション動画。Flash Player 6以降を利用してインターネット上で動画を配信するために利用されるコンテナ型のファイルフォーマット。元はマクロメディアが開発していたものを、アドビ・システムズ(現Adobe)が会社ごと買収した。Flash VideoはSWFファイルの内部に埋め込まれる場合もある。なお、アドビによって定義され、Flash Playerが対応している動画ファイルフォーマットには異なる「FLV」と「F4V」の2つが存在する。Flash VideoフォーマットはYouTubeやGoogleビデオ、Yahoo! Video、ロイターを始めとした多くのニュース提供元などで次々に採用され、Web上における埋め込み動画の形式としてその地位を確立したが、Adobe Flashの終了に伴い、現在は非推奨)全盛期において、某大型匿名掲示板で"バンプオブチキン"の楽曲(『K』『ラフメイカー』『ダンデライオン』等)を基にした「歌詞字幕付きFLASH動画」が著作権的な問題を差し置いて流行り、意外にも"お絵描きを嗜むネット民"等からの絶大な支持を獲得するに至りました。
前作まで歌詞の題材は若人特有の「夢」や「情熱」の類が中心でしたが、さり気なく今作のアルバム曲として盛り込まれた楽曲『リリィ』を始め、アルバム『THE LIVING DEAD』以降の作風では「童話(物語性)」や「出逢いと別れ」「死生観」を題材にした同世代とは異質の作詞法を、この頃より確立したのだと思われます。
そうこうして年末恒例のCDJ(COUNTDOWN JAPAN)を除く、すべての民放のテレビ出演オファーを拒否しながらも、チャート上位を維持し続ける謎の怪物バンドに成長を遂げるに至りました。
=== ■"R.I.P."|YouTube 「母の日の朝」「父と尻尾の付いた友達の墓」という箇所で、幼い頃に母親が亡くなったことを示唆しています。その経験が一種の死別に対するトラウマになっているのであって、ただ単に「猫」や「親」が死んだことだけが悲しかった訳ではないのだと解釈できます。
「子供の頃、親に手を引かれて催事場までヒーローショーを観に行った時、自分は世界で最も幸せだと思ったけど、君といる今の方がそれよりも幸せだと感じる。地球で一番幸せだと思ったあの日の僕に君を見せたい」
でもそれと同時に「この幸せも永久に続くものではない」という恐怖心を、この歌の主人公は抱えているのだと慮る次第です。
=== ■"新世界"|YouTube 初めてこの楽曲を拝聴した時、「バンプオブチキンって象徴的に『愛』とか歌うバンドだったっけ?」と訝しく思いましたが、総合的に鑑みて喪失したくないという感覚によって輝くのが「新世界」ということなのでしょう。
歌詞に出てくる寝起きについての内容は、老人の持つ些末な不安のようですが、人は無意識の内に愛するものを失いたくないと思うからこそ今を大切に思えます。
《抜け殻》とは「喪失」や「死」を想像できると同時に「魂の抜けた肉体」も想像できます。そう考えると《待ち合わせしよう》とは「魂だけになったら一つになろう」と解釈ができます。
愛について説明するには生きている部分だけではなく、死生観や生命の根源的なところまで遡る必要があります。
世界には「見える世界」と「見えない世界」の相反する二つの世界が存在し、この二つがそろって初めて世界は成り立ちます。
見えない世界を信じられないという人もいますが、「概念」や「愛」のように目に見えない存在は数多くあります。
「愛」と言ってもその定義は様々ですが、欧米化して表向きは恋愛結婚が正当だとされる昨今では「恋愛」から「恋人」になり、それから「夫婦」になり家庭を築くのが定石でしょう。
邦楽の歌詞に頻出する「愛」とは、"恋愛"や"恋人"の段階を連想されることが多いようですが、人々の"愛"における目的地や終着点は「愛情」や「家族愛」にあるのだと思われます。
さらに踏み込むと「博愛」や「慈悲」にもなりますが、それは"マザーテレサ"級の博愛主義者が持ち得る話なので、大多数の人々にそこまでの理解は不要でありましょう。
ちなみに「恋愛」「結婚」「セックス」は別問題なので、お金で「結婚」と「セックス」はできますが、清純な「恋愛」は機会に恵まれないと中々できないと慮る次第であります。
事象には必ず"ポジティヴ"な部分と、"ネガティヴ"な部分があり、二つは重なって一つになります。
東洋思想(仏教・儒教・道教)の「太極図」で謂うなら、陰と陽が重なって一つの円になるように、ネガティヴな部分がなければその存在は浅薄な嘘になります。
「生と死」のように死のない人生は決してないし、「獲得と喪失」のように、喪失がなければ失うまで大切にしたいという気持ちは芽生えません。このように相反する二つの事象があるからこそ物事に理由が生まれます。"今"が輝くのはきっとそういう仕掛けがあるからなのでしょう。
人生は泣いたり笑ったりするからこそ輝くように、一般的にネガティヴとされる「死」や「喪失」を認めることができた時に初めてすべては意義を持ち、二つの相反する事象を受け入れられた時に見えるのが「新世界」なのだと思います。
人は生まれた時に"生"を与えられ、その瞬間から既に生命を獲得した状態から始まるのと同時に、"死"という喪失の可能性もまた始まっているのでしょう。
「先進国で性風俗があるのは日本だけだから撤廃すべき」と宣う輩もおりますが、他の先進国(白人の国々)は「宗教上の理由」で性風俗を禁止しているのであって、本来は《キリスト教》とは無関係な日本がそれを模範する道理はありません。
ヨーロッパ人種の主要な宗教である《キリスト教》では、男女の結婚は神との契約の形でおこなわれるのはさておきまして、欧州から渡来した「貞操観念」が定着する江戸時代以前の日本では、男女ともに「経験人数は多ければ多いほどいい」とされており、十代前半になれば男女は初体験を迎えていたようです。
京都や江戸と異なり、遊郭(政府が管理・運営する性風俗)などもない山陽地方の田舎では、夜這いが正常な異性間の交渉とされ、それにより子供を身籠れば、女性の方から複数の相手から一番好きな殿方を選び、それを正式な夫だと宣言すれば血縁関係と認められていたとのことです。
明治時代頃までは中学生ほどの年齢にもなって未経験なのは相当恥ずかしいことだったらしく「14歳にもなる処女が風呂屋の前で男性客に『ちぎってくださいまし』と手あたり次第に声を掛けていたので、往来を行く男性客が困惑していた」というような話題も当時の性風俗に関する書籍に記述されていたようです。
ちなみに明治時代までは普通だった銭湯の混浴風呂を欧米の要人に見せたところ「日本人の精神年齢は12歳程度だ!」と酷評されたのをきっかけに、都市部の混浴風呂は廃止されたのだとか。
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アルバムジャケットに描かれた人物は、楽曲『ラフ・メイカー|Spotify』に登場する「泣いている人を笑顔にするために現れる謎の語り部"ラフ・メイカー"」ご自身とのことです。
■『THE LIVING DEAD〈2000年発表〉』プレイリスト|BUMP OF CHICKEN - YouTube公式チャンネル
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嫌われ者のライオンが吊り橋を渡った先で出逢ったのは、生涯の友人でした――
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「私たちはまた再会できると確信(sure)しています」というコーラスのリフレインが印象に残ります。
この曲はボーカルのBradleyさんが、自身の死産だった子供に捧げたレクイエムとのことです。
このアルバムを最後に、毎回ジャケットを飾ったマスコット的なキツネは姿をくらましました。
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“ドーベルマン”は、シャープな体躯となめらかな短毛が芸術的までに美しく完成されたドイツの中型犬です。
歴史は比較的新しく、19世紀後半に“ドーベルマン”氏によって攻撃力のある護身用の犬として品種改良により作出されました。基礎となったのはロットワイラーやドイツ・ピンシャーなどと伝えられています。
外見のイメージ通り、敏捷性に富み、気性は大胆で警戒心が強く、飼い主以外には気を許さない面もありますが、訓練はしやすい犬です。
日本には明治時代の1920年代に輸入され、30年代には軍用犬の指定を受けました。戦後は警察犬としても使用されましたが、近年は飼育者の減少が見受けられます。
『旧約聖書』
「降って止まない蛙」とは、『旧約聖書』出エジプト記8章2節モーゼの十災。奴隷としてイスラエル発祥のユダヤ人を迫害したエジプト王に、天罰として天からカエルを含めた十の災難を神が降らせたエピソードより。カエルは罪と贖いの象徴でもあります。
まず始めにギリシア語で書かれたキリスト教『新約聖書』の前身となるユダヤ教『旧約聖書』はヘブライ語で書かれました。ユダヤ教徒は園児ほどの年齢から聖書で読み書きを覚えていたのだとか。一方の日本は、江戸時代まで人口の5%だけしかいなかった公家などの神道における上層部や商人しか読み書きを教わる機会がありませんでした。
イラクはアラビア語を公用語とするスンニ派アラブ人の住むイスラム教の国で、イランは白人の祖先シーア派のペルシャ人も住む中近東の国です。「アラビア語を公用語とするイスラム教徒の国」がアラブの定義なので、公用語がペルシア語のイランや、ヘブライ語のイスラエルは、精確にはアラブではなく中近東に区分されます。
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<前篇|中篇:新古生代/新中生代|後篇>
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usono-musuko · 2 months
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2024年7月1日
ニュース系より、大御所声優の三輪勝恵の訃報。カリメロにユニコ、どうぞ安らかに。
ふの付く某所より。 「当時の深夜アニメって暗くて難解なのが多かったけどブギーポップ・ファントムはこの中でも白眉だと思う 多感な高校生だった俺は妙にはまっちゃって何回も録画したのを繰り返し見た 今見返すといろいろ透けて見えるけど進化した高校生をブギーポップファントムが連れ去って都市の地下で繭にして進化が普通になるまで眠らせとくラスト好き」 最終回まで見たはずだけどまるで覚えてない。ラストシーンは新刻敬のナレーションだったかな、自信がない。
松野太紀の訃報の話題から、「グラニュレイテッド・ハピネス」の番組内のCMをやっていたような……という気がしたものの、ちょっと調べてみると、おそらく『最遊記』のラジオドラマのCMで、声も保志総一朗ではないかと思われるから、どうやら勘違い。
「(東京タワー) 60年前に一度だけ登った 2007年ころとか芝公園のビル16階で勤務のときクリスマスにひとりで徹夜仕事をしていると窓の外の東京タワーにハートマークが灯ってたりしてひどく勤労意欲を削がれた 死ぬ前にもういちど登ってこよう」
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yotchan-blog · 6 months
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2024/3/28 22:02:13現在のニュース
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774 · 10 months
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創通およびバンダイナムコ フィルムワークスは、ダイバーシティ東京の“実物大ユニコーンガンダム立像”について、冬季限定23-24Ver.ライトアップを2023年11月23日~2024年2月18日の期間で実施する。 今回のライトアップは、2024年1月に公開予定の映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』をモチーフに展開。立像前には“ライジングフリーダムガンダム”と“イモータルジャスティスガンダム”のオブジェを設置。立像背後の壁面画像×音楽でくり広げられる演出“WALL-G”では、キラ・ヤマト(声優:保志総一朗)のナレーションでSEEDシリーズを振り返る特別映像が楽しめる。
実物大ユニコーンガンダム立像が11月23日より『ガンダムSEED FREEDOM』仕様でライトアップ。ライジングフリーダムのオブジェやSEEDシリーズ振り返り映像が展開 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
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kennak · 1 year
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【単身世帯】 ▽上位20%の平均を見ると、280万円の年収に対し258万円の支出があり、「22万円のプラス」(黒字)となっている ▽上位30%の平均を見ると、220万円の年収に対し211万円の支出があり「9万円のプラス」(黒字)となっている 75歳以上の単身世帯の収支状況(社保審・介護保険部会1 230710) 【夫婦2人世帯】 ▽上位20%の平均を見ると、346万円の年収に対し328万円の支出があり、「24万円のプラス」(黒字)となっている ▽上位30%の平均を見ると、286万円の年収に対し265万円の支出があり「23万円のプラス」(黒字)となっている 75歳以上の夫婦2人世帯の収支状況(社保審・介護保険部会2 230710) 総務省の家計調査から出した「平均値」であり、このデータからダイレクトに「上位20%の人は経済的余裕があり、一定の負担増(2割負担)に耐えられる」と判断することは危険です。介護保険部会委員からは、「介護支出は恒常的なものであり、医療支出と同列に考えることはできない。高齢者の生活・経済状況はさまざまであり、持ち家か借家住まいかで違いはないのか地域での違いはないのか、などを詳細に見てから考えなければならない」(染川朗委員:UAゼンセン日本介護クラフトユニオン会長)、「応能負担(経済能力の高い人が、より多く負担する)の考え方は妥当だが、2割以上負担者の線引きは極めて慎重に検討すべき」(小林司委員:日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長)、「データのもととなる家計調査は2022年のものであり、そこから急速に物価・光熱水費などが上昇しており、そうした影響も細かく見ていかなければならない」(座小田孝安委員:民間介護事業推進委員会代表委員)、「物価上昇や、後期高齢者医療制度の利用者負担増など様々な要素を勘案して2割負担の対象者を考える必要がある」、「デイサービスの平均利用者負担(1割負担)は1日1500円程度であり、これが2割、3割となれば家計への影響は大きく、利用控えにつながる可能性も高い、保険とは何かを改めて考えるべき」(小泉立志委員:全国老人福祉施設協議会副会長)などの慎重意見が多数でています。 一方、吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)や伊藤悦郎委員(健康保険組合連合会常務理事)らの費用負担者委員は「現役世代の負担は限界であり、利用者負担の在り方(2割負担となる一定所得者の範囲など)について迅速に結論を得て、見直しを実施すべき」と強く訴えています。 ほかに「金融資産などの状況も把握し、負担能力を考えるべき」(井上隆委員:日本経済団体連合会専務理事)などの意見も出ており、今後、議論を深めていくことになります。 また、後者の「保険料多段階設定」とは、「低所得者の保険料は低く抑え、高所得者の保険料は高く設定する」ものです。現在、国は9段階の標準的な考え方を示しています(これを参考に自治体で独自の段階設定が可能)が、今後、▼低所得者の保険料負担をさらに抑える▼高所得者の区分を細分化し、より高所得の者の保険料負担を引き上げる—考えを示しています。
介護保険で2割負担となる「一定所得者(上位所得者)の範囲」など、給付と負担の見直し内容を2023年までに固める—社保審・介護保険部会 | GemMed | データが拓く新時代医療
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72hayate · 10 months
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さきょーさんの紫陽花は「欠けた月に愛を知る」「光の影君を知る」というのが、"鷺原左京"すぎてぐっとくるよー
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otajo · 1 year
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新作“FREEDOM”に繋がる『機動戦士ガンダムSEED』TVシリーズ全7部作「スペシャルエディション」劇場公開!予告映像解禁 キラ役:保志総一朗登壇前夜祭も
http://dlvr.it/StVcF5
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tsuminiochiiru · 1 year
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TV Guide Voice Stars Dandyism #7
【「#TVガイドVOICESTARS Dandyism vol.7」8/25発売】<表紙&巻頭特集>#立花慎之介×#福山潤 <裏表紙&巻末特集>#保志総一朗#緑川光#下野紘#GRANRODEO#髙橋優斗×#中村嶺亜#山路和弘#神谷明×#伊倉一恵#関智一×#野坂実#TRD(#近藤孝行×#小野大輔)ご予約は↓https://t.co/MXgCOFqTMb pic.twitter.com/nCPr1KdBIt— 【公式】TVガイドPERSON/dan/VOICESTARS/StageStars/AStars (@TVguidePERSON) August 1, 2023 The latest issue of TV Guide Voice Stars Dandyism, to be released on 8/25/2023, will have an interview with…
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fuku0330 · 1 year
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itokawa-noe · 2 years
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書店と朗読会をめぐる旅をしてきた話(三日目)
「書店と朗読会をめぐる旅をしてきた話(一日目)」からの続きです。この記事で旅の記録はおしまいです。
 今回は、
・犬と街灯(庄内)
・toi books(本町)
 を訪ねた際のことと、旅の総括的なことを書きました。
 おまけの番外編として、
・つまずく本屋 ホォル
 のこともちょこっとだけ書いています。
―――
【犬と街灯】
 最終日は、リトルプレスで賑わう「犬と街灯」へ。
 楽しいことがすきなひとが楽しいことをやっていたら楽しいことをやりたいひとが集まってきた、そんな空気がガラス張りの店内から外の通りにまで漂っており、もしも私がこのお店を知らなかったとしても、前を通りかかったら足を止めずにいられないだろうと思った。
「個人書店って、店主さんの人柄が出ますねえ……」と、ここ最近の個人/独立系書店通いのなかで感じていたことを何の気なしにつぶやいていたのだが、お店を営んでいらっしゃる方に向かってくちにするには不躾なせりふであることに気づき、ひぇーとなった。谷脇さんはなんだか実感のこもった調子で「あー、出ます、出ますねえ」とにこやかに頷いてくれて、ほっとした。
 自分も参加させてもらったアンソロジー『貝楼諸島より/へ』の原画が大集合しているのを見られたのも幸せだった。
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(ご存じない方のために説明すると、こちらの絵はすべて店主の谷脇さんが描かれたものなのです。『貝楼諸島より/へ』の装画と装丁を手がけられたのも、というかそもそもこのアンソロジーの発起人からして、ぜんぶ谷脇さんなんですよ。いやはやびっくりだね)
 やはり原画はよい。筆づかいや、ぬりかさねられた絵の具の厚みをじかに味わうことができて、陶然となった。写真撮影の許可をいただいたものの寄りで撮ることはなんとなくためらわれ、斜めから雰囲気だけ撮ってきた。
 『貝楼諸島より』と『貝楼諸島へ』の通販はこちらからどうぞ。
 糸川の短編が掲載されているのは、緑色の表紙の『より』のほう。鳥が出てくるお話なので、この本の表紙に鳥がいることを、ちょっと嬉しいな〜と思っている。
 とつぜんの告白なのだが、私には、児童文学を書いて本にしたい、その装画を谷脇さんにお願いしたい、という野望がある。ジャンル的に文フリなどでの頒布には不向きだろうから、この野望を叶えるには商業出版で単著を出すしかない。がんばれ。(装画をお願いする方を決めるのは作家ではなく編集者だろうとか、そういうことはいったん脇に置いておく)
 〈購入したもの〉
 前々から「これは買えるうちに買っておくべきなのだろうな(ものすごく評判がいいので)」と思いつつなんとなく手を出せずにいた本と、その場で目が合った本、あと友人へのお土産用の推し本を買った。
●谷じゃこ『鯖のいる情景』:こだわりぬかれたかわいすぎる装丁と鯖への偏愛にひとめ惚れした。一冊まるまる鯖の短歌と川柳なんだよ。購入後に数えてみたら76首あったよ。(数え間違えている可能性もあり)それだけでも恐れ入ってしまうが、奥付に「2022年9月25日発行(気持ち的には3月8日発行)」とあったのをみつけたときは降参!大好き!と心のなかで叫んだ。さばのひ!偏愛バンザイ!
●谷脇栗太『ペテロと犬たち』:推し本。中身も外側もたまらなくよい。
●暴力と破滅の運び手『ブラームスの乳首』:運び手さんはやばい。なんとなくそうなのだろうなと思ってはいたけど、それ以上にやばい方だった。そりゃ人気なわけだ。最高。
ーーー
【toi books】
 最後に訪ねたのはtoi books。
 敷地面積だけみれば決して広くはないが、棚が宇宙だった。宇宙のひろがりを感じる棚だった。何周もぐるぐるした。もろもろの事情がゆるすならば何時間でも眺めていたかった。
 客が自分ひとりしかいない時間が長くつづくと店内に変な緊張感が漂ってしまうことがある。toi booksさんではそれが一切起こらず、店主さんの気配の消しかたに感動した。おかげで目の前の本棚以外のことは頭から消え、心ゆくまで回遊できた。
 その道のプロなのかと思うぐらい見事��気配を消されていた店主さんだったが、会計時にはお声かけくださり、それも嬉しかった。赤染晶子さんの『じゃむパンの日』について、この本を迎えられることが嬉しくてならないというような会話をし、温かな余韻とともに帰路についた。
〈購入したもの〉
●赤染晶子『じゃむパンの日』:言わずと知れた。また会えて、このような形で手にとることができて、幸せだ。
●いしいしんじ『書こうとしない「かく」教室』:他のお店で目が合ってもたぶんすぐには手がのびなかった。toi booksで出会ったという文脈が、この本を選ばせた。
●福永信『星座から見た地球』:いわゆるジャケ買いというやつ。表紙と帯とタイトルとぱらぱらめくってみた本文の白黒のバランスなんかに、ぴんとくるものを感じた。ままごとの『わが星』っぽいのを想像しているのだけれど、どうだろうな。そうだと嬉しい。そうでなくても嬉しい。
●町屋良平『ほんのこども』:いつか読まねばと思いつつ、向き合うのが怖くて、目が合うたびに逸しつづけてきた本。ついにわが家の敷居をまたがせてしまった。怖い。
ーーー
 以上で「書店と朗読会をめぐる旅をしてきた話」はおしまいです。
 最後に、今回の書店めぐりを通じて感じたことなどを少しだけ書いておきます。
ーーー
 どのお店も「誰のために」と「なんのために」が明確で(あるように私には感じられた)そこがとても格好良かった。
 誰のために。なんのために。
 お話を書く際にも、それから読む際にも、忘れずにいたい問いだ。
 つい最近、とある作品を読んだ際に、それが誰かにとって大切な物語なのだと想像することを怠った結果、ひどい過ちを犯してしまった。そんなことを思いだしたりもした。
 そんなこんなで、たくさん本を買った。
 お財布はすっからかんだ。旅行中はほとんど飲食店に入らず食費を節約していたのだが、焼け石に水だった。
(コンビニのおにぎりをホテルの冷蔵庫に入れておくとひとばんでカチンコチンになるのだという知見を得た)
(知見を得たのに翌日もまったく同じ失敗を繰り返し、二日続けて予定していた時間にホテルを出ることに失敗した)
 今回の旅のために確保していたお金は使い切り、ほかのことに使うはずだったお金まで飛んでゆき、もともと天井を突き破っていた積読の山がさらに高くなり、そのぶんだけ罪悪感が募った。でも悔いはない。お金を貯めて積読の山を低くしてから、またこういう旅がしたい。
 大阪から戻ったあと、久々に実家に帰った。
 駅前の風景に違和感をおぼえ、その正体について考え、長いあいだ駅前でがんばっていた書店がドラッグストアになっていることに気がついた。
 自覚していた以上に、私は本屋さんがすきみたいだ。
 本屋さんを、とりわけ街の本屋さんや個人の営む本屋さんを、じぶんにできる形で応援してゆきたい。
ーーー
 おまけの番外編
【つまずく本屋 ホォル】
 大阪から帰ったあと、川越市の霞ヶ関にある「つまずく本屋 ホォル」に行ってきた。ほしおさなえさんや伊東なむあひさんのツイートで存在を知り、長らく気になっていたお店だ。
 店主の深澤さんがとてもお話のしやすい方で、最近発売されたアンソロジーのこと(『なまものの方舟』には私も乗りたかったのだけれど、乗組員を志願してよいのかわからずまごまごしているうちに船が出港してしまったのです、など)や共通の推し作家のことなどを、わりと長めにおしゃべりさせていただいてしまった。一月に開催される「星々の集い」でまたおめにかかれるとのことで、今から楽しみだ。
 ホォルさんの棚、迷路みたいですごく楽しかった。新しい本と古い本がわけへだてなく並んでいるところや、おなじ本がいろんな棚にいるところが、のびやかで風変わりで、すきだった。深澤さんは「意図してそうしているところと、結果的にそうなってしまっているところがあるんですよね」と仰っていたけれど、そのありようこみで、とても好もしく感じた。
〈購入したもの〉
●小津夜景『花と夜盗』:小津夜景さんの存在を知ることができたのは、今年特によかったことのひとつだ。教えてくださった方にとても感謝している。
●せんだいメディアテーク『ナラティブの修復』:いま一番関心のあるテーマについての本なので買うしかなかった。
●野村日魚子『百年後 嵐のように恋がしたいとあなたは言い 実際嵐になった すべてがこわれわたしたちはそれを見た』:訪問のきっかけをくださった伊藤なむあひさんへのリスペクトをこめて、伊藤さんの推し作家さんの本をお迎えした。(というのもあるけれど、単純に野村日魚子さんの歌集がほしかった)
●橋本輝幸『鹿が店を発見する』:橋本さんのお店レポが好きなので。一冊にまとまって嬉しい。
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miu2d · 6 months
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桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
2024/3/13(水) 18:46配信
ねとらぼ
 桐朋高等学校(東京都国立市)、第78期卒業生の答辞がX(Twitter)を中心に、「とんでもない18歳だわ……」「す、すごいものを見た」など大きな反響を呼んでいます。
 本記事では、答辞を書いた土田淳真さんの掲載許諾をもとに、桐朋高等学校公式Webサイト、土田さんのnoteにも掲載されている答辞全文を紹介します。
答辞
 ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきは、巡り巡ってアメリカ・テキサス州のハリケーンの原因となりうるでしょうか。1972年、アメリカの気象学者エドワード・ローレンツは正確な気象予報の困難さをこのように例え、初期条件の僅かな違いが観測結果に大きな影響を与えることを示しました。ローレンツのこの問いはやがて「バタフライエフェクト」として大衆文化にも受容され「偶然に導かれた数奇な因果関係」を意味する言葉として用いられています。本日体育館の外に吹いている朗らかで少し物寂しい風も、ともすると3年前・6年前初めてこの学校に足を踏みいれた時の肌寒く不安な風の名残なのかもしれません。
 自らの歩みを振り返り、新たな日々を予感させる春風が吹くこの佳き日に、桐朋高等学校78期、293名の卒業式を挙行くださること、卒業生を代表し感謝申し上げます。そして六年間僕達に知的好奇心の入り口を開け続けてくださった先生方、また何より18年間僕達の成長を見守ってくださった保護者の皆様に、重ねて御礼申し上げます。
 振り返ると78期は常に風と共に歩んできました。2019年4月1日、「平成」に替わる新元号「令和」の発表。出典の万葉集に曰く、「初春の令月にして、気淑く風和らぎ…」しかし、令和最初に吹いた「風」は通常の「風邪」を遥かに凌駕した未知の感染症でした。「期末試験は中止です」最後の登校日、担任の先生が複雑な表情でそう告げた時、歓喜の声を上げた僕たちのそばで一人下を向いていた友人が流した悔し涙が、コロナの残酷さを如実に物語っていました。憎たらしいほどの青空の下で、僕たちの中学修学旅行は、部活の試合は、そして何よりマスクの下に見るはずだった皆の笑顔は、全て「不要不急」の4文字に淘汰されていき、その鬱憤を誰のせいにもできない葛藤の毎日が続きました。それでも、時計の針は進み続けます。たとえそれが黒板に打ち付けられた腕時計の針であっても。桐朋祭は3年ぶりの有観客開催となり、熱狂の渦を取り戻しました。無事に迎えられた高校修学旅行、旅館の屋根の上、あるいは大文字山から見た京都の星空は、さぞ格別なものだったでしょう。「7回学んで8回笑え」修学旅行のこのスローガンは元々「7回笑って8回学べ」だったそうです。最後は笑いたいよね、実行委員のその一言で少しだけ変わったこのスローガンからは、一生ものの信念を感じます。
 しかし、僕達のこの信念は、決して既存体制への反骨心に基づくものではなく、僕らに本質的に内在する潤澤な学びと笑いへの希求である、僕はそう思います。僕達でなくして誰が、壊れたプリンターで射的をしたでしょうか。電子研は78期の学びある笑いの象徴でした。僕達でなくして誰が、教室のベランダにガーデンテラスを作ったでしょうか。中学最後のスポ大、掟破り瀬戸際のクラTを着て優勝した3年1組が、僕はとても羨ましかった。僕達でなくして誰が、数学の問題集より分厚い修学旅行のパンフレットを作ったでしょうか。学校説明会に来た小学生がこれを見て目を輝かせていたのは忘れられません。CreationとImaginationが同じ「そうぞう」という音なのは日本語の奇跡としか言いようがありませんが、僕達にとってこの両者はもはや同一でした。そしてまたこれも言葉の綾ですが「そうぞう」はえてして騒々しい――群馬県警を呼び、1年1組の天井を破壊し、あるインドカレー店と癒着ができました。ともかく、78期はなんというか、豪快でパワフル。学年閉鎖をことごとく回避し「馬鹿は風邪をひかない」あまりのうるささに呆れ顔で言われたその言葉ですら、僕達には誇らしく感じられました。馬鹿と言えば、これまた「そうぞう」の一環として、生徒による学年通信「馬鹿たれ」を想起した方も多いことでしょう。学年目標を冠した本家「大鵬たれ」のパロディとして作られたこの「馬鹿たれ」、後付けではありますが、かのスティーブ・ジョブズの演説も由来の1つだそうです。 “stay hungry, stay foolish”僕達はこの演説を高2英語総合の授業で学ぶことになります。偶然、ちょうどそのころ、この演説を扱ったある番組がNHKで放送されました。1人の細やかな営みの連鎖が、世界を動かす、と語られるこのシリーズ番組は、また偶然にも僕たちが高1の世界史で学んだ「映像の世紀」の続編で、その名も「映像の世紀 バタフライエフェクト」 2022年11月7日の放送回では、「世界を変えた愚か者」としてご存知ジョブズと、彼に影響を与えた思想家バックミンスター・フラーが紹介されていました。フラーは人類の持続可能な発展についての先駆的概念「宇宙船地球号」の提唱で知られています。バタフライエフェクトと「宇宙船地球号」はともに、いかなる矮小な存在も雄大な世界の要素であることから逃れられないことを示しました。1人の細やかな営みの連鎖が、世界を動かす。情報化社会と呼ばれる今日、それはいよいよ僕ら若者のレベルですら現実となりつつあります。絶えず大衆を突き動かし、ふと消えていくこれらの動きは、まさに風と形容するに相応しい。ですが、風そのものはいかなる善悪も吉凶も帯びていません。曖昧で流動的で得体がしれない、だからつい単純化し、意味づけしたくなるだけなのです。0か1かで定義されるデジタル技術が世界を支配する一方、0と1の間の無限の可能性を認める多様性、個性といった言葉が盛んに繰り返されています。しかし、個性的とは決して固定的なものではない、まして赤の他人から全角140字で押し付けられるものではない、僕は同級生の底知れぬ人間力と接する度にそう思います。僕達が一生かけて取り組む問題集には別冊の解答解説なんてついていません。解説されてたまるものか。解答なんてあるはずもない、だけれども、あるいはだからこそ、その問題を直視し、従うべき、逆らうべき風を判断せねばなりません。
 さてこの“stay hungry, stay foolish” “be foolish be hungry”ではありません。僕達はいつまでfoolish、馬鹿でいられるのでしょうか。無知を馬鹿というならば、僕は永遠に馬鹿で構わない。無知とは、また新たな何かを学べるということであり、学びとはすなわちその奥に未知が存在することへの知覚なのですから。高1の時、担任の先生がこう言っていたのを思い出します。「学ぶ意味なんて学びきるまで分からない、でも意味がわからないから学ばないってのは、あまりに安直だよね」学びには王道もなければ聖域もない。永久の学びを志向する者ならば、他者に対し冷笑的、厭世的な態度で臨むことは許されません。
 馬鹿は風邪をひかない――己の無知を自覚し、故に学び続ける「馬鹿」であるならば、流言飛語やデマといった一時的な「風」に惑わされることはないはずです。未成年という防風林が除去された僕たちには、今後多くの逆風が吹きつけるでしょう。時には向きを変え、その逆風を追い風に変えることも重要な戦略の一つです。ですが、青臭いかもしれないが、コロナ禍を乗り越えた学年として、いやそうでなくとも78期として言わせてほしい。逆風を味わうことができるのは、前に進む者だけだ、と。
 さらに僕達はそう遠くない未来、風を受ける側から風をおこす側になるでしょう。最後にこんな話を紹介させてください。ある日、生徒会の意見箱に右翼や左翼といった言葉を使って特定の政治思想を中傷するものが投書されていたことがありました。どう返信しようかと悩み、そのまま机に置いて帰った次の日、誰の字とは分かりませんが、しかしはっきりと次のようなことが書かれていました。「片方の翼だけでは、鳥は空を飛べません」 僕達が大鵬ならば、両方の翼を自在に使いこなせる大鵬でありたい。大鵬は古代中国における季節風の象徴だという説があります。中国大陸の南、太平洋を吹き抜ける季節風は、古来より貿易船の帆を押し、東西文明の融合、新たな文化の隆興を育んできました。1匹の蝶でさえハリケーンを引き起こすなら、293羽の大鵬は何をもたらすのでしょうか。僕達がおこす風もまた、曖昧な他者を融合させ誰かの「そうぞう」の一助となると信じています。
 桐の朋。ですがけっして「これっきりのとも」ではないはずです。
 数千里の翼を伸ばして校舎の外に尚も広く晴れ渡る大空を悠々と、颯爽と翔けていく我ら大鵬。
 78期が飛び立つ空に、学びあれそして笑いあれ。
 78期よいつまでも、馬鹿な大鵬であり続けよう。
 2024年3月2日 78期卒業生代表
※一部、土田さんから申し出があった箇所を訂正しています
 土田さんによると、「このたびの答辞を作るにあたり、78期の全てを詰め合わせるという思いで、卒業生293名全員の氏名から1文字ずつとって本文に組み込む、ということに挑戦しました。また、最後から3行目には担任団の先生方の氏名を1文字ずつ入れております」とのこと。また、投稿によると「桐の朋。ですがけっして“これっきりのとも”ではないはずです」という文章は、本番でのアドリブだったそうです。
 編集部が土田さんに反響に関して話を聞いたところ、「内輪ネタ満載の答辞にもかかわらず多くの皆様にお読みいただき、桐朋の魅力が少しでも伝わったようで何よりです。これからもまだ見ぬ新たな学びを求めて、大学生活を過ごしてまいります」とコメントしてくれました。
 土田さんの答辞には、「あまりにも素晴らしい文章で感動」「こういう言葉が紡ぎ出せることがなんと素敵なことか。豊かな感性」「卒業生全員の文字入れてのあの内容、すごすぎやしない? あっぱれの一言よ…」「溢れる知性とユーモア、仲間への想いを美しい文章へとまとめ上げる文才に感動しました」「答辞で泣くなんて……」「ここ数年の間に読んできた文章で一番胸が熱くなる素晴らしい挨拶だと思います」など、感動した人の声が続々と届いています。
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ryosukedaigakuya96 · 5 years
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Saiyuki Recitation drama- Alive (29/09/2019)
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bakianime · 6 years
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ガイア、本部以蔵、マホメド・アライ、マホメド・アライJr.のキャラクター情報が到着ッッ
いよいよクライマックスに突入し、雄(おとこ)同士の激闘がヒートアップするなか、新たなファイターが参戦ッッ!ガイア、本部以蔵が残る最凶死刑囚たちとの闘いに殴り込み!さらに伝説の数々を持つ“神”と呼ばれる男マホメド・アライと、その夢を継ぐ息子マホメド・アライJr.のキャストなどキャラクター情報が到着ッッ
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ガイア CV:村瀬歩 周りに存在するすべてのもの、敵の心理さえも味方にする戦い方を身に着けた環境利用闘法マスター。修業時代の刃牙と闘い仮死状態まで追い詰めたこともある実力者。
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本部以蔵 CV:稲葉実 本部流実戦柔術の使い手。どこにも属さず超実戦柔術を追求し、武器全般に精通する。
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マホメド・アライ CV:田中秀幸 20世紀最高のスポーツマンと称され、スポーツの枠を超えた数々の伝説を持ち、生きながら“神”となった男。
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マホメド・アライJr. CV:保志総一朗 偉大なる父“マホメド・アライ”の目指した、全ての局面に対応できるファイティングスタイル“マホメド・アライ流拳法”を完成させた。
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cefrlyne · 7 years
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Ishida-san kneels down when Hirota-san walks over to his seat after he slurs a line in reading the selected quote for Cho Hakkai
I was so shocked everytime to see the CV kneels down after a slur in events. O_O Even with rehearsal unexpected conditions might arise during actual scenario so I’m not too surprised at its happening. Though in this case the cute expression made by Ishida-san right after the slur is so precious!
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