明日から上期最後の展示会です! 先程搬入してきました✨ 久々の銀座です^_^ 新作 #ひまわり #切り抜きパン皿セット #重なるプレート 🌻🌻 #群生するひまわり 大小サイズあります。 最後写真👉あまり見ることのないデパートの裏、裏路地🏬 #昭和レトロ な感じです! #銀座 にお越しの際は是非お立ち寄りください😊✨ #松屋銀座 7階 #テーブルジョイ 初夏の器展-夏を彩る花の器たち 6月15日〜6月21日まで 10時〜20時 最終日18時まで 大体朝10時半くらいから18時半〜19時の間までは毎日在店する予定です! #紫陽花 や ひまわり🌻 #ブルーの器 を中心にお持ちします。 とはいえ、もちろんピンクの器もご用意しております👍 #花のある暮らし #花の器 #花のうつわ #花が好きな人と繋がりたい #花が好き #器好き #うつわ #夏の花 #初夏の器 #器のある暮らし #器好きな人と繋がりたい #花紋 #夏の器 #パステルカラー #陶芸工房ラプエルタ #小林恵 (Matsuya Ginza) https://www.instagram.com/p/CeyY9uqldJD/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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京都のおいし~お店紹介
そろそろ京都のおいし~ご飯屋さんの情報を残しておかないと勿体ないと思ったのでここに残していきます。写真は用意するのが面倒臭かったので代わりにGoogle MapのURL載せておきます。各自飛んで情報をご確認下さい。紹介するお店は京都に住む学生の日常として過ごすならなではなお店ばかりですので、京都らしい湯葉とか懐石のお店とかはないです。京都来たのに一回も食べれてない。たべて~!
庶民 立ち飲み にんにく丸揚げ・さつま揚げ・刺身3種盛
京都で一番安くて美味しいお店はどこかと聞かれたら、まずはこのお店を紹介するようにしています。とにかく安い!!生ビール(250YEN)。芋焼酎(200YEN)。この二つだけでも既に最強のお店って感じがしますが。庶民の本当に凄いところは、肴も安いところです。絶対に頼んだ方が良いのは、ニンニクの丸揚げ(100YEN)、さつま揚げ(150YEN)、刺身の三種盛(500YEN)この三種盛は必ずしめ鯖が入っているのですが、個人的には抜いて別のお魚を入れてもらった方がお勧めです。庶民は本当に混んでいるお店なので、ナイジェリアの市場ぐらい人でパンパンです。灰皿は頼まないと出てこないので気を付けてください。喜劇の上回生で後輩に奢りたいけど、お金が……という人はここで奢れば無問題です。3人でたらふく食って飲んで3000円行くことはまあないです。ただお店の狭さと立ち飲みであることを踏まえると3人ぐらいが限界の人数だと思います。先輩後輩だと3人ぐらいの飲み会が一番楽しくない?俺はそう思うぞ。この庶民の辺りは大宮という飲み屋街なので、ここを一軒目にして、そっから遊び狂うのが正解だと思っています。銭湯もあるので飲んでから銭湯行くも良し、風呂使ってから飲むも良しです。未だにどちらが正しいのかがよく分かんないままだけど。
https://goo.gl/maps/ec3VGC5BYK3GLPkMA
バール・カフェ・ジーニョ 喫茶店 コーヒー・サンドイッチ
個人的な思い出がいっぱいのお店です。今住んでいる家はこのお店があるから近くに住みたいという理由で決めました。それぐらいこのお店の居心地は良かったんです。サンドイッチ200円、コーヒー200円なのに、京都で一番美味しいコーヒーとボリュームのあるサンドイッチを出してくれます。ブラジルの国旗がお店の前に掲げてあるので、僕は「ブラジル」と呼んでいましたが本当の名前は全然違うし、かっこよかったです。申し訳ないです。昔はタバコが吸えて、授業の合間にこのお店で涼んでゆっくりしてからまた大学に戻るというのを繰り返していました。タバコが吸えなくなって久しいですが、それでもここを訪れる価値はあると思います。
https://goo.gl/maps/fkqrKJPBKhwdLNYL9
村屋 居酒屋 酒盗クリームチーズ 日本酒
昔は少し駅から遠くにあって、古い木の建物とネオンが異質の雰囲気を放っていた店でしたが、ある日突然の閉店がアナウンスされ、絶望していました。しばらくして後輩のユヅキと一緒に銭湯の脱衣所で「村屋無くなって寂しいなあ、あのお店の代わりは見つからないよ~」と喪失感を共有していたら、「あるよ。村屋復活するよ」と知らないおじさんから急に情報が与えられ、おじさんの言う通りに村屋は場所を変え復活しました。
京阪出町柳駅から徒歩一分、後輩のオダギの家からは徒歩30秒の場所に復活した村屋は、記憶と違わない怪しいネオンを光らせています。お勧めはその日のメニューの中から味の濃そうなおつまみと酒盗クリームチーズ(300YEN)を頼んで、焼酎(350YEN~)日本酒(400YEN~)泡盛(300YEN~)を注文し、酒盗クリームチーズを箸の先っちょに乗せ、箸までねぶってから酒を入れることです。これさえあればあとはどうでもいいと思わせてくれる、そんな味です。現在もタバコが吸える店且つ夜が明けるまでお店を開けていることが多いので、呑んでいい気分のまま朝焼けの鴨川デルタに突撃するのもハチャメチャに楽しいですよ。眠たくなったらオタギが優しく泊めてくれる立地ですのでぶっ倒れるまで飲んでいただいても大丈夫です。
https://goo.gl/maps/pEDQSEY3wokFeiAy7
イルカ喫茶バー カクテル
バイト先の京都造形大に通っていた人から紹介してもらったのがこのバー、閑静な住宅街の中にありながら、かなり本格的で多様なカクテルを飲むことができます。値段も財布に優しく、カクテルは基本的に300円から、スナックは200円くらいからだったと思います。チャージの概念はもちろんないので、京都で初めてバーに行きたいと思ったら、このお店は三条四条のお店より落ち着いていて、メニューにカクテルの詳細が載っていますし、結果的に満足できると思います。昔は吸えましたが、時代の流れということでダメになりました寂しいですね。
https://goo.gl/maps/6VsvjtBEDAgJ8yPs9
かふぇじーの 喫茶店 ポットコーヒー
大��寺の近くにあるジャズ喫茶です。窓からの景色がいいのと500円のポットで頼むとコーヒーが二杯飲める量が来るので、長居に向いています。本が雑多に置いてあるので適当に読むも良し。マスターは気さくに対応してくれるので、空いてたらカウンター側に座るのも良しです。かなり中心部から離れているので、時間があるときに訪れてみると良いと思います。昔は吸えましたが今はもうダメです。残念!しゃあない!
https://goo.gl/maps/MKBoNYyTeNbnbzcv9
丸二食堂 定食屋 焼きめし
「炒飯」と「焼きめし」は確実な断絶があり、一度「炒飯」を作れるようになってしまうと、二度とお袋が作ってくれる「「焼きめし」」は作れなくなってしまう。
というのが僕の好きな漫画である「がらくたストリート」の中で語られていました。実際に中華屋で頼む炒飯と定食屋で頼む焼きめしは不思議と違いがあると皆さん感じますよね?僕は感じます。僕はその断絶はパラパラかベチャベチャかでその違いが決まると思ってます。
長々と話をしましたが、炒飯のNo1のお店は未だによく分からないままです。でも焼きめしのNo1、キングオブ焼きめしを出す店はこの丸二食堂であると自信を持って言えます。揚げ物やボリュームのコスパで語られることが多い丸二ですが、本当に頼むべきはここの焼きめしです。確か大盛で500円だったと思いますが、コスパとかそういうものは関係なしにここの焼きめしはめちゃくちゃ美味いです。ほんのりと香るニンニクと湿った醤油の焦げた匂いのする焼きめしは、他のどこも敵うことのない美味しさです。注文は入り口に置いてある、紙とペンに書いて一応口頭でもお願いするといいです。ジャンプ、サンデー、チャンピオンが置いてあって、あまりマガジンを読まない僕はこのチョイスが最強です。因みにオダギの家には大量のマガジンが置いてあります。マガジン派の方はオタギの家にGO!!昔は畳の座敷でタバコが吸えたお店でしたが、よく子供連れの方も来られていたので、禁煙にして良かったと思えるお店です。
https://goo.gl/maps/99r5a7r4kumUJ8x48
國田屋酒店 角打ち ハートランドビール
色んなビールが世の中にはありますが、このお店では三大ビールではないハートランドの樽生が飲めます。飲み方としては、まず土曜日の午前の11時近く遅めの時間に起きてもらって、何の予定も、やりたいことも思い浮かばなかったら適当な昼飯を食べて、このお店の近くの銭湯で、浴槽でのんびりしてサウナ入ってからここに向かいましょう。そして700円の1リットルのジョッキを頼んでちゃっちゃっと飲み干しましょう!以上!
まあ普通に美味しいビール飲みたくなったら行ってもいいと思います。ここは酒屋さんなだけあって日本酒の種類も豊富で200円でちっちゃなコップ、400円で大きなコップで色んな日本酒を飲めます。ビールも日本酒もあまり好きじゃないという方は、季の実という美味しいジンをトニックで割ったジントニックが素晴らしく美味しいので是非飲んでみてください。酒のおつまみは缶詰やソーセージ、ベビースターなどがメインでTHE角打ちって感じです。因みに巻きたばこの無料試吸があって手先が器用な方なら無限にタバコ吸えます。良心が傷むギリギリまで吸っちゃってください。後輩のユヅキ君は5,6本吸ってました。僕はいつも1本にしてます。
https://goo.gl/maps/egWE87zE8E3USEbe6
キッチン瑞穂 洋食屋 クリームコロッケ
京都はハイカラな洋食屋さんが多くて、その中でも学生に優しくて美味しいお店はこのキッチン瑞穂です。ここは夜でもランチが頼めるのでそれを頼むとパンかご飯を選べて、サラダも付いてくるのでオススメです。特にコロッケランチ(640YEN)を食べてみて欲しいです。 急ですが実家にいたころ、ステーキメインのお店なのにそこのクリームコロッケカレーが美味しいからとよく家族で行ってたのですが、正直カレーよりも、そのお店の水槽がとっても大きくて綺麗だったことの方が印象的だし、一回もステーキ頼んでないのおかしいんじゃないかと思います。頼みたかったのに何故か頼ませてくれませんでした。食べたかったなステーキ。そういう訳であまりクリームコロッケに縁を感じることもなく生きてきたのですが、ここでぶち当たりましたねクリームコロッケの縁に。クリームコロッケに興味を持ったことない人にこそ食べて頂きたいです。小さなエビが入っていてパンにもご飯にも滅茶苦茶合います。カツカレーもとっても美味しくてボリューミーなので腹ペコだったらそちらも是非!昔は洋食屋さんなのにタバコが吸えるというかなり珍しいお店でしたが、今は不明です。どちらにせよ良い店です。
https://goo.gl/maps/rCh3buQg6apqQiNR8
京香園 麻婆豆腐
京都は中華料理屋さんが多い割にしっかりとバランス型の中華をしてるお店が見つかりづらかったりします。どうしても日本よりの味付けになっていたり、本場により過ぎて留学生しかいってないようなお店だったりで、言葉にするのが難しい丁度良さがあるんです。丁度良さを持ってるお店は基本的に値段が張るお店だったりするのですが、この京香園は丁度良さのどストレートを行くお店です。回鍋肉も、チンジャオロースもとても美味しくご飯が止まらなくなるのですが何といってもここは麻婆豆腐!ここの麻婆豆腐を激辛で食べてください!辛いのが苦手な人は他のメニューを食べてもいいです。普通のマーボーは美味しいけれども、圧倒的ではないです。ここの激辛麻婆豆腐は酢漬けの唐辛子が入っているのがポイントで、この唐辛子のおかげで米の進むスピードが∞kmになります。激辛と普通のマーボーで体積が二倍ぐらいになるので、激辛にしてくださいを必ず言った方が良いです。じんわり汗をかくタイプのマーボーで激辛と言いつつも辛いのが得意な人なら気軽に頼んでもらって大丈夫です。因みにここは府上の元下宿先が近くて二人でよく行ってバクバク食べてたら元々おかわり無制限だったのが、2杯までになりました。人生でおかわり制限食らったのはここで2度目だったのでかなりショックでした。大盛は自由なのでお腹が減ってたら一発目から大盛で行きましょう!禁煙!
https://goo.gl/maps/e2kaXTaGVj7RRbNR6
トレド 焼きそば
喜劇の皆はここで何度腹いっぱいにしてもらって、ビラ配り後の飯タイムで大量の後輩に奢る時ここに何度救ってもらったんでしょうか。数えられんぐらい行ったし、同じだけ笑ったお店だと思います。焼きそば、ナポリタン、カレー、サンドイッチ、基本400円でセットにするとコーラかコーヒーを付けて700円という安さ。
長居のしやすい空間、一人でホールを回すせわしないおばちゃん、面白い形の灰皿、トイレに行くまでにある京都特有の町屋の中庭、お金を入れるだけの機械になっているレジ、頼んだら出てくるでっかいマヨネーズ。小さなお店だっただけに細かいところが手に取るように思い出せます。
今は閉まっちゃっていていつ頃再オープンするのかが未定のお店ですが、皆の思い出の場所だと思います。この店は僕が最初に発見したことを今でも後輩に自慢散らかしています。因みに後輩のミヨシはこのお店があまりに長く閉まっていたのを心配して、お店の前に置手紙を残したという一歩間違えたら怖すぎる奇行をやらかしてます。その行為自体、俺は素晴らしいと思うけど、同志社OBという全くの別人格として手紙を出すのはズルだと思うぞ!
https://goo.gl/maps/zhpV89bAMvM2pT8G6
スペースネコ穴 ??
一番店じゃない店。ここはお店として紹介するのが変な感じになる居酒屋?さんです。検索してもらったら分かると思うのですが、店内が本当に無秩序。他のお客さんがつまんでいる料理を一緒につまんでも全く問題ないですし、勝手に冷蔵庫を開けて横の栓抜きで赤星を開けて飲むのがルールです。蓋は床に放置して大丈夫です。ユヅキと一緒に初めて行ったときの思い出は、ウィスキーとコーラが置いてあったのでコークハイをお願いしたら、「どっちも他のお客さんのキープしているもので出来ないの」と店主さんに断られ、しょげてると「あったあった」と言って代わりにテキーラとジンジャエールが出され、ジョッキに7割程テキーラが注がれて、ほんの少しのジンジャエールをちょぼちょぼと垂らして出されました。飲みながら死を覚悟し、横目に猫がこたつを横切るのを見ました。その後それを飲み干したユヅキはダウンし、僕はトイレに駆け込んで全部戻してから意識を無くし、店主さんに「もう家出るから、起きて」と優しい声で起こされた時にはもう朝になってました。そしてお会計の時に「う~ん、ビールとこれとおつまみと…」数秒程考えてから「うん!1500円!」という衝撃の値段が飛び出てきました。自信を持って言われましたが、チェックすらまばらで曖昧な会計をしてあんなに自信のある「うん!」を僕は聞いたことが無いです。普通に一晩寝させてくれていたという事実に衝撃を受け同時に底の知れない優しさは時に恐怖を生むのだなと考えさせられたお店です。
他にも僕、府上、ユヅキで午後10時頃お店を尋ねたところ、店主さんは他のお客さん数名を楽しくお話をしていたので僕らでしっぽりと飲んでいたところ急に「私、この人達と飲みに出かけるから、このお店好きにしていいよ!適当にコンビニとかで買ってここで飲んでもいいし、適当に飲んだら適当にお金置いてって!」と店主。と?今、冷静に書いていると明らかにおかしいです。狂気すら感じます。僕らがお店のお酒を勝手に飲んで、お金すら置かずに帰ったら?当時ですら色々な疑問が浮かびましたが、先に飲んだお金だけ先に支払いました。その後、雨の中皆でコンビニに行き初訪問時に飲めなかったコークハイを作って、勝手にFishmansやThee Michelle Gun ElephantのCDを勝手に流して飲めや歌えや踊れやで爆笑し続けました。世の中には当たり前が溢れすぎていて、生き続けると考え方が段々と固まってしまって、当たり前で社会は回っていて、その当たり前すら否定するのがスペース猫穴です。宇宙もこんな未知で溢れていて欲しいですね。エピソードは他にも腐るほどあるのですが、気になったら聞いてください。
https://goo.gl/maps/k9KHXTkkYD1dMZXL6
色んなお店を思い出と共に語ってきましたが、とりあえずここら辺にしとこうと思います。他にも紹介したい店や書きたいことはあるので、たまに書こうと思います。あと、もしあなたがどこかに住んでいて、お気に入りのお店があったら匿名でも何でもいいので教えてくれると嬉しいです。近く行ったら寄ります。では!
おわり~(100%)
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KOBE LOST FUTURE
人工島が好きだ。ポーアイも六アイも大好き
理想郷を目指して0から完璧に作り上げたような街並みなのに、最後にして最重要のピースである人間だけがどうしようもなく足りなくてその違和感がめちゃくちゃいい(他人事だからそう言ってしまえるんですね許してください)
IKEAというものにずっと行ってみたくて、わざわざ帰省中の友人に付き添ってもらうことになった
愛しくも侘しい人工島でIKEAだけは堂々と君臨していた。モノレールの駅までIKEA仕様になっており、私達はユニバーサルシティ駅さながらはしゃいで写真を撮りまくった
店内に入ってからは、家具の思い出より食堂でのことばかり思い出す。二人なら余裕やんなあ!などと言ってキッチンのおじさんにホールチキンを頼んだら二度も確認された。「?」と思ったが、もう我々のマインドは無敵の女子高生だったあの頃にすっかり戻ってしまっていたのでニコニコと「ホールで!」と押し通したのだ。ホールチキンは予想を遥かに超えたボリュームだった。食べ進めるごとに口がカラカラになってしまうばかでかいチキンと小一時間格闘することとなる。あんなにはしゃいで取った美味しいデザート3品セットの皿も真顔でいただいた。そもそも、列に並んで順に小鉢を取っていくシステムの食堂で、初手がデザートなのは商売がうますぎる。こんなの見切り発車で頼みすぎるに決まっている。マスク会食のおかげで二人とも虚無顔を晒さずに済んだのは良かった
その後のショッピングは胃の中のチキンにかなりのエネルギーを持っていかれて判断力が落ちていたのでこの状態で何か買うと後悔するに違いないと思い買い控えてしまった。眠気とも戦っていたけどレジ前の怒涛の在庫積み上げディスプレイに度肝を抜かれてそれは吹っ飛んだ。せめてなんかめちゃくちゃ話題のフリーザーバッグの一つでも買えば良かったな。あとフォロイーさんがぬいに持たせてたちっちゃいIKEAバッグとか。友人は家族へのお土産でひよこパンを買っていてつくづくいいやつだと思った
少し回復した帰り際に誰も撮ろうとしない取ってつけたようなフォトスポットで写真を撮った。彼女とはいつも敢えてちゃちなフォトスポットで写真を撮ったり水風船や豆まきで遊んだりと他人にちょっと笑われることを好んでやったりする仲だ
人工島を徒歩で出て公園の遊具で遊び(上画像)よさこいサークルの眩しい練習を観察し、行きたかった本屋に入ったりして楽しかった。本当はスケートして遊ぶはずだったけど行き当たりばったりでも十分、むしろ予定以上に楽しかった。BE KOBEがめちゃくちゃ混んでいた。別にあんなんのために並んで写真撮ったりとかアホらしいよなと負け惜しみを言いながらメリケンパークを後にすると、二代目BE KOBEなるものの存在がまさに私たちがやってきた人工島にあると知って脱力した
帰り際にまた友人がお土産をくれた。彼女はこの春引っ越すので「これが最後のお土産かな」と言った。会う度にいつもお土産と手紙をくれるのに、私は地元から離れないせいで何も返せずじまいだ。いや何も準備しない自分がバカなだけだ。特に手紙は貰って泣くほど嬉しかったのに、同じように返せば良かった。私はLINEでは美味しいもの食べてねなどと何度も送るのだから、たくさん美味しいものをあげて手紙も書けばよかった…反省…彼女の新天地に遊びに行くときに今まで全部の分のお返しをもって、手紙も書いていこう
その日の本屋で買った写真集?『KOBE LOST FUTURE』は人工島で感じた大好きな未来の廃墟感を存分に集めた良い一冊だったし実際にその空気を肌で感じた日だったのでタイトルにした。タイトルって気取ってると思われるかな恥ずかしい
Tumblrのうまい使い方がわからない。こういうタグも付けない超個人的な壁打ちに向いてないのはすごくよくわかった。ブログのサイトとかでやった方がいい気もするけど、Tumblrのこの誰にも見られてなさそうな感じが良いから引き続きここで壁打ちを続けていこうと思う
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海辺の洞窟
リネン君は、誰よりもまともです、という顔をして、クズだ。彼の中身はしっちゃかめっちゃかだ。どうしたらそんなにとっ散らかることができるのか、僕には分からない。
彼の朝は床から始まる。ベッドに寝ていた筈なのに、いつの間にか転がり落ちているのだ。頭をぼりぼり掻きながら洗顔もせずに、そこらに落ちている乾いたパンを食べる。前日に酒を飲んでいたのであれば、トイレに行って吐く。
それから自分を寝床から蹴落とした女を見やる。それは顔も知らない女であったり、友人の彼女であったり、上司の妻であったりする。ともかく面倒くさそうな女だ。
ここで必ず電話が鳴る。誰もがリネン君が起きる瞬間を見計らったように電話をよこす。それとも彼の体が電話に備えるようになったのか。まあ、どちらでもいい。
電話の向こうは女の関係者で、烈火の如く怒っている。朝から怒鳴り声を聞くのは気分のいいものではない。口の中から胆汁がしみ出してくるような心地になるので、黙って切る。
リネン君にとって、彼女とその関係者の将来など、自分には関係のないことなのである。いやいや彼は彼女らの人生に大いに干渉しているのだが、リネン君は全ての責任を放棄しているのだ。誰が何と言おうと、彼は彼の行動の責任をとらないし、とるつもりもない。だからどうしようもない。
そうこうしているうちに女が目覚める。彼女はリネン君の消えゆく語尾から、彼氏や旦那の名前を聞き取るだろう。次の瞬間彼女はヒステリックに喚き出し、リネン君は自室を追い出されるはめになるわけだ。
リネン君はあくびをしいしい喫茶店に入り、仕事までの時間を潰す。休日であれば友人なのか知り合いなのか曖昧な人間と遊ぶ。暇な輩がつかまらなければ、その辺をうろつく汚い野良猫とたわむれる。リネン君は大抵の人には煙たがられるが、動物には好かれるのである。
リネン君は出会う人々とろくでもない話をする。誰かを笑わせない日はないし、誰かを傷つけない日もない。彼は湧き上がった感情を、健全であれ不健全であれ、その場で解消するだけなのだ。
僕等は同じアパートに住んでいる。リネン君の部屋は一階の一番端っこ、僕の部屋は二階の階段のすぐ隣だ。親しくなる前から彼の顔は知っていた。朝、父さんに言われて新聞を取りに行くと、みちみちにチラシの詰まった郵便受けの前で悪態を付いている彼を時々見かけた。母さんから、
「あんな人と付き合っちゃダメよ」
とお叱りを受けたこともある。その理由を聞くと、
「しょっちゅう女の人を連れ込んでいるみたいだし、毎晩のように酔っ払って何かを叫びながら帰ってくるし、たまに非常階段で寝てるし、ゴミは分別しないで出すし、昼間もふらふらして何をしているか分からないし、無精髭を剃りもしないしこの間だって⋯⋯」
と、このように、大人達のリネン君の評判はよろしくなかった。
僕等はアパートの庭に設置されている自販機の前で出会った。リネン君の第一声は、
「おい。五十円持ってないか」
だった。小遣いでジュースを買いにきた小学生にかける言葉ではないと思うが、いかにも彼らしい。リネン君はたかった金で手に入れたエナジードリンクを一気に飲み干した。それから隣でグレープジュースをちびちび啜っている僕を、
「ガキ。礼に煎餅やるから来い」
「え? でも知らない人の家に行くなって母さんから言われてるし」
「親離れは早いにこしたことない。いいから来い」
「え、あ、あの、ちょっと」
誘拐まがいに部屋に招いたのだった。
そうして僕は彼と親しくなった。もちろん母さんには内緒で。
彼の部屋は余計なものでいっぱいだ。年期の入った黒電話、聞きもしないレコード、放浪先で見つけてきた不気味な雑貨、または女性。つまり彼の部屋は子どもの暇つぶしにもってこいの場所なのだ。
「リネン君はどこから来たの?」
僕が尋ねても、彼はにんまり笑って答えない。
「俺がどこからやってきたかなんて、お前には関係ないことだろ?」
「じゃあこれからどこへ行くの?」
「嫌なことを聞くやつだな、お前は」
リネン君は心底うんざりした顔で僕を睨みつけた。けれど僕は睨まれても平気だ。大人は彼を怖がるけれど、僕はそうではない。彼は子どもと同じだ。好きなことはやる。嫌いなことはやらない。それだけ。それは子どもの僕にとって、非常に理にかなったやり方に思える。
大人は彼をこう呼ぶ。「根性なし」「我がまま」「女たらし」「クズ」⋯⋯。
リネン君は煙草をくゆらせる。
「近所のババア共ときたら、俺の姿が見えなくなった途端に悪口おっ始めやがる。常識人になり損なっただけなのにこの言い草だ。奴らに面と向かって啖呵切る俺の方がよっぽど潔いぜ。違うか?」
本人はそう言っているが、リネン君は陰険だ。この間なんて仕事で成功した友人の彼女と寝て、絶交を言い渡されてされていた。僕には確信犯としか思えない。
「バカ言え。どうしてそんな面働なことをやらなくちゃならない? 俺はな、他の奴らの目なんてどうでもいい。自分の好きなことに忠実でありたいだけだ」
リネン君は良くも悪くも自分の尻拭いができない。つまりクズっていうのは、そういうことだと思う。
とはいえ彼は僕に良くしてくれる。
「林檎食うか?」
彼は台所から青い林檎を放ってくれた。
「ありがと」
僕は表皮を上着の袖で拭き、がじっと齧る。酸っぱくて唾液がにじむ。リネン君は口いっぱいに食べカスを詰め込みながら、もがもがと言った。
「そういや隣の兄ちゃん、引っ越したからな」
なぜとは聞かなかった。リネン君が原因だと察しがついたからだ。
「どうせ彼女を奪ったんでしょ」
「『彼女を奪う』か。『花を摘む』と同じくらいロマンチックな言葉だな。お前、いい男になるよ」
「適当なこと言って」
「悪いな、またお前の植木鉢から花を摘んじまったよ」
「本当に悪いと思うなら、もうこんなことやめてよね」
「駄目だ。夜になると女が欲しくなる。こう見えても俺は寂しがり屋だからな」
「うえー、気色悪っ。⋯⋯それでお兄さんはどこに?」
「浜辺の廃屋に越したって。遊びに行こうったって無駄だぜ。あいつ、彼女にふられたショックで頭がおかしくなっちまって、四六時中インクの切れたタイプライターを叩いてるんだそうだ」
彼女にふられたショック? それだけではないだろう。リネン君の残酷な言葉に弱点を突かれたのだ。
人間は隠そうとしていた記憶、もしくはコンプレックスを指摘されると、呆れるほど頼りなくなるものだ。ある人は気分が沈みがちになり、ある人は仕事に行けなくなる。リネン君は、大人になるということは秘密を隠し持つようになることだ、と言う。
つまり、と僕は子どもなりに解釈する。大人達は誰もが胸に、洞窟を一つ隠し持っているのだ。穴の奥には宝箱があって、そこには美しい宝石が眠っている。宝石は脆く、強く触れば簡単に壊れてしまう。彼らは心を許せる仲間にだけその石を見せる⋯⋯と、こんな具合だろうか。
リネン君は槍をかついでそこに押し入り、宝石を砕いてしまうのだろう。ばらばらに砕けた宝物。リネン君は散らばる破片を冷徹に見下ろす。物語の悪役のように⋯⋯。
ではリネン君の洞窟は? 彼の胸板に視線を走らせる。何も見えない。堅く堅く閉ざされている。僕は酸っぱい林檎をもう一口齧る。
午後の光が差す道を、僕等は歩いた。今日の暇つぶし相手は僕というわけだ。
「リネン君」
「何だ」
「僕、これ以上先へは行けないよ。学区外だもの」
「そんなの気にするな。保護者がついてるじゃないか」
リネン君は自分を指差した。頼りになりそうもない。
「学校はどうだ」
「楽しいよ」
「嘘つくんじゃない」
「嘘じゃないよ。リネン君は楽しくなかったの?」
「楽しくなかったね。誰がクラスメイトだったかすら覚えていない。あー、思い出したくもない」
路地裏は埃っぽく閑散としていた。あちこちに土煙で茶色くなったガラクタが転がり、腐り始める時を待っている。プロペラの欠けた扇風機、何も植えられることのなかった鉢、泥棒に乗り捨てられた自転車⋯⋯。隙間からたんぽぽが図太く茎を伸ばしている。僕達はそれらを踏み越える。
「友達とは上手くやれているか」
「大人みたいなことを聞くんだね」
「俺だって時々大人になるさ」
「都合の悪い時は子どもになるくせに?」
「黙ってろ。小遣いやらないぞ」
「ごめんごめん。友達とはまあまあだよ」
「どんな奴だ」
「うーん」
僕はそれなりに仲のいい面子を思い浮かべる。けれど結局、分からない、とだけ言った。なぜなら誰であっても、リネン君の擦り切れた個性には敵わないように思えたからだ。僕の脳内で神に扮したリネン君が、同級生の頭上に腕組みをしてふんぞり返った。
「どいつもこいつもじゃがいもみたいな顔してやがる。区別がつかねえのも当然だ」
リネン君はまさに愚民を見下ろす神の如くぼやく。だが僕は彼を尊敬しているわけではない。むしろ彼のようになるくらいなら、じゃがいもでいる方がましだと思う。
「ところでリネン君、僕等は一体どこに向かっているの?」
彼の三角の鼻の穴が答えた。
「廃墟だよ。夢のタイピストに会いに行く」
潮の匂いに誘われ松林を抜けると、そこは海だ。透き通った水色の波が穏やかに打ち寄せる。春の太陽が砂を温め、足の裏がほかほかと気持ちいい。リネン君の頭にカモメが糞を落とす。鳥に拳を振り上げ本気で怒り狂う彼を見て、僕は大笑いする。
その建物は浜辺にぽつりと佇んでいた。四角い外観に白い壁、すっきりとした窓。今は壊れかけて見る影もないが、かつては垢抜けた家だったのだろう。
ペンキが剥げたドアを開ける。錆びた蝶番がひどい音を立てる。中はがらんとしていた。一室が広いので、間取りを把握するのに手間取る。主人を失った椅子が一脚悲しげに倒れている。家具といったらそれきりだ。天井も床もところどころ抜けている。まだらに光が降り注ぎ、さながら海の中のようだ。
空っぽの缶詰を背負ったヤドカリが歩いている。リネン君がそれをつまみ、ふざけて僕の鼻先に押しつける。僕の悲鳴が反響し消えてゆく。本当にここにお兄さんが住んでいるのだろうか。
「どこにいるってんだ。これだけ広いと探すのも手間だぜ」
リネンくんは穴の空いた壁を撫で、目を細める。
「僕は何だかわくわくするな。秘密基地みたいで」
「だからお前はガキだってんだ」
「うるさいな⋯⋯あ」
「あ」
僕等はようやく彼を見つけた。
お兄さんは奥の小さな部屋にいた。バネの飛び出た肘掛け椅子に座り、一心不乱にタイプライターを叩いている。紙に見えない文字が次々と刻まれてゆく。テーブルには白紙の「原稿」が山積みになっていた。僕等は息を呑み、その光景に見入る。
僕は目の前の人物が���兄さんだと信じることができなかった。きらきらしていた瞳は���っていた。締まった頬はこけていた。真っ直ぐだった背骨はたわんでいた。若さでぴんと張ったお兄さんは、くしゃくしゃになっていた。
「ご熱心なことで」
リネン君はテーブルに寄りかかり、これみよがしに足を組む。
「おい、元気か」
お兄さんは僕等に目もくれない。リネン君は溜息を吐く。
「聞こえてるのか」
先程よりも大きな声だった。沈黙が訪れると、キーを叩く音だけがカチャカチャと鳴った。呼吸のように規則正しく。カチャカチャカチャ、チーン。カチャカチャカチャカチャ、カチャ。
リネン君は懲りずに話しかける。
「何を書いてるんだ。小説か。いいご身分だな。ちゃんと物食ってるか。誰が運んでくれてる。あの女か?答えろよ。答えろっつうんだ。おい!」
かつてお兄さんは僕とよく遊んでくれた。爽やかに笑う人だった。時折食事に誘ってくれた。決まって薄味の感じのいい料理だった。彼女が顔を出す日もあった。彼に似て優しい女性だった。リネン君が彼女を知るまでは。
「お前、俺が彼女と寝てからおかしくなったんだってな」
リネン君はねちっこい口調で囁く。
「脆いもんだ、人間なんて。そうだろ? 好青年だったお前がこんなに縮んじまった。どうしたんだ? 筋トレは。スポーツは。やめちまったのかよ。友達は会いにこないのか? そうだよな。病人と面会なんて辛気臭いだけだ。
お前は何もかも失ったんだ。大事なものから見放されたんだ。良かったなあ、重かっただろ。俺はお前の重荷を下ろしてやったんだよ。大事なものを背負えば背負うほど、人生ってのは面倒になるからな。
にしても、たかが女一人逃げたくらいで自分を破滅させるなんて馬鹿なやつだな。お前は本当に馬鹿なやつだよ」
お兄さんは依然として幻の文字を凝視している。それにもかかわらず毒を吐き続けるリネン君がやにわに恐ろしくなる。一度宝石を砕かれた人は、何もかもどうでもよくなるのかもしれない。何も感じることができない空っぽの生き物。それは果たして人間なのだろうか。もしかしてリネン君の石は、もう壊されてしまった後なのかもしれない。
チーン。
お兄さんが初めて身動きをした。原稿が一ページできあがったらしい。彼は機械から完成品を抜き取ると、ロボットのように新たな用紙をセットした。後は同じことの繰り返しだった。決まったリズムでタイプを続けるだけ。カチャカチャカチャカチャ。
リネン君は舌打ちをした。
僕等は廃屋を後にした。夕日が雲を茜色に染め上げる。水平線が光を受けて星のように瞬いていた。海猫がミャアミャア鳴きながら海を越えてゆく。遠い国へ行くのだろうか。
「壊れた人間と話しても張り合いがねぇな。ったく時間の無駄だった。まともな部分が残ってたら、もう少し楽しめたんだがな」
リネン君はクックック、と下劣な笑いをもらす。仄暗い部屋で背中を丸めていたお兄さんの横顔が頭をよぎる。
「リネン君、どうしてお兄さんだったの?」
僕はリネン君に問いかける。糾弾ではなく、純粋な質問だ。リネン君は億劫そうに髭剃り跡を掻きむしった。
「お前には関係のないことだろ」
「お兄さんに何かされたの? お金がほしかったの? それとも彼女さんが好きで妬ましかったの?」
「どれもガキが考えそうなことだな」
「ねえ、何で? 教えてよ」
彼は僕の肩をぽんと叩いた。それで分かった。彼は僕の問いに答えてはくれないだろう。明日も、明後日も、その先も。ひょっとするとリネン君も、自分がどうしてそうしてしまうのか分からないのかもしれない。だから洞窟荒らしを繰り返してしまうのかもしれない。それは彼の壊れた宝石がさせることなのかもしれない。ずっと、ずっと前に壊れてしまった宝石が。
僕は彼の手を握る。
「僕には何でも話してよ。僕、子どもだし。大人の理屈なんて分からないし。リネン君が話したことは誰にも言わないよ。友達にも絶対。だからさ⋯⋯」
リネン君は鼻をスンと鳴らした。何も言わなかったけれど、僕の手を払いのけることもしなかった。
僕等はとぼとぼと暮れなずむ街道を歩いた。夜が深まるにつれ、繁華街のネオンがやかましくなる。リネン君は殊更騒がしい店の前で立ち止まると、
「これで何か食え」
僕に小銭を握らせドアの向こうに消えた。
近くの自販機でコーラを買う。プルタブを開けると甘い香りが漂う。僕はリネン君の部屋に放置されていたビール缶の臭いを思い出す。どうして黄金色の飲み物からあんな臭いがするのだろう。コーラのように甘やかな匂いだったらいいのに。そう思うのは、僕が子どもだからなのだろうか。
僕は全速力で走る。野良犬にちょっかいをかけていたら、すっかり遅くなってしまった。早く帰らないと母さんに怒られるかもしれない。これまでの時間誰と何をしていたのか問い詰められたら、リネン君のことを白状しなければならなくなる。自白したが最後「あんな人と付き合うのはやめなさい」理論で、監視の目が厳しくなるかもしれないのだ。
慌ててアパートの敷地に駆け込んだ時、リネン君の部屋の前に女の人が座り込んでいるのが見えた。臍が出るほど短いTシャツ、玉虫色のジャケット、ボロボロのジーンズ。明るい髪色と首のチョーカーが奇抜な印象だ。切れかけた電球に照らされた物憂げな顔が気にかかり、つい声をかけてしまう。
「あの。リネン君、しばらく帰らないと思いますよ。居酒屋に入ってったから」
女の人は僕を見た。赤い口紅がひかめく。瞬きをする度、つけ睫毛からバサバサと音がしそうだ。彼女はかすれた声で返事をした。
「そう。だろうと思った」
彼女はラインストーンで飾られたバックから煙草を取り出し、火をつける。煙からほのかにバニラの香りがした。
「君は彼の弟?」
僕はぶんぶんと首を横に振る。これだけは何が何でも���定しなければならない。
「ふーん。じゃ、友達?」
「そんなところです。僕が面倒を見てあげています」
「あいつ、いい歳なのに子どもに面倒見られてるんだ。おかしいの」
女の人はチェシャ猫のようににやりと笑った。彼女は派手な上着のポケットをまさぐる。
「ほら、食べな」
差し出された手にはミルク飴が一つ乗っていた。
「あ。有難うございます」
「あたしミクっていうの。よろしくね」
「よろしくお願いします」
僕は彼女の横に腰かけ、飴玉を頬張った。懐かしい味が口内に広がる。ミクさんは足を地べたに投げ出し、ゆらゆらと揺らす。僕も真似をした。
「ミクさんはリネン君の彼女なんですか」
「はあ? 違うって。昨日あいつと飲んでたら突然ここに連れ込まれちゃって、明日も来いなんて言われてさ。暇だから何となく寄っただけ。彼氏は他にいる」
恋人がいるのに名も知らぬ男の家に二晩続けて泊まりにくるなんて、やはり大人の考えることはよく分からない。
「それにあいつ、彼女いるんじゃないの?」
「えっ。いないですよ」
正しくは「ちゃんとした彼女はいない」だ。
「そうなの? 昨日彼女の話で盛り上がったのになあ。じゃあ思い出話だったんだ、あれ」
好奇心が頭をもたげる。僕はわくわくと聞き返した。
「リネン君が言う彼女って、どんな人だったんですか?」
「えーとね。確か大学で知り合って」
リネン君、大学なんて行ってたんだ。
「サークルの後輩で」
サークル入ってたんだ。
「大人しくて可愛くて料理が上手くて守ってあげたくなる感じで」
そんな人がリネン君と付き合うだろうか。
「結婚しようと思ってたんだって」
「まさか!」
「うわ、びっくりした。突然叫ばないでよね」
「すみません。今のリネン君からは全く想像できない話だったもので」
「そんなに?」
やっぱ君っておかしいの、とミクさんは微笑む。
「どんな人にも、こっそり取っておきたい思い出って、あるからね」
僕はひょっとして〝彼女〟がリネン君の宝石だったのではないかと推測し、やめた。いくら何でも陳腐だし、ありきたりな筋書きだ。恐らく宝石はもっと複雑で、多彩な色をしているはずだから。
ミクさんはあっけらかんと言う。
「ま、君の反応を見る限り、彼女の存在もあいつのでっちあげだった可能性が高いけど」
大いに有り得る。彼女は腰を上げスカートの砂を払った。
「行くんですか?」
「うん。君もそろそろ帰る時間でしょ?」
「リネン君にミクさんが来たこと、伝えときましょうか?」
「いいよ。この分じゃ、約束したことすら覚えてないと思うから」
ミクさんは僕に溢れんばかりにミルク飴を握らせると、
「またどこかでね」
カツカツとヒールを鳴らして立ち去った。
ドアを開けた瞬間母さんがすっ飛んできて「心配したのよ!」と怒鳴った。
「まあ許してやれよ、男の子なんだから。なあ?」
「お父さんは黙ってて!」
「はい」
どうして僕の周りの男どもはこうも頼りないのか。
母さんにこってりしぼられながら、僕はかつてのリネン君の恋人を思い浮かべる。まなじりは涼しく吊り上がり、心なしか猫に似ている。けれどリネン君がどんな顔をして彼女に接していたのかという点においては、全く想像がつかない。
女性を抱いては捨てるリネン君。皮肉を言ってばかりのリネン君。人を廃人にするリネン君。リネン君にとって今の生活は、余生でしかないのだろうか。
洞窟は宝石の輝きを失ったら、どうなるのだろう。僕等は心が壊れても死なないけれど、それは果たして幸福なことなのだろうか。人は肉体が朽ちるまでは何があっても生きる運命だ。この体は意外と頑丈だから。
「聞いてるの?!あんたって子は本当に⋯⋯ちょっと、誰からこんなにミルク飴貰ったの!叱られながら舐めないの!」
「痛っ!」
頭をはたかれた衝撃で、口の中の飴がガチンと割れる。
僕の宝石は誰にも見つからないように、奥深くに隠しておこう。誰かが洞窟に侵入した場合に備え、武器を用意しておこう。相手を傷つけることのない柔らかな武器を。もしかしたらその敵は、リネン君かもしれないから。
僕がお説教されている頃、孤独なタイピストの家に誰かが食事を運んでいた。カーテンの向こう側に蝋燭の火が灯され、二人の影が浮かび上がる。
古びた机に湯気の立つ皿が置かれると、お兄さんはぴたりと手を止める。彼は凝り固まった体をやっとのことで動かし、痩せ細った手でスプーンを掴む。
その人は彼が料理を口に運ぶのを、伏し目がちに、いつまでも見守っていた。
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今日も一日シトシト雨☔️ . . . なぜか起きた直後から筋トレに熱中して、1時間経過してからフルーツビネガー飲んで、蒸しパン作り。 . . . 蒸しパンはシンプルだけど奥が深いなぁ。黒糖と小豆の素朴な蒸しパン、美味しく出来ました😋 . . . 冷めてからほうじ茶ラテと共に本日のおやつ。ほっこりほっこり。 . . . 残りの5個は冷凍かなー。自作すると最初からチビメスティンにジャストサイズで作れるのがいいですね👍 . . . 夕方からニトリや無印や和雑貨のお店を回って、ニトリでいい感じの豆皿とカップを購入。それぞれ300円前後だったかな? . . . ニトリは最近よく使いますが、特に軽量でデザインが好みなカルエクレシリーズは大好きです😊 . . . この皿に薬味載せて、真夏に素麺とかうどんとか食べるの良さげ◎ . . . あと、災害時セットの見直しを始めたので、非常食も結構賞味期限切れてたりするやつがあるので、これを機に新しく買い換えることにしました。 . . . レトルトの味があまり好きじゃなくて、そもそも母が買い揃えてたやつだから、期限切れた非常食食べる時、全然テンション上がらないのですが、、、😅 . . . ラジオで、非常時のための非常食と思わず、普段から食べてるもの&食べたいものを日頃から多目に買い揃えておいて、減ったらまた多目に買うのが一番無駄がないです、と言ってたのを聞いて、なるほどなぁと。 . . . なら、私の場合は、山とかキャンプとか車中泊旅に連れて行けるような食材を日頃から備蓄としてストックしておくのが一番無駄がない気がして、今日は無印とイオンで気になったものを購入。 . . . 比較的軽くて、水やガスを余り使わず、簡単に作れて美味しそうなもの。とりあえず五穀素麺がまだ沢山あるので、素麺に合いそうなやつと、無洗米の玄米。 . . . この玄米どうなんだろ🤔白米のように炊けて、白米より糖質35%低いとか。近々炊飯テストしてみよう。 . . . 帰ってくる頃にはもう暗い時間になってて、昨日の海老焼売をリベンジ。今回は竹串を焼売に突き刺してみたら安定感抜群👏 . . . キタコレ!ついでに、最小あんまん蒸しセットを作ってみました。固形燃料2コと、水ケースとチタンストーブ。コンパクトに収まったなぁ。 . . . 実際はそこまで軽量化しなきゃいけない山には行かないので、普通にガスでやる気がしますが、あれやこれやと考える時間が楽しいので、よしとしよう🤣 https://www.instagram.com/p/CBnd_3MBr9g/?igshid=1r10oefxn5aoi
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やさしい光の中で(柴君)
(1)ある日の朝、午前8時32分
カーテンの隙間から細々とした光だけがチラチラと差し込む。時折その光は強くなって、ちょうど眠っていた俺の目元を直撃する。ああ朝だ。寝不足なのか脳がまだ重たいが、朝日の眩しさに瞼を無理矢理押し上げる。隣にあったはずの温もりは、いつの間にか冷え切った皺くちゃのシーツのみになっていた。ちらりとサイドテーブルに視線を流せば、いつも通り6時半にセットしたはずの目覚まし時計は、あろうことか針が8と9の間を指していた。
「チッ……勝手に止めやがったな」
独り言のつもりで発した声は、寝起きだということもあり少しだけ掠れていた。それにしても今日はいつもに増して喉が渇いている。眠気眼を擦りながら、キッチンのほうから漂ってくる嗅ぎ慣れた深入りのコーヒーの香りに無意識に喉がこくりと鳴った。
おろしたてのスウェットをまくり上げぼりぼりと腹を掻きながら寝室からリビングに繋がる扉を開けると、眼鏡をかけた君下は既に着替えてキッチンへと立っていた。ジューという音と共に、焼けたハムの香ばしい匂いが漂っている。時折フライパンを揺すりながら、君下は厚切りにされたそれをトングで掴んでひっくり返す。昨日実家から送ってきた荷物の中に、果たしてそんなハムが入っていたのだろうか。どちらにせよ君下が普段買ってくるスーパーのタイムセール品でないことは一目瞭然だった。
「おう、やっと起きたか」
「おはよう。てか目覚ましちゃんと鳴ってた?」
「ああ、あんな朝っぱらからずっと鳴らしやがって……うるせぇから止めた」
やっぱりか、そう呟いた俺の言葉は、君下が卵を割り入れた音にかき消される。二つ目が投入され一���と香ばしい音がすると、塩と胡椒をハンドミルで少し引いてガラス製の蓋を被せると君下の瞳がこっちを見た。
「もうすぐできる。先に座ってコーヒーでも飲んどけ」
「ん」
顎でくい、とダイニングテーブルのほうを指される。チェリーウッドの正方形のテーブルの上には、今朝の新聞とトーストされた食パンが何枚かと大きめのマグが2つ、ゆらゆらと湯気を立てていた。そのうちのオレンジ色のほうを手に取ると、思ったより熱くて一度テーブルへと置きなおした。丁度今淹れたところなのだろう。厚ぼったい取手を持ち直してゆっくりと口を付けながら、新聞と共に乱雑に置かれていた郵便物をなんとなく手に取った。
封筒の中に混ざって一枚だけ葉書が届いていた。君下敦様、と印刷されたそれは送り主の名前に見覚えがあった。正確には差出人の名前自体にはピンと来なかったが、その横にご丁寧にも但し書きで元聖蹟高校生徒会と書いてあったから、恐らくは君下と同じ特進クラスの人間なのだろうと推測が出来た。
「なんだこれ?同窓、会、のお知らせ……?」
自分宛ての郵便物でもないのに中身を見るのは野暮だと思ったが、久しぶりに見る懐かしい名前に思わず裏を返して文面を読み上げた。続きは声に出さずに視線だけで追っていると、視界の端でコトリ、と白いプレートが置かれる。先程焼いていたハムとサニーサイドアップ、適当に千切られたレタスに半割にされたプチトマトが乗っていた。少しだけ眉間に皺が寄る。
「またプチトマトかよ」
「仕方ねぇだろ。昨日の残りだ。次からは普通のトマトにしてやるよ」
大体トマトもプチトマトも変わんねぇだろうが、そう文句を言いながらエプロンはつけたままで君下は向かいの椅子に腰かけた。服は着替えたものの、長い前髪に寝ぐせがついて少しだけ跳ねあがっている。
「ていうか同じ高校なのになんで俺には葉書来てねぇんだよ」
ドライフラワーの飾られた花瓶の横のカトラリー入れからフォークを取り出し、小さな赤にざくり、と突き立てて口へと放り込む。確かにクラスは違ったかもしれないが、こういう公式の知らせは来るか来ないか呼びたいか呼びたくないかは別として全員に送るのが礼儀であろう。もう一粒口に含み、ぶちぶちとかみ砕けば口の中に広がる甘い汁。プチトマトは皮が固くて中身が少ないから好きではない。やっぱりトマトは大きくてジューシーなほうに限るのだ。
「知らねぇよ…��あーあれか。もしかして、実家のほうに来てるんじゃねぇの」
「あ?なんでそっちに行くんだよ」
「まあこんだけ人数いりゃあ、手違いってこともあるだろ」
「ったく……ポンコツじゃねぇかこの幹事」
覚えてもいない元同級生は今頃くしゃみでもしているだろうか。そんなどうでもいいことが頭を過ったが、香ばしく焼き上げられたハムを一口大に切って口に含めばすぐに忘れた。噛むと思ったよりも柔らかく、スモークされているのか口いっぱいに広がる燻製臭はなかなかのものだ。いつも通り卵の焼き加減も完璧だった。
「うまいな、ハム。これ昨日の荷物のか?」
「ああ。中元の残りか知らないけど、すげぇいっぱい送って来てるぞ。明日はソーセージでもいいな」
上等な肉を目の前に、いつもより君下の瞳はキラキラしているような気がした。高校を卒業して10年経ち、あれから俺も君下も随分大人になった。それでも相変わらず口が悪いところや、美味しいものに素直に目を輝かせるところなんて出会った頃と何一つ変わってなどいなかった。俺はそれが微笑ましくもあり、愛おしいとさえ思う。あとで母にお礼のラインでも入れて、ああ、それとついでに同窓会の葉書がそっちに来ていないかも確認しておこう。惜しむように最後の一切れを噛み締めた君下の皿に、俺の残しておいた最後の一切れをくれてやった。
(2)11年前
プロ入りして5年が経とうとしていた。希望のチームからの誘いが来ないまま高校生活を終え、大学を5年で卒業して今のチームへと加入した。
過酷な日々だった。
一世代上の高校の先輩・水樹は、プロ入りした途端にその目覚ましい才能を開花させた。怪物という異名が付き、十傑の一人として注目された高校時代など、まだその伝説のほんの序章の一部に過ぎなかった。同じく十傑の平と共に一年目から名門鹿島で起用されると、実に何年振りかのチームの優勝へと大いに貢献した。日本サッカーの新時代としてマスメディアは大々的にこのニュースを取り上げると、自然と増えた聖蹟高校への偵察や取材の数々。新キャプテンになった俺の精神的負担は増してゆくのが目に見えてわかった。
サッカーを辞めたいと思ったことが1度だけあった。
それは高校最後のインターハイの都大会。前回の選手権の覇者として山の一番上に位置していたはずの俺たちは、都大会決勝で京王河原高校に敗れるという失態を犯した。キャプテンでCFの大柴、司令塔の君下の連携ミスで決定機を何度も逃すと、0-0のままPK戦に突入。不調の君下の代わりに鈴木が蹴るも、向こうのキャプテンである甲斐にゴールを許してゲーム終了、俺たちの最後の夏はあっけなく終わりを迎えた。
試合終了の長いホイッスルがいつまでも耳に残る中、俺はその後どうやって帰宅したのかよく覚えていない。試合を観に来ていた姉の運転で帰ったのは確かだったが、その時他のメンバーたちはどうしたのかだとか、いつから再びボールを蹴ったのかなど、その辺りは曖昧にしか覚えていなかった。ただいつまでも、声を押し殺すようにして啜り泣いている、君下の声が頭から離れなかった。
傷が癒えるのに時間がかかることは、中学選抜で敗北の味を知ったことにより感覚的に理解していた。君下はいつまでも部活に顔を出さなかった。いつもに増してボサボサの頭を掻き乱しながら、監督は渋い声で俺たちにいつものように練習メニューを告げる。君下のいたポジションには、2年の来須が入った。その意味は、直接的に言われなくともその場にいた部員全員が本能的に理解していたであろう。
『失礼します、監督……』
皆が帰ったのを確認して教官室に書き慣れない部誌と共に鍵を返しに向かうと、そこには監督の姿が見えなかった。もう出てしまったのだろうか。一度ドアを閉めて、念のため職員室も覗いて行こうと校舎のほうへと向かう途中、どこからか煙草の香りが鼻を掠める。暗闇の中を見上げれば、ほとんどが消灯している窓の並びに一か所だけ灯りの付いた部屋が見受けられる。半分開けられた窓からは、乱れた黒髪と煙草の細い煙が夜の空へと立ち上っていた。
『お前まだ居たのか……皆は帰ったか?』
『はい、監督探してたらこんな時間に』
部誌を差し出すと悪いな、と一言つけて監督はそれを受け取る。喫煙室の中央に置かれた灰皿は、底が見えないほどの無数の吸い殻が突き刺さり文字通り山となっていた。監督は短くなった煙草を口に咥えると、ゆっくりと吸い込んで零れそうな山の中へと半ば無理やり押し込み火を消した。
『君下は……あいつは辞めたわけじゃねぇだろ』
『お前がそれを俺に聞くのか?』
監督は伏せられた瞳のまま俺に問い返す。パラパラと読んでいるのかわからないほどの速さで部誌をめくり、白紙のページを最後にぱたりと閉じた。俺もその動きを視線で追っていると、クマの濃く残る目をこちらへと向けてきた。お互いに何も言わなかった。
暫くそうしていると、監督は上着のポケットからクタクタになったソフトケースを取り出して、残りの少ないそれを咥えると安物のライターで火をつけた。監督の眼差しで分かったのは、聖蹟は、アイツはまだサッカープレーヤーとして死んではいないということだった。
迎えの車も呼ばずに俺は滅多に行かない最寄り駅までの道のりを歩いていた。券売機で270円の片道切符を購入すると、薄明るいホームで帰路とは反対方向へ向かう電車を待つ列に並ぶ。間もなく電車が滑り込んできて、疲れた顔のサラリーマンの中に紛れ込む。少し混みあっていた車内でつり革を握りしめながら、車内アナウンスが目的の駅名を告げるまで瞼を閉じていた。
あいつに会いに行ってどうするつもりだったのだろう。今になって思えば、あの時は何も考えずに電車に飛び乗ったように思える。ガタンゴトンとレールを走る音を聞きながら、本当はあの場所から逃げ出したかっただけなのかもしれない。疲れた身体を引きずって帰り、あの日から何も変わらない敗北の香りが残る部屋に戻りたくないだけなのかもしれない。一人になりたくないだけなのかもしれない。
『次はー△△、出口は左側です』
目的地を告げるアナウンスで思考が現実へと引き戻された。はっとして、閉まりかけのドアに向かって勢いよく走った。長い脚を伸ばせばガン、と大きな音がしてドアに挟まる。鈍い痛みが走る足を引きずりながら、再び開いたドアの隙間からするりと抜け出した。
久しぶりに通る道のりは、いくつか電灯が消えかけていて薄暗く、不気味なほど人通りが少なかった。古い商店街の一角にあるキミシタスポーツはまだ空いているだろうか。スマホの画面を確認すれば、午後8時55分を指していた。営業時間はあと5分あるが、あの年中暇な店に客は一人もいないであろう。運が悪ければ既にシャッタは降りているかもしれない。
『本日、休業……だあ?』
計算は無意味だった。店のシャッターに張り付けられた、チラシの裏紙には妙に整った字でお詫びの文字が並んでいた。どうやらここ数日間はずっとシャッターが降りたままらしいと、通りすがりの中年の主婦が店の前で息を切らす俺に親切に教えてくれた。ついでにこの先の大型スーパーにもスポーツ用品は売ってるわよ、と要らぬ情報を置いてその主婦は去っていった。こうやって君下の店の売り上げが減っていくという、無駄な情報を仕入れたところで今後使う予定が来るのだろうか。店の二階を見上げるも、君下の部屋に灯りはない。
『ったく、あの野郎は部活サボっといて寝てんのか?』
同じクラスのやつに聞いても、君下のいる特進クラスは夏休み明けから自主登校となっているらしい。大学進学のためのコースは既に3年の1学期には高校3年間の教科書を終えており、あとは各自で予備校に行くなり自習するなりで受験勉強に励んでいるようだ。当然君下以外に強豪運動部に所属している生徒はおらず、クラスでもかなり浮いた存在だというのはなんとなく知っていた。誰もあいつが学校に来なくても、どうせ部活で忙しいぐらいにしか思わないのだ。
仕方ない、引き返すか。そう思い回れ右をしたところで、ある一つの可能性が脳裏に浮かぶ。可能性なんかじゃない。だがなんとなくだが、あいつがそこにいるという確信が、俺の中にあったのだ。
『くそっ……君下のやつ!』
やっと呼吸が整ったところで、重い鞄を背負うと急いで走り出す。こんな時間に何をやっているのだろう、と走りながら我ながら馬鹿らしくなった。去年散々走り込みをしたせいか、練習後の疲れた身体でもまだ走れる。次の角を右へ曲がって、たしかその2つ先を左――頭の中で去年君下と訪れた、あの古びた神社への道のりを思い出す。そこに君下がいる気がした。
『はぁ……はぁっ……っ!』
大きな鳥居が近づくにつれて、どこからか聞こえるボールを蹴る音に俺の勘が間違っていない事を悟った。こんなところでなにサボってんだよ、そう言ってやるつもりだったのに、いざ目の前に君下の姿が見えると言葉を失った。
あいつは、聖蹟のユニフォーム姿のままで、泥だらけになりながら一人でドリブルをしていた。
自分で作った小さいゴールと、所々に置かれた大きな石。何度も躓きながらも起き上がり、懸命にボールを追っては前へ進む。パスを出すわけでもなく、リフティングでもない。その傷だらけの足元にボールが吸い寄せられるように、馴染むように何度も何度も同じことを繰り返していた。
『ハッ……馬鹿じゃねぇの』
お前も俺も。そう呟いた声は己と向き合っている君下に向けられたものではない。
あいつは、君下はもう前を向いて歩きだしていた。沢山の小さな石ころに躓きながら、小さな小さなゴールへと向かってその長い道のりへと一歩を踏み出していた。俺は君下に気付かれることがないように、足音を立てないようにして足早に神社を後にした。
帰りの電車を待つベンチに座って、ぼんやりと思い出すのは泥だらけの君下の背中だった。前を向け喜一、まだやれることはたくさんある。ホームには他に電車を待つ客は誰もいなかった。
(3)夕食、22時半
気付けば完全に日は落ちていて、コートを照らすスタンドライトだけが暗闇にぼんやりと輝いていた。
思いのほか練習に熱中してしまったようで、辺りを見渡せば先輩選手らはとっくに自主練を切り上げて帰路に着いたようだった。何の挨拶もなしに帰宅してしまったチームメイトの残していったボールがコートの隅に落ちているのを見つけては、上がり切った息を整えながらゆったりと歩いて拾って回った。
倉庫の鍵がかかったのを確認して誰もいないロッカールームへ戻ると、ご丁寧に電気は消されていた。先週は鍵がかけられていた。思い出すだけで腹が立つが、もうこんなことも何度目になった今ではチームに内緒で作った合鍵をいつも持ち歩くようにしている。ぱちり、スイッチを押せば一瞬遅れて青白い灯りが部屋を照らした。
大柴は人に妬まれ易い。その容姿と才能も関係はあるが、自分の才能に胡坐をかいて他者を見下しているところがあった。大口を叩くのはいつものことで、慣れた友人やチームメイトであれば軽く受け流せるものの、それ以外の人間にとってみれば不快極まりない行為であることは間違いない。いつしか友人と呼べる存在は随分と減り、クラスや集団では浮いてしまうことが常であった。
今のチームも例外ではない。加入してすぐの公式戦にレギュラーでの起用、シーズン序盤での怪我による離脱、長期のリハビリ生活、そして残せなかった結果。大柴加入初年度のチームは、最終的に前年度よりも下回った順位でシーズンの幕を閉じることになった。それでも翌年からも大柴はトップに居座り続けた。疑問に思ったチームメイトやサポーターからの非難や、時には心無い中傷を書き込まれることもあった。ゴールを決めれば大喝采だが、それも長くは続かない。家が裕福なことを嗅ぎつけたマスコミにはある事ない事を週刊誌に書き並べられ、誰もいない実家の前に怪しげな車が何台も止まっていることもあった。
だがそんなことは、大柴にとって些細なことだった。俺はサッカーの神様に才能を与えられたのだと、未だにカメラの前でこう言い張ることにしている。実はもう一つ、大柴はサッカーの神様から貰った大切なものがあったが、それを口にしたことはないしこれからも公言する日はやって来ないだろう。
「ただいまぁー」
「お帰り、遅かったな」
靴を脱いでつま先で並べると、靴箱の上の小さな木製の皿に車のキーを入れる。ココナッツの木から作られたそれは、卒業旅行に二人でハワイに行ったときに買ったもので、6年間大切に使い続けている。玄関までふわりと香る味噌の匂いに、ああやっとここへ帰ってきたのだと実感する。大股で歩きながらジャケットを脱ぎ、どさり、とスポーツバッグと共に床へ投げ出すと、倒れ込むように革張りのソファへとダイブした。
「おい、飯出来てるから先に食え。手洗ったか?」
「洗ってねぇ」
「ったく、何年も言ってんのにちっとも学習しねぇ奴だな。ほら、こっち来い」
君下は洗い物をしていたのか、泡まみれのスポンジを握ってそれをこちらに見せてくる。この俺の手を食器用洗剤で洗えって言うのか、そう言えばこっちのほうが油が落ちるだとか、訳の分からない理論を並べられた。つまり俺は頑固汚れと同じなのか。
「こんなことで俺が消えてたまるかよ」
「いつもに増して意味わかんねぇな。よし、終わり。味噌汁冷める前にさっさと食え」
お互いの手を絡めるようにして洗い流していると、背後でピーと電子音がして炊飯が終わったことを知らせる。俺が愛車に乗り込む頃に一通連絡を入れておくと、丁度いい時間に米が炊き上がるらしい。渋滞のときはどうするんだよ、と聞けば、こんな時間じゃそうそう混まねぇよ、と普段車に乗らないくせにまるで交通事情を知っているかのような答えが返ってくる。全体練習は8時頃に終わるから、自主練をして遅くても10時半には自宅に着けるように心掛けていた。君下は普通の会社員で、俺とは違い朝が早いのだ。
「いただきます」
「いただきます」
向かい合わせの定位置に腰を下ろし、二人そろって手を合わせる。日中はそれぞれ別に食事を摂るも、夕食のこの時間を���人は何よりも大事にしていた。
熱々の味噌汁は俺の好みに合わせてある。最近は急に冷え込んできたから、もくもくと上る白い湯気は一段と白く濃く見えた。上品な白味噌に、具は駅前の豆腐屋の絹ごし豆腐と、わかめといりこだった。出汁を取ったついでにそのまま入れっぱなしにするのは君下家の味だと昔言っていた。
「喜一、ケータイ光ってる」
「ん」
苦い腸を噛み締めていると、ソファの上に置かれたままのスマホが小さく震えている音がした。途切れ途切れに振動がするので、電話ではないことは確かだった。後ででいい、一度はそう言ったものの、来週の練習試合の日程がまだだったことを思い出して気だるげに重い腰を上げる。最新機種の大きな画面には、見覚えのある一枚の画像と共に母からの短い返信があった。
「あ、やっぱ葉書来てたわ。実家のほうだったか」
「ほらな」
「お前のはここの住所で、なんで俺のだけ実家なんだよ」
「知るかよ。どうせ行くんだろ、直接会った時に聞けばいいじゃねぇか」
「え、行くの?」
スマホを持ったままどかり、と椅子へと座りなおし、飲みかけの味噌汁に手を伸ばす。ズズ、とわざと少し行儀悪くわかめを啜れば、君下の表情が曇るのがわかった。
「お前、この頃にはもうオフだから休みとれるだろ。俺も有休消化しろって上がうるせぇから、ちょうどこのあたりで連休取ろうと思ってる」
「聞いてねぇ……」
「今言ったからな」
金平蓮根に箸を付けた君下は、いくらか摘まんで自分の茶碗へと一度置くと、米と共にぱくり、と頬張った。シャクシャクと音を鳴らしながら、ダークブラウンの瞳がこちらを見る。
「佐藤と鈴木も来るって」
「あいつらに会うだけなら別で集まりゃいいだろうが。それにこの前も4人で飲んだじゃねぇか」
「いつの話してんだよタワケが、2年前だぞあれ」
「えっそんなに前だったか?」
「ああ。それに今年で卒業して10年だとさ。流石に毎年は行かねぇが節目ぐらい行ったって罰は当たんねーよ」
時の流れとは残酷なものだ。俺は高校を卒業してそれぞれ違う道へと進んでも、相変わらず君下と一緒にいた。だからそんな長い年月が経ったことに気付かなかっただけなのかもしれない。高校を卒業する時点で、俺たちがはじめて出会って既に10年が経っていたのだ。
君下はぬるい味噌汁を啜ると、満足そうに「うまい」と一言呟いた。
*
今宵はよく月が陰る。
ソファにごろりと寝転がり、カーテンの隙間から満月より少し欠けた月をぼんやりと眺めていた。月に兎がいると最初に言ったのは誰だろうか。どう見ても、あの不思議な斑模様は兎なんかに、それも都合よく餅つきをしているようには見えなかった。昔の人間は妙なことを考える。星屑を繋げてそれらを星座だと呼び、一晩中夜空を眺めては絶え間なく動く星たちを追いかけていた。よほど暇だったのだろう。こんな一時間に何センチほどしか動かないものを見て、何が面白いというのだろうか。
「さみぃ」
音もなくベランダの窓が開き、身体を縮こませた君下が湯気で温かくなった室内へと戻ってくる。君下は二十歳から煙草を吸っていた。家で吸うときはこうやって、それも洗濯物のない時にだけ、それなりに広いベランダの隅に作った小さな喫煙スペースで煙草を嗜む。別に換気扇さえ回してくれれば部屋で吸ってもらっても構わないと俺は言っているのだが、頑なにそれをしようとしないのは君下のほうだった。現役のスポーツ選手である俺への気遣いなのだろう。こういう些細なところでも、俺は君下に支えられているのだと実感する。
「おい、キスしろ」
隣に腰を下ろした君下に、腹を見せるように上を向いて唇を突き出した。またか、と言いたげな顔をしたが、間もなく長い前髪が近づいてきてちゅ、と小さな音を立てて口づけが落とされた。一度も吸ったことのない煙草の味を、俺は間接的に知っている。少しだけ大人になったような気がするのがたまらなく心地よい。
それから少しの間、手を握ったりしてテレビを見ながらソファで寛いだ。この時間にもなればいつもニュースか深夜のバラエティー番組しかなかったが、今日はお互いに見たい番組があるわけでもなかったので適当にチャンネルを回してテレビを消した。
手元のランプシェードの明かりだけ残して電気を消し、寝室の真ん中に位置するキングサイズのベッドに入ると、君下はおやすみとも言わないまま背を向けて肩まで掛け布団を被ってしまった。向かい合わせでは寝付けないのはいつもの事だが、それにしても今日は随分と素っ気ない。明日は金曜日で、俺はオフだが会社員の君下には仕事がある。お互いにもういい歳をした大人なのだ。明日に仕事を控えた夜は事には及ばないようにはしているが、先ほどのことが胸のどこかで引っかかっていた。
「もう寝た?」
「……」
「なあ」
「……」
「敦」
「……なんだよ」
消え入りそうなほど小さな声で、君下が返事をする。俺は頬杖をついていた腕を崩して布団の中に忍ばせると、背中からその細身の身体を抱き寄せた。抵抗はしなかった。
「こっち向けよ」
「……もう寝る」
「少しだけ」
「明日仕事」
「分かってる」
わかってねぇよ、そう言いながらもこちらに身体を預けてくる、相変わらず素直じゃないところも君下らしい。ランプシェードのオレンジの灯りが、眠そうな君下の顔をぼんやりと照らしている。長い睫毛に落ちる影を見つめながら、俺は薄く開かれた唇に祈るように静かにキスを落とした。
こいつとキスをするようになったのはいつからだっただろうか。
サッカーを諦めかけていた俺に道を示してくれたその時から、ただのチームメイトだった男は信頼できる友へと変化した。それでも物足りないと感じていたのは互いに同じだったようで、俺たちは高校を卒業するとすぐに同じ屋根の下で生活を始めた。が、喧嘩の絶えない日々が続いた。いくら昔に比べて関係が良くなったとはいえ、育ちも違えば本来の性格が随分と違う。事情を知る数少ない人間も、だからやめておけと言っただろう、と皆口を揃えてそう言った。幸いだったのは、二人の通う大学が違ったことだった。君下は官僚になるために法学部で勉学に励み、俺はサッカーの為だけに学生生活を捧げた。互いに必要以上に干渉しない日々が続いて、家で顔を合わせるのは、いつも決まって遅めの夜の食卓だった。
本当は今のままの関係で十分に満足している。今こそ目指す道は違うが、俺たちには同じ時を共有していた、かけがえのない長い長い日々がある。手さぐりでお互いを知ろうとし、時にはぶつかり合って忌み嫌っていた時期もある。こうして積み重ねてきた日々の中で、いつの日か俺たちは自然と寄り添いあって、お互いを抱きしめながら眠りにつくようになった。この感情に名前があるとしても、今はまだわからない。少なくとも今の俺にとって君下がいない生活などもう考えられなくなっていた。
「……ン゛、ぐっ……」
俺に組み敷かれた君下は、弓なりに反った細い腰をぴくり、と跳ねさせた。大判の白いカバーの付いた枕を抱きしめながら、押し殺す声はぐぐもっていてる。決して色気のある行為ではないが、その声にすら俺の下半身は反応してしまう。いつからこうなってしまったのだろう。君下を抱きながらそう考えるのももう何度目の事で、いつも答えの出ないまま、絶頂を迎えそうになり思考はどこかへと吹き飛んでしまう。
「も、俺、でそ、うっ……」
「あ?んな、俺もだ馬鹿っ」
「あっ……喜一」
君下の腰から右手を外し、枕を上から掴んで引き剥がす。果たしてどんな顔をして俺の名を呼ぶのだと、その顔を拝みたくなった。日に焼けない白い頬は、スポーツのような激しいセックスで紅潮し、額にはうっすらと汗が浮かんでいる。相変わらず眉間には皺が寄ってはいたが、いつもの鋭い目つきが嘘のように、限界まで与えられた快楽にその瞳を潤ませていた。視線が合えば、きゅ、と一瞬君下の蕾が収縮した。「あ、出る」とだけ言って腰のピストンを速めながら、君下のイイところを突き上げる。呼吸の詰まる音と、結合部から聞こえる卑猥な音を聞きながら、頭の中が真っ白になって、そして俺はいつの間にか果てた。全て吐き出し、コンドームの中で自身が小さくなるのを感じる。一瞬遅れてどくどくと音がしそうなほどに爆ぜる君下の姿を、射精後のぼんやりとした意識の中でいつまでも眺めていた。
(4)誰も知らない
忙しないいつもの日常が続き、あっという間に年も暮れ新しい年がやってきた。
正月は母方の田舎で過ごすと言った君下は、仕事納めが終われば一度家に戻って荷物をまとめると、そこから一週間ほど家を空けていた。久しぶりに会った君下は、少しばかり頬が丸くなって帰ってきたような気がしたが、本人に言うとそんなことはないと若干キレながら否定された。目に見えて肥えたことを気にしているらしい本人には申し訳ないが、俺はその様子に少しだけ安心感を覚えた。祖父の葬儀以来、もう何年も顔を見せていないという家族に会うのは、きっと俺にすら言い知れぬ緊張や、不安も勿論あっただろう。
だがこうやって随分と可愛がられて帰ってきたようで、俺も正月ぐらい実家に顔を出せばよかったかなと少しだけ羨ましくなった。本人に言えば餅つきを手伝わされこき使われただの、田舎はやることがなく退屈だなど愚痴を垂れそうだが、そのお陰なのか山ほど餅を持たせられたらしく、その日の夜は冷蔵庫にあった鶏肉と大根、にんじんを適当に入れて雑煮にして食べることにした。
「お前、俺がいない間何してた?」
君下が慣れた手つきで具材を切っている間、俺は君下が持ち帰った土産とやらの箱を開けていた。中には土の付いたままの里芋だとか、葉つきの蕪や蓮根などが入っていた。全て君下の田舎で採れたものなのか、形はスーパーでは見かけないような不格好なものばかりだった。
「車ねぇから暇だった」
「どうせ車があったとしても、一日中寝てるか練習かのどっちかだろうが」
「まあ、大体合ってる」
一通り切り終えたのか包丁の音が聞こえなくなり、程なくして今度は出汁の香りが漂ってきた。同時に香ばしい餅の焼ける香りがして、完成が近いことを悟った俺は一度箱を閉めるとダイニングテーブルへと向かい、箸を二膳出して並べると冷蔵庫から缶ビールを取り出してグラスと共に並べた。
「いただきます」
「いただきます」
大きめの深い器に入った薄茶色の雑煮を目の前に、二人向かい合って座り手を合わせる。実に一週間ぶりの二人で摂る夕食だった。よくある関東風の味付けに、四角く切られ表面を香ばしく焼かれた大きな餅。シンプルだが今年に入って初めて食べる正月らしい食べ物も、今年初めて飲む酒も、すべて君下と共に大事に味わった。
「あ、そうだ。明日だからな、あれ」
3個目の餅に齧りついた俺に、そういえばと思い出したかのように君下が声を発した。少し冷めてきたのか噛み切れなかった餅を咥えたまま、肩眉を上げて何の話かと視線だけで問えば、「ほら、同窓会のやつ」と察したように答えが返ってきた。「ちょっと待て」と掌を君下に見せて、餅を掴んでいた箸に力を入れて無理矢理引きちぎると、ぐにぐにと大雑把に噛んでビールで流し込む。うまく流れなかったようで、喉のあたりを引っかかる感触が気持ち悪い。生理的に込み上げてくる涙を瞳に浮かべていると、席を立った君下は冷蔵庫の扉を開けてもう2本ビールを取り出して戻ってきた。
「ほら飲め」
「おま……水だろそこは」
「いいからとりあえず流し込め」
空になった俺のグラスにビールを注げば、ぶくぶくと泡立つばかりで泡だけで溢れそうになった。だから水にしとけと言ったのだ。チッ、と舌打ちをした君下は、少し申し訳なさそうに残りの缶をそのまま手渡してきた。直接飲むのは好きではないが、今は文句を言ってられない。奪うように取り上げると、ごくごくと大げさに喉を鳴らして一気に飲み干した。
「は~……死ぬかと思った。相変わらずお酌が下手だなお前は」
「うるせぇな。俺はもうされる側だから仕方ねぇだろうが」
そう悪態をつきながら、君下も自分の缶を開ける。プシュ、と間抜けな音がして、グラスを傾けて丁寧にビールを注いでゆく。泡まで綺麗に注げたそれを見て、満足そうに俺に視線を戻す。
「あ、そうだよ、話反らせやがって……まあとにかく、明日は俺は昼ぐらいに会社に少し顔出してくるから、ついでに親父んとこにも寄って、そのまま会場に向かうつもりだ」
「あ?親父さんも一緒に田舎に行ったんじゃねぇの?」
「そうしようとは思ったんだがな、店の事もあるって断られた。ったく誰に似たんだかな」
「それ、お前が言うなよ」
君下の言葉になんだかおかしくなってふふ、と小さく笑えば、うるせぇと小さく舌打ちで返された。綺麗に食べ終えた器をテーブルの上で纏めると、君下はそれらを持って流しへと向かった。ビールのグラスを軽く水で濯いでから、そこに半分ぐらい溜めた水をコクコクと喉を鳴らして飲み込んだ。
「俺もう寝るから、あとよろしくな。久々に運転すると疲れるわ」
「おう、お疲れ。おやすみ」
俺の言葉におやすみ、と小さく呟いた君下は、灯りのついていない寝室へと吸い込まれるようにして消えた。ぱたん、と扉が閉まる音を最後に、乾いた部屋はしんとした静寂に包まれる。手元に残ったのは、ほんの一口分だけ残った温くなったビールの入ったグラスだけだった。
頼まれた洗い物はあとでやるとして、さてこれからどうしようか。君下の読み通り、今日は一日中寝ていたため眠気はしばらくやって来る気配はない。テレビの上の時計を見ると、ちょうど午後九時を回ったところだった。俺はビールの残りも飲まずに立ち上がると、食器棚に並べてあるブランデーの瓶と、隣に飾ってあったバカラのグラスを手にしてソファのほうへとゆっくり歩き出した。
*
肌寒さを感じて目を覚ました。
最後に時計を見たのはいつだっただろうか。微睡む意識の中、薄く開いた瞳で捉えたのは、ガラス張りのローテーブルの端に置かれた見覚えのあるグラスだった。細かくカットされた見事なつくりの表面は、カーテンから零れる朝日を反射してキラキラと眩しい。中の酒は幾分か残っていたようだったが、蒸発してしまったのだろうか、底のほうにだけ琥珀色が貼り付くように残っているだけだった。
何も着ていなかったはずだが、俺の肩には薄手の毛布が掛かっていた。点けっぱなしだった電気もいつの間にか消されていて、薄暗い部屋の中、遮光カーテンから漏れる光だけがぼんやりと座っていたソファのあたりを照らしていた。酷い喉の渇きに、水を一口飲もうと立ち上がると頭痛と共に眩暈がした。ズキズキと痛む頭を押さえながらキッチンへ向かい、食器棚から新しいコップを取り出して水を飲む。シンクに山積みになっていたはずの洗い物は、跡形もなく姿を消している。君下は既に家を出た後のようだった。
それから昼過ぎまでもう一度寝て、起きた頃には朝方よりも随分と温かくなっていた。身体のだるさは取れたが、相変わらず痛む頭痛に舌打ちをしながら、リビングのフローリングの上にマットを敷いてそこで軽めのストレッチをした。大柴はもう若くはない。三十路手前の身体は年々言うことを聞かなくなり、1日休めば取り戻すのに3日はかかる。オフシーズンだからと言って単純に休んでいるわけにはいかなかった。
しばらく柔軟をしたあと、マットを片付け軽く掃除機をかけていると、ジャージの尻ポケットが震えていることに気が付いた。佐藤からの着信だった。久しぶりに見るその名前に、緑のボタンを押してスマホを耳と肩の間に挟んだ。
「おう」
「あーうるせぇよ!掃除機?電話に出る時ぐらい一旦切れって」
叫ぶ佐藤の声が聞こえるが、何と言っているのか聞き取れず、仕方なくスイッチをオフにした。ちらりと壁に視線を流せば、時計針はもうすぐ3時を指そうとしていた。
「わりぃ。それよりどうした?」
「どうしたじゃねぇよ。多分お前まだ寝てるだろうから、起こして同窓会に連れてこいって君下から頼まれてんだ」
「はあ……ったく、どいつもこいつも」
「まあその調子じゃ大丈夫だな。5時にマンションの下まで車出すから、ちゃんと顔洗って待ってろよ」
「へー」
「じゃあ後でな」
何も言わずに通話を切り、ソファ目掛けてスマホを投げた。もう一度掃除機の電源を入れると、リビングから寝室へと移動する。普段は掃除機は君下がかけるし、皿洗い以外の大抵の家事はほとんど君下に任せっきりだった。今朝はそれすらも君下にさせてしまった罪悪感が、こうやって自主的にコードレス掃除機をかけている理由なのかもしれない。
ベッドは綺麗に整えてあり、真ん中に乱雑に畳まれたパジャマだけが取り残されていた。寝る以外に立ち入らない寝室は綺麗なままだったが、一応端から一通りかけると掃除機を寝かせてベッドの下へと滑り込ませる。薄型のそれは狭い隙間も難なく通る。何往復かしていると、急に何か大きな紙のようなものを吸い込んだ音がした。
「げっ……何だ?」
慌てて電源を切り引き抜くと、ヘッドに吸い込まれていたのは長い紐のついた、見慣れない小さな紙袋だった。紺色の袋の表面に、金色の細い英字で書かれた名前には見覚えがあった。俺の覚え違いでなければ、それはジュエリーブランドの名前だった気がする。
「俺のじゃねぇってことは、これ……」
そこまで口に出して、俺の頭の中には一つの仮説が浮かび上がる。これの持ち主は十中八九君下なのだろう。それにしても、どうしてこんなものがベッドの下に、それも奥のほうへと押しやられているのだろうか。絡まった紐を引き抜いて埃を払うと、中を覗き込む。入っていたのは紙袋の底のサイズよりも一回り小さな白い箱だった。中を確認したかったが、綺麗に巻かれたリボンをうまく外し、元に戻せるほど器用ではない。それに、中身など見なくてもおおよその見当はついた。
俺はどうするか迷ったが、それと電源の切れた掃除機を持ってリビングへと戻った。紙袋をわざと見えるところ、チェリーウッドのダイニングテーブルの上に置くと、シャワーを浴びようとバスルームへと向かった。いつも通りに手短に済ませると、タオルドライである程度水気を取り除いた髪にワックスを馴染ませ、久しぶりに鏡の中の自分と向かい合う。ここ2週間はオフだったというのに、ひどく疲れた顔をしていた。適当に整えて、顎と口周りにシェービングクリームを塗ると伸ばしっぱなしだった髭に剃刀を宛がう。元々体毛は濃いほうではない。すぐに済ませて電気を消して、バスルームを後にした。
「お、来た来た。やっぱりお前は青のユニフォームより、そっちのほうが似合っているな」
スーツに着替え午後5時5分前に部屋を出て、マンションのエントランスを潜ると、シルバーの普通車に乗った佐藤が窓を開けてこちらに向かって手を振っていた。助手席には既に鈴木が乗っており、懐かしい顔ぶれに少しだけ安堵した。よう、と短く挨拶をして、後部座席のドアを開けると長い背を折りたたんでシートへと腰かけた。
それからは佐藤の運転に揺られながら、他愛もない話をした。最近のそれぞれの仕事がどうだとか、鈴木に彼女が出来ただとか、この前相庭のいるチームと試合しただとか、離れていた2年間を埋めるように絶え間なく話題は切り替わる。その間も車は東京方面へと向かっていた。
「君下とはどうだ?」
「あー……相変わらずだな。付かず離れずって感じか」
「まあよくやってるよな、お前も君下も。あれだけ仲が悪かったのが、今じゃ同棲だろ?みんな嘘みたいに思うだろうな」
「同棲って言い方やめろよ」
「はーいいなぁ、俺この間の彼女に振られてさ。せがまれて高い指輪まで贈ったのに、あれだけでも返して貰いたいぐらいだな」
指輪という言葉に、俺の顔の筋肉が引きつるのを感じた。グレーのパンツの右ポケットの膨らみを、無意識に指先でなぞる。車は渋滞に引っかかったようで、先ほどからしばらく進んでおらず車内はしん、と静まり返っていた。
「あーやべぇな。受付って何時だっけ」
「たしか6時半……いや、6時になってる」
「げ、あと20分で着くかな」
「だからさっき迂回しろって言ったじゃねぇか」
このあたりはトラックの通行量も多いが、帰宅ラッシュで神奈川方面に抜ける車もたくさん見かける。そういえば実家に寄るからと、今朝も俺の車で出て行った君下はもう会場に着いたのだろうか。誰かに電話をかけているらしい鈴木の声がして、俺は手持ち無沙汰に窓の外へと視線を投げる。冬の日の入りは早く、太陽はちょうど半分ぐらいを地平線の向こうへと隠した頃だった。真っ赤に焼ける雲の少ない空をぼんやりと眺めて、今夜は星がきれいだろうか、と普段気にもしていないことを考えていた。
(5)真冬のエスケープ
車は止まりながらもなんとか会場近くの地下駐車場へと止めることができた。幹事と連絡がついて遅れると伝えていたこともあり、特に急ぐこともなく会場までの道のりを歩いて行った。
程なくして着いたのは某有名ホテルだった。入り口の案内板には聖蹟高校×期同窓会とあり、その横に4階と書かれていた。エレベーターを待つ間、着飾った同じ年ぐらいの集団と鉢合わせた。そのうち男の何人かは見覚えのある顔だったが、男たちと親し気に話している女に至っては、全くと言っていいほど面影が見受けられない。常日頃から思ってはいたが、化粧とは恐ろしいものだ。俺や君下よりも交友関係が広い鈴木と佐藤でさえ苦笑いで顔を見合わせていたから、きっとこいつらにでさえ覚えがないのだろうと踏んで、何も言わずに到着した広いエレベーターへと乗り込んだ。
受付で順番に名前を書いて入り口で泡の入った飲み物を受け取り、広間へと入るとざっと見るだけで100人ほどは来ているようだった。「すげぇな、結構集まったんだな」そう言う佐藤の言葉に振り返りもせずに、俺はあたりをきょろきょろと見渡して君下の姿を探した。
「よう、遅かったな」
「おー君下。途中で渋滞に巻き込まれてな……ちゃんと連れてきたぞ」
ぽん、と背中を佐藤に叩かれる。その右手は決して強くはなかったが、ふいを突かれた俺は少しだけ前にふらついた。手元のグラスの中で黄金色がゆらりと揺れる。いつの間にか頭痛はなくなっていたが、今は酒を口にする気にはなれずにそのグラスを佐藤へと押し付けた。不審そうにその様子を見ていた君下は、何も言わなかった。
6時半きっかりに、壇上に幹事が現れた。眼鏡をかけて、いかにも真面目そうな元生徒会長は簡単にスピーチを述べると、今はもう引退してしまったという、元校長の挨拶へと移り変わる。何度か表彰状を渡されたことがあったが、曲がった背中にはあまり思い出すものもなかった。俺はシャンパンの代わりに貰ったウーロン茶が入ったグラスをちびちびと舐めながら、隣に立つ君下に気付かれないようにポケットの膨らみの形を確認するかのように、何度も繰り返しなぞっていた。
俺たちを受け持っていた先生らの挨拶が一通り済むと、それぞれが自由に飲み物を持って会話を楽しんでいた。今日一日、何も食べていなかった俺は、同じく飯を食い損ねたという君下と共に、真ん中に並ぶビュッフェをつまみながら空きっ腹を満たしていた。ここのホテルの料理は美味しいと評判で、他のホテルに比べてビュッフェは高いがその分確かなクオリティがあると姉が言っていた気がする。確かにそれなりの料理が出てくるし、味も悪くはない。君下はローストビーフがお気に召したようで、何度も列に並んではブロックから切り分けられる様子を目を輝かせて眺めていた。
「あー!大柴くん久しぶり、覚えてるかなぁ」
ウーロン茶のあてにスモークサーモンの乗ったフィンガーフードを摘まんでいると、この会場には珍しく化粧っ気のない、大きな瞳をした女が数人の女子グループと共にこちらへと寄ってきた。
「あ?……あ、お前はあれだ、柄本の」
「もー、橘ですぅー!つくちゃんのことは覚えててくれるのに、同じクラスだった私のこと、全っ然覚えててくれないんだから」
プンスカと頬を膨らませる橘の姿に、高校時代の懐かしい記憶が蘇る。記憶の中よりも随分と短くなった髪は耳の下で切り揃えられていれ、片側にトレードマークだった三つ編みを揺らしている。確かにこいつが言うように、思い返せば偶然にも3年間、同じクラスだったように思えてくる。本当は名前を忘れた訳ではなかったが、わざと覚えていない振りをした。
「テレビでいつも見てるよー!プロってやっぱり大変みたいだけど、大柴くんのことちゃんと見てるファンもいるからね」
「おーありがとな」
俺はその言葉に対して素直に礼を言った。というのも、この橘という女の前ではどうも調子が狂わされる。自分は純粋無垢だという瞳をしておいて、妙に人を観察していることと、核心をついてくるのが昔から巧かった。だが悪気はないのが分かっているだけ質が悪い。俺ができるだけ同窓会を避けてきた理由の一つに、この女の言ったことと、こいつ自身が関係している。これには君下も薄々気付いているのだろう。
「あ、そうだ。君下くんも来てるかな?つくちゃんが会いたいって言ってたよ」
「柄本が?そりゃあ本人に言ってやれよ。君下ならあっちで肉食ってると思うけど」
「そうだよね、ありがとう大統領!」
そう言って大げさに手を振りながら、橘は君下を探しに人の列へと歩き出した。「もーまたさゆり、勝手にどっか行っちゃったよ」と、取り残されたグループの一人がそう言うので、「相変わらずだよね」と笑う他の女たちに混ざって愛想笑いをして、居心地の悪くなったその場を離れようとした。
白いテーブルクロスの上から飲みかけのウーロン茶が入ったグラスを手に取ろとすると、綺麗に塗られたオレンジの爪がついた女にそのグラスを先に掴まれた。思わず視線をウーロン茶からその女へと流すと、女はにこりと綺麗に笑顔を作り、俺のグラスを手渡してきた。
「大柴くん、だよね?今日は飲まないの?」
黒髪のロングヘアーはいかにも君下が好みそうなタイプの女で、耳下まである長い前髪をセンターで分けて綺麗に内巻きに巻いていた。他の女とは違い、あまりヒラヒラとした装飾物のない、膝上までのシンプルな紺色のドレスに身を包んでいる。見覚えのある色に一瞬喉が詰まるも、「今日は車で来てるから」とその場で適当な言い訳をした。
「あーそうなんだ、残念。私も車で来たんだけど、勤めている会社がこの辺にあって、そこの駐車場に停めてあるから飲んじゃおうかなって」
「へぇ……」
わざとらしく綺麗な眉を寄せる姿に、最初はナンパされているのかと思った。だが俺のグラスを受け取ると、オレンジの爪はあっさりと手放してしまう。そして先程まで女が飲んでいた赤ワインらしき飲み物をテーブルの上に置き、一歩近づき俺の胸元に手を添えると、背伸びをして俺の耳元で溜息のように囁いた。
「君下くんと、いつから仲良くなったの?」
酒を帯びた吐息息が耳元にかかり、かっちりと着込んだスーツの下に、ぞわりと鳥肌が立つのを感じた。
こいつは、この女は、もしかしたら君下がこの箱を渡そうとした女なのかもしれない。俺の知らないところで、君下はこの女と親密な関係を持っているのかもしれない。そう考えが纏まると、すとんと俺の中に収まった。そうか。最近感じていた違和感も、何年も寄り付かなかった田舎への急な帰省も、なぜか頑なにこの同窓会に出席したがった理由も、全部辻褄が合う。いつから関係を持っていたのだろうか、知りたくもなかった最悪の状況にたった今、俺は気付いてしまった。
じりじりと距離を詰める女を前に、俺は思考だけでなく身体までもが硬直し、その場を動けないでいた。酒は一滴も口にしていないはずなのに、むかむかと吐き気が込み上げてくる。俺は今、よほど酷い顔をしているのだろう。心配そうに見つめる女の目は笑っているのに、口元の赤が、赤い口紅が視界に焼き付いて離れない。何か言わねば。いつものように、「誰があんなやつと、この俺様が仲良くできるんだよ」と見下すように悪態をつかねば。皆の記憶に生きている、大柴喜一という人間を演じなければ―――……
そう思っているときだった。
俺は誰かに腕を掴まれ、ぐい、と強い力で後ろへと引かれた。呆気にとられたのは俺も女も同じようで、俺が「おい誰だ!スーツが皺になるだろうが」と叫ぶと、「あっ君下くん、」と先程聞いていた声より一オクターブぐらい高い声が女の口から飛び出した。その名前に腕を引かれたほうへと振り返れば、確かにそこには君下が立っていて、スーツごと俺の腕を掴んでいる。俺を見上げる漆黒の瞳は、ここ最近では見ることのなかった苛立ちが滲んで見えるようだった。
「ああ?テメェのスーツなんか知るかボケ。お前が誰とイチャつこうが関係ねぇが、ここがどこか考えてからモノ言いやがれタワケが」
「はあ?誰がこんなブスとイチャつくかバーカ!テメェの女にくれてやる興味なんぞこれっぽっちもねぇ」
「なんだとこの馬鹿が」
実に数年ぶりの君下のキレ具合に、俺も負けじと抱えていたものを吐き出すかのように怒鳴り散らした。殴りかかろうと俺の胸倉を掴んだ君下に、賑やかだった周囲は一瞬にして静まり返る。人の壁の向こう側で、「おいお前ら!まじでやめとけって」と慌てた様子の佐藤の声が聞こえる。先に俺たちを見つけた鈴木が君下の腕を掴むと、俺の胸倉からその手を引き剥がした。
「とりあえず、やるなら外に行け。お前らももう高校生じゃないんだ、ちょっとは周りの事も考えろよ」
「チッ……」
「大柴も、冷静になれよ。二人とも、今日はもう帰れ。俺たちが収集つけとくから」
君下はそれ以上何も言わずに、出口のほうへと振り返えると大股で逃げるようにその場を後にした。俺は「悪いな」とだけ声をかけると、曲がったネクタイを直し、小走りで君下の後を追いかける。背後からカツカツとヒールの走る音がしたが、俺は振り返らずにただ小さくなってゆく背中を見逃さないように、その姿だけを追って走った。暫くすると、耳障りな足音はもう聞こえなくなっていた。
君下がやってきたのは、俺たちが停めたのと同じ地下駐車場だった。ここに着くまでにとっくに追い付いていたものの、俺はこれから冷静に対応する為に、頭を冷やす時間が欲しかった。遠くに見える派手な赤色のスポーツカーは、間違いなく俺が2年前に買い替えたものだった。君下は何杯か酒を飲んでいたので、鍵は持っていなくとも俺が運転をすることになると分かっていた。わざと10メートル後ろをついてゆっくりと近づく。
君下は何も言わずにロックを解除すると、大人しく助手席に腰かけた。ドアは開けたままにネクタイを解き、首元のボタンを一つ外すと、胸ポケットから取り出した煙草を一本口に咥えた。
「俺の前じゃ吸わねぇんじゃなかったのか」
「……気が変わった」
俺も運転席に乗り込むと、キーを挿してエンジンをかけ、サンバイザーを提げるとレバーを引いて屋根を開けてやった。どうせ吸うならこのほうがいいだろう。それに今夜は星がきれいに見えるかもしれないと、行きがけに見た綺麗な夕日を思い出す。安物のライターがジジ、と音を立てて煙草に火をつけたのを確認して、俺はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
(6)形も何もないけれど
煌びやかなネオンが流れてゆく。俺と君下の間に会話はなく、代わりに冬の冷たい夜風だけが二人の間を切るように走り抜ける。煙草の火はとっくに消えて、そのままどこかに吹き飛ばされてしまった。
信号待ちで車が止まると、「さむい」と鼻を啜りながら君下が呟いた。俺は後部座席を振り返り、外したばかりの屋根を元に戻すべく折りたたんだそれを引っ張った。途中で信号が青に変わって、後続車にクラクションを鳴らされる。仕方なく座りなおそうとすると、「おい、貸せ」と君下が言うものだから、最初から自分でやればいいだろうと思いながらも、大人しく手渡してアクセルに足を掛けた。車はまた走り出す。
「ちょっとどこか行こうぜ」
最初にそう切り出したのは君下だった。暖房も入れて温かくなった車内で、窓に貼り付くように外を見る君下の息が白く曇っていた。その問いかけに返事はしなかったが、俺も最初からあのマンションに向かうつもりはなかった。分岐は横浜方面へと向かっている。君下もそれに気が付いているだろう。
海沿いに車を走らせている間も、相変わらず沈黙が続いた。試しにラジオを付けてはみたが、流れるのは今流行りの恋愛ソングばかりで、今の俺たちにはとてもじゃないが似合わなかった。何も言わずにラジオを消して、それ以来ずっと無音のままだ。それでも、不思議と嫌な沈黙ではないことは確かだった。
どこまで行こうというのだろうか。気が付けば街灯の数も少なくなり、車の通行量も一気に減った。窓の外に見える、深い色の海を横目に見ながら車を走らせた。穏やかな波にきらきらと反射する、今夜の月は見事な満月だった。
歩けそうな砂浜が見えて、何も聞かないままそこの近くの駐車場に車を停めた。他に車は数台止まっていたが、どこにも人の気配がしなかった。こんな真冬の夜の海に用があるというほうが可笑しいのだ。俺はエンジンを切って、運転席のドアを開けると外へ出た。つんとした冷たい空気と潮の匂いが鼻をついた。君下もそれに続いて車を降りた。
後部座席に積んでいたブランケットを羽織りながら、君下は小走りで俺に追いつくと、その隣に並んで「やっぱ寒い」と鼻を啜る。数段ほどのコンクリートの階段を降りると、革靴のまま砂を踏んだ。ぐにゃり、と不安定な砂の上は歩きにくかったが、それでも裸足になるわけにはいかずにゆっくりと海へ向かって歩き出す。波打ち際まで来れば、濡れて固まった足場は先程より多少歩きやすくなった。はぁ、と息を吐けば白く曇る。海はどこまでも深い色をしていた。
「悪かったな」
「いや、……あれは俺も悪かった」
居心地の悪そうに謝罪の言葉がぽつり、と零れた。それは何に対して謝ったのか、自分でもよく分からない。君下に女が居た事なのか、指輪を見つけてしまった事なのか、それともそれを秘密にしていた事なのか。あるいは、そのすべてに対して―――俺がお前をあのマンションに縛り付けた10年間を指しているのか、それははっきりとは分からなかった。俺は立ち止まった。俺を追い越した、君下も立ち止まり、振り返る。大きな波が押し寄せて、スーツの裾が濡れる感覚がした。水温よりも冷たく冷え切った心には、今はそんな些細なことは、どうでもよかった。
「全部話してくれるか」
「ああ……もうそろそろ気づかれるかもしれねぇとは腹括ってたからな」
そう言い終える前に、君下の視線が俺のズボンのポケットに向いていることに気が付いた。何度も触っていたそれの形は、嫌と言うほど覚えている。俺はふん、と鼻で笑ってから、右手を突っ込み白い小さな箱を丁寧に取り出した。君下の目の前に差し出すと、なぜだか手が震えていた。寒さからなのか、それともその箱の重みを知ってしまったからなのか、風邪が吹いて揺れるなか、吹き飛ばされないように握っているのが精一杯だった。
「これ……今朝偶然見つけた。ベッドの下、本当に偶然掃除機に引っかけちまって……でも本当に俺、今までずっと気付かなくて、それで―――それで、あんな女がお前に居たなんて、もっと早く言ってくれりゃ、」
「ちょっと待て、喜一……お前何言ってんだ」
「あ……?何って、今言ったことそのまんまだろうが」
思い切り眉間に皺を寄せ困惑したような君下の顔に、俺もつられて眉根を寄せる。ここまで来てしらを切るつもりなのかと思うと、怒りを通り越して呆れもした。どうせこうなってしまった以上、俺たちは何事もなく別れられるわけがなかった。昔のように犬猿の仲に戻るのは目に見えていたし、そうなってくれれば救われた方だと俺は思っていた。
苛立っていたいたのは君下もそうだったようで、風で乱れた頭をガシガシと掻くと、煙草を咥えて火を点けようとした。ヂ、ヂヂ、と音がするのに、風のせいでうまく点かない。俺は箱を持っていないもう片方の手を伸ばして、風上から添えると炎はゆらりと立ち上がる。すう、と一息吸って吐き出した紫煙が、漆黒の空へと消えていった。
「そのまんまも何も、あの女、お前狙いで寄ってきたんだろうが」
「お前の女が?」
「誰だよそれ、名前も知らねぇのにか?」
つま��なさそうに、君下はもう一度煙を吸うと上を向いて吐き出した。どうやら本当にあのオレンジ爪の女の名前すら知らないらしい。だとしたら、俺が持っているこの箱は一体誰からのものなのだ。答え合わせのつもりで話をしていたが、謎は余計に深まる一方だ。
「あ、でもあいつ、俺に何て言ったと思う?君下くんといつから仲良くなったの、って」
「お前の追っかけファンじゃねぇの」
「だとしてもスゲェ怖いわ。明らかにお前の好みそうなタイプの恰好してたじゃん」
「そうか?むしろ俺は、お前好みの女だなと思ったけどな」
そこまで言って、俺も君下も噴き出してしまった。ククク、と腹の底から込み上げる笑いが止まらない。口にして初めて気が付いたが、俺たちはお互いに女の好みなんてこれっぽっちも知らなかったのだ。二人でいる時の共通の話題と言えば、サッカーの事か明日の朝飯のことぐらいで、食卓に女の名前が出てきたことなんて今の一度もない事に気付いてしまった。どうりでこの10年間、どちらも結婚だとか彼女だとか言い出さないわけだ。俺たちはどこまでも似た者同士だったのだ。
「それ、お前にやろうと思って用意したんだ」
すっかり苛立ちのなくなった瞳に涙を浮かべながら、君下は軽々しくそう言って笑った。
俺は言葉が出なかった。
こんな小洒落たものを君下が買っている姿なんて想像もできなかったし、こんなリボンのついた箱は俺が受け取っても似合わない。「中は?」と聞くと、「開けてみれば」とだけ返されて、煙が流れないように君下は後ろを向いてしまった。少し迷ったが、その場で紐をほどいて箱を開けて、俺は目を見開いた。紙袋と同じ、夜空のようなプリントの内装に、星のように輝くゴールドの指輪がふたつ、中央に行儀よく並んでいた。思わず君下の後姿に視線を戻す。ちらり、とこちらを振り返る君下の口元は、笑っているように見えた。胸の内から込み上げてくる感情を抑えきれずに、俺は箱を大事に畳むと勢いよくその背中を抱きしめた。
「う゛っ苦しい……喜一、死ぬ……」
「そのまま死んじまえ」
「俺が死んだら困るだろうが」
「自惚れんな。お前こそ俺がいないと寂しいだろう」
「勝手に言ってろタワケが」
腕の中で君下の頭が振り返る。至近距離で視線が絡み、君下の瞳に星空を見た。俺は吸い込まれるようにして、冷たくなった君下の唇にゆっくりとキスを落とす。二人の間で吐息だけが温かい。乾いた唇は音もなく離れ、もう一度角度を変えて近づけば、今度はちゅ、と音がして君下の唇が薄く開かれた。お互いに舌を出して煙草で苦くなった唾液を分け合った。息があがり苦しくなって、それでもまた酸素を奪うかのように互いの唇を気が済むまで食らい合った。右手の箱は握りしめたままで、中で指輪がふたつカタカタと小さく音を立てて揺れていた。
「もう、帰ろうか」
「ああ……解っちゃいたが、冬の海は寒すぎるな。帰ったら風呂炊くか」
「お、いいな。俺が先だ」
「タワケが。俺が張るんだから俺が先だ」
いつの間にか膝下まで濡れたスーツを捲り上げ、二人は手を繋いで来た道を歩き出した。青白い砂浜に、二人分の足跡が残る道を辿って歩いた。平常心を取り戻した俺は急に寒さを感じて、君下が羽織っているブランケットの中に潜り込もうとした。君下はそれを「やめろ馬鹿」と言って俺の頭を押さえつける。俺も負けじとグリグリと頭を押し付けてやった。自然と笑いが零れる。
これでよかったのだ。俺たちには言葉こそないが、それを埋めるだけの共に過ごした長い時間がある。たとえ二人が結ばれたとしても、形に残るものなんて何もない。それでも俺はいいと思っている。こうして隣に立ってくれているだけでいい。嬉しい時も寂しい時も「お前は馬鹿だな」と一緒に笑ってくれるやつが一人だけいれば、それでいいのだ。
「あ、星。喜一、星がすげぇ見える」
「おー綺麗だな」
ふと気づいたように、君下が空を見上げて興奮気味に声を上げた。
ようやくブランケットに潜り込んで、君下の隣から顔を出せば、そこにはバケツをひっくり返したかのように無数に散らばる星たちが瞬いていた。肩にかかる黒髪から嗅ぎ慣れない潮の香りがして、俺たちがいま海にいるのだと思い知らされる。上を向いて開いた口から、白く曇った息が漏れる。何も言わずにしばらくそれを眺めて、俺たちはすっかり冷えてしまった車内へと腰を下ろした。温度計は摂氏5度を示していた。
7:やさしい光の中で
星が良く見えた翌朝は決まって快晴になる。君下に言えば、そんな原始的な観測が正しければ、天気予報なんていらねぇよ、と文句を言われそうだが、俺はあながち間違いではないと思っている。現に今日は雲一つない晴れで、あれだけ低かった気温が今日は16度まで上がっていた。乾燥した空気に洗濯物も午前中のうちに乾いてしまった。君下がベランダに料理を運んでいる最中、俺は慣れない手つきで洗濯物をできるだけ綺麗に折りたたんでいた。
「おい、終わったぞ。お前のは全部チェストでいいのか?」
「下着と靴下だけ二番目の引き出しに入れといてくれ。あとはどこでもいい」
「へい」
あれから真っすぐマンションへと向かった車は、時速50キロ程度を保ちながらおよそ2時間かけて都内にたどり着いた。疲れ切っていたのか、君下は何度かこくり、こくりと首を落とし、ついにはそのまま眠りに落ちてしまった。俺は片手だけでハンドルを握りながら、できるだけ眠りを妨げないように、信号待ちで止まることのないようにゆっくりとしたスピードで車を走らせた。車内には、聞き慣れない名のミュージシャンが話すラジオの音だけが延々と聞こえていた。
眠った君下を抱えたままエントランスをくぐり、すぐに開いたエレベーターに乗って部屋のドアを開けるまで、他の住人の誰にも出会うことはなかった。鍵を開けて玄関で靴を脱がせ、濡れたパンツと上着だけを剥ぎ取ってベッドに横たわらせる。俺もこのまま寝てしまおうか。ハンガーに上着を掛けると一度はベッドに腰かけたものの、どうも眠れる気がしない。少しだけ君下の寝顔を眺めた後、俺はバスルームの電気を点けた。
「飲み物はワインでいいか?」
「おう。白がいい」
「言われなくとも白しか用意してねぇよ」
そう言って君下は冷蔵庫から冷えた白ワインのボトルとグラスを2つ持ってやって来た。日当たりのいいテラスからは、東京の高いビル群が遠くに見えた。東向きの物件にこだわって良かったと、当時日当たりなんてどうでもいいと言った君下の隣に腰かけて密かに思う。今日は風も少なく、テラスで日光浴をするのには丁度いい気候だった。
「乾杯」
「ん」
かちん、と一方的にグラスを傾けて君下のグラスに当てて音を鳴らした。黄金色の液体を揺らしながら、口元に寄せればリンゴのような甘い香りがほのかい漂う。僅かにとろみのある液体を口に含めば、心地よいほのかな酸味と上品な舌触りに思わず眉が上がるのが分かった。
「これ、どこの」
「フランスだったかな。会社の先輩からの貰い物だけど、かなりのワイン好きの人で現地で箱買いしてきたらしいぞ」
「へぇ、美味いな」
流れるような書体でコンドリューと書かれたそのボトルを手に取り、裏面を見ればインポーターのラベルもなかった。聞いたことのある名前に、確か希少価値の高い品種だったように思う。読めない文字をざっと流し読みし、ボトルをテーブルに戻すともう一口口に含む。安物の白ワインだったら炭酸で割って飲もうかと思っていたが、これはこのまま飲んだ方が良さそうだ。詰め物をされたオリーブのピンチョスを摘まみながら、雲一つない空へと視線を投げた。
「そう言えば、鈴木からメール来てたぞ……昨日の同窓会の話」
紫煙を吐き出した君下は、思い出したかのように鈴木の名を口にした。小一時間前に風呂に入ったばかりの髪はまだ濡れているようで、時折風が吹いてはぴたり、と額に貼り付いた。それを手で避けながら、テーブルの上のスマホを操作して件のメールを探しているようだ。俺は残り物の鱈と君下の田舎から貰ってきたジャガイモで作ったブランダードを、薄切りのバゲットに塗り付けて齧ると、「何だって」と先程の言葉の続きを促した。
「あの後女が泣いてるのを佐藤が慰めて、そのまま付き合うことになったらしい、ってさ」
「はあ?それって俺たちと全然関係なくねぇ?というか、一体何だったんだよあの女は……」
昨夜のことを思い出すだけで鳥肌が立つ。あの真っ赤なリップが脳裏に焼き付いて離れない。それに、俺たちが聞きたかったのはそんな話ではない。喧嘩を起こしそうになったあの場がどうなったとか、そんなことよりもどうでもいい話を先に報告してきた鈴木にも悪意を感じる。多分、いや確実に、このハプニングを鈴木は面白がっているのだろう。
「あいつ、お前と同じクラスだった冴木って女だそうだ。佐藤が聞いた話だと、やっぱりお前のファンだったらしいぞ」
「……全っ然覚えてねぇ」
「だろうな。見ろよこの写真、これじゃあ詐欺も同然だな」
そう言って見せられた一枚の写真を見て、俺は食べかけのグリッシーニに巻き付けた、パルマの生ハムを落としそうになった。写真は卒アルを撮ったもののようで、少しピントがずれていたがなんとなく顔は確認できた。冴木綾乃……字面を見てもピンと来なかったが、そこに映っているふっくらとした丸顔に腫れぼったい一重瞼の女には見覚えがあった。
「うわ……そういやいた気がするな」
「それで?これのどこが俺の女だって言うんだよ」
「し、失礼しました……」
「そりゃあ今の彼氏の佐藤に失礼だろうが。それに別にブスではないしな」
いや、どこからどう見てもこれはない。俺としてはそう思ったが、確かに昨日会った女は素直に抱けると思った。人は歳を重ねると変わるらしい。俺も君下も何か変わったのだろか。ふとそう思ったが、まだ青い高校生だった俺に言わせれば、俺たちが同じ屋根の下で10年も暮らしているということがほとんど奇跡に近いだろう。人の事はそう簡単に悪く言えないと、自分の体験を以って痛いほど知った。
君下は短くなった煙草を灰皿に押し付けると火を消して、何も巻かないままのグリッシーニをポリポリと齧り始める。俺は空になったグラスを置くと、コルクを抜いて黄金色を注いだ。
「あー、そうだ。この間田舎に帰っただろう、正月に。その時にばあちゃんに、お前の話をした」
「……なんか言ってたか」
聞き捨てならない言葉に、だらしなく木製の折りたたみチェアに座っていた俺の背筋が少しだけ伸びる。
その事は俺にも違和感があった。急に田舎に顔出してくるから、と俺の車を借りて出て行った君下は、戻ってきても1週間の日々を「退屈だった」としか言わなかったのだ。なぜこのタイミングなのだろうか。嫌な切り出し方に少しだけ緊張感が走る。君下がグリッシーニを食べ終えるのを待っているほんの少しの時間が、俺には気が遠くなるほど長い時間が経ったような気さえした。
「別に。敦は結婚はしないのかって聞かれたから答えただけだ。ただ同じ家に住んでいて、これからも一緒にいることになるだろうから、申し訳ないけど嫁は貰わないかもしれないって言っといた」
「……それで、おばあさんは何て」
「良く分からねぇこと言ってたぜ。まあ俺がそれで幸せなら、それでいいんじゃないかとは言ってくれたけど……やっぱ少し寂しそうではあったかな」
そう言って遠くの空を見つめるように、君下は視線を空へ投げた。真冬とは言え太陽の光は眩しくて、自然と目元は細まった。テーブルの上に投げ出された右手には、光を反射してきらきらと輝く金色が嵌められている。昨夜君下が眠った後、停車中の誰も見ていない車内で俺が勝手に付けたのだ。細い指にシンプルなデザインはよく映えた。俺が見ていることに気が付いたのか、君下はそっとテーブルから手を離すと、新しいソフトケースから煙草を一本取りだした。
「まあこれで良かったのかもな。親父にも会ってきたし、俺はもう縛られるものがなくなった」
「えっ、まさか……昨日実家寄ったのってその為なのか」
「まあな……本当は早いうちに言っておくべきだったんだが、どうも切り出せなくてな。親父もばあちゃんも、母さんを亡くして寂しい思いをしたのは痛いほど分かってたし、まあ俺もそうだったしな……それで俺が結婚しないって言うのは、なんだか家族を裏切ってしまうような気がして。もう随分前にこうなることは分かってたのにな。気づいたら年だけ重ねてて、それで……」
君下は、ゆっくりと言葉を紡ぐと一筋だけ涙を流した。俺はそれを、君下の左手を握りしめて、黙って聞いてやることしかできなかった。昼���から飲む飲みなれないワインにアルコールが回っていたのだろうか。それでもこれは君下の本音だった。
暫くそうして無言で手を握っていると、ジャンボジェット機が俺たちの上空をゆっくりと通過した。耳を塞ぎたくなるようなごうごうと風を切り裂く大きな音に隠れるように、俺は聞こえるか聞こえないかの声量で「愛してる」、と一言呟く。君下は口元だけを読んだのか、「俺も」、と聞こえない声で囁いた。飛行機の陰になって和らいだ光の中で、俺たちは最初で最後の言葉を口にした。影が過ぎ去ると、陽射しは先程よりも一層強く感じられた。水が入ったグラスの中で、溶けた氷がカラン、と立てたか細い音だけが耳に残った。
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備蓄品リスト
https://tokusuru-bosai.jp/stock/stock03.html
ローリングストック法について
■基本的な家庭内備蓄品リスト
[備蓄しながら使うもの]
食料(非常食3日分)・ミルクおむつ(赤ちゃん)・家族の写真(名前住所生年月日)
米、牛乳、パン、缶詰、魚ソーセージ、レトルト、冷凍肉や冷凍食品、カップ麺とか麺(うどん素麺パスタマカロニ)類、アルファー米、サトウのごはん、水お茶ジュース(3リットル×3日×人数分)、常備薬、処方薬、お尻ナップ、トイレットティシューペーパー、生理用品・缶切り・マスク・大小ビニール袋(トイレ用に大きな不透明な袋も用意しておきましょう)・軍手・消毒類(救急セットはもちろん、哺乳瓶の消毒薬に使えます)、カセットコンロボンベ、ポット大きいの買うか?、懐中電灯(ラジオ、携帯電話の充電器つきがオススメです)・乾電池(各サイズ、揃えておくと便利です)・電池式ストーブ、時々使って、普段から使い慣れておき、電池を抜いておく※ソーラーや手回しで充電できるものを準備しておくと安心・水用ポリバッグ 蛇口付きのものがひとつあると便利、自分が持てるサイズ。20Lをひとつより、10Lをふたつ。給水したら、塩素がとばないように、直射日光を避けて保管・筆記用具・簡易用��イレ・ガソリン携行缶
■上記以外であると便利な家庭内備蓄品リスト
[衛生的に使えるもの]
・食品用ラップ(お皿を洗わなくて済みます。保温や包帯代わりにもなります)・クッキングシート(まな板やフライパンに敷いて使えます)・アルミホイル(トースターやホイル焼き、お皿に敷く、ロウソクやコンロを作れます)・高密度ポリエチレン袋(食品を入れて混ぜたり、つぶしたり。非常時の離乳食作りもできます)
[簡易的に何か作れるもの or 何かのかわりになるもの]
・新聞紙(簡易トイレ、防寒対策、折りたたんで色々と作ることができます)・ガムテープ・風呂敷(おむつ、生理用品、包帯、袋、防災ずきんを入れられます)・さらし(おむつ、生理用品、包帯、おんぶ紐、ロープ代わりになります)・ロープ
[その他いろいろ]
・携帯用カイロ(防寒対策)・バール、ジャッキ(負傷者の救出や脱出に使えます)
緊急持ち出し袋に常備すべきもの追加
スノーボードウェア
懐中電灯
ブルーシート
携帯ラジオ
エネループ(充電式電池)
塩(調味料)
酒(寒いとき?)
氷砂糖
ウォーターサーバ
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主人公を男性に設定にする事で、『ダイエットは女性やリア充がするものだから、
男性や非リアがやるのは恥ずかしい』という、うしろめたさを破壊してくれるのは流石。
この手法は、他社のダイエット解説本もお手本にして欲しいです。
ただ、解説されている内容の方に問題があります。
糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて
『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』
『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』
『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。
ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。
(常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g)
バーンスタイン式とスーパー糖質制限は、考え方が正反対であるにも関わらず、
ひとくくりに『糖質制限』と呼ばれていて、『糖質制限は安全』と言う人はバーンスタイン式、
『糖質制限は危険』と言う人はスーパー糖質制限を想定しているようです。
本書はこの二つの違いを説明しておらず『バーンスタイン式が安全という論文があるから、
スーパー糖質制限も安全』という論調なので、鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。
なおバーンスタイン博士は、スーパー糖質制限を批判する発言をしています。(URLをコメ欄に張ります)
『低インシュリン=ケトン体消費=糖新生』は、体に飢餓状態だと錯覚させ、普段使われない栄養を
切り崩して短期間で痩せる、いわばバグ技です。
すでに標準体型の人が、家族や友人がやっているからと、なんとなくつきあいでやったり、
長期間制限し続けると、内臓に負荷がかかって体を壊します。(特に、肉の食べ過ぎで腎臓)
必ず、身長ごとの理想体重を調べて、目標を立ててから行って下さい。
(マッスル北村というボディビルダーが、"ライザップ式"で糖新生で得られるエネルギーと筋肉の収支計算を誤り、
低血糖を起こして心不全で亡くなっています。体重100kg超えで実質餓死。
ライザップ式は早く痩せる代償に、それくらいきっついリスクがあります)
現在、女子高校生の平均身長は160cmで理想体重は55kgくらい、BMIでは50~63kgが標準。
身長165cmなら60kgくらいが理想体重、BMIでは52~68kgが標準です。
しかし、日本の服の規格は身長162cm以上を想定しておらず、
身長が平均を超えている女性は、BMIで肥満判定になるより前に3Lサイズになってしまいます。
間違っても『ファストファッションブランドで一番大きいLサイズが入らなかったから太っている』
『女性の体重は40kg台でなければならない』という思い込みを持ったままダイエットしないようにしましょう。
(2015年10月放送のクローズアップ現代にて、15年前のマネキンに今売られているスキニージーンズを着せると
ホックが閉まらない、という実験が行われていました。
15年前のマネキンでも十分モデル体型なのに、現在のマネキンはそれを下回る人間離れした激ヤセ体型。
平均身長は上がっているのに、服のサイズ表記はそのまま、ワンサイズ小さくなっていたということです。
今までLLサイズが入っていた人が3Lサイズに追いやられたのだから、最初にLLサイズから売り切れ、
逆にSサイズが売れ残るのも納得です)
『糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はいくらでも食べていい』というのは、
あくまでケトン体消費モードをアテにした『スーパー糖質制限』の考え方です。
アトキンス式では、ケトン体消費モードに切り替える為に、最初の二週間は糖質20gに制限する事になっていますし、
ケトン体消費が起きているか確認する為に、専用の試験紙を尿にひたして、検査をしている人もいます。
本書を斜め読みして『始めたばかり、もしくは1日1~2食の置き換えしかしていないのに、肉と脂質を大量摂取』
といった事をやらかすと、逆に太ってしまいかねません。
肉はともかく、脂質を大量に食べたいなら、ご飯やパンは完全に諦めること!
一方、仕事上の付き合い等の理由で、どうしても通常の食事が避けられない場合、
ご飯1杯で本書の推奨する数値をオーバーしてしまいますが、バーンスタイン式で成人病対策ついでに
微妙に痩せる程度の効果は狙えるので、諦めずに残り2食の主食を置き換えてみて下さい。
むしろ、ライザップ式で限りなくゼロを目指して、毎食、焼き肉とブロッコリーと味噌汁程度の食事をしていた人が、
ダイエット期間が終わった途端に我慢していた炭水化物をドカ食いして、
飢餓状態で栄養を吸収しやすくなっている為、一瞬でリバウンドするケースが多いようです。
『50gにするつもりがつい間食しちゃったわー100超えちゃったわー』くらいの雑さでちょうどいいです。
(ライザップ式をやめる時は、1日の摂取量を0→20→50→100と段階的に増やしていかないと
いけないはずだが、そこまで説明されないらしい)
【女性について】
「所さんの目がテン!」で、肉、卵、納豆、少量の葉物野菜だけを食べ続けるライザップ式の実験を二週間行ったところ、
内臓脂肪の多い男性は2週間で8kgくらい痩せられるが、皮下脂肪の多い女性は
内臓脂肪を消化しきった3kg減あたりで停滞してしまう、という結果が出ています。
バーンスタイン式でも1ヶ月2kgペースで痩せられるので、リスクを伴うスーパー糖質制限をや���必要は無いと思います。
(コメ欄にURLを張っておきます。この本を読んだだけじゃピンとこないけど、食べる量が視覚化されるとドン引きしますよ)
女性がケトン体を消費するほど切り詰めた場合や、体脂肪率20%を下回るほど痩せた場合、
生理が止まる事も考えられます。逆に、糖質過多が原因で生理が重くなっていた人もいるらしく、
ゆるい糖質制限をかけたら生理痛が無くなった、という報告をBlogやSNSで幾度か見かけました。
同じ日でも、便秘中かつ飲食した直後と、排便後かつ空腹の状態では、1kg程度の誤差が出ます。
また、生理前はホルモンバランスの影響で、便秘やむくみで体重が増え、
逆に、生理後は逆に体調が良くなり体重が減りやすくなります。
生理前と便秘が重なると急に3kgくらい増える事もありますが、数日後には元に戻るので、落ち込まないで下さい。
生理前に甘いものを食べたくなるので、先回りしてゼロカロリーゼリー、ブランやおからの入ったクッキー、
カロリーコントロールアイスなどを買い込んでおけば、被害を最小限にできます。
【調味料・乳製品について】
最も厳しいライザップ式では、牛乳に含まれる乳糖、豆腐・トマトケチャップ・みりんなどに含まれる糖、
揚げ物の衣、肉・魚肉加工食品のつなぎの小麦粉や片栗粉、餃子の皮まで外さなければならないけれど、
アトキンス式やバーンスタイン式であれば、これらは制限しなくてもかまいません。
食べられる食材の幅が狭まると、飽きるのも早くなって本末転倒です。
本書はアトキンス式推しなのに、乳製品・調味料の章だけライザップ式準拠なので、バランスが悪く感じます。
【メモ】
★豆腐
バーンスタイン式とアトキンス式では推奨食材だが、限りなくゼロを目指すライザップ式ではNG食材。
充填式の絹ごし豆腐を40円くらいで買えば一食150円くらい。
電子レンジで2分ほどチンして、上に皿などのおもしを載せて数時間置いて水抜きすると
生のモッツァレラチーズみたいな食感になる。
タイカレー缶、パスタソース(少量)、レトルトの丼ものの具(半量)などをかけて、ごはんの代わりにしてもいいし、
バジルソースを塗ってチーズをかけてオーブントースターで焼いて、グラタンに見立ててもいいかも。
豆腐自体は糖質3g、タイカレーと豆腐1丁を合わせても糖質10gあるかどうかくらいで、パスタソースをかけた場合はさらに下がる。
1丁丸ごと食べるなら、白米ご飯よりおなかが膨れるし腹持ちも良い。
豆腐に限らず、たんぱく質だけを頻繁に食べると、あからさまにおならや便臭が悪化するので、
こんにゃく麺・ブランパン・ブロッコリーでローテーションを組むこと。
★こんにゃく麺
常温で長期保管可能・100円で買える純粋なこんにゃく麺なら『月のうさぎ』
冷蔵保管で日持ち二週間150円だが、味を追求したいなら紀文のおから入り0カロリー麺が良い。
ローソンストア100とAmazon内で売られているかぶら食品製や、しらたきは、生臭さが抜けない。
『月のうさぎ』の場合、ザルで水をきり、電子レンジで2分ほどチンして、再度ザルにあけ、
出てきた生臭い水を捨てて水洗いすると、ほぼ臭みが無くなる。食感も他社製よりぷるぷるしていて良い。
(色付きの麺はカロリーがあるのでNG。そうめん風はからまりやすいのでうどん風を推奨)
付属のタレが低脂質高糖質なので、高脂肪低糖質が良ければパスタソースなどに差し替えるといい。
これ1食分ではおなかが膨れない。消化されないので、毎食こればかりを食べると便秘の原因になることがあるらしい。
★ブランパン/ブランロールケーキ(ローソン)
惣菜パンもある。1袋あたり糖質6~15くらい。1個100~150円。
1個では満腹にならないので、同じくローソンで売られているサラダチキン少量と一緒に食べるといい。
(というより、ブランコッペパンにサラダチキンを挟んだ新商品が出た。そちらはサンドイッチコーナーにある)
ブランパン・ブランブレッドはタンパク質が多く、ブランブレッド1袋で20g入っている。
なにげに1袋200キロカロリー(パンケーキは300)あるので、2個食べると食パン半斤並のカロリーになる。
その内訳がタンパク質に偏っているとはいえ、心臓に悪い。
パサパサして食べにくい場合は、袋に穴を開けて電子レンジでチンするとしっとりして食べやすくなる。
糖質制限中にどうしてもパンを食べたくなった人向けであって、毎日食べるべきではないかも。
食後の血糖値の急上昇・急低下による眠気を抑えたい人にも。
同じくローソンの『ナチュラルローソン』ブランドで、ダイエット用のお菓子シリーズも展開している。
全粒粉は普通の小麦粉で作ったパンが糖質30gになるところが、全粒粉なら25gになる程度で、
ブランパンほど糖質が低いわけではないが低GIではあるので、目標体重を達成したら
いきなり白い食パンに戻すのではなく、全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるといい。
★オールブラン・グラノーラ
一食あたり20~30gの糖質が含まれるうえ、牛乳をかければ乳糖でさらに糖質が上がる。
ただし低GI値食品であり、食物繊維が多かったり、血糖値が上がりにくかったりする。
『糖質量100g+便秘にならないよう維持』のバーンスタイン式や、ダイエット後のリバウンド防止には視野に入る。
『クリーム玄米ブラン』はオールブランにクリームを挟んだもの
『一本満足』はグラノーラをチョコレートで固めたもの。
★ブロッコリー
ササミと並ぶボディビルダーの定番食材。まとめて茹でて冷凍しておく。
カレー・ハヤシなどのご飯の代用として使える。
野菜炒めの具にしたり、パスタソースをからめシュレッドチーズを載せてグラタンにしたり。
茶碗いっぱいも食べれば相当おなかが膨れるので、主食の置き換えにも。
★ソイジョイ
ピーナツ味とアーモンド&チョコレート味が突出して糖質が低く6~7g程度。糖質制限中の間食に最適。
★おからだから
糖質量はソイジョイのほぼ倍だが、カントリーマアムそっくりな味なのでストレスの解消目的にたまに食べるには良い。
★タイカレー缶
100均とスーパーで容量が違うので注意。スーパーのものはちょっと高いが2食に分けて食べられるかも。
イギリス・日本式のカレーと違って、インドやタイのカレーは根菜系の具が入っていないので若干糖質が低いし、
元が薬膳料理なので、整腸や利尿効果がありそう。
加えて、タイカレー缶にはココナッツミルクが含まれている。(ココナッツオイルとココナッツウォーターが流行った)
このため、糖質制限BLOGの献立で頻出する。
★エリスリトール
ゼロカロリー甘味料で、嫌な後味が無い。(キシリトールに似たひんやり感はある)
低温で結晶化する、高温で甘さが無くなる、などの特徴があるので使える食品が限られる。
これが入っているゼロカロリー食品はあまりハズレが無い。
ゼリーやガムに使われる事が多く、飲物には使われない。
砂糖の7割の甘さしかないので、別種の激甘な甘味料を少量加えた状態で売られている。(ラカント等)
★ゼリー
蒟蒻畑は砂糖が含まれるのでNG。
マルハ ゼリーdeゼロはエリスリトールが糖類なので5gと表記されているが、
人間には消化できないし、インスリンも出ないらしいので0g扱いでOK。味も人工甘味料っぽさが無い。
Amazon内で売られているゼロカロリーわらびもちも、同じく蒟蒻とエリスリトールメインでおいしい。
四角い容器に入った寒天ゼリーは、寒天の生臭さや食感が邪魔をしてしまっておいしくない。
★アイス
先述のゼリーを冷凍すると、市販のメロン型容器に入っているものと比べても遜色のないシャーベットになる。
乳製品系はもとからゼロカロリーアイスとして売られているものを当たるしかないが、
エリスリトールが使えない為、味に当たれハズレがある。
★自分の場合、この条件+運動無しで月2kgペースで減っています。
『主食をブランパン、豆腐、蒟蒻麺か糖質0麺、クリーム玄米ブラン、ブロッコリーいずれかに置き換える』
『飲み物は基本水かお茶。ジュースはゼロカロリー甘味料以外禁止』
『おかずは極力そのまま。ポテトサラダ・コロッケ・餃子・揚げ物の皮などは厳密には糖質だが、
飽きて続かなくなり本末転倒だし、どのみち1日130g以下には収まるので、量は減らすが禁止はしない。
砂糖以外の調味料も禁止しない』
『主食を置き換えた分、1日の必須カロリーに届かなくなるのと、糖新生で筋肉が減る恐れがあるので、
プロテイン1杯かササミ1本を1日1~2食。特に朝食時-』
『外食が避けられない場合、蕎麦かスパゲティ(粗挽き粉の為GI値が低い)があればそれ。
無ければサラダ。おかずは気にせず完食』
『おやつは極力糖質オフのものか、糖質が主成分ではない、ビーフジャーキー、
コンビニのフライドチキン・つくねおでん、など。
通常のものは家族が食べている時に1口だけ分けて貰うに留める。果物も同様』
『意識が遠のく時は血糖値が下がりすぎているおそれがあるので、GI値が低くて糖質が含まれている
クリーム玄米ブラン、または少量の普通のお菓子で、最低限の血糖値は確保する』
『ハンバーガー+ポテト+ジュースという糖質三点セットの組み合わせになるハンバーガーはさすがに禁止。
仮につきあいで行くとしてもサイドメニューとお茶』
★ほとんどが水の生野菜より、主食をこんにゃく麺など低GI食に置き換えた方がよほど食物繊維摂取量が増える。
ダイエットの副産物として、過敏性腸症候群(ストレス性の下痢)が改善する事もありえる。
★防風通聖散(ナイシトール、和漢箋、コッコアポS)
本来は肥満体型の男性が、便秘と高血圧の治療の為に処方される下剤。
痩せるのは副作用にすぎないし、パッケージに書かれている分量は女性の体重には多すぎる。
最初は効きすぎるので、最初は1日1回だけ、家にいる時間帯に飲む。
効きが悪くなってきたら下痢にならない範囲で回数を増やす。
このことを理解したうえで、便秘の解消目的で飲むなら悪くない。
★精製が進みすぎた主食は消化が良すぎて、血糖値が急上昇・急低下して糖尿病になりやすいし、
腹持ちが悪く間食が増えてしまう。(高GI食のうどんで有名な香川県は、糖尿病患者率TOP)
ダイエットとまでいかなくとも、主食を玄米やブランに置き換えて粗食にする程度の事は、万人が検討した方がいい。
たとえば、食パンはドン引きするくらいの高GI食品なので、低GIな全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるだけで
相当腹持ちがよくなり、間食が減る。
★買い物で成分表を見る際『バーコードバトラー/モンスターファームの強キャラ探し』と思った方が多分続く。
★女子中高生の少食女子力アピールマウンティング合戦や、『自炊しない自分はダメ人間なんだ』という
プレッシャーから抜け出す口実ができるので、ダイエットとして効果的かはともかく、精神衛生面は改善する。
★本書では扱われていないが、心療内科シリーズで『口唇欲求』を解説した回があり、
口に何かをくわえたり、かじったりするとストレス解消になるので、タバコをやめにくい、という話題だった。
間食もこれの一種と思われるので、歯固めやマウスピースを噛んで二重あご対策をしたり、
風船をふくらませて肺活量を鍛えたりといった、口を使うトレーニングに置き換えれば、
手持ち無沙汰で間食してしまう回数が減ると思う。
★「糖質制限+肉大量」というダイエット法「MEC食」というものもある。
https://www.amazon.co.jp/review/R2LTXN55BS485H/?ASIN=4785954833
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マンガで分かる肉体改造 糖質制限編 (ヤングキングコミック)の ゅぅゃさんのレビュー
主人公を男性に設定にする事で、『ダイエットは女性やリア充がするものだから、男性や非リアがやるのは恥ずかしい』という、うしろめたさを破壊してくれるのは流石。この手法は、他社のダイエット解説本もお手本にして欲しいです。
ただ、解説されている内容の方に問題があります。糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて
『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』
『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』
『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。
ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。 (常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g)
バーンスタイン式とスーパー糖質制限は、考え方が正反対であるにも関わらず、ひとくくりに『糖質制限』と呼ばれていて、『糖質制限は安全』と言う人はバーンスタイン式、『糖質制限は危険』と言う人はスーパー糖質制限を想定しているようです。本書はこの二つの違いを説明しておらず『バーンスタイン式が安全という論文があるから、スーパー糖質制限も安全』という論調なので、鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。なおバーンスタイン博士は、スーパー糖質制限を批判する発言をしています。(URLをコメ欄に張ります)
『低インシュリン=ケトン体消費=糖新生』は、体に飢餓状態だと錯覚させ、普段使われない栄養を切り崩して短期間で痩せる、いわばバグ技です。すでに標準体型の人が、家族や友人がやっているからと、なんとなくつきあいでやったり、長期間制限し続けると、内臓に負荷がかかって体を壊します。(特に、肉の食べ過ぎで腎臓)必ず、身長ごとの理想体重を調べて、目標を立ててから行って下さい。(マッスル北村というボディビルダーが、"ライザップ式"で糖新生で得られるエネルギーと筋肉の収支計算を誤り、低血糖を起こして心不全で亡くなっています。体重100kg超えで実質餓死。ライザップ式は早く痩せる代償に、それくらいきっついリスクがあります)
現在、女子高校生の平均身長は160cmで理想体重は55kgくらい、BMIでは50~63kgが標準。
身長165cmなら60kgくらいが理想体重、BMIでは52~68kgが標準です。しかし、日本の服の規格は身長162cm以上を想定しておらず、身長が平均を超えている女性は、BMIで肥満判定になるより前に3Lサイズになってしまいます。間違っても『ファストファッションブランドで一番大きいLサイズが入らなかったから太っている』
『女性の体重は40kg台でなければならない』という思い込みを持ったままダイエットしないようにしましょう。(2015年10月放送のクローズアップ現代にて、15年前のマネキンに今売られているスキニージーンズを着せるとホックが閉まらない、という実験が行われていました。15年前のマネキンでも十分モデル体型なのに、現在のマネキンはそれを下回る人間離れした激ヤセ体型。
平均身長は上がっているのに、服のサイズ表記はそのまま、ワンサイズ小さくなっていたということです。今までLLサイズが入っていた人が3Lサイズに追いやられたのだから、最初にLLサイズから売り切れ、逆にSサイズが売れ残るのも納得です)
『糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はいくらでも食べていい』というのは、
あくまでケトン体消費モードをアテにした『スーパー糖質制限』の考え方です。アトキンス式では、ケトン体消費モードに切り替える為に、最初の二週間は糖質20gに制限する事になっていますし、ケトン体消費が起きているか確認する為に、専用の試験紙を尿にひたして、検査をしている人もいます。本書を斜め読みして『始めたばかり、もしくは1日1~2食の置き換えしかしていないのに、肉と脂質を大量摂取』といった事をやらかすと、逆に太ってしまいかねません。肉はともかく、脂質を大量に食べたいなら、ご飯やパンは完全に諦めること!
一方、仕事上の付き合い等の理由で、どうしても通常の食事が避けられない場合、ご飯1杯で本書の推奨する数値をオーバーしてしまいますが、バーンスタイン式で成人病対策ついでに微妙に痩せる程度の効果は狙えるので、諦めずに残り2食の主食を置き換えてみて下さい。
むしろ、ライザップ式で限りなくゼロを目指して、毎食、焼き肉とブロッコリーと味噌汁程度の食事をしていた人が、ダイエット期間が終わった途端に我慢していた炭水化物をドカ食いして、飢餓状態で栄養を吸収しやすくなっている為、一瞬でリバウンドするケースが多いようです。『50gにするつもりがつい間食しちゃったわー100超えちゃったわー』くらいの雑さでちょうどいいです。
(ライザップ式をやめる時は、1日の摂取量を0→20→50→100と段階的に増やしていかないと
いけないはずだが、そこまで説明されないらしい)
【女性について】「所さんの目がテン!」で、肉、卵、納豆、少量の葉物野菜だけを食べ続けるライザップ式の実験を二週間行ったところ、内臓脂肪の多い男性は2週間で8kgくらい痩せられるが、皮下脂肪の多い女性は内臓脂肪を消化しきった3kg減あたりで停滞してしまう、という結果が出ています。バーンスタイン式でも1ヶ月2kgペースで痩せられるので、リスクを伴うスーパー糖質制限をやる必要は無いと思います。
(コメント欄にURLを張っておきます。この本を読んだだけじゃピンとこないけど、食べる量が視覚化されるとドン引きしますよ)
女性がケトン体を消費するほど切り詰めた場合や、体脂肪率20%を下回るほど痩せた場合、生理が止まる事も考えられます。逆に、糖質過多が原因で生理が重くなっていた人もいるらしく、ゆるい糖質制限をかけたら生理痛が無くなった、という報告をBlogやSNSで幾度か見かけました。
同じ日でも、便秘中かつ飲食した直後と、排便後かつ空腹の状態では、1kg程度の誤差が出ます。また、生理前はホルモンバランスの影響で、便秘やむくみで体重が増え、逆に、生理後は逆に体調が良くなり体重が減りやすくなります。生理前と便秘が重なると急に3kgくらい増える事もありますが、数日後には元に戻るので、落ち込まないで下さい。生理前に甘いものを食べたくなるので、先回りしてゼロカロリーゼリー、ブランやおからの入ったクッキー、カロリーコントロールアイスなどを買い込んでおけば、被害を最小限にできます。
【調味料・乳製品について】
最も厳しいライザップ式では、牛乳に含まれる乳糖、豆腐・トマトケチャップ・みりんなどに含まれる糖、揚げ物の衣、肉・魚肉加工食品のつなぎの小麦粉や片栗粉、餃子の皮まで外さなければならないけれど、 アトキンス式やバーンスタイン式であれば、これらは制限しなくてもかまいません。 食べられる食材の幅が狭まると、飽きるのも早くなって本末転倒です。 本書はアトキンス式推しなのに、乳製品・調味料の章だけライザップ式準拠なので、バランスが悪く感じます。
【メモ】
★豆腐
バーンスタイン式とアトキンス式では推奨食材だが、限りなくゼロを目指すライザップ式ではNG食材。
充填式の絹ごし豆腐を40円くらいで買えば一食150円くらい。電子レンジで2分ほどチンして、上に皿などのおもしを載せて数時間置いて水抜きすると生のモッツァレラチーズみたいな食感になる。タイカレー缶、パスタソース(少量)、レトルトの丼ものの具(半量)などをかけて、ごはんの代わりにしてもいいし、バジルソースを塗ってチーズをかけてオーブントースターで焼いて、グラタンに見立ててもいいかも。豆腐自体は糖質3g、タイカレーと豆腐1丁を合わせても糖質10gあるかどうかくらいで、パスタソースをかけた場合はさらに下がる。
1丁丸ごと食べるなら、白米ご飯よりおなかが膨れるし腹持ちも良い。豆腐に限らず、たんぱく質だけを頻繁に食べると、あからさまにおならや便臭が悪化するので、こんにゃく麺・ブランパン・ブロッコリーでローテーションを組むこと。
★こんにゃく麺
常温で長期保管可能・100円で買える純粋なこんにゃく麺なら『月のうさぎ』
冷蔵保管で日持ち二週間150円だが、味を追求したいなら紀文のおから入り0カロリー麺が良い。
ローソンストア100とAmazon内で売られているかぶら食品製や、しらたきは、生臭さが抜けない。『月のうさぎ』の場合、ザルで水をきり、電子レンジで2分ほどチンして、再度ザルにあけ、出てきた生臭い水を捨てて水洗いすると、ほぼ臭みが無くなる。食感も他社製よりぷるぷるしていて良い。(色付きの麺はカロリーがあるのでNG。そうめん風はからまりやすいのでうどん風を推奨)
付属のタレが低脂質高糖質なので、高脂肪低糖質が良ければパスタソースなどに差し替えるといい。
これ1食分ではおなかが膨れない。消化されないので、毎食こればかりを食べると便秘の原因になることがあるらしい。
★ブランパン/ブランロールケーキ(ローソン)
惣菜パンもある。1袋あたり糖質6~15くらい。1個100~150円。1個では満腹にならないので、同じくローソンで売られているサラダチキン少量と一緒に食べるといい。(というより、ブランコッペパンにサラダチキンを挟んだ新商品が出た。そちらはサンドイッチコーナーにある)
ブランパン・ブランブレッドはタンパク質が多く、ブランブレッド1袋で20g入っている。
なにげに1袋200キロカロリー(パンケーキは300)あるので、2個食べると食パン半斤並のカロリーになる。その内訳がタンパク質に偏っているとはいえ、心臓に悪い。パサパサして食べにくい場合は、袋に穴を開けて電子レンジでチンするとしっとりして食べやすくなる。糖質制限中にどうしてもパンを食べたくなった人向けであって、毎日食べるべきではないかも。
食後の血糖値の急上昇・急低下による眠気を抑えたい人にも。同じくローソンの『ナチュラルローソン』ブランドで、ダイエット用のお菓子シリーズも展開している。全粒粉は普通の小麦粉で作ったパンが糖質30gになるところが、全粒粉なら25gになる程度で、ブランパンほど糖質が低いわけではないが低GIではあるので、目標体重を達成したらいきなり白い食パンに戻すのではなく全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるといい。
★オールブラン・グラノーラ
一食あたり20~30gの糖質が含まれるうえ、牛乳をかければ乳糖でさらに糖質が上がる。ただし低GI値食品であり、食物繊維が多かったり、血糖値が上がりにくかったりする。
『糖質量100g+便秘にならないよう維持』のバーンスタイン式や、ダイエット後のリバウンド防止には視野に入る。
『クリーム玄米ブラン』はオールブランにクリームを挟んだもの
『一本満足』はグラノーラをチョコレートで固めたもの。
★ブロッコリー
ササミと並ぶボディビルダーの定番食材。まとめて茹でて冷凍しておく。
カレー・ハヤシなどのご飯の代用として使える。
野菜炒めの具にしたり、パスタソースをからめシュレッドチーズを載せてグラタンにしたり。茶碗いっぱいも食べれば相当おなかが膨れるので、主食の置き換えにも。
★ソイジョイ
ピーナツ味とアーモンド&チョコレート味が突出して糖質が低く6~7g程度。糖質制限中の間食に最適。
★おからだから
糖質量はソイジョイのほぼ倍だが、カントリーマアムそっくりな味なのでストレスの解消目的にたまに食べるには良い。
★タイカレー缶
100均とスーパーで容量が違うので���意。スーパーのものはちょっと高いが2食に分けて食べられるかも。イギリス・日本式のカレーと違って、インドやタイのカレーは根菜系の具が入っていないので若干糖質が低いし、元が薬膳料理なので、整腸や利尿効果がありそう。加えて、タイカレー缶にはココナッツミルクが含まれている。(ココナッツオイルとココナッツウォーターが流行った)
このため、糖質制限BLOGの献立で頻出する。
★エリスリトール
ゼロカロリー甘味料で、嫌な後味が無い。(キシリトールに似たひんやり感はある)
低温で結晶化する、高温で甘さが無くなる、などの特徴があるので使える食品が限られる。これが入っているゼロカロリー食品はあまりハズレが無い。ゼリーやガムに使われる事が多く、飲物には使われない。
砂糖の7割の甘さしかないので、別種の激甘な甘味料を少量加えた状態で売られている。(ラカント等)
★ゼリー
蒟蒻畑は砂糖が含まれるのでNG。マルハ ゼリーdeゼロはエリスリトールが糖類なので5gと表記されているが、人間には消化できないし、インスリンも出ないらしいので0g扱いでOK。味も人工甘味料っぽさが無い。Amazon内で売られているゼロカロリーわらびもちも、同じく蒟蒻とエリスリトールメインでおいしい。
四角い容器に入った寒天ゼリーは、寒天の生臭さや食感が邪魔をしてしまっておいしくない。
★アイス
先述のゼリーを冷凍すると、市販のメロン型容器に入っているものと比べても遜色のないシャーベットになる。 乳製品系はもとからゼロカロリーアイスとして売られているものを当たるしかないが、エリスリトールが使えない為、味に当たれハズレがある。
★自分の場合、この条件+運動無しで月2kgペースで減っています。『主食をブランパン、豆腐、蒟蒻麺か糖質0麺、クリーム玄米ブラン、ブロッコリーいずれかに置き換える』『飲み物は基本水かお茶。ジュースはゼロカロリー甘味料以外禁止』『おかずは極力そのまま。ポテトサラダ・コロッケ・餃子・揚げ物の皮などは厳密には糖質だが、飽きて続かなくなり本末転倒だし、どのみち1日130g以下には収まるので、量は減らすが禁止はしない。砂糖以外の調味料も禁止しない』『主食を置き換えた分、1日の必須カロリーに届かなくなるのと、糖新生で筋肉が減る恐れがあるので、プロテイン1杯かササミ1本を1日1~2食。特に朝食時-』『外食が避けられない場合、蕎麦かスパゲティ(粗挽き粉の為GI値が低い)があればそれ。無ければサラダ。おかずは気にせず完食』『おやつは極力糖質オフのものか、糖質が主成分ではない、ビーフジャーキー、コンビニのフライドチキン・つくねおでんなど。通常のものは家族が食べている時に1口だけ分けて貰うに留める。果物も同様』『意識が遠のく時は血糖値が下がりすぎているおそれがあるので、GI値が低くて糖質が含まれているクリーム玄米ブラン、または少量の普通のお菓子で、最低限の血糖値は確保する』『ハンバーガー+ポテト+ジュースという糖質三点セットの組み合わせになるハンバーガーはさすがに禁止。仮につきあいで行くとしてもサイドメニューとお茶』★ほとんどが水の生野菜より、主食をこんにゃく麺など低GI食に置き換えた方がよほど食物繊維摂取量が増える。ダイエットの副産物として、過敏性腸症候群(ストレス性の下痢)が改善する事もありえる。★防風通聖散(ナイシトール、和漢箋、コッコアポS)本来は肥満体型の男性が、便秘と高血圧の治療の為に処方される下剤。痩せるのは副作用にすぎないし、パッケージに書かれている分量は女性の体重には多すぎる。最初は効きすぎるので、最初は1日1回だけ、家にいる時間帯に飲む。効きが悪くなってきたら下痢にならない範囲で回数を増やす。このことを理解したうえで、便秘の解消目的で飲むなら悪くない。
★精製が進みすぎた主食は消化が良すぎて、血糖値が急上昇・急低下して糖尿病になりやすいし、腹持ちが悪く間食が増えてしまう。(高GI食のうどんで有名な香川県は、糖尿病患者率TOP)ダイエットとまでいかなくとも、主食を玄米やブランに置き換えて粗食にする程度の事は、万人が検討した方いい。たとえば、食パンはドン引きするくらいの高GI食品なので、低GIな全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるだけで相当腹持ちがよくなり、間食が減る。★買い物で成分表を見る際『バーコードバトラー/モンスターファームの強キャラ探し』と思った方が多分続く。★女子中高生の少食女子力アピールマウンティング合戦や、『自炊しない自分はダメ人間なんだ』というプレッシャーから抜け出す口実ができるので、ダイエットとして効果的かはともかく精神衛生面は改善する。★本書では扱われていないが、心療内科シリーズで『口唇欲求』を解説した回があり口に何かをくわえたり、かじったりするとストレス解消になるので、タバコをやめにくい、という話題だった。間食もこれの一種と思われるので、歯固めやマウスピースを噛んで二重あご対策をしたり、風船をふくらませて肺活量を鍛えたりといった、口を使うトレーニングに置き換えれば、手持ち無沙汰で間食してしまう回数が減ると思う。★「糖質制限+肉大量」というダイエット法「MEC食」というものもある。—
Amazon.co.jp: マンガで分かる肉体改造 糖質制限編 (ヤングキングコミック)の ゅぅゃさんのレビュー
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1,015 人中、961人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
これ一冊の情報だけでダイエットをするのは危険かも。, 2015/6/17
投稿者 ゅぅゃ
レビュー対象商品: マンガで分かる肉体改造 糖質制限編 (ヤングキングコミック) (コミック)
主人公を男性に設定にする事で、『ダイエットは女性やリア充がするものだから、男性や非リアがやるのは恥ずかしい』という、うしろめたさを破壊してくれるのは流石。この手法は、他社のダイエット解説本もお手本にして欲しいです。ただ、解説されている内容の方に問題があります。糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。(常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g)バーンスタイン式とスーパー糖質制限は、考え方が正反対であるにも関わらず、ひとくくりに『糖質制限』と呼ばれていて、『糖質制限は安全』と言う人はバーンスタイン式、『糖質制限は危険』と言う人はスーパー糖質制限を想定しているようです。本書はこの二つの違いを説明しておらず『バーンスタイン式が安全という論文があるから、スーパー糖質制限も安全』という論調なので、鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。なおバーンスタイン博士は、スーパー糖質制限を批判する発言をしています。(URLをコメ欄に張ります)『低インシュリン=ケトン体消費=糖新生』は、体に飢餓状態だと錯覚させ、普段使われない栄養を切り崩して短期間で痩せる、いわばバグ技です。すでに標準体型の人が、家族や友人がやっているからと、なんとなくつきあいでやったり、長期間制限し続けると、内臓に負荷がかかって体を壊します。(特に、肉の食べ過ぎで腎臓)必ず、身長ごとの理想体重を調べて、目標を立ててから行って下さい。(マッスル北村というボディビルダーが、"ライザップ式"で糖新生で得られるエネルギーと筋肉の収支計算を誤り、低血糖を起こして心不全で亡くなっています。体重100kg超えで実質餓死。ライザップ式は早く痩せる代償に、それくらいきっついリスクがあります)現在、女子高校生の平均身長は160cmで理想体重は55kgくらい、BMIでは50~63kgが標準。身長165cmなら60kgくらいが理想体重、BMIでは52~68kgが標準です。しかし、日本の服の規格は身長162cm以上を想定しておらず、身長が平均を超えている女性は、BMIで肥満判定になるより前に3Lサイズになってしまいます。間違っても『ファストファッションブランドで一番大きいLサイズが入らなかったから太っている』『女性の体重は40kg台でなければならない』という思い込みを持ったままダイエットしないようにしましょう。(2015年10月放送のクローズアップ現代にて、15年前のマネキンに今売られているスキニージーンズを着せるとホックが閉まらない、という実験が行われていました。15年前のマネキンでも十分モデル体型なのに、現在のマネキンはそれを下回る人間離れした激ヤセ体型。平均身長は上がっているのに、服のサイズ表記はそのまま、ワンサイズ小さくなっていたということです。今までLLサイズが入っていた人が3Lサイズに追いやられたのだから、最初にLLサイズから売り切れ、逆にSサイズが売れ残るのも納得です)『糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はいくらでも食べていい』というのは、あくまでケトン体消費モードをアテにした『スーパー糖質制限』の考え方です。アトキンス式では、ケトン体消費モードに切り替える為に、最初の二週間は糖質20gに制限する事になっていますし、ケトン体消費が起きているか確認する為に、専用の試験紙を尿にひたして、検査をしている人もいます。本書を斜め読みして『始めたばかり、もしくは1日1~2食の置き換えしかしていないのに、肉と脂質を大量摂取』といった事をやらかすと、逆に太ってしまいかねません。肉はともかく、脂質を大量に食べたいなら、ご飯やパンは完全に諦めること!一方、仕事上の付き合い等の理由で、どうしても通常の食事が避けられない場合、ご飯1杯で本書の推奨する数���をオーバーしてしまいますが、バーンスタイン式で成人病対策ついでに微妙に痩せる程度の効果は狙えるので、諦めずに残り2食の主食を置き換えてみて下さい。むしろ、ライザップ式で限りなくゼロを目指して、毎食、焼き肉とブロッコリーと味噌汁程度の食事をしていた人が、ダイエット期間が終わった途端に我慢していた炭水化物をドカ食いして、飢餓状態で栄養を吸収しやすくなっている為、一瞬でリバウンドするケースが多いようです。『50gにするつもりがつい間食しちゃったわー100超えちゃったわー』くらいの雑さでちょうどいいです。(ライザップ式をやめる時は、1日の摂取量を0→20→50→100と段階的に増やしていかないといけないはずだが、そこまで説明されないらしい)【女性について】「所さんの目がテン!」で、肉、卵、納豆、少量の葉物野菜だけを食べ続けるライザップ式の実験を二週間行ったところ、内臓脂肪の多い男性は2週間で8kgくらい痩せられるが、皮下脂肪の多い女性は内臓脂肪を消化しきった3kg減あたりで停滞してしまう、という結果が出ています。バーンスタイン式でも1ヶ月2kgペースで痩せられるので、リスクを伴うスーパー糖質制限をやる必要は無いと思います。(コメ欄にURLを張っておきます。この本を読んだだけじゃピンとこないけど、食べる量が視覚化されるとドン引きしますよ)女性がケトン体を消費するほど切り詰めた場合や、体脂肪率20%を下回るほど痩せた場合、生理が止まる事も考えられます。逆に、糖質過多が原因で生理が重くなっていた人もいるらしく、ゆるい糖質制限をかけたら生理痛が無くなった、という報告をBlogやSNSで幾度か見かけました。同じ日でも、便秘中かつ飲食した直後と、排便後かつ空腹の状態では、1kg程度の誤差が出ます。また、生理前はホルモンバランスの影響で、便秘やむくみで体重が増え、逆に、生理後は逆に体調が良くなり体重が減りやすくなります。生理前と便秘が重なると急に3kgくらい増える事もありますが、数日後には元に戻るので、落ち込まないで下さい。生理前に甘いものを食べたくなるので、先回りしてゼロカロリーゼリー、ブランやおからの入ったクッキー、カロリーコントロールアイスなどを買い込んでおけば、被害を最小限にできます。【調味料・乳製品について】最も厳しいライザップ式では、牛乳に含まれる乳糖、豆腐・トマトケチャップ・みりんなどに含まれる糖、揚げ物の衣、肉・魚肉加工食品のつなぎの小麦粉や片栗粉、餃子の皮まで外さなければならないけれど、アトキンス式やバーンスタイン式であれば、これらは制限しなくてもかまいません。食べられる食材の幅が狭まると、飽きるのも早くなって本末転倒です。本書はアトキンス式推しなのに、乳製品・調味料の章だけライザップ式準拠なので、バランスが悪く感じます。【メモ】★豆腐バーンスタイン式とアトキンス式では推奨食材だが、限りなくゼロを目指すライザップ式ではNG食材。充填式の絹ごし豆腐を40円くらいで買えば一食150円くらい。電子レンジで2分ほどチンして、上に皿などのおもしを載せて数時間置いて水抜きすると生のモッツァレラチーズみたいな食感になる。タイカレー缶、パスタソース(少量)、レトルトの丼ものの具(半量)などをかけて、ごはんの代わりにしてもいいし、バジルソースを塗ってチーズをかけてオーブントースターで焼いて、グラタンに見立ててもいいかも。豆腐自体は糖質3g、タイカレーと豆腐1丁を合わせても糖質10gあるかどうかくらいで、パスタソースをかけた場合はさらに下がる。1丁丸ごと食べるなら、白米ご飯よりおなかが膨れるし腹持ちも良い。豆腐に限らず、たんぱく質だけを頻繁に食べると、あからさまにおならや便臭が悪化するので、こんにゃく麺・ブランパン・ブロッコリーでローテーションを組むこと。★こんにゃく麺常温で長期保管可能・100円で買える純粋なこんにゃく麺なら『月のうさぎ』冷蔵保管で日持ち二週間150円だが、味を追求したいなら紀文のおから入り0カロリー麺が良い。ローソンストア100とAmazon内で売られているかぶら食品製や、しらたきは、生臭さが抜けない。『月のうさぎ』の場合、ザルで水をきり、電子レンジで2分ほどチンして、再度ザルにあけ、出てきた生臭い水を捨てて水洗いすると、ほぼ臭みが無くなる。食感も他社製よりぷるぷるしていて良い。(色付きの麺はカロリーがあるのでNG。そうめん風はからまりやすいのでうどん風を推奨)付属のタレが低脂質高糖質なので、高脂肪低糖質が良ければパスタソースなどに差し替えるといい。これ1食分ではおなかが膨れない。消化されないので、毎食こればかりを食べると便秘の原因になることがあるらしい。★ブランパン/ブランロールケーキ(ローソン)惣菜パンもある。1袋あたり糖質6~15くらい。1個100~150円。1個では満腹にならないので、同じくローソンで売られているサラダチキン少量と一緒に食べるといい。(というより、ブランコッペパンにサラダチキンを挟んだ新商品が出た。そちらはサンドイッチコーナーにある)ブランパン・ブランブレッドはタンパク質が多く、ブランブレッド1袋で20g入っている。なにげに1袋200キロカロリー(パンケーキは300)あるので、2個食べると食パン半斤並のカロリーになる。その内訳がタンパク質に偏っているとはいえ、心臓に悪い。パサパサして食べにくい場合は、袋に穴を開けて電子レンジでチンするとしっとりして食べやすくなる。糖質制限中にどうしてもパンを食べたくなった人向けであって、毎日食べるべきではないかも。食後の血糖値の急上昇・急低下による眠気を抑えたい人にも。同じくローソンの『ナチュラルローソン』ブランドで、ダイエット用のお菓子シリーズも展開している。全粒粉は普通の小麦粉で作ったパンが糖質30gになるところが、全粒粉なら25gになる程度で、ブランパンほど糖質が低いわけではないが低GIではあるので、目標体重を達成したらいきなり白い食パンに戻すのではなく、全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるといい。★オールブラン・グラノーラ一食あたり20~30gの糖質が含まれるうえ、牛乳をかければ乳糖でさらに糖質が上がる。ただし低GI値食品であり、食物繊維が多かったり、血糖値が上がりにくかったりする。『糖質量100g+便秘にならないよう維持』のバーンスタイン式や、ダイエット後のリバウンド防止には視野に入る。『クリーム玄米ブラン』はオールブランにクリームを挟んだもの『一本満足』はグラノーラをチョコレートで固めたもの。★ブロッコリーササミと並ぶボディビルダーの定番食材。まとめて茹でて冷凍しておく。カレー・ハヤシなどのご飯の代用として使える。野菜炒めの具にしたり、パスタソースをからめシュレッドチーズを載せてグラタンにしたり。茶碗いっぱいも食べれば相当おなかが膨れるので、主食の置き換えにも。★ソイジョイ ピーナツ味とアーモンド&チョコレート味が突出して糖質が低く6~7g程度。糖質制限中の間食に最適。★おからだから 糖質量はソイジョイのほぼ倍だが、カントリーマアムそっくりな味なのでストレスの解消目的にたまに食べるには良い。★タイカレー缶100均とスーパーで容量が違うので注意。スーパーのものはちょっと高いが2食に分けて食べられるかも。イギリス・日本式のカレーと違って、インドやタイのカレーは根菜系の具が入っていないので若干糖質が低いし、元が薬膳料理なので、整腸や利尿効果がありそう。加えて、タイカレー缶にはココナッツミルクが含まれている。(ココナッツオイルとココナッツウォーターが流行った)このため、糖質制限BLOGの献立で頻出する。★エリスリトールゼロカロリー甘味料で、嫌な後味が無い。(キシリトールに似たひんやり感はある)低温で結晶化する、高温で甘さが無くなる、などの特徴があるので使える食品が限られる。これが入っているゼロカロリー食品はあまりハズレが無い。ゼリーやガムに使われる事が多く、飲物には使われない。砂糖の7割の甘さしかないので、別種の激甘な甘味料を少量加えた状態で売られている。(ラカント等)★ゼリー蒟蒻畑は砂糖が含まれるのでNG。マルハ ゼリーdeゼロはエリスリトールが糖類なので5gと表記されているが、人間には消化できないし、インスリンも出ないらしいので0g扱いでOK。味も人工甘味料っぽさが無い。Amazon内で売られているゼロカロリーわらびもちも、同じく蒟蒻とエリスリトールメインでおいしい。四角い容器に入った寒天ゼリーは、寒天の生臭さや食感が邪魔をしてしまっておいしくない。★アイス 先述のゼリーを冷凍すると、市販のメロン型容器に入っているものと比べても遜色のないシャーベットになる。 乳製品系はもとからゼロカロリーアイスとして売られているものを当たるしかないが、 エリスリトールが使えない為、味に当たれハズレがある。★自分の場合、この条件+運動無しで月2kgペースで減っています。 『主食をブランパン、豆腐、蒟蒻麺か糖質0麺、クリーム玄米ブラン、ブロッコリーいずれかに置き換える』 『飲み物は基本水かお茶。ジュースはゼロカロリー甘味料以外禁止』 『おかずは極力そのまま。ポテトサラダ・コロッケ・餃子・揚げ物の皮などは厳密には糖質だが、 飽きて続かなくなり本末転倒だし、どのみち1日130g以下には収まるので、量は減らすが禁止はしない。 砂糖以外の調味料も禁止しない』 『主食を置き換えた分、1日の必須カロリーに届かなくなるのと、糖新生で筋肉が減る恐れがあるので、 プロテイン1杯かササミ1本を1日1~2食。特に朝食時-』 『外食が避けられない場合、蕎麦かスパゲティ(粗挽き粉の為GI値が低い)があればそれ。 無ければサラダ。おかずは気にせず完食』 『おやつは極力糖質オフのものか、糖質が主成分ではない、ビーフジャーキー、 コンビニのフライドチキン・つくねおでん、など。 通常のものは家族が食べている時に1口だけ分けて貰うに留める。果物も同様』 『意識が遠のく時は血糖値が下がりすぎているおそれがあるので、GI値が低くて糖質が含まれている クリーム玄米ブラン、または少量の普通のお菓子で、最低限の血糖値は確保する』 『ハンバーガー+ポテト+ジュースという糖質三点セットの組み合わせになるハンバーガーはさすがに禁止。 仮につきあいで行くとしてもサイドメニューとお茶』★ほとんどが水の生野菜より、主食をこんにゃく麺など低GI食に置き換えた方がよほど食物繊維摂取量が増える。 ダイエットの副産物として、過敏性腸症候群(ストレス性の下痢)が改善する事もありえる。★防風通聖散(ナイシトール、和漢箋、コッコアポS)本来は肥満体型の男性が、便秘と高血圧の治療の為に処方される下剤。痩せるのは副作用にすぎないし、パッケージに書かれている分量は女性の体重には多すぎる。最初は効きすぎるので、最初は1日1回だけ、家にいる時間帯に飲む。効きが悪くなってきたら下痢にならない範囲で回数を増やす。このことを理解したうえで、便秘の解消目的で飲むなら悪くない。★精製が進みすぎた主食は消化が良すぎて、血糖値が急上昇・急低下して糖尿病になりやすいし、 腹持ちが悪く間食が増えてしまう。(高GI食のうどんで有名な香川県は、糖尿病患者率TOP) ダイエットとまでいかなくとも、主食を玄米やブランに置き換えて粗食にする程度の事は、万人が検討した方がいい。 たとえば、食パンはドン引きするくらいの高GI食品なので、低GIな全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるだけで 相当腹持ちがよくなり、間食が減る。★買い物で成分表を見る際『バーコードバトラー/モンスターファームの強キャラ探し』と思った方が多分続く。★女子中高生の少食女子力アピールマウンティング合戦や、『自炊しない自分はダメ人間なんだ』という プレッシャーから抜け出す口実ができるので、ダイエットとして効果的かはともかく、精神衛生面は改善する。★本書では扱われていないが、心療内科シリーズで『口唇欲求』を解説した回があり、 口に何かをくわえたり、かじったりするとストレス解消になるので、タバコをやめにくい、という話題だった。 間食もこれの一種と思われるので、歯固めやマウスピースを噛んで二重あご対策をしたり、 風船をふくらませて肺活量を鍛えたりといった、口を使うトレーニングに置き換えれば、 手持ち無沙汰で間食してしまう回数が減ると思う。★「糖質制限+肉大量」というダイエット法「MEC食」というものもある。
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Amazon.co.jp: マンガで分かる肉体改造 糖質制限編 (ヤングキングコミック)の ゅぅゃさんのレビュー
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長義くんがまんば拾って育てる話①
あなたは4時間以内に8RTされたら、攻めが受けを拾い育てている義理の親子な設定で付き合っていないけど甘々な雰囲気のもかのちょぎくにの、漫画または小説を書きます。 https://shindanmaker.com/293935 これはあれです。転生ネタで、刀の記憶のある長義くんが刀の記憶のないまんばを公園で拾うやつ。
長義くんは23歳、刀の頃より年上の見た目ね、まあほぼほぼ新社会人で、大学の頃からマンションでひとり暮らし。家の近くに公園があってさ、会社帰りの、っていってもそんな遅くもない大体7時半から8時過ぎくらい(待遇は悪くないとこに行きそう。要領は良さそう)に、街頭の仄明るい公園のブランコに
一人座っている子供がいる。薄い金はまあブロンドそれなりにいるのでいいとして、あのアホ毛絶対に写しだ!って思う長義くん(※自分のアホ毛を棚に上げている)は、されど初めは関わらないようにしようとして声をかけずに通り過ぎる。前世?の関係もあるけど、何よりその写しランドセル年齢なんだわ。
長義くんは自分の現在の年齢と少年の恐らく10歳-12歳と思しき年齢を考慮したらダブルスコアだし、声掛けたら犯罪なのでは?みたいな。でも、そいつ毎日のようにひとり夜の公園でぼーっとしてるんだよ。さすがに何かあったのかと、昔のよしみで声をかけてしまう。が、相手は自分のことを覚えていない。
しかも、自分は相手を覚えてるので普通に、国広に話しかけるノリで「やあ偽物く…」まで言ったところで失敗に気付く。「にせ…?」って小学生の純粋な目で見られるんだよ、罪悪感やばいじゃん。で、しまったとは思いつつも「…いや、人違いだったかな。おま…君は、どうしてここに?待ち合わせ?」と
と取り繕いながら続ける長義くん。誤魔化せてない。でもまあ、相手はまんばとはいえ小学生なので、素直に首を横に振る。ブランコの鎖部分を握るまんばの手が少し強ばるから、しゃがんで、目線を合わせて、「言いたくないこと?」と訊ねると、黙ったまま目にじわ、と涙を溜める。案の定寝落ちたよ。
で、長義くんはどうしたものかな…と困っちゃう。声掛けた以上無関係ではいられないので。底意地は悪いが、その辺は長義くん真面目なんで…。それで「いいよ、怒らないから、そうなら頷いて。できる?」と言いながらハンカチを取り出して目元を拭ってやって、「…家に、帰りたくない?」と聞くと、
ちびんばはもっと強く、握る手が白くなるくらいに鎖を握って、唇を噛む。答えなんですけど。で、「……ごめん、なさい」という返事が返ってくる。もう完全に答え。で、「時間はまだ大丈夫…かな。早く帰らないと怒られたりする?」というのに「どちらでも、どうせおんなじだ」と小さい声で反応がある。
あーこの写しハズレの家庭を引き当てちゃったなあと、長義くんとしてはもう項垂れるしかないんですけど、まんばの知るところではない。それで、長義くんが「そうか。じゃあ、どうせ同じなら…うちに来なよ。晩御飯、食べてないだろう?」と言ってやると、まんばはどうしたら…と目を泳がすので、
「そら、来る?来ない?早く決めなよ」と催促すると、びく、と怯えたように少し身体を震わせて、それから立ち上がり、長義くんのコートの裾を掴んで「…行く、」と微かな声で言うから、長義くんは大人と子供で、あの頃と全然違う身長差に改めてびっくりしつつ、頬を緩め、「うん、いい子だね」と
かなり小さくなったまんばの頭を撫でて、「じゃあ行こうか」と一緒に帰って、一緒にご飯食べる。これが出会い。でさ、家の電気の下にたつと、まんばの服装は少し汚れていて、着ているパーカーからのぞく体には明らかに"そう"ととれる痕が残ってるんですよ。で、このまんば小学生なんで、美味しいご飯&
不思議と安心できる空間の組み合わせ(記憶はないけど刀剣仲間効果的なあれ)でうとうとしてしまって、そのまま寝ちゃうのね。だから、その隙にランドセルをこっそり漁って名前を確認、然るべき機関に一通り連絡して、お巡りさんやってる記憶ありのみっただにも連絡。で紆余曲折を経て、今のまんばには
他に親戚がいないらしいことを確認もして(つまり兄弟頼りに出来なさそう)、最終的には、なんかこうコネで養子として一緒に暮らすことになる。養子の条件は配偶者が必要とか年齢とかなんか色々あった気がするから、正確には多分長義くんの親の養子。まあ細かいことはいいんだよ。
なんで長義くんこんな必死なん?というと、まあ長義くんとて悪人などでは決してないので、不当に傷つく子供を放って置けないのも勿論あるんだけど、でも手元に置いたのは、実は長義くん、刀剣時代にまんばに庇われた上に、まんばがそれで折れてんのね。それはめちゃくちゃ腹が立ったし、許せないこと
だったんだけど(同位体の存在は考慮しないでおきます)、「また話をしよう」とか言ったそれきりでまんば距離置くし(まんばは長義くんへの答えを用意するまでは不用意に話そうとはしなかった)、だから長義くんとしてもまんばへ何かしらの答えを用意しようとして、その矢先の出来事だったから、怒りよりも
やるせなさが勝ってしまっていて、まんばが折れたあとも戦いは続いていて、長義くんとしても色々あって思うところ伝えたかったことが色々出来て(でも、もしも会えたらあの時勝手に庇って勝手に折れたことが腹立つのでまずはぶん殴る、くらいの気概ではあった。相手が小学生じゃなければやってた)、
そういうぐちゃぐちゃした感情を吐き出したいというか、もしもまんばが刀剣時代の記憶を持つ日が来たら、そんな色々を話したい、あの時は「本歌と写し」だったから解けなかった互いを縛っていた糸も、赤の他人になれた今ならあるいは、と思ってて、だから引き取りたかったのね。贖罪と言うよりはそれ。
まあまんばは記憶がないのでそんなこと知ったこっちゃなく、単に、あの日自分を助けてくれた美味しいご飯と暖かい寝床をくれた人、という認識で新生活がスタートする。ちなみにまんばは11歳のつもりなので、親子と言うには微妙かもしれない。サザエさんとカツオくらいの年齢差かな?年の離れた兄弟…?
もう「本歌と写し」ではないので、ふたりの関係は存外穏やかなもので、そんなこんなで時が過ぎ、5年とかの期間、親子として過ごすことになる。で、まんば16-7、8歳?まあ大体あのまんばと同じくらいの年齢になる頃には、長義くんが自分を通して何か別のものを見ていることに気づく。それがすごく嫌で、
まあ刀剣時代のまんばがそういうので散々傷ついてるからね、とにかくもやもやする。で、ある日そのもやもやを長義くんにぶつけてしまう。今の長義くんとまんばだと長義くん圧倒的に「大人」なので…。それで、観念した長義くんから、刀剣時代の話を聞かされる。記憶は戻らないけど、嘘だとも思えない。
でも「刀剣山姥切国広の記憶を持たないまんば」は「刀剣山姥切国広」ではないんですよ。だから、長義くんが自分に刀剣としてのまんばを見出していることがすごく苦しくて、だって長義くんがあの日助けたのは自分の前世で、俺じゃなくて、じゃあ俺が俺だけだったら長義くんは自分を無視してたのか?と。
大体、前世の話とかされても全然自分に記憶は戻らないしな。もしも俺がその山姥切国広にそっくりな人違いだったら?とか、そういう悪い考えがさ、こういうの一度溢れるともう止まんないじゃん。まんば自身が山姥切国広の存在を呪うんだよ。あれ、甘々な雰囲気どこいった…?なんとか、なんとかする…。
一方前世を知る長義くんは、なんか元刀剣男士レーダーみたいなのが探知してるので、山姥切国広だってわかるし、現在年齢のまんばが丁度あの頃と同じだし、別の誰かを見てる認識はない。だから「でもそれは『俺』じゃないだろう…っ!」と言い捨てて部屋に閉じこもったまんばにかける言葉がわからない。
でまあ、この頃となると長義くんもアラサーなんで、ままならないことをうまくかわす手段も手に入れてしまってるんですよ。いきなり前世の話とかされてまんばもその全てを受け止めきれてないのだろうと判断した長義くんは、あの日散々後悔した、「しばらく距離を置く」という選択を取らざるを得ない。
だから、その日はまんばになにか声をかけるでもなく、放っておくしかなかった。下手なことを言ってもね、今の長義くんには年齢もそうだけど、前世という情報のアドバンテージがあるので(極回想と立場が逆だな…?)、泥沼になりかねないし。まあそんなこんなで、長かったその日は過ぎる。
その晩まんばは、こんなことがあっても寝れる子なので、夢を見るんですけど、それが前世の自分なのね。そんな話をされたばかりだし。でも、どうしてでもそれが自分だとは思えない。だって「山姥切国広」は勇ましく戦場を駆ける青年なわけで、それは現代日本人の高校生である自分にはできないことで。
だからまんばは、自分は「山姥切国広」にはなれない、と感じてしまう。別に長義くんはまんばに「山姥切国広」になってくれとは言ってないんだけどね、長義くんだって記憶はあれど今は会社勤めであって戦場にはいないしお互い様。でもまんばは、勝手にひとりでそういう早合点しそうじゃん…。
で、長義くんが欲してるのは「山姥切国広」だけど自分はそれではないしそういう風にもなれない=長義くんにとって自分はもう不要だろうとかいらん判断をしてしまう。まんばお前そういうとこだぞ。翌朝、日曜日7時15分、努めて普段通りの声で「おはよう」と挨拶する長義くんに、普段は返す挨拶を返さず、
代わりに「…俺は、どうすればいい」と切り出される。勿論長義くんにはまんばが何を思ってそう言い出したのか全くわかってないので、とりあえずなるべく普段通りを演出すべく「…そこ座って、パン焼くから待っていろ。…ジャムはいつものでいいね?」(私がパン派なだけなんで別に米でもいいです)と
トースターにパンをセットする。まんばは、今のは態度悪かったなとは思ってるので、少しいそいそとした様子で大人しく座る。で、長義くんがなんでもないように「昨日のことだけど、お前は忘れてくれて構わないよ」と言い出すから、まんばは今朝起きてからずっと考えてて、いらないと言われる覚悟まで
していたわけだから、忘れていいとか、じゃあ最初から言うなって話だし(そもそもまんばが訊いたから話したんだけど)、と何か自分を軽んじられた気がして、テーブルを叩き立ち上がって、でもあの「山姥切国広」よりも自分が一段下だとも感じて言葉が出なくて「…っ…す、まない…」と再び椅子に座る。
長義くんがどんな顔してるのか、どんな反応が来るのか、覚悟はしたはずなのに怖くて、長義くんの方を見れなくて、耳も塞ぎたいくらいなんだけど出来なくて、ただただ俯いてしまう。��義くんは何も言わない。こういう時の生活音で馬鹿みたいに響くから、トースターの音がやたらと大きく聞こえて、
情けないくらい大袈裟に反応しちゃって、そこで長義くんが僅かに眉根を寄せて、困った顔してるのをまんばは見てしまう。自分が困らせてる、と言うのは自罰的なまんばには結構ダメージなんで、本当にもうどうしようもない、終わりだ、と感じて、拳をぎゅっと握る。
手を握って力を込めて状況や感情を耐えるのは、小さい頃からの癖で、「山姥切国広」の頃からの癖でもあって、長義くんはそれを見るとあいつだなあ、と感じたりするんですけど。で、長義くんはお皿にのせたトーストをまんばの前に置いて、「…確かに、お前を俺の子供だと思ったことは一度もなかったよ」
と、白状するように言って、息を呑むまんばに、続けて、「俺にとってのお前は、山姥切国広だ。それも、認めよう」と続ける。「違う、俺は…」とまんばが呟くけど、それも無視。「初めはね、がっかりもしたよ。お前は言いたいことを言うだけ言って、俺はお前に言いたいことが山ほどあったというのに、
そういう時に限ってお前はいない。やっと会えたと思ったら今度は記憶がない。次に会ったら1度は殴ってやらなければと思っていたのに、出来そうにもない状況だったしね」「それ、は… 」「別にお前のせいじゃない。そんなことはわかっているし、だから、こういうのもいいかと思い直したんだよ」と、
ここで一呼吸おいて、「いいから食べなよ…冷めるよ?」と冷めかけたトーストに視線を落とす。固くなるもんね。まんばが慌てていつも付けてるジャムを塗りはじめる。シャリ、と音がした辺りで「話、続けていいかな」と長義くんが確認をとる。食べ始めないといつまで経っても食べてくれなさそうだし…。
確認とるといっても答えとか聞かずに話始めるけどね、長義くんもほら、そういう奴なんで。「…もし俺がお前の本歌でなければ、俺ももっと凪いだ心持ちでお前に接することが出来たろうと、お前を…山姥切国広を、失ってから考えたことがある」と言って、言葉を探すまんばに「過ぎたことだよ」と続ける。
「だから、これからそれをしていこうと、思うことにしたんだよ。…お前が連立方程式に苦戦していた頃のことだったかな」「……そんなに、苦戦してなかった」「そうかな?そうは見えなかったけど」とちょっと話を逸らして和やかな空気になったりするじゃないですか。連立方程式、中二で合ってたっけ…。
祖父母宅(ではないけど面倒だからそういうことで)に着いて暇になったので、公園で拾った転生前の記憶のないまんばの育ての親やってる転生前の記憶のある長義くんの話の続き。それでですね「…まさか、お前自身が『山姥切国広』を否定するとは思わなかったんだよ」と長義くんが話を戻す。長義くんは、
「本歌と写し」ではない山姥切長義と山姥切国広ならあるいは、と考えていたので、まんば自身に記憶が戻る気配が微塵もないのは結構痛手だったんだけど、でも、どう考えてもまんば本人なので、新しい関係の構築で自己解決すればいいかと、まあ第二の人生、強くてニューゲームだし、思ってて、
でもまんばからしてみれば、記憶のない自分はもう山姥切国広たりえないから、そういうのは代用品扱いされてるみたいできついって感じ。ところが、長義くん視点、自分は山姥切国広ではないとまんばに言われるのは、かつての彼の言動も彼の破壊後散々顧みた長義くんからすればしんどいんですよ。今ココ。
長義くんの言動は、まんばからすれば山姥切国広を守ろうとしているように見えて「それは、俺に『山姥切国広』になれと、いうことか」とまんばは返す。でも、長義くんはそれに少し目を見開いて、それから可笑しそうに笑って「だから、俺はお前をずっと山姥切国広だと思ってる、と言っただろう」
って言うじゃん。光が見えた。まんばが「けれど、俺は長義の知る俺では…」と言うも長義くんは「見目や記憶じゃない、もっと深い部分で、」と言って「俺の知るお前は、いつもこうやって耐えようとするな」とまんばの作った拳に手をこう、重ねてさ、そうするとまんばの方も手の力がふっと抜けて、
代わりにその力が、ほら、涙腺の方にどっといくじゃん。で、長義くんもちょっと躊躇うんだよ、自分がこれを言うのはいいのか悪いのか、長義くんも悩むことだから。でも、これはまんばの目をみて、しっかりとした口調で「……山姥切国広。お前はずっとお前だった、お前でしかなかった」と告げる。
で、まんばはほら、記憶が無いだけで、基本的には転生した存在そのものなので、長義くんに絶対言われないだろう、ずっと心の奥で欲しかったセリフを言われて、今までの分も一気にきて、「俺、は…」から先が言えずぽろぽろ泣いちゃうから、「あーもう、泣くな泣くな。悪いことを言った気分になる」と
テーブルの上にあったティッシュを雑にとって、拭ってやるじゃん。まんばは始終無表情か感情表現豊かか意見わかれるとこだと思うんですけど、弊本丸はどちらかといえば後者というか、極端な部分は豊かでそれ以外は無表情です。で、「俺で、いいのか。…俺が、あんたの求めている俺で…」と涙声が訊ねる
から、「お前を、他の何かと間違えるわけがないだろう。馬鹿にするなよ」と優しく返して、そっと抱き締めるので、こくりと頷いて、「…ずっと、待っていた言葉…だった…気がする…」と受け入れるように手を回す。「…うん…待たせた、かな」「お前も、待っていたんだろう…?」 「…そうだね」って、
この辺りで長義くんも声が涙声してるんですけどね、ふふ、と笑って答える。そのまましばらくして、どちらからともなくゆっくり離れると、なぜかまんばは何か名残惜しさを感じて、なんとか引き止めたくなって、「なあ、長義…話を、してほしい。…俺は、あんたのことをまだ知らない…」と腕を掴んで、
顔を上げて、長義くんを見る。長義くんは、言いたいこと山ほどあるので、その話が聞きたいという言葉が嬉しくて、「お前からも、俺の話について色々と聞かせてほしいな…俺の知る"俺達"の物語では、お前が足りない」と少し高めの調子で返す。
あの日、そのままなくなった「話をしよう」の続きをしよう。というところでひとまずエンドマークがつきそうな気がする。甘々な雰囲気…になった…?なおこの段階ではできてないけど、歳が歳なので縁談が舞い込む長義くんに思わず「い、嫌だ!」と我儘言ってしまうまんばが恋心に気づくのが続編。
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カップルでお料理すると愛が深まる!彼氏と作る料理のレシピ5選 https://ift.tt/2G4Ohi5
1:クリスマスはお家デートで彼とお料理!カップルで通える料理教室も
クリスマスは高級レストランでロマンチックに……♡というのは、女子の憧れクリスマスデートのひとつ。でもどちらかのお家で、ふたりっきりでまったり過ごすというおうちデートもオツなものです。
寒さも本格的になってくるころですし、クリスマスディナーとはいえ定番のお鍋!というのもいいですが、せっかくのクリスマスなので、彼の大好物を作ってあげるのもいいですよね。
そのため、カップルで料理教室に通うのも、簡単に作れる料理を一緒にチャレンジしてみるのも楽しそう!
料理教室の大手である「ABCクッキングスタジオ」などでも、カップルで参加する人も増えてきているそう。これを機会に彼氏も料理にハマっちゃうかもしれませんね。
2:カップルで一緒に作ると楽しい料理は?彼氏と作る料理のレシピ
カップルで一緒に作ると楽しい料理はたくさんあります。 料理が得意な人も苦手な人も、ふたりでやればきっと楽しい思い出になるはず。 ここでは、料理が苦手でも作れる簡単レシピを5つ、体験談を交えて紹介していきます。
(1)豆腐を入れてヘルシーにも!「ハンバーグ」
「ハンバーグが大好きな彼のために、ふたりでハンバーグを作ったんです。私の希望でヘルシーな豆腐入りも作って、2種類にしてみました。ハートマークや星型のハンバーグも作ってみたけど、焼いてるときに形が崩れちゃって残念(笑)。でもそれも良い思い出です!」(Aさん・30代女性/会社員)
(2)チーズや納豆を入れて変わり種も!「餃子」
「餃子は私も彼氏も大好き! なので、定期的にふたりだけの餃子パーティーを開催しています。最初は普通の餃子を作ってたんですけど、そのうちにキムチを入れてみたり、チーズを入れてみたり……。最近は納豆入り餃子にもハマってて、意外な組み合わせに自分でもビックリです!」(Bさん・20代女性/会社員)
(3)パンや野菜、お肉を焼いて「チーズフォンデュ」
「彼が“チーズフォンデュを家で食べたい”というので、レシピを見ながら試行錯誤。チーズを多くしたりコーンスターチを多くしたり、工夫しまくってます。まだまだ研究中ですが、パプリカや鶏肉が合うというのが知ることができて大満足! 次は贅沢に生ハムでトライしてみようかと思っています」(Cさん・30代女性/会社員)
(4)トマトやバジル、からあげも相性抜群!「簡単ピザ」
「私はトマト好き、彼はからあげ好きということで、からあげとトマトのピザを作ってみました。ピザはどんなトッピングでもおいしくなるし、合わない食材がないような気がします。腹持ちも良くて、大食いな彼も満足してくれます!」(Dさん・30代女性/公務員)
(5)板チョコやビスケット、アイディア次第で自由自在!「お菓子の家」
「大人になってから童話を読む機会があって、そこに登場したお菓子の家を作ってみたいと彼氏に言ったら大張り切りで。
今は便利な“お菓子の家セット”もあるけれど、自力で作ってみようということになったんです。板チョコやビスケット、ポッキーなど、あまり深く考えずに適当に材料をそろえて作ったのですが、なかなかイメージ通りには作れませんでした(笑)。でも楽しかったし、彼と初めてワイワイと料理できたのでよかったです」(Eさん・20代女性/保育士)
3:ワインを飲みながら…!ふたりのお料理作りをもっと楽しくする方法
ここでは、ふたりのお料理の時間をもっと楽しくする方法があるのでご紹介します!
(1)キッチンでお酒を飲む
ワインを飲みながらステーキを焼くと、より一層おいしく焼きあがる気がしませんか? せっかくふたりで料理をするなら、できあがるまで我慢せず、お酒を飲みながら料理をしてみましょう。
ふたりでお酒を飲むことで気持ちが良くなって、楽しくお料理をすることができますよ。
(2)ごっこ遊び
家の中で誰にも見られていないということが条件となりますが、料理をしながらじゃれ合うのも楽しむためには大事な要素。
例えば、飲食店のキッチンの中であると仮定した「レストランごっこ」。「ライス入りまーす!」「かしこまりましたー!」など、設定はシェフとウエイターの禁断の恋……♡
包丁や火を扱う場所なので、じゃれ合いすぎには注意してくださいね!
(3)おそろいのエプロン
エプロンをおそろいでつけるというのも、ふたりで料理を楽しくするためには効果的。女性は特におそろいが好きなので、テンションもさらにアップ!
一方、男性は、外出時のペアルックやリンクコーデは恥ずかしがってしまうというい人でも、エプロンなら誰にも見られないのでチャレンジしやすいでしょう。
(4)音楽をかける
テンションアップに音楽は必須。アガる曲ではノリノリで、しっとりしたバラード曲では落ち着いた気持ちで料理ができます。もしかしたら、ロマンティックな曲に合わせて、彼とチュッとできるタイミングもあるかも…?
(5)味見はふたりで
味見は片方だけがするのではなく、ふたりでするようにしましょう。それは、「ふたりで料理を作っている」と、改めて実感させるためです。ひとつの小皿で交代に味見をするというのは、想像以上に親近感を持たせるものなのです。
さらに、お互いに味見をすると、「もう少し塩っ気が強い方が…」「これぐらいでいいんじゃないか」など、味の好みの違いが出てきます。違う人間なのですから、好みが違って当たり前。お互いにおいしいと言える味を覚えるためには、ふたりで味見をして、その場で意見を言い合うのがいちばん早いのです。
4:彼とのお料理デートでは、「正解のない料理」でアレンジを楽しもう♡
いかがでしたか? 彼とのお料理デートでは、オリジナリティを出そうという工夫が生まれますし、味付けなどを多少失敗しても、リカバリーもききます。記事で紹介したハンバーグや餃子、ピザやチーズフォンデュは、アレンジが自由にできて、特に盛り上がりますよね。
逆に、煮物のような、味付けや作り方を間違えると取り返しがつかなくなるような料理はリスキーと言えるかもしれません。
あなたと彼のお料理デートが、ステキな雰囲気に包まれますように……!
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天ヶ瀬さんちの今日のごはん3
『アジフライ』with Altessimo
天ヶ瀬冬馬、弱冠十七歳。片親であったりアイドルになったりと、普通とは言い難い人生を歩んできた自覚はあるが、それでも経験においては頭一つ抜けているものだと思っていた。315プロダクションに所属するまでは。
孤高たれ、王者たれと刷り込まれ続けてきた961プロダクション時代もそこそこに面白い経験を得ることはあった。それこそ、バラエティ番組の企画でドッキリを仕掛けられてみたり、分類すら分からない謎の動物と触れ合ってみたり。
しかし、そんな数年を送ってきた冬馬ですら315プロダクションに所属してからというもの、毎日が初体験ばかりである。
そして今日も初体験をした。
突然いなくならないように人を凝視しながら歩くということを、体験した。
おかげで家に着く頃には冬馬の瞳はかぴかぴに乾いていて、冷蔵庫に入れていた目薬を久しぶりに使用した。ぱちぱち、ぱちぱちと瞬きを繰り返している間にいなくなってしまわないかと冬馬は念入りに確認したが、幸いなことに都築は消えることなくそこに存在している。
後ろ手で玄関ドアのカギをかけると、都築は「お邪魔します」と慎ましやかに靴を脱ぎ、慎ましやかに上がり、慎ましやかに歩いて行った。
何と言うか、自主的にアイドルをしている自分で言うのもなんだが、都築圭という人は不思議で形成されていると思う。纏う空気感のようなものがアイドルらしからぬ気品に溢れている。と、思いきやどこか抜けていて、一度風が吹けば消えてなくなってしまうような儚さも持っていた。
キャラが強いと言われるJupiterの三人には無いそれに、冬馬はどう関わるべきか決めあぐねていた。結局は事務所の仲間として話をすればいいだけの話なのだが、仮にも都築は年上である、多分。それも、一時は音楽の道を歩いていた北斗が「凄い人だよ」と大きく褒め称える人間だ。違う畑の超超超超有名人、そんな人と何を話せばいいのだ。
麗が困っていたからと連れてきてしまったのは自分自身であるが、こういう時こそ呼ぶべきだったと現在進行形でドラマの撮影をしているであろう北斗のことを思った。
しかし、ここで諦める冬馬ではない。何せこれから突如行方不明になりかねない都築を放置しながらも料理を作らなければならないのだから。
携帯電話を取り出し、電話をかける。三度、四度の音楽の繰り返しの後、電話口から『もしもし』と疑問を孕みながらも透明感のある美しいアルトが聞こえてきた。
「もしもし。旬か。悪い、今って時間大丈夫か?」
『あまり長くは話せませんが……何かありましたか?』
耳に当てたスピーカーから聞こえるのはHigh×Jokerの冬美旬の声だ。微かに布擦れの音が聞こえるのは、彼が着替え中だからだろうか。すっ、とネクタイを外す音と思しき音が耳に触れる。
「いや、ちょっと俺の代わりに話してて欲しい人がいてよ。話す、というか……いなくならないように見張っててほしいんだ。多分そんなにかかんねえから頼んでいいか?」
『ええと、いまいち状況が理解できていないんですが……』
「俺もなんて言えばいいか分かんねえんだよ。とりあえず話しててくれればいいから、後は頼んだ! テレビ通話にするぞ」
『えっ冬馬君、ちょっ……わっ!? つ、都築さん!?』
半ば無理矢理旬を都築の前に連れ出すと、未だかつて見たことないほど動揺の声でスピーカーがバリッと悲鳴をあげる。一方の都築は「やあ、旬さん。久しぶりだね」なんてほのぼのと笑っていた。
悪い、旬…………このお詫びはいつか猫で返す……! 温度差の激しい会話を背に、冬馬はキッチンへと向かった。
さて、今頃大急ぎでこちらに向かってきているであろう麗が来るまでにある程度料理を形にしておきたい。とは言え、普段からどこでどのようなことをして生きているのか皆目見当のつかない都築は、果たして何を食うのだろうか。旬だからという理由だけでアジを買ってしまったが、苦手ではなかっただろうか。
気になって道中目をかっぴかぴにさせながら「アジって嫌いじゃないスか」とか「普段何食べてるんスか」など明らかに何かを案じているような白々しい質問をしてみたものの、彼はおっとりと悩み、ごく当たり前のように「水は飲むよ」と言った。
思わず反復してしまったその単語に、都築はやはりごく当たり前のように「そうだよ」と言った。
つまり、結論から言えば普段何を食べているのかは分からなかった。いくら聞いてもどう切り込んでみても彼の口からは水という言葉以外出ず、好きな物すら分からない。お手上げ状態になった冬馬はせめてとアジや小麦粉などにアレルギーは無いかということだけ聞き、献立を決めるところまで漕ぎつけた。
まさか水だけで生活しているなんて、そんなファンタジーみたいなことないよなあ。なんて考えながら冬馬は買ってきた食材一式をビニール袋から取り出す。
アジフライだけでは味気ないと思い、出来合いの漬物を買ってきた。これとしじみの味噌汁を付ければ一応は定食と言う形になるだろう。
「アジフライだと味気ないって、天道さん言いそうだな」
自分以外誰もいないキッチンで冬馬は自重した。自分も相当事務所に毒されてるなあと愛用の包丁にそっと水をかける。
自室からは細々と会話が聞こえてくる。残念ながら離れている為その内容は曖昧で、聞き取ることは叶わなかったものの、都築がそこにいるということだけは分かるので良しとしよう。
数多く存在している食べられる魚の中でも非常にメジャーに分類される魚、アジ。旬は五~七月であり、旬に獲れるアジは脂のノリが良いらしい。そしてそのアジの仲間にだけ見られる特徴が尾の両側にある「ゼイゴ」と呼ばれるウロコ。アジの鱗を処理する際はここから外すのが手始めである。
側面に一線引かれている一際硬いそれを、尾の方からノコギリを使うように切り取っていく。片方が終われば反対側。そして二匹目、三匹目と冬馬は黙々と作業をこなしていく。
正直に言ってしまえば、この作業はあまり好きではない。というよりも、魚と言うものを加工すること自体得意ではないのである。鱗を取り、内臓を出し、洗い、物によっては三枚おろしにする。その一連の作業が面倒で仕方がないのだ。
とは言え、カレー作りなどからも分かるように、凝る時は凝る性質の冬馬にとっては昨今のスーパーで見られる所謂加工済の品を使うのは極力控えたい考えがある。実際自分で作った方が美味いような気がする。
よって、冬馬は時間が無い時と、家では到底作れそうもないものであることなどを除けば出来るだけ自分で作るというスタンスを���いていた。
「……………………………………………………」
昔、一度だけ母と一緒に台所に立った記憶がある。随分と昔のことなので記憶も定かではないのだが、自分よりもずっと高い所に見える母の顔が優しかったのだけはよく覚えていた。
最早何を作ったかすらも覚えていないあの日、母に教えてもらいながら拙い手つきで作った料理を食べた。今にして思えば8割くらいは母が作っていたのでそれは自分が作ったというには微妙な品だが、それでも自分の手で何かを生み出すことは楽しくて、完成したものを見た時には胸を張っていた気がする。
子供用のおもちゃみたいな包丁で切った食材は切ったというよりも押し切ったというのが正しいほどぐちゃぐちゃで、それでも「美味しいね」なんて言って母が食べてくれたのが凄く嬉しかった。胸がほうと温かくなった。
今思えば、あの時人に何かを食べてもらうことを好きになったのかもしれない。
「………………!」
差し当たって最後の一匹まで丁寧にゼイゴを切り落としたところで玄関チャイムが鳴った。来訪者らしい、来る人間と言えば一人しかいないのだが。
生臭い手を洗って玄関へ駆けていく。念のために人物だけは確認してから扉を押し開いた。
「よく来たな、麗。入れよ」
「天ヶ瀬さん。この度は……」
「そう言うの良いって。そろそろ旬もそろそろ限界だろうし、都築さんのこと頼んだ」
「?」
首に汗を滲ませた麗を家の中に招き入れ、今なお画面の向こうで百面相をしているであろう旬を救うべく自室に入った。
しかし、予想に反して都築と旬の会話は穏やかで、杞憂に過ぎなかったのだと冬馬は胸を撫でおろす。聞くと、この機会を使って旬が都築に聞きたいと思っていたことを聞いていたのだという。
そう言えば旬はHigh×Jokerの五人で家に来た時も随分勉強熱心だったなあ、と冬馬は一週間前のことをつい昨日のことのように思い出した。勉強熱心なことと、都築に対してアイドル、仲間以外にも憧れという感情を抱く彼からすれば、この機会は絶好であったのだろう。
無理矢理ではあったが、その手助けになれたなら良かったと冬馬は息を吐く。
「都築さん!」
「やあ、麗さん。いらっしゃい」
画面から目を離して汗だくの麗に微笑みかける都築、旬も彼の言葉を聞いて小さくお辞儀をした。
「ここでは天ヶ瀬さんの邪魔になってしまうので、場所を変えましょう」
「気にすんなよ。ここ使って打ち合わせしてくれてても良いからよ」
「そんな、」
「晩飯用意するって言ったろ。麗、アジは大丈夫か?」
今から移動して店を探すよりも、このまま冬馬の部屋を借りて打ち合わせを始めてしまった方が時間的にも良いだろう。
少し戸惑ったように視線を揺らし、麗は申し訳なさそうに眉毛を落とす。
「アジは大丈夫ですが……そうですね……では、お言葉に甘えて場所をお借りします」
「おう。何かあったらキッチンにいるから呼んでくれ」
「分かりました」
麗がおずおずと荷物を下ろし、中から筆記用具と資料一式を取り出したので、冬馬は安心してキッチンから足を踏み出した。
「……悪かったな。巻き込んで」
『いえ、都築さんとはゆっくりお話したいと思っていたので、ありがとうございました』
キッチンカウンターにスパイスを入れた瓶を置き、立てかける形で携帯電話を添えた。旬が机に向かって何かを書いている。時間が無いと言ったのは勉強をする予定だったからか。
「……家で勉強なんてしたことねえんだけど」
『いえ、これは先程都築さんに教えていただいたことを実践してみようと』
「曲か?」
『そうです。ある程度固めてから明日にでもハヤトのところに持っていこうと思います』
「そっか」
315プロダクションには15ものユニットが存在しているが、全て作詞作曲振り付けを兼ねているかと言われれば、そうではない。Jupiterもフリー時代でやっていた時には振り付けを自分達で考えていたが、作詞作曲については他人の力を借りなければ形にすることが出来ない。
しかし、High×JokerやAltessimoのように音楽に精通したものがいる場合その限りではない。例えば旬や都築のような楽器を嗜んでいる人間である。
……そう言えば北斗は曲を作ることが出来るのだろうか。深くは聞いたことが無いまでも、彼が十代半ば頃までピアノに執心だったことは知っているし、腕の怪我を機に離れてしまったことも知っている。だが、以前ドラマやライブの中で弾いてみせたピアノの腕は並よりもずっと上手いと、その方面においてはめっきり素人の冬馬は聞き入ってしまった。
男にしては細くしなやかな指先が叩く音色はどこか切なくも熱を感じる美しさで、なんとなく、本当になんとなくだが、かつての北斗自身に語り掛けようとしている気がして。
あの音と北斗の性格から紡がれる曲はどんなものになるのだろう。
『すみません、冬馬くん。そろそろ晩御飯のようなので、今日の所は失礼します』
「おう、ありがとな。また事務所で」
通話が切れ、キッチンの中は再びの静寂に包まれる。冬馬は背伸びをし、特に誰かに言うわけでもなく「よし」と呟くとアジの処理の続きをするべく包丁を握った。
包丁の背で鱗を取り除く。最近では鱗取り専用の器具が販売されているようだが、生憎と他の物を優先しているせいでまだ買えていない。それがないと出来ないというものならば致し方なく優先度も上がるだろうが、包丁で事足りる上に、ネット曰くペットボトルでも代用が利くというのだからわざわざ買おうとは思えなかった。
ウロコを引き終えた後は包丁をエラの中に入れ、曲線に沿う形でエラの付け根を内側から切断する。切れたことを確認した後、腹に一線入れてアジの中央にある内臓を取り出す。と、内側から出た魚の体液で牛乳パック製のまな板が赤く濡れた。
「……よし、」
六匹全てに一連の処理をするのは随分と骨が折れるが、楽を覚えれば二度と戻っては来れない。我ながら褒めたくなる程に丁寧に取り除けたと思う。
一匹一匹水道水で流し、うろこや内臓、体液、内側の粘膜などを綺麗に洗い流す。ついでにまな板も洗った。
いくらか綺麗になったまな板の上に六匹並べ、冬馬は思案する。背開きにするか、はたまた三枚おろしにしてしまうか。
「このサイズなら三枚おろしで良いか」
気前の良いおっちゃんが大きめのを入れてくれたらしく、購入してきたものはどれも立派なサイズのものばかりだ。
あのおっちゃん、齋藤社長にどこか雰囲気が似ていたな、なんて今更ながら思い出す。
フリーで活動していた時に執拗に追われたことは若干トラウマだが、いい思い出でもある。冬馬は「もしかしたら本当に斎藤社長だったりしてな」なんてありえないことを考え、鼻で笑った。あの人のことだ、どうせ今もパッションだなんだとのたうち回って初対面の人間を困らせているだろう。
「天ヶ瀬さん」
「麗? どうした」
「いえ、打ち合わせが終わったのですが、場所をお借りした手前何もせずに食事までさせていただくわけにはいきません。力になれるかは分かりませんが、お手伝いだけでもさせてください」
真剣な眼差しを向けてくる麗に、冬馬は内心「真面目だな」と笑う。ついさっきまで同じような真面目の塊と通話をしていたが、音楽を嗜む人間はこうも真面目かつ礼儀正しい人間になるのだろうか。ピアノを嗜んでいた北斗のことを思えば、なるほどそうかもしれないと確信に近いものを得た。
……折角手伝ってくれると言うのだ。断るのも彼にとっては失礼なのかもしれない。
「じゃあ、アジフライを頼む、俺が教えるようにやってくれればいいから」
「分かりました。よろしくお願いします」
「そういや、都築さんは?」
「都築さんなら先程プロデューサーから電話が来たのでそれで、恐らく新曲についてのことでしょう」
「なるほどな。じゃあ、ぱっと作っちまうか」
「はい」
ソースや醤油を零せば一発でお亡くなりの白を着ている麗に予備用のエプロンを貸すと、「ありがとうございます」と美しい角度のお辞儀を見せた。
「よし、まずは開いたアジに塩をかけるところなんだが……悪い、一匹だけまだ切ってねえんだ。すぐやるから他を先にやってくれ」
「これくらいでしょうか?」
つまんだ塩をぱっぱと振りまき、全体に満遍なく落とす。冬馬が頷いたのを確認し、二枚目、三枚目とこなしていく。冬馬もその間に最後の一匹の処理を終えた。
麗が塩を振りかけている間に味噌汁の準備をしてしまおう。味噌汁用の鍋に水を入れ、火にかけると、今度は冷凍庫から中身の凍ったジップロックを取り出した。
以前、砂抜きをした後に冷凍したものだ。これならば本来四時間程度はかかるしじみの下準備をカットすることが出来る。お湯に入れて味噌を溶かせば味噌汁が完成するので多忙な冬馬の食生活に採用された。曰く、冷凍することで旨味が上がるのだというが、味としてはせいぜい美味くなったような気がする程度だ。
塩をかけおえたらしい麗に、今度はバッター液と呼ばれる揚げ物下地を作ってもらうべく、卵と小麦粉を渡した。
「卵と水を混ぜたものに小麦粉を入れるんだ。ちゃんとダマが無くなるまで頼む」
「はい」
真面目だな、と冬馬は苦笑しながら味噌汁の薬味に使用する長ネギを切り始める。
しばらくして、味噌汁用の鍋がカタカタと沸騰を知らせると、冬馬は冷凍しじみを塊のまま投入した。後は勝手に出汁を出してくれるだろう。そうしたら味噌を入れれば完成だ。
「出汁を、出して……」
小さく呟き、頭を抱える。
一体何だと言うんだ今日は、絶好調……いや、絶不調にも程があるだろう。今日の助手が麗で良かった。ここに翔太と北斗がいたならば、間違いなく笑いものにされていた。
「天ヶ瀬さん、これでいいですか?」
「あ、ああ、良いんじゃねえか? そしたら次はパン粉を出してくれ」
「分かりました。パン粉はこの棚の中にいる物でしょうか」
「あれはもう古いと思うから新しいの使ってくれ。ビニール袋に入ってると思うから」
何事もなかったように料理を進める麗を見て、冬馬は先程の戯言が聞かれていなかったと察し、心の底から安堵した。ここ数か月で一番安心したかもしれない。
いそいそとパン粉を振い出している麗を横目に、冬馬も揚げ物鍋を火にかける。中で油が重みを持って揺れる。
「よし、アジをバッター液に浸して、パン粉付けていくぞ」
油が適温になるまで手持ち無沙汰になってしまった冬馬も横並びで作業に参加する。麗がバッター液に浸したアジを受け取り、パン粉をまぶす。受け取り、まぶす。出来た物から器の上に並べていき、後は揚げるのみとなった。
すると、電話を終えたらしい都築さんがひょっこりとキッチンに顔を出した。お揃いのエプロンをする冬馬と麗を見て「ああ」と微笑む。
「僕にも何かできることはあるかな? 大したことは出来ないと思うんだけど」
「有難いっスけど、もうあと揚げるだけなんで都築さんは休んでてください」
言うと、都築は「一足遅かったみたいだね」と仄かに残念がりながらも並んだアジフライに目を細���た。
鍋の中に挿していた温度計が180度を示し、すかさず菜箸を差し込む。周囲に気泡のようなツブツブが現れ、じゅわっと音がした。頃合いのようだ。麗も顔を覗かせないようにしているものの小動物のように鍋を見つめている。
油を跳ねさせないよう、置くようにアジを落としていくと、触れた先から先程よりもずっと大きなじゅうという音が響く。油が弾ける音も相まって合唱のようである。
ぱちぱち、じゅうう、ぱちぱち。軽快な音が鼓膜を叩き、揚げ上がりを想像して胸が躍った。
ふと、目に入った都築が目を閉じて頷いているので冬馬は首を傾げる。麗も気付いたようで、「都築さん?」と声をかけた。
「もしや、眠いとか、」
「いいや、初めて聞く音だったから新鮮でね。少し聞き入ってしまっただけだよ」
「やっぱり作曲家って、こういう音も俺達とは違うものに聞こえるんスか? なんつうか……日常の音も音階に聞こえるみたいな」
「それは絶対音感の人さ。もちろん僕や麗さんは楽器を弾いているから、この音も音階にすることは出来るよ」
麗が頷く。冬馬は感心しながらも鍋の中のアジフライをひっくり返した。
「専門家にはJupiterの歌ってどう聞こえるんだ?」
「そうですね、Jupiterは個々が力を持っていながらも音がお互いにぶつかり合わず、それぞれの力をいかんなく発揮している素晴らしいユニットだと私は感じました」
「うん、僕もそう思うよ」
「二人に言われると照れるな……けど、まだまだだ」
ぱこぱこと音は姿を変え、沈んでいたアジフライが表面に浮かんできていた。クリーム色だった外見はすっかりキツネ色に変わり、突くと固い触感が返ってきた。そっと掬い上げて鍋の上で数度振る。纏っていた油がぽたぽたと鍋の上に落ちて跳ねて、器に置くと、敷かれたキッチンペーパーにじわりと滲んだ。
「やべっ、忘れてた。悪い、ソース作り頼んでも良いか?」
「はい、どうすればいいですか」
「その棚に小鉢があるだろ。それで白ゴマ潰しておいてくれればいい」
「分かりました」
「それじゃあ僕はお水を出しておくね、それくらいなら僕にも出来ると思うから」
アジフライの第二陣を揚げる間に味噌汁を完成させてしまおうか。
おたまに適量味噌を落とし、菜箸で解いていく。薄濁り程度だっただし汁に味噌の色が溶けていく。塊が無くなったのを確認しておたまを鍋に戻す。ある程度混ぜてから小皿に掬い啜る。舌先に触れた味に、冬馬は小さく頷いた。
ざりざりとゴマを潰す音が聞こえる。見ると、麗が酷く真剣な顔ですり鉢を押し込んでいるので、冬馬は少しだけ様子を伺ってから白米をよそうべく動き出した。
アジフライが揚がり終わるのと麗がゴマをすり潰し終わるのはほぼ同時だった。小鉢のまま自室のテーブルに運び、白米と皿に移し替えた漬物もセットする。
うん、どこからどう見ても定食だ。小鉢が無い分少々素朴だが、それでも揚げたてのアジフライが照明を受けて黄金色に輝いているものだからあまり気にならない。
麗はどことなくそわそわと食卓を眺めていて、「楽しみか?」と聞くと少しだけ照れながらも頷いた。
「あまり指を傷つけるようなことはさせてもらえなかったんです。だから、料理を手伝うことが初めてで……」
「じゃあ、今日が初料理だな。自分で作ったメシはうめえぞ」
そう言えば、彼は315プロダクションに入る以前はヴァイオリンを弾いていたんだったな。冬馬は指を傷つけてはいけない理由を思い、仕方ないよなあと内心でぼやく。
冬馬も若くしてアイドルというものになった人間だが、人前に出ると決めた時から自分の中で定めた規約のようなものがあった。喉を壊さないように炭酸ジュースを飲みすぎないとか、あまり夜更かしをしないとか、そういうのだ。おかげでクリームソーダも満足に飲めず、たまのご褒美に喫茶店に行って飲む程度だった。しかし、その道を望んだのは間違うことなく冬馬自身なのだ。
あまり他の家庭のことをとやかく言うつもりはないし、楽器を扱う職に就いていた以上はその道を脅かすものは全て排除し、避けるのは仕方のないことだろう。
……もしも怪我で夢を失ってしまったら。
そこから先を考えるのはやめた。
「……っし、いただきます」
上品な挨拶が重なり、冬馬は早速アジフライを一つ掴んだ。ソースは先程麗がすり潰してくれたゴマの小鉢に中濃ソースを垂らしたものである。即席のものではあるが、アジフライとの相性は最高である。
さくり、口の中から揚げ物を潰す軽快な音が響いて、すぐに鼻腔を揚げ物特有の香ばしさとソースに入れたごまの風味が駆け抜ける。追って感じたのはアジの身の柔らかさだ。一噛みで邪魔をしない程度の白身の柔さは決して油が多いわけではなく、アジ本来の性質だろう。
下処理のおかげで魚の独特な臭みは消えているが、肝心のアジらしいにおいはきちんと残ってアジフライという料理を形作っている。
おっさん、今年のアジは最高だぜ。なんて、届くことは無い言葉を胸に抱く。
隣を見ると、麗がさくさくと口を遊ばせながらも顔を綻ばせている。一方の都築も表情は然程変わらないまでも、満足気に箸を勧めるのだった。
「なんか、都築さんが飯食ってるの、不思議っスね」
「普段はあまり食べないからね」
「ははは、また水しか飲まないって奴スか」
冬馬がバラエティで得た微々たるトーク力で都築の話を掘り返す。と、麗がけろっと「本当です」と口を挟んだ。は、え?とにわとりのような声が冬馬の口から漏れて、麗は再度本当ですと押し込む。
「都築さんは水だけで一週間を済ませることもあります」
「水って、この水か?」
グラスを持ち上げると、中の透明な液体が揺れる。無色透明、何一つ加えてないただの水である。頷く麗に、冬馬は呆然とすることしかできない。
「液体以外の物を食べると疲れてしまうんだ」
「えっと……マジっスか? 俺てっきりなんかの冗談かと思って固形の、しかも揚げ物なんて重いもん作っちまって……」
「いいんだよ、とても美味しかったから。旬さんも言っていたけれど、冬馬さんは料理が上手なんだね」
都築はアジフライを一切れだけ食べ終え、「ごちそうさま」と微笑む。冬馬は一連の流れを今も信じることが出来ず、動揺を隠すように味噌汁を啜り、無意識に頷いた。
うん、出汁がよく出ている。これは冷凍も侮れない。まあ、一応これも熱い水ではあるから、水だけで生活することも……いや、無理だな。冬馬は自問自答を繰り返し、出た結論に首を傾げる。
疲れやすいというのは本当のようで、都築は箸を置いてから少しするとうつらうつらしていた。麗もそれを日常茶飯事だと言って彼の代わりに謝罪するので「気にしないでくれ」とかぶりを振った。生憎、食事の前後に寝られるのは慣れている。
六月に向かおうとしている日の夜の気温は過ごしやすい。長袖を捲っても良し、半袖で過ごすも良しである。寒くもなく、かといって暑くもない完璧な気温の中で冬馬は欠伸をしながら歩いていた。歩く度に右手に提げたビニール袋ががさがさと音を立てる。中に入れたタッパーの蓋が空いていないかと不安になって覗き込み、無事を確認しては再び歩き出すという行為を家を出てから何度も繰り返している。
結局あれからAltessimoの二人は明日もまだ仕事があるということなので、長居させてはなるまいとタクシーを呼んだのだった。タクシーに都築を運ぶというイベントをこなした後、がらんとなった自室を見て冬馬は無性に人恋しくなった。と、言うよりも、音楽家たちの話を聞いていく中で頭をちらつく男の名前が頭から離れなかったのである。
十中八九原因は別れ際都築に言われた「北斗さんと一緒にいる時の冬馬さんの音はとても優しいね」という一言だろうが、そもそも触れ合うならば電話で済ませればいいものを。どうせ明日は仕事も午後からだし、今週に入ってまだ顔を見ていないからと勝手に自分の中で言い訳を重ね、気付いた時には余ったアジフライをタッパーに詰めて家を出ていた。
把握しているスケジュール通りならば仕事終わりは20時。少し押して帰宅は21時過ぎになる。あいつのことだからきっと「この時間だし、別に飯はいいか」と家でのんびりしていることだろう。明日は二人とも午後から打ち合わせ。行くなら今しかない。
インターフォンを押し、特に意味もなくその場で跳ねる。つま先に力を入れてぴょこぴょこと上下する度にビニール袋が鳴く。「やべっ」と動きを止めた瞬間、固く閉じられていた扉がゆっくりと開き、透き通った碧色が冬馬の姿を認めた。
「……よお」
「冬馬? どうしたの、こんな時間に」
「その、さっきAltessimoの二人が来て作ったんだけど、余ったから持ってきた。……アジフライと、米」
がさりとそれを掲げると、北斗はきょとんと見つめた後「ふふ、」と微笑む。
「こんな時間に揚げ物かあ」
「うっせ、別に食わなくても良いんだぞ」
「いや、頂くとするよ。丁度晩御飯を食べようかどうか迷っていたとこなんだ。夜も遅いし、ココアで良いかな?」
「ん」
タッパーの袋が北斗に取られ、そのまま中に案内される。連れて行かれるがままに居間のソファに座らされて、冬馬は一息ついた。
いつ来てもこの家は寂しい。本来父もいるはずの家を一人で使用する冬馬の家も大概だが、ここはそれとは違う、一言で言うならば無機質な部屋であった。必要最低限の家具と、妙に高級そうに見える装飾類。無音の中心に構えるグランドピアノ。北斗の家。
「そう言えば、さっきプロデューサーから電話が来たけど冬馬はもう聞いた?香川ロケの話」
「香川ロケ? なんのことだ?」
タッパーの中身をそのまま移し替えた皿をテーブルに置いて北斗は着席する。冬馬も荷物はそのままに、正面の椅子に座った。
いただきます、その言葉を合図に食べ始めた北斗を横目に携帯電話を見ると、一件プロデューサーから不在着信が入っていた。歩いていた時にかかってきていたらしい。
「なんでも、来月バラエティ番組でTHE 虎牙道の三人とJupiterで香川ロケをすることが決まったんだと。地元の人に協力してもらいながらうどんを作って、どちらが美味しかったかを決めてもらう予定らしい」
「ってことは、対戦形式なのか」
「一応は。だけどまだ検討中だから、変わるかもしれないな」
さくっ。時間が経過しても歯ごたえが残るそれを口にして北斗が「うん、美味しい」と呟く。
初めて料理に触れてからというもの、興味を示したものについては時間と金の許す限り作ってきたつもりだ。しかし、うどんは流石に簡易的にしか作ったことがない。
バラエティの、それも現地に行くということは十中八九全て作らされるんだろうなあ。
「……まあ、やってみるしかねえよな。お前も翔太もいるんだし」
「ふふ、そうだね。俺達も負けてられない」
そう言って微笑む北斗と目が合う。「おう」と冬馬は歯を見せて笑った。
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主人公を男性に設定にする事で、『ダイエットは女性やリア充がするものだから、 男性や非リアがやるのは恥ずかしい』という、うしろめたさを破壊してくれるのは流石。 この手法は、他社のダイエット解説本もお手本にして欲しいです。 ただ、解説されている内容の方に問題があります。 糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて 『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』 『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』 『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。 ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。 (常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g) バーンスタイン式とスーパー糖質制限は、考え方が正反対であるにも関わらず、 ひとくくりに『糖質制限』と呼ばれていて、『糖質制限は安全』と言う人はバーンスタイン式、 『糖質制限は危険』と言う人はスーパー糖質制限を想定しているようです。 本書はこの二つの違いを説明しておらず『バーンスタイン式が安全という論文があるから、 スー��ー糖質制限も安全』という論調なので、鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。 なおバーンスタイン博士は、スーパー糖質制限を批判する発言をしています。(URLをコメ欄に張ります) 『低インシュリン=ケトン体消費=糖新生』は、体に飢餓状態だと錯覚させ、普段使われない栄養を 切り崩して短期間で痩せる、いわばバグ技です。 すでに標準体型の人が、家族や友人がやっているからと、なんとなくつきあいでやったり、 長期間制限し続けると、内臓に負荷がかかって体を壊します。(特に、肉の食べ過ぎで腎臓) 必ず、身長ごとの理想体重を調べて、目標を立ててから行って下さい。 (マッスル北村というボディビルダーが、"ライザップ式"で糖新生で得られるエネルギーと筋肉の収支計算を誤り、 低血糖を起こして心不全で亡くなっています。体重100kg超えで実質餓死。 ライザップ式は早く痩せる代償に、それくらいきっついリスクがあります) 現在、女子高校生の平均身長は160cmで理想体重は55kgくらい、BMIでは50~63kgが標準。 身長165cmなら60kgくらいが理想体重、BMIでは52~68kgが標準です。 しかし、日本の服の規格は身長162cm以上を想定しておらず、 身長が平均を超えている女性は、BMIで肥満判定になるより前に3Lサイズになってしまいます。 間違っても『ファストファッションブランドで一番大きいLサイズが入らなかったから太っている』 『女性の体重は40kg台でなければならない』という思い込みを持ったままダイエットしないようにしましょう。 (2015年10月放送のクローズアップ現代にて、15年前のマネキンに今売られているスキニージーンズを着せると ホックが閉まらない、という実験が行われていました。 15年前のマネキンでも十分モデル体型なのに、現在のマネキンはそれを下回る人間離れした激ヤセ体型。 平均身長は上がっているのに、服のサイズ表記はそのまま、ワンサイズ小さくなっていたということです。 今までLLサイズが入っていた人が3Lサイズに追いやられたのだから、最初にLLサイズから売り切れ、 逆にSサイズが売れ残るのも納得です) 『糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はいくらでも食べていい』というのは、 あくまでケトン体消費モードをアテにした『スーパー糖質制限』の考え方です。 アトキンス式では、ケトン体消費モードに切り替える為に、最初の二週間は糖質20gに制限する事になっていますし、 ケトン体消費が起きているか確認する為に、専用の試験紙を尿にひたして、検査をしている人もいます。 本書を斜め読みして『始めたばかり、もしくは1日1~2食の置き換えしかしていないのに、肉と脂質を大量摂取』 といった事をやらかすと、逆に太ってしまいかねません。 肉はともかく、脂質を大量に食べたいなら、ご飯やパンは完全に諦めること! 一方、仕事上の付き合い等の理由で、どうしても通常の食事が避けられない場合、 ご飯1杯で本書の推奨する数値をオーバーしてしまいますが、バーンスタイン式で成人病対策ついでに 微妙に痩せる程度の効果は狙えるので、諦めずに残り2食の主食を置き換えてみて下さい。 むしろ、ライザップ式で限りなくゼロを目指して、毎食、焼き肉とブロッコリーと味噌汁程度の食事をしていた人が、 ダイエット期間が終わった途端に我慢していた炭水化物をドカ食いして、 飢餓状態で栄養を吸収しやすくなっている為、一瞬でリバウンドするケースが多いようです。 『50gにするつもりがつい間食しちゃったわー100超えちゃったわー』くらいの雑さでちょうどいいです。 (ライザップ式をやめる時は、1日の摂取量を0→20→50→100と段階的に増やしていかないと いけないはずだが、そこまで説明されないらしい) 【女性について】 「所さんの目がテン!」で、肉、卵、納豆、少量の葉物野菜だけを食べ続けるライザップ式の実験を二週間行ったところ、 内臓脂肪の多い男性は2週間で8kgくらい痩せられるが、皮下脂肪の多い女性は 内臓脂肪を消化しきった3kg減あたりで停滞してしまう、という結果が出ています。 バーンスタイン式でも1ヶ月2kgペースで痩せられるので、リスクを伴うスーパー糖質制限をやる必要は無いと思います。 (コメ欄にURLを張っておきます。この本を読んだだけじゃピンとこないけど、食べる量が視覚化されるとドン引きしますよ) 女性がケトン体を消費するほど切り詰めた場合や、体脂肪率20%を下回るほど痩せた場合、 生理が止まる事も考えられます。逆に、糖質過多が原因で生理が重くなっていた人もいるらしく、 ゆるい糖質制限をかけたら生理痛が無くなった、という報告をBlogやSNSで幾度か見かけました。 同じ日でも、便秘中かつ飲食した直後と、排便後かつ空腹の状態では、1kg程度の誤差が出ます。 また、生理前はホルモンバランスの影響で、便秘やむくみで体重が増え、 逆に、生理後は逆に体調が良くなり体重が減りやすくなります。 生理前と便秘が重なると急に3kgくらい増える事もありますが、数日後には元に戻るので、落ち込まないで下さい。 生理前に甘いものを食べたくなるので、先回りしてゼロカロリーゼリー、ブランやおからの入ったクッキー、 カロリーコントロールアイスなどを買い込んでおけば、被害を最小限にできます。 【調味料・乳製品について】 最も厳しいライザップ式では、牛乳に含まれる乳糖、豆腐・トマトケチャップ・みりんなどに含まれる糖、 揚げ物の衣、肉・魚肉加工食品のつなぎの小麦粉や片栗粉、餃子の皮まで外さなければならないけれど、 アトキンス式やバーンスタイン式であれば、これらは制限しなくてもかまいません。 食べられる食材の幅が狭まると、飽きるのも早くなって本末転倒です。 本書はアトキンス式推しなのに、乳製品・調味料の章だけライザップ式準拠なので、バランスが悪く感じます。 【メモ】 ★豆腐 バーンスタイン式とアトキンス式では推奨食材だが、限りなくゼロを目指すライザップ式ではNG食材。 充填式の絹ごし豆腐を40円くらいで買えば一食150円くらい。 電子レンジで2分ほどチンして、上に皿などのおもしを載せて数時間置いて水抜きすると 生のモッツァレラチーズみたいな食感になる。 タイカレー缶、パスタソース(少量)、レトルトの丼ものの具(半量)などをかけて、ごはんの代わりにしてもいいし、 バジルソースを塗ってチーズをかけてオーブントースターで焼いて、グラタンに見立ててもいいかも。 豆腐自体は糖質3g、タイカレーと豆腐1丁を合わせても糖質10gあるかどうかくらいで、パスタソースをかけた場合はさらに下がる。 1丁丸ごと食べるなら、白米ご飯よりおなかが膨れるし腹持ちも良い。 豆腐に限らず、たんぱく質だけを頻繁に食べると、あからさまにおならや便臭が悪化するので、 こんにゃく麺・ブランパン・ブロッコリーでローテーションを組むこと。 ★こんにゃく麺 常温で長期保管可能・100円で買える純粋なこんにゃく麺なら『月のうさぎ』 冷蔵保管で日持ち二週間150円だが、味を追求したいなら紀文のおから入り0カロリー麺が良い。 ローソンストア100とAmazon内で売られているかぶら食品製や、しらたきは、生臭さが抜けない。 『月のうさぎ』の場合、ザルで水をきり、電子レンジで2分ほどチンして、再度ザルにあけ、 出てきた生臭い水を捨てて水洗いすると、ほぼ臭みが無くなる。食感も他社製よりぷるぷるしていて良い。 (色付きの麺はカロリーがあるのでNG。そうめん風はからまりやすいのでうどん風を推奨) 付属のタレが低脂質高糖質なので、高脂肪低糖質が良ければパスタソースなどに差し替えるといい。 これ1食分ではおなかが膨れない。消化されないので、毎食こればかりを食べると便秘の原因になることがあるらしい。 ★ブランパン/ブランロールケーキ(ローソン) 惣菜パンもある。1袋あたり糖質6~15くらい。1個100~150円。 1個では満腹にならないので、同じくローソンで売られているサラダチキン少量と一緒に食べるといい。 (というより、ブランコッペパンにサラダチキンを挟んだ新商品が出た。そちらはサンドイッチコーナーにある) ブランパン・ブランブレッドはタンパク質が多く、ブランブレッド1袋で20g入っている。 なにげに1袋200キロカロリー(パンケーキは300)あるので、2個食べると食パン半斤並のカロリーになる。 その内訳がタンパク質に偏っているとはいえ、心臓に悪い。 パサパサして食べにくい場合は、袋に穴を開けて電子レンジでチンするとしっとりして食べやすくなる。 糖質制限中にどうしてもパンを食べたくなった人向けであって、毎日食べるべきではないかも。 食後の血糖値の急上昇・急低下による眠気を抑えたい人にも。 同じくローソンの『ナチュラルローソン』ブランドで、ダイエット用のお菓子シリーズも展開している。 全粒粉は普通の小麦粉で作ったパンが糖質30gになるところが、全粒粉なら25gになる程度で、 ブランパンほど糖質が低いわけではないが低GIではあるので、目標体重を達成したら いきなり白い食パンに戻すのではなく、全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるといい。 ★オールブラン・グラノーラ 一食あたり20~30gの糖質が含まれるうえ、牛乳をかければ乳糖でさらに糖質が上がる。 ただし低GI値食品であり、食物繊維が多かったり、血糖値が上がりにくかったりする。 『糖質量100g+便秘にならないよう維持』のバーンスタイン式や、ダイエット後のリバウンド防止には視野に入る。 『クリーム玄米ブラン』はオールブランにクリームを挟んだもの 『一本満足』はグラノーラをチョコレートで固めたもの。 ★ブロッコリー ササミと並ぶボディビルダーの定番食材。まとめて茹でて冷凍しておく。 カレー・ハヤシなどのご飯の代用として使える。 野菜炒めの具にしたり、パスタソースをからめシュレッドチーズを載せてグラタンにしたり。 茶碗いっぱいも食べれば相当おなかが膨れるので、主食の置き換えにも。 ★ソイジョイ ピーナツ味とアーモンド&チョコレート味が突出して糖質が低く6~7g程度。糖質制限中の間食に最適。 ★おからだから 糖質量はソイジョイのほぼ倍だが、カントリーマアムそっくりな味なのでストレスの解消目的にたまに食べるには良い。 ★タイカレー缶 100均とスーパーで容量が違うので注意。スーパーのものはちょっと高いが2食に分けて食べられるかも。 イギリス・日本式のカレーと違って、インドやタイのカレーは根菜系の具が入っていないので若干糖質が低いし、 元が薬膳料理なので、整腸や利尿効果がありそう。 加えて、タイカレー缶にはココナッツミルクが含まれている。(ココナッツオイルとココナッツウォーターが流行った) このため、糖質制限BLOGの献立で頻出する。 ★エリスリトール ゼロカロリー甘味料で、嫌な後味が無い。(キシリトールに似たひんやり感はある) 低温で結晶化する、高温で甘さが無くなる、などの特徴があるので使える食品が限られる。 これが入っているゼロカロリー食品はあまりハズレが無い。 ゼリーやガムに使われる事が多く、飲物には使われない。 砂糖の7割の甘さしかないので、別種の激甘な甘味料を少量加えた状態で売られている。(ラカント等) ★ゼリー 蒟蒻畑は砂糖が含まれるのでNG。 マルハ ゼリーdeゼロはエリスリトールが糖類なので5gと表記されているが、 人間には消化できないし、インスリンも出ないらしいので0g扱いでOK。味も人工甘味料っぽさが無い。 Amazon内で売られているゼロカロリーわらびもちも、同じく蒟蒻とエリスリトールメインでおいしい。 四角い容器に入った寒天ゼリーは、寒天の生臭さや食感が邪魔をしてしまっておいしくない。 ★アイス 先述のゼリーを冷凍すると、市販のメロン型容器に入っているものと比べても遜色のないシャーベットになる。 乳製品系はもとからゼロカロリーアイスとして売られているものを当たるしかないが、 エリスリトールが使えない為、味に当たれハズレがある。 ★自分の場合、この条件+運動無しで月2kgペースで減っています。 『主食をブランパン、豆腐、蒟蒻麺か糖質0麺、クリーム玄米ブラン、ブロッコリーいずれかに置き換える』 『飲み物は基本水かお茶。ジュースはゼロカロリー甘味料以外禁止』 『おかずは極力そのまま。ポテトサラダ・コロッケ・餃子・揚げ物の皮などは厳密には糖質だが、 飽きて続かなくなり本末転倒だし、どのみち1日130g以下には収まるので、量は減らすが禁止はしない。 砂糖以外の調味料も禁止しない』 『主食を置き換えた分、1日の必須カロリーに届かなくなるのと、糖新生で筋肉が減る恐れがあるので、 プロテイン1杯かササミ1本を1日1~2食。特に朝食時-』 『外食が避けられない場合、蕎麦かスパゲティ(粗挽き粉の為GI値が低い)があればそれ。 無ければサラダ。おかずは気にせず完食』 『おやつは極力糖質オフのものか、糖質が主成分ではない、ビーフジャーキー、 コンビニのフライドチキン・つくねおでん、など。 通常のものは家族が食べている時に1口だけ分けて貰うに留める。果物も同様』 『意識が遠のく時は血糖値が下がりすぎているおそれがあるので、GI値が低くて糖質が含まれている クリーム玄米ブラン、または少量の普通のお菓子で、最低限の血糖値は確保する』 『ハンバーガー+ポテト+ジュースという糖質三点セットの組み合わせになるハンバーガーはさすがに禁止。 仮につきあいで行くとしてもサイドメニューとお茶』 ★ほとんどが水の生野菜より、主食をこんにゃく麺など低GI食に置き換えた方がよほど食物繊維摂取量��増える。 ダイエットの副産物として、過敏性腸症候群(ストレス性の下痢)が改善する事もありえる。 ★防風通聖散(ナイシトール、和漢箋、コッコアポS) 本来は肥満体型の男性が、便秘と高血圧の治療の為に処方される下剤。 痩せるのは副作用にすぎないし、パッケージに書かれている分量は女性の体重には多すぎる。 最初は効きすぎるので、最初は1日1回だけ、家にいる時間帯に飲む。 効きが悪くなってきたら下痢にならない範囲で回数を増やす。 このことを理解したうえで、便秘の解消目的で飲むなら悪くない。 ★精製が進みすぎた主食は消化が良すぎて、血糖値が急上昇・急低下して糖尿病になりやすいし、 腹持ちが悪く間食が増えてしまう。(高GI食のうどんで有名な香川県は、糖尿病患者率TOP) ダイエットとまでいかなくとも、主食を玄米やブランに置き換えて粗食にする程度の事は、万人が検討した方がいい。 たとえば、食パンはドン引きするくらいの高GI食品なので、低GIな全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるだけで 相当腹持ちがよくなり、間食が減る。 ★買い物で成分表を見る際『バーコードバトラー/モンスターファームの強キャラ探し』と思った方が多分続く。 ★女子中高生の少食女子力アピールマウンティング合戦や、『自炊しない自分はダメ人間なんだ』という プレッシャーから抜け出す口実ができるので、ダイエットとして効果的かはともかく、精神衛生面は改善する。 ★本書では扱われていないが、心療内科シリーズで『口唇欲求』を解説した回があり、 口に何かをくわえたり、かじったりするとストレス解消になるので、タバコをやめにくい、という話題だった。 間食もこれの一種と思われるので、歯固めやマウスピースを噛んで二重あご対策をしたり、 風船をふくらませて肺活量を鍛えたりといった、口を使うトレーニングに置き換えれば、 手持ち無沙汰で間食してしまう回数が減ると思う。 ★「糖質制限+肉大量」というダイエット法「MEC食」というものもある。
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主人公を男性に設定にする事で、『ダイエットは女性やリア充がするものだから、男性や非リアがやるのは恥ずかしい』という、うしろめたさを破壊してくれるのは流石。この手法は、他社のダイエット解説本もお手本にして欲しいです。ただ、解説されている内容の方に問題があります。糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。(常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g)バーンスタイン式とスーパー糖質制限は、考え方が正反対であるにも関わらず、ひとくくりに『糖質制限』と呼ばれていて、『糖質制限は安全』と言う人はバーンスタイン式、『糖質制限は危険』と言う人はスーパー糖質制限を想定しているようです。本書はこの二つの違いを説明しておらず『バーンスタイン式が安全という論文があるから、スーパー糖質制限も安全』という論調なので、鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。なおバーンスタイン博士は、スーパー糖質制限を批判する発言をしています。(URLをコメ欄に張ります)『低インシュリン=ケトン体消費=糖新生』は、体に飢餓状態だと錯覚させ、普段使われない栄養を切り崩して短期間で痩せる、いわばバグ技です。すでに標準体型の人が、家族や友人がやっているからと、なんとなくつきあいでやったり、長期間制限し続けると、内臓に負荷がかかって体を壊します。(特に、肉の食べ過ぎで腎臓)必ず、身長ごとの理想体重を調べて、目標を立ててから行って下さい。(マッスル北村というボディビルダーが、"ライザップ式"で糖新生で得られるエネルギーと筋肉の収支計算を誤り、低血糖を起こして心不全で亡くなっています。体重100kg超えで実質餓死。ライザップ式は早く痩せる代償に、それくらいきっついリスクがあります)現在、女子高校生の平均身長は160cmで理想体重は55kgくらい、BMIでは50~63kgが標準。身長165cmなら60kgくらいが理想体重、BMIでは52~68kgが標準です。しかし、日本の服の規格は身長162cm以上を想定しておらず、身長が平均を超えている女性は、BMIで肥満判定になるより前に3Lサイズになってしまいます。間違っても『ファストファッションブランドで一番大きいLサイズが入らなかったから太っている』『女性の体重は40kg台でなければならない』という思い込みを持ったままダイエットしないようにしましょう。(2015年10月放送のクローズアップ現代にて、15年前のマネキンに今売られているスキニージーンズを着せるとホックが閉まらない、という実験が行われていました。15年前のマネキンでも十分モデル体型なのに、現在のマネキンはそれを下回る人間離れした激ヤセ体型。平均身長は上がっているのに、服のサイズ表記はそのまま、ワンサイズ小さくなっていたということです。今までLLサイズが入っていた人が3Lサイズに追いやられたのだから、最初にLLサイズから売り切れ、逆にSサイズが売れ残るのも納得です)『糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はいくらでも食べていい』というのは、あくまでケトン体消費モードをアテにした『スーパー糖質制限』の考え方です。アトキンス式では、ケトン体消費モードに切り替える為に、最初の二週間は糖質20gに制限する事になっていますし、ケトン体消費が起きているか確認する為に、専用の試験紙を尿にひたして、検査をしている人もいます。本書を斜め読みして『始めたばかり、もしくは1日1~2食の置き換えしかしていないのに、肉と脂質を大量摂取』といった事をやらかすと、逆に太ってしまいかねません。肉はともかく、脂質を大量に食べたいなら、ご飯やパンは完全に諦めること!一方、仕事上の付き合い等の理由で、どうしても通常の食事が避けられない場合、ご飯1杯で本書の推奨する数値をオーバーしてしまいますが、バーンスタイン式で成人病対策ついでに微妙に痩せる程度の効果は狙えるので、諦めずに残り2食の主食を置き換えてみて下さい。むしろ、ライザップ式で限りなくゼロを目指して、毎食、焼き肉とブロッコリーと味噌汁程度の食事をしていた人が、ダイエット期間が終わった途端に我慢していた炭水化物をドカ食いして、飢餓状態で栄養を吸収しやすくなっている為、一瞬でリバウンドするケースが多いようです。『50gにするつもりがつい間食しちゃったわー100超えちゃったわー』くらいの雑さでちょうどいいです。(ライザップ式をやめる時は、1日の摂取量を0→20→50→100と段階的に増やしていかないといけないはずだが、そこまで説明されないらしい)【女性について】「所さんの目がテン!」で、肉、卵、納豆、少量の葉物野菜だけを食べ続けるライザップ式の実験を二週間行ったところ、内臓脂肪の多い男性は2週間で8kgくらい痩せられるが、皮下脂肪の多い女性は内臓脂肪を消化しきった3kg減あたりで停滞してしまう、という結果が出ています。バーンスタイン式でも1ヶ月2kgペースで痩せられるので、リスクを伴うスーパー糖質制限をやる必要は無いと思います。(コメ欄にURLを張っておきます。この本を読んだだけじゃピンとこないけど、食べる量が視覚化されるとドン引きしますよ)女性がケトン体を消費するほど切り詰めた場合や、体脂肪率20%を下回るほど痩せた場合、生理が止まる事も考えられます。逆に、糖質過多が原因で生理が重くなっていた人もいるらしく、ゆるい糖質制限をかけたら生理痛が無くなった、という報告をBlogやSNSで幾度か見かけました。同じ日でも、便秘中かつ飲食した直後と、排便後かつ空腹の状態では、1kg程度の誤差が出ます。また、生理前はホルモンバランスの影響で、便秘やむくみで体重が増え、逆に、生理後は逆に体調が良くなり体重が減りやすくなります。生理前と便秘が重なると急に3kgくらい増える事もありますが、数日後には元に戻るので、落ち込まないで下さい。生理前に甘いものを食べたくなるので、先回りしてゼロカロリーゼリー、ブランやおからの入ったクッキー、カロリーコントロールアイスなどを買い込んでおけば、被害を最小限にできます。【調味料・乳製品について】最も厳しいライザップ式では、牛乳に含まれる乳糖、豆腐・トマトケチャップ・みりんなどに含まれる糖、揚げ物の衣、肉・魚肉加工食品のつなぎの小麦粉や片栗粉、餃子の皮まで外さなければならないけれど、アトキンス式やバーンスタイン式であれば、これらは制限しなくてもかまいません。食べられる食材の幅が狭まると、飽きるのも早くなって本末転倒です。本書はアトキンス式推しなのに、乳製品・調味料の章だけライザップ式準拠なので、バランスが悪く感じます。【メモ】★豆腐バーンスタイン式とアトキンス式では推奨食材だが、限りなくゼロを目指すライザップ式ではNG食材。充填式の絹ごし豆腐を40円くらいで買えば一食150円くらい。電子レンジで2分ほどチンして、上に皿などのおもしを載せて数時間置いて水抜きすると生のモッツァレラチーズみたいな食感になる。タイカレー缶、パスタソース(少量)、レトルトの丼ものの具(半量)などをかけて、ごはんの代わりにしてもいいし、バジルソースを塗ってチーズをかけてオーブントースターで焼いて、グラタンに見立ててもいいかも。豆腐自体は糖質3g、タイカレーと豆腐1丁を合わせても糖質10gあるかどうかくらいで、パスタソースをかけた場合はさらに下がる。1丁丸ごと食べるなら、白米ご飯よりおなかが膨れるし腹持ちも良い。豆腐に限らず、たんぱく質だけを頻繁に食べると、あからさまにおならや便臭が悪化するので、こんにゃく麺・ブランパン・ブロッコリーでローテーションを組むこと。★こんにゃく麺常温で長期保管可能・100円で買える純粋なこんにゃく麺なら『月のうさぎ』冷蔵保管で日持ち二週間150円だが、味を追求したいなら紀文のおから入り0カロリー麺が良���。ローソンストア100とAmazon内で売られているかぶら食品製や、しらたきは、生臭さが抜けない。『月のうさぎ』の場合、ザルで水をきり、電子レンジで2分ほどチンして、再度ザルにあけ、出てきた生臭い水を捨てて水洗いすると、ほぼ臭みが無くなる。食感も他社製よりぷるぷるしていて良い。(色付きの麺はカロリーがあるのでNG。そうめん風はからまりやすいのでうどん風を推奨)付属のタレが低脂質高糖質なので、高脂肪低糖質が良ければパスタソースなどに差し替えるといい。これ1食分ではおなかが膨れない。消化されないので、毎食こればかりを食べると便秘の原因になることがあるらしい。★ブランパン/ブランロールケーキ(ローソン)惣菜パンもある。1袋あたり糖質6~15くらい。1個100~150円。1個では満腹にならないので、同じくローソンで売られているサラダチキン少量と一緒に食べるといい。(というより、ブランコッペパンにサラダチキンを挟んだ新商品が出た。そちらはサンドイッチコーナーにある)ブランパン・ブランブレッドはタンパク質が多く、ブランブレッド1袋で20g入っている。なにげに1袋200キロカロリー(パンケーキは300)あるので、2個食べると食パン半斤並のカロリーになる。その内訳がタンパク質に偏っているとはいえ、心臓に悪い。パサパサして食べにくい場合は、袋に穴を開けて電子レンジでチンするとしっとりして食べやすくなる。糖質制限中にどうしてもパンを食べたくなった人向けであって、毎日食べるべきではないかも。食後の血糖値の急上昇・急低下による眠気を抑えたい人にも。同じくローソンの『ナチュラルローソン』ブランドで、ダイエット用のお菓子シリーズも展開している。全粒粉は普通の小麦粉で作ったパンが糖質30gになるところが、全粒粉なら25gになる程度で、ブランパンほど糖質が低いわけではないが低GIではあるので、目標体重を達成したらいきなり白い食パンに戻すのではなく、全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるといい。★オールブラン・グラノーラ一食あたり20~30gの糖質が含まれるうえ、牛乳をかければ乳糖でさらに糖質が上がる。ただし低GI値食品であり、食物繊維が多かったり、血糖値が上がりにくかったりする。『糖質量100g+便秘にならないよう維持』のバーンスタイン式や、ダイエット後のリバウンド防止には視野に入る。『クリーム玄米ブラン』はオールブランにクリームを挟んだもの『一本満足』はグラノーラをチョコレートで固めたもの。★ブロッコリーササミと並ぶボディビルダーの定番食材。まとめて茹でて冷凍しておく。カレー・ハヤシなどのご飯の代用として使える。野菜炒めの具にしたり、パスタソースをからめシュレッドチーズを載せてグラタンにしたり。茶碗いっぱいも食べれば相当おなかが膨れるので、主食の置き換えにも。★ソイジョイ ピーナツ味とアーモンド&チョコレート味が突出して糖質が低く6~7g程度。糖質制限中の間食に最適。★おからだから 糖質量はソイジョイのほぼ倍だが、カントリーマアムそっくりな味なのでストレスの解消目的にたまに食べるには良い。★タイカレー缶100均とスーパーで容量が違うので注意。スーパーのものはちょっと高いが2食に分けて食べられるかも。イギリス・日本式のカレーと違って、インドやタイのカレーは根菜系の具が入っていないので若干糖質が低いし、元が薬膳料理なので、整腸や利尿効果がありそう。加えて、タイカレー缶にはココナッツミルクが含まれている。(ココナッツオイルとココナッツウォーターが流行った)このため、糖質制限BLOGの献立で頻出する。★エリスリトールゼロカロリー甘味料で、嫌な後味が無い。(キシリトールに似たひんやり感はある)低温で結晶化する、高温で甘さが無くなる、などの特徴があるので使える食品が限られる。これが入っているゼロカロリー食品はあまりハズレが無い。ゼリーやガムに使われる事が多く、飲物には使われない。砂糖の7割の甘さしかないので、別種の激甘な甘味料を少量加えた状態で売られている。(ラカント等)★ゼリー蒟蒻畑は砂糖が含まれるのでNG。マルハ ゼリーdeゼロはエリスリトールが糖類なので5gと表記されているが、人間には消化できないし、インスリンも出ないらしいので0g扱いでOK。味も人工甘味料っぽさが無い。Amazon内で売られているゼロカロリーわらびもちも、同じく蒟蒻とエリスリトールメインでおいしい。四角い容器に入った寒天ゼリーは、寒天の生臭さや食感が邪魔をしてしまっておいしくない。★アイス 先述のゼリーを冷凍すると、市販のメロン型容器に入っているものと比べても遜色のないシャーベットになる。 乳製品系はもとからゼロカロリーアイスとして売られているものを当たるしかないが、 エリスリトールが使えない為、味に当たれハズレがある。★自分の場合、この条件+運動無しで月2kgペースで減っています。 『主食をブランパン、豆腐、蒟蒻麺か糖質0麺、クリーム玄米ブラン、ブロッコリーいずれかに置き換える』 『飲み物は基本水かお茶。ジュースはゼロカロリー甘味料以外禁止』 『おかずは極力そのまま。ポテトサラダ・コロッケ・餃子・揚げ物の皮などは厳密には糖質だが、 飽きて続かなくなり本末転倒だし、どのみち1日130g以下には収まるので、量は減らすが禁止はしない。 砂糖以外の調味料も禁止しない』 『主食を置き換えた分、1日の必須カロリーに届かなくなるのと、糖新生で筋肉が減る恐れがあるので、 プロテイン1杯かササミ1本を1日1~2食。特に朝食時-』 『外食が避けられない場合、蕎麦かスパゲティ(粗挽き粉の為GI値が低い)があればそれ。 無ければサラダ。おかずは気にせず完食』 『おやつは極力糖質オフのものか、糖質が主成分ではない、ビーフジャーキー、 コンビニのフライドチキン・つくねおでん、など。 通常のものは家族が食べている時に1口だけ分けて貰うに留める。果物も同様』 『意識が遠のく時は血糖値が下がりすぎているおそれがあるので、GI値が低くて糖質が含まれている クリーム玄米ブラン、または少量の普通のお菓子で、最低限の血糖値は確保する』 『ハンバーガー+ポテト+ジュースという糖質三点セットの組み合わせになるハンバーガーはさすがに禁止。 仮につきあいで行くとしてもサイドメニューとお茶』★ほとんどが水の生野菜より、主食をこんにゃく麺など低GI食に置き換えた方がよほど食物繊維摂取量が増える。 ダイエットの副産物として、過敏性腸症候群(ストレス性の下痢)が改善する事もありえる。★防風通聖散(ナイシトール、和漢箋、コッコアポS)本来は肥満体型の男性が、便秘と高血圧の治療の為に処方される下剤。痩せるのは副作用にすぎないし、パッケージに書かれている分量は女性の体重には多すぎる。最初は効きすぎるので、最初は1日1回だけ、家にいる時間帯に飲む。効きが悪くなってきたら下痢にならない範囲で回数を増やす。このことを理解したうえで、便秘の解消目的で飲むなら悪くない。★精製が進みすぎた主食は消化が良すぎて、血糖値が急上昇・急低下して糖尿病になりやすいし、 腹持ちが悪く間食が増えてしまう。(高GI食のうどんで有名な香川県は、糖尿病患者率TOP) ダイエットとまでいかなくとも、主食を玄米やブランに置き換えて粗食にする程度の事は、万人が検討した方がいい。 たとえば、食パンはドン引きするくらいの高GI食品なので、低GIな全粒粉パン(次点でライ麦パン)に置き換えるだけで 相当腹持ちがよくなり、間食が減る。★買い物で成分表を見る際『バーコードバトラー/モンスターファームの強キャラ探し』と思った方が多分続く。★女子中高生の少食女子力アピールマウンティング合戦や、『自炊しない自分はダメ人間なんだ』という プレッシャーから抜け出す口実ができるので、ダイエットとして効果的かはともかく、精神衛生面は改善する。★本書では扱われていないが、心療内科シリーズで『口唇欲求』を解説した回があり、 口に何かをくわえたり、かじったりするとストレス解消になるので、タバコをやめにくい、という話題だった。 間食もこれの一種と思われるので、歯固めやマウスピースを噛んで二重あご対策をしたり、 風船をふくらませて肺活量を鍛えたりといった、口を使うトレーニングに置き換えれば、 手持ち無沙汰で間食してしまう回数が減ると思う。★「糖質制限+肉大量」というダイエット法「MEC食」というものもある。
Amazon.co.jp: マンガで分かる肉体改造 糖質制限編 (ヤングキングコミック)の ゅぅゃさんのレビュー
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