Tumgik
#故障中の冷房
ari0921 · 6 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)3月28日(木曜日)弐
   通巻第8194号
 中国の「超限戦」はすでに始まっている
  有力シンクタンクが衝撃の現状分析と防御策を提議
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 中国の謂う「超限戦」を「UNRISTRICTED WARFARE」と英米では表現している。
米国の国防、安全保障関係のシンクタンクからつぎつぎとなされる警告は「サイバ-真珠湾」「デジタル911」を中国が仕掛けるというレポートだ。
「中国のハッカー軍団が米国(ならびに西側先進国の)インフラ、とくに送電網、貯水池や処理場、パイプライン(水道管、ガス管を含む)、交通・通信システムなどの主要コンポーネントを標的に攻撃しようとしている」。
目標は中国が標的とする国々の生活に不可欠なすべてのシステムを破壊することにある。
電気がなければ、家電どころかパソコンも携帯電話も使えない。蛇口から水が出なくなり、珈琲も紅茶も飲めず、炊事も出来ない。ガスがつけなくなれば台所も、冷暖房も機能せず、交通インフラが襲撃されると、通勤電車も新幹線も動かず、飛行機が止まる。出張も観光も移動も機能不全に陥いる。下水処理場が麻痺したら疫病の蔓延も考えられ、社会は大混乱とパニックに襲われる。
そのうえ通信が途絶えると政府も軍も警察も国を守ることができなくなる。それが「超限戦」である。機関銃も大砲も爆撃機も不要、弾丸は一発も発射されない。まさに「孫子の兵法」の現代版である。
「西側は、中国共産党が悪意のある脅威と正しく認識する必要がある。防御の第一はこの認識である」。
 こう主張するのは「ゲートストーン研究所」のピータ・ホークストラで、『TIKTOKは戦争の手段だ』といったゴードン・チャンらがつどうシンクタンクだ。
 2022年7月6日、従来にないイベントが行われた。クリストファー・レイFBI長官と英国MI5のケン・マッカラム将官が史上初めて共同で公開の場に登壇し、「増大する中国、安全保障上の課題」について話し合った。
中国の超限戦への取り組みが緊急であると訴えたのだ。
中国共産党が西側諸国から技術や企業機密を盗取している現実があり、その対象分野に は先端材料、データ、人工知能(AI)などが含まれる。
サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のジェン・イースタリー長官は、米国と中国共産党の間の戦略的競争に関する下院特別委員会で、中国がもたらす脅威は「想像上のものではなく、現実である」と証言した。
通信業界、航空、エネルギー、水道インフラへの中国共産党の侵入はすでに発見されている。中国の脅威が増大し続ける中、世界的な安全保障環境では、米国と同盟国が脅威を軽減するためにインフラとシステムを強化するための緊急対応が求められている。
くわえて中国は毎年およそ10万人のアメリカ人をフェンタニルや他の麻薬で死に至らしめている。この犠牲者の数は毎日、大型飛行機墜落事故がおきている計算になる。
 
これらをふまえて前述米シンクタンクは以下を提言している。
 第一に対応するべきはテロ支援国家に中国を指定するべきである。SWIFT(212カ国の1万以上の金融機関が相互に金融取引に関する情報を送受信するネットワーク)から排除すべきである。
 第二に、企業や大学も、知的財産の盗難をより困難にし、検出しやすくするために、セキュリティシステム構築に真剣に取り組むべきである。ハイテクの盗取は技術革新研究開発で、困難を伴い巨費のかかるプロセスを中国が短絡しているのである。
 第三に、米国は国家安全保障の優先事項として、同盟国と協力して知的財産と技術進歩を保護する必要がある。中国共産党への技術移転を防ぐためにもっと緊密に協力しなければならない。
 
 第四に企業は、自社のシステムが外部の組織によって攻撃または侵害された場合、政府にただちに通知する必要がある。現行法では、上場企業が当局に報告する期限を4日以内としているが、自社のシステムが侵害されたことを認めたがらないからで、風評被害を懼れるからだ。そんな悠長な対策は被害をさらに大きくする恐れがある。
 第五に中国共産党系列の中国企業による米国での企業買収や合弁、とくにEV用バッテリーの生産などを含め、中国共産党の脅威に関して国、州、地方政府の間で連絡と政策を調整する必要である。中国共産党がアメリカの農地、就中軍事基地近くの農地を買い占めている現実は軍事的な脅威である。
新型コロナウイルスの人責任を中国共産党に追及する政府の失敗を猛省し、いまの米国ならびに同盟酷が中国共産党との戦争状態にあることを深く認識しなければならない。
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myonbl · 2 years
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2022年10月27日(木)
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普段はツレアイ(訪問看護師)と一緒に私の車で出勤するのだが、今夜の予定のために彼女は自転車で出勤、久しぶりに東寺前を通るルートである。信号待ちで写真を撮るのはいつものこと、あれ、なにやら小さな立て看板が見える。画像がいささかボケてしまったが、どうやら<ライトアップ>の案内のようだ。そうか、いよいよ紅葉シーズン突入、京都観光に来られる方、防寒のためにもマスクは必須ですぞ。
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5時15分起床。
いつもは1階の作業場で mac mini を使って日誌を書くのだが、寒さのために2階リビングで MacBookAir を使って作業する。
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朝食はいつものそば定食。
空き瓶・缶、45L*1。
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2人分の弁当を用意する。
ツレアイは夜の太鼓ワークショップのために自転車で出勤する。
R1、名神ともに今日は混雑が酷い。
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いつもより、15分以上遅れて到着。
換気、ラジオ体操。お茶は飲まずに教室へ向かう。
木曜日1限は「共生社会と人権(人権論)」、今日のテーマは<障がい者>。バリアフリー/ユニバーサルデザイン/障害者手帳/ヘルプマーク、それに Apple 製品の AssesiveTouch についても紹介する。
弁当を頂き、部屋の片付け、学会誌などを処分する。
今週のゴミを処分して退出する。
昨日冷蔵庫の代金を振り込んだのだが、エラーのメールが返ってきた。仕方なく、<でんきの大京>で現金で改めて支払をする。
サトイモ・ニンジン・レンコンの煮物を仕込む。
西大路七条から202系統に乗って堀川丸太町へ、今夜はM姉の手配で<はる書房>のF兄と会食だ。
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日曜日にご夫婦+友人の3名で来洛、修学院離宮/桂離宮を見学、昨日から友人の出版記念会に参加されていたとのこと。その出版がこれ、著者の人となりを楽しく伺い、早速アマゾンで予約した。
F兄は、東京の仕事場と故郷(三重県御浜町阿田和)との二重生活を始められた頃に知りあい、何度か仕事でもご一緒した。積もる話があれこれあって、最後に熊野実習の出版について編集の立場からのコメントを頂いた。
バスで帰宅すると、少し先に戻ったツレアイが食事の真っ最中。あれこれ喋りながら、ワインを少しいただく。
片付け、入浴、体重はコース料理をしっかり頂いたのにもかかわらず、500g減!
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歩く距離は少なかったが、なんとか3つのリング完成。水分は、1,600ml。
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orhpee-annex · 1 month
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生命拾いと戯れる~草加健康センターと戦後~
 「人生の楽園」と題されたテレビ番組がある。西田敏行のナレーションで、四半世紀も続いている。都会暮らしの勤め人を脱した家族が田舎に逃れてパン屋や蕎麦屋を営む様を、楽園を得たひとに見立てて紹介するという筋立てだが、子供の頃のわたしは手品に魅入るように番組を眺めていた。近年、この番組に紹介された人々の七割が元の都心に戻っているという風説が囁かれている。それ自体は驚くに足りない、だが自ら築いた楽園をあっさり放逐される寓話は、逆説的にメーテルリンクの戯曲の有名な教訓を証明しているようだ。
 草加健康センターの話をしよう。
 わたしがこの地を踏んだのは8月10日。日本がポツダム宣言を受諾した日からちょうど77年後、北千住駅から東武スカイツリーライン快速に乗ること二駅の草加駅から送迎バスで10分、或いは徒歩で一時間で辿り着くこの場所は既に多数のサウナ愛好家たちにより紹介されており、さらに付言して汚すのはしのびない。
 しかし百聞は一見に如かず。高温ながら高湿度に保たれたサウナ、真夏日でも15度を保つ清涼なハイブラの水風呂、小体な施設内で最大限に設置された外気浴の椅子。そして、サウナ室の入口と水風呂がおなじ露天スペースに設置されている為に一連の動作を円滑にする親切な導線は、灼熱の煉獄から逃れて救いの泉を得、その後微風に扇がれつつ身体に沸々と涌く余韻を味わうまでに些かの遅疑もさせまいとする心遣いを表している。その快楽は、身体に即せば高温からの急激な冷却を経ての血管の急激な収縮、拡張による血流や自律神経への好影響ということになる。だが、暑さ寒さの彼岸を好んで彷徨った挙句、外気浴スペースの椅子に背を預けて空を仰いだとき、晩夏の午後の光が雲をふちどる風景をふと目にして感じる瞑想的な法悦は、ただ身体の機構に帰して済ませてよい類のものだろうか。
 走っている  火の海のなかに炎の一本道が  突堤のようにのめりでて  走っている  その一本道の炎のうえを  赤い釘みたいなわたしが  走っている  走っている  ――宗左近『燃える母』より
 思いつく限りの戦時における空襲の描写を挙げれば、どこかで必ず火の海を逃げ惑う様子であったり、水を求めて煮えたぎる川に飛び込んで落命したひとの姿に行き当たる。『方丈記』以来の生き地獄の描写である。わたしは冗談ではなしに、高温のサウナに炙られている最中、先に挙げた宗左近の詩を連想する。信濃町で、母と二人で炎のなかを逃げ惑い、つい手を離してしまったが為に母は焼け死に、詩人が悔恨から鏤刻した凄まじい詩のことを。
 だが、サウナがひとを殺すことは殆どない。わたしは自由に出口から抜けて出て、水風呂に浸かることが許されている。この水風呂も十秒以上浸かれない程に冷たく、一瞬で身体を覆う火照りを剥がしてしまう。水面に浮かぶ無数の泡が時に光の反射で無数の砕氷のように錯覚することすらある。それでもこれは八甲田山の死の彷徨ではない。
 あくまで戯れに抑えられた灼熱と寒冷の往還とその余韻はどこか生命の危機から九死に一生を得る体験に似ている。次第によっては神仏の実在をひとに確信させるに至る、真の九死に一生の体験も身体の出来事だけに焦点を当てれば急激な緊張からの解放という一連の運動であり、これが浄化の感覚を否応なく引き起こす。草加健康センターがわたしに幾度となく追体験させてくれる快楽、それは極言すれば死の恐怖を抱く手前で精密に抑制された九死に一生ということになる。
 解剖学者の養老孟子は90年代の講演集にて、くり返し「仏教の古い経典に描かれている極楽は『空腹も寒暖もない世』である」として彼の都市批判に繋げている。この極楽は日本において概ね達成されて久しい。コンビニでおにぎりもアイスも買えるし冷暖房が一家に一台備えられている世界は古人の夢見た極楽の姿をしている。日本国憲法の序文に綴文された「わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」て今日まで幸運や、反対に薄氷を渡るような危機を躱して、今日楽園を前提と出来る程の世を享���している。そして、わたし達が世に抱く不平不満も煎ずれば極楽を足場に叫ばれている。
 古人の想像力は、しかし果たして灼熱と寒冷の彼岸に戯れる、この草加健康センターのような施設にまで到達しただろうか。これはどんな古賢さえ夢にも見なかった楽園の一形態である。そしてわたしたちは他者により隅々まで保障の行き届いた施設にて生命拾いの快楽と戯れることさえ許されている。過去の悔恨も未来への恐怖も束の間忘れて、他者の承認も不要としながら独り身体的快楽の余韻に身を任せるとき、楽園のうえに更に築かれた楽園の到来に戦慄しないだろうか。
 一方、誰が語ったか人生百年の時代であると言う。地上の至るところで戦禍がやまない世に先人の建立した砂上の極楽浄土が永続すると仮定して平和裡に制度維持の恐怖に震えること自体が既に慢心であると一瞬でも掠めたひとがどれほどいるだろう。遠い未来、わたしたちは抑制された灼熱ではなく、本物の火に生命を奪われるかも知れないのだから。
 故にわたしは草加健康センターへふたたび通う。細心の注意により存続する楽園が、楽園として享受出来る限りにおいて。滅びの予感のなかで穏やかな現在はいっそうかけがえなく在る。そしてセンターの隣の自販機でアイスを贖い、舐めながら草加松原駅に至るまでの鄙びた道のりを歩き、暑さの峠を越えた夜風や虫の音に、これも優しい秋の気配を感じながら。
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yotchan-blog · 3 months
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2024/6/24 6:00:38現在のニュース
経済安保、機関を新設 政府、重要技術支援の司令塔 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/6/24 6:00:26) 東京都知事選初の選挙サンデー 小池百合子氏は「川上作戦」、蓮舫氏は立民・共産色濃く([B!]産経新聞, 2024/6/24 5:48:53) メッカ巡礼で1千人以上が死亡 50度の酷暑が影響 冷房利用できない不法巡礼者ら犠牲か([B!]産経新聞, 2024/6/24 5:48:53) 高齢女性に「犯罪収益金か調べる」、男が現金の宅配指示…アパートで捜査員が張り込み([B!]読売新聞, 2024/6/24 5:45:21) 女性が飲酒運転の車にはねられ死亡した事故、直前にトラックと衝突しバックで走行か([B!]読売新聞, 2024/6/24 5:45:21) 小学校でプールの水が13日間流れ続ける…25mプール25杯分、損害額300万円に([B!]読売新聞, 2024/6/24 5:45:21) 「円の実力」は過去最低 64カ国・地域で最大の下落 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/6/24 5:42:32) たまゆら火災15年 未届け施設が減少 スプリンクラー設置率も改善 /群馬 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/6/24 5:42:32) 米欧選挙に潜む財政リスク 1ドル=168円の円安試算も 選挙イヤー・市場の死角(1) - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/6/24 5:42:22) 東京都知事選挙の序盤戦で戦略くっきり…小池氏は「公務」現場視察重視、蓮舫氏は繁華街で演説に力点([B!]読売新聞, 2024/6/24 5:39:10) AIを劇的進化、世界を変えた7つの論文 テクノ新世 もっと人間らしく ルポ編(1) - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/6/24 5:37:02) 沖縄「慰霊の日」 戦没者追悼式に4500人 自衛隊増強に知事憂慮 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/6/24 5:36:55) 父の背中にしがみついた戦争の記憶 「向こうの障害者は…」戦地思う | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/6/24 5:36:55)
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mikan-mukku · 4 months
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疲れると都内の庭園に行く節があるんですけど、先日清澄庭園に行ってきた。周りは外国人とジジババしかおらず、こぢんまりとしていて非常に落ち着いた場所で良かった。割と蒸し暑かった。入園料150円って安くない?疲れた時に気分転換に遠出しつつボーッと出来る場所を見つけたような気がする。夏は無理そうだけど。
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その後近くにスカイツリーが見えたので、スカイツリーにあるショッピングビルに行った。どこに遊びに行っても私はソニプラ(そろそろPLAZAって言ったら)とロフトにしか行かないしょうもない人間なので、相変わらずその二つをくまなく見て普通に何も買わずに出た。
浅草寺はこちらみたいな看板が見えたので、散歩がてら浅草���行こうとその方向に向かって歩いていた所、外国人のアベックに"駅はどこにある?(ニュアンス)"と話しかけられたが、頭が急に真っ白になりさっき来た道の方向を教えれば良い所"え〜っ…とォ〜…ッスゥ〜ソッスネ〜…ステーション…?え〜っ…分からない😅スミマセン…ゴメンナサイ…ソーリー…"といったコミュ障を超えた明らかな何かを感じる酷い対応をして外国人アベックを非常に困らせてしまった。
そこから浅草までの道中猛省が始まりとぼとぼ歩いていた所、かなりイカす看板を見つけました。
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結構このたばこフォント色んなところで見かけるけど、丸い看板タイプは初めて見た。私このフォント本当に(フォントに)好きなんですよね。丸っこくて可愛いんだ。シールとかワッペンとかあったら買いますけどね、職場のエプロンにこのたばこのワッペンつけたい、よくあるマルボロのワッペンのノリで。
そこから少し歩いて、さっき見た浅草寺はこちらの看板は果たして本当だったのか?あんな軽いノリの看板で辿り着ける距離ではないのでは?という疑問を持ちつつ何とか浅草に辿り着くことが出来ました。
浅草に来たら取り敢えず割と行くサ店へ…。
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レストラン東洋 チョコレートパフェ¥880
かなり久しぶりに行ったので、その間にお店が改装され、縮小してしまったようだった。店員さん達は相変わらず愛想が良すぎてそのモチベは何?!と聞きたいくらいだった。店に入ると常連というか近所のジジイが店員さんと楽しそうに話していて、マジでガチガチの客は私一人で非常に気まずかった。取り敢えず壁面にバカデカいテレビがかかってたので、それをガン見して別に余裕ですけどオーラを出していたが、会計の時に本当すみませんね!ごめんなさいねぇ〜!と謎に謝られてしまった。別に平気でしたけど?!今度は誰かと一緒に行こうと思う。後パフェばり美味い。
そこからフラフラと歩いていたらカラオケ館みーつけたっ!ヒトカラの鬼なので迷わず入店。1時間30分。DAM。アセロラドリンク。冷房20℃。奥田民生ユニコーンPUFFY。カラオケって何でこんなに楽しいんだろうね。しかもカラ館安い!昔はもっぱらまねきねこだったが最近バカ高いのでもうめっきり行かなくなった。ここ10年くらいめっさヒトカラ行ってるけど一向に歌上手くならないし、声がモサい。声質が歌に不向きなのだと思う。でも楽しいんだよなカラオケって。
それからフラフラと浅草を歩く。
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花やしき、もう閉まってた。
外国人が想像するような日本を凝縮した街だな浅草って。なんか非現実的で面白い。
帰りも少し歩いて浅草橋から中央総武線で帰ろうと駅へ向かった。この道中、何故か何とも言えない気持ちになってきて色々とぐるぐる考えてしまった。音楽聴きながら帰ると余計ダメね。そんな最中急にどデカいネズミの亡骸が現れ危うく踏むところだった。あんな道のど真ん中で横たわっててきっとアイツは誰かに踏まれてしまっただろうと考えてまた少し落ち込みつつこの日は終わりました。まぁ楽しかったです。終わり。
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lostsidech · 8 months
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 同時刻、某所。
 真っ白な閉鎖空間の中に少女はいる。部屋は静かで、窓の一つもない。暖房の音だけが駆動する無機質な屋内に、並べられたテーブルと折りたたみ椅子がある。
 咳払いをして、毅然とした声を作った。
「貴方たちは私を貶める気もないのに、何故わざわざ攫ったのです」
 精いっぱいの不満を示すために、出された紅茶の一杯にも手を付けることはない。テーブルの上にはティーカップと、缶入りのクッキーすら並んでいるのだ。
『あんたのやり方はわかってる、お嬢ちゃん』
 対する男の声は冷静だった。いや、正確には、元は男の声なのだろうとわかる加工された音声だ。
『こちらの素性は掴ませないようにしてるし、あんたの声も全て加工された形でこちらに届く。サーモグラフィやセンサーで部屋にいることを確認しているだけで、姿だって見えやしない。悪いな、無礼な歓待で。そのティーセットはせめてものもてなしさ』
「……食べませんよ。私が飢えたほうが貴方たちは困る」
『賢いな』
 男は笑う。正確には声がそのように響いた。
『そうだ、貶める気はない。だからあんたに意図的に弱られると困る。だが、舌を噛み切るまでのことはしないだろう』
 莉梨はその言葉を反芻した。失敗を認めつつ、こちらの分析もできている。用意周到でありながら臨機応変、最も厄介な相手だ。
「さあ、どうだか」
『お嬢ちゃんのような強かな女性は、まだまだ希望を捨てないよ。手紙だってそうだろう』
 莉梨は肩をすくめる。それもばれていたか。
 誘拐から目覚めて顔を上げたとき、大会向けの脅迫状が目の前に置いてあって、君も何かメッセージを書くといいと言われた。表向きは拒んだが、折り目の位置にこっそりメッセージを仕込んでおいたのだ。文字はタイポグラフィ打ちでも、人間が何か作業を行う限り、そこに帆村莉梨の噛み痕はつけられる。ホムラグループ構成員にだけ伝わる暗号だった。少なくとも相手はそのやり方を知っている。
 人に見張られていないことでかえって逃げづらいとは皮肉な話だ。扉の前に見張りの一人でもいたら篭絡できるのに。
「ここはどこですか。今は何時」
 捕虜の権利とばかりに主張するが、相手の声はさすがに直接的には答えない。
『助けが来ればわかるだろうさ』
「あら、莉梨が助けを待つと言ったから合わせてくれたのですか 皮肉」
 相手は答えない。だが現状でも考察は十分にできる。
 大会中に帆村莉梨を攫う理由のある人間は、普通に考えればホムラグループに恨みがあるか、パネルディスカッションを邪魔したい人間だ。
 帆村莉梨は人の心のエキスパートだ。
「……莉梨のナイトは怖いですよ」
 莉梨は笑う。相手が答えようが答えまいがどちらでもいい。これは、己の心への洗脳でもある。
 所変わって、フラッシング・メドウズ・コロナ・パーク、パネルディスカッション会場。
 日沖翔成は電話越しに、個人的な先輩たちのさらに先輩にあたる高校生に向かって話していた。彼から状況問い合わせが掛かってきたので、全て話すことにしたのだ。自身の主にして友達││帆村莉梨の優秀さについて。
「莉梨さんを『捕らえることができる』人間は多くない。莉梨さんの力を知って対策できる人か、そうでなければよほど自我が強いかしか思いつきません」
『自我が強いのでもいいのか』
「特殊な意味でですけどね。莉梨さんの世界解釈に影響されないというのは、彼女があの世界観をものにしている以上の、何倍もの強固な世界解釈を持っていて、それが異能にも直結している人間じゃないと起こりえません。ホムラグループで研究されるレベルです」
『とりあえず候補からは外していいんだな。「対策できる」相手の方が現実性は高そうだ』
 隼二はふむ、と考える吐息を響かせる。
 翔成がいるのはステージ裏だった。表のステージでは、まさに彼の相方である丹治深弦が話しているところだ。
 ディスカッションの今日のテーマは「世界解釈の歴史的正統性」。本来ホムラグループ史が語られるはずのステージだったが、少々協会寄りの内容になっている。
『深弦の怪我の方は怪しいところはないのか』
「ええ。話を聞く限り完全に偶然です。というか、誘拐より後でした。阻止されないようにするなら先にしますよね」
 翔成は頷く。
「むしろ、丹治さんは試合に出てたほうが、普通に考えてパネルディスカッションの邪魔にはいいでしょう」
『理由がない、ってことだな。深弦は怪我したことでこちらにとどまったから、急遽代役になっただけ。偶然の要素が多すぎて、深弦自身を狙ったものじゃない』
「ですね。機材が倒れてちょっとした打撲になったって聞きました」
 聞くところの関係によると心底心配でもおかしくないのだろう電話の向こうの声は、あくまで必要なことの聴取に留まっており、冷静だ。だから最上位ペアなのだろう、と翔成は思う。
 もちろん莉梨のことは友人として心配していた。しかし、友人として心配するのであれば、同時に気になることがある。
「宝木さん、そっちはどうですか」
 宝木は電話の向こうで少しだけ黙った。
『実況の通りだ。ちょっと様子がおかしい』
 パネルディスカッションと同時に行われているトーナメント会場では、翔成の先輩たちが戦っている。
 そして多国語同時放送の実況音声は、試合の停止と再開を告げていた。 ××× 
「『ヒイラギ会さん』」
 理不尽な言葉が望夢を縫い止めていた。
 高瀬望夢は実際に八式にない技術を使っている。それは事実だ。だが、それはヒイラギ会の技術ではない。ではないのに││それを大きな声で言うことはできない。
 秘匿の時代はヒイラギ会の出現で完全に終わったとはいえ、まだまだ残存秘匿派はいて、高瀬家の命を狙う者も少なくないからだ。全世界に向けて自身の所属を公言することにより、恨みを買う可能性は十分にある。
 そして今や、それは瑠真も同じだ。彼女の異能はいつしか八式の域を超えている。時間や事実を遡って傷を消去するもの。それをジャンプして身に受けるデメリット。社会性の高い異能を標榜してきた協会にはありえない話だ。
 この大会では瑠真はそれを使っていない。だから彼らはそれを知らないはずだ──いや、どこかで掴んでいるのかもしれない。これを仕掛けてきたのだから。
『なんと』
 急に日本語の実況音声が耳に入ってきた。再生機器で音を拾ったアンドリューが気を利かせているのだ。
『ええと、どういうことでしょう SEEP出場者にヒイラギ会の伏兵が──』
『今、同時ニュースでお伝えします。パネルディスカッション会場でも同様の混乱が起こっています。アメリカ代表より、日本SEEPには以前から協会式以外の動きがあった旨の発表がありました。あっ、これは、東京都のヘリポートの映像です。ホムラグループ令嬢が行方不明のこともあり、混乱は収まりません』
 最悪だ。
 過去の協会が揉み消してきた、ありとあらゆる事件が悪い方に働いている。
 協会自体への同情はない。自業自得だからだ。でもそこに自分や瑠真が巻き込まれるのは困る。自分にとっては秘匿派からの恨みがまた一段強まるだけ。でも今まで表舞台��立っていない瑠真にとって、ここでの風評は一生の障りになる。
 大会には当然のこと、官公庁も関与している。その段階で警戒すべきだった。ヒイラギ会はもとより官公庁から流された支援金を元手に活動しており、当然官民ともに諜報は進んでいるはずだ。
 最悪のシナリオが思い浮かんでいた。
 アメリカ側は、ヒイラギ会と協会の繋がりを知っていた。そのうえで自分たちは違う、世界の味方だとトカゲの尻尾を切り離すため、日本SEEPを生贄に差し出したのだ。
『この大会は中止にならないのでしょうか』
 余計な実況音声が響いている。
『中止にはならない──というのが現在の委員会の判断です。「全ての解釈の競い合いを行う」という趣旨のもと、問題はないといえます』
 何が趣旨のもと、だ。想定シナリオ通りだとしたら、趣旨はまさに最初からこれだった。
「さあ、今さら取り繕ってないで」
 シオンの悪趣味な声がする。
「早く戦おうよ」
 彼らの在り方は、そう。全てのピースが嵌っていく。
 試合で正々堂々と『ヒイラギ会』を潰し、正義のヒーローになる少年少女。
×××
 シロガネはそのやり取りを聞きながら、コントロールルームで機械を弄っていた。
 隣で喋らない少女のヒマワリがシロガネの手元を覗き込んでいる。存在感は邪魔だが触りたがるやんちゃな子供ではないのは知っているので、とりあえずそこにいるのは許しておく。
 彼らヒイラギ会も会場にいた。
 ただし間違っても出場側ではない。興味本位でどやどやと見学に来たというのが正しい。
 全員で来るわけにはいかないので、小間使いのは日本に待機させていた。彼女の役回りはそうなので特に引け目もない。シロガネはカノに惚れ込んでついてきたというあの高校生の少女を全く信用していなかった。高校生はもう大人だよ。
 とはいえ、ヒイラギ会が在り方として大人の力を全く借りないわけでもない。
 現に電脳幽霊のはこの世に生まれてからの年だけで言えばお爺ちゃんもいいところのはずだ。彼は訳知り顔で、眼下の試合で起こっていることをカノに解説していた。
「そうなの 日本……春ちゃんはそれを、正々堂々の大会と勘違いしてたってこと」
『そうだろうね。やー春ちゃんの顔見たいなあ。テレビっ子だからきっと今も張り付いて見てて愕然としてるよ。まあ、最初から協会贔屓の、正々堂々かはハテナつきの大会だったけど』
 誉は楽しそうに言う。
『アメリカの協会も日本の協会も、この大会でヒイラギ会よりも協会が勝っていることを証明したかった。それは嘘じゃない』
 誉は上機嫌だ。彼にしてみれば何もかも面白くて仕方がないのだろう。ヒイラギ会を意識したお題目も、騙された日本の協会も、出場している子孫も。目の前にもある小さなスクリーンで見える大会の趨勢は、シロガネにとってみればさして面白くもない。
『そして彼らは、日本の協会が俺たちと繋がりを持っていることを、いくらか掴んでいたのかな。まあ、知っての通り、日本のSEEPと俺、あるいはカノやシロ、きみ自身のつながりは、どちからといえば因縁に近いものなのだけど』
 カノも興味津々の顔で頷いて聞いている。
『本当は、俺たちが手駒を潜り込ませていれば、アメリカはそれを使いたかっただろうね。だけど俺たちは別にあんな大会自体に興味がないからむしろ関係者を遠ざけた』
「争って勝利しようっていうのはホーリィ・チャイルドの基本方針にもとるしね」
『そうとも、カノ。生贄を見つけられなかった彼らは続いて、日本の協会に目を付けた。元々アメリカSEEPに設立の面では強い縁がありながら、クローズドで独立した系を作っていた目の上のたんこぶだ』
「え じゃあ、わたしたちのことはどうでもよくなって、協会に標的を変えちゃったの」
『いや、これも俺たちを意識した正義感だと思うよ。あるいは冷徹な判断』
 誉はにこりと訂正する。
『彼らからしてみれば、俺たちは本当に、協会が作ってきた安全な世界をひっくり返す邪魔者なのさ。俺たちを叩き返すためなら、自分たち協会の国際関係に傷がついても構わない』
「おとなの考えることってわからないわ」
 カノは桃色の唇をすぼめる。彼女は無垢そのものの象徴だ。協会秩序を安全と呼ぶのも、敵と味方を天秤にかけて敵を選ぶのも、シロガネがそうである以上に理解できないだろう。
『可哀想に。日本の協会は潰れるだろうね』
 誉は平然とそう言った。
『今、全世界放送で、日本の協会とヒイラギ会の繋がりがどんどん噂されてる。そして、そう、人間は勝者に弱い。ここでアメリカがカッコよく「ヒイラギ会関係者の日本」に勝てば、全世界の人たちにアメリカの協会が最も正しいように見える』
「ひどーい」
『そうだね、酷いし、俺たちとしてもちょっと困る。だから邪魔を入れておいたんだけど、試合中止どころか、むしろ日本的には図星の方に出ちゃったね』
 シロガネは顔をあげた。必要な機械のセッティングが一通り終わったのだ。
 カノは言われて思い至った顔をしている。
「あ、そっか。深弦ちゃんを試合に出さなければ試合止まるかと思ったけど、だめだったね。アメリカの協会に勝たせたら、わたしたちヒイラギ会も負けたってことになっちゃう」
『別にいいんだけどね。ここで負けたら逆に俺たちに同情票が集まって、ゆっくり巻き返すって方法もある』
 誉の言葉に、カノは唇をとがらせる。
「よくないよ。負けるの嫌いだもん」
 素直であまりにも単純。それゆえにシロガネたち子供にとっては、全身で魔力を放つ少女。
 誉は電子の体で指を立てた。
『準備、できてるでしょう シロガネ』
「あいあいさー」
 シロガネは返事をする。ヒイラギ会の力で天才になったシロガネに、怖いものは何もない。
×××
 翔成にそのあと継続的に試合の様子を気にする余裕はなかった。宝木との電話をイヤホンにつないだまま、日沖翔成は必死で指示された場所へと走っていた。ニューヨークに滞在しているホムラグループメンバー各員に、『莉梨を捕らえることができる人間がいる場所』の候補が配信され、足で潰すことになっているのだ。
 ニューヨーク中の元秘匿派コミュニティが暴かれ、ピンをつけて地図化されていた。莉梨を誘拐したのはその誰かだというのだ。彼女はやはり開放派の旗頭と見られがちだ。秘匿派異能者は高頻度で彼女の身柄を狙っているし、解釈によっては莉梨の力の打ち消しが可能な者もいる。ホムラグループとしてもアメリカに乗り込む以上、安穏と莉梨の自己防衛能力に任せていたわけはなく情報収集は行っていた。
『今どこだ』
 イヤホン越しの音声が訊いた。宝木の声だ。
「会場からそれなりに近い、廃バーです。ここは音沙汰ないですね。僕、可能性低いとこから回らされてるんで、当然ですけど。このあたり治安いいので」
『でも危ないだろ。誰かと合流できるまで待ってもいいんじゃないか』
 どちらかといえば異能解放の常識の中に生きている、一般人の高校生らしい言葉だ。
「でも、できることをやらないのも落ち着かないんです」
 翔成は彼と違って、とっくに自分の居場所を半分解釈異能界に置いている。春先の父親の事件、夏の帆村莉梨の一件、ヒイラギ会の情報収集。その全てを未熟なりに自分ができることがあると思いながら実地で体験してきた。
 一方の宝木は、翔成の想いを知ってか知らずか、
『じゃあオレと仮説の整理をしよう』
と言った。
 翔成は足を止める。信号に行き先を阻まれたのだ。
「何か思いついてるんですか」
『効率の話をしているんだ。君は実地担当としては経験が浅い。だけどオレより莉梨さんやホムラグループに詳しいだろ。オレが聞けば、オレが持ってる情報と合わせて、何かわかるかもしれない』
「ああ、なるほど、走り回るより情報整理のほうが役に立てるんじゃないかって……」
 翔成は苦い顔をする。それは翔成の能力から考えても自然なことだ。身体能力も知覚も優れていない。異能は薬剤補助を使いながら人に軽くメッセージを送る程度のもの。強いて強みである部分が莉梨との直接的なつながりから得てきた情報である。
「でも、さっきの話以上に今言えることは──」
『別の角度から考えよう。彼女を拘束できるのは本当に秘匿派異能者だけか』
「え」
 翔成は逡巡した。
「ええと、ヒイラギ会そのものはできます。正直、おれはそっちを疑ってます。先輩たちを試合に出させる狙いだったとしてもそれなら筋が通るし」
『だけど少なくともあの目立ちたがり屋たち、声明なんかは出してないよな。今までの堂々としたやり方と少し違う気もする』
 それは確かにそうだ。ヒイラギ会が前に莉梨を狙ったのは確か自分たちの存在の世界公開前の試験のような目的で、今また手を出す理由は思いつかない。脅迫状ももっと露骨に書くような気がする。
『それから 協会式解釈じゃ本当に莉梨さんには勝てないのか または一般人は』
「そんな、協会式……の人がホムラグループに手出す理由ってありますかね よっぽどの使い手ならともかく……」
『事情は人それぞれだろ。別に協会としてホムラグループに手出すってだけが動機じゃない。君に言うのは気が引けるけど、製薬会社として恨みがあるとか』
「こんな時に まあ、確かに無くはないですね……。少なくとも莉梨さんは協会式に対して相性優位です。やったとしたら相当な使い手でしょう」
『一般人は』
「一般人って、ちょっと前までのおれみたいなの言ってます 無理ですよ、莉梨さん、見ただけで相手を洗脳するのに」
 信号が再び青に変わった。翔成は話しながら踏み出そうとする。
 そこで、
『そうか ヒイラギ会の支援者ならたとえばどうだ』
 そんなことを言われて、思わず少しまた足を止めた。
「ヒイラギ会シンパで、大会のこと侮辱みたいに感じて……てことですか」
『動機はまあ置いといて。少なくとも莉梨さんの能力に詳しかったり、対策法持ってたりする可能性はなくはないだろ オレは正直、そっちの秘匿派云々を知らないから、最初にそっち思いついたけど』
 宝木は電話の向こうで、そう意見を述べる。
『単純か』
「いえ……、ええ、元々おれたち『トーナメント戦補欠』の意義も、ヒイラギ会に通じてる人が動くのを待つ、みたいな話らしいです……」
 翔成は唇を舐める。聞く限りトーナメント側は今、それどころではない状況ではある。
「動機の話すると……、一般人がやってる方が、可能性ある」
『どっちが可能性高いかは置いておこう。秘匿派云々の方が正しい可能性もある。でも、少なくともホムラグループの盲点だろ 現状、そっちの調査に力が割かれてない』
 翔成はその言葉に、薄々ホムラグループはそうだろうな、と思ってしまい、自分で少し自分の思考の冷徹さに辟易した。ホムラグループはもともと高瀬式を筆頭に既存秘匿派をライバル視しているふしがある。
『君の目的は彼女を助けることだろ だったら可能性が低い場所を一人で巡るより、グループが見てない場所を考えたほうがいいんじゃないかと思った。誰がやったにせよ、莉梨さんを攫ったらどこに、どんな仕掛けつきで潜伏すると思う 秘匿派の場合は君の会社の人たちが今調べてる。他は』
 翔成はすでに、グループから指示された場所へ向かうことを諦めていた。
 宝木の言うとおりだ。場数を踏んだ先輩の意見に納得している部分もある。それに、少しどきどきしていた。おれはグループ全体とは違う形で役に立てるかもしれない。トーナメント補欠に誘われたときの高瀬望夢の言葉を思い出す。『個人として解釈異能に関わってきた「俺たち」だからこそ、できることをしたい』。
 記憶をたどる。夏のヘリポートを思い出す。
「……前に使われた、思念を打ち消す機械を使われたのならどうしようもないです。どこにでも行ける」
 ヒイラギ会は、莉梨をほぼ無力化する装置を持っていた。確かクォリアフィルタというやつ。無力化されたのなら潜伏場所や確保方法は何でも問題ない。
「でも、あれは確かヒイラギ会の子が一人で作ってる試作品で、そんなに簡単にシンパの手にまで入るとは思えない。それに莉梨さんも自分で気づくでしょう。前に使われた機械だって。だから対策できる、とまでは断言しませんけど、莉梨さんも自分で色々調べてた」
『そうか、莉梨さん、手紙でメッセージ送ってくれたんだよな。そこまで分かってたら多分残してくれるよな。「前の機械だ」とか、「ヒイラギ会だ」とか』
「はい、メッセージは『騙されないで。私はだいじょうぶ』だった。これは、莉梨さんが完封される相手についてぎりぎりで残したメッセージだったら、さすがに書かないはず。『騙されないで』というのも、『秘匿派やヒイラギ会のようなわかりやすい相手じゃない』って意味に聞こえる。……そこまで洗脳して書かされてる、とかだったら予測は外れますけど、莉梨さんの繊細な能力の使い方まで、洗脳で操作できるとは思えない……」
 正確には、思いたくない。ヘリポート戦では、莉梨は暴走こそさせられたものの、言動単位までヒイラギ会の傀儡になっていたわけではなかったはずだ。
「ああいう装置を使わずに莉梨さんを誘拐するなら──」
 翔成は目を閉じる。騙されないで。惑わされないで。彼女を助けることだけを考えろ。たとえば自分自身が無能力だった時期に帆村莉梨を誘拐したいと思ったら、どこを使う
「彼女を、見なくても聞かなくても、捕まえられるところ」
『……とは』
 宝木が電話口で神妙に反応した。
「莉梨さん、少なくとも脅迫状の時点では意識がある。意識のある彼女を『見て』いるなら、彼女は無条件に身を守る力があるんです。誰も抵抗できないと思う。声も同じ。自分の声が届くとわかる範囲なら、莉梨さんに敵はいない。いつ意識が戻るかわからない人質を監視するなら、多分カメラ越しとか、音声加工越しとかにしか、できない。この情報はヒイラギ会シンパなら得られるものです」
『……それは、いい視点だと思う』
 宝木の声が少し勢いづいた。
『彼女に脅迫状を見られながら、誘拐犯自身は目に見えないし、彼女の声も聞こえない場所にいたってことだよな』
「はい。必要なのは画面がはっきり見えないカメラ、それから音声加工系の設備。個人でも手に入りますけど……おれが莉梨さんの能力を知ったうえで試すなら、絶対施設単位のでかい場所使います。怖いですもん。大会に脅迫状差し込んでくるような自信のある犯人が、しょぼくれた設備でやるとは思えない」
『カメラは画質の悪いのでも用意して、奥の部屋につけておけばどんな場所でも使える。だけど音は結構難しいぜ。完全に音をシャットアウトできる場所って、防音室でもないと厳しい』
 二人、早口で考察を重ねる。
「カメラの画質が悪い分、監視側としては、彼女が逃げ出したらすぐに気づける距離にいないと困りますよね」
『それでいて音が届かない場所。もともと音響設備を前提にした施設がいいかもしれない』
 少しだけ翔成の心は高揚していた。まるで事件から離れて謎を解く安楽椅子探偵と助手みたいだから。
『防音設備のある場所、片っ端から調べさせたらどうだ』
「どこだと思います? やっぱ」
 ロックミュージックモチーフを着ている少年は電話越しに、声に笑みを含ませた。
『ライブハウス、コンサートホール』
 ──アメリカには、たくさんあるだろう。 次>>
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nullak · 1 year
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従弟制のもとで意味の分からない負担を強いられているすべての人々、気の毒
『♪悲劇のヒロインになって愛情と金がほしいな私は何も悪くないから』は最も強く共感した歌詞の一つかもしれないね
忍耐を欠く故に経済的心労をより多く得ている人間、移民を積極的に入れたら一番苦労する社会階層にいるだろうに、異文化圏の住人が隣人になることを不安に思わないのだろうかということは、ヘサヨを見ていて思う疑問
バービー、俺よりは一回り上くらいの世代の、Twitterには嫌気の差してる欧米リベラルの人が「いつもの“フェミニズム”のお説教ですねー 及第点以下ってこともないよ」と言っていたのでまあ、別にそうなんでしょうね(完)でそれ自体に対しては見なくてもいいな、で終わってしまう
もしかして実家暮らしで欲しいものがないので金を貯蓄でため続けるよりはオタクグッズを買って経済を回すオタクの方が偉いのでは…?という気もしてきたな(けどそんなに欲しいものないし…)
『ゲイは弱い。だが俺は強い。だから俺はゲイではない。』
Dlsiteで寝取られが大人気なの、《罪悪を犯さないと性交できない・女を手に入れられない》という物語が大人気だから(《モテは加害性》説は今どきインターネットでも叩かれがちなので…)
人類、初音ミクの奴隷奉仕種族になるしかないっぽいな
上下前後左右が全部物理的位置関係だな…と気がついたときに面白くなれるかつまらなくなるかに人生を楽しく生きるコツがありそうだね とは思った
本当に恥ずかしくてしかも火種になるから向こうには書けないこと、こちらで書けばいい
インターネット(ツイッター)から出会ったことのある人間、二人
髭を剃る。ハイデガーを読む。
しれっと生きているみたいな顔しながら性交経験のある人間は本当に許せませんからね、シッチャカメッチャカの人間のほうがマシですよ
ネコチャンは解き放たれました。では我々は?まだです。
創造的な仕事をどうたら言うやつってインフラ就業者のことを主体性に欠ける負け犬だと思ってるのかみたいな疑問や偏見(けどワークライフハーモニーって役所の企画書らしいから普通に嘘こいてるだけか…)
うおおお忙しいウオオオ死ぬ
pixiv巡回しているうちにあれでフィニッシュしたいなっていうのが見えてくる→ブックマークへ…のルーティーンがある
メロリとミーミンのジトジトのレズセ
味方キャラより敵のデカいスキンヘッドの露出のほうが気になるの辛くなってきた
七実がビデオの中の牛になることで冬芽の持ち回りは以上にスッキリするがともかく義父に犯される回(なんで?)
どういう受容からどういう出力が起きろ、あなたに良心があるのであれば、という言い方は最も嫌いな偽善者仕草の1つだった
「自殺教」とかで検索して、けどよく見るともろにセックスの話だったの世界のよくわからない事は前世からの宿業に任せて気にしている流れ、仮説ということなんですよ、いぶそうもエバーもそう言っていた(かなり読みに関係なさそうな奇習のせいなのがバレたりなんだりかわいそう #tweetgen
優生主義者なのにカスみたいな地元のどうでもいい老人の寿命を延ばし金を貰うことに加担しているのに傷ついていたけどだんだん慣れてちゃんとやりがいを感じられるようになってきた(大層な思想がないので)
タツキ・漫画、沙羅クセェ…って思う気持ちと普通に好きな気持ちが同居しているので全員頑張ればいいじゃないですかみたいな感じ
施術済みの睾丸を持ち、定期的に医者から睾丸のチェックを受けるヒト
犯罪性よりはまあ実際に即している気がするしいいんでねえかと個人的には思うけども、だ(加害性)
工場終わりポイント、冷房がないし歩き続けるし機械音はヤバいし靴も重いし水飲んだりトイレ行く暇もないし普通にトロくて怒られるし
法が遡って適用されないのは単に事実の指摘ではという気がするぜ
家族愛・主の愛からの類推が効くのこっちの方だし友情とか生存の必須条件じゃないけど異性愛の獲得は誕生の理由・存在意義・血の継承に関わってくるから
というか友情・友愛のほうが恋情・愛情と比べて不可解で意味不明だしどういうものなのかわからないだろ、の気持ちになってきた
インターネットでしか支持を得られていないものに対して控えめで諦め気味なみなさんが結婚制度の話題になると途端にイキり散らかしてしまう様子、かなり不可解に思っている
アイのうたくらいには君は彼方面白いし見られるべきだと思ってるんだよな
セブンスドラゴンの思い出、ロックマンっていう名前のゴーレムの雑魚エネミー(岩男)
夢見た()寝たりニュースを記録したり)
読んだり映像を見たりしながら意味不明だと思っていたのが実は血肉になってそうなの、ロマンや怖さがあるようなないような感じですね
ジャンプで日常系がおいてあると心の中のバクマンコンビがけちょんけちょんに騒ぎ始めるのが悲しいわね
ルリドラゴン、今のところ本編見たあとで表紙見直して誰!?ってなるのが一番面白い(まだそんなにノリノリじゃないじゃん)(普通に面白いけど)
本にコメントするの読み終わったあとに限定することでなんとかTwitterをやめて本を読むモチベーションに変換する術(制約と誓約とかいうやつ)
ピュアの世界には要らないみたいなやつ
そういう感じの突入が起こっても嫌ではあるけど
自殺ドラゴン
汁無し坦々麺って広島なんだ
思うところ全部言えば赤と黒以外の色のランドセルの色にすら思うところがあるっちゃある(保守なので)(自主性を育んだほうがいい時代だから…)
蟷螂愛欲遊戯
男の娘系にそういうことする界隈もあるけどそういう人に痛い目合わせるのって可哀想だし…
回転する球状障壁に巻き込まれ、肉片となって周囲にばらまかれていく
厳しさの中に柔らかさを感じる、貴方にとって適度に都合の良い年上の異性
ひろしが言ったおかげで世に普遍知識として広まるの許せねぇ…なんかリチャドキの文句言ってる本にも書いてあった
ソルダきゅんはオリ主やモブおじなんかに絶対負けたりしないもんっ合同
淡路島がOFFにされている日本地図、気が狂う
こんな風に出会えてよかったねってフォロワー!/こんな風にしか出会えなくて悲しいねってフォロワー
失恋からの立ち直りかたが「俺が本当に愛していたのは弟だけ」なのキモすぎる気がする
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2013年 07月 26日
トランシーな出来事(Synchronicity) #アーティ21スペシャル(26 July 2013)
駐車スペースから車を出そうとしたら何やら嫌な音がした。茶畑庵の外壁に少し車体の左側が擦ってしまった。その御陰でフロントバンパーが少し外れた。キャイ〜ン!あら、困った。このアーティ21スペシャルのフロントバンパーは、くせ者で低い位置までエアロ?が付いているため良く傾��がある地面に擦ったり、障害物が安易に当たったりしていた。割れて変形したバンパーを見る度にいっそのこと外してしまおうかなと思案していた矢先にこのハプニングに見舞われた。自分が誘発したのか?しかしもしも外すと"見てくれ"が悪くなるかも知れないし交換も考慮に入れヤフオクで検索。色違いの中古のフロントバンパーが約2万円ほどで見付けたが要らない出費だなぁと気持ちが塞ぐ。
新しいバンパーに交換するにしてもお金が掛かる。写真の様にバンパーの左側は、車体から外れてしまっている。これを直すには、「クリップ」と言われるパーツが必要だと判断して取りあえずオートバックスに行く。店員に"ダメ"になったクリップを見せ同様タイプのクリップを見付けてもらい200円で購入。早速オートバックスの駐車場に停めてるアーティ21スペシャルにクリップをはめてみたらはまった!あーもうこれで当分いいやと茶畑庵に戻る。戻ってから今度は、バンパーの下の部分だけでも外せないかな、とドライバーとレンチとクレ556で取り外しを始めた。悪戦苦闘の末、完了。結局外してから分かったことだが"見てくれ"はそんなに悪くない。これさえ外せば地面に擦ることも少なくなると思う。いいじゃん、いいじゃん。
郵便局に停まっていたアーティ21スペシャルのバンパー外してもらっちゃおうかな、なんて軽い妄想をした。だって何かの啓示かと思ったよ。(笑)損傷のない状態の車は写真の様に並べてみてるとやっぱり気持ちがいいものだ。何故今日あの時間にあの場所に同じ車があったのか?偶然と必然。
トランシーな出来事(Synchronicity)は、 人生の”道しるべ”であり“その先に”光”があると信じる。
※アーティ21スペシャル 静岡に引っ越した時に相模の中古車屋さんで購入した人生最初の車がワゴンRの初期型だった。名前を「Arty/アーティ」と命名。昨年9月、ヤフオクで購入した2台目のワゴンRは、「アーティ21スペシャル」と命名。マニュアルミッション(MT)で自身の「めんどくさいこと推進運動」の一環としても購入経路あり。このアーティ21スペシャル、MTということと、車中泊の時にフラットシートになること、冷房が効くことが気に入っている。
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c232akira · 1 year
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Sadao Watanabe Quartet 2023 @ 弘前市「SPACE DENEGA」  何でこのタイミングで!という空調設備の故障、要するに冷房が効かないんです。ステージには大きな氷柱が3つ。扉を開けて工場用の扇風機で風を取り入れて等、さまざまな対策を施して何とか開催いたしました。演奏中雨が降ってくるとピアノのコンディションが変わるのが弾いていてわかります。楽ではありませんが、最後まで何とか完走する事が出来ました。私たちを支えてくれた氷も終演後は痩せて小さくなっていました。でも私たちよりご覧になっていたお客様の方が大変だったのではないでしょうか。こんな事は滅多にない事なので、思い出に残るコンサートという事でご容赦いただければ幸いです。 ライブ前は弘前城へTEMBEA。お城の土台の石垣を補修工事しているので、お城を移動したと以前ニュースで見たのを思い出して行ってきたのですが、地べたにお城があると普通の一軒家みたいで変な感じです。これも今しか見る事の出来ないレアな風景ですよね。 天気の良かった昼間はそれなりに暑いのですが木陰は涼しく、東京近郊と比べると天国みたいなもんです。恥ずかしがり屋の岩木山の全貌は見れませんでしたが良い空気感です。この空気感を味わうと東京には戻りたくないですね。明日からは北海道、もっと戻りたくなくなると思います。
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iseilio-blog · 2 years
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眠 狂 四 郎
眠 狂 四 郎 Nemuri Kyoshiro
悠游於虛無之淵 孤高的劍士
柴田鍊三郎
新潮社 1991年 九月 二十五日
消失的兇器
一瞬而逝的姿影,誓仇來到 枕橋。
金八 小跑的渡過了 言問橋。
投問的 戀之夜路
一間茶屋
是緣吧 彈開了暖簾
暖簾:五木ひろし(歌詞中譯) - YouTube
「喂,抱歉,我家先生在這裡嗎?」
穿著工作衣的年輕女孩有點猶豫的指了指二樓。
金八 趁著擦身經過,快速的滑了一下臀部。
「是嗎、這裡嗎、二樓嗎。. . . . . 雪醬,妳、二樓被我們先生佔了,
沒法和男人幽會了吧」
「什麼男人 . . . . .」
「嘿嘿-,不要騙。這麼漂亮,什麼松吉、竹太的 情人啊。真可憐
啊,我家先生。」
一面登上二樓,一面說著
「談到松和竹,和 雪醬 一起那一晚真辛苦。媽的,今年一直下雪。」
今天早上 江戶 成了銀色世界,金八 在來的路上滑倒兩次。
打開 障子門,眠狂四郎 腳放在 矮桌炕 裡 仰臥著。
こたつ天国の幕開けです Dog and Cat with Kotatsu - YouTube
「哦哼,家國昏亂忠臣出,街道異變金八現。先生,發生了金八這顆
腦袋無法判斷的事件了。」
「說說看」
狂四郎 閉著眼說道。
面貌蒼白,不變的虛無陰鬱。對生存無執著的活著,然而在那虛無
陰鬱之中,有著知天命的寧靜。
「三千石的 旗本大身(地方政治角頭)在澡堂哼著謠曲入浴時被
殺了。」
「. . . . . 」
「澡堂裡圍著浴巾的 女中 已經在裡面。因為是童女,不能讓她看到
赤身裸體的大人,躲到一旁,唱著謠曲的大人,不知怎的,呻吟了
一聲。嚇了一跳,抬起臉,大人忽然沉了下去,當頭再浮起來時,
已經成了斷末魔的可怕形相。浴槽成了一片血海。女中大吃一驚,
僕衆衝了進來已經太遲。」
「. . . . . 」
「做了一番偵訊不得要領。只記得一陣混亂與血海。」
狂四郎 一直閉著眼睛,是不是有在聽並不清楚,一動也不動。
「大人的背部被刺一個洞。被什麼東西刺的,那裡也找不到。」
「是說、浴池裡沒有兇器掉落?」
「是���。大人的背部的確有個洞。」
狂四郎 ��了起來,將矮桌炕上的酒倒進碗裡,一口喝了下去。
「什麼時候的事?」
「就昨夜的事。下著雪,時刻剛好是丑時 -。大人與小妾合戰,
完事後有洗身的習慣。又胖,又渾身汗水,一定、哦,是有聽說對手
從去年就一直說要幹掉他。敵手有 天狗術,因此來拜託先生。」
消息不好外泄,所以不找 奉行所(警察局),用人去到 水野越前守
的 宅第,衛士頭目的 武部仙十郎 喚來 金八,下令去把 狂四郎 帶
過來。
大番頭、三千石的布衣 內藏助信親 是去年退番歸府,最近進入了
小普請 的人物。於大阪府的時候,大概犯了什麼錯被降級成 役寄台。
性格豪爽,不太向 閤老 低頭,濟助窮困,善飲,也好點女色。是
八萬旗 中的頭人。內藏助 府邸從去年底開始有了奇怪的事情。像是
賄賂品一般的大包裹,打開來看卻是貓的死骸。一上轎子就出現
白蛇。這些都還忍受,下了一個晝夜的雪,快晴美好的早晨,書院
前庭忽然出現一尊不知誰做的雪人,上面��著「死靈」文字。隔日
太陽出現,雪人融化,竟然出現一個三天前失蹤的年輕女屍體。
下手的入依判斷當然是府邸裡面的人,而 內藏助 似乎無動於衷。
「大約最後就是要取我的性命。那就來吧。」
內心顯然有答案,府邸中的人們也沒有入去推敲。
終於,如同預料,內藏助 被殺了。 怪的是 內藏助 雖然背部有刺傷,卻尋不著兇器。
安置遺體的佛間,香煙裊繞,家人保持著沉默。這時忽然穿著黒服
的 眠狂四郎 出現,也不合掌致意。
「抱歉!」
一聲之後,把遺骸翻轉了過來。去除了二重的白衣與裝束,看了一下
背部的傷口,眉宇間有了困惑的樣子。
那傷口既不是長槍,也不是手裡劍,而是更為不同的兇器。
狂四郎 在老女的案內之下出了佛堂,去到澡堂。
只要是 旗本 的府邸,都造了不少澡堂,白天也顯得昏暗。如果從明窗
擊出兇器鰾不是不可能。
狂四郎 回到書院與佣人對坐。
「可以見一下夫人嗎?」
「夫人中風,從三年前就一直就躺在床上。」
「是這樣嗎?」
狂四郎 微微笑著問到,佣入顯得有點狼狽。
「還有什麼沒說的也說說看。」
「沒有特別啊。說夫人無法起床是有人看到。你的口吻倒有點像是
懷疑 . . . . .,」
「這蠻妙的。我不是對夫人有什麼懷疑。而是剛問你的時候你那狼狽
的樣子,似乎是你自己覺得夫人有點怪,不是這樣嗎?」
冷冷的看著佣人避開的眼神 狂四郎 說道。
「再來想問的是被弄成雪人的女中的事。」
佣人似乎鬆了一口氣,回看著 狂四郎。
「你的主人碰了那個女中,應該沒錯吧。」
「. . . . . 」
「請那澡堂的女中來一下吧。」
是個個子小而純真的女孩。受到衝擊而還未回復的樣子,頭伏得低低
的,
「妳是成了雪人的 つや 的妹妹嗎?」
「是 -」
「妳姊姊會這樣的逝去是因為主人的原故,想復仇嗎?」
「我什麼都不知道 . . . . . 」
「妳在澡堂裡有沒有聽到兇器飛來的聲音?」
女孩表情顯得很困惑。
「妳的主人在浴槽中呻吟時妳是看到的?」
「是 -」
女孩看到的是 內藏助 在水槽中浮起來又沉下去。女孩去了之後,
佣人又進來,說道:
「夫人可能在生病之後,與生俱來的忌妒心好像更加厲害了。」
「妳的主人碰了女中之後,忌妒心更加狂亂,起了殺意,妳想到這件
事而感到狼狽吧。請帶我去夫人的寢室。」 一面看著白色美麗的庭院景色,
4K 2023 Kyoto Winter 京都の雪景色名所8選 Snow scene 冬の京都観光 旅行 Japan 金閣寺 清水寺 嵐山 竹林の小径 雪見 雪の光景 雪の名所 雪化粧 (youtube.com)
一面拾步長廊,忽然停住了腳步,
好像看到什麼,微微笑了一下。
- 原來如此!
坐在 內藏助夫人 的枕頭邊,狂四郎 忽然說了一句奇怪的話。
「妳丈夫在大阪的時候,從市民手中收了不少銀子吧。」
夫人忽然臉色蒼白,說道:
「你要多少?」
「算便宜些,二百兩 -」
夫人拼命的抑制著情緒,伸出枯木一般的手,要拿呼喚女中的銀鈴。
「不用了。是要拿不正的銀子。. . . . . 放在那裡呢?」
夫人望向了櫥子,狂四郎站了起來,去到櫥子拿來了一個有著蒔繪的
盒子。
Maki-e: A Sumptuous World of Gold and Black - Core Kyoto mini (youtube.com)
「厚,夫人可真是有錢。」
夫人顯得不安
「拿了快點離開吧。」
「拜領了。. . . . . 私房錢可真不少。看起來這麼有錢,欲望又高了
起來,」
「想要多少才可以?」
狂四郎 看著那嫌惡又憎恨的眼眸,笑了一下,
「這整個盒子我就拿走了。」
這時後面佣人追了過來,
「先生,你知道昨夜有人來襲嗎?」
說著,拿出一封書狀。寫著:
「這數日中,在意外的地方要取你的生命。到時請多注意!」
狂四郎 笑了一下,
這一來下手人是誰就清楚了;能夠使 投劍術 的就只有 松田五平。
一個黑影在要進入屋子的瞬間,
「無袖難揮灑;是這麼說的吧,松田五平! 」
間不容髮,從黑影拋出了一支 手裡劍。 狂四郎 拔出了 無想正宗 揮了下來,
「去庭院吧,松田五平!不要學一些兩國藝人的手法。在山中修業
的 貫心流劍法,你還粗疏得很。」
Kanshin-ryu Iai-jutsu - 43rd Japanese Kobudo Demonstration (2020) - YouTube
Tenshinryu Hyouho Battojutsu① - YouTube 地面映照著凜冽的月光,對峙的兩個黑影似乎為冰雪凍結,
眠狂四郎 貼著地,松田五平 在中段稍高
時刻推移,晨雞報曉時分,如同合意一般,
松田五平 踏雪,進兩步
這個同時,圓月殺法 的 無想正宗 開始慢慢移行
當刀尖劃出半圓時,松田五平 蹭雪,五體跳躍
如同流星劃過一道白光,掉落 狂四郎 顏面
松田五平 剛下了身的肢態,靜止閉目,望著 狂四郎,一動不動 無想正宗 從肩割到胸止住
眠狂四郎 一下子拔起,松田五平 失去性命的個體 緩緩傾斜
雪地,在俯伏的瞬間,黑色血汐向四方擴散
內藏助 的 頭七,高輪普提寺的方丈討論著應該如何處置 內藏助夫人。
種種的意見,都無法取得一致的意見。
眠狂四郎  倚柱,始終保持沉默。
終於 狂四郎 不造作的開了口,
「做為武士的妻子,應該隨丈夫之後而去。」
「什麼意思?」
有一人問到
「良人的最終,就是妻子的最終。這是夫妻之道。」狂四郎 說完,
站了起來,一個人離開了方丈們。
眾人回到了宅邸,一看,有了異變。
全身不自由的夫人不知何時在浴池被殺了。
背部與良人 內藏助 一樣被刺殺,水槽染滿了鮮紅的血。
那裡都找不著兇器。
隔日 金八 踩著融雪的街道來到 言問的茶屋。
「一人來,雙人行;足跡寫著二個字、二的字;怎樣,雪將,一會兒
帶妳去兩國。」
Japan sumo wrestler hotpot, fried meat cake, dounts seafood rice, Tokyo walk tour - YouTube
拍了一下肩膀,跑上了樓梯。
「. . . . . 先生,請告訴我,沒有刀傷,卻在浴槽中被殺。這是什麼
道理?」
膝蓋移行到 狂四郎 的旁邊。
狂四郎 閉著眼
「打開窗戶看、金八」
窗戶打開了,
「然後呢?先生。」
「兇器就在那裡。」
「什麼?那裡?」
屋簷垂下來亮閃閃的冰柱
「厲害!他用冰柱替代了 手裡劍。刺殺之後,冰柱在熱水裡就溶化
掉了。」 狂四郎 起了身,
「金八!走吧。」
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badweeder13 · 6 years
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暑い日は熱い風呂屋 #故障中の冷房#今はもう動かない古時計 #ふるちん屋外喫煙スペース#池の錦鯉#HICHOPPER13 #FXR #fxrfriday#fxrfreak#fxrnation#fxrcartel#fxrdivision#clubstyle#clubstylefxr#showoffmyharley#harleyDavidson#bikie#LoudPipesSavelifes#tokyo#yokohama#japan (三光湯)
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mori-mori-chan · 3 years
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続・『少年ハリウッド』を観ました
cf. 『少年ハリウッド』を観ました
いやぁ……とうとう完走しました『少年ハリウッド』(以下少ハリ)。今回も記憶を基に感想を綴っていきます(ので台詞や時系列など多少間違いもあるかと思いますが許してニャン)!
※以下、ネタバレを含みます
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今回もwikiのスクショ失礼します。ストーリーに関しては公式サイトでざっくり紹介されていますので私の駄文よりそちらをご覧ください
第21話『神は自分の言葉で語るのか』……経典回です。このタイトルでいう神はシャチョウ、そして1期で出てきたやまびこフレンド(トミーの生活している施設の名称、フレンズだったかも)の子供が言っていた、世間一般で言うところの超越した存在にして万能の神(「悲しい感情と嬉しい感情が~」とか何か言ってましたよね)の両方を指しているように感じました。
センターに抜擢されたことで取材を受けるカケル。インタビュアーに勝手に言葉を捻じ曲げられ、発言してもいない言葉を書かれて戸惑うカケルの姿が見ていて痛々しかったです。カケルはセンターになったことを別に喜んではいないんですよね。センターになる=アイドルにとって嬉しいこと・ファンにとってはめでたいことと思い込みがちの我々ですが、マッキーのファンからしたらそれまでのポジションを、トミー、キラ、シュンシュンのファンからしたら彼らがセンターになるチャンスを奪った者としてカケルは恨むべき対象に一転しますし、実際に客席から睨まれもします。これがアイドルグループの難しいところというか、複数名で活動する以上誰かに光が当たれば誰かが影になる為必ずしも目立つことが良しとされないというか……光と影はいつだって表裏一体なのですから。 
休憩室(楽屋?)にマネージャー・勅使河原がファンレターを持ってくるのですがセンターになった影響かカケルのファンレターが増えています。それを見てカケルはメンバーに睨まれたことを打ち明けるのですが、その時にシュンシュンは言います。
「俺は超人気があるわけでもないし、アンチがいるわけでもない。アンチでもいいから注目してほしいって思うよ」
アッ……ここで大森靖子の『ミッドナイト清純異性交遊』を思い出し悶絶する私!嘘でもいい、嫌いでもいい、私を見つけて……。自分語りで申し訳ないのですが、私はハロオタでもあるのでかつてバラエティで体を張って頑張っていた嗣永桃子さんや道重さゆみさんを思い出し情緒が狂わざるを得なくなりました。それはさておき作られた、偽りの人格=アイドルとしての自分と現実の自分の乖離に悩むカケルに、シャチョウはアイドルとは神であり生贄でもある、と語り掛けます。この回のシャチョウの発言は全てが経典です(LINEスタンプも販売中!)。
「アイドルってね、ファンの見ようによっては神にも生贄にもなれるんですよ」
「ファンはアイドルにあるものもないものも求めます。恋人になってほしい、家族になってほしい……素を見たい、素を見たくない。近くにいてほしい、遠い存在であってほしい。自分だけのアイドルでいてほしい、皆のアイドルでいてほしい……」
アイドルは偶像ですが、その中身は生身の人間です。私達が日常で目にしているアイドルだって自宅だったり家族や友人、或いは恋人といる時は全く別の人かもしれませんからね……この回はアイドルの数だけその中身がいるという単純にして絶対的な事実を再認識させてくれます。アイドルが好きな人は勿論、アイドルを志している人にも見てほしいですね。
第22話『ファンシーメルシーブラックコーヒー』
まさかの恋愛回~~!!!!
前回視聴時(2021/9/11)は少ハリで恋愛について触れる回はあるのか少し気になってはいたのですが、恋愛回担当はまさかのキラですよ!メンバー中最もプロ意識が高く遅刻もしたことがないキラです!!マッキーが言っていましたが、恋愛は人を狂わせます。熱愛発覚により解雇されたアイドル、過去に何人いたことでしょうか。
キラの家の冷蔵庫が故障→キラ母「今日はお弁当が用意出来ないから何か買って食べてね」→キラ、恐らく人生初であろう学校での昼食の購入を行うため通学路にあるサンドイッチ屋さん『ファンシーメルシー』へ……恋はしようと思ってするものではなく、突然落ちるものですから仕方ないですよね。キラは初恋をします。はっきりと明言されてはいないのですが、まぁ初恋でしょう。店員の女性に一目惚れしたキラは、苦手な大葉(シソ)が入っているにもかかわらず彼女のおすすめのサンドイッチを購入します。冒頭で社長が苦手だった食べ物を克服する描写があったので友人が
「これ絶対キラシソ気に入る流れでしょ!」
と言っていたのですがまさにその通りに。キラは大葉を克服し、ファンシーメルシーに通い詰めになった結果、連日大量のサンドイッチを公演の差し入れとして持ち込むように。キラが持ち込むのは癖のあるメニューばかりで、とある理由から敢えてそういう「売れ残りそうなもの」を選んでいます。キラいわく人気のあるメニュー、ベタなメニューは自分が選ばなくとも売れるだろうからなんですが、きっと売れ残りそうな商品を大量に買うことで店員さんにインパクト&いい印象を与え自分を覚えてもらいたいんでしょうね。あと、これは勝手な見解ですが売れるものって売れているから売れるみたいな部分があるので、まだ大スターではない少年ハリウッドと売れていないサンドイッチを重ねたのかな、などと思いました。
店員の女性はキラと話している時よく笑い、楽しそうに口元を右手で隠します。キラがいつものようにお店に行くと、丁度店員さんが早く上がるところに鉢合わせます。用事があって早く帰るんです、という彼女にキラは積極的に話しかけます。彼女にコーラ、自分にブラックコーヒーの缶を買い二人で公園へ行くのですが、連日のサンドイッチ責めに何かを感づいたマッキーと彼に誘われたカケルが彼らを尾行しています。恋愛経験のないキラには段取りが理解できず、初っ端からびっくりするぐらいグイグイいくので友人とキラ怖い!やばい!と震えっぱなしでした。
結論から言うと彼女には婚約者がいて、左手の薬指には婚約指輪が輝いており早上がりは婚約者に誕生日を祝ってもらう為だったのです。……いつも口元を隠すのが右手なので、左手は見えないんですよね。図らずも失恋してしまったキラですが彼は彼女に元気いっぱい言います。
「僕は、キ���……佐伯希星です。少年ハリウッドってアイドルしてます。いつか、もっともっと売れるんで、今日という日のことを絶対に忘れないでください!!」(うろ覚え)
これは……伝説の1期16話『本物の握手』のアンサーや!!!
正直恋愛沙汰でやらかすならシュンシュンだと思っていたので(ごめん)、よりによってもっとも"そういうこと"をしそうにないキラに恋愛回が来たのが少ハリだな、と……先のことなんてわからないのはファンもアイドルも同じです。
キラが名を名乗ったことで女性も自らの名を名乗ろうとするのですがキラはそれを遮り、一緒に遊んでいたシーソーから女性を王子様のようにエスコートし立ち上がらせます。失恋したキラを慰めるマッキーとカケルがお兄ちゃん感あって……すごくよかったです……。結局かっこつける為だけに買ったブラックコーヒーは作中では飲まれなかったのですが、キラはこう、16話の握手会でマッキーと街中を歩いていた時のポップコーンみたいに"相手に良く思われたい、こう見られたいというイメージ通りに見せたい"が為に好きでもないものでも躊躇なく手を出しますよね。少ハリくんキャラの掘り下げ方うますぎんか???
恋愛回とは書きましたがよくある「恋に悩むアイドル」的な恋愛描写ではなく「アイドルがそのアイドル人生の中で一瞬でも心通わせた相手に対する憧憬」みたいな、もっとこう……深い話なんですよね……自分の文才の無さが悔しい!!これがまた主役がキラなのがいいんですよ。芸能界には慣れていてパフォーマンスもトークもばっちりなかわりに日常生活を芸能界に捧げ続けてきたせいで平凡な恋の仕方を知らない彼に、純粋培養された子役出身アイドルの哀しみを感じました。キラのいた星の国は、多くのものを犠牲にして出来た国でもあったのです……。
EDのキラソロ曲(『青いきゅんきゅんマフラー』)も良かったです!!!
第23話『正しさと正しさの狭間で』
この辺から毎OPで泣くようになります(Ding!Dong!Dang!の辺りから)
私へ シーマさん出ました
残り5話もないこの状況で敵役/悪役を出してくる少ハリ、流石だネ!!なんと今回は初代少年ハリウッドの7人中未出演2人のうちの1人、海馬と書いてシーマのシーマさんが敵というか壁となり立ちはだかります。シーマさんと言えば初代が人気絶頂の最中初代シャチョウが事故死し、今後の少ハリをどうするかの話になった際に(最終的には納得したものの)解散を強く拒んでいましたよね。つまり彼もまた初代少年ハリウッドを愛していた人物なのですが……?
ところで皆さん、ハロプロはお好きですか?私は好きです。今の推しは川名凜ちゃん(凛ではないのでご注意ください)です。ハロプロには多くのユニットが存在し、モーニング娘。やアンジュルムのようにメンバーの卒業・加入を繰り返しその形を変えながら活動を続けているユニットもあればBerryz工房や℃uteのようにオリメンのみで活動、卒業はあれど加入はなく、メンバーこそがユニット、みたいなユニットもあります。卒業や加入によってユニットを構成するメンバーが大幅に入れ替わったとしても、それは元のユニットと同じと言えるのか?と思ったことないですか?私はないです(ないんかい)。例えば前出のアンジュルムはもうオリメンはいないのですが、かつてのメンバーと同じように厳正をオーディションを突破、或いは研修を経て加入したのであれば追加のメンバーの見た目もダンスも歌も既存メンバーと全然違えどアンジュルムなわけですよ(なお川名凜ちゃんもアンジュルムですよろしく)。つまり、構成するものが変わっても実質的な機能が変わらないのであれば、それは同じと捉えてよいのか?と(まんまギリシャ神話のテセウスの船なんですが……)。
今回突如現れたシーマは、少年ハリウッドや彼らの活動の場を壊そうとする、今作における明確な"倒すべき存在"です。初代少ハリメンバー現少ハリに好意的で助力を惜しまない人ばかりだったためここに来て初代少ハリから敵が出てきたことに驚きました。経営難・人気頭打ちの少年ハリウッド&ハリウッド東京の経営は立て直して上手くやってあげるから、代わりに自分がシャチョウになるし好きなようにやらせてね☆(意訳)とのたまうシーマに現少ハリ一同は衝撃を受け、絶望的な空気になります。少年ハリウッドであること、永遠にアイドルであろうとすることに強いこだわりのあるトミーは特に。これまでに関わった初代メン達が優しい人ばかりだったので、憧れの存在だった初代少ハリの1人に自分の夢をぶち壊されることとなったのはなおさらきついでしょう。
……とこれだけ書くとシーマが超嫌な奴っぽいのですがシーマはシーマで初代少年ハリウッドが大好きで守りたいだけなんです。
友人「こじらせてんな」
私「こじらせてんな」
またハロプロの話になるんですが(すいません)かつてカントリー・ガールズというユニットが存在しました。元々は1999~2007年に活動していたカントリー娘。だったのですが名を改めメンバーも総入れ替えし2014年から再始動していました。名前が多少変わってはいますが一応ユニットとしては同じものではああるのです。……アッ自分から振っといて申し訳ないのですがカンガの話は辛いからやめます!!私が泣いてしまうので!情緒が狂ってしまうので!!『書いては消しての “I Love You”』は名曲です!!!
シャチョウは概念としての少年ハリウッドを、シーマは実態としての少年ハリウッド(オリジナル)を愛し、続けようとしているのでしょう。うまく表現できませんがシャチョウがしようとしていることは花瓶みたいな感じでしょうか。シャチョウの残し続けたい少年ハリウッドが人を楽しませる美しい花(枯れたら入れ替える)とそれを飾る為の花瓶のセットで、シーマの残し続けたい少年ハリウッドは彼にとってどうでもよい今の少ハリを無視した、初代少ハリが輝いていられる花屋さんみたいなものかなと私は思いました。満開になった花をガスなどで長持ちさせたりドライフラワーにしたり……”初代メンを活かす装置としての少年ハリウッド”を作りたいのかな、と。シンプルに日本語が下手だな私
シャチョウはどこかへ去るわクリスマスライブ後に劇場が壊されることが決まってしまったわ実質解散が迫っているわで、皆もかつての1期のクリスマスライブ前のような統率の取れていない状態になってしまいます。何も知らないファン達に新規の仕事を祝う声援を受け、トミーは劇場袖で号泣します。少年ハリウッドでいたいトミーがいずれ少年ハリウッドでいられなくなる事実、声援に笑顔で答えた=ファンに嘘を吐いた、その苦しさを受け止めきれないのでしょう。また、トミーは自分が怖い!と感情を爆発させます。自分は結局変わることを拒み今のままでありたいと願っている、つまりシーマと同じではないか、変��を受け入れられないこんな自分が怖い、と。苦い回でした。
第24話『ま��りっぱなしの、この世界で』
本当に申し訳ないのですが23話辺りから「あ~少ハリ終わっちゃうんだ……やだ終わらんといて……」と脳がまともに機能していなかった為23・24話の内容がかなりごっちゃになっています。申し訳ございません!
23話で決まったTDL的な施設のイメージキャラクターを務める仕事をしているのですがまぁギスギスです。それまで仲裁や鼓舞など皆のメンタルサポート的な役割を果たすことが多かったトミーが、内に秘めた自我を爆発させしキラとバチバチになったのが意外でした。トミーも本気でキラと衝突しているわけではないのですがやはり彼には少ハリとハリウッド東京がなくなる(厳密に言うと形が変わる、ですかね)、が認められないんですよね……一方でキラはこの絶望的な状況でもスタッフへの配慮を忘れておらず、流石の一言に尽きます。コーヒーカップでの撮影でスタッフから音声は拾われないから楽しそうに振る舞ってくださいね、と言われたのをいいことに、マッキーと同乗している施設のマスコットキャラ・シロートくんの暴言がきっかけとなり皆が皆を和気藹々と罵倒し始めます(和気藹々の罵倒とは)。
私へ リュウ出ました
シロートくんの中の人は初代少ハリの解散と共にどこかへ旅に行ってしまった初代メンバーのリュウです。とにかく口が悪い!正直リュウはもっと掘り下げてほしいのですが、彼は原作の小説等ではもっと出ているのかもしれませんね。リュウは罵倒はしてくるもののものの特に現少ハリは勿論初代についても言及することはありませんでした。リュウは現少ハリのことどう思ってんだ~???でも彼は嫌いだったら構ったりしなさそうなのでなんだかんだで気に入っている、或いは気にかけてはいるのかな……?
ラストの次回予告はリュウがやりたい放題やっていて「声優ってすごい!」と思わざるを得ませんでした。岸尾だいすけすごい。
題25話『瞳を閉じる日が来ても』
キラの演技力でシーマと勅使河原を劇場外へ連れ出す→キラ猛ダッシュでUターンからの少ハリによる劇場立てこもりが発生します。個人的に雨の夜に手ぶらでほっぽり出されたシーマ&勅使河原は一体何をどうして過ごしていたのかが気になります。別にそこまで仲が良さそうでもないですし……。誰もいなくなったバリケードだらけの劇場、その舞台の上で彼らはクリスマスライブに向けての目標を紙に書きだしては貼っていきます。最後は全力で頑張ろう、という声に頑張っているのはいつもだから、いつも通りやろう、最高のいつも通りを目指そうとマッキーやカケルは言います。
メンバーによるメンバーやシャチョウ等の物真似大会等を経て皆の気持ちがまとまりかけた時、劇場が雷雨により停電し真っ暗になります。メンバーが暗闇に右往左往する中トミーが鮮やかな光を灯します。その光は、もしかしたらもう使われることがなくなるかもしれない少年ハリウッドのペンライト。観客と劇場への感謝の気持ちを込めて客席の一つ一つに彼らはペンラを置いていき、その光の中でアカペラで「永遠never ever」を歌います。ここのアカペラがもう圧巻でしてねェ~!!!!!!!!!!1期7話で音痴を指摘され悩んでいたカケルの歌がすごくよくなっているんですね……もう何か自分のことのように嬉しかったです。何でしょうこの感情は。因みに物真似大会の最中トミー(確か)から匿名掲示板上にシュンシュンが整形でないか疑う&それを擁護する書き込み→シュンシュン自演乙書き込みがあったと告げられます。シュンシュン!アンチだけど注目してくれている人増えたよ(cf.21話)!!
客席のペンラも一つ残らず消え夜が明けた頃、シャチョウが忘れ物を取りに来たと客席にひょっこり現れます。そこへシーマも。勅使河原の「シャチョウ!」の呼び声に両者が反応するところに笑ってしまいました。バリケードを作ってまで少ハリを守ろうとしたこと、”最高のいつも通り”を披露できるよう努力したこと、シャチョウとシーマ含む初代少ハリ全員に認められたことを理由に少ハリはクリスマスライブ後もこれまで通り活動を続けていい、本当に自分はハリウッド東京を乗っ取るつもりだった、とシーマの口から明かされます。なんかもう良かったね!!良かったね!!と狂うことしかできず……シーマさんはちょっとアプローチが違っただけで彼なりに少ハリとハリウッド東京を本当に守りたかったんです。娘。みたいにメンバー構成を変え新鮮さを保ちながら活動するか、℃みたいに慣れや老いを受け止めながら熟成しながら続けるか……的な(???)???アイドルにとっての永遠、を改めて考えさせる内容でした。
リュウがいつ少ハリを認めたんだ?と気になりましたがもしかしたら前回でメンバー同士でボロクソに言い合いながらも結局は楽しくやっていた様を彼なりに「こいつらなら託してもいい」とジャッジしていたのかもしれませんね。勝手な憶測ですが。なお舞台上で目覚めるシーン、私は勝手にスラムダンクのオマージュかなと思いました。EDの『世界が終わるまでは』の最後の方に皆で雑魚寝してるシーンありませんでした?いやまぁスラダンと何の関係もないんですけど(何で書いた)実質この回が最終回で、1期2話でシャチョウが皆にプレゼントしてくれたスニーカーのアップが何回かありました。良すぎて泣いていた気がします。情緒が狂ってしまっていてもう記憶がやばいんよ
第26話『HOLLY STAGE FOR YOU』
ありがとう少年ハリウッドありがとう
え~もう何も言えん……DVD買うわ……。かつては自己紹介を放棄さえしたシュンシュンがバッチリ最後のあの曲げた肘を上にガッ!と上げる決めポーズを見てウォウウォウ泣きました。
何の因果か2021年秋に2014年夏・冬のアニメを観たわけですが当時ではなく今の自分だからこそ楽しめたのかな、という気もします。会うべくして会った作品ですね。あと視聴させてくれた友人に感謝。そしてクラウドファンディングに参加し素晴らしい作品を起こしてくださったオレンジの皆様にも感謝です。この作品は一生語り継いでいきたい……認知症になってもこれだけは忘れたくない……。
色々と書きたいことが無限にありますが、自分から見たキャラクターがどんな印象かをちょっとだけ綴ります。読まなくていいです。
☆風見颯(カケル):逢坂良太
「君の宇宙は、僕の宇宙。僕の宇宙は、君の宇宙。つまり僕は君に夢中!夢をカケルよ、風見颯。高校二年生の十七歳です!」
良くも悪くも自己主張のない、空っぽな男の子で、言い換えれば無限の可能性を秘めた何物にもなれる存在でもあります。これといって夢も野心もなくただ何となく流されるようにシャチョウのスカウトに乗り、戸惑いながらも精一杯彼なりにアイドルであろうとしていますが、センターに選ばれたのは彼のその性格によるものでしょう。
シャチョウから見て最も神様にも生贄にも近いメンバーが彼だったのでしょう。だって、「自分からなろうなろうとしてなった神様って、何か嫌じゃないですか?」
☆甘木生馬(マッキー):柿原徹也
「座右の銘は、仏恥義理魂。ハンパなことは嫌いです。マッキーこと、甘木生馬、十八歳。夜露死苦。」
高校は同級生に馴染めず中退、家族とは特に関わりなしでハリウッド東京及び少年ハリウッドに自分の居場所を見出します。若干配慮に欠ける部分も見受けられますがその豪勢さが皆の救いにも待っています。センター交代回で見せた熱い涙はかっこよかったです……。
風邪を引いて3日活動をお休みしていた時、台所がぐっちゃぐちゃになっていたので特にお見舞いに来てくれる友人もいないのかな、と感じました。でも24話?でもし少ハリがなくなったらハリウッド東京に残るかと問われた際にバイトでもするかな、と答えていたのは意外でした。特にそこは拘りないんだな……もしかしたらセンター交代を経てシャチョウが言っていたようにセンターだけが自分の居場所ではないと目覚めたのかもしれません。
☆佐伯希星(キラ): 山下大輝
「少し前まで、星の国にいたんだよ。このキラキラが見えますか?君の希望の星になりたい、佐伯希星、最年少、中学三年生の十四歳です!」
キラおめぇ何だかんだでマッキーと息ぴったりよな
☆富井大樹(トミー):蒼井翔太
「世界一のラッキーボーイ。君の運気上昇担当になりたい、富井大樹十五歳、高校一年生です。お守りにしてね!」
確かシャチョウから「誰も傷つかないようにその努力は素晴らしいですがあなたは本当は鋭い棘を持っている、その棘で誰かを傷つけないよう気を付けてください」みたいなこと言われてませんでしたっけ?ど、どの辺りが!?優しくて純粋で、強い意志と思いやりのある素敵な少年です。
トミーは初代少ハリへの思い入れが強く、一部の初代メンバーの「ずっと少ハリでいたい、一生アイドルでいたい」という夢が叶っていないことにショックを受けその分自分達が永遠になろう、ずっとアイドルでいたいと強く願います。彼は施設で育った子なんですがレッスンが忙しくなってきた頃に施設内の幼児から「明日は帰ってくる?明後日は?その次の日は?」と問われます。幼児は施設のルールに則りいつかトミーもどこかへ行って戻ってこなくなるのでは、と不安に思っているのです。しばらく先だよ、とはぐらかすのですがずっと同じところにはいられない──少ハリで散々語られる残酷な現実を一番感じているのも案外トミーかもしれませんね。
☆舞山春(シュンシュン):小野賢章
「笑顔でキュン!怒りんぼにシュン。この八重歯にかけて、君の最後の彼氏になることを誓います。十五歳の高校一年生、シュンシュンこと、舞山春です!」
MPを削る攻撃をしてくるタイプか?
シュンシュンは結構視聴者への与ダメが大きいですよね。やりたくない仕事の毎日にうんざりして他の事務所のオーディションに行くも顔以外評価されなかったり、芸能界から離れた初代メンをかっこ悪いと思ってしまったりイキり散らかして自己紹介を放棄→会場内の空気を凍らせたり自ら出待ちにファンサしに行ったり(書いているだけで胃が痛いです)。……生々しいんですよね、行動のひとつひとつが。元々シンガー希望なのでアイドルにそこまで思い入れがないのかもしれませんが、プロ意識がないというかある意味等身大の男の子だなと感じます。
シュンシュンといえば"夢"が切っても切れないワードですよね。母親からも言われたようにアイドル活動が忙しくなっていくに伴い大事にしていたギターを弾くことはほぼなくなります(2期ではほぼ映っていなかったような……)。元々抱いていた"世界的なアーティストになる"夢はなくなりましたが、夢は形を変えてもいい、可能性は無限にあると気づいてからは吹っ切れたような印象があります。
本当に素晴らしい作品でした。出会えてよかったです。
なお21~26話を完走したのちdアニで『IDOLiSH7』1期も完走したんですが少ハリを経験した後だと解像度が恐ろしいほど上がりますね。全てのアイドルものに手を出すならばその前に少ハリをキメてくれ、と思います。環がファンに騙されるところは『少年ハリウッド』1期16話通過後の私はもうア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛お前お前お前~~~!!お前は本物のファンじゃねェ~認めねぇぞォォォォォ!!!!!!と心で暴れましたからねハイ
ありがとう少年ハリウッド、本当にありがとう。死ぬまで布教し続けます。
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moja-co · 3 years
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アレは首相就任時の所信表明演説をはじめ、いつも自分の師匠として婦人運動家の市川房枝氏の名前を挙げ、愛弟子を気取ります。ですが、当の市川氏自身はアレについてどうみていたか。それについて私は三年前に〝【政論】人間性だけは首尾一貫 「汗は他人に」変わらぬ首相 〟という記事を書いているので再掲します。  《ギリシャ神話のミダス王は触れるもの全てを黄金に変えた。菅直人首相は接する者全てを敵に変える。これもまた特異な能力だと言えよう。敵は野党だけにとどまらない。閣僚も民主党執行部も公然と居座りを批判する。各種世論調査では国民の8割が早期退陣を求めている。  かくも人心は離れているが、首相は一向に意に介さない。それどころか日の民主党両院議員総会では聞かれてもいないのにこう言った。  「エネルギー政策をどのような方向に持っていくかが、次期国政選挙で最大の争点になる」  「脱原発」を掲げて衆院を解散する可能性をにおわし、「菅降ろし」を牽(けん)制(せい)したのか。日、首相官邸で記者団に「脱原発解散の考えは?」と���をかけられた際も思わせぶりに首をかしげてみせた。さすが、幼いころから「口から生まれてきた」と呼ばれてきただけのことはある。  とはいえ、「手柄は自分がとりましょう、汗は他人にかかせましょう」という政治手法は相変わらずだ。安全確認済みの原発の再稼働については海江田万里経済産業相にすべて押しつけ、自らが関わろうとしない。  日夜に久しぶりに開いた記者会見でも、原発を抱える自治体に自ら赴き、説明する考えがあるのかどうかを問われたが、一切答えなかった。「再生エネルギー推進派」というイメージを損ねたくないのだろう。  首相の念頭には、小泉純一郎元首相による郵政解散があるとみられる。このままでは8月中に退陣に追い込まれる公算が大きいが、イチかバチか解散して勝利すればさらなる延命の道が開けるからだ。  それならばシングルイシューを世に問うに限る。「当面の原発存続はやむをえない」との意見が多い自民党を「原発利権にむらがる抵抗勢力」と位置付け、再生エネルギー推進を「錦の御旗」に掲げれば勝てる。そう踏んでいるのではないか。  ちょっと待ってほしい。首相はかつて雑誌のインタビューで小泉氏の郵政解散をこう批判したのをお忘れか。  「(現代社会の)不安を誰かを悪者にすることで解消しようとしたり、悪者を作り上げて叩(たた)きたいという衝動がある。この衝動に悪のりする政治家は本来民主主義政治のリーダーとしては不適格です」  原発事故でも、解散権でも、保身に利用できるものは何でも使う。仲間であろうと平気で踏み台にし、言行不一致など気にしない。そんな政治手法はもはや見透かされている。首相の卑しくも哀れな姿を公明党の山口那津男代表が見事に言い表した。  「裸のペテン師だ」 首相はこれまで自己紹介する度に、婦人運動家、市川房枝元参院議員を「政治の師」と仰ぎ、市川氏の選挙活動を手伝ったことを「政治活動の原点」だと振り返ってきた。日の参院東日本大震災復興特別委員会でも「私は昭和年のロッキード事件のとき、初めて無所属で衆院に立候補した」と語り、市民派をそれとなく強調した。  では、菅氏の初選挙について市川氏はどう見ていたか。実は著書「私の国会報告」にこう記している。  「選挙が始まると(菅氏は)私の名前をいたる所で使い、私の選挙の際カンパをくれた人たちの名簿を持っていたらしく、その人達にカンパや選挙運動への協力を要請強要した」  市川氏の秘書だった紀平悌子(ていこ)元参院議員は、首相が東工大の学生運動のリーダーだった頃、警視庁警備第1課長として捜査していた初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏の実姉に当たる。  あるとき、佐々氏が姉に「市川さんは菅氏を評価しているのか」と聞くと、姉は冷ややかにこう言ったという。  「何を言っているの? 市川さんは『菅はよくない』と本当に怒っているわ」  首相の政策や政治方針は常に揺れ動いているが、その人間性だけは一貫してぶれていない。
 ……佐々氏は私にこのエピソードを話してくれた際、「警視庁時代に菅さんを捜査していた際、彼は第四列に立って人の影に隠れるのがうまいのであと一歩で逮捕できなかった。しかし、いま思えば多少無理しても逮捕しておくべきだった」とも語りました。正直な感想なのだろうと感じました。
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ari0921 · 4 years
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 「岸信夫防衛相」に中国が慌てふためく理由
アンシンフ――この日本人の名前に、早くも「中南海」(北京の中国最高幹部の職住地)がザワついている。昨日発足した菅義偉新政権で、新たに防衛大臣を拝命した岸信夫氏(61歳)、安倍晋三前首相の実弟である。
 中国最大の国際紙『環球時報』(9月17日付)は、岸防衛大臣に関する長文の記事を発表した。そこでは、生まれて間もなく岸家に養子に出された岸信夫氏の数奇な半生を詳述した上で、次のように記している。
<岸信夫は、二つの点において注目に値する。第一に、岸信夫は日本の政界において著名な「親台派」である。現在まで、岸信夫は日本の国会議員の親台団体である「日華議員懇談会」の幹事長を務めている。第二に、岸信夫は何度も靖国神社を参拝している。2013年10月19日、岸信夫は靖国神社を参拝したが、これは兄(安倍首相)の代理で参拝したと見られている。安倍晋三本人も、2013年12月26日に参拝している>
 このように、中国は警戒感を隠せない様子なのだ。
当初、「菅政権」を楽観視していた中国だったが・・・
 今月の自民党総裁選の最中、ある中国の外交関係者は、私にこう述べていた。
「菅義偉新首相が誕生しそうだということよりも、その際に二階俊博幹事長が留任するだろうことが大きい。極論すれば、日本の次の首相が誰になろうと、二階幹事長さえ留任してくれればよいのだ。
 二階幹事長は、日本政界の親中派筆頭で、わが王毅国務委員兼外交部長(外相)も、二階幹事長と会った時だけは、まるで旧友と再会した時のように両手を差し出し、相好を崩すほどだ。習近平国家主席にも面会してもらっている。
 安倍首相は、二階幹事長の進言を聞かず、対中強硬外交に走った。だが菅新首相は、『後見人』の二階幹事長の声を無視するわけにはいかないだろう」
 このように中国政府は当初、菅新政権を「楽観視」していた。だが「岸信夫新防衛大臣」の発表は、冷や水を浴びせられたような恰好なのだ。
 実際、岸防衛大臣は、中国政府が「民族の三逆賊」と呼ぶ台湾の政治家(李登輝元総統、陳水扁元総統、蔡英文現総統)のうち、少なくとも二人と親友だ。李登輝氏とは長年にわたって親交があり、8月9日には、森喜朗元首相とともに、李元総統の弔問のため、台北を訪れた。
 その際、蔡英文総統にも面会している。蔡総統に関しては、総統就任直前の2015年10月に日本に招待し、自分と安倍首相の故郷である山口県下関市まで、わざわざ案内している。
安倍政権下では「中国担当は兄、台湾担当は弟」で役割分担
 この時、ある首相官邸関係者はこう述べていた。
「蔡英文氏の宿泊先を、首相官邸から一番近いザ・キャピトルホテル東急に決めたのも岸信夫氏だった。10月8日昼、ホテル特別室のランチの場に、岸氏は安倍首相を連れてきた。日台合わせて10数人のランチだったが、安倍首相が自分がいかに台湾ファンかを熱く語ったりして、大変盛り上がった。
 だがこのランチは、安倍首相の首相動静からは削除され、日本側も台湾側も、一切極秘とした。それは、中国政府に配慮したからだった」
 このように、安倍政権の7年8カ月、安倍首相が中国を担当し、弟の信夫氏が台湾を担当するという役割分担をしてきた。だが菅新政権になって、「台湾担当者」が表舞台に登壇したのである。しかもその役職は、中国政府が最も敏感な防衛大臣とあっては、中国側が穏やかでないのもむべなるかなだ。
 一方、台湾(中華民国)総統府は、日本の国会で菅氏が首相に選出されるや、直ちに祝賀コメントを発表した。
<日本では今日、臨時国会が開かれ、自民党党首に選出された菅義偉官房長官を、第99代首相に選出した。これに対し、総統府の張惇涵報道官は、蔡総統はわが国の政府と国民を代表して、菅義偉首相に祝賀を表し、合わせて日本政府が菅首相のリーダーシップのもとで、順調に各種の国政を進め、国家が発展繁栄していくことを祝う。
 張惇涵報道官はこう述べた。「菅首相は過去に複数回、わが国公開の場で支持している。そして双方が、自由、民主、人権、法治などの基本的価値を共有していると認めている。また、わが国が国際組織に加盟することへの支持を唱えており、台湾にとって重要な海外の友人と言える。
 かつ日本と台湾との往来は密接で、日本はわが国の重要なパートナーだ。わが国はこれからも継続して、日本と多様な協力を進めていき、台日友好のパートナーシップ関係を深化させていく。それによって両国の国民の福祉を共同で推進し、地域の繁栄と発展、平和と安定を維持、保護していく>
 このように、「岸信夫新防衛大臣」には触れていないが、菅新政権を手放しで歓迎するムードである。
岸氏の防衛相起用は「安倍政権の継承」の証
 菅新首相が、岸氏を防衛大臣に抜擢した理由は何だったのか? 安倍政権時代の官邸関係者に聞くと、こう答えた。
「それは、安倍前首相に気を遣うと同時に、同盟国アメリカのトランプ政権に、『安倍政権の継承』を示すためだ。このところのトランプ政権は、『台湾シフト』を鮮明にしており、今後は日本にも役割を求めてくる。そうした日米台の連携に、最もふさわしいのが岸氏の起用だったというわけだ」
 当の岸防衛大臣は、16日の就任会見で、官僚が用意したペーパーを読み上げて、こう述べた。
「今月11日に発表された(安倍)総理大臣の談話や菅総理大臣の指示を踏まえ、憲法の範囲内で国際法を順守し、専守防衛の考えのもとで厳しい判然保障環境において、平和と安全を守り抜く方策を検討していきたいと思います」
「11日の総理談話」とは、次のようなものだ。
<迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことができるのか。そういった問題意識の下、抑止力を強化するため、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針を検討してまいりました。今年末までに、あるべき方策を示し、わが国を取り巻く厳しい安全保障環境に対応していくことといたします>
 いわば安倍前首相の「遺訓」とも言うべき「敵基地攻撃能力の保有」である。「敵」とは表向きは北朝鮮だが、実際には中国だろう。
「米台vs中国」――岸防衛大臣の就任で、この米中新冷戦の「断面」に、日本も組み込まれつつある。「まずはコロ��ウイルスの防止に全力を尽くす」と述べた菅新首相だが、その先には、大きな地政学的リスクが横たわっている。
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pompomyusuke · 4 years
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         落石
Death is not the greatest loss in life. The greatest loss is what dies inside us while we live.
by Norman Cousins
〜序章 今〜
真っ白な中にいま僕はいる。周りは虚無とカオスが広がり、何もできない。ただ、いま自分が出来る最大限の努力は呼吸をし命をつなぎとめることだ。ゆっくり途方も無い道のりを重たい足で歩き続ける。歩き続けることがいつか、きっと僕にとって何か、良いことをもたらすのではないかと思いきかせた。白く、一点の濁りもない中をただひたすら飽きることなく足を動かすことを続けた。
不意にある人の事想う。ああ、あの人と結ばれたらな。いや、もうあれは過去だ。過ちだ。何を僕は引きずっているのだろう。幾度となく、偽りの意見を反芻させた。目を閉じ、呼吸を整えた。
漆黒の闇から急に現れた、たった1人の人間に狂い戸惑った。気づけば周りにはなにもかも手放していた。自分の、判断だし、決断でもあった。おかけで今なにも関わってくれる人も、動物もいない。そして、今僕は虚無にいる。全ては自業自得なのだ。
〜第2章 過ち〜
目が覚めた。どこか重たく、身体全体に痛みを生じた。目もなかなか、開けることができない。いつもの朝とは違い、日の光りを感じられない。そのせいか、起き上がるのに、10分以上はかかった。僕にとってはかなり遅い方だし、他の人と比べて寝起きはいい方だ。その日は休みだった。飲み過ぎても仕事に支障が出ないようにと、希望休をとっていた。変なところ真面目だよねと大衆に言われる所以がこのことなのかもしれない。
その日そんなに早く起きる必要はなかったがなぜか起きた。どこか気持ちが、心がいつもより落ち着かなかった。目を開けることにためらい、もう一度寝ることを考えた。しかし、いつもとはちがう、違和感を覚えた。僕の部屋はお世辞にいっても綺麗じゃない。ただ、今自分の嗅覚から感じるのはフローラルでとこか愛したくなる香りだった。当時、コーヒーを勉強していた僕は香りに敏感だった。今まで嗅いだことのない、落ち着いていて、どこか派手な綺麗で美しい香りだった。まるでアジア太平洋産のコーヒーを思わせる、どこかどっしりとし荒々しいコクとハーブを感じるような繊細さを僕は感じた。
その香りは、確かに、自分の部屋から香ることのできない香りなのは明確だった。だからこそ、目を開ける勇気がなかった。あの繊細で、どこか悲しい香りは僕は感じたことない。多分、目を開けて現実を見てしまったら後悔することもわかっていた。しかし、僕はゆっくり目を開けた。どんな現実も受け入れることを僕は覚悟した。そこは真っ白でなんの変哲も無い白い天井だった。また、予想通り日光はカーテンから少し漏れるだけの光しかベッドには届いていなかった。そして僕は裸だった。スタイルがお世辞にもよくない身体がベットに放り込まれている。身体は重く、ベッドに根を生えているようにも思えた。この時点で少し飲み過ぎたことを、後悔した。気分と身体の両方の違和感に耐えきれず、少し寝返りをうった。その時何かを触った。柔かく、どこかハリがあり、触るといまにも跳ね返されそうな弾力だった。指先から伝わるシナプスが脳みそに達したが何かは特定できなかった。もう少し触りたかったが勇気がなかった。そして、一度そこで寝返りを止めた。正体を知ってしまったら、真実に追いつけず、自分の偽りの世界を作り逃避する気がしてならなかった。それが楽なのはわかっていたがどうしてもしたくなかった。向き合うことが僕の数少ない良い点の一つだと理解していたからだ。そしてそれを永遠に自分に自分の武器として、自分の存在を誇示するために持ち続けていたかった。
重たい体をゆっくりと左45度に傾け、現実を見ることを決意した。ぼんやりと映る姿にかすかに見覚えがある。どこかでみたことあり、僕の小さな脳で思い当たる節を探した。学生時代のそんなに多くない友人、ゴルフで出会った仲間、バンドなどで交流を持った人たちなどを当てはめたがどれもちがった。誰かはわからないが、確実にそこにあるものは女体だった。お世辞にも白とは言えない肌ではあるがハリときめ細かさはある。お尻もそれほどありかつひきしまっており、くびれがとても特徴的だ。乳房は少しお椀型でハリもあり乳首は程よく黒がかり僕の好みな形、色だった。髪色は明るめな茶色では、あるものの落ち着きがあり、ショートとロングの間、つまりミドルほどの長さだった。カーテンがなびいている下で、少し日に当たるその姿はどこか幻想的で魅力的で現実に存在する人間には思えないほどの美しさであった。まだ、誰かもわからないが見ていると落ち着くし、このまま時が止まってくれないかとおもった。もちろん、止めることなどできない。
気づいた時には深い眠りについていた。身体の重さは幾分なくなり悪酔いが冷めてきたのが、明らかに実感できた。さっきとは違い外界の光がもろにあたり、風も感じることができた。カーテンが顔なで今にも部屋全体の小物たちが起きなよ、と言わんばかりだ。今時間は何時だろう、ふと思い、また誰かわからない女体の隣でよく寝れたなと自分に驚く。
「おはよ」
聞いたことのある声が僕の背中を包んだ。どこか、優しくも冷徹な声が特徴的だ。恐ろしく、顔を見ることも、もちろん振り返ることもできない。畳み掛けるように女体は話す。
「昨日飲みすぎたようだけど大丈夫?」
やはりかと思った。今までにない酔いが朝遅い、違和感が心を包んだ。僕は平静を装いどこか洒落臭く返事をした。
「あんなんじゃ、酔わないよ」
僕は女体の顔見なくても笑っていることに気づいた。
「へぇー、毎日晩酌してるだけあるわね」
この時、いくつか女体の候補を絞ることができた。晩酌をしていることは少数人にしか告げてないし、なんなら幾分恥ずかしいことではあるから、大々的に自分から発信はしていない。かなり仲の良い、あるいは直近で会話をしている人に絞られる。
「最近そんなに飲んでないよ」
少しかまをかけて、発言した。最近の飲酒量は軒並み右課題上がりをし、来月の健康診断はもう絶望的だ。直近で会話している友人にはその話を何度も話をしている。
「最近飲むのふえてるじゃない。この前も電話した時酔いつぶれてたわよ」
ここで確信をついた。最近ある1人とよく通話をする。同じ職場の人だ。衝動を抑えきれず体の向きを変えて顔を見た。
女体はニヤっと笑った
「椿、、、」
「おはよ」
ドス
頭の中で何かが落ちた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕はそこそこ名前の知れている商社に勤務している。商社ではあるが、ほぼサービス業であるため平日やすみが基本だ。平日休みでの特権をまだ実感していない。強いてゆうのであれば、ふとした時にドライブなど外出するとき弊害があまりない。人混み、交通規制、こどもの泣き噦る声などストレスを与える要素がない。もちろんデメリットもある。友人関係が、がらっとかわった。だいたいの友人は土日休みであるため休みが合わず、交流する時間がなく連絡する頻度もすくなくなり疎遠気味になってしまった。また、ある友人は遊べる回数などがすぐなくなったからか、付き合いが悪いなどと吐き捨てられたこともあった。こうして、休日に過ごし方は狭い自宅で引きこもるか、職場仲間と軽くご飯に行くことしかできなかった。時々コミニュティーの狭さに驚愕し、過去自分の思い描いた誇らしき人生の理想との乖離に不安と絶望に日々打ちひしがれるのであった。
僕は時々死をも考えたこともある。富士の樹海で首を吊るいくつもの死体に憧れたこともあった。自分もそのうちの一つにどのようになれるか、考えたこともあった。でも、後一歩のところで勇気が出ずにいた。死ぬ勇気さえ僕には持てれなかった。僕が愚かであることは明確だった。
ただ、仕事での悩みは無いと言ったら嘘ではあるが、さほど気になるほどではなかった。横山と稲村の紛争を常に仲裁して、チームの空気が悪くならないようにいつも注意をしていた。仲間とのコミニケーションを常に積極的にとり、チームの不満やいわゆる膿を出す役割を僕はしていた。人からはそれらは重みでストレスのかかるものであると言うが、僕は気にならなかった。むしろチームが良い方向に前進していることを日々実感し、達成感に浸れた。それが仕事の一つのやりがいであることは否めないし、自分の一つの居場所であったことも確かだ。ただ、その居場所や仲裁に入るのもなかなか至難の技であった。
横山はチームリーダーとして、1年前に配属された。彼は、スタイルがよくイケメンと言う部類にはいり見た目はどこかアグレシッブで仕事に対して強いこだわりがありそうだった。ただ、その見た目とは相反するような過去を持っていた。
19XX年、横山はファッション系の仕事についていた。彼は現場に強くこだわった。彼が配属されたのは西山駅の正面にある、お店も売り上げもかなりボリュームのある店舗だった。店の正面には街のメインストリートがあり、土日には車両の通行が禁止される、謂わば歩行者天国になる。また、道の向かいには最大級のデパートがあり、平日土日関係なくいつも人でごった返している。店の周りにも競合店揃いのファッション系ブランドのお店が軒を連ねる。そこでその店は勝ち取っていかなければならなく、横山自身かなりのプレッシャーであった。前任のマネージャーは成果を出すことができなく半年で別の店舗に異動をした。左遷とも噂された。
横山は客の求めているものを的確に会話を通じて探し出し提案することを目標としていた。そのことを認められたか、前年よりも売り上げを伸ばし上層部にはかなり高い評価で認められた。会社にも評価され次期エリアマネージャー候補とも囁かれていた。横山は仕事にやりがいを感じ、通勤にも片道2時間という長いものであったが文句どころか、毎日が充実していた。
忘れもしない10月20日。いつもどおり横山は出勤した。大通りに群がるスーツをみにまとったサラリーマンをかき分け、店の正面まで歩く。あまりの人の多さで、後ろへ押し流されながら歩き続けるのは一苦労だ。店の鍵は全部で5つある。正面の扉が2枚あり��一枚の扉に上と下1つずつ鍵がある。鍵を開けると30秒以内に店の事務所のセキュリティの機械に鍵を取り付けないとアラームがなる仕組みだ。
この日もアラームを解き、オープン作業を一緒に行うパートの人を待った。作業が始まる9時30分にも来なかった。ここのお店に着任してからはじめての経験であった。パートの携帯に着信を入れたが冷酷な自動音声が聞こえる。
「ただいま電話に出ることはできません」
が横山の耳に響く。まるで暗く深い洞窟の中で聞こえるように。
几帳面で真面目で無断欠勤などするタイプではないため、怒りよりも心配がかった。事故か事件か、最悪の状況が頭をよぎる。とりあえず何事もないことを祈った。電話が早くかかってこないか、気にしながら開店作業を黙々と進めた。本社から送られてきた服や小物の納品物を片付け、陳列。店内の掃き掃除、また陳列されている服の整理、などいつもよりも同じ時間で2人分の作業をしなければならないため、時間の体感速度はかなりのものであった。店内に開店まであと5分のチャイムが鳴り響く。当然間に合うはずもなく、開店してから残った作業をすることにした。急いで、事務所に戻りレジの開局作業に取り掛かった。両替準備金を数え、パソコンに入力し、開局させた。もう、幾度となく行った作業のため、手慣れたものだ。毎日同じことの繰り返しであったが毎日同じモチベーションで仕事をすることができた。人はそれを、嘲笑い鼻でわらい社畜だと罵った。横山はそのことを何も感じもしないし、馬鹿にする方が馬鹿だと感じた。
そんなことを頭で回想をしていると気づくと1分前のチャイムが鳴る。横山は店の自動ドアの正面に背筋をのばして、客を迎い入れる準備をした。静寂の中を切り裂くように、店内アナウンスが入る。開店だ。深呼吸で心拍数を安定させる。今日も始まる。
横山は客に向かってしっかりと大きな挨拶をした。
「いらっしゃいませ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10月20日夜、街中の有名な居酒屋で団体グループのせいで予約がいっぱいだった。店もてんやわんやで、少ない人数で営業していた。キッチンには洗い物が山積みになり、ドリンクをテーブルまで提供するのに精一杯であった。従業員がベルトコンベアーで流されているかのように機械的にキッチンからドリンクがかなり乗ったトレイを持ち、テーブルまで運んだ。なぜか従業員には顔がない。じっくり見てもそこには何もなく、カオスで色も特徴もない。まるでロボットが店舗を運営しているように感じた。何も面白みも、魅力も感じないお店だ。多くの人が二度と行くことはないというだろう。実際その半年後お店は潰れたという。詳しくはわからない。
その日の団体の客は横山の働くお店の集まりだった。幹事の伊藤は重たい口を開け、淡々と話を始めた。
「ボイコットに参加してくれてありがとう」
参加者は息を飲む。この言葉は絶対に聞くことは覚悟していたし、ボイコットしたことも事実だ。しかし、改めて耳からその情報を聞くと様々な考えが頭をめぐり実感と責任感が心臓からゆっくりと湧き上がるのがわかった。まるで血液のようにその感情が身体中をめぐり次第に身体が硬直していくのがわかった。参加者のうち華奢な男の1人が口を開��た。
「これで横山も終わりだな。」
伊藤はその言葉をきき深く項垂れ、自分の今の行動がどの程度影響し波及していくのか想像するのができなかった。想像したくないのではなく伊藤の脳みそではキャパオーバーでこれからのことがわからなかった。どのようにこれから自分の立場が変わっていくのかも先を見越した行動ではなく瞬間的で能動的であったことは間違いない。そして、伊藤はこれにきづくことはなかった。
伊藤は何かを決心したかのようにまた鉄の扉のような唇を開けた。
「そうだな。祝おう。皆で。」
重苦しくどこか窮屈な空気の中冷やかしのようにグラス同士の冷たく乾いた音が部屋中に響き渡る。乾杯のこともそこに明るさはなく海の奥深く光の届かない場所にいるかと錯覚するぐらい暗く意味深なものであった。主婦がお酒を飲みながら現実を受け止めたかのように話をした。
「私、本当にボイコットしたのね」
伊藤がゆっくりと口を開いた。
「そうだよ。俺らはやったんだ。でもこれも全て横山がわるい」
「そうわよね。自業自得だわ。」
主婦はそう言い放ちグラスを空にした。無理やり流し込んだせいか咳こんだ。その音さえ虚しく聞こえる。
伊藤が息を吐き思いつめながら鍋をつついた。
鍋には色も何もないカオスが広がっていた。なぜだろう、食欲も湧かないしそこには何もない。物理的ではなく精神的に。
「明日からどうなるかな」
空虚な世界にその声だけ響いた。周りは静かに息を飲んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
枯葉が落ちある種のイルミネーションが広がっていた。自然が作り出すトンネルはどこかに吸い込まれ迷走しいずれ消えていくことを実感した。皆口を開け小さな頭の中で回想する。出口はどこなんだろう。
横山は会社に解雇された。ボイコットの日から次の日でだった。次の日も従業員は誰もこず、たった一人静かに営業した。現実、一人で営業することもできず、閉店を余儀なくされた。会社からボイコットについて、ヒアリングを幾度と無く横山に行なったが、何もわからなかった。事実、横山自身アルバイトたちによって遂行されたボイコットがなぜ行なわれたのか甚だ理解できなかったからである。横山は小さくか細い声で何度も連呼した。
「わからないです。すみません。」会議室はため息に包まれた。
彼が転職するのは、季節が幾度と無く変わった後だった。あのボイコットから仕事に対する熱意がまったくもてず、故郷である横浜に身を隠した。実家での居心地はよくはなかった。口うるさい親父と心配性な母親が彼に対して異常なまでに面倒を見ていたがそれが逆に狭く感じた。早く仕事をしないのかと部屋の扉をノックする音を毎日聞き、親父が酔った勢いで母親との馴れ初めを永遠と語るが興味がなかった。両親との生活は約2年だったがなぜ実家に戻ってきたか聞いてこなかったし知らない。彼らにそのことに興味が無かった。
そんな実家であったが一人で住むよりましであった。あのボイコットから人間不信になってしまった。外を出歩くといくつもの白と黒の目が彼自身を凝視し監視されているように思えた。また、このころ横山は人間の顔の表情が素直に受け入れることができず人間の後ろに何も無いカオスの顔が見えるようになっていた。そいつは口も鼻も目も耳も何もかも無い。しゃべることさえしず、ただ黙って横山をみていた。横山はそいつを見始め外に対しての絶望感と虚無さから外に出なくなった。少しでも安心した場所に行きたく実家へと移った。
横山の部屋は2階の角にあり風通しはかなりいい。部屋には小さな窓がある。埃がかぶっていて、窓のふちは錆付き重い。あるとき外界を覗いた。
家のしたに広がる商店街がにぎわっていた。
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leocopena · 4 years
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Why don't you Open Your Roof ?
どうも皆さんこんにちは
前回、結局初代 コペンにしたことを報告したのですが実はまだ納車されておりません。20日前後になるかと思います。クリスマスプレゼントになりそうですね(笑
 
今回は「そもそもオープンカーに乗ったことのない人向け」に記事を書いてみようと思います。
そもそものオープンカーってどんなイメージですか?
カッコつけが乗る
もっと俺を、私を見て!みたいな人しか乗らない
ナルシストの乗る車だ
いえいえ全然そんなことはありません。
正直、一般人受けするかと言われると否定はできませんが
風を切る気持ちよさ
これを知ってしまったらもうオープンカーの虜です
そこで簡単にですがオープンカーのメリット・デメリットを紹介したいと思います。
4 シーター or 5 シーターオープンカーもありますが、ここでは2 シーターでのメリットデメリットを紹介していきます。
 
メリット
・気持ちよさ
・開放感
・季節を肌で感じることができる。
・星空満点の空
 
1, 気持ちよさ
なんといっても気持ちいいです。これはもうオープンカー乗ったことのある人にしか分からない部分になってしまいますが、とにかく気持ちいいです。
僕はいつも例えるのが、バイクと車の融合
もともとバイク乗りということもあり
風を切りながらドライブをすることに慣れていました。
しかもオープンカーならヘルメットを被らなくても同等・・・いや
それ以上の気持ちよさを、夏ならクーラー、冬なら暖房をし、風を感じることが出来るのです。
 
初めてオープンカーに乗ったのは4年ほど前なのですが
その日はとても天気が良く、外の気温も暑くもない秋頃でした
友人のオープンカーに乗り、夕日をバックに海岸沿いを走ってもらったら
もーーーなんのこの気持ちよさ!!
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窓を通した外の景色とここまで違うか!
衝撃があまりに強すぎてサードインパクト確実に起きていました(僕の心の中で)
あの日からオープンカーの虜です。翌日には中古車サイト見ておりました(笑)
 
2, 開放感
これは 1 と被ってしまいますが
普段天井を閉めていると、開けたときの開放感がすんごいです。
特にコペンでいうと、天井閉めるとやっぱりめちゃくちゃ狭いので
より、オープンにした時に開放感をもろに感じます。
例えていうとしたら、個室のトイレの壁全部すっ飛ばしたところを想像してください。そこで用を足したらもう・・・ほら・・・ね?
・・・わかるでしょう?(意味わからんw
 
3, 季節を肌で感じることができる
オープンカーに乗ると色々な匂いを感じれたり、気温の変化を直接肌で感じることができます。
 
森に入った時に感じる独特な木々の匂い。
夏だとアスファルトの匂いとかも感じます。 
秋には金木犀の匂いなんかも感じられます。
夏に海の方面に行けば、潮の香りが漂ってきたりします。
 
匂いだけではなく、季節ごとの空気を感じられます。
冬明けて、春にかけては日差しがあったかく感じられ
夏から秋にかけては、少しずつ暑かった日中から夕方にかけて涼しくなってきているなーなど、日本の季節を直接五感で感じることができます。
 
オープンカーに乗るようになってから、より日本の四季を感じられ
さらに日本という国に生まれてよかったなと改めて思いました。
 
余談ですが、オープンカーの一番最高な季節は、秋、冬、春だと思います。
乗らない人からすると夏に開けているイメージがありますが、夏のオープンほど辛いものはありません(笑)熱中症になります。
そういう意味では夏はあまり楽しめないかもしれませんね。
冬は寒いんじゃないの?と言いますがシートヒーターが付いていれば、そこまで寒くありません。むしろ冬の露天風呂に入っているかのような気持ちで気持ち良かったりします。(-10度とかになると話は別だと思いますが)
4, 満点の星空を車内から見れる
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朝陽、夕陽もそうですが
個人的にとても嬉しかったことが、星空満点の空を自分の車の中から見ることができること。それがオープンカー乗り始めて嬉しかったことの一つです。
最近のプラネタリウム行ったことありますか?今はものすっごく進化しています。
8K で投影されたプラネタリウムを見たことがありますが、あれは本当に感動しました。ただあまりにも綺麗すぎて開始15分で爆睡をしてしまったことを後悔しております(笑
少し話逸れましたが、それでもやっぱりリアルな星空を見上げる方が僕的には幸せなので、ここはオープンカーの嬉しいメリットの一つです。
 
デメリット
・他人からの目線
・天候に左右される
・車載が少ない
・故障のリスクが高まる
・何かと費用が掛かる
 
1, 信号待ちでの視線
確かにオープンカーに乗ったことのない人によっては
一番上に書いたように、カッコつけている、イキっている
などのように感じる人も確かに多く、冷たい目線を浴びることもあります。
でもそれが全てではありません。
普通車に比べて少し違うな、くらいにしか思われていないことが大半で
オープンカーに乗りたいなと心のどこかにある人はずっと視線を向けてくれているような気がします(←こういうのがナルシストだと思われます!注意!(笑)
 
2, 天候に左右される
折角のオープンカーなので乗る時毎回開けたくなってしまうものですが、雨が降ってるとなるとテンションが駄々下がりになります。
なので週末の天気予報が雨になっていると平日の半ばからすでにテンションが下がります。お気を付けてください(笑)
 
3, 車載できる量が圧倒的に少ない
これはオープンカーの宿命みたいなもので、屋根または幌を開けようとすると、どうしてもトランクルームにしまうことになり、積載できる荷物の量が少なくなります。
ただし、ご安心ください。
車種によってはオープンにしなければ 人が一人入るくらいのトランクの広さはあります。コペンは畳んだ車椅子ひとつも入ります。ゴルフバッグもまるまる入る大きさはあります。
あくまで、オープンにしない場合・・・ですけどね。
以前に乗っていたBMW Z4に関しては幌のオープンカーだったため、ゴルフバッグはまるまるオープンにしても入りました。
なので、どうしてもオープンカーに乗りたい!けど積載量も欲しい!という方は幌の採用されているオープンカーを探してみることをお勧め致します。
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(写真はBMW Z4 (E85型) オープンにした状態でこんなに入る)
 
4, 故障のリスク
普通の屋根の開かない車と比べ、余計にオープンにするための機械が入っているため、そこが故障した場合それなりの修理費が掛かってしまいます。
ここの修理にコペンの場合、以前にも書きましたが諭吉さん6 ~ 10人ほど誘拐されてしまいます。
オープンにしたいから買ったオープンカー。
なのにクローズカーになってしまい、精神的にもお財布的にも相当なダメージを負うことになり落ち込みます。
 5, 何かと費用がかかる
普通の人なら普段買わないような日焼け止めクリームを年中買い続ける必要があります。年中いつでも持っていることによって周りの人からしたら、日焼けクリームといえ��!みたいなあだ名が付けられてしまう可能性があります。
でもそこを怠ると、将来シミが出てきたりとエステに通わないと!となるとまた費用がかかりますね。
そういったオープンカーに乗るために、サングラス、帽子、日焼けクリームなど準備しておく必要な消耗品が年を通すと思ったよりも掛かってきます。
 
こんなものでしょうか。
ただこのこれらのデメリットを凌駕するほどの気持ちよさと感動をオープンカーは与えてくれるんです。だから、これからも私はオープンカー乗りで在り続けるんだと思います。
 
この気持ちよさはバイク乗りには必ず理解できると思っています。
運転している、操縦している感じと
ツーリング先の森の中の風を切る感じ・・・
あの、気持ちよさをヘルメット無しで感じられるのですよ
 
「コーヒーの香りと共にべっどから起き
カーテンを開けてみると、そこには満点の青空が広がっています。
今日は休みだ、そうだ、どこか出かけよう」
 
くうーーーーーーーー!!納車が楽しみです(笑)
 
少しは参考になれたら嬉しいです。他にも何か良かったこと、悪かったことがあれば教えてください!
ではでは
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