Tumgik
#日本経済を解説するヤンキー
sunaiver2525 · 8 months
Text
商品は上をクリック
消費税とインボイスってなんや?
緊急特別編3
消費税とインボイスについてですが、文章化すると長くなる上に難しい😓
たけおが最初に言及していますが
「消費税が不況の時でも国民から容赦なく金をむしり取り」
これが消費税の正体で、実際不況だろうが好況だろうが
稼ぐ手段のない子供からさえも税金を巻き上げる恐ろしい税制なんですが
世間的に受け入れられてるのは正直意味がわからない
消費税は真実を映すという、⚪︎−の鏡が必要なんじゃないか
とこれを読めば読むほど思うのであった。
まさしくこれ
Tumblr media
1 note · View note
mihanasblog · 5 months
Text
Tumblr media
News Picks イラスト
News Picks トピックス「愛と希望の経済学」開設記念イラスト
https://newspicks.com/topics/love-hope-economics2024/?ref=user_5960624
0 notes
nanodegozaru-blog · 6 years
Text
パジャマパーティー回(あやねトーク抜粋)
ENTER:なの ENTER:むそ ENTER:あやね ENTER:中村 ENTER:かやく
あやね 絶対に抱いてくれない相手に裸で抱きついて「抱いてください」ってお願いするのが好きです!!! なの  こんばんわ!今一番の性癖は、尾形に手籠めにされる夢主(フォロワー)です! なの  www 中村  こんばんは! あやね (性癖ってこういうこと??) なの  (ありがとうあーちゃん) あやね (あってた^^) かやく 押しとのセックスのあと速攻タバコ吸われることです むそ  推しのケツ穴開発したい、むそです。こんばんは なの  w 中村  今は杉元に見られながら月島さんに抱かれることしか考えられない… あやね むそさんブレないw なの  みなさんこんばんわ! あやね こんばんわ! かやく こんばんは? むそ  こんばんは かやく (はじめから参加できたキャッキャ) なの  チャットしている間にメヒカリさんが3P小説をアップするのではないかとそわそわしてるんだ… 中村  ありえますね…
あやね メヒカリさんの小説を待つ間の暇つぶしに私の話をきいてください 中村  はい、 中村  ! なの  はい、あやねさん! かやく (なにがあったの…) あやね 前回のチャットにご参加いただいた方はわかる、例のあの人なんですが あやね 子持ち既婚者でした かやく はあああ!?!?!? 中村  え!? なの  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ あやね 宇宙猫になったわ 中村  宇宙猫wwwww むそ  気になる方がいらっしゃったんです? なの  (中村さん上手だからむそさんに説明してあげてえ) あやね 中村さんお願いします!! 中村  説明文中村の出番! むそ  ばぶちゃんなので優しく教えてください あやね (むそさん、知らない話から始めてごめんね・・・) かやく さし飲みに誘われてませんでしたっけ? あやね そうっす!あと既に1回さし飲みしてます 中村  あやねさん歓迎会であやねさんが目の前に座った男性にヤンキー絡みをしてガチキレさせたらその男性に飲みに誘われたーーーーー 中村  というのが前回までのあらすじです 中村  えっ
なの  なんかあーちゃんに色目つかってなかったっけ?? 中村  飲み行ったの!? かやく 奥さんいるのに若い人を何度も誘うの? なの  食べられちゃうの? あやね さっきラインのやりとり確認したら、「彼女いないの?」と言う私の質問に対して「いない」と答えてます なの  ??????????????? かやく ナメてんな… 中村  まあ なの  彼女どころじゃないじゃん かやく 彼女はいないけど、嫁はいますーか? 中村  彼女はいないんだろうけど… なの  クソちゃんだね 中村  糞男! あやね 宇宙猫にもなるよね
なの  誰に聞いたの?子持ち既婚というのは かやく どうして既婚だということが発覚したんですか? あやね 会社の人「○○さん、お子さんが熱出したから自宅勤務にするって」 あやね 私「(宇宙猫)} かやく …………… 中村  うわぁ… あやね これまでの経緯をまとめたかra 中村  むしろバレないと思ってたのかな? あやね ねー。謎だし。殺意しかねえ なの  (ちょっと服着てくる) むそ  離婚して子持ちとか? 中村  なのさんちゃんと服着て! あやね その人と仲良い人とランチ行ってその時に確認したら奥さんちゃんといるって むそ  (全裸で参加してごめんなさい) なの  (着た) なの  w むそ  ええええ あやね (風邪ひかないようにね) 中村  むそさんも! なの  舐められてるのかな むそ  彼女はいないけど嫁と子供はいる……… 中村  ちゃんといるんかーーーい なの  え、でも、あーちゃんを誘ったのは、 むそ  一休さんでももうちょっとマシなこというわ あやね wwww かやく 歓迎会であやねさんに絡まれる→ガンギレ→なぜか飲みに誘う(複数回)→よく分からないけど飲んでた→子持ち既婚発覚 あやね これまでの経緯をまとめたのでいまから貼り付けますね! なの  女として気がある感じだったのか、かわいい後輩…なのか…? なの  あ、おねがいします!
あやね 9月末に会社の人にサシ飲みに誘われいい感じに(いい感じ判定:物理的距離が近い、キス待ちされた、帰りに手を繋がれた) その日の帰りにLINEで「好きになった?」と聞かれるかつ「私のことは?」って聞いたら「好きになったよ」と返事され「彼女いるの?」と聞いたら「いない」 中村  !? あやね と言われる。その後、社内チャットやLINEで向こうから連絡がくる(話はくそつまんねぇ) そして先週、私がその人をガチギレさせる。その日の帰りにLINEで「嫌いになった?」や好きかどうか聞いてくる(しつこい)あと、今度二人で飲もうとも言ってくる。 本日、子持ち既婚者であることが発覚する。殺す
中村  殺す あやね (別垢でわめいたやつそのまま持ってきた^^) あやね これでみんなの認識が一致した! かやく コロス(*^^*) むそ  きすまちってなに なの  ころす? 中村  みんなの見解も一致しましたね! なの  キス待ちの状�� むそ  子持ち既婚者が何をしてんすか むそ  ばかじゃねーのばかじゃねーの????? 中村  キス待ち私も詳しく聞きたい あやね キス待ち>キスしてほしそうな感じで顔向けてきたて言えばいいのかな?
ENTER:メヒカリ
かやく いたたたた 中村  メヒカリさん!? むそ  こんばんは あやね メヒカリさん! メヒカリそいつぶっ殺しに行きたいな!!! かやく こんばんは? あやね wwww 中村  3pできたんですか!? あやね ねえさんありがとう!! かやく 姐さん!! メヒカリハッ…すみません、3P:6 中村  いえ、まだならいいんです メヒカリ3Pはまだですw なの  こんばんわめひかりさん! 中村  できてたらこのチャット一時中断してます… なの  (今一番の性癖をお願いします!) むそ  (空前の3Pブームやばいっすね。おちんちんがあたたまります) なの  w メヒカリ今一番の性癖は、3Pで上と下のお口を二本挿しされることです! なの  ありがとうございます!!! かやく わー(拍手) 中村  最高! あやね 前から後ろから、ね なの  (あやねさん引き続き怒りを爆発させて) あやね うおおおおお(般若の絵文字) メヒカリ(ごめんなさい、あやねさんのお話を聞きにきました) なの  何のつもりだったんだろうね。あわよくばつまみ食いってことなのかな。
むそ  ちなみに糞男の子供って何歳くらいなんですか? むそ  ばぶちゃん?小学生? あやね お子さんは3歳ぐらいらしいです(会社の人情報) なの  ふぁーーーーー 中村  ひえーーーーー メヒカリ可愛い盛りやんけ…… あやね どんびきよね むそ  3年目の浮気か?(鼻ほじ) 中村  ドン引 あやね 大目に見れねえwww なの  それが今日の話?? かやく 今日発覚したんですか? 中村  両手をついて謝ったって許さない殺す
あやね 子持ち既婚者発覚が今日の話です むそ  おつかれさまです なの  発覚してからその人と話したのですか? かやく んで相手は出勤してないから顔合わせてはないんですね 中村  なるほど かやく ラインとかきました? 中村  らいん なの  なるほど あやね そうです!明日は来るよ! なの  うわ、めっちゃ嫌だあ あやね 今日はラインきてません。最近はラインも社内チャットもこない。平和 メヒカリ相手は既婚子持ちバレしてることわかってるのかな? むそ  お子さんの具合どうですか??( ??? )って聞くしか あやね 多分解ってないですね^^ あやね このまま知らないていでいて何してくるか待ってようかなって 中村  むそさんwwwww なの  (むそさんこわいw) むそ  慰謝料請求 なの  自分だったらどうしたらいいのかわからないな… むそ  社会的にも経済的にも抹殺するのです
あやね これ私がうっかりキスしてたりホテル行ってたらほんとやばかった なの  ホントだ… 中村  ほんとですよ! 中村  ほんjと未遂で良かった! かやく ほんと!不倫になるとこですよ! なの  怖すぎる… むそ  こわ……… あやね 私が本気になったら、実は不倫だったとか怖すぎ 中村  いやだああああ なの  今日たまたま知ったから良かったけど、本当にその可能性あったもんね かやく なんかそんなクズ人間が同僚としているなんて… メヒカリ「深夜のダメ恋図鑑」に似たような話あったよけ あやね wwwww 中村  あやねさんいはもっと幸せな恋をしてほしい… むそ  糞男にひっかからなくてよかったですね… あやね ダメ恋図鑑wwww友達にも同じ個と言われたwwww なの  www
かやく 個人的な接触は断っても会社にいるのがなあ? なの  一緒に働きたくない… あやね 今、目の前の席だよ^^ むそ  気まずいですね なの  うわ 中村  最悪 むそ  やっぱり先手必勝じゃないですか? メヒカリむしろ、相談する体で偉い人にチクるとか 中村  うんうん 中村  相手左遷されねえかな? むそ  お子さん大変だったみたいですね?ハッハッハ( ??? )で なの  w あやね お子さんネタだしちゃう~??^^ むそ  偉い人に言っておくのはアリかと 中村  出しちゃった反応見たい気もする
あやね あ、でもその人はフリーランスで来てる方なので時期が来ればいなくなります かやく うん。あやねさんから誘った なの  ほえー… メヒカリ(実は私も似たようなことあった…既婚子持ちなの隠されて合コンセッティングさせられたの) 中村  今後もあやねさんのような被害者を出さないためにもね! かやく とか言われたら不利になるから なの  メヒカリさんも… 中村  えーーーー あやね あいつと仕事したくないから契約延長しないでくれ!!!!!っていうのは既にリーダーに伝えてます。マジ仕事できないゴミなんで むそ  妻子持ちの男ってそんなに暇なんですかね 中村  仕事できないのかw かやく 仕事できないw むそ  男としてなにもかも不能 あやね wwwwww なの  w メヒカリ仕事までできないとかw何ができるの?w むそ  セックス なの  ww メヒカリは~~~ん あやね 女にちょっかいかけることかな??
ENTER:ユキチャン
なの  一番駄目なやつだ むそ  どうせそういう男はセックス下手でしょ(しらんけど) 中村  ユキちゃんこんばんは! メヒカリユキちゃん!こんばんは! ユキチャン  こんばんは! かやく 最低だわ。あやねさんにも奥さんにも同情しちゃう むそ  ゆきちゃんさんこんばんは あやね あいつの書いたコード読むのマジ苦行(ぼくはぷろぐらまー) あやね ゆきちゃーん!こんばんわです! かやく ユキチャンこんばんわ むそ  頭悪いやつのコードは頭悪い
あやね (お子さんネタ出したら「言ってなかったっけ?」って反応されそうな気もする) メヒカリ(でも、フリーランスで悪い噂が立ったら困るのは本人だろうにね…?何も考えてないのかしら) むそ  おちんちんもフリーランスなのかな なの  ゆきちゃんこんばんわ!(今一番の性癖をお願いします!) あやね 他の人いわく、あいつは馬鹿で適当 メヒカリむそさんwwww あやね wwww なの  むそさんw あやね むそさんマジ最高 むそ  奥さんと契約してますよ???永久契約してますよ???? あやね wwww 中村  www ユキチャン  (今一番の性癖は孕ませセックスです) かやく www むそ  頭が悪いと契約破棄になっちゃうのかな なの  (ありがとうございます!) かやく 孕ませいいね! むそ  (種付ぷれす好きです) メヒカリ(だいしゅきホールドも好き) ユキチャン  (アッ、両方しゅき...) むそ  (キスハメもすきです)
かやく でも会社でも居場所ないんじゃ、変に根回しされてあやねさんが、悪者になることもないか むそ  ともあれはやく契約終了してほしいですね かやく そうですね。消えて。 メヒカリフリーランスだと、懲戒とかも対象外でしょうしね。契約切って終わり。 なの  とりあえず終わりの見えている付き合いで良かった… むそ  追い込まれて逆上したりしないといいですけどね あやね なんか、周りからは「しょうがないやつ~」みたいな扱い。人柄はいいみたい(対男性) かやく 子供熱出してくれてありがとう!!! メヒカリ人柄よくないだろ。どちゃくそ悪質だわ! なの  ホント、逆恨みとかされたらやだからもう関わらないでほしい
あやね この話をランチのときにしたら「女性関係の話は聞いてないけど、そんなやつだったのか・・・」みたいな感じでした なの  もうみんなに知れ渡ってるの? 中村  それは良かった! あやね ランチの人にしか言ってないよ かやく 会社の人は既婚なの知ってるのに、あやねさんにちょっかいだす計画性のなさもバカ むそ  そのあとランチの人が言い寄ってきたりして…… 中村  ランチの人がみんなに言ってたりして むそ  疑心暗鬼 なの  言い寄られる女、あやね むそ  あやねさんが魅力的すぎるのが悪い!!!!!! あやね ランチの人は長くお付き合いしてる彼女さんがいてその話してくれたのでだいじょうぶ 中村  あやねさんかわいいから… なの  あーちゃんかわいいから… かやく 罪な女… むそ  罪な女!!!!!鯉ちゃん心配してますよ!!!!!1 あやね いや、まじ、モテない街道驀進しててこれだったから・・・ あやね やっと私に好意を持ってくれる人が現れた!!!って思ってたらこれだよ!!!!!!!!! なの  高嶺のあやね かやく 音くんは裏切らない! メヒカリいや、あやねさんは悪くないよ!お花にカメムシが寄ってきただけの話だから! むそ  そのうち「長く付き合ってた彼女とうまくいかなくなってきて……」とかはじまったりして…… なの  カメムシ! むそ  昼ドラ(期待すな) 中村  カメムシはどこにでも現れるから… なの  熱い展開を期待 むそ  けちょんけちょんにしてさしあげて
あやね ランチの人は全然そんな感じじゃないの!!面倒見の良いできるエンジニアなの!!!そしてオタク 中��  オタク!!! むそ  オタクなら大丈夫だ あやね でしょ?^^ むそ  オタクは安心 中村  いたんですね!!!!! なの  安心と信頼のオタク かやく オタクを信じるオタク むそ  信頼できる男、オタク むそ  オタクに悪いやつはいないってオタクが言ってた なの  w あやね www かやく 次誰?? なの  話したい人手~挙げて! あやね (みんな、アロエリーナしてくれてありがとう!!)
1 note · View note
kuborie · 3 years
Link
オトナの教養 週末の一冊 2018年8月17日 うつの体験から考えぬいた、平成の反知性主義を克服する方法 『知性は死なない 平成の鬱をこえて』 與那覇潤氏インタビュー 本多カツヒロ (ライター)
 気鋭の歴史学者として活躍し、当コーナーにも2度登場していただいた與那覇潤氏。しかし、2015年に双極性障害Ⅱ型(軽躁の状態とうつ状態を繰り返す病)で入院。後に、勤めていた大学を辞め、歴史学者を廃業するとも公表した。一時は著しい能力の低下により、本を読むことさえ困難になったが、回復後に出版したのが『知性は死なない 平成の鬱をこえて』 (文藝春秋)だ。病気を通じて世の中を見る目が変わったという與那覇氏が、平成の日本を席巻した反知性主義について語ってくれた。
――世界的に見ても、平成の日本を見ても、反知性主義が跋扈していると度々指摘されます。平成日本の反知性主義について、どう捉えていますか?
與那覇:病気をする直前の2014年に、精神科医の斎藤環さんと対談させていただいたことがあります。当時はヤンキー文化論が流行っており、大雑把には「ヤンキーは身体感覚、つまり直感的な情動だけで動く人たちだから、言語による思考や説得が通じず、反知性主義に流れていきやすい」という議論になりました。
 たとえば「憲法九条をどう解釈すれば、防衛と平和主義を両立できるか」という言語による思索の歴史を全部スキップして、「戦力の放棄とかバカじゃねーの?」の段階で思考停止してしまえば、ヤンキー的な改憲論になる。そうした視点は、一面の真理を突いていたと思います。ただ病気を経て、いま思うのは、それではまったく不十分だったということです。
――SNSでも、他人の発言を批判する人たちが、叩きたい一部の字面だけを切り取って攻撃し、背後の文脈や相手の立場を踏まえていないことがよくあります。
與那覇:そういう人を、「これだからネットの住民は、反知性主義で困る」と切り捨てるのが、当時の私も含めた多くの言論人の態度でしたよね。
 しかしよく考えると、大学の授業でも同じタイプの学生と山のように出会います。文献の要約を課されると、各段落の1行目の抜き書きをコピペでつなげたレジュメを作り、発表の時もそれを読み上げるだけで、本人が内容を理解していない。東京大学にも、そういう子は普通にいましたよ。ゼミによっては、発表者の半数がそんな感じにさえなる。
 そして私自身、うつ状態で能力が著しく低下することではじめて、彼らがどういう状況なのかを体験したんです。たとえば本を読もうとすると、いちおう文字自体は読める。しかし自分が書いた文章なのに、1行目と2行目が「なぜつながるのか」が理解できない。そういう人が、(病気の有無にかかわらず)世の中の相当な割合を占めているんだと、そこから出発しないといけないことに気づきました。
――そこから、「身体ではなく言語で、正しい思考の道筋を示せば、世の中をよくできる」といった、いかにも知識人的な態度を疑い出したということですか?
與那覇:そうですね。そもそも世界的に見ても、インテリ層は「言語」の力で社会的な地位を得ているので、「言葉で分析できる俺たちは優秀」「言葉にできず身体的欲求だけで動くやつらはバカ」のように考えがちです。
 平成の日本でいうと「マニフェスト」みたいに、しっかり言語で公約を表明させれば政治がよくなるんだと、そういう主張が進歩的に見えたのも、ルーツは同じですね。
――だから、身体だけで動くヤンキーは「反知性主義だ」と指摘して、自分たちの方が上だという印象を作り出し、片づけてしまいがちだと。しかし、それでは本来の意味での反知性主義とは何でしょうか?
與那覇:広く読まれた森本あんりさんの『反知性主義』(新潮選書)を参照すると、反知性主義の根源は宗教改革までさかのぼれます。当時主流派だった、「身体」に働きかける儀礼を重んじるカトリックを、「言語」による聖書の読解をもとに批判したプロテスタントは、正統に挑戦する人々という意味では反知性主義だと言える。むしろ言語をベースにした、「反正統主義」としての反知性主義ですね。
 ただ日本の場合はキリスト教世界に比べて、言語で徹底的に「どちらの考え方が正統なのか」をぶつけ合って結論を出す伝統が弱く、江戸の儒学史の一コマくらいにしかありません。たとえば、最近まで憲法学界は「自衛隊は違憲だ」という論文(言語)を量産してきたけど、政治家も国民も身体感覚ではそんなこと信じてない。つまり「言語による正統化」という試み自体の、基盤が弱いんですね。
 だからもう一段階、意訳をして、反知性主義とは「アマチュアリズム」のことだと捉えたほうがよいかもしれません。つまり、プロの学者は信用できない、アマチュアこそプロが見落としたことを知っている、という発想です。
――そうした「アマチュアの優位」を説く現象とは、具体的には?
與那覇:平成の前半に盛んだった、「新しい歴史教科書をつくる会」の運動は典型でしょう。当否はともかく、彼らは「プロ(歴史学者)の書く歴史だけがそんなに偉いのか」と主張していた。だから、学者の側が「あの人たちは学界で認められてないですよ!」と反論しても、沈静化するはずがない。その点を見抜いてきちんと対応された批判者は、生前の網野善彦さんだけではないでしょうか。
 しかも皮肉なことに、事実認識としてさすがに直さないとマズい箇所をプロの学者が(批判の形で)全部教えてあげるものだから、いつのまにか「つくる会」の教科書が普通に検定を通るレベルになり、使う学校も徐々に増えてゆく結果になった。錚々たる歴史学界のプロたちが、自覚なくオウンゴールを決め続けた姿は、平成における「知識人の失敗」を象徴するようにも思えます。
――今日の日本の反知性主義は、いつ頃からの流れと考えていますか?
與那覇:戦後(昭和)の後半から平成の初頭までは、むしろ知識人のアイデアが社会をよりよく変えるという期待が、高まった時期だったと思います。革新自治体の首長には、左派系の大学教授が多かったし、対峙する自民党でも大平正芳・中曽根康弘といった首相がブレーン政治を展開して、一定の成果を出しました。その流れを受けて平成の初頭には、政治学者が音頭を取って「小選挙区制による二大政党化」をめざす大改革が実現しました。
 ところが一方で、同じ時期から「霞が関バッシング」が吹き荒れます。銀行と癒着してバブル崩壊の破局を招いたとされて、大蔵省(現在の財務省)が炎上し、「今までいばってたけど、東大卒のエリート官僚ってどうなの?」という雰囲気が、社会に広まっていきました。 平成の政治制度は前者の流れ、つまり知識人の主導で設計されても、実際にそれを動かしたのは後者の流れ、「プロへの不信」という意味での反知性主義だった。厚生省の薬害を追及して人気を得た菅直人さんや、外務省と全面対決して初期の小泉改革ブームを演出した田中真紀子さんは、「私はアマチュアだ。だからこそ、名ばかりで腐敗したエリートと戦える」というポーズで出てきました。
 最初は「慰安婦問題などで、つくる会と同じ主張をしている右寄りの政治家」という印象だった、いまの安倍首相も、同様の文脈で理解できますね。
――安倍首相や麻生財務大臣も含め、現政権は反知性主義的だと言われます。
與那覇:たしかにそうなのですが、そこでいう反知性主義を「学歴が低く、教養もなく、バカじゃないか」という意味にとってはいけないのです。支持者は「そこがいいんだ。だから、東大卒のエリート官僚なんかに取り込まれない」と感じているのですから。
 首相に返り咲く際に安倍さんは、当時の日銀を激しく攻撃してアベノミクスを掲げましたね。今日につながる財務省・日銀批判のルーツは、30年ほど前(1977年8月)に榊原英資さんと野口悠紀雄さんが『中央公論』に発表した「大蔵省・日銀王朝の分析」でしょう。お二人は本来大蔵官僚でしたから、この時点ではエリート社会の内部での論争であり、かつ「総力戦体制のように、官庁と日銀がすべてをコントロールしようとするのはよくない」という趣旨でした。
 ところがバブル崩壊後の大蔵省無能論や、相次ぐ消費増税への素朴な反発など、平成の反知性主義の高まりは、「俺たちノン・エリートの代表をトップにして、国の経済政策を一変させれば、全部うまくいくんだ!」という、より強力な国家主導を求める財務省・日銀批判につながっていった。担い手にも、少なくとも学者としてはアマチュアにあたる、経済評論家を自称する方がずいぶんおられますね。
――「エリートへの反乱」という反知性主義の特徴は、日本以上にトランプ大統領のアメリカや、EU離脱を表明したイギリスで指摘されます。これらの現象も、平成の日本と同じと捉えてよいのでしょうか?
與那覇:共通性と差異の両面を見なくてはいけません。たとえば、ヨーロッパで反緊縮財政を叫ぶ政治家や運動が力を伸ばしているからといって、「世界の潮流は反緊縮だ。それを日本にも」と唱える人が、知識人のあいだに増えてきました。ご本人としては、平成の反知性主義に対して自分たちが無力だった経緯を、反省しての行動なのでしょう。
 しかし、ヨーロッパで反エリート主義が反緊縮政策の形をとるのは、EUという、国家の上部に��り、選挙権がきちんと及んでいるのか不明瞭な存在が、共通通貨(ユーロ)の価値を維持するために「外部から緊縮を強制してくる」という前提があるからでしょう。日本に、それに相当するものがどこにありますか。「財務省支配がそうだ」というなら、まずはその根拠を政治学的に示すのが、本来の知識人の作法ではないでしょうか。
 まったく前提が違うのに、「ノン・エリートの声に耳を傾ければ、結論は反緊縮だ!」というのは、短絡というほかありません。知識人が率先して、「不勉強」というシンプルな意味での反知性主義を実践しているようで、憂鬱になります。
――何重もの意味で、「反知性主義化」が進んでいく世の中は、今後どうなっていくと考えていますか?
與那覇:エリートや専門家への不信は、これからも続くでしょう。しかし、いくらエリート支配が不快でも、「じゃあ自分で全部やれよ」と言われると、多くの人は困ってしまう。その場合、「誰によって統治されたいか」の基準が大きく変わり、結果的に前近代への逆行が起きないかと心配しています。
 近代社会を運営する学歴エリートは、勉強の成果という「後天的」に習得された特性によって、自分たちを権威づけてきました。それが気に入らないという反面、出自・家柄といった「先天的」な権威については、セレブだといって以前よりも持ち上げる風潮が、平成の半ばからあるように感じます。たとえばタレントどうしで結婚するより、歌舞伎役者の奥さんになる方が「格上だ」と匂わせる報道が、ずいぶんありますよね。
 くわえて日本では歴史が壊死していっているので、人々が優生学の復権に怖さを感じない。「能力は遺伝で決まる!」といった趣旨の記事をよく見かけますし、美男美女の芸能人カップルが結婚すると「子どもの遺伝子が凄そう」といったコメントが普通にあがる。どうして、本人の幸せより遺伝子が気になるのでしょうか。
――スポーツ選手どうしの結婚でも、どんな優秀な運動能力の遺伝子を持った子どもが生まれるのか、などという話がでますね。
與那覇:平成のあいだ、主にリベラルな知識人は「ぼくたちが改革をやって、古い慣習を壊し、もっとのびのび自分の能力を発揮できる社会にします」と唱えてきました。だけど、自分自身に「社会で活躍できる能力がある」と思える人って、実はものすごい少数派なんです。
 結果として、多くの人はむしろ「たかだか後天的な能力でいばってるエリートは、ムカつく。どうせエリートぶるなら、『生まれからして違います』であってくれ。それなら我慢できるから」という風潮に流れていったようにも思います。トランプ大統領にしても、父親も不動産王だからそこまでたたき上げじゃないし、娘さんは完全に親のコネで仕事をしている。でも、それでいいという人たちが、現に多数派としているわけです。
 「反知性主義と戦う」というなら、トランプや安倍さんの個別の「バカな言動」ではなくて、そうした潮流の方を見なくてはいけない。かつて学者として、それができていなかったという反省も込めて、今回の本を書きました。
――難しい課題だと思いますが、本書の中では対案も出されていますね。
與那覇:現時点での粗っぽいデッサンにすぎませんが、そうです。「能力」というものの捉え方を変えるしかない。それにともなって、大学はじめ教育機関のあり方も、考えなおしていかなくてはいけません。
 ヒントをもらったのは意外にも、病気で知りあった友人たちと始めたボードゲームでした。たとえば、病気の症状もあって「能力が低い」人がゲームに交じると、進行が滞って、みんな不愉快になる。そういう風に考えがちですよね。率直に言って、自分も最初はそうでした。
 しかしそれこそが、平成の知識人と同じ誤りを犯していないか。むしろ能力を個人ではなく、その場にいる人びとの全体が共有しているものだと考えて、「個人単位で見た場合の能力差があっても、みんなが面白く楽しめるように、この場を運営すること」こそが、本当の意味でやりがいのある「ゲーム」ではないか。
 そうしたいわば「能力のコミュニズム」を通じて、ギスギスとしていく社会に新しい展望を開きたい。その考えに至ったとき、教員・学生相互の間で不協和音が広がり、安易な弥縫策で教育のレベルも下がってゆく目下の大学を辞めることに、まったく後悔はなかったんですね。「病気で失職した人の手記」と聞いて連想しがちな印象とは違って、むしろポジティヴな本にできたと思っています。
0 notes
higashiazuma · 4 years
Text
ヤンヨグ鮭卓ログ #2 異世界ふれあい街歩き~そしてエルフは定時退社の夢を見る
!ご注意! このログには、裁定ミス、吟遊プレイ、内輪ノリなどが大量に含まれます。 どんとこいガハハ!な方のみ、お酒でも飲みながらのんべんだらりとお楽しみください。
ちなみに文中で使用しているナイスな各種シートは公式サイト(http://www.bouken.jp/pd/yy/)からDLできるぞ! るるぶを購入したら、今日から君もヤンキーだ!!
~お詫び~ セッションに用いたタウンマップの番号の割り振りが、公式のシナリオシートとは異なっていました。 このセッションで運用していた番号のまま進行しますのでご了承ください。
GM : うろつきフェイズ、1サイクル目です。 GM : ~ここから説明~ GM : うろつきフェイズでは、バッドヤンキーチームと施設の取り合いをします。スプ〇トゥーンです。 GM : 例えば、1の施設にPCが入ると、その施設はPCのナワバリになります。 GM : 1の施設に敵が入った場合、その施設は敵のナワバリになります。 GM : PCと敵が同時に施設を訪れた場合、「喧嘩上等」が発生します。勝者のナワバリになります。 劔 理一(PL) : チーマー的には正にチームカラーでグラフィティ描いたりするやつだ GM : ですです GM : また、PCとバッドヤンキーが同時に施設を訪れた場合、「やべえ」が発生します。 稲原 アギト(PL) : なんて??? GM : 「やべえ」です GM : 正式名称です GM : PCは強制的に病院送りになり、2サイクル目のうろつきに参加できなくなりますので、かっこいい負けロールを考えておいてください。 稲原 アギト(PL) : そんなスモッグみたいに形容詞が発生することある??? 劔 理一(PL) : 何度読んでも変な声が出る、「やべえ」の発生
※コーラルキングダム地方の天気は、晴れ時々曇り、ところにより「やべえ」でしょう。
GM : 2サイクル目終了時点でPCのナワバリがバッドヤンキーのナワバリ以上だと、良いイベントが発生します。 GM : 1サイクル目で取れる行動は、「行きたい施設を宣言」、「他のPCに同行」、「うろうろ」のいずれかです。 GM : 「うろうろ」は1D6を振り、出た目の場所に移動します。 GM : いっせーの、せ GM : で、「行先の施設の番号」、あるいは「〇〇に同行」、「うろうろ」と宣言してください。 GM : 注意事項として、  ・行先の相談は不可です。ヤンキーは己の意思のままに動きます。  ・2サイクル目の移動先は、原則的に施設の上下左右のどちらかの施設になります。  例えば1サイクル目で「1」の施設に入った場合、2サイクル目での行き先は「2」「3」「その場で待機」になります。 GM : マップで行き来できる施設は道を繋いでるのでご参考にどうぞ 稲原 アギト(PL) : 丁寧なマップだなあ GM : バッドヤンキーチーム、およびお助けPCの行動はシナリオで決定済みとなっています。~説明おわり~ GM : 何か確認とか質問とかございましたらどうぞー 劔 理一(PL) : そういえばうろつきフェイズで使えるスキルがあるんだけどどうしよっかなあ 劔 理一(PL) : 今回はまだいいだろうか… GM : あ、使いどころさんですね!どうぞ! 劔 理一(PL) : このスキルって別に何かを消費したりとか回数制限とかはないのですかね GM : はい!使えるときに使ってください! GM : ちなみに GM : 敵チームの兵隊(バッドヤンキーを除く敵のこと)が生き残ってると、クライマックスでちょっと面倒なことになるかもしれません
※具体的に言うと、ステータスと特性がそのままバッドヤンキーに反映されます。
劔 理一(PL) : よし使おう(確信) 稲原 アギト(PL) : 質問なんですが、例えばお祭り舞台へ向かったとしても、二サイクル目にはとられてしまうということですか? GM : そうですね。バッドヤンキーが確定で移動するので、結果的に取られる形になります。 稲原 アギト(PL) : 了解です!あとHP+3というのは、最大値とかあるんでしょうか バフ? 回復? GM : 現在値に+3されます! 稲原(PL) アギト : なるほど~! 稲原(PL) アギト : ありがとうございます! GM : どういたしまして! 劔 理一(PL) : じゃあ、とりあえず私は「情報収集」を使っておきましょう GM : では判定どうぞ! GM : 「インテリ」で判定するので GM : 2D6で5以上で成功ですね! 劔 理一 : !roll 2d6 ダイスボット : @リヒト rolled 8. (2+6=8) GM : 成功です!ではリヒトさんは持ち前の知力でなんかこう、閃いたんですかね。ヤバそうなやつはそのへんにいないかなって 稲原 アギト : さすがかしこいな 劔 理一 : うんうん やっぱり縄張り拡大にはまず地元を知らなければならない GM : 一般通行ドワーフから、「ガラの悪い人魚が人魚の村でもめ事を起こしてるらしい」「ガラの悪いドワーフがドワーフの洞窟に居座ってるらしい」と情報を得ました GM : これは公開情報なので、全員知っていて大丈夫です。ドワーフさん声大きかったです。 劔 理一(PL) : さすがドワーフ(偏見)
※ドワーフは背が小さく、声が大きく、よくお酒を飲んでいる。なんだかそんな気がする。
GM : 以上を踏まえて、心の中で行動が決まったらお知らせください! 稲原 アギト(PL) : いま心の中のリヒトくんと相談してるから待ってて 稲原 アギト : イマジナリーリヒト GM : はーい! GM : カシュッ 劔 理一(PL) : プシュュュュ GM : ッアー 稲原 アギト(PL) : 染みる~ 劔 理一(PL) : ダァン(缶がテーブルに着地する音)
※この卓、全員飲酒しているのである。
GM : GMはおくゆかしいのでレモネードです 劔 理一(PL) : えっ????(すとろんぐぜろ) GM : ただしい 稲原 アギト : イマジナリヒト……分かった おまえがそういうのであれば……
※アギトPLさんほどの熟練ともなれば、心の中で他のPCさんと会話することもできる。
稲原 アギト (PL) : 決まりました 劔 理一 (PL) : 私も決まりましたー! GM : いえ、「いっせーの、せ」って言った直後にタイプしてください 稲原 アギト (PL) : はーい! GM : ではいきますよー GM : いっせーの、せ
Tumblr media
GM : では施設番号の若い順番から処理していきます! GM : ドワーフの洞窟。ここでは、ドワーフたちが名産の珊瑚細工の原料を壁から掘り出したり、加工したりしている場所です GM : 天然の洞を使った施設となっております 稲原 アギト(PL) : 真面目にファンタジーしてるの笑うんだけど 稲原 アギト(PL) : CoCでもヤンキーでもないこの空間はなんなんだ……? GM(PL) : ヤンヨグだよ 劔 理一(PL) : ガイヤンキーですよ 稲原 アギト(PL) : そうでした 目を覚まさなくては
※そうだよ。
GM : ですがそれも昔の話、皆虚ろな顔で書類を記入しています… GM : 本来美しい珊瑚細工が並んでいたはずの机の上には、珊瑚切り出し許可証の証明書の証明書の証明書なんかが乱雑に並び… GM : 空手着の上に特攻服を羽織ったヤンキードワーフが「お前ら喜べぇ!!追加の提出物だぁ!!!」「ひぃぃぃ!!!!」 GM : そして城では、バッドヤンキー確定申告 GM : じゃなかった、画定深刻が GM : 追加の書類を抱えてイワンの様子を見に来ました GM : 「どうしたんですか?なんだかソワソワしているようですが…」「い、いえ…!何も…!」 GM : 「迅速な処理をよろしくお願いしますよ」書類ファサー  「う、ううっ……」ぽろぽろ GM : ということで1、2が過労死しました 劔 理一 : ウッッ 稲原 アギト(PL) : 人死にあるの!?!?!?!?!? 稲原 アギト(PL) : すごい笑っていて過酷な現実を見ていなかった GM : しんではないです だいじょうぶ GM : こころはしんでる 劔 理一(PL) : コトバノアヤダヨ!!! 稲原 アギト(PL) : あ、いや死んでも大丈夫なんですが(???) 稲原 アギト(PL) : よかった クラシックモードじゃなかった 稲原 アギト(PL) : カジュアルモードだった
GM : で、お寿司屋さんの前に来たリヒトさんですが GM : 営業中って張り紙は出てるんですが、しーんとしてますね 劔 理一(PL) : だろうなあ 稲原 アギト : 「で、お寿司屋さんの前に来たリヒトさんですが」  これだけですごく笑ってしまうの
※ドワーフの洞窟、城、そして寿司屋。
GM : 珊瑚の回廊、燐光やクリスタルランプの灯り GM : それらをくぐり抜けていくと GM : 急に和風なしつらえのSUSHI屋が現れます GM : 張り紙じゃなかった、暖簾が出てますね 劔 理一 : 「チッ…リゾートの施設だか浅草あたりだか分かりゃしねえぜ、しかもこの寂れっぷりはよ」 劔 理一 : でもとりあえず引き戸をこう、ターン! って開けるよ GM : では中で、ビクッと体をひきつらせるドワーフの店主と目が合いました GM : 「ラ、ラッシェイ…」 GM : やっぱり書類を書いてますね 劔 理一 : 「ああ悪ィな! ここでうまい寿司が食えそうな気がしたんだがよォ、今できるか?」 劔 理一 : 等と言ってる間にも書類が見えて思わずまた舌打ちが漏れるのだ GM : 「寿司…寿司か…でもよぉ…この書類書いちまわねえとよぉ…」 GM : なんかもう、山積みの書類そのものから嫌な感じがしますね。 劔 理一 : 「書類? そんなに大事なモンなのか? ちょっと見せてみろよ」 劔 理一 : ってな感じでずいっと中に入りつつ やっぱり同じようなかんじかな GM : 中身はさっきのと似たようなものです 「フグ料理人資格取得に要した費用の証明の証明書の証明書」「マグロ仕入れの領収書の証明書の証明書」 劔 理一 : わあ… 劔 理一 : これ、素材自体はただの紙なんですかね なんか破ったり燃やしたりできそう? 劔 理一 : それともマジカルななんかでしょうか GM : できますできます 劔 理一 : あっ できるんですね! 稲原 アギト : ふぐ調理師免許持ってるドワーフめちゃくちゃいいな……
※夜の営業では驚くほど薄いふぐ刺し、ふぐの千花刺しなる名物料理が出てくるとかこないとか。
劔 理一 : 「『書類』ってのはよォ、確かに大事なモンだ。それ一枚で助かる命があったり、結ばれる恋があったりする…」 劔 理一 : 「だが! ここにあるこいつらは! どう見たって何も決めちゃいねえ、ただの形だけの紙っきれじゃねェか! ふざけんじゃねェ!」 劔 理一 : そこにある一枚をなんか適当に掴み上げてビリビリビリ―って GM : では、リヒトが書類を持って裂いた瞬間 GM : 金色の炎を発して、一瞬で書類は燃え尽きます 劔 理一 : あっ何らかのサムシングが! GM : そしてそれに呼応するかのように、他の書類もすべて金色の炎を発して消滅します GM : そして… GM : 「あ、あれっ。俺は今まで何を…」 劔 理一 : !!! 稲原 アギト : すごい このヤンキー 書類の中身を理解しているうえでちゃんと不要と判断しているぞ GM : かしこい とてもかしこい 稲原 アギト : あれっ、COC……いやファンタジーあれ……
※実はこの書類全てに「いあいあ《ケツモチ邪神名》」という縦読みが仕組まれており、この存在自体が邪神の力を高める儀式として機能している。これを打ち破れるのは選ばれしヤンキーだけなのである!!…という屁理屈を今思いつきました。
劔 理一 : 「よう、目ェ醒めたか。これであんたは『自由』だ、なんか…ドワーフだったか? 寿司職人のオッサンよ」 GM : 憑き物が落ちたような表情をしていますね GM : 「あ、あんたはもしかして…!ヤンキー様!!ヤンキー様なのか!!!」 劔 理一 : 「丁度良い、お任せで何か握ってくれや。ダチに弁当やっちまったせいで腹が減ってンだ」
※本人のいないところでダチ認定していることに編集中に気付いてあらあらあら!ってなりました。あらあらあら!! 劔 理一 : 「…ヤンキーねえ、まあ、そういうことになるんじゃねえのかなあ」 劔 理一 : ちょっと照れるかもしれない 様付けはね慣れてないのでね… GM : 「ありがとう!!こんなに頭の中がスッキリしたのは本当に久しぶりだ!!」  「もちろん!心を込めて握らしてもらうぜ…!!!」 劔 理一(PL) : わーい! GM : そっとサーモンを追加しました 稲原 アギト(PL) : ガタッ 劔 理一(PL) : うん さっきなんか見たら増えてた 稲原 アギト(PL) : マグロってかいてあったのにいいい!!
※アギトPLさんの中身が無類のサーモンスキーだったことを思い出し、「追加武器:サーモン」を各施設に追加するGM。 --------- 武器名:サーモン 扱いにくさ:1 威力:1D6+6 大人も子供も大好きな定番ネタ。生身で泳いでたり、冷凍サクだったり、吊るされてたりする。 ---------
稲原 アギト(PL) : あとで(お寿司の)感想だけでもきかせてほしい GM : お寿司は頼めばなんでも出てきますね 劔 理一(PL) : 多分好物のネタとかはあるけど、そればっかり食べるのも奥ゆかしくないので  名物は何かとか、かつての賑わう港の姿とか聞いたりしながら盛り合わせを頂きましょう  きっとマグロもサーモンもおいしかったよ GM : 中トロ、サーモンバジル、エンガワ、イカ…現実世界のそれと少し違うものもあるかもしれませんが、どれも美味しいものばかりです 劔 理一 : 「好み:食事」がひかる 稲原 アギト : リヒト……おそらくつらい目にあっているだろうな……。 劔 理一 : 「うめえ。うん、こんな寿司握るのに書類の山なんか要らねえよ」 稲原 アギト : だが真の男ならば乗り越えられるはずだ……。折れるなよ……。 GM : トロの脂がじゅわー 劔 理一 : すまねえアギト…すげえ優雅に寿司食ってるよリヒトは… 稲原 アギト : おれはそんなことをつゆしらずイマジナリーリヒトをはげます 稲原 アギト : エビチリのぶんしっかり食べてほしい GM : じゃあ特製回転寿司が出て来たことにしましょうね GM : ヘイお待ち!って言いながらこう、魔法のなんかで、盛り合わせが乗ったお皿がくるくるーと回りながら目の前に降りてくる 劔 理一 : マジカルだ! GM : ネタも新鮮だよ!! GM : シャリのお米粒が立ってる…いや、回ってる!! 劔 理一 : 「はー…マジで異世界つーか、魔法の国なンだなここは」 劔 理一 : 大満足である GM : よかったよかった GM : HP+3、テンションが一段階上がります! 劔 理一(PL) : これはもう間違いなくテンアゲですよ 稲原 アギト(PL) : テンションがあがるよそりゃ GM : そしてここはPCたちのナワバリになりました!店主はニコニコしてます GM : 「いつでも来てくんな!」
GM : では次の施設に行きましょう GM : お祭り舞台は閑散としています GM : 舞台を囲むように屋台が並んでるんですが GM : そこの店主たちもやはり、暗い顔で書類を黙々と書いています GM : 「いつまでこんなことが続くんだ…」「あと一枚、あと一枚…!」 GM : 「できたーーー!!!」 GM : 書類どーん!! 稲原 アギト(PL) : 繁忙期
※繁はしてないので、ただの忙期である。
GM : 再び積まれた書類を目の当たりにして絶望する店主。ビヤーキーが邪悪に笑います。 稲原 アギト(PL) : 人間社会の理不尽を理解して押しつけてくる神話生物 劔 理一(PL) : とうとう出たよ神話生物 GM : 「ビヤーキッキッキッキ」 稲原 アギト(PL) : ビヤーキーってそんなんだったっけ? そんなんだった気がする GM : ソンナンダッタヨ 劔 理一(PL) : ソッカー
GM : では人魚の村に行きましょう!海中にあるんですが、ドーム状の結界が覆ってまして、その中では人族もぬれたり窒息したりすることなく自由に海中散歩を楽しめます GM : 主な光源は巨大なサンゴの燐光と、ヒカリサンゴが発する灯りですね。村そのものがちょっとした珊瑚彫刻の展示場のようになっています GM : そしてそこでも、やはり人魚たちは陰鬱な表情で書類に苦しめられています 稲原 アギト : 「コツコツと地道な作業を気の遠くなるほどタフに重ねて造られたのだろう光景……しょうさんに値する」 GM : ハル「うーん…でもこんな空気じゃ観光どころじゃないっすねぇー。」 GM : たまに、精魂尽き果てた顔をした人魚がプカーって浮いてたりします 劔 理一(PL) : アカン 劔 理一(PL) : 飼い主にやるきのない熱帯魚の水槽だ
※生き物は責任をもって飼いましょう。
稲原 アギト : 「あの書類はタルサ・ドゥームのしわざか」 GM : 「タル…なんですって?」 稲原 アギト : 「コンクリットのじめんに頭を打ち付けたくなるほどわるいやつということだ」 劔 理一 : アギトPLさんの逆噴射力にますます磨きがかかる 稲原 アギト : 実はおれもよくは知らないのでグーグルッに耳をそばだてていたのは墓まで持っていこうと思う。
※アギトの元ネタになっている逆噴射先生の好きな映画「コナン・ザ・グレート」の悪役のこと。
GM : 「へぇー!そうなんすか、博識っすねぇ~~~」心の中でこの人やっぱヤベエよって思いながら GM : そうしてるとですね、村の中央広場みたいなとこで GM : 「みんな!!もう大丈夫だ!!!」 GM : 「画定様がこうして僕を遣わしたんだ!!今、皆は全てから解放される!!!」 GM : 虚ろな目をした特攻服を着た人魚が GM : バッと特攻服を開くと、その内側には GM : 魔法火炎瓶がずらっと並んでるわけです GM : 魔法なので水中でも大丈夫です
※魔法なので。
稲原 アギト : 「おれの経験上、シロウトはかんぜんにだいじょうぶだと思ったしゅんかんが死に神とランデブーする時だ」 GM : ハル「言ってる事はわかんねーっすけど、言いたい事はわかるっすよ。」 GM : ハル「ブッコロっしょ。」 稲原 アギト : 「そうゆうことだな」 GM : というわけで「喧嘩上等」が発生します!戦闘です! 劔 理一(PL) : お二人が実にかっこよくて見入ってしまいました いいなあヤベエ二人だ… GM : 相手はヤンキー人魚が1体です。まずはPC側からになります。 GM : 行動順は動きたい人からです GM : ヤンキーにはイニシアチブという面倒な概念は存在しない
※たすかる。
稲原 アギト : なんとなくだが、おれはとてもうごきたいな GM : どうぞどうぞ 稲原 アギト : 親切なGMはやりかたをおしえてくれるだろう 稲原 アギト : おれはこの拳をどうやってふるえばいい? 稲原 アギト : おれは人魚の村にサーモンが生えていて小躍りするので忙しい GM : 攻撃に使用するヤンキースキルを宣言して、指定特技で判定を行います GM : 例えば「殴る」で「コークスクリュー」を使います、などですね 稲原 アギト : おれはボクシングをたしなんでいるため、ボクシングでシンプルに打撃をあたえていくつもりだ 稲原 アギト : テンションがそこまでではないので、コークスクリューはつかうきぶんではない
※アギトのヤンキースキル「コークスクリュー」はテンションがマジ切れ以上、「武器攻撃」はテンアゲ以上で使えるようになるため、現在取れる行動は「殴る」のみです。
GM : では使用スキルの宣言と判定をどうぞ!【殴る】もヤンキースキルに含まれます! GM : テンション指定がないスキルはいつでも使えます 稲原 アギト : おれは理解した 【ボクシング】で【殴る】を使うことにする GM : はい!では2D6をどうぞ!5以上で成功です! 稲原 アギト : !roll 2d6 ダイスボット : @アギト rolled 7. (5+2=7) 稲原 アギト : おれは物理けいさんをうまいこと味方につけたようだ。 GM : 戦闘スタイルで攻撃力が+1なので、合計6点 GM : から、人魚が打たれ強さ+1なので5点ダメージです。 稲原 アギト : ちょうどおれの期末テストの物理のてんすうと同じ数値だな GM : マジデ 劔 理一(PL) : 物理ェ… GM : 良いとこに入りました 稲原 アギト(PL) : やった~! GM : 「ウグッ!!じゃ、邪魔をするな…!!!これはみんなのためなんだ…!!!」 GM : 目が完全にイッてます 正気度が無い目です 劔 理一(PL) : 洗脳済みかあ GM : 騒ぎを聞きつけた人魚たちは書類を書く手を止めて成り行きを見守っていますね 稲原 アギト : 「考え無しのとつげきはなにももたらさない。考えないなら、おまえはじきに冷たいコンクリットの荒野に横たわってむだ死にするだけだ」 ※海中である。 GM : 「ほざけ…っ!!!」で、殴られた反動で海中をふわーっと漂っていくんですが GM : その先にハルがいます GM : 「ナーイスパスっすよぉ、センパァイ」 稲原 アギト : 「良い位置だ。死にたがりルーキーにこの荒野の厳しさを教えてやれ」 GM : 一般通行【サーモン】をむんずと掴んで【武器攻撃】します。【キレてるやつ】の効果でテンション普通から武器攻撃ができます 劔 理一 : サーモンが!!! 稲原 アギト : 一般通行【サーモン】?????? GM : さらに【サーモン】は扱いにくさが1なので達成値が-1されますが、【キレてるやつ】で達成値が+1されるのでプラマイ0です!【テキトー】で判定 GM : !roll 2d6 ダイスボット : @GM rolled 9. (6+3=9) GM : ダメージ出します GM : !roll 1d6 ダイスボット : @GM rolled 2. GM : 6点足して8てーん GM : 打たれ強さ1点引いて7サーモンです 劔 理一(PL) : ハルくんヤベエ 稲原 アギト(PL) : バンデラス…… GM : サーモンの鋭い顎で��元をガッとやりました 劔 理一(PL) : 情け容赦ない 稲原 アギト(PL) : 私ずっと柵を想像していて 稲原 アギト(PL) : 頭の中でビッターーーン!ってなってた GM : じゃあサクでいいです 劔 理一(PL) : wwwwwww GM : 一般通行冷凍サーモンサクで GM : カドでガッとやりました 稲原 アギト(PL) : マッポーめいてる GM : 出荷前だったんですが、みんなこんな有様だったから荷が解けたんでしょうね GM : かなしいことです GM : ではヤンキー人魚が脱落して GM : ハルがアギトとハイタッチします 稲原 アギト : ハイタッチして頷いて、「真の男のたたかいを見届けさせてもらった」 劔 理一(PL) : イマジナリーリヒトもこれにはにっこり 稲原 アギト : 「やはりおれの見込んだとうりだな」 GM : 「先輩もナイスパンチっした。ヘヘッ」 稲原 アギト : 「リヒトも歓喜することだろうな」 GM : じゃあそうですね、アギトさんがそれをぼんやりと眺めている人魚が持っている書類の束に気付いたことにしましょうか 稲原 アギト : あ、じゃあそれで手を拭こう 稲原 アギト : ちょっとぬめぬめする 稲原 アギト : こんなのではベイブに嫌われてしまうからな
※今なら追加コンテンツ:水着ベイブ、手洗いベイブが販売中。
GM : では書類で雑に手を拭うと GM : 書類は金色の炎に包まれて一瞬で消滅します 劔 理一(PL) : 雑ゥ! GM : 他の人たちの手元にあるものも同様に消滅しますね。ボッ 稲原 アギト : 「そあくな書類だな」 GM : そして村中に大歓声が巻き起こります GM : 「ヤンキー様!!」「ヤンキ―様だ!!!」 GM : わっしょいわっしょい GM : ベイブもちょっとびっくり「プキュ」 稲原 アギト : 「おれは真の男だが、きほんてきには褒められるのはそう嫌いではない」 GM : 「あれ、センパイ照れてるんすかぁー?」 稲原 アギト : 「真の男は照れるというなんじゃくなこういはしない」なんかペース早めにベイブにレタスをやっている 劔 理一(PL) : かわいい GM : かわいい GM : 二人は村長の屋敷に通されて、歓待を受けます。地元の名物料理とかが出てきます GM : サーモン料理とか出しましょうね 稲原 アギト : (これはさっきのサーモンじゃないだろうか)と思いながらも出されたものはれいぎなので残さずいただきます GM : さっきのサーモンドコイッタンデショウネ GM : サーモンの姿作りとか出たんですよきっと 劔 理一(PL) : 君のような勘のいいガキは嫌いだよ 劔 理一(PL) : いかん 村長サイドをじゃあくにしてしまった GM : もんだいないです やんきーなので 稲原 アギト(PL) : 弱肉強食
※やんきーなので。 GM : 人魚の村がPCたちのナワバリになります。美味しい村の料理をいただいた二人は攻撃力か打たれ強さ、どちらかを1点上昇させてください GM : そしてさっきのダメージ計算で戦闘スタイルの攻撃力を足してなかったことに気付きましたが問題ありません 稲原 アギト : おれはさきほどのハルの鋭い一撃に感銘を受けた。ぜひどうやったらあの威力をだせるのかおれにレクチャーしてほしい。というわけで攻撃をあげます! 稲原 アギト : 一時的かもですがRPとして 劔 理一(PL) : いいRPだなあ…! ※施設効果にRPを絡める熟練の手腕である。勉強になります。 GM : ハルはテキトーにそのへんのモンでブン殴れば良いンすよ~ってヘラヘラしてます。それよりもさっきの拳、マジリスペクトっす!って 稲原 アギト : 戦闘スタイルの攻撃力を足し忘れたが、そうでないかなどはメキシコではささやかなことだ。もぐもぐ。 GM : アギトとハルの友情度が1点上がります 稲原 アギト(PL) : コミュ進んだな! GM : ちなみに関係性も変更できます 稲原 アギト(PL) : ライバルにしよう 稲原 アギト(PL) : ライバルを作っていこう 劔 理一(PL) : 好敵手と書いてともと読むタイプのライバルだ! 稲原 アギト(PL) : 周りの真の男と切磋琢磨して真の男を目指すのだ GM : 私は関係表を振りますね GM : !roll 1D6 ダイスボット : @GM rolled 1. GM : 家族 GM : ファミリー認定しました 稲原 アギト(PL) : 距離が近い!!! 稲原 アギト(PL) : 縮地を使われてしまった 稲原 アギト(PL) : いいな GM : めっちゃなれなれしくなった 稲原 アギト : 真の男はなれ合わないのかもしれないがおれはフツーに嬉しいためかまわない。 GM : かわいい 劔 理一(PL) : かわいい GM : センパイ、ハンカチ忘れてるっすよーって 稲原 アギト : おっとしまった。ありがとう。 稲原 アギト : にんじん柄のハンカチをしまう
Tumblr media
GM : では真の不人気、港。みんな死んだ目で書類を書いています。おわり 劔 理一(PL) : oh… 稲原 アギト(PL) : 過重労働が水揚げされてるな
※この時点で時計がてっぺんを回ったため、GMは描写をちょっと巻き始めている。
GM : これで1サイクル目終了です!
Tumblr media
GM : ここで「夢見る交流シーン」が発生します GM : 対象は GM : !roll 1d2 ダイスボット : @GM rolled 1. GM : アギトさんですね 稲原 アギト : ドリームか。まかせておけ 稲原 アギト : 全く意味が分からないシーン名だがまかせておけ
※公式だってばよ。
GM : では時を少し遡って GM : 皆さんが城から脱出するシーンです GM : どうしようかな、こう、脱出用の地下水路みたいなとこで 稲原 アギト : 通ったな(断言)
※お城には地下道がある。ガイヤンキー古事記にもそう書いてある。
GM : 先を歩くイワンが、アギトにぽつりぽつりと話しかけるわけですね GM : 後ろの方ではたぶんハルとリヒトが話してます GM : イワン「最初、バッドヤンキーは邪神を追い払ったかのように振る舞い、私たちの生活のためにと様々な知識を授けてくださいました。」 GM : イワン「事実、それで一時期、町は以前よりも栄えたのです。ですが次第に、提出しなければならない書類が増えていき…」 GM : 言葉を詰まらせます GM : 後ろではハルがリヒトに「マジッスカー」「パネッスネー」してます 稲原 アギト : 「なるほど……血が凍るような恐ろしい手口だ」 稲原 アギト : 「おれも空欄をしあげるのはすきじゃないからな……」 GM : 空欄をしあげる 稲原 アギト : 「スペッスを埋めるのはじっとしているよりもより困難で、かなりの忍耐がいる」 GM : 「ハハ…ヤンキー様も、こういったことはお嫌いですか。」 GM : 「最初は、皆のためなればと思ってたんですが……」 稲原 アギト : 「おれはこじんてきに苦手だが、すきなやつもいるため、気に病むひつようはない」 GM : 「…ありがとうございます。伝説に違わず、お優しいですね、ヤンキー様は。」 稲原 アギト : 「おれは真の男……グッドヤンキーをめざしている」 稲原 アギト : 「おれじしんのためだ」 GM : 「ヤンキー様はすでに、グッドヤンキー様ですよ。」 GM : 「伝説が本当ならば、ヤンキー召喚の儀式は真に善きヤンキーしか召喚されないはずなんです。……町長のことは、本当に残念でした…」 稲原 アギト : 「グッドヤンキーは一度なればおしまいじゃない。そのしゅんかんしゅんかんでグッドヤンキーになろうとしなくてはなれないものだ」 GM : 「…こうなるまでは私、珊瑚彫刻が趣味だったんですよ。でも、最後に彫刻刀を握ったのがいつだったか、思い出せなくて…」 稲原 アギト : 「きっと次に握るのはすぐになる、元気を出すんだ」 GM : 「ヤンキー様…」尊いものを見るまなざしですね GM : 「私は…私は、今日こそは定時で帰りたい。もうそれだけが、私の願いです…。」 稲原 アギト(PL) : 定時まで仕事はするのえらすぎない???????? GM : イワン=ミニバンの「大切な夢」は「定時で帰る」ことです。
Tumblr media
稲原 アギト(PL) : 泣けてきそう 劔 理一(PL) : 夢で終わらせちゃだめな夢だそれは!!! 劔 理一(PL) : なんかもうずっと良い話だなあって黙って読んでましたけど イイハナシカナー GM : どうしようかな、イワンくんはアギトさんのストイックな姿勢に憧れを抱きました。「硬派」で判定です GM : 目標値は5ですね 稲原 アギト : 「おれはなりたいじぶんがある人間をおうえんする。それが真の男だからだ」 稲原 アギト(PL) : アギトが振りますか? GM : です! 稲原 アギト : !roll 2d6 ダイスボット : @アギト rolled 7. (3+4=7) 劔 理一(PL) : 成功させていくぅ 稲原 アギト(PL) : 硬派は持っているというか、きっと持っているのにしてくださったんですよね!
※ソウダヨ。ここの判定では、NPCの「大切な夢」に関係する特技を指定して判定を行います。
GM : では、イワンからアギトへの友情度が1点上がりました! 稲原 アギト : おれはイワンの夢をおうえんしよう。 GM : 「大切な夢」を守れるかどうかは皆さんにかかっています 稲原 アギト : 「ついてこい。おれが「サボり魔」の定時退社を見せてやろう」 稲原 アギト(PL) : フラグを立てとこう 劔 理一(PL) : ここで生きてくるサボり魔 稲原 アギト(PL) : サボり魔は定時の前に帰ってると思う GM : 「…ありがとうございます。いつかきっと、必ず。その背中を追いかけに行きます。」 GM : そして皆さんはイワンと別れて町に出たわけです
Tumblr media
GM : あ、その前に GM : リヒトさん 劔 理一(PL) : はい GM : ちょっと巻き戻って申し訳ないんですが、ちょっとした描写を GM : リヒトさんが満足げに寿司屋から出ると、みすぼらしい老人とぶつかりそうになります GM : 片手にはゴミ拾い用のトング、もう片手には紙ゴミで満杯のゴミ籠を持っています。 GM : もうその辺にも雑に落ちてるわけですね、雑な書類が
※行こう。じきにここも経理の海に沈む。
劔 理一 : じゃあ、舌打ちを堪えつつもさっと避けて「おっと、悪いなじいさん」みたいな感じで GM : 「ひぃ!!す、すみませんですじゃ…すみませんですじゃ…」 劔 理一 : 「ああいや、俺も悪かった。…ゴミ拾いか? まあ、ゴミはゴミだしな、良い心がけじゃねえのか」 稲原 アギト(PL) : にじみでる善良なカルマ GM : 「すみませんですじゃ…すみませんですじゃ…あぁ…」リヒトの声が届いていない様子です GM : 正気を失った人の目、というのはこういうものなのかもしれません。 稲原 アギト(PL) : 精神分析だれかもってましたっけ? 劔 理一(PL) : 精神分析(こぶし)なら全員初期装備では GM : その目は虚ろで、ひたすらに怯えながらあなたに謝り続け、その場から立ち去ります。 GM : 去り際に、老人の胸でキラリと、勲章のようなものが鈍く光るのが見えま��た。 劔 理一 : ほほう? GM : といった小シーンでした GM : では、うろつきフェイズ、2サイクル目です!
TO BE CONTINUED...
0 notes
keredomo · 4 years
Text
『八月の光』、分厚いですよね(前半)
Tumblr media
 五月ですね。先日の雷鳴はどこでご覧になりましたか。美しかったですね。光で空が真っ白になるとき、私たちは諦めること以外に何かできるのでしょうか。呆然と立ち尽くすこと以外の何ができるのでしょうか。  あれは春の光でしたね。春の夜の白い光は淡くそら寒い。しかし、夏の光というのは、人に人を殺させるほどの眩い激しさを孕んでいるものです。暴力を無にしそうなほどの何かを。
 四月上旬、在宅勤務指示にともない理不尽に給与を減らされ、抵抗の意志をもってウィリアム・フォークナーの『八月の光』(原著1932)を読み始めました。加島祥造訳の新潮文庫版(1967)。本編は656ページまで。日本語とはなぜか幅をとるもので、訳書はたいてい原書の厚みの2〜3倍になるものですが、それにしても656ページかあ。長いね。  なんだか、なんだかね、「短く書かなければ読んでもらえない」圧力のもとに暮らしているとね、毎日悲しいんだ。生まれた言葉をみずから削ぎ落とさなければならないことが。肩の肉をナイフで切り落としている感覚がします。だからと言って、読んでくれと人に押し付けるのも申し訳なくてできない。誰かの時間を奪うことが憚られる。突然の吐露ですみません。  で、今日はもう一切憚らずに書こうと思います。なので、長くなります。もはや原作より長い(体感)。まあ実際は削ることのほうが書くことの本質であったりはしますが……。
 この記事は総体的に本書を論じるものではありません。『八月の光』を読んでいて気になった箇所を執拗にピックアップし、それについてうだうだ話す私的な記事です。未読の方が読まれてもおもしろいかどうかわかりません。読まれるための文章を書けなくてごめんなさい。  この記事の本編を読まなくても『八月の光』がどんな話かわかるよう、雑な人物紹介を書きます。ここだけ読んでお土産としてお持ち帰りください。
【主な登場人物】
リーナ・グローヴ:男に逃げられシングルマザー秒読みの20才。電波。
ジョー・ブラウン:クズ。生娘リーナを孕ませて逃亡。走る下半身。
ジョー・クリスマス:悲劇のヒロインを地で行く33才男性。
ジョアナ・バーデン:中年で初めて肉体の愛を知り気が狂う44才女性。
バイロン・バンチ:内面がない残念な35才男性。リーナに一目惚れ。
ゲイル・ハイタワー:町から追放された元牧師。妻は不倫のあげく自殺。
 これだけ役者が揃っていれば面白いに決まっていますね。ついでなのであらすじを新潮文庫の背から引用します。
臨月の田舎娘リーナ・グローヴが自分を置去りにした男を求めてやってきた南部の町ジェファスン。そこでは白い肌の中に黒い血が流れているという噂の中で育ち、「自分が何者かわからぬ」悲劇を生きた男ジョー・クリスマスがリンチを受けて殺される——素朴で健康な娘と、南部の因習と偏見に反逆して自滅する男を交互に描き、現代における人間の疎外と孤立を扱った象徴的な作品である。
 限られた字数でよくこんなにしっかりまとめられたものだ。私にはこんなに短くこの本を紹介することは逆立ちしたってできない。たしか新潮社の新卒入社試験では「好きな本を一冊選び、背のあらすじを書け」という課題が出ていた記憶があります。
 以上です。ご高覧ありがとうございました。残りの2万字はおまけです。
【目次】
42ページ まだ少女の妄言を笑っていられた私たち
52ページ バイロン・バンチには「内面」がないのか?
149ページ 出自が不明であることの恐怖
166ページ 孤児院、胸糞悪すぎるクリスマスの悲劇
171ページ こんなこと言われたら死んじゃう
202ページ 「野蛮人のように、犬のように」食うこと
306ページ 待ってました地獄の恋愛パート
343ページ 「あたしまだ祈る用意がないわ」依存と信仰
まだ半分かよ(ここまで372ページ)
42ページ まだ少女の妄言を笑っていられた私たち
『すくなくとも双子だわ』と彼女は唇も動かず声にもならぬ言葉で自分に言う。それから胎動は過ぎる。彼女はふたたび食べる。馬車は止らずにゆく、時間は止らずに進む。馬車は最後の丘を登りきり、彼らは煙を見る。
 一般的に、この本の主人公は二人いるとされます。その一人が、自分を孕ませて逃げた男が「私を待っているはず」と盲信し、その逃げ先もわからないまま「神様がすべてごらんになって正しいことは成就させてくれる」と信じて身重の身でありえない距離を放浪してその男を探す娘、リーナ。  先の引用は、ヒッチハイクした馬車に揺られて夜を行くリーナが、膨らみつつあるお腹をさすりながら独り言ちるセリフです。序盤のリーナの絶望的に愚かな猛進を呆れかえってハラハラしながら読んでいる頃で、リーナのように深く神だけを信じているわけではない私はまだこのセリフを滑稽だと笑っていました。  でも、実際にリーナは、見ず知らずの他人の親切と運のよさ=神のお導きを借りながら、最終的にはジョー・ブラウン(下半身)のいる町ジェファソンに辿り着きます。  「人事を尽くして天命を待つ」世界観を生きる私と「神を信じて人事を尽くす」世界観を生きるリーナにどれだけの違いがあるというのか。彼女を笑っていた私のほうが本当は愚かなのでしょう。
52ページ バイロン・バンチには「内面」がないのか?
なぜならどこで生れてどこで暮したにせよ、この男はただバッタみたいにこの国土で生きてきただけだ、と誰もみんな知っていたからだ。まるで、彼はそんな生き方をあまり長くつづけたので、いまでは彼のすべてがすっかり散らばって解体してしまったというようだ、残ったものといえばただ透き通って重さのない抜け殻、それも風のままにあちこち行方を定めず吹きとばされてゆく抜け殻といったふうだった。
 ただ真面目に暮らして流れるに逆らわずに生きる。そんな生き方を1930年代のアメリカは嘲笑しています。このバッタのように生きるバイロン・バンチという男の人生は、その後リーナに一目惚れの恋に落ちることで一変する——かのように見えてやはり「運命に付き従う」だけの生を生き続けることになるのですが、リーナの信仰の敬虔さが積極的敬虔とも呼べるものだとすれば、バイロンの生き様は消極的敬虔とも言うべき代物かもしれません。  文学とは基本的に、運命(というか自然)に翻弄される人間がどうにかしてその運命と内面・自意識の葛藤に折り合いをつける様を描いているものですが、この「内面のない男」バイロン・バンチをばかにできるだけの抵抗の意志をもって生きていられる人間がこの世にどれだけいるのでしょう。
 この引用のすぐ後、バイロンが「怠け者ってのは、何一つしないでいて楽々と善人になれるってわけだなあ」と話すシーンがあります。私自身はこの男が述べるよ��な「善」を軽蔑して生きていますが、同じようなセリフを誰かが嫌な顔で吐くのを現実で何百回と聞いてきた気がします。特に親世代の人間たちから。  でも、本当はみんな「内面」を持っているのに、それを表に出す手段を持っていないだけなのかもしれません。実際、読み進めていくと、バイロンにだって言い分もあれば意志もあるのです。バイロンが何ページにもわたって「リーナを保護したい」という望みを語る場面の情けない切実さときたら。  私がその内面を探れていない他人は、ただそれを私には示していないというだけかもしれない。「内面がない人物」という人物像の類型は2年ほど前に友人から与えられて初めて知った概念ですが(韓国映画『バーニング』が流行った頃です)、そう断じていい人物なんて本当にいるのでしょうかね。
 そういえば、リーナには一切の葛藤がありません。彼女は、何もかも神の御心のままに、と信じて粛々と行進しつづける。「内面がない」のでしょうか。信仰は内面の放棄と転嫁と言えるでしょうか。とても難しい。
149ページ 出自が不明であることの恐怖
 本書のもう一人の主人公とされるジョー・クリスマスは、作品の舞台である架空の都市ジェファソンの町に突然現れた謎の男として描かれます。寡黙でクールで残忍な雰囲気のキャラクター。この町の誰もあいつが誰なのか知らない流れ者。かっこいいですね。  あらすじに「黒い血が流れている」とありましたが、クリスマスの見た目はまるきり白人なのだそうです。だから、ミシシッピ州の人々は、彼が流浪者の白人であることを疑いません。  彼は孤児として施設で育ちました。そこで「あの子には黒人の血が混ざっている」という噂が立ち、クリスマス自身、その噂を否定しきるだけの確固たる「出自」を持っていないものですから、幼少期の無力から噂を飲み込んでしまいました。そのために、生涯にわたって「自分は黒人なのかもしれない」と苛まれ続けることになります。真偽のほどは明らかになりません。本当に、ただの噂なのです。ただの噂が彼の人生を決定するのです。  ちなみにクリスマスという名はクリスマスに孤児院に捨てられたことに由来します。何その泣かせる設定。その設定だけで白米五合食えますわ。
いわば黒い生命、黒い呼吸がその本体を融かしてしまって、だから声ばかりか動く肉体や光そのものまでが液化し、ひとつずつゆっくりまざって増大し、重たい夜と分ちがたく合体しているかのようだった。 
四方からは、そして彼の内部からさえ、黒人女たちの生殖力に満ちた声がささやきかけてきた。それはあたかも、彼やそのまわりの男という生きものすべてが、光なく熱く湿った原初の産みいだす女体の中に戻ってしまったかのようだった。(太字は原文傍点、以下同)
 フォークナーの文章力えげつないですね。実は5ページあたり1〜3文ほどフォークナーの文章力えげつねえ……と思わせる記述が出てくるのですが、全部拾うと大変なことになるので割愛します。
 「自分が何者であるか知ることができない」ということがこんなにも人間から安寧を奪い尽くし、何かを信じることを困難にするのだと、これほどはっきりと示す小説を私は初めて読みました。フィクションに登場する孤児は、「それでも人の愛を信じて生きることに決めた」みたいな明るい人物として描かれることが多い気がします。愛を表現するのに都合がいいのでしょうね。
 クリスマスはひょんなことから「北部人(ヤンキー)」として町人から敬遠されている女性ジョアナ・バーデン(冒頭でご紹介した「中年の恋」の人です)の家に食べ物を求めて忍び込んで以来、彼女との恋愛関係に沼に沈むように引き摺り込まれていくのですが、その彼女との袂別のきっかけは、彼女の信仰の強要をクリスマスが拒絶したことにありました。この凄まじい恋愛についてはまた後ほど。マジですごい2章が中盤にあります。
 (ところで「北部人」に「ヤンキー」ってルビ振るのかなり面白いんですけど、原文でどのように書かれているのか気になるところです。原書を持っている方がいらしたらぜひ教えてください。普通に「北部の人」かな。  ジョアナは黒人の支援や人権保護に取り組んでいる女性で、未だ奴隷制度の時代の香りに執着している南部の人間たちにとっては鼻つまみ者という感じ、現代日本語のヤンキーのニュアンスとはまた異なる人物像です。今だと何が近いだろ、「フェミニスト」とか?)
 クリスマスはけっしてジョアナを愛していると述べません。ずっと逃げることを考え続けている。怖いのでしょう。自分が誰であるかわからないまま誰かを正しく愛することは不可能です。それでも逆らえない。そうなれば、ただ愛の渦に巻き込まれていくだけです。  なんにもないところ、足場のないところにポンと生まれたとしたら、私は私になれただろうか。そういうことを、リアイティをもって想像させるのがクリスマスという男の存在であり、それを真実らしく書ききったフォークナーの凄味です。
166ページ 孤児院、胸糞悪すぎるクリスマスの悲劇
 第6章、クリスマスの孤児院時代の話に割かれた章は、吐き気のするような、女の性液の臭いと男の腐った口臭とに満ちています。冒頭、幼少期のトラウマは人の人生でけっして拭い去れないのだと宣告する文章から始まります。
記憶は認識力が働きだす前に早くも活動する。記憶する力は思い出す力よりも長い生命を保つのであり、認識力が疑ったときでさえ、記憶は揺がないのだ。
 捨て子であったクリスマスは幼少期を孤児院で過ごしました。第6章は、5才のクリスマスが不慮の事故でスタッフの女性の淫行を目撃してしまうシーンから始まります。性行為のあまりのグロさに身を隠していた垂れ幕のなかで嘔吐するクリスマス。かわいそうに……。  淫行を目撃された女性スタッフが逆ギレしてクリスマスに「黒人であることの罪」を着せ、孤児院から追い出すべくいろいろ手を回します。そこで彼女は「(孤児院の)番人」とかいう突如登場したよくわからない男に「アタシ悪くないもん!あいつ追い出すのに協力してよ!」と訴え、その男がOK任せろと手を貸しつつ、クリスマスを卑下するセリフが本当に耐え難い。
「わかってたのさ。どなたがあの子をあそこに置いたかはな——女の淫らな行いにたいする告示と呪い、それがあの子なんだ」
 最初この一節を読んだ時、淫行を目撃された女性スタッフを咎めるセリフなのではないかと救いを見いだしかけたのですが、その後を読み進めるとたんにクリスマスを貶めるだけのセリフだとわかって机を叩き割りそうになりました。  この、突如現れてクリスマスを追い出す役割だけを果たす「番人」の存在についてはいろんな解釈ができます。
 「さあ、言ってちょうだい。あんたがどんな目つきであの子を見ているか、あたし知ってるのよ。見てたんだから。五年間も」  「知ってるのさ」と彼は言った。「俺は悪がどんなものかを知ってるのさ。あの悪の証拠を立たせて神様の世界に歩かせたのは誰だと思う? 俺さ。神様のお顔の前に堕落の姿として歩かせたのは俺さ。」
 番人がキリスト教における悪あるいは人間の身勝手さの悪辣を具現化した存在だと読むのが一番楽なんですけど、そんな安直なことをフォークナーがするだろうか。となると、上記のセリフに鑑みるに、彼こそがクリスマスの本当の父親である可能性も出てきますね。  黒人女あるいは黒人の血が混じっているとされて迫害され卑しめられていた女を娼館かどこかで身勝手に孕ませて、しかし何らかの事情で仕方なく孤児院に孤児として引き入れた父親が、後ろめたさに耐えかねてクリスマスを葬ろうとしていたところに降って湧いたラッキーチャンス!を、実現する前の懺悔(自分が許されたいがための懺悔)ともとれます。  いずれにせよ胸糞悪すぎますね。大人になったクリスマスが密造したバーボンを頭からぶっかけてこいつらに火をつけましょうね(禁酒法時代!)。
171ページ こんなこと言われたら死んじゃう
「もし神様ご自身がこの部屋に入ってきたとしても」と彼は言った。「あんたのような女はそれを淫行のために来たものだと思うんだろうな」
 アタシ女だけどこんなこと言われたら舌噛んで死んじゃう。スゲーこと言うな。  先の節から5ページしか経っていないのにお気づきでしょうか。これは例の悪魔か父親かわからない番人が淫行の女性スタッフに放ったセリフです。お前態度ぶれっぶれやんけ。その直後には「俺に、聖なる神様に、噓をつくな」、「答えろ、イゼベル!(訳注 聖書に出る邪悪な女の名)」などの発言をかましています。自称神様やば~。完全に統合が失調していますね。
 フォークナーは明らかに、制度化大衆化俗習化した信仰に疑問を抱いていて、この小説の最初段階(55ページ)に「教会の無意味な音があたりから一度に反響してくる」といった記述があったり、ハイタワーとかいう職能がクソ無能すぎるやばい牧師を登場させたりするあたりに顕著です。  牧師ハイタワーはこの小説の主要人物の一人で(禿げ上がって肥満ぎみなぶよぶよの初老の西洋人男性を想像してください)、自己の血統つまりアイデンティティの補強のためだけに牧師として町にやってきて、自分のおじいちゃんの南北戦争英雄譚を延々と町民に聞かせたあげく結論に聖書の一節をもってきてお茶を濁すことを何年も続けてきたかなりヤバい元牧師です。彼はその自己中ゆえに妻を自殺に追い込み、町の牧師を辞めさせられます。辞めさせられたのに町を退かず、ジェファソンの町にとって有事の際の憎しみの対象になり続けます。何かあったらハイタワーのせい。
 すでに世界が神<人間になってしまったことをフォークナーは隠しません。彼がこのぶよぶよの人物を設定したのは、クリスマスの血筋によるアイデンティティの空白をより際立たせるためであると同時に、当時キリスト教の信仰が人間のエゴイズムを正当化することにばかり用いられていた状況に反吐が出る思いだったのではないかと推察できます。  だからこそ、謎の番人のことを悪魔ともみえれば神ともみえるように描いたのではないでしょうか。番人は名前を持たず、妄言だけを残して物語からあっさりと去ります。クリスマスを呪うだけの役割を果たすのです。女の淫行をこんなにも非難しながら、クリスマスの追放に加勢しようとする、不可解な行動をその場に残して。あまりにもグロテスクですね。
202ページ 「野蛮人のように、犬のように」食うこと
 クリスマスはその後、「あくまで白人として」孤児院から養父母のもとに引き取られました。厳しい養父は自分の厳しい信仰のあり方を子に叩き込もうとして虐待じみたことすらおこなう人で、養母はその痛みをケアしようとおろおろと弱々しく優しくしたがる人。クリスマスは自尊心を保つために養母の庇護欲を拒絶し続けます。親子関係に遍く見られる悲しみですね……。  養父の信じる神を信仰することを頑なに拒む幼いクリスマスに激怒し、食事を禁じることで罰を与える養父。それを見かねて養母がこっそりと食べ物を与えようとする場面があります。
「おまえが何を考えてるか知っているよ。でもこれはそうではないんだよ。これは父さんに言われて持ってきたのではないんだよ。これはあたしだけの考えでしたこと。あの人は知らないんだよ。これはね、おまえにやれとあの人に命令されて持ってきた物じゃないんだよ」。  〔中略〕  相手の見まもるなかで、彼はベッドからおり、その盆を取ると部屋の隅へ運んでゆき、盆を裏返しにして食べ物を皿ごと床にぶちまけた。
 そのとき彼はちょうど八歳だった。その晩、それから自分は何をしたか、彼は覚えてはいた、しかし自分のしたことをほんとうに記憶として確認できたのは、それから幾年もたった後のことであった。彼の行為は幾年もたった後ではっきり記憶に刻みなおされたのだが——その夜、夫人が去ってから1時間して、彼は起きあがり、ベッドからおりて部屋の隅へ行った、そして前に敷物の上にひざまずいたのとはまるで違ったひざまずき方をすると、散らばった食物へかがみこみ、両手で食べた、野蛮人のように、犬のように。
 このシーンすごくよくないですか。ここで一度泣きました。  自分が壁に投げて床にべちょべちょに積まれてい���た冷や飯を、残飯を、生ゴミと化した食品を、家の埃や外の土と混ぜ合わされてしまった汚物を、それでも食わずにはいられず、跪いて手で口に掻き入れるところを想像してください。  施しを受けることを頑として拒絶するプライドを持ちながら(そのプライドは出自の不確かさを埋めるほどに絶大なものでなければならない)、一方で施しを受け入れなければ生きてゆくことができないことも理解していて、「犬のようにしか」与えられたものを貪ることもできない。  クリスマスは、引き裂かれたまま生きていくしかないことを理解していて、納得することは生涯ないのだと受け入れていて、ズタズタに傷ついたまま30歳を迎えたんです。そして彼は人を殺して人に殺された。殺されるための何の大義名分もなく。  こんな悲しいことがあるでしょうか。この章の冒頭、クリスマスがこの出来事から20年経ってもこの記憶と「この日に俺は男になった」という思念に従っていることが前置きされます。「男になる」という表現をとっているけれど、自分はもう二度と誰によっても癒されえないに決まっている、という絶望を意味しているのだと思います。
306ページ 待ってました地獄の恋愛パート
 100ページほど飛びました。飛んでいるあいだは、クリスマスが少年から青年になる過程で性欲ベースの初恋をしてうっかり養父を殴り殺して女に裏切られて絶望して放浪を始めるみたいな流れです。さもありなんって感じですね。やさぐれて娼館に赴いて「俺と寝る白人の娼婦は知らない間に黒んぼに抱かれているんだ、ざまあみろ」みたいな自傷をしているシーンも。  そういえば、この人は、自分が男であること以外には何一つとして自己の拠り所を持っていないんだな。だから娼館に通うのか。そうか……。養父からの虐待のせいで信仰も持てなかったクリスマスがこうなってしまうのは仕方ない気がする。神のほうがクリスマスを拒絶したわけだから、あなたは悪くないと思う。神が悪い。
自分の白い胸が肋骨の下でますます深く息を吸いこむのを感じ、見まもりさえして、体内に黒い臭気を——黒人の黒くて不可解な思想や存在を吸いこもうと努め、同時に吐く息ごとに体内から白い血や白い思想や白い存在を追い出そうとしていた。しかしその間も絶えず彼の鼻翼は自分のものにしようとしている黒い臭いの苦しさに白っぽく張りつめ、彼の全存在はその黒い臭気に反発する肉体や拒否する精神を押えこもうと懸命にもがきつづけていた。
 娼婦との性交ひとつでここまで自己存在を問えるのだからすごい。すごい辛そう。匿名の行為ってつまりは鏡を覗きこむことに過ぎないもんね。
 で、非匿名の恋愛の到来です。地獄の恋愛パートが始まります。  養父を殺して逃走し、逃げ疲れて食べ物を強盗するために侵入した家の主人の女(ジョアナ、41才独身、見た目は30ちょい)になんとなく匿われて暮らすうちにだんだん気になっちゃって、愛する気なんかさらさらなかったのに否応なく恋愛関係に絡めとられてしまったクリスマスの独白をどうぞ。
一年たった後でさえ、入ってゆくたびに新しく、自分が女の処女を奪うために忍びこんでゆくかのように感じた。いわば暗くなるごとに彼はすでに奪ったものをもう一度奪い直さねばならぬという気持にさせられたのだ——いやそれはあるいはまだ奪ってはいなくてこれからも奪えそうにないものだったのかもしれぬ。
 いい葛藤だなあオイ!!!!!(酒場のおっさん)
 ジョアナは行く宛のないクリスマスを自宅の敷地内の小屋に住まわせています。ただし、対話もなければ同情を与え合うこともありません。  あの夜、ジョアナの家に忍びこんで台所の調理された食料を貪るクリスマスを目撃したジョアナは、「あなたが食べ物を欲しいだけなのなら、そこにいくらでもあるわ」と「静かな、やや深くて非常に冷たい声で言った」だけでした。その後もずっとそんな感じ。  「好きに食え」というのは、クリスマスが養母から受けた「食べたいでしょう? 食べていいのよ、あなたのために用意したの。さあ食べなさい、欲しいのはわかっているのよ」という屈辱的な支配と施しとは真逆のもので、クリスマスにとっては初めての救いだったのではないでしょうか。切ね〜。  でもジョアナはひたすら無関心。ご飯は用意されるけど、食卓を共にすることもなし。寝室には忍び込むばかりで求められることも特になし。クリスマスが男性性を持て余して(そこにしか自己の拠り所がないから仕方ない)初めてジョアナの寝室に忍びこんだ際は、拒絶はされたが抵抗はされなかったそうです。やばいな。  翌日も普通に食事は用意されていて、あんな酷いことをしたのになぜ、と狼狽えるクリスマスは、「はいはい、このメシは黒んぼ用ってわけね」という謎の自虐でこの不可解を乗り切ろうとします。  もう!!!!!!!どう見てもお前の不幸の原因はお前自身だよこのクソバカ!!!!!!!!!!!!!!  いつまで悲劇のヒロインやってりゃ気が済むんだよオッサン(33)。リーナを見習え。
343ページ 「あたしまだ祈る用意がないわ」依存と信仰
 ジョアナの家に住み着くようになって、クリスマスは初めて「帰る家」を得て、ジェファソンの町で定職に就いて、安堵を己に許しかけていました。  が、ある夜、突然ジョアナが自分の出自をクリスマスに打ち明ける長話をします。その夜以来、ジョアナは「何もかも知ってくれている男」への依存を始め、クリスマスの方は「全てを掌握しきった女」として蔑ろにし始めます。  お互いにこう思い始めるともう人間関係はだめですね。相手を手に入れたと思ったらあとは壊れます。残念でした。尊重しあえないくらいなら諦めて距離を遠く保った方がいいのですが、依存が始まればそれももう難くなってしまう。心を許すことと心を明け渡すことには紙一重の差しかないから難しいです。苦しい。
彼女を眠らせずにいたのはそんなことのせいではなかった。それは闇の中から出てくる何か、大地の、夏そのものの中から出てくる何かだった。それが恐ろしくて惨めだというのも、実は直観的に、それが何も自分に害毒を与えないものだと知っていたからだ。それは彼女を占領し完全に出し抜きはするがけっして害を与えず、それどころか彼女を救って生活から恐怖を消し、平凡に、いや前よりも良い暮しをさせる何かなのだ。
 私は、ジョアナがクリスマスを受け入れたのは、食べ物を漁りにきた彼となら現実における「惨めさ」を共有できるのではないかと直観したからではないかと思います。でも、愛の依存が、温度差が、際立つ孤独が、断絶の苦しみが、恋の狂気が、癒着願望が、彼女を現実から追い出して無為な信仰へと放りこんてしまった。
ただ恐ろしいことに彼女は救われるのを欲していなかったのだ。「あたしまだ祈る用意がないわ」、目を大きく見開いて、静かに頑に、女は独り言を口にし、その間、窓からは月光が差しこんできて、部屋を冷たくて取り返しのつかぬ何か——ひどい後悔に駆りたてる何かで満たしていた。
 「あたしまだ祈る用意がないわ」というセリフ、私はすごく好きです。運命に押し倒されそうになったときに言ってみたい。  残念ながらジョアナはこんなことを言いながらすぐに神に祈り始めるのですが。なぜジョアナが信仰を保留してきたか、なぜジョアナがクリスマスを尊厳を持つ人間として扱いえたかはジョアナがクリスマスに語った長い長い独白からすべて読み取れるところですが、ここでは割愛します。  (この小説が長いのは登場人物の設定を全部書くせいです。ジョアナの過去編だけで20ページあって、過去っていうか血統の話をするので話が100年遡る。南北の因縁について書かなきゃいけないから仕方ないけど、まあ長いよね……。)
「神様、まだあたしがお祈りせねばならぬようにはしないでください。神様、もう少しだけあたしを地獄においてください。ほんのもう少しだけ」
 彼女が自分はもはや救われないとわかっていながらそれでも現実を引き止めようと神に縋ることをまったく笑えない。ここが、情念が狂気に変わる境界線ですよね。私たちは、ここを踏み越えないように日々、自分に我慢を強いていませんか。どうなっても納得できるよう、自分に都合のいい希望だけに寄りかかるのを我慢していませんか。  「もう少しだけあたしを地獄においてください」、地獄とわかっていれば、どうにか諦めもつくから。望まずにいられるから。しかし神に縋りはじめてしまえば、その歯止めはもうきかない。「神よ、なぜあなたは」が始まってしまってはもう。
 ジョアナとクリスマスの関係がぐずぐずに崩れていくことと、ジョアナが神に縋りはじめたことは綺麗に対比していて、彼女たちが終わりに抗う様に胸を痛めては、私が代わりに神を責めたいくらいの気持ちになります。
 このあと、情に絡めとられた二人の関係はだんだん取り返しのつかないものになっていき、ジョアナがクリスマスの子を流産してしまったのをきっかけに(はっきりとは書かれていないのですがそういうことでしょう)、二人は二人にとって最もよくない方向へ進んでいきます。  ジョアナが(おそらく、持てなかった子のかわりとして、あるいは関係の変化をもとめて、)クリスマスに教育を受けさせようとし始め、加えて信仰をも強制し始めたのは痛ましい姿でした。自分の伝手とお金を使ってクリスマスに大学に入り法学を学んでほしいと。私たち二人でよいほうを見ようよ、と。引け目を取り除いて、今よりよい二人になろうよ、と。  クリスマスの養子時代のトラウマを蘇らせるには十分すぎるほどです。それに、ジョアナのこの行いは、クリスマスに対して「今のあなたでは私にとって不十分だ」と突きつけることにほかなりません。クリスマス自身が望んだこともなかった学びを一方的に与えようとすることで、お前は不学の者だ、という烙印を捺したのです。  もうだめでしょう、この関係は。互いが互いにとって望ましくないことをすることしかできなくなってしまった。ジョアナも本当は、そんなことはとっくにわかっています。
女はベッドに横むきに倒れ、彼を見あげてその血の出た口から、「あたしたち二人とも死んだほうがいいらしいわ」といった。
 とても苦しい。愛というのはどんなに繊細に気をつけても必ずこうして終わってしまうのかもしれない。  二人が幸福になりたかったのかどうかはわかりません。でも、二人でいたかったから何とかして離れずにいられるよう手を尽くして、けれどその手を誤ってしまって、そうしてだめになってしまったのがあまりにもやるせない。彼らは間違えたのではなく、誤ることしかできなかったのでしょう。  ジョアナは、だめになるならばそれでも二人で、と覚悟を決めていましたが、クリスマスにはその覚悟は持てなかった。  ある夜、いよいよクリスマスはジョアナと殺し合うことになり、彼女を殺して茫然自失のまま逃走します。翌日には家も燃やしてしまう。そうして殺人の罪で追われる身となります。
それでも彼には旧式拳銃の二個の弾丸入りの薬室が見えたようであった。一つはすでに撃鉄が落ちていたがしかし不発のままであり、もう一方は撃鉄が落ちてはいなかったが落ちる準備はできていた。「あいつは俺と自分の両方を撃つ気だったのか」と彼は言った。彼は腕を引き、そして投げた。ピストルが草の茂みの中で何かに当る音が一度だけ聞えた。それからもう何の物音もしなくなった、「俺と自分の両方をな」
まだ半分かよ(ここまで372ページ)
 かなり割愛しながら書いているつもりですが、1万字書いてもまだ物語が半分しか進んでないのすごいな。本当はもっと緻密に読んでいくべき本なのでしょうが(人物の発語を「思考の流れ/現実に口にしたセリフ/脳内の会話および独白」に形式的に表現し分けてるの何だよその分類って感じだし、その書き分けもルールがあるように見えて無いのを分析しながら読むとおもしろい。案外テキトーなんだと思います)、細けえこたあいいんですよ。私はテーマについて話したいからテーマについてだけ話し続けます。
 いまWikipedia見たら「この作品の主題はおそらく孤独感である」って書いてあったけど、  待って、何? なんて?
 んなわけなくない?
 人間が孤独であることは単なる事実であってわざわ���テーマにするまでもない当たり前のことです。あんなに濃厚に人物の人生を書き上げるフォークナーほどの書き手がそんな、「東京には東京タワーがあります」くらいわかりきったことをテーマに据えるわけないだろうが。孤独は主題になりえないただの事実だ。Wikipediaの筆者よ、孤独を了解しろ。  疎外感はそれはそうかもしれませんね。疎外感には普遍性はないので。クリスマスが「実存主義的人物」ってのは実存主義を読み違えておられませんか。決定論における読みや同性愛についての指摘に対しては、まあなんか、気持ちはわかるよ。テクストというのはいろんな読み方ができますよね。時代や価値観に従って色々な読み方をされるところまでがテクストの宿命。
 うん、色々な読み方があるよな。そうだよな。否定してごめん。ちょっと疲れてました。あなたはあなたの人生を好きに生きて。私は私の人生を生きます。さよなら。  はー。正直ちょっと登場人物に入れ込みすぎて書き疲れてきていましたが、Wikipediaを読んで元気になったのでもう少し続けます。Wikipediaはいいな。広場っぽい。ありがとう。募金しときます。
 というわけで後半に続きます。
(2020/05/12 10:39)
0 notes
find-u-ku323 · 4 years
Text
『部室』
 「やさしい人」とか、「やさしいね」という言葉が嫌いだ。  やさしさ、と書けば「優しさ」と「易しさ」の二つが見えてくる。やさしいね、という人間は、本当はどちらの気持ちでそう言うんだろう。やさしい人は、本当に優しいと思っているのだとしたら、随分幸せな頭をしている。一生そうやって人を過信して幻滅してろ。  生きていると、いろんな人に出会うけど、俺は君の言うような「やさしい人」に出会ったことはない。みんないい顔をしてくれるけど、それはその一瞬だけだから、俺は誰も信じちゃいないのさ。  ホームレス仲間の汚れた彼にそんなことを話したら、「お前が前に住んでた家には、そういう『やさしい』人はいなかったわけ?」と尋ね返された。そんな存在があったなら、こんなところに来るわけないよ、と首を横に振る。それから、ポツポツと降り出した雨を凌ぐために、急いで高架下に戻る。 「愛情をもらえなかったからって、いつまでも拗ねていたら、来る幸せも来ないぜ。ポジティブシンキングで行こうや」 「簡単にそんなことが言えるようになりたくないね」  俺はそう言い返し、大きな高速道路の無機質なコンクリートを見上げてみる。長年の風雨に吹き曝されて、無骨さが増したような感じだった。ここに来て一年になるが、日々の食糧調達から周囲の精神的苦痛に至るまで、周りの猛者たちはいつも命懸けで生きている。中には命を落とす者もいるようなこの暮らしが、この高架下の景色とダブって見える気がした。  辛く長い冬を過ぎようやく落ち着いて過ごせる春が来たことを祝い喜ぶのが、この暮らしにおける独特な習慣らしかった。まずはじめに、俺たちが親しみを込めて「長老」と呼んでいる、髭の立派な紳士がやってくる。彼が祝祭の開幕を宣言するのだ。この年代でこの暮らしを「好んでやっている」と言い張るのだから、相当なものである。  そしてそれから、他人の家やらゴミ袋やらからくすねてきた食べ物を持ち寄り、無礼講で話をする。話題は本当に何でもよく、自分が生まれてきたときの話とか、どんな生活からここにやってきたのかとか、どんな食べ物が好きなのかとか、そういった些細なことで感情を共有しあう。俺たちはそういうことで、生活を乗り切ってきたのだ。  そんな風に、生きていく上で話をしたり、協力したりするのは、決して「やさしさ」からなんかではない。そうしないと生きていけないからなのだ。たぶん、「やさしい」と言ってくるような、余裕のある人間にはわからないだろうが。  高架下から出れば、幹線道路と脇の河川敷が見える。少年野球の試合をしているらしかった。たまにボールが飛んでくるときがあるので、その時は持ち前のフットワークでふわっとよけているけど、ごくたまにそれに当たって助からない馬鹿なヤツもいる。いずれはここで死ぬわけで、それは些細な死因の違いでしかないのだが、全くもってそんな死に方をした奴を見た夜には眠れなくなるものだった。 「またあのガキか」 「そうだよ、雨降ってんのによくやるわ」 「家でゲームでもしてろ」  そういうわけで、彼らクソガキへの我々の評価は散々だった。たまに俺たちを見て笑顔をくれるわけだが、所詮自分たちとは違う生き物だと思っているように見えた。そして、そういう態度を見た仲間たちはますますクソガキらへの憎悪を深めていくのであった。 「そろそろなんか探しに行くか」 「今日はどこまで行くよ」 「もう鈴木さん家はバレちまったな」 「井端さん家は?」 「俺ァ出禁くらっちまった。『ふてぶてしいお前みたいなの、来るたびにまたあいつかって湿疹が出来るんだよ、来るんじゃない』って」 「……それはお気の毒に。それじゃ金本さん家はどうよ。優しそうじゃん」 「渾名が『鉄人』やら『アニキ』やらで、強面だぞ。どこが優しいんだ」  今日を生きるために喧々諤々の議論が繰り広げられていたが、俺が来てからのこの一年の間にも我々はすっかり街を荒らす悪者として認知され、避けられているようだった。 「わしらを排除することで、移住したいと思う人に『この街はこんなにキレイなんですよ~』って言いたいだけなんだよなあ」 「そら、俺らみたいなのは汚くて、ぞんざいに扱われてしかるべき存在、みたいに思われてるよね」 「まあ、でもこのままここにいてもジリ貧なのは言うまでもないな」  そんな風にいう者もいるが、実は、俺はこの場所を好んでいた。せせこましく、また慎ましやかな暮らしが、自分のちっぽけで無力な体にフィットしているように思われたからである。たぶん、これくらいの暮らしを続けていないと、そう、多くを望みすぎれば破滅するような気がしていた。 「そんなこと言ったってすぐにここから出て暮らしを続けられるとは思わんな。ほら、行くぞ」 「行くぞ、ってどこへ?」 「他所の家に行くより、なんつーか、哀れに思われてでも恵んでもらえるところに行った方が全くもって効率的だろ」 「質問への答えになってないと思うんだが」 「ついてくれば分かるだろ」  そう言ったのは、この肥溜めのような集まりの中では顔面偏差値がもっとも高そうだった、元ヤンだ。渾名は名前からではなく、ただただ純粋に元々ヤンキーだったから「元ヤン」だ。だから、気性も若干荒い。そんな彼が『哀れに思われても恵んでもらう』と言ったその気持ちの変節に興味があったので、俺もついていくことにした。
「衣食足りて 礼節を知る 足りないお前は 元ヤンキー」 「おい、ろくでもない都都逸作ってんじゃねえ」 「すまんな、道端に落ちてた本で面白かったんでな」 「普通、そういうところに落ちてる本なんてエロ本くらいのもんだろ」  軽口が出るのは余裕のある証拠だった。いや、腹は減っているが、精神的な部分にはいくらか余力を感じていたのだ。何故なのかと問われれば、それは夜ごと繰り返されるくだらない会話の中にあるような軽率さのせいなんだろうと思う。  目的の場所に辿りつくまで、長い時間は要さなかった。重厚な門、不可思議な電子音、それに忌まわしい打球音、子供の笑い声。俺はそれを耳にしたとき、元ヤンの考えていることが分かった。 「あー、なるほどね」 「いい作戦だろ?」 「全然そう思わないけど、まあやらないよりはやる方がいいよな。プライドはズタズタだけど」 「とうの昔にプライドなんかあってないようなもんだろ」  何を言ってるんだ、と言いたい気持ちをぐっと喉の奥に閉じ込めた。それから、持ち前の静かな足技で中に忍び込む。いけない、まだ気づかれちゃいけない。なるべく小さな、なるべくおとなしい人に見つからなければならなかった。  そうしてこのとてつもない大きな建物の裏側まで用心深く入り込んでみせると、元ヤンは得意げな顔で何かをみつけたと伝えたがっていたので、聞いてやった。 「お前、ここから建物に入れるぜ。窓が開いてる」 「さすがに建物に入っちまうと、俺らしか可愛がってもらえないし、俺らの分しか得をしないぜ。俺らの仕事は、うまくいろいろと持ち帰ることなんだから」 「そんなのは建前だよ。こんな遠くから高架下まで、そんなたくさん持ち帰れるはずもないんだから」  薄々考えていたことではあったのだが、だからと言って義務を果たさないことには、むず痒いような不快さを感じることになるだろうと思った。 「一緒に抜け駆けしようぜ。俺らだけで、おいしいもん食って帰ればいい。後のことなんてなるようにしかならないんだから」  そういう甘美な誘い文句には乗らないつもりでいたのだが、やはり、昔のような暮らしに戻れるかもしれないという幻想が頭を少しでもかすめたので、もう遅かった。それで、俺たちは日差しの揺れて白すぎるくらい白いカーテンが目印の、人の少なそうな部屋に忍び込んだ。  その部屋は、どこか埃っぽく、手入れがされていないような感じもありつつ、しかし暖かみも感じる、そういう矛盾した空間だった。ともすれば鏡の国にでも迷い込んでしまったかのような異世界感すらある。中には人がいなかったが、ドアも開けっ放しだった。  呑気にもあくびをする元ヤンに警戒させるように言った。 「しっ、誰か来るんじゃないか」 「誰が来るんだろうなあ」 「ニヤニヤしてる場合かっての。場合によっては何もなしで追い出されるぞ。この部屋、食べ物の気配なんて一つも感じないんだけど」 「どうしろってわけでもないだろ。まさか、お前が忌み嫌ってる『やさしさ』から言ってるのか?」 「まさか。俺まで巻き込ま���るのは御免だから言ってるんだよ」  声を潜め、目で火花を散らしていたら、ドアの向こうから静かな目線を認識した。 『猫じゃん』 「なんだ、生意気な顔して」 『かわいい~』  そう言われ、軽々と、ひょいと擬音がつきそうなくらい軽く持ち上げられたのは、元ヤンではなく俺だった。瞬間、目線がぐいっと反転しかけたのも俺だった。 「おい、俺じゃないのかよ」 「悪いな、この子からしたら好かれてるのは俺らしい」 『なんでこんなとこ来たの? 体も汚れちゃって、可愛そうに』 「余計なお世話だ」 「おい、早く俺も」 『でも、今はダメ。しばらくしたら部員のみんなも、先生も戻ってきちゃうから。声を潜めて待っていて』 「おい、どういうことだ! ちゃんと説明しろよ」 『みゃーみゃー鳴かないでよ。バレちゃうでしょ』  吊り目がちの女子高生が俺たちを叱りつけるように言った。 『ねえ、そこに誰かいるの?』 『ごめん、何でもない』 『変なの。ほら、言ってた部分の朗読の原稿は印刷しといたーって、先生から』 『ありがとう、助かる。これが終わったら練習したかったから』 『よかった。それじゃ、また放課後に』  そういうと、彼女は物の散らかった机を一掃いして、それから要らないと思ったであろう諸々を片付けた後、なにやら仰々しい機械じみたものの前に座って、見た目からは想像もつかないような快活な声を響かせた。 『こんにちは。お昼の放送です。最近、生徒がお昼ご飯を食べているところに猫が度々やってきてはそれを盗むということが多発しています、……皆さんもお気を付けください。それでは、ラジオネーム「バレンティン」さんからのリクエストで……』  軽快な手さばきで機械に手をかけ、音楽を切り替えた。彼女からしたら慣れたことなのだろう。
 彼女は弁当を開け、 『ねえ、もしかしてこの原稿の猫って、君のことなの?』  と俺たちに囁いた。 「いやいや、俺たちそんな卑しいことはしてないから。そうっすよね?」 「……すまん。俺はしてたわ」 「え、マジっすか……」 『私、先週中庭でお弁当を開けてたらトラネコっぽい子に卵焼き取られたの、いまだに根に持ってるんだけど』 「なんとかしてくださいよ先輩」 「いや言い訳できんわ、確かにこの子の弁当から盗ったもん。まさかバレるとか思わんし……」  俺は心の中でとんでもないことになってしまったと思った。このままだと、何をされてもおかしくないが、かといって人間の言葉が分かっても猫の言葉でしか喋れない俺たちに「生活がかかっていたんです許してください」と反論することは不可能だった。  観念して、おいしいもんだけ貰ってトンズラするか。 「もう、ここは卵焼きもらって帰りましょうや」 「違いねえや。こいつ、曲が終わったら弁当に手はつけられないはず。だから、その瞬間に飛びかかれば何とかなるっしょ」  元ヤンと目配せをして、今か今かと足を踏み出すタイミングを探った。成功するイメージをしよう。さすれば、成功しかできない。いくらでも修羅場を潜り抜けた俺ならいける。  曲が止まった。  今だ。俺と元ヤンは、ほぼ同時に弁当の方へ跳んだ!  しかし、彼女の机にあったはずの弁当は消えていた。跳んだ手足が空を泳いで、ボキリという音とともに着地した。いくら軟体で運動神経が良くても、タイミングをかわされたのなら対処しきれないときも、猫にはある。 『お送りした曲は、……』  痛みにこたえている俺たちを見て笑いをこらえながら、流暢に言葉を発し続けている。笑うなよ。 『続いては、ラジオネーム「ひのきぶろ」さんからのリクエストで、……』  また曲を変えたと思ったら、どこに隠していたのか、弁当が再び出てくるではないか。俺と元ヤンは驚きを隠さなかった。まさか読んでいたのか、と。 『一昨日もなんか部室に猫が来て弁当のおかずを奪われたって聞いてたから、たぶん対策しないとまたやられちゃうのかな、って思って』  そう悪戯っぽく笑みを浮かべる彼女に対し、元ヤン氏は睨みつけながら言う。 「卑怯だぞ! ──正々堂々と勝負しやがれ」  あー、元ヤンキーの血に火がついちゃった。こうなるともう止めようがない。というか、止めるよりも早く彼は再度弁当のほうに駆けて跳ねたが、今度は女子高生が彼をチョップでいなして止めて見せた。正直、俺が元ヤンの情けない敗北の姿を見るのは初めてで、自分が何かされたわけではないのに、なんとも形容しがたい屈辱を味わった。 「うーわ、ギッタンバッタンにされてら」 「他人ごとみたいに言ってないで早く助けろ! さっさとこっから出るぞ」 『前は見なかったほうの子、出ておいで~……逃げようとしても無駄だよ』  背筋が凍った。どういうつもりだ。いつの間にか部屋の隅に追い詰められていて、跳ねても走っても逃げられないようになっていた。チッ、これが目的か。俺は元ヤンについてきたのを後悔した。自分のできる精一杯の威嚇をしてみたが、無駄だった。 『そんなにお腹すいてるんだったら、引っかかなくてもあげるよ。……一度だけだからね。おいで』  そういうと、彼女はチッチッと可愛く舌を鳴らして、元ヤンが飛びつこうとした卵焼きを目の前に差し出した。見てはいけないと思っているのに、見れば見るほど、ふわふわでおいしそうに焼き上げられたそれが恐ろしく見えてくる。もう元ヤンの止める声は聞こえなかった。不思議なもので、自分から飛びつこうとしているときは背徳感を感じないもので……  パクッ。  彼女から差し出されているときは、それを食べてしまうともう絡めとられているような感覚になってしまうのだった。しかし、本能はそれを拒めない。 「あー、食っちまったか……」 『おいしかったでしょ。私が焼いたのよ。……あっ、いけない、もう曲終わっ��ゃう』  焦ったふうにはにかみ、すきっ歯を見せる。あざとさすらある。そこになぜか、少しだけ既視感を覚えた。見たことなんてないはず。思い出したくなんてない、昔のことは。 『お届けしたのは……でした。さて、今日もお別れの時間です。午後の授業も頑張りましょう。それでは、さようなら』  元ヤンは既に言葉を失っていて、疲れ果てた様子でもあった。それは単純に自分の軽率さから卵焼きにありつけなかったからというでもありそうだったが、むしろ自分の甘いマスクに物を言わせることが出来なかったために豆腐メンタルが崩れたからというのが、なんとも大きな要因のようだった。俺にプライドなんてないだろとか言いながら一番傷ついているのがとても痛快だったのに、同時に気の毒でもあった。 『あ、先生来ちゃう。隠れて』  そういわれて、俺たちは掃除用具の並んだ狭い鉄の箱に入らされた。 『終わったか』 『はい』 『ごくろうさま。朗読の原稿は貰った?』 『ええ。ハナちゃんから貰いました。ありがとうございます』 『あの部分は読む人多そうだから、うまく差別化しないと目立てないかもね。なんとか来週中には詰めたいね』 『そうですね。なんとか全国に行きたいので、頑張ります』 『その調子だよ、頑張って。それじゃ、戸締りだけちゃんとよろしく』  格子越しから眼鏡の男性がドアを閉めて退出するのを見ていた俺たちを、女子高生が解放する。息苦しさは気のせいのはず。 『さすがにずっとそこにいて、っていうのは気の毒だから──そうだ、またここに来たかったら、きょう夜にもう一度ここを開けるから、さ』 「え?」 『私についてきたかったら、来て』  それだけを早口で言って、チャイム鳴っちゃった、急がないと、と言ってドアに鍵をかけた。窓は開いたままだった。俺たちは、戻るのも留まるのも自由意志に任された。 「お前、あんなやつについて行くのか?」  正直、俺は迷っていた。あの子について行けば、暮らしのせせこましさからは解放され、恐らく飼い猫としての暮らしを保障されるだろう。少なくとも、ひどいことはしないで、思いっきり甘やかしてくることだろう。しかし、その代わりに、生きていくのに必死な、自由と本能の精神に従うコミュニティの中に生きるということを放棄することにつながるだろうと思っていた。 「俺は一度戻ろうと思うよ。話はそれからだ」 「……だよな。お前はそう言うと思ってた」 「帰るか」  また、窓からぴょんと出て、俺たちの住処の高架下に戻る。その間も、ずっと何か感じていた違和感と既視感を、頭の中で追っていた。
 消えそうな細い月が雲に隠されて見えなくなった。  汚れた彼は、俺を見るなり、 「お前さ、『やさしい』って言葉、嫌いだって言ってたよな。あれ、本当はアレルギーを起こしてるだけなんじゃないのか?」  と言った。俺は意味が分からず聞き返したが、結局同じ言葉を繰り返されてしまった。 「お前は幸せにアレルギーを抱いて、それで急に突き放されて、ここに来たんだろ。お前を初めて見たとき、ここにくるようなナリじゃねえ、俺たちよりも全然上品じゃねえか、って思ったその違和感が、今ようやく分かったよ」 「言っていいことと悪いことがある、って知らないのか? 俺は俺の意志でここに来た。ただそれだけで、そこに何の繋がりもない」 「そう思いたいだけ、だろ」 「だったら何が悪いんだよ。『やさしさ』なんて、生まれたときから信用してない。頼むから黙っててくれよ」 「いや、黙らないね。君は聞きたくないからそんなことを言っているに過ぎないんだろ。分かるさ、それくらい」 「分かった気になって、そうやって人を決めつけるからここにしかいられないんだろ!」  俺は、このとき、生まれてきてから今までの中で、初めて怒りを叩きつけた。いつも野球小僧に見せている蔑みだとか、食べ物を与えてくれなかった人間に対しての恨みだとか、そういったものよりも、何十倍、いや何百倍も重い感情だった。そしてそれはお世辞にも綺麗じゃなく、むしろ醜い感情で、そうやって誰かを遠ざけるのは本心ではなかった。 「それで? 君はどうしたいわけ?」  そして彼は俺の気持ちを分かっているとでも言う顔で、しかしあくまで俺の意志を問う姿勢を崩さなかった。漁ってきたお菓子の空き袋が、強い風に飛ばされていた。あれと同じくらい、心は簡単に吹き飛ぶような気がしていた。 「……正直に言おう。怒らないで聞いてくれると、嬉しい。──俺は、君の言うような『やさしい人』に出会った、かもしれない」 「なんだよ、その言い方?」 「怒るなって言っただろ……これはお前の問題じゃない。俺が、俺だけが向き合うべきことなんだ。それを、誰にもとやかく言われるのは違う」  言っている俺でも、曖昧で、苦し紛れで、この場所から消えていくには弱い言葉だという自覚はあった。それでも、一人で生きていけない猫たちの社会から歩き出す強さが欲しい、という気持ちに嘘偽りなどなかった。俺も、彼も、元ヤンも、もしかしたら長老ですら、何もかも持っていなかったのだと今は思う。 「……ふん。勝手に出てけ。その代わりに、二度と面見せてくるんじゃねえ。二度と、だ」 「そうか」 「一人で出ていけよ。誰か連れていかれても、俺たちは迷惑なだけだ」  彼の主張は、最初から怒りに任せたものではなかった。震えるくらい、『易しく』ないが、『優しい』。夜風を遠く聞いているだけで、それからは何もしゃべらず、俺のことをいないものとして佇んでいた。  何してるんだ、さっさと出てけ。行くんだろ。  彼の背中がそう言っている。そして、来た道は覚えていて、足は進めと言っている。温もりの方に戻れと、心が言っている。
『ママはダメっていうかもしれない。それでも、あたしについてきてくれる?』  あの人の声が聞こえる気がした。倒れた彼女がいつまでもまた生き返ると思っていた、あの頃のことを思い出す。  生きるために必死だった日々と別れるのは、正直怖い。生きることに必死になっていたから感じなくて済んだ愛しさとか辛さが蘇ってきた。足が震える。泣きたいくらい臆病だったのは誰でもなく自分だったのか。  もう見えなくなった月に、みゃおうと叫んだ。  重りをつけたように捗らない足取りと、鋼のような風を越えれば、そこに電気の消えた学び舎がある。昼間と同じように、今度は一人で、誰もいないそこに飛び込む。  救われようとしている。俺は強くそう思った。  これも同じように、鍵のかかっているはずの部屋の窓は開いていて、暗闇の中でひとつだけ光が漏れている。たぶん、ここにいる。ひとつだけ見せられた『やさしさ』は、『易しさ』なのか『優しさ』なのか分からなくて、それでもその眩しさに目を晦まされた。 『ここにいるのね』  手が見える。呼び寄せられる。そこに彼女はいる。 『ありがとう、来てくれて』  真夜中の校舎は春だというのに寒かった。彼女はなにか光を頼りにして窓を閉め、それから俺の姿を手で撫でてさらりと流した。 「それにしても、なんで俺だったんだろう」  俺の言葉は彼女に届かないのは分かっていた。それでも、あのコミュニティで共に過ごした二人で会って、どうして俺を選び暮らそうとしたのか、自己満足でいいから聞いてみたかった。 『あなたは優しい子よ。もうどこにも行かなくて、いいの。必死にならなくていいの』  本当に、それでいいのだろうか? あっちに行けばこちらに揺り戻そうとする波が心に忍び寄り、こっちにいけばあちらに連れ戻そうと暗がりから手が伸ばされてくる。 『大丈夫。脅えないで。迎えに来たの。──いや、私が迎えに来てほしかったの、あのときからずっと』 「あのときから、ずっと?」 『私ね、クラスでいじめられてるの。靴を隠されたり、机が外に放り出されてたり、恥ずかしいこと言われたり……。もう、この学校に来てから、ずっと。もちろん守ってくれる仲間もいるし、ちゃんと向き合ってくれる大人もいる。だけどね、もう耐えられなくなっちゃって』  彼女の独白は、降り出した雨とともに静かに続いた。 『そんなときに、一年前くらいから──あなたが来たの、それくらいからでしょ──あなたに似た猫が私の家に来たの。何度も何度も、私が食べ物をあげてたの、覚えてる?』 「もしかして、お前、井端ん家の娘さんか?」  そう思って椅子に乗り、上に目線をやると、原稿にその名前があった。 『うちのお父さん、猫アレルギーなの知らなくて、ね。私が餌をあげてたのを知って、もうめちゃくちゃ殴られたの。「許せない、死ぬかもしれないんだぞ、嫌なら出てけ」って。確かにお父さんの気持ちもよく分かるけど、だからって私の気持ちを踏みにじるのは違うんじゃない、って思ったの』  だから、この部室は私のシェルターなの、こっそり使わせてもらってる。って、初めて出会ったときのような悪戯っぽい笑みを浮かべていた。 『あなた、本当に優しいから、今日来てくれたとき「会いに来てくれたんだ」って思っちゃったんだよ』 「会いに来たわけじゃなかったんだけどね……」 『ねえ……聞いてくれる?  パパはダメっていうかもしれない。それでも、あたしについてきてくれる?』  重なり合った言葉の影は、もはや既視感なんて言葉でくくれないほどハッキリした解像度。世を捨てたはずなのに、涙が出そうになって、思わずこらえた。伸ばされた手を拒めない。 『もう、名前も用意してるのよ。あなたは──』  守られるのではなく、俺が守りたい証を、手にした。『やさしさ』が『易しさ』か『優しさ』かなんて、今は愚問だと感じられるくらい、儚い時間にいる。
0 notes
tvod · 7 years
Text
#022   反東京オリンピック/東京イズバーニング  ゲスト:ぽえむ (2MUCH CREW)
「3.11後」を振り返るタイミング
パンス 今回はゲストに、2MUCH CREWのぽえむさん @poem_japan をお迎えしました。長年ツイートやライブを拝見しているのですが、今回、椎名林檎にまつわる一連のツイート(→こちらのモーメントにまとまっています!)が気になって、お声がけした次第です。
ぽえむ よろしくお願いしますー。
パンス 震災以降、デモなどの現場でもよくお会いしていましたが、ぽえむさんから見て、最近の状況はどう映っていますか。
ぽえむ 政治の流れでいうと安倍政権がついに終わりを迎えそうな気配濃厚で、長いことブーブー言ってきた自分としては喜ばしい反面不安もあって。何かって言うと、最近自分がバンドで書く歌詞は直球の安倍disがほとんどで、今後歌詞が書けなくなりそうっていう (笑) 。とにかく次のライブまでは辞任しないで、みたいな (笑)
パンス メテオナイトまでは間に合うと思います (笑)。先週アップしたT.V.O.D. でも、同様の話になりました。今後がどうなるか少し見えにくくなってきましたね。
コメカ 歌詞が書けなくなるっていうのはある意味分かるというか(笑)、「アベハヤメロ」のコールに象徴されていた様に、まあリベラル勢の「敵」のシンボルとしての安倍晋三、みたいな感じはやっぱりあった訳ですよね。緊急対策的な連帯の為の共通の敵、みたいな構図に結果としてなってしまったところはある。彼が今後退くことは、リベラルがこれから如何に共闘するかっていう問題にも繋がっていく部分は正直あるなあとは思ってます。
ぽえむ 今週はもういっこ特大トピックが飛び込んできそうな予感があるよね。三原じゅん子入閣なんだけど(残念ながらなのか何だか入閣はありませんでした)。安倍政権の際立った特徴っていうと、ネトウヨ的な世相というか流れを象徴してるとこだと思うんですよ。小泉純一郎の人気はいわゆるスターシステム的に解釈できそうだけど、安倍さんの場合、ネット以降の右傾化の流れに意識的に持ちつ持たれつの関係ってのが大きくて。
パンス ヤフーニュースのコメント欄から排外主義的な文言が消えてきたというのも象徴的ですよね。環境管理型で思想が衰退していく (笑) 。ここ10年ほどあった流れが転換期を迎えている。とはいうものの、ボンヤリと「日本スゴイ」を志向するナショナリスティックな欲望はいまだに息づいています。
コメカ ネトウヨカルチャーと、それに連動した安倍政権が謳歌したこの世の春に終わりの兆しが見えてきたというか(笑)。三原じゅん子入閣がもし実現したら、それはもう盛大な自爆にしかならないと思うんですけどね(笑)。 だから、右傾化カルチャーみたいなものも分岐点にあるというか。小池百合子みたいなしたたかなキャラクターが、今後はうまいこと右派の流れを主導していく感じになるのかな、という気はします。
ぽえむ 反アベの次の指標は、総動員化しつつあるオリンピックに対する反五輪、アンチオリンピックなのかという気もしますが、まだパッとイメージ浮かばないよね。ともあれ安倍さんが辞任したとしてもネトウヨは消えないし。で、オリンピックと言えば椎名林檎なんだけど(笑)
パンス 「国家総動員」をナチュラルに唱える椎名林檎の姿を、このタイミングでどう受け止めればいいのか……。三原じゅん子はネトウヨをより純化した、戦前スタイルの超国家主義者だし、小池百合子は「右翼的なるもの」もテクニックのひとつとして機会主義的に使っている、といったところでしょうか。先日の朝日新聞のインタビューを読む限り、その中間地点に椎名林檎が来てしまったという感があります。
コメカ 三原じゅん子のヤンキーガチスタイルと、小池百合子のクレバーっぷりのちょうどいい間に椎名林檎が(笑)。
ぽえむ ゼロ次元オマージュで反五輪ストリーキングやろうぜ(笑) まあ、冗談は置いといて、こないだの椎名林檎についての連ツイは、僕の中にずっとある、何故不良/ヤンキーは右翼的な意匠を好むのかっていう疑問に繋がってるんです。ブラックエンペラーの映画とか見ても分かる通り70年代後半〜80年代の暴走族は特攻服に日の丸とか菊の紋章とかを縫い付けてる。これ、僕は同時期のセックスピストルズの衣装にハーケンクロイツがあったのと繋がると思うんです。なんていうか「理性」に対するアンチとしての「暴力」。
パンス 日本で不良が右翼的なアイコンを使うようになったのは、暴走族からですね。直前までグラム→フィフティーズ・リバイバル(というかキャロル)だったのが、なぜ突然そうなってしまったのかは気になるところです。街宣右翼が導入したとか諸説ありますが。
コメカ ヤンキー文化がナショナスティックな意匠と接続されがちなのは、確かに「市民社会的な健全さ」に対するアンチの意を含んでいる部分はありますよね。あとまあ、単純にタブーに触れるスリルやヤンチャ感を楽しんでる素朴な側面もあると思うし。 若干脱線しちゃいますけど、それを考えるとアナーキーの「東京イズバーニング」の、「何が日本の象徴だ! 何にもしねぇでふざけんな」って、ヤンキーと極左的なものの接続っていうレアケースだったと言えますね(笑)。
アナーキー「東京イズバーニング」
ぽえむ アナーキー! いや今の世の中「東京イズバーニング」ぐらいのザックリした打ち出しが必要だと思いますよ。まず第一に面白いし(笑)。311以降の社会運動の特徴って、色々言われてるけど、僕はそれ以前の社会運動に漠然と抱いてしまっているイメージ「牧歌的なユニティ感」に反発するアナーキズムを押さえてるとこだと思うんです。そういったアナーキズムを押さえたところからユニティを再獲得していく。これもしかしたら左右問わずで、時代性が絡む現象なのかもしれない。現行のリベラルが直球の市民派っぽいことも言ったとしても、そこにはひとひねり入っている。で、そのアナーキズムって常にサブカルチャーの根底にあるものだろう、と。
パンス おおまかに言うと、80年代以降社会運動が沈滞していたといわれるのは、見てくれの行儀の良さゆえですよね。90年代の薬害エイズ訴訟の頃でも。そのあたりで反転した小林よしのりなんかが「市民運動的なるもの」を否定する、そういったエネルギーが直後の右傾化にも繋がっている。
コメカ 実際、ネトウヨ的なものの方が、行儀の良い運動には持ち得ない「享楽」を、自分たちの運動に貪欲に取り込んでいっていた気がする。あとまあネトウヨとはちょっと違うんだけど、それこそ椎名林檎の問題にも繋がるんですが、さっきからのヤンキーや右翼的な意匠の問題を今の時点で考えるとき、ヴィジュアル系バンドのことがどうしてもアタマに浮かんでくる(笑)。彼らなんかでたらめさと享楽とヤンキー的な保守主義のごちゃ混ぜミックスで、インテリ左派的な行儀の良さの対極にあるからこそ、ある種の層の支持を今も昔もずっと獲得し続けている。 ゼロ年代はヤンキーとかネトウヨとかに「享楽」を持っていかれていたというか、左派やリベラルがそういう志向に向かうことができたのは2010年代以降なのかなあと思ったり。
メランコリー/ブラックジョークという感覚
ぽえむ なので今のリベラルやANTIFAがオラオラしてるのは基本的に正しいと思ってます。にしてもヴィジュアル系かあ。。僕はちょっとわからないとこがあって。ヴィジュアル系の表現にはある種のメンタル的な「痛み」があるでしょう? ゴス感というか。椎名林檎だとその辺あからさまにフェイクなんでまだ聴けるんだけど、あれ俺みたいな中年には結構辛いんだよね笑。最近のJ-ROCKや日本映画にもみられるけど。むしろそれが世代的な反抗のしるしになっているのか?
コメカ いや、ぼくも正直いちリスナーとしてはヴィジュアル系的な「病み感」みたいな感じは自分にフィットはしないんですが(笑)、病んでる様なメランコリーは確かに近年のJ-ROCK…というか所謂ロキノン的なバンドとかですね、邦画、あとボカロ文化とか、日本のドメスティックサブカルチャーには何となく通奏低音としてずっとある。椎名林檎の表現には意外にそういう「病み感」は少なくて、ただ初期のビジュアルイメージ等にはそういうニュアンスはありましたね。 正直こういう傾向は「世代的な反抗」みたいなものではなくて、階級闘争的な志向に向かわないサブカルチャーはメランコリーに向かうしかなくなる…というパターンのひとつなんじゃないかなあと。
パンス ここ10数年、ヴィヴィッドとされている表現の多くが、メランコリーを追求し過ぎてて、社会との接点がどんどん失われている、という状況だといえます。
コメカ セカイ系的な感覚がデフォルトになったというか。 ただ同時に、こういうバンドが存在して人気を集めていることに眩暈がしたりはする(笑)。ヤンキーとホストとインダストリアルメタルと歌謡曲とネトウヨのハイブリッド…(笑)。
R指定「愛國革命」
パンス うおっ、なんだこれは。ラッパーのR指定じゃないんだ (笑) 。YouTubeのコメント見るとゲンナリするな。。普通に消費されてるんだね。
ぽえむ すげえ。
コメカ メランコリーを軸に置いて、乱脈的に色んなものをサンプリングする、っていうのが日本のドメスティックなサブカルの典型例のひとつになってる気がして。椎名林檎はそれこそもうずっと前からそういうフォームを計算済みの上でやってるというか…。さっきぽえむさんが言ってたみたいに、「フェイク」感がより一段階強いというか。
パンス むしろ椎名林檎はその流れの端緒といえるね。しかし、まだ対・渋谷系みたいな意識が残っていた頃の表現だったというか……。いまの人たちにはそういう衒いがないぶん、より文脈が希薄になっている。
ぽえむ もしかしたら、そのメランコリーがクールジャパンの本質なのかもしれないね。昨今の「日本スゴイ」もノスタルジー的心情が動員されてるでしょ。
パンス 「日本スゴイ」は、当初「三丁目の夕日」的志向だと思ってたんですが、実際は経済大国と呼ばれていた頃の日本への憧憬ですよね。当時を過ごした世代がそういった消費材を買い支え、安倍明恵はDJオッシーを呼んだパーティを行う……。とはいえ、もはや特定の歴史を参照することすらなくなってきているのかもしれません。乱脈的なサンプリング、というのも、いまのボンヤリした「日本」イメージや、ネトウヨ思考と重なってきます。
コメカ まあ『ファンタズマ』にもメランコリーはある訳だけど、質が違うよね。コーネリアスやフィッシュマンズ的な、「意味なんてない」的なメランコリーじゃなくてもっと演歌的というか、情感や情念を獲得したいっていう欲望。椎名林檎は渋谷系へのカウンターパンチのギミックとしてそういう雰囲気を使ってたけど、それをフェイクでなく本気で求めてる層は案外多かった。
パンス そうそう。当時、椎名林檎好きだった人は「好きや人や物が多過ぎて 見離されてしまいそうだ」って歌詞を切実に聴いていたよ……。僕のことかもしれない (笑)。
コメカ    はっはっは(笑)。いやでも、ぼくの周りにも確実にそういう人はいた。
ぽえむ 全てが並列にセレクトできるけど、その合間から抜け落ちたのはメランコリーだった。なんか平岡正明の「感情だけは売りわたすな」のネガみたいな。それがイマジナリーな「日本」に吸収されていくっていう。 しかし、さっきのバンドの曲、彼らの表現にはおそらくブラックジョークぽい感覚が入ってるでしょ?パスティーシュだよね。メランコリーもそうだけど、現代のポストモダン的に断片化した社会からこぼれ落ちる情感を一方で受け止めてるのがブラックジョークだと思う。トランプのあの感じとかさ。安倍さんの人気もそういうとこと関係してるんじゃないか。もともとは切実だったものが、キレイゴトに対する反発と相まって、差別であったり権力や格差の固定化を正当化する流れに、嘲笑とともに回収され利用されていく。ベンヤミン風に言うなら、この進行する「政治のサブカル化」に対抗するための「サブカルの政治化」が今まさに必要なのではないかしら?
コメカ 結局「社会」を思考から抜いてしまうと、大抵はメランコリーな感情に落ちていくことになると思うんですよ。で、そこに踏みとどまって無限に遊び続けられれば良いんですが、大抵は耐えられなくて漠然とした「日本」とかに回帰しちゃうんですよね。ただまあそういう回帰や接続は確かにひとつの方法論ではあって。今のリベラルやANTIFAが闘争的でパンキッシュでいられるのも「社会」を視界に入れようとしてるからで、実はネトウヨにもそういうところはあるっていうか。 ただ、椎名林檎ほどクレバーな人が、自分をサブカルチャーに留め置かずに、記号的な「日本」にああいう感じで接続してしまうのはぼくにとって結構不思議で。「社会」に変に接近せず、サブカルのままでいればいいのに…とすら思う。…でもね、小池百合子のしたたかさを持ちながら、三原じゅん子ばりにボディにパンチを入れるように、サブカルも国策もごちゃ混ぜのビジネスを乗りこなす林檎女史は、やっぱすごいとは思う、気合は入ってる(笑)。
ぽえむ 百合子のように舞いじゅん子のように刺す、ですね(笑)
12 notes · View notes
sunaiver2525 · 8 months
Text
シン・財源はあなたです。
財研出版になる前、財源研究室時代の冊子を発見したので 解説してみた
0 notes
mihanasblog · 6 months
Text
Tumblr media
日本経済を解説するヤンキー登場人物紹介
0 notes
uchu-household-blue · 6 years
Text
3話~~~~~~~!さすがドラマ~とは回を追うごとに。映像で突きつけられるもの、多いし、ドラマとしての細部もしなやかだったーあとからあとから分かるーー呟いたところできっと追えないよーー。文法的な回。だったね、巧妙に。
Tumblr media
そう時間切れ!怖い怖い!日々のテスト勉強でも、本当に上手く回せなかった~というか高校科目に関しては難易度とかではないとこでも自分の問題でだろうが 分からないところが済まなかった~ それにしても(漫画ではずんこ先生は最初からというか、ユリユリに会う前にすでに知っていたけど)理系受験なら文系は簡単でシンプルなものが多し、点数も他の人と差をつけやすいと。でもそんなのはちょっと考えればその通りすぎるのよ。そもそも文理だけが入り口かよとも思ったりしてたけど何かだけ特化ってどゆこと?っていう猜疑心もぬぐえなかった~~  ただし勅使河原氏の話の冒頭に戻るけど得意科目を作ることもそれ以前に、ユリユリの場合は特に、課題として目前にあるのでしょうから~~ いやでも、得意なものを意識しちゃうとそればっかやっちゃうから、フラットなのが一番かもな。。
Tumblr media
そう。。。。。ほんとにそう。。。だんだん思い出して、ガーーンとなって辛すぎて。。こんなにも若々しい感情面が思い出されるとはなーーと思ってダメージが。。または、というか今もそのままには変わりねぇという墓穴が襲ってきて。。情緒という言葉はどう現象だ? 便宜上、情緒。みたいなイメージ。でも、ない人はないとして。ある、なしなのかな、安定というよりか。?
「春見センセーは何で東大落ちたん?」と言われるずんこ。。 勅使河原先生の笑った口の形が綺麗だなーと毎度一瞬なってる 深キョンの歯並びも下が少し悪いんだなーと観てた 
前向き、素直、毎日コツコツ、(私はそれ以前に当事者学生としては受験に本腰を入れてはいないけどそれでも、勉強というものは)が出来ても、情緒が安定しないと、進められないのだよ、、、本当に手ごわかった、、負け続けた。。。中学の時から負け続けた。。。情緒安定クリアだったら、時間をかける手法から逃れる能動くらいは磨かれたのかな、、朝の余裕とか。。 明日や未来が漠としていて重くて怖くて呆然としていたけど、世界というより勉強を環境と、勉強自体のせいにもしていたけど、。今のために生きる方法、が机に出ている勉強のなかにはなかった し、内側と周りに豊かさを作れない方向でいた 神経質には変わらない、、どんどん冷えていった怖さ!怖さよ。繰り返すんだなー。 第1回のあのユリユリのセリフ、こゆことだったのかーー。本当衝動的に蘇るなぁ。鉛色。うるさいなぁ。
Tumblr media
梅岡塾長も、いいよねー。。本気というものをずんこに見ていて。。私はずんこ先生にそういう情緒不安定な面を見たことはなかったのだけどイメージの話でしかなく、まぁドラマとしては描かれていた、いくかもしれないが、、でも漫画では「私今 はじめて勉強が楽しいの」と言い、ドラマでは「今になって思い出したんだよね 勉強って楽しいんだよなーって」ともあった。 でも、「本番に強い」ということが気分の安定と密接なことはなんとなくとても分かるよ。私みたいに意味とか疑ってばっかりだと本当、横殴りに殴られて死ぬ。価値を楽しむことのなかに見出そうとしすぎた。良くも悪くも。前向きさもコツコツさも、無心になれる力とも密接だから、ここを伸ばせなかった。「手広い教科のカヴァー」のなかでは全然身につけられなかったのかもしれない。 高校に入ってからも、何か勉強のなかで強く何かにすがれていたなら、少しは何か掴んだかな。。?(仮定法じゃんか)(漫画の仮定法オチのほう、とにかく好きなのになーー今回。前回仮定法をドラマでやってたから来ると思ったのに。。!) 現代文は、小論文も情緒のせいで一行に進まなかったけど、でも教科書の単元でのちに影響を受ける2つの大きなテーマには出会えたし、それはラッキーだったよね。。メキシコのカラベラのことと。広告のことと。真面目にやればそういうこともある。。
Tumblr media
古典から入るのも原作から思うと違和感だったけど、(エトミカ回のわけであって早かったなぁ、、ギュッとしてる本当に。内面の説明を急く感じはドラマだよな。)塾いったことないけどそんなものなのかな?予備校は。 あ、そうそう何だこの、、雰囲気、、と思ったけど、古典なのに縦書きじゃないからだ笑 古典は本当に虚ろだった。。英語も語彙で虚しくなってたけど、古語の内容も分からないし、品詞分解はあくまで分解のようなことだったし、しくみまでいけなかった。。授業でろくにやってくれなかったから��ーー。テストもそれに倣い教科書から出るものだから、ノート整理の力で堪えただけだものな。。もっと覚えたかったんだよなーーーでも活かせなかっただろうなー。とにかくあんな虚しいギリギリの生活はもうしてはいけない。。。。でも情緒。。
Tumblr media
ぎゃーー綺麗、、、↑↑↑ 片思いに加速がかかって、もう本当にヒヤヒヤしたね今回は。そんなにもテンション揺らぐのかーって。。怒鳴らないで。。 センチメンタルがあるとすればそこだもんな不安定になってこそだもんな、。。。
Tumblr media
モッチーも触れていたけど、ドラマの雅志面白すぎる。。!SEも9割がた雅志のためにあったよね?そしてほんとそう、漫画の雅志がこの雅志を見たら、唖然だと思うよ笑 嫉妬されるのは好きでも、同情は受け付けないので。。しかしドラマ版雅志であっても、漫画ずんこに笑われていて寂しい。。!笑 自分を笑うずんこを観て唖然だったのかもしれないけど。受け持ちの気苦労多いですね。。 この、、このポーズ。。でも本当、表情が素敵だよ。。忙しいだろうのにデートの約束に浮かれて、本当に救われる。。。ゴッドブレスユー/センキューの時の力ない感じもよかった。。エンドーも間合いでくしゃみしてたしくしゃみ回だったの? 
Tumblr media
西大井もキャラが面白くなってきたね!英語出がちな。万が一ルー大柴みたいなのもダサいいね!したいね 雅志の面白さに肩張れる
ベトナムの?プラント?企業がアパレルも買収するのか(香港系ファンドが買収だった)。。多国籍だった。ジュートって何だろうと思って調べちゃった、麻にもいろいろあるのだなー。フェアトレードの店舗特典、はきっとまさに普段いる部署(環境/エネルギー)から出るアイディアだろうし、西大井の言うとおり目玉にもなるし、協力してもらった相手にも分け合えるし、本当すごいんだな雅志って。。 このプロジェクト展望が見える。。 繋がりはローカル。。
Tumblr media
ビリギャル男
Tumblr media
ヤンキー東大へ行く   パロディてんこもりだーー!こっちの世界にもあるんだなーって笑 でも、この手の「テイスト」はテイストとしては、それこそ「何年後も残る」質かもね。
あなおそろし。。。山下君との前でも言葉綺麗になってたね去り際。ずんこが「ドキドキしてきた」だと!?!?とも思った。倫也君が山下君、、というのはまだ合致できていない私でした。次回かなーー。カルーザワなのか?
エトミカのいる空気ではエトミカはすごく瞬時に察知していて、エンドーたちもそれぞれ立ち回りがあって、すごかったな。。。さりげなさの重なりだったもの、まさしく。
Tumblr media
そしてこの、『思いっきり肩を抱いて』のシーンドラマ版、肩とを抱き合うのすっごくよかったな。。「大人とは」の問いでもあったもんね、エトミカにとって。  しかしずっと腰いためてるじゃないか、、 塾でも、ユリユリがムキになって去るとき、一瞬腰をいためるずんこを振り返り心配するけど、でも去る、っていうのも良かったし。。美和サマはつくづく助っ人としても敵を作らないなー。
雅志の活躍とセリフの緩急に関しては、、そしてエトミカの話については。。完全に漫画の力が良すぎたな、、とも思った。。梓弓がベースになりすぎた気もするのはまぁドラマだからいっか、、古典を引っ張った回だったね、「られたされた」も文法の文脈だったなと思って。 でもドラマ雅志だと無言で行間を行く力はまだ薄いし。。笑 ドラマだけ観る人にとっては、どこかにギャップがあったのかな。でも疲れの感じはリアルだったもんな。。雅志の内面、まだあんまり掴めないなドラマ版。。 ずんこ先生の運転リアルに怖すぎてギャッーーーー!となった。。。車ホントウイヤ。。。!ドラマでずんこが車に乗ることはないのか。。まぁ都心ならそれはそれか、、というか車=雅志か。。
0 notes
shibaracu · 5 years
Text
◆当て字◆漢字◆コトバ◆日本語
本文を入力してください
◆当て字◆漢字◆コトバ◆日本語 楽しいことばかり 日本語好きで漢字 コトバを何時も探している。 当て字が気��なり調べてみると趣向の凝った楽しい作者がズラリ。 日本人て本当に馬鹿だと思う。 楽しむことに生命を欠けている。 これが日本人の縄文人の素晴らしさ。 平安時代からコトバには徹底してこだわっている。 洒落を生み出し俳句や短歌や和歌も。 五・七・五 から始まったと言っても過言では無かろうか。 学者ではないので総て私の私見です。 楽しい生活は言葉から始まる。 みなさんも楽しい時間を過ごして下さい。 ◆基本用語集|漢字文化資料館 https://kanjibunka.com/kanji-faq/faq-other/word/ 音読みも意味(訓読み)も同じなのに、字体だけが異なる漢字がいくつか存在する場合、標準的な字体(正字)に対して、それとは異なる字体のことを「異体字」といいます。たとえば「島」「嶋」「嶌」は、いずれも音読みは「トウ」で意味(訓読み)は「しま」なので、正字 ... ◆漢字Q&A|漢字Q&Aカテゴリー|漢字文化資料館 https://kanjibunka.com/kanji-faq/new-faq/ 『大漢和辞典』を発行する大修館書店が、漢字・漢詩漢文などに関する情報を提供するサイト。 漢字Q&A. 漢字にまつわるさまざまな話題をQ&Aの形でご紹介します。 ◆当て字 - Wikipedia   https://ja.wikipedia.org/wiki/当て字 当て字(あてじ、宛字、充て字)とは、字の本来の用法を無視して、当座の用のために異なる語の表記に転用した漢字などの文字。字を当てるのではなく、代わりとなる字を充てるので、「充て字」と表記されることもある。   ◆当て字変換ツール http://bit.ly/A5sBu8■ ローマ字で入力 ◆当て字変換で遊ぼう! | 止まない雨も朝の来ない夜もないっ! https://ameblo.jp/tsune-tune/entry-11240821452.html 2012-05-04 08:05:00. テーマ:: くだらないこと. たまたまサイトで見つけたものです・・・リンクは こちら から 「当て字変換 漢字上等」というものですが、 自分の名前を入力すると 暴走族風・宝塚風・お子様風・難読文字に変換します。 http://isop.bunsekishi.com/ateji/atejiindex.htm   ◆漢字で遊ぼう - 漢字で遊ぼうは、カタカナを当て字したり、漢字を変えたりする所です。(例)アメリカ→飴理架高校教師→変態教師 小泉総理→恋済み層離 http://mikle.jp/thread/75348/ 漢字で遊ぼうは、カタカナを当て字したり、漢字を変えたりする所です。 (例)アメリカ→飴理架高校教師→変態教師 小泉総理→恋済み層離   ◆「夜露死苦」的な当て字めっちゃ集めました 読める気がしない「当て字・当て読み 漢字表現辞典」 (2/6) https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1909/06/news116_2.html 2019/10/06  日本語の漢字表記は当て字の宝庫です。「本気」と書いて「マジ」と読ませたり、「クラブ」を「倶楽部」と書いたり、例を挙げればきりがありません。ごく当り前に用いられている「時計(とけい)」や「大和(やまと)」だって当て字です。もとからあった日本のことばに外来の文字である漢字を当てたものが定着した訓読みも、当て字の一種と言うことができるでしょう。  そんな当て字の数々を、現代の新聞、小説、広告、漫画、J-POPの歌詞などから収集した辞典があります。笹原宏之編『当て字・当て読み漢字表現辞典』です。ページを開いて眺めるだけで、漢字を用いた自由な表記の文化を味わうことができます。   ◆当て字(あてじ、宛字)http://bit.ly/zdZyti 字の本来の用法を無視して、当座の用のために異なる語の表記に転用した漢字などの文字。 当て字は、「(当座の)字を当てる」という日本語の表現に由来した概念であり、通例は漢字の転用について言う。   ◆当て字 漢字 : 言葉のコレクション資格講座 http://kotoba.livedoor.biz/archives/cat_1511760.html 2007/05/20 文部科学省が後援する漢字能力検定試験に完全準拠した講座が「がくぶん」にあります。 クイズやパズル ... 夫婦 当て字. 夫婦は当て字 日本語 言葉 ことば 新聞なんかを読んでいてもよく思うんですが、当て字って多いですよね。 柳葉魚で何と ... ◆言葉のコレクション資格講座 http://kotoba.livedoor.biz/ 2019/08/21 コンテンツツーリズムの意味 旅行・観光業界で頻りに言われるコンテンツツーリズム。 アニメの聖地巡礼をはじめ、歌枕の地を訪れたり、アイドルゆかりの場所を訪ねたりするのもコンテンツツーリズムの一環です。 ◆漢字部屋   http://f9305710.hide-yoshi.net/henkanji.html 凄い漢字   12周年! 註1.典拠は欄の一番下に< >で表示しています。 註2.大漢和、漢語大字典、中華字海のどれにも載っている字はそれらだけを典拠とします。 (例えば<康>という表示がなくとも康煕字典に載っていることもあります) 註3.略記(左記)にある以外の出典は略さずに書きます。 ◆第13回当て字-魚詞母海蕎袋- | 日本のことば遊び - ジャパンナレッジ https://japanknowledge.com/articles/asobi/13.html 無理に読んで 英語の話から始めます。 ghotiと書いて何と読むか。fishと読むのです。enoughのghがf、womenのoがi、nationのtiがshと同じ発音です。これは、イギリスの劇作家・批評家のバーナード・ショウ(1856-1950)が言い出したとも、ショウがだれかから教えられて言ったのが広まったとも言われていますが、ほんとうのところは、皮肉屋で挿話が多いショウのことにされたのではないしょうか。 英語には綴り字のとおりに読まない語がかなりあります。それを用いた遊びです。 同じ字を雨(あめ)雨(さめ)雨(だれ)と雨(ぐれ)るなり(柳多留・三三) ◆読みより漢字の字数が多い熟字訓 - 漢検一級 かけだしリピーター ... https://blog.goo.ne.jp/eric_henderson/e/2687f3a2b6f2a14b3e888daea713574b 2016/07/17 28-1 を受検できないことが判明した6月の初旬以降、あまり漢字には触れておらず、こんなことでは 28-2 が思いやられるということで、今朝は少し熟字訓に目を通していました。そんな中から、きょうは「読みの文字数より漢字の文字数の方が多い熟字訓」という変なテーマで30問ほどご紹介します。(結構あるものですね。)  どれも「漢検 漢字辞典」の見出し語かつ巻末索引に載っているものですから全問正解といきたいところです。   ◆日本語における外来語の事例集 http://bit.ly/xlsueG 日本語は外来語の多い言語だといわれている。 日本語のなかに英語から作られた和製英語もある。近年の外来語の氾濫、またお年寄りなどにとって意味がつかめないなどの影響を顧みて、国立国語研究所の「外来語」言い換え提案はその名の通り、日本語での表現を模索・提案している。   ◆DQN(ドキュン)http://bit.ly/yDDsMy 日本で使われるインターネットスラング・蔑称の一つである。 ヤンキー(不良)など、粗暴そうな風貌をしている者や実際に粗暴な者、また非常識で知識や知能が乏しい者を指すときに用いられる。 この言葉はテレビ朝日系で1994年から2002年まで放送されていた『目撃!ドキュン』という番組に由来する。 この番組に出演する一般人にいわゆる元ヤンキーが多く、時として非常識な行動が多々見られたことから、インターネットスラングで非常識な人物を指す蔑称としての「ドキュン」という言葉が生まれた。   ◆インターネットスラング http://bit.ly/vLaEvh インターネットスラングは、文字通りインターネットで使用されるスラング(隠語)であり、主としてインターネット利用者の間でのみ通用する特殊な言語表現である。 ただし スラングの常として発祥が不明確で、パソコン通信時代から使われている言葉も少なくない。  ・インターネット・スラング集 http://bit.ly/zmHsQr  ・ネットスラング/ネット用語/同人用語の基礎知識 http://bit.ly/tY3X7r   ◆知っていますか?この言葉の本当の意味 | マイナビニュース https://news.mynavi.jp/article/20130424-a308/ 2013/04/24 どこかおかしい、調べてみると意味が間違っている言葉づかいって意外に多いものですね。そこで、今回はきちんと辞書にも載っているのに、本当の意味とは違ってしまったおかしな日本語を集めてみました。 ■生命保険は本当なら生活保障保険 みなさんご存知のように、生命保険とは、いざという時に困らないように経済的な生活保障金を積み立てていく保険のことですよね。では、この生命保険という使い方、どっかおかしいと思いませんか? ◆【素敵の語源・由来】 大正頃から「素敵」の当て字が見られるようになるが、「素敵」が一般化したのは昭和に入ってからで、それまでは「素的」が多く使われていた。 素敵の語源には、「できすぎ(出来過ぎ)」の倒語「すぎでき」が変化した語とする説と、「すばらしい」の「す」に接尾語の「てき」が付いたものという説がある。    もしかして: [言葉] 「素敵」の漢字は当て字 検索結果 ウェブページから抽出された強調スニペット 【素敵の語源・由来】 大正頃から「素敵」の当て字が見られるようになるが、「素敵」が一般化したのは昭和に入ってからで、それまでは「素的」が多く使われていた。 素敵の語源には、「できすぎ(出来過ぎ)」の倒語「すぎでき」が変化した語とする説と、「すばらしい」の「す」に接尾語の「てき」が付いたものという説がある。   ◆「すてき」どう書く | 毎日ことば https://mainichi-kotoba.jp/enq-109 「素敵」表記が6割を超えました。「すてき」は4分の1強。語源がはっきりせず漢字との関係も明確ではありませんが、「素敵」が一般には主流のようです。また選択肢になかった「ステキ」も一定の支持がありそうでした。 「すてき」という言葉の表記について伺いました。 目次    「素敵」が6割を占める    「素」の字も根拠は曖昧だが    現状は「素敵」が優位    「当て字」だが十分に定着か   ◆「素敵」という熟語には、どうして「敵」という漢字が使われているのですか? https://kanjibunka.com/kanji-faq/mean/q0374/ 「素」という漢字は、「素顔」「素手」「素材」のように「もとのままで、手を加えない」という意味で使われます。それが「素敵」となると「もとのままの敵」となって、なんのことやら意味不明、混乱するのももっともです。 「すてき」は、江戸時代も後半になってから使われ始めたことばですが、その語源は、「すばらしい」の「す」に「的」がついたもの、という説が有力です。と言われてもピンと来ない人も多いでしょうが、江戸の終わりから明治にかけての時期には、泥棒のことを「泥的」、官僚のことを「官的」というような俗語があって、それと似たような用い方をされたものなのでしょう。 となると「すてき」とは「す的」なのであって、「素敵」は当て字だ、ということになります。事実、「すばらしい」を「素晴らしい」と書くことから生じたのでしょうか、「すてき」を「素的」と書く書き表し方もあって、昔はこちらの方が「素敵」よりも優勢だったといいます。つまり、「素敵」に「敵」が使われているのには、きちんとした理由は全くない、ということになるのです。 ただし、現在では「素的」はほとんど使われません。そこで、「素的」はなぜ「素敵」にとって代わられたのか?という疑問が生じてきます。その答えはわかりませんが、結果として「ぜいたくは素敵だ」「大胆素敵」などといったことば遊びの名作(?)が生まれたことを考えると、そこには、日本人のステキな遊び心が働いていたのかもしれません。   ◆「最も画数の多い漢字は何か」。巷間、問われることの多い命題に関して考えてみよう。 実は『当て字・当て読み 漢字表現辞典』には、当て字に限定せず、漢字のこれはという表現を意識的に盛り込んでみた。漢字表現の広がりを押さえ、かつそこから当て字の位置を確かめるためであった。   ◆最も画数の多い漢字は何ですか? https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13137462318 2014/10/2801:14:10 https://iwiz-chie.c.yimg.jp/im_siggZjOfJ04TQDJdJCFdogpVbw---x320-y320-exp5m-n1/d/iwiz-chie/ans-343344597 一般的には 「たいと、だいと、おとど」(84画)【写真右上】 ですが、存在が怪しい漢字でもあります。 他に 「龍」を4つ書く 「テツ、テチ」(64画)【写真右中】や 漢字を7つ合わせた 「おういちざ」(79画)【写真右下】 などもあります。 一番多いのは、「雷」を4つ合わせた漢字「ホウ、ビョウ」(52画)【写真左上】 の旧字体【写真左下】です。 画数は(128画)です。   ◆「子ども」は「子供」で統一します 文科省「差別表現でない」と公文書で使用 https://www.j-cast.com/2013/09/01182664.html?p=all 2013/9/1   「子ども」と「子供」、書き方としてはどちらになじみがあるだろうか。ここ数年、差別助長を防ぐため「障害者」の表記を「障がい者」に見直す動きが広がっているが、実は「子供」も「差別的な印象を与える」として長らく敬遠されてきた。   行政でも「子ども手当て」「子ども・子育て支援法」など「子ども」が優勢だが、ここにきて文部科学省が「子供」表記の統一に乗り出した。 「子供」のイメージは「お供え物」「お供する」   文科省が2013年6月下旬、公用文中の「子ども」の表記を「子供」に統一した、と複数の新聞が報じた。同省の公文書では常用漢字を使うのが原則だが、「こども」については漢字の「子供」ではなく「子ども」が多用されてきた。「供」という字が「お供え物」「お供する」などを連想させ、差別的な印象を与えるというのがその理由だ。   ◆「子供」か「子ども」か。 「こども」という語は、本来、「こ(子)」に、複数を表す接尾語「ども」がついたものである。 「宇利波米婆 胡藤母意保由‥(瓜食めば、子ども思ほゆ‥)」(万葉集巻5・802)と山上憶良の歌にもあるほど、古い語であるが、のち、「しにをくれじとたどれ共、子どものあしにあめのあし、���となのあしにをひぬひて」(浄瑠璃、賀古信教)のように単数複数に関係なく用いられるようになった。   その表記としては、「子等、児等、子供、児供、小供、子ども、こども」などいろいろな形が見られたが、明治以後の国語辞典類では、ほとんど「子供」の形を採り、「小供」は誤りと注記しているものもある。 その後、「子ども」の表記も生まれたが、これは、「供」に当て字の色彩が濃いからであろう。   ◆日本語って難しい 犬かい http://bit.ly/ydvMpm    はじめに    誤用    疑問    私の主義と迷い 【はじめに】 インターネットで、誰もが気軽に発言できる場が増えたからか、疑問に感じる日本語の表現をよく見かけるようになりました。わざと誤った使い方をしているのか、間違っていても気にしていないだけなのか、知らなくて間違えているのか、いろいろなケースがありそうですが、いずれにしても日本語の乱れが目立つようになったと感じています。もしかしたら、書き直すことが困難なサービスが増えたからかもしれません。 さて、「誤用」では、よく見る表現で、それはおかしいのではないかと思うものを挙げました。「疑問」は、その言葉を使う上で疑問に思っていることを書きました。「私の主義と迷い」では、自分の頭にある方針や、決めかねて迷っていることを載せています。これは、私が勝手に思って実行していることを書いただけなので、別に従う必要はありませんし、納得してもらいたいわけでもありません。 なお、常用漢字の音訓外という言葉が出てきますが、「常用漢字表の音訓として認められていない漢字の読み」ということです。また、全角や半角といった言葉は正確ではありませんが、便宜的に使用しています。 私は、使おうと思った言葉が本当に正しい表現なのかが気になって、いつも辞書を引いています。 そんなわけで、私を物知りな人だと思う人もいるようですが、私はちっとも物知りではありません。 むしろ、知らないことが多すぎるために、辞書を引いているのです。   ◆普段、射す光 | メリシャカ! 2010年11月10日 http://merry-shaka.com/?eid=617&target=comment 先日テレビのクイズ番組を見ていると、斎藤孝さんが興味深いことを仰っていました。 私たちが使っている言葉は、読み方で漢字の当て字が意外と多いそうです。   「普段」という漢字も実は当て字で、昔は「フダン」という言葉は別の意味ある漢字で書かれていたそうです。   皆さんは答えが分かりますか?   ちなみに私は「蒲団」と書くのではないか?と思いました。が、結果不正解。 正解は・・・ 「不断」と書くそうです。   ◆北海道のアイヌ語地名解説 http://bit.ly/A74nKH 本州の人にとって北海道の地名は読めないものや面白い音読みのものが多いでしょう。 それは北海道の地名が、そのほとんどがそこで生活してきたアイヌ民族がつけた地名で、後から入ってきた和人がその発音に漢字を当てはめたからです。 ここでは、ほんの一部ですがその地の意味を解説します。これでもほんの一部です。 小川や小さな沢、山の頂にも名前が付いているのでそれは膨大な数になるので省略します。 引用図書:「北海道地名誌.NHK北海道本部編,北海教育評論社,昭和50年発行」               「アイヌ語地名と現日本人.白糠地名研究会編,現代史出版会.」   ◆「前」という漢字が末尾につく言葉。「当たり前」はもとは「当然」の当て字だったの?http://bit.ly/y0anou 問題:「前」という漢字が末尾につく言葉は「大辞泉」で調べると200語弱ありました。 一丁前、腕前、男前、御前(おまえ、おめえ)などは、よく耳にしますね。 ■昔の地名にもよく使われました。肥前(佐賀、長崎)、備前(岡山)、羽前(山形)、越前(福井北部)、陸前(宮城、岩手)などですね。千日前(せんにちまえ)、蔵前(くらまえ)、弘前(ひろさき)、松前(まつまえ)など訓読みでも使われます。   ◆芥川龍之介の小説「あばばばば」からの読み問題。「朦朧」はなんと読むの? http://bit.ly/yRbBt6 問題:芥川龍之介に「あばばばば」という妙な題名の小説があります。題名に惹かれて読んでみると、たわいのない話ではあります。でも、なんとなく心に残るところがありました。ご賢察どおり、「あばばばば」は幼児をあやす言葉です。Wikipediaにも項目が立っていましたので、あらすじはそちらをごらんください*4。全文は青空文庫のほうをごらんください*1。   ◆あばばばば - Wikipedia http://bit.ly/w1wR2M   ◆芥川龍之介 あばばばば http://bit.ly/ADgURu  青空文庫作成ファイル   ◆韓国語 - Chakuwiki http://bit.ly/ui2Zco 哀号っていうのは発音から日本人が当て字したんだけどね。 そもそも現代韓国語の漢字音はフランス語と同様、2重母音は必ず融合させるから「哀」を「アイ」とは読まないはず・・・・ 「哀号」を韓国語で読めば「エーホー」 必ずしも嘆き悲しむ時ばかりではない。もっと軽く頻繁に使われるらしい。 最近だと、金英男氏再開劇の時に崔桂月さんが涙を流しながら言っていた。 「あれま」くらいの意味でも使います。もっと深い意味でも使います。 ・哀号  http://bit.ly/w9y3hD 1.人の死を悲しみ大声で泣き叫ぶこと。 2.朝鮮語の感嘆詞。(この場合「哀号」は当て字であり、本来漢字表記は存在しない。)→アイゴー ・アイゴー (아이고) 朝鮮語の感嘆詞。 元々は朝鮮語固有の語であるため、本来漢字表記は存在しない。 古い書籍などでは漢字で哀号と書かれているものもあるが、日本で作られた当て字である。 哀号を朝鮮語読みにすると애호(エホ)になる。   ◆夫婦 当て字 : 言葉のコレクション資格講座 http://kotoba.livedoor.biz/archives/30106408.html 2005/08/11 新聞なんかを読んでいてもよく思うんですが、当て字って多いですよね。 柳葉魚で何と読むかご存知ですか? 「ししゃも」なんです。なんとなく頷けるような気がします。 以前の記事に中国では「美しい」を意味する漢字に「柳」を当てるという話をしましたが、ししゃもも確かに形がスマートで美しい?かな(笑) 夫婦でめおとと読みますが、これなんかも当て字なんです。 ◆一颯(いぶき)と子供の名前を付けようとしてるのですがこの漢字は http://bit.ly/wIygle ●これは楽しく考えさせられた。 一応季語では風一颯(読み不明)って使うみたいですけど。 過去質問でも由来不明という結論でした。 また、ヒットする名前では読みは名付け本からとなっていました。
…最初に名付けた方に聞いてみたいですね。   ◆日本人にとって漢字には、当て字で意味など無い、、、はず。 http://amba.to/wNcQ07 漢字と日本人/高島俊男著(文春新書)2 日本語と漢字の出会いは不幸であったという著者の主張はかなりショッキングである。 日本人の多くは日本語を使ってコミュニケーションをしていると思うが、 文字を書く上で日本語表記に漢字が使われている事に疑問を持つ人は少ないだろう。 漢字が支那から伝わったことは知識として知っている人は多いと思うが、 日本語に適していないと考えた事のあるひとはもっと少ないのではないか。   ◆60歳からの視覚能力 http://bit.ly/AbBsB0 文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために 図は土屋道雄「誤字辞典」からの例で、永井荷風の作品中に見られた誤字の一部です。 「誤字辞典」には多くの作家、論客の作品から誤字の例をあげられていますが、特に多いのが永井荷風のものです。  永井荷風の誤字例が多く見られるのは、たまたま著者が荷風の作品に親しんでいたためなのか、荷風が誤字の多い作家だったためかはわかりません。  校正の名人といわれた神代種亮という人物が荷風とは親しかったそうですが、この人物は作家の作品に誤字を発見すると指摘した手紙を送りつける癖があったということですから、当時荷風の作品がとくに誤字が多いとはみなされていなかったようです。   ◆中学生くらいで逆転!?「英語と日本語を同時に学ぶ」効果とは https://gentosha-go.com/articles/-/22070 2019/07/06 - 2020年開催の東京オリンピックが近づき、日本全体が国際社会に対応しようと日々変化しています。政府主導で英語教育の方針も毎年のように刷新されていますが、その一方で、「英語が話せる日本人」はまだまだ少数です。そこで本記事では、英語保育園(プリスクール)を経営する中山貴美子氏が、英語と日本語を同時に学ぶ重要性について解説します。   ◆第29話 心配いたしました。 - So-net http://www005.upp.so-net.ne.jp/kenji99/b029/b029.htm 日本に「漢字」というものが伝わって来たのは西暦三世紀頃だとされている。この時すでに日本語すなわち「やまと言葉」は完成しており、日常の会話に使うべき語彙には事欠かなかったと考えられている。 この時代、漢字を持ってきた中国博士たちは、日本の知識人と共に、ありとあらゆるやまと言葉に一つ一つ漢字を当てていった。ほとんどは「意味の合う漢字」を探し、これに「やまと言葉でフリガナをつける」という作業になった。これがいわゆる「訓(くん)」である。元の「中国読み」は「音(おん)」と呼ぶ。「呉」「漢」「唐」「宗」あわせて漢字の在庫は充分すぎるほどあった。 ◆生きている化石 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/生きている化石 生きている化石(いきているかせき、英: living fossil)とは、太古の地質時代に生きていた祖先種の形状を色濃く残している生物をさす。生きた化石と言われることが多い。地層の中から発見される化石と同じ姿で現代にまで生息していることから、このような呼び名が付いた。 殆どの近縁種が絶滅してしまった分類群を指す遺存種(いぞんしゅ、英:relict species)と混同されやすいが、遺存種は祖先種の形状を残していないものも含むため、定義が異なる。遺存種のうち、生きている化石のように祖先種の形質を色濃く残しているものはごく一部である。 ◆ことばの話1740「言語道断」http://bit.ly/xvWDjr   ◆熟字訓 - Wikipedia http://bit.ly/yI4jGj 熟字訓(じゅくじくん)は、日本語において漢字の単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたもの。 単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れない。 また、読みの方でも分節不可能なものが多い。   よく使われる言葉が熟字訓になっている場合が多い。訓には和語ばかりでなく外来語が使われることがある。 例えば「煙草」を「たばこ」と訓読みする。熟字が漢語文法に則って作られていることが前提であり、字音や字訓を利用しつつも漢字本来の意味や熟字構造を無視して和語や外来語に漢字を当てる当て字とは異なる。   ◆訓読み   https://ja.wikipedia.org/wiki/訓読み 訓読み(くんよみ)とは、日本語において、個々の漢字をその意味に相当する和語(大和言葉、日本語の固有語)によって読む読み方が定着したもの。一般にひらがなで表記される。字訓(じくん)または単に訓(くん)ともいう。漢��の中国語における発音に由来する「音読み」と対照される。   ◆音読み   https://ja.wikipedia.org/wiki/音読み 音読み(おんよみ)とは、日本語における漢字の字音による読み方である。 音読みの種類 音読みには呉音・漢音・唐音(宋音・唐宋音)・慣用音などがあり、それぞれが同じ漢字をちがったように発音する[2]。たとえば、「明」という漢字を呉音では「ミョウ」と、漢音では「メイ」と、唐音では「ミン」と読む。 漢音は7、8世紀、遣唐使や留学僧らによってもたらされた唐の首都長安の発音(秦音)である。呉音は漢音導入以前に日本に定着していた発音で、通説によると呉音は中国南方から直接あるいは朝鮮半島(百済)経由で伝えられたといわれるが、それを証明できるような証拠はない。唐音は鎌倉時代以降、禅宗の留学僧や貿易商人らによって伝えられたものである。   ◆義訓    https://ja.wikipedia.org/wiki/義訓 義訓(ぎくん)とは、訓読みの一種であり、漢字に固定化した訓ではなく、文脈に合わせて個人的あるいはそれに近い狭い領域においてその場限りの訓を当てることをいう。義訓が固定化され広く用いられると熟字訓となる。 上代日本語 日本語の最古の記録である上代日本語の時代から義訓は用いられている。特に『万葉集』など上代文献での漢字の使い方を指すことが多い。「暖(はる)」「寒(ふゆ)」「金(あき)」「未通女(おとめ)」「数多(あまねし)」「間置而(へだたりて)」など。   ◆中古日本語 - Wikipedia  https://ja.wikipedia.org/wiki/中古日本語 中古日本語(ちゅうこにほんご)とは、上代日本語と中世日本語の間に位置する、日本語の発展における一段階である。平安時代中期に用いられた。日本語の文語体の基礎となる言語である。 平安時代の初期(10世紀)に日本語を記したものは漢文・変体漢文と訓点資料(漢文訓読を記号・文字で記した資料)・古辞書を除いて残存資料に乏しく、実態ははっきりしない。一方平安時代末期(11世紀末ころ〜12世紀)には中期とは異なる現象が現れ始め、「院政期」と呼ばれる。院政期は後の鎌倉時代と似た特徴を持ち、「院政鎌倉時代」と一括して考えることがある。従って「中古日本語」という時は平安時代の中期を中心に、初期も含めるが、院政期を除いて考えるのが一般的である。そして院政期は「中古」に対して「中世前期」と呼ばれる。   ◆近世日本語 - Wikipedia  https://ja.wikipedia.org/wiki/近世日本語 近世日本語(きんせいにほんご)とは、中世日本語と現代日本語の間に位置する、日本語の発展における一段階である。この時期は、中世日本語の多くの特徴が消失する時期であったとともに、現代日本語という形態への移行期でもあった。近世日本語が使用された期間は、17世紀から19世紀中期までの約250年であり、享保または宝暦頃を境に、上方語優勢の前期と江戸語優勢の後期に分けて考えられる。また、政治史で見ると一般的には江戸時代に相当する。
0 notes
sugared-lie · 6 years
Text
13.13
第2話導入 
影丸は満員電車でZARDを聴きながら出勤(痴漢えん罪に巻き込まれないように手と荷物を頭に乗せてる) 13課のドアを開けると先輩と明金が殴り合いをしているのに遭遇。割って止めようとするが巻き込まれ失神。 目を覚ますと課長から事件の発生を告げられる。 2人の力で解決するようにとのこと。 先輩は別の捜査をするらしい。 そのことに明金が文句を言うと逆に挑発され売り言葉に買い言葉で明金は1人血気盛んに現場へ向かう、それを影丸が待ってくださいよ〜と追いかけていく。 その様子を見て課長が 「いやぁ〜にしてもあの2人は似ているねぇ あの頃の君たちに」 先輩「……。さぁてあたしも外出ますか、課長例の件よろしくお願いしまーす」 そのまま事務所を出ていく 課長(……。僕は彼らが彼女の救いになってくれることを願うよ。) 明金は現場に着いた。事件の概要はこうだ。公園で不可思議な焼死体が見つかりガソリンはおろか火元も火の気も全くないところで起きた火災ということもあり事件は難航していた。また死体に不可思議な魔術に用いられそうな紋様があったこともあり13課が担当することになったということらしい。 明金の後を追い影丸が現場に着く。そこには影丸が前に属していた捜査一課と鑑識が現場検証をちょうど終えたタイミングだった。 影丸は一課の刑事に声を掛けられる、振り向くと影丸の前のバディである叩き上げのおっさん刑事と現在そのパートナーであろうメガネをかけた警察学校でエリートと噂されていた新米刑事であった(おっさん刑事がよく影丸の話をするので年下の彼はなにかと影丸にたて突いてくる) 13課はどうだ?だのいい加減結婚しろだのどうでもいい話もされつつ事件を引き継ぐ影丸。 明金はその中に加わらず血眼になってなにか証拠を探そうとしている。 そんな2人を見てそのエリート刑事が「これが先輩がいう出来のいい後輩刑事とそのパートナーですかぁ?全然息合ってるように見えませんけどぉ」と鼻で笑ってくる。 影丸は苦笑い。明金は一瞬ガン飛ばすが無視。(殴りかかるんじゃないかとヒヤヒヤしている影丸) ビビる新米。 そして最近不可解なオカルトじみた事件が増えているらしいことを聞かされる。 そんな感じで証拠や身元確認を済ませていくのだが明金が野次馬で集まった人の中から怪しい人物を見つけ出し明金を見て逃げ出したため追いかける。 影丸も後を追い、明金に追いつく頃にはその逃げ出した人物はすでに鉄拳制裁によって完全に伸びていた。その人物は過去に明金に逮捕されたことのあるチンピラだった(ボコボコにされながら) その男は事件には関与しておらずアリバイもありただ明金にびびって逃げただけだと供述。 この件によって2人は一般人を殴ってしまったことの始末書を書く羽目になり、先輩から説教される。 全く息の合わない様子に影丸が「ちゃんと力を合わせて捜査しましょうよ」というが明金は聞く耳持たず。どこかへいってしまう。 困り果てた影丸はその日の夜、一課の先輩刑事の元を訪れる。一杯やることになり先輩に思い切って相談。すると 影丸「実は今のバディ、明金さんとうまくいかないというか、もちろんじぶんの力不足のせいなのですが…彼女は行動力もあるしとても優秀です。気弱な僕なんかがパートナーじゃ足を引っ張っているだけにしかならなく感じてしまって。。」 先輩「いいか影丸。人間っつーのは弱点だらけよ。喉にみぞおち、目なんか潰されちゃあおしまいよ。おっ店員さん生もう一杯、お嬢ちゃん可愛いねぇ… ゴホンッ あーーーーえーなんだ しかも人によっては精神的に弱いとこだってある。そのよえーところを全部庇うなんざ物理的に不可能っつーわけよ。おれたちゃ前しか向けねーからな、いくら意識したって後ろはガラ空き。不意打ちで終わりよ。 これはかんけーねぇ話をしてるわけじゃねぇ。 バディってのはいうならばこのビールと焼き鳥よ、片方だけでも十分だが両方揃えば無敵よ。最強よ。そのおめーのバディを無敵にしてやれんのは影丸。お前しかいねーんだよ。明金くんの背中を守ってやんのは相性でも能力でもねぇ。パートナーを命がけで守りたいって奴にしかできねえんだ。まっ、これはおれの長年の経験だがな。」 影丸「先輩…相変わらず…例え話下手ですね。。」(この人の後輩でよかったなと控えめに笑いながら) 先輩「ふん、かげ、オメーも言うようになったなっがっはっは。まあ今日は一杯引っ掛けて明日からまた気張れや! おっ、影丸みてみろ 新メニューだってよ!なになに?ハバネロ明太手羽餃子?一体どんな味すんだろうな!頼もうぜ!いやぁ〜昔っから新メニューってのに弱くてな、こう新しいものってなんでもどんなものか確認したくなるよなぁ〜」 影丸「先輩それ絶対やばいやつですって!食べない方が…ん?…新しいもの…確認…」(何かに気付く) 先輩「ん?どうした?」 影丸「先輩…すみません!!!今から戻って調べ直さなきゃならないことが!!あと明金さんのことも」 先輩「んー?そうか!おうっ行ってこい」 影丸「ほんとすみません!今度埋め合わせするので!!失礼します!!」 先輩「……。ふぅ、おれも後輩に置いてきぼり食らう歳になっちまうとはなぁ…案外良いもんだ。(新メニューを食べる)うん、かれぇわ。染みるなぁこれ。。」 次の日明金は気まずさから朝事務所に顔を出さない、影丸は目にクマを作ってギリギリに出勤してくる。そしてそのまま課長に犯人の目星がついたことを伝えそのまま張り込みにいくと出て行ってしまう。 影丸がいなくなったのを確認した明金はそーっと出勤。 課長は影丸が犯人の元へ行ったこと、影丸が明金くんに応援を頼んだことを伝える。 明金は私の力なんて必要なかったのかよ…ふんっもうひとりで解決できるだろと少し僻んでいると課長が「おやおや、影丸くん、ノートを忘れていったみたいだねぇ、事件のことととか書いてあるんだろうから困るんじゃないかなぁ」とぼやき部屋を出ていく。 明金は数分無視したが結局気になってしまいノートを見る。 課長は部屋の外で待っていたところ 明金は勢いよく部屋を飛び出していく。課長にも気付かずどこかへいってしまう彼女を見て課長は 「うぅん、いいねぇ若さだねぇ」 そこに先輩も居合わせて 「ったく、世話が焼けるわ」 明金はつむじ風を起こしそうな速度で走っていく。その姿に迷いや憂いはない吹っ切れた表情をしていた。 明金が走るとこの回想シーン 明金が影丸のノートを開くと 中には事件についてまとめられた資料が事細かに書かれている。 明金は几帳面に書き並べられたメモに若干の嫌悪感を抱きながらそれとは別に後ろの方に書きまとめられたそれに気付く。 明金サラ について は? 明金は面食らう。 そしてその次の項をめくっていく。 その1 イライラすると物や人に当たることがある その2 聞き込みは苦手。挑発や喧嘩っぽくなってしまう可能性がある。 なんだこれは。こいつは私の悪口を書き殴っているのか?よし殺そう。 その3 腕っぷしはかなり強い。 ※身をもって実証済み 〜〜その35 思い切りがよい。 (活かせる方法を模索する) 〜その64 運転は荒そうで意外と乗り心地が良い 〜その70 意外と可愛いキャラクターがすき おいおい。意外とが多いな。 パラパラと斜め読みしながら最終ページにたどり着く。 その100 正義感がつよい。この人になら背中を預けられる。 絶対に彼女を理解し、活かすことができればどんな怪事件も解決できる。先輩を見返してみせます! 最後の文字はとても力強く書かれていた。 明金「ちくしょう。あいつに文句言わねーとどーにもむしゃくしゃしやがる、あたしが行くまでくたばんじ��ねぇぞ!こた!!」 全速力で明金は合流に向かうのであった。 人気のない寂れた工場を走る夕日色の長髪をなびかせた人物。それを追いかける黒いフードをきた男たち。 逃げ切ろうとするが行き止まりで追い詰められてしまう ???「ねーちゃんどうやら鬼ごっこはここまでみてーだな」 フードを取ったその人物の1人はなんとこの前、明金の鉄拳で伸びたチンピラだった。 チンピラ「この前は大変お世話になりましたねぇ、今日はたっぷりと可愛がってやるよへっへっへ」 追い詰められ観念したのか直ちに戦闘態勢をとり刃物を振り回し襲いかかってくるそのフードの男たちを慣れた動作でいなしていく女性姿はまるでつむじ風。 ひとり、またひとりと丁寧な一撃で沈めていく。 その様子に困惑する男たち。 あっという間にチンピラだけになってしまう チンピラ「てめぇ!」 詰め寄ると後ずさりするチンピラ。しかしながらその男はニタリと笑う。 突然、彼の前から炎が立ち上がる。 いち早くそれに気付きギリギリのところでかわすことには成功。 チンピラ「ヘッヘッヘ。俺たちを追い詰めたつもりだったろうが実は誘い込んでいたんだよ。どうだ?マジックみたいだろ? ここには仕掛けをたんまり仕込んどいたんだ。 まああんたがたが睨んだ通り、あの焼死体の事件はこういうタネだったつーわけよケッケッ」 工場内を見るといたるところに魔法陣のようなものが描かれており、先程炎が上がった場所にもそれはあった。 そしてその工場の二階部分にひとり、フードをかぶり何か分厚い本を持つ人物がいることがわかる。 チンピラ「彼の力はすごいよ〜?簡単に人を燃やしちゃうんだから。 でもまさかあの人だかりから俺を見つけるとは思わなかったなぁ。すごいすごい。まああれはあんたがたを誘い出す為の事件だったんだけどね。見事に引っかかってくれて笑いが止まらないよはっはっはっ」 絶体絶命。 男は突然強気に殴りかかってくる。 不意を突かれかわし損ね1発もらってしまう。 そして その栗色の長髪が宙を舞う。 それを見てチンピラは驚く。 チンピラ「!?!? なんだてめぇ!? あのヤンキーねーちゃんじゃねぇだと!???」 そう。チンピラが明金サラだと思って追い詰めたその女性は女性ですらなく なんとも気弱そうな男だった。 ???「ははっ。バレてしまいましたか。」 その人物は着ていた上着を脱ぎ立ち上がる。 「残念ながら僕は明金サラさんではありません。僕は影丸虎太郎。彼女のバディです。」 影丸と名乗るその人物は殴られた頬をぬぐい手慣れた手つきで合気道の構えを取る。 影丸「あなたが今回の事件に深く関係していたんですね。僕の推理はこうです。 まず最近怪事件が突然増えだしたこと。そして本来我々13課は警察外部では存在していないことになっていること。極め付けは前回の化け物を使った殺人事件。あなた方の狙いは僕たちだった。今回の魔術を用いた焼死体。現場に魔法陣、火元なしとなれば我々が動くことになることはあなた方には容易に想像がついたはず。そこでそこの男。顔の割れていた明金さんに恨みのある人物を利用した。事件を起こし、彼を野次馬に紛れさせ、わざと捕まえさせ我々の体制を確認しようとした。新設されたばかりの13課があなた方の脅威になるか試したんですよね? (これは先輩が新メニューを頼まずにはいられないっていうので気づいた) そして間違った方に誘導し評価を下げさせ、あわよくば内部分裂も狙いだった。 彼が明金さんに恨みがあるのは色々と調べて簡単にわかりました。そもそもあの朝早い時間にあなたの活動区域である繁華街から離れたあの公園の事件現場に現れるなんて流石に違和感がありますよね? あなたはそういったものには興味がないことも調べはついています。あなた方は利害の一致、つまり明金さんに復讐したいチンピラさんと我々の動向を探りたいそこの黒フードの組織の仕業だったのですね。 いやー見事にはまってしまいました。危うく明金さんと13課を失うところでした。 なので今度はこちらから仕掛けさせてもらいました。明金さんの格好を真似てあなたを尾行しておけば繋がっているあなた方はすぐに気づいて逆にこちらを狙ってくるはずだと。」 チンピラとフードの人物は動揺しながらも チンピラ「ちっ。だからなんだ!!結局お前ひとり追い詰められてることに変わりはねーだろが!! 最悪な状況から抜け出すことなんてできねーんだよクソが!おい!!やっちまえ!派手に燃えて死んじまえぇ!!!ギャッハッハ」 ドサッ 「……。」 チンピラ「おい!どうした!はやく燃やして…あっ」 チンピラは二階に目をやると黒フードは倒れており 代わりになんとも艶やかな栗色の髪をなびかせた女性が仁王立ちしていた。女はとてつもない眼光でチンピラを睨んでおり、その姿からは何かオーラのようなものが見えるほどその空間を圧倒していた。 その人物は明金サラ。その人だった。 その姿を見てホッとした様子の影丸。 影丸「(ふぅ…良かったぁ。) ゴホンッ、あなたは先程僕に最悪な状況だって言いましたね。 でも残念ながらその 最悪な想定 は済んでました。」 チンピラ「あいつが来るように仕向けたってことかぁ!?」 影丸「いえ、それは少し違います。僕は信じただけです。バディを。」 影丸「あなた方の 失敗 はこの最悪な状況を想定できなかったこと。それはつまり13課を、僕たちを」 影丸がそう話していると 明金は二階から飛び降りチンピラに向かって全速力で駆けてくる。 そしてその握りしめた鉄拳をチンピラめがけて勢いよく放ちながら 明金&影丸「「舐めんじゃねえ!!!!」ってことです!!」 その怒りのこもった一撃は鈍い音を放ちチンピラを気絶させるのにはあまりにも充分過ぎる威力だった。 影丸はそのままチンピラの身柄を押さえ 「10時48分、公務執行妨害罪及び、公園で起きた焼死体殺人事件の容疑者として逮捕します!」 ガチャリ。 チンピラは完全に伸びていたが 手錠は男の両腕にしっかりと付けられた。 影丸「ふぅ。これにて一件落着ですね。あ、明金さん!ありが…ゴフッ…!!」 影丸は明金に礼を言おうと振り返ると綺麗な右ストレートを頬にもらった。 明金「ふぅ〜〜スカッとした!! おい、こた!言いたいことは山ほどあるがひとまずこれでチャラにしてやんよ! まずなーに勝手に1人突っ走ってんだばーかっ それと無断で私に成りすまそうとはどーゆーことだよ!」 影丸「殴ってチャラにした上で文句もちゃんと言うんですね…」 影丸は完全にその最悪の想定ができておらず右ストレートをもろに喰らい後方に倒れピクピクしている。 明金「まったく。あたしが駆けつけたからいいもののもし間に合わなかったらどーしてたんだよ、アホこたっ」 影丸「いててっ…そ、それは必ず来てくれるって信じてましたから。」 明金「おめーはよくそーゆーことを恥ずかしげもなく言えんなったく。そーじゃなくてお前がよく言う最悪の想定はしてなかったのかって聞いてんだよ」 心なしか明金の顔は少しずつ赤みを帯びてくる。 影丸「あっ、ほんとだ。全く考えてなかった。もしこなかったらどうしたらよかったんでしょう??」 明金「知るかばーかっ」 明金は耐えられなくなりそっぽを向く。 ここにあの女がいなくて良かった。こんな顔見られたら何言われるかわかったもんじゃない。 明金はそう思った。 影丸「でも多分なんとかなりましたよ。明金さんは僕の想定なんて軽々しく超えちゃう人ですもん。」 影丸はハハハと笑う。 影丸「さてと、まだ先輩は来てないみたいですし。今のうちにやれることやっちゃいますか」 影丸は伸びたチンピラを強引に水をぶっかけ起こす。 明金「やることぉ?あ、そうかあの女がいると手柄取られる上に全然教えてくんねーもんな!こたのくせに考えてんじゃねえか〜〜!」 影丸「はは、それ褒めてるんですよね…?まあいいやとりあえずこいつとあっちで伸びてる奴を起こして話を聞き…」 影丸がそう言いながら二階に目をやるとそこには黒フードの男はいなくなっていた。それどころか影丸が倒したはず他の手下さえ消えていた。 影丸「そんなバカな…!?いつのまに??」 影丸が動揺していると突然チンピラが苦しみだす。 チンピラ「うっ…!?熱い!ひぃ熱いあちぃよおぉ苦しいあああっあああああああああ」 影丸「どうしました!?しっかりしてください!!」 男は苦しそうに着ていたアロハシャツを破く。 するとそこには魔法陣が描かれておりそれが赤く蒸気をあげながら光輝いていた。 影丸は触ろうとしますがあまりの熱さに男から遠ざかる。 男はさらに苦しそうに暴れまわる。 そしてみるみる蒸気が上がっていきついに着火しだした。そうなるとその男は一瞬で火だるまに。 チンピラ「がぁぁぁあああああああたずげでぐれ゛ぇぇあぁぁぁあ」 影丸「明金さん!み、水を!今水を持ってきます!!しっかりしてください!」 明金「お、おう!」 チンピラは影丸に何かを伝えようと口を動かしている 「つ つ つとぅ ぐぁ」 影丸「えっ?何ですか?」 「つ づぐよみ の  がらず ぎょうだん 」 「づ とぅぐあ」 影丸「しっかりして!」 明金はバケツに水を汲んできた。 明金「おい!持ってきたぞ!」 しかしその頃には男はぴくりとも動かなくなっておりそこには真っ黒に焦げた人だった物がまだ炎を上げてあるだけだった。 影丸「くそぅ!口封じを仕掛けておくなんてなんでそんな簡単なことに気づけなかったんだ僕は!!」 影丸は拳を地面に強く叩きつける。 明金「こた…」 明金は落ち込む影丸にかける言葉を探すが何も思いつかなかった。そうしているとそれに気付いた。 明金「こた!まずい!あちこちから蒸気が!外に出るぞ!!」 明金は影丸の手を引き外に出る。 出ると同時だった。 建物は勢いよく燃え盛り爆発にも似た音を立てて崩れ落ちていった。 そこに大量のパトカーがなだれ込んでくる。 その中に課長と先輩。 先輩「おい、無事か!」 明金「お、おう。。でも…」 明金は燃え崩れる建物を見る。 影丸「すみません。犯人を追い詰めたのに。。こんな結果に。ほんとすみません。」 明金「い、いや!こたは悪くねぇ!あたしが」 明金が弁解しようとすると先輩が食い気味に話し出す。 先輩「私はお前たちに無事かって聞いたんだ。その様子なら大した怪我はないな。なら良いよ。」 課長「うん、2人が無事で何よりだよぉ、しかしながら、これはとても大きな陰謀が渦巻いているようだねぇ…」 課長は燃え広がる炎の先を見続けながら言った。 それに呼応するように皆その炎を見る。 落ち込む影丸にはその炎を見ることもできなかった。 影丸、彼の手には火だるまになった男が身につけていた指輪型のペンダントが握られ、炎が消し止められるまでそれに視点を落としていた。 その炎は何かの始まりを不穏に予感させる何かがあった。消火活動は日が落ちるまで続き、我々はただただ立ち尽くすしかなかった。 影丸は今日もいつも通りZARDを聴きながら出勤。 影丸「おはようございまーす!」 扉を開けると今日も今日とて先輩と明金が取っ組み合いをしていた。 2人は龍と虎にも似たオーラを放っている。 影丸は割って止めようとする。 そうすると影丸がターゲットになるのが最近のパターンだ。 影丸「2人ともやめいででででちょっ待って…息!息できなっゔっ」 手足を明金に抑えられ首を先輩に決められた影丸は一瞬天国の両親に会ったそう(後日談) 影丸「ハッ」 目を覚ますと先程とはそこまで時間が経っていないようだが完全に気を失っていたようだ。2人は満足したのかお菓子を頬張っていた。 影丸(はぁ…最近わざとやられているような気がしてならないな…ほんと最悪な想定を超えてくるよこの2人は…) あの事件の後、犯人は逃したものの13課の功績が認められ少し予算が良くなったそうで課長は嬉しそうにぽたぽた焼きを頬張っている。先輩は相変わらず無愛想だけど時折僕達の近況を気にしてくれているようだ。明金さんはというと… 明金「おいこた!聞いてくれよこの前街を歩いてたら中国系とロシア系のマフィアの対抗してるとこに出くわしちまってよぉ〜〜」 明金は嬉々として話しているがそれは全く笑いごとじゃないことに気づいているのだろうか。いやダメだ。完全に楽しい時の顔だこれ。 こんな感じで以前より自分のことを話してくれるようになった。少しずつだけど13課の雰囲気も良くなってきている気がする。それは良かった。良かったけど… 僕はあの事件のことがどうにも引っかかっている。 これを後悔と言うのだろう。 きっと今こうしてる間にもまた事件は起ころうとしている…そんな気がしてならない。 影丸は引き出しを開け煤けた指輪を眺める。 僕たちはとても大きな悪意の中にもう巻き込まれているのかもしれない。もしそうなら僕達はなんとかしなくてはならない。たとえ命を落とそうとも。 影丸が前を見るとみんなが影丸の方を見ていた。 彼は思う。この人達となら大丈夫な気がする。確証なんてないはずだけれど。少し明金さんに似てきたのかな。 影丸「ん? あれないな。そういえば僕のノート知りませんか?」 明金「んー?ああ、これのことか」 明金は自分の机の引き出しを開けて影丸のノートを取り出す。 影丸の顔の血の気が一気に引いていく。 影丸「なん…で?あ、明金さささんが僕のノートを?あの、ま、まさかですけど中身見てませんよよよよね…?」 明金はニヤリとする 明金「ああーこれねぇーお前あたしがいくら魅力的だからってこれはどーなのぉ?」 そう言いながら明金は 明金サラについての項を開く。そして読み上げる。 その25 乾き物よりチョコレートとかの方が好き その34 意外と後輩の婦人警官の間ではファンが多い 課長「明金くんそうだったのぉ!?ぽたぽた焼きも美味しいよぉ??」 少しショックを受ける課長。 明金「こた、お前意外と使いすぎな。罰��して昼飯奢れ!」 影丸「…さい」 明金「ん?」 影丸「返してください!!!」 影丸は取ろうとするが明金はヒラリと交わす 明金「おっと〜もう別にいいだろ〜〜ほとんど見ちまったぞ?」 影丸「全部…全部は見てないんですね…?」 明金「ん?何?その言い方だとなーんかまずいこと書きやがったなー?」 明金は楽しそうにペラペラめくっていく 影丸は構えを取り、いままで見せたことのない速さでノートを奪い取る。 明金「あっ!こらこた!まてぇ!!」 影丸「だめだめだめだめ…絶対だめ〜〜!!!」 2人は署内を走り回る。そして2人揃って怒られることになるがそれは少し後のおはなし。 こんな感じで13課は毎日破茶滅茶!最悪の想定が追いつかないです…この人達とこれからどうなっちゃうんだろう、ふ、不安だーーーー こた、まてーーーーーーー 影丸が持って逃げているノート 明金サラについて その91 笑った顔はかわいい。 彼はこのノートを死守すると心に誓うのだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 影丸「課長、少し話が。」 課長「どうしたんだぃ?」 影丸「今回の事件、犯人側に僕らの素性がバレてました。」 課長「ほぅ。それはつまり」 影丸「確定とは言えません。ですが警察内部から情報が漏えいしている可能性は高いと僕は考えます。」 課長「うん…あまり考えたくないが。。そうか…」 影丸「明金さんや他の人には言っていません。変に疑心暗鬼になるのはまずいので。」 課長「そうだねぇ、今のところはそうしておこうか。こちらでも調べてみるよ。報告ご苦労様。」 影丸「ありがとうございます。では失礼します。」 課長「内通者…ね。」 その日は力強い雨が一日中降っており 不穏な雷が鳴っていたーーーー
0 notes
1-2-3-5-6-7 · 7 years
Text
My beloved Tiger
Tumblr media
荒東(パラレルワールド)
ふたりが幸せになるために生きていくはなし/前編
 ——20XX年8月31日、神奈川県Y市の繁華街で起きた殺人事件に関するインタビュー。被告人の中学時代の同級生Tさん(男性)による証言。
「彼のことはあまり覚えていません。小学校は別々でしたし、確かにおなじ中学校へは通っていましたがそれも中学2年生までです。そのときにショックな事件があって記憶が飛んでしまって。ああ、ライターの方ならご存じですよね。……私を守っての行為だということは警察の方に聞きました。でもほんとうによく覚えていないんです。……薄情、ですか? ええ、ご存知の通り父親は非道な人間でした。でも目のまえで血のつながった父親が殺されたらショックを受けて当然ではないですか? 当時の私もそうだったのだと思います。憶測ですが。……彼との仲ですか? わるくはなかったんじゃないでしょうか。ただ私はあまり学校へ通えていなかったので、彼だけでなくとくべつ仲のいい友人はいませんでした。なぜ彼がそのような行動に出たのか私にはわかりません。彼に訊いてもそう答えるんじゃないですか。深い理由なんてきっとなかったんです。もしかしたら彼はもう私のことを覚えていないかもしれないし……。ですから、今回の事件に関してお話しできることはなにもありません。もう結構ですか?」
 まるで台本通り読み進めたかのようなセリフを、まるで繰り返し繰り返し練習したかのような表情、息遣い、完璧なタイミングで間合いを置いて話す様はまるでスクリーンに映る大女優のように美しかった。インタビューアは記事の最後をそう締めくくった——。
Side:荒北 age.11
 磯と油のにおいがどこへいっても鼻につく港町で育った。ひとが溢れかえる繁華街。みんな流行りの服を着て、流行りの音楽を聴き、流行りの食事を口にする。
 きらびやかな町は昼と夜でずいぶん表情を変えた。昼間はただ賑やかなだけだが、夜は人々が淫猥な空気を纏っている。共働きの親が不在の夜は目的もなく繁華街の入り口で人の流れを見るのが日課だった。なかへ足を進めることはせず、補導されるまえに家へ帰った。自分が大人になり親になったら、できる限り家にいて、帰宅する子をおかえりと迎えてやろう。よくそんなことを考えた。
 はやく大人になりたかった。子どもの自分では出来ないことを、大人になればすべて叶えられると信じていた。
 もうすぐ日が暮れる。橙色の太陽が、町を燃やすようにじりじりと辺りを染め上げていた。つい昨日まで蝉が鳴いていたような気がしたが、いまはその声も聞こえてこない。ひやりとした肌が半袖のシャツから伸びた腕を撫でた。夏の残党もついにくたばったのだろうか。
 開店前のバーの入り口に座り込んで、色を変える空と行き交う人々を眺める。昼と夜が入れ替わる、逢魔が時。少年はいつも、音もなく現れる。
「荒北」
 鈴の音のように凛とした声に顔を上げると、東堂が荒北を覗き込むようにして傍らに立っていた。東堂はちいさくて細くて艶のある黒い髪が肩でゆらゆら揺れていて、はじめて見たときは女だとすっかり勘違いした。利発そうな眼はきゅっとつり上がって、口元には笑みが浮かんでいる。
 ずっとひとの波を眺めていたはずなのに、荒北はいつも東堂の気配に気づけない。存在感は存分にあるのに、だ。口がよく回るのでやかましいし、ふだんから散々美的センスに欠けると東堂に言われる荒北ですら、東堂の容姿は他とは群を抜いて、とくべつなものに感じる。隣でしゃべっているときは気配も存在もちゃんと感じるのに、ひとの群れを縫ってやってくる東堂にはいつだって気づけない。
「今日はガッコ行ったの」
 荒北の隣に座って膝を抱えた東堂は視線を地面に向けて、問いに対し首を横へ振った。ふたりとも学年はおなじだが通う学校は異なる。
「いや。今日は父さんが家にいろって言うから」
「ンな父親聞いたことねーよ。小学生に向かって家にいろなんてなに考えてんだ」
「それはオレにもわからん」
 膝に額をくっつけるように顔を伏せていた東堂は、顔をこてんと斜めに傾けて荒北を見上げた。長いまつげが天に向かってカーブを描き、藍色のひとみを縁どっておおきさを強調している。肉付きのうすい頬が膝のうえでつぶれて、いつも弧を描く唇はすこしだけ突き出ている。キレーな顔、と思ったが、荒北はフンと鼻を鳴らして視線をそらした。そんなことわざわざ他者が言わずとも、己がいちばんよく知っているのだ。東堂尽八という少年は、自分の美しさに絶対の自信と確証がある。だからあえて言ってやらない。言葉にしようものなら余計調子に乗って口の回ること回ること。
「荒北は学校へ行っていたのか?」
「ったりめーだろ。学校行かねぇ小学生のほうが珍しいっつーの」
「ちゃんと勉学に勤しんだのだろうな?」
「ベンキョーなんてたりぃことしてられっかよ」
「また居眠りか。あまりサボってはらなんぞ」
「ガッコーサボってるやつに言われたくねぇんだけどォ」
 冗談交じりの悪態に、東堂は静かにほほ笑んだ。東堂がサボりたくて学校に行かないわけではないことはわかっているが、荒北は口が悪い性分なのだ。性格上、素直にやさしくなんてできない。慰めることも、励ますことも、器用にできたら苦労はしない。
「体育はぜってーサボんねーし野球すげー面白ェーし」
「まあひとつのことを極めるのもわるくはないが」
「おまえも今度やろーぜ。休みの日にオレのクラスのダチ集めて」
「野球はルールがいまいちわからんが……あれだな、バッドで球を打ったら元の場所まで走って戻ってこればいいのだな?」
「アーまァそうなんだけどォ……。ルールもおしえてやっからァ。今度の日曜は?」
「すまん。日曜は父さんが家にいるから出かけられない」
「おまえの父親っていつまで子離れしねー気なの?」
 父さんが、父さんが。二言目にはこれだ。東堂の家は父子家庭らしく、だからなのか、いつも父親の存在を気にしている。相当厳しい親なのかと思ったが、だとしたら学校へ行かせたがらないのはおかしな話だ。辻褄が合わない。でも肝心の東堂の口からは彼の父親を想像しうる情報はなにひとつ出てこなかった。おしゃべりな東堂が欠片も話したがらないということはつまり、訊かれたくないし、触れてほしくない領分なのだろう。
「さぁ。いつまでだろうな」
 解を知らない東堂の声はとても無垢に響いた。ゆっくりと立ち上がった東堂を見上げる。影になって顔はよく見えなかったが、笑っているような気がした。
「野球のルール勉強しておく。いつか混ざったとき一等目立てるようにしておかないとな」
「いやぜってー目立つってェ。オメー変わってるからよ」
「そうか? 荒北も充分変わっているがな」
「ハァ? 言われたことねーよ」
「オレはおまえ以外に友人がいないのでな、比べる対象が自分しかおらんのだ」
「だとしてもオメーのほうが100倍変わってるってェ!」
 緩慢に歩み、繁華街へ向かう人の波に乗る東堂の背へ声を張り上げる。繁華街のなかへ進んでいく理由は、単純に東堂の家がそちらの方面にあるのだろうと思っていた。いつも東堂はなにも告げずに去っていく。さよならもなく、つぎに会う約束もせず、現れたときとおなじように音もなく、煌びやかな町へ消えていく。帰路につくさみしそうな背中は、ほかの人々と同化して荒北にはどれが東堂なのか見分けがつかない。ひと際うつくしい子どもは、夜が訪れた町を闊歩する大人に紛れて存在感を消失する。入り口で立ち往生している荒北にはその光景をテレビの向こうの映像を眺めるように甘受するしかなかった。
***
 朝晩めっきり冷え込むようになったせいで、秋を飛び越えて冬の到来を感じさせた。東堂は体のおおきさに見合っていないぶかぶかのパーカーを羽織っていたが、下はいつもハーフパンツを履いているので空気にさらされた足が寒そうに見える。抱えた膝をすり合わせて、それでも寒いとは言わなかった。
 結局、東堂は何度誘っても野球のチームに加わることはなかったが、それでも宣言通りルールは会得してきたようだった。
「しかしな荒北、オレにはどうも野球が面白いスポーツには思えんのだが」
「あァ? なんでェ?」
「おなじところをぐるぐる走ってまわるだけではないか」
 真面目くさった顔をする東堂の広い額にデコピンをくらわせてやった。言っていることがルールを調べるまえと変わっていない。東堂は額を両手で覆って、「痛い! 痕が残ったらどうしてくれる!」と大げさにわめいているが無視してやった。
「オメーちゃんとルール理解したのかよ」
「もちろんだ。一つのチームは9人で編成され、攻撃と守備を交互に担って競い合う球技だろう? それぞれのポジションの名前もちゃんと記憶してきたぞ」
「あのなァ~そんな簡単なスポーツじゃねぇーんだよ! もっと深ぇんだよ野球は」
「ほぉ。じゃあオレにも伝わるように説明してくれ」
「だァから説明するよりやるほうが早ぇっつーんだよ。オメーいつだったら空いてんだよ。ガキのくせにタボーなやつだな」
「オレがガキならおまえも等しくガキだぞ荒北」
「小5はまだガキだろーがよ。こまっしゃくれたしゃべり方しやがって」
「おまえはほんとうに口がわるいな!」
 口をおおきく開けて豪快に笑う東堂は、高貴に微笑んで見せるときよりよっぽど年相応に見える。
 東堂の家にはテレビがないらしい。荒北もクラスメイトに比べたら疎いほうではあるが、そんな荒北でもさすがに知っているような有名なドラマや芸能人の話をもちかけても、東堂は知らないと首を振った。新聞もとっていない、もちろん携帯電話など持っていない、学校へはあまり行かない、友人も荒北しかいないので、本を読むことが唯一世界を知る方法なのだと言う。東堂の家にはテレビやパソコンなどの類が一切ない代わり、壁一面に本棚があり、所狭しと本が並んでいるのでそれをじっくり時間をかけて読むらしい。教科書の文字の羅列ですら発狂しそうになる荒北には縁のない話だ。そんなに本好きなら図書館に行けばいいのにと提案したら、「貸出カードを持ってない」ときた。借りずともその場で読めばいい、と言えば、また「父さんが」ときた。「カード貸してやろうか」学校の授業で強制的に一冊借りたっきり、一度も使っていないそれをどこにやったか思い出せないまま訊いてしまったが、東堂はうーんと唸って、「いや、いい」と断った。なんで、と理由を訊こうとして、東堂の口が回らないときは深く話題に突っ込まないほうがいいという経験を積んでいたので、口を閉ざしたのだった。
 テレビを見ない東堂には当然、バラエティ番組から派生した流行の言葉は通じないし、ヤンキーもののドラマや映画に登場する粗暴なセリフを真似たりもしない。東堂が用いる言葉はきっと、読んでいる本のなかから東堂が選び抜いた、本人がうつくしいと感じた表現なのだろう。普段使いするには芝居がかった、すこし鼻につく高飛車な口調。特徴的なそれがさいしょは鬱陶しく感じたが、慣れてしまえば違和感もなくなった。
 日が沈む時間がずいぶんはやくなり、一瞬目を離した隙に辺りはもう暗くなっていた。夜の世界がはじまる。東堂がスッと立ち上がって闇に溶けるように人の群れへ進んでいく。肉付きの薄い生白い足がチカチカとまぶしい。
「とおどォ~風邪ひくなヨ」
 もう見えない、あるいは見えているのに東堂だと判別できない背に向かって声をかける。人の波のなかから、「ゼンショする」と聞き慣れた声で聞き慣れない言葉が返ってきた。夜になった町には、数多ある店の電気や看板のネオンが荒北を取り囲むように発光して目がくらむようだった。夜のにおいを纏った大人たちに逆らうように、足早に自宅へ向かう。荒北はその日はじめて、辞書を引くという行為をした。小学校入学時に教科書類とまとめて学校側に買わされた分厚い国語辞典は、重たいという理由一点で荒北がランドセルへ入れたことはなかった。
「ゼ……ゼン、ゼンショ……善処ォ? ……ハァ? ンだアイツふつーにアリガトウって言えよ」
 つぎに会ったとき部屋でひとり呟いた言葉を東堂にも言ってやった。
「それはキョッカイがすぎるぞ荒北!」
 東堂はまた口を開けて豪快に笑った。キョッカイ、とまたも漢字変換できない言葉が荒北の脳内を占拠する。
「国語の授業じゃねェーんだぞ!」
 怒鳴った荒北に対し、なんの話だ? と東堂は首を傾げた。家に帰ったらまた辞書を引かなければならない方の身にもなれ、とおもったが、東堂は自分の知らない言葉を耳にしたらきっと嬉々として分厚い辞書を捲るのだろう。
***
 冬の寒さが町を凍てつかせる頃になると、東堂は足首まである長いコートを纏うようになった。見るからにあたたかそうな、真っ黒な毛皮のコートは東堂によく似合っている。こまっしゃくれに拍車がかかって多少苛立ちもわいたが、うつくしいものの前でそういった感情は無効化されるものだ。それでも相変わらず太ももから足首まで肌が外気に曝されているので、それ見ている荒北のほうが寒さを感じる。バーの軒先にある石段もすっかり冷やされて、座るときすこしの覚悟が必要だった。東堂はコートを尻に敷いて直接肌が触れないよう工夫している。
「オメー寒くねェのォ?」
「寒い。でも短いズボンしか持ってないんだ」
「……買ってくんねェの?」
「うん」
 それっきり東堂が口を閉ざしたので、荒北も追及するのをやめた。
「荒北のジャケット、背中で虎が吠えているぞ」
「これスカジャンってゆーんだヨ」
「ほぉ。オレもそういうのが着たい」
「ぜってー似合わねェからやめとけ」
「似合わなくないと思うが」
「なんだよその自信」
 ウッゼ、と思い切り顔を顰めてやる。東堂はフ、と小馬鹿にするように笑って荒北の悪態を一蹴した。白い息が生み出された瞬間、跡形もなく消失する。寒さで鼻先がジンと痛み、頭がぼぉっとした。東堂は顔にかかる前髪を人差し指で耳にかけ、すこし動けばまた髪が視界を遮るので耳にかけ、という動作を繰り返している。
「髪切ればァ?」
「それはならん。うつくしさが損なわれる」
「ッゼ」
 長い前髪をぐしゃっとかき上げてやると、「乱暴はよせ!」と東堂が荒北の手を引きはがそうともがいた。
「デコッぱち」
「うるさい」
 おおきなつり目が荒北を恨めしそうに睨み上げる。
「デコ広いのがヤなの?」
「うつくしさに欠けるだろう」
 額の広さでひとの美醜は決まらないと荒北はおもうが、こだわりの強い東堂にはコンプレックスらしかった。
「ヘェ~。自称美形のとぉどォチャンはァ、そんなちっせェこと気にしてご自慢の顔隠しちゃうんだぁ?」
「自称ではない! みんな口をそろえてオレをうつくしいと称賛している!」
「あれ、なんか頭に巻くやつなんだっけェ。ターバン? とかすれば?」
「話をきけ!」
 ぎゃあぎゃあと喚く東堂を解放してやれば、艶のある黒髪はさらさらと宙を踊った。東堂は乱れた前髪を手櫛でといて、指で撫でつけている。すぐにまた乱してやりたくなったが、二度目は本気で怒ってくるような気がしたのでやめた。
 ぶわ、と顔にやわらかい感触を受けて視界が遮られる。立ち上がった東堂のコートが荒北を攻撃したようだ。もしかして一度目もなかったか、と見上げた先で黒い毛皮が重厚に風を切った。
「ターバンよりカチューシャのほうがいい。荒北、クリスマスプレゼントに悩まなくて済んだな」
「なァにプレゼント要求してんだよ。しかもなに、カチューシャって」
「辞書を引け辞書を。載っているかはわからんが」
 国語辞典にはちゃんとカチューシャの項目が記載されていた。そういえばクラスの女子がつけていたような気がするが、辞書にもあったように女子が身につける装飾品だ。東堂はそれがほしいと言う。本気だろうか。
 翌日の朝目覚めたとき荒北は家にひとりだった。よくあることでそう珍しくはないが、ダイニングテーブルに『三日間出張で家に帰れません』と母親の字でメモ書きが置かれ、五千円札が吸い殻一つ落ちていない灰皿の下敷きになっている。喫煙者は父親のみで、近頃家に帰って来たのを見ていない。最後に洗われたっきり使われることもなかったのだろう。顔を洗い歯を磨き、身支度を整えて5千円札を二つに折ってズボンのポケットに突っ込む。スカジャンを羽織るとき、背中で虎が吠えているぞ、という東堂の声がよぎった。
 荒北は久々に平日の朝、手ぶらで家を出た。学校をサボるのはいつぶりだろうか。品行方正とまではいかずとも、荒北はこう見えて根は真面目な性分なので、普段は理由もなく学校を休んだり授業をバックレたり教師に悪態吐いたりなどしない。逆を返せば理由があれば迷いなくやってのけるのだが、ただその日はどうしても学校へ行く気が起きなかったのだ。
 電車で行くにも自転車で行くにも中途半端な距離にある繁華街へは、いつも徒歩で行っていた。まだ昼にもなっていないせいで夜のにおいを纏う大人のすがたは見当たらない。いつもだったら入り口で眺めているだけの町へ足を踏み入れる。いつも東堂が消えていく町のなかは夜の煌びやかさの名残もなく、会社へ向かうスーツ姿の大人と観光客が入り乱れていた。ナイトクラブや居酒屋は軒並みcloseの看板を下げているが、観光客向けの飲食店や雑貨屋はクリスマスの装飾で店を飾り客を迎え入れている。建物が隙間なく立ち並んでいるせいで町はとても窮屈に感じた。きっとこの建設物は港まで延々続くのだろう。
 目についた雑貨屋は少々足を踏み入れるのに躊躇ったが、今日の目的はきっとここにあると荒北は確信して中へ入った。店員は小学生相手にも律義にいらっしゃいませと声をかけてきた。店内では二人組の女がキャッキャと話し込みながらアクセサリーを選んでいる。荒北が求めていたものはすぐに見つかった。カーブを描いたプラスチックの内側に小さなトゲがいくつもついている。色とりどりのそれは装飾が施されているものや細いものから太いものまで種類は様々だ。これが東堂のほしがっていた「カチューシャ」であることは確かだが、本当にこれを頭につけるのか、と疑問が浮かぶ。「やはり女みたいでイヤだ」と顔をしかめる姿も、「美形にはなんでも似合う」と高飛車に笑う姿も、おなじくらい想像が容易い分、どっちに転ぶかわからない。リボンや花がついているものは東堂がどうというより荒北がレジへ持って行きたくないので却下。要は前髪が邪魔にならなければいいのだから、飾りなどなくていいのだ。なんの装飾もついていないシンプルなものに狙いを定める。あとは色だ。黒、は地味だと詰るだろうか。青、白、まあわるくない。黄、ピンク、すこしイメージとちがう。ふと鮮やかな赤に視線が止まる。艶やかな黒髪に真っ赤なそれはよく映えるだろう。
 レジへ持って行くと「プレゼントですか?」と笑顔で尋ねられる。一瞬プライベートな話題に突っ込まれたかと返事を躊躇ったが、すぐにギフト包装をするかしないかの質問だったことに気付いた。
「ソウデス」
 視線をレジカウンターに落とした。気恥ずかしくて���員の顔など見れたもんじゃない。五千円札で支払って、千円札三枚と小銭が返ってくる。カチューシャに支払う金額として高いのか安いのかわからないが、五千円で足りてよかったなと安堵した。ポケットに釣銭を突っ込んで、ラッピングが施されたカチューシャが入ったちいさな紙袋を提げて店を出る。店内が暖房を効かせてあたたかかったせいで、外気の寒さが余計沁みた。カチューシャじゃなくてズボンを買ってやればよかったとも考えたが、サイズを知らないし、それこそデザインがどうのこうのと文句を言われる未来が予測できたのでかぶりを振ってイメージを消し飛ばす。
 去年も一昨年もそのまえも、一度もクリスマスプレゼントなど渡したことなどなかったし、要求されたのもはじめてだった。そもそも当日に会っていたかどうかも記憶にない。会う約束をしたこともなく、お互い気まぐれに訪れる繁華街の入り口にある開店前のバーの軒先。言葉としての約束はなくても、あの石段のうえだけが唯一ふたりを繋げる場所だった。東堂が来ない日はひとりで人の波を眺め、昼から夜へ表情を変える町の様子を傍観していた。荒北が来ない日の東堂はなにをしているのだろう。あまり興味もなかったので訊いたこともなかった。荒北がいなくても、東堂は石段のうえに座って膝を抱えていたのだろうか。あの場所でひとり、夜が来るのを待っていたのだろうか。
***
 十二月二十四日、二十五日にかけて世間では家族や友人や恋人とたのしいクリスマスパーティーでも開催するのだろう。荒北にはクリスマスに関して、これといって印象に残っている思い出がない。思い出せないだけかもしれないが、それだけ遠い記憶ということだ。
 冬休みに入ったので、目覚ましもセットせずに昼まで寝る日があと二週間は続くだろう。荒北がリビングへ行くと、クリスマスらしい雰囲気のかけらもない殺風景な部屋は静まり返っている。ダイニングテーブルには万札が五枚、灰皿の下敷きになっていた。五年生だから、五枚、という意味だろうか。荒北は自分の母親がそういった発想を持った人間なのかどうかわからない。意味なんてないのかもしれない。昨日帰宅した母親と話したとき、クリスマスの話題など一切出なかったし、プレゼントはなにがいいかなんて質問をされたのはもう何年前のことだったか。母親に学校が冬休みに入ったことを伝えると驚いて、期間がいつまでなのかを尋ねられたので答えた。母親との会話はそれっきりで、灰皿は依然きれいなままだ。父親との最後の会話はもう覚えていない。
 出かけ際、母親が置いて行った五万円はもしかしたらクリスマスプレゼントではなく、冬休み期間中の生活費のつもりだったかもしれないなとおもいながら、無造作にスカジャンのポケットへ突っ込んだ。
 二十四日、東堂は荒北のまえにすがたを見せなかった。自分からプレゼントを要求しておいて勝手なやつだなと腹が立ったが、クリスマス当日は明日だ。明日は来るだろうと、おなじように紙袋を持って出かけたがその日も東堂は来なかった。あたりはすっかり暗くなり、ネオンや街灯が照らし合わせたかのように灯っていくのをぼうっと眺めた。いつもより何割増しかで浮足立った人々が町の中心地へ吸い寄せられるように歩いて行く。ついて行ってしまおうか。いつも東堂が消えていく方向を見つめた。人の波に乗っていけば、東堂に会えるかもしれない。いつもだったらそんなことおもわないのに、なぜだか今日はそんな気分になった。もしかしたら荒北も、クリスマスというイベントの雰囲気にあてられて浮ついていたのかもしれない。自分はそちらへ行けないと線引きして、立ち往生していた光景のなかへ足を踏み入れた。
 町のなかは昼間のように明るく、だが決して昼間にはない雰囲気と表情で荒北を品定めするように見ていた。寒さにもにおいがある、と荒北はおもう。気温が低いつめたい空気のにおい、大人たちが纏う淫猥なにおい、港から漂う磯と油のにおい。いろんなにおいが混じって、都会の匂いを作り出している。
 道行くすべての背中が東堂に見えたし、どの背中も東堂のものではないと感じた。いまこの町を歩いている人間は大多数が成人した大人なのだから、小学生のちいさな背中と見間違うはずがない。頭ではそうわかっているのに、荒北は一瞬跳ねあがる心臓を抑えられなかった。
「東堂……」
 ほとんど無意識のうちに呟いていた名前は、雑踏に紛れてだれに拾われることもない。歩き続けると港が近づいてきた。磯のにおいが強くなり、潮風が肌を刺す。派手なネオンで飾られた看板がそこかしこでチカチカと点滅を繰り返しているせいで視界がうるさかった。勝手に垂れてくる鼻水をなんどもすすっていたので粘膜が痛い。寒さで指先が痺れていたが、紙袋の持ち手を強く握った。
 町のおわりまで来ても東堂はどこにもいない。そもそも、いるという確証はどこにもなかった。荒北の勝手な確信に過ぎなかった。今頃自宅で父親とケーキでもつついているかもしれない。そうだったらいい。こんな凍えてしまいそうな夜に、東堂がひとりぼっちで町を歩いていなくてよかった。
 気づいたらほとんど駆けるように町を彷徨っていたので、肩で息をするほどに呼吸が乱れていた。ふと視線をむけた先で、闇と同化しそうな真っ黒なコートが重たげに揺れる。
「東堂?」
 小さすぎる声が届くはずもなく、背中はどんどん遠ざかり、となりを歩いていた男と廃墟のようにくたびれたアパートの階段を上っていく。もしあれが東堂だとしたら、となりの男は父親だろうか。そしてあの歴史に取り残されたかのようなアパートは、東堂の家なのか。心臓が早鐘を打つ。もし荒北の憶測が正解だったとしても然程驚くことではない。なのに、得体の知れない焦燥感が肺を満たして呼吸が苦しくなる。有り体に言って、荒北は緊張していた。見てはいけないものを見てしまった時のようなバツの悪さが、じわりと体を這うように纏わりつく。
 部屋に消えたふたつの背中。ひとつは大人の男のものだった。もうひとつは、その男の腰上あたりまでしか背丈のない、子どものものだ。荒北は呼吸を出来るだけ整えて、アパートへ歩み寄った。そっと階段に足を乗せ、ゆっくりと上る。ふたりが入って行ったアパートの玄関には表札も、部屋番号を示すものすらなかった。チャイムを鳴らすかどうか迷った指先はドアノブに這わせた。そっと音を立てないように時計回りに回すと、鍵がかかっていないことに気付いて思わず息をのむ。不法侵入、という四文字が頭をよぎる。
 見かけほど老朽化は進んでいないのか、玄関の扉は荒北の努力も手伝って、とても静かに、ほとんど音もなく開いた。同時に、なにをやっているんだ、と頭のなかで警音が鳴った。もし見間違いだったら荒北は警察へ突き出されるかもしれない。見間違いでなくほんとうに東堂だったとしても、あとをつけて自宅へ不法侵入など、許してもらえるかどうかわからない。
 室内は明かりが灯っていなかったが、玄関から見て正面にある窓から繁華街のネオンが差し込んで、部屋を心もとなく照らしている。でも室内の様子を窺うには、その光だけで充分だった。畳の上に敷かれた布団のうえで、ちいさな体を押しつぶすように、おおきな背中が覆いかぶさっている。そういったことに対してほとんど知識がない荒北でも、この部屋でいまなにが行われているのかを理解するのに時間はかからなかった。テレビのなかでしか見たことがない光景が、眼前で繰り広げられている。自分はなす術もなく甘受し、立ち尽くすしかないのかと呆然とした。ドアノブを握る手が汗で滑り、玄関が派手な音を立てて閉まって目の前の光景を遮断した。ぶわ、と音が聞こえたかと錯覚するほど一気に冷汗をかいた。
 東堂じゃない。あれは東堂ではない。きっと見間違えたのだ。今日だってずっとそうだった。東堂ではない背中を東堂だと思い込んで、結局すべて違っただろう。荒北はその場から動けず、祈るように自分に言い聞かせた。東堂じゃない。東堂じゃない! 祈るように。つまり、荒北はもう気づいていた。
 目のまえの扉がそうっと恐る恐る開かれる。荒北はぎゅっと閉じていた目を開き、扉を開けた人物の横をすり抜けて土足のまま部屋を走った。背後で大人の男の低い声がしたが、荒北の耳にはほとんど届かなかった。
「あらきた」
 シーツを裸のからだに押し当てて、驚愕の表情を浮かべる見慣れた顔と自分の名前を呼ぶ聞き慣れた声に絶望した。部屋に雪崩れ込んだ瞬間ですら、この少年が東堂でなければいいと願っていたのだ。あまりにも非現実的な光景に、体が拒絶反応を起こして嘔吐してしまいそうだった。
「…………コイツ父親?」
 玄関先で固まっている男を睨み上げながら荒北が問うと、東堂は返事を躊躇うように視線を泳がせた。
「東堂」
 ずいぶんと苛立った声が出た。その感情は東堂というより得体の知れない男へ向けたものだったが、東堂はあからさまに肩をビクッと揺らして怯えた。
「ちがう、ちがう。父さんじゃない」
「じゃアイツ誰なんだよ! なんで、なに、……オメーなにしてんだよ?!」
「……帰れ。はやく、帰ってくれ」
「はァ?!」
 東堂はいつものように膝を抱えてそこへ顔を埋めた。表情が見えない。東堂の言葉の意味が理解できない。ひとりでなど、帰れるわけがない。スカジャンを脱いで東堂の肩にかけた。黒いコートは玄関先でくしゃくしゃになっている。男は随分動揺していたように見えたが、小学生が相手であることを思い出したのか、ゆっくりと荒北の方へ歩み寄ってきた。目のまえにひらりと紙が落ちてくる。三枚あるそれは、男が財布から取り出して降らせた万札だった。一瞬理解ができず、ふとスカジャンにのポケットに突っ込んだ五万円の存在を思い出し、「クリスマスプレゼントか?」と間抜けな認識をした。すぐにそうではないと気づいて、布団に着地した紙幣をぐしゃっと握りつぶす。大人はいつも金でどうこうしようとしたがる。それでどうにかなると思っている。金がほしいなんて一度だって口にしたことはない。荒北がほしいものを大人たちは知ろうともしないくせに、偉そうに金を寄越して満足な面を浮かべる。
「いらねぇよ。コイツ連れて帰るからどけオッサン」
 蹲っている東堂の手を引くと、いやだと抵抗をみせる。細い腕からは想像できないほど強い力に驚いて、荒北はパッと手を離して東堂の頭頂部を見下ろした。赤いカチューシャはきっとこの髪に映えるだろうと、場にそぐわない呑気なことを考える。男がなにかしゃべりかけたが、それを遮るように東堂が口を開いた。
「……」
「は? なんてェ?」
 東堂の声は膝に顔を埋めているせいかくぐもって聞き取りづらい。
「オレにはそれが必要だと言ったんだ!」
 顔を上げた東堂は荒北がてのひらで潰した万札を顎でしゃくって声を荒げた。東堂が負の感情をむき出しにする姿を見るのはこれがはじめてだった。荒北は自分の手の下でぼろぼろになった万札を見下ろす。心臓はドクドクと大きな音を立てて鳴り続けているのに、頭だけが冷えていくのを感じた。
「……金がありゃあいいの?」
 喉が引きつるような感覚がして、絞り出すように放った声は震えていた。荒北は自分が泣きそうになっているのだと気づいて、眉間に力を入れて必死に涙を堪える。ポケットのなかでくしゃくしゃになっていた万札を、震える指で取り出して東堂の足元へ置いた。自分が軽蔑した大人たちと同じ行為をしていることがたまらなく悔しかった。でもそうする以外に東堂をここから連れ帰る方法を見いだせなかった。
 東堂は驚いたようにおおきな目を見開いて、すぐにくしゃりと顔を崩して泣き出した。子どもみたいにエンエンと声をあげて泣く姿を見ながら、東堂はまだ子どもなのだ。自分と同い年の子どもなのだと、まるでたったいま気づいたかのように思い出した。
「東堂。おい、帰ンぞ」
 腕を引いても東堂は動こうとしなかった。嗚咽を漏らしながら首を横に振る姿に、苛立ちより焦燥が勝る。
「東堂」
 ほとんど懇願するような声が出て、いよいよ涙を堪えるも限界だった。ハァ、と大きく息を吐く音が頭上から聞こえて、荒北の体はほとんど強制的に男の片腕で引っ張り上げられた。布越しに荒北の腕を掴む男の指がついさっきまで東堂に触れていたかと思うと、肌が粟立つほどの憎悪と怒りを感じた。
「触ンな! オイ離せッ! 離せよ!!」
 無理やり立た���れた荒北は抵抗も空しく玄関まで引きずられ、床に丸まっていた東堂のコートを乱暴に投げつけられる。
「あの子は君に帰れと言っただろう?」
 男は町を歩いていれば五人はすれ違いそうなほど平凡な風貌をしている。口調こそ穏やかだが男の発言には有無を言わせない圧を感じた。男に対する恐怖はなく、頭がおかしくなりそうなほどの怒りが荒北の体躯を震わせた。
 東堂を連れて帰るという自分の選択のほうが男の行いよりよっぽど正しいという確信がある。それなのにどうすることもできない無力さが、悔しくて情けなくてついに涙がこぼれた。自分が子どもであるがゆえに、非力なばかりに、東堂を助けてやることも守ってやることもできない。
 男はゴミを捨てるように荒北を外へ追い出してドアを閉めた。施錠をする音が、外に放り出された荒北を遮断するように重たく響いた。たった一枚、扉を隔てた向こうに東堂がいる。でも荒北はその部屋から東堂を連れ出す術を持っていないのだ。
 階段の手すりにうすく雪が積もっている。空を見上げると、音もなく雪が舞っていた。急に寒さを思い出して、仕方なく押し付けられた東堂のコートを羽織った。黒い毛皮のコートからは、荒北の父親とよく似たにおいがした。煙草のにおいだ。きっと東堂が吸っているわけではなく、東堂の身近にいる大人が吸っているのだろう。
 足早に町を歩きながら、引っ込んでいた涙がまた溢れて止まらなくなった。すれ違ったときだれかが「ホワイトクリスマスだ」とつぶやく声が耳に滑り込む。クリスマスというワードを聞いて、荒北は自分が紙袋を持っていないことにようやく気付いた。きっとあの部屋に置いてきたのだ。大事なものをすべて、あの部屋に置いてきた。早歩きはいつのまにか駆け足になって、ネオンが輝く町を一度も振り返らずに、息を切らして走り抜けた。
***
 まえは人混みを歩いてくる東堂の気配を感じ取ることができなかったのに、今日は遠くからでもはっきりと認識ができた。それを荒北はかなしくおもう。理由はうまく説明できない。
 目が合うと、東堂は口角をきゅっとあげて、すこしだけさみしそうに見える笑顔を浮かべた。荒北が似合わないと言ったスカジャンは存外、生意気そうな東堂の風貌によく似合っていた。生意気そう、ではなく東堂は実際も生意気でこまっしゃくれの癇に障るやつだ。でもほかに代えのきかない、唯一無二の大切な友達だ。ついでに赤いカチューシャは荒北の読み通り、艶のある黒髪によく映える。
「似合ってンじゃん」
 東堂は片膝を立てて座る荒北の目のまえで仁王立ちし、スカジャンを見せつけるように両手で引っ張ってみせ、そのあと「こっちか?」とカチューシャを指さした。「どっちも」と言えば、至極満足そうな顔をする。
「スカジャンは返せヨ」
「ああそうだったな」
 そう言いながらも東堂は返すそぶりを見せず、いつも通り石段に膝を抱えて座った。
「荒北は似合ってないな」
 つぎに会ったら返そうと荒北が着てきた黒い毛皮のコートを見ながら東堂は笑う。
「ッセ。似合ってたまるかこんなダッセェの」
 小学生が着るには身の丈が合わないと思われる黒い毛皮のコートは、東堂が着るとしっくり馴染むのに、荒北が着るとただただ不格好だった。
「荒北にしてはなかなかセンスあるじゃないか。見直したぞ」
 東堂はカチューシャに触れながら機嫌よさそうにしている。うれしそうな姿を見るのは荒北としても気分がよかったが気恥ずかしさも拭えなかった。
「これ買うのスッゲーはずかったんだけどォ。もうぜってェーやだ」
 東堂はわはは、と豪華に笑う。その笑顔がすきだ、と荒北はおもう。口をおおきく開けて笑う無邪気な顔が、ほかのどんな表情よりも。
  今日で今年が終わろうとしている。東堂に会うのはクリスマス以来だったが、もうずいぶん長い時間あっていないような気分がした。もう二度と会えないような気がしていたが、案外あっさり、いつも通り顔を合わせて、いつもどおり軽口を叩いている。直接的な話題に触れそうで触れないギリギリのラインを探りながら、自分たちの日常を崩したくないと、すくなくとも荒北はそう願っている。
 ほんとうだったら詰め寄って、洗いざらい聞き出してしまいたい。その行為は東堂を深く傷つけるのだろうと予測ができたので、荒北は口を開いて、出しかけた言葉を飲み込んで、息を吸って吐いてを繰り返した。
「荒北」
 東堂はスカジャンのポケットをまさぐって、きれい折りたたまれた万札を荒北の目のまえに差し出した。荒北がしわくちゃにした紙幣を、きっと丁寧に手で伸ばしたのだろう。あの日の光景が脳裏をよぎる。繁華街のネオンが差し込む四畳半を、荒北は一生忘れられないだろうとおもった。
「これを返したくて来たんだ。……もう会えないかとおもった。ここにいてくれてよかった」
 まるで別れの言葉のようだった。耳に入り込む言葉すべてにさみしさを感じて、荒北は視線を地面に落としたまま顔が上げられなかった。きっと情けない顔をしているだろう。
 会う約束をしたことはなかった。東堂がここへ来る理由を訊いたことはなかったし、ちゃんと考えたこともなかった。いま東堂は明確な理由と荒北に会うという目的を持ってここにいる。それがさみしかった。理由などなくても、目的なんかなくても、約束をしなくても、当りまえのようにそばにいたい。
「荒北? 泣いているのか?」
 茶化すような声色に腹が立ったので、顔を覗き込んできた東堂を手で追い払った。
「なんでそうなンだよ。泣いてねーよ」
「ならいいんだ。ほら、はやく受け取ってくれ」
 差し出された万札を受け取り、手のなかで広げてみる。
「なにがほしい?」
 紙のしわを指で伸ばしながら問いかけると、東堂は歯を見せておかしそうに笑った。
「わはは。まだクリスマスプレゼントをくれるのか?」
 寒さで鼻の先を赤くした東堂は、暖を取るように膝のうえで指先をすり合わせている。荒北は黙って東堂の横顔を眺めた。もしほんとうに神様というものが存在して、東堂にうつくしい容貌を与える代わりに子どもでいる権利を奪ったのだとしたら、荒北は神になど一生祈らないどころか恨んでやる腹積もりだ。
「荒北が静かだと不気味だな」
 いつもだったら何かしら言い返すところだが、荒北は視線を自分の指先へ落として万札のしわを黙々と伸ばし続けた。その些細な異変を感じ取ったらしい東堂も軽口を引っ込める。しばらく町の方を眺めていた東堂は、おおきな目に光をたっぷり集めて荒北を見た。
「……オレがほしいものは金では手に入らんよ」
 でもありがとう、と東堂は静かに笑う。そんなかなしい顔で笑うな、と咎めてやりたかったのに、喉が焼けるように熱くなってそれもままならない。鼻の奥がツンと痛んで、目に涙が滲む。
「……とお、どぉ…………ご、めん、ネェ」
 涙がこぼれてしまわないようにと堪えながら絞り出した声は、情けなく震えている。咎めて、詰ってやりたかったのに、実際に出たのは謝罪のことばだった。伏せた横顔に東堂の視線を感じた。言葉にならない嗚咽が漏れて、とうとうこぼれた涙がズボンに染みをつくる。東堂は黙っていた。荒北のつぎの言葉を待っていたのか、返答を迷っていたのかはわからない。
 沈黙が何分か続いて、荒北が乱暴に涙で濡れた頬を拭って顔を上げたとき、東堂は困ったような顔をして荒北を見ていた。
「すまん。荒北がオレのために泣いてくれたのがうれしくて。でもニコニコしたらおまえ怒るだろう?」
「はァ?」
 ずび、と鼻をすする音がずいぶん間抜けに響いた。ほら怒った、と東堂は荒北を指さす。
「この間も……クリスマスの夜も、荒北は泣いていたな。オレのために涙を流してくれた」
「あれは……ってかべつにテメェのために泣いてるわけじゃねェよ。オレが……」
「うん」
「……オレがガキだからなんもできなかった。……オメーのこと助けてもやれないし守ってもやれねェんだ」
「うん」
「……だから、ごめんネ」
「わはは! おまえが謝ることではないな!」
 東堂は快活に笑って、そのままぽろりと左目から涙をこぼした。顔のラインに沿って流れた涙が顎で引っかかって、ぽつんと東堂の膝へ静かに落ちた。
「とおど、」
「すまん」
 東堂は両目からぽろぽろ涙をこぼして声も出さず静かに泣いた。あくびは隣人にうつると言うが、ひょっとしたら涙もそうなのだろうか。
 いま自分が東堂にしてやれることはなんだろう。大人の庇護のもとでしか生きられない無力な子どもが、おなじく無力な子どもに、いったいなにをしてやれるだろう。拙い頭で考えてみても、答えは出ない。
「東堂ォ。オレはオメーを助けてやれないし……守ってもやれない、から、……幸せに、する。ぜってェ、幸せって思えるような人生送らせてやる」
 でもひとつ、いままでしたことのない約束を取り付けてみる。約束というより宣言というべきか。漠然としていて信憑性には欠けるが、自分なりの覚悟を持って言葉を選んだつもりだった。
「ッフフ、なんだそれ、プロポーズみたいだぞ」
 涙を流しながら、東堂は肩を震わせて笑った。そんなつもりはなかったが言葉で指摘されると確かにそう捉えられても仕方ないような物言いだったかもしれない。そう自覚すると、羞恥で顔に熱が集まり、耳まで赤くなっている気がした。
「バァカそうゆんじゃなくてェ……わかれよ! オレより頭いいンだからよ!」
「わはは、うん、そうだな。わかる、荒北の言いたいことはわかる。フフ」
「テッメなに笑ってんだよ! オレ真面目にゆってンだけどォ?!」
「うれしいから笑ってしまうんだ。許せ荒北」
 笑いながら泣くなんて器用なやつだな、と呆れながら東堂を見た。東堂は涙が引っ込むとスカジャンを脱いで荒北へ渡した。
「すまんね。交換しようか」
「オレこれ嫌いだわ」
 重たいコートを脱いで、手渡されたスカジャンを受け取る。煙草のにおいはついておらず、代わりに柔軟剤のようなあまいにおいがした。
「わはは! おまえには10年はやい」
「ッセ!」
 あながち間違っていないような気がしたので否定はできなかったが、腹は立ったので舌打ちをしてやった。立ち上がった東堂は荒北が渡したコートをばさりと音を立てて羽織る。それがあんまり様になっているので、荒北は黙って東堂の背を眺めていた。
 東堂の手を取って引き留めてやりたい。行かなくていいと、ずっとここにいようと言いたかった。それが東堂の救いにならないとわかっている。荒北の身勝手でしかないとわかっていたから、なにも出来ずに見送った。
 歩き出した東堂は振り返り、「じゃあまたな、荒北。よいお年を」と出会ってからはじめて挨拶をして去っていった。また、なんて約束をしたくはないのに、その言葉に荒北がどれだけ安堵したか、東堂は知らないだろう。
「またネ。……よいお年をー」
 荒北が返事をすると、東堂は手を振って人の流れに飲まれていった。もう見失わない東堂の背を、見えなくなるまで見送った。
(つづく) My beloved Tiger/171015
0 notes
mihanasblog · 6 months
Text
Tumblr media
「日本経済と戦うヤンキー」「資本主義と戦うギャル」はあわせると1枚の絵になります!
0 notes
mihanasblog · 6 months
Text
Tumblr media
天津議員と財前秘書の話が読みたい
1 note · View note