Tumgik
#棚からひと掴み
yurinekotati · 2 months
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私は、人生これから好きに生きると決めた瞬間病気になった、体に麻痺が残り、色々悲観していた。やっと少し動けるようになって彼女が、欲しくて、ビアンバーに行ったノンアル飲料を飲んでいたら、隣りの席に素敵な女性が、座って私の動かせない手を観て爪ガタガタだねと、次の手入れをしてくれた、本当に動かせないのと、聞かれて腹筋に力入れてる肘曲げるぐらいかな、指は、ぐーのまま動かす気が無いんじゃないのと、左手を彼女は、パンツの中に突っ込んだ、ひさびさの他人の股だと思い動かない手に動けと、念じた少し指が、動いた、エロになら反応するのか、仕掛けた、女性も、手が、何もしないから呆気に取られてる、手変えていいと聞くと、こっちも、爪の手入れしてからね。右手の爪も、綺麗に手入れされた。
首筋の匂いを嗅いで鼻息が相手にかかる、はいお終いと、右手の爪の手入れが終わった、手入れ替えていいと、聞くと、席変わらないと入れられ無いわよと、席を立ち女性が、背後に立って場所変えようと誘われてわかったと、席を立ち杖を取る、会計を済ませて2人で店を出たタクシー止めてどこ行くのと、聞くと、私の家と、女性が、答える、マンションの玄関回しに着いてタクシーを降りた、女性が、私の動かない腕を組んで歩いて入っていく、エレベーターに乗って女性が、最上階のボタンを押した、エレベーターが止まると、いきなり玄関だった一軒しか無いのと、エレベーターを降りて玄関の中に入って靴を脱ぐのに、椅子無いと、聞くと壁の取ってを引くと椅子になる、椅子に座って靴を脱いだ、女性が、腕を支えて立ち上がらせて、くれた、リビングに入ってソファーに、座らせられて、女性が、飲み物持ってくると、キッチンに、いくリビングを見回すと、棚には、ペットの写真が飾ってある、今は、飼って無いのかな、気配が無い女性が、私に水を持ってきて、女性は、缶酎ハイを持ってきて、ハイ乾杯と、缶とペットボトルをぶつけて乾杯した、ねえ、今さらだけど、なんて呼べばいい私は千種と、女性が言ったあなたは、と聞かれて猫と、答えた、それは、夜の事と聞かれて違います。千種が、ネコでしょうと、言って千種の顔が近づく動く方の手で、千種の顔を撫でるキスして、千種が、シャワー浴びてきていいと、いいよ。トイレの場所だけ教えてと、言うとアソコと、指さすが同じドアが何枚かあるからどれと、聞くと、千種が立ち上がり、トイレのドアを開けた、わかったありがとうじゃシャワー浴びてくるねと、リビングから出て行った、シャワー終わったようでドライヤーの音が聞こえる、バスローブ姿で、千種がリビングに入ってきて、私の膝の上に座った右手を掴んで触っていいよと、バスローブの隙間に手を入れて胸を触る、すべすべだなと、思い首筋を舐めると、千種が、あっと小さく声を出す胸を指で、円を描くように下から撫でている頭頂部に近づいてきて千種が、ああんと、声が出るトップを触ると、千種がもじもじしだす、トップをキュッと摘むと千種の体が反応する、千種こっち向いてと、キスする、唇を堪能していると、口が開く舌を入れて、口の中を愛撫して千種が寝室に行こうと、私を立ち上がらせた、その前にトイレ行くと、トイレに入ってスッキリして
千種がドアの前で、待っていた、腕を組んで歩いて寝室に入る、千種がベッドに、寝転がるネコ好きにしてと、私重いよと、重さも感じたいからとベッドに座って服を脱ぐと途中から千種が手伝う焦ったいようだ。千種にキスして体を半分重ねる右手で、千種の体を顔から撫でる胸で、トップを触り摘む千種の触ってない方の胸をキスする、手はお腹を撫でて下腹部に向かう薄い毛を撫でて鼠蹊部を撫でるともう濡れている、指で穴周りを撫でると、千種が抱きついてくる、千種にキスして耳をしゃぶると、更に声が出るあんと、指が下の硬くなったクリを撫でると、千種がさらに内股になりいいと、声に出すコレとこれどっちがいいと、撫で方を変えたら、最初のがいいと、答えたので、少し皮を剥きながら、撫でると、千種が中もと、欲しがる指を中に入れて撫でいいとこを探す、あっあっそこと、気持ちいいとこを教えてくるから、ココと、中の上を撫でると脚がピーンとなったナカイキしたようだ。千種にキスして体をなんとかして、動かして千種の股に自分のを擦り付けるゴメン重いよねと、言うと千種が両手で顔を挟んでキスしてくる猫体が、治ったら何したいと、聞かれて体バキバキに鍛えたいと、答えたら、千種がふっと笑った、鍛えてどうするの、千種とデートする。鍛えなくても、デート出来るよね、千種と並んで歩くなら格好いい方がいいかなと、思ってね、病気になって体ぶよぶよだからさ、千種可愛いのに隣が、豚みたいなのだと、千種が、ナンパされるから、千種が、私お金は、あるから治療してあげようか、私クリニックの院長なんだよね。だから、治療出来るよ、払うお金がないよ、そこは、惚れた弱味って事で無料で、治験者対応で、やれば問題ないから、腰止まっているよ、ゴメン体上手く動かせない千種を気持ち良くさせたいのに、私が、動かすよと、下から腰を動かしてくれる。猫は気持ちいい千種最高だよ。キスも気持ちいいし。千種そのまま擦ってもう少しで、千種を抱きしめてイク千種が、ふふっ気持ち良かったと、聞く良かった。千種にキスする。私も良かったと、千種が言う私は、本当にと、言った嘘は、言わないよと、ほっぺを摘まれる千種の舐めていいと聞くといいよ、とニコッと笑う体をイモムシのように下に移動して千種の股にやっと辿り着いた千種の愛液を舐めて綺麗にしていき、陰経を口に含む口の中で、舌で舐める穴に舌が入るように千種の股を広げて舌を中にいれた、中を舌で味わうと、千種の声が大きくなって喘ぐ指で突起を撫でると、腰が浮く脚がピーンとなる。千種がもうダメおかしくなると、千種が止める体が上に逃げた、追いかけると、千種が、体を起こした。私はもういいからと、しつこかったと聞くとイキすぎておかしくなりそうだから、気持ち良かったよ。ゴメンね、経験人数少ないからさ、加減が分からなくて。千種が、私の体をひっくり返した仰向けになった千種が、私の股を触りだした、千種何するのと、猫をネコにすると、クリ撫でられる、体は正直に反応する千種が撫でられるのは、気持ちいいと聞かれていい千種キスしてと、甘えると、可愛いなぁと、キスしてくる私から舌を入れる千種の指に力が入る腰が、もっと強く刺激されるように指に押し当てる。千種とキスしたままイク千種を触りたいけど動く方の手が、反対側で届かない千種体私の上に重ねてと言うと千種が、重なる、これで手が、届く千種の股に手を運び股が濡れている突起を撫でると千種が今私のターンだから、ダメと甘い声で言うけど、穴周りを撫でると
甘い声が漏れる少し体を起こし千種の中に入る千種が、私の体を起こした。指を奥まで入れると顔を胸に押し当てられる口と舌で胸を貪ると、乳首が立っている、キスして唇で摘むと中が、動く、体勢的に動かせないけど、指先だけを動かす、千種が、自ら腰を動かしている。千種がイッタ頭をぎゅっと抱きしめられて、胸に鼻と口を押し付けられて、息出来ない離れようとしても、力が強くて顔が、離れない言葉にしようにも口も塞がれている、指でクリをぎゅっと摘むと千種が、抱きしめる力を抜いたやっと息が出来た千種がなんで摘んだのと聞くから千種に頭抱きしめられてちっ息しそうだったから、千種が、摘ままれたから、疼いたと、イカさてと、指で、クリを擦る千種にキスしてクリを撫でると千種がイクもうエッチなのねそうだよ、ずっと1人エッチしかしてなかったから、反応があると興奮するし、もっと鳴き声聞きたくなる。その割にエッチな事上手いね、インプットは漫画とかで、したからね、その分エッチに貪欲にはなっているかもと、アウトプットを受けてくれると、聞くと余りしつこいのは、無理よと、言われてしょげると無理な時はちゃんと言うから聞いてよね、キスしていいと聞くとキスされる、キスぐらいなら聞かなくても、していいわよと、千種を触ってもいいと聞くと、入れたらダメよと、言われてなんでと言うと明日仕事出来なくなるからと、千種の下の毛を撫でてさらに下を撫でる内股を撫でると千種が、少し反応する千種可愛いってキスしてなんで、明日仕事出来なくなるのと、聞くと、思い出したら、仕事出来なくなるのと、真っ赤になる可愛いとキスしてクリを撫でるダメ明日仕事中思い出してエロい顔になるからダメと、言うが手を振り払わない、過去にそんな事があったのと、聞くと仕事中顔が、ニヤついて周りから彼氏出来たのかと、聞かれて答えるのが、面倒だったのよ。彼女ですとは、言えないから私の職場ほぼ女性だから、彼女とか、言うと変な風に言って来る子もいるのよ、私の事好きだったから優しかったんですかとか、それは、面倒だね。千種濡れてきたよそれは、そうでしょうクリそんなに気持ち良く触られたら、感じるものと、クリだけでイクと中イキしたいと、ワザと聞くと、中イキしたいと答えるキスして穴周りを撫でる入り口を指でなぞると抱きついてきたキスして、ゆっくり中に入れる、さっきは千種が動いてイッタから、今回は、私が動かしてイカせたいなと、中を撫でて千種の反応がいいとこを、しつこく撫でる千種可愛いね、今恋人は居ないのと、聞くと募集中と、私立候補したい。ハンデ持っていて、年寄りだけど、いいかな、千種が、体の相性も良いし、いいよと、言うので、真面目な顔して、千種の左手を持って付き合ってくださいと、左手の薬指にキスした。
千種が、キザだねと、言っていいよ、昔も体から付き合った人がいて、付き合うとは言われてないと言われたから、ちゃんと言って付き合うありがとうとキスする。
明日私のクリニックで、どの治験するか、決めようねと、申請とかで、始めるのは、許可出てから、だから、他と共同研究なら、早めに治験できるかもと、千種が言う本当にいいの。私のクリニックも実績出来れば患者増えるし、上手く行けばウィンウィンだよ。
明日一回家帰ってからで、いい猫こそ誰かいい人いるんじゃないのと、千種に聞かれて居ないよ。千種可愛いねと、キスして抱きしめる。家に猫がいるから、エサと、トイレ掃除しに帰りたいんだよ。気になるなら、付いてきてよ、千種可愛いくて、若いのに、私みたいなハンデ持ちの年寄りでいいの、千種小さくて可愛いから人気でしょうと、言うと、私の金目当てしか来ないのよ。猫みたいになにも知らない人が珍しいもの私のタイプだったから持ち帰ったのよ。光栄です千種私と、付き合ってください左手の薬指にキスする。千種がいいわよ。タイプだから。千種実は結婚してるとか、言わないよね。千種は男もイケる人それは、今はないかな、昔は私自身のせいたいしょうがわかって無かった頃に男と付き合ったけど、女性が、好きなの自認してからは、ないわよ。良かった好きな人また、男に搾取されるのかと、思うと付き合って、いても捨てられるから、千種が、キスしてそんな事しないわよ。こんなに可愛い猫を野良にしないわ。ずっと可愛いがりたいのよ。本当に、千種もっと千種触ってもいいとキスして抱きつく、千種が、いいわよ。明日起きれるぐらいの体力はあると思うから、千種にキスして今までの寂しさを埋めるように千種に甘える。猫は本当の猫みたいね。千種に頬擦りして首筋を舐める汗を舐めとると千種が、お互い色々まみれてるから、お風呂入ってから寝ようかと、千種が携帯で、お風呂を溜める。お風呂が溜まりましたと、機械音声が、聞こえた、千種が、ベッドから立ち上がり私を手助けして立たせて歩くのを補助して風呂にいき、裸だから、そのまま浴室に入る、お風呂のイスに座って千種に、体を洗われる千種は、自身の体も、同士に器用に洗った。私を抱えて湯船に入る、私は、ハンデになってから、湯船に浸かった事がない、滑って立ち上がれなくなると、ヘタすりゃ溺れて死ぬ、千種に抱きついて湯船を堪能する、千種にキスして、私の上に千種が座っている。胸を揉んでしゃぶり千種が、お湯入るから中で、弄らないでと、言うので、湯船に座ってもらい、内股を舐めて穴にいく、舌で、穴を舐めて穴の中に舌を入れて中を刺激して、クリを指でクリクリする。千種が入れてと言うけど、千種にキスして千種指しか入れるモノ無いよと、入れて出して子供欲しいと言われて膣液なら入れられるけど、精子は指から出ないよ、子供作ってあげたいけど現在の医療技術じゃ出来ないよ、10年ぐらい経つと変わっているかもね。
ピンポンと一階のオートロックの呼び鈴がなって浴室にある、インターホンに映像が、映る声も聞こえる、ちーちゃん桃だよ。帰って来たから開けてと、前飼ってた、子猫ってヤツサカリが来て家出て行った子と聞くと千種が頷くサカリが終わって戻って来るのは、子供産みにきたんだよ。彼女の顔殴られた後があるから、相手の男に子供できたから養ってとか、言って男は、遊びだったんだろうバカ猫は、いらないよ。千種、私捨てて、あの猫飼うどっちと二択にすると、猫を私が飼うのと、キスしてくる、このノラは警察に引き取ってもらったら、ストーカーが、今玄関に来ているから怖くて落ち着かないです。って電話して理由は痴情の絡れって素直に言ったらサカリの時期に妊娠してまた、人の家に戻ってくる、野良猫もいるからね、元飼い猫だからって引き取って飼う、必要無くないノラ猫も、妊娠しているんじゃないの顔に殴られたっぽい痕があるよ、出来たから結婚してとか、迫って捨てられたたんだろうけど、都合の良く、千種なら、妊娠気づかないで、住まわせて、くれると思ってきたんだよ。鍵渡してないのが、救いだったわ。こんなノラ猫無視して続きしよう。千種に頬をスリスリしてキスする。これ以上湯船にいたら、のぼせちゃうから、上がろうと、千種が、上半身を支えて湯船から出るのを補助してくれる。脱衣所で体を拭いて千種が、バスローブを着せてくれた。千種は、身長150cmぐらいなのに、10cmは身長の高い私を上手く補助出来るなと、思って聞いてみる理学療法士の免許も持っているのと、千種が、私学生時代レスリングしてたから、体格差とかは、関係なく体の使い方がわかるの。凄いね。まだ、下にノラ猫が、いてピンポンしてくる千種が本当に警察に電話した。玄関の様子見ていると、制服警察官が、ノラ猫の肩を叩いて振り向かせて、連れて行く。千種がインターホン越しに電話した者ですが私も、同行した方がいいんでしょうかと、聞くと明日⚪︎⚪︎警察署に来て被害届けを出してくださいと、今夜この人は連れて行きますと、姿が見え無くなった。
千種とベッドに入るうーんと伸びをして千種にキスをせがむキスして千種明日大丈夫、私を家まで連れて行��てクリニックで診察と、警察でしょ、だから今日は手出さないでねと、キスされる。わかったと抱きつき今日はもうしないと、言うと朝とかもダメよと、先に止める。
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mlyzvt-no2157 · 2 years
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大阪環状線での出来事
今日は、私が高校生の頃に大阪環状線で見た珍光景についてお話したいと思う。
大阪市には大阪市の中心部で「キタ」と呼ばれている大阪駅(大阪メトロや他の私鉄では「梅田」駅と呼ばれているが場所は同じ)と、「ミナミ」と呼ばれている天王寺駅を結ぶ鉄道が複数走っている。 その中でも、JR西日本が運行する大阪駅と天王寺駅を結ぶ路線は大阪市内をぐるりと環状に走っており、「大阪環状線」と呼ばれている。 「大阪環状線」を、東京23区をぐるりと走っている山の手線の大阪版と思ってはいけない。 大阪環状線は、洗練された都心部を走る山の手線とは異なり、コアでディープな地域を走っているし、乗客層もしかりである。
そのとき、私は高校2年生だった。 当時、スマホなどは勿論なく、携帯電話やインターネットも普及していなかったので、電車の乗継時刻を調べるには書店で販売されている分厚い時刻表と睨めっこするしか無かった。 青春18きっぷを持って、私は実家の最寄り駅から、今日はどこまで行くことができるのだろうと、最終目的地も決めずに、胸を弾ませながら、大阪環状線で大阪駅へ向かっている最中だった。大阪駅で東海道線に取り換え、その後、関東方面へ向かおう...心の中で私は浮き立っていた。
学生の夏休み期間ということもあり、その日、私の乗っていた車両は人もまばらだった。 私は扉に一番近い席に座り、小さな荷物を網棚に乗せ、時刻表と睨めっこをしていた。
私が乗った次の駅で、数人が乗車してきた。 その中でひときわ目立つ男性客がいた。 年齢は恐らく40代前半ぐらいだろうか?身長は180cm以上はあるであろうかなりの高身長だった。 その男性は、ボディービルダーのようにガチなマッチョで上半身が裸で日に焼けた浅黒い健康的な肉体を惜しみなく晒していた。下半身のファッションはよく覚えていないが、ダメージジーンズにくたびれたサンダルだったような気がする。
普通、上半身裸の大男が乗ってきただけでも、周囲はドン引きするだろう。 だが、その男性は上半身裸ということだけでなく、両乳首に蛍光緑色をした絆創膏を貼っていた。 そして、その男性は私の真正面にドカンと座った。
私の近くに座っていた人はさりげなく席を外し、別の車両へと移って行った。 しかし、私は呆気にとられて、席を外すこともなく、しばらくポカンと馬鹿のような表情をしながら男性を観察してしまった。 普通の肌色の絆創膏を乳首に貼っているだけでも、目立つだろうに、蛍光緑色の絆創膏なんて、一体どこで売っているのだろう?など、どうでもいい疑問が頭の中をよぎった。
私が男性をマジマジと見ていたことに、男性は気を良くしたのか、彼は私と目が合った瞬間、「ふふん♪」と言って、雄っぱいを膨らませ、片腕の力こぶを見せてきた。 何かリアクションしなければならないと、変な義務感に駆られた私が微笑み返すと、男性は更に気を良くしたらしく、ボディービルダーが両腕の力こぶを披露するようなポーズをしてウインクを送ってきた。 私は一応は相槌を送っておいたものの、『関わってはロクなことが無い。見ないふりをしよう』と思って、再び時刻表を読み始めた。
列車は次の駅に停車して3人の若い大学生ぐらいの男性が乗車してきた。 その中の1人は赤いランニングシャツに黒のスウェットを履いている細マッチョな青年だった。ちょうど、私がよくファンアートで描いているミロのような服装である。 ランニングシャツの青年は、私の向かいに座っている上半身裸&乳首に蛍光緑色の絆創膏男を見て大声で叫んだ。
「うわっ?!なんじゃアイツは?変態か???」
声に出して叫ぶかどうかは別にして、ごく当然の反応と感想だろう。私も心の中では全く同意見だった。 だが、乳首絆創膏男はカッと目を見開き、ツカツカとランニングシャツ青年に立ち向かっていった。 乳首絆創膏男はランニングシャツ青年の胸倉を掴むと、「貴様、今、何と言った?この俺様の崇高なファッションを侮辱するつもりか?!」と言うと、ランニングシャツ青年の腹部にキョーレツなパンチを喰らわせた。
私の他にいた乗客はいそいそと他の車両へ移って行った。 だが、私は乳首絆創膏男が言った「崇高なファッション」という言葉が耳に付いて離れず、思わず吹き出したいのを必死で我慢していた。 上半身裸&乳首に絆創膏を貼っていることの一体どこが『崇高なファッション』なのか...このオヤジ、頭は大丈夫なのかな?それにしても面白いことになってきたな~と、のんきな事を考えながら吹き出すのを必死で堪えていた。
腹部に強烈なパンチを喰らった青年は、当然のことながら反撃に出た。「上半身裸なうえに乳首に絆創膏を貼っている格好の、一体どこが崇高なファッションだ!貴様、ふざけんなよ!この変態が!!(怒)」と言いながら立ち上がると、今度は青年の方が乳首絆創膏男の顎に強烈なパンチを喰らわせた。
その後のことは、よく覚えていないが、二人は掴み合いながら、取っ組み合いを初めていたような気がする。勝負は互角で、乱闘はずっと続いていた。列車が停車する度に乗車してくる人はいたが、みんな、すぐに別の車両へ移って行った。 ランニングシャツ青年の連れの若者2人も、乳首絆創膏男と青年との乱闘を止めようとしない。 私に至ってはこのリアルストリートファイト(列車の中だから、ストリートではなく、トレインファイト?)の行く末がどうなるの気になって仕方ないから、顔がニヤつくのを必死で堪え、時刻表を読むふりをしながら、彼らの様子を見学していた。
そうこうするうちに私の目的地である大阪駅に到着してしまった。 彼らの戦いは、まだ続いていた。 私は、この勝負の行く末を見届けたかったが、あんまり深く関わるとロクな事が無いという心の囁きに従い、大阪駅で降りることにした。
その後、彼らの乱闘の結末がどうなったのかは知らない。 勝利の女神は、乳首絆創膏男に微笑んだのか、ランニングシャツ青年に微笑んだのか、あるいは、駅員か車掌に制止されたのか、とても気になるが、知る術は今はもう無い...
念のため、大阪在住民の名誉の為に断っておくが、大阪環状線でこのような珍光景を見たのは後にも先にもこのときのただ一度きりである。 また、このような物騒な乱闘騒動が目の前で起こりながらも、車掌や駅員に通報もせず、逃げずに半ば楽しみながら様子を伺っていた珍乗客も私1人だけである。
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tanakadntt · 1 year
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若村11番隊の小説(二次創作)
マリオちゃんの箱
遠征選抜第一試験閉鎖環境試験において、施設内に持ち込める私物は規定の個人コンテナに入る分だけである。
おおよそ二十センチ四方の箱の中身は持ち込み禁止のもの以外は自由だ。
七日間の生活において必要なもののチョイスはそれぞれの個性が強く現れて、試験後もしばらく話題になったものだった。
「なあなあ、閉鎖環境試験のときに私物で何を持ち込んだ?」
午後九時。
戦闘員と違い、オペレーターは七日間通して、同じ部屋を使う。
細井真織は端末の乗っているデスクの脇に設置された小さなテーブルに荷物を下ろした。荷物と言っても小さなクーラーバッグのようなコンテナ一つである。
ひとつ息を吐き出してデスクに腰掛ける。一日目が終わった。正確にはもうひと仕事が残っている。オペレーターには当日の報告書作成義務がある。
「めんどうなこっちゃ」
残業である。カメラで録画されているから、報告も何もないだろうが、その『報告書』も採点対象なのだろう。
今日はずっと喋っていたから、顎が疲れている。臨時部隊でチームメイトになったカナダ人のサポートである。彼は会話は難なくこなすが、読み書きはさっぱりだった。
彼曰く日本語による会話はトリオン体のおかげで可能であり、実際の日本語は一切出来ないらしい。
「まあ、英語で話したってや言われるよりはええけどな…」
普通の高校生程度の英語力はあるが専門的な部分までサポートするのは骨が折れる。
「…ん? カナダって英語やったっけ? フランス語やったっけ?」
端末で調べようとして手元にないのを思い出す。
三門市、という局地的な災害(と言われている)に英語も何も必要なかったが、遠征をきっかけにトリオン技術も日本だけでなく世界中から注目されつつある。これから必要になってくるだろう。
英語はやっておいて損は無い。何かあってもどこへでも行ける。あれは自由の翼だと主張するのは両親だった。その教えを受けて、英語はおろか全てにおいて人より抜きん出た兄たちを思い浮かべる。
「まあ、ええわ。何とかなるやろ」
三番目の娘は可愛がられるばかりで変なコンプレックスもなく、のほほんと普通に育った。
一方で上層部の評価は優れた並行処理能力を持つ貴重な人材となっている。
「ヒュースも日本語出来へんよって、あいこやし」
試験は始まったばかりだ。
報告書作成の前に真織は箱のような持ち込みバッグのファスナーを開けた。
入っているのは、洗顔用品、ブラシ、基礎化粧品、生理用品。これらは備え付けてあるらしいが念の為持ってきた。
あとは、
「アンタだけで寂しいかもしれんけど」
くたっとした犬のぬいぐるみを取り出す。コンテナにぎゅうぎゅう詰めたので少し潰れている。クリっとした目が真織の笑みをうつした。
「しばらくこの部屋でウチと二人で暮らすんやで」
端末の横に座らせると、今度は椅子に座り、端末を開いた。
カタカタと音をたてて、仕事に集中し始めた真織を彼は黙って眺めている。
「持ち込みの私物? 食べ物だ」
翌日の朝ごはんでの会話である。カナダ人は既に朝のシャワーを終え、さっぱりとした顔をしていた。
「へええ、食べ物の発想はなかったな」
半崎がパンを食べながら相づちを打った。ホームベーカリーのパンはできたばかりで切るのが難しく、見た目は不格好になったが、その分柔らかくて味は美味しかった。
半崎はゲーム端末と漫画、笹森は小説だったが昨日は疲れてまだ荷物を開けてもいないと言う。
若村はずっと黙っていたが、真織に問われて真っ赤になった挙句に「…写真」とボソリと呟いたので、誰もがそっとしておくことにした。
「戦場では食べ物も貴重だ」
ドヤ顔でドヤるヒュースはツッコミどころしかなく、やはりツッコむしかない。
「食いしん坊なだけやろ。だいたい、食べ物って日持ちするものなん? 冷蔵庫に入れた方がええんちゃう?」
「冷やす必要があるものは昨日食べた」
「え、部屋で?」
笹森が顔をあげる。戦場で食べ物云々と言うから、皆、携帯食料を想像していた。
「夕飯足りなかったか?」
若村が心配そうに声をかける。ヒュースは首を振った。
「いや、食後のデザートだ」
「デザート?」
若村はメニューを聞いたつもりではなかったがヒュースは真面目に答えた。
「ぶどうゼリーだ」
「ゼリーなんだ」
「ゼリーかよ」
「ゼリーかい」
若村以外の三人が同時につっこんだ。
「細井先輩は何、持ってきました?」
あとは真織だけが答えていなかったから、笹森が聞く。こういう時、ウチの隊なら流されるとこやなと思いながら答える。
「ウチは普通やな。こまごましたもんと、あとは…なんかかわいいもん」
ここで、スルッと普段は言わないようなことを正直に答えたのは普段ではない状況だったからだろう。いつもならツッコミの嵐(関西では親愛の情の表現方法の一種である)だが、ここは生駒隊隊室ではない。
予想通り、笹森はそうなんですかと言っただけだったが、一人だけ食いついた者がいた。
「なんかかわいいもんとはなんだ? 真織」
カナダ人である。
「え、いや、普通の犬のぬいぐるみやで」
「かわいい犬か…。見たいな」
そのまま、腕組みをして待っている。
(なんやの?)
他の三人を見るとぬいぐるみには全く興味がなさそうだが、ヒュースに合わせて仕方なしに待っているようであったから、朝食も終わっていたことだし、まだ閉鎖されていないオペレーターの個室から持ってくる。
ヒュースは遠慮なくぬいぐるみの首を掴んで持ち上げた。
「ちょっ…、丁寧に扱ってや」
「こいつか…、確かにかわいいな」
「そやろ」
照れ隠しにぶっきらぼうになったが、お気に入りの子を褒められて気分が良い。
そのまま、ヒュースはぽんと犬を本棚に置いた。
「なんなん?」
「個室に置いとくよりここがいいだろう」
「アンタが見てたいだけやろ」
皿を洗い終わった笹森と半崎がキッチンから出てくる。
「そろそろ九時近い、始めようぜ」
若村が声をかける。
『彼』が見守るなか、二日目が始まった。
終わり
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gyohkou · 2 years
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03/12/22
たぶん今週の日記はおもしろくないと思う、なぜならおもしろい文章が書けそうな気持ちになっていないまま書き始めているからで、それなのになぜ書き始めたかというと、続けたいからです。今週も続けます。
今週のビッグイベントは引っ越しだった。スーツケースを部屋に広げたまま1ヶ月暮らした、借り暮らしのようなホームステイを終えて、フラットメイトが3人いる集合住宅の一室へ越してきた。わたしが契約した部屋は家具付きで、ベッド、ベッドサイドテーブル、机、椅子、収納棚は備えつけられているので、渡英してきた時のようにゴロゴロとスーツケースを転がしてゆき、大家の弟から鍵をもらって契約書にサインし、簡単な説明を聞いて引っ越しは完了。
ホストマザーの生活スタイルは大体決まっていて、日中は買い物へ出るか友人に会いに行くか、あるいはお茶を飲みながらテレビの前のソファに座っているかだった。夕飯の後も、テレビの前でお茶かお酒を飲みながらうたた寝していた。彼女との暮らしはすぐ慣れた。越してきた家には、各々のスタイルで生活を送る人間が3人いて、まだ名前しか知らない人もいる。何がストレスになっているのか自分でもはっきりと掴めないまま、なんとなくおもたい毎日が続いていて、息が詰まる。一人暮らしが苦手なので、人と暮らせるシェアハウス暮らしを羨んだこともあったが、もしかしたらシェアには向いていないのかもしれない。環境が変わると、自分の許容範囲があらためて浮き彫りになる。もう1週間すれば少し慣れて、またもう1週間経ったらもっと慣れると思う。
語学学校に真面目に通っていたら、Student of Monthに選ばれた。学生証の顔写真と共に先生からの賛辞が印刷されて、受付に張り出されている。素直に喜んだ。とはいうものの、今週は週の前半を風邪と引っ越しで欠席していたため、英語を喋るモードが一旦リセットされてしまったような感覚があり、焦りもある。さらに、12月後半はChristmas Breakで、新年が明けるまで休校になるから、その時期は自分でなんとかしないといけない。
硬水のせいか、赤く光る髪の毛が増えてきた。シャワーの時に水がよく当たる表面や生え際に多い。白くなるのはまだ先でいいから、もっと傷んで白くなっちゃうようなら考えものだけど、赤は増えてもいいな。人生の半ばで思いもよらぬ身体の変化、老化までの寄り道。地毛が茶色なだけに、イーブイの進化みたいだなと思った。赤だからブースターといったところか。というか痛んでいるから進化ではないか。
フラットに慣れないせいであまり元気がないが、個人的にとっても嬉しかったことがひとつある。好きで2年以上聴き続けている、TRAVELLING WITHOUT MOVINGというラジオがあるのだけど、渡英した翌日にジェットラグで眠れなかった早朝に出したお便りを、番組内で読んでもらえたことだ。繰り返される退屈な日々を抜け出したくて渡英を決めたのだという話に対する、「ミニマルミュージックと呼ばれる、おんなじフレーズみたいなのが延々と鳴っている音楽を聴いている時、飽きるのだが、ちょっとずつそれが違う音に聞こえてきて、楽しくなっちゃったり、踊ってしまったりする」というような趣旨のコメントがおもしろかった。いろんなことに片っ端から手を出していくような刺激的な生き方もいいけれど、すぐに飽きて、何かを結論づけて放り投げてしまうのではなく、すこしの諦観をもって続けるのもいいかもしれない。1週間後にはフラットメイトの物音に慣れ、もう1週間後には彼らの気配に安心感すら覚えるかもしれない。
日記も続けるために、今回は無理せずこのくらいでおしまい。
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むっちゃ美味しかったChelada。 CheladaはMicheladaの略称で、トマトやライム、塩気と香辛料が入ったビアカクテルのこと。グラスの縁に塩となんか辛いやつを混ぜたものをまとわせてあり、これが妙にうまかった。タコス屋にて。
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yukari-bellum · 14 days
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「アカシックレコードと奥河内音絵巻の話」
アカシックレコードという言葉を知ったのは、高校生の頃。
当時、不登校だった私は地元・河内長野市の図書館に入り浸っていました。その図書館の隅の方の棚にいわゆるオカルト本のコーナーがあって、ある本の背表紙に「アカシックレコード」と大きく印刷されているのを見たのが最初。なんのレコード?LP?などと思いながら手に取ったのを覚えています。
アカシックレコードとは
“元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念でアーカーシャあるいはアストラル光に過去のあらゆる出来事の痕跡が永久に刻まれているという考えに基づいている。宇宙誕生以来のすべての存在について、あらゆる情報がたくわえられているという記録層を意味することが多い“(Wikipediaより引用)
というもの。
アーカーシャとはサンスクリット語、古代インドの言葉で五大の一つ「天空」を指します。アカシックレコードというのは古くからの宗教観から派生した、オカルティズムの言葉だと私は認識していて、私はその概念が好きなんです。
そして世の中には「アカシックレコードにアクセスする方法」を謳ったオカルト本・スピリチュアル本なんかもたくさんあります。面白いね。わかります、そのロマン。オカルト雑誌「ムー」やオーパーツの謎、レガシーに抱いちゃう憧憬。たまらんよなあ。
ただ、私はオカルトという分野には興味があるんですが、スピリチュアルという分野には少しばかり抵抗がありまして。何が違うの?っていう話なんですが、以前SNSにも書いたんですがあくまで私の感覚として、スピリチュアルは人智を超えたものを実用的に取り扱い救いを見出すみたいな感じがして、オカルトは人智を超えたものに対する興味や探究心、敬意や憧れみたいなものがメイン、そもそも救いもクソもあるかいな、調子乗って近づきすぎたら痛い目見まっせ、という感じがします。なんだか人智を超えたものを現世での苦しみの解消に上手いこと活用しようというのは、私の感性とはちょっと違うかなと思うのです。
さて、先日、地元・河内長野市のラブリーホールというところで「奥河内音絵巻」という舞台がありました。河内長野市在住の音楽家であるサキタハヂメさんが芸術監督を務める舞台で、毎年新たな作品を公演され、今年は記念すべき10回目。
サキタさんの下には出演者として、プロアマないまぜに河内長野で芸術活動をする人や一般の市民の方総勢200名以上が集結し、全員を巻き込んで作り上げる舞台芸術。
実は私も一曲だけ演奏に加えていただき、ステージに上がらせていただいておりました。
去年は客席から観た音絵巻。今年はほぼ全編を控え室のモニターから眺めておりましたが、クライマックスはゲネプロから、3回公演の本番全て、毎回震えるような感動がありました。河内長野という街の自然、歴史、伝統、民族、風習、宗教、信仰などあらゆるものが、コンサート、ミュージカル、演劇、全ての要素がありながら決して一言では言い表せない芸術作品として昇華されるさま。日々芸術を追求しているプロの芸術家の皆さんだけではなく、大勢の一般の方々も一緒になって共に全力で完成させようとするその画を見るのは、同じ河内長野で生まれ育った私にとってはえも言われぬ感慨がありました。
楽団の皆さんのリハーサルから拝見していた私は、その時サキタさんが「会場一体を一つの花にする」とおっしゃった意味をあまり理解できておらず、実際どんな舞台になるんだろう?とハテナがたくさん浮かんでいました。リハーサルの時点でもいまいちイメージが掴めていなかったのですが、ゲネプロそして本番で初めて全貌が見えて、その���味がやっと理解できました。
サキタさんの音楽を河内長野に関わるたくさんの人たちが演奏し、たくさんの布を使って市民の皆さんが会場に花弁を作り出し、そこに声明が混じり合う。声明というのは古代インドの五大学科の一つで音韻論・文法学が、仏典に節をつける仏教音楽に転じたものだそうです。
その声の響きは本当に荘厳で、玄奥で、素晴らしかった。モニターから拝見しながら、この完成図がサキタさんの頭の中ではずっと描かれていたんだろうか?と。
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私はアカシックレコード、世界の記憶という言葉を思い出しました。もしアカシックレコードに本当にアクセスすることができるなら、こういう方法なんじゃないかなと。
人間の触れられない、本当には知ることのできないような深層・神性に対するピュアな探究心や敬意がそこにはある気がして、それこそが、これに何の意味があってどう活用できて何故こうなっていて……なんて風に現世でわちゃわちゃと計算をする私たちの小さな脳みそをぶち抜いて、ただただその先にある美しい灯りみたいなものを覗き込むための唯一の鍵なんじゃないかなあ、みたいなことを思ったのでした。
2025年、大阪関西万博に音絵巻での出演が決まったそうです。河内長野、そして大阪から音絵巻が世界を目指していく、それを考えるとワクワクしますね。河内長野のみんな、ワクワクしてるんじゃないかと思います。
ぜひ河内長野以外のたくさんの方にもご覧いただきたい芸術作品だなと思います。サキタさんはじめ、関わる皆さんがみんな素晴らしい。本当にピュアなエネルギーが集約されたパワースポットみたいな舞台です。
河内長野のラブリーホールにアカシックレコードの如き舞台芸術があったよ、というお話でございました。
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shopsanx1 · 20 days
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サンエックス ネットショップの魅力:センチメンタルなぬいぐるみと最新プロダクトを探る旅
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サンエックス ネットショップの魅力的な世界を探る:センチメンタルなコレクターの楽園
ようこそ、サンエックス ネットショップの魔法の世界へ。ここは、日本の最愛のキャラクターたちの芸術とノスタルジアが出会う場所です。もしあなたがコレクターであるなら、あるいは日本のかわいい文化を大切にしているなら、ここはまさにあなたのための場所です。このブログでは、サンエックス ネットショップの魅力的な世界について詳しくご紹介します。特に、ぬいぐるみ(M)(深夜のパフェとスターダスト・ティアーズドレイン・チェリーシャポ)に焦点を当てていきます。
サンエックスの歴史:概要
サンエックスは、かわいい文化の愛好者の間で説明不要の会社です。1932年に設立されたサンエックスは、可愛さ、創造性、そして高品質の代名詞となっています。数十年にわたり、サンエックスの人気は飛躍的に成長し、数多くのキャラクターが生まれ、世界中で数百万人の心を掴んできました。リラックマやセンチメンタルサーカスなど、サンエックスのキャラクターたちは、無邪気さ、ユーモア、そしてわずかな哀愁が織り交ぜられた独特の魅力を持ち、あらゆる年齢層のファンに共感を与えています。
サンエックス ネットショップは、ファンが限定商品や最新リリースを手に入れることができるオンラインの宝庫です。ここは、レアで独占的な商品をコレクションに加えたいと考えるコレクターにとって、まさに聖地といえるでしょう。
「夜更けのパフェと流星の涙 ドレインチェリーシャポー」ぬいぐるみ(M):コレクターの夢
サンエックス ネットショップのハイライトのひとつは、見事な「夜更けのパフェと流星の涙 ドレインチェリーシャポー」ぬいぐるみ(M)です。この特別なアイテムは、単なるぬいぐるみではなく、幻想と驚きを語る芸術作品です。
「夜更けのパフェと流星の涙 ドレインチェリーシャポー」ぬいぐるみ(M)は、深夜の甘美な時間と星屑に満ちた夜の静かな哀愁を捉えた特別なコレクションの一部です。このぬいぐるみには、パフェを楽しむチェリーシャポーの姿が描かれています。きらめく星屑の涙から完璧に作り上げられたパフェまで、繊細なディテールが施されており、このぬいぐるみは真剣なコレクターにとって必携のアイテムです。
さらに、この「夜更けのパフェと流星の涙 ドレインチェリーシャポー」ぬいぐるみ(M)の特別な点は、その限定販売です。生産数が限られているため、手に入れることができるのはごく一部の幸運な人々だけです。チェリーシャポーの長年のファンであろうと、サンエックスの世界に初めて触れる人であろうと、このぬいぐるみは間違いなくあなたのコレクションに欠かせない宝物となるでしょう。
センチメンタルサーカス:哀愁の心へ旅
サンエックス ネットショップの探索は、センチメンタルサーカスへの訪問なしには完結しません。このユニークなシリーズは、捨てられたおもちゃたちが集まりサーカスを結成した物語を描いています。センチメンタルサーカスの各キャラクターには、悲しみと強さ、そして希望が織り交ぜられた物語があります。
最新のセンチメンタルプロダクトは、これら愛されるキャラクターたちの人気を証明するものです。ぬいぐるみから文具まで、これらの製品はセンチメンタルサーカスの甘く切ない魅力を余すところなく捉えています。
最新のセンチメンタルプロダクトの中でも、特に注目すべきアイテムは「星のサーカス」シリーズです。このコレクションは、星空の下で演技をするセンチメンタルサーカスのキャラクターたちを描いており、その優雅さと哀愁を見事に表現しています。このシリーズのぬいぐるみは特に人気があり、それぞれがサーカスメンバーの個性を完璧に捉えた芸術品です。
最新のセンチメンタルプロダクトには、トートバッグ、キーホルダー、ノートなど、センチメンタルサーカスの夢のようなデザインが施された様々なアクセサリーも含まれています。これらのアイテムは、単なる実用品ではなく、センチメンタルサーカスの一部をいつも持ち歩ける方法でもあります。
コレクションの芸術:サンエックスコレクションを築くためのヒント
サンエックス製品のコレクションを築くことは、喜び、期待、そして達成感に満ちた旅です。これから始める方も、何年も集め続けている方も、以下のヒントを参考にして、サンエックスコレクションを最大限に楽しんでください。
キャラクターを知る:サンエックスには、各々が独自の魅力を持つ多くのキャラクターが存在します。各キャラクターとその物語を理解することで、新しいアイテムをコレクションに加える際に賢明な判断ができるでしょう。
限定版に注目:「夜更けのパフェと流星の涙 ドレインチェリーシャポー」ぬいぐるみ(M)のような限定版アイテムは、最も価値のあるアイテムとなることが多いです。これらは限られた数量しか生産されていないため、どのコレクションにも貴重な追加物となります。
コミュニティに参加:サンエックスコレクター��オンラインコミュニティは多数存在し、そこでは情熱を共有したり、アイテムを交換したり、レアな製品を見つけるためのヒントを得たりできます。コミュニティに参加することで、コレクションの経験を向上させ、同じ趣味を持つ人々とつながることができます。
コレクションを整理する:コレクションが増えるにつれて、それを整理することが重要です。アイテムの美しさを引き立て、損傷から守るために、ディスプレイケースや棚を使用してコレクションを良好な状態に保ちましょう。
サンエックス ネットショップの最新リリース情報をチェック:サンエックス ネットショップは、新製品や限定版アイテムを頻繁にリリースしています。最新リリース情報をチェックすることで、新しい宝物をコレクションに加えるチャンスを逃さないようにしましょう。
サンエックスコレクティブルの未来:期待されるもの
サンエックスの世界が進化し続ける中で、コレクターに提供される製品の範囲も拡大しています。サンエックス ネットショップは、愛されるキャラクターやコラボレーション、限定版アイテムを定期的に追加しています。
今後数ヶ月間、ファンは最新のセンチメンタルプロダクトラインへの追加や、他の愛されるサンエックスキャラクターをフィーチャーした新しいコレクションを期待することsするでしょう。ホリデーシーズンが近づくにつれ、コレクターやファンにとって完璧なギフトとなる特別なリリースが間違いなく登場するでしょう。
さらに、サンエックス ネットショップは、オンライン限定の独占商品を提供し続ける傾向が強くなっています。最新で最高のサンエックス商品を手に入れるための第一選択肢となっています。
結論:サンエックスの魔法を楽しむ
ストレスや不確実性が蔓延する世界で、サンエックスの心温まる創造物は、必要不可欠な癒しを提供します。「夜更けのパフェと流星の涙 ドレインチェリーシャポー」ぬいぐるみ(M)の哀愁の魅力に惹かれたり、最新のセンチメンタルな製品の時を超えた魅力に心を奪われたりと、サンエックス ネットショップには誰にでも楽しめるアイテムが揃っています。
サンエックスコレクターとしての旅を続ける中で、コレクションに加える各アイテムが、単なる製品ではなく、物語を語る一つの芸術作品であることを忘れないでください。サンエックスの魔法を楽しみ、そのコレクションが、これら愛されるキャラクターたちがあなたの人生にもたらす喜びとセンチメンタリズムの反映となるようにしましょう。
コレクションを楽しんでください!
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iamactuallybeinghere · 2 months
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#00004:
前回からの続きで、7月19日、金曜日の話。
⋆⋆⋆
面接を終えた後は、予定通り彼氏と待ち合わせ。合流してからは一緒に地下��に乗って、この週末、一緒に彼の家で過ごすときに食べるものを買いに行き、そこからバスに乗って帰宅し、ゆっくり過ごす......という流れで動いた。
日曜には、2週間前に彼と同じタイミングで受けに行った性病検査(市が実施してる、匿名で受けられるやつ)の結果を取りに行く予定があった。そのついでに自分のお目当てのCDをブックオフに行って買いに行く......という予定を組んでいたのが(事前にオンラインでCDの入荷店舗をチェックしたところ、たまたま行動圏内の店が表示されていたから、彼にお願いして付き合ってもらえることになっていた)、地下鉄での移動中、「(食料品の)買い物の前に行っちゃえばいいじゃん」という彼からの提案により、金曜日のうちに行くことに決定。
⋆⋆⋆
地下鉄を降りると、暑い中、そこからはしばらく歩いた。道すがらコンビニで軽い昼食をとりつつ、ブックオフに到着。お目当てのCDがあることは事前に分かっていたから、とりあえず入店後は真っ先に確保。ブックオフオンラインに表示されていた値段の半額程度で、帯もついているし、なんと、ジャケットにはメンバーのサインまであるという......。お目当てのものを見つけた喜びを噛みしめつつ、その後もしばらくCDコーナーをチェックしていると(「せっかくだし見たらいいじゃん」と言ってくれる、理解のある彼氏でありがたい)、一緒にCD棚を見ていた彼が、小沢健二の1stアルバム・『犬は吠えるがキャラバンは進む』(の初盤)を見つけ、自分に知らせてくれた。
ちょうど1か月くらい前。彼氏が、思い出話とともに「天使たちのシーン」が素晴らしいのだと、聴かせてくれた。それがとても良くて、あれから自分は「あのCDが欲しい!」と、探していたのだ。それが、今、目の前にある。帯が無いから'93年発売のほんまもんの初盤かは分からなかったけども('95年くらいに色違い・デザイン違いの帯でリプレスされていて、自分はできれば'93年の初期生産分を手に入れたかった)、通販で手に入れるのとは違った、目の前に「ある」喜びに背中を押されて躊躇なくCDを掴み、レジへと進んだ。
⋆⋆⋆
そうして、この日は2枚のCDを購入。
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逆光だしピントがぼやけてしまって見えづらいけれど、
L: advantage Lucy 『Echo ParK』
R: 小沢健二 『犬は吠えるがキャラバンは進む』
そう、この日の1番のお目当ては、advantage Lucyの3rdアルバム(インディーズ期も含めると通算4枚目?)なのでした。ブックオフのCD棚から引き出すと、想定していたよりも値段が安い上に、アイコさんのサインが入っていて、二重の驚きが待っているという......。ちなみに、帯にはスピッツの草野マサムネに空気公団の山崎ゆかり、そしてザ・カスタネッツの牧野元のコメントが掲載されている。二枚とも、月曜、自宅に帰ってから開封した。すると、小沢健二の1stのほうには......
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帯がついていた...! しかも、リプレス(※再発盤ではない)の白い帯じゃなくて、ほんまもんの'93年盤についてる帯だった......! ラッキーすぎる...🥺
advantage Lucyの『Echo ParK』は......サブスクで聴ける1stアルバムの『ファンファーレ』が個人的に良すぎて、長らくその1作で満足していたから、「サブスクで聴けないし買おう」という気にすらならなかった1枚(Lucy van Pelt時代のやつはCDでもレコードでも手に入れてたけど 笑)。いざ、聴いてみると......これも良いじゃん!!!となった。というか、ちょっとそれまでとは雰囲気が違うような......。なんというか、ガラッと雰囲気が変わっているならスッと、その変化に気づけるんだけど......聴き進めるごとに、そこはかとない「変わった」という事実が漂い始める感じ。ドラムの番場さんが抜けたり(ちなみにこのアルバムではアイコさんが約半数の曲でドラムを叩いている)、バンドが始まるきっかけを作った福村さんが亡くなったり、2ndアルバムからの5年間で色々なことがあった影響か......なんて意味づけをしたくなってくるけれど。このアルバムには、ジャケット写真が語るように、「影があるからわたしたちは光っていられるんだ」と言わんばかりの......きらめきがあるように感じた。
そして、小沢健二の『犬は吠えるがキャラバンは進む』のほうはというと......なんてったって、「天使たちのシーン」の、淡々とした凄み。歌詞の主人公は、視線の先にある、自分の周りにある風景をぼんやり眺めて色々感じて、考えてるんだなぁ......ってところから、その視線がぐっと、気づけば主人公の大切な人だったり、主人公自身に向けられていく一連の流れが描かれている。最後に転調するところ以外は大げさな展開が無いからなのか、曲の中盤をしばらく過ぎたところで
(あれ、いつの間にか歌詞の中の「僕」の視線がこれまでと何やら変わってきてる...😳!??)
という具合に、自分は主人公の視線の向く先が変わっていっていることに気づくのに、少し遅れてしまった。その変化に気づいた瞬間、ぶわっと、自分の肌があたたかくなる感じがした。
この感覚は......小さい頃、滅多に会わない親戚の家に行ったときに覚えた感覚と似ていると思った。親の運転する車に乗っているとき、長旅だったからか車中で寝てしまい、寝てる間に自分が何の目的で車に乗ってたかも忘れ、起きた瞬間知らない場所に来てることに気づいて「びくっっ😳」となる......という、そんな感覚。乗り慣れてる車だから、親の運転する速度とそれに伴う車の振動、周りにいる家族や車中の匂いは自分に馴染みがあるのに、外の環境は何やらさっきまで認識してたつもりのものと違う!......っていう風合いに近い驚きが、「天使たちのシーン」にはあると思う。13分半もの間、大きな展開もなく淡々と進んでいく曲なのに......あっという間に最後まで聴き終えてしまう。いつの間にか山の頂上に登りきっていた......けれど、13分半聴いたらそれで完結するわけでもない感じ(いや、アルバムの構成的に「天使たちのシーン」が終われば「ローラースケート・パーク」が流れ始めるけども、そういうことじゃなくて......)。強いていうなら、ひとつの、独立した山かと思っていたら実は山脈で、目を凝らすと新たな「頂上」が見える......みたいな感じ?ちょっと混乱してきた...。
ちなみに彼氏も、この曲を初めて聴いた時は胸が熱くなって、しばらく動けなくなったらしい。個人的に、小沢健二の作品はソロデビューしたてのこの感じが一番好きかもしれない......と思う。
⋆⋆⋆
少し書くつもりが、なんだかんだで長くなってしまった。
そもそも、性病検査は彼氏に誘われなければこのタイミングで行かなかったし、そうじゃなければついでにブックオフに寄るなんて発想は出てこなかったし......。こうしてお目当てのCDにありつけたり、彼の聴いてきた曲に向き合って、自分は自分で感じるものに向き合ったり......ってこともなかったんだよな。ここ1か月半くらいの間、週末になると彼の家に行って一緒に過ごすのがお決まりになって、もはやこれが「当たり前」のことのようになってきてしまっているけれど......これって、すごいことなんだよなぁ。
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[2024_07_23]
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kachoushi · 3 months
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各地句会報
花鳥誌 令和6年7月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和6年4月4日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
受験の子送りてしばし黙す父母 喜代子 うつうつも待つこと楽し花便り さとみ 初桜幾歳月や句座の道 都 野遊びのノスタルジーを胸に秘め 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
野遊の一人は高きハイヒール はるか 春愁の長き耳垂れ犬来たる 光子 譲ること大嫌ひなの半仙戯 同 ボール蹴る子に一瞬の花吹雪 美紀 ぶらんこを替つてくれず漕ぐばかり 瑠璃 花いつもさびしきところより散りぬ 緋路 大使笑ふ南麻布の花の昼 佑天 花冷のベンチに花冷のお尻 緋路 群青の絵の具は春の水に溶け 同 教会の桜は透けるほど白く 小鳥
岡田順子選 特選句
花に息ととのへてゐる太極拳 光子 鞦韆の蹴り寄せてゐる桜色 三郎 純白の肌着吊られて花曇 同 皆遠き目をしてをれば桜かな 和子 花いつもさびしきところより散りぬ 緋路 子の声は残響となり連翹黄 同 花は散るべしと笛吹く裸体像 俊樹 春の野の児らしか知らぬものがたり 軽象 花すみれ遠くの空に戦闘機 美紀 春光の鳩はみどりの首見せに きみよ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月6日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
夕日落つ別離の駅の古巣かな 朝子 冴返る齢八十骨の音 成子 仔犬抱き遅日の船を見送りぬ かおり 菜の花や千の􄼫棺より生るる 睦子 枝枝に声転がせて鳥交る たかし ��つせいに揺るゝ吊革鳥帰る かおり 煙草屋は古巣残して店仕舞ひ 久美子 陽炎の消えて居座る陰陽師 美穂 地に古巣天に野鳥の窓があり 修二 我先に舫ひ綱解き鰆東風 たかし 朧月十二単衣に逢へさうな 同 しつけ糸解くおぼろ夜の京友禅 美穂 待つといふうれしさ人も桜にも 孝子 永遠の未完でありぬ桜かな たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月8日 なかみち句会
春の海ばかりの駅に途中下車 秋尚 つれづれに雨音聞いて日永かな 廸子 鎌倉や角曲がるたび春の海 三無 石楠花や参道狭し奥の宮 史空 お別れの日に石楠花の紅の濃く 貴薫 また元の話に戻る母日永 美貴 小刻みにきらめく春の海まどか のりこ 寺領にも石��花紅く小糠雨 ます江 ………………………………………………………………
令和6年4月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
娘良し妻さらに良し春日傘 三四郎 母の忌を迎へし朝の春の雪 ただし 風光る千年超えし物語 みす枝 春浅し耳朶柔らかなイヤリング 世詩明 天空へ光を返す白木蓮 三四郎 愛猫に愚痴こぼしをり四月馬鹿 みす枝 初蝶の二つ行先定まらず 英美子 貝の紐噛んでひとりの春炬燵 昭子 ほろ酔ひを名妓支へて大石忌 同 校庭の鉄棒に触れ卒業す 時江 薔薇一本くれる夫ではなけれども 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月9日 萩花鳥会
春一番濁りし川の鯉めざめ 祐子 春愁の情緒一新晴衣着る 健雄 春の宵椿徳利の矢の根寿司 俊文 四月空総出で迎える娘の帰国 ゆかり 遊覧の舟に続くや花筏 明子 教科書に漢字で名前進級す 美恵子 ………………………………………………………………
令和6年4月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
山笑ふ札所巡りに􄼺の急き 宇太郎 一歩づつ眼下となつてゆく桜 美智子 渡船場に飯蛸釣りて島土産 宇太郎 桃咲いて捨て犬たちの誕生日 都 杖を曳き混じりて遊ぶ花筵 悦子 囀を総て抱へてゐる大樹 史子 初燕無音の青を切り分けて 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
としあつ忌修す爛漫卓の上 百合子 信濃路は薄紅に花杏 和代 里は今杏の花に溺れたる 白陶 想ひ出のとしあつ談義飛花落花 亜栄子 竹秋の風を聞かむと句碑に佇ち 三無 白寿なる母満開の花と散る 多美女 句碑古りて若さ溢るる花楓 文英 雨上り杏の花の山家かな 幸風 ふんはりと包みたる香の花通草 秋尚 白き卓都忘れの彩映えて 恭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
対岸に人の流れてゆく花見 あけみ 軽貨物春の泥付け走る町 紀子 犬ふぐり自転車の子は風のやう 裕子 烏ども引き連れてゐる田打ちかな 紀子 障子開け全て我が世の花見なり みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
余生をば貪る朝寝でありにけり かづを 一穢なき姿のままの落椿 同 落ちてなほ華やぎ続けゐる椿 同 春風に仰ぎて凜と左内像 同 板木打つ仕草秘かに春そこに 和子 朝寝して咎める人も無き自在 泰俊 春愁や錆びし火の見の鉄梯子 同 蛇穴を出づと云ふ世の一大事 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
咲き満ちし花に静けきある古刹 かづを 芽柳に縁なる風棲み初めし 同 沈丁の闇をつないでゆく香り 同 九頭竜に吐息とも見る春の雲 同 此の花に幾春秋を共にせし 雪 花を見に一人で行ける所まで 同 春休み児ら自転車で飛び廻る 富子 鴬のしきりに啼く日啼かざる日 英美子 川幅を歪めて流る花筏 真喜栄 夜ざくらやいつも􄼴打つ寡婦暮し 世詩明 筍や十二単の皮を剥ぐ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
哀愁の容姿あらはに紫木蓮 数幸 徐に白を極めて花水木 千加江 流されて留まり忘る花筏 同 春場所やふるさと力士負け多し 令子 唐門の昔を語る桜かな 啓子 紫の夜空の中に桜散る 同 二人で見いつしか一人花の道 希子 仮の世にしては見事な花吹雪 泰俊 無住寺は無住寺のまま桜咲く 同 愛子忌やせめて初蝶見たること 雪 落椿踏まるるをもて瞑すべし 同 和尚来たかと散る花に酌まるるや 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月19日 さきたま花鳥句会
たまゆらの時を浮遊し石鹸玉 月惑 春愁や己を鼓舞し逝く句友 八草 花篝名残りの片のうらおもて 裕章 脱ぎ捨てし靴下にある花疲 紀花 掛茶屋へたどりつきたる花疲 孝江 花吹雪渋沢像の頭に肩に ふゆ子 腰痛の愚痴ふき飛ばす芝桜 としゑ 楤の芽の口にひろごる大地の香 康子 春炬燵夫の座椅子のたばこ臭 恵美子 藤棚の真中を風の通り抜け みのり 待ちかねた早朝よりの花見客 彩香 十字架の隣に読経山笑ふ 良江
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令和6年4月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
メタセコイアむんずと掴む春の雲 三無 今日も来て舞ひを見せたる春の蝶 ます江 佐保姫を見送る空の雲白く 軽象 蒲公英の真白き絮は飛ばず揺れ ます江 一山をより高くみせ桐の花 斉 僧一人花韮咲かす露地に消ゆ 久子 牡丹の重たく崩れかけてをり 秋尚 桜蘂降つて大地に横たはる 斉 春草の足裏くすぐる田圃道 経彦 観音の御手のやさしく著莪の花 芙佐子 ゆつくりと翅を広げて蝶生まる 斉
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
昨夜爪を切りたる指に草を引く 雪 十一面千手千眼像朧 同 瞑すべし柏翠踏みし落椿 同 この椿もんどり打つて落ちたるか 同 初蝶や昨日は森田愛子の忌 同 不器用を誰憚からず針供養 同 春愁や文箱に封じたる手紙 同 春愁や此の髪に手を置きし人 同 昭和人昔語らず花の下 昭子 本気度を探るお見合亀鳴けり 同 久々に手に取る修司五月来る 同 しなやかにそしてしたたか単帯 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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uchu-household-blue · 3 months
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私は酔っていた、
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'美味しくなくてもどうにか消化のようなことをしたい'。思いは続き、どんな時に思い知る。参考にしやすいしにくい一見は分からないものだし語られない声もあると言えるし。受け入れないことを主張し合う苦しさや、娘や関係性の子'供'としての無力、閉塞を含まざるを得ない対立の徒労が まとまりも望まれず要約だけ取り出され伝わらないものならば余計に もう一度隠すしかない気が重なることたまらず、ひとりの中で。そんな味わい自体が胃任せではないような感覚にもなり... そうだ、自分でいる事が嫌だと思いたくないほうにだけ行きたいのだから。美化出来ないアニムス。誰かとのため、想像力を得たいと思ったり、自己形成しなくてはいけないからこその時分に、。'孤絶感'どう接したら良いのかほんとに...早くもなのかやっとなのかずっとこれからもなのか、自分の分析途上としてのおそらく愛着と嫌悪、攻撃性は反応としての俯瞰をするしかなく、それが言葉になったところで。しかしその場の公の目的や私利私欲がどこに向かうべきかの会話はとにかく方法が掴めない、これは冷静な時や豊かな秩序を思えれば呑気なその時があればという仮定法でいいか。願わないと祈らないといけなくもなり、闘争は成れの果てにはなれないと思った。感情のままに黙ったのが子供なのだとしたら、それと向き合うだけの沈黙がお望みなのか? 個人の話でこそ個人とは?目前のものさえも、他者とのことだからこそ、自分に潜ったからぽっかりと外が分からないという思いも嫌悪も強まったような。反例を探しながらふと拾ったり捨てたりで良いのなら。考えて潜って這いずって空間になってやっと映せるサイズになる、それさえも悲しみを伴うことは周知でよろしいな。 手前に近しい人で話が通じる相手でもない。自分も目当てさえも匿わないと息が出来ない。主張は反面を強く退けるから、それも感じてしまうなかで明暗をしがみつくしか這い方ないて。前向きな意味でだからこそ、伝わらないとしても変わらないとしても、自分は自分のために作ったり描きながら夢をみるならば、象徴と個人的なものとの行き来が叶わないものとはそういう距離にしかならず解像度も描けないと心得て身を引きたい。自分がそういう局面になったら自覚したい。喧嘩しやすいものにしたからといって、円満にしやすいことに思考停止したからといって、同等にほんとに何なんだ。棚に上がったねかわいそう同士それでも生きて分かりやすいものに絞られていきそうになっているだけかも。〜しないから駄目なんだ、も強迫だし他人のふりした同化だった、もし一見社会的に非道徳でもそもそも逆転して、し合っている世界にいたりするんだ。衰えたくないなら分別に秩序を見るな。秩序は悔しいほどどこにでもある。酔うことから完全に出た人も多分いられないが、信じ方や疑い方の景色をこじ開けるしかないから、狭めないで抗わないといけない。対立のまま持っていきたいとしてもまとめたいとしても、そんな目先の話だけで終わるわけないからこそ私だって遠くから見ようしか出来ないんでしょうが!となった。さらに感情抜きにするとシンパでもなく対立の図だからなのか、 だからこそ分かってなどはもらえない従いたいものと思うしか、従ったものを思えない。誰が複雑じゃないものだというのか。人が独りよがりをどう出たらいいのか余計に怖くも難しくも感じるなかで切実に思う。なぎ倒すものならばそのなれの果てでしかないだろうけれど。 願望は分けられず、何もかも綺麗事でも、どうにか続き続けるしかないという、その中で内容も感情もどうでもいいまま選択するしかないなら、何もかも無駄だとしたら、そのあとに残ったその温度と、理想が本箱にスライドされても良いから、何が合点や合意なのかをどこもはしょらないまま、傷ついていく今や生活の外が何かや、自分なりの見つけてきたことなどを、さぁどうしたらいいものなのかなと漂流し放浪で良しとしてもなお思う 何かが終わればまた何か思い知って、終わるしかない日までよく生きたかった子供心のまま、終わらないものも何度も手触りになって。 なんとでもなくなったとしても喪失感は覚悟しないといけないし、しなくても孤独だっろうに、会話だけは功労より前に鳴り続けるという
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lsoshipt · 4 months
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「白日」2024.6.4
 情事を終えて布団から這い出す。星ちゃんの手って大きいから、男のひとと寝ているみたいって思うことがあるよ。昔の彼女の言葉を思い出して、わずかに焦げ付くような嫉妬をする。やさしい声を出さないといけない。コーヒーサーバーからすっかり冷めたコーヒーを注ぐ。
「コーヒー、要る?」
「ん。」
肌布団が彼女の肌を撫でるように落ちる。白い太腿があらわになる。細いながら女らしく脂をまとったそれの冷たさとやわらかさを、私はよく知っている。それだのに、いまだに私は目を逸らしてしまう。
 コーヒーを嚥下する彼女の喉元が動くのをながめていた。白い首筋に、華奢な喉仏。私が掴んだら折れてしまいそうだと何度も思った。これでも私と付きあってから肥ったという。
「なにしよっか。これから。いま……、何時?」
「正午すぎ。私特製のブランチか、そうだなあ、ドーナツとか買いに行く?」
「特製は、なあに?」
「なんでも。オムレツはつきます。」
彼女はかすれた笑い声を漏らす。グラスいっぱいの水を差し出すと、彼女はそれを一息に飲み干した。
「星ちゃん特製の、ドーナツブランチで。」
「じゃあ、とりあえず出かけよっか。」
数分で支度を終えて部屋を出る。遅い朝の部屋は白く、清潔に明るい。ベッドの下に脱ぎ捨てられた部屋着が落ちている。やわらかく溜まる皺のひとすじひとすじまでがよく見える。
 ドアを閉める。外のまぶしさに眉根が寄る。
 ドーナツショップはやや混んでいる。人口の少ないものだから、うれしい賑わいだと思った。彼女は手にしたトングを鳴らしながら、棚に整列するドーナツを眺めている。しばらく悩んだ末、彼女は白いアイシングのうえにカラフルな砂糖菓子の散りばめられたものと、ホイップクリームが注入されたものをえらんだ。私はシンプルなオールドファッションと、スライスしたアーモンドの練り込まれたチョコレート生地のものを彼女にとってもらう。かかえたトレーはずっしりと重くなる。
「食べきれる?」
「これだけで十分……すぎるかも。」
私たちは目配せをしてひそかに笑い声を立てる。とっちゃったししょうがないよね。彼女の円い目が、半月みたいな形をしている。ていねいなテンパリングのされたチョコレートだと思った。
 ドーナツショップの店員からサービスだと受け取ったコーヒーを手に、ほど近い公園のベンチに座った。直帰する予定だったけれど、あまりにいい陽気だからピクニックしていこうとは彼女の提案だ。夏前の陽射しはいまだやわらかさを残して、あたりはあいまいに明るい。直帰する予定だったから、長居するにはあまりに無防備な彼女の姿に小さな不安を覚える。部屋着のTシャツはすっかり襟元がのびきって、覗く薄い胸元を光線がまるく照らす。
「んー、やっぱり星ちゃんのコーヒーって、美味しいんだ。」
先ほどもらったコーヒーを啜って、彼女は呑気に失礼な感想を漏らす。私はすこし後ろ暗い嬉しさを覚える。
「これもおいしいよ。」
「んふふ。」
彼女はドーナツを掴んで、半分に割る。やや小ぶりな片割れを私の口に押し込む。ほっそりと白い指先が唇に触れる。砂糖菓子が肌の上でざらつく。油っぽい匂いをした生地が喉に詰まり、ぬるんだコーヒーに口をつける。彼女の唇がおおきくひらいて、半分のドーナツを迎え入れるのを眺めた。
 帰宅したのは十六時すぎのことだった。依然として部屋は明るさのなかにあるけれど、その光はたしかに夕方にむかう寒々しさを帯び始める。やや古ぼけた2LDK。入居審査のさい提出した書類の、続柄欄に婚約者と記入したときの胸の高鳴りを思い出す。彼女��常からきれいとは言いがたい字がさらに歪んでいた。指輪を買おうと思った。ともすれば倦みそうになる生活を彩るなにかが必要だ。
 台詞をそらんじられるほど二人で繰り返し観た映画のディスクを機器に挿入する彼女の背中を眺める。戸棚からワインの瓶とワイングラスを取り出す。そうっとテーブルに置くと、彼女は「わかってるう」と笑った。
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thanatochu · 6 months
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アポトーシス
11月下旬の日曜日 太陽コミュMAXに出会う綾時と神木さん
青天の中に浮かぶ薄雲。今日も良い秋晴れだ。 僕はここ最近、長鳴神社に足を運んでいる。遠くからでもよく見える御神木を目当てに。 それに修学旅行で参拝した神社仏閣を思い出す静かな…厳かっていうのか、そんな空気を感じられるから。 日曜日の昼下がりに来るのは初めてで、夕方の景色とはまた違う、青空と枯れ葉の随分落ちかけた大木を見上げて嘆息した。 その御神木の根本近く、併設された公園に置かれたベンチに座る人影がある。 初めて見る人だ。線の細い、今にも消えそうな色素の薄い髪と肌の、痩せた男性。僕よりもいくつか年上だろうか。 ストライプのシャツ一枚で俯く様子に、晴れているとはいえ晩秋に寒くないんだろうかと、自分の服装を棚に上げて思ったりした。 僕の視線に気づいたのか、その人が顔を上げる。目が合って、なんと挨拶しようかと考える間も無く向こうから先に声を掛けられた。 「君は…僕のこと、迎えに来たのかい?」 「え?」 よく分からない問いに聞き返すけれど、初対面のはずなのにまるでよく見知った者に向けたように彼は話を続ける。 「生憎だけど、もう少しだけ猶予が欲しい…彼を待っているんだ。それが果たされたら思い残すことはないよ」 「…誰かを待ってるんですか?」 白い人は組んだ脚に視線を落として力無く笑った。 「そう…このベンチの隣に座ってくれる人さ。忙しい身らしく毎週会えるわけではないけれど、来て欲しいと願えば彼は叶えてくれる。だから今日もきっと逢える」 彼は使い込まれたノートを持っていた。ボロボロとも表現できるそのノートを大事そうに膝に置いて、その人を思い出したらしく幸せそうに口元を綻ばせる。 「もう秋か…それも過ぎて冬になろうとしているね。彼に会ったのは暑さの厳しい夏…いや、初めて会ったのは5月頃だったか。生命力に溢れた女の子が引き合わせてくれた」 半年余りの思い出を反芻しているのだろう、その人は遠くを見つめて呟いた。 「人生の最後に、彼に巡り合わせてくれた神というものに感謝しているよ…君にも、ね」 「え、僕?ですか」 「君からは彼とよく似た匂いがする。きっと深い縁があるんだろう」 そこで初めて、僕は彼の待ち人が誰なのか具体的な人物像が浮かんだ。 もしかしたら木漏れ日のベンチに座るのは、僕もよく知るあの人なのかもしれない。 口数は少なく表情もあまり変わらないけれど、人脈と懐の広さ深さは窺える。 それはこの街に越してきて日が浅い自分でさえも知っていることだ。 「僕の物語が…彼に、ひいては君に、何か残せると…いいな。それが生きた証へと繋がれば」 弱々しくも揺るぎなく僕を見つめる白い人は、預言めいたことを投げかけてくる。 「そうすれば死ぬ意味さえも見つかる気がするんだ」 寂しさを滲ませながらも満足そうに頷く。僕は何かに胸を鷲掴みにされたように苦しくなって、マフラーごとシャツの胸元をギュッと握り締めた。 人の生き死には、流れる水や風のように当たり前のもの。確かに前はそう思っていたのに、大事な人が出来たら見方が変わる。 何かを思い出しかけて喘ぐ僕の後ろから、よく知った声が投げられた。 「…綾時?珍しい組み合わせだな。神木さんと知り合い?」 「あ、」 カサカサと落ち葉を踏みしめながら予想通りに彼が来た。白い人の待ち人が。神木と呼ばれた彼が嬉しそうに答える。 「君を待っている間に少し相手して貰っていたんだ。やっぱり君の知人だったね」 「同じクラスの転校生同士のよしみで」 先程の浮世離れした空気から親しげな世間話に変わった。 「…あの、茅野くんも来たし僕はこれで失礼します」 振り向いた彼の意外そうな視線に曖昧に笑って別れを告げ、石段を降りた。 神木さんは何か大事なことを果たそうと彼を待っていたんだろう。これ以上の邪魔は出来ない。 階段を降りきった横の電柱に花束が置かれている。以前から気付いていたけど、誰かがいつも新しい花を供えているんだろう。 この場所も誰かの大事な人の、大切な思い出が在るところ。死してなお誰かの記憶に残り、未来に影響を与える。 「僕も、そんなふうに…」 僕の死が誰かにとって意味のある、何かに繋がるものであればいい。 そうすれば自分が今ここに存在する理由も、この世界のことをもっと知りたいと願う理由も解る気がして。 大事な人たちの平凡な幸せをずっと見ていたい。そのためにこの命を使えるなら言うことはないのに。 陽の傾いてきた空を仰いで、もうすぐ来る冬に想いを馳せつつ歩き出した。 「僕も最期は、君の傍にいたいな」 その希みを、彼は叶えてくれるような気がした。
P3Rありがとう。 神木さんからのメールの言葉はどれも沁みました。 綾時と神木さんのお話は無印当時からずっと書いてみたいと思っていたもので 今回やっと書けるような気がしたので10年ぶりくらいに書いてみた次第です。 環境とか心境の変化などでやめてしまった創作ですがリロードをきっかけに少しずつ形に出来ればと。 昔出来ていたものが今は出来ない、と嘆くのは簡単すぎますが 今だから出来ること、も沢山ある気がして。 変わってしまったことと変わらないことを楽しみたいです。
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bearbench-tokaido · 6 months
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五篇 上 その四
四日市の旅館で相部屋になった田舎者を弄んでいる北八。
ほろ酔いだからという北八に、 「さっきから見ていたが酒など、一滴も飲んでいないのにほろ酔いとは、何のことだ。人を馬鹿にするにもほどがある。」 北八は、怒り出した田舎者を気の毒そうに見ながら、 「ええ、私は酒を飲んでおりませんが、この足がほろ酔いだから。」 と答える。 田舎者は、何のことかわからない。 「なに、足が酒を飲むもんか。馬鹿言いなさんな。」 「お前さんもだいぶ熱くなってきて、赤くなってる。 足がほろ酔いとは、さっき焼酎を吹きかけたからで、この足が酔っぱらってそれ見てみなさい。 ひょろりひょろり。 あれまだ、お前さんの頭をからかおうとする。こりゃこりゃ。」 北八の足が変な動きをするのを田舎者は、真剣に見ている。 「なるほど。本当にこの足は、悪酔いする。」 と、田舎者が答えると、北八は、 「その通り。足は下戸にかぎりますな。私は、本当に困り果てています。」 と、言う。 田舎者は、納得したのか、あきれたのか、 「もう、結構!さっさと、寝ることにしよう。」 と、部屋の外に向かって、 「女中さん。お床を頼みます。」 と、言う。
女中がやってきて寝床を整えると、田舎者ふたりはそこへ横になるや否や、前後も知らず高いびきをかきだした。 弥次郎兵衛と北八はこの女中どもをからかってみたが、軽くあしらわれてしまう。
女中が出て行くと弥次郎兵衛は小声で、 「北八、北八。お前は、さっきの女中と約束したのか。」 と、尋ねる。 北八は、自慢げに、 「その通り。しかし、ここにはこない。 この隣の間の壁をつたって行き突き当たりのふすまをあけると、そこに寝ていると言っていた。後から、しずかに行かなければな。」 それを聞いた、弥次郎兵衛は、 「よし、俺が先に、行ってやろう。」 と、言うと北八は、笑いながら、 「妬まないで、一人で、早く寝な。」 と、後ろを向いて眠るふりをする。
弥次郎兵衛は、北八のじゃまをしてやろうと寝たふりをして思案していたが、二人とも旅の疲れで思わずすやすやと寝入ってしまった。 しかし、しばらくすると弥次郎兵衛がふっと眼をさまして、辺りをうかがいだした。
灯りは消えていて、真っ暗である。 しかも、ひっそりしているのでそろそろいいだろうと、こっそりおき出してきた。 北八を出し抜いてやろうと、音のしないようにふすまを開けて廊下に出ると、さっき聞いたとおりに手探りで壁伝いに歩き出した。 ところが、つい手を上へ方にのばして吊ってある棚に手が当たり、これがどうしたはづみやらがたりといてって、���が外れてしまった。
弥次郎兵衛は、びっくりして、 「こいつは困ったことになった。 俺が、手をのばしすぎたから、棚板が外れたんだな。 なんだか雑多な道具がたくさんのっているようだし、これで手をはなしたら棚が落ちて大きな音がするだろう。 そしたら、みんなが眼をさます。これは、まずいことになった。」 と、両手を棚につっぱって立っている。
起きたままのふんどし一つの有様だから寒くなってくるし、こりゃ情けないめにあった。 何とかいい方法はないかな。 と、立ったままで考えていたがどうにもこうにもいい案が浮かんでこない。 と、そこへ、北八も眼を覚ましておき出してきた。 しこも、こちらのほうにだんだんと近づいてくる。 それをすかして見ていた弥次郎兵衛は、小声で話しかけた。 「北八か、北八か。」 北八は、急に声をかけられてびっくりしたが、 「誰だ。弥次さんのようだが。」 と、言うと、 「こりゃ、静かにしろ。早くここへ、来てくれ。」 と、弥次郎兵衛が、ささやく。 「なんだ、なんだ。」 と、北八は、近づいていった。 弥次郎兵衛は、暗闇で、北八の手を取ると、 「これを、ちょっと持ってくれ。ここだここだ。」 と、北八が棚を支えるようにしむけてしまう。 「どれどれ。」 と、北八は手を伸ばして何のことか分からないが、落ちかかった棚の下を押さえる。
弥次郎兵衛はそっと手を離し北八に持たせて、脇にそっと外れると北八は驚いて、 「なんじゃこりゃ。弥次さん。どうなってるんだ。」 と、手を離そうとして、上の棚が落ちかかってきたので慌てて元に戻す。 北八が、 「やあやあ。こりゃ、酷い目にあわせる。 これ、弥次さん。どこへ行く。ああ、手がだるくなってくる。 こりゃ、これは、どうするんだ。」 と、うろうろしている。 弥次郎兵衛は、そんな北八をほっておき暗闇の中をそろそろと先のふすまを開けてみる。 台所に夜通しつけているありあけの火のおかげで、辺りの様子がうっすら見えている。
その灯りにすかしてみれば、すぐそばに一人寝ているようだ。 あれが北八が約束した女だなと思って近づくと、息もしていないのかと思うほど静かに寝ている。 しめたと、いきなり手を触ってみるとどうしたことか、石のように冷え凍った人が寝ている。 これはどうみても生きている者とは思えず、どうしたことかとあちこち撫で回してみた。 どうやら、菰にくるんであるようだ。 こもにくるんでいるという事は死人と、弥次郎兵衛はびっくりして気味が悪くなった。
足のほうからがたがたと震え出して、やっとのことで北八がいるところへ這い戻り、歯の根のあわない震え声で、 「北八。まだ、そこにいるのか。」 と、小声で言う。 北八が、 「おお、弥次さん。お前どこへ行ってた。さあ、ちょっとここへ。」 と、弥次郎兵衛の手を掴んで、棚を押さえさせようとする。 ところが、弥次郎兵衛の手が小刻みに震えているので、棚の上のものがカタカタと小さな音を立てる。 「いや、それどころではない。 お前の女が、死んでいる。」 北八は、 「ふん、ふざけたことを言な。」 と、カタカタ音を立てたので、弥次郎兵衛の手を離した。 「いいや、本当だ。菰でくるんであるから間違いない。 気味の悪い旅館だ。」 北八は、全然取り合わない。 弥次郎兵衛が、更に言う。 「いいから、よく聞け。本当にあれ、あそこにいるんだ。 ああ、なんてこった。とんでもない旅館を選んだもんだ。 恐ろしや。恐ろしや。」 と、そうそうに、這いながら逃げていく。
さて、残された北八、 「おいおい、俺をここに置いてきぼりにしてどうする。 それに変なことを言うから、俺の方まで気味が悪くなってきた。」 と、がたがた震え出した。 その拍子に手が緩んで、棚がぐらぐらし出した。 こりゃかなわないと北八は、棚から手を離してしまった。 当然、とんでもない大きな音がする。 北八は逃げ出そうとしたが、暗闇でどちらに行けばいいのかわからない。 まごまごしているうちに、この物音にびっくりした旅館の亭主が灯りを持ってこちらに近づいてきた。 又、奥の部屋から田舎者も出てくる。 この様子にまずいことになったと北八は、うろたえて這ったままで適当な方向へ進むと、手に菰が触れた。
これ幸いと、そのこもをひっかぶって息を殺ししゃがんでいると、亭主は灯りで周りを照らしながら驚いた様子で、 「やあやあ、こりゃ、どうして、棚が落ちたんだ。 膳ばこも何も、めちゃくちゃになっている。」 と、そこらを片付けてだした。
そこへ、何事だろうと、田舎者が二人ともおき出してきた。 「やれ、えらく大きな音がしたようだが、棚が落ちたのか。 私らの地蔵さまの側にまで、箱が飛んできている。」 と、こもの側に落ちている箱を取り上げようとして、 「ありゃ、お鼻が欠けている。」 と、素っ頓狂な声をあげた。 もう一人の田舎者が、 「どりゃどりゃ。」 と、地蔵に近づいてよく見ると、 「本当だ。地蔵さまの鼻がなくなっている。そこら辺に転がっていないか。」 と、辺りを探してみた。 「いや、ここに寝ているのは、誰だ。」 と、こもをまくると、北八がはっと顔を上げた。 そばには、こもに包まれた石地蔵がある。
さては、弥次郎兵衛が死んだ者と思ったのはこの石地蔵だなと、思っているところへ亭主が、灯りで北八を照らして、 「おや、お前さんは、こちらへお泊りのお客さんじゃないか。 こんな時分に、どうして、こんな所にいるんじゃ。 こりゃおかしい。それに、そのそぶり。 どうも、怪しいと思っていたがもしや泥棒じゃないか。 何か盗みに入ったのだろう。正直に言ってみろ。」 田舎者は、はたと気がついて、 「いや、そればかりじゃない。 たぶんこいつが、この棚を落としたんだ。それで地蔵さまのお鼻が欠けた。」 もう一人の田舎者が、 「これは、私らの村で今度、建立する地蔵さまじゃ。 昨日、石屋どのから受け取って明日、早々長沢寺さまへ収めにゃならないが、お鼻が欠けてしまっては持っていかれない。元の通りに弁償しなせえ。」 と、真っ赤な顔をして怒りだした。
つづく。
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unicodesign · 6 months
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古材調達@リビセン
先週は金曜日から軽井沢へ。北軽井沢の山荘の現場は、2月末から木製サッシュの取り付けが進み、ぐっと家らしくなっています。
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前の週の現場は2月の大雪の時より雪深くなっていました。20cmの雪が2回降ったとのことで、現場の雪かきも大変なことです。金曜日、浅間山も真っ白でした。
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1週間で、内部の羽目板が着々と進んでいました。
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打合せ事項が満載ですが、金曜はまず電気屋さんとの打合せ。「もう施工してしまった」という箇所があるなかで、その場でより良い方法を考え指示を出す形で決定していきます
そして翌日土曜日、今回のメインイベント、「土に還る家にしたい」という命題のもと、これまで3回ほど訪れたリビルディングセンター、いよいよ現実的が古材調達へ。昨年の5月、11月に続き、3度目の訪問。
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今までは、古材をどう使うかお施主様とのイメージ共有のための訪問でしたが、今回は材を購入する最終段階。前回、このブログでもご紹介しましたが(『リビセン再び、上諏訪へ』)リビセンデザインの周辺施設を見学し、頭の中で設計図を描いたものの、いざ、古材置き場に立つと、どう選んで、どう使えばいいのやら。。。
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というわけで、スタッフの方に頼ります。
耳のついた無垢材を洗面カウンターに使いたい、とか、固定棚に使いたいということを伝えると『詳しい工場スタッフを呼んできます』と登場したナカジマさん。この日、たまたま作業場からこちらに来ていたとのことで、アドバイスをもらいながら、たくさんの材の中から寸法がとれそうなものを物色。お施主様とは写真でイメージを共有していたものの、いざたくさんの古材を前に、仕上がりのイメージが掴めないのでは?
というわけで、近隣の施設の見学へ向かうことにしました。ちょうどオープンしたばかりという麻婆豆腐屋さんがあるというので、ランチを兼ねて向かった先がこちら。
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4軒長屋を改修したという複合スペース『ポータリー』、街の中にふいにあらわれる広いデッキスペースが素敵です。
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中の様子。
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細い廊下の途中には2階への階段が。デザイン事務所などが入っているとのこと。
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麻婆豆腐屋さんに入り、お店のテーブルや棚、
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共用部の洗面を見たりして、お施主様とイメージを共有しつつ、
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美味しい麻婆豆腐をいただきました。
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昨年から、自分の事務所も兼ねたシェアスペースとなる場を探し中ですが、外部空間が共有の場として充実しているのが、とても理想的な空間でした。戻って調べて見たら、リノベ前の様子を発見しました。(web komachiさんより)
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こうも素敵に変身を遂げる技量にひたすら感心する。。。
その後、ambirdさんに立ち寄って内部を見せてもらい、fumiさんでお茶しながら打ち合わせをして、リビセンに戻り、再びナカジマさんに頼る。たくさんの材の中から探し出すのも一苦労、ポータリーの棚はどんな材はどんな材か、などとたずね、色々とよさそうな材を探し出してくれた中からお施主様が最終決定へ。
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洗面や固定棚などの造作材を決定したあとは、テーブルとキッチン作業カウンターの材探しに移ります。リビセン店内にある、ワークショップで製作できるテーブルを参考に、
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再び古材売り場へ、ナカジマさんに力を貸していただきながら、実際に並べてみて、作り方の相談にものっていただく。
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パッチワーク材もセレクト。
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適当な材に出会えなかったら通常の形で作る、ということで進めていた今回の古材利用。古材が素敵に活きる空間に仕上げられるか、使いあぐねそうなプレッシャーもありましたが、心強いアドバイスのおかげで具体的な作り方を頭に浮かべながら、リビセンをあとにしました。
軽井沢と諏訪の途中には中山道の最高地点の和田峠があります。新道側を超えるもののなかなかのカーブ道ありの2時間弱の長い道のり、長野県広いですね。東御の道の駅での休憩時、いつもと逆側の黒斑山側からの夕暮れの浅間山がきれいでした。
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翌日曜日は、お施主様と共にリビセンで入手した資材の搬入と、現場の進捗確認や、家具製作の打合せへと続きます。
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lienguistics · 11 months
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裏表
2023.09.30
章1
撮らせてもらった僅かな彼の写真の中には、一緒に過ごせた日々が色褪せないまま残っていた。特に懐かしく思いを馳せさせるのが、信号待ちをしていたときだった。目が合ったとき、噛み殺そうとしたのにクスッと笑わずにはいられなかった私に「何だ?」と彼は眉をつり上げながら聞いた。
「別に何でもないよ」とあどけなく言い返したが、納得させることができなかったのは目つきで察した。 「 俺の影で涼しむために寄ってきたんだろ?」 「まあ、確かにそんなメリットもあるけど、なんでそう思うの?」 「お前の顔にできた影が不自然だったから」
ふふっと笑い返しながら携帯を取り出して構えたら、写真を撮れないように彼に手でカメラを塞がれた。
「なんでぇ〜」と口を尖らせる私に彼は「汗かいてるし、疲れた顔してるし」とぼやいて拒んだ。 「それでも、私にとってはどうしたって可愛いと思うのよ」と私はそっと呟いたら、彼が徐々に気を許してくるのに気づいた。
照れ笑いと優しい眼差しでこちらを眺めてくる。 夕方の日差しに包まれる輪郭が柔らかく輝いている。 茶色くふわふわの巻き毛がボサボサになってしまい、日光で背後から照らされ、薄茶色やきつね色に毛先を彩り、ポカポカと暖かい焚き火のイメージが蘇る。
通りを横断しながら、私は一瞬肩越しに振り返って彼の表情をまた一目見ようとして「楽しんでるの?」と聞いてみた。
「君のそばにいるだけで幸せだよ」
如何にも素敵な写真なんだ。
. . .
章2
立ち去ってからもう2週間以上経ったのに、彼の名残りがまだ私のアパートに撒き散らされている。自分の所持品に限ってはいつも通りに整えているが、彼との過ごした日々によって増えたものは、どこに収めたらいいのか考えて決める気になれなく、そのまま残る。時間が経つにつれて、自分の常識や判断力も変わってきたことを悟った。
スキンケア用品のサンプルセットは、すでに様々な言語の著書をいっぱい抱えている本棚の端に乗せられるのがおかしいどころか、あっさりと拾い上げられるので便利のよくて相応しいじゃない。
ある美容化粧品店の表札を見かけた瞬間に、私は「あっ」としか発せ��出し抜けにその店に向けて雑踏の潮をすり抜け出した。
「おススメしてもらった銘柄だから実際にどんな魅力があるのか気になったんだ」と説明しても、彼は別にこんなところに興味がないと推定してしまい、とりあえず好奇心を満足させるためにさっさと見回してすぐ出ようと自分に言い聞かせた。
だが、知らないうちに彼はビアードオイルやクリームを手にして「いい匂いするし、肌触りも気に入ったし、後で買おうかな」とぶつぶつ独り言したのが聞こえた。
彼から少し離れて、エッセンスやセラムの棚に近づいて、諸々な商品にゆるりと目を通して、シャンプーやコンディショナーまで視線を向けたとき、店員さんに「よかったら、サンプルを差し上げましょうか」と提供された。
「あっ、ほ、本当いいんですか」とどもったが、店員さんが頷いてから、「じゃあ、お願いします」と私は返して、受け入れるしかなかった。
えっ?当時の彼にすぐ一つ渡すのを忘れてしまったからといって、この二つを果てしなく保たなければならないわけではない上に、同居人の一人と一緒に暮らしているので、せめて一つをあげてもいいって?なんて非常識な提案。
ガラステーブルの片端を飾っているのが花輪のレイ。天命ゆえに冬を春に向き合わせたと言わんばかりに、ピンクと水色が僅かに交流する花壇は殺風景な凍った湖の縁に降臨���て根付き出した。当該の性格が絡み合っていると仄めかすように。
ダウンタウンでぶらぶらしていたとき、ハワイをテーマにした居酒屋に行こうと気まぐれに決断をして、入店する前に歓迎の一環としてスタッフにレイをかけてもらった。
献立を見据えながら、「何を注文するの?」と彼に聞かれたら「うーん、パイナップルのスムージーとかなんとか…かな。そっちは?」と答えた。 「マイタイ飲んでみようと思うけど…とにかく、空席を見つけてくれない?」 「おおっ、いいよ」
一回りしてから「そこのテーブルで大丈夫だと思うよ」と提案するために合流したとき、私がお酒に弱いと知っている彼はさっき言った通りの飲み物をすでに手にしていて、テーブルまで案内してもらうのを待っていたようだ。
「えっ?!いいの??」と慌てて聞いたが、「普通はかわりばんこに払うんだろうし」という正論で立ち止まって屈した。 「とりあえず、飲んでみない?酒の味が思ったより弱いから君も耐えられるかも」と彼は言いながらガラスを渡してくれたが、私が一口飲んでみたなり、「弱いどころか…結構味わえるじゃん!」という愚痴を溢して舌をすばやく出した。 「あ、そう?」 「ほら、私のを飲んでみぃ〜」 「俺のよりもうまいね」 「飲み干すな!」
レイをかけるとかゆいし、どこかに置いて自分にかけない方がいいんじゃない。それに萎まない花束と見做すのが妥当なの。
食卓の上で同居人の植物に付き合っているのがペロペロキャンディの一本。元々は二本だったが、好奇心と口寂しさに負けてしまったんだ。こんなお菓子をどこの店でも買えるのは一目瞭然だが、不憫な褒美として、ゲームセンターで楽しく過ごせた時間の象徴で、ダンスダンスレボリューションで心ゆくまで精一杯勢いよく踊った証明だった。
歌の知識で私の方が有利だったはずなのに、動きがぎこちないせいで何回も彼に負けた。むしろ、まるでそもそも負けなかったかように感じるほどゲームにすっかりと夢中になってしまったのは、さも10年以上ぶりに遊ぶのがさすがだね。
ロリポップはどうだったって?まあ、案の定、結構平凡で、食べたことを微塵も後悔していないよ。ちょっとでも片付けたと見做させられるかな。
こちらを未練がましいと決めつけるとしたら、どうせなら両成敗ということにしようか。
. . .
章3
積み重ねたレシートをより分けたら、まるで束の間だけでも過去に遡ることができるかような感じがして、懐かしい雰囲気がひとしきり漂ってきて、余韻に浸れずにはいられない。
と、君へのメッセージをうっかりと送ってしまった。そんな恥ずかしいことを自分の胸にしまっておいたらよかったかな。
ちなみに、今回の方が俺たちに関心を向けてる人って多かったんだね?君は本当に何も気づかなかったって?
だってさ、あるときなんか、商店街で見て回りながら、店員さんに「何かお探しですか?」と質問されて、俺は「丈91センチのズボンが店内にありますか?ウェブサイトで見かけたんですが、自分で履いてみたかったので…」と説明したのに、戻ってきた店員さんが「誠に申し訳ございませんが、そのサイズが店内にございません。ひょっとしたら、オンライン限りに在庫があるかも知れませんが」と君に正面切って相談したんだ。俺より頭一つ以上背が低い君の方がさすがにそんな長さに合ってると言わんばかりに。
笑いながら、次の店に俺の袖を掴んで引きずって行った。ハワイ風の服ばかりに囲まれて、漆黒でガバガバなパーカーや濃紺のコンバーススニーカーちをからだじゅう身につけた君とため色のシャーツをしわくちゃなジーンズと合わせた俺は、一目瞭然でわかる場違いな雰囲気を受け入れきれないうちに、君があれよあれよという間に近付いてきた店員さんと喋り始めた。
えっ?俺たちはオアフ島に行く予定があるって?確かに夜のイベントとかなんとか行ったら、こんなふうに厚手の生地の方がいいし、お洒落な色も選んだなぁ… あっ、おい!調子乗りすぎじゃない?カクテルのガラスの模様も?何、その生意気な目つき…
旅行が数日だけと言ってしまった君は、「もったいないわ〜」と疑問を抱く店員さんに直面したらどうする?
少しでも休みを取らせてもらうように許可を得る過程が大変だっただけではなく、二人とも働いていて一緒に同時に休めるため、両方のスケジュールを調整することに取り組んだが、結局なんとかできたと真剣に言い逃れるお前、えらいじゃないか!
すでにアロハシャツを4枚持っている俺を試着室まで店員さんは案内してくれたが、君が辿るのを躊躇ったのに気づいたので、「廊下の突き当たりが二人で入ることができるほど広いですよ」と声かけた。君は俺に面食らった眼差しでちらっと見たが、やっと向かってきた。背後にドアを閉めた後に「お前、本当に信じられない」と俺が苦笑いして、自分でまったく抜き出さなかったシャツを羽織ってみた。
この経験でどんなスタイルや模様や色と似合うのかてっきりとわかってきたに違いない。
「晩ご飯は何を作ろうか」と悩んでいた君に「パスタだったらどう?」と提案したら、咄嗟に「じゃあ、頼むよ!うわぁ〜、料理してくれる人がいるのって最高!めっちゃラッキーだわ」と大はしゃぎで歓声を上げられて「えっ、ちょっと!料理してあげるって言ったわけではないよ」と拒むに拒めなかった。 おせっかい焼きの君がニンニクと野菜を切るのを許したが、食後に皿洗いにも手をつける前に俺はすぐ自分で洗い始めたのに、食卓を雑巾で拭く姿が横目で見えたきっかけで「疲れた?」と声かけた。 君は首を横に振った。「ううん、別に」 「そう?」 「晩ご飯の献立を考えて決めた上に、準備とか料理をきちんと果たしたのはあんただから、私の方が本当に楽なの」 一瞬の間を置いてから「いつかこんな風に一緒に暮したらどうだろう」と思いつきをぽつんと漏らした。 「本当に一緒に暮らすことを検討してる?」 「君ならいけると思うけど」 「お前は野菜が嫌いだから、八百屋に行ったらどうする?別々に買ったり払ったりするの?だって、私はね、野菜をそんなにあっさりと手放さないよ」 「食べれる野菜もあるけど!理想的には二人でお金を少しずつ出し合って、欲しいものを揃えて買おうと思ってたんだ」と言ったら、納得させることができた。「まあ、確かに、そんなことは恋人とか家族との生活みたいだけど、お前なら…」 「もうずーっと付き合ってる感じじゃない?私たちってさ、幼馴染から恋人に実際になれたら、都合のよくない?」とそっと笑った。 「30歳になっても未だ独身だったら、とにかく結婚しよう…とかなんとか?」 「おおっ、ロマンティックじゃん〜 じゃあ、あと6年だね」 「5年じゃない?6年間待つしかなかったらしょうがないけどぉ」 「 私は29歳に、お前は31歳になる年に決めるとしても、条件が特に一つあって、即ち、夫婦別姓にしたいって。私は博士を取得できたら、お前が博士で私は単純にお前と結婚してるという誤解のないようにね」 「いいよ。ハイフンが付いた名字もいけるかな?」 「んー、それはもうちょっと考えないと〜」 「まあ、5年間あって余裕だね」
最後の夜に「死んで永遠に会えなくなるわけではないから、泣く理由なんて何もないよ」と慰めようとしたのに、君の目に涙が湧き溢れていたのを見てから、涙を親指でスイスイと拭って、頰をひとしきりそっと撫でていた。
「遠く離れた場所に引っ越しても、お願いだから訪問してくれると約束してね。必ず空港に迎えに行くよ」
本当に、一ヶ月間も滞在しても、構うどころか、嬉しい。 君がすすり泣きながら体を震わせるのを鎮めるためにぎゅっと抱き締めようとしたが、俺もべそかいてきたんだ。
「泣くなって言ってたんだろう、アホ」とぶつぶつ言いながら、自分の頰からも涙をぬぐった。
. . .
章4
オフィスに迎えに来てもらってアパートに帰ってからすぐにお互いに抱きしめ合おうとした。最初は両腕を彼の腰に巻きつけると、自分の顔が直接に胸に埋まったので、代わりに肩越しに回すためにつま先で立とうとしたが、私は長い時間そのままバランスを保つことができなかった。彼もずっと身を屈めるのは無理だったので、結局腰に私の脚を巻きつけて、私を一気に優しく持ち上げた。
「よっしょ!これでいいかな?」と彼はそっと笑った。 「重くない?」と私は眉を顰めながら聞いた。 「かなり軽いよ」 「ふーん」と勘繰るような表現で口を尖らせた。
目を逸らさず、鼻先をくっつけて、すりすりしてきた。
「ここまで来てくれて本当に嬉しいの」と私は囁いた。 「めっちゃ会いたかったよ」
「君に最も幸せになって欲しいし、いつも応援してるけど、そんなに幸せにしてあげることができる人って俺じゃない」と彼に言われたときに最初は面食らったが、一瞬の間を置いて我に返ってから「うん、自分自身の気持ちを抑え込むよりちゃんと伝えたり、相手の感情もよく理解したり、相当に対応したり、またはせめて誤解があったら前向きに積極的に話し合ったりすることができる人の方と気が合うよね」と頷いた。「だって、ここ一ヶ月間お前に言うに言えなかったことあるの。会話が静まった咄嗟に、お前は他の他愛のないことで気が紛れるから、こっちはゆっくりと切り出せる余裕がなかったし」 「ん?」 「ね、お前にいきなり電話した夜、覚えてる?結構遅かったから、そろそろ寝ないと、ってお前に言われたもん」 「ああ、覚えてるよ。めっちゃ眠かったんだ」と彼はそっと笑った。 「当時は、まあ、今でも、すごく言いづらくて喋り方が毎回ぎこちなくなってしまうけど、なんだろう、お前に電話かける数時間前に父にも電話してひとしきり最近の出来事についてやり取りして、母が父と絶交したのは二ヶ月前だと初めて聞いた。原因は散々愚かだったが、…母は私が大学院の代わりに就職活動に目を向けると聞いたとき、ひどく落胆してきて、私にまた大学院に申し込むように言い聞かせてくれとすぐに父に訴えようとしたが、『うちの娘にもうそんなことを言い付けられない 』と父に反対された。再話でこの部分でおそらく父に庇ってもらえていいねって思ってるんだろう?当時の私もそう思ったが、父はその舌の根も乾かないうちに、ろくでもないと見做す生物学の学士号で私が就職活できないと最初に諭そうとしたのに、結局父の主観を理解できるようになるまで何目の面接にも落ち続ける私を傍観するしかないとも吐き捨てた。その警告に従わなかったゆえの自業自得だと言わんばかりに。両親の落胆に圧倒されたから、気が紛れるために、お前に話してみようと思ってたのに…その瞬間にどれほど死にたかったのか口にすることができなかった」 「君がそんな気持ちを抱いてたって言ったらよかったのに。俺はたまに上手く慰めることができないのが他のことに気を取られているからだけど」 「大抵自分自身で処理した方がマシだというタイプにしては、さすがだよ」
困るときに友達に相談する私と、縁のない人からの視点や意見は無益だと思っている彼が、ずっとこのままにしては言った通りに幸せにしてくれない。一人は過酷に厳しい監視で絶え間なく見据えてくれる両親、もう一人はよそよそしい断続的に不在の両親から産まれ育たれたのが、あがり症のかまってちゃんと孤高の気取り屋の二人となってきた。
いきなりに「天然ボケ」と言い放たれた瞬間に、「で?」と私が言い返すところだったが、彼は私の首に顔を埋め込んできて「で、可憐」ともごもご打ち明けた。
「俺のタイプは… クール系女子かな?」と言われたとき、ああ、確かにその「クール系」というのは「可愛いだけ」の私に当てはまらないのが、なぜそもそも腑に落ちなかったんだろう?両方のアピールができると私は自慢に思ってしまったから。
幼い頃から完璧ではないと愛に値しないと教え込まれた私は、サイコホラーの深刻で不気味な執筆で自殺などの話題を読むことにより、自分の自殺念慮を理解してもらえて安堵感を感じさせる。仕事で手術を焦点にするのは、頭が良くないとしても、せめて手際よくなるまで練習でき��と自分に思い込んでいる。即ち、自尊心を誰でも否めないほどまで徐々につけるということ。
その一方、なぜ彼がラブコメやテイラー・スイフトにすごく目がないのか決して理解できない。首を傾げて「魅力ってどこだったっけ?」と素直に聞くと「素敵なところはどこでもあるから、美術を見る目がなくてもったいない」と窘められてしまう。少なくとも「救い難いロマンチスト」と彼が自称することによりの自覚で少し許せる。
彼は若いときから自立しなければならなかったのが、自分だけではなく妹たちのお世話する責任も負うようにさせられ、自分のことを考える余裕がなかった。交際ではやっと気を許して自分らしくしてくるたびに、すぐにガラッと当時の恋人に振られたのは追い討ちをかけるじゃないか。 両方とも無条件に愛されたいという皮肉なんて。
背後から急にぎゅっとされたとき、私は肩越しに「ん?」と振り返った。 「今まで本当にありがとう」 「なぁに〜、その真剣な口調?」 「いつもお世話になりました」 「おお、丁寧語を使ってまでか」 「本気で言ってるよ!俺のために君がする些細なこと、俺が毛布を充分に持つかどうか見定めるために角からこっそりと覗いたり、外食に行くときに紹介してくれた食事がほとんど俺の口に合ったりするって、全部認めてるよ」 「友達だから当然でしょ」とにっこりと笑いかけた。 「それもあるけど、お前が特に優しくて俺にとって本当に大切なんだ」
彼に抱いてもらったままに「正直にいうと、ここ一年間半ぐらい私たちは少しずつ絶交してくる感じがするの。私をだしにしてお前はひっきりなしに容赦なく冗談を作って大笑いしてるから、まるで時間が経つにつれて私のことがどんどん嫌いになっていくのかように、本当に訪れてきてくれたくなかったではないかと勘ぐらずにはいられなかった」と私はおどおどと打ち明けた。 「俺はただ普通の友達に会うためにも、自分の心地良い家を出るわけではないよ、ましてや六時間運転することなんて。現在にお前と一緒にいるのは、心底から会いたかったんだ」 「と私に言い聞かせようとしてるけど、理解と納得できないのは私を酷く馬鹿にする所謂冗談を連発するところなの!」 「打ち解ければ打ち解けるほど本音を自由に引き出して冗談がますます激しくなってくるけど、俺が言ってた間抜けな事を、お前は真面目に受け取ると思わなかった」
というわけで、建前はほとんど無関心だと見做すほど内向的で冷静沈着だが、本音はふざけてばかりいるというのは、両方とも主観を露にしないじゃない。
「何回も同じいわゆる冗談を繰り返したら、本気で言ってると考えてくるのは不合理ではないの」 「じゃあ、これから君と話したら、そんな冗談はちょっとでも控えるように心がかけていけるけど、本当の自分はいつもふざけたりからかったりしがちだし、誰のためにも自分を変えないよ」 「では、心ゆくまでたっぷりとふざけることができないと、完膚なきまで自分らしく生きることもできないのは、厳密にいうと、お互いに相性が合わないじゃない」 「そうとも言えるけど…議論すると、相互理解まで徹底的に話し合ったら大丈夫なはずだと思うよ」
彼は正面切って認めないが、ごく稀に気が緩むと、心の裏を見透かせるようにその少ない規範に基づくことができる。真夜中に空気が澄んできたときに、カップが半分しか入ってなくなって、私たちを囲まった虚空を懺悔室にした。 「怖いよ、付き合う相手を選び間違うのって」 「… 誰かを愛したことあるの?」 「ある」と彼は頷いて「永遠に一緒に暮らすのを仮にも考えてきたほど恋してた」ともぽつんと呟いた。 「何が起こったの?」 「手遅れになるまで心を開かなくて話さなかったのはすごく後悔しているんだ」 …が、矛盾的には心を開くと、自分自身を完膚なきまで拒否される機会も与えるので、そもそも自分のことを表さない方がいい、と暗黙的にわかってきた。 「だから、今度こそ、疑問を微塵も抱きたくない」 「そんなに紛れもなく納得させるまでかなり時間かかりそうじゃない?」 「また間違えたくない、むしろ、また間違えるわけにはいかない」
なのに「ね、一緒に暮らしたら、ウサギを飼える?子供の頃から俺はずーっとウサギが欲しかったよ!」と彼は軽々に提案したときもあった。 「私はジャンガリアンハムスターが欲しいの」 「うわっ、それもなんて可愛い!」 「だろー!」 「じゃあ、二匹とも飼おう!」 「オッケ〜、猫も二匹しよう。一匹だけだったら寂しいから」 「まったく同感」 「じゃあ、アパートを借りたら部屋はいくつ?」 「1部屋でいいかな」 「ほほう、やんわりと断りたいと思います。お前は他の友達とビデオゲームをすると、夜遅いだけではなく、みんなめっちゃくちゃうるせぇ!私が大切な睡眠を妨げられるなんてまっぴらだよ」ときっぱりと拒否した。 「おおっ、確かに…ちなみに、お前の台所の現状はダメだよ」 「何だって!」 「鉄製フライパンはおろか果物ナイフ以外は持ってない!」 「三徳包丁を一本持ってるし、今までずっとなんとかできたし、それ以外には必要ではないという証明になるじゃないか。それより、逆にお前は超便利な泡立て器とかゴムベラも持ってるわけではないし」と私は生意気にあかんべをした。 「そう。だからお前は俺の厨房に入ったらまったく場違いな気がするけど、俺たちの別々の調理道具を一つの台所で組み合わせたら、徹底的に完璧な台所になるよ」 「もう高齢の夫婦のように間抜けなことについて口論してるなんて」と私はため息して首を左右に振りながら、彼は肩をすくめてニコニコした。
「で、私のこと本当にどう思ってるの?」私はひたすら問いかけてみたとき、彼の唇から流した答えを頑張って把握しようとしたのに、まるで私の体が透明なのかようにすんなりと通り抜け、何も聞き取れなくて済んだ。
. . .
二人とも未練がましいというのは間違いないんだが、相互的だというわけではないね。
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z2om · 11 months
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台所にセイジがいる。2日後はハロウィンで、それに伴ってハロウィンリーグも開催される。この時期に一番忙しいのが研修チームなのは言うまでもないが、それ以外の部署の人間も、全く関係しないわけではない。それなりの忙しさや騒々しさを持ってして、この時期を過ごすものだ。
そんななか、台所にセイジがいた。なにかを調理していることは明らかで、なにをつくっているのかと尋ねたものの、セイジはただ言葉を濁して笑うだけだった。聞かれたくないことは深く聞く必要がないことだ。時と場合にもよるが、今はそれが正しいのだと思う。
普段通りだと、空いたスペースで自身の食事を用意しても良いのだが、今日のセイジは普段通りではなかった。セイジはおれによく話しかける。はっきりとした返答をしようがしまいが、彼には関係ないようで、2人でいる時に沈黙があるという状況は、どちらかといえば珍しいものだった。彼は今、黙っている。黙っていて、ただ、何かを淡々と調理している。おれはそれがおわるのを待つことにした。自分の食事を用意するのは、セイジの気が済んでからでも問題なかった。
「ねえ、ニコ」
一定の時間が流れたあたりで、セイジは突然声を出した。声の感じはいつもと同じだった。
「なに」
「食べたら不老不死になれるもの、知ってる?」
「は?」
セイジはどこか楽しげだった。なぞなぞか、はたまた都市伝説のはなしか。質問の意図を理解する前にセイジは続けて話し出す。
「今ね、人魚の肉で、につけ?つくってるんだよ」
につけ、とは、煮付けのことだろうか。確か日本食で、ソイソースとかいうので煮た魚の料理。酒とか砂糖とかも使うんじゃなかったか。
「何の肉って言った?」
「人魚だよ!」
人魚。はて、なんだろう。トリックオアトリートのトリックの方の話かな。固まるおれを他所に、セイジは1人話し続ける。
「マーケットにさ、売ってたんだ〜。『あなたもこの人魚の肉を食べれば不老不死になれる!』ってポップが飾られてて!ふふ、ハロウィンってたの���いよねえ。つい買っちゃった」
ああなるほど、セイジ発信のというよりは、巷発信のトリックだったか。さてその正体はなんだろうと、掛けていたハイチェアを降り、フライパンを覗く。やはり魚だ。売られていたパッケージを見れば何の魚かわかるだろうが、目のつくところには見当たらなかった。早々に捨てたのだろう。どうして煮付けにしたのかは、まあ特に気にはならなかった。
「先生だったら食べるかな?」
「え?」
右隣でフライパンを見つめるセイジの横顔が目に飛び込んでくる。これの意図はどこだ。セイジはかすかに笑っている。
「あ、そうだ、ニコ。先生が好きな大皿出してくれない?盛りつけるのにきっとちょうど良いよ!」
「あ、うん。わかった」
セイジの明るい声は、いつもおれを動かす。彼が地下で生まれた事実は、だれかの作り話みたいだ。ロビンが好きだった、縁に花の装飾がされたシンプルな白の大皿を、戸棚から出してやる。オムレツももちろん好きだが、この皿に盛られるロビンのラザニアが好きだったことを思い出した。好みだったロビンの料理はほとんど教わったが、そのラザニアだけは教わらなかった。今となって思えば、ロビンにつくってもらうことそのものが嬉しかったのかもしれない。ロビンはそれに気づいていたのだろうか。もうすでに聞くあてもないが、ただひとつ、ロビンのラザニアはなんだかやさしかった。
「ありがとう、ニコ。」
慣れているかのような手つきで、セイジは人魚の肉とやらでつくられた煮付けを、次々に皿に盛っていく。過去につくったことがあるのだろうか?いやしかしさっきの様子だと、煮付けのこと自体、さほど知らないようだった。やはり今日のセイジはどこかおかしい。特に探りを入れたりはしないけれど。
さて、と盛りつけ終えたセイジは、その大皿を見つめている。セイジはかすかに笑っている。
「先生だったら食べるかな」
ついさっきも聞いた言葉だった。ただそれはおれに向けられているわけではなく、空気に吐き出され、消えた。
「どうだろう、食べないかもね」
「はは、やっぱりそうかな。あ、でももしかしたら僕がつくったからって食べてくれるかも」
「それは、そうかも」
セイジが黙る。予想だにしていなかった沈黙に、ほんの少し動揺した。「ニコったらまたそんなこと言って」とかって、言われるのかと思ったのだ。ロビンとセイジが特段仲の良いことを、セイジは照れくさそうにする節がある。しばらく沈黙が続く。セイジはかすかに笑っている。
「ここに先生の体があったら、食べさせてあげられるのにな」
切実な声だった。もういないロビンを慈しむかのような、そういうものだった。
「そうしたら、セイジもそれを食べた?」
口をついて出た。ロビンと共に生きることを選ぶのかどうか、知りたかった。
セイジはそっと瞬きをした。あぁ、セイジはもうロビンがいないことを本当にわかっているんだと、それだけで理解できた。それでも尚、ここにロビンの体があったらと願うのか。そうして、これをつくったのか。共に生きることを躊躇いなく選ぶのか。
セイジはかすかに笑っている。おれはそれを見つめている。
「なんだか、食べるのこわくなっちゃった。これ置いておいてくれる?あとでちゃんと処分するから」
一間呼吸をおいたあと、セイジはあっけらかんとした手つきで、人魚の肉の煮付けが盛られた白の大皿を、シンクに下ろした。ここ使うでしょ?待たせてごめんね、と、使った調理器具もまとめてシンクに下ろしていく。
「おわったころにまたここに来るから、それ、適当に置いておいてね。あれだったらニコのも一緒に片づけちゃうから」
そうして足早にセイジは台所からいなくなった。おれと、人魚の肉が、シンクに取り残されている。人魚の肉はまだ温かい。空中にかすかな湯気と、ステンレスのシンクにかすかな水蒸気が揺れている。指で肉を掴む。よく煮込まれたそれはふんわりと解れ、手中に収まることなく皿に戻る。おれはもう一度それを掴み、口に含む。
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屋敷探索表
ロールorチョイスです。 ダイスを振る場合は、ロケーションを[[1d8]]で、詳細を[[1d6]]で決定できます。
表に描かれていることはフレーバーなので、一部のみ採用や、従わないことも可能です。 RP補助として便利にお使いください。
1)屋敷の中
1:福助人形がお茶を出してくれる。まさかこの人形、元は……? 一瞬ひやりとしたが、【任意の方法】で調べた結果、ちゃんと人形だ。ほっ。 2:芸者人形が丁重に布団を引いて部屋を整えてくれる。まさかこの人形、元は……? 一瞬ひやりとしたが、【任意の方法】で調べた結果、ちゃんと人形だ。ほっ。 3:玩具が沢山入った無地のつづらを見つけた。核らしきものは無いが、どれも状態が良い。大切にされてきたのだろう。 4:万が一の事態がある。【任意の帰還方法】はあるが、屋敷内で現世との境界が薄い場所は無いか探っておこう。 5:厨房では包丁を動かし竈へ竹を吹いて、人形たちが忙しく食事の準備をしている。……えっ? 自分が味見を? 6:厨房の裏口から道が続いている。万一のための脱出路として、頭に入れておく。
2)石畳の道
1:道に沿うよう、真っ赤なヒガンバナが咲いている。 2:外に出れば空がよく見える。満月も星も、いくら時間が経っても定位置から動かない。……そういえば、つづらの蓋の裏にも満月と星が描かれていた。ここは本当にあのつづらの中なのだろう。 3:屋敷の内外を隔てる竹垣の向こうへ目を凝らす。夜闇の向こうに見えるものはない。 4:気配を感じて振り向く!! なんだ、ススキが揺れているだけか……しかし前を向くと、やはり後ろで気配が……? 5:道沿いの東屋を覗いてみると、露天風呂が見えた。この屋敷の作りだけを見ると、本当に高級旅館に来たかのような錯覚を覚える。 6:屋敷の縁側が見える。屋敷の中からは気付かなかった。どこから入るんだろう……?
3)茶室
1:日本家屋特有の急な階段だ。一歩ずつ、確実に登っていく。ギシ……ギシ……といった音が恐怖をかき立てる。 2:二階部分から大きな池が見える。明るい時に見ればさぞ壮観な景色だったに違いない。 3:侘び寂びを感じさせる茶室だ。お湯が沸いている。まるで我々をもてなす準備が出来ているとでも言うように。 4:カタカタカタ……茶運び人形が抹茶と茶菓子を運んできた。主人からの”おもてなし”は、受けねばなるまい。 5:裏口から屋敷の厨房に通ずる道がある。なるほど、ここからお茶菓子を運ぶ作りになっているのだな。しかし今はもう少し茶室を探索しよう。 6:床の間だ。陶器の一輪挿しにススキとヒガンバナが活けられている。石畳の道で見かけたものと同じようだ。
4)庭園
1:大きな池に近づいても、水音のひとつもしない。覗き込んでみても、生き物の姿はないようだ。 2:目の前を、不意に真っ赤な色が横切る。……地面に落ちたものを確かめれば、何のことはない。色づいた紅葉だ。 3:池を横切る橋の上から屋敷を眺めれば、その大きさが改めてよくわかる。この中から、怪異の核を探し出さなくては……ゲームが終わる前に見つかるか、定かではないが。 4:庭園に造られた道を歩いていくと、道々の石灯篭にひとりでに灯がともる。……呪力は感じるが、核ではないようだ。 5:――カコンッ! 硬い音にはっと振り向く。なんだ、ししおどしか……。 6:池の向こう側に、簡素な作りの茶室が見えた。風景を邪魔しない大きさになっている。計算された侘び寂びだ。
5)調査
1:もてなし人形は呪力を帯びているが、核は感じられない。これらはただの人形のようだ。 2:異界内に入ってから、核と思しき大きな呪力の反応は常にある。しかし、いまいち場所が掴めない。 3:現世との通信は断たれている。きっちりと蓋の閉められた、箱の中のように。 4:空を見上げる。蒼褪めた不動の月が、不気味だ。 5:生きたものの気配がしない。それなのに時折視線を感じるのはもてなし人形か、それとも……。 6:一夜明けて屋敷を確認してみるが、変わりはない。ひとまず、間取りが変わることはなさそうだ。
6)露天風呂
1:掃除をしている人形たちに「申し訳ございません、もう少しでお湯の準備が出来ますので……」と追い出されてしまった。 2:露天風呂の横に釜がある。どうやらここでお湯を沸かしているようだ。煤まみれで一心不乱に薪を投入する人形がいる。邪魔するのも悪いかな…… 3:見事な岩肌、そして満月を眺めるのに丁度良い角度の温泉だ。満月が動かないからこそのベストポジション。 4:脱衣所がある。何の変哲もない脱衣所だ。体重計と扇風機が置かれている。 5:薪棚に大量の薪が積まれている。この閉ざされた世界のどこから持ってきたのだろう。 6:準備をしていた人形に話を聞く。「事前にご注文頂ければ牛乳やお酒もお持ちできますよ」そういう情報が欲しかった訳ではないのだけれど、とりあえずお礼は言っておこう。
7)屋敷の中Ⅱ
1:福助人形がお茶を運んでいる。この光景も、何だか見慣れてきたな……刺激しないように会釈をしてすれ違う。 2:芸者人形が丁重に布団を引いて部屋を整えてくれる。通じているかどうかは分からないが、お礼を言う。お疲れ様です。 3:玩具が沢山入った無地のつづらを見つけた。……こっそりと、【任意の罠】を仕掛けてみようか。これだけあるのだ、気づかれまい。 4:一度調べたはずの通路……のはずが、新しい部屋を見つける。遊戯場のようだ。ビリヤード台が置かれている。ハイカラというか違和感というかは微妙なところ。 5:厨房の人形たちに味見をお願いされる。一口頂いて、無難な感想を述べる。厨房を離れたあとでヨモツヘグイ対策のお団子を食べることを忘れずに。 6:厨房の裏口から道が続いている。なるほど、これが茶室に続いているんだな。
8)石畳の道Ⅱ
1:道に沿うよう、真っ赤なヒガンバナが咲いている。数日前に蕾だった花は、今も咲いていない。日数が経っているはずなのに。 2:外に出れば空がよく見える。満月も星も、いくら時間が経っても定位置から動かない。空を見上げて、現世のことを思い浮かべる。あちらではどれだけの時間が過ぎただろうか。 3:屋敷の内外を隔てる竹垣の外に、小さな石を投げてみる。不思議な力でカツリと跳ね返った。やはり脱出は無��なのだろうか。 4:気配を感じる。どうせまたススキでしょ? ……と油断を見せておいて急に背後を振り向く!! ススキでした。 5:露店風呂がある。これに入って月を見上げるのも風流というものなのかもしれない。全く動く気配のない月を風流と呼ぶかはさておき。 6:屋敷の縁側が見える。探索の途中だけど、少し休んでいこうかな、と思ったが、あまりにも今の状況に慣れ過ぎている自分に気付く。
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