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#演劇感想
2gsahoko-intermission · 2 months
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劇団四季『キャッツ』静岡公演感想
先日、ゼミ生たちを連れて劇団四季『キャッツ』静岡公演を見てきた。
劇場で『キャッツ』を見たのは、かなり久々だった。20年前とまではいかないが、10年はくだらない。そんな感じである。
他方、元はヴィデオ販売用に撮影されたイギリス版『キャッツ』のDVDは毎年授業で見せており、四季版はイギリス版から多少変更が加えられているという印象で長らくいた。
ところが、静岡で久々に四季版を見たら、DVDで何度も見たイギリス版に即しているではないか。特に『キャッツ』ファンでもないため全く情報を追っていなかったのもあって、だいぶ驚いた。
マンゴジェリーとランプルティーザーの曲は昔の四季版のジャジーなムードから大衆芸能によく見られるパター・ソングっぽくなっていたし、オールデュトロノミー(OldとDeutoronomyの間でDの脱落が起こっているのも昔とは違う気がする…)登場後のランバス・キャットのエピソードが増えていた。ランバス・キャットのエピソードは、曲が挿入される位置も曲自体も冗長で、以降ランバス・キャットが一切登場しないこともあって、DVD見るたびに謎だなぁと感じていたのだが、舞台で見ても相変わらず謎でした。謎であることが大事なのかもしれない。
また、今回の上演では歌い手の配置に結構変更が生じていたように思う。たとえば、ジェニエニドッツの曲は、マンカストラップのソロとジェリーロラム・ジェミマ・タントミールの三匹のコーラスが交互に展開するものと記憶していたけれど、今回の静岡上演では、ジェニエニドッツによるネズミたちの教育が終わった後に再びマンカストラップが歌い出すと、すぐにジェリーロラム・ジェミマ・タントミールも加わっていて、新鮮だと感じた。これはある段階からどの劇場で上演する時にもそのようにしているのか、あるいは劇場の規模などに合わせて歌声の厚みの調整をおこなっているのか、どちらだろうか。
そんな具合に、記憶との対話をしながら楽しんだ。
もう一つ、今回の『キャッツ』を見ながら、「ジェリクル・ボール『キャッツ』」は確かに良いアイディアだと(実際の上演は見ていないにも関わらず)確信するに至った。
「ジェリクル・ボール『キャッツ』」で演者たちは猫の扮装をしていない。「ボール・ルーム」に集ったクィアなダンサーたちが『キャッツ』の曲を歌い踊るのである。
ボール・カルチャーと『キャッツ』の接合というと一見トリッキーに思われるかもしれない。しかしよくよく考えてみると、元から『キャッツ』は非常にクィアでボール・カルチャー的である。人間の庇護に浴しきらない誇り高き猫たちが、自らが何者であるかを存分に主張し、年に一度の祭りで顕彰される存在となるべく歌い踊る。鮮烈な衣装とメイクによって猫になり、排除と包摂の物語が紡がれ、最後には「猫は猫であって、犬にあらず」と高らかに宣言する。あれ?We’re Here(ドラァグレース出演経験があるドラァグクイーンたちが、アメリカ各地を旅して、人びとの自己実現や自己受容をドラァグカルチャーで助けるという番組)でも見ているのか?と思わず目を擦った。第一幕の最初と最後をそれぞれ飾る長大なダンス・シーンでところどころ見せる立ち姿など、We’re Hereでも見ているのか?と(以下略)
ボールルーム・カルチャーの深化と『キャッツ』初演は時期がおおよそ重なるわけだが、両者の間に回路が開かれていることを初演から45年経って提示した「ジェリクル・ボール『キャッツ』」は、『キャッツ』の精神を汲んだ翻案として受容されたであろうことは、容易に推察がつく。フランチャイズと揶揄される「メガミュージカル」代表の一つ『キャッツ』が、こうして大胆に翻案されていくのも、興味深いと感じた。
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akeinn · 1 year
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自分の内側のことを目に見える形にするとき、どうしても、「苦しい」「辛い」部分がとても大き過ぎて、他の誰かにそれを共有することは負荷になる。この作品を観させていただき、改めてそれを考えました。
苦しくもありましたが、それだけではなく、ユーモアもありおもしろかったです。
自分自身(または自分たち)と向き合うことや、ヒントや光をくれる存在たちとの交流、時間軸の交差?の演出、そして演者さん方のまとう空気感が絶妙で、素敵でした。
どんなに嫌ったり否定する時間が長くても、私は、私の心強い味方なんだと思えました。玉入れをした後にまどか達がぎゅっと抱き合う場面、すごく印象的でした。好きな場面です。
あと、28歳のまどかが水の中?に落ちて真っ暗の中、まどかがガドラ(名前間違えてたらごめんなさい…)の懐中電灯に照らされた時の影がロウソクみたいで、そのロウソクの火がふっと消えたみたいなところがすごく好きです。
長文になり、すみません。。観ることができて良かったです!千秋楽まで無事に駆け抜けて下さい。
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freddyli0824 · 2 years
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@freddyli0824 像心適意跟大家分享下 - 十八四二年 — #百感交陳 1842 — 💎鄙人評價:味道唔錯,幾甘! — 🕵🏻‍♂️描述 — 今日,是鄙人生活的城市自南京條約簽訂後的第180個年頭,鄙人有幸獲演藝界方面的恩師黎文卓邀請參演一部名為1842的活報劇,同行的包括多位演藝界的出色藝人,當中包括資深演員暨藝人陳鋭強先生,述說了五代人的故事~😆 #表演 #國慶日 #為何我會想起天水圍墮天地⋯⋯ #戲劇 #Drama #Drawing #素描 #hkillustration #FreddyLi https://www.instagram.com/p/CjLUZnGv7lv/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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elle-p · 4 months
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Scan and transcription of the Persona 3 part of Newtype Magazine February 2016
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春、夏、秋を経て冬、理が出す答えを見届けて
監督 田口智久
死を見つめる季節のフィナーレに
第1章でコンテ、第2章で監督を務めてこられた劇場版「ペルソナ3」ですが、ファイナル・シーズンである第4章は、どのような気持ちで臨んだのでしょう?
田口 第3章で自分が監督としてかかわっていない劇場版「ペルソナ3」を見ることができたのが、刺激になりました。自分とはまったく違う方法論で構築されていて、僕がやったら確実にこうならないですし、なんというかジェラシーのようなものを感じまして。ああ、ペルソナって、こういうふうにつくることもできるんだ、と。それを受け止めることができたからこそ、第4章では、自分のやり方を突き詰めたフィルムにしなくてはと思いました。あとは、やっぱりフィナーレということでのプレッシャーが大きかったです。
第4章の物語の関となるのは?
田口 理と綾時の関係性ですね。そこヘシャドウの母体であるニュクスが襲来したり、それに伴ってみんなの心がダウナーになって⋯⋯という展開で、ずいぶん重いものになっています。でも、みんなが悩んでいる部分にしっかり尺を取って描いているので、映画ならではの見せ方ができているのでは、と思います。
理にスポットが当たっていきますが、どのように描きましたか?
田口 第3章に、理が旅館の池に落ちて笑うシーンがありますけど、あの理を経ての理をしっかり追っていこうと考えていました。今作では、抱えきれないほどの絶望を前に、悩み、立ち止まってしまうというところまで、みんなが落ちてしまうんですけど、そのなかで理が見つけ出す答えというのが、全4章通してのテーマでもあり、象徴的なセリフになっています。そして、それは、第3章で笑った理がいなければ、たどり着けなかった答えなんじゃないかな、と。
それから、綾時とアイギスも、重要な存在ですね。
田口 すごく極端な⋯⋯本当に超極端な言い方ですけど「綾時と理は両想い。アイギスは理に片想い」っていうのを、こっそり頭の片角に置いてました(笑)。もちろん僕独自の解釈なので、いろんなとらえ方をしてほしくもあるのですが。ただ、そうやって、アイギスがヒロイン然としているわけではないからこそ、ペルソナならではの仲間感が出る、というのもあるんですよね。
理と綾時に重点が置かれていくとなると、その二役を演じられている石田彰さんのアフレコもすさまじいものになったのでは。
田口 石田さんだけ別の週に理以外の綾時を中心とした声を録らせていただいてから、全体アフレコの週に理としてみんなといっしょに録らせていただいた感じなんですけれど、本当にすばらしかったです。演技に対するストイックさが本当にプロフェッショナルで、ご自身で「今のは少し綾時が出てしまったから」とリテイクを申し出てくださったり。
全体的にも、とてもスムーズなアフレコになったそうですね。
田口 圧倒的にスムーズでした。特に今回は静かなシーンが多くて、感情的にセリフを吐くような場面はほとんどないんですけど、その淡々とした空気感を成立させるのは難しいはずなのに、自然にスッとやってしまえるのがこのチームの方々の成せる技。こんなに研ぎ澄まされた現場は、なかなかないのではないかと。
細かな心情描写という意味では?画づくりにもこだわられたのでは?田口監督の描き出すダウナーな情景描写が楽しみです。
田口 カッティングが終わった後に、編集さんに言われたひと言が「暗っ!」でしたからね(笑)。刺されて死ぬとか大惨事が起こって死ぬとかのサスペンス的な死ではなくて、非常に観念的な死についての物語なので、精神的にどうやられていくかというのを、どう表現するかが課題で。光や色味の演出であったり、降ってくる雪の量で表現していきました。アニメで雪が降りつづけている作品もあまりないんじゃないかと思うんですけど、心情とマッチさせたいなあというところで、力を入れています。作画もすごいアニメーターさんたちが集まってくださっていて、誇張された動きというよりはリアル寄りの芝居をていねいに描いてくださっています。全然動いているように見えないところにも実は枚数が割かれていて、作画枚数もこれまででいちばん使っているんですよ。
最後に、今作を描くうえでの最大のポイントだったと考えるシーンを教えてください。
田口 ラストですね。それは第4章を担当すると決まったときから、見据えていたビジョンでもあります。第1章の春からともに季節を経てきた理と仲間たちが迎える、そのラストを見届けてほしいです。
#1 Spring of Birth
1日と1日のはざまに隠された影時間。そこにはびこる怪物・シャドウに襲われて、無気力症となってしまう者が町に続出していた。対抗できるのは、ペルソナという特殊な能力をもつ者だけ。春、私立月光館学園に転校してきた結城理は、ペルソナの力に覚醒し、同じくぺルソナの力をもつ者たちが集う特別課外活動部へと引き入れられる
#2 Midsummer Knight's Dream
夏休みに屋久島旅行に向かった特別課外活動部。そこでアイギスという女の子に出会う。彼女は対シャドウ特別制圧兵装のラストナンバーであり、なぜか理のそばにいることを望むのだった。理たちは影時間の謎を追いながら、さらに新たな仲間と出会い、きずなを深めていく。だがそこにストレガと名のる者たちが現われ⋯⋯
#3 Falling Down
季節は秋。特別課外活動部は、影時間を終わらせるため、シャドウや滅びを望むストレガとの死闘を重ねていた。ある者は仲間や家族の死と向き合い、ある者は護るべき者に気づき、ある者はこれまでの戦いの意味に葛藤する。そんなとき、理の前に謎の転校生、望月綾時が現われる。その出会いの先にあるものは⋯⋯
「PERSONA3 THE MOVIE #4 Winter of Rebirth」
●1月23日土全国ロードショー
●第3章Blu-ray&DVD 1月20日水発売
WEB▶http://www.p3m.jp/
Twitter▶@P3movie
illustrated by YUKIO HASEGAWA, finished by SAORI GODA
background by BIHOU, text by HITOMI WADA
©ATLUS ©SEGA/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
STAFF 原作=「ペルソナ3」(アトラス) 脚本=熊谷純 スーパーバイザー=岸誠二 キャラクターデザイン=渡部圭祐 ペルソナデザイン=秋恭摩 プロップデザイン=常木志伸 色彩設計=合田沙織 美術監督=谷岡善王(美峰) 美術設定=青木薫(美峰) コンポジット&ビジュアルディレクター=高津純平 編集=櫻井崇 音楽=目黒将司、小林哲也 音響監督=飯田里樹 第4章監督=田口智久 制作=A-1 Pictures
CAST 結城理=石田彰 岳羽ゆかり=豊口めぐみ 伊織順平=鳥海浩輔 桐条美鶴=田中理恵 真田明彦=緑川光 山岸風花=能登麻美子 アイギス=坂本真綾 天田乾=緒方恵美 荒垣真次郎=中井和哉 イゴ ール=田の中勇(特別出演) エリザベス=沢城みゆき
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g-men-movie · 1 year
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G組メンバーと共にアツい青春を過ごす“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】ヘッドヒロイン・上城レイナ役は恒松祐里‼ ド派手な特攻服に身を包んだ迫力満点のビジュアルも到着‼
★“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】のヘッド・上城レイナ(かみじょう・れいな)役・恒松祐里が解禁!
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この度解禁となったのは、勝太たちと一緒に青春を過ごすことになる“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】のヘッド・上城レイナ(かみじょう・れいな)役。レイナ役には、配信ドラマ「全裸監督シーズン2」で体当たりの演技が話題となり、連続テレビ小説「おかえりモネ」では片想いに悩む女性を好演、さらには配信ドラマ「今際の国のアリス2」、ドラマ「リバーサルオーケストラ」など話題作に続々出演し、今各方面から引っ張りだこの実力派女優・恒松祐里が抜擢!本作でメジャー映画初ヒロインを務めます。
恒松が演じるレイナは、“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】のヘッドであり、G組メンバーに真正面から啖呵を切るような強気で大胆な性格。一方で、岸演じる勝太に密かに恋心を抱きながらもなかなか素直になれないという、恋愛には奥手でピュアな一面も持ち合わせたキャラクター。同時に解禁となったキャラクタービジュアルでは、斜に構えながらも力強い眼差しを見せる迫力あるレイナの姿が。かなり明るめの茶髪に、筆文字で書かれた“愛羅武勇”“硬派愚連隊”という大きな刺繍が入ったド派手なピンクの特攻服に身を包み、気合いの入った“正装姿”を見せています。
劇中では、体を張ったアクションを見せる喧嘩シーンも披露するなど、インパクト抜群の “レディース”姿を見せ、物語に大きな波乱を巻き起こすヒロインを存在感たっぷりに演じ切っています。特攻服を脱いだピュアな姿とのギャップにもご注目。是非ご期待ください!
★恒松祐里(上城レイナ役)コメント
上城レイナ役を演じました。恒松祐里です。 初めてのレディース総長役。強そうに見えて繊細なところもあるレイナは瑠東監督が様々な一面が見えるように演出して下さり、演じていて楽しかったです!岸さんは自然とそこにいるだけでキャスト、スタッフを笑顔にして下さり、「こんなに愛される座長はいるのか!」というくらい全員から慕われていました。真摯に目の前にいる相手と向き合う登場人物達に心を動かされると思います!皆さんのアクションシーンも超絶カッコ良いので見たらきっと「愛羅武勇Gメン!」と叫びたくなるはず!公開をお楽しみに!!
公式サイト
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simamamoru · 2 months
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汚辱の日々  さぶ
  1.無残
 日夕点呼を告げるラッパが、夜のしじまを破って営庭に鳴り響いた。
「点呼! 点呼! 点呼!」
 週番下士官の張りのある声が静まりかえった廊下に流れると、各内務班から次々に点呼番号を称える力に満ちた男達の声が騒然と漠き起こった。
「敬礼ッ」
 私の内務班にも週番士官が週番下士官を従えて廻って来て、いつもの点呼が型通りに無事に終った。辻村班長は、これも毎夜の通り
「点呼終り。古兵以上解散。初年兵はそのまま、班付上等兵の教育をうけよ。」
 きまりきった台詞を、そそくさと言い棄てて、さっさと出ていってしまった。
 班付上等兵の教育とは、言い換えれば「初年兵のビンタ教育」その日の初年兵の立居振舞いのすべてが先輩達によって棚卸しされ、採点・評価されて、その総決算がまとめて行われるのである。私的制裁をやると暴行罪が成立し、禁止はされていたものの、それはあくまで表面上でのこと、古兵達は全員残って、これから始まる凄惨で、滑稽で、見るも無残なショーの開幕を、今や遅しと待ち構えているのであった。
 初年兵にとつては、一日のうちで最も嫌な時間がこれから始まる。昼間の訓練・演習の方が、まだしもつかの間の息抜きが出来た。
 戦闘教練で散開し、隣の戦友ともかなりの距離をへだてて、叢に身を伏せた時、その草いきれは、かつて、学び舎の裏の林で、青春を謳歌して共に逍遙歌を歌い、或る時は「愛」について、或る時は「人生」について、共に語り共に論じあったあの友、この友の面影を一瞬想い出させたし、また、土の温もりは、これで母なる大地、戎衣を通じて肌身にほのぼのと人間的な情感をしみ渡らせるのであった。
 だが、夜の初年兵教育の場合は、寸刻の息を抜く間も許されなかった。皓々(こうこう)とした電灯の下、前後左右、何かに飢えた野獣の狂気を想わせる古兵達の鋭い視線が十重二十重にはりめぐらされている。それだけでも、恐怖と緊張感に身も心も硬直し、小刻みにぶるぶる震えがくるのだったが、やがて、裂帛(れっぱく)の気合
怒声、罵声がいり乱れるうちに、初年兵達は立ち竦み、動転し、真ッ赤に逆上し、正常な神経が次第々に侵され擦り切れていった。
 その過程を眺めている古兵達は誰しも、婆婆のどの映画館でも劇場でも観ることの出来ない、スリルとサスペンスに満ち溢れ、怪しい雰囲気につつまれた素晴しい幻想的なドラマでも見ているような錯覚に陥るのであった。幻想ではない。ここでは現実なのだ。現実に男達の熱気が火花となって飛び交い炸裂したのである。
 なんともやりきれなかった。でも耐え難い恥辱と死につながるかもしれない肉体的苦痛を覚悟しない限り抜け出せないのである。ここを、この軍隊と云う名の檻を。それがあの頃の心身共に育った若者達に課せられた共通の宿命であった。
 この日は軍人勅諭の奉唱から始まった。
「我ガ国ノ軍隊ハ代々天皇ノ統率シ賜ウトコロニゾアル……」
 私は勅諭の奉唱を仏教の読経、丁度そんなものだと思っていた。精神が忘れ去られ、形骸だけが空しく機械的に称えられている。又虐げられた人々の怨念がこもった暗く重く澱んだ呻き、それが地鳴りのように聞こえてくるそんな風にも感じていた。
 勅諭の奉唱が一区切りついたところで、一人の古兵が教育係の上等兵に何か耳うちした。頷いた上等兵は、
「岩崎、班長殿がお呼びだ。すぐ行けッ」
 全員の目が私に集中している。少くとも私は痛い程そう感じた。身上調査のあったあの日以来、私は度々辻村机長から呼び出しをうけた。あいつ、どうなってんだろ。あいつ班長殿にうまく、ゴマすってるんじゃないか。あいつ、俺達のことを、あることないこと、班長殿の気に入るように密告してるんじゃないか。同年兵も古兵達も、皆がそんな風に思っているに違いない。私は頑なにそう思い込んでいた。
 つらかった。肩身が狭かった。
 もともと私は、同年兵達とも古兵達とも、うまくいっていなかった。自分では余り意識しないのだが、私はいつも育ちや学歴を鼻にかけているように周囲から見られていたようである。運動神経が鈍く、腕力や持久力がからっきし駄目、することなすことがヘマばかり、ドジの連続の弱兵のくせに、その態度がデカく気障(きざ)っぽく嫌味で鼻持ちがならない。そう思われているようだった。
 夏目漱石の「坊ちゃん」は親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしていたと云うが、私は生まれつき人みしりのする損なたちだった。何かの拍子にいったん好きになると、その人が善人であれ悪人であれ、とことん惚れ込んでしまうのに、イケ好かない奴と思うともう鼻も引つかけない。気軽に他人に話しかけることが出来ないし、話しかけられても、つい木で鼻をくくったような返事しかしない。こんなことではいけないと、いつも自分で自分を戒めているのだが、こうなってしまうのが常である。こんなことでは、同年兵にも古兵にも、白い眼で見られるのは至極当然内務班でも孤独の影がいつも私について廻っていた。
 あいつ、これから始まる雨霰(あめあられ)のビンタを、うまく免れよって――同年兵達は羨望のまなざしを、あいつ、班長室から戻って来たら、ただではおかないぞ、あの高慢ちきで可愛いげのないツラが変形するまで、徹底的にぶちのめしてやるから――古兵達は憎々しげなまなざしを、私の背に向って浴せかけているような気がして、私は逃げるようにその場を去り辻村班長の個室に急いだ。
 2.玩弄
 部屋の前で私は軽くノックした。普通なら「岩崎二等兵、入りますッ」と怒鳴らねばならないところだが、この前、呼び出しをうけた時に、特にノックでいいと辻村班長から申し渡されていたのである。
「おう、入れ」
 低いドスのきいた返事があった。
 扉を閉めると私はいったん直立不動の姿勢をとり、脊筋をぴんとのばしたまま、上体を前に傾け、しゃちこばった敬礼をした。
 辻村班長は寝台の上に、右手で頭を支えて寝そべりながら、じっと私を、上から下まで射すくめるように見据えていたが、立ち上がって、毛布の上に、どっかとあぐらをかき襦袢を脱ぎすてると、
「肩がこる、肩を揉め」
 傲然と私に命じた。
 私も寝台に上がり、班長の後に廻って慣れぬ手つきで揉み始めた。
 程よく日焼けして艶やかで力が漲っている肩や腕の筋肉、それに黒々とした腋の下の毛のあたりから、男の匂いがむっと噴き出てくるようだ。同じ男でありながら、私の身体では、これ程官能的で強烈な匂いは生まれてこないだろう。私のは、まだまだ乳臭く、淡く、弱く、男の匂いと云うには程遠いものであろう。肩や腕を、ぎこちない手つきで揉みながら、私はふっと鼻を彼の短い頭髪やうなじや腋に近づけ、深々とこの男の乾いた体臭を吸い込むのだった。
「おい、もう大分、慣れて来たか、軍隊に」
「……」
「つらいか?」
「いエ……はァ」
「どっちだ、言ってみろ」
「……」
「つらいと言え、つらいと。はっきり、男らしく。」
「……」
「貴様みたいな、娑婆で、ぬくぬくと育った女のくさったようなやつ、俺は徹底的に鍛えてやるからな……何だ、その手つき……もっと、力を入れて……マジメにやれ、マジメに……」
 辻村班長は、岩崎家のぼんぼんであり、最高学府を出た青白きインテリである私に、マッサージをやらせながら、ありったけの悪態雑言を浴びせることを心から楽しんでいる様子であった。
 ごろりと横になり、私に軍袴を脱がさせ、今度は毛深い足や太股を揉みほぐし、足の裏を指圧するように命じた。
 乱れた越中褌のはしから、密生した剛毛と徐々に充血し始めた雄々しい男の肉茎が覗き生臭い股間の匂いが、一段と激しく私の性感をゆさぶり高ぶらせるのであった。
 コツコツ、扉を叩く音がした。
「おお、入れ」
 私の時と同じように辻村班長は横柄に応えた。今時分、誰が。私は思わず揉む手を止めて、その方に目を向けた。
 入って来たのは――上等兵に姿かたちは変ってはいるが――あっ、辰ちゃんではないか。まぎれもなく、それは一丁目の自転車屋の辰ちゃんなのだ。
 私の家は榎町二丁目の豪邸。二丁目の南、一丁目の小さな水落自転車店、そこの息子の辰三は、私が小学校の頃、同じ学年、同じクラスだった。一丁目と二丁目の境、その四つ角に「つじむら」と云ううどん・そば・丼ぶり物の店があり、そこの息子が今の辻村班長なのである。
 私は大学に進学した関係で、徴兵検査は卒業まで猶予されたのであるが、彼―― 水落辰三は法律通り満二十才で徴兵検査をうけ、その年か翌年に入隊したのだろう。既に襟章の星の数は私より多く、軍隊の垢も、すっかり身についてしまっている様子である。
 辰ちゃんは幼い時から、私に言わせれば、のっぺりした顔だちで、私の好みではなかった��、人によっては或いは好男子と言う者もあるかもしれない。どちらかと言えば小柄で小太り、小学校の頃から既にませていて小賢しく、「小利口」と云う言葉が、そのままぴったりの感じであった。当時のガキ大将・辻村に巧みにとり入って、そのお気に入りとして幅をきかしていた。私が中学に入って、漢文で「巧言令色スクナシ仁」と云う言葉を教わった時に「最っ先に頭に想い浮かべたのはこの辰ちゃんのことだった。ずる賢い奴と云う辰ちゃんに対する最初の印象で、私は殆んどこの辰ちゃんと遊んだ記憶も、口をきいた記憶もなかったが、顔だけは、まだ頭の一隅に鮮明に残っていた。
 辻村班長は私の方に向って、顎をしゃくり上げ、辰ちゃん、いや、水落上等兵に、「誰か分かるか。」
 意味あり気に、にやっと笑いながら尋ねた
「うん」
 水落上等兵は卑しい笑みを歪めた口もとに浮かべて頷いた。
「岩崎、裸になれ。裸になって、貴様のチンポ、水落に見てもらえ。」
 頭に血が昇った。顔の赤らむのが自分でも分った。でも抵抗してみたところで、それが何になろう。それに恥ずかしさに対して私は入隊以来もうかなり不感症になっていた。部屋の片隅で、私は手早く身につけていた一切合切の衣類を脱いで、生まれたままの姿にかえっ���。
 他人の眼の前に裸身を晒す、そう思うだけで、私の意志に反して、私の陰茎はもう「休メ」の姿勢から「気ヲ付ケ」の姿勢に変り始めていた。
 今日は辻村班長の他に、もう一人水落上等兵が居る。最初から突っ張ったものを披露するのは、やはり如何にもきまりが悪かった。しかも水落上等兵は、私が小学校で級長をしていた時の同級生なのである。
 私の心の中の切なる願いも空しく、私のその部分は既に独白の行動を開始していた。私はどうしても私の言うことを聞かないヤンチャ坊主にほとほと手を焼いた。
 堅い木製の長椅子に、辻村班長は越中褌だけの姿で、水落上等兵は襦袢・軍袴の姿で、並んで腰をおろし、旨そうに煙草をくゆらしていた。班長の手招きで二人の前に行くまでは、私は両手で股間の突起を隠していたが、二人の真正面に立った時は、早速、隠し続ける訳にもいかず、両手を足の両側につけ、各個教練で教わった通りの直立不動の姿勢をとった。
「股を開け。両手を上げろ」
 命ぜられるままに、無様な格好にならざるを得なかった。二人の視線を避けて、私は天井の一角を空ろに眺めていたが、私の胸の中はすっかり上気して、不安と、それとは全く正反対の甘い期待とで渦巻いていた。
 二人は代る代る私の陰茎を手にとって、きつく握りしめたり、感じ易い部分を、ざらざらした掌で撫で廻したりしはじめた。
「痛ッ」
 思わず腰を後にひくと、
「動くな、じっとしとれ」
 低い威圧的な声が飛ぶ。私はその部分を前につき出し気味にして、二人の玩弄に任せると同時に、高まる快感に次第に酔いしれていった。
「廻れ右して、四つん這いになれ。ケツを高くするんだ。」
 私の双丘は水落上等兵の手で押し拡げられた。二人のぎらぎらした眼が、あの谷間に注がれていることだろう。板張りの床についた私の両手両足は、時々けいれんをおこしたように、ぴくッぴくッと引き吊った。
「顔に似合わず、案外、毛深いなアこいつ」
 水落上等兵の声だった。突然、睾丸と肛門の間や、肛門の周囲に鈍い熱気を感じた。と同時に、じりッじりッと毛が焼けて縮れるかすかな音が。そして毛の焦げる匂いが。二人は煙草の火で、私の菊花を覆っている黒い茂みを焼き払い出したに違いないのである。
「熱ッ!」
「動くな、動くとやけどするぞ」
 辻村班長の威嚇するような声であった。ああ、目に見えないあのところ、今、どうなってるんだろう。どうなってしまうのだろう。冷汗が、脂汗が、いっぱいだらだら――私の神経はくたくたになってしまった。
  3.烈情
「おい岩崎、今日はな、貴様にほんとの男ってものを見せてやっからな。よーく見とれ」
 四つん這いから起きあがった私に、辻村班長は、ぶっきらぼうにそう言った。辻村班長が水落上等兵に目くばせすると、以心伝心、水落上等兵はさっさと着ているものを脱ぎ棄てた。裸で寝台の上に横になった水落上等兵は、恥ずかしげもなく足を上げてから、腹の上にあぐらを組むように折り曲げ、辻村班長のものを受入れ易い体位になって、じっと眼を閉じた。
 彼白身のものは、指や口舌で何の刺戟も与えていないのに、既に驚くまでに凝固し若さと精力と漲る力をまぶしく輝かせていた。
「いくぞ」
 今は褌もはずし、男一匹、裸一貫となった辻村班長は、猛りに猛り、水落上等兵を押し分けていった。
「ううッ」
 顔をしかめ、引き吊らせて、水落上等兵は呻き、
「痛ッ……痛ッ……」と二言三言、小さな悲鳴をあげたが、大きく口をあけて息を吐き、全身の力を抜いた。彼の表情が平静になるのを待って、辻村班長はおもむろに動いた。大洋の巨大な波のうねりのように、大きく盛り上がっては沈み、沈んでは又大きく盛り上がる。永落上等兵の額には粒の汗が浮かんでいた。
 凄まじい光景であった。凝視する私の視線を避けるように、流石の永落上等兵も眼を閉じて、烈しい苦痛と屈辱感から逃れようとしていた。
「岩崎、ここへ来て、ここをよーく見ろ」
 言われるがままに、私はしゃがみこんで、局部に目を近づけた。
 一心同体の男達がかもし出す熱気と、激しい息づかいの迫力に圧倒されて、私はただ茫然と、その場に崩れるようにすわりこんでしまった。
 戦いは終った。戦いが烈しければ烈しい程それが終った後の空間と時間は、虚しく静かで空ろであった。
 三人の肉体も心も燃え尽き、今は荒涼として、生臭い空気だけが、生きとし生ける男達の存在を証明していた。
 男のいのちの噴火による恍惚感と、その陶酔から醒めると、私を除く二人は、急速にもとの辻村班長と水落上等兵に戻っていった。先程までのあの逞しい情欲と激動が、まるで嘘のようだった。汲(く)めども尽きぬ男のエネルギーの泉、そこでは早くも新しい精力が滾々(こんこん)と湧き出しているに達いなかった。
 「見たか、岩崎。貴様も出来るように鍛えてやる。寝台に寝ろ。」
 有無を言わせぬ強引さであった。
 あの身上調査のあった日以来、私はちょくちょく、今夜のように、辻村班長の呼び出しをうけていたが、その度に、今日、彼が水落上等兵に対して行ったような交合を私に迫ったのである。しかし、これだけは、私は何としても耐えきれなかった。頭脳に響く激痛もさることながら、襲いくる排便感に我慢出来ず私は場所柄も、初年兵と云う階級上の立場も忘れて、暴れ、喚き、絶叫してしまうので、辻村班長は、ついぞ目的を遂げ得ないままであった。
 その時のいまいましげな辻村班長の表情。何かのはずみでそれを想い出すと、それだけで、私は恐怖にわなないたのであるが、辻村班長は一向に諦めようとはせず、執念の劫火を燃やしては、その都度、無残な挫折を繰り返していたのである。
 その夜、水落上等兵の肛門を責める様を私に見せたのは、所詮、責められる者の一つの手本を私に示す為であったかもしれない。
「ぐずぐずするな。早くしろ、早く」
 ああ、今夜も。私は観念して寝台に上がり、あおむけに寝た。敷布や毛布には、先程のあの激突の余儘(よじん)が生温かく、水落上等兵の身体から滴り落ちた汗でじっとりと湿っていた。
 私の腰の下に、枕が差し込まれ、両足を高々とあげさせられた。
「水落。こいつが暴れんように、しっかり押さえつけろ。」
 合点と云わんばかりに、水落上等兵は私の顔の上に、肉づきのいい尻をおろし、足をV字形に私の胴体を挟むようにして伸ばした。股の割れ目は、まだ、水落上等兵の体内から分泌された粘液でぬめり、私の鼻の先や口許を、ねばつかせると同時に、異様に生臭い匂いが、強烈に私の嗅覚を刺戟した。
「むむッ」
 息苦しさに顔をそむけようとしたが、水落上等兵の体重で思うにまかせない。彼は更に私の両足首を手荒く掴んで、私の奥まった洞窟がはっきり姿を見せるよう、折り曲げ、組み合わせ、私の臍の上で堅く握りしめた。
 奥深く秘められている私の窪みが、突然、眩しい裸電球の下に露呈され、その差恥感と予期される虐待に対する恐怖感で、時々びくっびくっと、その部分だけが別の生き物であるかのように動いていた。
 堅い棒状の異物が、その部分に近づいた。
 思わず息をのんだ。
 徐々に、深く、そして静かに、漠然とした不安を感じさせながら、それは潜行してくる。ああッ〃‥ああッ〃‥‥痛みはなかった。次第に力が加えられた。どうしよう……痛いような、それかと云って痛くも何ともないような、排泄を促しているような、そうでもないような、不思議な感覚が、そのあたりにいっぱい。それが、私の性感を妖しくぐすぐり、燃えたたせ、私を夢幻の境地にさそうのであった。
 突然、激痛が火となって私の背筋を突っ走った。それは、ほんのちょっとした何かのはずみであった。
「ぎゃあッ!!」
 断末魔の叫びにも似た悲鳴も、水落、上等兵の尻に押さえつけられた口からでは、単なる呻きとしか聞きとれなかったかもしれない。
 心をとろけさせるような快感を与えていた、洞窟内の異物が、突如、憤怒の形相に変わり、強烈な排便感を伴って、私を苦しめ出したのである。
「お許し下さいッ――班長殿――お許しッ ――お許しッ――ハ、ハ、班長殿ッ」  言葉にはならなくても、私は喚き叫び続けた。必死に、満身の力を振り絞って。
「あッ、汚しますッ――止めて、止めて下さいッ――班長殿ッ――ああ――お願いッ――お許しッ――おおッ――おおッ―― 」
「何だ、これくらいで。それでも、貴様、男か。馬鹿野郎ッ」
「ああッ、……痛ッ……毛布……毛布……痛ッ――汚れ――汚れますッ――班長殿ッ」
 毛布を両手でしっかりと握りしめ、焼け爛れるような痛さと、排便感の猛威と、半狂乱の状態で戦う私をしげしげと眺めて、流石の辻村班長も、呆れ果てで諦めたのか、
「よしッ……大人しくしろ。いいか、動くなッ」
「うおおおー!!!」
 最後の一瞬が、とりわけ私の骨身に壊滅的な打撃を与えた。
「馬鹿野郎。ただで抜いてくれるなんて、甘い考えおこすな。糞ったれ」
 毒づく辻村班長の声が、どこか遠くでしているようだった。
 終った、と云う安堵感も手伝って、私は、へたへたとうつ伏せになり、股間の疼きの収まるのを待った。身体じゅうの関節はばらばら全身の力が抜けてしまったように、私はいつまでも、いつまでも、起き上がろうとはしなかった。 
 班長の最後の一撃で俺も漏らしてしまったのだ。腑抜けさながら。私はここまで堕ちに堕ちてしまったのである。  瞼から涙が溢れ、男のすえた体臭がこびりついた敷布を自分の汁と血で汚していた。
 どれだけの時間が、そこで停止していたことか。
 気怠(けだる)く重い身体を、もぞもぞ動かし始めた私。
 「なんだ、良かったんじゃねぇか、手間取らせやがって」
 おれの漏らした汁を舐めながら辻村班長が言った。
 そして汚れたモノを口に突っ込んできた。
 水落上等兵は、おいうちをかけるように、俺に覆い被さり、聞こえよがしに口ずさむのであった。
 新兵サンハ可哀ソウダネ――マタ寝テカクノカヨ――
        (了)
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nanano-illustration · 3 months
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【CHAINSAW MAN Collaborative Event Report】
チェンソーマン×リアル脱出ゲーム遊んできたよー!
ネタバレや���影禁止のため、話自体の内容を詳しく書けないけれど、東京新宿では6月いっぱいまで開催されているので、気になる人はぜひ!全国では9月までやっている地域もあるよ。とても楽しかったので、ぜひ行ってみてほしいです!(写真は参加記念の販売グッズ)
【リアル脱出ゲーム初参加・ソロ】
ずっと気になっていたリアル脱出ゲーム。
遊園地にあるような、迷路を謎解きしながら脱出する感じかと思っていたけれど、実際は違いました。
大きな地下ホールにチームごとのテーブルが割り当てられ、まずシアターを視聴します。(今回のために特別に書き下ろされたストーリーで、フルボイスです)
ストーリーを見た後は、卓上ゲーム(今回用に制作された紙系のグッズ)をチームのみんなで協力して進めていきます。照明や音響、スタッフの演劇もあり、謎解きごとに指定された場所へ時折移動しながら、(基本は常にテーブル上で謎を解く)
70分のタイムリミット内に全ての謎を解かないと…ゲームオーバー!
そんなゲームでした。
タイムリミット後には謎の回答編のシアターと締めのストーリーを観て終了です。失敗してもエンディングまで見れるのでスッキリ!
結論として、あまりに面白かったので二回も行ってしまいました。
めっっちゃ楽しかった…!!!チェンソーマン的にも楽しかったし、(デビルハンター時代のこのメンバーの新ストーリーって貴重)
初めて会う人たちとチームで協力し合うのも楽しかったし、謎解きの内容・目に見える驚きのギミック・没入体験型演出も最高に面白かった!全員この謎が初見のチームって本当に楽しい。
話がとにかく良くて、ボリュームもたっぷりで、謎レベルも高いんだけど求めればヒントで助けてくれる。
最後の謎は解答見た時にその仕込みに本当に感動した!
キャラ好きな人はボイス撮りおろしだからそれだけでも価値あると思う。だって自分がデビルハンターになってデンジ・パワーちゃん・アキ君たちの後輩になって絡めるんだよ?
没入体験型ってこういうことか…。どうも、私が今日から配属された新人デビルハンターです。
――――(以下個人的な参加体験の長い感想。イベントのさわりだけ知りたい人は上記までの内容で充分です)―――
【一回目:全員ソロ参加・謎初見で4人チーム】
初回は勇気を出しての一人参戦。予約時に「初めて・一人」で申し込むと、スタッフさんがちょうどいいチームに振り分けてくれました。私のチームは全員謎初見・ソロ参加の4人チームでした。
開始時間までチーム内で挨拶をして話す中で、謎解きゲーム自体のファンがたくさんいるんだな~と感じました。
ゲームが開始するととにかく時間に追われるのでみんなでやる事を分担して、謎の究明に話し合ったりアイデアを出します。解けるとオオ~ってみんなで一緒に感動するのが新鮮で楽しかった!
良い意味でびっくりする仕掛けもあって、思わずみんなで声を出してリアクション。拍手も自然と出る👏
【謎解きのサポート】
IQが低くてお力になれない…と心配していましたが、大丈夫!手を動かすことなど、謎解き以外にもやることがあります。人手が多い方が助かります。とにかくやることが多い!みんなで手分けしないと。
謎がわからないときはヒントブックを見たり、スタッフが親切なヒントを出してくれます。
どれだけ謎に苦戦しても、最後の謎に全チームができるだけ到達できるようにスタッフが進捗を見守ってくれている印象でした。
【一回目、脱出失敗…】
みんなの力で最終謎まで到達…!すっかり我こそは出来るデビルハンターな気分でしたが、最後の謎で一気に難しくなります。ここでは一番みんなでアイデアを出しあって話します。
アイデアを試したり試行錯誤しながらも正解が見つからずに…
無情にもここでタイムアップ…!
回答編の答えを見ても、うーん無理!全く思いつかなかった!と爽快感すらありました。これを作った人は本当にすごい!
後でこの話を作ったのは誰だろう~と調べたくらいです。
でも失敗しても満足度が高く、思いっきり遊んだ感がありました。
回答編ストーリーは失敗者も一緒に見れるので、損だと感じることは無いと思う。納得のお値段。
みんなでいっぱい頑張った~ナイスチーム!チームのみなさんに大感謝です。おかげさまでめちゃくちゃ楽しかったです。
【リベンジいいか?】
最後の謎の答えを見た後も、じゃああれをこうしてこうすればよかったのか…?と、理解するために内容を反芻する日々が続き…。
正直に言うと、回答編のストーリー上映の時
(=゚ω゚)。o○(…アキくん良い声だなぁ…)
って事に途中から気が行ってしまい、ごめん内容に集中できていなかった。
世の中のアキ君ファンの人は行った方がいいよ、こっちに向かって話しかけてくれるよアキ君が。後輩になれるよ。
---
それで数日後、新宿で友達と遊んでいた時に、謎解きゲームの話をしたら友達が興味津々で、今から行ってみる?!ってことで当日予約して行ってきました!空いてたら当日飛び込みで行けます!
【二回目・友達と二人きりのバディチーム編】
今回は友達と一緒のチームにするか、友達を全員初見のチームに入れてチーム別行動か迷いましたが、友達の希望で「友達と一緒のチーム」に決定。
申し込み時に「グループ」「リピート」を選択でき、「グループ」は申し込んだ友達同士で一緒のチームに入れてくれます。「リピート」は初見だけのチームを作る時にネタバレを避けるために自己申告が必要です。
追加で知らない人が入るかもしれなかったんだけど、最終的に締め切り時間が来て二人だけのチームに決定。土曜で大盛況、参加チームでホールはほぼ埋まっていました。
開始までの待ち時間に、チェンソーマンを知らない友達に設定だけ簡単に解説。知らなくても楽しめる内容ですが、知っていたら謎解きのアイデアになる…かもしれない。上映ストーリーで設定説明もあるので、それだけでも充分です。
私は答えを知っているので友達にチャレンジさせてから無理だったら助けるね、と先輩風を吹かせ、
「デビルハンターは二人一組でバディを組んで任務を共にするんだけど、今日は二人きりのチームだから君と私はバディだよ。ポンコツな先輩だけどよろしくね!」
「うん!」
――こうしてポンコツデビルハンターのバディチームが誕生した――
【二回目も脱出失敗…】
ポンコツ先輩があたふたしているとスタッフが何度も助け船を出してくれました。あれ?答えを知っているはずなのに…。
チーム二人だけで���後まで間に合うか心配でしたが、スタッフさんのヒントもあって無事、今回も最終謎までたどり着けました。
しかし残された時間がもう…!
「残り〇分」のカウントダウンが気を焦らせます。
二回目バディチームも脱出失敗…!
よくやった!我々はよくやったよ!最後に友達と握手しあって終了。
ナイスバディ!
チェンソーマンと脱出ゲーム両方初見の友達もだいぶ楽しんで喜んでくれました。
【リピートしたくなる理由】
二回目以降も楽しめる謎要素があり、リピートしたくなる気持ちもわかります。私もリピートしてしまいました。
二回目の回答編シアターでは、今回はまじめに聞いたので、どうすればよかったのか、ストーリーの全体像がちゃんと理解できました。それでも家に帰ってから文章にして頭の中を整理しましたが。
全体のストーリーもとても良くて、物語的なグッズ(ドラマCDなど)を売ってくれたらいいのにと思いました。ここでしか味わえないのはもったいない…
でも確かに、あの卓上ゲームをチームでワイワイ、場所移動する流れ、大掛かりな演出、シアター上映で完成される体験型ゲームなんだな!
ラストの謎解きの未クリアの無念、この回答で本当にあっているのかまた行って試したい~!
そうか…こうやって沼るのだな。
楽しかったーー!おすすめです!
行ける人はぜひ行ってみてね!
読んでいただいてありがとうございました。
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midnightswan-news · 3 months
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『ミッドナイトスワン』ロングラン最終上映御礼舞台挨拶オフィシャルレポート
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毎週水曜日にTOHOシネマズ日比谷にて異例の185週というロングラン上映を記録した映画『ミッドナイトスワン』が本日6月26日(水)にTOHOシネマズでついに最終上映を迎え、草彅剛さん、服部樹咲さん、そして内田英治監督がロングラン最終上映御礼舞台挨拶に登壇しました。満員の客席を見た草彅さんは「こんなに満員御礼、僕満足、1本満足なんですけれども」と笑いを誘いつつ「185週も経っているのにこんなに満員の映画というのは稀にみないですよね(笑)今日は楽しんでください!」と挨拶しました。服部さんは「お久しぶりです。公開から約4年経ってまだ愛されていることを満席の劇場を見て実感しています。当時はこんなにも長く愛されるものになるとは思っていなかったのですごく嬉しく思います」とコメント。そして、本日舞台挨拶のために駆け付けてくれた内田英治監督は「撮影からは5年経ったのですが、みなさんに約4年間も応援していただいて、こんなに愛されて感無量です。本当にありがとうございます」と観客のみなさまへ感謝の気持ちを表しました。撮影を振り返ってみてどうだったかと聞かれた草彅さんは「頭のシーンから最後までほんとに全部覚えています。トランスジェンダーというのは初挑戦だったんですが、監督の熱い思いがつかめたので、いい経験が出来ました」と話すと監督は「とても覚えているのが、衣裳合わせの時から既に凪沙になっていたんです。とてもびっくりしました」と伝えると、草彅さんも「そうなんですよね、最初に脚本を読んだ時に涙があふれてきて、何の涙かわからなかったけど、自分が流した涙を観客の方に伝えたいと思いました」と当時の気持ちを感慨深く語りました。そして本作は、服部さんの女優デビュー作。「樹咲ちゃんも大人になられて、本当に嬉しいですよ」と草彅が話すと、服部さんは「来月18歳、成人になります」と当時の中学1年生から約4年の歳月が流れたことを実感。内田監督は「初めはオーディションでしたが覚えてますよ、中学1年生で。オーディションのドアを開けて”一歩目”で決まりました」と裏話を披露。そして最近、韓国ドラマにハマり、韓国語を勉強しているという服部さん。韓国語が得意な草彅と、韓国語での会話を披露すると「発音もめちゃめちゃネガティブ」という草彅さんに服部さんから「ネイティブ…」と突っ込みが。「ネイティブだったね(笑)」と立て直しつつ感心した様子で「これからもっと大人になって、スワンのように白鳥のように、世界に羽ばたいてほしいですね」としみじみと語りました。そして、観客からの反応を見てどんな気持ちだったか聞かれた内田監督は「いろんな方からお手紙いただいたりして嬉しかったですね、あとは、香取(慎吾)さんとお会いした時に、現場の時の草彅さんの様子を目をキラキラさせながら聞いてくれました」と伝えると草彅さんも「そうなんですよね、慎吾ちゃんこの作品見て感銘を受けてくれて“自分が演技をするのをやめようかと思うくらいつよぽんがよかった”と話してくれたんです」と打ち明けました。そして、服部さんは当時のことを思い出しながら「あの時は自分のことでいっぱいだったので、現場での監督の動きやスタッフさんの動きがあまり覚えられていないのがもったいなかったなと思います。大人になった今、また内田監督の作品にも出たいですし、草彅さんとも演技がしたいです。そして、当時は夢みたいな気持ちで、実感もわかずに頑張っていました。先日少し思ったのですが、今となると女優としてはこの作品はデビュー作でしたが、バレエで言うと集大成的な存在でした」と言葉を並べると、大粒の涙があふれました。その涙に、草彅さんは「樹咲ちゃんはバレエの話をすると泣いてしまうんだよね。思い入れが強いんだよね」と優しくフォローし、服部さんは「幼い頃からバレエをやってきたのですが、この作品に出て『素敵だった』とか『キレイだった』という感想を聞くたびに、このためにバレエをやってきたんだなと思えるし救われていました」と熱い思いを口にしました。最後に、草彅さんから「自分でも信じられないんです、凪沙という役を自分がやったんだと思って。自分の中に自分の知らない何かがあるのかもしれない。それはとても素敵なことで。みなさんも、自分の可能性や未来を諦めないでもらいたいなと、そんなことを凪沙を通じて思いました。今困っていることとか大変なことがある方も、自分すら知らない良い自分が必ず眠っている、乗り切れるチャンスはあると思うので、前向きになってもらえたらいいなと思います。今日まで『ミッドナイトスワン』を愛していただいて、ありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いいたします」と締めくくりました。
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miel8328 · 1 month
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24/08/13(火)
この世は死ぬまですべて茶番だからね〜。きっと我々が生きてる間に真実を見ることはないよ。だから必死になる必要もないし。
茶番に気付かず死にたいと思うまで頑張ってしまったのが、私の悲劇の始まりでしたから。
茶番と割り切って役割を演じるだけでええんよな。そこに意志は必要ないし求められてない。茶番なのは人生全部だけど、特に仕事はそれが強く出る舞台だと思う。
他人は舞台装置のマネキンです。マネキンって会話する物体じゃないから、話が通じるわけないのよね〜。
俳優として力不足な人もいるじゃん?それを多分我々は人間力と言い換えて、人間力が低いと言ってるだけなんよな。それってつまりは今の私の話だと、演技力がないのと役割の理解が出来てないだけなのにね。台本がないから即興の茶番なのよ、人生はすべて。
頑張ることが無駄とは言わないけど、多分劇の中でしか意味ない。例えばお金をあの世に持っていけないのは、劇は劇でしかなくて、他に現実があるからで。劇での出来事は現実に何も影響がないからなんだろうねー。人生を通しての茶番で得たものも、劇中でしか意味をなさないものなんだと思うわ。
我々にとって何が現実かは死んで舞台を降りないとわからないっていうのが、怖さでもあり面白さでもある。
そう思うと芸事や芝居(=芸能界)が持て囃されるのもなんか納得できる。芸能界自体が人生のメタ認知機能的なものだからなんだろうなと思うしね。
演じさせられてるのも、別にロスチャイルド家ガーとか陰謀論ガーとかでもなく、ロスチャイルド家もそういう役割の役を演じてるだけだと思う。
我々人間は生きてる(舞台にいる)間に真実も真理も知ることはできないと思います
それだと世界が平等でないことも、私の中で納得できる。格差がある舞台の設定なのねと思えば。理不尽や不条理の整合性が取れる感じかな?
世界の全部に大きな意味はなくて、世界の全部に舞台装置としての意味はある。各個人の感情も舞台を良くする要素でしかない、みたいな感じかね。
なんかスピリチュアルくさくて自分で笑ってしまうんだけど、スピリチュアルの人達が求めてる救いも実はないんだと思う。救いがある設定の茶番ならあるかもだけど、不条理が多そうな舞台だから、救いは期待できない気がしますね。
この世って茶番で頑張る必要なくね?って思う人が増えて、それによって不都合が生じて、観客か監督の立場の存在が舞台設定を変えたら、救いがある世界に変わるかもなーと思ったりなんだり。全ては私の妄想です。オホホ。
救いを求めて他力本願になってないのが、私の思想とスピリチュアルの違いなんかな。神様とか高次元の存在とか宇宙とかも舞台装置だと本気で思ってるから、そこもスピリチュアル信者とは違うか。
まあ人間が考え得るものは全て茶番の舞台装置でしかないと思いますね。
この内容を朝からLINEのメッセージで送るというイカれた娘に「母はそういう発想なかった。面白い。」 と返信をくれる母も相当クレイジーだなと思いました。
会社や上長を含む部署内の人間への不信と軽い嫌悪はある。それも舞台の演出と思えば気が楽。
ライフハックとして気が重いことや嫌な場面に向かう時に「ショートコント◯◯」 と心の中で唱えてから行く。みたいなやつが結構バズってた記憶があるけど、人生茶番劇の劇中劇なのかもね。おもしろ。
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natlacentral · 4 months
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【LAWA 專訪】《降世神通》裡的混血美女戰士 MARIA ZHANG 張至儀:爸媽一開始以為我演恐怖片!
還記得小時候在觀賞《降世神通:最後的氣宗》這部作品時,最常跟朋友們討論的就是想成為可以掌控哪一個元素的宗師,並且模仿動畫中的人施展武術。
不過,其實在這部作品內,並不是每一個武功高強的人都能掌控元素,在安一行人冒險的過程中,也有行經許多不同的島嶼、部落,而其中最令人印象深刻的,就是以日本武士為核心精神的「虛子島」。
虛子島是一個由女性統治的小島,這些女戰士們平時臉上會以濃妝蓋住真實的樣貌,並且武功高強,而在真人作品裡,飾演虛子島戰士首領的 Suki,因為武功高強又神秘感十足,在節目播出後引發很多人討論。
大家也發現,飾演 Suki 的 Maria Zhang(張至儀)原來在卸下妝容後,是一位波蘭、中國混血的美女,這次 LA Weekly Asia 特別邀請到 Maria 來跟我們分享他的故事!
出身南加大戲劇系,從小熱愛表演
在波蘭出生、北京長大,Maria Zhang 的童年是在一個非常「融合」的環境下成長的,她表示雖然主要在北京求學,不過每年暑假都會回波蘭度過,因此兩邊的節日都會慶祝。
「小時候其實沒有特別想當演員,但是選大學的時候發現,自己好像還是喜歡演戲,就來了。」
從南加大戲劇系畢業的 Maria Zhang,回憶起自己為什麼會成為演員,她表示與自己從小的經歷有很大的關係,她說道其實父母都是藝術家,而她也是從小都在藝術的環境中長大,每年夏天回波蘭時都會參加當地的演戲營隊,並且一起參與演一部劇。
雖然並不是很正式的作品,不過跟很多人一起演戲、一起完成一件事,在她的心中留下深刻的印象。
演員夢實現後一切都很「不真實」
Maria Zhang 說:「從開始追逐演員夢想、到現在真的出現在《降世神通》這麼有人氣的作品裡,覺得在電視上看自己很不真實。」
她表示試鏡時已經知道該角色就是 Suki,也因此把原作品從頭看了一遍並且深深愛上,所以當得知可以參與這部作品的拍攝時「超級興奮」。
為了演繹身為虛子島戰士的 Suki,她說劇組為大家量身定做了不同的武打動作,根據角色的個性、特色等等有所不同,像是 Suki 由於不隸屬於「四大元素」之一,武打動作就以柔術、武術為主。
她表示自己非常喜歡運動,除了普通的日常運動、訓練之外,曾經練了 2-3 年的巴西柔術、拳擊等等,也認為這點讓他有更好的基礎、更好的為這部戲做準備。
面對未知的未來很興奮
Maria Zhang 說自己「什麼都想演、什麼角色都想試、不想限制自己」,並透露自己其實最近才完成了一個恐怖片的同步對嘴錄製(ADR),並且在一年前在一部短片中飾演一個懷孕的角色。
Maria 表示自己非常喜歡帶有「奇幻元素」的作品,像是《哈利波特》、《降世神通》這類的作品都非常具有挑戰性。
當問起《降世神通》第二季觀眾能期待什麼?她則表示第二季的劇情、感情線等都還未知,也不曉得會出現什麼「新元素」,但是對於未來會有什麼不一樣的挑戰感到非常興奮。
我父母還以為我去演恐怖片!
一開始決定要當演員時,Maria Zhang 說其實父母一開始有一點擔心,因為知道這個產業對亞裔很困難、也非常競爭,不過也因為同為藝術家,因此還是非常支持她前往美國追逐夢想。
在《降世神通》上映後,因為 Suki 的妝容特殊,父母一開始以為他是演恐怖主題的戲而鬧了一個小烏龍,不過他們在看完後,她說雖然爸爸表面上沒有特別表示,但是其實非常以她為榮——「會到處炫耀這部片是女兒演的!」
從大學開始就獨自來到洛杉磯生活、打拼,目前 Maria Zhang 已經待在這個城市 5 年了,她表示自己最愛的中餐廳是位在東邊的那家小館,而韓國城的 Iki Ramen 則是她在這區域最常拜訪的亞洲餐廳!
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2gsahoko-intermission · 2 months
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『ラフヘスト~残されたもの』感想
東京芸術劇場シアター・イーストで『ラフへスト〜残されたもの』を見た。脚本と歌詞はキム・ハンソル、作曲はムン・ヘソンとチョン・ヘジ。日本版の上演台本はオノマリコで、歌詞はオノマリコとソニン、翻訳は宋元燮。演出は稲葉賀恵である。批評家・エッセイスト・小説家・画家・経営者のピョン・トンリム=キム・ヒャンアンに、詩人イ・サン、画家キム・ファンギら実在する韓国のアーティストたちが扱われている。
特に事前予習をせずにふらりとチケットを取ったので、最初は実在の人物を扱っているとすら分かっていない体たらくだったが(流石にイ・サンの名前が出てきたあたりで伝記物か?と気づいたが)、よく知らない分、ミュージカルとしての骨格を味わいながら見ることができたのは良かったかもしれない。(とはいえ、今度はもう少し歴史的背景や作品を把握した状態で見たいので、いつか再演してほしい…)
物語は、2004年に晩年のヒャンアンが自身が書き残した日記を手繰るところから始まる。ヒャンアンはトンリム時代の記憶と、二人目の夫ファンギが存命だった時代の記憶を行きつ戻りつしながら、芸術家でありその伴走者であった自身の生き方を回顧する。
自らの表現を模索し、認められないことに苦しみ、周囲の人間と軋轢が生じて互いに傷つき…という芸術家としてのあり方を扱ったミュージカルとして真っ先に思い出すのは、スティーブン・ソンドハイムとジェームズ・ラパインが組んだ『日曜日に公園でジョージと』である。
ジョルジュ・スーラがパリで「グラン・ジャット島の日曜の午後」を描き上げていくまでを、幾つもの日曜のエピソードの羅列から描き出していく第一幕と、100年後のニューヨークで光学装置を用いたメディア・アーティストとして頭角を表しつつあるひ孫のジョージ(架空の人物である)が、「芸術で表現されることは何もなく全て終わってしまったのではないか」という諦念と闘う第二幕で構成された『日曜日に公園でジョージと』は、まさに上に記した要素が散りばめられている。とりわけ第一幕では、モデルであり恋人のドット(架空の人物である)がジョージと彼の芸術性��作品を愛し、一面では核心を深く理解していると同時に、時に突飛に見える芸術家の内的な考えや心情を理解することまではできず、傷つき怒り人生のパートナーには別の人物を選びながら、しかしジョージの芸術性の欠片を継承していく存在としてフィーチャーされている。
『ラフヘスト』はいわば、ドット視点から描き出された、芸術家たちの創造と消耗、切断と継承の物語である。『日曜日に公園でジョージと』と『ラフヘスと』は類縁関係をなしているといえる。しかも、ドットの立場にいるヒャンアン視点で作られていることで、『日曜に公園でジョージ』とが帯びる問題を乗り越える部分も出てきていると感じられた。
『日曜日に公園でジョージと』では、芸術家とモデルの「見る/見られる」の関係は割と固定的だし、しかも関係はジェンダー化されているし、第一幕のジョージは特に独善的だし、第二幕で浮上する「子どもと芸術は残すべきだ」という主張の火の玉ストレートっぷりには割とギョッとするし、2024年の視座からは危うい描写がそこかしこに見られる。
それに対して『ラフへスト』は、芸術を受容する存在もまたクリエイティブであり、その受容でもって芸術家を触発するという二者の交渉が描かれていた。キム・ヒャンアン=ピョン・トンリムは読者や鑑賞者としてイ・サンやキム・ファンギの芸術に触れ、喚起されたことを批評という異なる形態のクリエーションへ落とし込む。その批評にイ・サンやキム・ファンギはまた触発されるという描写が本作にはたびたび登場する。また、トンリムとファンギ(当時の画号はヒャンアン)が仲を深めていく場面では、葉書に書かれた絵と共にトンリムの小説も鍵となっている。創造と受容、それぞれ担うべき存在が固定されておらず、流動的である。
また、『日曜日に公園でジョージと』における「芸術の継承」は、血縁の連続性においてなされるものとして描かれていたが、『ラフヘスト』の場合は、過去と現在の間に節目が走るまさにその時に「芸術の継承」がなされる。イ・サンとの死別を重く引きずっているトンリムが「キム・ヒャンアンの名前がほしい」と訴える場面では、過去としてのトンリムと現在としてのヒャンアンの間に切れ目が走り、新たな生の輪郭を描き出そうとする。そして、絵画を再三勧められながらファンギ存命中に筆をとることのなかったヒャンアンが、ファンギ死後に画家としても活動するようになる場面では、「絵は描かない」批評家ヒャンアンと画家ヒャンアンの間に切れ目が走り、再び新たな生の輪郭を描き出す。さらに遡ると、イ・サンからの「一緒に死のうか、遠くへ行こうか」という告白を受けて家を飛び出していくトンリムの時代からすでに、トンリム=ヒャンアンは自らに切れ目を入れつつ、自らの生を築いていたのである。
このように、『ラフヘスト』は『日曜日に公園でジョージと』の系譜に連なりながら、芸術を受容し芸術家伴走する立場の創造性を汲む内容となっており、その点が良いと感じた。
上演では、ソニンのヒャンアンの演じ方が印象に残った。2004年というヒャンアン晩年の時期から回想されていくのだが、ソニン演じるヒャンアンは、何歳であったとしてもどこか老いを感じられた。つまり、80代のヒャンアンが過去を回想しているという建て付けが常に感じられる人物造形になっていた。ヒャンアンが現在の視座から過去を生き直していることの表れであり、なおかつトンリムとの切断も強調されていた。
他方、個人的な好みとしては、登場人物たちの芸術性と呼応するようなスタイルで音楽が作られていたら良かったのになと感じた。たとえばファンギの「点と線」のエピソードなど音で「点と線」を作る格好の機会なのに、基本的にエモーショナル発露に注力している感じがあり、少々退屈さを覚えた。また、キャラクターが激しい情念を爆発させる歌でロングトーンが出てくる時にしばしば、腹と喉でがなるように圧をかける歌い方がされていたのだが(特にイ・サンとファンギ)、正直シアターイーストのサイズで聞かされても過剰に装飾的すぎて、却って俳優の声の調子が心配になるのでやめた方が良いと思った。
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castatratewriter520 · 4 months
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西部牛仔(七)結局2
在妻子強烈的警告後,馬汀與約翰就沒有繼續在網路上聊天,為了避免被妻子誤會的馬汀,告訴了威廉說,到時候約翰來德州時,他沒辦法去接他們,就是希望可以避開兩人的接觸,威廉也知道馬汀的難處,於是就不勉強馬汀去接人了。飛機在兩天後,準時抵達了德州,期待見到馬汀的約翰,並沒有在機場外看到馬汀,反而是布魯斯,約翰問怎麼不是馬汀來接他們呢,布魯斯表示馬汀沒辦法來,所以拜託我來,約翰以為只是馬汀工作太忙無法來接他,就沒放在心裡,但是從抵達當天開始,一直到約翰都已經完成手術兩天了,馬汀依然沒有來探病,約翰意識到是馬汀刻意不與他見面,就在第四天的時候,約翰忍著陰囊腫脹的疼痛,偷偷離開診所搭車前往農場,下車後的約翰,看到了馬汀正赤裸著上半身,努力工作中,約翰在遠處喊了馬汀的名字,聽到了約翰的聲音之後馬汀,被突然出現的約翰嚇到,但是馬汀只能夠故作鎮定的態度冷冷回答約翰,約翰除了質問馬汀為什麼突然要疏遠他,只剩下內心遏止不了的憤怒,但是馬汀只說,我們當時只是一時衝動而已,不要放太多的感情,約翰不相信馬汀的話,一直想挽回兩人的感情,他告訴馬汀,那天他看著馬汀的眼睛時,他一直都知道馬汀是喜歡他的,怎麼可以說不愛就不愛了,約翰說的是真真切切,他的話再次動搖了馬汀的內心,馬汀抱住了約翰,他是真的被約翰的決心給感動,他終於向約翰坦白,是因為他的妻子表示,只要他再跟約翰有任何關係,他絕對會做出更多瘋狂的事情來,我擔心你會受到傷害,我只能疏遠你,約翰覺得馬汀太小看他了,不論發生什麼事,我都會跟你在一起的,馬汀告訴約翰,你不了解我妻子的家族,他們可是赫赫有名的名門,家人都是醫生,除了我妻子是護士之外,而且他們與黑道也有認識,我怕他們除了殺了我之外,也可能會殺了你,約翰說,我不怕自己被殺了,我只怕他們殺了你,所以無論如何,我都會保護你的,兩人再一次抱在一起,這一幕被來農場載馬汀回家的妻子看到,此時,他妻子的內心誕生了一個可怕的想法,既然兩人這麼愛對方,那就一起體驗一下失去的滋味,馬汀的妻子當天沒有回家,而是跑回父母親的家裡,她跟父母控訴了馬汀的背叛,要他跟約翰一起付出代價,不忍女兒受到如此對待的父親,他告訴女兒,他會讓馬汀再也無法跟他在一起,女兒擦拭著眼淚,她表示她只要馬汀回到家裡,扮演好老公跟父親的身份,並且離約翰越遠越好,父親表示一切都由他處理。
隔了三天之後,約翰完成了拆線,已經成功完成了絕育手術,他與馬汀約好等一下一起去城裡走走,接著隔天就要回紐約了,約翰希望馬汀跟他一起回紐約生活,但是馬汀想到自己還有老婆跟孩子,他不能這樣離開德州,很快就拒絕了約翰,正當兩人都在公園聊天時,一台休旅車停在兩人旁邊,下來了一群惡煞,馬汀和約翰被押上了車,兩人被蒙上眼睛,四肢還被控制,兩人就算想逃走也沒辦法,很快兩人就被押到了一間秘密房間,坐在了板凳上,當兩人的眼罩被拿下時,馬汀立刻認出了眼前的人,他就是自己的岳父,岳父立刻大罵馬汀,不知好歹竟然敢背叛他的寶貝女兒,而對象竟然還是個男人,馬汀想告訴他的岳父,一切都是誤會,約翰已經要離開德州了,他只是按照自己工作,陪自己的客戶而已,沒做出任何傷害自己老婆的行為,但是前幾天馬汀抱著約翰的畫面,早已讓妻子忍無可忍,這些事情早就傳到岳父的耳裡,因此岳父早已不願意再聽馬汀任何解釋,岳父說到,他要馬汀乖乖回去當好他的身份,而且永遠無法再作怪,於是今天身為岳父的我,要摘掉你犯錯的東西,而讓你犯錯的人,也一起接受處罰,馬汀和約翰聽到岳父的話之後,開始猛力搖頭掙扎,試圖想告訴岳父一切都是誤會一樣,但是紙是包不住火的,走過必留下痕跡,岳父為了讓他們死心,開起來電腦上的錄像,裡面就是兩個人在公園親吻的畫面,他們只能震驚的看著影片,無話可說,馬汀被幾名大漢抬到了一個桌子上,雙手被綑綁在桌上,牛仔褲和內褲被另外兩名壯漢扯下,岳父看到馬汀巨大的陰莖跟睪丸,很生氣的表示,就是因為如此天賦異稟,才想到處拈花惹草是嗎,我現在就廢了他們,讓你不能再繼續作亂,此時的馬汀嘴裡被塞住了,只能看到馬汀死命的想發出一點聲音,我知道你跟那個人一樣睪丸早已割掉,如果我依然只割了你們的睪丸,豈不是等於沒有處罰嗎,岳父吩咐手下拿出他的刀,此時的馬汀早已嚇壞了,但是沒有人可以來救他,全身都被壓制的馬汀也無法脫身,岳父並不打算做任何的麻醉,他直接抓著馬汀那副巨大的假蛋,毫不留情的一刀割下,馬汀發出撕心裂肺的慘叫聲,一旁的約翰看的全身發抖,試圖想掙脫束縛去解救馬汀,但是根本無法脫身,只能眼睜睜的看著馬汀被虐待,此時的岳父將馬汀的整副陰囊丟到了馬汀的旁邊,血淋淋的陰囊,裡面兩顆假睪丸順勢掉了出來,你以為只有這樣嗎,岳父握住馬汀的整根陰莖,用力的扯著陰莖,嘴裡說,看你沒了陰莖還敢不敢作亂,一說完就將馬汀的陰莖徹底的割下,馬汀再也忍受不了這割掉陰莖的疼痛,整個人都昏死了,岳父立刻請一旁的醫生替馬汀進行止血,而馬汀的陰莖則是被丟在一旁的地上,接著另一張桌子被硬漢們搬到約翰前面,眼看輪到約翰的時候到了,約翰一點也不害怕,反而雙眼充滿了憤怒,但是依然被綁在了桌上,褲子和內褲被全部扯破,岳父表示,原本以為是多麼天賦異稟,才讓馬汀對你如此著迷,原來也不過如此,你犯的錯就是不應該惹了不該惹的人,不僅害了馬汀也害了你自己,才剛完成割蛋手術的約翰,沒想到今天要被全部割掉,不過他想跟馬汀繼續在一起的心還是沒變,此時的岳父早已不願廢話,於是拿著剛剛閹割馬汀的刀,一刀就直接割掉了約翰的陰囊,約翰雖然也很痛,但是他現在只想狠狠的揍馬汀的岳父而已,可是一樣無法脫身,就在這樣想的時候,陰莖也被一刀砍斷了,無法承受的劇烈疼痛,瞬間貫穿了約翰的全身,此時的約翰心想,原來剛剛馬汀就是承受了這麼大的疼痛,約翰的心裡覺得很傷心難過,完全忘記自己也被割掉陰莖的事情,不過終究忍不住身體的疼痛而昏倒了,兩人再一次醒來已經是三天後了,馬汀的好友基爾和威廉都在馬汀的身邊照顧他,約翰也被安排在旁邊的病床,看到馬汀被虐待成這樣,基爾和威廉難過到哭了出來,看到馬汀清醒的基爾,激動的抱住馬汀,不斷的說馬汀可以醒來真的是太好了,馬汀微弱的聲音問著基爾,約翰呢,基爾很激動的說,你幹嘛還要擔心他,要不是因為他,你也不會變成今天這樣,馬汀只說,我不會怪他的,我自己也是愛到無法自拔,才有今天這結局,威廉說,你真的太傻了,他真的值得你變成這樣也要在一起嗎,馬汀只有笑著看著旁邊的約翰,約翰也在不久後清醒了,約翰看著馬汀哭了出來,他跟馬汀不停的道歉,他真的不希望馬汀變成這樣,馬汀不僅沒有責怪約翰,還反過來安慰約翰,一旁的基爾和威廉再也看不下去兩人的甜蜜,就離開了病房,一週後,兩人都出院了,但是因為陰莖跟睪丸都被割掉了,馬汀跟約翰只能夠重新製造一個尿孔,當初馬汀引以為傲的東西,現在只剩下一個結痂的疤痕,現在馬汀只能重新適應新的樣子,但是沒了男性陰莖跟睪丸的馬汀和約翰,不知道未來該怎麼辦,馬汀只能乖乖回到妻子身邊,擔任妻子眼中的好老公跟好爸爸,但是馬汀對她只剩下恨,早已不是愛,馬汀現在則繼續服用男性荷爾蒙,繼續在農場擔任牛仔,也會到診所幫忙,至於馬汀的陰莖,被威廉帶回來和睪丸放在一起,約翰的陰莖,因為現場混亂已經找不到了,馬汀現在只能看著防腐劑裡面的陰莖和睪丸,回憶過去的日子,約翰也回到了紐約,但是失去陰莖跟睪丸的他,原本以為會失去球員身份,但是沒想到他竟然沒有被辭退,反而還能繼續待在隊裡,只是經過了這次慘痛的代價,約翰和馬汀再也沒有聯絡,約翰與馬汀雖然還很喜歡彼此,但是再也沒有辦法在一起了。
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monthly-ambigram · 4 months
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2024-6月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「中華」です◆
今月は参加者の皆様に「中華」のお題でアンビグラムを制作していただいております。中華といえば漢字発祥の地。現代の蒼頡たちの宴をご覧ください。今月も逆さまな作字が集まっております。
ではまずはdouse氏から。
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「麻婆茄子」 回転型:douse氏
180°回転させても同じように麻婆茄子と読めるアンビグラムです。中華には「福到了」という福の字を上下逆さにひっくり返して貼るアンビグラム的な縁起物の風習がありますが 本作は麻婆茄子が無限に到来しそうな御目出度い回転字面になっています。対応解釈が最高ですね。この語句でこの文字組みが出来るのはきっ��douse氏だけでしょう。
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「酢豚」 回転型:peanuts氏
世界範囲で有名な中華料理の一つです。酢豚は日本で付けられた名称で 中華料理においては広東料理の「古老肉」や上海料理の「糖醋排骨」が該当するようです。本作は作字のデザインと対応解釈が高次で両立した理想的アンビグラムです。「乍/月」部分のギミックは美しくてかっこいいです。
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「酢豚」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
左右の鏡像図地で酢豚。作者いとうさとし氏はネガポ字(図地反転)の達人です。本作は真ん中から折りたたむとピッタリ嵌ります。まるでこの漢字がもとより嵌り合う構造を持っていたかのような自然さです。
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「回鍋肉」 図地反転鏡像型:douse氏
四川料理の一つ。本作は斜め鏡像の図地反転アンビグラムです。文字の組み方がテクニカルでブリリアントカットされたような光学的な装いが抜群にカッコいいです。
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「回鍋肉」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
上下の鏡像で図地反転になっている回鍋肉。日本語のアンビグラムは2022年に入ったころから飛躍的に進化発展した印象がありますが とくにネガポ字(図地反転)の進化は顕著で 英語圏でも作例はさほど多くないこのジャンルが日本ではたくさん作られるようになりました。それも本作の作者いとうさとし氏の尽力が大きいでしょう。
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「酸辣湯」 鏡像型:螺旋氏
中国料理のスープの一つで 酸味・辛味・香味が特徴。本作は斜めの鏡文字で組まれています。斜めの鏡像型は漢字のアンビグラム制作に向いた対応だと思います。うまく作ればアンビグラムだと見破られない作字が可能で 本作も「束」部分が自然で驚きます。
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「中華そば」 敷詰振動同一型:Jinanbou氏
発想が面白いです。「華」の字の中に異なる文字を幻視し抽出するその眼力には感服します。これは文字に隠された秘密のゲシュタルトを解析する行為でアンビグラム作りには欠かせないセンスです。
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「青椒肉絲」 重畳型:きいろいビタ氏
ピーマンと細切りにした肉などを炒めた中華料理。本作 重畳型は同じ図形で韻を踏み 青椒肉絲と読ませるアンビグラムです。そのまま亜細亜のどこかの国で商品のロゴとして使用されているのではと思えるほど完成度が高いレタリングです。 
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「杏仁豆腐(⿸广フ)」 旋回型:Σ氏
中国発祥のデザート。135°回転の旋回型アンビグラムです。「腐」の字が「广」の中に片仮名の「フ」を入れた略字になっているところが凄すぎます。この略字は実際にゲバ字(アジビラ文字)などで使用例があります。柔軟な発想ができる人のアンビグラムは読みやすいですが 本作は作者Σ氏のアンビグラムが優れている理由の一端が垣間見える好例です。
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「中華/北京/上海/広東/四川」 共存型(回転・鏡像):ラティエ氏
一般に四大中国料理と言われている4つの場所に お題をプラスした多面相アンビグラム。なんと5パターンの変化が起こる作字なのです。北京/上海/広東/四川は回転型で 大きく表示された中華はその鏡像になっています。 多面相漢字アンビグラムの制作はある種「挑戦」ジャンルです。多面相を作ろうとするその発想や度胸だけでも凄いですし 本作はその挑戦に成功してい���と思います。
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「横浜中華街」 回転型:ぺんぺん草氏
東アジア最大の中華街を回転アンビグラムに。細かい説明は無用の傑作。この完璧な対応解釈をご覧ください。けしてアンビグラマビリティは高くない語句ですが冷静的確に作字されています。最高です。
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「神戸」 回転型: 「長崎」 鏡像型: 「横浜」 重畳型:.38氏
日本三大中華街。それぞれ趣向を凝らした楽しい対応解釈で可読性も充分高い設計です。 これは文字数寄にはたまらない作字ですね。そのまま都市の紋章に使用してほしいナイスデザインです。
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「横浜中華街散策中隠処的拉麺店発見」 回転重畳型:超階乗氏
ブレードランナーに出てきても違和感のないサイバーパンクアンビグラムの名作。文字の各所に丼図案などが組み込まれていて そのおかげで回転重畳構造を把握しやすい親切設計です。回転重畳型とは ある図形の上に同じ図形をレイヤーで重ね、上に重ねた図形だけを規則正しく回転させて文字を形成するアンビグラムです。
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「西安」 回転型:うら紙氏
陝西省の省都で、旧名は長安というのは有名でしょう。 かっちりした輪郭でありながら墨のカスレを生かしたステキなタイポグラフィですね。アンビグラマビリティの高い語句ですが図案としてきれいにまとめるには作家の力が必要で、うら紙氏はその能力に長けています。
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「Qingdao/青島」 図地反転回転共存型:ヨウヘイ氏
青島(チンタオ)は中国有数の港湾都市・商工業都市・国際都市。 図地反転で漢字の隙間にアルファベットを見出そうとすると、青島は横画が多くて打ってつけの言葉なのですね。省略があっても読み取りやすい作品です。
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「シャンハイ」 旋回型:つーさま!氏
上海は中国で最高位の都市である直轄市の一つ。 五面相の旋回型。「シ/ン」の点の有無のみの差をどう表現するか難しいところですが、少し角度を変えるだけで違って見えてきますね。羽様の形状とグラデーションも読みやすさに一役買っています。すばらしい作品です。
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「万里の長城」 回転型:douse氏
中国にある城壁の遺跡。中国の象徴の一つでしょう。 回転中心の作り方が見事です。「の」が伸びているのも不自然に見えず、「長」の横画を切っているので「長」のバランスもよく見えます。「万/戈」の字画接続の切り替えが見事ですね。さすがの一作です。
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「麺/龍」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
どちらも中国を象徴するものでしょう。 自然に読めすぎて言うことがないですね。図地反転にピッタリすぎる組み合わせが今回のお題によって発掘されたと言えるかも知れません。一点、「龍」の上部の突き出した部分は作者も悔しいところだと想像しますが、それを差し引いても可読性最高の傑作です。
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「伝奇/でんき」 振動型:kawahar氏
中国の古典的な演劇である戯曲形式の1つ。 氏の得意な「読み漢」で一作。ぐにゃりとした書体が「ん/ム」の振動などにマッチしていますね。読み漢はひらがなしか読めない人にも漢字が読めてしまう実用的な手法ですが、適用できる漢字は少なく本作のように限られた言葉だけです。
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「太極図」  図地反転回転型:lszk氏
「易」の生成論において陰陽思想と結合して宇宙の根源として重視された概念である「太極」を表した図。 中央の「極」に本家の陰陽魚太極図があしらわれています。太極図の円形を「太・図」にもあしらって統一感を出していますね。図と地が絡み合い逆転しながら文字を形成しているところが、陰と陽が互いに飲み込みあい無限に繰り返す太極の思想を表しているようです。
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「造書 研究」  回転共存型:意瞑字査印氏
「造書」を90°傾けると「研究」と読める対応です。造書とは文字を造るという意味。『蒼頡、鳥獣蹏迒の跡を見て分理の相別異すべきを知り、初めて書契を造る』 そのむかし蒼頡という人が鳥獣の足跡をヒントに漢字を発明した故事からの語句選択です。なるほどアンビグラム制作とは 新文字を発明する行為とも言えますね。
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「東夷/西戎」「南蛮/北狄」 回転共存型:兼吉共心堂氏
四つまとめて「四夷」、古代中国で中華に対して四方に居住していた異民族に対する���称。 筆文字の効果を生かした表現がすばらしいです。「夷/西」「虫/北」ではカスレにより字画の本数を増減させ、「南亦/狄」では墨垂れで字画密度差を克服しています。真似が難しいテクニックです。
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「東夷」「西戎」  重畳型: 「南蛮」「北狄」  振動型:lszk氏
「四夷」は「夷狄」あるいは「夷狄戎蛮」とも。 お誂え向きの言葉がきれいにそろっていたものですね。というのは簡単ですが読みやすく仕上げるのは難しい字形もあります。氏は知覚シフトのバランス感覚が抜群なので調整の妙もさることながらこの対応にも気付けるのでしょう。
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「劉備玄徳/関羽 張飛」 回転共存型:KSK ONE 氏
「蜀漢」を建国した劉備と、劉備に仕えた関羽・張飛。三国志の武将からのチョイス。 髭文字ならではのハネなど遊びの部分を生かした作字ですね。一文字目の「劉」が読みやすくすらすらと読みを捕まえることができます。関連する名前同士でうまく対応付けできるのが運命的ですね。
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「熊猫」 敷詰図地反転型:松茸氏
ジャイアントパンダのこと。 パンダの白黒は図地反転にもってこいの題材ですね。どうやって考え付くのかわからない図案が毎回驚異的で目を白黒させてしまいます。きちんと敷詰できるのか不安になりますがちゃんと隙間なく並びますので安心してください。
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「伊布」  旋回型:YФU氏
「イーブイ」の漢字表記。 久方ぶりに参加していただきました。言葉のチョイスも氏らしいですね。図形の長さを読みやすいところに調整するバランス感覚は健在です。
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「マオ」 交換式旋回型:ちくわああ氏
かいりきベア氏の楽曲名より。「猫」の意味もある中国語らしい言葉の響きです。 線種を変えているのでかわいらしい作字になっています。対応付く字画も分かりやすいですね。それでもうまく敷き詰めてみるのは骨が折れそうです。
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「西游记」 回転型:オルドビス紀氏
16世紀の中国の白話小説、繁体字では「西遊記」です。 簡体字をうまく活用しているのですね。「遊」よりも自然に回りますし、「記」よりも「西」との相性がよく一石二鳥です。「西・记」の右下がりのラインと「游」の右上がりのラインの視覚効果が心地よく作字として最高の仕上がりだと思います。
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「 不 此 君 我 / 当 今 災 偶 成 夕 已 為 / 時 日 患 因 長 渓 乗 異 / 声 爪 相 狂 嘯 山 軺 物 / 跡 牙 仍 疾 但 対 気 蓬 / 共 誰 不 成 成 明 勢 茅 / 相 敢 可 殊 嘷 月 豪 下 / 高 敵 逃 類 」 交換型:繋氏
「山月記」より。縦に読んでください。 7×4の組全体を縦横に交換するともう一方になるという超絶技巧です。「爪」(爪痕の装飾がにくいです)を基準にすると見つけやすいでしょう。じっくりご覧ください。
最後に私の作品を。
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「截拳道」 交換式旋回型:igatoxin
≪友よ水になれ≫で有名なブルース・リーの武術、截拳道(ジークンドー)から。
お題 中華 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「猫」です。長靴をはいた猫、シュレディンガーの猫、仕事猫、吾輩は猫である、猫男爵、猫目石、煮干し、マタタビ、夏への扉、蚤、百閒、注文の多い料理店、ハローキティ、ドラえもん、など 参加者が自由に 猫 というワードから発想 連想してアンビグラムを作ります。
締切は6/30、発行は7/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
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※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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elle-p · 3 months
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Scan and transcription of the Persona 3 part of Otomedia February 2016. Don't repost without permission
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●第4章2016年1月23日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほかにて全国ロードショー/2016年1月20日第3章Blu-ray、DVD発売
©ATLUS ©SEGA/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
HP   http://www.p3m.jp
STAFF   原作/「ペルソナ3」 (アトラス)、脚本/熊谷 純、スーパーバイザー/岸 誠二、キャラクターデザイン/渡部圭祐、ぺルソナデザイン/秋 恭摩、プロップデザイン/常木志伸、色彩設定/合田沙織、美術監督/谷岡善王 (美峰)、美術設定/青 木薫 (美峰)、コンポジット&ビジュアルディレクター/高津純平、編集/櫻井 崇、音楽/目黒将司・小林哲也、音響監督/飯田里樹、第4章監督/田口智久、制作/A-1Pictures
CAST   結城理/石田 彰、岳羽ゆかり/豊口めぐみ、伊織順平/鳥海浩輔、桐条美鶴/田中理恵、真田明彦/緑川 光、山岸風花/能登麻美子、アイギス/坂本真綾、天田乾/緒方恵美、イゴール/田の中勇 (特別出演)、エリザベス/沢城みゆき   ほか
◀スイートピーの花言葉は「優しい思い出」。滅びの運命の中、理は“奇跡”を掴むことができるのか⋯⋯?
ゆ う き まこと
結城 理
声/石田 彰
4月に月光館学園に転入した2年生。類まれなるぺルソナ能力を持ち、「特別課外活動部 (S.E.E.S.)」のリーダーを務める。
バレンタイン ホワイトデー
ペルソナ使いのV&W予想
チョコをもらっても、ホワイトデ一は全無視しそう (笑)、周囲に「あんだけもらっといて返さないのかよ!」と怒られて、しぶしぶコンビニとかで気を使ってない感じのお返しを買ってそう。(田口監督)
▶両親を失った幼い日の事故の様子が明らかに!?
夜の女神が微笑む甘くほろ苦いV&Wの運命
思わぬ人物から滅びの運命を突き付けられた理。下した決断は―。全4章にわたる超大作がついに終幕!第3章での理&綾時の様子を見ていると、今作での関係の変化が気になるところですが⋯⋯?「理と綾時の関係は、一言では表せないですね。友達以上ではあると思うのですけど、親友ともちょっと違うし、兄弟とも言えない。アイギスも理にとって重要なポジションにいますが、��れでもこの二人の間には入っていけないんです。関係は変わってしまいますが、お互いがどんな立場でも、強い絆で繋がっている気がします」と語るのは最終章を担う田口智久監督。しかし滅びの時が刻一刻と迫るなか、理たちのバレンタインはどうなっちゃうの!?
▲見所のひとつはコロマル(のプリケツ)!「今作中唯一の癒しポイント!」と太鼓判です
●作画/山田裕子   仕上げ/合田沙織
真冬のラブFIRE!!
LOVE
❤️💙💛本命男子サーチ&バレンタイン💚💜🩷
◀自らの正体を知り、理に重大な決断を迫る
も ち づ き りょう じ
望月綾時
声/石田 彰
理たちのクラスに転入してきた謎の少年。明るく朗らかな性格で、何かと理に接し、交友を深めていくか⋯⋯。
ペルソナ使いのV&W予想
女好きが浸透してしまって、意外ともらってなさそう。というより、むしろ配ってそうですね!気の利く男です (笑)。ホワイトデーは大盤振る舞いで、大量のお返しを用意してそう。(田口監督)
S.E.E.S.のV&W予想
本命大量!?
さ な だ あ き ひ こ
真田明彦
声/緑川 光
月光館学園の3年生。2年前からシャドウ討伐隊として活動している。トレーニングを欠かさないストイックな人物。
本命チョコをたくさんもらうのに、行事に疎くてなんでチョコをもらえるのかわかってなさそう⋯⋯。(田口監督)
お返しは手作りで
あ ら が き し ん じ ろ う
荒垣真次郎
声/中井和哉
月光館学園の3年生で、真田の幼馴染。S.E.E.S.の一員だったが、ストレガとの戦いのなかで命を落とした。
寮の女子たちすら、渡すのをためらいそう (笑)。ただ、もらったら手作りのお返しをくれそうですね。(田口監督)
見栄っ張り侍
い お りじゅんべい
伊織順平
声/鳥海浩輔
月光館学園の2年生で理のクラスメイト。時折悪のりもするが、気のいいS.E.E.S.のムードメーカー的な存在。
義理チョコ多そうですね!ホワイトデ一はもらった以上の数のお返しを用意して、見栄を張ってそうです。(田口監督)
律儀な紳士
あ ま だ け ん
天田 乾
声/緒��恵美
月光館学園初等部の5年生。S.E.E.S.最年少のためか、少し背伸びをして大人っぽく振る舞おうとする一面も。
本命多そうですね。お返しはきっちり準備して、周囲に「まだ用意してないんですか?」って言いそう (笑)。(田口監督)
みんなのアイドル
コロマル
長鳴神社の“忠犬”として話題の柴犬。長らく野良犬だったが、ペルソナ能力を覚醒させS.E.E.S.の一員となる。
街を歩くだけで、いろんな人から犬用のおやつとかもらいそうですね!ホワイトデーももらってそう。(田口監督)
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kaoriof · 4 months
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Independently blue
感受性が豊かだとかいつも考えすぎだよの一言で自分のすべてを見透かしたかのようにわたしのことをとくべつ綺麗に表現してほしくなかった。というか、絶望や不安感や絶えない悲しみに美しさなんて微塵たりと存在しないと思っているのに、それを爽やかな笑顔を浮かべながら素敵だと言われてしまうと、わたしも捻くれた人間なのでより一層自分に対して惨めな想いばかりが募ってしまう。こんな調子だからいつになっても満たされないのだ。ずっと。自分で自分を縛り付けているような感覚に頭が痛くなる。何一つとして誇れるものを持ち合わせていないことに。家族や友人はたいせつだけれど彼らだってやっぱり一番大切なのは自分自身で、そういった意味では彼らもある種の寂しさを抱えているのかもしれないけど、それでも、と、ぐるぐる考えれば考えるほど自分だけが異様に変わっているように思えてきて耐えきれず泣いてしまう。
無題
世界はドラマによってうごかされていて、そのドラマによってわたしたちはうごかされている。と、高校演劇大会の審査員の演出家の方が言っていた。
ドラマの定義というのは最初に保たれていたバランスが何かをきっかけに崩壊して、そしてまたあたらしいバランスが構築される、というその繰り返しのことらしい。ここで大事なのはバランスが崩れたときに自分自身がいちばん衝撃を受けるであろう強くて鋭い一瞬のエネルギーの動きをしっかりと捉えて明確にするということ。そうすることではじめてハッ、となる瞬間がうまれる。ここでいうハッというのは新しい気付きのことで、これは今までは流れに流されていたものが急に堰き止めらたときに止むを得ず立ち止まり、改めて周りを観察し分析することで自分自身の置かれている立場を客観視できる、ということだと思う。バランスが崩れるということは何かが劇的に変わることを表していて、人間はそれに適応することに大体は切磋琢磨して多くの場合くるしくなったり悲しくなったりとネガティブな感情に追い込まれてしまうと思う。けれど演劇において、また人生においても同じことが言えるけれど、そこでは自らの感情に思うがまま身を委ねるのではなくてロジカルに思考をすることが大事になってくる。というのも、大きな衝動は複数の感情をより複雑に絡ませてしまい、そうするとまた今度はそれを解くことに必死になって小さなパニックが起きてしまうから。そうしてそのように自らを疲れさせないために情報量を極限まで少なくすると、はじめて人間はそこで現在進行形で起きている意外性というものに気がつく。そして大概この意外性、つまり思いがけない驚きや予想外の仕掛けというものは自分だけでなく他者にも影響を及ぼし、それがその審査員のいうハッ、という気付きに繋がるのかもしれない。
同情の有無にかかわらず人間への関心を失ったら演劇など出来ない、と審査員の方々が話すのを聞きながら、人生と演劇って似ているなあと改めて思った。自然であることと自然でないことはまったくもって違うけれど、実は紙一重なのかもしれない。
辛いことはたしかに尽きないけれど、そこでその辛い気持ちから自己防衛をするために自分自身を正当化し誰かを傷つけることは全くもってちがうし、それでは自分のかなしみはより加速する一方で、一向に幸せにはなれない。自信を持つ方法だとか辛い気持ちから脱却する方法だとかそういうことをつらつらと語る動画をたくさん見たら、元気が出た。今までにないほど散々汚い言葉を投げかけられて、ついこの間までもう自分には幸せになる価値なんてないのかもしれないとマイナス思考だったけれど、そんなことはない。幸せになりたい、という思いだけで充分だと思う。どんな運命もそれをよいものにしようと欲するならば、よい運命となる。ただ誰かを傷つけることで自分を正当化する人や人の心に深い爪痕を残そうとする人、自分自身を責めてしまう人や優しさや愛を素直に受け止められずに疑ってしまう人、いろいろな人がいるけれど、その人たちを責めることもまた全くちがうことなのかもしれないと思った。わたしは今までは悪いことをした人は絶対的に悪い、と一方的に思っていたけれど、そのうしろにはその人にしか分からない苦しみがあるのだろうし、それはその人自身によるものだけではなく環境によるものだという可能性だってある。冒頭で述べた、「バランスが崩れたときに自分自身がいちばん衝撃を受けるであろう強くて鋭い一瞬のうちのエネルギーの動き」というものを自分の根本にある愛やだれかから受け取る愛の不十分さゆえに消化できず、他のものでそれを補い上書きしつつ誤魔化すことで、彼らも彼らなりに自分と向き合うとしているのかもしれない。これはあくまで仮定だけれど、そう思うことでわたしも心が軽くなる。辛いとか、幸せとか、気にしなくなるほど愛に満ち足りた生活をしたい。ゆるしたい。自分が侵してしまった失敗や罪も、自分を傷つける人たちの言葉も、上手く物事をこなせない自分自身のことも、幸せでない過去のことも、ぜんぶゆるしてあげたい。号泣しながら鏡を見たら予想以上に顔がぐちゃぐちゃだったので綺麗だった、なんて微塵たりとも思わず、むしろそれを汚いと思ってしまったけれど、それをいつかあの頃の美しさに生かされていると言えるほどの愛を自分のために抱えて離したくない。
無題
丁寧に髪をとかすともう0時だった。ピピピというメロディとともにコンビニのドアは開かれて、わたしはそこで煙草を買おうかと思うけれどもやめる。憧れている女の子が新宿区の高校に通っていることを知って、落ち込んで舞い上がって、そうしてまた落ち込んだ。こんなにも近くで同じ景色を見ているのにわたしはどうしても彼女と同じ世界を生きることができない。等しい恐怖心ともどかしさを感じながら寂しさを分かち合いたかった。彼女がきれいだと思うものをわたしもきれいだと思いたいし、彼女が眠れない夜にはわたしも眠れずにいたい。となりで同じ蝉の鳴き声を聴いて、電車が過ぎ去ってゆくのをみて、風が、草はらを駆け抜けてゆくのをみた。けれどその一瞬のうちですら、たぶんわたしと彼女はきっとそれぞれ異なるひとのことを想って、それぞれ異なる色と匂いと温度と光をかんじている。わたしは彼女がかなしいと思うときにおなじようにかなしいと思えないのだ。それほどもどかしいことはないし、それほど愛おしいものもない。わたしの孤独はわたし一人だけで成立しているものではなくて、わたしの大切なひとたちがいてこそのものだと思うと、それだけで眠れなかった夜が嘘みたいに今度は眠りたくない夜になる。満たされていないからわたしは海をきれいだと思うのだろうし、なんの迷いも戸惑いもなく未来に眩さや希望やあたたかな愛を見出すことができるのだと思う。満足することを知らず、いつまでも世界のありとあらゆるところまでつねに感じていたい。うしなわれた光と温度と音が知らない地でまたあたらしくうまれるところを、ずっととおい国のちいさな街で暮らす少年の報われなかった恋を、インターネットの隅で未だに煌めきを失わず残ることばの数々を、千年前に生きていた十七歳の少女が今を生きるわたしのそれと同じ眼差しで、同じ場所で、同じ海を眺めている様子をみたかった。恐竜の鱗が光にてらされてかがやいているのもみたかった。この風は、まだ人間が人間じゃなかった頃に吹いていた風かもしれない。同級生のこととかたとえば自分の数年後のこととか明日の試験のこととか考えているうちに、きっとたぶんあっとういうまにわたしは歳を重ねて死んでしまうから。あなたも。死は永遠に続く停止ではなくて、またあたらしい有限への始まりにしか過ぎないのかもしれない。昔の文章、はずかしすぎてマトモに読めなかった。一年前のわたしだったら全部削除していたかもしれない。だいたい、あなたにはなれないと分かっていながらあなたになりたいなんて思ってしまったわたしがわるかった。わたしは全然自分が思っているより幸せだし、あなただってきっとあなたが思っているより幸せなのだと思う。それにそうだねと言えないのなら、わたしが幸せにしにいくから泣かないで。
Fresh Flesh
苛々してばかりいる。排気ガスを吸い込んだ朝の光。どこまでもぬるい夏の風。孤独を拒絶する友人。数値化された感性。立ち並ぶビル群。声のでかい女。ぜ〜んぶ、ほんとにぜんぶ、まるで雷光のようにわたしの心の奥の奥の奥のほうをカッと照らすので、まぶしくてひたすらに鬱陶しい。だけど舌打ちも暴力も歯軋りも性に合うはずがないので、ただ血液だけが巡るその速度を速め、ああ、もうさ、どうしてこんなに世界って鮮やかなわけ?って、思った、昼。あらゆる音がさっきまで飲んでいたシュワシュワサイダーの泡みたいに空気中を弾ける。ぽつ、ぽつ。びゅうびゅう。ざあざあ。びたびた。ぱらぱら。すぐそこで揺れている深緑(ふ���みどり)が泣いているみたい。小鳥や野良猫は雨の日どこで雨宿りをしているんだろうか。ショッキングイエローも、スモーキーピンクも、オーシャンブルーも、わたしたちはすべて黒い色の文字で表現できてしまうのに、心がぎゅうってなるあの感覚って、どんな言葉を選んでもなにかが違う。途中でこうじゃないって投げ出してしまう。どれだけ小説のページを繰っても、黒、黒、黒、そうして少し、余白。けれどそこにはそこにしかない風があって、匂いがあって、音があって、熱があって。先生の合図とともに重たい教科書を開いて、ハイライターで色をつける。まだあと二十分もある、って思うとき途方も無い気持ちなる。(おねがいだから一人にしてほしい、)と、一人なのに、そう思う。これからどうすればいいんだろう。どうなるんだろう。何をすればいいんだろう。何を守るべきで、何を捨てるべきなのか、わかったら、なんの迷いもなしに会いたい人たちの元へと駆けて行けるのに、わたしがいなくても彼らの生活は成立してしまう。その事実が毎日のようにわたしの胸をきつく締め付けるので、勉強さえ手につかない。夏の夜の闇に、重ねに重ねた不安を押しつぶされそうになって、怖くなって、ママが深��眠っているのを確認したあと、あたかも人が眠っているかのように部屋の布団を整えて、玄関のドアをゆっくり、すごくゆっくり開けた。レッドのマットリップと、ドット柄の上下パジャマのズボンと、上はダボダボのブルーのパーカー。午前零時。自転車のギアをいちばん重いのにして、全速力でペダルを漕ぐ。まだたくさんいる人々の話し声や車のエンジン音が瞬く間に遠のいていく中、車輪の回転する音だけが一定の大きさで響きわたる。往復およそ三百円の通学路と、京浜東北線。光が差し込むと肌が透けてみえる白いブラウスと、微かに香る柔軟剤のにおい。テスト前、教科書がパンパンに入ったリュックサックの重さと、かかとの磨り減ったローファーの鈍い光沢。小さな教室と、先生のつまらない冗談。どっと響きわたる笑い声の中に掻き消された不安定な思考。すべて、いつか、終わってしまうことがちっともさみしくないと思ってしまった。ゆるしてほしい。だって、いつだって死ぬことは生きることの一部。怖いモノなど無いと信じたいでしょ。
無題
上野で車に轢かれた鳩の死骸をみた。車窓に映る風の如く過ぎ去ってゆく光景はあらゆるモノの死の産物なのだと、いつか君が話していたのを思い出した。それに感化され涙を目に浮かべるわたしもまた、いずれ消えてしまう。雲ひとつない晴れた日に駅の出口で名前も顔も知らない人を待ちながら、点滅する青信号に早まる人々の足取りを目で追う。断ち切れた水道管の真横でカラスがゴミを漁っていた。彼も彼女もこの街ですらいつか朽ちてゆくのに、世界はなぜこうも美しく出来すぎているのだろうかとよく考える。降ってくる雨粒の鋭さに刺され出血することもなければ、太陽の光によって皮膚が火傷することもない。風の強さで眼球が吹き飛ぶこともなければ、鳥の鳴き声で鼓膜が破れることもない。そのやさしさがたまに鬱陶しくて鬱陶しくて、真夜中に布団に包まってひっきりなしに泣く。ああ、やってらんないなあと思いながら、チョコレートパフェを注文する。向かい席に座った顔見知りになって間もない女性が煙草を嗜む、その姿に恋心にも似たときめきを覚えた。文豪たちが綴ったうつくしい言葉が無数に散らばる図書館で、わたしと彼女は自分たちで編み出したくだらない戯れ言に花まるをつけた。いつか、という言葉が好きだ。いつか大丈夫になる。いつか幸せになる。いつか報われる。いつかわたしにも大切な人が出来る。いつか大人になる。いつか死ぬ。その果てに見える景色があらゆるモノの死の産物だとしたら、わたしは毎日それらを瞼の裏に葬り、目を閉じて祈る。人生にリタイヤもバッドエンドもエンドロールもない。それよりも踊ってばかりの国のサイクリングロードを聴きながら、ドライブしよう?
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chikuri · 11 months
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炎上とリスクマネジメントの専門家です。宝塚の記者会見を見ましたが、組織としてまったく誠意が感じられず、「よくこんな内容で世に出したな…」と呆然でしたね。今年世の中を騒がせた記者会見といえばビッグモーターが記憶に新しいですが、あちらは「あの会社と社長なら、あれくらいやりかねないな」というある意味想定の範囲内でした。しかし今般の宝塚は、「歴史も名声もある組織なのに、これほどまでに遵法意識に欠け、隠蔽と保身に走るのか…」という幻滅に近い印象ですね。とくに気になったのは次の点です。 ・冒頭「ご遺族の皆さまに誠心誠意対応する」と宣言しておきながら、「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかった」と遺族の訴えを真っ向から否定 ・劇団側の調査報告は第三者委員会方式ではなく、単一の法律事務所に依頼しており、客観性・公平性に欠ける印象 ・発表者はうつむいて報告書を一方的に棒読みしているだけ。「報告書の○ページをご確認ください」と言われても、視聴者には分からない。 ・故人がヘアアイロンを額に押し付けられてやけどを負った件について「ヘアアイロンでやけどをすることは一般的」 ・週刊誌報道にあるような「『嘘つき野郎』と面罵された」等については伝聞情報のため確認できないが、(故人に対して)嘘をついてないか何度も確認されていたことは把握している ・そもそも組織全体として、公演スケジュールが過密で、休みなく稽古に入るうえ、稽古自体も複雑化して精神的余裕が奪われがちな状況であることを把握しながら、今般の事故が起きるまで積極的な対応をしてこなかった ・記者からの「ハラスメント的な体質を見逃してきたということはないのか」との質問に対して回答がしどろもどろ  劇団側としては、今般の会見に先立っておこなわれた劇団企画室長のメディアコメント「劇団としては“いじめ”という事案があるとは考えていない。加害者も被害者もおりません」との見解と整合性をとる必要があったのかもしれませんが、とにかく責任回避と保身の姿勢があからさま過ぎました。情報の受け手からの理解は得られず、危機管理として失敗でしょう。逆に、 「劇団員とは業務委託契約とのことだが、実質的に過密なスケジュール対応を要求している。実態としては雇用契約であり、偽装請負に当たるのではないか?」 「嘘をついていないか何度も詰問される行為は、実質的に『嘘つき』認定も同然であり、それによって心理的負荷がかかっていたのであれば、精神的攻撃にあたるパワハラそのものではないか?」 「週刊誌報道が事実無根、もしくは事実と相違があるなら、劇団が週刊誌側を名誉毀損等で訴えればよいのに、そうしないということは、やはり事実だったのでは?」 「業務量の多さは昔から変わらないはずなのに、劇団として把握できていなかったというならば、職場の安全配慮義務違反として管理責任が問われるのでは?」 といった具合に、余計な(でも真っ当な)ツッコミや疑念を生じさせてしまうことになります。もし劇団側が本当にいじめやパワハラという認識がないならば、劇団側が反省の弁として述べた「ルールを見直して改善していく」という約束も怪しいものとなるでしょう。何しろ、何がいじめでパワハラなのか認識がないわけですから、認識がないところから改善などできるはずがないのです。 私自身は宝塚歌劇自体についてド素人なもので、一部の熱心なファンの方にとっては「宝塚のことを何も知らないヤツがうるさいことを言うな!」と思われるかもしれません。しかし、どんな伝統やしきたりがあったとしても、ワークルールやハラスメントの基準は共通です。至らない点は真摯に改めて頂きたいものですね。
新田 龍 / X
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