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#独眼竜ねこまさむね
kaoriof · 4 months
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Independently blue
感受性が豊かだとかいつも考えすぎだよの一言で自分のすべてを見透かしたかのようにわたしのことをとくべつ綺麗に表現してほしくなかった。というか、絶望や不安感や絶えない悲しみに美しさなんて微塵たりと存在しないと思っているのに、それを爽やかな笑顔を浮かべながら素敵だと言われてしまうと、わたしも捻くれた人間なのでより一層自分に対して惨めな想いばかりが募ってしまう。こんな調子だからいつになっても満たされないのだ。ずっと。自分で自分を縛り付けているような感覚に頭が痛くなる。何一つとして誇れるものを持ち合わせていないことに。家族や友人はたいせつだけれど彼らだってやっぱり一番大切なのは自分自身で、そういった意味では彼らもある種の寂しさを抱えているのかもしれないけど、それでも、と、ぐるぐる考えれば考えるほど自分だけが異様に変わっているように思えてきて耐えきれず泣いてしまう。
無題
世界はドラマによってうごかされていて、そのドラマによってわたしたちはうごかされている。と、高校演劇大会の審査員の演出家の方が言っていた。
ドラマの定義というのは最初に保たれていたバランスが何かをきっかけに崩壊して、そしてまたあたらしいバランスが構築される、というその繰り返しのことらしい。ここで大事なのはバランスが崩れたときに自分自身がいちばん衝撃を受けるであろう強くて鋭い一瞬のエネルギーの動きをしっかりと捉えて明確にするということ。そうすることではじめてハッ、となる瞬間がうまれる。ここでいうハッというのは新しい気付きのことで、これは今までは流れに流されていたものが急に堰き止めらたときに止むを得ず立ち止まり、改めて周りを観察し分析することで自分自身の置かれている立場を客観視できる、ということだと思う。バランスが崩れるということは何かが劇的に変わることを表していて、人間はそれに適応することに大体は切磋琢磨して多くの場合くるしくなったり悲しくなったりとネガティブな感情に追い込まれてしまうと思う。けれど演劇において、また人生においても同じことが言えるけれど、そこでは自らの感情に思うがまま身を委ねるのではなくてロジカルに思考をすることが大事になってくる。というのも、大きな衝動は複数の感情をより複雑に絡ませてしまい、そうするとまた今度はそれを解くことに必死になって小さなパニックが起きてしまうから。そうしてそのように自らを疲れさせないために情報量を極限まで少なくすると、はじめて人間はそこで現在進行形で起きている意外性というものに気がつく。そして大概この意外性、つまり思いがけない驚きや予想外の仕掛けというものは自分だけでなく他者にも影響を及ぼし、それがその審査員のいうハッ、という気付きに繋がるのかもしれない。
同情の有無にかかわらず人間への関心を失ったら演劇など出来ない、と審査員の方々が話すのを聞きながら、人生と演劇って似ているなあと改めて思った。自然であることと自然でないことはまったくもって違うけれど、実は紙一重なのかもしれない。
辛いことはたしかに尽きないけれど、そこでその辛い気持ちから自己防衛をするために自分自身を正当化し誰かを傷つけることは全くもってちがうし、それでは自分のかなしみはより加速する一方で、一向に幸せにはなれない。自信を持つ方法だとか辛い気持ちから脱却する方法だとかそういうことをつらつらと語る動画をたくさん見たら、元気が出た。今までにないほど散々汚い言葉を投げかけられて、ついこの間までもう自分には幸せになる価値なんてないのかもしれないとマイナス思考だったけれど、そんなことはない。幸せになりたい、という思いだけで充分だと思う。どんな運命もそれをよいものにしようと欲するならば、よい運命となる。ただ誰かを傷つけることで自分を正当化する人や人の心に深い爪痕を残そうとする人、自分自身を責めてしまう人や優しさや愛を素直に受け止められずに疑ってしまう人、いろいろな人がいるけれど、その人たちを責めることもまた全くちがうことなのかもしれないと思った。わたしは今までは悪いことをした人は絶対的に悪い、と一方的に思っていたけれど、そのうしろにはその人にしか分からない苦しみがあるのだろうし、それはその人自身によるものだけではなく環境によるものだという可能性だってある。冒頭で述べた、「バランスが崩れたときに自分自身がいちばん衝撃を受けるであろう強くて鋭い一瞬のうちのエネルギーの動き」というものを自分の根本にある愛やだれかから受け取る愛の不十分さゆえに消化できず、他のものでそれを補い上書きしつつ誤魔化すことで、彼らも彼らなりに自分と向き合うとしているのかもしれない。これはあくまで仮定だけれど、そう思うことでわたしも心が軽くなる。辛いとか、幸せとか、気にしなくなるほど愛に満ち足りた生活をしたい。ゆるしたい。自分が侵してしまった失敗や罪も、自分を傷つける人たちの言葉も、上手く物事をこなせない自分自身のことも、幸せでない過去のことも、ぜんぶゆるしてあげたい。号泣しながら鏡を見たら予想以上に顔がぐちゃぐちゃだったので綺麗だった、なんて微塵たりとも思わず、むしろそれを汚いと思ってしまったけれど、それをいつかあの頃の美しさに生かされていると言えるほどの愛を自分のために抱えて離したくない。
無題
丁寧に髪をとかすともう0時だった。ピピピというメロディとともにコンビニのドアは開かれて、わたしはそこで煙草を買おうかと思うけれどもやめる。憧れている女の子が新宿区の高校に通っていることを知って、落ち込んで舞い上がって、そうしてまた落ち込んだ。こんなにも近くで同じ景色を見ているのにわたしはどうしても彼女と同じ世界を生きることができない。等しい恐怖心ともどかしさを感じながら寂しさを分かち合いたかった。彼女がきれいだと思うものをわたしもきれいだと思いたいし、彼女が眠れない夜にはわたしも眠れずにいたい。となりで同じ蝉の鳴き声を聴いて、電車が過ぎ去ってゆくのをみて、風が、草はらを駆け抜けてゆくのをみた。けれどその一瞬のうちですら、たぶんわたしと彼女はきっとそれぞれ異なるひとのことを想って、それぞれ異なる色と匂いと温度と光をかんじている。わたしは彼女がかなしいと思うときにおなじようにかなしいと思えないのだ。それほどもどかしいことはないし、それほど愛おしいものもない。わたしの孤独はわたし一人だけで成立しているものではなくて、わたしの大切なひとたちがいてこそのものだと思うと、それだけで眠れなかった夜が嘘みたいに今度は眠りたくない夜になる。満たされていないからわたしは海をきれいだと思うのだろうし、なんの迷いも戸惑いもなく未来に眩さや希望やあたたかな愛を見出すことができるのだと思う。満足することを知らず、いつまでも世界のありとあらゆるところまでつねに感じていたい。うしなわれた光と温度と音が知らない地でまたあたらしくうまれるところを、ずっととおい国のちいさな街で暮らす少年の報われなかった恋を、インターネットの隅で未だに煌めきを失わず残ることばの数々を、千年前に生きていた十七歳の少女が今を生きるわたしのそれと同じ眼差しで、同じ場所で、同じ海を眺めている様子をみたかった。恐竜の鱗が光にてらされてかがやいているのもみたかった。この風は、まだ人間が人間じゃなかった頃に吹いていた風かもしれない。同級生のこととかたとえば自分の数年後のこととか明日の試験のこととか考えているうちに、きっとたぶんあっとういうまにわたしは歳を重ねて死んでしまうから。あなたも。死は永遠に続く停止ではなくて、またあたらしい有限への始まりにしか過ぎないのかもしれない。昔の文章、はずかしすぎてマトモに読めなかった。一年前のわたしだったら全部削除していたかもしれない。だいたい、あなたにはなれないと分かっていながらあなたになりたいなんて思ってしまったわたしがわるかった。わたしは全然自分が思っているより幸せだし、あなただってきっとあなたが思っているより幸せなのだと思う。それにそうだねと言えないのなら、わたしが幸せにしにいくから泣かないで。
Fresh Flesh
苛々してばかりいる。排気ガスを吸い込んだ朝の光。どこまでもぬるい夏の風。孤独を拒絶する友人。数値化された感性。立ち並ぶビル群。声のでかい女。ぜ〜んぶ、ほんとにぜんぶ、まるで雷光のようにわたしの心の奥の奥の奥のほうをカッと照らすので、まぶしくてひたすらに鬱陶しい。だけど舌打ちも暴力も歯軋りも性に合うはずがないので、ただ血液だけが巡るその速度を速め、ああ、もうさ、どうしてこんなに世界って鮮やかなわけ?って、思った、昼。あらゆる音がさっきまで飲んでいたシュワシュワサイダーの泡みたいに空気中を弾ける。ぽつ、ぽつ。びゅうびゅう。ざあざあ。びたびた。ぱらぱら。すぐそこで揺れている深緑(ふかみどり)が泣いているみたい。小鳥や野良猫は雨の日どこで雨宿りをしているんだろうか。ショッキングイエローも、スモーキーピンクも、オーシャンブルーも、わたしたちはすべて黒い色の文字で表現できてしまうのに、心がぎゅうってなるあの感覚って、どんな言葉を選んでもなにかが違う。途中でこうじゃないって投げ出してしまう。どれだけ小説のページを繰っても、黒、黒、黒、そうして少し、余白。けれどそこにはそこにしかない風があって、匂いがあって、音があって、熱があって。先生の合図とともに重たい教科書を開いて、ハイライターで色をつける。まだあと二十分もある、って思うとき途方も無い気持ちなる。(おねがいだから一人にしてほしい、)と、一人なのに、そう思う。これからどうすればいいんだろう。どうなるんだろう。何をすればいいんだろう。何を守るべきで、何を捨てるべきなのか、わかったら、なんの迷いもなしに会いたい人たちの元へと駆けて行けるのに、わたしがいなくても彼らの生活は成立してしまう。その事実が毎日のようにわたしの胸をきつく締め付けるので、勉強さえ手につかない。夏の夜の闇に、重ねに重ねた不安を押しつぶされそうになって、怖くなって、ママが深く眠っているのを確認したあと、あたかも人が眠っているかのように部屋の布団を整えて、玄関のドアをゆっくり、すごくゆっくり開けた。レッドのマットリップと、ドット柄の上下パジャマのズボンと、上はダボダボのブルーのパーカー。午前零時。自転車のギアをいちばん重いのにして、全速力でペダルを漕ぐ。まだたくさんいる人々の話し声や車のエンジン音が瞬く間に遠のいていく中、車輪の回転する音だけが一定の大きさで響きわたる。往復およそ三百円の通学路と、京浜東北線。光が差し込むと肌が透けてみえる白いブラウスと、微かに香る柔軟剤のにおい。テスト前、教科書がパンパンに入ったリュックサックの重さと、かかとの磨り減ったローファーの鈍い光沢。小さな教室と、先生のつまらない冗談。どっと響きわたる笑い声の中に掻き消された不安定な思考。すべて、いつか、終わってしまうことがちっともさみしくないと思ってしまった。ゆるしてほしい。だって、いつだって死ぬことは生きることの一部。怖いモノなど無いと信じたいでしょ。
無題
上野で車に轢かれた鳩の死骸をみた。車窓に映る風の如く過ぎ去ってゆく光景はあらゆるモノの死の産物なのだと、いつか君が話していたのを思い出した。それに感化され涙を目に浮かべるわたしもまた、いずれ消えてしまう。雲ひとつない晴れた日に駅の出口で名前も顔も知らない人を待ちながら、点滅する青信号に早まる人々の足取りを目で追う。断ち切れた水道管の真横でカラスがゴミを漁っていた。彼も彼女もこの街ですらいつか朽ちてゆくのに、世界はなぜこうも美しく出来すぎているのだろうかとよく考える。降ってくる雨粒の鋭さに刺され出血することもなければ、太陽の光によって皮膚が火傷することもない。風の強さで眼球が吹き飛ぶこともなければ、鳥の鳴き声で鼓膜が破���ることもない。そのやさしさがたまに鬱陶しくて鬱陶しくて、真夜中に布団に包まってひっきりなしに泣く。ああ、やってらんないなあと思いながら、チョコレートパフェを注文する。向かい席に座った顔見知りになって間もない女性が煙草を嗜む、その姿に恋心にも似たときめきを覚えた。文豪たちが綴ったうつくしい言葉が無数に散らばる図書館で、わたしと彼女は自分たちで編み出したくだらない戯れ言に花まるをつけた。いつか、という言葉が好きだ。いつか大丈夫になる。いつか幸せになる。いつか報われる。いつかわたしにも大切な人が出来る。いつか大人になる。いつか死ぬ。その果てに見える景色があらゆるモノの死の産物だとしたら、わたしは毎日それらを瞼の裏に葬り、目を閉じて祈る。人生にリタイヤもバッドエンドもエンドロールもない。それよりも踊ってばかりの国のサイクリングロードを聴きながら、ドライブしよう?
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kotobatoki-arai · 4 days
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ユートピアを考えていた。
 このなだらかなスロープをのぼる体はだいぶ軋んでいた。皆が支える滑車は見事に装飾され様々な色合いを纏い蔦をおおく絡めている。そこのミチを抜けると断層にあたるから、低く照らし尽くした桟道はなんぼもなく、曲線に沿って地下を巡ってください。厳粛な門扉は硝子でできており遠くまで見渡せていたが、ちょうど突きあたりの掉尾を飾るからなんてこともない、そこはゆるりとあればいい。  歩みだすときはどうせ坂道を転げるように自由を求める、いつかの雨晴れ。ひときれ振りまく苦笑いに流れるらしい わたしの日常は、腐った美術館だと畫けば、  fragileをのみこんでいった  無意識の傾げ、やわらかく暗がりを抱擁する低い空に神の皓さは具象する、湿っぽい賢者であろうと叩き壊した少々の本音はやはり馨り、あたりいちめんないような感覚と憂いたすべては酔彩、  (溜息、)羽とすれば咲くがいいか。  四六浮き積と漂う媒体、崩してむき出しに沈シンだ柔肌と、ちょうど上澄みの配列をいつかと散り敷かれる、  つまらない祝日がたどたどしく腰をおろして。  どうやら、読みかけの頁 と混じりあい 孤独を拐かしたように感じ、生身の体はまた地に湛む 一夜の姿を見せ/考える/ジオラマだと勝手、わらえばいいけど。しかしだよ。この雨はやまなかったが、あなたはやわらかなかおをして、たまにかがやいてみえる。  繊細は腐静仏と吸い寄せられ  ひとつぶの常ジョウは物換星移  いま暁のことですから  ハンドルNでは風刺画にもなりゃしないが  そうだな これは焼けた砂浜の車をやめて、素足で降り立ち おんなはまた/猥りがましいから胎をさすって。ビーチハットを目深に被り、奥に統べるように干潟を浚い、この瞳もなにもみえやしないが。キャンバス上を、流れてゆく先々を想像したときに。――と、まあそんなしあわせがほしかった。そう、声なき声で。いつかの稚気をそぎおとした某名のひとつとして、  それともなにか適した通勤バスのなかは温室じみて、しばらく床に落ちた水加減が混じり、座席はテンプレートのように日差しが溶け込み、にわかにひっくりかえした特徴は天地に蒼くざわめいた。  決して。軽く蒸れ乾いた沈黙(額縁)を、のそのそと  這い出ると/おおごえで/振り向けば、主張がない/視覚を  片々な素材を塗り重ね、或いは くたくたな結び目の一方に火をいれたばかりのものは、枢ククリ地図を片手に押し開き、この状態を完璧なものだと、一途にあり。こわばる実を幾つか抱いた木々がまたヒトカズに入イる。独自な悪路にさしかかるワダツミの質感までがアサギと可溜り、珠海の鳳獄や銀竜草ユウレイタケと解き、あっちこっちに群生し、おどろくほど弱い罠だとひとつ摘みとり、瞬く間に枯れて、どうせまわりはおだやかに過ぎゆくのですから  もはや風であれ繋がれ、ほつれ目からそれぞれの人相を窺う、あるべきところへ薪は焚べられたのです。  怖気とは苦しみで悲しみで飼い殺した未知不明の蛇行を挟んでここに、種を蒔く。  無遠慮な灌木が芽吹きはじめる。侘しさが降り注ぎ窓に並ぶ。例えるなら眼鏡ごしに平行線の感傷とする。なにを掴み取ればよいのか。なにより御承知のとおり 喜劇覚書など粛々と眠るまえに  ――ここに、延ばして掻きとるだけの今とは、ただただ下る 生活と通過する故に、蝋燭を立てインクを溢すのだから。その質感とあれば消沈の舵は荒廃を取り分け旨は潮流をややこと更け、刻としてうつほと孕む一筋のひかりを掴もうと手を伸ばし、ぬくみだけが輪郭と繊細に沁みて  ……行く先をはじまりとみようが、柔らかな陽が透きとおったリネンのカーテンから現にみちみちて。シンプルないたみばかりが喉元を絞めるから。目覚めているようでどこか夢の最中あり、秒針も忙しない鼓動が重ならずに呼び起こしただけ切り抜きなのです (ひたぶる視覚に沿って包まれていたと、おもわれる、堺はまたどこかで傷付いて、脳裏ではたくさんのオリが生まれては消えていくのだ)  ではやがて十坪に満たない明日になったら、赫々たる尊びも、ね――もう褪せた夏の秘色を解いたばかりの、あれら連中(労働者)はハリツケの丘を一蹴する。タンパク質が絵にかいたようなifの夢 (同時に朝もやと書き置き、手繰り寄せた白湯を啜った)  沖から外を眺め見ることが叶うよう、彫り込まれた深い庇が一夜のように天赦し、ゆるくズレていくと 人生のにぎわいにあたる。のちに複製され、舌の先まで熱い手のひらの流れに、記憶の隅に複雑に追いやられてしまい、なにもないほど、あたりまえになる  このおとこの口から、光沢のある眼球まで感覚を欠けて、斜めから錠を取り付け、(まったく大袈裟な微睡みだと咳き込んでさぁ)  順序よく咀嚼させたものです。  ぬるい愚直なれ、鬱蒼とある なんぼか くねくねと、  まんべんなく虚脱感を肉体に添えるからだと  些細な歴史と覗き込めば銀河の畔もなれはて、一朝の圧倒を縫ってそれほど充てる、澪標の跡は手のひらだけに催涙雨と成す  しかし豊かな光や深い影が情け無いかも知れません。いまやあなたの芝居がかった振る舞いも幅広く、自然という退廃美と永久欠番の黒鍵と奏でる自白なども、いろを混ぜ合わせ、憐れみひとつも感じないから。膿んだほとぼりとはきっと反復する、ほんのつかのまの名画だとして  ではループする7番線の占いは―― 「どうってことねえの。」  ――もしシーラカンスの脊柱は太い中空の管~左右を除する足音が発する。そうしたなかで皆それぞれに閉ざされていて、晴た口吻のまどかに手を付けた展望のあぶき、かろやかに伏し拝みしどき、受け皿を序す貽貝の毒はへばれども堅く。くどくどとそれを憔悴爆撃とすくんでも老いても  あれらはどうであろう《多機能携帯端末と徘徊する》  、と――  並んでいるところに立って おとこは むかっていた、  碑錆びた名残りとある廟のようでも。  天体観望会は、アンタレスだけ満たし、うららかな裏を反して。考える葦であればびくともしない性格で。悠長に眠っているくせに。月蝕のあいだじゅう表情が消える。 (あなたのネグリジェを、黄昏が、さりげなく梳いたという)  にんげんは俯瞰してみれば限りなく小さく、日常の如何にのっぺらとしたことよ。あの手この手も、多少の変化にびくつきながら過ごす、懐かしさもちょっとしたありえない夢も、抄録コラージュしたばかりで  気づけば景観を彫像する箱庭であるのに、ほんのすこしかいま見る窓辺では霧のむこうにある、風景とはひやりとなみだしたり、肖像がほころびたりするけれども、春がまた濡れている  あなただとして 〈枝と花で飾る、ことを。〉  おもいかえしては此等、あるがまま 〝恣意ている〟から ゆらぎ (尾ひれがつく。そう想われるのだ)  すりつぶす星の粒が、ゆがんだ波が寄せては引いて、いつかの桜花を兆すまで闇が浮かび落ちる、わずかな影が同形な足で真直な選を追いたら、すくわれ続ける。うたかたの日は昇り、また沈み、一匹の貧相な観賞魚アナタをおもいえがく  爛れた流星痕とは口遊んだ野火だったから  況して、それからずっとひかりはリビングダイニングに処方箋を継ぎ足す。あなたから仕切られた曲線で、くすんだ指で 蝶尾がそこら中ともしらぬものを仄カタムけ、真っ白に潰されたひかりに値いし、天穹と深海をいずれも結ぼれるように反射した六畳一間に わたしと金魚鉢ひとつ、空蝉と置いてな(筆舌に尽くしがたい) 2024/07/27
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sangokushi7 · 2 months
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夏侯惇、自らの左目を食す!その[勇猛心]
夏侯惇、自らの左目を食す!その[勇猛心] #夏���惇 #三国志 #はじめての三国志
    今回は隻眼(せきがん)の武将について取り上げます。この記事では、隻眼で有名な人物を取り上げます。       最初に日本史で隻眼として有名な伊達政宗(だてまさむね)を取り上げ独眼竜(どくがんりゅう)政宗のルーツを紹介します。それから三国志において隻眼で有名な夏侯惇(かこうとん)を取り上げます。       三国志で一番有名な片目の名将   日本史において隻眼で有名な将は誰でしょうか。武田信玄(たけだしんげん)の軍師である山本勘助(やまもとかんすけ)や仙台藩の伊達政宗が挙げられます。この2人の肖像画を見ると片目に眼帯をしているか目が見えないような表情をしています。この2人が片目を失った原因は子供の頃にかかった疱瘡(ほうそう)だったと言われています。       片目というハンデを気にすることなく、2人は戦国武将として活躍しました。山本勘助は川中島の戦いで戦死しますが、武田信…
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kachoushi · 10 months
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各地句会報
花鳥誌 令和5年12月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年9月2日 零の会 坊城俊樹選 特選句
売られゆく親子達磨の秋思かな 三郎 初秋の六区へ向かふ荷風かな 佑天 浅草にもの食ふ匂ひして厄日 和子 秋の風六区をふけばあちやらかに 光子 蟬一つ堕つ混沌の日溜りに 昌文 中国語英語独逸語みな暑し 美紀 神谷バーにはバッカスとこほろぎと 順子
岡田順子選 特選句
ましら酒六区あたりで商はれ 久 レプリカのカレーライスの傾ぐ秋 緋路 鉄橋をごくゆつくりと赤とんぼ 小鳥 ぺらぺらの服をまとひて竜田姫 久 橋に立てば風に微量の秋の粒 緋路 秋江を並びてのぞく吾妻橋 久 提灯は秋暑に重く雷門 佑天 浅草の淡島さまへ菊灯し いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月2日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
さざなみの落暉の中の帰燕かな 睦子 流木を手に引き潮の夏終る 同 無干渉装ふ子等や生身魂 久美子 秋暑し右も左も行き止まり 愛 秋の虹までのバス来る五号線 同 バスを降りれば露草の街青し 同 投げやりな吹かれやうなり秋風鈴 美穂 先頭の提灯は兄地蔵盆 睦子 なりたしや銀河の恋の渡守 たかし 指で拭くグラスの紅や月の秋 久美子 くちびるに桃の確かさ恋微動 朝子 法師蟬死にゆく人へ仏吐く たかし 息づきを深め白露の香を聞く かおり 燕帰るサファイアの瞳を運ぶため 愛
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月4日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
恐ろしき事をさらりと秋扇 雪 美しき古りし虹屋の秋扇 同 秋扇想ひ出重ね仕舞ひけり 千加江 秋扇静かに風を聞ゐてみる 同 鵙高音落暉の一乗谷の曼珠沙華 かづを 秋夕焼記憶に遠き戦の日 匠 補聴器にペン走る音聞く残暑 清女 夕闇の迫りし背戸の虫を聞く 笑 秋扇閉ぢて暫く想ふこと 泰俊 曼珠沙華情熱といふ花言葉 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月6日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
片足を隣郷に入れて溝浚へ 世詩明 野分中近松像の小さかり ただし 吹く風の中にかすかに匂ふ秋 洋子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月7日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
何事も暑さの業と髪洗ふ 由季子 染みしわの深くなり行く残暑かな 都 膝抱き色なき風にゆだねたり 同 秋の灯を手元に引きてパズル解く 同 のど元へ水流し込む残暑かな 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月9日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
枯蟷螂武士の貌して句碑に沿ふ 三無 籠に挿す秋海棠の朱の寂し 百合子 一山の樹木呑み込み葛咲けり 三無 風少し碑文を撫でて涼新た 百合子 守り継ぐ媼味見の梨を剥く 多美女 葛覆ふ風筋さへも閉ぢ込めて 百合子 かぶりつく梨の滴り落ちにけり 和代 秋雨の音の静かに句碑包む 秋尚 梨剥いて母看取り居ゐる弟と 百合子 たわわなる桐の実背ナに陽子墓所 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月11日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
登り来て峙つ霧を見渡せり エイ子 太鼓岩霧に包まれ夫と待ち のりこ 秋茄子の天麩羅旨し一周忌 エイ子 秋茄子の紺きっぱりと水弾き 三無 散歩道貰ふ秋茄子日の温み 怜 朝の日の磨き上げたる秋茄子 秋尚 山の端は未だ日の色や夕月夜 怜 砂浜に人声のあり夕月夜 和魚 四百段上る里宮霧晴るる 貴薫
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月11日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
星月夜庭石いまだ陽の温み 時江 サングラス危険な香り放ちけり 昭子 団子虫触れれば丸く菊日和 三四郎 羅の服に真珠の首飾り 世詩明 無花果や授乳の胸に安らぐ児 みす枝 蜩に戸を開け放つ厨窓 時江 秋立つやこおろぎ橋の下駄の音 ただし 曼珠沙華好きも嫌ひも女偏 みす枝 長き夜を会話の出来ぬ犬と居て 英美子 妹に母をとられて猫じやらし 昭子 長き夜や夫とは別の灯をともす 信子 蝗とり犇めく袋なだめつつ 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月12日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
鳳仙花見知らぬ人の住む生家 令子 秋の灯や活字を追ひし二十二時 裕子 露草の青靴下に散らしたる 紀子 父からの裾分け貰ふ芋の秋 裕子 かなかなや女人高野の深きより みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月12日 萩花鳥会
秋の旅ぶんぶく茶􄽂の茂林寺に 祐子 胡弓弾くおわら地唄の風の盆 健雄 大木の陰に潜むや秋の風 俊文 月今宵窓辺で人生思ひけり ゆかり 天に月地に花南瓜一ついろ 恒雄 月白や山頂二基のテレビ塔 美恵子
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令和5年9月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
蜩や五百羅漢の声明に 宇太郎 我が庭は露草の原湖の底 佐代子 水晶体濁りし吾に水澄める 美智子 手作りの数珠で拜む地蔵盆 すみ子 蝗追ふ戦終りし練兵場 同 病院を抜け出し父の鯊釣りに 栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月15日 さきたま花鳥句会
虫しぐれ東郷艦の砲弾碑 月惑 熱帯夜北斗の杓の宵涼み 八草 兵の斃れし丘や萩の月 裕章 夕刊の行間うめる残暑かな 紀花 校庭に声もどりをりカンナ燃ゆ 孝江 八十路にもやる事数多天高し ふゆ子 子供らの去り噴水の音もどる ふじ穂 杉襖霧襖越え修験道 とし江 耳底に浸みる二胡の音秋めけり 康子 敬老日いよよ糠漬け旨くなり 恵美子 重陽の花の迎へる夜話の客 みのり 新涼の風に目覚める日の出五時 彩香 鵙鳴けり先立ちし子の箸茶碗 良江
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令和5年9月17日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
昼の星遺跡の森を抜けて来て 久子 曼珠沙華もの思ふ翳ありにけり 三無 いにしへの子らも吹かれし秋の風 軽象 明け六つの鯨音とよむ芒原 幸風 秋の蟬さらにはるけき声重ね 千種
栗林圭魚選 特選句
朝涼の白樫の森香の甘し 三無 莟まだ多きを高く藤袴 秋尚 艶艶と店先飾る笊の栗 れい 榛の木の根方に抱かれ曼珠沙華 久子 揉みし葉のはつかの香り秋涼し 秋尚 風に揺れなぞへ彩る女郎花 幸風 秋海棠群がるところ風の道 要 秋の蟬さらにはるけき声重ね 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月20日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
江戸生れ浅草育ち柏翠忌 世詩明 神谷バーもつと聞きたし柏翠忌 令子 柏翠忌句会横目に女車夫 同 旅立たれはやも四年となる秋に 淳子 桐一葉大きく落ちて柏翠忌 笑子 虹屋へと秋潮うねる柏翠忌 同 言霊をマイクの前に柏翠忌 隆司 若き日のバイク姿の柏翠忌 同 一絵巻ひもとく如く柏翠忌 雪 柏翠忌旅に仰ぎし虹いくつ 同 柏翠忌虹物語り常しなへ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月24日 月例句会 坊城俊樹選 特選句
秋天を統ぶ徳川の男松 昌文 秋の水濁して太る神の鯉 要 眼裏の兄の口元吾亦紅 昌文 秋冷の隅に影おく能楽堂 政江 群るるほど禁裏きはむる曼珠沙華 順子
岡田順子選 特選句
身のどこか疵を榠櫨の肥りゆく 昌文 カルメンのルージュみたいなカンナの緋 俊樹 口開けは青まはし勝つ相撲かな 佑天 光分け小鳥来る朝武道館 て津子 蓮の実の飛んで日の丸翩翻と 要
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月2日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
炎天下被るものなき墓の石 世詩明 夫恋ひの白扇簞笥に古り 清女 野ざらしの地蔵の頭蟬の殻 ただし 一瞬の大シャンデリア大花火 洋子 三階は風千両の涼しさよ 同 素粒子の飛び交ふ宇宙天の川 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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mskdeer · 1 year
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金眸の民について
渓谷竜シリーズ本編「ルアハの花」設定つづき。
悪しき大陸竜に愛され、それゆえに差別対象となる人間たちについて。家系で金目を受け継ぐ「遺伝性」と、突発的に金目が生まれてしまう「変異性」がある。
下記で違いを解説する。
▼共通する力
遺伝性、変異性ともに「魔力を視る」または「魔力を感じる」ことが出来る。大陸全体を包むエネルギーを効率良く導くことが出来るため、自然を育むのに適している。
彼等の住まう地域は豊かな自然に囲まれていることが多い。
金眸の民はかつてこの力で黄金郷を作りあげた。元来彼等の住処であった〈竜の頭〉、すなわち「黄金郷」が肥沃な大地である理由も、上記の力に寄るところが大きい。
▼遺伝性の民
遺伝性はコミュニティを作り、その地域に暮らす人間に認められるような「役目」を負う事で命を繋ぐ。差別や偏見の目はあれど役目を全うしていれば尊厳を保証される。
基本スペックとして「自然を豊かにする力」がある。
これらは農業や酪農の分野に重宝する。力が強まると回復魔法(ヒール)さえ可能になる。だが彼等の��でその域まで達する者は少ない。回復魔法を扱う金目は大変重宝され、差別関係なく大切にされる傾向にある。
▼変異性の民
変異性金目はランダムに生まれる。一切金目が出たことがない家系でも一世代あとはどうなるか分からない。この場合、金目本人と家族が縁を切れば一家は責任追求されない。迫害もされない。縁を切らない場合は一家もろとも社会から爪弾きにされ、迫害対象となる。
遺伝性のように後ろ盾も理解者もいない彼らは不幸な道を辿るケースが多い。反面、強力な異能の持ち主が多く、過去には、幻獣と契約した「奏者」に匹敵する存在さえ確認された。
例えば公国に生まれた突然変異性の或る金目は一夜にして廃都全域を森で包み、密林に埋もれさせた。 また、帝国成立期に生きた或る金目は回復魔法の極地に達し、神国侵攻時、城を包む魔法の炎を前に、炎が届く瞬間から仲間をヒールし続け帝国勝利に繋いだ。
また、帝国地域に限り、更に特異な金目が存在する。「縫製職人」と呼ばれる者たちだ。彼らは「魔力の性質を操る」ことが出来る。
当初、誰も気に留めなかった力だが、帝国が魔導書を扱うようになると欠かせない存在となった。縫製職人が魔導書を一人一人の身体に合わせてカスタマイズすることで、魔力との親和性が低い人間ですら魔法を使えるようになるからだ。
この力は変異性のみ持つ潜在能力ではある。が、数少ない変異性内でも殊に生まれる確率が少ない。潜在能力持ちを発見した場合、何かと理由をつけて捕縛し、強制的に職人後継者として育てることがある。
▼変異性の生まれ
血統に関係にないと言っても出現地域などはある程度限られている。中でも出現率が高いのは帝国。これが意味するのは帝国付近に金目を排出する理由がある、ということ。
大陸の人々もこれまでの統計からある程度分かっており、かねてより研究が進められてきた。理由が分かれば「呪い」を根絶できるかもしれないし、対象を予測できるようになれば彼らの利便性を独占できる。
※ただし予測する対象は、特殊すぎる力を持つ金眼である必要はない。むしろそれでは困る。彼らにとっては、少しだけ便利な力を持ち、出現率も高く、姿形はその生態を把握できるヒトの形をした「金眸」が望ましい。
以下、めっちゃネタバレ。
*
▼亜人であり人であり
金眸の民、すなわち「呪われし民」と呼ばれるモノはほぼ人間である。これは昔、竜が己の力を分け与えて手となり目となる存在を作った時、当時世界的に数を増やしていたヒトへ「意図的に似せた」からだ、と言われる。そこには「人」が異なる力を持つ存在へ親近感を持ちやすいように、という明確な理由があった。
竜の力を賜りながらも人間の姿を持つ者、すなわち亜人に分類される彼らは最初こそ恐れられた。けれど力ある側(金眸)から辛抱強く歩み寄った結果、互いに似た部分を見つけた両者は親交を深め、どちらがどちらだか分からなくなるまで混ざり合った。これが、最初の金眸の「民」と呼ばれる者らである。
▼民誕生のルーツ
竜に直接つくられた亜人は、どれだけ血が薄まっても、ヒトあらざる存在であることに間違いない。何世代、何千年、何万年を経たとして、竜の身体が天上世界アハシュカルへ還らない限り、賜った力が完全に消えることはない。
その上で何らかの条件が揃った時――亜人だった頃の力が突発的に発現し、過ぎたる能力を得る――これが、いわゆる現在の「金眸の民」と呼ばれる存在。(人々はこの流れを知らない。知っているのは最初の金眼か幻獣くらい。)
あまりに遠い世代、遙か昔に金眸と交わった民があまりに広域へ広がっているため、どこから出現するか全く予測がつかない変異性が存在する。ひとびとは二重の意味で金眸を「呪い」だと考える。
ひとつは、かつて大陸を滅ぼしかけた呪われし民の末裔である証拠として。
もうひとつは、竜に選ばれてしまったら仕方ないこと、一方的に背負わされた理不尽な仕打ち、竜の力を受け入れるしかない呪われた人生として。
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shintani22 · 2 years
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2022年11月23日
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FIFAワールドカップ カタール2022 E組 第1節 ドイツ代表 1-2 日本代表@ハリーファ国際スタジアム(Khalifa International Stadium)ライヤーン 42608人/33分 PK イルカイ ギュンドアン、75分 堂安 律、83分 浅野拓磨
日本がワールドカップ優勝経験国と本大会で対戦するのは、今回のドイツ戦で通算3試合目。過去2戦は1998年のアルゼンチン戦(0-1)と2006年のブラジル戦(1-4)で、欧州のW杯優勝国と対戦するのは今大会が初。(OptaJiro)
日本はドイツ代表に勝利し、ワールドカップの優勝国に対しては同国史上初白星(OptaJiro)
日本はワールドカップで先制点を喫した通算9試合では未勝利(2分7敗)。同展開から勝ち点を獲得した2戦は、2002年のベルギー戦(2-2)と2018年のセネガル戦(2-2)(OptaJiro)
日本はワールドカップで先制点を喫した展開からは同国史上初の逆転勝利(同過去9戦では2分7敗)(OptaJiro)
ワールドカップ初戦の結果による決勝トーナメントへの進出比率(現行の32チーム制となった1998年大会以降)勝:83.6%(61/73)、分:58.7%(27/46)、負:11%(8/73)(OptaJiro)
日本はW杯初戦で白星を挙げた過去2大会(2010、2018)では決勝トーナメントに進出(OptaJiro)
ドイツの日本戦前半時間帯に記録したパス成功数(422)は、詳細データ収集が可能な1966年以降のワールドカップでは、歴代最多(OptaJiro)
日本のドイツ戦前半時間帯シュート数(1)、パス成功数(62)は、ワールドカップの1試合では同代表史上各最少。(OptaJiro)
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【W杯】“森保采配”の真髄は決断力にあり 元日本代表FW佐藤寿人氏が証言「すごくリアリスト」(FOOTBALL ZONE編集部)
【専門家の目|佐藤寿人】的確なマネジメントがドイツ戦の勝利につながる
森保一監督率いる日本代表は現地時間11月23日、カタール・ワールドカップ(W杯)初戦のドイツ戦に臨み、2-1の逆転勝利を収めた。歴史的な勝利となったなか、元日本代表FW佐藤寿人氏に森保監督の采配と、指揮官の真髄について聞いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
ドイツ戦は立ち上がりこそ積極的な守備が効いていたものの、徐々に押し込まれてPKも与える苦しい展開だった。流れが大きく変わったのは、1点ビハインドの後半に森保監督が見せた大胆な采配だ。MF久保建英からDF冨安健洋に交代し、3バックに移行。直前の親善試合カナダ戦でも見せたシステムとはいえ、ハーフタイムでの変更に佐藤氏は「『早いな』と思いました」と率直な感想を明かし、準備段階からの的確なマネジメントを指摘する。
「本当に勝負に出ていった、勝負師としての森保監督だったと思います。その部分も含めてトータルで、カナダ戦があってよかったなと。3バックに変えるということ、浅野(拓磨)に実戦での試運転をさせるということ。カナダ戦は敗戦という結果は抜きにして、いろいろなものを得て初戦のドイツ戦を迎えることができた。守田(英正)と冨安(健洋)を先発起用できませんでしたが、そのなかでも板倉のコンディショニング、浅野の実戦というプラス材料を作れました。
森保監督は最初から“総力戦”という言葉を使っていましたが、まさに誰が出てもやるべきことをしっかり体現する。最初から出る選手、途中から入る選手、試合を決める選手、そして試合を終わらせる選手。いろいろな役割があるなかで、初戦のマネジメントをされたと思います」
佐藤氏はサンフレッチェ広島時代、森保監督のもとでプレーし、Jリーグ優勝も経験している。日本代表では批判にさらされることもありながらも、“本番”の1試合目で見事な結果を出した。その真髄はどこにあるのか。
「すごくリアリストな方だと思います。理想もあるとは思うんですが、目の前の試合でいかに結果を得るかというところ。広島で長くやって、その時のサッカーを一度離れて、外側から見て、良い部分とウィークポイントを知り得たなかで、広島での監督初年度から優勝を勝ち取っていますから。(ドイツ戦の采配は)勝つための最大値を取るための決断だったと思います。広島での3回目の優勝の時は、シーズンのほとんどで僕が60分前後で交代して拓磨が途中から入る形で、常に力を発揮できるような最大値を作っていました。
そうした決断力は広島でも4年で3度のリーグ優勝をもたらしましたし、今回も早い時間帯で3バックに変えています。上から見ていて、ウォーミングアップで誰が体を作っているのか見ていたんですが、誰をどの時間帯で使っていくのか正直予想しづらかったんです。まさか冨安を入れて、すぐ3バックにするとは。あの決断をしてから、スムーズに前に行けていたところ���ありました」
そして、後半12分にはFW前田大然を浅野に代えるだけでなく、左ウイングバックをDF長友佑都から攻撃的なMF三笘薫に交代。早い段階から前傾姿勢を明確にし、その後もMF堂安律、MF南野拓実と立て続けに投入して逆転勝利をもぎ取った。
「(三笘の投入は)勝負だと思います。もちろん本職でないので、バランスが崩れるとか、守備の立ち位置とか、絞り具合とかもありましたが、セカンドボールの回収であったり、寄せであったり、守備もしっかりとした対応をしていました。最終的には同点ゴールも途中から入った選手たちでチャンスを作った。まさに総力戦なんだなと見せてくれたシーンでした」
5人の交代枠をフル活用し、起用された選手たちがそれぞれの役割を十二分に果たしたことで生まれた逆転勝利。佐藤氏は「このW杯を戦い抜くうえで、誰が出ても強度が落ちないで、やるべきことをしっかり体現できるという準備をしてきたと思います」と見る。指揮官の“勝負師”としての側面と、言葉だけではない“総力戦”によってもぎ取った勝利だった。
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日本が揺れた大金星「森保さん、凄い…」 缶ビールを握った久保竜彦は言葉を失った
THE ANSWER編集部で観戦した日本―ドイツ戦に興奮「朝まで飲まんといけんね」
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は23日、日本がドイツに2-1で逆転勝ち。大金星を挙げた。1点を追う後半、途中出場の堂安律、浅野拓磨が続けて得点。元日本代表FW久保竜彦は「THE ANSWER」編集部を訪れ、試合を観戦した。高校からJリーグ広島に入団した当初の先輩で、尊敬する森保一監督が率いる日本の下剋上に熱狂。「朝まで飲まんといけんね。こんなことないでしょ、人生で」。その興奮ぶりをお伝えする。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰、敬称略)
時計の針は、てっぺんを差そうとしている。ドラゴンが、深夜の中目黒で興奮していた。
「こんなことある? いや、凄いね。ヤバイね」久保の視界には、まるで優勝したかのように喜ぶ、サムライブルーのイレブンがいた。
引退後、自然を求めて山口・光市の港町で暮らす。サッカー教室に顔を出し、コーヒー焙煎に、塩作りに、と異色のキャリアを歩む。趣味は釣りと酒。今、サッカーはたまに見る程度。自宅にテレビがない。代表戦を観戦するにも知人の「おっさん」が営む飲食店に足を運んで見るしかない。
今回、観戦の依頼すると、快諾してくれた。ドラゴン節を引き出すため、酒を用意し、自由な空間を作った。国歌斉唱で赤髪になった長友を見て「戸田やん」と突っ込み、中継の解説が井原正巳氏、福西崇史氏と知ると「NHK、守備的やな」とつぶやいた。
キックオフの笛より先に1本目のエビス350mlの「プシュッ」という音が編集部に響く。しかし、試合が始まると、現役時代さながらの眼光が宿った。
前半8分。立ち上がりから劣勢だった日本が、伊東のクロスに前田が合わせ、ゴールネットを揺らす。「うおおおお!」と雄叫びを上げ、一張羅というジャージのポケットからガラケーが落っこちた。「オフサイドか……」よもやの展開に酒を飲む手が止まった。意外と乾き物は食べない。用意されたマスカットを1粒ずつ頬張る。
前半33分。権田がPKを献上。「いやー!」「ああー!」と言い、沈黙。「止めろ!」と声を上げたが……。頭を抱えた。重い空気。冬なのに履いてきたビーチサンダルを脱ぎ、足を放り出す。酒を飲むペースが上がった。
風向きが変わったのは、後半12分。浅野と三笘が投入されると、2本目のアサヒ350mlに切り替えた。これが、奇跡への予兆だった。
堂安の同点弾に咆哮、浅野の逆転弾に絶句「森保さん、凄い…」
後半30分。三笘のカットインから、最後は「代表で一番好き」という堂安が同点弾。思わず立ち上がって咆哮。
「おおおおお! 堂安! ドーアン!」。横浜FC時代に伝説の40メートル弾を決めたよりも興奮した顔で、手を叩いた。
そして、その8分後。後半38分。ロングパスから浅野が抜け出し、逆転弾。「えっ」。突然の展開に言葉を失った。しばし、絶句。やがて、つぶやいた。
「森保さん、凄い……」。森保監督は、結婚の保証人になってくれた恩人である。以降は酒を煽りながら、ひたすらに試合終了を願う。
「ロスタイム7分!? 嘘やろ」「早く、早く」「終わり、終わり、終わり!」
やっと、訪れた歓喜の時。冒頭の場面に戻る。「こんなことある? いや、凄いね。ヤバイね」――。試合後、インタビューを実施。的中した森保采配の理由から、この試合のキーマンまで独自の目線で語り尽くした。午前1時。帰る頃には、すっかり上機嫌。
「朝まで飲まんといけんね。こんなことないでしょ、人生で。だってドイツよ、相手。ドイツ」3本目のプレモル350mlの缶を潰し、夜の中目黒に消えていった。
「勝つと本気で思っとる人は違うんよ」 優しい仮面を被った鬼・森保一に久保竜彦は痺れた
THE ANSWER編集部で日本―ドイツ戦を観戦「森保さんは鬼。優しい顔しとるけど」
前編では、結婚の保証人にもなってくれた人生の師・森保監督の采配について語った。
興奮したよね。鳥肌立った。俺がゴールを決めた時より嬉しかったけえ。ここに来るまで(酒を)飲んでこなくて良かったわ。最後まで覚えてられんから。
堂安は完全に崩したもんね。浅野は「入った!」という感じやけど。ただ、浅野が決めたの、びっくりした。凄いよね、森保さん。なんで怪我明けの浅野を選んだんかなと。俺もムードメーカーで選んだんかなと思ったけど。あれで使ってね。結果が出るんだから、凄いよね。
采配、やばかったよね。後半、3バックにして「ああ、また守ってカウンターなんかな」と思ったけど。途中交代した選手が効いとった。やっぱり、ずっと見とるけんね、選手のこと。昔からずっと見る人やから。サッカーのために、すべて。勝つために使えるかどうか。鬼。優しい顔しとるけど。勝つために考えとるけえ。
でも、俺も勝てるとまでは思わなかったからな。ドイツやけんね。だから、勝つって本気で思ってやってる人とは違うんよ。これが監督ってことよね。俺が見てきた世界の差とは(いまだに)完全にあると思ってたから。それでも、勝つチームを作るっちゅうのは、やっぱり森保さんのアレよ。
どうしても、何が何でも勝ちたい人というのは選手の頃から感じとった。だから、(チームの)監督の言うこと聞かず、森保さんの横でプレーしてたもん。変わってないじゃん。監督になっても変わってないんだから、何が何でも勝ちたい、強くしたいって自分を犠牲にしてもやる。そういう人なんよ。
もちろん、ドイツの質は全然違った。相手の弱みを見つけるのと、ちゃんと(サッカーを)わかってるやつが、いっぱいおるよね。日本に何人おるか。運が良くて、誰かがいる時はある。中田がおったり、本田がおったり、香川がおったり、時々しか出てこんけど。ドイツはその世代でそれなりに何人もおるわけで。
日本も近いやつは多いけど、まだそのレベルじゃない。だけど、チームの作り方で勝てる。それもサッカー。
やっぱり日本人やけんね。なんちゅうか、日本人に合った、ぐっとくるやり方をしてると思うんよ。岡田(武史)さんも、森保さんもそうやった。両方の監督と一緒にサッカーやったけど、そういうことやと思う。タイプは全然違うけど、芯の部分では共通する部分はあるんやろな。
システム変更に対応した選手たちの凄み「2トップ気味で変わったと思うんよ」
森保さんもそうやけど、対応した選手たちも凄かったよね。2トップ気味にしたよね。あれで変わったと思うんよ。
本当にパッパッパッと(システムが)変わったよね。ポジションも変わったし。あれで対応できちゃう。伊東もね。あれだけいろいろ変えてもできるんじゃけえ、凄いよね。強い相手にも、それでもうまくやれば勝てる。それも、本チャンでね。今日は練習試合じゃないけんね、ただのAマッチじゃないけんね。
それで勝てるっちゅうのが、やっぱり日本の選手たちも(ステージが)一段は上がるよね、全員ね。
ドイツもやっぱり強かったよね。ペナの中でも、なんぼでも回されたしね。ブラジルみたいに。ただ、最後が決まらなかっただけで。ペナの中でどんだけやれるかを見せるのが、やっぱり強豪というか、サッカーがうまいやつらのアレ。あそこで思い通りのプレーができて一番楽しいけんね。
それが、日本で何回できたって言ったら、1回だけよね。三笘が入って、堂安が決めて。浅野も決めたけど。でも、勝ちは勝ち。確かに質はアレやったかもしれんけど、今日はもう二の次よね。だって、W杯なんて一発勝負なんやから。
堂安も浅野も凄かった。ただ、ホンマに流れを変えたんは“アイツ”よね。遠藤が番犬に戻ったし、ホンマに効いとったから。
「遠藤を“番犬”に戻したんは9番よね」 久保竜彦が「日本の肝」と呟いた大金星の立役者
後編では、堂安でも浅野でもなく、逆転劇のキーマンになった選手について語った。
THE ANSWER編集部で日本―ドイツ戦を観戦「ホンマに流れを変えたんは9番よね、三笘」
堂安も、浅野も凄かった。でも、ホンマに流れを変えたんは9番よね、三笘。3バックになって守るんかな、守ってカウンターなんかなって思ったけど。
だけど、三笘が入ったけん、溜めれて、時間ができて。遠藤も“番犬”に戻ったよね。前半はフワフワして、全部後手で。(ボランチが)2人おるけんさ。どっちが行くの、みたいな。バランスが悪かった。2人いるから、なんとか大丈夫そうだけど、なんか行けてなかったよね。
あれが(ボランチ)1人になって、どうなるかなと思ったけど、三笘のところで溜めができて、余裕できると、(遠藤も)予測がつきやすいのかな。日本の肝のヤツやね、三笘。バチッとなったよね、ドイツ相手に。それを狙ったのかどうか……でも、狙ったんやろな、森保さん。
三笘はすっと立って飛び込まんもんね。今日のドイツにでも飛び込まん。南野がいろんな動きをして裏を取ったら、そこの間を通してパスもできるじゃん。ドリブルだけと思ったら、ああいうセンスあるよね。あのタイミングでパスを出せるという。ホンマに効いとったと思うわ。
ああいう戦いを前半からできれば、日本ももう1個上に行くだろうな、たぶん。ああいう選手がドイツには何人もおるから。日本がドイツとかに対して、主導権を握って、互角にできるようになるんじゃない。これから、ああいう選手が増えていけば。
もちろん、浅野も良かったよね。サンフレッチェの頃から良い選手と思ってたし。馬力があってね。
でも(大会前の)カナダ戦で見た時に浮いとる、ふわふわしてる感じたけえ。ああ、まだ(故障していた右膝が)おかしいんやろなっていう印象だったよね。今日も最初入った時、浮いとる感じあったよね。シュートも結局は浮いてたし。でも、あのトラップが全てやった。
右足でシュート何回か打って、左足でもシュート打ってね。やっぱり定まってなくて、思い通りに飛んで行かんかったけど。最後ね、あんなところにね、狙って……やっぱり、狙ったんやろな。あそこしかないもんな。凄かったよ。
堂安も(調子は)良くはなかったと思うけど、点を決めたわけやしね。(ゴールの場面)浮くやつもおるしね。難しいところで決めた。
W杯でも日本の決定力、決定力って言うけど、俺には分からんよね。俺、W杯で決めたことないもん。W杯は違うよ。試合(大会)の方式も違うもん。相手もアジアじゃないし。ドイツやもん。だだ、ゴール一つで、あんなに変わるわけだからね。
「朝まで飲まんといかんで、これ。こんなことないと思うよ、サッカー人生で」
終わってみれば、ギリギリの采配、ギリギリの勝負よね。前半も何回も崩されて相当きつかったと思う。
前田もね、追いまくって終わり。でも、あれで三笘が生きて、浅野が決めたのかもしれんし。やっぱり、森保さんの使い方よね。吉田があんだけ持つと思わんかった。変なミスは1回もなかったな。ちょっと脚つっとったけどな。
逆に4番はもっとやれると思うけどね、板倉。自信にはなると思う。ドイツにあんだけ攻められて、狙われてね。だけど、これで落ち着くだろうし。耐えたのもそうだし、雰囲気に慣れるから。長友なんかは(ミスもなく)何もなかったもんね。やることやった感じ。
W杯はアルゼンチン―サウジアラビア戦のサウジの凄いシュートをちょこっと見たくらいやけど、VARで判定が覆ったりして話題になっとるんよな。でも、良かったじゃん、VAR。今日の日本は。ホンマ、俺らの時代だったらゴールになっとるよ。だから、いいことよ。
コスタリカ、スペインにも読まれるということはないと思う。今日みたいなやり方があれば。試合中に(システム)変えるけんね。
パパッとやって、選手もそれに対応できるんやから。遠藤も(大会前に負った脳震盪の影響なく)無事やったし、鎌田もいろいろできる。久保は今日みたいに(連携なく孤立した)1人では厳しいかもしれんけど、コスタリカ相手ならもっとやれる。
朝まで飲まんといかんで、これ。こんなことないと思うよ、サッカー人生で。だって、ドイツに勝つんよ。今頃、渋谷とか、わーっとなっとるんじゃないか。
■久保 竜彦 / Tatsuhiko Kubo
1976年6月18日生まれ。福岡・筑前町。筑陽学園高を経て、1995年に広島加入。森保監督(当時選手)とは7シーズンプレーした。2003年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。1998年に日本代表デビュー。ジーコジャパンとなった2003年以降は日本人離れした身体能力と強烈な左足でエースとして活躍したが、腰や膝など度重なる怪我により、2006年のW杯ドイツ大会は落選。以降、横浜FC、広島などを渡り歩き、2014年に引退。J1はリーグ戦通算276試合94得点。日本代表は国際Aマッチ通算32試合11得点。引退後は山口・光市に移り住み、コーヒー焙煎や塩作りなど、異色のセカンドキャリアを歩む。(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)
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明日は休みだ🇯🇵
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カレー
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Please enjoy your vacation and the World Cup!😁 From your boss💕
W杯関連株に物色、日本の対独勝利が追い風(ロイター 11月24日)
[東京 24日 ロイター] - 東京株式市場でサッカーワールドカップ(W杯)関連銘柄が物色されている。開催中のカタール大会では23日、1次リーグE組で日本(FIFAランキング24位)がドイツ(同11位)を2対1で下し「関連銘柄の追い風になっている」(国内証券のストラテジスト)という。
ネットTVで全64試合無料生放送するサイバーエージェントの株価は一時9%高に上昇。サッカー教室を手掛けるクリップコーポレーションは一時3.8%高となった。ミズノやアシックスも買われている。
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ワールドカップ “差別反対”でドイツ連盟が改めて抗議の意思(NHKニュース 11月24日)
サッカーのワールドカップカタール大会で日本の初戦の相手、ドイツのサッカー連盟が公式のホームページやSNSを更新し、あらゆる差別への反対を示すキャプテンマークの着用についてFIFAが警告を出すとしたことに対して改めて抗議の意思を示しました。
今大会ではドイツを含む複数のヨーロッパのチームのキャプテンが、試合で虹色のハートマークに「ONE LOVE」と書かれたキャプテンマークを腕に巻き、差別への反対を訴える考えを示してきました。
しかし、FIFAから着用した場合は警告を出すなどと連絡があったとして、これまで試合を行ったチームは、キャプテンが別のデザインのマークを付けて試合に臨んでいました。
こうしたFIFAの対応について、ドイツのサッカー連盟は「検閲だ」として強く批判していました。
さらに23日、公式のホームページやツイッターを更新し、試合前にドイツの選手たちがグラウンド上で手で口をふさいで映った集合写真とともに、「人権問題は譲れない。腕章を着けないということは声を上げないということと同じだ。私たちは自分たちの立場を貫く」とするコメントを掲載し、改めて抗議の意思を示しました。
サポーターからは賛否の声
ドイツの選手たちが日本との試合の前、手で口をふさぐしぐさをして、差別への反対を示すキャプテンマークの着用を認めなかったFIFA=国際サッカー連盟に抗議の意思を示したことについてドイツ人のサポーターに話を聞きました。
このうち、男性のサポーターは「FIFAの決定は明らかに間違っているし、こんな抗議では不十分だ。主張を続けるべきだ」と述べ、選手たちの行動を支持しました。
一方、別の男性サポーターは「サッカー以外のことをすべきではなかった。選手たちは行動するよう強く期待されていたのが問題だった」と述べ、支持しない考えを示し、賛否が分かれていました。
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スペインが7発快勝で今大会最多ゴール記録を塗り替える🇪🇸
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W杯ドイツ戦を前にひも解く歴史… 日本初の国際親善試合は103年前にドイツ兵と学生が広島で(RCCニュース)
いよいよ始まったワールドカップ(W杯)。日本は、今夜、優勝4回を誇る強豪ドイツと対戦します。ところで、日本で初めてといわれる国際交流試合の相手がドイツで、しかも、この広島で行われていたことをご存じでしょうか?
きょうのテーマは、『ワールドカップ ドイツ戦を前に歴史をひも解く 日本初の国際親善試合はドイツ兵と広島で…』。
先週土曜日、エディオンスタジアムにおよそ5000人が集まったサンフレッチェ広島のファン感謝祭…。選手たちは、新型コロナの影響で3年ぶりの開催を待ちわびたサポーターと一緒に天然芝の上でイベントに参加しました。
スタジアムの外でもさまざまなイベントが行なわれる中、広島市南区にある似島を紹介する写真の展示がありました。
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そして、その似島が、日本での発祥地とされている「バウムクーヘン」の手作り体験会も行なわれ、多くの参加者が列を作っていました。
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この似島が、広島サッカー、そして、日本とドイツをつなぐのです。
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サンフレッチェ広島 仙田信吾 社長「広島はサッカー王国と言われているが、この歴史は日本一のサッカーの歴史を持っている」
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サンフレッチェ広島の仙田信吾 社長です。社長就任前から広島サッカーの歴史をひも解いてきました。
仙田信吾 社長「第一次世界大戦後、ドイツ兵に広島の子どもたちは、当時の旧制高校生ですが、サッカーを教えてもらっていて、その技術・伝統で戦前から広島が強かったという。そういう歴史があるんですね」
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第一次世界大戦中、中国・青島での捕虜となったドイツ兵が、似島の施設に収容されていました。
ドイツ兵たちは収容中、それぞれの得意分野を生かしてバウムクーヘンやソーセージのつくり方などを伝えたとされています。そして、ドイツ兵たちは、収容所でサッカーも楽しんでいました。
小林康秀 キャスター「東千田公園、広島大学跡地です。サッカーは当時、広島でも普及し始めていましたが、ちょうど、このあたりにあった先生になるための学校・広島高等師範学校のグラウンドで、1919年、生徒とドイツ兵による試合が行なわれました」
一説には、これが初めての国際親善試合ではないかともいわれています。
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仙田信吾 社長「やっぱり、広島のサッカーにとって大事な歴史ですね。当然、5対0とか、6対0とかでボロ負けになるわけですよ。それで本格的なドイツ式サッカーを学びたいっていうんで、もしかしたら、こういう船で広島高等師範学校の生徒たちは似島に渡っていったようなんですね」
圧倒的に技術が���回っていたドイツサッカーを学んだ生徒たちは、先生となった後も、学んだ技術を広島の学校の生徒に伝え、広島サッカーのレベルは全国トップクラスだったといいます。
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原爆投下から2年後、復興ままならない状況下で、今の広大付属高校が、翌年は今の広島国泰寺高校が、高校サッカー選手権で全国優勝。広島に歓喜をもたらしたのです。
仙田信吾 社長「当時の広島のチームだけが左右両足でボールを操れたといわれています」
ちょうどそのころ、サッカーを始めた下村幸雄さん、90歳です。
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原子爆弾が投下された1945年8月6日、広島市役所付近で被爆した下村さんは、奇跡的に助かり、被爆から3年後、修道高校に復学した翌年、サッカー部に入部しました。
元日本代表監督 下村幸男さん「まだ周囲に学校の建物が倒れたまま、後片付けせずに残っている、せまいグラウンドで2年上の先輩がサッカーの練習をしていた」
ボールも数個しかなく、傷ついたら自分たちで縫い直す時代でしたが、広島サッカーは戦後も全国をけん引したと話します。
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下村幸男さん「なぜかといったら、その先輩たちの中に戦前、サッカー部をしていた人が何人かいた。特に修道は一中(国泰寺)に負けるなと教育を受けた、そういう先輩が残っていて、サッカー部を始めた」
その後、広島サッカーは、全国を席巻しました。先輩の影響を受けた下村さんは、東洋工業蹴球部に入り、日本代表選手として活躍しました。そして、その後、さらにドイツサッカーの影響を受けることになるのです。
「日本サッカーの父」と呼ばれたドイツ人がいます。
東洋工業蹴球部で日本代表選手として選出され、後に日本代表監督も務めた下村幸男さんに影響を与えたのが、東京オリンピックの日本チーム強化のためにドイツから来日したデットマール・クラマーさんです。
下村幸男さん「当時の日本の代表の監督・コーチもね、それほどサッカーをこうしろという指導はしていないんですよね」
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「それが、クラマーさんが来て、いや、蹴り方からボールの止め方からこういうふうにやるんだということ、見本を示しながら指導した。初めてサッカーというのに接したようなことなんですよ」
日本とドイツの親善試合が行なわれて103年…。ことし、サンフレッチェ広島は、ドイツ代表のコーチも務めたドイツ人・スキッべ監督が率いました。
今シーズン終了後、スキッベ監督は、似島を訪れ、歴史を学んだほか、地元の子どもたちとサッカー交流をしました。
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仙田信吾 社長「広島の似島のドイツ軍捕虜の歴史まで深堀りをしてくれて、似島に渡ってくれたっていうのは、また、うれしい話ですね」
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代表監督を務める森保一 監督は、「サッカーは平和を発信するという大きな役目がある」と話します。
仙田信吾 社長「まさに広島のサッカーを強くしてくれたドイツと、初めてワールドカップの監督に臨む森保さんが戦う。そのドイツは、広島にもともと、サッカーを教えてくれた故郷のような国だった。たいへんな縁を感じる。しかし、勝ってこその恩返しですよね。勝ってほしいと思います」
広島での初の国際試合からおよそ100年…。日本は、世界最高峰の舞台で再びドイツと相対します。
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仙田信吾社長より。『ドーハの歓喜』
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ファン待望!3年半ぶりの開催「ひろでんの日」電車開業110周年(RCCニュース)
広島電鉄は、路面電車開業から23日で110周年。これを記念したイベントが、広島市で開催されています。
「ひろでんの日 2022」と題されたイベントは、中区の千田車庫などで開催されています。あいにくの天候にも関わらず会場には多くの電車ファンたちが集まっています。
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広島電鉄 椋田昌夫 社長「地元に密着した利用しやすい公共交通を目指してがんばる」
会場に隣接する敷地には、誰でも気軽に車庫の様子をながめてもらおうと、新たに常設された無料の見学スペースが披露されました。
車庫では、「大正形電車」や「被爆電車」など、レトロな路面電車の展示や、車両の点検を近くで見学できるコーナーも設けられました。イベントは、23日午後4時まで開催されています。
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被爆電車「653号」が走る広島電鉄 110年で見舞われた3度の危機(産経新聞 2023年1月8日)
広島市内を中心に走る路面電車「広島電鉄(広電)」が11月に110周年を迎えた。創業記念日の11月23日に広島市中区の本社などで開かれたイベント「ひろでんの日2022」には、多くの広電ファンの子供たちが集結した。原爆が投下された昭和20年8月6日に運行していた「被爆電車」のうち、原爆忌前後だけ走る「653号」や、西日本鉄道北九州線で走っていた塗装の色が珍しい「602号」など、好みの電車があるという。これほど広島キッズを魅了する広電だが、110年という長い歴史の中で3度目の危機に直面している。
■ひろでんの日は大盛況
��雨の降る中、広電本社千田車庫などで開かれた「ひろでんの日」のイベントには1万2千人近いファンが訪れた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、約3年半ぶりとなる大型イベントで、会場には開業時の復元車両から最新の超低床車両「グリーンムーバーエイペックス」まで多種多様な路面電車やグループ会社のバスが並び、工場での整備の様子を見学・体験することもできた。
会場を訪れた広島市中区の保育園児、津田康佑くん(5)は「被爆電車の653号と、選挙の時に走る582号が好き。あまり見ることができないから」と、実際の車両を見て喜んでいた。
653号は3台現存する被爆電車の1両で、爆心地から約2・7キロで被爆し大破した。約4カ月後に復活し、平成18年に通常運行からは引退。現在は8月6日前後に特別運行する貴重な車両だ。582号は国政や地方選挙の際に花飾りと啓発看板を付けて走る花電車。582号は神戸市電の廃業に伴い昭和46年に譲り受けた車両だという。
広島市西区の小学4年生、藤谷陽(ひなた)くん(9)の推しは西鉄の北九州で走っていた下部が赤い「602号」。西鉄北九州線から譲渡された3両のうち、残っている1両だ。将来、広電の運転手になりたいという藤谷くんは「かっこいい車両がいっぱいある」と興奮気味に話した。
■3度の危機が
広電は大林組創業者である大林芳五郎により、大正元年に開業。その110年の歴史を振り返ると3度の危機があった。
広電広報・ブランド戦略室係長の森直樹さん(49)によると、原爆投下、1970年前後のマイカー増加、そしてコロナ禍だという。
広電は被爆3日後に運行を再開した。当時は、男性の多くが出征していたため、女学生が運転士を務めたという。ただ、広島市内の死没者が約14万人にのぼるなど、被害はあまりに甚大だった。広電も従業員185人を失い、車両の大半が被災する大きな被害を受けた。
2度目の危機がマイカー増加。森さんは当時の苦境について「マイカーの普及で、市内は渋滞が続いた。当時は軌道内も車両が走行できたため、車による渋滞に電車も巻き込まれた」という。電車の定時性が守れなくなり、広電離れが進んだのだ。そのため、県公安委員会が軌道敷内への自動車の乗り入れを禁じることとなった。
加えて、80年代半ばからのバブル経済による好景気で人出が増え、広電も乗り継ぎしやすいため停留場の改善や超低床車両導入など利便性の改善を図り、この危機は乗り切った。また、路面電車を走らせていた大阪や神戸、京都市電、西鉄の営業廃止を受け、多くの人を運べる大型車両を中古で譲り受けられたことも、経営の一助になった。
■コロナ禍はまだ途中
そして、3度目に迎えた危機がコロナ禍だ。
森さんは「マイカーや自転車利用による電車の乗り控えや、在宅勤務の増加、観光客の減少などで、乗客が激減した」という。
広電の市内線の輸送人員は、令和元年度の約3780万人からコロナ禍の2年度には約2592万人に減少。収入も約45億5千万円から約30億円に落ち込んだ。宮島線の収入も元年度の約17億3千万円から2年度には約12億2千万円となった。広電第3の危機は、現在進行中だ。
広電では今後、ポストコロナの時代に戻ってくることが期待される観光客を取り込み、少子高齢化のなかで、街づくりを含めて関与する必要性を感じているという。7年には広島駅ビルがリニューアルし、広電も高架で乗り入れることが決まっている。森さんは「これまでの考え方で、運輸業を維持していくのは難しい。今後、移動の機会を増やすため、街なかの新しいスポットに多くの人が出たくなるような動機付けも進めていきたい」と話した。(藤原由梨)
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【本日(11/23)の広島県内の感染状況】(広島県)
新型コロナ(23日) 3664人感染確認 3人死亡(NHKニュース)
広島県では23日新たに3664人が新型コロナウイルスに感染したことが確認され、3人が亡くなったと発表されました。
感染が確認されたのは、広島市で1651人、福山市で565人、東広島市で305人、呉市で173人、廿日市市で156人、尾道市で138人、三次市で106人、三原市で101人、庄原市で72人、府中町で66人、安芸高田市で58人、海田町で38人、府中市で36人、大竹市で32人、熊野町で30人、神石高原町で24人、坂町で22人、江田島市と竹原市で、それぞれ20人、大崎上島町で17人、世羅町で15人、北広島町で13人、安芸太田町で6人のあわせて3664人です。
1週間前の水曜日より697人増えていて、19日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。これで県内での感染確認はのべ51万7166人となりました。
また、県内では患者3人が亡くなったと発表されました。県内で新型コロナウイルスに感染し、その後、死亡した人は848人となりました。
【新型コロナ 厚労省まとめ】160人死亡13万3361人感染(23日)(NHKニュース)
厚生労働省によりますと、23日発表した国内の新たな感染者は空港の検疫などを含め13万3361人となっています。また国内で亡くなった人は160人で、累計4万8642人となっています。
東京都 新型コロナ9人死亡1万2850人感染確認 19日連続前週比増(NHKニュース)
長野県 新型コロナ 5人死亡 過去最多4328人の感染確認(NHKニュース)
1日の発表者数が4000人を超えるのは初めてで、これまでで最も多くなりました。先週の水曜日より507人増えました。
県内の感染者数の累計は29万1017人となりました。県内で死亡した感染者は432人になりました。
大阪府 新型コロナ 6人死亡 新たに6615人感染確認(NHKニュース)大阪府内の感染者の累計は225万4540人となりました。府内で感染して亡くなった人は合わせて6704人となっています。
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【海外地震情報】 日本時間の11月23日(水)10時08分頃、海外で地震がありました。
震源地は地中海(トルコ)で、地震の規模はM6.1と推定されます。
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fallenreed · 2 years
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VS - Urasaka (うらさか) Color Coded Lyrics
Please note that the color coding is done like this; Uratanuki Sakata All
Disclaimer: I am not fluent in Japanese, therefore all romaji are done based on what I found in online dictionaries/google translate and edited by me.
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Japanese
「 負けは性に合わねえ 」 「 最後に笑うのは誰なのか 」 「 教えてやるよ 」
(VS ! ! ! )
目指すはChamp (Oi ! ! ! )  掴み取りたい (Oi ! ! ! )  誰に邪魔されようと (ヴィクトリーサンライズ) Yeah (Oi ! ! ! )  派手な打ち合い (Oi ! ! ! ) 望むところ来いよ (ヴィクトリーサンセット)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 栄光へのCount Up ! ! ! Oh この道が 険しく イバラ道でも 裏道坂道
(バーサス!!!) 一撃必殺 着火Fire 孤独なFighter Like a Tiger アッパーカット 眠れる獅子を さぁ呼び覚ませ
その眼に宿した情熱 熱く熱く燃やして  Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh 何度でも立ち上がれ 光闇の狭間で  Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh
夢掴むその日まで (Wasshoi ! ! ! ) 諦めない (Sore Sore Sore Sore) 野望と希望を胸に (Wasshoi ! ! ! ) 己の道貫いて (Ao ! ! ! )
「 まだまだいけるだろう 」 「 なあ兄弟 」
このままで (Oi ! ! ! )   いい訳がない (Oi ! ! ! )   俺らは強くなる (ヴィクトリーサンライズ) そう (Oi ! ! ! )   星の数の (Oi ! ! ! )  痛みを超えて行け (ヴィクトリーサンセット)
月 火 水 木 金 土 日 日々 昇天 栄光へのStep Up ! ! ! Oh この道が 危険な 獣道でも 裏道坂道
(VS ! ! ! ) プラスとマイナス 冷静に観察 iLLなパンチは我流 俺は天切り裂く昇り竜 さぁ舞いあがれ
その眼に宿した情熱 熱く熱く燃やして  Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh 何度でも立ち上がれ 光闇の狭間で  Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh
この命果てるまで (Wasshoi ! ! ! ) やり遂げる (Sore Sore Sore Sore) 共に誓いあった友と (Wasshoi ! ! ! ) 己の道貫いて (Ao ! ! ! )
(Let’s Go!!!)
蝶のように舞 蜂のように刺す (蝶のように舞 蜂のように刺す) 友恵む愛 力織り成す (友恵む愛 力織り成す)
蝶のように舞 蜂のように刺す (蝶のように舞 蜂のように刺す) 友恵む愛 力織り成す (友恵む愛 力織り成す)
最後の気力振り絞り 振り抜くこの拳で  Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh 何度でも立ち上がれ 光闇の狭間で  Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh 魂の火を燃やして  Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh
夢掴むその日まで (Wasshoi ! ! ! ) 諦めない (Sore Sore Sore Sore) 野望と希望を胸に (Wasshoi ! ! ! ) 己の道貫いて 必ず掴み取るため 己の道貫いて (Ao ! ! ! )
裏道坂道
Romaji
「 Make wa shou ni awanē 」 「 Saigo ni warau no wa dare nanoka 」 「 Oshiete yaru yo 」
(VS ! ! ! )
Mezasu wa Champ (Oi ! ! ! ) Tsukamidori tai (Oi ! ! ! ) Dare ni jama sareyou to (Victory Sunrise) Yeah (Oi ! ! ! ) Hadena uchiai (Oi ! ! ! ) Nozomu tokoro koiyo (Victory Sunset)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Eikō e no Count Up ! ! ! Oh kono michi ga kewashiku ibara michi demo Uramichi sakamichi
(VS ! ! ! ) Ichigeki hissatsu chakka Fire kodokuna Fighter Like a tiger appākatto nemureru shishi o Sā yobisamase
Sono me ni yado shita jōnetsu atsuku atsuku moyashite Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Nandodemo tachiagare hikari yami no hazama de Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh
Yume tsukamu sonohi made (Wasshoi ! ! ! ) Akiramenai (Sore Sore Sore Sore) Yabō to kibō o mune ni (Wasshoi ! ! ! ) Onore no michi tsuranuite (Ao ! ! ! )
「 Madamada ikerudarou 」 「 Nā kyodai 」
Kono mama de (Oi ! ! ! ) Ī wake ga nai (Oi ! ! ! ) Orera wa tsuyoku naru (Victory Sunrise) Sō (Oi ! ! ! ) Hoshi no kazu no (Oi ! ! ! ) Itami o koete yuke (Victory Sunset)
Getsu ka sui moku kin do nichi hibi shōten Eikō e no Step Up ! ! ! Oh kono michi ga kikenna kemonomichi demo Uramichi sakamichi
(VS ! ! ! ) Purasu to mainasu reisei ni kansatsu iLL na panchi wa garyū ore wa ten kirisaku nobori ryū Sā maiagare
Sono me ni yado shita jōnetsu atsuku atsuku moyashite Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Nandodemo tachiagare hikari yami no hazama de Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh
Kono inochihaterumade (Wasshoi ! ! ! ) Yaritogeru (Sore Sore Sore Sore) Tomoni chikai atta tomo to (Wasshoi ! ! ! ) Onore no michi tsuranuite (Ao ! ! ! )
(Let’s Go!!!)
Chō no yō ni mai Hachi no yō ni sasu (Chō no yō ni mai Hachi no yō ni sasu) Tomo megumu ai Chikara orinasu (Tomo megumu ai Chikara orinasu)
Chō no yō ni mai Hachi no yō ni sasu (Chō no yō ni mai Hachi no yō ni sasu) Tomo megumu ai Chikara orinasu (Tomo megumu ai Chikara orinasu)
Saigo no kiryoku furishibori furi nuku kono kobushi de Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Nandodemo tachiagare hikari yami no hazama de Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Tamashīnohi o moyashite Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh
Yume tsukamu sonohi made (Wasshoi ! ! ! ) Akiramenai (Sore Sore Sore Sore) Yabō to kibō o mune ni (Wasshoi ! ! ! ) Onore no michi tsuranuite Kanarazu tsukami toru tame Onore no michi tsuranuite (Ao ! ! ! )
Uramichi sakamichi
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chi-midorikawa · 2 years
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(ねこまさむね【公式】さんのツイート: "甲子園決勝…"から)
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thunderheadhour · 3 years
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エルデンリングプレイ日記9日目
 職場で後輩がエルデンリングを始めた。進度を聞くとまだ関門前あたりだが、すっかりハマって睡眠時間をガンガン削ってやっているらしい。
 ああ、おれは早く君がマルギットさんにボコボコにされたり結晶坑道で呆然としているさまを見たいよ。その話を肴に酒が飲めるよ。
 とか言いつつ自分だけのものである可処分時間は有ってせいぜい日に2時間、独身の若者に週末でアッサリ抜き去られる予感しかしない。
 今はその貴重な時間をほとんどエルデンリングとプレイ日記に全振りするビルドです。世の中にも仕事にも色々と削られるので、なんかもうエルデンリング以外のすべてをやる気がしない。Twitterもなるべく追わない。物書きの端くれのくせに本もまったく読んでいない。1月は2桁読んでたのになあ。でもまあ、そういう時期なんでしょう、と自分を納得させるしかないですね。
 え? 5月に文学フリマ? 新刊? えー……。これまとめてコピー本で配る、という地獄のような未来が一瞬見えた。それはちょっと……紙に印字して人様に見せられるような文章ではないような……。
 まずは魔法の師匠のところに行って「輝石のつぶて」を習得。低コストの魔法から習得していこうと最安値のこれを選んだが、コストも安く発動も早い。早速付け替え。
 これがのちのち効いてくることをこの時のおれはまだ知らない。
 街道近くの、声だけ聞こえて姿が見えない謎のスポットは、後輩から「近くを切ってみ」と教えてもらったのでやってみる。すると木に擬態させられていた小鬼のようなやつが出現。「お礼をしたいけど洞窟にヤベーやつがいて帰れない」というので、そもそもその洞窟どこやねんと探すと、教会の北あたりにひっそりと暗い洞窟発見。
 松明がないと中が全く見えない系のダンジョンだ……。左手でずっと松明を抱えてなきゃならない=盾と魔法を封じられるわけで、なかなか進むのは度胸がいる。しかも今の装備に加えて松明持つと重量オーバーなのでいったん離脱。
 沼の北にある洞窟らしい穴が気になって再び近くに行くも、こないだザバーンと現れた、沼の名前の由来でもある竜のアギールさんが「こないだワシのシマに入ってきくさったあのチンカス、次見つけたら丸焼きにしたるわ」とばかりに、穴の目の前でずっとグルルルーと口に炎を溜めながらウロウロあたりを見回していて入れそうにない。
 しかたないので方向を変えて竜に焼かれた廃墟へ。最近は自分の目が節穴でありだいぶいろんなものを見逃していることがわかってきたので、一度行ったけどもっと何かありそうなところを再訪してみるのだ。
 が、なんもなし。ほんとに雑魚と転送罠以外みんな焼失したんですかね。と思いつつ歩き回っていると、ジュラシックパークのごとくズシンズシンと水面を揺らす足音が……。
「おう、こっちからチンカスみたいな臭いがするのう?」
 アギールさんだ! お腹空いてるならその辺でウーウー言ってるもっと動きの遅い獲物を狩ってください! かがんでセコセコ逃げる。
 ……しかしアギールさんがこっちにいるってことは、今ならあの北端の洞窟に行けるのでは?
 この読みがピタリと当たった。めちゃめちゃ中腰で水辺をパシャパシャ北上、なんとか追いつかれる前に洞窟に到達。
 入ってみるとそこはリムグレイブ坑道。あのトラウマ結晶坑道をめちゃくちゃ地味にしたような光景が広がっています。
 鉱夫は近づいても仕事に夢中で襲ってこないが、監視役は別。刺突剣で戦うとなかなか固いが、離れて魔法を打ってみると一発で倒せる。属性の相性だろうか。そしてここでは武器の鍛治用の石が手に入る。ありがてえ。
 敵は怖い犬がちょっといたくらいで、ここは比較的平和な方のダンジョンらしい。しかもあまり広くない。
 ソウルシリーズのエレベータは途中下車するもの、というイメージがあるんですが、ここでも案の定降りてる最中に脇道らしきものが視界をよぎったのでダイナミック下車。すると奥にいかにも危ないやつを閉じ込めてますよーと言いたげに閉ざされた木戸が。その隙間を遠眼鏡で覗くと、うん、明らかにデケー何かがいますね。何回か入口に戻ったり日和ったりルーンを使って減らしたりと心の準備をして突入。
 今回のお相手は石掘りトロルさんという正統派の巨大脳筋ボス。石掘りとか名乗る割には、得物が全く石掘る気を感じられない、というか人間潰す気マンマンな棍棒なのはなんなんです? 
 シンプルに棒でぶん殴ってくるだけですが、シンプルに棒でぶん殴られると人は死にます。リーチはなかなか長いし、ラッシュもあるし、足元に行くとやっぱり踏まれる。一対一で半分くらいまで削ったけども圧死。
 もう一回潰されたところで、クラゲ&魔法で挑むことにする。回復瓶の振り分けでFP用のものを少し増やし、入ってすぐクラゲを召喚。敵の注意を引きつけてもらってる間に後ろから輝石のつぶてをガンガン詠唱、というテクニックもクソもない作戦に出る。
 やってみたら大ハマりで何の苦労もなく瞬殺してしまった。なんかゴメン……。そして考えてみるとこのトロルと戦う理由何もなさすぎてなおさらゴメン。向こうからすると部屋でスヤスヤ寝てたら小さくてヤベータコ頭がクラゲと一緒に襲ってきて、よくわからんうちにケツを魔力でプスプス刺されて死、ですからね。完全に通り魔。
 そして思った。
 この作戦、マルギットさんにも使えるのでは……?
 というわけでいつもの隧道。
 いまさらですがロジェールさん、魔術と刺突剣でガンガン攻めていくスタイルって、考えてみるとおれの上位互換ですね。師匠、おれはクラゲ呼んだら後ろからチクチクやるんで前は頼んます!
 結果。これはかなり手応えを感じる。
 うまいことターゲットがこちらに向かず、かつロジェールさんがやられすぎないように、ガンガンつぶてを撃って時々背後から突く、というスタイルでそこそこ余力を残したままハンマーモードまでたどり着けるようになった。ロジェールさんの寿命もいくらか延びたが、やはり彼が力尽きた後が厳しい。たいていクラゲはまだ生き残ってるが、魔力も切れかけたところで接近戦をどこまで凌ぎきれるか、ごまかしの効かない勝負になる。
 しかし、ついに、ついにあと一歩というところまできましたよ!あと一撃決めたら勝ちってところで死んだけど!待ってな、次会う時がお前の最期だ!(半泣きで敗走しながら)
 だいぶ魔法剣士感が増してきたところで、あんまり探索してなかった関門前〜ボロ屋までを徘徊。またやべーやつ封印スポットを見つけたり、地面に飛び降りようとしてる巨人にちょっかいかけたり。
 関門前の巨人、右手側から近寄ると上がって来られないので、咆哮さえ気をつければ遠距離から射殺せるんですね。魔法ふた瓶分くらいチビチビ打って初撃破。顔に当たると倍のダメージで痛がるのがなんか申し訳ない。
 この勝利で巨人に対する警戒心が少し薄れて、前に巨人4匹がうろついてるいかにも何かありそうな���リアを再訪することに。
 遠くから見ると、4匹の中心あたりに光る何かがある。馬に乗ってちょっと突っ切ってみることに。
 巨人の横を駆け抜けて光のもとへ行くと、ヒビの入った聖母像のようなオブジェで、割れ目から光が漏れ出ている。馬を降り、試しに攻撃してみようかと思った矢先に、こちらに向かってくる巨人たちの姿が目に入る。
 ひとつ誤算だったのは、巨人が走っていることだった。
 ちょっと待ったお前たち走れるのかよ!奇行種じゃん!
 再び馬に乗ろうとしても敵はもう目の前。まず走って逃げることにするが、こういう時に限って焦って操作ミスってなぜか中腰に。それだと巨人の方が早い。しかも背後から叫び声と同時に咆哮の衝撃波が飛んできて、つんのめるようにスッ転ぶ。起きた矢先にもう1匹からまた食らって体力ゲージもギリギリ。
 しかしそこでようやく走り方を思い出し、猛ダッシュで逃亡。マジで死ぬかと思った……。調査兵団の気持ちが実感できましたよ、彼らがやってた壁外調査は、要するにリムグレイブを調査しに行きますってのと同じヤバさです。
 後はマルギットエリアを外側から眺めてみようと行ってみたら謎のクラゲ群生地(墓場)に行き着いたくらいか。うちの霊と似たクラゲたちはぜんぜん襲ってこないけど、アイテム守ってる赤クラゲを攻撃したら、一斉に周りのみんなも真っ赤になって襲ってくるようになったのはちょっと焦った……。
 しかしリムグレイブうろついてるだけでも無限に時間が吸われていきますね。マルギットさん倒してもゴドリックがいるし、ハイトの砦や地下墓地もまだだし、あの東のケイリッドとかに行くのはいつになるんだろ。
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trinityt2j · 4 years
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ダ-ティ・松本 不健全マンガ家歴30年[-α]史 ●はじめに  この文章は同人誌「FUCK OFF!7」において書かれたものをベースにして逐次増補改定を加えていき、いずれ歴史の証言として、[というほど大袈裟なものでは無いが…]一冊の本にまとめたいという意図のもと、近年どんどん脳が劣化していくダ-松の覚え書きとしても使用の予定。事実関係は間違いに気付き次第 訂正。同人誌発表時のものも今回自粛配慮して、実名、エピソード等を削除した箇所有り。有り難い事に某出版社よりすでに出版打診があったがまだまだその時期ではない、マンガを描く事が苦痛になったら活字の方も気分転換にいいかも…。 /*マークは今後書き加える予定のメモと心得たし。 ●前史/修行時代・1970 さいとうプロの短くて濃い日々……  1968年に上京。数カ月後東京は戦場に。熱い季節の始まりだった。 2年後親元を飛び出し友人のアパートに転がり込む。場所は渋谷から井の頭線で駒場東大駅下車、徒歩5分。地図で見ると現在の駒場公園あたり。昼間でも裸電球を付けなければ真っ暗という馬小屋のような部屋。数メートル先には当時の建設大臣の豪邸が…。前を通りかかるだびに警備のおまわりがじろり。  いつまでも友人に迷惑もかけられないのでとりあえずアシスタントでも…と手元にあったマンガ誌をひっくり返し募集を探す。幸いさいとうプロと横山まさみち氏のところでアシ募集があり両方応募。どっちか一つ通れば…と思っていたら何と両方受かってしまい、双方に条件を聞く。当時高円寺 のアパート、風呂無し4畳半の部屋で相場12000円の時代。前者一ケ月の給料10000円、後者20000円との事。給料の方がボロアパートの家賃より安いとは…!どう考えても前者は食う方法がないと判断し、後者さいとうプロへ入社。  ここに居たのはたったの半年に過ぎないけれど今思えばこれだけで本が一冊描ける位の濃い半年だった。しかしこのあと2X年分も書かねばならないことを思えば今回はいくつかのエピソードを書くだけに留めよう。  ダー松が入った時は小池一夫氏[クビ?]、神田たけ志氏や神江里見氏、きしもとのり氏[現・松文館社長]等と入れ替わりの時で、きし氏の女遊びの凄さと神江氏の絵のうまさは伝説になっていた。現在「亀有」「ゴルゴ」が歴代単行本の巻数の多いベスト1、2位だが[ともに100巻を越えた]、3位は神江氏の「弐十手物語」[70巻以上]だという事は知ってる人は少ないだろう。  当時の制作部は、さいとうたかを[以下ゴリ]をトップに石川班[ゴルゴ13、影狩り]、甲良班[バロム1]、竹本班[シュガー、どぶ等]の3つに分かれ、それぞれのキャップにサブ・チーフが一人づついて、ヒラが2~6人いるというシステムで総16名。独立し現在も活躍中の叶精作、小山ゆう、やまさき拓味の3名がそれぞれの班のサブ・チーフ。ダー松は石川班で左右1メートル以内に叶氏とゴリにはさまれ、のんびり出来ない状態で、はなはだ窮屈。叶氏はほとんどマンガ家になりたいとも思った事のなかった人で、設計事務所みたいなところで図面を引いていた人がなぜマンガプロダクションに来たのか不思議だった。格別マンガ好きというわけでもなかったせいか現在まで全ての作品が原作もので、オリジナルは一本もないのはそのせい?祭りなどの人がうじゃうじゃ出てくる群集場面が得意。 やまさき氏は大の競馬好き、現在競馬マンガを多く描くのは当時からの趣味が生きたというべきか。もう一つの趣味である風俗についてはここでは書くのは差し控えよう。小山氏は後日ここの事務の女性と結婚するが、当時はつき合っているとは誰も知らず、スタッフの一人がやめる時その女性に交際を申し込んだら、茶店に呼び出されて小山氏からと凄まれたと聞いたが嘘か本当かは不明。  ここでの生活は新入り[ダー松を含めて3名]は朝の9時前に会社に行き、タイムカードを押し、前日のごみをひとまとめして外に出し、トイレ掃除をして、16人分のお茶を2Fで入れて制作部のある3Fへの狭い階段をふらふら昇り、机ごとに置いて歩き、終れば、一息ついて買っておいたパンと牛乳を3分で食べて、やっとそれから仕事。しかし新入りの3名の内1人折茂は常に遅刻なのでいつも佐藤と2人でやっていた。佐藤も遅れる時はダー松1人で。辞めてから10年位、16人分のお茶を持って階段をふらふら歩きお盆をひっくり返す夢をよく見たものだが、実際ひっくり返したのは折茂と佐藤の2人で、よく茶碗を割っていた。 たまには夕方6時には帰れるが、普通は夜10時までで、アパートに帰って銭湯に行けばもう明日にそなえて寝る時刻、このくり返しの日々。週1日は徹夜で明け方に帰り、その時は当日の昼12時出勤。休日は日曜日のみで忙しい時はそれも取り消し。つまり休みは月3日。[これで給料2万円!]そんな日々の繰り返し。  夕方までは皆和気あいあいと仕事していたが、ゴリが夕方6時頃に「おはようさん」と現れると、全員無駄口がたたけなくなり、仕事場はシーンと静まり返り、以下その日が終わるまでは疲れる時間がただひたすら流れるのみ。 当時石川班は「ゴルゴ13」と「影狩り」を描いていたがゴリは主人公の顔と擬音のみ。マジックで最後に入れる擬音はさすがに入れる位置がうまいと感心。ゴルゴの顔はアルバムに大小取り混ぜてコピーがとってあり、忙しい時は叶氏がピンセットで身体に合わせて「これが合うかな~」といった感じで貼り付けていた。  その頃すでに「ゴルゴ」は近々終わると噂されていたが、現在もまだ続いているとは感嘆ものだ。 ゴリと石川氏が「ゴルゴ」の最終回の終わり方を話しているのを聞いたら、何ともつまらない終わり方。しかしあれから20年以上も経つ事だし、きっともっといい終わり方を考えてあるだろうなと思っていたら、先日TVで本人が最初から考えてある終わり方だと言うのを聞き、がっくり。企業秘密だろうから書かないが、作品の最初の方に伏線が数度出ているのでわかる人にはすぐわかる筈。  辞めた小池一夫氏とさいとうプロに何があったかは知らないが、漏れ聞く話では結構もめ事があったみたいだ。 「子連れ狼」で「ゴルゴ13」と同じ設定の回があった時、「小池のガキャー訴えたるー!」とゴリが吠えていたものだが、結局たち消え。さいとうプロ作品で脚本を書いた本人が辞めた後、他の作品で同趣向の作品を書いても著作権は脚本を書いた原作者のものだと思うがどんなものだろう。その回のタイトルは忘れたが、ある場所に居合わせた人々が武器を持った集団の人質となり、その中に素人だと思われていた主人公、実は殺しのプロフェッショナルがいて、次々とその集団を殺していく、といったプロットで、ミッキー・スピレーンの短編に同じような作品があり、本当に訴えていたら恥をかいたと思うが・・・。  そういえば事務の方には山本又一郎という男がいたが、後年映画プロデューサーとして 「ベル薔薇」や「太陽を盗んだ男」等を創る事になるが、この野郎が生意気な男で当時皆に対して10歳は年上、といった感じの振る舞いだったが後日俺と一つしか年が離れてなかった事を知り、そんな若造だったとは、と皆怒ったものだ。以来奴の事を「マタさん」から「クソマタ」と呼ぶようになる。  さて半年後に先輩たちが積もり積もった不満を爆発させる反乱事件が勃発し、2年は居るつもりでいたここでの生活も、辞めるか残るかの選択を迫られる。残ればさいとうプロの現体制を認める事となるので、ダー松も退社。 しかし反乱グループとは別行動をとって一人だけの肉体労働のアルバイター生活へ突入。超ヘビーな労働の製���工場、人使いの荒い印刷所、命綱もない高所の足場で働く建設現場等々。トラックの助手をしていた時は運ちゃんが「本宮ひろしって知ってるか?うちの息子の友達でさぁ、昔、おっちゃんメシ食わしてくれーなんて言ってきたもんだが、今は偉くなっちゃってさー、自分のビル建てたらしいよ。赤木圭一郎みたいにいい男なんだ。」とうれしそうに話してくれたが、運ちゃんには悪いがそいつは今も昔も一番嫌いなマンガ家なんだ。あの権力志向はどうにかならんか。天下を取る話ばかりだもんなぁ。  ところで後日、単行本の解説で高取英が「さいとうたかをのヤローぶっ殺してやる!」とダー松が言ったなどと書いているが、小生はそんな危ない事言った覚えはないのでここできっちり訂正しておきます。 「会社に火ィつけてやる!」位は言ったかも・・・[嘘] 。 悪口は言っても別に怨みなど無い。ところでアシスタントとしてのダー松は無遅刻、無欠勤以外は無能なアシだったと反省しきり。理想的なアシスタントとはどんなものか、それはまた別の機会に。 *入社試験はどんな事を? *さいとうプロには当時ほとんどろくな資料は無かった? *ハイジャックの回の飛行機内部の絵は、映画「大空港」を社内カメラマンが映画館で写してきたものをもとに描く。 *当時のトーンは印刷が裏面にしてあり上からカッターでけずったり出来ない。 *トーンの種類は網トーンが数種、それ以外はほんの3、4種類位しかなかった。 *仕事中のB.G.M.はアシの一人が加山雄三ばかりかけるので大ひんしゅく。好評だったのは広沢虎造の浪曲「次郎長三国志」、初代桂春団次の落語。眠気もふっとぶ位笑えた。 ダ-松が岡林信康の「見る前に跳べ」をかけてるとゴリは「何じゃー!この歌は!」と怒る。名曲「私たちの望むものは」はこの男には理解不能。 ●1 9 7 1 ~ 1 9 7 4  持 ち 込 み & 実 話 雑 誌 時 代    当時は青年劇画誌全盛時代で、もともと望月三起也氏や園田光慶氏のファンで活劇志向が強く、 主にアクションもののマンガを描いて持ち込みに行っていた。今のようにマンガ雑誌が溢れかえって、山のようにマンガ出版社がある時代ではなく、数社廻るともう行くところがない、という状態で大手では「ビッグコミック」があっただけで 「モーニング」も「スピリッツ」も「ヤン・ジャン」も当然まだない。テーマを盛り込んだ作品を持って行くと編集から「君ィ、うちは商売でやっているんだからねぇ」と言われ、アクションに徹した作品を持って行くと「君ぃ、ただおもしろいだけじゃあねぇ」と言われ 「おい、おっさん!どっちなんだ?」とむかつく事多し。この辺の事は山のように書く事があるが、有りすぎるのでパス。 *そのうち書く事にする。  ただ金属バットで頭をカチ割って脳みそをぶちまけてやりたいような奴が何人もいたのは事実。今年[’97]「モーニング」に持ち込みに行って、断られた奴が何万回もいやがらせの電話をかけて逮捕された事件があったが、そのうちトカレフを持って殴り込みに行く奴が出てくるとおもしろい。出版社も武装して大銃撃戦だぁ!などと���鹿な事書いてどうする!とにかく持ち込みにはいい思い出が何もない。そんな中、数本だけ載った作品は渡哲也の映画「無頼」シリーズの人斬り五郎みたいな主人公がドスで斬り合う現代やくざもの[この頃の渡哲也は最高!]、ドン・シーゲルの「殺人者たち」みたいな二人組の殺し屋を主人公にした『汚れたジャングル』、陽水の「傘がない」が好きだという編集さんの出したテーマで車泥棒とブラックパンサーの闘士とのロード・ムービー風『グッバイ・ブラザー』、拳銃セールスマンを主人公にした『ザ・セールスマン』、等々10本ちょい位。  さてその頃並行してまだエロマンガ専門誌といえるようなものがなかったような時代で、実話雑誌という写真と記事ページからなる雑誌に4~10ページ位を雑誌の味付けとして描かせてもらう。当時、お手本になるようなエロマンガなど皆無で、エロ写真雑誌を古本屋で買ってきてからみのポーズを模写。マンガで裸を描く事はほとんど初めてで、これがなかなか難しいのだがエロシーンを描くのは結構楽しい。当時出版社に原稿持って行き帰りにグラフ誌をどっともらって帰るのが楽しみだった。SM雑誌の写真ページも参考になる。なお当時のペンネームは編集部が適当につけた池田達彦、上高地源太[この名前はいけてます。また使いたい]等。その数年後、逆にマンガが主で記事が味付けというエロマンガ誌が続々と創刊される。 *さいとうプロをやめたあと編集や知人に頼まれて数人のマンガ家の所へ手伝いに行く。秋田書店「漫画ホット」で『ジェノサイド』を連載中の峰岸とおる氏の所へ行き、仕事が終わったあとまだ売れてない頃の榊まさる氏も交え酒を飲む/川崎のぼる大先生のところへ数日だけ/3000円たこ部屋/小山ゆうオリオンププロ *当時のアルバイトは記憶によると時給150~200円位/大日本印刷市ヶ谷駐屯地/坂/ *一食100円/どんなに貧しい漫画家もみかん箱の上で書くやつはいない/TV萩原サムデイ *ろくでなし編集者 ●1 9 7 5 ~ エ ロ マ ン  ガ 誌 時 代 に 突 入   実話誌は意外とエロは抑え目で描くように口すっぱく言われていたのだが、以前活劇っぽい作品を描かせてもらってたが潰れてしまった出版社にいた児島さんが編集する「漫画ダイナマイト」で打合せも何にもなしに好きに描かせてもらい、ここでエロマンガ家としての才能[?]が開花する。描いてて実に楽しく眠る時間がもったいない位で、人に睡眠時間が必要な事を恨んだ程。出来る事なら一日中休まず描いていたい気分で完全にはまってしまう。  初の連載作品「屠殺人シリーズ」はこの頃から/『漫画ポポ』。中島史雄氏は大学時代にこの作品を見ていたとの事で、トレンチコートにドクター・ペッパー模様のサイレンサーつきマグナム銃で遊戯人・竜崎一也が犯しまくり殺しまくり、サディスト、マゾヒスト、殺人狂、まともな奴が一人も出てこない性と暴力の祭典。ちなみにタイトルページは描かないでいい、との事でどうするのかと思っていたら編集部が中のワンカットを拡大してタイトルページを創り、1ページぶんの原稿料をけちるというせこいやり方だった。けちるといえば、原稿の1/3にCMを入れる際、原稿料を1/3削った会社もあり。 ●1 9 7 6 ~   後に発禁仲間となる高取英と出逢い、『長編コミック劇場』で「ウルフガイ」みたいのをやろうと、怒りに震えると黒豹に変身してしまう異常体質の主人公を設定し、獣姦のイメージで「性猟鬼」なるエロマンガをスタート!しかしその号で雑誌が潰れる。この路線は今でもいけそうな気がするがどんなものだろう。  この頃の珍品に「快楽痴態公園」がある。タイガースに11-0とワンサイドで打ちまくられ、怒ったジャイアンツファンのおっさんが公園でデート中の女をずこずこに犯りまくり、その間にジャイアンツは9回裏に12-11とゲームをひっくり返してしまうのである!その時のジャイアンツの監督はもちろんミスター長嶋、先発堀内、打者は柴田、土井、高田、王、張本等々がいる。タイガース監督は吉田、ピッチャー江本、キャッチャーフライを落球する田淵、そしてあの川藤もいる。解説は牧野…… ●1 9 7 7 ~   上記2作品を含む初の単行本「肉の奴隷人形」が久保書店より発行。後にリングスの会場で逢った佐竹雅昭氏はこの本が一番好きとの事だった。  「闇の淫虐師」もこの年スタート。一話完結でバレリーナ、バトンガール等々、毎回いろんな女たちをダッチワイフのごとくいたぶりまくるフェチマンガとして1979年まで続け、単行本は「堕天使女王」「裂かれた花嫁」「エロスの狂宴」「陶酔への誘い」「終りなき闇の宴」の全5巻。ちなみに今年「闇の淫虐師’97」を『コミック・ピクシィ』にて発表。いつか『闇の淫虐師・ベスト選集』でも出したいところ。 [’98に実現、’99には続刊が出る] ●1 9 7 8 ~   久保書店より第2弾の単行本「狂った微惑人形」。収録作品の「犯された白鳥」は持ち込み時代に描いた初のバレリーナもの。結構気に入っていた作品なのに、後年再録の際、印刷所の掃除のおばさんが捨ててしまい、この世にもはや存在しない不幸な子となる。[’99に宝島スピード・ブックに本より直接スキャンして収録]  エロ、グロ、ナンセンスの会心作「恍惚下着専科」を発表。サン出版より同名の単行本発行。また同出版より「コミック・ペット/堕天使画集」として今までの作品を続々単行本化。全10巻位。これは今でも古本屋で流通しているとの事で、まだまだ世間様のお役にたっているらしい。  この年、「堕天使たちの狂宴」を描いていた『漫画エロジェニカ』が発禁処分、来年でもう20年目となる事だし、当時の人たちと集まってその大放談を収録し「発禁20周年特集号」でも創ってみようかと計画中。さて当時の秘話としてもう時効だろうから書いてみるけど、前述の『堕天使画集』に「堕天使たちの狂宴」は収録される事となり、当然修正をガンガン入れて出版されるものと覚悟していたら、米国から帰国後出来上がった本を見ると発禁になった状態のまま再録されている!以下桜木編集長との会話 ダ/いや~、いい度胸してますね。 編/だって修正してあるじゃない。 ダ/その修正状態で発禁になったんですよ 編/・・・・・ ダ/・・・・ 以下どんな会話が続いたのか失念…… それにしてもサドの「悪徳の栄え」の翻訳本は発禁後20年以上して復刻されたけれど、「堕天使たちの狂宴」は半年もしない内に単行本になっていたとはエロ本業界とは何といいかげんな世界!しかし作品そのものは、今見るとリメイクする気にもならないどうという事もない可愛い作品で、結局あれもあの時代の姑息な政治のひとかけらに過ぎなかったのだろう。いい点があるとしたら一つだけ、それまでのエロマンガになかった瞳パッチリの少女マンガ的ヒロインを登場させた事位か。今の美少女エロマンガは本家の少女マンガもかくや!という位眼が大きいが当時としては画期的だったかも。 ●1 9 7 9 ~   この年の「淫花蝶の舞踏」は「堕天使たちの狂宴」よりずっといい/『漫画ソフト』。今年出た「別冊宝島/日本一のマンガを探せ!」でベスト2000のマンガがセレクトされているが、ダー松の作品の中ではこの作品が選ばれている。教師と生徒、二人の女たちが様々な男たちの手によってに次々ともてあそばれ、闇の世界を転々として再び巡り会う時、女たちは蝶と化し水平線の彼方に飛び去り、男たちは殺し合い血の海の中で屍と化す。ダー松作品にはこのように男根が女陰の海に飲み込まれてに負けるパターンが多い。[性狩人、遊戯の森の妖精、美少女たちの宴、人魚のたわむれ・・等々]  この年からスタートの「性狩人たち」シリーズ[劇画悦楽号]はバレエ、バイオレンス、SEXの三要素がうまくからみあい、それぞれが頂点まで達する幸福な神話的作品だ。ここから派生した路線も多く、美少年路線は’83の「聖少女黙示録」へ。身体障害者路線は’80の「遊戯の森の妖精」、’84からの「美姉妹肉煉獄」へと繋がる。’81の最終話「ハルマゲドンの戦い」ではせりふなしで24ページ全てが大殺戮シーンという回もあり、中でも一度やりたかった見開きで銃撃戦の擬音のみという事も実現。こんな事がエロマンガ誌で許される時代だった。ちなみにこの回は[OKコラルの決闘・100周年記念]だが、何の意味もない。単行本は最初サン出版より、その後久保書店より「白鳥の飛翔」「少女飼育篇」「ヘラクレスを撃て!」「眼球愛」「海の女神」の全5刊。現在入手出来るのは後の3刊のみ。[「海の女神」も最近在庫切れ]  この年出た「人魚のたわむれ」の表題作は性器に{たこ}を挿入するカットを見た編集長が「・・・[沈黙]・・・頭おかしいんじゃ・・ブツブツ・・気違い・・・ブツブツ・・・」と呆れてつぶやいていたのを記憶している。たこソーニューは今年出た「夜顔武闘伝」で久しぶりに再現。なおこの作品は’83にマンガと実写を噛み合せたビデオの珍品となる。水中スローモーションファックがなかなかよい。 ●1 9 8 0 ~   なぜか「JUNE」の増刊として作品集「美少女たちの宴」がサン出版より出版され、その短編集をもとに脚本化し日活で映画が創られる事となる。[「花の応援団」を当てたこの映画の企画者・成田氏は日活退社後「桜の園」等を創る。]その際、初めて映画撮影所を見学し、せこいセットがスクリーン上ではきちんとした絵になってるのを見て映画のマジックに感心。タイトルはなぜか「性狩人」で、’96にビデオ化された。監督・池田敏春のデビュー第2作となり現在までコンスタントに作品を発表しているが、出来のいい作品も多いのになぜか代表作がない。初期の「人魚伝説」が一番いいか。  この映画に合わせて「美少女たちの宴」を2~3回のつもりで「漫画ラブラブ」で描き出すがどんどん話がふくらみ、おまけに描いてる出版社が潰れたり、雑誌が潰れたりで雑誌を転々とし条例による警告の嵐がきた「漫画大飯��」を経て、「漫画ハンター」誌上で完結したのは’83になる。この作品でクリトリスを手術してペニスのように巨大化させるという人体改造ものを初めて描く。  この年の「遊戯の森の妖精」は身体障害者いじめ鬼畜路線の第2弾!森の中の別荘に乱入したろくでなしの二人組が精薄の少女の両親達を虐殺し、暴行の限りをつくすむちゃくちゃな作品で、雷鳴の中、少女の性器に男達のペニスが2本同時に挿入されるシーンは圧巻!しかしこのとんでもない男達も少女の性のエネルギーに飲み込まれ、朽ち果てていく・・・。 ●1 9 8 1 ~   美少女マンガ誌のはしり「レモン・ピープル」誌創刊。そこで描いたのが「白鳥の湖」。虚構の世界のヒロインを犯すというコンセプトは、アニメやゲームのヒロインをずこずこにするという今の同人誌のコンセプトと同じかも。バレエ「白鳥の湖」において悪魔に捕われたオデット姫が白鳥の姿に変えられる前に何にもされてない筈がないというモチーフにより生まれたこの作品は、悪魔に男根を植えつけられたヒロインが命じられるままに次々と妖精を犯して歩き悪魔の娘となるまでを描くが、あまり成功したとは言えない。ただ人形サイズの妖精をしゃぶりまくり淫核で犯すアイデアは他に「少女破壊幻想」で一回やっただけなのでそろそろもう一度やってみたいところ。「ダーティ松本の白雪姫」はその逆をいき、犯す方を小さくした作品で7人の小人が白雪姫の性器の中にはいり、しゃぶったり、処女膜を食べたり、と乱暴狼藉![ちなみに両者をでかくしたのが同人誌「FUCK YOU!3」の「ゴジラVSジュピター」]この童話シリーズは意外と好評で続いて「ダーティ松本の赤い靴」を上記の単行本に描き下ろして収録。童話は結構残酷なものが多く、この作品も切られた足だけが荒野を踊りながら去って行くラストは原作通り。 *近年童話ブームだがこの頃もっと描いておけば「こんなに危ない童話」として刊行出来たのにとくやまれる。 「2001年快楽の旅」もこの本に収録。快楽マシーンを逆にレイプしてしまう、珍しく映画「2001年宇宙の旅」風のSF作品。  掲載誌を決めずに出来る限り多くのマンガ誌で描こうというコンセプトで始めたのがこの年スタートした「怪人サドラン博士」シリーズ。「不死蝶」シリーズや「美少女たちの宴」シリーズの中にも乱入し、「漫画ハンター」最終号では地球をぶっ壊して[その際地球は絶頂の喘ぎ声をあげ昇天する!]他の惑星へ行ってしまう。今のところ10誌位に登場。いつかこのサドラン・シリーズだけ集めて単行本化したいところ。ちなみに「サド」と「乱歩」を足して「サドラン博士」と命名。作者の分身と言っていい。 [後年、「魔界の怪人」として全作品を収録して刊行、04年現在品切れ中]  この年描いて’82の単行本『妖精たちの宴』に収録の「とけていく・・」はレズの女たちが愛戯の果てに、肉体が溶けて一匹の軟体動物と化す、タイトルも内容も奇妙な作品。作者の頭もとけていた? ●1 9 8 2 ~ 1 9 8 3   ’83年に「美少女たちの宴」が完結。全てが無に帰すラストのページは真っ白のままで、このページの原稿料はいりません、と言ったにもかかわらず払ってくれた久保書店、偉い![明文社やCM頁の稿料を削った出版社=某少年画報社なら払わなかっただろうな……と思われる……]この作品以外は短編が多く、加速度をつけてのっていく描き方が得意のダー松としてはのりの悪い時期に突入。また10年近く走ってきてだれてきた頃でもあり第一次落ち込み期と言っていい。マンガがスタンプを押すように描けないものか、などとふとどきな考えまで湧いてくる。思えば一本の作品には、いったい何本の線を引いて出来上がっているものなのか。数えた馬鹿はいないだろうが数千本は引いている筈。一ヵ月に何万本とペンで線を引く日々・・うんざりする筈です。  この頃のめぼしい短編をいくつか書くと、少女マンガ家の家に税務調査にきた税務署員が過小申告をネタにねちねちいたぶるが、アシスタントに発見された署員は撲殺される。そして板橋税務署は焼き討ちにあう、といった作品「[タイトル失念]xx税務調査」。[後日読者よりこのタイトルを「色欲ダニ野郎」と教えていただく。ひどいタイトル *編集者のつけるタイトルはその人のセンスが実によくわかる。しかしサイテ-の題だなこりゃ…。 果てるまで「おまんこして!」と言わせながら処女をやりまくる「美処女/犯す!」はラスト、狂った少女が歩行者天国の通行人を撃ちまくり血の海にする。「嬲る!」はパンチドランカーとなった矢吹ジョーが白木葉子をサンドバッグに縛りつけ、殴って、殴って、殴りまくる。段平おっちゃんの最後のセリフ「・・ブスブスくすぶっちゃいるが・・・」「打てッ!打つんだ!ジョー!」「お前はまだ燃えつきちゃいねえ!」とはエロ・ドランカーの自分自身に向けて発した言葉だったのかも。トビー・フーパーばりの「淫魔のはらわた」は電気ドリルでアナルを広げてのファック!とどめにチェーンソーで尻を切断!いまだに単行本に収録出来ず。[’98の「絶頂伝説」にやっと収録]「からみあい」は夫の愛人の性器を噛みちぎる。「危険な関係」はアルコール浣腸をして火をつけ尻から火を吹かせる。この手は『FUCK YOU!2』の「セーラー・ハルマゲドン」で復元。そういえばこの作品の序章と終章だけ描いて、間の100章位をとばすやりかたはこの頃の「禁断の性獣」より。女性器にとりつき、男性器に変身するエイリアンの侵略により地球は女性器を失い滅亡する、といったストーリーで当時聞いた話では谷山浩子のD.J.でこの作品がリスナーの投書でとりあげられ、ダー松の名はダーティ・杉本と読まれたそうな。ヒロインの少女がひろ子という名前なのでこのハガキが選ばれたのかもしれないが、作者は薬師丸ひろ子からとったつもりだったのだが・・。[別にファンではない。] 「女教師狩り」は映画館で観客に犯される女教師とスクリーン上の同名のエロ映画の二本が同時進行し、一本で二本分楽しめるお得な作品。 ’83は’80に「漫画エロス」にて描いた「エロスの乱反射」の最終回の原稿が紛失したため単行本が出せないでいたのを、またまた「仏の久保さん」に頼んでラスト近くをふくらませて「漫画ハンター」に3回程描かせてもらい、やっと’85に出版。見られる事に快感を覚えるファッション・モデルが調教される内に、次第に露出狂となっていき、街中で突然裸になって交通事故を起こさせたり、最後はビルの屋上でストリップショー。そしてカメラのフラッシュの中に飛び降りていき、ラスト1ページはその性器のアップでエンド!  本格美少年・ゲイ・マンガ「聖少女黙示録」も’83。レズの姉たちの手によって女装に目覚めた少年がホモのダンサーたちに縛られなぶられ初のポコチンこすり合いの射精シーン。そして性転換して女となった主いるが、その中の’84の「白い肌の湖」はタイトルで解る通りのバレリーナものだがポコチンを焼かれた男が、一緒に暮ら人公が手術で男に��った少女と暮らすハッピーエンド。この作品は単行本「美少女ハンター」に収録されてす二人の女と一人の男に復讐するエンディングがすごい!まず男の性器を切り取り、片方の女の性器にねじ込んだあと、その女の性器ごとえぐり取る。そしてその二つの性器をつかんだまま、もう一人の女の性器にフィストファック!のあげく、その二つの性器を入れたままの女性器をナイフでまた切って、ほとんどビックマック状態でまだヒクヒクうごめく血まみれの三つの性器を握りしめるとんでもない終り方!全くダー松はこんな事ばかりやっていたのかとあきれかえる。もう鬼畜としか言い様がない!しかし「ウィンナー」を二枚の「ハム」で包むなんて・・GOODなアイデアだ、又やってみよう。 ●1 9 8 4 ~   「漫画ハンター」で「闇の宴」前後篇を描き、後日これをビデオ化。雪に包まれた六本木のスタジオで痔に苦しみながらの撮影。特別出演として中島史雄氏が絶妙の指使い、東デの学生時代の萩原一至が二役、取材に来たJITAN氏もスタジオに入ってきた瞬間、即出演で生玉子1000個の海で大乱交。カメラマンが凝り性で照明が気に入るまでカメラを廻さず、たった二日の撮影はやりたい事の半分も出来ず。撮影が終ると痔はすぐに完治。どうもプレッシャーからくる神経性だったみたいでこれに懲りてビデオは一本のみ。 この年の「肉の漂流」は親子丼もので、近所の書店のオヤジからこの本はよく売れたと聞いたが、一時よく描いたこのパターンは最近では「FUCK YOU!3」の「母娘シャワー」のみ。熟女と少女の両方が描けるところが利点。「血の舞踏」は久しぶりの吸血鬼もの。股間を針で刺し、噛んで血を吸うシーン等々いい場面はあるが、うまくストーリーが転がらず3回で止める。短編「果てるまで・・」は核戦争後のシェルターの中で、父が娘とタイトル通り果てるまでやりまくる話。被爆していた父が死んだ後、娘はSEXの相手を捜して黒い雨の中をさまよう。  またリサ・ライオンの写真集を見て筋肉美に目覚め、マッチョ女ものをこの頃から描き出す。しかしなかなか筋肉をエロティックに描くのは難しい。 ●1 9 8 5 ~   くたびれ果ててすっかりダレてきたこの頃、8年間働いてくれたアシスタント女史に代わってパワーのかたまり萩原一至、鶴田洋久等が東京デザイナー学院卒業後加わってダーティ・マーケットも第2期に突入!新旧取り混ぜておもしろいマンガをいろいろ教えて貰って読みまくる。「バリバリ伝説」「ビーバップハイスクール」「ペリカンロード」「めぞん一刻」「わたしは真悟」「Be Free!」「緑山高校」「日出処の天子」「吉祥天女」「純情クレイジー・フルーツ」「アクター」「北斗の拳」「炎の転校生」「アイドルをさがせ」「綿の国星」「いつもポケットにショパン」「バツ&テリー」「六三四の剣」永井豪の絶頂期の作品「バイオレンス・ジャック」「凄之王」「デビルマン」等々100冊以上とても書ききれない位で、う~ん・・マンガってこんなにおもしろかったのか、と感動! そこで眠狂四郎を学園にほうり込んで、今まであまり描かなかった学園マンガをエロマンガに、というコンセプトで始めたのが「斬姦狂死郎」。「六三四の剣」ばりに単行本20巻を目指すものの、少年マンガのノリは今では当たり前だが、当時はまだエロマンガとして評価されず、ほんの少し時代が早すぎたかも。’86に中断、今年’97に「ホリディ・コミック」にて復活!果たしていつまで続けられるか? →後に「斬姦狂死郎・制服狩り」、「斬姦狂死郎・美教師狩り」として刊行完結  前年末から始めた「美姉妹肉煉獄」は身障者いじめの鬼畜路線。盲目の姉とその妹を調教して性風俗店等で働かせ、娼婦に堕していく不健全・不道徳な作品で、肉の快楽にひたっていく盲目の姉に対し妹も「春琴抄」の如く己の眼を突き、自らも暗黒の快楽の世界にはいり、快楽の光に目覚めるラスト。 また、これからは女王様物だ!となぜか突然ひらめき「筋肉女」シリーズの延長としてフィットネス・スタジオを舞台に「メタル・クイーン」シリーズも開始。これは単行本2冊分描いたが、連載途中でヒロインの髪型を歌手ステファニーのヘア・スタイルにチェンジしたり、レオタードもたっぷり描けてわりと気に入っている。  10年近く描いた「美蝶」先生シリーズもこの年スタート!こうしてみるとマンガを描く喜びに満ちた大充実の年だったかも。 ●1 9 8 6 ~   この年は前年からの連載ものがほとんどだが、「エレクト・ボーイ」は空中でファックするシーンが描いてみたくて始めた初の超能力エロマンガ。コメディ的要素がうまくいかず2回で止める。この路線は翌年の「堕天使輪舞」で開花。  「夜の彷徨人」は自分の育てた新体操選手が怪我で選手生命を失ったため、その女を馬肉のごとく娼婦として夜の世界に売り渡した主人公という設定。しかし腕を折られ、女にも逆に捨てられ、そして事故によってその女を失ったあげく不能となってしまう。失った快楽を取り戻すため無くした片腕にバイブレーターを取りつけ、夜の街をさすらい次々と女たちをレイプしていくというストーリー。がっちり設定したキャラだったのにまったく話がはずまず、男のポコチンは勃起しないままに作品も不発のまま終る。  「斬姦狂死郎」が不本意のまま終わったため学園エロス・シリーズは「放課後の媚娼女」へと引き継がれる。当時見ていた南野陽子のTV「スケバン刑事・」とS・レオーネの「ウエスタン」風に料理。ラストの「男といっしょじゃ歩けないんだ」のセリフは一番好きな映画、鈴木清順の「東京流れ者」からのもじり。単行本は最初司書房から出て、数年後ミリオン出版から再販、そして’97久保書店より再々販ながら結構売れて今年また再版。この作品は親を助けてくれる有難い孝行息子といったところ。 ●1 9 8 7 ~   さいとうプロOBで那珂川尚という名のマンガ家だった友人の津田が「漫画ダイナマイト」の編集者になっていて、実に久しぶりに同誌で「堕天使輪舞」を描く。超能力エロマンガの第2弾。今回はエロと超能力合戦とがうまくミックスされ一応成功といっていい。この路線は「エレクト・ボーイ」とこの作品、そして’96の「夜顔武闘伝」も含めてもいいかも。一時、この手の作品は数多くあったが最近はめったに見かけない。しかし、まだまだこの路線には鉱脈が眠っているとにらんでいるがどんなものだろう。 ●1 9 8 8 ~   「放課後の媚娼女」に続いて抜かずの凶一無頼控え「放課後の熱い祭り」を2年がかりで描く。’89に完結し司書房より単行本化。そして今年’97に改定してめでたく完全版として復刊!この頃が一番劇画っぽい絵で、たった2~3人のスタッフでよくこれだけ描き込めたなと改めて感心!エロシーンがちょっと少なめながら中島史雄氏がダー松作品でこの作品が一番好き、とお褒めの言葉を頂戴する。  TVで三流アマゾネス映画を見ている内、むくむくとイメージがふくらみ、昔から描きたかった西部劇と時代劇がこれで描けると、この年スタートさせたのが「不死蝶伝説」なるアマゾネス路線。昔々青年誌の創世期にあのケン月影氏がマカロニ・ウエスタンを描いていたことを知る人は少ないだろう。俺もあの頃デビューしていたらウエスタンが描けたのに、と思う事もあったが、このシリーズでほんの少しだけその願望がかなう。  この頃、アシスタントやってくれてた格闘技マニアの鶴田洋久に誘われ、近所の空手道場通いの日々。若い頃修行のため新宿でやくざに喧嘩を売って歩いたという寺内師範は、もう鬼のような人で、行けば地獄が待っていると判っててなぜ行く?と不思議な位休まず通う。体育会系はマゾの世界と知る。組手は寸止めではなく顔面以外は当てて可だったので身体中打撲のあざだらけ、ビデオで研究したという鶴田の体重をかけたムエタイ式の蹴りをくらい、右手が饅頭のように腫れ上がる。先輩たちの組手の試合も蹴りがもろにはいってあばら骨が折れたりで、なぜこんなヘビーな事をする?と思うが、闘う事によって身体の奥から何か沸き上がってくるものがある。スリランカの元コマンドと組手をやった時、格闘家の気持ちが少しだけ判るようになった。 ●1 9 8 9 ~   ’94まで続く「美蝶」シリーズでこの年は『ノスフェラトウ篇』を描き、シリーズ中これが一番のお気に入り。同人誌の「王夢」はこれが原点。  短編では「悪夢の中へ」はスプラッタ・エロマンガで久しぶりにチェーンソゥでお尻のぶった切り!はらわた引きずり出し、人肉食いちぎり!顔面叩き割り等々でラストに「ホラービデオの規制をするバカは俺が許さん!」などと書いているので、この年が宮崎事件の年か?世間は彼が日野日出志・作のホラービデオ「ギニーピッグ」を見てあの犯罪をおかした、としてさんざんホラービデオの規制をやっといて、結局見てもいなかったとわかったあとは誰一人日野日出志氏にもホラービデオさんにも謝らす゛知らんぷり。残ったのは規制だけで、馬鹿のやる事には全く困ったもんである。先日の「酒鬼薔薇・14才」の時も犯罪おたくの心理学者が、「これはマンガやビデオの影響です。」などと相も変わらずたわけた寝言をぬかしていたが、馬鹿はいつまでたっても馬鹿のまま。少しは進歩しろよ!お前だよ、お前!短絡的で幼稚な坊や、小田晋!よぅく首を洗っとけ!コラ!  「獣人たちの儀式」は退学者や少年院送りになつた生徒、暴走族、ヤクザ達が集まって酒盛りしながら女教師たちをずこずこにしてOB会をひらく不健全作品。編集長が「また危ない作品を・・・」とこぼしたものだが、岡野さん、田舎で元気にお過しでしょうか。この頃の「漫画エロス」には「ケンペーくん」だとか「アリスのお茶会」だとかおもしろい作品が載っていたものです。「爆走遊戯」は伝説のストーカー・ろくでなしマンガ家の早見純が一番好きな作品と言ってくれたが、なぜだかわからない。人の好みはいろいろです。以上3本は単行本「熱き唇の女神」に収録。 「ふしだらな女獣たち」はフェミニストの女二人が美少年をいじめる話。これは「氷の部屋の女」に収録。 ●1 9 9 0 ~   この年の「美蝶」シリーズは『ダンシング・クイーン篇』。マネキン工場跡でJ・ブラウンの「セックス・マシーン」にのせて5人プレイをするシーンや文化祭でのダンスシーン等々結構好きな場面多し。暗くて硬い作品が多いので、この「美蝶」シリーズは肩肘張らずに、かなり軽いノリでキャラクターの動きに任せて、ストーリーも、そして次のコマさえも先の事は何にも考えず、ほとんどアドリブで描いた時もある。  「不死蝶伝説」に続いてシリーズ第2弾「不死蝶」は2誌にまたがって2年位続ける。これも結構お気に入りの一遍。 ●1 9 9 1 ~ 1 9 9 3   「性狩人たち」の近未来版、といった感じの「夜戦士」は学園物が多くなったので、マグナム銃で脳天をぶっとばすようなものが又描きたくなって始めたミニシリーズ。全5話位。松文館より単行本「黒い夜と夢魔の闇」に収録。  この年から知り合いの編集者がレディス・コミックを始める人が多く、依頼されてどうしたものかと思ったが、エロなら何でもやってみよう精神と何か新しい世界が開けるかも、という事から’94位までやってみたものの結果的に不毛の時代に終わる。与えられた素材が体験告白物という事で、非現実的なものは描けないという事は得意技を封印して戦うようなもので苦戦を強いられ、これって内山亜紀氏がやまさき十三原作の人情話を描いたようなミス・マッチングで不発だったかな。今後、もしやることがあれば美少年SMのレディス・コミックのみ。そんな雑誌が出来れば、の話だが。  いくつかやったレディコミの編集の一人「アイリス」の鈴木さんは同じさいとうプロOBで、マンガ・アシスタント、マンガ家、マンガ誌の編集、そして今はマンガ学校の講師、とこれだけ多くのマンガに関わる仕事をしてきた人はあまりいないだろう。これでマンガ評論でもやれば全て制覇だが・・・。  この頃はいつもと同じ位の30~40本の作品を毎年描いていたが、レディコミは一本30~40枚とページが多く結構身体にガタがきた頃で、右手のひじが腱傷炎になり1年以上苦痛が続く。医者通いではさっぱり痛みがひかず、電気針で針灸治療を半年位続けてやっと完治。その後、住んでいたマンションの理事長を押しつけられ、マンション戦争の渦中に巻き込まれひどい目にあう。攻撃するのは楽だが、話をまとめるなどというのは社会生活不適格のダー松には大の苦手で「お前等!わがままばかり言うのはいいかげんにしろー!」と頭をカチ割りたくなるような事ばかりで、ひたすら我慢の日々で血圧がガンガン上がり、病院通いの日々。確実に寿命が5年は縮まる。あの時はマジで人に殺意を抱いたものだが、今でも金属バット持って押しかけて奴等の脳みそをクラッシュしたい気分になる時もある。いつかこの時の事をマンガにしようと思っていて、まだ誰も描いてない「マンション・マンガ」というジャンル、タイトルは「我が闘争」。え?誰も読みたくない?  この間に出た単行本は「血を吸う夜」、「赤い月の化身」「熱き唇の女神」[以上・久保書店] /「牝猫の花園」「真夜中の人魚たち」[以上久保書店]、「美蝶/放課後篇」「美蝶/ダンシング・クイーン篇」「不死蝶/鋼鉄の女王篇・上巻」[以上ミリオン出版]。 ●1 9 9 4 ~ 1 9 9 5   ろくでもない事が続くのは厄払いをしなかったせいか、このままここにいたら頭がおかしくなる、と15年以上いたマンションから引っ越し。板橋から巣鴨へ移動し気分一新!以前からうちもやりましょうよ、と言われていた同人誌創りをそのうち、そのうちと伸ばしてきたものの遂に申し込んでしまい、創らざるをえなくなる。しかもそれが引っ越しの時期と重なってしまい大いに後悔する。しかしいろんな人にお願いして何とか一冊でっちあげ、ムシ風呂のような夏コミに初参加。これが運命の分岐点。レディコミもこの年で切り上げ、以下同人街道をまっしぐら。現在まで「FUCK OFF!」が9まで、「FUCK YOU!」が4まで計10+&冊創る。  ’95からダーティ松本の名前にも飽きてきたしJr,Sam名でも描き始める。 レディコミ時代は松本美蝶。あと2つ位違うペンネームも考案中。  この間の単行本「氷の部屋の女」「双子座の戯れ」[久保書店]、「黒い夜と夢魔の闇」[松文館]、「危険な女教師/美蝶」[ミリオン] ●1 9 9 6 ~   美少女路線の絵柄もこの年の「夜顔武闘伝」あたりでほぼ完成、今後また少し変化させる予定。しかしこの作品は超能力、アマゾネス、忍法エロマンガとでも呼ぶべきか。「グラップラー刃牙」みたいに闘技場での勝ち抜き性武道合戦までいきたかったけれど、残念ながらたどり着けず。  「冬の堕天使」は久しぶりの吸血鬼もの。都営住宅で生活保護をうけている吸血鬼母子のイメージが浮かび、そこから漫画家協会・加藤芳郎を撃つ有害図書騒動のマンガへ。吸血鬼少年が光の世界との戦いに旅立つまでを描き、「闇に潜みし者」は時空を越えて近未来での戦い。その間を描く作品を今後創らなければ。  「FUCK CITY 2006」はクソ溜めと化した近未来のTOKYOを舞台に久しぶりにダーティ・バイオレンスが炸裂!ハード・エロ劇画と同人誌風・美少女路線の合体は果たしてうまくいったかどうか?30ページほど描き足して、’97、9月にフランス書院のコミック文庫にて発売。[「少女水中花」]  「放課後の媚娼女」と「人形愛」刊行。[いずれも久保書店刊]前者は以前、上下巻だったのを一冊にまとめて。後者は近作を集めた同人時代を経ての初単行本で、同人誌を知らなかった読者はショックを受ける。メタルフアンから以下のようなお手紙を受け取る。「これはジューダス・プリーストの『ターボ』だ。ラストの『眠れる森の少女』は『レックレス』にあたる。しかしジューダスもその後『ラム・イット・ダウン』や『ペイン・キラー』という傑作を世に出した事だし、今後を期待したい」という意のダー松のようなメタルファン以外は意味不明の激励をうける。 ●1 9 9 7   同人誌「エロス大百科シリーズ」スタート!いろんな項目別に年2刊づつ計100ページ位を別刊シリーズとして出し続ければ10年で1000ページになり、以前「谷岡ヤスジ1000ページ」という枕に最適の本があったが、これも一冊にまとめて枕にして寝れば、目覚める頃は3回夢精しているなんて事に・・・などとまだたった40ページの段階で言っても何の説得力もないか。飽きたら2~3号でSTOPするだろうし・・。[推測通り「毛剃り」「美少年SM」「女装」3号でストップ中]冬にはやおい系にも進出の予定。  今年出した単行本は厚くて濃いエロマンガを集めた久保書店MAXシリーズ第2弾!「放課後の熱い祭り/完全版」と「夜顔武闘伝」オークラ出版。ともに大幅描き足して25周年記念出版として刊行。ティーツー出版よりJr,Sam名で「昼下がりの少女」、9月にはフランス書院より「少女水中花」の文庫本が出る予定で現在、この同人誌と並行して描き足し中。「斬姦狂死郎」第2部も「ホリディ・COMIC」誌にて6月よりスタート!年内創刊予定の『腐肉クラブ』なる死体姦専門のマンガ誌にも執筆予定。  さてさて25年間、旅行の時を除いて、現在まで2日続けてマンガを描かなかった事はほとんどない。これはその昔、伊東元気氏というマンガ家とお会いしたとき「今月何ページ描いた?」との問いに、「今月仕事ないんでぜんぜん描いてません」と答えたら、「そんな事じゃ駄目だ。仕事があろうがなかろうが、毎月100頁は描かなきゃ。」と言われ、以後その教えを守り[描けるページ数は減ったが]、マンガは仕事ではなくなり、朝起きたら顔を洗うのと同じで生活そのものとなり現在に至る。  今は何でも描けそうなハイな状態で、以前はたまには外出しないと煮詰まってしまうので週いち位ガス抜きをしていたものだが、最近はせいぜい月いち休めば十分の「純エロマンガ体」。[純粋にエロマンガを描くためだけの肉体、の意。ダー松の造語]  こうしてふり返ると、この路線はまだえぐり足りない、これはあと数回描くべし、なぜこれを一度しか描かない!等々、残り時間にやるべき事、やりたい事の何と多い事! 爆裂昇天のその日まで・・・      燃 え よ ペ ン !  なお続きは 1997年後期 1998年 INDEX
http://www.rx.sakura.ne.jp/~dirty/gurafty.html
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cosmicc-blues · 4 years
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2021/2/23
約束の30分まえに目が覚める。でも、みんなが来てくれるから安心余裕で支度をする。窓からの日差し良好でうむと思う。
とてもいい天気。公園口の出口にいるときいたのに何故か反対口から横断歩道を渡ってくる二人。なんで? なんで、なんで? Nさん大きく手をふり、Mさん小さく手をふる。ピクニックの調達へ。まだ起きたばかりでぼーっとしていたところに、Nさんがサーモンの寿司を持ってとなりにいる。サーモンっと言ってニコニコしているのにぎょっとする。ぎょっとしたというよりあまりに自然にそこにいることに逆に驚いたかんじで、初対面のはずなのに、それ以降は長年ひとつ屋根の下で暮らした家族みたいな感じと思う。一気に肩のちからが抜けて素のままでのんべんだらりと過ごす。だんだんでかめの犬と猫といっしょにいるような気分になってきて、さらに肩のちからが抜ける。
天気はよいけれど、風がけっこう強くて、枯草がしきりに吹きつける。油断しているとお酒の入ったプラカップに入ったりする。Nさん、風のたびにサーモンの寿司を全力で守る。それでも枯草が付いちゃって、なんかハーブみたいでいいですよねって言ってました。Mさんは手が大きくて、枯草を払うをときの動きが独特、そのモーションの大きさから枯草を払いたい意思は感じるんだけど、じっさいにはあんまり払えてないみたいな。
初対面の人がそのとき選んだ料理っていうのは不思議と深く記憶に刻まれるもので、Mさんだったらレバカツ(うまいうまいと三回くらいおかわりしてました)、少し話題にものぼった漁村のMさんならチャンジャ(ほかの誰も手をつけないチャンジャをひとりでチャンジャおいしい言いながらパクパク食べてました)、そしてNさんのサーモンもかなりの衝撃として記憶に残り続けると思う。
池には珍しいことにでっかいカエルがいる。しかも交尾の真っ最中で、子どもたちが集まって真剣な眼差しで見つめている。ここのところいないことが多かったカモたちが見計らったかのように今日はいる。二羽のカモがバサバサバサーッと高く飛び上がってまた池にもどってくる。カモの青い羽のはなしを人から聞けてうれしい。Mさんはカモを食べたら美味いかななんてMさんらしいことを言う。強風が水面にさざ波を起こし、陽光にきらきらと反射している。枯草のおかげで遠くからやってくる風が目にはっきりとよく見える。風の過ぎていったあとには小さな竜巻の赤ちゃんがひゅるひゅる踊っている。お父さんを呼ぶ子ども、しゃぼん玉を吹く子ども、めっちゃ走りまわる子どもたちのはなしをしていたら、その子たちが意味もなく急接近してきて、じぶんたちの居座る段ボールの周りを半周してまたどこかに走ってゆく。陽射しが気持ちよくてラジオ体操の深呼吸の運動、Nさんどや顔で真似っこする。
Mさん担いてきたギターを弾きはじめる、ハイッとNさんの手作りトートからカポだけ出てくる。Mさんの曲なのに、Nさんのほうがその曲について詳しくてカポの位置とか指示していて笑う。Nさんもギターを弾く。大好きなプールサイドを弾いてくれて感激、たんにガシャガシャとコードを弾くのでも右手が弦の一本一本を大事に触れているような感じがして惚れ惚れする。二人とも武道館に出ていても何にもおかしくない稀代のギター弾きだと思うけど、Mさんはあきらかにギターにあんまり触ってない感じがして、それもちょっとおもしろい。Nさんピーズの実験4号も弾いてくれる。
いつのまにか伸びてきた木陰のなかにいて、寒いから木陰のそとに場所を移動する。その場所もすぐに木陰にのまれる。寒すぎてピクニック撤退。Nさん子どもの目のまえですっ転ぶ。突然、目のまえからひとが消失してビックリする子どもの顔が可笑しすぎる。膨らんだ透明な半月が空の高いところにあって、太陽もいまだ高い位置にある。こんなにも寒いけどずいぶんと日がのびた。お気に入りのスポットに二人を案内、エントランスとかがなくて勝手に入っていけるマンションの最上階。Mさん隣のマンションをいたく気に入り、いくらで住めるのか本気で調べている。Nさん真下の通りを走る小さな自動車を巨人の気分でぱこっと持ち上げる。プラカップからお酒をこぼして雨を降らせる。いつも雨が降っているふしぎな場所のはなし。
団地の廃墟、涸れた井戸、なぜかパイプの先から水が出ている。いつもの散歩道を経由してMさんちの方向へ。キリンとハリネズミとタワシの写真だったかイラスト、キリンの首が平面から飛び出している。Mさん川沿いの風景を実家に似ていると懐かしがる。白い鉄塔の連なり。どんどん日が暮れる、遠くの裸木が深い橙色に染まる。暮れの空を数羽のカラスが飛んでゆき、ひとかたまりの群れをなす無数の黒い点々(あれはなんの鳥?)が丸くなったり、横にひろがったり、縦にひろがったりしながら飛んでゆく。薄々気づいていたけれど、そうこうしているうちに寒すぎてえらいことになる。どこかに入りたいのにお店まったくない、ひとの誰もいない野球場。
ようやく駅近くまできて、吸い込まれるようにもつ焼き屋に入る。エシャレットめっちゃ美味しい。お店仕舞いで、Mさんにちに行く。ベランダで煙草すう。台所で水をもらう。寒すぎてこたつで丸くなる。居心地よすぎてこのまま寝てしまいたいと思う。ストロベリー・フィールズ・フォーエバー。
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sangokushi7 · 6 months
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[美食家]明智光秀の意外な好物○○、その真実とは?
      戦国時代の大名にも食にこだわっていた人がたくさんいます。例えば徳川幕府の創設者・徳川家康(とくがわいえやす)は天ぷらが好きで特に鯛の天ぷらが好物でした。また独眼竜で知られる伊達政宗(だてまさむね)は戦国時代には珍しく料理が好きで、現在仙台のおみやげ屋さんに並んでいるずんだもちも彼が作り出したお菓子だそうです。         このように食生活にこだわっていた戦国時代。織田家の出世頭として活躍し、本能寺の変で織田信長(おだのぶなが)を殺害して天下の主として短いながらも君臨した明智光秀(あけちみつひで)にも好物と呼べるものがあったのでしょうか。     明智光秀の好物とは?   明智光秀にも好物があるのでしょうか。彼の好物について色々と調べてみると彼にも好きな食べ物があったそうです。明智光秀の好物とは一体何のでしょうか。       戦国武将クイズ!!   ここでいきなり戦…
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kachoushi · 1 year
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各地句会報
花鳥誌 令和5年4月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年1月4日 立待俳句会 坊城俊樹選 特選句
年賀状投函ポスト音を吐く 世詩明 大冬木小枝の先まで空を突く 同 猫寺の低き山門虎落笛 ただし 福の神扱ひされし嫁が君 同 石清水恙の胸を濡らしつつ 輝一 阿弥陀様お顔に笑みや秋思かな 同 去年今年有縁ばかりの世なりけり 洋子 潮騒の聞こゆる壺に水仙花 同 羽根をつく確かなる音耳に老ゆ 同 時々は絵も横文字も初日記 清女 初電話友の恙を知ることに 同 暁に湯気立ち上がる冬の海 誠 大寒のポインセチアに紅のあり 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月5日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
初暦いかなる日々が待ち受けん 喜代子 おさんどん合間に仰ぐ初御空 由季子 病院の灯消えぬや去年今年 同 雪掻に追はれつつ待つ帰り人 さとみ 海鳴りや岬の水仙なだれ咲く 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月7日 零の会 坊城俊樹選 特選句
あをき空うつし蓮の枯れつくす 和子 蓮枯れて底の地獄を明るめる 軽象 枯はちす揺り起こすなり鐘一打 三郎 破れ蓮の黄金の茎の高さかな 炳子 枯蓮の無言の群と相対し 秋尚 弁天の膝あたたかき初雀 慶月 面差しの傾城名残青木の実 順子 男坂淑気を少し漂はせ 三郎 恵方道四方より坂の集まり来 千種 葬儀屋の注連縄なんとなく細い いづみ いかやきのにほひに梅の固くあり 要 枯蓮のやり尽くしたる眠りかな 佑天
岡田順子選 特選句
枯はちす揺り起こすなり鐘一打 三郎 鷗来よ枯蓮の幾何模様へと 俊樹 そのあとは鳶が清めて松納 いづみ 毛帽子にまつ毛の影のよく動く 和子 北吹けりもう息をせぬ蓮たちへ 俊樹 蓮枯れて水面一切の蒼穹 和子 人日の上野で売られゆくピエロ 三郎 石段に散り敷く夜半の寒椿 悠紀子 恵方道四方より坂の集まり来 千種 よろづやに味噌づけ買うて寒に入る 眞理子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月7日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
双六やころころ変る恋心 朝子 下の子が泣いて双六終りけり 孝子 短日は数が減るかもニュートリノ 勝利 歌留多とり式部小町も宙に舞ひ 孝子 小春日や生ぬるき血の全身に 睦子 骨と皮だけの手で振る賭双六 愛 京の町足踏み続く絵双六 散太郎 粛々と巨人に挑む年始 美穂 来世から賽子を振る絵双六 愛
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月9日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
双六の終着駅や江戸上り 時江 たかいたかいせがまれて解く懐手 昭子 てのひらの白きムースの初鏡 三四郎 火消壺母のま白き割烹着 昭子 木の葉髪何を聴くにも左耳 世詩明 街筋の青きネオンや月冱てる 一枝 姿見に餅花入れて呉服店 昭子 はじき出す男の子女子のよろけ独楽 時江 一盞の屠蘇に機嫌の下戸男 みす枝 初詣寺も神社も磴ばかり 信子 御降や傘を傾げてご挨拶 みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月9日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
初明かり故山の闇を払ひゆく かづを 万蕾にある待春の息吹かな 々 小寒や薄く飛び出る鉋屑 泰俊 勝独楽になると信じて紐を巻く 々 仏の前燭火ゆらすは隙間風 匠 筆箱にニトロとんぷく老の春 清女 二千五百歩小さな散歩寒に入る 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月10日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
鋳鉄製スチームの音古館 宇太郎 始業の蒸気雪雲を押しあげて 美智子 溶けてなほ我にだけ見ゆる時雨虹 佐代子 失ふはその身ひとつや冬の蜂 都 寒灯下遺影に深く法華経 悦子 大木を伐られ梟去つたらし 史子 枯木立通り抜けたる昼の月 益恵
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月10日 萩花鳥会
人生の余白少なし冬の薔薇 祐子 裸木が絵になる空を展げゆく 健雄 山茶花や気は寒々と花紅く 俊文 守らねばならぬ家族や去年今年 ゆかり 一椀に一年の幸雑煮膳 陽子 故郷で一つ歳とる雑煮かな 恒雄 昼食後一枚脱いで四温かな 吉之 亡き人に届きし賀状壇供へ 明子 逆上がり笑顔満面四温晴 美惠子
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令和5年1月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
初生けを祝成人と命名す みえこ 薪焚の初風呂済ませ閉店す 令子 御降りに濡れても訪ひぬ夫の墓 同 初詣光􄽄現れて良き日かな あけみ 注連飾父の車の隅に揺れ 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月14日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
閼伽桶の家紋色濃し寒に入る 多美女 養生の大樹潤す寒の雨 百合子 勤行の稚の真似事初笑ひ 幸風 いつもならスルーすること初笑 秋尚 臘梅に鼻近づけてとしあつ師 三無 寒椿堂裏の闇明るうす 多美女 多摩堤地蔵三体春立ちぬ 教子 均しある土の膨らみ春隣 百合子 掃初の黒御影拭き年尾句碑 文英 悴んで顔を小さく洗ひけり 美枝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月15日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
飛石を跳ね蝋梅の香に酔うて 炳子 木道の先の四阿雪女郎 幸風 その奥に紅梅の蕊凜として ます江 黒き羽根なほ黒々と寒鴉 貴薫 不器用に解けてゆきぬ寒椿 千種 入れとこそ深き落葉へ開く鉄扉 同 谷あひに弥生の名残り水仙花 炳子 椿落つ樹下に余白のまだありて 三無 木道まで香り乱れて野水仙 芙佐子 寒禽の群を拒まぬ一樹かな 久子
栗林圭魚選 特選句
山間の埋れ火のごと福寿草 斉 空昏く寒林よぎる鳥の影 芙佐子 厚き雲突き上ぐ白き冬木の芽 秋尚 福寿草労り合ひて睦み合ひ 三無 そのかみの住居跡とや蝶凍つる 炳子 水仙の香を乱しつつ通り抜け 白陶 入れとこそ深き落葉へ開く鉄扉 千種 竹林の潤み初めたる小正月 要 椿落つ樹下に余白のまだありて 三無 せせらぎのどこか寂しげ寒の水 白陶
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
若きより板に付きたる懐手 雪 北窓を塞ぎさながら蟄居の間 同 昨夜の酔ひ少し残るや初鏡 かづを 九頭竜や寒晴の綺羅流しゆく 同 除夜の鐘八つ目を確と拝し撞く 玲子 初明り心の闇を照らされし 同 一点の客観写生冬の句座 さよ子 翳す手に歴史を語る古火鉢 同 笑つても泣いても卒寿初鏡 清女 餅花の一枝華やぐ奥座敷 千代子 年賀状手描の墨の匂ひたつ 真喜栄 若水を汲むほどに増す顔のしわ 同 裸木村は大きな家ばかり 世詩明 春炬燵むかし昔しの恋敵 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月18日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
水仙や悲恋の話知りしより 啓子 堂裏の菰に守られ寒牡丹 泰俊 餅花やなにやらうれしその揺れも 令子 左義長の遥けし炎眼裏に 淳子 寅さんを追つて蛾次郎逝きし冬 清女 飾り焚く顔てらてらの氏子衆 希子 御慶のぶ一人一人に畏みて 和子 眉を一寸引きたるのみの初鏡 雪 初髪をぶつきら棒に結ぶ女 同 束の間の雪夜の恋に雪女 同 マスクして睫毛に化粧する女 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月20日 さきたま花鳥句会
凍星や夜行列車の窓あかり 月惑 葉牡丹や鋳物の町の鉄の鉢 一馬 どら猫のメタボ笑ふか嫁が君 八草 小米雪運河の小船音もなく 裕章 老木に力瘤あり春隣 紀花 竜神の供物三個の寒卵 ふゆ子 医学書で探す病名寒燈下 とし江 おごそかに雅楽流るる初詣 ふじ穂 人のなき峡の華やぐ柿すだれ 康子 小正月気の向くままの古本屋 恵美子 寒梅や万葉がなのやうに散り 良江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
福引の種考へてゐるところ 雪 枯れ行くは枯れ行く庭の景として 同 懐手して身も蓋も無き話 同 思ひ遣り言葉に出さぬ懐手 昭上嶋子 言ひかねてただ白息を吐くばかり 同 きさらぎや花屋はどこも濡れてをり 同 父の碑を七十余抱き山眠る 一涓 藪入りを明日に富山の薬売り 同 人日や名酒の瓶を詫びて捨つ 同 一陣の風に風花逃げ廻る 世詩明 安座して児の母となる毛糸編む 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月22日 月例会 坊城俊樹選 特選句
舞ひ上がる金子銀子や落葉掻 千種 春近し湯気立つやうな土竜塚 昌文 寒林や父子のだるまさんころんだ 慶月 紅梅のどこより早く憲兵碑 同 冬帝に囲まれてゐる小さき者 いづみ 出征を見送る母子像の冷え 昌文 青銅となりて偉人は寒天に 千種 火の雨を知る大寒の展示館 いづみ
岡田順子選 特選句
狛犬の阿形の息を白しとも 俊樹 勾玉のほどけ巴に冬の鯉 千種 ただ黒し桜ばかりの寒林は 同 ボサノバを流し半熟寒卵 慶月 石に苔泥に苔あり日脚伸ぶ 和子 息白く母子像見てひとりきり 俊樹 寒林の一木たるを旨とせり 晶文
栗林圭魚選 特選句
冬の雲弛びそめたり大鳥居 要 朽木より梅百蕾の薄明り 昌文 ボサノバを流し半熟寒卵 慶月 能舞台脇座に現るる三十三才 幸風 日向ぼこして魂は五間先 俊樹 霜柱崩れ鳥居の崩れざる 同 青銅となりて偉人は寒天に 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年1月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
大枯野太古は大海だつたかも ひとみ 初景色常の神木よそよそし 美穂 椰子の実のほろほろ落ちて神の留守 孝子 緋あけ色の空へ音ひき初電車 美穂 嫁が君大黒様の手紙持ち ひとみ おんちよろちよろと声明や嫁が君 睦古賀子 歌留多取対戦するは恋敵 睦吉田子 水仙はシルクロードの香を含み ひとみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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misasmemorandum · 5 years
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『午後の曳航』三島由紀夫
十代、もしくは二十代の時に初めて読んで以来の再読。ボウイの読むべき100冊に入っているからもある。
三島は本当に豪華絢爛な文章に比喩、そして繊細すぎるのではと思われるくらいの観察眼がある。いやあ、三島の作品、やっぱり凄い。と、この作品を読んで再確認した。
主人公の登とその仲間たちがアンファン・テリブルなのは言わずもながだが、船乗りの竜二も精神的には登たちと実はそんなに変わらないのではないかと思われた。竜二は、自分は他の船乗りたちとはどこかが違って、だから船乗り同士の馬鹿話に加わらず、心の底で
『俺には何か、特別の運命がそなわっている筈だ。きらきらした、別誂えの、そこらの波の男には決して許されないような運命が。』(p19)
と考えていて、また、
人生でただ一度だけ会う無上の女との間には必ず死が介在して、二人ともそれと知らずに、それによって宿命的に惹き付けられる、という彼の甘美な観念、彼の脳裡にわけもなく育まれてきた理想的な愛の形式・・・こう言うパセティックな夢は、おそらく流行歌の誇張だったろう。(p39)
と考えるような、これが女性だったら夢見る夢子ちゃんと言われるような青年なのだ。
はて、こう考えると、これ、竜二と登の母房子の男女が入れ替わってたら、割とベタな内容になるじゃん。金持ちで文化もある寡夫が、庶民の気立ての良い女の子と出会って恋に落ちて再婚して、寡夫の娘が嫉妬するなり何なりして継母を殺すのだ。うわ〜〜〜〜、めっちゃベタ。しかし、これの男女を入れ替えたところで、この作品のようなドラマが生まれるのだ。さすが三島。天才。
それも、結婚によって社会的な階段を上り、舶来の生地で仕立てた服を着せられこれからの生活に間に合うような勉強もさせてもらったりする、受動的立場にあるのが、世の人々が男の中の男と思う船乗りなのだ。三島、やっぱり天才。
そして、竜二は陸に上がって定住するのが自分にとって正しいことなのか内心迷っている。船乗りとして常に孤独と危険と別離がある人生を懐かしんでいる。物語の終盤、竜二はこう考える。
『俺は永遠に遠ざかりゆく者でもあり得たのだ』すっかり倦き果てていたくせに、その放擲したものの大きさに、又しても少しずつ目ざめた。(pp172−3)
 夢想の中では、栄光と死と女は、つねに三位一体だった。しかし女が獲られると、あとの二つは沖の彼方へ遠ざかり、・・(略)・・。自分が拒んだものを、竜二は今や、それから拒まれているかのように感じた。(p173)
そして
 彼はもう危険なしからさえ拒まれている。栄光はむろんのこと。感情の悪酔。身をつらぬくような悲哀。晴れやかな別離。南の太陽の別名である大尉の呼び声。女たちのけなげな涙。いつも胸をさいなむ暗い憧れ。自分を男らしさの極致へ追い詰めてきたあの重い甘美な力。・・・・・・そういうものはすべて終わったのだ。(p173)
竜二は、永遠の別離である死を欲していたと言えるのではないだろうか。そこに登とその仲間たちの人を殺してみたい欲望が出会う。登たちは堕ちた英雄を成敗し、竜二は失った/拒んだ栄光を得るのだ。面白いよ!三島!!
それとね、今回タイピングしてて発見したのが、栄光と曳航、同じ「えいこう」と言う音なのだ!登たちが行う殺害行為は、午後行われ、竜二は南国の『真鍮の喇叭の響きのように鳴りわたる熱帯の太陽』を想像しながら催眠剤入りの紅茶を飲む。竜二は夢の中、航海に出る。出て、死と言う栄光を得る。
曳航とは、船が引き潮で他の船や荷などを引いて航行することを意味し、英語ではtowと訳されるらしい。
竜二は登たちに殺され、彼岸へと曳航され、命を奪われることによって栄光を得るのだ。三島、天才過ぎる!
最後の文章がこれだもん
誰も知るように、栄光の味は苦い。(p175)
こんな三島の天才に気づく前には、三島、房子に自分を投影して竜二のような船乗りとマイ・フェア・レディごっこしたいと空想してたのかな、と下世話なことを考えた私であった。facepalm
私、もしかしたら三島の真意に気づかずに他の作品もただ漠然と読んでいただけなのかも知れない。ああああ、悲しい。しかし、しかし、それに気付けたのだからマシか。他の作品も再読しよう。
前後するが、少年たちが竜二殺害を決意するときの描写
 彼らは夕影の濃くなった空っぽのプールを眺めた。剥げた青地の底を、白い数条のラインが通っている。隅にたまった落葉はカラカラに乾いて重なっている。
 それは今怖ろしいほど深い。底のほうの青い稀薄な闇によってますます深い。そこへ身を投げ出しても、体を支えるものが何もないという実感が、空のプールに不断の緊張を醸し出させる。あの夏の、泳ぎ手の肉体を受容しながら深々と支える柔らかい水がなくて、こうして水と夏との記念碑のような形で生きながらえている乾き切った場所は、とても危険だ。(p157)
これって、竜二のことでもあるんだ、と、今気づいた。三島ーーー!!!尊敬します。
さてさて、船乗り竜二は、わたくし、BSビリーで想像したりしてしまった。だって船乗りだもん。筋肉派だもん。かと言って房子がフリントではないが、登はBSシルバーに通ずるところがあるかも知らん。
そう言えば、最初に読んだときは登たちの心理に共感が行って、竜二の堕落っぷりを嘲笑ったのだが、今回はどの登場人物よりも年長になってしまったのもあってか、少し俯瞰的に見る事ができたかと思う。やはり、文学は年齢を重ねた後に再読するべきだな。
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heyheyattamriel · 4 years
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エドワード王 二巻
昔日の王の一代記、二巻
ファーストホールドでの再会
エドワードは赤い空に目を覚ましました。太陽は西の山々に上ったばかりです。彼らは各面が炎に輝く塔のすぐそばに来ていました。ドラゴンは急に方向を変えて近くに飛び、炎の長い息を吐き出しました。彼らが突然高度を下げると、塔の頂上で何度か光が点滅しました。エドワードのお腹はとても変な感じでした��彼はため息をついて身体を動かすと、モラーリンが右手でエドワードを抱けるように体をずらしました。彼は身体を伸ばしてあくびをしました。
「もうすぐだ。クリスタルタワーからファーストホールドまでは馬で数日だが、アカトシュは1時間以内に連れて行ってくれると思う」
「塔には寄らないの?アイリック―」
「軽々しくその名前を使うんじゃない。私にさえもだ。アーチマジスターは向こう何日かは戻らない。ユニコーンは風の兄弟分で、同じぐらい早く旅をする。荷物があってもな。だが、ドラゴンが飛ぶほどじゃない。エルフの故郷がドラゴンの帰還の始まりを迎えているのがわかるだろう。人類の幸運を祈るんだな」
エドワードの視線は深い森の中と、無骨な丘をさまよいました。人のいる印は見えませんでした。「きれいだね」彼は謙虚に言いました。「でもハイロックほどじゃないや」忠誠心からそう付け加えましたし、それは事実でした。「街も、村も農場もないの?」
「ファーストボーンは森の奥深くに住まっている。彼らは大地を引き裂かないし、新しく植えもしない。だがオーリエルが差し出すものは喜んで受け取る…そしてお返しをする。ああ、成長するものの青臭いにおいだ」
確かに、その空気はエドワードが父のカップからすすったことがあるワインと同じような感じがしました…「お腹空いた」
「そうだと思った」少し体を動かし、モラーリンの左手が小さな葉っぱの包みを取り出しました。浅黒い手は大きくて力強く、人にも動物にも見えませんでした。エドワードは嫌悪しながらその手を見つめ、やがてその手に触れないように極めて慎重に包みを取りました。モラーリンが身体を強張らせるのがわかり、エドワードを抱く手が少しその力を弱めました。エドワードは自分の行動を恥ずかしく感じました。この状況で気を悪くさせるのは、親切でも賢明でもありませんでした。モラーリンは簡単に彼を落とすことができるのです。「僕お風呂に入りたいけど、君もだよね」彼はぎこちなく言いました。モラーリンがわざと彼の反応を誤解してくれたことを、エドワードは知っていました。「ああ、私はとても汚れている」エドワードがケーキをかじると、それは見た目よりずっとおいしいことを証明しました。「母さまはそんな風に僕を見ていたよ―少なくとも、そうだった。でも多分、僕はまずお風呂に入るべきだよね?」
「お前はその選択の必要はないと思うが。ああ、やっとだ!」ドラゴンはその翼を広げて空に舞い上がり、巨大な炎の固まりを吐き出すと、広い空き地に降り立ちました。着陸は急角度で、大きな衝撃がありました。エルフたちが急に現れて、彼と、やっと目を覚まして半狂乱でぐるぐる走り回り、エドワードの足元で喘ぐシャグに腕を伸ばしました。
銅の色の炎のような髪をした背の高いエルフが、礼儀正しく彼らに挨拶しました。「ご機嫌麗しゅう、我が王よ。ご婦人がお待ちかねです。エドワード王子、ファーストボーンの地へようこそおいでくださいました。我が民に成り代わり、歓迎申し上げます。ここでのご滞在が心地よく、実りあるものでありますように」
モラーリンは恭しく頷きました。「ありがとう。わが女王は十二分にお待ちになった。すぐにお目にかかろう」エドワードの肩に置いたモラーリンの手が、彼を見たこともないほど大きな木に導きました。その幹は空洞で、中に入ると上に導かれました。開口部にはさらに階段があり、丈夫な枝に橋が架かっています。彼らは大きなひさしがついた、部屋のように椅子とチェストがしつらえられた台に着くまで、それに沿って前に進みました。金色の肌の女性が彼らに微笑みかけ、手招きをして立ち去りました。背が高くほっそりした、蒼白い肌の黒い髪の人間の女性が彼らに歩み寄りました。彼女の眼はエドワードを捉えていました。エドワードだけを。
「どうしていなくなっちゃったの!」その叫び声は彼の深いところから現れ、彼の全身に響き渡りました。その声は彼の数歩手前で彼女を立ち止まらせました。今度は彼女の目がモラーリンを見上げました。彼はエドワードが聞いたことのないような厳しい調子で言いました。「お母様に敬意を持ってお話をなさい、無作法な子だ!」その瞳の一瞥の衝撃で、彼の目に水が溜まりました。
アリエラは素早く彼に近寄り、両手を彼の胸に置きました。「おかえりなさい、旦那様。あなたと息子を無事に私の下に連れてきてくださったノトルゴを称えましょう」
「竜たちの盟主と盗賊さんにも感謝いたしますわ。彼らなしでは私のぼうやをあれ以上きれいに連れてくることはできませんでした。アーチマジスターもうまくことを運んでくださったのね」モラーリンの浅黒い手がそっと優しく彼女の腕に置かれました。彼は落ち着いて幸福そうに笑いました。でも、彼の胸に置かれた両手は、彼を労わるようでもあり、障壁を作っているようでもありました。
「私は本当に恵まれているわ。でも、息子と話すのは久しぶりなのです。二人だけなら、もっと話がしやすいかもしれません」
モラーリンの笑顔がさっと消えました。「3人でいるより2人の方が言葉が見つけやすいと?まあ、そうかもしれないね。時にはね、奥さん」彼は踵を返して去って行きました。橋が揺れて軋みましたが、彼の足は少しも足音を立てませんでした。
アリエラは彼の背中を見ていましたが、彼は振り向きませんでした。エドワードは、また彼の敵に苦痛を与えたことで、好奇心と満足感と後悔が混ざったような気持がしました。「エドワード、私の坊や。ここにきて座ってちょうだい」
エドワードはその場に立っていました。「お母さま、僕は何年も待って、答えを求めて何リーグも旅をしました。僕はもう待ちません。一歩だって動きません」
「何と言われていたの?」
「父が客の名誉を信頼しながら夜眠っている間に、魔法の助力を得て最も卑劣な方法で誘拐されたと」
「お父さまがそう言ったのね��モラーリンは?」
「完全に自分の意思で来たと言いました。あなたの言葉で聞きたいのです」
「私がなぜあなたのお父さまの下を去ったか、どうしてあなたを連れて行かなかったのか、どちらが聞きたいですか」
エドワードは間を置いて考えました。「母上、僕は本当のことが聞きたいんです。ですから、僕は本当のことを知らされなければいけません。あなたが僕を置き去りにしたことを。もう一つの方は、僕は知っていると思います。あなたがそれ以上に、またはほかに話したいと願わない限り、僕はわかっているだろうし、わかると思います」
「真実ですか?真実とは、それを理解している者から独立して存在するたった一つのものではありませんよ。でも、あなたに私の真実を話しましょう。そうすればきっと、あなたは自分の真実にたどり着くでしょう」
アリエラは静かにクッションのおかれた椅子に歩いて戻り、姿勢を正しました。ルビーの色をした小鳥がすぐそばの小枝に停まって、彼女の穏やかな声に伴奏をつけました。
「私の両親が私の結婚を故郷の習慣通りに決めてしまったのです。私はコーサイアを愛していませんでしたが、初めは彼を尊敬していましたし、良い妻でいようと努めました。彼は私を気にかけもしなければ、世話もしてくれませんでした。ですから、彼は私の尊敬を失い、手をかけてもらえない植物が枯れていくように、私は毎日少しずつ死んでいたのです。あなたといる時だけが私の幸福でしたが、コーサイアは私があなたを軟弱にすると考えました。『女みたいに』と彼は言いましたわ。そうして、あなたの3回目の誕生日のあと、私は毎日たった1時間だけ、あなたと過ごすことが許されました。あなたの泣き声を聞きながら、何も考えられずに座って泣いていました。ようやくあなたが泣き止んで私を求めると、私の心は空っぽになりました。私は護衛を一人か二人しか付けずに、長い時間一人で散歩をして、馬に乗るのが癖になりました。そんな時、モラーリンがやってきたのです。彼はロスガー山脈にある黒檀の鉱山を欲しがっていました。彼が使いたがっていた土地は、私の持参金の一部でした。彼は私たちの民に彼の技を喜んで教えてくれましたし、ダークエルフが作った武器を差し出してさえくれました。そのお礼に、私たちの民はゴブリンを遠ざける彼の手助けをして、ハイロックに彼の民の植民地を作ることを許したのです。コーサイアは土地には興味がありませんでしたし、本当に武器をとても必要としていました―最上のものでしたからね―ですから、彼はその申し入れを喜んだのです。話し合い、決めるべきたくさんの細かい事柄があって、その交渉への干渉が私にも降りかかりました。コーサイアはダークエルフを嫌っていましたし、タムリエルで最も優れた戦士として既に名声を得ていたモラーリンに嫉妬していたのです。
「でも、モラーリンは熟練の戦士以上の人でした。彼は読書家で、太陽の下にあるものすべてに興味を持っています。ヤー・フリーとジム・セイから教えを受けたように歌い、演奏することもできました。彼は、私が夢でしか会えないと思っていた、それ以上のお相手でした…誓いますわ。私たちは二人とも外にいるのが好きで、話し合いは乗馬と散歩の間でしたが、いつも彼の部下とコーサイアの部下が一緒でした。すべてが整った時、コーサイアは条約を祝って大きな宴会を開きました。ハイロックのすべての貴族がやってきて、他の地域からもたくさんの人たちが訪れました。最後に、酔っぱらったコーサイアが血でなければ洗い流せないような侮辱の言葉を漏らしました。私は他の貴婦人たちととっくに席を立っていましたから、それが何だったのかは知りません。でも、私はコーサイアがそのような言葉をため込んでいることを知る程度には、個人的に充分聞いてきました。モラーリンは決闘を申し込み、それまでに彼がウィットを取り戻すかもしれないと、コーサイアに昼までの猶予を与えました。
「そしてモラーリンが独りで私の部屋に来て、何が起きたかを話してくれました。『奥様、彼はあなたの弟君を決闘相手に選ぶだろうと思います。いずれにせよ、もう二度と関わることのできない血の河が、私たちの間に流れるでしょう。私はあなたの愛なしで生きていくことはできます。だが、あなたに憎まれることには耐えられない。共に来てください。妻として、あるいは名誉ある客人として、それはあなたの選択です。そして、ご親族の代わりに、あなたは血の代価として貢献なさるでしょう』
「そして、月明かりの下で、恐れおののいて、眠っている貴婦人たちのそばで、私は彼を愛していることを知ったのです。彼なしで生きて行けるかは疑わしかったけれど、それでも、あなたをそれ以上に愛していたの!『息子は』私は囁きました。『置いては―』『奥様、選ばなければなりません。お気の毒ですが』わかるでしょう、エドワード?もし留まれば、私の弟の死が―彼の無垢な若い血が流れるのです。あるいはあなたのお父さまの血が!あるいは、そんなことは起きないと思っていたけれど、私の愛する人の血が流れたかもしれません。モラーリンの戦闘技術はそれだけでも優れていましたし、この類の出来事には、彼は同じくらい優れている魔法の力も借りるでしょう。『連れて行けますわ』でもモラーリンは悲しげに首を振りました。『私にはそんなことはできない。父と子を引き離すことは、私の名誉に反する』
「愛する者を一人ぼっちにする、私は義務には慣れていました」アリエラは誇らしげに言いました。「あなたを父親から、あなたの大好きなおじさまから盗んで行けばよかったでしょうか?そして、おそらくコーサイアは生き残り、この件で私を責め、私を遠くにやってしまう言い訳にしたはずです。コーサイアは私がいなくなれば喜ぶだろうと考えました。彼が本当に武器を欲しがっていることは知っていました。あなたと過ごす時間を得るために、それで取引することもできると私は考えました。モラーリンが私を見ずに立って待っている間、すべてが私の中を駆け巡っていました。
「マーラ様、正しい選択をお助け下さいと私は祈りました。『本当に私を妻にしたいのですか?私は―私は厄介ごと以外何ももたらしませんのよ』
『アリエラ、私はあなたを妻に迎える。私が求めているのはあなた自身だけだ』彼はマントを脱ぎ、布団を引き剥がしながら私の体を包みました。
『モラーリン、待って―これは正しいことかしら?私がしようとしていることは?』
『奥様、もし間違いだと考えているなら、私はここに立ってなどいない!あなたに与えられた選択肢の一つは、私には最も正しいことに思えます』彼は私を抱き起して、馬に運んでいきました。そうして、��は彼のマントだけを身に着け、彼の前に座って馬に乗り、あなたのお父さまの家を去ったのです。野蛮な喜びと悲しみが混じって、自分がどう感じているかわかりませんでした。これが、私の真実です」
エドワードは静かに言いました。「でも、彼は結局、僕とお父さまを引き離した」
「本当に渋々だったのです。そして、ドラゴンが、本当には、あなたとお父さまの心は既に離れてしまっていると言ったからです。何リーグかだけのことです。これはあなたの安全を保つ方法なの。モラーリンはここに来ることを決めるのは、あなたの自発的な決断であるべきだと言いました。それと同じに、戻りたい時に戻っていいのですよ」
「モラーリンは僕をただ連れて行こうとした!アイリ―その、アーチマジスターが同意しなきゃいけないって言ったんだ」
「彼は忍耐強い性質ではないのです。そして、彼はコーサイアを傷つけてしまわないか不安でした。彼がその議論をどこかほかの場所で続けられると考えていたことは間違いありません」
「肝っ玉の小さい王だって呼んだんだ。そして笑ったよ。どうして?ダガーフォールの人の肝臓はエボンハートの人のより小さいの?第一、それに何の関係があるの?父さまはとても怒ってた。きっと戦いたかったと思うな。でも、父さまが僕を嫌ってるのは本当だよ。わかってるんだ。でも、わかりたくなかった。だからそうじゃない風にふるまっていたんだ。モラーリンはそうじゃないと思うけど」
「ええ」
「でも、彼は嘘をついた。彼は僕の父親だって言おうとしてた。わかるんだ」
アリエラは頭を後ろにそらせて、鈴を転がすような声で笑いました。彼は遠い記憶からそれを思い出し、背中がぞくぞくしました。「もしあなたにそう思ってもらえたら、きっとものすごく、心からそう言いたかったに違いないわ。彼はいつでもせっかちなの。そして、彼は誓いの下では決して嘘をつかないし、愛するものを傷つける嘘はつかないわ」
「僕のことを愛してなんかいないよ。僕のことを好きでさえないんだ」
「でも、私は愛しているのよ、私の大切な坊や。あなたは―」エドワードは彼女が大きくなった、と言おうとしているのだと思いました。大人たちはいつでも彼の成長を見てそう言うのです。一週間前に会ったばかりでも。奇妙なことに、年のわりに、彼は小さかったので。彼女はその代わり、「私が考えていた通りだわ」と母の深い満足を湛えて言いました。
「彼はあなたのことを愛してる。でも彼は使いっぱしりの小僧じゃないと言った。でも、あなたは彼がそうみたいに下がらせた」
アリエラの顔と首が真っ赤になりました。
「確かに、私は召使いに格下げされたようだね」うず高く食べ物が積まれたお盆を持って、モラーリンが静かに入ってきました。「椅子を取ってくれないか、少年。私が給仕役をやれるなら、お前も給仕役をやれるだろう。お前はお腹が空いているだろうし、妻が私の欠点の残りの部分を話す前に戻った方がいいと思ったのでね。それを挙げ連ねるのにほとんどまる一日かかるから」彼は鎧を脱いで風呂を浴び、細いウエストの周りに銀のサッシュを巻いて、洗い立ての黒いジャーキンとズボンを着ていました。でも黒い剣は、彼の横で揺れていました。
「まあ、なんてこと。小さな軍隊がお腹いっぱいになるほどの食べ物を持っていらしたのね。それに、私は朝食を済ませましたの」アリエラは小さな手でエルフの腕に触れ、愛撫するように下に滑らせて彼の手を握って力を込めると、それをまだほてっている首に持ち上げ、唇でその手をなぞりました。彼女の美しさに向かい合う浅黒い肌に居心地の悪さを感じながら、エドワードは素早く目を逸らしました。
「これは私用と、少しは坊やのためにね。でも、ご相伴してくれると嬉しいよ。君は痩せてきている。私にとっては針みたいだ、本当にね」彼女の黒い巻き毛の束を指に巻き付け、軽く引っ張ってにやりと笑いました。それから、食べ物に移ると、人間がするように指で食べるのではなく、小さな銀色の武器で飢えた狼のように襲い掛かりました。その食べ物は―素晴らしかったのです。エドワードはもう何も入らなくなるまで食べました。
「立ち聞きしていたんだが」彼は思慮深そうにもぐもぐと言いました。彼は食べている間、モラーリンの欠点を口の中でもそもそと挙げ続けていました。そして、もっと早く大きな声で言えばよかったことがわかりました。
「ゼニタールよ、坊や、君たち人間は、個人的な話を木の上全体に聞こえるような大きな声で叫んでも、私が耳に綿を詰めて聞かないでいてあげると期待しているのかね?」彼は大きなとがった耳をとんとんと叩きました。エドワードは急いで何を話したか思い出そうとしました。嘘をついたと言いました。ああ、なんてことでしょう。彼が聞いていませんように。
「それで、私は嘘つきなんだって?坊や」ヴァー・ジル、彼に救いの手を、エドワードは溺れ死ぬような気持がしました。このエルフは心を読めるのかしら?彼はそれが父親が彼に使った侮辱の言葉ではないことを願いました。「僕―僕は、そのことを考えていると思ったって意味で言ったんだ。口ごもったもの」エドワードは喘ぎました。彼はものごとを悪い方に転がしていました。
「たぶん、私は思い出そうとしてたんだよ…」皮肉っぽい響きが戻ってきました。
「僕のことなんか好きでもないくせに!」エドワードが大きな声で言いました。
「だからって、本当の父親がお前に主張するのを止めることになるようには思えないね」
「モラーリン、やめて!」アリエラが遮りましたが、エルフは片手を上げて彼女を黙らせました。
「わからないんだ」エドワードがちらりと見ました。
「どうしてあんなことを言ったんだね?」
「わからない―ロアンが言ってた―ことなんだよ―そして、僕はちっとも父さまに似てないんだ。みんなそう言うよ。そして話をやめてしまうの」
「言ってたこと―とは何だね?言いなさい、坊や!」
「二人が若かったころ、どれほど母さまがおじさまのことを好きだったかって。母さまが連れていかれたあと、彼がどんなに悲しんで怒ったかって。弟じゃなくて恋人みたいだったって彼女は言った。とってもかわいらしくそう言ったけど、何か他の意味があるみたいだった。口に出すのがとても汚らわしい何かだよ。他の時には、あの人は僕がとてもエルフっぽく見えるって。僕が結婚したあととても早く生まれたことも。あの人の一人目の息子みたいじゃなかったって」
モラーリンは跳び上がりました「何だって!戻ってあの女狐の首を絞めてやる!人間は―」彼は悪態をかみ殺しましたが、その赤い瞳は怒りに燃え上がり、筋肉がはちきれるように膨らんで、髪は逆立っていました。「お前はエルフと人間の子供には見えない。私が母上に出会ったのは、お前が母上のおなかに宿ってから4年後だ。どうやらロアンはどちらの嘘を使いたいのか決めかねたのだろうね。だが、近親姦などと!私ができないなら、ケルが代わりに鉄槌を下しますように」背の高いエルフは怒り狂って部屋の中を歩きました。カジートのようにしなやかで、片手は剣の柄を撫でています。その台が揺れて、少し下がりました。
「エドワードに比べれば、彼女は自分の息子たちに大望を持っている。疑問なのは、彼女の話を信じる者がどれほどいるかだ。彼を殺させる計画をしているなら、充分ではないだろう」アリエラのなだらかな眉に小さなしわが寄りました。「あのね、私は彼女を嫌ったことはないのよ。彼女もそう。あの方は私の立場を欲しがっていて、私はエドワードを救うために喜んで譲ったわ」
「僕に王様になってほしいんだね。そうしたら黒檀の鉱山を持てるから」エドワードはパズルを解きました。
「まあ、黒檀なんてどうでもいいの。おそらく彼が手に入れるでしょうし。あなたのお父さまがお亡くなりになったら、ロアンの子供たちと協力するより良いチャンスを持っているの。彼らには感謝する十分な理由がありますし、いい取引よ。そうは言っても、彼らの両親のことを考えると、契約にサインするのに充分なほど、自由に口が利けるかどうかは見込み薄だけれど」
「それじゃ、なぜ?僕のこと好きでもないのに」
「マーラ、お助けを!人を『好き』と思うことは人間の概念だ。ある日、彼らはお前を好む、次の日は好まない。火曜日にはまたお前のことを好んで戻って来る。私の妻は私に対してそうするが、彼女が私を好きじゃない時でも私を愛していると言うよ。彼女がどちらもしない日と、リアナの騎士団に加わる話をする時以外はね。そんな時は、私は彼女が正気に戻るまで狩りに行く」
「大げさね、そんなの一度しかなかったし、よく知っているくせに」
「回復期間は大いに楽しんだのを覚えているよ。もっとあってもいいかもね」二人はお互いににやりと笑いました。
「だけど、どうして僕に王様になってほしいの?」エドワードは食い下がりました。
「言っただろう、それはアカトシュの意思なのだ。それと、アーチマジスターのね。私は遠乗りに付き合っただけさ。彼らに聞いてごらん」
「アーチマジスターに会ったら聞いてみよう」
「素晴らしい考えだ。我々と北に旅立つ前に、お前は2、3週間タワーで過ごすことになるだろう」
「それだけ?」
「お前の母上と私と一緒に冬を過ごす計画がそんなに嬉しくないかね?」
「そんなことは…ないです。でも、アイリックと一緒に行くって言ったんだ」お前じゃなくて、口に出さなかった言葉が、二人の間にありました。
「そうなるだろう、そのうちね。今、そこでの数週間は、魔法の訓練を始めるのにちょうどいいだろう。私はお前に呪文を教えてやれる。だが、お前は強くならなければならない。お前の体が心に追いつかなければいけないんだ。それはアーチマジスターの意思なのだよ」
「戦闘の魔法?僕は他のことを勉強したいな。獣の呼び出し方、癒し方、そして浮き方…」
「それも学ぶだろう、必ずね。それと、お前は戦士は癒せないと思っているのか?それはお前がいちばん最初に学ぶ呪文だ。だが、王は戦い方を知らねばならない」
「得意じゃないんだ」
「ドラゴンの歯だよ、坊や!まさにそれがお前が学ばねばならない理由だ」
「もしできなかったら?」
「お前は勇気があって、澄んだ頭を持っていて、魔法を学ぶ潜在的な力がある。それは大抵の者が持っている以上のものだ。残りの部分は私が教える」
エドワードの頭が、不慣れな賞賛にぐるぐる渦を巻きました。「僕が?本当に?君が?」
「お前はお父上の愚かな王宮の者たちがドラゴンとユニコーンの前に丸腰で向き合って、アーチマジスターとタムリエルの英雄に、彼らの正義を要求すると思うのかね?正義だって!そんなものを前にしたら、彼らはどうにか慈悲を請うのが関の山さ、それだって疑わしいが、口が利けるものならね」
「僕、そんなことした?したのかなあ?」エドワードはすっかり驚いてしまいました。彼は知らなかった、考えたこともなかったと付け加えたいと思いました。
「ああ、したとも。そして、それはここからモロウィンドに向けて歌われる行いだ。私はそのバラードを作曲しよう―昼寝をしたらすぐにね。ドラゴンの背中の上ではあまりよく眠れないんだ」
「僕とシャグに眠りの魔法をかけたね!」
「そして城の他の者にもだ。友人に手伝ってもらってね」
「うわああ。宙にも浮けるの?見せてくれる?」
「そう急ぐな。私はドラゴンの背中に一晩中とどまっているように、動きを固める魔法を全員にかけていたんだ。休むまではマッチを使わずにろうそくに火を灯すこともできないよ」
「ああ、わかった。それでも僕は、戦士よりもアーチマジスターみたいになりたいな」
「はっ!アーチマジスターが戦えないなんて、そりゃニュースになるな!彼がお前に杖の扱い方を見せる時間があることを願うよ。初期の訓練には最適の武器だ。そして彼以上の講師は望めない。さあ、お前が前に見た四人の中で、誰が一番優れていると思う?」
エドワードは数分の間、慎重に考えました。「僕の判断は本当に粗末だけど、それでもよければ、タムリエルのチャンピオンって称号を使う人が一番優れているはずだと思う。でも、アーチマジスターは君の魔法の先生ではないの?そして武器の扱いもよく訓練されているみたいだ。だから、誰が勝っているか?ドラゴンの炎と爪と歯に太刀打ちできる人間がいるかな?それに、とても足が速くて、尖った角と蹄があること以外、僕はユニコーンのことは何も知らないんだ。とってもおとなしかったし。それで、君が尋ねたその質問には、正しく答えられそうにないんだ」
「いい答えだ、坊や!単体の近接戦闘ならユニコーンは簡単に勝てる。人間も、ドラゴンでさえ、あんなに早く一撃を当てられないし、炎で焼くこともできないし、魔法や属性の力も効かない。その蹄は致命的で、その角は一度触れただけで、どんな���でも殺してしまう。角自体は燃えてなくなってしまうけれどね。それでも、一番強力なのは、それをすぐに再生できることだ。
「そして、4人のタムリエルの英雄は、互いに戦えばおそらく敗者になるだろうが、その称号は馬鹿げた自慢ではない!モラーリンは一流であることに慣れていない。結果として、私の行儀作法は苦しんでいるかもしれないがね」
「わが王よ、あなたには心から感謝申し上げます。あなたは僕に偉大な栄誉と貢献を与えてくださいました。ご恩返しできることがあれば、致しましょう。僕の乱暴な言葉と不躾をご容赦ください。僕は粗野で粗暴な中で暮らしてまいりました。そして、僕には父がないようです。あなたをそう呼ぶことをお許しいただけない限りは」エルフは少年に手を差し出し、彼はその手に自分の手を置きました。エドワードの味気ない気分はすっかり消え…まるで魔法のように…思考が彼の心を漂います…すると彼は手を離して、モラーリンの腰にしがみつきました。エルフの手は黒い髪を撫で、薄い肩を掴みました。
「ありがとう、奥さん。結婚からたった5年で、君は私に9歳のすばらしい息子を贈ってくれた。非凡で、本当に…魔法のようだ」
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buriedbornes · 4 years
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第44話 『クリス・ウォーリーの奇妙な事件(4) - 真相です』 The Case of Chris Wally chapter 4 - “Truth!”
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教会の扉がゆっくりと開かれる。
入ってきたのは依頼人カールと召使いバルトだった。
礼拝堂の長椅子には、探偵シュン、竜人ドミニク、教主アロイスが離れて座し、ふたりを迎えた。
夜の暗がりに燭台の光がほのかに灯って、各々の顔を照らしている。
「お待ちしておりました、クリスさん」
探偵シュンがすぐに立ち上がり深々とお辞儀をした。
言葉を受けて、カールは怪訝な表情で応えた。
「…シュン殿、私はカールで、探してもらっている甥がクリスです。名前を間違えて覚えられては困りますな」
「いいえ、合っていますよ。あなたこそが、クリス氏なのだから」
「な、何を仰られるのか… 詭弁を弄して報酬を受け取ろうという魂胆なら、その手には乗りませんぞ」
カールはやや怯み、狼狽しながらも、反論を続ける。
「クリス氏の亡骸なら、真っ先に式神が見つけましたよ。屋敷の屋根裏に横たわっているアレでしょう?」
シュンの言葉に、カールの眉がひきつる。
「よく出来ていたようですが、作りが甘いですなぁ。一見すれば屍蝋化した亡骸に見えなくもないですが、組成が不完全でした。見る者が見ればひと目で作り物とわかる、出来損ないだ」
シュンはツカツカとカールに詰め寄っていく。
たじろぎ慄くカールの前に、バルトが立ちふさがる。
しかしシュンは全く動じず、カールを指差しながらまくし立てる。
「バルト、イィナァ、サイドゥク?」
「…?」
「アントラ、タファム、カリマト、アルガァブ」
「??」
バルトは反応しない。
できないのだ。
シュンの言葉の意味を理解できず、わずかに首を傾げるだけだ。
「芝居を仕込むなら半端はよくありませんよ、クリスさん。だからこうしてボロが出る」
「まさか… 貴様…!」
怒りからか、恐怖からか、カールの震えが止まらない。
カールも、シュンが何を言っていたのかはわからなかった。
しかし、シュンが何を意図していたかは完全に理解していたようだった。
「西国の言葉しかわからないということなら、きちんと西国の言葉を仕込んでおくべきでしたよ。大方、別人に仕える事になったという体でも他所から余計な詮索を受けないように言葉がわからないように振る舞えと言われたのでしょう。ねぇ、バルトさん?」
バルトは目を大きく見開き、後ずさる。
カールは拳を強く握りしめ戦慄きながら床を見据えている。
シュンは追討ちのように言葉を紡ぐ。
「探偵は屍体を見つけ、クリス氏は非業の死を遂げたと周囲に告げる。クリス邸は再びカール氏が継ぎ、クリス氏は表舞台から無事退場、引き続き教会での”実験”は安泰だ。描いていたシナリオは、そんなところですかな?シナリオ作りは悪くなかったようですが…」
「お前に依頼したことが、私の間違いだったという事か…」
「二流に頼むべきだったのでしょうがね。生憎私は、一流だ」
「ダミーも見つけられない節穴では困ると拘ったのが、裏目に出たか…」
強く震えていたカールが、急に動きを止めた。
まるで操り人形の糸が切れたように、静かに項垂れている。
「く、クラウス様…!」
突然シュンの背後から悲痛な声を上げたのは、教主アロイスだった。
「今、その名で私を呼ぶな」
カールは凍てついた瞳でアロイスを睨みつけている。
カールは顎髭に手をやると、それを無理矢理顔から引きちぎった。
髭が除かれた顔は、頬こそ深く痩けてはいるものの、クリス邸で目にした肖像の中のクリスと瓜二つであった。
「もう、もう私達はァ…!」
アロイスは長椅子から転げ落ち、這いずりながらカールの元へ向かおうとする。
その背後からドミニクが近づき、服の背を掴んでまるで猫でも拾い上げるかのように持ち上げる。
「ひェェ…」
アロイスが情けない悲鳴を上げながらジタバタと暴れるが、体躯差がありすぎてドミニクは意にも介さない。
「それがてめぇの本当の名前か?」
ドミニクが爬虫類の瞳でカールを強く睨みつける。
しかしカール、いや、クラウスと呼ばれた壮年の男は、もはや震えてもおらず、竜人の一睨みにすら、動じていなかった。
「…探偵よ、いつ気づいた?」
クラウスは礼拝堂の聖像を見上げながら、独り言のように呟いた。
「ヴィルマさんの棺ですね。底に、僅かながら砂のようなものが残っていました。屍体を掘り返していた事から幾つかのパターンは想定していましたが、あのようなものが残る術は、心当たりはひとつしかありません。随分と古臭い術をお使いなさる」
「貴様… 本当に、何者だ?」
クラウスの眼光が怪しく光る。
「ただの探偵ですよ。一流の、ね」
シュンの懐中から独りでに紙片が無数に飛び出し、シュンの周囲を取り囲む。
クラウスは両手を広げ、呪文の詠唱を始め、その体を青白い雷光が覆い始める。
「”それ”で、ウォルターの口封じをした方が早かったのでは?」
シュンはクラウスを指差して口角を上げる。
「怪しまれては意味がなかったのだ。このタイミングで奴が死ねば、さすがに訝しむ者もいるだろう。何十年もの時間をかけて、ゆっくりと、周到に準備を進めてきたのだ。これだけの労力が水泡に帰すのは耐え難い」
クラウスが両手を上方に向ける。
力の迸りがさらに苛烈になり、小さな落雷が周囲の壁や床に放たれ、弾ける。
「ゆっくりと一人ずつ死者に置き換えていけば、いずれは完璧な実験場が手に入るのだ… 君らの存在は今や、非常に邪魔になった。消えてもらう他な���だろう」
クラウスの顔が、邪悪に歪む。
「カヲル、いけない!」
シュンが叫んだ。
吹き抜けの上方から舞い降りる姿が視界に入ったのだ。
しかし、彼女は空中で方向を転換する術を持たない。
クラウスの周囲に纏われた青白い光の壁が発光し、舞い降りるカヲルに一閃の光が走る。
弾き飛ばされた女忍者は、礼拝堂の壁面に強かに背を打ち付け、黒煙を上げながら床に倒れ伏した。
「なんだ?この鼠は… お前達の仲間か。しかし、知らぬ術相手に急くとは、愚かな」
クラウスがシュンからカヲルに向き直る。
「クラウスッ!!」
シュンが叫ぶ。初めて、シュンの顔に焦りが走る。
「なるほどな、この鼠を先にやるのが効きそうだ」
クラウスが左手を倒れたカヲルに翳す。
「やめろ!!」
クラウスの手のひらから、稲光が放たれた。
しかし、それはカヲルには届かなかった。
木材が爆ぜてバラバラに撒き散らされる乾いた音が礼拝堂に響き渡る。
クラウスとカヲルの間の空間には、長椅子だった木片が四散していた。
「なに…?」
クラウスが再びシュンの方を見る。
アロイスは教会の隅で頭を抱えて震えている。
シュンの周囲には、変わらず紙片が舞っているが、動きはまだない。
代わりに、竜人が立ちはだかっていた。
その手には、礼拝堂の長椅子、二脚が両の手に握られていた。
一脚で、大人1人分ほどの重さはある長椅子を、まるで童が拾った木の棒のように手の上で遊ばせている。
「シュン… お前、雷相手はどうなンだ?えェ?」
「そうですね… 式神ではどうも、相性はよろしくないでしょうね」
「じゃあ、俺の出番ってわけだァ!」
ドミニクが満面の笑みを讃えて一歩踏み出す。
クラウスが反応し、右手を翳して雷光を放つ。
しかし、ドミニクはすかさず右手に掴んでいた長椅子を放る。
雷光と長椅子が中空で衝突し、木片が弾け飛ぶ。
クラウスはたじろぎ、一歩退く。
「面白ェじゃねぇかお前、えぇ?早撃ちか?早撃ちはやった事がねェ。どっちが速いか勝負しようぜ」
手元の長椅子をまた拾い上げる。
ここは教会、礼拝堂だ。
並べられた長椅子は、無数にある。
「く、来るな…」
クラウスが恐怖に顔面を引きつらせながら、入り口の扉に手をかける。
しかし、ぴくりともしない。
「…申し付けの通り、入り口は土砂で固めてあります。シュン様…」
体を引きずって壁に寄りかかりながら、カヲルが呟いた。
シュンがカヲルに駆け寄る。
クラウスが吼えた。
「うおおおおォォォ」
ドミニクも吼えた。
「行くぜえええええええ」
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そこからの様相は、例えるならば暴風雨であった。
長椅子と稲光が右往左往し、乱れ飛ぶ。
やがて嵐が去った後、そこには長椅子の山が出来上がっていた。
礼拝堂に並べられていた長椅子のほとんどは爆ぜるかこの山に加わるかの運命をたどった。
アロイスは、隅で頭を抱えたまま気絶してしまったのか、一切の音も立てず動かなくなっていた。
バルトも同様で、逆側の隅で、歯を鳴らしながら、座り込んで失禁していた。
広々としてしまった空間の中央で、ドミニクが肩で息をしながら立ち尽くしている。
ゆっくりと長椅子の山に歩み寄ると、山の中に手を突っ込み、ぐいと引き上げた。
その手には、あらゆる関節があらぬ方向に曲がってしまった、ぐしゃぐしゃにひしゃげたクラウスが握られていた。
「…まだ息はあるようだが、どうする?」
ドミニクはカヲルの手当てをするシュンに声をかけた。
「いやァ、その必要はないでしょう。とはいえ、事情を話して町の人達に理解していただけるかどうか… それに、既に置き換わってしまった方々が、どうなるやら…」
シュンは苦笑いしながら頬を掻いた。
しかしすぐに、驚い��顔でカヲルに振り返った。
カヲルが、涙を流していたからだ。
「痛みますか?」
「…私は、もう、祖国に帰ります…」
しばしの静寂。
シュンは真顔でカヲルを見つめていた。
ドミニクは、クラウスの体を床に置いて、居心地悪そうにあらぬ方向を見つめている。
「シュン様に、ご迷惑、を、おかけして… ドミニク殿に、邪魔だなどと、放言しておいて、この体たらくで… 私、私には、シュン様にお仕えして、旅する資格など、ございません…」
そうしてカヲルは、さめざめと泣いた。
「参りましたね…」
シュンには、かける言葉が見つからなかった。
「資格がどうとかよ、考える必要あんのかよ」
言葉をかけたのは、ドミニクだった。
「俺はシュンと旅がしてぇ。良い雇い主だし、仲間だ、コイツは。だから、俺はしたいようにする。シュンについてくぜ。お前はどうなんだよ、カヲル」
ドミニクがしゃがみ込んで、カヲルの顔を覗いた。
「私は… シュン様と…」
「そうだろ!?お前もシュンと旅がしてぇ。いつかの獣人騒ぎのときに、お前が自分でそう言ってたじゃねぇか」
カヲルが、意外そうな顔で、ドミニクを見た。
シュンも苦笑しつつ、口を開いた。
「…カヲルは、奴にとって意外なタイミングで逃げ道を塞いでくれた。ここで決着をつけられなければ、厄介な事になっていたでしょう。奴は、あなたの存在に気づいていなかった。だから、それが出来た。私が予想した事ではあっても、あなたにしか出来なかった事だ。それは、ドミニクにも出来なかった事です」
カヲルは、目を瞑って、頷いた。
「お前は、そういう事じゃあねェだろ!お前はどうしたいんだよ、カヲルとよ」
ドミニクがシュンの脇腹を軽く小突いた。軽くではあったが、シュンは衝撃の強さに膝立ちのままよろめいた。
「痛ッた… 危ないですよドミニク殿」
そして、大きなため息をついて、照れくさそうに続けた。
「聞くまでもない事を、聞かないでください。カヲルは私の、そう、姉みたいなものです。家族なんです。一緒にいたいと思うのは、当たり前の事ですよ」
「姉、ですか…」
カヲルは涙を拭って、寂しそうに俯いて、微笑んだ。
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その日、デイティの町を、事件が襲った。
数十名もの町民が、他の町民の見ている目の前で、姿を消したのである。
いなくなった者達の足元には、皆同様に、砂のようなものが残されていたらしい。
どこを探しても、いなくなった者達が見つかる事はなかった。
同時に、不思議な事件も起きた。
町に滞在していたカール氏もまた、姿を消していた。
教会を訪れた者達は、瓦礫の山の奥で、放心状態になり廃人同然となった教主アロイスとバルトが見つかった。
二人は会話ができる状態ではなく、何を言っても、受け答えする事はなかった。
そしてまた、町民達は教会の床板が外れ、その下に隠された部屋を発見した。
その部屋には、人名が書き添えられた無数の小瓶や壺が棚に並べられていた。
それらの中にはそれぞれ無味無臭の砂のようなものが詰められていた。
こうした一連の事象には何らかの関連性があるかのように思われたが、それを説明できる者は、一人もいなかった。
ただ、クリス氏も、カール氏も、皆数十名の町民と同じように、姿を消してしまったのではないか、と囁かれた。
それからの何ヶ月かは、町民たちは恐怖に慄きながら過ごした。
いつ次の誰かが姿を消すともしれない恐怖に震えながら暮らしていたが、そうした事件が再び起きる事はなかった。
そうして、やがて町は、事件を忘れていった。
教主を失った信者達は、やがて信じるものを変えていった。
この町を覆っていた闇が白日の下に晒される事はついになかった。
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こうして、デイティで起きた事件は幕を閉じ、後にこの町には"神隠しの伝説"が語り継がれる事になる。
しかし、事件は解決したが、シュンは結局、秘められた闇の全てを祓うには至らなかったのだ。
屍者を冒涜し自らの意のままに操り不滅の帝国を築かんとする者が、魔術師クラウスただ一人ではなかった事を、シュンが知る事はなかった。
宗教を寄せ餌にして人々を募っては人知れず亡き者とし、砂で形作られた屍者の群れに変えて自らの帝国を築かんとする者が再び現れるのは、50年先の話である。
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~おわり~
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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