Tumgik
#薔薇の香りするし((
rezagrats · 2 years
Photo
Tumblr media
観た☠⚔️🌹💆🏻‍♀️🥷🏻 #天海祐希 の魅力たっぷり♬ 生演奏迫力 #goemonrockoverdrive いつもの #かぶりもの #かくれんぼ #スピードとテンポのよさ #小気味よいリズム #ギャグの応酬 #山本カナコ歌うますぎ #高田聖子 さすが #生瀬勝久さんさすが 新橋演舞場へ行く途中前を歩いていた女性が、おはようございます‼︎と別口から入っていったけど舞台で「あ、あの歩いて人⁇」って。舞台メイクして演じていると別人のように輝きまくってた🌟 誰だろ⁈ #島田風香 さんかなぁ。#むしろ勘違い ⁉︎ #恋はいつも勘違いから始まるらしい かよ(๑˃́ꇴ˂̀๑) #薔薇とサムライ2 #劇団新感線 (at 新橋演舞場) https://www.instagram.com/p/Ckzpev3vJhi/?igshid=NGJjMDIxMWI=
0 notes
cuz-yummy · 5 months
Text
Tumblr media
文明堂 さくらカステラ
しっとりふわふわのカステラ。
甘さが強いけど、きちんと桜の香りがする。薔薇やさくらんぼに似ているんだけど、もうちょっと植物の強い匂い。桜の葉の香りなんだろね。
白餡やチョコレートに混ざっていないのダイレクトな桜の香りがしていて、でもカステラとしても美味しい。これは桜味のいいお菓子。
自分は白餡と桜の組み合わせが好きなのか?と思っていたけど、改めて桜味が好きなんだなぁと感じた。
6 notes · View notes
rosysnow · 20 days
Text
魔法じかけの林檎
誰もがその林檎を欲しいと思ったけど
Tumblr media
 千鈴は林檎しか食べない。どんな食事を用意しても食べないのに、林檎を切ってあげると、それは食べる。だから、お見舞いのときは、私は必ず林檎を持っていく。
 精神病棟だから病室には行けない。けれど、看護師さんに手を取られて、千鈴は面会室には現れる。精彩のない無表情でソファに座る。待っているあいだに切り分けた林檎を並べたお皿を、私は千鈴の前に置く。
 その甘い香りか、お皿を置いた音か、それは分からないけど、千鈴は林檎に目を落とし、ひと切れ、手に取る。そして、言葉はなく、しゃり、しゃり、とゆっくり林檎を食べていく。
 姉の千鈴。妹の五鈴。私たちは、十三年前に一卵性のふたごとして生まれた。
 幼い頃は、ふわふわのカールの髪に結ぶ、色違いのリボンが見分けるコツだった。それと、泣いているのはたいてい私で、褒められているのはたいてい千鈴。
 千鈴は泣き虫の私を揶揄ったりもしたけど、けして意地悪ではなかったし、優しい姉だった。私は、よく千鈴のあとを追いかけて走っていた。私たちの毎日が壊れた、あの日もそうだった。
 ふたごって何かかわいいねと言われながら、同じ小学校に上がった春だった。私たちは一緒に下校していた。
 にぶくて泣き虫な私をまた揶揄って、千鈴は駆け足で先を走っていた。春風に、千鈴の髪を結う白いリボンがひるがえった。ひと気が減ってきた角を曲がり、「千鈴、待って」と息を切らす青いリボンの私は顔を上げ、はっと立ち止まった。
 こちらを振り返って笑っている千鈴のすぐ背後に、知らない男の人が立っていた。私は千鈴の名前を叫ぼうとした。遅かった。男の人は、強引に千鈴を抱え上げ、そのまま路地に駆けこんでしまった。
 茫然とする私の耳に届いたのは、服を引き裂く音、千鈴の泣き声、男の人の荒い息──
 そのとき、偶然同じクラスの男の子たちが通りかかって、私は泣きながら千鈴が引きこまれた路地を指さした。私は何もできなくて、男の子たちが声を上げたり、大人を呼んだりしてくれた。
 けれど、千鈴の心にはすべてが手遅れだった。その日から千鈴は、感情も記憶も喪失した、息をしているだけの人形のようになった。外出はもちろん、家庭で過ごすことさえ困難と診断され、精神病棟で過ごしていくことになった。
 しばらく、千鈴は何も食べなかった。点滴で栄養を摂っていても、見る見る痩せていった。ふっくらした薔薇色の頬は蒼くこけて、腕も脚も折れそうになって、しっとり白かった肌もぱさぱさになっていった。
 そんな千鈴を見るのをつらいと言い出したのは、私より両親が先だった。何かと言い訳をつけ、千鈴のお見舞いに行かなくなった。私が千鈴に会いたいとせがむと、「病気が伝染って人形になるから」とおとうさんは目をそらした。おかあさんは「千鈴のぶんまで、いい子にしてね」と虚ろな��で私の頭を撫でた。
 それでも私は、千鈴に会いたかったから、そばにいたかったから、お小遣いを全部交通費に当て、両親には「友達と遊んでくる」と言って、こっそり千鈴のお見舞いに行った。
 私と千鈴が幼稚園の頃に読んだ、子供向けにした神話の絵本の中に、こんな話があった。どんな病も傷も治す、魔法の林檎を果樹園で守る女の子がいた。彼女は、林檎を盗みにきた泥棒に殺されてしまった。その死を哀しんだ女神様によって、彼女は花のすがたとして生まれ変わった──
 魔法の林檎は、半分食べれば、どんな病気も癒える。全部食べれば、永遠に若く生きられる。そんな、不思議な黄金の林檎。
 ひとりになってしまった部屋で、その絵本を読み返した私は、その林檎が欲しいと思った。林檎が心まで癒すかは分からなかったけど、そんな魔法に頼らないと、千鈴は壊れてしまうのではないかと怖かった。
「ねえ、千鈴」
 季節はあっという間に巡り、着こんだコートのポケットに、懐炉を入れておく冬になっていた。吐く息が白く、雪が舞う日も多かった。
 家から駅まで歩いて、病院の送迎バスが来る駅までふた駅。ありがたいことに、マイクロバスの利用は無料だった。私はその日、お年玉をもらってお金があったので、千鈴のお見舞いに差し入れを持ってきていた。
「お花に生まれ変わった女の子のお話、憶えてる? もしあの子が魔法の林檎を食べてたら、殺されても死ななかったよねって一緒に話したよね。だからね、千鈴も林檎を食べたらつらくても咲えるかもしれないって、今日は林檎を持ってきたの」
 かたわらに置いていたビニールぶくろから、駅前のスーパーで買ってきた林檎を取り出した。千鈴がめずらしく、ゆっくりとだけど視線を動かし、それを見た。私は精一杯咲って、「ちょっとでも食べよう」と千鈴の手に林檎を持たせた。
「林檎を食べたら、千鈴にも治る魔法がかかるから」
 千鈴は何も言わなかった。でも、それから、林檎だけは食べてくれるようになった。
 それが、千鈴の必死の声だったのだと思う。本当は千鈴も、食べたいし、しゃべりたいし、咲いたいのだ。でも、できない。あの体験がおぞましく焼きついて、自分を思い通りに動かせない。
 いつか心が癒えるように、掠奪された自分を取り返して傷を乗り越えられるように、千鈴は願いをこめて林檎を食べた。
「……千鈴だったら、こんな間違いしないのに」
 一方、千鈴が欠けた家庭で、おかあさんの態度がおかしくなりはじめたのは、事件から一年が過ぎた頃だった。
 私のテストの答案を見ていたおかあさんが、ふとそんなことをつぶやいた。「えっ」と私がちゃんと聞き取れずに問い返すと、おかあさんは突然、答案用紙をびりっと音を立てて破った。
「千鈴なら、こんなテストぐらい百点が取れるでしょう!」
 言われていることがとっさに分からず、ぽかんとおかあさんを見た。おかあさんはゆがんだ顔を覆って、フローリングにくずおれて、わっと泣き出した。どくどくとあふれる涙で、床に散らばった不正解だった私の字がふやけていった。
 私はしばし突っ立ってしまったけど、「おかあさん」とこわごわその肩に手を置いた。おかあさんはその手を振りはらって、「あんたなんかいらない!」と金切り声で叫んだ。
「千鈴! 千鈴を返して‼ 私のかわいかった千鈴はどこなの、ねえ、どこに行ってしまったの!」
 私ははたかれた右手を握りしめ、視線をとまどわせた。おかあさんは、砕けたガラスみたいに床に這いつくばって泣いている。その嗚咽に、千鈴の名前が混じる。
 私なんかいなかったみたいに。自分の娘は千鈴だけであるみたいに。
 ああ、おかあさんは千鈴に会いたいんだ。いつでも会える私なんか、どうでもいいんだ。おかあさんに必要なのは、一年前まで、無邪気に咲って、当たり前に私たちの中にいた、健やかな千鈴──
「ほ……ほんとに、五鈴は、ダメだよね」
 何で、そんなことを言ってしまったのか分からない。
「私からも、五鈴にこれくらいできないとって、しかっておくから」
 それが幼い頭でやっと考えついた、発狂しそうなおかあさんのなだめ方だったのかもしれない。
「おかあさん、泣かないで」
 おかあさんが震えながら泣きやんで、鼻をすすって顔を上げた。
「私はここにいるよ」
 おかあさんが手を伸ばし、私の頬に触れた。
「千鈴……?」
 私はおかあさんに向かって微笑み、うなずいた。その拍子、おかあさんは私を抱きしめて、また泣き出した。
 でも、耳にきりきりする、痛ましい泣き方ではなかった。安堵で声をつまらせ、やっと家にたどりついた子供のような慟哭だった。
 こんなに、おかあさんは千鈴を探していたのか。傷ついてしまう前の千鈴を求めていたのか。
 だったら、私にできることはひとつだ。おかあさんの前では、私は千鈴を演じる。千鈴のふたごの片割れである私にしか、それはできない。
 千鈴がいなくては、おかあさんが壊れてしまう。だから、千鈴が治るまでは、帰ってくるまでは、おかあさんの前では私が千鈴になる。
「五鈴は……つらいかもしれないけど」
 その夜、おとうさんが帰宅する頃にはおかあさんは泣き疲れて、リビングのソファで眠っていた。「『千鈴だよ』って言ったら、おかあさん、すごくほっとしてくれたの」と私がつたなく説明すると、おとうさんは言葉を失くしたものの、私の頭に大きな手を置いて言った。
「おかあさんの前では、千鈴でいてくれるかな」
「うん。おとうさんも、私のこと五鈴って呼んじゃダメだよ」
「……ごめんな、五鈴」
「千鈴、だよ」
「ごめん、……ごめん千鈴。守ってやれなくて、本当にごめん──」
 おとうさんにぎゅっとされて、スーツの糊の匂いの中で、「大丈夫だよ」と私は言った。
 その言葉が、五鈴としてだったのか、千鈴としてだったのかは、分からない。おとうさんの腕に力がこもったのも、五鈴に対してだったのか、千鈴に対してだったのか、分からなかった。
 それから、私は家庭では千鈴を演じるようになった。千鈴のように勉強も運動も、口調も身だしなみも頑張った。「五鈴」はいなくなったわけではなく、いつも偶然その場にいないかのように振る舞われた。私だけでは修復しなかった家庭が、私が千鈴になることで、少しずつ明るくなっていった。
 もちろん、私を「千鈴」と呼んで、買い物に行けるようにもなったおかあさんについて、近所の人は怪訝そうにひそひそ話をした。私がひとりのとき、「無事だったのは五鈴ちゃんよね?」と心配そうに声をかけられることもあった。私はあやふやに咲ってかわし、家に駆けこんで、おかあさんに百点を取ったテストを見せた。おかあさんの穏やかな笑顔が、私のきしみそうになる心を支えた。
 本物の千鈴のお見舞いに行くのは、相変わらず私だけだった。家のことを、千鈴には話したほうがいいのかと思ったけど、刺激を与える話は先生を通してからと看護師さんに言われていた。
 近所の人の訝る目を思い出し、あんまりお医者さんには言いたくないなと思った。やっと見つけた落ち着く手段を、やめたほうがいいとか言われたくない。
 千鈴は事切れた瞳のまま、静かに林檎を食べている。私たちは、いつ千鈴が帰ってきてもいいようにしているだけ。だけど、千鈴が戻ってきたら、私はどうなるのだろう。
 どんどん希薄になっていく五鈴という私は、まだあの家に存在しているのだろうか。帰ってきてほしいと思って、私だけがこうして本物の千鈴を見捨てていないのに、千鈴が帰ってきたら、きっと私が一番報われない。
 私が演じる千鈴は、周りの理想を裏切らないように、美しく築かれていった。言葉ひとつ、仕草ひとつ、���心の注意で千鈴らしくした。千鈴以上に千鈴だったかもしれない。
 おかあさんが外では私を「千鈴」と呼ぶし、家に来たクラスメイトたちは、「あれ……五鈴ちゃんだっけ? 千鈴ちゃんだっけ?」と混乱して、いつのまにか「えーっと、千鈴ちゃんだよね!」と思いこんでいった。
 テストや教科書に名前を書くときも「千鈴」と書いた。さすがに本名を把握している先生たちは、最初は「え?」という顔をするものの、私もクラスメイトも──何より親が「あの子は千鈴ですよ」と言うので、触れてはいけない、あるいは関わりたくないと思うらしく、次第に何も言わなくなった。
 私は人前では淑やかに咲う反面、部屋でひとりになると、自分の鼓動がうるさくて過呼吸になるときがあった。
 私は綺麗。私はいい子。私は──違う、全部千鈴だ。綺麗なのは千鈴。いい子なのは千鈴。じゃあ私は? 私は何なの? 私はどこに行ったの?
 千鈴の偽物として生活していて、私自身の価値はどうなってしまったの?
 どんなに演じても、千鈴本人になれることもないのに、なぜ私は不毛な嘘をまとっているの?
 千鈴として咲うほど、私は咲えなくなっていく。千鈴として振る舞うほど、私は何も感じなくなっていく。
 自分を切り崩していく中で、中学生になった。最近の公立中学は物騒だからと私立に進んだ。私を千鈴としてあつかうことは、ご家庭の事情があるから、と小学校の先生が伝えたらしい。生徒証などの公的な書類になるもの以外では、私は千鈴として通った。
 葉桜の緑が鮮やかな五月、一年生の中間考査では首席を取れた。ほっとして貼り出しから教室に戻ろうとしたとき、「あ、おいっ」という声がして肩をつかまれた。
 私は立ち止まって振り返り、そこにいたブレザーの男の子に首をかしげた。黒いさらさらとした髪、まだ童顔の大きな瞳、誰なのか心当たりはなかった。けど、「千鈴なのか?」と声変わりもしていない声が言う。私は貼り出しにある名前が、千鈴であるのを一瞥した。
「……そう、だけど」
「えっと……元気にしてたか」
「ええと、あなた──」
「洋介だよ。谷村洋介。その、……あのとき、妹のほうが俺とか和義を呼び止めて。俺は、学校まで先生を呼びに行ったんだけど」
 私はその男の子を見つめた。引っかかる記憶はなかった。
 あのとき、どんな男の子たちに声をかけたかもよく憶えていない。クラスメイトではあったはずだけど、特に彼に印象はない。
「ちゃんと、学校にも来れるようになったんだな」
「……もうずいぶん経ったから」
「そうか。あ、千鈴は何組なんだ?」
「A組よ」
「すげ、進学クラスじゃん。俺は一般のC組だけど、また今度、ゆっくり話でもできたら」
「そうね」
「よかった、ちゃんと生活できるようになったなら。ずっと心配してたんだ」
 洋介くんは優しく微笑むと、「じゃあ」とそばにあった階段を降りていった。妹のほう。五鈴のことは、名前さえ出てこないのだろうか。
 それから、ときおり洋介くんが声をかけてきて、私たちは話をするときがあった。この人、千鈴が好きなのかな。そう気づくまでに、時間はかからなかった。
 幼い頃からの想いなのだろうか。再会して始まった恋心だろうか。
 後者だとしたら、君が好きになったのは千鈴じゃなくて五鈴なんだよ、と伝えたい心がふくれあがってきた。幼い頃からの気持ちだったとしても、それなら彼には、本物の千鈴のことを言っておきたかった。
 どうして、本当のことを知ってもらいたいと思うのだろう。知られたところで、状況をかき乱すだけなのに。
 梅雨の合間に晴れた日、雨粒が芝生できらきらする中庭のベンチで、洋介くんとお昼を過ごしていた。洋介くんはお弁当を食べはじめていたけど、私はお弁当ぶくろを膝に置き、躊躇っていた。「食べないのか?」と言われて、曖昧にうなずいた私は、気を引き締めて洋介くんを向いた。
「あのね、洋介くんに知っていてほしいことがあるの」
「ん、何だよ」
「……これ、なんだけど」
 私は胸ポケットから生徒手帳を取り出し、生徒証のページを開いて、洋介くんに渡した。洋介くんはそれを受け取り、怪訝そうにページを見つめた。
「これが?」
「名前を見てほしいの」
「名前──」
 洋介くんの目が、そこに記される私の名前をたどった。まぶたが押し上げられる。
「え……これ、五鈴って」
「私ね、ほんとは五鈴なの」
「は?」
「みんな千鈴だって思いこんでるけど、私もそう思われるように千鈴を演じてるけど、違うの。私は五鈴──」
「え……ちょっと、待てよ。演じてるって、じゃあ、ほんとの千鈴は?」
「千鈴、は──」
「てか、わけ分かんねえし。何でそんな演技してんだよ」
「ち、千鈴を演じないと、誰も私なんか見ない、し」
「はあっ? 千鈴はあんなことがあったんだぞ⁉ お前なんかどうでもよくなるのが普通だろ。……くそっ、最低じゃないか」
 最低? 私が? 何で?
 ぽかんとしてしまうと、洋介くんは忌ま忌ましそうに立ち上がって、中庭を出ていってしまった。私はそれを見送り、本当にわけが分からなくて、洋介くんの反応が正常なのか異常なのかさえ判断できなかった。
 だって、私が千鈴にならないと、大人たちはまるで歯車が合わなかったじゃない。なのに、私が間違いだったの?
 そのとき、突然気づいた。魔法の林檎になっているのは、私なのだ。おかあさんにとって。おとうさんにとって。あの事件から目をそらしたい人、すべてにとって。
 私という林檎が、麻薬のようにみんなの意識をごまかし、ひととき忘れさせて、麻痺させている。私が千鈴になることで、千鈴が傷つけられた事実はゆがめられ、偽りの安心をみんなに与えている。
 やがて、太陽が白光する夏が来た。季節外れでちょっと高い林檎を買って、私はまた千鈴のお見舞いに行った。
 千鈴は林檎を食べる。しゃく、と噛み砕く音と共にこぼれる甘酸っぱい香りに、私は涙が出てくる。
 このままでは、私が壊れてしまう。私が見せる幻覚は、薬でなく毒だ。そんな調和は、今すぐやめないといけない。
 ふと、口元に冷たい酸味が触れた。はっとすると、虚ろな表情のままだったけど、千鈴が私の口に林檎を分けようとしていた。私は千鈴の瞳を見つめ、久しぶりに、五鈴として咲った。
 林檎を受け取り、さわやかな味を頬張った。口の中に、新鮮な味がふわりと広がる。
 林檎を食べていたら、女の子は死ななかった。でも、もう死んでしまった。だけど、女神様によって花に生まれ変わった。
 千鈴もきっと生まれ変われる。綺麗な花としていつかまた咲える。私も弱い大人の犠牲になり、千鈴が花になれたすがたを演じてみせなくていい。そんなことをしなくても、千鈴は咲けるから。その千鈴の生きる力を信じることが、魔法じかけの林檎になって、五鈴としての私を癒やしてくれる。
 千鈴じゃなくていい。弱い心に見せる幻にはならなくていい。そんなことをしていても、今度は私が死ぬだけだ。
 再び咲えるようになる千鈴と共に、私は私のまま、嘘偽りなく生きていっていいんだ。
 私がこくんと林檎を飲みこむのを見た瞬間、確かに千鈴の瞳が、ほころぶようにほのかにやわらいだ。
 FIN
2 notes · View notes
ateliertanu · 5 months
Text
Floral Friday #169
 モッコウバラは棘もない上に4月にあっという間に咲いてしまうので、バラという名がついていてもバラではないと勝手に決めつけていたら、中国原産の立派なバラだそうだ。蔓性の華やかで香り高いモッコウバラは、そう考えれば紛れもなく立派なバラなのだが、棘がなくて花が小ぶりだというだけで趣が違う。 今年は全般にバラが動くのが早いようで、モッコウバラは���うほとんど先終わってしまっている。咲き終わったモッコウバラの茶色くなった花弁は、雨に当たるとますます見窄らしく、せめてピンクだったらよかったかななんて考えてみても、さして意味はない。バラというものは、枯れて茶色になった花弁も、切り戻すちょっと面倒な作業も、皆含めてバラなのだ。  さて、そろそろ横浜らしいバラでも見に行きますか、なんて思い始めたが、去年は6月上旬にはほとんど茶色になってしまったので、美しい「薔薇」を見たかったら5月中旬が良さそうだろうか。…
Tumblr media
View On WordPress
5 notes · View notes
ari0921 · 10 months
Text
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023)12月10日(日曜日)
    通巻第8043号
EUは「生成AI」と「汎用AI」を問わず包括規制をかける
   ペンタゴンはAI軍事ロボット開発を急ぎ始めた
*************************
 「生成AI」なるもの。たとえば大量のデータを持つAIが文章や画像を自動作成する。
「オープンAI」社が開発した対話型AI「チャットGPT」が魁となって製造業もソフト企業も、省力化への期待から活用が急速に広がった。
しかし巧妙な画像操作、フェイク情報の拡散や個人情報の漏えいといったリスクを伴なって、社会問題となった。たとえば大學では論文審査にチャットGPTを利用した作文ではないかを嘘発見器のように探索する機械を導入した。ある新人小説賞応募では、例年の二十倍の応募があり、殆どがチャットGPT利用の人工的作文とわかって小説賞の募集を中止した。ブラジルでは条文改正案をチャットGPTで作成し、議会は多数で承認するという事態に発展した。
このまま突っ走るとどうなるのか?
「オープンAI」のサム・アルトマンCEOは議会証言で、「規制が必要だ」としていた。23年5月に広島で開催された先進7カ国(G7)は、AIの国際ルールを取りまとめることで合意した。AIが人間を超える危機(2045 シンギュラリティ)が叫ばれて、多くの学者や知識人が警鐘を乱打してきた。
 12月9日にEUが発表した規制案では、『汎用AI』の範囲にある政治的、宗教的、哲学的信念、性的指向、人種を推測するための顔認証システムや潜在意識を刺激するサブリミナル技術を組み入れたAIは認めない原則を打ち出した。
2026年から実施予定で、生体認証システムの使用も制限し、拉致、人身売買、性的搾取事件の被害者の的を絞った捜索や、特定の現在のテロの脅威の防止には例外が設けられる。違反者には50億円程度の罰金か年間売り上げの7%の制裁金が課せられる。
 
 一方、米国と中国では軍事ロボットの開発が迅速に進捗している。
 高性能の軍事ロボットに関して米国は研究開発から実験段階へと歩を進めている。高性能のAIを搭載した自律型兵器システム(ドローン艦艇、航空機、戦車運用)の開発をめぐる論争が際立つようになった。争点のひとつは、「生成 AI」システムで使用される「大規模言語モデル」の信頼性をめぐる見解の対立である。
▼中枢の技術は半導体である。
 高度AI の活用に関して米国では国務省と国防総省は、「責任ある方法で行われる限り、人工知能は将来の兵器システムの運用に使用できるし、使用すべきである。米国は技術の進歩に関係なく、(軍事によるAIの)責任ある開発と使用を可能にするために必要な政策を導入し、技術的能力を構築する」としている。
 専門家の意見では、「生と死の決定がもはや人間によって行われるのではなく、事前にプログラムされたアルゴリズムに基づいて行われるとなれば、倫理的問題を引き起こすだろう。自律型兵器が惹起する課題と懸念が明らかに存在する。したがって法的、技術的、人道的、倫理的な観点から、また武力行使における人間の役割に規制が必要である」とする。
 ペンタゴンはAI搭載の自律兵器システムの開発と配備を進めている。多数の自律型兵器を配備し、「質」と「量」の双方で、中国の優位性を克服する準備をしなければならないと考えているからだ。
 もう一つ、というより最大の懸念がある。
 技術情報、ノウハウの漏洩である。産業スパイが高度化し最新の機密をハッカー攻撃やエンジニアへのカネと女の罠をしかけ盗用するのだ。
 米軍輸送機C17に米国は5000億円の開発費を投じた。中国はその機密をハッカー攻撃で盗んだ。コストは米国の一万分の一だった。中国空軍ジェット戦闘機「殲21」は米軍機F22の、「殲31」はF35の機密を盗んだとされる。
 またノウハウの漏洩がある。台湾から中国への渡り鳥エンジニアたちがいる。
『ウォールストリートジャーナル』が「半導体の魔術師」と名付けた梁孟松は米国大学留学後、現地のIT工場で働き、TSMCで腕を発揮した。梁がTSMCに在籍したのは1992年か2009年までで、この間に身につけたノウハウをもって大陸へ渡り、SMICで14ナノ半導体製造に成功したといわれる。現実にファーウェイの新型スマホ「Mate60 PRO」にはSMICが自製したとされる半導体が使われていた。
 安全保障上、由々しき問題として関係者が激怒した。米国は、米国籍のエンジニアが中国ではたらくことを禁止している。
 台湾は押っ取り刀で法改正に乗り出した。まずNSTC(国家科学及技術委員会)はノウハウならびに半導体材料を含む22の禁止リストを公表した。違反には罰金と5年以上の禁固刑が課せられる。
 ならば梁孟松を台湾は「裏切り者」として如何に裁くのか? 梁は中国に永住するつもりなのであり、台湾の司法権が及ばない。
 ▼倫理、モラル、そして霊性が問題になる。
かくして倫理、モラル、そして霊性が問題になる。
 2023数学賞を受賞した丘成桐教授は12月8日開催の授賞式(香港)で「AIは人間の創造的精神にはなれない」と明言した。岡潔もきっと同じことを言っただろう。
 つまり「生成AI」は「霊性AI」になることはない。神の意志はそこにはない、と世界的な数学者が示唆した。
 世界の破滅を描いた三島由紀夫の『美しい星』に次の箴言的比喩があることを思い出した(新潮文庫版より)
 「冷戦と世界不安、まやかしの平和主義、すばらしい速度で愚昧ととう安への坂道を滑り落ちてゆく人々、にせものの経済的繁栄、狂おしい享楽感、世界政治の指導者たちの女のような虚栄心。。。こういうもの総ては、仕方なく手に委ねられた薔薇の花束の棘のように」
 主人公は宇宙から飛来した円盤を目撃している。
 「円盤が目に見えていたあいだの数秒間に、彼の心を充たしていた至福の感じを反芻した。それはまぎれもなく、ばらばらな世界が瞬時にして医やされて、澄明な諧和と統一感に達したと感じることのできる至福であった。天の糊が忽ちにして砕かれた断片をつなぎあわせ、世界はふたたび水晶の円球のような無疵の平和に身を休めていた。人々の心は通じ合い争いは熄み、すべてがあの瀕死の息づかいから、整ったやすらかな呼吸に戻った」
 「平和は自由と同様に、われわれ宇宙人の海から漁られた魚であって、地球へ陸揚げされると忽ち腐る。平和の地球的本質であるこの腐敗の足の速さ、これが彼らの不満の種で、彼らがしきりに願っている平和は新鮮な瞬間的な平和か、金属のように普及の恒久平和かのいずれかで、中間的なだらだらした平和は、みんな贋物くさい匂いがする」
4 notes · View notes
zaiden327 · 1 year
Text
超極私的GOTH ALBUM 10選
Tumblr media
POiSON GiRL FRiEND「Love Me」1994
音楽家というより自分にとって火とか水みたいな存在。生きてるうちにこういう感じになれたらいい。インタビューで尊敬してる人は?って聞かれて伏し目がちに「ジョン・ライドン」って言ってて、わかるわって思った。ノリコさんのブログの、倦怠と憂鬱、でも満たされてる感、そして自己承認欲求がごちゃ混ぜになってる感じがめちゃ好きです。↓
http://www.psychopla.net/pgf.text1j.html
Tumblr media
Momus「Tender Pervert」1988
中学生の頃、近所のブックオフでジャケ買いして以来の心の支えです。聴いている間中、なんかフワフワした毛のない生き物に包まれてる感じがする。最近のモーマスはなぜかいつも眼帯してて、YouTubeのチャンネルにめっちゃ変な動画上げてた。なんなんだろう。
https://www.youtube.com/@momasu
Tumblr media
Suede「Dog Man Star」1994
スエードは自分にとってカッコ良さを巡るめちゃ巨大な指針だが、実は長いことこのアルバムの良さがわからなかった。長いし暗すぎる。でも今はこれしか聴けない。もうダメかもしれない。爆裂するバーナードの自意識とのたうち回るギター、悔恨と憂鬱を死ぬほど美しく表現できるブレットの歌唱。薔薇の香りにむせながらベットに伏せ、自らの過ちを悔みながら死ぬ。
Tumblr media
My Bloody Valentine「Isn`t Anything」1988
中学生の頃に聴いて、アメリカの郊外に暮らす孤独なティーンエイジャーが泣きながらナイフ振り回してるみたいだなとか思った。自分は80年代後半のマイブラの感じが一番ゴスなんじゃないかとか考えてる(どこにでもいそうなのに陰りと華があり、芯を持って怖い音楽を奏でている人たち)ので、その時点でこのジャンル/概念の門外漢なのかもしれない。
Tumblr media
WICCA PHASE SPRINGS ETERNAL「Suffer On」2019
ヒップホップ好きな友人にこれを薦めまくって辟易された思い出からもわかるように、これはもはやヒップホップではなくニックドレイク的な何かなのかもしれない。Tigers Jawからここに至る彼の軌跡を考えると、泣きそうになる。自分と誕生日が近いのもあって謎の親近感がある。未だに見た目ただのお兄さんって感じだし、たぶん全然タトゥーを入れてないのも良い。
Tumblr media
The Crow : Original Motion Picture Soundtrack 1994
この映画が好きな奴とは分かり合えるという謎の確信がある。サントラ自体は80~90年代に至る暗くて華のあるロックの総進撃的な内容だが、それよりも劇中で主演のブランドン・リーが雨の屋上で楽器始めたての中学生みたいなギターソロを披露して勝手にエモさ極まった挙句、ギターをアンプに叩きつけて壊すシーンを見て欲しい。ここにゴスの、ロックの全てがあると勝手に思ってる。↓
https://www.youtube.com/watch?v=inUCmh3LY9Y
Tumblr media
G-Schmitt「Struggle To Survive」1988
ここにきてやっとみんなの知ってるゴスがきた、お前はそう思ってるだろう。もはやタイトルに全てが集約されてる気がする。自分にとってゴスは生きるための熾烈な戦いという側面がある。たとえ一人だけになっても美学を保って生き残ってる奴がホンモノだと思う。あと誰も言及してないけど、ドラムがこのバンドの要な気がしてる。
Tumblr media
RZA「Ghost Dog:The Way of the Samurai」Soundtrack 1999
何かを勘違いしたまま、だが確信したまま消えゆく主人公があまりにも愛おしすぎる映画だが、小雨の降る夕方の街を散歩するのにこれほど良い音楽は存在しない。サントラは二種類存在し、自分はこのジャケじゃないやつのほうが好き。↓
https://www.youtube.com/watch?v=OrPJ2sObEig&t=1102s
Tumblr media
黄耀明「愈夜愈美丽」1995
英題は「Legend - Late Night Beauty」らしい。すごいタイトルだと思う。達明一派を経た香港のポップスターが、西洋への憧れを夜の匂いの中に纏わせた名盤、なのかもしれない。どっちにしろこの人は日本では完全に見過ごされてるので誰かに再評価と言及をお願いしたい。ペットショップボーイズやデビッドボウイらに影響を受け、何かを誤解し、そして作られたのはあまりにもオリジナルすぎるオリエンタル電子歌謡。とにかく關淑怡とデュエットしてる曲を聴いてほしい。あまりに美しいから。彼は故レスリー・チャンとの共作もあり、そちらも素晴らしい。
余談だが、達明一派の片割れの劉以達もすごい才能の持ち主なのでチェックして欲しい。彼のソロアルバム「麻木」は香港のポップシーンと地下音楽界が交錯する凄まじい怪作なので必聴…だけど聴く方法がほぼ無い(YouTubeに昔アップされてたんだけどいつの間にか消されてた)彼が音楽を手掛けたAutumn Moonという映画のサントラも素晴らしい。
https://www.youtube.com/watch?v=e2LKZjR-FnY&t=116s
Tumblr media
Caroline K「Now Wait Fot Last Year」1987
ジャケの曖昧な視線が全てを物語っている。人生の一枚ってくらい大好きだけど、ここまで曇り空と考え事が似合う音楽って無いと思う。ノイズ/インダストリアル的な文脈で語るよりも、初期のFeltやYMGに通ずる諦念と憂鬱を感じる。
そしてこれも余談…。去年の5月にSPREADにアレッサンドロ・アドリヤーニが来た時、彼が何してる人なのかよくわからないまま見に行ったんだけど、まさかこれ再発してる人だとは知らなかった。サンキューとか言えば良かった。
8 notes · View notes
Text
混迷した世界の指南書 『武士道』 藤原正彦(2008) 『この国のけじめ』 文藝春秋
 新渡戸稲造『武士道』が売れているという。昨年末(二〇〇三年)公開されたアメリカ映画 「ラスト・サムライ」の影響もあるとかで、数社から合わせて百万部以上が出ているそうだ。 これを聞いて意を強くした。 『武士道』が英語で書かれたのは明治三十二(一八九九) 年であ る。百年以上前の本を現代日本人がこぞって読むのは、健全な危機感のあらわれと思うから (5)である。 庶民は知識や理屈を持っていなくともときに鋭い感覚を示す。多くが「いまの日本は何かが おかしいぞ」という素朴な実感をもっている。グローバルスタンダードを取り入れるといって、企業はリストラをする。学校では「ゆとり教育」を取り入れる。その結果、職のない中高年があふれ、地方の駅前商店街はさびれ、小学校では国語や算数の時間が減らされ、小学生から大(10) 学生に至るまでの学力低下は著しい。庶民はこうしたことに「自分たちの親や祖父が大切にしてきたものが壊されつつある」と感ずるのだろう。我々のよってたってきた価値観とは何だったのか、(1)というルーツ探しに似た感覚が『武士道』を手にとらせているのだろう。  『武士道』の著者・新渡戸稲造は幕末の南部藩(いまの岩手県)で下級武士の子として生まれ、札幌農学校(現・北海道大学)で農業を学んだ後、アメリカに留学しキリスト教クェーカー派 の影響を受けた。アメリカからドイツへ渡り、研鑽を積んだ後、札幌農学校教授、台湾総督府技師、(5)京都帝国大学教授、第一高等学校校長などを歴任、農学者および教育者として活躍するかたわら、東西思想の調和を目指し「太平洋の懸橋たらん」ことを悲願とした。東京女子大の初代学長、国際連盟事務局次長なども務めた日本の誇る国際人である。  『武士道』が書かれた明治三十二年は日清戦争と日露戦争の中間期で、清を破った新興国家日本に世界が注目しながらも警戒心を持ちはじめた時機である。新渡戸はベルギー人法学者夫妻と散歩中(10)、日本には宗教教育がないと話したところ、「宗教なし! それでどうして道徳教育を授けるのですか」と驚かれた。その後いろいろ考えた結果、自身の正邪善悪の観念を形成しているものが幼少期に身につけた武士道であることに気づいたのである。  同時代人である内村鑑三や岡倉天心にも共通するが、新渡戸には日本人の魂を西洋人に理解させたいという熱い思いがあった。そして英語で武士道を紹介することを決意する。西洋人に(15)も理解しやすいよう、ギリシアやローマの哲学、聖書、シェイクスピア、ニーチェなどと我が国の本居宣長、平重盛、頼山陽、吉田松陰らを比較しながら武士道精神の本質について説いた。  (1)『武士道』初版は一九〇〇年にアメリカで出版され、たいへんな賞讃を受けた。感激したセオドア・ルーズベルト大統領などは、何十冊も買い、他国の首脳に送ったという。その後多くの言語に訳されたが、日本語訳は明治四十一年以来、新渡戸の弟子で東大総長を務めた矢内原忠雄訳(岩波文庫)をはじめとしてさまざま出ている。 (5) 私は勤務する大学の学部一年生に対して、日本の名著を講読するゼミを担当している。こと十年近く、真っ先に学生たちに読ませるのが『武士道』である。受験戦争をくぐり抜けて大学に入学したての学生たちは、『武士道』を読んで一様に驚く。高校までに習ってきたこととあまりに違うことが書いてあるからである。とくに戸惑いを見せるのは、(10)名誉に関する部分である。 武士道では、名誉はしばしば命よりも重いとされる。「それ故に (武士は)生命よりも高価であると考えられる事が起れば、極度の平静と迅速とをもって生命を棄てたのである」(矢内原忠雄訳・以下同)という箇所を読むと、戦後民主主義の教育にどっぷりつかった学生たちは、「名誉より自分を大切にすべきだ」とか「生命は地球より重い」などと拒否反応を示す(むろん(15)新渡戸は「真の武士にとりては、死を急ぎもしくは死に媚びるは等しく卑怯であった」とも述べており、いたずらに死を賞讃しているわけではない)。  (1)学生たちのそうした批判に対して、私は「それではあなた方は一体どうやって価値判断をするのですか」と問う。すると「自分の理性で考えます」「主体的に考えています」などと答える。「すごいなあ、なぜそれほど自分の理性に自信が持てるんですか」と問うと学生は困ってしまう。人間には、理性や論理だけでなく、価値判断の基準となる倫理的な座標軸がなければならない。(5)それがない論理的思考は単なる利益追求とか自己正当化に過ぎない。座標軸の役割を果すのは、外国の場合、主に宗教だから、外国人は宗教のない人間を信用してよいものか訝る。  宗教の力がそれほど強くない我が国でその役割を果してきたのが武士道である。武士道は平安時代末期から鎌倉時代にかけて、「戦うものの掟」として生まれた。それはいわば(10)戦闘におけるフェア・プレイ精神だった。卑怯な振る舞いはしてはならない、臆病であってはならない、という観念である。  騎士道がキリスト教の影響を受けて深みを得たように、単なる戦闘の掟だった武士道にも、さまざまな「霊的素材」が注入されたと新渡戸は言う。 まず仏教、なかでも禅が「運命を任すという平静なる感覚」と「生を賤しみ死を親しむ心」(15)を武士道に与えた。 そして主君に対する忠誠、祖先に対する尊敬、親に対する孝行という他のいかなる宗教でも教えられなかった美徳が神道からもたらされた。さらに孔子と孟子の教えが、(1)君臣、父子、夫婦、長幼、ならびに朋友の間の五倫の道、また為政者の民に対する仁慈を加えた。  こう書くと外国のものが多いようだが、禅にしても孔孟の教えにしても、中国ではごく一部の階層にしか広まらなかった。これらの思想は日本人が何千年も前から土着的に持っていた(5)「日本的霊性」 とびたりと合致していたから、武士の間にまたたく間に浸透したのである。 江戸時代になると実際の戦闘はなくなった。それとともに武士というエリート階級の行動指針であった武士道は、物語や芝居を通して次第に庶民にまで行き渡り、戦いの掟から精神へと昇華し、日本人全体の道徳的基準となった。武士道精神はこうして「遂に島帝国の民族精神を表現するに至った」のだ。  (10)武士道は成文化されていない。聖書やコーランのような経典がない。武士道は「書かれざる掟、心の肉碑に録されたる律法」として親から子へ、口から口へと伝えられた。そして知識よりその実践こそが本質とみなされたのである。  私の父・新田次郎は、幼いころ父の祖父から武士道教育を受けた。父の家はもともと信州諏訪の下級武士だった。生家の二階には三畳の間があり、子供は容易なことでは入らせてもらえなかった。(15)なぜならそこは切腹の間だったのである(実際に使われたことはないらしい)。幼少の父は祖父の命で真冬でも裸足で『論語』の素読をさせられたり、わざと暗い夜に一里の山道を(1)上諏訪の町まで油を買いに行かされたりした。父は小学生の私にも武士道精神の片鱗を授けようとしたのか、「弱い者が苛められていたら、身を挺してでも助けろ」「暴力は必ずしも否定しないが、禁じ手がある。大きい者が小さい者を、大勢で一人を、そして男が女をやっつけること、また武器を手にすることなどは卑怯だ」と繰り返し言った。問答無用に私に押しつけた。  (5)義、勇、仁といった武士道の柱となる価値観はこういう教育を通じて知らず知らずに叩き込まれていったのだろう。義とは孟子が言うように「人の路」である。卑怯を憎む心である。林子平は義を「死すべき場合に死に、討つべき場合に討つこと」と言っている。勇とは孔子が「義を見てせざるは勇なきなり」と言ったように、義を実行することである。そして仁とは、「人の心」。慈悲、愛情、惻隠の情、「強きを挫き弱きを助ける」などがこれに含まれる。  (10)他にも、礼節、誠実、名誉、忠義、孝行、克己など大切な徳目があった。なかでも名誉は重要で、恥の概念と表裏をなし、 家族的自覚とも密接に結ばれていた。前述したように名誉はしばしば生命より上位にくるもので、名誉のために生命が投げ出されることもたびたびあった。  武士道精神の継承に適切な家庭教育は欠かせない。戦前に国や天皇に対する「忠義」が強調 された、という反省から戦後は日本の宝物ともいうべき武士道的価値観がまったく教えられなくなったのは不幸なことである。(15)戦後教育しか受けていない世代が親となり先生となっているから、いまでは子供にこれを教えることも叶わない。 (1)新渡戸の『武士道』は日本人の美意識にも触れている。 武士道の象徴は桜の花だと新渡戸は説く。そして桜と西洋人が好きな薔薇の花を対比して、「(桜は)その美の高雅優麗が我が国民の美的感覚に訴うること、他のいかなる花もおよぶところでない。薔薇に対するヨーロッパ人の讃美を、我々は分つことをえない」と述べ、本居宣長の歌、(5)敷島の大和心を人間はば、朝日に匂ふ山桜花、を引いている。 薔薇は花の色も香りも濃厚で、美しいけれど棘を隠している。なかなか散らず、死を嫌い恐れるかのように、茎にしがみついたまま色褪せて枯れていく。 (10)それに比べて我が桜の花は、香りは淡く人を飽きさせることなく、自然の召すまま風が吹けば潔く散る。桜の時期にはしばしば雨が降り、ときには数日で散ってしまう。自然の大きな力に逆らわず潔く散る。  「太陽東より昇ってまず絶東の島嶼を照し、桜の芳香朝の空気を匂わす時、いわばこの美しき日の気息そのものを吸い入るるにまさる清澄爽快の感覚はない」、つまりこの清澄爽快の感覚が(15)大和心の本質と新渡戸は説く。  (1)日本人は、このような美意識を持ち、いっぽうで行動原理としての武士道を守ってきた。新渡戸はまた、吉田松陰が刑死前に詠んだ、かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂、(5)を引く。吉田松陰は黒船来航以来の幕府の政策を痛烈に批判し、安政の大獄の際に死罪に処せられた。この歌は、たとえ行き着く先は刑死とわかっていても、正しいと信ずることをせずにはおれないという松陰の告白である。名誉のためには死も恐れないという態度である。  こうした「大和心」といい「大和魂」といい、武士道精神の精華といえよう。これを世界の人に知らしめた新渡戸の功績は訳者の矢内原忠雄の言うように「三軍の将に匹敵するもの」がある。(10)日清戦争後の三国干渉等で世界が日本に警戒心を強めていたときに、軍事力でなく、誇るべき民族精神によって日本を世界に伍する存在としたのである。 明治維新のころ、海外留学した多くの下級武士の子弟たちは、外国人の尊敬を集めて帰ってきた。彼らは、英語も下手で、西洋の歴史や文学もマナーもよく知らなかった。彼らの身につけていたものといえば、日本の古典と漢籍の知識、そして武士道精神だけであった。それでも彼らは尊敬された。(15)武士道精神が品格を与えていたのである。  世界は普遍的価値を生んだ国だけを尊敬する。 イギリスは議会制民主主義を、フランスは人権思想を、(1)ドイツは哲学や古典音楽を作った。自然科学のうえでもこれらの国は多大な貢献をした。現在経済的にも軍事的にもたいしたことのないこれらの国が国際舞台で主要な役割を果せるのは、彼らの創出した普遍的価値に世界が敬意を払っているからである。 私は、日本の武士道精神と美意識は、人類の普遍的価値となりうるものと思う。 (5)二十一世紀は、武士道が発生した平安時代末期の混乱と似ていないでもない。日本の魂を具現した精神的武装が急務だ。 切腹や仇討ち、軍国主義に結びつきかねない忠義などを取り除いたうえで、武士道を日本人は復活するべきである。これなくして日本の真の復活はありえない。国際的に尊敬される人とは、自国の文化、伝統、道徳、情緒などをしっかり身につけた人である。武士道精神はその来歴といい深さといい、身につけるべき恰好のものである。  (10)新渡戸は「武士道の将来」と題した最終章にこう書いている。「武士道は一の独立せる倫理の掟としては消ゆるかも知れない、しかしその力は地上より滅びないであろう。(中略)その象徴とする花のごとく、四方の風に散りたる後もなおその香気をもって人生を豊富にし、人類を祝福するであろう」 世界はいま、政治、経済、社会と全面的に荒廃が進んでいる。人も国も金銭崇拝に走り、利害得失しか考えない。 (15)義勇仁や名誉は顧みられず、損得勘定のとなり果てた。 ここ数世紀の間、世界を引っ張ってきたのは欧米である。 ルネッサンス後、理性というものを他のどこの地域より(1)早く手にした欧米は、論理と合理を原動力として産業革命をなしとげ、以後の世界をリードした。論理と合理で突っ走ってきた世界だが、危機的な現状は論理や合理だけで人間はやっていけない、ということを物語っている。それらはとても大切だが、他に何かを加える必要がある。  (5)一人一人の日本人が武士道によりかつて世界の人々を印象づけた高い品格を備え、立派な社会を作れば、それは欧米など、荒廃の真因もわからず途方に暮れている諸国の大いに学ぶところとなる。これは小手先の国際貢献と異なる、普遍的価値の創造という真の国際貢献となるであろう。この意味で、戦後忘れられかけた武士道が今日蘇るとすれば、それは世界史的な意義をもつと思われる。
5 notes · View notes
drekani · 1 year
Text
朝から雨でどうしても出勤が嫌だったので、こないだ買った古着のブラウスにパールのネックレスを合わせて、薔薇の香水をつけて行ったら結構元気に過ごせた。
冬場も寒くて雪で嫌だった日に、偏光ラメのアイシャドウにバニラとチョコレートみたいな甘い香水をつけて行ったら少し心が上向きになった。
香水を楽しみ始めたのはここ数年だけど、香りで気分を変えられるの素敵だなと思う。
日記せめて週一くらいでつけたいと思ったけど早速サボりまくった。GWは鬼怒川温泉に行きました。
美容師さんに温泉行きたいな〜って話した時におすすめされたので。あんまり混んでなくて良いですよ〜って言われたんだけど、本当に混んでなかった。いや連休なのでお土産屋さんとかご飯屋さんは結構人いたし列んだりしたけど、東京に比べたら…
友達と旅行にいくといつも予定を詰め込んでしまうのだけど、今回はとにかく温泉に浸かろうというコンセプトでリッチな宿に泊まってのんびりしました。すごく良かった。ご飯もおいしかった。あさやホテル、おすすめです。老舗ホテルだから綺麗でサービスも行き届いているのだけど、ところどころ昭和感があってわたしはそれもすごく好きでした。
のんびり旅行またやりたいな。ぬいの写真もいっぱい撮れて良かった。
Tumblr media
2 notes · View notes
kei-life · 2 years
Text
『令和四年の秋模様』
 
皆既月食が、自宅のお空に浮かんだ先日。
Tumblr media
このところの気温の変化に、我家の庭にも、深い秋の姿がチラホラと近づいて来ました。
うちの庭には薔薇が数種類地植えしてあるのですが、どうやら最近の気温の低さに、葉が紅葉して散ってきたみたいです。
Tumblr media
あまり綺麗な写真ではありませんが、この薔薇の名��「ラレーヌ・ビクトリア」。半蔓性で、沢山のカップ咲きの優しいピンク色で、美しい香りをたたえる花。
夏を乗り切り、秋の穏やかなタイミングで秋咲きを期待しましたが、気温の変化と陽当たりに翻弄されてか、今年は残念な結果になりました。
そんな中、俄然息巻いて咲き誇ってくれているのが、「ヘンリー・フォンダ」。見ての通りの目が覚める黄色に、まとまり良い花弁、そして芳しい強めの香り。夏の暑さと秋の残暑を、どこか名残惜しむかのよう。
Tumblr media
散って去る草花が増える中、我家の元気印。まだ少し蕾もあるので、11月いっぱいは楽しませてくれると期待しています。
…でも、寒暖差大きいここ数日。
今朝方、フラフラと一匹のトンボが日光浴に、我家の白壁に留まりました。いつか見た元気さは鳴りを潜め、静かに余生を送っているかのように、朝陽をやんわりと浴びている姿は、まさに晩秋の風情。
Tumblr media
令和四年の秋模様。
少しづつ、少しづつ、晩秋へ。
8 notes · View notes
orange-moka · 1 year
Text
【スナップ撮影】そろそろ、薔薇の花が見頃かも!?
カメラを持って、薔薇の花を満喫しよう! 写真を撮りながら香りも楽しんじゃおう!!
春の薔薇を見に行こう! ゴールデンウィークも終わって、 これから祝日がない日々が続くと思うと・・・ちょっと憂鬱ですが。。 世間は、春の薔薇が見頃に!? 春の薔薇は、香りも強くて楽しめるイメージ😄 特に朝は、抜群の香りが楽しめる🌹 次回、 薔薇の花が楽しめる場所をロケハンに行こう📸 Continue reading Untitled
Tumblr media
View On WordPress
2 notes · View notes
dolcissimamiavita · 1 year
Text
"Sur la mort d’une rose" par Raymond Radiguet
Cette rose qui meurt dans un vase d'argile Attriste mon regard, Elle paraît souffrir et son fardeau fragile Sera bientôt épars.
Les pétales tombés dessinent sur la table Une couronne d'or, Et pourtant un parfum subtil et palpable Vient me troubler encor.
J'admire avec ferveur tous les êtres qui donnent Ce qu'ils ont de plus beau Et qui, devant la Mort s'inclinent et pardonnent Aux auteurs de leurs maux,
Et c'est pourquoi penché sur cette rose molle Qui se fane pour moi, J'embrasse doucement l'odorante corolle Une dernière fois.
この薔薇はテラコッタの花瓶のなかで枯れてゆき
それが私のまなざしを悲しませる
薔薇は苦しんでいるように見え、やがてその壊れやすい重荷を
散らすだろう。
散り敷いた花びらが食卓の上で
金色の冠をえがき
それでもなお、ほのかな、しかしそれとわかる香りが
漂ってきて苦しませる。
私が心から愛するのは、より美しいものを与えてくれる
すべての存在、死ぬ前に頭を下げて、その苦しみの原因となった者を
赦す存在。
それゆえ、私はこの脆い薔薇、目の前で枯れてゆく
この薔薇の前にかがんで
最後に、良いにおいの花びらに
優しく口づけする。
(レイモン・ラディゲ「薔薇の死について」)
6 notes · View notes
yfukuoka · 2 years
Photo
Tumblr media
【****日目】2022-11-17 カタールワールドカップ2022にまったく興味のないのですが…食をきっかけに興味が出るかも? JICA東京レストラン@幡ヶ谷 ‪____________________________________ *Machboos マグブース 中東のカタールだけでなく、バーレーンやUAEでもよく食べられるというマグブース。Qatarian Biryani…カタールのビリヤニということでいいのかな?作り方を調べてみると、パエリアのように作る方法と、インドのタミル式ビリヤニのように作る作り方も出てきて、答えがわかりません。 現地では、レモンを砂漠で干した乾燥レモン「ルーミ」を使うそうですが、こちらではフレッシュレモンの皮を削ってかけてあります。このレモンフレーバーと、さらに薔薇のローズフレーバーも合わさって独特のいい香りに。 しっかり下味を施された鶏肉。ライスはコンソメブイヨンの旨み。ワールドカップのおかげでこんな素敵な料理に出会えました。 JICA東京レストランは、入国規制がなくなったからなのか11月からかなり混むようになりました。聞いたことのない言語がたくさん飛び交っています。ドキドキします。 ‪____________________________________ 🇶🇦 #jica #Qatar #Qatarian #asia #asianfood #foodpic #foodstagram #tasty #delicious #spice #biryani #machboos #カタール #中東料理 #ビリヤニ #スパイス #フクドローン #ふくすたぐらむ #カレー ではない (JICA Tokyo International Center) https://www.instagram.com/p/ClKlIISycDu/?igshid=NGJjMDIxMWI=
6 notes · View notes
yoghurt-freak · 14 days
Text
Tumblr media
Bocca Paint Lassi ROSE PETAL TEA
北海道伊達市の乳製品ブランド(ぼっか)さんが新たに展開されるペイントラッシー。
少し前にノンアルコールカクテルをイメージした2種のレポを投稿させてもらったんやけど、今回は香りを楽しむ2種のご紹介💁🏻‍♀️✨
どちらもオンラインショップの限定テスト販売で入手。
スペック
ローズペタルティーとクランベリーフレーバーを配合した無果汁の飲むヨーグルト。
主な乳原料は生乳で、牧家さんの自社牧場で搾ったものと、伊達市近郊の酪農家さんのものが使用されているそう。
ローズペタルティーは薔薇(ローズ)の花びら(ペタル)を乾燥させたものにお湯を注いで作るハーブティ。
優雅な香りがあって、美容や女性ホルモンのバランスにもいいという噂🥀
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ 開封 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧
おー、ティーシリーズも変わらずもったりとした重み👏
やや暖色を感じる暗めのクリーム色。
ローズティーやからって変に着色せずに、自然のままの色なのが嬉しい。
香りは離れてたらわからんのやけど、近づくと不思議な香り!
ローズペタルティは飲んだことがないけど、代わりに自分の経験で引っ張り出せるところで言うと、ローズヒップティにも似てるような、酸味のある華やかな香り。
クランベリーの元気な感じもある。
一瞬、酵母発酵の香りと混同しそうな何かもある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ 頂きます🙏 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧
おぉぉぉ、ふくよか😳✨
予想と違った。
ふんわりふっくら感じられる。
そしてすーっと清涼感にも近いような爽やかさも。
優しい甘みとほんわかしたフローラルな香り、そしてこの清涼感はクランベリーの酸味なのかなぁ。
やっぱりどこか酵母っぽい香りもありつつ、ふわふわとした掴みどころのない不思議な味わい𓂃 𓈒𓏸
思ったほど主張が強くなくて、落ち着いて一人でじっくり飲むのに向いてるリラックステイスト。
これ、個体差強いかも!
2本目は酵母の風味がほとんどなくて、バラに優しく包まれたような優雅な香り🌹
お仕事頑張った日に、ふかふかのソファでこれを片手にくつろぎたい。
============================ 無脂乳固形分 8.0% 乳脂肪分 4.0% ————————————————— 栄養成分(1本200gあたり) エネルギー 170kcal たんぱく質 5.8g 脂質 8.9g 炭水化物 17.7g 食塩相当量 0.2g ————————————————— 原材料名 生乳(北海道)、ハーブティー、乳製品、砂糖/香料 ————————————————— 購入価格 8本セット テスト販売 3,240円(税込・送料無料) ————————————————— 製造者 株式会社 牧家 ============================
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
0 notes
ari0921 · 7 months
Text
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)2月17日(土曜日)
   通巻第8136号  <前日発行>
 やっぱり財布は底をつきかけていた
  旧正月の中国、90億人が移動する筈だったが。。。。
*************************
 パール・バックの名作は『風と共に去りぬ』。英語はGONE WITH THE WINDである。
 「去った](GONE)と『サウスチャイナ・モーニングポスト』が皮肉を込めて報じた(2月16日)。中国の経済繁栄がおわり、不動産バブルが破綻し、贅沢を楽しんだ時代が去った、と多くの中国人が認識している実態を伝えた記事である。 
 中国の旧正月といえば獅子舞ならぬ龍舞いが練り歩く。世界中のチャイナタウン名物で凄まじい人出がある。コロナ禍があけて、旅行ブームが再開、旧正月の八日間の連休には90億人が移動すると当局が薔薇色の予測を出していた。
 旧正月がおわり、雇用の鳴る人は職場に戻る。失業者は職探しの続き。どれほどの人が動いたのか、最終統計はまだ発表されていないが、中間報告的な数字を見てみよう
 2月14日、この日一日だけの中国新幹線乗客は1425万人だった。上海から杭州、蘇州などの名勝見学が圧倒的で短距離が特徴。1月26日から2月14日までに中国の国内新幹線を利用した人は2億3000万人だった。
 「安い、近い、短い」(安近短)が合い言葉、杭州から香港への「日帰り」ツアーも新記録となり、また日頃地方の庶民とは無縁の北京、上海、哈爾浜への国内旅行もやや盛況だった。
 香港旅行がなぜ「日帰り」かと言えば、店が完全に休みとなって買い物が出来ないこと、ディズニーはアトラクションが少なくて魅力に乏しく、幸運の占い、神頼みは黄大山へ行く。そもそも香港人は自由を弾圧されたため中国人を歓迎しない。
 
かわりに中国人が集中したのはマカオだった。通年でも一日平均12万人の博徒が襲来するが、旧正月は一日平均20万人、旧正月五日間で90万人にのぼった。不景気だと、逆にギャンブラーが増えるわけだ。
 海外旅行の行き先はタイ、次にマレーシア、シンがポールである。いずれも中国人にはビザが不要。また格安航空券も稼ぎ時なのに、上海─済州島が2・6万円、昆明からシンガポール往復が2・8万円だった。
タイは中国人ツアーが二倍となって入国審査に三時間。旧正月期間中、45万人強が訪れた。通俗的にエメラルド寺院や暁の寺にも行くが、中国人ツアーがまっさきに行くのはバンコックやチェンマイのチャイナタウンである。
 あれほどの日本ブームはやや冷却した。中国人のアンケートで「一番行きたい国」のトップは日本だった。2019年のピーク時、中国人の日本旅行は960万人だった。2023年は回復基調だったとは雖も、往時の四分の一、240万人だった。
 インバウンドを期待した旅行業者の思惑はおおきくはずれ、ツアー客が殆どいなくなった。個人旅行が増えたのはビザの関係と言われる。日本において嘗ての「爆買い」は蒸発したが、来日客は宝石、宝飾品、骨董に狙いを定めた。
 たとえば年代物のウイスキー。昭和の郷愁が残るフィルムカメラも骨董品でかれらの投機対象となる。一本三十万円もする包丁に名前を彫ってもらう一点買い。ブランド物もまだ人気があるものの、換金能力の高い順番に物色しているのが実態である。
日本製の日常実用品も人気がある。とくに医薬品、それも目薬から胃腸薬、化粧品、オロナイン軟膏の人気は高く、ドンキホーテでは「消せるボールペン」とかステンレスボトルとか、日本人があまり興味を聞かない品物が売れる。
日本でも風景が変わった。
外国人観光客のインバウンドは盛んだが、最大の理由は円安である。ドルの所有者なら嘗て200ドルだったビジネスホテルが120ドルくらいで宿泊できる。レストランは北東アジアのなかで一番安い。
「おもてなし」は世界的に有名で珍しくもない。観光地で騒がしかった中国人がほとんどいない。白人系、それも高級ホテルか、民宿組にはっきりと分かれた。ニセコも団体客はほとんど不在、個人旅行がスキーと温泉を楽しんだ。著者の近所に外国人で賑わう民宿的なホテルがあるが、早朝から深夜まで大きな荷物をごろごろと音たてて、地下鉄駅を往復しているのは白人が多い。あの中国人はどこへ行ったのか?
2 notes · View notes
kotobatoki-arai · 26 days
Text
ひどくもろくみえづらくさわれないもの
 たとえば  /むきだしの内臓  /メモワールの墓標  それなりの垂移にSpinを捧げる   この『たまらなく はがゆいうた』  あなた自身を映し出すわたしの瞳が存在を憶えているから、それ以上も、逸らすことも不能だった。ひらかれた例題にも、観測できず くそったれな月光の結合を視するうちに、(自嘲を溢している。)念入りな退屈の宙吊りを見物しながら……驚きのあまりに際して、睡ネブるのみ/では、影絵の受け答えはつづきもの、あの子はまだ遠くを眺めながらおはなししているらしかった。  あの摩耗したグリーンハウスの、ぬるめ触れ書きは無学の昔を留置している波が、羽根が、梢が躊躇うばかりの類例を喚ぶのだとおもった。死後に伴う永い切符を、いま、わらう主人を――芽生えだしたものは、また唄い肇めるまでわずかの差異を。   憐れな___を。跨ぐばかりで  振り子時計の針も戻った気がして。あんな虚ろな風貌を見せかける弱さを寂しさとして。ざらざらと遮るもの/ふわふわと授か��こと。隠蔽色に赤らめて(やまない)幸せを抱いたげて/こう平然とした古書だけが残る。斜向かいの馴染の靄に後ろが荒ぶるといえる駄物である。  見世物に記するグロテスクな溝にある関係をこうしてあらわにさせるが、今更 ないような感覚 思い浮かべたメロディを等分した インチキは贈呈品の一泡にすぎない。すべて空々しい鋳露に 色彩ができるなら。  やわらかな殖えは貧しさと撒く、入江に張り詰める、自我と対象と比べられない。水平線が熔けゆく有り様を来訪者と、見紛う 経帷子の花のきみわるさをチラつかせる、〝夕暮れ・朝焼け〟などに/余すところなく震えている。   海龜の泪をみた気がする  これは無自覚な両腕が掬う古びた箱。じかに封にするには。おそらくは乱暴ないい方では底の浅い人間 丁寧なわらい肩で。口元だけ温むけれども。掻爬したものの、きれぎれのいっぺんは荒野を泡立て無垢ないしのかけらを求め、喉に絡まる観賞魚を養いながら。垂れ込める鱗翅類の大池、むさぼり眺める、むしのいどころ/止め処無く、憐れむのですが。  なんていっても 帆を上げれない・なんて。おもえば・座敷に経る波紋に抜かれる。(もう掴めない風通しの両足、枝々と祀られる卑しい蛇を消せない、恋人が溺れている)〝有り触れて〟ゆずらない ほんとうのことは。手のひらで著アラワすけれども。迂曲するばかりに蔑んだ価値判断を、確かに。胸苦しい山頂には残照が灰で煤で、泥を吐く冬戯フユザれに、ある寂寥の旋律はふと咲ワラう。   意識朦朧の閃光でしょうか  あまり立見席はまだを識らないが。切ないおもいででも、途して締まって。塊の体系をまた肩紐の堅物の片方の形見だけ傾きつつある。白栲シロタエの余情だなとやはり責め立てるこのザマだ。引きだしの天井にのしかかり、わななく粒子と気体は こきあげるように巡り、両の眼だけ傍で在り続けるなら、しまいを頂戴。とあちこち空々しいばかりの雨 ぽつぽつと染み込んだあの、   よこしまな序文について (いままでを畏れ、従いましょう)  忘れ果て 無感覚になる 浮薄時半  徒労もないくせに、物静かに褪色する体言・壇 少焉は、薔薇色だった亡骸を。  描写するおろそかな滑車に軋み、うつ伏せの息吹の音一本ずつ。目眩に窃ヌスまれる砂を房で、咲かせたら? 餞ハナムケに由来するたなざらしの、ありきたりの見解や、次第に薄れゆく生形キナリ海図に応じて。複雑で干潮で頼りない朽葉が仰山、渇いた枝に絡まる名残/なんぼかの膨らみ。慢性的な土壌が折れ半角の目合い、相場より。あとが/ものが。どちらかを――刺し抜いた薄紫の風が気だるさに削られたほど小刻みに押しつぶされて。いきをのむ島へ、  けれど燦燦と域の音を絆ホダし残響を鳴らした鴉は? あたりいちめんそれきり。しどろもどろの――むこうは知っていたのでしょうね。こう揃えられた腹と腿と、つばさとハンカチと、言いなりの耳朶。まぁ小さな蜘蛛でしたわ。たったひとつだけ展望台で、しげく。 (いくつかの私物の糸があった。)  近く遺作の計画は前髪が濡れている  あらやだ。/「襟が汚れているな。」  ……末尾の賑やかなこと (さきもみえない/私は/あとがない)  たまゆらに咲きかけた水面下に、  『いまにして大地に、作り笑い 慎ましく 寂しかったよ』   ――おそらく輪郭は僅かにヌメる累の血を    磨りガラスの表紙に    やぶれかぶれと当たり散らしました  平行線の綱渡りと、たまらなく かゆいうた  それはきっと浜昼顔のように易しく有りましょう 私は 息苦しい みぎてのゆびきり。  すまなそうに被る月はそっとおぼろげ、意固地な人形の 星を鏤め��め戻した、遊戯の最中でなきやんで。手渡されたこのごろも晴れて あえかに寄せた情景を鮮やかに遷した、完璧な欠乏がこうして呼吸を投げ出すとき。――それほどの多岐に亘り。  気が遠くなるほど 波をひきしだいて、いきものの美星は狭間で、無作為リズムひとつ。切手を貼らずに〝ふむ、潰す、つまむ、捻る〟黙想の腕、中だるみに痺れた約束とこれはもう雪の華だろうかねぇ。  不条理はその見栄を戸に預け、ひょろひょろと櫂をしずくを、崩れ落ちた小言を並べていった。一度にあたえる心臓のあたりが軽薄な童謡を焦らないように 譜を生きて往く尽きか展翅だった。たからかな理念か痩果・容姿類似がおおく夙に奔放とも閉口して。天明アシタにいいなおせるから、  そうだろ。感傷的なオラシオンならまだ追い縋る、暗外。完結済の。出入り口だというのに理コトワるまでもなく、手順を通りすがりの流行りにのせ。脈の目撃者の凹みを緩衝するこの完全な密室では、またずいぶん人馴れしていて暮色の濃淡とほおずりする、宴席がある。  どの少女も寝言なんて華やかな悪知恵だって  とんと音は溶けて、瞬間の真ん中に転がりこむ 『詞先シセンの助手は台本と斎サイを留めた罪人の献花をはじめる』   碑が透る思惑は鉛の頭が引き起こします。  またあなたは郵便受けから、かすかに若草の展望にひらかれた。浮世、ほのかにあふれる丘の靴音だけを期待し、踏み惑う木の葉と散り歩くこと。いくつもの汀線を/視線を気にして/眼尻を決して。闇に湾曲した傷だからこそ、空々しい獣を抱きかかえてみせるのに。この手を離れた影を再び見つけ全身に戯れてた香りはなんというか、伝わるのだろうが。――切り開いた気配として未来を天に還し、そして過去としてひかりを探りあて海に翔けることができます。  詩篇が胚を箸に変えることは指を汚すけれど、慌ただしく泥濘むだけで。延延とむずがる諦めだろ、と罵る鼓翼。事実より塵架かる。蛍火が細濁ササニゴり、惨い/ともしび。と夜を混めて流れ落ちた襞の暁は、「果たして衝動的な気分なのか。」 2024/06/15
0 notes
kachoushi · 26 days
Text
各地句会報
花鳥誌 令和6年9月号
Tumblr media
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和6年6月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
切り通し省線吹きし若葉風 軽象 蜘蛛の囲に閉ざす社の狐たち きみよ ことごとく夏蝶となる水飛沫 緋路 白あぢさゐ女ばかりに愛でられて 和子 黴の間の亡者に点るシャンデリア 光子 夏の子はジャングルジムに天下とる きみよ 飛鳥山生まれ育ちの蟻の列 三郎
岡田順子選 特選句
乾きたる蛇口の先は夏の雲 緋路 黒南風やおづおづ開くみくじ歌 昌文 南天の花棲み古りし街の隅 美紀 黴の間の亡者に点るシャンデリア 光子 途切れなき列車音聴く四葩かな 風頭 ががんぼ来オルガンの鳴り止みてより 緋路 葉脈の青き稲荷の額の花 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
たてがみに綺羅したゝらせ競べ馬 かおり 負馬の負けを恥ぢざる眼の涼し たかし ユーミンの曲初夏の競馬場 美穂 負馬の誰にともなく息一つ 成子 鬼瓦の鼻ふくらめる若葉風 愛 熱砂駆け鼻息荒し佐賀競馬 たかし 競べ馬シャガールの馬天を駆く 修二 薔薇園にダイヤモンドのやうに雨 愛 勝馬に寄り添ふ笑顔女騎手 久美子 楽屋口より美しき絽の裾捌き かおり バンクシー赤い風船追ふ少女 修二 萍の沈黙にある水一枚 朝子 鞍壺に託す一戦競べ馬 久美子 蟻は蛾を人は柩をかかげゆく 睦子 早苗田の水の世界を行く列車 愛 紫陽花やすこしはなれて宇宙船 睦子 ひつそりと咲くこと知らず濃紫陽花 たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月3日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
短夜の沖に生活の灯のともり かづを 短夜や和尚偲びて尽きぬ宿 笑子 黒南風の精舎を昏め沈めをり 希子 十薬や花明りして父祖の墓地 匠 網を引く明易き浜声合はす 同 悠久の光を溜めて滴りぬ 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月6日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
麦の秋鳥の旋回しばし見ん 喜代子 黄金を刈り取る如き麦の秋 由季子 短夜に一夜の旅の用意せる 都 麦秋の大地を分ける鉄路かな 同 逝きし人思ひ起せる虹の橋 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
体内のおほかたは水田水張る 都 湯上りの鏡を閉ぢて蛍見に 美智子 麦秋の金波を運ぶ風頰に 宇太郎 春雨にすつかり濡れて泣黒子 悦子 杜深しすだまの降らす花樗 美智子 校庭に名札を付けたミニトマト 佐代子 南天咲く早世力士悼みては すみ子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
空晴れて植田始まる農学部 亜栄子 一村に水ゆきわたり植田かな 百合子 としあつ師偲ぶ薄暑の石仏 教子 枡形の山気を吸ひて蝸牛 三無 下闇や気づけば猫の傍に 白陶 紫陽花の青き滴を受ける句碑 三無 月光をのせて十薬母の逝く 幸子 奥信濃瀬音まじりに河鹿鳴く 美枝子 故郷は懐深く初夏の旅 教子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月10日 なかみち句会
老鶯の声高らかに姿なく 廸子 老鶯や森の静けさ澄み亘る 聰 網戸開け小さき一匹逃しけり 貴薫 書を開く網戸の風の良き加減 三無 緑陰の􄼱間の光踏み遊ぶ のりこ 緑陰や刹那休らふ盲導犬 美貴 緑陰の森歩す空気異次元へ ます江 緑陰に入れば降るもの香るもの 怜
………………………………………………………………
令和6年6月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
風鈴を今年は出さうかと思ふ 昭子 石庭の砂紋に僧や水を打つ 時江 麦秋や己は小作小百姓 世詩明 万緑の真つ只中で友となる 三四郎 玻璃に付く守宮の目玉大きかり ただし ぬけぬけと嘘吐く男草虱 世詩明 堰音の六月の水裏返す ただし 田植済み静かな寝息一村に みす枝 一望の青田や下校チャイム鳴る 時江 野仏の一重まぶたや著莪の花 ただし サングラス外して白き歯を見せる 昭子 音もなく崩れる雲の峰一つ ただし 僧逝きて幾年寺の木下闇 英美子 緑蔭の不開の門や鐘響む 時江 菖蒲の湯頭脳ゆつくり休ませり みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月11日 萩花鳥会
久々の娘とのドライヴ花菖蒲 祐子 夢誘う伊豆の旅寝の夕河鹿 健雄 薫風に一味添へてウイスキー 俊文 能登思ふ絆の祭始まりて ゆかり 太陽の恵み包みし枇杷すゝる 吉之 夕立の雲が覆ひし我が旅程 明子 鮎解禁河原で塩焼き白むすび 美恵子
………………………………………………………………
令和6年6月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
黒い線行つたり来たり蟻の道 紀子 内緒話浜昼顔がそつと聞き 同 初夏や日々の葛藤過ぎゆきて 光子 畳紙に包まれし物黴にほふ あけみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
紫陽花のしづくを朝日移ろへる 千種 木道の谷戸田の隅に余り苗 幸風 木下闇これより先は獣道 慶月 夏草や弥生時代の息遣ひ 三無 水無月の木霊に道を迷はされ 千種 里山の道標なる立葵 ます江 濃あぢさゐ彩を増す夜半の雨 幸風 半夏生白く人声遠くせり 千種 夏蝶の白の大きく森に消ゆ 慶月 木道に釣り糸垂らす夏帽子 経彦
栗林圭魚選 特選句
鳴き交はす鴉に梅雨の森深く 要 滑り台順番を待つ夏帽子 経彦 今年竹撓ひて風の行方追ひ 三無 雨上るもりの朝やねむの花 芙佐子 紫陽花や森の匂ひに深呼吸 ます江 万緑や森に命を繋ぐ雨 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月17日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
露草に一輪挿の織部かな 雪 白鳳の野々宮廃寺跡 同 僧偲ぶ僧の手描きに絵団扇に 同 夏蝶の祈るが如し辻地蔵 同 終電の汽笛編戸を通し聞く 英美子 竹落葉散る音を聞く真昼時 同 毛虫焼く南無阿弥陀仏唱へつつ みす枝 咲いてをり咲きかけてをり七変化 かづを 白寿まで闘志抱きて更衣 清女 鷺一羽思考してをり青田中 やす香 売れ残る金魚に疲れ見えにけり 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
青葉木菟夜を鳴かねばならぬかに 雪 五右衛門の煙管煙を吐ける山車 同 籠枕夫の遺せし油の香 清女 短夜を添ひ寝の犬に鼾きく 同 蜘蛛の囲の細きにかかるものは何 啓子 懐しき���に逢ふ夢明易し 笑子 風鈴の音とはならぬほどの揺れ 希子 短夜や星を眺めて聴く話 隆司 浴衣着て祭囃子の音に酔ふ 同 風鈴もそれぞれの色兄妹 和子 雨欲しきあぢさゐに色無かりけり 同 今夜だけ風鈴しづか話さうよ 令子 短夜や時の静かに広ごりて 千加江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年6月21日 さきたま花鳥句会
刺身盛り紫蘇一枚の境界線 月惑 路地裏の暮色に媚びる七変化 八草 夏見舞幼き文字に磯の風 裕章 草刈りの終へて現はる地平線 紀花 麦秋の風入れカフェの読書会 康子 梅漬けの重石に亡夫の酒の瓶 恵美子 たまゆらの時をあづけて啼く河鹿 みのり 麦の秋うねる大地の広々と 彩香 地に影を一瞬黒く夏つばめ 良江
………………………………………………………………
令和6年6月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
白鬼女の渡しと伝へ草茂る 雪 欠け初めし月に崩るる白牡丹 同 尻重な返事のいまだ梅雨に入る 同 山笑ふ声に呑まれてしまひさう 同 高層のビルに飛び込む夜這星 世詩明 夏旅に背中合せの駅の椅子 同 風遊ぶままに青田の百面相 同 極楽の風吹く寺に夕端居 ただし 朝倉の水の音する青蛙 同 音もなくむくりむくりと雲の峰 みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
0 notes