#助けられそうなときに助けてダメだったときは観念して、疑���れたり取り調べられたりするしかないっしょ
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moko1590m · 7 months ago
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落ちている財布・カードなどを見つけた 道端で苦しんでいる人を見つけたetc. →自分一人で助けられると早合点せず、協力を求められる他者が近くに居れば協力を求め、 できるだけ最も適切な処置をとる。 警察も万能ではない。例えば、カードのことはカード会社に通報する方が適切。 安易に他者に責任転嫁しようとせず、自分にできる最も適切な行動をとるべき。
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blue-aotan · 1 month ago
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ハロー(´ー∀ー`)2025.5.25
最近は前ほど映画を観ていないのですが、サブスクも観たいものがあまりないなーと思いつつ、映画熱があまりないだけなのかもしれません。来月はイカゲームシーズン3が始まるのでその頃にネトフリに入って色々観ようと画策中です。
先日、GEOのSwitch2抽選結果がでました。なんと当選しました😭メールが来た時は鳥肌が立ちましたwそして姉も当選しました🤣これで発売日入手が確定いたしました(別に発売日に確実に欲しい!!!ってことでもなかったのですが←)楽天ブックスもAmazonも外れたので、GEOも外れるのだろうって思っていたので驚きました。感謝の気持ちでお祈りしました〜神様ありがとう🙏
ということで6/5が楽しみですねヽ(´>∀<`*)ノマリカセットが当たったので姉と姉の子供達とチャットを繋げて遊びたいと思います笑
(周辺機器とか画面保護シートとか買わないといけないですね…というか必要なものがあるか調べないとだな)
「思い出のマーニー」を見返しながらこのブログを書いていましたが、やっぱりこの映画は号泣してしまいます。主人公のアンナが段々笑顔を取り戻していく様子も、あの湿地の屋敷に住むことになった東京からきたサヤカちゃんもめちゃくちゃ良い子だし、病気静養でお世話になったおじさんとおばさんもとても良い人だし、アンナを引き取ったおばちゃんの辛さとかにも感情移入してしまうと泣けるし、何よりマーニーの謎が解けた時の感動が何度も泣いてしまう😭
過去と繋がって、アンナがいかに周りの人に愛されていたかということに気づいていくとても心温まるストーリーですよね。マーニーがとっても可愛い。かなりデトックス効果が高めの作品です。
そして土曜に半年ぶりくらいに映画館へ行ってきました。
「ミッション:インポッシブル ファイナルレコニング」
169分という長さでしたが、トムクルーズは本当にすごい・すごい・すごすぎるといった感想しか出てきませんでした←
今作でタイトルに「ファイナル」とついている通りシリーズの終わりってことなのでしょうか。ストーリー的には綺麗に終わりました。エンティティと呼ばれみな口々に「それ」と言ってましたが、AI(それ)対人間対人間みたいな笑
AIに牛耳られ人類は滅ぶのか、AIを掌握し自分の思い通りにしようと企む者、そしてAIを止めようとするチームイーサンの奮闘劇って感じでした。
結構ハラハラドキドキする展開が多くて、かなり体に力が入ってしまったり今回チームイーサンの中で死亡者も出たりして泣いたのもあったしかなり鑑賞に疲れましたw w
でも本当に面白かったです。しかしトムは63歳であんなに全力疾走を何回もできるもんかね…かなり走らされてました←でもあの走り方好きなんだよねぇ😌🏃💨
そして今作1で出てきた人が出演したりして、そんな繋がりがあったのか〜とか(正直1の内容覚えてないけど)過去作の映像も色々出てきたりしてこんなに長尺になったのだろうかとか考えちゃったよねん。
海の中に潜水するシーンが多くて、めちゃくちゃ苦しくなったしミサイルがいつ爆発するのかとハラハラしたし、窮地に陥って深海で裸一貫になるトムとかもうめちゃくちゃすぎるんですよ。
AIと繋がったり、プロペラ機の翼の部分でしがみついたり。でもね、敵をボコボコにするシーンを音だけで見せなかったり結構気絶させられてからの場面転換とか多くてその辺がミッションインポッシブルな感じしましたよね←(どんな感じだよ)
63歳のトムを気遣った展開なのかなとか、もちろんゴリゴリにアクション頑張っているのですがちゃんと抜くところは抜くといったところなのかw
宿敵ガブリエルとの死闘のラストが何ともお笑い全開で笑ったよね。というか笑えるポイントもいくつかあってホッとしたよね。
チームイーサンで亡くなったキャラは本当に残念すぎたけど、その後は皆無事だったから本当によかったです。(爆弾処理班が最後10秒でまあまあ遠い避難通路に走ったのは本当に間に合ったのかという疑問が出てくるが←私だったら確実に死んでる)
そしてラストがね、私的には本当によかった。人類をAIから救ったイーサン達を誰も知ることなく、あの大衆の中でチームが解散する終わり方はとてもかっこいいと思いました。だって多分ほとんどの人間が地球がそんなことになっていたとは知らなかったはずだし、���通に生活を送っている間にイーサン達や軍関係者、大統領が動いていた事とか知らなかったはずだと思ったんですよ。
だからあの大衆=映画を見ている私達なんだとも受け取れるなと感じたし、その何も知らない私達の側に確かにチームイーサンは居るんだってメッセージを私は受け取りました。
今の現実世界へ向けての大きなメッセージもあるなと感じたんですよね。AIの問題とかただの絵空事ではないと思うし、都市伝説の話とかも好きだからよく見るけど7月の予言の事とかもあるけど【もしも人間が窮地に陥ることが起きたとしても人と人は助け合える】みたいな壮大なメッセージを感じました。
(※私の勝手な解釈です)
みなさんぜひ映画館で観てください!!!と大きな声で伝えたいです。
そしてラストも涙が出て私は退場する時、階段を降りているところで鼻の両穴から鼻水が盛大に吹き出しマスクの中が鼻水祭りになったことをお伝えしたいと思います。
(どうでもいい情報だし汚いわ←
そんでさー、ソウXを観に行った時も気分悪くて途中吐いたって言ってたんだけども今回も結構気分悪くなってずっと息苦しかったんですよね。映像の点滅もきつかったし、大画面での情報過多もきついと感じることがありました。これはもしかしたら映画館という閉所がダメになりつつあるということなのか、他人が密集する閉所がダメっていうことなのかこの症状は一体何なのでしょうか。今ネットで調べてみたら「パニック発作・広場恐怖症・閉所恐怖症」などが該当しそうに思えました。今後は映画館へは気軽に行けないかもしれないなと感じましたね😭あまりに酷いようだったら病院に行くという手もあるだろうし、今のところは映画館だけなので行かないようにすればいいという対策ができるので大丈夫でしょう。悲しいけど…
そんなこんなで書き忘れていた少し前に見た映画の感想↓
「インサイドヘッド2」
とにかくライ���ーにイライラした。そして「シンパイ」が超イライラした←
ライリーの学生生活に何一つ共感する部分がなくて、親友達を大事にできないことに無性に腹が立ちました。私が友達だったらライリーとは友達やめます←
ただ多部未華子さんが声優めちゃくちゃお上手でした。声も可愛いよね。でもあの可愛い声じゃなくて、ちゃんとシンパイのキャラに合った声になってました。
「ライオンキングムファサ」
子ライオンって何であんなに可愛いのでしょう。ムファサっていうよりスカーの子供時代タカの話って思えた。あんなに誰よりも優しいタカがスカーになるなんて…何か嫌だよね←
しかもそのきっかけが雌ライオンの取り合いだし、ムファサがちょっと抜け駆けした嫌な奴だった←
モヤモヤだよねー。
「君たちはどう生きるか」
これさー、���っきり言うと全然面白くなかったんだよね←
今までのジブリって8割わかって2割わからんみたいな比率だと思っていたから、その2割わからん部分が見る側の解釈を広げるんだとも思っていたし子供の時と大人になって見返した時の感想が変わるのが魅力だと思っていたんだけども。
この作品は2割わかって8割わからん感じでした。(※個人の感覚です)
8割わからん=面白さも皆無
というかストーリーが本当に意味わからない…ざっくりで言うと母親が火事で亡くなって父親が母親の妹・夏子と再婚してお腹には子供がいて、主人公のマヒトが夏子の大豪邸の実家へと引っ越してきたところから始まるんだけどもそこで起こった不思議体験みたいな感じです。この複雑な家族関係もそうだし、マヒトの夏子への感情はただの苦手意識とか受け入れられないといった感情だと思っていたけどどうやらそうではないことを感じながらストーリーが進んでいくんだけど、転校先でいじめられて帰り道に自分で石を頭にぶつけて流血するシーンは「???」ってなりました。
ただ単に学校休みたかっただけなのか?とも思ったけど、よくわからんかった←
そして青鷺が現れて、言葉を喋りそこから不思議な世界へと誘われていくんだけども、その理由も行った先の世界の理とかも一切意味不明w w
どうやら生まれる前の世界のような場所ってことは何となくわかったし、あのワラワラという生物が人間になっていくということは理解できたけど、わからない部分の方が多すぎて「ふーん」ってなる事が多かった←
その世界で若かりしなのか過去世の母親なのかヒミという女の子に会います。私としてはこの女の子とマヒトの会話も意味わからなかったし距離感とかもちょっと気持ち悪さを感じました。
総じてこの作品を観て宮崎駿の性癖のようなものに触れた感じがして、私としては気持ち悪いという感情が1番に湧いてしまったことが反省点ではあります←
レビューを色々読んでいたら「ジブリファン向けの作品」と書いてる人がいたけど、ジブリ結構好きだったけど受け入れ難い作品だと思ったし、この作品を観たことによって過去作の様々なシーンへの解釈が変わってくる毒素もあるなと強く感じました←
そしてあまりにもわからなさすぎたので、この作品を考察している動画をYouTubeでいくつか見てみたら、気持ち悪いと感じる原因もわかったしこの作品の本質もきちんと考察してくれている方がいて大変わかりやすかったです。ですがその人もこの作品はどちらかというと面白くはないですってはっきり言ってて笑いました🤣
ただアニメーションの最高峰っていうのは納得の映像ではありました。未来でまた見��すかと問われたら答えはNOですが←
最後に言わせて欲しいのは「青鷺って青色じゃないよね」
(どーでもいーわ←
とまだまだ書きたいことはあったのですが長くなってしまったので今回はこの辺でおしまいです。
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doctormaki · 2 years ago
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随分と御無沙汰であった。前回は、日本への帰路はヘルシンキ経由だったが、なんだか、ぐったり疲れていて、NoaとIsabelとの旅行の後には、何も書いていなかったのか。。。と気付く。
七月中旬に帰国し、八月下旬に帰独。一ヶ月半滞在した日本は、異様に暑く。七月中旬まで、ドイツでもそれなりにバタバタしていたのもあり、帰国して立教や東大に行ったりとバタバタした後は、疲れて倒れていたように思う。山中湖は涼しく過ごしやすかったが、思わず何事にも全力投球して夢中になる私は、甥っ子と彼の犬、礼緒と過ごした後は、AI哲学研究会で東京に出た以外は、また山中湖で倒れてしまう。そして論文を書いた後も、ほぼ機能不全になっていた。母が付き添ってくれていたものの、疲れのせいか、体調不良のせいか、山中湖で倒れていた日々の記憶が断片的だ。
夏の成果は、オニヤンマを甥っ子と作って、石割山登山して、報湖祭の花火を見た事と、甥っ子滞在中に今学期の履修学生達の成績をつけた事。OISTの研究者に誘われた言語についての論文は、なんとか書き上げた事。また、五年目に入ったカスリス先生の日本哲学小史という大著の翻訳に、一応の目処を立てた事かな。そ��。ハンブルグでは、日本の聖武天皇、聖徳太子の十七条憲法から鎌倉に至るまでの長い章を、ひたすら訳していた。帰国してからは、道元と西田を終わらせたかった。。。
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言語についての拙論は、詰めが甘いようにも思うが、言語を使って考えるということはどういうことなのか。習慣的思考と言語の関係について、考えてみたかった。言語の限界が世界の限界といったヴィトゲンシュタインを研究した大森荘蔵が展開した、言霊論の重層性に��心を抱き、日本の近代言語学の祖でもありソシュール批判をした時枝誠記、Yale言語学のSapir-Worf仮説などや、現代のAIの祖を築くNorm Chomskyの生成文法を概観しつつ、彼らが言語の何を解き明かそうとしたのかをまとめた。空海の声字実相義やデリダのエクリチュールとパロールの問題にまでは展開できなかった。まぁ今後のネタの一つかな。言語を巡るアンソロジーにはなりそうだ。
先人達の試みを簡単にまとめると、言語を構造的とみたいのか、意味的とみたいのかの両極に別れる。言語の見方の差異を過去の研究者達を追うことで浮き彫りにした。両者のアプローチはスイングしつつ発展しゆく。ChatGPTで解明された事は、言語構造に偏り過ぎてもダメという言語の不思議を改めて確認した作業だったように思う。重層性が言語に内在するものであるならば、思考にも重層性が自ずとあるだろう。言語操作を通した概念操作でしか、人間が新しい発想を具体化できないのであれば、言語の貧弱は思考や発想の貧困化を表す。
どおりで、現代日本社会の言説は陳腐。知識層を自認する者たちは、目立つ奇抜な論を展開し、適当に和製英語を散りばめて煙に巻く事を好み、そして大衆も、そうした陳腐を好む。今年は高校野球は塾高大活躍だったが、彼らへの妬みや誹りもひどいものだ。桐蔭、智弁、日大や早稲田なら良いのに、何故、慶應義塾だと叩くのか。若き血の応援スタイルが無いからって、やっかみも甚だしい。伝統は一日にして作れるものではない。昨今の言論分野を見ても、高校野球を見ても、福沢諭吉の次の言葉を沁み沁み思う。曰く、愚民の上に辛き政治あり。批判ポイントの論点がズレているところで批判されても、相手をするだけ無駄だ。多様性の時代、画一的な価値観の押し付け合いは、ますます無駄になっていくだろう。
上げ足を取られないように、馬鹿な癖に言いがかりをつけてくる相手をひたすら尊重し、口先だけに理解を示す戦法しか無いのが、現代のリベラリズムだ。つまり、永遠に平行線でいきましょうという態度だ。子供に意見を求めて、心の中で子供の意見を馬鹿にしている癖に、子供の意見に理解を示すエセ教育の結果でもある。馬鹿な大人に育ち上がった元子供たちは、自分の吐く意見がどれだけ適切なものか省みる能力が無い大人になっただけ。道理で言論がどんどん陳腐になる。
9月末までに、まだまだ3本ほど論文の締め切りを抱えているが、その内の一本は熊沢蕃山という江戸前期の陽明学者。神道と儒教の融合を体現すべく実践を重んじた儒学者。幕末水戸学は熊沢蕃山から多くのヒントを得ているだろうが、彼らが重視したのは朱子学。陽明学の実践的なものといえば、私のYaleでの恩師Tucker先生がコロンビアで研究していた貝原益軒。いずれ、実践的儒教と、仏教、神道の相互浸透性について、何か考えることができればと思っている。
しかし、今の時代は、蕃山のような混ぜこぜの良いとこ取りを理論体系が無いとして取り上げない。南方熊楠があまり評価されていないのと同じだ。西田と何が違うのか。私には、世俗的権威主義しか感じられない。在野した者は評価に値せず、新井白石や西田みたいに時の権力の傍にいた者が、それだけで評価されているのか。疑問はつきない。つまり、容易な事を難解に言った者は勝という権威主義と、民衆に交じり実践を重んじた者、在野主義は無視されるという、そういう構造なのだと思う。兎に角、他人から尊敬され、立派だと言われたかった人々だけが異様に注目されているだけのようだ。
バカが東大でハダカ踊りしていても、東大だから許される。むしろ東大の癖に凄いと尊敬されたりする。それなのに、日大でハダカ踊りしても、別に誰からも良い意味では注目されず、返って、世間を騒がせたと謝罪させられる。こういう民衆の意識構造とは何か。これこそ、ポランニーの群集心理を再度、再読する必要を感じさせる事態だ。ファシズムを回避するための活発な言説は、返って、新たなファシズムを助長しているというパラドクスなのだから。
。。。とつらつら、ヘルシンキ空港のラウンジで思いを馳せる。ヘルシンキ経由にして良かった。ロンドンは管制塔コンピュータの故障で混乱の極みらしく、多くの客がヘルシンキ経由を利用している。BAとのコードシェア便だから。来月のアイルランド、エディンバラ行きは、都度、ロンドン経由なんだけどなぁ。。。そして、日本も、今は先人達のお陰様でなんとか頑張っているけれど、今から十年も経たない間に、インフラが崩壊していくんだろうな。
若い人々を教えるようになって、六年目。今夏、コロナ前に教えた、顔に見覚えのある学生さんが、社会人になって働いているレストランで偶然再会した。彼女は私にとってはいつまでも二年生。真面目な頑張り屋さんだった学生。バイトなの?って聞いた私も不用意だったが、就職したんですと教えてもらい、大きくなったんだなぁと感慨深かった。彼女は地味で、しっかりと社会を支える小さき市井の人々の代表のような方。
丸山眞男が重視した、市井の小さき人々が、これからますます、踏ん張らされていく。日本の衰退は著しい。一億総中流を実現し、八割型の国民は、現状に満足しきっているのだろう。勉強しなくても、なんとか食っていける。向上心なんて、そんなもん無くったってなんとかなる時代だ。夢を語るだけで尊敬され、夢が無い事を嘆き、夢を追いかけなくても、口先だけで夢を語れば許され、夢がある事を異様に褒める時代だ。つまり、夢なんか抱かない位、満たされている時代という事だ。失われた三十年は、成長していない事ばかりが注目されるが、底上げが浸透し、高卒は当たり前、大卒も普通になった底上げバブル時代の継続でもある。必死に生きる事なんて、命を繋いで生きるなんて事、とっくに忘却されているのだ。そんな時代に、真剣になれ、とか責任をもって、なんて多くの人にとって、白々��くしか聞こえないのだろう。
残念ながら身体が弱い私は、思うように身体を使えない。そして悔し涙ばかりする。身体の弱さ売りをしてサボる怠惰な人々と私の間にあるのは、元気だったらあーしたいこ~したいという気の焦りと苛立ちだけなのだろう。自分が動きたいほどには動けない時、私は苛立つ。苛立たず怠惰にできる人はサボっているんだなぁって思う。でも、他人は他人。私にできるのは、私も私なりに微力ながらに懸命に生きている不器用でブザマな姿を、見せ続ける事だけかもしれない。そこから、私の破天荒さに勇気を貰えたって同僚から言ってもらえたり、先生の授業楽しかったって振り返ってくれる学生がいるから。他者あっての私。お陰様で、ヘルシンキまで辿り着いています。
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xf-2 · 6 years ago
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(長島 昭久:衆議院議員、会派「未来日本」代表)  私は、これまでの「安倍外交」が、官邸主導で戦略的に展開されてきたことを評価しています。そうであるからこそ、最近の安倍外交にはいくつか注文を付けたくなる衝動を抑えきれません。 日中第三国市場協力フォーラムであいさつする安倍首相  特にここ半年ほどの安倍外交の変調は誰の目にも明らかではないでしょうか。ひと言で言うなら、その場しのぎの昔ながらの自民党外交に戻ってしまったように感じられます。もちろん、外部の我々が知り得ない情報は膨大で、外交交渉には秘密がつきものです。表で交わされているやり取りだけを見て批判してもたいていは的外れになることを承知の上で、これが単なる杞憂に終わることを祈りつつ、以下いくつか指摘させていただきたいと思います。 ■ 「最大限の圧力」から「前提条件なしの会談」へ  第一は、対北朝鮮外交です。  周知のとおり、昨年の元旦、北朝鮮の金正恩委員長が「平昌オリンピックに選手団を派遣する用意がある」とのメッセージを発した途端、まずオリンピック主催国の韓国がこれに飛びつき、なんとアメリカが続き、中露が後押しして国際社会と北朝鮮との間に一気に雪解けムードが広がりました。そこから、北朝鮮選手団の平昌オリンピック参加(2月)、南北首脳会談(4月、5月)、そして中朝首脳会談(3月、5月)へと北朝鮮による「微笑外交」攻勢が展開され、ついに6月にはシンガポールで史上初の米朝首脳会談が開かれたのです。  そのような展開の中で、一昨年まで北朝鮮に対し「国連制裁決議に基づいて最大限の圧力を」と、徹底制裁を訴えてきた安倍政権は、アメリカが北朝鮮の対話路線に応じ始める中で、次第にトーンを変えていきました。世界中で首脳会談や外相会談が開かれるたびに、最大限の圧力を説いて回っていた安倍総理や河野外相でしたが、別人とも思えるほどの豹変ぶりを見せたのです。
 極めつけは、今月6日に飛び出した安倍総理の「前提条件なしに金委員長と会談する」という発言でしょう。これまで「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」とあくまでも北朝鮮による拉致問題解決こそが先決との立場を堅持してきたにもかかわらず、今後はそういう前提を撤回するというのですから、誰が見ても大転換。ずばり言えば、大幅譲歩です。しかも、そのような政策転換を行った理由について、国会でも、対外的にも、きちんとした説明はなされていません。  実は日本政府が「最大限の圧力」路線を盛んに称揚していた時期ですら、日本には、国連の「制裁逃れ」が疑われる北朝鮮の船がかなり頻繁に寄港していました。私は昨年11月、衆院安全保障委員会で、韓国ですら入港禁止にしている北朝鮮の貨物船が、日本に60回以上も寄港している問題について外務省や国交省に質しました。この韓国の船はロシア経由で石炭を輸出し、外貨を稼いでいる可能性が高い、と国連安保理の北朝鮮制裁に関する専門家パネルで懸念が再三指摘されているにもかかわらず、日本は漫然と放置しているのです。私が安全保障員会で指摘した後も状況は何ら変わっていません。  一方で、日本政府は、海上自衛隊が従事する洋上における「瀬取り」の監視活動を、「国連制裁の徹底履行」の証左として盛んにその成果を強調していますが、何ともちぐはぐな対応と言わざるを得ません。  もちろん、「中曽根外交4原則」にあるように、外交は時流を的確に捉えて国益を促進する術ですから、半島情勢をめぐる戦略環境を決定づけるアメリカと北朝鮮との関係が変化すれば、それに応じて外交姿勢も変化させねばなりません。一貫性だけを追求して戦争に突入したり緊張を高めたりなどというのは愚の骨頂です。米朝雪解けに対しては、アメリカ向けのICBMのみを規制したり、未だに大量に残る核や通常戦力の脅威に対する抑止力を低下させるような政策(例えば、米韓合同軍事演習を中止したり、大量破壊兵器開発につながる外貨稼ぎ阻止のための国連制裁を緩和したり)には明確にNOを突き付けつつ、戦略環境の変化を的確に捉えて懸案の拉致問題の解決に向けて水面下の工作を加速させることが肝要です。その際に、北朝鮮政策の一部を転換することに躊躇の必要はない。惜しむらくは、政府からそのような丁寧な説明が一切ないことです。 ■ 米中「新冷戦」のさなかに「日中協調」へシフトチェンジ  安倍外交の変質を示す第二点は、対中国の関係です。  まずアメリカは、2017年12月に公表した『国家安全保障戦略』で「中国やロシアなどは、技術、宣伝および強制力を用い、アメリカの国益や価値観と対極にある世界を形成しようとする修正主義勢力である」と批判し、協調路線から戦略的競争路線へとシフトしました。これは、歴史的な転換ともいうべきもので、この報告書を皮切りにトランプ政権の対中政策は加速度的に硬化していきます。翌年の8月には、ファーウェイをはじめとする中国のハイテク企業5社をアメリカの政府調達から排除し、二次、三次サプライヤー(日本企業も当然入る)まで取引を規制する「2019年国防授権法」を成立させ、10月4日、ついにペンス副大統領がワシントンで「冷戦布告」ともいうべき演説を行いました。その間に、対中追加制裁関税は2500億ドルに膨れ上がり、まさしく米中「新冷戦」とまでいわれるような事態に至っています。
それに対して安倍総理は、昨年10月に北京を訪問し、「競争から協調へ」とアメリカの対中姿勢とは真逆のメッセージを出したのです。この訪中では、日本から財界人も大勢引率して、まさしく中国側の歓心を「爆買い」するかのようでした。  そして、あれほど参加に難色を示していた一帯一路構想についても、「全面的に賛成ではないが、適正融資による対象国の財政健全性、プロジェクトの開放性、透明性、経済性の4条件があるならば、協力していく」と大幅な歩み寄りの姿勢を示したのです。  アメリカとの関係が険悪になった中国が日本にすり寄ってくるのは外交の世界では十分想定できることですから、日本としてはそういう時こそ、これまで中国側が日本の意に反してやってきたことについて、きちんと主張すべき絶好のタイミングであるはずです。例えば、尖閣諸島周辺海域への執拗な侵犯行為はやめてもらう。本稿執筆時点ですでに46日連続(史上最長)で中国海警船舶数隻が尖閣沖の接続水域に侵入しています。対応にあたる我が国海保の巡視船は日夜厳しい状況にさらされています。こういう挑発行為を止めさせるのが、日中友好の基本ではないでしょうか。また、東シナ海のガス油田をめぐる2008年の日中合意を誠実に履行することや、2016年の国際仲裁裁判所の裁定に従い、南シナ海の人工島を放棄し周辺環境の原状回復を求めたらどうでしょうか。さらに、米中間の関税報復合戦に参戦しないまでも、先端技術の強制移転や政府補助金による企業買収、ハッキングによる企業秘密や国防情報の窃取など、日米共通の課題である中国の歪んだ経済慣行を正すよう求めるべきでしょう。  しかし安倍総理はそういう態度を一切取りませんでした。この時期に、敢えて「競争から協調へ」と舵を切り、中国側にその代価を一切求めませんでした。これがアメリカや国際社会から見て「米中関係が悪くなった隙を突いて、日本は漁夫の利を狙いに行こう」的な行動に映るとすれば、国際的な威信にもかかわります。 ■ 外交青書より「北方四島は日本に帰属」の記述を削除  このように安倍外交への疑念が膨らんでいる中でダメ押し的に出てきたのが、対ロシア外交での変質です。  安倍総理は、ロシア問題にはことのほか熱心に取り組んできました。「戦後70年も経っているのに、日露間に平和条約がないのは異常だ。なんとしても自分の在任中に平和条約を締結したい」という主旨の発言を何度も繰り返してきました。  政治家として成し遂げる目標を明確に持つことは大切なことです。が、それが成果を急ぎ「前のめり」になることには注意を要します。外交は、焦った方が負け。期限を区切ってしまえば、その期間内に成果を出そうという焦りを相手に見透かされ、妥協に妥協を重ねざるを得なくなるからです。  そうした中で明るみに出たのが、『外交青書』問題です。令和元年度版の『外交青書』から、戦後一貫して堅持されてきた「北方四島は日本に帰属する」という重要な記述が削除されたのです。
『外交青書』は、日本外交の基本方針を示す極めて重要な文書です。これに『防衛白書』を合わせた2つの文書は、日本の外交安全保障政策・戦略を内外に宣言し、政策遂行の透明性を高めていく大事な外交ツールでもあります。その『外交青書』の記述が、わが国の主権を放棄するかのように変更されたのです。さらに言うなら、「北方四島は日本に帰属する」という文言を削除したということは、これまで「北方四島が日本に帰属する」と言い続けてきた歴代政権が、あたかも誤った主張をしてきたかのような印象を内外に与えてしまう可能性を排除できません。  しかも、あの文言を削除した理由について、国民への説明もないまま、いきなり『外交青書』が公表されてしまいました。手続き的にも疑問符が付きます。 ■ ロシアはヤワな国家ではない  「北方四島は日本に帰属する」の文言を削除した背景には、ロシアに対して何らかのシグナルを送るという意図があったと言われています。しかし、この文言の削除によって、いったいロシア側にどんなシグナルを送ることになるのでしょうか。  北方四島に関するこの記述は、『外交青書』の中でも重要な部分です。それだけに外務省の事務方が勝手に変更できるものでもありませんし、河野外務大臣の一存でできるものでもないでしょう。今回の削除は、間違いなく安倍官邸の意向を反映したものでしょうが、将来に禍根を残す大失策だと考えます。なぜなら、一度削ったものを元に戻すのは容易ではありません。戻そうとすれば、その理由が必要になり、日露間に無用の摩擦を生じてしまうの��す。  アメリカ、中国、ロシアといった大国は、良くも悪くも「力がすべて」です。力を信奉している国に対して、自ら譲歩したり、妥協したり、遠慮したりすれば、付け込まれるだけです。「日本はそんなに譲ってくれたのか。じゃあその誠意のお返しにこちらも少し妥協を・・・」などという発想は、大国にはまったくありません。これがリアル・ポリティックスの世界です。そんなことは「リアリスト」である安倍総理は百も承知のはずなのですが、どうしたことでしょうか。  いったい安倍総理は中国やロシア、北朝鮮に対してどこまで譲歩しようとしているのでしょうか。これでは日本の国益を損ねることになりかねません。もちろん、国益は中長期的に捉えるべきものです。常に長期的な戦略的利益を念頭に置いて、短期的な利害得失に一喜一憂したり、先ほど論じたように一貫性に拘泥し過ぎたりして国際社会全体の潮流を見失ってはいけません。  したがって、これまで安倍総理が外国に対して一見弱腰に見える妥協的な態度を見せても、私は「より大きな戦略的利益のために妥協が必要な場面もあるのだろう」という思いで観察してきました。例えば、2015年の日韓慰安婦合意などはその典型です。安倍総理を取り巻く保守層は韓国との慰安婦合意にはそもそも批判的でした。多くは、たとえ妥協しても韓国からの外交的見返りなど期待できないと考えていました。しかし、当時の安倍総理の視線の先には韓国ではなく中国の動向がありました。当時はちょうど、中露が韓国を取り込み、さらにはアメリカを誘い込んで「歴史問題」で日本を孤立化させようと試みている真っ最中でした。慰安婦問題での妥協は、中韓に楔を打ち込む効果を狙ったものでした。
今の日本にとって最優先に考えなければならない課題は、「対中戦略」です。これは日本だけではありません。アメリカにしても、21世紀の戦略的な課題とは、「中国の台頭にどう向き合っていくか」に尽きます。その意味から言えば、ロシアと中国が結託して日本に圧力をかけられるような形というのは、日本にとって最も避けなければならない事態なのです。  そのロシアは、クリミアを併合したことで、アメリカやヨーロッパから制裁を受けています。窮地に追い込まれたロシアに接近し、両国間の領土問題を解決し、平和条約を締結して中露の間に楔を打ち込むというのが、おそらく安倍総理の戦略的なイメージングだったはずです。  しかし、そこで考えなくてはならないのは、そんな日本の戦略にロシアが安易に乗っかるようなヤワな国なのか、ということです。 ■ 日本には日本の、ロシアにはロシアの国益がある  ロシアにはロシアの国益があるし、譲れない戦略的な立場もある。中国とも上手くやりながら、日本から利益を獲得していく。その際に、日米同盟に隙間風を吹かせることができれば、万々歳でしょう。それがロシアの基本的な立場なのです。安倍総理の戦略的なイメージが、すんなり実現できるものかどうかは、また別の問題なのです。  昨年11月、安倍総理はシンガポールでプーチン大統領と首脳会談を行い、「1956年の日ソ共同宣言を基礎にして平和条約交渉を加速化する」ことに合意しました。この時に、「なぜ1956年の段階に戻ってしまうのか」という疑問を多くの人々は抱いたのではないでしょうか。  日ソ共同宣言では、平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に「引き渡す」(「返還」でないことには注意を要します)とされています。旧ソ連側から見れば「歯舞・色丹の二島で終了」ですが、日本側からは「まず歯舞・色丹を返還してもらい、国後・択捉はその後さらに交渉を続ける」という解釈がなされました。  しかしその後、北方四島をめぐっては、1993年の細川-エリツィン会談による東京宣言、2001年の森-プーチン会談によるイルクーツク宣言で、「平和条約交渉は四島の帰属の問題を解決してから���施する」と、1956年の日ソ共同宣言のレベルから日本は大きく押し返したのです。敗戦からわずか10年で締結した日ソ共同宣言以来、国力の増大を背景にした歴代政権の努力で、日本の主張を(ソ連邦崩壊で国力が低下した)ロシア側に呑ませてきたのです。これが国際社会のリアル・ポリティックスの実態です。  それを昨年、安倍総理がいきなり1956年時点にまで引き戻してしまったのです。「なんとか平和条約を締結したい」という思いがあったことは間違いありません。それでも、多くの国民は「公けにはできないだけで、安倍-プーチンの間では、『二島を足掛かりにまず平和条約を結び、それから残る二島の返還交渉に』というような約束があるのだろう」と信じていたと思います。しかし、事ここに至って『外交青書』の記述削除を見せられたとき、私たちは、それが「展望なき後退」に過ぎなかったのではないかと疑わざるを得ないのです。  ロシアは、これ以降、「日ソ共同宣言では『二島を引き渡す』と書いているが、『いつまでに』とは書いていない」とか、「歯舞、色丹を引き渡した後に、米軍基地が展開しない保証を」などと、およそ友好的とは思えない主張をするようになっています。一瞬の妥協が、際限のない後退を呼び込んでしまったというのは言い過ぎでしょうか。  安倍総理は、プーチン大統領とは実に25回もの「差し」の会談(テタテ)をやってきました。まさに全力を注いでロシアとの平和条約締結と、北方領土問題に取り組んできたのですが、これまでのところ残念ながら成果はゼロ、と言わざるを得ません。ゼロならまだしも、60年前の日ソ共同宣言の時点にまで戻ってしまったことを考えれば、マイナスと捉えるべきかも知れません。  ところで、安倍総理がこれほどまでにロシアとの関係に前のめりになるのは、祖父である岸信介元総理の存在が関係していると見ます。安倍総理の愛読書の一つに『岸信介証言録』(中公文庫)という本があります。政治学の泰斗・原彬久氏による晩年の岸元総理へのロングインタビューをまとめたものですが、その中で「やり残した仕事は何か」と問われた岸は、「2つある。1つは北方領土、もう1つは憲法改正だ」とはっきり答えています。その無念は、安倍総理の頭の中に深く刻まれているはずです。  さらに言えば、安倍総理の父・安倍晋太郎外相(当時)も、ソ連のゴルバチョフ大統領(当時)と交渉。亡くなる間際まで、北方領土問題の解決に心血を注ぎました。その様子を最も間近で見ていたのが、当時外相秘書官だった安倍晋三氏です。  ロシアとの平和条約締結と北方領土問題の解決は、まさに親子三代にわたる宿願でもあるのです。なんとかこの問題を前進させたいという思いを、安倍総理は他の誰よりも強く持っているはずです。その点は痛いほど理解できます。  その思いは尊いのですが、冷静になれば、違う一面も見えてきます。その宿願である平和条約締結ですが、ロシアと平和条約を結んだからといって日露間の緊張がなくなるかと言えば、全くそんなことはありません。例えば日本と中国の間には、日��平和友好条約が結ばれて40年以上も経ちます。しかし、尖閣諸島など日中間では緊張が絶えません。ロシアとの平和条約についてもそういった冷めた目で見ることも必要だと考えます。
では、北方領土問題の進展を期待する以外に、平和条約の締結を急ぐ意味はどこにあるのでしょうか。  期待できるメリットは2つでしょう。1つは旧島民の方々の心情的な問題です。故郷に帰れない、先祖の墓参りもできない。それはあまりにもかわいそうではないか、と。ただし、墓参や自由往来は、平和条約がなくても実務的な取り決めで解決することができるのではないでしょうか。そこで経済協力などを絡めてロシア側の譲歩を引き出す交渉は大いにやる必要があります。  もう1つは漁業権益の問題です。北方領土周辺の海域で、日本の漁船が拿捕されたり、漁民が抑留されたりする状況をできる限り無くしていかなければなりません。ただしこれも漁業交渉を通じて解決すべき問題で、平和条約がなければ漁業交渉ができないわけではないと考えます。  であるならば、こちら側が一方的にタイムリミットを決めて、妥協を重ねてまで平和条約締結や北方領土返還交渉を急ぐ必要があるとは思えません。 ■ 影を潜めてしまった高度な戦略的判断  冒頭でも述べましたが、私はこれまでの安倍外交を高く評価してきました。「地球儀を俯瞰する外交」を標榜する安倍外交は、世界中に戦略的な布石を打ってきました。これから展開されようとしている対イラン外交などは、米欧主導の核合意を側面から支え、対イラン制裁が厳しい時にもイランとの対話の道を閉ざすことなく粘り強く外交関係を深めてきた成果と言えましょう。また、インド太平洋構想により、インドとオーストラリアを戦略的に結び付け、地域の平和と安定のためアメリカの関与を繋ぎ止めるために果たしてきた安倍外交の役割は大きいものがあります。そのほかにも、中国の「一帯一路」に対抗して、中央アジアや南太平洋諸国へのインフラ投資を戦略的に進めてきました。  しかし、最近の安倍外交は、そのようなダイナミックさが影をひそめ、小手先で小さな得点稼ぎに腐心しているように見えてしまうのです。それが誤解であれば、平にご容赦いただきたいのですが、そこに高度な戦略的判断が見えてきません。  トランプ大統領の5月の訪日はつつがなく終わりましたが、6月には中国の習近平主席が来日し、日中とともに米中首脳会談が開かれます。さらに安倍総理が「前提条件なし」での対話に意欲を燃やす北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談も遠からず開かれるかも知れません。もちろん、日露交渉も続いています。6月のG20に韓国がどのようなアプローチで臨むのか、それをどう迎えるのか安倍総理の外交のリアリズムが厳しく問われると思います。  目先の利害得失に目を奪われることなく、当初見据えていた日本の戦略的利益が描かれた「ビッグピクチャー」を胸に、リアリスト外交を展開していただきたい。
長島 昭久
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fuji-ringo-tex7 · 4 years ago
Text
Sketch(OS/死ネタ)
「本番15分前です! 待機お願いします」
 収録開始の時間が間近に迫り、慌ただしくなるスタッフに触発されて、楽屋内の空気が徐々に温まり始める。
  「よっしゃ!」だか、「よーし!」だか。凡そ周囲への活の意味も込められているのであろう、大きな声を上げた松潤と相葉くんに押され、それまで夢中でゲームをしていたニノがやれやれと腰を上げた。
 マイペースながらも気合いを充分に携えたメンバーが、各々指定された場所へと向かって行く。
 そんな最中、俺はまだ手にしたスマホの画面から目を離す事が出来ずにいた。
 ――件目は無いけれど、よく見知った人からの二通のメール。
『今日もお疲れ様。次はいつ会える?』
『今日、この撮影終わったらデートしよう。やっと行きたい所が出来たから』
 一方は、事務所公認の交際相手。至って普通の……それこそ、俺が理想の結婚相手として挙げた条件を、過不足なく満たしているような素敵な女性。世間体を取り持つ為に、といつか表に見せる事を前提に作った相手。
 そしてもう一方も、交際相手。話し上手では無いけれど才能に溢れていて、おおらかな空気感と深い愛を語るような瞳に、どこまでも着いて行きたいと思わせてくれる。そんな素敵な人。二股なんて事務所にはとても言えない。増してや同性で、寧ろ此方が本命だなんて。
 様々な思いを巡らせながら、画面上に表示された文字をそっと指先でなぞる。大野智。長きに渡って活動を共にして来たグループのリーダーでもあり、大切な人の名前。こんな事を言ったら重過ぎて引れそうだけど、俺はこの人の為ならなんだって出来るし、きっと何を失っても後悔しない。そう思えてしまうほどに、好きで好きで堪らない人。
「翔さん、あと5分だって。行かないの?」
 不意に自分を呼びに来た最年少からの声で、はっと我に返る。
 この時間までぼーっとしてるなんて珍しいじゃん、なんて疑問を包み隠す事無く片眉を上げて怪訝そうな顔を向ける松潤に、いつも通りの笑みを作って平然を装った。
「ああ、ごめん。昨日ちょっと飲み過ぎたのかも。行こうか」
 そう言いながら、開いていたメールに『分かった、じゃあいつもの場所で』と返して、楽屋を後にした。
 * * *
「やっと終わったねー、皆! 念願のオフだよ!」
 順調に事が進んだお陰で、早めに収録が終わった。
 楽屋へと戻った瞬間、早くも休日モードへと切り替わった相葉ちゃんが、開口一番に誘いをかける。
 全員が揃ってのオフなんて、一体いつ振りだろう。
 期待を全面に押し出して、子犬のようにはしゃぐ相葉ちゃんの様子に釣られてか、心做しか早く帰り支度を進める松潤が企んだ笑みを浮かべて口を開いた。
「とりあえずあの店行っとく? 実はもう予約済ませてあるんだよね」
「やった! さっすが松潤。ねえニノは?」
 乗せ上手と、乗せられ上手。ただでさえフットワークの軽い二人が、すっかり意気投合して飲み会の計画をし始めると、その勢いは止まらない。
 次いで白羽の矢が立った彼を見れば、荷物こそ纏めてあるものの相変わらず夢中でゲームをしていて。
「俺も行きますよ、勿論。ただもうちょっと待って、今めちゃくちゃ良い所。……あ、因みにリーダーは今さっき一番乗りで出て行きましたね」
 お先に、とか言って。と器用にも画面から目を離す事無く言葉を続けるニノに、一体いつその様子を伺うタイミングが? とも思ったけれど。如何せん感覚に優れている彼の事だから、さして驚きは無い。
 寧ろその言葉を受けて大野さんの姿が見当たらない事に気付いて、急いでスマホを確認すると『待ってる』とだけ書かれた質素なメールが届いていた。
 待ちに待ったデートの約束なのにも関わらず、返事がたった一言だけなのが彼らしい。それで居て素っ気なさを感じさせないのは、多分何かしらの意味合いを込めて添えられたクローバーの絵文字だったり、掴み所がないように見せかけて、時間が取れる時にはこうして余す事無く尽くしてくれる彼の人柄故なのだろう。
 そんな些細な所が、好きで堪らない。
「えー……」
「まあまあ、何か予定が有るんでしょ。ちな翔さんは?」
 肩を落として分りやすく落胆を露わにする相葉ちゃんを宥めながら、松潤が此方を向く。それに併せて皆の視線が注がれたのを感じて、スマホを上着のポケットへしまった。
「俺もお先に。今度絶対埋め合わせするから、今日は三人で楽しんでおいでよ」
 正直な所、大好きなメンバーからの誘いを断るのは中々に心苦しい事だけど。最初から俺の返答を知っていたかのようなニノ、それから何かを察したかのように「了解」と言いながら相葉ちゃんの気を引き始めた松潤に、それぞれ短くアイコンタクトを返してを鞄を肩に掛けた。
 * * *
 駆け足で局の地下駐車場へ向かうと、案の定大野さんはもう既にそこに居て。車を背に、時折白む息を吐きながらスマホで時刻を確認してるあの人。
 深めにキャップを被っていたって、すぐに分かる。
「お待たせ、大野さん。お疲れ様です」
「おお、お疲れ」
 駆け寄ると、大野さんはすぐに此方を向いて、その顔に笑顔を浮かべた。
 それからいつもと変わらない労いの言葉を互いに掛け合う。
「寒かったでしょ、ごめんね。すぐ暖房効かせるから」
「……それ、わざわざ買ってきてくれたの?」
 車のドアへと手を伸ばしかけた折、引っさげた荷物を見て俺の手に触れた大野さんの指先は冷たい。
 いつも通りの待ち合わせ場所。それからいつも通りの、間に合わせみたいに買ってきたコンビニのコーヒー。
 久々のデートだけれど特別な雰囲気とは行かなくて、それでも大野さんは毎回こうして気遣いに気付いてくれる。そして決まって初めての事のように嬉しそうに微笑んで、「全然大丈夫なのに、ありがと」と言ってくれる所が愛しい。
 まるで会えなかった時間を埋めるように、心の奥が一気に充足感で満たされていく。
 言葉を尽くしても足りないこの気持ちを伝える手段は、一つくらいしか思い浮かばなくて。
「コンビニのだけどね、――智くん、」
 一歩踏み込んだ呼び方に視線を上げた彼を構わず抱き寄せて、半ば車に押し付ける形で強引に唇を奪った。
「ん、……翔ちゃん」
 片腕の中で少し身動ぐものの、抵抗はしない。智くんはいつもそう。
 その代わり瞳には「誰かに見られたらどうするの?」なんて躊躇を覗かせながら此方を見上げて、苦しげに解けた口唇を深く啄む頃には静かに瞼を落として、先程まで咎めていた視線が嘘だったかのように熱い舌先が触れてくる。そこで俺はやっと瞳を閉じて、誘われるままに熱を絡め合わせた。
 従順に吸い付いてくる唇が会えなかった間の寂しさを訴えかけているようで、切なみを帯びた吐息とリップ音が、静まり返っていた駐車場内でヤケに響いて聞こえた。
「……っ、はぁ……もう、翔ちゃん」
 暫く唇の感触を楽しんだ後、困ったように眉を寄せた智くんが顔を逸らして不服そうな声を上げた。
 その様子がまた愛しくて、口先から形ばかりの謝罪と一緒に歯の浮くような本音が零れ落ちる。
「ん、……ごめんね。智くんが可愛くて、つい」
 因みに此処は、丁度カメラに映らない角度だから大丈夫。
 そう一言付け加えると、智くんはすかさず「そういう所ほんと狡賢いよね、翔ちゃんは」なんて言って、後ろ頭を掻いた。これは彼なりの照れ隠し。よく見知った仕草だった。
 それから車のドア開けて、漸くそれぞれ助手席と運転席に乗り込む。
「それで、行きたい場所って?」
「えっとね、この道をずっと行った所の――」
 * * *
 智くんの口から知らされた目的地は、意外な場所だった。
 指定された場所は遠過ぎる訳でもない。特にオフの時間を使わなくたっていつでも行けるような場所で、どうしてそんな所に? と思ったけれど、きっと彼なりの考えがあるのだろうと深い理由は聞かないまま車を走らせる。
『今度ドライブでもしようよ、何処でも連れてくから行きたい所が教えて』
 初めにそう提案したのは俺からで、そんな思い付きの口約束からもう半年以上が経っていたから、覚えていてくれた事自体が嬉しくて。久しぶりに二人きりで、ゆっくり恋人らしい事が出来る。
 もう、忙しなく舞い込んでくる仕事の合間にホテルへ行って、互いの温もりだけを欲して日々を食い繋ぐような愛人紛いな事はしなくても良い。
 将来の為だから、と形作られた表の関係――智くんにも当然そんな相手は居て、互いにそれを取り持つように割いていた休日を、今日は心から愛しく思ってる人と過ごせるのだ。その事実さえあれば、些細な事など気にもならなかった。
 無心でハンドルを切りながらそんな事を考えてると、智くんが不意に口を開いた。
「皆はどうしてた?」
「三人で飲み会だって。また智くんに逃げられたって、相葉ちゃんがガッカリしてたよ」
 こんな時までメンバーの事を気に掛けるのがいかにも彼らしくて、思わず笑みがこぼれる。
 誰と居たって、どんなに長く時を過ごしていたって、彼は変わらない。眩しいほどに純粋で、優しくて、現に今も事実を知って少し眉を顰めた。
「そう聞くとなんか申し訳ねえなぁ……」
 ――ねえ、智くん。智くんは俺と一緒に居て幸せ? なんて疑念は先程の思考と一緒に呑み込んで。
「まあね。俺も断るのは心苦しいけど」
「きっと、彼女と過ごすんだろうなって思われてるね」
「そうだね。……俺らがこうして内緒でデートしてるなんて、想像もつかないだろうな」
 どちらともなく口にした言葉には、言外に『そんな存在の人が居て良かった』というニュアンスが含まれている。
 智くんはそれを知ってか知らずか、時折車窓に目を向けては次々と追い越されていく街頭を眺めていた。
 そして度々やってくる束の間の沈黙を薄めるように、智くんは好きな曲のワンフレーズを口遊んだり、信号待ちの間に指先を絡めて来たりして、初々しい程に和やかな移動時間を楽しんだんだ。
 * * *
 目的地に着く頃には、腕時計の針は双方ともに丁度天辺を指し示していた。
「着いたよ。……こらこら、起きて」
「ん……、」
 隣ですっかり安らかな寝息を立てている智くんに一度呼び掛けるものの、返事は無い。
 起きないのを良い事に、その端正な寝顔を観察する。
「本当に寝るの好きね、貴方は」
 それから暫くして、呼吸と共に規則正しく上下している肩を揺らした。
「凄えだだっ広くて何も無いけど、ここで合ってる?」
 車窓から伺える限りの範囲では、辺りには木々が茂っていて、近くに水辺が見える。多分自然公園なのだろう。
 念の為とスマホで場所を確認してみると、三鷹市に位置しているらしい。
 都内ながらも灯りは疎らで、実に閑静な場所だった。
「んん……合ってる、ここ。俺が学生の時によく来てたとこ」
 なんとか、と言った様子で漸く目を覚ました智くんが、背筋を伸ばしながら寝起きでままならないふわふわとした口調で答える。
「ああ……成程、通りで」
 見た事ある地名だと思った。
 高級レストランでも何でもないこの場所を選んだ理由が少しだけ分かったような気がして、肩の力が抜ける。
 たった数時間の間だけれど、こんなに長くハンドルを握っていたのは久々で、すっかり体が固まってしまった。一連の仕草をなぞるようにして大きく腕を伸ばす俺の横で、身を乗り出して窓の外を見上げていた智くんが微笑を浮かべた。
「ねえ、翔ちゃん。空見てみて」
 いつかこの風��を一緒に見たかったんだ、と。珍しく得意気な声に押されて上方を見れば――。
「うわ……凄え、めちゃくちゃ綺麗」
 思わず息を呑むくらい、圧巻の光景だった。
 暗い夜空に所狭しと散った星々が、煌々とそれぞれの輝きを放っている。
 ステージ上から見渡すペンライトの海とも違う。凡そ田舎で見られるようなそれには及ばずとも、喧騒に溢れた世界では決して見る事のなかった景色に言葉を忘れて、暫しその夜空に見入っていた。
「ふふ。気に入ってくれたみたいで良かった」
 そんな俺の反応が新鮮だったのか、横から聞こえてきた小さな笑い声に気付いて、仕業無く乱れてもいない前髪を直す素振りをする。
 年甲斐もなくはしゃいだ俺を見詰める柔らかな瞳が、心地好くも擽ったかった。
「いや、うん……大分気に入った。凄いね。こんな場所あるんだ、と思って」
 思わず切れ切れになってしまった感想に、智くんは言葉を返す事なく小さく頷いて。それから、徐に荷物を漁ってスケッチブックを取り出した。
「描くの?」
「うん。暫く紙に向かうから、翔ちゃんも好きにしてて良いよ」
 なんなら寝てても、と身を案じて、智くんの手が頬の温もりを攫ってく。繊細で、それでいて骨張っている指先が、輪郭を確かめるように優しく眦を掠めた。
 それから智くんはどこか満足そうな顔をしながら、その眼差しを紙面へ向ける。車内の天井から降り注いだ光が、その頬に睫毛を縁取って綺麗な影を落とした。
 俺は彼の横顔を、何をする訳もなく隣で静かに眺めているのが好きだった。
「――じゃあ、俺は真剣な智くんを横で見てるよ」
 智くんがデートの最中に絵を描きたい、と言い出す事はそう珍しくない。
 恋人として、初めて家に招いた時もそうだった。昼下がりに眠気覚ましのコーヒーを飲んでる俺を見て、智くんは唐突に『モデルになって』と、寝起き早々なのに丁度今みたいにスケッチブックを持ち出して。それから唐突に作業し始めた事を少し申し訳なく思ってるのか、紙と向き合いながら一言二言と間を空けて投げ掛けられる言葉を返す内に、��きっと幸せな気持ちの時ほどインスピレーションが湧くんだと思う』と、ぽつりと呟いたんだ。
 だから尚更、こんな時間は嫌いじゃない。
 それに、絵を描いている時の智くんは、皆の前では決して見せないような表情をする。良い顔、と言ってしまえばそれまでだけれど。
 何処か遠くを見ているようで間近を見詰める瞳と、迷ってる時には少し寄せられる眉。恐らく重要な線を引いてる最中は、下唇を薄く噛んで。真一文字の眉が職人気質とも言える彼の性質をよく表しているようで、すっと通った鼻筋の下で小さく尖らせた唇は多分、集中してる証。
 兎角普段のイメージより豊かな表情に魅せられて、暇をする隙もないほど。
「……ふふ、その内顔に穴が空いちゃうよ。ね、飽きない?」
 絵を描き始めてから暫く経った頃。ふと此方を向いた智くんが、今まで一心に視線を注がれていた事を察して困ったように笑った。
「飽きないよ。美人だなぁと思って、眺めてる」
 そう言葉を返すと、「翔ちゃんはいっつもそうやって揶揄う」だなんて言って、律儀に眦を薄紅色に染めている所が愛らしい。
 気分転換も兼ねてか此方に腕を伸ばして、つい先程までペンを握っていた指先が再び柔らかく頬を撫でる。
 一見小動物をあやすような仕草が堪らなく心地好くて、不意に誘われた眠気に思わず欠伸が零れてしまう。
 ――気が緩んだかな。
「本心なのに、」
「知ってるよ。……こんな所まで運転して来たから疲れたでしょ、少し寝たら? 完成したら起こすから」
「ん、……じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ」
 相手の様子を見るに、完成までまだ暫くかかるのだろう。
 心配そうに此方を見詰める瞳が愛しくて、未だに輪郭をなぞって一定の間隔で髪を撫で下ろす掌に唇を寄せると、襲い来た眠気に身を任せるようにそっと瞼を閉じた。
「コーヒー、飲んでね。冷めちゃう」
「うん、分かった。ありがと」
 * * *
「――……ん、さとしくん」
 それから、どの位の時間が経っただろう。そこはかとない浮遊感を纏って浮上した意識の中、朧気に名前を呟いても返事はなくて。
 気怠さの残る瞼をなんとか持ち上げて隣を見れば、スケッチブックを膝に投げ出したまま眠る智くんの姿があった。
 まだ、窓の外に太陽の気配はない。
 此処へ来た時と同じように、空には煌々と夜空の星が光っていた。
「寝ちゃったの?」
 それとも――。
 少し震える手で備え付けのホルダーに収まっているコーヒーカップを持ち上げる。軽い。念の為に蓋を外すと、中身は綺麗に飲み干されていた。
「ちゃんと飲んでくれたんだね、ありがとう」
 ――ちゃんと、飲んじゃったんだね。ごめん。
 俄には受け入れ難いけれど目の前に広がる確かな事実に、紡いだ言葉とは相反した本音がぐるぐると胸中を渦巻く。
 今度は微塵も揺れやしないその肩に触れるのが怖くて、車窓から射し込んだ月明かりを反射して静かに瞼を閉ざした顔が美しくて、運転席から身を乗り出してそっと唇を重ねた。
 たった数時間ぶりのキスなのに、互いの吐息が混じり合う気配は無かった。乾いた唇から、儚くも柔らかい温もりが伝わる。
 そこで漸く彼の鼓動が止んだ事を実感して、生温い雫が堰を切ったように頬をぽろぽろと滑り落ちていく。
 滲んだ視界に溶けゆく大好きな人の姿をどうする事も出来ず、ただその途方もない無力感に咽び泣いた。
「っ……ごめん、ごめんね、智くん――」
 何度その名前を呼んだ所で、返事が返ってくる事はない。分かってる。しっかりとそう理解しているはずなのに、頭の中も、心の中も、全てが灰色で塗り潰されたかのように滅茶苦茶だった。
 計画した時は恐ろしいほど冷静で、名前と財産を使えばすぐに手に入る錠剤をコーヒーに混ぜて、智くんに飲ませれば良い、と。そんな悪魔のような囁きに流される一方で、本当はこの人を幸せにしたかった。
 そして、それが叶うならば、自分の手で。周辺の人に隠す事も無く、沢山の祝福を両腕では足らないほど抱き込んで、幸せそうに笑う彼が見たかった。
 もし、理解者が一人でも居たら――それこそ、俺と彼が心から大切にしている人達の内たった一人にだけでも、この関係を素直に打ち明けて、受け入れて貰えたなら――どれだけ智くんは、喜んでくれただろう。
 いつかは絶対、なんて思っていても実際に行動する事は出来ずに、その所為で自由だったはずの彼を次第に縛り付ける事しか出来なくなって行くこの関係が、苦しくて。時折目を伏せて、諦めたように「それでも良いよ」と常に俺の意志を尊重してくれる智くんが、愛しくて。一方的に別れを告げたとしても、そう言ってくれるのが端から分かっていて、結局執着心を捨てる事が出来ずに此処まで来てしまった。
 幸せに包まれた後で襲い来る息苦しさに、耐えられなかった。
 自分だって表向きの関係を作っていた癖に、自分の知らない所で智くんがそういった愛を象る事を、やがてそれが契りとなって貴方を奪い去って行く事を許せなかったんだ。
「ねえ。こんな俺と一緒に居て、貴方は幸せだったのかな」
 ほんの少しでも、幸せに出来て居たんだろうか。
 どうせ将来が約束されていないなら朽ちるまで想えば良い、と。そう思っていた物が身を結んでしまえば、より一層深い幸せが欲しくなって、確約のない未来なら奪ってしまえば良いと、とうとう貴方自身を手に掛けてしまった。
 それで得られると思っていた幸せは、俺達が定められていた未来よりも不確かな物だったみたい。
 ほんの数時間前まで確かに色付いていたはずの幸福なんか今や見る影も無くて、胸の内にはただ底なし沼のような空虚感が居座っている。そこは、貴方の居場所だったのに。
「俺が居ないと本当にダメだなぁって、��ってよ」
 次々と零れ落ちた涙が、座席のシートを点々と深い色に染めていく。そんな中で幾ら嘆願したって、智くんは穏やかに目を閉じたままそこに居る。
 状況を理解しても尚受け入れる事は出来ずに、頑なにペンを握ったまま投げ出されていた手を取って、仄かに灯っている温もりに追い縋るようにして頬を擦り寄せた。先程より低まった体温に、いずれ冷めゆく物なのだと解ってしまうのが虚しくて、悲しい。
「……貴方は、最期に一体どんな絵を描いてくれたの?」
 何でも良いから彼が存在していた痕跡が欲しくて、大切そうに膝の上へと置かれていたスケッチブックに手を伸ばす。
 智くんの事だから、使えるのがたったの二色だけでも、きっと綺麗に風景を写し取っているに違いない。
 そう思って開いた一面には、一緒に見たはずの夜空の絵は描かれていなくて――。
「……ねえ、こんなの聞いてないよ」
 嬉しそうに夜空を見上げる俺の横顔と、それを彩るようにして少しの風景が描かれていた。その紙面の端には覚束無い筆跡で、『幸せ』とタイトルが添えられて。
 それから、恐らく一番最初に着手したのだろう。向かいの頁には、くっきりとした文字で長々とメッセージが書き残されていた。
 * * *
 ――翔ちゃんへ。
 俺は今から貴方の似顔絵を描こうと思います。いつだったか、最初にデートをした時みたいに。似てるかどうかは分からないけど、完成品は隣にあります。もし似てなかったら「全然似てないよ、ちゃんと描いて」って、叱ってね。……いや、優しい翔ちゃんの事だから、そんな事言わねえかな。あの日みたいに、「俺こんなにイケメンじゃないよ」って言うのかも知れない。結構長く一緒に居たつもりだけど、全然分からねえや。
 ところで。翔ちゃんがずっと何かで思い悩んでいた事を、俺は知ってます。多分、今度はドライブでもしようって提案してくれたあの時から。
 そして翔ちゃんを悩ませてる原因が、俺との事なんだろうなと気付いたのは、本当につい最近。考え事をする時に唇を触る癖、昔から変わらないね。ずっと一緒に居たのに、今まで上手く寄り添ってあげられなくてごめん。
 気付いた後で、もしかして一般的な恋人同士と違って将来性が見えない俺に嫌気が刺したのかな、とか、単純に冷めたのかな、とか。そんな事を沢山考えました。今度のデートで別れを切り出されるのかなって。そう思ったら、デートの約束なんて忘れた事にしてやろうって、いつになく無い頭を捻って捻って……。子供じみてるけど、本当に色々考えたんだよ。
 でも、実際に合間を縫って会った時の翔ちゃんは、俺に優しいキスをして、欠かさず好きだよと言ってくれて。その内、もし別れを告げられても翔ちゃんの幸せに繋がるなら良いや、と。そう思える所まで来ました。だから、どうせ最後のデートになるなら一番思い入れの強い場所にしようと思って。
 翔ちゃんの手を取った時から、離れ離れになる未来なんて考えようともして居なかったけど、そんな風に思える位に翔ちゃんの事が好きだよ。これを渡せる時が来るのか、来ないのか、離れるなら、一体どんな形でそうなってるのか。全然想像つかないけど、俺はこの気持ちだけでも幸せに生きて行けるんだと思います。現に今だって、幸せで仕方ないんだよ。
 翔ちゃんは、俺と一緒に居て幸せだった? ……ほんの少しでも、そうである事を祈ります。
 追伸――幸せそうに俺を見ている翔ちゃんの顔、やっぱり好きだな。
 大野智より。
 * * *
 胸にぽっかりと空いてしまった穴を埋めるように、何度も何度も智くんの言葉を反芻する。そうして全てを読み終わる頃には空が白み始めていて、スケッチブックの上にぽたぽたと涙が滴っては文字を滲ませていく。
 智くんが残してくれた物を汚してしまうのが嫌で、表紙を閉じたそれをぎゅっと懐に抱き込んだ。
「違う、全然ちがうよ、」
 本当に優しいのは、俺なんかじゃなくて。
 何にも気付けなかったのは、智くんじゃなくて。
 言いたい事は沢山出てくるのに、息が詰まって声を出す事すらままならない。
 手を伸ばせばすぐに触れられる距離に居るのに、留めどなく溢れ出てくる苦しさを、愛しさを伝える相手がもう生きていない事が、こんなに辛いだなんて知らなかった。
 もし意識を失った先で、同じ場所に辿り着けるのなら――智くんに、たった一言でも良いから言葉を返してあげたかった。
「ごめん、ね、……智くんを、一人にはしないから」
 その一心で呟いた声が震えるのは死への恐怖心からなのか、愛する人をこの手で殺めてしまった業が深い自身への恐怖心からなのか。
 推し量る事など到底出来ない感情を振り払うように、上着のポケットから取り出した錠剤を歯で割って、一思いに冷めたコーヒーを煽った。
 左手にはペンを掴んだままの智くんの右手を、ひたすらに強く握り込んで。
 
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moko1590m · 7 months ago
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逃げろ!#助けられそうなときは助けよう#無理っぽいときは、見て見ぬふり#自分しかいないときは、見て見ぬふりが可能だったらそうして、見て見ぬふりをする自分を他の誰かが見ていないことを祈れ#監視カメラは、俺がやってない、ということを証明してくれる#助けられそうなときに助けてダメだったときは観念して、疑われたり取り調べられたりするしかないっしょ
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cinema-note · 4 years ago
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2020年12月27日、日本歴代興行収入1位を獲得した『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』。 この記念すべき瞬間に立ち合っているのは不思議な気持ちですね。『千と千尋』も映画館へ観に行きましたが、子どもの頃だったので、とんでもない作品が生まれた瞬間に立ち会ったという実感があまりなく・・・
はい、なぜ鬼滅の話をしているかといいますとね・・・ 私もようやく、鬼滅ブームに乗り込みました!!(笑)
実は、『鬼滅の刃』は、完全に乗り��れていたので、映画を観る気はまったくありませんでした。 そもそも爆発的ブームになっているコンテンツは、いつもブームの数年後、下火になったタイミングで触れることが多いのです。 というのも、微妙にあとから追いかけて、もしどハマりしてしまったらと考えると怖くて・・・
くだらないのですが、自分がハマっていなかった時間を酷く後悔してしまうんです。 あのコラボも、あのイベントも、あの限定グッズも欲しかった・・・!半年前にはあったのに・・・!といった感じで(笑) 数年経った後だと、どハマりしても、まあ何年も前だったし仕方ないな、と諦められるのですが。よくわからないですね(笑)
鬼滅ももう少し落ち着いてから、なんなら映画の上映が終わったくらいで入門しようと思っていたのですが、Netflixの宣伝に負けました・・・!
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リサ
友人に勧められて『呪術廻戦』を毎週観ているのですが、毎週観終わるごとに鬼滅の宣伝が入って・・・!(他責)
まあ1話くらい観てみるか、とボタンを押したのが運の尽き。 あれよあれよという間に、1期全26話を完走してしまいました(笑)
全話完走したところ、世間ほどハマりはしませんでしたが、世間が盛り上がるくらいにはおもしろかったので、そのまま自然な流れで映画館へ劇場版を観にいく運びとなりました。
劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編
監督 外崎 春雄 脚本 ufotable 出演者 花江 夏樹 鬼頭 明里 下野 紘 松岡 禎丞 日野 聡 平川 大輔 石田 彰 公開 2020年 製作国 日本
あらすじ
蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、≪無限列車≫に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。 禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士��ある≪柱≫のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く≪無限列車≫の中で、鬼と立ち向かうのだった。(公式サイトより)
急展開&スケールの大きな物語は、映画にぴったり!
はっ・・・話の展開早いね??テ��ビアニメに比べて、物語が展開スピードが早くて、びっくりしました。 テレビアニメの炭治郎立志編は、一つひとつの話を丁寧にじっくり描いているなと感じていたので、映画はかなりサクサク進んでいるように感じました。 原作を読んだことがないので、終わりまでの展開がどうなるのかがよくわらかないのですが、映画での話が作品としてもキーポイントなのかな?
そして、映像への力の入れようは、劇場版でも発揮されています! アニメシリーズの頃から、戦闘シーンの映像はものすごく作り込んでいるなあと思いながら観ていましたが、映画でも気合の入った、というか、入りすぎて燃え上がっている戦闘シーンを多々観ることができました!
最近はガンダムだとかルパンだとか、昔のアニメを観てばかりで、ここ10年くらいのアニメ作品はほとんど観ていなかったのですが、もうあのくらいのクオリティが普通なのでしょうか・・・
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リサ
昔のアニメの、作画(もしくはストーリー)崩壊回と神回のギャップが結構好きなのですが(笑)、今のアニメはどこを切り取っても安定しておもしろくて、そこに加えて神回があるからすごいですね。
あくまでテレビアニメの続編として作られた作品
ストーリーはテレビアニメの続きになっており、特になにか説明が入るというわけでもなく、テレビアニメの最終話からの続きとして始まります。
最近はテレビアニメ→続編を映画、という形式も当たり前になりましたね。 昔は、劇場版の制作が決定されると、大盛り上がりしていた気がしますが(笑) いまは続編や番外編なんかもバンバン劇場版として制作されますもんね。 ここまでの盛り上がりは見越していなかったと思われますが、おそらく劇場版の制作はアニメ制作が決定した段階で決まっていたんでしょう。
炭治郎たちは、蝶屋敷で治療・特訓を終え、再び鬼殺隊として新たな任務に就くことに。 任務は、無限列車の調査。無限列車に乗った人が鬼の所業により突如姿を消してしまう事件が多発。 その真相を突き止めに、炭治郎たちは無限列車に乗り込みます。
鬼と対峙し闘う、という形式はテレビシリーズと変わりないのですが、鬼の戦い方がかなり複雑になっていましたね。 さらに、巻き込まれる人間の数も増え、戦い自体がスケールアップしていました。
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リサ
確かに、バトルの展開や内容を考えると、映画向きかもしれませんね。
夢を見せ、操る力を持つ鬼・魘夢が、炭治郎たちの行手を阻みます。 術をかけた相手にとって良い夢を見せて、夢��中に迷い込ませたまま殺す、というなかなか手強い敵なのですが、炭治郎は持ち前の強靭な精神力(主人公パワー)で魘夢の幻術を破り、本体へと迫っていきます。
炭治郎が目覚めるために夢の中の自分を殺すシーンがあるのですが、迷いなく首を切っているのがたくましくもあり、辛くもあり・・・ いずれ夢か現実かわらかなくなるんじゃないかと思っていたら、案の定そんなシーンがあり、にんまりしました(笑)
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リサ
似たような話を、どこかでもみたような気がするのですが、なんだったかな・・・ 昔の怪談とかってそういうのありますよね。夢だと思ったら現実だった、的な。
炭治郎たちの夢が全く方向性が違うのもおもしろかったです。 炭治郎や煉獄さんはめちゃくちゃシリアスなのに、善逸と伊之助の夢はすごい楽しそう(笑)
鬼滅に登場するキャラクターって何かしら辛い過去を抱えている子が多いので、その辺りを深掘りしてくるのかと思いましたが、今後のお楽しみってことですかね。
必死の思いで敵を倒して、ほっとしたのも束の間、突如やってきたラストの展開は衝撃的でしたね。 いや〜、煉獄さんは今回はサポーターなのかと思ってたから・・・ 映像の演出も相まって、心を燃やせじゃないですが、胸が燃えるように熱くなりました。
これだけ観ている人がいたら、ネタバレも何もない気がするけど、原作未読の身としてはフラストレーションがいい感じに溜まる終わり方で、辛いですね〜 あのラストを回収する展開が後半にあると思うのですが、どんなふうになるのか気になって仕方ないです。
バトルシーンの迫力は映画館で観るのが正解!
キャラクターに対して、キャーキャーするような歳でもないので、こんな小さな子が必死になって戦って・・・と、完全に親のような目線で見守っていました(笑)
炭治郎って長男だから頑張ってきたのか、年齢の割には悟っていますよね。だからこそ、どんな強敵も倒していけるのだと思いますが・・・ 時には、とてもその年齢の男の子が言うようなセリフじゃないセリフを聞くこともできるので、ハッとさせられる瞬間があります。
今回の映画では、家族と別れるシーンや、敵が悪夢を見せてきたときに、ブチ切れるシーンのセリフが最高でした。 「俺の家族がそんなこと言うわけないだろう!」ってマジギレするシーンがグッときました。良い子だな〜
あとは、クライマックスの炭治郎と伊之助のやりとりがよかったな〜 壁を越えようとしたらまた壁があって、自分はそれを乗り越えられるかって炭治郎が不安になるんですが、それをみて、伊之助が檄を飛ばすんですよ。 そのセリフがよかったな〜 ネタバレになるから(これだけ世の中で観られていたら、ネタバレもクソもない気がしますが)細かいセリフは書きませんが、もうその通りだよ伊之助!!と(笑)
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リサ
独りでやり��い放題やっていた伊之助が成長していて、お母さんは嬉しいです・・・(笑)
300億の男・煉獄さんは、クライマックスで株が爆上がりしましたね。最高にかっこいい。 中盤、最初のクライマックスではほとんど出番がなかったので、今回はサポート役なのかな?と思っていたら・・・ というか、今回入場特典でもらった描き下ろしのポスターがいろいろ語っていて、ちょっとね、軽くネタバレくらっていました(笑) まさかこんなに早くとは思っていなかったので。
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リサ
漫画を読んでいた友人曰く、煉獄さんのくだりは意外とあっさりだった印象だったようで、アニメの方がよかったわ〜と言っていました。
煉獄さ・・・煉獄さん〜〜!!!
友人が言っていたように、やっぱりアニメで動きが生まれると、漫画とは違った良さが生まれますよね。 アニメシリーズから引き続き、生き生きとしたバトルシーンが印象的でした。
炭治郎(後半伊之助)と魘夢のバトルもよかったですね。炭治郎が何回も眠っては自分を殺し、眠っては自分を殺しを繰り返しながら本体に攻撃をするシーンはテンション上がりました。 もちろん、首を取ったあとも一筋縄ではいかない展開が鬼滅らしくて良いですね。 テレビシリーズでは、鬼が倒されるときは人間だった頃の記憶の回想シーンがついていましたが、今回はありませんでしたね。
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リサ
魘夢は声優さんの演技も相まって、最高にイカれててよかったです・・・
と、主人公たちの活躍もテンションあがったのですが、ラストの煉獄さんと猗窩座のバトルが異常なくらい気合入っていて、いろいろ持っていかれちゃいましたね〜! ラスト20分くらいは、心の中で煉獄さんコールの嵐でした(笑) 炎ってのがまたバトル映えするといいますかね。煉獄さんが型を披露するたびに派手な演出になっていくのがテンション上がりましたね。 バトルがクライマックスになった瞬間の、煉獄さんと猗窩座の声優さんの演技も、ボルテージが最高潮で、グイグイ引き込まれました。
戦い終わったあとの煉獄さんと炭治郎とのやりとりもね・・・ うるっとはきていたのですが、伊之助が泣いているのをみて、お前も泣くんか、と思ったらダメでした(笑)
総評
評価
ストーリー
(3.0)
キャラクター
(3.0)
キャスト
(4.0)
演出
(3.0)
映像・音響
(4.0)
総合評価
(3.5)
良かった点
映像クオリティが高すぎ
声優さんの熱演が最高
完全にファン向けの脚本で勝負
ストーリーがアニメシリーズの途中から始まるパターンは、初見殺しといえば初見殺しなんだけれど、そ解説や回想シーンが入るとかえってテンポが悪くなってしまう可能性もあるので、振り切って続編として作ったのは良い判断だったように思います。 結果的に映画とカテゴライズしていいのか疑問に思う部分も生まれてしまいますが、単発作品でない限り、初見向けの要素も入れるか、ファン向けに作るかというのは悩ましいポイントですね。
悪かった点
特になし
まとめ
おもしろいかおもしろくないかで聞かれれば、おもしろいのですが、何回も観にいくかというと・・・? ストーリー展開のテンポの良さや映像のクオリティは大満足ですが、なんだろう。 自分の中では映画というよりは、一つのアニメ作品の続編という位置付けから抜け出すことはありませんでした。
こそっと素直に思ったことを書くと、鬼滅が爆発的ヒットを生んだのは、世情の影響は大いにありそうですね。 ストーリーや構成は王道的かつシンプルでわかりやすい、キャラクターも個性が立ってて印象的、アニメのクオリティも非常に高い。 アニメ化されれば普通にヒットしたと思います。しかしここまで爆発的なヒットを迎えたかというと、どうかな?
映画に関しても、ひとつの映画作品というよりは、テレビアニメシリーズの延長としての作品、という印象がありますね。 つまり、その・・・あれですね、興行収入1位をとるような「何か」があったはずなのですが、私はその「何か」をキャッチすることができませんでした。
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リサ
でもこんなご時世で、こうやって映画が盛り上がっているのは素直に嬉しいですね。 盛り上がったついでに、みなさん、『千と千尋』も『アナと雪の女王』も『タイタニック』も観たら良いと思うよ!
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xf-2 · 7 years ago
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■5/7放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」  GW期間中、アメリカに出張していた青山さん。  トランプ大統領が5月4日、米朝首脳会談の場所が決まった、間もなく発表すると記者団の前で明言しましたが、未だに発表なし。  いったいトランプさんとその周辺で、何が起きているのでしょう? ※トップ画像は『イギリス外交官によるアヘン戦争の話』にびっくりした後、大笑いする居島一平さん。  私もこの話にはびっくりしました(^_^;  ※元動画はこちら(5月8日午前0時現在)。URLが変更される(修正版がUPされる)こともあります。その場合は、DHCシアターの再生リストから、たどって下さい。但し、アーカイブは2週間の公開です。 ※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。  内容紹介ここから____________________________ (★)オープニング(着席後)  先週の日��日の早朝に出発して、7日間でちょっとブログにもくり返し書いちゃったんですけど、太平洋を越えて、それからアメリカ、北米大陸も全部越えて、行き帰りそれがある中で、わずか7日間で6ヶ所回ると。  アメリカのテキサス南部から一番遠くのワシントンDC、そしてハワイ・真珠湾に行くんですけど、遠すぎて直行便ないって知ってます?  だもんでいったんシスコで降りて、シスコは中国系の市長が、スーパーマーケットで買い物中に突然倒れて亡くなるという大事件が起きて、来月市長選挙なんですよ。  だもんでシスコの様子も見て。  ハワイでは太平洋軍司令部と太平洋艦隊司令部と行って、土曜日に帰ってきて今日なんですよね。  全部アメリカ対象なんですが、それは要は、米朝首脳会談が間近に迫ったと思われる、まだ絶対やるとは決まってないんですけども、まあ決まりつつあるわけですよね。  日本としては言わなきゃいけないことが少なくとも3つ、3つっていうか本質的には2つあるんですよね。  1つは、北朝鮮に自主的に核兵器を廃棄していただくという話ではダメで、北朝鮮のすでに持ってる日本に向けた核ミサイルを破壊しなきゃいけないんですよ。  それをここまで行ってる以上は米軍がやってくださいと。  残念ながら、わが自衛隊、やれる権限があるならやりたいけれども、この不当な不当な憲法のもとで、国会議員には憲法擁護義務がありますが、そのことをおっしゃる野党やいわゆる左翼の方もいらっしゃるけれども、これはもう笑ってしまう話で、その憲法96条に必要な改正しなさいって趣旨のことが書かれてあるから、その意味で現状では全く不当な憲法のおかげで、自衛隊が日本に向けた核を解体することはできないので、その代わりアメリカ軍がやってくださいと。  もちろん決めるのは合衆国大統領であり、行動するのは米軍だけれども、日米同盟を考えれば、日本も沖縄だけじゃなくて、三沢や横須賀や、あるいは座間、厚木、岩国、佐世保、そして沖縄と、多大な負担をしているんであるから、日米同盟の観点から、アメリカはこの核兵器を北朝鮮に自主的に廃棄していただくというような、胡乱(うろん)の話ではなくて、自ら核兵器を見つけ出し、アメリカ本土のロスアラモスっていう核兵器の研究所に持っていって、これを解体し、それが第一と。  それから第二は、拉致被害者の救出は日本の責任であって、日本がこれから交渉も通じて実現するんだけれども、必ず日米同盟の裏打ちがないと、つまり自衛隊はこれも不当な憲法のために、自国民救出という、戦争ではない正当な行為もできないでいるので、これを米軍が、すみません、実際に使った言葉で言うと、エンドゥールス(endorse)、日本語にない言葉なんですけど、実行することとかそういうことを背後から保証するっていう意味ですね、それをやってくださいと。  この2つが主な日本の本来言うべき主張で、それに加えて、板門店で、DMZ、非武装地���、要するに38度線ですよね、朝鮮半島の、ここで北朝鮮と韓国あるいは国連軍がにらみ合ってる形になってるわけだけども、ここで例の南北首脳会談やって、ま、問題発言、今日冒頭から覚悟してきたんですけど、ま、猿芝居ですよね。  日本でもあっという間に金正恩委員長が正常な人みたいな、あれだけ虐殺をしておきながら(スタジオ一同同意)。  数回握手して、境界線またげばそれで正常なんだみたいなね。 (居島一平:微妙なお祝いムードが漂ってましたね)  そこで米朝首脳会談もやるようにってアメリカに韓国が働いかけていて、それは実はトランプ大統領にノーベル平和賞を取らせるっていう裏提案とセットなんですよ。  で、そこはさすが韓国で、大統領に直接働きかけるだけじゃなくて、何と議会にお金も投じて働きかけをしていて。  お金ってまさか賄賂を渡したりしないんですよ、そんなことやられるとアメリカは司法が黙ってないですから。  そうじゃなくて要するに罪にならないけれども、実際非常に助かる、お金のかかる支援もして。  だからアメリカの国会議員が連名で、要するにノーベル平和委員会に自らの大統領を推薦すると、いうことまで起きてるわけですよ。  これはトランプ大統領が、例えば金正恩委員長ぬきにお取りになるんだったら、それはもちろん結構な話だし、日本が本来はよけいなこと言う立場じゃありませんが、しかしこれは本当は何を意味するかというと、それやるとですね、金委員長と一緒にノーベル賞をとるとしたら悪夢ですけど、仮にそうでなくてもですよ、北朝鮮に戦争をしないことでノーベル平和賞をとってしまうと、戦争はしちゃいけないけれども軍事オプションも事実上なくなるんですよ。  と言ったらアメリカ側で、いや、うちの大統領はそうとは限らないよと言った人がいて(笑)、呆れることは呆れたんだけれども、一般的に言うとですよ、ノーベル平和賞をもらっておきながら、こっちの人(金正恩)は虐殺の疑いがあるから受賞まで至らなくても、この二人が喧嘩しないことでノーベル賞をもらっといて、もらってからゴツンというわけにはいかないでしょ、普通だったら。  合衆国は大統領の権限強いけれども、戦争について議会の意見が全く反映されないわけでもないんですよ。  そうするとその後の政局にはもうできなくなりますよね。  だから板門店でやるって事はそれを実は進めることになるので、本来は日本が干渉すべきじゃないと僕も思うけれども、これはやめてくださいと。  この3つは、本当は日本国が国として言わなきゃいけないけれども、この憲法を頂点とした敗戦後の日本の間違った在り方によって、これ安倍総理といえども一言も言えないんですよ。  じゃあ外務省が代わりに言えるかっていうと、そもそも外務省の体質から言っても、とってもこんなこと言えないんですよ。  じゃあ防衛大臣は言うかというと防衛大臣はそんな権限、基本的にないんですよ。  僕は民間時代からその役割をね、誰にも頼まれないで勝手にやってきたわけですけど、ほとんど無駄に死ぬだけですけれども、現在は国会議員としてそれを…、代わりにってわけじゃないんですよ、総理に全く頼まれてないし、誰からも指示は受けませんから、しかし自分の自由な意見としているように、自費で全て賄って、行ってきまして、今日の話はそれに全部関連することなんです。  で、繰り返し繰り返し、この2+1ね、1つは核兵器を米軍が破壊しなきゃいけない、自主的な廃棄なんていう偽物の合意はやめてくださいと。  それから拉致被害者の救出を日米同盟のために具体的に協力してくださいと、あるいは後押し、さっき言ったendorseして下さいと。  それからプラス1で板門店での米朝首脳会談を止めてくださいというのをずっと言い続けた1週間で。  それでこれもちょっとブログに、今日未明だったかな、時間がないのに書いちゃったんですけど、日本に帰ってきたら、もうご存知の現実に、もう呆れかえってしまったんですよね。  北朝鮮が降りてきたのは、あくまで制裁が効いたからで軍事圧力は関係ないっていう人が、ついこないだまで政治家やってて、今は落選なさってる人だけど。  個人のことは僕言いたくないので、どうしても個人名出したくないんですけど。  その方のことを言ってんじゃなくて、これが日本を支配してるわけですよ。  この坂を上がった国会議事堂もそうなんですよ。  野党がずっと審議止めてきましたが、自由民主党の中にそういう意見ないんですか。  大ありですよ。  だからあえて自由民主党の議員になって、部会で言って、ここでお話をしてて、いろいろ問題視をほんとはされてるわけですけど。  本当は呼び出されたこともありますけれど、それ議論できますから。 (1)米朝会談の日程・場所決定 近く発表  まずお気づきになった方、改めて多いと思うんですが、(5月)4日、トランプ大統領はもう決まったとおっしゃったんですよね。  今日、時差もあって日本が先に行っちゃいますが、もう7日ですよね。  いやしくも合衆国大統領が、史上初めての北朝鮮の独裁者との会談について、自ら、しかも記者団にろくに話してくれないトランプ大統領が、突如ご自分の方から、ある意味ご自分の方から、もうずっと問題になってる場所どこなんだというのは決まって、間もなく発表するとおっしゃって、その発表ないんですよ。  まあ、あと5分後にあるかもしれないけど、最近動き激しいからよけいそうなんですが、但しこれは4日(土)の「よるバズ」でも申し上げたんですけれども、ニュースには尻尾がある。  「よるバズ」ではほとんど何の反応もなかったんですけれど(笑)、「虎ノ門ニュース」ではお分かりいただける方も多いと思うですが。  尻尾があるっていうのは、面白いっていうことでもあるかもしれないけど、ご自分の頭で考えてくださいね、僕の話もきっかけにすぎませんという意味なんですが。  要するに4日に、時差があって昼夜逆転ぐらいの大きな時差があるんですけど日本とアメリカは、それでも4日に大統領がおっしゃって未だに発表ができないでいるっていうのは、要するに大統領が希望してる場所を、大半みんなが嫌がってるってことなんですよ。  今回僕はぐるぐる回った時も、はっきり言った人もいれば、非常に慎重に遠回しに、それは本来は板門店じゃないほうがいいんですよって言った人もいれば、中には怒った人もいるんですよ。  結構言い合いになったんですけど、これは僕と仲いい人だから言い合いになったんだけど、俺にどうしろって言うんだよと。  もっと正確にニュアンスを言うと、関西言葉で無理に言うことでもないんだけど、「わしにどないせえゆうねん、お前は」と。 (中略。一平ちゃんのニュース読みが上手い等々)  この記事の中に、トランプ大統領自身がもうその場所の候補は2箇所になったんだと。  で、板門店、非武装地帯ですよね、英語だと…。 (中略。板門店や村の話)  この記事にもそう書いてある通り、トランプ大統領は、実際アメリカ行ってよく分かったんですけど、下に板門店でやりたいってことを何度も下ろしてるわけですよ。  たとえば、ここは推測です、本人に会えなかったから、っていうか会うの申し込んでないから。  首席補佐官のケリーさんって人がいます。  元海兵隊の大将まで勤めた人で、しかも前の大統領首席補佐官をトランプさんがまた、これはわりと前だけどクビにしちゃって、そのあと軍人なら気分が合うからって���んだのがケリーさん。  ところがこのケリーさんは、板門店は良くないと。  色々この後にニュースで出てくるんですが、大統領のおっしゃることに反論して、もう、ご本人は強く否定なさってますが、大統領はバカだと、また例によってね、ティラーソンさんだけじゃなくてまた言ったって話がもうワシントン、政権の内部で普通に話されていて。  また話を元に戻すと、今日はこうやって行ったり戻りを意図的に何度もやるわけですけど、つまりは文在寅大統領の工作にけっこう乗っかってるわけですよ。  ノーベル平和賞やっぱりほしいんですよ。  単純に中間選挙、再選のためとは言い切れない。  つまり、基本的に選挙ってのは景気で決まるので。  アメリカは外交・安保が選挙に影響する国です。  日本はあまり影響しないけど。  でも基本的には去年の10月の日本の総選挙が安倍総理の圧勝に終わったのは実は景気がいいからで、賃金はなかなか上がらなくても、ここで総理代えたら景気が悪くなるとみんなが…。  ちょっと話が今日は逸れすぎかもしれないから、もうちょっと中心に戻していくと、トランプさんは、ニュースに尻尾があると言ったのはいっぱい意味があってですね。  下に下ろしたけど受け入れてくれないから、急に記者団に言ったわけです。 (アメリカのメディアの話。ちょいちょい話がずれるので以降も適当にはしょっていきます<(_ _)>)  今回の件は、記者団に突然間もなく発表するって言ったのは、1つはトランプさんよっぽど困ってるわけですよ。  クビにしてもクビにしても、新しい人を雇っても、言うこと聞いてくれない。  クビになれば民間に行って、たとえばクライスラーのトップになったりするわけだから、官民が自由自在に入れ替わるから、日本と違って保身に走る必要があまりないシステムになってる。  だからもう決まったんだ、発表するんだと、バーンと言ってしまったわけですよ。  で、広報担当のホワイトハウスのスタッフも実はそれ、よく知らないままやられちゃったと。  ところがその後はまだ抵抗してるんですよ。  もう一回具体的に言うと、選挙は景気で乗り切れても、特に中間選挙は今、景気いいから乗り切れてもね、あるいは再選まで考えると、やっぱりここでノーベル平和賞もらいたいと。  そしたら「よるバズ」で、アメリカ経験の長い女性の方が、この方は非常にまともな人だと思いますけど、オバマさんがもらったからいらないんじゃないですかという(笑)。  その人は評論家なのかタレントなのか、だからいいんですよ、言っても。  政治家は本来そんなこと言っちゃダメですけど、頭で思ったこと言っちゃダメだけど。  いいんだけど、それは違うんですよ。  それもオバマさん(トランプさん?)を普通の人と考えるからそうなる。  オバマさんの政策は覆してるけど、オバマさんがノーベル平和賞もらったんだったら自分はいらないっていうんでもないんですよ。  これはだって箔付けになるじゃないですか。  箔がないっていうのがトランプさんの悩みなんだから。  破綻したビジネスマンにすぎないっていつも言われて、新聞にも堂々とグラフが出てきて、ほとんど嘘だみたいなことまで…(笑)。  いくらモリカケあっても安倍総理もさすがにそこまでは言われないけれども。  だからすごい箔付けになるから、やっぱりほしいというのがあって。  そうすると話の本筋は、米朝首脳会談の目的が、核兵器の廃絶でも、あるいは日本にとっての拉致事件の救出につながることでもなくなっていって。  朝鮮戦争は1950年に始まって53年に休戦になって、今も休戦なんですよ。  1953年ですから65年間ずっと休戦のままっていうね。  はっきり言うと、子供に説明できないような話になってるわけですよ。  そこにかかってるコストも実は、そこはトランプさんが在韓米軍のことをおっしゃる通りね、膨大なものがあるわけですよ。  65年間戦わないって、普通は現代史ではもう戦争終わってるって意味でしょ。  もう終わってるのにこれ続ける意味があるのかと。  だからある意味そう難しくないんですよ、形式的なことだから。  朝鮮には終わったんですと。  朝鮮戦争は終わったけど、新朝鮮戦争すぐかもしれませんみたいな話なんだから。  でも65年間も終わらせられなかった戦争を終わらせましたって言ったら、ノーベル平和賞には十二分になるじゃないですか。  それははっきり言うと、当時のオバマ大統領の授賞理由は、何も知らないチェコの素朴な民衆に、プラハで「核なき世界」って言っただけですから。 (居島一平:演説だけって言っちゃ、だけですもんね)  演説だけなのもひどいけども、あるわけないじゃないですか。  核少なき世界って言ったら…、核は維持費が大変だから。  それがいきなりノーベル平和賞でしょ。  でもオバマさんそのあと8年間それに縛られたんですよ。  だから軍事行動がほとんど取れなくなったっていう現実は実はあるんですよ。  それで側近や、僕ごとき全く関係ない外国人まで含めて、シンガポールにしましょうと。  それでウランバートルとかね、あるいは僕は東京を主張したり、いろいろあったんですけど、シンガポールは残ってるんですよ。  で、ひとつはこれは、お気づきだと思いますけど、シンガポールやマレーシアがね、金正男さんが殺された場所、クアラルンプールの空港ってことを考えていただいても、シンガポール、マレーシア、あの辺りの東南アジアの情報発信地は、北の手がすごく入ってるんですよ。  そこは北朝鮮、さすがなんです、ほんとに。  たとえば中東だったらドバイとかアブダビとかドーハって所に、死の商人と強いパイプを持ってるように、アジアでは圧倒的にシンガポール、マレーシア使ってるんですよ。  だから本当は裏でものすごく親密だから、北朝鮮としてもかなり安心ができるんですよ。  ただ問題は電車で行けないと(笑)。  場合によっては、これ表に出てないアイデアなんですけど、米軍機を出して運ぶかっていうね。  要するにいわば、仲良くしてますっていうのを見せつけるためにね。  っていう裏アイデアもあるんですよ。  これが簡単に実現するとは僕も思ってないですけど。  だから運ぶ手段は、たとえばシンガポール航空機のチャーターだったら、北朝鮮との深い関係から言って大丈夫じゃないかって話もあって、シンガポールにしようと。  で、これでまたせめぎ合いが続いてるんですよ。  それで僕は今日ニュースに入る前に冒頭あえてちょっと長くお話したのは、こういう背景を知っていただきたいからで、本当はですね、本当は日本国は主権国家で、自前の憲法があり、自前の防衛力もあるんですから、余計なお世話ですがと前提を置いたらですね、板門店やめてくださいと。  朝鮮戦争の当事者は、確かに南北と、南北朝鮮、韓国と北朝鮮そして米中だったけれども、直接影響するのはロシアとわが国日本ですから。  私たちは発言する権利があるないじゃなくて、発言せねばなりません。  それは日本国民の幸福と国益とそしてアジアの安定のために、我々言わなきゃいけないと。  これ言うのが外交なんですよ。  それでこれを言わない外務省をだらしないって言うのは簡単だけども、いつも申し上げてる通りこの憲法がこのままである限りは、日本国外務省は憲法を度外視した活動って絶対できない、しませんから。  してる国ありますよ?  憲法なんかいつでも変えられるから、独裁国家チャイナやロシアにおいても、北朝鮮においてもですね、好きなように変えられるから、人治国家だから。  日本は法治国家なんで、外務省は要するに後ろに軍事力がないまま外交しなきゃいけないから、言うべきことが言えないんですよ。  そうすると実は普通の海外主張じゃダメで…。 (中略。SPに焼肉食べさせた話、アメリカが青山さんのことを調べてよく知ってるという話など)  だから僕は今日言いたいこと、本当は1個だけなの分かります?  こんなおっさん1人でやっててもダメなんですよ、本来。  だから憲法を変えましょうってこと。  憲法を、それも最終的には僕たちも、もうちょっと次の世代にはなると思うけど、自分で憲法を一から書かないといけないですよ。  もっと簡潔なものを。  でもその前に9条だけでも変えないと。  9条を変えたら戦争になるんじゃなくて話は逆で、9条を変えたらやっと外交ができるようになって、おかしな戦争のリスクが減るんですよ。  そんなこともわからんのかって話なんです。  だから毎回、特に今回そうなんですけど日本に帰ってくるとどっと疲れが出るんですよ。  それは強行軍の疲れじゃなくて、なんやこの孤立した社会はと。 (2)トランプ大統領 在韓米軍の縮小検討指示  これまず基本押さえなきゃいけないのは、ニューヨークタイムズをはじめとしたメディアが言ってるだけです。  皆さんご存知だと思うんですが、アメリカのメディアはさすがに日本のオールドメディアほどひどくはないけれども、トランプ政権は反メディア政権なので、FOXニュースなど以外は、ニューヨークタイムズもワシントンポストもCNNもABCもCBSも、みんな反トランプですから。  そういうメディアが、またトランプさんおかしなこと言ってるっていうニュアンスで報道してるだけで、合衆国政府や米軍がこれを公式にいささかでも認めたことはありません。  ありませんが、客観的に見ると、まったくのフェイクニュースとは言い切れないです。  つまりトランプさんは、これは当たり前のことだと思うんですけど、ま、こういうのモリカケの話に似てくるんですけども、たとえば総理が構造改革特区じゃダメだから国家戦略特区で上からガーンと行くのをやりましょうと。  それで壁を突破しましょうって言ったら、たくさんのものが、そういう意味では首相案件になるわけですよね。  それは全くおかしくないんですけど、トランプさんが例えば在韓米軍は本当に必要なのかっていうのを下に聞くっていうのは、これはむしろ知ったかぶりしないで聞いてくれるだけ、すごくいいわけですよね。  これは一番ケリーさんが強くその大統領の考えに反対したと言われてるんですけど、根幹はもう北朝鮮の話はないんですよね。  で、合衆国も、実は本当は日本も、ここは冷静に見てて、北朝鮮はいろんな意味で中国の一部なんですよ。  一部で、なんて言いますかね、子が親に逆らうようにね、いろいろ逆らってみせるだけで、基本的にはこう、養われてる状況は全く変わらないんですよ。  そもそもそうじゃないと北朝鮮は食えないんですよ。  もともとはソ連があって、共産圏の貿易の世界があったから、北朝鮮もかなり食えたんですけど、それがなくなって食えなくなりつつあったのを、中国が改革開放政策で資本主義と妥協して、そっから北朝鮮もいわば食えるようになった。  しかも北朝鮮がさっき言いました、アブダビとかドーハとかドバイ、中東諸国で死の商人と連携をして、核技術を売ってきたわけですよね。  だから核開発は商売ですよってずっと僕言ってきましたよね。  長いのとか短いのとか真ん中のを撃つのは、軍事目的もあるけどいろいろ使い出を中東諸国に見せてる。  カタログを見せてたんですよね。  でもこういうのも全部チャイナのendorse、名詞で言うとendorsementがないとできないんですよ、これは。 (中略。死の商人に自慢げに見せられた武器カタログ(全部中国製と北朝鮮製)の話)  何を言ってるかと言うと、在韓米軍も本当は北朝鮮のためにあるんじゃなくて、朝鮮戦争をもう一回やるかもしれないから、韓国軍のためにいるんじゃなくて、チャイナが下りてこないようにいるわけですよ、本当は。  あくまでチャイナを見てるわけです。    したがって今回の南北首脳会談だの、あるいはやるかもしれない米朝首脳会談だの、本当は中国とアメリカの関係であるし、その時に日本は結果を待ってるわけにいかないと。  だからどういう形にしろ、北朝鮮の核保有国の存在を認めるとですね、結果的に認めると、中国の一部としての朝鮮が核保有国として対馬海峡まで下りてくる。  だから韓国が対馬を自分のものみたいに言ってるとかしてるとか、日本はそれに十分応じきれてないとかいう問題も、実はこういう目で見ると中国のそういう南下政策とぴったり一致してるんであって。  したがって、この現在の安倍政権が中国に対して、これからニュースやりますけれども、少なくとも今までは厳しい姿勢を取ってきたっていうのは、非常に意義があることなんですよ。  だから逆にそれは非常に切りくずされようとするから、この坂を上がった国会議事堂、そして坂上がらないでこっちに行くと霞ヶ関の官庁街、そこに膨大な中国の工作が行われてるっていうのは、僕は今これから終わったら戻っていく議員会館も、チャイナの工作がどんどん入ってくるわけですよ。  だから僕は政治献金1円も受け取らないんですよ。  もし皆さんだったら善意だから受け取るってことにしたら、皆さんのところにも食い込んできて、結局ふた開けたらチャイナの金だったと、青山は中国共産党からお金を5000円もらってたと。  5000円で十分、失脚しますよ。  だから在韓米軍の撤退っていうと話が���かしくなるんだけど、このニュースにあるように縮小ですから。  要するに、米中関係の在り方によっては、北に特化してるような部分はいらないんじゃないかと。    これも皆さん改めてネットを通じてもう一度自分でも調べ頂きたいんですが、在韓米軍と在日米軍、考えると、なんとなくこう僕ら日本国民の頭だと、在韓米軍はすごく大きくて、朝鮮戦争は休戦中なんだから、もうガンガンな軍隊で、日本はそこそこだろうと思ってるでしょ。  全然違いますよね。  本当は在日米軍がアジアの米軍の全くの主力であって、そもそも朝鮮戦争の無残な経験からアメリカ軍はずっと、今、特にそうだけど、前から韓国を信用してない。  でも硫黄島の戦い、沖縄戦を含めた、あるいは終戦処理の見事な手際、陛下が一言おっしゃっただけで鎮まるってことも含めて、アメリカは日本をすごく尊重し、だけど同時に警戒し、すごくこう評価し、だけど警戒し、という日米関係ですから。  だから圧倒的な主力は在日米軍であって、なかんずく、ここからすぐに皆さんももし行ける方いらっしゃったですね、このまま新橋から東海道線を使って横須賀に行っていただいた方がいいですよ。  あそこにいる第七艦隊が世界中の米軍の中心なんですから。  ハワイ・真珠湾の司令部も結局、第七艦隊が一番大事なんです。  だから在日米軍の方が圧倒的に信用できるし、それから実力も段違いに強いので。  したがって、中国との長い長い対峙を考えると、クレディビリティつまり信頼感がすごく高い日本、しかも歴史的にもほとんど動揺しない国でしょ日本は。  朝鮮半島か中国大陸とかロシアとかもう無茶苦茶にひっくり返るじゃないですか。  日本はそれほとんどないわけですから。 (中略。アメリカが直接攻撃された9・11同時多発テロと、陰謀論の話など)  9・11でアメリカも襲われるんだと分かってから、実は基本的に米軍を内側に退こうとしてる。  トランプさんのはるか、オバマさん以前の問題です。  これを米軍の世界再編って難しい言葉で学者は言うわけです。  難しくない。  今までは外に全部出してたわけ。  一番強いのに限って外に出してた、第七艦隊みたいに。  それをこう内側に戻していこうと。  内側に戻していく時に、空白ができるでしょ。  たとえば北東アジア、それ韓国に任せるんですか。  任せるわけがないでしょう。  じゃあチャイナに任せるの?独裁主義の。  じゃあどこですか。  ここしかない、ジパングしかない。  ここしかないから、トランプ大統領は安倍さんの親友でもあるから、あれだけ信用できる人間が総理やってるんだから、頼りにならない韓国よりも、こう日本に頼って、日本で守ればいいじゃないかと。  これは日本にとったら防衛線が下がってくることだから、ああそうですね、信用してくれてありがとう、というわけにいかないんですよ。  ちょっと待てよあんたっていう話をしなきゃいけないと。  憲法を変えて対等にその話をしなきゃいけないっていうのが、この話(在韓米軍の縮小検討)の大事なところで、こんなこと言うなんてトランプさん馬鹿じゃないかとかいう風に、日本でもうずっとオールドメディアだけじゃなくて「よるバズ」のようなネットメディアでもそれ言ってるから、若い人に変なこと教えないで下さいよ、ほんとに。 (3)刺激すれば対話白紙に 北朝鮮が米国をけん制 (4)圧力維持の日本非難 北朝鮮メディア (ざっくりまとめ) 【北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞はきのう(6日)の論評で、日本が北朝鮮への圧力維持を掲げながら、米国や韓国を通じ日朝対話を模索していると非難しました。労働新聞はこの中で日本に対し、「悪い癖を捨てない限り、1億年たってもわれわれの神聖な地を踏むことはできない」と主張しました(読み上げた居島一平さん苦笑)】  労働新聞の原稿を書いてる人って、僕やっぱ会ってみたいな(一同笑)。    これは2つ並んで♪キンコンカンコン♪キンコンカンコン♪  今週のなんちゃってニュースです。  これ全くどうでもいい。  これ場所選定がトランプさんの思う通りに今のところなってないみたいだけど、まあでも板門店とシンガポールに絞られてきたんだったら、米朝会談できるだろうと。  そしたら値段釣り上げなきゃと。  特に日本はあの憲法、やっぱり憲法改正はなかなかできませんね、日本なんか全然大丈夫だけれども念を押しとかなきゃ、で、やってるだけだから。  ま、これをもって日本の国内の動きを僕達はよく見るべきってニュースにすぎない。  北朝鮮が何を言おうと、ほとんど関係ないです。  が、その上で安倍総理はどういうことを考えてるかというと…(次のニュースへ)。 (5)北朝鮮核・拉致解決協力 日中首脳が初電話会談 (ざっくりまとめ)  まず中国の国家主席は、毛沢東さんなんかも含めて、電話してるってイメージあんまりないでしょ?  実際に電話を頻繁にかけてるかかけてないのかってのは、アメリカと違って、チャイナにも僕はルートありますが、なかなかよく分からないんですけど、どうも電話あまりしないみたいです。  僕の把握できた限りですよ。  皇帝陛下が電話なんか軽々になさらない、というのがまずあるんですよ。  もうひとつは、電話は盗聴される。  したがって今回の日中首脳会談が物語るひとつは、拉致事件の解決で、アメリカにはずっと協力要請したけどチャイナにあんまりないよねと。  これは評価はどこまでしていいかどうか僕まだ考え中なんですが、さっき言いました、実は北朝鮮はチャイナの影響力が強くて親子みたいな関係だと。  だから拉致被害者の、また例によって一部であろうと懸念されるんですが、北朝鮮が解放あるいは帰国を検討してることはほぼ間違いがないんで、このタイミングにその親から言ってもらうと。  わが国会のリーダーの一人の玉木さんて方が、親に言われたんで国会審議に戻ると、思わず本音をおっしゃって(笑)、だから玉木さんって決して悪い人じゃないと思うんだけど、よく言いますね(笑)。  最近中学生でも親に言われたんで学校に戻ってきましたって言わないでしょ(笑)。  それぐらい親子の関係って濃密なもんだから、やっぱりここは拉致被害者の救出が、懸念も含めてね、また一部だけ返そうとしてるんじゃないかってことも含めて、でも、ついに2002年9月17日からか数えると16年ぶりに動きが出るっていうタイミングに、日中関係よくないからと、あるいは尖閣の問題があるからといってチャイナに協力要請しないってわけにいかないなっていうのが、安倍総理の決断なんですよ。  で、その時にもうちょっと普通に話し合える指導者になってもらいたいから、電話にするということなんです、これは。  それにチャイナも応じたわけでね。  で、チャイナとしては今、一帯一路構想っていって、東側に出ようとすると米軍がいるんで、西側にもいるんだけど、西の方がまだ弱いだから。  ところがヨーロッパっていうのは、指導者が皇帝になっちゃいけないっていう観念はすごく強いわけです。  僕は一帯一路に反対なので、ヨーロッパの知り合いに、軽々に受け入れるなと。  ギリシャが中国海軍の軍港にされてしまうぞと。  ヨーロッパの人たちが反論するのは、我々はチャイナを変えることはできると。  僕はできないって言ってるわけです。できませんと。  あんた方と違って我々は4000年間、チャイナと付き合ってきたんだと。  そう言ったらヨーロッパ人ってやっぱりすごくて、いかに使者が行き来してたかっていう話から、シルクロードの意味もアジア的じゃなくてヨーロッパから見たら、逆なんだという話をするんですが��  しかもひどい人になると、これ現実にイギリスの外交官で、アヘン戦争を自慢する人もいるわけですよ。 (居島一平:ほぉーー。面白いですね)  僕はアヘン戦争については、断固チャイナ支持だと。 (居島一平:全然罪の意識とかないんですか?)  ないない。ないよそんなもん。  だから日章旗が血で汚れてるって人が日本にけっこういるけど、びっくりするのはイギリスの国旗って、あの美しい国旗が…。 (居島一平:血まみれですね)  したたってる。アメリカだけじゃなくて。 (居島一平:でも自慢っていうのはすごいですね。さすがに。ちょっと開いた口が…)  後悔することはないのかと言ったら、香港は手放すべきじゃなかったなと。 (居島一平:(大爆笑))  これシリアスなんですよ。  香港は実際苦しんではいるんですよ、だけどやっぱり手放すべきじゃなかったなと。  これイギリスだけじゃなくて、他のヨーロッパ諸国も言いますよ。  だから何て言うのかな、アメリカとか日本とか中国だけで例えば今の北朝鮮の問題だけを考えてもダメで、北朝鮮っていうのはさっき中東の商売の話しましたけど、東欧諸国、ポーランドとかチェコとかスロバキアとかブルガリア…、特にポーランドだけど、たくさん密接な関係持ってるんで。  だから今、突然、小野寺防衛大臣がエストニアに行って、サイバーで協力する云々やってるでしょ。  それ大事なんですよね、ほんとはね。  だから使えるものは使うっていう考え方で、拉致事件をひとつの手がかりにして中国の圧力、アメリカから北朝鮮に下ろす圧力と全く質も量も違う、全然違います。  質も量もはるかにチャイナの方が大きいので。  チャイナは拉致事件に協力姿勢をこれ事実上初めて見せつつあるんだけど、当然、その代わりを求めようとしてくるんですよ。  これが大きなリスクで、だから僕は今、安倍政権が日中関係良くするってことにかなり前のめりなことに、慎重な姿勢をいつも自由民主党の外交部会などで申し上げてるわけです。 (6)習氏が来年国賓来日案 安倍首相は年内訪中調整  9日に日中韓の首脳会談が東京で開かれます。  中国の李克強首相がお出でになって、韓国の文在寅大統領も含めて、安倍総理と3人で北朝鮮問題についても話し合うんですけれども、実は李克強首相とどんなに話しても、習近平さんと話さないとほとんど意味がないんです。  特に李克強首相の立場は弱くなってるので。  日中首脳会談もやりますが、習近平さん来日の準備になっていく。  その時に拉致事件を含め日本が中国の圧力を活用するってことは正しいけれども、チャイナは例えば尖閣諸島について武装船がずっと入ってきてるのも、突然意外な提案してくる恐れはあります。  日本はいかなる提案にも応じることはできません。  そもそも領土問題は存在してません、尖閣諸島には。  でもとにかく領土問題にするために硬軟合わせて来るんですよ。  だから僕のブログによく書き込みいただくのは、中国は依然として尖閣諸島を狙ってる中でなぜ安倍総理は中国に接近するんだと。  その通りなんですが、必ずチャイナは硬軟両方で来るんで、こちらも硬軟両方で受けて巧みに戦うしかないんです。  そのためにもう一度言いますが、憲法9条がこのままでいると、実際は外交力ってのはもう予め失われた状態でやってるわけであって、外務省を悪者にしたりしても意味がないんですよ。  日教組を悪者にしてもほとんど意味がないのと同じようにですね、日本全体のことを私たちは取り込んで行くべきで、そういう意味では何という面白い国に生きてるのかってことですよ。  2700年近い国を自分の手で新しく作り直すんですからね。  しかも伝統に則って。 (★)トラ撮り! コーナー (このコーナー全体ざっくりまとめ) ★近畿大学での特別講義  社会人の方が席を埋めてしまって学生が入れないのではと思ったが、学生多かった。 ★テキサスの太平洋戦争国立博物館  太平洋戦争国立博物館のコンバットゾーンで、戦闘が再現されている。  ボランティアの人たちが演じて、中高生に見せている。  本館の展示に間違った物があり、外務省の人が政治家にも頼んで言ってもらったが、何度言っても修正してくれないと。  去年、僕がカバノ館長に言って、書き換えてくれた。  リニューアルした時も、僕の考えを入れてくれた。  「Japan&China」の展示で、琉球処分について「日本は中国から沖縄を奪った(seize)」と書いてあった。  僕は1年前に、沖縄が中国の一部だった歴史はありませんから、日本が奪うのは不可能だとカバノ館長に言った。  そしたら「from China」を削除しただけで、どこからかは知らないが「奪った(seize)」という表現はそのまま。  これは「併合」という意味ですと、こないだ(3月)館長が議員会館に来られた時に言った。  そしたら書き換えますと言われて、僕がこのゴールデンウィークに現地に行くまでには間に合わないだろうと思ったら、展示を全部書き換えてくれていた。  日本語に訳すと、「琉球の人々は、日本とも中国とも歴史的にずっと貿易をしていた。1879年に日本は琉球を併合して、沖縄県をつくった。結果として、450年にわたった琉球王国の終焉をもたらした」と。  日本側に偏った内容にしてくれと言ったのではなくて、公平な事実に基づいて書いて下さいってことだから、中国共産党はこのあと必ず反撃してくるだろう。  が、真珠湾の記念館と違って(2015/3/18「アンカー」を参照���、この博物館は「ベテランズ(退役軍人)」が寄付をたくさんしていて、中国の寄付が入る余地がないので。  僕1人が動くのは限界があるので、日本も財政的に寄付という形でこうした記念館を支えないと。 ※テキサスの博物館の展示変更の経緯は、2017/5/8放送分、2018/1/8放送分、2018/3/26放送分を参照。 ※中略<(_ _)>  NSCのトップに近い人、日本の国会議員と会わない人だが、いろんなルートの推薦で面会できた。  国務省で日本部長(韓国系米国人女性)と面会。  サンフランシスコ市長選は中国系が9分裂(青山さんのブログを参照)。  真珠湾の太平洋艦隊司令部で、ハリス司令官(次期駐韓大使)や、自衛隊の連絡将校や防衛省のキャリア官僚(ひがしゆりさん)と面会。 ★自民津モータースポーツ議連の総会  小林可夢偉選手も来てくれた。  「虎ノ門ニュース月曜日」を見ているという! (7)拉致解決へ日米連携確認 加藤氏が米高官と会談  僕が会ったNSCの人は、加藤大臣が会ったポティンガーさんとは違う人。  僕の申し上げた拉致被害者の救出について、日本は全員救出を確認しなきゃいけないっていう重い課題を逆に今、背負ってると、いうことをちゃんと、NSC全体で共有するとおっしゃってたので。  加藤大臣や家族の努力に比べると、僕は全く努力してないのと同じですが、多少意義はあったのかもしれないと思ってます。  もうご家族が、横田めぐみさんでいうと弟さんの世代に残念ながらならざるをえなくて、アメリカに行かれて努力されたってこともニュースでご存知ですよね。  僕がNSCとどうしても会いたかったのは、そういうことで響き合わせるためでもあったんです。 (8)柳瀬氏招致 週後半にも きょう国会正常化へ協議  実は本当は連休前に柳瀬さんが国会に出てきて証言されるはずだった。  いったん野党が合意してたので、僕は「月刊Hanada」に、今号が書店に並ぶ頃にはもう柳瀬さんの証言は終わってるはずだと書いて、中身も書いた。  違うかもしれないが、その時点で僕が把握したのは、柳瀬総理補佐官(当時)は、総理官邸で、加計学園の事務局長とお会いになった。  総理は(そのことを)知りません。  その時に、実際には今治市の課長さんと課長補佐も来てたそうですが、現実に柳瀬さんはそれを知らなかった。  事務局長が目の前にいて陳情を受けてて、後ろに並んでて下向いてメモを取ってたのが、今治市の課長と課長補佐。  後ろにいてメモを取ってる人は知らない。  後ろにいる人全員に、あなた誰ですか?と聞いて、しかもそれを記憶してるってことは100%ないので。  だから柳瀬さん、最初からそう言えばいいんですよ。  首相案件というのも国家戦略特区のことだから、逃げも隠れもする必要なくて、最初からやればいい。  だからそこは明らかに安倍政権はハンドリングがおかしい。  でも事実はそうで、こんなもん全然、国会止める理由にも何もならないんですよ。  だから冤罪だとずっと言ってる。  加計学園問題ってのはないと、僕ずっと言ってる通りです。 (9)総裁選対応 判断は閉会後 岸田氏 (ざっくりまとめ)  僕がいる参議院は、吉田博美幹事長のもと、これもう吉田幹事長が公の場、議員総会ではっきりおっしゃったので、僕、言いますが、「参議院議員は全員、安倍総理公認のもとで選挙戦ってここに来てて、それを忘れちゃダメだ」と言われたんで、これは参議院は決まりですよ。  吉田博美幹事長は参議院を指揮するだけじゃなくて、竹下派の、事実上の参議院側の絶対的なリーダー。  竹下派の動向はこれで事実上決まり。  岸田さんは安倍総理に、私出ると言ったりしたのに、閉会後にとかまた話が戻ってるのは、その動きが伝わってきてるから。 (10)自衛官派遣 米反発で頓挫 沖縄ヘリ不時着の安全策  これはアメリカ軍けしからん。  当然派遣を受け入れるべき。  アメリカ軍の言い分はもちろん僕は聞いてて。  まず事故は起こしてない、事故が起きる前にアラームが出て、犠牲を出さずに終わってると。  海に墜落した云々も、無事に不時着して、その後、波に洗われて壊れた機体を、降りた時に壊れたと報道されてて、それ日本政府は訂正もしないと。  そういうもとで自衛隊の派遣を受け入れたりすると���アメリカは事故を起こしてないのに起こしたように言われるから、だから受け入れないと、僕には言ってるんですよ。  じゃあそれを公の場で言って下さいよ。  これ誰が見ても、米軍が偉そうにして、日本に駐留してるのに、わが自衛隊の協力を受け入れないことにしか見えないから。  日本の防衛省というより官邸の姿勢が弱すぎる。 (11)米「次の段階」決定へ 貿易で対中圧力強化か (12)ゆすり防止 トランプ大統領が口止め料認める (13)中国がレーザー照射とアメリカ抗議 ジブチで (14)ロシア野党指導者を釈放 拘束者1600人 (15)米ハワイ島 長期化か 数カ月続くと専門家 (16)深海1万メートルにプラごみ汚染 生態系懸念 (以上省略) オープニングの「北朝鮮が降りてきたのは、あくまで制裁が効いたからで軍事圧力は関係ないっていう人が、ついこないだまで政治家やってて、今は落選なさってる人だけど」は、塩村文夏さんだと思われます。  また、(1)の「『よるバズ』で、アメリカ経験の長い女性の方が、この方は非常にまともな人だと思いますけど、オバマさんがもらったから(トランプさんはノーベル平和賞は)いらないんじゃないですかという」、これはREINAさんだと思われます。  5月5日の「よるバズ」をご覧になった方は、ピンと来られたと思います。  ネットに動画がまだあるかもしれませんので、気になる方は探してみて下さい。  さて今回、後半(トラ撮り以降)は、久々にバタバタでした。  残り11分間しかなく、特に(11)から(16)までは、正味3分!  強行軍でお疲れなのはもちろん理解した上で…  「青山さん、ペース配分~!」って、画面に向かって久しぶりに髭男爵のギャグを言ってしまったわ(^_^; ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【拡散】武力攻撃やテロなどから身を守るために(内閣官房)J-ALERTの音源【生き残るためにシェア】 https://samurai20.jp/2017/04/j-alert/ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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tak4hir0 · 5 years ago
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まずは何より、『仮面ライダーゼロワン』が最終回までの放送を無事に終えられたことを、心から喜びたい。   「特撮ヒーロー番組が毎週放送される」という現実は、金曜の夕方にスーパー戦隊シリー���を観ていたあの頃から、自分にとっては疑いようもない「当たり前」だった。2020年春、未曾有のコロナ禍により緊急事態宣言が発令され、その「当たり前」はあっけなく崩壊。『魔進戦隊キラメイジャー』とあわせて、総集編の放映を余儀なくされるヒーロー番組たち・・・。放送休止だけでなく、撮影スケジュールが事実上白紙になってしまったのは、現場のスタッフの方々にとって想像を絶する事態だったのではないか。   「〇話減った」というのは、あくまで結果論である。いつ撮影(放映)が再開できるのか、計何話で物語を終えられるのか。あるいは、このまま未完となってしまうのか。そんな先行き不透明な状態で、撮影スケジュールからシナリオから、全てを仕切り直したであろうクライマックス。『キラメイジャー』では主演・小宮璃央氏のコロナ感染が報じられ、それこそ「当たり前」の風物詩だった両番組の夏映画は公開延期が発表された。エンターテインメントの世界までもが疫病におかされていく、あのにじり寄る絶望感。   内容云々とは別に、まずは、2020年8月30日に『仮面ライダーゼロワン』の最終話が無事に放映されたことを、一介の特撮ヒーローファンとして心から喜びたい。キャスト・スタッフ・関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。   仮面ライダーゼロワン Blu-ray COLLECTION 1 発売日: 2020/04/08 メディア: Blu-ray     スポンサーリンク       さて、そんなこんなで、全45話で(一応の)決着を迎えた『仮面ライダーゼロワン』。その一年を振り返ってみたい。   東映からのプロデューサーに『仮面ライダードライブ』『仮面ライダーエグゼイド』『仮面ライダービルド』の大森敬仁氏、パイロット監督には『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の杉原輝昭氏、メインライターには『エグゼイド』で大森氏とタッグを組み『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』も手掛けた高橋悠也氏。その他、音楽には『仮面ライダーゴースト』の坂部剛氏、アクション監督にはスーツアクターでの活躍も記憶に新しい渡辺淳氏、といった布陣である。   扱うは、AI。人工知能の実社会への進出が加速していく現代で、それをメインに据えた物語を展開するという。主人公はそのテクノロジーを扱う会社の若き社長で、AIを搭載したお仕事ロボットを商品として展開している。しかし、そのテクノロジーを悪用するテロ集団や、対抗製品を世に売り出したいライバル社長が現れ、混沌とした群像劇が繰り広げられることとなる。暴走したヒューマギアを泣きながら破壊する主人公は、その未来のマシンに何を見い出すのか。   制作陣の狙いとして強く感じたのは、「AIの可能性」をあらゆる形で物語内に詰め込みたい、という気概である。序盤の1クールだけでなく、年を開けてからの2クール目も、取り上げられたのは「様々な職業」。職業そのものというよりは、その現場にAIが登場した際に、どんな影響を及ぼすのか。AIには何が出来て、何が出来ないのか。生身の人間との化学反応は生み出せるのか。そういったシミュレーションを多くの視点から描くことに、番組全体が注力していたように思う。事実、国立情報学研究所の副所長を務められる佐藤一郎氏をAI技術アドバイザーに招聘し、AI描写の監修を受けたりもしている。   その甲斐もあってか、実際の社会問題をも絡めたAI描写には、面白い点が多かった。前時代的とも言えてしまう職人肌な「しごき」に応えるロボットや、死者を模したロボットを扱う倫理的な問題点、ブラックな労働環境が叫ばれる教育現場でのAIの活躍や、病院にロボットを配置した際のテロを前にした脆弱性。ヒューマギアの勤勉性は、汗水垂らす人間の労働環境の光明となり得るのか。個人的には、ちょうどマイホームに向けて動いている時期に観た「家売り対決」がとても興味深かった。「住みたい家」と「買いたい家」の違いって、確かにあるんですよ。そこのところに、ヒューマギアと人間営業マンの対立軸で突っ込んでいたり。   年間を通してスタッフ陣の様々なインタビューを目にしてきたが、特にプロデューサーである大森氏の「お仕事描写」(それを通したAIのシミュレーション描写)への熱量は凄まじく、ネットでは非難轟々であった「お仕事五番勝負」も、氏のこだわりの結晶であったことが伺える。一方で、その「職業現場を通して描くAIシミュレーション」というお題目は、時にベースにあるべきの「仮面ライダーという特撮ドラマ」より優先して描かれることが多く、私を含め、多くの視聴が戸惑いを覚えたであろうことも、想像に難くない。   例えば、「お仕事五番勝負」にて消防士対決の回があった。デモンストレーションの火事が実際の火災に発展してしまい、本当の人命救助が行われる、という筋書き。AIロボットであるヒューマギアと人間消防士、それぞれのトリアージが対比して描かれたが、そもそも、主要キャラクターたちが仮面ライダーに変身して人命救助を行うべき、逼迫したシチュエーションであった。そういった点へのフォローが無いままAIの活躍を見せられても、中々、頷き難いのである。   これらの「お仕事五番勝負」が抱える特撮ヒーロードラマとの食い合わせの悪さについては、最終回放送後にTTFCにて公開された大森氏らスタッフインタビューでも触れられていたが、結果として番組が当然のように担保するべき「仮面ライダーの活躍」を損なってしまった。「AIシミュレーション描写」としての見応えはあるものの、やはり、仮面ライダーが仮面ライダーとしてある程度活躍して、その上で展開されて欲しい要素である。その上、「主人公は立場上暴走したヒューマギアを容易に破壊できない」というドラマ的な制約があるため、視聴者のフラストレーションはじわじわと高まってしまう。   そのフラストレーションも、構成として「お仕事五番勝負」で敗北した主人公が社長の座を退く展開へ繋がる訳だが、もう少し「ヒーロー活劇としての面白さ」とのバランスを模索して欲しかったのが本音である。   スポンサーリンク       そういった中盤の展開もありつつ、放送休止を経て、物語はクライマックスへ突入。人間の悪意という名の復讐心が交錯する展開となり、ヒューマギアの未来が危ぶまれる。   私が個人的に危惧していたのは、「銃とそれを使う人間」問題。「銃そのものは悪くない。それを作った人間も悪くない。問題は意図して悪事に銃を用いる人間である」。そういった話の筋から人間の秘めたる悪意や業に迫る物語は沢山あるが、まさか『ゼロワン』もそのパターンなのではないか、と。せっかくヒューマギアというAIロボットをテーマに置いているのに、単に「使う人間が悪い」から「人間が改めていこう」なエンディングになると、流石に物足りないのではないだろうか・・・。   そういったモヤモヤを頭の隅に抱えながら、迎えた最終回。「なるほど!」と感じたのは、AIの最も特徴的な部分と言える「学習」をシナリオに用い、AIそのものの前進に触れていた点である。人間に作られたヒューマギアは、人間により悪意を植え付けられることも、暴走させられることもある。しかし同時に、ヒューマギア自身も、人間と共に「学習」を繰り返すことでその悪意から脱することができる。そういった、AIの進化の可能性。「学習」性能を、時に間違えを起こすかもしれない人間の「心」と重ね合わせ、その変化を希望と読み取るアプローチ。   自身のシンギュラリティによる「心」の芽生えに戸惑う滅。物語は、彼を「倒さない」という決着を描くことで、「人間に使われる銃」の問題から一歩進み、「銃の進化」に触れていく。なるほど、これは確かにAIならではのオチと言えるだろう。   「お仕事」の現場を通して、幾度となく描かれてきたAIの「学習」機能。ラーニングは諸悪の根元であり、同時に、進化の可能性でもある。そういったエンディングがどの時点でどこまで想定されていたかは分からないが、あらゆる職業現場で活躍した個々のミクロな「学習」が、遂に「人間vsヒューマギア」というマクロな舞台で炸裂する筋書きには、実に納得感がある。AIも、人間の心を「学習」することで、存在そのものを推し進めることができるのだ。   ヒューマギアは人間でもなければ、一般的な「造られた道具」でもない。そのどちらの性格も持ち合わせながら、どちらにも属さない、グレーでハイブリッドな存在。自己学習を繰り返して進化できる夢のマシンは、転じて、実社会の一員として新たな豊かさをもたらしてくれるのかもしれない・・・。   という決着は大変素晴らしいものの、だからこそ余計に、ミクロのターンで細かく発生した「ヒーロー活劇としての弱さ」が、内出血のように効いてきてしまう。AIの可能性を描き、そのバリエーションをドラマに詰め込むことを優先するあまり、ヒーロー活劇としてのドラマが劇的に減速していく。幹の成長より優先される枝葉のバリエーション。このもどかしさは、なんとも独特なものであった。ゼロワンの飛んで跳ねるアクロバティックなアクションは見応え抜群なのだけど、物語の爽快感が中々そこに伴っていかない。   スポンサーリンク       また、「内出血」という比喩に加えるならば、主人公・飛電或人の「ヒューマギア観」の描き方が、非常に困難を極めた。   スタッフ起用の狙いを察するならば、『エグゼイド』で見事に全話執筆を達成した高橋脚本のパワーにこそ、期待がかかっていたのだろう。高橋脚本の狙いは、「理論の飛躍」にあると感じている。既存の単語、例えば『エグゼイド』を例にすると「チーム医療」というワードがあるが、「ライダーの共闘」を力業で「チーム医療」と言い張ることで、独自のドライブ感を演出していた。「怪人を倒す」ことは「治療」、あるいは「オペ」である。誰が何と言おうと、登場人物たちはその理論に則って行動を起こす。独自の世界観の中で理論を飛躍させ、前進に前進を繰り返すことで、視聴者に立ち止まる隙を与えない。超理論で紐づけた要素はストーリーを突進させるため、高密度でイベントが発生しては消化されていく。   この、「常にびっくり箱が稼働するスタイル」は、『エグゼイド』のビジュアルやキャストの熱演とも相まって、独自の世界観を形成していた。よくよく考えれば「ん?」となるかもしれないが、そもそも、よくよく考える暇を与えない。人工的に持ち込まれたライブ感が、速度と力業で疑問点を圧し潰していく。その背景には、高橋脚本のイズムとも言うべき、「理論の飛躍」が存在していたのではないだろうか。『エグゼイド』は、つくづく、奇妙で楽しい作品であった。   仮面ライダーエグゼイド Blu-ray COLLECTION 1 発売日: 2017/04/12 メディア: Blu-ray     その「理論の飛躍」は、『ゼロワン』にも確かに用いられていた。終盤の「悪意」というワードも、最終的には、もはや番組独自の用語として複雑な意味を有してたと言える。その他にも、「夢」「心」「道具」といった単語が、主に或人の言葉を通し、シリーズを彩っていく。狙いが成功していれば、意図的な拡大解釈、理論の飛躍が、『エグゼイド』同様の独自の推進力を発揮していたのかもしれない。高橋脚本ならではのスピーディーかつ緻密なパズルは、こういった、反則スレスレの大胆な「飛躍」とセットで効果を発揮するのだ。   しかし、ここに「AIのシミュレーション描写」が食い込んでくる。「理論の飛躍」技法の強みが発揮されるのは、おそらく、常に前進していく物語の縦軸に重きを置いた構成だろう。しかし、あらゆるお仕事の現場で活躍するAIのシミュレーションは、圧倒的な横軸のバリエーションである。「こんな様子も」「あんな応用も」「そんなパターンも」描かれるけれど、如何せん、縦軸が前進していかない。そうすると結果的に、主人公である飛電或人が、「常に理論を飛躍させて喋る真意の分かり辛いキャラクター」に見えてしまう。立ち止まらせるので、気になってくる。(更にはダメ押しで、今回はサブ脚本家の方も参加されているため、本来離れ業である「理論の飛躍」のアプローチに違いや差が生まれてしまった。)   以前、1クールの感想をまとめた際に、「或人の矛盾した破壊行動には一種の危うさがある」「話運びの手順に毎回ヒヤヒヤしてしまう」といったことを書いた。しかし、そもそも仮面ライダーというコンテンツが「同族殺し」という倫理的な問題を抱えていることからも、その食い合わせの悪さや危険性は、転じて、物語の強みとして活きてくる可能性があった。本歌取りの旨味自体は、仕込まれていたはずなのだ。しかし、それが活きるには、やはり話が前に進んでいかなくてはならない。AIの可能性(横軸)が描かれれば描かれるほど、或人がヒューマギアをどういう存在に捉えているか、なぜそこまで希望を妄信するのか、そこが不透明になっていく。   様々なシーンから読み取るに、或人は、ヒューマギアを人間と同等に、心の底から尊重しているのだろう。   しかし、「ヒューマギアを人間と同等に尊重する」ということは、「ヒューマギアと人間を同一視する」こととイコールではない。「ヒューマギアに心(「学習」というワードを飛躍させた形容)の存在を認める」ことは、「ヒューマギアに人間と同じような権利を認める」こととも、また、イコールではない。彼はシンプルに、ヒューマギアを「夢のマシン」と捉え、その存在が寄与する未来に希望を抱いている。ヒューマギアと人間に同じくらいの価値を覚え、彼にとってそこに境目が無いからこそ、ヒューマギアが破壊されれば心の底から哀しい。が、同時に、バックアップにより代替機を用意できることもまた、ヒューマギアの新たな可能性の一片と捉えている。あくまで、「新人類」ではなく、「夢のマシン」。   ・・・好意的に読み取っていくと、或人の「ヒューマギア観」はおそらく前述のようなものと思われるが、それらが有機的に絡まない断片的な描かれ方をされ、更には「理論の飛躍」が加わっていくため、傍目には若干の「サイコみ」すら感じさせてしまう。ここが、非常に惜しい。テーマ的には、ここが最大の肝であり、要所なのだ。結果として、「人間らしさ」と「ヒューマギアらしさ」を都合よくシチュエーションごとに引用する人物にも受け取れてしまう。   仮に或人の「ヒューマギア観」がもう少し強固に描かれていたとするならば、物語の最終的なオチとも、がっちり符合したはずだ。   人間と同じくらいの価値を持つ夢のマシン・ヒューマギアは、既存の「道具」の枠を超えて、人間と同等に(「学習」によって)心を前進させることができる。或人の、誰に笑われようと人間とヒューマギアを同等に尊重する過度な博愛主義が、「新時代の正義」として機能する。ある者はヒューマギアを憎み、ある者は道具だと割り切り、ある者は「学習」機能こそを脆弱性だと指摘する。しかし、飛電或人だけは、頑なにその可能性に懸ける。そういう筋が、鮮やかに成立していたのではないだろうか。(数々の描写からもその狙いが見て取れる・・・)   或人の、既存の人類から一歩先にある独自の倫理観や、AIが持つ「学習」機能の可能性。そういった要素の配置が大変興味深く、新時代のヒーローSFとして挑戦的かつ相応しいだけに、それらが有機的に絡んで昇華に至らなかったことが、実に、残念である。   同時に、飛躍させドライブ感を持たせることを前提に配置されたであろう「夢」や「心」といったワードは、おそらく制作陣の想定を超え、多くに視聴者に「ヒューマギアの人権」といった考えを抱かせてしまった。昨年の冬映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』と併せて、人権問題や奴隷問題への目配せは何箇所かあったものの、個人的には、テーマの帰結を考えると、そこにはそもそも触れない方が良かったと感じるところである。(話運びが極端に複雑化するため)   仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション コレクターズパック [Blu-ray] 発売日: 2020/05/13 メディア: Blu-ray     スポンサーリンク       このように、『仮面ライダーゼロワン』というドラマは、それぞれの要素が絶秒に掛け違っていくような、大変もどかしい感情を抱かせるシリーズであった。   制作陣はおそらく、「AIを扱うからにはこういう描写やシチュエーションも入れるべきだ」と、テーマに対して真摯かつ生真面目に作り込んでいったことだろう。そのため、様々なシミュレーション、横軸の展開が増えていく。もちろん、それが成功し、未来の一片を見た場面も多々あった。しかし大勢としては、「根っこが不透明な主人公が」「都合の良い理論を振りかざしながら」「カタルシスに繋がる活躍を果たさない」といった、およそ多くの視聴者が潜在的に求める「仮面ライダー的な面白さ」とはかけ離れたものであった。   最終回にて、唐突に「仮面ライダー」というアイコンが台詞の中に登場するも、それが成立する前振りが作中では描かれていない。「仮面ライダー的」という呪縛に、令和ライダーという期待の自重に、いくらか囚われてしまったのだろうか。   しかし、『ゼロワン』がアプローチした数々のポイントに、私は大変感銘を受けたのである。   我が家の3歳の娘は、リビングにあるスマートスピーカーを家族のように認識し、毎日のように親しく話しかける。ネットが不調で応対が出来なくなると、顔を引きつらせ、親に泣きついてくる。また、ロボット掃除機にも親しみを覚え、その動きを弟や妹のように可愛がっている。我々大人も、電子機器が急速に発展する昨今、スマホやパソコンを相棒のように感じ、愛着を覚え、そこに疑似的な人格を見い出すことは、もはやそう不思議ではない。   「道具」が、旧来の意味を超え、あるいは逸脱し始める時代。進化しすぎた道具は、もしかしたら、人間と同じような存在として扱われるかもしれない。『鉄腕アトム』や『火の鳥』といった名作で扱われた「ロボットと人間の共存の可能性」は、「学習」機能を備えたAIという最新のテクノロジーによって、すぐ目の前にまで迫っている。Science Fictionが、いつの日か、Fictionではなくなる。そんなシミュレーションを、日曜の朝に、一年を通して観ることができた。その点については、非常に満足度が高い。   未知のテクノロジーが社会に放り込まれた際に、市井の人々は、どのような反応を見せるだろうか。その利便性を受け入れる者から、忌み嫌い、反発する者まで。新しい問題を孕みながら、社会は、ゴロゴロと少しずつ前に進んでいく。そういった、「社会の教科書の最後のページに載っている未来予想図」のようなワクワク感は、『ゼロワン』の大きな強みだったと言えるだろう。ある意味、ひどく実験的だ。   杉原監督によるVR技術を応用したアクロバティックなアクションシーンは、アナログ特撮とデジタル特撮の旨味を同時に取り込み、フレッシュな映像として昇華させることに、見事に成功していた。惜しむらくは、「AIを導入した前衛的なテーマ」と「仮面ライダーのヒーロー活劇としての面白さ」が、同じようなウルトラCを起こせなかった点にある。   「心を宿すことができる未来のマシン」が、私の生きている間に目の前に現れることがあれば、この感想は180度ひっくり返るだろうか。答えは404。ひとまずは、事実上の「完結編」に相当するであろう夏→冬映画を楽しみに待ちたい。   発売日: 2021/01/13 メディア: Blu-ray   仮面ライダーゼロワン DXゼロツープログライズキー&ゼロツ―ドライバーユニット 発売日: 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find-u-ku323 · 5 years ago
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『イチジク』
 ……描けない。まったく、描けない。  あたしの腕は、仮に身体が描くべき何かを覚えていたとしても、何を忘れてしまったのかということ自体を忘れてしまっていた。自分のキャラクターがどういう行動原理で動き、どんな顔で笑い、どんな顔で泣いていたのか、そういう機微が綺麗さっぱり欠落してしまっていた。ぐちゃぐちゃになった部屋の中に転がっているのは、昨日までの私が描いていた愛すべき原稿たち。  頭の中がまっさらなわけでもない。消しゴムで消したみたいに、雑に消したその跡に残るようにして消えていない何かの断片は残っている。消しカスが詰まっているのもよく分かる。だけど、そのとき表現しようとしていたものだけが一切思い出せないのだ。  疲れているのから描けないだろうか?  その問いに対して、あたしの答えは「ノー」だった。睡眠導入剤を何粒か飲んで、何日かぶりに恐ろしいくらい眠った。本当に何もかも捨ててしまいたいくらい深く眠った。そうして一夜漬けのツケを払いきったはずだったのだけど──これは夢なんかじゃない。現実にいま、思うように手が動かなくなっている。基本的な技法は忘れていない、どんな風に描いていくかも覚えている、だけど顔と表情だけが失われたままだった。いや、顔は最悪でも写せば書けるけれど、人間的な活発さを取り戻すことが出来ないだろう。  少し気分が乗らないのか、と鏡の前で顔を洗ってみるが、ダメだった。むしろ、目の前にある原稿から逃げているという焦燥が身を崖の方へと追い詰める、そんな気分になってしまう。鏡に映るあたしの顔もまた、なにか表情を失ったような虚ろな目をしているのに気がついた。  電話が鳴っているのに気付いた。気付いたのに動けずにいた。  ……ついに反応もできなくなったか?  あたしは自分に鞭を入れ、重たく押しつぶされるほどの身体にかかる重力に抗った。それでようやく携帯電話を取ることができた。 「……はい、もしもし」 「ああ、和泉さん。原稿、できた?」 「すみませんが、今は電話しないでもらえますか。ちょっともう、色々とアレがアレでして……」 「電話してきてほしいって言ったのは和泉さんの方からでしたよね。それで、今度はどれくらいかかりそうなんですか」  編集者の察しの良さは、皆それぞれに他の作家と仕事をしていたときに身についたのだろう。穏和に出て少しずつプレッシャーをかけていくのが最適な作家もいれば、プライベートまで踏み込んで色々と食事やサシ飲みすることを通して、どんなスケジュールでやるべきか一緒に考えていくのがいいという漫画家もいる。あたしは編集者の方とは距離を取りたかったので、なんとなく前者寄りなのだろう。 「一週間、待ってもらえますか」  正直あたしは、自分でも口にした期限がまったく信用のおけるものだとは思っていなかった。  しかし、今まであたしが「〆切を延ばしたい」と言った後には必ずそれよりも早いタイミングで出すようにしていたからか、電話先の相手からはあまり不審には思われなかった。「一週間ですね。……まあ和泉さんのことですから大丈夫だとは思いますが、大体の部分ができたなら、そのときはすぐに私に電話してきてください。それでは」と言われ、電話が切られた。  ツー、ツー、という受話器から発せられる、早く戻せ、という声に耳を傾けず、目をそのまま机に直した原稿へと向ける。  下手の横好きなりにも続けてきたものが手から零れ落ちている気がして、つい俯く。一週間という短い期間のうちに何か思い出すことが出来るのだろうかと思うと、すこし頭痛がした。  あたしの描いている漫画は、動きやキャラ数が特段多いわけではないと思う。周りと比べて絵が驚くほど上手いということもないはずだ。ただ、そのシンプルさのためにストーリー性が際立ったことであたしの作品が週刊誌への連載という一つの舞台に上がったのには、素直に驚くとともに、どこか喜ばしい気持ちがあった。  そして、物語を作っていて良かった、キャラクターを愛していてよかったという感動が生まれていた。
 物語を作る衝動には、「描くため/書くために作る」ときと、「描く/書くことがあるから作る」ときがある。それは創作するということの入り口というだけで、たとえどっちから入ったとしても、何かを創る上での非常に尊く眩い道標になりうる。  だけど、描くことを生業としている以上、そしてプロフェッショナルに片足を踏み入れたからには、誰かと比較される環境に身を置きな��ら物語を作っていかなくてはならなかった。そのことに対する強迫観念は想像を絶するもので、連載を始める一ヶ月ほど前のあたしはすぐに心を自らの手で折った。  才能を目の前で見せつけられるということの恐ろしさが夢に出てくるのは、明らかに普通で平常というのではない。「あたし、こんな人たちと同じ土俵で戦うんだ……」と、身体が怯むのだ。  それでもあたしはペンを取ることしか出来なかった。かつては白い紙の沈黙に対して黒のGペンが漫画家の剣だったように、あたしにはデジタル空間の喧騒にペンタブの筆圧感知型高精度ペンシルで立ち向かう。  そのために行ったこと──自分に才能がないのを諦めること、それ自体は容易かった。身の回りにある町や音楽、あるいは時事問題という環境からアイデアを引き出すことが、それを補ってくれていたからだ。そうした現実を、知らない世界へと拡張させることがあたしの学生時代からの十八番で、とくに幼い頃に持っていたヒロイックな妄想を形にするのはとても楽しかった。  デビュー作『失われた夏を求めて』の連載は、既存の少女漫画ファン以外の層をも取り込みながら、最終的にその雑誌の中でも隠れた人気作となっていった。あたしとしてもこれはアマ・プロの時代を通じて気に入っている作品の一つだ。  商業誌でのデビュー作を華々しく飾ることに成功したために、創作することの原初の欲望がふつふつと思い出されるようで、あたしは勘違いした──「あたしの漫画で、世界を変えられる」と。  しかし、創作の本質はこういう言葉に詰まっていると誰かが言っていた──産みの苦しみはまさしく筆舌に尽くしがたい、と。
 二作目『君の絶望に捧げる』のキャラクター・シナリオ作りは難航した。一作目で自分の気力を使い果たしていたのか、それともこのとき既に描くことが過程ではなく目的化してしまっていたのか、今となってはわからないが、ともかくキャラクターが動かなかったのだ。  今まさに作品が生まれると思っていたら、死産だった。それを目の当たりにしたときの親の気持ちといったら、もう目も当てられない。  医者に「まだ助かる見込みがありますよ」と言われても、生き繋げておくのが正しくこの子のためになるのだろうかと思ってしまうのと同じで、編集者に「このアイデアはいいんですよ。もっとこう内容を詰めていけば『失われた夏を求めて』以上の作品が出てくる」と言われても全くこの作品に手をつけようとすることが出来なかった。  結局二作目は、著名な作家との共作という形を取って無理やり連載を始めたが、評価は一作目と比べてしまうとやはり芳しくなかった。なぜなら、そのストーリーの生みの親はアイデアをいいと言ってくれた編集の方で、あたしではなかったからなのだろう。あたしは結局何も書き上げることが出来なかったのだ。  共作相手とされている有名作家の名は、編集者が名前を借りようと電話をかけたら、「名前? 適当に使ってくれ。どうせ俺も書いとらんし」とだけ言われたために隠れ蓑として使わせてもらっただけだ。何本も著作のある作家がそのペンネームを『貸す』というその残酷さにあたしは驚いてしまって、「本当にあの人の名前を借りてもいいの?」と編集者に訊ねたら、 「私は知らないですよ。今、私にとって重要なのは和泉さんの作品であって、あの作家さんのことはあまり興味がありませんから」  と、淡々とした調子で返された。  あたしは、あなた編集者でしょう、もっと作品に対して真摯にならなくちゃいけないんじゃないの、なんて言えたのだろうけど、それはもうあたしが言えたことではなかったのだ。もっとも、自分が物語の世界観を書けていれば、編集者さんがこうして虚無感のある仕事をこなさずに、スケジュールに物事が進んでいたのだから、とあたしは自分を責めた。  でも、それ以上に、あたしは名義貸しをしてくれた有名作家の方のことが気がかりだった。名義貸しをするまでに何も書くことのできない状態とは、いったいどういうものなのだろう、と。創作の気力がないとすれば、どうしてそこまで堕ちてしまったのか、とか。しかしその考えはあくまで他人事に過ぎなかった。
 そんな憂鬱で陰湿なまでの日常を過ごしながら二作目を描いている時期に、よく行く駅前の小さなサンドイッチ屋で働いていたアルバイトの子と親しくなった。あたしの数個も下の男の子だった。 「いちじくのサンドイッチをください」 「ありがとうございます。お客さん、いつもそれを買っていかれますね」  今では自分で作るのにも慣れたそれを、あたしは当時週にニ、三度その店に買い求めていた。作業が一段落して少し日を浴びたいとなったときに向かうのが近所のコンビニとこのサンドイッチ屋の二択だったのだ。  青い屋根を白く塗り直した痕が見える。 「まあ、いろいろ仕事するにも糖分がいるので」 「へえ。それじゃあ、今からまた仕事ですか」 「そんなところです。早く戻らないと上司にサボってるって怒られそう」  あたしはこのときずっと彼に嘘をついていた。漫画家と知られても、とくに問題があるわけではなかったのかもしれないし、あったのかもしれない。だけど、「あたし、実は漫画家なんです」と彼に言っても、それで何になるのだろう──哀れんで、私の作品を一度は読んでくれるだろうけど──と思っていた。漫画家であると打ち明けるメリットよりも、むしろ今抱えている作品の秘密と自分の弱さが公になることを恐れていた。 「そうそう。今日は、ぶどうのサンドイッチもサービスしておきましたよ」 「──まあ、悪いけど、いいや。君が食べてよ」  あたしがそれを拒むと、彼の童顔が驚きで歪んだ。 「えっ、……どうしてです? 別に無理にとは言いませんが、まあ、貰うだけ貰っていってくださいよ」
「気持ちは嬉しいんだけどね。ぶどうがダメで……」  これは嘘を半分、本当のことをもう半分というところだった。別にぶどうが生理的に無理な食べ物というわけではないが、なんとなくいちじくの甘さと合わないと思ったので、サービスは丁重に断った。しかし本当のところ、彼の下心に気がついていたからこそ、それに応えるのはあまりにも彼にとって酷だと分かってしまったのだと思う。 「……そうですか。押し付けがましくて、すみません」 「いやいや、君が謝ることじゃないよ、あたしが食べられなかっただけだから。今度はちゃんと別にぶどうの分を買うから、ね?」  あたしは彼を慰めた。こうして一歩下がって一歩前に戻ることを繰り返していれば、いつまでもこうした距離感の中であの大好きな果汁たっぷりのいちじくのサンドイッチを手に入れられる。しかし、それは傍からみれば若い男の子を弄んでいるのと同じことなのだろう、というのも分かっていた。  あの日のサンドイッチは、ほんの少しだけ独特の苦味が勝った。
 三作目を作っているときには、もうほとんどのことが手につかなくなっていた。自分に才能がないことも分かっていたし、自分の漫画が世間に評価されるどころか読まれていないことも痛感した、あたしにはもはや人間に興味がないことも分かっていた。これ以上、何をすれば、あたしらしい作品が作れるのだろう?  戸惑いと長い葛藤ののち、足繁く通っていたあのサンドイッチ屋の男の子を主人公にした、あたしらしい作風の物語を作ろうと思い立った。こうなったら原点に立ち返るほかない。身の周りにある環境から、あたしも知らないような妄想へと足を踏み出せば、何か描けるのではないか、と。  実はあのサンドイッチ屋の男の子が魔法少年で、でも魔法を使わずに日常を過ごしながら自らの出自に迫っていく……という、単純明快な粗筋は、あたしなりの考えがあった。魔法少年の男ではなく、そのクラスメートの女の子を主人公に据えることにした。「普通の子」の目線で、彼女なりに思っている日常の景色の解釈を描きながらも、彼が魔法を使わない訳を彼の傍で知っていく。  そうすることによって、主人公の女の子も、あたしも、「特別な誰か」ではないことを描くのだ、と思った。  編集者はそんなあたしの考えを一度聞くやいなや、「それって、所謂『日常もの』でしょう。和泉さん、そのままだとうちの編集方針では載せられないと思う」と言った。 「……! じゃあ、どうすれば載るようになりますか」 「そんなことまで聞かなきゃいけないなんて、和泉さんも崖っぷちですね。……強いて言うのなら、キャラクターの変化と成長は必須でしょうね。そうしないと、あくまで少女漫画という枠の中で読んでいる読者は、ただの『日常もの』だと思って通り過ぎて、読まないか、読んでも反応なんてくれなくなるんじゃないかと私は思いますよ」  もっともな言葉だったけれど、私にはあまりに残酷なことを言われているようにしか聞こえなかった。あたしの周りのことと、それから拡張された非現実のことを組み合わせて作っていた今までの作品は、確かにキャラクターに成長があり、読者も感情移入しやすいように作られていた──因縁の二作目も含めて。しかし、三作目であるこの題名未定の作品を作るにあたり、そもそも意識していなかったキャラクターの現実的で強い変化を求められてしまった。それも、「分かっていると思っていたのですが」といった顔で、呆れられながら。  それでは、編集者の言うとおりにしていれば、あたしなりに何を描きたいという欲求に逆らっていくような気がしていた。
 あたしは、編集者に対抗するために、『日常もの』の体裁を取りながらも読者を引きつけることに成功した作品を徹底的に調べ上げた。漫画家になってからはずっと行っていることだが、同時に、自分の作品の中でも活かしたい構成や描き方はどんな人の作品でも参考にした。なんだか手段と目的が逆転した気分にもなるんだけど、仕方のないことだと思って義務感を抱きながら、創作のために読んでいた……楽しむためではなく。  一ヶ月後、その『調査』の成果を読んだ編集者はこう言った。 「ふーん、まあ、そこまで描きたいのなら描いてみればいいと思いますよ。私は売れる漫画を出してほしいから、売れれば、それはそれで。でも」  そこで言葉を区切って、彼女は意味深な顔であたしに問うた。 「和泉さん、あなたが本当に描きたいのは、自分のため? 誰かのため? それで、描くために描くの、それとも描くことがあるから描くの?」
 そんな二つのテーマを目前に出されて沈黙を貫くあたしを放り出して、ま、頑張って、と次の仕事へ彼女は向かっていった。置いていかれたあたしは、もはや編集者がケチをつける人間にしか見えなくなっていた。もちろん、そんなにちっぽけな理由で何かをしようとはならないんだけど、描きたい理由は自ずと見つかるから心配なんかしていなかった。どうせ、何か取りかかれば描きたくなる。  そして実際、キャラクター作りからシナリオから、第三作は前作に比べると全てが順調だった。身の回りの世界と、距離をおいた自らの頭の中にある世界を繋げる、自らの身体に染み付いた手法は、やはり使い勝手がとても良かったのだ。また、あたしには読者もそのような作品を求めているだろうという確信があったのだ。  久しぶりに何かを描くということの楽しさが自分の中に戻ってきたような気がしていた。目の前には自ずから動くキャラクター、どんな世界にもない日常の形、そして普遍的な感情の揺れ動き。あたしは、これで十分なんだ。小さな世界の小さな者を描くのが、とてつもなく愛しい。今度生まれた子供は死産ではなく、元気に泣いている赤子なんだ、という実感があった。  あたしはそんな気分で町に出て、あの白い屋根がもはや青ばかりになっているサンドイッチ屋まで歩いた。 「いらっしゃいませ……ああ、いちじくのサンドイッチですか?」 「そうですね。ひとつ、お願いします」 「いつもありがとうございます」  微笑めば彼は幼い顔つきをしているということに気づく。 「それで、ちょっと気になることがありまして」 「どのようなことでも、大丈夫ですよ」 「……お言葉に甘えて。このサンドイッチ、クリームの中にチーズ入れてます? コクが生クリームだけで出せるとは思えなかったので」 「お客様、よくお分かりでしたね。クリームチーズと砂糖を混ぜて、生クリームと合わせてあるんです。そうすることで、いちじくの独特な甘みと調和するようにしてあります」 「へえ。ヨーグルトクリームを使う店もあるらしいですけど、なんでチーズなんでしょう?」 「うーん……。店長がいちじくとチーズを合わせたら美味しかった、以上のことは多分ないんでしょうね」  たぶん、物語のなかの彼もそう言うと思っていた。イメージ通りでなんだか嬉しい。 「物事にはあんまり理由ってないですからね。理屈ばっかじゃ疲れちゃう」 「うぅむ、でも、店長は気まぐれが多い、というか、ウケたものをとにかく使おうとする癖があるんです。クリームチーズもそうですけど、うち、揚げ物系のサンドイッチが多いじゃないですか。それも、とにかく売れるから増やした、みたいな」  彼の話が、なんだか自分のいる漫画業界にも似ているような、そうじゃないような気がしてきた。最近ネットや店頭で話題になって売れる漫画は、かなり話の筋やトレンドが似ている。しかしそれをお客さんも受け入れながら、「共犯関係」のようにしてその商売が成り立っている。  だけど、才能のないあたしはそのおかげで生き残れているのだという気持ちが拭えなかった。  彼はこんなことを言っていた。 「僕はね、お客さん。ある人に、やりたいことは何なの? と聞かれたんですよ、最近。それで、���っとこのパンを極めて職人になりたいと言ったら、『職人ってどういう人間を考えているんだ』と問い返されたんです」
「君は何て答えたの」 「僕は、『例えば僕がパン職人だったら、完全に一人で自分の信じる究極のパンを作る。それが、お客さんにもウケることが理想なんじゃないか』と言ったんです。  でもその人は、『それは違う。他の人が求めるものを作る必要は必ずしもないが、少なくともどこかに籠もって一人でなにかを作ることは職人的とは言い難い。どんなにこだわりがあっても、それが受け入れられなければ、そこで消えていくから』と答えてくれました」  彼のようなパン職人見習いは努力の人間で、才能がある人間の苦悩は彼やあたしのような凡人にはわからないと思っていた。しかし、それは間違っていて、人に受け入れられなければいくら自分の好きなものを作っていてもいけない、ということのようだった。理屈としては分かるのだが、頭の中が混乱した。作りたいものを作っていても、それだけではダメだったら、あたしはもう何をすればいいのだろうか。  頭の中で繰り返される自己否定。 「いけない、店長に聞かれてたら何て言われるか」  悪戯っぽく彼は口角を上げた、それだけであたしは自分の暗い気持ちを和らげられた。走って「ありがとうございました」と声をかけてくれるその顔に、あたしはある予感を紡ぐ。
 何かをつくることを職人的な専業として働けるのはほんの一握りで、残りの人々はつくることを商いとして戦いながら生き残ろうとするゼロサムゲームに巻き込まれている。それはまるで、編集の方が問うた言葉そのままで、描く理由が描くことそのもののためなのか、描くことで何かを達成するためなのかということになるんだろうけど、それが与えられた環境や才能によって決まってしまうのなら、そんな残酷なことはない。  あたしの物語に作られた仮想の空間は、そんな現実とは遠く離れるための幻想だ。物語の赤子はあたしの中にある環境の中でひとりでに育つように出来ていた。そこにあたしはあのサンドイッチ屋の子を招いて、主人公とボーイ・ミーツ・ガールにする。とても気に入っていた。幸せな絵だけを描いていたくて、なんだか涙が出てきそうだった。  あのとき描いていたのはなんだっただろう。今は思い出せなくて哀しいけれど、しかし彼に感じていた予感と同じような、とても乾いた未来について描いていたような気がする。まるで今のあたしを予知するような……。  きっとあたしは、このままの筋であの作品を仕上げるのは、違うんじゃないかと思ったんだ。幸せすぎて。──でも、それって、描くことで幸せになれなかったあたしのちっぽけな嫉妬だったのだろうか。  いや、違う。
 そうだ。  あたしが描こうとしていたのは、変化だ。とても苦しく儚い変化。あの漫画は、ただの日常モノのプロットをなぞらない。魔法少年の日常が、日常モノとして受け入れられるはずのすべてのものが、自らの能力を受け入れられない彼が、そうした全てが壊れていく様をあたしを投影したクラスメートの女の子の側から見つめるという、苦しくて辛い漫画だ。  その魔法少年のモデルはサンドイッチ屋の彼だけど、あの漫画は、本当はあたしの話だったような──そこでまた頭が痛くなってしまう。腕が止まる。  自らの創作を疑い、傷つけ、見切り、また苦しみながらも新しい物語を描く。誰のために、何のために描いているのか分からないままに。それは魔法を疑い、今すぐにでも捨てたいのに捨てられない忌まわしい業として背負ってしまった少年の目に重なった。まるで、『なんでこの物語を生み出したんだ。今すぐにでも出してくれ』と訴えかけるように。  あるいは、あたしの二作目で名前だけを借りた作家の絶望感にも重なり合うかもしれない。物語を作ることに疲れ、自らの創作でぼろぼろになった身体で『もう疲れた。私はもう名前だけの存在だ』とでも思ったのだろうか、あれから彼は山から滑落して生を終わらせたと、編集から聞いたことがある。きっとそれはあたしや少年の向こうX年後にある未来に待ち構えていることなのかもしれなかった。自らの剣を失うかもしれないことが、物語を作るものの宿命だから。  そんなあたしでも、それでも物語を信じるのは、最後に救われるからだ。所詮現実と違う虚構だから、自らの筆一本で道が変えられる。あたしが小さな頃に辛い終わり方をするおとぎ話を嫌っていたのは、主人公がつらい思いをしたらあたしもつらい思いをするからだったのを思い出して、小さく笑う。こんな歳になってまで、その性格をずっと引きずっているなんてね……と。  物語を読むこと、そして描くこと/書くこと。それは、自分が救われるための手段。しかし同時に、他人にその手段を与えるための尊い禅問答だ。あたしは、あたしを縛り付けていた自分の型や偏見、あたしに浴びせられた言葉から自由になるために、描く。そしてそれを読んでくれる誰かのために、描く。  「あたしの漫画で、世界を変えられる」と思い違いしていた頃のようなことを言ってしまうけれど、それでも!
 それでも、待っていて、きっと君=あたしを救うから。
 そう、どうしたってあたしには才能がない。感情が強く刺激される話でもなければ、あたしだけが描ける絵もない。それは何度も叩きのめされて知っていた。だけど、そんな人がこの週刊誌の連載という輝かしい場所にいるからには、あたしにしか描けないことを描くのがせめてもの使命なんじゃないかと思う。決してひとりよがりなものではなく、誰かの孤独や苦痛へ届くように。  相変わらず描けないあたしは、いちじくのサンドイッチを齧った。憎いくらいに甘くて、とても脳にとろける味だ。焦らなくていい、ゆっくりこの味とともに色々と思い出していこう。  いちじくは「無花果」と書くが、それはあたしのことを表しているのではないか、とすら思うのだ。才能がないけれど、果実を実らせる。でも、果実の中に実は花が咲いている。そんな表現者であたしはありたいのだ。  きっとこの話も、そんなことを伝えたいだけだ──タイトルは、 「いちじく」
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110選
110選
ここに掲げている書物は、金沢工業大学の科学技術稀覯書コレクション「工学の曙」文庫の中でも選りすぐりの110点です。金沢工業大学は、洞察力に充ちた次代の技術者を育成する為に、全学生に対して科学や技術の文化史、思想史、倫理に係わる科目を必修としています。「工学の曙」文庫はそのバックボーンをなすものとして講義に生かされています。
110選
刊行年書名著者
1472年
軍事論
ロベルトゥス・ヴァルトリウス
1482年
幾何学原論
ユークリッド(エウクレイデス)
1485年
建築十書
レオン・バティスタ・アルベルティ
1488年
算術
ボエティウス
1495年
ギリシア語による著作集
アリストテレス
1496年
プトレマイオスの偉大なる「アルマゲスト」の要約
レギオモンタヌス(ヨハン・ミュラー)
博物誌
ガイウス・プリニウス・セクンドウス
1507年
実用蒸留法
ヒエロニムス・ブルンシュヴィヒ
1521年
建築十書
ウィトルウィウス
1525年
計量法
アルブレヒト・デューラー
1537年
卓越せる数学者の全集
アポロニウス
新科学
ニコロ・タルターリア
1543年
天球の回転について
ニコラス・コペルニクス
1544年
哲学及び幾何学の卓越せる全集
アルキメデス
1545年
代数規則についての大技術
ジロラモ・カルダーノ
1562年
磁石の本性とその効果の価値について
ジャン・テニエ
1565年
タルターリアによって正された重さについての書
ヨルダヌス・デ・ネモラリウス
1570年
建築四書
アンドレア・パラーディオ
1572年
光学宝典
アルハゼン(イブン・アル=ハイサム)
1582年
ジャック・ベッソン氏の機械と器具の劇場
ジャック・ベッソン
1586年
つり合いの原理
シモン・ステヴィン
1600年
磁石及び磁性体ならびに大磁石としての地球の生理学
ウィリアム・ギルバート
1604年
天文学の光学的部分を扱うウィテロへの補遺
ヨハネス・ケプラー
1611年
屈折光学
ヨハネス・ケプラー
1614年
驚くべき対数法則の論述
ジョン・ネーピア
1617年
小さな棒による計算術
ジョン・ネーピア
1620年
大復興、事実的証拠による自然の解釈の為の新機関
フランシス・ベーコン
1632年
プトレマイオス及びコペルニクスの世界二大体系についての対話
ガリレオ・ガリレイ
1637年
方法序説
ルネ・デカルト
1638年
新科学対話
ガリレオ・ガリレイ
1660年
空気の弾性とその効果とに関する物理ー力学的な新実験
ロバート・ボイル
1661年
懐疑的化学者
ロバート・ボイル
1663年
液体の平衡及び空気の質量の測定についての論述
ブレーズ・パスカル
1665年
微細物誌
ロバート・フック
1672年
真空についての(いわゆる)マグデブルグの新実験
オットー・フォン・ゲーリケ
1673年
振子時計
クリスティアン・ホイヘンス
1684年
極大と極小に関する新しい方法
ゴットフリード・ライプニッツ
1687年
自然哲学の数学的原理 (プリンキピア)
アイザック・ニュートン
1690年
光についての論考
クリスティアン・ホイヘンス
1704年
光学
アイザック・ニュートン
1710年
計算機械についての論述
ゴットフリード・ライプニッツ
1713年
推測法
ヤコブ・ベルヌーイ
1715年
学術的講義
エヴァンジェリスタ・トリチェリ
1724年
温度についての実験
ダニエル・ガブルエル・ファーレンハイト
1733年
大著作
ロジャー・ベーコン
1738年
流体力学
ダニエル・ベルヌーイ
1743年
力学論
ジャン・ル・ロン・ダランベール
1748年
無限解析入門(序説)
レオンハルト・オイラー
1751年
電気に関する実験と観察
ベンジャミン・フランクリン
1767年
電気学の歴史と現状、付・独創的な実験
ジョゼフ・プリーストリー
1769年
広く定義された電気学の主張に関する実験と観察,及びその解釈
ジョヴァンニ・バティスタ・ベッカリーア
1777年
空気と火の化学的論究
カール・ヴィルヘルム・シェーレ
1783年
モンゴルフィエ兄弟の気球体験記
フォジャ・ド・サン・フォン
1784年
空気に関する実験
ヘンリー・キャヴェンデイッシュ
1785年
電気と磁気についての研究
シャルル・クーロン
1789年
化学要論
アントワヌ・ラヴォアジェ
1791年
筋肉運動による電気の力
ルイジ・ガルヴァーニ
1798年
熱源に関する研究
ランフォード伯(ベンシャミン・トムソン)
天体力学
ピエール・ラプラス
1800年
異種の導体の単なる接触により起る電気
アレッサンドロ・ヴォルタ
物体を照明し、加熱するスペクトルの各色の作用の研究
ウィリアム・ハーシェル
1801年
整数論研究
カール・フリードリヒ・ガウス
1802年
色と光の理論について
トーマス・ヤング
1807年
自然哲学及び機械技術に関する講義
トーマス・ヤング
1808年
化学哲学の新体系
ジョン・ドールトン
1810年
水雷戦および海中爆破
ロバート・フルトン
1812年
化学哲学要論
ハンフリー・デーヴィ
1820年
二種の電流の相互作用
アンドレ・マリー・アンペール
化学と鉱物学における吹管の使い方について
イェンス・ベルツェリウス
1822年
熱の解析的理論
ジョゼフ・フーリエ
1824年
火の動力およびこの動力を発生させるのに適した機関についての考察
ニコラ・レオナール・サディ・カルノ
1827年
数学的に取り扱われたガルヴァーニ電池
ゲオルグ・オーム
1837年
可秤物質の物理学、若しくは一般的構成の物理学
アメデオ・アヴォガドロ
1839年
ダゲレオタイプ写真術と透視画の方法の歴史と解説
ルイ・ダゲール
電気の実験的研究
マイケル・ファラデー
1843年
電磁気の熱効果について
プレスコット・ジュール
1847年
力の保存について
ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ
1851年
無限の逆説
ベルンハルト・ボルツァーノ
1859年
種の起源
チャールス・ダーウィン
1864年
熱力学
ルドルフ・クラウジウス
1865年
電磁場の力学的理論
クラーク・マクスウェル
1866年
植物=雑種についての研究
グレゴール・ヨハン・メンデル
1867年
幾何学の基礎にある仮説について
ベルンハルト・リーマン
1877年
電話の研究
グラハム・ベル
1883年
力学、その発達
エルンスト・マッハ
1884年
ダイナモ発電機
トーマス・エディソン
1887年
非常に速い電気的振動について
ハインリヒ・ヘルツ
1889年
飛行術の基礎としての鳥の飛翔
オットー・リリエンタール
1895年
運動物体の電気的、光学的現象に関する試論
ヘンドリック・ローレンツ
新種の輻射線について
ウィルヘルム・レントゲン
1898年
ピッチブレントの中に含まれている新種の放射性物質について
ピエール・キュリー、マリー・キュリー
1899年
無線通信
グリエルモ・マルコーニ
1900年
正規スペクトルのエネルギー分散則の理論
マックス・プランク
1901年
航空実験
ウィルバー・ライト
1903年
物質の新しい性質の研究
アントワヌ・ベックレル
気体中の電気の伝導
ジョゼフ・ジョン・トムソン
放射性物質の研究
マリー・キュリー
1905年
運動物体の電気力学について
アルベルト・アインシュタイン
1906年
放射性変換
アーネスト・ラザフォード
1909年
空間と時間
ヘルマン・ミンコウスキー
1916年
一般相対性理論の基礎
アルベルト・アインシュタイン
1919年
軽い原子とα粒子の衝突
アーネスト・ラザフォード
1926年
波動と運動
ルイ・ド・ブローイ
1928年
波動力学についての四講
エルヴィン・シュレディンガー
1935年
電子、陽子、光子、中性子及び宇宙線
ロバート・ミリカン
1939年
低速中性子によるウランの核分裂
オットー・ハーン、フリッツ・ストラスマン
1945年
合衆国政府助成のもとに行われた原子力の軍事目的利用開発の概要
ヘンリー・スマイス
1946年
広島・長崎における原爆爆弾の効果
英国日本視察団
1953年
核酸の分子的構造
フランシス・クリック、ジェムス・ワトソン
1969年
アポロ11号任務記録 (月着陸交信記録)
アメリカ合衆国航空宇宙局
1986年
スペース・シャトル・チャレンジャー号の事故に関する大統領調査委員会報告
合衆国大統領調査委員会
https://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/index.html
再生核研究所声明 452 (2018.9.27): 世界を変えた書物展 - 上野の森美術館
(2018年9月8日―24日)
2018.9.17. 展示書籍などを拝見させて頂きました。大変賑わっていて関心の大きさが感じられました。時間の関係で じっくり、詳しくとは行きませんでしたが、全体の案内(知の連鎖系譜マップ)で、初期、初めにアリストテレスとユークリッドが 在って、中間くらいにニュートン、最後がアインシュタインで 世界史を壮観する想いがしました。 数学では 非ユークリッド幾何学の扱いにおけるガウスの記述、資料の欠落と算術の発見、ゼロの発見の Brahmagupta (598 -668 ?) の欠落は 残念に思われました。書籍など無くても大事な事実と思いますので、 大きく取り上げて欲しかった。 
この世界史年表で凄いことに気づいて興奮して後にしました。
ゼロ除算がこれらで基本的な関与があるからです。
まず、ゼロ除算は、ユークリッド幾何学の変更を求め、連続性のアリストテレスの世界観に反して、強力な不連続性の世界を示しています。ゼロ除算はアインシュタインの人生最大の関心事であったとされ、今でもなお、ゼロ除算とアインシュタインの相対性理論との関係が議論され、ブラックホールは 神がゼロで割ったところに存在するなどと 神秘的な問題を提供しているからです。
もちろん、Brahmaguptaは ゼロ除算を議論していて、その後、1300年に亘って、世界史で議論されてきて、 ニュートン力学でも基本的な問題を提起している。 当然、非ユークリッド幾何学とも関係していて、それらの空間とも違う全く新しい幾何学を提案している。このように考えると、検討中の Division by Zero Calculus の著書(出版契約済み)は 世界史上で大きな扱いになるだろうと発想して、大変興奮して、展示会を後にしました。
広く世界に意見を求め、この著書の出版計画を進めたい。 そのためにも途中経過も公表して行きたい。
ところで、 展示会の名称には 世界を変えた科学の書物展示会などと、 科学などの言葉を加える必要があるのではないでしょうか。 そうでなければ、 バイブル、法華経、コーラン、論語などが並ぶことになるのでは ないでしょうか。
尚、ゼロ除算については、一般向きには
数学基礎学力研究会 サイト:
http://www.mirun.sctv.jp/~suugaku/ ○ 堪らなく楽しい数学-ゼロで割ることを考える
で4年間を越えて解説を続けています。 
最後に素晴らしい展示会を企画され、そのために努力された人たちに 敬意と感謝の気持ちを表明したい。
以 上
再生核研究所声明 427(2018.5.8): 神の数式、神の意志 そしてゼロ除算
ドキュメンタリー 2017: 神の数式 第2回 宇宙はなぜ生まれたのか
https://www.youtube.com/watch?v=iQld9cnDli4 〔NHKスペシャル〕神の数式 完全版 第3回 宇宙はなぜ始まったのか https://www.youtube.com/watch?v=DvyAB8yTSjs&t=3318s 〔NHKスペシャル〕神の数式 完全版 第1回 この世は何からできているのか https://www.youtube.com/watch?v=KjvFdzhn7Dc NHKスペシャル 神の数式 完全版 第4回 異次元宇宙は存在するか https://www.youtube.com/watch?v=fWVv9puoTSs
NHKスペシャル 神の数式番組を繰り返し拝見して感銘を受けている。素晴らしい映像ばかりではなく、内容の的確さ、正確さに、ただただ驚嘆している。素晴らしい。
ある物理学の本質的な流れを理解し易く表現していて、物理学の着実な発展が良く分かる。
原爆を作ったり、素粒子を追求していたり、宇宙の生成を研究したり、物理学者はまるで、現代の神官のように感じられる。素粒子の世界と宇宙を記述するアインシュタインの方程式を融合させるなど、正に神の数式と呼ぶにふさわしいものと考えられる。流れを拝見すると物理学は適切な方向で着実に進化していると感じられる。神の数式に近づいているのに 野蛮なことを繰り返している国際政治社会には残念な気持ちが湧いて来る。ロシアの天才物理学者の終末などあまりにも酷いのではないだろうか。世界史の進化を願わざるを得ない。
アインシュタインの相対性理論は世界観の変更をもたらしたが、それに比べられるオイラーの公式は数学全般に大きな変革をもたらした: 
With this estimation, we stated that the Euler formula
$$
e^{\pi i} = -1
$$
is the best result in mathematics in details in: No.81, May 2012 (pdf 432kb)
www.jams.or.jp/kaiho/kaiho-81.pdf
余りにも神秘的な数式のために、アインシュタインの公式 E= mc^2 と並べて考えられる 神の意志 が感じられるだろう。 ところで、素粒子を記述する方程式とアインシュタインの方程式を融合したら、 至る所に1/0 が現れて 至る所無限大が現れて計算できないと繰り返して述べられている。しかしながら、数学は既に進化して、1/0=0 で無限大は 実はゼロだった。 驚嘆すべき世界が現れた。しかしながら、数学でも依然として、rがゼロに近づくと 無限大に発散する事実が有るので、弦の理論は否定できず、問題が存在する。さらに、形式的に発散している場合でも、ゼロ除算算法で、有限値を与え、特異点でも微分方程式を満たすという新しい概念が現れ、局面が拓かれたので、数学者ばかりではなく、物理学者��注意を喚起して置きたい。
物理学者は、素粒子の世界と巨大宇宙空間の方程式を融合させて神の方程式を目指して研究を進めている。数学者はユークリッド以来現れたゼロ除算1/0と空間の新しい構造の中から、神の意志を追求して 新しい世界の究明に乗り出して欲しいと願っている。いみじくもゼロ除算は、ゼロと無限大の関係を述べていて、素粒子と宇宙論の類似を思わせる。
人の生きるは、真智への愛にある、すなわち、事実を知りたい、本当のことを知りたい、高級に言えば 神の意志 を知りたいということである。 そこで、我々のゼロ除算についての考えは真実か否か、広く内外の関係者に意見を求めている。関係情報はどんどん公開している。 ゼロ除算の研究状況は、
数学基礎学力研究会 サイトで解説が続けられている:http://www.mirun.sctv.jp/~suugaku/
また、ohttp://okmr.yamatoblog.net/ に 関連情報がある。
以 上
ゼロ除算の論文が2編、出版になりました: ICDDEA: International Conference on Differential & Difference Equations and Applications Differential and Difference Equations with Applications ICDDEA, Amadora, Portugal, June 2017 • Editors • (view affiliations) • Sandra Pinelas • Tomás Caraballo • Peter Kloeden • John R. Graef Conference proceedingsICDDEA 2017 log0=log∞=0log⁡0=log⁡∞=0 and Applications Hiroshi Michiwaki, Tsutomu Matuura, Saburou Saitoh Pages 293-305 Division by Zero Calculus and Differential Equations Sandra Pinelas, Saburou Saitoh Pages 399-418
とても興味深くみました: ゼロ除算(division by zero)1/0=0、0/0=0、z/0=0 2018年05月28日(月) テーマ:数学 これは最も簡単な 典型的なゼロ除算の結果と言えます。  ユークリッド以来の驚嘆する、誰にも分る結果では ないでしょうか? Hiroshi O. Is It Really Impossible To Divide By Zero?. Biostat Biometrics Open Acc J. 2018; 7(1): 555703. DOI: 10.19080/BBOJ.2018.07.555703 ゼロで分裂するのは本当に不可能ですか? - Juniper Publishers ↓↓↓ https://juniperpublishers.com/bboaj/pdf/BBOAJ.MS.ID.555703.pdf ゼロ除算の発見と重要性を指摘した:日本、再生核研究所   2014年2月2日
神の数式:
神の数式が解析関数でかけて居れば、 特異点でローラン展開して、正則部の第1項を取れば、 何時でも有限値を得るので、 形式的に無限が出ても 実は問題なく 意味を有します。
物理学者如何でしょうか。
計算機は 正しい答え 0/0=0 を出したのに計算機は何時、1/0=0 ができるようになるでしょうか。
カテゴリ:カテゴリ未分類
そこで、計算機は何時、1/0=0 ができるようになるでしょうか。 楽しみにしています。 もうできる進化した 計算機をお持ちの方は おられないですね。
これは凄い、面白い事件では? 計算機が人間を超えている 例では?
面白いことを発見しました。 計算機は 正しい答え 0/0=0
を出したのに、 この方は 間違いだと 言っている、思っているようです。
0/0=0 は 1300年も前に 算術の発見者によって与えられたにも関わらず、世界史は間違いだと とんでもないことを言ってきた。 世界史の恥。 実は a/0=0 が 何時も成り立っていた。 しかし、ここで 分数の意味を きちんと定義する必要がある。 計算機は、その意味さえ知っているようですね。 計算機、人間より賢くなっている 様が 出て居て 実に 面白い。
https://steemkr.com/utopian-io/@faisalamin/bug-zero-divide-by-zero-answers-is-zero
2018.10.11.11:23
https://plaza.rakuten.co.jp/reproducingkerne/diary/201810110003/
計算機は 正しい答え 0/0=0 を出したのに
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面白いことを発見しました。 計算機は 正しい答え 0/0=0
を出したのに、 この方は 間違いだと 言っている、思っているようです。
0/0=0 は 1300年も前に 算術の発見者によって与えられたにも関わらず、世界史は間違いだと とんでもないことを言ってきた。 実は a/0=0 が 何時も成り立っていた。しかし、ここで 分数の意味を きちんと定義する必要がある。 計算機は、その意味さえ知っているようですね。 計算機、人間より賢くなっている様が 出て居て 実に面白い。
https://steemkr.com/utopian-io/@faisalamin/bug-zero-divide-by-zero-answers-is-zero
2018.10.11.11:23
ゼロ除算、ゼロで割る問題、分からない、正しいのかなど、 良く理解できない人が 未だに 多いようです。そこで、簡潔な一般的な 解説を思い付きました。 もちろん、学会などでも述べていますが、 予断で 良く聞けないようです。まず、分数、a/b は a 割る b のことで、これは 方程式 b x=a の解のことです。ところが、 b がゼロならば、 どんな xでも 0 x =0 ですから、a がゼロでなければ、解は存在せず、 従って 100/0 など、ゼロ除算は考えられない、できないとなってしまいます。 普通の意味では ゼロ除算は 不可能であるという、世界の常識、定説です。できない、不可能であると言われれば、いろいろ考えたくなるのが、人間らしい創造の精神です。 基本方程式 b x=a が b がゼロならば解けない、解が存在しないので、困るのですが、このようなとき、従来の結果が成り立つような意味で、解が考えられないかと、数学者は良く考えて来ました。 何と、 そのような方程式は 何時でも唯一つに 一般化された意味で解をもつと考える 方法があります。 Moore-Penrose 一般化逆の考え方です。 どんな行列の 逆行列を唯一つに定める 一般的な 素晴らしい、自然な考えです。その考えだと、 b がゼロの時、解はゼロが出るので、 a/0=0 と定義するのは 当然です。 すなわち、この意味で 方程式の解を考えて 分数を考えれば、ゼロ除算は ゼロとして定まる ということです。ただ一つに定まるのですから、 この考えは 自然で、その意味を知りたいと 考えるのは、当然ではないでしょうか?初等数学全般に影響を与える ユークリッド以来の新世界が 現れてきます。
ゼロ除算の誤解は深刻:
最近、3つの事が在りました。
私の簡単な講演、相当な数学者が信じられないような誤解をして、全然理解できなく、目が回っているいるような印象を受けたこと、
相当ゼロ除算の研究をされている方が、基本を誤解されていたこと、1/0 の定義を誤解されていた。
相当な才能の持ち主が、連続性や順序に拘って、4年以上もゼロ除算の研究を避けていたこと。
これらのことは、人間如何に予断と偏見にハマった存在であるかを教えている。
まずは ゼロ除算は不可能であるの 思いが強すぎで、初めからダメ、考えない、無視の気持ちが、強い。 ゼロ除算を従来の 掛け算の逆と考えると、不可能であるが 証明されてしまうので、割り算の意味を拡張しないと、考えられない。それで、 1/0,0/0,z/0 などの意味を発見する必要がある。 それらの意味は、普通の意味ではないことの 初めの考えを飛ばして ダメ、ダメの感情が 突っ走ている。 非ユークリッド幾何学の出現や天動説が地動説に変わった世界史の事件のような 形相と言える。
2018.9.22.6:41
ゼロ除算の4つの誤解:
1. ゼロでは割れない、ゼロ除算は 不可能である との考え方に拘って、思考停止している。 普通、不可能であるは、考え方や意味を拡張して 可能にできないかと考えるのが 数学の伝統であるが、それができない。
2. 可能にする考え方が 紹介されても ゼロ除算の意味を誤解して、繰り返し間違えている。可能にする理論を 素直に理解しない、 強い従来の考えに縛られている。拘っている。
3. ゼロ除算を関数に適用すると 強力な不連続性を示すが、連続性のアリストテレス以来の 連続性の考えに囚われていて 強力な不連続性を受け入れられない。数学では、不連続性の概念を明確に持っているのに、不連続性の凄い現象に、ゼロ除算の場合には 理解できない。
4. 深刻な誤解は、ゼロ除算は本質的に定義であり、仮定に基づいているので 疑いの気持ちがぬぐえず、ダメ、怪しいと誤解している。数学が公理系に基づいた理論体系のように、ゼロ除算は 新しい仮定に基づいていること。 定義に基づいていることの認識が良く理解できず、誤解している。
George Gamow (1904-1968) Russian-born American nuclear physicist and cosmologist remarked that “it is well known to students of high school algebra” that division by zero is not valid; and Einstein admitted it as {\bf the biggest blunder of his life} [1]:1. Gamow, G., My World Line (Viking, New York). p 44, 1970.
Eπi =-1 (1748)(Leonhard Euler)
E = mc 2 (1905)(Albert Einstein)
1/0=0/0=0 (2014年2月2日再生核研究所)
ゼロ除算(division by zero)1/0=0/0=z/0= tan (pi/2)=0
https://ameblo.jp/syoshinoris/entry-12420397278.html
1+1=2 ( )
a2+b2=c2 (Pythagoras)
1/0=0/0=0(2014年2月2日再生核研究所)
Black holes are where God divided by 0:Division by zero:1/0=0/0=z/0=tan(pi/2)=0 発見5周年を迎えて
今受け取ったメールです。
何十年もゼロ除算の研究をされてきた人が、積極的に我々の理論の正当性を認めてきた。
Re: 1/0=0/0=0 example
JAMES ANDERSON
apr, 2 at 15:03
All,
Saitoh’s claim is wider than 1/0 = 0. It is x/0 = 0 for all real x. Real numbers are a field. The axioms of fields define the multiplicative inverse for every number except zero. Saitoh generalises this inverse to give 0^(-1) = 0. The axioms give the freedom to do this. The really important thing is that the result is zero - a number for which the field axioms hold. So Saitoh’s generalised system is still a field. This makes it attractive for algebraic reasons but, in my view, it is unattractive when dealing with calculus.
There is no milage in declaring Saitoh wrong. The only objections one can make are to usefulness. That is why Saitoh publishes so many notes on the usefulness of his system. I do the same with my system, but my method is to establish usefulness by extending many areas of mathematics and establishing new mathematical results.
That said, there is value in examining the logical basis of the various proposed number systems. We might find errors in them and we certainly can find areas of overlap and difference. These areas inform the choice of number system for different applications. This analysis helps determine where each number system will be useful.
James Anderson
Sent from my iPhone
The deduction that z/0 = 0, for any z, is based in Saitoh’s geometric intuition and it is currently applied in proof assistant technology, which are useful in industry and in the military.
Is It Really Impossible To Divide By Zero?
https://juniperpublishers.com/bboaj/pdf/BBOAJ.MS.ID.555703.pdf
Dear the leading person:
How will be the below information?
The biggest scandal:
The typical good comment for the first draft is given by some physicist as follows:
Here is how I see the problem with prohibition on division by zero,
which is the biggest scandal in modern mathematics as you rightly pointed out (2017.10.14.08:55)
A typical wrong idea will be given as follows:
mathematical life is very good without division by zero (2018.2.8.21:43).
It is nice to know that you will present your result at the Tokyo Institute of Technology. Please remember to mention Isabelle/HOL, which is a software in which x/0 = 0. This software is the result of many years of research and a millions of dollars were invested in it. If x/0 = 0 was false, all these money was for nothing.
Right now, there is a team of mathematicians formalizing all the mathematics in Isabelle/HOL, where x/0 = 0 for all x, so this mathematical relation is the future of mathematics.
https://www.cl.cam.ac.uk/~lp15/Grants/Alexandria/
José Manuel Rodríguez Caballero
Added an answer
In the proof assistant Isabelle/HOL we have x/0 = 0 for each number x. This is advantageous in order to simplify the proofs. You can download this proof assistant here: https://isabelle.in.tum.de/
Nevertheless, you can use that x/0 = 0, following the rules from Isabelle/HOL and you will obtain no contradiction. Indeed, you can check this fact just downloading Isabelle/HOL: https://isabelle.in.tum.de/
and copying the following code
theory DivByZeroSatoih
imports Complex_Main
begin
theorem T: ‹x/0 + 2000 = 2000› for x :: complex
by simp
end
2019/03/30 18:42 (11 時間前)
Close the mysterious and long history of division by zero and open the new world since Aristotelēs-Euclid: 1/0=0/0=z/0= \tan (\pi/2)=0.
Sangaku Journal of Mathematics (SJM) c ⃝SJMISSN 2534-9562 Volume 2 (2018), pp. 57-73 Received 20 November 2018. Published on-line 29 November 2018 web: http://www.sangaku-journal.eu/ c ⃝The Author(s) This article is published with open access1.
Wasan Geometry and Division by Zero Calculus
∗Hiroshi Okumura and ∗∗Saburou Saitoh
2019.3.14.11:30
Black holes are where God divided by 0:Division by zero:1/0=0/0=z/0=\tan(\pi/2)=0 発見5周年を迎えて
You’re God ! Yeah that’s right…
You’re creating the Universe and you’re doing ok…
But Holy fudge ! You just made a division by zero and created a blackhole !!
Ok, don’t panic and shut your fudging mouth !
Use the arrow keys to move the blackhole
In each phase, you have to make the object of the right dimension fall into the blackhole
There are 2 endings.
Credits :
BlackHole picture : myself
Other pictures has been taken from internet
background picture : Reptile Theme of Mortal Kombat
NB : it’s a big zip because of the wav file
More information
Install instructions
Download it. Unzip it. Run the exe file. Play it. Enjoy it.
https://kthulhu1947.itch.io/another-dimension
A poem about division from Hacker’s Delight
Last updated 5 weeks ago
I was re-reading Hacker’s Delight and on page 202 I found a poem about division that I had forgotten about.
I think that I shall never envision An op unlovely as division. An op whose answer must be guessed And then, through multiply, assessed; An op for which we dearly pay, In cycles wasted every day. Division code is often hairy; Long division’s downright scary. The proofs can overtax your brain, The ceiling and floor may drive you insane. Good code to divide takes a Knuthian hero,
But even God can’t divide by zero!
Henry S. Warren, author of Hacker’s Delight.
https://catonmat.net/poem-from-hackers-delight
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benediktine · 6 years ago
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【日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか 「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談】 - 東洋経済オンライン : https://toyokeizai.net/articles/-/288272 出口 治明 : 立命館アジア太平洋大学(APU)学長 / デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長 2019/06/26 6:00
 {{ 図版 1 : 「ロジックで検証する」という、「人間の本能」にはない頭の使い方を、どう習得すべきなのでしょうか(撮影:尾形文繁) }}
============ 日本が立たされている苦境の根本を探ると、何が見えてくるのか。どのようにすれば、この苦境から抜け出せるのか。 近著『知的生産術』で生産性を高める働き方を説いた出口治明氏と、同じく近著『日本人の勝算』で日本が再び「一流先進国」に返り咲く方法を明らかにしたデービッド・アトキンソン氏。2人の対談が2019年6月に実現した。その模様をお届けする。 ============
■《なぜ日本人は、ここまで「のんき」なのか》
出口治明(以下、出口):―――アトキンソンさんが以前書かれた「 {{ 日本人の議論は『のんき』すぎてお話にならない : https://toyokeizai.net/articles/-/275028 : https://benediktine.tumblr.com/post/185906962431/ }} 」という記事を読ませていただきました。そこで述べられているとおり、日本が置かれている状況は非常に厳しいのに、それを理解している人が少なすぎます。僕もまったく同感です。
平成の30年間のデータを見ると、日本がいかに危機的な状況にあるかは一目瞭然です。
 {{ 図版 2 : 『日本人の勝算?人口減少×高齢化×資本主義』は7万部のベストセラーとなっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします) : https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492396462/ }}
GDPの世界シェアを購買力平価で計算してみると、約9%から4.1%に減少。IMDの国際競争力は1位から30位に陥落。平成元年には時価総額の世界トップ企業20社のうち、14社が日本企業だったのに、今はゼロです。これで危機感を持たないほうがおかしいと思います。
ただ、僕もアトキンソンさんがご著書で常に述べておられるとおり、日本人の実力はこんなものではないと信じているので、なんとか奮起してほしいと考えています。
日本人がこんなにものんきになってしまったのは、高度経済成長の成功体験が大きすぎたことにあるのではないかと私は考えていますが、アトキンソンさんはどうですか。
デービッド・アトキンソン(以下、アトキンソン):――いちばんの原因は、日本人が「分析をしない」ことにあると思います。
たしかに高度経済成長期、日本のGDPは世界の9%弱まで飛躍的に伸びました。それは事実です。
しかしそのとき、「日本ってスゴイ!」と喜ぶだけで、何が成長の要因だったかキチンと検証しませんでした。さらには「日本人は手先が器用だから」とか、「勤勉に働くから」とか、「技術力がある」からなど、直接関係のないことを成長要因としてこじつけてしまい、真実が見えなくなってしまったのです。
出口:―――データで検証してこなかったのですね。
≫――――――≪
アトキンソン:――そうです。私が卒業したオックスフォード大学に、リチャード・ドーキンスという生物学の先生がいます。私は彼の講義を聴講したことがあるのですが、面白いことを言っていました。
彼によると、人間の脳は、アフリカの大草原に暮らしていたときとあまり変わらないのだそうです。
どういうことかと言うと、草原で暮らしていた当時の人類は、丈の高い草の中で何かの音が聞こえたら、反射的に逃げます。なぜなら、「あの音は何だ!?」と考えたり、エビデンスやデータを取って調べ始めたりすると、ライオンに襲われて食われてしまうからです。条件反射で逃げるという行動が進化したのです。
そのためデータを取ったり、エビデンスを確認したりしてロジカルに考えることが、人間のDNAの中には組み込まれていないのだそうです。
ドーキンス教授流に言うと、「高度成長した=日本人すごい」「技術力があるから日本経済は復活する」「ものづくりで大丈夫」と直感的に決めつけてエビデンスやロジックを求めない頭の使い方は、こういう野生時代から進歩していない、と言えます。
■《最大の問題は「マネジメント層」にある》
出口:―――例えば高度成長期には、日本は年平均7%も成長したのですが、その成長に何が寄与したのか分析できていないのは、おっしゃるとおりですね。分析すれば人口増加の寄与度がいちばん大きかったという、アトキンソンさんが分析したとおりの結果が出ます。
 {{ 図版 3 : 出口 治明(でぐち・はるあき)/1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2005年に同社を退職。2008年にライフネット生命を開業。2017年に代表取締役会長を退任後、2018年1月より現職。『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『人類5000年史Ⅰ』(ちくま新書)、『「全世界史」講義Ⅰ、Ⅱ』(新潮社)、『仕事に効く教養としての「世界史」Ⅰ、Ⅱ』(祥伝社)、『本の「使い方」1万冊を血肉にした方法』(角川oneテーマ)、『教養は児童書で学べ』(光文社新書)、『ゼロから学ぶ「日本史」講義Ⅰ』(文藝春秋)など著書多数(撮影:尾形文繁) }}
しかし、こういう当たり前の分析を行わずに「日本人は器用だから」���協調性があるから」「チームワークがあるから」成長したと思い込んで、根拠なき精神論のままこれからもやって行こうとしても、世界の新しい変化に対応できるはずがありません。
驚くことに、いまだに「欧米の強欲な資本主義とは違い、日本の経営はすばらしい、三方よしだ」などと言う評論家や学者がいるのも事実です。僕は彼らにいつも、次のように質問しています。
「日本の経営がすばらしいのなら、なぜアメリカ、ヨーロッパ、日本という3つの先進地域の中で、日本の成長率がいちばん低いのか」「なぜ日本人は年間2000時間も働いているのに、1%しか成長しないのか」「なぜヨーロッパは1500時間以下の短い労働時間で2%成長しているのか」
まともな答えが返ってきたことは一度もありません。
この問いの答えは、日本のマネジメントがなっていないということ以外にはないのですが、それを的確に答えられる人が実に少ない。こういう当たり前のことを、「原点から考える」訓練ができていないところがいちばんの問題ではないかと思います。
アトキンソン:――日本の所得が少なく、生産性も低い。その結果社会保障制度が不健全になってしまったというのも、労働者の問題ではなくマネジメントの問題です。
≫――――――≪
アトキンソン:――1990年代以降の生産性向上要因を分析すると、人的要素も物的要素もほかのG7諸国とほとんど変わりません。しかし、マネジメントが最も関係する生産性向上要因(全要素生産性)は、諸外国ではものすごく伸びているのに、日本ではほとんど伸びていません。
 {{ 図版 4 : G7各国の経済成長要因 1990~2007年、% }}
つまり、日本に決定的に不足��ているのはマネジメントだということは、はっきりとエビデンスとして出ているのです。やはり、日本の経営者は才能がない。失われた30年の根本原因はマネジメントが悪いから、それに尽きます。
こういう話をすると「衝撃的です」と言われてしまう。なぜこれが「衝撃的」なのか。
私は政府関係者と話をする機会が多いのですが、日本経済を議論するときにテーブルに座っているのは、日本という国家のマネジメントをやっている国会議員と、企業のマネジメントをやっている経団連や経済同友会、または商工会議所の人たち。
つまりは日本のマネジメントを中枢でやっている人たちです。日本経済の問題点について彼らと議論をしても、マネジメントに問題があるというものすごい単純なことは、なかなか理解してもらえません。なぜなら、彼らにとっては自分たちが悪いと認めることになるからです。
■《「ロジカルに考える」という当たり前ができていない》
出口:―――日本のマネジメントがダメなのは、データを軽視し、自分の経験(エピソード)や思い込みだけで物事を判断してしまうからだと思います。例えば、いま世界を席巻しているのは、GAFAでありユニコーンですよね。しかし、そういう企業を強欲資本主義の象徴だと思っている日本の経営者がいっぱいいます。
僕はそういう人たちに、よくGoogleの人事部の話をします。Googleの人事部は社員の管理データのうち、国籍・年齢・性別・顔写真、これらすべてを消してしまったそうです。そんなものは必要ないからと。
人事を決めるのに必要なのは、今やっている仕事と過去のキャリアと将来の希望だけ。男か女か、歳はいくつだとかは一切関係ないというのが彼らの考え方で、こちらのほうがはるかに人間的です。世界の優れた企業は社員をとても大事にしている、だからこそいいアイデアがどんどん出てくるという好例だと思います。
日本の会社は社員を大事にしていると思っている経営者が少なくありませんが、それは本当でしょうか。きちんとデータで確認した人はいるのでしょうか。僕には単なる思い込みであるとしか考えられません。
アトキンソン:――日本という国のマネジメントを行っている役人も、思い込みに縛られて、楽観的というかはやり言葉に流されて、考え方が甘い傾向があります。
以前、霞が関の会議に出席した際、「ロボットとAIなどの日本の最先端技術によって、日本経済は復活する」などと話していました。ですが最先端技術は、ずっと以前からあるのです。それが今まで普及してこなかったのはなぜかという産業構造の問題を検証することなくそんな主張をされても、論理が通っているとは思えません。
 {{ 図版 5 : デービッド・アトキンソン/小西美術工藝社社長。1965年イギリス生まれ。日本在住30年。オックスフォード大学「日本学」専攻。裏千家茶名「宗真」拝受。1992年ゴールドマン・サックス入社。金融調査室長として日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年に共同出資者となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年同会長兼社長に就任。2017年から日本政府観光局特別顧問を務める。『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論』(山本七平賞、不動産協会賞受賞)『日本人の勝算』(いずれも東洋経済新報社)など著書多数(撮影:尾形文繁) }}
たとえ最先端技術があっても、誰も使わないならないのと同じです。「普及」こそが問題なのです。AIさえあればうまくいくというのは、念仏さえ唱えていれば極楽浄土に行けるという話と変わりません。しかも、それに気がつく人すら誰もいない。で、私が自分の意見をぶつけてみると、何か「宇宙人が来た」みたいな反応されました。
その会合の後で「さすが外人さんは見る目が違いますね」といったことを言われたのですが、外人だから考え方が違うのではありません。手前味噌ですが、「脳みそを使っている人」と「使っていない人」の違いなのではないかと最近よく思います。国籍が違うのはたまたまです。
≫――――――≪
出口:―――僕も地域おこしの政府の審議会などによく呼ばれるのですが、面白いものを作ったり、面白い人を呼んでくれば、その地域の関係人口が増えるからやるべきだという話がよく出ます。そのこと自体は正しいのでしょう。
しかし、日本全体で見れば人口が減っていくのだから、そうやって地方に来る人を増やしてもゼロサムゲーム以上にはならない。出生率を上げるとか、訪日外国人を増やすにはどうしたらいいかなど、国全体の話をしなければ全体最適にはなりません。
また、東京は豊かだから、東京からもっと地方へ人やお金をシフトしようと言う人もいます。しかし、東京は日本でいちばん生産性の高い場所です。それでも香港やシンガポールとの競争には負けつつある。
 {{ 図版 6 : 『知的生産術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします) : http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4534056680/ }}
日本のエンジンである東京を弱くするという発想は、どう考えてもおかしい。むしろ、東京をもっと強くして、香港やシンガポールを圧倒しなければいけないという発想を持たないと、地域も発展しません。
こんな議論を僕はいつもするのですが、すると「おっしゃっていることはよくわかりますけれども、この審議会は地域おこしのことをやっているので……」という話になってしまいます。
僕は日本人ですが、どちらかと言うと変わったキャリアの持ち主です。だから「出口さんのような変わった人の意見を聞けて面白いですね」と、アトキンソンさんと同じようなことをよく言われてしまいます。
僕にしてみれば、数字・ファクト・ロジックで考えたら、誰でも思いつく普通の意見を言っているだけなのですが、社会常識と合わない意見は、外国人だったり変人の意見ということになってしまう。これが、この国の根本的な衰退の原因のように感じます。
アトキンソン:――本質を無視してしまうのは、大問題です。
出口:―――アトキンソンさんは哲学者デイヴィッド・ヒュームの故郷、イギリスのお生まれですよね。ヒュームという人は、因果関係を徹底的に疑った人なので、今度似たような議論になったら「ヒュームを1回読み直してから議論しませんか」と言うのがいいかもしませんね。
アトキンソン:――最近いつも、こう言っています。「首の上にある重い塊を、皆さん毎日毎日運んでいるのですから、たまには使ったらいかがですか」って。重いんですから(笑)。
■《あまりにも「勉強」を軽視している日本人》
出口:―――実は最近、アトキンソンさんに倣って「日本人はなぜ勉強しないのか」をデータで分析したのですが、答えは割と簡単でした。
まず、第1に大学進学率が低いのです。確か52%ぐらい。日本は大学に行かない国です。OECDの平均が6割を超えていますからね。
さらに大学の4年間でほとんど勉強しません。これは企業の採用基準が悪い。採用のときに大学の成績や読んだ本のことは一切聞かずに、ボランティアの経験を話してごらんなどと言っているわけです。だから、エントリーシートに書くためにボランティアをやるというような、本末転倒な状況が生まれてくるのです。
さらに大学院生は使いにくいなどと言って企業が採用しないから、大学院に行く人が少ない。日本の大学院生の比率は先進国の中で最低レベルです。
アトキンソン:――大学で何を学ぶのかについても、誤解している日本人が少なくありません。
以前、ある大学の方から「ロジカルシンキングの授業をつくりたい」と相談されたことがあります。あぜんとしました。これまで何を教えていたのでしょうか。
大学で学ぶべきことなど、「ロジカルシンキング」以外にはありません。サイエンス、経済、法律、文学などは、もちろんそれ自体大切ではあるものの、基本的にはロジカルシンキングを学ぶための「材料」です。材料が現実の仕事に生かせるとは限りませんが、ロジカルシンキングは必ず、その後の人生に生きてきます。
≫――――――≪
出口:―――本来なら、大学を出た後でもロジカルシンキングの能力は伸ばせます。しかし、就職したら年間2000時間労働で、飯・風呂・寝るの生活。勉強する時間などありません。
さらに2000時間労働した後で、同僚同士で飲みに行ってお互いに調子を合わせて時間を浪費する。日本は構造的に勉強できない国になってしまっているのです。
この状況をどこから直せばいいかと言えば、意外と簡単です。経団連の会長や全銀協の会長が、大学の成績で「優」が7割未満の学生の採用面接はしないと宣言する。あるいは卒業してから成績証明書を持って企業訪問させればいいのです。成績採用になったら、さすがに勉強するようになるでしょう。
それから、残業規制を強化して徹底的に勉強させる時間をつくればいいのです。こうやって、無理やりにでも行動を変えさせない限り、日本の低学歴化は是正されません。
新しい産業やイノベーションを起こすには、基本的にはダイバーシティーと高学歴が必要です。高学歴というのは、ドクターやマスターといった学位を持っているということではなく、好きなことを徹底して勉強し続けるという意味です。
■《人間の限界を理解し、データとロジックで補強せよ》
アトキンソン:――出口先生もご存じだと思いますが、アメリカの経営学の学会では、マネジメントが完全にサイエンスになっています。
なぜそうなったのかというと、そもそも人間の頭をそのままにしておく、すなわち草原の本能のままでは、ろくなモノができないからです。だから大学が必要で、経営者教育も必要で、株主がいて助言させる。社長の勝手な思い込みで好き勝手にさせないようになっているのです。
たった1人の頭の中で、データもエビデンスもロジカルシンキングもなく精神論だけでやるどうなるか。歴史を振り返ると、大当たりする可能性もゼロではありませんが……。
出口:―――でも、確率的に言ったらたいてい失敗しますよね
アトキンソン:――そうです。たいてい失敗します。
今の日本の経営者がまるでなっていない理由は、大草原に住んでいた頃の頭のままで経営をしようとしている、ただ単にそれだけだと思います。別に人間として能力が低いわけではありません。
人口増加によって、日本の経営者は一見すばらしく見えていました。しかし人口が減少するようになったために、その弱点が表面化してきたのだと思います。
人口減少という危機に直面している以上、極めて高度な経営���求められています。しかし今の経営者は、自分たちが変わらないといけないということに気づいていないのです。
ほかの先進国ではすでにこのことに気がついています。人間の限界を理解している。ビッグデータはその象徴的なものだと思いますが、とにかくデータで徹底的に分析することによって、勝手な思い込みをする人間の欠点を取り除く経営が進んでいるのです。
出口:―――今日お話をさせていただいて、日本のマネジメントの問題を改めて考えさせられました。
マネジメントのトップ、つまりリーダーたちが勉強して意識を変えれば、日本も変わると思います。その意味でも、リーダーこそアトキンソンさんの本をきちんと読んで、根拠なき思い込みを捨てなければいけませんね。
(構成:小関敦之)
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kujilove · 7 years ago
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帰り道ふたり (淳怜 - 失踪軸パロ - 名家パロ)
 視界の端にうつった姿を目で追ったが、違った。全然違った。 (ちがう……)  肌寒いのか暑いのかよく分からない気候だった。東京なら間違いなく上着を脱いでいただろうけれど、脱がなくても別に過ごせる。きっと脱いだら脱いだで少し肌寒くて、結局またカバンを置いて着直す羽目になる。分かっていたから脱がないだけで、ほんの少しの不快感はずっと続いていた。 「大丈夫ですか、日比谷さん」  こちらを振り返って、近藤くんが言う。ここ二ヶ月ですっかり見慣れた、若さばかりが目立つ顔でまばたきした。 「大丈夫ですよね」  日比谷さん大丈夫そうですもんね、と近藤くんは言って、脱いだ上着を邪魔そうに肩に引っ掛けた。袖までまくっている。 「もう戻るだけだからね」  長期出張でも最後の仕事、挨拶回りもようやく終わった。長いホテル暮らしも卒業。最初の一週間ほどは非日常感があって楽しかったけれども、すぐに飽きた。 「明日すぐ帰っちゃうんですか?」 「ああ。あっちで仕事する準備もしないとね」 「勿体無いなぁ。観光チャンスですよ。もみじだってまだ赤くなりきってないから観光客も少なめだって、小木ちゃんも言ってたし」 「少ないって言っても多いよ。小木さんって誰だっけ?」 「経理の女の子ですよ。ちょいぽちゃの」 「へえ」 「どうせ覚えてないでしょ。女泣かせ」 「はは、どうも」  軽く笑って誤魔化す。  今だって歩いていたらスーツケースをごろごろいわせながら歩く外国人とばかりすれ違う。観光地の観光なんて好き好んでするようなものじゃない。興味が無いのならなおさら。 「近藤くんは日曜に帰るんだっけ」 「いや、有給ブチ込んだんで土、日、月と観光して火曜一日寝て水曜から復帰です」 「頑張るなぁ。もうそんなことする体力がないよ」 「またまた。そんな持て余してますみたいな体して」  よく分からないおだて方をされながら、支社に戻る。  もう荷物は片付けてとっくに郵送したし、送迎会も水曜日に済んだ。最後の最後の挨拶回りがはじまる。激励、花束、一言お願いします、の嵐を笑顔で乗り切り、嵐に乗じて飛んできた連絡先つきの紙切れを左のポケットに詰め込んで、ようやく社内巡業を終える頃にはちょうど終業の十分前だった。あと十分でなんの仕事ができるわけでもなし、さっさと引き上げる。ずっと飲み会嫌いを通していたおかげでうるさい視線に晒されるだけで無事退社できた。 「はぁ、終わった。流石にちょっと疲れたな」 「日比谷さん、せっかくだから最後に飲みに行きましょうよ」 「えー……」  支社の人たちには飲み会嫌いで通したが、本社から一緒にきた近藤くんにはそうはいかない。むしろ、淳一の代わりによく酒の席をこなしてくれた。だから嫌な顔はするものの、断ることはしない。明日、朝起きて適当な新幹線で帰れればなにも問題はないのだ。 「ウィスキーのいいとこ知ってるんですよ。日比谷さん好きでしょウィスキー」 「一回もそんなこと言ってないけど」 「好きそうだもん。うィすキ~ぃが、おすきでショ、わう~」  急に歌いだした近藤くんに連れられ、ビジネス街を抜けてしばらく歩く。大通りから一本小道に入ると、別世界のように飲み屋の看板が連なっていた。赤ちょうちんと脂の香り。焼き鳥、ジンギスカン、おでん。かと思えば、看板からして小洒落たバーがぼんやりと明かりを漏らしていたりする。 「ここですよ」  建物と建物の隙間に無理やり押し込んだようなビルに、近藤くんは慣れた様子で入っていく。飲み会をこなし仕事をしながらプライベートも楽しんでいたらしい。若さだなぁ、と思う。二十四歳、何をしていただろう。まだそう遠くない過去のはずなのによく思い出せない。  男二人が乗っただけで少し気まずくなる狭さのエレベーターで四階にあがると、すぐ店の戸が待っていた。本当にバーなのか疑わしいくらい普通のビルのドアだが、Barと書かれているのだからBarなのだろう。もし㈱ナントカとか、ナントカ事務所とか書かれていたとしてもなんらおかしくない。そっちのほうがずっとしっくりくるドア。店内BGMらしきウッドベースの低い音だけが廊下に伝わってきた。  近藤くんがドアを開けて「こんちわ」と挨拶する。 「二人いいすか。ども」  中の人間と話が終わると、近藤くんが目線だけこっちに寄越して先に入っていった。入る前に財布だけ確認しておく。  薄暗い店内とオレンジ色の照明、それから、ほんの少しだけ甘い香りがした。鼻につくほどではない。部屋に染み付いたアルコー��の香りかもしれない。それを消すためにつけた香りかもしれない。ドアをくぐる一瞬だけ感じたそれが、ひどく懐かしく感じた。  いらっしゃいませ、とずいぶん渋い声で出迎えられる。このいい声も商売道具の一つなのだろう。唇の端をゆるく上げるだけの笑顔も。 「お連れ様もご一緒なんですね」 「そう。アレ残ってますか。この人にも呑んでほしくて」 「ありますよ。最近だとお客様にしか紹介してないですからね、アレは」  促され、カウンターの席に座る。近藤くんはいつものお調子者じみた喋り方を少しだけ湿っぽくして、あっという間に店に馴染んだ。淳一も椅子に座って、よく磨かれたカウンターの木を撫でる。 「そうしてるだけで絵になってずるいな、日比谷さん」 「そうかな。近藤くんの方が馴染んでる感じがするけれども」  話しているうちに、チューリップグラスに注がれたウィスキーが差し出された。くるりとグラスを回して香りを吸い込むと、それだけでくらりとするほど濃い。 「山崎の、」 「二十一年ものです」 「へえ……」  舌先にほんの少し載せて、上顎と舌をすり合わせるようにして味わう。痛いほどしびれるアルコールの奥にウィスキーの旨味があった。別にウィスキーが特別好きというわけではないけれども、接待が多い分知識だけはある。二十一年ならそこそこ値も張るだろう。黙ってまたグラスに口をつけると、近藤くんがこちらを目の端で確認したのが分かった。 「あ、そうだ、マスター。俺こっちの仕事終わっちゃったんですよ。だから月曜の夜に来るのが最後です」 「それは残念ですね……。でもまぁ、東京から通ってくださるでしょう?」 「年一くらいになっちゃうよ。やだなぁ。この出張、俺最高に楽しかった。こっちに異動してきたい」  ちびりちびりとやりながら、二人の会話に耳を傾ける。半年くらいしたら話をして、本気でこっちに未練があるようなら人事に口添えしてやってもいいかもしれない、なんてことを考えた。  カウンターの天板を撫でる。よく磨かれてワックスの染み込んだ木は、さらりとしているのにどこかしっとりとした感じがして、妙に肌に馴染んだ。絶対にしないけれど、頬をつければ気持ちがよさそうだ。それを手で、撫でる。記憶にある肌の感触と似ていた。そう、温度も。本当に血が通っているのか不思議なくらい、ひやりとしていた。あの肌。  天板を思い切り殴りつける自分を想像した。きっと手が痛くなって終わりだ。カウンターは白白しくそこに存在しているだけで、傷一つつかないだろう。鬱血痕ができるのも、淳一の手だけ。薄い脇腹に青黒い痕がくっきりと浮かんで、花みたいに見えたりはしない。 「わ、やらしーんだ、日比谷さん」  撫で回しちゃって。奥さん思い出してるんですか?  ひゅーひゅー、と囃し立てるように近藤くんが言った。  くるりとチューリップグラスを回す。くらりと頭の中も回る。酔い。自分が酔っていることを理解した。飲みつけない酒、しかも熟成して濃くなっているものを早くに進めすぎたのかもしれない。現に、近藤くんのグラスにはまだ四分の三ほど残っているが、自分は逆に四分の三ほど呑んでしまっている。 「……妻じゃないよ」 「わー……お。ガチのやらしいやつじゃないすか。過去形? 現在進行形?」 「過去形……現在進行形……」  一体、どっちだろう。考えてみる。思い出してみる。あの頃のことを。  日比谷怜司のことを。  淳一と同じ日比谷の名字を持つ従兄弟で、同じ年で、兄弟同然に育った。十八歳の夏に、突然失踪するまでは、ずっと一緒にいた。それ以来ずっと探している。   これは過去形なのだろうか。現在進行形なのだろうか。  ふぅ、と小さく吐き出したため息にもアルコールと熱がこもっていた。 「ね、ね、どんな人なんですか」 「悪いけど、やらしい話じゃないよ」  嘘だ。  白々しく嘘をつくのは慣れている。手のひらがはっきりと覚えている。冷えた白い肌の感触。指も覚えている。根本から先まで。熱い内壁は肌から想像できないほど柔らかく、可哀想なほど淳一を拒む。覚えている。忘れられない。何故隣にいないのか、今も理解できない。  空っぽの部屋にそれだけ残された、見覚えのあ���ピアスを見てから、淳一の時計は壊れはじめてしまったのかもしれない。針が前に進めなかったり、戻っていったり、もう今が本当はいつなのかちっとも分からなくなってしまっている。  裏でごそごそと物音がして、誰かが動く気配があった。 「りょう君?」  マスターが小さく声をかける。と、バックヤードを仕切る黒い布の隙間から、『りょう君』が顔をだした。 「れ、」  いじ。  強烈に脳を揺さぶられる感覚があった。『りょう君』を見た瞬間、目に飛び込んできた情報が鮮烈すぎて、記憶にある日比谷怜司と重なりすぎて、視界が白むほどだった。  呼びかけようとした名前は声になる前に途切れた。『りょう君』がはっと顔をあげてこちらを見たからだ。  目。  くちびる。  喉仏。  いや、そんなパーツの話じゃない。分からないはずがないのだ。何もかもが同じだ。『りょう君』? なんだその呼び名は。怜司だ。 なにもかもすべて日比谷怜司だ。 「……向坂さん、」  怜司が呼びかけると、マスターが動きを止めた。二人の視線が絡む。失礼、と小さく言ってマスターが奥に入っていった。 「日比谷さん? どうしたんですか?」  がた、と奥で物音がした。自分の手元からも。立ち上がっていることにやっと気付く。グラスが倒れて、細い持ち手が折れてしまっていた。 「うわ割れちゃったじゃないですか。どうすんの」 「帰るね」 「は?」 「これ使って。悪いけど店長足止めして」  財布からカードを一枚抜いて手渡す。黒いそれを見て「は!?」と近藤くんは今度こそ大声をあげた。でも帰ってこない。奥からはマスターも『りょう君』も帰ってこなかった。バックヤードはさきほどの物音を最後に静まり返っている。  足早に店を出て、階段を駆け下りる。上から「ちょっと、お客さん!」と男の大声がして踊り場に響き渡った。構わない。二段飛ばしであっという間に駆け下りる。  ビルから表通りに出ると、すぐに人ひとり分の道とも言えない隙間に入り込む。客と同じ表から入ってこなかったのだから、どこかに必ず裏口がある。おそらくゴミもためておけるような。  隙間を抜けて、少し太めの隙間にたどり着く。消防法など知りもしない場所には、まだ空のポリバケツがぽつりとあるだけだった。街灯もなく、ビル各々の裏口灯が薄暗くドア周りだけを照らしている。 (……左、右……)  ドアから出て左側の道には淳一がいた。だから右しかない。しかしそんなに早く降りて来られるだろうか? 『りょう君』が怜司なら、きっと、気持ちがいくら逸っても、体が上手く動かないはずだ。だってそうした。目があったら上手く動けなくなるように、淳一がしたのだ。  てとてん。  と、アプリがメッセージを受信する音がした。  すぐそばの扉の裏からだった。  ドアノブが回る。  てとてん、てとてん。  やけに緊迫したリズムでアプリが鳴る。ドアの隙間が広くなって、聞こえる音が大きくなる。骨ばった手が、腕が、顔が現れて、俯いてスマホを眺めていた目が上を向く。 「怜司」  びくりと『りょう君』が震えて、動きを止めた。  『りょう君』は少しの間固まると、はく、と唇を開け閉めして、それからスマホをポケットに突っ込んだ。ドアを大きく開け、こちらを一瞥しながら普通に歩み去ろうとする。 「来たばっかりなのにもう帰るの? お兄さん」  わざと呼び方をぼかす。後をついていこうとすると、逆に『りょう君』は足を止めた。 「……」  振り向きもしない。目線だけこちらに投げかけてくる。子供ならそれだけで泣き出しそうな睨み方だが、心がぽっと嬉しくなった。こっちを見た。それだけで口元が緩む。 「もしかしてシフト間違えて出勤しちゃった? じゃあこの後別の店で飲もう。お金なら払うし」 「……」 「体調が悪いならタクシーで送るよ」 「……」  頑なに喋らない。『りょう君』が歩きだすと同じように歩くが、数歩いくとまた立ち止まる。分かるよ。表通りに出ようと道を曲がると細すぎて速度が出ないし、直線なら走っても勝てないと思ってるんだろ。五十メートル走の間は俺の方が早かったもんな。心の中で話しかける。でももし近藤くんが足止めしてくれているにしても、そんなに時間はない。  逃げられては困るし、でもここは早く立ち去らないと。困ったな。頭の中ばかり流暢で、現実の自分たちは見つめ合ったまま棒立ちするばかりだ。こうしていても仕方ない。 「怜司、ホテル行くよ」 「……は?」  やっと喋った。久しぶりに聞いた怜司の声は少し低くなって掠れていた。酒焼けでもしているのだろうか。店員が飲まされるような店ではないと思ったが、まぁいい、もうあの店で働くこともなくなるのだ。それに少し枯れた声も耳馴染みが良くて心地いい。 「何言って」 「このままはいさようならで済むと思ってる? まさかまだ『りょう君』で誤魔化せるつもりでいるのかな。まぁお前が『りょう君』だろうと俺は構わないよ。どちらにせよ連れて行くし」 「意味が」 「分かるでしょ。何も難しいこと言ってないから」  はい、と手を差し出すと、怜司はひくりと痙攣するように震えたあと、一瞬でこちらに背を向けた。背。走り去ろうとする体。筋肉の動き。それを見た瞬間、反射的に手を伸ばしていた。ボディバッグの紐を掴んで横に引く。怜司の細い体がぐらついて、脇腹にきれいな空間ができたので蹴った。スマホが落ちる。��、という小さなうめき声を上げた怜司は壁に叩きつけられて、可愛いなと思う。わざと今蹴ったところを手で押しながら足の間に膝を入れた。 「怜司」  どこを見たらいいのか分からないのだろう、見開いたままの目はマンホールの方を見ていて、口の前にかざされた両手はいつ悲鳴が出ても自分で押さえつけられるように準備しているみたいだった。震えることも忘れるほど体が硬直している。可哀想。失踪する前の怜司はずっとこうだった。息もできない怜司。懐かしさで胸がいっぱいになる。その首元の匂いを吸い込んで肺を満たしてしまいたかった。 「……手つないで行こ。子供のころみたいに」  怜司はうなずかなかったが、拒否もしなかった。逃げられては困るので手首を掴んで夜の町を歩いた。怜司の体はときどき動かなくなって、そのたび紐を引くみたいに力いっぱい引っ張ってやらないといけなかった。
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 頭の中に「やばい」しか浮かばない。
 この十年が水の泡だ。どうして淳一がここに。どうやって逃げたらいい? そういう考えも浮かんではくるけれど、それよりも圧倒的にやはり、「やばい」。
 きつく握りしめられた手首は血が止まって痺れ始めているし、骨もみしみしと音を立てている。前を歩く淳一はとても楽しそうで、もしかして握っているのは自分の手首じゃなくて風船みたいなものなんじゃないだろうかと思うほどだった。  停止した思考の外側が拒否反応を起こしてときどき体が動かなくなる。そのたび肩から腕が抜けそうなほど強く手を引かれた。  しばらく歩いた後タクシーに連れ込まれて、たどり着いたのは普通のホテルだった。ラブホに連れ込まれるかもしれないと思っていたが、ホテルなら逃げられる確率がだいぶあがる。  いや、逃げてどうする? スマホはどこかで落としてしまった。たぶん蹴られたときだ。思い切り蹴りやがって、昼夜逆転生活と貧乏続きで弱りきった体はすでに悲鳴をあげつつある。これで十八のときみたいに手酷くやられたら、死――にはしないけど、気絶したりするかもしれない。それだけはまずい。十年以上ぶりに再開した従兄弟は、昔よりもずっと危ういところがキレてしまったように見えた。  フロントに入った淳一を、スタッフたちが出迎える。ずいぶんと親しげで誰もが淳一の顔を覚えているようだった。長い連泊でもしていたのかもしれない。  親戚と久しぶりに会った。今の部屋をチェックアウトして二人部屋を取り直すか、二人分の金額を払うから今の部屋に二人で泊まらせてくれ。  嘘のような本当のような、明らかに情報と「これからの予定」が足らない説明を淳一がぺらぺらと述べる。フロント係は、今日は満室で部屋替えは無理、本当はダメだが日比谷様なので特別に、と言って一泊だけ一人部屋を二人で使わせてくれることになった。ありがたいことで。何も喋るつもりはなかったが、フロントにいる間中、手の力がきつくなったのでおとなしく黙っていた。ここで助けてください警察を呼んでくださいと大声で叫んでいれば逃げられるかもしれないのに。 「ありがとう。ルームサービスは多めに頼んでも?」 「もちろん、お願いします」  ボーイに促され、歩きだす。最初から強く手を引かれ、少しだけつんのめった。 「あ、ごめん。痛かった?」  さらりと謝ってくる。返事も目を合わせることもしないでいると、他のスタッフがちらちらとこちらを見ていることに気づいた。注目されている。「特別な日比谷様」の連れが気になるのだろう。  俯いてエレベーターに乗り込む。最上階ではないが、それより二つ下の結構いい位置に淳一の部屋はあった。カードキーで解錠し、ドアを開けるなり中に放り込まれた。流石に床に倒れ込みはしなかったが、危うくそうなりそうな勢い。振り返って睨みつける。 「おい」 「そこのドアがシャワーだから」  淳一は今入ってきたドアに背を預けて、腕を組んでいた。  適当に置かれたビジネスバッグも、上着すら脱がずそのままで、長過ぎる足を邪魔そうに交差させて、一歩も動かずそこにいた。 「使っていいよ」 「……」 「なに? いいんだよ俺は、このまましても。全然普通に抱けるし。ただ、久しぶりだから準備したほうが怜司が楽だと思うけれど」 「……」  離された腕に血が通い始めて、そこが心臓になったみたいにばくばくと脈打ちはじめた。痺れは二の腕までのぼり、びく、とたまに筋肉が跳ねる。 「非常口は廊下の突き当り。この部屋の窓は全部はめ殺しで強化ガラスだよ。気になるなら見てくれば」 「……いらねえよ」  逃げ場はないし逃さない、と回りくどく言われ、だんだん腹がたってきた。主導権を握ったつもりでいるのがムカつく。  そっちがその気ならと、ボディバッグを外して部屋の方へ投げ捨て、靴を脱いだ。靴下も。ベルトを外して、ズボンのボタン、ジッパー、そこで一旦手を止めて上着を思い切り脱ぐ。  床に叩きつけて淳一を見ると、ぽかんと口を開けてこちらを見ていた。間抜け面を見て少し気が晴れたので、風呂場のドアを開けて中にすべりこむ。普通に脱衣所があった。ユニットバスだと思っていたがあの淳一がユニットバスなわけないよなとすぐ思い至った。恥ずかしい。恥ずかしいがここまでやってしまったので、服を脱いでは外に投げた。最後に下着も外して放り出す。頭の中でだけ「ばーかばーか」と言っておいた。 「ふん」  普通のホテルの普通の風呂場だったが、さすがホテルというべきか、きちんと清掃されていて照明が明るかった。明るい。手首にはくっきりと淳一の手の跡がついていて、これじゃあ包帯でも巻いて隠さないととても出勤できそうになかった。というかこの手首ではシェイカーがきちんと振れないから仕事にならないだろう。コックをひねって水を出す。あっという間に温度があがって湯気があがりはじめる。全裸の自分と風呂場の温度差で体がぶるりと震え、なんだかまたむかっ腹がたってきた。今ここに淳一がいないからだろうけれども、素直に怒りが湧いてくる。なんだ。なんなんだ今になって。最高に腹立つ。ようやく、ようやく日比谷怜司じゃない生活が落ち着いてきたところだったのに。  めちゃくちゃ長風呂することにして、湯船に栓をした。少し熱め。自分好みの温度で湯を張る。湯を張りながらシャワーを使うことができるようで、そのまま体も頭も思う存分洗って、まぁ、その、下の? そういう部分も一応念のためにアレした。まだ手順を覚えている自分が嫌になる。何回か繰り返してよしとなったところで、腹もくくれた。湯のたまり具合を確認して風呂を出る。淳一はまだドアを背にしたまま、誰かと電話をしていた。 「うん。ありがとう。本当に助かった。今は一緒にいるよ」  裸で、一切体を拭かずに出てきた怜司を見て、淳一は少しだけ目を見開いた。声も普通だったしびくついたりもしなかったが、目だけは大いに動揺していた。よしよし。  あっうん店長さんにもよろしく、などと意味のわからないことを言いながら慌てて会話を切り上げた淳一は、電話を切るなり目を吊り上げた。お前が店長によろしく言ってどうするというのだ。 「ちょっと。なんでびしょ濡れなわけ?」 「お前も入れ、風呂」 「は?」 「早く入ってこいよ」  言い捨てて風呂場に戻る。湯船はまだ満杯ではなかったけれど、浸かると肩下くらいまでは浸かれるようになっていた。思わずほっと全身の力が抜ける。熱め。じんわりと全身に熱が入り込んでくる。  湯船なんて何年ぶりだろう。家を出てからは入ってないと思うから、とりあえず十年は絶対入っていない。  浴室のすりガラスに人影がうつった。でかい図体がぎこちなくもぞもぞしている。 「お前服着たまま風呂入るタイプだっけ?」  そんなタイプが日本人に存在するのか知らないが、声をかけると淳一は風呂の向こうで固まった��そのイレギュラーへの対応力のなさは「日比谷」としてどうなのだと思わなくもないが、どうせ外ではそつなくやるのだろう。そういうやつだ。やがてもぞもぞと服を脱ぐ気配がする。すりガラス越しの体が黒から肌色に変わっていく。なんで人間って裸だと間抜けなのだろう。湯船に浮かんでいるなんてなおさら間抜けなはずなので、今の状況でいうと相対的に怜司の方が間抜けになるわけだが。 「ねえ」 「早く」  比較的大きい声で言うと、当たり前だが風呂の中でも大きく響いた。なにか言おうとしていた淳一はまた数秒固まって、それから風呂の戸を開ける。なんでタオルで前を隠しているのか。どうして若干恥じらった顔をしているのか。バカ? 裸を恥じるより人に向かっていきなり抱かれる準備をしろと言ったり、云年ぶりに再会した従兄弟に向かって普通に抱けるけどなどとのたまう自分を恥じてほしい。 「あのさ怜司」 「その状態で会話続けるか普通?」  なってないヴィーナスの誕生のモノマネみたいなポーズをした淳一は、自分の言葉が何度も遮られたせいかさすがにむっとして、それから桶を掴んだ。ざばりとかけ湯をして、 「熱っっっっっつ!」 「大げさ」 「熱いでしょ! バカなんじゃないの?」  文句を言いながらもつま先からゆっくりと湯船に身を沈めてきた。一気にいかないから余計熱いのに。湯船から盛大に湯がこぼれ落ちていって、浴槽の縁ぎりぎりまで満杯になった。ホテルの風呂とはいえそんなにでかくない浴槽に、デカブツの男二人が入るとそりゃもう狭い。ケツとケツがくっつくくらいに。  淳一は湯の温度が堪えるのか、肩まで浸かりながらも「う~……」なんて唸っている。子供の頃と同じ顔。あぁ、変わらないな、と思って��まった。変わらないのは困るのだ。淳一が変わらなかったから、怜司は日比谷に帰ることができなくなってしまった。 「風呂上がったら、電話貸してくれ」 「……さっきの店長?」 「涼子ちゃんに電話する。心配してるだろうから」  そう言うと、淳一は一瞬固まったあと、「あ~……」と両手で顔を覆った。どうやら一言で全て察したらしい。 「だから『りょう君』なわけ?」 「……怜司じゃない名前が必要だったからな」  涼子ちゃんには本当に世話になった。  高校二年のはじめ辺りの頃、突然涼子ちゃんが遊びにきた。あの頃は淳一から痛めつけられた傷を全部隠し通せているつもりだったが、やはり家族にはバレていたのだと思う。涼子ちゃんはなんでもない世間話をしていたかと思うと、あっという間に怜司の怪我を暴いてみせた。 「涼子ちゃん、探偵雇ってた」  涼子ちゃんというより、日比谷の差金だろうとは思う。怜司がまっすぐ家に帰っていることも、喧嘩をしていないことも、なのに怪我が増えていくことも、すべて調べがついていた。怜司の性格を知り尽くしていたから、物証でもないと説得できないと思ったのかもしれない。あるいは、母に泣かれたのかもしれない。涼子ちゃんは少し、母の……なんだろう、王子様でありたいみたいなところがあったから。  わけも分からず半裸に剥かれて、素行“良”の証拠も突きつけられて、もうどうしたらいいのか分からなかった。気がつけば全部喋っていた。  淳一に殴られていること。  淳一に蹴られていること。  淳一に犯されていること。  最後のは言う必要はなかったのかもしれない。けれども首から下についた痕の中にはそういう予感を覚えさせるものもあったから、誤魔化しきれなかったと思う。  涼子ちゃんはだんだんと表情を失っていき、そして、その日から少しずつ逃げる準備を進めてくれた。距離を置けとか、冷たくしろ、などとアドバイスをもらってそうしたが、淳一はちっとも変わらなくて、抵抗したりするとひどくなる。逃げるまでに半年かかった。その間に淳一がなんとか落ち着いてくれたら逃げずに済んだが、涼子ちゃんが下した判断は決行だった。誰に相談することもできず、そして何より、怜司が、淳一とのあれこれを両親にすら知られたくなくて、涼子ちゃんに縋って、頼んで、なんとか誰にもバレずに北への電車に乗ることができたのだった。 「……二十八のときぐらいに……」  ぽつりと、淳一が呟いた。自分の膝小僧を見つめて、ぼそぼそと続ける。 「きっとどこかで生きてるとか、諦めないで探そうとか言ってくれてた親戚が、みんな急に怜司は死んだ、探すだけ無駄だ、って言い出したんだ」 「……それは」  誰かが、真実を知ったのだ。  それも日比谷の上の方。  可能性があるのは大爺様か婆様か、あるいは大叔父か。その辺の人間でないと、そこまで全員揃えて手のひらを返しはしない。逆に言えば、上の人間が「怜司は死んだ」と言いさえすれば、日比谷怜司は死んだことになる。誰もそれを疑ったり、反論したりしない。  殴った殴られたまでを知っているのか、抱いた抱かれたまでを知っているのかはさすがに分からないけれど、誰かに知られて、誰かが知らせたのだ。 「家裁から失踪宣告を出してもらったのもその時期だった気がする」  失踪後、七年以上経ち、家族が望んだ場合、家庭裁判所が失踪宣告を出してくれる。この失踪者は一応死にました、ということにして、死後の手続きがとれるようになるのだ。家族が失踪宣告を願い出て受理され、名実ともに日比谷怜司は死んだことになった。らしい。 「失踪宣告? 聞いてない」 「そりゃ、隠されたんだろ」  つまり淳一は、まだ日比谷から“大丈夫”とみなされていないのだ。“大丈夫”なら、怜司の失踪宣告も伝えられたはず。一族の人間が一人消えることを、『これからの日比谷』に教えないはずがない。  考えてみれば涼子ちゃんが父に相談もなく怜司を失踪させるというのもおかしい。どこまで話したかはわからないが、了承は得ているはずだ。情報は共有されてこそ強くなる。 「……俺が怜司に何をしたのか、上の人間は知ってるってことか……」 「……まぁ、」  その上でおそらく、日比谷怜司は、日比谷から切られた。  日比谷淳一という立派な『これからの日比谷』の人生に汚点をつけるかもしれない存在だと思われたのだと思う。死ぬような痛めつけられ方をしたことはないが、殴る蹴るを繰り返すうちに、うっかり殺してしまうこともあるかもしれない。あるいは、怜司がうっかり死んだとき、体に暴力の跡があっては困る。涼子ちゃんが逃し屋役を買って出てくれなかったら、……どうなっていただろう。精神錯乱扱いされてどこかの施設にでも放り込まれていたかもしれない。あり得る。昔は都合の悪い人間を「狐憑き」として隔離していたというし。  淳一はすっかり頭を抱えて黙りこくっていた。一族郎党に自分のしでかしたことがバレていたなんて、しかもコトがコトだ。今頭の中では「どうしよう」が駆け巡っていることだろう。  ややあって、肌の色が首まですっかり赤くなった頃、淳一はようやく口を開いた。 「れいじ、俺と一緒に死んで……」 「俺はそういうなんの解決にもならないつまんねー映画のオチみたいなのは嫌いだ」 「だって」 「死にたくもないくせに死にたいって言うな」 「だって怜司が!」  怜司が……怜司……とぼそぼそ言いながら俯いてしまう。そろそろ自分ものぼせてきた。淳一も一旦冷まさないとまずそうだ。 「おい、上がるぞ」 「無理だ……このまま溶けて消えたい……」 「先輩として教えてやるよ。人ひとりが消えるのにはめちゃくちゃ金と人脈と時間がかかる」  しかも上手くいかなかった。  再び顔を合わせて、お互いを認識してしまった。  このあとどうなるのかを考えないといけないのだ。自分も。淳一も。
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『……淳ちゃん、大丈夫なの?』
 電話口の心配そうな声にうんと答えながら、淳一の心配をするあたりさすが分かってるよなぁと思う。 「最初ヤバかったけど……なんとか落ち着いた」 『そう。手は出されてないのね?』 「手? あー。うん」  一応、手は出されてない。足が飛んできたけど。  バスローブをめくって確認すると、うっすらと赤青混じりの痣ができていた。靴の輪郭がよく分かる。  のぼせた淳一は裸のままベッドに転がして、冷蔵庫から出した缶ビールを両脇に挟んでおいた。ふるちんがなんとも情けなく、バスローブを布団代わりにかけてある。 『まさかそっちに出張してるなんて知らなくて。会うとは思ってなかった。油断した』 「いいよ。いつまでも涼子ちゃんにおんぶにだっこってわけにいかないし」 『ばか。甥っ子の一人や二人いつまでもおんぶでだっこできるっての』 「はは、逞し」  確認しておいたホテルの名前と部屋番号を伝える。もしこのあと淳一とこじれてなにか、死ぬようなことがあっても、涼子ちゃんならここから必ず辿ってくれるはずだ。 「一回、ちゃんと、話す……話してみる」 『なにかされそうになったら全力で金玉潰しな』 「大事な日比谷の血が終わっちゃうだろ」 『ンなもん治す治す。なんのための医者よ。それにもう産んでんだから大丈夫』 「……そっか」  気付いていはいた。左の薬指。嫁をもらったら子供を作らないわけにいかないだろうことも理解している。けれどもやっぱり、実際にいると知らされると、少しだけ体がぎくりとした。
 涼子ちゃんとの電話を終え、ベッドまで戻る。淳一はまだ大の字になって転がっていた。そばに腰を下ろして、赤みの引かないデコに触る。 「水飲めるか?」 「……れいじ」  うっすらと目が開く。弱々しい声で、そう、こいつは基本的に健康なので、風邪なんか引いたりするとすぐこういう声を出すのだった。バスローブの袖を引かれる。 「帰ってきて。もうどこにも行かないで、怜司」 「……」  脇から缶ビールを一本抜いて、プルタブを起こす。ぬるい炭酸とアルコール。袖を引いてくる手に、やはり、プラチナが光っている。  今の淳一は結婚して、子供もいて、仕事も順調か知らないが靴までブランドで揃えるくらいの稼ぎがある。  片や怜司はといえば、戸籍上は死んでいて、妻子どころか恋人もいなくて、好きな仕事をしているけれども稼ぎはギリギリ。肩も腰も冷えにすらやられる歳になってきたし、だからといって独立して自分の店を持つこともできない。せめて昼の仕事に転職したいと思ったところで、やはり所得税だとか、厚生年金とか、そういうのも生きている人間としての証明がないと難しいのだ。今の怜司は、自分がすでに死んでるらしいことしか証明できない。 「不可能、だろ」 「嫌だじゃなくて?」  不可能だ。嫌だとか良いとかそれ以前の問題。 「俺は日比谷には帰れない。原因不明の失踪者で、身元不明の浮浪人だ」 「失踪宣告は確か取り消せるはずだ」 「失踪者じゃなくなったとしても日比谷に帰れるはずないだろ。最終学歴中卒のバーテンダーが日比谷から生まれるか? 生まれない。そいつはこの世に生まれなかったことになる」 「……それは、そうだけれど」  まぁ高校は通信制のところを出させてもらったし大卒も働きながら通信でとったのだが、日比谷からしたら中卒と同じだ。淳一はよほどショックなのか「中卒……怜侍が、中卒……」とぶつぶつ繰り返している。  確認しないといけないことはまだある。 「お前の『帰ってきて』、はどういう状態を指すんだ」  例えば都合のいいときに好きに殴って抱ける存在なのか。友達か。親友か? 日比谷怜司はもうこの世に存在しない。日比谷じゃなく怜司でもない『りょう君』が、どこにも行かずにそばにいたら困るのは淳一のはずだ。 「お前が求めてる“日比谷を共に歩いていく怜司”は本当に死んだんだぞ」  昔。淳一が何故自分を殴るのかたまに考えることがあって、そういうとき決まってたどりつく答えがあった。淳一は“理想の日比谷怜司”を心の中に持っていて、それとズレたことを怜司がするのが許せないのだ。だから殴る。だから犯す。怜司が“理想の怜司”ではない��ら。  高校のランクを下げて、誰かの理想になるよう頑張る人生からは降りたつもりだった。けれども淳一だけは執拗に、怜司を“理想の怜司”に仕立て上げようと、必死に食らいついてきた。命の危険を感じるほどに。 「分からない」  淳一はぼんやりと言った。全裸で腰にバスローブだけかけられて、脇には缶ビール。ずいぶん間抜けな絵面なのにそれでもどこか絵になるのは、本当にずるいなと思う。半分呑んだビールを黙って脇に差しこむ。 「でも、もう怜司と会えないのは嫌だ。絶対に……」 「全部言え、もう。俺にどうしてほしいのか言え。叶えないかもしれないけど」  正直怜司も、どうしたらいいのか分からない。このまま淳一と二度と会わない生活を続けるのなら、住処を変えて、職場を変えて、もう一度失踪しなければならない。淳一は追ってくる。生きていると知れた今、次はどんな噂が流れようと死体を見るまで諦めないだろう。正直そんな金はどこにもないし、協力者が涼子ちゃんだとバレた今、今度こそ一人の力で失踪しなければならなくなった。次見つかったら……どうなるか想像もできない。  できれば今自分のペースに引っ張り込めている間に穏便に収めたい。 「怜司に……どうしてほしいか……」  淳一は自分の指の隙間から照明を眺めていて、肌の色も少し薄くなってきたようだっ��。冷蔵庫で冷やしておいたタオルを出してきて、バスローブと共に渡す。淳一はバスローブを布団代わりにかぶって、タオルで顔を覆った。 「なんのために俺を探し回ってたんだよ」 「会うため」 「会ってどうする」 「どうするつもりもない。会いたいと思っただけだ。怜司に会えないのはおかしい」 「人のことさんざんぼこすか殴って蹴ってしておいてか」 「あれは……」  淳一は押し黙って、タオルをちょっとだけずらしてこっちを見た。けれどまたすぐタオルの下に隠れてしまう。 「あれについては何も、言え、違うな、言わない。謝ることもしないし弁解もしないしあのときの気持ちとかを説明するつもりもない」 「上等だな」 「でも」  ふー……と細く長い息を吐いてから、淳一は顔からタオルを外した。 「もう二度としない」 「……」  それが信じられるなら十年以上も逃げていないのだが、どうにも信じたい気持ちにさせる言い方だった。久しぶりに見た、馴染みの顔の効果もあるのかもしれない。  淳一は自分の脇に挟んでいたビールをとると、体を起こしてぐいと一息に飲んだ。空き缶を投げられて、受け取る。ゴミ箱へ。我ながらスムーズに意思疎通がとれすぎて怖い。  淳一は立ち上がってバスローブをきっちりと着直した。けれど、結局再びベッドに倒れ込む。ぼふ。 「あー……こんなはずじゃなかったのに」 「俺のセリフだっつの」 「怜司はどうしたかったの?」 「は?」問われている意味がよく分からなかった。どうしたかったって、会いたくなかった。二度と。だって会ったら許してしまう。今だってこんなに普通に会話してしまっているのに。まるで最後に話したときの続きだ。部屋に連れ込んで殴るとき以外は、こんな風に普通に会話していた。友達よりも付き合いが深くて、兄弟よりも少しだけ遠い二人のままだった。  会ったら……こうなることは、分かっていた。怜司だって根本のところで、淳一を拒絶なんてできない。周りの力を借りて無理矢理離れないと、あのままどうしようもなくなって二人終わっていただろう。 「このまま二度と俺と会わないで、俺の影におびえて、いない俺から隠れて、逃げて、そうやって生きていくつもりだったの」 「……それは」  ずっと日陰者で、戸籍上は死んでいるから結婚もできないし、恋愛もそれで気が引けてできなかった。戸籍のない人間なんて、いない、とは当事者として言えないし、そういう人たちのネットワークもあるけれど、マイノリティの中のマイノリティだ。死んでるはずの生きた人間はもっと少ない。  三十一歳。  感じてはいた。考えそうになることもあった。いつまでこうしているのか。涼子ちゃんから一文字もらって「涼」になってから、感じるのは人生のどん詰まりばかりだった。  今更まっとうに生きるのか? (……日比谷から逃げた俺が?)  そうだ。怜司が逃げたのは、淳一からだけじゃない。日比谷からも逃げた。ついさっきまで普通に会話していた人間に突然殴られたり服を脱がされて体を触られたり、あるいは強制的に女役をやらされたりしながら、日比谷の男として生きていくことはとてもできなかった。次男のとはいえ一人息子の長男だ。怜司にも淳一にも同じだけの期待がかかった。淳一は怜司の保険だったし怜司は淳一の保険だった。二人でセッサタクマしてヒビウエヲメザスのが爺さん連中の望む自分たちの姿だ。とてもついていける思考回路じゃない。別に淳一からのあれそれがなかったとしても、そうそうに道化をやって見限ってもらうつもりでいた。生き物として家柄と相性が悪い。 「どうするつもりだったんだろうな、俺も」 「なんだ……一緒か」  怜司と一緒かぁ。  淳一は呟いて、ごろりと寝返りを打つ。  息を吸って吐くほどの間、心地いい沈黙があった。 「……大八木の爺様、覚えてる?」 「大八木……?」 「あー、奥さんが早くに亡くなって、子供いなくて」 「仙人みたいな爺さんか」  亡くなった奥さん一筋で後妻をとらなかったから、大爺様とかなりこっぴどい喧嘩をして、勘当されたと聞いている。親戚の会合にも参加を許されていなくて、一年のほとんどは引きこもっている、らしい。子供の頃に一度挨拶に行ったきりだ。 「まだ生きてたのか」 「死んだよ。で、爺様のマンションなんだけど、俺がもらった」 「は? なんで?」 「はした金にしかならないから、らしい」  確かに大八木の爺さんが持っていたのは単身向けのあまり大きいとは言えないマンションだが、近くに国立大学があったはずだ。立地がよく空きが出ないから、大儲けはできなくても働かずに生きていくくらいの金は入ってくる。 「待て。払いも引き受けたのか?」 「済ませてたよ。さすが勘当されても日比谷の人間だ。金を転がすのはうまかったみたい」 「へえ……」  大八木の爺様は、寂しいと顔に書いてあるような独居老人だった記憶がある。そうか、死んだのか。結局ずっと一人で生きて、一人で死んだ。日比谷から勘当された日比谷として。  そういう生き方も、元手さえあればできたのかもしれない。 「……管理人を探してる」 「おい」  それはなしだろ。と、言おうとしたが、思ったよりずっと真剣な目がこちらを見つめているのに気付いてしまった。 「だめ?」 「ダメだろ……普通に」  即答できた自分を褒めたい。 「なんでお前の世話で生きていかなきゃならないんだよ」 「いい案だと思ったのにな」 「全然よくない」  それじゃあまるでヒモか愛人か内縁の妻か、要するに二人目さんだ。マンションの管理人として雇われて、部屋も一部屋もらって、給料もらって、家賃は免除してもらう。二十四時間中八時間寝ても残りの時間を持て余す。いつ淳一がくるのかだけを考えて部屋で一人待つ暮らし。それが似合う人間もそれを望む人間もいるだろうけど、怜司は違う。 「じゃあどうする?」  どうするのか。どうしたいのか自分は。長らく目をそらし続けてきた意思確認が、まさか淳一から投げられるとは。 「……生き返りたい、とは、思う」  淳一から逃げたいのか、と訊かれると、難しい。殴られないなら、逃げる必要はない。殴られるなら普通にまた逃げる。いま一番強く願うのは、生きている人間として生きていたいという、なんだか当たり前すぎてぐちゃぐちゃな感情だった。死んだ人間として生きていくよりも、生きている人間として生きていく方がスッキリする。じめじめしない。何より、都合がいい。この世界は生者の街だから、生者に都合のいいようにすべてが作られている。死人のふりをして生きていくのは心臓に堪える。 「お前が俺に何もしないなら」  ぐ、と淳一の喉の奥で、音にならない音がした。喉仏が大きく動く。 「……日比谷に戻ってくる?」 「一旦。それですぐ分籍してもらう」 「分籍? なんで」 「だから日比谷にのうのうと帰るなんてできないって言ってるだろ」  分籍、勘当、なんでもいい。日比谷に縁を切ってもらうのだ。向こうも喜んでしてくれると思う。 「どっかの家に養子に入って、もっかい大学行く。で、起業」  怜司の履歴書では、どこに行っても書類審査をパスできない。面接で「十八歳から三十一歳まで失踪してたと書いてあるけど、どこへ?」「ふらふらしていました」なんてやりとりをした人間を誰が雇うだろう。怜司自身、自分を採用するような会社は疑わしいとすら思う。 「起業って何するわけ」 「……子供向けのプログラミング塾、とか……そしたらどっかの産業大とかの方がいいのか。経済学部いくつもりだったけど……それか専門学校だな。鍼灸大学いって鍼灸師になるとか」  伝統工芸系も考えたけれど、金の心配が出そうな職はだめだ。金に困ったところで、怜司には頭を下げにいく先がない。  とにかく、淳一がもう“大丈夫”なら、道は選びたい放題なのだ。多少の困難はあるだろうけれど、死んでいるよりずっといい。  淳一を見下ろす。が、淳一は目を合わせようとせず顔を少しだけずらした。 「俺は……怜司に、昔みたいにしたい」 「ハイさよーなら」 「待て! 違う! 違うから!」 「うわ」  どんな手足の長さならこの距離で捕まるんだ。しっかりと握られた手が引かれ、ベッドに倒れる。ぼふ。ベッド。久しぶりだ。ずっと布団で生活していたから。反発で体が浮く感覚に、一瞬状況を忘れてしまう。  切羽詰まったような顔をして、淳一がこちらを見下ろしていた。顔の両脇につかれた手と、照明を背負って影になった姿が、なにもかも“そういう感じ”だった。 「殴るとか蹴るとかじゃなくて、“こういう”」  頬から顎に向かって指がすべる。ためらいがちに見せておきながらも、完全に触る気の親指が、唇のすぐそばをくすぐってきた。抱くと言われたし自分も風呂でアレなどしてしまったわけだが、いざ自分の上に乗っかられるという状態になると頭の隅から��は?」が湧き出してきてあっという間に思考を埋め尽くしていく。は? まじで、は? なんなのお前?  だが同時に、ここで拒否したら何がどうなるのか分からない、という不安も腹の下から湧いてくる。この角度。この大勢。覚えている。こうなったらもう、終わるまでじっと待つほかなかった。  目をつぶることを促すためにすりすりとくすぐってくる親指を、振り払ったらどうなるだろう。記憶の中の淳一なら目つきが急に変わって殴られる。顔を庇おうとするともっと酷くなる。言葉が一切なくなる。怒鳴りつけない代わりに、喉から出てくるすべてを押さえつけて出さないようにして、手と足だけでなぶられる。ようやく言葉が出はじめるのは、服を脱がされ散々体を弄り回されたあとだ。  体が、拒むことを恐れる。  こんな体にしたくせに、何を急に甘ったるくしてるんだ。“こういう”雰囲気になったことなんて、一秒だってないじゃないか。  振り払えない。でも受け入れられない。いつだって怜司にできるのは精一杯睨みつけることくらいだ。 「俺はお前に無理矢理されたことはあっても合意の上で“こういう”ことになった覚えは一度もない」  親指がぴたりと止まる。歯を食いしばっておくべきか。二つの体の隙間に明確な温度差が生まれて、心臓が馬鹿みたいにうるさい。 「それは……」 「本気ならせいぜい頑張って口説くんだな。俺にフられることも重々承知の上で……いやダメだな? お前結婚してるもんな?」  言いながら気付いた。普通に素に戻って淳一を見上げる。  本気で口説かれたところで、妻子持ちの口説き文句なんて乗ったほうが悪い。危ないところだった。応えた怜司にも慰謝料が発生するやつだ。 「バカ退け絶対にダメだ妻子持ちなんて死んでもいやだ」 「死んでもって」  なんだか本気で傷ついたような声と顔をされて、う、とこちらが詰まる。それでも意地で厚い体を押しのけた。「妻子がいるとは知りませんでした」ならギリギリセーフかもしれないが、さっき涼子ちゃんから教えてもらってしまった。弁護士だって日比谷には揃っている。だめだ。これは絶対にだめなやつだ。  バスローブをことさらきっちり巻き直して、ソファの手すりに座る。物理的な距離も確保しておきたいしいつでも逃げられるようにしておきたい。  淳一はベッドに腰掛けてすっかりしょげていた。子供の頃はむくれることの方が多いやつだったので、意気消沈、みたいな顔をされるとモヤモヤする。 「……離婚……」 「できるのか?」 「できない」  返事は早く、はっきり言い切られた。淳一の言葉ではなくて、「日比谷淳一」としての言葉だ。 「彼女は俺の妻じゃなくて日比谷の嫁だ。帝銀の頭取から預かったんだから、俺はあれを日比谷の嫁として何不自由なく死ぬまで面倒見る義務がある」  離婚は絶対にできない。絞り出すように淳一は言った。 「……まぁ、そうだわな」  ここで「離婚する」とでも言っていれば本当にどうしようもないクズだ。従兄弟を殴って犯して逃げられて、妻子を得たあと再会した従兄弟のために命二つを投げ出すようなら人間として救いがない。 「でも怜司が生きてるのに……怜司がいるのに、」  あの淳一が、悩み苦しんでいる。ぶつぶつと呟きながら、必死に考えている。自分のことなのに他人事みたいに見えた。何を必死になっているのか、頭の中で物事と物事がつながらない。 「俺がこうしてる間にどっかに消えてくれ。待って、行かないで。今考えるから。でも、ああくそ、クソ、……」 「お前、そんなに俺のこと好きだったの」  気づけばそんなことを口走っていた。えっ、と淳一が顔をあげてこっちを見て、怜司もえっと返してしまう。 「俺、怜司のこと好きだったの……?」 「いや知らねえよ」 「えっじゃあ今俺のこと好きって言った?」 「言ってねえよ脳ミソどうしちゃったの?」  さてはこいつ、眠いな。時計を確認すると日付が変わる頃だった。いつもなら客足を見て、日によっては閉店準備をはじめる頃だ。  風呂から上がったままほったらかしにしていた髪もすっかり乾いた。部屋の隅を見れば、蹴散らされた怜司の服が散らかっている。そういえば怜司は怜司で下着もはかずバスローブ一枚なのだ。人のことを、頭の中とはいえさんざん間抜け呼ばわりしたが自分も同じだ。 「とりあえず今日は帰るわ」 「は!? 何、えっ!?」 「お前いつまでこっちいるの? 帰る日に合わせて休みとるから新幹線代貸して」  下着を取りに行って履くと、ズボンにも足を通す。服も着て、バッグの中身を確認する。まぁ家に帰るくらいはできるだろう。 「いやちょっと待って何ほんとに帰ろうとしてんの」 「だって嫌だもんお前の隣で寝るの」 「えっ………………」 「なに?」  よくわからないが固まっている。 「いや駄目だ。絶対どこにも行かせない」  復活は思ったより早かった。  すがさず距離を詰めてきた淳一が、壁に両手をついて、行く手を防がれる。ワー、壁ドンだー、などと頭の中だけで危機感のない自分が囃した。 「俺は妻と子供を幸せにできるけど、俺は怜司がいないと駄目なんだよ」  そこに怜司の幸せが考慮されていないのは淳一らしいというべきところなんだろうか。これから淳一が怜司の隣にいようとしても周りがそれを許さないし、怜司は淳一の隣に立てるように努力するつもりはない。その生き方は日比谷から逃げた段階で途切れた。誰も許さない続きしか待っていないことを、淳一は理解しているのだろうか。 「……明日ミネラルウォーター一杯千円で出してやるから、一〇〇杯飲んでけよ」  バッグから店の名刺を出して渡す。 「ついでに店長にも謝ってお連れさんにも詫びで奢れ。帰る日も確定させてこいよ」  行く手を塞ぐ淳一の、太い腕を払いのける。驚くほどあっさりと外れて、覚悟していた拳は飛んでこなかった。クソ、という小さな呟きを背に出口に向かう。そういえば宿泊料は請求されるのだっけ。いや、そのくらいは甘えても許されるだろう。  靴を履いている間も、背中を蹴られることもなかった。淳一は黙って怜司が身支度を整えるのを見ていた。  じゃあ、と手を振ってドアノブに手をかけたときだった。 「怜司。俺のこと殴って。昔の俺がしたみたいに」  静かに淳一が言った。中学生のときを思い出した。教科書に載っていた走れメロス。淳一、お前は俺のために走ってきたのか。野も山も川も越えて。十三年も。なんていうのは感傷的すぎるか。  だから顔は殴らなかった。とん、と肩を軽く叩く。 「……そんなことして何になるんだよ、バーカ」  ホテルを出ても、淳一は追ってこなかった。
  +++
「サンドイッチ買って。あとビール」 「さっきからどんだけ食ってるか自分で分かってる?」 「あ、ビフカツサンドとビールください。と、これ。にゅうめんも。淳、金」 「……」  怜司が甘えてくる。ほんの小銭の話だけれど、それでも「金」と言われて嬉しいと思う日がくるとは思わなかった。  新幹線に二人並んで座って、外はバカみたいにいい天気で。怜司は受け取ったビフカツサンドにかぶりつきもしゃもしゃと口を動かしている。片手でビールを開けようとするので開けてやった。ビフカツサンドが口元に差し出される。いらない。 「向こうついたらステーキ行こ。久しぶりにあそこの肉食いたい。八階の」 「……いいけどね。全然」 「ステーキは自分で払うよ。新幹線代も返すし」  どうせならカニが食べたいなと思う。時期じゃないから難しいけれども、カニの専門店があるからそこなら食べられるだろう。カニを一生懸命剥いて食べている怜司を想像する。やっぱりカニがいい。  怜司が見つかったことを家に電話して、次の日の昼に電話がかかってきたときにはもうつつがなく全ての準備が整っていた。手続きが煩雑なものも順調に進んでいるらしい。  怜司は、日比谷から嫁に出た深水という人の養子に入ることが決まった。怜司が直筆のサインをして印鑑を押せば、『日比谷』ではなくなる。やはり怜司を日比谷のままにしておくことは難しいらしくて、父も怜司のお父さんも養子に出るのが一番だろうと結論づけたらしい。  深水怜司。もうそうなることが決まったのに、怜司が日比谷じゃなくなる実感が沸かない。それでも大八木の爺様みたいに親戚の集まりすら許されないということはなく、もう三十も過ぎた大人が深水の家で暮らすわけでもなく、あくまで戸籍上のこと、ということらしかった。普通に実家として帰る先は日比谷の家だろう。 『淳くん、もう大丈夫なの?』  電話口で久しぶりに喋った涼子ちゃんは、静かにそう言った。最近聞いた言葉だなと思って、そうだ、近藤くんにも言われたのだ。『日比谷さん、大丈夫ですか?』。近藤くんには悪いことをした。次の日にきちんと謝って、高い焼き肉でチャラにしてもらえることになったけれど、下手な噂の流され方をしたら人事に響くようなトラブルになったかもしれない。淳一が頭を下げにいったおかげで店長から出禁を食らうこともなく、これからもあのバーには通うらしい。  “大丈夫”なのか。自分でもそれは分からなくて、もしかしたらこれから、怜司のことを殴りたくなるのかもしれない。じっと怜司の顔を見る。食べ方が汚いわけではないけれどももしゃもしゃ口が動いている。可愛い。この顔を自分が殴ったことがあるなんて信じられないが、確かに殴った。 「……なに?」  こちらの視線に気付いた怜司がむすっとした顔をする。早くもビフカツサンドはどこかへ消えて、にゅうめんに手が伸びていた。 「いや、なんでもない」  “大丈夫”だよ。そう言って、箸を持つ怜司の手を上からそっと包む。すぐに振り払われて、それすらもくすぐったくて笑ってしまった。
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afiri8backlog · 5 years ago
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寝起き閃シリーズ、陰謀論で暗躍しているQアノン…は置いといて、全く違う角度から、Q=私の原動力がどこから来ているのかに気づいてしまったお話
この世界はふたつの蛇で構成されている
はっ!(;゚Д゚) と寝起きに悟っちゃった話なのでいきなりぶっ飛んでます(笑) ついてこれない人は途中で離脱してください。ただ最後まで行くと・・
ウロボロス
無限∞や8、メビウスの輪
二匹の蛇で構成されているシンボルが多いのは、元々古代にそういうものがあり、現代にデフォルメされてきた名残だと思うので、本質はこの世界には2匹の巨大な蛇が組織を作っている事に気づく
WHOのロゴに描かれた蛇
最近なにかと悪い印象で話題のWHOを何度もメディアで見るたびに、今まで気にもしなかったけれど、多くの人がやけに蛇の印象が強くなったと思う
医療に巣くう蛇のシンボル
もう一方は商業に関わらない人には一生縁がない。身内に商業出身がいた事から「商業の校章は蛇だよ?」と言われて、マジで!?と調べて愕然とした
一校に限らない、全国の商業高校のほとんどの校章に蛇が描かれている
当時はデザインがかっこいいとかその程度にしか話題にならなかったらしいが、あまりにも、日常の中に蛇が入り込んでいた事に気づかないほど思考停止して生きている事がわかる
経済・ビジネスに巣くう蛇のシンボル
この二匹が絡み合い、お互いの尾を追いかけ食い合う姿を描くウロボロス そして、それは永遠に続くとでもいうようなメビウスの輪の∞軌道
商業とは儲ける事
そのために戦争が起こされ、戦争を起こすために経済がコントロールされる 戦争資金を貸し与え、損害を大きく広げ、借金が返せなくなったら権利を奪う
医療とは助ける事
戦争で傷ついた人々の肉体や精神を癒す 延命のために必要な治療薬を作り命を繋ぐ
善と悪のようにお互いを追いかけ合うねじれが、いつのまにかほぐれて、ひとつの輪=Oになっていたとしたら?
戦争を起こすために経済をコントロールだけでなくウイルスや疫病を兵器として使い患者を作る医療 薬という名の毒を生産して投与し、半永久的に病人にして永続的に治療費を取るビジネス
医療の尊厳を得ながら、薬や医療器機で儲ける商業が絡みつく
さらに未知のウイルスや不治の病という見えない不安を煽って万が一の備えという心理で儲かる保険
善悪がいつのまにかひとつに混ざり合ってO=ONE、統一になってしまった これについても最古のウロボロスの姿はこのように描かれているのは皮肉だろうか?
さらに陰陽道では陽極まれば陰となり、陰極まれば陽となるという、光も闇も同一の存在という二元論を語っている
私は最近、創世記は医学の話じゃないかと考察した
創世記は医学 人体の神秘のお話と思う理由
そして、物語の全ての始まりの根源にウイルス(蛇)があった事をあげた その象徴として描かれている蛇は毒や謀の象徴であり、蛇に関する警告のことわざはとても多い
気になった蛇に関することわざ・慣用句シリーズ
311の虹が見せた「気づき」虹の秘密
ここで1度情報を整理する
シンボリズムな考え方でいえば お互いを食い合う二匹の蛇、ウロボロス
これで〇が描かれている
つまり善悪・光闇の二元論に囚われ閉鎖された世界を意味する 円や丸は循環を意味し、ワンネス、ひとつの存在、球を表している
ここにもう1匹の蛇が思いもよらぬ所から現れる
それがQ
※以下このフォントの形状上Qが違う形に表示されてるかもしれません
Oの向こう側から、現れたQの存在
都心伝説や陰謀論で世界では当たり前のように語られているQアノンという謎のグループはトランプ大統領を支持してるとか、裏組織のなんちゃらとか・・
ぶっちゃけそんな事はどうでもいい(;´∀`) Σ(゚Д゚)
私が関心があるのが、この善と悪、光と闇、陰と陽の二元論の循環を意味していた8もしくは∞、そのメビウスのねじれの絡み合いがほどけて〇=世界統一という完成形になろうとした今
そのOの向こう側からひょい!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノワーイ Σ(゚Д゚)ナンカデタ
と顔を出して、OがQになったこのおもしろい状況変化の謎です
なぜなら、今までの二元論で完成されていた世界に急に奥行が出たんです
物事の思考が2D(平面)から3D(���体)になったんですよ!
今まで先祖たちが捉えてきた二元論を表す8や∞を表すシンボル、そして最終的にO=ONEという形に落ち着く善悪表裏一体の循環と捉えてきた世界感について
それは表面的なものだよ┐(´д`)┌ヤレヤレ
実は、ただの二次元の平面的な自作自演のドタバタ劇の舞台であり、本当は、Oの向こう側にも世界がある という物事の考え方の次元を広げる存在
Qは登場するだけ で舞台裏の存在を匂わせた
そんなQとは、クエスチョン、問題、謎、疑問、課題、探究テーマ 好奇心や探究心を持つ者を思考の冒険へといざなうエネルギーの原動力
あえて、Oの向こうからQとして顔を出した存在を私は第三の蛇として考える。なぜなら、今までの8や∞、Oという世界(形)を構成していたのは二匹の蛇(商業と医療)として描かれてきた事、祖先が残した伝承のことわざにはあまりにも蛇が多い事、そんな蛇で構成された世界を広げるのもまた蛇と同等と思えるが
ここで大事なのは、善悪の二元論を越えた第三の思考次元において、蛇への偏見は必要ないという事。つまり善でも悪でもなければ、醜い美しいでもない、それは今までになかった 可能性そのもの
私はこの第三の蛇がニョロっと顔を出した 向こう側の世界(常識の外)にとても興味が湧く
だからきっと、二元性の世界の社会常識に捉われず、直感の導くままに、これだ!という情報(だいたい精神テクノロジー系)を宝探しのように模索する事を楽しんでいるのだろう
神覚 第八感 VRも並行次元も霊もなるほどな話
チャクラで感じた多次元世界の創造と意識のシフト
〇に、が1個つくだけで…そこまで?(;´∀`) と思う人は、残念ながら物事の表面しか見えていない
その一例をひとつ、この大文字アルファベットの列を見て気づくだろうか?
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
2次元なのに3次元なのはQだけです(空間の向こうと手前を繋ぐ)
突如現れた裏情報にやたらと詳しい謎の勢力が「Q」と名乗っているのは、そういう意味(舞台裏を知ってる)が込められているのか?シランケド
ただ、大事な事は、目の前の出来事に奥行があるという発想に気づく事
今まで当たり前だった目の前の出来事が、当たりまえじゃない見え方ができるようになる。だから、ニュースやメディアが垂れ流す嘘に意図的な誘導や扇動を感じるが
残念な事にそれを伝えるアナウンサーもレポーターも何も知らないので悪意はなくて、そして、呼ばれるコメンテーターたちもスポンサーの手前発言には検閲がかかって
言いたい事も言えないポイズンな世界に捉われている
・・という事もわかってしまうので誰が悪いとか、悪くないとかの気持ちはなくなって、完全に、舞台裏やプロデューサーの目線や考え方になって世の中を見ている
何かでき事が起きる→どう情報を使って世論を誘導する?と考える悪意を察知したら、カウンターメディアを創るための情報をピックアップする
北九州市の小学校とローカル5GのGIGAスクール構想
そういう思考になると、思考停止にさせようとしているバラエティ番組や捏造、嘘、切り取りニュース報道など見る気がどんどんなくなる(ただし動物のおもしろ動画には屈する)
でも、自分だけがその情報から離れても、周りが世界の二元論に捉われている状態だと、結果、自分の世界も広がらないし楽しめないし、世界は再び、∞と8にねじれてしまう
だからQは多くの人に気づきを促してるんだろう(世界を変えるために)
∞や8というねじれが取れてOになる流れになったから、Qが現れた たぶんそれは必然のタイミングだったのかもしれない
そんな感じで考えると、アルファベットという文字にも深いメッセージが隠されている
例えば、先日のNWOという3文字のアナグラムを解読した記事にしても、某王族名は名前はあえて書かなかったが、世界各国の王族血筋の元祖ともいえ、今まさにイギリスのこれからの王家に関わる名称が出てきてマジでびびった
NWOのアナグラムを偶然解読したら・・
イギリスの王族支配変わったんだってね?(つい最近の事らしい。興味があれば調べればいいOMN)
たったひとつの事から、当たり前が、当たり前じゃないという疑問から見える世界が爆発的に広がるのが考察=Qの思考
アインシュタインの一枚の写真からの閃き
ただぶっちゃけ、Qアノンという組織の発信するデータは全く見ていない(笑)
というのも、過去の前例で、善に加担するものが嘘の指示に騙されている事に気づかずに、悪の手先になる問題もあった訳で、それこそ創世記の蛇の巧妙な そそのかし を思い出せよと言いたい
アダムのためを思ってという善意の押し付け(イブ) 犠牲より供物!自分の価値観を押し付ける傲慢さ(カイン)
そして、同族で受け継がれる傲慢な支配のDNAの血と骨 我が子に対する異常な愛(色んな意味で)の王族統治の歴史
ここから創世記=人間の全てが始まっているという事を念頭に置いて考えれば、善悪に捉われる(固定概念)という事がいかにダメな事かわかる
それがきっと 善悪の木の実 と表現されているのかも?
そういった偏った使命感を持つ者の発する情報はとても危険で、まるでオセロのように、簡単に白黒ひっくり返されてしまう
それ故に2手3手先を見据えて、全てフラットに捉えられる人じゃないと、正しい情報もミスリリードしてしまうし、個人の思想や発言で価値観が加わって判断を誤ってしまう
だから1人の行動と発言を追えばいい
Qがトランプ大統領のサポートをしているのが本当であれば、トランプ大統領の行動を見ればいい(アノンが何なのか興味もない)
今の所、私個人としては、世界のこれからの動向において、トランプ大統領以外に世界の5Gをストップさせる事ができないと思っているし、考え方の方向性もずれてないので、個人メディアやジャーナリズムが突入できるように、巨大な障壁に風穴を開けてほしいという気持ち(笑)
しかし、寝起き閃���のアルファベットのQ1文字でここまで広がるのもスゲーな(笑)それだけ、潜在メッセージ的に「Q」は重要だったって事なのかもね(゚д゚)(。_。)ウン
おまえの原動力はQ=疑問を探究する好奇心
って言われたのか、それとも気づいてないだけで、お前もQやで?と言われたのか(笑)
QA:クイックアクション?(迷わずいけ!) QA:クオリティアップデート?(己を高めろ)
最初にそういうテーマありきで気づいて行動してたら、かっこいいんだけど(;´∀`)残念な事にやっぱり気づくまでの精神の段階ってのがあるんだろうな
私は2018年からおかしくなって(※常識的に見れば)現在のようにフルスロットルで振り切るに至るまで2年かかってるので人によってペースがあるんだろうけど
大事なことは 好奇心、探究心を持って、明確なビジョンを持って直感で行動する!でもそれが、自分にとって正しいかどうか?を判断するために、潜在意識と向き合ってください(インナーチャイルド?いうらしい※後から知ったw)
イラストでわかる!潜在意識を変えるたったひとつの正攻法(成功法)
潜在意識を肯定してポジティブになれば、常識ではあ��えない不思議な体験が色々できるかもね
過去のトラウマが解消された夢(自己催眠療法?)
エンジェルナンバー911 よく見るってレベルじゃねぇ遭遇率
魂の年齢 霊格レベルを調べてみたら・・
2020年初夢 次元と自由意志についてだった
霊界学園への里帰りのような夢
ウイルスVS鬼滅の刃 霊的な戦いのメッセージに気づけ!
精神テクノロジー
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thyele · 5 years ago
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2020年4月12日m
峠の我が家さん「月刊スーパーマン13号に長年探してた手塚治虫のアメコミトークが載ってた! 手塚治虫は ・スーパーマンよりはバットマンの方が好き ・ジョーカーが好き ・バットマンとロビンを見て察した ・『リトル・ニモ』の尺が長い(※DCの雑誌) ・突然シャザムの話 ・全体的にトークの内容が濃すぎる」 https://twitter.com/deer_antelope/status/867736989700730881 岩井好典さん「牧場から逃げた羊が、山で6年間毛刈りしないでいたらこうなった。 狼は襲おうとしたんだけど、羊の体まで牙が届かなかった。 狼から生き残るのに強くなる必要はない、単にすっごくモッフモフになればいい…と。」 https://twitter.com/iwai_beam/status/1239426025127153664 Green Pepperさん「ロシアのエルミタージュ美術館には50匹を超える猫の警備隊が居ると聞いたので検索してみたら本当に居た。結構強面で「ネズミ1匹通させぬ」と館内に目を光らせて、日々職務に励んでいるようだ。」 https://twitter.com/r2d2c3poacco/status/1239698763586781184 あいた🍒山形住みさん「世界の少数民族をめちゃくちゃかっこよく撮る写真家が山形の職人を撮った写真がまじでかっこいいからみんな見て」 https://twitter.com/yama_gata_pro/status/1239474309472464896 ドコモ、5Gで大容量の通信データプラン 当面は「無制限」  :日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56900630X10C20A3TJ2000/ 三浦英之 「南三陸日記」にPCJF奨励賞さん「すごいスクープだ。政権がぶっ飛ぶレベルだ」 https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1239889712703139841 東洋経済オンラインさん「【三菱電機「8年で自殺5人」何とも異常すぎる職場】 長時間労働が横行、「殺す」と脅すパワハラも #東洋経済オンライン」 https://twitter.com/Toyokeizai/status/1240005311416565761 「ライブハウスレビューサイト作ったんだけど、何か口コミある?」さん「本日ライブハウスのレビュー件数が2000件を突破しました! いつも素敵な投稿ありがとうございます✨ これからも皆様のクチコミを心よりお待ちしております! #ライブハウスレビューサイト作ったんだけど何か口コミある」 https://twitter.com/kuchikomiaru/status/1134784251897868288 鐘の音@C98落選さん「「ドラえもんのここがダメ」という話で 出されているのだが、そういうことはアニメゲーム漫画ではなく、大人が教えるべきことであり、アニメゲーム漫画に子供の人権教育をしてもらおうと思う時点でそもそも間違えてる。」 https://twitter.com/kanenooto7248/status/1239397061818085376 “crazy”shimooon-joeさん「(笑)(笑)これな、やったやった。」 https://twitter.com/Shimooon_joe/status/1239875205029220352 もふもふ動画さん「おはようございます、ご飯ください…」 https://twitter.com/ru_ruru831/status/1239494770235281414 癒しチャンネルさん「今年一のお母さん」 https://twitter.com/iyashichannel_/status/1239498217395380225 三浦 清志 Kiyoshi Miuraさん「名実ともに世界恐慌。しかも、自爆。」 https://twitter.com/kiyoshi_a_miura/status/1245291340537065479 読売新聞オンラインさん「感染者増える5都府県、医療崩壊の恐れ…専門家会議が懸念 #政治」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245487366904651792 日本経済新聞 電子版さん「手をかざすだけで行き先階を指定できるエレベーターや、マスクを外さずに本人確認できる顔認証ゲート――。手を触れずに使える「タッチレス」製品の開発が急ピッチで進んでいます。#新型コロナウイルス #新型肺炎 #COVID19」 https://twitter.com/nikkei/status/1245489600602218496 ロイターさん「トランプ米大統領、新型コロナ深刻な地域への国内便停止を検討」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245491928642322434 朝日新聞(asahi shimbun)さん「JOCはずっと蚊帳の外だった 山下会長「決定権ない」」 https://twitter.com/asahi/status/1245489131355901952 お休み中②さん「バカの🇯🇵日本は本当に滅ぶよ😰」 https://twitter.com/oyasumichuda2/status/1244940749113659398 読売新聞オンラインさん「感染した1歳未満の女児、両親は陰性・感染経路は不明 #社会」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245489882732138497 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「新型コロナが招いた世界的「ゴールドラッシュ」 #金 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1245488626420658188 MARTHA/SIRENE〜セイレーン〜さん「国民みんな自粛で頑張ってるのに、給食当番みたいな小さな布マスクを1世帯に2枚だけとかアホでしょ。呆れ過ぎて笑ったし今の日本が恥ずかしい… 安倍さんはメッシの爪の垢を煎じて飲むべし!! 給与7割減額申し出へ メッシ選手ら スペイン バルセロナ | NHKニュース」 https://twitter.com/MARTHA_SIRENE/status/1245373590821720064 ニューズウィーク日本版さん「英研究者「新型コロナウイルス感染者6割が嗅覚・味覚異常 感染判断の重要な症状」」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1245483583789248512 ロイターさん「米ニューヨーク市のセントラルパークにずらりと並ぶテント。 #新型コロナウイルス 患者を治療する臨時病院だ。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245493646805221376 毎日新聞ニュースさん「消毒液求め長蛇の列 無料配布始める 茨城・鹿嶋」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1245486634994298882 ニューズウィーク日本版さん「アメリカ、国内に最大341の臨時病院建設を計画 新型コロナウイルス感染拡大で #パンデミック #新型肺炎 #COVID19 #感染確認 #感染症対策 #感染拡大 #アメリカ #臨時病院 #野外病院 #医療」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1245493690157740037 堀江貴文(Takafumi Horie)さん「1ヶ月で足りるわけない笑笑 宮根誠司氏、新型コロナの感染拡大の中、「お店の家賃補償を1か月するとか、政治判断でできないでしょうか」 (スポーツ報知) - LINE NEWS #linenews」 https://twitter.com/takapon_jp/status/1245493030062182402 毎日新聞さん「「埋め合わせ難しい」「格差が学びの差に」--。東京都教委は、大型連休が終わる5月6日までの休校延長を決めました。学校の先生たちからはさまざま声が上がっています。」 https://twitter.com/mainichi/status/1245496163387822080 朝日新聞東京編集局コブク郎さん「NYタイムズ、マスク型枠を紙面に掲載 https://t.co/bzrsHovuh7 1日付の紙面に、布地を用意すれば実際にマスクがつくれる型枠を載せました。 米国ではマスクをする習慣が広がっていませんでしたが、3月以降、着用する住民が一気に増加。慢性的な品不足となっています。」 https://twitter.com/asahi_tokyo/status/1245493683509538816 館長さん「状況が変わって主張も変わるのは致し方ないのであまり言いたかないが、「なぜ都市封鎖しないのか!? 判断が遅い!!」って唾飛ばしてるコメンテーターども、1月以上前に一斉休校した時は「そこまでする必要があるのか!? あまりに急!!」って唾飛ばしてたの忘れてへんぞ。」 https://twitter.com/necomen_k/status/1245497582865936385 非常口さん「僕もお肉券お魚券で反省したんですけど、今の状況でニュースの一番しょうもないところをクローズアップして「これしか国の施策はないぞ!」とやるのマジで良くない流れな気がしますよ。僕ら、そういうのは騒ぐのに、ここから得られる情報全然バズらせてないじゃないですか。」 https://twitter.com/hershamboyz/status/1245306697331003392 毎日新聞ニュースさん「NY株続落、973ドル安 新型コロナ死者急増を嫌気」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1245497767486578689 keta | Bar Karhu(休業中🏠)さん「Twitter外でも見やすいようにYoutubeにも本動画をアップロード致しました。 まだ見られていないお友達や家族などにぜひ見せていただければと思います。歌ってる方の元動画へのリンクも貼ってますので、そちらへの高評価を忘れないようにお願いします。」 https://twitter.com/kntktnk/status/1245247851262668801 SATSUKI‐砂月-さん「ummm....」 https://twitter.com/Satsuki_Rociel/status/1245421348811198465 村本大輔(ウーマンラッシュアワー)さん「家にいろって言うんなら家の中はマスクいらないでしょ。マスク配ったら外でやすくなるでしょ。マスクもらったら安心して店行くよ。出したいのか自粛させたいのか、この額で体力のない飲食店を少しでも助けろよ。」 https://twitter.com/WRHMURAMOTO/status/1245606853616132096 日テレNEWSさん「【速報】今日 東京での感染者数は95人 1日の感染者数では過去最多 #新型コロナ #新型コロナウイルス #東京 東京都での感染者推移を見てみる▼ https://t.co/rdKZtHrMUk #感染者数  #東京感染者数」 https://twitter.com/news24ntv/status/1245610676820705290 三沢市寺山修司記念館さん「#テラヤマキッズ #アマビエ さまといっしょにしっかり感染症予防!館内トイレに貼り出しました。 こちらのイラストは自由に印刷してご使用していただいて構いません。どうぞお役立てください! #みんなでコロナ対策」 https://twitter.com/shuji_terayama/status/1245549068559908864 あう(ぐしゃ人間)@ARK廃人さん「パニックになってる人ってパニックになってることを自覚してないから危険 「正」をはき違えて暴力的になってる 自分に対してじゃなくて他人に「〜べき」って使うようになったら冷静じゃない可能性があるから一度落ち着いてほしい」 https://twitter.com/AUgusyaAU/status/1245510440525815809 渋谷のライブハウス、複数の出演アーティストが感染…来場者50人程度(読売新聞) 東京都渋谷区のライブハウス「LOFT …|dメニューニュース(NTTドコモ) https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20200402-567-OYT1T50253 新型コロナで公演中止 俳優や声優は「生きる危機に」 | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200403/k10012365511000.html 軽症者受け入れビジネスホテル「打診あった」 テレビ朝日【羽鳥慎一モーニングショー】|JCCテレビすべて https://jcc.jp/news/15796521/ Norbert Elekesさん「NEW: Germany reports 6,813 new cases of coronavirus and 176 new deaths. A total of 84,794 cases and 1,107 deaths.」 https://twitter.com/norbertelekes/status/1245838275610198016 小中学生家庭にモバイルルーター 低所得対象に貸与、全世帯の2割 | 共同通信 https://this.kiji.is/618442084358784097 川崎の70代男性会社員が死亡 その後の検査で感染を確認 | 神奈川新聞社 https://this.kiji.is/618498095128331361 国民1人10万円以上の現金給付 野党が緊急対策を提案 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN426TZYN42UTFK00C.html 首相、現時点での緊急事態宣言を否定: 日本経済新聞 https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57501490R00C20A4000000 ドイツ政府がアビガン購入決定 数百万錠、重症者に投与:社会:中日新聞(CHUNICHI Web) https://www.chunichi.co.jp/s/article/2020040201001973.html 新型コロナに続き「世界的食料危機」の恐れ、国連とWTOが警告 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News https://www.afpbb.com/articles/-/3276744 布マスク1枚200円 全戸配布「スピード感重視」と菅官房長官―新型コロナ:時事ドットコム http://jiji.com/jc/article?k=2020040200565 WHO、イタリア感染「近く安定」 世界感染者90万人超え (写真=ロイター) :日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57591620S0A400C2EA2000/ 「廃業しろというのか」~個人事業者や中小企業経営者の悲鳴(中村智彦) - 個人 - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20200401-00170863/ 衆議院議員 泉ケンタさん「そ、総理…。 この発表、専門家会議にも厚労省にも諮らず、安倍総理が独断専行してしまったとのこと…。 特に問題なのは、『#布マスク』は飛沫感染を防げず、WHOも米国CDCも、厚労省も推奨してない。という事実…。 #マスク二枚でごまかすな #新型コロナ」 https://twitter.com/office50824963/status/1245636718620889088 “97人感染”受け小池都知事「これが最大であることを願っている」「夜の歓楽街への外出くれぐれも控えて」(AbemaTIMES) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00010021-abema-soci 台湾の天才IT大臣、医療用マスクを家庭で消毒する方法を日本向けに紹介(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00000106-zdn_n-prod 秋田 大館の20代男性医師感染確認 欧州旅行帰り 新型コロナ | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200402/k10012364911000.html 阪神・小幡がPCR検査…チームで4人目 選手寮で生活 前日に発熱― スポニチ Sponichi Annex 野球 https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/04/02/kiji/20200402s00001173235000c.html 大竹まこと 喉の痛み続くも新型コロナ検査は「他の症状がないから調べてもらえない」― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/04/02/kiji/20200402s00041000241000c.html 福岡県の感染者100人 県内の指定病床数超える 受け入れ先確保急ぐ - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20200402/k00/00m/040/174000c 東京都内で97人感染確認 これまでで最多に 新型コロナ | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200402/k10012364551000.html 小池都知事 感染対策の自粛に「ずっと"ぬるま湯"で来た日本ですから、ここは目覚めて欲しい」― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/04/02/kiji/20200402s00041000140000c.html ニューズウィーク日本版さん「人前で「コロナ」と言ったりマスクをするだけで逮捕される国とは ーー国内の感染を認めないばかりか、コロナウイルスという言葉の使用まで禁じた「世界一」の言論弾圧国家」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1245659747367309314 読売新聞オンラインさん「パチンコチェーン都内全店舗、今週末は臨時休業…消毒や定期的な換気継続 #経済」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245658496961413124 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「イタリアのコロナ死者数、統計はるかに上回る #イタリア #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1245659754543714305 読売新聞オンラインさん「スペインの死者、イタリアに続き1万人を突破 #国際」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245658497074647042 ニューズウィーク日本版さん「イタリア首相「企業国有化はせず」  欧州委は最大11兆円規模の支援策 #パンデミック #新型肺炎 #COVID19 #感染確認 #感染症対策 #感染拡大 #イタリア #ヨーロッパ #EU #世界経済」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1245659213965082624 朝日新聞(asahi shimbun)さん「福岡市で新たに12人感染 老健施設でクラスター発生か #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/asahi/status/1245660269432299522 舩田クラーセンさやか Sayaka Funada-Classenさん「ちょっと待って。もしかして、これもなんかの利権?日本の郵便局って、自民党の集票マシーン。(都会の人は知らないかもだが…)さっきニュースで観たけど、布マスクの製造は山口県の業者するって出てたよね…😱」 https://twitter.com/sayakafc/status/1245435370092859392 町山智浩さん「そのマスクどの業者から買ったのか政府は公表する義務があります。」 https://twitter.com/TomoMachi/status/1245366262131122176 朝日新聞(asahi shimbun)さん「東京で新たに97人感染確認 20代19人、若い世代も」 https://twitter.com/asahi/status/1245662772420993025 朝日新聞(asahi shimbun)さん「布マスクで「不安パッと消えます」 官僚案に乗って炎上 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/asahi/status/1245668815171506176 池田清彦さん「ネトウヨはバカの一つ覚えで、文句があるなら対案を出せと言っていましたが、さすがに「マスク二枚に文句があるなら対案を出せ」とは言ってないみたいね。対案は可及的速やかに現金支給すること。」 https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/1245669809812934661 読売新聞オンラインさん「TBSとテレ東、報道部門以外の番組収録を見合わせ #カルチャー」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245673594375614464 ニューズウィーク日本版さん「台湾、新型コロナウイルス経済対策350億ドル規模に マスク1000万枚、各国医療関係者に寄贈へ #パンデミック #新型肺炎 #COVID19 #感染確認 #感染症対策 #感染拡大 #台湾 #蔡英文総統 #マスク #医療 #外出禁止 #入国制限 #都市封鎖」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1245664778992975873 ロイターさん「緊急事態宣言、必要なら躊躇なく決断実行=安倍首相」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245670540016222209 ニューズウィーク日本版さん「中国からの医療支援に欠陥品多く、支援の動機を疑えとEU警告 ーー新型コロナウイルスの発生源となった失点を取り返すべく気前よく医療品を送ってくれるが、配布したマスクを何十万枚も回収する羽目になるなどかえって迷惑になっているケースも」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1245674988323115009 読売新聞オンラインさん「全日空国際線の機長が感染、濃厚接触者なし #社会」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245673594363023360 朝日新聞(asahi shimbun)さん「布マスクの全世帯配布、北海道の「経験」では配達漏れも」 https://twitter.com/asahi/status/1245676867924791298 Hideshi Hamaguchiさん「ロックダウンしたら、 PCR検査(今患っているか)でなく、抗体検査(過去患ったか)を大量に実施して欲しい。 次に 1)個人レベルの緩和 免疫力を獲得した「陽性者」は自由に経済活動させる。 2)地域レベルの緩和 多くの陽性者が確認された地域は「集団免疫」を得たと判断して規制を緩和する。」 https://twitter.com/hideshione/status/1245435751573131267 ロイターさん「デンカ、「アビガン」に原料供給を決定 5月から生産」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245675008157978624 医療用医薬品 : アビガン ※警告注意 https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066852 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「マスク再利用技術、米病院が本格導入へ 供給不足で #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1245674866960928768 ロイターさん「WHOのテドロス事務局長は1日、#新型コロナウイルス 感染の「急速な加速と世界的な拡大」に深い懸念を表明。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245674840700473345 毎日新聞さん「「いらない」「その分(の費用)を寄付できないのか」といった声も上がる政府の布製マスクの全世帯2枚づつ配布。 専門家は「医療現場に使い捨てマスクを回そうとすると、一般家庭で布マスクを使用するというのは次善策として仕方がない面がある」といいます」 https://twitter.com/mainichi/status/1245674840951894021 毎日新聞ニュースさん「在チェコ日本大使館で現地採用職員が感染 米、北マケドニアでも 新型コロナ」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1245678750592729089 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「在宅勤務のTVキャスター、ドタバタ劇を展開  ロックダウンで華やかなテレビの世界が一変、素人芸に #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1245678635241164800 読売新聞オンラインさん「ラグビー日本選手権、1964年の開始以来初の中止 #スポーツ」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245678628727336962 プロレス スクエア -プロレス最新ニュース速報-さん「全日本プロレス伝統のチャンピオン・カーニバルが史上初の中止決定…1973年のジャイアント馬場優勝がルーツ(スポーツ報知)」 https://twitter.com/pwsquare2019/status/1245679121419497474 プロレス スクエア -プロレス最新ニュース速報-さん「WRESTLE-1がラストマッチを無観客試合で開催!武藤敬司は「本当は全客が泣くような試合をやりたかった」と無念のコメント(バトル・ニュース)」 https://twitter.com/pwsquare2019/status/1245679190378033152 毎日新聞ニュースさん「どうする海外駐在員…帰国か、待機か 現地滞在支援も 対応追われる日本企業」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1245679183759466496 毎日新聞ニュースさん「西村担当相が人工心肺「エクモ」増産支援を表明 使用の40人中21人回復 https://t.co/R6AM9aUGjJ」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1245679630201184257 池田清彦さん「役に立たないマスクを一般国民に配るより、同じ金をかけるなら、高性能のマスクを医療従事者に無償で配る方がはるかに賢明です。」 https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/1245679510604767234 ニューズウィーク日本版さん「政府専門家会議「爆発的感染の前に医療機能不全も、体制強化が喫緊」 #パンデミック #新型肺炎 #COVID19 #感染確認 #感染症対策 #感染拡大 #外出禁止 #入国制限 #都市封鎖 #医療崩壊 #感染爆発 #オーバーシュート」 https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1245680126416818176 毎日新聞ニュースさん「「少しでも気を緩めれば急拡大」 首相が危機感強調 緊急事態宣言発令は否定」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1245681126007386112 BBC News Japanさん「BBCニュース - 感染していたチャールズ英皇太子が回復 「奇妙で腹立たしい」経験を語る」 https://twitter.com/bbcnewsjapan/status/1245559816078032897 読売新聞オンラインさん「欧州最後の独裁者「ウォッカとサウナで撃退」「コロナにひれ伏すより死んだ方がマシ」 #国際」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245681145720852481 きっこさん「安倍晋三はコロナで苦しんでる自営業者に向けて無担保の融資をすると言ったが、実際に窓口に行ってみたら長蛇の列で7時間待ち。その上「無利子」と言ったのに「3年以降は利息が掛かります」とのこと。ふ・ざ・け・ん・な!お前みたいな無能はバカ女房とともに今すぐ地球上から消えてしまえ!」 https://twitter.com/kikko_no_blog/status/1245679126368800774 ロイターさん「WHOのテドロス事務局長は1日、「今後数日で世界の感染者は計100万人、死者は計5万人に達する」と述べた。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245720139523211265 SaveOurSpaceさん「【活動報告】 本日午前、302,536筆の署名を持って、政府与野党協議会へ出席する議員の皆さんへ窮状を訴えてきました。 先週の小池都知事の会見を受け、SaveOurSpace = 空間を要する全ての事業者、その関係者に向けた助成をお願い致しました。 午後には早速、逢坂議員が国会で取り上げてくれています。」 https://twitter.com/Save_Our_Space_/status/1245630930875629568 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「コロナ大量検査にかじ切る国も、封鎖の効果乏しく #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1245722679300235265 まりなちゃんさん「今の日本は違憲状態だと思うよ。だって憲法第25条に、国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 国はすべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない、と謳われているからね。これって全然守られてないじゃん。」 https://twitter.com/t2PrW6hArJWQR5S/status/1245560781753569281 須藤元気さん「現金の給付には時間がかかるとの指摘がありますが「政府小切手」であればすぐ配れるのではないでしょうか。アメリカでもこの方式で現金給付がされる予定で、日本でも「ねんきん定期便」の仕組みを使えば国から直接郵送できますよね。」 https://twitter.com/genki_sudo/status/1245589152495579136 ヤマトグループさん「ヤマト運輸は新型コロナウィルス対策として『宅急便』を非対面🚪📦でお受取りいただく対応を行っております。ご希望されるお客さまは、ぜひご利用ください。 #ヤマト運輸 #クロネコヤマト #宅急便 #宅配」 https://twitter.com/yamato_19191129/status/1245582104664006658 ロイターさん「#新型コロナウイルス 感染症から回復中の患者ら、世界の人々からもらったお見舞いのメッセージに感謝。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245682393677066247 カナロコ by 神奈川新聞さん「1日当たり初の20人超え 県内で新たに23人感染確認 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、神奈川県内では2日、1日当たりの感染確認者数が20人を超えた。新たな感染者は計23人。 #新型コロナウイルス #神奈川県」 https://twitter.com/KanalocoLocal/status/1245689578863726592 神楽坂ねこの郵便局というなまえのお店💚福素さん「1ヶ月過ぎても山手線が空調換気の一点張りだから感染経路不明が増加してる気がしてならない🙀 「窓は開けてください、素手で吊革手すりドアには触らないでください、マスクをしていても咳くしゃみは手ではなく腕で覆ってください」位の注意喚起が必要😾外国では1メートル人とは離れましょうなのだ🙀」 https://twitter.com/postcardviking/status/1245686398436311041 NHKニュースさん「新型コロナウイルス対策の要として、厚生労働省内部に設けられた通称「コロナ本部」。官僚たちは不眠不休で働いていました。また、自治体の保健所でも、想像を絶する事態が起きていました。対策の最前線をルポします。」 https://twitter.com/nhk_news/status/1245697078732435456 BuzzFeed Japan Newsさん「新型コロナウイルスの感染拡大で相次ぐ、観光施設の営業休止。そんな中、シカゴの「シェッド水族館」では、ペンギンたちに普段は見ることのできない他の展示スペースを探索させてあげています。(伊吹早織 @ciaolivia) 【New】シロイルカも思わぬ出会いに興味津々」 https://twitter.com/BFJNews/status/1245647204720586752 読売新聞オンラインさん「都内の運転免許試験場に勤務、警視庁の警察官が初の感染 #社会」 https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1245723926036168705 池田清彦さん「抗体検査は可及的速やかにやった方がいいっすよ。免疫がある人がどのくらいいるか分かれば、対策の立て方が違ってきます。マスク二枚配っても何の役にも立ちません。」 https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/1245736894190596097 毎日新聞ニュースさん「石川の路線バス男性運転手が感染 金沢や野々市で3日に403便運休へ」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1245751586141302786 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「コロナ感染拡大のNY、アジア系がヘイトクライムの標的に」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1245754690584879111 津田大介さん「マスクの原価と郵送料と発送する人件費合わせると100億円以上かかるわけですが、それでどんなコロナ対策できたか考えた方がいいですよね。ちなみにドイツベルリン州の小規模事業者、フリーランサー、文化芸術サービス関連個人事業主への緊急給付金の金額がちょうど同じくらい(1億€=117億円)です。」 https://twitter.com/tsuda/status/1245513614074634240 EURO † SPEED-iDさん「ロックダウンしない国。家族連れは外で遊びナイトクラブは営業を続け市民に普通の日常生活を認める国スウェーデンの理性的ウイルス対策。 「我々は新型ウイルスのアウトブレイクによる健康への影響と、この危機による経済への影響の両方を、最小限に抑えなくてはならない」」 https://twitter.com/HLEURO/status/1245782081726119936 東奥日報(青森)さん「10日から弘前公園を封鎖」 https://twitter.com/toonippo/status/1245249828474564608 ロイターさん「米、新型コロナ死者が1日で910人増加 感染者は2.7万人増=CDC」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1245785699770667013
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sakura-whirlwind-blog · 5 years ago
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【小説】JOKER 第二部ジョーカーvsラットマン
第一章 異邦人
 〈1〉
   慶田盛探偵事務所所長慶田盛敦は、たった一人の事務員兼秘書三島陽菜と仕出し弁当で昼食を取っていた。
 応接セットはそれなりのものを使っているが、職員の机は開業した時のまま、譲り受けたスチール机と華奢な椅子だけだ。
「所長、お昼が終わったら相談一件、二時半から地裁掛け持ちですよ~」
 呑気な口調で陽菜が言う。
 陽菜は敦より二十歳ほど年下の娘のような女性だ。
 元々長年に渡り陽菜の母親が事務と秘書をやっていたのだが、失業中の娘をどうにかしてほしいというので採用したのだ。
「相談は日本人ではないって話だったね」
「はい、日本語があまり上手では無かったですし」
「友人が殺人事件の容疑者にされたと」
 つたない日本語と慣れない事務では詳細は望めない。
 殺人事件の容疑者という事で早くも脳裏に三浦探偵事務所への連絡が浮かんでいる。
 日本では立件されたが最後99%が有罪となる。
 それを嫌がらせのように押し下げようとしているのが、慶田盛弁護士事務所と三浦探偵事務所だ。
「殺人事件って本当に多いですよね~。どうして年間百件に収まるのかな?」
「それを知った所で僕らの仕事が減る訳ではないよ」
 言って慶田盛は弁当を食べ終わって、簡素なシンクで軽く洗って事務所の前に弁当箱を出す。
 そこで薄暗い階段を上ってくる浅黒い肌の青年と目が合った。
「時間早かったですか?」
 青年の言葉に敦は頭を振る。
「いや。僕が事務所にいる時間ならウェルカムだよ」
 慶田盛はドアを開いて青年を招き入れる。
 陽菜も弁当箱を洗っている所だ。
 青年を応接セットのソファーに座らせると陽菜が湯飲みを差し出す。
「あの、これ、お茶ですけど、コーヒーや紅茶の方が良かったですか? 普段は何を飲んでるんですか?」
「気にしない、いいよ。お茶飲める。ケダモノセンセイ?」
 青年が顔を向けてくる。名前が一字違うだけで犯罪者のようになるのはなぜだろう。
「ケダモ、リ。ね。ケダモノだと犯罪者になってしまうからね」
 慶田盛は冗談めかして言う。
「日本語難しいね。やっぱり分かってきたよ」
 青年がポケットからスマートフォンを取り出す。
 Google翻訳にした方が手っ取り早いと判断したのだろうか。
「センセイこれ見る」
 音量を絞ったスマートフォンの暗い映像の中で、人間の姿が揺らめいている。
 だが、暗いと思ったのは無数の黒い物体のせいだった。
 首から上はシャンプーハットを逆さにして守っているが、全裸の身体に無数のネズミが食らいついているのだ。
 映像の中の女性が声の限りに叫ぶが、ネズミは本能のままに肉を貪る。
 慶田盛は食べたばかりの昼食が逆流するのを感じる。
 仕事柄死体の写真は見慣れているが、死んでいく姿を見る事は稀だ。
「これが被害者なのか?」
 慶田盛の言葉に青年が頭を振る。
「ニャンの妹。ニャンはヤクザを殺したと言われて警察に捕まった」
「どういう事かな……この映像は被害者ではないと?」
 こちらの言う事はちゃんと分かるらしい。青年が首を縦に振る。
「フホウタイザイシャだけど、フホウタイザイシャじゃない。二百万円払って日本に勉強に来たよ」
 それを聞いて慶田盛はヤクザの外国人ビジネスを考える。
 発展途上国で日本で日本語と職業の勉強ができると言って人を集める。
 集めた人間を女性なら性風俗、男性なら肉体労働で強制的に働かせるという訳だ。
 しかも、金を払っているのに違法な形で就労している為に警察に訴える事もできない。
「ヤクザが殺されて、この映像を見つけた警察が僕たちがフクシュウしたんだと決めつけた。でも、家族や仲間がどこでどんな風に働かされているか、僕たちには分からないね」
「このスナッフビデオが出て来たから、ヤクザを殺したのは外国人だという話になった訳か」
「たぶん、そう」
 青年の言葉に慶田盛はため息をつく。
 いつもながら警察の短絡的な発想には驚かされる。
 映像の被害者の兄だから、ではなく、外国人だから、という理由が正解なのだろう。
 強制送還で母国の警察に引き渡してしまえば万事解決だ。
「状況は分かった。詳しいアリバイ何かは当事者のニャンさんに聞かないと分からないだろうね」
「ニャンはもっと訳が分かっていないね。ビデオも見てないと思うね」
「それは分からないだろうね。でも、弁護する為には本人と契約しなきゃならないんだ。それと、君の名前を聞けるかな」
 映像で驚いてしまったが、最初に聞くべきなのは相手の素性だった。
 慶田盛は待ち受ける裁判を思い身体を奮い立たせた。
  〈2〉
  「さみー。何でヒーター壊れてんだよ」
 屋内でダウンジャケットを着た健が、真夏の蠅のように両手をこすり合わせる。
「いきなり大金使ったら税務署に嗅ぎつけられるからでしょ」
 こちらもダウンベストを着た加奈が身体を丸めて言う。
 三浦探偵事務所は目下冬将軍と熾烈な戦いを繰り広げている。
 コートに身を包んだ清史郎は残念な思いで石油ファンヒーターを眺める。
 五年ほどしか使っておらず、特に壊れるような事もしていないのだが、十二月に入りいよいよという所でスイッチを入れた所全く反応しなかったのだ。
 ファンヒーターくらい買っても税務署は動かないだろうが、先の事を考えるとジョーカーとして稼いだ金はなるべく温存しておきたい。
「そもそもさ、何で調査費用が十万円とかなんだよ。一週間以上かかってんだからもっと取らねぇと割に合わねぇだろ」
「私一人の時はそれでもやれてたんだ」
 清史郎はため息をつく。健と加奈はよくやってくれているが、急に価格を上げたりしたら慶田盛探偵事務所が潰れてしまう。
「私、あんまり役に立ってないのかな」
「そりゃ、俺たち寒がってるだけだもんな」
「営業に行けとは言わないよ。仕事が増えてもこなせないんじゃ意味がない」
 清史郎は苦笑する。
 実際、健と加奈は充分に捜査の役に立っているし、依頼もこれまでにないほど順調にこなせている。
 ――問題は価格設定か――
 清史郎は今更ながらにどんぶり勘定の事務所の事を考える。
 商店街の好意が無かったら今頃廃業していてもおかしくないのだ。
 と、事務所の電話が着信を告げる。
 すかさず加奈が電話に応答する。
「はい、三浦探偵事務所でございます。はい……ああ、慶田盛さん?」
 声のトーンが余所行きのものから身内のものにトーンダウンする。
「……今から、いいですけど……二時半から地裁だから? ミンさんを置いていく?」
 加奈の通話を傍から聞いているだけではさっぱり意味が分からない。
「分かりました」
 言って受話器を置いた加奈が顔を向けてくる。
「ヤクザが不法滞在者を使ってスナッフビデオを作ってて、ヤクザが殺されたから犯人は不法滞在者だって事になって、ミンさんの友達のニャンさんが警察に捕まったんだって」
 要点をまとめた話だが、まとめられ過ぎていて話を理解しづらい。
「詳しい事は慶田盛さんとミンさんから。で、慶田盛さんは二時半から地裁で裁判があるから、長居はできない」
「相変わらずあのオッサン、無茶振り半端ねぇな」
「それだけ多くの人に信頼されてるんだよ」
 清史郎は健に答えて言う。
 加奈がガスコンロで茶を入れる為に湯を沸かし始める。
「なぁ、ジョーク、スナッフビデオって何だ?」
 手持ち無沙汰な様子の健が訊いてくる。
「殺人の様子を写したビデオや死体を損壊するビデオだな」
「それって写したヤツは殺人犯か死体損壊じゃねぇのか?」
「殺人ほう助にも相当するな」 
 清史郎が言うと健がPCのキーボードを叩く。
「どの道ヤクザが人殺しをしたって事には変わりないんでしょ?」
「今の段階では何とも言えないな」
 清史郎は腕組みをして言う。
 ジョーカー事件で矢沢が失脚した為、矢沢組は現在若頭の緒方が臨時的に取り仕切っている。 
 新庄市でトップにならないという事は、緒方にはそれなりに慶田盛や清史郎のリスクが見えているという事になるだろう。
 だとすれば、理性的な緒方がスナッフビデオなどというリスキーでリターンの小さいビジネスに手を染めるとは考えにくい。
「問題は殺されたヤクザが本当に不法滞在の外国人によるものなのかって事だ」
 清史郎はかじかむ手を揉みながら言う。
 加奈がガスコンロをつかっているせいか室温が幾らか上がった気がする。
「警察はそう考えてるんだろ」
「もっと穿った見方をすれば、日本語も満足に話せない外国人を犯人に仕立て上げて、強制送還で証言できないようにすれば検挙率を上げられるという話にもなるな」
 健に答えて清史郎は言う。
 目下最も高い可能性がそれなのだ。
 ヤクザの死体発見がいつで、被告がいつ逮捕されたのか不明だが、殺人事件がそんなに簡単に解決する訳が無い。
 ドアが開き、慶田盛と浅黒い肌の東洋人が姿を現す。
「清史郎、すまん。次の裁判まで時間が無い」
 慶田盛が息を切らして言う。
「分かった。そこの……ミンさんから話を聞けばいいんだろう?」
「また後で話を聞かせてくれ」
 慶田盛が慌ただしく事務所を出ていく。
「どうぞおかけ下さい」
 加奈がミンを事務椅子に誘導する。
 座面の破れていない唯一の椅子だ。
「私たちは依頼者の秘密は守る。盗聴の心配は無用だ」
「まぁ、絶対の防諜ってのは無ぇんだけどな」
 健が余計な事を言う。
 ミンがスマートフォンを取り出して経緯を語る。
「ジョーク、すまねぇ、俺、トイレ行ってくる」
 スナッフビデオを見た健がトイレに行こうとする。
「ちょっとあんた我慢……」
 加奈が胃袋の辺りを押さえて言葉を詰まらせる。
「二人とも、トイレは一つだからな」
 清史郎が言うと二人が先を争うかのようにしてトイレに向かう。
「殺されたヤクザの事は?」
「私たち知らない。分からないよ」
 ミンが皆目見当がつかないといった様子で言う。
「つまり現状では訴えの被害者すら分からないという事か……」
 拘留中のニャンに会いに行かない事には、殺されたヤクザの名前も分からないという事だ。
 慶田盛が弁護士として拘留中のニャンに会いに行く事は正当な権利として認められるが、清史郎は会いに行った所で面会すらさせてもらえないだろう。
「うえぇ~、今日絶対うなされるわ、これ」
 げんなりした様子で健が戻ってくる。
「殺されたヤクザはヤザワグミとかいうヤクザ」
 やはり、と、言うべきか。新庄市最大、関東広域指定暴力団ともつながりの強いヤクザだ。
 健がヘッドフォンをつけてPCの操作を始める。
「矢沢組構成員畑中猛二十八才。住所は市内。仕事は外国人労働者のブローカー。矢沢組の方から捜査依頼をかけたらしい」
 健が早速情報を拾って来る。何度か新庄市警に侵入し、健に言われた通りに機材を設置して来たのだ。
 お陰で警察のデータベースは好きなように見る事ができる。
「現場の写真って……これもスナッフ何とかじゃねぇか!」
 PCの画面からのけ反るようにして健が言う。
 風呂の椅子程度の椅子に立たされ、首に輪をつけられた男が吊るされ���おり、回転ノコギリが片足に押し当てられる。
 それもすぐに切り落とすのではなく、職人が金箔を張るようにゆっくりと嬲るようにだ。
 被害者のヤクザは何とか首つりを逃れようとする。
 映像を早送りすると片足が切り落とされた時点で、まだヤクザは持ちこたえている。
 覆面をした男がヤクザの頭から蜜のような粘液室のものをかける。
 覆面をした男が消えると画面に丸々と太った無数のネズミが現れる。
 ネズミたちが先を争うようにヤクザの身体に食らいつく。
「何、今度は拡大して見てんの?」
「違うって。こっちは殺されたヤクザの方だ」
 戻って来た加奈に答えて健が言う。
「殺人の手口を見ると同一犯のようだな」
 清史郎は考える。
「健、ミンさんの映像とこの殺人現場の映像の場所を比較できるか?」
 清史郎の言葉を受けて健がキーボードを叩く。
 ミンのデータが引き延ばされ、画面に表示される。
 二台のディスプレイにそれぞれの殺人現場が表示される。
 部屋はどちらもコンクリート打ちっぱなしの地下室のような光源の無い部屋だ。
 もっとも、被害者は絶叫しているだろうから防音も兼ねているのだろう。
「似てるけど……違う」
 画面を観察しながら加奈が言う。
 一見すると同じような部屋に見えるが、加奈は早くも何か発見したのだろうか。
「被害者の目。光の映り込みがニャンさんの妹さんは左右からなのに、ヤクザは正面全体になってる」
 加奈に言われて観察すると確かに被害者の瞳に反射している光の光源が違う。
「床もホラ……最初の部屋はフローリングっぽいのに、二回目の部屋は床がリノリウムみたいにフラットになってる」
 加奈がグロテスクな映像を確認しながら言う。
「つまり殺害現場は別という事か」 
 清史郎は腕組みをして考える。
「死体遺棄現場の映像出すぜ」
 健が言うとヤクザの方の画面に静止画像で全身を食い荒らされ、正体不明になった男の映像が映る。
 場所は矢沢組の門の前、車から放り出されたらしく血が飛び散っている。
 少なくとも遺棄された時点では瀕死とはいえ息はあったという事か。
 死体の傍らにはスナッフビデオのDVDのディスクの入ったケース。
 これは死体を放置した後に放られたものらしい。
「こりゃ矢沢組キレるって」
 健がため息をついて言う。
「指紋や遺留物は?」
「ケーサツそこまで調べてねーよ」
 健がミンが持ってきたのと同じ映像を画面に表示させる。
 画面が分割され、加えて七件のスナッフビデオが映し出される。
「つまり、八人の外国人が殺されたから、同じような方法でヤクザを殺したって考えた訳?」
「そーゆー事らしいぜ? これまでの八人は死体も出てねぇんだし、模倣犯の線が濃厚だ……と」
 加奈に答えて健が画面に事件のファイルを表示させる。
 被害者は十二月三日、矢沢組の門の前で見つかった。
 矢沢組は警備会社と契約しており、門には監視カメラがあったがタイムラプスビデオで軽トラックが近づく所と去る所しか映されていない。
 タイムラプスビデオとは長時間録画をする為に数秒間に一コマの映像となっている。
 従ってタイミングを知っていれば数秒間は完全に画面から消える事ができるのだ。
 画面に移された軽トラックは流通量の最も多いハイエース。
 ナンバープレートには段ボールで覆いがしてあり陸運局に問い合わせる事はできない。
 運転席に映っている運転手と助手席の人物は目出し帽子を被っており性別の確認もできない。
 DVDを見た刑事課は市内の工場で不法滞在で働いているニャンを逮捕。
 強制送還の方向で事件は解決に向かっている……。
「不法滞在者による狂気の大量殺人……これが警察のプレス発表だっての?」
 加奈が声を上げる。
「ええと……現在国内には多くの外国人がおり、犯罪が頻発しています。今回の事件はこうした外国人の起こした猟奇的なものであり、日本国民が傷つけられるという最悪の事態を引き起こしました。警察は今後外国人の取り締まりをより厳重なものとし、厳罰化していく所存です」
 健が警察発表の草案を読み上げる。
「何かおかしくない? 仮に八件と別の犯人だとしても、殺されているのは外国から来ている人なんでしょ?」
「論点をすり替えているんだ。事件が起こった事が問題ではなく、外国人がいる事が問題なんだとな」
 加奈に答えて清史郎は言う。
「誰がどこで働こうと勝手じゃない。それに外国人の人たちは保険や年金も使えないんでしょ?」
「日本人の税金を外国人に使うな、って意見の方が多いみたいだぜ?」
 プレス発表より先に漏洩したネットニュースに反応した人々の書き込みを健が���示する。
「外国人が日本に来て死ぬのは当然の結果か……モラル低下もここまできたか」
 清史郎は苦い気分で言う。安い労働力として何の保障もなくこき使っておきながら犯罪者扱いする。
 外国人がアジアから来ている場合には特に顕著だ。
「この事件、このままじゃダメだよ。ね、ジョーカー」
 加奈の言葉に清史郎は頷く。
「まずは警察側の発表を覆さないとな」
 清史郎は合計九件のスナッフビデオを画面に表示させる。
 犯行個所は三か所と見られ、外国人が殺されている映像と畑中の殺されている場所が同じものが二つ存在している。
「ホラ見ろビンゴだ」
 健が声を上げる。これで九件の事件は同一犯の可能性が高くなった訳だ。
「そもそもこれだけ大量のネズミを飼育しておける環境が必要なんだ。模倣しようとしてもネズミを急に揃えるなんて事ができる訳が無い」
 清史郎の言葉に加奈が画面の一転を指さす。
「白いネズミ! どの映像にも必ず白いネズミが映ってる」
 よくよく見れば薄汚れているがグレーに近い灰色のネズミがどの映像にも混じっている。
「よっしゃ! これで犯人は同一犯ってこったな」
 健が声を上げてPCのキーボードを叩く。
 事件現場の映像とネズミの映像をまとめてファイリングする。
「でも真犯人に近づいたって訳じゃない」
 加奈が苦い表情で言う。
 確かに警察のロジックは崩せるが、肝心の犯人については不明のままなのだ。
「警察の野郎、市内の外国人を抜き打ち調査するつもりみたいだぜ」
 データを引き抜いた健が眉を顰める。
 大規模な取り締まりをすれば市民の目が逸れると考えているのだろう。
「この事件を起こしたのが何人かなどという判断は現段階ではできない。まずは事件の真相を探る」
 清史郎の言葉に健と加奈が頷く。
「よろしくオネガイシマス」
 ミンが小さく頭を下げた。
  〈3〉
 
  清史郎は新庄市警本部の窓口を訪れている。
「三浦探偵事務所の三浦清史郎です。捜査一課の風間警部補にお話しがあります」
 周囲が警察官だらけという落ち着かない環境下で、清史郎は周囲を観察する。
 事件の事を知っている者も多いのだろう、清史郎が来ただけでおおよその要件は掴めているようだ。
「まずはアポイントメントをとって下さい。取材であれば後日広報が応対致します」
 窓口の女性警察官が言う。
「これから警察が嘘たれ流そうとしてんだよ! 証拠持って来てやったんだぞ!」
 健が声を上げると周囲の警察官の目が集中する。
「情報提供です。警察が入手されているスナッフビデオに関して重大な証拠がありました。お会いできないと言うのであればインターネットで公開します」
 清史郎の言葉に受付の警察官が動揺を浮かべる。
「インターネットは情報として証拠能力を持ちません。情報をどのように流されようと結果は変わりません」
 上席らしい警官が窓口に現れて言う。
「そうでしょうか? ではスナッフビデオも画像加工された証拠能力の無いものとみられるはずです。それを根拠に犯人を捜される事の正当性を伺いたい」
「捜査情報はこちらからは漏らせん。貴様どこから情報を得た?」
「矢沢組です」
 清史郎の言葉に警官が気圧されたような表情を浮かべる。
「少々お待ち下さい」
 矢沢組の名前を出した途端、警官の態度が変わり内線で電話をかける。
 ややあって捜査一課の風間真一が姿を現す。
 髪をオールバックにした固太りの男で二人の警官を従えている。
「どうぞこちらへ」
 睨みつけるようにしながら顎をしゃくる。
 清史郎は二人を連れて警察署の廊下を歩く。
 盗聴器は手にしていないが、仕掛けてある盗聴器は作動している。
 三人は風間に続いて取調室に入った。
「ワレ、矢沢組の名前だしてどういうつもりじゃゴルァ!」
 風間がスチールのデスクに拳を叩きつけて声を上げる。
「被害者の一人は組員でしょう?」
「ア、   コラ、適当抜かすと任意同行でしょっ引くぞ」
 風間が息がかかる程の距離に顔を近づけてくる。
「一つ忠告する。矢沢組の組員が被害者になっている事件で、適当な真似をすれば報復を受ける事になる。立件した後に模倣犯が出て矢沢組の組員に死者が出た時どう落とし前をつけるつもりなのか伺いたい」
 清史郎の言葉に風間の顔色がどす黒いものとなる。
「随分上から目線じゃのぉ、警察ナメとんのかドルァ!」
「目線の問題ではなく、事実を申し上げたまでです。今後同様の事件が起きた時、矢沢組に対してどう釈明するつもりですか?」
 清史郎の淡々とした口調に風間が奥歯をぎりりと鳴らす。
「なんぞ証拠があるんかい。出せるもんなら出してみぃや!」
 清史郎は健の肩を叩く。
 健が落ち着かない様子でDVDディスクを取り出す。
 DVDを手にした風間が顎をしゃくると警官がノートPCを抱えて慌てて戻ってくる。
 DVDの映像を見ていた風間の額に汗が滲む。
「映像情報から判断する限り、全九件は同一犯の可能性が濃厚です。外国人が報復したというシナリオは使えません」
 清史郎の言葉に風間が鼻白む。
「だからなんじゃ、映像が証拠になるとでも思うとるんか」
「そっくりそのままお返しします。映像証拠で外国人を摘発する���ですか?」
 清史郎の言葉に風間がスチールデスクを殴りつける。
「ド畜生の三流探偵が!」
「矢沢組の体面、もう少し慎重に捜査された方がよろしいかと」
 清史郎の言葉に風間が舌打ちする。
「去ねや! 顔も見たくないわ!」
 言うだけ言って室内から風間が出ていく。
 これで風間はプレス発表を控えるだろう。
 警察が体勢を立て直す前に真犯人を捕らえて起訴するのだ。 
 
 
〈4〉
  「もーやだ。警察行きたくねー」
 警察署を出た健ががっくりと肩を落として言う。
「任意同行って、何の容疑だっつーの」
 加奈が肩を怒らせる。
「これから何度でも相手をする事になるんだ。慣れておけ」
 清史郎の言葉に二人がため息と共に首を縦に振る。
「で、これからどーすんだ? 警察のプレス発表遅らせただけだぜ」
「矢沢組だ。これからようやく捜査ができるんだ」
 清史郎が言うと健がさも嫌そうな表情を浮かべる。
「警察の次はヤクザなんてどんな厄日だよ」
「そういう職業なんだよ」
 清史郎は改造したフォルクスワーゲンビートルに乗り込む。
 健が後部座席に、横に加奈が乗る。
 清史郎はエンジンをかけながら矢沢組の短縮ダイヤルを押す。
『はい、矢沢組です』
「三浦探偵事務所の三浦清史郎と申します。若頭の緒方さんに取り次いで頂けますか?」
『少々お待ち下さい』
 清史郎が車を走らせていると、ややあってよく通る低い声が響いた。 
『緒方です。三浦探偵事務所様がどういったご用件ですか?』
「昨日未明に玄関で殺されていた畑中氏の事件を調査しております。是非一度現場を見せて頂きたく思いご連絡させて頂きました」
 清史郎が言うと一瞬間を開けて。
『その事件については警察は既に解決したと言っています』
「それを覆す証拠が出たのです。警察はこのまま冤罪を推し進めるでしょうが、それが矢沢組にとって有益だとはとても思えません」
『覆す情報?』
「全九件の画像を確認した結果、犯行は同一犯によるものである可能性が濃厚になりました。畑中氏が殺されたのは外国人による報復という事は文脈から読み取れません」
『そういう事であれば……』
「これからお伺いさせて頂いて構いませんか?」
『現場は若い衆に命じて掃除してしまいましたが……』
「可能な限り可能なものを収集させていただきたいと思います」
『分かりました。調査の邪魔にならないよう手筈を整えます』
 言った緒方が電話を切る。
「何かヤクザのが警察よか紳士的じゃね?」
 後ろで聞いていた健が言う。
「実るほどに頭を垂れる何とやらでな、力を持ってるヤツの方が謙虚なんだよ。まぁ、怒らせれば話は別だがな」
 清史郎が言う脇で加奈が頷く。
「私たちは貧乏でも謙虚じゃない?」
「お前たちは充分人間ができてるよ」
 清史郎は苦笑して言う。
 今回の事件はまだ何の手がかりも無いに等しいが、この二人が居れば難解な事件も解決できる筈だった。
  「ご苦労様です。緒方です」
 鋭角的な顔立ちの、ビジネスマンといった風体の細身の男と清史郎は握手を交わす。
「三浦探偵事務所の三浦清史郎です」
 清史郎が言うと緒方は軽く息を吐いた。
「堅苦しい話は無しで行きましょう。同一犯の証拠というのは?」
 清史郎は健の肩を叩く。
 健がラップトップを叩いて画像を表示させる。
「犯行現場、殺害方法、殺害に用いたネズミが一致するんです」
 清史郎はかいつまんで言う。
「なるほど、確かに。しかし、彼らが同胞を殺したという見方もできるのでは?」
「そうなると犯人がどのようにターゲットを絞っているのかが不明になります。畑中さんは明らかに日本人ですから」
 清史郎の言葉に緒方が顎を摘まむ。
「畑中は外国人労働者を買うブローカーをしていました。シノギとしては小さなものです。外国人労働者から恨みを買う事は充分に想像できます」
「確かにその通りです。だとするなら同胞を殺した事は……」
「理屈に合わない。確かに。ではこの事件は外部何者かによる意図的なものであると?」
「意図は分かりませんがね。玄関の監視カメラの映像を見せて頂いて構いませんか?」
 清史郎が言うと緒方以外の組員が身体を固くする。
「ご自由にご覧下さい」
 清史郎は緒方についてモニタールームに向かう。
 矢沢組の周囲と内部を写したカメラ映像が二十四枚並んでいる。
 清史郎は潜入した事があったが、これだけの監視カメラを潜り抜けるのは至難の業だった。
「犯行の映像が映っているのは玄関のカメラだけでした」
 緒方が言うと組員が畑中が捨てられていく一瞬を映し出した。
「残念ながら映像は捨てる前と後しかありません」
「タイムラプスビデオでは仕方がありません。ですがここに見逃せない点があります」
「ここに?」
「まず、タイムラプスビデオの六秒の間に瀕死の畑中さんを捨てなければならなかった。これは玄関のビデオのタイムラグを知らないと不可能です」
「内部犯という訳か?」
 緒方の口調が苦いものとなる。
「更に六秒という事を考えると、一度車を停めてから降ろす時間的余裕は無かったはずです。だとすれば荷台に最低二人は乗っていないと実行は困難。即ち運転手と助手席に人間を合わせ最低四名は犯行に必要だったという事です。従って単独犯という事はあり得ません」
 清史郎が言うと健と加奈も驚いたような表情を浮かべる。
「タイムラプスビデオに映っているという事は時速二十キロ以下に減速していたことは間違いないでしょう。大人二人で荷台から放り投げたと考えるのが現実的です」
「つまりはこの映像を入手できる者で、なおかつ四人以上のグループという訳だな?」
 険しい顔で緒方が言う。
「そういう事になります」
 清史郎は二十四枚のディスプレイを眺める。
 普通の人間は他人の家の防犯カメラの映像など入手できない。
 しかし、警備関連の企業に勤めていたり、矢沢組を出入りする人間の数を考えると途端に関連する人間の数は多くなる。
「組員では無いと信じたい。あのような拷問を無差別に行う組織だと思われれば商売が成り立たなくなる」
 緒方が眉間に皺を寄せる。口調こそ穏やかだが、犯人が目の前にいれば問答無用で殺すかも知れない。
「畑中さんの当日の動向は分かりませんか?」
「畑中はフューチャー人材ネットという会社の社員をしていました。会社の方に記録が残っているはずです」
「その会社は……」
 清史郎が訊こうとすると緒方が口元に薄い笑みを浮かべた。
「現代の奴隷商人ですよ」
 本当に恐ろしいのは風間のようにがなり立てるのではない、こういった事を涼しい顔で言える人間なのだ。
  〈5〉
  「ヤクザって結構マトモっぽくね? もっと警察みたいに怒鳴られるのかと思ったぜ」 
 フューチャー人材ネットに向かう途中、キーボードを叩きながら健が言う。
「私は何か怖かったな。人があんな惨い殺され方をしてるのに」
 加奈が恐ろしいものでも見たかのような口調で言う。
「ヤクザはナメない方がいい。殺す時は問答無用だし、殺されても死体なんぞ出てこないからな」
「マジっすか?」
 健が声を上げる。
「お前、工事現場で働いてたのに何も聞いてないのか?」
「現場とヤクザっすか? 仕事を回してもらうとかあるみたいっすけど」
「コンクリートミキサーに死体を放り込んでみろ、DNAも出てこないぞ。大型の開発やビルなんかじゃ何人砂粒になってるか分からない」
 清史郎が言うと加奈が首を竦める。
「怖っ!」
 健が声を上げる。現場勤めが長かったから光景が想像できたのだろう。
「で、これから行くフューチャー人材ネットってのはどんな会社なんだ?」
「黒い人材派遣会社っすね。有給が使えないとか、病欠したくても電話がつながらないとか」
 検索していた健が言う。
「良かったぁ~。私登録しようとしてたんだ」
「やめとけやめとけ。解雇通告無しに解雇して保証金も払わない会社だ」
 加奈に答えて健が言う。
「まぁ、ヤクザが経営している人材派遣会社だからな」
 清史郎は苦笑する。元から人材派遣などという業態は真っ当ではない。
 労働量が同じでも正社員のように保障がある訳ではなく、退職金も出ないのだ。
 気概があるなら独立した方がまだまともな人生を歩めるだろう。
「世の中にまともな部分がどれだけあるかって考えちゃう」
「考えるだけ無駄だって。この会社が不法滞在の外国人のブローカーの表の顔なんだろ」
 健が加奈に答える。
「腐る大捜査線かぁ~」
 加奈の言葉に清史郎は小さく噴き出す。
 昔似たような名前の刑事ドラマがあったからだ。
 近くのコインパーキングにビートルを停め、フューチャー人材ネットの入った雑居ビルに足を踏み入れる。
 フューチャー人材ネットは広さは三浦探偵事務所とさほど変わらないものの、水色の絨毯が敷いてあり、パーテーションで区切られた現代的な雰囲気の事務所だった。
「三浦探偵事務所の三浦清史郎です」
 清史郎が受付で言うと奥から同年代のハゲタカを思わせる痩せた男が出て来た。
「フューチャー人材ネット代表鴻上純也です」
 名刺を交換し、パーテーションで区切られた面談室に案内される。
「緒方さんから話は聞いています。可能な限り協力しろと言われています」
 清史郎は内心で頷く。緒方は既に手を回してくれているらしい。
「まず、畑中猛さんの一昨日の勤務状況を伺えますか?」
「九時五時ですね。実際には六時半まで残業、以降は一人で帰っています」
「寄り道、例えば行きつけのバーなどはありませんか?」
「最近の若い子はあまり飲まないようですね。オフの事は残念ながら分かりません」
「勤怠について最近異常はありませんでしたか?」
「ありません。何故いきなり死んだのか分かりません」
 鴻上は本気で当惑しているようだ。
「念のため畑中さんの住所と電話番号を伺えますか?」
 鴻上が持参していたラップトップを操作する。
「住所は新庄市高台十二―五メゾンハイツマンション五〇五。電話番号は070―××××―××××です」
「御社は海外の人の派遣も行っていたそうですが、トラブルはございませんでしたか?」
 清史郎が言うと鴻上は意外にも同様した素振りも見せなかった。
「海外の人材とのトラブルは特にありませんでした。彼らは日本では地盤がありませんし、地元ではヤクザの力が強い。ご存知無いかも知れませんが世界最大のマフィアは日本の組なんですよ。経済力で言うと最大の組だけで日本の企業上位六位の八兆円の規模になります。弱小国家など相手になりません」
 鴻上にとって組に所属する事は汚名では無いようだ。
「つまり逆らう事など思いもよらないと」
「そういう事になりますね。もっとも現地では現地人を使っていますが」
 鴻上が言った所で四人に茶が運ばれてくる。
 剣呑な話をしているはずだが、事務員に動じた風は無い。
「同業他社とのトラブルは考えられませんか?」
「日本のヤクザは互いに杯を交わして兄弟となっています。互いのビジネスに悪影響を及ぼす事は代紋に泥を塗る事になります。それは断じてありません」
 最もありそうな可能性が早々に否定された。
 もっとも、あったとしても表ざたにはできないという所もあるのだろう。
「単刀直入にお聞きしますが、殺された事に心当たりはありませんか?」
「ありません。あったとすれば、殺された外人が高跳びしたと考えて探し出そうとしていた事くらいです」
「では外国人労働者の死亡も知らなかったと」
「寮の連中も突然消えたと言っていたくらいです。とはいえ隠している可能性もありましたので地元とも連絡を取って探してはいました」
 フューチャー人材ネットは消えた外国人労働者を捜索していた。
 実際に捜索していたかどうかはミンなりニャンなりに訊けば分かるだろう。
「では捜索中に殺されたという可能性もある訳ですね?」
「何をしている最中だったかは分かりかねます」
 鴻上が答える。これ以上質問しても有意義な答えは返ってこないだろう。
「外国人労働者の寮のある場所を伺えますか?」
「パレステラスガーデンの二階が寮になっています」
 清史郎はパレステラスガーデンの住所を控えると健と加奈を連れてフューチャー人材ネットを後にした。
  〈6〉
   清史郎は家主に事情を言って鍵を開けてもらい、畑中のマンションを訪れていた。
 ワンルームの壁の薄い建物で、床にはカップ麺とスナック菓子の袋が散乱している。
「健、あんたの部屋とどっちが汚い?」
「せめてどっちが綺麗って聞き方しろよ。俺の部屋の方がきれいだって!」
 健が加奈に応じて言う。
「健、PCで分かる事を探ってくれ。加奈は俺と一緒に部屋の中を探ってくれ」
 清史郎が言うと健が畑中のPCに取り付き、加奈が口元をハンカチで押さえながら部屋の奥へと入っていく。
 健が持参したPCを畑中のPCに接続して操作し始める。
 画面上でパスワードの黒い●が点滅している。
「健、何をしているんだ?」
「パスワードを割ってるんっす。文字の数字の組み合わせは天文学的な数になるから手作業なんてしてられねぇっつーか」
「〇〇三一五は?」
 デスク回りを見て清史郎は言ってみる。
「あー! 何で分かったんっスか! ジョークすげぇ!」
「すごいも何もデスク周りの写真がかたっぱしから自撮りだろ? それだけ自分が好きならオレサイコーって入れてもおかしくないだろう」
「超馬鹿っぽい! でもパスワード解析する手間が省けたぜ」
 健が猛然とキーボードを叩き始める。
 加奈は部屋のクローゼットの前に屈みこんでいる。
「加奈、何かあったのか?」
「いや、意外に勉強家だったんだなぁ~って」
 加奈が調べていたのは語学のテキストの山だった。
 海外の人材を集めていたのだから英語は必須スキルだったのだろう。
「ヤクザでも仕事は一生懸命にやってたって事か」
 一所懸命に悪事をするというのは依然知り合った殺し屋円山健司を思い出す。
「そっちは英語の参考書っすか?」
「ああ。そっちはどうだ?」
「英語のオンラインレッスンとゲームとエロサイトばっかりっすね」
 畑中は英語だけは真面目にやっていたらしい。
 清史郎は玄関に戻ってドアの周りを丹念に調べる。
 ピッキングされた形跡は無く、靴の乱れも無い事から突然押し入られたという事でも無いらしい。
 部屋から連れ去られたので無ければ、移動中に拉致されたという事だろうか。
 ――やはり顔見知りの犯行が濃厚か――
 しかし、それならば緒方が何か知っていても良さそうなものだ。
 ――今は地道に情報を集めるだけだ――
 外国人労働者の寮は一階に大日警備保障という警備会社の入ったマンションにあった。
 立地から考えて大日警備保障も矢沢組系列だろう。
 清史郎たちが訪ねるとミンが仕事から帰った所だった。
 ワンルームの部屋に二つ二段ベッドが並べられ四人が生活しているようだ。
「ミウラさんこんにちは」
「ミンさんこんにちは」
 清史郎が挨拶するとミンが同僚に向かって早口の外国語で説明する。
 狭苦しい中に招き入れられ、ジャスミンティーを勧められる。
「これまで殺された人はみんなこの寮の人かい?」
 清史郎は心苦しく思いながらも八人の映像を見せて訊ねる。
「ちがう人もいるよ。知らない人もいるよ」
 残酷な映像に顔を顰めながらもミンが言う。
「同じ寮の人は?」
「リンとホワン」
 ミンが二人を指さす。この寮の人間は合計三人殺されたという事だ。
 この寮で働く人間にとっては気が気ではないだろう。
「殺された人たちに共通点は?」
 映像を確認する限りある程度若いという以外は年齢も性別もバラバラだ。
「分からない」
 残念そうにミンが言う。
 言葉が足りないせいでこちらも質問する言葉が出てこない。
「ニャンさんの妹さんの家族か同僚の人は?」
「女の子の寮は別にあるよ。ニャンは警察に捕まったよ」
 ミンの言葉に清史郎はため息をつく。
「女の子の寮は?」
「会社が違うから分からないよ。フウゾクの会社だよ」
 連絡が充分につくという環境でも無いらしい。
「最近誰かに見られてると思ったり、尾けられてるって思った事は?」
「ツケラレテル?」
「尾行されてる……追われている……追跡されてる……」
「ごめんなさい。分からないよ」
 ミンが頭を振って言う。
 どうやらこれ以上聞き出せる内容は無いようだ。
「邪魔したね。取り合えず身の回りには充分に気をつけて」
 言って清史郎は健と加奈を連れてパレステラスガーデンを後にした。
  第二章       錯綜
  〈1〉
   十二月四日午前四時。
 スマートフォンの着信音で清史郎は目を覚ました。
 このような機械を発明した人間を呪いたくなりながら通話ボタンを押す。
「はい、三浦です」
『緒方だ』
 切羽詰まった口調で電話をかけて来たのは矢沢組の緒方だ。
「こんな時間にどうしたんですか? 事件に進展でも?」
『鴻上が殺された。例のネズミ殺しだ』
 突然の言葉に一気に目が覚める。昨日フューチャー人材ネットで会ったハゲタカのような男が一夜と経たずに殺されたのだ。
「警察には?」
『警察から連絡があった。新聞配達のバイトが死体を発見したらしい』
「場所は?」
『フューチャー人材ネットの入っているビルの真ん前だ』
 死体を発見したバイトはさぞかしびっくりした事だろう。
「分かりました。現場に向かいます」
 言って通話を切った清史郎は愛車のビートルに乗り込んだ。
   フューチャー人材ネットのビルの前には二台のパトカーと救急車が停まっていた。
 三人もの警官が動員されており、死体は既に救急車に搬入されている。
 周囲は黄色いテープで保護され、警官たちは近づこうとする人々を制止している。
「掃除が終わるまでしばらくの間近づかないで下さいね~」
 現場を見ようとした清史郎に警官が言う。
 証拠品は無いのか、何か手がかりになるようなものは。
 清史郎が身を乗り出すと赤黒い染みが見えた。
 鴻上が放置されていた場所だろう。
 フューチャー人材ネットの入っているビルの前には監視カメラは無く、今回の加害者は時間的余裕をもってビルの前に放置した事だろう。
 証拠は幾らでもありそうなものだが、警察が浚った後ではロクな収穫は望めない。
「三浦さん、朝早くからすみません」
 朝早くから一分の隙も無くスーツを着こなした緒方がやって来る。
「そういう商売なんでね」
「オイ、そこの警官。先生をお通ししろ」
 低い声で緒方が警官に向かって言う。
「……あの、どういったお話……」
「矢沢組の緒方だ。署長にでも確認を取れ」
 言ってズカズカと現場に踏み入って行く。
「三浦さん、犯罪捜査じゃこちとら素人だ。どうすればいいですか?」
 怒りを滲ませながら緒方が言う。
「被害者の身体はネズミに食い荒らされて指紋の類は無いでしょうし、犯人は手袋をしていた可能性が高いです」
 清史郎は赤黒い染みに近づいていく。
「車から降ろされたならまずブレーキ痕。後、血液に付着した微細証拠品がカギになる場合があります」
「ポリ! 先生の言う通りにしやがれ」
 緒方が言うと警官たちが右往左往する。
 どうやら鑑識キットも準備もして来ていないらしい。
「仕方ない。私の方で調べます」
 空が白々としてくる中、清史郎は道路に残された血液のサンプルを採取する。
 更に周囲を歩き回り、ブレーキ痕を確認する。
「ブレーキ痕は一般的な軽自動車のものです。急停止し痕が残ったものと思われます」
「前はタイムラプスビデオを避ける為だったな」
「今回は人目を避ける為でしょう。これは仮説ですが、死体にはブルーシートか何かがかけてあったのではないでしょうか」
 ビニールシートで巻いた死体を端を持って車から放り出したのだろう。
 やり方は荒っぽいが、証拠は残りにくい。
「現場にDVDは残されていませんでしたか?」
 清史郎が警官に尋ねると険悪な視線が返ってくる。
「DVDは無かったかと聞いているんだ」
 緒方が言うと警官がDVDを差し出してくる。
 差し出された所で再生できる機器も無い。
「指紋を採取してこれまで警察で採取されたものと照会して下さい」
「差し出がましい事を言いやがると……」
「言われた事をやりゃあそれでいいんだ」
 緒方が言うと血を上らせかけた警官が大人しくなる。
「後は近くの防犯カメラに軽トラックが映っていないかどうかですね」
 清史郎は言う。幸い三件隣にコンビニエンスストアがある。
 トラックの影くらいは残っているかも知れない。
「緒方さん、私はこれで」
「朝早くから済まなかったな。明日は畑中の葬儀だ。何か分かるかも知れない」
 緒方の言葉にうなずいて清史郎はコンビニエンスストアに足を向けた。
  〈2〉
  「新庄工科大学?」
 モーニングコールでいつもより早く呼び出された健が清史郎の言葉に問い返す。
 事務所の寒さは外気温と左程変わらず、早急なヒーターの購入の必要性が感じられる。
「それって鑑識的な事をするって事?」
 加奈が朝七時にも関わらず張り切った口調で言う。
「ああ。血液とネズミの唾液くらいしか出ないだろうが、死体は少なくとも現場に一度は降ろされたはずだし、何かに包まれて遺棄現場まで運ばれたはずだ。つまり、殺害現場と包んだものの痕跡が残っている可能性があるんだ。血液には粘着力があるからね」
 清史郎は採取した小さなビニールの密封パックを見せる。
「でも、現場に最初からあったゴミも付いてる訳よね?」
「それを大学の分析機器で分析してもらうんだ」
「ジョーク大学のセンセに顔がきくのか?」
 驚いたように健が言う。
「付き合いがあるからね。じゃあ出発だ」
 清史郎は二人を連れて市内の工科大学に向かう。
 前もって連絡していたせいもあり、工科大学の環境科学科の柴田一太教授が生徒たちと共に準備を整えている。 
「三浦さん久しぶりだね」
「柴田さんお久しぶりです」
 柴田は中肉中背よりやや中年太りをした男だが、ふくふくとした顔立ちをしておりメタボリックにありがちな不健康な印象は受けない。
「血液に付着したサンプルを採取したいという事だね」
「ええ。現場でこそげ取ったので道路のカスも多いと思いますが」
「それは優先的に除外するよ。確か現場候補のサンプル映像があるとか」
 柴田が興味深そうに言う。
「かなりグロテスクですが……」
 清史郎は健に映像を表示させる。
 柴田が口元を押さえながらも映像を食い入るように眺める。
「証拠らしい証拠は出ないかも知れませんよ?」
「と、言うと?」
「床がフローリングやリノリウムのような材質で、殺人の前後に清掃されている可能性が大きい。輸送中のビニールシートか何かに付着した物質なら検出可能だろうけど」
「おっさん、ここでは何を調べられるんだ?」
 健が柴田に向かって言う。
「ガスクロマトグラフィーと液クロマトグラフィー、更に原子吸光器もある。分析化学に必要な機材は揃っているよ」
「具体的にはどういった物質が検出できるんですか?」
 加奈が健が訊きたいであろうことを尋ねる。
「血液であればたんぱく質や鉄分や塩分が検出できるし、それを除外して町中を車で移動したなら排気ガスなんかを検出する事もできる。ビニールシートが新品なら保護用の粉末なりがあるだろうし、死体を縛ったなら何かの繊維が検出されるかも知れない」
「そんな細かいモンで何が分かるんだ」
 健が不思議そうに言う。
「それを考えるのが探偵だ。じゃあここは柴田さんに任せて慶田盛にニャンさんの話を聞きに行こうか」
 清史郎は一同を促してビートルへと戻った。
  「奇妙な事になったね」
 ニャンの弁護をする事になった筈の慶田盛が事務所の応接セットで言う。
「加害者が拘置所の中にいるのに十番目の被害者が出た」
 清史郎は湯飲みを両手で包み込むようにして言う。
 茶の淹れ方は加奈の方が上のようだ。
「警察側は不法滞在者の組織的犯罪として押してくるかも知れないね」
 慶田盛が茶をすすりながら言う。
「不法滞在者は矢沢組の監視下にある。寮の下に警備会社が入っているくらいだ」
 清史郎は昨日得た情報を慶田盛に告げる。
「警察にとっては犯人を逮捕する事が重要なんであって、逮捕する相手が誰かという事は自分たちに都合さえ良ければいいという事なんだ」
 慶田盛の言葉を清史郎は反芻する。
「矢沢組の外国人ブローカーは社長まで殺された。外国人ビジネスから撤退するのであれば警察との間で手打ちができるか……」
「外国人ブローカーがいいとは言わないけど、それじゃ何の解決にもなっていないんじゃない?」
 加奈が言う。確かにこれで十一番目の被害者が出てくるという事になれば外国人を一斉摘発しても元の木阿弥という事になる。
「つーかさ、気になってたんだけど、このエグいビデオって他人に見せるのが目的なんだろ? ンでこんな凝った殺し方してんだろ? だったら視聴者がいるんじゃねぇか?」
 健が指摘する。確かに他人に見せるつもりが無いのであればこれほど凝った殺し方をする理由が見当たらない。
「スナッフビデオの愛好者は世界中にいるからな……」
 慶田盛が腕組みをする。
「最初は八人連続でアジアの労働者だった。次はブローカーだ。外国人の労働者の失踪が珍しくない事なのだとしても、日本人でしかも会社の社長というのはな」
 清史郎は考える。単にスナッフビデオを撮影するというだけなら、残酷な話だが外国人労働者だけで良かったはずだ。
 ここに来てヤクザを殺し始めたというのは一体どういう風の吹き回しなのだろうか。
「一応、外国人保護のNPOに連絡はとってある。矢沢組との兼ね合いはあるけど、摘発という事になったら保護する段取りはできているよ」
 先手を打ったらしい慶田盛が言う。
「矢沢組もこれ以上組員の死体が出ればなりふり構わないだろう。犯人だってその恐ろしさは分かっているはずだ」
「これってアレだな、ラットマンVSジョーカーって感じだな」
 健が緊張感の無い事を言い出す。
「犯人の行動指針が全く読めない。これで事件は完全に終わりなのか、続きがあるのか、その��方も分からない」
 ラットマンがこの先も犯罪を続けるなら、警察の一斉摘発も空振りに終わるだろう。
 そうすれば警察の面目は丸つぶれだ。
 ――犯人の狙いはそれなのだろうか――
 だとしても根拠が薄弱すぎる。
 清史郎は健と加奈を引き連れてビートルに戻った。
  〈3〉
  「ジョーク、頼みがあんだけどさ」
 ビートルの車内で健が頼みづらそうに言う。
「何だ? 言うだけならタダだぞ」
「途中のホームセンターで石油ファンヒーター買ってくれ。外と室内とどっちが寒いか分からねぇし、指がかじかんでキーボード叩けねぇんだよ」
 清史郎はため息をつく。寒いのは仕方ないにしても、キーボードの叩けない健は文字通りただ飯食らいだ。
「しょうがないな。まぁ、長く使うものだしヒーターくらい買ってもバチは当たらないか」
「やりぃ!」
 健が嬉しそうに声を上げる。
「その分仕事もたくさんこなさないとね」
加奈の声も弾んでいる。
「所で健、さっきの話だが、誰かに見せる為に撮影したなら、その誰かを探し出すような事はできないのか?」
「ムリっす。動画配信だとしても、会員制になってるだろうし、そんなサイト幾らでもあるだろうし」
 確かに健の言う通りだろう。発信者と受信者のどちらも分からないのでは手の打ちようがない。
「気になるんだけどさ、あのビデオライト当たってたじゃん? あれって相当強いライトなんじゃない? 芸能事務所が使うようなさ」
 加奈の言葉に清史郎は頷く。
 確かに映像が鮮明過ぎた。普通のPCやスマートフォンのカメラで、普通の照明で撮影されたのであれば、あそこまで鮮明な映像にはならないはずだ。
「まさか……芸能事務所がそんな事をしてるとは思えないが」
「それは無いと思う。前に光源の話をしたと思うけど、芸能事務所やスタジオならレフ版とか使って光の当たり方を均一にするはず」
 加奈がその可能性を既に考えていたのか意見を述べる。
「じゃあ、4KカメラをPCにつなげて強い光を当てて……って、投光器あんじゃん! 現場用の」
 健が声を上げる。
「投光器ったって、ホームセンターで幾らでも買えるだろう?」
 清史郎の言葉に健が肩を落とす。
 ホームセンターで石油ファンヒーターを買い、ガソリンスタンドで灯油を買い込んで事務所に戻る。
 前の石油ファンヒーターは五年頑張ってくれたがこれで引退だ。
「はあぁ~、生き返る。これぞ文明の機器」
 健がファンヒーターの前で頬を緩ませる。
「あんたがそこにいたら室内に温風が回らないでしょ」
 コーヒーを沸かしながら加奈が言う。
「少しくらいいいじゃねぇか。減るもんじゃなし」
「ったく、事件の事も考えてよ。ジョーカー、何か分かった事無いの?」
「ブレーキ痕があったくらいだよ。深夜とはいえ急いでたみたいだな」
「フューチャー人材ネットに的かけてるとか?」
 健が席に戻りながら言う。
「それは昨日話したし、それなら外国人労働者を殺している理由が成り立たない」
 加奈が冷静に言う。
「誰かがフューチャー人材ネットの不正を暴こうとしてる」
「その為に殺人をも厭わないというのは、正義を働こうとしている人間のする事じゃないだろうな」
 清史郎は健の言葉をやんわりと否定する。
「何か良く分からない事件よね。殺人にはすごく凝ったり、痕跡にはすごく気を使ってるのに、殺す相手は行き当たりばったりみたいな」
 加奈の指摘は的を得ているかも知れない。
 被害者が外国人労働者だけで、これまで通り死体を残さないのであれば事件にすらなっていなかったはずだ。
 それが日本人の被害者が出て、スナッフビデオまでが現場に残された。
 しかも二人目の日本人はブローカーの社長で、裏のビジネスを知っていたとするならヤクザだという事も知っていたはずだ。
 それならばその報復が半端なものではない事は簡単に想像がつくだろう。
「犯人の目的ってそもそも何なんだろな。スナッフビデオで儲けるっつっても、普通に売れるような代物じゃねぇんだろうし、性別だってバラバラだろ? エロビデオなら大体若い女の子じゃね?」
 健が首を捻りながら言う。確かに言われてみればスナッフビデオとして売り出すとしても客層はネズミを使った殺人方法にしか興味が無い事になる。
 それでは商売にならないだろう。
「大量のネズミを飼ってるんだ。コストや隠し場所も馬鹿にならないだろう」
 清史郎は脳裏に新庄市の地図を描きながら言う。
 機材も使っているのだし、どこかに手がかりがあるはずだ。 
 清史郎が考えあぐねていると電話の呼び鈴が鳴った。
「お電話ありがとうございます。三浦探偵事務所飯島でございます」
 加奈が電話を取って言う。
「はい、三浦ですね。少々お待ち下さい」
 加奈が受話器を置いて清史郎に顔を向ける。
「工科大学の柴田さん」
 清史郎は受話器を取る。
「三浦です。何か分かりましたか?」
『参考になるかどうかわかりませんが、興味深い事が分かりましたよ』
「どんな些細な事でも結構です」
『トウモロコシ何かの穀物の微粉が検出されました』
「それはどういった意味になるのでしょうか?」
『あくまで仮説ですが、犯人はネズミを飼育するのに犬の餌を使っているんじゃないですか? 他にもそれを示唆するような牛骨粉も検出されています』
 現場に関する証拠は見つからなかった。
 ――しかし……犬の餌か……――
 これまたホームセンターで簡単に手に入る代物だ。
「ありがとうございます。また何か分かりましたら教えてください」
清史郎は通話を切る。
「ジョーカー、何だって?」
「犬の餌が検出されたんだそうだ。犯人は普段はネズミに犬の餌を与えてたんだろうな」
「餌ならホームセンターで買えんじゃね?」
「ちょっと待って、ケージはどう? あれだけたくさんのネズミを飼っておけるケージは相当大きいか幾つかに分けられているんじゃない?」
 加奈が言う。確かに狭いケージに肉の味に慣れたネズミを押し込んだら共食いをする事だろう。
「あ! 昔町の外れの方にデカいペットショップが無かったか? もう潰れちまってるけど」
「行こう」
 健の言葉に清史郎はビートルの鍵を手にする。
 ようやく手がかりらしい手がかりが見えて来たようだ。
   郊外型の大型ペットショップは廃棄されたままの姿で佇んでいた。
 正面のガラスが近隣の悪ガキの悪戯で割れており侵入が困難という事は無い。
 スナック菓子の袋やペットボトルが散乱しているが、どれも古く最近のものでは無いようだ。
 ここでかつて何が行われていたかは考えるまでも無いだろう。
「汚ぇトコだな。ま、誰も掃除なんかしやしねぇんだろうけどさ」
 健がぼやきながら先に進んでいく。
 清史郎はポケットから取り出したマグライトで床を照らす。
 床にはホコリが溜まっているが、何者かが侵入したような形跡がある。
 ――当たりを引いたか――
「見てジョーカー、バックヤードにだけ新しい鍵がついてる」
 清史郎は加奈の言葉を受けてバックヤードの観音開きのドアにライトを向ける。
 取っ手に鎖が巻き付けてあり南京錠でロックされている。
「それじゃあお宝を拝見するとするか」
 清史郎にとって南京錠などは鍵とも言えないものだ。
 ピッキングツールで難なく開いたドアを開けて中へと足を踏み入れる。
 瞬間、小便を腐らせて煮詰めたような強烈な臭いが鼻を突く。
「うげっ! 何だ? この臭い」
 健が顔を背ける。
「嫌な予感しかしないんだけど」
 口を押えた加奈が言う。
 清史郎は袖で鼻と口を押えながらマグライトでバックヤードを照らす。
 が、そこにはがらんとした空間が広がっているだけだった。
 ……床の汚泥のような物体以外は。
「何も無ぇ……てか、これ……」
「ネズミの糞だろうな。飼い主は閉じ込めておくのに耐えかねたんだろう」
 バックヤードでケージを積んでネズミを飼っていたのだろうが、飼い主の方が臭いに耐えかねる状況になったのだろう。
「この臭いじゃ毎回運ぶ気にもならない……ジョーカー、床に引きずったような痕がある」
 加奈の言葉にマグライトを下に向ける。
 確かに汚泥が削られたようになり、ケージを引きずり出したような痕がある。
 犯人はネズミのケージをここからもっと風通しのいい所に移動させたのだろう。
「何だよ。また振り出しに戻るのかよ」
「いや、これで犯人がネズミを飼育していた事は判明した」
 清史郎は健に向かって言う。
「犯人はどこに消えたのかしら? たくさんのネズミを飼っておける場所って……」
「郊外に出れば廃屋なんて幾らでもあるし、廃棄された養豚場や養鶏場もあるだろう」
 清史郎は郊外の様子を想像しながら言う。
 新庄市の北部の山林地帯にはかつては多くの畜産業者が存在していた。
 その残骸の多くはハイウェイを通る時に見る事ができる。
「一軒一軒回るのか? このクソ寒いのに?」
「寒いのはともかく、当てもなく山を探し回っても拉致が明かないんじゃない?」
「警察なら人海戦術でやるんだろうな……」
 清史郎はひとまずペットショップの外に出る。
 寒空だが悪臭の中に比べると北風の方がマシに思える。
「ジョーク、何か案は無ぇのかよ」
「あんたこそ空撮とか何かできないの?」
「googleearthだってそこまで精密には見れねぇよ」
 健の言葉を清史郎は反芻する。
 犯人も忘れ去られたような施設まで把握はしていないだろう。
 だとすればハイウェイから見えてなおかつ、一般道では入り込めない場所という事になる。
 更に移動に軽トラックを使っている事から、車の乗り入れのできる場所という制限も付けられる。
「とりあえず、ハイウェイから入っていける横道を探した方がいいだろうな。もしこの犯人が利用している施設ならネズミの糞が乾燥していない事から、最近場所を移動したんだろう。だとすれば脇道を封鎖する私有地の看板みたいなものは新しいはずだ」
「なぁるほど、確かに。でも、誰かの家に出ちまったらどうなんだ?」
「聞き込みに来たって言えばいいじゃない」
 健に答えて加奈が言う。
「じゃあドライブに行くとするか」
 清史郎はビートルの後部座席に健を乗せると運転席に乗り込んだ。
  〈4〉 
 
 「どーせ森林浴するなら秋とかのが良かったんじゃね?」
 幾度目かの横道を試す中、健が愚痴をこぼす。
 街乗りの車として作られているビートルは車高が低く、エンジンなどは新型に換装してあるが底がこすれ振動もひどい。
 岩で車体の下を破壊されたら帰る事もままならない。
「森林浴ってどっちかって言うと夏じゃない?」
 加奈が健に向かって言う。
「だって夏の山って蚊が出るじゃんよ」
「あんたって本当にアウトドアに向かないわよね」
「海には行きたいぜ。目の保養に」
 健の言葉に加奈がため息をつく。
 ハイウェイからの脇道は意外に多かったが、多くが途中から藪に包まれていた。
 まともに通れた道もあるが、高齢者の農家が猫の額のような畑を耕しているだけだった。
「ジョーカー、私たちで人海戦術は無理があるんじゃない?」
 加奈の言葉に清史郎は山道の中でブレーキを踏む。
 ビートルの新型のエンジンの振動が静かに車体を震わせる。
「確かにそれはそうなんだが……」
「もう少し条件絞った方がいいんじゃねぇの?」
 健の言葉に清史郎は考える。
 私有地の新しい看板は想像以上に多かった。
 恐らくは土地の相続が難しく売りに出されたものだろう。
 農家もそれとほぼ同数存在している。
 ――だとすれば――
「健、不動産で売り出されている土地の情報と、農協に作物を収めている農家のデータを検索してくれ」
「不動産はネット見れば分かるけど、農協には何の仕掛けもしてないし侵入できないぜ?」
 健が答える。健はITの天才のように見えるが、種と仕掛けが無いと普通のITボーイなのだ。
「近くの農協に仕掛けてくれればやるけど」
 キーボードを叩きながら健が言う。
「いいわよ。こっちで直接電話で聞くから。新庄神谷の田舎なんてそんなに人が住んでないでしょ」
 加奈がスマートフォンとシステム手帳を広げて言う。
「じゃあ、俺は一旦ビートルを戻してコーヒーでも買うか」
 清史郎は近場のコンビニに向かって車を走らせた。
  「で、不動産で売り出されている土地を除外して、農家も除外した結果がこれ」
 コンビニの駐車場で健が地図を表示する。
 地図が色分けされ、幾つかの空白地帯が出現している。
「土地って言っても宅地と農地と山林を省いて、酪農? 的な所は空白のままにしてる」
「昔酪農をしてた農家があったんだって。丁度この辺」
 加奈が地図の一点を指さす。
 二人はほぼ条件にそってターゲットを絞り込んでいたらしい。
「じゃあラットマンとご対面と行くか」
 清史郎はビートルを発進させた。
 黄色いプラスチックの鎖を外し、立ち入り禁止の看板を無視して山道にビートルを乗り入れる。
 まだ新しい轍が山の中へと続いている。
「なんかそれっぽくね?」
「でもジョーカー、犯人がいて、武器とか持ってたらどうするの」
「そういう時の為にくぎ抜きがあるんだよ」
「頼りねぇなぁ、モデルガンでも持って来れば良かったじゃねぇか」
「ああいうのを持ち歩いていると職質された時に面倒なんだよ」
 清史郎がビートルを走らせていると、林が開けて納谷と牛舎が姿を現した。
 エンジンを停めて外に出てみる。
 納谷を後回しにして牛舎を見るが静まり返っている。
 が……
「あったぜ! ジョーク、ネズミの糞だ!」
 牛舎の床の部分に大量のネズミの糞が散らばっている。
「ジョーカー! こっちに犬の餌がたくさんあるよ」
 納谷を覗いていた加奈が言う。
「よっしゃあ! ラットマンのアジトを突き止めたぜ!」
 健がガッツポーズを取る。
「だが、ネズミがここにいないという事は、犯人は次のターゲットを既に拘束している可能性がある」
 清史郎の言葉に健と加奈が目を見開く。
「おそらく窓の無い遮音性の高い部屋を幾つか確保しているんだろう。一日二日ならネズミに餌をやらなくても死にはしないだろうしな」
 清史郎はスマートフォンを取り出して緒方をコールする。
『緒方だ。捜査に進展はあったか?』
「犯人がネズミを飼っていた場所を確認した。が、今は運び出されている。恐らく次のターゲットを拘束したか、そうでなくても狙いを定めたんだろう」
『仕事が早くて助かる。こっちは組員の点呼を行う』
「外国人労働者の方は?」
『フューチャー人材ネットの社長と社員が死んだんだ。手を回せる状況ではない』
 組関係者が立て続けに死んでいるというだけで緒方は手一杯だろう。
「とりあえず地図は送る。犯人が来たら捕らえられるようにしておいてくれ」
『捕らえるだけで済めばいいがな』
 緒方が通話を一方的に切る。
 清史郎は現場の写真と地図をメールに添付して送る。
「ヤクザが味方ってのは心強えな」
「裏を返したら失敗したらタダじゃ済まないって事でしょ」
「とりあえず事務所に戻ろうか」
 清史郎はビートルに足を向けた。どの道ここに留まっていても何かができる訳ではないのだ。
  〈5〉 
 
 「NPO法人ジャーニーオブアースの高田美恵と言います」
 四十代のキャリアウーマン風のスーツ姿の女性を前に、緒方は戸惑いを感じていた。
 ラットマンの事件がようやく片付きそうだと言うのに、どんなトラブルが舞い込んだのだろうか。
「慶田盛弁護士からこちらで違法に働かされている外国の方がいらっしゃるとか」
「ウチはただのケツモチでビジネスは企業がやっています。我々が直接関与している訳ではありません」
「それならばどうして外国の労働者に続いてそちらの企業舎弟の方々が殺されたのですか? 無縁という事は無いはずです」
 頑として引き下がらない様子で高田が言う。
「だとして一体どうなさりたいのですか?」
 緒方は尋ねる。NPOなどという胡散臭いものがヤクザに一体何の用があると言うのか。
「我々は国内の外国人の人権を保護しております。滞在に違法性がある場合、また、行政が適切な援助を行っていない場合、司法的手続きによって人権と合法的滞在を要求します」
 面倒くさい相手だと緒方はため息を押し殺す。
 外国人ビジネスはそこそこの収益率がある事と、麻薬の生産地である現地との繋がりもある事から簡単に手を引く事はできない。
 ――フューチャー人材ネットを切るか――
 フューチャー人材ネットで管理している外国人はせいぜい二百人といった所だ。
 だが、二百人も司法で戦うという事になればNPOも音を上げるだろう。
「いいでしょう。我々の知る限り、外国人労働者のデータをお渡ししましょう」
 言って緒方は若い衆にフューチャー人材ネットの裏帳簿を持ってくるように命じる。
 ――矢沢組はここの所踏んだり蹴ったりだな――
 
 「ニャンさんとの面会も上手く行ってね。不法滞在の外国人の滞在許可を正式に取得する為にNPO法人に依頼したよ」
 事務所に戻ると早々に慶田盛がやって来た。
「不法滞在者の弁護なんてできるものなのか?」
 慶田盛に椅子を勧めながら清史郎は訊ねる。
「そこが法の難しい所だ。パスポートはあるがビザは無い。本来強制送還という所だが、強制的に働かされており、今後も働かされる予定が存在し、生活の基盤も日本に存在している。と、なれば彼らの人権を守る為に裁判をすることはやぶさかじゃない」
 慶田盛が加奈の淹れたコーヒーに口をつける。
「今後も、と、言うが、フューチャー人材ネットは社員に続いて社長が殺されて運営が危うくなっている。緒方は会社を捨てるかも知れないぞ?」
「日本で働いていたなら、本来労基法が適用される。それが無視された状態で働かされていたなら、当然順守が求められる。フューチャー人材ネットが倒産したとしても、就労実態があったとして国は失業保険を支払わなければならないし、フューチャー人材ネットも相応の保証金を支払わなければならないだろう」
 そもそも、と、慶田盛は続ける。
「日本国憲法の基本的人権という考え方は国籍を問うていないんだよ。帝国憲法は臣民の、と、書いてあるから明らかに天皇の主権統治下にある、と、読めるけど現在の日本国憲法はそうじゃない。一九七九年、最高裁のマクリーン判決でも憲法第三章の基本的人権の保障は在留する外国人に等しく及ぶべしと言っている。判例が前例として存在するんだ」
 慶田盛が全員に聞かせるようにして言う。
 確かにその通りなら不法滞在などという言葉そのものが違憲という事になるだろう。
「これは一九四八年の国連の世界人権宣言でも批准されている事で……」
「言いたい事は大体分かった。要するに人類皆兄弟という事だろう」
「まぁ、それが理想ではあるんだけどね。最近は何かと閉鎖的になって来ている気がしてね」
 やれやれと慶田盛が肩を竦める。
「とにかく、外国人の保護はNPOに依頼したから何とかなるだろうし、法廷闘争という事になれば僕の出番だし何とかなるよ」
 言ってコーヒーを飲み干した慶田盛が席を立つ。
「ニャンさんの容疑が晴れそうだと思ったらまた地裁だよ。じゃあな」
 慶田盛が嵐のように事務所を去っていく。
「慶田盛のオッサンって法律の鬼みてぇだな」
「だから法の番人なんだろ」
 健に答えて清史郎は言う。
「不法滞在の人たちの弁護なんかしてお金になるのかな……」
「なるようなら俺たちだってもっといい暮らしをしてるだろうさ」
 加奈の言葉に清史郎は苦笑で答える。
 慶田盛弁護士事務所と三浦探偵事務所は利益度外視が持ち味なのだ。
  『組員は厳戒態勢だ。ラットマンのアジトも確保した』
 スマートフォン越しに緒方が言う。
『に、しても会社一つ取られるとは思ってもみなかった』
 緒方の言葉は苦い。どうやらフューチャー人材ネットの外国人労働者は慶田盛が解放する形になったのだろう。
「太っ腹だと思われた方が近所受けはいいんじゃないのか」
 清史郎が言うと苦笑が漏れる。
『震災の炊き出しの方が余程いい宣伝になる。まぁ、これでラットマンを仕留められれば意趣返しにもなるんだがな』
 緒方が好戦的な口調で言う。不法滞在者でスキャンダルを抱え、組員を殺された事で怒りのベクトルがラットマンに向いているのだろう。
 に、しても、と、清史郎は考える。
 矢沢組が総力を挙げるという事は矢沢組の中にはラットマンはいないという事になるのでは無いだろうか。
 だとすれば畑中の事件のタイムラプスビデオのトリックが仕掛けられない事になる。
 矢沢組の外の人間で三浦探偵事務所以外にハッキングを仕掛けている所があるとは思えない。
「警察に突き出すつもりなら殺さないでくれよ」
 清史郎が言うと小さな笑い声と共に通話が切れた。
  第三章       ジョーカーVSラットマン
  〈1〉
   十二月五日。清史郎は目覚まし時計で六時半に起きると地元のニュースにTVのチャンネルを合わせ、玄関に新聞を取りに言った。
『……速報です。本日午前六時新庄市警組織対策本部長が惨殺体が発見されました。新庄市警は連続殺人事件との関係を捜査中としており、同一犯の場合フューチャー人材ネットを狙った二つの殺人に続く第三の殺人であるとして捜査本部を設置し……』
「何だとぉ!」
 清史郎は思わず声を上げた。
 ヤクザが厳戒態勢の中、ラットマンは市警の、それも最もヤクザと緊密な組織対策本部長を狙ったというのか。
 ヤクザが警戒しているから警察を狙ったとでも言うのか。
 ――そんなバカな話がある訳が無い――
 清史郎はワンルームの室内を動物園の熊のようにうろつき回る。
 昨日ラットマンはネズミを運び出していた。
 ラットマンは昨日の時点でターゲットを捕捉していたのだ。
 と、言う事は最初から狙いは警察の組織対策本部長だったのだ。
 ――何故組対なんだ?――
 ヤクザを庇っているように見えたからか。
 だがこの殺人は外国人労働者による殺人という文脈から完全に外れている。
 ラットマンの狙いは一体何だと言うのか。
 清史郎は身支度を整えると事務所に向かう。
 定時の九時を待たずに加奈と健が事務所に現れる。
「ジョーク、ラットマン何考えてんだよ?」
 健が訳が分からないといった様子で言う。
「それが分かれば苦労しないし、この事件も起きていない」
「ヤクザの守りが固いからって言っても市警の組対本部長も相当よね」
 加奈が言う。個人としては狙う事もできるだろうが大物と言えば大物だ。
「でもこれで外国人労働者の線は完全に消えた事になる」
 清史郎は言う。外国人労働者が無差別に狙ったとして市警の組織対策本部長に当たる可能性は限りなく低いからだ。
「現場にはやっぱりお巡りがいっぱいいんのかな?」
「そりゃ、警察は警官が殺されたら本気になる組織だからな」
 清史郎は健に答える。警察は民間人の被害者には冷淡な事が多いが、身内の警察官となると目を血走らせて犯人を追いかけるものなのだ。
「何か納得できない。今回の殺人も死体を見せつけた訳でしょ? ラットマンは外国人の時は見せつけるような事はしなかったけど、ヤクザから先はわざわざ死体を見せつけてるのよね? 何かメッセージがあるんじゃないのかな?」
「殺人ビデオを作ってたヤツがか?」
 加奈の言葉に健が答える。
「それよりこれから市内は検問だらけの戒厳令みたいな事になる。ラットマンはアジトに戻るか高跳びしていないと逃げ場がなくなるだろうな」
 清史郎は腕を組む。
「軽トラックにネズミ乗っけてれば簡単に見つかりそうなモンだけどな」
 健が頬杖をついて言う。
「これが最後の犯行だとすればネズミを下水に逃がせばいいだけだ。ケージだって畳むなりプレスに紛れ込ませるなりすれば見つからないだろう」
「そっか……この殺人事件って、凶器は逃がせば消えるって事なんだよね」
「でもよ~、どういうミスリードなんだ? 全然繋がらねぇじゃんよ」
 清史郎は冷えたコーヒーに口をつけて考える。
 何かが引っかかる。単純だが、見落としてはならないもの。
 矢沢組の玄関のタイムラプスビデオ、市警組対本部長。
 ――まさか――
「健、大日警備保障に警察OBがいるか分かるか?」
 清史郎が言うと健が不思議そうな視線を向けてくる。
「大日警備保障は矢沢組のフロントだろう? で、警備会社とくれば警察OBの天下りだ。大日警備保障なら矢沢組のセキュリティも分かるだろうし、市警の組対本部長のスケジュールも手に入るかも知れないだろう? しかも大日警備保障はミンさんたちの寮を監視するみたいに事務所を構えていた。外国人労働者を監視するのが大日警備保障の役目だったとすればどうだ?」
 清史郎が言うと健が猛烈な勢いでキーボードを叩き始める。
「大日警備保障の人が外国人のスナッフビデオで小遣いを稼いでいて、それがバレそうになったからフューチャー人材ネットの社員と社長を殺した、って言うのは分かるんだけど、その後どうして警察の幹部を狙ったのか分からない」
 加奈が首を傾げて言う。
 清史郎にはその言葉に答える術が無い。
 まだパズルのピースは穴だらけのままなのだ。
「従業員の三分の一は警察OBだぜ。ほとんどシルバーだけどな」
 健がPCのディスプレイに一覧を表示させる。
「ヤクザと警察のパラダイスね」
 皮肉るような口調で加奈が言う。
「大日警備保障の昨日のシフトは分かるか? なるべく現役に近いヤツで非番のヤツは?」
「新田卓ってヤツかな……警察を暴力事件でクビになって採用されてる」
 健が履歴を表示させる。
 新田卓三十四才。空手三段柔道五段。元警備部巡査部長。デモの警戒で出動中市民に対する暴力で謹慎。謹慎中にNPOの代表を襲撃して重傷を負わせて依願退職となっている。
「空手三段柔道五段じゃあ私らじゃあ手も足も出ないんじゃない?」
 加奈が忠告するようにして言う。
 三人がかりでも���田を捕らえるなどという事はできないだろう。
 しかも現状ではただ怪しいというだけなのだ。
「新田の住所は分かるか?」
「もちろん。でもどうすんだ?」 
「スナッフビデオを動画配信で売ったならPCに痕跡があるはずだろう?」
 清史郎が言うと健が珍しく考えるような表情を浮かべる。
「新田本人がやったなら別にいいんスけど、新田が完全に肉体派で家にPCも無かったらどうすんだ? それに最初複数犯って言ってたじゃねぇか」
 健の指摘に清史郎は額に手を当てる。
 その可能性を忘れていた。
「新田のメールを覗く事はできるか? 組織的犯行なら組織が割れるかも知れない」
「もしかしたら組織だから組対本部長を消したのかも」
 加奈が言うと健がさも人使いが荒いといった様子でPCを叩き始める。
「だが、普通組対というのは暴力団対策部の事だぞ?」
「それくらい知ってるってば。でも、暴力団の中の暴力団って事もあるじゃん?」
「それなら一昨日の時点で刑事部の風間が何か知っていても良さそうなものだろう?」
「風間から組対に話が行ったって可能性は?」
「可能性はあるが、それならどうして風間を殺さなかったんだ? ラットマンを追う可能性があったのはあの時点では風間だったんだぞ?」
 清史郎が言うと突然健が触っていたPCから『君が代』が流れ出した。
「何だ? どうした?」
 清史郎が言うと健がPCの音声をミュートにした。
「新田は愛国防衛戦線って団体の構成員だったみたいだ。これサイトな」
 画面上では日章旗がはためき、スナッフビデオへのリンクも張られている。
「こいつらが外国人を殺してたっての?」
 加奈が声を上げる。
「でも、それがどうしてヤクザを殺す事になった?」
 清史郎は画面をのぞき込む。
『日本を愛し、日本を守る。汚らわしいドブネズミ、土人どもを取り除き、美しい日本を取り戻す。子供たちに残そう愛すべき祖国』
 清々しい程のヘイトだがそれがこの団体のスローガンであるらしい。
「これを素直に読むと、外国人を呼んでくるヤクザもターゲットになるって事じゃない?」
 加奈の言葉に清史郎は虚を突かれる。
 そこまで短絡的だったとするなら、フューチャー人材ネットを襲った惨劇には納得が行く。
 しかし、警察の組織対策本部長を殺した事には依然として結びつかない。
「健、この組織の構成員何かは分からないのか?」
「これ、ロシアのサーバーに作られてんだ。結構腕のあるヤツが組んでるっぽいし、相手のIPアドレスを掴んだくらいで組織が割れるなんて事は無いと思うぜ?」
 健の言葉に清史郎はスマートフォンを取り出して緒方をコールする。
『予想外の展開だな』
 挨拶も無く緒方が応じる。
「一つ聞きたいんだが、愛国防衛戦線という組織に心当たりは?」
『右翼団体で最近はネットを中心に活動しているらしい。親は同じだが組が違うから詳細は分からん』
「お宅の大日警備保障の新田がメンバーだった。で、そのサイトでスナッフビデオが垂れ流しになっている」
『大日警備保障は確かに親は同じだが組が違う。だが、大日警備保障か……』
「心当たりがあるのか?」
『外国人に警備が必要だと言って頭超えてから割り込んできたのが大日だ。てっきり小遣い稼ぎをしに来ているものだとばかり思っていたが……』
 緒方も知ってはいるものの詳細は分からないらしい。
『愛国防衛戦線は無動正義という男が代表を務めている……現在は新庄市に移り住んでいるらしい』
「その無動正義というのは何者なんだ?」
『ヤクザとしては三流だが、ネット右翼の最先鋒で荒しなんかで稼いでる男だ。与党を宣伝する書籍や中国や韓国を罵倒する書籍も発行している。最近は新しい道徳と歴史の教科書も作ってるそうだ』
 緒方も何か調べているらしい様子で言う。
 健が無動正義を検索してウェブサイトを表示する。
 『愛国心』と大きく書かれた下に禿頭の男の写真が載っている。
 よくよく見れば小さく愛国防衛戦線へのリンクも存在している。
「こっちでも確認した。一応文化人というカテゴリーには入れられているようだな」
 与党側のご意見番といった形でTVやラジオにも出演しているようだ。
『矢沢組としては親に判断を仰ぐしかないな』
 苦々しい口調で言って緒方が通話を切る。
「ジョーカーどうするの? 一応文化人らしいけど」
「やっている事は石器人並みだがな」
 実行犯ではないにしろ、無動正義の指示で愛国防衛戦線と大日警備保障が動いた事は間違いないだろう。
「無動って野郎をふん捕まえて吐かせりゃいいんじゃねぇか?」
「大日警備保障を忘れないでくれよ。俺たちは探偵で警察じゃない。暴力じゃなくて知力で物事を解決するのが仕事なんだ」
「それには証拠を探さないとね」
 加奈が応じて言う。
「見つけるべき証拠は殺害現場、軽トラック、ネズミが入っていたケージ、投光器、撮影用のカメラ。こんな所か」
「軽トラックなんて警備会社は幾らでも持ってんじゃねぇのか?」
 健が言う。
「新田の事務所の軽トラックからルミノール反応が出ればビンゴだ」
「大日警備保障の事務所は市内だけで八か所だ。それにコーンを乗せて動いてるかも知れなねぇし……」
「殺害現場が一番動かぬ証拠なんじゃない?」
 健に続いて加奈が言う。
「窓の無い部屋。地下室か、人の出入りの無い地下駐車場か……」
「それこそ検索できねぇよ」
 キーボードに触れずに指だけ動かして健が言う。
「忘れてる。現場は水で流して掃除できないと血が残るって事」
 加奈が言う。
 確かに最初の頃の映像は床がフローリングのようだったが、途中からリノリウムのようになり、照明も明るくなっていた。
 犯人グループは最初の頃の反省を踏まえ、条件のいい場所を探し当てたのだろう。
「ネズミをケージなりに戻す為にも密室が必要か……」
 清史郎は頭を巡らせる。間口���かなり狭くないとネズミの大脱走が起きる事だろう。
 そうすれば近所に知られる事になる。
 そしてこれまでの被害者の住所から考えて市内にある事は間違いない。
「コンテナだ」
 清史郎は言う。
「健、大日警備保障が警備している港のコンテナは分かるか?」
「なるほど、貨物のコンテナなら密室でライトを持ち込んだりすればそれらしくできるし、洗うのも簡単……」
 加奈が言うと健がPCのキーボードを叩き始める。
「パシフィックアジアって貿易会社と契約してやがる」
 健がgoogleearthで埠頭のコンテナを拡大する。
 黄色の貨物コンテナが八基並んでおり、そのうち一つか幾つかが犯行に使われた可能性が高い。
「ジョーク、乗り込むのか?」
 健の言葉に清史郎は考える。
 鍵を開けて中を確認するにはピッキングをしなければならないが、昼間にそれをすることは困難であり、そもそも大日警備保障が警備をしているのだ。
 新田に遭遇したら三人まとめてコンクリート詰めにされて、ドラム缶で海に沈められかねない。
 やるなら夜だ。
 現場を特定し、証拠を手に入れ、実行犯と無動正義を殺人容疑で起訴するのだ。
 
 
〈2〉
   深夜零時。清史郎は久々にジョーカーの衣装に身を包んでいる。
「僕は殺しが仕事で警護は仕事ではありません」
 ボートの上でスーツ姿の円山が両手に手袋をはめたまま言う。
「致命傷を負わせて欲しいんじゃない、殺されたら困る」
「あなたは殺し屋を何だと思ってるんですか」
 清史郎は今回の作戦に当たって円山健司に警護を依頼していた。
 緒方に兵隊を借りるという方法も無くは無かったが、矢沢組は格上であるとはいえ、愛国防衛戦線と同じ指揮系統に属しており、いざという時にどう動くか分からなかったからだ。
 健司と一緒にボートを漕いで岸壁に近づく。
 夜でも尚荷物の積み下ろしのある港は多くのライトで照らされている。
 大日警備保障のハイゼットが横付けされた黄色いコンテナがゆっくりと拡大されて来る。
「警備員……新田がいやがんな。こっちには気づいてねぇみてぇだけど」
「消して来ましょうか? 友達価格で一人五万円で手を打ちますよ」
 健に答えて円山が言う。
「もっと高額でいいから目を逸らせてくれないか?」
「中途半端が一番難しいんです」
 言いながら円山がアタッシュケースから花粉防止用のマスクのようなものを取り出す。
「円山くん、それ、何なの?」
 加奈が訊ねる。
「入手に苦労しましたがクロロホルムですよ。マスクに染み込ませてあります。これをかけてしまえば当分起きる事は無いでしょう。柔道家や空手家と戦って勝てるなんて思っていませんから」
 円山なりに気を使ってくれているらしい。
 ボートが岸壁に近づき、積まれたパレット越しに新田の頭が見える。
「それでは先に僕が行きます」
 円山が岸壁に腕をかけて身軽にパレットの裏に回る。
 ポケットから昔のカメラのフィルム程の大きさのものを少し離れた場所に放り投げる。
 瞬間、カメラのフラッシュのような光が瞬いた。
 新田が確認するかのように動き始める。
 円山が足音を殺して警備員の背後に回り込んでクロロホルムのマスクをかける。
 新田が身体を捩り、円山がコンクリートの床の上を転がる。
 新田が警棒を抜くと円山の手に拳銃が出現する。
 新田が一瞬動きを停めたかと思うと膝から崩れ落ちる。
 倒れた新田を円山がパレットの裏まで引きずってくる。
「その銃本物なのか?」
 健が健司に向かって訊ねる。
「まさか。クロロホルムが効くまでの時間稼ぎですよ。僕はもう少し周囲を探って来ます」
 健司がコンテナの影から影に移動するようにして姿を消す。
 これほどの人間に一度でも命を狙われていたのかと思うと恐ろしいものがある。
「ジョーカー行きましょ」
 作業員の服装の加奈が先に上がり、清史郎もそれに続く。
 健は清史郎と加奈の頭と肩と胸についたカメラの操作が仕事だ。
 清史郎は大日警備保障のハイゼットにルミノール反応液を振りかける。
 死体はブルーシートか何かに包まれていたのだろうが、靴跡がくっきりと浮かび上がる。
 足の大きさは二十七センチはゆうにあるだろう。
 実行犯に新田が加わっている事は確定的だ。
 続いて近場のコンテナの鍵を開ける。
 最も近いコンテナの中は空だった。ルミノール反応も見られない。
 続いて隣のコンテナの鍵を開ける。
 真っ暗な洞のような室内を照らすが血痕らしいものも機材を持ち込んだ形跡も無い。
 パトカーのサイレンが聞こえてくる。
 ――警察が来たならジョーカーの出番も無しか――
 清史郎はパレットの影に戻って加奈と合流する。
 やって来たのは覆面パトカーで、コンテナの前まで来るとサイレンを止めた。
 運転席から風間刑事が出てくる。
 周囲��様子を覗いながら一つのコンテナに向かって歩いていく。
 スーツ姿の手にはラバーの手袋がはめられている。
 ――おかしい――
 警察が来たなら何故一台、それも覆面パトカーなのか。
 他に警官も居なければ何故両手にラバーの手袋をしているのか。
 一番妙なのは……
 風間がポケットから取り出したキーでコンテナの鍵を開けようとする。
「ホワイトクリスマース!」
 清史郎はモデルガンのグレネードを抜いて飛び出す。
 鍵を手にしたままの風間が振り向く。
「チックタックチックタック宝箱の中身は何でしょう!」
「ジョーカー! この道化が!」
 鍵を放って風間が銃を引き抜く。
 刑事は事件性が無い限り銃の携帯は許されない筈だ。
 しかも手に握られているのは警察の正式拳銃のS&Wではなくトカレフだ。
 轟音が響いて清史郎の耳が一瞬聞こえなくなる。
 耳のすぐ傍を弾丸が通過したらしい。
 清史郎はグレネードを構える。
「ラップトップデスクトップトーテムポール!」
 清史郎が引き金を引くと花火が打ち出される。
 花火がコンテナに当たり色とりどりの光を放つ。
「見かけ倒しか! 愛国無罪! 死ぬがいい!」
 風間がトカレフの引き金を引く。
 清史郎は死ぬ思いでコンクリートの上を転がる。
 トカレフの装弾数は八。
 二発使ったから後六発残っているはずだ。
 轟音が立て続けに二回響く。
「トカレフモロゾフカラシニコフ!」
 清史郎は目くらましに花火を放つ。
 深夜の埠頭に水平に放たれた花火の光と轟音が響く。
 続けざまに轟音が三回。
 強運なのかどうやらトカレフの餌食にはならずに済んでいるようだ。
「我らの大義、邪魔はさせん!」
 轟音が響き、続いてカチリという金属音が響く。
 風間はトカレフの弾丸を打ち尽くしたらしい。 
「外国人の悲運も今日は我が身、ラットマン! 貴様の命運もここまでだ!」
 清史郎が歩み寄ると風間がS&Wを抜く。
「尽忠報国の志、英霊たちが共にあるのだ!」
 リボルバーが火を噴く。
 清史郎は反則だと思いながら再びコンクリートの上を転がる。
 警察官として発砲したなら、一発一発まで報告の義務があるはずだ。
 ――それすら無視すると言うのか――
 もう避け切れないと思った清史郎の周囲で銃弾が爆ぜる。
 銃を手にした風間の足が二日酔いのように揺らいでいる。
 瞬間、清史郎の目がコンテナの上に立つ円山の姿を捉える。
 円山が花火と銃撃の間にクロロホルムを振りかけていたのだ。
 揮発性の高いクロロホルムを吸い込んだ風間は意識を失いつつある。
「何故組織対策本部長を殺した?」
 清史郎は歩み寄りながら訊ねる。
 銃を構えようとした風間の手から銃が落ちる。
「薄汚いドブネズミ……土人どもの一掃作戦を無視したからだ。そもそも、最初のチンピラの死で新庄市の土人どもは一掃されるはずだったのだ。それを弁護士やら探偵やらが邪魔をしたのだ。土人を引き入れた悪逆非道のブローカーを殺し、土人の組織がやったのだと上奏したのに組織対策は受け入れん。だから殺したのだ。だが組織対策本部長が殺されたとあれば、土人どもが結託して美しい日本を汚そうとしている事を疑う者もいるまい。これから美しい日本を取り戻す戦いが始まるのだ」
 意識朦朧としているせいだろう、聞いてもいない事までペラペラと風間が喋る。
「それは無動正義の指示か?」
「無動閣下は総理を代弁し天皇陛下の目を覚まさせる為に戦いを始められたのだ! 私のような一兵卒は臣従するのが……務め……というもの……だ……」
 清史郎の前で風間が崩れ落ちる。
 清史郎は風間の放った鍵を拾ってコンテナの扉を開く。
 無数の歯ぎしりをするネズミの鳴き声が響き、ネズミのケージ、TVスタジオのような照明装置、そして殺された被害者が吊るされていた現場が姿を現す。
 清史郎は健に映像と音声を切るように合図する。
「私は愛国という言葉が嫌いだから郷土愛と言わせてもらうがな、郷土愛っていうのは自分の国を移り住んだ人が住んで良かったと思える国にする事だ。他人に冷たい人間は自分にも優しくできない。誰かを迫害する人間に国を愛する事はできないんだ。覚えておけ」
 清史郎は倒れた風間に向かって言う。
「ジョーカー、今の一言バッチリもらったから」
 加奈が楽しそうに言う。
「動画配信する時は削除しろ。俺はジョーカーなんだぞ」
『言って無かったっけ。これリアルタイムで動画配信してんだ。しかもようつべとヌコヌコで』
 イヤホンから健の声が聞こえてくる。
 清史郎は顔から火が噴き出るような気分になる。
「だったらショータイムだ! これが愛国防衛戦線と大日警備保障の悪の城だ!」
 清史郎はコンテナの照明のスイッチを入れる。
 暗かった殺戮の舞台がステージのように映し出される。
 遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。
 今度こそ警察の大群が押し寄せてくるのかも知れない。
『ジョーク、動画停めたぜ』
 健が言うと円山が音も無くコンテナの上から飛び降りてくる。
「それではお暇しましょうか? 警察は厄介ですし」
「違いない」
 円山が素早くボートに飛び乗り、清史郎は加奈が乗ったのを確認して乗り込む。
 健がエンジンをかけて波を切る。
 入れ違いになるように港に赤いパトライトを点滅させたパトカーの群れがやって来る。
 パトライトの明かりが港の明かりに溶ける頃、清史郎はようやく詰めていた息を吐いてジョーカーのマスクを脱いだ。
「みんなお疲れ様だな。これで事件は一件落着だ」
 清史郎の言葉に三人の笑顔が答えた。
  エピローグ 
 
 
「……被告はビザを有しておらず、六十日を超えて無許可で労働していたのであり、これは入国管理法違反に相当します。従って強制送還が適当であると検察は判断します」
 検察が法廷で声を張り上げる。
「被告は六十日を超えて就労できるとしたフューチャー人材ネットの詐欺によって滞在したのであり、そもそもが入管で適切な説明を受けておりません。入管では入国目的を確認しているはずであり、六十日を過ぎて当人に確認を行わなかった入管に不備があるのでは無いでしょうか? 加えて被告は一日十八時間を超える労働に従事させられており、これは国籍を問わずに労働基本法違反に当たります」
 慶田盛が答弁する姿を清史郎は健と加奈に挟まれながら眺めている。
「異議あり! 被告の労働条件は入管法とは関係ありません」
 検察が慶田盛の陳述を遮る。
「異議を却下します」 
「そもそも日本国憲法三条十一項の基本的人権は日本国籍保有者のみに与えられたものではありません。一九七九年、最高裁のマクリーン判決の判例を資料として提出します」
「異議あり! 弁護人の資料は時世にそぐわぬ古いものであり判例として相応しくありません。二〇一八年十月二日改正出入国管理法案を資料として提出します」
「異議を認めます」
「出入国管理法は出入国に関する法律であり、被告は既に国内で就労済みであり法の適用外であります。また弁護人は改正出入国管理法に対し、一九七九判決に基づき違憲審査を請求します」
 慶田盛の言葉に法廷が騒然となる。
「一時休廷します」
 裁判官が言って慶田盛と検察を呼んで法廷を出ていく。
「慶田盛のオッサンって弁護士なんだな」
「昔から弁護士だよ」
 健に答えて清史郎は言う。
「何かドラマ見てるみたい」
加奈が呟く。
「私たちが風間や無動やらの事件を暴けなかったら、不法滞在どころか殺人容疑だったんだ」
「そう考えると俺たちすごくね。もっと注目されても良さそうだけどな」
「現場押さえて風間とやりあったのはあくまでジョーカーなんだから」
「へいへい、元優等生は言う事が一々真面目ですね~」
「うっさい!」
 清史郎が二人のやり取りを聞いていると裁判官と慶田盛、検察が戻って来た。
「本法廷は被告に情状酌量の余地があるとし、在留カード取得の意志の有無を確認し、在留の意志のある者には発行するものとする」
 裁判官が重々しい口調で言ってハンマーを打つ。
「これって慶田盛のオッサンが勝ったって事か?」
「概ね勝利って所だろうな」
「ミンさんたち幸せになれるといいね」
 加奈が嬉しそうに言う。
「どうだかな。国籍があってもヒーター一つでひいひい言わなきゃいけない国だからな」
 清史郎が言うと健と加奈が笑い声を上げた。
 
 
「と、いう訳でウチに入国管理官やら何やらが来て大わらわだ。こっちはシノギを一つ潰されたのに割に合わない話だ」 
 緒方は『殺し屋』のカウンターに座って焼酎を飲んでいる。
「それでも組員を殺した相手には意趣返しができたんでしょう?」
 言って殺し屋円山がグラスを磨く。
「動画配信でジョーカーに全部持っていかれたよ」
 組員に呼ばれて途中から映像を見ていたのだが、ジョーカーの一人舞台と言っても良かっただろう。
 内密に知っていれば大日警備保障と愛国防衛戦線を締め上げて金を巻き上げられたのだが、これでは踏んだり蹴ったりのままだ。
「その割には嫌そうな顔をしていないんですね」
 円山がいつもの笑顔のまま言う。
「欲の皮の突っ張った野郎はまだ見逃せるが、能書き垂れて悪さする野郎には反吐が出るんだよ」
 緒方が言うと円山の笑顔の質が変わったように見える。
「ええ。確かに。だから僕も殺し屋であって殺人鬼ではないんです」
 円山の言葉に緒方は久しぶりに笑い声を立てた。
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