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#お母さんが夢に乾杯する日
rosysnow · 28 days
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やがて終わる空
この道を抜ければ私たちは自由になれるのに
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 母が留守にするとき、私の家には菜実さんという女の人がやってくることがあった。それは、物心つく前からのことで、特におかしなことだと私は思わなかった。
 ただ、菜実さんも、菜実さんの肩を抱く父も、母にはすべてを黙っておくよう私を戒めた。その理由を訊けない私は、父が母には見せない笑顔を菜実さんには向けているのをただ見つめた。
 何か、おかあさんが仲間外れみたいで可哀想。
 そう思ったけど、パートとか友人との食事から帰ってきた母に、私はおとなしく何も言わなかった。
 父と母は、互いに相手に向かって微笑むことがなかった。私のことはかわいがってくれるけど、リコン、という言葉を知ったときには、やがて私の家にはそれが来るだろうと思った。私はどちらかを選ぶのかと悩み、夜、寝つけないときもあった。
 父と母は、口論するわけではないし、どちらかが暴れるわけでも、怒鳴るわけでもない。でも、何というか、冷めている。何とも想っていない無関心が伝わってくる。
 なのに、なぜ結婚したのだろう。結婚って、好きな人とするものでしょう?
「秋果にはそろそろ話しておくけどね。おとうさんには、昔から好きな女の人がいるの」
 父が残業で帰宅が遅くなった夜、母とふたりで夕食を取っていた。メニューは、母のお手製の豆腐ハンバーグで、私はもうじき小学校に上がる春先だった。
 私がつねづねの質問を投げかけるまでもなく、機会を待っていたように、母がそんな話を始めた。
「おかあさんは、何にも知らずにおとうさんと結婚しそうだったけど、その女の人、一度おかあさんに会いにきたの。そして、おとうさんと一緒に暮らしてる鍵をおかあさんに返して、『今、あの人の部屋には私とペアで買ったものがたくさんあるけど、どうせなら捨てずに使ってくださいね』って」
 おかあさんは、食器棚のお揃いの湯のみとかお皿とかを見た。そして、「負けるか、と思って使ってるけど、やっぱりつらいね」と泣きそうに笑った。
 私の頭によぎったのは、当然、この家を訪ねてきては、父に寄り添う菜実さんだった。そう、このとき私は、はっきりと心に決めたのだ。
 ああ、私、おかあさんについていこう。
「秋果ちゃん」
 小学校に上がって、校庭に咲いているのは、桜からつつじになった。よく晴れた五月の中旬、ちょっと暑いくらいで今年初めて半袖を着た日だった。白とピンクのつつじに目を移していきながら、私は車道沿いの通学路を下校していた。
 聞き憶えのある声に、足を止めて顔を上げると、母のあの話を聞いてから避けるようになった菜実さんがいた。家の外で菜実さんに会うのは、初めてだった。
「学校、終わったの?」
 無視しようと思ったけど、それを菜実さんが父に言って、父が私を怒ったら?
 私は菜実さんと目を合わせないようにしながら、とりあえずこくんとした。「そっか」と菜実さんは私がそっけなくなっても優しいままの声で言う。
「あのね、秋果ちゃん」
「……何」
「私、秋果ちゃんと行きたいところがあるんだけど」
 私は精一杯の拒絶で、つつじとそれに集まる蜂を見ていた。けれど、菜実さんの視線は折れないし、沈黙も気まずくて、やっと菜実さんを見た。
 茶色の髪を梳いて軽くする菜実さんは、水色のスーツを着ていた。化粧がいつもより濃いように見える。「たぶんね」と菜実さんは私の頭に手を置いた。
「私、秋果ちゃんと会えるのは、これが最後だと思うの」
 首をかたむけると、「その理由も話すから」と菜実さんは私の手を取った。
 振りはらうべきなのか迷ううちに、軽く引っ張られて、すぐそばに停まっていたグレーの車の後部座席に乗せられた。ドアをばたんと閉めた菜実さんは、すぐ運転席に乗りこんで「一時間くらいだからね」と、あっという間に車を発進させてしまった。
 私は窓から外を見て、さっき出てきた校門も通り過ぎるのを茫然と見て、やっと頭の中を蒼白にして菜実さんを見た。
 菜実さんが私にひどいことをしたことはない。目つきも手つきも、いつもちゃんと優しい。
 でも、やっぱりこの人は私のおかあさんじゃないし、なのにおとうさんとべたべたするし、昔おかあさんに嫌なことだってしたし。いい人だ、とはもう思えなくなっている。
 だいたい、おかあさんのいないときに、おとうさんと仲良くする女の人が好ましくないのは、小学校にも上がれば分かってくる。この人、私の家に入りこんできて、いったい何なの? この人さえいなければ、もしかしたら、おとうさんとおかあさんも仲が良かったかもしれないのに。
 結局、よくよく考えれば、私は菜実さんに最もひどいことをされているのだ。
「お腹空いてない?」
 赤信号のとき、菜実さんはそう言って、後部座席にあったふくろからお菓子を取り出した。私のポテトチップスが、いつも“のりしお”なのは、菜実さんも知っている。一応受け取ったけど、がさ、とそれを抱きしめてうつむいた。
「すぐ着かないし、ランドセルも足元に下ろしていいからね」
 菜実さんがそう言ったとき、信号が変わってまた車が動き出す。
 私はランドセルの肩ベルトを握った。どうすればいいのだろう。いつもの景色が遠ざかるほど、私はどうなるか分からないのに。
 叫ぶ? じたばた暴れる? 窓を殴る? 車の中なのに、目を留めてくれる人はいるの? それに何より、私が動いた途端、菜実さんが怒鳴ったり、たたいたりしてきたら。
 息が浅くなって、口の中も乾いて、心臓が苦しくなってくる。
 どうしよう! どうしよう。どうしよう……
 考えすぎて頭が酸欠でくらくらしてきた。軆が震えないように、今夜切るつもりだった少し伸びた爪を、手のひらに食いこませる。まばゆい初夏の太陽が射しているのに、背骨が無感覚なほど冷たかった。
 そんなふうにただ怯えているうちにも、車の窓から見える景色はどんどん変わっていった。
 私が住む住宅街や通う小学校の周辺には、かなり大きな駅があるから、見慣れた近所はビルばっかりの都会だ。私は、夜にはネオンがないと不安になる。そして、田舎の夜は真っ暗になるから、大嫌いだった。
 なのに、菜実さんが向かっていく景色は、徐々に緑を増やして、ひと気も薄くなっていく。そのうち、車は高速道路にも乗ってしまって、いよいよ私は蒼ざめてきた。
 どこに連れていかれるの?
 おうちに帰してもらえるの?
 殺されたり……しない?
 うつむいて、ポテトチップスのふくろを開けもせずに抱きしめていた。菜実さんがたまに何か声をかけてきても、もう耳に入ってこない。涙が滲みそうになって、唇をちぎりそうに噛んだ。
 怖い。怖いよ。おとうさん。おかあさん。私、このまま死んじゃったりしたくないよ。
 菜実さんの車が、ふと停まった。下を向いてスカートの赤のギンガムチェックを見ていた私は、そろそろと顔を上げた。
 まだ、空は青く明るい。窓に首を捻じると、道路には走る車もなく、でも、左右の田んぼの手前のガードレールにトラックがちらほら寄せられていた。
 菜実さんはエンジンを切って、「やっぱりここは、空が綺麗だなあ」と後部座席を振り返った。私もそうしてみて、目をしばたいた。後部座席の窓の向こうには、地平線があって、突き抜ける空の青と、ふっくらした雲の白が、互いの色を際立ててくっきり澄んでいた。
 菜実さんは車を降りて、一度背伸びをしてから、私のほうにまわってきて、ドアを開けた。
「降りてみて。秋果ちゃんにも、ここの空を見てほしいの」
 私はまだ訝る目で、菜実さんを見たものの、ランドセルを下ろして車を降りた。さわやかな風がふわっと抜けていって、スカートがひるがえって、涼しかった。
 菜実さんは私の手を取り、トランクのほうにまわって、車によりかかって天を仰いだ。そばにいる何かの工事をしている男の人が気になりながらも、私もそうした。
 雲が白波、空が海原になったように見えた。背中を預ける車は、エンジンの名残で熱い。
「あのね、秋果ちゃん」
 空を見つめて、こちらを見ないまま、菜実さんはぽつりぽつりと話しはじめた。
「私と直之くん──秋果ちゃんのおとうさんね、ほんとはそう呼んでるの。私たちね、昔から仲が良かったの。直之くんが五歳年上で、ほんとにいいおにいちゃんだったんだ。私は、子供の頃から直之くんと結婚するのが夢だった」
 私は菜実さんの横顔を見て、知ってる、と言おうと思ったものの、何となくそれは意地悪な気がして、言えなかった。
「直之くんと結婚して、子供を持って、家庭を作って。最後は一緒にお墓に入る。それさえ叶えば、よかったの。でも、あんなに私と仲良くしてくれてた直之くんのおじさんとおばさんは、私が子供を作れない軆って分かって、変わった。必死に、直之くんを私から引き離そうとした」
 子供を「作る」とか正直話がよく分からなかったものの、私は黙って聞いていた。
「直之くんは、それでも私と一緒になりたいって言ってくれてたんだけどね。だから、一緒に暮らすところまではいけたんだ。あの頃が、一番幸せだった。朝起きたら直之くんがいて、お揃いの食器でごはん食べて、直之くんは仕事、私は大学──夜になったら、また一緒に過ごして、同じふとんで眠るの。でも、それだけでいいのを、誰も理解してくれないんだよね。結婚できないんだから別れろ、子供も作れない女なんか捨てろ、直之くんは一時期、親にも上司にもそんなことを言われ過ぎて、ノイローゼみたいになってた。そんなとき、咲枝さん……秋果ちゃんのおかあさんとお見合いしてね。私は、突然直之くんに『別れよう』って言われた。わけが分からなくて、咲枝さんに対して嫌な女になったりした。きっと、咲枝さんにそれを聞いたから、秋果ちゃんは私によそよそしくなったんでしょ?」
 私は眉を寄せて考えてから、「よそよそしい」という言葉の意味がよく分かっていなかったものの、うなずいた。菜実さんは柔らかく微笑んで、私の頭を撫でた。
「ここから、あの町、見える?」
 菜実さんはそう言って、田んぼのずうっと先、地平線にある小さな町並みを指さした。
「あの町が、私と直之くんの育った町。だから、秋果ちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんがいる。このあと、秋果ちゃんのことはそこに連れていくから安心して」
 それを言われて、急激にほっとした。おじいちゃんとおばあちゃんが近くにいる。ということは、おうちに帰れる。思わずため息をついていると、「昔、その田んぼの中を、直之くんと走りまわった」と菜実さんは緑色の風景を見やった。
「この道も、昔はこんなに整備されてなかったな。一応、隣の町につながる道として道ではあったけど。よく、直之くんとこの道まで来て、駆け落ちしちゃおうって話した」
 そう言ってから、ふと菜実さんは視線を落とすと、「ごめんね」と壊れそうな声でつぶやいた。
「それでも私、もう直之くんは結婚したんだから、あきらめなきゃいけなかったのに。やっぱり好きで、どうしても好きで。そしたら、結婚して子供もできたから、急に周りが静かになった直之くんも、やっぱり私が好きだなんて言ってくれて。それでも、もう私と直之くんは、ダメだったんだよね。何であんなことしちゃったんだろう。咲枝さんが留守にするたび家まで行って、秋果ちゃんにおとうさんがおかあさん以外の女といちゃつくところ見せて。ひどい女だよね。ほんと最低だよね。ごめんね」
 なぜ菜実さんが涙を落としはじめるのか分からなくて、私はつながっている手をぎゅっと握った。菜実さんは嗚咽をもらし、「ごめんね」と何度も言った。
 工事の人が、たまに怪訝そうにこちらを見ていた。それに気づいた菜実さんは、顔をくしゃくしゃにぬぐって、「この空、何年か経ったら、なくなってしまうの」と私の瞳を見つめて言った。
「高速道路がね、上にできちゃうの。ここから上を見ても、あるのは空じゃなくてコンクリートになっちゃうんだ」
 私もう一度、空を仰いだ。雲が緩やかに流れて、青がしなやかに広がっている。
「何度も、この道を抜ければ私たちは自由になれるのにって、直之くんと話した。その道をいつもきらきらさせてた空が、もう閉じられるんだ」
 菜実さんは、ゆっくり体重を脚に戻した。私は菜実さんとつないだ手を見て、ふとその左手の薬指に指輪があることに気づいた。その光をじっと見ていると、「子供がいなくてもいいよって人なの」と菜実さんは涙を残しながらも、にっこりした。
「だから、今日でほんとに最後。もう直之くんにも会わないし、秋果ちゃんにもほんとのこと話せた。っていっても、小学一年生じゃよく分からなかったよね。きっと、いつか分かるから」
「……ほんとに、おとうさんに会わなくていいの?」
「うん。やっぱりね、奥さんや彼女がいる男の人を好きでいるのはつらい」
「おかあさん……は、おとうさんの好きな人は、別にいるって言ってたよ」
「私も、直之くんがずっと好き。でも、一緒にいることはできないの。もう、この空がここからは見えなくなるみたいに、終わるんだよ」
 私は目を伏せて、菜実さんの手を握った。
 この人が、もしおかあさんだったら。そうだったら、すべてはうまくいっていたのだろうか。
 おとうさんは幸せ。菜実さんは幸せ。そんなふたりの笑顔で、私も幸せ。
 でも、やっぱり私は、結局誰にも愛されていないおかあさんを、一番見捨てられないと感じてしまう。
 そのあと、菜実さんは私を祖父母のいる町並みに送った。
 私は菜実さんにお金をもらって、駅にあった公衆電話で、祖父母の家に電話をかけた。菜実さんのことはもちろん言わなかったけど、電話に出た祖母はじゅうぶんびっくりして、すぐ迎えに行くと言った。
 菜実さんは、私にランドセルとポテトチップスを渡して、車に乗りこむと、祖父母が駆けつける前に去ってしまった。
 空を見た。さっきまで青かった空が、桃色と橙々色を溶け合わせて、穏やかに赤くなっていた。その光が雲に映え、夕焼けが広々と空を染めていた。
 何でこんなところにひとりで来たのか。電車で来たとしても、お金はどうしたのか。父の実家にとりあえず保護されても、祖父母に細かく訊かれて困ってしまった。
 けれど、電話をかけてきた父の何らかの説明で祖父母は落ち着き、両親が迎えに来るまで、もう普通にお盆やお正月のように私を甘やかしてくれた。
 もしかしたら、父は菜実さんに最後の連絡を受けて、辻褄を合わせたのかもしれない。分からない。それ以降、菜実さんは本当に私の家に来なくなったし、父はちょっとずつ母に優しくなっていった。母もぎこちなくそれに咲い返した。
 私はそんな両親を眺めて、薄れていく“離婚”という言葉を感じながら健やかに成長し、いつのまにか大学生になっていた。
 二十歳になった大学二年生の夏休み、私は高校時代からの彼氏である宏昭と、ドライブに出かけた。「どこ行く?」と運転する宏昭に訊かれて、私は父の田舎とは言わずに、あの町に行ってみたいと言った。
「あそこ、何かあったか?」
 首をかたむける宏昭と高速道路に乗って、私は高校生に上がってから──特に宏昭とつきあいはじめてから、来なくなった父の田舎に来た。
 予想以上に景色が変わり、緑の田んぼは灰色の道路になっていた。右とか左とか指示しながら、私は帰省しても何となく近づかなかった、隣町に続く道にやってきた。
 約十三年ぶりだ。宏昭と手をつないで、私は上を見た。
 そこは、完全に高架下になっていた。灰色のコンクリートがしっかりできあがり、空をさえぎって、道路は日陰になっている。汗は滲んでくるけど、ぎらつく太陽はないから、ちょっと涼しい。
 蝉の声が狂ったように鳴いている。コンクリートをじっと見上げる私に、宏昭は不思議そうにしていたけど、私があんまり強く手を握るから何も言わずに握り返してくれた。
「……終わったのかな」
 不意に私はそうつぶやいた。
「えっ」
「ここみたいに、ここからもう空が見えないみたいに、ちゃんと……終わったのかな」
 宏昭は、私を見つめた。無論、意味不明で少し混乱したようだけど、私の手を引き寄せて肩を抱いて、頭を撫でてくれた。
 そんな宏昭の体温が、薄手の夏服から伝わってくる。その熱は優しく私に溶けて、ほっとするから、少しだけ泣きそうになる。
 愛しあって、認められなくて、この道から逃げようとしたふたりがいた。結局、はっきりと確かめられていない。今は携帯電話だって普及した。本当に、おとうさんと菜実さんは終わった? 会っていない?
 分からない。分からないけど。
 あんなに自由に広がっていたはずの空さえ、今ではこんなふうに閉ざされている。そんなふうに、いくら愛しあっていても、結ばれないこともある。
 だから私は、今、手をつないでくれているこの人を、精一杯大切にしよう。そう、できればこの命が終わるまで。
 すべてが終わってしまう、その日まで。
 FIN
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ichinichi-okure · 1 year
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2023.9.14thu_tokyo
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昨晩は疲労困憊なのに百万遍を歩き回ったのち村屋※で飲んだ 帰りに天下一品に寄ったせいか 今朝は二度寝していた
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二度寝して現場に到着
午前中はトイレ前にあったデカい鏡を移設する準備をしていた ラジオは「今夜アレになる」「18年ぶりのAREだ」と繰り返す
鏡を取り外すと朽ちた内壁がバリバリと剥がれたので修復 車があるうちに2枚多めに合板(畳サイズ)を買っておいてよかった
京都「西ノ京」に開店する珈琲ヤマグチ※の工事を請け負っている 最高気温が35度を超えたことを意味する猛暑日は37日を数えた
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クライアントと友達
午後は昨日に引き続きクライアントが友達2人と助っ人に来てくれた ニュージーランド在住?サービス業従事者&僕の母校の教員
クライアントは真名美という 5年位まえ僕の飲み屋の客だった 真名美が現場に来るとアイデアを伝えてどう形にするか相談する
京都入りしてから2か月と1週間が経つ 7月7日に銭湯で買った石鹸はすっかりちびてしまった
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7月8日天井落とし
今日はこういうかたちで「回想」することをみとめられたので 日頃反芻していた言葉の断片を1行31文字以内で書き留める
高井戸ICからイッチー※のハイエースに工具を満載し片道460km 物件は元米屋でその前はパン屋 餅屋いずれも貸主の商売だった
東京から京都へたった1人で移住した借主の行動力に感服する 工事の相方で師のイッチーと真名美で3人であちこち飲み歩いた
METROでのGiftやKyoto TSUBAKI fm 3rd anniversaryは楽園だった 京都にいる内にできるだけ多くのリスニングバーやクラブを回りたい
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DJで一級建築士のタムラさん(DoitJAZZ)
築90年の町家建築を相手に序盤のほとんどは解体で難儀した 天井を落とし壁をめくり床をこじあけた裏側に幾千の生き物の痕跡
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イッチーと彼が連れてきたアルバイト
仕事終わりには若松湯で埃りと汗を流している 町場に用事があればその周辺の銭湯巡る 10数軒は回ったか
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文化財で銭湯にプチ遠征
ひと月かけて執り行われる祇園祭にも少し詳しくなった 通りの名前も徐々にしみついてきている
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祇園祭はカッコよかった
コーヒーを淹れる台は材木屋で50年眠り続けたラワンの一枚板 材木屋は現場の近くにあり親切※美大関係者へのサーヴィスが手厚い
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材栄さん
京都入りと同時に2級建築士製図試験対策の日曜講座に通い始めた しかしオンもオフもやることが満載で宿題の半分もままならなかった
めくった壁から90年前の大工さんがつくった壁がでてきた 新しく造る壁と並列させて見えるように設えている
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A剥がして現れた壁
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B古い壁と新しい壁
8月22日 イッチーはトリツカレ男の店番と都立家政での新しい 案件に着手すべく一足さきにハイエースに工具の半分を載せて帰った
いったん東京に戻り9月10日に製図試験挑んだが十中七八アウトだ 12月7日に結果が出る そのころには珈琲ヤマグチも板についている
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二級建築士製図試験問題
言葉を尽くし手を動かし工夫を重ねた内装工事も終盤 準備した200枚の名刺は徐々に京都人たちの名刺に換わっている
いろんな店で顔なじみになり「工事終わったら帰りはるんですか」 惜しんでくれるのは嬉しいが工事はあと1週間半くらいで終わらせたい
サウナで声をかけてくれた51才の紳士は音楽通だった いまやかけがえのない京都のともだちになっている
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レコード棚も造っています
場所柄外国人とも酒を酌み交わした フィンランド人、チリ人 トルコ、中国人、モンゴル、アイルランド…7か国位?
芸大(先端芸術表現科)の同級生や先輩とも久しぶりに会えた なぜか同級生の2人が医師免許をとっているが明日その彼らに会う
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先端の先輩が自転車に載せられる美術館をつくっていた
16時半 真名美は同級生と自然派ワインの店coimo wine & cafeへ 僕は若松湯のラジオで阪神タイガースの優勝の瞬間を見届けた
最寄りの定食屋兼飲み屋「たいたん はちべゑ」へ行くと 「あとアウト1つやで」と狂喜乱舞するファンに迎えられた※
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あれに乾杯
京都でピザ屋を開きたいという同い年の夫妻に出会った※ 早く眠るつもりがCOMOGOMO JURAKUで2人の夢を語りあった
もしかしたら彼らの店を造ることになるかもしれない 25時 今日も倒れるまで眠らなかった
灼ける盆地の風にも秋の成分がだいぶん添加されてきた もう猛暑日の38日目をカウントすることはないだろう
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イッチー、フィンランド人のイラリくん、やぎ
ーーーーーーーーーーー 注釈
※村屋 出町柳のカオスな飲み屋。自然派日本酒が豊富。
※珈琲ヤマグチ 現在自家焙煎コーヒーのオンライン販売とイベント出店。 2023年9月現在。中京区西ノ京左馬寮町にて喫茶店を開業予定。 御前丸太町下ル 若松湯東入ル。 https://www.instagram.com/_3_yamaguchi/
※イッチー 高円寺のタパスバー「トリツカレ男」店主。 2017年末この店をイッチーが造っているのを手伝わせてもらったことが 僕が内装を始めたきっかけのひとつになっている。 https://www.instagram.com/toritukareotoko/
※親切な材木屋 材栄 https://zaiei.shopinfo.jp/
※阪神タイガースのリーグ優勝 日記の中にアレの瞬間が2回あるのは ラジオ放送に遅れてテレビ放送がついてくる。 タイムラグは2分近くあったと思う。 その間検閲できちゃうのでは?という時間差。 ラジオは昔も今も最速のメディア。現場でもラジオが相棒。
※ピザ屋 ヨロシクピッツァ。 ポップアップ出店と窯ごと出前ピザしている。 https://www.instagram.com/yoroshiku_pizza/
※COMOGOMO JURAKU 現場から近いし深夜遅くまで開いているので 製図試験対策で力尽きたらここで晩酌していた https://www.instagram.com/comogomo_juraku/
-プロフィール- やぎ 38歳 東京 とんち造作計画・内装業
ペーパードライバーの個人事業主の内装業。 店舗設計、解体、壁の造作、什器製作、左官、給排水配管 などおおよそ全て自前で施工している。 佐橋※介。※の部分を景に替えてお読みください。 http://instagram.com/tonch_keikaku/ http://tonch.tokyo/
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littlesallywalker · 1 year
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日記
真夜中のエンジェルベイビー魚座さんへ。眠れましたか。
リュックにつけていた「be a dark horse」のバッジがこわれた。
ある暗いまぼろしのころリュックにひなげしを挿して歩く友もいた。
こちらは夜半、きゅうにスマホの電源が入りっぱなしフリーズして、
強制終了のやり方を知らなくてあわあわしてでもPCで日記読んだ。
やがていつの間に寝ていた。オートバイにのる子の夢をみた。
本当に「オートバイ少女」(鈴木翁二)みたいな子だった。
ぼくのいる細い路地へよく通ってくれた方。
鈴木翁二さんって今はどうされているのだろ、
スキンヘッドだってだけむかし教わってそれからもけっこう経つ。
あれは何の星、あれはなんの星。
それからあれはなんの星。
あれはあの子、あれはあの子、あれはあの子。
”先を思うと不安になるから今日のところは寝るしかないね”
眠れないとき、重たい目と肩で星と星がむすばれていく。
朝それは解決した、携帯問題はね。今またトラブル心。
不安なときって鉄板に背中くっつけたような、
それとも胸をスプーンでえぐられるような、
足から順に手が震えるその、全身にきますよね。
いっぽう脳はフリーズして冷蔵庫の前で立ちすくむ。
明け方、資源ごみ出しサバイヴに成功...忘れたぶんの段ボール、
旅の重さの様でいてなんだか煩悩の責任が横たわった物を起こす。
景気づけにもろきゅう食べた。もろきゅう大好きです。
お隣さんは挨拶が苦手みたいで、一方的な会釈だけする。
娘さんはにこにこ型、お母さんは駆け足系。
旦那さんとは睦まじくたまに話している。
国道沿い明け方4時のプリンスプリンセスたちよ。
たまごサンドぼくも好きです。コンビニだとローソンのおいしい。
自分で作ったのもおいしい。けど買い食いのたのしさには敵わない。
腕枕いいですよ。片やひとり今を解決できたらいいなとお着替え。
そうそう腕枕ってそう何十回としたことある訳でないんだけれど、
みなさん遠慮して「重くない?大丈夫?」ってやさしかったです。
別に重いことなくて鼻に髪の毛がこそこそしてくすぐったいです。
前にまお君(友)のこと腕枕させてもらったことがあって、
腕ふと!って。彼は短髪だけどそれでも鼻に入りました。
腕章をパン!ってはじく太さです、元テニス部元水泳部。
タハハ。わたしは誰と話していますか?
むかしむかしチャットモンチーめちゃ好きで。
「寒くて寒くて凍えそうだから手をつないで目をとじよう」
っていう歌詞になんか夢見たりそんなきも学生でした。
鏡みたら今日目の下のくまみたいのがすげい。現実~。。
めがね必須日ですね。これはこれは。
リクエストはあとでちょくちょく言います。
と思ったけど。ぼくはあなたの後ろ姿をみたいです。
肩に降る雨をみて背中から何分か真空になって瞼の内の月を見たい。
不安。でかけるまえに背中さすって、だれか遅刻させてください。
遅刻というよりか、...なんでもない。
バッジは捨てない、直してあげる。
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さかなの別名義の曲でこれは「ルナルナ」ではなく「ルナ」。
スピッツぼくもこっそりずっと好きで新作もカセットで買いました。
なんだか���いきん7inchとカセットで聴き気味です。
うちのかわカセットプレイヤー今度みてください。
CDプレイヤーもかわいいのです。自慢。
やさしいあの子にも伝えたい。
君はどんなひと?(今さら)
その彼?や彼女?の遡るいいねの過去はどんなかな。
今夜のごはん、簡単ですがおてやわらかに鬼ころしで乾杯ね。
誕生日、誕生月にはケーキたべて水瓶で飲酒しましょう。
(はやくかえってきてください)
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ashny0 · 1 year
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第1位 間宮 南
君が一番だよ!!!!!
「ありがと」
結局ミナミです。ごめん、浮気はした。認めます。でも戻るとこはミナミです。
「浮気したって発言いる?」
みさともちさともすきやけどミナミには勝てん!!!かわいすぎてむり!!!!!
「前半のふたり誰」
すべてが愛おしい
「母親かよ」
今年もミナミを押し上げるために頑張る時が来た!!!
「ありがとう、お陰様です」
前回3位の結果出た時?!?!!!??ってなったので今回はミナミにしか入れません。あんたがナンバーワン。
「ということは、前回は別の男に入れてたんだ」
ただただかわいいんだよ君は。これからも間宮なりにたくさん愛してあげてくれ。それを私に見守らせてくれ。
「恥ずかしいからあんま見ないでくれない?」
すました感じしてるのにほんとはすきですきで堪んないとこがまじで愛らしいです
「具体的に言われると恥ずい」
ミナミ今回は必ず…!!
「ありがとう」
私の中ではナンバーワンのオンリーワン(今度の歌詞に使って)
「もうオンリーワンって曲作ってるから無理」
この前は勝たせてられなくてごめんな
「それな」
どーしてもミナミのご褒美がみたいんや…!!!
「ご褒美なんだろうな」
ミナミは結婚してもまだ照れてるの?
「なんだその言い方」
ミナミライバル多すぎるよ😭😭
「水森に言え」
なんだかんだ忘れられない男…
「なんだかんだって何があったんだよ」
茅ヶ崎LOVEなところがどツボです💕
「そこぐらいしかいいところねえしな」
どこがいいかわからなくなってきたがミナミがいい
「好きってそういうことだろうな」
南の女ズの1人として、愛を叫びます。好き〜〜〜〜〜〜〜!
「ありがとう」
南ちゃん、勝とうね絶対
「勝った。ありがとう」
ミナミの良さを私たちは知っている、、、私にとってのonly oneだよ、、
「じゃあ俺の良さ教えて」
言い合ってても初ちゃんにくっつかれたら力抜けちゃうよわよわなミナミが大変良い
「言うな」
とにかくミナミが大好きすぎる!!もうミナミで心が埋め尽くされてます!!ミナミーーーー!!女々しいあなたが大好きだ!ずっとそのままのミナミでいて欲しい!何回も言いたい大好きー!!
「何でそんなに俺のこと好きなの?ありがとう」
王は南。
「王って」
南が刺さり過ぎて、他メンズを愛せなくなっちゃった…
「それは気分がいいな」
初ちゃんはモテる男がタイプらしいから、1位なったら喜んでくれるね!!!頑張ろうね!!!!/ただ一途で愛が重い男が好きなんじゃなくて、南ちゃんだから好きです。/1位になって初ちゃんと祝杯あげて欲しいから!!積ませてね票!!!/初ちゃんが好きな南が大好きだ〜ずっと推させてね〜
「お前去年もたくさん入れてくれたよな? ありがとう」
いつまでも他を推させてくれない魔性の南
「一途だな」
間宮南最高だ。大好きだ。
「ありがとう」
1位じゃなくてももちろん好きだけど、初ちゃん以外ではつよつよな南が見たい!!!/1位の南も最高だけど、負けて初ちゃんによしよしされる南ちゃんも見たい…!!!
「確かに、初以外には強いかもしれない。いや、あいつが強すぎるだけだけど」
この人しかありえんからです!
「そうか」
負けてよしよしされる南ちゃんも、勝ってよしよしされる南ちゃんもどっちも見たいー!!!!/朝比奈さんとお約束したので、一気に積むなんて真似はしないからね!少しずつ愛も票も積んでくからね!!
「何事もこつこつだな。健気な女は好きだよ」
もう世代交代してしまって勝てないのは分かっているんですが、それでも私はミナミらぶです!!!一生ミナミ担!!!!現在のミナミが何位なのか純粋に知りたいので1票しかいれません( ;  ; )どこが好きって言われてもすぐには答えられないけど、とにかくミナミが好きだよ〜!強いて言うなら素直じゃなくて意地っ張りだけど、最終的には初が大好きすぎるところ🫶🏻
「勝てないのは分かってるってなんだよ。お前みたいに一途な女が多いから勝ったよ」
だって南ちゃんだから。
「てかちゃん付けやめろ」
ミナミしか勝たん。2回目です!
「ありがと」
ミナミだからです。
「そうなのか」
結婚してどうですか?
「幸せだよ」
カウンター2人で座って飲む酒が1番ですか?
「家で飲む酒もいいよ」
永遠に間宮南のオンナから卒業出来なそうで嬉しい
「一生留年な」
初ちゃん幸せにしろよ!!!!
「はい」
ミナミ今回も負けそうだね…かなしい
「なんで負ける前提なんだよ」
最近はどんな曲書いてますか?
「セフレに���してる女の曲。トレンドだから」
そろそろファミリーソングどう?
「んー、まだ」
原点にして頂点
「まあ、確かに」
ツンデレ南をグズグズにしたいし、グズグズにされたい……一人で二度おいしい間宮南しか勝ちません(強火)
「女ってギャップ好きだよな」
ういへの愛が素敵すぎて好きです。ちょっと臆病なところも大好きです。唄を愛で綴るところも最高です
「歌じゃなくて唄って言うのいいな。気に入った」
どう足掻いてもミナミが1番!「足掻く必要もなくね?」
ミナミは首位でなくても私の中の永遠No.1だから大丈夫。といいながらもできるところまで押し上げます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
「それでこそオタクだよ」
ミナミの女になりたいです
「無理」
実際いたら惚れるのは絶対ゴマキとか春川とか水川だと思うしタイプもそっちなのになんでこんなに好きなのはミナミなんだろうね?
「見る目ないからだろ」
とりあえずTwitter開いたら1票
「コツコツありがとう」
Sだと思ってたけどじつはMですよね?MMだし!
「まあ、Sではない」
今回で最後なら絶対にミナミに一位を!と意気込んではいるけれどすでに2日経ってて?大丈夫か?となっているミナミ担
「怠慢だな。やれるまでやってくれた?」
そして今ツイ見て慌ててもう1回やったきた…結果見て後悔するのはもう嫌だ
「後悔させねえよ」
まだまだミナミの話をもっと読みたいから。
「水森があんまり書く気ない」
初ちゃん大好きなミナミが大好物です
「一生片想いなのに?」
魅力的な男性がどんどん増えますが、今年も今年とてミナミの女です、、、
「一途だな」
ミナミ〜〜🥺🥺
「なんだよ」
ミナミ〜〜投票数で勝てなくても熱量では負けないぞ〜〜〜❤️‍🔥❤️‍🔥❤️‍🔥❤️‍🔥❤️‍🔥
「同じような奴がたくさんいた」
絶対一位になって欲しいよミナミ!!
「なったよ」
相変わらず一生茅ヶ崎ちゃんに勝てないミナミに乾杯🍻
「ビールがうめえよ」
元祖女々し男!!!好きです!!!!
「女々しい言うな」
1票で勝負すると言ったのに朝比奈先生に愛を叫ぶのを忘れてしまったので(ごめんなさい)、もう一度ミナミに投票してしまったミナミ担です
「ついでみたいな投票の仕方だな」
どうなってもヘタレな彼がすきです
「どうにもならないことだってあるだろ」
ミナミがそこにいるだけで🫶
「そこにいるだけで、なに?」
ミナミ!!
「なんだよ」
負けんなよ
「お前がな」
間宮南 名前の字面見るだけで幸せになる!
「コスパいいな」
南ちゃん南ちゃん!!南の女頑張るからね…!!!
「ありがとう」
圧倒的カワイイ!
「どこが?」
間宮は強いですねー、好きな表し方がなんか愛おしくなる感じがたまらんないですよねえ
「実況者の方?」
ずっと愛でてたい…かわいいねほんと
「かわいくねえ」
ミナミは本当にかわいいねえ
「かわいくねえ」
みなみきゅんかわいいねーえへへへへ
「かわいくねえ」
南可愛いな???すきだよ?????
「かわいくねえ」
南と共に生きていきたい
「無理」
今回こそは、、!南の女の底力見せるからね!!
「ありがとう」
前回愛をぶちまけてたら票数で負けちゃった、、ごめんね、、
「しおらしいの嫌いじゃねえよ」
南の塩対応グッとくるし、初ちゃんにだけデレるとこメロい
「めろいってどういう意味」
漢を見せてぶっちぎって欲しいけど、負けてヨワヨワ南も捨てがたい
「どんな俺でもいいってこと?」
間宮南ってMMだね、、
「水森めぐりもな」
一途ですぐ拗ねて可愛くて女々しくてツンツンツンツンデレミナミが大好きです!
「文字にすると地雷みたいだからやめて」
Twitter開いたのでとりあえず1ミナミ
「健気だな」
色々気になりすぎてついに夢に出てきたミナミ…はっきり覚えてないけど相変わらずヘタレてたよ。かわいい
「なにが気になったのか気になる」
待って待って、間宮の南ちゃんは元気?!闘いに食い込めてる、、!?
「一位だったよ」
南ちゃんの勝敗が気になり過ぎて永遠にポチポチしたくなる、好き
「いつもありがとう」
好きーー!!
「ありがと」
女々しくていじらしい男最高
「うっせ」
途中経過でひとり圧倒的だと言っていて水川も深山も坂本も強敵だからちょっと投票遠慮しつつも不安だよミナミ!!!積むの得意だから「節度ある回数」が難しい!!!!
「どうやら圧倒的な一位は俺じゃなかったらしい」
うちに欲しいミナミ ペット的な。撫で回したい
「ペットにすんな」
お姉さんがみなみきゅんを勝利へ導くよ♡
「俺より年上なん?」
我らがミナミ!!!3年連続ミナミへ愛を注ぎます!!!
「ずっと投票してくれてありがとう」
ふと…ミナミだいすきで投票しに来ているものの1番モテるかと言われたらなんか違う気がしてきた 笑 でもやっぱりすきなのはミナミ
「それがモテるってことだろ」
ミナミ〜〜〜最近嬉しかったことは???
「一位になれたこと」
振り回されるミナミを一生見てたい!
「複雑だな」
ミナミ負けちゃわないで(泣)ずっと私のナンバーワンでいて(泣)
「勝ったから泣くな」
推しです
「推しってなに」
初ちゃんがミナミの元セフレと鉢合わせしちゃってなんやかんやあって傷付けられたり1人で泣いちゃったりしたらミナミどうするんだろうって考えてにやにやしてる
「いや、そんな最悪な状況妄想するならもっと票入れてくれ」
忙しすぎて投票久々になってしまった、、Twitter開く度1ミナミ。
「お疲れ。忙しい中ありがと」
3年連続ミナミに愛を注ぎ続けてきました🥺🥺勝てなくても一生推します🥺🥺
「普通にうれしい。ありがとう」
絶対ミナミ!
「ありがと」
ミナミ〜〜〜最近幸せだと思った瞬間は?????
「初に誕生日祝ってもらった」
ミナミの女ラストスパートかけます🙋🏻‍♀️🙋🏻‍♀️❤️‍🔥❤️‍🔥❤️‍🔥
「おう、やってくれ」
何回よんでも好きだよ。ういちゃんのこと大好きな南が好き。可愛いし、私もこんなに愛されてみたいなーって思うから好きっていうのもあるけど、たぶんそもそも南という人が好き。ツンデレなコメント待ってるね
「ツンデレなコメント待ってるって言われたら、そういうコメントしたくなくなるんだよな。ツンデレだから」
ミナミ推しだけど、明石さんは絶対に大人な良い男なので好きです…仕事中と素の好きな相手への甘さの切り替えがたまりません…
「いっちばん比較されたくない相手だわ。そりゃあ赤井さんのほうがいいだろうな」
最近どんな詩書いた???
「セフレに相手されてない話」
🌟⋆꙳茅ヶ崎
初ちゃ〜ん!卯年だよ〜南ぴょん元気〜?
「ぴょんぴょん元気だよん」
初ちゃん!可愛いセクシー愛してる!!!
「えっ、セクシーとか初めて言われた! ありがとう!」
茅ヶ崎初ちゃん、ってお名前の響きも可愛すぎる〜と思っていたら、間宮初ちゃんの響き圧倒的サイコー!!
「ほんとに? 私は茅ヶ崎 初のほうが気に入ってるけどな〜!」
初ちゃん、、南があんなに最高な男なのは初ちゃんがいるからだよね、、いつもありがとう
「ええ、感謝されちゃった。うれしい♡」
初ちゃ〜〜ん!全部可愛くて最高な上に、ありがとうとごめんなさいをちゃんと言う所大好き♡
「あはは、人間としてってだけだよ。基本的なところまで褒めてもらえてうれしい」
南のオンナである前に、初ちゃん強火です、、
「え、じゃあミナミ抜きでふたりで会お?」
初ちゃん好きです。これからも南に愛されて最高な初ちゃんでいてください。
「愛されてこそ女は最高になれる!」
初ちゃん!
「はぁ〜い」
初ちゃ〜ん!見ってる〜?大好きだ〜!!/初ちゃん!間宮初ちゃん!なんてお可愛いんでしょう!!/初ちゃ〜ん!冬だね!あったかくしてね!愛!!
「たくさんありがとう! そんな好かれるような女じゃないのに……うれしい」
初ちゃ〜ん!南が1位獲ったらよしよししてあげてね〜
「一位だったね! たくさんヨシヨシしてあげましょうかね!」
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hegotthesun · 4 years
Text
『ワルツ』 終局特異点 A.D.2007
※本稿は虚構《フィクション》であり、実在する人物・団体とは一切関係ありません。
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この曲は「ズッ友」はさておき、2009年12月24日に収録しました。 動画で使用させていただいたイラストはsime様画です。 もちろんのこと、メールでの連絡にて使用許諾を得ております。 ◇◇◇ ――2010年2月上旬。
謎の美少女"ttt5959"様に当曲を歌ってもらえました!
■https://nico.ms/sm9620846
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=====
――2007年10月17日。今日はケミカルシューズ関連業の面接日だ。
 これまで18歳から2年間ほど務めた印刷製本の仕事を、会社側の事情で唐突に解雇され、転職を余儀なくされたのだった。
 そうこうして、会社2階の事務室に入室した。
 事務室の扉をノックし、「失礼します」と幾分か緊張しつつも開いた。
 狭い事務室には、茶髪の長い髪をアップに結んだ女性が着席しており、ずいぶんと驚いた様子でこちらを凝視していた。
 席を外すように促され、女性は事務室から退室し、すぐに僕の面接が始まった。
 数日後、採用の連絡があった。
 そうして茶髪の女性は事務員として入社し、僕は作業員として同期入社する運びとなった。
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――2007年10月19日。小雨の降る緊張の初出勤の日。
 延々と続く変わり映えのしない道を猪突猛進に歩き続け、勢いあまって会社の目前を通り過ぎ、咄嗟に踵を返したところ、今度は足を滑らせて転倒しかけてしまった。
 この先、無事にやって行けるのか不安になりながら気を取り直して社内に入ったが、まだ誰も来ていないようだった。
 不意に後ろから声を掛けられたので振り向くと、一人の女性が立っていた。
 軽く挨拶と自己紹介を終えると、いきなり好きな音楽は何かと訊ねられた。
 どうやら彼女が好む音楽はThee Michelle Gun Elephant、Number Girl、Syrup16g、Bump Of Chicken等の下北系のロックバンドらしくすぐに意気投合した。
 そうして同じ持ち場の彼女から直々に仕事を教わることになった。
 ちなみに会社の前で足を滑らせた情けない後ろ姿はしっかりと見られていたらしい。
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 翌日、彼女に何かお勧めのCDを持って来るように頼まれたので、彼女の気に入りそうなCDを何枚か持ち出して聴かせたところ、フジファブリックの『茜色の夕日』を甚く気に入ったようで何度も繰り返し聴いていた。
 後日そのCDは彼女に渡すことになった。
 それから彼女に手取り足取り作業を教わる日々が続き、「繊細そうな手」「東京の人みたいで面白い」と辛辣なことを言われて困惑した。
 さらには「彼女はいるの?」「どうして彼女を作らないの?」「女の子が嫌いなの?」と受け答えに困る冷酷な質問をされ、「音楽に専念したいから」と意味不明な言い訳をしてしまった。
 同時に「貯金が貯まったら宅録環境を整えて曲を収録したい」と密かな夢まで語ってしまった。
 まるで馬鹿みたいだ。
✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
──ある日の昼休みのこと。東京に引越して結婚すと彼女に告げられた。
 要約すると、月末に寿退社する彼女と入れ替わりに、僕は補填として会社に採用されたのだった。
 その後は、なぜか人生相談に乗ることになったが、どこか上の空で曖昧な答えしか返せなかった。
 相談は人間関係や子供時分の思い出話にまで及んだ。
 どうやら彼女は長い間、自分は変人なのだと思い込んでいたが、最近になって普通なのだと潔く覚ったらしい。
 東京では友人を作った方がいいのか聞かれたが、「子供ができたらママ友ができる」とは流石にその時は言えなかった。
「どんな人が来るのかと思ってたけど、いい子でよかった」
 なんだか褒めるにしても頼りないことを言われながら、意外と子供の頃の共通点が多くて驚いたが、横から割って入ってきた事務員に「結婚は結局のところお金」と断言されてしまった。
✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
 翌週に執り行われた「歓迎会兼送別会」と銘打たれて催された飲み会は、僕にとって歓迎会だったが、彼女にとっては送別会だった。
 僕は地元の神戸で働き、彼女は東京に行き嫁ぐ道を選んだ。
 彼女は結婚を修行のようなものだと思って頑張ると言ったが、僕にとっては就職して働くことが修行のようなものだった。
「もし私が三ヶ月後に離婚して神戸に帰って来たら、また一緒に働こうね」と冗談を言ってくれたが、たとえお互い違う道を歩んでも彼女が元気に過ごして居てくれたらそれだけで僕は一向に構わない。
「定年退職まで頑張ってね」
 そんな約束を彼女と交わしたのだった。
✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
「この飲み屋にいる中で誰が一番好みや?」
 ふいに上司から不躾な質問をされたので、真剣に周囲を見渡しながら悩んだ。
「このお姉さんが眩し過ぎて他の人は見えないよね?」
 お座敷で僕と向かい合わせに座っていた彼女が、隣に座る"ふくよかなおばちゃん"を指さしながらとその場を上手く誤魔化してくれたのだった。
「お前は返事が遅いから指示を理解したのか分からへんのや」
「適当に『はい、はい』と答えてればいいと思う」
 上司の小言に対して、彼女が貴重な助言をくれた。
 話の流れで上司には11歳年下の妻が居ると発覚して、社員一同に「犯罪や!」と褒め称えらていた。
 また、その上司の息子は毎週ポケモンを観ているらしく、その場でポッチャマの絵を描き上げたが、年甲斐もなく中々上手だったので少々驚いた次第だ。
 当時はまだ飲酒をしたことがなかったので飲みやすい酒は何かと彼女に聞いたら「カクテルは飲みやすい」と薦められたので、とりあえず"カシスオレンジ"を注文することにした。
 カクテルを持ってきた店員に戸惑いながら年齢確認された後、初めて飲んだカクテルの味はジュースと大差ないとしか言えなかった。
「私も飲んでいい?」
 物思いに耽っている内に飲みかけのカシスオレンジは彼女に横取りされてしまった。
 ブルーベリーソースの添えられたサイコロ状のチーズを黙々と食べる僕の様子を、彼女は母のごとく微笑ましそうに見つめていたが、事務員が執拗に乾杯を要求してくるので仕方なく注文した生ビールで乾杯に応じた。
「へえ、乾杯するんだ?」
 彼女に軽蔑の目で一瞥されたが、めげずにビールを口に含んだ。
 そうして思わず渋い顔をしてしまった。
「ビールは舌で転がすもんやなくて、のどごしを堪能するもんや!」
「彼は��ムリエですから」
 上司の助言に、すかさず彼女が合いの手を入れてくれたのだった。
 それから酔いが回り、事務員と横になって休んでいたら、いきなり足裏マッサージで彼女に叩き起こされた。
「痛い?」
 そう言いながら、彼女は少しご立腹の様子だった。
✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
 事務員がお座敷に連れて来た二人の子供を見て、彼女は「かわいい!」と率直に嬉しそうな反応を示していた。
 たぶん彼女の幸せは温かな家庭の中にあるのだとその時に直感した。
 円満な家庭を築いたら、彼女はきっと幸せになれるだろう。
✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
「俺は外国人には優しいからな」
 唐突に上司が語り始めた。
「俺は在日韓国人やけど見た目は日本人やから、韓国で韓国語を話すと周囲とびっくりされるんや!」
 そんなどうでもいい話を語り出し、ついにはパキスタン人も雇ったことがあるという話題まで飛び出したので、なんだか己の所在地が判らなくなりながら話に聞き入っていたら、突然その上司に胸を揉みしだかれて身じろぎをした。
「嫌がってる……」
 目前の彼女はぽつりとと呟き、微笑ましそうにそのあるまじき光景を観察していた。
「なんでうちの会社の女はみんな胸がないんやろうか?」
 それに乗じて無駄口の多い初老の同僚が本心からの愚痴をこぼし、女性達から顰蹙《ひんしゅく》を買っていたのだった。
✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
 上司の武勇伝が続くお座敷のテーブルの下で、彼女に無理やり靴下を脱がされたかと思うと、今度は僕の太ももの上に足を乗せてきた。
 たぶん黒いストッキングを脱がしてほしいという意思表示だったのだろうけど、流石にそんな勇気は当時の僕にはなかった。
 案の定アルコールを摂取し過ぎてトイレで盛大に吐いてしまった直後、彼女が扉を開けて入って来た。
「大丈夫?」
 心配そうに声を掛けてくれたが、もし僕が用を足していたら大変な事態になっていたような気がしないでもない。
 とにかく、自分は夢でも見ているのではないのだろうかと思うほど幸せなひと時だった。
⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
 帰り道、彼女の方から手を繋いできた。
「今日は手が冷たいね。手が冷たい人は心が温かい」
 恋人繋ぎのまま手を引っ張られたので腕が少し痛んだが、彼女の左腕にあるリストカットの痕を思うとたいした痛みじゃなかった。
 しばらく歩いているとタクシーの前で別れ際に抱擁する〝中年の男女〟が居て、それを真似るような形で彼女に抱きつかれた。
「私の部屋に来ますか?」
 そう聞かれたので躊躇わずに一度だけ頷くと、彼女は満面の笑みを浮かべた。
 生まれて初めて自分という忌み嫌われた存在のすべてを胸に抱きとめられて全肯定されたような心持ちになった。
 どこか諦めて迷いながら選んだ道だったが、彼女と出逢ったことにより、死なずに生きる道を選んだことが間違いではなかったと素直に思えたし、生きる価値や意味を見出すことが出来た。
 少なくとも僕にも人を愛する権利と心が僅かでもあることを知れたのだった。
 そうして、これまでに起きたすべての出来事は彼女と出逢い、意思疎通し、そこから人生の意義を学ぶためにあったのだと覚り、果てには自分はこの日のために生まれたのだと直感した。
 同時に人と心を深く通わせるのはこれが最初で最後になるのだろうと予感した。
 だから僕にとって彼女は最初で最後の最愛の人になるだろう。
 喩え世界中に忌み嫌われ、その存在を無視して否定されようとも、彼女が僕という存在を抱きしめて全肯定してくれた出来事は、僕の人生において最も大切な記憶に他ならない。
 この先どんな困難が待ち受けていようと、僕の記憶には彼女と過ごした僅かで確かな日々が今も息吹いている。
 それが一過性に過ぎない勘違いだろうが何だろうが、もう二度と困難を前に絶対屈しないと心の底から誓う次第だ。
 繋いだ手はいつか必ず放さなければならない。
 それでも彼女と伴に同じ道を歩いた記憶と温もりは決して失われはしない。
✽.。.:*·゚MADE IN JAPAN.。.:*·゚ ✽
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■2007年。神戸ケミカルシューズ関連業に就職
 当時製作に携わった商品は神戸ハーバーランド「モザイク」の婦人靴屋にて販売されました。
江戸時代後期
 江戸時代の幕末維新は1853(嘉永6)年の黒船来航から始まりました。幕末の日本に影響を与えた欧米列強は、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、オランダの5ヶ国です。
《産業革命》~第二次産業の幕開け~
 産業革命は18世紀のイギリスから始まり、その後は西ヨーロッパ諸国、アメリカ、ロシアなどに拡大し、欧米諸国は農業文明(第一次産業)から工業文明(第二次産業)社会に移行しました。産業革命は綿工業から始まり、その発展は鉄工業、石炭業、機械工業などの諸産業の発展を促し、石炭と鉄の時代を到来させました。
 1830年以降になると、機械による大量生産体制が確立。産業革命の技術革新の総仕上げとして鉄道が出現。さらに帆船から蒸気船に転換し、それが自国内だけでなく、世界に進出する足掛かりとなりました。産業革命によって大量生産された製品は、まずは自国内で消費されましたが、すぐに飽和状態となりました。産業革命の進展は原材料の高騰や枯渇をもたらし、労働力の確保も課題となりました。その補給先も、自国外で確保しなければならない循環に陥ってしまったのです。
 初めに産業革命を果たした英国は、ヨーロッパ大陸に市場を求め、さらには米国、そしてその矛先はアフリカやアジア諸国に向かいました。原材料の確保も同時に企図されるが、これも欧米以外に依存しました。英国以外でもフランス、ドイツ、アメリカ、ロシアなどが順次に産業革命を進展させ、資本主義国家群を形成し、欧米全体がアジア市場を求めて進出しました。その際には製品だけでなく軍隊も派遣し、武力を伴った支配化、つまり発展途上国の植民地支配を実行しました。これが帝国主義の時代の幕開けです。
 当初の英国は東インド会社を国策会社として設立し、アジアに対する貿易と植民地経営を積極化させました。英国の植民地化を阻止すべく1857年にインドの反乱が起こりましたが、軍事力の差により鎮圧されました。翌1858年にムガル帝国が滅亡し、英国がインド全土の支配を開始しました。
 19世紀に入ると英国の自由商人活動は活性化し、清にインド産のアヘンを密輸し始めました。アヘンの流入を阻止したい清国と、密輸を継続しようとする英国との間にアヘン戦争が1840年に勃発。清は英国の近代兵器に圧倒され、その後は欧米の侵略拠点となりました。そして中国の先にある日本に対し、いよいよ欧米列強が開国を求めることになりました。
 江戸時代後半の日本は長崎などの例外はありながらも鎖国体制でしたが、18世紀後半からロシアが北方から南下を始めたので、それに対する危機意識が高まっていました。江戸幕府は鎖国を貫こうとしましたが、アヘン戦争による清の大敗は衝撃を伴い、戦争回避を前提に外交が展開されました。
 幕府は外国船打払令(外国船とみれば躊躇なく追い払う令)とした政策から対外的な展開を図りました。それを契機にロシア、イギリス、フランス、アメリカが日本に接近して和親と通商を求め始めました。しかしながら、幕府は依然として鎖国を盾にその要求を拒否し続けました。そこに中国の政策に専念する英国を出し抜いて、嘉永6年にアメリカからペリー提督が開国要求の使者として来航したのです。
日露戦争
 1905(明治38)年、日露戦争後半の大規模な陸上戦「奉天会戦」の戦力はロシア軍36万、日本軍24万。兵士の数ではロシアが優勢。しかし、機関銃の数は日本が上回っており、兵力的には互角と見込まれました。
 戦場で日本は西側から回り込み、ロシア軍の退路を経つ包囲作戦に出ましたが、ロシアがそれを察知して全軍撤退を始めました。本来ならロシア軍を追撃すべきだったものの、兵士の数と弾薬が足りず掃討作戦を断念。拠点になる奉天の制圧に成功しましたが、新たな作戦を立てる余力もなく、もはや陸上戦は継続不能の状態でした。ロシア陸軍は撤退したと言っても、残りの兵力は約200万人。その数は日本陸軍の約10倍で、ロシア側も戦争続行の意向でした。
 そうして対馬海域にロシア海軍のバルチック艦隊が到着。陸上戦に続き、次は日露海軍による日本海海戦が開幕しました。天候は『天気晴朗なれど波高し』で日本に有利な状況。ロシア艦隊は、前方で突然大きく旋回した日本艦隊に総砲撃しましたが、日本海の高波や長い航海による疲弊もあり砲撃の精度は低く、砲撃を免れた日本艦隊が横に並び、一斉砲撃を加えて壊滅的なダメージを与えました。ロシア戦艦6隻、巡洋艦4隻など計15隻を撃沈。これによりロシア艦隊をほぼ全滅に追い込みました。
 こうして長期にわたる摩耗戦が続き満身創痍だったものの、海戦史上かつてない勝利を治め、アメリカの仲介のもとで講和条約を結ぶ運びになりました。
 しかしながら、日本政府が日露戦争に費やした経費は15億2,000万円。これは当時の国家予算5年分にあたる金額。日露戦争の出征者は130万人。10年前の戦争は13万人だったので、その数の多さが分かります。さらに9万人(陸軍兵士の戦没率は8.7%)が死亡し、44万人が負傷。日本の目的はロシアの南下を防ぐことにありました。ロシアも日本に戦争の持続力がないことを知りながら戦略的撤退を行いました。ところがマスコミの誇大報道により国民は日本の大勝だと信じました。
 この時期は、国民の識字率の上昇に加え、新聞は各紙とも急激に部数を伸ばしており、大きな影響力を持つようになっていました。
 しかも戦勝の誇大ニュースを乗せると部数が増えるので、毎回ロシア軍に大勝しているように書き立てられていたのです。
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《阿呆化学篇:2007年~2009年迄》 『事務員と携帯メール』
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「彼女がいなくなって、さびしそうだから」  数日後、休憩時間に一人で座っていると、同期の事務員"野川さくら"から携帯アドレスの書かれた紙を渡されました。  そうしてメール交換を始めて最初にもらったメールの内容は「何か悩みがあったら相談してね」という無難な内容に、姉の飼っている白い犬の写真を添えたものだったと記憶しています。
 野川さんは、かなりのメール好きらしく毎日欠かさず送られてくるメールの量に畏怖し、「三日に一回くらいにしてくれ」と直接言ったら、「二日に一回じゃだめ?」と言い返してくるほどの筆自慢でした。
 何が目的で僕なんかとメール交換しようと思ったのか尋ねてみたところ、「それは〇〇君と仲良くなりたいからです!」とシンプルな返事を返されたのでした。  ある日、野川さんとメールで人物のあだ名について意見交換したら、「専務に『100回以上ミスしたらクビにする』と言われたけど、本当に100回ミスしてしまった翌日に出勤したら『野川ゾンビ』って呼ばれた」という感慨深いエピソードを教えてもらえました。  最初の頃は昼休みに野川さんと一緒にお弁当を食べたり、女性同僚達に匿《かくま》われて過ごしましたが、僕としては世間話よりも読書がしたいので次第に距離を置くようになりました。  仕事に慣れない内は定時直前まで仕事に追われましたが、そんな時は上司や先輩の同僚が作業を手伝ってくれました。
「お前は男には優しいな。お前、実は男が好きなんじゃないのか。実は俺も男が好きなんや!」と、上司はいつも同僚に意気揚々と語りかけていたし、《禿げ頭で帽子を被り眼鏡を掛けた飲んだくれの喋くり爺さん"間寛平"》に至っては「おっさんとホテルに行こうか?」と気さくに話しかけてくる毎日でした。  なんでもこの会社は数多の独自技術があるらしく、上司は「お前、実は産業スパイやないやろうな?」「これはうちの企業秘密や!」というような冗談をよく言っていました。
「今まで女を5人も孕ませたった」「小学生の頃に刺青を入れたら、親に煙草の火を押し付けられて消されてもうた」と、職場の所在地である朝鮮部落付近にある被差別部落出身の初老同僚"間寛平"は語っており、仕事中に他の同僚と世間話を始め、輪ゴムを飛ばし合って遊び出し、しまいには上司の目を盗んではビールを飲むという素行の悪さが目立ちましたが、後輩の僕が口出しをすると面倒なことになりそうなので放置していました。
 しかしながら小学生に刺青を彫る彫師や、それを煙草の火で揉み消そうとする親御さんは、一体全体これまでどのような教育を施されてきたのか皆目見当もつかない次第でした。 ✽.。.:*·゚ ✽.。.:*·゚ ✽  勤め始めた頃に、ひと際目立つ金髪の若い従業員が僕の作業を手伝ってくれた時に、さゆり(前述の東京に嫁いだ同僚)は「あの子はベトナム人だから……」と、一見すると不良タイプと相性の悪そうな僕を気遣ってくれましたが、実を言うと初めて髪を染めたのは15歳の頃ですし、古いロックも聴く影響で髪の色や肌の色はあまり気にしません。
 そのベトナム従業員は難易度の高く給与の安い機械作業に見切りをつけて、身内の仕事を手伝うために転職してしまうまで優しい兄貴分のような存在でした。 ✽.。.:*·゚ ✽.。.:*·゚ ✽  さゆりが居た頃、相撲取りのように丸々肥えた"ふくよかなおばちゃん"と初めて作業した時に、内心で何気なく「この人は大体40代くらいのおばちゃんかな?」と取り留めもなく考えていたら、隣りの"さゆり"が「頼りになるお姉さんですからね」と、それをフォローするかのように紹介してくれましたが、どうやら当時の"ふくよかなおばちゃん"はまだ三十代前半だったようでした。  なぜかその力士のような"ふくよかなおばちゃん"は、頻繁に「"ふみえ"なー」と固有名詞を連呼するので、最初は「誰のことだろうか?」と疑問に思っていましたが、どうやら一人称が自分の名前だと後で知りました。
 そのことから"ふみえちゃん"と従業員一同に呼ばれて親しまれていたのでした。 ✽.。.:*·゚ ✽.。.:*·゚ ✽  上司の話では、事務員の野川さんは中々の焼き餅焼きらしく、取引先の若い女性が事務室に来るだけで不機嫌になるようでした。
 確かに僕とのメールのやり取りでも「さゆりとは運命を感じる」「新人のビビアン・スー似の中国人従業員●●ちゃん(以下、ビビアン・スーちゃん)の着けているピンクのエプロンは新妻みたいで可愛いな」とメールを送ったら、すぐに不機嫌になるので困惑したのでした。  しばらく彼女と一緒に居ると、彼女は噂話を好み、被害妄想の激しい性格だと分かったので、メールの内容をいつか周囲に吹聴しそうだなと一抹の不安を感じながらも「ビビアンスーちゃんのようにピンクのエプロンを着けたら皆が喜ぶかも知れない」というメールを送ったら、次の日から淡いピンク色のエプロンを着けて働き始めたので若干の動揺を隠せなかったのでした。  そう言えば、上司に「素材を500個用意しろ」と指示されたビビアン・スーちゃんは素材を丁寧に1個ずつ数え始めました。そうして上司に「仕上げながら数えればいいだろ」と注意されて少し不機嫌そうに「……ばか上司ぃ!」と小声でひとりごちていたのがなんだか可愛らしく感じました。  上司の指示でビビアン・スーちゃんの作業を手伝わされた際に質疑応答すれば「ふぇ?」と別次元の反応を示し、僕が木の板いっぱいに素材を並べて持ち上げたら「すごい!」と驚いていましたが、非力な僕が持ち上げられる重さも、どうやらビビアン・スーちゃんには持ち上げることが困難だと気付かされました。  またある日に、僕の作業補佐をしたビビアン・スーちゃんは、不良品を出しそうになると逐一「これ、大丈夫?」と一生懸命に片言の日本語で聞いてくるので、僕もビビアン・スーちゃんに解りやすいように片言で「うん、大丈夫!」と答えましたが、今にして思えば発声と聞き取りは別の技能だから、僕までもがビビアン・スーちゃんと同じ言葉遣いになる必要はなかったと反省する今日この頃です。  ビビアン・スーちゃんが初めてザグリの機械作業を行った際は、上司に「この機械に指を巻き込まれたら指が潰れるからな」と注意喚起されて「えー!」と笑いながら感嘆の念を隠し切れないようでした。  昼休みにビビアン・スーちゃんが他の女性同僚達と「平仮名《ひらがな》と片仮名《カタカナ》の『り』『リ』『ソ』『ン』の違いがよく判らない」と紙に書きながら談笑する微笑ましい光景を目撃した日もありましたが、その他にも道端で自転車に乗るビビアン・スーちゃんと出くわして「どこに行くの?」と尋ねたら、目的地を指さしながら「あっちー!」と天真爛漫な返事をされたのでとても和んだ次第でした。  誤ってビビアン・スーちゃんが素材を壁と作業台の間に落としてしまった時には、わざわざ僕を呼びに来て「あれ、取ってほしい!」と、おねだりするので代わりに箒を駆使して落ちた素材を取ってあげたり、ビビアン・スーちゃんが忙しなく仕事に追われた日は上司に指示されてない分の作業も少々過保護過ぎるほど手伝いましたが、僕が一人になった隙に野川さんが来て「はっきり断らないと、彼女に利用されるだけだよ?」と注意されたのでした。  それからまた月日の経ったある日、ビビアン・スーちゃんが仕上げた製品を梱包台の上に荒々しく置いた時に野川さんがビビアン・スーちゃんを眼光鋭く睨んでいましたが、なぜその一時だけ不仲になったのか当時の僕としては理解に及びませんでした。  僕は仕事における効率性の追求や、それに伴う刃や砥石の摩耗速度(品質と量産の両立)に頭を悩ませましたが、彼女は人間関係に悩んでいるようでした。  常日頃から上司は「お前の担当するうちの漉《す》き加工(機械作業)は日本一や!」と語っており、関西随一の業績を誇る同業者からも仕事の代行が回って来るほどの評判だったのはさておき、僕の前任だったベトナム人従業員が8時間で600枚仕上げた作業(頻繁に不良品を出してしまい返品が頻発)も、僕は数ヶ月で1時間につき600~1,000枚のペースで仕上げられるようになって上司に大変驚かれましたが、次第に被差別部落出身の中高年従業員からは「新入りの癖に生意気だ」と噂されるようになっていました。  上司に相談したら、「何十年も加工業を続けてきた職人のプライドもあるから先輩の顔を立ててやってくれ」と言われました。
 確かに、これまで数十年間も職人として勤めたのにもかかわらず、僅か勤続数ヶ月の若造が「メソポタミア文明」や「インダス川文明」を凌駕する先進国の編み出した精密な機械作業に配属され、仕事を教える立場の上司を上回る能率を発揮するのは驚きだったのかも知れませんが、大体「マニュアル化」「機械操作」「小学四年生で習う小数点の付く足し算」は若い方が適正のあることが多いから一任されてしまったのでしょう。
 尤も、危険な上に割に合わない報酬からして今後は若人が好き好んでこのような仕事は選ばなくなるのかも知れません。
 会社によく来る取引先に手を加圧式プレスに挟まれて指を三本ほど失くした者がおりましたが、野川さんと"ふくよかなおばちゃん"はその人を嫌いだと見下していました。
 しかしながら、そういう自分たちも同じく見るも無残な惨状にしか見えないのではとふしぎに思う次第でした。
⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ✽.。.:·゚ ✽.。.:·゚ ✽
AC4 - レイヴン《アナトリアの傭兵》
 政府が統治能力を徐々に失い、それに伴い各地でテロ行為や暴動が頻発していた。それらを鎮圧し、秩序の回復を図るため、軍隊はより強力かつ高度に機械化され、軍に様々な兵器を供給する軍産企業もまた、数社の企業から成る強固な軍産複合体を形成し、その影響力を強めていった。
 加速する世界の破綻により、ついには経済システムが存亡の危機に陥るに至り、新たな統治体制の確立を目指し、実質的最高権力組織となっていた6つの企業組織が、政府に対し全面戦争を開始した。
 後に国家解体戦争と呼ばれるこの戦争は、企業側が投入した最新鋭兵器、特に[コジマ技術]などの最新技術を盛り込んだわずか30機にも満たない新兵器ネクストACによって、数多くの国家軍隊はなす術もなく壊滅し、勃発からわずか一ヶ月程度で、企業側の圧倒的勝利で終結。これにより、企業による統治が開始された。
 企業による新たな統治が開始されてから5年後、世界は様々な問題を内包しつつも表面上での安定を保っていた。
 そんな最中、国家解体戦争で負傷し、ネクスト技術の研究を産業としていたコロニー・アナトリアで療養を受けていたあるレイヴン(旧世代ACパイロット)が、同コロニー内にて保管されていた研究用のネクストを用いた傭兵となったことから物語は始まる――
⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ✽.。.:*·゚《閑話休題》.。.:*·゚ ✽  正直に言うと仕事中に缶ビールを飲み始める《禿げ頭で帽子を被り眼鏡を掛けた飲んだくれの喋くり爺さん"間寛平"》や、低賃金のためにモチベーションが低くやる気のない様子で作業しつつも専務に「給料を上げてくれ」と直談判する元土木作業員《きれいなジャイアン"野獣先輩"》のルサンチマンを起因とする不平不満はどうでもいいのですが、もし素材を通す際に機械のローラーに手を巻き込まれたら指をズタズタに切断され兼ねないと上司に相談しても「この20年間で一度も手を切断した者はおらんし、労災も下りる!」と斜め上を行く返答で一蹴されるだけでしたので、以前から2tトラック運転手の父が常々言っていたように社会保険の完備された企業に転職するべきではないかと考え始めるようになりました。
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▲2tトラック運転手のイメージ画像
 バブル経済の頃に三十路で結婚した当時の父は、基本給だけでも年収600万円以上でした。当時は20万円のステレオ機器もそれほど高価とされず皆一様に購入していたようです。
 筆者が幼い頃に、父がDeep Purpleの代表曲"Black Night"のレコードを木製スピーカーで聴いていました。
 それを耳にした時に「好き嫌いはおいといて、これが本場のロックか」と衝撃を受けるとともに、日本のテレビ番組に出演するロックバンドが紛い物だと気付きました。
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 昭和20年代末。父は長崎市内で代々続く資産家の家庭に誕生しました。しかし、両親が親友だった親戚に騙され、土地・財産を失い離婚してしまいました。
 それから父は祖母の家に���けられて育ちました。
 祖母は貧困生活から、父を連れて死に場を求めましたが「家に帰りたい」と泣きじゃくる父の姿を見て心中を思い留まったのだとか。
 その後、父は長男だったのを理由に、弟と妹の大学までの学費を稼ぐ為に学業を終えると単身長崎から神戸まで出稼ぎに向かいました。
 青年の頃に一度だけ、件の親戚と会って進路について直談判したら「養子になるなら大学までの学費は出す」と交渉を持ちかけられたものの断り、自力で働く道を選んだのだとか。
 フェリーで渡った先に住む件の親戚・先祖の住む島については「唯々、海が青くて美しかった」とのこと。
 一族の仇が、自身の地方固有苗字とかさなるのは皮肉でしょう。
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「ティーダ」とは、沖縄方言で「太陽」を意味します。
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 仕事終わりに今後について何度か上司と相談する中で、「つい最近まで仲の良かった在日韓国人の友達グループと喧嘩別れをしたんや」と語られ、おまけに所有する船やクルージングの話をされながら「仕事も趣味も精一杯せいや!」と叱咤激励されたのでした。
 そうして、親戚だという在日韓国人の17歳女子を所有する船に乗せた際に撮影した写真を見せてくれたりもしました。  逡巡の中で、僕がもう少しこの仕事で貢献できたなら、収益が増えて従業員一同の不平不満の種である給与も上がるかも知れないと考え、心を無にして仕事に徹することをその時に覚悟したのでした。
 2008年に催された忘年会のカラオケにて、同僚の"ふくよかなおばちゃん"に誘われて「バンプオブチキン」や「ブルーハーツ」をデュエットしたら、向かい側に座る"野川さくら"が頬をぷくっとふくらませながらこちらを見ていました。
 そうして歌い終えた僕の隣にいきなりやって来たかと思うと、「古い方が好き? それとも新しい方が好き?」と密着されながら問い質されましたが、当たり障りがなく広く一般的に普及するような流行歌には疎いですし、ギターは朧気に弾けても音痴なので注文したジンジャーエールを生まれて初めて飲みながら、今一つその場でも上の空だったように覚えています。  入社当初、野川さんとメール交換してすぐに返信が面倒になり放置した翌日、「こらー! 返信しなさい!」と怒られながらも渋々「三日に一回くらいにしてくれ」とメールを断ってから、数ヶ月ぶりに心が折れそうな時にメールを送信したら「少なからず"〇〇"君にも味方はいるよ」と励ましてもらえました。
 しかしながら、他の同僚に気付かれないようにメールのやり取りを再開してから、野川さんは「ビビアン・スーちゃんは食事の後に爪楊枝を使うからおじさんみたい」と妙に鬱屈とした態度になり、不穏な空気が立ち込め始めたのでした。  そもそも僕にとって飲み屋で無為に酒を飲むことが楽しかったわけではなく、さゆりと一緒に居た時間が幸せだったのだと思い至り、渇いた心がより空虚になってしまいました。  僕より7歳年上の事務員の野川さん(当時27歳)はシングルマザーで、ポケモン好きの子供が二人おり、仕事終わりにメールでポケモンの放送時間を教えてくれたりもしたが、忘年会の席にまで連れて来た子供達に向かって泥酔しながら「うるさい」と言い放つ姿を見て幻滅してしまいました。
 さらに色気付く母親の姿を見てショックを受けたのか、長男に至っては半べそ状態になってしまいました。
 以前に野川さんが「まだ女として楽しみたい」というメールを送ってきたこともありましたが、もう少し母親としての自覚を持って子供達のことを考えてあげてほしいと願うばかりでした。  またある日の朝、いつものように野川さんに挨拶しても不機嫌そうにしていたので、その夜に理由をなんとなくメールで尋ねたら「そういう気分の時もある。もうほっといて!」と返信があったので、言われた通りその日から僕は仕事の話以外はしないことにしました。 「私は普通じゃないからねー!」と毎日メールをくれた野川さんでしたが、当時から自分の独自ルールだった「相手が送ってきた文章量と同じ文字数を返信する習慣」に疲れ果ててしまったのも相成り、わだかまりから「さゆりやビビアン・スーちゃんレベルなら、たとえストーカーと勘違いされても許されるけど」と少し飛躍した喩え話に添えて、彼女が最も気にしている容姿について言及した上で着信拒否にした翌日、彼女は仕事中にもかかわらず泣き出してしまいました。  不真面目な家庭環境に育ち、不勉強な学校生活を送ったブラック人材の集まるブラック企業にありがちな話ですが、管理不行き届きでモラルの欠如した職場の人間関係は更に悪化し続け、彼女は仕事中も怨念のような表情を湛えながら「私のことだけ無視する」「もう好きじゃない……!」「私のことが好きなくせに……私じゃなくて専務……専務のことが好きなの……?」と呪詛を呟き、僕に振られたという噂を社内中に吹聴し、着信拒否にしても別のアドレスからメールを送ってきました。  前述の通り、仕事中に突然泣き出すほど情緒不安定になったかと思いきや、事務室で二人きりになると嬉しそうに話しかけてくるので、女性の心理というものがよく解らなくなり不気味に感じるようになってしまったのでした。
 それから従業員たちによる「凡ミスの連発」と「無断欠勤」が相次いだ影響で、会社独自のルールが徐々に厳しくなり、「一日でも欠勤したら給料1万円引き」などの労働基準法を無視した規則が徹底され始めました。  ある日に野川さんが、"禿げ頭で眼鏡を掛けた40代独身同僚"と口論になり、「すぐに怒ったり笑ったり、ほんま"〇〇"とそっくりやな……子供は不細工やし、チ〇ポは起っとうし……!」と、まったくもってさっぱりよく分からん小言を言われ続けた"野川さくら"もそれに負けじと「"〇〇"君のチ〇ポが大きいのは最初からなのに、自分のが小さいからって人のチ〇ポの大きさをとやかく言うな……!」とまるで僕と以前に何かしらあったような口ぶりで独り言の応酬をしていましたが、それでも僕としては伝票に0.1mm単位で記された通りの厚さに素材をスライスする為に機械を適宜セッティング(刃の位置と水量を調節しつつも素材の固さに合わせて、バネの反発やローラーの高さを調整した上で、定期的にダイヤの原石が埋め込まれた用具(一個5,000円)で砥石を水平に研ぎ、上下にある砥石を刃に当てる際の強さを研磨の音と火花の量で加減し、手に持つ素材の端とゲージの位置が丁度5mm幅になるように指先の感覚を頼りに持って素材を機械に通し、型番ごとに異なる数百種類はあるゲージの保管場所にそれぞれ番号を振った上で全てノートに書き留め、型番の種類と数字の大きさ順にゲージを並び替えて即座に取り出せるように徹底管理し、前任のベトナム人従業員にはできなかった火花の飛ぶ刃の研ぎを行った際は粉塵を放っておくと発火するのでこまめに左右のローラーや配管に詰まった砥石の粉を除去)を行わなければならず忙しなかったものの、それでもさゆりと別れてから心に空いた空洞を埋めるように自暴自棄になりながら取り組んだ指を潰したり切断し兼ねない危険な作業に見切りをつけて他の仕事を探す決意を固めました。
 勿論、社会保険完備が理想でしょう。
■"禿げ頭で眼鏡を掛けた40代独身同僚"のイメージ図("坂本ちゃん")|出典:朝日新聞 AERA dot.
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「あなたは結局どこに行っても同じ……」
 退職する前に、そんなことを彼女に言われました。  しばらくすると事務員の野川さんや、その恋路を邪魔するべく嫌がらせを繰り返した《禿げ頭で帽子を被り眼鏡を掛けた飲んだくれの喋くり爺さん"間寛平"》も結局は退職し、更には会社が1億1,000万円の所得隠しと脱税で摘発され、新聞の紙面を飾ってしまいました。  今にして思えば僕も彼女も、さびしんぼうだったのでしょう。
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tsuyo-gee · 1 year
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真夜中の雷
真夜中の雷は不気味です。夏の天候は情緒不安定?急な雷雨もありますねー、皆さん、ゲリラ豪雨気をつけて下さいね。 今日は何の日? 今日 7月30日(日)の記念日・年中行事 • 夏の土用の丑の日 • 国際フレンドシップ・デー • 人身取引反対世界デー • プロレス記念日 • 梅干の日 • 明治天皇祭 • ターザンの日 • 「大正」改元の日 • 生サーモンの日 • 消費生活協同組合の日 • お母さんが夢に乾杯する日 • みその日 • EPAの日 • サワーの日 • キャッシュレスの日 • 宗祇忌 • 左千夫忌 • 弦斎忌 • 露伴忌 • 谷崎忌 雑学ネタ帳引用 夏の土用の丑の日 鰻を食べる日ですね、うちんくでは食べたり食べなかったりなんであまり気にしてないです。土曜日に食べるのかと思ったぐらい認識がないです。うな重なんて高価すぎて(笑)昔…
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年11月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年8月3日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
宿浴衣姉の選びし緋の絵柄 笑 ふり向けば浴衣に貝の口結び 同 線香花火消えゆくまでの物語 同 耳澄ますふる里あたり遠花火 同 男あり鳥獣戯画の扇子手に 雪 買ひもせぬ西瓜叩きて女去る 同 ながむれば大団円の天の川 数幸 大西日かつて住みけり四畳半 同 堂縁はこの世の浄土三尺寝 匠 山頂に不動明王時鳥 清女 糊かたき浴衣に着替へ胡坐くむ 泰俊 盆の月もの言はざりし夢の母 啓子 一心に線香花火の果てるまで 千加江 水晶の数珠を両手に盆の経 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月4日 うづら三日の月 坊城俊樹選 特選句
盆の月今宵は何を語らうか 都 端々の糸のほつれや秋すだれ 同 夜明より鎌を光らせ盆用意 同 極暑日や五臓六腑の吐息聞く 同 秋立つや雲の流れも水音も 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
夏草の色に埋れてマリア�� 小鳥 十字架の墓石の装飾を蟻 健志 大小の蟻群をりて茂吉墓 季凜 炎天の墓を抱きし大樹かな 悠紀子 僅かなる供花に蟻よせ土饅頭 順子 あなたは此処にゐるのですかと墓洗ふ 美紀 黙祷のしじま落蟬動かざる はるか 鶏頭の墓守として枯るるまで きみよ 赤松の肌の剥がれてゆく晩夏 要 寝墓らは異国の夏草に埋む 慶月
岡田順子選 特選句
異国なる地下に眠りて百合の墓 俊樹 高々と維新の墓の晩夏越ゆ 慶月 父眠るまで蟬時雨澄みわたる 和子 冥界の番地を探す蟬しぐれ 千種 岡持で冷麦墓地を横切りぬ 荘吉 原爆忌蛇口に日差し反射する きみよ 観音の裸足の御足齧る蟻 眞理子 座る人なき八月の椅子を売る 和子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
小次郎の修業の岩や河鹿笛 時江 人を恋ふ夜は殊更に星流れ 信子 ストローに青の動いてソーダ水 同 火に油注ぐが如く蟬時雨 みす枝 塞ぐこともよきこともあり髪洗ふ 上嶋昭子 黒門は大き医師の避暑の宿 ただし 婉然たる笑みに怯みぬ水鉄砲 上嶋昭子 遺されし言葉しみじみ墓洗ふ 信子 燕の子花のごとくに口開き 同 肌シャツを濯ぐ男や夜の秋 上嶋昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月8日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
流灯会家長を兄が引き継ぎて エイ子 声明唱ふ百人の僧流灯会 あき子 ずつしりと固き重さの南瓜かな 秋尚 海鳴りの届く岬や星月夜 和魚 流灯の千のうねりに手を合はす あき子 子どもらの流灯舟に日暮れ待つ 和魚 通夜出て遠き日思ふ星月夜 廸子 天窓の四角の中の星月夜 同 流灯の岸離るるをためらひて 秋尚 今頃は虚子に逢はるる星月夜 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
黄昏にキセルを吹かす生身魂 登美子 献花終へ色なき風に立ち竦む 同 蚊帳の中げにも楽しき秘密基地 みえこ 地蔵盆僧の読経に老いの数珠 令子 おしろいが揺れて小包ひとつ来る 裕子 寂声の中寿の母の踊り唄 登美子 濃く流る昨日の雨か太宰の忌 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
サルビアや杖に適はぬ町歩き 悦子 軽き音する物買うて草の市 栄子 流蛍や宵の名残は夢の中 宇太郎 類縁の女ら遺影原爆忌 都 北向けば村中の墓盆の灯よ すみ子 法師蟬朝の一巻上げて去る 史子 日々草咲いて子沢山の路地 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
裏庭の風の匂ひの来る網戸 雪 大いなる幟淋しき夏祭 同 水中花咲かせしまひし淋しさよ 同 新涼の城朝影に包まれり かづを 一杯の水に生死や原爆忌 みす枝 空を染め海を彩る大花火 英美子 神主も僧侶も踊る盆踊り 千代子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月17日 萩花鳥会
過ぎし日や郡上踊の輪で踊り 祐子 この星に被爆で喜寿の原爆忌 健雄 若衆も今は老いたり山車を引く 恒雄 今日も晴れ猛暑何様甲子園 俊文 星祭り願ひはみんな平和の字 ゆかり 微唾も身体蝕む熱帯夜 明子 ひまはりの浴衣親か��子へ孫へ 美恵子
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令和4年8月17日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
天の川流れ海まで幾千里 世詩明 山里を見守るがごと天の川 千加江 銀漢や幼き頃と同じ夢 同 銀河へと雄島の磯の紅い橋 笑子 空蟬の縋りし幹に影残し 同 制服の語り継ぐ子等原爆忌 同 初秋や静かにとまる指揮者の手 泰俊 銀漢を追へば遥かに集魚灯 同 蟬の殻こんな所に脱がずとも 雪 炎天に息を潜めて生きるもの 同 ポッペン吹く暑中見舞の切手貼る 同 かなぶんが一つ昔の音に落つ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月19日 さきたま花鳥句会
星月夜小さき漁港の舟だまり 月惑 緑蔭の茶室に一期一会の書 一馬 水澄めりザリガニのそり川の底 八草 研ぎたての刃の沈み込む熟れトマト 裕章 山寺の秋の蚊を吐く大木魚 紀花 亡き夫の座面の凹み籐寝椅子 とし江 はたた神関東平野を走り抜け ふじ穂 窓越しの明るさに覚め星月夜 ふゆ子 銅鑼の音の坂かけのぼる湖極暑 康子 いかづちの運ぶ大雨や地の悲鳴 恵美子 夜来雨止むやいなやの油蟬 静子 送り盆旧家の嫁を演じきり 良江 夏蝶の漂ふごとく遠ざかり 正子
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令和4年8月21日 風月句会 栗林圭魚選 特選句
踏切の音秋蝶を呼びにけり 和子 烏瓜花の朝を寂しめり 斉 蟷螂と共に息つく上り坂 軽象 耳に棲みついて遠かり秋の蟬 千種 新涼を幌深く行く乳母車 久子 水の秋平らかに音消し去りぬ 千種 向日葵のおとろへ雨の匂ひけり 溺れさうな飛びの行方や秋の蟬 久子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月22日 鯖江花鳥俳句會 坊城俊樹選 特選句
酔芙蓉とは酔ふ為に開く花 雪 此の水に咲かねばならぬ水中花 同 天の川小さき星を鏤めし 世詩明 草刈りて大きな句碑となりにけり 同 落蟬の魂の抜けたる軽さかな みす枝 流灯会手波を立てて送りやる 同 母と子の疎開の蔵の終戦日 中山昭子 初浴衣見せたき人に遠くゐる 上嶋昭子 一杖をもて厳流の滝に立つ 一涓 空蟬をとどめておかぬ大嵐 紀代美
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年8月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
暁に鳴るは鉄砲百合の花 成子 花楝仏心遠くけぶらせて 久美子 紙飛行機飛んで戻らぬ夏の海 ひとみ 少女らの腿でわけ入る青山河 佐和 海酸漿鳴らす少女の私へと ひとみ 白玉や雨の過ぎたる城下町 喜和 指鳴らす彼は嫌ひで空梅雨で 由紀子 乾坤の弾みさながら雨蛙 朝子 あめんぼの踏むは魔法の水ならん 古賀睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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herbiemikeadamski · 2 years
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. (^o^)/おはよー(^▽^)ゴザイマース(^_-)-☆. . . 7月30日(土) #先負(甲戌) 旧暦 6/10 月齢 9.4 年始から211日目(閏年では212日目)にあたり、年末まであと154日です。 . . 朝は希望に起き⤴️昼は努力に生き💪 夜を感謝に眠ろう😪💤夜が来ない 朝はありませんし、朝が来ない夜 はない💦睡眠は明日を迎える為の ☀️未来へのスタートです🏃‍♂💦 でお馴染みのRascalでございます😅. . 昨日は熊本に行ってスケールのデカさに 驚いた山に囲まれた青々とした大地 が素晴らしく綺麗なんだが、何処行 くにも車で30分〜40分かかる酷い のは流石に車社会なので数が多くて 通勤時間帯は大渋滞らしい、なので 余裕見るには一、ニ時間は前に行動 しないと目的の時間に間に合わない そうである🤚これは、こっちから 行った方の談なので地元の方は別な 要領を心得てるのかも知れない😅💦 何にせよ熊本と云っても市街地では なく郊外の方なので何をづるんでも 移動が難点である🤚折角なので熊本 の市街地を見学しに行き熊本城を見 て来たけど立派でした🤣😆🤣熊本 は美女も多いと口を揃えて私に云う のだが、私に何を求めてるんデショ🤣 それより食い気なので馬刺しが旨い のが感動でした🤚空港で折角なので 馬刺しで一杯の独り「おつかれさん」 して帰ってきました😅💦ところで 今朝も贅沢でジョナサンでモーニング鉄火丼。 「#本まぐろの鉄火丼モーニング」w 発見なんだけど、納豆をトッピングする とヤバイです🤣😆🤣ズラ旨過ぎる💡 . 今日一日どなた様も💁‍お体ご自愛 なさって❤️お過ごし下さいませ🙋‍ モウ!頑張るしか✋はない! ガンバリマショウ\(^O^)/ ワーイ! ✨本日もご安全に参りましょう✌️ . . ■今日は何の日■. #インディアナポリス撃沈. 大東亜戦争も末期の1945(昭和20)年7月30日(月)先負.午前0時15分、北緯12度02分 東経134度48分の地点で日本海軍の潜水艦「伊号第五八」が  広島と長崎へ投下されることとなる原子爆弾用の部品と核材料をテニアン島へ輸送後、単独でレイテ島へ向けて航海中の巡洋艦インディアナポリスを撃沈した。  九五式魚雷を 初回発射3本、数秒おいて2回目発射3本の計6本を全門発射したうちの3本が右舷に命中、船体を鋭く貫いた魚雷が大爆発した。  時差発射した2回目の魚雷が、1発目が船体に開けた穴に入り込み奥で爆発、艦内第二砲塔下部弾薬庫の主砲弾を命中と同時に誘爆させ、同艦は  夜空に大きく火柱を吹き上げ艦前半部を海に突っ込み、しばし浮いていたが、12分後に転覆、沈没した。  乗員1,199名のうち約300名が攻撃で死亡し、残り約900名は救命ボートなしで海に浮かんでいたが、水、食料の欠乏、海上での体温の低下、気力の  消耗により乗組員達が意気消沈してる中、鮫の襲撃に遭うのも併せて多数の死者を出した。5日後に哨戒機に発見され救助が来るまでに最終的に  生存者は僅かの316名であった。一方、日本軍の伊号第五八側は無線情報で重要艦船の遭難とアメリカ側が大騒ぎしているのに気づいてたが救助が  出来る程の救命ボートも無い事で救助が出来ないと手出しが出来なかったのだと思われるが、日本本土の攻撃の為の原子爆弾部品の輸���船だとは  後に知る事になるだろうが、もし、これが輸送前で荷があったら万々歳であったが惜しい話しであるが、この件でアメリカに更に逆恨みをかった様。  輸送後と輸送中では、もしや歴史も大きく変わったのではないでしょうか?いずれにしても日本軍はアメリカ軍の対軍人同士の戦争事であり合法デス。 . #友引(トモビキ). . #大明日(ダイミョウニチ). . #神吉日(カミヨシニチ). . #月徳日(ゲツトクビ). . #お母さんが夢に乾杯する日. . #消費生活協同組合の日(#生協の日). . #十方暮入り(ジッポウグレイリ). . #生サーモンの日. . #梅干の日. . #モスラ上映公開. . #プロレス記念日. . #ターザンの日. . #東北自動車道全通記念日. . #明治最後の日. . #EPAの日(毎月30日). . #みその日(毎月30日). . #サワーの日(毎月30日). . #キャッシュレスの日(毎月0の付く日). . #ドッグデー期間(7/23~8/23犬の日)#ドッグデイズ. . #バヌアツ独立記念日. . . ■今日のつぶやき■. #先んずれば人を制す(サキンズレバヒトヲセイス). 【意味】 人よりも先にものごとを行えば、有利な立場に立つことができる、という教え。 . . 1979(昭和54)年7月30日(月)赤口. #岡部玲子 (#おかべれいこ) 【元アイドル、タレント、レポーター、モデル、競馬キャスター】 〔東京都〕 . . (ジョナサン 上石神井店) https://www.instagram.com/p/CgnY_0Lv4NQXhFoSA3PQoJqgIpBCr2Tl7EhYdg0/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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junpeiotaki-blog · 2 years
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【お母さんが夢に乾杯する日 イメージイラスト】
7/30は「#お母さんが夢に乾杯する日」として日本記念日協会にも登録されている日です。
(詳細は以下のTwitterリンクをご覧くださいませ)
今回、そのイメージイラストを提供させていただきました!
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milkteabonbon · 2 years
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2022.5
5/1
牡牛座新月。占星術に片足を突っ込み出してから暦を見るのが面白い。来月には夏至!とんでもないなあ。一年の三分の一も終わるわけだなあ。ゾゾゾ。
5/2
明日から山と海しかないところ、もとい実家に帰るので手土産を買いに阪急へ。人混みに挫けそうになりながら五感のええもん詰め合わせを買いました。これが大阪の洋菓子系土産で一番おいしいねん!ついでに仙太郎にも寄って水無月を買いました。帰ったら食べる。百貨店の、特にデパ地下に行くと色んな関西弁が聴こえて楽しい。手提げを渡された後の「ありがとう」のイントネーションを聴くのも楽しい。
5/3
渋滞にはまっていつもより一時間以上遅くなりましたが無事到着。お昼を食べ終わるなりモンペ姿に着替えさせられ、長靴を履かされてタケノコ掘りに行き、山ほど掘り上げたかと思ったら今度は野蕗摘みに連れて行かれたので帰省とは労働なのだなあと思った。しろかきの終わった田んぼは山の緑を映すかがみになっておりました。
5/4
祖母を連れてドライブに行く。牧場併設のカフェでピザとジェラートを食べました。隠れ牧場マニアなので牛のかほりがするとついつい足を向けてしまう。海沿いを走らせていると展望スポットがあり、車を停めると「カメラある!」と祖母が写ルンですをバッグから取り出したので女子高生かよ!と思った。ツーショしました。
5/5
今日は田植えの日なのでお昼を食べてそそくさと帰宅。泥だらけの父とトラクターが見送ってくれました。お元気で。
5/6
いそいそと刺繍をすすめる。市章みたいなデザインになった!たまにはこんなのも良いでしょう。都合十時間ほど刺して完成。チョコラBBハイパーありがとうございました。
5/7
刺繍レッスンの打ち合わせに行く。新作が好評で何より。秋からどうするかを考えたりお茶したり。
5/8
息絶えそうな大型連休を抱き締めながら焼売を包み、蒸し、黒酢につけて食べました。十連休って月の三分の一なんですけどー!こんなに早いって聞いてないんですけどー!
5/9
ぼんやりしながら仕事場へ行く。ほぼ皆さんぼんやりしていて良かったです。
5/10
頼んでいたモヘア届く!赤茶のたっぷりした巻き毛でツヤがあって……週末から製作に取りかかりたいです。おまけに頼んだゴールデンブラウンのビスコースも素敵でした。こうして在庫が溜まってゆく。
5/11
テディベアのことばかり考えていた。
5/12
芦屋ロサブランのミドルサイズが欲しくてジタバタ。そのうち買ってると思います。物欲にまみれながら仕事をしていたら嬉しいご連絡がありニコニコ。現実にしていきたい。
5/13
眉と襟足をきれいにしてもらいました。連休明けの金曜はまつパかネイルか眉サロンの予定を入れておくと死なずに済みます。彩村式ライフハック。
5/14
楽しみにしていた酸熱トリートメントをしてもらいました。こ、これはすごすぎる。たぶん続けちゃうな……。カットで髪を減らさなくても膨らみがおさまるし毛先もまとまるので多毛の民には激推しです。カラーがかなり抜けるので時期に注意。でもほんとにサラサラで嬉しい!
5/15
作り置きしたり掃除や洗濯をして過ごした。家の状態は心を表すので(とっ散らかっていた)。床を雑巾掛けしたら全身が痛いです。
5/16
夜になるとまだ冷えますね。ロイヤルミルクティを煮て飲みました。おうちでアイスチャイとスパイスカレー作りたいなあ。もちろんあいがけで!ナンも捏ねてみたいし夢が膨らむわん。
5/17
貴様〜!と思う出来事もありましたが労働なんてのは適当に給料に見合う仕事をしていればイインダヨと思い直して事なきを得る。
5/18
型紙を写したのですがなんか毛流れに合ってない気がする……。ので、以前作ったちびくまの型紙をリメイクしてビスコースに写しました��息抜き用の制作です。テディベアの息抜きにはテディベアを作ると決まっている。
5/19
乾燥が気になるので1時間に1杯はお水を飲むよう心がけている。それでも喉が渇く……。オフィスレディたちはどうしてるのかしら?お手洗いに行きすぎてサボっていると思われそうで不安!私のハンカチの湿りがきっと証明してくれるわ。
5/20
春にピチパツだったスカートがジャストサイズになっておりました。わお〜なんと嬉しいことでしょう。まだまだ頑張ります。最終的には上司の無茶なリクエストに腕力でお答えできるレベルになりたい。
5/21
実家からたくさん野菜が届きました。ほうれん草のおひたしや新玉ねぎでポテトサラダを作った。それから気になっていたサマータイムレンダを読み始めたのですが面白すぎて家人のクリーニングの引き取りに行けないくらいでした。南雲先生が好きです。シャツはちゃんと引き取れました。
5/22
ちびくまちゃんのパーツを縫製。幼さが出るように脚の付け方を変えてみたらあらかわいい、これはまるで……胎児……。彩村はリアルを追求しすぎるのが玉に瑕。
5/23
スイカをお昼ごはんにしている人は私以外見かけませんでした。夏バテか!?
5/24
ちびくまの目を決めかねている。ヴィンテージっぽいアンバーも可愛いけど茶色のポンチ目も可愛い。お日様にかざしながらずっと迷っています。
5/25
お給料日!といっても何事もなく帰宅。
5/26
お粉を使い切ったので百貨店に行きました。皆良い良いと言っているNARSのリフ粉のルースタイプを買う。今までコスメデコルテ、ローラメルシエを使っていたのですがどうじゃろか。
5/27
リフ粉すごい良かった!ちゃんとツヤが残ります。でもサラサラ〜。そら人気があるわけじゃ。
5/28
ちびくまちゃんのおめめ問題ですがアンバーに軍配が上がりました。きらきらしててきれいね。こっちをまっすぐに見つめる子になりました。おしゃべりさんなわけでもなく、私のおはなしをうんうんって聞いてくれるわけでもない、鏡みたいな子を作りたいと思っているので、良かった。しっかり磨かれた魂が入っているね。
5/29
帰省時に買い込んだ日本酒と実家のお下がりの牛肉ですき焼きをした。大人だけだと争いが起きなくて平和です。まだ明るいのに完全に出来上がっています。
5/30
ヘアカラーをしてもろたらえらい暗く仕上がってもうて一生懸命頭を洗っとります。でも職場で褒められたー。ローラメルシエのシマーピンクのチークと合わせたら5歳くらい若返ったのでこれはこれで良し……か?
5/31
久しぶりにマドレーヌを焼きました。貝殻のかたちのお菓子ってロマンチックだわと思いながら紅茶を淹れる魚座です。みなさんは新月の夜何をしていましたか?雨の降る夜は梔子がつよく香る気がします。
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ichinichi-okure · 1 year
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2023.8.4fri_kyoto
ママおきて!おなかすいた! 夏休みなのに体内時計変わらない子達から、蝉の鳴き声のビートも打ち消すゴングが鳴る。 昨夜は手乗り亀を飼うか悩んでる夢を見た、詳しく覚えてないけど夢日記に亀と記す。
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昨年クリスマスプレゼントに貰った日めくりカレンダーをめくる。 寝ぼけ眼で顔を洗い舌磨きをして、子達の保湿クリームを顔に塗りたくる。 昨夜タイマーセットしておいたホームベーカリーのパンが焼ける。 WSしてるくせに計るのが嫌い&苦手なので、目分量で材料を入れるけど、最近自家製甘酒を入れると成功率高し。
昨日汲んできた染井の名水を鉄瓶で沸かし、アンチエイジング効果のシナモンスティックを入れた白湯を飲む。 スパイス摂取してから約20年病気知らずなので、きっとアンチエイジングにも効くだろうと信じて飲む、目尻のシワは増えるばかりだけど。 お灸を三陰交にしながら、長女がいつの間にか作ってくれたサンドイッチを頬張る。 誰かが作ってくれる御飯って本当美味〜
今日は間借り営業の金曜日なので、荷物をベビーカーに乗せてVIVA LA MUSICA!へ。 来月聞きに行くセオ・パリッシュさんのMIXを流し揺れながら準備。 夏休みは子達も同伴出勤、次女が洗い物をしてくれるのが嬉しい。 賄いは夏休み限定のこどもチキンカレーと揚げたてサモサ。 私も作ったカレーを味見、毎日スパイス食べないと気が済まないスパイスジャンキー
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可愛い親子や常連さん、先日ケータリングに行った近くの大学生が来てくれはり有り難く完売! 片付けをしていると店主の植松さんが到着。 来週金曜にオーガナイズするイベントの打ち合わせ、本当に楽しみ。 この場をいつも快く貸してくださり本当に感謝。
帰ってすぐお風呂に入る、私的サウナ気分になったら上がる。 朝も塗った子達の保湿クリームを、今度は全身に塗りたくりながら冷蔵庫に直行ー 一番好きなライオンビールを持ち、庭と勝手に呼んでいる家前の鴨川へ。 子達が踊ったり歌ったりするのをツマミに飲む、これぞ最高のアテ。 今日食べに来てくれた方々に御礼連絡をする。 す、と打つとスパイスと出てくる職業病。
おかあさん、今日夏休みの宿題終わってん!と次女が抱きついてくる、家から一歩出たらママじゃなくおかあさんと呼ぶのが可愛い。 母の宿題であるマル付けをしながら、こんな無理に勉強しなくていいんやで、と言うと、そう言うから逆にしたくなるねん、と子達がハモる。 母は心から幸せと思って過ごしてくれて、したいことをしてくれたらそれでいいのだよ〜
一足先に滋賀のオウチに子達を連れてってくれる両親と弟家族が来る。 お店のメインカレーにも使ってる、京丹波の談酒館の鹿肉で焼肉をする。 子達は焼肉=鹿肉やと思ってはる模様… 毎週のように預かってくれサポートあっての今の幸せ、子供を産んでありがとうが恥ずかしくなく言えるようになった。
見送りした足で近くの村屋へ一杯しに行く。 行くと絶対誰かに会えて色々話せる。 瓶ビールが安い、スゴイイサガヤ。 だし巻きを華麗に焼き上げる店主に、山水人と水と木の祭の出店に持っていく、餅武さんとRICE IS COMEDYさんとのコラボのスパイスあられを差し入れ。
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そのまま今年の元旦も迎えた良音場DNAへ。 今夜DJしはるので我が家のBGMでもあるMIXを聴きながら向かう。 着いて早速メスカル頼んで音浴を楽しみ、一杯飲みに出るのに付き合い、LIVEを堪能して帰宅。 飽きっぽい私でもスパイスと音楽だけは続いている、というか止められない。 最近ふと老後のことを考えるけど、たぶん変わらないだろうな…
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帰ると先月に民族博物館のWSで長女が描いた、アボリジナルアートが届いていた。 大学の卒論でアボリジニについて書いたら教授に面白がられてたな… 北新地でバーを45年も営む来月84歳の友達から、先日の満月の写真についてのライン。 合同お誕生日会をすることになったので、額をおねだりしようと思いながらシャワーを浴びる。
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髪を乾かしながら、あ、またフライヤー撒き忘れたと鞄から取り出し、二日酔い予防のターメリックラテを飲む。 ターメリックは美白効果があるらしい、のでそれを信じて歯を磨く。 今日は一粒万倍日、天赦日、母倉日、月徳日という4つも開運日が重なり&大安という奇跡的な巡り合わせの日だったらしい。 確かに楽しい日だった、毎日満たされているなー、ありがたやー
あ、そっか、明日は子達のゴングが鳴らないのか、それはそれで淋しい。 それならばゆっくり起きて、おじいちゃんに会いに大徳寺にお墓参りしようかな。 その帰りにサカイの冷麺食べようかな、オムライスも捨てがたいな、カレーも食べに行きたいな。 今夜は夢見るかな、夢日記に書けるかな。 そんなこんな考えてるうちに今日も秒速入眠〜
-プロフィール- やましたゆうこ あと数日で41歳 鴨川と御所の間 カレー屋クスン(ほぼ日ママ時々スパイスと音浴) https://instagram.com/currykusun?igshid=MzRlODBiNWFlZA== https://instagram.com/spicekusun?igshid=MzRlODBiNWFlZA==
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hiroemina · 3 years
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広江美奈 Mina Hiroe  
役者 声優
出身地:東京都出身 生年月日:5月16日
血液型:A型 身長:154㎝ 
人と人を繋げることが好き。動物が好き。
友人のトータルイメージをプロデュースすること。
WORKS
【声のお仕事】
2022年
「事故物件 身も凍る執念」(Amazonプライム)ベス役
2021年
「サマー・シャーク・アタック」(Amazonプライム)主演モリー役
「デットリー・アフェア」(Amazonプライム)主演メアリー役
「ブラッド・イン・ザ・ウォーター」(Amazonプライム)主演ベロニカ役
「サイコパス地下戦慄」(Amazonプライム)モリー役
「私のIDはカンナム美人 全24話」(ABEMA)オ・ヒョンジョン役
「ミスティック・フェイス」(GYAO!)クリスティーナ役
「フライトSOS ロスト・イン・ザ・パシフィック」(GYAO!)ニッキ役
2020年
「トラブル・メーカー」(Amazonプライム)主演シグネ役
「ブロークン 過去に囚われた男」(Amazonプライム)ブランディ•鍵客役
「フライト・ホステージ」(Amazonプライム)レイシー役
「レッドライン ネバー・セイ・グッドバイ」エレーナ役
2019年
劇場アニメ「薄暮」山本寛監督 店員・アナウンサー役
WEBアニメ「マカロンのかいかた」マカロン役
WEBアニメ「おそとでごはん〜外食はたのしい〜」加藤行宏監督 心太役
「サイバー・ミッション」マリ役
「アクリモニー 辛辣な復讐」(Netflix)主演メリンダ役
「lol〜ローラの青春」(Netflix)アシュリー役
「back of the netリケジョがサッカーに出会ったら」(Netflix)イーディー役
「ダーティー・ダンシング」(Netflix)ペニージョンソン役
「テラビシアにかける橋」(Netflix)メアリー役
「アメリカン・サイコ」(Netflix)ジーン役
「スピード・スティール」(Netflix)エヴァ役
2018年
アニメ「クリパリ 夢の世界へ 全10話」(Netflix)コア役
アニメ「スパイキッズとくべつミッション2 全10話」(Netflix)テレーズ役
アニメ「スパイキッズとくべつミッション1 全10話」(Netflix)テレーズ役
「グランピーキャットの最低で最高のクリスマス」タビー役
2017年
「UNREAL SEASON2 全10話」(TBSオンデマンド) 主演レイチェル役
「UNREAL SEASON1 全10話」(TBSオンデマンド) 主演レイチェル役
アニメ「リトルオードリー」エンジェルケーキ・カナリアのマリー役
2016年
「ファースト・タイム ~素敵な恋の始め方~」主演オーブリー役
アニメ「クリパリ カエルの戦士 全13話」(Netflix)クーラ役
2015年
劇場版アニメ「こんぷれっくす×コンプレックス」ふくだみゆき監督 母役
アニメ「H2O:マーメイド・アドベンチャー 全13話」(Netflix)主演リッキー役
「ダンス・オフ」シモンヌ役
2013年 劇場版アニメ「かぐや姫の物語」スタジオジブリ高畑勲監督 女給役
2006年 テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」京都アニメーション 岡島瑞樹役
2011年 ゲーム「涼宮ハルヒの追想」岡島瑞樹役
1999年 ドラマCD 「KiraKira☆メロディ学園」菊池優希役
実写
2021年 「Surface」谷口雄一郎監督 
     「熱海モンスター」秋月三佳監督
2020年 「その神の名は嫉妬」芦原健介監督 
2019年 「穴※穴」鬼木幸治監督
2017年 「レミングスの夏」五藤利弘監督 
2015年 「庭先の花が、」本多晃子監督
     「リトルライフ・イン・ザ・サン」松本千晶監督
2014年 「不旋律のソナタ」岡元雄作監督
 「アイドル・イズ・デッド‐ノンちゃんのプロパガンダ大戦争」加藤行宏監督
2012年「吾輩は木村の猫である」片岡翔監督
   「鳥を見て!」佐々木友紀監督
   「SEESAW BOOM」佐々木友紀監督
   「小さな机と小さな椅子」中屋充史監督
   「新しい生活」川村清人監督
   「萌」卜部敦史監督 
   「2ちゃんねるの呪い‐Vol.8」遊山直奇監督
   「あなたの知らない怖い話4‐赤丸マップ」川村清人監督
2011年「party」片岡翔監督
            「無条件幸福」藤原光洋監督
    「UTAGE」やましたつぼみ監督
2010年「私の優しくない先輩」山本寛監督
           「MADDOG VIRUS」山本俊輔監督
            「撃つ。女」鬼木幸治監督
    「かみきれいちまい」やましたつぼみ監督
   「バイシコー」中丸航太監督
2009年「LOVE TIMES♡」中丸航太監督
   「0.025」遊山直奇監督
2008年   「鈴の音は死神の囁き」水崎留加監督
    「トラッシュ・ボックス」瀬戸裕介監督
    「血女」鬼木幸治監督
    「世界で一番かっこいい自殺」鎌田哲郎監督●
2007年「秘メ煙~HIMEGEMURI~」多積正之監督
   「アルミホイルマン」遊山直奇監督
2006年「マタニティ・ブルー」山本俊輔監督
   「壊したいおもちゃ」坂井田俊監督
   「小太郎」やましたつぼみ監督
   「さくらの下の秘密」岡元雄作監督
2005年「モラルキーパーズ」瀬戸裕介監督
   「冷血デスマッチLOVE」山本俊輔監督
   「purple eden」中山柔監督
   「俺の人生に乾杯なのだ」畠山直人監督
【TV】
DO!フィッシング(CATV)
東京湾景(CX )
ほんとにあった怖い話(CX )
セーラーゾンビ‐(TX / 2014年)
「煙霞~Gold Rush~」(TX / 2015年)
CM ASUS N10(ASUS)
【ラジオ】
TR-844(エフエムラジオ立川金曜日パーソナリティ/2007年) 
カリンのアットホーム・ナイト(葛飾FM /2007年 )
鎌倉FM「シーサイドカフェ828」
たちかわFM 「明朗、K子のトークルーム」
WEBラジオ「完熟フルハラ」
【舞台】
シアターサンモール開場10周年記念公演「音楽劇・急がば廻れ2」(1999年)
東京グローブ座プロデュース公演「HAM, Lets METAL」(1996年)
【その他】
「ワンちゃんねる」
「ワンちゃんねる 誕生編」
「Den of Horror 変な顔」(HORROR)
「Den of Horror 逝ってきます」(HORIPRO)
「Den of Horror モコちゃん」(HORIPRO)
「Den of Horror かずこのこだま」(HORIPRO)
「もしかしてだけど、ミュージックビデオDVD」(2014年)
イロメガネMV「なによりも、へいおんを。」(2014年)
浪漫ハピハピ王国(2007年1月 - 3月、Mandaray TV)
ネットテレビ LOVE中野5丁目(2006年10月 - 12月、Mandaray TV)
「Hivi」対談
広報誌「メトロニュース」モデル
「生涯学習のユーキャン」モデル
concent不動産2013.12.15号  モデル
Vodafone live! CAST「yubio」モデル
「TOMO BASIC SERIS 2」モデル
「医療提携サロン シエラ」ナレーション
「ニャンちゃんねる」1巻、11巻 ナレーション
NHK「2000年NHK紅白歌合戦」鈴木あみバンクダンサー
「toshiba note pc」filmo CMコンテスト品川賞受賞
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istut · 3 years
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2022.02.17
長野市に引っ越しをして1週間が経ちました。
8日に東京で荷物を積んで、
10日に長野で荷物を降ろしたのですが、
コロナ禍、長距離、大雪。
この3点セットのお陰で想像以上に難航しました。
過ぎてしまえば全て笑い話なのですが、
50代半ばで大きな引っ越しを行うことは、
身体へのダメージが大きいということを実感。
それは現在も進行中です。
まずは東京とお別れをした、
2月8日を振り返りましょう。
引っ越しのトラックが来る前に、
お店の仕入れで長いことお世話になった、
スーパーのレジ担当さんに、
チョコレートを持ってお別れをしに行きました。
お店の閉店と引っ越しの旨を伝えると、
「え?え?ヤダー!!ヤダヤダヤダ!!」
店員さんは本当に驚いてくださって、
ちょっと泣きそうになってしまいました。
本当に本当に長いことお世話になりました。
・・・・・・
予定では午後14時に引っ越し屋さんが来る予定でしたが、
お忙しかったのか、2時間近く押してトラックが到着。
積み荷作業の間は、感染防止のため、
全部屋の窓を開けっぱなしての作業。
ただ見ているだけのわたしたちは、
とにかく寒い。抜群の換気にブルブルブル。。
ようやく荷物を積み終わった頃には、
すでに外は真っ暗。
最終確認をして不動産屋さんに鍵を返して、
12年暮らした阿佐ヶ谷の街とも、
これでお別れなのに、
お別れを惜しむ暇もなく
バタバタと長野行きの新幹線に乗ったのが、
夜の8時。
コンビニのお握りで乾杯をして、
無��&マスクで新幹線移動スタート。
新幹線はガラガラで、コロナ禍を実感しつつ、
そういえば、
新幹線で帰省するのは何年振りだろう?
いやいや、
帰省じゃないし、
引っ越しだし、
もうこのまま東京には戻らないんだし。
マコさんの実家へ帰省する時は、
いつもレンタカーか高速バスだったので、
新幹線は10年以上乗っていないんだった。
こんなに快適なのか~。
座席広いな~。速いな~。
と考えているうちに、
長野駅へ到着。
あれ?
だ、だ、だれもいないなあ。
新幹線が止まる駅なのに、
っていうか、
長野駅だよね?長野の中心だよね?
降りる人も少なすぎるけれど、
それより何より、
駅に人がいない。
そして、駅前にも人がいない。
実家に向かうローカルバスには、
乗客が1���もいない。
駅前の目抜き通りも真っ暗で、
どこにも人がいない。
道路を走る車も少ない。
ど、ど、どうしたんだろう?
ポカンとしていたら、
その理由が分かったんです。
コロナ禍2年が経ちますが、
長野では今回初めて、
まん延防止等重点措置が取られたんですね。
なので緊張感が違う。
お店はピターっと閉まっているし、
外出を控えて皆さん家にいるですよね。
東京の状況に慣れ切ってしまっていて、
このギャップに大きく驚いたのと同時に、
感染防止に協力し合っている様子に、
いたく感心してしまったのです。
真っ暗な中、
ふたりしか乗っていないバスは、
このままどこかへ消えてしまうのでは、
と内心ドキドキしていましたが、
マコさんの実家の最寄り駅に無事到着。
そこから暗い道を歩いて10分。
夜22時半に実家へ到着。
ふえー、長い1日だったなあ。
脳が疲れすぎていて、ギンギンだ。
眠れるかな~。
ありがたいことに、
お義母さんが電気毛布で、
布団を温めてくれていたので、
とにかく眠らなくてはと横になってみたものの、
やはり脳が冴えすぎちゃって、
なかなか眠れない。
案の定、明け方に変な夢を見て、
翌朝の朝食が喉を通らなかったワタクシでした。
つづく。
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kuro-tetsu-tanuki · 3 years
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裕くんが三日月亭でバイトする話(タイトル)
定晴ルート入った辺りのお話。
委員会イベやら本編の描写やらとあるルートネタバレやら有。
「なぁ裕。お前、数日ここでバイトしねえか?」 「は?バイト?」
いつものように三日月亭に買い物に来ていた俺は、店長から唐突な申し出を受けた。
「お前ドニーズでバイトしてたって言ってたよな?調理スタッフとしてもやれるだろ?」 「はあ。まぁ、確かにキッチンもやってたのでやれなくはないですが。どうしたんです?随分と突然ですね」
三日月亭は店長が一人で回している。 繁盛している時間は確かに忙しそうではあるが、注文、調理、配膳と見事に捌いている。 港の食堂を稼働させていた時の俺のような状態ではとてもない。 これが経験の差というものか。 いや、それは兎も角人員を雇う必要性をあまり感じないのだがどうしたというのだろうか。
「いや、その・・・ちょっと腰が・・・な」 「腰?店長腰悪くしたんですか?ちょ、大丈夫ですか!?海堂さん呼んできましょうか?あの人ああ見えてマッサージ得意なので」 「あー・・・そういうワケじゃ、いや、元はと言えばお前らがブランコなんか・・・」
なんだかよくわからないが随分と歯切れが悪い。 腰悪くしたことがそんなに言いにくい事なのか? 言葉尻が小さくて上手く聞き取れない。
「・・・あー、海堂の旦那の事は頼む。屈んだりすると結構痛むもんでな。基本はホール、こっちが手一杯になったらキッチンもやってもらうつもりだ。で、どうだ?まかない付きで給料もしっかり出すぜ。時給は・・・こんくらいでどうだ?」 「おお・・・意外と結構な金額出しますね」 「臨時とは言えこっちから頼んでるわけだしな。その分コキ使ってやるが」
海堂さんの事を頼まれつつ、仕事内容も確認する。 まぁ、ドニーズの頃と左程変わらないだろう。お酒の提供が主、くらいの違いか。 時給もこんな離島の居酒屋とは思えない程には良い。田舎の離島で時給四桁は驚きだ。 内容的にも特に問題ない。直ぐにでも始められるだろう。 とはいえ、屋敷に世話になっている身。勝手に決められるものでもない。
「非常に魅力的ではあるんですが、即断即決とは・・・。申し訳ないですが、一度持ち帰らせてください」 「おう。言っとくが夜の居酒屋の方だからな」 「キッチンの話出しといて昼間だったらそれはそれでビックリですよ。わかりました、また明日にでも返事に来ますよ」
話を終え、買い物を済ませて三日月亭を後にする。 バイト、かぁ・・・。
夕食後。皆で食後のお茶をいただいている時に俺は話を切り出した。 夜間の外出になるのでまずは照道さんに相談するべきだし、海堂さんにもマッサージの話をしなければならない。
「成程。裕さんがやりたいと思うなら、私は反対はしませんよ。店長には日ごろからお世話になっていますし」 「ほー。ま、いいんじゃねぇの?懐があったかくなることは悪いことじゃあねえじゃねえか。マッサージの方も受けといてやるよ。店長に借り作っとくのも悪くないしな」
難しい顔をされるかと思ったが、話はあっさりと通った。 海堂さんに至っては難色を示すかと思っていたが、損得を計算したのかこちらもすんなりと了承を得た。 ちょっと拍子抜けしつつ、改めて照道さんに確認する。
「えっと、本当にいいんですか?」 「ええ。ただ、裕さんの事を考えると帰りだけは誰かしらに迎えに行ってもらった方がいいかもしれませんね」
確かに。禍月の時ではなくても、この島は気性が荒い人は少なくない。 まして居酒屋で働くのだ。店長がいるとはいえ何かしらトラブルに巻き込まれる可能性もある。
「じゃあ、俺が迎えに行くぜ。なんなら向こうで普通に飲んでてもいいしな」
お茶を啜っていた勇魚さんがニカッと笑う。 あ、湯呑が空になってる。 急須を取り、勇魚さんの湯呑にお茶を注ぎながら問い返す。
「俺は助かりますけどいいんですか?はい、お茶のおかわり」 「お、さんきゅ。いいんだよ、俺がやりてえんだから。俺なら酔いつぶれることもねえしな。それに、そういうのは旦那の仕事だろ?」
自然な流れで旦那発言が出てきて驚きつつ、その事実に一気に顔が火照る。 うん、そうなんだけど。嬉しいんだけど。そうストレートに言われると恥ずかしいというかなんというか。
「え、と・・・ありがとうございます」 「けっ、惚気は余所でやれってんだ」 「ふふ・・・」
海堂さんのヤジも、照道さんの温かな眼差しもどこか遠くに感じる。 ヤバい。凄い嬉しい。でもやっぱ恥ずかしい。 そんな思いに悶々としていると、冴さんがコトリと湯呑を置いた。
「で、バイトはいいんだけど、その間誰が私達のおつまみを用意してくれるの?」 「はっ、そういやそうだ!オイ裕!お前自分の仕事はどうする気なんだ」
冴さんの一言に、海堂さんが即座に反応する。 ええ・・・酒飲みたちへのおつまみの提供、俺の仕事になってたの・・・?
「それこそ三日月亭に飲みに来ればいいのでは・・・?」 「それも悪くはないけれど、静かに飲みたい時には向かないのよ、あそこ。それに、この髭親父を担いで帰るなんて事、か弱い乙女の私にさせるの?」
確かに三日月亭は漁師の人達がいつもいるから賑やか、というかうるさい。 ゆったり飲むには確かに向かないかもしれない。ましてや冴さんは女性だから漁師たちの視線を集めまくることだろう。 さり気なく、海堂さんを担ぐのを無理ともできないとも言わない辺りが冴さんらしい。
「ふむ。俺が裕につまみのレシピを教えてもらっておけばいいだろう。新しいものは無理だが既存のレシピであれば再現して提供できる」 「それが無難ですかね。すみません、洋一さん。今日の分、一緒に作りましょう。他にもいくつか教えておきますので」 「ああ、問題ない」
結局、洋一さんが俺の代わりにおつまみ提供をしてくれる事になり、事なきを得た。
翌日、午前中に店長へと返事をした後、島を探索。 少々の収穫もありつつ、昼過ぎには切り上げ、陽が落ち始める前には三日月亭へと足を運んでいた。
「説明は大体こんなもんか。不明な点が出てきたら逐一聞いてくれ」 「はい。多分大丈夫だと思います」
注文の仕方、調理場の決まり、会計の方法。 業務の大半はドニーズでの経験がそのまま役立ちそうだ。 むしろ、クーポンだのポイントだのない分こちらの方がシンプルで楽かもしれない。 渡されたエプロンを付けて腰紐を後ろで縛る。うん、準備は万全だ。
「さ、頼むぞルーキー」 「店長が楽できるよう努めさせてもらいますよ」
そんな軽口をたたき合いながら店を開ける。 数分も経たないうちに、入り口がガラリと音を立てた。
「いらっしゃい」 「いらっしゃいませー!」
現れたのは見慣れた凸凹コンビ。 吾郎さんと潮さんだ。
「あれ?裕?お前こんなとこで何してんだ?」 「バイト・・・えっと、店長が腰悪くしたみたいで臨時の手伝いです」 「なに、店長が。平気なのか?」 「動けないって程じゃないらしいので良くなってくと思いますよ。マッサージも頼んでありますし。それまでは短期の手伝いです」 「成程なぁ・・・」
ここで働くようになった経緯を話しつつ、カウンター近くの席へご案内。 おしぼりを渡しつつ、注文用のクリップボードを取り出す。
「ご注文は?まずは生ビールです?生でいいですよね?」 「随分ビールを推すなお前・・・まぁ、それでいいか。潮もいいか?」 「ああ、ビールでいいぞ。後は―」
少々のおつまみの注文を受けつつ、それを店長へと投げる。
「はい、店長。チキン南蛮1、鶏もも塩4、ネギま塩4、ツナサラダ1」 「おう。ほい、お通しだ」
冷蔵庫から出された本日のお通し、マグロの漬けをお盆にのせつつ、冷えたビールジョッキを用意する。 ジョッキを斜めに傾けながらビールサーバーの取っ手を手前へ。 黄金の液体を静かに注ぎながら垂直に傾けていく。 ビールがジョッキ取っ手の高さまで注がれたら奥側に向けてサーバーの取っ手を倒す。 きめ細かな白い泡が注がれ、見事な7:3のビールの完成。 うん、我ながら完璧だ。 前いたドニーズのサーバーは全自動だったから一回やってみたかったんだよなぁ、これ。
「はい、生二丁お待たせしました。こっちはお通しのマグロの漬けです」 「おう。んじゃ、乾杯ー!」 「ああ、乾杯」
吾郎さん達がビールを��し込むと同時に、入り口の引き戸が開く音がした。 そちらを向きつつ、俺は息を吸い込む。
「いらっしゃいませー!」
そんなスタートを切って、およそ2時間後。 既に席の半分は埋まり、三日月亭は盛況だ。 そんな中、またも入り口の引き戸が開き、見知った顔が入って来た。
「いらっしゃいませー!」 「おう、裕!頑張ってるみたいだな!」 「やあ、裕。店を手伝っているそうだな」 「勇魚さん。あれ、勇海さんも。お二人で飲みに来られたんですか?」
現れたのは勇魚さんと勇海さんの二人組。 俺にとっても良く見知ったコンビだ。
「勇魚から裕がここで働き始めたと聞いてな。様子見ついでに飲まないかと誘われてな」 「成程。こっちの席へどうぞ。・・・はい、おしぼりです。勇魚さんは益荒男ですよね。勇海さんも益荒男で大丈夫ですか?」 「ああ、頼むよ」 「はは、裕。様になってるぞ!」 「ありがとうございます。あまりお構いできませんがゆっくりしていってくださいね」
勇魚さんは俺の様子見と俺の迎えを兼ねて、今日はこのままここで飲むつもりなのだろう。 それで、勇海さんを誘ったと。 もう少しここにいたいが注文で呼ばれてしまっては仕方ない。 別の席で注文を取りつつ、すぐさまお酒の用意を準備をしなければ。
「いらっしゃいませー!」 「おッ、マジでいた!よう裕!遊びに来てやったぜ!」 「あれ、嵐の兄さん、照雄さんまで。何でここに?」
勇魚さん達が来てからしばらく経ったころ、店に見知った大柄な人物がやってくる。 道場の昭雄さんと嵐の兄さんだ。
「漁師連中の噂で三日月亭に新しい店員がいるって話を聞いてな」 「話を聞いて裕っぽいと思ったんだが大当たりだな!」 「確認するためだけにわざわざ・・・。ともかく、こっちの席にどうぞ。はい、おしぼりです」
働き始めたの、今日なんだけどな・・・。 田舎の噂の拡散力は恐ろしいな。 そんな事を思いつつ、2人を席に誘導する。 椅子に座って一息ついたのを確認し、おしぼりを渡しクリップボードの準備をする。
「おお。結構様になってるな。手際もいい」 「そりゃ照雄さんと違って裕は飲み込みいいからな」 「・・・おい」
照雄さんが俺を見て感心したように褒めてくれる。 何故か嵐の兄さんが誇らしげに褒めてくれるが、いつものように昭雄さん弄りも混じる。 そんな嵐の兄さんを、照雄さんが何か言いたげに半目で睨む。ああ、いつもの道場の光景だ。
「はは・・・似たようなことの経験があるので。お二人ともビールでいいですか?」 「おう!ついでに、裕が何か適当につまみ作ってくれよ」 「え!?やっていいのかな・・・店長に確認してみますね」
嵐の兄さんの提案により、店長によって「限定:臨時店員のおすすめ一品」が即座にメニューに追加されることとなった。 このおかげで俺の仕事は当社比2倍になったことを追記しておく。 後で申し訳なさそうに謝る嵐の兄さんが印象的でした。 あの銭ゲバ絶対許さねえ。
「おーい、兄ちゃん!注文ー!」 「はーい、只今ー!」
キッチン仕事の比重も上がった状態でホールもしなければならず、一気にてんてこ舞いに。
「おお、あんちゃん中々可愛い面してるなぁ!」 「はは・・・ありがとうございます」
時折本気なのか冗談なのかよくわからないお言葉を頂きつつ、適当に濁しながら仕事を進める。 勇魚さんもこっちを心配してくれているのか、心配そうな目と時折視線があう。 『大丈夫』という気持ちを込めて頷いてみせると『頑張れよ』と勇魚さんの口元が動いた。 なんかいいなァ、こういうの。 こっからも、まだまだ頑張れそうだ。
「そういえば、裕は道場で武術を学んでいるのだったか」 「おう。時たまかなり扱かれて帰って来るぜ。飲み込みが早いのかかなりの速度で上達してる。頑張り屋だよなぁ、ホント」 「ふふ、道場の者とも仲良くやっているようだな。嵐の奴、相当裕が気に入ったのだな」 「・・・おう、そうだな。・・・いい事じゃねえか」 「まるで兄弟みたいじゃないか。・・・どうした勇魚。複雑そうだな」 「勇海、お前さんわかって言ってるだろ」 「はは、どうだろうな。・・・ほら、また裕が口説かれているぞ」 「何っ!?ってオイ!勇海!」 「はははははっ!悪い。お前が何度もちらちらと裕の方を見ているのでな。あれだけ島の者を惹きつけているのだ、心配も当然だろう」 「裕を疑うわけじゃねえ。が、アイツ変なところで無防備だからよ。目を離した隙に手を出されちまうんじゃないかと気が気じゃねえんだよ」
何を話しているのかはここからじゃ聞こえないが、気安い親父たちの会話が交わされているらしい。 勇魚さんも勇海さんもなんだか楽しそうだ。
「成程な、当然だ。ふうむ・・・ならば勇魚よ、『網絡め』をしてみるか?立会人は俺がしてやろう」 「『網絡め』?なんだそりゃ」 「『網絡め』というのはだな―」
あまりにも楽しそうに会話しているので、まさかここであんな話をしているとは夢にも思わなかった。 盛大なイベントのフラグが既にここで立っていたのだが、この時点の俺にはあずかり知らぬ出来事であった。
そんなこんなで時間は過ぎ、あっという間に閉店時刻に。 店内の掃除を終え、食器を洗い、軽く明日の準備をしておく。 店長は本日の売り上げを清算しているが、傍から見ても上機嫌なのがわかる。 俺の目から見ても今日はかなり繁盛していた。 売り上げも中々良いはずだろう。
「いやぁ、やっぱお前を雇って正解だったな!調理に集中しやすいし、お前のおかげで客も増えるし財布も緩くなる!」 「おかげでこっちはクタクタですけどね・・・」 「真面目な話、本当に助かった。手際も良いしフードもいける。島にいる間定期的に雇ってもいいくらいだ。もっと早くお前の有用性に気づくべきだったな」
仕事ぶりを評価してくれているのか、便利な人材として認識されたのか。 両方か。
「俺も俺でやることがあるので定期は流石に・・・」 「ま、ひと夏の短期バイトが関の山か。ともかく、明日もよろしく頼むぜ」 「はい。店長もお大事に。また明日」
金銭管理は店長の管轄だし、もうやれることはない。 店長に挨拶をし、帰路につくことにする。 店を出ると、勇魚さんが出迎えてくれた。
「さ、帰ろうぜ、裕」 「お待たせしました。ありがとうございます、勇魚さん」 「いいって事よ」
三日月亭を離れ、屋敷までの道を二人で歩いていく。 店に居た時はあんなに騒がしかったのに、今はとても静かだ。 そんな静かな道を二人っきりで歩くのって・・・何か、いいな。
「・・・にしてもお前、よく頑張ってたな」 「いや、途中からてんてこ舞いでしたけどね。飲食業はやっぱ大変だなぁ」 「そうか?そう言う割にはよく働いてたと思うぜ?ミスもねえし仕事遅くもなかったし」 「寧ろあれを日がな一人で捌いてる店長が凄いですよ」 「はは!そりゃあ本業だしな。じゃなきゃやってけねえだろうさ」
勇魚さんに褒められるのは単純に嬉しいのだが、内心は複雑だ。 一日目にしてはそれなりにやれたという自覚もあるが、まだまだ仕事効率的にも改善点は多い。 そういう部分も無駄なくこなしている店長は、何だかんだで凄いのだ。
「にしても、この島の人達はやっぱり気さくというか・・・気安い方が多いですね」 「そう、だな・・・」
酒も入るからか、陽気になるのは兎も角、やたらとスキンシップが多かった。 肩を組んでくるとかならまだいいが、引き寄せるように腰を掴んできたり、ちょっとしたセクハラ発言が飛んできたり。 幸か不幸か海堂さんのおかげで耐性がついてしまったため、適当に流すことは出来るのだが。
「裕、お前気を付けろよ」 「はい?何がですか?」 「この島の連中、何だかんだでお前の事気に入ってる奴多いからな。こっちは心配でよ」 「勇魚さんも俺の事言えないと思いますけど・・・。大丈夫ですよ、俺は勇魚さん一筋ですから」 「お、おう・・・」
勇魚さんは俺の事が心配なのか、どこか不安そうな顔で俺を見る。 モテ具合で言ったら寧ろ勇魚さんの方が凄まじい気がするので俺としてはそっちの方が心配だ。 でも、その気遣いが、寄せられる想いが嬉しい。 その温かな気持ちのまま、勇魚さんの手を握る。 一瞬驚いた顔をした勇魚さんだが、すぐさま力強く握り返される。
「へへっ・・・」 「あははっ」
握った手から、勇魚さんの熱が伝わってくる。 あったかい。手も。胸も。 温かな何かが、胸の奥から止まることなく滾々と湧き出てくるようだ。 なんだろう。今、すごく幸せだ。
「なぁ、裕。帰ったら風呂入って、その後晩酌しようぜ」 「閉店直前まで勇海さんと結構飲んでましたよね?大丈夫なんですか?」 「あんくらいじゃ潰れもしねえさ。な、いいだろ。ちょっとだけ付き合ってくれよ」 「全くもう・・・。わかりましたよ。つまむもの何かあったかなぁ」
という訳でお風呂で汗を流した後、縁側で勇魚さんとちょっとだけ晩酌を。 もう夜も遅いので、おつまみは火を使わない冷奴とぬか漬けと大根おろしを。
「お待たせしました」 「おっ、やっこにぬか漬けに大根おろしか。たまにはこういうのもいいなあ」 「もう夜遅いですからね。火をつかうものは避けました」
火を使っても問題は無いのだが、しっかりと料理を始めたら何処からかその匂いにつられた輩が来る可能性もある。 晩酌のお誘いを受けたのだ。 どうせなら二人きりで楽しみたい。
「お、このぬか漬け。よく漬かってんな。屋敷で出してくれるのとちと違う気がするが・・・」 「千波のお母さんからぬか床を貰いまして。照道さんには、俺個人で消費して欲しいと言われてますので・・・」 「ああ、ぬか床戦争って奴だな!この島にもあんのか」
ぬか漬け、美味しいんだけどその度に沙夜さんと照道さんのあの時の圧を思い出して何とも言えない気分になるんだよなぁ。 こうして勇魚さんにぬか漬けを提供できる点に関しては沙夜さんに感謝なんだけど。 というかぬか床戦争なんて単語、勇魚さんの口から出ることに驚きを感じますよ・・・。 他の地域にもあるのか?・・・いや、深く考えないようにしよう。
「そういえば前にからみ餅食べましたけど、普通の大根おろしも俺は好きですねえ」 「絡み・・・」
大根おろしを食べていると白耀節の時を思い出す。 そういえば勇魚さんと海堂さんでバター醤油か砂糖醬油かで争ってたこともあったなぁ。 と、先ほどまで饒舌に喋っていた勇魚さんが静かになったような気がする。 何があったかと思い勇魚さんを見ると、心なしか顔が赤くなっているような気がする。
「勇魚さん?どうしました?やっぱりお酒回ってきました?」 「いや・・・うん。なんでもねえ、気にすんな!」 「・・・???まぁ、勇魚さんがそう言うなら」
ちょっと腑に落ちない感じではあったが、気にしてもしょうがないだろう。 そこから小一時間程、俺は勇魚さんとの晩酌を楽しんだのであった。
翌日、夕方。 三日月亭にて―
「兄ちゃん!注文いいかー?この臨時店員のおすすめ一品っての2つ!」 「こっちにも3つ頼むぜー」 「はーい、今用意しまーす!ちょ、店長!なんか今日やたら客多くないですか!?」 「おう、ビビるぐらい客が来るな。やっぱりお前の効果か・・・?」
もうすぐ陽が沈む頃だと言うのに既に三日月亭は大盛況である。 昨日の同時刻より明らかに客数が多い。 ちょ、これはキツい・・・。
「ちわーっとぉ、盛況だなオイ」 「裕ー!面白そうだから様子見に来たわよー」 「・・・大変そうだな、裕」
そんな中、海堂さんと冴さん、洋一さんがご来店。 前二人は最早冷やかしじゃないのか。
「面白そうって・・・割と混んでるのであんまり構えませんよ。はい、お通しとビール」 「いいわよォ、勝手にやってるから。私、唐揚げとポテトサラダね」 「エイヒレ頼むわ。後ホッケ」 「はいはい・・・」
本日のお通しである卯の花を出しながらビールジョッキを3つテーブルに置く。 この二人、頼み方が屋敷の時のソレである。 ぶれなさすぎな態度に実家のような安心感すら感じr・・・いや感じないな。 何だ今の感想。我が事ながら意味がわからない。
「裕。この『限定:臨時店員のおすすめ一品』というのは何だ?」 「俺が日替わりでご用意する一品目ですね。まぁ、色々あってメニューに追加になり��して」 「ふむ。では、俺はこの『限定:臨時店員のおすすめ一品』で頼む」 「お出しする前にメニューが何かもお伝え出来ますよ?」 「いや、ここは何が来るかを期待しながら待つとしよう」 「ハードル上げるなァ。唐揚げ1ポテサラ1エイヒレ1ホッケ1おすすめ1ですね。店長、3番オーダー入りまーす」
他の料理は店長に投げ、俺もキッチンに立つ。 本日のおすすめは鯵のなめろう。 処理した鯵を包丁でたたいて細かく刻み、そこにネギと大葉を加えてさらに叩いて刻む。 すりおろしたにんにくとショウガ、醤油、味噌、を加え更に細かく叩く。 馴染んだら下に大葉を敷いて盛り付けて完成。 手は疲れるが、結構簡単に作れるものなのだ。 そうして用意したなめろうを、それぞれのテーブルへと運んでいく。 まだまだピークはこれからだ。気合い入れて頑張ろう。
そう気合を入れ直した直後にまたも入り口の引き戸が音を立てたのであった。 わぁい、きょうはせんきゃくばんらいだー。
「おーい裕の兄ちゃん!今日も来たぜ!」 「いらっしゃいませー!連日飲んでて大丈夫なんですか?明日も朝早いんでしょう?」 「はっは、そんくらいで漁に行けない軟弱な野郎なんざこの打波にはいねえさ」 「むしろ、お前さんの顔見て元気になるってもんだ」 「はァ、そういうもんですか?とは言え、飲み過ぎないように気を付けてくださいね」
「なぁあんちゃん。酌してくれよ」 「はいはい、只今。・・・はい、どうぞ」 「っかー!いいねぇ!酒が美味ぇ!」 「手酌よりかはマシとは言え、野郎の酌で変わるもんです?」 「おうよ!あんちゃんみたいな可愛い奴に酌されると気分もいいしな!あんちゃんなら尺でもいいぜ?」 「お酌なら今しているのでは・・・?」 「・・・がはは、そうだな!」
「おい、兄ちゃんも一杯どうだ?飲めない訳じゃねえんだろ?」 「飲める歳ではありますけど仕事中ですので。皆さんだってお酒飲みながら漁には出ないでしょう?」 「そらそうだ!悪かったな。・・・今度、漁が終わったら一緒に飲もうぜ!」 「はは、考えておきますね」
ただのバイトに来ている筈なのに、何だか何処ぞのスナックのママみたいな気分になってくる。 それも、この島の人達の雰囲気のせいなのだろうか。
「あいつすげぇな。看板娘みてぇな扱いになってんぞ」 「流石裕ね。二日目にして店の常連共を掌握するとは。崇といい、これも旺海の血なのかしら?」 「もぐもぐ」 「さぁな。にしても、嫁があんなモテモテだと勇魚の野郎も大変だねぇ」 「裕の相手があの勇魚だって知った上で尚挑めるのかが見ものね」 「もぐもぐ」 「洋一、もしかしてなめろう気に入ったのか?」 「・・・うまい。巌もどうだ?」 「お、おう」
料理を運んでいる途中、洋一さんがひたすらなめろうを口に運んでいるのが目に入る。 もしかして、気に入ったのかな? そんな風にちょっとほっこりした気持ちになった頃、嵐は唐突に現れた。 嵐の兄さんじゃないよ。嵐の到来って奴。
「おーう裕。頑張っとるようじゃのう」 「あれ、疾海さん?珍しいですね、ここに来るなんて」 「げ、疾海のジジィだと!?帰れ帰れ!ここにはアンタに出すもんなんてねぇ!裕、塩持って来い塩!」
勇海さんのお父さんである疾海さんが来店。 この人がここにやってくる姿はほとんど見たことがないけれど、どうしたんだろう。 というか店長知り合いだったのか。
「なんじゃ店主、つれないのう。こないだはあんなに儂に縋り付いておったというのに」 「バッ・・・うるせェ!人の体好き放題しやがって!おかげで俺は・・・!」 「何言っとる。儂はちょいとお前さんの体を開いただけじゃろが。その後に若い衆に好き放題されて悦んどったのはお前さんの方じゃろ」
あー・・・そういう事ね。店長の腰をやった原因の一端は疾海さんか。 うん、これは聞かなかったことにしておこう。 というか、あけっぴろげに性事情を暴露されるとか店長が不憫でならない。
「のう、裕よ。お主も興味あるじゃろ?店主がどんな風に儂に縋り付いてきたか、その後どんな風に悦んでおったか」 「ちょ、ジジィてめぇ・・・」 「疾海さん、もうその辺で勘弁してあげてくださいよ。店長の腰がやられてるのは事実ですし、そのせいで俺が臨時で雇われてるんですから。益荒男でいいですか?どうぞ、そこの席にかけてください」 「おい、裕!」 「店長も落ち着いて。俺は何も見てませんし聞いてません。閉店までまだまだ遠いんですから今体力使ってもしょうがないでしょう。俺が疾海さんの相手しますから」 「―ッ、スマン。頼んだぞ、裕」
店長は顔を真っ赤にして逃げるようにキッチンへと戻っていった。 うん、あの、何て言うか・・・ご愁傷様です。 憐れみの視線を店長に送りつつお通しと益荒男を準備し、疾海さんの席へと提供する。
「よう店主の手綱を握ったのう、裕。やるもんじゃな」 「もとはと言えば疾海さんが店長をおちょくるからでしょう。あんまりからかわないでくださいよ」
にやにやと笑う疾海さんにため息が出てくる。 全く・・・このエロ爺は本当、悪戯っ子みたいな人だ。 その悪戯が天元突破したセクハラばかりというのもまた酷い。 しかも相手を即落ち、沈溺させるレベルのエロ技術を習得しているからなおさら性質が悪い。
「にしても、裕。お前さんもいい尻をしておるのう。勇魚の竿はもう受けたか?しっかりと耕さんとアレは辛いじゃろうて」
おもむろに尻を揉まれる。いや、揉みしだかれる。 しかも、その指が尻の割れ目に・・・ってオイ!
「―ッ!」
脳が危険信号を最大限に発し、半ば反射的に体が動く。 右手で尻を揉みしだく手を払いのけ、その勢いのまま相手の顔面に左の裏拳を叩き込む! が、振り抜いた拳に手ごたえは無く、空を切ったのを感じる。 俺は即座に一歩下がり、構えを解かずに臨戦態勢を維持。 チッ、屈んで避けたか・・・。
「っとぉ、危ないのう、裕。儂の男前な顔を台無しにするつもりか?」 「うるせえジジイおもてでろ」 「ほう、その構え・・・。成程、お前さん辰巳の孫のとこに師事したんか。道理で覚えのある動きじゃ。じゃが、キレがまだまだ甘いのう」
かなりのスピードで打ち込んだ筈なのに易々と回避されてしまった。 やはりこのジジイ只者ではない。 俺に攻撃をされたにも関わらず、にやにやとした笑いを崩さず、のんびりと酒を呷っている。 クソッ、俺にもっと力があれば・・・!
「おい裕、どうした。何か擦れた音が、ってオイ。マジでどうした!空気が尋常じゃねぇぞ!?」
店内に突如響いた地面を擦る音に、店長が様子を見に来たようだ。 俺の状態に即座に気づいたようで、後ろから店長に羽交い締めにされる。
「店長どいてそいつころせない」 「落ち着け!何があったか想像はつくが店ん中で暴れんな!」 「かかかっ!可愛い奴よな、裕。さて、儂はまだ行くところがあるでの。金はここに置いとくぞ」
俺が店長に止められている間に、エロ爺は笑いながら店を後にした。 飲み食い代よりもかなり多めの金額が置かれているのにも腹が立つ。
「店長!塩!」 「お、おう・・・」
さっきとはまるきり立場が逆である。 店の引き戸を力任せにこじ開け、保存容器から塩を鷲掴む。
「祓い給え、清め給え!!消毒!殺菌!滅菌ッ!!!」
適当な言葉と共に店の前に塩をぶちまける。 お店の前に、白い塩粒が散弾のように飛び散った。
「ふー、ふー、ふーッ!・・・ふぅ」 「・・・落ち着いたか?」 「・・・ええ、何とか」
ひとしきり塩をぶちまけるとようやく気持ちが落ち着いてきた。 店長の気遣うような声色に、何ともやるせない気持ちになりながら返答する。 疲労と倦怠感に包まれながら店の中に戻ると、盛大な歓声で出迎えられる。
「兄さん、アンタやるじゃねぇか!」 「うおッ!?」 「疾海のじいさんにちょっかいかけられたら大体はそのまま食われちまうのに」 「ひょろっちい奴だと思ってたがすげえ身のこなしだったな!惚れ惚れするぜ!」 「あ、ありがとうございます・・・はは・・・」
疾海さんは俺と勇魚さんの事を知っているから、単にからかってきただけだろうとは思っている。 エロいし奔放だし子供みたいだが、意外と筋は通すし。 あくまで「比較的」通す方であって手を出さない訳ではないというのが困りものではあるが。 そんな裏事情をお客の人達が知っている訳もなく、武術で疾海さんを退けたという扱いになっているらしい。 けど、あのジジイが本気になったら俺の付け焼刃な武術じゃ相手にならない気がする。 さっきの物言いを考えると辰馬のおじいさんとやりあってたって事になる。 ・・・うん、無理そう。
「おっし!そんなあんちゃんに俺が一杯奢ってやろう!祝杯だ!」 「いいねえ!俺も奢るぜ兄ちゃん!」 「抜け駆けすんな俺も奢るぞ!」 「ええっ!?いや、困りますって・・・俺、仕事中ですし・・・」 「裕、折角なんだし受けておきなさいな」
どうしようかと途方に暮れていると、いつの間にか冴さんが隣に来ていた。 と、それとなく手の中に器のようなものを握らされた。
「冴さん。あれ、これって・・・」
横目でちらりと見ると『咲』の字が入った器。 これ、咲夜の盃・・・だよな?
「腕も立って酒にも強いと知っとけば、あの連中も少しは大人しくなるでしょ。自衛は大事よ」 「はぁ・・・自衛、ですか」 「後でちゃんと返してね」
これって確か、持ってるだけで酒が強くなるって盃だったっけ。 その効果は一度使って知っているので、有難く使わせてもらうとしよう。 店長もこっちのやりとりを見ていたのか何も言うこと無く調理をしていた。
「おっ、姐さんも一緒に飲むかい!?」 「ええ。折角だから裕にあやからせてもらうわ。さぁ、飛ばしていくわよ野郎共ー!」 「「「「おおーっ!!」」」」 「お、おー・・・」
その後、ガンガン注がれるお酒を消費しつつ、盃を返す、を何度か繰り返すことになった。 途中からは冴さんの独壇場となり、並み居る野郎共を悉く轟沈させて回っていた。 流石っス、姐さん。 ちなみに俺は盃のご利益もあり、その横で飲んでいるだけで終わる事になった。
そんな一波乱がありつつも、夜は更けていったのだった。
そんなこんなで本日の営業終了時刻が近づいてくる。 店内には冴さん、海堂さん、洋一さんの3人。 冴さんはいまだ飲んでおり、その底を見せない。ワクなのかこの人。 海堂さんはテーブルに突っ伏してイビキをかいており、完全に寝てしまっている。 洋一さんはそんな海堂さんを気にしつつ、お茶を啜っている。 あんなにいた野郎共も冴さんに轟沈させられた後、呻きながら帰って行った。 明日の仕事、大丈夫なんだろうか・・・。
後片付けや掃除もほぼ終わり、後は冴さん達の使っているテーブルだけとなった時、入り口が壊れそうな勢いで乱暴に開いた。
「裕ッ!」 「うわっ、びっくりした。・・・勇魚さん、お疲れ様です」
入り口を開けて飛び込んできたのは勇魚さんだった。 いきなりの大声にかなり驚いたが、相手が勇魚さんとわかれば安心に変わる。 だが、勇魚さんはドスドスと近づいてくると俺の両肩をガシリと掴んだ。
「オイ裕!大丈夫だったか!?変な事されてねえだろうな!」
勇魚さんにしては珍しく、かなり切羽詰まった様子だ。 こんなに心配される事、あったっけ・・・? 疑問符が浮かぶがちらりと見えた勇海さんの姿にああ、と納得する。 というか苦しい。掴まれた肩もミシミシ言ってる気がする。
「うわっ!?大丈夫、大丈夫ですって。ちょ、勇魚さん苦しいです」 「お、おう。すまねえ・・・」
宥めると少し落ち着いたのか、手を放してくれる。 勇魚さんに続いて入って来た勇海さんが、申し訳なさそうに口を開いた。
「裕、すまないな。親父殿が無礼を働いたそうだな」 「勇海さんが気にすることではないですよ。反撃もしましたし。まぁ、逃げられたんですけど」 「裕は勇魚のつがいだと言うのに、全く仕方のないことだ。親父殿には私から言い聞かせておく。勘弁してやって欲しい」 「疾海さんには『次やったらその玉潰す』、とお伝えください」 「ははは、必ず伝えておくよ」
俺の返答に納得したのか、勇海さんは愉快そうに笑う。 本当にその時が来た時の為に、俺も更なる修練を積まなければ。 ・・・気は進まないけど、辰馬のおじいさんに鍛えても���う事も視野に入れなければならないかもしれない。
「裕、今日はもう上がっていいぞ。そいつら連れて帰れ」 「え、いいんですか?」 「掃除も殆ど終わってるしな。色々あったんだ、帰って休んどけ」
俺に気を遣ってくれたのか、はたまたさっさと全員を返したかったのか、店長から退勤の許可が出た。 ここは有難く上がらせてもらおう。色々あって疲れたのは事実だ。
「じゃあ、折角ですので上がらせてもらいます。お疲れ様でした」 「おう。明日も頼むぞ」
店長に挨拶をし、皆で店を出る。 勇海さんはここでお別れとなり、俺、勇魚さん、冴さん、海堂さん、洋一さんの5人で帰る。 寝こけている海堂さんは洋一さんが背負っている。
「裕、ホントに他に何も無かったんだろうな!?」 「ですから、疾海さんにセクハラ受けただけですって。その後は特に何も無かったですし・・・」
で、帰り道。勇魚さんに詰問されております。 心配してくれるのはとても嬉しい。 嬉しいんだけど、過剰な心配のような気もしてちょっと気おくれしてしまう。
「俺に気を遣って嘘ついたりすんじゃねえぞ」 「冴さん達も一緒にいたのに嘘も何もないんですが・・・」 「裕の言ってる事に嘘はないわよ。疾海の爺さんに尻揉まれてたのも事実だけど」 「・・・思い出したら何か腹立ってきました。あのジジイ、次に会ったら確実に潰さなきゃ」
被害者を減らすにはその大本である性欲を無くすしかないかな? やっぱり金的か。ゴールデンクラッシュするしかないか。 あの驚異的な回避力に追いつくためにはどうすればいいか・・・。 搦め手でも奇襲なんでもいい、当てさえすればこちらのものだろう。 そう思いながら突きを繰り出し胡桃的な何かを握り潰す動作を数回。 駄目だな、やっぱりスピードが足りない。
「成程、金的か」 「裕、その、ソイツは・・・」
洋一さんは俺の所作から何をしようとしているかを読み取ったようだ。 その言葉にさっきまで心配一色だった勇魚さんの顔色変わる。 どうしました?なんで微妙に股間を押さえて青ざめてるんです?
「冴さん。こう、男を不能寸前まで追い込むような護身術とかないですかね?」 「あるにはあるけど、そういうの覚えるよりもっと確実な方法があるわよ」 「え?」 「勇魚。アンタもっと裕と一緒にいなさい。で、裕は俺の嫁アピールしときなさい」
嫁。勇魚さんのお嫁さん。 うん、事実そうなんだけどそれを改めて言われるとなんというか。 嬉しいんだけど、ねぇ?この照れくさいような微妙な男心。
「裕。頬がだいぶ紅潮しているようだが大丈夫か?」 「だ、大丈夫です。何というか、改めて人に言われると急に、その・・・」 「ふむ?お前が勇魚のパートナーである事は事実だろう。港の方でも知れ渡っていると聞いている。恥ずべきことではないと思うが?」 「恥ずかしいんじゃなくて嬉しくも照れくさいというか・・・」 「・・・そういうものか。難しいものだな」
洋一さんに指摘され、更に顔が赤くなる。 恥ずかしいわけじゃない。むしろ嬉しい。 でも、同じくらい照れくささが湧き上がってくる。 イカン、今凄い顔が緩みまくってる自覚がある。
「流石にアンタ相手に真正面から裕に手を出す輩はいないでしょう。事実が知れ渡れば虫よけにもなって一石二鳥よ」 「お、おお!そうだな!そっちの方が俺も安心だ!うん、そうしろ裕!」
冴さんの案に我が意を得たりといった顔の勇魚さん。 妙に食いつきがいいなァ。 でも、それって四六時中勇魚さんと一緒にいろって事では?
「勇魚さんはそれでいいんですか?対セクハラ魔の為だけに勇魚さんの時間を割いてもらうのは流石にどうかと思うんですが」 「んなこたあねえよ。俺だってお前の事が心配なんだ。これくらいさせてくれよ」 「そう言われると断れない・・・」
申し訳ない旨を伝えると、純粋な好意と気遣いを返される。 実際勇魚さんと一緒に居られるのは嬉しいし、安心感があるのも事実だ。
「裕、あんたはあんたで危機感を持った方がいいわよ」 「危機感、といいますとやっぱりセクハラ親父やセクハラ爺の対処の話ですか?」
冴さんの言葉に、2人の男の顔が思い浮かぶ。 悪戯、セクハラ、煽りにからかい。あの人たちそういうの大好きだからなぁ。 でも、だいぶ耐性はついたし流せるようになってきたと思ってるんだけど。
「違うわよ。いやある意味同じようなモンか」 「客だ、裕」 「客?お店に来るお客さんって事ですか?」
え、海堂さんとか疾海さんじゃないのか。 そう思っていると意外な答えが洋一さんの方から返って来た。 客の人達に何かされたりは・・・ない筈だったけど。
「店にいた男たちはかなりの人数が裕を泥酔させようと画策していたな。冴が悉くを潰し返していたが」 「何っ!?」 「え!?洋一さん、それどういう・・・」
何その事実今初めて知った。どういうことなの。
「今日店に居た男たちは皆一様にお前をターゲットとしていたようだ。やたらお前に酒を勧めていただろう。お前自身は仕事中だと断っていたし、店長もお前に酒がいかないようそれとなくガードしていた。だがお前が疾海を撃退したとなった後、躍起になるようにお前に飲ませようとしていただろう。だから冴が向かったという訳だ」 「疾海の爺さん、なんだかんだでこの島でもかなりの手練れみたいだしね。物理でだめならお酒でって寸法だったみたいね」 「えっと・・・」 「食堂に来てた立波さん、だったかしら。ここまで言えばわかるでしょ?店長も何だかんだでそういう事にならないよう気を配ってたわよ」
あァ、成程そういう事か。ようやく俺も理解した。 どうやら俺は三日月亭でそういう意味での好意を集めてしまったという事らしい。 で、以前店長が言っていた「紳士的でない方法」をしようとしていたが、疾海さんとのやりとりと冴さんのおかげで事なきを得たと、そういう事か。
「えー・・・」 「裕・・・」
勇魚さんが俺を見る。ええ、心配って顔に書いてますね。 そうですね、俺も逆の立場だったら心配しますよ。
「なあ裕。明日の手伝いは休んどけ。店には俺が行くからよ」 「いや、そういうワケにもいかないでしょう。勇魚さん、魚は捌けるでしょうけど料理できましたっけ?」 「何、料理ができない訳じゃねえ・・・なんとかなるだろ」
あっけらかんと笑う勇魚さんだが、俺には不安要素しかない。 確かに料理ができない訳じゃないけど如何せん漢の料理だ。店長の補助とかができるかと言うと怪しい。 この島に来てからの勇魚さんの功績をふと思い返す。 餅つき・・・臼・・・ウッアタマガ。 ・・・ダメだ、食材ごとまな板真っ二つにしそうだし、食器を雑に扱って破壊しそうな予感しかしない。 勇魚さんの事だからセクハラされたりもしそうだ。 ダメダメ、そんなの俺が許容しません。
「様々な観点から見て却下します」 「裕ぅ~・・・」
そんなおねだりみたいな声したって駄目です。 却下です却下。
「裕、ならば俺が行くか?」 「お願いしたいのは山々なんですが洋一さんは明日北の集落に行く予定でしたよね。時間かかるって仰ってたでしょう?」 「ふむ。ならば巌に―」 「いえ、海堂さんには店長のマッサージもお願いしてますしこれ以上は・・・」
洋一さんが申し出てくれるが、洋一さんは洋一さんで抱えてる事がある。 流石にそれを曲げてもらうわけにはいかない。 海堂さんなら色んな意味で文句なしの人材ではあるのだが、既にマッサージもお願いしている。 それに、迂闊に海堂さんに借りを作りたくない。後が怖い。
「洋一も無理、巌も無理とするならどうするつもりなんだ?高瀬か?」 「勇魚さん、三日月亭の厨房を地獄の窯にするつもりですか?」 「失礼ねェ。頼まれてもやらないわよ」
勇魚さんからまさかの選択が投げられるがそれは無理。 冴さんとか藤馬さんに立たせたら三日月亭から死人が出る。三日月亭が営業停止する未来すらありえる。 頼まれてもやらないと冴さんは仰るが、「やれないからやらない」のか「やりたくないからやらない」のかどっちなんだ。
「明日も普通に俺が行きますよ。ついでに今後についても店長に相談します」 「それが一番ね。店長も裕の状況に気づいてるでしょうし」 「巌の話だとマッサージのおかげかだいぶ良くなってきているらしい。そう長引きはしないだろう」 「後は勇魚がガードすればいいのよ」 「おう、そうか。そうだな」
そんなこんなで話も固まり、俺達は屋敷に到着した。 明日は何事もなく終わってくれればいいんだけど・・・。 そんな不安も抱えつつ、夜は過ぎていった。
そしてバイト三日目。 俺は少し早めに三日月亭へと来ていた。
「ああ、だよなぁ。すまんな、そっちの可能性も考えてなかったワケじゃ無いんだが・・・そうなっちまうよなあ」
俺の状況と今後の事を掻い摘んで説明すると、店長は疲れたように天井を仰ぐ。
「何というか・・・すみません。腰の具合はどうです?」
別に俺が何かをしたわけではないけれど、状況の中心にいるのは確かなので申し訳ないとは思う。
「海堂の旦那のおかげでだいぶ良くなった。もう一人でも回せそうだ。何なら今日から手伝わなくてもいいんだぞ?」
店長はそう言うが、完治しているわけでもない。 悪化するわけではないだろうが気になるのも事実。 なので、昨日のうちに勇魚さんと決めていた提案を出すことにする。
「でも全快というわけでもないんでしょう?引き受けたのは自分です。勇魚さんもいますし、せめて今日までは手伝わせてくださいよ」 「心意気はありがてえが・・・。わかった、面倒ごとになりそうだったらすぐさま離れろよ?勇魚の旦那も頼むぜ」 「おう!」 「はい!さ、今日も頑張りましょう!」
昨日話した通り今日は開店から勇魚さんも店に居てくれる。 万が一な状態になれば即座に飛んできてくれるだろう。 それだけで心の余裕も段違いだ。
「裕、無理すんなよ」 「わかってますよ。勇魚さんも、頼みますね」 「おう、任せときな!」
勇魚さんには店内を見渡せる席に座ってもらい、適当に時間を潰してもらう。 俺は店長と一緒に仕込みを始めながら新メニューの話も始める。 途中、勇魚さんにビールとお通しを出すのも忘れずに。
「新しいメニュー、どうすっかねぇ」 「今日の一品、新レシピも兼ねてゴーヤーチャンプルーでいこうかと思うんですよ」 「ほー。確かに苦瓜なら栽培してるとこはそこそこあるしな。行けるだろう」 「スパム缶は無くても豚肉や鶏肉でいけますからね。肉が合わないなら練り物やツナでも大丈夫です。材料さえあれば炒めるだけってのも高ポイント」 「肉に卵にと寅吉んとこには世話になりっぱなしだな。だが、いいねえ。俺も久しぶりにチャンプルーとビールが恋しくなってきやがった」 「後で少し味見してくださいよ。島の人達の好み一番把握してるの店長なんだから。・・・でも、やっぱり新メニュー考えるのは楽しいな」 「・・・ったく、面倒ごとさえ無けりゃあこのまま働いてもらえるってのに。無自覚に野郎共の純情を弄びやがって」 「それ俺のせいじゃないですよね・・・」
調理実習をする学生みたいにわいわい喋りながら厨房に立つ俺達を、勇魚さんはニコニコしながら見ている。 あ、ビールもう空きそう。おかわりいるかな? そんな風に営業準備をしていると時間はあっという間に過ぎ去り、開店時間になる。 開店して数分も経たないうちに、店の引き戸がガラリと開いた。
「いらっしゃいませー!」
「裕、お前まだここで働いてたのか」 「潮さん、こんばんは。今日までですけどね。あくまで臨時なので」 「ふむ、そうか。勇魚の旦那もいるのか」 「おう、潮。裕の付き添いでな」 「・・・ああ、成程な。それは確かに必要だ」
「おっ、今日も兄ちゃんいるのか!」 「いらっしゃいませ!ははは、今日で終わりなんですけどね」 「そうなのか!?寂しくなるなぁ・・・。なら、今日こそ一杯奢らせてくれよ」 「一杯だけならお受けしますよ。それ以上は無しですからね」
「裕の兄ちゃん!今日でいなくなっちまうって本当か!?」 「臨時ですので。店長の具合もよくなりましたし」 「兄ちゃんのおすすめ一品、好きだったんだけどよ・・・」 「はは、ありがとうございます。今日も用意してますから良かったら出しますよ」 「おう、頼むぜ!」
続々とやってくる常連客を捌きつつ、厨房にも立つ。 店長の動きを見てもほぼ問題ない。治ってきてるのも事実のようだ。 時折お客さんからの奢りも一杯限定で頂く。 今日は以前もらった方の咲夜の盃を持ってきているので酔う心配もない。
「おう、裕のあんちゃん!今日も来たぜ!」 「い、いらっしゃいませ・・・」
再びガラリと入り口が空き、大柄な人物がドスドスと入ってくる。 俺を見つけるとがっしと肩を組まれる。 日に焼けた肌が特徴の熊のような人だ。名前は・・・確か井灘さん、だったかな? 初日に俺に可愛いと言い、昨日は酌を頼まれ、冴さんに潰されてた人だ。 スキンシップも多く、昨日の一件を考えると警戒せざるを得ない。 取り合えず席に案内し、おしぼりを渡す。
「ガハハ、今日もあんちゃんの可愛い顔が見れるたぁツイてるな!」 「あ、ありがとうございます。注文はどうしますか?」 「まずはビール。食いモンは・・・そうさな、あんちゃんが適当に見繕ってくれよ」 「俺が、ですか。井灘さんの好みとかわかりませんけど・・・」 「大丈夫だ。俺、食えねえもんはねえからよ。頼むぜ!」 「はあ・・・分かりました」
何か丸投げされた感が凄いが適当に三品程見繕って出せばいいか。 ついでだからゴーヤーチャンプルーも試してもらおうかな。 そんな事を考えながら、俺は井灘さんにビールとお通しを出す。
「む・・・」 「どうした旦那。ん?アイツ、井灘か?」 「知ってるのか、潮」 「ああ。俺達とは違う港の漁師でな。悪い奴では無いんだが、気に入った奴にすぐ手を出すのが玉に瑕でな」 「そうか・・・」 「旦那、気を付けた方がいいぞ。井灘の奴、あの様子じゃ確実に裕に手を出すぞ」 「・・・おう」
こんな会話が勇魚さんと潮さんの間でなされていたとはつゆ知らず。 俺は店長と一緒に厨房で鍋を振っていた。
「はい、井灘さん。お待たせしました」 「おう、来た来た」 「つくね、ネギま、ぼんじりの塩の串盛り。マグロの山かけ。そして今日のおすすめ一品のゴーヤーチャンプルーです」 「いいねえ、流石あんちゃん。で、なんだそのごーやーちゃんぷうるってのは?」 「内地の料理ですよ。苦瓜と肉と豆腐と卵の炒め物、ってとこでしょうか。(厳密には内地の料理とはちょっと違うけど)」 「ほー苦瓜。滅多に食わねえが・・・あむ。うん、美味え!美味えぞあんちゃん!」 「それは良かった」 「お、美味そうだな。兄ちゃん、俺にもそのごーやーちゃんぷうるってのくれよ」 「俺も!」 「はいはい、ただいま」
井灘さんが美味しいと言ってくれたおかげで他の人もゴーヤーチャンプルーを頼み始める。 よしよし、ゴーヤーチャンプルーは当たりメニューになるかもしれない。 そう思いながら厨房に引っ込んでゴーヤーを取り出し始めた。
それからしばらくして井灘さんから再びゴーヤーチャンプルーの注文が入る。 気に入ったのだろうか。
「はい、井灘さん。ゴーヤーチャンプルー、お待たせ」 「おう!いやー美味えな、コレ!気に入ったぜ、ごーやーちゃんぷうる!」 「あはは、ありがとうございます」
自分の料理を美味い美味いと言ってもりもり食べてくれる様はやっぱり嬉しいものだ。 作る側冥利に尽きる。 が、作ってる最中に店長にも「アイツは気を付けとけ」釘を刺されたので手放しに喜ぶわけにもいかない。
「毎日こんな美味いモン食わせてくれるなんざあんちゃんと一緒になる奴は幸せだなあ!」 「はは・・・ありがとう、ございます?」 「あんちゃんは本当に可愛い奴だなあ」
屈託ない笑顔を向けてくれるのは嬉しいんだけど、何だか話の方向が急に怪しくなってきたぞ。
「おい、裕!早く戻ってきてこっち手伝え!」 「ッ、はーい!じゃあ井灘さん、俺仕事に戻るので・・・」
こっちの状況を察知したのか、店長が助けを出してくれる。 俺も即座に反応し、戻ろうと足を動かす。 が、その前に井灘さんの腕が俺の腕を掴む。 あ、これは・・・。
「ちょ、井灘さん?」 「なあ、裕のあんちゃん。良けりゃ、俺と・・・」
急に井灘さんの顔が真面目な顔になり、真っ直ぐに俺を見据えてくる。 なんというか、そう、男の顔だ。 あ、俺こういう顔に見覚えある。 そう、勇魚さんの時とか、立浪さんの時とか・・・。 逃げようと思うも腕をガッチリとホールドされ、逃げられない。 ・・・ヤバイ。そう思った時だった。 俺と井灘さんの間に、ズイと体を割り込ませてきた見覚えのあるシャツ姿。
「なあ、兄さん。悪いがこの手、離してくんねえか?」 「勇魚さん・・・」
低く、優しく、耳をくすぐる声。 この声だけで安堵感に包まれる。 言葉は穏やかだが、どこか有無を言わせない雰囲気に井灘さんの眉間に皺が寄る。
「アンタ・・・確か、内地の客だったか。悪いが俺の邪魔・・・」 「裕も困ってる。頼むぜ」 「おい、アンタ・・・う、腕が動かねえ!?」
井灘さんも結構な巨漢で相当な力を込めているのがわかるが、勇魚さんの手はびくともしない。 勇魚さんの怪力はよく知ってはいるけど、こんなにも圧倒的なんだなあ。
「こいつ、俺の大事な嫁さんなんだ。もし、手出しするってんなら俺が相手になるぜ」
そう言って、勇魚さんは俺の方をグッと抱き寄せる。 抱き寄せられた肩口から、勇魚さんの匂いがする。 ・・・ヤバイ。勇魚さん、カッコいい。 知ってたけど。 知ってるのに、凄いドキドキする。
「っ・・・ガハハ、成程!そいつは悪かったな、旦那!」 「おう、分かってくれて何よりだぜ。さ、裕。店長が呼んでるぜ」 「あ、ありがとうございます勇魚さん。井灘さん、��みませんけどそういう事なので・・・」
勇魚さんの言葉に怒るでもなく、井灘さんは納得したようにあっさりと手を放してくれた。 井灘さんに謝罪しつつ、促されるまま厨房へと戻る。
「おお!あんちゃんも悪かったな!旦那、詫びに一杯奢らせてくれや!」 「おう。ついでに裕のどこが気に入ったのか聞かせてくれよ」
漁師の気質なのかはたまた勇魚さんの人徳なのか。 さっきの空気はどこへやら、そのまま親し気に話始める2人。
「ちょ、勇魚さん!」 「いいぜ!旦那とあんちゃんの話も聞かせてくれよ!」 「井灘さんまで!」 「おい裕!いつまで油売ってんだ、こっち手伝え!」
店長の怒鳴り声で戻らざるを得なかった俺には二人を止める術などなく。 酒の入った声のデカい野郎共が二人、店内に響かない筈がなく・・・。
「でよ、そん時の顔がまたいじらしくってよ。可愛いんだこれが」 「かーっ!羨ましいこったぜ。旦那は果報モンだな!」 「だろ?なんたって俺の嫁さんなんだからな!」
勇魚さんも井灘さんも良い感じに酒が入ってるせいか陽気に喋っている。 可愛いと言ってくれるのは嬉しくない訳ではないけれど、連呼されると流石に男としてちょっと悲しい気分になる。 更に嫁さん嫁さん連呼されまくって複雑な心境の筈なのにどれだけ愛されているかをガンガン聞かされてオーバーヒートしそうだ。
「何故バイト中に羞恥プレイに耐えなければならないのか・・・」 「おい裕、いつまで赤くなってんだ。とっとと料理運んで来い」 「はい・・・いってきます・・・」
人が耐えながらも調理しているというのにこの銭ゲバ親父は無情にもホール仕事を投げて来る。 こんな状況で席に料理を運びに行けば当然。
「いやー、お熱いこったなあ兄ちゃん!」 「もう・・・ご勘弁を・・・」 「っははははは!」
茶化されるのは自然な流れだった。 勇魚さんと井灘さんのやりとりのお陰でスキンシップやらは無くなったが、祝言だの祝い酒だの言われて飲まされまくった。 咲夜の盃が無ければ途中で潰れてたかもしれない。
そんな揶揄いと酒漬けの時間を、俺は閉店間際まで味わうことになったのだった。
そして、もうすぐ閉店となる時間。 勇魚さんと一緒にずっと飲んでいた井灘さんも、ようやく腰を上げた。 会計を済ませ、店の前まで見送りに出る。
「じゃあな、あんちゃん。俺、マジであんちゃんに惚れてたんだぜ」 「はは・・・」 「だが、相手が勇魚の旦那じゃあ流石に分が悪い。幸せにしてもらえよ!」 「ありがとうございます・・・」 「また飲みに来るからよ。また今度、ごーやーちゃんぷうる作ってくれよな!」 「その時に居るかは約束できませんが、機会があれば」
からりとした気持ちの良い気質。 これもある種のプレイボーイなのだろうか。
「じゃあな!裕!勇魚の旦那!」 「おう!またな、井灘!」 「おやすみなさい、井灘さん」
そう言って手を振ってお見送り。 今日の三日月亭の営業も、これにて閉店。 店先の暖簾を下ろし、店内へと戻る。
「裕。そっちはどうだった?」 「こっちも終わりました。後は床掃除したら終わりですよ」 「ホント、この3日間マジ助かった。ありがとうな」 「いえいえ、久しぶりの接客も楽しかったですよ」
最後の客だった井灘さんも先程帰ったばかりだ。 店内の掃除もほぼ終わり、閉店準備もほぼ完了。 三日月亭のバイトももう終わりだ。 店長が近づいてくると、封筒を差し出してきた。
「ほい、バイト代だ。色々世話もかけたからな。イロ付けといたぜ」 「おお・・・」
ちょろっと中身を確認すると、想定していたよりかなり多めの額が入っていた。 店長なりの労いの証なのだろう。
「なあ裕。マジで今後もちょくちょく手伝いに来ねえか?お前がいると客足増えるし酒も料理も注文増えるしな。バイト料もはずむぜ」 「うーん・・・」
店長の申し出は有難いが、俺は俺でまだやらなければならない事がある。 悪くはない、んだけど余り時間を使うわけにもなぁ。 そんな風に悩んでいると、勇魚さんが俺の頭にぽん、と掌をのせる。
「店長、悪いがこれ以上裕をここにはやれねえよ」 「はは、旦那がそう言うんなら無理は言えねえな。裕の人気凄まじかったからな」 「ああ。何かあったらって、心配になっちまうからな」
今回は勇魚さんのお陰で事なきを得たけど、また同じような状況になるのは俺も御免被りたい。 相手に申し訳ないのもあるけど、どうすればいいか分からなくて困ったのも事実だ。
「お店の手伝いはできないですけど、またレシピの考案はしてきますので」 「おう。売れそうなのを頼むぜ。んじゃ、気を付けて帰れよ」 「はい、店長もお大事に。お疲れ様です」 「旦那もありがとうな」 「おう、おやすみ」
ガラガラ、という音と共に三日月亭の扉が閉まる。 店の前に残ったのは、俺と勇魚さんの二人だけ。
「じゃ、帰るか。裕」 「ええ、帰りましょうか。旦那様」 「おっ・・・。へへ、そう言われるのも悪くねえな」 「嫌味のつもりだったんだけどなァ」
そう言って俺と勇魚さんは笑いながら屋敷への帰路につくのであった。
後日―
三日月亭に買い物に来た俺を見るなり、店長が頭を下げてきた。
「裕、頼む・・・助けてくれ・・・」 「ど、どうしたんです店長。随分疲れきってますけど・・・」 「いや、それがな・・・」
あの3日間の後、事あるごとに常連客から俺は居ないのかと聞かれるようになったそうな。 俺がまだ島にいるのも事実なので連れて来るのは不可能だとも言えず。 更に井灘さんがちょくちょく仲間漁師を連れて来るらしく、『姿が見えない料理上手な可愛い店員』の話だけが独り歩きしてるらしい。 最近では聞かれ過ぎて返す言葉すら億劫になってきているそうな。 ぐったりした様子から、相当疲弊しているのがわかる。
「な、裕。頼む後生だ。俺を助けると思って・・・」 「ええ・・・」
それから。 たまーに勇魚さん同伴で三日月亭にバイトに行く日ができました。
更に後日。
勇魚さんと一緒に『網絡め』という儀式をすることになり、勇海さんに見られながら致すというしこたま恥ずかしいプレイで羞恥死しそうな思いをしたことをここに記録しておきます。
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南アフリカに敗れた日本だが海外メディアは今大会の快進撃を称賛(写真・ロイター/アフロ)
ラグビーW杯日本大会の準々決勝、日本対南アフリカ戦が20日、調布市の東京スタジアムで行われ、3-26で日本は敗れ、ベスト4進出はならなかった。日本はノートライに終わり世界を沸かせた快進撃も終わりを告げたが、海外メディアは、日本の今大会での健闘を称えた。  英国のガーディアン紙は、「南アフリカが日本の夢のすべてを打ち砕き、試合終了の笛とともに、日本サポーターの多くが涙を流した。だが、地元(の日本)は、5週間前には達成するとは考えられなかった(ベスト8進出という)勝利をすでにつかんでいた」と、南アフリカの勝利と共に日本が史上初の決勝トーナメント進出を果たしたことを称えた。  「ノックアウトステージ(決勝トーナメント)に初進出した日本の偉業なくしては今大会の爆発的なラグビー人気は広がることはなかったのだ」と日本の健闘を評価した。  ただ南アフリカ戦の試合内容については、「(日本の前半の)プレーの手際の良さとボールを保持し続ける能力に押されていた南アフリカは、その中で、何で打ち勝てばいいかの周到な準備を進めていた。(後半に)日本は対応力に欠き、その代償を負った。南アフリカは、後半からスクラムとモールで日本を圧倒し、勢いとパワーを見せつけた。だが、日本の野望を最も脅かしたのは、日本の選手の体格よりもさらに小さな(SHの)デクラークだった」とプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた172センチ、88キロのデクラークのボールコントロールとキックを讃えた。   また同紙は、別記事で「日本の『最後まで弱音を吐かない』という精神がラグビーW杯後に育まれるだろう」との見出しを取り8強に進出した日本の戦いをクローズアップした。 「また会う日までさようなら、そして、ありがとう、日本! やがて(敗戦の)痛みは消え、涙も乾き、このチームが、この数週間で成し遂げた4連勝という誇るべき出来事が思い出されることで、最後の敗戦の痛みは失われていくだろう。このトーナメントで残った4チームのどこが優勝しようと日本のW杯だったことが人々の記憶に残るだろう。大会をホストするという仕事をやり遂げただけではなく、メンバーの大部分がアマチュアリーグのチーム所属だったにもかかわらず、勇敢で機知に富み、創造性にあふれたプレーで、このスポーツに光を灯して見せた」と、日本の戦いぶりを絶賛した。  記事はまた「日本は今大会で2番目に好きなチームとなった」と評価しつつも、「ただ疑問はある。我々は、いつ彼らをもう一度見ることができるのかということだ。日本のラグビー関係者たちは、同様の質問に対し答えを見出さなければならないだろう。日本の完全なプロチームのサンウルブズは、2020年を最後にスーパーラグビーから除外されることになり、日本のチームの強さが維持され続けるかどうかの保証はない」と指摘。 「日本チームが、まだ若い時、選手たちはこのような夜を夢にさえ思うことはなかった。日本チームは、28年前のワールドカップで臨んだ1991年のジンバブエ戦で(初めて)1勝をつかんだ。だが、今は何が可能か新たな考えを持つ若い選手たちが確実にいる。彼らはただそれを証明するチャンスをつかむ必要がある。日本はその戦いを止めることはできない。ラグビーも彼らを止めさせることはできない」と記した。
同じく英国のBBCは、「南アフリカが日本の夢のようなW杯での快進撃を止め、ホスト国(の日本)を痛めつける26-3の勝利で準決勝に進出した」と南アフリカの勝利を伝えた。  記事は「ブレイブ・ブロッサムズ(日本の愛称)は圧倒された」との見解で、試合内容について触れ、「南アフリカのラシー・エラスムス・ヘッドコーチは、ベンチに6人のフォワードを入れ、前衛を強化していた。そして、日本のトレードマークとなった素早いボール回しが、南アフリカの獣のようなパワーと対したとき、日本が予選プールで見せていた滑らかな攻撃は大幅に減ることになった」と、南アフリカのフィジカルとパワーの前に日本が劣勢に立たされたことを明らかにした。  また識者の試合に対する評論も掲載されており、元イングランド代表のポール・グレイソン氏は、「夢はいつでもある時点で終わりを迎える。日本は自分たちが持っているものすべてを見せて準々決勝進出の舞台を実現した。彼らがやってのけたことは称賛される。日本は、身体的、精神的にフィールドで行えることを最大限に出して質の高いラグビーを見せてくれた。そして、見る者を楽しませてくれた。だが(準々決勝の南アフリカ戦では)彼らは、ただ大きく、力強過ぎるチームと対戦することになってしまった」と日本を称賛した。  また元アイルランド代表のジェイミー・ヒースリップ氏は、「試合全体を振り返ると南アフリカのトライになっていたかもしれない瞬間が3つか4つあった。南アフリカを評価しよう。26-3だったが、10点か20点は容易に上乗せすることができていたのかもしれない」と、スコア以上の力の差があったことを指摘していた。  一方、南アフリカの「ザ・シチズン」紙は「ラシー・エラスムス・ヘッドコーチの選手たちは上等なプレーを見せることはほとんどできなかったが、最後は日本を上回った。スプリングボクス(南アフリカ代表の愛称)は、荒々しく効果的なプレーを見せ、日本に26-3で勝ち準決勝に進出した。(次の)日曜日の準決勝2試合目でウェールズと対戦する」と母国の勝利を伝えた。  試合については、「南アフリカは前半の時間帯を必死に守備しなければならなかった。彼らは最初の40分で少なくとも3つ敵陣を抜けるチャンスをミスで台無しにした。それでもスプリングボクスの守備は、大抵の場面で力強く、結果として、そこから脱出しようとするホスト国(の日本)を陣内に押しとどめた。日本は体格面でも劣っていた」と分析。  そして「南アフリカのフォワードは、残忍なほど力ずくだったが、バックス陣は、ほとんどカバーすることができなかった。その中で2トライをあげたウィンガーのマピンピは堂々と胸を張っていいだろう」と続けた。
ラグビー大国、ニュージーランドのメディア「スタッフ」は、「ブレイブ・ブロッサムズのW杯の戦いから教訓を得るべき」と今大会の日本の戦いを絶賛した。 「日本が南アフリカ戦の試合終了後にファンに頭を下げて別れを告げたとき、すべてのラグビーファンに何かを考えさせる機会をもたらした。ラグビー界は、それをノートに取るべきだ。日本は、2015年のW杯のように(南アフリカ相手に)面白いラグビーをプレーして勝ちたかったのだろう。体の大きな選手に対して、競い合いを望めないと理解し、ボールを生かし続け、スピードあるプレーで試合に臨むことに専念した。そういうプレーを見るのは素晴らしいことだった。人々をラグビーに関わらせたいと思わせるものだった」と、日本の戦術、戦略を評価した。    また別記事では「日本は試合には敗れたがファンと選手は感情を高ぶらせていた。試合後、チームはフィールドで円をつくり、顔に涙が流れる中、肩を組んだ。キャプテンのリーチ・マイケルが、その真ん中に立ち、激励の言葉をかけ、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチはコーチ席から選手たちのもとへ向かった。耳が聞こえなくなるほどの観客からの声援によって感動的な瞬間となった」と、敗れた日本の姿を感動的に描写した。  海外メディアは最後まで今大会の日本の戦いぶりを讃えた。
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六月二十一日、日曜日、夏至翌日。 九時起床。 締切をすっかり忘れ遊び惚けていた男は焦っていた。徹夜で書き上げようとパソコンを起動させたところでベットに横になった所までは覚えている。暗闇の時間を通り抜けたら九時過ぎだった。
男は焦っていた。先週会議した時に会った先輩方の顔がよぎる。焦って何かを書き出すも堂々巡りの散文ばかり。 もう出来ないと諦め、締切に間に合わない事を詫びる。いつかのバイトを一日でやめた時の電話越しの説教を思い出す。無責任、こんな事じゃいつまでたってもしっかりできんな、とうがいしながら呟いた。
十一時半前。男は公園の掃除に向かうため、腹に何か突っ込んでおこうかと思い、キッチンを探る。男はうまくて簡単な物を見つけられず、コーンフレークに手を伸ばしそのままボリボリ食べる。取り敢えず何か腹に入れておきたかった。今日は公園で子供達と行う祭りがあった。数日前に手伝いが居るからと頼まれていた。そして昼ご飯の知り合いが作る豆スープを楽しみにしていた。
隣町から遊びに来ている兄さんを引き連れ、十一時頃、男は公園へ出発した。掃除道具を担いぎ、歩いて行く。約束を守れなかった男は、掃除だけでもと張り切っていた。家の扉を出て右に曲がるとみんなの場所がある。兄さんがやっぱり一杯飲んでいこうと。男たちは少しゆっくりしていった。皮膚が焼ける陽ざしに晴天。風も乾いていた。
公園に着くと、掃除が始まって少し経ったところだった。知り合いの姉ちゃん達、友達と合流し、掃除範囲を確認し、各自散らばり掃除を始める。石畳の上を土やガラス片、吸い殻を掃き集め、雑草を抜いていく。知り合いの三番目の子供が掃除を手伝いに来た。小さな箒で一緒にかき集める。 「ガラス片は危ないからね」とその子のお母さん。「常に箒で集めなさいね。」 祭りで使う広場はそこら中にガラス片があった。その子は掃きとる事が出来ず、手で拾い上げようとする。 「違う違う、お母さんの言うこと聞いてたか」と兄さん。「破片が危ないから、手じゃなくて箒を使いなさい。それか、俺がつけてる様な手袋を付けなさい」 駄目だと、止められ大人から掃除の仕方を教えられていた子をみてこうやって掃除をまた学ぶのかと思い、男は観察していた。数秒、男自身も教わった記憶を回想していた。兄さんはスコップで雑草をお好み焼きの様に刈り上げていた。途中、ケーキ休憩とバナナ休憩を頂き、計二時間の掃除だった。
皆の鼻が黒くなるほど砂埃が舞い、ごみ箱は一杯になる頃、綺麗になった広場を見渡し達成感を三秒男は味わった。兄さんと残った準備をこなしていく。テントを立て、椅子を設置。まだ豆スープはやってこない。サウンドチェックを眺めながら待つこと十分。寸胴鍋に入った豆スープはとても美味しかった。皆で掃除をし、皆で同じ飯を食べる。久しぶりに味わう美味しさを男は太陽の下、浸たっていた。こういう時間はとても人と社会にとってとても大切だと感じた。
三時前、音楽が始まる前に一度、家に掃除道具を戻しに帰り、みんなの場所へ将棋を借りに行く。すると、帰ってきたカタモトさんが遊びにやって来る。後で広場で会おうと言い、先に兄さんと戻る。音楽が鳴り始まる前に戻った男たちは日陰を見つけ、将棋を芝生の上に広げる。三番勝負の決着をつけ始めた。 将棋の終盤、詰む二手前、祭りも終盤で挨拶が始まっていた。知り合いの姉ちゃん達と共にステージの上に呼ばれる。男は照れながら小走りだった。出ていくタイミングが三拍程遅れた上、裸足だった。男はとても照れて恥ずかしがっていた。みんなにお礼を男は言いながら前に引き上げられた。
将棋を終わらし、皆にお礼を言い回り、兄さんと共にイシケンベを食べに行く。イシケンベを注文してる間、友達が通り掛かり一緒にお茶していくことになる。友達はアメリカを嫌うアメリカ人。「私の故郷はどこにあるのか」そう言う彼女をどこか難民に男は見えた。
イシケンベを兄さんにご馳走になり、工事現場で少し座る。時刻は五時二十分。工事現場に座り込むのは日本じゃ味わえぬ時間だと思い、男はちょくちょく立ち寄っていた。夜は人が座り込み話し込んでいる。そして男は自身が無駄にイライラしてることを反省した。 兄さんは二十分程話すと、突然立ち上がり、ほなっと言い去り自転車で走り去っていった。列車のいい時間らしかった。
みんなの場所まで友達と帰り、昨日の晩作った冷たい珈琲を飲む。すると喉を渇かしたガガがやってき、コーラをごぶごぶと飲んでいた。ガガは男からのメッセージを待っていた。携帯を頻りに確認し、ぶつぶつ言い、ため息をつく。 「その彼は誰なの?」「いつから」「まだ付き合ってるの?」「結婚はしたいの?」「子供は欲しい?」横に座る友達が男の事や関係について根掘り葉掘り聞いていく。彼女のいいところでもある。嫌にならない良い聞き方をする彼女に色々適当に男は喋っていた。 ガガも恋煩いを打ち明けたいのか、戸惑いながら話す。 「彼と結婚はしたいの?」と友達がガガに尋ねる。一瞬沈黙が間をぬめりと通り去った後、ガガが照れながら、「わかんない」と笑う。「男なんてもう別に要らないわ」と言い放つ彼女も誰かと何かあることを常に期待している。男にはまだまだ縁遠い話だった。 結婚、子供、夢。果たしていい人生を歩むには、何が必要なのだろうか。男は取り敢えず自分が出せる大切な事、教えてもらった大切な事をまとめたルールが必要だと思った。
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