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#カストロ通り
ari0921 · 1 year
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023) 4月22日(土曜日)
     通巻第7719号 
ロバート・ケネディは「ディープステートをやっつけろ」と宣戦布告
2024年大統領選出馬表明、泡沫候補かも知れないが。。。。。。。。。
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アメリカ政治の名家といえばJFKを産んだケネディ家である。遺児のキャロラインは駐日大使を歴任して、現在は豪州大使である。
JFKは暗殺され、実弟のロバートも兇弾に仆れた。
三番目の弟、エドワード・ケネディは1969年に自ら運転するクルマで事故を引き起こし、同乗していた女性を救助しなかったという「チャパキディック事件」の不名誉が祟って、1980年の予備選でカーターのような無名の知事と争って敗れた。以後。エドワートは民主党リベラル派の頭目として長期にわたり上院議員を務めたが、その影響力は失われていた。
 JFKの二番目の弟がロバート(司法長官)。彼の遺児がロバート・ケネディ二世(69歳)。本来なら大統領候補でバイデンなんぞ寄せ付けない筈だろう。
 この二世が4月19日に2014年大統領選挙の民主党予備選に立候補を表明した。米国のメディアは冷ややかで、まるで泡沫扱いだ。というのも二世は「反ワクチン運動」で知られ、インスタグラムは「ワクチンに関する偽情報を繰り返した」として同氏のアカウントを削除した経緯がある。
立候補表明でロバート・ケネディ二世は何と言ったか? それが問題だ。彼はディープステートをやっつけろと宣戦布告したのだ。
「米国の軍産複合体が政治を裏で支配している。他国(ウクライナのことらしい)を爆撃して瓦礫にしている間に、中国が軍産インフラストラクチャを整え、あちこちで発電所、橋梁、高速鉄道、道路を建設している」
 ロバート・ケネディ二世は叔父のJFKが失敗したピッグス湾事件(カストロ体制転覆をはかり亡命キューバ兵を上陸させたがカストロの返り討ちにあった)の後、JFKが「CIAを解体し、その破片を風にまき散らす」と誓ったことをふりかえり、「諜報機関の機能は軍産複合体に絶え間ない戦争のパイプラインを提供するようになった」と強調した。
「いまアメリカにとって国を分断させることではなく、私たちが共有する価値観に焦点を当てる必要があります。不協和音を検閲する政府/メディア戦略は、私たちの最も基本的な価値観に反するばかりか逆効果です」と、ここまではトランプとそっくりなディープステート攻撃だった。
ところが一転して、ロバート・ケネディ二世はトランプ前大統領を名指しで非難し、「中産階級から富を奪っている」と述べた。
 演説内容は支離滅裂ととれないこともないが、「コロナが陰謀である」として言論を封殺されてきただけに、大統領候補となれば言い分を語れるとばかりディープステート攻撃を選挙戦略としたのかも知れない。
予備選で落ちても、本番に無所属で臨めば3%程度の得票をあつめる可能性はのこる。したがって過小評価は禁物だろう。
1980年選挙でアンダーソンが無所属ででると7%を獲得したし、92年にはロス・ペローが出馬して19%もブッシュ票をさらったように。
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2年連続スウィープで1回戦で敗退, 大型補強のToronto Blue Jays, ミス多すぎ チャンスで不振になる打線が空回り
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初戦でプレーオフ18連敗をストップしたツインズは、4回裏に奪った2点のリードを守り抜き、2対0で完封勝利。2連勝でブルージェイズを撃破し、2002年地区シリーズ以来のシリーズ突破を決め、アストロズが待つ地区シリーズへ駒を進めた。ツインズ先発のソニー・グレイが5回5安打無失点の好投で勝利投手となり、6番手のヨアン・デュランがセーブを記録。ブルージェイズ先発のホセ・ベリオスは4回途中3安打1失点で敗戦投手となった。
 両軍無得点で迎えた4回裏、ブルージェイズは先発のベリオスが先頭のロイス・ルイスを歩かせたところで2番手の菊池雄星を投入。対右腕用のオーダーを組んだツインズに対し、左腕をぶつける作戦に出た。しかし、ツインズはマックス・ケプラーのヒットと代打ドノバン・ソラーノの四球で無死満塁とチャンスを広げ、カルロス・コレアのタイムリーで先制。さらに代打ウィリー・カストロの併殺打の間に2点目を奪った。
 ブルージェイズは直後の5回表に二死2・3塁という一打同点のチャンスがあったものの、二塁走者のブラディミール・ゲレーロJr.が痛恨の牽制死。6回表一死満塁の好機でマット・チャップマンが併殺打に倒れるなど、試合を通して拙攻ばかりが目立ち、結局最後まで得点を奪えなかった。
 ツインズは先発のグレイが5回5安打無失点で降板したあと、ルーイ・バーランド、ケイレブ・シールバー、ブロック・スチュワート、グリフィン・ジャックスとつなぎ、最終回はクローザーのデュランが締めくくって6投手による完封リレーが完成。2004年以来19年ぶりのプレーオフ白星に続いて、2002年以来21年ぶりのプレーオフ・シリーズ突破を決めた。
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team-ginga · 8 months
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映画『トパーズ』
 順番が前後しましたが『舞台恐怖症』の次に見たのが、キューバ危機を描いたヒッチコック監督のスパイ映画『トパーズ』(1969)です。
 スパイ映画は『007』シリーズや『ミッション・インポッシブル』シリーズに代表されるようなアクション系とジョン・ル・カレ原作の『寒い国から帰ってきたスパイ』やアンリ・ヴェルヌイユ監督の『エスピオナージ』に代表されるようなリアル(?)系に分かれますが、『トパーズ』はリアル系寄���の映画です。
 時は1962年ーーKGBのナンバー2がアメリカに亡命し、ソ連が秘密裏にキューバに何かを運び込んでいること、フランス政府内部にソ連のスパイ網ができていて暗号名は「トパーズ」であることを証言します。
 アメリカ情報部からその話を聞いたフランスの大使館員で諜報部員のアンドレは情報収集のため急遽キューバへ向かうことになります。
 アンドレの妻ニコルは夫がキューバでファニタという女性協力者に会うのを嫌がります。アンドレとファニタは男と女の関係ではないかと疑っているのです。
 「何を寝ぼけたこと言っとんねん。そういう状況やないやろ」と思って見ていたら、なんとアンドレとファニタは男と女の関係にあります。
 妻の勘、恐るべしというところでしょうか。
 ファニタはキューバ革命の闘士の未亡人でカストロ政権の中枢にいるリコ・パラという男の愛人ですが、現政権に反感を持ちフランスに情報を流しています。
 ファニタとその召使いたちの尽力でアンドレは情報を手に入れますが、召使いの夫婦が軍に捕まりファニタが内通者であることがわかってしまいます。
 アンドレはなんとかキューバを脱出しアメリカに戻りますが、ファニタはリコ・パラに射殺されます。
 ファニタの死を真上から写すシーンは何かのアンソロジーで見た記憶がありますが、ファニタが膝を落とす、スカートが円形に広がる、その上にファニたが仰向けに倒れるという映像は見事です。ヒッチコックの面目躍如というところでしょうか。
 ファニタから託された情報によりソ連がキューバに建設中のミサイル基地に核兵器を持ち込もうとしていることがわかります。本来ならその情報はフランスの情報部に伝えるべきものですが、内通者の問題があります。
 内通者はアンリ・ジャレという男ともう一人名前がわからない男だと知ったアンドレはパリに戻ります。情報局の非公式の会議が開かれ、ジャレもいる中でアンドレは内通者のことを話します。
 その情報は誰から得たものかと聞かれたアンドレはソ連から亡命してきたKGBナンバー2だと答えます。するとジャレは「それは偽情報だ。KGBナンバー2は亡命などしていない。すでに死亡している」と言います。
 おお、ワクワクしますね。一体誰が本当のことを言っているのでしょう。これがリアルなスパイ映画の醍醐味です。
[この辺りからネタバレになります。未見の方はご注意を]
 でも、すぐ後にフィリップ・ノワレ演じるジャレとミシェル・ピコリ演じるグランヴィルという男が話している場面で答えは出てしまいます。この二人がソ連と通じているスパイなのです。
 なーんだ。そんなにすぐにバラさなくてもいいのに……
 ジャレがグランヴィルの家を出ていくのと入れ違いに、一人の女がグランヴィルのところにやってきてグランヴィルとキスをします。その女は……なんとアンドレの妻ニコルです。
 え? ニコルもソ連のスパイだったの?
 アンドレはジャレに揺さぶりをかけるため娘婿で新聞記者のピカールをジャレのところにインタビューに行かせます。「あなたがソ連のスパイである証拠があります」と言われて、ジャレはアンドレと二人きりで会うことを承諾します。
 ピカールがその旨をアンドレに電話で伝えているとき、二人の男がやってきます。電話が突然切れたことを不審に思ったアンドレはジャレの自宅へ向かいます。
 アンドレは車の屋根の上に死体があるのを発見します。上の階から突き落とされたようです。その死体は……ジャレです。
 おお、サスペンスが高まってきたと思いましたが、映画の残り時間は10分ほどーー一体どうやって結末をつけるのかと思っていたら……
 ピカールは一人で家に帰ってきます。腕を撃たれたようですが、かすり傷のようです
 翌日、フランスとアメリカの高官の会議が開かれます。グランヴィルも出席するはずですが、直前になって「アメリカ側は君の出席を望まないとのことだ」と言われます。
 それで全てがバレた、もうおしまいだと思ったのでしょうか、グランヴィルは自宅でピストル自殺します。
 アンドレの妻ニコルは単にグランヴィルと不倫関係にあっただけでソ連のスパイではなかったようです。
 うーん、ずいぶん駆け足ですね。尺が長くなりすぎたので最後は端折ったって感じですか。
 そういう難点はありますが、なかなかいい映画です。先の展開が読めずドキドキするのがいいですね。
 やっぱり映画というものは(その点では小説でも芝居でも同じですが)ドキドキさせるものがないとダメですね。
 これが名作かと言われると「?」ですが、なんのひねりも意外性もない『裏窓』や『パラダイン夫人の恋』よりは遥かにいい映画であることは確かです。
追記:  いい映画だと言いましたが、キューバ人同士、フランス人同士が英語で話しているのは非常に違和感がありましたし残念でした。  アメリカ人の観客は字幕なんか読まない、だから……ということなのでしょうが、フィリップ・ノワレとミシェル・ピコリが英語で密談しているなんて変じゃないですか。当然そこはフランス語であるべきだし、キューバ人同士ならスペイン語で話すべきです。  それを全部英語で押し通すというのは、いかにもアメリカ的、ハリウッド的だと思いました。
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rakuhoku-kyoto · 10 months
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『食人の形而上学──ポスト構造主義的人類学への道』 エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ 著
 重版が完成いたしました。  一ヶ月以上にわたり在庫を切らし、お詫びいたします。
 そして、この書籍の本文につきまして、以下の訂正がございます。
 正誤表へのリンク「洛北出版」webサイト
 ほんとうに、申しわけございません。  読者の皆様に深くお詫び申しあげ、ここに訂正いたします。
 訂正箇所につきましては、スマホでもパソコンでもご覧いただけるよう、WEBテキストで掲載させていただきました。  また、その表(画像データ)も掲載いたしております。  お手数ですが、どちらかをご利用くださいませ。
 「2023年7月14日」に発行した重版ぶんにかんしましては、これらの修正を反映いたしております。
 (2023年7月15日 記)
   * * *
また、 『国家をもたぬよう社会は努めてきた――クラストルは語る』 ピエール・クラストル[著] 酒井隆史[訳] 発行 洛北出版
 いま、重版中でございます。  7月末には完成できると思います。(2023年7月15日 記)
 お急ぎの方は、まだ書店の棚に本があったり、あるいは、通販サイトが在庫していたりしますので、たいへんお手数をおかけいたし、とても申しわけないのですが、お近くの大きな書店や、在庫のある通販サイトなどで、お求めくださいませ。
 以上、2023年7月15日 記
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misasmemorandum · 2 years
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『黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選』 J.J.アダムズ編 中原尚哉 他 訳
原題は "Cosmic Powers" edited by John Joseph Adams アメリカで2017年に出版され、日本では2022年。18編の短編をまと��たもの。中には私好みのものもあったり、神秘的なムードは素敵だが意味がよく理解できなかったものもあったりしたが読んで楽しかった。
以下に収録作品と簡単な感想などを
「時空の一時的困惑 A Temporary Embarrasment in Spacetime」チャーリー・ジェーン・アンダーズ Charlie Jane Anders
ドタバタSF。ホール&オーツが主人公の神的な存在なようで、名前が出るたびに(ホール&オーツが悪いわけではないが)クスリと笑えた。
「神と宇宙船修理技術 Zen and the Art of Starship Maintenance」トバイアス・S・バッケル Xenowealth
機械に人の精神を注入して生きる人々と生身を保つ人々。倫理的に計算をするコンピュータ。生身を守人々の差別心がきつい。優生思想だな。
「甲板員ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典 The Deckhand, the Nova Blade, and the Thrice-Sung Texts」ベッキー・チェンバーズ Becky Chambers 
lower deckの人が宗教か何かの素質があり、後にはヒーローになる。一人称、とっても楽しく読んだ。
「晴眼の時計職人 The Sighted Watchmaker」ヴィラル・カフタン Vylar Kaftan
創造者(に作られたもの)と生命体の進化。童話的。神秘的。好き。
「無限の愛 Infinite Love Engine」ジョゼフ・アレン・ヒル Joseph Allen Hill
love it!! ちょっとサイケ。実写ではなく萩尾望都とか昔のアニメで見てみたい。大好き。
 このゼリーこそがビーブラックス、というか、少なくともアリアが認識できる物質としてのビーブラックス、というか、少なくともアリアが知覚している瞬間に存在するビーブラックス事象。さらに、周囲のあらゆる方向に無数のビーブラックスたちが存在しているのも認識できる。ゼリーと移動速度のせいで少しだけぼやけて見える、果てしなく広がる群れ。その一つ一つの内部に、アリア自身の別バージョンーー存在しうるあらゆる宇宙において、ビーブラックスと旅した、あるいは旅することになる、すべてのアリアがいる。その全員が、瞬間瞬間の連なりが作る超空間の急流を、日差しの中で踊る埃のように流れくだっていく。(p139)
「見知らぬ神々 Unfamiliar Gods」アダム=トロイ・カストロ&ジュディ・B・カストロ Adam-Troy Castro & Judi B. Castro 
神官テレタビーみたいな感じ?(きっと違う。)SFと神話がごちゃ混ぜ interesting! 3/4に対する考え方、非常にフレドリック・ブラウン
「悠久の世界の七不思議 Seven Wonders of a Once and Future World」キャロリン・M・ヨークス Caroline M. Yoachim
新たな地球/住める星を求めて、機械に入れられた意識が旅する
「俺たちは宇宙地質学者、なのに Our Speciality Is Xenogeology」アラン・ディーン・フォスター Alan Dean Foster
ファースト・コンタクトもの。題名通りにファースト・コンタクトの専門家ではないので退く。kinda nice
「黄金の人工太陽 Golden Ring」カール・シュレイダー Karl Schroeder
長期睡眠とごく短期の覚醒を繰り返す集団。そのサイクルを何十万年とかまでにして、遥か彼方の銀河にニュースを届ける。太陽、見守る人。ちょっと萩尾チック
「明日、太陽を見て Tomorrow When We See the Sun」A・マーク・ラスタッド A. Merc Rustad
処刑人の話。これも長い長い年月。
「子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動動物園へ行ってみよう! Bring the Kids and Revisit the Past at the Traveling Retro Funfair! 」シューニン・マグワイア Seanan McGuire
ちょっとよくわからんかった。コンピュータソフトなのか?
「竜が太陽から飛び出す時 The Dragon That Flew Out of the Sun」アリエット・ド・ボダール Aliette de Bodard
フランス人が書く中華世界風のSFファンタジー。戦争と喪失の物語。
「ダイヤモンドとワールドブレイカーDiamond and the World Breaker」リンダ・ナガタ Linda Nagata
母娘もの。アクション系。ボチボチ。
「カメレオンのグローブ The Chameleon's Gloves」ユーン・ハ・リー Yoon Ha Lee
「彼人 [かのと]」というのは they/them なのか。ケルとは?戦闘員?アクションもの。
「ポケットのなかの宇宙儀 The Universe, Sung in Stars」カット・ハワード Kat Howard
ポケット・ユニバースが守護者に保護されてる。
 ...生まれた宇宙や救えそうな宇宙は守護者にあずけられた。守護者は共鳴を教えこんで安定させたり、死にかけた恒星の嘆きをやわらげようとした。そして音楽を聴かせるうちに独自の歌をうたいはじめた事例が決定打になった。ポケット宇宙が自立するために必要なのは音楽だった。
 僕は死に際の恒星のためにオルゴール宇宙儀を作ってやった。時計仕掛けの駆動装置に回転する円盤をいれ、星座の形に鉄の爪を立てた。白色矮星の生涯を逆算して、かつての軌道や起源を推定し、死に際の恒星がいた宇宙の歌を奏でさせた。これを聴けば恒星は死ぬときも寂しくないだろう。(p451)
そして、「生まれたばかりの宇宙の歌はまだ頼りない(p452)」
最近、ブラックホールの音というのを(コンピュータで人間が聴ける音に拡張されたものだが)聴いたことがあって、それを思い出しながら読んだ。とても美しい物語だった。
「目覚めるウロボロス Waking Ouroboros」ジャック・キャンベル Jack Campbell
背景キャラとしてホームズが一瞬出て来た!再出発する宇宙のためのトリガーとなる生き残りの二人。二人がどうなrかは、それぞれの意志。
「迷宮航路 Warped Passages」カメロン・ハーレイ Kameron Hurley
船が生き物となり、人間がそれに寄生するものになってしまう物語。人類は地球に寄生してるもんな、と思った。
「霧の巨人 The Frost Giant's Data」ダン・アブネット Dan Abnett
戦うクローンかな。私にはちょっとわかりづらかった。
以上。面白かったです。
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jsato · 2 years
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ウクライナで、米国はロシアとの戦争に我々を引きずり込もうとしている
ウクライナにおける米政府の役割、そして米政府のネオナチへの支援は、世界の他の地域にも大きな影響を与える。 2014年5月14日 英ガーディアン紙のJohn Pilger氏執筆意見記事 原文:https://www.theguardian.com/commentisfree/2014/may/13/ukraine-us-war-russia-john-pilger
 なぜ私たちは、私たちの名を借りた別の世界大戦の脅威を容認しているのだろうか。なぜ、このリスクを正当化する嘘を許してしまうのか。私たちの洗脳の規模は、まるで真実が「起こっている最中にも起こらなかった」かのように、「見事で、機知に富んだ、非常に成功した催眠行為」であるとハロルド・ピンターは書いている。
 アメリカの歴史家ウィリアム・ブラムは毎年、「アメリカの外交政策の記録に関する最新の要約」を発表している。それによると、1945年以来、アメリカは50以上の政府(その多くは民主的に選ばれた政府)の転覆を試み、30カ国で選挙に大きく干渉し、30カ国の民間人を爆撃し、化学・生物兵器を使用し、外国の指導者を暗殺しようと試みてきたのである。
 多くの場合、英国は協力者であった。世界で最も進んだ通信手段と名目上最も自由なジャーナリズムが存在するにもかかわらず、米英政府の犯罪性はおろか、人的被害の程度も西側ではほとんど認識されていない。テロリズム-「我々の」テロリズム-の最も多数の犠牲者がイスラム教徒であることは、言うに及ばずである。9.11を引き起こした極端なジハード主義が、英米の政策(アフガニスタンでのサイクロン作戦)の武器として育まれたことは、報道されない。米国務省は4月、2011年のNATOの作戦を受け、「リビアはテロリストの安住の地となった」と指摘した。
 「我々の」敵の名前は、共産主義からイスラム主義まで、何年もかけて変わってきた。しかし一般的には、西側勢力から独立し、戦略的に有用な、あるいは資源の豊富な領土を占める社会、あるいは単にアメリカの支配に代わるものを提供する社会のことである。こうした妨害的な国家の指導者は通常、イランのムハンマド・モセデク、グアテマラのアルベンス、チリのサルバドール・アジェンデのような民主主義者を暴力的に押しのけたり、コンゴ民主共和国のパトリス・ルムンバのように殺害されたりしている。フィデル・カストロ、ウゴ・チャベスなど、すべてのターゲットが西側メディアの中傷キャンペーンにさらされている。現在はそれがプーチンだ。
 ウクライナにおける米国の役割は、私たちに対する意味合いにおいてのみ異なる。レーガン時代以来初めて、アメリカは世界を戦争に巻き込むと脅している。東ヨーロッパとバルカン半島がNATOの軍事拠点となり、ロシアと国境を接する最後の「緩衝国」であるウクライナは、米国とEUが放ったファシストの力によって引き裂かれようとしているのである。私たち西側諸国は、ウクライナのナチスがヒトラーを支持した国で、今やそのネオナチを支持しているのである。
 2月にキエフの民主的に選ばれた政府に対するクーデターを首謀し、クリミアにあるロシアの歴史的で合法的な温水海軍基地の奪取を計画していたワシントンは、失敗した。ロシア人は、ほぼ1世紀にわたって西側からのあらゆる脅威と侵略に対して行ってきたように、自分たちを守った。
 しかし、NATOの軍事的包囲網は、米国が組織したウクライナのロシア系住民への攻撃とともに、加速している。もしプーチンを刺激してウクライナのロシア系住民を助けるように仕向けることができれば、プーチンのあらかじめ決められた「除け者」の役割は、ロシア自体に波及し、NATOが運営するゲリラ戦を正当化することになるだろう。
 しかし、プーチンは挑発に乗らずに、ワシントンやEUとの融和を模索し、ウクライナ国境からロシア軍を撤退させ、ウクライナ東部のロシア系民族に週末の挑発的な住民投票を放棄するよう促すことによって、戦争当事者を混乱に陥れている。ウクライナの人口の3分の1を占めるロシア語を話すバイリンガルの人々は、この国の民族的多様性を反映し、キエフから自立し、モスクワからも独立した民主的な連邦国家を長い間求めてきた。その多くは、西側メディアが呼ぶような「分離主義者」でも「反乱者」でもなく、祖国で安心して暮らしたいという市民である。
 イラクやアフガニスタンの廃墟のように、ウクライナはCIAのテーマパークと化している。CIA長官のジョン・ブレナンがキエフで自ら運営し、CIAとFBIの数十人の「特別部隊」が「治安維持組織」を立ち上げ、2月のクーデターに反対した人たちへの野蛮な攻撃を指揮しているのだ。今月オデッサで起こった大虐殺のビデオを見たり、目撃者のレポートを読んだりしてほしい。バスに乗ったファシストの凶悪犯が労働組合の本部を焼き、中にいた41人が殺された。警察は横で何もせずに見ていた。
 ある医師は、焼かれている人々を救おうとした。「しかし、私は親ウクライナのナチス過激派に止められた。そのうちの一人が私を無礼にも押し退け、もうすぐ私やオデッサの他のユダヤ人も同じ運命をたどることになるだろうと言い放った。昨日起こったことは、第二次世界大戦中に私の町がファシストに占領されたときにも起こらなかったことなのです。なぜ世界中が黙っているのか、不思議です」。[脚注を参照)。
 ロシア語を話すウクライナ人は、生き残りをかけて戦っている。プーチンが国境からのロシア軍撤退を発表したとき、キエフ政権の国防長官アンドリー・パルビイ(ファシスト政党スヴォボダの創設メンバー)は、「反乱者」への攻撃は継続すると自慢していた。ウィリアム・ヘイグによれば、西側のプロパガンダは、このことをモスクワが「紛争と挑発を画策している」と逆手に取っている。彼の皮肉は、オデッサの大虐殺の後、オバマがクーデター政権に対して送った「驚くべき自制心を示した」というグロテスクな祝辞に匹敵する。オバマは、クーデター政権は「正当に選ばれた」のだと言う。ヘンリー・キッシンジャーがかつて言ったように。「重要なのは何が真実かではなく、何が真実と認識されるかということだ」。
 アメリカのメディアでは、オデッサの残虐行為は「不透明」であり、「民族主義者」(ネオナチ)が「分離主義者」(ウクライナ連邦の住民投票のための署名を集める人々)を攻撃した「悲劇」であるとして、ごまかされてきた。ルパート・マードックのウォールストリート・ジャーナルは犠牲者を非難した-「致命的なウクライナの火災は反乱軍が引き起こした可能性が高い、政府はそう言っている」。ドイツのプロパガンダは純粋に冷戦的で、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙はロシアの「宣言されていない戦争」について読者に警��を発している。ドイツ人にとって、プーチンが21世紀のヨーロッパにおけるファシズムの台頭を非難する唯一の指導者であることは痛烈な皮肉である。
 9.11以降、「世界は変わった」というのが一般的な定説である。しかし、何が変わったのだろうか。偉大な内部告発者ダニエル・エルズバーグによれば、ワシントンで静かなクーデターが起こり、軍国主義が横行するようになった。国防総省は現在、124カ国で「特殊作戦」-秘密戦争-を展開している。国内では、貧困の拡大と自由の喪失が、永続的な戦争状態の歴史的な帰結である。核戦争のリスクも加わり、問題は、なぜ私たちはこれを容認しているのか、ということである。
www.johnpilger.com
2014年5月16日に以下の脚注を追記した。親ウクライナのナチス過激派に止められた」という医師の引用は、その後削除されたフェイスブックページのアカウントによるものである。
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jajihealth · 2 years
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ハートフォード ヤード ゴーツと対戦する 4 人のヤンキースの中のアロルディス チャップマン
2022年9月11日 2022 年 8 月 19 日金曜日、ニューヨークで行われたトロント ブルージェイズとの野球の試合で、ニューヨーク ヤンキースの投手アロルディス チャップマン (54) が 9 回に投げます。 ブルージェイズは 4-0 で勝利しました。 (AP写真/アダム・ハンガー) アダム・ハンガー/ AP通信 ハートフォード ヤード ゴーツの最終レギュラー シーズンのホーム ゲームは、日曜日にメジャー リーグの雰囲気を醸し出します。 ヤンキースは投手アロルディス・チャップマン、ザック・ブリットン、ミゲル・カストロ、外野手ハリソン・バーダーをハートフォードに送り、ダンキン・ドーナツ・パークでのリハビリ出演でダブルAサマセットでプレーした. 試合開始は午後1時5分 チャップマン、ブリットン、カストロはそれぞれ1イニ​​ングを投げる可能性が高い.…
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toshihikokuroda · 3 years
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ガザ 死者200人超 「民間人攻撃」遺族が怒り 2021年5月19日【国際】
 【カイロ=秋山豊】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆は17日も続き、イスラム組織ハマスとの戦闘が始まった10日以降、パレスチナ人の死者は212人になりました。イスラエルはハマスを標的にしていると述べていますが、多くの民間人が死傷しています。
 ロイター通信などによると、イスラエル軍は同日、ハマスと協力関係にある武装組織「イスラム聖戦」の司令官を殺害したと発表。ハマスが地下に設けたトンネルへの空爆も続けていると言います。ハマスなどはこれまでに約3350発のロケット弾を発射しています。
 16日には、イスラエル軍は地下トンネルを攻撃するためとしてガザ市内の複数の住宅を空爆しました。
 この空爆で親戚が殺されたというムハンマド・ハサンさん(34)=飲食店経営=は本紙の取材に、「イスラエルは民間人だろうが攻撃することしか考えていない。私の親戚はハマスとは全く関係がないのに虐殺された」と憤りました。
 救助隊が破壊された家屋の下から、親戚家族の父親、その息子たちと妻たち、その子どもたちの遺体を見つけ出しました。まだ行方不明者の捜索が続いていると言います。
 ガザ保健当局によると、これまでの空爆の犠牲者のうち61人が子ども、36人が女性です。負傷者は1400人に上っています。
 ガザ市内にあるシファ病院のムハンマド・サルミヤ院長は、運ばれてくる負傷者のほとんどが民間人だと証言します。「患者は爆撃で手足を失い、全身にひどい火傷を負っている。脊髄を損傷してまひを抱えた方も多い。子どもや妊娠中の女性も負傷している。ここでは悲劇が起きている」と語りました。
米 安保理声明3度目阻止 イスラエルに「停戦」強く求めず 2021年5月19日【国際】
 【ワシントン=遠藤誠二】イスラエルとパレスチナの軍事衝突激化を受けた国連安保理による声明の発表が17日、米国の反対で見送られました。メディアが外交筋の話として報じたもの。議長国中国、チュニジア、ノルウェーが声明案を作成していましたが、米国による安保理声明の阻止は、軍事衝突が始まってから1週間で3度目です。
 バイデン米大統領は同日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、「停戦支持」を表明しました。ただパレスチナのイスラム組織ハマスのロケット攻撃に対するイスラエルの「自衛権」支持を明言しており、戦闘の即時停止などは求めませんでした。
 会談後、ホワイトハウスは、「(戦闘)終結にむけエジプトや他のパートナーと関与する」と述べ、イスラエルに対しては、「罪のない民間人の保護のためにあらゆる努力を払うよう求めた」と発表しました。
 一方でバイデン氏は、「無差別のロケット攻撃に対するイスラエルの自衛権に確固とした支持を改めて表明」しました。
 このようなバイデン政権の姿勢には、民主党内はじめ米国内では批判的な意見が出始めています。
 民主党のカストロ元住宅都市開発長官(下院議員)は、「民間人の犠牲が増えていることは不道徳で受け入れがたい」「とくに心が乱されるのは、(イスラエルへの攻撃に比べ)不釣り合いなほど多いガザ爆撃で女性や子どもが死んでいることだ」と主張しました。
 民主党の上院議員50人のうちの有志29人は16日、「民間人の命がこれ以上失われ戦闘が激化することを防ぐため即時の停戦を呼びかける」とする共同声明を発表しました。
 これには進歩派のサンダース、マーキー、ウォーレン各議員や、中道派のクロブシャー議員が含まれます。幹部のシューマー院内総務は含まれていません。
 米ユダヤ系団体「Jストリート」のベイロフ報道担当は、「政権がより差し迫った行動をしていないことに本当に失望している」と言明しました。
(しんぶん赤旗、2021年5月19日)
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brickirengahead · 3 years
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HISオンライン体験「行った気になる観光セミナー~ハーレムでゴスペルの歴史&観光~」メモ
世界に2千人いるというニューヨーク公認観光ガイド、うち日本人は30人ほど(コロナでさらに人が減り20人ほどになるかも)、その中のひとりイサオ・ノブハラさんに、実際のニューヨーク州ニューヨーク郡(マンハッタン区)観光ツアー形式で解説して頂きました。セントラルパーク→アッパーウエストサイド→アッパーイーストサイド→ハーレム
■マンハッタン島
◇セントラルパーク まさに島の真ん中にある世界的に有名な公園。1873年正式に開園。樹齢200歳のオークの木など2万本以上の木がある。コヨーテも住むほど都市公園としては破格の広大さで、都市における自然の割合が東京の何倍も大きい。貯水湖には死体が発見されることもしばしば。 
◇アッパーウエストサイド ハリウッドセレブなどWASPの大金持ちが住む。 かつてジョン・レノンが住んでいて暗殺されたことで有名なダコタ・ハウスがある。オノ・ヨーコは現在も住んでいる。暗殺の犯人マーク・チャップマンは、ダコタ・ハウスの前で1日中待ち続け、昼に一度ジョンと顔を合わせサインを貰っていた。待っている間読んでいたという「ライ麦畑でつかまえて(サリンジャー)」は、レーガン大統領暗殺未遂事件の犯人も読んでいた本ということで当時有名になった。毎年追悼式には、セントラルパークのストロベリー・フィールズに世界中からファンが集まる。 ワシントンD.Cほどではないが桜並木が見られる。 ダコタ・ハウスの他にもトランプホテルなどの高級ホテルや高級アパートが多くあり、ハリウッド俳優など有名人が住んでいる。かつてスティーブ・ジョブズが住んでいたところも。 全米で2番目に大きい自然史博物館「アメリカ自然史博物館」では、恐竜の化石など多数の標本や資料が見られる。自然科学者の一面もあったセオドア・ルーズベルトの像でも有名だったが、2020年、ブラック・ライヴズ・マター運動の影響で、ルーズベルトがネイティブ・アメリカンを従えているデザインが差別的だということで撤去された。
◇アッパーイーストサイド アッパーウエストサイド同様世界トップレベルの大富豪達が住む高級住宅街。博物館や美術館が多い。
◆ハーレム地区 もとはオランダ人が作った農園で、1910年頃は白人は滅多に入らなかった。当時は普通のアパートにも住めなかった黒人に初めて高級住宅を解放した地区で、憧れの地としてみんな集まった。現在では高級化が進み、黒人住人はどんどん移住してしまっている。ニューヨークの中では開発が遅れていて、古い建物も残っているが、ショッピングモールがたくさんできてきたりと急速に高級化しているいま、20年後には黒人街ではなくなっているかも... 「ハーレム」という呼び名はリトルチャイナ・リトルイタリーと同じく、ニックネーム(wikiによるとオランダの都市ハールレムにちなんでオランダ移民がつけたともいわれる)。 ハーレム一の高級アパート(といっても日本では普通くらい)には、ヤンキース時代イチローが住んでいた。 ニューヨークのタクシーはよく道を間違える。覚えやすいように?ハーレムではストリート名に黒人偉人の名前をつけていることが多い。 ジャズ発祥、というかアメリカ黒人文化の発祥の地、というか、ハーレムに触れて初めて白人は黒人文化を知った。
〇ハーレムの有名な場所 「ネーション・オブ・イスラムの寺院(モスク)」  マルコムXが牧師を務めた。 「グラハム・コート」   1920年代ユダヤ系のアスター一族が作った。ダコタ・ハウス並みの白人向け高級アパート。 「テレザ・ホテル」   マルコムXが住んでいたことも。キューバのカストロ議長が来て演説して以来、民主党議員中心に演説の名所となった。ニューヨークは民主党のおひざもと。ちなみにトランプ前大統領がハーレムに来たことは一度もない。 「アポロ・シアター」  多くの著名な黒人歌手を輩出したアメリカポピュラー音楽の歴史的クラブ。プロへの登竜門「アマチュアナイト」でデビューしたスターは、スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン(ジャクソン5のメンバーとして、当時8歳)、リトル・リチャード、ホイットニー・ヒューストン、B.B.Kingsなど。 「元はシナゴーグだった教会たち」   ユダヤ人コミュニティのシナゴーグだったが、黒人流入の折「自分達は他に移るのでここあげます」と黒人コミュニティに明け渡し、建物はシナゴーグの造りだが実際は黒人教会という一風変わった礼拝堂が多くある。 「アダム・クレイトン・パウエル・ジュニア」  初めて黒人の国会議員になった人物の名をつけたホテル。ここに天皇陛下と美智子様が訪れ、現地の黒人のおばちゃんが美智子様に抱き付き、美智子様がおばちゃんに抱き付き返した映像が有名になった。 「ニューヨーク市警 ハーレム分署」  かつて日本では、タレントのミッキー安川さんなどが現地ポリスとパトカーに同乗して、当時治安が悪かったハーレム内の犯罪を放送する番組があった。現在では観光客も大勢来る世界的観光地となりかなり治安が良くなったが、コロナ禍で経済にダメージを受けた最近では、順調だった治安良好化が停滞してしまっている。 「シャッター」   暴動が多かったハーレムの歴史の中で、暴動への防衛のためどの建物もシャッターをつけ、シャッターに落書きするシャッター・アートなどと呼ばれる文化が育った。シャッター・アーティストとして有名なフランコ・ザ・グレートさんは、ノブハラさんの個人的な友人とのこと。 「セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂」   建築物としてはまだ未完成のゴシック教会。サグラダ・ファミリアみたい。年に2回しか開放されない。売っているステンドグラスのステッカーはお土産に最適。世界中から色々な品物が集まるリベラルな教会。日本の天皇家から贈られた壺もある。 キング牧師やネルソン・マンデラの演説、デューク・エリントンのシークレット・コンサート(大聖堂付属のパイプオルガンを弾いた。のちにエリントンの葬別式も行われ、1万2千人集まった)、3大テノールのひとりプラシド・ドミンゴの収録(ドミンゴは現在バリトンに転向、セクハラで訴えられ自粛中)、アネッサ・フランクリンのラストコンサート(YouTubeで見られる)etc.ここでは世界的イベントが行われている。
■ニューヨーク区各所にある偉人像 セントラルパーク周辺にコロンブス像。ある博物館のリンカーンは等身大だが意外と大きく感じない。 ハーレムには黒人の偉人の像が多く、「フレデリック・ダグラス」の像は北を向いて立っているニューヨーク唯一の像。北=ハーレム(黒人)。他の像はみな南向き。フレデリック・ダグラスは、リンカーンに奴隷制の廃止を訴えた黒人で、ワシントンD.Cの象徴的人物として有名。 「ハリエット・タブマン」は、奴隷の逃亡を助ける運動組織「地下鉄道」のリーダーだった人物。
■ゴスペル 本物の「ゴスペル」は教会で歌われるもの。教会は撮影禁止なので、過去に特別に撮影された動画を見せてもらった。迫力ある歌声でコンサートのような盛り上がりぶり。タンバリンなど楽器を鳴らす人、観客席側で激しく踊る人もいて一体感がある。まさに「天使にラブソングを」で見た光景。 みんな教会には、映画に出てくるようなお洒落な格好でやってくる。派手なおばちゃんおじちゃんが大勢いて、おばちゃんは飴くれたりする。ハーレム住民は大阪府民っぽい。 ハーレムの教会では、”神が降りてきて”失神する人がよくいるため看護師さん常駐。そのまま死ぬ人も...(まさに昇天。最高の死に方といわれる) ゴスペル歌手を目指す者が集まる聖地か、といわれるとちょっと違う。もとはゴスペルは、英語も分からないままアフリカから無理矢理奴隷としてさらわれてきた人々が、救いと慰めを求めて仲間と集まり歌ったもの。教会があれば、ゴスペルはどこでも歌える。ハーレムには教会も多かったため特にゴスペル=ハーレムとして有名になっただけ。 コロナ禍が落ち着けば、ハーレムで日本のアーティストも集まる世界的イベントが行われる予定?
■その他 コロナ禍でひどくなったアジア人ヘイトは、日本のメディアではニューヨークでひどいと言われるようだが、アジア系移民が大勢住むカリフォルニアの方がひどい。とはいえ、通りすがりにいきなり殴られたりなどは、ニューヨークでもコロナ前からたまにあった(ノブハラさんの友人の体験)。
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ari0921 · 2 years
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月31日(月曜日)
     通巻7203号 
 頼清徳副総統、ホンジュラスでハリス副大統領、米国でペロシ議長等と会談
  苛立つ中国、米国議会には「台湾防衛」が共通語となっていた
**************************
 2022年1月27日、ホンジュラスで新大統領の就任式が開催された。
左派与党連合のシオマラ・カストロが女性初の大統領となり、日本からは宇都隆史参議院議員も就任式に駆けつけた。式典にはスペイン国王、コスタリカ大統領、アルゼンチン副大統領、ベリーズ副首相等も参列した。
カストロ大統領は中国との関係を重視しているため、台湾は頼清徳副総統を送り込んだ。米国はハリス米副大統領を派遣し、ホンジュラスでは頼清徳副総統と会談した。
ホンジュラスは台湾と外交関係を維持する14ヶ国の一つ。人口僅か一千万人、そのうちの一割は米国で働き、家族へ送金している。この米国への出稼ぎによる本国送金だけでホンジュラスGDPの25%を占める。
 さて焦点は台湾である。米国は政治演出を凝らしたのだ。在台湾の「米国在台湾協会」(事実上の米大使館)ジェームズ・モリアーティ会長はカリフォルニアで頼副総統を出迎えた。
頼は英文名でウィリアム・ライを名乗り、次期台湾総統の最有力候補でもある。米国は経由便であれ、乗換であれ米国ビザを必要とする。入国審査には2時間かかることは日常茶飯だが、頼一行はすぐにホテルに入った。最初の経由地のロサンゼルスでは米上下両院の議員らとオンラインで話し合いをもった。
このオンライン会議には、民主党のエド・マーキー上院議員、議員団を率いて台湾を訪問したマーク・タカノ下院議員ら計17人が同席した。
蕭美琴駐米代表(駐米大使)は、「オンライン会議に出席したすべての議員が台湾問題を懸念している。台湾支持が、米議会の共通言語になっている」と強調した。
頭に血が上ったのは中国だ。
中国外外交部の趙立堅副報道局長は、「中国はいかなる形でも米台の公的交流に断固反対だ」とし、米側へ厳正に申し入れたとした。
 まだ続きがあった。
帰国に際して頼清徳副総統は、こんどはサンフランシスコを経由した。就任式翌日の1月28日に空港に近いハイヤットホテルに陣取り、ペロシ米下院議長と30分のオンライン会談。ペロシ議長は台湾の武漢肺炎対策を評価し、またWHOテドロス事務局長に「台湾が(WHOに)参加すべきだ」と訴えたことを明らかにした。
ペロシはまた「台湾海峡の安全を強く懸念し、台湾との友好政策を推進する」とした。
米国が与野党を問わず、ここまで台湾支援を政治的に演出し、世界にアピールしたことは瞠目に値するだろう。
頼の6日間に及んだ外遊は絶好の外交宣伝となった。
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kadookanobuhiko · 4 years
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活字のトランプ②
   現役のジャーナリストによって、トランプ大統領の言動が明らかになったが、実際はどのような人物なのだろうか?
 生い立ちを含むサクセスストーリーを、30年以上前に本人が語った本がある。『トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ』(ドナルド・トランプ、トニー・シュウォーツ、相原真理子訳、ちくま文庫、2008年、単行本は88年に早川書房から)だ。前に紹介した2冊に負けず劣らず、面白かった。ただし、別の意味で。
<私は金のために取引をするわけではない。金ならもう十分持っている。一生かかっても使い切れないほどだ>
 冒頭から高飛車である。単行本を出した41歳の時点で、資産30億ドル(当時の為替で約4000億円!)。マンハッタンに68階建ての高層ビル・トランプタワーと4つのカジノを所有する大富豪だから、そう言われても返す言葉はないのだが。
 大統領就任時、日本のメディアでは、トランプはドイツ系移民の子として伝えられていたと記憶する。インターネットのウィキペディアにも、そのように書いてある。ところが自伝には<(父親の)父親は子供の頃スウェーデンからアメリカへ渡ってきた移民>とある。どちらが本当なのだろうか?
 ニューヨークで生まれ育ったトランプは、どんな少年だったのか? 本人の弁を聞こう。
<私は小学生の頃からすでに、自己主張の強い攻撃的な子供だった。二年生の時、音楽の先生の目に黒あざをこしらえたこともある。音楽のことなど何も知らないくせにと思ってパンチをお見舞いしたのだ。このためにもう少しで放校処分になるところだった。このことを決して自慢に思っていない。だが私が小さい頃から物事に敢然と立ち向かい、非常に強引なやり方で自分の考えをわからせようとする傾向があったことを、この一件ははっきり示している。ただし今はこぶしの代わりに頭を使うところが違っている>
 小学2年生で音楽の教師に対して<音楽のことなど何も知らないくせに>と思うのもどうかしているが、顔を殴っておいて<物事に敢然と立ち向か>ったと、いい歳になって回想するところがスゴイ。<非常に強引なやり方で自分の考えをわからせようとする傾向>があったと振り返っているが、大統領になった現在も変わらないような気がするのだが・・・。
    ☆ ★ ☆
 サブタイトルにあるように、自伝は自分がいかに不動産やカジノ経営で成功したかを説いたノウハウ本である。第2章の<トランプの手札>にはその要諦が書いてある(この見出しはうまい!)。
 章内の小見出しを拾うと<大きく考える><最悪を予想して、最高を手に入れる><市場を知る>などとある。<自分を宣伝する>の最後の文章は、次のように結ばれている。
<宣伝の最後の仕上げははったりである。人びとの夢をかきたてるのだ。人は自分では大きく考えないかもしれないが、大きく考える人を見ると興奮する。だからある程度の誇張は望ましい。これ以上大きく、豪華で、素晴らしいものはない、と人びとは思いたいのだ。
 私はこれを真実の誇張と呼ぶ。これは罪のないホラであり、きわめて効果的な宣伝方法である>
 現在トランプは、自己宣伝にツイッターを活用している。濫用と表現してもいいだろう。本人は「フィルターをまったく通さずに、国民にじかに語りかける手段」「なにかをツイートすると、それがメガホンになって、世界中に聞こえる」と説明している(前掲『FEAR 恐怖の男』)。
 だがその内容は、上品とは言えない政敵への攻撃を繰り返す内容がほとんどで、それゆえに側近から「自分の足を撃つような行為はやめてください」と何度も懇願されている。
 こういう原稿を書くこともあろうかと、私はトランプのツイートをフォローしていた。彼の投稿は、広報担当者が一応目を通していると思っていたが、ジャーナリストによる前掲2冊を読むと、まったく独断で決行されているようだ。だから下品だったのだ。
 ちなみに彼のフォロワーは、7178万人である。読者数だけを見れば、トランプがツイッターを愛用するのが、わからないでもない。むろん、アンチを含んだ数ではあるのだが。
 30年以上前に書かれた自伝を読むと、彼はこの間、なにひとつ変わっていないことがよくわかる。それをブレないと見るか、成長がないととるかは読者の自由だが、米国大統領になった今、はったりだらけのツイッターを誰も<真実の誇張><罪のないホラ>とは考えないだろう。支持者以外は。
    ☆ ★ ☆
 自伝に戻ろう。<言葉だけでなく実行する>の小見出しのあとは、次の文章が続く。
<世間をだますことはできない。少なくともそう長くは無理だ。期待感をあおり、大々的に宣伝してマスコミにとりあげられ、ひと騒ぎすることはできる。しかし実際にそれだけのものを実行しなければ、やがてはそっぽを向かれてしまう>
 この文章を大統領になった本人に読み聞かせてあげたいが、幸か不幸か今のところ接点はない。急いで続きを引用しよう。
<ジミー・カーターのことを思いだす。大統領選でレーガンに敗れたあと、カーターは私に会いにやって来た。ジミー・カーター図書館への寄付をつのっているの���という。どれくらい入り用かときくと、彼はこう言った。「ドナルド、五百万ドルほど出してもらえるとありがたいんだが」
 私は仰天して返事もできなかった>
 カーターは民主党員で、意外なことに、トランプもかつては同党の支持者だった。
<しかしこの経験はあることを教えてくれた。それまで私はなぜジミー・カーターが大統領になることができたのかわからなかった。その答は、彼は大統領としての資質には欠けているが、普通の人には考えられないことを要求する度胸と図々しさ、そして根性をもっているという点だ。大統領に選ばれたのは、何よりもこの能力のためなのだ。だがカーターが大統領には不適任であることに国民はすぐ気づき、再度立候補した時には、完敗した>
 何度読みかえしても、笑える文章である。当時は人生において大統領選に出馬する選択肢はなかったのだろう。
 カーターは77年から1期だけではあるが米国大統領を務め、退任後は北朝鮮の金日成主席やキューバのフィデル・カストロ首相と会談するなど外交面で存在感を見せ、2002年にはノーベル平和賞を受賞している。
 少なくともトランプよりは大統領にふさわしい、と私は思う。そのカーターを指して、大統領に選ばれたのは<普通の人には考えられないことを要求する度胸と図々しさ、そして根性をもっている>と断罪するのだから、ブラックジョークが効いている。
     ☆ ★ ☆
 自伝には、ソ連でのホテル計画でモスクワを視察し、厚遇を受け<この商談に対するソ連政府の意欲には感銘を受けた>とも書かれている。その後、ロシアをめぐる様々な疑惑にさいなまされることになるとは、本人も考えていなかっただろう。
 400ページ余りの自伝の中で、1箇所だけ日本人に関する記述がある。トランプタワーのテナントの交渉相手としてである。トランプにとって日本人は<非常に商売のやりにくい相手>だった。多いときには12人のグループでやってくる。話をまとめるには全員を説得しなければならない。<その上、日本人はめったに笑顔を見せないし、まじめ一点張りなので取引をしていても楽しくない>と、かなり評価は低い。
 それ以後、日本人のイメージは、変わったのだろうか? 
     ☆ ★ ☆
 自伝の最後は、次の文章で締めくくられている。
<これまでの人生で、私は得意なことが二つあることがわかった。困難を克服することと、優秀な人材が最高の仕事をするよう動機づけることだ。これまではこの特技を自分のために使ってきた。これを人のためにいかに使うかが、今後の課題である。
 といっても、誤解しないでほしい。取引はもちろんこれからもするつもりだ。それも大きな取引を着々とまとめていくだろう>
 ビジネスに意欲満々だが、政治家になることを示唆していると読めないことはない。
 あれから30年ーー。超大国・アメリカの大統領になったトランプは、閣僚や側近を次々と解任し、スタッフを恐怖に陥れた。優秀な人材が最高の仕事をするどころか、次々に逃げ出している。
 彼が自伝を読み返していないことだけは確かだろう。<2020・1・31>
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takashiraishifilm · 7 years
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自分の地元のFM愛媛とのコラボ企画で制作した旅番組、7月24日から全10回の配信。その第10回目(最終回)。 『夢の旅人 カリフォルニア海岸線編』10日目 夢の旅人|サンフランシスコ
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xf-2 · 5 years
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ベネズエラ情勢が混沌としている。転機は、ニコラス・マドゥロ大統領が1月10日に2期目の大統領就任を宣言したことだ。
 昨年(2018年)5月の大統領選は、政府が有力候補を拘束するなどしたため、主要な野党勢力がボイコットした中で強行された。選挙は著しく不当なもので、そのため、マドゥロの大統領就任を野党は認めず、国民の大多数も反発した。
 そんな中、1月23日に大規模なデモが起き、同日、「大統領不在時には国民議会議長が大統領を代行する」という憲法の規定に則って、フアン・グアイド国民議会議長が暫定大統領就任を発表。アメリカはじめ西側主要国や、中南米の主要な国々もこれを承認した。
 対するマドゥロ陣営は、当然ながらその動きに反発。キューバやニカラグア、ボリビアなどの中南米の反米左翼国家に加え、ロシア、中国、イラン、トルコなどもマドゥロ支持に立っている。
 マドゥロ側はさかんに「アメリカが裏で糸を引いているクーデターだ」とのプロパガンダを発信している。だが、ベネズエラの混沌はそもそも、マドゥロ政権の経済的失政による年率100万パーセントに達するハイパーインフレなどによる極度の貧困化にあり、不満を高める国民を、マドゥロ政権が国家警察や民兵などを使って暴力的に弾圧してきたことが原因だ。
 実際、2014年や2017年には大規模な街頭デモが武力で鎮圧されており、多数の死傷者を出している。国家警察はいまや、反政府派とみられる人々の拘束・拷問なども日常的に行っている。
 現在、グアイド暫定大統領側とマドゥロ政権はともに自らの正統性を主張している。2月2日にはマドゥロ支持の中規模の集会が首都カラカスで組織されたが、それをはるかに凌駕する反マドゥロ街頭行動がベネズエラ全土で大規模に行われた。
キューバ情報機関の監視下にあるベネズエラ軍
 現在の混沌の今後のカギを握るのは、「軍」の動向だろう。国民的な支持は完全にグアイド暫定大統領側にあるが、マドゥロ政権は実力組織である軍と国家警察を掌握している。特に決定的な力を持っているのは軍であり、今後、マドゥロ政権が仮に反対派への武力弾圧を軍に命じた場合、軍がそれを実行するか否かが、平和裏に政権交代が成るか、あるいは流血の大惨事になるかの分かれ道になる。
 そこで注目される軍だが、ベネズエラ軍の場合、きわめて特殊な2つの特徴がある。「キューバ情報機関による監視・統制」と「麻薬密輸ネットワークの存在」である。
 まず、キューバについてだが、そもそもベネズエラでは、マドゥロ政権の前身のウーゴ・��ャベス政権時代から、キューバとは密接な関係があった。1992年に陸軍中佐としてクーデター未遂を起こし、収監された後に94年に釈放されたチャベス氏が、中南米各地の左翼運動を支援するキューバのフィデル・カストロ議長と接近したことが端緒である。チャベス氏はその後、98年の大統領選で勝利し、翌年に大統領に就任するが、それによって両者の関係は正式に国家間の連携に格上げされた。
ベネズエラとキューバの位置(Googleマップ)
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 その後、チャベス前政権は徐々に左翼色を強めていくが、その背後には常にキューバの影響があった。人口も経済規模もベネズエラのほうがキューバよりずっと大きいが、チャベス政権とカストロ政権では、カストロ政権のほうがはるかに格上だ。チャベス政権はキューバの指導を受ける立場であり、逆に経済的には大量の石油をキューバに献上するという関係になった。また、チャベス大統領は2002年にクーデターで一時的に軍に監禁されるが、その事件の後、全面的にキューバ情報機関がチャベス政権の情報部門を任されるようになったとみられる。
マドゥロ大統領はそんなチャベス前大統領に引き立てられた。外相、副大統領を経て、チャベス大統領が後継に指名したことで2013年に大統領に上り詰めた。マドゥロ大統領はもともと組合運動出身の活動家だが、20代半ばの頃にキューバで政治活動の訓練を受けたことがあり、実質的にはキューバ情報機関「DI」(内務省情報部)と密接な関係にあったとみられる。
 チャベス前大統領がマドゥロ氏を後継者に指名したとき、軍の上層部などでは反発も少なくなかったようだ。ベネズエラ政界では、マドゥロ氏はキューバの後押しでチャベス前大統領に取り立てられただけの存在であり、もとよりたいした実績もなければ、国民の支持もなかった。
 そんな経緯から、マドゥロ政権はますます親キューバ色を強めた。チャベス前政権時代にも医療関係者を中心に多くのキューバ人を迎え入れていたが、マドゥロ政権は特に軍を押さえるために、軍上層部にキューバの軍事顧問(多くは情報機関員)を迎え入れた。
 キューバからの情報要員派遣はその後も増え続けており、事実上の軍内監視システムとなっている。これは基本的には、軍を掌握するためにマドゥロ大統領がキューバ情報機関の力を利用しているという構図だが、同時に、マドゥロ政権は情報活動の多くをキューバ情報要員に頼っているため、それらの情報から立案される政策には、キューバの意向が作用しているともいえる。
 いずれにせよ、このような経緯のため、たとえば現在、軍高官がマドゥロ政権の意向に逆らえば、キューバ情報機関の指揮下で即座に断罪される状況にある。たとえベネズエラ国民の大多数が反マドゥロであることが明らかでも、あるいは軍人自身がグアイド支持であっても、キューバ情報機関の厳しい監視の下では、軍人が自らの意思に従って動くことはなかなか難しい。軍人が反マドゥロの意思を公言するには、それらの監視・統制から外れることが必要となる。
軍高官が麻薬密輸ビジネス
 ベネズエラ情勢のカギを握る軍のもう1つのダーティーな面が、軍内部における麻薬密輸ネットワークの存在である。
ベネズエラでは90年代に、キューバ情報機関が仲介役となり、隣国コロンビアの左翼ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)と連携したコカイン密輸ビジネスが拡大。親キューバのチャベス前政権時代にますます成長した。軍は当初、密輸に便宜を図ることでコミッションを得ていたが、2000年代半ば頃からは、自身が密輸そのものに参画していった。
 このネットワークは一部で「太陽のカルテル」(もともと中心的だった軍幹部が太陽の徽章をしていたことに由来するという)とも通称されているが、単一組織ではない。多数の軍高官がそれぞれ自前で麻薬密輸ビジネスに参入し、そのネットワークが軍内部に張り巡らされているのである。
 この軍内のコカイン密輸ネットワークは、マドゥロ政権と事実上、一体化している。チャベス前政権およびマドゥロ政権の閣僚含む高官や軍高官が何人も、さらにマドゥロの妻の親族らも麻薬密輸容疑でアメリカで起訴されている。正規の軍だけでなく、国家警察の上層部も同様であり、さらには「コレクティーボス」というマドゥロ派武装民兵もそのネットワークには連なっている。政府・軍上層部がそのまま巨大な麻薬密輸ネットワークに組み込まれているといって過言ではない。
 この巨大な麻薬密輸ネットワーク・通称「太陽のカルテル」の最大の実力者は、マドゥロ政権の裏のフィクサーであるディオスダド・カベジョ制憲議会議長(元国会議長)とみられる。カベジョ議長に次ぐ実力者には、現職閣僚のタレク・エルアイサミ産業相(元副大統領・内務相。中東系で、レバノンの民兵組織「ヒズボラ」とも関係があるとみられる)などもいる。
 このように、軍高官の多くがマドゥロ政権と結託して麻薬密輸(それだけでなく、天然資源の取引もこれらの利権に含まれる)で莫大な利益を得ている状況では、軍が反マドゥロ陣営に与する可能性は低い。ただし、長年の腐敗構造により、ベネズエラ軍では軍内の規律もかなり緩んでいる形跡がある。
 1月21日、国家警備隊の二十数名の兵士が反マドゥロを掲げて蜂起した際、声明で、軍でも私腹をこやしているのは高官だけだと訴えている。このグループは小規模なのですぐに捕まったが、同じように考える兵士は軍内ではおそらく圧倒的多数派だろう。
 以上のように「キューバ情報機関の監視・統制」と「麻薬密輸ネットワークの存在」により、現時点で軍が丸ごと反マドゥロに寝返る可能性は小さい。
軍はマドゥロ政権から離反するのか?
 しかし、軍の幹部の中からも徐々にグアイド支持を表明する人物が出てきている。まず1月26日には駐米武官のホセ・シルバ大佐がグアイド暫定大統領支持を表明。さらには2月2日に空軍のフランシスコ・ジャネス将軍も続いた。ジャネス将軍の声明には、あくまで彼の個人的見解ではあるが、「90%の軍関係者は独裁者(マドゥロ大統領)を支持していない」とある。
 今のところ続々と後に続くという流れではないが、軍の高官としても、すでに国民のグアイド支持の流れは明らかである。マドゥロ政権が崩壊するなら、誰しも道連れになりたくはないだろう。
 グアイド暫定大統領は軍の将兵に対し、新政権を支持するなら人権弾圧などの過去の行状については不問に付すことを約束し、マドゥロ政権からの離反を呼び掛けている。今後、こうして少しずつでも軍高官の離反が連なれば、多くの下級兵士がそちらに参加していく可能性がある。
 マドゥロ大統領も、こうした不利な状況は認識しているようで、国民の一斉蜂起の呼び水になりかねないグアイド暫定大統領拘束などの強硬策は、現在のところ自制している。しかし、政変となれば自身がベネズエラに留まることは難しいことはわかっているだろうし、状況次第では、一転して軍に流血の大弾圧を命じるかもしれない。
 事ここに至れば、グアイド陣営が勢いを失って鉾を収めることはもはや考えにくい。グアイド支持の街頭デモは今後も続けられるが、いずれにせよ、カギを握るのは軍内部の動向ということになる。
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roomofsdc · 2 years
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「チェ 28歳の革命〜39歳 別れの手紙」
1964年ニューヨークの国連総会、キューバの代表として演説を行うエルンスト・ゲバラ。アルゼンチン生まれの医学生だった彼がなぜキューバ革命の立役者として国家主席にまで上り詰めたのか、そしてなぜ彼はキューバを捨てて再び異国で革命戦争に身を投じ、そして死んだのか。 キューバ革命の初期から国連総会での演説までの前半を「チェ:28歳の革命」、その後キューバから離れボリビアで政府軍に処刑されるまでの後半を「チェ:39歳 別れの手紙」として公開された、総計で4時間を超える超大作の一応商業映画である。主役の「チェ」を演じたのは、プエルトリコ出身の名優ベネチオ・デル・トロ。主要な製作者に名を連ねる彼は、入念にチェ・ゲバラの人生のリサーチを行い、フィデル・カストロにまで面会して役作りを徹底した。メガホンをとったのは「トラフィック(2000)」でもタッグを組んだソダーバーグ。彼らの熱情が映画を推し進めているのが画面からも伝わってくる。 ただ21世紀の日本人の多くにとってゲバラはあまりに遠い存在。キューバ革命からボリビアでのゲリラ活動まで、彼の軌跡は「共産ゲリラ」とひとくくりにされているので、汚らしい髭面の男が、なぜかくも犠牲的な精神で他国の革命に命をかけているのかがすぐには理解し切れない。 そんな大多数の日本人がこの映画を楽しむ為には、まず彼の青年期を描いた「モーターサイクルダイアリーズ(2004)」を見ておくことがお勧め。この映画でのチェ・ゲバラは激しいアジテーションの革命家ではなく、他者を愛する、静かでそして内に熱い情熱を秘めた一人の若者として描かれている。その眼差しは憂いに満ちているが、一方で険しく鋭い。この作品を見た後で「チェ」前後編を観ると、アルゼンチンからメキシコ、キューバ、そしてボリビアと流転する若者(スクリーン上のデルトロは残念ながら決して20代の若者には見えないが)の運命に共感することも容易いはずだ。 「チェ」は「29歳」「39歳」の二部作になっているが、やはりソダーバーグらの当初の予定通り、通して鑑賞するのが「正しい見方」だろう。私自身は別々の日に観たが、通して観ようものなら、完全にこの半世紀ほど前の革命家に心酔してしまっていたに違いない。本作品は、アメリカで製作された商業映画でありながら、ある意味で強力な洗脳効果をもたらしかねないストレートな政治的映画に仕上がっているのだ。 前評判が異常に高かった割に全米での評価が低かったのは、共産主義アレルギーの強い米国ならではの事情も大きいと推測される。特に9.11以降のアメリカ第一主義の台頭は、チェという自由の偶像をテロリストの一人として過去の遺物にしておきたかったに違いない。それでも今もこのような政治的作品を作り続けているソダーバーグ監督がアメリカにまだいる、という事実は私たちを勇気づけてくれはしないだろうか。
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rakuhoku-kyoto · 3 years
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新刊の、ピエール・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』のアマゾン在庫が上の画像のような状態(10月19日 午後9時時点)ですが、小社には、在庫がたっぷりございます。
いまだアマゾンから小社へ発注が全くなく、冊数を指示してくれるようアマゾンへ催促しつづけています。
追 記 2021年10月21日 記 クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』
――ようやくアマゾンから発注があり、今日、取次(日販)へ納品いたしました。
数日後にはアマゾンの表示がかわると思います。
しかしアマゾンは同様の事態を繰り返しかねませんので、数日内に小社オンラインストアもご利用いただけるようにいたします。
追 記   2021年10月21日 記
スナウラ・テイラー『荷を引く獣たち』
アルフォンソ・リンギス『何も共有していない者たちの共同体』
ヴィヴェイロス・デ・カストロ『食人の形而上学』
これらの本がアマゾンでは「在庫なし」表示ですが、小社には在庫がたっぷりございます。
書店の通販サービス or 小社オンラインストアをご利用下さいませ。
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shagekirenshu-blog · 3 years
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「地味民族誌」試論
深川宏樹による『社会的身体の民族誌』を読んだ。これが人類学の著作として名著であることに疑いはない。
私にはこのような本は書きようがないと思った。私の調査対象は、この本が描くメラネシアの人々ほど見事な他者性を持っていないからだ。もちろん、普通の人にはペルーの現代ガストロノミーのレストランで働く料理人の経験は持ち得ないが、その思考の論理や発想自体には突飛なものはない。この本においてはメラネシアの思考の論理と忠実に向き合いそれを解き明かすことが重要な課題として提出されているが、現代ガストロノミーのレストランの論理を解きほぐすことそれ自体に大きな重要性はない。それは料理人自身によって十分に明確に説明されるものであり、繰り返せば、その説明は私たちの馴染んだようなものだ。
そして、『社会的身体の民族誌』に比べれば、私が書くであろう民族誌の価値は一体何なんだ。
ここで私は、例えば『社会的身体の民族誌』に対置されるようなこうした民族誌を「地味民族誌」と呼びたい。
地味民族誌の範例だと私が見なすのは、Matei CandeaによるCorsican Fragmentsというフランス、コルシカ島の民族誌である。この本では例えば、コルシカ島ではよく山火事が起こるのだが、山火事が起こると住人は火事を眺めたり、山火事の進行や風向きについて相互に連絡をとったりする一方で、観光客は無関心に逃げていく、という事態が一つの章で中心的に検討される事例となっている。別の章では、初めて出会う人同士の間の会話では必ずしも名前が尋ねられず、むしろ共通の知り合いや場所があるかどうかといったことに会話の重点が置かれる。どこにでも起こりうるような出来事しか書かれていない。
『コルシカの断片』自体が私たちと民族誌の対象となる人々の差異と類似について書かれた本であり、より深い議論はそちらを参照されたい。たしかに言えるのは、カンデアが自身とコルシカの人々を同一視することも差異化することも拒否しているということである。差異が目立たないことが地味であることだと考えるならば、地味民族誌を私たちとは違うがかなり似ている人々について扱うものだと考えることができよう。
では地味民族誌は一体何をしているのか?
先に書いたことが示唆するように、地味民族誌に描かれる人々と私たちが使う論理はほとんどと言ってよいほど同じである。名前を挙げず共通の知り合いを探す自己紹介について、カンデアはそれが共通のものを見つけることによってその人達の間に元々つながっていたかのような、元から知り合いだったのかのような関係を作り出すことにあるという。カンデアが描く事例でどのような論理が働いていたのかはよく理解できる。ただ、私たちはたいてい初めて会った人に対して名前を尋ねる点で、論理の適用の仕方が違うかもしれない。
だが地味民族誌がこのようなものであるとして、それは価値があるといえるのか?
ヴィヴェイロス=デ=カストロが述べることを乱暴にまとめると、民族誌は自己と他者のあいだにある差異を明確にしたまま二者をつなぐことであるということだが、その提案に乗るとすれば、地味民族誌は同じ論理を違うように適用する人々を知ることを通して自他の論理の適用のあり方の違いを知ることだと言えよう。
現代料理のことは脇においておくとしても、料理について考えてみるとき、そうした同じ論理の違う適用ということを考えざるを得ないように思う。仮に日本料理が味が響き合うように水平的に食材を組み合わせるもので、ペルー料理が味に厚みを持たせるように垂直的に味を重ねていくものだということを知った、味に厚みをもたせるような料理の作り方を私たちは容易に理解することができる。そして確かに、自分たちの料理の作り方を他者の料理の作り方と違うものとして考えることができるようになったり、自分たちの料理の作り方を部分的に変えることができるようにもなったりもするだろう。
しかしそれに価値を認めたとすれば、地味民族誌と、違う社会のよく知られていない事象を自分の社会の似たものと並べて単に紹介することの差異はどこにあるのか?つまり、後者の程度にしか地味民族誌には価値がないのではないか?
この記事を書くことで地味民族誌を強く肯定できるほどのことが言えるとは思っていなかったが、具体的な問題は明確になった。普通のペルー料理のようなありふれたものについて書くことに価値をもたせられるとしたら、それはどのようなことをすればよいのか、その価値は何になるのか、ということだ。
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