じゃれ本 3冊目の作品
「じゃれ本 オンライン試用版」を使ったセッションで紡がれた物語たちです。前の文の前後関係がわからずに何かを書こうとするとこうなります。参加した本人たちはめちゃくちゃ楽しかったです。
お題:特になし ページ数:6P
『透明化学現象』
透明化学というのは正しくは「トウメイ」と「バケガク」に分けられる。すなわち化けるのである。何がって、僕らが。透明に。僕ら狸にとってバケガクの習得は命綱のようなものだ。
狐たちは狐たちで何やら研究しているようだが、そこは僕ら狸のほうが一歩分野に秀でていると自負してもいいだろう。
ただ、しょうがないことだけど例外はいるのだ。
この間なんかは…
『最も完璧なアライグマと狸の区別の付け方』と言う我ら狸の宿願に対し、
「食べたら分かるんじゃない~」
「たぬきうどんときつねうどん見れば一発だもんな~」
と狐と盛り上がっている仲間がいたのだ!
そんな捕食者目線で区別をされてはたまったものではないんである。熊連中なら確かに、多分骨とか肉とか舌触りとかで区別も付けるんだろうけど。
僕はそんな考えを振り払うように身震いした。
そんなことにならないよう、僕自身もこの『透明化学現象』をしっかと解明し、学習し、修得しなくてはならないのである。
試しに尻尾だけを消してみることにした。
……
……………
消えない。
終わった。人類の尊厳は失われた。これから僕は尻尾を活用すべく四脚の哺乳類としていかねばならぬのだろう。
「バカ?」
近くを通った姉のツッコミはもちろん耳に入らなかった。
『眩しいiPad』
俺はいつものように、枕元にiPadを置いて動画を再生しながら寝ようとしていた。
何のことはない、いつもの日課だ。
だがその日に限って、猫がやけにiPadを気にしていた。
『ゴロ……ゴロゴロ……にゃお……ん……ゴロゴロ」
と言うかうっとりしている。
なんだコレ。俺の猫――猫は誰のものではなく猫自身のものであり、それでもあえて言うなら神のものだ――が寝取られた!
「へいsiri!」「聞き取れません」「Heysiri!」「聞き取れません」そりゃそうだ、俺だって俺より猫が良い。より好きなモノや場所を選ぶのは生き物としての道理だ。多分iPadだってそうなんだろう。
「ンマ~ォ」ポポン!
このSiriめ、いけしゃあしゃあと猫の声には反応しやがる。
「ナ~」「猫には難しいかもしれません。」
「ルノァ~」「重機ならば可能でしょう。」
待て、何の話をしている。
問い詰めたいが、Siriにも猫にも言葉は届かない。おかしい。人類こそが言語を発明したのではなかったのか。それは人類の驕りだというのか。
答えて欲しいが相も変わらず1台と1匹は2人(?)の世界だ。
何となく傍をうろついてみたが世界に入り込めそうにない。俺は耐えかねてAlexaを呼んだ。
『はがれない毛布』
「こ、これは僕の大事なものなんだ! 例えるならライナスの毛布さ」
「なんの例えにもなってない! まんまじゃない!」
幼い子たちが揉めている。
発端は1人が布団から出て来ないことであった。
半泣きになりながらも毛布にひっついている子どもは、やがて2人になり3人になり、一ヶ月も過ぎれば部屋中の子どもたちがすっかり布団から……正しくは毛布にひっついて離れなくなってしまった。
紛れもなく一大事である。レスキュー隊がやって来て子供たちを救助しようとしたが、一人、また一人と毛布の餌食になっていく。うんとこどっこいしょ、うんとこどっこいしょ。それでも毛布は剥がれません。
しまいには軍隊まで負けてしまったのです!
「オトナもこんなものなのね」
「そこは毛布の吸引力がすごいって言ってあげなよ」
と、一足先に飛び出した子どもたちが楽しそうに笑ったのでした。
大人たちもおずおずと目を見合わせ、お互いを探るようにへへっと笑ったりして少しだけ言い訳めいたものをごにょごにょと口の中で呟いてから、誰からともなく足は徐々に毛布へと向かっていくのです。
こうして地球人類全ては毛布につつまれました。
地球をヌクモリティが包み、スヤみが覆ったのです。
かくして地球《ガイア》自身もヌクモリティに包まれる事により、恒久的な世界平和が実現したのでした。
お題:ランダム縛り 6P
『極端な化粧水』
いつものツルハドラッグで、私は目を疑った。
いつもの化粧水を買おうとしたら、その隣になんと、50円の化粧水と50000円の化粧水が並んでいるのだ。
ご丁寧に、50円のほうにはオススメPOPまである。
ツルハ���ラッグは住宅街を中心に展開している真っ当な対応とポイント制度が売りのドラッグストアであって、こんなアホみたいな煽りで商売をする店ではない。
値段をつけるにしてももうちょっとあるはずである。
「いくらなんでも化粧水が1400万円はさすがにないだろう……円高もバカにならないってことか?」印刷ミスかと思ってSNSに投稿しようかという気がよぎるが本当にその値段だった。分割ローン払いもある。
しかし…これだけの金額を出すだけの価値はあるということなのか?突拍子もない値段過ぎて感覚が麻痺してきている。そうだなあ、宝くじでも当たったら考えてみなくもない。万が一にも当たったら、だ。
そういえば、先週買ったスクラッチくじが財布にあったな…
そう思い、その場で番号を確認してみた。なんときっかり5万円当たっている!
つまり、買おうと思えば買えなくもないのだ!どうする!どうするんだ私!
5万あったらできるおしゃれ……ほら考えてみて。ネイルサロン。うんうん、キルティングネイルとか高いのも行けそう。美容室でアンニュイカールを指定……医療脱毛……はちょっと無理かな。
『好きな人の側に行きたい麻酔銃』
あたし、麻酔銃! (製造)年は2124年のレトロ型。
ある日研究室の保管庫から取り出されて……ええーークマ退治ですって~~!?!?
さすがに一世紀も前の麻酔銃に凶暴な遺伝子組み換えクマの退治はちょーっと荷が重いかな……!? でも博士は期待してくれている。おっと、緊張で麻酔の塩酸エトルフィンが溶け出……
危うく早々に博士から退治してしまうところだった。これでも麻酔銃としての自覚と自制は人一倍あると自負している。クマでもゾウでも持ってこいという気持ちがたか��ってきた。
それでも、あの人の事が忘れられない。自分の銃としての役目を身に刻んでくれた、あの人の事が。
博士は私を手に取ると、舌なめずりするようにこう言った。
「サメを撃つぞ」
サメ!?サメに銛じゃなく私を!?
そんなぁあ~~!
だってこの私麻酔銃は生まれてこの方水中戦はこなしたことがないのだもの。
無理無理カタツムリ。無理めの無理~~~!
しかもSAME!? 絶対中盤に効かなくて悲しい気持ちになるヤツ!
たとえあとで「効いてやがらなかった!畜生!」みたいなことになるのがわかりきっていたとしても。サメの動きを少しでも止められるなら……っ!
もしアホみたいな映画だったら倒した判定もワンチャンない?
『口にくわえるワサビ』
くわえるものではないことくらいよく分かっている。現在進行形で鼻だってかなりやばい。でもそうでもしないと眠気に耐えられないのだ。カフェインなどもう効かない。もっと物理に近い刺激がないと無理なのだ。
タバコも試した。自分には向かないらしく、せき込むだけだった。
唐辛子も試した。口が痛くなるだけだった。
コーヒー豆直食いも試した。全く効かず、眠くなるだけだった。
もう、これしかないのだ。
ペロリ。
鼻にツーンと来る刺激。爽やかで芳醇な香り。目に優しいyellowgreen。
いや目に優しいと落ち着いちゃうからダメだな。でもそれ以外全てが完璧だ。
電子タバコならぬ実ワサビというわけである。眠気覚ましにメンソールの時代はもう過ぎ去った。天然由来・清水で育ったワサビをくわえる時代なのだ。「S&Bワサビ、10番」そんなふうにコンビニで買う時代も近い。
普及が進めばデザインの多様化も進む。清水育ちをアピールするための原木(?)デザインからポケットから取り出しやすいスマートなデザイン。敢えて見せるための吊りデザインなどもあるようだ。
今や口にくわえるワサビは日本における一大ムーヴメントとなり、クールジャパンとして海外のニュースでも(面白半分に)取り上げられた。
だが俺は気付いてしまっていた。ワサビの刺激では物足りないということに…
『証明された鮭』
「ついにアラスカから認められた!」
生け簀の鮭の帰化が認められた。鮭たちの出身地をノルウェーからアラスカにすることで、こいつらは「キングサーモン」となる。今の時代、情報という衣が本体だ。
そうと決まれば早速手続きを進めようではないか。ご出身は? アラスカです。ふふふ、早く誰か聞いてくれないか、ご出身を。おやノルウェーからですか? いいやアラスカなんだよ、この度帰化が認められてね。ふふふ
ノルウェーからでもアラスカからと名乗れる、誠に良い制度が出来た物ですな。鮭たちは顔を見合わせて笑った。これで箔がつくというものだ。
だが、それを黙って見過ごさない者がいた。
タラだ。
タラはタラ目タラ科タラ亜科の魚類である。
必ずかの邪智暴虐な鮭達を除かなければならぬと決意した……いや、除くのはちょっと穏やかじゃないな。
もうちょっと穏やかな解決方法、例えばそう……
つまり……そう、遺伝子を編集するのだ。川にバクテリオファージを送り込み、緩やかに、穏やかに、邪知暴虐な鮭どもを品行方正に脂ののった鮭に変えてみせるというのである。
祈るように目を閉じて結果確認する。
結果は成功と言えるだろう。彼らは従順で脂ののった実に良い鮭になり、我々は大いに喜んだ。めちゃくちゃうまい。そして、その結果がやがて「我々」にも出始めた。
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キルティングネイル|つくばみらい市N様
つくばみらい市にあるネイルサロンプリンセスです。
今日はとても寒かったですね。
12月並みの寒さだそうです。サロン内は空調や換気で調整しておりますが、暑かったり寒かったりしたら、調整しますので
遠慮なくお声掛けくださいね。
フットジェルの付け替えでご来店のN様。
今回はキルティングネイルです。
秋冬に人気のキルティングネイル。フットにしても可愛いですね。
足裏の角質除去もされて、しっとりもちもちになりました。
ご来店ありがとうございました。
またのお越しを心よりお待ちしております。
【10月の定休日】
7日(金)、11日(火)、20日(木)、28日(金)、31日(月)
【11月の定休日】
4日(金)、8日(火)、16日(水)、24日(木)、28日(月)
※換気や消毒の為、ご予約の間隔を十分開けております。ご希望のお時間に添えないこともあるかもしれませんが、ご了承…
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