◇Vivienne Westwood(ヴィヴィアン ウエストウッド)◇2023年秋冬新作帽子が入荷致しました。
2023年AUTUMN&WINTER最新作
【MESSY TARTAN BASQUE HAT】
定価:14,300円(税込)
MADE IN JAPAN
素材:毛100%
カラー:ブラック×グレー
サイズ:M~S
頭周り:約 57.5cm、高さ:約 11.5cm、ツバ:約 6cm
※アジャスターで約57.5cm~約55.5cmまで調整可能
ハンドタッチで描かれ、幾重にも重なった不規則なタータンチェックがヴィヴィアンらしいバスクハット。
柔らかなウール素材を使用しています。
ワンポイントのORB刺繍が可愛らしいです。
ヴィヴィアン・ウエストウッドらしい遊び心のあるデザインです。
男女兼用で御使い頂けます。
弊社は正規取扱店で有り、勿論未使用、新品です。
※ご覧頂いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がございます。
Gallery なんばCITY本館1F店
〒542-0076
大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1F
【営業時間】11:00~21:00
【休館日】10月無休
【PHONE】06-6644-2526
【e-mail】
[email protected]
【なんばCITY店Facebook】https://goo.gl/qYXf6I
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【西松屋】チェック柄帽子
こんにちはuyaです。
今回は『チェック柄帽子』についてご紹介していきます。
こちらは西松屋さんで購入した帽子です。
購入したのは8月だったんですが、めちゃくちゃ秋っぽくて可愛い(*’ω’*)
秋先取りって感じですね。
生地がすごく柔らかくて、試しにかぶせてみたら全然嫌がらなかったので購入しました。
なんかちょっと探偵っぽいところも可愛すぎる。
これも後ろで若干調整できるので多少サイズが合わなくても、小さすぎない限りは使えるんじゃないかと思います。
この帽子のポイントは、アゴヒモ!
ヒモの有無で結構長時間被っててくれるか変わる気がします。
うちの子はヒモを嫌がらないのでよかったんですが、逆にヒモが気になって泣いちゃう子はちょんぎってしまってもいいかと。
ヒモがないからってとれちゃうほど浅くないし、あくまでアゴでも固定できるよって感じです。
最初は全然ヒモを気にしてなかったのに急…
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簡単なまとめ髪でもグッとおしゃれ度がアップするヘアアクセサリーのなかでも、リボンは、まとめた髪に留めるだけという使いやすさが魅力です。ハイブランド ヘアアクセサリー 安い 人気のヘアアクセサリー 上品なリボンで後ろ髪をおしゃれに。またデザインの豊富さでも、多くの人に選ばれています。
https://www.diororo.com/hair-accessories
チープ感が出やすいリボンのモチーフも、上質な素材で作るブランドもののリボンなら上品さや高級感があるので、パーティーなどの華やかな場にもおすすめです。
Chanel シャネルブランドヘアアクセサリーリボン ヘアクリップ女性らしさを引き立てるきらびやかなヘアアクセサリー
高級なシャネルヘアアクセサリーリボン ヘアクリップを扱うブランドとして多くの女性から人気を集めています。
ヘアクリップやカチューシャに代表されるChanel シャネル��アアアクセサリーは、細部まで丁寧に作られた繊細なデザインが魅力。 優雅さを引き立てるきらびやかなアイテムが豊富で、フェミニンなテイストが好きな人におすすめです。
数多くの出品の中からこちらをご覧頂きましてありがとうございます。コレクション整理のため出品いたします。こちらは良品 DIOR ディオール ブランド服 Tシャツ パーカー 長シャツ メンズ レディースです。
多くのご説明は不要かと思いますが、なかなか出回っていない一品となります。
Dior ディオールパジャマ シルク セットハイブランド人気 メンズレディースパジャマのおすすめ!
ディオールパジャマ シルクしなやかな触り心地と光沢感が魅力のシルクパジャマは天然素材です。本来シルクは、蚕(かいこ)が快適に過ごせる“シェルター”としての役割を果たすため、『吸湿性』『放湿性』のよさが語られてきました。
Dior ディオールハイブランドパジャマシルクに含まれるセリシンというたんぱく質が人の肌成分と近いため、肌や髪に優しいといわれています。シルクの光沢感を生かすにはやはりサテン織が向いています,サテン織はつるつるとして摩擦が起きにくくなりますが。
ディオールDIORキャップブランドハットどんなスタイルにも取り入れやすいスタンダードタイプ
いつものコーデの雰囲気を変えたいときに便利なキャップ。おすすめのDIORディオールベースボールキャップをご紹介、ぜひチェックしてみてください。
Dior ディオール野球キャップ ハイブランド 男女兼用 アウトドア紫外線対策 日焼け防止 ベースボールキャップ
Dior ディオールベースボールキャップの魅力は、いつものコーデにプラスするだけで雰囲気を手軽に変えられることです。明るい色や個性的な柄を選べば、よりカジュアルに。シックなデザインを選べば、ほどよい抜け感のある大人っぽいコーデを作れます。
4月31日 まで時間限定数量限定 おまけ付きます、それに直接に300円オフのクーポンを配布中、是非見逃せないように
ご注意:
★★ご注文前、弊店のline idを追加いただければすぐ300円のクーポンをゲットできます、クーポンコートがLINEで送りいたします
★★ご注文後、弊店のLINE IDを登録いただいた後、おまけ番号とご注文番号あるいは受取人を教えてください、こちらがおまけ追加いたします
弊店のLINE ID:diororovip
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2023.07.29 ハンチバック、報酬系、遠く
Lily chou-chouの「エロティック」を聴いているときの私と、相対性理論「スマトラ警備隊」を聴いているときの私、Nirvanaの「Lithium」を聴いているときの私と、長谷川白紙の「エアにに」を聴いているときの私、はそれぞれ異なっていて別のもの、だと思いながら机の上のスマートフォンを掴もうとするけれど、さっき首元を触ったときの僅かな油分が指に付着していて、掴むことに失敗する。スマートフォンが数ミリ落ちて机とぶつかって音がする。
***
誠実に日記を書くこと。その日に起きたことを時系列順に、淡々と記述していくこと。ただそれだけのことがとても苦手で、それは単純に記憶力が弱くて曖昧ということもあるけれど、その日に起きたことをすべて順番に、正直に書いてしまったのなら、その日の私の行動が一つに定まってしまうから、それが嫌なのかもしれない。
その日に起きたことを正直に日記に書く、というのはその日の私を一つに収束させるということで、それをしなければ、その日の私は沖縄で船に乗っていたことにもできるし、バイトをしていたことにもできるし、ずっと天井を見ていたことにもできる。太平洋にいたことにもできるし、大江健三郎を読んでいたことにもできるし、街を破壊しにやってきた恐竜をサイキックで迎え撃っていたことにもできる。
いつだって、現実が一つに定まること、一つに収束するということを恐れているのかもしれない。でも、人は二つの場所に同時にいることはできないし、常に一つを選んで、その一つ以外の数えきれないすべてを捨て去らないといけない。
***
市川沙央の『ハンチバック』について書こうと思いながら、2、3か月くらい経ってしまっていて、その間に『ハンチバック』が芥川賞を取った。
『ハンチバック』のラストは大きく二通りに読むことができて、自分は初めて素朴に読んだとき、「主人公である釈華が、家庭環境の悪い不幸な風俗嬢の女子大生として紡いだ虚構(ネットで公開されているかもしれない小説もしくは記事)」として読んだ。
その場合、先天性ミオパチーという重度の障害を持つために妊娠そのものが不可能である「私」が、(いわゆる)健常者女性たちが行いうるような「妊娠をして中絶をしたい」という願望をフィクションに託している、と読める。不幸で破滅的な風俗嬢である(フィクションの)沙花が、妊娠不可能な「私(釈華)」の願いを叶えている、と。
でも、ラストの10行くらいで、むしろ不幸な風俗嬢である沙花が、兄が殺した重度障害者である釈華の物語を紡いでいる、虚構を紡いでいるということが明かされる。ここで、事態はむしろ逆転するわけだけど、このとき、重度障害者である釈華は不幸な風俗嬢である沙花を虚構することで救われようとするし、沙花は柔道障害者である釈華の物語を紡ぐことで救われようとしていて、奇妙な支え合い、相互依存じみた関係になる(そして、どちらが本物なのかは決して分からないし、ある意味で入れ子構造でもある)。
ここで、純粋に純文学の、特に「私小説」として考えるのならば、このラストの部分は一切必要なかったはずで、でも、作者はそれでもこのラストの部分を書いたわけだし、個人的な感覚ではこのラストの部分は重要だし、好きだとも思う。
ラストの部分がなければ、重度障害者である釈華(≒作者の市川沙央)がそのリアルを(フィクションを交えつつ)書いて、一般的な「大人しくて、欲望もない聖者のような、かわいそうな存在」としての障害者表象を破壊する、という一本の筋で成立するはずだけど、ラストの部分で、そのようないわゆる私小説な「私」というものの裏返し可能性、みたいなものが同時に提示されているのかもしれない。
***
コンサータ、飲んでいると「物事をこなすこと」に対する達成感みたいなものが存在していることにびっくりする。作用機序についてはよく知らないけれど、実感として、自分の報酬系がまともに働いているというのが分かるし、自分の報酬系は元々半分くらい壊れているのだと思う。でも、効果時間が切れるとどっと疲れるのもよく分かる。休憩するということができないくらい、6時間くらい集中して作業をしていたので、身体がずっと変な体勢で固まっていたらしいし、頭も疲れる。耳をすまさなくても、外から蝉の鳴き声が聞こえてくる。午前5時半。数日前、学校でパルプ・フィクションを見た時も、かすかに蝉の声が聞こえていた。外は熱風。ウェルベックの『プラットフォーム』とキャシー・アッカーの『血みどろ臓物ハイスクール』を少しだけ読んだ。昨日読んだドゥルーズの『千のプラトー』で引用されていた箇所がよかったので、ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ婦人』を読みたい。
***
電車に乗ると、原色に近い黄色の服を着た小学生くらいの子どもが母親と一緒に座っていて、黄色と黒のおもちゃみたいな双眼鏡で電車の窓から遠くを見ている。白と黒のチェック柄の帽子を被って���遠くを見ている、遠くを見ている、遠くを見ている。どこを見ているんだろう、と思う。たぶん自分にはもう見ることのできないどこか。
***
言葉はこの世界を組み換えられるし、別の世界を作り出すことさえできるけれど、一方でたとえば鬱の時期には本なんて読めないし、そのときそこからはあらゆる意味が失われていて、それは黒いインクの染みや、白い壁を這っていく名前も知らない黒色の虫と何も変わらないということを絶え間なく、重力みたいに感じていて、だから言葉というものが素晴らしいとか、読書が素晴らしいとかそういうことはほとんど思えなくて、だけどそれでもどこかのタイミングで、何らかの方法で、ときには受苦を伴いながら何かを読むし、書くということから出発するし���ないんだと思う。
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冬物帽子など追加
ご来店お買い物ありがとうございます^ ^
本日も13時〜20時までの営業(電話やSNSなど前日までに連絡頂ければ12時〜営業致します)
体調の優れない方はご来店をお控えください
本日は冬物帽子など
追加しておりますので、ご紹介☆
タグなし
生産国不明
強そうなヒョウ柄フェイクファー地に左サイドのキラキラした飾りがお洒落なハンチング
ツバ裏や背面部分がベロア地なのも良い感じ
メンズ〜Mサイズくらい
是非♪♪
タグなし
生産国不明
チェックというよりドット調の編み柄に茶色のフェイクファーボーダーがユニークなハット
ハンドメイドか少しラフな作りも味があります
メンズ〜Mサイズくらい
是非♪♪
UNITED COLORS OF BENETTON
中国製、デッドストック
目をひくブルーカラーに〝BENETTON 012〟の文字刺繍が可愛いフリース地キャップ
ベネトンらしく、色で遊べる帽子かと
M表記、実寸S〜Mサイズくらい(スライド式バックアジャスター付き)
是非♪♪
それでは本日も元気に営業致します
あいにくのお天気ですが、恵みの雨
よろにくです^ ^
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ある画家の手記if.86 告白
愛してくれて ありがとう
クリスマス当日。
記憶がひどく欠けることがなくなってから、僕は慧の家に居候するのをやめて、ホテルの一室で生活してる。
安いビジネスホテルとかにする��部屋も狭そうだし、最悪サイズの問題でベッドで体が伸ばせないかもしれないと思って、ちゃんとしたホテルを選んだ。
昔は絵にサインを入れ忘れたとかで他県まで行ったりはしてたけど、そういうときも日帰りばかりでどこかに泊まったりはしないようにしてた、個展も海外や遠方からの誘いで僕も行かなきゃいけないようなのは断ってたし、なるべくアトリエ付近でいつも生活圏が落ち着くように…してたかも。絵を描くのに旅が必須な絵描きもいるけど、僕は同じ一つのアトリエで一生描き続けていられる静物ばっかりだったし。
ホテルは一応僕が選んだ場所なだけあって調度品も内装も僕好みの落ち着いた暖色の木造で、たくさんの人を迎えてきた証が木肌の美しい艶に鮮明だった。
洗濯してても毎日同じ服はさすがにだめかなと思って、仕事前に毎日服を一揃い買って着替えて出勤してたけど、今年の僕の仕事は一昨日で終わった。
それからは香澄にあげるクリスマスプレゼントを探し歩いてた。
なにもなくても僕はいつも香澄にいろんなものプレゼントしてるから、香澄の身の回りのちょっとしたものはどれも長く使える良い品に変わってきてたりする。慧に話したら「マイフェアレディか」ってつっこまれた。
だから今日あげるのは実用品とか高くて良い品とかじゃ全然ない、香澄 喜んでくれるかな
それで、今日の僕の服装はどうしようかなと思って、あれこれ迷って、まだ特に香澄とはどこに行くとも何をするとも決めてなかったから、普段の香澄の服装に合わせることにした。
僕の仕事着がいつも少しフォーマル寄りのスーツだから、カジュアルな感じに。もしロケーションや一緒に過ごす香澄の服とちぐはぐだったらデート中に合う服買って急いで着替えればいい。
下はチェック柄の細身のスラックス、シャツを着た上から木製のボタンがかわいいスーツベストを着て、首にゆるゆるしたざっくり編みのニットのスヌード、上からダッフルコート。靴はクロケット&ジョーンズとかいうとこのセミブロ……? お店の人が説明してくれたけど全然覚えきれなかった…
あんまり買ったことも着たこともない系統の服で、ファッションとしてこれでいいのか不安だから冷泉に写メ送ったら「粗を探せと言われれば妙なところが多い気がするけど色の合わせ方は良いから目を細めてものすごく遠目に見れば違和感はない。時間あるならベストかコートかスヌードのどれかを変えろ」って返ってきて、そのあともどこをどう変えればいいか続けて何回かやりとりしてたら最終的に「もう何もするな。動くな。そこでじっとしてろ」って言われて、ブランド店で買ったアイテムいくつも抱えてわざわざホテルの部屋に来てくれた。
慧は買ってきたものを僕の体にあてながら、全身少しずついじったり裾を折ってみたりあれこれ試しながら、最終的には自前の裁縫道具まで取り出して「応急処置だからな」って言いながら余った腰まわりの布とかを縫い縮めて僕の体型に綺麗に合わせてくれた。
慧はプロのスタイリストさながらの手際で僕を着付けて一仕事終えたらグラスの水をぐいっと飲んで一度も椅子に座りもしないままその足で職人みたいにすぐ帰っちゃった。慧らしくはある。
帰り際に振り返って見送る僕の顔をじっと見たかと思ったら、「全身かなりカジュアルに遊んでるからまぁアリか…」ってひとりごと言いながら僕をくるっと後ろ向きにして、髪のゴムを引き抜かれた。
かわりに髪を捻るみたいにしてそこに何か刺された。後ろだからよく見えない…「香澄は喜ぶかもな」って言ってたけど、髪になにがついてるんだろ。
香澄との待ち合わせに遅れないように時計(今日の服に合わせてかわいいのを新調した)を見ながら、大きなプレゼントを片腕に抱えてコートのポケットに手をつっこんで、ホテルを出る。
ホテルのロビーには本物の大きなモミの木を使ったクリスマスツリーが飾られてた。
待ち合わせ場所は去年のクリスマスに一緒にツリーを見た場所。
同じ場所に今年も大きなツリーがあった。
早く着いちゃったから二人分のコーヒーを買ってきて、香澄の分は手に持ってもう片手で飲みながら待つ。
すごく久しぶりにやっと香澄と会える…。って感慨に浸ろうとした瞬間、遠くを一人でうろうろしてる香澄が視界に入ってきてコーヒーが喉から変なとこに入ってめちゃくちゃ噎せた。
コーヒーを近くのお店の塀の上に一旦置かさせてもらって手で口元押さえながら咳がとまるのを待つ。その間も視線だけじーっと香澄を逃さないように追う。僕けっこう目が悪いほうだし今日は眼鏡かけてないんだけど、香澄がいるのは遠くからでもすぐ分かる。
真っ白だ…かわいい…髪の毛の色がよく映えてる…僕があげたマフラーしてくれてる…かわいい
呼吸が落ち着いたらすぐにうろうろしてる香澄のほうへ走り出す、手に持ってるコーヒーは走ると零しそうで邪魔だから道の脇のゴミ箱に二つとも投げ入れるように捨てた、まわり見てなくて途中で何人かぶつかっちゃった人に短く謝りながら走る 「香澄!」
少し離れた場所から声を張って呼んだら振り返って、ニット帽の先についたふわふわが跳ねた、僕を見つけて香澄がぱっと明るい笑顔になる、目の前まで走り寄って香澄の両脇に手を差し込んでそのまま腕を空に伸ばして香澄の体を高く抱えあげた「香澄、天使みたい!」
香澄は持ち上げられたまま、笑ってる僕の肩に手をついてバランスをとりながらわたわたしてる。「ちょっ…なおと、こ、ここデパート、の、往来、」なんか言ってるけど往来とか知らない、香澄がかわいい、白い、もこもこしてる…
持ち上げてた腕を離して僕の体の上に落として滑らせるみたいにして地面におろしてからぎゅーっと抱きしめる、僕の顔の横で帽子の白いふわふわが揺れてる…
「香澄かわいい~~」
声に出したらさらに愛おしくなってもっと強くぎゅうぎゅう抱き締める。香澄は諦めたのか僕をなだめるみたいに背中を撫でてくれた。
ひとしきりそうしてから香澄から体を離すと、香澄を抱えあげるときに地面に落としちゃった大きな包みを拾う。綺麗な道だったから見まわしても濡れたり汚れたりはしてない、包装もしっかりしてるから中身は綺麗なはず。
「それなに?」
「香澄にクリスマスプレゼント。でも今日は歩き回るしまだ僕が預かっておくよ。家に帰ってから、一人のときに開けてごらん」
そう言って包みを脇に抱えた。香澄の頭をわしわし撫でたら帽子がずれたから綺麗にかぶせ直す。香澄は中身が気になるのか大きな目をさらに大きくして包みをチラチラ見てる。喜んでくれるといいな。
「歩き回る? 直人行きたいとこ決まった?」
塞がってないほうの手で香澄の手をとった。手袋してる、親指しか指がわかれてないやつ、かわいい…。繋ごうとした香澄の手に、手袋に、頬ずりしながら笑って言う。
「うん、遊園地にいこう」
僕の一言で行き先が決まった。
二人で横に立ってるクリスマスツリーを見る。
「去年も見たね」
「去年より地面に置いてあるプレゼントのレプリカが増えてる」
「イルミネーションの色も変わった」
「よく覚えてるね」
「うん …覚えてたね」
香澄の体を後ろから抱きしめながら香澄のマフラーに顔を埋める。香澄が僕の体に体重かけてきた。そこは去年といっしょ。
二人ともこの流れを覚えてたのか、そのあと香澄にまたマフラー巻きつけられそうと思って先に香澄の両手を後ろから握って先制防衛したら香澄が笑った。
遊園地までの道すがら、香澄が僕の髪を見ながら言った。
「それ直人が買ったの?」目がキラキラしてる…
「出がけに慧が服装直しにきてくれたんだけど、帰り際に髪に何か刺されたんだ。なにが着いてるの?」
「簪みたいなのの先に小さい金色のかいじゅうくんのチャームが着いてる…」
僕は思わず笑った。
「慧はこれ刺しながら香澄が喜ぶかもって言ってたよ」
クリスマスプレゼントだったのかも、僕にっていうより香澄にって感じだった、慧も香澄に喜んでほしいんだ、香澄は慧から好かれてるね。って香澄の頭撫でながら言ったら香澄はへにゃっと顔を緩めて笑った。
「いま直人は先生の家にいるんじゃないの?」
「最初だけ少しいたけど、今は一人でホテルに移ってるよ」
ホテルの内観や雰囲気や調度品が好きだったから香澄に話したら「俺も行きたい」って香澄が隣ではしゃぐ。
遊園地の入り口に着いて香澄がチケット買ってる間に、ホテルに電話を入れて僕の部屋をスイートルームに変更して荷物の移動までお願いしておいた。散らかしてないからそんなに大変じゃないはず。
こういう賑やかな遊園地に来たのって、僕はもしかして初めてかな? 人混みとかは焦点に迷って人に酔うから昔から苦手だったけど、香澄だけ見てるから今はそんなに酔いそうな感じはしない。
手を繋いで歩く香澄の後頭部でふわふわが揺れる…
香澄が最初のお店で買ったカラフルなソフトクリームを僕の口に向けてくれる、首を伸ばしててっぺんを舌先で舐めた、甘くてひんやりしてて気持ちいい。
ソフトクリームも、他のパステルカラーのメリーゴーランドやお城やアトラクションも、白い香澄がさらに引き立てられてるし、よく馴染んでる、やっぱり遊園地に連れてきてよかった。スマホでたくさん香澄の写メ撮った、どう撮っても彩りも構図も美しい。
香澄に教えてもらってたら僕もスマホの扱いに慣れてきて、だいぶ使いこなせるようになってきた、文字を打つのもはやくなった。
観覧車の前まで来たから二人で乗る。
僕らの身長と体重だと向かい合って左右に座らないとゴンドラが傾きそうだからそうする。
正面に座ってる香澄の帽子が傾いてたから綺麗に直しながら、長く伸びた前髪を顔の横に流す。
「香澄が今日着てる服…」自分で買ったの?って訊きかけてピンときた。「絢が選んだ?」
「うん、ぜんぶ絢が今日のために選んでくれた」
香澄は嬉しそうににこにこする。絢が選んでくれたことが嬉しいみたい。二人が仲良しで僕もにこにこする。
「絢のセンスは間違いないと思うし、まこともいいって言ってくれたけど、直人こういうの嫌じゃない?」
「かわいい」間髪いれずに答えた。
真っ白ですごくよく似合ってる、その帽子すごくすき、ふわふわが揺れるのずっと見てたい、髪の色がよく映えてる、天使みたい、クリスマスツリーの前にいるのすごくかわいかった、羽が生えて飛んでいきそう、飛んでいかれたら僕が寂しいから困るけど、この場所ともよく合ってる、遊園地がぜんぶ香澄の背景のためにあるみたい、
って思ったことずらずら際限なく言ってたら香澄が目を丸くしながら顔を赤くした。かわいい…
キスしたかったけど久しぶりすぎてそのまま抑えが効かなくなるのが怖いから、香澄の手をとって一度手袋をとって、素手の白い手のひらを僕の口元に押し当てるようにして口付けた。
「香澄、ちょっとここでこれ持って待っててね」
観覧車から降りたらファンタジックでかわいい作りのベンチに香澄を座らせて、香澄に僕が抱えてた包みを抱えさせた。一瞬だけど僕が離れる間、香澄の番犬になってね。
近くにいたクラウンがたくさんの風船を手にして来場者に配ってる、後ろに引いてる揺りかごにも在庫なのか数え切れないほどたくさん風船が結んである。
大人が一度にたくさん欲しがったらだめかなと思いながらお金を差し出したら、クラウンは喋らずに笑顔で首を横に振ってお札を持った僕の手を押し返した。
僕に一つ、風船をタダで差し出してくれる。
受け取った僕は首を横に振る。
クラウンはもう一つ僕に風船をくれた。それでも僕は首を横に振る。
クラウンは困ったように腰に手をあてて大げさに首を傾げた。笑って少し離れたベンチに座ってる香澄を指差して言った。「あの子が宙に浮くくらいたくさんください」
クラウンは自分が両手に持っている風船を交互に見やってから、大きく頷いて僕に持っていた風船をぜんぶくれた。
片手にたくさんの風船を引いて歩きながらベンチにいる香澄のもとに駆け寄って、大事そうに抱えてる香澄の腕から包みをとりあげる。見張り番ありがとう。
香澄の手をとってベンチから立ち上がらせる。そのまま香澄の手を引いて広場の真ん中に導きながら香澄の両手に風船を、片手に5個ずつ、僕が持ってるのを全部持たせた。
風の弱い日、風船はみんな綺麗に空に向かって伸びる、数歩下がって、色とりどりの風船を持って真ん中で笑う香澄の写真を撮った。
スマホをコートのポケットにしまいながら香澄に歩み寄って頰をそっと撫でる。
「すごくかわいい、よく似合ってる」笑って帽子から出た香澄の髪の毛の先を指で梳いて、香澄をぎゅっと抱きしめた。
夕飯はホテルでちゃんと食べることにして、僕らはオモチャみたいなかわいいお菓子とか全然お腹が膨れないようなものばっかりたくさん買って二人で交互に食べながらあちこち歩きまわった。
大きなぐるぐるキャンディが舐めても全然溶けなくて減らないって香澄が言うから、香澄の持ってるキャンディに僕が噛みついた。硬い。歯に力を入れて思いっきり噛み砕いたらバキッてすごい音がして粉々に割れた。噛み砕いたカケラをそのまま口に咥えてたら香澄にそこを激写された。
香澄がたくさん風船もってて白くてかわいいから目立ってたみたいで、たまに遊園地のキャストと勘違いされたのか、来場者に写真を撮っていいかって聞かれた。
恥ずかしいのか、もごもご言ってる香澄の隣で「いいですよ、ただしSNSやネットには流さないで」って僕が答える。
写真を撮られるときに香澄の体を引き寄せて目元にキスしてわざと僕も一緒に映り込んだ。
写真を撮っていく人たちの記念写真も僕が必ず撮って、お互いにスマホで撮った写真をその場で交換していった。さよならしたあともずっと僕らに手を振ってくれる小さな男の子に、香澄は笑顔で小さく手を振り返してた。
カメラロールに僕が撮った香澄一人だけの写真じゃなくて、僕と香澄が一緒に写った写真が増えて、さらに全然知らないたくさんの笑顔の人たちの写真も増えた。
今日になるまで香澄を守ってくれた情香ちゃん、絢、まことくん、僕を守ってくれた慧、香澄を守ろうとする絢を助けてくれた人たち、大学の生徒たち、…兄さん、
それだけじゃなかった、僕らの周りに居たのは、
スマホに残った写真の中の名前も知らない、もう一生会わないような人たち、今日この日に数分だけ会って一緒に笑っただけで幸せな気持ちをくれた
「香澄の…僕たちのまわりに居るのは、香澄を害するような人たちだけじゃないよ」
メリーゴーランドの前で立ち止まって、香澄と向かい合って立つ。香澄の頰を両手で包んで、香澄の額に僕の額を合わせて微笑んだ。
「優しい、世界中のみんな、香澄を傷つけていくだけじゃない。僕はそう感じられるときが嬉しい」
それだけじゃないのは分かってる、無害で善意の人ばかりじゃない、今は服で隠れて見えない部分にたくさん重なった香澄の体の傷跡が、背中の刺青が訴える、忘れられない、でも世界はそれだけじゃないよ
こうしてじっと見つめ合ってる僕らをほっといて素通りしていくたくさんの人に囲まれてる 傷つけてこないし関係しない、たくさんの人に、僕が香澄を守ろうとするのとはまったく違う形で香澄は守られてる 僕も たくさんの僕らにとって名も無い人に囲まれて、僕らは在る
「僕は香澄が生まれてきてくれたこの世界が好き」
香澄が風船を持ったまま僕の首にぎゅっと腕を回してきた 視界にたくさんの風船が揺れる
「俺も 直人 誕生日おめでとう」
少し震えるような声が耳元で囁いた
僕は香澄の背中に腕を回して抱きしめ返した。帽子の上から香澄の頭に顔を寄せて、頰をすり寄せる。
香澄が好き、香澄が生まれてきてくれたことが、香澄がいてくれる世界が、僕を愛してくれることが
香澄に愛してもらえることが 嬉しい 僕は…香澄に愛してもらえたことが 僕が愛してるだけじゃなくて 香澄と愛し合いたい 僕は
生まれてきて よかったんだ
「ありがとう。 愛してる 香澄… 」
僕を 愛してくれてありがとう
僕の滞在してるホテルは遊園地から歩いて帰れるくらいの距離にあったから、手を繋いでホテルに一緒に帰った。
途中の道で、ビル風に煽られて風船は香澄の手から離れてどこかに飛んでいってしまった。
香澄が追いすがるように素早くその場でジャンプして一個だけなんとか掴めた風船を、僕にくれた。僕は香澄がくれた最後の一個の風船を大事に手にして帰った。
香澄視点 続き
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服の好み
服の好み。10年以上変わらないので恐らく40代はこのまま行くんだろう。後で見返すために記録しておくことにした。
ジーパンが好き。特にEVISUのが好き。丈夫だし、エイジングも分かりやすく進む。ジャストフィットするやつとルーズフィットするやつを一本ずつ持っている。ジャストフィットするやつは1年くらい前に友達からもらった。ルーズフィットするやつは随分前に新品で買ったやつで、5年くらい前におろして、今じゃかなり良い面構えになっている。
シャツは3〜4つ程度のブランドに集約されている。一つ目はサンリミット。一癖あるスタンダードなシャツ。上野にお店ができる前からここのシャツを着続けているからやっぱりもう10年以上の付き合いなのかも。5型くらい所有していると思う。最近は全然お店に行かなくなったがここのシャツは本当に好き。
二つ目はマーガレットハウエル。もしかするとシャツが好きになったきっかけはこのブランドかも。高校生かそれくらいの頃に古着屋で買ったやつを今でも着てる。全部で何枚くらい持っているだろう。ちょっと分からないが、とにかく全部スタメンだ。
三つ目はコムデギャルソン。他がシンプルなのでこれは遊んだ柄のシャツを買うことが多い。
四つ目はブルックスブラザーズ。これは完全に仕事着としての利用。これまで何枚着たか分からないくらい着続けている。常に5枚ほど常備。
無地のシャツはサンリミット。ストライプやチェックはマーガレットハウエル。パッチワークや不思議なデザインはコムデギャルソンという感じか。
クローゼットを眺めていて気付いたが、マーガレットハウエルのシャツは春夏用の薄手のものしか所有していないようだ。他のブランドではメルトン素材で出来た開襟シャツとかバブアーのジャケットみたいなオイリーな生地で出来たシャツなんかも持ってて、知らず知らずのうちに用途の棲み分けをしているようである。
パンツはあまりブランドで固定せず、自由にいろんなものを履いている。多分、衣服の中で一番好きなアイテムだと思う。
アウターは結構色々持っていて。やっぱり秋から冬にかけてが一番洋服が楽しい季節だから、ついつい色々な服に手を出してしまう。その中でも特に好きなアイテムはセーターとコートだと思う。スウェットはあまり持っていない。
ところでセーターというのはパンツやシャツと比べて寿命が短い気がする。過去に愛でていたセーターはどれも皆、不慮の事故で亡くなっている。なんだろな。星の問題?
コートは所有するアイテムの中でもカルチャーの匂いがするものが多い。そういえば昨日チェックのコートを購入した。ネットで購入したのでまだ手元にないが、以前に一度、実物をみたことがあって、その時からずっと忘れられなかったやつ。そういう思い出の品、憧れ続けた服も徐々に手に入り、残りのリストも少なくなってきた。
そういえば最近、また帽子をかぶるようになった。20代までは帽子っ子だったが、30代になってから全くといっていいほどかぶらなくなった。それがまた数年前から急にかぶりたくなって。
色々試した結果見つけたのはキャップでもニットでもなくハットだった。本当に調子が良いので生地違いをこの夏購入。リネン地のハットは自転車に乗ってる時も風を通すしすこぶる調子が良い。先日、シワを入れたくて乾燥機にかけた。前にミュールバウアーのリネン地のキャップを乾燥機にかけたら大失敗したのでもしかするとダメかと思っていたが結果は成功。最近のお気に入り。コーディネートの中心になっている。
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〈skeb〉の話。
2023.9.21
ブーストをいただいたのでせっかくならこのイラストのデザインや描きながら考えていたことのお話でもしてみようかなと思い、今文字を打っています。
(今後スケブの絵はブーストをいただいたらこれを全部やるかは自分の中では決めていません。とりあえずやりたいのでやってみてるという感じです。ご了承下さい。)
さて、今回いただいたリクエストはゾンビの女の子!
ゾンビ!人外もまともに描いたことない自分には無縁のキャラクターだと思っていましたが、せっかくいただいたリクエストなのでやれるだけやってみたいなと挑戦の意も込めて受けることにしました。
初めての異色肌キャラさんなので本当にうまくいくか出来上がるまでは未知数でした。
▼ラフ
下書きの時点でも個人的にかなりいいと思って描いてました。
正直、少し前にあった某騒動から自分の絵が上手くコントロールできないというか いわゆるスランプみたいなものになっていたので描く前は納得いくものが描けるのすごくすごく不安がありました。
でも描きはじめてみたら、描く前の不安はそこまで感じることなく というかむしろ楽しいかも、と思えていて自分でもかなりびっくりしましたね。
洋服デザインの話
実は最初考えていたお洋服はもっとモノクロな感じのデザインにしていたのですが、このポージングで描いた時にあんまりデザイン的に可愛くないなと思いガラッとデザインを変えました。
自分が納得できないものを人に渡すことはしたくないが依頼を受ける上での自分のモットーなので、リクエスト文章にあったこのゾンビの子の趣味や好きなものの話を何度も読み返してデザインを再検討しました。今回は というかスケブはいつもそのリクエスト文章を参考にそのキャラにあった服装デザインをするよう心がけています。
なのでここからはどうなってあのお洋服を着せることにしたのかというお話をしていきます。
このゾンビの子はモーテムというお名前らしいので、せっかくならモーテムさんとお呼びしますね。
モーテムさんは見た目のとおり、ゾンビの女の子。楽器はできないけど歌が上手で昼はカフェで働きながらロックバンドをしているとのこと。お気に入りのウサ耳帽子(表情が動く⁈)はいつも被っていて、ローラースケートのようなアクティブなものも好きな活発な子。でも自分の足の縫い目を気にしたりとティーンらしい一面もあるとても素敵なキャラクターです!
それを踏まえた上で、アクティブだけど可愛らしいそんな洋服を着せたいなとざっくりイメージを練りました。1番最初に固まったのは絶対フリフリのミニスカートを履かせたい!です。絶対似合うもん、かわいい。脚の縫い目を気にしてるけどそんなの気にならないくらいかわいいお洋服を着せるぞ!という気持ち🔥
既存のキャラに新しい衣装を仕立てる時、自分が大事にしてるのはやっぱりそのキャラらしさ、そのキャラの特徴と言えるものは残したい。なので、モーテムさんの場合、ウサ耳帽子がお気に入りなのでそれは絶対に残してあげたい。
そしてローラースケートとレッグウォーマーもモーテムさんらしさが出せるアイテムだなといただいた資料から感じたのでそれらを組み合わせた衣装にしました。
モノクロメインから赤チェックのセットアップにした理由は、わたしの古の固定概念なのですが昔の海外のロックバンドとかってなんか赤チェックというかチェック柄を男女問わず着てませんでした⁈どこからの知識か全然わからないけど何故かそのイメージが強過ぎてロックバンド要素を入れようとした結果、赤チェックのセットアップになりました。結果的に緑の肌に赤がとても映えて似合ってるのでこの衣装にしてよかったなと思います。
そしてかわいいだけじゃなくてロックな要素もほしいので小物はシルバーで統一してかっこよく、アームウォーマーも左右非対称なデザインにすることで、ゾンビというチグハグな印象を強調しました。
全体的に女の子らしいかわいいシルエットにしながらもアクティブでロック、それとゾンビの要素を感じられるデザインにできたらいいな~と考えた結果の今回のお洋服でした。
なんか思ったよりもイラストのデザインの話になると饒舌になってしまうみたいで自分の想定していた1.5倍くらいの文章量になってるかも…。(これでもかなり短めにしました。)
実は服だけじゃなくて最終的なディスプレイデザインの話もしたかったのですが、とんでもない長文投稿になってしまいそうなので気が向いたらというか需要があれば追記もするかもしれません。
ここまで読んでくださる方がどれくらいいるのか分かりませんが、読んでいただけたのならお付き合いいただき本当にありがとうございます。
こうやって自分の頭の中を文章化するの結構楽しいかもしれない…ので、また機会があればお話しします!
それでは、また。
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中央区で不審者事案の発生
7月25日午後5時00分ころ、福岡市中央区草香江2丁目4番付近の歩道上で、小学生男児等が信号待ちしていたところ、後方にいた見知らぬ男から襟足付近を触られる事案が発生しました。
男は、年齢60歳代、身長175センチから180センチ位、やせ型、黒縁眼鏡、色形不明の帽子、ベージュ色の長袖チェック柄シャツ、黒色ズボンを着用しています。
●見知らぬ人にはついていかない。
●防犯ブザーを持つことなど、お子さんと話し合いましょう。
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配信者:中央警察署
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お問い合わせ・情報提供先 092-734-0110
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◇Vivienne Westwood(ヴィヴィアン ウエストウッド)◇2023年秋冬新作帽子が入荷致しました。
2023年AUTUMN&WINTER最新作
【MESSY TARTAN BASQUE HAT】
定価:14,300円(税込)
MADE IN JAPAN
素材:毛100%
カラー:レッド×ブルー
サイズ:M~S
頭周り:約 57.5cm、高さ:約 11.5cm、ツバ:約 6cm
※アジャスターで約57.5cm~約55.5cmまで調整可能
ハンドタッチで描かれ、幾重にも重なった不規則なタータンチェックがヴィヴィアンらしいバスクハット。
柔らかなウール素材を使用しています。
ワンポイントのORB刺繍が可愛らしいです。
ヴィヴィアン・ウエストウッドらしい遊び心のあるデザインです。
男女兼用で御使い頂けます。
弊社は正規取扱店で有り、勿論未使用、新品です。
※ご覧頂いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がございます。
Gallery なんばCITY本館1F店
〒542-0076
大阪府大阪市中央区難波5-1-60なんばCITY本館1F
【営業時間】11:00~21:00
【休館日】年内無休
【PHONE】06-6644-2526
【e-mail】
[email protected]
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今日はお昼12:30からインスタライブです。
PeachBloomの入澤です。
おはようございます♪
今日は朝、庭掃除してたら雨がさささーーーっ!と降ってきてあわてて室内に入ったのですが
春の雨って感じですね。
オーダーの帽子を念入りにチェックしていたら、あっという間に一日が経ってしまって驚きです。
そしてなぜか最近、しばらく逢っていない知人から連絡が来ることが多いのはなんででしょう。
頑張ってInstagramライブをやっているからなんだ!!って信じたいです。
今日はお昼12:30からインスタライブです。
さて、昨日のチェックされている帽子NO1は
こちら。レースの柄がかわいい
ロマンチックですね。
たためます。
商品ページはこちらからどうぞ
あ!そうそう。公式ラインから通知がこなくてお返事を全くしてないこと1ヶ月。
大変失礼しました。ほんとにもういやんなっちゃいます。
いろいろ設定見直したのでもう大丈夫だと思…
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☆プロトタイプ版☆ ひとみに映る影シーズン3 第二話「現れたイヤなヤツ」
☆プロトタイプ版☆
こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。
段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。
→→→☆書籍版発売までは既刊二巻を要チェック!☆←←←
(シーズン3あらすじ)
謎の悪霊に襲われて身体を乗っ取られた私は、
観世音菩薩様の試練を受けて記憶を取り戻した。
私はファッションモデルの紅一美、
そして数々の悪霊と戦ってきた憤怒の戦士ワヤン不動だ!
ついに宿敵、金剛有明団の本拠地を見つけた私達。
だけどそこで見たものは、悲しくて無情な物語……
全ての笑顔を守るため、いま憤怒の炎が天を衝く!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
དང་པོ་
娑婆に戻ると、一面に緑の木々があった。日本の山林には自生していない植物が多く、人工的な庭園か、あるいは日本国外なのかもしれない。
まずは人がいないか探してみよう。少し歩いていると、開けた場所に誰かが立っていた。魔女みたいにつばの広い帽子を被っているから顔は見えなくて、等身の低さから辛うじて子供だとわかる。その子の前には何故か、屋外じゃなくて家の中で使うようなアンティーク鏡が立っている。
「鏡よ鏡、鏡さん。四一四〇の過去三年の売上高変化率を出してみて」
「はい。四一四〇、養医所製薬の売上高変化率は、三年前年度比マイナス六.二%です」
「十の十一致……っと。アシスタント機能のバグ修正は上手くいったみたいね」
その子……声は低い。声変わり直後の男の子だろうか……は、喋る鏡と会話をしている。童話みたいなシチュエーションで、随分ビジネスライクな話題だこと。邪魔をしては悪いけど、声をかけてここがどこだか尋ねてみよう。私は物々しいワヤン不動から紅一美に姿を変え、霊感がない人にも自分が見えるよう影を濃く取った。そして༼ あの ༽と声をかけようとしたその途端、それを遮るように男の子がまた口を開いた。
「ねえ、鏡よ鏡。どっかの誰かさんがふざけた引退宣言なんてやらかしてくれたけれど、ここの情報はどこにも漏洩してないでしょうね?」
え?
「はい、CEO。リアル株式運用NFTゲーム『白豚姫と七十二の法則』はまだリークしていません」
鏡がよくわからない答えを返しているうち、CEOと呼ばれたその子が振り返った。未就学の子供のように小柄なのに、顔は陶磁器でできた人形のように美麗な大人の顔で……一目で作り物だと理解できた。
༼ ひょっとしてここ、ゲームの中ですか? ༽
人工庭園どころか、ここはバーチャル空間だったようだ。3DCGにしては随分とよく出来ている、なんなら和尚様の須弥山よりリアリティが高い。CEOさんは白雪姫の魔女を模したアバター姿だけど恐らく男性だ。
「そう。ブロックチェーン技術で仮想通貨や実際の小額投資が運用できる、次世代のゲームを作っているの。最初はお手軽なモバイルアプリとして発表するつもりだけど、世界観を大切にしたいから、開発チームには全員メタバース内に潜ってリアルタイムプログラミングさせているのよ……あ、これ社外秘ね」
CEOはなんだか凄そうな極秘事項を、初対面の私にペラペラと喋る。大丈夫なのか? と思っていると、私の中でドマルが閃いた。この魔女、もしや……
༼ 失礼、少しよろしいか? あなたは一美のお知り合いと見受けられるが、拙っ……私は本体である紅一美の肉体を悪霊に盗まれて、『ワヤン不動』の記憶以外殆ど思い出せないのです。できれば今一度、あなたや一美の話をご説明頂けないかな ༽
「えぇ? またまた。……って、マジで私の事、忘れちゃったの!?」
魔女アバターが驚きの表情を作った。よく出来ている。
༼ マジです ༽
「勘弁してよ一美ちゃん! 私よ私、平良鴨悟(へらがも さとる)! 平良鴨証券グループ会長、金融アルマゲドンを制し世界長者番付第一位を獲得した億り人の!」
༼ なるほど、つまり芸能界のタレント仲間 ༽
「ちっがーう! そりゃ一美ちゃんと初めて会ったのはショービズの世界でだけど、今はもうNIC関係者同士の友達。うちの本社にデグーの霊が出た時だって助けに来てくれたじゃない!」
そんな可愛いイベントあったっけ、ぜんぜん思い出せない。でも、こうして話しているとどこか懐かしさは覚える。……あれ? そういえばこの人、対アンダスキン戦で共闘したNIC出身の超脳力者さんと似ているような……
༼ ひょっとして、譲司(じょうじ)さんのご家族ですか? ༽
「なんで兄ちゃんの事は覚えてるのよ!!」
なるほど、彼の弟さんだったみたいだ。
悟さんから情報を聞き、改めてこれまでの経緯を整理してみる。まず私は二〇一三年の夏に如来に肉体を奪われた。以降も一美は表向き、これまで通り芸能界で活躍している。しかし彼女と親しかったNIC関係者が異変に気付き調査したところ、下水道からワヤン不動の魂が宿った金属ペンダントの一部破片を発見。過去金剛の霊障事件の証拠品として保管していたムナル和尚様の遺骨を使い、ワヤン不動の復元に成功した。そうして蘇った私の魂は、NIC本部よりも狙われにくいスポンサー企業、平良鴨証券グループに移送され、まだ世間には未公開の亜空間(メタバース)内に安置されていたという。ちなみに今は二〇一四年十二月末だそうだ。
「うちのローカルサーバーは対霊性も高い特別なセキュリティルームにあるの。機密情報がお化けとか透視脳力者経由でリークしないとも限らないからね。それなのにあんたったら、何千人も生霊を引き込むんだもの。全くとんだ邪尊様よ!」
༼ す、すいません。まさかそんな事になってるとは知らなくて ༽
「まあいいわ。ともかくNICも金剛有明団を潰す方針は一緒だから。あなたが目覚めたからには明日から忙しくなるわよ」
གཉིས་པ་
NICは正式名称を『国際超脳力研究機関(National Institute of Cerechology)』という。人の脳が百パーセント活性化する全知全脳(ぜんちぜんのう)という現象に着目し、エスパーや霊能力などの超人的な力を研究する医師団だ。ワヤン不動復活と邪尊の引退宣言も当然関係者の耳に入っていて、NIC全支部合同で金剛有明団への対策を話し合う緊急カンファレンスが開かれる事になった。
私達は悟さんの自社用セスナで、カンファレンス会場であるNICアジア支部本部、インドネシアのバリ島へ向かう。アイドリング中の機内で待っていると、悟さんを含めて三人が搭乗した。一息つく間もなく離陸が始まり、セスナは轟音に包まれる。お互いの挨拶が始まるのは雲の上に上がってからになりそうだ。
外は夜だった。見覚えがあるような、ないような、しかしなんとなく日本っぽい夜景が広がっていく。記憶を完全に取り戻したら、ここがどの都市だかわかるのかな。
夜景はやがて灰色の雲に覆われ、機体が地面と平行になる。ジェット音が落ち着くと、悟さんがシートベルトを外して、私のいる後部座席側に向き直った。
「金沢の夜景も綺麗だったでしょ? 東京より上品で。鼓門は見えた?」
༼ カナザワ? ༽
「これは重症だわ」
なんとなく日本の地名らしきニュアンスしかわからない単語をオウム返しすると、悟さんはまるで原始人を見るような目をする。
「本当に殆ど戦いの記憶しかないようね。いいわ、みんな改めて挨拶会しましょう。『蟻』は初対面だしね」
セスナの乗員は私と悟さんのほか、小柄な運転手の壮年男性と、ダウンコートのフードを目深に被った身長二メートル越の寡黙な偉丈夫。蟻と呼ばれたのは……運転手さんだろうな。
「まず私。さっきも名乗ったけど、平良鴨悟。NICのコードネームはエイミィ。ヒエロニスト(熱念力使い)で、霊感はチョットだけ。移動費はこっち持ちだから気にしなくていいわよ」
自己紹介しながら、悟さんは細い煙草を取り出す。眉間から一瞬小さなスパークが走ると、煙草が火花を上げて発煙した。彼は自分の脳力を実演し終えると、そのまま煙草を咥えた(自社用機だから喫煙は自由なんだろう)。そしてコードネームというのは恐らく、秘密組織であるNIC内で使われる名前か何かだと推測できる。
次に運転手さんが振り向いた。
「初めまして、ワヤン不動様。私は平良鴨証券CEO秘書、有働義人(うどうよしひと)と申します」
有働さんは年齢の割に背筋がぴんと張った男性だ。眼鏡の右目部に装着されたウェアラブルディスプレイが引っ切り無しに明滅し、時折右目だけギョロギョロと何かを読み取っている。
「私専用の『SSR秘書』よ! マルチタスカーで、重度のソーシャルゲーム廃人。ゲームさえ自由にさせてあげれば、どんな仕事だってこなしてくれる最高の働き蟻なの!」
悟さんに誇らしげに紹介されると、有働さんは奥ゆかしい笑顔で会釈して再び飛行機操縦に戻った。彼はスマートグラスで常に様々なゲームを並行周回しながら業務に従事しているようだ……NICの脳力者並にすごくない? SSR秘書。
「あんたも何か喋りなさいよ、旦那クン。それとも、奥さんに忘れられてるかもしれないのが怖いのかしら?」
有働さんの紹介が終わった後、最後に悟さんに声をかけられたのは偉丈夫だ。彼がのそのそとフードを取ると、中の顔も重たい前髪で殆ど隠れていた。でも、その淡く発光しているような青白い髪にはとても見覚えがある。
༼ ���戌神(おいぬのかみ) ༽
「!」
名前を呼ばれたその偉丈夫、御戌神は、僅かに口元を引きつらせた。彼は御戌神。江戸時代に金剛によって生み出された祟り神の生まれ変わりだ。人間としての名前は……何故だろう? ワヤン化している最中も何度も呼んでいたはずなのに。まるで心に鍵がかかっているように思い出せない。
「なに、あんた達夫婦喧嘩でもしてるの?」
私が御戌神と呼んだからだろう。悟さんが茶化す。夫婦と言ったが……よく見ると、御戌神が隠すように握っている左手の薬指には、シンプルな銀の指輪があった。
༼ もしかして……私の、夫? ༽
一美は結婚していた? そんな記憶は毛ほどもない。しかし会話の流れからすると、私は実の夫の名前すら忘れているのか!?
「……一美ちゃんとは、結婚してない」
御戌神が初めて口を開いた。
「僕が入籍した彼女は、如来に乗っ取られた後ので。嫌で嫌で仕方なかったけど……金剛の変な男に一美ちゃんを取られたら、本当にコトだから」
少し訛った言葉を絞り出しながら、御戌神は左手の薬指を苛立たしそうに掻きむしった。その指先は蕁麻疹のようにぼつぼつと荒れていた。彼は相手が如来だと気付いていながら、私を金剛から少しでも遠ざけるためにプロポーズしたのか。なんて事をさせてしまったんだ……。
༼ 光(ひかる)君 ༽
自責の念で心臓がきゅうと絞られるような感覚になり、その拍子に私は自然と彼の名前を口にした。すると光君は諦めきったような微笑みを浮かべ、
「今は御戌神で。名前は一美ちゃんが完全に戻ったらだ」
私を遮った。
「僕は御戌神。影法師と対になる、光で戦う犬神。ワヤン不動にゃ及ばないかもけど、ちゃんと戦力に」
皮肉にも、彼の戦闘状態は鮮明に覚えている。青白く輝く巨大な狛犬になった彼と、影の私は連携して大散減を倒したんだった。
しかし彼は初対面時と比べ、とても垢抜けた。柔らかそうなファー付きロングダウンコートが胴をすっきりと見せ、下半身は座っても丈がしっかり足首まである、ストレッチ性が高そうなサイドラインのジャージパンツ。だけど都会的になった彼を見ると、どこか悔しさを覚える自分がいる……。その気持ちの理由を知るためにも、絶対に自分の体と記憶を取り戻さなきゃ!
གསུམ་པ་
バリ島に到着すると、まず通常の旅客機と同様ングラ・ライ国際空港に着陸する。そこから先は一般客と異なる動線へ誘導され、いかにもVIP待遇といわんばかりのトントン拍子で入国審査が完了。あっという間にインドネシア入りしてしまった。
入国後は有働さんがチャーターしたロールなんとかという車で、アジア支部本部がある港町パダンバイへ向かう。時刻は既に深夜一時過ぎ、酔った外国人観光客を乗せたタクシーの大群で道路は埋め尽くされている。でも信号がほとんど無いから、意外と早く目的地に到着した。
世界規模の秘密組織の支部と聞いた時、私は二種類の外観を想像していた。政府関係者しか入れないような厳重な門がある施設か、あるいは地下室など一般人に気付かれないようカモフラージュされた見た目だ。その答えは実際どちらでもなく、よくありがちな総合病院の別棟に構えられた関係者向けフロアだった。御戌神も私と似たような思索を巡らせていたようで、「意外と普通だ」とつぶやいていた。
入口で名前と指紋を登録して本部に入館する。心霊扱いの入館手続を行う私だけ、指紋代わりに魂からエクトプラズムの一部を採取されるようだ。
「わぁ、シャドーパーソンの方なんですか! 私、この採取で幽霊さん以外のお手続き初めてなんですけど、痛かったら言って下さいね~」
心霊担当の事務員さんが親切に声をかけながら、注射器に似た機器で私の魂を採取した。特に痛みはない。私は彼女に快く会釈して入館した。
エントランスは二フロア吹き抜けのホールになっており、端に来客用のソファがある。そこに座っていた恰幅のある黒人男性が私達を見ると、立ち上がって出迎えてくれた。
「ワヤン不動様ご一行、ようこそいらっしゃいました。NIC総本部長のヴァーヴィアポワです、よろしく」
ヴァーヴィアポワ氏と挨拶の握手を交わす。その手はじっとりと汗ばみ、少し震えているように感じた。私に続いて悟さんも彼の手を握る。
「やだぁ、固くなっちゃって。そりゃ彼女はワヤン不動だけど、私の友達だから緊張しなくていいのよ、『オニイサマ』」
「えっ!?」
ヴァーヴィアポワ氏がギクリと硬直した。お兄様?
「い……いやぁ~! だって、その。仏様を前に緊張しない人はいないぜ、エイミィ! あ、あはははは……」
「?」
どういう関係かは解らないけど、二人は旧知の仲のようだ。秘密組織トップと大スポンサーのCEOだから、当然といえば当然かな。悟さんは私に内緒話をするように身を寄せるも、ヴァーヴィアポワ氏が振り向いたらそのまま離れていった。
私はカンファレンスルームに、他のみんなはラウンジに通された。カンファレンスルームは非常灯や天窓がくっきり見えるほど薄暗く、広さや内観がわかりにくい。ただ奥の壁にある窪んだ飾りスペースに、やけに気味悪い黄色い顔の人形が飾られているのだけ見えた。なんだかやけに陰鬱な雰囲気だ。
長い一本の机に等間隔に並ばった椅子には、既に数名の男女がズラリと座っている。彼らが世界各地域の支部長だろう。その最奥、上座というかいわゆるお誕生日席にヴァーヴィアポワ氏が着席。私の席も彼の横に用意されていた。背後から不気味な黄色人形の視線を感じる。
「改めて皆さん、お集まり頂きありがとうございます。こちらがこの度ご復活なさったドマル・イダムの憤怒尊、ワヤン不動様です」
まばらに拍手が起こる。
「本題に入る前に、皆さん簡単な自己紹介をお願いします。まずは僕、総本部長のヴァーヴィアポワだ。専門は脳神経外科、脳力はチャネリング(精神交信)。よろしく」
薄暗くて読みづらいけど、机にはそれぞれ名札が立てかけてある。ヴァーヴィアポワ氏のは「Vurviapois(ヴァーヴィアポワ)(Ralf Haenel(ラルフ・ヘイネル))」、上がコードネームで下が本名か。私のは「Wayang Acala(ワヤン不動)(Hitomi Kurenai(紅一美))」となっている。
「EU支部長、耳鼻科医のトミスです……体内に、特別な放線菌(バクテリア)を飼ってます。感染症でお困りの時、力になれますです」
「やあワヤン不動! 僕ぁ欧米一のカリスマ美容外科医、ストイコル。脳力はもちろん、プリシジョン(超緻密動作)さ!」
「アタクシはセントプリーア。幽霊だけど、歴とした南米支部長の産婦人科医よ。これから生まれる胎児ちゃんとお話したり、カワイソウな子に才能を与えてあげる仕事をしてるの」
そういえばNICは医師団。ここにいる支部長さん達も、みんな様々な分野で活躍するお医者さんのようだ。EU支部長は控え目な若いヨーロッパ系の女性で、欧米支部長は絵に描いたようなガタイのいい白人アメリカ人男性。南米支部長は痩せ細ったヒスパニック系の幽霊女性だ。引き続き、時計回りに机の向かい側の方々も挨拶する。
「アフリカ支部長のナサモー、職業は軍医です。脳力はありませんが、一族伝統の整体術を心得ています。その効力を現代医学で解明するのが我が使命です」
「やーあ支部長諸君、そしてワヤン不動君! 私は中東支部長のコネンティンだ! 私の予知脳力は、小児科病棟のちびっ子諸君に大人気なんだぞ!」
「Hey Yo! 俺はベェフェ、アジアの妖神(アヤカシ) 牛の身体に一本足 音楽療法士! カウンセリング 患者の話はシカッティング 着ぐるみ疑惑? それすら俺のブランディング!」
……こっち側の人達、みんなキャラが濃い。アフリカ支部長はアフリカっぽいフェイスペイントをした男性で、何故か会議の日にも関わらず迷彩服を着ている。ユダヤ教徒ルックな中東支部長はこの中で最年長のおじいさんなのに、一番声が大きくてハツラツとしている。アジア支部長はなんというか……牛だ。角があって可愛い女の子声の、性別不明の牛。ドマルの記憶知識によると、古来から音楽を通じて人間と関わってきた中国の神様らしい。
それにしてもさっきから、ずっと薄暗い部屋にいるせいかどうも具合が悪い。以前は動きが鈍くなりこそすれ、こんな風にはならなかった。復活したてで本調子じゃないのかな。
「全員挨拶したね。そうしたら金剛有明団対策会議を始めるけど……実はワヤン様、僕達はあなた方が来る前に既に結論を出しているんだ」
༼ 結論? ༽
「ああ。僕達は……」
彼が答えようとしたその時、突然私の魂に直接テレパシーが届いた。
『逃げて、ワヤン不動! 僕達は操られてる!!』
༼ へ? ༽
「……僕達は金剛側につく。そしてここで君を始末する事に決めたのさぁ!」
ガタガタッ! NIC支部長達が一斉に立ち上がり、薄暗かった部屋の電気が完全に消えた。しまった、これは罠だ!
བཞི་པ་
突然の不意打ちから始まった戦闘、相手は世界を代表する七人の超脳力医師! 漆黒に包まれた最悪のコンディションで、私は迷わず非常口のライトに影体を滑らせる。ところが危ない、何か鋭利な刃物を持った欧米支部長が突撃!
༼ おっと! ༽
間一髪で回避! しかし取り囲まれてしまった。私が光源の近くでしかまともに戦えないのを全員知っていたようだ。
「君の弱点はお見通しさ、ワヤン不動!」
夜目を凝らしてよく見ると、得物は硬化した彼の爪だ。全身を細胞レベルで自在に動かせる彼の脳力、プリシジョンによる技だろう。爪ならティグクで折れそうだ、こちらも武器を捻出して……うっ!?
「多勢に無勢だと忘れてませんか?」
「うふふ、カワイソウ……そそるわ、その苦しそうな表情……!」
その声は、放線菌を飼っているEU支部長と幽霊の南米支部長! 体が重い。私は菌と霊障に感染してしまったようだ。動きの鈍ったところでアフリカ支部長に関節技をかけられて拘束される。普通の敵ならここで影炎で一掃が可能、けどさっき『彼らは操られている』って声が聞こえたから火傷をさせるのはマズい!
༼ それならこうだ! ༽
非常灯の僅かな光源を編み、メロンバリアを張る! 押し出されたアフリカ支部長を影踏みで拘束し、壁伝いに天井へ這い上がる。非常灯より暗いなりにも外光がさしているし、天井付近は飛べない人は近寄れないはず!
「はっはっは、天窓に向かうのも想定内だ!」
予知脳力者の中東支部長が高笑い、天窓には既にラッパー妖怪アジア支部長が待ち構えていた! この最悪コンディションで牛一頭と闘えっての!?
『落ち着いて。ベェフェ君は僕より運動音痴だから!』
再びテレパシー! いや、いくら運動音痴とはいえ牛!
「怖気づいてるぜ明王!」
牛突撃! ……いや、めっちゃ遅い! 普通に避けて、そのまま影踏みで足止めを……ん? 動けない!?
「俺はツイてるぜ衝動!!」
牛激突! 体感した事のない鈍い衝撃が全身を貫き、私はカンファレンスルームの最も暗い角に叩きつけられた! 影体がバリバリと電気分解し、気の遠くなるような感覚に襲われる。何だ、さっきの……体を硬直させる脳力者はいなかったはずじゃ!?
『あわわわ、どうしよう、ワヤ……「いや、さっきからうるさいんだけど! 邪魔しないでくれる!?」
ヴァーヴィアポワ氏が自分の頬をバシンと叩くと、唯一私に味方してくれていたテレパシーが遮断された。そうか、彼はチャネリングの脳力者、操られながらも僅かに残った意識で警告してくれていたんだ。でも、私は既に支部長達に取り囲まれて万事休す。金剛を倒すため蘇ったワヤン不動も、もはやここまで……この場の誰もがそう確信したその時!
「ガルァァァ!!!」
カンファレンスルームを突如切り裂く青白い閃光! それは一直線に私の影体を攫うと、その広い背中にヒョイと乗せて威嚇体制を取った!
༼ 御戌神! ༽
「話は全て聞かせてもらったわ。どこの豚だか知らないけど、NICと私達に喧嘩を売るとは見上げた根性ね」
目や指先を鉄のように赤く熱した悟さんも入室! 実はさっき、悟さんに背中に何か付けられた感触があった。取ってみると、それは霊声やテレパシーも拾える小型の高性能盗聴器だった。
「い、いや、違うんだエイミィ! これは……」
「NICコードネームは脳力者職員同士が敬意をもって呼び合う。しかし家族やプライベートな間柄は本名で呼ぶ事が殆ど……あらぁ? 妹の夫である私の事は下の名前で呼んでいらっしゃってましたよねぇ、『ラルフ』義兄(ニイ)さま?」
「ぐッ……いやいや、最初から見抜かれてたとはね……。いや! でも形成は変わらないよ。君らに支部長共は攻撃できないからねぇ!」
攻撃特化の二人、欧米アンドアフリカ支部長が出る! 欧米支部長は爪を通り越して肘下全体を硬化し御戌神へ、アフリカ支部長は見たことのない一族伝統格闘技の構えで悟さんへ!
「黙れ焼豚!」
ブァホオオォォオ!! 悟さんのヒエロニズムでアフリカ支部長炎上! 私も光君の輝きを借りて回復そして武器発現、欧米支部長の両腕を炎のティグクで容赦なく切断!
「ギャアアアアア!!」
「いや、なッ、お前ら人の心ないの!?」
操ってる奴ドン引き! すると相変わらず片目でゲームをしながら有働さんも入室。
「ここは病院ですから、介抱なら後でいくらでも可能です。そしてワヤン不動さんは本来癒しの仏。彼女がお力を取り戻せば、皆さんの感じる痛みも和らげてくれるでしょう。それから……」
有働さんが斜めに半歩下がると、彼の後ろから一人の女の子が現れた。少女が支部長達に両手をかざすと、
「スリスリマスリ!」
シュパアアァァァ! 突然辺り一帯にパステルカラーの雲霧が立ち込め、次の瞬間支部長達は全員気絶! この力……そして、この子は!
「お久しぶりです、ヒトミちゃん。オモナ! かわいいワンちゃんね!」
༼ イナちゃん!? ༽
彼女はパク・イナちゃん。私と同じく愛輪珠如来に因縁のある、巫俗(巫女)の女子高生だ。どういう経緯かは思い出せないけど、アンダスキンを退治した時一緒に戦った仲間だ!
「譲司兄ちゃんの弟さんに呼ばれてびっくり、パジャマのまま来ちゃたヨ。ここのみんな、気が乱れてた。でも私治したからもう大丈夫! ねえワンちゃん触っていい?」
イナちゃんの霊能力は理気置換術(りきちかんじゅつ)、人や霊魂の乱れた気を正す、儒教に伝わる気功療法だ。支部長さん達はとりあえず憑き物が取れ、全員動かなくなっているが命に別状はなさそうだ。心なしか部屋全体も明るくなった。しかしイナちゃんは御戌神を撫でながら首をかしげる。
「オモ? ヘンね。この人達操ってたお化けいないヨ? 理気置換術当たったら、いい子ちゃんになてるのに」
「逃がしたかしら? そんな気配はなかったけど」
悟さんと有働さんも周囲を見渡すが、それらしき気配はない。ところで、私にはなんとなく敵の正体がわかる気がする。敵は大人数を操っていたにも関わらず、一人か二人ずつでしか攻撃してこなかった。本人の気配も少ないし、術を使っていたのは一人である可能性が高い。特徴としては、暗い場所に関わらず正確に行動でき、乗っ取りを解除されたら室内が明るくなった。そして何より、最初から影法師が暗闇に弱いと知っていて、幽霊や脳力者の金縛りは通常効かない影体の動きを止められた。それに当てはまる人物は……
༼ ひょっとして、相手も影法師か? ༽
そう。同業者である可能性が高い。すると有働さんが何か閃いたようにタブレットPCを取り出した。
「インドネシアで影神(ワヤン)と申しますと……私が愛好しているソーシ��ルゲームに、このようなキャラクターがいます」
一同でモニターを覗くと、そこには黄色い肌のアニメ調美少女キャラクターがいた。格闘家の道着に似た格好で、足元から伸びた黒い触手が体の周りを漂い、額には黒い大穴が空いていて、そこからさらに小さな顔が覗いているデザインだ。右下には銀色の文字でNと書かれている。
「これはバドゥクン・サンテット、インドネシアに古来から伝わる暗殺呪術師です。未確認生物シャドーピープルを生み出した開祖とも言い伝えが……」
すると有働さんが説明している最中、どこからか声が聞こえた。
「……いやレア度ノーマルかよ!」
「ん?」
全員が周囲を見渡す。やっぱり誰もいない。
「気のせいですかね。ともかく、そういう神様がいるんです。非常に狡猾で好色、風見鶏のような事大主義者と言われています」
「いやいや悪意ありすぎ! 人間は��いボクたまに嫉妬してるだけっしょ!」
今度ははっきりと聞こえた。声の方角にいたのは……あの不気味な黄色い人形だ。私は悟さんに目で合図し、ヒエロニズムの遠隔発火攻撃を頼んだ。
「イヤあっちゃちゃちゃちゃ!!?」
人形が炎に包まれると同時に、黒々とした大量の帯電エネルギーが溢れ出す。それはたちまち部屋中の影を吸収しながら人形の炎を鎮火し、その体を人型サイズにまで肥大化させた。
「いやいやいや~。キミたち如きカスどもが、このボクたまを見つけるとはイヤ恐れ入ったよ! いやそれにしても、そのキャラクターちょっとは可愛く描けてるね。いや、本物のボクたまには到底及ばないけど!」
妙に否定から入る口癖のソレは、どうやら有働さんの読み通り。これが全ての影法師(シャドーピープル)の開祖とは眩暈がするが……
「いやあ、ボクたま優しいからちゃんと名乗ってあげる。大神影(ワヤン)、バドゥクン・サンテット。可愛ぃ子ちゃんには弱いけど……ボクたまが一番カワイコチャーン!!」
ལྔ་པ་
バドゥクンも影法師なら闇には弱いはずだ。となるとさっきの暗い部屋は、恐ろしい事に全て彼の術下だったのだろう。だからさっきやけに具合が悪かったんだ。
༼ 待て、バドゥクンとやら。お前も金剛の手先か? ༽
「いや、あいつらとは関係ないね。けどあいつらすっごく強ぇから、ボクたまうーんとゴマ擦ってあやかってやるのさ!」
༼ なるほど、伝承通りのゲス野郎。なら容赦する必要なし! カハァーーーッハハハハァーーー!!! ༽
ティグク発炎! 私は嬌声を上げながら御戌神の背中を跳躍しバドゥクンに迫る! 最近ずっと恩師とか味方の人とばっかりで本気で戦えなかった鬱憤を晴らしてくれるわ!!!
「イヤアァあっちぃ! いやんもぉ、ボクたまの超キュートなお顔が燃えちゃうだろ!?」
「ぜんぜんかわいくないヨ! お顔キモいヨ!」
オルチャンガールの辛辣なツッコミ! バドゥクンは外殻である人形の体を盾にしながらちょこまかと動き回り、影法師術の数々で私の体力を削ろうと試みる。影踏み、影移し、影鏡、メロンバリアー……だがそれらは全て私も使える技だ! 応酬!
「いやね? 金剛有明団はアガルダっていう楽園を作るのにお前が邪魔らしいけど、それはボクたまにとってどーだっていい。でもワヤン不動、ボクたまはお前の事が個人的に気に入らないんだ!」
するとバドゥクンが見た事のない構えを取る!
「せっかくボンキュッボンのクセにぜーんぜん色気のない戦闘狂いって感じでさぁ、しかも前世が邪尊で引退宣言!? いやいやふざけんな! 世界的に神影(ワヤン)のイメージが悪くなっただろうが!」
チュタタタタ! 突如バドゥクンの手元から光と影を練った小弾が射出される! 私は一歩下がってそれを回避。するとその瞬間既に間合いを詰めていたバドゥクンが私を掴み、
「死ね、『影縫い』ッ!!」
ブレーンバスター! 吹っ飛ばされる! しかし間一髪、壁に叩きつけられる直前に柔らかい光のクッションが私を守った!
「援護は僕が。反撃を!」
背中に私を受け止め、御戌神は跳躍状態のまま空中で翻り激しく発光! バドゥクンへと続く光のトンネルを作りそこへ私を振り落とす。
༼ こちらにも奥の手はあるぞ! ༽
空中無敵ゾーンで体制を整えた私はそのまま突進すると見せかけ直前で停止。相手の反撃ビームを一度かわしたのち、光の壁に隠して這わせた灼熱神経線維でバドゥクンの全身を爆破!
「いやああぁぁ!?」
ヴァダダガガァン!!! 須弥山をも砕く衆生の怨恨で外殻人形は瞬く間に灰塵と帰す! 現れた中の本体は……人形と寸分たがわぬ同じ顔! どれだけナルシストなんだこいつは!!
༼ 念彼観音力ィィーーーッ!!! ༽
本体一刀両断! スタングレネードの如く光と影が爆ぜる!!
「チクショオォォーーー!! ……いや、まだだぁ!」
明暗錯綜するカンファレンスルームの中で未だ闘志衰えぬバドゥクンは必死に影体を練り上げ、天井に黒々とタールのような不定形塊を捻出した! まさに影法師開祖の意地!
「喰らいやがれ究極奥義、影影無窮(えいえいむきゅう)……」
「お黙り焼豚!」「ガルルァァ!」「スリスリマスリ!」
「イヤアアアァァーーー!!?」
必殺キャンセル!! まさかの仲間三人同時攻撃でバドゥクン再破裂! さしもの開祖様もあえなく墜落。丁度落ちていた人形の灰の山にスルリと入魂すると、もはや再び動き出す体力は残っていなかった。
དྲུག་པ་
最古の神影(ワヤン)はしぶとく、バドゥクンは消滅は免れたようだ。水をかけて冷ました灰にイナちゃんのお札を貼って封印し、みんなで荒れたカンファレンスルームの机や椅子を片付けていると、NIC支部長さん達が目を覚ました。
「うう……酷い目に遭いましたです……」
「やれやれ! 天下のNIC支部長軍団が全員乗っ取られるなんてな」
EU支部長は菌達の無事を確認するように全身を見回し、欧米支部長は崩れた髪型を直す。一方アフリカとアジアの支部長達は自分の身なりには目もくれず、弱体化したバドゥクンの灰山をペンなどで刺して仕返しに興じている。中東支部長は、引っくり返って一人で起き上がれなくなったヴァーヴィアポワ氏……もとい、ラルフさんを手伝っている。
「ふぅ、ごめんねワヤン不動。NIC職員は自分の脳力を過信しすぎちゃう悪い癖があるけど、ここのセキュリティはもうちょっとしっかりしないとね」
༼ いえ。ラルフさんに送って頂いたテレパシーのおかげで、悟さんに一早く異変を伝えられました ༽
「ああ、サトくん! 久しぶり! 金融アルマゲドン、お疲れ様。カスプリアもサトくんが一位で喜んでたよぉ」
「まあラルフお義兄様、お体は大丈夫? ヘルニアやってるんだから、少しは痩せなきゃだめよ!」
正気に戻った総長と悟さんが内輪の話を始めたので、私と御戌神、イナちゃんはバドゥクンに尋問を行う事にした。
༼ さっきお前が言っていた究極奥義とやらは、どんな技だったんだ? ༽
「イヤ……誰がお前なんかに……」
圧。
「ヒェッ! い、いやだなー、御冗談ですって不動の姐御! いやね、影影無窮というのは、つまりあのメロンみたいな結界をもっと強固に張って、中の暗黒空間で影武者や影写しした傀儡を好きに操るっていうか」
「よくわかんないヨ!」
「イヤぁん!」
イナちゃんに小突かれて涙目になるバドゥクン。まあ、専門用語が多かったがメソッドは理解できた。NIC支部長さん達を操り、あの部屋全体を自分の術下に置いていた技が影影無窮か。かなりエネルギーを消費しそうだけど、御戌神と一緒なら私もできそうだから練習しておこう。
༼ もう一つ。さっきお前が言いかけた金剛の楽園アガルダとやらは、どこにあるんだ? ༽
「へへぇ、それはですね……」
バドゥクンが言いかけたその瞬間、目の前に急に柱のようなものが立った。……いや、違う。これは……これは、散減!?
「いっ……ゃ……ァ……!?」
パシュン! 散減に食われたバドゥクンは溶解と破裂の中間のような音を立てて分解霧散、完全に逝去してしまった。金剛に因縁深い御戌神とイナちゃんも戦慄する。
「ああ、カワイソウ、カワイソウ。弱くて惨めなお人形さん……壊れちゃった」
その時、散減が発する白濁乳と同じ悪臭を纏っていたのは……
「南米支部長、セントプリーア?」
ラルフさんが驚愕する。まさか、NICの中に金剛の人間がいるなんて。
「それに比べて、ワヤン不動。囚われの仏じゃなくなったあなたってぜぇんぜんカワイソウじゃない!」
私は考えるより先に動いていた。南米支部長の幽体にティグクを振りかぶる。ズンと物を斬る感触! が、それは南米支部長を庇って飛び出た散減!
「きゃあああぁぁーーーーーーーっ!!!!!」
つんざくような悲鳴! 散減の断末魔か……違う! 南米支部長だ!
「ついにッ! ついにワタクシに手を出した……暴力を振るったわね! 繊細でか弱いこのワタクシを! 卑劣な加害者め、あなたを絶対に許さない!」
南米支部長は私を軽蔑に満ちた目で睨む。な、なんなんだこの、被害者意識の塊みたいな女は!?
「フゥ、フゥゥ……ワタクシはこれから代理母のお腹から生まれ変わるわ。そうしたら仏のあなたはもうワタクシを傷つけられない! 衆生になるんですものね。それともワタクシを殺して殺人鬼になる方が、邪尊さんにはお似合いかしら? ウフフフフ、それじゃあね」
༼ ま、待て! ༽
裏切り者の南米支部長はそのまま消えてしまった。バドゥクンは消え、敵の本拠地ももうわからない。何もかもが振り出しに戻り、カンファレンスルームは再び陰鬱な沈黙に包まれた……。
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12月もあっという間に3分の1が終わり、いよいよラストスパート。 年末ですが新商品入荷していますの是非チェックしてみて下さい。 こちらはCycle Zombiesから、 ツリーカモのような迷彩デザインのストラップキャップ。 存在感のある総柄デザインの5パネルキャップ。 フロントにロゴの刺繍。 サイズはベルクロのストラップバックで調整可能。 深すぎず浅すぎないボディ。 カーブバイザータイプ。 ※総柄の為、デザインのパターンが写真と異なる場合があります。 @cyclezombies @cyclezombies.jp ストラップバックキャップ Cycle Zombies サイクルゾンビーズ BLACK LIST HAT CZ-PFPC001 https://www.luglowrs.com/shopdetail/000000003944/ Cycle Zombies全商品 https://www.luglowrs.com/shopbrand/cyc/ SHOP:https://www.luglowrs.com/ LINEの友達登録はこちら 初回300円OFFクーポンプレゼント https://line.me/R/ti/p/%40gle3450x #surf #beach #california #cali #usa #socal #la #CycleZombies #motercycle #newarrivals #shoping #luglowrs #cap #hat #snapbackcap #サーフィン #モーターサイクル #サイクルゾンビーズ #カリフォルニア #メンズファッション #メンズコーデ #帽子 #キャップ #スナップバックキャップ #冬ファッション #新商品 #新入荷 (California) https://www.instagram.com/p/CmDWBELvlzw/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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可愛い帽子等追加、明日は木曜定休日
本日も13時〜20時までの営業(電話やSNSなど前日までに連絡頂ければ12時〜営業致します)
狭い店内ですので、入店制限は6人まで
マスク着用&アルコール消毒お願いします
少しでも体調の良くない方はご来店をお控えください
本日は可愛い帽子など
追加しておりますので、ご紹介☆
タグなし
ハンドメイド物でしょうか
合わせやすい紺色ベースにカラフルでレトロ感のある幾何学柄が可愛いニットキャップ
ボンボン付きでお好きな方も多いかと
M〜Lサイズくらい
是非♪♪
CA4LA
日本製
毛足の長いアンゴララビットヘアーにリボン飾りが可愛いニット帽子
内側にワイヤー入りで、形も良い感じ
Mサイズくらい
是非♪♪
holiday
ハンドメイド物
濃紺ベースに白で入った小粒なドット柄&飾りデザインが可愛いベロア帽子
内側のチェック柄も洒落てます
S〜Mサイズくらい
是非♪♪
それでは本日も元気に営業致します
明日は木曜定休日でお休み
よろにくです^ ^
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ある画家の手記if.84 前編 雪村絢視点 告白
香澄と情香さんと俺で朝食作って食べて騒いで、情香さんは運転してくれた車で香澄を図書館近くにおろした。でかくてゴツい黒のベンツ。かっけー。
この人の方から接触してくるとか何も考えてなかった。
情香さんが来たときの香澄の反応からしてしょっちゅうあんな風に来るのが日常ってわけではなさそうだ。でも香澄は信頼してる人。タイミング的に直にぃがこの人を頼った、ってことなんだろうけど、じゃあ俺のことはどこまでバレちゃってんのかな、とか。
とりあえず俺はただ「雪村絢」に徹した。この段階ですでに色々バレそうだけど、もう俺は他に名乗る名前は持ってないし。
「どこまで送る?」
運転席から声かけられて、少し迷う。
「情香さんはこのあとどうするの?」
「私は食材の買い出しでも行くかな」
「え、それイヤミ?俺のクレ���ジーな胃袋への��撃?」
「まぁそんなとこ。」
おかしそうにクスクス笑いながら運転を続ける、この人の笑い方には嫌な裏とか暗いニュアンスが一ミリもない。接してて、言葉や態度から真意を探ろうって気にならない。多分真意のままに行動してる、ってことかな。
真澄さんからもらったデータ見て顔は知ってたし、直にぃの近状を桜子さんに電話してきてたのもこの人だから、存在自体には一方的に馴染みがあった。
でも実際会ってみたら俺よりずっと背は低くて、美人だけど威圧感とかもなくて、てか美人って自覚なさそうだな、直にぃとなんで結婚したんだろ。…いいほうか、悪いほうか。
「まぁ買い出しはすぐじゃなくてもいいとして、私はここに来る前に直人から事前に少し話を聞いてきた。もし絢が嫌じゃないなら事情のすり合わせをしようか」
いきなり本題きた。
「…すり合わせ?聞いてきた話ってなに?」
例えばこの人がデータ通り危険人物だったら、車に乗ってる今の時点で俺はアウトだ、このまま名廊の家に護送されちゃう可能性だってある。…そうじゃない、って俺の勘が言うから敢えて乗った。
情香さんはバックミラー越しに俺に視線を送りながら言う。
「すり合わせってのは、私が一方的にお前の事情を知ってるのが据わりごこち悪りぃなってだけだ。絢が必要を感じないなら特になにも聞かないよ。ただーーー」
車が赤信号で停まったタイミングに合わせて、静かな車内に響く、優しいけどトーンの落ちた声。
「ーーーここから先は帰ってからだ。話さないならそれでいい。ただここで今はこれ以上話せない。一度直人んちに帰るぞ。それでいいか」
「……わかった」
俺の返事を聞くや否や情香さんは少し車を飛ばし気味で直にぃの家へ帰った。
着いたらソッコーで風呂場に連れてかれたと思ったら「服ぜんぶ脱いで帽子もとってアクセがあるなら外してバスタブん中にまとめて放り込んでバスタブの蓋閉めてからリビングにこい」って言われて、俺がまったく意味を理解できずにぽかんとしてたら、直にぃのパジャマを投げて渡された。慌ててキャッチして受けとる。
「下着も脱げ、身に付けるものはそれだけにしろよ。私はリビングでコーヒーでもいれて待ってるからゆっくりでいいぞ」
俺はなるべく状況を整理しようとしたけど、ダメだった、まったくなにもわからない……つまり俺の知らない予測もできない情報をもとに情香さんは動いてる。それを知るまで一旦従うしかない。
危害を加えられることは…… もしそうなっても女性だし、小柄だし、俺のこの脚でも逃げられるかも。
着替えてリビングに行ったら、「ちょっとごめんな」って言ってなぜか髪とか歯とか耳とかチェックするみたいに見られた。謎だらけだ。でも、この行動は……
情香さんは一通り見て納得したのか、ソファにどさっと腰掛けてから俺にも座るように言った。
「筆談で会話しても良かったんだろうけど、声色や息遣いも聞かないと五感が鈍る、私の事情でふりまわして悪かったよ」
「……なんか俺、疑われてる?」
情香さんは俺にもコーヒーマグを渡しながら、落ち着いた口調で続けた。
「単刀直入にいく。暴力を振るわれてたり口止めされて喋れないことがあるか?」
「……。」 …は!?
……いや。筋は…通った。たぶん盗聴器を疑われてたんだ。それで…。…この人は、誰を危険だと睨んでる?
「…俺の…どこから、そう思ったの?」
「お前の苗字が引っかかった。場合によっちゃお前ごと疑ったほうがいいのかとも思ったけど、接してる限りお前は香澄のことをよく考えて動いてる。…まあ実際どうかはおいといて私にはそう見えたよ。直人から聞いたことも踏まえて、お前と少し話がしたかった、別居を言い出したのがお前だって直人が言うからさ。お前の考えだってんなら慧眼だ。ただ背後に私の予想する人間がついてんなら、そいつは手段を選ばない。だから警戒した。そういうこと。」
「………」
真澄さんだったのか、疑われてたのは。
確かによく知らない人からすれば、そういう印象にもなるかもしれない。俺は助けられる形で戸籍をなくしてもらったけど、それだってどんな風にでも悪用しようと思えばできるだろうし、人に好印象を与えるような言動を真澄さんは省くから。
…今の質問、真意は何だ? 俺が暴力振るわれてて口封じされてたら、この人に…情香さんにどういう影響や損害がある…?
どこから聞くのが、一番近道だ? 危険かどうか、敵か味方か、なにを考えてるか、どこまで信頼できるか、直にぃや香澄への個人的な感情は、判断能力は、常識はあるか、その上で柔軟性はあるか……色々、ここまででも十分わかるような気もしたけど…本人と話せるんなら、本人に聞きたい。
「情香さんは、どうして直にぃと結婚したの」
これかな。近道。
そしたら情香さんはソファに座って足を組んだまま、ソファの背にゆったり腕をもたせかけてにこっと笑った。
「絢がどういう答えを期待してるのかをまず聞こうか」
……敵じゃない、と思う、たぶん。でもつい考える、これは敵にしたくない人だ。試すような聞き方は試し返されて終わる。その分俺がこの人の中で信用を落としていくだけだ。本音でいくしかない。
「…情香さんが、直にぃから聞いて、俺と話したかったことって、なに?」
そこから始まって、情香さんはさっきと同じ、一方的に俺の個人情報を知ってるのは気分が悪い、って爽やかな口調で語り始めた。
俺がもとは名廊絢人だったこと。直にぃとの簡単な関係。香澄に助けられてここにいること。名前が変わってることを直にぃは知らないんじゃないか、って。直にぃの前では俺がそのへんふんわりぼかしたからな。
それから情香さんは、結婚した理由を、まず最初に「直人のことを愛してるからだ」って、はっきり言った。
そのあとに続いたのは、俺が想像してたより、ずっと暗くて根深い、俺の知らない直にぃの話だった。
情香さんは今より若い頃に荒んだ地域のバーでバーテンダーの仕事をしてた。そこにたまに来る客に直にぃがいて、情香さんは二、三度だけ直にぃと短いやりとりをした。知り合いになったともいえない程度の。
そして仕事からの帰り道に、名廊直人から襲われた。
夜の野外、全身傷だらけで情香さんは帰宅して、アフターピルを使ったけど結局中絶手術をしたらしい。それらを情香さんは誰にも口外せず、事件にもしなかった。
名廊直人は、刑務所に服役したりなにか法的な罰則を与えることでは変わらないし適切な罪の意識を持てない、情香さんいわく名廊直人本人の中にずっとそんな罪とも負い目ともつかない意識があり続けるせいではっきりした犯罪行為への意識との境界線が曖昧で、そういう公的な手段での裁きをとるとむしろそれだけで済んでしまう最もよくない危ない人間、なら愛情を育む関係を築いてその中で情香さんへの個人的な感情として名廊直人に深く反省や後悔を抱くよう促すしかない、そうできたのは自分も当時から名廊直人を愛していたのかもしれないし復讐心から始まったことだったかもしれないしそうであれば私刑ってことになる、あるいは独善的な正義感や欺瞞にまみれていたかもしれない、でも当初と今では違うし、そうやって一生自分がついてることで償わせながら何度も取り返しのつかないことを繰り返す直にぃを愛してきたんだ、と。
「ーーーざっと馴れ初めはこんなかんじか。省略しすぎて私のほうがイかれてるように聞こえたかもな」
あっさりとした顔で笑みさえ湛えて話し終えた情香さんは、「それでも」と続けた。
「私は結局直人にたいしたことはできなかった。あいつを変えたのは香澄だよ。ただ香澄は香澄でまた少し厄介な子だから家族になってよかったと思ってる」
「厄介な子?」
情香さんはここで少し難しい顔をして言った。
「私には私の生活があるから香澄ともまだそれほど深く関われてはないよ、引っかかるだけだ。どう言い表すか… 個人として尊重される気がないとでもいえばいいのか……」
ーーーすごい人だ。この人の力を借りられれば、香澄も直にぃも、どうにかなるかも。
充分信頼に足る。愛情深くて優しい、モラルもあるけど必要に応じてそれを捨てることもできる、既存の価値観に縛られずに自由に動けて身軽で、俺みたいな少し怪しい人間とも腹を割ってすぐに話せる、でも必要な警戒は怠らない、法的な手段も目的のためにうまく応用する。その上、直にぃや香澄に自分の全人生を捧げるつもりはない。…すごい人だ。
じっと情香さんの顔を見てたら「クレイジーな話の後のわりには目が輝いてんな」って笑われた。
「余計な話だったなら悪い、でも世間からすりゃ結構おかしな家庭にうつるだろうと思ってさ。結婚したまま不仲なわけでもなく別居し続けて、避妊しながら養子迎えて、夫と息子は複雑な関係だ。順当に考えたら、内心で一番よくない感情を抱いたり溜め込んだりしてそうなのはこの私に見えるんじゃないかと思ってな」
「……。」
俺も少し思った。直にぃは結婚してて、それで香澄と愛し合ってて、…なら奥さんはどういう心境なのか。……桜子さんが夫の雅人さんに最後に選ばれなかったことをずっとどこかで屈辱的に…もっと複雑な気持ちか…を、抱き続けて、心を病まないようにするので必死みたいだったから。でも情香さんははじまりからしてそうはならない、と。
…今の話は情報開示してくれただけじゃなくて俺への気遣いも含まってたんだ。
この人は、名廊家との繋がりもほぼないし、…大丈夫なんじゃないか。
味方になってくれたら
「……情香さんを、信用して 俺も話したいことがある。直にぃは知らないし、この先もなるべく知られない方が、いいようなこと」
情香さんは一度頷いて、ソファに座りなおして少し前傾姿勢になって、両腕を膝の上に立てて口元のところで両手を組んだ。大きな目が話に入り込むために眇められる。…直にぃが集中して話聞くときと同じ姿勢だけど…無意識かな。
情香さんと話し込んでたら夕方近くになった。
ほとんど全部の事情を話したら、俺の脚とかをすごく心配してくれた。それで「身辺が落ち着いたらでいいから、自分だけで判断せずにちゃんと病院にかかれ」って言ってくれた。
それで帰りも車で送ってくれて、俺が何も言わなくても安全を考えてくれたのか真澄さんちから三つくらい手前の駅のターミナルに降ろしてくれた。
俺が車から降りたら「そいつと話しがしたい。会うのはリスキーだろうけどなるべく会って話したい。一応そう伝えてくれるか」って伝言頼まれた。真澄さんに。
駅の中のカフェに入って、ドリップコーヒーだけ頼んで、今日はもう帰るか、どうするかぼんやり考える。それに
ーーーー直人が杖ついてるところを見たことあるか
「………。」
なかった。直にぃの部屋に入ったときは杖は死角になってて俺の目に入らなかったのかな。
自業自得って情香さんは言ってたけど、情香さんが真澄さんを警戒してた理由もこの話でやっとわかった。ことが起きたのはちょうど今から一年前くらいらしい。真澄さんの行動は真澄さんに聞けばいい、情香さんもそのつもりなんだろう。あのエピソードでいま焦点を当てるなら、直にぃの行動だ。
感情任せで窓ガラスを、ーーー17階だから強風だってあるしそんなにヤワな作りのガラスじゃなかった、それを叩き割った。腕にガラス片を刺したまま病院にかかるより香澄のもとへ急いだ。それで後遺症が半身に残った。
知らなかった。俺が直にぃに会ったときは屋内で、いつも普通に過ごしてたし。
たった一年だけど、直にぃもかなり変わった、って見ていいんだと思う。情香さんもそんなこと言ってたか。
…ひとは、変わる。…俺のしようとしてることは………
そこでふと、カフェの一番奥の席に目がいって、思わずその人を凝視した。
座っている一人掛けのソファの背にコートをかけて、ゆるゆるして着古したみたいな少しほつれた薄手のニットを着てる。下は褪せた色のデニム。日に焼けて傷んだみたいな癖のある髪が、目元を薄く覆い隠してる。
口元は静かに笑ってて向かいの人となにか話してるけど、目元は優しく笑んでるような無表情みたいな、髪で眉が見えないから表情の変化が読みづらい。
優しそうな…印象だ、けど
「……。」
そっと手元のマグを見てコーヒーの残りを飲み始めた。今あわてて席を立ったら少し目立つ。
真澄さんのデータの中で俺が一番気になった人だ、でも
その人には目を向けないでただぼんやり窓の外眺めてコーヒーを飲んでるふりをした。少し間を置いたらすぐに席を立とう。
そう思ってたのに、連れの人を置いてその人はおもむろにソファから一人立ち上がった。まさかと思ってたら俺の座ってる真ん前までゆっくり歩み寄ってきて、俺の前の小さなテーブルの横に立ったままトンと指先だけ触れた。
見下ろされて、俺は視線だけ上げる。しっかり目があった。
その人はうっすらと口元だけで笑って俺に言った。
「俺になにか話しがあるのかと思ったんだが」
「…?」
意味わかんないって少し怪訝そうな、あやしいものでも見るみたいな目つきしてみた。
「違ったなら悪かった。ーーー学、そろそろ帰るぞ」
その人は俺から視線を外して、ソファの席に置いてけぼりにしてた連れの人のほうを見て呼びかけた。
コーヒーの残りを捨ててコートを着ながら連れの人が寄ってきてその人に聞く。
「稔さん、スカウト?」
「いや、ただの俺の勘違いだ」
その人は店を出るために自分も受け取ったコートに袖を通しながら、俺の横を通り過ぎてカフェから出ていく。通り過ぎざまに顔も見ずに言われた。
「カフェでコーヒーを飲むふりなんて目立つ挙動をした君も君だぞ」
「ーーーー。」
しばらくその場で外見てるふりして固まってた。
………こっっっわ
何あれ どういうことだよ 心臓に悪りー
たしかに凝視したけどほんの数秒だしあの人はこっち向いてすらなくて横顔だったんだけど
ていうかコーヒー飲んでるのと飲んでるふりを一瞬したのとなんで見分けつくの? 俺は仕草で慌てたりしてないし、動作に何も違いなくない? 仕組みは知らないけどズバズバ言い当てる誠人さんと似たような何かとか?
ますます怖い やっぱダメだ 危なすぎる スルーでき…たのかあやしいけど、情香さんみたいに話し込まなくて正解
任意同行っていうからよっぽど考えなしか頭悪い人かと思ってたけど、さらになんかよく分かんなくなった
直にぃはあの人といて平気だったのか?
………。 任意同行 直にぃの荒んだ時期 情香さんへの暴行 …関係…あるのかな
情香さんにあの人のことも聞いてみようかな
その日は一泊した後なのもあって、だいぶ疲れが溜まってたのか、やっぱり真澄さんちに帰ってから少し熱出した。
後編に続く
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10月28日より、新潟市美術館ミュージアムショップル・ル・ルにて、Sa-Rahのお洋服展がはじまります。 今すぐ出番のあるアイテムや、あったかアイテムなど、作りたてを取り揃えて、みなさまのご来場を心よりお待ちしております。 28日は午後から帽子千秋も在廊させていただきます◎ よろしくお願いします。 Posted @withrepost • @museumshop_lululu 【Sa-Rahのお洋服が届きました!】 10月28日(金)から始まる「Sa-Rah」秋冬コレクションのお洋服が、愛媛から入荷いたしました!秋冬らしい素材やデザインのお洋服がたくさん届きましたよ〜^^新作アイテムも多数あります♪ 「Sa-Rah」の秋冬コレクション、ぜひチェックしにいらしてください! \\3年ぶり!初日の午後はデザイナー来店// 初日の【10月28日(金) 午後】はSa-Rahのデザイナー、帽子千秋さんが来店予定です。明るくお人柄も素敵な帽子千秋さんに会いに来てくださいね!※帽子千秋さんはお昼頃〜17時まで在店予定です。 --- 『Horoscope ホロスコープ』 ホロスコープとは、自分が生まれた瞬間の星の配置図。 生まれた時から、自分の星たちが自分らしく輝いているのです。 今回は星座にちなんだお洋服作りとコーディネートをしてみました。 あなた自身がごきげんになるお洋服選びを、ぜひ、お楽しみくださいませ。 Sa-Rah デザイナー 帽子 千秋 --- 【Sa-Rahのお洋服展 Autumn & Winter collection 2022】 会期:2022年10月28日(金)〜11月23日(水) 場所:新潟市美術館ミュージアムショップ ルルル 時間:9時30分〜17時00分 休み:月曜日 @sarahmarket デザイナー在店日:10月28日(金) お昼頃〜17時 --- @sarahmarket #sarahmarket #sarahのお洋服展 #コーディネート #秋冬コレクション #天然素材 #新潟市 #新潟市美術館 #ミュージアムショップ #ルルル (新潟市美術館) https://www.instagram.com/p/CkKzzwRv_rF/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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