Tumgik
#マンション人狼の遊び方
チャット機能の使い方
レスの方法(アンカーについて)
修飾タグ
ランダムタグ
簡易メモ、PL発言の「/*」、独り言の使用例
前提
村内の発言投稿はチャットと言うよりは掲示板方式です。
一度の発言で入力できる文字は20行400字までです。
レスの方法
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 発言の左上にある発言番号(画像の場合 >>107 の部分)を押すとクリップボードに番号がコピーされます。  また、発言右下の「返信」または「秘話」を押すと入力フォームに自動で返信先が設定されます。
【Tips】 ・ゲーム内日付が進行すると前の日付の発言から返信ボタンは消えます。 ・独り言、秘話の発言番号はエピローグまで明かされません。
 発言内に発言番号を入れることでレスアンカー(返信)となります。
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 一発言内にアンカーを複数付けることも可能です。  チャット上で返信先をわかりやすくしたい時にキャラクターの名前や略称を添えることもあります。
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【Tips】  WOLF MANSIONには返信を受け取った際に、Webhookと連携してDiscordに通知する機能があります。詳しくはWebhook機能解説をご覧下さい。 ※ 参加者全員が通知設定するとは限らない点にご注意ください。
修飾タグの使い方
 特定の文字列を二重にした半角大括弧[[これ]]で囲むと修飾タグとして機能します。
【例】 文字サイズを大きくしたりする場合は投稿画面で以下のように入力します。  [[large]]ここに任意の文章[[/large]]
 タグを用いて文字を強調したりルビを振るなどの演出が可能です。また、異なるタグも同時に使うことが可能です。
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 発言フォームの下にあるリンク(もしくはルールページ)から、修飾タグの種類を参照できます。
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 右下の歯車マークから修飾ボタンを表示させることができるので、表示にチェックを入れておくと便利です。
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ランダムタグの使い方
 WOLF MANSIONでは設定された値のいずれかをランダムに表示するタグを使用できます。 [[fortune]]なら0~100のダイス、[[allwho]]なら入村している人物のいずれかを名指しするといった具合です。
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 規定のタグ以外に、ユーザーが任意のランダムタグを登録して使うこともできます。  [[sweet]]ならお菓子の種類、[[candy]]なら飴の味が登録されています。
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 辞書登録されたランダムタグは、発言フォーム下の「文字修飾・ランダム機能」→「ユーザー定義のランダム発言」の手順で見ることができます。
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その他
簡易メモの表示場所  状況タブの参加者一覧に表示されます。(画像の村長ヴァルターの[テストです]や楽天家ゲルトの[簡易メモ]の部分)  発言一覧やシステムメッセージには表示されませんが全員に公開されます。  勿論、ここでも推理発言は禁止です。
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PL発言「/*」や独り言の使用例  人狼界隈ではPL発言であることを表明する際、発言の頭に「/*」(コメントアウトの始点)が付けられることがあります。  PL連絡をする用途の他、独り言で感想や推理を呟き、ゲーム終了時に見せ合うことも可能です。  誰かに見える場では推理や結果に言及できないので、是非独り言を活用して感想投稿や推理RPなどをして頂ければ幸いです。 (以下はあくまで一例です)
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@wwrp_ 私の独り言の使い方、呻いたり闇の乙女ゲー攻略したりなので、皆様が推理状況まとめたりキャラの掘り下げロールしてるの見て「なるほどな…賢いな…」となったよ pic.twitter.com/bkZkF20vX1
— 🥛スズ🍓暗377 September 13, 2021
【文章作成:suzupuyo】
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発言種別
今回の柊鬼夏祭り村で出てくるチャットウインドウの説明です。
発言種別
 WOLF MANSIONのルールブックにも以下のような発言種別の説明(公式リンク)がありますが、このページでも軽く説明します。
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【説明の前に】 ・推理RPの方針については守ってほしい注意点の「推理について」をご覧ください。 ・人狼界隈ではPL発言であることを表明する際、発言の頭に「/*」(コメントアウトの始点)が付けられることがあります。詳しい説明はチャット機能の使い方の使用例をご覧ください。
【発言の種類】
通常 全員に見える発言。白いチャットウィンドウなのでよく白茶、白窓などと呼ばれる。
独り言 自分だけに見える発言。灰、灰レスなどとも呼ばれる。 推理発言可。ゲーム終了後に全体公開される。 メモやPLの叫びや感想、内緒のソロール等を記したい時にオススメです。
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囁き 人狼陣営の相談用チャット。通称赤窓。 推理発言可。ゲーム終了後に全体公開される。
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共鳴会話 共鳴者間で利用できる。推理発言可。 ゲーム終了後に全体公開される。
見学 ゲーム部分に参加しない見学者の発言。 一般の人狼村ではゲーム中に見えませんが、今回の村では全体公開設定なので「通常」と同じと考えてください。
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呻き 墓下発言。ゲーム上で死んだ際「通常」から自動で変化する。 一般の人狼村ではゲーム中に見えませんが、今回の村では全体公開設定なので「通常」と同じと考えてください。
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秘話 送信者と受信者(自分⇔相手)だけに見える発言。 ゲーム終了後に全体公開される。気になるあの子と個人的に話したい時などに。
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天からのお告げ 村建て主が投稿できる文章です。 全体への連絡が記載されることもあるので、表示されたらチェックしましょう。
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アクション 「(自分の名前)は、~」と言う形でゲームテキストのような文を投稿することができます。公開範囲は通常発言と同じです。
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【文章作成:@suzupuyo】
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rekka-katakiri · 7 years
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第0回・とらのもイベント
たまには活動報��的なものも書こうと思い立って。
以前より、定期的にイベントを開催したいと考えておりましたが、やりたいことが多すぎて会場選びが難航したり、なかなか機材トラブルが解決せず…で進まないことも多く、正直心が折れかけていた…orz の、ですが!
ご縁がありまして、大変面白そうな会場をお借りすることが出来ました。 ここが約束の地か!٩( ᐛ )وFoooooooooooo
とらのもさん  は、秋葉原(駅的には末広町が近いのね)にある「角打ち」というスタイルのお店さん。自分は初めて聞いたのですが、要するに酒屋さんが軒先でキャッシュ・オン・デリバリーのお店を始めたよ!みたいな感じなんですね。たぶん。
お酒はビール、日本酒、ワインが置いてあり、ボトル・徳利単位での購入が可能。呑み放題プランもあるようで、わたし的には越乃景虎、寒梅別撰が置いてあったのでとてもうれしい
クラフトビールなんかも多くて、まだビールがあまり沢山呑めないわたしはジュースの様に頂けるリンデマンズ・ペシェでよい気分になりました(´,,・ω・,,`)
ガッツリした食べ物メニューは無いですが、おつまみ類が購入できます。 持ち込みや出前の注文もOKなので「食べないと呑めないんだYO」という、わたしのような常に空腹系の人種でも問題ございません。
そしてそんな、呑兵衛にはたまらんお店の二階はイベントスペースになっておりまして、こちらでは誰でも、一日店長が出来ちゃうイベントを開けるというのが面白いところ。 実はお店のオープン前から情報を頂いていたものの、諸々の事情で実現叶わなかったのですが…ついに!
ということで、8/19、まずはお試し…ということでひっそりイベントしてまいりました!
そもイベント開催決定が夏コミ直前であったこと、かつ、一般に情報が出たのは一週間を切ったタイミングでしたので(片霧烈火FC「みんマンション管理組合」の方々には比較的、事前に情報を流していたんですけどね)、まあ、これだとお客さんは来ないよなあーという目算だったのです。
あと、やりたい企画は諸々あれど、まずは機材確認とか企画のすり合わせからだよねー…ってことで、今回はセッティングしているところに遊びに来てもらって、生暖かく見守って頂ければみたいな、そんな趣旨だったからというのもあります。
手作り感あふれるイベント運営は楽しいのですよっ(・ω・
そんなこんなで、お昼間から機材を持ち込んでセットアップに注力しながら、以下のようなことをしておりました。
アナログゲームで遊びましたよ!
・ゴーストハンター13 タイルゲーム マンション住民さんと継続して遊んでいる、というタイル(のようなカードをペラッとめくって展開していく)ゲーム。壮大なRPGゲームをアナログで、ゆっくり時間をかけて遊んでいるような感じです。これがまた面白いんだ…
初見さんが即参加できるか?と問われるとちょっと難しい(一回のゲームのパーティー人数が限られているから)んですが、GMさんが懇切丁寧に解説してくれるので、もしチャンスがあれば是非飛び込んで頂きたいです!
・狼ニ到ル病(人狼ゲーム) みんなだいすき人狼ゲーム。ぼくもすき! 以前、人狼を主題とした作品を発表したのですが、そちらに特典として「実際にゲームが出来るカードとマニュアル一式」をつけておりました。 今回は、その特典用カードを使って頂いて、8人くらいでプレイしました!
しかし初めて参加される方が4回中・3回も人狼(しかも孤独な戦い)を強いられてとても面白すぎ大変そうでしたが、何だかんだで和やかに遊べてよかったです٩( ᐛ )و
ちなみにぼくはハンター1、村人3でした)^o^( やることほぼなかったけど一度も死ななかったぜ。
その他にもお客様は沢山のアナログゲームを楽しんでいたようです! …が、わたしは音響機材のセットアップに回ったので、ちゃんと遊べたのは先述のふたつくらい(;w; 店長はつらいよ
持ち込みのお酒を振る舞いましたよ!
うちで開栓したものの、呑み切れなくて悩んでいたラム酒がありまして、じゃーみんなで呑めばいいじゃないの!と思い立って、とらのもさんにお願いして持ち込みませて頂きました。 ぶっちゃけ時間経ちすぎでアルコールは飛んでるんですが、類を見ない濃厚な甘さはコレはコレで…と軽く説明しながら呑んで頂いたのですが、比較的好評だった(と思いたい)ので、安心しました。
…とはいえ、やはり基本的には、 とらのもさんに置いてあるお酒を買って頂きたいです。
ただ、ウイスキーとかの所謂スピリッツ系は扱いがなかったので、競合しないオススメの一本を、余興の一つとしてみんなでシェアして呑むのは、楽しいでかなーと思いました♪
おつまみを作ってきましたよ!
今回はおうちで簡単なおつまみを作って持ち込みました。 これを売ればボロ儲けじゃねーかヘッヘッヘ…と思っていたのですが、現地で味見したらなんと、作りたてのものより味が薄い_ノ乙(、ン、)_ こんなんでは雄山ブチ切れで億万長者計画ではない…
とはいえ捨てるのもアレなので泣く泣く無料でバシバシ配ったところ、たくさん詰めてきたハコがほぼ空っぽに!みんなおいしいって言ってくれたよー優しいね!! 次はもうちょっと美味しいものが出すよ_ノ乙(、ン、)_悔しい
ライブをしましたよ!
定期イベントの大きな目標、ライブ開催! とらのもスタッフさんのご助力も頂き、無事に音響機材セッティングが終わりましたので、3曲ほどライブをしました!
わざわざ照明も落として頂いて、しっとりから激しいのまで歌い、歌いながら残ったラム酒をラッパ呑みで空にして、大変アホすぎた楽しいライブで大満足。 お客様にも笑って頂けて何よりです><えがったえがった
ちななみに呑みながらのライブは大体翌日に喉が死ぬので良い子のヴォーカリストちゃんは真似しないでね٩( ᐛ )و今回は大丈夫だったーよかった
でも真面目に、ライブするのも問題ない環境なので、ほんと定期的にミニライブができたらいいなあと思います。 アコースティック小編成だったら生楽器もイケそうだしね。夢が広がるー。
パソコンを組み立てましたよ!
え、なんでPCなん?とお思いでしょうが。 生放送を配信したい、ゲーム実況やライブを配信したい、というのがもうひとつの大きな目標なのです。 でもそのために毎度PCやら機材やら持ち込むのは結構大変なんですよ…
そんなれば専用マシン組んだれ!ってことで有志でパーツを持ち寄り、住民さんに手伝って頂いて組み上げて頂きました! ちなみにワイはケースをカッタデー
ビールがキーボードにぶっかかったりとかいろいろありつつ、時間をかけて作業してくださったスタッフさんには頭が上がりません。 でもライブやってる横で青画面を出して作業をしている、というのはなかなかシュールでしたw 歌ってても笑ってしまうというねw
ちょっと難航した様子で、今回はひとまずOSを入れるところまででしたが、次回は生放送できるところまで環境を整えられればいいなあ、と思います!
そしてでかいミドルタワーのマシンを預かってくれるとらのもさんの事務所懐の広さに感動です荷物多くてスイマセン…
ダイジェストで、いろいろ書いてみました。
他にもいろいろあるんですよ。 残り少ない景虎を一升瓶でラッパ呑みしたとか。 ライブコーナーが終わったあとにAnswerが好きって言ってくれたお客様がいらっしゃったのでベロベロ状態でアンコールしたりとか、ね!
あと、ひっそり突発の割にはTwitter等で知ってくださったお客様が来てくださって、ゲームやライブを楽しんで頂けたようで、ホッとしました。 自分自身も本当に面白かった!
ただ反省点もありまして… 終了後、スタッフさんに伺ったところ、お客様がいらしてくださったものの「状況がよくわからない…」ということで、お帰りになってしまった、ということもあったそうで… 折角足を運んで頂いたのに、ご案内や誘導ができず、ごめんなさい。
ホスト側かつ出演などもしていると、直接、細々ケアできないのが実情なので、どうにかそのあたりをフォローできるようになりたいな、と思っております。 どんなことが出来て、今どういうコーナーなのか、いつでもわかるようにしておく、とかね。
まだまだ改善したり考えるべきところは多いですが、今後「あのイベント面白い!毎月呑みに行きたいナー」と思ってもらえるような、たのしいイベントになるよう精進いたしますので、是非ゆるく見守って&足を運んでくださると嬉しいです。
次回は9月中旬の開催(連休あたり)を予定しております。 まだセットアップ中なので、0.5回と銘打っての感じでしょうか。 ゲーム実況とかできるようになってるといいな…という希望を胸に抱きつつ。イベントやお買い物帰りに、フラリと足を運んでくだされば幸いです!
また、とらのもさんは他にもたくさんのイベントを開催していたり、もちろん通常営業もなさっているので、気軽に呑みに行くことが出来ます。
「片霧烈火が紹介してたから来ました」って言っても何ももらえないけどわたしの株が上がるはずなので秋葉原にお立ち寄りの際は、是非!(ひどい)
そして最後まで書いてふと気づく。 アップできるような写真を殆ど残しておらぬではないか…
女子力の低さ露呈orz なんという
次回はもうちょっと様子が分かるようなレポをお届けしたいと思います(*'-')
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thedevilsteardrop · 7 years
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familie komplex 前
 毎朝繰り返し君が死んで、目がさめる。
  夢見としては最悪の部類だと思う。
 何度も夢で君が死ぬところを見て。
 目がさめれば、君のいなくなった現実が残されてる。
 寝ても覚めても逃れられない喪失に、それこそ最初の数回は目覚める度絶望した。その時期の自分の行動は思い出せない。でもどうにか今まで生きてるんだから、一応日常生活を送ってたはずだ。
 その夢が幾度も繰り返されるものだと気付いてからは見るのが辛くて眠りたくなくて、けれど何日も眠らずにいることができるわけもなくて、ほんの浅い眠り数分の間に君の死ぬところを繰り返し見る。
 また今日も彼女は死んでしまった。
「……」
 呆然と瞬き、天井を見上げていた視線をぐるりと回して起き上がる。がらんとした部屋に一人。淡いベージュのカーテンは閉めっ放し。朝だというのに照明を点けて、寝そべっていたソファからベッドに移動した。先日、病院から自宅に帰って来たのだ。
 以前は彼女と二人で暮らしていた部屋。一人では少し広い……そうは言っても俺達はしょっちゅう身を寄せあっていたから、この部屋は元から広々としてたはずなのに……今あるそれは開放感とかじゃなく、どこに居ればいいんだろう、という戸惑いと身の置き場の無さ。
 彼女は生活の一部だった。俺にとっての家族。精神論でもきっとそうだし、社会的にもそうだ。俺達は一応、姉弟ということになっていて、同じ大学に通い、同じマンションで下宿していたから。
 家族だった。
 学友で、親友でもあった。
 平和な国で、傍に居るのが日常で。肌を触れ合わせるのが基準のゼロ距離から都合によって間を取るような、近しい距離感の間柄。その相手が、今、ここに居ない。
 シーツに横たわって息を吐く。重い息。心臓が引き絞られる感覚。痛い。ぎゅう、と。
 はあ、息を吐く。
 苦しい���着替えなきゃ。苦しい。身体が重い。指先すら動かすのが億劫だ、重い、沈んでるな。いや、投げ出してる、身体を。ベッドに。
 そろそろ大学にも顔を出さなきゃ、講義の出席が足りなくなりそうなのに。
 彼女が居なくなってから、この部屋で生前二人過ごした時間を思い返してばかりいた。何度も、何度も繰り返し、夢に対抗するように。遺品整理はしていない。部屋中どこを見ても彼女を思い出す。まるでこの部屋だけ時間が止まっているみたい。
  俺と彼女が出逢ったのは高校生になってからだった。だから、遡る記憶の量は、生まれて以来ずっと同じ家に住んでるようなきょうだいよりも、うんと少ないんだろう。俺にとって彼女は自分より先に生まれて家族を形成していた部品ではなくて、最初から一人の人間だった。
 綾瀬郁深という、個人として、俺はすぐに彼女を好きになった。
  くっついていても苦にならなかった。
 一緒に眠ったベッド。ダブルサイズ。二人とも小柄な方じゃないから常に身体が触れる。寒い時は俺が郁深の抱きまくらにされることもあった。絡められた脚の片方が俺の身体の下敷きになるのを、自分が勝手にやってるくせに朝になったら「しびれた」と文句を言ってくる。
 もこもこと気持ちのいい毛布に二人してくるまって、しょっちゅう二度寝しては昼を迎えて「そろそろ学校行く……?」なんて不真面目な問いかけをし合う。午前講義の日は、帰ってきてすぐ横になろうとすると「シャワーを浴びろ」と怒られた。郁深はシーツを一週間に一度だけ洗う。他の日はなるべく汚さないように。だからホコリっぽいままベッドに上がるのは禁止。互いの身体に触れ合うときも、必ずシャワーは浴びてからベッドに入った。
 ここで眠るせいで郁深の夢を見るのかも、と思ってソファに移動して眠ってもだめだった、同じことだった。眠れば同じ夢をみる。夢を見る度に違う時期違うシチュエーションで、郁深は死んで……俺は泣きながら目を覚ます。
 ソファにも、床にもデスクにもキッチンにも風呂にも 郁深の記憶がある。
 どこに居たって彼女のことを想ってた。だからきっとどこで眠っても俺は夢を見る。
 ふらつく足で立ち上がってベッドからまたソファへ。座り込んで、服を脱いだ。
 着替えよう。
 外に出られる格好ではあるけど、一応、数日間も着たままでいた服装で大学には行き辛い。
   大学の友人達は、郁深が死んでから俺を避けるようになった。……避けるというと語弊があるかな、腫れ物を扱うかのようになった。落ち込んでる俺に対しどう接すればいいかわからないのかな。
 焦って話しかけてきた友人の一人が、失言したせいもあるんだと思う。
「まあ気を落すなって!そのうち立ち直れるからさ」「俺も肉親が死んだ時は大変だったけど、時間に身を任せるしかないと思うぞ」……
 その時俺はどんな表情をしていたのか、俺の顔色をうかがった友人達は全員おどおどと視線をそらし、口を噤んだ。
 自分でも青ざめて返す言葉を無くしたのがわかったし、足元が崩される感覚にふらついて彼等から後ずさってしまった。
 以来、まともに話し掛けられていない。こっちから話す気力も無かった。
 姿を見かけても気まずく挨拶を交わすだけだ。
 「落ち込んでる時ほど支えあうのが友達ってモンだろうによ」
「……そんなに深い仲になることばかりじゃないよ。日々楽しく過ごすためだけの相手だって居ていいと思う、 ……?!」
 自然と答えて
 ばっ、と顔を上げる。
 大講義室の隅、机の上に突っ伏していた姿勢から声のした頭上へ視線を。
 郁深が笑ってる。
 いたずらっ子みたいに目をきゅうと細めて、口を開けて快活にわらう。節の目立つ手指がだらしない姿勢をした俺の頭を撫でた。スキンシップの好きな彼女らしい仕草。俺はよく、他の友人にも躊躇無く触れる彼女の両手に嫉妬するのに、その同じ手で宥められ機嫌が治ってしまうんだ。
「楽しいだけの相手だっていいさ。けど、そっから踏み込めるようになったなら心強いもんだよ」
「……そういうことなら俺には郁深が居るからいいよ」
 そういう相手は、おいそれと出逢えるようなモノでも無いし。でしょ?
 郁深はかけがえがないんだよ。
 頭を撫でていた手を片手で掴んで、口元に引き寄せる。振りほどかれることは無い。腕を伝って身体の揺れが伝わってきた。くすくす。
「それで?何をそんなに落ち込んでたって?」
 郁深の笑いは朗らかで楽しげで、けど、茶化す響きも軽んじられてる様子も無くて、心地良い。つられて穏やかな気持ちになる。
 人が笑顔になるのは好きだ。それが郁深なら尚更。
 ……なのにさっきまで俺は、楽しそうにしてる誰もかれも煩わしく、ぶち壊してしまいたいと思ってた気がする、俺さえ加わらなきゃ楽しい会話もできるだろうに、自分から話しかけたら彼等の日常まで壊すんじゃないか、とも、思ってたような。
 なぜ?
「………んん…ん、…?」
 なんでだったかな。
 まぁいいや。郁深の笑顔見たらモヤモヤも消し飛んじゃったみたいだ。
  「夏休みになったら、川遊びしに行こうぜ?お前の運転で!」
 帰り道、下宿までの道を二人で歩く。天気がよくて日の光は眩しいくらい。午後の講義が終わったばかりの暖かい外気。これからどんどん気温が上がっていくだろう。
「いいね。海か山行きたいって思ってた……けどいきなり山道運転させる気?」
 俺はようやく春休みに免許を取ったばかりで、まだ整備された一般道にすら慣れてない。高校卒業してからの一年は引っ越しとか忙しいことが多く、免許取ってる暇がなかったんだ。大学の近くで下宿してるせいで普段は運転する必要も無いし。
「ちょっと不安じゃない?」
「私が助手席に居るんだからへーきだよ。疲れたり無理そうなとこあったら代ってやるし。それに山道は歩行者が居ないから」
 その分安心だろ、と郁深は言う。
 最悪事故っても自分たちが死ぬだけだ、なんて、冗談めかして。
 ああでも、それだったら
 一緒の車で一緒に事故で死ぬなら、まぁ、いいかもしれない。
 一人だけ遺されたりしないなら。
 ……なぜかそんな風に思う。
「なら、それ用に服でも買いに行こうか」
「そうだな、今からでも……」
 直後のことだった、郁深の言葉が切れて俺は突然抱きかかえられた。
 声を上げる間もなく全身に衝撃が走る。歩道を普通に歩いてたはずが、弾き飛ばされて車道へ投げ出された。クラクションの音。急ブレーキ、耳を劈くそのあとで、ゴ リッと嫌な感触をアスファルトに伝えて俺の寸前で車は止まった。止まった、止まったんだ。一瞬写真にうつしたように静寂があって、この状況を理解しようとして、頭より先に目だけがぐるぐると回る。身体は重い、痛い……動かせない、
 郁深に抱えられているから……
 なに?
 何が起きた?
 一瞬のできごとだった
 まさに今まで歩道の上を歩いてたはずなのに
 彼女が歩いていた、歩道の建物側を見る。車から運転手が降りてきている。建物の裏手にある駐車場から出てきたところのようだった。ここは塀が死角を作って、 運転手からは歩行者が見え辛い。そうでなくても歩道を横切る前には一時停止だけど。だけど。だけど郁深は、ぶつかったんだろう、ぶつけられた、車に、それで身体を飛ばされて、俺がそっちに居たから、車道へ突き飛���さずに、あえて抱きしめて、俺の頭を守った。
 腕と胸の感触がする。俺を抱えている郁深の身体は顔に押しあてられているのに、彼女の香りはしない。代りにひりひり、じくじくと粘膜を焼くような鉄臭さが鼻をつく。
 血の匂い。
 俺の腰をはさむように彼女の脚がある。胴体に巻き付けるように、ガッチリとガードされていた。片足は俺の下敷きだ。首を支え頭に回された腕の中で、それでも俺の身体は痛い。身体動かせない。痛い。俺でさえ痛い。郁深の、デニムに覆われてたはずの、細くてしなやかな、野性味のある脚。きっと ぼろぼろ だろう  な。
 起き上がれないまま、俺は呆然と、動かし辛い頭をずらして
 彼女の顔を見上げようとした。
 あるのは血だまりだけだった。
   自分の絶叫で目を覚まし、俺の脳みそは覚醒についていけなかったのか地面に投げ出された直後の悪夢を描き続けた。跳ね上がった全身は見たくないものから逃げようとするかのごとくにもがいて、両手で髪を掻きむしる。
 郁深、郁深の頭、が 
 ―――なに、俺は、何を
 俺は
 違う、見えてない、頭の中にノイズが、あって
 どうして   どうして 歩いてただけだ、それなのに…… うそ、だ、ろ
 ひ、ひ、と呼吸が上滑りして、動かせなかったはずの身体は「事故にあった直後なのに無理やり跳ね起こされた」せいで酷く震え、平衡感覚を失い倒れ込む。とても立ち上がれない、とても一人では……
 手をついて、はっと気がついた。
 ……―――自宅の、ソファの上だ。
「……」
 呆然と瞬き、目前まで迫っていた座面を押し返して座り直す。ひゅうひゅうとおかしく鳴る咽を押さえて、呼吸を落ち着けようとする。さっき見たはずの光景が過るけれど、違う、あれは、夢だ。落ち着け。視線をぐるりと回して確認する。ほら、やっぱりここは自宅で、リビングのソファの上だ。午前八時。あれは夢。うそだ、と思った、その通り。だって、
 郁深はあんな死に方、していない。
 ……うそだ、った。あれは、夢だ。
 夢……
「っ……どうして……」
 ぐう、呻き声が漏れる。涙が溢れ出す。痙攣していた身体の震えは嗚咽に変わって止まらなかった。どうして。
 どうしても、君が居ない。
 また今日も彼女は死んでしまった。
「……」
 目が痛い。頭がぼーっとする。
 どのくらいそうしていただろう。ソファーの上。時計が滲む。
 たぶん、そろそろ、学校に行かなきゃ。
 麻痺した頭がそんな風に、理性のケースへ形を嵌め込んで蓋をする。日常から死を追い出そうとする。
 シャワーでも浴びてこよう。
 夢だ、
 また夢だったんだ。
   脱衣所で服を脱ぎながら、シャワーを浴びながら、こんなところにまでしっかり刻まれている郁深の存在に、のどの底が熱く痛む。心臓が引き絞られる感覚がして、頭上から落ちる水に打たれながらタイルに踞った。
 この体勢も懐かしい。
 高校生あたりの俺は精神的に他人をシャットアウトしていたから、郁深のことも最初から信頼できたわけじゃ無い。同居を始めても数ヶ月は、挨拶以上は会話も難しい有様だった。シャワーの水が温まるのを待たずに踞りながら浴び、郁深に会わないようにそそくさと自室に隠っていたっけ。
 だけどある日偶然ばったり、風呂場の脱衣洗面所で鉢合わせして、俺の血色の悪い、寝不足で目元に隈が沁みついた顔と、とても健全とは言えない裸を見た郁深はどういうわけか恥じらうこともなく俺を押し倒し、「なんだよこれ!」と叫んだのだった。
 思わず口を開閉しながら呆然としてしまった。
「あ、あの……郁深さん、」我に帰り慌てて身体を隠そうとしても、跨がられていて微動だにできない。のんびりと入ってきた態度からおそろしいほどの瞬発力で郁深の動きが変わって、気付いたら押さえつけられていた。
 なにこのひと、すばやいしちからつよい。
「お、おれ全裸、あの、これはちょっと」
「痕!なんだよこれ!」
「はい?」
 その時俺は本気で意味がわかってなかった。あと?なに?と思っていると、彼女はじっと検分する目つきのまま俺と視線を合わせ、
「私が悪かった」
 いきなりそう言い放った。
「……え」
「母さんとお前のこと誤解してた。はやく縁を切ろう……いっそ海外にでも行こうか、姉弟二人なんだから身軽だぜ?どこへだって行ける。お前他言語話せないだろ?この際実地で覚えに行くか?なあ?」
 ……ちなみに郁深は英語がペラペラってやつだ。技術関係の専門的な用語まで知っている。やたら難しい資格を史上最年少で取得したとかで、文科省かどっかから表彰されてた。けど、通ってる学校自体は俺のよりも幾分「レベルが低い」なんて言われるとこで、郁深のことを頭いいとか賢いなんて話を聞いたこともなかった俺は、全裸をみられたくらいでそこまで悟られるとは思っておらず、突然こっちの事情を察されて酷く狼狽えた。全く取り繕えなくなり、身体も全裸ならば心も剥き出しで。
「私はお前にそんなことした奴を許せない。許せないからな」
 ギリ、唇を噛み締めて、いつも朗らかに細まっている双眸に晒される。ギラギラと見開かれる内側、激しい怒りがこっちまで伝わって、熱に満たされていくようだった。
 この時に思ったんだ。
 ああ、この視界に選ばれた物だけが、俺にあればいいや、って。
  結局俺は高校を中退し、住居も郁深が通っていた大学の近くに下宿を借りてそこへ二人で引っ越した。通学が楽になった~と喜ぶ郁深を見て嬉しくなって、ここが新しい故郷になるかなとそわそわ探索に繰り出した。バイトと家事をしながら通信で高卒資格を取り、郁深と同じ大学を受験して……。
 一緒に大学に通えるようになって。
 本当に幸せだった。人生の中でいちばん、嬉しいことや楽しいことに満たされた時間だった。
  シャワーからあがって洗面台に映った自分と向き合う。朝の光が蒼白いのも相俟って、いつぞやのごとく血色の悪い、寝不足で目元に隈が沁みついた顔してる。
 あの時は裸で押し倒されて跨がられて、まったくとんだ衝撃もあったものだけど、今となってはそんなこと慣れきってお互い半裸程度は何度も目撃してるなんてな……そういえば、郁深は私服がダサくて、脱いだ時の方が断然いいよなんて、よく茶化してたっけ。自分の格好に無頓着な郁深はそんな皮肉も笑い飛ばしていた。気にならないんだろう。クローゼットには、着替えやすい丸首のシャツと作業用のツナギしか入ってない。まぁ俺も人のこと言えないけど。
 箪笥から引っぱり出した下着を身につけた途端、ガラッと戸が開く。
「あ、出てたのか。歯磨きしようと思って」
 あの日みたいに動じないですたすた入ってくる郁深に後ろから抱きついて、俺は考えてたことを提案してみることにした。
「今度何か対外用のお洒落な服でも買いに行こうか」
   二人ともが思い立ったら即行動、計画を練るよりもとっとと身体を動かし始める質なおかげで、俺が思いつきで口にしたショッピングの予定もすぐさま実行に移された。丁度今日は午前だけに講義が集中してる、午後から大学の最寄り駅周辺にあるショッピングモールにでも行こう、そう郁深が提案して、俺もノった。
 講義を終えたその足で郁深の居るゼミ室に寄って、二人連れ立って大学を抜け出す。その日受けた授業ででたハインリッヒの定理が頭に残ってた。ので雑談のネタにした。
 1:29:300の法則。1の重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する。
 小さなミスが重なって重なって大きな事故になる。
 例えば一時停止違反の車とスピード違反の車と、たまたま二人で会話しながら歩いていて一人の時よりも警戒の薄かった歩行者。きっと違反者はこれまでに300くらいの回数違反してたのかもしれない。歩行者はそれまでに楽しい会話を何度も交わして帰路についていた、その日も、いつも通り楽しく家まで帰れると信じて。
 ……なんのデジャビュだろう、縁起でもない。
「講義の本筋じゃなくて余談って感じだったんだけどさ。題材より印象に残っちゃって」
「確かに何の題材に出てきたかわかんねーけど頭に残るな。定理って言うだけあるけどそっちがオマケなのか。ほんとに学部選択によって全然内容違うんだなー」
 講義の内容から、他どの講義取ってるんだ、ゼミはどうするのか、という類の話、そして徐々に目的の買い物についてへ話題がうつる。
「お前は何か服買うの?」
「俺はいいかなあ、郁深のが選びたいよ。自分じゃ選ぶ気無いんでしょ?」
「まー自分で選んだらシャツとかジーパンとかシャツとかジーパンとかになるだろうなって思うわけだけど」
「まぁ俺も自分で自分の選んだらただのシャツになるかな」
「あとジーパンとかな」
 話しながら、ふと前を向く。
 自分達が歩いている歩道沿いの建物。裏手の駐車場に通じる、塀に覆われた乗用車の出入り口。塀が死角を作って、出てくる時に運転手から歩行者が見え辛い。歩行者からも、車は見え辛い。
「……郁深、」
「……?どうした」
 呼んで、腕を掴み、歩調をゆるめる。そこから車が出てくるか確認してから通ろう、そう思って、
「……!」
 出入り口直前まで進んでいた足が止まる。少しだけ息を噛む。突如目の前に飛び出してきた車は、歩道を横切って車道の直前で止まった。黒いワゴン車だ。車線を流れてくる白いトラックの方ばかりを見ていた運転手は俺達に気付かないままに、トラックが通り過ぎた後平然と進行方向へ顔を向きなおして車道へ出て行く。
「……危なかったな」
「……」
 さっき見た、デジャビュ。もしも、あのまま歩いていたら……
「……デジャビュのシーンを回避できたのって、俺初めてかも」
「え?……今の?」
「うん。マジで危なかったんじゃねーかな」
「すごいな、サンキュ。私もデジャヴはそのシーンになってから気付くな……」
 ほっとしたように笑う郁深と、妙に落ち着かない気持ちになる俺と。顔を見合わせて笑う。
   サイズとデザインが気に入ったのだけ選んで試着する。似たようなのと着比べる。互いに茶化しあって褒めあって貶しあう。やっぱり郁深は全裸がいいとかソレを言うならお前こ��全裸がいいとか、俺の裸が良いなんていうのは郁深くらいだとか、……傍から聞けばあらぬ誤解をされそうだ。いやあらぬこともないけど。実際見てるし。
 郁深は俺にニットとオーバーカーディガンとインナーを買った。俺は郁深にニットとスキニーパンツとガウチョを買った。
「俺のはいいって言ったのに結局買うんだもんな」
「これなら文句無い。似合ってたぜ」
「郁深も。スタイルがいいから」
「お前ほんとに私の身体好きだな……」
「変な言い回しやめろよ……!」
「照れるポイントがわからん」
  ショッピングモールを出て駅を背にしばし歩いたところで、郁深がふと足を止めた。
「……?」
「どした?」
「……いや……ちょっとね」
 気になって、と彼女は首を傾げる。吹下ろしの風に煽られた前髪がぶわりと浮き上がり、その両目がしっかり見開かれているのが露になった。暴き、検分する目つき。
 固定された視線を追ってみても、その先に何を見詰めてるのかわからない。俺と郁深の視力は殆ど同じはずなのに。俺にはピンとこなくて、郁深だから気付けた何かが、その視線の先にあるんだ。
「なに?気になるのって……」
「悪い、先帰っててくれるか?」
「え、ちょっと、郁深!」
 一緒に行こうか、瞬時、迷って手を伸ばす。風に煽られながら伸びた前髪越しの視界の中で、郁深は迷いなく駆け出していた。しなやかな脚。俊敏に地面を蹴って、一目散、視線を向けていた先へ……
 そして、声を張り上げる。
 気付いた何か、がある方向。
「危ないっ!」
 ぶわり、
 風が吹いた。
  「……っ」
 呆然と眺める、仮設テントの、スチールパイプ?あれが、郁深の方に突然吹き飛んできて、追い越すように俺の方へ飛んできたテント部分が視界を覆って、
 けど、その直前に確かに、郁深は……
 …
 …… 静かだ。
 目前に描かれていた情景は俺の頭が時間差で認識した虚構だったようで、現実の俺は壁にもたれて床に座り込んでいた。室内に風は無く、人の行き交う音もしない。まっすぐに水滴が髪から滴っていく。今目にしているのは鏡の中の自分だった。いつぞやのごとく血色の悪い、寝不足で目元に隈が沁みついた顔。
 ……ただし鏡に映った俺の顔は、郁深によく似た素朴な顔立ちだ。
 郁深が、居なくなった、後の 顔。
 夢だ。
 また、夢、だったんだ。
 そう思ってようやく、は、っと息を吸う。いや、吐いた?にわかに思い出された呼吸は混乱して、自分が吸ってるのか吐いてるのかわからない、
「は、はぁー……、は、あ」
 息を止めてからゆっくり吐け、まずは吐けこういうときは。耳の奥で響いた彼女の声に従う。吐かなきゃ吸えねーんだから吐け、そんで、ゆっっくり吸うんだぞ。
 呼吸を落ち着けながら、時計を確認する。時刻は夜の九時過ぎだ。今日は学校にも買い物にも行って、帰ってすぐにシャワーを浴びた。郁深とは一緒じゃなかった、だって彼女はもう、居ないのだから。
 帰った時はまだ午後七時半頃だったはずだから、いつもより長く眠って……いつもの夢をいつもより長く、見てたのか。
 てことはやっぱり夢の終わりで、郁深は、また……死んでしまったのか。
 強いビル風、仮設テント、スチールパイプ。覆われる視界。
 脱力し、凭れていた壁からずるずると背を横に倒す。なんだか頭が重い、身体も重い。鈍い痛みが動きを妨げてるみたい。……熱が出たのかも。寝てたというより、気絶かもしれない。郁深が居なくなってから、また冷水シャワーで済ませてるせいかな。
「……なんで……居ないんだよ」
 水滴が落ちる。静かだ。心臓の音が、耳障りなくらい。
   熱が出たからと言って、翌日の授業を休むわけにもいかなかった。しばらく引き蘢っていたせいで、これ以上休むと単位が取れない可能性が出てくる。
 一睡もできず熱は下がらなかったし身体もだるいけれど、なんとか身なりを整えて大学に向かった。パーカーとジーパン。不潔でさえなけりゃいいだろ何でも。
 講義室は前方に真面目な学生の集団、後方に不真面目な学生の集団がかたまって、俺はそのどっちにも紛れていく気力がわかず、ぽっかり空いた真ん中あたりの席に座る。寒いような熱いような体感に意識がぶれて仕方無い。せめて解熱剤飲んでくればよかった……なんで思い至らなかったかな、アホか俺は。
 溜息をついた俺の隣の席に、誰かがそっと座った気配がした。控えめな気配の割に、随分近くに座るのはなぜだと思って顔を上げたら、相手は「久しぶり」と俺の肩を叩いたところだった。……友人だった。
「……久しぶり」
「ここ、空いてるよね?」
「……。他にも空いてる席あるけど」
「そう言うなって」
 心配してたんだよ、あんた返信もしないし、下宿も知らないから……と言葉を重ねる友人から、そっと視線を外す。
 まだ一人で居たかったな。
 空いてる席は、最近までずっと俺の右側だけで
 今友人が座ったのは、左側の席だった。
 相手はきっと意識していない。左側は郁深が一緒の時の定位置で、右利きの俺と左利きの彼女の腕が、ノートをとる時ぶつからないために決まって座ってた位置なんだ。
 友人が心配して関わってきてくれたのは、有難いんだろうと思う。それでもつい、その裏の……このままじゃ自分達が気まずいからお前が様子見て来いよ、とか言われたんだろうな、って思惑を、感じてしまって、勝手に落胆して、煩わしくなってしまう。ただの下手な勘ぐりかもしれないけど、でも、そういう感じってあからさまにせずとも伝わるものだ。あまり意識を割きたくない。
 講義は新しい題材に入ってて、ハインリッヒの定理が出てきた。知ってる気がする、なんだっけ……
「なぁ、聞いてる?」
「……講義聞いてた。ごめん、後で話そう」
「……ああ」
 正直なとこ講義終わったらさっさと帰ってしまいたい。
 もう一度溜息を吐く。とうとう悪化してきた頭痛に耐えるためにこめかみを押さえる。
   ボールペンのうしろでぐり、ぐり、と頭痛の波にあわせて額を揉んでいたら、
「もう講義終わったぞ、大丈夫かよ」
 と聞き慣れた声がした。
 大講義室の隅、机の上に突っ伏していた姿勢から声のした頭上へ視線を上げる。郁深が笑っていた。
「あれ、あいつは?」
「あいつって?」
「……さっきそこに座ってた、」
「……どした?そこに座ってたの私だよ?」
「そうだっけ」
「そうだろ。大丈夫かよ?熱でもあんのか?」
「……」
 熱?熱なんかないよ。郁深と一緒に買い物に行く予定なのに……熱なんか出してられるか。
「ならいいけど。行こうぜ」
 ほっとした様子で俺の額に伸ばしかけた手を下し、郁深はきゅ、目を細めてわらう。子供の絵本に出てくる狐みたいな笑顔。
 なんだよ、本気で心配したのか?
 そういうとこ好きだよ。
  「せっかくだし買った服どっか着て行きたいよな~」
 大学の最寄り駅周辺にあるショッピングモールに向かう道すがら。
 雑談は講義の内容から、今どの講義取ってるんだ、ゼミはどうするのか、という類の話、そして徐々に目的の買い物についてへ話題がうつっていった。
「今度の連休、川遊びしに行こうぜ?お前の運転で!」
 そしてとうとう休日の予定にまで話が広がる。
「いいね。初夏の山行きたいって思ってた……けどいきなり山道運転させる気?」
 俺はようやく春休みに免許を取ったばかりで、まだ整備された一般道にすら慣れてない。高校卒業してからの一年は引っ越しとか忙しいことが多く、免許取ってる暇がなかったんだ。大学の近くで下宿してるせいで普段は運転する必要も無いし。
「ちょっと不安じゃない?」
「私が助手席に居るんだからへーきだよ。疲れたり無理そうなとこあったら代ってやるし。それに山道は歩行者が居ないから」
 その分安心だろ、と郁深は言う。
 最悪事故っても自分たちが死ぬだけだ、なんて、冗談めかして。
 はっとする。
 辺りを見回す
 自分達が歩いている歩道沿いの建物。裏手の駐車場に通じる、塀に覆われた乗用車の出入り口。塀が死角を作って、出てくる時に運転手から歩行者が見え辛い。歩行者からも、車は見え辛い。
「……郁深、」
「……?どうした」
 すぐさま郁深の腕をつかんで、一歩、後ずさりながら自分の方へ引き寄せた。
 出入り口直前まで進んでいた郁深が俺のところまで戻って、彼女の居た位置に車のフロント部が突き出してくる。黒いワゴン車だ。歩道を横切って車道の直前で止まった。車線を流れてくる白いトラックの方ばかりを見ていた運転手は俺達に気付かないままに、トラックが通り過ぎた後平然と進行方向へ顔を向きなおして車道へ出て行く。
 黒いワゴン車。白いトラック。
「……危なかったな」
「……」
 ああ、
 これは夢だ。
 きっとまた目が醒める時、郁深が死んでしまうあの夢。
   買い物の間、これが夢だと自分に言い聞かせていたせいで、俺は上の空だった。軽口も少なく、試着も最小限で似合う服を引き当てた俺に、郁深は「シャーマンかよ……」と少し可笑しそうにしていた。
   ショッピングモールを出て駅を背にしばし歩いたところで、郁深がふと足を止める。
 やっぱり、きた。
「……何見てる?」
「……いや……ちょっとね」
 彼女は首を傾げる。吹下ろしの風に煽られた前髪がぶわりと浮き上がり、その両目がしっかり見開かれているのが露になった。
 彼女の見詰める視線の先。今ならばわかる、そこには仮設テントがあった。郁深はアレを見てるんだ。
「気になるのって、あのテント?」
 ついテントを睨みつけながら小声で訊くと、郁深は驚きました、と書いてある表情で俺の方を振り返る。
「よく気付いたな、お前はビルの立地とか風速とかそういうの興味無いと思ってたよ」
 立地……?
「立地危ないの?」
「うーんあれ危ないよな。ビル風あるから、あの位置だと風速オーバーだと思うんだけど」
 俺に負けず劣らず険しい目で睨む郁深に背筋がひやりとして、咄嗟にその肩をつかんだ。走り出されてしまったら俺には追い付けない。捕まえておかなきゃ。
「……なら、設営担当者に伝えた方がいいな。あそこに出てるの、丁度このモールの店がやってるキャンペーンだし、デパート側に報告したらいいんじゃない?」
「それもそうだな。あそこに居る人に伝えてもその場で畳むのは難しいだろう」
 納得した様子で踵を返しデパートの方に足を向けた、そこまでしっかり見届けて息をつく。
 ぶわり、
 風が吹いた。
 「あ、やべ。買わなきゃいけない本あるんだった」
「買わなきゃいけない?」
「講義で使うんだってよ。悪いけど先帰っててくれる?夕飯作っといて」
「了解。荷物持ってこうか?」
 デパートに逆戻りしたついでに買い忘れに気付いた郁深は書店に向かった。
 買った服を受け取って、サイフとケータイだけ入った手提げ所持の身軽な状態で送り出す。
 折角だから俺もどっか寄って行こうかな。
  一足先に家に着いて持ち帰った荷物を片付け、俺は夕飯に何を作ろうか考えていた。なんでだか少し気分がいい。郁深の好物でも作ろうかな。
 郁深と「家族」になってから、俺の家事への姿勢は著しく改善された。料理のレパートリーも増えた。
 意識が、嫌だ嫌だと思う意識が。無くなったから、だ。
 面倒だし、サボることもあるけれど、その手抜き加減でも許されてるところとか、それでも洗濯しとけば「ありがとう」料理すれば「おいしいな~」って返されることとか、多少散らかっても互いの存在を強く感じることだとかが、嫌だと思う気持ちを溶かして消していった。郁深の方がけっこうズボラで、そんなところも気楽になる。同居当初は俺の方こそ、「洗濯物脱ぎ散らかさないで」とか怒ってみせてたんだ。懐かしいな。
 彼女のズボラは全く改善されてなくて、俺がほぼ全部家事をやってるわけだけど。だって気付いたら自分が先にやっといた方が早いからね。
 くすくす笑いを零しながら、たまに洗い物してくれるだけで嬉しくなっちゃう俺はすげーチョロいかもしれない、と思った。
  ご飯を炊いて、みそ汁を作る。サラダを冷蔵庫に入れといてアジの開きをフライにして、まだ帰ってこないのかな、とケータイを確認した。
 その時着信に気付いた。
 不在着信。7件も。
 何?と訝しむと同時、見詰めていた画面が着信に切り替わる。咄嗟のことで驚いてケータイを落としそうになりながら、どうにか通話にして耳に当てた。
「い、郁深?どうし…」
『ご家族の方ですか?』
 電話の相手は郁深じゃ無かった。男性の声で、その人は警察関係者であることを指す肩書きと名前を名乗った。
『綾瀬郁深さんが事件に巻き込まれました。…中央総合病院にまで、来ていただけますか。詳しいことは、直接会ってお話します』
   とてもちゃちな事件だった。ありがちで、ニュースにもならないようなこと。確かに人の悪意が招いた事態なのに、ともすれば交通事故よりも些細な扱いで済まされてしまうような、本当にチープで、巻き込まれるのが馬鹿らしくなるような事件。
 郁深はひったくりにあった、らしい。
 バイクで通りすがりに引っ掴まれ、鞄が絡んで身体ごと引き摺られ、ついでのように殴られて吹き飛んで頭を打って即死。
 巻き込まれるのが馬鹿らしくなるような。運が悪いと言ってしまいそうなほどちゃちな。
 新聞にも載らない程度の、死んだところを想像すらされないであろう小さな事件。俺だってこれが見知らぬ他人なら、気に留めることさえなかっただろう。
 郁深でさえ、なければ。
 病院に着くと、顔の確認できない死体を「確認して下さい」と見せられて、何の反応もできなかった。
 体型も服装も見えてるけれど、どうしても郁深と重ねられない。ずれてずれて、輪郭がぐらついていくつも床が波を立てる。
 手が震えてがくがくと身体の内側が狂うのに、目の前に横たわっているモノに触れるのをやめられない。
 冷たい。冷たい
 冷たくて、俺の手でさすって、不意にめくれた服の下。
「……っ」
 皮肉にも俺に合わせていれてくれた刺青が、これが確かに郁深だと証明してしまう。
 肋に沿って彫られた、骨の刺青。
「……」
 これが、郁深?
 死んだ?
 こんな、突然
 俺の知らないとこで
 ……
 俺は
 彼女が死んだ時、暢気に夕飯なんか作ってた。
 何も知らないで。
「……っ、は、」
 今だって、家に帰れば作っておいた夕飯がある。一緒に食べようって、いつもみたいに、特別手の込んだ料理じゃないけど、郁深はいつもおいしいって食べて
 一緒に
 買った服もちゃんとクローゼットに入れておいたよ、
 休みに出掛けるんだろ
 思い立ったらすぐにでも行動しちゃって、先の予定なんかろくに考えないのに
 こんな、前々から言い出すなんてさ
 よほど楽しみだったんだね。
 刺青をなぞる
 何度も、何度も
 何度も何度も何度も
「郁深……家、一緒に、帰ろう」
 ねえ。
 一緒にいればよかった。
  脚が萎えたように力が入れられなくてそのまま床に座り込んだ。
 呆然と
 思考も動作も全部、自分の意識から外れて
 自分の意識が、外れて
 からっぽの状態で、足元から冷えていく。
 ぼうっとする。
 酸欠かな
 息、
  「……は、っ」
 息を呑んで 周りを見渡す。
 白い壁にグリーンのカーテン。木目の長椅子とチェスト……
 病室?
 背後にはベッドもあって、自分がそこから落ちて尻餅をついたのだとわかった。
 記憶を辿る。講義室、ダルくて授業に集中できず、机に突っ伏した記憶がある。ここんとこずっと寝不足気味で、睡眠時間は足りてなかったし。ダルかったのは、冷水シャワーで体調を崩したのか、熱っぽかったから。なんで冷水シャワーなんて浴びたんだっけ……寝不足になったのは、なぜだっけ。
 とにかく、講義室。郁深が声を掛けてくれた。案の定熱を出して気絶した俺を、彼女がここに連れてきてくれたんだろうか。
 学校の医務室なのか、近くの病院なのかはわからないけど、………
 いや、待て
 違うだろ。
 声を掛けてくれた郁深。一緒に歩いた帰り道。黒いワゴン車、白いトラック……デパート、仮設テント。
 俺が講義室で眠ったのであれば過ごしていないはずの郁深との時間が記憶にあって、けれどそれは……
「夢、だ」
 そして、さっき、彼女は死んだ。
 また、夢の中で。
 デパートで分れた一人の帰り道、夕飯ができた頃に気付いた電話、病院で待っていた動かない、冷たい身体。
「……病院、か。まるであの後ショックで倒れて、今目が覚めたみたいだな」
 ひったくりに遭ったと聞いた気がする。
 俺はその時暢気に夕飯作ってたんだ、って
 俺が一緒にいなかったせいで郁深は……って
 思ったんだ。
 窓の外を見る。どこだろう、医務室なら学校っぽい景色が見えそうなものだけど、窓からの景色ではここがどこなのかわからない。
 午前中の講義で倒れたはずなのに、外はもう陽が傾いて暗かった。
 眠る時間が少しずつ長くなっている。
 郁深が居ない現実も、目覚める度慣れていくようで、
 ……立ち直って来ているんだろうか、彼女をなくしたショックから。
 胃が痛くなるような仮説だ。脳裏に過っただけでキリキリと内蔵が不随意な痛みを発して、思考を遮断させようとしてるみたいだった。
 立ち直りたくなんかないよ。
 郁深が居ないのに何でもない平気な自分なんて、受け入れられない。
   夢の中では郁深に会える。
   郁深が夢で生きている時間は、死を回避するごとに長くなっていった。
 一緒に歩いた帰り道。黒いワゴン車、白いトラック……デパート、仮設テント
 買い忘れの参考書、バイクのひったくり犯、一緒に歩いた帰り道、
 家で作る夕飯
 一緒の食事
  その後も、何度も彼女が死んだ
 階段から落ちたり、飲酒運転の交通事故だったり、盗難の鉢合わせで殺されたり、電車の混雑で線路に突き落とされたり、
 その度に俺は目を覚まして絶望して、汗だくの身体で震えながらもう一度目を閉じた。
  最近は穏やかな日常が続いて、これが夢だということを忘れそうになる。
 けど、夢だって忘れて警戒を怠って、また彼女が死んでしまったらと思うと恐ろしくて忘れられなかった。
  「おはよう」
 おはよ、学校で友人に声を掛けられるのは久しぶりで、咄嗟に口から出た挨拶は対象に向かわずにぼとりと落っこちたみたいな声だった。
 掠れた視界の向こうがなんだか遠い。ぎこちない笑顔の友人は「最近休みがちだけど、」と気遣う素振りで俺の背を撫でた。
「単位、大丈夫なのか?どうしてもしんどいなら代返しとくから、言えよな」
「……ああ、うん」
 最近休みがちだったのは、ずっと眠っていたせいだ。郁深の死を回避し続ける限り、夢を見ていられる。
 今朝になって目が覚めたのは……つまりそういうこと。
「なぁちょっと、おい」
「……ん?」
「ちょっといいか」
 なに、と訊くまでもなく友人は俺の身体をぺたぺたと触って、苦笑していた表情を苦味に偏らせた。
「痩せ過ぎだ」
「……は?」
「だから、お前痩せ過ぎだよ。メシ食ってるの?」
 険しい顔して俺の腰を掴んでくる友人をぼうっと見詰めながら、俺は全然別のことを考えていた。
 真剣な、その表情
 面倒そうな落ち込み具合の俺に対してわざわざ話しかけてくれる態度……
 あれ?
 こんな風に、俺を気遣ってくれる友人なんて、居たっけ。
 まじまじと相手を観察し、頭の霧を追い払う。
 掠れた視界をクリアに。遠い感覚から、触れているその手に意識を。
「聞いてるか?ぼーっとしてるな。頭にも栄養行ってないん」「郁深!」
「お、おう」
 しかめた眉がすとんと力を抜いて、突然叫んだ俺に驚いた様子で目を丸くする。
 目の前に立っているのは 郁深だった。
「……っ!」
 衝動が勝手に身体を動かす。息をつめて生まれてくる熱を閉じこめる。ぎゅうぎゅうときつく背に両手を回し、腕の中に抱き込んでその首筋に顔を��め擦り付けた。
「郁深、郁深……!」
「……どうした?家に一人がそんなに嫌だったのか?」
「うん、うん……俺が我慢すれば喧嘩なんかならなかったのに、ごめん」
「喧嘩って……まぁいいや。っておい泣くなよ。泣くほどのことか」
「ひっ、ぅ」
 泣くよ。
 頭おかしくなりそうなんだ。呼吸するだけで気管支が焼けるみたいにすごく痛いんだ。苦しかった。起きてるのつらいよ、お前が心配してくれて嬉しい、俺をおいてかないで。
 いつから夢を見てるんだろう。喧嘩別れしてしまったこと、昨日の出来事なのかな。
 なんでもいいか、郁深がここに居るなら。
   講義を終えたその足で、郁深の居るゼミ室に寄って、二人連れ立って大学を抜け出す。
 ショッピングモールまで一緒に歩く。黒いワゴン車、白いトラック……仮設テントが壊れて、一緒に戻って買い忘れの参考書を買う。
 バイクのひったくり犯を躱して、家まで連れ立って歩き着いたらファッションショーごっこ。服をクローゼットに仕舞いながら連休の行き先を相談。
 夕飯を一緒に作って
 一緒に食事をする。
 ルーチンワークの日常は穏やかで、いつもの繰り返しで、……何よりも幸せだった。
 気が急くようなことや、人ごみで揉まれるような場所は避けて、余裕を持って過ごすように心がける。それだけで小さな怪我さえ減っていって、喧嘩は今回、するきっかけさえ無いまま回避された。
   そうして、「川遊びしよう」と約束していた、連休を迎えた。
 二人似たようなニットのゆったりした服装でレンタカーに乗り込む。
 何度も繰り返した会話がようやく現実になることが嬉しくて、俺は浮かれた気分を引き締めるのに必死だった。ほわほわした散漫な注意力で、事故ったりしたら元も子もない。曲がりくねった山道を慎重に走らせ、広い平地を作ってある砂敷きの駐車場に車を停めた。
 すぐ脇に川が流れて、そこそこ上流まできたおかげで岩や草花が大きく育っている。初夏の緑が鮮やかに日の光と混じりあって眩しい。
「すごい、晴れて良かったな!」
 嬉しそうな声とせせらぎの音。水色の空を背景に笑う郁深の笑顔も眩しい。いいな、嬉しい。楽しいな。
「早速行くか」
「カメラ持ってって良い?」
「いいね。清涼飲料水のポスターごっこしようぜ」
「なんそれ」
 俺も声を上げて笑う。こんな風に笑うのいつ振りだろう、そう思った途端胸に何か、ツキンと小さい痛みが刺さって、細めた目を開ける。
 郁深はじんわりと暖かな視線で俺を見ていた。
 ああ
 好きだ。
 「コテージに泊まるんだっけ。どこ?」
「駐車場の向こうだよ」
 車に荷物を置いたまま、早速俺達は河原で裸足になって岩から岩を伝い、浅いところで遊びはじめた。
「結構長く運転してきたなぁ。もうすぐゴールデンタイムだ……カメラに収めなきゃ」
「なぁ~やっぱカメラそれ邪魔じゃね?こっち来いよ」
「郁深だって持ってきていいって言ったじゃん!」
 抗議する俺を遮って郁深がざぶざぶ水に入っていく音を立てる。引き締まった綺麗な脚で幾重にも重なった岩の上を流れる澄んだ水を掻いて、軽やかに対岸の方へ。
 川の上流から降注ぐ夕日の帯が彼女を照らす。金色の光。ふわりと風にひらめく薄手のサマーニットの表面を転がる水滴、空中を滑る宝石のような飛沫、
 カシャ
「ん!撮った?」
「撮った」
 煌めく夕日の中でぱしゃぱしゃ水と戯れる姿を、何枚も残していく。山に来た興奮と空気を満喫するバタバタとした動きから、次第に彼女の足運びがダンスのような軽やかさに変わって、足場の悪い岩の上でくるりとターンする。怪我を心配しながらも写真に撮るのをやめられなかった。
 ぐん、と手脚が伸びやかに動き、実際の振りよりもうんと大きな波紋を生み出す。目に飛び込んでくる、美しい山の景色と、異界と通ずるような黄昏時の輝き。わざわざカメラを構えてる俺を意識して、絵になる動作をしてくれてるんだ。
 彼女の目がふっ、とこっちを見て
 口元が柔らかな曲線を描いた。
 カシャ
「写真ほどほどにしてこっち来なって~」
「わかったわかった」
 夕日は大分落ちてしまって、辺りは薄暗くなっている。
 最後に撮った一枚を確認し息を吐いた。熱の隠った吐息に自分で赤面する。……や、でもこれは、仕方無いでしょ。
 画面の中で微笑む郁深はあまりに優しい表情をして、カメラに目線を向けていた。写真として一度客体におとせば、明らかにわかる。彼女がどれほど温かな気持ちで、俺を呼んでくれてるのか。
「今行くよ」
 俺は鞄にカメラを仕舞うと岸辺のベンチに放置して、随分離れてしまった郁深の元に駆け寄った。
   すっかり日が落ちると岸辺でたき火をして、持ってきた花火を点けて打ち上げた。
 手で持つタイプの奴は持ってきてない。
「この打ち上げるコンビニ花火をさー、手で持って撃ち合って遊んだの懐かしいな」
「あれ熱いんだよ……危ないからもうやっちゃダメだよ郁深」
「はいはい」
 郁深と親しくなってからは、ふざけて危ない遊びをしてたことはままある。おかげで交友関係は悪友ばっかりだ。こんな風に穏やかに二人で過ごせるのは、ごく最近になってからだった。岩に並んで腰掛けて、ふふっと触れ合わせた肩を揺らす。
「大人になったんだなぁ、私達も」
「まるくなったってこと?確かに無茶できること減ったね。そういえば成人してから徹夜がキツくなったな」
「まだこれから先長いのに落ち着くには早いだろ!悪さはもうしないけど」
 大人、大人。
 リバーブしながら川辺で足だけ水に浸し、水面越しに彼女を眺めた。
 大人になったら、郁深に言いたかったことがある。
 好きだ、って
 弟としてじゃなくても、一緒に居たいって
 大人だからできることを、一緒にしよう、って
 言いたかった。さっきの写真を見ていたら、拒絶されることは無いだろうとも思えた。
 でもどんなに思っても、全部過去形にしかならない。後悔、未練、寂しさ……どうしてだろう。
「……?」
 どうして?
 何か大切なことを忘れてる気がする。
 どうして言えないなんて思うんだ。言えばいい、今だって……むしろ今のこのシチュエーションはすごくいいんじゃないか?
 綺麗な山の景色の中で、少し日常から抜け出した特別感があって。
 なのに、忘れてるはずの何かが気になって、俺は口を開けなかった。
 何も言わないまま、最後の花火が上がり、色とりどりの光が反射して、ぱん、と軽い破裂音。花火大会で披露される本格的なものじゃない、大したことはないけど、それでも周りが明るくなったように感じた。一瞬の花。咲いて、消える。
 そこから一気に静寂と夜の闇が戻ってくる。川辺は少し肌寒い。岩の間を流れる水は暗く深く、どこまでも沈んでいく底なしにさえ見えた。
「戻ろっか。向こう岸に」
 ひんやり冴えた空気を纏って郁深が立ち上がる。
 俺も黙って頷いて、後に続いて川に入った。
 その時、
 複数の足音がこっちに向かって来て
 背後から聞こえるそれに俺の方を振り返った郁深の表情が一変した。
「危ない!」
 目前に迫った郁深の手と一拍ずれて、頭部が揺さぶられる
 ガツン、と
  首が折れそうな衝撃を受けて水面に叩き付けられ、続けざまに身体を押さえつけられ
 右半身から荷物の触覚がなくなり、代りに服の上をまさぐられた。鳥肌が立つ。渦を巻いた頭にようやく届いたその正体は、人間の手だった。
 男が二人、俺の身体を押さえつけ、身につけている物を探っている。
 ざあっと血の気が引く音と、凍り付いたような心臓の痛みがして、感覚が一気に返ってきた。焦燥として視線を走らせる。郁深、郁深は……?!
 女だ、と 誰かが呟いたのが聞こえた。
 惑っていた視線がそちらに引きつけられる。吐きそうになりながらどうにか身を起こそうとして、二人掛かりで顔面から岩にぶち当てられた。ろくに平衡感覚が無い、ただ倒れていることさえできないくらい頭が痛い。
 だけど
「女だ」、と言った
 その言葉に含まれた裏は俺にだってわかる。もう、大人なんだ、これでも……俺にだって、郁深を
 そういう意味で意識したことは、あるんだ。
 俺を押さえつけてる以外に郁深に手を出す奴が居る、郁深に何かあったら。もしもここで何もできなかったら、俺は……
 もがきながらなんとかして視線を上げる
 滴る血液に邪魔された視界で、郁深に人影が多い被さるのが見えた。
 —————やめろ、
「なんで郁深なんだよ!」
 絶叫した俺に、嘲笑が浴びせられて
 掴まれた頭を水に突っ込まれる
 そのまま殴られ嘔吐感と、首の後ろを背からせりあがるような重苦しい圧迫感が襲ってくる。
「が、っは、……ぅぐ」
 自分の身体中から苦みが絞り出されて
 それが川の水と行き違う感覚
 苦しい
 苦しい
 だけど、郁深の傍に行かなきゃ。
   わかってる
 違反車のドライバーも設置違反したスタッフもひったくりも泥棒も愉快犯も
 駅のホームで肘をぶつけられたから押し返しただけだ、なんて逆ギレしていた会社員も
 郁深を郁深として認識してたわけじゃない
 全部偶然で
 ただの過失とか、ふざけ半分で
 たかがそんなことで、彼女は……
   何度も。
   大切なことを忘れている気がしてた。
 ここは、夢の中なんだ
   ボキッ、と 重いものが折れるような、いびつな音を立てて、俺の腕は押さえつけていた二人の下から抜け出す。同時にバシャリ、水面が大きく波立ったらしい音が聞こえ、生まれた光が乱反射し、近くから男の気配が無くなった。
 ろくに前が見えない。目が潰れたのかもしれない
 呼吸もできない、水を呑んだかな。でも集中してる時って呼吸は止まるものだ。構わない。
 郁深、
 手を伸ばす。
 なんだか水面に夕日が見える。その光に、水で濡れて着衣の乱れた姿が浮かび上がって、すごく綺麗だ。
 二人して佇むのは、丁度川幅の真ん中あたり。
 伸ばした手は届かずに、握っていたライターは川へ投げ出される。
 郁深を照らしていた火は俺に向かって掴みかかって、
 俺の腕は植物が絡むようにその人影を巻き込み 暗い水の底に堕ちた。
   「…………ひぅっ、は、っは、ひっ、ひゅっ……」
 どさ、と背中から落ちた衝撃があって、びくっと首をのけぞらせ上体が跳ねる。
 突然過剰な酸素を吸い込んでしまい痙攣する身体。投げ出された腕がベッドから垂れて、感覚が無い。
 夢だったはずなのに、俺の顔はものすごい痛みが渦巻いていて、ろくに焦点も定まらない。
 恐慌するままに身体を撥ね起こすと心臓が躍り上がるような衝撃があって、酷い目眩と耳鳴りがした。立ち上がろうとした途端一気に重力が膨れ上がって身体がぐらつき、もつれる脚で無理矢理傍らにあった洗面の鏡を覗き込む。
 傷がある、
 顔の上半分……ぐちゃぐちゃの傷が。
 夢だったはずなのに。とうとう郁深が死なないままに目を覚ました、はずなのに
「……まさか」
 郁深
 郁深?居るの?
 俺の、この傷はお前を守れた証じゃ無いの?
 郁深!
 ばっ と勢い任せに辺りをうかがう。そうでもしないとろくに身体が動かない。頭がガンガンする、目から入る光さえ刺激になって、けれど目を剥くのをやめられず、瞬きすらできないで周囲を見回した。病室のような空間、縋り付いているこれはベッドの脇に設置された洗面台だ。さらにその横に収納棚と来客用らしき長椅子。治療器具の類は置いてない、カーテンが閉められて、仕切られたその外側まではうかがえない、気配がわかる範囲には誰も居ない、郁深も、誰も。
 ―――――まだ、夢を見てる?
 ……いや
 何取り乱してんだよ
 動機息切れで、脳みそが正常な思考できない状態になっているのか。
「はっ……はっ……ふっ……」
 胸を押さえる。息を噛む。
 死なせずに目を覚ましたら、郁深がここに居るかもなんて
 ……そんなことあるわけ無いんだ、夢は夢だ。
 夢と繋がっているかのような体調不良での病室だけど、目を覚ました俺が病室に居るのだって不思議じゃ無い、経緯はわからないけれど、意識を失ってたんだろうから当然だ、心当たりなんていくらでもある、ろくに食事も摂らずに眠り続けてたら栄養失調になったっておかしくないんだ、貧血かもしれない、睡眠障害で倒れたのかもしれない
 今は繋がれてないけど、腕に点滴用のチューブが差し込まれてるし
 この傷は……大方階段から転げ落ちたりでもしたんだろう
 郁深は居ない
 死んでしまったんだ
 交通事故で……
 黒いワゴン車。
 白いトラック。
 出会い頭の衝突に、スピード違反の車の轢過……
「え……あ、れ?」
 頭の痛みが ぐわり、膨れ上がった。
 違う
 郁深の最期は、事故死じゃ無かった
   一緒に歩いた帰り道。黒いワゴン車、白いトラック……デパート、仮設テント
 買い忘れの参考書、バイクのひったくり犯、一緒に歩いた帰り道、
 家で作る夕飯
 一緒の食事
   階段から落ちて、飲酒運転の暴走車に撥ねられて、窃盗犯に殺され、線路に突き落とされ、
 その度に俺は目を覚まして絶望して、
 汗だくの身��で震えながらもう一度目を閉じた。
 ……あれは、夢だ
 彼女が繰り返し死ぬ、悪夢 
   じゃあ
 現実で、郁深は
 郁深が死んだのは
 彼女は
 郁深は……どうやって
 どうして死んでしまったんだ?
「……っ」
 何で
 思い出せない、……?そんな……
 思い出せない、郁深の最期、
「そ、んな」
  何度も
 何度も何度も繰り返してしまって
 何度も
 何度、も。
「……全部、夢だ」
 愕然とした。呟かれた声が口端からどろりと落ちて床に汚いシミを作る気がした。寝不足も不登校も睡眠障害も栄養失調も、全部夢が原因だ。
 夢、だったのに。
 ぼと、と
 身体が崩れ落ちる。座っているのさえ苦しい。支えていられない
 床に倒れ込んだ。白い天井がスクリーンのようで そこへ閉じられない目蓋の代りに、思考を映し出す。
 郁深 は
 郁深はもう居ない。
 この現実の、どこにも居ない。
 何度も繰り返し見る悪夢……にさえ慣れて。次こそ死なせないように、なんて
 次?
 次って何なんだ。
 いくら夢を繰り返したって、もう居ない。
 そんなことも
 そんなことさえ、今まで忘れて
 彼女の、最期さえ忘れて
 どうして、眠っていられたんだ
 どうして夢なんか見て、夢とはいえ、彼女の、死ぬところを見ていられたんだ……
 いくら会いたいと願ったとしても、夢だった。そしてその夢の最後にはいつも、彼女は死んでしまう。郁深が、死んでしまうんだ。ああ、なのに、どのくらいそれに縋って、どのくらいの間眠り続けたんだろう。いざ彼女が死ぬところを見ずに目を覚まして、今度はまた麻痺していた喪失に苛まれている。
   ああ、なのに
 いざ彼女が死ぬところを見ずに目を覚まして、
 郁深が居ない現実に耐えられない。
 郁深が居ないのに何でもない平気な自分なんて、受け入れられない。
   夢、だとしても
   郁深が居ない現実より
 郁深が生きている夢の方が、俺にとっては大切になってしまった。
   目蓋を閉じる。起き上がれない。床は冷たくて身体は憔悴していて、熱はどんどん失われていく。ここには居ない、温めてくれる眼差しを思い出す。夕日に照らされた郁深の笑顔が過る。真っ暗なはずのまぶたのうらに。これは夢だっけ?けれどすごくはっきりと思い描けるんだ。
 ぐちゃぐちゃにくずれて狭まった視界で彼女の顔がわからなくなって
 ただ激情を溢れさせるがごとく動いた唇が言葉を紡いだ、それだけが鼓膜を震わせて 刻み付けられる。
    「                   」
「  
        」
    「おはよう」
 意識が浮上すると同時に、頬を伝っていく熱を覚えて、滲む視界でそれが涙だとわかった。
 呆然と瞬き、天井を見上げていた視線をぐるりと回して起き上がる。すぐ横に人肌の体温。全開にされたカーテンから、朝日の差し込むベッドルーム。時計を見ると午前八時。なんて健康的なんだ。ぼやけた両目を軽く擦って「おはよう」と返すと、目の前にあった柔らかな笑顔がそっと近付いて、俺を抱きしめた。
 ああ、幸せだな。
 ずっとこの幸せが続けばいい……
 ほとほとと、シーツに沁みができていく。
 涙を零し続ける俺を見て、郁深は困ったように眉を下げた。
「どうしたんだよ……まだ具合悪いのか?」
 気遣う手つきで背を撫でられて、余計にぶわっと熱が込み上げ
 しゃくりあげながら答える声は上擦って掠れてしまう。
「ううん……平気。怖い夢をみたんだ」
 ……どんな?
 首を小さく傾けて、縋る俺を茶化すことも無く穏やかに訊ねられる。
 郁深が涙を指先で拭ってくれるのをそっと掴んで、手のひらに頬ですり寄る。鼻先が触れるまで近付いて、ほ、と息を吐いた。
「郁深が、……死んじゃう夢だった」
 つい昨日も病院で同じ夢を見て、動揺して床に倒れたんだよ。
 ぼそぼそと告白すると背に回された腕の力が増して、そのまま起こしていた上半身を重ねるようにベッドへ押し倒された。
 どくん、どくん、と
 重なった胸に、鼓動が伝わる。
「大丈夫だ」
 大丈夫。繰り返し囁いて、頬に当てた手で俺の顔をぐいと上げて視線を合わせられる。
 温かい、思わず動揺する、揺さぶられる……そんな熱をもった眼差しが俺を包む。
「私はここに居るよ。お前の傍に居る、香澄」
 大好きだよ。
 そう言って、吐息が混じるまで近付いた唇と、唇が触れ合った。
 目を閉じる。抱きしめあう腕に力を込める。
 きっともう、あの夢をみることは無い。
       掌編集『愛言掛』収録 <familie komplex>
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yo4zu3 · 5 years
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モブ下くん
「お前、顔赤いぞ。酔ったのか?」
 中学からの片思いは、10年経った今ようやく実を結んだところであった。ノンケである俺の幼馴染、大柴喜一をその気にさせるのにかなりの時間を費やした。一生かけてでもいいと思ったほどに、俺はこいつを愛している。それに対して素直でない喜一も、ようやく俺に愛の言葉をささやくようになった。長かった。想いが通じ合うまでに10年。慎重に進めたかった俺たちは、身体の関係なんて勿論まだであった。
「んーわかんねぇ・・ふわふわしてて、ちょっと眠いかも」
 そんな喜一と最近恋人同士になり、都内某所のお洒落なダイニングバーでデートをしているところだ。高校卒業後、大学へと進学した俺は法学を学び、今は小さな法律事務所で弁護士としてお世話になっている。一方の喜一は最後のインターハイの後、プロサッカーチームからのスカウトを受けていた。今年で早いことにもう6年目だという。お互いにライフスタイルが合わないせいか、こうやってゆっくりと酒を飲む機会もなかなかなかった。あれ、もしかして今日は付き合ってから初めてのデートということになるのではないだろうか・・・
「あんま強くねぇんだから、ちょっと控えろよ。明日休みだっけ?」
「ん、休み。喜一は?」
「俺も明日はオフだ。久しぶりにがっつり寝たいな」
 休み・・・そう聞いて心臓のあたりがどくん、と大きく脈打った。この流れなら、この後は喜一の家にお泊りかな。ああ、いよいよ抱かれるのだろうか。期待で口元が緩みそうになるのを堪え、手元のカクテルに口を付けた。あまい。まるで砂糖水のようだ。
「だから、そんなに早く飲むなって」
「んーいいの、休みだから~」
 ステムを握る俺の手を、喜一の大きな掌が包んだ。温かな体温が心地よい。逆の手で喜一の指を引き剥がすと、その長い指に己の指を絡めた。やんわりと握れば、やさしく握り返してくる指。この指で、俺の身体に触れて欲しい。そう思えば下半身の、主に尻が疼いて仕方ない。喜一と違ってサッカーは高校で辞めてしまった。日焼け跡すら残っていない、真っ白に戻った素肌をなぞるように、その長く形のいい指を滑らせて欲しい・・
「あ、おれ、ちょっとトイレ・・」
「ああ、というか大丈夫か?一人で行けるか?」
「だ、大丈夫だって、ガキじゃあるまいしへーきへーき・・」
 そう言って席を立てば、喜一は追っては来なかった。危なかった。このままついて来られたりでもしたら、危うく軽く勃起したペニスを見られるところだった。思ったよりも酒が回っているのか、ふらつく足ではうまく進まず、壁に手をついてゆっくりと足を進めた。スラックスの前が窮屈で仕方ない。あ、トイレの看板が見えた。別に用を足したいわけではないのに、その三文字を見るとひどく安心するのは気のせいか。
 ドン。角を曲がると誰かとぶつかった。少し前かがみになっていたせいか、軽い衝撃だったはずなのによろけて倒れそうになった。ぐい、と引っ張られる俺の腕。痛い。力が強すぎるんだよ。
「あ、すんません」
「いえ、こちらこそ不用意でした。君下くん」
「え・・」
 名前が呼ばれ、長い前髪越しに顔を上げればいつか見た顔がそこにはあった。あれ、誰だっけ。名前すら出てこないその顔だったが、じい、とチャックを下ろす音が聞こえてすべてがフラッシュバックした。あ、そうだ、そうだった。
「せんせ・・・?」
***
「ゴふっ・・ん、んん!」
「いい子にしててくださいね・・」
 力強く腕を握られたまま、俺はこの男・先生(なぜだか分からないが、そう呼んでくれと過去に教えられた。その当時の俺には遊び相手の呼び名に何の興味も抱かなかったし、今だってそうだ。)に男子トイレへと引きずられるようにしてやってきた。抵抗したいのに足に力が入らない。もたもたとしているうちに個室のドアを開けられ、そこへ抑え込まれるようにして無理矢理連れ入れられた。
「はなせっ・・やだっ、せんせ、っ」
 頭を上から押さえつけられ、便器の前で屈みこむような体制になった。俺の背後でドアの鍵がかかった音がしたのと同時に、カチャカチャとベルトを外す金属音がする。まずい、逃げなきゃ。そう思って振り返ろうとすると、するりとベルトを抜き取り俺の手首へと慣れた手つきで細い革のベルトが回された。
「すぐ済むから・・絶対に傷つけたりしないよ、君下くん・・」
 眼鏡をかけた男の冷たい瞳と視線が合った。冷ややかにこちらを見つめる瞳には、確かに俺へと欲情した獣のようなぎらつきがあった。ぞくり、と背筋を駆け上がる恐怖感と、少しの好奇心。だめだ、だめだぞ。もうこんなことしないって、喜一と真剣に向き合うと決めたときに自分自身に誓ったじゃないか。それなのに、両手首を縛られてもなお俺の下半身は痛いほどに反応していた。身体が、ぜんぶ覚えている。何度も何度も縛り付けられ、苦しい思いをしていたあのひどく長い日々を脳裏で思い出していた。
「いい子だね・・随分見ない間にすっかりいい体になったね・・・あれから6年ぐらいだから、もう社会人なのかな?」
「っるさい、ぁっ・・ん、ゃめ」
「やめていいの?こんなに腰が揺れてるのに・・・もしかして、ここ触るの久しぶりだったのかな?」
 シャツの隙間から手を差し込まれると、ひんやりとした細い指先が俺の胸の飾りを撫でまわした。傷つけないと言っておいて、優しさなんて微塵もない。この男はいつもそうだ。強い力で乳首を摘ままれれば、嫌でも声が漏れてしまう。それを快楽からくるものだと勘違いした男は、さらに爪を立てるように強く引っ掻いた。
「っ・・・あ、やめ・・て・・取れちゃ、う、よぉ」
 血が出ているのかすらわからない。それでもヒリヒリと痛む敏感な皮膚は、少しの刺激にも過敏に反応してしまう。生理的な涙が目尻に浮かんだ。だが零すわけにはいかなかった。この嫌悪感からくる涙でさえ、この男のあるようでないような理性を破壊する起爆剤になりかねないことは経験から十分に理解していた。
 カチャカチャと己のベルトも外されて、下着ごとスラックスを一気に擦り下ろされる。ひんやりとした外気にさらされて鳥肌が立つのが分かったが、今はそんなこと気にしていられる余裕はない。男の指が俺の顔へと伸びてきて、噛み締めていた唇の隙間から指を差し込んだ。こじ開けられて舌を掴まれれば、引き抜くようにして唾液を奪われる。べとべとになった手で先ほどから疼いて仕方がなかった秘部へと這わせられた。
「ああ、まるではじめて君と身体を重ねたときのようだよ・・・きゅっと、ここも心も閉ざしていたね・・」
「キモイこと、言ってんじゃねぇ、っ!ああっ痛っ・・!いた、いよぉ・・」
「すぐに思い出すよ・・すぐに女の子にしてあげるからね・・・・」
 ずぶり、と音を立てていきなり三本の指を突き立てられて、俺の身体は思わず仰け反った。痛い。苦しい。それしか考えられないのに、俺のペニスからはだらしなく先走りが垂れているのが視界に入る。恐らく根元までずぼりと埋まったであろうその指をぐりぐりと拡げるように動かされ、いやだ、いやだ、と頭を振れば、もう一方の手で便器の上に頭を押し付けられた。冷たい蓋が頬に触れて、余計に切ない気持ちにさせられる。恋人とデートにやってきたはずなのに、俺は昔の男にトイレの個室で淫行を加えられているだなんて。
「ひっ、ああん・・そこ、そこだめぇっ・・・だめだよぉせんせえええ」
「そうだね、ここ大好きだね・・。もっと気持ちよくなるために、もっと大きいのが欲しいかな?」
 ぐりぐりと前立腺を潰されて、目の前でチカチカと火花が散った。だらしなく開いた口からは、鼻にかかった喘ぎ声と唾液がだらだらと零れていた。腰は前後に揺れて、同時に今にも弾けそうなペニスも涎を垂らしながらゆらゆらと揺れている。理性が、溶けてゆく。大昔にこの男に開発された身体が、まだその快楽を覚えている。どこを擦って、どこを攻められれば理性が吹き飛ぶかなんて、本人は覚えていないというのに。身体と、この指だけが知っている俺の女の子スイッチ。もう止められない、止まらない。
「ほ、欲しいぃ・・せんせ、の、おっきいちんぽ・・・ほしいよぉ・・」
「僕も君下くんのケツマンコに入りたいよ・・」
「んぅ、はやく・・・はや、ぐぅんんん!!!」
 一気に最奥まで突き上げられ、びりびり、と全身に快感が走り抜けた。背筋がぴん、と伸び、不自然に足先に力が入った。イッちゃった。先生にお尻の最奥まで突かれて、俺ははしたなく果ててしまった。ぽたぽた、と精子が床のタイルに零れる音がした。
「ぁっ・・ああっ・・♡」
「もうイッちゃった?相変わらず、きみは悪い子だね・・」
 乱れた髪を掴まれ乱暴に出し入れする肉棒は、前立腺をごりごりと擦って容赦なく俺の身体を食らった。一度達して敏感になった中は侵入者を締め付ける。久しぶりの生の肉の感覚に、俺の身体は喜ぶように絡みついた。
「あんっ♡あっあっあっんんっ♡そこっ・・きてぇ・・また、イッちゃ・・あぁ♡」
 根元まで引き抜いて腹がぶつかるほどに勢いよく突き上げれば、結腸を硬い亀頭がぐりぐりと刺激した。俺の大好きな、最奥の快感ポイント。さっき達したばかりなのに、力なくぶら下がっていたはずのペニスは再び硬度を取り戻し、透明な液体を垂れ流しにしている。腰をきつく掴んでいたはずの先生の右手が離れ、しばらくすると俺の開きっぱなしの口に何か布のようなものが詰め込まれた。
「あう゛っ・・ん、んん゛、んごっ」
「ちょっとだけ、静かにできるかな・・・そうだよ、いい子だね」
 ごわごわする布に鳥肌が立った。このサイズは恐らく俺のか、先生の靴下か何かだろうか。腕はベルトできつく縛られ、快楽に溺れる身体に吐き出す力も残っていない。容赦なく与えられる最奥への激しい刺激に理性なんて最早なかった。先生も絶頂が近いのか、俺の尻を爪を立てながら思いっきり掴んでくる。痛い、痛いのに。今は痛みさえも快楽へと変わってゆく。
「あ゛っいあ゛いっ・・いっ、ああ゛っあ、あ・・・あ゛っ♡」
「逝くよ・・先生も、くっ・・君下くんのおまんこに、逝っちゃうよ・・・!」
「ひあ゛っ・・ああああッ♡」
 男はピストンを速めると、ついに尻を鷲掴みにして最奥まで力強く突き上げた。達する直前に尻から手を放し、燃えるように熱い指が俺の首へと巻き付き、そして力いっぱいに男にしては細いと言われる首を絞めた。あ、来た。呼吸もできなければ、音もなくなった。顔に血液が上るのを感じながら、俺は二度目の絶頂を迎えた。ああ最高に気持ちいい。ペニスはびゅるびゅると音がしそうなほどに吐精し、腸は男の精液を吸い取ろうと収縮する。中でびく、びくと先生の性器が震え、熱い精液が注がれるのがわかる。汚物を咥えたままに、俺は快楽に身を委ねて意識を飛ばしてしまった。
***
「おう、遅かったな」
「ああ、悪い。ちょっと混んでて・・」
「そうか」
 席へ戻れば、テーブルの上に転がったレシートが視界に入った。恐らく既に会計を済ませたのであろう。俺のグラスに残っていたはずの、オレンジ色をした甘ったるい酒もいつのまにか氷が少し残っているだけになっていた。
「この後どうする?お前、もう終電ないだろ」
 高級そうなシャツの袖から覗くピカピカの腕時計を読めば、時刻はちょうど12時を回ったところだった。このダイニングバーから俺の家まではかなり距離があるが、喜一の住んでいるマンションからはさほど遠くない。それもあってこの店を選んだのだと言うつもりもないが、まあつまりはそういうことを狙って立てたプランな訳で。答えは言わずとも最初から決まっていた。
「ん、そうだな・・もう一軒行く体力はちょっとないな」
「じゃあうちに来るか?タクシー乗ってもそんなにかからねぇし」
 そう言うと喜一は上着を掴んで立ち上がった。俺も鞄を取り立ち上がろうと足に力を入れたが、飲み過ぎた酒のせいかセックスのせいか、がくん、と膝から力が抜けてその場に崩れ落ちてしまった。
「おい、大丈夫か?」
「あ、ああ・・ちょっと飲み過ぎたかも」
 だから言ったじゃねぇか、そう言って俺の腕を掴んで引き上げると、かなり近い距離で喜一と向き合う体勢になった。重なる視線と視線。あの頃から変わらない身長差に、少しだけ顔を上げて喜一を見つめる。するとふと、俺の腕を掴んでいた喜一の大きな手が離れ、俺の首元にそっと触れた。そして俺の首に巻き付くかのように、やさしく両手を這わせた。
「んぁっ・・!き、喜一?」
「ほら、ぼーっとしてねぇではやく行くぞ」
 一瞬で離れた指は、何事もなかったかのように俺の手を引いて店を出た。普段は外で手なんて繋ぐことはなかったのに、どういう風の吹き回しなのか。もしかして、喜一も酔っぱらってしまったのだろうか。そんなどうでもいいことを考えながら、相変わらずふらつく足で喜一の後ろをついて行った。
 それにしても、喜一に触れられた首元があつい。思わぬ接触に声が出てしまったのは、あの男と同じことを喜一がしたせいなのか、それとも。
 俺は喜一の後姿を眺めながら、ごぽり、と尻から死んだ精液が溢れるのを感じていた。 
 ふらふらとした足取りでなんとかタクシーへ乗り込むと、無線のがさついた声が時折混ざりながら、車内のラジオからは懐かしい曲調の歌が流れていた。音楽なんて、この騒がしい街のどこからか流れてくる音が耳を素通りするだけで、特に好きな歌手もいなければ聴きたい曲もなかった。それでもなんとなくこのメロディーに聞き覚えがあるのは、はて、どうしてだっただろうか。
 混みあう道を車はのろのろと走り続け、10分程度で人通りの少ない道で停車した。勘定を済ませた喜一が先に降り、俺の肩を担いでタクシーから引っ張り出すと、ポケットの中をごそごそと漁ってカードキーを取り出す。
「は、すげぇ家…」
 思わず口から滑り出た言葉に、喜一はふふ、と鼻を鳴らした。だってここ、明らかにデザイナーズだろう?酒の回った頭では読めないほどのオシャレな名前に、セキュリティのしっかりした正面玄関。分かってはいたがプロのスポーツ選手は住む場所までも世界が違う。ピピ、と音が鳴り緑のランプが点灯し、強化ガラスのドアは音もなくスライドして戸は開いた。
 4基もあるエレベーターはすぐに降りてきて、中へと入ればG以外のボタンはついていない。ここでもカードキーをかざせば自動で目的の回数がパネルに表示される。はは、こりゃ鍵は絶対落とせねぇな。
「これ、宅配の業者とかどうすんだ?」
「ああ・・荷物ならレセプションで預かって貰えるから、そこまで取りに行く」
「なるほどな」
 ぐいぐいと昇るカウントは28でようやく止まり、開かれたドアの先からコンクリートのひんやりとした空気が肌に触れた。酔いは店にいた時よりも幾分か冷めてはいたが、妙に喉が渇いていた。初めて訪れる喜一の部屋に緊張しているのかと言われれば、緊張していないわけではなかったが、ああ水が飲みたい。こくり、と無意識に喉が鳴る。
「おじゃましま、んグっ…!」
 開かれた重厚感のあるドアの向こう、足を一歩踏み入れて急に後ろから喜一に頭を押さえつけられた。コンクリートの壁が頬に当たって冷たい。バタン、と後方でドアの閉まる音がして、電気も付けられないままの真っ暗な部屋で聞こえてくるのは喜一の息遣いと、それから、
「敦…」
「ひっ…ァ、きい、ち」
 耳元から腹の底まで、地鳴りのように響く声。恐ろしさにぶわっと全身に鳥肌が立った。バレた、ばれた、絶対に喜一は分かっているんだ…恐ろしいのに、鼓膜に触れた愛しい人の声に反応して、精液をだだ流しにしていたアヌスがきゅっと収縮したのを感じた。それと同時に胸いっぱいに込み上げてくるのは嫌悪感。ああどうしてこんなにも愛しい男がいるというのに、それなのに、俺はつい先ほど、違う男に抱かれて乱れてしまったのだろう。
 心臓が握られたかのように苦しくて、吐き気さえもしてきたとき、喜一の指が背中から這って俺の身体をなぞり上げた。ワイシャツ越しに華奢だと言われ続けた腰、筋肉のすっかり落ちた腹筋の真ん中を辿り、胸を掠めて、顎を掴まれて。まるで存在を確かめるかのような、その動きに無意識に息が上がる。
「きいち、あ��っ…」
 俺の言葉は無視されて、顎をぐい、と引っ張られてそこに無理矢理口づけられる。頭だけ後ろに向かされて、きつい体制のせいでうまく唾液が呑み込めない。それでも関係ないと言うかのように、熱い舌が侵入してきて咥内を荒々しく掻き回してゆく。いつのまにか顎を抑えていた手は外され、代わりに首へと巻き付く両手。ぢゅ、ぢゅう、とはしたない音を立てながら舌ごと吸い上げられて、徐々に喜一の両手へ力が込められてゆく。
「あ、あっ、ぐるぢ、イっ… き、ァっ」
 ぬるついたの下着の中で、いつのまにか俺のペニスは痛いほどに張りつめていてた。無意識に喜一のほうへと突き出した腰は、ペニスを壁に擦りつけるようにへこへこと前後へ揺れている。これじゃあまるで動物じゃないか。意識のどこかでそう理解していても、与えられる快楽に背けるほど俺の理性の盾は強くはなかった。
 きゅ、と喉仏が潰れそうなほどに力が入り、酸素の足りない頭の中が真っ白になった。あ、イク、イキそう。壁に凭れながらやっと立っていた脚がガクガクと大きく震えだし、絶頂への階段を急速に駆け上がって行く。ぐぽ、ぐぽと音を立てながら物欲しげに開閉するアヌスから、残っていたらしい精液が垂れ流れていたが、そんなことは気にして居られない。後ろ手で喜一のスラックスを握りしめると、急にぱっ、と喜一が俺の首から両手を放した。
「へぁっ…?!ァ、あんんん゛っ…ゲホッごぼッ!!」
 急に肺に大量の空気が流れ込んできて、うまく息ができずに咽た。バクバクと大きく脈打つ心臓のあたりを掴みながら、力をなくした膝は折れ曲がって壁伝いにずるずると力なくしゃがみ込んでしまった。ああ、あとほんのもう少しだったのに、イけなかったじゃないか。何も見えなかった暗闇に慣れてきた瞳で、ぼんやりと浮かび上がる喜一のシルエットを睨みつけた。
「へえ…お前ってこういうのがイイんだな」
 パチン、と付けられた部屋の照明。眩しさに目を細めて見上げれば、口元は歪な弧を描いているのに、目が笑っていない喜一と視線が合った。
***
「頼む、ふろ、ッ…シャワーだけでも」
「ダメだ」
「ンァっ、ヤダぁ…」
 完全に腰が抜けてしまった俺をベッドまで引きずった喜一は、自身のベルトを引き抜くとそれを俺の手首へとぐるぐると巻き付けた。細い革がしっかりと巻かれた両手首は、すこし窮屈でまるでそこに心臓があるかのようにドクドクと脈打っていた。
 先程イキかけたこともあり下着が濡れていてもわからないが、トイレかシャワーにでも行かないと後孔に溜まった他の雄の精液を知られてしまう。それなのに、仰向けに押し倒された俺の股の間に、喜一が長い脚を折り曲げて身体を差し込んでくる。もう、逃げられない。スラックス越しのお互いの股間がぴったりとくっつくき、俺の前がテントを張っているのも全てお見通しだった。
「すげぇ勃ってるな。さっきのキス、そんなにヨかったか?」
「ぁうっ…!さ、さわんなァっ…」
 亀頭をグリグリと掌で捏ねくり回され、思わず変な声が出てしまった。自由のきかない両腕を頭の上まで持ち上げられて、それと同時にぐっと喜一の顔との距離が縮まる。薄明るい間接照明に照らされた、パーツも配置も完璧なうつくしい顔。おれの大好きな顔。それなのに、その瞳だけは哀愁の色味を帯びていた。
「足、開けよ」
 間に入られてもなお抵抗するかのように、膝を擦りよせ必死に秘部を隠そうとする俺の耳元でまたあの低い声が鳴った。ゾクゾクと背を駆け上がる波。そのままぴちゃぴちゃ、と耳を舐められて、舌は首筋まで這って鎖骨をちゅう、と吸い上げた。ちり、と皮膚に痛みが走って、少しだけ満足そうな穏やかな表情をした喜一の顔が視界に入る。
「喜一、頼むからシャワーに」
「いい」
「でも…っ」
「いいから」
 そう言うと喜一は俺の静止も聞かずに、散々趣味が悪いと馬鹿にしていた星柄のTシャツを掴み、力任せにそれを左右に引きちぎった。バリっと勢いよく裂けた布切れに驚きの表情を隠せない。いくら嫌いでも破ることはないだろう。そう思い睨みつけようとして背筋が凍るのを感じた。…なんて顔しているんだ、いや、俺がこうさせているのではないか。美しい眉間には深い皺が寄せられて、瞳には普段の喜一にはないような鋭い攻撃的な輝きが見受けられた。まるで獣だ。恐ろしい、そう思うのは今日何度目だろうか。言葉がでないほどに狼狽えていると、カチャカチャと金属のぶつかる音がしていつの間にかベルトは外され、足首まで勢いよくスラックスが引きずり降ろされた。
「こわい、きいち…こわい、ッ」
 こわい、と子供の譫言ように口にするも、そこにいるのは今や肉食獣と化した大男だ。聞き耳なんて都合のいいものは生憎持ち合わせてなどいないようだ。
 本当は喜一自身が怖いわけではない。俺がひた隠しにしてきた秘密を、こんな形で喜一が知ってしまうことが何よりも怖かった。
 その大きな手で膝を掴み、無理矢理股を開かされて、俺のぐちゃぐちゃに濡れた下着に視線が落ちる。こんなに汚い姿を、最愛に見られている。その事実だけで、気を失ってしまいそうなほどに今の俺の神経は弱っていた。
「やめ…ひっ、ああっ」
 汚れた下着を一気に引き剥がすと、喜一は自身の性器を取り出して軽く扱き、俺のぐちゃぐちゃに解れた肛門へと性器をぴたりと宛がった。あつい。めくれ上がった粘膜から、喜一の体温を直に感じる。ぐぽ、と音を立てながら先端が押し込まれ、それほど抵抗もなくすんなりと受け入れる後孔に少しだけ嫌気が差した。
「きっつ…」
「は、ァ……っ」
 慣らされているとはいえあの男の物などと比べ物にならないほど大きな圧迫感に、あまりの衝撃に軽く吐き気さえもしてきた。縛りあげられた手先は血液が巡らずに少し感覚が薄れてきていて、互いの手の甲に爪を立ててもあまり痛みは感じない。大きすぎる快楽に、必死にないに等しい理性を保とうと余計なことを考えてはみるものの、ぽたり、と生暖かい何かが俺の頬に落ちてきて意識は現実へと戻された。
「き、いち?」
 一瞬、泣いているのかと思った。長い前髪が目元を覆い、喜一の後方から差す薄明りのせいで表情はよく見えない。嫌な予感が過ってたまらず声を掛ければ、返ってきたのは返事ではなく腹の中を突き上げる強い衝動だった。
「ぅア゛ッ!!!やぁっ…、ああッ!」
 浮いた腰骨を掴み、ガツ、ガツと激しく突き上げられて、はしたないと分かっていても声が抑えられなかった。長かった片思いからようやく恋人へと昇格出来て、そして今夜やっと初めて喜一と身体を繋げたというのに、それなのに、俺は昔の男に半ば無理やり抱かれた後で、それでいて喜一はいつもと様子が随分と違っていて…こんな仕打ちはあんまりじゃないか。心が張り裂けそうなほどに痛いというのに、非情にも開発された身体は正直で、与えられる強い快感に先走りなのか射精なのかわからない汁をだらだらと流しながら、恍惚の表情を浮かべ泣いているのだ。
「ア゛っあ゛ッあっ…き、ちっ……も、だめっ!おかしく、なるッ…ンッ」
「おかしくなれよ、んっ…もっと奥欲しい?これ、」
 この奥のとこ、そう言って喜一が最奥を突き上げた瞬間、全身に電撃が走った。あ、だめ、ただのメスになってしまう、そう思ってももはや止める術はなく、されるがままに結腸をガンガンと突き上げられて飛んでしまいそうになる。喜一の硬く出っ張った亀頭が狭いナカを掠めて、ああ気持ちいい、すごく気持ちがいいのに、
「ひぅ・・あぁァ♡やら、あっ♡もっと…ぉ♡」
「ぁあ、イケねぇのか?っ…なぁ、首、絞めてほしいんじゃねぇの?」
 汗でぬるついた手が首へと周り、やんわりと両手で包むように触れた。まだ力が入っていないのに、それだけで後孔がヒクヒクと収縮するのがわかる。
「ひゅッ…ァ、ア、ァァっ…やぁッ♡」
「今、ナカ、締まったな…なぁ、本当に欲しくねぇの?これ、気持ちいんだろ?」
 余裕のなさそうな喜一の声に、絶頂が近いことを知る。ああはやく、喜一の、せーし、いっぱいいっぱい、おれのなか、ぶちまけてほし、いっ あっまたッ、おく、あっ あああああっ♡ くるじっ あ゛がッ…
 気道が急激に狭まり、目の前が真っ白になった。ぽた、ぽたりと降ってくるのは、喜一の汗なのか、それとも自分のものなのか。近くに喜一の匂いがして、開きっぱなしだった唇に噛みつくように喜一が接吻をした。あ、来る、きちゃう、ぶるぶると全身が震えて、思いっきり腰が仰け反ってペニスから勢いよく液体が噴き出た。
「あっ♡あっあっあっああア!!!」
「あ、俺も、イ…ッ!!」
 ぎゅう、と食いちぎらんばかりに収縮した腸壁を掻き分け、最奥まで突き進んだ喜一のペニスは勢いよく精を吐き出した。快楽にその綺麗な顔を歪め、長い長い射精をする姿はあまりにも愛おしかった。生温かいもので腹の奥が満たされる感覚は、先程も嫌々ながら味わったというのに、それなのにどうしてこんなにも心が満たされるのであろう。朦朧とする意識の中で、ぼんやりとそんなことを思っていると、はあ、はあ、と荒い息を整えている喜一のほうからにゅう、と長い腕が伸びてきた。
「君下、かわいい…綺麗だ」
 鼻水と涙でぐちゃぐちゃになった頬を握られ、タコのような顔になった俺に喜一はたしかにそう言った。ああそういえばこいつは昔からそういうやつだったなと、遠のく意識の中でひとり思い出したのだった。
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usamimi-king · 7 years
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【リプレイ】エレベーター1-1【CoC】
このセッションは2014年12月に行われたものです。 シナリオの性質上カニバ表現があります。 苦手な方はご遠慮下さい。
月成鈴一は今、マンションを訪れていた。何の変哲もない、少し階数の多いマンション。 彼は躊躇い無くホールの奥に位置するエレベーターに乗るため、『開』のボタンを押した。
GM: (ちょっとまった外側に開けるボタンついてねえな) GM: えっと、一応聞くけど、すずちゃんがこのマンションに来た理由は? 葉也: マンションに来た理由か…、友人に会いに来た、とか? GM: 友達いたの?← 葉也: ワルやってた時の悪友とか舎弟とかいたんじゃね? GM: なんか一匹狼ってイメージがあった じゃあ、友人に会いに来ました。 GM: 適当なところで喋りたかったら喋って良いからね、描写は切り良いところで止めるし 葉也: 了解
エレベーターに乗る。友人の部屋がある階のボタンを押す。扉が閉まる。 エレベーターは上昇を始めた。空間が動く独特の感覚を鈴成は感じる。 どこにでもあるエレベーターだ。ぴったりと閉じた両開きの金属の扉の上には階数を示すランプがついているし、横にはボタンと電光掲示板。後ろには鏡がある。 どこにでもあるエレベーターだ。・・・・・・しかし、降りるはずの階は何故か通り過ぎてしまった。
葉也: え GM: 文句あるなら叫べば良いじゃない、誰にも聞こえないけどな!! 葉也: 月成「は?どうなってんだよこのポンコツっ!!」(扉を蹴る) GM: 彼が無機質に八つ当たりをしようともエレベーターは止まらない。 葉也: 月成「…チッ」(壁に背中を預けて扉が開くのを待つ)
赤い目は無意識に階数のランプを追っている。一つ、また一つ、階は上がって行き、最上階、そして、光が消えた。 電光掲示板にもなにも表示されていない。それでも上昇しているという感覚はまだ体に感じている。 このエレベーターは一体今、どこに向かっているのだ���うか?
GM: この状態が数分続きます。 葉也: 顔をしかめて周り見たり開くボタン押したりしてるかな GM: 開きませんねぇ GM: 周りは完全密室のエレベーター内ですが 葉也: うん GM: 数分の沈黙の末、月成の耳に届いたのは水の音。 GM: ぬたり、ぼたり、質量と粘着を持った、気味の悪い音。 GM: 足元には黒い水が溜まり、今この時も上から落ち続けていた。 GM: そう、驚いて天井に目をやれば黒い水が大量に漏れてきているのだ。 葉也: 月成「なっ!?嘘だろ…っ!!?」 GM: この不可解な出来事に遭遇した探索者、1/1d3のSANチェックでーす 葉也: やっぱりwww GM: そりゃこんなこと起こったら吃驚するっしょ
《SANチェック》月成 鈴一 85%:ダイス 02《成功》クリティカル 《SAN減少》月成 鈴一 -1:現在SAN値 84《正常》
GM: 幸先良いですねwwwwwwwwwwww 葉也: 気持ち悪いってくらいしか思わなかったのかなwwww GM: こんなときのクリって扱いに困りますねー
GM: 黒い水がどんどんエレベーター内に溜まっていきます。このままだと溺れて窒息するかもしれない。 葉也: 開のボタンを押してみる GM: 開かないねー 葉也: 目星やっていい? GM: 何に対して? 葉也: 出れそうなところがないか中をグルっと見る感じかな GM: わかった、どうぞ
《目星》月成 鈴一 75%:ダイス 01《成功》クリティカル
葉也: わけわかんないwwwwwwwwwwww GM: この後が怖いねーwwwwwwwwww 葉也: うんwww
GM: エレベーター内をぐるりと見渡し、鏡に目をやったその時 GM: エレベーターが開く音がし、鏡の中の扉が開いた GM: そこからなら出られる、月成は確信する 葉也: 黒い液体を払い落としながら出る GM: 鏡の中にすんなりと入った後、後ろから大量の水が落ちた音が聞こえます GM: 鏡の向こう、元居たエレベーターは黒い水が溜まってもう見えなくなってる 葉也: 月城「あっぶねぇ……」 GM: ほっと胸を撫で下ろす月成。さて、どうしますか? 葉也: そこって暗い? GM: エレベーターの中は灯りがついてるけど、扉の向こうは視認は出来る程度って感じかなー 葉也: じゃあスマホのライトを使って照らしながらその場で周りを見てみるかな GM: エレベーターから降りたってことでいいかな? 葉也: うん、降りるときにエレベーターの中を軽く確認しながらかな GM: エレベーターの中は特に変わりありません、降りてしばらくすると閉じてしまいました GM: 降りた先は一般的なマンションの踊り場、上と下に続く階段が目の前にあって、両サイドにはマンションで見かける普通の扉が二つずつ。 GM: 扉には表札もポストも覗き穴もありませんが、それ以外は普通ののっぺりとした扉です。 葉也: それぞれの扉に聞き耳、階段に目星と聞き耳していい? GM: じゃあ先に階段やりましょ 葉也: どっちからでもいいの? GM: どっちもやってから情報だそうかな 葉也: りょーかい
《目星》月成 鈴一 75%:ダイス 19《成功》 《聞き耳》月成 鈴一 65%:ダイス 96《失敗》ファンブル
GM: 出たwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 葉也: きたよ…… GM: えっと、じゃあ、こうしよう GM: 階段の先はなにも見えない。灯りが無いのか、真っ暗で底無しの闇のようだ。 GM: なにかが潜んでいないかと耳を傾けた。が、傾けすぎたのか、体制を崩した。 GM: 幸運どうぞ 葉也: おっとwwww
《幸運》月成 鈴一 85%:ダイス 90《失敗》
GM: 失敗?! 葉也: (´;ω;`) GM: ・・・・・・恨むなよ 葉也: お、おう…、どうなんの? GM: 運悪く下り階段のほうでこけてしまったので、そのままごろごろ転がります。 GM: いつか、どこかで、止まるかも。そう思ってた時期がありました。 GM: 止まりません。いつまでもいつまでも転がります。 葉也: え、ええ???? GM: 固い痛みに叫んでしまいそうになったとき、ふわりと体が浮きます。 葉也: お、お?? GM: 痛みから解放されたと思ったら、また別の痛み。焼けるような痛み。 GM: 三つに分かれた燃え上がる目が探索者をじっと見つめている。 GM: 1d6/1d20のSANチェックどうぞ 葉也: ふぁ!!!!!!!!!!!!!!!???? 葉也: どういうことなの???? GM: どうもこうもここが光源必要な死亡トラップの場所だよ!!!!!!!!!!! 葉也: ナ、ナンダッテーーーーー!!!!!!!!!!!!!! GM: あんなところでファンブルと失敗だされて忠告も擁護も出来るかーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 葉也: ちきしょおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!
《SANチェック》月成 鈴一 84%:ダイス 90《失敗》
GM: 1d20減らしてね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 葉也: え、あの…
《SAN減少》月成 鈴一 -10:現在SAN値 74
GM: ・・・・・・アイデアどうぞ
《アイデア》月成 鈴一 55%:ダイス 25《成功》
GM: もーなんなのもーなんなんですかもー!!!!!!!!!! 葉也: わっかんないよー!!!!!! 葉也: 一時的発狂だよ畜生!!!!!!!!! GM: 1d100、1d10、1d10の順番で振って? 葉也: お、おう
1d100→66、1d10→1、1d10→6 6時間の健忘症もしくは緊張症
GM: で、まだ処理があるんだなー 葉也: え GM: 2d6のダメージ入ります 階段の分は遠慮しといてやるよ感謝してくれ 葉也: ありがとう……
《HP減少》月成 鈴一 -3:現在HP 9
GM: ショック判定にならなくて良かった・・・・・・ 葉也: うん… GM: で、光源は持ってるよね?落としたかどうか判定するかい? 葉也: きっと持ってるようん;;;;; GM: 光源をその目に向けると謎の化け物は怯み、体を離してくれました! 葉也: お!!!!……ん? GM: ちょっとふらついたけど着地に成功、逃げてください!! 葉也: え、これDEX対抗!!? GM: いや?後ろ振り返ればすぐ逃げれるよ 葉也: じゃあ逃げる GM: じゃあ踊り場が目の前にあります 葉也: 振り返っても化け物はいない? GM: いないいない いないけど、あんなに長い階段はなんだったんだろう? GM: 0/1のSANチェックどうぞ 葉也: あ(察し GM: 無限ループって怖くね? 葉也: ファーwwww
《SANチェック》月成 鈴一 74%:ダイス 10《成功》
葉也: 階段ではあんまし動揺しなかったみたいだね GM: それより未知の生物に遭遇してそれどころじゃなかったんじゃね 葉也: 確実にそっちだわーwwwwww 葉也: 月城「ぅ…ゲホッ……なんだったんだよ………」 GM: じゃあ気を取り直して、各部屋に目星かな 今エレベーターのほう見てる感じで良い? 葉也: うん、部屋は扉を開ける前に聞き耳したいかな GM: んじゃエレベーター目の前にして、右手前→右奥→左手前→左奥 って感じでやってたことにしていいかな?
右手前 《聞き耳》月成 鈴一 65%:ダイス 77《失敗》 右奥 《聞き耳》月成 鈴一 65%:ダイス 94《失敗》 左手前 《聞き耳》月成 鈴一 65%:ダイス 26《成功》 左奥 《聞き耳》月成 鈴一 65%:ダイス 34《成功》
葉也: 右全滅w GM: んーじゃあ、全部特になにも聞こえませんでした 葉也: なるほど、じゃあドアノブに手をかけたままゆっくり少し開けて覗いてみる GM: どこから? 葉也: 聞き耳でやった順番で 葉也: それぞれ目星でおk?
GM: 目星いらない情報から教えてあげるよ 葉也: おう GM: まず右手前、中は薄暗いけど子供部屋みたい GM: おもちゃが散らかってて、部屋の真ん中で女の子が童謡を歌ってる GM: そして扉を開けたことで探索者に気がついて、こっちに寄って来るよ 葉也: 童謡か、それ知識で分かったりする? GM: 童謡歌ってるのはフレーバー的なサムシングなので気になさらなくっても 葉也: 気付いてこっちに来たなら声かけてみるかな
月城「そこで何やってんだ?」 女の子「お兄さんこんにちは!私ここでずっと遊んでるの、でも1人はつまらなくなっちゃったな、お兄さん一緒に遊ばない?」
葉也: 薄くしか開けてなかったから開け放って
月城「ずっと?いつから遊んでたんだよ、母さんとかはいねーのか?つーか遊ぶったってろくなの知らねーからな、何したいんだ?」 女の子「ずっとは、ずっとよ。母さんってなあに?」
GM: すずちゃんの手を引っ張って、部屋の中に入るように催促してきます
女の子「私、おままごとがしたいのよ」 月城「母さんってのはお前を産んでくれた人の事だよ、ま、ままごとだぁ!?俺はそういうのは苦手なんだが…」 女の子「私を生んでくれた人?・・・・・・うーん、よくわかんない」
葉也: 警戒しつつ1歩だけ部屋に入ってみる GM: 部屋に入ったら、扉が閉じました。 葉也: え、ドアノブひねってみる GM: 開くよ 葉也: あ、開くんだ GM: でもドアを開けたら女の子がしょんぼりするよ 葉也: しょんもりされちゃうのはなぁ…扉を閉めて女の子の近くに行ってみるかな
女の子「遊んでくれないの・・・・・・?」 月城「少し遊んでやるからそんな顔すんな」 女の子「ほんと?!やったぁ、お兄さんありがとう!!」
GM: では、また扉が閉じました。 葉也: 嫌な予感してるんだけどなぁ…; 葉也: 女の子を撫でている間に部屋全体見てなにか見つけられないかな GM: おもちゃが散らかっててよくわかんないかな GM: 女の子がいろんな食器を持ってきて並べてますよ GM: 女の子「好きなの使っていいからね!」 GM: 用意をし終えると、ちょっと待っててねと言って女の子が奥へ行き GM: なにかをずるずる引っ張ってきました GM: 目星する? 葉也: する GM: どうぞ
《目星》月成 鈴一 75%:ダイス 98《失敗》ファンブル
葉也: うそだろ… GM: では、月成はそれがとても鮮明に見えてしまう GM: 土気色の皮膚、鬱血して青くなった部位、抜け落ちた頭髪、濁った目 GM: 少女が引き摺っているものは、死体だ GM: ファンブルしたので1+1/1d3+1でどうぞ 葉也: うわっはーwww GM: おめでとうございます!技能関係ないルート突入です!!その代わりSANチェック立て続けに入ります!! 葉也: えええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!?????
《SANチェック》月成 鈴一 74%:ダイス 29《成功》 《SAN減少》月成 鈴一 -2:現在SAN値 72《一時的狂気》
GM: ところでさー、真っ先にこの部屋入ったからさー、階段の出来事から一時間経ってないよね? 葉也: そ、うだね
女の子「これを切ってお皿に盛って欲しいの、ねえ出来るでしょ?包丁ならそこにあるわ、ねえ、やって?」 月成「えっ…いや、俺は、男だから、さ、こういう事はお前がやった方が、いいんじゃ、ねーの…?」 女の子「私はお茶を注がなきゃ、だからお肉、切って欲しいの」
GM: 女の子は死体の首をもぎ取ると死体を押し付けてくるよ 葉也: うっわあああああ… 葉也: 月成「(拒否しまくって何か起こるのもな…)わ、わかった……」 GM: では包丁を握り、死体を捌き始める月成 GM: 死体に触る嫌悪感、腐った肉の感触、吐き気を催す死臭 GM: 1d3/1d6のSANチェックです 葉也: おうふ
《SANチェック》月成 鈴一 72%:ダイス 52《成功》 《SAN減少》月成 鈴一 -1:現在SAN値 71《一時的狂気》
葉也: 自分が生きるのに必死なんだな GM: 死肉を切り揃え、お皿に盛り付けている頃 GM: 女の子は首から搾り取った血液をティーポットに入れ、蓋をし、ティーカップに注いでいます
女の子「うふふ、それじゃあ、ご飯の時間ね」 月成「ご、はん…?」 女の子「だって折角お料理したのに、食べなきゃもったいないじゃない」
GM: そう言いながら血の溜まったティーカップと肉を盛り付けたお皿を目の前に差し出して���るよ
女の子「食べて?」 月成「わ、わかった…」
葉也: 目の前に差し出されたものを受け取る GM: 恐る恐る、フォークで肉を刺し、口へ運ぶ。 GM: 食べなければいけない、少女が黒い瞳でこちらをじっと見つめている。 GM: 腐敗した生肉を、舌に乗せた。 GM: 消化器官が拒絶している。流し込もうとティーカップを傾ければ、錆びた香りが鼻腔を通り抜ける。 GM: それでも、全部食べなければならない。少女がそう望むから。 GM: 1d6/1d10のSANチェックです 葉也: うおう、やっぱでかいな GM: そりゃたくさん食べるからね GM: そしてだんだんすずちゃんが可愛く見えてきました 葉也: ですよね、あとさ、ぶっちゃけカニバ展開でめっちゃテンション上がってるwwwww GM: いやー、このルート通ってほしいなと思ってたのでありがたいわー絶対好きだと思ったもん 葉也: 震えながらフォークを持って人肉食べて血液飲んでると思うと…ね 葉也: うん、好き GM: 聞かれなかったから答えなかったけど、少女は黒髪に褐色肌です 葉也: ほうほう、可愛いな GM: で、SANチェックどうなった? 葉也: SANチェック?こうなった☆
《SANチェック》月成 鈴一 71%:ダイス 94《失敗》 《SAN減少》月成 鈴一 -6:現在SAN値 65《不定の狂気》
GM: おめでとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 葉也: わーーーーーい(白目) GM: 狙い通りだぜ☆ 葉也: ちっくしょうwwwww GM: 不定の狂気の内容は後で決めよう、ラストに向けて描写してくよー 葉也: あいよー
「あは、あっは、あははははははは!!ねえおいしい?おいしいかしら?私も食べてみよっと!!」 少女は狂ったように笑いながら肉を食べ、血を飲み始める。 「あはは、おいしい、おいしいわねぇ、ねぇそうでしょ?あははははははははははははははは」 ・・・・・・それからどれくらい経っただろうか? 放心状態のまま肉を呑み込み、血を飲み干し。皿もティーカップも空になった。 それを見て少女は、やけに満足そうに、薄気味悪く笑っている。 「あはは、楽しかったわ、お兄さん。これで、おままごとはおしまい」 「…おしまい?」 女の子「そう、おしまい。そろそろお兄さん、おうちに帰らなきゃ、ね?」 少女は立ち上がり、ドアを開いた。 「あ、あぁ、そうだな……」
葉也: ふらふらと立ち上がり出口へと歩を進める GM: 部屋から出ると、エレベーターが丁度着いたのか軽快な機械音に合わせて扉が開いた。 GM: 鏡の向こうは、普通のエレベーターだ。 葉也: 問題ないことを確認した後、エレベーターに乗り込む GM: 鏡の向こうにもすんなり入れるよ GM: でも、最後に
「ねぇ、お兄さん」
「また遊びましょうね」
GM: その声に振り向けば。鏡の中の少女の顔は、黒く穴が空いていて・・・・・・虚無だった。 GM: 1/1d3のSANチェックです 葉也: ここでかー… GM: これで最後だよ!さぁ張り切ってどうぞ!!
《SANチェック》月成 鈴一 65%:ダイス 95《失敗》 《SAN減少》月成 鈴一 -3:現在SAN値 62《不定の狂気》
葉也: 最大値ktkrwwwwwwwwwwwww GM: wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww GM: なんというか・・・・・・完璧な勝利を感じてる・・・・・・ 葉也: 多分食ったやつ吐いたな GM: エレベーターの中で? 葉也: 女の子を見てその場で嘔吐だからそうじゃない? GM: おう、そうか
向こう側が見えていた鏡は一瞬曇ると、青褪めた自分の姿を映していた。 現実に戻ってきた。そして、今さっきまでのおぞましい出来事に身震いがして、せり上げて来る衝動を抑え切れなかった。 ・・・・・・エレベーターは、下降している。最上階から、順番に、そして、一階で止まる。 開いた扉の向こうは、いつもどおりの風景だった。 「戻って…ゲホッ…これたのか………」 月成はよろめきながらもエレベーターから降り、壁に体を預けながら歩き始めた。 戻ってこれた。だが、しかし、しばらくエレベーターには乗れそうにない。
GM: シナリオ『エレベーター』 fin.
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toki-ko-ko · 8 years
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連作:小学生審神者と刀たち
第参話「蜂須賀、主にとある進言をせし事」4
 それより二週間後。ついに大改装の時がやってきた。住人たちはこの日に備え、暇を見つけては荷造りを進めたが、なかなかどうして大変な手間であった。  この本丸が稼働してから一月が経とうとしているのだ。ヒトとして生きていくには何かと物が必要だ。程度の差こそあれど私物はそれなりに増えている。  すべての荷の梱包を終えたのは当日の朝のこと。当然ながらさあこれで一段落、とはいかない。屋敷の外へ荷を運び出す作業が待っているのだ。  家事を担う式神たちの手も借りながら、風呂敷や段ボール箱に詰め込まれた品々をすっかり庭先に運び出したときには午近くになっていた。ここから先は、審神者の仕事である。  屋敷の庭に立つ少女の前には、新屋敷の小型模型が立体投影されていた。デフォルト設定の屋敷をいったん霊子にまで分解し、設計図に沿って再構築するのだ。  今日の彼女はいつもの白衣緋袴の上に無地の千早を重ねている。本来は奉納舞に用いる衣装であるが、この場では審神者の霊力を高め、霊子操作を補助するために小道具として機能する。くわえて左手には榊の枝に紙垂(しで)をとりつけた大幣(おおぬさ)を、右手には神楽鈴を携えていた。  練度の高い審神者は祝詞や祭具が無くとも霊子を操ることができるというが、少女の技量にはまだまだ不安がある。ゆえに、できる限り神職の正装に近い装身具が用意された。  特別な装束を身につけた少女は深く長く息を吐いた。大仕事を前に、緊張していないと言えば嘘になる。それでも、あの日、蜂須賀虎徹を顕現させた折の様な不安は無い。静かに精神を統一し屋敷を構成する霊子を少しずつ収束する。その中には、馴染み深い刀剣たちの気配が混じっていた。  少女の第六感は、彼らの痕跡を様々な色彩を放つ光の粒子として知覚する。この金色のは蜂須賀虎徹、白銀のは五虎退、桃色は宗三左文字・・・・・・。それらの粒子一つ一つに、ここで過ごした彼らのとの記憶が宿っている。  いつしか少女は微笑みを浮かべていた。大丈夫、みんなの気配が背中を押してくれている。  屋敷の輪郭が徐々に薄くなり、両手の祭具に宿る霊子が濃度を増していく。薄眼を開けて手首を返す。右手の神楽鈴が立てるシャリンという澄んだ音が辺り一面に響きわたった。その鈴音に導かれて、収束した霊子が分散し、新しい形に再構成されていくーー。
 どれほどの時間が経っただろうか。少女が肩から力を抜いたとき、一同の前には前庭をそなえた屋敷が姿を現していた。  その屋敷は、正面から眺めると乳白色の化粧煉瓦が美しい洋館に見える。玄関には優美なアーチを描く白いドア。その上部にはステンドグラスが嵌め込まれている。向かって右手にあるテラスが目を引く。大きな窓が温室を連想させるのだ。  洋館部分は主に審神者の執務や本丸の管理、訪問者の接待といった公的な目的に利用する。山伏国広と、それに続くであろう者たちの為に設けたフィットネルームもこちらだ。鳴狐が希望した娯楽室もある。半地下にせり出す広間に、書架のみならず机やソファを並べたそこは、もはや図書館に近い。   この洋館の裏手に回れば数寄屋風の家屋が見える。こちらは主屋であり、少女や刀剣たちの居住空間だ。坪庭を囲む板張りの廊下で繋がれた造りを採用した。中庭に面した硝子戸や、幾何学的に組まれた木枠が、どこかモダンな風情を感じさせる。宗三の様に料理を好む者のために設けた大厨房と食堂はこの主屋に設けた。  実はこの主屋、和室と洋間が混在している。そのうちの一室、マントルピースのあるホールは以前の大座敷に代わる会議室だ。大浴場とは独立したタイル張りのバスルームもある。少女の居室は主屋三階の洋間だが、刀剣たちの居室は和室と洋間を同数用意した。南に面した部屋を選べば、以前と変わらぬ知泉回遊式庭園を望むことができる。  浮島の「ゲート」や、楠の大樹、そして未だ使用されたことのない茶室も据え置きだ。鍛刀部屋と道場は、利便性を考慮して、屋敷から独立した別棟として設置した。ことばもなく立ち尽くす一同を前に、近侍として主の相談に乗っていた蜂須賀虎徹が口を開く。 「皆の要望を考えると、和式と洋式の意匠を兼ね備えた屋敷がいいのではという話になってね」  この屋敷を作り出した張本人である少女は、『気に入ってもらえましたか?』 と書かれたページを開き、そろそろとスケッチブックを頭上に掲げた。その目はぎゅっとつむられている。  刀剣たちの反応を見るのが少女には殊更おそろしい。みんなの顔に失望が浮かんでいたらどうしよう? 蜂須賀には「サプライズの楽しみは大切だ」と説得されたけれど、やっぱり断りを入れておくべきだったのではないか。そんな疑念と不安に、少女は身を縮こませる。  けれどもいつまで経っても誰の声も聞こえてこない。さすがにこれは・・・・・・反応が鈍すぎる。何かあったのかと不審に思った少女がついに顔を上げようとしたそのとき、不意に何か柔らかいものが胸元に跳びついてきた。驚いて目を見開けば、そこには鳴狐のお供の姿。 「すばらしいです!主さまぁ!」 「これは面白い。予想外だ。最高」  混乱する少女の前にキツネの主人がいつの間にか現れて、彼女髪をくしゃくしゃにかきまぜる。先手をとられた堀川国広は、「抜け駆けはずるいですよ!」と叫びながら駆け寄ってきた。 「粋なお屋敷ですね! 兼さんも山姥切の兄弟もきっと気に入ってくれます。ありがとうございます」  真正面からの賛辞を捧げられて少女は耳まで赤くなった。次にやってきたのは五虎退と虎たち。頬を紅潮させた五虎退が 「主様! すごいです!」と喝采を上げれば、虎たちが歓声をあげながら跳びついてくる。それに対抗心を燃やしたキツネも加わ��て、少女は彼らに揉みくちゃにされた。  助けを求めて蜂須賀を見やっても、彼は悪戯に成功した子どもの様な笑顔で微笑むばかり。あれは駄目だ、助ける気がまるでない。「覚えてなさい」と唇を動かせば、彼はやれやれと肩を竦めて見せた。  興奮冷めやらぬ獣たちから少女を助け出してくれたのは山伏国広だった。軽々と少女を抱き上げた彼は「主殿、お見事!」と言ってニッと微笑んだ。その野性的な外見を裏切る繊細な動きで芝の上に降ろされた少女の前に、宗三左文字が現れる。物憂げな目をわずかに緩めて、青年は口を開いた。 「誰にも文句などはつけさせませんよ。あなたはよく頑張りました」  柔らかな声音で告げられたことばに、少女の目が潤んでいく。コクコクと何度も首を縦に振る彼女は、無意識に彼の袖を摘まんでいた。宗三左文字はそれを咎めない。彼はよく知っているのだ。少女が表にはしなかった葛藤を。刀剣たちの為に苦心した時間を。  最後にやってきた蜂須賀虎徹は主の涙に気づかぬ振りで、「さあ、屋敷の中を見せようか!」と一同に呼びかけた。少女の周囲から賑やかな歓声が上がるなか、蜂須賀の温かな手が肩に添えられた。ーーわたしの神様たちは、こんなにも優しい。 ーーー  荷運びも終わり、皆が新しい居室にに落ち着いた頃。荷ほどきにいそしむ刀剣たちとは裏腹に、主たる少女は新たな自室で大きな溜息を吐いていた。  審神者に就任するまでずっとマンション住まいだったから、居室兼寝室であるこの部屋は洋間にした。木製のベッドに、作業机、鏡台、クローゼット。小ぶりのソファ。センスのよい壁紙やカーテンは蜂須賀の手によるものだ。  この居心地の良い部屋には何の不満も無い。少女の眉を曇らせるのは、ベッドの上に広げたワンピースだ。この、見るからに仕立ての良いお洒落着を、これらから身につけなければならない。それがどうにも憂鬱で仕方が無い。  着飾った主を真ん中にして、新しい屋敷の前で記念撮影をする。それが蜂須賀虎徹の願いなのだ。  審神者に支給される白衣とあくまで袴は新人向けの装束であって、常日頃から着用を義務づけられている訳ではない。神楽鈴や大幣と同じく、 文字通り審神者という役職に「形から入る」ための装置なのだ。練度が上がればこうしたお膳立ても必要がなくなる。  顕現の様な神経を使う儀式は別として、今の少女にはこの装束を纏う必要も義務もない。けれども、彼女はこれまで、ただの一度も私服を身につけた試しはなかった。  そんな主に、蜂須賀は「この機会に俺の見立てた衣装を着て欲しい」とねだったのだ。もちろん、日頃から蜂須賀を頼みにしている少女が断れないと知った上で、だ。  少女は蜂須賀の言うところの「お仕着せ」に身を包むことに抵抗はない。むしろ今まで袖を通したこともない類の可愛らしいワンピース、こちらの方がよほどハードルが高い。鏡の前で何度か体に当てたはしたものの、すぐにベッドに放り出した。事の発端となった蜂須賀の提案が恨めしい。他ならぬ彼の頼みでなければ絶対に却下していた。だって、まるで似合う気がしないのだ。  審神者に就任する前、俗世では母親が選んだ服を疑うこともなく身につけていた。服だけではない。ペンケース、ノート、食器、鞄、靴、ありとあらゆる日用雑貨すべては母の趣味によるものだった。髪型も同じだ。いつもショートカットに髪を整えていた。顎にまで毛先が伸びてくると美容院に連れて行かれた。彼女の頭には、娘に好みを尋ねるという選択肢は無いようだった。  お母さんが今のわたしを見たらきっと怒るだろうなと、少女はぼんやり考える。あの人はわたしが女の子らしい装いをすることを嫌がっていたから。少女は陰鬱な思考を放棄して、ぺたんと尻もちをつく。ベッドに広がるワンピースの柄をじっと見つめていた。 「・・・なんです、そんなところに座り込んで」  何の前触れもなく降ってきた艶のある声に、少女は大いに狼狽した。驚いてふり仰げば、そこには物憂げな雰囲気をまとう青年、宗三左文字が建っていた。  身振り手振りでなぜノックをしなかったのかと抗議をする少女は、何度もドアを叩いたが返事は無く、そのうえ最初からドアは開け放たれていたと言われてがっくりと肩を落とした。「床に座り込んで宙を眺めている主の姿を見たら、心配にもなります」と告げる彼のことばは、まったくの正論だ。反論の余地も無い。  ぐうの音も出ない立場に置かれた少女は、潔く降伏することにした。宗三にソファを勧めて、自らも備え付けの椅子に腰掛ける。妖艶な青年は遠慮なくソファに沈み、長い足を組んだ。海外誌のトップを飾るモデルのように様になっている。美しい。 『何のご用ですか?』 「皆、新しい部屋に落ち着きました。気の早い連中は荷ほどきを終えて玄関先に出ていますよ」  宗三の言に驚いて柱時計を見れば、新居に足を踏み入れてから優に二時間が経っている。想像以上に長い時を呆けたままに過ごしていたようだ。 「主は女性ですから、支度には時間がかかるだろうと噂していましたけれど、何となく気がかりで」 「……」  足を組み替えた宗三左文字は、ベッドに投げ出されたままのワンピースを 流し目で見遣る。ペパーミントグリーンの、愛らしいそれ。 「なるほど。あなたの気鬱の原因は、アレですか」  見事に頭痛の種を言い当てられた少女は目を丸くする。蜂須賀以外の刀たちには、身支度を調えてから記念写真を撮るとだけ説明している。この本丸に就任してより初となる洋装を披露することは知らせていない。塞ぎ込む少女とワンピースを結びつける手掛かりはなかった筈だ。そんな少女の反応を見た宗三の顔には「腑に落ちた」と書いてある。 「それで? 何がご不満なんです? わが主様は」  不機嫌さを隠そうともしない宗三の態度に少女は抵抗する気力を失った。蜂須賀にも告げていない想いを、のろのろと文字にする。 『この服は、わたしには、にあわないです。髪も、ずいぶん伸びちゃった』 「まだ袖を通してもいないのに、なぜわかるんです」
 にべもない青年の言に少女は黙り込む。ギュッと袴を握り込み、無言を貫く主の姿を前にして、宗三は盛大な溜息をついた。  駄目だ。刀剣たちの前では気を張って、主人らしくふるまおうと務めてきたのに。今日はどうも旗色が悪い。これではまるで駄々をこねている様だ。この胸の内には重苦しい感情が渦を巻いているのに、ちっとも伝えられやしない。
「そうですね。これを纏った姿が好ましいか否か。それはあなたが決めることです。第三者の意見はどうであれ」 「・・・・・・?」  主の態度に苛立ちを隠そうともしない宗三が言い放ったのは、幼い主の意向を尊重することばだった。しかし目を見ればわかる。理屈としては納得しても彼の感情はそうではない。事実、彼が続けたのは少女の懊悩を否定することばだった。 「これはあくまで僕個人の意見ですが、なかなか良いと思いますよ。そのワンピース」 『そうかな』 「ええ、そうですとも」 『でも、無理に着せようとはしないんですね』 「それは僕の主義に反しますから」
 主たる彼女にこうまで歯に衣着せぬ物言いをするのは、今のところ宗三左文字くらいだ。その嫋やかな出で立ちに反して、少女が顕現させたこの打刀は直情的で血の気が多い。  実を言えば、そんな率直な言動を見せる彼のことを少女は少しばかり羨ましく思っている。だからだろうか。気がつけば、言わずにおこうと決めていた疑問を口にしていた。 『宗三、あのとき、どうして本当の願いごとをいわなかったの』 「おや、どうしてわかったんです」 『宗三の嘘はわかりやすいです』 「あなたも言いますね」  ふぅ、と細く長い息を吐き出して、宗三左文字は天を仰いだ。もしも映画であったなら、ここは主演俳優が優雅に紫煙をくゆらせる場面だ。 「僕の本当の願いは、誰かに頼んで叶えられる類のものじゃありませんから」 『宗三は、カゴの鳥でいるのはいや?』 「ええ、あなたと同じ様に」   向かい合う二人の間に沈黙が落ちる。主従は互いの目をじっと見つめた。そこに甘やかな空気などは微塵も無い。殺気すら感じさせる無言の応酬の後で、先に動いたのは宗三左文字の方だった。 「あなたも、この本丸という籠から出ることはできないのでしょう?」 「・・・・・・」 「そんな風に睨まずとも、無理に事情を聞き出しやしませんよーーあなたが僕に踏み込んでこない限りは、ですが」  この辺りが話を切り上げる頃合いだと考えたのだろう。胸に渇望を秘めた青年は「そろそろ失礼します」と口にして腰を上げた。少女はそれを黙って見送る。ドアノブに手をかけた宗三はしかし、そこで主の方へ振り返る。 「髪が気になるなら、堀川国広にでも頼むことです。くれぐれも僕に切ってくれなんて言わないでくださいね。僕らは刀の付喪神であって、鋏じゃないんですから」  脈絡の無い宗三の発言に、少女は首を傾げる。彼の意図を理解するまでには数秒を要した。・・・・・・思い返せば、彼に何が気にくわないのかと尋ねられたとき、この服と髪に違和感があると答えた。あれは話の枕だとばかり思っていたが、違ったようだ。  確かに、自分で髪を切る自信はないから、誰かに頼もうとは考えていたけれど。 髪が話題にのぼった時からずいぶん間が空いている。なぜ今頃になってわざわざ蒸し返す必要があったのか。
 そんな疑問が顔に出ていたのだろう。少女の訝しげな態度を前にして、宗三左文字は憂鬱そうに呟いた。 「写真を撮るというから前髪を少しばかり整えてみたら。見て下さい、この様です」  そう言って彼が持ち上げた一房は、言われて見れば実にざんばらだった。真面目くさった声音のまま「どうやら僕は、思っていたよりも不器用だった様です」と悲し気に呟いた。  その情けない表情と先ほどまでの傲岸な彼の落差たるや。少女は思わず吹き出した。肩を震わせる主に、そんなに笑うことはないでしょうと拗ねて見せるものだから、ついに少女は腹を抱えた。  もしも声が出せていたなら大声で笑っていただろう。先ほどまで張りつめた空気はすっかり緩んで、霧散していった。泣き笑いをしながら少女は悟る。
 宗三左文字は彼なりに気をつかってくれたのだ。彼の言うとおり、ひどく不器用なやり方で。     少女は乱れた呼気を整えながら、子どものように膨れる彼をおいでおいでと手招きする。向かう先は鏡台だ。ここには蜂須賀が必要だと言い張って集めさせた小物が詰まっている。  抽斗から何かを取り出した少女は、宗三に手を出せとジェスチャーする。怪訝そうな色を浮かべる青年の手のひらに載せられたのは、金属製のヘアピンだった。  鳥の羽根を模した装飾が控えめに施されている。摘まみ上げたそれをしげしげと眺めた彼は、やがてニヤリと微笑んで見せたのだった。  この日、幼い少女を主と仰ぐ刀剣たちは新たな屋敷を得た。引っ越し作業を一段落させた彼らは玄関先に集う。ペパーミントグリーンのワンピースを纏った少女がそこに登場すると、彼らは多いに湧き上がった。
 晴れやかな衣装に身を包んだ主を囲んだ刀剣たちは、記念写真を撮影した。本丸の初期部隊の面々が顔を揃えたその一葉は額に納められ、少女の執務室に飾られている。  主の隣を陣取った宗三左文字が見慣れないヘアピンをしている理由は、少女と彼だけの細やかな秘密である。
了.
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発言種別
 今回の村で出てくる発言ウィンドウの種類の説明です。
 WOLF MANSIONのルールブックにも以下のような発言種別の説明(公式リンク)がありますが、このページでも軽く説明します。
【説明の前に】 ・推理RPの方針については守ってほしい注意点の「推理について」をご覧ください。 ・人狼界隈ではPL発言であることを表明する際、発言の頭に「/*」(コメントアウトの始点)が付けられることがあります。詳しい説明はチャット機能の使い方の使用例をご覧ください。
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【発言の種類】
通常 全員に見える発言。白いチャットウィンドウなのでよく白茶、白窓などと呼ばれる。
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独り言 自分だけに見える発言。灰、灰レスなどとも呼ばれる。 推理発言可。ゲーム終了後に全体公開される。 メモやPLの叫びや感想、内緒のソロール等を記したい時にオススメです。
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囁き 人狼陣営の相談用チャット。通称赤窓。 推理発言可。ゲーム終了後に全体公開される。
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共鳴会話 共鳴者間で利用できる相談用チャット。推理発言可。 ゲーム終了後に全体公開される。
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見学 ゲーム部分に参加しない見学者の発言。 一般の人狼村ではゲーム中に見えませんが、今回の村では全体公開設定なので「通常」と同じと考えてください。
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呻き 墓下発言。ゲーム上で死んだ際「通常」から自動で変化する。 一般の人狼村ではゲーム中に見えませんが、今回の村では全体公開設定なので「通常」と同じと考えてください。
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秘話 送信者と受信者(自分⇔相手)だけに見える発言。 ゲーム終了後に全体公開される。気になるあの子と個人的に話したい時などに。
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天からのお告げ 村建て主が投稿できる文章です。 全体への連絡が記載されることもあるので、表示されたらチェックしましょう。
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アクション 「(自分の名前)は、~」と言う形でゲームテキストのような文を投稿することができます。公開範囲は通常発言と同じです。
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【文章作成:suzupuyo】
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ゲーム・推理解説
役職説明
ゲームの進行
推理のヒント(足音の考え方���
■公式ページ
・ルールブック ・解説付きルール紹介ページ ↑わかりやすく、おすすめです。
■役職解説
 次項より今回の村で含まれる役職について解説していきます。  詳しい説明はルールブックをご覧ください。  RPにおけるの推理発言の方針については守ってほしい注意点の「推理について」をご覧ください。
【村人陣営】
村人  何の能力もない村人。推理と勘と運でがんばる。  ダミーキャラ(=2日目に確定で人狼に襲撃される最初の犠牲者)は必ず村人となります。
霊能者  処刑された人が人狼だったか人間だったか分かる。役職まではわからない。  狐が処刑された場合の霊能結果は「人間」と表示される。  墓落ち(=襲撃や処刑によりゲームから脱落脱落すること)しても同じ能力を持つ人物が生きている間は霊能結果がわかる。
賢者  毎日一人を指定して占い、その役職を知ることができる。  占い対象までの経路に足音が立つ。一度だけ曲がれる。  役職CO(COとはカミングアウトのことで、役職を他者に知らせる行為を指します)はできないため、「誰を占ったか」「占い結果」を伝える方法を考えるのがミソ。  狐を占うと倒せる。
導師  処刑された人の役職がわかる!  自身が導師であることを通常発言(表チャットの白発言)で役職CO、またその内容を公表しても良い。結果騙り(=嘘をつくこと)も許可されている。
狩人  二日目以降、一人を指定して襲撃から守ることができる。  護衛対象までの経路に足音が立つ。一度だけ曲がれる。
共鳴者  共鳴専用チャット『共鳴』で共鳴者同士の秘密会話でお話できる。また、役職欄で他の共鳴者を知ることができる(2023年8月より追加された仕様です)。  共鳴会話内では『この人があやしいと思う』や『自分たちが共鳴者同士だって皆に伝えるためにお互いに投票してみる……?』などの推理発言可。
◆村陣営のまとめ◆ ・狼を全滅させ、且つ終了時に狐を倒していれば勝ち。 ・共鳴者は相談できる! ・処刑者の情報を得られる:霊能者、導師 ・能力で役職がわかる:導師、賢者 ・処刑者の情報を得られない:賢者、狩人、共鳴者×2、 ※↑導師が教えてくれたらわかるよ
【人狼陣営】
人狼  毎日人間を一人選び、脱落させることができる。  役職欄で誰が他の人狼なのか表示されるが、狂人の正体はわからない。  人狼が複数いる場合はどの人狼が襲撃するか自由に選ぶことができる(※今回の村では人狼陣営が2人以下になるまで同じ人狼が連続で襲撃することはできない)。  襲撃対象までの経路に足音が立つ。一度だけ曲がれる。  人狼陣営チャット「囁き」の閲覧、発言ができる。
狂人  任意の部屋から一直線に足音を立てることができる。曲がれない。  どこも通らず音を鳴らさないこともできる。  人狼陣営だが狼ではなく人間カウント。  誰が人狼なのか自力で知ることはできない。
魔神官  導師能力を持つ狂人。徘徊もできるし処刑された人の役職がわかる!  ただし仲間である狼が誰なのかはわからず、相談もできない。
◆人狼陣営のまとめ◆ ・囁きで相談できる!(狂人と魔神官は囁き参加できません) ・人狼と人間(狂人含む)が同数になり、且つ終了時に狐を吊れていれば勝ち。
【妖狐陣営】
妖狐  任意の部屋から一直線に足音を立てることができる。曲がれない。  人狼に襲撃されても死なないが、賢者に占われると死亡する。  ゲーム終了条件を満たしたときに生き残っていれば、他の陣営から勝利を横取りして一人勝ちできる。
■ゲームの進行について
 ゲームが始まると画像のような部屋割りがランダムで決められます。  最初に訪れる運の試練です。
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【1日目】  役職COは導師のみ許されます。騙りCO(たとえば人狼が自分は導師です、と嘘つくこと)は禁止です。  導師はこの日から好きなタイミングでCOできます。  人狼の襲撃先はダミーキャラ固定です。人狼は相談して襲撃担当者と経路を選択!  賢者は占い先を選択!  狂人や狐は足音を立てたり立てなかったり。  それ以外の人はやることがありません。
【2日目】  ダミーキャラが襲撃されたメッセージが表示されます。  (全員)投票が始まります。あやしい人に投票しましょう。 また、この日から狩人の護衛が始まります。  人狼は襲撃対象を選択!  賢者は占い先を選択!  狩人は護衛先を選択!  狂人と狐は足音を立てたり立てなかったり。
【3日目以降】  初回処刑者が決まります。  導師は処刑者の役職がわかります。みんなに通常発言(白発言)で結果を教えて構いません。  霊能者は処刑者が人か狼かわかります。ですが導師以外のCO禁止のため、みんなに教えてはいけません。心の中に留めましょう。
【4日目以降】  上記から抜けが発生するので、 ★☆★☆もうわからん★☆★☆
■推理のヒント
【足音について】  マンション人狼で重要となる推理要素が足音です。  推理の足音について公式にも説明がありますが、公式のインターフェース確認用のサンプル村(テストアカウントを入村させて各役職のインターフェースや操作を確認できる村です。誰でも利用できます)の画面を用いて、当ページでも簡単に解説します。
 今回の村で足音を鳴らせるのは人狼、狂人、魔神官、賢者、狩人、妖狐です。多いですね。
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【推理のヒント】
足音は目的地目的地まで必ず最短距離で通る。
スタートとゴールは鳴らない(あくまで通り過ぎた部屋のみ鳴る)。 つまり隣の部屋の村人を襲撃した場合は音が鳴らない。
最初から誰もいない角の空き部屋(画像の01、05、16)も無音で通れる。
処刑や襲撃で墓落ちした人の部屋を通っても音が鳴らない。
人狼/賢者/狩人の足音は1回曲がれる。つまり経路はL字か直線になる。 足音の起点と終点の部屋の中心から線を伸ばしてみるとわかりやすい。
狂人/狐のたてる足音は、本人がいる部屋起点とは限らない。
【例1】 部屋13、14で足音が聞こえた...。
 このシステムメッセージは、13,14を通った人物がいる、という意味になります。  文章通りに受け取ると「12が15に向かった………?」と受け取りかねませんが、それだけではありません。
足音を鳴らす役職が通った番号は若い順に並び替えられる。
スタートとゴールは鳴らない(あくまで通り過ぎた部屋のみ鳴る)。  つまり隣の部屋の村人を襲撃した場合は音が鳴らない。
人狼/賢者/狩人の足音は1回曲がれる。
 これらの要素を加味して考えると、音を立てた人物は、
08(13→14→15)
09(14→13→12)
12(13→14→15)
15(14→13→12)
18(13→14→15)
19(14→13→12) ※括弧内は通ったルート
 と6名もの候補が発生します。難しいですね。  さらに足音の主がどの役職であるかもわかりません。  投票結果や他の足音とも比べつつ足音の正体を考えてみましょう。
 難しいですね……。
 大抵の場合は決定打に欠け、確実な正解に辿り着くことは容易でないので間違いを恐れずに考えてみましょう。  大丈夫です、考えてもわからないことは世の中にあります。
【例2】 部屋13、14で足音が聞こえた...。 部屋04、10で足音が聞こえた...。
 このシステムメッセージは、13,14を通ったAさんと、04,10を通ったBさんがいる、という意味になります。  通った番号は若い順に並び替えられるため、Aさんの経路は ・13→14 ・14→13  の両方のパターンが考えられます。
【例3】 部屋13、14で足音が聞こえた...。 部屋13で足音が聞こえた...。
 この場合は、13,14を通ったAさんと、13を通ったBさんがいる、という意味になります。
【例4】 部屋13で足音が聞こえた...。 部屋13で足音が聞こえた...。
 この場合は、部屋13を通り過ぎた人物が2人居ることになります。
【例5】 足音を聞いたものはいなかった...。
 この場合は、足音の鳴らない部屋ルート(隣部屋や角の空き部屋、墓落ちした人の部屋など)を通ったことになります。難しいですね。
【おまけ:足音ではないメッセージ】 ・次の日の朝、(キャラの名前)が無惨な姿で発見された。 ・今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
 人狼に襲撃された人物は前者のメッセージと共に無残な死体として発見されます。(ゲーム上の話であり、RP上は死亡しません。安心安全な夏祭りです。)  襲撃予定者が処刑されたり、狐のように襲撃されても死亡しない役職であった場合は後者のメッセージが表示されます。  処刑はシステム上の処理順が襲撃よりも前にあるため、襲撃が失敗扱いとなります。(処理順については公式ルールをご覧ください)
■補足説明
その日の処刑や襲撃により足音を鳴らした人が退場している可能性がある。  能力者、襲撃担当者が死亡していてもセットした通りに足音が響きます。(ルールブックより引用)
投票は初期設定が自分になっている。  ゲームの日付が変わる度ににリセットされます。  投票先のセットを忘れないよう気を付けましょう。
狼の襲撃先設定は多数決で決まる。  初期設定はランダムになっています。相談した相手と合わせて全員で襲撃先をセットしましょう。
投票先の設定と役職の行動は、1回の更新で同時に設定できない。  例えば賢者は投票先と占い先をセットする必要ありますが、投票先を選んで「投票セット」ボタンを押し、ページが更新後に改めて占い先を選び「能力セット」ボタンを押すことで両方の設定が反映されます。
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【文章作成:suzupuyo】
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マンション人狼の遊び方
マンション人狼とは?
そもそも人狼ってどんなゲーム?
村への参加方法
ゲーム上の諸注意
マンション人狼とは?
 推理ゲーム「汝は人狼なりや?」 (人狼ゲームと呼ばれることもあります) の派生ゲームです。  人狼ゲームサイトWOLF MANSIONで遊ぶことができます。  一般の人狼では対話による探り合いや役職騙りが発生しますが、マンション人狼では公開場所での推理の共有や相談が原則禁止となっており、システム生成の要素(足音、投票など)から状況を推理します。  役職によって様々な能力があり、例えば「人狼」や「共鳴者」などの役職は他者に見えない専用のチャット(=窓) で同じ能力を持つ人との相談が可能です。 
対話でなくシステム生成の要素(足音、投票)から推理する
投票や役職について嘘をつかなくていい!(※嘘をつける役職もある)
パズル感覚で遊べる!
そもそも人狼ってどんなゲーム?
 村人陣営と人狼陣営に分かれ、陣営の勝利を目指して遊ぶ推理ゲームです。  ゲーム上の一日が経過する(=ゲームが進行する)ごとに村人が人狼に襲われて減っていくので、村人達は誰が狼なのか推理しながら多数決(投票)で選ばれ���一人を毎日退治し、村の平和を守ります。  人狼側は村人に正体がバレないように立ち回り、人狼の全滅を防ぎつつ村人を減らしていきます。  村に潜む狼を全員倒せば村人の勝利、村人の数を人狼の数以下に減らせば人狼の勝利となります。
長期ベースの遊び  今回の村では24時間ごとにゲームが進行します。  村ごとにゲーム進行の更新間隔を設定できるので、更新間隔が15分~30分程度の短期村もあります。
キャラクターチップについて  通常の人狼村では、予め用意されたキャラクターチップ(チップ=ゲーム上の駒)をプレイヤーの分身としてゲームを遊びます。
 今回の村ではWOLF MANSIONの機能を用いてオリジナルキャラのアイコンを持参し、ゲームを遊びます。  WOLF MANSION内の「自分でキャラクターおよびキャラクター画像を用意する村について」の記載の通り、ルールを守った画像で遊びましょう。 ※ 上記リンク先の記載の通り、アップロードされたアイコンは、WOLF MANSION運営による各種宣伝の際に使用されることがあります。
 表示サイズはデフォルトが縦横60pxですが、設定から画像を拡大して表示できるので、気にされる方は縦横120px以上推奨です。  ただし、システム上の仕様により、サイズが100KB以上の画像はアイコン登録できません。  ※下図は上段のアイコン画像が縦横120px、下段が60pxです。
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村への参加方法
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WOLF MANSION にユーザー登録する。  メールアドレスは不要。IDとパスワードだけで登録できます。村が開催される前に取得しておくとスムーズ。  トップページの「ID登録」で登録したら、「ログイン」!  IDはゲーム終了時に公開されます。また、ユーザー一覧から自分のIDを開けば自己紹介の編集ができます。
開催されてる村へ行く。  トップページ下部に開催されてる村一覧があります。
必要事項を入力して村に参加!  キャラ名、キャラ名略称、入村発言、村のパスワードを入力!  見学者(=ゲーム部分に参加せずチャットだけ参加する枠です)で参加する場合は「見学者として入村」にチェック!  キャラ名やキャラ名略称についての説明は入村名およびサブPCについてをご参照ください ※今回の村では役職希望は無効です。
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 注意事項に同意し、入村すると以下のように反映されます。  以下の例ではキャラ名を「顔良 イケメンもどき」、キャラ名略称を「顔」と設定しています。  また、入村時のアイコンはシステム面(ゲーム盤面、人狼の襲撃台詞など)に使用されます。 ※以下はゲーム終了後に撮ったスクリーンショットなのでキャラ名の後ろにユーザー名も表示されていますが、ゲーム開始時点では表示されません。
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 入村後も名前変更は可能ですが、ゲーム面に影響が出るため推奨されません。  変更する度にシステムメッセージがログに表示されます。
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プロローグ期間が明けたらゲーム開始!  サイトや村のルールを守って楽しく遊びましょう!  プロローグ期間(=入村ができる期間)は最終アクセスから24時間経過で自動退室される仕様なので、発言せずともログインは小まめにすると良いでしょう。  いつのまにかロ��アウト状態で閲覧していることもあります。注意!
 詳しい推理の仕方はゲーム・推理解説をご覧ください。  推理RPの方針については守ってほしい注意点の「推理について」をご覧ください。
ゲーム上の諸注意
公開チャットでの推理発言・推理の共有は禁止です  SNSなど外部ツールを用いて不参加者相手と行ってもいけません。  役職『人狼』、『共鳴者』がゲーム内の囁き/共鳴会話で行うのはもちろん大丈夫!  また、『導師』のみ、公開チャット上でCO(=カミングアウト。自分の役職を明かすこと)して能力の結果を公表することができます。
ゲームの内容について他者を責める発言は村内外問わずやめましょう  ゲームに慣れていない人も居ます。思いやりの心を持って楽しい村にしましょう。
こういう発言はやめてね ・導師さんが出てこないとAさんが狼かわからないな〜(公開場所での推理に関連する発言) ・くそ~~参加者AがBに投票してくれたらCを吊れたんだが~~(他人に責任を押し付ける発言) ・ちくせう、××は(ぼくのかんがえたさいきょうのルート)で足音たててくれたらいいのに~~ ・おいおい、Aは味方なんだから俺に投票するなよ~ など
投票先のセットを忘れずに  投票先の設定を忘れると自分自身へ投票してしまいます。注意!
一つの村に複数のアカウントを用いて参加しないこと  今回の村ではアイコンが複数登録できるので擬似的にサブPCも動かすことが出来ますが、この村でも一般の村でも複数のアカウントを用いて複数のチップを動かす行為は禁止です。 入村名およびサブPCについてにも記載の通り、サイト側から厳しい措置が取られます。
【文章作成:suzupuyo】
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チャット機能の使い方
・レスのやり方(アンカーについて) ・修飾タグ ・ランダムタグ ・簡易メモ、PL発言の「/*」、独り言の使用例
前提
・村内の発言投稿はチャットと言うよりは掲示板方式です。 ・一度の発言で入力できる文字は20行400字までです。
レスのやり方
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 発言の左上にある発言番号(画像の場合 >>107 の部分)を押すとクリップボードに番号がコピーされます。  また、発言右下の「返信」または「秘話」を押すと入力フォームに自動で返信先が設定されます。
【Tips】
・ゲーム内日付が進行すると前の日付の発言から返信ボタンは消えます。 ・独り言、秘話の発言番号はエピローグまで明かされません。
 発言内に発言番号を入れることでレスアンカー(返信)となります。
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 一発言内にアンカーを複数付けることも可能です。  チャット上で返信先をわかりやすくしたい時にキャラクターの名前や略称を添えることもあります。
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【Tips】
 WOLF MANSIONには返信を受け取った際に、Webhookと連携してDiscordに通知する機能があります。詳しくはWebhook通知解説をご覧下さい。
※ 参加者全員が通知設定するとは限らない点にご注意ください。
修飾タグの使い方
 特定の文字列を二重にした半角大括弧[[これ]]で囲むと修飾タグとして機能します。
【例】文字サイズを大きくしたりする場合は投稿画面で以下のように入力します。  [[large]]ここに任意の文章[[/large]]
 タグを用いて文字を強調したりルビを振るなどの演出が可能です。また、異なるタグも同時に使うことが可能です。
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 発言フォームの下にあるリンク(もしくはルールページ)から、修飾タグの種類を参照できます。
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 右下の歯車マークから修飾ボタンを表示させることができるので、表示にチェックを入れておくと便利です。
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ランダムタグの使い方
 設定された値のいずれかをランダムに表示するタグがあります。 [[fortune]]なら100面ダイス、[[allwho]]なら入村している人物のいずれかを名指しするといった具合です。
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 規定のタグ以外に、ユーザーが任意のランダムタグを登録して使うこともできます。  [[sweet]]ならお菓子の種類、[[candy]]なら飴の味が登録されています。
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 辞書登録されたランダムタグは、発言フォーム下の「文字修飾・ランダム機能」→「ユーザー定義のランダム発言」の手順で見ることができます。
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その他
・簡易メモの表示場所  状況タブの参加者一覧に表示されます。(画像の村長ヴァルターの[テストです]や楽天家ゲルトの[簡易メモ]の部分)  発言一覧やシステムメッセージには表示されませんが全員に公開されます。  勿論、ここでも推理発言は禁止です。
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・PL発言「/*」や独り言の使用例  人狼界隈ではPL発言であることを表明する際、発言の頭に「/*」(コメントアウトの始点)が付けられることがあります。  PL連絡をする用途でも使用できますが、独り言で感想や推理を呟き、ゲーム終了時に見せ合うことも可能です。  誰かに見える場では推理や結果に言及できないので、是非独り言を活用して感想投稿や推理RPなどをして頂ければ幸いです。 (以下はあくまで一例です)
@wwrp_ 私の独り言の使い方、呻いたり闇の乙女ゲー攻略したりなので、皆様が推理状況まとめたりキャラの掘り下げロールしてるの見て「なるほどな…賢いな…」となったよ pic.twitter.com/bkZkF20vX1
— 🥛スズ🍓暗377 (@suzupuyo)
September 13, 2021
【文章作成:@suzupuyo】
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マンション人狼の遊び方
・マンション人狼とは? ・そもそも人狼ってどんなゲーム? ・村への参加方法 ・ゲーム上の諸注意
マンション人狼とは?
 推理ゲーム「汝は人狼なりや?」 (人狼ゲームと呼ばれることもあります) の派生ゲームです。  人狼ゲームサイトWOLF MANSIONで遊ぶことができます。  一般の人狼では対話による疑い合いや役職騙りが発生しますが、マンション人狼では公開場所での推理の共有や相談が原則禁止となっており、システム生成の要素(足音、投票など)から状況を推理します。  役職によって様々な能力があり、例えば「人狼」や「共鳴者」などの役職は他者に見えない専用のチャット(=窓) で同じ能力を持つ人との相談が可能です。 
・対話でなくシステム生成の要素(足音、投票)から推理する ・投票や役職について嘘をつかなくていい!(※嘘をつける役職もある) ・パズル感覚で遊べる!
そもそも人狼ってどんなゲーム?
 村人陣営と人狼陣営に分かれ、陣営の勝利を目指して遊ぶ推理ゲームです。  ゲーム上の一日が経過する(=ゲームが進行する)ごとに村人が人狼に襲われて減っていくので、村人達は誰が狼なのか推理しながら多数決(投票)で選ばれた一人を毎日退治し、村の平和を守ります。  人狼側は村人に正体がバレないように立ち回り、人狼の全滅を防ぎつつ村人を減らしていきます。  村に潜む狼を全員倒せば村人の勝利、村人の数を人狼の数以下に減らせば人狼の勝利となります。 ・長期ベースの遊び  今回の柊鬼夏祭り村では24時間ごとにゲームが進行します。  村ごとにゲーム進行の更新間隔を設定できるので、更新間隔が15分~30分程度の短期村もあります。
・キャラクターチップについて  通常の人狼村では、予め用意されたキャラクターチップ(チップ=ゲーム上の駒)をプレイヤーの分身としてゲームを遊びます。
 今回の村ではWOLF MANSIONの機能を用いてオリジナルキャラのアイコンを持参し、ゲームを遊びます。  WOLF MANSION内の「自分でキャラクターおよびキャラクター画像を用意する村について」の記載の通り、ルールを守った画像で遊びましょう。  ルール記載の通り、アップロードされたアイコンは、WOLF MANSION運営による各種宣伝の際に使用されることがあります。
 表示サイズはデフォルトが縦横60pxですが、設定から画像を拡大して表示できるので、気にされる方は縦横120px以上推奨です。  ただし、システム上の仕様により、サイズが100KB以上の画像はアイコン登録できません。  ※上段の画像が縦横120px、下段が60pxです。
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村への参加方法
WOLF MANSION にユーザー登録する。  メールアドレスは不要。IDとパスワードだけで登録できます。 村が開催される前に取得しておくとスムーズ。  トップページの「ID登録」で登録したら、「ログイン」!  IDはゲーム終了時に公開されます。また、ユーザー一覧から自分のIDを開けば自己紹介の編集ができます。
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開催されてる村へ行く。  トップページ下部に開催されてる村一覧があります。
必要事項を入力して村に参加!  キャラ名、キャラ名略称、入村発言、村のパスワードを入力!  見学者(=ゲーム部分に参加せずチャットだけ参加する枠です)で参加する場合は「見学者として入村」にチェック!  キャラ名やキャラ名略称についての説明は入村名およびサブPCについてをご参照ください。 ※今回の村では役職希望は無効です。
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 注意事項に同意し、入村すると以下のように反映されます。
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 上記画像ではキャラ名を「顔良 イケメンもどき」、キャラ名略称を「顔」に設定しています。また、入村時のアイコンはシステム面(ゲーム盤面、人狼の襲撃台詞など)に使用されます。
※上記はゲーム終了後に撮ったスクリーンショットなのでユーザー名も表示されていますが、ゲーム開始時点では表示されません。  入村後の名前変更は可能ですが、ゲーム面に影響が出るため推奨されません。 変更する度にシステムメッセージがログに表示されます。
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プロローグ期間が明けたらゲーム開始!  サイトや村のルールを守って楽しく遊びましょう!  プロローグ期間(=入村ができる期間)は最終アクセスから24時間経過で自動退室される仕様なので、発言せずともログインは小まめにすると良いでしょう。  いつのまにかログアウト状態で閲覧していることもあります。注意!
 詳しい推理の仕方はゲーム・推理解説をご覧ください。  推理RPの方針については守ってほしい注意点の「推理について」をご覧ください。
ゲーム上の諸注意
■公開チャットでの推理発言・推理の共有は禁止です  SNSなど外部ツールを用いて不参加者相手と行ってもいけません。  役職『人狼』、『共鳴者』がゲーム内の囁き/共鳴会話で行うのはもちろん大丈夫!  また、『導師』のみ、公開チャット上でCO(=カミングアウト。自分の役職を明かすこと)して能力の結果を公表することができます。
■ゲームの内容について他者を責める発言は村内外問わずやめましょう  ゲームに慣れていない人も居ます。思いやりの心を持って楽しい夏祭りにしましょう。
【こういう発言はやめてね】 ・導師さんが出てこないとAさんが狼かわからないな〜(公開場所での推理に関連する発言) ・くそ~~参加者AがBに投票してくれたらCを吊れたんだが~~(他人に責任を押し付ける発言) ・ちくせう、××は(ぼくのかんがえたさいきょうのルート)で足音たててくれたらいいのに~~ ・おいおい、Aは味方なんだから俺に投票するなよ~ など
■投票先のセットを忘れずに  投票先の設定を忘れると自分自身へ投票してしまいます。注意!
■一つの村に複数のアカウントを用いて参加しないこと  今回の村ではアイコンが複数登録できるので擬似的にサブPCも動かすことが出来ますが、この村でも一般の村でも複数のアカウントを用いて複数のチップを動かす行為は禁止です。入村名およびサブPCについてにも記載の通り、サイト側から厳しい措置が取られます。
 
【文章作��:@suzupuyo】
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ゲーム・推理解説
・役職説明 ・ゲームの進行 ・推理のヒント(足音の考え方) についての説明ページです。
■公式ページ
・ルールブック ・解説付きルール紹介ページ ↑わかりやすく、おすすめです。
■役職解説
 より詳しい説明はルールブックをご覧ください。  RPにおけるの推理発言の方針については守ってほしい注意点の「推理について」をご覧ください。
【村人陣営】
村人  何の能力もない村人。推理と勘と運でがんばる。  ダミーキャラ(=2日目に確定で人狼に襲撃される最初の犠牲者)は必ず村人となります。
霊能者  処刑された人が人狼だったか人間だったか分かる。役職まではわからない。  墓落ち(=襲撃や処刑によりゲームから脱落脱落すること)しても同じ能力を持つ人物が生きている間は霊能結果がわかる。
賢者  毎日一人を指定して占い、その役職を知ることができる。  占い対象までの経路に足音が立つ。一度だけ曲がれる。  役職CO(COとはカミングアウトのことで、役職を他者に知らせる行為を指します)はできないため、「誰を占ったか」「占い結果」を伝える方法を考えるのがミソ。  狐を占うと倒せる。(今回の村に狐は居ません)
導師  処刑された人の役職がわかる!  自身が導師であることを通常発言(表チャットの白発言)で役職CO、またその内容を公表しても良い。結果騙り(=嘘をつくこと)も許可されている。
狩人  二日目以降、一人を指定して襲撃から守ることができる。  護衛対象までの経路に足音が立つ。一度だけ曲がれる。
共鳴者  共鳴専用チャット『共鳴』で共鳴者同士の秘密会話でお話できる。  ただし、人狼と違い誰が共鳴者同士であるかはわからないので『共鳴』チャット(緑の発言)で名乗り出てあげてね。  共鳴会話内では『この人があやしいと思う』や『自分たちが共鳴者同士だって皆に伝えるためにお互いに投票してみる……?』などの推理発言可。
◆村陣営のまとめ◆ ・狼を全滅させ、且つ終了時に狐を倒していれば勝ち。(今回の村に狐は居ません) ・共鳴者は相談できる! ・処刑者の情報を得られる:霊能者、導師 ・処刑者の情報を得られない:賢者、狩人、共鳴者×2、 ※↑導師が教えてくれたらわかるよ
【人狼陣営】
人狼  毎日人間を一人選び、脱落させることができる。  誰が他の人狼なのか表示されるが、狂人の正体はわからない。  人狼が複数いる場合はどの人狼が襲撃するか自由に選ぶことができる(※今回の村では人狼陣営が2人以下になるまで同じ人狼が連続で襲撃することはできない)。  襲撃対象までの経路に足音が立つ。一度だけ曲がれる。  人狼陣営チャット「囁き」の閲覧、発言ができる。
狂人  任意の部屋から一直線に足音を立てることができる。曲がれない。  どこも通らず音を鳴らさないこともできる。  人狼陣営だが狼ではなく人間カウント。  誰が人狼なのか自力で知ることはできない。
◆人狼陣営のまとめ◆ ・囁きで相談できる!(狂人は囁き参加できません) ・人狼と人間(狂人含む)が同数になり、且つ終了時に狐を吊れていれば勝ち(今回の村に狐は居ません)
■ゲームの進行について
 ゲームが始まると画像のような部屋割りがランダムで決められます。 最初に訪れる運の試練です。
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【1日目】  役職COは導師のみ許されます。騙りCO(たとえば人狼が自分は導師です、と嘘つくこと)は禁止です。  導師はこの日から好きなタイミングでCOできます。  人狼の襲撃先はダミーキャラ固定です。人狼は相談して襲撃担当者と経路を選択!  賢者は占い先を選択!  狂人や狐は足音を立てたり立てなかったり。 それ以外の人はやることがありません。
【2日目】  ダミーキャラが襲撃されたメッセージが表示されます。  (全員)投票が始まります。あやしい人に投票しましょう。 また、この日から狩人の護衛が始まります。  人狼は襲撃対象を選択!  賢者は占い先を選択!  狩人は護衛先を選択!  狂人と狐は足音を立てたり立てなかったり。
【3日目以降】  初回処刑者が決まります。  導師は処刑者の役職がわかります。みんなに通常発言(白発言)で結果を教えて構いません。  霊能者は処刑者が人か狼かわかります。ですが導師以外のCO禁止のため、みんなに教えてはいけません。心の中に留めましょう。
【4日目以降】  上記から抜けが発生するので、 ★☆★☆もうわからん★☆★☆
■推理のヒント
【足音について】  マンション人狼で重要となる推理要素が足音です。  推理の足音について公式にも説明がありますが、公式のインターフェース確認用のサンプル村(テストアカウントを入村させて各役職のインターフェースや操作を確認できる村です。誰でも利用できます)の画面を用いて、当ページでも簡単に解説します。 今回の村で足音を鳴らせるのは人狼、狂人、賢者、狩人です。
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※推理のヒント※
 
足音は目的地目的地まで必ず最短距離で通る。
スタートとゴールは鳴らない(あくまで通り過ぎた部屋のみ鳴る)。 つまり隣の部屋の村人を襲撃した場合は音が鳴らない。
最初から誰もいない角の空き部屋(画像の01、05、16)も無音で通れる。
処刑や襲撃で墓落ちした人の部屋を通っても音が鳴らない。
人狼/賢者/狩人の足音は1回曲がれる。つまり経路はL字か直線になる。 足音の起点と終点の部屋の中心から線を伸ばしてみるとわかりやすい。
狂人/狐のたてる足音は、本人がいる部屋起点とは限らない。
【例1】 部屋13、14で足音が聞こえた...。
 このシステムメッセージは、13,14を通った人物がいる、という意味になります。  文章通りに受け取ると「12が15に向かった………?」と受け取りかねませんが、それだけではありません。
・足音を鳴らす役職が通った番号は若い順に並び替えられる。
・スタートとゴールは鳴らない(あくまで通り過ぎた部屋のみ鳴る)。
 つまり隣の部屋の村人を襲撃した場合は音が鳴らない。
・人狼/賢者/狩人の足音は1回曲がれる。
 これらの要素を加味して考えると、音を立てた人物は、
・08(13→14→15) ・09(14→13→12) ・12(13→14→15) ・15(14→13→12) ・18(13→14→15) ・19(14→13→12) ※括弧内は通ったルート
 と6名もの候補が発生します。難しいですね。  さらに足音の主が人狼、狂人、賢者、狩人のいずれかであるかもわかりません。  投票結果や他の足音とも比べつつ足音の正体を考えてみましょう。
 難しいですね……。
 大抵の場合は決定打に欠け、確実な正解に辿り着くことは容易でないので間違いを恐れずに考えてみましょう。  大丈夫です、考えてもわからないことは世の中にあります。
【例2】 部屋13、14で足音が聞こえた...。 部屋04、10で足音が聞こえた...。
 このシステムメッセージは、13,14を通ったAさんと、04,10を通ったBさんがいる、という意味になります。  通った番号は若い順に並び替えられるため、Aさんの経路は ・13→14 ・14→13  の両方のパターンが考えられます。
【例3】 部屋13、14で足音が聞こえた...。 部屋13で足音が聞こえた...。
 ���の場合は、13,14を通ったAさんと、13を通ったBさんがいる、という意味になります。
【例4】 部屋13で足音が聞こえた...。 部屋13で足音が聞こえた...。
 この場合は、部屋13を通り過ぎた人物が2人居ることになります。
【例5】 足音を聞いたものはいなかった...。
 この場合は、足音の鳴らない部屋ルート(隣部屋や角の空き部屋、墓落ちした人の部屋など)を通ったことになります。難しいですね。
【おまけ:足音ではないメッセージ】 ・次の日の朝、(キャラの名前)が無惨な姿で発見された。 ・今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
 人狼に襲撃された人物は前者のメッセージと共に無残な死体として発見されます。(ゲーム上の話であり、RP上は死亡しません。安心安全な夏祭りです。)  襲撃予定者が処刑されたり、狐のように襲撃されても死亡しない役職であった場合は後者のメッセージが表示されます。  処刑はシステム上の処理順が襲撃よりも前にあるため、襲撃が失敗扱いとなります。(処理順については公式ルールをご覧ください)
■補足説明
・その日の処刑や襲撃により足音を鳴らした人が退場している可能性がある。  能力者、襲撃担当者が死亡していてもセットした通りに足音が響きます。(ルールブックより引用)
・投票は初期設定が自分になっている。  ゲームの日付が変わる度ににリセットされます。  投票先のセットを忘れないよう気を付けましょう。
・狼の襲撃先設定は多数決で決まる。  初期設定はランダムになっています。相談した相手と合わせて全員で襲撃先をセットしましょう。
・投票先の設定と役職の行動は、1回の更新で同時に設定できない。  例えば賢者は投票先と占い先をセットする必要ありますが、投票先を選んで「投票セット」ボタンを押し、ページが更新後に改めて占い先を選び「能力セット」ボタンを押すことで両方の設定が反映されます。
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【文章作成:@suzupuyo】
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はじめに 
 暑い暑い夏が終わり、空を見上げれば鰯雲。  店々には季節の新商品が並び、柊鬼川の木々は赤や黄色に色づき始めている。  日ごとに秋めく、そんな頃――
「足音人狼、またやりたいなって!」
 柊鬼商店街に現れた、遊戯を求める"あやかしつづら"。  取り憑かれた一般人を救うため、退魔師たちが怪異の遊び場を奔走する!  作戦決行は9月、満月の夜。  果たして、"あやかしつづら"を祓うことはできるのか?
 「WOLF MANSION」のシステムをお借りして、秋の柊鬼商店街を舞台にRPをします。  RP設定やゲーム説明は「概要」を、参加を希望される方は「参加方法」をご覧ください。
 「WOLF MANSION」(通称「マンション人狼」)は、推理ゲーム「汝は人狼なりや?」の派生ゲームです。  議論のない推理ゲームと共に、キャラクターのRPを楽しむことができます。(推理なし・RPのみの参加も可能です。)  キャラチップ(アイコン)に自作画像を持ち寄る方式を採るので、ご自身のキャラクターのRPができます。
 「柊鬼商店街」は、現代奇譚キャラ交流型ウェブゲーム「暗夜迷宮」内で自由に使用できる非公式の設定合わせ企画が元となっております。  「暗夜迷宮」および「WOLF MANSION」公式とは一切関係がございませんので、公式への問い合わせなどは絶対にお止めください。
 「秋の柊鬼商店街」は、「柊鬼夏祭り」の続編企画に当たりますが、「秋の柊鬼商店街」からの参加も大歓迎です。  また、「柊鬼夏祭り」不参加・ログ未閲覧でも参加に支障はございません。
9月吉日 柊鬼商店街鍋パ実行委員会
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柊鬼商店街鍋パ実行委員会
 RP文章作成やルール整備等、全般で多大な協力を賜りましたが、メイン担当を記載しています。
委員一覧
マンション人狼のルール文章作成・サイトレイアウト調整・あやかしつづら原案 【suzupuyo】
マンション人狼の機能説明・村設定・つづらの遊び場テキスト 【Pitti1097】
告知画像・マンション人狼のルール調整・当村ローカルルール・つづらの遊び場ロケーション原案 【math_sicx】
つづらの遊び場ロケーションテキスト 【dot_kyom】
柊鬼商店街および秋の柊鬼商店街主催・全体監修 【okayu_7kusa】
引用・参考文献
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守ってほしい注意点
参加可能範囲
 「柊鬼商店街の関係者(バイトまで可)」と「関係者から紹介を受けた方」に該当するPLが対象となります。  関係者からのお誘いしたい人へのお声掛けは大歓迎です。  関係者以外の参加希望者は、お手数ですが関係者へお気軽にお声掛けください。
コンセプトについて
 当企画は、 マンション人狼の自作アイコンアップロード機能を使い、各位のPCを持ち寄ってRPを楽しむことに主眼を置いています。  マンション人狼の本来の遊び方との差異もありますが、遊び方をご確認の上、参加者全員で楽しいログが作れるようご協力ください。
 当企画コンセプトは、「秋を楽しむPCたちが見たい!」と「PCたちの退魔師仕草が見たい!」です。  適度なほのぼのRP・シリアスRPが見れることを楽しみにしております。
 この村のレーティング設定は「全年齢」となっております。  柊鬼商店街の参加規約にも「子どもが来ても大丈夫な商店街」を心がけていただくようお願いがございますが、それを引き続きお守りください。  また、PC・PL共に、柊鬼商店街や公式のイメージを毀損するような発言はご遠慮ください。
システムについて
 マンション人狼では、見学参加でも参加者と同じようにRPしていただけます。  ゲーム参加がない分、RPに注力できる余裕があるため、そちらに重きを置かれたい方にもオススメです。
 また、当村はパスワード付きの村になります。  パスワードは「ヒイワシ君」です。
推理について
一部ローカルルールではありませんが、重要事項のためご確認ください。
「独り言」と「役職窓」を除き、推理発言は禁止です。 (秘話でもNGです。)
役職を明かしていいのは導師だけです。 
導師は役職・結果COの際、 結果に絡めたRPはせず、「#導師CO」を付けたうえで、テンプレートに沿って簡潔に結果のみCOしてください。 周りの参加者も、COに反応しないようご注意ください。 (独り言や役職窓では言及OKです。) =導師COテンプレート(例1・能力未行使)= [[b]][[large]]【導師CO】[[/large]][[/b]] #導師CO =導師COテンプレート(例2・能力行使後)= [[b]][[large]]【導師CO】[[/large]][[/b]] [柊]柊鬼水神 ヒイワシ君は怪異のようだ。 #導師CO
PCがしそうな推理とPLが行った推理に齟齬が出る場合、PLとしての推理を優先してください。 (PCがしそうな行動とPCの行動結果を決めるダイスに齟齬があった場合、ダイス結果の反映を優先させるようなものです。)
当村では持ち寄ったキャラクターとして推理をするRPを歓迎しております。 「マンション人狼を舞台にしたからこそできる、推理RPという独自栄養素を見たい!」も当企画コンセプトの一つです。 推理にご参加の方は、独り言や役職窓でぜひRPをお楽しみいただけますと幸いです。
メタ推理(PLが◯◯さんなら、こういう推理をしてここに投票しそう! など、人読みを盛り込んで動くこと)は禁止です。
この村では、誰がどの役職を担当するのかはランダムで決定されます。 人狼などゲーム上の方針相談が必要な役職を引いた場合は、できる限り相談に参加するようにしてください。 推理がわからない場合も、正直に伝えることが大切です。 間違いも過度に恐れる必要はありません。 仲間からの反応がないと不安になるのは、画面の向こうの相手も同じです。
ゲーム上の役職編成は、「村人」「導師」「賢者」「人狼」「狂人」の5つの役職を使う簡易なものを予定しております。
RPについて
 暗夜迷宮公式ガイドに案内のある地名・組織名や、他ユーザー企画発祥の、ご自身が権利を持たない固有名詞のご利用はお控えください。  「西東京」や「退魔師組織」、「うちの学校」、「職場」等の一般地名・名詞としての単語に置き換えるようご協力をお願いいたします。  毎日RPをする必要はありません。  ただし、ゲーム参加者はゲーム期間中、自分が生存している間は最低でも一日一回の投票が必要です。
サブPCおよび入村名について
【サブPCの扱いについて】  この村では一般的な定期更新ゲームと同じ感覚で自作のアイコンをアップロードして登録するため、性質上、一人のPLが一つのアカウントで複数PCを扱うことが可能です。  ただしマンション人狼のシステム上、アカウントの扱いや発言時の名前の登録・変更などの点で暗夜迷宮や一般的な定期更新ゲームと違う点があることにご注意ください。
 大事なこととしてまず最初に、マンション人狼はそのゲームの性質上、一つの村に複数アカウントで入村することが禁止されています。  検知システムも導入されており、見つかり次第マンション人狼で行われる全ゲームへの参加禁止措置が取られるため、1PL1アカウントを厳守の上ご参加ください。
【ゲーム中の名前変更について】  最近の定期更新ゲームでは発言の度に発言欄の名前を自由に変更できるシステムが一般的ですが、マンション人狼では名前の変更こそ可能なものの、変更の度にシステムメッセージで全体に告知され、かつ発言と同時には行えない仕様となっています。
 この仕様は、名称の変更がゲーム部分にも影響するマンション人狼のシステムに由来します。  このため、特にゲーム開始以降の名前変更は、通常のマンション人狼でもこの村でも推奨されません。 (当村ではゲーム開始前であれば入力ミスなどの訂正は問題ありませんが、頻繁な変更はおすすめしません。)
 メインPC以外に扱うサブPCがいるなど、村内にて複数名のPCでRPを行う予定がある場合にメインPC名での入村を行うと、マンション人狼ではサブPCまでがメインPCの名前で喋ることになってしまいます。  サブPCを扱う場合、入村の段階である程度自分の動かすどのPCが喋ってもいい名前で入村する必要があります。
 参加申請用フォームでも名前・PC紹介といった「メインPC情報」と「入村予定名」、サブPC情報などを含む「備考」について区別して申請をいただきますので、複数名PCでRPを行う予定のある方はフォーム入力内容と、各フォームの解説をよくご確認ください。
 入力について迷うことがあれば、参加者一覧から既存入力者の書式や内容などを参考にしてみてください。
【マンション人狼における入村名】  マンション人狼では、【[肩]肩書 キャラクター名】というフォーマットに沿った形式の名前が使われます。
=サンプル= [柊]柊鬼水神 ヒイワシ君 ※入村時には、キャラクター名に「柊鬼水神 ヒイワシ君」、 キャラクター名略称に「柊」と入れています。
 通常のマンション人狼では画像・肩書きがセットになった既成のキャラクターチップを使用するため、使用チップのデフォルト設定名で入村するのですが、今回のようなアイコンアップロード形式の村では入村時に自分で名前を入力する必要があります。
 肩書はそのPC及びサブPC達に合ったものをご自由にお持ち寄りください。  名前の先頭につく[ ]内には、他の参加者と被らないひらがな・カタカナ・漢字一文字を、肩書きの語中から取って使用するのが一般的です。
 ゲーム時に参照されるものであるため、一文字でどのキャラか判別しやすくなるよう、入村済みの方の一覧を見て被りがないようにご協力ください。
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