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#今年は泥酔者対応本部も設置
yotchan-blog · 1 month
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2024/8/23 7:01:25現在のニュース
故・遠藤章さん(東京農工大学特別栄誉教授) 社会に役立つ薬の開発を志した 追想録 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 7:00:31) 台湾、防衛費最高に 米大統領選にらむ 来年7.7%増2兆9000億円 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:55:01) チャイルドシート未使用にリスク 150センチ未満は推奨 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:55:01) プレスリリース:“出しておかない”水切りかごから『食器の水切り中の風景まで美しく』する、まるいカタチの水切りかご新登場(PR TIMES) | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:48:29) 「核汚染水」とあおり立てた中国にブーメラン 日本産「禁輸」で海産物全体に不信…業界がぼやく「消費低迷」:東京新聞 TOKYO Web([B!]東京新聞, 2024/8/23 6:45:51) 戦後を代表する女性詩人、新川和江さん死去 95歳 産経新聞「朝の詩」選者を36年務める([B!]産経新聞, 2024/8/23 6:42:22) <主張>PFASの規制 水道の安全守る対策急げ 社説([B!]産経新聞, 2024/8/23 6:42:22) <産経抄>〝偽りの翻訳〟、球児が背負わされた政治的主張([B!]産経新聞, 2024/8/23 6:42:22) 飲み会後泥酔状態で駅の警備員に平手打ち 大阪府警の51歳巡査部長、暴行容疑で現行犯逮捕([B!]産経新聞, 2024/8/23 6:42:22) 【逃亡45年・中核派活動家逮捕】「この部屋には必ず何かある」捜査員の執念の尾行、張り込み3カ月(1/2ページ)([B!]産経新聞, 2024/8/23 6:42:22) 日銀、繰り返す「判断ミス」の歴史 人生100年こわくない・地球株の歩き方(藤田勉) - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) 「次の総裁」小泉氏23% 本社世論調査 18%の石破氏抜き首位に - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) スパコンが脱・速度競争 生成AI流行、データ学習に転換 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) ハリウッド「AI声優」に怒り 虎の尾踏んだOpenAI - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) セブン&アイ・ホールディングス買収案、狙いは食かガソリンか アメリカ併設型の限界点 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) 破産法が阻んだ後始末 マウントゴックス、弁済まで10年 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) 柏崎刈羽原発7号機の再稼働、「応えられる段階に」 新潟県柏崎市の桜井雅浩市長 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) 韓国を蝕む「介護殺人」 年間16.4人の悲劇 ソウル支局長 藤田哲哉 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) テレワーク率22%、2年ぶり上昇 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) ニコン新本社「原点回帰」 光学技術重視、再成長へ - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) セブン買収提案、外資規制の対象 警備などの事業、事前審査必要 経済安保も論点に - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) ふるさと納税1兆円時代4 復興支援「共感」が支え - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) 「AI声優が肖像権侵害」 連邦議会、法整備の機運 スト断続 オープンAI、遅れた新機能 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) KKR傘下のロジスティード(旧日立物流)、アルプス物流にTOB 1051億円で子会社化めざす - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) 群馬県と高崎市、「シリコンバレー超える街」へ基本構想 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) ヒューガルデン、東京・渋谷にビアガーデン 23日から - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/8/23 6:42:19) 東日本大震災:福島第1原発 燃料デブリ、回収中断 初試験直前 装置接続ミス | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) 菅義偉前首相、小泉進次郎氏を支援へ 自民党総裁選 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) 読む政治:自民党は復活?凋落? 党元事務局長が語る総裁選のポイント | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) 「徴兵なら死を選ぶ」 超正統派の兵役問題でイスラエル社会分断加速 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) 論点:パリ五輪どう向き合う | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) 金言:今に始まったわけじゃない=小倉孝保 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) クローズアップ:最低賃金、届かぬ恩恵 全国平均1054円、上げ幅最高50円 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) 女性は「人違いだった」 別の実行役が証言 東京・狛江の強盗致死 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/8/23 6:42:18) 東電、デブリ作業延期に「情けない」 福島県は「体制に問題」と批判(朝日新聞, 2024/8/23 6:41:38) 元交際相手に「しつけ頼んでない」 女児虐待死、母親の被告人質問(朝日新聞, 2024/8/23 6:41:38) チャイルドシート推奨「身長1m50未満」に引き上げへ…JAF、シートベルトが首にかかる危険性判明で([B!]読売新聞, 2024/8/23 6:40:07) 釧路でミンククジラ今季初水揚げ([B!]読売新聞, 2024/8/23 6:40:07) 順大新病院「2000億円超」 整備費増を提示 開院20か月遅れも([B!]読売新聞, 2024/8/23 6:40:07) ウクライナ軍、ロシア軍設置の浮橋を米供与の「HIMARS」で破壊…新たな補給路阻む([B!]読売新聞, 2024/8/23 6:40:07) 関東一・米沢監督が育てた「準備」と「考える力」 夏の甲子園決勝(毎日新聞, 2024/8/23 6:33:38) プロが解説!年金のいろは:退職金制度 「企業年金」って どうしたらもらえる?(毎日新聞, 2024/8/23 6:33:38) 京都国際の「らしくない」監督がたどり着いた特等席 夏の甲子園(毎日新聞, 2024/8/23 6:33:38)
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anifactory · 3 years
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音楽の鳴る場所、人の自由が集う場所
covid-19が世界的なパンデミックとして猛威を振るい、ここ日本では1年と2ヵ月を経過してなお終息の形が見えてきません。まずは日々重症者や個々の対応に追われている医療関係者の皆様や、明確な目標をもって地方自治体と連携し、政治に携われている議員の皆様、並びに感染リスクを最大限回避できるよう対策し、人間の根本的かつ社会的な活動と経済を少しでも支えようと生き抜いている全ての国民の皆様に、感謝の意を表したいと思います。
本日令和3年4月25日、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象にした「3度目の」緊急事態宣言が発令されました。大型レジャー施設や百貨店、デパートの休業要請のほか、時間帯に左右されず、飲食店では酒類の提供が禁止、また深夜では「消灯」が推奨されるなど、非常に限定的かつその意図を図りかねる内容が盛り込まれており、4都道府県だけでなく、全国で波紋が広がっている状況と言って過言ではないでしょう。包み隠さず私見を述べれば、全く以てお話になりません。それぞれの経営者が補償やその内容の詳細を調べるのにも、それぞれの地方自治体の担当の方が把握できていない状況は、異常です。
世界的に見て / 新規感染者数が / 医療の病床が / だとか、そんな内容はほとんどの国民が状況見て「危険だ」という事を把握しているはずで、これは希望的観測ではありません。この1年で、マスクや消毒の重要性、パーテーションの設置や距離、声を張り上げない泥酔しない対策を講じていない場所には近寄らないなど、十分学んできたではありませんか。緊急事態宣言が発令されるという記者会見で、内閣総理大臣は「どのような状況であれ、オリンピックを開催するか否かはIOCが権限を握っている」とハッキリと口にしました。これは、オリンピックを開催する日程に日本がいくらパンデミックに陥っていたとしても、あらゆる業種の経営者 / 従業員が経済難に陥り、職を彷徨ったとしても、自殺者に歯止めが利かなくなっても、学生が積み上げてきた部活動での大会が全て潰されたとしても、IOCが開催することを放棄しない限り「やる」という宣言です。
おかしくはありませんか。私も含め、誰もオリンピックそのものに恨みを持っているわけではないのです。また、聖火ランナーとして走る皆様も含め、大会に出場される選手の大きな夢もスポンサーの未来も世界の注目も背中に乗せてオリンピックは開催されるのですから、それをないがしろにしろと誰が言っているのでしょうか。パンデミックが人類における「平等な脅威」だとすれば、完全に平等ではなくともこの状況下で人と人とが互いに協力し合い、あらゆる業種、あらゆる人種、あらゆる目的や行動、経済から目を背けず、助け合いを促すのが国の仕事ではないのでしょうか。IOCがどんな状況でも開催するというその一言だけで、何故オリンピックだけが優先されなければならないのか、その説明もないまま、今を生きるのに困難な人々が増え続けています。これはcovid-19の感染力よりも、重大な日本の「病気」ではないのでしょうか。
私はクラブDJとして、細々と活動している身です。それでも芸術に携わるいっぱしの人間として、フライヤーの制作やデザイン、オーガナイザー、企画など、15年という期間「プロ」だという気持ちで活動をしてきました。本職は別にあります。grand space Quarkで毎月開催している当イベント「ANIFACTORY」ならびに姉妹イベント「Qualia」では、毎回20~60人程度のお客さんが集まります。多い時では100人近く導入しましたが、決して大きな動員数とは言えません。しかしながら、愛知県豊橋市という地方で、5年以上開催している当イベントに集うお客さんにとっては、もはや帰ってくる場所の一つであり、出演者もクラブそのものも含めて「なくてはならない場所」だと自信を持って言えます。誇りある「必要な場所、時間」なのです。
音楽は娯楽です。同時に、芸術です。人々が何千年以上も前から「劇」を楽しむように、絵画をあらゆる方法で描き残すように、声や打楽器だけで神を祝福するように、あらゆる芸術は人間が人間として営みをこの地球で続ける以上、自然に発生するものです。それは何故か―必要だからです。全ての住居が同じ平坦な作りで建っていますか?教会を行う聖堂のオブジェや内装は不必要なものでしょうか?コルセットは機能すれば全て同一のデザインでよいのでしょうか?答えはNOです。自然(Nature)ですら咲く花々や草木は互いに違う色や形状をしているのに、同じ自然から発生し理性を持つ人類の誰もが同じ芸術を楽しむ道理が無いことを、我々は十分に理解しているはずです。
繰り返しましょう。必要なのです。たかがクラブ、たかがアニソン、たかがDJ。そうやって日本は娯楽をれっきとした芸術として認知してきませんでした。美術館に展示する絵画だけが、クラシックのコンサートだけが、日本の伝統芸能だけが、舞台や劇だけが芸術ではないのです。崇高なもの、技術の高さ、精密さ、それらは個として十分に評価されるべきです。しかしながら、世間では低俗なものとされてきた不良の音楽は今や世界のスタンダートとして認知されるようになり、我々日本人では想像もできないほどの人種差別を受けてきた黒人のフリースタイルバレエは今や世界のダンスに大きな影響を与え続けています。先進国と謳われるここ日本で、何故ワクチン接種が大幅に遅れているのですか?明確な数値目標や未来の投資もないまま、このような横柄な業種への抑圧が続いているのですか?これは完全な私見ですが、天秤にかけられているのは大か小か(オリンピックか、他か)でしか無いような気がしています。小さな芸術ですら目を背ける日本に、正確な判断ができるとは思っていません。それでも多くの国民が、日々助け合いの心を持って生きているのです。私は、おかしくはないだろうか、という意見や声を挙げる事が今必要だと考えています。
たかが地方のアニソンイベント、私はそう思っていません。地方だろうが都心だろうが大だろうが小だろうが、音楽という芸術を取り扱う場所と時間は誰しもに平等なのです。これからもこの思想を根本に可能な限り開催を続けるため、マスク消毒、距離の確保、泥酔の禁止、人数の制限に名簿記入などスタンダードな対策を徹底し、「楽しみに」来て頂ける全てのお客様の自由を保障します。読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。
願わくばここ日本に住む皆様の未来に、加護があらんことを。
ANIFACTORY / Qualia主催 NOUSLESS - 萩原広信
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trinityt2j · 4 years
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ダ-ティ・松本 不健全マンガ家歴30年[-α]史 ●はじめに  この文章は同人誌「FUCK OFF!7」において書かれたものをベースにして逐次増補改定を加えていき、いずれ歴史の証言として、[というほど大袈裟なものでは無いが…]一冊の本にまとめたいという意図のもと、近年どんどん脳が劣化していくダ-松の覚え書きとしても使用の予定。事実関係は間違いに気付き次第 訂正。同人誌発表時のものも今回自粛配慮して、実名、エピソード等を削除した箇所有り。有り難い事に某出版社よりすでに出版打診があったがまだまだその時期ではない、マンガを描く事が苦痛になったら活字の方も気分転換にいいかも…。 /*マークは今後書き加える予定のメモと心得たし。 ●前史/修行時代・1970 さいとうプロの短くて濃い日々……  1968年に上京。数カ月後東京は戦場に。熱い季節の始まりだった。 2年後親元を飛び出し友人のアパートに転がり込む。場所は渋谷から井の頭線で駒場東大駅下車、徒歩5分。地図で見ると現在の駒場公園あたり。昼間でも裸電球を付けなければ真っ暗という馬小屋のような部屋。数メートル先には当時の建設大臣の豪邸が…。前を通りかかるだびに警備のおまわりがじろり。  いつまでも友人に迷惑もかけられないのでとりあえずアシスタントでも…と手元にあったマンガ誌をひっくり返し募集を探す。幸いさいとうプロと横山まさみち氏のところでアシ募集があり両方応募。どっちか一つ通れば…と思っていたら何と両方受かってしまい、双方に条件を聞く。当時高円寺 のアパート、風呂無し4畳半の部屋で相場12000円の時代。前者一ケ月の給料10000円、後者20000円との事。給料の方がボロアパートの家賃より安いとは…!どう考えても前者は食う方法がないと判断し、後者さいとうプロへ入社。  ここに居たのはたったの半年に過ぎないけれど今思えばこれだけで本が一冊描ける位の濃い半年だった。しかしこのあと2X年分も書かねばならないことを思えば今回はいくつかのエピソードを書くだけに留めよう。  ダー松が入った時は小池一夫氏[クビ?]、神田たけ志氏や神江里見氏、きしもとのり氏[現・松文館社長]等と入れ替わりの時で、きし氏の女遊びの凄さと神江氏の絵のうまさは伝説になっていた。現在「亀有」「ゴルゴ」が歴代単行本の巻数の多いベスト1、2位だが[ともに100巻を越えた]、3位は神江氏の「弐十手物語」[70巻以上]だという事は知ってる人は少ないだろう。  当時の制作部は、さいとうたかを[以下ゴリ]をトップに石川班[ゴルゴ13、影狩り]、甲良班[バロム1]、竹本班[シュガー、どぶ等]の3つに分かれ、それぞれのキャップにサブ・チーフが一人づついて、ヒラが2~6人いるというシステムで総16名。独立し現在も活躍中の叶精作、小山ゆう、やまさき拓味の3名がそれぞれの班のサブ・チーフ。ダー松は石川班で左右1メートル以内に叶氏とゴリにはさまれ、のんびり出来ない状態で、はなはだ窮屈。叶氏はほとんどマンガ家になりたいとも思った事のなかった人で、設計事務所みたいなところで図面を引いていた人がなぜマンガプロダクションに来たのか不思議だった。格別マンガ好きというわけでもなかったせいか現在まで全ての作品が原作もので、オリジナルは一本もないのはそのせい?祭りなどの人がうじゃうじゃ出てくる群集場面が得意。 やまさき氏は大の競馬好き、現在競馬マンガを多く描くのは当時からの趣味が生きたというべきか。もう一つの趣味である風俗についてはここでは書くのは差し控えよう。小山氏は後日ここの事務の女性と結婚するが、当時はつき合っているとは誰も知らず、スタッフの一人がやめる時その女性に交際を申し込んだら、茶店に呼び出されて小山氏からと凄まれたと聞いたが嘘か本当かは不明。  ここでの生活は新入り[ダー松を含めて3名]は朝の9時前に会社に行き、タイムカードを押し、前日のごみをひとまとめして外に出し、トイレ掃除をして、16人分のお茶を2Fで入れて制作部のある3Fへの狭い階段をふらふら昇り、机ごとに置いて歩き、終れば、一息ついて買っておいたパンと牛乳を3分で食べて、やっとそれから仕事。しかし新入りの3名の内1人折茂は常に遅刻なのでいつも佐藤と2人でやっていた。佐藤も遅れる時はダー松1人で。辞めてから10年位、16人分のお茶を持って階段をふらふら歩きお盆をひっくり返す夢をよく見たものだが、実際ひっくり返したのは折茂と佐藤の2人で、よく茶碗を割っていた。 たまには夕方6時には帰れるが、普通は夜10時までで、アパートに帰って銭湯に行けばもう明日にそなえて寝る時刻、このくり返しの日々。週1日は徹夜で明け方に帰り、その時は当日の昼12時出勤。休日は日曜日のみで忙しい時はそれも取り消し。つまり休みは月3日。[これで給料2万円!]そんな日々の繰り返し。  夕方までは皆和気あいあいと仕事していたが、ゴリが夕方6時頃に「おはようさん」と現れると、全員無駄口がたたけなくなり、仕事場はシーンと静まり返り、以下その日が終わるまでは疲れる時間がただひたすら流れるのみ。 当時石川班は「ゴルゴ13」と「影狩り」を描いていたがゴリは主人公の顔と擬音のみ。マジックで最後に入れる擬音はさすがに入れる位置がうまいと感心。ゴルゴの顔はアルバムに大小取り混ぜてコピーがとってあり、忙しい時は叶氏がピンセットで身体に合わせて「これが合うかな~」といった感じで貼り付けていた。  その頃すでに「ゴルゴ」は近々終わると噂されていたが、現在もまだ続いているとは感嘆ものだ。 ゴリと石川氏が「ゴルゴ」の最終回の終わり方を話しているのを聞いたら、何ともつまらない終わり方。しかしあれから20年以上も経つ事だし、きっともっといい終わり方を考えてあるだろうなと思っていたら、先日TVで本人が最初から考えてある終わり方だと言うのを聞き、がっくり。企業秘密だろうから書かないが、作品の最初の方に伏線が数度出ているのでわかる人にはすぐわかる筈。  辞めた小池一夫氏とさいとうプロに何があったかは知らないが、漏れ聞く話では結構もめ事があったみたいだ。 「子連れ狼」で「ゴルゴ13」と同じ設定の回があった時、「小池のガキャー訴えたるー!」とゴリが吠えていたものだが、結局たち消え。さいとうプロ作品で脚本を書いた本人が辞めた後、他の作品で同趣向の作品を書いても著作権は脚本を書いた原作者のものだと思うがどんなものだろう。その回のタイトルは忘れたが、ある場所に居合わせた人々が武器を持った集団の人質となり、その中に素人だと思われていた主人公、実は殺しのプロフェッショナルがいて、次々とその集団を殺していく、といったプロットで、ミッキー・スピレーンの短編に同じような作品があり、本当に訴えていたら恥をかいたと思うが・・・。  そういえば事務の方には山本又一郎という男がいたが、後年映画プロデューサーとして 「ベル薔薇」や「太陽を盗んだ男」等を創る事になるが、この野郎が生意気な男で当時皆に対して10歳は年上、といった感じの振る舞いだったが後日俺と一つしか年が離れてなかった事を知り、そんな若造だったとは、と皆怒ったものだ。以来奴の事を「マタさん」から「クソマタ」と呼ぶようになる。  さて半年後に先輩たちが積もり積もった不満を爆発させる反乱事件が勃発し、2年は居るつもりでいたここでの生活も、辞めるか残るかの選択を迫られる。残ればさいとうプロの現体制を認める事となるので、ダー松も退社。 しかし反乱グループとは別行動をとって一人だけの肉体労働のアルバイター生活へ突入。超ヘビーな労働の製氷工場、人使いの荒い印刷所、命綱もない高所の足場で働く建設現場等々。トラックの助手をしていた時は運ちゃんが「本宮ひろしって知ってるか?うちの息子の友達でさぁ、昔、おっちゃんメシ食わしてくれーなんて言ってきたもんだが、今は偉くなっちゃってさー、自分のビル建てたらしいよ。赤木圭一郎みたいにいい男なんだ。」とうれしそうに話してくれたが、運ちゃんには悪いがそいつは今も昔も一番嫌いなマンガ家なんだ。あの権力志向はどうにかならんか。天下を取る話ばかりだもんなぁ。  ところで後日、単行本の解説で高取英が「さいとうたかをのヤローぶっ殺してやる!」とダー松が言ったなどと書いているが、小生はそんな危ない事言った覚えはないのでここできっちり訂正しておきます。 「会社に火ィつけてやる!」位は言ったかも・・・[嘘] 。 悪口は言っても別に怨みなど無い。ところでアシスタントとしてのダー松は無遅刻、無欠勤以外は無能なアシだったと反省しきり。理想的なアシスタントとはどんなものか、それはまた別の機会に。 *入社試験はどんな事を? *さいとうプロには当時ほとんどろくな資料は無かった? *ハイジャックの回の飛行機内部の絵は、映画「大空港」を社内カメラマンが映画館で写してきたものをもとに描く。 *当時のトーンは印刷が裏面にしてあり上からカッターでけずったり出来ない。 *トーンの種類は網トーンが数種、それ以外はほんの3、4種類位しかなかっ���。 *仕事中のB.G.M.はアシの一人が加山雄三ばかりかけるので大ひんしゅく。好評だったのは広沢虎造の浪曲「次郎長三国志」、初代桂春団次の落語。眠気もふっとぶ位笑えた。 ダ-松が岡林信康の「見る前に跳べ」をかけてるとゴリは「何じゃー!この歌は!」と怒る。名曲「私たちの望むものは」はこの男には理解不能。 ●1 9 7 1 ~ 1 9 7 4  持 ち 込 み & 実 話 雑 誌 時 代    当時は青年劇画誌全盛時代で、もともと望月三起也氏や園田光慶氏のファンで活劇志向が強く、 主にアクションもののマンガを描いて持ち込みに行っていた。今のようにマンガ雑誌が溢れかえって、山のようにマンガ出版社がある時代ではなく、数社廻るともう行くところがない、という状態で大手では「ビッグコミック」があっただけで 「モーニング」も「スピリッツ」も「��ン・ジャン」も当然まだない。テーマを盛り込んだ作品を持って行くと編集から「君ィ、うちは商売でやっているんだからねぇ」と言われ、アクションに徹した作品を持って行くと「君ぃ、ただおもしろいだけじゃあねぇ」と言われ 「おい、おっさん!どっちなんだ?」とむかつく事多し。この辺の事は山のように書く事があるが、有りすぎるのでパス。 *そのうち書く事にする。  ただ金属バットで頭をカチ割って脳みそをぶちまけてやりたいような奴が何人もいたのは事実。今年[’97]「モーニング」に持ち込みに行って、断られた奴が何万回もいやがらせの電話をかけて逮捕された事件があったが、そのうちトカレフを持って殴り込みに行く奴が出てくるとおもしろい。出版社も武装して大銃撃戦だぁ!などと馬鹿な事書いてどうする!とにかく持ち込みにはいい思い出が何もない。そんな中、数本だけ載った作品は渡哲也の映画「無頼」シリーズの人斬り五郎みたいな主人公がドスで斬り合う現代やくざもの[この頃の渡哲也は最高!]、ドン・シーゲルの「殺人者たち」みたいな二人組の殺し屋を主人公にした『汚れたジャングル』、陽水の「傘がない」が好きだという編集さんの出したテーマで車泥棒とブラックパンサーの闘士とのロード・ムービー風『グッバイ・ブラザー』、拳銃セールスマンを主人公にした『ザ・セールスマン』、等々10本ちょい位。  さてその頃並行してまだエロマンガ専門誌といえるようなものがなかったような時代で、実話雑誌という写真と記事ページからなる雑誌に4~10ページ位を雑誌の味付けとして描かせてもらう。当時、お手本になるようなエロマンガなど皆無で、エロ写真雑誌を古本屋で買ってきてからみのポーズを模写。マンガで裸を描く事はほとんど初めてで、これがなかなか難しいのだがエロシーンを描くのは結構楽しい。当時出版社に原稿持って行き帰りにグラフ誌をどっともらって帰るのが楽しみだった。SM雑誌の写真ページも参考になる。なお当時のペンネームは編集部が適当につけた池田達彦、上高地源太[この名前はいけてます。また使いたい]等。その数年後、逆にマンガが主で記事が味付けというエロマンガ誌が続々と創刊される。 *さいとうプロをやめたあと編集や知人に頼まれて数人のマンガ家の所へ手伝いに行く。秋田書店「漫画ホット」で『ジェノサイド』を連載中の峰岸とおる氏の所へ行き、仕事が終わったあとまだ売れてない頃の榊まさる氏も交え酒を飲む/川崎のぼる大先生のところへ数日だけ/3000円たこ部屋/小山ゆうオリオンププロ *当時のアルバイトは記憶によると時給150~200円位/大日本印刷市ヶ谷駐屯地/坂/ *一食100円/どんなに貧しい漫画家もみかん箱の上で書くやつはいない/TV萩原サムデイ *ろくでなし編集者 ●1 9 7 5 ~ エ ロ マ ン  ガ 誌 時 代 に 突 入   実話誌は意外とエロは抑え目で描くように口すっぱく言われていたのだが、以前活劇っぽい作品を描かせてもらってたが潰れてしまった出版社にいた児島さんが編集する「漫画ダイナマイト」で打合せも何にもなしに好きに描かせてもらい、ここでエロマンガ家としての才能[?]が開花する。描いてて実に楽しく眠る時間がもったいない位で、人に睡眠時間が必要な事を恨んだ程。出来る事なら一日中休まず描いていたい気分で完全にはまってしまう。  初の連載作品「屠殺人シリーズ」はこの頃から/『漫画ポポ』。中島史雄氏は大学時代にこの作品を見ていたとの事で、トレンチコートにドクター・ペッパー模様のサイレンサーつきマグナム銃で遊戯人・竜崎一也が犯しまくり殺しまくり、サディスト、マゾヒスト、殺人狂、まともな奴が一人も出てこない性と暴力の祭典。ちなみにタイトルページは描かないでいい、との事でどうするのかと思っていたら編集部が中のワンカットを拡大してタイトルページを創り、1ページぶんの原稿料をけちるというせこいやり方だった。けちるといえば、原稿の1/3にCMを入れる際、原稿料を1/3削った会社もあり。 ●1 9 7 6 ~   後に発禁仲間となる高取英と出逢い、『長編コミック劇場』で「ウルフガイ」みたいのをやろうと、怒りに震えると黒豹に変身してしまう異常体質の主人公を設定し、獣姦のイメージで「性猟鬼」なるエロマンガをスタート!しかしその号で雑誌が潰れる。この路線は今でもいけそうな気がするがどんなものだろう。  この頃の珍品に「快楽痴態公園」がある。タイガースに11-0とワンサイドで打ちまくられ、怒ったジャイアンツファンのおっさんが公園でデート中の女をずこずこに犯りまくり、その間にジャイアンツは9回裏に12-11とゲームをひっくり返してしまうのである!その時のジャイアンツの監督はもちろんミスター長嶋、先発堀内、打者は柴田、土井、高田、王、張本等々がいる。タイガース監督は吉田、ピッチャー江本、キャッチャーフライを落球する田淵、そしてあの川藤もいる。解説は牧野…… ●1 9 7 7 ~   上記2作品を含む初の単行本「肉の奴隷人形」が久保書店より発行。後にリングスの会場で逢った佐竹雅昭氏はこの本が一番好きとの事だった。  「闇の淫虐師」もこの年スタート。一話完結でバレリーナ、バトンガール等々、毎回いろんな女たちをダッチワイフのごとくいたぶりまくるフェチマンガとして1979年まで続け、単行本は「堕天使女王」「裂かれた花嫁」「エロスの狂宴」「陶酔への誘い」「終りなき闇の宴」の全5巻。ちなみに今年「闇の淫虐師’97」を『コミック・ピクシィ』にて発表。いつか『闇の淫虐師・ベスト選集』でも出したいところ。 [’98に実現、’99には続刊が出る] ●1 9 7 8 ~   久保書店より第2弾の単行本「狂った微惑人形」。収録作品の「犯された白鳥」は持ち込み時代に描いた初のバレリーナもの。結構気に入っていた作品なのに、後年再録の際、印刷所の掃除のおばさんが捨ててしまい、この世にもはや存在しない不幸な子となる。[’99に宝島スピード・ブックに本より直接スキャンして収録]  エロ、グロ、ナンセンスの会心作「恍惚下着専科」を発表。サン出版より同名の単行本発行。また同出版より「コミック・ペット/堕天使画集」として今までの作品を続々単行本化。全10巻位。これは今でも古本屋で流通しているとの事で、まだまだ世間様のお役にたっているらしい。  この年、「堕天使たちの狂宴」を描いていた『漫画エロジェニカ』が発禁処分、来年でもう20年目となる事だし、当時の人たちと集まってその大放談を収録し「発禁20周年特集号」でも創ってみようかと計画中。さて当時の秘話としてもう時効だろうから書いてみるけど、前述の『堕天使画集』に「堕天使たちの狂宴」は収録される事となり、当然修正をガンガン入れて出版されるものと覚悟していたら、米国から帰国後出来上がった本を見ると発禁になった状態のまま再録されている!以下桜木編集長との会話 ダ/いや~、いい度胸してますね。 編/だって修正してあるじゃない。 ダ/その修正状態で発禁になったんですよ 編/・・・・・ ダ/・・・・ 以下どんな会話が続いたのか失念…… それにしてもサドの「悪徳の栄え」の翻訳本は発禁後20年以上して復刻されたけれど、「堕天使たちの狂宴」は半年もしない内に単行本になっていたとはエロ本業界とは何といいかげんな世界!しかし作品そのものは、今見るとリメイクする気にもならないどうという事もない可愛い作品で、結局あれもあの時代の姑息な政治のひとかけらに過ぎなかったのだろう。いい点があるとしたら一つだけ、それまでのエロマンガになかった瞳パッチリの少女マンガ的ヒロインを登場させた事位か。今の美少女エロマンガは本家の少女マンガもかくや!という位眼が大きいが当時としては画期的だったかも。 ●1 9 7 9 ~   この年の「淫花蝶の舞踏」は「堕天使たちの狂宴」よりずっといい/『漫画ソフト』。今年出た「別冊宝島/日本一のマンガを探せ!」でベスト2000のマンガがセレクトされているが、ダー松の作品の中ではこの作品が選ばれている。教師と生徒、二人の女たちが様々な男たちの手によってに次々ともてあそばれ、闇の世界を転々として再び巡り会う時、女たちは蝶と化し水平線の彼方に飛び去り、男たちは殺し合い血の海の中で屍と化す。ダー松作品にはこのように男根が女陰の海に飲み込まれてに負けるパターンが多い。[性狩人、遊戯の森の妖精、美少女たちの宴、人魚のたわむれ・・等々]  この年からスタートの「性狩人たち」シリーズ[劇画悦楽号]はバレエ、バイオレンス、SEXの三要素がうまくからみあい、それぞれが頂点まで達する幸福な神話的作品だ。ここから派生した路線も多く、美少年路線は’83の「聖少女黙示録」へ。身体障害者路線は’80の「遊戯の森の妖精」、’84からの「美姉妹肉煉獄」へと繋がる。’81の最終話「ハルマゲドンの戦い」ではせりふなしで24ページ全てが大殺戮シーンという回もあり、中でも一度やりたかった見開きで銃撃戦の擬音のみという事も実現。こんな事がエロマンガ誌で許される時代だった。ちなみにこの回は[OKコラルの決闘・100周年記念]だが、何の意味もない。単行本は最初サン出版より、その後久保書店より「白鳥の飛翔」「少女飼育篇」「ヘラクレスを撃て!」「眼球愛」「海の女神」の全5刊。現在入手出来るのは後の3刊のみ。[「海の女神」も最近在庫切れ]  この年出た「人魚のたわむれ」の表題作は性器に{たこ}を挿入するカットを見た編集長が「・・・[沈黙]・・・頭おかしいんじゃ・・ブツブツ・・気違い・・・ブツブツ・・・」と呆れてつぶやいていたのを記憶している。たこソーニューは今年出た「夜顔武闘伝」で久しぶりに再現。なおこの作品は’83にマンガと実写を噛み合せたビデオの珍品となる。水中スローモーションファックがなかなかよい。 ●1 9 8 0 ~   なぜか「JUNE」の増刊として作品集「美少女たちの宴」がサン出版より出版され、その短編集をもとに脚本化し日活で映画が創られる事となる。[「花の応援団」を当てたこの映画の企画者・成田氏は日活退社後「桜の園」等を創る。]その際、初めて映画撮影所を見学し、せこいセットがスクリーン上ではきちんとした絵になってるのを見て映画のマジックに感心。タイトルはなぜか「性狩人」で、’96にビデオ化された。監督・池田敏春のデビュー第2作となり現在までコンスタントに作品を発表しているが、出来のいい作品も多いのになぜか代表作がない。初期の「人魚伝説」が一番いいか。  この映画に合わせて「美少女たちの宴」を2~3回のつもりで「漫画ラブラブ」で描き出すがどんどん話がふくらみ、おまけに描いてる出版社が潰れたり、雑誌が潰れたりで雑誌を転々とし条例による警告の嵐がきた「漫画大飯店」を経て、「漫画ハンター」誌上で完結したのは’83になる。この作品でクリトリスを手術してペニスのように巨大化させるという人体改造ものを初めて描く。  この年の「遊戯の森の妖精」は身体障害者いじめ鬼畜路線の第2弾!森の中の別荘に乱入したろくでなしの二人組が精薄の少女の両親達を虐殺し、暴行の限りをつくすむちゃくちゃな作品で、雷鳴の中、少女の性器に男達のペニスが2本同時に挿入されるシーンは圧巻!しかしこのとんでもない男達も少女の性のエネルギーに飲み込まれ、朽ち果てていく・・・。 ●1 9 8 1 ~   美少女マンガ誌のはしり「レモン・ピープル」誌創刊。そこで描いたのが「白鳥の湖」。虚構の世界のヒロインを犯すというコンセプトは、アニメやゲームのヒロインをずこずこにするという今の同人誌のコンセプトと同じかも。バレエ「白鳥の湖」において悪魔に捕われたオデット姫が白鳥の姿に変えられる前に何にもされてない筈がないというモチーフにより生まれたこの作品は、悪魔に男根を植えつけられたヒロインが命じられるままに次々と妖精を犯して歩き悪魔の娘となるまでを描くが、あまり成功したとは言えない。ただ人形サイズの妖精をしゃぶりまくり淫核で犯すアイデアは他に「少女破壊幻想」で一回やっただけなのでそろそろもう一度やってみたいところ。「ダーティ松本の白雪姫」はその逆をいき、犯す方を小さくした作品で7人の小人が白雪姫の性器の中にはいり、しゃぶったり、処女膜を食べたり、と乱暴狼藉![ちなみに両者をでかくしたのが同人誌「FUCK YOU!3」の「ゴジラVSジュピター」]この童話シリーズは意外と好評で続いて「ダーティ松本の赤い靴」を上記の単行本に描き下ろして収録。童話は結構残酷なものが多く、この作品も切られた足だけが荒野を踊りながら去って行くラストは原作通り。 *近年童話ブームだがこの頃もっと描いておけば「こんなに危ない童話」として刊行出来たのにとくやまれる。 「2001年快楽の旅」もこの本に収録。快楽マシーンを逆にレイプしてしまう、珍しく映画「2001年宇宙の旅」風のSF作品。  掲載誌を決めずに出来る限り多くのマンガ誌で描こうというコンセプトで始めたのがこの年スタートした「怪人サドラン博士」シリーズ。「不死蝶」シリーズや「美少女たちの宴」シリーズの中にも乱入し、「漫画ハンター」最終号では地球をぶっ壊して[その際地球は絶頂の喘ぎ声をあげ昇天する!]他の惑星へ行ってしまう。今のところ10誌位に登場。いつかこのサドラン・シリーズだけ集めて単行本化したいところ。ちなみに「サド」と「乱歩」を足して「サドラン博士」と命名。作者の分身と言っていい。 [後年、「魔界の怪人」として全作品を収録して刊行、04年現在品切れ中]  この年描いて’82の単行本『妖精たちの宴』に収録の「とけていく・・」はレズの女たちが愛戯の果てに、肉体が溶けて一匹の軟体動物と化す、タイトルも内容も奇妙な作品。作者の頭もとけていた? ●1 9 8 2 ~ 1 9 8 3   ’83年に「美少女たちの宴」が完結。全てが無に帰すラストのページは真っ白のままで、このページの原稿料はいりません、と言ったにもかかわらず払ってくれた久保書店、偉い![明文社やCM頁の稿料を削った出版社=某少年画報社なら払わなかっただろうな……と思われる……]この作品以外は短編が多く、加速度をつけてのっていく描き方が得意のダー松としてはのりの悪い時期に突入。また10年近く走ってきてだれてきた頃でもあり第一次落ち込み期と言っていい。マンガがスタンプを押すように描けないものか、などとふとどきな考えまで湧いてくる。思えば一本の作品には、いったい何本の線を引いて出来上がっているものなのか。数えた馬鹿はいないだろうが数千本は引いている筈。一ヵ月に何万本とペンで線を引く日々・・うんざりする筈です。  この頃のめぼしい短編をいくつか書くと、少女マンガ家の家に税務調査にきた税務署員が過小申告をネタにねちねちいたぶるが、アシスタントに発見された署員は撲殺される。そして板橋税務署は焼き討ちにあう、といった作品「[タイトル失念]xx税務調査」。[後日読者よりこのタイトルを「色欲ダニ野郎」と教えていただく。ひどいタイトル *編集者のつけるタイトルはその人のセンスが実によくわかる。しかしサイテ-の題だなこりゃ…。 果てるまで「おまんこして!」と言わせながら処女をやりまくる「美処女/犯す!」はラスト、狂った少女が歩行者天国の通行人を撃ちまくり血の海にする。「嬲る!」はパンチドランカーとなった矢吹ジョーが白木葉子をサンドバッグに縛りつけ、殴って、殴って、殴りまくる。段平おっちゃんの最後のセリフ「・・ブスブスくすぶっちゃいるが・・・」「打てッ!打つんだ!ジョー!」「お前はまだ燃えつきちゃいねえ!」とはエロ・ドランカーの自分自身に向けて発した言葉だったのかも。トビー・フーパーばりの「淫魔のはらわた」は電気ドリルでアナルを広げてのファック!とどめにチェーンソーで尻を切断!いまだに単行本に収録出来ず。[’98の「絶頂伝説」にやっと収録]「からみあい」は夫の愛人の性器を噛みちぎる。「危険な関係」はアルコール浣腸をして火をつけ尻から火を吹かせる。この手は『FUCK YOU!2』の「セーラー・ハルマゲドン」で復元。そういえばこの作品の序章と終章だけ描いて、間の100章位をとばすやりかたはこの頃の「禁断の性獣」より。女性器にとりつき、男性器に変身するエイリアンの侵略により地球は女性器を失い滅亡する、といったストーリーで当時聞いた話では谷山浩子のD.J.でこの作品がリスナーの投書でとりあげられ、ダー松の名はダーティ・杉本と読まれたそうな。ヒロインの少女がひろ子という名前なのでこのハガキが選ばれたのかもしれないが、作者は薬師���ひろ子からとったつもりだったのだが・・���[別にファンではない。] 「女教師狩り」は映画館で観客に犯される女教師とスクリーン上の同名のエロ映画の二本が同時進行し、一本で二本分楽しめるお得な作品。 ’83は’80に「漫画エロス」にて描いた「エロスの乱反射」の最終回の原稿が紛失したため単行本が出せないでいたのを、またまた「仏の久保さん」に頼んでラスト近くをふくらませて「漫画ハンター」に3回程描かせてもらい、やっと’85に出版。見られる事に快感を覚えるファッション・モデルが調教される内に、次第に露出狂となっていき、街中で突然裸になって交通事故を起こさせたり、最後はビルの屋上でストリップショー。そしてカメラのフラッシュの中に飛び降りていき、ラスト1ページはその性器のアップでエンド!  本格美少年・ゲイ・マンガ「聖少女黙示録」も’83。レズの姉たちの手によって女装に目覚めた少年がホモのダンサーたちに縛られなぶられ初のポコチンこすり合いの射精シーン。そして性転換して女となった主いるが、その中の’84の「白い肌の湖」はタイトルで解る通りのバレリーナものだがポコチンを焼かれた男が、一緒に暮ら人公が手術で男になった少女と暮らすハッピーエンド。この作品は単行本「美少女ハンター」に収録されてす二人の女と一人の男に復讐するエンディングがすごい!まず男の性器を切り取り、片方の女の性器にねじ込んだあと、その女の性器ごとえぐり取る。そしてその二つの性器をつかんだまま、もう一人の女の性器にフィストファック!のあげく、その二つの性器を入れたままの女性器をナイフでまた切って、ほとんどビックマック状態でまだヒクヒクうごめく血まみれの三つの性器を握りしめるとんでもない終り方!全くダー松はこんな事ばかりやっていたのかとあきれかえる。もう鬼畜としか言い様がない!しかし「ウィンナー」を二枚の「ハム」で包むなんて・・GOODなアイデアだ、又やってみよう。 ●1 9 8 4 ~   「漫画ハンター」で「闇の宴」前後篇を描き、後日これをビデオ化。雪に包まれた六本木のスタジオで痔に苦しみながらの撮影。特別出演として中島史雄氏が絶妙の指使い、東デの学生時代の萩原一至が二役、取材に来たJITAN氏もスタジオに入ってきた瞬間、即出演で生玉子1000個の海で大乱交。カメラマンが凝り性で照明が気に入るまでカメラを廻さず、たった二日の撮影はやりたい事の半分も出来ず。撮影が終ると痔はすぐに完治。どうもプレッシャーからくる神経性だったみたいでこれに懲りてビデオは一本のみ。 この年の「肉の漂流」は親子丼もので、近所の書店のオヤジからこの本はよく売れたと聞いたが、一時よく描いたこのパターンは最近では「FUCK YOU!3」の「母娘シャワー」のみ。熟女と少女の両方が描けるところが利点。「血の舞踏」は久しぶりの吸血鬼もの。股間を針で刺し、噛んで血を吸うシーン等々いい場面はあるが、うまくストーリーが転がらず3回で止める。短編「果てるまで・・」は核戦争後のシェルターの中で、父が娘とタイトル通り果てるまでやりまくる話。被爆していた父が死んだ後、娘はSEXの相手を捜して黒い雨の中をさまよう。  またリサ・ライオンの写真集を見て筋肉美に目覚め、マッチョ女ものをこの頃から描き出す。しかしなかなか筋肉をエロティックに描くのは難しい。 ●1 9 8 5 ~   くたびれ果ててすっかりダレてきたこの頃、8年間働いてくれたアシスタント女史に代わってパワーのかたまり萩原一至、鶴田洋久等が東京デザイナー学院卒業後加わってダーティ・マーケットも第2期に突入!新旧取り混ぜておもしろいマンガをいろいろ教えて貰って読みまくる。「バリバリ伝説」「ビーバップハイスクール」「ペリカンロード」「めぞん一刻」「わたしは真悟」「Be Free!」「緑山高校」「日出処の天子」「吉祥天女」「純情クレイジー・フルーツ」「アクター」「北斗の拳」「炎の転校生」「アイドルをさがせ」「綿の国星」「いつもポケットにショパン」「バツ&テリー」「六三四の剣」永井豪の絶頂期の作品「バイオレンス・ジャック」「凄之王」「デビルマン」等々100冊以上とても書ききれない位で、う~ん・・マンガってこんなにおもしろかったのか、と感動! そこで眠狂四郎を学園にほうり込んで、今まであまり描かなかった学園マンガをエロマンガに、というコンセプトで始めたのが「斬姦狂死郎」。「六三四の剣」ばりに単行本20巻を目指すものの、少年マンガのノリは今では当たり前だが、当時はまだエロマンガとして評価されず、ほんの少し時代が早すぎたかも。’86に中断、今年’97に「ホリディ・コミック」にて復活!果たしていつまで続けられるか? →後に「斬姦狂死郎・制服狩り」、「斬姦狂死郎・美教師狩り」として刊行完結  前年末から始めた「美姉妹肉煉獄」は身障者いじめの鬼畜路線。盲目の姉とその妹を調教して性風俗店等で働かせ、娼婦に堕していく不健全・不道徳な作品で、肉の快楽にひたっていく盲目の姉に対し妹も「春琴抄」の如く己の眼を突き、自らも暗黒の快楽の世界にはいり、快楽の光に目覚めるラスト。 また、これからは女王様物だ!となぜか突然ひらめき「筋肉女」シリーズの延長としてフィットネス・スタジオを舞台に「メタル・クイーン」シリーズも開始。これは単行本2冊分描いたが、連載途中でヒロインの髪型を歌手ステファニーのヘア・スタイルにチェンジしたり、レオタードもたっぷり描けてわりと気に入っている。  10年近く描いた「美蝶」先生シリーズもこの年スタート!こうしてみるとマンガを描く喜びに満ちた大充実の年だったかも。 ●1 9 8 6 ~   この年は前年からの連載ものがほとんどだが、「エレクト・ボーイ」は空中でファックするシーンが描いてみたくて始めた初の超能力エロマンガ。コメディ的要素がうまくいかず2回で止める。この路線は翌年の「堕天使輪舞」で開花。  「夜の彷徨人」は自分の育てた新体操選手が怪我で選手生命を失ったため、その女を馬肉のごとく娼婦として夜の世界に売り渡した主人公という設定。しかし腕を折られ、女にも逆に捨てられ、そして事故によってその女を失ったあげく不能となってしまう。失った快楽を取り戻すため無くした片腕にバイブレーターを取りつけ、夜の街をさすらい次々と女たちをレイプしていくというストーリー。がっちり設定したキャラだったのにまったく話がはずまず、男のポコチンは勃起しないままに作品も不発のまま終る。  「斬姦狂死郎」が不本意のまま終わったため学園エロス・シリーズは「放課後の媚娼女」へと引き継がれる。当時見ていた南野陽子のTV「スケバン刑事・」とS・レオーネの「ウエスタン」風に料理。ラストの「男といっしょじゃ歩けないんだ」のセリフは一番好きな映画、鈴木清順の「東京流れ者」からのもじり。単行本は最初司書房から出て、数年後ミリオン出版から再販、そして’97久保書店より再々販ながら結構売れて今年また再版。この作品は親を助けてくれる有難い孝行息子といったところ。 ●1 9 8 7 ~   さいとうプロOBで那珂川尚という名のマンガ家だった友人の津田が「漫画ダイナマイト」の編集者になっていて、実に久しぶりに同誌で「堕天使輪舞」を描く。超能力エロマンガの第2弾。今回はエロと超能力合戦とがうまくミックスされ一応成功といっていい。この路線は「エレクト・ボーイ」とこの作品、そして’96の「夜顔武闘伝」も含めてもいいかも。一時、この手の作品は数多くあったが最近はめったに見かけない。しかし、まだまだこの路線には鉱脈が眠っているとにらんでいるがどんなものだろう。 ●1 9 8 8 ~   「放課後の媚娼女」に続いて抜かずの凶一無頼控え「放課後の熱い祭り」を2年がかりで描く。’89に完結し司書房より単行本化。そして今年’97に改定してめでたく完全版として復刊!この頃が一番劇画っぽい絵で、たった2~3人のスタッフでよくこれだけ描き込めたなと改めて感心!エロシーンがちょっと少なめながら中島史雄氏がダー松作品でこの作品が一番好き、とお褒めの言葉を頂戴する。  TVで三流アマゾネス映画を見ている内、むくむくとイメージがふくらみ、昔から描きたかった西部劇と時代劇がこれで描けると、この年スタートさせたのが「不死蝶伝説」なるアマゾネス路線。昔々青年誌の創世期にあのケン月影氏がマカロニ・ウエスタンを描いていたことを知る人は少ないだろう。俺もあの頃デビューしていたらウエスタンが描けたのに、と思う事もあったが、このシリーズでほんの少しだけその願望がかなう。  この頃、アシスタントやってくれてた格闘技マニアの鶴田洋久に誘われ、近所の空手道場通いの日々。若い頃修行のため新宿でやくざに喧嘩を売って歩いたという寺内師範は��もう鬼のような人で、行けば地獄が待っていると判っててなぜ行く?と不思議な位休まず通う。体育会系はマゾの世界と知る。組手は寸止めではなく顔面以外は当てて可だったので身体中打撲のあざだらけ、ビデオで研究したという鶴田の体重をかけたムエタイ式の蹴りをくらい、右手が饅頭のように腫れ上がる。先輩たちの組手の試合も蹴りがもろにはいってあばら骨が折れたりで、なぜこんなヘビーな事をする?と思うが、闘う事によって身体の奥から何か沸き上がってくるものがある。スリランカの元コマンドと組手をやった時、格闘家の気持ちが少しだけ判るようになった。 ●1 9 8 9 ~   ’94まで続く「美蝶」シリーズでこの年は『ノスフェラトウ篇』を描き、シリーズ中これが一番のお気に入り。同人誌の「王夢」はこれが原点。  短編では「悪夢の中へ」はスプラッタ・エロマンガで久しぶりにチェーンソゥでお尻のぶった切り!はらわた引きずり出し、人肉食いちぎり!顔面叩き割り等々でラストに「ホラービデオの規制をするバカは俺が許さん!」などと書いているので、この年が宮崎事件の年か?世間は彼が日野日出志・作のホラービデオ「ギニーピッグ」を見てあの犯罪をおかした、としてさんざんホラービデオの規制をやっといて、結局見てもいなかったとわかったあとは誰一人日野日出志氏にもホラービデオさんにも謝らす゛知らんぷり。残ったのは規制だけで、馬鹿のやる事には全く困ったもんである。先日の「酒鬼薔薇・14才」の時も犯罪おたくの心理学者が、「これはマンガやビデオの影響です。」などと相も変わらずたわけた寝言をぬかしていたが、馬鹿はいつまでたっても馬鹿のまま。少しは進歩しろよ!お前だよ、お前!短絡的で幼稚な坊や、小田晋!よぅく首を洗っとけ!コラ!  「獣人たちの儀式」は退学者や少年院送りになつた生徒、暴走族、ヤクザ達が集まって酒盛りしながら女教師たちをずこずこにしてOB会をひらく不健全作品。編集長が「また危ない作品を・・・」とこぼしたものだが、岡野さん、田舎で元気にお過しでしょうか。この頃の「漫画エロス」には「ケンペーくん」だとか「アリスのお茶会」だとかおもしろい作品が載っていたものです。「爆走遊戯」は伝説のストーカー・ろくでなしマンガ家の早見純が一番好きな作品と言ってくれたが、なぜだかわからない。人の好みはいろいろです。以上3本は単行本「熱き唇の女神」に収録。 「ふしだらな女獣たち」はフェミニストの女二人が美少年をいじめる話。これは「氷の部屋の女」に収録。 ●1 9 9 0 ~   この年の「美蝶」シリーズは『ダンシング・クイーン篇』。マネキン工場跡でJ・ブラウンの「セックス・マシーン」にのせて5人プレイをするシーンや文化祭でのダンスシーン等々結構好きな場面多し。暗くて硬い作品が多いので、この「美蝶」シリーズは肩肘張らずに、かなり軽いノリでキャラクターの動きに任せて、ストーリーも、そして次のコマさえも先の事は何にも考えず、ほとんどアドリブで描いた時もある。  「不死蝶伝説」に続いてシリーズ第2弾「不死蝶」は2誌にまたがって2年位続ける。これも結構お気に入りの一遍。 ●1 9 9 1 ~ 1 9 9 3   「性狩人たち」の近未来版、といった感じの「夜戦士」は学園物が多くなったので、マグナム銃で脳天をぶっとばすようなものが又描きたくなって始めたミニシリーズ。全5話位。松文館より単行本「黒い夜と夢魔の闇」に収録。  この年から知り合いの編集者がレディス・コミックを始める人が多く、依頼されてどうしたものかと思ったが、エロなら何でもやってみよう精神と何か新しい世界が開けるかも、という事から’94位までやってみたものの結果的に不毛の時代に終わる。与えられた素材が体験告白物という事で、非現実的なものは描けないという事は得意技を封印して戦うようなもので苦戦を強いられ、これって内山亜紀氏がやまさき十三原作の人情話を描いたようなミス・マッチングで不発だったかな。今後、もしやることがあれば美少年SMのレディス・コミックのみ。そんな雑誌が出来れば、の話だが。  いくつかやったレディコミの編集の一人「アイリス」の鈴木さんは同じさいとうプロOBで、マンガ・アシスタント、マンガ家、マンガ誌の編集、そして今はマンガ学校の講師、とこれだけ多くのマンガに関わる仕事をしてきた人はあまりいないだろう。これでマンガ評論でもやれば全て制覇だが・・・。  この頃はいつもと同じ位の30~40本の作品を毎年描いていたが、レディコミは一本30~40枚とページが多く結構身体にガタがきた頃で、右手のひじが腱傷炎になり1年以上苦痛が続く。医者通いではさっぱり痛みがひかず、電気針で針灸治療を半年位続けてやっと完治。その後、住んでいたマンションの理事長を押しつけられ、マンション戦争の渦中に巻き込まれひどい目にあう。攻撃するのは楽だが、話をまとめるなどというのは社会生活不適格のダー松には大の苦手で「お前等!わがままばかり言うのはいいかげんにしろー!」と頭をカチ割りたくなるような事ばかりで、ひたすら我慢の日々で血圧がガンガン上がり、病院通いの日々。確実に寿命が5年は縮まる。あの時はマジで人に殺意を抱いたものだが、今でも金属バット持って押しかけて奴等の脳みそをクラッシュしたい気分になる時もある。いつかこの時の事をマンガにしようと思っていて、まだ誰も描いてない「マンション・マンガ」というジャンル、タイトルは「我が闘争」。え?誰も読みたくない?  この間に出た単行本は「血を吸う夜」、「赤い月の化身」「熱き唇の女神」[以上・久保書店] /「牝猫の花園」「真夜中の人魚たち」[以上久保書店]、「美蝶/放課後篇」「美蝶/ダンシング・クイーン篇」「不死蝶/鋼鉄の女王篇・上巻」[以上ミリオン出版]。 ●1 9 9 4 ~ 1 9 9 5   ろくでもない事が続くのは厄払いをしなかったせいか、このままここにいたら頭がおかしくなる、と15年以上いたマンションから引っ越し。板橋から巣鴨へ移動し気分一新!以前からうちもやりましょうよ、と言われていた同人誌創りをそのうち、そのうちと伸ばしてきたものの遂に申し込んでしまい、創らざるをえなくなる。しかもそれが引っ越しの時期と重なってしまい大いに後悔する。しかしいろんな人にお願いして何とか一冊でっちあげ、ムシ風呂のような夏コミに初参加。これが運命の分岐点。レディコミもこの年で切り上げ、以下同人街道をまっしぐら。現在まで「FUCK OFF!」が9まで、「FUCK YOU!」が4まで計10+&冊創る。  ’95からダーティ松本の名前にも飽きてきたしJr,Sam名でも描き始める。 レディコミ時代は松本美蝶。あと2つ位違うペンネームも考案中。  この間の単行本「氷の部屋の女」「双子座の戯れ」[久保書店]、「黒い夜と夢魔の闇」[松文館]、「危険な女教師/美蝶」[ミリオン] ●1 9 9 6 ~   美少女路線の絵柄もこの年の「夜顔武闘伝」あたりでほぼ完成、今後また少し変化させる予定。しかしこの作品は超能力、アマゾネス、忍法エロマンガとでも呼ぶべきか。「グラップラー刃牙」みたいに闘技場での勝ち抜き性武道合戦までいきたかったけれど、残念ながらたどり着けず。  「冬の堕天使」は久しぶりの吸血鬼もの。都営住宅で生活保護をうけている吸血鬼母子のイメージが浮かび、そこから漫画家協会・加藤芳郎を撃つ有害図書騒動のマンガへ。吸血鬼少年が光の世界との戦いに旅立つまでを描き、「闇に潜みし者」は時空を越えて近未来での戦い。その間を描く作品を今後創らなければ。  「FUCK CITY 2006」はクソ溜めと化した近未来のTOKYOを舞台に久しぶりにダーティ・バイオレンスが炸裂!ハード・エロ劇画と同人誌風・美少女路線の合体は果たしてうまくいったかどうか?30ページほど描き足して、’97、9月にフランス書院のコミック文庫にて発売。[「少女水中花」]  「放課後の媚娼女」と「人形愛」刊行。[いずれも久保書店刊]前者は以前、上下巻だったのを一冊にまとめて。後者は近作を集めた同人時代を経ての初単行本で、同人誌を知らなかった読者はショックを受ける。メタルフアンから以下のようなお手紙を受け取る。「これはジューダス・プリーストの『ターボ』だ。ラストの『眠れる森の少女』は『レックレス』にあたる。しかしジューダスもその後『ラム・イット・ダウン』や『ペイン・キラー』という傑作を世に出した事だし、今後を期待したい」という意のダー松のようなメタルファン以外は意味不明の激励をうける。 ●1 9 9 7   同人誌「エロス大百科シリーズ」スタート!いろんな項目別に年2刊づつ計100ページ位を別刊シリーズとして出し続ければ10年で1000ページになり、以前「谷岡ヤスジ1000ページ」という枕に最適の本があったが、これも一冊にまとめて枕にして寝れば、目覚める頃は3回夢精しているなんて事に・・・などとまだたった40ページの段階で言っても何の説得力もないか。飽きたら2~3号でSTOPするだろうし・・。[推測通り「毛剃り」「美少年SM」「女装」3号でストップ中]冬にはやおい系にも進出の予定。  今年出した単行本は厚くて濃いエロマンガを集めた久保書店MAXシリーズ第2弾!「放課後の熱い祭り/完全版」と「夜顔武闘伝」オークラ出版。ともに大幅描き足して25周年記念出版として刊行。ティーツー出版よりJr,Sam名で「昼下がりの少女」、9月にはフランス書院より「少女水中花」の文庫本が出る予定で現在、この同人誌と並行して描き足し中。「斬姦狂死郎」第2部も「ホリディ・COMIC」誌にて6月よりスタート!年内創刊予定の『腐肉クラブ』なる死体姦専門のマンガ誌にも執筆予定。  さてさて25年間、旅行の時を除いて、現在まで2日続けてマンガを描かなかった事はほとんどない。これはその昔、伊東元気氏というマンガ家とお会いしたとき「今月何ページ描いた?」との問いに、「今月仕事ないんでぜんぜん描いてません」と答えたら、「そんな事じゃ駄目だ。仕事があろうがなかろうが、毎月100頁は描かなきゃ。」と言われ、以後その教えを守り[描けるページ数は減ったが]、マンガは仕事ではなくなり、朝起きたら顔を洗うのと同じで生活そのものとなり現在に至る。  今は何でも描けそうなハイな状態で、以前はたまには外出しないと煮詰まってしまうので週いち位ガス抜きをしていたものだが、最近はせいぜい月いち休めば十分の「純エロマンガ体」。[純粋にエロマンガを描くためだけの肉体、の意。ダー松の造語]  こうしてふり返ると、この路線はまだえぐり足りない、これはあと数回描くべし、なぜこれを一度しか描かない!等々、残り時間にやるべき事、やりたい事の何と多い事! 爆裂昇天のその日まで・・・      燃 え よ ペ ン !  なお続きは 1997年後期 1998年 INDEX
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hananien · 3 years
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【SPN】庭師と騎士
警告:R18※性描写、差別的描写
ペアリング:サム/ディーン、オリキャラ/ディーン
登場人物:ディーン・ウィンチェスター、サム・ウィンチェスター、ボビー・シンガー・ルーファス・ターナー、ケビン・トラン、チャーリー・ブラッドベリー、クラウス神父(モデル:クラウリー)
文字数:約16000字
設定: 修道院の囚われ庭師ディーン(20)と宿を頼みに来た騎士サム(24)。年齢逆転、中世AU。
言い訳: 映画「天使たちのビッチナイト」に影響を受けました。ボソボソと書いてましたがちょっと行き詰まり、詰まってまで書くほどのものじゃないので一旦停止します。
 自分のことなら肋骨の二本や三本が折れていたとしても気づかないふりをしていられるが、部下たちを休ませる必要があった。
 王国騎士の象徴である深紅のマントは彼ら自身の血に染められ、疲労と傷の痛みとで意識がもうろうとしている者も数名いた。何よりも空腹だった。狩りをしようにも、矢がなく、矢を作るためにキャンプを張る体力もない。  一度腰を下ろせばそこが墓地になるかもしれなかった。  辺境の村を救うために命じられた出征だった。王はどこまで知っていたのか……。おそらくは何も知らなかったのに違いない。そうだと信じたかった。辺境の村はすでに隣国に占領されていた。彼らは罠にかけられたのだった。  待ち構えていた敵兵に大勢の仲間の命と馬を奪われ、サムは惨めな敗走を余儀なくされた。  森の中を、王城とは微妙にずれた方向へ進んでいるのに、サムに率いられた騎士たちは何もいわなかった。彼らもまた、サムと同じ疑いを胸に抱いていたのだ。全ては王に仕組まれたのではないかと。  誰一人口には出さなかったが、森の中をさ迷うサムに行き先を尋ねる者もいなかった。  なけなしの食糧を持たせて斥候に出していたケビンが、隊のもとに戻ってきた。彼は森の中に修道院を発見した。サムはその修道院に避難するべきか迷った。森は王国の領内だ。もしも王が裏切っていた場合、修道院にまで手を回されていたら彼らは殺される。  だが、このままでは夜を越せない者もいるかもしれなかった。サムは未だ六人の騎士を率いていて、王国よりサムに忠実な彼らを何としても生かさなければならない。  サムはケビンに案内を命じた。
 ディーンは自分の名前を気に入っていたが、今ではその名前を呼ぶ者はほとんどいなかった。  修道院では誰もがディーンのことを「あれ」とか「そこの」とか表現する。もしくは彼自身の職業である「庭師」とか。彼自身に、直接呼びかける者はいない。なぜなら彼は耳が聞こえないし、口も利けないから。  ディーンは今年で二十歳になる……らしい。彼は子供のころに両親を盗賊に殺されて、もともと身を寄せる予定だったこの修道院に引き取られた。ただし支払うべき寄付金も盗賊に奪われたので、修道士としてではなく庭師として働いて暮らしている。  夜中、ディーンはフラフラになりながら修道院を出て、納屋に帰り着いた。家畜小屋の横の納屋が彼の住処だ。神父が彼に酒を飲ませたので、藁の下に敷いた板のわずかな段差にも躓いてしまった。  そのまま藁の中にうずくまって、眠ってしまおうと思った時だ。納屋の戸の下の隙間から、赤い炎の色と複数の人影がちらついて見えた。  ディーンは、静かに身を起こした。少し胸やけはするが、幻覚を見るほど酔ってはいない。ディーンがいる納屋は、修道院の庭の中にある。修道士たちをオオカミやクマから守る塀の、内側だ。修道士たちは夜中にうろついたりしないから、この人影は外部からの――塀の外、森からの――侵入者たちのものだ。  門番の爺さんは何をしていたのか。もちろん、寝ているんだろう、夜更かしするには年を取りすぎている。今までも修道院が盗賊被害には遭ったことはあるが、こんな夜中じゃなかった。オオカミにとってはボロを着ていようが聖職者のローブを着ていようが肉は肉。強襲も山菜取りも日差しの入る間にやるのが最善だ。  では何者か。ディーンはそっと戸を開けて姿を見ようとした。ところが戸に手をかける間もなく、外から勢いよく開けられて転がり出てしまう。うつ伏せに倒れた鼻先に松明の火を受けてきらめく刃のきっさきを見て、そういえば、神父に持たされたロウソクが小屋の中で灯しっぱなしだったなと気づく。  「こそこそと覗き見をしていたな」 ざらついて低い声がディーンを脅した。ディーンはその一声だけで、彼がとても疲れて、痛みを堪えているのがわかった。  「やめろ、ルーファス! 何をしている」  若い男の声がした。ディーンを脅している男は剣のきっさきを外に向けた。「こいつが、俺たちを見張っていた。きっと刺客だ。俺たちがここに来るのを知っていて、殺そうとしてたんだ」  刺客、という言葉に、側にいた男たちが反応した。いったい何人いるんだ。すっかりと敵意を向けられて、ディーンはひるんだ。  「馬鹿な、彼を見ろ。丸腰だ。それに刺客なら小屋の中でロウソクなんて灯して待っているわけがない」 若い声の男が手を握って、ディーンを立たせた。俯いていると首から上が視界にも入らない。とても背の高い男だった。  「すまない、怖がらせてしまった。我々は……森で迷ってしまって、怪我を負った者もいる。宿と手当てが必要で、どうかここを頼らせてもらいたいと思って訪ねた」  背の高さのわりに、威圧的なところのない声だった。ディーンが頷くのを見て、男は続けた。  「君は――君は、修道士か?」 ディーンは首をかしげる。「そうか、でも、ここの人間だ。そうだろ? 神父に会わせてもらえるかい?」 ディーンはまた、首をかしげる。  「なんだ、こいつ、ぼんやりして」 さっき脅してきた男――闇夜に溶け込むような黒い肌をした――が、胡乱そうに顔をゆがめて吐き捨てる。「おお、酒臭いぞ。おおかた雑用係が、くすねた赤ワインをこっそり飲んでいたんだろう」  「いや、もしかして――君、耳が聞こえないの?」 若い男が自分の耳辺りを指さしてそういったので、ディーンは頷いた。それから彼は自分の口を指さして、声が出ないことをアピールする。  男の肩が一段下がったように見えて、ディーンは胸が重くなった。相手が自分を役立たずと判断して失望したのがわかるとき、いつもそうなる。  彼らは盗賊には見えなかった。何に見えるかって、それは一目でわかった。彼らは深紅の騎士だ。王国の誇り高い戦士たち。  幼いころに憧れた存在に囲まれて、これまで以上に自分が矮小な存在に思えた。  「聞こえないし、しゃべれもしないんじゃ、役に立たない。行こう、ケビンに神父を探させればいい」 疲れた男の声。  抗議のため息が松明の明かりの外から聞こえた。「また僕一人? 構いませんけどね、僕だって交渉するには疲れ過ぎて……」  「一番若いしまともに歩いてるじゃないか! 俺なんか見ろ、腕が折れて肩も外れてる、それに多分、日が上る前に止血しないと死ぬ!」  ディーンは初めて彼らの悲惨な状態に気が付いた。  松明を持っているのは一番背の高い、若い声の男で、彼はどうやら肋骨が折れているようだった。肩が下がっているのはそのせいかもしれなかった。ルーファスと呼ばれた、やや年配の黒い肌の男は、無事なところは剣を握った右腕だけというありさまだった。左半身が黒ずんでいて、それが全て彼自身の血であるのなら一晩もたないというのも納得だ。女性もいた。兜から零れた髪が松明の炎とそっくりの色に輝いて見えた。しかしその顔は血と泥で汚れていて、別の騎士が彼女の左足が地面に付かないように支えていた。その騎士自身も、兜の外された頭に傷を受けているのか、額から流れた血で耳が濡れている。  六人――いや、七人だろうか。みんな満身創痍だ。最強の騎士たちが、どうしてこんなに傷ついて、夜中に森の中をゆく羽目に。  ディーンは松明を持った男の腕を引っ張った。折れた肋骨に響いたのか、呻きながら彼は腕を振り払おうとする。  「待って、彼、案内してくれるんじゃない? 中に、神父様のところに」 女性の騎士がそういった。ディーンはそれを聞こえないが、何となく表情で理解した振りをして頷き、ますます騎士の腕を引っ張った。  騎士はそれきりディーンの誘導に素直についてきた。彼が歩き出すとみんなも黙って歩き出す。どうやらこの背の高い男が、この一団のリーダーであるらしかった。  修道院の正面扉の鍵はいつでも開いているが、神父の居室はたいていの場合――とりわけ夜はそうだ――鍵がかかっている。ディーンはいつも自分が来たことを示す独特のリズムでノックをした。  「……なんだ?」 すぐに扉の向こうで、眠りから起こされて不機嫌そうな声が聞こえてほっとする。もう一度ノックすると、今度は苛立たし気に寝台から降りる音がした。「なんだ、ディーン、忘れ物でもしたのか……」  戸を開いた神父は、ディーンと彼の後ろに立つ騎士たちの姿を見て、ぎょっとして仰け反った。いつも偉そうにしている神父のそんな顔を見られてディーンは少しおかしかった。  ディーンは背の高い男が事情を説明できるように脇にのいた。  「夜半にこのような不意の訪問をして申し訳ない。緊急の事態ですのでどうかお許し頂きたい。私は王国騎士のサミュエル・ウィンチェスター。彼は同じく騎士のルーファス。彼は重傷を負っていて一刻も早い治療が必要です。他にも手当と休息が必要な者たちがいる」  神父は、突然現れた傷だらけの騎士たちと、さっき別れたばかりの庭師を代わる代わる、忙しなく視線を動かして見て、それから普段着のような体面をするりと羽織った。深刻そうに頷き、それから騎士たちを安心させるようにほほ笑む。「騎士の皆様、もう安全です。すぐに治癒師を呼びます。食堂がいいでしょう、治療は厨房で行います。おい」 目線でディーンは呼びかけられ、あわてて神父のひざ元に跪いて彼の唇を読むふりをする。  「治癒師を、起こして、食堂に、連れてきなさい。わかったか?」  ディーンは三回頷いて、立ち上がると治癒師のいる棟へ駆け出す。  「ご親切に感謝する」 男のやわらかい礼が聞こえる。「……彼はディーンという名なのか? あとでもう一度会いたい、ずいぶんと怖がらせてしまったのに、我々の窮状を理解して中へ案内してくれた……」  ディーンはその声を立ち止まって聞いていたかったが、”聞こえない”のに盗み聞きなどできるはずがなか���た。
 明け方にルーファスは熱を出し、治癒師は回復まで数日はかかるだろうといった。サムは騎士たちと目を合わせた。今はまだ、森の深いところにあるこの修道院には何の知らせも来ていないようだが、いずれは王国から兵士が遣わされ、この当たりで姿を消した騎士たち――”反逆者たち”と呼ばれるかもしれない――がいることを知らされるだろう。俗世から離れているとはいえ修道院には多くの貴族や裕福な商家の息子が、いずれはまた世俗へ戻ることを前提にここで生活している。彼らの耳に王宮での噂が届いていないことはまずあり得なく、彼らがどちらの派閥を支持しているかはサムにはわからない。もっとも王が追っている失踪騎士を庇おうなどという不届きな者が、たくさんいては困るのだった。  出征の命令が罠であったのなら、彼らは尾けられていたはずだった。サムの死体を探しに捜索がしかれるのは間違いない。この修道院もいずれ見つかるだろう。長く留まるのは良策ではない。  かといって昏睡状態のルーファスを担いで森に戻るわけにもいかず、止む無くサムたちはしばらくの滞在を請うことになった。  修道院長のクラウス神父は快く応じてくれたが、用意されたのは厨房の下の地下室で、そこはかとなく歓迎とは真逆の意図を読み取れる程度には不快だった。彼には腹に一物ありそうな感じがした。サムの予感はしばしば王の占い師をも勝るが、騎士たちを不安させるような予感は口には出せなかった。  厨房の火の前で休ませているルーファスと、彼に付き添っているボビーを除く、五人の騎士が地下に立ち尽くし、ひとまず寝られる場所を求めて目をさ迷わせている。探すまでもない狭い空間だった。横になれるのは三人、あとの二人は壁に寄せた空き箱の上で膝を枕に眠るしかないだろう。  「お腹がすいた」 疲れて表情もないチャーリーが言った。「立ったままでもいいから寝たい。でもその前に、生の人参でもいいから食べたいわ」  「僕も同感。もちろんできれば生じゃなくて、熱々のシチューに煮込まれた人参がいいけど」  ガースの言葉に、チャーリーとケビンが深い溜息をついた。  地下室の入口からボビーの声が下りてきた。「おい、今から食べ物がそっちに行くぞ」  まるでパンに足が生えているかのように言い方にサムが階段の上に入口を見上げると、ほっそりした足首が現れた。  足首の持ち主は片手���重ねた平皿の上にゴブレットとワイン瓶を乗せ、革の手袋をはめたもう片方の手には湯気のたつ小鍋を下げて階段を下りてきた。  家畜小屋の隣にいた青年、ディーンだった。神父が彼を使いによこしたのだろう。  「シチューだ!」 ガースが喜びの声を上げた。チャーリーとケビンも控え目な歓声を上げる。みんなの目がおいしそうな匂いを発する小鍋に向かっているのに対し、サムは青年の足首から目が離せないでいた。  彼はなぜ裸足なんだろう。何かの罰か? 神父は修道士や雑用係に体罰を与えるような指導をしているのか? サムは薄暗い地下室にあってほの白く光って見える足首から視線を引きはがし、もっと上に目をやった。まだ夜着のままの薄着、庭でルーファスが引き倒したせいで薄汚れている。細いが力のありそうなしっかりとした肩から腕。まっすぐに伸びた首の上には信じられないほど繊細な美貌が乗っていた。  サムは青年から皿を受け取ってやろうと手を伸ばした。ところがサムが皿に手をかけたとたん、びっくりした彼はバランスを崩して階段を一段踏みそこねた。  転びそうになった彼を、サムは慌てて抱き止めた。耳元に、彼の声にならない悲鳴のような、驚きの吐息を感じる。そうだ、彼は耳が聞こえないのだった。話すことが出来ないのはわかるが、声を出すこともできないとは。  「急に触っちゃだめよ、サム!」 床に落ちた皿を拾いながらチャーリーがいう。「彼は耳が聞こえないんでしょ、彼に見えないところから現れたらびっくりするじゃない」  「ディーンだっけ? いや、救世主だ、なんておいしそうなシチュー、スープか? これで僕らは生き延びられる」 ガースが恭しく小鍋を受け取り、空き箱の上に並べた皿にさっさと盛り付けていく。階段の一番下でサムに抱き止められたままのディーンは、自分の仕事を取られたように見えたのか焦って体をよじったが、サムはどうしてか離しがたくて、すぐには解放してやれなかった。  まったく、どうして裸足なんだ?
 修道士たちが詩を読みながら朝食を終えるのを交代で横になりながら過ごして待ち、穴倉のような地下室から出て騎士たちは食堂で体を伸ばした。一晩中ルーファスの看病をしていたボビーにも休めと命じて、サムが代わりに厨房の隅に居座ることにした。  厨房番の修道士は彼らがまるでそこに居ないかのように振る舞う。サムも彼らの日課を邪魔する意思はないのでただ黙って石窯の火と、マントでくるんだ藁の上に寝かせた熟練の騎士の寝顔を見るだけだ。  ルーファスは気難しく人の好き嫌いが激しい男だが、サムが幼い頃から”ウィンチェスター家”に仕えていた忠臣だ。もし彼がこのまま目覚めなかったら……。自分が王宮でもっとうまく立ち回れていたら、こんなことにはならなかったかもしれない。  若き王の父と――つまり前王とサムの父親が従弟同士だったために、サムにも王位継承権があった。実際、前王が危篤の際には若すぎる王太子を不安視する者たちからサムを王にと推す声も上がった。不穏な声が派閥化する前にサムは自ら継承権を放棄し、領地の大半を王に返還して王宮に留まり一騎士としての振る舞いに徹した。  その無欲さと節制した態度が逆に信奉者を集めることとなり、サムが最も望まないもの――”ウィンチェスター派”の存在が宮殿内に囁かれるようになった。国王派――この場合は年若き王をいいように操ろうとする老練な大臣たちという意味だ――が敵意と警戒心を募らせるのも無理はないとサムが理解するくらいには、噂は公然と囁かれた。何とか火消しに回ったが、疑いを持つ者にとっては、それが有罪の証に見えただろう。  自分のせいで部下たちを失い、また失いつつあるのかと思うと、サムはたまらないむなしさに襲われた。  ペタペタと石の床を踏む足音が聞こえ顔を上げる。ディーンが水差しを持って厨房にやってきた。彼は石窯の横に置かれた桶の中に水を入れる。サムは声もかけずに暗がりから彼の横顔をぼうっと眺めた。声をかけたところで、彼には聞こえないが――  床で寝ているルーファスが呻きながら寝返りを打った。動きに気づいたディーンが彼のほうを見て、その奥にいる��ムにも気づいた。  「やあ」 サムは聞こえないとわかりつつ声をかけた。まるきり無駄ではないだろう。神父の唇を読んで指示を受けていたようだから、言葉を知らないわけではないようだ。  彼が自分の唇を読めるように火の前に近づく。  「あー、僕は、サムだ。サム、王国の騎士。サムだ。君はディーン、ディーンだね? そう呼んでいいかい?」  ディーンは目を丸く見開いて頷いた。零れそうなほど大きな目だ。狼を前にしたうさぎみたいに警戒している。  「怖がらないでいい。昨夜はありがとう。乱暴なことをしてすまなかった。怪我はないか?」  強ばった顔で頷かれる。彼は自らの喉を指して話せないことをアピールした。サムは手を上げてわかっていることを示す。  「ごめん――君の仕事の邪魔をするつもりはないんだ。ただ、何か困ってることがあるなら――」 じっと見つめられたまま首を振られる。「――ない?」 今度は頷かれる。「――……そうか、わかった。邪魔をしてごめん」  ディーンは一度瞬きをしてサムを見つめた。彼は本当に美しい青年だった。薄汚れてはいるし、お世辞にも清潔な香りがするとは言い難かったが、王宮でもお目にかかったことのないほど端正な顔立ちをしている。こんな森の奥深くの修道院で雑用係をしているのが信じられないくらいだ。耳と口が不自由なことがその理由に間違いないだろうが、それにしても――。  水差しの水を全て桶に注いでしまうと、ディーンはしばし躊躇った後、サムを指さして、それから自分の胸をさすった。  彼が動くのを眺めるだけでぼうっとしてしまう自分をサムは自覚した。ディーンは何かを伝えたいのだ。もう一度同じ仕草をした。  「君の? 僕の、胸?」 ディーンは、今度は地下に繋がる階段のほうを指さして、その場で転ぶ真似をした。そしてまたサムの胸のあたりを指さす。  理解されてないとわかるとディーンの行動は早かった。彼はルーファスをまたいでサムの前にしゃがみ込み、彼の胸に直接触れた。  サムは戦闘中以外に初めて、自分の心臓の音を聞いた。  ディーンの瞳の色は鮮やかな新緑だった。夜にはわからなかったが、髪の色も暗い金髪だ。厨房に差し込む埃っぽい日差しを浴びてキラキラと輝いている。  呆然と瞳を見つめていると、やっとその目が自分を心配していることに気が付いた。  「……ああ、そっか。僕が骨折してること、君は気づいてるんだね」 ”骨折”という言葉に彼が頷いたので、サムは納得した。さっき階段から落ちかけた彼を抱き止めたから、痛みが悪化していないか心配してくれたのだろう。サムは、彼が理解されるのが困難と知りながら、わざわざその心配を伝えようとしてくれたことに、非常な喜びを感じた。  「大丈夫だよ、自分で包帯を巻いた。よくあることなんだ、小さいころは馬に乗るたびに落馬して骨を折ってた。僕は治りが早いんだ。治るたびに背が伸びる」  少し早口で言ってしまったから、ディーンが読み取ってくれたかはわからなかった。だが照れくさくて笑ったサムにつられるように、ディーンも笑顔になった。  まさに魂を吸い取られるような美しさだった。魔術にかかったように目が逸らせない。完璧な頬の稜線に触れたくなって、サムは思わず手を伸ばした。  厨房の入口で大きな音がした。ボビーが戸にかかっていたモップを倒した音のようだった。  「やれやれ、どこもかしこも、掃除道具と本ばかりだ。一生ここにいても退屈しないぞ」  「ボビー?」  「ああ、水が一杯ほしくてな。ルーファスの調子はどうだ?」  サムが立ち上がる前に、ディーンは驚くほどの素早さで裏戸から出て行ってしまった。
 キラキラしてる。  ディーンは昔からキラキラしたものに弱かった。  木漏れ日を浴びながら一時の昼寝は何物にも得難い喜びだ。太陽は全てを輝かせる。泥だまりの水だってきらめく。生まれたばかりの子ヤギの瞳、朝露に濡れた花と重たげな羽を開く蝶。礼拝堂でかしずいた修道士の手から下がるロザリオ。水差しから桶に水を注ぐときの小気味よい飛沫。  彼はそういったものを愛していた。キラキラしたものを。つまりは美しいもの。彼が持ち得なかったもの。  サムという騎士はディーンが今までに見た何よりも輝いていた。  あまりにもまぶしくて直視しているのが辛くなったほどだ。彼の瞳の色に見入っていたせいで、厨房で大きな音に反応してしまった。幸いサムは音を立てた騎士のほうに目がいってディーンの反応には気づかなかったようだ。  もう一度彼の目を見て彼に触れてみたかったが、近づくのが恐ろしくもあった。
 ディーン何某という男の子がこの世に生を受けたとき、彼は両親にとても祝福された子供だった。彼は美しい子だと言われて育った。親というのは自分の子が世界で一番美しく愛らしいと信じるものだから仕方ない。おかげでディーンは両親が殺され、修道院に引き取られる八つか九つの頃まで、自分が怪物だと知らずに生きてこられた。  修道院長のクラウス神父は親と寄付金を失った彼を憐れみ深く受け入れてくれたが、幼い孤児を見る目に嫌悪感が宿っているのをディーンは見逃さなかった。  「お前は醜い、ディーン。稀に見る醜さだ」と神父は、気の毒だが率直に言わざるを得ないといった。「その幼さでその醜さ、成長すれば見る者が怖気をふるう怪物のごとき醜悪な存在となるだろう。無視できない悪評を招く。もし怪物を飼っていると噂が立てば、修道院の名が傷つき、私と修道士たちは教会を追われるだろう。お前も森に戻るしかなくなる」 しかしと神父は続けた。「拾った怪物が不具となれば話は違う。耳も聞こえなければ口もきけないただの醜い哀れな子供を保護したとなれば、教皇も納得なさるだろう。いいかね、ディーン。お前をそう呼ぶのは今日この日から私だけだ。他の者たちの話に耳を傾けてはいけないし、口を聞いてもいけない。おまえは不具だ。不具でなければ、ここを追い出される。ただの唾棄すべき怪物だ。わかったかね? 本当にわかっているなら、誓いを立てるのだ」  「神様に嘘をつけとおっしゃるのですか?」  まろやかな頬を打たれてディーンは床に這いつくばった。礼拝堂の高窓から差し込む明かりを背負って神父は怒りをあらわにした。  「何という身勝手な物言いだ、すでに悪魔がその身に宿っている! お前の言葉は毒、お前の耳は地獄に通じている! 盗賊どもがお前を見逃したのも、生かしておいたほうが悪が世に蔓延るとわかっていたからに違いない。そんな者を神聖な修道院で養おうとは、愚かな考えだった。今すぐに出ていきなさい」  ディーンは、恐ろしくて泣いてすがった。修道院を追い出されたら行くところがない。森へ放り出されたら一晩のうちに狼の餌食になって死んでしまうだろう。生き延びられたとしても、神父ですら嫌悪するほど醜い自分が、他に受け入れてくれる場所があるはずもない。  ディーンは誓った。何度も誓って神父に許しを請うた。「話しません、聞きません。修道院のみなさまのご迷惑になることは決してしません。お願いです。追い出さないでください」  「お前を信じよう。我が子よ」 打たれた頬をやさしく撫でられ、跪いてディーンを起こした神父に、ディーンは一生返せぬ恩を負った。
 ぼんやりと昔を思い出しながら草をむしっていたディーンの手元に影が落ちた。  「やあ、ディーン……だめだ、こっちを向いてもらってからじゃないと」 後ろでサムがぼやくのが聞こえた。  ディーンは手についた草を払って、振り向いた。太陽は真上にあり、彼は太陽よりも背が高いことがわかって、ディーンはまた草むしりに戻った。  「あの、えっと……。ディーン? ディーン」  正面に回り込まれて、ディーンは仕方なく目線を上げた。屈んだサムはディーンと目が合うと、白い歯をこぼして笑った。  ああ、やっぱりキラキラしてる。  ディーンは困った。
 サムは困っていた。どうにもこの雑用係の庭師が気になって仕方ない。  厨房から風のように消えた彼を追って修道院の中庭を探していると、ネズの木の下で草をむしっている背中を見つけた。話しかけようとして彼が聞こえないことを改めて思い出す。聞こえない相手と会話がしたいと思うなんてどうかしてる。  それなのに気づけば彼の前に腰を下ろして、身振り手振りを交えながら話しかけていた。仕事中のディーンは、あまり興味のない顔と時々サムに向けてくれる。それだけでなぜか心が満たされた。  ネズの実を採って指の中で転がしていると、その実をディーンが取ろうとした。修道院の土地で採れる実は全て神が修道士に恵まれた貴重なもの――それがたとえ一粒の未熟な実でも――だからサムは素直に彼に渡してやればよかった。だがサムは反射的に手をひっこめた。ディーンの反応がみたかったのだ。彼は騎士にからかわれて恥じ入るような男か、それとも立ち向かってくるか? 答えはすぐにわかった。彼は明らかにむっとした顔でサ��を見上げ、身を乗り出し手を伸ばしてきた。  サムはさらに後ろに下がり、ディーンは膝で土を蹴って追いすがる。怒りのせいか日差しを長く浴びすぎたせいか――おそらくそのどちらも原因だ――額まで紅潮した顔をまっすぐに向けられて、サムは胸の奥底に歓喜が生まれるのを感じた。  「ハハハ……! ああ……」 するりと言葉がこぼれ出てきた。「ああ、君はなんて美しいんだ!」  ディーンがサムの手を取ったのと、サムがディーンの腕を掴んだのと、どちらが早かったかわからかない。サムはディーンに飛びつかれたと思ったし、ディーンはサムに引き倒されたと思ったかもしれない。どっちにしろ、結果的に彼らはネズの根のくぼみに入ってキスをした。  長いキスをした。サムはディーンの髪の中に手を入れた。やわらかい髪は土のにおいがした。彼の唾液はみずみずしい草の味がした。耳を指で挟んで引っ張ると、ん、ん、と喉を鳴らす音が聞こえた。とても小さな音だったが初めて聞いた彼の”声”だった。もっと聞きたくて、サムは色んなところを触った。耳、うなじ、肩、胸、直接肌に触れたくて、腹に手を伸ばしたところでディーンが抵抗した。  初めは抵抗だとわからなかった。嫌なことは嫌と言ってくれる相手としか寝たことがなかったからだ。ところが強く手首を掴まれて我に返った。  「ごめん!」 サムは慌てて手を離した。「ご、ごめん、本当にごめん! こんなこと……こんなことするべきじゃなかった。僕は……だめだ、どうかしてる」 額を抱えてネズの根に尻を押し付け、できるだけディーンから離れようとした。「僕はどうかしてる。いつもはもっと……何というか……こんなにがっついてなくて、それに君は男で修道院に住んでるし――ま、まあ、そういう問題じゃないけど――ディーン――本当にごめん――ディーン?」  ディーンは泣いていた。静かに一筋の涙を頬に流してサムを見ていた。  「待って!」  またも彼の身の軽さを証明する動きを見届けることになった。納屋のほうに走っていく彼の姿を、今度はとても追う気にはなれなかった。
 夜、クラウス神父の部屋でディーンは跪いていた。  「神父様、私は罪を犯しました。二日ぶりの告解です」  「続けて」  「私は罪を犯しました……」 ディーンはごくりとつばを飲み込んだ。「私は、自らの毒で、ある人を……ある人を、侵してしまったかもしれません」  暖炉の前に置かれたイスに座り、本を読んでいた神父は、鼻にかけていた眼鏡を外してディーンを見た。  「それは由々しきことだ、ディーン。お前の毒はとても強い。いったい誰を毒に侵したのだ。修道士か?」  「いいえ、騎士です」  「騎士! 昨日ここに侵入してきたばかりの、あの狼藉者どものことか? ディーン、おお、ディーン。お前の中の悪魔はいつになったら消えるのだろう」 神父は叩きつけるように本を閉じ、立ち上がった。「新顔とくれば誘惑せずにはおれないのか? どうやって、毒を仕込んだ。どの騎士だ」  「一番背のたかい騎士です。クラウス神父。彼の唇を吸いました。その時、もしかしたら声を出してしまったかもしれません。ほんの少しですが、とても近くにいたので聞こえたかもしれません」  「なんてことだ」  「あと、彼の上に乗ったときに胸を強く圧迫してしまったように思います。骨折がひどくなっていなければいいのですが、あとで治癒師にみてもらうことはできますか?」  「ディーン……」 神父は長い溜息をついた。「ディーン。お前の悪魔は強くなっている。聖餐のワインを飲ませても、毒を薄めることはできなかった。お前と唯一こうして言葉を交わし、お前の毒を一身に受けている私の体はもうボロボロだ」  「そんな」  「これ以上ひどくなれば、告解を聞くことも困難になるかもしれない」  ディーンはうろたえた。「神父様が許しを与えて下さらなければおれは……本物の怪物になってしまいます」  「そうだ。だから私は耐えているのだ。だが今日はこれが限界だ。日に日にお前の毒は強くなっていくからな」 神父はローブを脱いで寝台に横たわった。「頼む、やってくれ、ディーン」  ディーンは頷いて寝台に片膝を乗せると、神父の下衣を下ろして屈み込んだ。現れたペニスを手にとって丁寧に舐め始める。  「私の中からお前の毒を吸い取り、全て飲み込むのだ。一滴でも零せば修道院に毒が広がってしまう。お前のためにもそれは防がなくてはならない」  「はい、神父様」  「黙りなさい! 黙って、もっと強く吸うんだ!」 神父は厳しく叱責したが、不出来な子に向けて優しくアドバイスをくれた。「口の中に、全部入れてしまったほうがいい。強く全体を頬の内側でこすりながら吸ったほうが、毒が出てくるのも早いだろう」  心の中でだけ頷いて、ディーンはいわれた通り吸い続けた。もう何度もやっていることなのに、一度としてうまくやれたことがない。いつも最後には、神父の手を煩わせてしまう。彼は自分のために毒で苦しんでいるのにだ。  今回も毒が出る前に疲れて吸う力が弱まってしまい、神父に手伝ってもらうことになった。  「歯を立てたら地獄行きだからな。お前を地獄に堕としたくはない」 神父は忠告してから、両手でディーンの頭を抱えて上下にゆすった。昨夜はワインを飲んだあとにこれをやったからしばらく目眩が治まらなかった。今日はしらふだし、神父がこうやって手を借してくれるとすぐに終わるのでディーンはほっとした。  硬く張りつめたペニスから熱い液体が出てきた。ディーンは舌を使って慎重に喉の奥に送り、飲み込んでいった。飲み込むときにどうしても少し声が出てしまうが、神父がそれを咎めたことはなかった。ディーンが努力して抑えているのを知っているのだろう。  注意深く全て飲み込んで、それでも以前、もう出ないと思って口を離した瞬間に吹き出てきたことがあったので、もう一度根本から絞るように吸っていき、本当に終わったと確信してからペニスを解放した。神父の体は汗ばんでいて、四肢はぐったりと投げ出されていた。  ディーンはテーブルに置かれた水差しの水を自分の上着にしみこませ、神父の顔をぬぐった。まどろみから覚めたような穏やかな顔で、神父はディーンを見つめた。  「これで私の毒はお前に戻った。私は救われたが、お前は違う。許しを得るために、また私を毒に侵さねばならない。哀れな醜い我が子よ」  そういって背を向け、神父は眠りに入った。その背中をしばし見つめて、ディーンは今夜彼から与えられなかった神の許しが得られるよう、心の中祈った。
 修道士たちが寝静まった夜、一人の騎士が目を覚ました。  「うーん、とうとう地獄に落ちたか……どうりで犬の腐ったような臭いがするはずだ」  「ルーファス!」 ボビーの声でサムは目を覚ました。地下は狭すぎるが、サムがいなければ全員が横になれるとわかったから厨房の隅で寝ていたのだ。  「ルーファス! このアホンダラ、いつまで寝てるつもりだった!」 ボビーが歓喜の声を上げて長い付き合いの騎士を起こしてやっていた。サムはゴブレットに水を注いで彼らのもとへ運んだ。  「サミュエル」   「ルーファス。よく戻ってきた」  皮肉っぽい騎士は眉を上げた。「大げさだな。ちょっと寝てただけだ」 ボビーの手からゴブレットを取り、一口飲んで元気よく咳き込んだあと、周囲を見回す。「それより、ここはどこだ、なんでお前らまで床に寝てる?」  「厨房だよ。他の皆はこの地下で寝てる。修道院長はあまり僕らを歓迎していないみたいだ。いきなり殺されないだけマシだけどね」  「なんてこった。のん気にしすぎだ。食糧をいただいてさっさと出発しよう」  「馬鹿言ってないで寝てろ。死にかけたんだぞ」 起き上がろうとするルーファスをボビーが押し戻す。しかしその腕を掴んで傷ついた騎士は強引に起きようとする。  「おい、寝てろって」  「うるさい、腹が減って寝るどころじゃない!」  サムとボビーは顔を見合わせた。
 三人の騎士は食堂に移動した。一本のロウソクを囲んで、鍋に入れっぱなしのシチューをルーファスが食べるのを見守る。  「で、どうする」 まずそうな顔でルーファスはいう。もっともルーファスは何を食べてもこういう顔だから別にシチューが腐っているわけではない。例外が強い酒を飲む時くらいで、一度密造酒を売って儲けていた商売上手な盗賊団を摘発した時には大喜びだった(酒類は国庫に押収されると知ってからも喜んでいたからサムは心配だった)。  修道院にある酒といえば聖体のワインくらいだろう。ブドウ園を持っている裕福な修道院もあるが、この清貧を絵にしたような辺境の修道院ではワインは貴重品のはずだ。ルーファスが酒に手を出せない環境でよかった。しかし――サムは思い出した。そんな貴重なワインの匂いを、あのみすぼらしい身なりの、納屋で寝ている青年は纏わせていたのだった。  「どうするって?」  ボビーが聞き返す。ルーファスは舌打ちしそうな顔になってスプーンを振った。「これからどこへ行くかってことだよ! 王都に戻って裏切者だか敗走者だかの烙印を押されて処刑されるのはごめんだぜ」  「おい、ルーファス!」  「いいんだ、ボビー。はっきりさせなきゃならないことだ」 サムはロウソクの火を見つめながらいった。「誤魔化してもしょうがない。我々は罠にかけられた。仕掛けたのは王だ。もう王都には戻れない――戻れば僕だけでなく、全員が殺される」  「もとからお前さんの居ない所で生き延びようとは思っていないさ。だが俺とルーファスはともかく……」  「若くて将来有望で王都に恋人がいる私でも同じように思ってるわよ」 チャーリーが食堂に来た。ルーファスの隣に座って平皿に移したシチューを覗き込む。「それおいしい?」  「土まみれのカブよりはな」  「なあ、今の話だが、俺はこう思ってる」 ボビーがいった。「この状況になって初めて言えることだが、王国は腐ってる。王に信念がないせいだ。私欲にまみれた大臣どもが好き放題している。民は仕える主を選べないが、俺たちは違う。もとから誰に忠義を尽くすべきか知っている。もう選んでいる。もうすでに、自分の望む王の下にいる」  「その話、なんだか素敵に聞こえる。続けて」 チャーリーがいう。  「いや、まったく素敵じゃない。むしろ危険だ」 サムはいったが、彼の言葉を取り合う者はいなかった。  ゴブレットの水を飲み干してルーファスが頷いた。「サムを王にするって? それはいい。そうしよう。四年前にあの棒みたいなガキに冠を乗せる前にそうしとけばよかったんだ。野生馬を捕まえて藁で編んだ鞍に乗り、折れた剣を振りかざして、七人の騎士で玉座を奪還する!」 そしてまた顔をしかめながらシチューを食べ始める。「俺はそれでもいいよ。少なくとも戦って死ねる」  ボビーがうなった。「これは死ぬ話じゃない。最後まで聞け、ルーファス」  「そうよ、死ぬのは怖くないけど賢く生きたっていい」 チャーリーが細い指でテーブルを叩く。「ねえ、私に案がある。こ��の修道院長に相談するのよ。彼から教皇に仲裁を頼んでもらうの。時間を稼いで仲間を集める。探せば腐った大臣の中にもまだウジ虫が沸いてないヤツもいるかもしれない。血を流さなくても王を変える手はある。アダムだって冠の重さから解放されさえすればいい子に戻るわよ」  「それよりウィンチェスター領に戻ってしばらく潜伏すべきだ。あそこの領民は王よりもサムに従う。俺たちを王兵に差し出したりしない」  「だから、それからどうするのかって話よ。潜伏もいいけど結局王と対決するしかないじゃない、このまま森で朽ち果てるか北の隣国に情報を売って保護してもらって本物の売国奴になる他には!」  「ちょっと落ち着け、二人とも。修道士たちが起きてくる。それから僕の計画も聞け」  「ろくな計画じゃない」  「ルーファス! ぼやくな」  「そうよルーファス、死にかけたくせに。黙ってさっさと食べなさいよ」  サムはため息を吐きそうになるのを堪えて皆に宣言した。「王都には僕一人で行く」  「ほらな」とスプーンを放ってルーファスが特大のため息を吐いた。「ろくな計画じゃない」
 行商売りの見習い少年と仲良くなったことがあった。同年代の子と遊ぶのは初めてだったから嬉しくて、ディーンは思わず自分の秘密をもらしてしまった。自分の口で見の上を語る彼に、少年はそんなのはおかしいといった。  「君は神父に騙されているんだよ。君は醜くなんかない、夏の蝶の羽のように美しいよ」  「神様の家で嘘をついちゃいけないよ」  「嘘なんかじゃない。ホントにホントだよ。僕は師匠について色んな場所へ行くけれど、どんなお貴族様の家でだって君みたいな綺麗な人を見たことがないよ」  ディーンは嬉しかった。少年の優しさに感謝した。次の日の朝、出発するはずの行商売りが見習いがいなくなったと騒ぎ出し、修道士たちが探すと、裏の枯れ井戸の底で見つかった。  井戸は淵が朽ちていて、遺体を引き上げることもできなかった。神父は木の板で封印をした。ひと夏の友人は永遠に枯れ井戸の��に閉じ込められた。  修道院は巨大な棺桶だ。  ディーンは二度と友人を作らなかった。
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yoshikoterada · 6 years
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60回目を迎える、今年の京都大学の学園祭「11月祭(NF)」のテーマは、 「(NFテーマは当局により撤去されました)」‼️ さすが京大 ♪( ´θ`)ノ 当局の懐の深さにも ヽ(´▽`)/ #そうだ京大いこう #京都は永遠の恋人ですのよ湘南ガール #NovemberFestival #学園祭 #タテカン #今年は泥酔者対応本部も設置 #サーフィン #サーファー https://www.instagram.com/p/BqdYeUkFiOp/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=1vnaazde11usb
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2ttf · 12 years
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GUGGENHEIM Vol.03 ARTIST TALK: TOMOO GOKITA
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GUGGENHEIM Vol.03 ARTIST TALK: TOMOO GOKITA 初心勿忘、特に何かを成し遂げたわけでもないのに緩みがちでゆるゆるな気持ちを引き締めるために。 <loosejoints>が立ち上げからお世話になっている五木田智央氏に、お話を伺うことにしました(リモートで、ゆるやかに)。
五木田智央氏(以下、「TG」):何から話そうか? 俊くんとの付き合いって、もう何年になる?
佐藤 俊 (loosejoints主宰/以下、「LJ」):20年くらいなりましたね。最初は、角田(純)さんとかやっちゃん(TOGAデザイナー)、石黒(景太)くんなんかと遊んでもらっているときに知り合いました。 実は〈loosejoints〉を始めるきっかけも復活するきっかけも、五木田くんなんですよ。もともと『remix』誌の仕事で絵を描いてもらっていて、それを何かしっかりとした形に残したいと思った。身近にいるアーティストたちの作品をもっとアートとして、カルチャーとしてしっかりと発信できるような形を作りたくて、「Tシャツというフォーマットで作品を発表してもらえませんか」と、五木田くんのところにお邪魔して相談に行ったところから<loosejoints>は生まれたんです。 TG:最初に〈loosejoints〉始めたときって、(同じく五木田氏が作品を提供している)<TACOMA FUJI>より早かったよね? LJ:そうですね。五木田くんがずっと言ってくれているように、「レーベルって言ったもん勝ちじゃん」と思って始めました。でも僕がボケーっと休んでいたら、なべちゃん(渡辺友郎氏/TACOMA FUJI代表)とこもすごく人気が出てきて、他レーベルも含め、カルチャーとしての流れがより大きくなっていくと嬉しいです。 TG:確かに、そうかもね。(同じくTACOMA FUJIやloosejointsに作品を提供するジェリー・)鵜飼とかも、どんどん人気者になっていったしね。 LJ:ホントに嬉しいですよね。それにしても当時から周りにいた人たちは、みんなキャラが立っていましたよね。。
GAME OVER、コロナ、都市
---そんなに長いお付き合いだったのですね。今も続いていますけど、コロナ禍の去年8~9月にタカ・イシイギャラリーで開催されていた「MOO」の展示を拝見したのですが、コロナの直前くらいから作風やスタンスが一気に変わっていったように思います。特に「MOO」の前、去年の3月にミラノのギャラリー、マッシモ・デ・カルロで開催された個展から。 LJ: まずは、「GAME OVER」というタイトルに驚きました。時代に対しての感度というか、タイトルがいつも時代を先取りしているなと思ったんですけど。 TG: まさか俺もこんな世の中になると思ってなかったから、ちょっと怖くなったよ(笑)。でもあのタイトルはけっこう気に入っていて。いつもは絵を描き上げてからタイトルを決めるんだけど、「GAME OVER」は、珍しく描く前から決めてたんだよね。 LJ: 自分の中で一区切り的な意図があったんですか? TG: 単純に「GAME OVER」って言葉を思いついたのもあるけど、あの展示の次からカラー作品にしたんだよ。だからブラック&ホワイトはいったん終わりって意味も含んでいる。で、作品も出来上がって、「さあイタリアに行くよ!」ってタイミングで新型コロナがきて、行けなくなってしまった。もうチケットを取っていたのに。 LJ: 僕もイタリアまで行く気満々でした。 TG: でしょ!マジで行きたくてしょうがなかったから、現地のレコード屋とかも全部調べていたんだよね。俺、どこ行ってもレコード屋しか行かないから。美術館とかギャラリーとかは、ほぼ行かない(笑)。 そんなこんなで楽しみにしていていたら、イタリアがヤバいってなっちゃって、それで今だよ。マジで俺、最近、誰にも会ってないなー。 ---コロナ以降、もう誰にも会いたくないってフェーズに入っているんですか? TG:いや、友だちと呑みに行きたいよ。めちゃくちゃ呑みたい (笑)。でも、なんか変にこの生活に慣れてきている面もあって。もともと俺は一人で仕事をしているしさ。もちろん夜はどっか飲みに行きたいなって気持ちはあるけど。みんなどうしてるのかな。 LJ:東京から地方に移住するアーティストも増えていますよね。これまで東京という都市が持っていた機能や役目が終わりつつある感じもします。 TG:変わってきたよね。俺も東京に家があるんだけど、かなり前にちょっと考えたんだよね。「田舎に住もうか」って奥さんと相談して、実際に観に行ってみたり。とにかく安いからさ。 いろんな候補があったんだけど、俺やっぱド田舎は無理だなぁと思った。迷ったんだけどね。そりゃ大自然とかいいなとは思うんだけど、絶対飽きちゃうんだよなぁ。旅行で行くのはいいんだけど、住むのはちょっとなって。 LJ:工藤キキちゃんも言ってましたけど、ニューヨークでも移住するアーティストやクリエイティブがかなり増えているみたいですね。 TG:そういえば、キキのニューヨークの家は行ったことある? あそこも凄いよね。やりたい放題で(笑)。あの家で、まったりしながらセッションでもやろうぜという話になって、旦那のブライアン(・クローズ/ミュージシャンや映像作家として活躍中)とかみんなで2時間ぐらいセッションしたりしたなー。その辺にあったパーカッションを叩いたりしてたら、俺の演奏に反応しくれて「レコ��ド作ろうよ!」って盛り上がったのに、それからなんの音沙汰も無い(笑)。 ---あはははは。いつくらいのお話ですか? TG:5年前くらいかな。 LJ:キキちゃんは、今やセオ・パリッシュと一緒にDJしたりしてますから、凄いですよね。---世界中でアーティストやクリエイティブをはじめ、比較的に感度が高いと言われるような人たちがどんどん都市を離れ始めていて、なんだか少し寂しい気がします。五木田さんは、田舎に住んだら作風が変わっていくと思いますか? TG:それは変わらないんじゃないかな。 LJ:もともと五木田くんの作品のベースって、都市やカルチャー的なものですもんね。 TG:そうだね、だから、田舎はないかなぁ。でもいまだに「五木田はサブカルだろ」って言っている人もいるらしい。まあ、いいんだけど(笑)。 LJ:しっかりとカルチャーに根ざしている人に対して、なにか憧れのようなものもあるんじゃないですか?でも今、そもそも“マスカルチャー”がないのに“サブカルチャー”ってなんだよって思うんですよね。 TG:そうそう、何が“サブ”なんだよって、思うよね。例えば、みうらじゅんさんだって“サブカル王”って言われてるけど、見方によるとかなりアートなことをやっていたりするよね。あの人のスクラップなんて、マジですごいよ。
日々のこと、ラジオ、クラシック ---ところで五木田さんは普段、どんなスケジュールで動いているんですか?コロナで、何か変化はありました? TG:ずっと変わらないねー。平日は毎朝6時半くらいに起きて、奥さんと俺で早く起きた方が朝飯を用意するんだけど、まずはご飯を作って子どもと一緒に食べる。8時半には家を出て、9時半にはアトリエに着く。それでタバコ吸って、「は~、今日はどうしよっかな」って。こないだ古い真空管ラジオを手に入れたから、最近はだいたいラジオを聴くことから始めてるかな。やっぱ自分にとっては、午前中が大事。 LJ:五木田くんは、ずっと朝型ですよね。頭の回転やモチベーションも含めて、やはり午前中のほうが何かと捗るからですか? TG:そうだね、やっぱ夕方になると呑みたくなっちゃうし(笑)。 あとほら、仕事柄いつも一人だから、朝から呑もうと思えば呑めちゃうんだよね。だから自分に厳しくしないと。最低でも「17時までは我慢」ってルールを作っている。これはずっと続けていて、30代の頃とかはアポなしでよく友だちがビール持ってきて、朝10時から呑んだりしてたけど(笑)。 これから絵を描こうと思ってたのに、まあでもいいかって。そういうことが、結婚前は多かったよね。 まあ、そんなこんなで17時くらいまではアトリエで作業して、家に帰ってちょっと呑みつつまた家族でご飯を食べながら色々と話したりして寝る。家で呑んでると、なんかすぐに酔っ払っちゃうから、ここんところ、子どもよりも早く寝ちゃうことも多いんだよね(笑)。 家族のことは、より考えるようになったかな。去年は学校が休みになったりして、子どもたちと一緒にいる時間が増えたから、やっぱり色々と考えたよね。 LJ:家族と過ごす時間と、絵を描く時間の気持ちの切り替えってどうしてます? TG:基本的にはあんまり変わらないかな。でも気持ちの切り替えは昔から下手くそな方だと思う。 作品を作るモードのときはグワーっと入り込んじゃっていて、夢にまでずっと絵のことが出てくるくらいだから、なんかピリピリしちゃったりする。そんな感じを家には持ち込まないようにしてるいから、なるべく玄関入る前に深呼吸したりして、元気に「ただいまー!」って帰ったり。 ---昔のサラリーマンみたいな感じでもありますね。因みに、朝のラジオも、毎日決まった番組を聴いている感じですか? TG:そうだね、基本的に朝は文化放送。まずは『くにまるジャパン(極シアター)』、その流れで『大竹まこと(ゴールデンラジオ!)』まで聴くっていうパターンが多い。それから、ニッポン放送の『(髙田文男の)ラジオビバリー昼ズ』。基本、AMだね。 LJ:真空管ラジオ、やはり音が全然違います? TG:もちろんHiFiって意味で言えば全然いい音ではないんだけど、なぜか心地いい音質なんだよね。 LJ:アトリエにお邪魔すると、いつも音が気持ちがいい場所だなと思います。 TG:でもね、オーディオマニアにだけはならないように、気を付けてる(笑)。片足を突っ込んだことあるんだけど、このままだと泥沼にハマりそうになっちゃったから。 LJ:電柱建てたりする人もいますからね(笑)。 ---やっぱりプロレスは今でも観ているのでしょうか? TG:観てるねー、YouTubeで古いやつばっかり観てる(笑)。 LJ:昔、ニューヨークである方が五木田くんと坂本龍一さんとの会食を設定しようとしたら、「その日プロレス観に行くからダメだ」って断られたと聞きました。五木田くん、YMOファンなのに!。 TG:そうそう、テイ(・トウワ)さんに「五木田くん、坂本さんが会いたいって言っているんだけど、どうかな?」って言われて。「え?まじすか?いつですか?」って聞いたら「明日!」って言うから、「明日、プロレス行くんすよ…。でも5分だけ考えさせてください」って。ちょっと考えたけど、やっぱプロレス行きたいなぁと思って、断ったんだよね。坂本さん、かなり笑っていたらしいよ。実は坂本さんもプロレス好きらしくて。 LJ:すごい話ですね(笑)。今ってプロレスも無観客でやっているんですか? TG: だいぶ客を少なくしてやってるみたい。俺はもっぱらYouTubeだけど。70~80年代のクラシックばっかだね。
フィッシュマンズ、リカルド・ヴィラロボス、ノンフィクション
---プロレスの他に、YouTubeで何か観たりしますか?
TG:ライブとか多いかな。息子が中一なんだけどエレキベースやってて、俺が19時くらいに帰るとだいたいYouTube観ながらベース弾いてんの。その流れでずっとライブやMVを、ご飯食いながら一緒に観たりしてる。 LJ:息子さんと音楽の話をしたり、楽器を教えたりとかするんですか? TG:アトリエにもレコードはあるけど、今、ほとんど自宅に置いてあるんだよ。家に帰って自分の部屋に行くと、明らかに息子が俺のレコードを聴いてた痕跡があるわけですよ(笑)。ジェームス・ブラウン聴いていたりだとか。「これ聴け」とかあまり言いたくないから、向こうから訊いてきたら答えるようにしてる。今はフィッシュマンズ、大瀧詠一、細野晴臣とか聴いてるみたい。 LJ:それ、中一だとだいぶ早いですね。 TG:フィッシュマンズは自分と同世代すぎて聴いてなかったから、初めて一緒に買いに行ったりして。「なんでフィッシュマンズ知ったの?」って聞いたら、YouTubeでロックの名盤を紹介している『みの(ミュージック)』の動画を観たらしい。今はネットがあるから、知識の量が凄いよねー。 LJ:僕たちみたいに、アーカイブを文字通り物理的に一生懸命掘っていた世代とは違いますからね。五木田くん自身は、最近どんなアーティストやジャンルを聴いているんですか? TG:最近買ったのは、1940年代のニューオリンズ・ジャズの人とか、テクノのリカルド・ヴィラロボスとか。 LJ:ヴィラロボスは、変態的でいいですよね。 TG:あの人の音はすごいよね!そういう電子音楽を聴いた後に、昔のジャズ聴いて、ラテン聴くとか。もう、ぐちゃぐちゃです。 LJ:そういえば、五木田くんと待ち合わせすると、いつも本を読んでいる印象です。 TG:本、好きだからね。今は割とノンフィクションものばかり読んでるかな。犯罪者実録とか幼女連続殺人の未解決事件のとか、面白いよー。もう犯人が分かっているのに捕まえられない、みたいな。あとはミュージシャンの伝記物とかかな。 LJ:この作家の作品なら絶対に買うって人はいますか? TG:うーん、特にいないかも。だいたい本屋に寄って、そこで面白そうなの見つけて読むって感じかな。本屋とレコード屋、大好きだから。このご時世だとなかなか行けないから、ネットの「Discogs」とかでもう買いまくり。めちゃめちゃ買ってる。 LJ:最近、映画は観てますか? TG:あまり観ていないかも。あ、でも最近だと吉祥寺のUPLINKでやっていた『メイキング・オブ・モータウン』や、スコセッシの『アイリッシュマン』あたりはちゃんと映画館で観た。『アイリッシュマン』は、サントラがよかったね。ロビー・ロバートソンが編曲していて、素晴らしくて買っちゃった。---コロナ禍で音楽を聴く時間や料理をする時間は増えたけど、映画を観る時間は少なくなったという話をよく聞きます。 LJ:それって世の中がフィクションとノンフィクションの差が無いような感じになってきているからですかね? TG:確かにそうかも。なんかおかしいよね。俺、昨日の森(喜朗)の謝罪会見観ちゃったんだけど、もはやバグだよね。あれはひどいよ。 LJ:火に油を注ぐだけの会見でしたね。五木田くんは一度目の緊急事態宣言の際に安倍(晋三前首相)のコラージュを作っていましたけど、ポリティカルなことをオフィシャルで発表するの、あれが初めてですよね? TG:うん、初めて。俺はね、作品ではポリティカルなことを極力避ける方なんだけど、なんか流石に安倍ちゃんのマスクが届いた時は、「要らねーよ、こんなの!」って思っちゃって…。毎週、『週刊大衆』が送られてくるんだけど、それに毎回安倍ちゃんの写真が載ってたから、それを切って貼り合わせただけなんだけどね。 LJ:今も政治はかなり酷いままですけど、またポリティカルな作品を作ろうとかは? TG: 今はもう、そういうのを作ることすら嫌だね。もはや怒りを通り越して呆れているというか。オリンピック、やるのかな?もうみんなあまり望んでないよね。俺もともと反対派だったけど。
新作、肉体労働、巨匠 ---オリンピックより、五木田さんの次の展示の方に興味があるのですが。 LJ:5月にブラム&ポー、そして6月にはダラス・コンテンポラリーらしいですね!カラーの作品でいくんですか? TG:なんでその情報知っているの(笑)!? うん、展示はカラーの予定。もう戻れないな、前のスタイルには。作品の中にはモノトーンに近いのは作るかもしれないけど、いわゆる白と黒だけっていうのは、もうないね。 LJ:油絵に行かないんですか? TG:油はね…、やりたいけど乾くまでの時間がちょっと長過ぎて、俺には無理かも。 LJ:五木田くん、筆が早いですもんね。「MOO」で展示したあの大きなサイズも、1日で描き上げたとか。 TG:そう、異常に描くのが早くて。正直に言わなきゃよかったんだけど、「この作品どのくらいかかりました?」って聞かれて、「1時間半で作りました」って答えたら、逆に凄くオファーがくるようになっちゃった(笑)。「展示まで1ヶ月しかないけど、できるよね?」とか言われたりする。実際にできるんだけど、大変なんだよね。今だって、まだ何にも描けてないもん。 LJ:モチベーションの問題ですか? TG:うん、実際に今はまだこんな状況(アトリエ内に置かれた真っ白で巨大なキャンバスを見せながら)。 LJ:それにしても、かなり大きいキャンバスを張りましたね!五木田くん、自分で張っているんですよね? TG:そうそう。KAWSやエリック・パーカーとか「ところで智央はアシスタント何人いるの?」とか訊くんだけど、「いねえよ!」ってか「いらない!」ってね(笑)。でも、50歳過ぎたらキャンバスを張るのが相当辛くて(笑)。 肉体労働だよね、これは。デカいキャンバスが14枚あるんだけど、昨日やっと全部張り終わったところ。もちろん、疲れるから誰かにやってもらいたいってのはあるけど、なんかそれも面倒くさいんだよね。どうしても気を遣っちゃうから、そんなことで気疲れするのも嫌だし。 LJ:個展のオープニングも、毎回大変そうですよね。 TG:オープニングは疲れるよ。実はオープニングって、そんなに得意じゃないんだよ。友だちが来てくれて「わー」ってやるのは好きだけど、最近は知らない人の方が多いし、アート業界ってやっぱ独特だから。 LJ:五木田くんの周りにはいろんな人が集まるから、このコロナ禍は少し落ち着いて一人になれる時期でもあったのかなとも思いました。 TG:そうそう、もちろん友だちには会いたいけど。本当に色々な人がいるから、「奥さんに飲み会やめろって言われているんで」って断ったりしてた(笑)。そう思うと、家族や自分の時間が増えて、実はよかったこともあるんだよね。 ---アーティストで、最近気になっている方とかいたりしますか? TG:コロナで交流も減ったし最新の情報とかほとんど見てないから、わかんないなー。最近は、巨匠の作品しか観なくなってきた。 LJ:もはや五木田くんが巨匠だと思うんですけど、五木田くんのいう巨匠って例えばどなたですかね? TG:ゴーギャンとかピカソとか、そういう本物の人たちの画集はよく観る。そういえば、なんかオークションで俺のパクリのやつが二人くらい出てきていて。外国人のアーティストで、よく見ると違うっちゃ違うんだけど、パッと見絶対俺の絵に見えるみたいな。 LJ:そういう時って、どう思うんですか? TG:「うわーパクってきたー」ってくらいで、まぁ俺の方が上手いなっていう変な自信があるから、なんとも思わない。あと俺、今もうカラーになっちゃったからね(笑)。違う世界にいっちゃったから。
tomoogokita.com
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gunosy-news · 4 years
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シャレにならない出来事も…「寝ぼけてやらかしてしまった」失敗談に驚愕
集計期間:2020年12月6日~12月8日 回答数:17133
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人間、眠たいときは判断力が鈍ってしまうもの。そんな時に油断をして、ついやらかしてしまった…そんな経験はありませんか?
今回はそんな「寝ぼけていたときにやってしまった失敗」について調査を行いました。
寝ぼけていたときにやってしまった失敗はありますか?
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回答者17133名のうち、寝ぼけていたときに失敗をしたことが「ある」という人は全体の約44.5%、反対に「ない」という人は約55.5%という結果でした。
ここからは、具体的にどのような失敗をしてしまったのか、回答者の皆さんから寄せられた意見を見ていきましょう。
寝ぼけていて、つい…やらかしエピソード集
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<直前に見ていた夢のせいで…>
・兄弟喧嘩の夢を見ていて机を殴っていた
・夢の中で悪漢を力一杯叩いたら、隣に寝ているダンナをぶっ叩いてしまった笑
・ケンカの夢を見てて妻を羽交い締めにして殴ったことがある
・ケンタのチキンを食べる夢を見て添い寝してた子供の足をかじった 
・子供のころ、夢の中で自分の右手の握り拳が上に上がって、ストンと下に落ちた。そしたら横に寝てる母が「アイタっ!」って叫んでるのが聞こえた。どうやら母の頭にゲンコツしたらしい。私は確かに母の声は聞こえたのだけれども、夢の中の出来事と思ってたので、そのまま朝までグッスリ眠っていた。
・夢の中で、 大草原を走っている夢を見ていたら 、一人���らしの部屋から勝手に外に出ていって、 階段から落ちて怪我をした。
・夢で、友達が雪が降ってきて困ってたんで、夜中にその友達に電話して、明日はいっぱい雪が降るってよって電話した。
・サッカーをしている夢を観て、思い切りボールを蹴ったら実際には壁で、多分親指にヒビが入りました。
・母親から封筒に入った大金をどこにしまったか忘れて焦りまくっている夢を見て、必死に探している途中で目が覚めそのまま部屋中探し、挙句に深夜なのに母親を起こして聞いた所で我に帰った。
・ひたすら話し続けている夢を見ていて、その続きの支離滅裂な話を延々と話し続けた。周りの人に笑われてもまだ夢から覚めたことに気づかず、怒り気味にさらに演説を続けてしまった
・パワハラで仕事に行き詰まってた頃、遅刻する夢を見たので現実の区別がつかず遅刻だと思って、とりあえずカバン背負って服もシャツを締めながらエレベーターに乗って下に降りた寒さで一気に目が覚めたけどまだ夜明け前だったり、仕事に行かなきゃの思いが強くて夜中に起きて暗闇の中夢中で朝食用のパンを探してた。(実際にはパンなんて買い置きしていなかった)ほぼ毎日こんな感じでもしかしたら夢遊病だったのかも…
<寝言シリーズ>
・「泥棒ー」と声に出して叫んでしまった。
・寝言で「いまうどん食べてたのに!」って言ってしまった。
・昼寝から目覚めたらボーっとしてたので、家族全員に『おはよう、みんな起きるの早いね。』と言ったら『まだ夜なんだけど』と言われた事
<物損>
・夜中に目が覚めて、特に何かを見るつもりもないのに、なぜか眼鏡をかけてから二度寝したので、朝起きたらフレームがゆがんでいた。
・皿を割る。マクカップを割る。急須を割る。
・ノートPCの画面を踏んで割ってしまった
<洗面所あるある?>
・洗顔フォームで歯磨きした
・歯磨き粉とクレンジングオイル、間違えてしまった
・保湿クリームと日焼け止めを間違えた
・電動シェーバーに歯磨き粉をつけた。
<時間間隔の喪失>
・休みなのに学校に行ってしまった
・夕方なのに朝だと思って出かける準備をしてまった
・午前1時に出社した。
・旦那に朝5時にお魚買ってきてとお願いした
・仕事に追われ休日なのに身支度をしてしまい2度寝…起きたらスーツ姿で寝ていた。
・バイトに遅刻する!と思って外に出たら人通りが少なくて、不思議に思っていたら夕方の5時ではなく朝の5時だった。
・昼寝から起き、外が薄暗かったのに、朝だと勘違いして、遅刻した!!と慌てて支度をして駅に向かったら、日曜の夕方だったこと。 
・いつもの時間に起きて出勤したつもりが、実際はキッチリ1時間遅れだった。社内ですれ違う人に「今日は重役出勤だなぁw」と言われても理解できずにいた。休憩時間に遅刻に気付きメチャクチャ恥ずかしかった。思い込みの恐ろしさを痛感して以来、時計は分単位だけでなく何時かを確認するようになった。
<奇行種>
・冷蔵庫にスマホ入れた
・ベランダから飛び降りてしまった事が有ります。
・パジャマのズボンを脱いでゴミ箱に捨ててた
・学校帰りのバスの中の柱にひたすら謝ってたこと。
・子どもが泣き出したと勘違いして夫の頭を撫でてトントンして寝かしつけようとした。
・寝ぼけて自分の家だと思わなくて、あわてて帰ろうとして、母に呆れられた
・晩御飯を食べた後にテレビを見ながら寝てしまい、数時間後起きた時に晩御飯はまだかと聞いてしまったら、年齢的に呆けてしまったのだと心配された
・たくさんありすぎるので、、、最近で言えば、まだ目が完全に開かないにも関わらず、手探りでトイレに行ったものの、あまりの眠さに勝てずに、下着をつけないまま、パジャマを着てしまい、そのまま爆睡。肝心な下着は、部屋の入口そばに落ちていた。女性でありながら、誰もいなくて良かった、と思った。
・小さい頃、寝起きに駄菓子屋に行って、100円玉を握りしめて出かけたつもりが、いざお会計の時に出したら1円玉だった。小さいながらに恥ずかしかった。
・コンビニでお菓子買ってお金払って おつりもらって その買ったお菓子を取るの忘れた
・電車で寝ぼけて駅だったので降りようとして走ったら違う駅で恥ずかしかったです。 
・大切な本を紙ゴミだと思って破いて捨ててしまった。翌日、ゴミ箱に本が捨ててあるのを見つけて我に帰った。
・高校生の頃、寝ぼけて母親の寝ている布団に入って寝てしまった。目覚めたときは朝でした。恥ずかしいやら、バツが悪いやら。
・女の子の服の袖をコーヒーカップと間違えて掴んだこと
・信号後変わったタイミングが青だと思い込み赤信号で渡りそうになり、車のクラクションで初めて気付いた。それまで青信号を赤だと思い込んでた自分が情けなくなった。
・朝目が覚めたら部屋中に小銭が落ちてた事がありました。割と大量に。いつかの何かしらのお礼にお地蔵様がやって来て打ち出の小槌を振ったのか、はたまた寝ぼけた私が小銭入れを逆さまにして振り回したのか…お地蔵、あの節はありがとうございました。 
・自分の家にいると思ったら友達の家で、すっぽんぽんで部屋の中を歩いていた
・携帯をキャリアのオンラインショップで機種変更した。そしたら同機種同色同GBの同じ機種を注文してしまったようで気付かず開封してしまった。開封後返品不可の為データ移行の面倒くささと引き換えにバッテリーが新しくなった感覚の製品になった 
・急に家の片付けを始め、家の鍵を間違えて捨てた。最近は車の鍵。しかもキーレスを捨ててしまい、悲惨。記憶がない状態で動いてはいけないのは理解できたが、本人は大丈夫だと思ってるのでタチが悪い。
・洗濯物をオバケと思って大声で叫んでしまった。
・納豆のからしを絨毯にかけた。
・喘息なんですが、苦しくて起きて吸入器をしてるつもりがマキロンをシュシュっと口に入れてしまい、急いでゆすぎにいったことがあります。
・小学生の頃家族と電車に乗っていたが寝てしまって、駅について起こされたが寝ぼけていて隣の人が床に置いてたカバンを持って出ようとしてしまった。歩き出したところで止められた。
・夜中に玄関のチャイムが鳴っていると思って飛び起きて、急いで玄関まで行って出ようとした。今考えると夜中の2時に誰か来ていても、いなくても怖い。
・ピカチュウのものまねを練習していた時期に、寝た後いきなり起きてピカチュウのものまねをしていてビックリしたと家族に言われて自分でもビックリしました。
<ケガ>
・子供のころ押し入れで寝ていたら寝ぼけて落ちた
・柱に、顔面ぶつけて歯が折れた
・家の階段で足を踏み外し、中段ぐらいから下までお尻で滑り落ちた。尾てい骨が…むちゃくちゃ痛かった。
・炬燵の掛け布団につまずき、ガラス戸に脚を突っ込んでしまい。救急搬送された。
・足が、もつれて転倒。足首と右手骨折
・ヘアアイロンで首の後ろ大火傷185℃設定だったから死ぬかと思った
・中学生の夏トイレに行こうと起きた所、暗闇でジャージパンツの裾に付いてた足掛け?に指を引っ掛かけて転んでしまった。その時に近くにあった灰皿の金属部が飛んできて目の横を切ってしまい未だに消えない物が残ってしまった。
・起きてすぐ慌ててゴミ出しに行ったら鍵を忘れてオートロックで閉め出された。ピンポンしても家族はまだ寝ていて誰も気づいてくれず、塀を乗り越えてサンダル(5cm位のヒール)でジャンプして飛び降りたら、かかとの骨を傷めた。その日は2010年の誕生日(3/18)だった。その後、半年病院通い。未だ完治せず、全力疾走できない。なぜジャンプしたのか壁をつたって降りれば良かった。寝ぼけていた
・未明に目が覚めて立ち上がったらよろめいて、家具に額をぶつけてまたよろめいて、今度は背後にあった箪笥に背中をぶつけたのですが、あまりに眠かったのでまたそのまま眠ってしまったこと。朝着替えようとしたら寝間着が何かに張り付いて脱げないのです。おかしいなと鏡で確認したら、背中に縦に袈裟懸けみたいな傷が付いていて血がべっとりとくっついたままカピカピになってました。なんか痛いな~とは思っていましたがビックリ。ちなみにおでこにもたんこぶができてました。 
<飲食物シリーズ>
・弁当作りで、玉子を器ではなく、三角コーナーの生ゴミの中に割った
・三角コーナーの上で玉子を割り、ご飯の上に殻を載せてから気づいた
・冷蔵庫と間違えて、下駄箱に卵焼きを入れてしまった。
・卵焼きを焼こうとして、卵をボールに割り入れようとしたのに間違えてそのまま排水口の上で割ってしまい排水溝に流してしまった。
・甘い玉子焼きを作るのに砂糖と塩を入れ間違えた時
・失敗と言うか、ダイエット中の朝に起きたら 枕元にポッキーの食べた後の袋が2袋! めっちゃ自分が怖かった。
・寝ぼけていて朝起きたら記憶なくてビックリしたことは、寝る前に沢山、お菓子を食べて食べ散らかした袋を片付けないで寝てしまい、起きて誰が散らかしたのか?と自分でやった事を覚えてなかった事です
・紅茶を飲もうと思ってティーバッグの袋を開けて、袋を捨てたつもりがティーバッグを捨てていた。しばらく気付かず、お湯を入れる時になって「えっ?!ティーバッグが無い!!何で?!」となった。
・自宅でインスタントラーメンを食べてたら眠くなり、頭を突っ込んで丼ぶりをひっくり返し、自分の太もも部分がラーメンだらけになりました。ぬるかったので、やけどはしませんでした。
・煮込むインスタントラーメンの麺を寝ぼけてそのまま食べた
・食べ物をリップだと思って塗ったりした    
・お弁当を持って行ったつもりが前日残ったご飯を入れたタッパーを持っていってしまった
・すでに飲みかけの缶コーヒーなのに、まだ開けてないと勘違いして振ってしまった?頭からコーヒーかぶった!無糖だったの乾いてもネバネバにはなりませんでした。よかった!チャンチャン(笑)  
・飲みかけのファンタグレープの缶にタバコの吸殻入れてそのまま飲んだ(汗)
・ペットボトルにした小便をお茶と間違えて飲んだ 
<失言シリーズ>
・もらっていないお年玉のお礼を言った。
・授業中居眠りしてたら、指されてお母さんと呼んだ
・居酒屋で飲んでいて眠くなってきた頃に、店員さんの「いらっしゃいませ!」につられて私も「いらっしゃいませ!」と言ってしまった。その頃は接客業をしていたので… 
・帝王切開の麻酔が覚めかけの時、主人と間違えて、主治医に『ダーリン』と呼びかけてしまった。
<トイレシリーズ>
・トイレいく夢みておねしょしました。(31歳)
・酔っ払って帰って、トイレと間違えて廊下でオシッコをした事。
・トイレに行ってズボンを脱いだら鏡台の椅子だった。もう少しで出すところだった…
・子供の頃、夜中にトイレに起きた時、寝ぼけてて階段で放尿したことがあります。
・子供の頃、トイレだと思ってテレビにオシッコをしてしまいました。
・だいぶ昔の事ですが、トイレと風呂を間違えて風呂で小便をしてしまった事。 
・冷蔵庫開けて中にオシッコした
・寝ぼけてトイレに行き、ふたを開けずに小をして跳ね返り足がズブ濡れ。
・ずーっと小さかった時だけど、寝ぼけて畳の上でしゃがんでおしっこしようとしたことがある。母親に慌てて止められて未遂に終わったけど、なぜかその時意識はあって、自分の行動は覚えてる。ホントに寝ぼけてたみたい…
・トイレに行った時に、寒いからとスパッツを履���ていたのを忘れて、ズボンとスパッツだけおろして、パンツを下ろすのを忘れたまま用を足してしまった。
<誤操作>
・旦那に送るはずのLINEを上司に送った…
・会社のPCに、なんか色々書き込みして、放置
・夜中に寝ぼけながらスマホをいじっていたら、操作を誤って担任しているクラスの保護者に電話をかけてしまった
・友達にLINEを返している間にまた寝てしまい、すごい誤字った文章を送ってしまった 
・嫌いな人の過去のツイートを見ていてうっかりいいねを押してしまった。すく解除したが、相手に連絡が行ったようでブロックされた。
・寝惚けてる時にメールで告白して朝起きたら振られてた。夢であってほしかった…。
・片思い中の人によく分からない誤字脱字だらけのメールを送った
・お気に入りの配信者へのプレゼントを送るときに、住所等を伏せる設定にしなければならなかったのに、寝る直前だったので寝惚けてそのまま全て公開して送ってしまった。
・メルカリで、取引中の相手に訳の分からないメッセージを送っていた。
・Amazonを見ながら寝落ちして、間違えて注文ボタンを押してしまいました。
・クレジットカードのアプリを開きっぱなしにして寝てしまい、一括払いからリボ払いへ変更してしまったみたいだ。
・当時プレイしていたソシャゲを寝ぼけて起動してしまったまではよかったが、ソシャゲは立ち上げ時にオススメパックの宣伝画面になることが多く、パック購入画面に進んでしまい、そのまま顔認証で1番高額のパック購入をしてしまった。
・インターネット通販サイトで、本人の希望を確認しないうちに、ランドセルをポチっていました…。翌日、身に覚えの無いクレカ利用の速報メールが届き、それなりのお値段な事もあり肝が冷えました。結果的にとても気に入ってくれたので助かりましたが…一生の思い出になる品なので、もっと親子でじっくり話をしながら選びたかったです。
・普段なら絶対に引っ掛かることのない詐欺サイトでカード情報入力。後日カード会社から連絡が来て発覚。。被害額がまだ1円だけだったので気づいて連絡くれたカード会社の方には本当に感謝しています。
<ペットに…>
・近づいて来た愛犬を罵倒してしまった。怖がらせてしまった。
・猫を蹴飛ばしてしまった
・起きたら顔の近くにウサギがいて、寝ぼけていた為に「ふわふわのタオル」だと思って顔を拭いた。全力の蹴りを喰らった。
・冷蔵庫開けて、生卵取ってそのまま愛犬に……愛犬不思議な顔してた
<後の修羅場である>
・寝言で彼女の前で元カノ名前を言ってしまったらしい。
・今の妻と結婚前に一緒に寝ていて、寝ぼけて違う名前を呟く
・新婚の時に、寝ぼけて、主人に、誰?って言ったことがある?
・酒を飲んで寝たあと寝ぼけて関係を持ってしまい、相手に子ができた
・隣に寝ているのが女友達だったんだけど寝ぼけてて彼氏だと思ってて股間をまさぐっていた
・嫁と間違えて母にキスした!
・あるあるですが、今カレを呼ぶ時に元カレの名前を呼びました。寝言のようにごまかしたけど、その日は一日中機嫌が悪かったので気づいてしまったんですね私の元カレが、自分(今カレ)の上司だってことに。
<電話シリーズ>
・電話が鳴ったので、寝ぼけたまま応答して知らない人と30分以上話をしたこと
・朝3時に、寝ぼけて、疎遠の友人に電話をかけてしまった。
・寝起きに就活の面接の連絡がきて、なんと答えたか解らなくなって焦った
・昼寝してて電話が鳴り寝ぼけてバイト先の店名を言ってしまい、よりによって所作や作法に厳しい親戚の叔父でこっぴどく1時間に渡り電話口で説教された
・当時付き合っていた彼と電話をしていて、夜も更けたしお互い眠くなったので、電話を切った。その直後に着信があり眠かったのもあり、確認せずに彼だと思って『も?、どうしたのぉ。もうさびしくなっちゃったのぉ?』と甘えた声で出たら友人だった。『あんた何言ってんのよ』と爆笑された。
・部活をズル休みした時に先輩が心配して電話してきたのに声が同級生の声に聞こえタメ口で答えてしまい挙句の果てにズル休みの理由も話してしまった。
・高校生の夏休み、連日バイトと部活の両立で寝不足で、バイトから帰ってきて仮眠していた。顧問から用事で電話がかかってきたけど、眠さMAXでかなり寝ぼけて電話応対してしまった。友達感覚で話せる先生ではあったが、友達にもやらないような不機嫌な対応してしまった。その時は夢見たと思ってたが、顧問に電話したよ、と言われてうっすら思い出してきて、本当にどうしようもなかった  
・電話がかかってきて、それに起こされ慌てて出た為、ものすごくテンションが低く声もかすれていて、とっても感じ悪くなってしまった。相手はかかりつけの病院からで検査予約日の変更のお願いだったのだが時間的にも寝ていたとは言えず、後日病院に行った時に最近怪しい電話ばかりかかってきているので電話に出るときはあんなに感じが悪くなってしまいすみませんでしたと平謝りした。
<身だしなみ>
・化粧。まゆげ書き忘れて眉無しオバケで会社に行った。メイク直しも持っていなったので鉛筆で書いた。
・寝坊して会社に遅刻しそうになった時に、スカートを履くのを忘れてストッキング姿で家を飛び出したことがある。
・小学生の頃に寝ぼけてランドセルを忘れて登校し、中学生の頃はパジャマで登校しかけた。寒い冬じゃなかったら学校着くまで気づかなかったかも。
・パジャマの下を履いたままズボンを履いて出勤したことがあります。何だか足が��く疲れてるのかな?と感じてましたが、帰宅してからパジャマを履いてることに気づいて納得した、というか、それまで気づきませんでした。
<塩対応>
・寝ぼけていて、家族を怒ってしまった事があります。後で冷静になってみたら、怒る事でもなかったと、反省してます。
<あわや大惨事>
・寝ぼけながらタバコを吸っていて気付かぬうちに火種が落ちていた。煙が出ていたことに自分は気付かず、父親が慌てて叩いて消していた。一人だったら火事になっていたと思う。
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guragura000 · 4 years
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海辺の洞窟
 リネン君は、誰よりもまともです、という顔をして、クズだ。彼の中身はしっちゃかめっちゃかだ。どうしたらそんなにとっ散らかることができるのか、僕には分からない。
 彼の朝は床から始まる。ベッドに寝ていた筈なのに、いつの間にか転がり落ちているのだ。頭をぼりぼり掻きながら洗顔もせずに、そこらに落ちている乾いたパンを食べる。前日に酒を飲んでいたのであれば、トイレに行って吐く。
 それから自分を寝床から蹴落とした女を見やる。それは顔も知らない女であったり、友人の彼女であったり、上司の妻であったりする。ともかく面倒くさそうな女だ。
 ここで必ず電話が鳴る。誰もがリネン君が起きる瞬間を見計らったように電話をよこす。それとも彼の体が電話に備えるようになったのか。まあ、どちらでもいい。
 電話の向こうは女の関係者で、烈火の如く怒っている。朝から怒鳴り声を聞くのは気分のいいものではない。口の中から胆汁がしみ出してくるような心地になるので、黙って切る。
 リネン君にとって、彼女とその関係者の将来など、自分には関係のないことなのである。いやいや彼は彼女らの人生に大いに干渉しているのだが、リネン君は全ての責任を放棄しているのだ。誰が何と言おうと、彼は彼の行動の責任をとらないし、とるつもりもない。だからどうしようもない。
 そうこうしているうちに女が目覚める。彼女はリネン君の消えゆく語尾から、彼氏や旦那の名前を聞き取るだろう。次の瞬間彼女はヒステリックに喚き出し、リネン君は自室を追い出されるはめになるわけだ。
 リネン君はあくびをしいしい喫茶店に入り、仕事までの時間を潰す。休日であれば友人なのか知り合いなのか曖昧な人間と遊ぶ。暇な輩がつかまらなければ、その辺をうろつく汚い野良猫とたわむれる。リネン君は大抵の人には煙たがられるが、動物には好かれるのである。
 リネン君は出会う人々とろくでもない話をする。誰かを笑わせない日はないし、誰かを傷つけない日もない。彼は湧き上がった感情を、健全であれ不健全であれ、その場で解消するだけなのだ。
 僕等は同じアパートに住んでいる。リネン君の部屋は一階の一番端っこ、僕の部屋は二階の階段のすぐ隣だ。親しくなる前から彼の顔は知っていた。朝、父さんに言われて新聞を取りに行くと、みちみちにチラシの詰まった郵便受けの前で悪態を付いている彼を時々見かけた。母さんから、
「あんな人と付き合っちゃダメよ」
とお叱りを受けたこともある。その理由を聞くと、
「しょっちゅう女の人を連れ込んでいるみたいだし、毎晩のように酔っ払って何かを叫びながら帰ってくるし、たまに非常階段で寝てるし、ゴミは分別しないで出すし、昼間もふらふらして何をしているか分からないし、無精髭を剃りもしないしこの間だって⋯⋯」
と、このように、大人達のリネン君の評判はよろしくなかった。
 僕等はアパートの庭に設置されている自販機の前で出会った。リネン君の第一声は、
「おい。五十円持ってないか」
だった。小遣いでジュースを買いにきた小学生にかける言葉ではないと思うが、いかにも彼らしい。リネン君はたかった金で手に入れたエナジードリンクを一気に飲み干した。それから隣でグレープジュースをちびちび啜っている僕を、
「ガキ。礼に煎餅やるから来い」
「え? でも知らない人の家に行くなって母さんから言われてるし」
「親離れは早いにこしたことない。いいから来い」
「え、あ、あの、ちょっと」
誘拐まがいに部屋に招いたのだった。
 そうして僕は彼と親しくなった。もちろん母さんには内緒で。
 彼の部屋は余計なものでいっぱいだ。年期の入った黒電話、聞きもしないレコード、放浪先で見つけてきた不気味な雑貨、または女性。つまり彼の部屋は子どもの暇つぶしにもってこいの場所なのだ。
「リネン君はどこから来たの?」
 僕が尋ねても、彼はにんまり笑って答えない。
「俺がどこからやってきたかなんて、お前には関係ないことだろ?」
「じゃあこれからどこへ行くの?」
「嫌なことを聞くやつだな、お前は」
 リネン君は心底うんざりした顔で僕を睨みつけた。けれど僕は睨まれても平気だ。大人は彼を怖がるけれど、僕はそうではない。彼は子どもと同じだ。好きなことはやる。嫌いなことはやらない。それだけ。それは子どもの僕にとって、非常に理にかなったやり方に思える。
 大人は彼をこう呼ぶ。「根性なし」「我がまま」「女たらし」「クズ」⋯⋯。
 リネン君は煙草をくゆらせる。
「近所のババア共ときたら、俺の姿が見えなくなった途端に悪口おっ始めやがる。常識人になり損なっただけなのにこの言い草だ。奴らに面と向かって啖呵切る俺の方がよっぽど潔いぜ。違うか?」
 本人はそう言っているが、リネン君は陰険だ。この間なんて仕事で成功した友人の彼女と寝て、絶交を言い渡されてされていた。僕には確信犯としか思えない。
「バカ言え。どうしてそんな面働なことをやらなくちゃならない? 俺はな、他の奴らの目なんてどうでもいい。自分の好きなことに忠実でありたいだけだ」
 リネン君は良くも悪くも自分の尻拭いができない。つまりクズっていうのは、そういうことだと思う。
 とはいえ彼は僕に良くしてくれる。
「林檎食うか?」
 彼は台所から青い林檎を放ってくれた。
「ありがと」
 僕は表皮を上着の袖で拭き、がじっと齧る。酸っぱくて唾液がにじむ。リネン君は口いっぱいに食べカスを詰め込みながら、もがもがと言った。
「そういや隣の兄ちゃん、引っ越したからな」
 なぜとは聞かなかった。リネン君が原因だと察しがついたからだ。
「どうせ彼女を奪ったんでしょ」
「『彼女を奪う』か。『花を摘む』と同じくらいロマンチックな言葉だな。お前、いい男になるよ」
「適当なこと言って」
「悪いな、またお前の植木鉢から花を摘んじまったよ」
「本当に悪いと思うなら、もうこんなことやめてよね」
「駄目だ。夜になると女が欲しくなる。こう見えても俺は寂しがり屋だからな」
「うえー、気色悪っ。⋯⋯それでお兄さんはどこに?」
「浜辺の廃屋に越したって。遊びに行こうったって無駄だぜ。あいつ、彼女にふられたショックで頭がおかしくなっちまって、四六時中インクの切れたタイプライターを叩いてるんだそうだ」
 彼女にふられたショック? それだけではないだろう。リネン君の残酷な言葉に弱点を突かれたのだ。
 人間は隠そうとしていた記憶、もしくはコンプレックスを指摘されると、呆れるほど頼りなくなるものだ。ある人は気分が沈みがちになり、ある人は仕事に行けなくなる。リネン君は、大人になるということは秘密を隠し持つようになることだ、と言う。
 つまり、と僕は子どもなりに解釈する。大人達は誰もが胸に、洞窟を一つ隠し持っているのだ。穴の奥には宝箱があって、そこには美しい宝石が眠っている。宝石は脆く、強く触れば簡単に壊れてしまう。彼らは心を許せる仲間にだけその石を見せる⋯⋯と、こんな具合だろうか。
 リネン君は槍をかついでそこに押し入り、宝石を砕いてしまうのだろう。ばらばらに砕けた宝物。リネン君は散らばる破片を冷徹に見下ろす。物語の悪役のように⋯⋯。
 ではリネン君の洞窟は? 彼の胸板に視線を走らせる。何も見えない。堅く堅く閉ざされている。僕は酸っぱい林檎をもう一口齧る。
 午後の光が差す道を、僕等は歩いた。今日の暇つぶし相手は僕というわけだ。
「リネン君」
「何だ」
「僕、これ以上先へは行けないよ。学区外だもの」
「そんなの気にするな。保護者がついてるじゃないか」
 リネン君は自分を指差した。頼りになりそうもない。
「学校はどうだ」
「楽しいよ」
「嘘つくんじゃない」
「嘘じゃないよ。リネン君は楽しくなかったの?」
「楽しくなかったね。誰がクラスメイトだったかすら覚えていない。あー、思い出したくもない」
 路地裏は埃っぽく閑散としていた。あちこちに土煙で茶色くなったガラクタが転がり、腐り始める時を待っている。プロペラの欠けた扇風機、何も植えられることのなかった鉢、泥棒に乗り捨てられた自転車⋯⋯。隙間からたんぽぽが図太く茎を伸ばしている。僕達はそれらを踏み越える。
「友達とは上手くやれているか」
「大人みたいなことを聞くんだね」
「俺だって時々大人になるさ」
「都合の悪い時は子どもになるくせに?」
「黙ってろ。小遣いやらないぞ」
「ごめんごめん。友達とはまあまあだよ」
「どんな奴だ」
「うーん」
 僕はそれなりに仲のいい面子を思い浮かべる。けれど結局、分からない、とだけ言った。なぜなら誰であっても、リネン君の擦り切れた個性には敵わないように思えたからだ。僕の脳内で神に扮したリネン君が、同級生の頭上に腕組みをしてふんぞり返った。
「どいつもこいつもじゃがいもみたいな顔してやがる。区別がつかねえのも当然だ」
 リネン君はまさに愚民を見下ろす神の如くぼやく。だが僕は彼を尊敬しているわけではない。むしろ彼のようになるくらいなら、じゃがいもでいる方がましだと思う。
「ところでリネン君、僕等は一体どこに向かっているの?」
 彼の三角の鼻の穴が答えた。
「廃墟だよ。夢のタイピストに会いに行く」
 潮の匂いに誘われ松林を抜けると、そこは海だ。透き通った水色の波が穏やかに打ち寄せる。春の太陽が砂を温め、足の裏がほかほかと気持ちいい。リネン君の頭にカモメが糞を落とす。鳥に拳を振り上げ本気で怒り狂う彼を見て、僕は大笑いする。
 その建物は浜辺にぽつりと佇んでいた。四角い外観に白い壁、すっきりとした窓。今は壊れかけて見る影もないが、かつては垢抜けた家だったのだろう。
ペンキが剥げたドアを開ける。錆びた蝶番がひどい音を立てる。中はがらんとしていた。一室が広いので、間取りを把握するのに手間取る。主人を失った椅子が一脚悲しげに倒れている。家具といったらそれきりだ。天井も床もところどころ抜けている。まだらに光が降り注ぎ、さながら海の中のようだ。
 空っぽの缶詰を背負ったヤドカリが歩いている。リネン君がそれをつまみ、ふざけて僕の鼻先に押しつける。僕の悲鳴が反響し消えてゆく。本当にここにお兄さんが住んでいるのだろうか。
「どこにいるってんだ。これだけ広いと探すのも手間だぜ」
リネンくんは穴の空いた壁を撫で、目を細める。
「僕は何だかわくわくするな。秘密基地みたいで」
「だからお前はガキだってんだ」
「うるさいな⋯⋯あ」
「あ」
 僕等はようやく彼を見つけた。
 お兄さんは奥の小さな部屋にいた。バネの飛び出た肘掛け椅子に座り、一心不乱にタイプライターを叩いている。紙に見えない文字が次々と刻まれてゆく。テーブルには白紙の「原稿」が山積みになっていた。僕等は息を呑み、その光景に見入る。
僕は目の前の人物がお兄さんだと信じることができなかった。きらきらしていた瞳は濁っていた。締まった頬はこけていた。真っ直��だった背骨はたわんでいた。若さでぴんと張ったお兄さんは、くしゃくしゃになっていた。
「ご熱心なことで」
 リネン君はテーブルに寄りかかり、これみよがしに足を組む。
「おい、元気か」
 お兄さんは僕等に目もくれない。リネン君は溜息を吐く。
「聞こえてるのか」
 先程よりも大きな声だった。沈黙が訪れると、キーを叩く音だけがカチャカチャと鳴った。呼吸のように規則正しく。カチャカチャカチャ、チーン。カチャカチャカチャカチャ、カチャ。
 リネン君は懲りずに話しかける。
「何を書いてるんだ。小説か。いいご身分だな。ちゃんと物食ってるか。誰が運んでくれてる。あの女か?答えろよ。答えろっつうんだ。おい!」
 かつてお兄さんは僕とよく遊んでくれた。爽やかに笑う人だった。時折食事に誘ってくれた。決まって薄味の感じのいい料理だった。彼女が顔を出す日もあった。彼に似て優しい女性だった。リネン君が彼女を知るまでは。
「お前、俺が彼女と寝てからおかしくなったんだってな」
 リネン君はねちっこい口調で囁く。
「脆いもんだ、人間なんて。そうだろ? 好青年だったお前がこんなに縮んじまった。どうしたんだ? 筋トレは。スポーツは。やめちまったのか���。友達は会いにこないのか? そうだよな。病人と面会なんて辛気臭いだけだ。
 お前は何もかも失ったんだ。大事なものから見放されたんだ。良かったなあ、重かっただろ。俺はお前の重荷を下ろしてやったんだよ。大事なものを背負えば背負うほど、人生ってのは面倒になるからな。
 にしても、たかが女一人逃げたくらいで自分を破滅させるなんて馬鹿なやつだな。お前は本当に馬鹿なやつだよ」
 お兄さんは依然として幻の文字を凝視している。それにもかかわらず毒を吐き続けるリネン君がやにわに恐ろしくなる。一度宝石を砕かれた人は、何もかもどうでもよくなるのかもしれない。何も感じることができない空っぽの生き物。それは果たして人間なのだろうか。もしかしてリネン君の石は、もう壊されてしまった後なのかもしれない。
 チーン。
 お兄さんが初めて身動きをした。原稿が一ページできあがったらしい。彼は機械から完成品を抜き取ると、ロボットのように新たな用紙をセットした。後は同じことの繰り返しだった。決まったリズムでタイプを続けるだけ。カチャカチャカチャカチャ。
 リネン君は舌打ちをした。
 僕等は廃屋を後にした。夕日が雲を茜色に染め上げる。水平線が光を受けて星のように瞬いていた。海猫がミャアミャア鳴きながら海を越えてゆく。遠い国へ行くのだろうか。
「壊れた人間と話しても張り合いがねぇな。ったく時間の無駄だった。まともな部分が残ってたら、もう少し楽しめたんだがな」
 リネン君はクックック、と下劣な笑いをもらす。仄暗い部屋で背中を丸めていたお兄さんの横顔が頭をよぎる。
「リネン君、どうしてお兄さんだったの?」
 僕はリネン君に問いかける。糾弾ではなく、純粋な質問だ。リネン君は億劫そうに髭剃り跡を掻きむしった。
「お前には関係のないことだろ」
「お兄さんに何かされたの? お金がほしかったの? それとも彼女さんが好きで妬ましかったの?」
「どれもガキが考えそうなことだな」
「ねえ、何で? 教えてよ」
 彼は僕の肩をぽんと叩いた。それで分かった。彼は僕の問いに答えてはくれないだろう。明日も、明後日も、その先も。ひょっとするとリネン君も、自分がどうしてそうしてしまうのか分からないのかもしれない。だから洞窟荒らしを繰り返してしまうのかもしれない。それは彼の壊れた宝石がさせることなのかもしれない。ずっと、ずっと前に壊れてしまった宝石が。
 僕は彼の手を握る。
「僕には何でも話してよ。僕、子どもだし。大人の理屈なんて分からないし。リネン君が話したことは誰にも言わないよ。友達にも絶対。だからさ⋯⋯」
 リネン君は鼻をスンと鳴らした。何も言わなかったけれど、僕の手を払いのけることもしなかった。
 僕等はとぼとぼと暮れなずむ街道を歩いた。夜が深まるにつれ、繁華街のネオンがやかましくなる。リネン君は殊更騒がしい店の前で立ち止まると、
「これで何か食え」
僕に小銭を握らせドアの向こうに消えた。
 近くの自販機でコーラを買う。プルタブを開けると甘い香りが漂う。僕はリネン君の部屋に放置されていたビール缶の臭いを思い出す。どうして黄金色の飲み物からあんな臭いがするのだろう。コーラのように甘やかな匂いだったらいいのに。そう思うのは、僕が子どもだからなのだろうか。
 僕は全速力で走る。野良犬にちょっかいをかけていたら、すっかり遅くなってしまった。早く帰らないと母さんに怒られるかもしれない。これまでの時間誰と何をしていたのか問い詰められたら、リネン君のことを白状しなければならなくなる。自白したが最後「あんな人と付き合うのはやめなさい」理論で、監視の目が厳しくなるかもしれないのだ。
 慌ててアパートの敷地に駆け込んだ時、リネン君の部屋の前に女の人が座り込んでいるのが見えた。臍が出るほど短いTシャツ、玉虫色のジャケット、ボロボロのジーンズ。明るい髪色と首のチョーカーが奇抜な印象だ。切れかけた電球に照らされた物憂げな顔が気にかかり、つい声をかけてしまう。
「あの。リネン君、しばらく帰らないと思いますよ。居酒屋に入ってったから」
 女の人は僕を見た。赤い口紅がひかめく。瞬きをする度、つけ睫毛からバサバサと音がしそうだ。彼女はかすれた声で返事をした。
「そう。だろうと思った」
 彼女はラインストーンで飾られたバックから煙草を取り出し、火をつける。煙からほのかにバニラの香りがした。
「君は彼の弟?」
 僕はぶんぶんと首を横に振る。これだけは何が何でも否定しなければならない。
「ふーん。じゃ、友達?」
「そんなところです。僕が面倒を見てあげています」
「あいつ、いい歳なのに子どもに面倒見られてるんだ。おかしいの」
 女の人はチェシャ猫のようににやりと笑った。彼女は派手な上着のポケットをまさぐる。
「ほら、食べな」
 差し出された手にはミルク飴が一つ乗っていた。
「あ。有難うございます」
「あたしミクっていうの。よろしくね」
「よろしくお願いします」
 僕は彼女の横に腰かけ、飴玉を頬張った。懐かしい味が口内に広がる。ミクさんは足を地べたに投げ出し、ゆらゆらと揺らす。僕も真似をした。
「ミクさんはリネン君の彼女なんですか」
「はあ? 違うって。昨日あいつと飲んでたら突然ここに連れ込まれちゃって、明日も来いなんて言われてさ。暇だから何となく寄っただけ。彼氏は他にいる」
 恋人がいるのに名も知らぬ男の家に二晩続けて泊まりにくるなんて、やはり大人の考えることはよく分からない。
「それにあいつ、彼女いるんじゃないの?」
「えっ。いないですよ」
 正しくは「ちゃんとした彼女はいない」だ。
「そうなの? 昨日彼女の話で盛り上がったのになあ。じゃあ思い出話だったんだ、あれ」
 好奇心が頭をもたげる。僕はわくわくと聞き返した。
「リネン君が言う彼女って、どんな人だったんですか?」
「えーとね。確か大学で知り合って」
 リネン君、大学なんて行ってたんだ。
「サークルの後輩で」
 サークル入ってたんだ。
「大人しくて可愛くて料理が上手くて守ってあげたくなる感じで」
 そんな人がリネン君と付き合うだろうか。
「結婚しようと思ってたんだって」
「まさか!」
「うわ、びっくりした。突然叫ばないでよね」
「すみません。今のリネン君からは全く想像できない話だったもので」
「そんなに?」
 やっぱ君っておかしいの、とミクさんは微笑む。
「どんな人にも、こっそり取っておきたい思い出って、あるからね」
 僕はひょっとして〝彼女〟がリネン君の宝石だったのではないかと推測し、やめた。いくら何でも陳腐だし、ありきたりな筋書きだ。恐らく宝石はもっと複雑で、多彩な色をしているはずだから。
ミクさんはあっけらかんと言う。
「ま、君の反応を見る限り、彼女の存在もあいつのでっちあげだった可能性が高いけど」
大いに有り得る。彼女は腰を上げスカートの砂を払った。
「行くんですか?」
「うん。君もそろそろ帰る時間でしょ?」
「リネン君にミクさんが来たこと、伝えときましょうか?」
「いいよ。この分じゃ、約束したことすら覚えてないと思うから」
ミクさんは僕に溢れんばかりにミルク飴を握らせると、
「またどこかでね」
カツカツとヒールを鳴らして立ち去った。
 ドアを開けた瞬間母さんがすっ飛んできて「心配したのよ!」と怒鳴った。
「まあ許してやれよ、男の子なんだから。なあ?」
「お父さんは黙ってて!」
「はい」
どうして僕の周りの男どもはこうも頼りないのか。
母さんにこってりしぼられながら、僕はかつてのリネン君の恋人を思い浮かべる。まなじりは涼しく吊り上がり、心なしか猫に似ている。けれどリネン君がどんな顔をして彼女に接していたのかという点においては、全く想像がつかない。
女性を抱いては捨てるリネン君。皮肉を言ってばかりのリネン君。人を廃人にするリネン君。リネン君にとって今の生活は、余生でしかないのだろうか。
洞窟は宝石の輝きを失ったら、どうなるのだろう。僕等は心が壊れても死なないけれど、それは果たして幸福なことなのだろうか。人は肉体が朽ちるまでは何があっても生きる運命だ。この体は意外と頑丈だから。
「聞いてるの?!あんたって子は本当に⋯⋯ちょっと、誰からこんなにミルク飴貰ったの!叱られながら舐めないの!」
「痛っ!」
頭をはたかれた衝撃で、口の中の飴がガチンと割れる。
僕の宝石は誰にも見つからないように、奥深くに隠しておこう。誰かが洞窟に侵入した場合に備え、武器を用意しておこう。相手を傷つけることのない柔らかな武器を。もしかしたらその敵は、リネン君かもしれないから。
僕がお説教されている頃、孤独なタイピストの家に誰かが食事を運んでいた。カーテンの向こう側に蝋燭の火が灯され、二人の影が浮かび上がる。
古びた机に湯気の立つ皿が置かれると、お兄さんはぴたりと手を止める。彼は凝り固まった体をやっとのことで動かし、痩せ細った手でスプーンを掴む。
その人は彼が料理を口に運ぶのを、伏し目がちに、いつまでも見守っていた。
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mashiroyami · 4 years
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Page 114 : 月影を追いかけて
 静かな空間では、時に、些細な音も雷鳴のごとく響く。ポケギアが鳴り、アランの表情は瞬時に緊迫した。  たった一人登録された、限られた人物からだと画面で確かめ、すぐに回線を繋ぐ。 「もしもし」 『手がかりがありました』  前置きも無く、開口一番端的に告げられたため、アランは一瞬耳を疑ったが、聞き違いではない。息を詰め、耳を傾ける。  次のように続く。  クヴルールの伝を使い町のいたる地点に設置された防犯カメラを確認したところ、キリの中心市街地にて何度か光の輪の残像が発見された。夜間照明に照らされた黒い肢体はまさにブラッキーのものであったという。とはいえ、町をあげた祭ともあり前日から外部から多数の観光客が足を運んでいるため、かのブラッキーであるという確証は無い。しかしそもそも希少価値の高い種族であり、誰も彼もトレーナーの傍を離れて夜の町を疾走しているとは考えづらい。野生である可能性も低い。となれば、あのブラッキーである可能性は自然と高くなる。  問題は現在地である。 『現在作動しているカメラにはどこにも姿が見えません。記録を元に足取りを追うと可能性が高いのは中心街付近となりますが』 「昨日もその辺りは行ったんですが」 『歓楽街の方面は?』  アランは口を噤んだ。  日が沈んで代わりに起き上がる場所、夜の店で煌めき、ネオン色が明滅し、色香が漂い酔い狂う歓楽街はキリにも存在する。特に昨夜は祭の前日ともありとりわけ人通りが多かった。エーフィを従えていたとはいえど、土地勘が無く気圧されたアランは踏み込めなかった。鮮やかな嬌声の纏わり付く賑やかな場所にブラッキーが潜り込むとも考えづらかったということもあっただろう。回り込んで他の場所をあたっていた。  しかし、夜の街は朝に眠る。夜が明けた今ならば、人通りはあっても夜間に比べれば安全だろう。エクトルが傍らに居れば尚更である。 『その付近に居た形跡も残っています。とはいえ、遠く移動している可能性も否定できません』 「勝手な予想ですけど、そう遠くまでは行っていない……行けないと思います」 『何故?』 「むしろ、動き回る姿の方が想像できません、最近の元気の無さを思い返すと。今は例外なんですけど」  エクトルは沈黙した。 「考えが甘いですかね」 『いえ。……いや、甘いといえばそうかもしれませんが、ブラッキーを一番理解しているのは、貴方でしょう』 「そんなことは、ないです」  一つ一つの音に力を込めて弾き出すように、語気を強くした。 『……とにかく、行ってみる価値はあるかと。ネイティオには引き続き未来予知で探らせます』 「分かりました」  まだ部屋にいることを伝え回線を切断すると、アランは身支度をする。身支度といっても、改まってするといえば、うなじを完全に覆うように伸びた髪を小さな尻尾のように括るだけだ。  エーフィと共に部屋を出る。急ぎ足で外へ向かうと、部屋に居ては気付けなかった町の賑わいに足を止めた。  雲一つ無い爽快な空から降り注ぐ白い朝日が町を照らし、白壁は眩しく反射する。大通りの方面から薄らと明るい笑声や音楽が流れてきて、陽光と混じって白壁を反射し町へ浸透している。早朝は誰一人見かけなかったホテル前も、ずらずらと人波が出来ていた。道行く人々は揃って湖へと向かっている。それぞれの傍で種類豊富な羽ばたきが行き交った。もうじき祭の目玉の一つであるポッポレースが開催される。  エーフィに気が付いた人はさり気なく若紫の柔らかな肢体に目配せする。注目自体は既に幾度も経験している。首都の人口密度に比べてしまえば空いているものの、好奇を寄せられる数が、明らかに多い。アランは小さな両の拳を固く握った。 「ブラッキーを、早く見つけなきゃ」  焦燥は滲んでいない。締まった顔つきで呟くと、エーフィも肯いた。  栗色の視線が上がる。エクトルは道路を挟んで向こう側、建物の屋根の下にいた。 「エクトルさん」  器用に立ったままノートパソコンを操作しているエクトルに声をかけると、彼は画面から目を離した。 「ああ。少しは休まれましたか」 「はい、ちょっとだけ」  病的なまでに青白かった頬は僅かに血色を取り戻し、声にも張りがある。頷いたエクトルは、パソコンをひっくり返し、アランに画面を見せる。  画質は悪いが防犯カメラの映像が敷き詰められており、それぞれ蠢く人影がリアルタイムで映し出されていた。アランは目を丸くする。 「こんなの、ここで見ていいんですか」 「さて」  濁した横で絶句するアランをよそに、欠片も悪気を感じていないようにエクトルは淡々と操作し、無数にあるうちの一つの映像を拡大する。 「この時間帯に」  昨晩、二十時十一分。  電灯に設置されているものか、僅かに上空から映した道路を一瞬、黒と黄色の残像が横切って、すぐに停止する。時間を調節して、まさに横切ろうとした瞬間で止めると、その姿形は街灯の下に明らかとなる。  探し求めている姿を画面越しに発見し、アランは息を止めた。 「……良かった」  ぽつんと零して、エクトルは彼女を見た。  顔が綻ぶと思いきや、安堵を示す言葉とは裏腹に緊張は保たれている。 「少しは、安心されましたか」 「はい」アランは言う。「どこかで動けなくなってるんじゃないかとか、誰かに捕まっていないかとか、そういうことにはなっていなさそうで、良かったです」  エクトルは小さく頷く。  確かに、ブラッキーは稀少なポケモンであるが故、野生と勘違いされれば、血気盛んなポケモントレーナーの前に現れれば捕獲に傾くのも可能性としてはある。小規模とはいえ、ポケモンバトルの大会もイベントとして行われるのだから、腕自慢のトレーナーがいてもおかしくはない。だが、捕獲用のボールに入れられ「おや」が認証されているポケモンは、基本的には捕獲できない。ポケモンについて少しでも知識を囓っていれば誰もが知る常識事項である。  一方、例外もある。  トレーナーのいるポケモンが犯罪行為に及んでいる際、現場を抑え込むために特殊なボールを使って強制的に「おや」を上書きし捕獲に踏み込む場合がある。倫理規定の側面からすれば黒寄りのグレーゾーンだが、小さくはない抑止力を持つ。一歩間違えれば犯罪に使われかねないため、普段は首都アレイシアリス・ヴェリントン中央区にある警察庁にて厳重に管理されているとエクトルは噂に聞いている。必要時にはテレポートで各地に飛んでいけるだろうが、今回のような片田舎のたった一匹の脱走劇に使用されるとは考えにくい。  制止し難い行為、たとえば、無差別な殺戮さえしなければ。最も、そのような事態に至れば捕獲というレベルに収まらない場合もある。  幸い、ブラッキーが攻撃行為に及んでいる話は流れてきていない。恐らくは、彼はただ逃げて、どこかに身を隠している。既に理性を取り戻していれば、ひとまずは穏便にアランの元へ帰ってこられるだろう。だが、ブラッキーに会わなければ話は進まない。 「比較的人通りの少ない細い道を選んでいるように見えますね。稀少なポケモンですから、近辺に聞き込みをすれば、目撃情報も得られるかもしれません」  エクトルはパソコンを操作し、今度は画面に地図を広げる。色素の薄い画像はキリの中心街を示しており、目を引きつける赤のマーキングが点々とつけられている。ブラッキーの姿を確認した地点である。彼の辿った道筋が浮き上がってくる。  まっすぐ道を疾走しているのではなく、迷うように右往左往としていた。同じ場所を数回通過している様子が窺えるが、二十二時頃を境に足取りが忽然と消えている。既に半日近く経過している。遠方に逃げ去っている可能性も捨てきれないが、中心街を彷徨っている様を汲み取れば、まだ希望は捨てきれない。 「隠れているんでしょうか」 「その可能性もあります」 「行きましょう」  アランが即座に言う。エクトルは頷いた。  場所としては遠くない。徒歩で中心街の方面へ向かう。  大通りに出て彼女達の視界を埋め尽くすのは、朝から活力を漲らせている祭の光景であった。  各地から町を繋ぐ駅を要し活発に人が行き交うそこは、湖畔とは別に、花々の飾り付けは勿論のこと、食事や雑貨の並ぶ出店が立ち並び、香ばしい匂いが漂う。大道芸人が道端でパフォーマンスを披露して歓声が飛び、青空に相応しい金管楽器の華やかな音声が突き抜ける。クラシックギターを使った弾き語りに観衆が聴き入っている横で、人慣れしているのであろうピジョットのような大きな体格の鳥ポケモンが注目を浴びていた。上空の旗には小型の鳥ポケモンが並んで毛繕いに勤しんでいる。駅前から湖畔へ伸びる大通りは朝から歩行者天国となっており、浮かれた子供達が走り回る声に、忙しなく湖畔へ足を向ける町民や観光客の期待を込めた声に、彩色豊かにごった返していた。  仮にあのフカマルがいれば、喧噪に煽られ盛り上がる姿が見られたことだろう。もしかしたらザナトアと共に今頃湖畔で楽しんでいるかもしれない。  晴天の吉日、白い輝きに満ちた町は、アラン達との温度差を明確にする。  活気を膨らませた空気に馴染むことなくアランは周囲を見渡す。首都に負けるとも劣らない熱気ある人混みの中では、ブラッキーの姿は当然のように無い。エーフィに目を配るが、彼女も首を横に振った。  途中、以前エクトルと共に訪れた、アシザワの経営する喫茶店の前を通った。扉には閉店を示す看板がかけられている。赤いレインコートで雨中を踊っていた少年と赤毛の上品な女性を引き連れて、どこかに出かけているのだろうか。  場所を変える。  エクトルに連れられ、アラン達は出店の並ぶ大通りを外れて歓楽街の方面へ足を向ける。人の少ない路地を進み、奥まった建物の入り口や看板の足下、屋根の方までそれぞれ目配せする。壁の隅で蹲り顔を伏せている男の前を通り抜ける。表だった華やかな空気は少しずつ変容する。  夜こそスポットライトが盛大に当てられ多くの人間で賑わう歓楽街は、朝を迎えてしまうと夢であったように静かになる。闇夜に輝くライトは全て消灯し、競うようにひしめきあっている看板はいずれも沈黙している。昨夜は大いに盛り上がったのか、空いた酒の瓶や踏みつぶされた花飾りが道路の端に転がり、ところ構わずといったような吐瀉物を見つけて思わずアランは眉を顰めた。  閉めた店ばかりだが、独特の残滓が漂っている。それは、薄らぎながらも、濃厚な空気感だった。人通りが全く無いわけではないが、通り道に使うのみだったり、帰り際であったり、気怠げに壁に寄りかかって煙草の煙を燻らせている男女がいたり、まばらに気配は佇んでいる。頭上を飛ぶポッポは、巷の賑わいに一役買っていた姿とは裏腹に、閑古鳥の役割を担っていた。  途中、シャッターを閉めかけた夜の店の前、道を陣取るように止まっているトラックの横で二人の男性が話し込んでいる。扉が開けられた荷台には段ボールや瓶のような物体が窺える。店で使う酒を仕入れている最中のようだった。 「失礼」  目を付けたエクトルが、二人の間に割って入る。不審な視線が彼にぶつかったところで、胸ポケットからカードを取り出した。 「クヴルールの者ですが、お聞きしたいことがあります。お時間いただいても構いませんか」  差し出された身分証に目を通して、少ししてから、店員とおぼしき男性の方が顔色を変えたのを、アランの目も捉えた。 「この辺でなんかあったんすか」 「いえ。ただ、何か変わったことが無かったか確認している所です。本日は秋季祭ですので」  はあ、と怪訝に返しながら、男性は出しかけていた煙草をしまう。エクトルも身分証を戻した。 「昨晩、この周辺で不審なポケモンを見かけませんでしたか」 「不審なポケモン?」 「コラッタならいくらでも居ますよ。店の裏でゴミ食って、邪魔なんすよね。なんとかなりませんか、ああいうの」  店の責任でやってくれ、と返したくなるところを抑え、無視する。 「コラッタ以外では?」 「あとはヤミカラスも困ったもんすけど。他は、でも鳥ポケモンは夜は大体いませんし」視線を横に移す。「そんな変わったことあったか」 「知らんよ」  店員に話を振られた傍らの男性はむすっと首を振る。無理も無いが、警戒心を顕わにして隠そうとしていない。 「ま、夕べは祭の前日ですし、見慣れないお客さんも他から来るから、外部のトレーナーが自慢げにポケモン見せるってことはありますよ」 「たとえば、ブラッキーは?」  背後にいるアランがさり気なく視線をエクトルの背に向ける。 「ブラッキー?」  男は眉を潜める。  見覚えが無いというよりも、種族名自体を知らないのだろう。ぴんとも引っかからない表情を浮かべ、隣を見やるが、視線を受けた方も微妙な顔つきをしていた。 「イーブイの進化形ですが」 「イーブイなら解るけどなあ」  稀少ではあるが、愛くるしい外見から愛玩用としてたびたびメディアでも取り上げられる。その進化形も他のポケモンと比較すれば知名度の高い部類に入るが、彼等は興味を持っていないのか、曖昧な返答である。  エクトルは溜息を呑み込み、手に提げていた黒革の鞄から一枚の写真を取り出す。アランのブラッキーかどうかは定かではないが、くっきりと全身が写された画像が印刷されている。  差し出されたものを確認して、二人して声をあげた。 「見覚えがありますか?」 「あ、いや」慌てて店員は首を振る。「こいつがブラッキーかって思っただけで。これならテレビで見た覚えがある」 「俺も。……こんな場所で見るか? 結構珍しいんでしょ」  記憶には引っかからないようだ。エクトルは早々に諦め、二人に礼を告げて別れた。下手に詮索して勘付かれては困る。 「……なんか、おっかなかったな」  遠のいていく背中が、声の届かない範囲まで歩いて行った頃を見計らい、運転手は肩の力を抜いてぽつりと呟いた。 「クヴルールサマってやつだよ。余計なことを言ったら締められる」 「なんだそれ」  真面目な顔で言う店の男をせせら笑ったが、冗談ではないようで、笑うに笑えないような居心地の悪い空気が漂った。 「あの大男もそうだけど、俺はあの後ろの子供もなんか変な感じがして、厭だったな」 「ああ」  図体が大きく、佇まいのみで威圧するエクトルの背後。  大人同士のやりとりを、一歩下がってアランは静かに睨むように見つめていた。殆ど瞬きもせずに、顔の皺の動き一つすら逃さずに記憶に留めておこうとするような小さな迫力があった。ただの子供だというのに、見張られている感覚には、大の男であっても脅迫的なイメージすら持たせた。 「というか、何、知らないのか」 「何が」 「何がって。あのカード見てなんも思わなかったわけ」 「そんな大層な輩だったのか?」 「大層というか」  面倒臭げに頭を掻いてから、店の男は苦い顔で呟いた。 「自警団ってやつ? クヴルール家に害ありと判断したら、誰であろうと容赦無くこう、らしい」  と言って、片手で首を横に切る仕草をしてみせた。
 エクトル自身ははなから大した期待はしていなかったが、初発は空振りに終わった。その後も注意深く周囲を確認しながら、ブラッキーが映っていた防犯カメラの付近に向かう。どれほど理性的に行動しているか不明な相手に対して、地道に足取りを辿る行為に意味があるかは解らないが、現場の確認はしておくに越したことはない。 「ここですね」  エクトルはそう言って、立ち止まる。三叉路にあたり、左右に分岐する地点に向けて防犯カメラが電柱に設置されている。アランは現場に立ち、ブラッキーが一瞬映った場所に立つ。彼は突き当たりとなっている部分を左側へと走って、画面外へ消えた。  雪道でも泥道でもないのだから、足跡は残っていない。僅かな痕跡を探るように、エーフィは周囲を嗅ぎ回る。  左へ曲がって道を辿ると、両脇を雑居ビルが立ち並び、細い隙間のような路地が通っている。朝の日差しを浴びながらも、昨日の水溜まりが乾ききらない、閉塞感を抱かせる湿り気がある。 「ああいう外付けの階段とか、簡単に昇れそうですよね」  アランはビルの壁に沿うように設置された階段を見ながら呟く。 「屋上の可能性ですか」  エクトルが上空を仰ぐと、アランは肯く。 「上の方も探していないので。ブラッキーの身軽さだったら、屋上を跳んで渡るのもできそうな気がします」 「このくらいの距離なら、可能でしょうね」  隣接したビルならば遠くてもせいぜい二、三メートルの距離だ。建物の間を繋いでいるケーブルや、旗の紐を足場にすればより容易なように見える。 「ただ、ビルの高低差がありますから。ブラッキーの体調が万全でないのならそう簡単なことでもないかもしれません」  と、彼方から小さな花火の音が聞こえてきた。  ぽん、ぽん、と、軽快な響きに、アランは自然と音のした方に顔を向けた。 「ポッポレースが始まりますね」  腕時計を確認しながら、エクトルは呟く。 「ポッポレース……」 「出場する予定でしたか?」  すぐにアランは首を振る。ザナトアが出場することは噤んだ。 「エクトルさんは、大丈夫でしたか」 「何が、でしょうか」  彼にとっては何気ない一言だったが、些細な言動にどこか棘のあるような色が含まれる。尋ね返されて、アランは一度閉口した。 「その、お祭りに、行かなくて」  エクトルは僅かに目を丸くした。苦笑いを浮かべる気にもなれず、静かに首を振る。 「祭に浮かれるような人間ではありません」 「お祭りの仕事もありませんか」 「今は休んでると言ったでしょう。やることも無いんです。お気になさらず」  人の様子を必死に嗅ぎ取ろうとしている、とエクトルは思う。ただ顔色を覗うだけではなく、その奥にある真意も探ろうとしているような目つき。  アランが探りを入れても、エクトルにとって祭に対する思い入れは薄い。  祭もポッポレースも、エクトルに参加した記憶があるのはかすかな少年期のみだった。クラリスに仕えるようになってからは、祭日は屋敷から出ずに、クラリスと共に、窓から遠景に見える鳥ポケモン達の羽ばたきや、花火を眺めるぐらいのものだった。普段は立ち入ることのできないクヴルール家の屋敷の面した湖畔だが、祭日は例外で、かなり接近することができる。それは外敵の侵入を比較的容易にする時間帯でもある。クヴルールはキリで随一の権力を持つが敵も多い。のんびりと目を輝かせているクラリスの傍で、彼女とは異なる意味で目を光らせていた。癖は簡単に抜けるものでも無く、エクトルには秋季祭も気を張り詰める日である認識が強い。その役割が終わってもなお、結局祭の賑わいからは縁遠い立ち位置にいるとは、笑い話にもならない。 「ブラッキーに集中しましょう」  逸れた気を戻すようエクトルが促す。自らに言い聞かせる言葉でもあった。  暫く道なりに進めば、やがてブラッキーが最後に防犯カメラに映った地点に近付いていく。歩いてみれば、先ほどの地点からそう遠くはない。迷うように道を行き来していたのか、休息をとりながら移動していたように予想される。  その途中、ふとアランは足を止めて、左手の方へ視線を向けた。  薄汚れた白壁が立ち並んでいた中、石造の、他より幾分古びた建物が現れる。町の中に追い込まれたようだが、しかし屋根の高い建造物。天に向けて高く伸びていた。緑青色の屋根は長く酸化し続けて変容させてきたような、独特の色合いをしている。 「教会ですね」  見とれていたアランの隣で、エクトルが言う。 「水神様の、ですか」 「はい」  祭日を祝ってであろうか、町に並んでいるような花を模したカンテラが巨大な扉を挟むようにこじんまりと飾られ、硝子に囲まれた炎がちらちらと揺らいでいる。その下には吊り下げられるように青い花が飾られていた。  祭日とはいえ、人は湖畔や大通り沿いの方面に偏っているためだろう、人気は無かった。 「……中に入ってみてもいいですか?」  アランが尋ねると、エクトルは目を瞬かせた。 「ブラッキーが中にいるかもしれない、と?」 「はい……居なくても、何か手がかりがあるかもしれません」  エクトルは小さな教会を改めて見やる。少なくとも、昨夜、この周辺にいたのは間違いない。深夜帯以外は自由に出入りが出来るようになっているが、逆に夜間に隠れるには絶好の場所になる。目の付け所としては悪くないか。水神を信仰する教会は基本的にクヴルールの管轄であり、エクトルの顔も効きやすい。彼は頷いた。  開かれた小さな門を潜り、入り口を隠すような形になっている壁の横をすり抜ければ、すぐに中へと続く玄関がある。冷えた印象を持たせる灰色の床を踏み抜いて、中へ入ると、高い屋根の印象を裏切らない空間が目前に広がった。  古びているとはいえどちらかといえば白の印象を持たせる外観だったが、天井には群青をベースに、人や、鳥ポケモンや湖のポケモンと見受けられる生き物達が躍動的に描かれていた。両脇の巨大な磨り硝子は無色だが、正面のステンドグラスは薄い青の硝子を張っており、入り口から見ると白い陽光と青い陽光が混ざり合うようだった。  建物を支える柱には翼を持つ獣や人の巨大な石造が並び、天井まで意匠は凝らされている。  地上にはいくつもの石造のベンチが整然と並べられ、一番奥は一段高くなっている。目を引くのはその中央を陣取る、獣とも、人間ともとれるような、不思議な石造だった。天を仰ぐ右腕は人のもの、左腕は獣のもので、布を纏った身体には鱗のような模様も窺える。その周囲を鳥ポケモンの石造が豊かに舞い、今にも動き出しそうな実に躍動的な姿が彫られていた。  入り口に立ったまま動かないアランをエクトルは急かそうとはしなかった。軽く内部を視線で探ってみるが、ブラッキーはひとまず見当たらない。 「……水底にいるみたい」  ぽつんと呟いたアランを、エクトルは横目で見やる。 「……昔、水神様と人間は、同じ空間で生活を共にしていたと言われています」  アランは隣に立つエクトルを見上げた。 「しかし、嘗て町を沈めるほどの巨大な豪雨が訪れました。水神様は人間とポケモン達を助けるため、彼等に遠くへ逃げるよう指示し、町を深く巨大な穴のように沈め、そこに大量の雨が流れるように仕向けました。そうして雨水は全て穴に流れ込み、現在の湖になり、水神様はかつての町と共に水底に沈まれたと伝えられています」 「……」 「以来、水神様はいずれやってくる大きな災害を予兆し、民の生活を救おうとされている……そのために、水底から町の未来を視て、地上の民に伝える。その伝達を担うのが、人間と水神様を繋ぐ、噺人」 「それが、クラリス」 「ええ」  アランは、正面の奥に佇む、半獣半人の石造を見つめる。 「あれは……水神様ではなく、噺人を模しているんでしょうか」 「真正面の石造ですか」 「はい」 「水神様ではなく?」  言うまでも無く、信仰対象は水神であり、噺人ではない。 「はい。……水神様は、ポケモンだと、クラリスが言っていました」  するりと出てきた言葉にエクトルは眉を潜め、反射的に周囲に目配せしたが、近くに人は居ない。しかし人が居ないが故に声は通りやすい。 「言葉には気をつけてください」  わざと語調を強めると、アランは俯いた。 「すいません」強制的に話を終わらせるように、アランは不器用に微笑みを浮かべた。「ブラッキーを探しましょう」  微妙な距離感を保ち、二人は奥へと進む。石の床を叩く足音が上へと抜けていく。  エーフィは軽快な身のこなしで動き回り、長椅子に跳び乗ってそれぞれ確認する。  最奥にある一段高い敷居の手前には腰の高さの鉄製の柵が設置されている。明確な区画だが、ブラッキーにとってはあってないような柵だろう。巨大な半獣の石造を中心として、柵の向こうはゆとりのある空間がとられている。アランは青い逆光に照らされている石造を再度見上げてから、柵の前に立ち、装飾の隙間に彼の影が無いか目を凝らすが音も気配も感じ取れない。冷たく整然としていて、虫一匹紛れ込む隙の無いような雰囲気すらある。  ここにもいないのだと、彼等の間を諦念が流れ出す。  と、背後、入り口の方から足音がした。氷のように冴えた沈黙では、音の一つ一つが響く。  弾かれアラン達が振り返ると、月の獣ではなく、漆黒のコートのような、足下まで裾が伸びた服を身につけて玄関口に立つ女性がいた。ザナトアほど老いてはいないが、エクトルよりも年齢は上に見える。深くなろうとしている皺に柔らかな印象を持たせながら、彼女はゆっくりと会釈した。その手には白い綿を実らせている芒のような植物をたっぷりと生けた花瓶を抱いていた。  奥の石造へまっすぐ繋がる群青のカーペットを通らずに、壁に沿って奥までやってきて、柵の手前、端に鎮座する台にその花瓶を置いた。表通りを彩る花々よりも随分と質素だが、静粛な空間に似つかわしい趣深さがある。 「……何か、ご入り用ですか?」  観察するように眺めていたアランに彼女は声をかける。優しく撫でる声をしていて、表情も同じように柔らかい。  それから、既によく知っているのか、エクトルに向けて深々と礼をした。それは目上の者に向けて礼儀を以て対応する姿であった。しかし、頭を下げられたエクトルも深く一礼し、口を開く。 「少し、探しものを。勝手に入り、荒らして申し訳ございません」 「とんでもない。ここは誰にでも門戸を開いていますから。私の目には、何か隈無く目を配っているようにしか見えませんでしたよ」  女性はゆったりと微笑んだ。  彼女はこの教会に常在している司祭であり、サリア・クヴルールと名乗った。秋季祭の間もここに携わり、祈りを捧げているという話だった。床にぎりぎり届かない長さの黒い服装は彼女達の正装なのだろう。  つられるようにアランとエクトルもそれぞれ名乗れば、彼女はエクトルの名はやはり知っている様子であり、存じ上げております、とただ一言穏やかに言った。 「しかし、秋季祭だというのに、湖畔ではなく何故ここに。お手伝いできることであれば、私もお探し致しますよ」  アランとエクトルは一瞬視線を交わし、アランの方から歩み出た。 「ブラッキーを……ポケモンの、ブラッキーを探しているんです。夕べ、この辺りにいたことは解っているんです。もしかして、見かけていませんか」 「ブラッキー……?」  サリアは口許に手を当て、蒼く透いた瞳を丸くした。  手応えを感じ、アラン��思わず身を乗り出した。 「知っているんですか?」 「その……はい。皆様が探しているブラッキーかどうかまでは解りませんが、確かに昨晩、ここにおりました」  アランはエクトルを振り返る。エクトルは驚きを顔には出さなかったが、促すようにアランを見て頷いた。  ここにいた、ということは、今はここにいない、という裏返しでもある。しかし、確かな証拠を明らかにすれば、彼へ至る道筋が一つ見えてくる。 「詳しく聞かせてもらっていいですか」  エクトルが言うと、サリアはすぐに了承した。
「秋季祭の前日ということもあり、昨日はこの場所も一日中頻繁に人が出入りしておりました。水神様への感謝と祈りを込め、昨晩は小さなコンサートを催しておりました。キリの皆様は勿論、他所からの方々も来られ、音色に耳を傾けておりました」  弦楽四重奏に独唱を重ねた、こじんまりとした演奏ではあったが、教会全体のすみずみまで音が沁みていく素晴らしい時間であったという。  人々がそれぞれ長椅子に腰掛け、サリアは教会の入り口近くの壁に控えて、演奏を傾聴していた。定期的にこの場に呼ぶ顔なじみの演奏者達が幾重と重ねる音の層は、聴く者を癒やし、そしてどこか哀しみも湛えながら、自然と心に浸透していく。  そうして演奏をしている最中、小さなお客が教会の入り口に立った。誰もが演奏に集中している中、音も無く入ってきたという、美しい身体の獣。  それが、ブラッキーだった。 「はじめは声をあげそうになりました。しかし演奏中でしたので、物音一つ立てるのも憚られて」 「……ブラッキーは、どんな様子でしたか」  アランは尋ねる。 「特に、何もする様子はありませんでしたよ。引き寄せられてきたようにここに入ってきて、……あの辺りですね、私の居た場所の、反���側の、一番端にある柱の物陰に座り込んで、それからは暫く音楽を聴いているように見えました」  サリアは教会の最後方、今アラン達の立つ奥の位置から見て、左側を指した。壁に沿うような柱がいくつか立っており、鳥ポケモンを模したような石造が彫られているが、そのうち、建物のほとんど角にあたる部分にブラッキーは居たのだと言う。  演奏中は奏者の付近のみが照らされ、客席の後ろに向かうほど暗闇は濃くなる。隠れているようで、ブラッキーの放つ小さな光は、よく映えたと言い、些細な動きもよく解ったらしい。しかし、彼は殆ど身じろぎすることなく、静かに長座した。サリアは、きっとあの獣も音楽を聴いているのだと思った。  演奏が終わり教会内全体が点灯すると、ずらずらと人々は教会を後にし始めた。興奮の色濃い中で、隅で黙って蹲る獣に気付く者は誰もいなかった。サリア自身も、教会を訪れた人々に声をかけられたり、演奏者にお礼をしに行っている間は、すっかりブラッキーのことを忘れていた。  演奏者を見送り、教会から人がさっぱり消えて、演奏に震えた心地良さの最中でほっと肩の荷が下りたところ、さてそろそろ教会を閉めようかと見回して、はっと気付いた。あのブラッキーは、どうなったのだろう。 「慌てて見に行ったら、まだ同じところに居たんです」  床に身体を倒し、寛いでいるようにも見えた。眠っているかと思ったが、近付くと、赤い目が動いてサリアを捉えた。無意識に足を止めるような強い視線だった。  その場には、サリアとブラッキーしかおらず、沈黙が続いた。  ブラッキーが野生なのか、人のポケモンなのかは解らない。しかし、サリアは追い出すことも、声をかけることもせず、そっとしておくことにした。どんな獣であれ、ポケモンを労ることは、水神様に祈りを捧げる者として迷いのない行為であった。サリアは裏手に戻り、キリの住民から分け与えられた木の実を持って、ブラッキーから少し離れた地点に置いた。もしかしたら寄ってくるかもしれないと希望を抱いたが、彼はちらと視線を寄越しただけで、やはり動かなかった。  誰も寄せ付けようとせず、ひたすらにその場から動かずにいる姿は、身体を休めているというよりも誰かを待っているかのように見えたと言う。 「ブラッキーは、貴方を待っていたのかもしれません」  おやであるアランを見て、ぽつりとサリアは言った。  アランは甘い言葉に揺れることなく、顔を俯かせ、静かに首を振った。 「解りません。……自信はありません」  その理由を彼女は続けなかったし、サリアやエクトルも深く掘り下げようとはしなかった。アランの言葉に滲む、強い拒絶のような意志を静かに感じ取ったからだった。 「でも、結局その後、ブラッキーはどこかに行ったんですね」 「はい。普段、夜中は閉めるんですが、昨晩は結局一晩中開けていました。夜明け近くになって見に行ってみたら、既に姿は無く」  でも、と続ける。 「置いていた木の実を、一つ食べてましたよ」  サリアは嬉しそうに笑んだ。 「……そうですか」  アランは、優しげな声でただ一言ぽつんと呟いた。  ヤミカラスを襲撃してから、他のポケモンや人を襲うこともなく、完全な拒絶をすることもなく、彼は彷徨っている。たった一匹、慣れぬ土地を渡り、この教会は彼にとってひとときの微睡みの空間となったのかもしれない。  エクトルは沈黙するアランを横目にしながら、考える。仮にサリアの言うように、ブラッキーもアランを求めているのだとすれば、今は擦れ違いを起こしているに過ぎない。会うことさえできれば、元の鞘に収まり、何故今回のような衝動的な事件を起こしたのか、その疑問への追求に集中できるだろう。だが、浮かび上がる懸念事項への警戒を続けるに越したことはない。 「ただ、その後どこに行ったかは解りません。お役に立てず、申し訳ございません」 「そんなことないです。ありがとうございます」  慌てて頭を下げるアランに、サリアは微笑ましさを覚えたようで、にこやかに笑う。 「私はポケモンに詳しくありませんが、草臥れたような様子だったので、時間が経っているとはいえまだこの辺りにいる可能性はあるかと思います。見つかるといいですね」 「はい」  サリアに礼を言い、彼等は教会を後にしたところで、エクトルは不意に呼び止められた。 「……何か?」 「一つだけ。……クラリス様は、ご健勝でいらっしゃいますか」  エクトルは表情を変えず、暫し言葉を選ぶように沈黙してから、顔を上げる。 「元気でいらっしゃいます。先日成人の儀をつつがなく終え、噺人としての責務を全うされておられます」 「ああ、そうですか。安心致しました」  サリアはぱっと喜びを素直に顔に出した。  彼女はエクトルがクラリスの付き人であることを知っているのだ。クラリスの現状を知る者は、クヴルールの中でも限られている。教会を預かる身であるサリアも、大きな枠からすれば末端の身なのだろう。  水神様のご加護を、と手を合わせた彼女の別れの挨拶を受け、外に出れば、天頂に迫ろうとする太陽の光が目を突いた。 「クラリスが、噺人として生きていく。それで、本当に良かったのか、私には解らないんです」  玄関から数歩離れ、サリアを含め周囲に人の気配が無くなったところで、アランは呟いた。独り言のように小さな声だが、エクトルへ向けた言葉でもあった。エクトルはゆっくりとアランを振り返る。 「キリの外に出ることを願っていて、自由を求めていて……最後、クラリスは手紙で、受け入れているように書いていましたけど、それは本当のクラリスの思いだったんでしょうか。私にはそう思えなくて」 「……良い悪いではありません。お嬢様の意志も関係ありません。噺人として水神様に選ばれた、そうと判明した時から、全ては決まっていました」 「でも、何も閉じ込めなくたって。一番大切なのが季節の変わり目なら、それは一年に四回。その間くらい、自由にさせてあげたって、いいじゃないですか」 「噺人は、時と心を水神様に捧げます」  アランはエクトルを見上げる。 「時と心?」 「ええ。生きているその時間。心は、清純でなければ水神様をお言葉を頂くどころか、水神様に辿り着くことすらできないと言われています。だから、噺人は日がな一日、水神様に祈りを捧げ、心を手向ける。そこに余計な感情は要らない、と」 「余計な感情……クラリスが自由を望んだことが、ですか。他の町へ行ったり、誰かを好きになったり、友達を作ったり、キャンプをしたり、ああいうなんでないことを望むのは、余計なんでしょうか」  エクトルの内心にそっと棘が立つ。 「あくまでも、噺人としては、です」 「でも、クラリスにその自由を望ませたのは、エクトルさんじゃないんですか」  エクトルの表情が僅かに歪んだ。 「私が?」  鈍い低音に気圧されるように、アランの目が揺らいだ。 「……はい。クラリスは、外の世界に強い憧れを持っていた。旅の話をよく聞きたがった。旅の話を聞くのが、好きだって。それは、エクトルさんの旅の話を聞いていたから、でしょう?」  流石に強い威圧に怖じ気づいたのか、慎重に言葉を吐いた。対し、エクトルは厳しい視線をアランに刺す。  彼女はエクトルの過去を知っている。ザナトアから聞いたのだろう。どの程度か彼には不明だが、少なくとも、嘗てアーレイスをポケモントレーナーとして旅をしていた事実を知っている。エクトルにとってはとうに遙か昔に追いやって薄ぼやけた記憶。キリに籠っていては感じられない他地方の空気、町、人々、文化。自ら足を運んで見聞が広がる喜び、育成の楽しさ、勝利の達成感、どうしても勝てない苦しみ。縁を切ったはずの家に連れ戻され、顔を突き合わせた、腐敗した狭小な世界に閉じ込められる運命にある憐れで美しい少女。 「エクトルさんだって、できるだけ、クラリスの好きなようにいさせてあげようと」 「クレアライト様」  早口で制す。敢えて呼んだのは、彼女のまことの名だった。アランは眉間を歪める。 「憶測だけで物事をはかるのはおやめください。……お嬢様に旅の話を聞かせたとは、仰る通りです。しかし、私に語るものがそれしかなかっただけ。悩まれた末、お嬢様は自らクヴルール家に戻ることを選ばれました。そうする他なかった」  努めて静閑たる語調ながら、一言一句が刃であった。息を呑むアランの前で、大きな息を吐く。 「それだけが事実です」  ぽつりと、突き放した。  アランは何か言いたげに口を開いたが、すんでで留めた。二の句を告がせるだけの余裕すら潰すエクトルの重圧に、圧し負けた。  と、エクトルは微細な振動を感じ、上着の裾を上げた。ふっと緊張の糸が緩む。モンスターボールを装着できるように設計されたベルトの、最も一番手前に位置したモンスターボールを取り出す。小刻みに震える捕獲器を開放すると、中からネイティオが姿を現した。 「視えたか」  静かに尋ねると、ネイティオは頷いた。 「ネイティオがブラッキーの出現地を視たようです。今は、こちらに集中を」  アランを振り返って言うと、彼女は驚くわけでも喜ぶわけでもなく、覚悟を固めるように首肯した。  常に閉じられた翼が突如開き、ネイティオがゆったりとした動きで飛び上がる。予知した地点へ誘おうというのだろう。天を仰いだところで、アランは目を大きく見開いた。  一陣の冷たい風が吹く。 「待ってください」  向かおうとした一同を制する。驚愕を秘めた栗色の瞳の向いた先に視線が集まる。  上空、正面の屋根の付近を飛んで現れた鳥ポケモンの群れ。白壁に朱色が鮮やかな、ヒノヤコマがぱっと気が付いたように甲高い声を上げ、下降してくる。連れ立つのはピジョンやムックルといった同じ鳥ポケモンで、既に彼女にとっては見慣れた姿であった。ヒノヤコマの背には、なんとフカマルが跨がって手を振っている。則ち、ザナトアの育て屋に集うポケモン達である。 「どうして」  アランの声は明らかに動揺していた。既にポッポレースは始まっているはずだ。レース本番に挑んでいれば、今頃湖畔の上空を疾走しているはずである。特に、ヒノヤコマやピジョンといった進化組はチームを統率する要にあたる。はなから彼等が欠けた状態で出場しているのか、なんらかのアクシデントがあったのか、この場では判別がつかない。  一同がアラン達の正面に集まり、スイッチが入ったかのようにその場は賑やかになる。緊張は嘘だったかのようだ。羽音や鳴き声が彼女達を鼓舞する。エーフィは柔らかく笑んで、アランを見た。  喉がこくりと動き、彼女は唾を呑む。 「手伝ってくれるの?」  信じられないでいるのか、まず問いかけたが、はじめ反応しなかった。しかし、エーフィが通訳をしたように鳴き声を発すると、一様に頷き、頼もしい歓声をあげた。  フカマルがアランの前に出る。ぎゃ、といつもの声を上げて、手を上げた。無邪気な彼を凝視している脇の視線には気付かないで、アランは毒気を抜かれたように微笑んだ。しゃがみこんで小さな青い手を握り、両手で優しく包む。細かな竜の鱗が肌に食い込んでも構わないように、握る手に力が籠る。そして聞き慣れた賑わいを見回した。 「ありがとう、皆」  噛み締めた言葉を絞り出し、アランは立ち上がった。 「行こう。ブラッキーを迎えに」  一斉に翼が広がった。今も行われているであろう、無数の翼を持つ者達が発つ湖畔でのレースに比べればずっと小規模だが、力強い羽���たきは太陽に向けアラン達を先導する。引力に導かれるまま、彼等は走り出した。 < index >
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nagaihiru-event · 5 years
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店内イベントに参加する人は必ず読んでください!
【予約】 ・イベント参加は基本的に予約なしでも大丈夫ですが、予約をしてくれると店の者や企画者や出演者がすごく安心するし、飲みものを用意する目安にもなるので助かります。 ・イベント内容にもよりますが、店に入れるのは最大25人くらいです。椅子に座れるのは大体15~20人くらいです。確実に参加したい人、確実に椅子に座りたい人は必ず予約してください。 ・予約したけど参加出来なくなった人は出来るだけ連絡をください。ちょっと気まずいかもしれないですが、キャンセル料などは請求しませんのでお願いします。連絡がないと「事故にでもあったのでは?」と心配します。 ・予約してない人も当日の体調とか機嫌とか気温とか天気とかで気が向いたら気軽に来てみてください。 ・予約は店頭、電話、メールで可能です。メールの場合はこちらからの返信が届くように受信設定をお願いします。 ・参加希望の日にち、イベント名、お名前、人数をお伝えください。 ながいひる   岡山市北区大学町3-9 小林ビル 2F 【道案内】 090-7502-3774(きむら) [email protected] 【注意事項/全般】 ・店内や出演者の写真を撮るのは自由ですが許可なく他のお客さんを写さないでください。 ・いろんな人が来ます。みんなが安心して楽しめるようにしましょう。例えば出会った人にいきなり職業やパートナーの有無などのプライベートな質問をしたり連絡先を聞き出そうとしたりはしない方がいいと思います。 ・参加中にいやなことがあったりしたら遠慮なく店の者に言ってください。ながいひるはみんなが安心して遊べる店を目指しています。 【注意事項/音楽ライブ】 ・古本屋の状態から簡単な模様替えをして無理矢理やってるのでお客さんにとっても出演者にとってもすごく快適な空間というわけでは思います。エアコンの性能がよくないので暑かったり寒かったり音が大きかったりします。背もたれのない椅子の方が多いです。飲みものを置くテーブルもありません。狭いです。その他、いろいろあると思います。それでもよければ、という感じです。 ・JASRAC登録楽曲の演奏はしないでください。 ・演奏中なども我慢せずにトイレに行ったり飲みものを買ったりしてください。 ・発表している時間割りはあくまでも目安です。人間たちがやることなので多少は前後します。音楽の演奏は基本的には22:00までに終わるようにしていますが、盛り上がりなどで少しの延長がないとも言い切れません。 【飲みもの】 ・泥酔状態での来店はやめてください。泥酔状態の人にお酒の提供はしません。 ・ながいひるの店内イベントでは飲みものの注文を強制はしていません。ただ、飲みものを買ってくれると店の売り上げになるので助かります。売り上げがよかったイベントは続けやすいです。 ・基本的に水(炭酸水)とお茶とスポーツドリンクは持ち込みOKです。その他、何か特別な事情がある人は入場時に伝えてください。 ・ながいひるにコップや氷はありません。欲しい人は自分で持って来てください。 ・飲みものを買うお小遣いがない時にはパブリックマネー(下の写真)があるので使ってください。
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【食べもの】 ・店内イベントは基本的に食べもの持ち込みOKです。でも、あんまりにおいの強いものとかは控えた方がいいと思います。ながいひるでの食べもの販売はありません(販売はありませんが、無料で食べれるものを用意する場合はあります)。 ・みんなのために食べものを作ったり買ったりして持って来てくれる人がいる時があります。その時はみんなでありがたく食べましょう。持ってくる人は好きで勝手に持って来てるので手ぶらで来た人も遠慮なく食べたらいいのですが、もしも余裕がある場合はパブリックマネー(上の写真)にさりげなくお金を入れておきましょう。そして食べものを持って来た人は遠慮なくパブリックマネーで飲みものを買いましょう。そしたらみんな気持ちいいと思います。 【お買いもの】 ・店内イベントの時も本などを買えますが、イベント用に模様替えしているので全部の棚を見ることは出来ません。例えば遠方からイベントに参加予定で「本屋としてのながいひるもちゃんと見てみたい」という人がありましたら、イベントの準備を始める前の通常営業中にちょっと覗きに来てもらえるとうれしいです。 (ゲスト出演があるイベントの場合、準備中は一時閉店するので申し訳ないのですが) 【入場料について/2022年7月3日】 ・今後ながいひるが企画、段取りする店内イベントについては基本的に固定の入場料をもらわないようにしていきたいと思っています。「基本的に」なので事情によっては固定の入場料をもらう場合もあるとは思います。 ・その代わり出演者とながいひる向けの投げ銭箱のようなものを用意しておきます。「楽しかったな!」「またやって欲しいな!」など思ってくれた人は無理のない範囲で投げ銭してください。 ・コロナ禍によって、人間ごとに1000円の価値が全く違うことを思い知らされました。そんなことは前々から分かっていたはずですが、強く、強く、思い知らされました。私だけかもしれませんが、無理をしてでも誰かに寄付をすることがありました。誰かから寄付を受けて「ありがたい」と思う以上に「申し訳ない」と思うことがありました。寄付をする側にも寄付を受ける側にも訓練が足りていないと感じました。無理のない範囲ですること、素直に気持ちよく受けること、これをみんなが上手に出来たらすごくいいなと思ったので最初は難しいかもしれませんがみんなでちょっと練習してみましょう。すでに上手に出来る人はお手本を見せに来てください。 【持ち込み企画】 ・音楽ライブ(基本的には生音でお願いしていますが小さい音ならアンプも使えます。マイクはありません。打楽器は不可です)や貸し切りの集会など、ながいひるで出来ることには対応しますので気軽に相談してみてください。 ・基本の使用料は30分500円です。 ・時間は準備(最低1時間=1000円)からイベント終了までの時間で計算します。イベント終了後は気が済むまでゆっくり、のんびり、わいわいやってください。 ・感染症の流行や自然災害など、店側の判断でイベントの中止や延期をお願いする場合があると思います。 ・現在、土曜日以外は融通が利きにくいです。土曜日以外の利用を希望する場合は遅くても2か月くらい前には言ってくれると対応しやすいです。木曜日(定休日前日)と金曜日(定休日)は使用料を2倍もらっています。お互いのために出来れば避けてください。
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n0-l · 5 years
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2019.07.09
7月6日、幸せな気分になってそのあとなにかできるんじゃないかって思ったから! でもしにたいなと歩きながらスマホにメモした。 17時、海賊酒場バッカニア、コロナビールの瓶のネック部分を4本の指で持ちながら、飲んだ。 その前、池袋マルイに行った。おそらく7Fまである、上から下って行った。薬局に入った。地元の友達五人と飲みに行こうということになっていた。 どんな効用があるのかわからない試供品であるフェイスクリームを一人の友達が僕の手の甲に塗った。薄緑色の液体が過剰に飛び出て、両手の甲で合わせこすったらペンキで塗ったようになった。それを顔に塗ると泥パックみたいになった。白塗りの歌舞伎役者かよと思った。みんな笑っていた。愉快であった。そんな風にして薬局を練り歩いていると、一閃、やはり商品が欲望を持っているのだ、ある薬品、友達はロキソニンを探していた。ある薬品が頭の中を通り過ぎた。その薬局にいなかったら思いもつかなかったことだ。だが買わずにみなと下に降りて行った。友達もロキソニンを見つけることはできなかったのかそこでは買わなかった。 予約していた17時が近くなったのでバッカニアに向かった。そこで小さい薬局を通り過ぎた。まだ17時になっていなかったため、店のビルの前で逡巡していたから、友達に「ここならロキソニンあるんじゃない?」と言って、その薬局に入ることになった。僕は先に見たマルイの薬品と頭の中で随伴した状態であった、だが買わなかった、しかし、友達が出ていくと、急いで一人で引き返し、どうせ場所はわかっているのだから、僕はレジの後ろに並んでいた薬品を買うことにした。水も。そして店員に肝臓に効く薬を聞き、肝臓水解物とサイコエキスが入った薬品も買った。友達から「〇〇バッカニアきて」というラインが来ていた。僕はこれから酒を飲むから、その肝臓に効くサプリをだけを買って来たという風にその薬品を友達に見せながら店に繋がる地下の階段を降りて行った。そして僕は席に着くと、すぐさまトイレに行き、買った水とそのコデインの含まれている薬品を貪るように一気に飲んだ。その薬品の瓶と酒を一緒に写真で撮りたかったため、少しだけ残しておいた。席に座り、酒を頼み、酒がくると、そそくさと友達にバレないようにその酒の瓶と薬品を一緒に写真で撮った。それから84錠の薬品は空になった。瓶をすぐさまカバンに入れた。 コンセプトに合ったクラシカルなデザインをした女性店員にオススメの酒を聞いた。友達が「ここはラム酒じゃない?」と言うから、「ラム酒だったら、甘いのとか飲めます?」と言うから、「飲めます」って言ったら、「マイヤーズダークラムが好きなのでそれでいいですか?」と言うからそれにした。腹のなかには薬品が入っているし、ガバガバ飲むということはしなかった。その店の予約していた時間は19時までだった。薬による著しい気分の変調というものは見られなかった。店を出て、夜の池袋を徘徊した。二軒目に行こうという話だったが、土曜日ということもあって店がいっぱいだったため、とりあえず地元に帰ることにした。歩いている時、ゆれるの0.03が頭の中で流れていた。
1943 ただ一人きりだ。ただ一人! 効いてない!駅のホームで友達にお腹を突っつかれて太ってるじゃんと言われても気にならない。なぜなら一人きりなのだから 嬉しいね、集団の中にいながら、一人きりだ
2048 電車の中で僕はカナル型のイヤホンを耳にいれ、ゆれるの0.03を聴いたが、何か違った。言葉は原理的に空虚な音で、その機能的ではないシニフィアン(音の連なり)の連鎖によって意味が形成される、超自我によって規定されている言葉だが、薬と酒の作用にて、超自我を修正する作用が働いていたような気がする、その中で、僕は符合するとにかく意味を持たないような音楽ジャンルであるアンビエントを聴いて目を瞑ることにした。少し気持ち悪さを覚え、それは吐くまでに至らない微小の吐き気なのだが、僕は座席に座っている男にこの気持ちが伝わってくれ、とにかくその座席に僕を座らせて欲しいと思った。そこで大宮でその男が降りたので僕は座席に座り、寄りかかり、目をつぶり、空虚な聴覚風景に身を委ねていた。
ひょっとしたら楽しい瞬間はここかもしれぬ 失いたくない みんないっしょ 喋らない 楽しい 全てが 溶解するこの空間に 返事も返さない返さなくていい この瞬間において自由だ! バシンスキありがとう もうつくのか また池袋からスタートでもいい 何回も シニフィアン状態だ 中央自由道路にて つなぎとめて死ぬものよ わりと不幸な
2128 地元に着くと、声がかすれていて、友達が「寝起きで声ガラガラじゃん」と言って来たが、それは明らかに薬によるものだった。パブか、相席屋にでも入ろうということになったが、パブは満席で30分ほど待つとのことだった。相席屋ならいいや、と一人の友達が言ったので帰るか、ということになったが、一品300円の居酒屋に行くかということになり歩いていたら、キャッチに捕まった。そこで話をしていると、友達が居酒屋の店の前にいる、同級生の女性と話をしていた。その女性は二人組で、一人の女性は学校が一緒で知っていたが、もう一人の女性は知らなかった。その学校が一緒の女性の友達の知り合いということで友達になったらしかった。話し込んでいると、その二人組も僕らが一緒に行く店が目的らしかったが、その店はいっぱいだよと伝えて来た。彼女らは天の川を見ることが目的らしかった。そこで、僕らは急調子であるかのようにその女性二人組と共に前の店に入ることになった。
ここで僕は狂うよに、自分の思いついた言葉、なんの関連性もない想起の断片をただただスマホのメモ帳にメモしていった。 あらゆる存在は関係存在だという。「並存としての他在と継起としての他在とがある。 意識は少なくとも、主体と客体と並存、つまり空間次元における他在を前提としている」と、ヘーゲル関連の本に書かれていたように思う。 「他のものであることの意味にも用いられているが、 とくに、或るものがその本来の姿でない形で存在していること」=疎外 「疎外感とは自己自身の志向性や行為が疎外されている過程に自己が囚われている時の感覚(反精神医学 クーパー)」 物理的な公共空間でみんな楽しく喋っている中で僕は押し黙っている。楽しく喋る、それは瞬間的なものだ、僕はスマホの中のメモというテクノロジーという持続性の中にいる、テクノロジーは持続性を実現させるように設計されているらしく、それは異なる種類のインタラクションを可能にするらしい。他在=自分ではない自分、のもとで自分自身のもとにいることこそ生きる目標というが、或るものがその本来の姿でない形で存在していること、僕のここでの本来の姿とは84錠の空き瓶だった。84錠の空き瓶から出た尊詠、書くこと、それが自分自身を見失わないこと、今、書くこと、様々な線分の交錯の中で書くこと、とにかくスマホにメモを打ち込むこと、空っぽな瓶から出た空っぽな言葉を書くこと、それによって保たれる平衡状態、見つかってはならない、書くこと。書いた言葉を載せるが本当に意味がわからない。僕は一つの断片を書き終えると、すぐにスマホを置き、また数秒も経たないうちにスマホを取り戻し、打ち込むという行為を何十回も行った。僕は相変わらず酒を飲んでいるが、量の少ないワインを飲み、酩酊発作など起こるはずもなく、ただただ理性的だった。友達たちとは、午前3時くらいに解散した。
錯綜する読んだ日よ 自分がわからなくなることがない 菊を売る 得る 帰るかという声 忘れようと思う 欲望はただ一人になりたいということ ただ自殺の日は欲望 レベル2の要素 そうかいのきおく 欲のレベルの記憶 記事書きは異邦人 夜の歯 たしかに青はなく 自分の容姿などまったく気にならない 石剣 これは、これが後悔する日はくるだろうか セルガン工房 ドミートリー ただ言葉だけがあり、そこに意味はない あ、空虚だ! 僕はこの場において眠っている タバコの煙を肺に入れてないことがわかった
2230
この時間が永遠に続けばいいのに インスタの話 僕はここにいない アーカイブとしての自己 私であるとはどういうことか xxをやることにより重なる 自分が自分に ラブラブラブ 腹が動いてないタバコを吸うとき もう二度とこんな体験はしたくないが 今がいまだ 連合解体 なにもかも思い出せる 月並みすぎる会話 見せて あぶなスマホがとられたのかと思った 死にたいことが起きるようだ ただ文脈だけがあり、意味がない レベルの中になにもないことに 明け方サイファ なんでこんなにみんな喋れるのだ? 喋ってなにが楽しいというのだ? ぬいぐるみを買い、飾るのが楽しみな友達よ タバコももう吸いたくない 懐古 ハイタッチをするおまえらよ レベルに酔うアヤワスカよ もはやここに価値なし 冷凍放送 アルトーの層 かいげきしんこう 憎きメルベー コートラせんじゅうし エンジェほしか なんでこんなに意味のない言葉を記録しなければならないのだろう? なんでそれでいいのだろうか? 日常が吹き飛ばされた 既存の生活がいまない まるで虫 僕は気持ちが悪い 誰からも相手にされないされない 黙ってたほうがさわやか ろっけんのほうそう 人との会話において、ヨーゼフKしか言いたくない らきこ ニコ先 なんで価値がないことに必死に!? 手が震えいるが全く気にならない 自意識がない 「なんのために」 すごい!全部��の問題だ。 おれは解��されズタズタに解体 それでしかない レクス2の8 もう2時間半!? ソレルスの数、読みたい ジズー六個 もうすぐ意味を付与強烈な付与が来る 実存はいい しかし、ほんとに一人になったとき 10匹のクマ せくろく 情報は虚しい 強迫意味付与社会 りくろくのガーナカルチャー なぜ酒を飲まない?馬鹿か? すごく楽しそうにいられる能力? これは消えるのに?いま消えているのにか? 金森まりあ 見ちゃった。 もう会わなくなる人よ? 海ぶどうのしょっぱさをワインで消す 馴染みの味 あ、これは意味のない言葉だ すごい疎外 あいくおおがえし 私はでぶ ギンズバーグアレント アルギスの戯れ 天井を見て煙を見ることで自分を客観視できた 女の子というくくり レクスは死に、僕もしぬ 全ては客観的なもの 裁きを 眠りよ 自己嫌悪の涙よ トロント 頭の中に何回も出てくるからメモするしかない 本質は変わらない 会話において出てくる言葉、それが印象づける、それが空間になき主観を発生させ、発見する雪のように降り、領土を作り、増やし、溶け、落ち、死ぬ レベルにおける感興の踊りよ 落ち、町田に記憶を変える レクスも出てくる 全ては耳打ちのそばに レベルにおけるかんそうの怒りよ ただただ酔っ払いを、放っておく テキーラを乾杯して飲みほすもの 私を見て私を無視する友達よ 私はただただ酒だ マイスリーと酒 私の友はこれ 幻覚者 僕はただものではない 怒りはただメジコン以外odしない メジコンが最強 レベルにおける三角よ お、パーカー レクガン 二面のこうかく けびれば 寝たら怒る6人が 外在化された魂と自己疎外の問題! うおあ!うおあ!うおあ! やったぞ! レベルにおけるさんた目録 地面タクス 紅茶の香りか 軽いガラス キューバリブレ挟まないと飲めないから ああなるほどねと一度きりの女 まるで人生よ 発汗する幸せよ かぎりなきれんごうこうきゅう 哲学塾における投げ出された顔 アルバス600 やたら数字が出てくる 永遠に終わることがないが早く終わってほしい ホワイティレインボー プリチャンをユリカと見ていたときよりまともで硬直だ ガラム、舌の刺激 素晴らしいガラムよ 限りないるはん れんじょうさくげきよ 言葉の強度の平坦化よ たらい回し編 レベルにおける カンサーよ にげんむげきよ さよならよ 記憶よ ピースフル6よ 中しぃからの連絡よ オルデレス 会話に意味がないから会話しない 沈黙ではない沈黙よ 夢を食う歯ぎしりよ 夢に来る。あ!全てが無理になりそう ふときた レベル9 ただならぬスマホの箱 蜃気楼 俺を疎外するな!享楽社会論よ! マイスリーは全てを癒す 素晴らしいなにもない無言な私よ レベルの二撃よ 指を動かするはんの光よまさにレベルよ かいそうの喜劇よ フリ倒される私よ 地面に落ちてしまう! コカレロを飲み干しガラムを吸う 私よ レベルのなくよんさよ 激しく慰め私の返しよ りくげきの賛歌よ レベルなきためしがき 和らいだ歯 死ぬ妄想 どれだけなにを飲んでも酔うことはない そしてわたしはここに 出る?悲しい言葉 xxを買ってよかった タバコを吸うたびまぶたが落ちる落ちそうになる機先を制するわかるか?僕は帰りたくないから帰らないのだ一人で このbgm充電器、その言葉を聞いて安心した 長崎のよ ツイッターみたくない 既存の生活だからさ なに��伝わらないから自分だけに伝えさせるのだ レベルのユーカリよ きみのなかにある全てが価値 レベルのよくげきよ 反撃の無プールサイド トラップカード発動笑った
独軍 毒蜘蛛タランテラ きみのなかに徘徊する勇気の言葉よ 神楽坂駅 なやめ 記憶がねえや くっさ レベルの道よ街よ! ふわふわしてたら僕はいまここにいるのか?と思えてきた レベル2の蜂 ツイッターは開かないよ!理由は詳しく説明できないけど レッドゴー 眠らないようにスマホを取り上げる エフェドリンが効いてるのだろうなあ
0129
これは違う 前の時間だ なにも辛いことなんてない バシンスキが一番いいよ ダルトー もう4時間!? 吸うと火花が見える 私はいえにかえり、やっと目を閉じる それが至福の時間だ 目をつぶらないという役割を付与されているやったあ役割だ 青柳の春よ レベルxの胸像 自殺ちょーしたい 究極系の自己疎外だね どこで働いてるの? 文章に価値をつけるため、聞いた 僕にはないから ツイッターに呟いた瞬間全てが嘘になってしまう 年少解雇がよく笑うよく笑う 赤いキティできるだけ情報を xxの瓶を転がした 僕は何回ガラムを吸うんだろう 家に帰ってチェの一本を吸うとき… 219に解放 歩きの会話の脳内の音楽でかきけすが どっちみちバシンスキ エスカレーターの下 幸せは消えていく また意味を喋らなくてはならない 風呂には絶対に入らないバシンスキを聴いて目を瞑るやっと目が瞑れる はやくトイレ終われ 僕は暗闇に
0316
これ、これが最高なのよ フルニトラゼパムを飲んで後は寝るだけ 他の奴らは横浜だろうがはははは 声が鳴り止まない
0444 ねれない。俺に全てを任せてくれ 俺以外全員一端の人間なんだが 涼しい風よ吹く かゆい^_^ 雪よ てすかよ 長い狂いよ やっぱりバシンスキを吸おう ジオラマ模型もある 考えなかった 根幹がいない
0521
孤独だ 解釈かれ解体された残りカス 俺はこれからどう生きていけばいいの おまえはワンタン俺は適当に、
0530
猫の鳴き声 バシンスキも消した。僕は僕と一人きり わけのわからないものを作り、外在化させたい きょじんたちぜろ はるき?エレベーターで? 白い空 思考が再生これを切るためにはそれを書くことだ いつぶりだろう?この格好 昨日のこと思い出す ただいまおかえりなどと言ってもここは居酒屋ではないし返事もない 笑い声やりたきゃやってんだよなと 蛇だ蛇がいる 用意できましたらくらんボタンはは
0600
細切れに意識落ちる、だがねれない 自分の身体やたらと触る 後悔しかない。また通常意識に戻りました 既存の生活それがなにより耐えられない うるせーと猫にあたる父忘れてた幻聴か なにものみくいしたくない はははプリパラの地下見るよ 蜘蛛がいる バーモルサ
0631
加速か沈黙か 自分は醜い、がゆえの寵愛 カーテンがゴミ箱のビニールに触れる音 僕は醜い 別にネットにあげるわけではないのだから
0647
行ってらっしゃい
おはよう
遅かったね
楽しかった?
なら良かった
慟哭の地獄よ
0717
悪意はない 全くない
0732
もう言葉もでなくなりましたか
1001
博物誌とはなんだったんだ、ソネーズ レベル9のなくしんさよ
1153
動けない。動けないのが心地いい。半睡状態
1228
幸せだ、なにもしなくていいんだもん 幸せだ、適度に眠い
2100
ずっと寝ていた 爆竹の音、内臓に響く クズの本懐で二人が分かれた意味 疲れてんだよ、実際のところ また飲もうってよ 俺はいまただ眠いよ
「いつ俺の存在に気づくのか」
人生に倦み疲れたものが集まる場所…
そこでは膏薬が…
存在を発見されなかったもの…
頭が壊れちまいそうだよ! 俺はただ強迫を感じたくないだけ そういうところ嫌なんだよねと言われるやつ
0015
しまわれてるその舌で目を舐められ、すぐに洗った
0059
大変なんだなって無意識に口に出した
0332
まさか一日中倒れてるとはな 自分の身体にある小さい小さい部屋に入って出られない感じ マイスリーも飲まないすぐ寝るだろうし なにも行動ができない 肝臓を疑うつらい外部が辛い脅威だから 異にする辛い 腹が鳴る一日中なにも食べてないからな今日も食べないだろうなにかを口にすることが罪責を促す 疲れてんだよ人生にほんとに疲れた 求めてるのは変性だけ 髪が長いし清潔感ないデブ なにも載せるな混乱の銃器よ 正常な細胞が脂肪に置き換わる つらい、寒いな 他作品を見てたら気持ち悪くなってきた 雰囲気を作れ雰囲気を もっと光を少なくしたい
加工せよ軍隊よ
ズボボボボという音楽なんだっけ ケッテルみたいな人が出してた気がするけど なにもすることない ただただ外界が怖いよ外界に自分がいることを意識するのも怖いよ酒が飲めないよ畜生変性は?変性は?変性は?変性は? メジコンodとは違った良き倦怠感だが それはもうしにたいよ 一番意味のない行為 でも割れてるじゃん わかった!
0543
かゆいから掻いている副作用だ 猫が前に来たので抱きしめた 思い浮かべてた映像がきえた
0636
猫の声でかき消された 猫を見るとほかのものも生きてるんだろうなあと感じる
0738
きらきら いい笑顔でした さよなら アニメイトの話?ローソンあるよって言われている誰に? さくやさんのあれを捨てたのは確かに悪い 作業している犯罪者 夢のxxは俺を拒んでくる 一緒のクラスなのに あまり美人とは言えない顔 教室に友達がいないが、〇〇ってよくない?と同調したりしている 俺が話しかけると俺が俺だとわかるみたい 四人の女の子から本気で無理と思われている 施設制度分析 涅槃よ え?って思う もう学校も終わるから学校にきてみたが 君は人のこと差異化の手段としか思ってないのか
1016
強迫に見つかった
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深刻な鬱だ… 外界がつらいんだ 精神はまだ安定しているかもしれないが、 外界に触れるのが嫌になってきた… あああの穴の空いた石壁!あのときはもう二度と来ない!そしてなんて気持ち悪いんだろう! グループラインのトークを見返してる… 病ませてはくれない… 存在→空の薬品の瓶 みんな仕事か笑うわ なにかが終わりました 薬を飲むことくらいしかやることがないです 本を読むかなんだか泣きそうな気分になってきたな 全人間に否定されている 無だ…こわ… どこでも自分自身となれない。だから作品を書くことだ 今となってはなにもつまらない 酔っ払ってるxx、君みたいな人がいい
1130
だめだ、動くと四肢がはちきれそうだ ツイッターに埋め込まれている画像を見ることとそうでないこと 内面化された規律が厳しすぎたxxちゃん メードザン 放射させること、できませんでした ゆれる0.03を聞いてるとき 自分のツイッター見てたけど寝てるなこいつ、抑うつだよ
1141
苦しくなってきた つらい 気力がない なんか食べて気分変えるか なにかすがるものあるか人物? 感情が消えた ゆでたまごとジャガイモとわかめとたまねぎの味噌汁を飲んだ氷はうまい 穏やかだ穏やかすぎるほど穏やかだ しにたいしにたい
はやく!はやく家から出ないかなあ 一人になりたい
1245
また目を瞑る、これしかできないつらい
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情報 インプットとアウトプットしかない
1825
夢の中にまた魚。助けを求めるかのように叫んでた、多分現実でも。魚がいておぞましい感触がある。安定剤服用。直近の夢の内容を思い出せず。 生贄。システムへの懐疑。まだ解釈され解体されている、自分の作品を持たない限りはずっとこれだ。早く治療しないと。また寝る。精神を保てない。 多層。xx、四階のマンション。 xxにプレゼント送ったことあったよなとまどろみの中で。しかしそれはxxがどういう反応をするか、想像することでそれはないとわかる。声によって 言葉に触れるのも嫌で、 まじで疲れた pupgやった、やられるタイミングの美学 俺はなにをしているんだ とにかく疲れた 酒を持ってきたが飲む気にならない
0220
pubgまち、天海春香しね 三階のブランコでずっと とにかく外部に居座る 外部に居座る 三階の霊的なもの たがわから連絡きてたがいくらなんでもおそすぎだろ 寝てることにしよう 頭蓋を差し出そう しろいもの とっちゃいなよ くろいもの、つけじるにつけて ピンクのもの れいします いつまでも絡んでくるアメリカ なにするの? 修行を 集団に修行なんてないんだ、思いよそのげんきょうよ
0449
なんでこんなに寝ちまう 風呂も入る予定だったのに もうどうでもいいや全ては虹色へ 頭の中がいきなり切れて誰かに対して申し訳なくなる
0602
私も傘が吹き飛ぶほど喜んでしまった メキシコのサイトを見ていたら私は私であることが困難で、今までの私が否定されてくる この上なく精神不安定なので安定剤を飲んだ 僕は今日これからなにをすればいいですか コデインビール228 住み込みで働くところから物語は始まる? 薬物で幽体離脱するスレとメキシコ旅行のサイトを同時に見たらつらい しにたいしにたいつらい。つらいくるしい お願いだから助けてほしい オペラ?コンサート?美術館?まるで興味ないしにたい モンテベルデ雲林保護区 息ができない。白ワインを持ってきた 全ては想像のために想像が全てを作る 些末なことで思い悩む人生やめたいがそこに文学があるのだ 銃使うか、どうするか あー俺はどうすればいいのだろう 今日はなにもしなくていいか まあ思想として扱うのはガタリやラッツァラート、ビフォなんだけど 人々に睨まれている 想像に対しては意欲的にならないとだめだ 俺はなにもかも自分でやってきた、それだけは誇れる、失敗はしたが… サンホセ・デ・パシフィコ メキシコに行っても物語が書けなかったら意味がない。本当にそれは意味がないから 山間の小さな集落を舞台にしよう! 反動。結婚式の反動。なにが楽しいのだ 強迫、他者、それが喜びなのだが、苦しみのが大きい。 政令によって僕はメキシコに行くことができる 僕を自分が不幸であることを見せ付けなければ、それが僕なのです。作品を。プリチャンを。 ツイッターでの自己発信、脳髄をツイッターの形式に入れ込むということ 中枢神経系だけよ 既存意識にいることが多すぎて超意識は排除される
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4554433444 · 5 years
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妹さんと同居17
 年齢確認ボタンを押してくれと頼むといきなりブチ切れて画面叩くじーさん。  店内の片隅でしゃがみこんで動かなくなるばーさん。  奇声を上げつつ入店してきて、店内でハイタッチをして外に出ていく若者。  などなど。  俺は、売場の商品の整列をしながら考える。  なぜ日曜のコンビニは変わったお客さんが多いのだろう。  長くコンビニやってる人なら、なんとなくイメージ的に「日曜は変な客多い」というのがあるはずだ。まあいちばんは土曜の夜だろうが、あれは酔っ払いとかが絡むからちょっと話は別である。ナチュラルにおかしい人が多いのが日曜である。そういや前に、某スポーツ飲料飲んだら、液体から電波が流れ込んできて体内で反響してうるさいから返金しろってごねるおばちゃんいたよなあ……あの人いまなにやってんだろ。俺なんて返したんだったかな。確か「それはよい電波で、体内のクレンジング効果があるから平気ですよ」とか言った気がする。もうこれ日曜とかそういう問題じゃねえ。  うちの店は、日曜は比較的客数が少ないのだが、近隣に住宅も多いため、そのへんは運次第である。来るときはだらだらと一日中お客さんが来る。今日は比較的ヒマだ。仕事をどんどん前倒しでかたづける。  夕方のピーク前に、いったん店頭のゴミ箱をチェックしておく。うちの店はかなり店歴が長く、造りが古いため、他店のようにゴミ箱を店内に設置することができないのである。  店頭に出ると、俺の姿を見るなり逃げたやつがいた。 「なんだあれ」  二十代くらいだけど年齢不詳で、白髪混じりの……なんか見たことあるんだよなあ……。  店内に戻って手を洗っているときに思い出した。数年前に入店禁止にしたやつだ。  しかし今度は、なぜ入店禁止にしたのかが思い出せない。  俺は、わりと簡単に出禁を言い渡すほうである。グレシャムの法則か、はたまた割れ窓理論かわからんけど、本質的に「買いものに来ていない人間」が店に増えると、その店の雰囲気は悪くなる。なので、深夜に店頭にたまるお子様も、店員相手に怒鳴り散らすじーさんも、カジュアルに出禁にする。いちいちだれをどんな理由で出禁にしたかなんて覚えていない。 「うーん……」  休憩がてら事務所で腕組んで思い出そうとしていると、 「おはよーございまーす。どうしたんですかてんちょー。そんな悪い人相して」  中台が出勤してくるなりいきなり煽ってきた。 「人の顔をとやかく言うな」 「えーいいじゃないですかー。てんちょーも私の外見についてとやかく言ってください」 「……」  とやかくってなんだ。  だぼっとした感じのベージュのパンツに、ボーダーのTシャツ、その上から長いカーディガンらしきものを羽織っている。まあなんていうか、そのへんにいそうなちょっと雰囲気のいい女子大生である。 「ふつう?」 「それ、数ある反応のなかでも、いちばん最悪のやつですよね……」  俺になにを期待してるんだ。 「ちゃんと見てくださいってば」  めっちゃ顔近づけてくる。  こいつ、とにかくナチュラルに物理的距離が近い。俺が相手のときだけそうだっていうなら「え、こいつ俺のこと好きなの?」とか勘違いしそうなのだが、原則としてだれが相手のときでも近いので、完全に無自覚だろう。  そして相手に自覚があろうがなかろうが、こっちは挙動不審になるのである。 「い、いつもどおり丸顔だな?」 「……はぁ」  露骨にため息つかれた。  なにかを諦めたかのように制服のロッカーを開けつつ、中台は髪の毛先をいじる。 「髪、切ったんですけど」 「わーほんとだーよく似合ってる」  もうやけである。 「ぜんっぜんわかってないですよね?」  ジト目もらった。  ジト目マニアの世界では、愛のあるジト目と、そうでないものを峻別する。見下すレベルまで行くと、それはもはやジト目ではない。そして中台のこのジト目は、限りなく、ジト目と単なる冷たい目の境界線上に位置する。なお、単に目を伏せているとかそういうのもジト目でもない。あくまで、呆れたようにじとーっと見ることがジト目の原風景なのである。  茶化すのはやめて、まともに相手することにした。 「どこ切ったんだよ」 「毛先を二センチくらい」 「わかるか!」  汐里ならわかる自信ある。いや、どうだろう……二センチはちょっと……誤差なのでは?  制服に袖を通していた中台は、ジト目を維持したままの横目で俺を見つつ言った。 「だいたい、てんちょーは私の扱いが雑すぎると思います」 「そうかなあ……」  俺なりにけっこう気をつかっているつもりだが。こいつがいるといないでは店のレベルがだいぶ違ってくる。 「そうですよ。だいたい……」  ぶつぶつ。ねちねち。なんかゆってる。三ヶ月前に髪切ったときも気づかなかったらしいよ俺。  どうすりゃいいんだこれ。 「聞いてます?」  機嫌悪いなあ……。
 まあ、中台は、自分の機嫌が仕事に影響するタイプではない。長く一緒にやっていることもあり、分担は決まっている。それぞれの仕事を黙々とこなす。基本は中台がレジ、俺がそれ以外の雑用なのだが……。 「なんだよ愛想ねえなあ」  カップ麺の品出しをしていると、レジのほうからじーさんのダミ声が聞こえてきた。  またあのじーさんか……。  名前は知らないが、毎日来る人だ。年齢はもう七十近いだろうか。ふだんはいいのだが、たまに酔っ払って来ることがあり、そういうときはかなりタチが悪い。 「はいはいお父さん、どうしました?」  俺はかなり大きい声で言いつつ、じーさんに近づく。 「んだ店長、おまえ関係ねえだろ」 「なになに、どうしたの。悪い酒だなあ。もっとうまい酒飲もうよ。ほら、黒霧島とか」  そう言って、がっちりじーさんの肩を組む。じーさんには気づかれないように、中台には、ジェスチャーであっち行ってろと指示。どうでもいいけど酒くせえなあ……。 「なんだあの女は。こっちは客だぞ。手のひとつ握ったくらいでいやな顔しやがって」  あー。  これはあかんやつですね。  この世代、たまにいるんだよね。店で働いてる女性はみんな水商売と互換だって思い込んでる人。なんでああいうお店が高いのか理解してない。 「んー、外で話そうか」 「なんだてめえ? 客追い出すのか?」 「ちょっと頭冷やそうか」  さすがに力なら俺が上である。じたばた暴れるが、それ以上の抵抗はなく、店の外に連れ出すことに成功する。まあ、足元ふらふらしてるしなあ。  さてと。  なんか喚いてるじーさんを睨みつける。 「そちらがどう思うかは知らないけどさ、うちの店は手握らせたりとかそういうサービスはしてないから。いやがる店員の手を握ったら、そりゃだめだよね? つーわけで警察呼ぶから」 「おう呼べよ。俺ァなんにも悪いことしてねえからな」  そこで、俺はじーさんの肩に腕を回して、ぐいっと引き寄せて、耳元で呟く。 「あんたがシラフのときに」 「あん?」 「いまの状態じゃ、お父さんもちゃんと証言できないじゃん? だからシラフのときに警察呼んでちゃんと話しようよ。住所も名前もこっちは全部握ってるから」  もちろんでまかせである。 「なんで俺がそんなのにつきあわなきゃなんねえんだよ」 「うるせえ!」  怒鳴った。 「……な、てめえ、客相手に」  じーさんが怯んだ。ここがタイミングである。追加で脅す。 「潰すぞてめえ。逃げられると思ってんじゃねえぞ」 「……クソッ」  お客さんのお帰りである。どうなるかわかってんだろうなとか捨てゼリフ的なこと吐いてるけど、あのタイプはなにもしない。たぶん、店にもとうぶんは来ない。なお襟首を掴むと暴行罪になるので、注意しましょう。  遺憾ながら、理屈が通じない相手は脅すしかない。あの手の泥酔したじーさんって、実際のところ、警察呼んでも「またあんたか」って警官に言われるような常連さんだろうし、本人は痛くも痒くもない。  テクニックとしては、酔っている現在は気が大きくなっていても、シラフのときのことを持ち出されると、多少は萎縮する。酔ってはいても、完全に理性を失っているわけではないからだ。  あともひとつは、こちらからの攻撃の意志を示すこと。あの手合が傲慢なのは、自分が客だからという前提に基づいている。だから、そんなの関係ねーと伝えてやると、自己保身に回る。  次似たようなことやったら出禁かな。  そんなことを考えつつ店内に戻ると、中台が飛びついてきた。 「平気でしたか!?」 「あー、ぜんぜん。脅しといたから、とうぶん来ない」 「ありがとうございました……。手を触られたので、びっくりして引っ込めたらいきなり怒り出しちゃって、なんとかやり過ごそうとしたんですけど、手を掴まれて……」  あ、まずいなこれ。  いらない責任感じてるっぽい。 「悪いのは一〇〇パーセントあのじーさんだぞ?」 「それは、そうかもですけど……」  納得していないようにうつむく。  だよなあ……ここでおまえは悪くないって言っても、なかなか言葉が通らないんだよなあ……。  少し考えて、俺は言った。 「すずちゃんはなにも悪くない」 「へ!?」  目をまんまるに見開いて、びっくり顔になる中台。 「すずちゃんはいい子だ。なにもまちがってないぞ」 「え? え!?」 「というわけで仕事に戻るぞ中台」 「て、てんちょー? いま、すずちゃんって」 「気のせいだ」 「二回言いましたよね!?」 「気のせいだ。ほら、レジ来てるぞ」 「あ、はいっ」  多少は気がまぎれただろうか。  中台、なんだかんだで気にしいだからなあ。あとでもうちょいフォロー入れといたほうがいいかもしれない。
 多少のトラブルはあったものの、前倒しで進めていたせいもあって、二〇時五〇分には、すぐにでも帰れる状況になっていた。そのぶん疲れたけどな……。  事務所に座って明日の朝勤への伝言なんか書いていると、 「おはようございまする」  夜勤の飛田さんが出勤してきた。  四十五歳のおっさん。外見は、身長が低くやせ型、髪は年齢のわりに薄い。そしていったいどこから探してきたんだというような、フレームの太い眼鏡をかけている。声は甲高い。 「すっかり肌寒くなりましたなあ、ロリゲーの捗る季節です」  そんで、ひっでえオタク。  つーか季節とかあるんだ……。  なんのカルマを背負ったらこんなイキモノになるんだ、という感じの人だが、実はこの人、だれでも名前を知ってる一流商社からのアーリーリタイア組である。なんでも、あとの人生はバイトと資産運用だけで食ってけるらしい。  ちなみに、仕事は誠実で優秀。得難い人材である。 「さーて、今日もがんばって仕事して、家に帰ってロリオナホですぞ」  言動には問題がある。 「ときに店長」 「はい?」 「店頭にものすごい美少女がおりますぞ。絶滅危惧種と思われる黒髪ロングの清純派。あの感じは恋する妹キャラですな。おそらく、お兄ちゃんを想うとすぐ」 「はいそこまで!」  飛田さんを止める。なに言い出すこのおっさん。  俺はあわててスマホを確認した。そこには「もうすぐ着くよ」という汐里からのメッセージ。時間は十五分ほど前。 「ちょっと店頭行ってきます」 「お、おお……!?」
 店頭に飛び出すと、ガラスに寄りかかるようにしてしゃがみこんでいる汐里の姿があった。 「悪い。仕事中でメッセージに気づかなかった」 「ううん、いま来たところだよ」  腕を絡めてくる。 「今度は順番あってるよね?」 「あってるかもしれないけど、LINE入れといてそれはねえだろ……」 「くちゅ」  汐里がくしゃみをした。  この子、なんか猫みたいなくしゃみするんですよ。  寒いときなんか、よく連発して、 「くちゅ。くちゅ」  まずいな。  気温はかなり下がっている。布越しに、ひんやりした感じが伝わってくる。  あー……うーん……あんまり公私混同はしたくないのだが……。  背に腹は代えられない。 「中に入るぞ」 「え、う、うん」  汐里を引き連れて店内に入ると、レジのところでタバコを補充していた中台が、驚いたようにこちらを見ている。 「妹だ。悪い。目をつぶってくれ」 「は、はい。え? えーと……?」 「あとこれ。購入」  レジにあたたかいペットボトルのミルクティーを置く。 「百五十二円です」 「あいよ。お釣りは募金」 「あ、ありがとうございます……?」
 そんでもって事務所。 「はじめまして。本永貴大の妹の汐里と申します。いつも、兄がお世話になってます」 「い、いえ、こちらこそ……」  深々と頭を下げた汐里に対し、中台はとまどい気味にお辞儀を返した。  中台は、もう上がりである。  着席、とばかりにすとんとパイプ椅子に腰を下ろして、ミルクティーをくぴくぴと飲む汐里。ほわーっと息を吐いたりしている。  なお飛田さんともうひとりの夜勤はすでに売場だ。飛田さん、なんか混ざりたそうに事務所を覗いてたけど、遠慮してもらった。あの人二次専門だし、別に悪さはしないと思うんだけど、なに口走るかわかんないから……。いやだってあの人うっかり言いそうじゃん。お兄ちゃんのことを想うとすぐにHしちゃいますかな?とか。しますよ、とか汐里が返事したらどうしてくれる。どうしよう。どうしたらいいんだ。俺だってするぜ!とか元気よく言えばいいか。  思考の迷宮にはまりそうになっていると、 「あ、そうだ。レジの処理でわからないことがあったんです」  中台が、売場に通じるドアまで移動し、手招きしている。  一緒に売場に出ると、中台は、俺の袖を引っ張りつつ、興奮気味の小声で言った。 「ちょっとてんちょー、なんですか妹さん。めっちゃかわいいじゃないですか」  ああ、やっぱ口実だったか……。うんそうだと思った。いまさら中台にわかんない操作方法とかあるわけないし。 「なんですかあの顔のちっちゃさ。線の細さ。もはや意味がわからないです」 「ああうん、なんかごめんな。うちの妹がかわいくて」 「うわぁ……シスコンってうまれてはじめて見ました……あんがい私たちの身近にいるんですね……」  都市に住む野生動物みたいな扱いやめてくんないかな。 「それにしても」  中台は、俺の顔をじろじろ見上げる。だからこいつはなぜ近いんだ。傍から見たらキスねだってるように見えるぞそれ。 「似てないですね。びっくりするくらい」 「……まあな」  一瞬迷ったが、スルーする。血のつながりがないことをわざわざ申請することもない。 「てんちょーが今日、仕事急ぎ気味だったのは、これですか……」 「事情があって、店で待ち合わせするしかなかったんだ」  話を切り上げて事務所に戻る。  もの珍しそうに事務所の内部を見回していた汐里だったが、俺に気づくと、 「あ、お兄ちゃん、もう帰れる?」 「着替えたらな」 「うん、待ってる」  中台は、もはや謎の生物を見るような目で汐里を見つつ、制服を脱ぐ。  汐里があたりまえのツラして椅子に座ってくつろいでいる一方、中台はなぜか居心地が悪そうに見えた。さっさと荷物をまとめて、おさきに失礼します、と言って事務所を出ていく。
「……」  中台が出ていったドアをじっと見て、汐里がなにやら難しい顔をしている。 「どうした?」 「ん……考えすぎかもしれないけど……さっき、店頭に変な人がいて。あの、うぬぼれてるとか思わないで聞いてほしいんだけど……」  店頭で待っていたとき、変な人物がいたらしい。  その人物は、店の外からレジのあたりをじっと見ていた。  汐里いわく、こうした状況では、見られるのはたいてい自分であり、その自分をスルーしてレジの人物を見ていることに、かなりの違和感があったという。  よくも悪くも、汐里は自分の外見が人目を引くことをよく知っている。 「それ、どんなやつだった?」 「んー、なんか変な人。若いのかおじさんなのかわからなくて……あ、頭に白髪がけっこうあった」 「……」  あいつだ。  夕方に俺を見て逃げたやつ。  その瞬間、記憶が蘇った。そうだ、ちょうどこの時間帯じゃないか。 「まずった。汐里、ちょっと待ってろ」  俺は汐里の返事も待たずに事務所を飛び出した。  ようやく思い出した。  以前、女子高生のバイトが、ツイッターに平然と個人情報を晒していたことがあった。まだ中台がバイトを始める前のことだ。自分の名前はもちろん、バイトをしている場所まで。そして「これからバイト上がるよ」などともツイートしていた。で、そのバイトにつきまとい行為をしたのがあの男だ。  いまはどうかわからないが、当時はまだこの手の事案では警察は動いてくれなかった。しかたなく、俺自身がそいつをとっつかまえて脅したうえで出禁措置にしたのだ。それっきり店には来なくなって三年以上は経過していた。完全に忘れていた。  店頭に飛び出すが、中台の自宅の方向である右側にはだれもいない。 「くっそ……」  なにごともなければいい。取り越し苦労であればいい。  そう思って、走り出そうとすると、背後からかすかに声が聞こえた。 「離してください。大声出しますよ」  まちがいない。中台の声だ。  振り返るが、姿は見えない。 「となると……」  店の横には行き止まりの細い路地がある。そこしかない。  俺は、全力で路地に駆け込んだ。  そこには、例の男に腕を掴まれている中台がいた。  まったく。中台は今日、厄日だ。髪を切ったことに気づいてもらえないわ、複数の男に絡まれるわ。せめて罪滅ぼしのひとつはしておこう。 「なにやってんだおまえ」  俺は、中台の男のあいだに割り込んで、低い声で言った。
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kkv-main · 6 years
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MAGAZINE - 2018.12.13
Killerpass 2017 US TOUR日記 by  kazukick
3月いっぱいでギターのkenchanが家業を継ぐ為に地元の青森に帰ることが決定した。どこかツアーに行こうよ。アジアは今後行けるかもしれないしヨーロッパって感じの音でもないしなー。
『アメリカとかどうよ?誰か一緒に行きたいよねー、、、Hi.killerpassの7インチも出ることだしハラダくんとかどうかな?』
そんなスタジオでの何気ない会話から決定した今回のツアー。ハラダくんに声を掛けたところ『行きたい!!』ということでkillerpassの3人とHi how are you?ハラダくんとのアメリカ行きが決まった。
2017年3月18日から3月26日にかけてアメリカのカリフォルニア州でトータル一週間で5つの街でライブをしてきました。このメンバーとしての国外でのライブは、THE ACT WE ACTと行った台湾へのショートツアーぶり。ツアーって感じのツアーは今回が初めて。たった一週間のツアーではあるがそこで観たり、聴いたり、触れたりしたもの、などなど、、、全てが刺激的なことばかりだったので今回ツアーレポートを書くことにしました。このツアーレポートからアメリカの土地でぼくたちが体感してきたものを少しでも感じ取ってもらえたらな。と思います。(とか書きながらも私の携帯の中のメモ帳に一年以上も眠っていましたが…滝汗)
3月18日 土曜日の朝。killerpass 3人とハラダくんの計4人でいよいよ出発。中部国際空港から3時間かけ北京へ。北京からアメリカ行きの飛行機の待ち時間があったので、北京の空港にて中華料理を食べる。あまり美味しくなかった。ハラダくんはパンダに乗って、はしゃいでいた。
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北京からアメリカはロサンゼルス空港へ向かう。12時間半のロングフライト。機内食を食べ、ビールを飲み、映画を見る。そして寝る。を繰り返していたら、いつの間にかロサンゼルス空港に到着していた。しかし、まだ着いただけで安心はできない。入国審査がクリア出来なければ意味がない。
ここで入国できなければ全てが水の泡になってしまう…。
私の身近なバンドでアメリカツアーをしたバンドはいるもののここ数ヶ月の間にアメリカツアーをしたバンドがいなかったし 念には念を。ということで全員楽器は持って行かず、物販もアメリカでTシャツを作りツアー初日に現地で受け取る。SNSは一時的にログアウト。
『僕が入国できなかったらハラダくんがギター弾いてねー。ハヤシくんがダメだったらぼくがベース弾くよー。』なんて冗談を言うケンタさん。いざ、ゲートへ。
『滞在期間は?』『仕事は?』などの通り一遍な質問を他のメンバーは、されたそうだが私に関しては何も聞かれず ハンコを押されただけ。呆気なく4人とも入国審査クリア!(笑)
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到着ゲートを出ると今回のぼくたちのツアードライバーをしてくれるボブが待っていてくれていた。ボブはkilikilivillaの安孫子さんが銀杏BOYZでアメリカに行った頃くらいからの付き合いらしく安孫子さんにボブを紹介してもらい今回のツアーを同行してくれることになった。しかもボブは日本語も話せるという事で英語にめっぽう弱い僕たちにとっては、本当に心強い存在。車に乗り込みエクスプローディングハーツをBGMにボブの運転でハリウッドへ向かう。道路の幅も看板の大きさも何もかもが日本とは違い、それだけでテンションが上がる僕たち。
ハリウッドに着き、まずハンバーガーを食べようというボブの提案でIN-N-OUT BUGERというハンバーガー屋へ。ここでもハラダくんは、店員さんが被っている店のロゴが入った帽子をもらい、店のロゴが入ったロンTを買い、はしゃいでいた。
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すぐ近くにあるAmoeba Musicという超巨大なレコード屋に行き…散財。店の外でボブが遠くを見て指差している。よーく見るとハリウッドサインが見えていました。
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Amoeba Musicに行った後は車で数十分離れたところにあるボブの家に行く。『今夜は、キラーパスがツアー最終日にライブをするVLHSというところにライブを見に行きましょう。日本のバンドも出ますよ。』とボブ。
夜になりボブの家から車で数十分の位置にあるポモナという町のVLHSというDIYライブスペースに行く。すると、見覚えのある女性がいた。
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PEACH KELLI POPのALLIEさんでした。PKPが来日ツアーをした時に名古屋編をkillerpassとして企画をしたので、それぶりの再会。こういう再会って本当に嬉しい。ライブは東京のPENs+というバンドの方がソロとして出ててPENs+とsplit 7インチをリリースしているLEERという激情/ポストハードコアをミックスしたようなサウンドのバンドなどが出演してました。LEERかっこよかった。あとRafas Tacosというメキシコフードの出店がありすごく美味しかった。JOYCE MANORのメンバーがいて、興奮した。日本とアメリカは時差が17時間もある為、本当に1日が長く感じた。ボブの家に帰宅し乾杯しつつ、1日目が終了。いよいよ、明日からツアースタート!
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3月19日 日曜日。昼頃に起床。ボブの家の前にかなり大きいバンが停まっていた。『いよいよ今日からライブですね。このバンはToys That Killも使ってたバンなんですよ。』と言うボブにテンションの上がる日本人チーム。機材を積み込み、いざ出発!
(※Toys That KillはF.Y.P.から改名したカリフォルニア州サンペドロのpop punkバンド。1999年から現在も活動中。記憶に新しいGEZANのUS tourでも共演してたバンドですね。)
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ライブまでは、まだ時間があるということでヨーク・ブールバートというところにあるドーナツ屋へ連れてってくれることに。その名も『DONUT FRIEND』
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店に入ると人気店なのかわりと賑わっていた。若者に人気なドーナツ屋なんだなー。くらいにしか思ってなかったんですが、とある事に気付く…。
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ドーナツの名前、全部バンド名モジってる!
私はJAVA-BREAKERとSTIFF LITTLE BUTTERFINGERSをチョイス。他にも色んなバンド名をモジったドーナツがあり面白かった。ドーナツも、もちろん美味しかったですよ。
その後は、すぐ近くの楽器屋へ。
その名も『ZEPPELIN MUSIC』
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先ほどのドーナツ屋に続き、楽器屋もこんな名前かい。笑
僕たちがライブで使うギターやベースなどはボブが用意してくれていたのですがドラム関連の物は用意出来なかったとのことだったので、新古品のスネアとスティックを購入。
今夜のライブ会場であるサンディエゴのche cafeに向かう。2時間くらいかかった。
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ライブ会場のche cafeに到着。che cafeは大学のキャンパス内にあるボランティアで運営されているDIYライブスペース。日本では味わうことの出来ないような雰囲気にテンションの上がる日本人チーム。近くの店で食事を済ませ、気付けば夜になっていた。ライブスタート!
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今さら気付きましたがフライヤーに日付載ってませんね。笑  
1番目は、我らがハラダくん。ギターと歌だけの彼だが会場を沸かせていた。さすが!としか言いようがない。凄く良いライブをしていて見ているこっちまで気合いが入る。
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2番目はPEGGY183というバンド。良い意味でヘロヘロなボーカルなインディーギターポップという感じのバンドでした。The CureのBoys Don't Cryをカバーしてたりしてて好感が持てました。
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そして3番目がkillerpass。見慣れないアンプ、割れたシンバルなどいつもと違う環境に苦戦しながらもツアー初日にしては、なかなか良いライブが出来たんではないかと我ながら思いました。ハヤシックの思い付いたままのような英語をひたすら吐き出すMCには不安すら感じましたが、とにかく彼の“気合い!”は、あの場にいた人達には伝わっていた様子でしたね。笑  
トリはSPIRITED AWAYというサンディエゴのバンド。女性ボーカルの4人組ハードコアバンドで会場は盛り上がっていました。
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ライブが終わりライブを見に来てた人たち数人と会話を楽しむ。あと、この日じつは愛知県は豊田市から友人の山口さん(ex.VIDEO GIRL)が1人旅行のタイミングと僕たちのツアーのタイミングが良かったので、ということでライブを観に来てくれたのもすごく嬉しかった。
ツアーをしていく途中で気付く事なんですがアンプやドラムセットなどの機材は基本的には出演バンドの持ち込みなので(ツアーで行った会場は、どこもそうでした。日本のライブハウスのように機材があらかじめ用意してもらってるわけでは、ないんです。)帰る頃にはステージ上には何もありませんでした。
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数時間かけボブの家に帰宅。就寝。
3月20日 月曜日。ツアーの日程の調整をしている段階でこの日はライブが出来ないかもしれない。とボブから言われていた通り、この日はオフ日でした。ロングビーチという街へ行く。天気も最高で本当に気持ちが良い。海だー!!!
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killerpassの3人は、ズボンの裾を膝くらいまでまくり上げ、控えめにアメリカの海を感じていましたが、ハラダくんは、いつの間にかこんな格好になっていました。笑  最終的に私以外の日本人3人はパンツ一丁で海に入ってました。私も入っておけばよかったと今さらながら思ったり思わなかったり…。
ここでボブの友人のチェイスさんと合流。チェイスさんは僕たちがアメリカに着いた日のVLHSでRafas Tacosのスタッフをやっていた人で、来日ツアーもした事があるJOYCE MANORというバンドをやっています。来日ライブに何処にも行けなくて悔しい思いをしてた私としては、まさかこんなタイミングでJOYCE MANORのメンバーと遊べると思ってもいなかったので嬉しかった。ビーチから歩いてすぐのとこにあるバーで乾杯。
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チェイスさんとボブが好きなゲーセンがあるということで行く。日本で例えるならすごく寂れた遊園地とか温泉地とかにあるようなゲーセンというか…。新しい機種は全く入らない、ずっと古いゲーム機が置きっ放しのゲーセンってな感じで雰囲気最高だった。
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メキシコ料理を食べながら乾杯。
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その後は、チェイスさん家にお邪魔させてもらう。すると、チェイスさんがおもむろに何かを巻いて火をつけて吸い始めた。…独特な、においが部屋に充満する。そう。カリフォルニア州は大麻合法地域なので何も問題ないが僕たち日本人にとっては、あまり馴染みのない、におい。『吸うかい?』と聞かれたが『お酒で大丈夫だよ。』と断った。
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チェイスさんの愛犬の散歩にみんなで行くことに。気付けばもう太陽が沈み夜になっていた。ロングビーチで犬の散歩をするという最高なオフ日の〆。この日もボブの家に帰り就寝。
3月21日 火曜日。本日ライブをするSan Joseという街まではボブが住んでいるロサンゼルスからは350マイルほど。(約600キロ!)日本で例えるなら、名古屋から福島県に行くような距離。ボブ1人の運転での超ロングドライブ。ボブは休憩しつつエナジードリンクを飲みまくってました…。
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いくら昼間の移動とはいえ、なるべく寝ないように気を付けながら(途中で寝落ちしてしまってましたが…)車窓からの景色を楽しむ。
ライブ会場に到着。スーパーやらメキシコ料理屋やら様々な店が入っている複合施設の中にあるカフェがライブ会場のクロマティックカフェなのです。ほんとにここでライブやって大丈夫なの?と思ってしまうほどティータイムを楽しみに来ているような一般のお客さんで賑わっているカフェでした。コメダ珈琲とかスターバックスに機材持ち込んでライブするような感じですね…。
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フライヤーの横に注意書きが貼られていた。笑
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ライブを見に来てるお客さんと、お茶をしに来てるお客さんが混在している中、ライブスタート。
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1番目がKITTY KAT FAN CLUB。ASIAN MAN RecordsのオーナーMike Park率いる女性ボーカルギターポップバンド。ツアーに行く前からじつは7インチを持っていたので今回のツアーでかなり楽しみにしていたバンドの1つでした。お洒落なカフェの生演奏BGMとしてはバッチリ!なグッドメロディな楽曲の数々で凄く良かったです。
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次。2バンド目はBEST BUDS。MOM JEANSのアルバムのタイトルからバンド名を取ったかどうかは、不明。ANNABELをより男臭くした雰囲気。熱く歌い上げるエモ要素有りのメロディックパンクって感じでカッコ良かったです。メンバーもナイスガイでした。
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3番目がハラダくん。観ている人達の心を完全に掴んでました。やっぱりスゴイ。カフェで聞くハラダくんの音楽も最高だった。
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そしてトリはkillerpassでした。あの、お洒落なカフェには、マジで相応しくない爆音BGMになってしまったとは思いますが(笑)初日よりも凄く気持ち良いライブが出来た夜でした。『エナジーしか感じなかったぜ!』と話した人達からは口々に言われたのでアメリカの人たちに気合いが伝わったようで本当に良かった。この日のライブ映像はハラダくんがyoutubeにアップしてくれてるので是非観てみて下さい。少しは雰囲気伝わるかと思います。
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ライブ後はKITTY KAT FAN CLUBのギターのSimさんの家に泊めて頂くことに。Simさんの友だちも何人か来てライブの打ち上げのような感じ。楽しい夜だった。
3月22日 水曜日。Simさんの家から歩いて数分の位置にあるSimさん行きつけ?の店に行き朝食を食べる。
Simさんとは、一旦お別れしThe Starving Musicianという名の楽器屋へ。
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入店してわずか数十分…『これにする!』とハヤシック。彼は今回のアメリカツアー中に春からの新体制のkillerpassで使うギターを買うんだ。と渡米前から意気込んでいた。
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新体制になってからしばらく使ってましたが、ここ最近は違うギター使ってますね。そのうち、またこのギターも再び登場することでしょう!
Simさんの家があるサンノゼから今晩のライブ会場がわりと近いこともあり時間に余裕があるという事で『観光しましょう。』とボブ。
ライブ会場があるレッドウッドシティーを通り越して気付けばサンフランシスコにいました。GOLDEN GATE NATIONAL PARKSという公園へ到着。
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THE観光地!て感じの場所でしたが天気も良く最高でした。園内を歩きまわる。
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少し遠かったですがゴールデンゲートブリッジとやらが見えてました。
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3人とも見事に目が開いてませんね。太陽が眩しかったんです。ハヤシックが花のようなものをくわえているのは、ナゼなんでしょうね。笑
少し移動し、Amoeba Musicサンフランシスコ店に行く。アメリカに到着した日に行ったロサンゼルス店と比べると少し小さめだった(とはいえ、かなりデカイですよ。)が、ここでも、またもや私は散財しました。
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レコードディグ後は中華料理を食べる。北京の空港で食べた美味しくない中華は、いったい何だったんだろうと思ってしまうほど、美味しかったです。
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本日のライブ会場に到着!レッドウッドシティーという街にあるMardi Gras Loungeというバー。
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ビリヤードが出来るバーの隅っこに機材を持ち込んでライブをやるスタイル。テンションが上がる。
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フライヤーには書かれてませんがハラダくんも、もちろん出てましたしDick Fightという地元のバンドも出てました。ライブは、ちょいと遅めの21時スタート。
ハラダくんは、この日のフライトで一足先に帰国することになっていたのもあり1番目に出演。
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酒場の楽しく賑やかな雰囲気に合わせてプレイスタイルを変えていたのか昨日よりも少し荒い感じのハラダくん。今まで何度も彼のライブを見てきたんですが、この日のハラダくんのライブは超かっこよかった。
ライブ後は、泥酔してる?おばさんがハラダくんに駆け寄って写真を撮っていた姿が凄く微笑ましかった。
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ハラダくんとの日本での再会を約束しハラダくんを見送り、引き続きライブ。
その後はTeenage Sex、Dick Fightというバンドがプレイしていた。4番目はkillerpassでした。連日のライブで勢いがかなり出てきているな。と我ながら感じるライブが出来た。トリはサクラメントという街のJesus and the Dinosaursという3人組のバンド。野生感剥き出しなドラムの叩きっぷりが最高なスペイン語ロックンロールパンクって感じでかっこよかった。
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『ワタシ、ニホンゴペラペラデース!』と話しかけてきたクリスというボブの友人が来てくれていたんですが日本に住んでいたこともあるらしく、キラーパスとは別で私がドラムを叩いているSKIZOPHRENIA!のライブを岡山県は津山で見た事あると話していた。(ほんまかいな?と思い、帰国後パソコンの写真フォルダを見ていたらスキゾフレニアのメンバー宅で撮ったクリスが写っている写真が発見されました。笑)
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コラプテッドのパーカー羽織りセブンティーンアゲインのシャツを着ているナイスガイでした。
21時スタートだったこともありライブ終演したのは24時をまわっていました。昨夜泊めて頂いたSimさんの家に帰る。ボブが『明日のライブ会場がギルマンに変更になるかもしれません。』という爆弾発言をし就寝。
3月23日 木曜日。朝に起床。ボブとSimさんオススメのメキシコ料理にて腹ごしらえ。美味しいし量も多いしマジで最高!
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Simさんとはお別れ。
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Simさんの家を出発しオークランドという街に向かう途中ボブが何やら電話をしている。電話を切りボブが僕たちに言う。
『会場変更になりました!ギルマンになりました!』
『ええええええええええ!?マジで!?』
キラーパス一同、驚嘆。
当初の予定では、オークランドのVamp Vintageという古着屋さん?でライブをする予定でした。ギルマンがわりと近いという事だったのでボブには時間があれば見に行きたいので連れてって欲しいという話は、してあったのですが、まさかそんな憧れの場所でライブが出来ることになるなんて…。
オークランドに到着しボブがやっているTADAIMAというバンドのメンバーのユイさんと合流。彼女は母親が日本人で日本産まれ。幼少期以外は、ほぼアメリカで育ったそうだ。
Long Knivesというバンドをやっているコナーさんがやっているバーに行き、器の真ん中に火がついてるアルコール度数の高い酒で乾杯。
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その後は巨大霊園?のような墓地 兼 景色が良い観光スポットのような所に行き芝生の上で昼寝したり、のんびりタイム。
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1-2-3-4 Go! Recordsというレーベルの実店舗に行き散財。すぐ近くにはグリーンデイのビリージョーが経営しているギターショップもあったので行ったりしました。
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いざ、924Gilmanへ!
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到着!ハードコアパンクの聖地924Gilman。
ここはFUGAZI、operation ivy、MDC、GREENDAY、RANCID、FIFTEEN、YOUTH OF TODAY、DESCENDENTS等々の数多くのバンドがライブをしてきたという伝説の場所。ギルマンでのライブを音源化してる作品も沢山ありますね。
ファンジンとかで読んだり行ったことがある人から聞いたりしていた、メッセージの書いてある壁を見た時は本当に震えました。
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ライブスタート時間が近付いてるのにステージには何1つ機材がなく、とりあえず呑気に記念撮影。笑
ボブに聞くとステージでのライブではなく今日は、いつもはライブでは使わない部屋を使ってのライブとのこと。『レアですよ!』とボブ。地元の人たちもそんな使い方する日もあるんだねー。という感じの様子でした。
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ライブスタート!!
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手違いでフライヤーにハラダくんの名前が書かれていましたが帰ってしまっているので7時スタートで計3組出演。
1番目がJOY CYRという女性のソロ。どうやらソロ活動がメインのようですがこの日は数曲やった後にバンドバージョンとしてもプレイしてました。
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2番目がkillerpassでした。正直ライブのことは、何も覚えていませんが今まで数々のバンドがここでライブやってきたんだな。と思いながらで全力でプレイしました。
トリがSNOOZEというバンド。この日の企画は、このバンドのボーカルのSamさん。ウィーザーからの影響大ってな具合のサウンドで個人的には結構好みでした。
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ライブ後は、ツアー中全くと言っても過言じゃないほど撮ってなかった集合写真。
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ライブ後はボブのバンドメンバーのユイさんの家に行きアニメを見たり飼い猫と遊んだりしてから就寝。
3月24日 金曜日。
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ユイさん家の飼い猫に起こされ目を覚ます。
ユイさんが住むオークランドからライブ会場があるポモナのVLHSまでは6時間ほどの距離という事もあり、午前中にはVLHSに向け出発。ユイさんとは、ここでお別れ。
道中のことは、あまり覚えてませんがツアー最終日ということもありアメリカツアーでの出来事や今までこの3人でのkillerpassとしてやってきたことなどを思いながら車窓からアメリカの風景を見ていました。
VLHSに到着!あとは、やるだけだ。
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地元のバンド4バンドと僕たちの計5バンドでのライブ。killerpassは3番目に出演しました。
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1.レイジズム
2.アイランドインザサン
3.自分の言葉で話したい自分言葉で伝えたい
4.Do The Best Thing
5.偽善者でかまわない
6.マイアンサー
7.リスタート
8....is over
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9.First Contact(ワンモア)
ワンモア含む全9曲をプレイしました。
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この日のライブは過去最高のライブができたと我ながら思いましたし、ハヤシックとkenchanもそう感じてたと思います。ライブ後は色んな方が物販を買ってくれたり話しかけたりしてくれて、本当に嬉しかった。
ボブの家に帰宅し帰国する準備をしつつボブとkillerpass3人でツアー最後の乾杯をして就寝。
3月25日 土曜日。
早朝に起床。ボブの飼い猫のワイヤーとも、この日でお別れ。
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ボブの運転でロサンゼルス空港に向かう。
18日から初対面の僕たちに1週間フルサポートしてくれたボブには本当に感謝しかありません。ボブ本当にありがとう!
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日本かアメリカか何処かでの再会を約束し僕たちはロサンゼルス空港から飛行機に乗り込む。ツアーが終わったのと日本���帰るという安心感からか飛行機の中では爆睡。
行きと同じルートの為、ひとまず北京に到着。乗り換え時間があまりなかったので、すごく忙しなかった。予定していた中部国際空港行きの飛行機に全力疾走したりしながらギリギリで乗り込む。
中部国際空港に到着した頃には、アメリカで買った沢山のレコードを聞くことや、久しぶりの日本食は何を食べるか等の事で頭が一杯だった。
バゲージクレームにて自分の荷物が流れてくるのを待つ、killerpass一同。
同じ飛行機の乗客たちは自分の荷物を受け取り、その場を1人、また1人と去っていくのに僕たちの荷物がいつまでたっても流れて来ない。。。
そして最終的にバゲージクレームには何も荷物が流れて来なくなってしまった。
航空会社のフロントに聞きに行くと、数人分の荷物が北京で積み替え出来ていなかった。という事が判明。
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ツアー中に買ったレコードやお土産などが入ったカバンは全て北京空港に取り残されており、結局 書類を書くハメに。笑  
家に無事に帰宅したが何とも言えない後味の悪い感じで就寝。後日、荷物は無事に郵送してもらいました。
『あとがき』
僕たちのUSツアーレポート楽しんで頂けましたでしょうか。たった1週間の出来事で毎日が本当に刺激的で楽しくてあっという間すぎる1週間でした。アメリカの地でツアーを出来たのもkilikilivillaやボブ、そして各地でサポートしてくれた方たちの協力なしでは実現しなかったと思います。今回途中まででは、ありましたがハラダくんと行けたというのも本当に良かったですし、そしてバンドメンバーのハヤシック、kenchanと一緒にkillerpassとして活動できたことに感謝してます。
このツアーの事を唄っているのが今回の新譜『delayed youth e.p.』に収録されている『アメリカンドリーム』という曲です。僕たちが感じたアメリカの風を少しでも感じ取ってもらえれば嬉しく思います。
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kuroda-kanbee · 7 years
Text
バスコン、コースターの仕様について 各車サイズ、注意点など
各車両サイズ
コースター 699x206xh261
STEPWGN 470x170xh183
3-prius 448x175xh149
ハイエース スーパーロング 538x192xh228.5
セキソーボディ TOM200 498x192xh265 ハイエース ロング
セキソーボディ TOM23 485x192xh263 ライトエーストラックDXエディション
セレンゲティ 499(525:524.5)x210xh284  ハイエース ロングワゴン  バンクベッド1,900×1,900 リヤ2段ベッド1,920×630(580)〈525:1,920×900(850)〉 ソファベッド1,760×950
デュカト 最小回転半径はMサイズ5.5m ロングホイルベースのL/XLサイズでも6.2m
ハイエース・スーパーロングの最小回転半径は2WDが6.1m 4WDは6.3m トヨタ コースター 6AT ロングボディ ハイルーフ EX 最小回転半径6.5m
自宅の横の車庫のサイズ h240w230
各キャンピングカー運転席近くにサイズ、油種、注意点(ターボタイマーないです、とか)を掲示する必要あり
バスコン、コースターの仕様について 注意点など 出発前 トヨタ コースター(バスコンバージョン)ですので大きいです L699xW206xH261cm 運転には細心の注意を払って下さい 特にH261は立体駐車場は(屋上まで屋根なしの場合を除きほぼ)ムリ、特に高架下等は要注意です 出発前はバスの回りを一周目視で確認してから出発下さい。車両の左後方部分でAC100Vにてサブバッテリーの充電をしている場合、必ずケーブルを抜いてフタを締めてから、ケーブルを積み込んで出発して下さい ※充電したまま出発すると、破損します 黄色ケーブルは小型サブバッテリー1、緑色ケーブルは大型サブバッテリー2です 有料道路を使用するならETCカードを持参して下さい 運転席ハンドルの左下側に指せます 高速料金 弊社コースターは車が大きくても普通料金! ・送迎などで使用するマイクロバス→2ナンバー登録で高速料金は中型料金適用 ・キャンピングカー登録のマイクロバス→8ナンバー登録で高速料金は普通車料金適用 料金所でモメたら、本車両は8ナンバーの特殊用途車のため普通乗用車扱いですと申し出て下さい
※有料駐車場はこの限りではない ※排ガス規制について、キャンピングカーなど8ナンバー車で規制対応できてない車両は、改造前のノーマル車のときに貨物車だったら、ダメ、乗用車だったら、乗り入れOKです。装備で判断せずに、車検証に記載されている「用途」の欄を確認する。事実上都市圏に本拠を置けないことのみ問題。よって弊社のコースターは排ガス規制も元々クリアしてますし、登録時乗用なので乗り入れOK ガスボンベがあると乗れないフェリーがあるかも、旅程にあれば事前に調べて下さい お湯を使わないなら降ろしてOKです バッテリーの残量はチェックしてから出かけましょう サブバ①はギャレー横、サブバ②は冷蔵庫の下あたりにあります サブバ②は電源を入れないと残量出ません 電源ボタンはパネルの一番右です 電圧は一番左のゲージ 使用中電圧は真ん中 各種電化線品はパネルでスイッチをON-OFFしながら使用しましょう 使わない時はサブバ①②どちらもメインを切っておきましょう
CarNeru(カーネル)車中泊10ヶ条(※この雑誌は業界内の立場は微妙です) 01.ルールのあるところではルールに従う 02.周囲にいる人達に迷惑をかけない 03.その場所の所有者・管理者の意向を推察し、それにこたえる行動をとろう 04.近隣の住民や通行者への配慮をしよう 05.日本中で車中泊を楽しんでいる人への配慮をしよう 06.後から利用す���人へも配慮をしよう 07.車中泊を認め、便宜を与えてくれる人々への感謝の気持ちを忘れない 08.マナー違反やマナーに欠けていたと気付いたら率直に謝り、改めよう 09.迷ったり判断しかねたら、とりあえずやめておこう 10.最後に、良かったことや嬉しかったことは分ち合おう
日本RV協会(JRVA)公共駐車場でのマナー厳守10ヵ条 01.長期滞在を行わない 02.キャンプ行為は行わない 03.電源から電気を盗まない 04.ゴミの不当投棄はしない 05.トイレ処理は控える 06.グレータンクの排水は行わない 07.発電機の使用には注意を払う 08.オフ会の待ち合わせは慎重に 09.車椅子マークの所に駐車しない 10.無駄なアイドリングをしない
長期滞在を行わない 道の駅や高速道路のSA・PАなどは宿泊施設ではないので、そこにおける休息は、必要最小限の仮眠にとどめ、連泊・長期滞在を行なわないようにしましょう。また、キャンピングトレーラーを公共の駐車場に放置して、むやみにヘッドのみで遠出をするようなことは避けましょう。 キャンプ行為は行わない 道の駅やSA・PAなどでは、たとえ短時間の休息であっても、オーニングを広げたり、椅子・テーブル・バーナーなどを車外に持ち出して、キャンプ場のように利用することはやめましょう。また、周囲に配慮し特に早朝・夜間の大きな話し声や生活音に注意しましょう。 電源から電気を盗まない 許可なく公共の電源にキャンピングカーを接続し、その電源を利用することはやめましょう。 ゴミの不法投棄はしない 旅行中や移動中に発生した生活ゴミは、ゴミ箱があっても投棄することはやめましょう。また食器などは使い捨てのモノは避け、基本的にゴミは持ち帰ることを心がけましょう。 トイレ処理は控える 公共駐車場では、カセットトイレやポータブルトイレの処理は控えましょう。 グレータンクの排水は行わない 生活排水用のグレータンクの処理も、その場で垂れ流したり、側溝に流したりしないように心がけましょう。また、施設に許可なく給水することはやめましょう。 発電機の使用には注意を払う 公共駐車場における発電機の使用は、時と場合を充分に考慮し、他の利用客が休息している時や近所に民家があるような場所では、使用しないようにしましょう。 オフ会の待ち合わせは慎重に オフ会やクラブミーティングで公共駐車場に集合する場合は、他の利用客から駐車場を占拠して騒いでいると誤解されないように振る舞いましょう。 車椅子マークの所に駐車しない 道の駅や高速道路のSА・PАにある車椅子マークの駐車スペースには、健常者のみが乗車している場合は駐車しないようにしましょう。 無駄なアイドリングをしない 無駄なアイドリングによる排気ガスの流出や騒音は、大気汚染や地球温暖化にも悪影響をもたらすので、エンジンストップを心がけECOドライブを行いましょう。
マナーについて、キャンプ場以外ではオーニングの展開、テーブルセット展開、屋外調理などを行わないように トイレの処理や水の補給、グレーの廃水処理なども許可された場所以外ではすべきではありません
※ちなみに国土交通省はウェブサイトで、「『道の駅』駐車場での車中泊は可能ですか?」という問いに対し、「『道の駅』は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。もちろん、『道の駅』は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません」としています。
軽油を満タンにして、充電して、ざっくり掃除してから渡しますので、 使用前(できれば7-10日前程度)に予約して下さい。予約票は書式を用意しています 福利厚生案件ですので、使用者は従業員とその家族(1~2親等程度)に限定します。特に運転は従業員が行って下さい。所有は会社になりますので、従業員以外の運転者では保険が出ません(よしんば出たとしても会社が負担して支払っている保険のため、保険費用や増額分まで含めて会社より請求します(でないと贈与になり税金がめんどくさくなりますので))。また自損はそもそも保険適用範囲外です。保険の範囲外の部分(飲酒、自爆、重過失等の責任部分、その他保険で賄えない自己責任事故等の費用全て)については自己責任で賠償になります。注意して下さい。
出かける前日までに、近所で運転の感覚を掴んでおいたほうがいいと思います あらかじめ、車中泊グッズを自宅でバッグ等にて用意しておくと移動の際便利です 食器類の備品はないため、必要な場合は各自用意して下さい 荷物は滑りにくい生地のバッグなどに入れたほうがいいです テカテカ系のスーツケースは滑ります 同様にテーブルの上、ギャレーやTV台の上も運転中に滑るかもしれないので気をつけて下さい
ベッドのマットレスサイズは23列目はダブルもしくはシングルx1、最後尾はシングルx2と70x180cm(2段部分) マットレスはすでに用意してありますが洗えないため、必要な場所のサイズの敷きパッド (ゴム付きシーツ等)を準備して利用してください 枕や掛け布団も必要かと思います 最後尾は常設ベッド扱いでいいと思います(23列目はベッド展開が若干面倒ですので) ※23列目ベッド展開について 必要な世帯はがんばってください ヘッドレストx4は最初に外して足元(ベッドの下層部分)に並べて大丈夫です ダブルに展開する場合は、先に横幅方向に1段階(ジョイスティックみたいな形のレバーで)スライドさせてしまったほうが展開しやすいです、シングルでいいならこの操作は不要です ベッドを動かす(傾ける)ためのダイヤル(ノブ?)を回す方向はクセがあるのですが、向かって左から反時計、時計、反時計、時計回りです その時はヘッドレスト用の穴の向きを、向かって左から右右左左方向に倒す(つまり中央に向け倒す)と覚えておくといい感じになります なるべく座面が水平になるように頑張って調整して下さい
SA/PAで寝る場合はよそのトラックのアイドリング音がうるさいと思いますので予め耳栓を用意した方がいいです むしろ夏場にディーゼルのエアコンをつけっぱなしで寝る場合、トラックのそばなら遠慮なくできるという利点もあります サブバッテリー2のエアコンなら静かですが後部ベッドが寒く2.3列目ベッドは暑いです(今後対策します)
自宅と変わらぬ感覚で使用するため運転席以外土禁です 黒いステップ部分で靴を脱いで使用して下さい ※室内用スリッパが必要な場合持ち込んで下さい(トイレにはあります、シャワー時はトイレ外に出して下さい) 清水は大型タンクに100L、ギャレー下ポリタンクに20L入ります 基本的に飲用できませんので、飲用水はペットボトルなどで持ち込んで下さい ギャレーのポリタンク清水20Lは、ポリタンクや清水をきれいに保っておけば、顔を洗ったり歯を磨いたりでき便利です ※左の小さな蛇口から出ます 清水は会社の水道水を使用して結構です 100L分は外からホースを突っ込んで給水して下さい また、ギャレー下のポリタンク清水を使用する場合は、ビニールをポリタンク側に残し、投げ込みポンプを抜いた上で外に持ち出し、清水補給し元通りセットした上で使用して下さい いずれの清水も(トイレも含めて)夏場で3日、冬場で30日使用しない時は空にして保管して下さい グレータンクは50Lです。レベルはサブバッテリースイッチ類の近くにメーターがあります ※ボタンを押している間レベルが表示されます ツマミは調整済みなので回さないで下さい、レベルが狂います もし狂ってしまったら清水もグレーも満タンのときに、ツマミで満タン付近になるようにすれば調整できます
火器・ギャレーの使用について カセットコンロx2、焼肉プレートx2、やかん、カセットx6、屋外用テーブルセットは備品です 使用の際は、特に車内ではカーテンやギャレー上の物に引火しないよう、屋外では火気の飛散に注意! 油が飛び散る料理、煙が出る料理は車外でお願いします カセットガスは、使い切ってから交換して下さい シンクには固形のものは流さないようにお願いします ドレンがつまりますので 小さいサイズのものはトイレに、大きいものは生ゴミとして分別して処理して下さい
LPガスは使用の都度、ガスボンベのバルブを開閉して下さい、使用後はただちに締めておいて下さい ※爆発事故などで規制が厳しくなってきています 安全にしっかり配慮してください ボイラーの使用前に必ず近くの窓を開けて、できれば換気扇も回した上で使用して下さい 水の勢いが弱い場合、給湯器が止まることがあります その場合は一旦水を止め、給湯器の スイッチを入れ直し、再度お湯を出して下さい ※LPは使い切ったらいずれカセットガス式にします
カセットガス式にしてから→高価なパワーガスの必要性? カセットコンロには炎の熱をガスボンベに伝える機構(ブースター、ヒートパネル)があるので通年を通して不要なのですが、ボイラー用にアダプターを取り付けた後は、厳冬期に限定してノルマルブタンではなくイソブタンやプロパンの配合が増えている高価なカセットガス(イワタニ・パワーゴールド、トーホー・ゴールドあたり)の購入も検討します。その場合は、厳冬期のボイラーでのみ使用するようにして下さい ※しかし、厳冬期でも車内ではエアコンやFFヒーターなど稼働させて(更にギャレー下の戸を開けて)おけば、普通の安いカセットガスでも十分に使えるのではないか(つまり買わなくてもよいのではないか)と気楽に考えています 一応保険として数本の在庫くらいは考えてます
カセットトイレは2層構造になっており、2階に水洗洗浄液(清水+Dometic100倍希釈)1階が汚物(ブラック)タンクです 「大」時は場合によってはトイレットペーパーを1枚敷いてから使用するほうがよい、との情報もありますが分かりません カセットトイレの水洗洗浄液(清水+Dometic100倍希釈)の水量が半分以上あるかチェックしておいてください※maxのレベル(油性ペンで記入してあります)は超えないよう気をつけて下さい、超えると液漏れの恐れが増大します また、あまりに激しい地形や運転により若干の洗浄液が漏れる場合がありますが仕様だそうです カセットトイレは長期間使用しない場合洗浄水を抜きます、右側のゲージを外すとうまく抜けます。
基本、トランク、清水(記号のカギ)やカセットトイレ(メーカー名のカギ)は外から施錠した状態で移動して下さい ※ないとは思いますが第三者による器物損壊や盗難防止です
車内のテーブルを緩める場合、支柱が重く硬いため、足などにぶつけないよう気をつけて下さい ガラス破損防止の為、ガラスの近くに硬いものや重いものを置かないで下さい
サブバッテリー①(12V)は給湯器のすぐ後部の左側座席の下にあります、走行(オルタネーター)もしくは外部AC100V等で充電できます  サブバッテリー②はトランク中央に、ソーラーもしくは外部100vで充電可能です メインバッテリー(24V)はギャレー下、自動ドアユニットの裏付近にあります
USBフラッシュやSDカードで音楽が楽しめます 予めGORILLA(2dinインダッシュ)のマニュアルを見ておいて下さい GORILLAが2台ありますが、ポータブルがナビとバックモニター、2DINが音楽とバックモニターです バックモニターは切り替えスイッチで常時表示とバック時のみ表示に切り替えられますが、自分による施工ですので、無いとは思いますが機構の故障の際は知らせて下さい バック画面の左右の黄色い線がボデー側面から20-30cm、後部の赤い線が50cm、緑の線が200cm程度の目安です ナビは2台ともメインバッテリーを使用していますので、エンジン停止時は使わないほうがいいと思います
※他備品
VIERA TH-24D305消費電力40W(待機時消費電力:約0.1W) PS4 CUH-1000A最大250W ENGEL澤藤MD14F最大電流:5A(60W)
ディーゼル車のため、給油の際は必ず軽油を指定して下さい 車内から後部ドアを締めるときは、鉄製の婉曲アームを引いて締めて下さい 車内から後部ドアを開けるときは、車外の安全を確認してから(30cm位出っぱります) エンジン始動時は、キーをONにして、コイルっぽい表示(予熱表示灯)が消えてからセルを回します 24V仕様車です 運転席にあるシガーソケットは24Vなので12V仕様の製品を指すと壊れます ギャレー給湯器側と靴箱のすぐ上部のAC100Vは外部入力(AC100Vか発発)による通電がなければ使えない仕様です 靴箱裏側のAC100Vはサブバッテリーメインスイッチ連動、その下の12VソケットはTVスイッチ連動です 電子レンジ裏と冷蔵庫の下付近にあるコンセントはサブバ②から取り出したものです 天井にある物入れの扉を釣るフックにはあまり負荷をかけないで下さい ヘッドライト消し忘れブザーは自分のDIYですので、万一故障の時は知らせて下さい 車外に鳴り響くバックブザーはライトオンで消せます、故障の際は知らせて下さい
※2015/10/14(水)徳島市で全盲の男性と盲導犬が、バックしてきたトラックにはねられた死亡事故を受け、徳島県の飯泉嘉門知事は14日、国土交通省や警察庁を訪れ、視覚障害者の安全を確保するため、車両の後退時に警報音を鳴らすことをトラックなどに義務付けるよう法整備を求めた。警報音は法律で義務付けられておらず、県は5日に危機管理連絡会議を開催。県内のトラック協会やバス協会などを対象に、車両後退時に周囲に警報音を鳴らすよう要請したり、一般ドライバーに注意喚起のチラシを配ったりすることを決めた。ソース/産経新聞社
出発後 水温計の針が動きだすまでは、ゆっくり運転下さい ターボ車のため、高速走行もしくは激しい登坂をしたときは20-60秒ほどアイドリングしてからエンジンを切るように ハンドルを目一杯回した状態を長く続けない 車体が重いので、下り坂ではエンブレもしくは排気ブレーキをしっかり使って下さい、排気ブレーキはウォッシャーのレバーです オートロック、集中ロックではないので、各ドアの施錠忘れやキーの閉じ込めに注意 車両後方のフックはカーフェリーで輸送時に使用するもので、けん引に使用するとコースターのフレームが歪みますので使用しないで下さい 逆に前方にあるフックは自車をけん引してもらうときに使用できます しかしコースターの車重は4tあるので相手は選びます サイドーオーニングについて 展開はゆっくりと、少しずつ、2人以上で行って下さい ハンドルはトランクにあります 足の付け根部分はゆっくり優しく展開して下さい 方向を間違えると破損します 足下には45度の角度でペグ(ステーク)を打って下さい 余裕があればタイダウンベルトも使用して下さい ※風速4-5Mくらいになると、タイダウンベルトなしで使わない方がいいです。 さらに風が強くなるとタイダウンベルトをしても布の部分が吹き上がってしまい、接合部分が破損する恐れが また、あまりに風が強い時などにはサイドオーニングの端が破れてしまう場合もあります 雨の時はどちらかに庇(ひさし)の部分を傾けて設置(展開)しなければ、サイドオーニングの布地部分に大量に水が溜まってしまい、最悪の場合サイドオーニングの脚が折れ曲がったり、生地が破れてしまうこともあります。それと同様に雪の日にサイドオーニングを展開するのもNGです オーニング下で焚き火をする場合も要注意。あまり炎を高く上げてしまうと、最悪の場合サイドオーニングに火がついてしまう場合もあるため、くれぐれも注意しなければなりません 基本的にオーニングは風が穏やかな時に使用すべき 対策としては、あまりめいっぱいオーニングを引き出さない、のもいい オーニングセッティング後はそのままでは車の移動ができないので、入浴・買い出しを先にするなどの工夫が必要です。 また車を止める時は動かさないで済むように、平らかどうかを水平器でチェックして、必要ならレベラーで対処しておきましょう。 最後、収納する際にはきちんとロックされているかの確認が必要。きちんとロックされていなければ、キャンピングカーが走行中に少しずつサイドオーニングがはみ出してきてしまうことがあります
返却時 近場で軽油を満タンにして返却して下さい 使用したコースター本体及び備品は、おおむね使用前の状態に(掃除洗浄等で)戻して返却して下さい カセットガスは、使用後(使用した本数を)補充しておいて下さい ゴミ、カセットトイレは各自処分して下さい ※カセットトイレの汚物タンクの中身は、自宅トイレか自宅の外の「おすい」のフタを開け処理(廃棄)下さい 汚物タンクは水道水(ホース等)で洗って(必要があれば拭いて)元に戻して下さい カセットトイレの水洗洗浄液(清水+Dometic100倍希釈)については、 外から開けて右側のレベルを確認し、半分以下だった場合はつぎ足しておいて下さい 清水20Lは排水して、清水100Lとグレータンク50Lは排水した後バルブを閉じて保管して下さい ※冬は凍結破損、夏は腐敗防止のため トイレットペーパーやティシューペーパー、流せるおしりふきの在庫が2つ以下に なったら知らせて下さい 会社で補充します。Dometic液も少なくなったら知らせて下さい
※元気でやんちゃな若者(ゴミクズ)との無駄な接触を避けるため 車中泊地を決める際には、駐車場にドリフト痕等があるところ、都市近郊なのにまったく人気がない場所(特に海沿いや夜景が見える所)は怖いのでやめます。良さそうな場所が見つからない時は、SAPAキャンプサイト等に泊まる? 私が確認できたのは、近県では緑川、託麻、基山あたりは深夜はたまに溜まり場な感じです 近年の事件(20150817AM05時前、大阪市中央区南船場の堺筋の路上に軽自動車を駐車していた男性が刃物を持った男に襲われ軽いケガをした)を考慮すると、繁華街に近いが人通りのないコインパーキングなんかも自暴自棄の人や泥酔の人がたくさんいそうで避けた方がいいかも。
※刃物について 抜粋 釣りやキャンピングは、ここでいう「正当な理由」に当たります。なので、釣りやキャンピングで使う為に、刃体の長さが6cmを超える包丁やナイフを持ち歩くのは、銃刀法の規制対象物ですが、正当な理由に当たるので問題の無い行為です。 但し、移動中などで、包丁やナイフを車内のすぐに取り出せるところ(助手席やコンソールボックスなど)に置いたり、身につけているのは、不必要に「携帯」していると疑われる原因になります。 釣りやキャンピング人として包丁やナイフを持って出かける際に気を付けておくべきことを列記します (法律違反にならなくても、不必要に疑われることの無いような対策も含む)。 1.移動中の車内では、個別ケースに入れ、尚且つそれをタックルボックスまたはクーラーボックスに収納しておく。  そのタックルボックスまたはクーラーボックスが車内荷室にあれば尚良し。 2.釣りの最中でも使う時以外は取り出さない。 3.自宅駐車場に到着後、自宅に持ち帰るのを忘れない(常時車載はしない)。 4.刃渡りの長い刺身包丁などは使わない(現場では小刀で十分)。 5.仮に警察官に職務質問された場合でも問題は無いし、聞かれれば釣り用の包丁を持っていると答えましょう。隠して、見つかったら、大事になりますが、隠さなければ問題ありません。
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kurihara-yumeko · 7 years
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【小説】満ちない (上)
 夢を見ていた。
 大好きなあの人と、雪のちらつく夜の街を歩いている。
 うっすらと雪が積もり始めている道を注意深く歩きながら、背の高い彼を仰ぐことは難しい。私はちらりちらりと彼を見上げるが、不思議と鼻くらいまでしか視界に収めることができない。目を合わせることなど不可能だ。あの貫くような真っ直ぐな瞳に見つめられるのかと思うだけで、盛大に転びそうになる。
 どこかへ向かって歩きながら、彼と話をしている。けれど夢の中は不思議となんの音も聞こえない。何を話しているのかはわからないが、私の口の動きに応えるように彼の口元も小さく動き、本当にときどき、微笑む。力が抜けて気が緩んだような彼の笑みを見ていると、しゃっくりでもしたように胸の奥がぎゅっとする。
 隣を歩く彼の左手が、ほんの少し手を伸ばせば届く距離にふらふらと揺れていて、私はそれに触りたいと思う。でもどうしても、触れることができない。勇気が出ないのだ。触れてしまえば、きっと彼をびっくりさせてしまうだろう、と私は考えている。驚かせてはいけない、と思っている。そんなことをしては壊れてしまう。まるで薄い氷の上を渡っているかのように、静かに、淡々とした緊張感が流れている。
 不意に、道の途中で彼は立ち止まった。
 私も一歩遅れて立ち止まる。前を向いたまま動かない彼の視線の先に目を向けると、道の向こうから誰かがやって来るところだった。
 ああ、来てしまった。「彼女」が来てしまった。
 私は反射的にそう思う。向こうからやって来る人物のシルエットは、不自然なほどにぼやけていて、誰だかわからない。男なのか女なのかも曖昧だ。なのに私は、それが一体何者なのか理解している。彼女を知っている。そして、絶望している。この後に起こることを、既に知っているからだ。
 隣にいる彼はゆっくりと歩み始める。こちらへやって来る彼女に向かって、一歩一歩、足を踏み出していく。すぐ側にいる私のことなど、この一瞬で忘れてしまったとでも言うように、まるで吸い寄せられるように行ってしまう。
 行かないで。
 そう言いたいのに、私は言うことができず、少しずつ遠のいていくその広い背中をただ見つめている。否、夢の中では声を上げているのかもしれないが、世界からは一切の音が消え去っているのでわからない。
 彼と彼女は道の真ん中で出会い、そしてどちらともなく腕を伸ばし合い、抱き締め合う。私が見ている目の前で、いつの間にか二人は裸になっていて、そうして彼の肩越しに、彼女の顔が見える。こちらを見つめている彼女は何も言わないが、意地の悪い笑みを浮かべている。彼の背中に回る彼女の白い腕。その指先が、愛おしいものに触れるように彼の背を撫でる。
 やめて。
 私は呆然と、その光景を見つめている。身体が少しも動かない。寒さに縛り付けられてしまったかのように、一歩も動けない。その光景から顔を背けることもできない。さっきまではあんなに胸の辺りが温かい気がしていたのに、今は頬を刺すように吹く風の冷たさが痛い。
 舞う粉雪がだんだんと吹雪へと変わっていく。二人の姿が、霞んでいく。見えなくなっていく。
 やめて、行かないで。
 声が出ない。足が動かない。吹雪の向こう、裸の二人はそのまま向こうへと歩き出している。私が触れることさえできなかった彼の左腕に、彼女が自分の腕を絡みつけて歩いている。
 白く煙る視界の中、二人の姿がどんどん遠く、小さく、霞んでいく。音が消えたはずの世界で、私の喉が高くか細く、ひゅーと鳴るのがやけにはっきりと聞こえた。
 先輩、行かないで。
 先輩。
 やっとの思いで瞬きをひとつしたら、凍りついた睫毛の先に付いた雪が、目尻から水となって頬の上を流れ出した。
 不意に、何かが頬に触れたことに身体がびくんと震え、そうして私は、夢から覚めた。
 目に飛び込んでくる光が眩しい。思わず強く目をつむる。その時、またひとつ、涙が溢れ出るように零れていくのを寝起きの頭の片隅で感じた。そして、その涙の跡をなぞるように、また何かが頬に触れる。反射的に身じろぎをしてしまった。
「すみません」
 そう声をかけられたのと、私がもう一度まぶたを開けたのはほぼ同時だった。目の前には、人間の顔があった。白目がちな三白眼がこちらを見ている。
「起こしてしまいましたか」
 低い声。抑揚がない。少しも申し訳なく思ってなさそうな声音。眩しい光は天井の照明だとわかる。白い天井、白い壁。ここは室内。私の身体は仰向けに横たわっている。��して彼はすぐ側に座っていて、心配そうにこちらを覗き込んでいた。
「どうして……」
 私はここにいるのだろう。
 湧いた疑問は途中から声にならなかった。喉が渇いている。身体を起こそうとしたら、視界がぐらりと揺れた。頭が痛い。
「大丈夫ですか。今、水を持ってきます」
 彼はそう言って立ち上がり、どこかへと向かう。私の視界から消えた。辺りを見回す。ここはどこだ。小さなテーブル、背の低い本棚、床にそのまま置かれたテレビ、コンビニの袋、破れた網戸、表紙の取れたノート、散らかっている紙はプリントだろうか、それともレジュメか。
 振り返ると、台所に立つ彼の後ろ姿が見えた。ペットボトルからコップへと水が注がれている。さっき、水を持ってくると言っていた。水。水瀬。水瀬政宗。それが彼の名前。ああ、ここは水瀬の部屋だ。
 自分がどこにいるのかわかったことへの安心感からだろうか、それとも、悪い夢から覚めたことへの安堵か。彼が水を持って戻って来るよりも早く、私は再び布団に倒れ込んで眠ってしまった。そうして、そんな夢を見ていたことはすっかり忘れてしまった。
 私が水瀬政宗と出会ったのは、今年の夏のことだった。
 大学二年生の夏休み、私の所属するサークルのコンパがあった日のことだ。
 夏休みコンパと呼ばれるそのコンパには、毎年多くの部員が参加する。例年、大学の近くの飲み屋で行われるそれに向かうため、待ち合わせ場所の大学正門前に向かった時、まだ集合時間には早いというのに、そこには既に大半の部員が集まっていた。親しい顔をすぐに見つけ、雑談をしながら時間を潰していると、そのうちに、部長で三年生の岩下先輩が点呼を始めた。
 最初に名前を呼ばれたのは、この春に入部したばかりの一年生たちだった。
 私たちのサークルは、その名を「文化部」という。名前だけでは一体どんな活動をするのか不明瞭なこのサークルは、実際、明瞭な活動なんてひとつもしていない。
 サークル棟五階の角部屋、北向きの一室が部室として宛がわれ、私たちは時間があるとそこに集い、他愛のない談笑やカードゲームに興じている。それが活動といえば活動だ。年間行事としてコンパやら合宿やらが設けられているが、それ以外にも部員同士で飲み会や旅行など、遊んでばかりいる。
 どうしてこんなサークルが設立されたのか、どうして存続が認められているのか、そこが疑問ではあるけれど誰もその点には触れない。私たちはただただ、貴重な大学生活をそうやってだらだらと過ごすことで食い潰していた。
 こんな非生産的なサークルだというのに、毎年二十名ほどの一年生が新入部員として入部する。春にあった新入部員歓迎コンパに続いて二度目のこのコンパには、この年のほとんどの新入部員が参加しているようだ。岩下先輩が名簿を読み上げる声を聞きながら、私はこっそりと人数を指折り数えていた。
「――水瀬、水瀬政宗くんは?」
 その名前を呼んだ時、岩下先輩は名簿からふっとその目線を上げ、辺りを見回した。
「水瀬くんは、来てる?」
「来てませーん」
 一年生のひとり、髪を明るい色に染めている、威勢の良さそうな男子――名前は確か、倉木だった。さっきそう呼ばれていた――が、そう答えた。
「そうなんだ。今日は来ないのかな。実は彼からだけ、出欠の連絡をもらっていなくて」
「来ないんじゃないスか。あいつ、そういうの来ないっぽい感じでしたし」
 岩下先輩はちらりと倉木の顔を見て、一瞬口をつぐんだ後、「そう」とだけ言った。
「誰か、水瀬くんから連絡をもらっている人はいる?」
 部長のその問いかけに、一年生たちは皆静かに首を横に振った。誰もその水瀬という部員から今日のコンパの出欠について連絡を受けていないようだった。
「っていうかさ、ミナセって誰だっけ? そんな人、一年の中にいた?」
 私から比較的近いところにいる一年生の女子三人のうちのひとりが、他の二人に向けて小声でそう言っているのが聞こえてきた。
「えー、いたじゃん、すごい目つきが悪い人だよ」
「んー……新歓コンパの時、いた?」
「いたいた、ずっと壁際の席に座ってたよ。全然しゃべってなかったけど」
「あ、もしかして、あの、粗大ゴミみたいな人?」
 三人のうちのひとりがそう言うと、残りの二人が小さく噴き出すように笑った。
「粗大ゴミみたいな人って、何? ちょっとさぁ、ひどくない?」
「いや、でも、そんな感じだよ、ほんとほんと」
「なにそれー、全然わかんないんですけど」
 女子三人はくすくすと笑っている。
 私はどこかうわの空で彼女たちが話しているのを見つめていた。すると、三人のうちのひとりがふとこちらを振り返り、たまたま彼女たちを見つめていた私と目が合ってしまった。するとたちまち、その子は頬を真っ赤にして黙り込んでしまう。彼女の異変に気付いた他の二人も、同じように私を振り返り、うつむいて黙り込んだ。どうしたのだろう。何か悪いことでも、あったのだろうか。
「ちょっと世莉、」
 隣にいた夏希が私の腕を肘で突いてきた。
「なに一年生にガン飛ばしてんの。やめなよ」
「別にそういうつもりじゃ……」
 私は慌てて否定したが、夏希は睨むように私の顔を見て、ふん、と鼻を鳴らした。
「その気がなくても、世莉みたいな美人の先輩に見つめられたら、びびって当然だよ」
「もう、またそうやって馬鹿にして」
「僕は思ったことをただ言ってるだけ」
 夏希はそう言って私から目線を逸らしてしまう。私より頭ひとつ分背の高いこの友人がそうやってそっぽを向く時、大抵、私の意見など聞き入れてはくれない。何を言っても無駄なことはわかっているので大人しくしていることにした。
 三人の女の子たちもすっかり静かになってしまった。私のせいなんだろうか。だとしたら、なんだか申し訳ない。ただ、彼女たちの言う「粗大ゴミみたいな人」というのが一体どんな人なのか、気になっただけなのだけれど。
 結局、岩下先輩は水瀬という一年生のことを欠席扱いということにしたようだ。点呼が再開され、二年生の名前が呼ばれていった。私は「粗大ゴミみたいな人」について考えていたせいで、自分の名前が呼ばれた時に咄嗟に返事ができなかった。夏希にやはり肘で突かれて、慌てて返事をした。
 その夜のコンパは楽しかった。私は基本的に、飲み会というものが好きだ。皆でわいわいとお酒を飲んでいるうちに、酔いが回って何も考えられなくなる。何も考えなくていいというのは都合がいい。人見知りで、人と話したり関わったりすることが不得手だと感じている私にとって、アルコールはそういった問題を些細なことだと錯覚するのに便利だ。だからいつも、ついつい飲み過ぎてしまう。最近は夏希が程良いところでたしなめてくれるので、ありがたい。
 ただ、この日は厄介なこともあった。それは一年生の、先程の威勢の良さそうな男子学生、倉木だった。彼は自ら私の隣の席に座ることを志願し、積極的に話しかけてきた。知り合いという訳ではない。今まで言葉を交わしたことは一度もなく、もちろん面識もほとんどないに等しい。何度か部室や部の行事で顔を合わせたことはあるのかもしれないが、そこでは挨拶をした程度の関わりしかないはずだ。
 自分に興味を持たれるというのは苦手だ。倉木が軽快に飛ばしてくる、「休みの日は何をしているのか」や「今度一緒にどこかへ遊びに行かないか」という質問に、私は上手く答えることができず、しどろもどろになってしまった。途中、夏希が半ば強引に倉木と席を交換して隣に来てくれてほっとした。
 それでも、私がお手洗いに席を立ち、お手洗いから廊下へ戻ると、まるで待ち伏せするようにそこに倉木がいて、「コンパなんか抜け出して、二人で飲みに行きませんか」と声をかけられて、私はほとんど半泣きになって逃げるように席へ戻った。大学入学当初から、男性からこんな風に誘われることは度々あったが、一度も上手く対処できたことがない。
 その後、何もなかったような顔で自分の席へ戻って来た倉木は、一度もこちらを見ることなく、他の部員たちの輪の中で笑っていた。
 コンパがお開きになった後、鞄からスマートフォンを取り出そうとした時、私は部室に忘れ物をしていることに気が付いた。
「なに、忘れ物って。何を忘れたの」
 二次会には行かず、家に帰る前に大学に戻ると告げると、私を送ろうとしてくれていた夏希が、眉間に皺を寄せてそう訊いてきた。嘘をついて誤魔化してもどうせすぐにバレると思ったので、私は観念して正直に答えることにした。
「夏希のノート……」
「は?」
「だから、夏希のノートだよ」
「もしかして、今日部室で会った時に、僕が渡したやつ? 補修講義のノート?」
「そう……。部室で受け取って、その後、別れたでしょ? その時に、部室にそのまま置いてきちゃったみたい……」
「サイテー」
 夏希は露骨に嫌そうな顔をして、大きな溜め息をついた。私は黙って肩をすくめる。自分でも情けないと思う。
「世莉が、僕のノートはわかりやすくて参考にしたいって言ったから貸したのに。それを忘れたの? 馬鹿なんじゃないの?」
「ごめん……」
「ひとりで部室まで戻って取ってくれば? 僕はもう帰る」
 どうやら、本当に夏希を怒らせてしまったようだ。ただでさえ歩くのが早いのに、いつも以上に早足で去って行ってしまった。私はいつも夏希のことを怒らせている気がする。
 とぼとぼと、大学へ向かってひとり歩いた。
 昼間の熱気が夜になっても冷め切らず、地上付近をうろうろとしているような気温だった。酒に浮かされた身体には暑い。ときどき吹いてくる風は生ぬるく、首の後ろに汗で貼り付く髪が鬱陶しい。蝉の鳴き声が幾重にも重なって、渦を巻くように耳の中で響く。見上げた空には星も月も見えやしない。
 ああ、どうして忘れ物なんてしてしまったんだろう、そう思いながらサークル棟の玄関をくぐり、電球が切れがちな暗い階段を五階まで上っていく。この建物にはエレベーターというものがない。入部したばかりの頃は、部室に辿り着くまでに息切れしていたものだけれど、最近になってようやく、途中で休憩を挟まなくても上り切れるようになった。
 夏休みだというのに、サークル棟の中は静まり返っていた。私を迎え入れた静寂に、今が夜遅い時間なのだということを思い出す。それに加え、学生たちの多くは故郷へ帰省しているのだろう。私は今年の夏も、実家には帰らなかった。大学に進学してひとり暮らしを始めて以来、一度も故郷へ帰っていない。
 部室の前まで来て、私は一瞬、足を止めた。部室の扉に嵌め込まれたヒビの入った曇りガラスからは、室内の明かりが漏れていた。中に誰かいるのだろうか。私は手首の腕時計に目線を落とす。夜は更け、もう日付も変わっている。こんな時間に人がいるなんて、珍しい。
 ドアノブに手をかけ、扉を少しだけ開けた時、私は思い出す。こんな時間に、よくあの人はここにいた。ひとりで、何をするでもなく、誰かを待っている訳でもなく、来訪者を拒むでもなく、ただこの部屋にいた。
 そんな彼の後ろ姿を思い出しながら扉を開けたが、そこには誰の姿もなかった。なんだ、誰かがここを後にする時、照明を消し忘れたのか。そう思いながら部室へ入り、窓辺に置いてある小さなテーブルへと近付くと、そこには私が忘れていった夏希のノートが置いてあった。良かった。やはり部室に忘れて行ったのだ。万が一ここになかったら、どうしようかと思っていた。
 ノートを手に取った時だった。その声は唐突に、私の耳に届いた。
「小堺夏希さん、ですか」
 声のした方を振り向くと、部屋の隅、壊れかけている古いテーブルの上に、ひとりの男子学生が腰をかけていた。散らかったテーブルの上で、まるで置物のようにひっそりと膝を抱えてい��。物に紛れていて、存在に気付かなかった。
 見覚えのない男だった。ここ、文化部の部室にいるということは、恐らくは部員なのだろうけれど、知らない人だ。今日のコンパにももちろん来ていなかった、と思う。本当に部員なのだろうか。部員だとしたら、どうしてコンパには顔を出さないで部室にひとりでいるのだろう。
 誰もいないと思っていただけに、驚いて何も言えないでいると、この男はもう一度尋ねてきた。
「小堺夏希さん、ですか」
 私は息を呑み、それから、「違います」とだけ言った。ノートの表紙には夏希の名前が書いてある。この男は、恐らくそれを見たのだろう。そして私を、ノートの持ち主だと、つまり夏希だと思い込んでいる。
 この人は、私のことも夏希のことも知らないのだ。知っていれば、私たちのことを間違えるはずがない。
「違うんですか」
「これは、友達のノートなんです」
「そうですか」
 男の顔はどこか爬虫類に似ている。目がやや離れている点だろうか。目つきが悪い。こちらを窺うように見つめるその瞳は、上目がちなせいか、黒目よりも白目が大きいように見える。
「では、あなたは?」
 男の膝を抱えている手に、何かが握られている。あれはなんだろう。瓶だ。ウィスキーの瓶。瓶の口は開いている。さっきまでそれを飲んでいたのだろうか。だが男の周囲を見てみてもコップやつまみの袋などは見当たらない。瓶から直接、口をつけて飲んでいたのだろうか。深夜に、誰もいない部室の片隅で?
「……これ、ですか? 飲みます?」
 私の目線に気付いた男が、手に持っていたそれを掲げるようにしてこちらへ見せる。
「いいですよ、飲んでも。でも、気を付けて下さいね」
 気を付ける? 一体何に気を付けろと言うのだろう。
 そんなことを考えながら、私は夏希のノートを鞄に仕舞ってから、男の方へと歩み寄った。これでまたノートを忘れてしまったら、もうあの友人はしばらく口を利いてくれなくなるだろう。それは避けなければならない。
 私は男の手から瓶を受け取り、くんくんとにおいを嗅いでから、瓶に口をつけ、その琥珀色の液体を喉に流し込んだ。
「あ、そんな勢いよく飲んだら――」
 目の奥で花が咲くような強烈な熱さが、舌を焦がすように喉の奥へと通り抜けていく。ああ。なんだこれは。とんでもなく、強い酒じゃないか。こんなものを、水で割ることもつまみで誤魔化すこともしないで、ちびちびやっていたのだろうか。変な男だ。
 ぐらりと地面が揺れるような気分がした。なんだろう、毒でも入っていたんだろうか。
 なんだかどっと酔いが回ってきた。そういえば飲み屋を出る前、飲めもしないビールを一気飲みしたんだっけ。夏希が見ていない隙に、一年生が先輩に注がれて困っていたのを飲んであげたのだ。その分の酔いかもしれない。アルコールはいつもそうだ。気持ちが良いのはほんの短い間だけで、後からどんどん悪いものがやってくる。
 気が付いた時には、床に膝を突いていた。なんだか少し横になりたい。目の前がぐるぐると回って、気分が悪い。
「あの、大丈夫ですか。酔っているんですか」
 全く酔いを感じさせない声でそう言われ、手から瓶が奪われる。「大丈夫です」と答えようとして、自分の言葉が舌足らずになっていることに気付く。テーブルの上に座っていたはずの男は、いつの間にかそこから降り、床に座り込んでしまった私の目の前にしゃがんでいた。
「だいぶ酒臭いですよ。飲んで来たんですか。ああ、そうか、今日はコンパだったな」
 男は私に顔を近付け、鼻をひくひくさせてからひとり言のように、「参ったな」と言った。
「酒を勧めるべきではありませんでしたね」
 身体が熱くて泥のように重い。頭が痛い。何か言わなきゃと思うのに、上手い言葉が何も出て来ない。横になりたい。少し眠りたい。
 溶け出すように体勢が崩れていく私を、いつの間にか目の前の男が支えてくれている。その腕に抱きつくように身体を委ねながら、もうほとんど回らなくなった頭で考える。
 一体誰なんだろう、この人。
 さっきまでこの部屋には、誰もいないんだと思っていた。部屋の片隅に、まるで物みたいに座っていた。まるで、この部屋に置いて行かれて、忘れ去られてしまったみたいに。
 ああ。そうか。わかった。わかったぞ。
 それは確信だった。思わず笑い出してしまった。そういうことだったのか、と思う。そういう意味だったのか、なるほど、確かに、彼にはそういう雰囲気がある。
「あなたが、水瀬くんなんだね」
 ぽつりと私が口にした時の、彼の表情が忘れられない。
 豆鉄砲を食らった鳩は、きっとこんな顔をしているんじゃないだろうか。
 恥ずかしいことに、私の記憶はそこで途切れている。
 次に目が覚めた時、私は水瀬の部屋にいて、彼の布団に横になっていた。すぐ目の前には、クッションを並べた上に寝転んでいる彼の背中があった。腕時計を見ると、時刻は朝の五時半だ。
 痛む頭を押さえながら起き上がり、規則正しい寝息を立てている彼の寝顔を肩越しに覗き込んだら、起こすのが申し訳ないような気がした。しかし、かと言って見知らぬ男の部屋ですることもなく、私ももう少し眠ろうか、それとも今のうちに出て行った方がいいのだろうか、ということに悩んでいるうちに、彼は目を覚ました。
 起き上がった水瀬は、自分と私にコップ一杯の水を用意してくれてから、簡単に事の成り行きを話した。
 記憶が途切れた後、私はしばらく部室の長椅子に寝かされて休んでいた。一時間ほどして目を覚まし、家に帰ると言い出したが、とても自力で家に帰れる様子ではなく、彼は送りますと言ったが私がそれを受け入れなかったので、なら自分の部屋に来ないかと提案した。何故なら彼は、大学の裏門を出て百メートルも歩かないところにアパートを借りていたからだ。彼に半ばおぶわれるようにしてこの部屋に来て、そうして、私は敷いてもらった布団で眠った。
 その後、一度途中で夢にうなされて目を覚ましたのだというが、私はすぐにまた眠ってしまい、そして、今やっと起きたということだった。
 私は話を聞いているうちに、申し訳なさと恥ずかしさで死んでしまいたくなった。すみません、すみませんと謝ったが、水瀬は難しい顔をしているままだった。怒っているのだろう。当然だ。初対面で、酔い潰れられて、自分の部屋に連れて帰る羽目になるなんて、不遇以外の何物でもない。
「ひとつ言っておきますが、」
 水瀬がどこか苦しげに、呻くようにそう言ったので、私はちらりと彼の顔を見上げた。何を言われるのだろう、と内心、心臓が痩せ細るような心境だった。彼は眉間に皺を寄せたまま、
「あなたには、やましいことは何もしていません」
 と言った。
 私はその瞬間、呆気に取られた。
「あなたを俺の部屋に連れて来たのは、あのまま部室で寝かせ続ける訳にもいかないだろうと思っただけで、その、深い意味はなく……」
 何も言えずにぽかんとしている私の顔を見もしないで、彼は続けて言う。
「まぁ、そりゃ、男女ですから、こういったことはしない方が良いということはわかっていますが、でもやはり酔い潰れたあなたをあそこに放っておく訳にも……」
「あの、」
 私が声をかけると、彼はやっとこちらを見た。
「なんでしょう」
「あの、私、信じますから」
「何をですか」
「あなたのこと。あなたの言葉、信じますから。だからそんなに、弁解しなくて大丈夫です。助けて下さって、ありがとうございました」
 頭を下げて、もう一度顔を上げると、今度は彼がぽかんとした表情をしていた。
「…………そう、ですか」
 まだどこか納得していないというような顔で、だけれども彼はそう言って、きまり悪そうに頭を掻いた。
「まだ、名乗っていませんでした。水瀬といいます」
「はい、知っています」
「そういえば、昨夜も俺の名前を呼んでいましたね。どうして、俺のことを」
「文化部の人たちが、あなたのことを話しているのを聞いたので」
「そうですか。どうせ、良い話ではないのでしょうね」
 それはあまりにも自然に、平然と彼の口から発せられた言葉だった。その声音にはなんの感情も含まれていないように思えた。
「それで、あなたの名前は?」
「田代です。二年の田代世莉」
「田代さん、ですか」
 彼はそう言ってから、小さく息を吐いた。
 部屋のカーテンは閉められていたが、隙間から朝の光が射し込んでいた。今日も外は暑そうだなという夏の予感に気が滅入りそうになる。
「田代さんの鞄は、そこです」
 彼が指差した先は、居間から台所への入り口付近だった。そこには確かに、私の鞄が置いてある。
「帰るなら、どうぞ。俺は、もう少し寝ます。寝不足なので」
 水瀬はそう言いながら、再び身体を横にしようとする。こちらに向けられたその背中に、「あの、」と声をかけると、その動きは止まった。
「私も、もう少し、眠っていってもいいですか」
 あまりにも図々しいお願いだった。だけれど私も眠たかったのだ。彼はしばらくそのままの姿勢で止まったまま、黙っていたが、やがて、「どうぞ」と一言だけ言って、座布団の上に転がった。
「あの、今度は水瀬くんが布団に――」
「眠るので、静かに」
 そう言ってから、一分も経たないうちに、再び規則正しい寝息が聞こえ始めた。
 私もさっきまでと同じように、布団に横になる。身体が疲れているのか、すぐに眠気が襲ってきた。まぶたを閉じる少し前、そういえば、彼とは初対面なのに気負わずに会話ができていたことに気が付いて、それだけが少し、不思議だった。
「馬鹿じゃないの?」
 私の話を、夏希はそう言って一刀両断した。
「どうして初対面の男の部屋ですやすや眠れる訳? 危機感なさすぎでしょ」
「水瀬くんは、やましいことは何もしてないって言っていたし……」
「だから、それを鵜呑みにするのが馬鹿だ、って言ってるんだけど」
 目の前の友人は苦い顔をして私のことを見ていた。その表情の原因は、飲んでいるコーヒーのせいではないだろう。
 大学の学食。私と夏希は向かい合うように座り、自動販売機で買った紙コップのアイスコーヒーを飲んでいた。夏希はブラック、私はミルク入りだ。こんな不味いコーヒーを飲むくらいなら泥を舐めた方がましだ、なんてこの友人は言うけれど、泥水より不味い液体を啜りながらもここにいるのは、ここが冷房の効いた場所だからだ。
 夕方の学食には私たちの他にも人の姿がちらほらあって、夏休み中の補講が終わったものの、真昼の熱気を忘れられずにいる外気温にうんざりして、皆行くあてもなくここにいる。
「それで、そのまま昼過ぎまで一緒に眠って、お詫びに昼食をご馳走して、それから別れたってこと?」
「そうだよ」
 私が頷くと、夏希は深い溜め息をついた。
「……送って帰ればよかった」
「夏希は私のこと、置いて帰ったくせに」
 冗談半分にそう言うと、途端に夏希は私を睨み、
「世莉が僕のノートを部室に忘れてきたりするからでしょ」
 と怒った。私は笑いながらそのノートを鞄から取り出し、差し出す。
「本当に助かったよ、ありがとう。また借りてもいいかな」
「もう二度と貸さないから、不必要な期待はしないでくれる?」
 ひったくるように私の手からノートを奪い、夏希はすぐに自分の鞄に仕舞い込んでしまう。不機嫌そうな表情。どうやら本当に怒って���るようだ。私は小さく肩をすくめた。
「これでも、反省してる。酔っ払って、水瀬くんに迷惑かけちゃったこと」
「水瀬なんてどうでもいいんだよ」
 そう言う友人の声は、明らかにいらいらしている声音だった。
「僕が怒っているのは、見知らぬ男の家にほいほいついて行く、世莉の無神経さについてだよ」
「別にほいほいついて行った訳じゃあ……」
「酔ってて記憶がないからって、許される訳じゃないからね」
「そんなこと言われても……」
「もう二度と、他の男の部屋に泊まらないで」
 切って落とされたように発せられたその言葉は、私の胸に重く響いた。
 夏希はどこか思い詰めたような顔をしている。その表情は、既に怒りの形相ではなくなっていた。諦めと悲しみが入り混じっているような、そんな風に見えた。私は何かを伝えなくてはと思いながら、なんて言えばいいのかわからないまま、ただ黙っていた。
「ごめん」
 やがてそう口にしたのは、私ではなく夏希の方だった。その言葉を聞いて、自分はこの友人が謝罪の言葉を口にするのを待つために沈黙していたのではないか、という考えが私の脳裏をかすめた。
「世莉の彼氏でもないのに、僕がそんなことを言う権利、なかったね」
 苦笑いをしながらどこか気まずそうにそう言う友人に、「ううん、そんなことない。こっちこそごめんね」と言いながら、私は卑怯な人間だ、と思った。
「でも、世莉にあんまり軽率な行動をしてほしくないっていうのは、本当」
「うん、わかった」
「何かあってからじゃ、遅いんだからね」
「うん」
 夏希は心配性だな、と思ったが口には出さなかった。余計なことを言うと友人をまた怒らせてしまうような気がして、そしてそれ以上に、悲しませてしまうような気もした。
「僕は、」
 夏希の細い指が、コーヒーの紙コップをテーブルの上に戻す。空になったそのコップを、軽く握り潰すようにしながら、
「世莉が傷つくの、見たくないんだよ」
 と、言った。
 友人の手の中でだんだんと潰れていくコップから目を逸らして、私は「わかった」と返事をする。自分の手元のコップの中には、白と茶色が混ざり合った不味い液体が、半分以上も残っていることに、飽き飽きした気持ちになりながら。
 確かに、私は軽率だったのかもしれない。文化部の部員たちで誰かの部屋に集まって飲み会をして、そのまま泊まることはあっても、異性の部屋にひとりで泊まることなんて、そうそうないことだ。他の部員にこのことが知れたら、夏希が私を怒ったのと同じように、決していい顔はされないだろう。
 文化部はほんの数年前まで、不特定多数の異性との性行為を目的としたサークル、いわゆる「ヤリサー」だと呼ばれていたというが、少なくとも私が入部した時には、そういった雰囲気はなくなっていた。夜になると部室をラブホテル代わりに使う部員がいたというが、今は夜間に部室で誰かと出くわすことさえ稀だ。
 それでも私は、夜の部室についつい足を運んでしまう。そうすれば、会いたい人に会えるような気がするからだ。以前から、私は誰かに会いたくて、夜の部室の扉を開いてみることが多々あった。
 だが、本当に私が会いたいと思う人には、部室に足を運んだところで、もう会うことはできない。あの人に最後に会ったのは、彼が大学を卒業していった日だった。あれから、まだ半年も経っていない。今でもときどき、夜に部室を覗けば彼がそこにいるんじゃないかと思ってしまう。そんな訳はないのに。
 あの人に初めて会ったのも、私が部室に忘れ物をした夜のことだった。
 忘れ物を取りに部室へ向かった時、部室の照明が点いていることに気が付き、扉の前で思わず足を止めた。ああ、誰かいるんだ。そう思うだけで気が重かった。大学一年生の五月。私は未だ、大学生活にも文化部での活動にも慣れることができずにいた。
 文化部の人たちは明るく親切で、私に対してもよく話しかけてきてくれた。私はそれに自分なりに精いっぱい明るく礼儀正しく答えていたつもりだったけれど、正直、話しかけてもらえることに嬉しさと同じくらい申し訳なさを感じていた。私は気の利いたことや面白いことは何ひとつ言えなかったし、訊かれたことにさえ満足に答えられなかった。今は親しげにしてくれる人たちも、そのうち私に飽きて近寄ってくれなくなってしまうのではないか。そう思うことも恐ろしかった。
 その夜、部室にいたのはひとりの四年生男子だった。もちろん、初めて彼と出会ったその時は、学年など知る由もなかった。だが、年上の男性であるということは一目でわかった。彼には年上の威厳たるものがあった。屈強な身体つきに、鋭い目を持つ彼は、運慶と快慶の金剛力士像を連想させた。彼は静かに読書をしていて、部室へ入って来た私の方をちらりとも見やしなかった。
 私はいつの間にか忍び足になっていて、そろそろと部室の中を歩きながら、「おひとりのところすみません、ちょっと忘れ物をしてしまって……」と言った。「そうか」と彼は答えた。その目線は手元の本に向けられたまま、ほとんど動かない。
「私、間抜けですよね、部室に忘れ物をするなんて……」
 この時部室に忘れていったのはペンケースだった。私のペンケースは誰かが途中まで遊んだままのボードゲームが占領しているテーブルの片隅に置いてあった。ゲームの駒を落としたりずらしてしまったりしないように気を付けながら、それをそっと手に取る。
「ここ、五階じゃないですか。階段の上り下りだけでも大変なのに……」
 私の話を聞いているのかいないのか、彼は返事をしなかった。ただ黙って本を読んでいる。無言でいるのも気まずいかと思って話しかけてみたが、かえって読書の邪魔だったかもしれない。自分の安易な考えを反省しつつ鞄にペンケースを仕舞い、しかし、ここまで話しかけたのにこの後無言で部室を出て行くというのも、なんだか変なのではないか、と悩み始めた時、彼は言った。
「無理に、話さなくていい」
 思わずびっくりして彼を見たが、あの人は未だこちらを見ようともしていなかった。その表情からはなんの感情も読み取れなかったが、それでも、どうやら怒っているという訳ではなさそうだった。
 私は急に頬が熱くなるのを感じた。そのまま無言で彼に向かって一礼をし、「お疲れ様でした」の挨拶もしないで、ほとんど走り去るように部室を後にした。もう顔から湯気が出るくらい、恥ずかしかった。
 彼に見抜かれていた。無理をして話しかけようとしていることが、バレていた。そして、そんな私を彼は許してくれていた。私はそう思った。かけてくれた言葉はぶっきらぼうなものだったが、その声音は彼の見た目に似つかず穏やかで、私を安心させてくれた。それが嬉しかった。
 息が上手くできなくなるまで猛烈な勢いでサークル棟の階段を駆け下り、キャンパ���を全力疾走した。講義棟の近くまで走って来た時、ぜえぜえと荒い息を吐きながらついに立ち止まり、そうして私は泣いた。恥ずかしくて嬉しくて、頭の中は大混乱していた。そんな私の頭上では、大きな満月がまん丸い顔をして、街じゅうを柔らかい光で照らしていた。
 それが、私があの人と初めて出会い、そうして彼に恋をした、その最初の夜だった。
  <続く>
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