Tumgik
#知らない横丁の角を曲がればもう旅
takahashicleaning · 5 months
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TEDにて
ブライアン・グリーン:宇宙はひとつしか存在しないのか?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
我々の住むユニバースの他にも宇宙はそこかしこに存在するのでしょうか?
映像を交えたスリルのある話し方で、ブライアン・グリーンが物理学上の未知の問題(何がビッグバンを起こしたかを始めとする数々の問題)を考えることが、多元ユニバースの可能性につながることを示唆します。Fly?
この枠組とは、地球、銀河系、その他の銀河のはるか向こうでは、我々のユニバースはひとつではなく、沢山のユニバースが入り混じった「多元ユニバース」というものの一部であるという可能性です。
CERN(セルン)の巨大ハドロン衝突型加速器で、ヒッグス粒子がほぼ見つかったことで、標準理論よりも大きな枠組みであるSuper Symmetric Theory(スーパーシンメトリック理論:超対称性理論)というものがあって
Super String Theory(スーパーストリング理論)のSuper(超)とは、このSuper Symmetric Theory(スーパーシンメトリック理論:超対称性理論)のSuper(超)から派生しています。
ここで、言われているダークエネルギー(暗黒エネルギー:dark energy)とは、量子力学黎明期に言われていた黒体(こくたい: black body)あるいは、完全放射体(かんぜんほうしゃたい)と同じような表現です。
アインシュタインの一般相対性理論が、改良されたビックバン宇宙論のキーポイントとなるようです。
この理論は、1929年に始まります。偉大な天文学者エドウィン・ハッブルが、遥か彼方にある銀河が我々からどんどん遠ざかっているのに気付き宇宙がだんだんと大きくなり膨張している事実を確立しました。
そして、ユニバースにダークエネルギーがどのくらいあれば、膨張の加速が起こるか?天文学者が計算したところこの様な答えが出ました。とても小さな数字となっています。
ストリング理論では、粒子の質量、力の強さ、そして、何よりもダークエネルギーの量が、次元の形によって決定されます。もし、これら余剰次元の形が解れば、特徴を計算できつつダークエネルギーの量も計算できます。
問題は、これら余剰次元の形が、世界の誰にもわかっていないと言う事です。わかればノーベル賞をもらう事も可能です。
さて、これまでビックバンの爆発の元となった力については、何も説明がありませんでした。
しかし、このギャップを埋めたのが、改良されたビッグバン理論です。インフレーション宇宙論とも呼ばれ、これによるとユニバース空間の外への膨張に必要な燃料は何かを特定してます。場の量子論に関係しています。
これまでに出てきた結論を統合した結果、現時点では、私達のユニバースは、スーパーストリング理論の計算によると多数の泡の集合した多元ユニバースの一つの泡に過ぎないそうです。
場の量子論(Quantum Field Theory)は、粒子性と波動性を調和させるために100年前位に構築されています。
100年近くかけて膨大に蓄積された世界中の数値化されたデータを源にして、自然現象を裏付けされた法則に収斂させています。これらは、標準理論にも深く関係してきます。
そして、1957年にエヴェレットが提案した「エヴェレットの公理」。また、シュレーディンガー方程式は、この理論でも重要な役割を果たしています。
そして、シュレーディンガー方程式とは、1926年にオーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが量子力学の理論の整合性をとるために波動力学という体系を提唱した際の基礎方程式として提案された。
当時は、波動性と粒子性の問題が持ち上がっていて、実験事実を丁寧に方程式の形式にまとめあげた物理学の巨人のひとりです。
なので、一般式なシュレーディンガー方程式は、ディラック方程式から場の量子論まで量子力学全般で使う事ができます。基礎方程式といわれるゆえんです。
アインシュタインの光電効果仮説(1905年)。アインシュタイン・ドブロイの関係式や量子からマクロ世界のニュートン力学に拡張する過程で、古典力学での方程式は量子力学から導出されるとも言われる(プランク定数をゼロに近似したとき)
ボーアの量子条件やハイゼンベルクの不確定性原理でも整合性がとれています。
次元に関してはこの場合、数学的な次元を前提としています。
次元のコンパクト化の説明の前に、数学的な次元の重要性について、さて、一般相対性理論をカルツァは、電磁気力に応用していきます。
当時は、それが重力以外に考えられる唯一の力でした。つまり、電気や、磁石の引き付けなどを引き起こす力のことです。 ここで空間と時間が歪むこと以外に、もしも次元が歪むことで電磁気力が働くかもしれないことに気づきます。
1926年にオスカークラインも、知覚で見えない次元がある可能性を示します。5 次元化して電磁気力も幾何学として表せるようにしたカルツァ・クライン理論というものです。
カルツァが3次元ではなく、4次元の宇宙における歪みと曲がりを説明する方程式を書き出した時、彼はアインシュタインがすでに3次元で導き出していた方程式を見出しました。それらは、重力を説明するための方程式です。
でも、カルツァは次元がひとつ増えたことによるもうひとつの方程式も見つけました。その方程式を見てみるとそれは正に科学者たちが長年の間。電磁力を表すために使ってきた方程式でした。驚くべきことです。それが、こつぜんと計算結果に現れてきたのです。
こうして、数学的な次元は、空間の量子化を数値的に表現できるようになっていくキッカケになりました。
その後のカルツァ・クライン理論は、無限に存在する次元の形状の一部をカラビ・ヤウ多様体として表現できました。
例えば、手を振って大きな弧を描く時、手のひらは3つの広がった次元の中ではなく、巻き上げられた次元の中を突っ切っています。
もちろん、巻き上げられた次元はとても小さいので、体を動かす間に、こうした次元を1サイクルして出発点に戻ることが繰り返され、その回数は、膨大な数にのぼります。このように次元の広がりが小さいと言う事は、手のような大きな物体が動く余地があまりないと言うことです。
それは結局、平均化されてしまい腕を振った時でも、私たちは巻き上げられたこのような次元を横断し膨大に旅したことに全く気づいていません。
これは、結び目の不変量にも関連しています。
まず初めに、円周を3次元ユークリッド空間に埋め込んだものを「結び目」と定義していることから始まります。
結び目理論においては、変形して移り合う「結び目」は、同じ「結び目」とみなして「結び目」を研究する。
「結び目」を研究するひもの結び方はいろいろあるので、様々なタイプの「結び目」がある。では、「結び目」のタイプはどのようにして区別すれば良いのであろうか?
「結び目」に対して定められる値で、「結び目」を変形することに関して不変であるようなものを「不変量」と言う。結び目理論は、トポロジー(位相幾何学)の一分野である。
1980年代に、数理物理的手法が、低次元トポロジーに導入されて、3次元トポロジーにおいては「結び目」と3次元多様体の膨大な数の不変量(量子不変量)が発見された。
これによって、4次元トポロジーには、ゲージ理論がもたらされることになりました。これらからゲージ場の数学的根拠として、活用されることになっていきます。
次元のコンパクト化については・・・
トポロジーの結び目理論に登場するチャーン・サイモンズ理論から数値化して表現していきます。
例えば、これはボール。球で表面に格子が組まれています。正方形の形をしていますね。ここで説明することは、レオンハルト・オイラーによって見出されたことです。1700年代の偉大な数学者です。その発見は数学のとても重要な分野である代数的位相幾何学へと発展しました。
私たちの論文もここにルーツがあります。では説明しましょう。ここには8つの頂点、12の辺と6つの面があります。頂点の数から辺の数を引き、面の数を足すと2となります。2です。まあ、そんなもんでしょう。別のケースを見てみましょう。三角形で覆ってみます。
今度は、12の頂点。30の辺、20の面があり、20枚のタイルで覆われていますが、頂点-(辺+面)は、またもや2になります。実際のところ、覆うものが、たとえ、三角形や他の多角形。それが混合していようとも結果は同じで、頂点-(辺+面)は、2になるのです。
今度は、別の形です。トーラスでドーナツ状の形をしています。これを長方形で覆います。頂点は16、辺は32、面の数は16です。頂点-(辺+面)は0になります。いつだって0です。トーラスは、正方形、三角形や他のどんなもので覆っても0になるのです。
このような数をトポロジーのオイラーの標数といいます。位相不変量と呼ばれるものの一種です。とても興味深いことです。どの様にやっても、いつも同じ結果が得られます。この分野は、1700年代中頃に芽生え、今では、代数的位相幾何学と呼ばれるものになりました。
チャーン・サイモンズ理論は、ここにヒントを得て、より高い次元の理論へと高次元の物体へと拡げ、新たな不変量を見い出します。
素粒子のゲージ理論にもチャーン・サイモンズ理論は、応用されてます!定数。
量子力学では、古典力学のxyz位置じゃなく、波動方程式なのでsinやcos位相を主に時空間を数値化します。
ゲージ対称性、アイソスピン、クォーク理論、ヒッグス粒子など。
さらに、数理物理に由来する量子群や共形場理論、チャーンサイモンズ理論もあります。
そして、スーパーストリング理論や量子化学の「変分法」にも応用されている。
量子不変���は、数理物理に由来する量子群や共形場理論やチャーンサイモンズ理論を背景として、様々な代数構造を用いて構成される量子不変量やこれに関連するトピックを研究する研究領域を量子トポロジーと呼ばれています。
古典的な結び目理論においては、個々の結び目の特性を個別に研究する研究が中心であったが、量子トポロジーでは多くの「結び目の集合」を研究対象としています。
1980年代に結び目の不変量が大量に発見される発端になったのは、1914年にジョーンズ多項式と言う結び目不変量が発見されたことにあります。
その後、統計物理で知られていたヤンバクスター方程式の多数の解、つまり「R行列」を用いて大量の結び目不変量が発見されました。
さらに、1980年代後半に量子群が、発見されたことにより、それらの大量の不変量は、量子不変量として整理されて理解されるようになりました。
1990年代には、これらの大量の量子不変量を統一的に扱って、研究する2つの手法が開発されました。
これは、次元のコンパクト化への始まりになります。
1つは、コンセビッチ不変量と言う1つの巨大な不変量に、すべての量子不変量を統一する方法。
もう一つは、バシリエフ不変量と言う「共通の性質」で不変量を特徴づける方法があります。
詳しくは、ご覧ください!必見です。
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年10月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年7月2日 零の会 坊城俊樹選 特選句
観音の御手炎天にやはらかく 佑天 跡地へと想ひありしか夏の蝶 三郎 白あぢさゐ少し離れて年尾句碑 和子 病院も看護記録も夏草に いづみ 小さく深き緑蔭が抱く年尾句碑 和子 息荒く仏へ寄りし暑さかな 光子 日盛の祠に生れし真の闇 和子 みづからを菩薩に添うて空蟬に いづみ
岡田順子選 特選句
面影は西日晒しの看板に はるか 夏草や記憶の中のナース服 三郎 朝涼の鎌倉よりの風頰に 慶月 息荒く仏へ寄りし暑さかな 光子 五輪塔とは緑蔭のただの石 俊樹 元禄も享保の墓も灼けをれり 佑天 暑き日を年尾の句碑のふところに はるか 観音は水の色して大酷暑 いづみ
(順不同特選句のみ掲載) …………………��…………………………………………
令和4年7月7日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
浮き沈み女三代夏のれん 都 空つぽの香水びんの残り香よ 同 長茄子の悩ましきかな曲線美 同 パナマ帽明治の父の伊達姿 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月7日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
白と云ふ色たゞならぬ半夏生 雪 前山の雪崩るる如く青嵐 同 やゝに老いやゝに夏痩せして在す 同 炎帝のどかりと座りたる越路 かづを 滝音に鳥語人語も呑まれたり 同 九頭竜と対峙し流る天の川 同 静もりて明智が墓碑に沙羅の花 笑 能登半島掻き消してゐる青嵐 千代子 悠久の光を抱へ滴れる 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月8日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
子等見つつ弁当番や海の家 宇太郎 屠場へと曳かれるやうに炎天へ 都 死者送り窓に吹き込む青田風 すみ子 川に還す一夜を共にせし蛍 美智子 次の子に少し短かき古浴衣 宇太郎 病窓に影の騒ぎて青嵐 悦子 風紋は海へ傾れて雲の峰 宇太郎 先輩の墓碑に献杯原爆忌 益恵
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月9日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
戦なき広き空欲し雲の峰 三無 風ひたと止んで初蟬響きくる 百合子 夏蝶のげに句碑守のごと飛びぬ 同 雲の峰草の匂ひに樹の匂ひ ゆう子 アルプスを小さく見せて雲の峰 白陶 菜園の胡瓜ピカソの絵に似たり 多美女 句碑に影落し戻り来黒揚羽 三無 供へればくらりと揺るる甜瓜 ゆう子 炎天に浄き閼伽水陽子墓所 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月11日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
七夕や竹切る音のとよもせり 時江 夏潮にロシア軍艦越境す 世詩明 うしろから八つ裂きに来る稲光り 信子 鷺草や鎮守の杜を結界に 時江 七変化寡黙な夫のいつもゐて 信子 生きる意義考へてゐる山椒魚 上嶋昭子 花擬宝珠通夜の灯うるみ傾きぬ 中山昭子 青田もう何も映さず靡きをり みす枝 浴衣の娘女工哀史のこと知らず 世詩明 風鈴を気楽な人と聴いてをり 上嶋昭子 黒南風や酒場は白きピアノ置き 同 見馴れたる山を見飽きず端居かな 中山昭子 昼寝人濁世を忘れ仏顔 みす枝 水打つて日本の地震を鎮めをり 信子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月11日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
武蔵野の風に目覚めし合歓の花 三無 羅や近より難き気を纏ひ 同 艶やかに羅笑みて同窓会 同 金魚鉢洗ふ役目の誇らしげ 貴薫 金魚掬ひ父の背中の逞しき 有有 旅先で出合ひて嬉し合歓の花 貴薫 慎ましく生きる姿の合歓の花 史空 羅の似合ふ真砂女に恋多き あき子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
七夕の雨に濡らしてハイヒール 登美子 片恋のラジオ相談星の秋 同 玉葱を貰へば娘吊るしをり 令子 夏座布団友の数だけ広げけり みえこ 天道虫後ろ姿の子らを撮る 裕子 たばこ屋の小窓に覗く扇風機 実加 忠霊場若きの墓は盆静か 令子 老いらくの母の見入れる天の川 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月15日 さきたま花鳥句会
炎天の小江戸の街や車夫の愚痴 月惑 老いてなほ一鞭入れて草を引く 八草 空蟬や何も語れず逝きし友 裕章 夏空へ磴駆け上る柔道部 とし江 厳かにお祓ひ後の心太 ふじ穂 紅芙蓉誉め合ふ笑みの立ち話 恵美子
………………………………………………………………
令和4年7月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
此の先は教へぬつもり道をしへ 雪 野地蔵も息をひそめる炎天下 英美子 日盛りに息をひそめてゐる地蔵 同 母の影盆灯の後見え隠れ 山田和子 羅やさらりとまとひ香の立つ 真喜栄 バス降りて一人一人の夏終る 世詩明 短夜や夢幻の如くなる 同 めまとひを払ひて無人切符買ふ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月17日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
大蟻の車輪のごとく駆け抜けし 久子 炎天の武蔵野の底滑る蝶 三無 変ること厭ふ白紫陽花の白 久 水光り羽黒蜻蛉は神の使者 慶月 古座敷や行くあて知れぬ茄子の馬 軽象 水音を真中に抱きて森涼し 慶月 大蟻も小蟻も参ず地蔵塔 眞理子 夏空を映す水たまりを蹴上げ 久 天牛の角ふりかざす古戦場 眞理子 紫陽花の絞り出したる終の藍 圭魚 甘味屋の蓮を描きし夏暖簾 同 民家古りただ現し身の黒揚羽 千種 森深く闇に添ひゆく黒揚羽 斉
栗林圭魚選 特選句
水音を真中に抱きて森涼し 慶月 ハケの家夏炉の湿る匂ひかな 要 大蟻も小蟻も参ず地蔵塔 眞理子 紅蓮の今日崩れゆく命かな 久子 夏空を忽ち縮め潦 斉 みがかれし床に朝採り茗荷の子 久子 式台に雨跡ありて風涼し 同 茅葺きの土間の暗がり死蛾美しき 炳子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月19日 萩花鳥会
みちのくの吾娘が来たるや月見草 祐子 炎帝や必殺狙撃動天す 健雄 一面の葉に見え隠れはすの花 恒雄 夏山はこれで十分梅むすび 俊文 夏料理語り尽くして持て成さる ゆかり 駄々つ子の泣きやんだらし夏の雨 陽子 痛風の足を投げ出し夏の月 吉之 頭垂れ雨乞ひしたるや庭の花 明子 法螺貝の響く城下や雲の峰 美恵子
………………………………………………………………
令和4年7月20日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
もくもくと九頭竜のぼる雲の峰 千代子 七夕や笹は願ひに撓るほど 千加江 幼きを呼び戻したる天瓜粉 同 かの人の垣根に高く酔芙蓉 昭子 三人の遺影の部屋も梅雨湿り 清女 七夕に女心の糸結ぶ 啓子 小石踏む音の近づく夏館 泰俊 夕立や濡れて礎石の薄明り 同 面も手も己れ矜恃の日焼かな 数幸 穴を出し蚯蚓一糸も纏はざる 雪 裸火に想ひの丈を飛べる火蛾 同 水の如く又火の如く人涼し 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月21日 鯖江花鳥俳句會 坊城俊樹選 特選句
風鈴の欲しいと思ふ風が今 洋子 右衛門に隣る左衛門夏構 同 鉈の音山の地肌に万緑に 同 賽銭を打つ音までも黴臭き 同 万緑や山相いよよ文殊山 雪 祭帯器用に結びくれし母 同 その人とカンカン帽に気付く迄 同 盆の月家系図のこと何もしらず 昭中山子 炎天に近道すれば転びけり 同 子が囃す夜空の証や地蔵祭 ただし 鳳仙花姉妹の話途切れ無し みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月24日 月例会 坊城俊樹選 特選句
零戦に少年口を閉ざす夏 和子 靖国へ四方より迫る雲の峰 要 夏蝶は翅で息して歩みたる 和子 空蟬の祈る形に落ちにけり 同 蓮花へと極楽の風触れて過ぐ 政江 静脈の巻きつく手首白日傘 和子 羅を纏ひかの世の話など はるか
岡田順子選 特選句
目の前を突然蟬の木となれり 千種 絵日傘のシスターの行く九段坂 眞理子 大きさの合はざる蟬の殻と穴 千種 礼拝の黙を蓮の解かれゆく 炳子 羅を纏ひかの世の話など はるか 炎帝の子の鉄棒や大鳥居 小鳥 見巧者の折紙付きや泥鰌鍋 幸風
栗林圭魚選 特選句
零戦に少年口を閉ざす夏 和子 熱砂踏む雀らの影ゆらゆらと 順子 横顔の考へてゐる団扇かな 同 病葉となるや社の奥に降り 眞理子 空蟬は拾ひ奉仕の竹箒 順子 最短の空行く鴉街灼くる 千種 大鳥居溽暑の穢土を寄せつけず 月惑 能舞台しづかに進む蝸牛 幸風
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
大鍋のたぷんたぷんと一夜酒 愛 悪童の頃瓜番に追はれしと 同 瓜番の灯りを返す獣の眼 同 この辺り魔法使ひの夜店らし ひとみ 甘酒のとろみも憂さも呑み込みぬ 久恵 蟬時雨遠くに聞けば海凪ぎて 桂 逆転か球は外野へ峰雲へ 由紀子 夕雲はマグマ色して浜万年青 久恵 咲き疲れてゐるかも知れぬ水中花 ひとみ 丁寧に��ンカチ畳み恋語り さえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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sagara0220 · 4 years
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山の光とジンジャーエール
職場から家に帰る道の途中に、遠くのアルプスまで見渡せるひらけた場所がある。夜、山は影になって、空より黒くたたずむ。不動の影の中、左手にある山の中腹あたりに光が見える。光っているのはその場所だけなので、自然と目がいく。
光の正体は山荘で、わたしは行ったことがないのだけれど、パノラマ展望のお風呂が自慢のようだ。想像しただけで気持ちがいいだろうなと思う。
知らない場所だけれど、慕わしい。うまくいかなかった日にゆるいカーブを曲がって山荘の光が目に飛び込んでくると、ささくれだっていた気持ちが少し落ち着き、地に足がついたようになる。
そこのお宿で、長年料理長をしていたひとを知っているからだ���暮らしている町の灯りの一つに物語があるということは、途方もない日々の中でときに勇敢にさせるし、同時に思い上がるなよと知らせてもくれる。
 料理人だったそのひとは、肺の病気がどんどん悪化して日常生活に酸素が必要になってから、自宅の食堂を閉めた。わたしが訪問に行きはじめたときには、食堂を閉めて何年も経っていたけれど、お家の玄関を入るとすぐ左手に湿って薄暗い食堂がある。客席もテーブルも食堂を開いていた当時そのままで、古びたポスターはビールの柄。壁に造りつけられた棚には、趣味で集めたというこけしが、所狭しと並んでいる。廊下を挟んで右手がお座敷になっている。そっちは物置になっていて、ふすまが閉まっている。一軒家にしたらかなり広い厨房は巨大な冷蔵庫がふたつもあり、作業台には大きな鍋やざるやボウルが積み上がっている。ある日突然時間が止まったみたいに、食堂は佇んでいる。
若い時にトラックの運転手をしながら各地を転々とし、定住してから料理人をはじめて、下積み時代からお世話になっていた旅館の料理長も経験したのち、自宅の一角に小さな食堂を作ったことを、呼吸マッサージの傍ら、教えてくれる。奥さんを四十歳で亡くして、男手ひとつでお子さんを育てたことを訥々と話してくれる。多趣味だった彼は病気の悪化を恐れて出不精になっていて、庭一面に植えられた岩芝の面倒を見るのが最近の楽しみになっているようだった。
ある日、わたしは新婚旅行の思い出を聞いた。その人は、今までにないくらいたくさんの話をしてくれた。にこにこしながら、次に来た時にアルバムを見せてあげるよ、と約束してくれた。
まだ、風が爽やかな初夏の日だ。わたしは時間通りにお家を訪ねる。
すると、左手の食堂の奥、暗く雑然とした大きな厨房に、そのひとは立っていた。びっくりして、どうしましたか、と言う。酸素療法は火気厳禁だ。笑ったそのひとの顔に酸素チューブはなくて、肩で息をしながら鍋から空のペットボトルに注いでいたものを見せてくれた。飴色をした液体は、手作りの生姜シロップだ。作ったんですか、と聞くと笑顔で頷く。
「そこ、座って。炭酸飲める?ジンジャーエール作ってあげる」
肩で苦しそうに息をしながら、手慣れた様子で厨房を横切り、巨大な冷蔵庫から炭酸とかち割り氷を取り出すと、たっぷりシロップを入れて、ジンジャーエールを作ってくれた。
光の入らない食堂は、冷たい炭酸飲料を飲むにはまだ肌寒かった。でも、しっかりと甘い、それでいて生姜の香りが爽やかに立つ手作りのジンジャーエールは、とびっきりおいしかった。酸素をつけなおしたそのひとが、厨房から出てきて、カウンターに座ってジンジャーエールを飲むわたしの隣に座った。
「ほら、そこに出しておいたよ。アルバム見たの、何十年ぶりかで、懐かしかったよ」
五冊ほどのアルバムを、時間いっぱい、彼と一緒に見た。景色と、食事と、出会った人の思い出を聞いた。奥さんが大好きだった話を、彼はちょっと照れつつ、嬉しそうにしてくれた。
 訪問する医療者と、治療を受ける患者の立場というのは、極々繊細なバランスの上にある。
でも、生活する場に行き、そこで短いながら時間を重ねるということは、どんなに慎重に生きていても親密になってしまうし、ひとを好きになることは、ほんとうに簡単だ。それは、くだけた口調で親愛を表現するとか、遠慮がなくなるといったことではない。距離をとりつつも人間性に親しみを持ち、敬意をはらうという好意の寄せ方を、わたしは好んでいる。
おすすめのお店にわたしを連れていきたいと、何度かお誘いがあった。調子がよくなってきて、外出が頻繁にできるようになっていた彼は、本来の活発さを取り戻したようで、いきいきとしていた。
わたしは了承した。彼のひととなりが好きで、仕事ではなく個人的な付き合いをしてみたくて、二度、夕飯に行った。
二度目に、彼はわたしに一万円を差し出した。こんなおじいちゃんにつきあってもらってごめんね、と言いながら。
人生で、こんなにも後悔をしたことは、後にも先にもないかもしれない。彼にこんな真似をさせたのは、わたしが領分を超えたせいだった。
丁寧に断って、信頼できる上司ひとりに相談したあと、ちょうど仕事内容の整理や異動が重なっていたこともあり、お家に行く頻度を減らした。そのあとも、彼は気さくに話をしてくれたし、わたしもいろんな話をした。お出かけのお誘いはなくなった。次の担当と気が合わない話などを、苦笑いとともにされて、でも仕事で決まったので、と変更できないことを伝えた。その線引きが、正しかったのかどうか、わからない。
訪問の仕事を離れてから、一年ほど経ち、彼の病気はゆっくりと悪化し、ひんぱんに入院するようになった。二度目の入院のとき、わたしは彼の病室を訪ねた。肺の病気は苦しい。熱と溜まった二酸化炭素でぼうっとした彼は、わたしをみとめると安心したように微笑んで、手を握り、また会えてよかった、あなたが来てくれてほんとうによかった、と何度も言った。泣きそうになりながら、また来ます、と言って病室を出た。よく晴れて寒い初春の土曜日で、サンドイッチを買って公園に行き、ベンチに座って食べながら、熱で火照った手が強く握り返してくれた感触を思い出していた。
 どんどん、坂をボールが転がっていくように、彼の病気は悪くなる。
痩せて、喋ることもままならなくなったころ、わたしは病室を尋ねることがこわくなる。一度自分から引いた線が、いまでは大海原のように横たわっている。
そうして、彼は亡くなった。臆病なわたしが、会えないでいる間に。
 もう、三年ほど経つ。さいきんになってやっと、自分がどうありたかったのか、理解できた。
わたしは、彼とともだちになりたかったのだ。
自分勝手な願いだ。自分の役割を切り離すことなどできない。
それでも、カビと埃くさい薄暗い食堂で彼の手作りジンジャーエールを飲みながら思い出のアルバムをめくったときのような、彼の半生を聞きながら一緒に旅をするような、隣り合って笑いあえる、立場や年齢や役割から解放されたところにある個と個のかかわりをもちたかった。
枠組みにとらわれすぎてしまうし、踏み越えたり無視して楽しめるような度胸もない。相手の領域にひょいっと何気なく入って、自分もさらけだし、かわいがられるような性分でもない。
そもそもわたしは昔からともだちを作るということが苦手で、けんかもしたことがないから、学生時代毎日毎日一緒にいたのにささいなことですれ違ってなんとなく距離が遠のいてしまった子とどう関係を戻すのか分からず、ただただ戻れない場所を眺めていた。そんなことまで思い出す。
ともだちになりたかった。
こわがらずに会いに行けばよかったと思うし、それは独りよがりすぎるよな、とも思う。もう、終わってしまったことだけれど。
山の光を見るとき、ざらついた感情も一緒に蘇る。折り目のない一万円札が、鈍く光っていたこと。初夏、スーパーにずらっと並んだ、薄いきいろと先に行くにつれてあどけないようなピンクに色づいている新生姜をみると、手作りのジンジャーエールを思い出す。薄暗くひんやりとした食堂と、わたしが行かなくなる直前に全てひとにあげてしまって殺風景になった庭のこと。
ひととかかわって生きていくことは、決して思うように、うまくやれることなんかじゃないと、戒めのように思い出す。
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skf14 · 4 years
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08041926-7
なんで鍵をつけておかなかったんだあのクソ野郎、と舌打ちを溢し、こじ開けられた扉を閉めようとした瞬間、奴の足が隙間に差し込まれ、かけられた手が扉を閉めさせまいと力を込める。怯える母親が俺に抱き付いて、シャツ越しの背中にふにゃ、と柔らかい肉の感触が伝わる。人間の、女の肉だ。くらり、込み上げる吐き気に力が抜けた瞬間、奴が力の限り扉をこじ開けた。俺を突き飛ばすように部屋へ入ってきた奴は母親と俺を交互に見て、怒りをあらわにした表情のまま、俺を見下ろした。何故コイツが怒るのか、分からない。
「何、参加したいの?」
「ふざけるな。」
「出てけ。見世物じゃねえんだよ。」
「もう、一度殺してそれで十分だろ」
「お前に何が分かる。」
「俺は医者だ。お前も医者だろ。そんな当たり前のことすら説明しないと分からなくなったのか。」
「はっ、どのツラ下げて言ってんだ。てめぇでてめぇのガキ殺したの、忘れたか。」
刹那、目の前に真っ白い火花が飛ぶ。ジン、と鈍く刺さるような痛みが頬に走り、歯を食いしばって拳を握りしめる奴の姿が目前にある。ああ、殴られたのか、と、認識が後から鈍足で追いついて、乾いた笑いが込み上げた。
「お前が作り出したモノだろ。」
「......モノ、ねぇ。これ見ても言えるか、その台詞。」
最後まで何も変わらない奴に立つ気力を全て削がれた俺は、床に座り込んだままケツに入れっぱなしだったスマートフォンを操作し、写真を一枚見せた。よく分からない、と眉を潜め写真を見ていた奴の顔から、どんどんと血の気が失せていくのを、まるで映画のクライマックスでも見ているかのような気分で見ていた。要するに、興醒めだ。俺は謎を解く過程が好きなんであって、謎解き後に自己を正当化する泣き言を聞きたいわけじゃない。
「誰だ、これは、」
「お前と、エリの子供だよ。」
「クローンは、受精卵の時点で、あの時処分したはずだ。」
「もう一人いたんだよ。」
「そんな、はずは...本当に俺と、エリの...?いや、そんなはずはない、この顔、エリそのままじゃないか!!」
「お前にはどうしても似せたくなくてなぁ。」
「この子はどこにいる、」
「死んだよ。」
12歳のまま時を止めた子供の顔。画面越しに愛おしさを込めて撫でれば、いつか頭を撫でたときの髪のつるりとした感触が蘇るような気がした。そういえば後ろで怯える母親も、美しい黒髪の持ち主だった。
「アイツの話には、意図的か偶然か、足りないピースがいくつかある。地球が実験場になってから俺はアイツの技術を借りて、自分自身の過去の記憶を全て見た。」
「過去を全て...?」
「ガキの脳味噌で都合良く加工された記憶ほど、目障りなものはないからな。俺はただ事実を知りたかった。」
母親は俺の背中に隠れたまま、精神の疲労からか、うとうとと船を漕ぎ始めている。幼子のような仕草が外見とミスマッチで、脳が違和感に警鐘を鳴らしていた。
「本当に邪教にハマっていたのは、俺の父親だった。生まれて初めて見た景色は、俺を抱き上げた男が、己の顔を切りつけて溢れた血を、恍惚とした顔で俺に塗りたくる姿だ。笑えるだろ?教材ビデオみたく、父親らしい男のイカれた姿を何時間も、何十時間も見続ける母親を、俺はいつも押し入れの隙間から見てた。」
「...彼の話に、父親は出てこなかった。」
「アイツの目的は俺の過去を晒すことじゃなく、母親の話で俺を煽ることだからな。ただ不要な要素を削っただけだ。」
すっかり眠ってしまった母親は柔らかな頬を俺の肩に乗せ、すぅすぅと気持ちよさそうに寝息を立てていた。その艶やかな髪に、そっと頬を擦り寄せて、愚かにも記憶の上塗りを試みる。
「...それに、出さなかったんじゃない。出せなかったんだ。」
「どういうことだ。」
「やけに美味かった母親の手料理が記憶に残ってた。でもそれが何だったのか、ずっと思い出せずにいた。ガキ用の器に山盛り盛られた、味のしつこいオートミールみてえな謎の食い物がさぁ、すげえ好きだったの、俺。3歳頃の記憶を覗いた時、全部の謎が解けたよ。」
「まさか、」
「冷凍庫から取り出された肉の塊をお湯で戻した母親が楽しそうに叩いて柔らかくしてさ、ミキサーでぐちゃぐちゃにして、調味料かけて水入れて鼻歌まじりに煮込んでんの。湯気が立ち込める台所からは喉に張り付くような油の匂いがして、俺はテーブルでその飯を心待ちにしてた。」
口元を押さえて顔を顰める姿にこみ上げた笑いを噛み殺し、ため息を一つ。
「俺が殺すって言うのを分かってて、アイツは選択を迫ったんだ。万が一言わなくても、結局どうこうする権利はアイツにしかないからな。だから俺は、母さんを守るために、一旦ここに連れ込んだ。」
『......ディナーの時間だよ、......!』
「...呼んでるぞ。」
「分かってる。少しだけ、母さんと二人にしてくれ。頼む。」
「......分かった。5分だけ待ってやる。すぐ出て来い。二人でとりあえずお母さんを逃がそう。」
「...あぁ、ありがとう。」
ギィ、バタン。背後からは変わらず安らかな寝息。とりあえず耳を塞いでおいてやるか、と、両手で母親の小さな顔を包むように掴んで、耳を覆う。そして無音に包まれた殺風景な部屋の中、まるで胎内へ帰ったような気持ちになって、余計に吐き気が加速する。目を閉じていれば、死後の世界かと思うほどの、冷たい場所。少し経って、車に跳ね飛ばされた獣の断末魔の如く聞くに耐えない慟哭がドアの向こうから漏れ聞こえ、そして、バタバタと暴れる音、一瞬の静寂ののち、どん、だか、ばん、だかの破裂音が響いた。4コマ漫画のようなオチだ、と、眠る母親をそっと床へ横たえ、部屋を出た。
「...ひでえ有様。」
「手伝うとかないの?」
「ない。自業自得だろ。さっさと片付けろよ。」
「おっかしいなぁ、俺ボスなのに。」
リビングの床に這いつくばって肉のカケラをチマチマ拾い集めていた奴を呆れた顔で見下ろせば、奴は困った顔でゴミ箱ゴミ箱、と呟きながら掻き集めたそれを捨て、片付けていた手を拭いて椅子へと座り直した。
テーブルの上に置かれていたであろう皿はひっくり返され汁やら野菜やらが散乱してひどい有様だ。折角丹精込めて作ったのに、と言いたげな顔で唇を尖らせているが、その台詞は何よりも俺が言いたい。
「何がしたかったの、アンタ。」
「さぁ。むしろ、オッケー出したのお前じゃん。」
「このままいけば、先天性疾患もなく普通に生まれる予定だったからな。」
「それの何が不満だったのさ。お前にしては、裏もない優しい契約に見えたけど、俺。」
「アイツは?」
「俺の部下に回収されて、火葬で処理ってところかな。まごうことなき自殺だしね。」
「そうか。」
「びっくりしたよ。折角食べやすいようにしてたのにまさか俺の料理でパズル始めるとは思わなくて。」
当然の末路だろう。コイツが俺達に出そうとしていた料理は、エリを使って育てていた奴の子供だ。バラバラにして出して、食べたところでネタバラシをしたのか、食べる前にバレたのか。開きっぱなしのベランダから吹き込む風が、縺れたカーテンを揺らしていた。
「で、どうするの。」
「何が。」
「あのクローン。本物だよ。お前の真似で作ったにしては、商売出来るレベルの再現度だと思うけど。」
「そうだな。あれほど的確で、趣味の悪いプレゼントはないだろうよ。」
「だよね。よかった。」
床やら机やらを綺麗に拭き終わった奴は、よし、と満足げに見渡し、そして、俺に向き直った。
「どうするの?」
「人間が、いついかなる時もどうするか考えて行動出来る理性的な生き物だと思ってんのか?」
「少なくともお前はそうでしょ。」
「...そうだな。」
「ねぇ、俺もいていいかな。」
「アンタならどっからでも覗けるだろ。」
「近くにいたいんだ。ダメ?」
「...好きにしろ。」
彼のために用意しておいた部屋で、俺はただ、なぜ他の誰でもない彼に興味を持ったのか、ぼんやりと考えていた。広がる果てのない虚無と、抗えない焦燥感と、全てから解放されたくてこの星に来たのに、虚無と、焦燥感しか感じ取れない、まるで人間らしくない彼と今、行動を共にしている。何故なのか。
「やめ、やめて、いたいわ、どうして、和、」
「どうしてだろうな。俺はその何倍も、何十倍も、何百倍も聞いたよ。どうして、なんで、母さん、って。」
「おれる、おれちゃう、いたい、いたいいたいいたい!!!!!」
「いたかったよ、ずっと。」
様々な人間を見て、本性を試し、大実験を繰り広げたこの星で、俺は一体何を得たのだろうか。むしろ何か、失ったのだろうか。分からない。彼の足が、ボコボコに殴られて横たわる母親の肩を押さえ、彼の細い指がゆっくりと雑巾を絞るように柔らかな腕を捻っていく。ばきょ、と湿った鈍い音がしたのは、骨の耐久度の問題か、それとも、関節の限界か。詳しく見ようとは思わなかった。
「あの夜、俺は殺した恐怖で震えてたわけじゃない。」
「あれ、違ってた?」
「世界に一人になった実感で、震えたんだ。それが恐怖なのか喜びなのか、当時はわからなかった。が、結局あれは、喜びだった。幸せ、だ。分かるか?」
「分かるよ。呪縛からの解放、ってことでしょ。」
「そうだ。一人に、自由になった幸福感だ。」
でも、と、彼の口からぽろぽろ、脳を介さない子供の独り言のように言葉がこぼれ落ちていく。
「それは果たして本当に、幸福と呼べるものだったのだろうかって、俺は血塗れで倒れる母親を見下ろしながら自問自答した。答えは出なかった。殺した瞬間はただただ嬉しかったその静けさが、段々怖くなって、俺は、ただひたすら深く深く、母親を埋めた。裏山の土のむせ返るような生臭い匂いと、湿ってぬかるむ足元と、何かの鳴き声と、真っ暗闇の中で、ひたすら掘った。」
「うん。」
「そして、いつからか、人の真似をするようになった。人がどう感じどう思うのか、思考の上でしか味わえなくなった。母さんと買い物に行く、母さんとどこかへ旅行に行く、母さんと手を繋ぐ、そんな妄想すら、大多数が幸せだと判断する事象だから幸せなんだ、としか、思えなかった。」
「あの子と過ごした日々も?」
「ああ。思い描いた通りに作って、思い描いた通りに育てて、思い描いたように出来た。テレビで見た家族と、本で読んだ親子と、全て足し合わせて最適解を見つけたんだ。当たり前だ。」
「じゃあ、目の前のそれも、何かの真似?」
異形、と呼ぶにふさわしい生き物が虫の息で目の前に転がっていることに、果たして彼は気付いていたのだろうか。丁度彼が話の中で母親を埋めた時、首に食い込んでいた彼の親指が母親の喉仏を抉り出し、くぇ、だかきゅえ、だか上手く形容出来ない声と共に絶命したそれをじっと見下ろした彼は、無垢、と表しても遜色ない純粋な表情で首を傾げ、暫し考えた後、「再現。」と言った。
「最初に可愛がってた犬、確かこんな感じで捻じ曲げられてたんだ。俺の飯の残りを喜んで食べる、汚い野良犬だった。俺が唯一、名前をつけた犬だった。」
「気分はどう?」
「なにも変わらない。ゼロがゼロに戻っただけだ。」
「一人ぼっちなんだね、お前は。」
「...ふっ、ふは、はは、ははは、ふははは!」
急に笑い出す彼の気が狂ったかと目を見開いた刹那、全てを見抜くような、鋭く、そして嫌な目がこちらを刺すように向いた。
「自己紹介でもしてんのか?アンタ。」
「...どうして?」
「いくら技術に長けた星でも、知識を無限に蓄えても、一人じゃ"一人"は学習出来ないよなぁ。そりゃ。」
「何を言ってるのか、よく分からないな。」
「お前が引き連れてた部下、全部人工物だろ。」
「なんで、」
「この部屋もそうだ。使った痕跡がまるでない。わざわざ今日の為に用意したな?」
「......」
血やら体液やらが溢れ出る母だった塊を足で退かした彼は気持ちよさそうな顔で俺を見下ろした。俺は、その目をよく知っていた。いつかの人権を失った人間、いつかの子を失った親、いつかの矜恃を捨て去って畜生と化した若者、それらに向けられていた、そう、"可哀想"の目だった。
「アンタがどんな生き方をしてきたのか俺は知らねえが、この星に来て、アンタはやけに人の心、それも人同士が関わり合う心の動きに執心してた。契約もそうだ。承諾が必要なんてまどろっこしい真似せず、アンタが楽しいか楽しくないかで許可すれば良かったのに、アンタわざわざ人間に委ねたよなぁ?」
「それは、実験がしたかったから。」
「いや、違うね。あのサンドイッチの女だって、英知の結晶なアンタの頭で考えたにしては余りにも不確定要素が多すぎる。俺が気まぐれで外に出たら?俺があの女に興味を持ったら?会社の嘘がバレたら?」
「......」
「楽しむにしちゃあ、人間すぎるんだよ。アンタは。」
今更、この目の前の男がおよそ人間らしくなく、逸脱した倫理観と���ろしい程良い頭の持ち主だったことを思い出した。今や知識すら契約でなんでも買える世の中で、人の心を掌握し、嬲り、思う方へ転がす悪魔。
「おいおい、この星を壊すだけ壊した奴がなんて顔してんだよ。」
「お前だけには、知られたくなかったのに。」
「なんで?」
「惨めになる。」
「下の下にいるただの人間相手に?」
「初めて出来た、知己だったから。」
「かたっ苦しいな。友達、でいいじゃねえか。」
けろり、と笑った彼の顔にはもう、蔑みも軽蔑の色もない。出会った時の、退屈な日常に中指を立て、おもちゃを探して楽しそうに笑う彼だった。
「来いよ。」
「え?」
手を引かれるまま、部屋を出る。彼に続いて靴下のまま開きっぱなしだったベランダへと出た。そういえばこの家を用意してからバタバタしていて、初めて、外に出て景色を見た。爛々と輝く街の光が、俺と彼の角膜に写って、その光が漠然と命を思わせる。
「綺麗だろ。ただの街灯と、航空障害灯と、車のライト、あと、人間が生きてる光だよ。」
「そうだね、綺麗。」
「それは学習した上での結論か?」
「いや、考える前に出た、言葉だ。」
「皆、一人じゃないって証明のために数十年の命を無駄遣いしてんだ。俺と、アンタは、それをしなくても生きていける。」
「...確かにね。」
「その使い古した皮捨てろよ。今日くらい。」
「え?」
「俺が今まで何人生身の人間作ってきたと思ってんだ?」
「......そうだね、今日くらい。」
いなくならない彼にだけは見せないでおこう、そう決めたはずなのに、首に手をかけ、被っていた頭皮をメリメリと剥がしてから、部屋の中へと投げ入れた。景色は俺を通り抜けても、変わらず目に映って眩しい。
「さて、ボス。明日は何をしよう?」
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roomycage-blog · 5 years
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ARASHI EXHIBITION JOURNEY 嵐を旅する展覧会 @tokyo September
母と2人で行ってきたARASHI EXHIBITION JOURNEY 嵐を旅する展覧会の並ぶところからの覚書雑感です。覚えている限りなので曖昧なところもあるかも。
やはり集合時間前から館内で並ばせてくれてたみたいで指示通り時間前に早く着きすぎるのは良くないと、集合時間5分前くらいに着くともうその回のほぼ最後尾グループみたいな感じだったの。でも、展示観ててしばらく経っても後続グループは来なかったしそっちの方がのんびり見られてよかったのかなあと。昼の回でグッズ完売もなかったので良かった!
ガラス張りの入り口入ってすぐのところからあいばちゃん、ニノ、大野さん、寝そべる松ずん、櫻井さんとか順番うろ覚えだけど五人がそれぞれ大自然に扮した壮大な天井〜床までの写真が続いてるホールちっくなところに並ぶ。並ぶ左手は見終わった後のスーベニアショップに繋がってるからスタート&ゴール地点。松ずんは2写真共寝そべってばっかりで並んでる人の頭の辺りになっちゃうから顔見えにくかったな。母と、松ずんいなくない?相葉ちゃん2人いるじゃん!みたいに言ってた記憶。
大自然模した巨大嵐さんは右となりの部屋まで続いて���そのとなりの部屋に移る間にチケットと本人確認。チケット画面に触ることはなかったけど、画面読み取った後の会員証、本人確認書類は写真も顔と照らしてきっちりみてた!コンサートもこれくらいやってほしい…。ここの写真もだけど全体的なテーマ写真の、あの大自然をなぜ自分たちで表現しようとおもったのかは最後までわからなかったな…笑
チケット確認済ませるとグッズパンフとグッズ購入引換券がビニール袋に入ったの1人1組貰えた。となりの並ぶだけの部屋に移るとまたもや壮大な大自然嵐さんたちを眺めながら待機タイム。パンフ1部取り出して、購入引換券をまとめて大切にカバンに保管したあと笑、母と2人でじっくり、パンフや壁を眺めてた。パンフ1部は未開封で保管しておくのよ!綺麗に!って言ったら母に大笑いされた笑 そして引換券無くしたらお買い物できないからね!レジでお会計の時に交換するから大切にカバンの奥底に。
入り口〜この部屋までは壁がガラス張りだから外から建物撮るときはそこが写り込まないようにスタッフさんが外で撮影する人に声かけてた。最初に並ぶチケット確認側の部屋の奥にカーテンで仕切られてるところがあって、誘導されて入ると左に続く通路があってそこに14〜16人くらい1グループで通された。そこまで集合時間から15分くらいかな?右の壁に嵐さんの、グッズにもなってるアクリル板の旅に出るやっちまった家族写真(等身大気味)が並べられてて左側はなんかジャングル風…謎の…笑 そこから角を右に曲がると嵐さんからの開催目的のメッセージが今度は左側の壁に掲示。右側は石が積み上げられてるの。ほんとこの大自然の全体テーマ…何…笑 やっちまった家族写真の壁の前で待つので原寸気味だね、とか目の前にあった相葉ちゃんが細いとか翔さん綺麗とか、ほんとにこのグッズ買うの?とか母と話してた笑 曲がったところでまた止まってスタッフさんから写真撮影不可とかスマホ電源切るとかの注意事項と、次の部屋の機械説明受けたあと、右の扉を通り過ぎて最初の小部屋に。チケット確認前にもスマホとか注意事項は案内あったし傘を持ってたら鞄に入れられないサイズのかどうかも確認してて入らなければ入口の傘立て誘導されるんだと思います。
最初の小部屋は4分半くらい?の完全入れ替え制の映像で、宇宙空間みたいな背景の写真の群れの中に五人(全身やや等身大気味?)が正面に現れて、挨拶やこの部屋の写真とかの説明を話してくれた。4面ある壁をメンバーが動いてその写真の小話を少し。懐かしいね〜みたいな。写真と動くメンバーと、どこをみたらいいのかわからなくなって困る!笑 そのあと次に行く?って映像が変わって、私たちはその部屋にいたまま、嵐さんだけ映像が変わります!5×20のPV撮影してた砂浜で寝そべる、翔さん、ニノ、松ずん(入り口壁)にぐるりと囲まれて変わる。ちょうどアップ!入り口に飾られていた大自然嵐さんとは比べ物にならないどアップ!ニノは腕組みするような感じで正面から、松ずんは頭に頬杖ついて横たわってた!翔さんもニノ同様正面からしかみえなかったかな。天井から床まであるスクリーンなんだけど、その2/3が顔くらいのサイズのとんでもないどアップなの!何も知らずに入ってすぐのところに立ってたら左手にニノだった!入り口の扉がある壁面が松ずん、その向かい側が翔さん、二人の間がニノ。天然二人はどこだ?と思ったら二宮さんの反対側(出口がある)の壁面遠くでキャッチボールしててお客さんの頭で全然見えてなかったけど、おーい始まってるよ〜!って呼ばれてるのが可愛くて笑 これPVで謎の超遠景キャッチボール撮影してる時だよね?別アングルからこんなの撮ってたの?そんな何回もキャッチボールしなくない?って母と話してた笑 駆け寄ってくるときに砂浜の砂をバッとみんなに掛かるように輪に加わって三人にバカ!やめろ!とか言われて笑う相葉ちゃんと、途中砂がすごいって自分で愚痴る相葉ちゃんにニノがそれ自分だからなって突っ込んでて相変わらず可愛かった笑 二宮さんと松ずんをメインに見てたから天然側ほとんど見てないよ…😭
話の内容ほとんど覚えてないんだけど、でっかい二宮さんが可愛くて…あんな巨人になら弄ばれたいと思ったんだけど…大きくて可愛いって最強だよね!んね!!この部屋の最後は、寝そべってるみんなが立ち上がって、松ずんの壁と天然の壁の角のところにある出口の周りに集まって、またね〜とか行ってらっしゃーいってまるでアトラクションの誘導かい!っていうわちゃわちゃ感でご案内!スタッフさんが扉開けて待ってる。もちろん名残惜しいんだけど、五人の映像もフェードアウトするからそのタイミングで出た!
次から最後の小部屋前までは時間制限、グループ分けなく自分のペースで見られる模様。平日水曜昼の回でだいぶ人少なくてのーんびり堪能できました。
映像部屋から左に細長く続くのはどこからか忘れたけど最新5×20までのコンサート楽屋裏写真!ポプコンはあった。僕と君もあった!ということは…10周年終わってから…?WSでも映ってた部屋だね。背面はそのコンサートの日程。正直ここの写真を全種売って欲しいと思うほどでした。全部可愛い!表情判定に厳しいから写真買わない母も欲しがってた!自然な顔がお好きなの、母もわたしも笑
5×20でおふざけ分と本ちゃんuntitledでUB練習のにのあい、ゲーム機とキーボード詰め込まれたキャスター付鞄ドヤ顔披露の二宮さん、上半身脱ぐ他三人の写真もちらちらあったな。デジの電極?つけられてるとことか。円陣組んでるuntitledのコンサート前とか、5×20のコンサート終わりのエレベーターにスタッフさん含め6〜7人詰め込まれるとき体を縦書きかぎかっこ並みに横に曲げて前髪ちょういい感じに横に流しながら愛想振りまいてる二宮さんとか。覚えきれないくらいたくさん!全然覚えてられてない。まぢで全種買わせてください!!って思った。平成最後の誕生日祝ってもらってる相葉ちゃんの写真もあったね。お金は用意したのに…なぜ手元に残させてくれないの…。
そのまま直線上の部屋が衣装のコーナーで5×10のスケスケ、5×20・ジャポ・あゆはぴ・ポップコーン・5×10・ハワイのそれぞれオープニングの衣装!足の内もも側は大体素材違いで恐らくストレッチきいてそうな素材で、5×20では松ずんの衣装は肩幅大きかったし、ジャポでは大野さんの身長ちっこかった!笑 靴まであったのは5×20だけでマネキンの身長揃ってたんだけど、ほかの6衣装は全部身長合わせの展示っぽくて、大宮に挟まれた相葉ちゃんの衣装の背が高くて驚いた!ふたりがちっこいのか。松ずんのとか翔さんのとか胸板周りの厚みが他三人と違ったり。ポプコンの、かなり可愛いから下で見たかった!右手前からスケスケ、その上がポプコン、その奥中段にハワイ。左手前から5×20、上にあゆはぴ、奥下段にじゃぽ。5×10は通路正面上段で、お得意のスケルトンステージ風だから真下からのぞけた!笑 本当に刺繍とかスパンコールとかクリスタルとかフリンジとか細���くて、できれば生地の厚みも触って確かめたかった…プロジェクトランウェイ好きとしては!!笑 5×20はツアー中だけどああいうのって普通何着作っておくのかな。汗かきまくるから3着はあるよね…?ちゃんと衣装の足元にメンバーカラーが置いてあるのでここでファン力を確かめられることはありません。あ、でもどのコンサートの衣装かは背景に静止画置いてあるんだけどあゆはぴ衣装は特徴ないから後ろみるまでわからなかった…笑
次が左に曲がるとコの字型にピカンチで岡本さんの撮ってくれた写真の部屋。印画紙にきちんと焼かれてすごく綺麗で。この部屋の壁がグレーでそれがまた良かった。この部屋の色にしたいっていったら暗いって言われたけど笑 二宮さんが車内で飲むのと、翔さんのピントぼやかしたやつ欲しい。あの写真集買ってない…今回の載ってないのかな。なくても買うべきよね…。みんな細くて若々しくて。がむしゃら感がびんびん。
岡本くんがメッセージくれてて、誰よりも早く大人になりたがって岡本くんの周りにいた松ずん、うまくやりたいけどできなくてでもそれも笑顔でみんなとわかちあう相葉ちゃん、パンクかロックとフォークの融合してるニノ、すべてに無頓着なのにすべてにおいて最高のレベルで表現する大野さん、学ランリーゼントで今なら最強とか言うくせにすごく難しい英単語を覚えて大学卒業を目指す翔さん、ってな感じで。すごく良かった。ブレイクしたいっすってずっと言ってた彼らのブレイクは、まだこれからなのか、今もうその時なのかはわからないけど、この五人の巻き起こす嵐に巻き込まれるのはすごく心地いいみたいな、そういうことも書いてくださってて…。客観的な嵐さんは展示の中でここだけだし、嵐の中からじゃなくて、次元は違うけどある種私たちと同じ外からの唯一の文章の、その最後の部分読んだ時、この展示会で涙腺一番刺激されてしまった。この次の部屋でメモを取ってる人が見かけたからわたしもそうしたらよかったなあ。
次は絵の部屋。ここもコの字気味かな?嵐さんの書いたミッキーが、たぶん印刷だけど並んでる。ここはAMNOS順。相葉ちゃんのは鉛筆の下書き線もあった。あの大きさで見るとやっぱり大野さんのは線にブレがなくて綺麗なのがよくわかる。このメンバーミッキー絵を見ながらメモを取っていた方はなにをメモしていたのか知りたい…笑
その横は嵐さんが演じたドラマ・映画の原作漫画家さんが、嵐さん自身を描いてくれた新聞広告の大判。これも当たり前だけど原画じゃなくて残念。それでも新聞の判も大きくサイズ揃えてあるし新聞の枠とかないからやっぱりカッコ良い。実家にまだ貼って飾ってるから回収してこようかな笑 あと嵐四人が大野さんの展覧会の時に描いた彼の似顔絵が、大野さんの写真を挟んで松ずん、二宮さん、写真、相葉ちゃん、翔さん、の順でかな?飾ってあった。フリースタイル観に行ってないから初見!松ずんの絵はぼかしで影とかきちんといれてたし相葉ちゃんと翔さんはミッキーもだけど模写うまい!二宮さんはノーコメントで…笑 その下にはさらにその絵を大野さんが模写した展示。最初はなんで同じ絵のちょっといびつな絵があるんだろ?って思って母とわやわや話してたらスタッフさんが本人が描いたんですって教えてくれました。スタッフさん全体的に優しい。恐らく大野さんは壁に直接描いてるとおもう!四人の絵が飾られてる所とともに一枚大きな板になってたから、剥がしてほかの会場にも持っていけるはず!
次の部屋もコの字気味。やたらカラフルな2019年2月にLA行った時の撮影風景映像が真っ先に。たぶん自由にみられる全部の映像の中で一番長くて4分ちょっとくらい?集合アートボードの跳ねてるところの撮影風景もあったけど映像自体は無音。部屋全体にはBGM流れてるけど。全部の映像部分には尺表記してあってお優しかった☺️(どれも正しい尺は覚えてない笑)どぎついサーモンピンクみたいな壁の色で全体的に明るい、写真そのものを展示する部屋。LAで撮ったものが高そうな紙に印刷されてた!額装も1つずつあって光輝かしいスターのLAツアーって感じします。写真の中に個別ソロのエンドレスで青白い壁と水色の光の中でそよ風受け続ける五人の映像が飾ってあったのでどこからループするのかしばらく見つめてた笑 グラミー賞観に行った時の写真も混ざってた。でもこのLA撮影の背景と、コンサートのピンクジャケットじゃない衣装や小物のケバケバしさとのミスマッチやら髪の長さやらであんまり好きくなくて、俯瞰でサングラスかけた五人を撮影してるのとか以外はあんまりだったかな笑 そのまま、デビュー〜いままでの、お土産屋さんよろしくポストカード風に大量の写真が飾ってあるゾーンがあったんだけど、普通の横並びのと、カードスタンドにも縦横構わず挿さってるのもあるのに触っちゃいけないから首と腰がめっちゃ痛かった笑 しかもスタンドの方は無駄に何枚も同じのをさも売り物のように挿してあるの!笑 売ってないのに!!笑 仕事場以外で撮ったものも混ざってたみたいで、若めの頃の空港とかのもあった。ここの最後に、LAと箱根のプリクラ、箱根のお皿と犬のぬいぐるみ、ジオラマの気球とヘリがあった。ヘリちょうちっこいの。むしろこれを売ってくれ!って感じよ。嵐さんのサインもあったな。あれは何年のだったろう。箱根のプリクラは加工系のだからみんな目がでかくて顎がなくてエイリアンみたいだった笑 マジパンでつくられたみたいなケーキっぽいものはあれ何に使われたやつだろう…記憶…。会報で作った嵐さんのスノードームもあったけど一番上の段でかなり見にくかったよ!笑
写真ブースにもある壮大な嵐さんの右横にこのコーナー最後の家族旅行の五人がいて、入り口のところと同じ原寸大ちっく!大きいから爆笑も原寸大だしまたここで繰り広げられるアクリル板グッズ買うのやりとり笑
展示の写真に関しては、最初のコンサート裏のがクオリティ一番可愛くて欲しかった。このピンクの部屋の写真もチラチラ自然な一面のあったけど、見る姿勢がきついのもあって、ふうん…程度の感じ…笑 アイドルであっても裸体に関心ないから箱根の入浴写真も髪型キマってるなあ程度の感想でした笑
アクリル板家族に別れを告げて進む直線の細い廊下みたいなところは5×20の歌詞が星空に斜めにでっかく印刷されてる。文字が透明なぷくぷくシールみたいな加工されてて綺麗だった!大きくなったからこそ数え間違いのないあの5つの点はわざとだと思うの!って歌詞初見の母に熱弁しちゃったよ笑
その次から個々のコーナー!年齢順に並んでた!
大野さんのところは絵とダンス。入って左には絵の筆と、ベニヤに書かれた左手の縁取り完成版と、失敗の途中までの。ちゃんと失敗って書いてあるのが可愛い。実際に使ってたパレット三種類は何枚も重なってる使用済みペーパーと普通のプラスチックのと、透明なアクリルの薄い蓋みたいな四角いやつを使ってた。この蓋みたいなやつは本当に蓋だと思うのよ笑 筆も10本以上あったんじゃないかな。一列に並べてて、筆先円柱だったり平らなのから極細までたくさん。綺麗に洗ってあったし道具丁寧に使うの素敵だなと。奥には5×20コンサートのために振り付け練習する大野さん。いつものTシャツ着てた!笑 右にはちょう巨大なキャンバスにアクリルで書かれた自画像。2016年作ってあったかな。大野さんの展覧会ってたった3年前…?ん??こんなに大きいの描きたいんじゃ仕事してたら無理ねって母は言ってた。わたしはこんなに大きい絵を描いておける部屋が家にあるのかなって言ってた笑 あとたぶんモデペとか使って立体的になってるところもあって、わたしもまたすこーし絵が描きたくなってるタイミングだからまじまじと見てしまった。モデペ使うの苦手なんだよな〜。
次は翔さん。リリックができるまで!リリックを書く自宅のリビングを再現。流れる音楽は5×20のラップデモを翔さんが歌ってて新鮮でかっこよかった!歌詞が所々違うし天井近くには添削してるラップ詞の映像もあった。流れてるデモと実際のでは違う部分も。吹き込み歌声ラフなのもあってちょうかっこよかった。スノードームもあのサイズなんだなあって、集めたいと思ってたから参考になった。入って正面には、自宅リビングのテレビボードが再現されてて、ブース前でラップ仕上げる翔さんの映像が流れてるテレビの横に、アロマが置いてあって必死にかいだけど忘れちゃった笑 いい香りではあった!嵐ジェットの模型、グラミーのチケット、どこかの国の新聞紙のカレンダー、GQのトロフィー、こないだのしやがれ三人旅行のお写真、おそらく最初の日テレ嵐WEEKの看板?、知識不足でどなたかわからないけどイラストとフィギュアちっくなやつ、ヤッターマン関係のフィギュアと初紅白のスタンドとかが飾られてた。インテリアセンスはあるじゃん!って笑、かっこ良い横長の細い木目のテレビボードというか壁面で。おっとなー!って感じ笑
相葉ちゃんのコーナーのテーマがよく覚えてない笑 あんまりにのあいはあんまり裏感なかった笑 バズりNightの手作りTシャツと、ボクシングのグローブ、大野さんが作ってくれたGパン、ベストジーニストの盾、自転車ドラマの台本、ラブラブ愛してるの人形、とか。あ!子供の頃のお写真たくさんあって、お母さんに面影が似てるなあと思った。まだ一度も中華屋さんに行ったことないからご両親初見…。翔さんのとは別の嵐ジェットのもあったな。あの壁の絵は相葉ちゃんが描いたのかなあ?バイクを絵にしておいたって言ってたけど、それにしてはうまくない??プロの手よね…??笑
次の二宮さんの部屋のテーマは映画とゲーム。ゲームは触れるよ!とかっていう表記がそのテーマに沿ったところみたい。伝わりにくい!笑 報知映画賞のとか、日本アカデミー賞の。母と暮せばと検察側の罪人だったかな?作品ふたっつであんなにもらえるなんてすごいし受賞も大変…物量的に!最優秀主演男優賞のトロフィーにはさわれて、1.5kgあるって係りの人言ってた。撫でる���けじゃなくてしっかり触らせてあげたい!っていう二宮さんの言葉通り、さわったところがすごい擦れてるの笑 みんながさわったあれはこのあとどうするんだろう…ジャニーズ事務所に飾るのかな…絶対家に持ち帰らないよね…?笑 優秀賞に選ばれると小さいトロフィーと賞状がもらえて、最優秀だと金の縁取り幅がすごく広い賞状だった!そういう違いがあるのね〜。ただし、なんというか、まあ…賞を自慢するワンパッケージの二宮さんの原点!笑 翔さんとか大野さんのみたいな裏側が見たかったよ!!笑 いやまあほんとうに誇らしいけど!!なんならハマってるゲームのプレイ動画とか見たかった笑 でもなんだろな…やっぱり嵐さんがお休みしたら役者業が増えるのかな、とはこの部屋をみて思ったかな…。嵐さんが休む感じはこの展覧会では微塵も感じなかったんだけどね!
最後の松ずんのとこは通しリハを見て取ってる松ずんメモ。実物が少しあって、綺麗なのを選んだんだろうね〜って母が笑 男の子の字!っていう感じ。ジュニアの並びが汚いとか端的に書いてあるのがリアル。金剛山ってなんだろ?あとさすがまとまりがあって読みやすくて書き慣れてる感じした。それもそういうのは選んだのかな。実際に書いてる松ずんの映像と共に。後ろには何枚も重ねて拡大されたメモ。毎回素敵なコンサート作り出してくれてありがとうございます!あなたのおかげで私たちは安心して夢の世界に浸れます!!白むちエンジェル松ずんありがとう。
ここで最後の部屋に入る前の並ぶための部屋に。可愛い方の顔の壮大な自然になりすます嵐さんの一枚写真があって、衣装はキービジュアルの並んでる時のともちがうやつ。しっかりスーベニアのマグネットとクリアファイルになってます。可愛いお顔だったから思いのほかたくさんお迎えした笑 思い出してみたら山々や大自然になりすます入り口の並んでるとことスーベニアショップの上にいた寝そべったりしてる嵐さんは同じなんだけど、スーベニアにはなってないなって。顔は微妙だったからいいけど笑
一番最後の展示は恐らく1組ずつ見せてもらえる3分ちょっとのデビュー〜5×20までのコンサート切り取り映像部屋。斜めに5×20が掲示してあったところの背中がこのゾーン。この部屋に入るともう展示に戻れませんみたいに言われるからここまでは戻り放題だったのかな…?悔やむ…。最初のメンバーが説明してくれる部屋と同じ完全入れ替え制。私たちの時は1組ずつ通してくれてたけどどうなんだろう?母と二人きりの貸切!(知人に聞いたら別の組とも合わせて数組で見たそうなので貸切はタイミング次第みたい。)スタッフさんが説明してくれて、映像がはじまるの。BGMはバラードちっくなピアノメインアレンジのA・RA・SHI。はじめは、低い4〜5段の段差の最前列座ってみたけど首痛さ限界だから前から二段目に座って観た。ちょうど良い高さ。映像はAll the BEST!!1999-2019についてるやつの凝縮版ってかんじ。おそらく内容は違うとは思うけど…。10周年と��untitled長めだった気がするよ?大宮SKもいたしポップコーンマンもいた!若い頃はギラギラしてるし最近のは行って観た記憶もある。曲がしっとりしてるからしんみりセンチメンタルな空気になってしまった。お休みがわかってるから。お休み…。淋しい…。でもお休みがなかったらこの展覧会にはならなかっただろうから意味のない仮定はもうしない。素敵な展覧会のシメだった。
最後の最後の出口の上には嵐さんの大好きだよ!by大野さんとか家に帰るまでがえきしびしょんだよbyニノ(恐らく)、俺たち全部一緒に旅してきたよinイングリッシュby翔さん、ありがとうまたねby松ずん、嵐大好き!by相葉ちゃん、みたいな一言メッセージと個々のサインで終わり!これは最後の部屋に入る前に並んでる時にじっくりみてられるんだと思うんだけど、なにぶん誰もいなかったからむしろ早く部屋に案内したそうなスタッフさんの思いを受けたこともあり笑、メモしてないからうろ覚えすぎて。途中からでも取れば良かったしそういうところくらいの予備知識入れていくべきでした!帰ってきてずっとそこ後悔。特に岡本くんのところ。ニノについてのコメントが大野さんに次いで的確だと思ったのにほぼ記憶にない…😭
スーベニアショップについたけどじっくりみたかったからスタッフさんに声かけてトイレに先に行きました。また戻るときに声かけてじっくりお買い物。
ノリタケさんのポストカードだけ買い忘れたんだけどそんなに広くはないから壁沿いに進んでいけば1巡すれば買い逃しは無いはず。友人に頼まれてたものも買い漏らしなく、母とわたし最大4個買えるから予備欲しいのは母にも協力してもらってお買い物。会場に向かうときすれ違うお買い物済ませた人の袋がやたら小さかったり薄くてみんななんでそんなに少なく買うの?わたしちょう買う気満々なのに!という意気込み通り9万ほど買いました。さらさら素材のビニール袋のサイズ3種類あって母は中を1袋で、わたしは大を二重という買物結果。それでも重くて持ち手切れそうだからスタッフさんに聞いたら二重までなんですって。小分けの袋も(小サイズの?)もらえたらしくそれは1枚まで。友人に渡すのに貰い忘れたよ…ごめにょ…。何円とかの有料でいいから丈夫にしたかったな。予定していた10万超えは無かった!笑 実物みたら意外と予備買いしなくていいやっていうのがあったりメンバーソロ写真は全員分買わなかった…ラグランTもBEAMSコラボも厳選しました。造り丈夫でわたしの中で有名なででにー公認なのにラグランの素材うすいし…笑 でも、11月ディズニー行くので着ていきたいと思います笑 母は一応翔さん推しを自認してるのに、ベアブリックもミッキーキーホルダーもラグランも、色とタッチから松ずん選んでました笑 特に松ずんのミッキーは一番お気に召してて楽しそうに選んでるとこ可愛かった☺️親馬鹿ならぬ子馬鹿です!花道真横の席になったとき、初めて真近で会えた通り過ぎる松ずんのスーパースターのきらめきにやられちゃったもんね、って納得させてた🤣笑 母が楽しめたことが一番嬉しくて良い展覧会だったよ!
お買い物の後に残されたフォトブースでは、ジオラマと嵐さんを自分で好きに撮るミニコーナーと、2箇所にいるスタッフさんが1組3パターンまで嵐さんと撮ってくれるコーナーがあった。スタッフさんのところは二箇所とも同じ写真だからどちらかでのみ。自分たち込みで撮ってくれたあと、嵐さんだけのも3枚撮ってくれました。言えば1組じゃなくて1人分ずつのカメラで撮ってくれたのかな。なかなか図々しく聞けないけど今度からは図々しく聞いてみよう…。あとメモ!コンサート行くときもメモ…はちょっと難しいけど!だって目の前には本物の嵐さんいるからね。
結局実際に通路の中に入ってから出るまでに3時間かけました。長いのかな。スーベニアショップお買い物後半はおそらくつぎの組先頭が追いついたのか混み合ったけどそれまで悠々だったので、結果集合時間間際に並んでラッキー。レジもほぼ空いてた。商品在庫も潤沢でむしろ常にたぷたぷになるようにマメにスタッフさんが品出ししてました。
六本木駅からの道順もわかりやすいしあの展示で1500円って安すぎる…と思うくらい楽しかったです。グッズ代で賄えるんだろうけどそれならもっとオリジナル写真欲しかったし、是非とも展覧会のパンフレットが欲しかった!惜しいよ嵐さん!笑 展覧会の図録って普通あるじゃない…?笑 あんなにも記憶に焼き付けなくちゃいけない時間は早々なくて集中してみたけどやっぱり覚えきれなくて。特に、ほんっとうに、岡本くんのところ…!どなたか岡本くんの寄稿全文メモされてないでしょうか…。
でもでも、大好きな母と一緒にかなりのんびりじっくり堪能できたので本当に満足です。腰や首が相当痛かったので帰り道に見かけたつるとんたんで食べられたのも良かった。母と行きたいなって思ってたので!
東京残すところ2ヶ月分と、各地回ったあともう一周してくれたら何度でも見に行きたいと思うほど素敵でした。ありがとうございました!
わたしと母の次の嵐さんとの花火は、ひとまずは10月ハロウィンのコンサート!母が良い席で観られますように✨🙏✨
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ignitiongallery · 5 years
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翻訳家・柴田元幸の朗読フェス at VACANT
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12月いっぱいでクローズするVACANTで、翻訳家・柴田元幸が、いまお客さんとわかちあいたい英米小説を、昼から夜まで一日じゅう、怒濤の300分朗読!
奇怒哀楽をテーマに、古典から訳したてホヤホヤの新作まで。
現在進行形の柴田元幸の2019年12月19日を、ぜひVACANTで一緒に過ごしましょう。
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日程:2019年12月19日(木)
オープン:12時 クローズ:21時頃
会場:VACANT(渋谷区神宮前3丁目20−13)
一日料金:予約一般2500円、予約学生1500円(要学生証)、当日+500円
*    途中入退場、再入場可
ライブ出演:坂本美雨、トオイダイスケ、けもの
セッション出演:トウヤマタケオ
出店:
・柴田元幸の洋書100均書店・・・柴田元幸の書庫から溢れる無数の洋書を100円で叩き売るこのフェス限りの書店。購入者には先着で柴田訳の文庫を1冊プレゼント!
・blackbird books・・・大阪から出張で参ります。主に古本で柴田元幸訳を中心に海外文学を販売予定です。僕は柴田訳のジャック・ロンドンが好きです(19:30頃に閉店)。
・ハナハッカの庭 食堂・・・野菜をたくさん食べられる料理をつくります。スパイスやハーブが香る、どこかの国や家の味。目とはなと口とで楽しむ食事と時間。吉祥寺に期間限定で在った『食堂・音楽室 アルマカン』元食堂長 かとおのしおり主宰。
・Hummingbird coffee・・・学芸大学にある古いアパートの一角で営む小さな喫茶店から店主が赴きます。どうぞよろしくお願い致します。珈琲の香りが、そこにいるひと・もの・こと・おと・ことばなどをゆるやかに繋ぎ合わせるものとなりましたら幸いです。
・狩野岳朗・・・画家。植物や自然を観察しフィールドスケッチなどを重ね、抽象絵画を制作する。このフェスではVACANTのその時その場所を抽出して描くLocation drawingをします。採掘者のようにうろうろして描きその絵を展示、販売します。
記録写真:Photo by TKC
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タイムテーブル:
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トートバッグ:「Motoyuki Shibata Reads All Day」も販売します。
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*予約受付は終了しました!あとは当日券のみとなります。
予約:下記アドレスまで必要事項を明記のうえ、メールをお送りください。
件名「翻訳家・柴田元幸の朗読フェス at VACANT」
1.お名前(ふりがな) 2.当日のご連絡先  3.ご予約人数
*ご予約申し込みメール受信後、数日以内に受付確認のメールをお送りします。 *メール受信設定などでドメイン指定をされている方は、ご確認をお願いします。 *当日無断キャンセルの方にはキャンセル料を頂戴しています。
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プロフィール:
柴田元幸
翻訳家。米文学者・東京大学名誉教授。1954年、東京都生れ。
『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。翻訳の業績により早稲田大学坪内逍遙大賞受賞。
アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、著書も多数。
最近の翻訳に、スティーヴン・ミルハウザー『私たち異者は』、スチュアート・ダイベック『路地裏の子供たち』など。
文芸誌『MONKEY』の責任編集を務める。
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ライブ出演:
坂本美雨(ミュージシャン)
5月1日生まれ。
音楽に囲まれNYで育つ。
1997年、Ryuichi Sakamoto featuring Sister M名義でデビュー。以降、本名で活動を開始。
最新アルバムは子守唄をテーマにした「Sing with me Ⅱ」(坂本美雨 with CANTUS名義)。シンガーソングライターのおおはた雄一とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」としてのライブ活動、また幅広いジャンルのミュージシャンとの共演などの音楽活動に加え、TOKYO FMを始め全国ネットのラジオ番組「ディアフレンズ」のパーソナリティを2011年より担当。村上春樹さんがDJを務める番組「村上RADIO」でも共にパーソナリティを務める。
 動物愛護活動に長年携わり、著書「ネコの吸い方」や愛猫“サバ美”が話題となるなど、"ネコの人"としても知られる。2015年第一子を出産し、娘との暮らしも日々発信中。
OFFICIAL Instagram  https://www.instagram.com/miu_sakamoto/  (miu_sakamoto)
OFFICIAL TWITTER:  http://twitter.com/miusakamoto (@miusakamoto)
OFFICIAL HOME PAGE: http://www.miuskmt.com/
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トオイダイスケ
ベーシスト・キーボーディスト・作編曲家。けもの『めたもるシティ』『美しい傷』、Lilla Flicka『Flower rrangement』などの編曲を手掛ける。2019年にジャズとアンビエントとエレクトロニカの要素を織り交ぜた自己名義でのアルバム『greyish blue』をリリース。https://daisuketoi.com/
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けもの
“けもの”はシンガーソングライター青羊のソロプロジェクト。2013年と2017年に菊地成孔プロデュースでアルバムを発売。 2019年はサウンドにダブやロックを取り込んだマキシシングル(EP)「美しい傷」を6月リリース。柴田元幸氏とは朗読と音楽で共演したことがある。http://kemonoz.com
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「哀しい宵」セッション出演:
トウヤマタケオ
音楽家。1965年兵庫県生まれ。広島県在住。 作曲、ピアノ、声、諧謔、郷愁、D.I.Y.ピアノ弾き語りの他、 チェリスト徳澤青弦とのデュオ”Throwing a Spoon”、8ビート偏愛バンド”PATO LOL MAN”、旅する幻燈楽団”ランテルナムジカ”など活動は多岐に渡る。
https://www.takeotoyama.info
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宣伝美術&トートバッグデザイン:横山雄(BOOTLEG)
企画:熊谷充紘(ignition gallery)
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poddyshobbies · 5 years
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民家から電車がひょっこり!~ 西鉄電車でお出かけ
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A train came out of a private house ! ~ I went out by train.
西鉄電車に乗って、武蔵寺へお参りに行ってきました。
まずは腹ごしらえ。久しぶりにいつもの定食屋さんでお昼の日替わり定食をいただきました。
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西鉄大牟田線下り特急(水都)12:00 福岡天神発
前面展望ビデオでどうぞ。(上り急行のビデオはページの下部に。)
YouTube > 天神→薬院(1分51秒)
YouTube > 薬院→大橋(3分12秒)
YouTube > 大橋→二日市(10分28秒) 
YouTube > 二日市を出発する特急「水都」(36秒) 
下:福岡天神を出発
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スピードを上げる間もなく薬院駅に到着
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薬院を出た特急電車は平尾駅と高宮駅を通過して大橋駅へ向かいます。ちなみに2017年(平成29年)8月26日から特急停車駅になりました。利用客は多いのに長いこと特急の通過駅でした。
下:高宮付近
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下:大橋駅へ進入
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大橋を出ると高架を下ります。ちなみに、西鉄平尾-大橋間の高架化は1978年(昭和53年)3月3日。南区の野間 ( Noma )を通る大池通りの朝夕の交通渋滞がひどかった記憶があり、そんな状況が緩和されました。
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ほどなく高架工事の区間に入ります。この辺りは交通量の多い道路が横切っていないので、高架にする必要がないのかな?
下:那珂川を渡って、新幹線を潜る。
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右に高架に向かう勾配が見えてきます。
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レールは左にそれます。高架の完成後は真っ直ぐつながるのでしょう。
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工事中の高架の横を進み…。
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高架の下へ入っていきます。
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雑餉隈 ( Zasshonokuma ) から白木原 ( Sirakubaru ) にかけての区間で、西鉄電車の踏切がある道路の交通渋滞がひどいようで、周辺住民のみならず道路の利用者は高架の早期完成を願っているようです。
昨年のいつ頃だったか覚えていませんが、「完成が遅れると西鉄が発表して、住民激怒。」みたいな新聞記事を見ました。なんでも、駅舎の工事中に地中から巨大コンクリートの構造物が出てきたため遅れるんだとか。 
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再び高架の左を進みます。
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高架が下ってきます。
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まもなく二日市に着きます。工事区間はスピード控えめで走ってました。
下:左に国道3号線の高架が並走しています。この左側の先が「令和」で有名になった坂本神社がある地域です。
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下:二日市駅に進入
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[12:16] 工事前より時間がかかってます。工事区間の減速のせいでしょう。
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下:乗車した12:00発の特急「水都」 カラフルな車両です。
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下:接続する下り普通電車(左)と太宰府行き普通電車「旅人」(右)
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二日市駅の西口へ出ます。ちょうど二日市温泉行のバスが来たので乗車しました。二日市温泉で下車して武蔵寺まで歩きます。
西鉄二日市駅と二日市温泉のあいだは西鉄バスの循環バスが走っています。右回りと左回りがあります。乗車したのは右回りで、若干遠回りしますがたいした距離ではありません。左回りだともっと近くなります。右回りだと170円、左回りだと160円です。運行本数は多くありません。それぞれ1時間に1本、左右で30分ずらして運行して、実質30分に1本って感じでしょうか。
とそこで、冒頭に掲載した西鉄電車のことを思い出したので、ちょっと回り道をすることにしました。(右回りバスでは二日市温泉の次のバス停、西二日市一丁目で降車すると良かった。左回りなら、二日市駅の次の停車場で��。)
民家に電車!?
二日市温泉街のバス通りを少し北に進み、九電前の信号を左折して国道3号線や九州道が走る方向へ進むと、左に鎮座する西鉄電車のカットされた車両が見れます。(国道側から来ると出光のガソリンスタンドの横に曲がって、九州道の下を潜った横のファミリーマト筑紫野塔原東店のちょい先。)
本物の西鉄電車です。モーターも付いたままだそうです。
かつて大牟田線を走り、晩年は甘木線を走った車両だそうです。廃車される車両を譲り受け、さすがに1両丸ごとの保存はできなかったものの、愛情をこめてカットして(私の勝手な想像ですが)置かれたようです。これまでに新聞や地元の情報番組にも登場しています。
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床や運転台など車内は当時のままで、床の点検口を開けるとモーターが見れるそうです。
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武蔵寺へ
天気は曇り。でも雨は降らないとの予報。当たりました。
[13:11]
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[13:43]
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お参りをさせていただいたお礼やらをしてきました。
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境内にある藤棚。
こんな風に生えているのを初めて知りました。
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武蔵寺からの帰り道、道路に埋め込まれた道案内を発見。(前のガードを潜っていくと武蔵寺の方向です。)
「こんな風に案内板があったのかぁ~。」
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話は変わりますが、武蔵寺の手前に公園があって、その広場に置かれているベンチの周辺は隠れ(?)猫スポットかもです。カップのコーヒーでも持ってベンチに座っていれば、屋外の猫カフェを体験できるかもです。人と猫と一緒にマタ~リ。
二日市温泉
二日市温泉の「御前湯」に浸かって、冷えた体を温めることにしました。(でも暖冬なんです。ありがたいんですが。)
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入浴料は250円。ロッカー代が10円。ドライヤーが3分10円。シャンプーや石鹸は置いてません。
タオルだけ持参していたので、浸かるだけで上がりました。
午前湯前のバス停で時間を見ると、右回りが5分ほどでやってきそうです。よって、バスで西鉄二日市まで帰ります。バスを待つようだったらJR二日市まで歩いて行って、そこから博多駅まで帰ろうかとも考えていましたが歩かずに済みました。(寒くない季節だったらバスがあっても歩いてたかもです。)
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下:西鉄二日市駅西口バスターミナルを出発待ちの循環バス
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下:バスの折り返し場
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西鉄大牟田線上り急行 14:58 二日市発
次の特急まで10分ほどあります。急行でも天神までの所要時間はあまり変わりません。
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YouTube > 二日市→大橋(12分08秒) 
YouTube > 大橋→薬院(3分04秒)
YouTube > 薬院→天神(2分16秒)
[15:00]
二日市を出ると、左に高架の登り坂が見えてきます。
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下:下大利 (Shimo-ori ) に停車
この駅に限らず、高架工事区間の踏切風景はいずれ無くなります。
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[15:02]
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出発進行 [15:03]
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高架の下をひた走る。
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[15:08] もうすぐ工事区間終了
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[15:11] ��橋駅
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[15:12] 高宮駅(通過)
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[15:15] 薬院駅を出て福岡天神へ
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[15:17] 福岡天神に到着
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夕食
お昼とはまた別の定食屋さん。昼も夜も日替わり定食は600円。お昼に行った定食屋さんのように、毎回違った献立を出すといったこだわりこそないけれど、コスパは最強です。なぜか消費税が上がって以降、内容がアップしているように感じるんです。ごはんはそのままだと多いので、小盛にしてもらってます。無料で大盛りにしてもらうこともできます。
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とても助かってるお店ですが、タバコを吸う人がいるので、それさえなければ最高です。
タバコは発がん性が云々言われてますが、それよりも兎に角、臭いんです。屋内での禁煙が法律で決まったそうですが、外で吸う人が増えるんじゃないかと思うとイヤになります。離れていても臭ってきますし、歩きタバコをしてる人も多いし。下手な法律を決めるんじゃない!ってことにならなければいいんですが…。
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sandicemails · 5 years
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砂漠歌人と砂丘歌人
 2019年7月14日ジュンク堂池袋本店内カフェにて、千種創一『砂丘律』第4刷&𠮷田恭大『光と私語』第2刷を記念してトークイベント「砂漠歌人と砂丘歌人」が開催され、55名近くが出席しました。以下その内容です。(敬称略)
1 はじめに
2 自己紹介
3 中東との出会い
4 短歌との出会い
5 旅行詠と滞在詠
6 暮らしにまつわるあれこれ
7 影響を受けた映画作品
8 音楽と短歌
9 増版とSNS
10 それぞれの作歌法
11 『砂丘律』制作秘話
12 『光と私語』制作秘話
13 翻訳について
14 『光と私語』の魅力
15 千種からの発表
16 さいごに
1 はじめに(ジュンク堂書店池袋本店・市川真意文芸書担当)
 二〇一五年末の刊行後、異例の売行で第二刷がされた『砂丘律』。この春、砂漠を詠んだ歌がSNSで大きな話題になり、第三刷、次いで第四刷が決定。一時帰国する著者千種創一を、鳥取砂丘育ちの新鋭歌人𠮷田恭大が迎えます。
 万葉時代から命脈を保ち続け、砂漠も都市も飲み込む器、短歌。その叙情はどこに行くのでしょうか。二人が語ります。みなさま、拍手でお迎えください。(千種・𠮷田が登場)
2 自己紹介
千種:みなさま、本日は雨の中お越し頂きありがとうございます。千種でございます。一九八八年、愛知県生まれです。二〇一五年、青磁社より『砂丘律』を刊行しました。
𠮷田:𠮷田です。一九八九年生まれ、鳥取県出身です。塔短歌会所属、学生時代は早稲田短歌会にもいました。今年の3月に、いぬのせなか座より『光と私語』を刊行しました。
 二〇〇九年に千種さんが外大短歌会を設立して、その初期に私が歌会にお邪魔してからのつきあいなので、かれこれ十年以上になりますね。その間には中東短歌なんていう同人誌もありましたね。
千種:そうですね。「アラブの春」の起きた二〇一二年、僕は中東に縁のある歌人たちと同人誌「中東短歌」を創刊しました。二〇一三年に第二号、二〇一四年に第三号で終刊、そして二〇一五年に砂丘律を刊行という流れです。
𠮷田:今回のトークイベントに先立って、ネットで質問を募集しました。そのうちいくつかへの回答を交えつつ、進めて行ければと思います。
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(撮影:青磁社)
3 中東との出会い
𠮷田:ではまず、千種さんの中東への関心というのは、どのようなきっかけだったのでしょうか。
千種:幼稚園がキリスト教系だった関係で地元の教会に行っていてパレスチナとかに興味があって。で中学一年生のときにNYで九・一一事件、パレスチナで第二次インティファーダ(一斉蜂起)事件が起きて、そこから更に興味が出たんです。
 だって飛行機がビルに突っ込んだり、子供が石を投げてイス��エルの戦車に立ち向かうとか、尋常ではないでしょう。何なんだこの世界は、と思って。
𠮷田:ということは、初めて知った”外国”というのはそのあたりですか。これは質問も寄せられております。
千種:はい、聖書を読んでいたので、イエス・キリストの活動していたパレスチナ、エジプト、ヨルダン、そのあたりです。小さい頃はハリーポッターみたいに架空の国だと思ってはいましたが。
4 短歌との出会い
𠮷田:これも質問が寄せられているんですが、千種さんはどうして短歌をはじめたんですか。
千種:高校まで自転車で通ってたんですけど、道中で自然に歌ができていたんです。最初は忘れるに任せていたんですけど、あるとき勿体ないと思って、高二の春からノートに書きとめ出したんです。
5 旅行詠と滞在詠
𠮷田:砂丘律の冒頭から中東の歌がありますが、詠まれた時は実際に現地に行かれていたんでしたっけ。
千種:いわゆる「アラブの春」が起こる前に、シリアとトルコを旅行しました。でもそれくらいです。大学卒業後にヨルダンに住み始めました。
𠮷田:中東に旅行してみて詠んだ作品と、中東に住み始めてからの作品というのは何か違いがありますか。
千種:砂丘律は時系列に編まれていないので、中東に住み始める前の歌もかなり入っています。そのあたりの歌はかなり想像、というか妄想です。
 妄想と現実が一致しないのはよくある話なので、実際に住み始めてから修正したり、歌集には収録しなかった歌などもあります。中東に住み始めてからは、非日常が日常になっていく感覚はありました。
 ちなみに、砂丘律を編むにあたって、もともとは一四〇〇首とか一五〇〇首とかあったものを四一〇首まで絞って収録しています。
𠮷田:削除した歌はどこかに書き留めていますか?
千種:作った歌は全部大事にしたいので、発表できるレベルに達しなかった歌たちもWordファイルに書き溜めていますね。
 身辺整理の際にはファイルをデリートしようかなと思っています。これ死後に発掘されたら、地獄やな、思ってますので。(一同笑い)
𠮷田:千種さん、整理整頓できるほうですよね。わたし手元に全然歌を纏めていなくて。『光と私語』を出そうと思って色々掘り返したんですけど、1年くらい遅れてしまいました。
千種:あ、みなさんのために補足しますと、歌人って歌をいろんな雑誌や同人誌に書くので実は作品が散逸しやすいんです。
6 暮らしにまつわるあれこれ
千種:普段𠮷田さんとはこういう話はしないので結構緊張しています。先日も台湾に一緒に行ったのですが、どーでもいい話しかせんかったもんね。
𠮷田:そうね。暮らしの話はしないもんね。じゃあ、聞きましょう。「普段何を召し上がっていますか」(一同笑い)
千種:パン食べて生きています。安い。パンにホンムス(豆のペースト)を塗って食べています。だから日本にいるときはラーメンと寿司にどっぷりですね。
𠮷田:確かに台湾でもひたすら麺食べてたもんね。(一同笑い)
𠮷田:「日本に帰国したときに驚くのは何ですか」という質問もありますが。
千種:日本人がみんな子供に見えることですね。あとすれ違う人がみんな知り合いに見えます。
7 影響を受けた映画作品
𠮷田:千種さん、好きな映画は何かありますか。
千種:邦画で言えば、例えば『ジョゼと虎と魚たち』、『海街diary』、最近で言えば『寝ても覚めても』とか、人間のどうしようもなさを描いた映画が好きです。
 影響を受けた映画としては、ふらっと入った渋谷ユーロスペースで観たポーランド映画『エッセンシャル・キリング』(イエジー・スコリモフスキ監督、二〇一〇年)。
 中東風のテロリストが、砂漠と、そして拘束後に輸送された先の雪原をひたすら逃亡する。詳しい設定説明や台詞もなく、多くが謎のまま、ただ映像が綺麗。中身を語らずとも、枠を語ることから滲み出る美しさもあるんだな、と。
 ビジュアルというよりも、コンセプトの面で影響を受けました。
 他には森博嗣原作の『スカイクロラ』(押井守監督、二〇〇八年)。キルドレというずっと子供のまま成長しない戦闘機乗りたちの終わらない、終わらせることのできない、運命や気持ちの揺れ、諦めみたいな世界観は、砂丘律にも影響しています。
千種:𠮷田さんの好きな映画は。
𠮷田:アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『光りの墓』(二〇一五年)とか。物語も好きなんですが、それより映像と音楽で引きつけていく、みたいな映画が好きです。
8 音楽と短歌
𠮷田:じゃあ、好きな音楽は何でしょう。
千種:中学生まではバロックを中心にクラシックばかり聴いてました。でもHYという沖縄のバンドのAM11:00という曲を偶然ラジオで聴いたことがきっかけでJポップにも興味が湧きました。
𠮷田:くるりの岸田繁さんが砂丘律の推薦文を書かれてますが、くるりとの出会いは。
千種:くるりは、高校生のとき「赤い電車」のMVを観たのが最初の出会いですね。
 高校生の頃はBump of ChickenとかRadwimpsとかの切実な曲を聴きまくってました。
 でも赤い電車を聴いて、こんなゆるい曲があるんだと思って何となく気になっていたところに、進学した先の大学で友達から、聴け、といってくるりのCDを大量に貸しつけられて、聴きこむようになりました。
𠮷田:くるりをまとめて貸してくれる友人っているよね。(一同笑い) 歌人に好きな人多いです、くるり。私は早稲田短歌の先輩から布教されました。
千種:𠮷田さんの好きな音楽は。
𠮷田:あまり聴かないんですよね。舞台に使われた音楽を聴いたり、もっぱら他人から勧められたのを聴いています。最近だと空間現代とか。
9 増版とSNS
千種:今回の重版は、この春にある方のツイートに載せられたこんな歌がバズったのがきっかけでした。
 アラビアに雪降らぬゆえたた一語ثلجと呼ばれる雪も氷も /千種創一
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元URL: https://twitter.com/Ots_mh/status/1106256914915028992
𠮷田:このサルジュの歌がバズったとき、どんな気持ちでしたか。
千種:あら、それバズるんだ、という気持ちでした。
𠮷田:そうだよね、キャッチーな歌とか他にもいっぱいあるのにね。
 実は今日、会場にそのツイート主にお越し頂いております。「なんでこの歌を引いたんですか」とか、ちょっと聞いておきましょう。
(マイクを受け取りつつ)
橋本牧人:はじめまして。この歌を引いた理由ですか。僕自身が大学一年生のときにアラビア語を勉強したことがあって。学問で得た知識を詠み込んだ歌を志向していきたいなと思って、この歌を選びました。
 他にはカロリーメイトの歌とかも好きです。
 煙草いりますか、先輩、まだカロリーメイト食って生きてるんすか /千種創一
千種:ありがとうございます。
 サルジュの歌、実は過去砂漠に降った雪の写真に添えて投稿したこともあるんですが、ぼちぼち伸びたくらいです。
 今回の橋本さんのツイートがあれだけ伸びたのは何でなんでしょうね。
𠮷田:Twitter本文に表示される横書きではなくて、歌集の写真として縦書きだったことが良かったのでは。そして橋本さんがその写真を撮ったという行為がワンクッションあること、あたりも理由として挙げられると思います。
千種:橋本さんの”物語”が差し込まれているというね。
𠮷田:そうそう。しかしこれだけ伸びたのは、作者冥利に尽きるのではないでしょうか。
千種:本当に。改めて橋本さんに感謝申し上げます。
10 それぞれの作歌法
𠮷田:Twitterで拡散されやすい歌、ってあると思うんです。
 千種さんの場合は、「先輩」というような呼びかけとか、会話体を使ったキャッチーな歌が多くて、初読で印象に残りやすい。例えばこんな歌。
 あっ、ビデオになってた、って君の声の短い動画だ、海の /千種創一
 千種さん、会話体使うの得意だよね。
千種:得意というか、そうなっちゃうんだよね。和歌風に文語旧仮名で朗々と詠いあげる、みたいなのは書けと言われても書けない。
𠮷田:破調はどうですか。会話を優先するのか、定型を優先するのか、みたいな。
千種:会話優先ですね。でも歌を作るときには、寝る前とかに百回なり千回なり、ぶつぶつ口に出して繰り返して、その一行のための定型みたいなものを探します。
 𠮷田さんはどんな風に作るんですか。
𠮷田:私はスマホで作りますね。声に出すのは割と最後の段階。視覚的な収まりどころを最初に探します。そこから韻律をいじります。
 この前、地元でNHKの取材を受けたんですが、作歌風景を撮りたいというのでスマホで作っていたら「絵的に弱いから、ノート持ってきたんでこれに書いてください」と言われました。でも結局、字が汚くてボツになったというオチ付きです。(一同笑い)
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(NHK鳥取のページより)
千種:僕は気分転換で紙を使うことはあります。
 僕も記録は基本スマホなのですが、歌のいろんなバリエーションを作って、俯瞰するために紙に書き出したりします。スマホだとせいぜい三行とかしか表示できないので。
千種:𠮷田さんは音楽聴きながら歌書いたりしますか。僕はくるりの「ばらの花」とか「ワンダーフォーゲル」とかえんえんリピートで聴きながらよく書きます。
𠮷田:THE YELLOW MONKEYを聴きながら連作を組んだりした時期もありました。ありましたが、精神が不調になりますね。(一同笑い)
 最近だと落語を聴きながらが多いですね。深夜とか、人の話声が聞こえてると安心するんです。でも歌詞のある曲だと自分の書いているものに干渉してくるんで……ラジオとかポッドキャストとか、聞き流していられるようなものが丁度いいです。
11 『砂丘律』制作秘話
𠮷田:歌集にまとめる際に、改作はどの程度していますか。確か砂丘律が出た直後の批評会(二〇一六年)で、歌人の田口綾子さんが指摘されていましたが。
(批評会記録:http://dunestune.blog.fc2.com/blog-entry-4.html )
千種:はい。当初、文語の歌も少しはあったんです。でも口語の多い砂丘律の中では浮いてしまうので、改作したり、もしくは泣く泣く落とした歌もありました。
𠮷田:ではその辺の歌は、没後出てくる感じで?
千種:出ません。出させません。(一同笑い)
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𠮷田:砂丘律は装幀・デザインもかなり話題になってました。
千種:当初、出版社の青磁社には、洋書のようなシンプルなペーパーバックで、写真はこれ使って、というような何となくのイメージを伝えていました。
 割と装幀は自分で介入するつもりでした。
 でも砂丘律の原稿を読んだ、濱崎実幸という装幀家さんに”ハイジャック”されて。「やりたいこともあるから任してほしい」と言われたので、僕も「任せます!」として任せたんです。
𠮷田:背表紙がむき出しの特殊な装幀でして、なかなか費用も手間もかかっているとか。
 実は本日は砂丘律の出版元、青磁社の永田淳代表にお越し頂いております。砂丘律に関し、どのような苦労がありますでしょうか。
永田淳青磁社代表:版元の青磁社の永田です。
 砂丘律はすべて手製本です。職人さんが一冊一冊、背表紙の寒冷紗を貼って、題簽を貼っています。今は圧倒的に機械製本が多いので普通の書店には手製本はほぼないと思います。
 砂丘律は製本代だけで300円くらいかかっています。ここにさらに印刷代などがかかります。業界の人ならわかると思いますが、定価1400円の中で製本代300円という数字は、すごいコストがかかっています。
12 『光と私語』制作秘話
千種:光と私語もまた、背中がむき出しの装幀が話題となっています。第二刷もされました。
𠮷田:砂丘律と光の私語は双子のようだ、という話も言われてましたね。本日は、光と私語のデザインを担当したユニット「いぬのせなか座」主宰の山本浩貴さんにもお越し頂いておりますので、その辺の話も伺ってみましょう。
山本「いぬのせなか座」主宰:デザインを担当した山本です。光と私語と砂丘律とを二冊並べて写真をSNSに投稿した人たちもいました。
 付き合いの長い𠮷田さんと千種さんのお二人の関係性でそういう投稿が見られたのかもしれませんが。
 実は、千種さんのこと知る前のことですが、かつて本屋の歌集コーナーで一番かっこいいと感じた砂丘律をジャケ買いしていました。
 そうしたこともあって、光と私語をデザインする際には影響を受けないようにしていたのですが、結局似てしまったのが面白かったです。
 ちなみに光と私語はコデックス装という装幀です。
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𠮷田:先般増刷された堂園昌彦さんの『やがて秋茄子へと到る』なんかもそうですが、なるべく長く売っていくためには、なるべく人に手に取ってもらうようなデザインが大事だと思っています。製品としての存在感があったほうがいいのではと。
千種:一時期、電子書籍で歌集を出そうという潮流がありました。紙の本が電子書籍に勝てるところといったら装幀とかと思って、砂丘律を出す際にはこだわりたいと思っていました。
𠮷田:電子書籍のメリットは版切れのないことと、アクセスの良さですよね。
 『光と私語』については近日中にデータ版を無料公開する予定なのですが、そこをきっかけに書籍版を購入してくれる人が少しでもいればいいなと思っています。何せ紙の本にはマテリアルとしての良さがありますので。
千種:軽く言っちゃうと、本のインスタ映えとかね。
𠮷田:そうそう。重要。
13 翻訳について
𠮷田:千種さんは割と、主題制作、つまり連作の中で物語を立ち上げるという試みをされていますが。
千種:はい。砂丘律の中だと、「或る秘書官の忠誠」という連作があって、独裁者の秘書官になりかわって詠んでいます。が、すごく評判が悪い。
 あと、確か歌人の紀野恵さんが、一時期、紀貫之か何かに成り代わった連作を雑誌「短歌研究」に連載していたんですけど、まあ、なかなか難しいですよね。
 それは歌人の力の限界なのか、それとも短歌という詩型の限界というか、向き不向きのような話だと思っています。
𠮷田:単純に物語を立ち上げるだけだったら、散文に分がありますからね。
 物語といえば、千種さんはアラブ文学の翻訳もされていますよね。中東短歌にも、歌と並行していくつか翻訳を発表されてました。
千種:はい。今日のチラシには「歌人・翻訳家」と書いてあるんですが、実はまだ翻訳で本を出せていません。
 とある出版社に翻訳の持ち込みをしたのですが、アラブ文学では商業出版はなかなか難しいと却下されてしまって。
 もちろん図書館に行けば翻訳されたアラブ文学もぼちぼちあるのですが、湾岸戦争、九・一一、アラブの春、など大きな事件が起きて、読者の関心が大きくなったときに翻訳・出版されたものが多いと聞きます。
𠮷田:中東情勢が荒れると、翻訳が出るということですね。となるとあまり出ない方が世界の平和のためには良さそうですが。(一同笑い)
 私は舞台関係のマネジメントを仕事にしているのですが、演劇界隈でも、中東への関心というか、アーティストを日本に招聘したり、作品が日本で試演されたり、ということが増えている印象があります。今後、政治情勢だけではなく文化の面でもフックは増えていくのではないかと思います。
千種:そう願います。みなさまの中にアラブ文学の翻訳出版に興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ千種にお声かけを。宣伝しちゃった。
14 『光と私語』の魅力
千種:僕が自分について喋りすぎているので、光と私語の魅力について話します。話していいですか。話しますね。
 光と私語は、「枠」の歌集だと思っています。
 まず、装幀については、プラスチックのカバーだったり、本文中に四角や長方形のボックスが差し込まれていたり、視覚的にカクカクしているのが、とても都市っぽい、枠っぽいです。
 歌について言えば、例えば一月とか「時間枠」を読んだものが多くあります。
・一月は暦のなかにあればいい 手紙を出したローソンで待つ
 他にも、枠としての建築への関心も示されています。
・恋人の部屋の上にも部屋があり同じところにある台所
 短歌では、部屋でタバコを吸う「私」の恋人とか、一月に「私」が友達と行く初詣とか、枠の中身について話すのが普通です。
 一方で、光と私語では枠ばかりについて話すことで、「私」が希釈されます。
 でもそれこそが都市のリアル、我々が見る都市の人間像でないでしょうか。とてもリアルな。
𠮷田:なるほど。なんだろう、たぶん個人的には、私自身以外のところから私性を取り出したいのですよね。あまり自分の話をしたくないというか、枠の中身はどうでもいいというか。単に自分に自信がないだけかもしれませんが。
15 千種からの発表:活動再開宣言
𠮷田:そろそろ時間だけど、告知とかしましょうか。
千種:何だっけ。
𠮷田:ほら、これからの、歌の。
千種:え、ああ、これまとめに入ってますね。(一同笑い)
(考え込んだあと)ちょっと、実は、その、第二歌集を用意しています。冬か春くらいに出せればな、と。タイトルは「千夜曳獏」。
𠮷田:ここ数年は歌からは離れてましたが。
千種:はい、そうですね。
(しばらく考えて)砂丘律を出したあとに、言葉との距離がわからなくなってしまって。
 他人に不誠実な言葉、例えば嘘、を吐いてしまうこんな自分が、歌で綺麗な言葉を使っていてよいんだろうか、って。
 言葉を単なる道具みたいに扱っているんじゃないか、って怖くて。
 もちろんその葛藤や罪悪感はまだあるんですが、書くのをやめたこの数年、病気みたいになっちゃって。僕にとって書く行為は生体リズムの一部だったというのがこの数年でわかったことです。
 書いて褒められたいとかではなくて、書かざるを得ないんです。書いちゃうんです。ほら、マグロって泳ぎ続けないと死ぬじゃないですか。あれです。
 今後、また書いていきます。良いものが創れればと思ってますので、みなさま、どうぞよろしくお願い申し上げます。
𠮷田:今日は、その言質を取れたら勝ちだと思って来たので。もう引き返せないですよ。
千種:やられたわー。みなさんこれ、打ち合わせと違う展開です。(一同笑い)
16 さいごに
𠮷田:では最後に一言、どうぞ。
千種:はい。いろんな奇跡が重なって、僕もここにいるし、みなさんもここにいると思っています。
 𠮷田さんがいなければ僕はこんなに短歌にのめり込まなかっただろうし、砂丘律は青磁社や装幀家の濱崎さんがいなければ生ま��なかった本だし、橋本さんのツイートやジュンク堂さんからのお声掛けがなければこのイベントもなかったと思います。
 書き手として本当にありがたいと思っています。みなさま、今日はお越し頂き、ありがとうございました。
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tokyomariegold · 2 years
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2022/8/13〜
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8月13日 図太いおばさんに服を引っ張られて心が死んでいる!
東京都現代美術館で“私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ”展を鑑賞。とても大切なことを訴えている展示だった。こうゆうのは一人で観たくなかったし、今日の気分的にちょっと避けておきたかった。題材が題材なだけに、大切なことですよね、うん、としか言えない。受け止められない人もいる。
台風だからか、学生の時平日に行く美術館みたいだった。駅までの道には例のごとくかかしがたくさんいた。 東京土産を買いに銀座の資生堂へ。台風の街もとても空いていた。
私の正しさが誰かの悲しみや憎しみになる構図って、もうそれしかないよね、と考える。“正しさ”って異常。
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8月14日 旅行の準備をする。今日受け取る荷物で旅行に持って行きたいものがあるのに、19時以降の時間指定をしていたのに、18:03に届けに来ていたらしく、ちょっとどうしよう…という感じ(この後電話して無事配達してもらった)。 暑中お見舞いも20枚ほど印刷。
胃が良くないので薬局で1類医薬品の胃薬を購入しようとしたら、症状的には他の胃薬がおすすめとのこと。明日から、元気でなくとも無事に行って帰ってこれるといいな。
そろそろいいかしら、と、新500円玉をお会計で出したら「これ、新しい500じゃないですか!いいんですか?」と言われる。そうゆう風に反応してくれる人の元に渡ってよかった。
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8月15日 旅行に行くとなると、準備や帰ってきたことを思って、出かける前にいつもへとへとになってしまう。お掃除や洗濯を済ませて、思ったより重い荷物を背負って出発。
東京駅で、三ノ宮の最寄りは新神戸で、私が乗る新幹線は新大阪行きだと気がつく。あれ〜、失敗。新大阪から三ノ宮まで在来線を使うことに。
新幹線では日記の更新をした。コピぺがうまくいかず、消えては打ち直しで疲れていたらもう名古屋。車内で暑中お見舞いを書く予定だったけれど、のぞみの速度の圧に勝てず字がぶれてしまうので書くことができなかった。 新幹線はとても空いていた。
新大阪では、駅のつくりとか人の入り混じり様とか、外国に来たみたいでなんか怖くて帽子を深く被って乗り換えた。 ホームでは落下防止ゲートではなくて、ロープが上下していた。関東で見たことがないので、そこまで画期的なアイデアではなかったのだろうな。
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三ノ宮で友人と待ち合わせをして阪急デパートや大丸や地下街を案内してもらいつつ、連れて行ってもらうまま、15:30からの神戸税関の見学へ行った。 税関の広報担当の方がたっぷり1時間ご案内してくれて楽しかった。展示も建物もすてき。案内してくれた方が最後に「ニコンのF3ですね!私はF5を使ってます。」とフィルムカメラ仲間だとお話ししてくれた。 カスタムくんは税関ごとにつくりが少しずつ異なることも教えてくれた。たしかに、東京のカスタムくんはもっとプリンみたいだった。
見慣れない風景やものを横目に見ながら友人と街を歩く。炎天下の知らない街では、誰か流してくれる人がいないと何もできなくなってしまうけれど、でも、見逃しているものもとってもたくさんある気がして、そわそわしてしまった。
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結婚して神戸に住んでいる友人。苗字が変わったけれど、旧も新もしっくりくる苗字だね、と話した。 別れ際に「前より元気そうだね。食べられてそうだね。」と言ってもらって落ち込んだりした。
友人と別れて、もう一度街を歩く。 終戦記念日だからか、公園で蝋燭を灯していた。それと、山を見たら“KOBE”の灯りがあった。
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8月16日 もう一度阪急百貨店へ行きTOOTH TOOTHで焼き菓子のセットを買う。昨日買ったお茶と一緒に郵便局で配送の手配をして荷物を減らす。
阪急、京阪、阪神、JR。関西の電車もややこしい。 山に近い路線の方が格式が高いと教えてもらった(大阪-三ノ宮間でいうと、阪急>JR>阪神、とのこと)。阪急で梅田まで向かう。ミッフィー とコラボしているポスターをたくさん見られた! 梅田駅は終点で、池袋みたいだった。 阪急百貨店はこちらが本拠地なのか、三ノ宮よりも格段に大きくてハイブランドが一通り揃っている。やっぱり西武デパートの、池袋と所沢的な関係とも似ている!と思ったけれど、その後会った方曰く、梅田は東京で言うと東京駅と新宿駅が合わさった感じらしい。
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9階の催事場でスヌーピーのグッズや展示を観る。夏休みっぽい。emmiとpeanutsのコラボトートがかわいい…と思いその場を後にしたけれど、後ろ髪を引かれすぎてUターンして購入してしまった。荷物を減らしたいのでは…
中之島でお友達と合流。 静かで人はいるけれど街に人気がなくて関西じゃないみたい。お友達もその旦那さん(その方もわたしの友達)も「ここは東京みたいです。」と言っていた。
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新しくできた美術館をふらついて、近くの喫茶店でお茶をした。 お茶目な感じのおばさんが接客してくれる。ここの名物っぽいポジションの方なのかしら、と思ったら、カウンターの中にもう1人おばさんがいらして、お会計は更におばあさんが対応してくれた。みなさんお茶目な感じ。 喫茶店のテレビでは甲子園の試合が放送されていて、私達はときどき、夏休みだね〜、と言い合った。
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結婚して知らない土地で何をして過ごしているの?という質問を、言葉を変えては繰り返ししてしまった気がする。私は、どう生きていくか、みたいな話が好きすぎる。 少し迷いながら日々の歩みを進めている方々に救われていて、それを話してくれる時の言葉や仕草に心が持っていかれることが多いし、そうゆう時に写真を撮りたくなる。
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お友達の旦那さんもお仕事の最中合流してくれてお茶をした。2人と雑司ヶ谷でいつもみたいに喫茶店で時間を過ごして、でも外に出たらそこは全く知らない大阪で、やっぱりみんな変わっていってるな、と思った。
丁寧に乗り換えを教えてくれる。ホームまで届けてくれてとても優しい。2人共、大学時代を東京で過ごしただけで、実家も別の場所のため「東京に行く理由がないかな…」と言っていて驚いてしまった。なんだかんだ、私は東京生まれ東京育ちなのかもしれない(本当にそうだけれど)。
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三ノ宮や梅田の都市の話ができて楽しかった。 三ノ宮は震災以降元気がないらしい。私は震災以降の神戸の街に初めて降りた時、山も海も街もガラクタみたいなところも高架の道路もお役所街もあるのに、どこか整然としているのは、震災でリセットされた結果なのかな、と思っていた。そしてその街がとても良い!と思っていた。でもかつての元気はないらしい。 風化させてはいけない出来事があって、でもそれを全く知らない人が「とっても良い街!」と思って、それだけの印象で生き続けるのは間違えなのかしら、と、京都から守山までの琵琶湖線の中で考えていた。
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京都は送り火��日だったらしく、人が多かった。 いつも行く祇園のチョコレートのお店だけ寄った。お店の外で、曲がり角を折れて私の姿が見えなくなるまで店員さんがお辞儀をしてくれていた。 いつもお部屋で見ている京都駅前のライブカメラ の場所を探してうろうろ。噴水があるらしいけれど、それっぽいものは見当たらず、カメラの写真を撮って京都を出た。
守山のホテルは当たり! とってもヘトヘトで、夕食を買いにコンビニやスーパーへ行った。近くの西友は売り場が改修中で、冷蔵コーナーが店内の中央に集められていて、冷蔵庫のモーター?の熱気が凄かった。店を出ると雷雨!送り火大丈夫なのかな…と、濡れながらホテルへ戻った。 ホテルのお部屋で送り火の生中継を観る。時間をずらして火を灯したらしい。
だんだんヘトヘトが重なってきて体がキツいのでここまで。
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crossbreed · 6 years
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■ずぼらな俺が4年間の一人暮らしでたどり着いた部屋作り&暮らし方 2011 9/8 失敗したものと部屋の選び方を追加しました2012 9/29 わあ!また上がってるぜってことで、またちょっと追加です。見た目の良さは度外視している。本当にずぼらでめんどくさがり(しかも貧乏)だが、できるだけ清潔に便利に(そしてできれば健康に)暮らしたいという人向け。そんなの今更目新しくねーよってことばかりだけど一応。俺は、めんどくさがり屋だが、それ以上にパンクしやすい人間だ。ゴミ、未実行の工程(畳む、拭く、しまう)などが貯まると、パンク、というかショートして何もできなくなり、どんどん散らかり汚くなっていく。だからできるだけ、工程を減らしつつ、ひとつひとつの工程のハードルを低くしつつ、散らかりにくくすっきりした暮らし方を目指している。俺が重要視するポイント■まあ散々言っているが、少工程でひとつひとつの作業を簡単に■オサレじゃなくていいが、すっきりと清潔にしたい■できるだけ自炊したい(俺は人工甘味料で腹を壊しやすい体質だし、カップラや弁当を食い過ぎるとニキビができるからな)おれがとりあえず言いたいこと■整理整頓ができていないと、掃除はできません■食事は【体に良い物を取り入れる】よりも、まず【体に悪いものを取り除く】方が簡単で効果的※100均って書いてるのは基本的にダイソーです。服を畳まなければいけない収納は買うな 洗濯物を干す→取り入れる→掛ける。それだけにしろ。たたむのは無理だ。ぐちゃぐちゃにたたむより、掛けておけばシワにもならない。100均でハンガーをたくさん買っとけ。タオル類もピンチがたくさんついてるやつにつるしたまま掛けとけばいいが、あんまりだと思うならでかい籠を買ってそれに放り入れとけばおk。俺の家にはクローゼットがないので、ステンレスのハンガーラックを買ってそれにかけている。ちなみに100均のハンガーは、10本100円とかのやつだと、よく見るとサイズが小さすぎて、いざ洗濯物を干すと、ずりおちたり、肩がだらーんってなったりする。大きめ、とか男性用、と書いている奴がおすすめだ。★2012追加★ワイヤーハンガーはやめておいたほうがいいかもしれません!絡まって使いにくい!それなりの値段を出して、ひん曲がらないやつを買おう。比較的安い中では、無印のアルミハンガーがおすすめだぜ!キッチンでも掛けられるものは掛けろ http://women.benesse.ne.jp/blog/0855/img/345/Q0lNRzg4NDH2cg.jpg こんな感じのものを設置(100均で全てそろう)。洗ったものを更に拭くなんて無理だね。かけとけ。皿類は水切り籠(100均)で水を切れば良い。水をろくに拭かずに水の切れない場所に放置するとカビる。ガスコンロは絶対に受け皿?のついてない奴にしろ。多少高くついても。 受け皿のないタイプの方が格段に掃除しやすい。砂糖や塩は袋のまま入れられる容器にいれとけ 親指でパカって開ける、取っ手付きの、袋ごと入れられるでかい容器を100均で買う(袋ごと収納できる!みたいに書いてあるのですぐに分かると思う)。袋開ける→入れる、で終わりだ。袋ごと入れるのは清潔で気分がよい。次に入れ替えるときにこびりついた砂糖とかをゴシゴシ洗う必要もない。俺はココアや紅茶もこのような容器(別に形状は自分で使いやすいものを選べば良いです)で管理している。袋の形状が特殊なときは、調度良い大きさのビニール袋を中に敷き、ココアや片栗粉などを入れる。とにかく、ビニール袋のまま、紙袋のまま、紙箱のまま、で使うことをやめると見た目にもすっきりして使いやすい。だっていちいち、閉めにくいココアの袋のチャックを閉めたり、片栗粉の袋をピンチで閉めたりするのはクソメンドクサイだろう。かといって、小さい調味料入れにちまちま継ぎ足していくのも無理だ。そういうことだ。★2012追加★袋ごと入れるも良いですが、なんとなくしっくりこなくて使いにくい!と最近は思い始めた!大きな調味料入れを買うほうがいいという意見は変わりませんが、普通に移し替えたほうがいいかもしれんです。キッチンとかにおく大きめのゴミ箱は必ず足で開けれるやつにしろ(できればキャスター付き) 手にゴミを持ったまま、手で蓋を開けるのはめんどうだ、とくに湿り気のあるゴミの場合(きたないしな)。足でぱかっとあけてポイ、だ。例えば人参の皮を向くときも、足で蓋を空けつつ、ゴミ箱の上で皮を向けば、楽ちんだね。あんまり重要に思えないかもしれないが、実際、これが一番断言できることかもしれない。手で蓋をあけるタイプから足で開けるタイプに買い換えたときは、捗りすぎて涙が出たぞ。箸は割り箸でおkブコメにある金属製の箸は良さそう!ありがとう!アルコールのウェットティッシュを常備 フキンや雑巾をくりかえし洗って使うなど無理。ティッシュで落ちない汚れはウェットティッシュで拭いとけ。アルコールのやつだとなんだかすっきりして気分が良い。http://www.elleair.jp/pickup/jyokin/ ←の400枚入り大容量のがおすすめだ。でかいからなかなかなくならないぞ。★2012追加★アルコールティッシュもいいですが、ネットなどで安いアルコール消毒液を買い、スプレー容器に入れておくのも良いです。それをシュッシュとかけてキチンペーパーで拭くほうが安上がりでもあります。本格的に料理しないならフライパンとか鍋は安いテフロン(もしくはステンレス)にしとけ 大きな鍋はできたら両手。そのまま冷蔵庫に入れるためだ。多めに汁物など作ったときは、鍋ごと冷蔵庫にぶちこんで、次の日に温めて食え。鉄で肉焼いたり炒め物するとうまいが、俺は何度錆びさせたかわからない。もちろん俺は作りだめ食品以外は鍋から食うのがデフォだ! スープなどをまとめて作ることはないが、ときどき料理するという場合におすすめするのは、24cmくらいで深めのテフロンフライパン。汁物も炒め物も焼き物これ1つでできる。米は一気に炊いて冷凍しろ たしかにラップに包むのは面倒臭いかもしれない。でも毎日飯を炊くよりずっと楽だ。我慢しろ。もちろんブコメにあるように、サトウのごはん的なものでもいいし、包むものもラップ以外でも何でも良い。床掃除はクイックルワイパーでおkサーっと吹いて終わりだ。朝起きたときor夜寝る前などに、5分くらいゴミ拾ったり出しっぱなしのものを元にもどすだけでキレイっぽくなる。料理をよくするならフープロ買っとけ 刻むのが面倒くさすぎたりするけど、それがなくなる。5000円以内で買える。多少高いが、俺はブラウンのハンディブレンダー(マルチクイックプロフェッショナル)をオススメする。ミキサーもフープロもこれ1本だ。しかも洗いやすい。俺は週末に、人参たまねぎきゃべつ茄子などなんでもある野菜をガーっとやってひき肉(なんでもおk)とトマト缶と煮てスープを大量生成している。実質作業時間は30分以下だな。コンソメとか塩でテキトーに味付けして、ジップロック的なものに入れて冷凍庫に放り込む。冬場なら、毎日、冷蔵庫←→火にかける、をくりえ変えしてれば1週間くらい余裕。★2012追加★最近はあまり使ってません!包丁でざくざく切っちゃったほうが早かったりします!あと洗うのがめんどくせーです、やっぱり。野菜が食いたいが面倒くさいやつ ミキサーでジュース作って飲め。にんじんとトマト缶をガーっとすればおk。もちろん他の野菜やフルーツでも。俺は毎朝大豆プロテインとバナナと牛乳をガーッとやって朝飯を終わらせている。★2012追加★最近はあんまりやってない。めんどくさくなっちまって。ズボラの宿命だぜ。しかしね、ミキサーを使わないにしろ、バナナを食うだけでもだいぶましですよ。キッチンバサミ!!!!★2012追加★ 貝印の分解して洗えるやつがすごく良いだ! 鍋の上でネギをさっさっと切って、ジャーって洗って、終わり。他の葉物野菜もこれで切れば、まな板いらねぇよ。■↓意外ににめんどくさくないことホームベーカリーでパンを焼く これが意外にめんどくさくない。2分もかからない。デジタルスケールの上に内釜を載せて、材料を適当にぶち込んでいく。あとは予約でスイッチオン。朝には出来たてのパンが食える。内釜はほとんど洗わねぇな。小麦粉は袋ごと使うとこぼしたり、こぼしたのを拭かずに放置したり、となるので、100均で使いやすそうなプラの容器を買って移すと楽ちんだ。米びつ的にな。毎日茶を沸かす 2リットルくらいはいるやかんで茶をわかして、できあがったら冷蔵庫にそのままぶち込む(ブコメにあるようにもちろんコーヒーなどを水出ししても良し!)。ランチョンマット(布)かテーブルクロス(布) 布製で洗濯できるものにするととても便利だ。その上で飯食ったり、菓子食ったり、まな板つかったりすれば、食べかすはシンクかゴミ箱にはたき落とすだけ、汚れたら洗濯してタオルみたいに干すだけ。布団乾燥機これ超良い。冬場は暖かいし、夏場は湿気てた布団がさらさらに。定期的にやればダニもわかなくなる。常に万年床な俺にサラサラの布団で寝る素晴らしさを教えてくれた。オーブンを使う★2012追加★ 安い電子レンジについてるオーブン機能じゃないぜ? 俺が使ってるのは15000円くらいで買ったデロンギのコンベクションオーブンだ。スーパーで鶏手羽買うだろ? 塩振るだろ? 付属の鉄板(もしくは耐熱ガラスの容器)なんかに並べるだろ? 余熱したオーブンにぶち込んで20分放置。めちゃくちゃうまいつまみの完成。コンロのグリル使うより断然お手軽、洗い物も耐熱容器だけでおk。それにとにかく美味いんだ。野菜もざく切りしてこれで焼けばもりもり食えるし、魚だってホクホク。デロンギのオーブンについては、某●きりん女史のブログを読めば参考になるぜ。■めんどくさがり屋におすすめの食材トマト缶 素晴らしすぎる。安いし。パスタにしてもよし、スープにしてもよし、ジュースにしてもよし。そこらの生野菜無理やり食うより、よっぽど栄養満点だしな。ネットで買えば玄関先まで運んでくれるから簡単に買いだめできるな。ツナ缶 トマト缶と一緒に適当に煮てパスタをぶち込めばそれなりにうまくなる。ツナ缶ときゃべつを適当に炒めてカレールーで味付け、飯が進みすぎる。もちろんそのまま食ってもOK。魚(アジ・さんまなど) 焼くだけでおかずが一品できてしまう。最高。でもまあ、ごみはちょっとめんどいな。バナナ剥く手間もない!なんか野菜食った気になるので気分が良い!おすすめのおやつは、バナナにココアパウダーと砂糖を振りかけるだけの擬似チョコバナナだ!たまご腹が減った!と思ったら、飯を解凍、たまごとまぜて卵かけご飯の完成だ!カップラ食うより絶対にいいぞ!豆腐豆腐ぶっかけ飯もよし、冷奴にしてもよし、味噌汁にしてもよし、焼いてもよしツナ以外の魚の缶詰も★2012追加★ 朝家をでるときに、鯖の水煮缶なんかを冷蔵庫に突っ込んどくだろ? 疲れて帰宅すんだろ? 冷えた水煮缶を開けて、ポッカレモンと醤油をたらり(しなくても美味いよ)、くーっ、ビールがうんめぇ、ってこった。前述のキッチンバサミでこネギや大葉を切って散らせばグレードアップ。それだけで飯のおかずにもなるし、パスタにも使えるぞ!冷凍うどん★2012追加★ うどん好きなら常備必須だよな。鍋にぶちこんで3分でできあがりなんだぜ? 安いのは茹でうどんの方だけど、冷凍のほうがちゅるちゅるしててうめぇ。うどんって、小麦粉と塩しか入ってねぇわけで、油と化学調味料の塊である袋ラーメンなんか食うより断然マシだ。白だしだけで食うもよし、カレールーと顆粒ダシでカレーうどん、油揚げや卵を落としても美味い。夏はツナとドレッシングとかいわれ(安いしまな板使わないからいつも冷蔵庫にある)でサラダうどん。アレンジは無限大だ。前述のキッチンバサミで(以下略卵、バナナ、魚、豆腐はインスタント食品と言ってもいいな。金のある人はもちろん外食やなんかでもいいんだが、俺は如何せん金がない。メンドクサイ→外食、ってできればいいんだが、それができない。俺のような貧乏人の場合だと、メンドクサイ→でも金無い→カップラーメンとか安い弁当→体調壊す、ってなっちゃうんで、体に良い(マシ)なものを、いかにインスタント食品のように簡単に(できれば美味しく)食すか、という風に工夫している。ご飯やスープを冷凍していれば、カップラーメンをたべるのと同じくらいの時間で、腹を満たすことができる。■↓失敗した!!ルクエのスチームケース 観音開きのタイプ。洗いにくい!とにかく洗いにくい!凹凸が多すぎる!なんか汚れも落ちにくいし!高かったのに!めんどくさすぎて自然に使わなくなった。レンジ用の蒸し器自体は便利ですが、観音開き型のものだけはお勧めしません!鍋型とか、タジン鍋みたいなやつのほうがいいと思います。触手みたいなのがうじゃってなってるモップ  http://www.hansoku-ryohin.com/product_16791.html ←こういうの。ホコリを1ヶ所に集める、ってのはできるけど、ウェーブみたいに吸着はしないので、ずぼらゆえ集めたホコリを放置するという無様な結果となった。掃除機重い、でかい。もうそれだけで使わないな。広い家ならまだしも、一人暮らしのワンルームならクイックルで十分すぎるぜ。■↓これから引っ越したり、新生活をはじめるやつに言いたいことゴミの分別の少ない街を選べ(可能なら) 俺は横浜に住んでいたことがあるが、地獄だった。めんどくさくなってゴミが溜まった。分別をさぼれば、ゴミに紛れていたダイレクトメールなどから循環局員に特定され、家まで説教にこられる。最悪だぜ。シンクとガスコンロを置く場所が隣り合わせの配置になってるキッチンは避けろ ガスコンロの下にシンクから飛んだ水がたまってカビが生えたり、料理中に洗い物をすれば、鍋の中に洗剤が飛んだり、めんどくさいことだらけ。作業台とコンロが遠いと、切った野菜を鍋に入れたりするのも面倒だ。できれば洋室に住もう、ただし、和室から洋室に改造した偽洋室に要注意!! 和室はどこにでも寝転べて居心地が良いけれど、畳にダニが湧いたら駆除が相当大変。それに、無駄な段や隙間が多いので、ホコリがたまりやすく、掃除がメンドクサイ。和室から洋室に改造したタイプの部屋は、一見洋室でも、フスマがあったであろう場所を無理やり壁にしてたりして、そういうとこは段もそのままなことが多いから、騙されないように。あとは、部屋の四方に畳のヘリやフスマの名残の段差、柱などがあって、棚などを壁にぴったりとくっつけることができない、これは本当に最悪。棚の裏にホコリがたまる。押入れも、服をかけて収納する俺からすると高さが足りないのでただのゴミ置き場と化していた。ズボラは床生活をしないこと!★2012追加★ ベッド、テーブル、椅子、ソファを使おう。そして、ラグやカーペットは使うな! 床メインの和な生活は居心地が良いが、掃除が大変だ。床をクイックルするにも、いちいち座椅子どけて~、布団上げて~、って作業が増えるからね。布団の上げ下げ、カーペットのコロコロなどを日常的にできないやつは、いつかダニ地獄に陥るだろう。■↓100均でこれだけはおすすめすぎる!というもの透明でコシのあるビニールのジッパー付きの袋 http://ameblo.jp/yuumi52/image-10770175968-10986656737.html これだ! とにかく整理整頓に便利!鰹節やらの小分けパックや小分けされた顆粒だし、海苔、ふりかけのようなものを入れたり、ケーブル類、文房具、パスタ、とにかくなんでも入れられる。プラのケースのような四角くて硬いものは、サイズが合わなかったり、無駄にスペースをとったりしがち。だからといってただのビニール袋ではぐちゃぐちゃとして扱いにくく見た目が悪い。これならほどよく固く、まとまりがあり、ジッパー付きで取り出しやすい。定期入れサイズからA3サイズくらいまでサイズも豊富。旅行にも便利。ユニ・チャームのウェーブ(ハンディタイプ)のパクリの「ふわっとモップ ハンディタイプ」チューブ入りの薬味は基本、100均が安い。あと、ブラックペッパーとかそういう出番の少ないスパイスも100均で買うのが良い(使わないままお蔵入りしてもダメージが少ない)。★2012追加★■↓ミニ知恵毎夜、手にコンビニの袋やスーパーの袋などを持って部屋を歩き回ってゴミを入れていくだけ(その間1分)でだいぶ散らからなくなるぞ。四隅についたゴムで布団(マットレス)に固定するタイプの敷きパッドを強く!おすすめする。布団カバーの何がいやって、取り外したり取り付けるのがすごいめんどくさいこと。夏なんかそれだけで汗だくになっちゃうね。掛け布団カバーはそんなに頻繁に洗わなくてもおk(当社比)だが、敷き布団カバーを洗わずに過ごすと、ダニ地獄がまっている。そこで敷きパッドですよ。パッドなら、さっと取り外し洗濯。干してからまたサッと取り付け。サイコー。あとはね、確かに料理って結構レンジだけで済ませられる。けど、麺類やちょっとしたスープなんかはコンロの方が結局は楽なんだな。俺は鍋から食っちゃうから、洗い物も1つで済むしね。冷凍うどんや袋ラーメンなんか、すぐできるよ。それに、加熱しながら材料投下できるのも魅力だよ。続ける秘訣は在庫を切らさないこと、つまりはまとめ買い、かもしれない。アルコールティッシュなんかも、なくなる→詰め替えがない→買い忘れる→また買い忘れる→なんとなくヤル気失せる、ってなっちゃうんで、クイックルワイパーとか、アルコールティッシュなんかは買いだめが良いです。小麦粉とかトマト缶なんかももちろん買いだめしてる。■追記(11/08/29)もちろん何もかも習慣化してシステマチックに動くのが一番良いかもしれない。でもなかなかできない、ずぼらだから。でもできるだけ頑張ります。服も何度もたたもうとしたんだが、最初は調子よく畳む→忙しくなったりで畳めてない洗濯物がたまる→パンクする、ということの繰り返しになってしまう。確かに俺はずぼらに見えないかもしれない。でも俺はハウスダストアレルギーと弱い腹の持ち主なので、ある程度きれいにしておかないと、鼻水下痢お化けになってしまうのだよ。その条件下でいかにサボるか、という風に生活していたら、こういう感じに落ち着いた。実際俺は、一人暮らしを始めて2年くらいまでは、半年に1度くらい必要に迫られて大掃除をするだけ、六畳間が一杯になるほどゴミを貯め、食料を腐らせ、食器をカビさせ、洗い物のたまったシンクから腐敗臭をさせ、あらゆる粉類をこぼしまくり、出したものは出しっぱなし、服は床に山のようにぐちゃぐちゃに…という生活をしていたのさ。もちろん友達なんか呼べねぇ。生活の質も著しく悪い。台所がちらかって料理できないから、出来合いのものばかり食って腹を壊し、大事なモノもすぐなくす。毎日ホコリやカビのせいでかゆいし鼻水だらだら出るし。これはそういう事態を改善するための最低限の習慣なんだよ。そしてこれは、そんな俺にできる精一杯のことだ。はっきりいってこれ以上やることを増やすと、パンクして元の状態に戻ってしまうだろう。■蛇足(11/08/30)まあ、ずぼらに思えないわな。真のずぼらのみなさん申し訳ない。なんというか、別にホコリで痒くなったりしないし、腹も壊さないし、ニキビもできないし、ものをなくしたりしない人ならば、掃除とか整理整頓とかしなくていいんじゃねーですかね。こういうのは必要に迫られてる人だけすれば良いというか。俺も数年前までは、自分はそういうことが必要のない人種だと思っていたし。でも、あまりにも常に鼻をずーずーやっていて目が充血、ひどい時には喉がピーピーなりだすので、こりゃなんだろうと病院へ行ったら、ひどいハウスダスト(その他あらゆる花粉)のアレルギーだったことが判明したのですよ。「よくこれまで我慢できたねwww」と医者に笑われるレベル。それで、抗ヒスタミン剤なんかを飲んでやりすごそうとするんだけども、眠くなったり、ホコリとかダニが多すぎて薬が効かなかったりやらで、こりゃいかん、と少しはがんばろう、と思ったわけですわ。それに、脂漏性皮膚炎という皮膚の病気と、脂っぽいものと甘いものですぐにニキビだらけになる顔の持ち主なんで、良い食生活と清潔な寝床が必要だな、と。ところが、小さい頃から母に、「出したものはしまいなさい!」「服を脱いだら洗濯機に入れるか畳みなさい!」「蓋を開けたらしめなさい!」「ものをこぼしたら拭きなさい!」「部屋を片付けなさい!」を、家を出るまで言われ続け、1度もできたことのなかった俺なので、本当にできないんですよ。「ふっ。本当のライフハッカーにゃ特別な道具なんていらねー。砂糖の袋なんか洗濯バサミでとめときゃいいんだよ」とか思ってやってみるんですけど、その一手間「洗濯ばさみで袋を閉じる」ということが出来ず、開けたまま放置、湿気て塊だらけにした挙句、こぼす。野菜食おうと思って野菜炒めとかつくるけど、思ったより野菜食えない割に手間かかるし美味しく作れないし、ですぐにやめる。そんなかんじで試行錯誤してるうちに、いきついたような感じです。あと、アレルギー対策だけなら掃除だけで良くね?整理整頓とかしなくても、って思ってたんですけど、整理整頓ができてないと掃除ってできないんだな、と大人になってから知ったという。
ずぼらな俺が4年間の一人暮らしでたどり着いた部屋作り&暮らし方
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koudelkalightnovel · 6 years
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Collections of Hiroki Kikuta’s blog
1997年秋から1999年末まで携わった、 「クーデルカ」という仕事は、僕の人生の中で大きな意味を持つ。 嬉しかったこともあり、残念だったこともあり、しかし、制作に費やした二年間は、 無駄ではなかったと、今振り返って思う。 サクノス立ち上げに助力していただいた、元セガ副社長の故藤本敬三氏の思い出。 ロサンゼルスはウエストハリウッドでの夢のようなモーションキャプチャーセッション。 胸に浮かぶままに、語るべきことは尽きない。 ここでは、写真、設定資料、デザイン画を中心に、ゲーム制作のプロセスと、 その印象を綴っている。 クーデルカのための宣伝用イラストレーション/1998 岩原裕二 部分 このサイトは、1999年12月にプレイステーション向けホラーRPGとして発売されたゲーム「クーデルカ」のディレクター菊田裕樹が、制作資料の掲載や作品解説を目的として運営するものです。ゲームをプレイしてくれたユーザーが、より深くクーデルカの世界とその魅力に親しんでもらうために、僅かなりと助けになれれば幸いです。 --- 「クーデルカ」のモーションキャプチャーは、1999年1月、ロサンゼルスはサンタモニカにあるスタジオで収録された。技術面を担当したのはフューチャーライト。普段は「ゴジラ」等のハリウッド映画のSFXを担当している映像制作会社である。遡る1998年9月、僕はイベント系を担当��る人員の不足から、それを全てモーションキャプチャーで賄うという構想を建てた。全体で見れば一時間をこえるイベントシーンを、手打ちのアニメーションとスクリプトで実現しようとすれば、5人がかりの仕事となる。しかも、一向に従来のRPGの域を出ない、面白みの無い方法だ。ゲームのドラマ部分を表現するために、効果的で、目新しくて、しかも大きな省力化になる方法として、モーションキャプチャーは画期的な試みだった。無論、問題はあった。技術的に不可能だというのだ。��語の性質上、最大4人を同時にキャプチャーし、併せて音声も収録する必要があったからだ。僕はまず、日本国内のスタジオで実験をし、手応えを掴んだ。その結果、モーションキャプチャーは十分に魅力的な効果を生み出すという確信を得た。しかし同時に、僕の要求する仕様は日本国内では実現不可能であるということも分かった。だが、そこで諦めてはクリエイターが廃る。幸い、以前「双界儀」の録音でお世話になったデイブレイク社の大竹氏が、海外のコーディネイターに詳しいというので、畑違いながら探してもらったら、ロスにそれらしい技術を持った連中が居るという。早速連絡を取り、俳優のオーディション方々会いに行った。ところが実際に会ってみると、彼等も僕が考えるような仕様でキャプチャーをしたことがなかった。4人を同時に、音声もいっしょに、しかも数分に及ぶ芝居をいっぺんに収録する。そんなの聞いたことがない。しかし驚いたことに、面白そうだから是非やってみょうと、彼等は言ったのだ。新しいことにチャレンジするのが嬉しくてしょうがないスタッフ達。こうして、この前代未聞の試みは実現したのである。 クーデルカを演じてくれたヴィヴィアンとエドワードを演じてくれたマイケル。100人程のアクターをオーディションした中から選んだ人達だ。アメリカのアクターの層は厚い。皆、良い作品に出演することを夢見て、演技の勉強をし、技術を身に付け、レストランなどで働きながらハリウッド近辺で暮らしている。アメリカでは基本的に、どのような有名な役者でも、名前だけで出演が決まることはない。必ずオーディションをして、その役に本当に相応しいかどうかを確かめられる。彼等は、役の大小に限らず、それを勝ち取ることに真摯で、また仕事に臨んでも出来るだけ良い結果を残そうとする姿勢を崩さない。 セッションに参加してくれたスタッフ達。フューチャーライト側から、モーションキャプチャーの陣頭指揮にあたってくれたダン・マイケルソンをはじめ、プログラマーのランディ、エンジニアのジョン。彼等は4日に及ぶセッションの中で起った、様々な問題に素早く対処してくれた。日本側から、クーデルカのモーションを担当した竹原君。IPG側から、わざわざこのコーディネイトのためにニューヨークから駆け付けてくれたポール。そして、サウンドエンジニアのキース。 写真中央、このセッションのディレクションを全て担当してくれた、IPGから参加のデビッド・ウォルドマン。彼は日本でビデオクリップのADをしていた経歴があり、日本語が話せたため、今回の仕事に適任として選ばれた。映像制作の現場でのノウハウや、その進行に関して、彼に学ぶところは大きかった。その後、ロスでムービーキャメラマンの学校に入り、本格的に映画制作を志しているらしい。左は、デビッドの女房役のADであるクレイグ。右に居るのは、9才のシャルロッテ役を演じてくれた12才のサラ・パクストン嬢。その可愛らしさで、スタジオの人気者だった。しかし、プロとしての意識は本物で、長台詞を覚え、慣れないキャプチャーに戸惑うこともなく、見事に演じてみせた。下の写真は、キャプチャーセッションに先立つ、リハーサルの時のもの。近くのホテルで部屋を借り、本番の時と同じように、全ての芝居をチェックする。この時キャラクターはどんな気持ちなのか、何を考えながら演じればいいのかを、ひとつひとつ、押さえていく。このシーンは、クーデルカとエドワードが、オグデンとベッシーにスープを振舞われるところ。中央に、いかにも人の良いおばさんを演じてくれた人の良いおばさん、デニス・ホワイト。 スタジオというよりは工場といった有り様だが、実際すぐ横にプロップを組み立てる工房があったりした。一応サウンドステージとして作られてはいるのだが、防音がしっかりしていないため、上空を飛ぶ軽飛行機の音がうるさくて、撮影が中断したのには参った。真中に置いてあるのは、ジェームズら3人が大聖堂に入る扉が開かなくて悪態をつくシーンのための大道具。例えば、扉を叩く芝居が欲しい時に、何もないのにそういう振りだけしても、リアリティーは生まれない。扉を叩く時には、そこに扉があるべきだ。下の写真は、ゴミの山に埋もれてひっそりと稼動しているSGIのONYX。これに限らず、驚くような機材が、ごく当たり前に使われているのをあちこちで見た。聞けばそれらは全て、レンタルなのだという。こういう所にも、日本との状況の違いを感じた。右は、連日に及ぶ深夜の撮影で疲れ果てて眠りこける僕。 2000/11/25 菊田裕樹 --- ヴォイニッチ文書 部分 Emigre Document 紀元前5000年をさかのぼる昔、ブリタニアには高度な巨石文明を持った民族が栄えていた。今も島のあちこちに残るドルメンやストーンサークルは、現代科学を持ってしても不可能と思われるほどの彼らの技術力を、我々に示している。彼らはケルト人が到来するまで、全世界でも最も進んだ文化と文明を持つ民族であった。エジプトでピラミッドが建築される遙かに昔。中国、バビロニア、イスラエル、どの文化圏よりももっと以前に、ブリタニア全土に分布する巨石遺構は建てられたのである。 その力の秘密は、彼らの持つ宗教にあった。彼らは大地より湧きいでる生命の秘密に手をかける術を知っていたのである。生と死を操り、不死や、あまつさえ死者の再生をも我がものにし、労働力としての人間ならざる怪物を生み出し、高度な文明を築き上げた。それは自然の持つ輪廻の法則そのものを御する行いであり、神の為す神秘に等しい。いや、彼らこそが原初の「神」だったのかもしれない。彼らはその「神を遙かに遡る世界の成り立ちの秘密」を、文字にして書き記すことはなかったが、その祭儀や術としてのノウハウは、ケルト社会のドルイド僧に引き継がれた。ドルイド僧は古代人の残した祭儀法を基盤に、自分たちなりの技術的アレンジを加え、古代人には及ばないまでも、天地の秘密を力に変換することを自らのものとした。 だが、彼らもまた、自分たちの慣習や宗教に関して書き残すことをしない。ケルト民族の在りように関して最初に言及したのは、まさにそこを征服せんとして兵を進めたユリウス・カエサルである。しかし、彼が紀元前50年頃に「ガリア戦記を」書き記す以前に、前4世紀頃ケルト民族と親交のあったアレクサンダー大王が、アレクサンドリアの大図書館に收めるべく、ドルイドの秘儀をギリシア語で文書化させていたのである。彩飾図版を交えて作成されたこの文献は、その任に当たった人物の名を取って「エミグレ文書」と名付けられた。 この文書は閲覧を禁じられた秘密の書として王宮の図書館に保管された後、戦禍を逃れて持ち出され、数世紀の間、各所を転々とする。その間にはキリスト教の成立やローマカトリックの隆盛などがあるが、6世紀に入り、アイルランドに様々な修道院が建設され、写本事業が盛んになった結果、イタリアの片田舎に忘れられていた「エミグレ文書」は、リンデスファーン島にある写本で名高い修道院に持ち込まれた。だが、ギリシア語に堪能でない彼らは、内容の美しさや彩飾の艶やかさに目を見張りこそすれ、文書の持つ本当の力に気づくことはなかった。 9世紀に入って、度重なるヴァイキングの来襲により、蔵書の保存に危機を感じた修道院は、重要な文献を各地に避難させ始める。アイルランド生まれで敬虔な信者であるヨアヒム・スコトゥスとダニエル・スコトゥスの兄弟は、大修道院長より「エミグレ文書」を託され、その内容に驚愕した兄ヨアヒムは弟ダニエルをウェールズの辺境にあると記される聖地へ赴かせ、自らは写本を携え、フランス王の元に庇護を願い出た。弟ダニエルは聖地で修道院を建て、祈りを捧げて一生を終わる。兄ヨアヒムは碩学として歴史に名を残すが、その死後、ローマ法王庁に写本を接収されてしまう。 キリスト教を脅かす力を持ったこの文書は、ローマ法王を恐怖させ、禁断の書物として誰にも閲覧を許すことなく、書庫の奥底にしまい込まれたが、13世紀になってその損傷の激しさから、新たな写本を作る必要が生じ、当時最高の知識人として名高かったフランチェスコ会修道士ロジャー・ベーコンにその任が与えられた。彼は10年にも渡ってフランスに幽閉され「エミグレ文書」を精確に複製することを強いられたが、その過程で文書の知識は彼の物となった。秘密を守るため彼をそのまま監禁し、二度と世に出すまいという法王庁の意図とは裏腹に、彼は密かに外部と連絡を取り、自らが解読した文書の示す聖地へ赴き、生命の秘密を探る試みに取りかかるべく、着々と準備を進めていた。 彼は、先にダニエル・スコトゥスが建てた修道院を改修し、実験施設となるべきゴシックの大聖堂を建築させた。そこで彼がどのような秘術を試みたのかは、記録に残っていないが、法王庁の手を逃れフランスを脱出した彼は、二度と姿を現すことはなかった。彼は、姿を消す前に、新たな一冊の写本を残している。エミグレ文書の記述を元に、ウェールズ語の暗号で書かれたその写本は、聖地の修道院に残されていたが、16世紀になってエドワード・ケリーとジョン・ディーによって発見され、新たな写本として書き直され、さらにローマの修道院を経て、20世紀になって古物商ヴォイニッチによって再発見され、ヴォイニッチ文書と名付けられて、現在エール大学のベイニック図書館で閲覧できる。 また、ロジャー・ベーコンによって複製された「エミグレ文書」写本(原典は破棄された)は19世紀までヴァチカン宮殿の奥深くに秘蔵されていたが、1890年頃何者かに盗み出され、以後その行方を知る者はいない。ダニエル・スコトゥスが建てた修道院は1536年の修道院廃止例の後、政治犯や重要犯罪人を拘留し処刑するための施設へと転用され、聖なる場所で多くの人命が闇に葬られた。 (設定資料より) 2000/10/25 菊田裕樹 --- 2000/10/25 Hiroki Kikuta Koudelka Iasant 1879年生~没年不詳。イギリスはウェールズの田舎、アバージノルウィンの寒村生まれのジプシー。幼い頃から強すぎる霊能力を持ち、様々な怪異を起こすため、呪われた存在としてジプシーの世界から追放される。1888年9才頃ロンドンで霊能力者ブラヴァツキー婦人に拾われ、秘蔵っ子として厚遇されるが91年婦人が他界すると共に、再び放浪の旅へ。普段は霊媒として失せ物を探したりして、糊口をしのいでいる。 年は若いが、世の中の事情を一通りわきまえたところがあり、良く言えば大人、悪くいえばすれっからし。普段はあまり明るい顔をせず、大体において不機嫌そうで態度が悪いが、時折女らしいところを見せる。差別される者や愛されない者に肩入れする傾向がある。自分を表現することが下手。 (登場人物設定資料より) Notes クーデルカという名前は、著明な写真家であるジョゼフ・クーデルカから採ったものだ。口にした時の不思議な響きと、民族や国籍を感じさせないところが気に入って、名字ではなく名前として使わせてもらった。手元の資料を見ると、キャラクターデザインの岩原裕二氏にコンペ用のスケッチを発注したのは1998年の3月26日だが、遡る2月10日の段階で、僕はゲーム全体の進行手順と、シナリオの箱書きを完成させていたし、キャラクターの心理設計も完全なものとなっていた。クーデルカはジプシーの出身である。彼らはインドをもっとも古い故郷とし、放浪に生きる人々で、自分たちのことを誇りを込めてロムと呼ぶ。それは人間という意味である。一般社会の人間たちとは隔絶され、自分たちの血縁関係の中だけで生きている彼らにとって、追放はもっとも苦しい罰となる。クーデルカはその特異な能力ゆえに、子供の身でジプシーを追われることになった。僕は彼女を、どこにも安住することを許されない、最も孤独な存在として設定した。平和で豊かな暮らしの中に、彼女の居場所は無い。呪われた魔物や幽霊が跋扈する、廃虚の暗闇の中にだけ、かろうじて自分を置くべき空間を見出せる。クーデルカは、そういう悲しい存在なのである。 岩原氏はこのプロジェクトのために、100枚にも及ぶキャラクタースケッチを描いた。クーデルカだけでも数十枚になるが、そのほとんどはポリゴンによるモデル化のための制約から来る衣装デザインの試行錯誤であり、キャラクターの本質部分に関しては、最初から完成形に近いものを掴んでくれていたようだ。また、氏にはゲームの制作に先行して角川書店の雑誌で漫画連載を始めてもらい、ゲーム設定の1年後のストーリーという立体的な構成で、物語の厚みと魅力を増すことに貢献してもらった。 クーデルカのポリゴンモデルは、当時広島のコンパイル社の倒産で行き先を捜していた渡辺伸次氏に、経済的に援助するということで東京に移り住んで制作してもらった。彼は同社の仲間とCGスタジオであるD3Dを設立した。そのころの彼等には全く実績が無かったが、見せてもらったプロモーションムービーのキャラクターの動きに並ならぬ情熱を感じ、彼等と一緒に新しいチャレンジをする気になったのである。しかし実際、キャラクターのモデリングは難航した。ゲームスタッフ側の無理解も大きな原因だったが、D3D側もクーデルカほど高いレベルのモデルを作るのは初めてとあって、試行錯誤のために何ヶ月も時間が必要になった。リテイクに次ぐリテイクの嵐。最終的には、僕自身が彼等の後ろに付いて、鼻をもう少し縮めてだの、唇をもう少し上げてだのと細かく指示を出し、なんとか納得のいくものに仕上がるまでに半年近くかかっている。 モーションキャプチャーにおいて声と演技を担当してもらったヴィヴィアン・バッティカ嬢は、米サンタモニカ・スタジオで行ったオーディションの中で、クールで独特の色気があり、抑えた芝居の出来る人として選定した。ただ可愛いだけではなく、クーデルカの持つ陰の部分を表現するためである。彼女自身まだ若く経験も浅いとはいえ、その熱意と努力は相当なもので、10分にも及ぶ長丁場の芝居、何十行もある長台詞を、たった数日で完全に頭に入れて撮影に臨む辺り、なるほどプロというものはこういうものかと感心させられた。度重なる技術的不備にも嫌な顔をすることなく、エドワード役のマイケル・ブラッドベリーと現場の雰囲気を明るく盛り上げてくれたことには、感謝の言葉もない。 2000/10/25 菊田裕樹 llustrated by Yuji Iwahara このページ内の全ての画像及び文章の著作権、版権、複製権、二次使用権は全てその正当な著作者、権利所持者に帰属します。よって、無断複製、無断転載を含め、著作権法に違反する形態でのあらゆる利用を禁止します。 All Rights Reserved 1997 1998 1999 2000. クーデルカは(株)サクノス・SNKの登録商標です。 All Rights Reserved (C)SACNOTH/SNK 1999 --- Nemeton Monastery イギリスはウェールズ地方。アバースワースにほど近い、海沿いの断崖に、人気もなく廃墟と見まごうようなネメトン修道院がある。ちょっとした公園ほどもあるその敷地の中には9世紀頃に建てられたと思われるロマネスク様式を色濃く残した修道僧の宿坊をはじめ、13世紀頃に建てられた飛び梁も美しいゴシックの大聖堂、会堂をかねた図書館、鐘つき堂、屠殺場を兼ねた炊事場、処刑台に使われた東屋、近代になって建てられた宿舎などが、全体を囲む壁と一体化して並んでいる。16世紀に修道会を禁ずる制令が発布されるのを待たずして寂れ、廃墟と化したこの場所は、17世紀に入って政治的な犯罪者や虜囚などを閉じこめたり処刑したりする目的に使用された。今でもどこかに地下牢が隠されているといわれている。近代になって、訪れる者も居なくなり、荒れるに任せていたのを、ある資産家が物好きにも買い取って移り住んだが、程なくして彼は姿を消し、後には様々な憶測と噂だけが残った。あるいは、財宝が隠されたまま埋もれているといい、あるいは、悪魔が彷徨っているといい。再び廃墟と化したこの修道院を訪れるのは、人目を避ける犯罪者や一攫千金目当ての食い詰め者だけだった。 (制作資料より抜粋) ネメトン修道院初��設計図/1998 松野��三 1998年2月の段階で、ゲームの進行に伴う、マップ全体像の設計は、ほぼ出来上がっている。八棟の建物、地下道、墓地など、全部で100個見当の区画からなる構成で、イベントと連動して移動できる範囲が拡がっていく。実は、このような閉鎖された空間を舞台として設定したのは、単に演出的な意図によるものではなく、人的物理的制約による結果なのである。例えば、高度に訓練されたグラフィックスタッフが20人居るならば、一年間に500から600枚を超える背景画を制作することが可能だ。しかし、楽観的に考えても数人が限度と思われる人材確保の現状を前提にすると、およそ100マップ200~250画面が、用意できる背景数の上限と見なければならない。一般のRPGのように、ワールドマップがあって幾つもの街があって、などという仕様は、最初から無理。そこで、極めて限定された空間を設定し、それを有効に活用しつつ、様々な雰囲気のバリエーションを提供できるような仕掛けを考案した。それがホラーRPGという枠組みだったのである。 ネメトン修道院初期設計図/1998 松野泰三 ネメトン修道院を構成する建物群は、そのひとつひとつが、建てられた年代も、目的も異なるものである。各々の建築様式の違いは、ドラマの進行と相まって、ユーザーを飽きさせないための装置として機能する。扉を開けて新しい建物に入る度に、物語が次なる展開を迎えたことを実感してもらうために。微にいり細にわたり、緻密に作り上げることが、あたかも実際にそこに居るかのような臨場感を生む。そのために最も必要だったことは、実際の建築物を参考にすることであった。 ネメトン修道院初期設計図/1998 松野泰三 物語上でアバースワースとしたのは、アイルランド側の海岸にその場所を置きたかったからだが、98年8月にスタッフを伴って訪れた実際の取材は、ウェールズの下側に位置する観光地ペンブロークシャーを中心に行った。その一帯は、草原から突然に切り立った断崖が現れ、地平線の彼方まで続く、不思議な景観の土地である。その周辺に夥しい数の修道院や城跡が存在する。あるものは往時を偲ばせて健在だが、ほとんど廃虚と化した遺構も多い。セント・デイビッド教会は、中世そのままの姿で我々の目を楽しませてくれると同時に、石造りの聖堂が持つ、独特な雰囲気を理解するのに役立った。また、垂れ込めた雲と雨が作るどんよりとした暗い空気は、実際にその場に立ってみないとイメージできないものである。近辺の修道院の壁や石組みを大量に撮影して、3Dモデル用のテクスチャーとして使ったのも、大きく意味がある試みであった。 さて、ネメトン修道院の大聖堂はゴシック建築として作られているため、本当ならば、その常として側廊が無ければならない。ゴシック建築は荷重を分散する構造にすることで壁を薄くし、ステンドグラスの設置を実現しているからである。しかし、ゲーム仕様上の制約としてプリレンダリングのマップを考えた時に、多数の柱を立体的レイヤーとして配置することが困難であるために、内部を単純な箱型にせざるをえなかった。外側から見ると、飛び梁様の補強柱が一定間隔で取り付けられているが、現実の物として考えれば、全体の重量を支えるために、壁自体もさらに厚くせざるをえないと思われる。なお、大聖堂頂部の鐘突き堂は、そのものが飛び梁によって構成されている特殊な形式だが、これは架空の物ではなく、実際に存在するスタイルであることを付け加えておきたい。 2000/10/25 菊田裕樹 --- Library : クーデルカという物語 By 菊田 裕樹 – 2000年 3月 28日Posted in: Library, Library : ARTICLE    クーデルカという物語    2000年3月 公開    このサイトを御覧の方には僕の制作した    RPG「クーデルカ」を未プレイの向きも多いと思う。    手短に説明すると、19世紀のイギリスはウェールズの    片田舎にある今は廃墟同然と化したある修道院を舞台に、    クーデルカという19才のジプシーが出会う様々な    怪異をテーマにした、いわゆるモダンホラーと    呼ばれるジャンルに属するゲームである。    僕はこの作品のコンセプトに始まり、キャラクター設計、    マップ構成、シナリオ、ムービーや    モーションキャプチャーイベント部分の    ディレクション等など、様々な種類の仕事をした。    基本的な部分の組み立てには約3ヶ月ほど要しただろうか。    全部で100冊以上の本に眼を通したが、    物語の発想の土台となったのは、    「幽霊狩人カーナッキ」という本であった。    短編集で、主人公である怪奇現象研究家カーナッキが、    様々な「怪異」と「怪異に見えるもの」に遭遇し、    あるものは解決し、あるものは良く分からないまま    終わる(笑)という、味わいのあるホラー小説集だ。    興味のある方は是非一読されたい。    さて、僕が物語を組み上げる段階でこだわるところは、    歴史上の事実を曲げないということである。    実際に起こったとして、記録に残っている様々な事件を、    相互に関連付け、その隙間を虚構で埋めていくという    やりかたが僕は大好きだ。    同じ嘘をつくのでも、まったく根拠も無く考えるのと、    事実に基づいてその基盤を組み上げていくのとでは、    細かい部分でのリアリティーが違ってくる。    だから、クーデルカという物語には、    プレーヤー諸氏が考えているよりも、    ずっと多くの史実が含まれている。    エドワードやロジャーが実在の人物である事など、    歴史に興味のある方は、調べてみられるのも一興かと思う。    1898年は科学と迷信がせめぎあう世紀末の、    まさに移り変わる一瞬を捉えて興味深い時代である。    明ければすぐに1900年、近代科学文明の浸透の    象徴ともいうべき、パリ万博が開催される。    そしてそれこそが、僕がクーデルカの続編と    目論んでいた物語の舞台なのである。    ウェールズを描くために、ロンドンやペンブロークに    足を運んだのと同じように、僕はパリやベルギーに    取材をするつもりだった。    (パリ万博に出展されていた建物が、当時の    ベルギー王の要望で買い取られ、    ブリュッセルに現存するのだそうだ)    会場から郊外を結んで建設された地下鉄と、    そこで起こる怪異。エースネクスト誌連載中の    漫画版のエピソードを終えたクーデルカが、    拠ん所ない事情でパリを訪れ、地下に巣喰う    亡霊どもの争いに巻き込まれていく。    実はクーデルカの続編は、僕の頭の中では4作目まで    出来ている。第一部イギリス、第二部フランス・・・    とくれば、第三部はアメリカである。    時代は大きく跳んで、1973年アメリカはシカゴ。    主人公は、シカゴ大学で教鞭を取る文化人類学者、    クーデルカ・ロードメル。    クーデルカの娘アメリアが後に渡米して産んだ子供で、    つまりは孫だ。ベトナム戦争末期とあって、    帰還兵が持ち帰ってしまった悪霊が、    様々な殺人事件を引き起こすのを、まだ生きている    ロジャーの助けを借りて解きあかしていく。    (ちなみにロジャーはスーツを着て出てくる)(笑)    そして第四部は1984年奈良。    関西大学で教える友人の宗教学者の元を訪れたクーデルカは    何者かに命を狙われ、陰陽師や式神と戦う羽目になる。    奈良の巨石墳墓や京都の町並みが、    雰囲気造りに一役買うだろう。    残念なことに、今のところ僕がそれらの    続編を作る予定はないが、    小説のようなものであれば、書いてもいいかなあと思う。 Story of Koudelka : Library --- Haven: On Koudelka, you served as producer, writer, and composer. What were some of the goals you accomplished in taking on these various responsibilities? Were there ways in which the project could have been better realized? Hiroki Kikuta: Let me begin by saying, whenever you divide up responsibilities among a group of people concerning the judgments that get made on a project, the end quality is bound to suffer as a result. To keep the quality high and the schedule organized on a project, it's better for as few people as possible to be making key decisions, and for them to be communicating within the group with as few conflicts as possible. The ideal situation would be for but one director to be delegated the responsibility of expressing his or her creative vision. That said, for Koudelka, I was pursuing that degree of creative control. To prepare, in gaining an understanding of the game's setting, I read about one hundred books on English history, touching on periods from the Medieval era to around 1900. It proved useful in discovering relevant episodes which could be incorporated into the story. Having several events to ground the plot in a kind of historical reality, I then started building on that foundation with some fictional events. For example, the character of Edward is based on an actual Irish dramatist named Edward Plunkett, 18th Baron Dunsany, while the woman who writes a letter for Charlotte is based on Sophie Dorothea of Württemberg. Roger Bacon is, of course, a historically famous philosopher. Also, the incident on the Queen Alice really occurred and is recorded in the captain's log of the vessel. By filling out the gaps in those historical events with fictional incidents, such as the Emigre Document and reincarnation ritual, I aimed at providing a realistic basis to the imaginary aspects of the story. Before production, some members of our staff went on a trip to Whales to gather information and capture the genuine atmosphere of the place with our own eyes. We demanded extreme accuracy in providing the background details, and we even used motion capture technology to provide culturally appropriate body language for the characters, techniques advanced enough to compete with the standards of the Hollywood industry at that time. Those challenges, which were provided by the passion motivating that project, were the real essence of Koudelka. Koudelka, "Patience," music sample I remember that I was reading the critical biography of James Cameron, who was making Titanic at that time, on the airplane to England. I was overwhelmed by his tremendous efforts to capture those startling images. At that time, I realized that it is necessary for creative work to have a degree of obsessive passion involved. I hope that some degree of that conviction had a positive result on the end product. --- As soon as it is in the year 1900, the Paris World Expo is to be held as a symbol of the penetration of modern scientific civilization. And that is the stage of the story that I was thinking as a sequel to Kuderuka. In the same way that I went to London and Pembroke to draw Wales, I planned to cover Paris and Belgium. (It seems that the building which was exhibited in the Paris Expo is bought at the request of the King of Belgium at the time and exists in Brussels.) The subway built by connecting the suburbs from the venue and the monster occurring there. Kuderuka who finished the episode of the comic version in the series of Ace Next magazine visits Paris due to circumstances that are not based, and is caught up in the strife of ghosts who nest underground.    (The first line of the Paris Metro opened without ceremony on 19 July 1900,[4] during the World's Fair (Exposition Universelle - that is what is meant by subway) Actually, the sequel to Kudelka is made up to the 4th in my head. Part 1 England, Part 2 France · · ·     If you do, the third part is the United States. The era greatly jumped, in 1973 America was Chicago. The hero is a cultural anthropologist, Kurdelka Roadmel, who teaches at the University of Chicago. Kuderuka's daughter Amelia is a child who gave birth to the United States later, that is, it is a grandchild. With the end of the Vietnam War, the evil spirits brought back by the returning soldiers will solve various murder cases with the help of living Roger yet.     (By the way, Roger comes out wearing a suit) (lol) And the fourth part was Nara in 1984. Kurdelka who visited the origin of a religious scholar of a friend taught at Kansai University is targeted to someone, and it will be fought against the Yin Yang masters and the expression god.     The megalithic tomb of Nara and the townscape of Kyoto will contribute to the atmosphere building.     Unfortunately, for the moment I have no plans to make those sequels, but if it's like a novel, I wonder if I can write it. --- RocketBaby: At what age did you become interested in music? Hiroki Kikuta: When I was ten years old, I met up with the music of Emerson, Lake & Palmer. I had never heard such marvelous music before. It was quite an impact for me. A few months later I heard that Keith Emerson was using a particular instrument called MOOG synthesizer. RB: At what age did you start writing music? HK: When I was twelve years old, the Folk blues movement came over to Japan from America. I studied Acoustic Guitar and started to create an original song immediately. I wanted to be a singer/ songwriter... if I wasn't a terrible singer. Actually, Digital equipment opened up my potential as a music composer. Without a musical sequencer, I can't create any complicated tunes. When I first acquired a YAMAHA SY-77 synthesizer/sequencer, I felt as if I got a ticket to a different world. RB: Why did you start Sacnoth? HK: I had held many original ideas about video games and visual expression for a long time. The most important purpose is to create an entertainment. When I was searching for a way to achieve my dream, I met a dominant business advisor. He introduced me to the chairman of SNK. I told him about many pitfalls that every existing RPG had. I thought those were lacking a comprehensive insight and a integrative interpretation. It is a structural defect of game production. To resolve the problem, it is necessary to get the picture of each element of game creation at the same time. I have an ability to do that. I established a company SACNOTH and took up my position as CEO in order to produce a new horror RPG project, Koudelka. But unfortunately... Though I conceived a grand scheme to realize an innovative game system and visual expression, many old staffs from SQUARE were not able to accept real change without hesitation. I say that the person who will have no change is already dead. After termination of Koudelka project, I retired as CEO of SACNOTH. It was my choice. RB: As a composer how should music effect the game? As a developer how should the music effect the game? HK: A music composer wants to create a good tune with utter simplicity. But if you want to create a good game as a developer, it is not enough. Because good music does not necessarily fit a good game. The most important problem is adjustment of each of the elements. If the visual element exactly synchronizes with the musical element, a dramatic effect will be generated.. And I take it for granted that everybody wants to hear a good melody in the end. RB: What were your influences for Koudelka? HK: In the first instance, I designed all concepts and fundamental settings of the Koudelka's world. I gathered various graphic and text materials in London and Wales. I did character design, map design, event design, scenario writing, direction of computer graphics movie, direction of motion capture... I got involved with all of the integral parts of Koudelka except battle and game system. Especially, I had no influence in battle section. I still have a great regret. I wish I could have designed it. And a quick digression, I consulted many movies and books for Koudelka. A most impressive movie is The Name of the Rose (Jean Jacques Annaud 1986). I also read the original book which was written by Umberto Eco. It is a definitely masterpiece. If you want to know some origins of Koudelka's world, you may read Carnacki the Ghost Finder written by William Hope Hodgson and The Case of Charles Dexter Ward written by Howard Phillips Lovecraft. Many fantasy novels by Lord Dunsany (His his full name and title is Edward John Moreton Drax Plunkett 18th Lord Dunsany) are also important. If you want to know about visual origin of Koudelka, see photographs created by Bob Carlos Clarke and Jan Saudek and Holly Warburton. Those are extremely exciting works. RB: How did you manage to write, direct and compose the music for Koudelka? HK: Writing a scenario. Directing a CG movie. Composing a BGM. Each of those is no more than a single face of game creation. When I imagined the world of Koudelka, I figure graphic elements and story elements and sound elements all at once. Because, those are mingled with each other organically. So I think that It is rather easy to manage multiple affairs. RB: What was the easiest aspect of working on Koudelka? What was the hardest? HK: The easiest aspect is music composing. Because I can create a music by my lonesome. It makes me free and I feel comfort. Hardest aspect is behind-the-scenes maneuvering of power game in company organization. I am so tired to do that. Let's get something straight, I am not a buccaneer but rather a creator. All aspects about creation are really pleasant for me. RB: Why do you make music? Why do you make games? HK: Music composing is a natural behavior for me. Like breathing. I usually conceive a good melody and a harmony without suffering. So I have no reason to make music. I think that it is my vocation. Meanwhile, creating video game is not my vocation. It is my wish. I want to produce high quality entertainment in the future. When I write a story and a plot, I usually suffer by myself. Though it is very hard and thorny, I feel maximum accomplishment. RB: What inspires your melodies? HK: Many great works of famous composers and musicians inspire me. If I must respect only one person or group as a music composer(s), I will take Pink Floyd. RB: What are your hobbies and why? HK: Good question. Riding bicycles is my hobby. I also love my yellow Peugeot MTB made in France. I also have some fun playing with my cat. She is extremely pretty. RB: When did you begin working at Square? HK: I began work at Square in 1991. I was twenty seven years old. In those days, the production studio of Square was placed in Akasaka Tokyo. It was small and homey, different from now. I remember that Nobuo Uematsu and Kenji Ito interviewed me in their office. We talked about progressive rock music and famous guitar player Allan Holdsworth with each other. I created sound effects for Romancing Saga at the start of my career. A few of graphic staff worked with me to design a lot of novelty sounds. We worked hard in night and day. RB: How much freedom did you have making music at Square? HK: In a sense, I had perfect freedom. Because, the planning staff of Square put none of the assignments relevant to the menu of music work and schedule in my hand. Nobody explained to me about game detail which they were producing. I had to think and imagine what kind of music was needed for our game project. Changeover,changeover, and more changeover of specifications. It was difficult to foresee the final image of it. But I did. RB: What is favorite game that you worked on at Square and why? HK: May be Seiken Densetsu 2 (Secret of Mana). I think that it was a pretty good game except for the big BUG. The multi player system was extremely fresh and delightful. In the aspect of music, I was fully challenged in regard to sound expression using 8 voice PCM system of SNES hardware. Please see and hear the opening sequence of Seiken Densetsu 2. It is so simple but so lyrical, isn't it? I am really proud of my visual direction and music composition. RB: Did Nobuo Uematsu influence your work? HK: I think there is no influence from Nobuo Uematsu. I have never taken any lessons about composing game music. The style and the melody of my music are totally conceived by myself. Just the same, every staff composer at Square were free from influence of somebody else. Originality and personality were cheerished in our studio. It was the policy of Nobuo Uematsu. RB: What are the best and worst memories that you have of Square? HK: Hmmm... Best memory... it seems a trip to MANA island of Fiji republic. After a production of the game Secret of Mana, I and my friend decided to visit an island placed in South Pacific Ocean. We played skin diving everyday and watched some corals. Those were extremely beautiful. It looks like a blue heaven. I will never forget the view of the sunset from Mana's beaches. It is one of my treasures. By the way... Worst memory is a dissolution of the game team in which I was supposed to participate. I wanted to propose an innovative game system using music and sound effects. RB: Who is your favorite Square composer and why? HK: I recommend Jin Sakimoto (Hitoshi Sakimoto). His works are extremely dense. RB: One of our favorite soundtracks of yours is Soukaigi. The sound quality and styles are some the best for a game. HK: Soukaigi has many characters of sound. I designed it with different complex styles. House music meets real performance, fusion meets folk choirÖÖ It was an adventure for me. To tell you the truth, the style of music does not a matter. I don't dwell upon it. Though I put a high value on counterpoint it does not bind me. It is only a method. In the case of Soukaigi, I was mainly influenced by East European pops like Varttina. RB: Why did you leave Square? HK: I wanted to direct not only musical expression but also visual expression. And of course, I wanted to write a fine scenario which is different from existing one. I had felt a big complaint against those juvenile works. But unfortunately, I couldn't get a chance to take a part in those kind of production works in Square. I suffered terribly for a long time. After all is said, I left Square and established new company Sacnoth to achieve my idea. RB: Do you perform your music live? HK: If I have a chance to do that, I wish to play my music as a live performance. I didn't make an attempt to do that in Japan yet. Do you want to hear my music in front of your eyes, ya? RB: Who would you like to make music with? HK: Jin (Hitoshi) Sakimoto. Because, I could not collaborate with him on composing game music when we were hired together by Square. I respect him. Except for game music composer, I want to collaborate with Allan Holdsworth, a fusion guitar player. His music is a miracle. RB: How do you think game music compares to other genres of music? HK: I think that is similar to movie soundtracks. It is important to synchronize the music with visual element. It has an expressive purpose. If you want to create a game music, don't forget to construct it as an emotional device. RB: How will the next generation consoles allow you to express yourself as composer and game designer? HK: I feel a strong attraction to X-box and Game Cube. A big visual capability makes me hot. I have many ideas to display fascinating characters using real time computer graphics. They will sing and dance and talk with real emotion. Don't you want to play the Musical RPG on Network? I want to play it. RB: What would your advice be to people who: A. People who want to create game music. HK: Listen to as much music as you can. Don't confine yourself to your room. The genre of music is meaningless. If you want to find your treasure, you must challenge the common practice at any one time. B. People who want to create games. HK: Video games are not art. They are an entertainment. You must amuse your audience first instead of amusing yourself. I am always conscious of the feeling to accommodate someone with a fun service. Can you create a lot of gimmicks for the player? If you work so hard and push yourself enough, the day will come to collaborate in some way with me for sure. Let's think of a next game together. RB: What is in the future for Hiroki Kikuta? HK: I will be involved in some new game projects that are not directed by me. I will be a technical advisor. I will create computer graphics and sounds. But soon, I hope to form my studio and develop my own game project. So now I am looking for new investors around the globe. RocketBaby would like to thank Mr. Kikuta for chatting with us.
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cosmicc-blues · 3 years
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2021/5/1
朝、遠足が楽しみで早起きしてしまう子どもです。窓を開け、玄関にも出てみる。遠足日和! そろそろ半袖でもいいような気がして、何を着ていこうか。ここはひとつ、みんなに奇襲をかけるべく、ガラッとイメージを変えて青い花柄のシャツを着ていくことにする。どうせイメージを変えるならと思い、シャツインしてみると、なかなか面白い感じになったからこれで行くことにする。念のため、お気に入りの青のスカジャンも上から羽織る。家を出て、10歩くらいでスカジャンを脱ぐ。あっついね! お財布がすっからかん、ATMでお金を下す、機械からありがとうございます、どういたしまして。横断歩道の待ちに加わろうとすると、向かい側にNの姿が見えて手を振る、あれ、なんか反応がうすい、どうしたんだろう。信号が青になって横断歩道を渡ると、誰だかわからなくて目を凝らしてましたって。奇襲は成功なのか? 青い靴下がいいね。ついでやってくるのはT、わあッ、夏仕様だって。奇襲は成功ってことでいいのかしら。今日は何のアニマル柄だろうと楽しみにしていたら、今日はアニマル柄ではなくて、でも、恐竜の骨のネックレスを身につけている。いいなぁ。じつは鈴を付けはじめたのは、コジコジのワッペンとか、アニマル柄とか、フクロウのかばんとか、恐竜の骨のネックレスとか、そのひとを象徴するような逸品を誠実に身に付けていることに憧れていたからで、鈴≒お遍路≒仏教≒東南アジア≒夏≒カリーみたいな意味も無理やりなこじつけながら込められている。少し遅れて到着するのは坊主頭の伸び具合が気になるRで、坊主頭はぜんぜん伸びていなくてざんねん。このあいだと同じ着古した浅緑のジャージを着ていて、その質感にじぶんの青のスカジャンと似たような匂いを感じる。死んだおじいちゃんのことを思い出している。おじいちゃんも同じこだわりの逸品を身に付け続けたひとで、おばあちゃんとお母さんの天才的な計らいにより白装束ではなくいつもの格好で棺におさめられ、こだわりの逸品たちといっしょに燃やされていった。あんなに素敵なお葬式ははじめてだった。
産まれたてのカモの赤ちゃんを見に行く。元気いっぱい! 泳ぎが速い! ゴムボールのような弾力! 子どもたちが数をかぞえているのに便乗、ことしは十二羽。一羽だけ生後二日目ながら潜りの練習をしているカンのいい子がいる。おばあさんが電話口でカモの赤ちゃんの産まれたことを誰かに伝えている。見ているときはわりと冷静にだったけれど、いま元気いっぱいの赤ちゃんたちの姿をあらためて思い浮かべてみると涙がとまらない。
このあいだRが行けなかったマンションに。なんかけっこうひとがいて侵入がむずかしそうだから、外階段のこわいほうに上ることにする。Nは下からみんなの姿を見るといって待機。青いウニと緑のウニ。うう、やっぱりこわい、足がすくむ。歩道橋にいる豆粒サイズほどのNが見える。TとRはぜんぜんまったく平気なようで、鍵のかかった柵をよじ登って屋上に行ってしまう。柵すらない30センチあまりの敷居のあるところから真下を覗いていて、楽しげな声がきこえてくる。Nもあがってくる。こんな錆びた外階段に4人もひとが居たんじゃ底が抜けちゃうって思って、錆び鉄のところじゃなくてコンクリートのところに身を寄せる。そしたらナイスショットで遠景を眺める三人の後ろ姿をパシャッ。下には写真を撮っている男のひとと被写体の女のひと。Nから技使いのかよこさんのはなしを聞きながら駅のほうへ。急な縁談のはなしといい、かよこさんのはなしといい、そういうひとを引き寄せているのはNのほうかもしれなくて、きっとNの真心のようなもの(想像では、それは鳥のかたちをしている)が日頃からポロっと表面にこぼれているからなんじゃないかと勝手に想像する。かよこさん、あってみたいなぁ。技、使えるようになりたいなぁ。お目目のとってもきらきらした犬とすれちがう。その瞳に歓喜するTなんだけど、おまいさんのその瞳も相当なものだぞっと思う。全盛期の松坂大輔のように真っ直ぐミットにとどくストレート、いつも三振してばっかりだから、そろそろカキーンッと打ち返してやりたいね。
地下鉄、窓の反射、静かな列車内で思いがけず視線劇のようになる。
薄々気づいていたけれど、どうも先頭を歩かされている。ちゃんとみんなが着いてきているかどうか、後ろに振り返ると三人が鈴の音に導かれるように縦一列に連なって歩いている。それはそれでおもしろいんだけれど、なんかちょっと、ねぇ。
目的の駅が近づいてくるあたりから唾液腺が活発に活動しはじめ、お店のまえで御馴染みのスパイスの薫りを感じたときにはもう滝のようなよだれ具合になっている。角の四人席、右からNとTがよこならび、その向かいにRとじぶんがよこならぶ。当然、投げ込まれるTのストレート、まぁた簡単にストライクをとられると思ったら、ペロッと笑ってくれる、めずらしくボール先行。Rのチャームポイントの耳のはなし、Nちゃんもこの耳がいいんだよって言っていたとか、ふたりがいっしょにいるところ見たいなぁ。あと、Rは耳だけでなく前歯もかなりチャームポイントだと思う! カントリーカリー×4が到着、おばちゃんは相変わらず曲者で、でも、旦那さんをSさんと、名前のさん付けで呼ぶのがかわいい。嗚呼、なんて美味しいんだぁ。プリックナンプラーが口のなかで弾ける、Rのプリックナンプラーを噛んだときのアクションがお手本すぎる。おばちゃん帰りがけに気づいてくれてうれしい。そう、そうなんだよね、元気が出るんだよね!
Hからの連絡はまだなく、オリンピック公園を経由しつつ川に向かうことにする。長閑な住宅街の裏通り、一軒だけ名前のついているアパートがあって親近感がわく。大学に面した通り、花がいっぱい咲いていて天国みたい。白と赤のNのそう言い表すところの踊り子のような花、この花のことはまえから気になっていて、Rが調べてくれた名前は長すぎて思い出せない、でも、この花をみんなで見たことは忘れないないだろうなぁ。オリンピック公園は色濃い緑がどこまでも揺らいでいて、夏の息吹に包まれている! しかも、その緑の膨らみの上から鉄塔が覗いている。この夏の雰囲気をTが手放しに喜んでいる。そういう素直な声を聞けるのって嬉しくて元気がでる。
Hから連絡がきて、来た道を引き返す。Nがカゴ抜けインコを発見、みんな、どこどこって樹の上のほうを見上げる。インコの繁殖力はなかなかのものらしく、いつかスズメとかと同じようにそこら中でインコが見られるようになるのかなって。住宅地の家のドアに映るじぶんたちのでかい影。たけのこ、たけのこの思い出。
地下鉄はトンネルを抜けて。改札前でHの姿を探す。いた! トレンチコートがよくお似合い。挨拶なんかを交わしながら川のほうへ。河原の入口に工事が入っていて、ちょっと雰囲気が変わっている。川の水面がきらきら、列車が橋をガタンゴトンと渡る。河原がこんなに広いとどこに腰を落ち着ければいいのかわからなくて、わからなくなったその場所に相変わらず準備のいいNのビニールシートを広げることになる。そこは花が咲いているからと遠慮するNに、雑草は踏み付けられて丈夫に育つんだよとR、そうか~そうだよね~とN。風が強くて、ビニールシートを広げようとした瞬間にもそのすべてがNの顔面に襲いかかる。わあああっと暴れるN、手伝おうするかに見えたRはよりビニールシートがNの顔面を襲うように手配する。みんなでビニールシートを広げ、それっと荷物を四隅に乗せる。
てんとう虫がくる、飛んでゆく、パカッとロボットみたいに飛ぶんだねってR。夕陽が見たいと言うNに、太陽の沈む方角を確認しながらRが望み薄だねって言う。上裸のおじさん。ボールを咥えた犬。薄々というか明確に気づいていたけれど、風が強すぎて、しかもこの風は驟雨の前兆のような風で、なんか肌寒くなってくる。Rのトートに預けていたシャカジャンをRが気を利かせて出してくれる。でも、まだそこまでではないから、だいじょうぶって半袖シャツの下に折りたたんでいた長袖インナーの腕を出す。そんなつもりではなかったけれど、Tを筆頭に大笑い。じぶんのことながら、それがなんだかじぶんでも可笑しくって、可笑しくって、ボケたつもりはまったくないんだけども、いまのところ生涯で二番目に笑ってもらった思い出になりました。
心配していた雨が降りはじめる。降りはじめにもかかわらず大粒の雨がひゃーひゃー落ちてくる。橋の下に避難しても横なぶりの雨が吹き抜けてまったく雨宿りにならない。いま思えば、みんなでビニールシートの下に隠れて移動したらもっと愉快だったかもしれない。これからどうしようか、ひとの家が大好きなRがすかさずHの家に行こうという。いやあ、うちはうさぎ小屋だからな~、とH。一瞬の間があって、見える、見えるぞ! Hのまわりにたんぽぽの綿毛のようなほわほわの浮かんでいるのが! 狭いことをうさぎ小屋と言うことの可笑しさから、それなら狭くて天井の高いうちは鳥小屋だなぁっと思ってなおのこと愉快になる。はやく引っ越したいとしか思えなかったじぶんの住まいが、この頃だんだんと楽しいところになりつつある。
行く当てもなく、エレベーターで商業ビルの最上階に上ってみたり。お洒落なトイレに入ってみたり。外側に面したガラス張りのエレベーターで下降、みんなでうおおおぉって言いながら、遊園地のアトラクションみたいに楽しい。ほかの商業ビルにも行ってみる。何故かエスカレーターに鎖がかけられいて、Rとそのなかに入ってみる。大きな立派なビルなのに誰もひとがいなくて、何となく廃墟にいるような不気味さがある。そんなことをしているうちにも雨があがり、日差しもでてきて、さっきまで肌寒いくらいだったのにぐんぐん暑くなってくる。適当に歩いていたら川を渡す大きな橋に行き当たったから、これを渡って対岸でさっきの続きを。橋の上はありえないくらい風が強くて、ゴゴゴゴゴーって風の音でおたがいの声も聞こえにくい。油断すると手に抱えたスカジャンが吹き飛ばされそう、カツラだったら確実に吹き飛んでいる。橋を渡ると、越県している。知らないうちに県境を跨いでいたらしい。段差の小さなやさしい階段をくだる。野球場があるからマウンドに立つ、マウンドは気持ちがいいね! 投球の仕草をしたら球みえましたって。
河原の階段に腰を落ち着かせる。階段の裂け目から雑草が伸びていたり、苔が生えていたり、ミズゴケがかわいい。さっきまでいた対岸とはずいぶんと雰囲気がちがって、この寂れた感じがとてもいい。Hの幻聴のはなし。まえに『かおるクロコダイル』について書いた文章はじぶんでもとても気に入っていて、いまでもたまに読み返す。いま思ってみれば、これはあくまでも小説について書いた文章だけれど、どうやらHという個人の人柄に全面的な賛同を示しているような具合でもありそうで、ほとんどラブレターのようなものじゃないかっと、ちょっと照れてしまう。水槽のはなし、お墓から芽が出たら見に行きたいなぁ。誰かがたばこを吸い始めると、急に盛り上がるRとN。とても可笑しい。隣人にパンを分け与える聖職者か、占領下の子どもにチョコレートを分け与えるアメリカ兵のようにHはふたりにたばこを分け与える。
ふらふらと川岸に下りてゆくHのあとを追う。ゴロタ石の川岸に興奮しちゃう、石投げ放題じゃん! 石を投げまくる。Rは石を跳ねさせるのがめっちゃ上手い、5回とか6回も跳ねる。こんどは流れてきたビニール袋を狙って投げる。大きな石を両手の下手投げで川に投げ入れる、ザッブーーン。対岸にはかっこいいダンスミュージックをウーファー付きの大きなスピーカーで流して踊っているひとたち。もらい踊りする。ゴロタ石に向けても石を投げてみる、カッチカチといい音がする。炊飯器のお釜。NがRの帰りの時間を心配している。駅のほうに向かう。公衆トイレに寄る、Rのトートを預かる、用を足して出てきたRはニコニコでありがとうって。髪がなくてできないのが残念なんだけど、髪があったらわしゃわしゃわしゃーって犬を洗うみたいに髪を撫でまわしたい。そういえば、風に吹かれまくったTの髪がライオンみたい。
Rは暗くなったら帰るとNちゃんと約束したらしく、まだ明るいから公園に行くことにする。でかい犬。さすがに先頭を歩くのには飽き飽きで、憤慨してるって言いながら後ろにまわる。Rが最後尾を譲ってくれる。ようやく、みんなのことを後ろから眺められる。後ろを歩くのは気分がいいなぁ! 憤慨って言葉がなんかおもしろくて気に入ってしまって、憤慨、憤慨、憤慨を連呼していたら、申し訳なさそうに苦笑いするNと目が合う。
公園。小さな公園なんだけれど、かつてはきっと鎮守の森だったであろう面影を残している。その象徴のような大樹は太い根っこが地面からモリモリ盛り上がっている。いい樹だなぁっとちょっと泣きそうになる。ブランコ乗る、目一杯。みんな一本の樹に集まっている。揺れがおさまってから、みんなの集まっていた樹のもとに遅れて向かうと、木肌に「殺す」と刻みつけられていて大笑い。まるで幻聴がHの小説のように視覚的現実としてあらわれたようだとワクワクする。Tから毎日ポケモンパンばかり食べているはなしを聞いて、何か作りに行ってあげたほうがいいんじゃないかと心配になる。ブランコにぶら下がって懸垂をしているひとをみて、Tができる? って。まぁ、ちょびっとならできるだろうと思ったら、まさかの一回もできず、ショックすぎる! Rもこの運動に参加、一回、二回、三回とできている、悔しい! 鉄棒があるから逆上がりくらいならできだろうと高を括ってのぞむと、もうほんとうにかなりギリギリで辛うじて坂上がれる。Mちゃんはこれで精一杯と前まわり。ていうか、ほかのひとはまだともかくとして、Tはちょっと違和感ありすぎるからMちゃんでいいですか、いいよね! でも、ちゃんと呼べるかな、ひとの名前をちゃんと呼べない病気のことが脳裏によぎる。公園の電灯がともる。それが橙色の光で、夕陽は見られなかったけども、夕陽みたいでいいなぁと思う。
駅に向かう、あんまり辿り着きたくはない。蔦に覆われたもこもこの何か。ひとりだけ反対方向のRを見送る、エスカレーターから手だけ見える、嗚呼あああぁ。対向車線のホームにのぼる、Rが向こう側にいるかなって探すけどいない。ベンチに座る、ベンチがすべすべでからだが沈む。疲れているし、お腹が減っている。電車がくる。大好きなロードムービーのこととか、子どもの頃の夏の公園を思い出している。旅のさなかで、ひとり、ふたりと仲間が増えていって、終幕とか夕暮れがきて、ひとり、ふたりと仲間たちが散り散りにさよならしてゆくときのことを。ついでHとのさよならのときがくる。同じようなことが何度か繰り返されると、最初の頃の新鮮な感覚が薄れていったり、かえって義務感のような重荷になったりすることがあるけども(それはおたがいに)、Hのそれはあたまで考えるようなそんなややこしいことをスッと越えて、ごく自然に最前線の地点からとっても素直な気持ちの発露としてなされているような感じがする。だけど、それはひとりでは成立しなくて(それはおたがいのことであるから)、じぶんもまたそれを素直に受け止めて心から喜ぶことのできる才能があるってことを見出せたことが何よりも嬉しくて、そのことを先に見出して導いてくれたHにはあたまが上がらんのです。
列車に残されたじぶんたちはまことにほんわかした気持ち。そういえば、夏好きですかって質問にHが「暑いの以外ぜんぶ好き」って答えてたの秀逸っていうか、新しいっていうか、素直だったなぁ。
カッキーンっと打ち返すべく、Mの真っ直ぐな瞳を見つめる。その目のよさに触れると、ええぇ、目つき悪いし、目で笑わないしって。ええぇ! って、こっちも応酬すると、MがNに「こんなふうに笑ってみたらいいの?」ってニコッとする。そのがんばった健気な表情、かわいすぎて気絶するかと思いました。
お腹ペコペコ、夕飯を食べていくことに。まさかのうちでってことに。え! でも、こういう機会がないと部屋は荒れ放題だし、片付いていると気持ちがいいし、おかげでさいきんは日々の生活にちょっと丁寧で神聖な感じがある。駅に着くと、なんと、なんと、ざざぶりの大雨。Nの小さな折り畳み傘に三人中腰でおさまってワーーーーッて泥棒のように小走り。なんで中腰なのかはわからないけど、なぜか中腰なんだよね。絵本の『すてきな三にんぐみ』のことと、ルビッチの『ニノチカ』に出てくるすっとこどっこい三人組のことを思い出しながら。雨は降っているにかぎるね!
秘密基地みたいって言ってもらえて感無量、ほんとうに秘密基地を作りたくて、秘密基地みたいにしたいと思って作った部屋だから。ロフト上り下り、ガンバ一話だけ観る、泣きそうになっちゃう。
雨やんでる。カモの赤ちゃんの寝姿を見て、ふたりを駅までお見送り。このあいだNが見ていたふたり同時に時が止まったように灰色だった表情のはなし、そのとき、その瞬間、Mの目が嘘かほんとうかわからないけれど、くしゃっと、さっきのように笑っている。
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monqu1y · 3 years
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部下を管理する七つの技術   情報源 ( じょうほうげん ) の 複数化 ( ふくすうか ) と 符節照合 ( ふせつしょうごう ) で家来の 言行不一致 ( げんこうふいっち ) を見ぬいたり、 意外 ( いがい ) なテストで本心を確認したりして、 騙 ( だま ) されないように注意し、 信賞必罰 ( しんしょうひつばつ ) で家来たちをコントロールする方法
⦅洞察六兆[韓非]から続く⦆
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 「術」は、[法]の運用のしかた。王様が胸の中に仕舞い込んで臣下をコントロールするもの。  王様は、無数の部下、巨大な組織を制する権力者だが、生まれついての超能力者ではない。ひとりの人間が絶対的な権力者となるには、法(機構)の確率と運営のための術(徹底した人事管理)が必要なのだ。 〖王様が使うべき七つの[術]〗 01_臣下の行動と言葉を検証して、言行の不一致がないかを判断する  [法・術]に 長 ( た ) けた王様は、証拠のないことは取り上げず、普段食べない食事は口にしない。遠くのことはよく聴き、近くのことはよく見て、家来がどこにいようと、その落ち度は見落とさない。家来たちの言葉の食い違いを調べて、彼らの派閥をさぐり出す。さまざまな角度から家来の申告を成果とつき合わせて、食い違いを許さない。最初の言葉と後の成果を一致させる。法を基準として、言行を数多く見くらべて、家来を統率する。まぐれ当たりの成果には賞を与えず、職分を外れた行為は許さない。処刑すべき者は必ず処刑し、罪ある者は赦さない。  相手がどんな悪者でも私欲をとげさせない決意を 揺 ( ゆ ) らがせてはならない。   衛 ( えい ) の 嗣 ( し ) 公は、家来の一人を旅人にしたてて、関所を通過させた。  関所の役人は、彼をきびしく調べたが、金をやるとすぐ見逃してくれた。  その後、嗣公はその関所を通るとき、くだんの役人にこう言った。  「これこれのとき、お前の関所を旅人が通り、お前は金をもらって見逃してやったろう」。  役人は嗣公が何もかも見通していると思い、ふるえあがった。 02_罪には必ず罰を与えて、威厳を示す  何か事件が起こったとき、それによって利益を得る者があるならば、きっと、その者が仕掛けた。損害を受ける者があるならば、その人間と利害反する者が怪しいと見なければならない。  したがって、[法・術]に 長 ( た ) けた王様は、国が損害をこうむる事件が起こったら、それによって利益を得る者を調べる。家来が損害をこうむる事件が起こったら、その家来と利害の反する者をさがす。   晋 ( しん ) の 文 ( ぶん ) 公のときだった。  料理番が焼肉を文公にさし出した。  その肉に髪の毛が一筋ついていたので、文公は料理番を呼んで追及した。  「お前はこの髪の毛でわしがむせるのを望んだのか。でなければ、なぜ髪の毛をつけたのか」。  料理番は何度も地面に額をこすりつけてあやまった。  「わたしは死に価する罪三つを犯しました。包丁は砥石でよく砥いでありますので、名剣 干将 ( かんしょう ) のようによく切れます。肉はよく切れたのに、髪の毛が切れていません。これが第一の罪です。串に肉をさしたとき、髪の毛が見えませんでした。これが第二の罪です。炉の炭を真っ赤にして 炙 ( あぶ ) ったので肉は焼けたのに、髪の毛が焼けませんでした。これが第三の罪です。もしや、わたしを憎む者が、お側にいるのではないでしょうか」。  「なるほど、わかった」。  文公が側に仕える者たちを呼び出して取り調べると、はたして真犯人が見つかったので、それを処刑した。 03_功績を挙げた臣下には、然るべき 褒美 ( ほうび ) を与える  名御者の 王良 ( おうりょう ) が馬を愛するのは、走るから。  越王 勾践 ( こうせん ) が人を愛するのは、戦うから。  医者が患者の傷を吸い血を口に含むのは、金が儲かるから。  車職人が金持ちの増加を望むのは、車が売れるから。  棺桶職人が人の死を願うのは、人が死ねば棺桶が売れるから。   呉起 ( ごき ) が 魏 ( ぎ ) の将軍となって 中山 ( ちゅうざん ) (国名)を攻めたとき、できものをつくった兵士がいた。  呉起は自ら 跪 ( ひざまず ) いて、その兵士の 膿 ( うみ ) を吸った。  それを聞くと兵士の母は泣きだした。  「将軍が子供に親切にしてくださったのに、どうして泣くのですか」。  と尋ねた者に、母はこう答えた。  「呉起さまはあの子の父親のときにも、膿を吸ってくれた。父親は、その恩に死で報いた。あの子もきっと死ぬでしょう。それでわたしは泣くのです」。 04_情報は自分の目と耳で確認し、臣下の伝聞に頼らない〔符節を合わせる〕 《参伍の道》  三人を一単位としてそれぞれの意見を聴取し、五人を一組として過失に対し連帯責��を取らせる方法。王様が臣下の意見を聞き行動を見るのは、馴れ合っている者を罰し、しっかりした見解を持っている者を賞するため。邪な者や罪を犯している者を知っていながら告発しない者も、馴れ合っているとみなして罰する。  三人を単位として一つのことを相談させたときに意見が割れないのは、馴れ合っている証拠。  五人を一組として連帯責任性にすれば、一人が罪を犯した場合、他の四人は怒って必ずこれを責めるはず。四人全員が責めないようなら、他にも罪を犯した者が居るということ。  相談が始まってすぐに意見が割れれば、各人の能力の違いが分かる。ほんの過失程度の罪でも怒るようなら、他に悪事を犯している者はいない。 《四つの評価基準》  [地の利][天の時][物事の道理][人情]の四つの評価基準で各意見の符節を合わせれば、是非善悪を判別できる。  そもそも王様は、臣下の注視するところであるから、ふだんの態度を変え、親近の者を疎遠にしたり、疎遠の者を親近にするなど恩沢を改めてみても忠誠の度合いが分かる。  注意すれば臣下の持ち物、行動など、目にみえるものからも、推察しにくい点(かくれた悪事など)を見ることができる。  馴れ馴れしくなりあれこれ他人の仕事まで手を出しがちな近習たちには、謹んで本務を遂行するようにさせる。  遠くに使いするものとの関連のあるものを特に用がないのに再三呼び出して使者に何となく恐怖の念を持たせ、出先での悪事を 牽制 ( けんせい ) する。  臣下の過去を調べ上げて、その前歴を知り尽くす。  臣下を近習の地位につけて心の内側を知り、地方官などに任命してその外に対する態度を知る。  全てを承知しながら、とぼけて尋ねてみると隠れた面が分かる   謀 ( はかりごと ) を以って人を送り込み、相手の悪事や秘密を握って 侮 ( あなど ) りを退ける。  何か疑いがあるときは、使者に誉めるところをけなし、けなすところを誉めるなど、反対のことを言わせて、疑問を確かめる。  事が起こった場合、背後にあって利益を得た者を探し出して調査すると隠れた悪事が出てくることがある。   諌 ( いさ ) め 糺 ( ただ ) す官を設けて、独断権を持っている役人の専横を取り締まる。  忠誠とは言えない人間を登用して、 周 ( まわ ) りの 邪 ( よこしま ) な動きを観察する。  法が公平無私なものである 旨 ( むね ) 事細 ( ことこま ) かに説明して、仕事を 怠 ( おこたり ) りがちな者やでしゃばりがちな者を指導し、ときにはへりくだったり迎合したりして、正直か、おべっか使いか、人間を見極める。  小耳にしたことやちょっとした噂話を利用して、それとなく探りを入れると思いがけないことが分かる。  偽の情報を流して臣下を対立させれば、馴れ合いになっている仲間を解散させることができる。  ある事に精通することによって、臣下を恐れ入らせる。  極秘事項がもれそうな場合は、わざと別のことをもらして相手のねらいをそらす。  欲望、私怨、出世、保身などのために他人を陥れるような複雑で紛らわしい問題が起こったときは、同じようなでき事を参考にして詳しく調べ、罪を告白したらその理由を明らかにし、罪を確認した上で処罰する。  時々隠密の使者を派遣して地方を巡視させ、民がまじめに働いているかどうか調べる。働いていないようなら(仲間を使って横着を決め込んでいるのであるから)、だんだん制度を改革していって、横着の元(仲間)をばらばらにする。  下部から上部へと徐々に管理体制を整えていけば、宰相は高官を取り締まり、高官は部下を取り締まり、将校は兵士を取り締まる。使節はその福祉を取り締まり、県令は配下を取り締まり、近習は左右の者を取り締まり、そして皇后は侍従の女官を取り締まるようになる。  話が間違って広がったり、大事がもれるようでは[法・術]による統治は難しい。   叔孫 ( しゅくそん ) は 魯 ( ろ ) の宰相で、実権を握り国政を思うがままに動かしていた。  その叔孫の 寵愛 ( ちょうあい ) を受けていたのが 豎牛 ( じゅぎゅう ) であり、彼も叔孫の名を使ってやりたい放題にふるまっていた。  叔孫には 壬 ( じん ) という子供がいた。  豎牛はその壬を 妬 ( ねた ) んで殺してしまおうと考えた。  そこで策をめぐらせ、あるとき、壬を連れて魯王の御殿へ遊びに行った。  そのとき、魯王は壬に 玉環 ( ぎょくかん ) を与えた。  壬はそれをうやうやしく受け取り、すぐに身につけようとせず、豎牛を通じて叔孫の許しを求めた。  ところが豎牛はその依頼を伝えもせずに、「わたしがこのことをお願いしたところ、つけてよろしいとのことです」。  と言って、壬をだた。  壬が玉環を身につけるのを見ると、豎牛は叔孫のところへ行って、こう切り出した。  「そろそろ壬さまを殿様にお目見えにお連れしてはいかがです」。  「子供だからな。まだ早すぎるだろう」。  「いえ、壬さまはもう何回かお目見えになっています。  この前も殿様から玉環を賜り、さっそく身につけていらっしゃいます」。  叔孫は壬を呼び出した。  見れば、はたして玉環を身につけているではないか。  叔孫は怒って壬を殺した。  壬には 丙 ( へい ) という兄がいた。  豎牛はその丙も妬んで、殺してしまいたいと思った。  折よく、叔孫が、丙に 鐘 ( しょう ) (楽器)をつくってやった。  鐘はできたが丙はすぐに打ち鳴らすことをつつしみ、豎牛を通じて叔孫の許しを求めた。  ところが豎牛は壬のときと同じように丙をだた。  「わたしがお願いしたところ、よろしいとのことです」。  丙は鐘を打ち鳴らした。  それを聞いた叔孫は怒った。  「わたしの許しも得ずに勝手に鐘を打ったな」。  そして丙を国外に追放した。丙は 斉 ( せい ) の国へ逃れた。  それから一年ほどたって、豎牛は丙のために叔孫にわびを入れた。  そこで叔孫は豎牛に、丙を呼び戻すように伝えた。  ところが、豎牛はそれを伝えもせずに、叔孫にこう報告した。  「お呼びしたのですが、丙さまはまだご立腹なさっているようで、帰ってこようとはなさいません」。  叔孫はかんかんに怒って、人を使って丙を殺してしまった。  こうして二人の子供が死んだのち、叔孫は病気になった。  すると豎牛は、自分だけで看病し、「叔孫さまは、人の声を聞きたくないとのことだ」と称して、誰も病室に入れなかった。  そして、叔孫に食べ物を与えず、とうとう餓死させてしまった。  こうして叔孫も死ぬと、豎牛は葬式もせずに、倉から重宝をありったけ盗み出すや、斉に逃滅してしまった。  信用する者の言葉を鵜呑みにしていて、親子もろとも殺される結果になったが、それというのも、家来の言葉を事実と照合することをしなかったからだ。   龐恭 ( ほうきょう ) は 魏 ( ぎ ) の太子に従って、 趙 ( ちょう ) の都の 邯鄲 ( かんたん ) に 人質としてやられることになった。  出発するとき、彼は魏王にこういう質問をした。  「もしも、誰かが『街に虎が出た』と言ったら、お信じになるか」。  「信じないな」。  「では、二人が『街に虎が出た』と言ったら、どうでしょう」。  「いや、信じない」。  それでは、三人が『街に虎が出た』と言ったら、どうなさいます」。  「そうなると、信じるだろうな」。  「街に虎が出ないことはわかりきったことです。それなのに、三人が同じことを言ったらお信じになる。邯鄲ははるかに遠い外国です。それだけ邯鄲のことはわかりにくいのです。その邯鄲に行く私のことを、留守中とやかく言う連中は、三人どころではありません。どうか、このことをお忘れになりませぬように」。  しかし、龐恭が邯鄲から帰国したとき、大勢の言うことを信じこんだ王様に、彼は二度とお目見えを許されなかった。   斉 ( せい ) の 宣 ( せん ) 王は 竽 ( う ) (笛の一種)を吹かせるときは、必ず三百人に合奏させた。  あるとき、 南郭 ( なんかく ) (地名または姓)の 処士 ( しょし ) (学問を修めたが、現在任官していない士のこと。処は家(民間)に 処 ( お ) るの意)が、宣王のために竽を吹きたいと言ってきた。  宣王は喜んで禄を与えた。この例にならった処士は数百人に達した。  やがて宣王が死に、 湣 ( びん ) 王が即位した。  湣王は独奏曲を聴くのが好きだった。  独奏すれば下手なのがばれるため、それらの処士はみな逃げ出してしまった。   宋 ( そう ) (殷(=商)の滅滅後、その 祭祀 ( さいし ) を継がせるためにつくられた国)の宰相は、 少庶子 ( しょうしょし ) (官名)に市場の見回りをさせ、彼が帰ってくると、尋ねた。  「市場で何を見つけた」。  「いいえ、何も」。  「しかし、何かは見つけたろう」。  「そういえば市場の南門の外側は牛車がいっぱいになっていて、やっと通れるくらいでした」。  「よし、わしがお前にきいたことは誰にも言ってはいかんぞ」。  宰相はさっそく市場の役人を呼び出して叱りつけた。  「市場の門の外側は、牛糞でいっぱいではないか」。  役人はいつの間に、宰相がこんなことまで知っているのに驚いてしまい、以後は職務を怠らくなった。   斉 ( せい ) の 桓 ( かん ) 公が 孤竹 ( こちく ) を攻めたとき、 管仲 ( かんちゅう ) と 隰朋 ( しゅうほう ) が従軍した。  出発が春、帰りは冬になったため、景色がまったく変わってしまい、道が分からなくなった。  このとき、管仲が言った。  「ひとつ老馬に知恵を借りましょう」。  老馬の 鞍 ( くら ) をはずして先にやり、その後について行ったところ、道を見つけることができた。  山岳地帯で水がなくなったことがあった。  このとき、 隰朋 ( しゅうほう ) が言った。  「蟻塚の下に水があります。蟻は冬は山の南側に、夏は山の北側に巣をつくります。高さが3糎の蟻塚なら2㍍下に、水があります」。  蟻塚を掘ったところ、果たして水を得ることができた。   宋 ( そう ) の国のある金持ちの家で、ある日、雨のため土塀がくずれた。  子供が「このままにしておくと、泥棒が入るよ」と言い、隣家の主人も同じことを言った。  その夜泥棒が入って大金を盗まれた金持ちは、息子の 聡明 ( そうめい ) さに感心する一方、隣家の主人を疑った。 05_不可解な命令をあえて出し臣下を動揺させて試す   楚 ( そ ) の 荘王 《 しょうおう 》 は即位して三年のあいだ、命令を出さず、昼も夜も楽しみにふけり、「諫める者は死罪とする」と国中にふれを出した。   伍挙 ( ごきょ ) が諫めるために参内した。荘王は左に鄭の姫を抱き、右に越の女を抱いて、鐘と太鼓に囲まれて座っていた。  伍挙が言った、「謎かけをいたしましょう。丘の上に一羽の鳥がおります。三年の間飛びもしなければ鳴きもしません。何の鳥でございましょうか」  王が答えた、「三年も飛ばないのだ。飛べば天まで届こう。三年も鳴かぬのだ、鳴けば人々を驚かそう。伍挙よ、下がれ、わしにはわかっておる」と。  それから数ヶ月、王の 放埒 ( ほうらつ ) はますますひどくなった。そこで大夫の 蘇従 ( そしょう ) が諫めに参内した。  王が言った、「そちは命令を聞かなかったのか」  「この身が殺されることで、王様にお分かりいただければ、本望でございます」  王は放埒をやめると、政務を取り始めた。  三年間観察し続けた結果に基づいて、数百人を誅殺し、数百人を昇進させた。伍挙と蘇従に国政を任せ、楚の人々は大いに喜んだ。 06_知らないふりして質問し相手の知識や考えを観察する   韓 ( かん ) の 昭侯 ( しょうこう ) は 爪 ( つめ ) を切り、その一つを手の中に隠しておいて、「爪が一つなくなった。早く探せ」。と、そばの役人たちをせきたてた。  すると、ひとりが自分の爪を切って、「見つかりた」と、差し出した。  昭侯は、こうして役人の中からウソつきを見つけた。   子之 ( しし ) は 燕 ( えん ) の宰相であった。  あるとき、家の中に 坐 ( すわ ) ったまま、まわりの者たちをたぶらかしてこう訊いた。  「いま門から外に走っていったのは、白馬ではなかったか」。  「見えませんでした」。  と、みな答えたが、一人だけ、走って追いかけた。  帰ってくると、「白馬でした」と、報告した。  子之は、こうして役人の中から不誠実な者を見つけ出した。 07_思っているのと逆のことを言って相手の反応を見る  昔、 鄭 ( てい ) の 武 ( ぶ ) 公が 胡 ( こ ) を征伐しようとしたときの。  武公はまず自分の娘を胡の王に嫁入りさせ、機嫌をとっておいて、家来に尋ねた。  「これから、どこか国を攻めようと思うが、どの国がいいだろう?」   大夫 ( たいふ ) の 関其思 ( かんきし ) が答えた。  「胡を攻めるのがよろしいかと存じます」。  武公は怒り、「胡は親類の国ではないか、それを攻めろとは何事だ」と言い、関其思を死刑にした。  それを伝え聞いた胡の王が安心して鄭への備えを解いたので、鄭は胡を攻め取ることができた。 ⦅余談[韓非]に続く⦆
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groyanderson · 4 years
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ひとみに映る影シーズン2 第三話「招霊上等仏恥義理」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! ���は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
☆キャラソン企画第三弾 加賀繍へし子「我等、五寸釘愚連隊」はこちら!☆
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 その夜、私は激しい雷雨の音で目が覚めた。雷が鳴る度に地面が微かに振動し、天井から垂れ下がる人天蓋も揺れているようだ。ベッドから起き上がり、着崩れた僧衣を軽く直して様子を見に行く。重たくなった引き戸をこじ開けると、水没した橋のようになった露台から雨水が雪崩込んできた。目の前に見える安達太良山は山頂付近が重い雲で覆われ、普段露台で寛いでいると挨拶をしてくれるトンビやカラスも、当然今日は飛んでいない。妙だ。石筵観音寺(いしむしろかんのんじ)で、天気がこんな風に荒れるのは初めてだ。私は美しい木彫りの観世音菩薩像の御前で印相を組み、真言を唱える。 「オム・マニ・パドメ・フム……オム・マニ・パドメ・フム……」  すると仏像に蛍火のような淡い光が灯り、既に御仏になられた私の恩師、ここ石筵観音寺の和尚様が金剛観世音菩薩として顕現された。 『外で何が起きているのですか』  声ではない波動で、和尚様の言葉を感じる。私は雨が降りしきる露台の方を向き答えた。 「まだわかりません。ですが昨日、散減という怪物と遭遇しました」 『チルベリ』  それはこういう怪物でしたか? と聞かんばかりに、和尚様の手から霞のようなエネルギーが立ち上り散減の姿を象った。飛行機の機内では気がつかなかったけど、散減は毛虫状の体の両端に顔がついていて、どちらも頭になっているようだ。右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している。和尚様はそれをグシャッと握り潰した。彼の御顔は穏やかな観世音菩薩から、憤怒相をたたえる馬頭観音に変わっていた。 『行くのです、一美。偽りの金剛を斬るのです』
དང་པོ་
 午前〇時半、ホテル千里アイランドリゾート宴会場。川の字に並べられた中央の布団で、私は目を覚ました。どうやら観音寺の夢を見ていたようだ。外は夢と同じ雷雨。とても嫌な予感がする。様子を見に行きたい。けど、佳奈さんの枕元からスマホの光が漏れている……まだ起きているみたいだ。さてどうしたものか、と考えていると、私の背中側に誰かがコロンと寝転んだ。 <こんばんは! お邪魔していい?>  私の影にテレパシーが伝わってくる。万狸ちゃんだ。 <一美ちゃん、ムニャムニャ寝言言ってたけど大丈夫?> <うん、ありがとう万狸ちゃん。……お願いがあるのだけど>  私は夢や嫌な予感の事を万狸ちゃんに伝えた。そして、私の代わりに少し外を見てきてほしいと。 <散減……一美ちゃんは、お昼の怪物の事知ってるの?> <ほんの少しだけね。昔戦った悪霊の仲間なんだって> <じゃあ、一美ちゃんがパトロールに行った方がいいかな。私がこの体回しておくから、行ってきていいよ!> <頼んじゃっていいの? じゃあ、十分ぐらいお願いしようかな> <オーケー。あ、ちょっと待ってて>  万狸ちゃんは襖をすり抜け、男性側の寝室に入っていった。『体を回す』。つまり霊能者が幽体離脱をする時に心臓や呼吸が止まらないよう、誰か他の霊に体を預けておくことを意味する専門用語だ。普通は親戚とか、余程信頼できる霊にしか頼まないものだけど、彼女はプロ霊能者である後女津斉一さんの娘だ。安心して体を預けられる。  程なくして万狸ちゃんは、斉三さんを連れて戻ってきた。護衛につけてくれるそうだ。私は万狸ちゃんに肉体を預けた後、肉体から念力で影だけを集め、幽体離脱した霊魂に纏う。こうする事によって、影法師使いは影と念力でできた体を持つ強力な霊体になれる。世間では未確認生物シャドーパーソンとも呼ばれる、まさに『影法師』という形態だ。準備ができた私と斉三さんは、ホテルの中庭方面へ見回りに向かった。 「こんな時間にお付き合いさせてしまってすみません」 「構いませんよ。むしろこの島では、一人で出歩かれる方が困る」 「……あの、万狸ちゃんから伺ったんですが、あなたは……斉一さんの、ドッペルゲンガーだとか」  歩いていた斉三さんがピタリと立ち止まる。 「……十年以上前の話です。台風による津波から避難するため、斉一は身重の妻を乗せて運転していた。すると山が崩れ、彼らは土砂で生き埋めになりました」 「土砂災害……!」 「三人は救出されましたが、斉一が次に目覚めた時、妻は酸欠の後遺症で植物状態に。子供も流れていました。それを聞いた斉一の精神は三つに分裂して、そのうち一つが僕……」  斉三さんはゆっくりと振り向きながら、狸から人間の姿に変身した。 「事故当時のまま、時が止まってしまった側面です」  それは十数歳ほど若い頃の斉一さんだった。右半身が血と細かいガラス片でキラキラと輝いていて、右腕は折れているのか肘から下がだらりと垂れている。嫌でも凄惨な事故現場を想起してしまう、痛ましい説得力のある姿だ。 「すいません、そんな過去とは知らずに……」 「お気になさらないで下さい。今の僕達には、万狸がいますから」  後女津万狸ちゃん。流産してしまった水子の魂が妖怪になったのか。十数年前に赤ちゃんだった彼女は今、中学生ぐらいだ。恐らくは、生きている子供と何ら変わらない愛情を注ぎ込まれて育っているんだろう……。何があっても、この島で彼らの縁は守らなければならない。そう思った丁度その時だった。 「きゃああっ!」  ホテル棟とやや離れた中庭奥、業者用駐車場方面から悲鳴が上がった。私達は一瞬顔を見合わせ、声の方向に駆け寄る。斉三さんは小さな化け狸姿に戻ってコンクリート壁をすり抜け、私は壁沿いに灯る照明の光をつたって影体を這わせた。
གཉིས་པ་
 駐車場にいたのは加賀繍さんを取り巻いていたおばさま軍団だ。よく見ると中央のおばさまがナイフを掲げている! 「不思議よねぇ……。今日までずっと一緒に活動してきたのに、なーんかストンと醒めちゃったわ。加賀繍へし子なんかペテン師よ、ペテン師……イヒヒ……」 「な……何を言ってるの!? こんな夜中に急に呼びつけて……ともかくそのナイフを下ろして!」  別のおばさまがナイフを持ったおばさまを宥めている。ナイフのおばさまは口角から茶色い液体を垂れ流し、目も焦点が定まっていない。それを見た瞬間、私の中で二つの手がかりが繋がった。 『右の顔はまるでミルクを飲む赤ちゃんのように口をすぼめて和尚様の霞を吸い、左の顔はまだらに濁った茶色い液体をゲロゲロと吐き出している』 『母乳を奪えば子は親の因果を失い、他人の母乳を飲ませれば、子とその相手は縁で結ばれる』 「そうか、あの液体が縁の母乳なんだ!」 「縁の母乳?」 「はい。どういう仕組みかはわからないですけど、散減は人の縁をミルクみたいな液体にするんです。あの人のは茶色く濁ってるから、散減に縁を奪われて、代わりに悪縁を植え付けられたんだと思います」 「母乳か……エーテル法具と呼ばれる物の類だろう。それじゃあ、散減は何処に……?」  斉三さんが周囲を見渡す。確かに大雨で視界が悪いせいでか、散減本体が見当たらない。おばさまはナイフを舌なめずりし始めた。 「一体どれだけの人間が、あの強欲バブアァァーに毟り取られたのかしら。成敗しなきゃ……共犯者の私達が責任取らなきゃでしょぉ? 暗殺ゥ、あなた達も協力しなさいよォォ……!」  フシャアァァァ! おばさまの口から穢れた母乳が霧状に吹き出す。霧は雨風に飛ばされる事なく、他のおばさま方の方に流れ……すかさず斉三さんが飛び出した! 「そうか、気枯地(けがれち)だ! まずい!」 「気枯地?」 「説明は後!」  斉三さんの尻尾が回転しだす。たちまちそれは極彩色に輝く糸車になった! そこから数本の糸が放たれ、伸長しながらおばさま方を繭状に包み込む。すると繭に触れた穢れ母乳霧は空気清浄機を介したように消滅! 「ふぅ……。気枯地、パワースポットの逆、厄や災いを招く地。木々は曲がりくねって伸び、水が歪んで流れ、磁場も気圧も狂っている。この島に来た時からずっと嫌な感じがしていた。地相学的に言えば、この島全体が大きな悪霊なんです」  斉三さんは極彩色の尻尾を引っ込めた。 「それじゃあ、あの人は……千里が島そのものに取り憑かれているんですか!?」  言われてみると、確かに私も島に来てから体に不快感を覚えていた。しかも今、母乳霧は雨を貫通して漂った。これは明らかに異常だ! 「どうして? どうして仲間になってくれないの! 断ち切ってやる……お前達のその縁、断ち切ってやるゥーーーッ!!」  ナイフのおばさまがおばさま方に襲いかかる! 「きゃあああ!!」 「危ない!」  私は咄嗟に飛び出し、ナイフのおばさまの影を踏みつけた。するとおばさまはスカートの裾を踏まれたようにその場から進めなくなり、べしゃりと転倒した。 「ギャッ!」  影法師の『影踏み』という技術。でも夜は暗く、しかも大雨で影が朧になっているから力が出せない。私にとって最悪のコンディションだ。 「ヒヒヒィーッ……悪霊だあぁぁ! 悪霊が私を押さえつけていて動けない! 誰かあぁーーーっ助けてぇーーー!!!」  おばさまが大声で喚き散らしながら暴れる。私も彼女に必死にしがみつくけど、長くは押さえつけていられない。 「斉三さん!」  叫ぶより前に、斉三さんはおばさまからナイフを奪い取ってくれていた。アンダースローでナイフが投げられたと同時に、私の念力も限界を迎えて影体がおばさまから弾け飛んでしまった。一瞬気が遠くなるような浮遊感を覚えた後、魂が雨に流されないよう何とか街灯の光で影体を繕う。 「今よ、エイッ!」   ナイフがなくなった隙におばさま軍団が暴れるおばさまを取り押さえた。これでひとまず一安心か…… 「……! みんなその人から離れろ!!」  突然斉三さんが叫んだ。しかしカラキシであろうおばさま方には聞こえていない。すると先程まで暴れていたおばさまがビクンと大きく痙攣し、ボキボキ脱臼音を立てて仰け反っていく! 「ゴッ……ゴボッ……ホバアアァァーーーーッ!!!!」  バキミチッ、パァン!! おばさまの体が背中側に折りたたまれ、さながら昔の二つ折り携帯電話を無理やり逆向きに閉じた時のように背骨が砕ける音がした。皮膚伸縮の限界を迎えた胸は裂け、彼岸花状に開いた肋骨が剥き出しになる! そこから天高く鮮血を吹き上げながら、次第に右第二肋骨が膨張しだし……いや、おばさまの魂や血、生命力を吸収しだし、グロテスクな芋虫状の怪物に姿を変えていく! 「きゃああーーーっ!」「誰か、誰かあぁーーーっ!」  おばさま方は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。雨で足元が覚束ず、何人かは転倒する。 「ボココッ……ポコッ……ンマアアアァァーッビャアアァーーー!!!」  おぞましい咆哮! 細長い芋虫状の体にまばらに毛が生えだした怪物……散減は、逃げ遅れたおばさまの一人に狙いをつけた。 「いぎゃあああ! 何かがいる、何かが私に触ってるのぉーーっ!」  散減は飛行機内で見た物と比べれば遥かに小さい。ただ、それでも全長一メートル程はある。片方の口に二つ折りおばさまを咥えているからリーチは短いけど、足がもつれたおばさまに組み付こうとビタビタ暴れ回っている。 「やめろ!」  斉三さんは咄嗟に二つ折りのおばさまに憑依した。苦痛に歪んだ表情のまま散減を掴むと、力任せに放り投げる! 「ン厶ァッ!」  地面に叩きつけられた散減は陸に打ち上げられた鯉のようにのたうち回る。斉三さんは血反吐を吐きながら脱臼した肉体の姿勢を整え、尻尾の糸で傷口を塞いでいった。 「大丈夫ですか!?」 「はあ、はあ、言ったろ……僕は、止まっている側面……死にかけた人間を未練がましく延命させるのが得意なんだ……妻の、時……」  掠れた最後の一言は雨音にかき消されて、『妻の時』とだけ聞き取れた。しかしそれを考察する間もなく、身軽になった散減が猛烈な勢いで逃げ遅れのおばさまに迫っていた! 「オゲエェェ、ヴォエエエェェェ!」 「ぎゃああああ! くっさあああぁああ!?」  散減が口から大量の穢れ母乳を吐瀉! おばさまを悪縁汚染させようと試みる。 「させるか!」  私はまだ復旧が不完全な影体を振り絞って、おばさまの周囲の影を編みドーム状バリアを張る。行き場を失った光線がメロン格子状に輝き、念力と光エネルギーで多少は霊体からの攻撃を防げるんだ。でも相手が怪物では、数秒しか持たない! 「ンマウウゥゥゥ!」 「う、くぅ……!」  散減がバリアに体を何度も叩きつける! 想像の何十倍もの衝撃に、まるで息が出来なくなるような鈍い激痛が私を襲った。ジリ貧だ。せめて明るい昼間だったら。せめて雨が止んでさえいれば。せめて自分の本体とプルパさえ近くにあれば力を出せるのに! もう、ダメなのか……? 魂の消滅をも覚悟した、その時だった。
གསུམ་པ་
 ブアァァン、ギャギャギャギャギャ!! 張り詰めた状況を突然切り裂くエンジン音。昨日昼に見たイケメンライダーズのバイクが、中庭にドリフトしながら現れた! 爆音に驚いた散減は攻撃を止める。停車したバイクから降りたライダーは、ダマスク柄のフルフェイスヘルメットを脱ぎながら念仏を唱え始めた。 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」  それはお経にしては余りにも禍々しく、殺意に満ちた響きだ。ヘルメットの下からライダーの素顔が見えかけた瞬間、ビシャァァーン! バイクの背後に雷が落ち、そのライダーを……特攻服に身を包んだ占い師、加賀繍へし子のシルエットを強烈な後光が照らした! 「加賀繍さん!?」  加賀繍さんは昼間と同じぬか床の壺を地面に置いて開く。そして猛禽のような目つきで散減(がいると思しきアサッテの方向)を睨みつけると、 「救急車を呼びに行け」 「はい!」  逃げ遅れのおばさまを逃がした。そして散減(が実際はいない方向)を睨みつけ、壺からヌラリと光る金属製の何かを取り出す。あれは、五寸釘……? ぬか漬けの色を良くするために入れていたんだろうか。 「よくも私の可愛い仲間を乗っ取ってくれたね……ご先祖様の怒りを知れ!」  更に加賀繍さんはぬか床からナスビやキュウリ等を取り出すと、そこに五寸釘をプスプスと刺していく。まさか、あの形は…… 「精霊牛と精霊馬!?」  そうだ。あれはどう見ても、お盆にご先祖様を送迎するのに使う野菜の牛馬だ! けど脚を丑の刻参りじみた五寸釘で作る事で、何やらとんでもなく罰当たりで禍々しい物体になっている! 「鬼冥武魎呪女霊……亡武噴火死戯荒……」  殺意に満ちた念仏に連動して、ナスビとキュウリはフルフルと震えだす……ブォン……ブォン……バッバッバッバッバッ! するうちまるでエンジン音のような唸り声を上げ、眩いエクトプラズム光を発した! 次の瞬間そこにいたのは……精霊牛馬ならぬ、精霊大型改造バイクに跨る二人のレディース怨霊暴走族だ。 「五寸釘愚連隊(ごすんくぎぐれんたい)総長、悪死蟇魔耶(おじま まや)! 夜露死苦(ヨロシク)!」 「五寸釘愚連隊総長妹、悪死蟇禍耶(おじま かや)! 喧嘩上等!」  レディース二人は目に殺気をたたえ、燃え盛る二本の蝋燭を『五寸釘愚連隊』と極太毛筆フォントで書かれたハチマキで額に巻いている。更にスレッジハンマーを背負い、胸からは藁人形を彷彿とさせる巨大な釘の頭が飛び出している。総長魔耶さんは牡丹が刺繍された特攻服を纏い、針山のようなマスクをつけた薄幸そうな女性だ。一方妹の禍耶さんは薔薇が刺繍された特攻服を纏い、『ナメるな危険』と書かれたスプレー缶を���に携えた高飛車そうな女性だ。 「ああ、嫌な夜だわ。とっても嫌な夜。それで、今日は誰を祟り殺せばいいのかしら?」  物騒な事を言いながら、バイク上で禍耶さんが色っぽく脚を組んで私を睨む。 「ち、ち、違います! 敵はあっち!」  殺されては困るから、私は慌てて散減を指さした。 「ヤダ、何あの毛虫!? 気持ち悪~い。あっち殺そっと!」  助かった! しかしなんて横暴な即断だろう。そうと決まれば禍耶さんはブォンブォンとエンジンを吹かせ、加賀繍さんが作る他の精霊漬物からどんどん凶悪そうなレディース暴走族を顕現していく。呆気に取られていると、魔耶さんが申し訳なさそうに耳打ちしてきた。 「ごめんね、ごめんなさいね。最近へしちゃんが呼んでくれないから、今日の禍耶は不機嫌なの。手出ししなければ殺さないから安心して」  へしちゃん……って、やっぱり加賀繍さんの事だろうか。手出ししたら殺されるんだから何一つ安心できないけど、いずれにせよ満身創痍な私はただウンウンと頷くだけしか出来なかった。気がつくとぬか漬け野菜は全て立派なレディース暴走族になっている。しかしそこに散減が破竹の勢いで突撃! 「ンマアアァァァ!」 「あらいけない。ちょっと待っててね」  魔耶さんが精霊牛バイクを急発進、散減の横腹に闘牛めいて突撃した! 「ムバァッ!」  バコォン! 散減は五メートル先の自販機まで吹き飛び、機体を大きくへこませた。ガコンガコン、ピヨヨヨヨヨ!! 故障した自販機から缶ジュースが飛び出し、けたたましく非常警報音が鳴る! 「ああ、惨たらしい。私ったらなんて惨い事をするのかしら……」  魔耶さんが恍惚とした表情で呟いた。そこに先程顕現した愚連隊員も寄って集って散減を罵倒し始める。 「ダセェ音出してんじゃねーぞクソ虫が!」「五寸釘愚連隊なめんな夜露死苦!」  ブォン、ブォン! 五寸釘愚連隊はエンジン威嚇音をたてながら散減の周囲を旋回する。一方散減は間抜けにも、頭にりんごジュース缶を乗せたままヒクヒクと痙攣している。 「そうだわ。みんなでジャンプして、あの缶だけを轢けるか勝負しましょ。ねえしましょうよ!」 「「「押忍!」」」  禍耶さんの鶴の一声で五寸釘愚連隊は総員散減目掛けてジャンプ! 集団ウィリアム・テル・チャレンジだ! 「ゴッ……コハッ! ンママ……マバーーッ!」  全員失敗! 缶ジュースもろとも連続轢殺! 「トドメよ、お姐さん!」 「ええ、見せてやりましょ禍耶。目にもの見せてやる!」  魔耶さんと禍耶さんは互いのバイクを横付けして、エンジンを空吹かしながらスレッジハンマーを振り回し始めた。鬼冥武魎呪女霊、亡武噴火死戯荒……ブォン、ブォン、ブゥン……鳳憎墓殺陰意地、罪攻死罪汚物消……ブァブァブァブァ、パラリラパラリラ……殺気に満ちたツッパリ念仏が、空吹かしのエンジン音が、隊員達の掲げる五寸釘愚連隊チーム旗が、総長姉妹を禍々しく高めていく! 「「怒悪羅阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿(ドォラアアアアアアアアアアア)!!!!」」  ブァオォォン! 精霊牛馬発進! 勢いをつけた総長姉妹がフルスイングでスレッジハンマーを振るい、散減を吹き飛す! 「マバアァアーーーッ!!」   更に愚連隊総員が一斉に猪突猛進! 散減に追突! 衝突!! 激突ゥゥ!!! 「「「翔進激憑張怨覇霊怒(ショウシンゲツッパリオンパレード)ォォォ!!!」」」  ドガアァァアン……! くぐもった爆発音と共に散減は分解霧散し、あっけなく灰燼と化した。あるいはそれは遠くで鳴った雷の音だったんだろうか。ともかく安心した私は影体を闇に還して幽体離脱した。散減を生み出したおばさまは斉三さんの糸で護られたまま、到着した救急車に搬送される。ふと加賀繍さんを見ると、彼女はまだ念仏を唱えていた。 「いっけなぁい。終わったわよ、へしちゃん。終わったわよーーっ!」  ブォンブォン! パラリラパラリラ!! 魔耶さんが五寸釘愚連隊を率いて、加賀繍さんを取り囲み今日一番の爆音を鳴らした。 「ン……」  そこで初めて霊の存在に気付いた加賀繍さんは、先程作った精霊達から釘を回収し壺に収めた。残った漬物は手近な生垣の土に埋め、悪鬼除滅水をばら撒く。私はそれがお清めの水だったのだと今更理解した。
བཞི་པ་
 それから数時間後、私は宴会場の布団の上で目が覚めた。傍らには万狸ちゃんが寝ていて、玲蘭ちゃんと佳奈さんも布団の中。外はうっすらと明るくなっている。洗面所に向かうと、途中ロビーのテーブルで誰かが話していた。近づくと、魔耶さんと禍耶さん、それに斉一さんだった。 「おはようございます、紅さん。ご無事でなによりです」 「おはようございます。あの、皆さん、昨夜は本当にありがとうございました」 「『皆さん』? あなた見えてるの?」  禍耶さんと目が合った。 「あ、私が昨夜の影法師です」 「あら、あの命知らず! よくもまあ、あんな夜に影の体で出歩こうと思ったわね」 「そんな言い方無いじゃない、禍耶。この人達がいなきゃ、へしちゃんのお弟子さん今頃は死んでたんだから」  今頃は? という事は…… 「魔耶さん、あのおばさま助かったんですか?」 「ええ、そうよ! そうなの。おかげさまで一命は取り留めたわ。あなたと、この狸ちゃんのお陰でね」  魔耶さんの視線を追うと、斉一さんの膝の上で斉三さんが横たわっていた。尻尾は竹串みたいに細くなって、モフモフだった毛並みも養鶏場の鶏みたいに所々禿げてしまっている。 「だ、大丈夫ですか!?」 「……峠は越えました。依然重体だが命に別状はない」 「いやお前の事心配して下さってるんだよ」  斉一さんが白いパワーストーンの指圧棒で斉三さんをマッサージしながらツッコむ。禍耶さんも乗じて斉三さんのお腹をムニムニつまみ始めた。 「あなた達ってとんだお人好しね。そんなボロボロになるまで、敵の私達を助けるなんて。理解できない。全然理解できないわぁ」 「あはは、私達コンペには興味ないので。そう言う禍耶さんと魔耶さんはその、加賀繍さんのご先祖様……なんですか?」 「やだぁ、違うわ! 違うわよ。私達がそんなに大昔の人間に見えるってーの?」 「いえいえそんな! でも加賀繍さんが」 「あの子は一人だけ助かっちゃったのよ」 「え?」  魔耶さんが意味深な事を言う。 「天険断崖(てんけんだんがい)でチキンレースしてね……いえ、あれはもう殆ど集団自決だったわ……きっかけは何だったかしら。確か皆で同じ男を奪い合って、殺し合って……ああ懐かしい、懐かしいなぁ……」 「わわ、わかりました! もういいですありがとうございます!!」  これ以上聞いていると、魔耶さんの醸し出す殺気で斉三さんがもっと禿げそうだ。 「ま、いくらへしちゃんでも守護霊が私達だって事ぐらい気付いてるわよ。さすがに昔の族仲間だって言うのは世間体が悪すぎるから、ご先祖様って言ってるだけでさ」 「そうなんですねぇ……」  禍耶さんがついに加賀繍さんを『元レディース』だと明言した。なんだか今後加賀繍さんを見る目が変わってしまいそうだ。 「では、私達はこれで」  斉一さんが席を立つ。壁時計によると、朝食の時間まであと三十分ぐらいか。私も五寸釘の総長姉妹に一旦の別れを告げ、洗面所へ。途中でふと外を見ると、水たまりの上でザトウムシが一匹死んでいた。
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skf14 · 4 years
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09110115-1
街の外れ、小さな白い家。扉に掛かった「close」の字が時折「open」に変わる。その時にだけ訪れることができる不思議なお店。噂がまことしやかに囁かれ始めてから暫く経った頃、私はその家の前に立った。
何度目だろう。この白い扉を見たのは。そして、毎度目に映るのは、白地の板に黒いゴシック体で彫られた「close」の文字。はあ。ため息が溢れて、思わずその無機質なプレートを手でなぞった。今日も、ダメだった。これが裏返しになってたら、良かったのに。私の未来はこの店の中にあるのに。どうして。
なんだかもう力が抜けてしまって、私は玄関の前に膝をついて座り込んだ。膝に、砂が刺さって少し痛い。着ている白のワンピースは少し汚れている。洗わなきゃ。でも、何もかもが億劫。私がそうして裾の黒いシミを見ていたら、不意にガチャリ、扉が開かれて、扉がおでこにぶつかった。
「いてっ」
「......えっ?」
中から驚いた表情で顔を覗かせた、薄い水色をした男の人。まさか扉が開くとは思ってなかった私と、人がいると思ってなかったであろう彼。私を心配そうに見下ろして、そして、彼は「close」のプレートに伸ばしていた手を引っ込め、「中へどうぞ。」と、扉を開いた。
おでこを押さえながら踏み入れた念願のそのお店。二つの扉をくぐった先には、こじんまりした部屋。物はあまりなく、ロッキングチェアが1脚とテーブルが一つ、小さな椅子が二つ。シンプルだ。小さな椅子に促されるまま座って、壁に立てかけてあるレコードやドライフラワーを眺めた。素敵。上手く言い表せないけど、暖色に囲まれていて、素敵。
「これで冷やして。」
「ありがとう、ございます。」
手渡されたひんやりと冷たい濡れタオル。おでこに当てると心地いい。ほう、と一息吐いて、彼を改めてじっくり見た。ここに人間が住んでいることは知っていたけど、見たことはなかった。いつも閉じられた扉と物音一つしない家しかなかったから。彼は色素の薄そうな目と髪の色をしていて、柔らかい、消えてなくなりそうな青空の色。年は、幾つぐらいなんだろう、よく分からない。けど、多分成人はしてるはず。私よりは年上かな。
「何してたの?」
「えっと、その、このお店に用事があって、でも、閉まっていたので...すみません、閉店してるのに、中に入れてもらって。」
「僕の不注意で痛い思いさせちゃったから、気にしないで。それに、丁度、開けようかと思ってたんだ。」
「じゃあ、もしかして...」
「うん。貴女の願いを叶えられると思うよ。」
じわ、じわり、目が熱くなって、私はまだ何もしてないのに、込み上げてくる涙に勝てなかった。ぽろぽろ頬を滑っていく涙を必死に拭っていたら、彼に、ハンカチを渡された。
「どうぞ。」
「あっ、ありがとう、ございます、すみません。」
「いいえ。僕、簡単に説明だけさせてもらうから、落ち着いたら、話を聞かせてくれる?」
「わかりました。」
そして彼は落ち着く声色で、ゆっくり、店の説明を始めた。なんてことはない。ここは、ただの香水屋だ。彼はいわゆる調香師で、お客さんの求める香りを作り出してくれる。
ただ、この店は、香りと共に、忘れていた記憶が戻ることがある。というのが、密かに噂されていた理由だった。香った時、その場面で何か、大切なことが起こっていたとしたら。それを思い出すことが出来る。過去に囚われる人々がこの家を訪れる理由がよく分かる。
「それで、貴女は...『ガチャガチャ!ガチャ!』
説明を一通り終えた彼が私に質問した瞬間、玄関の扉が乱暴に揺らされる音がして、びくりと身体を震わせてしまった。closeの札は掛かってたはずなのに、ドアの向こうの誰かはガチャガチャと扉を揺らし、そして、鍵を開け物音を立てながら店へと入ってきた。
「篠宮ぁ。邪魔すんでぇ。」
現れたのは、タバコのような白い棒を咥えて、この暑い中黒いスーツを着崩して着てる、青黒い男の人。なんだか粗雑で、ヤクザみたいな人。私は慌てて振り返り、驚いて固まる彼にこっそり声を掛けた。
「け、警察、呼びますか、」
「いや、それは...」
「けーさつぅ?ナハハ、自分おもろいこと言うやん。」
男が胸元をごそごそと探り、手帳を取り出した。開かれた面に光る桜の代紋、そしてきっちり制服を着て写真に映る男。まごうことなき警察手帳だ。状況が飲み込めない。
「どーも、お呼びですか。」
「...脅かすのやめてくださいよ、鴻神さん。」
「ど、どういうことですか...?」
「近く寄ったから来てん。君、ダレ?」
「僕のお客さん。」
「あー、客。そんならお前、鍵閉めたらあかんやん。監禁罪成立すんねんで。」
「ご、ごめん、お客さん���久しぶりだから忘れてた、」
「はー、あっつい。なあ、冷コー。」
「はいはい、待ってて。」
「警察、本物...?」
男のレイコーという呪文を聞いた彼は立ち上がり、部屋の奥へと消えていった。得体の知れない男と二人、部屋に放置されてしまった私は、ぽつり、思わず心の声を呟いた。その言葉は運悪く目の前の男に届いていたらしい。私と彼が話していた机に行儀悪く腰掛け、また、ナハハ、と気の抜けるような笑い声を立ててから、咥えていた棒、飴を口から取り出してガリ、と噛んだ。私は男に対しての警戒を解かない。
「証明したいとこやけど、今は手ぶらでなぁ。チャカもワッパも持ってないねん。」
「???」
「えーと、あぁ、あったあった。ほい。」
男はポケットをガサゴソ漁り、少しくちゃっとなった小さな紙を取り出し机に投げた。この男の名刺らしい。ガリガリ、男の歯は飴をとうに失い、何もついてない紙の棒を手持ち無沙汰に噛んでいる。
「警視庁、刑事部捜査二課、特別捜査第二係巡査部長、鴻神、......」
「ルイ、や。鴻神誄。」
「...本当?刑事さんなの?」
「せやで。ま、自分が想像してんのは捜一の方やろうけどな。」
「そーいち?」
「そ。殺人事件の捜査をするかっちょいー刑事は皆捜査一課やねん。」
「鴻神さんはカッコいいよ。はい。」
グラスに満たされた黒い液体と氷。ああ、レイコーは冷たいコーヒーのことか、と納得する。何かと思った。彼が退いた後の椅子に座った男は放った名刺と棒をぐしゃりとまとめて握りゴミ箱へ放り投げて、私の正面に座って機嫌が良さそうに刺さった黄色のストローへ口を付けた。こちらに向いた細い糸目はどこを見ているのか、開いているのかすらよく分からない。
「この人は、鴻神さん。僕がお世話になってる人で、こう見えてちゃんとした警察官。」
「ナハハ、どー見えてんねん。」
「...捜査二課っていうのは、知能犯を専門にしてるの。詐欺とか、贈賄とか。」
「へぇ...すごい。賢いのね。」
「そうそうそう見た目と違って、ってなんでやねん。誰が見た目アホや。」
「ははは、元気だなぁ。」
私は、胸に留めた言葉を吐き出さず、そのまま飲み込んだ。夏にそぐわない不健康そうな白肌の男は、男とは対照的に汗をかいたアイスコーヒーを飲み干し、氷をかき混ぜながらずるずると残りを啜っている。何かを噛むのは癖なんだろうか、プラスチックのストローが波打ってへにょへにょになっている。男はちらりと腕時計を見て、「ごっそーさん。」と呟き立ち上がった。誘われるように向かった先はロッキングチェア。
「篠宮、俺また戻らなあかんから、30分後起こしてくれ。」
「分かった。」
「公務をサボるのね、悪いお巡りさん。」
「君はオカンか?束の間の休みくらい大目に見てえな、かわいこちゃん。」
「今日はどれにする?」
「いつものがええ。ほな、おやすみ。」
汚れた小さなぬいぐるみとくたくたのブランケットを巣のように整えた男はこちらに背を向け、器用にチェアーの上で縮こまり丸まった。昔、誰かが飼ってたハムスターみたい。
彼がカウンターの下から小瓶を取り出して、男の眠る椅子の上から降り注ぐように、シュッ、シュッ、香水を撒いた。少し間を置いて私のところまでふわり、香ってきたのは、ごく普通の、でもどこか懐かしいような、夏の石鹸の匂いだった。薄緑になった男は何も言わず、ただ微かに肩を上下させている。もう眠ってしまったのだろうか。
かたり、音がしてハッと我に帰ると、私の前に薄黄色の炭酸が置かれた。
「レモンスカッシュ。嫌いじゃなければどうぞ。」
「ありがとう。」
「彼の事は気にしないで。もうぐっすり眠ってるはず。で、貴女は、何を探しに来たの?」
「私は、あの日、母に言われた言葉を、探しにきました。」
あの日、私が学校の行事に参加なんてしていなければ良かったんだ。そう思い続けることで、贖罪している気分になっていた。甘い、甘すぎる。過去に戻れるなら今が無くなっても、あの日に帰って私は家族と共に死ぬだろう。
簡単だ。高校の修学旅行から帰ったら家が燃えていた。それだけだ。私に残ったものは、父母、そして7歳だった妹の僅かな生命保険と、家族だったモノの消し炭だけ。原因は放火だった。犯人は捕まったけど、否認を続けていて、発言が支離滅裂だから、刑法39条が適用される可能性があるらしい。私は犯人に関わるのを辞めた。罪の意識?そんなものはなから無いから人の家に火をつけられるんだ。贖罪?反省?するなら最初からしない。何もかもが虚無だった。ただ前にある道を、止まっては死ぬと歩き続けていた。
私には、昔から人の周りにさまざまな色が見えていた。色は変幻自在で、動き回り私を楽しませた。色は意味を持ち、時に人の幸せを、人の秘密を、そして人の不幸を、曖昧なニュアンスで私に伝えてきた。
あの日、確かに家族の周りに、紫の雲が見えていた。色は言葉を話してくれるわけじゃない、ただその不穏な影に、私は目を伏せて、鏡を避けて、逃げた。どうにもならない、どうにもできないことは分かっていた。私には、見ることしか出来ない。未来を変える力はない。
あれは、まだ私が3歳の頃、目の前で真っ赤な色を纏っていた子猫が、止めるのも間に合わず道路に飛び出してトラックに轢かれた時のことだった。泣きじゃくった私は家に帰って母にすがりつき、ずっと隠していた私の秘密を話した。頭がどうかしてると思われるかも知れない、嘘だと笑われるかも知れない。それでも良かった。母は、優しい笑顔で微笑んで、そして、私に言った。何かを、確かに言った。頭の中の母は何度思い出しても口をパカパカとくるみ割り人形のように動かすばかりで、音が耳に届かない。お母さん、何、聞こえないよ、教えて。抱き締められた背中は暖かく、母のエプロンからは使っていた柔軟剤の香りがする。いい匂い、落ち着く。私はここにずっといたかった。
「思い出せないんです。」
「そっか。分かった。この中から、似てるなって思う香りを選んでくれる?幾つでも構わないよ。」
彼は部屋の中を歩いて思案しながら、持ってきた親指ほどの小瓶を机の上にいくつか並べた。中には1センチくらい液体が溜まっていて、どれも淡い色をしていた。蓋を開け、似ている、お母さんみたい、と思う匂いを、示していく。どれも似ているようでどれも違う。柔軟剤の香りじゃダメなんだ。あの、お母さんの香りは、どこに。
「ありがとう。」
私が選び出した瓶を持って、彼は隣の部屋へと消えていった。私は一人、眠る男の微かにすら聞こえない寝息に耳をそば立てながら、過去の記憶に想いを馳せていた。男へ目線を向けることはなかった。男の周りには、黒いシャボン玉が無数に浮いている。
シュッ。彼が香水を撒いた瞬間、私の意識はふわりと空高く浮かんで、そしてブラックアウトした。
ここは、記憶の中だろうか。私は小さな手で母のエプロンにしがみついて、エプロンからは今日の晩ご飯のチキン南蛮の酸っぱい香りと、私の大好きな柔軟剤と、お母さんの化粧品の匂いがした。お母さん、お母さん。大好き。私のこと、捨てないで。
「...素敵なギフトを貰ったのね。」
「ぎふと?」
「神様はね、皆が生まれる時、一つプレゼントを持たせてくれるの。困った時、誰かを助けられるように。」
「だれかを...」
「そう。もしかしたら、助けられないかもしれない。プレゼントの重さに、疲れてしまうかもしれない。それでもいつか、貴女が貴女として生まれて、良かったって、貴女として生きていこう、って思える日が来るの。」
「わたしとして、いきていく?」
「そう。だから、たいせつにたいせつに、離さないようにね。」
母は私の小さな手と母の少しカサついた手を重ね合わせて、きゅっ、と握ってくれた。手首には、私が幼稚園で編んだミサンガが巻かれていた。お母さん、私、私として生まれて、良かったのかな。まだ分からないけど、お母さんの子供で、良かった。
「......落ち着いたかな。」
「っ...はい、ありがとう、ございます、記憶、思い出しました、母の言葉も、全て、」
「良かった。もし辛ければ、ここに置いて帰っても構わないよ。」
「...持ち帰ります。私が、私であるために。」
涙を拭いて、彼から薄い紅色の香水瓶を受け取る。ひんやり、冷たいそれに頬を押し付けて、そして、もう一度、その香水を手首へと振りかけた。少しだけ、ほんの少しだけ、顔を上げて進める気がした。
「あ、いけない、もう30分経ってる。」
時計を見て慌てた彼は男に駆け寄り、肩を揺さぶった。シャボン玉は彼をするりと避け、触れたものはぱしゃりと割れ、床に黒く染み込み消えていった。
「あー...よう寝たわ。」
「ほら起きて、しゃんとして。今日も遅くなるの?」
「せやなぁ、てっぺん超えるから気にせんで。明日、忘れたらあかんで。」
「病院でしょ、分かってる。ありがと。」
「おー、ええのん貰ったやん。かわいこちゃん。」
猫のように伸びた男が私に近寄り、香水を見て機嫌がよさそうにニコニコと笑う。そして、ポケットからお札を取り出し、「これでええか。」と彼に握らせた。
「私、ちゃんとお金持ってます。」
「これはサボタージュの口止め料や。所謂賄賂やな。」
「......お兄さん、体調悪いの?」
「いや、定期検診だよ。」
「ほんなら、俺行くわ。」
「この子、家まで送ってあげて。」
「はいよー。今日はこれくらいにしといたるわ、言うて。ナハハ。」
流されるまま、香水をタダで貰ってしまった。彼は優しい笑みを浮かべて、私達が角を曲がってしまうまでずっと、扉の前で見送りをしてくれた。
横を歩く男の周りには、相変わらずふよふよとシャボン玉が飛んでいる。私は、知っていた。黒いシャボン玉は、嘘ばかり吐いている人の呼吸の色。
「刑事さんは、詐欺事件を追いかけてるのね。」
「せやで。」
「だから、嘘ばかりついてるの?」
「せやなあ。」
「お兄さん、どうして関西弁なの?」
「高校まで向こうおったから。」
「篠宮さんとは、一緒に住んでるの?」
「入り浸ってんねん。アイツ世話焼きやから。」
「お兄さん、幾つなの。」
「30。」
「なんで警察官になったの。」
「そら公務員やからなぁ、安定や。」
「警察官が、アクセサリー付けてていいの。」
「ん?あぁ、このネックレスはなぁ、自分がくたばって肉片になっても判別出来るように、イニシャル付けとんねん。」
「......どうして、今は嘘付かないの?」
男の口から吐き出されるシャボン玉は全て、無色透明。不可解な様子に、気味が悪くなる。男はまた一つ新しい飴を取り出し、私にも一つ差し出してくる。恐る恐る受け取って、葡萄味のそれは食べずにポケットへ仕舞った。男は包装を剥いたイチゴミルク味を咥え、カツカツと歯を当てながら舐めている。
「よかったなぁ、君。記憶戻って。」
「ええ。篠宮さんは、凄い人だわ。...何をするつもりか、知らないけど、彼を傷つけるようなこと、しないでね。」
「はっ、えらいご執心やな。過去なんてなあ、何の意味もないねん。」
「...そんなことないわ。どんな過去も、私を作る要素よ。」
「強いなぁ、君は。ええやん、大事にしぃや、ソレ。」
暫く歩いて、ふと私の住むアパートの前で立ち止まった男が、「ほなな。」と手を上げ、ふらりふらりと大通りの方へ消えていった。
「嘘ばっかり。」
吐き捨てるように言った言葉は、男には届いたのだろうか。私は一度も、家の場所を聞かれていない。
「おおきになぁ、篠宮。」
『僕はただ、彼女の手伝いをしただけだよ。』
「こんな早くお前のとこ行くと思わんかったわ、いやー、焦った。機転聞かせてくれて助かったわ。」
『あんな丁寧に説明しなくても、ソーイチもソーニも若い子には分かりませんって。』
「相棒とか見とるかもしれへんやん。」
『...気丈に振る舞ってましたね。』
「んや、あれはホンマに元気が出たんやろ。帰り道も、篠宮さん篠宮さん言うて尻尾振ってたわ。」
『...ふふ、そうですか、それは良かった。』
「なんや、嬉しそうやな。」
『面白い子だな、って思っただけです。』
「...あっ、すまん、呼ばれたわ、また連絡する。」
『はぁい。頑張って。』
通話終了、の文字を暫く眺め、怒鳴るように俺を呼ぶ上司の元へと歩みを進めた。内容は大体分かっている。どうせ、捕まえたなら最後まで責任を取ってキッチリ放火犯を吐かせろ、だ。出来ることならやってる、と心の中のゴミ箱に吐き捨てて、怒り散らかすハゲ頭を眺めながら、楽しそうに会話する二人をぼんやり思い返していた。
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