Tumgik
#錠ケース不具合
acelockservice · 4 months
Text
GOAL GD 錠ケースの交換作業
カギが回らなくて扉が開かないと言うお問い合わせがありお伺いしてみると錠ケースに不具合がありました。 先ず扉を開けないと錠ケースの交換も出来ないので頑張って開けてきました。事務所に在庫していましたので一度戻り交換してきました。 GOAL GD の錠ケースもごくたまあに不具合を起こします。いきなり不具合と言う訳でなく必ず前兆がありますのでその時は御相談下さい。扉が開いていない場合は開錠代プラス交換作業代となります。扉が開いている場合は交換作業代となります。 八王子市・日野市・多摩市での鍵トラブルは出張鍵屋のエースロックにお任せ下さい。 緊急お問合せ先 0120-149-769
Tumblr media
View On WordPress
0 notes
kennak · 9 months
Quote
鍵に刻印された「鍵番号」から不正に合鍵を作り、不法侵入する――。こうした手口の事件を防ごうと、京都府警下鴨署が鍵番号を他人から見られないようにする「セキュリティシール」を作成した。今後、防犯の啓発活動で配る予定で、同署は「鍵番号は個人情報と同じくらい大切にしてほしい」と注意喚起している。(相間美菜子) 「下着撮影したくて入った」  同署は昨年9月、滋賀県草津市の女性(21)宅に侵入したとして、大学生の男(21)を住居侵入容疑で逮捕した。  男は女性と同じ飲食店でアルバイトしており、女性の家の鍵を盗み見て、その番号とメーカーを基に注文サイトから合鍵を発注。2022年6月と7月に合鍵を使って女性宅に侵入したとされる。同署は昨年12月13日、合鍵を不正入手するためにサイトで正規の注文を装ったなどとして、私電磁的記録不正作出・同供用容疑でも男を書類送検した。  女性は被害に気付いておらず、男は調べに対し、「仲間から合鍵を作るサイトを教えてもらった。女性の下着を撮影したくて入った」と供述したという。 全国で相次ぐ  鍵番号は、オリジナルの「純正キー」にアルファベットや数字を組み合わせて書かれている。鍵メーカーは番号ごとに鍵の設計図を管理しており、合鍵はこの情報を基に作られる。  鍵番号から不正に合鍵を作る事件は全国的にも相次いでおり、北海道釧路町で昨年5月、小学校教諭の女性が刺殺された事件では、元交際相手の男が女性宅に合鍵を使って侵入していたとされる。これとは別に、マンションの集合ポストの隙間をのぞき、置いてある鍵から合鍵が作られたケースもある。  京都府内で昨年11月末までに発生した「空き巣」123件のうち、合鍵を使った事案は16件と全体の約13%。10年前から8ポイント増えた。 1500枚を大学生らに配布へ  下鴨署は情勢を踏まえ、下鴨防犯協会と協力し、鍵番号を隠す「セキュリティシール」を作成した。銀色で、長さ2・3センチ、幅1・6センチ。一度はがすと「済」という文字が浮かび上がるため、他人がシールを剥がして盗み見た場合に気づける工夫も施した。  シールは1500枚作り、今月12日から大学生らに配布する予定という。同署の水嶋奈美・生活安全課長は「合鍵を作る犯行の手口が横行しつつあり、自衛策を心がけてほしい」と呼びかけている。 ◇  「日本ロックセキュリティ協同組合」(東京都)によると、2000年以前は比較的安価なギザギザの鍵が主流で、合鍵を作る際は注文者が直接業者に持ち込み、機械で削ってその場で手渡されることが多かった。  その後、特殊な工具を使って解錠する「ピッキング」による侵入盗の被害が多発したことから、防犯性の高い「ディンプルキー」が多く出回るようになった。だが、鍵の表面に凹凸が刻まれているため、業者がその場で機械で作るのが困難になった。  同組合の担当者は「以前は、業者が注文者の顔を見てやりとりすることが多く、合鍵を使った犯罪の抑止につながっていた側面がある」と指摘。「鍵を他人に見せたり貸したりすると、人知れず合鍵を作られる恐れがあるので、鍵は大切に保管してほしい」と話す。
盗み見た「鍵番号」で合鍵作成、男を住居侵入容疑で逮捕…警察は「シール」作成 : 読売新聞
2 notes · View notes
tokoyonomori · 5 months
Text
BoB(BugOutBag=非常持出袋)の制作
今年は正月から大地震が頻発し国際情勢も非常にまずい方向に突き進んでいるようなので、3日間(72h)生存するためのBoBを作ることにした。 ★続編(バッグの交換)はこちら★
Tumblr media
完成後の外見。重量は実に16.4kgもあるが、これでも最低限の装備。水を4Lも携行すると20kgになるので、できるだけ浄水剤や浄水器を活用したい。
■参考文献
Creek Stewart著『Build the Perfect Bug Out Bag: Your 72-Hour Disaster Survival Kit』
■IFAK(個人用医療キット)
これは既に車載しているものの亜種で、調達の都合上少し中身に相違がある。マルチビタミンサプリは栄養の偏りによる体調不良を予防するために必須である。
Tumblr media
<内容物> [道具] ・ピンセット ・毛抜き・爪切り・鼻毛ハサミなどのセット ・包帯鋏 ・ポイズンリムーバー ・ペンライト ・ペン鋏 ・Bic J25 氷点下対応ライター(-11℃可のイソブタン仕様) ・耳栓 [外用資材] ・大判ガーゼ ・非防水ワンタッチパッド ・防水ワンタッチパッド ・ハイドロコロイド絆創膏シート ・絆創膏 ・綿棒 ・添木ロール ・ゴムチューブ1m ・伸縮包帯 ・サージカルテープ ・紙石鹸 ・ハイドロコロイド絆創膏(後日追加) ・透明フィルム絆創膏(後日追加) ・ヘモスタパッド(止血パッド・後日追加) [外用薬] ・消毒剤(マキロン/アルコールジェル/イソジン) ・リバガーゼ(殺菌剤含浸ガーゼ) ・アルコール綿 ・ステロイド軟膏(ベトネベートN) ・抗生物質軟膏(ドルマイシン) ・傷薬(パイロール) ・アレルギー用目薬 ・リップスティック ・虫刺され薬 [内用薬] ・消火器疾患剤(正露丸) ・抗ヒスタミン剤(レスタミン) ・即効性下痢止め ・解熱鎮痛剤(バファリン) ・マルチビタミンサプリ(後日追加)
■シュラフ
本州と異なり北海道では冬季の凍死対策が非常に重要になるので、重たいが-15度対応のものを調達した。
Tumblr media
数万円出せばもっと小さいものが手に入るのかもしれないが、非常用にそこまでコストをかけられないので4桁円のものを選択。BoBの容量の大半をこいつが占めている… 5/10追記: シュラフ購入時についていた写真の袋を締めすぎてバックルが砕けたので、別用途のために買ってた30L容量のコンプレッションバッグに移し替え、さらに円周方向のベルトも追加してギッチギチに締め上げたらもうちょっと小さくなった。
■衣類パック(オールシーズン用)
冬季の防寒服や夏季の半袖衣類・蚊取り線香などは別のシーズンパックにするものとして、BoBにはどの季節でも使うものを入れておく。
Tumblr media
<圧縮袋A> ・下着上下一式(速乾性で拓也さんめいたメッシュのもの) ・野外用靴下一式 <圧縮袋B> ・速乾性長袖シャツ ・速乾性長ズボン(リップストップ生地のもの) ・中量フリースのアッパー(後日追加) <追加ポーチ> ・ブーニーハット ・シュマグ(アフガンストール) ・タオル ・皮手袋
■サニタリーパック
トイレ・洗面などのいわゆる衛生用品を入れる。
Tumblr media
<内容物> ・トイレットペーパー1巻 ・緊急簡易トイレ2つ ・シャンプーシート ・歯磨きセット ・タオル錠3つ ・小型石鹸(未撮影、ホテルにある15gぐらいのもの)
■ツールキット
できるだけ防水缶に入れるが、濡れてもよいものやすぐ取り出すものは外ポーチに入れる。防水缶はプラスチック製ケースよりアルミ製弁当箱の方が軽くてコンパクトで安価なのでおすすめ。 最後に念には念を入れて防水缶の蓋と本体の継ぎ目を自己融着テープで巻いて封印しよう。(防水とホールドアップ対策)
Tumblr media Tumblr media
<缶の内容物> ・ナイフ(オピネルNo.6、刃渡73mm)  ※通常のナイフは刃渡り60mm、折り畳みナイフは刃渡り80mmを超過しなければ合法(参考)  非常時には検問だけでなく人間との接触を避けるのが大前提!  どうしても不安ならNo.5(刃渡60mm)を持っていけばよい ・マルチツール(重たいのでダイソーの300円品でいい) ・小型ラチェットレンチ(SK11 SRD-210) ・火起こし棒 ・エスビット(もどき) ・小型ケミカルライトx3 ・ワイヤーソー ・結束タイ10本 ・マッチ(12本ぐらい)+バーズアイマッチ(6本) ・瞬間接着剤x2 ・汎用接着剤G17 ・廃カードに巻いたダクトテープ3m(未撮影) <外ポーチ> ・パラコード15m ・アルコールウェットティッシュ ・コンパス ・加圧式ボールペン ・油性ペン ・鉛筆 ・裁縫セット ・ビニール袋ディスペンサー ・大型ケミカルライト(12h) ・大型ケミカルライト(24h)
■飲食・電気関係
飲食関係はメスティンに格納し、電気関係は外ポーチに入れる。
Tumblr media
<飲食関係> ・1.5合メスティン ・ソウヤー製簡易浄水器セット ・ヨウ素浄水錠剤 ・カトラリー(スプーン&フォーク) ・シェラカップ(後日追加) ・スティックタイプのコーヒー(後日追加) <電気関係> ・モバイルバッテリー(10000mAh) ・複合ラジオ(充電・乾電池・ソーラー・手回し動力でライト付き) ・ヘッドライト ・予備電池(単3・単4) <その他: 外装> ・ハチミツ(行動食を兼ねる。メスティンに入らなかった) ・氷砂糖(行動食を兼ねる。すぐつまめるように。未撮影)
■野営装備
単独で野営できるような設備とする。参考文献によるとテントの重量は人数x2ポンド(908g)をリミットにすべきだというが、900g以下のテントなんてないのでここでは1kgのものを選定した。
Tumblr media
<外装> ・ビビーサック(サナギ型テント。このタイプ) ・スリーピングマット(汎用性を考えロール式) ・1クォート(約946ml)ボトル(冒頭写真。この商品) ・オリンパス8x21RC II WP 小型防水双眼鏡(後日追加) <外ポーチ> ・小型タープ(3x3m以下) ・ガスコンロ(CB缶タイプ) ・ガスボンベ(一般的なコンロ用のCB缶) ・小型スコップ ・N95防塵マスク ・防塵サングラス ・防刃手袋 ・防水雨具上下(未撮影、放水を浴びても大丈夫な強力防水品)
■食料
Amazonベーシックのアルファ米パック10色セット。こいつは車にも搭載している。72時間(3日間)逃げ回ることを考えたら1日3食は食わないとやっていけないので、しっかり9食以上は携行するように。 なお撮影を忘れてしまったので写真なし。 水は1日2Lとして3日分を携行すると6kg超となり非現実的なので、1L以内を携行し他は浄水器で調達するものとしたい。
★軽量化について
冬山登山では20kg前後になるというから、16kgでもかなり軽量化したほうだとは思うがやはりちょっと重たい。そこでより高級なギアに換装してどれだけ軽量化できるか検証はしてたものの、内容物を2.94kg軽量化させるために9万円も払いたくないしバックパックの容量を保ったまま1-2kg軽量化するために5万円出すのも容認できないというわけで、リーズナブルな価格で揃えたらやっぱりこれぐらいが限界という結果に。 それにあんまし高級品にしてしまうんならソロキャン用具にしたいじゃん?
5/10追記: 後でフリースなどを詰めたらファスナーが内圧で外れたので、改めて内部フレーム式70Lのバッグを買いなおすことにした。届いたら詰めなおして続報記事にする予定。こちらの45Lバッグはキャンプ用にしようかな?
ほかにいろいろ思いついたら加筆予定。
1 note · View note
harawata44 · 11 months
Text
【注意】あるモノから勝手に合鍵を作られ不法侵入される事件が相次いでいるらしい・・・○○は絶対に他人に見せるな!! : オレ的ゲーム速報@刃
 ・「鍵番号」で勝手に合鍵、住宅への侵入相次ぐ…メーカー「他人に知られると悪用される恐れ」 : 読売新聞
Tumblr media
以下引用
 鍵に刻印された「鍵番号」を基に合鍵を複製し、住人に気付かれずに侵入する――。こんな手口による住宅への不法侵入が相次いでいる。鍵番号とメーカーさえ分かれば、複製できるケースがあるためだ。識者は他人に鍵番号を知られないための自衛策の徹底とともに、法整備の必要性を指摘する。(丸山滉一)
■管理会社かたる
 「インターネットで方法を知った」。マンションの共用部分に侵入したとして、8月下旬に邸宅侵入の疑いで福岡県警春日署に摘発された会社員の男(22)は容疑を認め、こう供述した。  男は6月4日夜、マンション管理会社の社員をかたり、住人の女子大生(19)の部屋を訪れ、「鍵を交換するので鍵番号を見せてください」などとうそをついて番号を聞き出した。さらに7月7日にも、別の女子大生(21)から同様の手口で鍵番号を入手した。  男は実名を使ってインターネット上で合鍵を注文し、自宅で受け取っていた。同署の調べに対し、「女性の部屋を見たかった」などと供述したが、実際に女子大生の部屋に侵入した形跡は確認されなかった。  9月には県警東署が、同僚女性(24)宅に合鍵を使って入り、脱衣所に小型カメラを設置したとして、会社員の男(33)を住居侵入と県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕し、その後、起訴された。捜査関係者によると、男は「女性とキーホルダーの話題になり、女性が取り出した鍵の番号やメーカーを見て記憶した」と供述しているという。
■需要5年で倍
 鍵の複製・修理業者でつくる「日本ロックセキュリティ協同組合」(東京)によると、合鍵を作る方法は、主に二つだ。  一つ目は、客に示された鍵番号を基に、鍵のメーカーに複製を発注する方法だ。二つ目は、業者が自ら「複製機」を使って、注文者が持ち込む鍵と同じ形に削るというものだ。  ただ、2000年頃から特殊な工具で解錠するピッキングによる侵入盗の被害が多発するようになり、メーカーは鍵の形状を複雑化させた。そのため、複製機で合鍵を作る難易度が上がり、業者が鍵番号に基づいてメーカーに発注するケースが増えた。  約10年前からは、個人がネットで鍵番号を入力して合鍵を注文するサービスが広がったという。鍵の種類にもよるが、1000円程度から注文が可能だ。  インターネット合鍵販売サイト「俺の合鍵」を運営する「アスティ24」(埼玉県川越市)によると、22年の合鍵注文本数は約7万本で、17年からの5年間で2倍以上に増えた。EC事業部マネジャーの小林優太さん(31)は「24時間注文ができるサービスで、需要は増えている。コロナ禍でネット注文が浸透したことも大きい」とみる。
■IDもセットで
 警察庁によると、合鍵を使った「空き巣」は昨年、全国で927件起きた。悪意ある他人に鍵番号を使った合鍵複製を許さないためにはどうすればいいのか。  大手鍵メーカー「美和ロック」(東京)は21年11月、他人による複製を防ぐため、複製時には鍵番号に加えて、鍵を引き渡した時に付与されるセキュリティーIDを必要とする有料サービスを始めた。同社の西崎明子・総務部長は「鍵番号はクレジットカード番号と一緒で、他人に知られると悪用される恐れがあるので注意してほしい」と強調する。  個人ができる対策としては、こうしたサービスの利用のほか、他人から見られないよう鍵番号を物理的に隠す市販のキーカバーを装着する方法がある。  ◆ 鍵番号 =オリジナルの「純正キー」にあるアルファベットや数字を組み合わせた固有の情報。鍵メーカーは番号ごとに鍵の設計図を管理しており、合鍵はこの情報を基に作られる。
0 notes
t82475 · 3 years
Text
感染
★★★ご注意★★★ これは成人向けのフィクション小説です。 新型コロナウイルスにヒントを得て創作しましたが、本話に登場するウイルスはあくまで空想上のものです。 センセーショナルなテーマで注目を集めることを意図していませんで、SNSなどで無責任に話題にすることは避けてください。 また、筆者は医学の専門家ではありません。 それらしく記した専門用語や治療方法はすべてファンタジーです。現実のコロナと混同されないよう、くれぐれも注意してください。 本話で記した医療行為等を真に受けてトラブルが生じても、筆者が責任を取ることはできません。 (これだけ書いておけば大丈夫かな) ★★★★★★★★★ [Part.1] 1. とあるホテルの客室。 窓から外の景色を見る男性。 まだあと10日も過ごすのか。気が重かった。 日本に着いたのは3日前。 ワクチンは接種済みだった。 しかし入国時のウイルス検査で同じ飛行機の乗客から陽性者が出た。新種の変異株だった。 この変異株に対してワクチンの有効性はまだ確認されていない。 機内で座席が近かった男性は有無を言わさず2週間の隔離処理になった。 何ということか。 彼はプロの音楽家だった。 仕事はキャンセル。楽器も別便で送っていたから、この軟禁から解放されるまで楽器に触れないのも辛かった。 それに。 男性の脳裏に一人の少女の顔が蘇る。 彼女との再会を期待していたが、それも叶わない夢となったようだ。 2. ドアをノックする音がした。 「荷物が届きました。お部屋の前��置いておきます」 荷物? 僕に? 3分待ってドアを開けた。 ホテルの従業員との直接接触を避けるためのルールである。 食事や届け物は廊下に置いてもらい、自分で取り込むことになっていた。 誰もいない廊下。そこに大きな楽器ケースが立てて置かれていた。 これはコントラバスじゃないか。 思わず駆け寄った。 キャスター付きの楽器ケースをそのまま部屋に引き入れる。 蓋を開けようとして少し困った。 このケースには4桁のダイヤル錠がついていたが、番号が分からなかった。 「・・お部屋の番号でございます」 どこからともなく声が聞こえた。女性の声だった。 訳が分からなかったけれど、ダイヤルを自室のルームナンバーに合わせてレバーを引いた。 蓋が開いた。 楽器ケースの中にコントラバスは入っていなかった。 上の方には小さな包みがぎっしり詰まっていた。 そして下側には、不織布マスクをつけた少女が小さくなって収まっていた。 少女は自分でケースから抜け出てくると、立ち上がって髪と衣服を整え、そして男性に向かって深々と頭を下げた。 「柿崎様。このたびの不手際につきまして、心より謝罪申し上げます」 「え、何」 「当方の施設にお移りいただこうと努めましたが、あの石頭の知事が、・・失礼いたしました、私どもの力不足でございます。まことに申し訳ございません」 彼女が身に着けているのは黒いミニスカートのメイド服だった。 柿崎と呼ばれた男性はこのメイド服を知っていた。少女の声にも覚えがあった。 「キミはH氏のメイドだね」 「はい。お目にかかりますのは2度目でございます」 彼女は口元を隠していたマスクを外した。 「あぁ! キミに会いたいと思っていたんだ」 「覚えていてくださったのですね。嬉しいです」 それは男性が想っていた少女だった。 「それにしても、なぜコンバスのケースなんかに入って」 「ここでわたくしの存在は秘密でございます。柿崎様もどうかご他言されませんよう、お願い申し上げます」 「僕は新種ウイルスの濃厚接触者だよ。来てくれたのは嬉しいけれど、こんなところにいちゃダメだ」 「柿崎様の感染が確認された訳ではございません。それに、どのような事情であろうとお客様にご不便を強いることは許されないのです。つきましては、」 少女は微笑んだ。 「こちらにご滞在中、わたくしにお世話させてくださいませ。ご満足いただけるようお尽くしいたします」 3. フランス在住でコントラバスのソリストである柿崎陽明が初めてH氏邸に招かれたのは1年前。 当主のH氏の前で演奏し、そして夜は部屋付のメイドだった少女の伽(とぎ)を受けた。 彼は33才で独身だった。独身になる前に2度結婚し2度離婚していた。 これ以上結婚する愚を繰り返す気はなかったが、据え膳を拒むほどヤボでもない。 少女を抱き、そのベッドテクニックと細やかな気配りに驚いた。 朝になって彼女の年齢がわずか15と知りもう一度驚いた。 倍以上も歳が違う男をここまで満足させるとは。 この幼い日本人少女はサン・ドニの高級娼婦でも敵わないと思わせる一流のセックス・メイドだったのだ。 今回の来日はH氏邸への二度目の訪問になるはずだった。 柿崎は改めて目の前の少女を見る。 ショートヘアの黒髪、色白の肌。濃い目の眉ときらきら輝く瞳。 前に会ったときと少しも変わっていなかった。 ただ、少し背が伸びたか。胸も大きくなったように思えた。 記憶の中から少女の乳房を呼び戻す。 「バストは75のDカップになりました。よろしければ触ってお確かめくださいませ」 「え」 少女が笑っていた。 そうだ、この子は僕が何を考えているのか魔法みたいに分かるんだった。 「・・えっと、」 慌てて取り繕う。そうだ楽器。 「キ、キミは楽器の替わりにケースに入って来たんだね。できれば僕のコンバスを届けてくれると嬉しいんだが」 「そうおっしゃると思っておりました。柿崎様のコントラバスはお預かりしておりますが、ホテルの部屋でお弾きになるには音が大きいものですから、代わりにこれをお持ちしてございます」 「おおっ」 少女が出したのはサイレントベースだった。 アコースティックなコントラバスに近い音が出せる電気楽器である。 ヘッドフォンで音を聴くので誰に苦情を言われることもない。 柿崎自身もパリのアパルトマンでは同じサイレントベースを使っていた。 「使わせてくれるのかい?」「もちろんでございます」 椅子に掛けて楽器を受け取り、指で弦を弾き軽くチューニングする。 よし。 ヘッドフォンを着けて弓を構えた。 太い音が流れる。数日ぶりに奏でるコントラバス。 うん、いい音色だ。 いつの間にか音の世界に没入した。 4. 気が付くと少女の姿がなかった。 と、バスルームから少女が現れ、楽器ケースの蓋を開けて銀色の器具を出した。 あれはフライパンか? フライパンを手に少女は再びバスルームの中に消える。 それっきり出てこない。何をしているんだろう? 覗き込むとバスルームの中に折り畳み式の小さなテーブルが置かれていた。 テーブルの上にはカセットコンロ。その前でフライパンを振る少女。 このホテルの客室にはキッチンなんて気の利いた設備はないから、彼女はバスルームで料理をしているのだった。 オリーブオイルとバターの香りが漂う。 ああ、素敵な香りだ。 この部屋に来てから食事は冷たいサンドイッチか弁当ばかり。 暖かい食事に飢えていた。 少女が振り返った。 「練習のお邪魔をしましたか? ディナーまであと10分だけお待ちくださいませ」 「そんなところで火を使って大丈夫なの?」 「ちょっとした工夫です。ホテルのセキュリティシステムに細工いたしましてここの火災警報器は無効にしてございます」 「やはりキミは魔法使いだね」 「光栄です。・・サーロインの焼き加減はいかがいたしましょう?」 「任せるよ。僕の舌は音痴なんだ。でも好みを言わせてもらえばブルーレアとレアの間くらいがいいな」 「うふふ。かしこまりました」 ブランデーの瓶が振られて炎が狭いバスルームの天井近くまで立ち上がった。 5. その夜、柿崎は少女を抱いた。 少女は明らかに昨年より成熟していた。 乳房はふくよかに膨らみ、腰の括れと尻の張りも大きくなっていた。 日本女性特有のきめ細かい肌はいっそう柔らかくなっていて、あらゆる箇所の触り心地がよかった。 彼は少女の膣(なか)に2度放ち、その度に彼女は小さな声で鳴きながら震えてくれた。 「ねぇ、僕は感染していると思うかい?」 裸の少女を胸に抱きながら聞いた。 「柿崎様にそのようなことはないと信じております。ただ万一の場合は、当家の専門病院で最善を尽くします」 「キミはワクチンを打っているの?」 「はい。わたくしも柿崎様と同じです」 「何でも知ってるんだね。・・僕は本当は怖いんだ。明日にも高熱を出して倒れそうで。僕と一緒にいてキミは怖くないのかい?」 「どうして怖がるのですか? こうしてご奉仕させていただけているのに」 いい子だな。 このままずっと抱いていたいと思った。いっそ感染したらもっと一緒にいられるかな。 そう考えた途端、耳元で少女がささやいた。 「実はわたくし、悪い子なんですよ? ときどきお客様に良からぬことを思わせてしまいます」 「僕が何を考えたのか、いったいどうして分かるんだい?」 「勘です」 少女は微笑みながら、柿崎の右手を掴み自分の胸に導いた。 マシュマロのように柔らかい半球が掌の中に収まる。 「どうか、今は無事にお過ごしになることだけをお考えくださいませ。・・よろしければ、悪い子の胸を揉んでいただけますか?」 黙って少女の乳房を揉みしだいた。 「あ・・」 半球の先端に乳首が尖った。 右手の中に突然グミ菓子が現れたようだった。 「ん、あぁっ・・、お上手です、柿崎、さまっ」 柔らかい女体が波打った。 彼の男性が反応する。 少女は身を起こし、四つん這いになってそそり立つそれを口に含んだ。 おおっ。 柿崎は朝までにさらに2度放精した。 6. H氏邸からは数日おきに食材の入った小包が届いた。 それで少女が作ってくれる料理はどれも絶品だった。 ホテルからも毎食の弁当が差し入れられたが、少女が試食して「ゴミですね」と切り捨て、毎回トイレに流されることになった。 柿崎はコントラバスの練習に明け暮れ、夜はベッドで少女を抱いた。 毎朝のウイルス検査で陽性反応が出ることもなく、平穏で幸福な日々が続いた。 「あら」 H氏邸からメイドがやってきて6日目の朝、届いた食材をチェックしていた彼女が小さな声を上げた。 「どうしたんだい?」 「いえ、ちょっと頼んでいない品物が届いたものですから」 「?」 「お使いになるかどうかは柿崎様がお決めになってくださいませ。お相手は、わたくし、になりますが」 屋敷から届いたそれは、手錠、リード(紐)のついた首輪、革の手枷と足枷、猿轡、その他どうやって使うか分からない様々な拘束具だった。 「キミのところではこういうプレイもできるのか」 「はい。これらはごく軽めの拘束具ですが、ご希望があれば厳しい緊縛や拷問も承ります。メイドに苦辱を与えてお楽しみになるお客様は珍しくありません」 「拷問なんて、僕にはとてもできないよ」 「柿崎様のご嗜好はわたくしどもも承知いたしております。ですが、そろそろ新しい趣向を提案してきたのでしょうね」 「キミはどうなの? 鎖で繋がれたりして平気なのかい?」 少女の顔が少し赤くなった。 「大丈夫です。柿崎様のお気に召すようにわたくしを拘束してくださいませ」 「こういうのは初めてなんだ。教えてくれるかい」 「はい。お導きさせていただきます」 7. 揃えて出された両手に手錠を掛けた。 「お掛けになったら、わたくしの左手を持って、軽く持ち上げてくださいませ」 言われた通りに少女の左手を掴み上に引くと、手錠で繋がった右手も吊られて上がった。 「はぁ・・」 少女が溜息をついた。消え入りそうな声が混じっている。 「痛いのかい?」 「そうではありません。・・ただ、こうすることで女は拘束されていることを実感いたします」 そうか。嫌ではない、ということか。 「次は首輪を」「わかった」 首輪を巻いた。 「きつめに絞めていただいて構いません」 「絞めて欲しいんだね」 「いえ、そういう訳では」 バックルにかかる穴を二つ進めて留めた。 「はぁっ」 今度ははっきり分かる声だった。 「お、お上手です。これくらいが、苦しくなる手前です」 「手錠と首輪だけでそんなセクシーな声を出すんだね。ベッドじゃあれほど大胆なのに」 「ああ、言わないでくださいませ」 首輪から伸びるリードを少女が自分で持ち、柿崎に向かって差し出す。 「首輪を締めたら、この紐を、まるで飼い犬でも引くように、・・強く、引いてくださいませ」 黙ってリードを受け取ると、ぐいと引いた。 「あぅっ。・・も、もっと強く」 さらに力を加え、斜め上に強く引いた。 首輪が顎の下の食い込む。 少女の踵が浮いた。 「あ、ああぁっ!!」 少女は目を閉じてがくがく揺れた。 興奮していた。柿崎は少女の首を絞めることで明らかに高まっていた。 ���して少女も拒んでいない。拒まないどころか、首を絞められて悦んでいるのだと分かった。 これが女性を責めて楽しむということか。 「あ・・・」 少女の身体から力が抜けた。 そのまま崩れ落ちそうになるのを抱きかかえて支えた。 「はぁ、はぁ・・、申し訳ございません」少女が目を開けて言う。 「お導きするなどと申して、こんなに頼りない、へなちょこなメイドで・・、んっ」 少女の口を柿崎の口が塞いでいた。 「たったこれだけで大人を興奮させるなんて、本当にキミは大変な娼婦だ。・・もう我慢できない。外はまだ明るいけどキミを裸にするぞ」 「あ、あぁ、はいっ。・・ご自由に、どうぞご自由に、わたくしを使ってください、ませ」 8. 隔離が終わる日。 柿崎にウイルス感染の症状が出ることはなく、検査の結果も陰性のままだった。 夜にはパリに向けて出発しなければならない。 「帰りの飛行機でまた感染者が出ないことを願っているよ」 「ご安心くださいませ。当家のプライベートジェットをご用意いたしますので、感染のリスクはありません」 「すごいね。もしかしてキミも一緒に来てくれるのかい?」 「あいにくですが、わたくしは屋敷に戻り隔離処置を受けます。機内でのお世話は別のメイドが担当いたします」 「そうか。サヨナラするのは残念だよ」 柿崎は本当に残念そうな顔をした。 「そうだ、僕からのお礼をしよう」 「お礼、でございますか?」 「ここに座って、両手を後ろに回して」「はい」 柿崎は少女をベッドに腰かけさせた。 革の拘束具を持つとストラップを少女の二の腕に巻きつけた。 右側、左側。それぞれ強く締める。 そうして両腕を背中で組ませアームバインダーを被せた。 バインダーに3本あるストラップをすべて締め上げるた。 続けて少女の足首に足枷を取り付け、これもストラップで締め付けた。 「どうかな」 「動けません。・・嬉しいと言ったら、わたくしのこと、お嫌いになりますでしょうか?」 「僕だって嬉しいさ。こんなに可愛いメイドを自由にできるんだからね」 柿崎はそう言って少女の頬を愛おしそうに撫でた。 「キミは最高の女の子だ」 「もったいないお言葉です、柿崎様」
Tumblr media
少女の頭にサイレントベースのヘッドフォンを被せた。 それから椅子に座ってベースと弓を構える。 「僕の日本でただ1回のコンサートだ。心を込めて弾くよ」 コントラバスの音色が低く、ゆっくり響いた。 Canon in D(ヨハン・パッヘルベルのカノン)。 ・・あぁ、大好きな曲。 少女は目を閉じて聴いた。 身体は拘束具で囚われているけれど、音楽を聴く心は自由だった。 やがて涙が目元にあふれ、頬を伝って流れた。
Tumblr media
9. フランス在住の日本人音楽家・柿崎陽明氏はパリへと帰っていった。 少女は再び楽器ケースに入ってH氏邸に帰還し、検査と観察のため屋敷内で隔離された。 3日が過ぎ、いつものように朝食を取ろうとしたら味が分からなかった。 彼女はH氏グループが経営する専門病院に移された。 [Part.2] 10. ベッドの横に人影があった。 男性と女性。二人とも感染予防の防護服を着ていた。 男性はお医者様だ。女の人は、誰だろう? 「・・熱はだいぶ下がりました」お医者様の声。 「急性期の段階から抗体価が高かったとのことですが」女性の声。 「このウイルスは急性期の方が回復期より抗体価が高いことも多いのです。ただ、彼女の場合は突出していました」 「退院しても大丈夫ですか?」 「本当はまだ許可できません。・・でも、もう決まっているのでしょう?」 「決定したのはあなたがたH邸ですよ。政府と私はそれに協力するだけです」 「そうでした」 少女は女性を見上げる。 20台半ばくらいかな。綺麗な人。 「目が覚めましたか?」女性が言った。 「・・どなた様、でしょうか?」 まだ頭が朦朧(もうろう)として、うまく喋れない。 「外務省北米局の武藤早矢(はや)です。高熱でずいぶん苦しんだそうですね」 「はい」 「あなたには悪いけど、すぐに出発しなければなりません」 「それは、メイドの、お役目ですか?」 「ええ。あなたが必要なの」 そうか、じゃあ、全力でお尽くししないと。 「武藤、様」 「早矢と呼んでくれていいわよ」 「では早矢様。わたくしは、どこへ」 「アメリカよ」 11. その90分後。 在日米軍基地を離陸した輸送機の中に少女と武藤早矢がいた。 少女は透明なカプセル状のアイソレーター(ウイルス飛散を防ぐ陰圧シールド)の中に寝かされ、さらに転動防止のために全身をストラップで固定されている。 アメリカ軍の飛行機とは驚いたけれど、早矢によると少女の輸送は日本とアメリカ両国政府の特認の元で行われているらしい。 スーツ姿の早矢が近くのシートに座っているのが見えた。 早矢は少女に顔を向けて何かを話そうとしているようだ。 そういえば、詳しい説明は飛行機の中でするとおっしゃっていたわね。 でもこんなに轟音が激しくちゃ、いくら声を張り上げても会話するのは難しそう。 早矢は少女の脇に来て喋ろうと考えたのだろう。シートベルトを外して立ち上がろうとして、隣にいた米軍士官に制止された。 お願い、大切な話なの! 両手を振り回して必死に訴えているが、聞き入れてもらえそうにない。 少女は少し微笑んだ。 早矢様って、落ち着いていて知的な女性と思っていたけど、可愛い。 そのとき機体が大きく傾いた。輸送機が旋回したようだ。 早矢は中腰のまま真横にこけて士官に支えられた。 スカートからストッキングの脚が真上に伸びて、まるで漫画のようにばたばた動いている。 少女の身体も真横に振られた。それと同時に全身を固定するストラップがぎゅっと締まって制止された。 拘束されていることを意識する。手も脚も動かせない。 あぁ、嫌じゃない。 H氏邸のメイドにとっては子供遊びのような拘束だけど、それでも自由を奪われるのはちょっと嬉しい。 少女はゆっくり目を閉じた。 早矢様、申し訳ありませんがご説明はアメリカに到着してから願いますね。 12. 着陸の衝撃で目が覚めた。 少女を収めたアイソレーターが搬出される。 あれ? ヘリコプター? 自分を載せてきた機体を見て気が付いた。いつの間にか輸送機からヘリに乗り換えていたようだ。 ごろごろ押されて建物の中に運ばれた。 「着いたわよ!」一緒に走りながら早矢が教えてくれる。 明るい手術室のような部屋に入ると、口髭をたくわえた背の高い白人男性が待っていた。 男性は早矢に向かって英語で話しながら握手する。 "やあ、リズ。見違えたよ。よりによって君が日本の官僚とはね" "運命のなせる業です。でもおかげでこうして再会できました、チャールソン所長" "クレア・エルトンとの親交は継続しているのかね?" "はい。彼女がエジンバラに行ってからも歳の離れた親友です" "そうか。いずれゆっくり思い出話を楽しみたいものだが、まず今は緊急事態だ" 男性はアイソレーターに収められた少女を見た。 "この娘がドナーか" "はい。16才のメイドです" "ふむ。さっそくだが採血と検査、患者には血漿投与の準備を同時並行で行う。・・拙速の極みだよ。急(せ)いては事を仕損じる、慌てて走ると転びますぞ、とは誰が言ったかな?" "ロミオとジュリエットの第2幕、ローレンス神父の台詞です" 早矢はさらりと答え、チャールソン所長はにやりと笑った。 13. 少女はアイソレーター内に拘束されたまま唾液を採取され、さらに腕に注射針を2本刺された。 約600mlの血液処理に要する時間はおよそ1時間。 採血管から得た血液は分離装置で血漿成分が取り出され、残った赤血球などの成分は返血管を通じて少女の体内に戻される。 「気分はどう?」 早矢が声をかけてくれた。 「問題ありません。そろそろ説明していただけるでしょうか。ここはどこですか?」 「ここはアリゾナ州にあるキャンベル人間工学研究所よ。キャンベル財閥による運営で、その当主はマーク・キャンベル氏」 キャンベル様ならお名前は聞いている。確か、旦那様が懇意になさっているアメリカの大富豪だ。 「わたくしのお役目は血液を提供することですか?」 「もちろんそれが一番の役目だけど、旦那様のお世話もしてもらうわ。あなたには抗体があるから」 「旦那様とは?」 「あなたのご主人よ。ウイルスに感染して、こちらの施設におられるの」 「ええっ!」 H氏は渡米中に発症し、キャンベル人間工学研究所に極秘で収容された。 新種の変異株である。治療薬や治療法は確立されていない。 感染症の権威が診断し、治療法として回復期血漿投与による受動免疫療法が提案された。 確実性はないが、現段階の症状の進行状況では効果が期待できると考えられたのである。 こうして金に糸目をつけずに世界中でドナー(血漿成分の提供者)の探索が行われた。 何人かの候補者の中にH氏邸のメイドがいた。 彼女はたまたま同時期に発症して回復期にさしかかっていた。 血液型、抗体価その他の条件が適合したことに加え、本人や家族の了解を得ることなくドナーに使えることも好都合であった。 日本で採取した血漿を調製して凍結輸送する余裕はないと考えられ、本人をアリゾナまで緊急搬送することになった。 日米両政府とアメリカ空軍の協力を得てわずか11時間の輸送だった。 14. 待機していた少女にウイルス検査の結果が伝えられた。陰性である。 アイソレーターが取り外され、全身を固定していたストラップからも解放された。 起き上がって深呼吸する。 ずっと続いていた頭痛と身体の痛み、倦怠感が消えていた。 もう大丈夫。わたしは元気だ。 体を洗って早矢が一緒に持ってきてくれたメイド服を着用する。 身だしなみを整えながら気になっていたことを早矢に聞いた。 「早矢様、チャールソン所長様は早矢様のことをリズとお呼びでしたが」 「あら、分かった?」 「盗み聞きするつもりはありませんが、お二人の会話がとても明瞭に聞き取れたものですから。早矢様はイギリスで英語を学ばれたのですか?」 「さすがH氏邸のメイドね」 「語学は厳しく教育されました。メイドとしてはまだまだ未熟です」 「でもあなたは旦那様がお選びになった女の子よ。誇りに思っていいわ」 「あの、もし間違っていたら申し訳ありませんが」 「何?」 「早矢様は、お屋敷でお勤めでしたか? メイドとして」 早矢は驚いた顔で少女を見つめる。 「どうして分かったの!?」 「勘です。わたくしたちメイドについてよくご存知ですし、早矢様ご自身がメイドを誇りに感じてらっしゃるようなので」 「どうやら後輩を舐めていたようね。・・正体を明かすわ。この仕事をする前はお屋敷にいたの」 「あぁ、やっぱり」 「17のときにこの研究所に派遣されてご奉仕したわ。リズはそのときの一生忘れないニックネーム」 「17才ですか。きっと可愛らしいメイドさんだったんでしょうね」 「私のことはもういいでしょ? 今日はこれから・・、きゃっ」 少女���早矢に背中から抱き付いていた。 「早矢様がいてくださって、本当に心強いです」 「だ、駄目でしょ」 わざとやっているのか、そうでないのか、少女の両手は早矢の胸を押さえて揉んでいる。 「あ、ふ・・」 早矢は少女に抱かれたまま後ろを向いた。 そうして、その口を少女の唇に合わせる。 「んっ・・」 少女の身体から力が抜けた。 早矢様、女同士のキスなのに、なんて上手。 やがて二人は唇を離した。 「あなたこそ、今まさに "花" だわ」 「はぁ、はぁ。・・はい」 「全力で、お尽くしするの。いい?」 「はい、早矢様」 こほん。わざとらしい咳払いが聞こえた。 "そろそろ病室へ移動してくれるかね" ドアを開けてチャールソン所長が立っていた。 抱き合っていた二人は慌てて離れる。 "エルトン博士の報告を思い出したよ。・・リズは同性相手でも性的な接待が可能である。その技術は驚くべきものだと" "所長! お願いですから、この子のいる前でそういう話はやめてくださいっ" 15. 研究所の職員に案内されて病棟へと移動した。 エアシールドの前まで来るとその先は少女だけが通される。 病室に入ると、点滴に繋がれて酸素吸入器をつけたH氏が眠っていた。 そのまわりで防護服を着た医師と看護師が立ち働いている。 わたしだけメイド服のままで構わないのかしら? すぐに気がついた。自分には防護服もマスクも要らない。 "血漿を投与しました。後は天に祈るだけです" 看護師の一人が説明してくれた。 "そうですか。わたくしは何を?" "何でも。医療行為は我々が担当しますが、それ以外はやってください" "はい" "あなたが来られたので、我々はリスク回避のため定期的な診療を除き病室から退去します。基本的な介護はあなたに任せるようにとの指示です" "分かりました。お任せくださいませ" "何かあればインタフォンで知らせてください。それから、あなたには行動制限が課せられます" "行動制限ですか?" "それは、つまり、" "病室内に24時間留まりなさい、という意味ですね? わたくし自身には抗体がありますが、わたくしの体と衣服は汚染されましたから” "あなたが聡明な女性でよかった" "恐縮でございます。行動制限を受け入れます" やがて医療スタッフは出てゆき、病室には少女だけが残された。 よし! 旦那様のお世話をさせていただくのは初めてだ。 少女はメイド服の袖をまくった。 16. 少女は献身的にH氏の看護に努めた。 メイドがご奉仕するのは当たり前のことだから辛くも何ともなかった。 お体の清拭、衣服やシーツの交換、下(しも)のお世話。点滴や呼吸器を確認、看護師作業の補助。 できることは何でもやった。 病室には個室のトイレや洗面所があり、食事も提供されたから、彼女自身が困ることはなかった。 血漿投与の翌週、昏睡状態にあったH氏の症状は快方に向かい始めた。 数日後には呼吸器が不要になった。 意識が明確になることはないものの、たまに目を開けて「水が飲みたい」など求めるようになった。 医師は受動免疫が有効に機能していると診断した。 少女にとっては大いなる喜びだった。 自分の血液が旦那様の中に流れている。そう思うだけで嬉しい気持ちになった。 「そこのお前。ここはどこだ?」 はっきりした声が聞こえた。 振り返るとH氏がベッドに寝たままこちらを見ていた。 「キャ、キャンベル人間工学研究所でございます」 慌てて頭を下げてお答えする。 「キャンベル・・? アリゾナか?」 「はいっ。そうでございます。ご病気はまもなく治るとお医者も言われておりますので、どうかご安心くださいませ」 「・・」 あれ? しばらく待って頭を上げると、H氏は再び目を閉じて眠っていた。 どきん、どきん。 心臓が止まりそうだった。 旦那様と直接言葉を交わしたのは屋敷に入って何度目だろうか。 駄目ね、わたし。 もっとご奉仕しないといけないのに。 ・・あなたこそ、今まさに "花" だわ。全力で、お尽くしするの。いい? 早矢の言葉が蘇る。 少女はインタフォンで依頼した。 "お届けをお願いできるでしょうか? 麻のロープを10メートルほど" 17. 翌日、病室にやって来たのは早矢だった。 防護服を着て、手に麻縄を入れた袋を持っている。 「所長に聞いたわ。もしかしてあなた、自縛するつもり?」 「はい。旦那様はメイドの緊縛がお好きでいらっしゃるので」 「自信はあるの?」 「実はあまり得意ではありません。でもお喜びいただけるように全力で」 「駄目よ。旦那様はとても目が肥えてらっしゃるから、中途半端な自縛はかえってご不満になるわ」 「そんなにはっきり言われると、落ち込みます」 早矢は微笑みながら縄束を取り出した。 「大丈夫、メイドの緊縛をお見せすることなら可能よ」 「早矢様、お縛りになれるんですか?」 「私、あなたの先輩よ? あなたも受ける方なら大丈夫でしょ?」 少女も微笑んだ。 「はい。まる一日中吊られたって耐えてみせます」 「じゃあ旦那様がお目覚めになる前にやってしまいましょう。・・床にうつ伏せになって両手を前に出しなさい」 言われた通りにすると、早矢は少女の手を頭の後ろで合わさせ、その手首を縄で縛った。 右腕の上腕と前腕を合わせて縛り、左腕も同じように縛った。 さらに足首を合わせて縛り、膝を折らせて足首の縄を手首まで引いて固定する。 「どう?」 「動けません。でもお優しい緊縛ですね」 「それは物足りないっていう意味?」 「いえ、そんな訳では」 早矢は立ち上がるとインタフォンで連絡した。 "準備できました。運んでください" やがて病室に防護服の男たちが現れて、棺桶のようなガラスの水槽を運び込んだ。 彼らは床に防水シートを敷き、その上に水槽を据えた。 水槽の底には金属の首輪が細い鎖で繋がっているのが見えた。 鎖の長さは30センチほどだろうか。 「これは私の友人が使っていたウォーターボーディング(水責め)のテストツールよ。彼女、被験者を女性に限ってテストしていたの」 「 "彼女"?」「そうよ」 早矢が合図すると男たちは黙って少女を持ち上げ、水槽まで運んだ。 水槽の中に寝かせると、少女の首に首輪を巻いて固定した。 そうして男たちは洗面台でバケツに水を汲み、水槽の中に注いだ。 ざば。 少女はメイド服で縛られたまま、少しずつ水の中に沈んでゆく。 顔面が水に隠れた。 しばらく息を我慢して、そして堪らず身体を反らして顔を水面から上げる。 首輪の鎖がぴんと伸びたが呼吸はできた。 ざば。 水面はさらに上昇し、身体を精一杯反らせても鼻と口が水面から出せなくなった。 酸素を求めて首を振っているうちに、身体が浮いて水槽の中で横転した。 パニックになって水中で激しくもがく。 あぶっ。 少し水を飲んで、背けた顔が一瞬水から出た。とっさに空気を吸い、再び沈んだ。 生きられる、と思った。 厳しいけれど、一生懸命頑張れば死なない程度には息ができる。 メイドの水責めを旦那様にお楽しみいただくことができる。 そう、それでいいわ。 早矢の声が聞こえたような気がした。 水槽のガラス越しに早矢とベッドに眠るH氏が見えた。 その早矢が少女に向かって親指を立てた。 ・・早矢様、まさか。 早矢は防護服を脱いだ。 その下は屋敷のメイド服だった。マスクも着けていない。 早矢は立ち上がると、少女に見えるようにその場でくるりと一回転した。 ずっと歳上のはずなのに、自分と変わらない十代のメイドのように見えた。 理解した。 早矢は少女の代わりに旦那様のお世話をするつもりなのだ。 もちろんウイルスに感染することは覚悟の上だ。 少女は水中でぶるぶる震えた。 自分も役目を果たさなくては、と思った。 私も命をかけてお尽くしする。 18. 水中のホッグタイ(逆海老緊縛)。 さらに首輪を着けられて、その首輪はわずか30センチほどの鎖で水槽の底に繋がれている。 水槽の水嵩は30センチよりもはるかに高いが、全身で波をたてて首を背ければ波の谷間でほんの一瞬空気が吸える。 少女は何度も水を飲んで意識を失いかけた。 必要なら命を捧げることも厭わないけど、今は死んではならない。 旦那様がいつお目覚めになってもいいように見苦しい姿ではいられないのだ。 水責め水槽の中で細く長く苦しみながら、そのときを待ち続ける。 どれくらい時間が過ぎたのだろうか。 メイド服の早矢がベッドに駆け寄るのが見えた。 H氏が早矢に支えられてこちらをご覧になっている。 はっきりと意志をお持ちの目だった。 ・・うむ、これはよい。 言葉では聞こえなかったけれど、少女にはH氏の思いが明確に伝わった。 [Part.3] 19. ここはH氏が所有する周囲20キロほどの湖である。 「この辺りでよかろう」 H氏は湖の中央でクルーザーを止めさせた。 「さて、儂はこうして帰ってくることができた」 そこに揃った屋敷の幹部たちに向かって話し始めた。 「無事に回復できたのは皆の働きの賜物である。特に血液を提供したメイドには感謝せねばならぬ」 そこまで言って少女に視線を向けた。 「そろそろ頭を上げてはどうだ?」 「はい」 少女は主人に向けて恐る恐る頭を上げる。 旦那様が使用人に感謝の言葉をお述べになるなんて、聞いたこともなかった。 「褒美をとらせたい。近くに来なさい」 「はいっ」 H氏は自分の前に少女を立たせると、麻縄で縛り始めた。 高手小手縛りの上、10本の手指すべてに縄を掛ける。 メイド服に食い込む二重菱縄。そして太もも、膝、脛、足首。 時間をかけた丁寧な緊縛だった。 かつてH氏の緊縛は荒々しく女体を締め上げる緊縛だった、 しかし今はH氏自身がゆっくり楽しみながら16才のメイドを縛っているのがよく分かった。 少女にとっては縄の一本一本が身に余る光栄だった。 近頃は旦那様が自ら縄をお持ちになること自体珍しいのである。 緊縛が完成すると、少女の足首に50メートルの係留用ナイロンロープが繋がれた。 浮力を相殺するために300号(約1.1kg)のオモリを2本取り付ける。 「よいか?」 「どうぞ如何様にもなさってくださいませ」 少女は縛られたまま湖に投げ込まれた。 輝く湖面と青い空。それに続いて無数の泡と頭上にクルーザーの船底が見えた。 その船底は次第に遠く、暗くなってゆく。 自分の命を繋ぐロープが細く伸びている。 湖に投げ込んだメイドを沈めておくのか、引き上げるのか、それは旦那様のお気持ち次第だ。 20. 「うむ」 がんじがらめに緊縛したメイドが水中に消えると、H氏はクルーザーをゆっくり走らせるように命じた。 デッキに丸めたロープがどんどん出て行く。 「よい天気だ」 空を見上げてゆっくり言われた。 そこには、今までと変わらない自信に満ちたH氏の姿があった。
~登場人物紹介~ 少女: 16才。H氏邸のメイド。勘がいい。 柿崎陽明: 33才。フランス在住音楽家。 武藤早矢: 24才。外務省北米局所属。元、H氏邸のメイド。 セオドア・チャールソン: 70台半ば。キャンベル人間工学研究所所長。 久しぶりの投稿です。 H氏邸シリーズとなるとほぼ3年ぶり。 コロナ禍で憂鬱な日々が続く中、H氏がウイルスに感染することを考えました。 最初にアイディアが浮かんだのは昨年の始め頃。 世界中で様々な治療法が模索されていた時期で、受動免疫療法もその一つでした。 それからポツポツと書いては中断を繰り返し、ワクチン接種も現実になった今になってようやくアップできました。 冒頭の「ご注意」は、念のために記載しておきます。 Part.1 では、メイドさんがコントラバスの楽器ケースに入って届きます。 コントラバスのケースはとても大きいので、中に女性を入れるのは問題ありません。 ただし今回は一つの楽器ケース内に同梱物が多数です。 サイレントベース、携帯ガスコンロやフライパンその他調理器具一式、数食分の冷蔵/冷凍食材、さらに小型のキッチンテーブルまでもがメイドさん本体と共にパズルのように隙間なく収納されています。 いったいどんな風に詰まっているのか、ぜひ見てみたいものです。 なお、サイレントベースは正式には「エレクトリック・アップライトベース」と呼びます。 長くて書きにくいので本話ではよく通じると思われるサイレントベース(某社の商品名)にしました。 Part.2 は『異国のクリスマスパーティ』のアリゾナが舞台です。 リズさんはお屋敷のメイドを卒業して今は外務省のキャリアです。 彼女くらい優秀なら国家公務員総合職試験に一発で合格することは全く問題ないでしょう。 クレアさんについては少し悩んだ結果、再登場なしです。 彼女のようなスペシャリストは7年も経てば別のステージに進んでいるのが普通だと思いますので。 また、以前お約束しておきながら スザンナ姫 を絡めることはできませんでした。すみません。 Part.3 は短いですが一番やりたかったシーンです。 日本の湖で周囲20キロは田沢湖や摩周湖と同程度ですね。 こんなのを個人で所有できるのか謎ですが、H氏なら何でもアリということでww。 さて、前の記事でお知らせしましたように10月半ばには FC2 の旧ブログを閉鎖します。 突然 Page not found になると思いますが、特に案内はしませんのでご了承お願いします。
~(追記)コメント送信トラブルについて~
コメント送信でエラーになる事象が発生している模様です。 私の環境で��してみたところ、 A.「お名前」を日本語にすると「お名前が長すぎるか、短すぎるようです」とメッセージが表示  「お名前」を英文字にすると「コメントを公開する前に」という謎の文言が表示されるものの送信 B.「コメントを投稿」を押下しても送信完了しない   Windows: Chrome/Firefox は A、Edge は B   Android: Chrome は A   iOS/iPadOS: Safari は B が発生します。(OSやブラウザのバージョンによる差異は未分類) IntenseDebate の問題と思われますが、古いサービスのため解決されるかどうか分かりません。 しばらく様子を見て解決しないようであれば、Twitter でのメッセージ交換を公開することにします。 それまでの間、恐れ入りますがメッセージの送信は pixiv からお願いします。
1 note · View note
kurihara-yumeko · 4 years
Text
【小説】フラミンゴガール
 ミンゴスの右脚は太腿の途中から金属製で、そのメタリックなピンク色の輝きは、無機質な冷たさを宿しながらも生肉のようにグロテスクだった。
 彼女は生まれつき片脚がないんだとか、子供の頃に交通事故で失くしたのだとか、ハンバーガーショップでバイト中にチキンナゲット製造機に巻き込まれたのだとか、酒を飲んでは暴力を振るう父親が、ある晩ついに肉切り包丁を振り上げたからなのだとか、その右脚についてはさまざまな噂や憶測があったけれど、真実を知る者は誰もいなかった。
 ただひとつ確かなことは、この街に巣くう誰もが、彼女に初めて出会った時、彼女はすでに彼女であった――ミンゴスは最初から金属の右脚をまとって、我々の前に現れたということだ。
 生身である左脚が描く曲線とはまるで違う、ただの棒きれのようなその右脚は、しかし決して貧相には見えず、夜明け前の路地裏を闊歩する足取りは力強かった。
 脚の代わりでありながら、脚に擬態することをまったく放棄しているその義足は、白昼の大通りでは悪目立ちしてばかりいた。すれ違う人々は避けるように大きく迂回をするか、性質が悪い連中はわざとぶつかって来るかであったが、ミンゴスがそれにひるんだところを、少なくとも俺は見たことがない。
 彼女は往来でどんな目に遭おうが、いつだって澄ました表情をしていた。道の反対側から小石を投げてきた小学生には、にっこりと笑って涼しげに手を振っていた。
 彼女は強かった。義足同様に、心までも半分は金属でできているんじゃないかと、誰かが笑った。
 夏でも冬でも甚平を着ている坊主崩れのフジマサは、ミンゴスはその芯の強さゆえに、神様がバランスをとる目的で脚を一本取り上げたのだ、というのが自論だった。
「ただ、神様というのはどうも手ぬるいことをなさる。どうせしてしまうのならば、両脚とももいでしまえばよかったものを」
 そう言いながら赤提灯の下、チェ・レッドを吸うフジマサの隣で、ミンゴスはケラケラと笑い声を零しながら、「なにそれ、チョーウケる」と言って、片膝を立てたまま、すっかりぬるくなったビールをあおった。
 彼女は座る時、生身である左脚の片膝を立てるのが癖だった。まるで抱かれているように、彼女の両腕の中に収まっている左脚を見ていると、奇抜な義足の右脚よりも、彼女にとって大切なのはその左脚のような気がした。それも当然のことなのかもしれなかった。
 彼女も、彼女を取り巻いていた我々も、彼女が片脚しかないということを気にしていなかった。最初こそは誰しもが驚くものの、時が経てばそれは、サビの舌の先端がふたつに裂けていることや、ヤクザ上がりのキクスイの左手の指が足りていないこと、リリコの前歯がシンナーに溶けて半分もないこと、レンゲが真夏であっても長袖を着ていることなんかと同じように、ありふれた日常として受け入れられ、受け流されていくのだった。
「確かにさぁ、よく考えたら、ミンゴスってショーガイシャな訳じゃん?」
 トリカワが、今日も焼き鳥の皮ばかりを注文したのを頬張ってそう言った。発音はほとんど「超外車」に近かった。
「ショーガイシャ?」
 訊き返したミンゴスの発音は、限りなく「SHOW会社」だ。
「あたし障害者なの?」
「身体障害者とか、あるじゃん。電車で優先席座れるやつ」
「あー」
「えー、ミンゴスは障害者じゃないよ。だって、いっつも電車でおばあちゃんに席譲るじゃん」
 キュウリの漬物を咥えたまま、リリコが言った。
「確かに」
「ミンゴスはババアには必ず席譲るよな、ジジイはシカトするのに」
「あたし、おばあちゃんっ子だったからさー」
「年寄りを男女差別すんのやめろよ」
「愚か者ども、少しはご老人を敬いなさいよ」
 フジマサが呆れたように口を挟んで、大きな欠伸をひとつした。
「おばあちゃん、元気にしてんのかなー」
 まるで独り言のように、ミンゴスはそう小さくつぶやいて、つられたように欠伸をする。
 思えばそれが、彼女が家族について口にしたのを耳にした、最初で最後だった。
 俺たちは、誰もろくに自分の家族について語ろうとしなかった。自分自身についてでさえ、訊かれなければ口にすることもなく、訊かれたところで、曖昧に笑って誤魔化してばかりいた。
 それでも毎日のように顔を突き合わせ、特に理由もなく集まって酒を飲み、共に飯を食い、意味のない会話を繰り返した。
 俺たちは何者でもなかった。何かを共に成し遂げる仲間でもなく、徒党を組んでいたというにはあまりにも希薄な関係で、友人同士だと言うにはただ他人行儀だった。
 振り返ってみれば、俺がミンゴスや周りの連中と共に過ごした期間はほんの短い間に過ぎず、だから彼女のこと誰かに尋ねられる度、どう口にすればいいのかいつも悩んで、彼女との些細な思い出ばかりを想起してしまう。
    ミンゴスは砂糖で水増ししたような甘くて怪しい錠剤を、イチゴ柄のタブレットケースに入れて持ち歩いていた。
 彼女に初めて出会った夜のことは、今でも忘れられない。
 俺は掃き溜めのようなこの街の、一日じゅう光が射さない裏路地で、吐瀉物まみれになって倒れていた。一体いつからうつ伏せになっているのか、重たい頭はひどく痛んで、思い出すのも困難だった。何度か、通りすがりの酔っ払いが俺の身体に躓いて転んだ。そのうちのひとりが悪態をつき、唾をかけ、脇腹を蹴り上げてきたので、もう何も嘔吐できるものなどないのに、胃がひっくり返りそうになった。
 路地裏には俺のえづいている声だけが響き、それさえもやっと収まって静寂が戻った時、数人の楽しげな話し声が近付いて来るのに気が付いた。
 今思えば、あの時先頭を切ってはしゃぎながら駆けて来たのはリリコで、その妙なハイテンションは間違いなく、なんらかの化学作用が及ぼした結果に違いなかった。
「こらこら、走ると転ぶぞ」
 と、忠告するフジマサも足元がおぼつかない様子で、普段は一言も発しないレンゲでさえも、右に左にふらふらと身体を揺らしながら、何かぶつぶつとつぶやいていた。サビはにやにやと笑いながら、ラムネ菓子を噛み砕いているかのような音を口から立てて歩いていて、その後ろを、煙管を咥えて行くのがトリカワだった。そんな連中をまるで保護者のように見守りながら行くのがキクスイであったが、彼はどういう訳か額からたらたらと鮮血を流している有り様だった。
 奇妙な連中は路地裏に転がる俺のことなど気にも留めず、よろけたフジマサが俺の左手を踏みつけたがまるで気付いた様子もなく、ただ、トリカワが煙管の灰を俺の頭の上めがけて振るい落としたことだけが、作為的に感じられた。
 さっきの酔っ払いに蹴り飛ばされてすっかり戦意喪失していた俺は、文句を言う気もなければ連中を睨み返してやる気力もなく、ただ道に横たわっていた。このまま小石にでもなれればいいのに、とさえ思った。
「ねーえ、そこで何してんの?」
 そんな俺に声をかけたのが、最後尾を歩いていたミンゴスだった。すぐ側にしゃがみ込んできて、その長い髪が俺の頬にまで垂れてくすぐったかった。
 ネコ科の動物を思わせるような大きな吊り目が俺を見ていた。俺も彼女を見ていた。彼女は美しかった。今まで嗅いだことのない、不可思議な香水のにおいがした。その香りは、どこの店の女たちとも違った。俺は突然のことに圧倒された。
 彼女は何も答えない俺に小首を傾げ、それからおもむろにコートのポケットに手を突っ込むと、そこから何かを取り出した。
「これ舐める? チョー美味しいよ」
 彼女の爪は長方形でピンク色に塗られており、そこに金色の薔薇の飾りがいくつもくっついていた。小さな花が無数に咲いた指先が摘まんでいたのはタブレットケースで、それはコンビニで売られている清涼菓子のパッケージだった。彼女はイチゴ柄のケースから自分の手のひらに錠剤を三つほど転がすと、その手を俺の口元へと差し出した。
「おいミンゴス、そんな陰気臭いやつにやるのか?」
 先を歩いていたサビが振り返って、怪訝そうな声でそう言った。
「それ、結構高いんだぜ」
「いーじゃん別に。あたしの分をどうしようと勝手じゃん」
 彼女が振り向きもせずにそう言うと、サビは肩をすくめて踵を返した。連中はふらふらと歩き続け、どんどん遠ざかって行くが、彼女がそれを気にしている様子はなかった。
「ほら、舐めなよ」
 差し出された彼女の手のひらに、俺は舌を突き出した。舌先ですくめとり、錠剤を口に含む。それは清涼菓子ではなかった。これはなんだ。
「ウケる、動物みたいじゃん」
 からになった手を引っ込めながら、彼女は檻の中の猛獣に餌をあげた子供みたいに笑っていた。
 口の中の錠剤は、溶けるとぬるい甘みがある。粉っぽい味は子供の頃に飲まされた薬を思わせ、しかし隠し切れないその苦味には覚えがあった。ああ、やはりそうか。落胆と安堵が入り混じったような感情が胃袋を絞め上げ、吐き出すか悩んで、しかし飲み込む。
「ほんとに食べてんだけど���
 と、彼女はケラケラ笑った。その笑い声に、冗談だったのか、口にふくまないという選択肢が最良だったのだと思い知らされる。
 それでも、目の前で楽しそうに笑っている彼女を見ていると、そんなことはどうでもよくなってくる。こんな風に誰かが喜んでいる様子を見るのは、いつ以来だろうか。笑われてもいい、蔑まれても構わない。それは確かに俺の存在証明で、みじめさばかりが増長される、しがない自己愛でしかなかった。
 からかわれたのだと気付いた時には彼女は立ち上がっていて、俺を路地裏に残したまま、小さく手を振った。
「あたしミンゴス。またどっかで会お。バイバーイ」
 そう言って歩き始めた彼女の、だんだん小さく、霞んでいく後ろ姿を見つめて、俺はようやく、彼女の右脚が金属製であることに気が付いたのだった。
 人体の一部の代用としては不自然なまでに直線的で、機械的なシルエットをしたその奇妙な脚に興味が湧いたが、泥のように重たい俺の四肢は起き上がることを頑なに拒み、声を発する勇気の欠片も砕けきった後であった。飲み込んだ錠剤がその効用をみるみる発揮してきて、俺はその夜、虹色をした海に飲み込まれ、波の槍で身体を何度も何度も貫かれる幻覚にうなされながら眠りに落ちた。
 その後、ミンゴスと名乗った彼女がこの街では有名人なのだと知るまでに、そんなに時間はかからなかった。
「片脚が義足の、全身ピンク色した娘だろ。あいつなら、よく高架下で飲んでるよ」
 そう教えてくれたのは、ジャバラだった。ピアス屋を営んでいる彼は、身体のあちこちにピアスをあけていて、顔さえもピアスの見本市みたいだ。薄暗い路地裏では彼のスキンヘッドの白さはぼんやりと浮かび上がり、そこに彫り込まれた大蛇の刺青が俺を睨んでいた。
「高架下?」
「あそこ、焼き鳥屋の屋台が来るんだよ。簡単なつまみと、酒も出してる」
「へぇ、知らなかった」
 そんな場所で商売をして儲かるんだろうか。そんなこと思いながら、ポケットを探る。ひしゃげた箱から煙草が一本出てくる。最後の一本だった。
「それにしても……お前、ひどい顔だな、その痣」
 煙草に火を点けていると、ジャバラは俺の顔をしみじみと見て言った。
「……ジャバラさんみたいに顔にピアスあけてたら、大怪我になってたかもね」
「間違いないぞ」
 彼はおかしそうに笑っている。
 顔の痣は触れるとまだ鈍く痛む。最悪だ。子供の頃から暴力には慣れっこだったが、痛みに強くなることはなかった。無抵抗のまま、相手の感情が萎えるのを待つ方が早いだとか、倒れる時の上手な受け身の取り方だとか、暴力を受けることばかりが得意になった。痛い思いをしないで済むなら、それが最良に決まっている。しかしどうも、そうはいかない。
「もう、ヤクの売人からは足を洗ったんじゃないのか?」
「……その仕事はもう辞めた」
「なのに、まだそんなツラ晒してんのか。堅気への道のりは険しいな」
 掠れて聞き取りづらいジャバラの声は、からかっているような口調だった。思わず俺も、自���気味に笑う。
 学んだのは、手を汚すのをやめたところで、手についた汚れまで綺麗さっぱりなくなる訳ではない、ということだった。踏み込んでしまったら二度と戻れない底なし沼に、片脚を突っ込んでしまった、そんな気分だ。今ならまだ引き返せると踏んだが、それでも失った代償は大きく、今でもこうしてその制裁を受けている現状を鑑みれば、見通しが甘かったと言う他ない。
「手足があるだけ、まだマシかな……」
 俺がそう言うと、ジャバラはただ黙って肩をすくめただけだった。それが少なからず同意を表していることを知っていた。
 五体満足でいられるだけ、まだマシだ。特に、薄汚れた灰色で塗り潰された、部屋の隅に沈殿した埃みたいなこの街では。人間をゴミ屑のようにしか思えない、ゴミ屑みたいな人間ばかりのこの街では、ゴミ屑みたいに人が死ぬ。なんの力も後ろ盾も、寄る辺さえないままにこの街で生活を始めて、こうしてなんとか煙を吸ったり吐いたりできているうちは、まだ上出来の部類だ。
「せいぜい、生き延びられるように頑張るんだな」
 半笑いのような声でそう言い残して、ジャバラは大通りへと出て行った。その後ろ姿を見送りながら、身体じゅうにニコチンが浸透していくのを脳味噌で感じる。
 俺はミンゴスのことを考えていた。
 右脚が義足の、ピンク色した天使みたいな彼女は、何者だったのだろう。これまでどんな人生を送り、その片脚をどんな経緯で失くしたのだろう。一体、その脚でなんの代償を支払ったのか。
 もう一度、彼女に会ってみたい。吸い終えた煙草の火を靴底に擦りつけている時には、そう考えていた。それは彼女の片脚が義足であることとは関係なく、ただあの夜に、道端の石ころ同然の存在として路地裏に転がっているしかなかったあの夜に、わざわざ声をかけてくれた彼女をまた一目見たかった、それだけの理由だった。
 教えてもらった高架下へ向かうと、そこには焼き鳥屋の移動式屋台が赤提灯をぶら下げていて、そして本当に、そこで彼女は飲んでいた。周りには数人が同じように腰を降ろして酒を飲んでいて、それはあの夜に彼女と同じように闊歩していたあの奇妙な連中だった。
 最初に俺に気付いたのは、あの時、煙管の灰をわざと振り落としてきたトリカワで、彼はモヒカンヘアーが乱れるのも気にもせず、頭を掻きながら露骨に嫌そうな顔をした。
「あんた、あの時の…………」
 トリカワはそう言って、決まり悪そうに焼き鳥の皮を頬張ったが、他の連中はきょとんとした表情をするだけだった。他は誰も、俺のことなど覚えていなかった。それどころか、あの夜、路地裏に人間が倒れていたことさえ、気付いていないのだった。それもそのはずで、あの晩は皆揃って錠剤の化学作用にすっかりやられてしまっていて、どこを通ってどうやってねぐらまで帰ったのかさえ定かではないのだと、あの夜俺の手を踏んづけたフジマサが飄々としてそう言った。
 ミンゴスも、俺のことなど覚えていなかった。
「なにそれ、チョーウケる」
 と、笑いながら俺の話を聞いていた。
「そうだ、思い出した。あんた、ヤクをそいつにあげてたんだよ」
 サビにそう指摘されても、ミンゴスは大きな瞳をさらに真ん丸にするだけだった。
「え、マジ?」
「マジマジ。野良猫に餌やってるみたいに、ヤクあげてたよ」
「ミンゴス、猫好きだもんねー」
 どこか的外れな調子でそう言ったリリコは、またしても妙なハイテンションで、すでに酔っているのか、何か回っているとしか思えない目付きをしている。
「ってか、ふたりともよく覚えてるよね」
「トリカワは、ほら、あんまヤクやんないじゃん。ビビリだから」
「チキンだからね」
「おい、チキンって言うな」
「サビは、ほら、やりすぎて、あんま効かない的な」
「この中でいちばんのジャンキーだもんね」
「ジャンキーっつうか、ジャンク?」
「サビだけに?」
「お、上手い」
 終始無言のレンゲが軽い拍手をした。
「え、どういうこと?」
「それで、お前、」
 大きな音を立てて、キクスイがビールのジョッキをテーブルに置いた。ジョッキを持っていた左手は、薬指と小指が欠損していた。
「ここに何しに来た?」
 その声には敵意が含まれていた。その一言で、他の連中も一瞬で目の色を変える。巣穴に自ら飛び込んできた獲物を見るような目で、射抜かれるように見つめられる。
 トリカワはさりげなく焼き鳥の串を持ち変え、サビはカップ酒を置いて右手を空ける。フジマサは、そこに拳銃でも隠しているのか、片手を甚平の懐へと忍ばせている。ミンゴスはその脚ゆえか、誰よりも早く椅子から腰を半分浮かし、反対に、レンゲはテーブルに頬杖を突いて半身を低くする。ただリリコだけは能天気に、半分溶けてなくなった前歯を見せて、豪快に笑う。
「ねぇ皆、違うよ、この子はミンゴスに会いに来たんだよ」
 再びきょとんとした顔をして、ミンゴスが訊き返す。
「あたしに?」
「そうだよ」
 大きく頷いてから、リリコは俺に向き直り、どこか焦点の定まらない虚ろな瞳で、しかし幸福そうににっこりと笑って、
「ね? そうなんだよね? ミンゴスに、会いたかったんでしょ」
 と、言った。
「あー、またあのヤクが欲しいってこと? でもあたし、今持ち合わせがないんだよね」
「もー、ミンゴスの馬鹿!」
 突然、リリコがミンゴスを平手打ちにした。その威力で、ミンゴスは座っていた椅子ごと倒れる。金属製の義足が派手な音を立て、トリカワが慌てて立ち上がって椅子から落ちた彼女を抱えて起こした。
「そーゆーことじゃなくて!」
 そう言うリリコは悪びれた様子もなく、まるでミンゴスが倒れたことなど気付いてもいないようだったが、ミンゴスも何もなかったかのようにけろりとして椅子に座り直した。
「この子はミンゴスラブなんだよ。ラブ。愛だよ、愛」
「あー、そーゆー」
「そうそう、そーゆー」
 一同はそれで納得したのか、警戒態勢を解いた。キクスイだけは用心深く、「……本当に、そうなのか?」と尋ねてきたが、ここで「違う」と答えるほど、俺も間抜けではない。また会いたいと思ってここまで来たのも真実だ。俺が小さく頷いてみせると、サビが再びカップ酒を手に取り、
「じゃー、そーゆーことで、こいつのミンゴスへのラブに、」
「ラブに」
「愛に」
「乾杯!」
 がちゃんと連中の手元にあったジョッキやらグラスやらがぶつかって、
「おいおい愚か者ども、当の本人が何も飲んでないだろうよ」
 フジマサがやれやれと首を横に振りながら、空いていたお猪口にすっかりぬるくなっていた熱燗を注いで俺に差し出し、
「歓迎しよう、見知らぬ愚か者よ。貴殿に、神のご加護があらんことを」
「おめーは仏にすがれ、この坊主崩れが」
 トリカワがそう毒づきながら、焼き鳥の皮をひと串、俺に手渡して、
「マジでウケるね」
 ミンゴスが笑って、そうして俺は、彼らの末席に加わったのだ。
    ミンゴスはピンク色のウェーブがかった髪を腰まで伸ばしていて、そして背中一面に、同じ色をした翼の刺青が彫られていた。
 本当に羽毛が生えているんじゃないかと思うほど精緻に彫り込まれたその刺青に、俺は幾度となく手を伸ばし、そして指先が撫でた皮膚が吸いつくように滑らかであることに、いつも少なからず驚かされた。
 腰の辺りが性感帯なのか、俺がそうする度に彼女は息を詰めたような声を出して身体を震わせ、それが俺のちっぽけな嗜虐心を刺激するには充分だった。彼女が快楽の海で溺れるように喘ぐ姿はただただ扇情的で、そしていつも、彼女を抱いた後、子供のような寝顔で眠るその横顔を見ては後悔した。
 安いだけが取り柄のホテルの狭い一室で、シャワーを浴びる前に外されたミンゴスの右脚は、脱ぎ捨てられたブーツのように絨毯の上に転がっていた。義足を身に着けていない時のミンゴスは、人目を気にも留めず街を闊歩している姿とは違って、弱々しく薄汚い、惨めな女のように見えた。
 太腿の途中から失われている彼女の右脚は、傷跡も目立たず、奇妙な丸みを帯びていて、手のひらで撫で回している時になんとも不可思議な感情になった。義足姿は見慣れていて、改めて気に留めることもないのだが、義足をしていないありのままのその右脚は、直視していいものか悩み、しかし、いつの間にか目で追ってしまう。
 ベッドの上に膝立ちしようにも、できずにぷらんと浮いているしか���いその右脚は、ただ非力で無様に見えた。ミンゴスが義足を外したところは、彼女を抱いた男しか見ることができないというのが当時囁かれていた噂であったが、俺は初めて彼女を抱いた夜、何かが粉々に砕け散ったような、「なんだ、こんなもんか」という喪失感だけを得た。
 ミンゴスは誰とでも寝る女だった。フジマサも、キクスイも、サビもトリカワも、連中は皆、一度は彼女を抱いたことがあり、それは彼らの口から言わせるならば、一度どころか、もう飽き飽きするほど抱いていて、だから近頃はご無沙汰なのだそうだった。
 彼らが彼女の義足を外した姿を見て、一体どんな感情を抱いたのかが気になった。その奇妙な脚を見て、背中の翼の刺青を見て、ピアスのあいた乳首を見て、彼らは欲情したのだろうか。強くしたたかに生きているように見えた彼女が、こんなにもひ弱そうなただの女に成り下がった姿を見て、落胆しなかったのだろうか。しかし、連中の間では、ミンゴスを抱いた話や、お互いの性癖については口にしないというのが暗黙の了解なのだった。
「あんたは、アレに惚れてんのかい」
 いつだったか、偶然ふたりきりになった時、フジマサがチェ・レッドに火を点けながら、俺にそう尋ねてきたことがあった。
「アレは、空っぽな女だ。あんた、あいつの義足を覗いたかい。ぽっかり穴が空いてたろう。あれと同じだ。つまらん、下種の女だよ」
 フジマサは煙をふかしながら、吐き捨てるようにそう言った。俺はその時、彼に何も言い返さなかった。まったくもって、この坊主崩れの言うことが真であるように思えた。
 ミンゴスは決して無口ではなかったが、自分から口を開くことはあまりなく、他の連中と同様に、自身のことを語ることはなかった。話題が面白かろうが面白くなかろうが、相槌はたいてい「チョーウケる」でしかなく、話し上手でも聞き上手でもなかった。
 風俗店で働いている日があるというリリコとは違って、ミンゴスが何をして生計を立てているのかはよくわからず、そのくせ、身に着けているものや持ちものはブランドもののまっピンクなものばかりだった。連中はときおり、ヤクの転売めいた仕事に片脚を突っ込んで日銭を稼いでいたが、そういった時もミンゴスは別段やる気も見せず、それでも生活に困らないのは、貢いでくれる男が数人いるからだろう、という噂だけがあった。
 もともと田舎の大金持ちの娘なんだとか、事故で片脚を失って以来毎月、多額の慰謝料をもらい続けているんだとか、彼女にはそんな具合で嘘か真実かわからない噂ばかりで、そもそもその片脚を失くした理由さえ、本当のところは誰も知らない。訊いたところではぐらかされるか、訊く度に答えが変わっていて、連中も今さら改まって尋ねることはなく、彼女もまた、自分から真実を語ろうとは決してしない。
 しかし、自身の過去について触れようとしないのは彼女に限った話ではなく、それは坊主崩れのフジマサも、ヤクザ上りのキクスイも、自殺未遂を繰り返し続けているレンゲも、義務教育すら受けていたのか怪しいリリコも、皆同じようなもので、つまりは彼らが、己の過去を詮索されない環境を求めて流れ着いたのが、この面子という具合だった。
 連中はいつだって互いに妙な距離を取り、必要以上に相手に踏み込まない。見えないがそこに明確な線が引かれているのを誰しもが理解し、その線に触れることを極端に避けた。一見、頭のネジが外れているんだとしか思えないリリコでさえも、いつも器用にその線を見極めていた。だから彼らは妙に冷めていて、親切ではあるが薄情でもあった。
「昨日、キクスイが死んだそうだ」
 赤提灯の下、そうフジマサが告げた時、トリカワはいつものように焼き鳥の皮を頬張ったまま、「へぇ」と返事をしただけだった。
「ドブに遺体が捨てられてるのが見つかったそうだよ。額に、銃痕がひとつ」
「ヤクの転売なんかしてるから、元の組から目ぇ付けられたのか?」
 サビが半笑いでそう言って、レンゲは昨日も睡眠薬を飲み過ぎたのか、テーブルに突っ伏したまま顔を上げようともしない。
「いいひとだったのにねー」
 ケラケラと笑い出しそうな妙なテンションのままでリリコがそう言って、ミンゴスはいつものように、椅子に立てた片膝を抱くような姿勢のまま、
「チョーウケるね」
 と、言った。
 俺はいつだったか、路地裏で制裁を食らった日のことを思い出していた。初めてミンゴスと出会った日。あの日、俺が命までをも奪われずに済んだのは、奇跡だったのかもしれない。この街では、そんな風に人が死ぬのが普通なのだ。あんなに用心深かったキクスイでさえも、抗えずに死んでしまう。
 キクスイが死んでから、連中の日々は変化していった。それを顔に出すことはなく、飄々とした表情を取り繕っていたが、まるで見えない何かに追われているかのように彼らは怯え、逃げ惑った。
 最初にこの街を出て行ったのはサビだった。彼は転売したヤクの金が手元に来たところで、一夜のうちに姿をくらました。行方がわからなくなって二週間くらい経った頃、キクスイが捨てられていたドブに、舌先がふたつに裂けたベロだけが捨てられていたという話をフジマサが教えてくれた。しかしそれがサビの舌なのか、サビの命がどうなったのかは、誰もわからなかった。
 次に出て行ったのはトリカワだった。彼は付き合っていた女が妊娠したのを機に、故郷に帰って家業を継いで漁師になるのだと告げて去って行った。きっとサビがここにいたならば、「お前の船の網に、お前の死体が引っ掛かるんじゃねぇの?」くらいは言っただろうが、とうとう最後まで、フジマサがそんな情報を俺たちに伝えることはなかった。
 その後、レンゲが姿を見せなくなり、彼女の人生における数十回目の自殺に成功したのか、はたまたそれ以外の理由で姿をくらましたのかはわからないが、俺は今でも、その後の彼女に一度も会っていない。
 そして、その次はミンゴスだった。彼女は唐突に、俺の前から姿を消した。
「なんかぁ、田舎に戻って、おばあちゃんの介護するんだって」
 リリコがつまらなそうに唇を尖らせてそう言った。
「ミンゴスの故郷って、どこなの?」
「んー、秋田」
「秋田。へぇ、そうなんだ」
「そ、秋田。これはマジだよ。ミンゴスが教えてくれたんだもん」
 得意げにそう言うリリコは、まるで幼稚園児のようだった。
 フジマサは、誰にも何も告げずに煙のように姿を消した。
 リリコは最後までこの街に残ったが、ある日、手癖の悪い風俗の客に殴られて死んだ。
「お前、鍵屋で働く気ない? 知り合いが、店番がひとり欲しいんだってさ」
 俺は変わらず、この灰色の街でゴミの残滓のような生活を送っていたが、ジャバラにそう声をかけられ、錠前屋でアルバイトをするようになった。店の奥の物置きになっていたひと部屋も貸してもらい、久しぶりに壁と屋根と布団がある住み家を得た。
 錠前屋の主人はひどく無口な無骨な男で、あまり熱心には仕事を教えてはくれなかったが、客もほとんど来ない店番中に点けっぱなしの小型テレビを眺めていることを、俺に許した。
 ただ単調な日々を繰り返し、そうして一年が過ぎた頃、埃っぽいテレビ画面に「秋田県で殺人 介護に疲れた孫の犯行か」という字幕が出た時、俺の目は何故かそちらに釘付けになった。
 田舎の街で、ひとりの老婆が殴られて死んだ。足腰が悪く、認知症も患っていた老婆は、孫娘の介護を受けながら生活していたが、その孫に殺された。孫娘は自ら通報し、駆けつけた警察に逮捕された。彼女は容疑を認めており、「祖母の介護に疲れたので殺した」のだという旨の供述をしているのだという。
 なんてことのない、ただのニュースだった。明日には忘れてしまいそうな、この世界の日常の、ありふれたひとコマだ。しかし俺は、それでも画面から目を逸らすことができない。
 テレビ画面に、犯人である孫娘が警察の車両に乗り込もうとする映像が流れた。長い髪は黒く、表情は硬い。化粧っ気のない、地味な顔。うつむきがちのまま車に乗り込む彼女はロングスカートを穿いていて、どんなに画面を食い入るように見つめても、その脚がどんな脚かなんてわかりはしない。そこにあるのは、人間の、生身の二本の脚なのか、それとも。
 彼女の名前と年齢も画面には表示されていたが、それは当然、俺の知りもしない人間のプロフィールに過ぎなかった。
 彼女に限らない。俺は連中の本名を、本当の年齢を、誰ひとりとして知らない。連絡先も、住所も、今までの職業も、家族構成も、出身地も、肝心なことは何ひとつ。
 考えてもしょうがない事柄だった。調べればいずれわかるのかもしれないが、調べる気にもならなかった。もしも本当にそうだったとして、だからなんだ。
 だから、その事件の犯人はミンゴスだったのかもしれないし、まったくなんの関係もない、赤の他人なのかもしれない。
 その答えを、俺は今も知らない。
   ミンゴスの右脚は太腿の途中から金属製で、そのメタリックなピンク色の輝きは、無機質な冷たさを宿しながらも生肉のようにグロテスクだった。
「そう言えば、サビってなんでサビってあだ名になったんだっけ」
「ほら、あれじゃん、頭が錆びついてるから……」
「誰が錆びついてるじゃボケ。そう言うトリカワは、皮ばっか食ってるからだろ」
「焼き鳥は皮が一番美味ぇんだよ」
「一番美味しいのは、ぼんじりだよね?」
「えー、あたしはせせりが好き」
「鶏の話はいいわ、愚か者ども」
「サビはあれだよ、前にカラオケでさ、どの歌でもサビになるとマイク奪って乱入してきたじゃん、それで」
「なにそれ、チョーウケる。そんなことあったっけ?」
「あったよ、ミンゴスは酔っ払いすぎて覚えてないだけでしょ」
「え、俺って、それでサビになったの?」
「本人も覚えてないのかよ」
「リリコがリリコなのはぁ、芸能人のリリコに似てるからだよ」
「似てない、似てない」
「ミンゴスは?」
「え?」
「ミンゴスはなんでミンゴスなの?」
「そう言えば、そうだな。お前は初対面の時から、自分でそう名乗っていたもんな」
「あたしは、フラミンゴだから」
「フラミンゴ?」
「そう。ピンクだし、片脚じゃん。ね?」
「あー、フラミンゴで、ミンゴス?」
「ミンゴはともかく、スはどっからきたんだよ」
「あれじゃん? バルサミコ酢的な」
「フラミンゴ酢?」
「えー、なにそれ、まずそー」
「それやばいね、チョーウケる」
 赤提灯が揺れる下で、彼女は笑っていた。
 ピンク色の髪を腰まで伸ばし、背中にピンク色の翼の刺青を彫り、これでもかというくらい全身をピンクで���んで、金属製の片脚で、街角で、裏路地で、高架下で、彼女は笑っていた。
 それが、俺の知る彼女のすべてだ。
 俺はここ一年ほど、彼女の話を耳にしていない。
 色褪せ、埃を被っては、そうやって少しずつ忘れ去られていくのだろう。
 この灰色の街ではあまりにも鮮やかだった、あのフラミンゴ娘は。
     了 
0 notes
gunosy-news · 4 years
Text
玄関の鍵をかけ忘れて外出したことはある? 体験談が身につまされる
集計期間:2020年6月28日~6月30日 回答数:17293
Tumblr media
出かける際、ついうっかり玄関の鍵をかけ忘れてしまった…そんな経験はありませんか?
筆者は戸締まりを必ず確認するようにしていますが、鍵をかけようとした瞬間に誰かから電話がかかってきて、話し込んでいるうちにそのまま忘れてしまった…という経験があります。
最近では、新型コロナウイルスによる自粛期間中に、人のいなくなった商店街などで空き巣が増えたといいます。そこで今回は「玄関の鍵のかけ忘れ」について調査を行いました。
玄関の鍵をかけ忘れて外出してしまったことはありますか?
Tumblr media
回答者17293名のうち、玄関の鍵をかけ忘れた経験を持つ人は全体の約54.8%という結果に。
ここからは鍵をかけ忘れた理由や、かけ忘れた結果なにが起きたかなどについて具体的なエピソードを見ていきましょう。
鍵をかけ忘れた結果…
Tumblr media
<かけ忘れた理由は人それぞれ>
・短時間だからイイか、なんて軽いノリで、部屋の照明やエアコンもつけっぱなし。部屋から出る時に考えごとをしていたので、見事に鍵をかけ忘れました。
・寝坊し、電車に乗り遅れそうで焦っていて家の鍵を閉め忘れたことがあります。
・急いでいたり鍵を閉めようとした時に仕事関係の電話が来たり、というシチュエーションで鍵を閉め忘れた事があります。
・掛け忘れたというより、急いでいた時に鍵が見当たらず、遅刻しそうだったので仕方なく掛けずに出掛けたことがあります。
・近くに住んでる両親が(父親が家で1人だった時)急に胸の痛みを感じ連絡がきて慌てて自宅を出た時。
・子供が小学生時代の運動会の日に時間に追われていてめちゃくちゃ急いで外出した。帰宅したら玄関に鍵がついたままでその場でショックで倒れるぐらい驚いた。
・子供の面接で緊張していたせいか、うっかり鍵をかけず、かつ、挿しっぱなしで外出しました。
<鍵を挿し込んだまま忘れるタイプ>
・鍵穴に鍵をさしたまま出かけていたので、帰った時に驚愕した。何もされてなくて良かった。 
・鍵を挿したまま外出して、たまたま何日間か戻らず帰る時になり鍵がないと死ぬほど焦った。トボトボしながらまさかないと思いながら帰宅するとまさかの鍵差しっぱ。何事もなく良かったです。
・差し込んだまま忘れた。しこたま母に怒鳴られたが 次の日母が同じことしてた。
・かけ忘れたことも鍵を鍵穴につけたまま忘れたこともある。そのまま海外旅行に行ったこともある。
・かけ忘れただけでなく、家に帰ったら鍵穴に鍵がさしたままでした。幸いオートロックのマンションで角部屋なので人目につくこともなくトラブルはありませんでした。
<空き巣被害に遭ってしまった人も…>
・それで学習したのか空き巣が来るようになりました
・鍵を鍵穴にさしたまま仕事へ行ってしまい帰って買い物に行ったら財布の中身が抜かれていた(家に置きっぱなしにしていた)25000円くらい
・両親のどちらかが鍵をかけたと思い込みそのまま外出。外国籍の3人に自宅内を荒らされ、デジカメ2台・タブレットPC・買ったばかりのノートPC、ウォークマンなど盗られました。救いは金銭や通帳・カード類、家電は盗られなかったことですかね。
・3分の距離にある保育所のお迎えに行くのに鍵を閉めようと鞄を探してもなくて急いでたのでちょっとぐらいいいかと思いそのまま保育所に行った。その時は気付きませんでしたが後日3万円の入った鞄がなくなってる事に気づく… 空き巣に入られてました。
<それを泥棒と言うのでは…>
・元々田舎なので、三十二年間鍵をかけて外出した事は三十回くらいしかありません泥棒に入られた事は有りませんが、友達にお金を持ち逃げされた事はあります…汗
<鍵をかけたという思い込みが勘違いを生み…>
・結構ある。仕事から帰ると鍵があいていて血の気が引いた。不審者がいないか一つ一つ部屋をチェックするのが怖かった。
・帰ってきて鍵を差し込み‥あれ?開いてる‥ドロボーが中にいたらどうしようと思いながら家中の全部の部屋の押入れやクローゼットの中まで確認しました
・全く気づいていなくて、帰宅時に鍵が開いていることに気づき、ピッキング被害にあっているのでは、、と思い部屋に入るのが怖かった事がありました。
・鍵をかけ忘れたとき、同居している家族が泥棒が入ったと思い込み警察を呼んでしまう大惨事になりました。それ以来鍵かけ忘れはしてません。
<実際に侵入者がいたケース>
・家に帰ったら友達が寝ていた。
・帰宅したら、近所の放置子二人が冷蔵庫から出して食べていたので警察呼びました
・夜中に ちょっとコンビニに���くだけと思って、部屋の鍵掛けずに出かけたら下の階の人が部屋に入っていて大騒ぎになった。
・鍵をかけ忘れて、オートロックがあるマンションだからと気にしていなかったが、同じマンションの同じフロアの部屋の知り合いの方が来ていた時に間違って入って、しかも勝手にベットで寝られた。気持ちが悪かった
・帰ったら野良犬が居間に座り込みしてた
<鍵をかける習慣のない人々も>
・田舎育ちで鍵をかける文化がなかったので、上京したときはしょっちゅう忘れていました。
・鍵を掛けないで出かける事の方が多い。犬を飼っているので何かあった時に直ぐ救助してもらえる可能性があると思って…
・田舎は、玄関の鍵がかかっていれば留守、他の窓など空いてても。という暗黙のルールがあります。ちょっと前までは(半年くらい)、開けっぱなしで玄関だけ閉めて買い物にいってました。今は、閉めています。
・しょっちゅうあります。以前、鍵を無くして2~3ヵ月鍵をしないで暮らしていました。まさかの23区内ですよ
<かけ忘れってレベルじゃない>
・鍵のかけ忘れだけでなく、更には「扉全開」でした…。
<途中でかけ忘れに気づいてしまい…>
・一人暮らしで何回か鍵をかけ忘れて出勤したことがあります。会社で気づいたときは、帰宅するまでヒヤヒヤ…結果的に何もなく無事でしたが、鍵を忘れたときは本当に怖いです。
・電車に乗って気付いたときには気が気じゃなくて帰りました。
・帰宅するまで気になって他のことが集中できなかった。
・出先で気づいて、帰宅するまで気が気ではなかったです。あと、家ではないけどバイクにキーをつけたまま離れてしまい、帰ってきたときには取られていました。
・外出途中で鍵を掛けたかどうか心配になり、途中で帰って来たらしっかりと鍵が掛かっていてがっかりした。
・朝出勤する際、途中で思い出して戻ったところ、案の定かかってませんでした。
・髪切ってる途中に気づいて、半分刈り上げた状態で一旦帰った。 
<近所の人が気づいてくれるパターン>
・隣の家の方が、携帯に電話してくれた。日頃から、近所付き合いは、必要だと思った
・玄関の鍵をつけっぱなしで出掛け、全然気づかずに帰って来たらお隣さんが、鍵つけっぱなしで無用心だったから取って置いたよと届けてくれた。仲良しのお隣さんのおかげで助かりました。
・カギをドアにさしたままでかけていたことが2度あります。どちらも近所の方が気付いてカギをしめ、ポストにいれておいて下さいました。
・子供が怪我をしてあわてて病院に行った時。官舎だったので皆顔を知っている近所の人たちが気をつけていてくれました。感謝してます。その頃は貧乏だったので取られる物もなかったけど…。
・帰宅したら、近所のおじいさんが、心配でどこにも出かけられなかったと声を掛けてくれた。近所の人が入れ替わり立ち替わり3人ほどインターフォンを鳴らしてくれ、おじいさんはほぼ1日見張ってくれてたみたい
・隣の人が大家さんに伝えてくれて鍵を閉めてくれたけど、汚部屋時代だったので、泥棒に入られたんじゃないかと会社にまで電話がかかってきて、死にたかった。
<かけ忘れ対策>
・何度もうっかりある… ので新築はオートロックにした
・時々あるので、最近は鍵をかける時に、鍵かけたと声にだしてます。そうすると途中で、思い出した時に、ああ、かけたな。って、自分に確認できるので…
<オートロックやカードキーも安心できない?>
・かけ忘れて、オートロックなのに鍵を持って行ってもなくて主人に急遽帰ってきてもらった。
・電動キーの反応のタイミングが合わなくて、施錠したつもりなのに、数秒後に解錠されていたということが多い。
・新築アパートで私しか住んでいなかったんですが、カードキーが初めてで鍵を閉めていたけど実際は閉まっていなかった。というか、カードキーと部屋番号が違っていた。
鍵を挿したまま出かけてしまう人、帰ってから気づく人、そもそも鍵をかけない人…色々な人の意見が集まりました。
鍵をかけ忘れてしまうシチュエーションとしては、冒頭で筆者が述べたように遅刻や急病などで焦ったり、慌てていたりするときが多いようです。また、近所にちょっと買い物へ行く程度なら鍵をかけないという人も。
「途中で気になって引き返してみた時は、たいていちゃんと鍵がかかっている」という意見も多く見られましたが、実際に空き巣被害に遭ってしまった人の報告を見ているとやはり戸締まりの確認の重要性を再認識させられます。この記事を読んだ皆さんもどうかお気をつけて…
アンケートにご協力いただきありがとうございました。
グノシーの「アンケート」タブにて、毎日新しいアンケートを更新しています。ポイントが手に入るものもあるので奮ってご参加ください。
Tumblr media
こちらの記事に関するお問い合わせは [email protected] までお願いします。
0 notes
taftaaaaaalk · 5 years
Text
【賃貸の1階避けていませんか?】
Tumblr media
大抵の場合、敬遠されがちな1階のお部屋。
やはり気にされるのは防犯面の不安という方も多いのではないでしょうか。
確かに不安はありますが、1階は2階以上と比べ家賃設定が安価になっているというメリットがあります。鉄筋コンクリート造のマンションになると、1階と2階では家賃が5,000円前後の差が付いているところも珍しくありません。 最近では付加価値として1階のみエアコン設置などプレミアをつけているマンションも増えています。
せっかく立地もよくて設備も充実していて、間取も使い勝手が良さそうなのに、1階だから… と諦めてしまう前に、もし防犯面が不安であれば、自分で対策をするというのも一つの手といえます。 とはいえ、賃貸ですと退去の際に原状回復義務があるため、なかなか新しい防犯グッズの取り付けができなくて困ってしまうこともあるでしょう。 しかし、最近は賃貸であっても原状回復に影響を及ぼさずに防犯グッズを取り付ける方法もあります。
そこで今回は、賃貸でできる窓から侵入に対して防犯対策強化の方法について紹介します。 まずはどのような方法で侵入されるケースがあるのか事例をみていきましょう。
●窓からの侵入方法
警視庁の調査によると、窓からの侵入原因は約4割が鍵のかけ忘れによるものというデータがあります。 しかし、施錠していたからといって、100%に安全とは限りません。
窓から侵入される手口としては、以下のような方法があります。
1.こじ破り ガラス破壊の被害の中で、一番多く使われる手口です。 地震などの揺れで窓が歪んでもガラスが割れるのを防ぐために、窓には隙間が作ってあります。 その窓枠とガラスの隙間に、ドライバーなどの工具を差し込んで、錠の周りに数か所ひびを入れると、30秒程度でガラスを割ることが可能です。。
2.突き破り アイスピックを使って、小さな穴をあけたら、そのままクレセント錠のレバーを倒して解錠します。
3.打ち破り バールなどでガラスをたたき割る方法です。非常に短時間で済ますことができますが、、大きな音で気づかれてしまうため、最近ではあまり使われない手口です。 しかし、線路沿いなどの騒音が多い立地ですと、割れる音がかき消されてしまうため、条件がそろっていた場合には、うってつけの方法といえます。 また、網入りガラスの場合、この方法でもあまり大きな音がしないため、注意が必要です。
4.焼き破り ガスバーナーやターボライターでガラスを熱し、水をかけて急冷させ割る方法です。 耐貫通精度が高いガラスでない場合、10秒ほどで簡単に割れます。
ちなみに窓の鍵といえば、回転する部品と、それを引っ掛ける金具からできている「クレセント錠」ほとんどです。 そのため鍵というものの、結局のところクレセント錠は単なる締め金具なのです。 目的としては、防犯というより、外部への音漏れ防止のために窓を密着させるための道具にすぎません。 つまり窓にクレセント錠のみという場合は、鍵がついていないのと同じ状況です。 それが原因で、窓は空き巣などの被害に遭いやすくなります。 ここまでご存知なくても、なんとなく1階は不安という方が多いことと思います。
では賃貸物件でも使える窓の防犯対策とはどういうものがあるのでしょうか。
●窓から侵入に対して防犯対策強化の方法について
1.窓ガラス用防犯フィルム 防犯フィルムは窓ガラスが割れるのを防いだり、割れてしまったときはガラスが飛び散らないように保護してくれる効果があります。 防犯性能は優れていますが、それゆえに一度貼ってしまうと取りはずしに手間がかかってしまうのが難点です。
粘着力が高いものを貼ってしまうと、入居時の状態に戻すのは困難なため、使用するときは大家さん、もしくは管理会社に相談しましょう。
より防犯性を強化したい場合は窓全面に貼るのがおすすめですが、手間や費用が掛かるため、費用を抑えたい場合は、鍵の周りのみフィルムを貼っておくと良いでしょう。
Tumblr media
2.補助錠 窓のサッシに補助錠をつけることで、クレセント錠をあけられてしまっても窓が開くことを防いでくれます。 取り外しが可能な両面テープで固定するタイプの補助錠なら、賃貸物件の場合でも設置することができます。
Tumblr media
3.窓用防犯ブザー 勝手に窓が開いたときや、ガラスの破壊などの衝撃が加わった時に、検知して知らせてくれるグッズもあります。 窓用の防犯ブザーには、ネットショップやホームセンターで購入できる「市販品」とホームセキュリティサービスに加入することで取り付けてもらえる「専用品」の2種類があります。 ただし、ホームセキュリティサービスに加入して取り付けるタイプは、大家さんや管理会社からの許可が下りないと取り付けできないこともあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
Tumblr media
4.クレセントガード クレセントの場所を明確にせず、防犯意識の高さを伝えることで心理的な効果によりガラスを破りにくくするステンレス製のガードプレートを取り付ける方法です。クレセント部分を突く「突き破り」に対応できます。
Tumblr media
最近は、個人でも防犯対策の強化ができるように、両面テープや挟み込む形で新たに鍵を追加できる補助錠もたくさん売られています。 ただ、大家さんや管理会社に許可をもらって、とにかく防犯対策を徹底したいという人は鍵屋に専門の鍵の取り付けを依頼するという方法もあります。
このような方法で対策することにより月5,000円の家賃減額が見込めるのであれば、防砂対策のために費用をかけ、あえて1階に入居するという考え方もあるでしょう。 エレベーターが無い物件では階段の昇り降りが面倒ですし、特にお買い物をされて帰宅する際は1階だと楽ですしね。
株式会社タフト ホームページ 「タフト 賃貸」で検索 https://taft.co.jp/
0 notes
acelockservice · 2 years
Text
GOAL錠ケースHDとラッチPYの交換作業
カギの不具合と聞いて伺ってみますと原因は錠ケースでした。在庫していましたのでそのまま交換出来ました。序でにラッチも不具合気味でしたのでこちらも交換してきました。 八王子市・日野市・多摩市での鍵トラブルは出張鍵屋のエースロックにお任せ下さい。緊急お問合せ先 0120-149-769
Tumblr media
View On WordPress
0 notes
karasuya-hompo · 5 years
Text
Skyrim不動産案内番外編:Dova Halls
 マルカルスの酒場で、ダシュニク・ヤルから鉱石を売りに来た知り合いのオークに会った。  オークって種族もなかなか偏屈だが、一度仲間と認めた相手にはめちゃくちゃ義理堅い。そんなわけで、久しぶりじゃないか、最近どうしてた、今夜は奢ってやろうじゃないか、なんて話のさなかに、面白いことを聞いた。  集落の近くに、いつの間にかドゥーマー遺跡ができていたっていうんだ。
Tumblr media
 できてたっていうか……”遺跡”ってものは昔からあるはずのものだから、出現したと言ったほうがいいんだろう。  マルカルスの上にも、ドゥーマーの魔法が切れたのか、広大な遺跡空間が見つかったし(【MARKARTH HEIGHTS】)、ダシュニク・ヤル傍の遺跡も同じように、魔法だかなんだかの期限切れで見えるようになったのかもしれない。  もちろん行ってみることにした。
Tumblr media
 マルカルスのあたりは、道やロケーションを把握するほど歩きまわってないせいで、どこからどう進めば簡単に辿り着けるのか、ピンと来なかった。そのため、いったん件のオークとともにダシュニク・ヤルに行って、そこから探したんだが……おかげでこんな高台から見下ろす形で発見することになった。
Tumblr media
 滝のある流れをまたぐように建てられていて、ちょっと高いところに出ると見晴らしもいい。
Tumblr media
 入り口の扉には鍵がかかっていたが、その鍵は左足元の……水盤じゃないし、台みたいなところに無造作に置かれていた。  さて、ドゥーマーの遺跡ってヤツは、大概広くて、入り組んでるものだ。時には奇妙な仕掛けがあることもある。中に入ってスイッチをいじると、床が開いて落とされる、���かな。  ここはいったいどんな遺跡なんだろう。わざわざ隠されてて、しかも施錠までされてるんだから―――って、俺がここでこんな話をしてるわけだから、これが実は"家"だったってのは、言うまでもない。だからとっとと、話を進めるとしよう。
Tumblr media
 中は少し薄暗く、石造りの家独特のひんやりとした空気に満たされていた。けれど何百年、ともすると何千年って時間が経過しているとは思えない。  ともするとここには、見えない間も出入りしていた誰かがいたのか―――、
Tumblr media
 と思って進むなり見つけたのは、タロスの祠だった。ってことはノルドか? ノルドには魔法嫌いが多いが、ドゥーマーの謎技術はいいんだろうか?  そんなふうに考えるとほとんど同時に、ここは遺跡じゃなく"家"なんだろうなと、俺は直感していた。壁にある武器飾り額なんかも、普通のドゥーマー遺跡にはない。
Tumblr media
 しかし石造りの空間に金属の柵やパイプがあるのは、よくあるドゥーマー遺跡と同じだ。おそらく、遺跡の一部を家に改造したんだろう。武器ラックも大型のものが置かれている。
Tumblr media
 それに、陳列ケースに、マネキンが多数。  このへんまで来ると、ここは”家”ってよりは"格納庫"、いわゆるアーマリーだって気がしてきた。とすると、人が住み暮らすための利便性はないのかもしれない。
Tumblr media
 だがまったくただの武具庫かといえば、そうでもなかった。こんな剥製があったり、その台座に金庫が埋められていたり、
Tumblr media
 下層には木も植えてあるし、鍛冶場も作られている。
Tumblr media
 それに、またタロスの祠だ。どんだけタロス推しなんだ? そのわりに、これだけのスペースがあるのにタロス絡みの彫像とかがないのが意外だ。
Tumblr media
 小さいものの本棚もある。
Tumblr media
 鍛冶場には錬金器具、付呪器具も一緒に置いてあって、つまりは製作場所ってことだ。こうやってまとまってるのも、利便性第一で考えるとありがたい。ただ、利便性だの効率だのってことを考えると、ここまでにけっこう歩かないといけないのは不便かもしれないな。
Tumblr media
 アーマリー兼製作場には、小さな部屋が2つ、くっついていた。  そのうちの1つは……食堂みたいでもあるし、貴重品をおさめた宝物庫みたいでもある。
Tumblr media
 立派な両手剣が一本、椅子に立てかけられていたし、
Tumblr media
 テーブルには食事だけじゃなく、スコールの衣類も一揃え置かれていた。しかも、それぞれなかなかに強力な付呪がしてある。と言っても、腕の良い付呪士なら実現できそうな感じだ。いや、詳しくはないからはっきりとは言えないが、途轍もないアイテムってわけじゃないのは間違いない。
Tumblr media
 それから、小さな神像が集められた場所もあった。特になにか効果があるわけじゃないものの、室内のにぎやかしとしては面白い。
Tumblr media
 もう1つの部屋はベッドルームだ。ダブルベッドが2つってのは、ちょっと珍しい。だからってフォロワー含めて四人寝られるのかどうかは知らないが。  ……いや、俺はいい。試す気はないぞ。仲間がカワイイ女の子だっていうならまあ、話はちょっと別だけどな。あのおっさん二人じゃ……。
Tumblr media
 あまりあれこれ飾り立てられた部屋じゃないが、壁際のテーブルには小銭入れやコインの山、金鉱石なんかが放り出されていた。  まぁ、魔法が切れて見えるようになったにせよ、一夜の内に建築されていたにせよ、今のスカイリムならありうる話、よくある話だ。で、俺たちにとってはどっちだって構わなくもある。住民がいるのでないなら、新しい居住者を探したっていいだろう。  あいつの話じゃ、ドゥーマー遺跡が好きな人ってのもけっこういるみたいだし、その中には、いかにも”家”っ風情のものが好きな人もいれば、こんな感じでアーマリー風が好きな人もいるに違いない。  じゃ、そろそろと行くとするか。まだ夜までは時間があるし、そうだな……ダシュニク・ヤルに戻って一服のするのもいいかもしれない。それで晩飯でも食べさせてもらって、一泊して……よし、そうしよう!
0 notes
feelingskyblue · 7 years
Text
海外一人旅の防犯のこと
備忘録、というか、海外一人旅について話すと割と聞かれることが多い「大丈夫? 危ない目とか合わなかった?」について、一度ちゃんと文章にしておこうと思います。 あくまでも、「私はこうしている」という一事例でしかなく、これさえやっておけば大丈夫というものでは決してありませんが、あなたが海外へ出かけるときの準備の一助になれば幸いです。
※なお、主にバックパッカースタイルで旅をしているとはいえ、私は勇敢な人間ではなく、面倒事は無いに越したことはないと思っているので、治安が悪いエリアは元々あまり訪れていません。ヨーロッパを中心におおよそ17ヶ国ほど旅行して、一番あぶなかったのがスリ未遂とかその程度です。
※昨今の欧州などで多発しているテロについては、外務省のサイトや国際ニュースを読んでおく・ラマダン期間を避ける・都市部を避ける・都市に行く場合は繁華街や人混みを避ける・幸運を祈る、くらいしか、私もどうしたら良いのか分かっていません。遭遇してしまった場合のガイドラインが少しずつ各地から出てきているので、そちらもぜひ参考に。
この記事と、出かける前の私の思考の流れ
情報収集とシミュレーションをする
回避力アップに心血を注ぐ
遭遇してしまった場合のリカバリー策を張る
情報収集とシミュレーションをする
旅行先のトラブルを避けるために、まず、トラブルのパターンと現地情勢を何となくでも把握し��想像することから始めています。 旅行者が巻き込まれるトラブルの手口はだいたい決まっており、また治安が悪いエリアも早々変わることはないので、これらを知っているだけでも多くのトラブルを先んじて避けることができるようになります。 私の場合は、だいたい下記の流れを取ります。
外務省の海外安全ホームページへ行く(ついでに旅レジも登録しておく。現地大使館から滞在期間中に安全情報メールが届くようになります)
旅行先および周辺国の地域安全情報を確認する(旅行先に危険度レベル2が発令されていたら、余程切実でなければ諦めます。3以上のときは行かない)
旅行先で流行っているやばそうな感染症がないか、ある場合は予防注射が国内で可能か確認しておく
図書館へ行き、旅行先の国のガイドブック巻末にだいたい載っているトラブル事例を読む(心が決まったら改めて買いに行くことが多いですが、まずは)
近寄らない方がよい治安のエリアを把握する
ついでに掲載のトラブル事例に自分が巻き込まれたら…を想像する
自分は大丈夫だって?ほんとか?寝不足でも?時差ボケでも?弱っているときにめちゃくちゃ優しくされても?駅の乗り換えでパニクったときでも?
もう一度想像し、怯える
怯えすぎると出かける気力が挫けるので、程々で気を取り直す
とりあえずこんな感じ。 海外安全ホームページは何があっても読みます。ぜったい。 想像し、程々に怯えたところで、次へ。
回避力アップに心血を注ぐ
英語もおぼつかない単身の150cm日本人女子だなんて、その手の人にとっちゃ、いかにもカモに見えることでありましょう。トラブルに巻き込まれたところで抵抗がどれほど効力を発揮するかなんてあまり期待できないので、何より「遭わないこと」を最優先に考えます。 情報収集の過程で想像したあれこれにどうすれば遭わない確率が上がるか考える、というのももちろんですが、旅先の持ち物や、現地に到着してからの歩き方なども気を配ります。 だいたいこんな感じ。※治安や衛生環境が悪めのエリアや国ではもうすこし気をつけた方が良いかも
きらびやかな格好をしない(まぁもともと金銭的にできないけど)
都市部では警戒心レベルをさらにもうひとつ引き上げる
前情報で把握した治安の悪いエリアには極力近づかない。どうしても必要な場合はさらに警戒心を引き上げ、早歩きを心がける。夕方前には引き上げる
鞄はかならず斜め掛けにし、できるだけ体の前に回す。ついでに鞄の上に腕を置く癖をつける
鞄の口を開けっ放し、とか絶対にしない。
財布はポケットに入れない。鞄に。
移動時はバックパックに鍵を掛ける。
道路の近くをふらふら歩かない(都市部では。引ったくり回避)
ATMを利用する場合はなるべく日中に。機械の故障でカードが飲み込まれる場合もあるので、できるだけ近くに管理者がいるようなものを。銀行や空港のATMは割と安心。
食事の際は、鞄を自分の視界から外に出さない(置き引き回避。背もたれに引っ掛けるだけとか危ないよ。隣か前の椅子に置き、鞄の紐は背もたれに通しておくと引ったくりも回避できてベター)
夜中まで出歩かない。特に初めての町は。観劇や移動など、夜の予定がある場合は滞在二日目以降にする。初日に街の雰囲気を把握し、よくない雰囲気だったら諦めることも視野に。
夜中到着もできるだけ避ける。どうしようもない場合はせめて宿の事前予約と交通機関の把握を。
白タクには、絶対に、何があっても乗らない。
知らない人についてゆかない。(これはバックパッカーの場合は難しいところではあるんだけども…私は…です。よっぽど仲良くなったら別。道案内してくれる人も別。こちらから話しかけた人が変なことを考えている確率は低いので、道に迷ったら自分から人に助けを求めた方が良い)
知らない人に貰った食べ物や飲み物を口にしない。特にこちらが口にするのを目前で待っているような場合は。(睡眠薬強盗回避のため。ホテルのオーナーさんからお裾分け、とかは別です。ただしめちゃくちゃ安い宿や従業員の雰囲気が怪しい場合はやはり貰わない方が良い)(モロッコでは長距離バス内でお菓子を回す習慣があり、私以外も皆食べてるような状況だったのでこのときはありがたく頂きました)
怪しいな、と思ったらとにかく逃げる。話が途中でも切り上げて立ち去る。No thank you.もしくはPlease let me alone.を連呼しても離してくれない人はそういない。言葉が分からない振りも有効。(最終手段は I’ll call pollice!かな…使ったことはまだないが…)
密室、および人の気配が無い場所にはなるべく立ち入らない。(周囲の見通しが効く砂漠や氷原や荒野はあまり心配いらないですが)
謎の荷物を預からない。(そうそう無いと思うけど…)
体調に気を配る。無理をしない。スケジュールを詰め込みすぎない。体力が落ちると風邪やら病気やら貰いやすくなる
絆創膏や消毒液はできるだけ持ち歩く
野良犬には近寄らない(狂犬病回避のため。国によっては大丈夫だけど噛まれるとやっぱり危ない)
滞在先でやばめな感染症が流行っている場合、トラベルクリニックで予防注射を打っておく
ホステルではバックパックをワイヤーチェーンで家具に繋ぐ。(同室者以外の誰かが入ってくる可能性もあるのです)
ホステルでは貴重品ロッカーをできるだけ利用する。パソコンなどの貴重品を出しっぱなしにしない。ロッカーが無い場合はバックパックに入れて鍵をかける。もしくは目に付かない場所に。(ちょいと席を外すような場合は、枕カバーの中にノートパソコンを入れたりしていました)
ホステルではシャワールームを利用するときなども貴重品は持ってゆく
ホステルでは眠るときも鞄をすぐ側に。貴重品は抱いて寝るとなお良しです。
さらに治安悪めなエリアの場合は下記も追加してます。インド・エジプトの大都市圏とか。
ダブルチャックの鞄を準備する。左右ふたつのチャックで閉めるタイプのもの。閉めた上で、チャックとチャックを簡易ダイヤル型南京錠やキーホルダーで繋ぐ。(スリのチャック開閉回避。ダブルチャックでなくとも、とにかく簡単には開かないようにする)
スマホでのんびり写真撮影をしない(これをやって、一度、子供に取り囲まれてしまったことがあります。迂闊だった。周囲の人が助けてくれましたが)
スマホを使うときはストラップなどに手首を通す(ひったくり回避)
(ここまでやったことはないけど、財布をチェーンで鞄内部に繋ぐのも有効かも)
もちろん、常にフルで実行している訳ではなく、滞在地や宿周辺の雰囲気で使いわけています。互いが顔見知り、みたいな小さな町は安全なことが多いですね。 ただ、これ、ぼったくり系のトラブルは防げません。私も未だにどうしたら良いか分からないんだ…タクシーは特に…メーター見てもよく分かんないよね…。事前に行き先言って値段確認するぐらいがせいぜいです。タクシーに限らず、アジアでは何かと交渉が必要な場合が多いので、買い物のときには事前にしっかり値段の確認を。紙に書くとさらに確実。(インドのヘナアートで一桁多くぼったくられ為す術もなく泣き寝入りした私より。白目)
一応、今まで17ヶ国ちょいちょい旅して、遭遇したのはスリ未遂二回(と、ぼったくり)くらいです。それぞれインド・ニューデリーの人混みと、ポーランド・クラクフの駅でした。どちらも正面から開けに来るような稚拙なものだったので大丈夫でしたが、タッグ式(気を引く人と実行犯が別のタイプ)のスリだったら防げてたかはちょっと自信がないです…。
遭遇してしまった場合のリカバリー策を張る
これだけ回避策を張っても、ほんとに本気で狙われちゃったらどうしようもないです。鞄もバックパックもナイフで裂かれたらお手上げだし。不慮の病気とか事故とか、気をつけてても防げない場合もありますし。 そういうケースを考えて、下記のリカバリー策もやっています。今のところ、幸い、これらが実際に役に立ったことはほとんどないのですが。これからもそうであってほしい。 ただ、災害やテロにはあまり対応できません。スリ・ひったくり・置き引き・強盗・怪我・病気を想定しています。
海外旅行保険に加入しておく(ぜったい!!これだけは!!!)
保険提携先の病院と連絡先を把握しておく
現地大使館の連絡先を控えておく。住所と電話番号。できればノートなどに。
連絡手段を考えておく(携帯の場合、海外で通話できるか確認を)
盗難発生時、警察や保険に対しどのような手続きが必要なのか、資料や体験記などを読んでおく
クレジットカードの停止手段を調べておく
英語および現地語での助けを求める言葉を把握しておく
宿のスタッフさんと出来るだけ仲良くなっておく、というか、せめて常に挨拶をする(いざという時にいちばんサポートをお願いすることになるでしょうから)
いざとなったら走れる、という量の荷物に留めておく
いざとなったときに抵抗しない心構えをしておく(抵抗する方が危ないことが多い)
財布に全財産を入れない。クレジットカード・パスポートは貴重品袋などに入れて服の下に。(どちらかを盗まれた場合の被害軽減のため)
クレジットカード(もしくは海外キャッシュカードなども含めて)は合計2枚以上持っていく。盗難に遭わずとも、なぜかこっちだけ海外で使えない、とかよくあるので。
パスポート再発行が必要になったときのために予めコピーを取っておく
1万円などの高額紙幣を何枚か変な場所に分散させておく(私は貴重品袋・本の間・常備薬箱の中などに入れていました。万一のときも後から体勢だけは整えられるように)
携帯を盗られた場合の連絡手段を考えておく(私は古いiPhoneをもう一台持っていっています。現地で安い携帯を購入する選択もあり)
あと、ちょっと例外。ロストバゲージ。 これはもう、回避のしようがない、一定確率で割とよくある(諦めが肝心)なので、リカバリーを重視します。往路だけでも全荷物を機内持ち込みするのが一番良いのですが、できないことも多いので。乗り継ぎがある場合や格安航空の場合ほど発生しやすいですが一概には言えない…。。普通にデリー→イスタンブールの移動だけで行方不明になったこともあったしなあ…。。
カメラやPCなど、壊れやすいものや貴重品を預け荷物に入れない。
到着直後に使うであろうものを預け荷物に入れない。(特に充電器。あとガイドブックとか。荷物が空港から滞在先ホテルに郵送されてくるまで2〜3日は掛かります。下着はその辺で買えるけど充電器はな…コンセント海外仕様のものだったりすると帰国してから使いづらいし…)
というか、ぶっちゃけ、無くなってもさほど困らないものしか預けない方が良い。
これくらいかな…。 盗難系は、まぁ保険でどうにかなるので、たぶん抵抗せずに諦めた方が良いです。脅し程度なら日本語で怒鳴って追い払えることもあるそうですが、周囲に誰もいないような状況だとそれも止めた方がいいかもしれない。 幸いにして遭遇したことはありませんが、相手が武器を持っているような場合は速攻諦めようと思っています。 直接危害を加えてくるものと、事故、病気が一番恐ろしいです。
防犯と警戒は、やりすぎると疲れちゃうし、現地の人との交流がどうしても少なくなってしまうし、塩梅が難しいところではあります。誰を信じるのか信じないのか、自分で決めなければいけない。 私は、あまり英語力に自信がない上、遭遇してしまったらもう諦めるしかねぇみたいな感じなので、回避策に全力を振ってますが、何を重視するかしないかはやはりその人次第です。多少危険でも、どうしても見たいものがあるならば、行った方が良い、ということはあると思います。
ただ、これらはすべて、旅行を途中で終わらせないためのものです。 変なことを考える人もいますが、助けてくれる人も大勢います。道に迷ったときも、バスに乗り損ねたときも、途方に暮れたときも、助けを求めれば、必ず誰かしらが力になってくれました。 十分に気をつけておけば、大抵の観光地は、ふつうの人がふつうに暮らしているふつうの街なのですから、そんな恐ろしいことはそうそう起こりません。存分に楽しんで、そしてまた帰ってきてください。
どうか恐れずに。ただ、気をつけて。
4 notes · View notes
Quote
【刃物で襲われたらどう行動するか】 (これは令和元年五月に発生した『川崎市登戸通り魔事件』を受けて書かせて頂いた記事です) 先週、川崎で大変痛ましい殺傷事件が発生しました。被害に遭われた方のご冥福と早期の回復を心より祈念致します。 私は昨年、『邦人の緊急事態研究会』様が主催されたセルフディフェンスセミナーに参加させていた頂きましたが、そこで教えて頂いた内容を中心に数点の対応策をここに記載させて頂きます。 【はじめに】 今回は秋葉原事件や川崎の通り魔事件、欧米でイスラム過激派が引き起こしたような『突如、刃物を持った人物が無差別殺傷を始めた』ケースについて対策を記したい。 まず刃物を持った人物に相対した時点で圧倒的に不利な状況に置かれているわけであり、完璧な対処マニュアルなどあるわけがなくここで提示させて頂く内容もあくまで一つの案に過ぎない。 後半に攻撃や防御法について若干の記載があるが、あくまで丸腰の人間が刃物で襲われた極限状況に際してのものである。 素手の相手にこのような事を行うと我が国の刑法では過剰防衛で罰せられる。(但し襲撃者が男性で被害者が女性の場合、体力差が考慮されるので素手の相手でも全力で反撃すべき場合もある。ただ、痴漢相手に突如催涙スプレーを噴射するなどの対応は過剰防衛に問われる可能性は高い。) 日本の刑法では先に手を出されても、殴り返したら喧嘩両成敗で罰せられる場合が殆どで、職を失い、逆に賠償を請求されかねない。相手が死亡し訴追される最悪のケース(『勘違い騎士道事件』など)もあることを理解したうえでお読み頂きたい。 また当然のことながら、犯罪に遭遇しないことが最上の対策である。犯罪多発地帯に足を踏み入れない。夜間、女性の一人歩きは注意するなどの犯罪者にスキを与えない普通の対策をした上で尚、白昼突如襲われたケースについて論じたものである。 【①ナイフは『近接戦闘最強兵器』】 ●仮にナイフを持っている人物が一見、ひ弱そうな人物でも絶対に侮ってはいけない。秋葉原無差別殺傷事件の犯人は非力な青年だったが、それでも警察官を含む17人を死傷させている。 ●ナイフは『兵器』であり、これで武装した相手はプロでも簡単に制圧できない。秋葉原無差別殺傷事件のときは訓練された警察官でさえ制圧する際に刺され、防刃チョッキを着ていたため命が助かった状況であった。また犯人を制圧した警察官は震えてすぐに手錠を取り出せなかった。 ●格闘技の有段者であってもそれで殺意をもって襲ってくる相手を防げるわけではない。容易に『弱者』になり得る、『比叡山女子大生殺害事件』では空手2段の女子大生が48歳のホームレスに強姦され殺害された。 ●腕に覚えがある者ほどナイフをなめてかかる傾向がある。だが整備された道場でルールに従ってやるわけではない、住み慣れた生活空間や安全なはずのレジャーの最中に突如、死に物狂いで明確な殺意もった人間が襲ってくるのである。 ●刃物で武装した相手に、生半可な護身術で対処できると考えるほうがおかしい。よく護身術などでは、『ナイフで襲われたらこう交わしてカウンターで相手に一撃を与えて…』という解説があるがそんなことは実際には殆ど不可能だ。 ●ナイフで襲ってくる相手はコミックや映画のようにナイフを構えてジリジリ距離を詰めて、斬撃を加えてくるようなことは殆どない。実際には突進して無茶苦茶に切りつけて来たり、密着してめった刺しにしてくるのである。突進してきて、腹部を何度も刺突されたら格闘技の有段者だろうが、成す術がない。仮に斬撃を反せようとしても、実際には軌道が少し逸れるだけで、結局斬られる結果になることが多い。 ●仮に見事カウンターの一撃をお見舞いしても興奮状態の人間はバットや棒で殴りつけても容易には昏倒しない。しかも犯人は事前に薬物を服用し、感覚がマヒしている可能性も高い。平成11年の『下関通り魔殺人事件』では犯人は120錠の睡眠薬を服用してから凶行に及んでいる。 ●外国軍や法執行機関の犯人制圧マニュアルなども販売されているが、逮捕権などの権限があり、莫大な予算がつき、火器で武装した軍・警察と我々民間人では自ずから対処法が変わる。また軍人や警察官も非番の時は一般人と殆ど変わらない。 ●『銃規制のある日本で大規模テロは起きない』と言われるが車とナイフがあれば大量殺傷が可能である。現実に欧米ではイスラム過激派が各地でこの手法を用いている。 【②『起きるかも知れない…』だけでも動きは変わる】 秋葉原事件の時のようにプロでもパニックに陥る。だがプロでも民間人でも『絶対の安全はない』『ここでも事件が起きるかも知れない』という意識でいるかいないかで対処が変わる。 またナイフの怖さについて認識があるかないかだけでも違ってくる。 【③まず逃げる、隠れる、そして通報する】 ●上述したようにナイフを持った相手に対し、英雄になろうと考えてはならない。まず全力で逃げることが先決である。 ●ナイフで刺されて倒れている人を見ても、容易に近づいてはならない。なぜなら犯人がまだ現場におり、夢中で応急処置や通報している人間を背後から刺す可能性もあるからだ。秋葉原事件ではこれが起きた。 ●よって物陰に隠れ、或いは現場から離れ、安全が確認されてから通報するべきである。また避難する際、邪魔な私物があれば捨てて逃げる。状況に応じて周囲の人に大声で危険を知らせる。通り魔事件の場合、事件発生直後に何が起きているかわからず被害にあう人が多い。 ●これだけの騒ぎだから誰かが通報するだろうと考えてはならない。自分しか知らない情報もあるかもしれない。警察官に自分の知っている事を全て提供すべきである。 ●会社のオフィスなど建物内にいる場合、避難することに反対する人間がいても自分の判断で避難するべきである。犯人との鉢合わせを避けるため留まる方が安全だと主張する場合もあるが、FBIの統計では避難が遅れるほど遭遇率は上がる。 ●建物内のできるだけ大勢の人に声をかけ避難する。また事件が起きていることを知らず建物内に入ろうとする人物が必ずいるので制止する。基本的に私物は捨てる、テロリストの目的が特定の人物の拉致や殺害にある場合、残された持ち物を物色するので時間が稼げる。 ●建物内で隠れざるを得ないときは、ドアを施錠し、障害物で塞ぎとにかく時間を稼ぐ。無差別殺傷事件を起こす犯人は短時間でできるだけ多くの人を殺傷することを目的としているので侵入を諦める可能性がある。 ●犯人は音に反応しやすい。隠れるときは携帯電話・テレビ・ラジオ・置時計の電源をオフにする。 ●犯人がドアを壊し始めてから、隠れ場所を見つけようとすると物音で気づかれ危険が増加する。施錠した後は隠れ場所を決めそこから動かない。また屋外・建物内を問わず目立たないように大きな遮蔽物に隠れる。 ●銃はともかくナイフ相手であれば車に逃げ込んでロックしても時間は稼げる。 ●警察官が犯人を制圧するため、発砲したら指示があるまで伏せて動かない。突然立ち上がって逃げようとすると誤って撃たれたり、流れ弾に当たる危険性がある。 【④『最後の時間稼ぎ』としての抵抗手段】 ●これまで論じてきたように民間人は積極的に制圧に乗り出してはならないが、避難する術がなく、また目の前で家族が襲われている状況なら抵抗するしかない。 これは路上の喧嘩ではなく、生きるか死ぬかの極限の状況であり、過剰防衛で罰せされることなど考えて一瞬でも気おくれすれば即、死に繋がる。但し、通常の殴打や蹴りを浴びせたところで興奮状態の犯人にはほとんど効果がない。積極的な制圧などまず不可能だ。あくまで普通の日本国民が購入できる物での時間稼ぎが主目的となる。 ●我が国で許されている護身用具を使った、最も理想的な方法はポリカーボネート製で視界が確保できる防盾と催涙スプレーを併用し、攻撃と防御を行い時間を稼ぐことである。だが催涙スプレーはともかく、防盾を持ち歩く民間人は警備員などを除いて存在しない。カバンなどで防ぎながら、催涙ガスで攻撃するほかないだろう。 ●ただ催涙スプレーは射程距離が2メートル程度で、薬物使用者には効果がないものもあり、単に買えばいいというわけではない。 CNガスを使用した『ポリスマグナム』は射程も4メートル前後、薬物使用者にも効果があり、サングラスや眼鏡をしていても目に激痛が走り行動を相当制限させることができる。 ただし目の部位に直接噴霧せねばならない。また使用してメンテナンスを怠ればいざという時に故障を起こす場合もあり、最低限、極限の緊張下でも使用できるよう操作法を熟知しておく必要がある。 ●ただし平時の催涙スプレー携行にはリスクが伴うことも理解せねばならない。犯罪者が悪用することもあるので警察は警戒しており、また警察も積極的に護身用具の携行を推奨できない。よって職務質問で発見されると不審者と間違えられ同行を求められかねない。(ただし女性の場合、現場の目こぼしで見逃されることが多いとの情報もある、その際も、漠然と護身用というのではなく、犯罪が近辺で多発している、或いはストーカー被害にあっているなど明確な理由が答えられないとやはり不審者と誤認されかねないだろう) ●防犯用具として話題になることが多い『さすまた』だがこれは実際には役に立たない。犯人に押し当てても外されたら終わりで、興奮状態で突進してくる相手にはまず通用しない。単独犯に大人数で使う場合なら効果があるかもしれない程度であろう。 ●護身用具を携行する事自体、日本では一般的ではない。かといって素手では絶対に対処できない相手なので突発的な通り魔事件に対処するには現実には身の回りにあるもので戦うしかない。 ●犯人が単独犯である場合、攻撃と防御に別れ多人数で制圧するのもの手だ。だが極限状態でチームワークを発揮するには事前に防犯講習を最低、数回受けねば不可能だろう。 ●とにかくナイフで距離を詰められないもの、傘やパイプ椅子などリーチの長いものが理想的だ。ビジネスバックやリュック、ランドセルも盾として使用できる。またすぐに武器がない場合、ベルトは振り回せばムチのように使える。石や缶コーヒーのような固いものを投げつけるのもよいだろう。 ●とくにコンビニで販売されている透明の傘は効果的で、筆者もセルフディフェンスセミナーで模擬ナイフを使い、講師(元陸上自衛官・元フランス外人部隊員の結城氏)と対峙したが透明の傘を広げて目の前に広げられるとどこを刺せばいいかわからなくなり、仮に刺そうとしても傘を広げたまま素早く後退された。これを繰り返すと確かに時間は稼げるだろう。また4脚の椅子の足部分を同じように突き出されるとやはり攻撃しにくくなった。 ●ただし、結城氏はいずれの方法も『掴まれたら終わり』と強調された。リーチの長いものを突き出して、相手が身を乗り出したら素早く後退するのを繰り返すのがコツだ。 ●消火器も理想的な武器の一つだろう。噴霧して視界を奪えるし、投げつければ武器になり得る。 ●私が参加したセミナーは応急処置はメインではないので時間はあまりなかったが、簡単な止血法についても解説された。体にナイフが刺さったままであれば絶対に引き抜いてはならない。引き抜くことによって大量出血に至るからだ。 また軍用の包帯や止血帯は高額だが、100均の包帯やアルミブランケットも有効で、女性用の生理用品は軍用包帯と似た役割を果たすことを学んだ。 【さいごに】 痛ましい事件の直後にこのような事は述べたくないが、平成11年9月に『池袋通り魔殺人事件』が発生した3週間後に『下関通り魔殺人事件』が発生している。下関通り魔事件の犯人、上部康明は池袋の事件に影響された事、そして事件を知りナイフを使っただけでは大勢殺せないと思い、車で暴走することを企てたと自供している。 川崎の通り魔事件の悲惨さに我々は驚愕し、全国に悲しみが広がっているが、その一方で模倣犯がさらに凶悪な事件を企てている可能性は極めて高い。 そして一連の事件は従来の通り魔事件というより、欧米で発生したロンリーウルフ型のテロ事件に近い。 もはやどこで誰が誇大妄想や社会に対する憎悪を抱いて事件を引き起こすかわからない。そしてナイフや車といった誰でも買えるもので大量殺人が可能なのである。 平成28年の『相模原障害者施設殺傷事件』では障害者は安楽死させた方がよいという歪んだ思想を抱いた植松聖によって入所者19人を刺殺され、入所者・職員計26人が重軽傷を負わされている。 イスラム国は米軍人の住所・氏名をネットで公表し、どこでも誰でもいいから身の回りにあるもので殺せと煽った。この『サイバーカリフ』に使嗾された無名のムスリムたちがアメリカ各地でテロを頻発させたのである。 武器が出回っていないからテロが起きないとか、重要施設があるから危険、田舎だから安全という従来の常識は通用しない時代がすでに始まっている。 新たなテロの脅威と対峙するには自衛隊・警察・消防だけではなく民間人の協力が不可欠だ。そして警察や消防が駆け使えるまで民間人にもセルフディフェンスや応急処置が必要とされることも事態もあり得るのである。 当然だが、過去と全く同じ事件は発生しえない。あくまでケースバイスースで一瞬の判断が求められるのでここで述べるのはあくまでいくつかの案に過ぎない。 またいずれも私が考案したものは一つもなく、私が受講したセミナーや書籍を個人的にまとめたものである。だが私のこのような投稿でも殺傷事件を防ぐささやかな一助となれば幸いである。 【参考にさせて頂いたセミナー・文献】 主に参考にさせて頂いたのは7月14日都内で行われた『邦人の緊急事態研究会』主催のセルフ・ディフェンスセミナーである。 講師は元陸上自衛隊空挺団で、除隊後はフランス外人部隊に参加され、アフガンで実戦も経験された結城健司氏。殺傷事件やテロに巻き込まれないようにするにはどうするか、また巻き込まれた場合にはどう対処するかという内容で、座学と実技を交えて行った。 講師の結城健司氏、邦人の緊急事態研究会スタッフの皆さまに心より感謝させて頂いた次第である。 『邦人の緊急事態研究会』は止血法などをメインに極めて高度なセミナーを全国で開催しており、そのFBページを閲覧するだけでも学ぶことは多い。 【③】の章では友清仁氏の『アメリカ連邦捜査局 テロとの戦いに生まれかわった組織 PART 1 FBI Federal Bureau of Investigation (ミリタリーナレッジレポーツ Military Knowledge Reports VOL. 9』の巻末のテロ対策法をほぼ全編引用にさせて頂き、同氏の 『イラストで学ぶ!! 自己防衛 (ミリタリーナレッジレポーツ Military Knowledge Reports VOL. 12)』 も参考にさせて頂いた。 【⑤】もセルフディフェンスセミナー、『邦人の緊急事態研究会』のFBページがメインだが『とっさのときにすぐ護れる 女性のための護身術 (伊藤祐靖 (講談社))』も参考とさせて頂いた。
白石 浩之 - 【刃物で襲われたらどう行動するか】...
0 notes
『ファーストエイドキットの準備はOK?』登山で必ず持っておくべきアイテムをチェックしよう
アイキャッチ画像出典:Amazon
まずはこれだけ準備しよう!基本のファーストエイドキット
出典:Amazon
山の中を歩く登山では、万が一負傷したときすぐに病院に行くことができません。そんな時に応急処置を行うための道具がファーストエイドキット。色々な種類がありますが、登山はなるべく軽い荷物で行きたいですよね。そこで、今回は登山で必要な最低限のファーストエイドキットについてお話しします。
基本セットがまずは安心
何から揃えていいのか全くわからない人は、まずはセットになっているものを購入するのがおすすめ。ガーゼやバンドエイドなどは箱で買うとたくさん入っていますが、セットなら必要な分だけ入っているので無駄になりません。こまごまとしているものを揃えるのも大変ですが、これならそのまま登山に持って行ってOK。
■OHKEY ファーストエイドキット 基本的なキットの他、ポ���ズンリムーバーやLEDライトまで入っているファーストエイドキット。心肺蘇生の手順やAEDの使い方などの日本語ガイド付き。何も持っていないのならコチラがおすすめです。
ITEM
OHKEY ファーストエイドキット
セット内容:全19点 ①三角巾②包帯③カット綿x2④キズテープx12⑤アルコール消毒ワイプx10⑥消毒ワイプx4⑦粘着紙テープ⑧はさみ⑨アルミブランケット⑩ホイッスル⑪使い捨て手袋⑫LEDライト⑬多機能カード⑭綿棒x80 ⑮ポイズンリムーバー⑯ゴム製止血帯⑰ステンレス製ピンセット⑱アンゼンピンx5⑲日本語説明書ガイド(心肺蘇生の手順やAEDの使い方など)
Amazonで見る Yahoo!で見る
登山で必要なファーストエイドキットの中身が知りたい!
登山で必要なファーストエイドキットを詳しく見ていきます。最低限のものでも、これらを使って色々な対応をすることができるので、用途を知っておきましょう。
忘れてはいけないのが”水”
出典:PIXTA
怪我をした時はしっかりと水で傷口を洗浄するのが基本です。飲み水と併用してもいいのですが、洗浄用の清潔な水を1本持っておき、穴を空けたペットボトルのフタを持っておくと外傷部を洗浄しやすくなります。
ファーストエイドの基本アイテム
撮影:YAMA HACK編集部
1.包帯/2.テーピング/3.絆創膏(キズパワーパッドも)/4.滅菌ガーゼ・防水フィルム/5.三角巾(2枚)/6.使い捨て手袋/7.ハサミ/8.毛抜き/9.爪切り/10.ステロイド剤の軟膏(フルコート)/11.常備薬(痛み止め、アレルギー、胃薬、下痢止め、風邪薬、目薬)/12.急速冷却パック/13.エマージェンシーシート/14.ゴミ袋
※画像イメージです。1~14すべてが入っているわけではありません。
1.包帯 包帯は患部を覆ったり固定・圧迫することができます。巻き方はケガによって違うので、本や動画などで学習しておきましょう。
ITEM
アルケア エラスコット 包帯 2号
サイズ:幅×伸長:5.0cm×4.5m 材質:綿
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
しっかりしているので、巻きやすく緩まないのがいいと思います。
出典: 楽天みんなのレビュー
2.テーピング テーピングは、ねん挫や骨折時に関節を固定したり添え木を固定するのに使います。登山では足首のねん挫が多いので、巻き方も予習しておきましょう。やや太めの5.0cmのものがおすすめです。ケガ以外にも壊れた靴を補修したり、靴擦れ予防に貼っておいたり色々な使い方ができます。
ITEM
ニチバン バトルウィン テーピングテープ 非伸縮タイプ 50mm幅
サイズ:50mm幅 12m
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
緊急時の固定用に使用します、テーピング以外にも山では色々な用途に応用が出来便利なテープです。
出典: 楽天みんなのレビュー
3.絆創膏 絆創膏は大きさやタイプの異なるものをいくつか用意しておきましょう。通常の絆創膏の他、靴擦れの痛みを和らげてくれるキズパワーパットも持って行きましょう。
ITEM
ケアリーヴ Tサイズ(指先用) 10枚
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
もともとケアリーヴは偏愛していますが、このたび、爪が剥がれるという災難に遭ったので、久しぶりにT型を購入。やはり、肌にやさしく、包みやすく、ちょっとの水なら防水もして、素晴らしい。他のメーカーでも指先用はありますが、他はT字ではないので、私はこれが好き。大人は一番怪我するのは指先だと思うので、一箱あると便利だと思います。
出典: 楽天みんなのレビュー
ITEM
ニチバン ケアリーヴ 防水タイプ Lサイズ 14枚
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
肌にフィットするし水にも強いので良いです 他にもMサイズや指先用、円形など常備しています Lサイズは傷にあたる部分が1.5×3cmでこの位あった方が保護範囲が広がるので使いやすいです 外出先での靴擦れとかけっこうコピー用紙で切ったりするのでとても重宝しています
出典: 楽天みんなのレビュー
ITEM
バンドエイド キズパワーパッド 靴ずれ用
サイズ:54mm×29mm
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
靴ずれや傷に、なくてはならない商品です。 他商品に比べ傷の治りも早いですし、傷跡もキレイに治ります。水に強いところもポイント高いです。
出典: 楽天みんなのレビュー
4.滅菌ガーゼ+防水フィルム 滅菌ガーゼで絆創膏では覆いきれない大きな傷口の保護に使用します。衛生的な個包装タイプのものがおすすめ。上から防水フィルムを貼ると傷を乾燥させず異物混入を防ぐことができます。
ITEM
サイズ:7.5cm×7.5cm 材質:綿100%
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
一枚ずつ個包装されているのでいつでも清潔なガーゼが使えます。いろいろ試しましたがこれが一番!
出典: 楽天みん��のレビュー
ITEM
ニチバン 防水フィルムロールタイプ 10cm幅
サイズ : 10㎝×100㎝
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
貼り方に少しコツはいりますが、慣れればとても簡単です!お風呂も入れますし簡単には剥がれません!貼ってないみたいに薄くてこれは重宝してます。
5.三角巾(2枚) 三角巾は骨折などで部位を正しい位置に固定したり、出血を抑えたり、あて布を包むなど様々な用途に使えます。三角巾を使うような大きなケガの場合を考えると、できれば2枚あると安心です。
ITEM
白十字 FC 三角巾
サイズ:105cm×105cm×150cm
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
上級救命講習を受けたのをきっかけに購入。使用方法をマスターすれば、骨折、捻挫、止血や傷の応急措置に使えるので、大規模災害時や不慮の大けがに備えておけば安心です。
出典: 楽天みんなのレビュー
6.使い捨て手袋 応急手当をする場合に使用します。血液や体液、嘔吐物などに触れるかもしれないので、他人の手当てをする場合には感染症予防のために必ず手袋を使用しましょう。���テックスアレルギーのことを考慮して、非ラテックス素材の手袋がおすすめです。
ITEM
やわらかニトリル手袋 Mサイズ ラテックスフリー
サイズ:全長約230mm×幅約95mm、厚さ0.06mm 内容量:100枚
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
手首周りがスッキリで、使いやすかったです。
出典: 楽天みんなのレビュー
7.ハサミ 応急手当のために衣服ごと切ったり、テーピングや包帯を切るためのハサミ。安全のために先が丸く、厚めのテーピングなども切れるものがおすすめです。
ITEM
ミドリ ハサミ ミニハサミ
サイズ:縦106mm×横61mm×厚さ7.5mm 刃渡り:約40mm 重量:19g
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
8.毛抜き 山ではトゲが刺さることも多いので、毛抜きは必須アイテム。ケガをした時の小石の除去などピンセットとしても使える形状を選びましょう。
ITEM
トゲ抜き エスケー11
全長:75mm 材質:ステンレス
楽天市場で見る Yahoo!で見る
9.爪切り 巻き爪や爪が欠けるなどした時に、爪切りがあると便利です。指先は敏感なので、登山中の爪のトラブルはその場で対処したほうが登山を楽しめますよ。
ITEM
フェザー ツメキリ FG-S
サイズ (幅×奥行×高さ) :4.3cm×1.6cm×14cm
楽天市場で見る Yahoo!で見る
10.ステロイド剤の軟膏(フルコート) 虫刺されや植物によるかぶれなどの炎症を抑えます。ステロイド軟こうは強さでいくつか種類がありますが、市販薬では強めのフルコートがおすすめです。使い方や制限に関しては必ず添付文書をよく読みましょう。
ITEM
フルコートf
容量:5g
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
11.常備薬(痛み止め、アレルギー、胃薬、下痢止め、風邪薬、目薬) 常備薬は個人のアレルギーや体調などによって持って行くものを選びます。痛み止め・下痢止め・目薬は常に持ち歩くのがいいでしょう。
ITEM
ロキソニンS
1回1錠で痛みに速く効く痛み止め。
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
ITEM
ストッパ下痢止めEX
突発性の下痢、痛みを伴う下痢によく効きます。
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
ITEM
ソフトサンティア
成分に近い点眼剤。小さなサイズの使い切りタイプが登山に最適。
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
12.急速冷却パック 熱中症の際に首や脇などを冷やしたり、ねん挫や打撲などのケガを冷やして炎症を抑えます。
ITEM
かんたん急冷 ヒヤロン
握るだけでかんたんに冷える冷却パック
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
13.エマージェンシーシート 身体を包んで保温できるシートです。低体温症の疑いがあるときや、ケガをして動けないときに体温が下がるのを防ぎます。
ITEM
SOL アウトドア ヒートシート 1人用
サイズ:約142×213cm 重量:約70g
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
関連記事:
持たない理由がない!非常時以外でも使えるエマージェンシーシートの実力が侮れない・・・
登山では「いざという時」に使うアイテムがあります。その1つが、非常時の保温アイテム『エマージェンシーシート』。非常時にしか使わないもの...
14.ゴミ袋 ケガをしたり嘔吐すると汚れものもたくさん出るので、ゴミ袋が必要です。簡単なゴミ袋でいいので、大小サイズ違いを何枚か持って行きましょう。ジップロックなら丈夫なフリーザーバッグがおすすめ。
ITEM
ジップロック フリーザーバッグ L 30枚入
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
ITEM
オルディ ゴミ袋 半透明 30L
容量:30L サイズ:55×70×0.0015cm
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
ITEM
携帯用ゴミ袋 骨型ケース付き
さっと取り出しやすいケース入りのごみ袋 ケース:約8.5cm 袋:約22×31cm
楽天市場で見る Yahoo!で見る
場合によっては必要なファーストエイドキット
出典:PIXTA
次は、必ず毎回持って行く必要はありませんが、行く山や季節によっては持って行ったほうがいいファーストエイドキットを紹介します。
■ポイズンリムーバー
虫に刺されたり噛まれたりしたとき、傷口から毒や毒針の吸出しを行う器具。刺されてからすぐに使用することで、後の症状が軽減されます。初夏や夏の虫の多い季節や、虫がたくさんいる山には持って行きましょう。
ITEM
NEW エクストラクター ポイズンリムーバー 強力型
本体サイズ:120x80x3mm ケースサイズ:155x100x40mm 重量:約90g(本体、カップ、ケース込)
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
夏のキャンプは、虫が多いため、対策のために買いました。 ブヨに刺されても、これのおかげでそんなにひどくなかったかな?と思います。みるみる毒出す感じです
出典: 楽天みんなのレビュー
■人工呼吸用マウスシート
複数人で行く場合は念のため持って行きましょう。落電や病気などで心配停止し人工呼吸をするときに、感染症を防ぐ目的で使用します。
ITEM
人工呼吸用マウスシート レサコS
マウスピースサイズ:40×18×3mm 収納時サイズ:70×50×3mm
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
■サムスプリント
骨折時やねん挫時に添え木の役割をするものです。ハサミでカットして自在に成形することができます。ちょうど良い木が見つからないこともあるので、樹林帯がない山に行くときには持って行きましょう。
ITEM
サムスプリント スタンダード
サイズ:約108×914×5mm 重量:130g 材質:アルミニウム合金(ウレタンフォーム貼) サムスプリントクイックガイド付き
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
緊急用ですのでまだ使用しておりませんが、思ってたよりコンパクトで山に入るときも常備できます。
出典: 楽天みんなのレビュー
ファーストエイドキットを使いこなそう
出典:PIXTA
ファーストエイドキットはいざという時に必要なものですが、その使い方を知らないとせっかく持って行っても無駄になってしまいます。小さくて軽い応急処置の本を持って行くか、一読してから使えるようにしておきましょう。
おすすめの応急手当本
■いざというときのための応急手当ミニハンドブック ふだんの生活からアウトドアで使える応急手当をイラストで分かりやすく解説しています。
ITEM
いざというときのための応急手当ミニハンドブック
信頼できる最新の応急手当を、イラストでわかりやすく解説。心肺蘇生とAEDの使い方、すり傷、��撲など日常的なけが、虫や動物による傷の手当や予防法などを掲載。
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
■アウトドア緊急対応マニュアル ファーストエイドの処置の仕方や高山病など山で起こる病気の対処方法、天候の急変など自然に関するトラブルまで詳しく解説しています。登山で持ち歩きたい1冊です。
ITEM
アウトドア緊急対応マニュアル
怪我の応急処置と搬送法、病気・発祥に関するトラブル、自然・天候・気象に関するトラブル
楽天市場で見る Amazonで見る Yahoo!で見る
傷の処置の方法
関連記事:
正しくできる?登山者なら知っておくべき傷の処置方法【山岳医監修】
「うっかりこけて擦りむいた」など、登山中に多いのが切り傷や擦り傷などの外傷。「ちょっとした傷だから大丈夫!」と思っていても、正しく処置...
テーピングの使い方
関連記事:
足首・膝へのテーピングを山岳ガイドが解説!
足首・膝へのテーピングについて山岳ガイドが解説します。ねんざや痛みの予防に欠かせないテーピングを効果的に使いましょう!使い方を覚えてお...
関連記事:
いざという時も安心!痛むときも簡単にできる膝のテーピング術【動画付】
登山の膝痛で悩んでいませんか?今は痛くなくても、疲労が蓄積していたり加齢などで痛みが出ることもあるんです。いったん痛みだすと痛みが消え...
関連記事:
「足つった~!泣」を防止せよ!ふくらはぎの簡単テーピング術大公開【登山前に】
「痛いっ!足つった~泣…。」足が疲れてくると起きる、登山中のふくらはぎのつり。実際に登山中にふくらはぎのつりを経験したことがある人も多...
関連記事:
知っておくと登山が楽になる?簡単にできる外反母趾のテーピング方法【動画付】
外反母趾は登山にとってつらいもの。長く歩き続けていると痛みが増して、せっかくの楽しい気分も台無しに…。外反母趾はテーピングやサポーター...
三角巾の使い方
関連記事:
三角巾を使えば意外と簡単?誰でもできる捻挫の手当方法(動画付)
木の根につまずく、バランスを崩すなどレベルに関係なく起きる登山での転倒。そこから捻挫をする人が多いんです。捻挫をすると痛みだけでなく、...
ファーストエイドキットで安心登山
出典:Amazon
ファーストエイドはちょっとしたアイテムですが、何もない山の中ではあるとないとじゃ大違い。必ず持ち歩いて、不測の事態に備えましょう。
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。
関連記事:
【緊急時だけじゃない】 小さいのに何役もこなす!おすすめ『ツェルト』比較
山の中はいつ何が起こるかわかりません。登山時に『ツェルト』を携帯し、使い方・張り方を理解しておけば、万が一の事態に陥った時に自分の身を...
関連記事:
目指せ転倒ゼロ登山!山での転倒の原因とそこに潜む事故の危険性とは…
「小さな石につまづいた!」それが大事故につながっていたかも知れません。登山における転倒はいつでも、どこでも、誰にでも起こりうることです...
関連記事:
登山中に怪我をした!初期対応や救助依頼などを救助隊員に聞いてみた
登山には残念ながら転倒などの怪我のリスクが潜んでいます。でも、怪我をして動けなくなった時に正しく対応できますか?今回はいざ動けなくなり...
0 notes
astavt-eretah · 5 years
Text
レース越しの頁の中で
 入谷由紀は引き籠もっていた。郊外にある大きなフリースクールで、引き籠もり部の代表を務めるくらい引き籠もっていた。フリースクールにも長年行っていない。フリースクールに所属しながら、通っていない生徒は自動的に引き籠もり部にも所属することになり、その中でも由紀は名うての引き籠もりだった。もちろん非公式の部だが、彼はそこで不名誉な「部長」を努めていた。時々、生存確認に先生が家にやってきた。先生と言っても、彼より年下の女性だ。髪は短くて、彼の女の子の友人(やはり先生より年上なのだが)とは違う、涼やかな森のような匂いがする。由紀の部屋のカーテンをそっと開けて、「糸杉が…」と漏らすような変な先生だった。確かに糸杉が立っているのは知っているけれど、それってそんなに口にするほど大した木か? と入谷は思う。黒々として、年中枯れ木みたいな木だ。先生は由紀の椅子に座り、ミルクティーを飲み、ティーカップをかちりとソーサーに置くと、「じゃあ、ユキくん、ごちそうさま」それから「美味しかった」と言って立ち上がる。由紀は普段、ティーカップなんて使わないし、ミルクティーを自分の手で入れることもない。ただ、先生がミルクティーを好きだと知っているので、彼女が来ると分かると、せっせとお湯を沸かし、ミルクを温め、庭で香り付けのバジルを摘んでくるのだ。彼にはそういうまめなところがあったけれど、本人はそれを自覚していなかった。ただ、自分は何も出来ないんだ、とばかり考えていた。  由紀の部屋は簡素と言っていいほど片付いている。しかし、煙草と、男性特有のにおい(といっても「女性特有の」においについて彼はあまり知らないのだが)に充満していて、先生や友人(ひとりだけいる)が来るときにだけ、急いで窓を開け、消臭剤をカーテンやベッドに吹き付け、身体を洗い、髭を剃り、微かに香る程度の香水まで付けて、「いつもこんなにさっぱりしているんですよ」と言った表情を用意し、彼女らを待つ。部屋にはギターが二本、立てかけてある。一本はフェンダーのテレキャスター、エレキ・ギターで、もう一本はギルドのアコースティック・ギターだ。「弾いてみてよ」と先生が言うときもある。彼は「緊張しちゃって……」と、それからぼそぼそと言い訳めいたことを言い、先生はそれ以上は無理強いをしない。いつものことだった。それから本の話をすることもあった。本棚に入りきらない本も沢山あったのだけど、彼の本棚は綺麗に整理されていて、大方は日本語の小説、本棚の一段には洋書が並べられていて、その殆どが英語の本、数冊がフランス語の本だった。一番目立つところに村上春樹の文庫本がほぼ全冊並べられていた。由紀の部屋にあるものは殆どそれが全て(パソコンとスピーカーの乗ったデスク、ベッド、本棚、ギターが二本、アンプがふたつ、あとはCDラック)だったので、自然に話題が、好きな小説の話になることは多かった。というか、今では由紀は、自分が好きで小説を読んでいるのか、先生や友人と話したくて小説を読んでいるのか、分からなかった。彼は元来、本は好きだけれど、読書家という訳ではなかった。  友人��家に来ることもあったし、彼が友人の家に出かけることもあったので、厳密には彼は引き籠もりではなかったかも知れない。家の中にいるのが好きな訳でもなかった。とにかくただ、由紀は動きたくなかったのだ。そのマインドはまさに引き籠もりの鏡と言えよう。  引き籠もっていた九年間の期間、彼は何もしなかった。激しい鬱だったのだ、と言えば言えたし、怠けていたとも言えば言えた。その間、本すら殆ど一冊も読まなかった。読めなかった。2019年の12月が近付き、彼は32歳になろうとしていた。30歳になれば何か変わるのだ、と以前には考えていたが、具体的に何が変わるのか考え付かないままに、いつの間にか一年が過ぎ、二年目が近付き、今年の11月も終わりに近付いていた。今は2020年になれば何か……と考えている。しかし何が? 12月1日が、彼の誕生日だ。この二ヶ月間、彼は入浴すらしていなかった。水が身体を這う感覚が気持ち悪いというのもあるし、水の音が人の声に聞こえそうで怖かったのだ。昔、彼に上手く作用した薬は、今は彼の絶望を少しも薄めてはくれない。いつも怠さに支配されていた。何故生きているのか分からない。死んだ方がいい、と言われれば、彼には、確かにそうだ、としか答えられなかった。  彼は飲みかけの缶ビールを手で揺らす。1mgのサイレースと200mgのセロクエルをビールで飲む。それがどんな効果を及ぼすのか彼には分からない。ソラナックスも一錠追加する。夜にはまだ早いが、外は暗くなり、小鳥たちは騒がしく帰り支度をしている。由紀はベッドに横になり、iPhoneのアドレス帳を見るともなしに見る。途端、彼は何か嬉しい感情が、身体の中を立ち昇ってくるのを感じる。が、それは表情となる前にかき消えてしまう。何だったのだろう? 彼には間宮理沙という無二の親友がいた。それから綾嶺さくらという、やっぱり親友と呼んでもいい人物がいた。他にも懐かしい、大切な名前が映る画面を、彼は人差し指でゆっくりとスライドさせていく。 「ねえ、人生を捨てられる?」 と、いつしか間宮は言った。 「ひとつ。何かのために人生を捨てられれば、そのとき人生が分かるのよ。故に恋愛は尊い」 と間宮は続ける。由紀はそのことはよく分かるような気がした。でも、たったひとつの、一瞬に充たない、その人生を放棄出来る瞬間を、どうしても彼は掴むことが出来ずにいた。いや、一端始めるだけでいいのだ。人生は14歳で始めることも出来るし、91歳で始めることも出来る。確かそういうことをシド・ヴィシャスが言っていた。  何かを変えることが出来るだろうか? 由紀はビールで風邪薬を十錠飲む。これは良くない習慣だ。でも、あと一錠。あと一錠が何かを変えてくれるかも知れない。近頃は音楽も聴いていなかった、ということに彼はふと気付く。薬を飲むと沈黙の濃度が増す。無音。それからパソコンのファンの音。外を吹く風の音。車の音……。ねえ、多分、ここにいたら僕は駄目なんだよ。由紀は考える。大学にいたとき、僕は本当に何もかもうまく行っていたはずじゃないか。薬が作用して、関節が心地よく怠くなってくる。薬をまた十錠、追加することにする……。寒気を感じる。いや、実際に寒いのだろうか? 由紀は音楽を聴こうとiPodの電源を入れ、ミュージシャンのリストをぼんやりとスライドさせる。何も聴きたくない。彼は目を瞑る。目蓋の内に闇が拡がり、彼は急速に眠りに落ちていく。眠る瞬間、時計を見る。六時半。……それにしても、俺は、上手く行っていたんだ。うまく。うまく。うまく……。  生活音が気になってうまく眠れなかった。少しの時間、眠っている間に、彼はとても素晴らしい文章を書いている夢を見ていたような気がした。彼は、もし文章が書けたら、とよく夢想した。何か、とてもいい文章が書けそうな気がするのだが、いざワードパッドに向かうと、何も出てこない、あるいは事前にはいいと思えた文章も、書いてみて、書かれたものを見直すと、とても陳腐だったりした。才能が無いのだ、と思った。それとも勉強不足なのだろうか? 経験不足なのだとしたら、もう救いようがない。本を集めているのは、本当は書きものの参考にしようと思ってのことだ。  人を変えるのは習慣だし、人の性格を固定化するのも習慣だ。けれど、由紀には、自分が習慣を持っている、という自覚は無い。時計を見ると0時30分を指していた。  ベッドから手を伸ばすと、アコースティック・ギターに指先が触れた。由紀がギターの生演奏をしないのは、特に照れている訳ではなく、生演奏というものがあまり好きではないのだった。自分の演奏を多重録音してコンピューターで加工してから、音源をUSBに入れて、人に渡すことを、彼は好んだ。先生にも渡したし、間宮にも渡した。彼女たちの言辞を信じるならば、彼の音楽は概ね好評だった。それにしても、怠くて、もう長いこと、音楽の録音もしていない。今年一年、僕は何をしてきただろうか……?  目を覚ますと、もう昼の一時を過ぎていた。また眠りすぎてしまった。身体中が痛い。彼は椅子に座って、身体を捻る。iPhoneを見ると、間宮からメールが二通来ていた。一通目は朝の8時頃で『9時頃行こうと思うんだけど?』と書かれていて、二通目は正午過ぎ、『寝てる? 起きたら連絡して』と書かれていた。  由紀は自分が起きている気がしなかった。ゾンビのような足取りで台所に行くと、冷蔵庫の野菜室から飲みかけのワインを引き抜く。もう二口分くらいしか残っていなかった。風邪薬を十錠と、迷ってから、サイレースとセロクエルもワインで飲むことにする。他力本願だった。薬が、良くも悪くも、何かを変えてくれるかも知れない、といつも彼は期待した。大抵は悪い方に作用したのだが。栓を抜いてから大分経っていたらしいワインは、一口飲むと吐き気を催した。それから煙草を吸って思案する。煙草を吸いながら、クローゼットを開けて、とりあえずましな服を引きずり出す。まだ間宮に会うと決まった訳ではない。椅子に座ると、そのまま眠ってしまいそうだった。風呂に入るのが面倒くさいから会いたくないなんて間宮に言ったら怒るかな? いや、彼女なら「じゃあ、お風呂、一緒に入ろう」とか言ってきそうな気がする。……由紀はまた風邪薬を十錠、残り少ないワインで飲み下す。ワインが無くなる。今度は吐き気はしなかった。煙草を吸う。焼き魚みたいな味がする。由紀はiPhoneの返信画面を開いて、間宮に『ごめん、今日は無理だ』とメールを書いた。それから、彼はまたベッドに横になり、目を瞑った。睡眠薬が効いてくるのが分かる。彼は再び、眠りに落ちていった。  アーティスティックに生きたいと思った。由紀は、芸術家という意味としてではなく、「何かを作る人」という意味での、「アーティスト」という言葉が好きだ。「作る人」という意味がもっと強い「アルティザン」という単語はもっと好きだ。彼はアルティザンになりたい、と常々思っていた。彼は書きものをする。絵を描くし、音楽を作ったり、演奏して録音したりする。でも、もう32歳だ。32歳で、何も大したものが作れないなんて、それはやっぱり創作には向いてない、ということなのではないだろうか。 「そんなことないよ。入谷くんの作るものはどんどん良くなっている」 と、間宮は言ってくれる。  由紀は、ギターを手に取り、その度に溜め息を吐いて、ギターを下ろす。綾嶺さんは、「君はまだ若い」と言う。もう十年以上も前から、綾嶺さんは僕に「若い」と言う。彼女は36歳だ。僕が若いというのなら、彼女だって十分若いと言えるのではないか?  この間、間宮が家に訪れたのは二ヶ月前、九月の末だった。いつも通りに由紀は薬を飲みすぎていたけれど、頭の芯の部分は醒めていた。  涼しい日が続いた後の、暖かすぎる日だった。彼女は黒地に赤と青の花が描かれたTシャツを着ていて、薄手のニットのカーディガンを持っていたけれど、それを着ることはなかった。彼女は僕の部屋を見回して、 「わお、また本増えたね」 とまず言った。僕の部屋には、机の上にもベッドの脇にも、クローゼットの中にも、本が積まれている。多分、全部で千冊以上の本を、持っているには持っている。殆どが読み通していない本なのだが。  間宮が来ると、毎回、何か変わらなくては、と思う。彼女はプレシジョン・ベースを持ってきていた。  僕は多分、中途半端なのだろう、と由紀は思う。きちんとアルティザンならアルティザンなりの矜恃を持てばいいのに、創作に入ると、「自分は素人なのだから」という甘えたことを考えてしまう。  間宮はその点、真面目だった。十年前に由紀の勧めでベースを始めた後、どんどん腕前を上げて、今では不定期でセッション・ミュージシャンを務めるまでになっている。由紀のギターの腕前は、十年前から、少なくとも本人の言では、変わっていなかった。32歳。でも、もう、今度こそ、物ごとには真面目に取り組まなくては。  廊下の冷蔵庫からペリエを出してきて、ふたりで飲んだ。間宮は、由紀が書いて印刷した原稿を熱心に読んでいた。彼女が「んん」とか「ふうん」と言う度に、由紀はぎくりとした。時々、彼女の真っ直ぐな髪の毛が横顔にパラパラと落ちてきて、間宮はそれを���手でかき上げた。それから、急ににっこりと笑って、由紀を見ると「面白いよ、すごいよ入谷くん」と、嘘でも無さそうに言った。彼は、「うん、それはね……」と考え込むような顔をしてから、「まあ、まあまあ、よく出来ているとは思うんだけど」と言ってから、黙り込んだ。その後、由紀が作った音楽を二人で聴いて、大体同じようなやり取りが繰り返された。  その後で、間宮がベースをケースから出して、アンプに繋ぐ。そして由紀にも弾くように促す。間宮と一緒だと、まるで自分がとてもギターが上手くなったような気がする。由紀はテレキャスターをアンプに繋いで、Aコードから始まる、カッティングを織り交ぜたリフを弾く。間宮はそれに、指弾きのエキゾチックなラインで応える。何度も同じリフをループさせた後で、由紀は歌い始める。ループの中で、渦巻いていた単語が次々と由紀の口から吐き出される。言葉は一体どこから来るのだろう? 音楽の中で由紀の言語感覚はどこまでも拡がっていく。途中、変拍子を混ぜるが、間宮がそれに遅れることはない。コード進行を徐々に変化させ、7度や2度の音を混ぜて、どんどん複雑にしていく。一曲の突発的なセッションは、一時間以上も続く。途中、由紀はドラムマシンのスイッチを入れ、ツマミを限界まで回し、デジタルな、潰れたような音のリズムを鳴らし始める。二人ともが共通して好きな、チープなドラムの音に、間宮は口角だけを上げて、にやりと笑う。匂い立つ海のようなグルーヴに合わせて、由紀は音をゆっくり探りながら、そして徐々に盛り上がるように、ギターソロを弾く。そのときだ。由紀がいつも、何かを発見したように思うのは。けれど、ギターが徐々にフェイド・アウトして、ドラムマシンのスイッチを切るとき、その何かはいつも、記憶の裏側、この世界の、自分には見えない側面に去って行ってしまう。  しばらくの間、間宮は見るともなしに壁の方を見ていたが、おもむろに由紀の方へ振り返ると、 「ねえ、入谷くんのギターには人生の匂いがするよ。大丈夫。君は何にだって冷めていない」  と言った。由紀が何か言おうとすると、間宮は、 「ううん。まず、私が楽しいしね。本当だよ。入谷くんはとても楽しい。歌うのだって、ギターを弾くのだって、描くのだって、とても個人的な部分をさらけ出すようにしているでしょう? それは普通、とても怖いことなの。だから大丈夫。入谷くん、君は大丈夫だよ。とても勇気があるのだから」  と言った。何故かどこか寂しそうな目をして。もちろん……、もちろん大丈夫なんかじゃない、と由紀は思う。全然、全然、僕には足りてなんかないのだ。個人的な部分、がどんなものかは知らない。彼はただ、もっと上手に弾きたいと思っていたし、上手に歌いたかったし、上手に書きたかった。けれど、間宮がお世辞を言っている訳でもないみたいだった。彼女は本気で、由紀のことを高く評価していた。そのことが多くの場合、由紀を困惑させた。  起きると、部屋の中が暗くなっていた。昨日の夕方から、殆どの時間を眠って過ごしている。由紀はカーテンを開ける。秋とは違う、冬の空の夕暮れが見える。雲の形は弱々しく、糸杉の枝の揺れ方も違い、窓を開けると、もちろん空気の肌触りも違った。こわばった死人の手の平みたいな風景だ、と由紀は思った。その手に捕まると、心の、灰色の部分が締めつけられ、そこから不安な灰色の液体が滲み出てくる。  不安だった。何もかもが不安だった。  彼は空腹を覚える。今日は何も食べていなかった、ということに思い至る。由紀は台所に行き、冷蔵庫を開け、チーズの固まりを見付ける。チーズを皿に載せ、ペティ・ナイフで薄くスライスする。数切れのチーズを皿に載せて、部屋に持って帰る。途中、廊下の冷蔵庫からペリエを出す。においの強いチーズだった。ワインがある内に一緒に食べればよかった。彼は再びiPhoneのメール作成画面を開いて、間宮にメールを書く。 『ねえ、明日は会える? 今日はごめん。何をするのも本当に億劫だったんだ』  メールを送信する。チーズを一切れ食べる。カーテ���を開け、夜闇に沈みつつある糸杉を眺める。色彩が浪費されない、ということは素敵なことかも知れない。世界が全て糸杉のように落ち着いた音色……そう、音色だ……をしていたらどんなにいいだろう。モノクロで、感触は透明で。  由紀はギターに手を伸ばしかける。けれど、ギターは今ではただの死んだ木でしかない。その手を引っ込めて、由紀は急に思い立って、久しぶりに綾嶺さんに電話をすることにした。  七回鳴って、綾嶺さんは電話に出た。またお酒を飲んでいたらしく、ひどく酒に焼けた喉声をしていた。 「ああ。入谷くん。珍しいね……、君が生きていると嬉しいよ」  いきなり大仰な台詞を言うのは綾嶺さんの癖だった。 「綾嶺さんこそ。生きていて嬉しいですよ」 「心にも無いことを」 「いや、本当ですよ。それに、人は、生きているだけで価値がある、とは思いませんか?」 「私は、全く思わないな。私に何の価値がある?」 「僕の友達でいてくれますよ。僕はそれだけで嬉しいです」 「あのね、君……、酔ってるな?」 「酔っててもそんなことはどちらでもいいでしょう? 普段はあんまり言えない僕の本心ですよ。それに酔ってません」  綾嶺さんが煙草に火を着ける気配がした。煙を吐いて、 「そうかい。私に言ったこと、君自身に対しても同じことが言えるかい?」  と言う。僕が言い淀んでいると、 「私はいつも真面目だよ。君が生きていてくれて嬉しい。時々、入谷くんが死んでしまったような予感がするんだ。それは、本当に、本当に、いたたまれない感覚なんだよ」  と綾嶺さんはあまり抑揚を付けずに言った。僕は黙っていた。と、唐突に電話が切れた。「じゃあ」も「さようなら」も無しに急に電話を切るのも、綾嶺さんの癖だった。 『通話時間:二分一秒』の画面がiPhoneにしばらく表示されて、それからメールの着信が一件あることが表示された。当然、間宮からだった。 『明日はもちろん会えるよ。今晩仕事が入ってて、夜遅いから、明日、昼頃からなら会える。いや、何なら朝からでもいいよ。』 と書かれていた。由紀はどういう訳かとても悲しい気分になった。一度iPhoneの画面を切って、iPodを手に取る。登録された全てのアーティスト名に一応目を通して、ニック・ドレイクを聴くことにする。冷たい気分が訳もなく胸の内を拡がっていくとき、由紀はニック・ドレイクを聴く。何か、そう、何か変わらなければ。冷たさが口や喉から溢れそうになる。間宮に、ずっと言えなかった言葉があるような気がする、と由紀は言葉にして考える。僕が大学にいたときから言えなかったことだ。僕は本当のところは、彼女無しでは生きられなかった。それなのに、彼女は僕に、強い、と言ってくれる。ねえ、変わらなければ。由紀はiPhoneのメール作成画面をじっと見つめ続ける。やがて、意を決して、彼は間宮に電話をすることにする。多分、僕は「何でもない」と言うだろう。何でもない。でも、僕は何かを始めたいと思っているんだ。僕は本当に変わりたいんだよ。……少しずつ良くなりたいんだ。間宮、これをその始まりにしたいんだ。何でもない一日の、何でもない瞬間。笑って、他愛のない話をするだろう。けれど僕は……。  由紀は、間宮に向けて、発信ボタンを押した。
0 notes
ED治療に関しては健康保険を使うことができない実費診療ですので…。
正規品のバイアグラを不安なく買いたいなら、オンライン通販を使わず医療施設で処方してもらうのが一番良いに決まっていますが、いろいろな事情によりクリニックや病院に行けないという人もめずらしくありません。一番最初にED治療薬を用いる際は心配になりますが、医療機関で飲用OKと告げられれば、躊躇なく使用できると思われます。シアリスに配合されている「タダラフィル」には、別のED治療薬とほぼ同じく、EDの要因となる「PDE-5」という酵素が活発化するのを阻む効果があり、男性器の本来の勃起をバックアップします。ED治療は複数ありますが、現在はバイアグラを使った薬物療法が主流です。とにもかくにも泌尿器科などの専門クリニックにて相談して、自分にぴったりの治療を特定することからスタートしてみてはどうでしょうか。
飲酒することで、さらに強くシアリスの優れた効果を感じられるケースもあると言われています。ゆえに、少しのアルコールはたまには推奨されることもめずらしくありません。勃起不全に関しては、ED治療薬による治療が中心ですが、他にも外的手術や器具の活用、サイコセラピー、ホルモン剤療法など、さまざまな治療法が見られます。効果は人によってまちまちな精力剤ですが、気になっているなら一回飲用してみることが大事です。いろいろ試せば、あなた自身にとってベストな精力剤が見つけられるでしょう。錠剤タイプと比較すると、ドリンクタイプの精力剤を飲んだ方が即効性はありますが、長い間常用することで男性機能の向上と精力増加が見込まれるのは錠剤型の方です。
シアリスは一部の人たちの間で「ウィークエンドピル」とも呼ばれており、読みの通り週末の夜間に1回利用するだけで、日曜日の朝までずっと効果が感じられるという特質があることから、そう呼ばれるようになったそうです。勃起不全の改善に役立つシアリスを買い求めるには、医療機関の処方箋が不可欠なのですが、これ以外に低価格かつ安全にゲットする手段として、WEB通販を活用するという手もあり、注目されています。シアリスと言いますのはバイアグラ、レビトラに次いで国内3番目に発売された人気の高いED治療薬です。服用すると徐々に効果が出始め、勃起不全を解決してくれる新しい医薬品として、色んな通販サイトでも評判を集めています。
ED治療に関しては健康保険を使うことができない実費診療ですので、クリニックごとに治療費はまちまちですが、何より重要なのは優良なところを選ぶことです。ジェネリック製品のレビトラを販売する個人輸入代行会社は数多くありますが、正規品とは言い難い偽造品の恐れもゼロではないので、初めて買うという方は特に情報収集を確実に実行する必要があります。シアリスやバイアグラなどのED治療薬はデリケートな医薬品なので、近しい人に知られずに手に入れたいという人も多いでしょう。通販を利用すれば、家族にも知られることなく買うことができると好評です。お酒の弱い人がレビトラと一緒にアルコールを同飲すると、レビトラに含まれるバルデナフィルの血流促進効果が原因で、急にお酒が回ってしまって正体をなくしてしまうことがあるので要注意です。
0 notes
gsz5s3onkne-blog · 6 years
Text
バイアグラやレビトラなどのED治療薬にはジェネリック医薬品(後発医薬品)が存在しています…。
シアリスは一部では「ウィークエンドピル」とも呼ばれることがあり、読んで字のごとく週末の夜間に一錠内服するだけで、日曜日の朝に至るまで効果を実感することが可能だという特徴があることから、その名前が付けられたそうです。バイアグラなどのED治療薬を医療機関で処方してもらうためには、専門医による診察は誰でも受けることが必要ですが、薬にまつわる注意点を直接確かめることができるので、安心安全に活用できます。海外では、もう低価格なED治療薬のジェネリックが流通していますので、日本国内で提供されているバイアグラジェネリック製品も、だんだん薬の価格が下がってくると予想されています。
バイアグラやレビトラなどのED治療薬にはジェネリック医薬品(後発医薬品)が存在しています。そうしたジェネリック商品が原型であるED治療薬とほぼ同程度の効果を期待できる上、驚くほど割安価格で購入することができます。世界でも名高いシアリスを安いコストで買いたいというのは誰しも考えることだと思います。個人輸入代行業者を通じたオーダーは、価格やプライバシーの面を鑑みると、得策だと言ってよいでしょう。ED治療薬を飲用するのが初めてと言われる方はレビトラが一番ですが、不安や緊張を感じていると思ったほど効果が現れない場合があります。そんな状況でも何回か飲んでみてはいかがでしょうか。オンライン上ではシアリスの販売を行っているサイトがたくさん見つかりますが、個人輸入代行によって海外諸国から取り寄せて販売するという形の為、国内では法の適用範囲外となるので覚えておきましょう。勃起不全を治療するレビトラには、「5mg」「10mg」「20mg」の3種類が存在していることを理解しておいてください。その上で必ず正規品のみを提供するインターネット通販サイトを利用することが大事です。勃起不全症��つきましては、ED治療薬を利用した治療が主軸となっていますが、薬の他にも手術や器具の導入、メンタルケア、ホルモン補充療法など、多彩な治療法が導入されています。病院やクリニックでは日本で認可を取得したED治療薬の王道であるバイアグラおよびシアリス、レビトラなどが、またネット通販では低コストの後発医薬品(ジェネリック)買えます。
勃起不全の治療薬であるシアリスをゲットするためには、医師の処方箋が欠かせないのですが、これ以外に格安で安全に入手する手段として、ネット通販を利用するという手も考えられます。シアリスに含まれている「タダラフィル」には、レビトラに含まれるバルデナフィルといったED治療薬と同じように、EDの原因となる「PDE-5」という酵素の活性化を阻む効果が期待でき、男性器の力強い勃起をフォローしてくれます。性行為がちゃんと成り立つためにも、バイアグラを利用する際は、勃起効果が性行為中に最上になるように、内服するタイミングを考えなければなりません。行為の30分前で、なおかつ食前にレビトラを摂り込むと、配合成分が一層浸透しやすいという理由によって、効果が実感できるようになるまでの時間が短縮されるとともに、作用の継続時間が延びます。ここ最近輸入代行業者にお願いしてレビトラを個人輸入するというケースもめずらしくないようです。個人輸入代行業者を利用すれば、周りに気兼ねすることなく気軽に購入できるということで、とても重宝されていると聞いています。
0 notes