映画『37セカンズ』 〜これは障害者を描いた映画ではない〜
2020年 日本・アメリカ
英題:37 Seconds
監督:HIKARI
脚本:HIKARI
音楽:アスカ・マツミヤ
撮影:江崎朋生、スティーブン・ブラハット
編集:トーマス・A・クルーガー
出演者:佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦
12月になりました。もうすぐ2020年も終わろうとしています。
今年もこの場では書ききれないくらい、たくさんの面白い映画を観ることができました。2020年はCOVID19の世界的流行により、すっかり世の中の様子が変わった上、それによって人種差別問題や格差社会など、これまで続いてきた問題が煮詰まった状態で顕在化したような印象で、そんなムードにフィットする映画やドラマを多く観た気がしています。
さて印象に残っている映画は多々あるのですが、その中でもとりわけ素晴らしく印象に残った作品が、今回紹介する『37セカンズ』です。
あらすじ
ユマは脳性麻痺により両足が不自由な女性。車椅子生活を送っており、母親と二人暮らしで、母のサポートがなければ生活できない。人気少女漫画家SAYAKAのアシスタントを努めているが、実際はSAYAKAの漫画はほぼ全部ユマが描くことで成り立っていた。しかしSAYAKAはユマの名前を公表していない上、障害者のユマがアシスタントであることすら隠しているため、日の目を見ない日々を送っている。自分のオリジナル作品を書いても、SAYAKAの漫画にそっくりだと突き返されたことで落ち込んだユマは、道端で偶然拾った成人向け漫画を読み、これなら自分の作品として受け入れてもらえると考え、編集部に自分の漫画を持ち込む。編集長に画才は評価されたものの、セックス描写のリアルさが不十分だと指摘され、男性経験がないのであれば経験してから書き直してみてはどうかと言い放たれたユマは、行動に出るのだった・・・。
引用元
ハードな描写・・・これは生半可な映画ではない
冒頭、主人公ユマが帰宅後、入浴するシーンから始まるのですが、いきなりびっくりするようなハードなシーンが映し出されます。足が不自由なユマは、車椅子から降りても自分で立ち上がれないので、床に四つん這いのような状態になります。そして母親がユマの服を脱がして全裸にして入浴させるのです。家族とはいえ、普通の感覚で考えて、20代の女性が受ける対応としてとても耐えられるものではないと思います。しかしユマは障害があるため、このような日常の動作ですら他者のサポートが必要なのです。このようなハードな描写が序盤から映し出されるため、この映画は障害者を扱う感動ポルノのような作品ではなく、真正面から障害を描こうとする生半可な気持ちでは観られない映画だということが、観ている私達に一発で伝わります。こんな演技を行ったユマ役の佳山明さんは本当にすごい(ご本人は実際に脳性麻痺で下肢に障害があるようです)。
この映画ではこれ以外にも、街中のちょっとした段差でも車椅子移動にとっては進行の妨げになることや、エレベーターが無いと完全に移動ができなくなることなど、普段私達があまり意識していないけど、車椅子生活者にとってはバリアとなってしまう街の障壁をさり気なく、残酷に描いており、ハッとさせられる場面がいくつかありました。
引用元
障害者であることを内在化した主人公と母親
ユマは母子家庭で育っており、おそらく幼い頃から成人した現在まで、ずっと母親に支えられて生きてきたのだと思われるのですが、二人の生活の描写を見ていると次第に違和感を感じる部分が見えてきます。ユマの母親は、食べやすいように料理を切り分けてあげたり、本を読み聞かせするなど、それは自分でできるだろ!ということまで手を出しており、はっきり過剰なサポートであり、ユマもそれを疎ましく思う部分があることが分かってきます。外出するときに着るユマの服装まで指定したり、抑圧しているとすら言える行動も散見されます。母親はユマを守りたい、支えてあげたいという、愛情からくる考えによってこのように行動しているのだと思いますが、それが行き過ぎていることに気づいていないし、ユマは自分がコントロールしなければ生きていけないと思っており、さらにはその行動に自分の精神状態が依存しているのです。そしてユマ自身も疎ましく思うことはありつつも、その状態を自分の中に内在化してしまっています。
しかしユマは成人向け漫画の編集部を訪れたことを境に、次第に自分がどうしたいのかということに向き合うようになります。そして性体験を求めて夜の街へ繰り出したことをきっかけに出会った人々との交流を通して、自分を見つめ直し、これまで母親に制御されていた自分の行動の枠が外れ、自分の意志で行動するようになります。それにより次第に母親と対立し始める。中盤以降は、そんなユマの行動変容を描き、それが物語の推進力になっています。
引用元
これは障害者を描いた映画ではない
今まで障害者であることを内在化し、母親にサポートされているという枠の中で生きようとしていたユマを、後にであった人々が対等な人間として接してくれたり、狭い範囲で行動しているばかりでは見えない、もっと素敵な世界がまだまだたくさんあるということを知るようになります。夜の新宿で出会ったドラァグクイーンや障害者向け風俗業者の人たちと交流しながら、本当に生き生きとした表情を見せはじめるユマ。この過程が本当に生き生きと、キラキラと描かれていて、とっても素敵でした。ここで流れる挿入歌、CHAIというバンドの『N.E.O.』という曲も良かったです。彼らはこれまでユマが付き合ってきた周囲の人たち異なり、ユマを対等な一人の人間として扱うのです。成人向け漫画の編集部で出会った編集長も同様ですが、彼らは障害があるということを特別視しておらず、ユマが超えるべきハードルは健常者と同じ次元であると捉えている点で共通していると思います。障害者だからという理由でユマの可能性を低く見ることはしないのです。
そうして自分の中で何かが変わり始めたユマと、ユマを籠の中で管理しようとする母親との間で歪が生じていくのです。
この先は映画を是非見ていただければと思います。
本作は障害者を主人公としており、一見障害者ならではのテーマを扱った映画のように思えるのですが、前述したことから分かるように、決して障害者に限定した話ではなく、世界がもっと広いことを知り、抑圧されていた自分を乗り越え、自分を受け入れ、自分の意志で行動し始めることの尊さを描いた、誰しもに関わるより普遍的なテーマの映画なのです。
身体に障害があっても無くても、みんなやりたい事や好きなものがあるし、恋をしたり性衝動はあるし、能力や可能性は人それぞれであるということは言うまでもありません。僕も医師として病院で働く身なので、当然障害や疾病を抱えた人たちと接する機会は多々あるのですが、この映画は非常に共感できましたし、一方で自分は彼らにどのように接しているだろうかと、自省するきっかけにもなりました。これからも何度も思い出し、観たくなる映画になりました。
引用元
最後に
若干ハードでキツい表現が多く、また性風俗とかアダルト玩具とか、性的描写が結構露骨に映し出されるので、これがPG12(12歳未満の鑑賞には、成人保護者の助言や指導が適当とされる区分)だというのはびっくりしましたが。しかし障害を同情的に描いたり、単なるお涙頂戴映画に落とし込むような映画とは違い、直視するのは辛いけど、子供にもきっと良い影響を与えるであろう映画かなとも思います。
この映画が初の長編作品だというHIKARI監督。本作が高く評価されて、現在ハリウッド作品など含め、複数のオファーがあるようです。本作はNHKが関与しているものの国際共同制作作品であり、そういう意味で本作はピュアな日本映画とは言えないかもしれませんが、日本の映画監督がこのようなレベルの高い作品を生み出していることはとても嬉しいことです。決して大手プロダクションによる商業目的重視の映画では取り上げられないような題材であるけれど、多くの人の心に刺さる傑作だと思います。この映画を見る前と後で、少し違った景色を見たり、違った意識が生まれるきっかけになるのではないかと思います。
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こんにちは。漫画を描いている時の名前は星龍と申します。pixivFANBOXにてブログ公開中です❣️是非来て見てください♪よろしくお願い致します🌟
大好きな漫画やアニメに影響されて漫画やイラストを描いています。主に好きな漫画やアニメはエヴァはもちろん。手塚治虫先生のどろろや七色いんこ、火の鳥、ブラックジャックなど、ジブリ全般作品やNARUTOなどが大好きです。今の作品では「北北西と雲に往け」や「呪術廻戦」が好きです。
自分は文章が上手い方ではありません。短い文章でわかりやすく説明するために、まだ非力ではありますが、最初は決意表明や目標みたいなことを箇条書きで書かせていただきます。自分の心の整理にしばしお付き合いしていただけたら幸いです。その後に長いですが、漫画製作中のパロディシナリオを載せています。よろしければご一読下さい。よろしくお願い致します!
・オリジナルを休止して2次創作に没頭しました。
・エヴァが完結したのでこれを機に、カヲレイ漫画を描いたらオリジナルの創作を開始する決意。ただし過去に製作した作品は公開予定。
・自分の人生の中で漫画や、アニメだけが、唯一の救いでした。なのでキャラを描くことが大好きです。
・人から嫌われても孤独でも、誤解されても漫画を描き続けるのを諦めずにきましたので、これからも継続していきます。
・根拠のない自信が持てないという根拠のない自信があったので、とことんやり直し続けてます。
・仕事現場で休憩中にイラストを描き続けていました。
・幾つになっても夢を諦めずにいきます。
・好きな事があっても興味がある事に気が迷うことがあるけれど、それでも一途に没頭できるものがある事は自分にとっての最大の力である。
・理想を追い求めて現実の世界が疎かになってしまっていても必ず挽回できるから自分を信じて進めていこう。
・休んで気持ちの整理や自分と向き合う事は大切です。
・文章を今は記録していますが、本当はこんな時でもずっと手を動かして描いていたい。
という思いつく事を箇条書きにしてみました。
改めて自分の本当にやりたい事を知る機会が必要だと思いました。これから言いたいことや気持ちをちゃんと他人に伝えていけるようにぼちぼちではありますが、描いていきます。よろしくお願い致します。
✳︎ここからは、カヲレイ漫画のパロディをあらすじというかシナリオを紹介していきます。漫画を作る上で大事なシナリオです。ご興味がありましたら、ご一読お願い致します。
※ただし、引用はやめてください。よろしくお願い致します。
☆
渚カヲルと綾波レイは2人暮らしをしています。この世界ではエヴァは存在しないためお互い番号ではなく、名前で呼んでいます。
「レイ!買ってきたよ!にんにくラーメンチャーシュー抜きの冷やし中華!」
レイの頼みで、カヲル君は、にんにくラーメンチャーシュー抜きの冷やし中華を買ってきて帰宅します。
そこで変な音をカヲルは聴きました。レイを見ると変な物を持って自分を見上げているレイがいます。カヲルは、思わず訊きます。
「なんだい?それは。」
レイはその問いに答えます。
「おかえりなさいカヲル。これはオタマトーンっていうの。まだ上手くできないの。」
確かに、おたまというか、音符をキャラクターにしたようなものがつぶらな瞳でこちらを見つめています。
「オタマトーン?なんだいそりゃ?」
カヲルは首を傾けて聞き返します。
レイはオタマトーンをなぜ知ったのか、経緯をカヲルに話しました。
きっかけは台所で料理している時にYouTubeを見ながらしていたらスペインの番組の日本語訳があってそこで、日本のおもちゃ?オタマトーンを素晴らしい楽器のようにオペラを歌い上げている動画でした。それを見て自分も欲しくなってしまった事を言います。
☆影響を受けた動画:スペインのゴット・タレント
それを聞いたカヲルは外出用のコートを脱ぎながら言いました。
「楽しそうだね。キミがそう言うんなら、そうなんだろう。
「うん。これ楽しい!」
カヲルを見つめ笑顔で返すレイ。
「ーーそれにこの楽器…とてもかわいい‼︎」
「ーーうん。そうだね‼︎とてもかわいい!」
頬を赤らめてそう返事を返すカヲル。
ポカポカする2人。
「そうだ!せっかくだから中学の時のみんなを集めてまた演奏会しようよ!」
思いついたようにカヲルはレイに言う。
それを聞いたレイは不思議そうな顔をする。
「…また…演奏会?」
「…そんなことあった?」
ハッとするカヲル
(あーー。違う世界線の事を言ってしまった!)と思わず自分の頬をつねるカヲル。
「シンジ君がいただろう?(中学の時)」
話を逸らして、つねった頬をさすりながら碇シンジの話を持ち出してきたカヲル。
「碇君?」
聞き返すレイ。
「シンジ君はチェロを演奏できるんだよ!音楽にとても長けているんだ!この前一緒にピアノを伴奏したときに…とても上手だったんだよ!きっとシンジ君なら楽器の演奏が上手くなるコツを教えてくれるとおもうんだ!」
とシンジの得意なこと話すカヲル。
「うん!私も碇君に教えてもらいたい!」
その話を聞いて興味を示すレイ。
「よし!決まりだね!シンジ君たちを呼ぼう‼︎」
みんなを呼んで演奏会をする事が決定しました。
「…それで何を演奏するの?」
みんなで演奏する曲をなににするか訊くレイ。
「やっぱりカノンかな?」
(弦楽四重奏のことを思い出して呟くカヲル。)
「簡単なのがいい‼︎」
カノンよりも簡単な曲をレイは希望する。
「…簡単なのね…。」
思いついたように顔見合わせるカヲル。
「やっぱり簡単なのとなると…第九…歓喜の歌かな?」
「ーーいいわね。年始めにピッタリ!年始はみんな休みもらっていそうだから全員集合できるかも!」
家をすっかり正月の飾り付けを済ませているカヲレイ宅。
「ーーえっ?!もうそんな時期だっけ?」
家の改装に驚いているカヲル?(描いている現在正月ではないので時期的に早い事を読者の気持ちになって代弁しています。)
「ーーじゃあ早速、面白い楽器があるってシンジ君たちを誘ってみるよ!」
カヲルに誘われてシンジとマリが現れる。
「あっ!カヲル君!あけましておめでとう!!」
カヲルに久々に会えてテンションが上がるシンジ。
「シンジ君!あけましておめでとう!」
カヲルも同様。
「もうーっ!何なのよ!しょうがないから来てやったわよ!久しぶりね!あけましておめでとう。」
「よぅ!碇久しぶり!あけましておめでとう♪」
腰に手を当て威張った調子でも内心は嬉しそうなアスカとちょっと一歩下がってシンジに話しかける相田ケンスケ。
「アスカ!ケンスケ!久しぶり!あけましておめでとう!」
応えるシンジ。
「おぅ!お久しゅうな!元気にしとったか?あけおめ!」
鈴原トウジと洞木ヒカリもやってくる。
「トウジ!委員長!あけましておめでとう♪」
「碇君!中学の時の呼び方はやめてって言ってるでしょ!今年もよろしくね!」
シンジが中学の時の呼び方のままなので言い返すヒカリ。
「やあ!みんな久しぶり!今年もよろしく!」
カヲルが皆に向かって話しかける。みんなが集まってくれた事に喜ぶカヲルとレイ。しばらく皆で年が明けたあいさつをしながら団らんする。
暫くしてシンジがなにか後ろに隠してカヲルとレイのもとにやってくる。
「ーーカヲル君!」
「なんだい?シンジ君!」
「実はね!僕も持ってるんだよ!」
ジャーン!と言わんばかりに後ろに隠していた物を見せるシンジ。
「オタマトーンデラックス!!」
「流石!シンジ君!じゃあ弾けるんだね!」
シンジに感心するカヲル。
シンジの大きなオタマトーンを見て目を輝かせるレイ。
「おっきなオタマトーン….‼︎」
「うん!今人気なんだよ!」
カヲルに応えるシンジ。
シンジは簡単な演奏をカヲルとレイに聴かせる。
「シンジ君オタマトーン上手だね!」
褒めるカヲル。楽しいそうに話し合うそんな中で、ひょっこり濃いピンク色のオタマトーンを取り出し見せるアスカ。
「私もあるわよ!オタマトーン…」
「へへ…ありがとう!」
アスカの発言に気が付かず。カヲルに褒められて嬉しそうに返すシンジ。
「ちっムシか…アイツらだけ盛り上がって…!」
気が付かれずガッカリするアスカ。それを見てなだめるケンスケ。
「まぁまぁ…」
キラーンとキメ顔をしてケンスケは続けて言う。
「ここは僕が改造したオタマトーンを見せるべきだね!」
「見てて!アスカ‼︎きっと皆を振り向かせてあげるよ‼︎」
「…」
どうでもいいアスカ。
「千年☆ロットトーン!!」
ドンッ🌟と遊戯王のクレジットで千年ロットを逆さにした感じに改造したオタマトーンを高く上げ皆に見せつけるケンスケ。マリクのシルエットが隅にみえる。
速攻で東京リベンジャーのマイキー並みの蹴りをケンスケに入れるアスカ。流石にその音に話で盛り上がっていたカヲルとシンジが気がつき振り向く。
「なにをするんだアスカ!!」
いきなり蹴りを入れられて驚くケンスケ。アスカはケンスケの胸ぐらを掴んで叫ぶ。
「あんたバカァ?!もう何も喋らないで!(顔芸[マリク]じゃない!ケンケンじゃなくなっちゃう!!)」
そんな2人のケンカを遮るようにトウジとヒカリが自分たちもオタマトーンを持っている事をシンジたちに見せる。
「ワイもオタマトーン持っとるでー、くまモンや!」
(オタマトーンはあのつぶらな瞳のキャラクター以外にもお当地キャラや有名なキャラクターとコラボしています。)
「私もよ!私は招き猫!」
案外皆オタマトーンを「持っていた事がわかってカヲルは呟く。
「なんだかんだ言って皆持ってきてくれたんだね。オタマトーン…。」
「うん…。」
自分だけじゃなかったと悟りながら応えるシンジ。
「姫かわいい💕」
ケンカしてるアスカを見て呟くマリ。
[アー。]
オタマトーンを少し鳴らしてみるアスカ。
「何コレ。やっぱり気の抜ける音しかしない…(改めて思うけどなにがしたいの⁈)」
「改造を解いたら普通の黄色いオタマトーンなんだけどね!」
「あっそう…」
改造を解いてアスカに見せるケンスケ。応えるアスカ。
「ちなみにわたしは、カービィのオタマトーンだにゃ!」
「ふふ…マリらしいね‼︎」
皆にピンク色のカービィとコラボしたオタマトーンを見せるマリ。応えるシンジ。
次にカヲルが持っているオタマトーンに注目するシンジ。
「あっ!カヲル君のオタマトーンってスケルトンなんだね!」
「うん!これクリスタルって言うんだよ!」
嬉しそうに応えるカヲル。それを見て嬉しいレイ。
(2人がポカポカしてる嬉しい…。)
透明なオタマトーンを、見てさらに話続けるシンジ。
「スケスケだね!」
「うん!そうだね!ハハ!」
笑い合うカヲルとシンジ。
そんな仲間達のやりとりを見ているトウジとヒカリ。
「みんな自分に合うオタマトーン持っとるんやな…。」
「そうみたいね。」
そんな最中に言い出すケンスケ。
「…ところでまさか綾波と渚君が一緒になるとは思わなかったよ!」(ケンスケとアスカにも同じ事を言いたい。)
仲良く話をしているカヲルとレイを見ながらアスカも応える。
「まぁね…でも見てよアレ…似たもの同士よね?放っておいてもうあーなったんじゃない!」
そこに口を挟んでくるマリ。
「私はわんこ君と渚君がくっつくと思ってたニャ。」
「え?!なにソレ?」
マリの意外な発言にビックリして応えるシンジ。落ち着きを払ってシンジはマリに言う。
「…それはないよ。だって僕には…マリがいるから…!」
それを聞いて安心するマリ。
「…💕ダーリン!」
「もーーーっ!」
皆がポカポカしているのに嫌気が差して奇声をあげるアスカ。
「つーか!なんで!アンタのだけオタマトーンがでかいのよ!!目立つのよ!バカシンジ‼︎」
アスカにいきなり八つ当たりをされたシンジは冷静に応える。
「僕チェロやってたから…大きい方がしっくりくるんだよ!」
「チェロを弾いているわんこ君かっこいいんだよ!」
マリも応戦して言う。
「ありがとうマリ!」
「いえいえ〜」
さらにポカポカな雰囲気になるシンマリに苛立ちながら応えるアスカ。
「あっそ…」
そんな会話など気が付かずにトウジとヒカリはオタマトーンの練習をお互いにしている
「ワイこういう(何も印付いてない)楽器苦手や。」
「かわいいと思って気楽にやればいいのよ!」
「…それじゃあ皆で合わせてみようか!」
カヲルが皆に演奏を合わせようと呼びかける。
「うん!」
「んー!」
応えるシンジとマリ。
「八人で演奏するから八重そうだね!オタマトーンの!」
「そうだね!アハハ!」
シンジがカヲルにそう言うと笑って応えるカヲル。
「せーの!」
年始めにかわいらしい(気の抜けた)歓喜の歌、第九が流れた。
良い年になりますように。
どこか音が外れているけどーーそれでも心地よい旋律がその場を包んだ。
いつまでも幸せな日常が続きますように…。
笑い合う八人。
「さぁ次はFly me to the moon弾くわよ!」
皆に次演奏する曲を決めつけて、うながすアスカ。
「この前のオールナイトニッポンのエヴァラジで魂のルフランで寝落ちしちゃったにゃ🌟」と言い出すマリ。
「じゃあ最後まで聴けんかったって言うんか?アハハ!」
マリを茶化すトウジ。
「夜中だもんなー。」
共感するケンスケ。
皆笑いながら聞いている。
最後に皆の姿に替えられたオタマトーンが輪になっている絵が描かれている。
終劇
☆
以上です。ただ今漫画を製作中です!!
漫画の大本の流れを描いてからシナリオを書きました。なのでコマに小さく表現されているセリフもあります。発表はしますが気に入らない部分は訂正してまた製作しようと思っています。
最後に自分のエゴの塊のような二次創作ですが、カヲルとレイが公式に一緒なっているところを見れて良かったです。なにより、このキャラクターを生み出していただいた庵野監督には感謝しかありません。理想的な2人を生み出しいただきありがとうございます。
その後にマリの声優の坂本真綾さんが歌っている「うちゅうひこうしのうた」に合わせたイラストをお送り致します。
そして、勝手に私が考えた。オタマトーンのエヴァコラボのイラストを載せる予定です。
✴︎pixivにて一部無料公開。
✴︎pixiv FAN BOXの支援者には全編公開。メイキング画像の公開。
✴︎BOOTHでデジタル書籍の商品化。などをする予定です。
よろしくお願い致します。ここまで読んでいただきありがとうございました。今後も作品を作り続けていきます。応援していただけるととても嬉しいです。
よろしければ支援をしていただけると創作する作業の効率が上がり少しでも皆さんの期待に応える作品を製作する事ができますので、大変助かります。よろしくお願い致します。
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