Tumgik
#ゴム人形
kmnmscat · 10 months
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ドラゴン→デストラ その2
 
もう一度シャワーを浴びて着替えると、そのままデストラクションに行った。昔なのでこの地域でも全然見回りはなく、緩かった。
Rの小瓶はハッテン場の受付や二丁目のショップで売っていた。主流は黄色だが、オレは赤が好きだった。青や紫、大瓶のマンセントなんかもあり種類は豊富。それが一本850円とか。ほんといい時代だったな。
軽く緊張しながらも、平常心でゆっくり歩き、店の扉を開ける。
受付をすませポーチ片手にトイレに行き、再度詰10を仕込む。2回目のキターーー!のあと腕を抑えながらパッキーンの快感に浸っていると、ケツが緩むのがなんとなくわかる。ああああ、せっかくのザーメンがもったいねぇ!と思い必死でケツを閉める。チンポからは先走りが出るわ、ケツからは漏らさないように必死だわですげー気持ちよかった。
水分補給したあと大部屋に行き、2人にケツを掘られる。そのうち一人は珍しくゴム有りだったんで、終わった後はゴムザーをもらって自分のドリチンにかぶせて遊んでた。尿意を感じたのでトイレに行くと、扉の前に明らかにヤッってるやつがいた。170cmくらいの中肉中背のパイパンで、そいつには競パン跡があった。目が合うとニヤリと笑う。「ションベンするからちょっと待ってて」と言うと、飲ませてくれと言う。オレ以外にもこんなとこでションベン飲みたい奴いるんだと思い、トイレではなく横にあるシャワーブースに一緒に入った。しゃがんで口あけたやつの前に立ち、立ちションの体勢で口の中にキメションを勢いよく放出した。やつはくせぇキメションをごくごく飲み、飲み切れなかったのは体塗りたくりながら勃起チンポをしごいてた。「同じことしてやるよ」と言われ、今度はオレがしゃがんで小便器になった。苦いキメションの味に興奮して二人ともキメション臭くなったのでシャワーで流す。ここがラブホだったらそのままにしとくのにもったいねぇ。
相手のチンポはギンギンだったので、「キメててよく勃起するよね?」と聞いたら、勃起薬を2錠飲んだとか。「ケツ掘ってやるから追加しようぜ」と言われ、今度は一緒にトイレに入った。幸いトイレやシャワーブースにはほかに人がいなかった。「オレは15だけどいくつ入れるん?」と聞かれ、「7か8くらいのつもり」と答えると、「えぇ、せっかくなんだし、同じ量いれようぜ。なんならオレの使えよ」と言われ、オレのPにサラサラっと15詰めてくれた。水を入れて溶かし、いつものようにタオルを巻く。プスっと刺し、シリンジを引くと筒の中が赤くなる。最高潮にドキドキしながら押していくと、半分くらいのところで心拍数がガチで上がるのが分かる。さっきの追加から2時間くらいしか経っていない。そのせいで押してる最中からクラクラし始めるが、必死の形相でなんとか最後まで押し切った。道具を置くところまでは息を止め、箇所を抑えて腕を上げて深呼吸で一気に息を吸い込んだ。がーーーーーーーー!っと体の中がめぐっているのが分かる。ドリチンはさらに縮こまり、このままだと倒れると思いすぐに座った。すると相手も目ん玉見開いて、オレの顔見ながらにやにや笑う。変態二匹が狭い便所でヘロってる。
3分経ち(ほんとはもっと時間たっていたんじゃないか?あるいは逆に一瞬の出来事だったのか、もう分からねぇ)、道具を片付けて外に出た。飲み物を取るふりをしてロッカーを開けて、道具をしまった後奥の部屋でケツを掘られた。枕を腰の下に置き正常位でパンパンパンパンと、部屋の中に響く。17cmの生チン(あとで聞いた)はオレのいいところを当ててくる。ヨダレ垂らしながらあへあへ言い、R吸わされるとケツの奥のもう一つの穴を抜けてくのがわかった。あー、オレのケツ今ガバガバに開いてる、あー気持ちいい。オレら以外にも近寄ってきて乳首舐めたりチンコしゃぶらせたりするやつは何人かいた。両乳首を舐めまわされながら正常位でガン堀りされたり、バックで掘られながら口まんにザーメン出されて、飲み込みながらケツに入ってる生チンを必死になって感じていた。
すると、170cmくらいのガッチリ体型のやつがバックで掘られているオレの下に潜り込んできた。両乳首をコリコリされながらベロチューされてると、ガッチリくんがオレのケツに生チンも当てて来た。いや2本はさすがにと一瞬ひるんだが、彼が手に持っていたのはエアーダスター。オレの口にプシューーーっとスプレーし、息を吸い込むと一瞬周りの映像がスローモーションのようにぐにゃりとなる。その口にRしみ込ませたティッシュを放り込まれ、ガッチリくんが口で覆い被せてきた。息を吸うたびにRを吸い込み、白目剝いて(たんだろうと思う)ヘロってると二本目の生チンがグイグイグイっとねじ込まれた。入った!二本目の生チンは12~3cmとそう大きくなかったのが良かったようだ。「あああ!ああ・・!ああああ・・~~ああぁぁ!」と、Rティッシュ咥えたまま声にならない声で喘ぐと、すかさずスプレーを吸い込ませてきた。オレのケツの中で二本の生チンが動いてる!種まみれのザーメン臭ぇケツの中でヌルヌル奥までチンポが入ってる。意識を保つのがやっとの状態で、オレのチンポからは先走りがドバドバ出ていて相手の腹の上がヌルヌルになっていた。
下になってるやつが「イク、ああああイク、イクイクイクイクぅ!」と言うとケツの中に1発目のザーメンをぶっ放した。ケツの中で二本のチンポに絡みながらザーメンが出てるのが感じられた。そうすると、キメタチさんも「オレもイク、イクイクイク、種付けるぞ、種種種種ぇ~~~!」と叫び、1発目よりもはるかに勢いよく、どびゅーっ!どびゅーっ!と2発目が腸壁を打ち付けてるのが分かった。放心状態の二人はそのままぐったりと休み、ケツの中には生チンが入ったまま。次第にしぼみ始め、ズルンと二本まとめてオレのケツからチンポが出て来た。と同時にケツからザーメンも漏れたのを、キメタチさんが手で受け止めていた。さすが、分かってるなぁ。オレ達に見せつけるようにそのミックスザーメンをぺろぺろ舐め始めた。オレも手の平に口を付け、ズズズっとあえて音を立ててすすって見せた。がっちりくんはそれを見て「すげぇな!」と爽やかな顔でオレらを見ていた。ミックスザーメンでキスをしたあと、キメタチさんは飲み込まずにオレのチンポに垂らした。なぜかそれにすごく興奮して、ドリチンだったオレのチンポがムクムクと勃起し始めた。「あ、これ今がイキ時だ」と思い、そのままチンポをしごいた。キメタチさんはそれが分かったのかオレの両乳首に種まみれのチンコをこすりつけ、種乳首にしてから右の種乳首をコリコリいじってくれた。オレは右手で種まみれのチンポしごき、左手で左の種乳首をいじる。キメタチさんは空いてる方の手をオレの種マンに入れてズボズボしてるとすぐに種が上がってきた。
「ああ、あイくぅ。イクイク、いいいイぐぅぐうううううううう!」
口の中のミックスザーメンを飲み込みながらドッピュ・・・ドッ・・・・・ドピュ・・・ドッピュ!と大量のザーメンを体の上にまき散らした。
「すげぇ閉まる・・・。」キメタチさんがそう漏らすと、周りからも「あいつらすげぇな」って声が聞こえた。ティッシュを渡されるがティッシュなんかじゃ追いつかない量なのが自分でもわかる。仕方ないのでベシャベシャと体に塗り、半分くらい乾いたところで3人でシャワーに行った。
聞くと、ガッチリくんはシラフだった。キメ交尾は知ってはいたが、興味本位でオレ達に近づいたとのこと。
「どんだけ種付けされたの?」とガッチリくんが聞いてきたから
「両手出してみ?」と言い、ガッチリくんの手にブジュ、ブジュウウウ、ブビ、ブジュシュ・・・」とザーメンを出した。「うわ、すっげ・・・・。何人分だこれ・・・」と多少ドン引き交じりで驚いていた。驚いたのはオレもキメタチさんもだった。こんなに種出されていたんだと、オレもびっくりした。きっとこれ、プレイの最中だったら口で吸い取り、みんなでザーキスしたあと回し飲みしたんだろうな。今思うともったいない。
10年以上も前の話だが、この日のことは今でもしっかり覚えている。
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samantha-dan564 · 22 days
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札幌市の「パンク検知装置」が作動した初めてのケースになるんじゃないかな。しかしチューブレスタイヤでもこんな避け方するんだな…でもホイールが酷い変形をしてるから記事にある通りポイントの不具合、たとえば本来下がるべき案内軌条が下がらずにタイヤと接触したとかなのかな
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dollsonmain · 1 year
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Momos!
(The doll is not officially named Momo, that’s what I named my cheap clone head that I thrifted back in 2002.)
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dropoutsurf · 10 months
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第Ⅰ部 認知バイアスへの論理学的アプローチ 01 二分法の誤謬 02 ソリテス・パラドックス 03 多義の誤謬 04 循環論法 05 滑りやすい坂論法 06 早まった一般化 07 チェリー・ピッキング 08 ギャンブラーの誤謬 09 対人論法 10 お前だって論法 11 藁人形論法 12 希望的観測 13 覆面男の誤謬 14 連言錯誤 15 前件否定 16 後件肯定 17 四個概念の誤謬 18 信念バイアス 19 信念の保守主義 20 常識推論
第Ⅱ部 認知バイアスへの認知科学的アプローチ 01 ミュラー・リヤー錯視 02 ウ サギとアヒル図形 03 ゴムの手錯覚 04 マガーク効果 05 サブリミナル効果 06 吊り橋効果 07 認知的不協和 08 気分一致効果 09 デジャビュ 10 舌先現象 11 フォルス・メモリ 12 スリーパー効果 13 心的制約 14 機能的固着 15 選択的注意 16 注意の瞬き 17 賢馬ハンス効果 18 確証バイアス 19 迷信行動 20 疑似相関
第Ⅲ部 認知バイアスへの社会心理学的アプローチ 01 単純接触効果 02 感情移入ギャップ/ 03 ハロー効果 04 バーナム効果 05 ステレオタイプ 06 モラル信任効果 07 基本的な帰属の誤り 08 内集団バイアス 09 究極的な帰属の誤り 10 防衛的帰属仮説 11 心理的リアクタンス 12 現状維持バイアス 13 公正世界仮説 14 システム正当化バイアス 15 チアリーダー効果 16 身元のわかる犠牲者効果 17 同調バイアス 18 バンドワゴン効果 19 ダニング=クルーガー効果 20 知識の呪縛
第Ⅰ部 認知バイアスへの行動経済学的アプローチ 01 アンカリング 02 サンクコストの誤謬 03 メンタルアカウンティング 04 自信過剰 05 ピア効果 06 後知恵バイアス 07 現在バイアス 08 損失回避性 09 確実性効果 10 社会規範 11 フレーミング効果 12 選択肢過剰 13 ピークエンドの法則 14 極端性の回避 15 ハウスマネー効果 16 符号効果 17 デフォルト効果 18 無料の力 19 貨幣錯覚 20 確率加重関数
第Ⅱ部 認知バイアスへの統計学的アプローチ 01 平均による誤謬 02 アンスコムの数値例 03 棒グラフの誤用 04 折れ線グラフの誤用 05 3Dグラフの誤用 06 絵グラフの誤用 07 標本の偏り 08 自己選択バイアス 09 健康労働者効果 10 バークソン・バイアス 11 集団間比較の誤謬 12 シンプソン・パラドックス 13 時系列比較の誤謬 14 回帰の誤謬 15 少数の法則 16 有意差の誤謬 17 検定の多重性 18 モンティ・ホール問題 19 基準率の無視 20 検察官の誤謬
第Ⅲ部 認知バイアスへの情報学的アプローチ 01 利用可能性ヒューリスティック 02 生存者バイアス 03 限てい合理性 04 ウーズル効果 05 グーグル効果 06 第三者効果 07 敵対的メディア認知 08 意地悪世界症候群 09 どこでも効果 10 クラスター錯視 11 カテゴリーサイズバイアス 12 単位バイアス 13 比率バイアス 14 目立ちバイアス 15 理解レベル効果 16 回答バイアス 17 ナンセンスな数式効果 18 計測効果 19 観察者効果 20 素朴実在論
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バイアス一覧,個性,偏り
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oka-akina · 9 months
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今度こそ風呂掃除をがんばろうと思って業務用タイル目地ブラシというのを買った。なんか強いナイロンの毛とJの字の形がいい感じに角っこに届いて、目地の汚れやカビをがっつり取りのぞけるらしい。生協で安くなっていたのでポチった。たしかに風呂場のタイルって黒カビできやすいもんなあ、これはよさそうだなあと思った。
最近ちょっと掃除をがんばっている。きっかけは少し前に導入したロボット掃除機。平らなところしか掃除できないし動きものろいんだけど、一緒に掃除している感があっていい。おまえがそっちやってるあいだにわたしはこっちをやっとくわみたいな感じで脳内でバディを組んでいる。なんでもそうだけど一人で抱えこんじゃだめだな、一緒にやれる相手がいると進みがぜんぜんちがうなーと、これは冗談じゃなくほんとに思う。なんでみんなロボット掃除機買うのかわかんなかったんだけど、ああこういう効果があるんだなーと思う。 わたしは髪が長いので風呂の排水口が詰まりやすく、風呂掃除はかなり憂鬱。でもこれはロボにはできないからわたしがやるしかないんだよな、新しい強いブラシ買ってがんばるかーと、わたしにしてはやけに殊勝な気持ちになったのが先週。
今日ブラシが届いて、「素手で触ると怪我するから手袋してね」的なことが書かれていてすげえな…すごい強い毛なのかな…とかウキウキでツイートした。激強泡洗剤も用意し、よっしゃがんばるぞ、やったるぜと腕まくりして風呂場のドアを開けたらうちの風呂ってタイルじゃなかったのでめちゃめちゃ驚いた。これポチったときわたしはたしかにタイルのようすを頭に思い描いていたのに…。「怖っ!!!!」と一人ですごいでかい声を出してしまった。毎日風呂に入って壁だって毎日見ているはずだけど、なんで忘れてたんだろう。よく考えたらうちのどこにもタイルってなかった。ほんとに怖い。
わたしはこういうことをちょくちょくやらかしていて、最近だと自転車もそうだった。自転車、ダイヤル錠の番号忘れちゃったから乗れないんだよなー、せっかく自転車持ってるのにもったいないなーと2年くらい思ってたんだけど、ある日自転車を見てみたらダイヤル錠じゃなかった。ふつーのガチャンって挿す鍵で、駐輪場で腰抜かすかと思った。そして玄関の小物入れ見たら自転車の鍵もふつーにあった。「何番だったっけな〜、”ごくろうさん(5963)”はやめた会社の通用口だし、”にしむく(2469)”は前住んでたマンションの郵便受けだし…」とか2年くらいずっと考えていたのはなんだったんだろうと思った。 あとこれはツイートしたこともあるかもだけど、フードプロセッサーの蓋をなくしちゃったとやっぱり2年くらい思い込んでいた。「蓋なくしちゃったから使えないんだよなー、あんなでかい蓋どうしてなくしちゃったんだろう…」とずっとめそめそしていて、たまに台所のいろんな引き出しをひっくり返してみるんだけどどうしても見つからなくて、使えないんならいいかげん捨てるしかないよなーと思って改めてフープロを見てみたら蓋はちゃんとそこにあったんだよね…。こういうことばっかりで自分が怖くなる。
こんなすっとぼけていてどうやって労働とかやってるんですかって感じだけど、案外なんとかなっている。のかな…。どうだろう。あんま難しいことしてないから平気なだけかもしれない。周りの人がこっそりどうにかしてくれているのかもしれない。昔おぼえたすごいマニアックなこととかはスラスラ出てくる。どこにも書いてないような、やったことある人は知ってるかもねみたいなの。そういうのが出てくると急にシャキッとする。なんていうの、戦争の話をするとやけにハキハキするおじいちゃんみたいな…というたとえはあんまよくないかもだけど、ほんとにそう。
このあいだ小声書房さん��買ったキム・ヨンハ『殺人者の記憶法』。まだ3分の1くらいしか読んでないけどすごく面白い。主人公は70歳で、これまでいろんな殺人を犯してきた男。けれども認知症になってしまい…という話。 どんどん記憶が混濁していき、新しいことから忘れていく。もしかしたら最近も自分が誰かを殺しちゃったかもしれないけどわからないし、娘が連続殺人犯に狙われている気がするけど自分の記憶が頼りにならない。どうやって娘を守ったらいいんだ…と悩む。「認知症は、老いた連続殺人犯に人生が仕掛けた意地の悪い冗談、いやどっきりカメラだ。」 なんとなく手に取った小説だけど、このあいだモブ・ノリオ『介護入門』を読んだばかりなのもあってすごく引き込まれる(『介護入門』の祖母は認知症ではないけど)。
タイルの目地ではないけど、壁と浴槽の境目とかドアのゴムのところとか、ブラシを使ったらすごくきれいになった。やりはじめると没頭するタイプなので、半日かけて排水口や床や、徹底的にやった。掃除のときは古いJ-POPですわと思って、AppleMusicでGLAYの『BEAT OUT!』とか流して歌いながらやった。『BEAT OUT!』は3枚目のアルバムかな。週末のBaby talkとかなんか掃除向きだなーと思った(この日記を読んでくださる方のほとんどは知らない曲だと思いますが…)。 で、流しっぱにしてたらランダムでいろんな曲が流れてきて、XJAPANとかLUNA SEAとか浜崎あゆみとかHYとかhideとかORANGE RANGEとか…。90年代とかゼロ年代ってくくりでもなくて、なんか誰かのJOY SOUNDのデンモクの履歴みたいな。むかし会社の送別会とかで行ったカラオケを思い出した。いつも死ぬほど仲悪い課長と課長代理が、カラオケん時はCHEMISTRYとか夏の日の1993とか一緒に歌って、きれーーにハモるの。なんかリーマンBLみたいだな…。そしてそういう歌のいろいろ、もうずっと聞いていなかった歌の歌詞をなんかすごく覚えていて、どっからその記憶が出てくるのかスラスラ歌えたので驚いた。ああやっぱむかしのことばっかよく覚えてるんだなーと思った。
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goodwaytofly · 1 year
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2023/05/21
ガソリンスタンドにある洗車機、あの洗車機に洗われる車の中にいると、子供の頃に戻ったような感覚になる。洗車機が嫌いだった。洗車機が車をまたぐと車内は暗くなり、不穏な機械音が響く。怪物の体毛のようにだらんと垂れたゴムの束が一度死んで蘇ったみたいに突然回転し始めて、私を容れる固い鉄の塊にむかって無感情にぶつかってくる。即席の豪雨がフロントガラスに降り注いで、ゴムの束がバタバタと音を立てて車の表面を這う。洗車の間、後部座席でぎゅっと目をつぶって耳を塞ぎ縮こまっていたのを覚えている。早く終われ。そう思いながら。
時間が直線に流れているということを疑い始めたのはいつ頃からだろう。時計の読み方は幼いころ誰かに教わったはずだが、時間は直線上に流れるもので、過去はすでに経験した時間であり、現在は今滞在している時間であり、未来はまだ経験していない時間のことを指すという感覚を、人はどうやって体得するのだろう。
腹が立つほど明るく晴れた日のガソリンスタンドで、門型の洗車機の中へと車が進んでいく。洗車機が車を跨いで陽をさえぎり、車内がほの暗くなる瞬間、まただ、と思う。助手席に座りながら、後部座席で息を潜めて体を縮こまらせている自分の、つぶったまぶたの硬さを感じる。ゴムの束が車を擦る音が不快だと言うたびに運転席の母が曖昧な笑顔で無視するから、私は耳の穴に指を突っ込んで塞ぎながら、先ほどスーパーで買ったアイスクリームがトランクで溶け始めているのではないかと心配する。洗車のためにエンジンを切った車の中は、さみしい永遠のにおいが充満している。洗車機が風を吹き出してフロントガラスの水滴が下から上にのぼっていくのを見てはじめて、ずっと昔にも車の中で同じ水滴を見つめたこと、あの時も不快なゴムの音と車体の振動とを今と同じ体で感じたこと、同じ体のはずなのに腰のふくらみもふくらはぎの硬さも首の曲線もあの時からすべて変わっていること、助手席に座る私は硬直せずともゴム毛の怪物の蠢きを直視できること、トランクにアイスクリームはないということに気付く。
機械から発進してくださいと繰り返す女性の声が流れて車は進み、陽がふたたび車内に差し込む。眩しさに目を細め、サンバイザーをおろすと私は後部座席にいて、窓についた水滴が洗車機の風に吹かれてスローモーションみたいにゆっくり移動していくのがおかしかったと母に言う。運転席の母は軽く振り返り、口元だけ笑う表情を作ってすぐに前を向く。私は助手席で、その仕草がずっと嫌いだったのだと思う。運転中にサイドミラーで化粧崩れを確認する癖はそのままだが、耳にかけた髪の根本は白く光っている。車内に流れるグレン・グールドのゴルトベルク変奏曲に耐えかねた母が、もっと気分が上がる曲をかけて、と言う。私は横目に流れる電柱の数を諦めながら、この先また同じ時を過ごすのだろうと予感する。
時間は本当に不可逆的なものなのだろうか。過去が経験という形で現在と未来の選択に作用するのなら、未来が現在と過去に作用することもありえるはずだ。
あるいは時間とは星座的なものなのかもしれない。リニアにつながる時間軸というものはなく、体験と感情は星座のようにランダムに点在し、それらの星座を観測する要領で点と点をつなぎ合わせた時、自分という存在が見えてくる。
別々の体験が同じ感覚へと集約されていく際も、過去から未来へと直線につながる時間軸を疑うものだ。実家で飼っている犬の毛並も、疲れた時に���くいびきの音量も、コンビニで買うスナック菓子も、道具としての言葉の使い方も、私の背中を撫でる時の手のひらの厚みも、それぞれまったく異なる人たちをそれぞれに愛し、そしてそれぞれが私の中で死んでいくのを感じ始めた瞬間、まただ、と思う。すべての体験が別個であり、その都度私の実感も別個のものなのに、ずっと同じ一人を愛そうとして失敗しているような感覚に陥るのだ。円環状の繰り返しを認めているのではなく、デジャヴを味わっているというのでもない。過去の経験が現在と未来に地続きになっているとしたら、どうして人は常に適切な選択肢を選ばないのだろう。経験があるとすれば、それらは終わることなく点々と今も存在し続けており、私はただひたすらにその点を増やしながら生きているだけのような気がする。傷ついてもいいから愛そうと思った時、傷つくのなら愛さなければよかったと思う瞬間にいる。一瞬に永遠を見出したとき、一瞬の短さを知る。私の中で死んでいった人たちは無限に死に続け、別の点において有限に生き続けている。私の中で終わった出来事が、別の点においては起こり続けているのだ。
直線的な時間軸を確かに証明できるものはなく、時間の経過が人間の記憶という感覚に依るものならば、色褪せない記憶や忘れられない思い出はやはり過去ではなく、現在であり未来でもありうる。体験とそれに付随する感情は、時を超えて、洗車機の風に吹かれる車窓の水滴のように、下から上にのぼっていったり、後ろから前へと進んでいく。味わったことのない感覚に繰り返しを見出したり、無意識の習慣に目新しさを感じたりしながら。時という点は直線にはならないが、移動したり重なり合ったりして私たちの中に在り続けるのかもしれない。直線につながる時間軸なんて本当はないから、人は傷ついても、一度も傷ついたことがないみたいに、また誰かを愛するのだろう。
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【2023-11-23】 勤労感謝の日
晴れ。午前七時三十五分起床。祝日。アラームで目覚める。顔を洗い、歯を磨きアパートを出る。セカンドストリートで1500円で購入した、グリーンのミリタリージャケットに胸にピースマークの缶バッジ、ボーダーのハイネックのニット、デニムパンツ、スニーカーという格好。今日は、祝日のため、平日通っている、精神病院のデイケアが休みだ。今日は、特に予定を入れていないが、暇なので、とりあえず地下鉄で、天神へ向かう。電車内、スマホをみたり、読書。数日前、ジュンク堂書店の古本まつりで250円で購入した、大島亮吉著「山ー随想ー」の続きを読む。大島亮吉は、学生時代から登山サークルに入っており、人生のすべてを山にかけていた。「山ー随想ー」には、ただ、登山している時に見える風景や、その日に摂った食事のことがただただ淡々と記されているだけだ。退屈と言えば退屈な随筆だ。ソローの「森の生活」のように。しかし、小説のように、ドラマティックな出来事が何も起こらず、著者の感じたことや、出来事をただ羅列しているだけの退屈な文章が、私は好きなのだ。そういう生き方をする人に「無常の愛」を感じるのだ。しいて、私が興味を惹かれた箇所は、「アイヌ民族」についての事柄が記されている箇所だ。そのことは、また、のちのち触れることにしよう。天神へ着き、まだどこも店は開いていないので、ただ、あてもなく天神の街を、タバコをくゆらせながらぶらぶら歩く。腹が減ったので、ロッテリアへ行き、野菜バーガーセットを食べる。サイドドリンクはメロンソーダ。私は、コーラやカルピス以外にメロンソーダも好きなのだ。向かいの席には、若い二人組の男が向かい合って座っている。前日、飲みすぎたのか、途中から、テーブルに突っ伏して寝始める。私も、若い頃はよくやった。せっかくなので、記念に二人が突っ伏して寝ているところを写真におさめ、SNSに投稿する。食後、ロッテリアを出て、ブック・オフへ向かう。途中、破れたデニムパンツを発見したので、迷わずリュックザックの中に入れる。この「リュックザック」という単語の「ザック」の部分は、大島亮吉氏が、「リュックサック」ではなく、「リュックザック」と「サ」を濁らせて「ザ」と書いていたため、普段私は、「リュックサック」と記入するのだが、今度からは私も、「リュックザック」と記すことにしよう。「ナップザック」でも良いような気もしてくる。そう、私は、古臭い言葉の言い回しや、現在では、「死語」となっている「言葉」が好きなのだ。ブック・オフで、無地のグレーのセーターを試着してみる。サイズ感はバッチリだし、デザインも悪くない。しかし値段だ。プライスタグには、二千円と記されている。最近の私の服を購入する基準は、千五百円以下なのだ。ちと高い。結局、商品を元あった場所に戻し、ブック・オフをあとにする。勿論、先程のセーターが、もっと面白い柄が入っていたり、かわいい胸ポケットがついていたら、多分二千円でも購入しただろう。しかし、あくまで無地なのでもう一歩購入に至らなかったのだ。しかし、この日記を書いていると、そのシンプルな無地も悪くない気がしてくる。書いていて、だんだん欲しくなってきたので、また週末にでもブック・オフへ行き、まだ商品が残っていたら購入することにしよう。ブック・オフを出たら、突然、体にタトゥーを入れたくなったので、どこに入れるか?を想像してみる。思いついたのが、手のひらだ。手のひらへ「Pain」と入れたいのだ。私が、日々投稿しているTumblrで、手のひらに「Pain」と入れている男性の画像を発見して以来、ずっと同じ箇所に同じ「文字」を入れたいと思っていたのだ。特に、予約はしていないが、とりあえず、タトゥーショップへ向かう。タトゥーショップは、最近、私がよく彫ってもらっている「KーTATTOO」だ。KーTATTOOでは、アンカー(イカリマーク)や、聖母マリアや、イエス・キリストや、誰かわからないが、首を切られた生首の男の写真の画像を入れてもらった。最近では、首筋に十字架や、肩に星マーク、足首にアルファベットで「MOM」と彫ってもらった。そして、KーTATTOOのど真ん前には、クリニックの駐車場があるのだが、なんと、私の名字と同じ「いわさきクリニック」というクリニックの駐車場があるのだ。「主」は、私がKーTATTOOで入れ墨を入れることを望まれているのだ。私が、聖母マリアやイエス・キリストのタトゥーをKーTATTOOで入れようと思ったきっかけは、別に「いわさきクリニック」がKーTATTOOの前にあるからではない。勿論、そんなことは、知らなかった。知ったのは、最初の予約をした日、グーグルマップでKーTATTOOへ到着してから知ったのだ。ある時(2023年6月初旬頃)、タトゥーが入れたくなり、たまたまネットの検索で引っかかったのが、KーTATTOOだったのだ。アンカーは、私は、佐世保出身であり、幼少期から米軍基地の近くを、よく車で通っていた。その時、走行する車の窓から、米軍基地の近くを通ったとき、大きなアンカーの彫刻が建てられているのを見ていた記憶が脳裏に焼き付いているのだ。子供心にカッコいい形だなと思いながら、見ていた。それでアンカーを腕に彫ってもらったのだ。彫師さんに聞いた話だが、アンカーは、縁起の良い彫り物らしい。KーTATTOOへ到着して、スタッフに「Pain」の画像を見せる。運良く、今日は予約がそんなに入っていないので、当日入れることができるとのこと。ただ、本日一人、十二時から予約が入っているため、その後の、午後一時からであれば入れることが可能とのこと。ただ、手のひらは、タトゥーを入れる体の中でも、特に痛い箇所らしく、おまけに手のひらというのは、人間の体の中でも特に墨が入りにくい箇所であり、入れても時間が経つと消えてしまう可能性が高いとのことを告げられる。それでも、いいから、私は、入れたい旨を伝え、上機嫌で店をあとにする。時間まで、1時間半ほどあるので、H&Mへ行き、レディース、メンズ服、くまなくチェックする。欲しい服も何着かあったが、どれも二千円以上するため買い控えする。時間になったので、KーTATTOOへ向かう。到着したら、女性の客がうつ伏せになり、左背中に何やら彫ってもらっている。私の順番がきて、「Pain」を入れてもらう。針が、手のひらを刺した瞬間激痛が走る。私が、今まで入れたどこのタトゥーよりも痛いし、痛みの種類が違う。途中から、手がブルブル震えてきたので、彫師さんが、しっかり抑えて「彫り」を続けられる。約、三十分ほどで彫り終わる。痛かったが、とてもカッコよく入ったので、もう先程の痛みを忘れて、上機嫌で店をあとにする。ジュンク堂書店で、「古本まつり」をまだやっているのを思い出したので、足を向ける。大平健一著「貧困の精神病理」、色川武大の(タイトルは忘れたが)書籍と、あとは、これもタイトルも著者名も忘れたが二冊合わせて計四冊の書籍を購入する。四冊で千三百円ぐらい。地下鉄で帰り、途中、セブンイレブンで、カップの担々麺、タルタルフィッシュバーガー、コーラ、カルピスを購入。アパートに帰り、買った食材をリュックザックが取り出してみたら、カップの担々麺を買ったつもりが、カレー味のカップ麺を購入していたことに気づく。気分は担々麺だったのだが後の祭り。(私は、基本、日々同じ食べ物を毎日食べることを好む。変化が嫌いなのだ。)シャワーを浴びて洗濯機をまわし、イソジンでうがいし、テレビを観ながら晩飯。食後、数日前、食べ残したポテトチップスの輪ゴムを外し食べる。食後、気持ち悪くなったので、胃腸薬を服用。他に、私が日々、服薬している薬も飲む。あのちゃんのユーチューブ動画(本田翼とのラジオ動画)を視聴して就寝。何時に寝たのかは覚えていないが、最後にスマホの時刻を見たのが23時過ぎだった。
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patsatshit · 7 months
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先日までの暑さが嘘のように、朝晩が急に冷え込んできた。つまりイネ科の花粉が猛威をふるう季節の到来ということだ。秋の訪れを待ち侘びていた人も多いとは思うけれど、僕としては新たな地獄の始まりであり、定量噴霧式気管支拡張剤メプチンエアーを手放せない日々がしばらく続くことになる。幼少期から悩まされている喘息発作、子どもの頃はこの苦しさが続くくらいなら死んだほうがマシやと心のどこかでずっと思っていた。小児喘息に虚弱体質、運動場や体育館で貧血を起こしてぶっ倒れたことは一度や二度ではない。何を食べても太れない体質で、特に鳩尾の凹み具合は周りの友人と比べて自分は異常だと感じていたから、DeerhunterのフロントマンBradford CoxがAtlas Sound名義でリリースした『Logos』のアートワークを見たときには、いろんな意味でゾッとした。
(直視を躊躇う『Logos』のアートワーク)
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臨海学修、林間学習、修学旅行などの学校行事はどれも喘鳴に悩まされた苦々しい記憶とともにある。臨海学修のときは勇ましく遊泳するクラスメイトの姿を、タイミング悪く生理になった女子と一緒にボートの上から眺めていて、あのときの情けないような惨めな気持ちは未だに忘れられない。家族旅行の際も必ず夜になると喘息発作を起こしてホテル近くの病院で吸入や点滴の処置を受けていた。いつも横に付き添ってくれていた母親には迷惑をかけっぱなしだった。そんな訳で今月に入ってからは非常に体調が悪く、おまけに歯痛、腰痛にも悩まされて、夜中に何度も目が覚めてしまう。目覚めたときはいつも息苦しくて、慌ててメプチンエアーに手を伸ばす。吸入してしばらくすると呼吸は落ち着いてくる。そのままソファに虚脱して朝を迎える。朝ごはんを要求してくる猫のミューモと文鳥のピッピにご飯を与えて今度は子どもたちを叩き起こし、みんな揃って慌ただしく朝食を済ませて妻のゆきこと子どもたちを送り出し、仕上げに洗濯と食器洗いを済ませてタラウマラへと向かう。自分が家を出るときに「行ってきます」と言える相手が部屋にいることを心から幸せだと思う。ミューモ、ピッピ、ほんまにありがとう。タラウマラのシャッターを開けると朝からたくさんの修理依頼を受ける。整備を終えた自転車が次々に巣立っていく。Googleの口コミで「ここはダメ。自転車の質が悪い」なんていう書き込みがあるにもかかわらず、数ある自転車屋のなかで僕の魂のカタチを具現化したような特異チャリンコ屋を選んでもらえることを素直に嬉しく思う。
(自転車屋としてあるまじきレビュー笑)
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昨年末まで一緒に働いていたマリヲくんが退職した際に、自分のなかで掲げた目標がある。まずは借金を完済すること、次に前年対比で売上を向上させること、そしてタラウマラレーベルからの制作/製作を途絶えさせないこと。この三本柱については現時点ですべて達成できた。おまけに今夏に関しては遂にサラリーマン時代の月収も超えることができた。これはひとえにタラウマラを利用してくれる日々のお客さんと、支えてくれる友人や家族、そして自分の意地の賜物だ。ひとりになったとき、何人もの人から「大丈夫なん?」「もう作品づくりできないんちゃう?」と言われ続けたけど、そこは誰に何を言われようとも自分を信じた。人はみな簡単に「嫉妬」という言葉を口にするけど、僕が抱えているのはいつだって「嫉妬」ではなく純粋に「負けたくない」とう気持ちだけ。それも身近な存在に対してではなく、もっと巨大な資本とかムードとか慣例みたいなものに対して。そして何よりも自分自身に対して。でもやっぱり言うは易し行うは難しで、達成する為には精神も肉体も相当に擦り減らしてきた。大好きな少年漫画の『呪術廻戦』に倣って言うと、誰にだって呪力切れは起こり得るということ。そんな訳でここ数日は通院と服薬と寝不足でへとへとなんだけど、お客さんとの何気ない会話から元気をもらうことは、どんなときにでも不意にやってくる。自転車のタイヤについているバルブと虫ゴムを駐輪場でパクられたギャルのAさん、虫ゴム交換後の水調べでチューブにも穴を開けられていることがわかった。しかもパンク修理で補えないレベルのデカい穴。Aさんはマジかぁと叫んで、次のような事柄を捲し立てた。先月、福井県のとある宿に宿泊してからこんなことばっかり起こるんですよ、その宿は幽霊屋敷みたいなボロボロの宿で私が泊まった部屋の天井は人間の手形みたいな痕がいくつもあって、とにかくそこに宿泊してから不吉なことが立て続けにあって、お母さんはここで買った自転車で車に轢かれて全治6ヶ月の重症やし、こないだはカレー屋でカレー食べてたら異物混入してて、気づかずに奥歯で思いっきり噛んでしもうて歯が砕けたんですよ、もう最悪です、お祓い行った方が良いですかね?矢継ぎ早に繰り出される災難の深刻さとは裏腹に、Aさんの表情はなぜか明るかった。まぁ、お母さんは命に別状はないし、自転車も奇跡的に無事だったし、カレー屋の保険対応でインプラントにできるし、ちょっとラッキーかもって思ってるんです、とのことなのだが、どう考えても彼女の置かれた状況はラッキーではない。幸と不幸の帳尻が合わない。そもそも歯を失わなければインプラントなんて必要ないのだ。実際に彼女のスマホで宿の写真も見せてもらったが、確かにいまにも崩れ落ちそうな薄汚い天井のあちらこちらに人間の手形のような染みが点在していた。よくこんな部屋で朝まで眠れたね、と聞くと、私ぜんぜん霊感ないんですけど、このときはさすがに気持ち悪くて、霊を拒絶するには死と真逆の行為をしたら良いって誰かに聞いたことがあったので、めちゃくちゃAV観てめちゃくちゃSEXしました、だから結局ぜんぜん寝れなかったんですよ、と快活に笑う。僕も笑うしかなかった。チューブ交換しないといけないのはめちゃ痛いですけど、この話をお兄さんにできたので良しとします、またお母さんも元気になったら連れてきますね、そう言って颯爽とペダルを回転させるAさんの後ろ姿を見て、ギャルってマジで最強やな、と改めて感心したのでありました。
(Aさんの推しは星乃莉子さんだそうです)
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nemosynth · 1 year
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episode 2 - CASIO CZ-101
史上初の民生機デジタル・シンセとして一人勝ちしていたYAMAHA DXシリーズ。勝ち誇るその牙城への最初の 挑戦者として立ちはだかったのは、だが意外なことに既存のシンセ・メーカーではなかった。
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創業者たち、その名も“樫尾さん”という苗字の四兄弟に由来するメーカー“CASIO”。1970年代からハイテクな電 子計算機やコンピューターを開発製造販売し、そしてG-SHOCKなど腕時計関連で名機を輩出させたことで有名。
1979年あたり、既にYAMAHAは小型でプリセット音色のみを搭載した電子楽器“ポータブル・キーボード”を発 売予定であることをNAMM Showでアナウンスしていた。ご家庭向けにエレクトーンを小型化したような文脈で考 えていたらしく、むろん販路は正しく楽器屋さん。その予告通り初代ポータサウンドことPS-1(鍵盤Fスケール2 オクターブ半)、PS-2(同3オクターブ)、PS-3(同3オクターブ半)の三羽ガラスが発売されたのが 1980年。 だがその出鼻をくじくかのように、CASIOは初代カシオトーン“CT-201 Casiotone”を、同年1月に発売したの である。しかも販路は電気屋さん! はなから楽器を相手にしていないエンタメ志向。
世の中アナログ・シンセしかなく、ましてや翌年にその王者ROLAND Jupiter-8が出るなんて誰も知らなかった 1980年1月、なんとCT-201は既にデジタル音源を搭載。計算機メーカーが楽器を作るだなんて無謀なことをと誰もが笑ったというが、なにしろ“デジタルはカシオ”(というCMが当時ありました)。デジタル・テクノロジーが可 能にせしなんぴとたりとも追いつけない価格破壊と優れた仕様と楽しい性能で、あっというまに低価格のご家庭用 お楽しみ電子楽器ファミリー向けプリセット型キーボードという世界を築き上げ、ゲーム・チェンジャーとなった ことは周知の通り。
1980年にして既にデジタル・シンセシスを搭載したCT-201。8音ポリ4オクターブ49鍵、ベロシティには対応 せず音色エディットも不可。その代わりプリセット29音色(YAMAHA初代ポータサウンドは4音色のみ)。スピー カーを内蔵しているので音も出る自己完結型の電子鍵盤楽器。9万7千円は高いと思われるであろうが、当時のシ ンセはアナログ・シンセばっかでポリシンセと言えば何十万円、モノシンセでも10万円前後というときに、ホー ム・マーケットへ向けて電子ピアノでもオルガンでもシンセサイザーでもない8ボイス・キーボードが、しかも飛 びきりの安価で殴り込んでくるとは誰も予想だにしなかったのである。
「電卓屋」とバカにされたCASIOには、だからこそ大きな武器があった。デジタル技術と生産技術である。
当時CASIOのデジタル技術は、YAMAHAよりも5年は先をゆくものであったという。そして絶対に売れるものを徹底的に量産する。それも安定してクオリティをキープしつつ、ありえない低価格で桁外れな数で大量生産。ここで忘れていけないのは、“数撃ちゃ当たる”とよく言われるが、“数撃ちゃハズレはもっと増える”のである。ハズレ撲滅! 花形の設計開発エンジニアたちがヒーロー・インタビューに応える影で、撃って撃って撃ちまくれの檄 (ゲキ) が飛ぶ中、ハズレ撲滅のためいかに製造/資材調達/品質管理の現場の皆さんが頑張っておられるか、それは美しきにっぽんのものづくり。不良率低減の5文字こそが工業立国メイド・イン・ジャパンの生命線。卓越したプロダクション・テクノロジー、イギリス英語ではインダストリアル・テクノロジー。廉価版デジ タル音源キーボードをしかも圧倒的な台数で作るというのは、実は電卓屋CASIOが電子楽器をして量産品にまで押 し上げし歴史的メルクマールですらあった。
庶民の味方カシオトーンはあっという間に新しい市場を開き、すぐさま自動伴奏機能が付いてファミリー向けの 定番となり、光ナビゲーションはもちろん、バーコードを楽譜の代わりに読み込むバーコード・リーダー搭載モデ ルまで出現、この痛快なる常識破りっぷりが大ウケ。音色やリズム・パターンのバリエーション急拡大。YAMAHA ポータサウンドと一騎打ち。
そして“子音母音方式”とも呼ばれたカシオトーンの音源方式は、その名の通り子音と母音、つまりアタック・ト ランジェントと持続音部分という2つの音色をまさに部分音合成するものであった。カシオトーンはその後のデジ タル・シンセのあり方すらをも予見させる迫力に満ちた先駆者でもあったのである。ROMに言わばエンジニア様直 筆の手描き波形まで仕込んだらしいから、すごいねぇ。
そのCASIOが家庭用キーボードからさらに一歩踏み出し、プロ用シンセを手掛ける初めとなった、いわばパイロ ット・モデルのような機種がようやくここで紹介するCZ-101。ときに1984年11月。
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MIDIが誕生すると同時にYAMAHA DX7が発売され、あっという間にアナログ・シンセが過去の遺物として片付 けられてしまってから1年。カシオが突如として発売した同社初のシンセCZ-101。それはDXへの最初のチャレン ジャー、デジタル・シンセ対抗馬、YAMAHAにしてみれば“またお前か!”と言いたかったやも。ミニ鍵49鍵とい うかわいいフォーマット。エンド・ピンも付いてダサかっこいい肩掛けもできる。そのポップで直線的な80'sデザ インは立花ハジメによるもの。のちのポップなカラーリングになった上位機種たちに比べれば、CZ-101のそれはま だまだ地味。だが既にDXとは全くテイストの異なる外観に、CASIOがYAMAHAの対抗馬となる片鱗が見えてい た。
だがいくらカシオトーンで成功していたとはいえ、さらにそこからいきなりヲタでニッチなデジタル・シンセへ と跳躍するには、持ち前の大量生産技術だけにとどまらないCASIOなりの勝算があったはずである。
まず計算機メーカーだったカシオは、その中枢となるデジタル演算を行うICチップなんぞいくらでもNECや日立 などから買うことができる大口の大得意様であった。というのも電子楽器のために特化したICを作るとなると、仕 様が特殊であるだけでなく計算機などと比べても圧倒的に販売台数が少なく採算割れするため、作ってすらもらえ ない。だが電卓屋カシオは既にチップ・メーカーからすれば御大尽さまご贔屓さま、むしろどんどんチップ・メー カーの方からさまざまな売り込みがあったはず。事実CZ-101には他社に作ってもらったICがたくさん搭載され、そ れでもって音源回路となした。電卓屋カシオ面目躍如!
また徹底してコスト・ダウンすべく鍵盤におもりやスプリングなど付けることもなく、鍵盤下に敷いたゴム・ス イッチそのものにいきなり鍵盤を載っけて直接支えさせ、ぷにゅぷにゅ言わすことで鍵盤の反発力を生じさせてい る! すなわちYAMAHAのように楽器屋さんとしてのプライドと歴史からタッチ・センスにこだわるのではなく、 逆転の発想でタッチ・センスを省くことでしがらみから解放され、画期的にコスト・ダウンして斬り込んできたの である。しかも打鍵の強弱に左右されないおかげで、誰が弾いても一定のクオリティとなるを担保。旧態依然とし た楽器にとらわれない、計算機メーカーならではの自由な発想であろう。
さらにカシオトーンに欠かせない自動伴奏機能からヒントを得たのであろう、マルチ音源化。そしてお得意のミニ鍵でもって設計リスクの小さなパイロット機種となし、かくしてCZ-101はCASIO初の量産型シンセとして、しかもアナログ・シンセではなくいきなりのデジタル・シンセとして飛び出した。
「Xの次はZだ!」
デジタルYAMAHAへの挑戦状を最初にたたきつけた思わぬ伏兵、CASIO CZシリーズ。ラインナップ急拡大。しかもヤマハDX9の失敗を見て、19万8千円がタッチ・センスなし機種として許される上限価格と見極めたのであろう、フラッグシップ・モデルCZ-5000とCZ-1とが、共に19万8千円で誕生。楽曲制作か��レイヤー志向かの二�� 択一。史上2番目の民生機デジタルは、だがタッチ・センス無きビンテージ・アナログの戦略を踏襲しつつ、それ を画期的にデジタルで換骨奪胎して提示してみせた知恵者であった。
同じことは、カシオ独自のPD音源(Phase Distortion Synthesis)にも言える。FM音源と同じく位相変調方式 であり、サイン波の代わりにコサイン波を使うことでYAMAHAにシバかれた音源方式。だが、傍目にはただのデジ タル化された減算方式にしか見えぬ。DCO→DCW→DCAというフローに隠されたモジュレーターとキャリア。 DCWに至ってはDigital Controlled Waveという名の謎のモジュール。計33種類に達する音源波形なるものがもた らす音の多彩さは、とてもアナログ・シンセの比でない。レゾナント波形もあるばかりか、パルス波1波/サイン 波1波/ノコギリ波1波の3つが交互に出現するという、キテレツな波形もある。
そればかりでない。CASIOの鋭さは、アナログであればカットオフとEGデプスに分化しているパラメーターを一 つにまとめた合理化センスにもある。前例主義や様式美なお作法に対し、ちゃんと注意を払って革新しているので ある。トドメはYAMAHAですら採用しなかった8ステップのエンベロープ・ジェネレーターを、しかも音程、音色、音量の3ブロック個別に持つことで、アタック・トランジェントすらをもEGで自作できるというぜいたくさと 柔軟さを誇ったこと。すなわちトランペットを吹くときに唇が震えるリップ・ノイズ、撥弦楽器の弦のビビリなど など、のちのサンプルのような鏡写しでは無いにしても、キッチュながらリアルな独自のキャラを持つに至った。 アナログな音も、デジタルな音も、サンプラーのような音までもが出る万能シンセ! それがこんなちっちゃいボ ディで乾電池で駆動までできる! シンセ界のスイス・アーミー・ナイフのような機種、それが驚きの隠し玉CZ- 101。
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かくして音創りしやすい減算方式にしか見えないのに、新しい音がするところにデジタルが切り拓く未来があっ た。しかもサンプラーではなくシンセであり、PCMでもないが故、かえって自由に音創りできたところはシンセの 本分をよくとらえている。リング変調やノイズ変調まであり、CZシリーズ上位機種に至ってはぜいたくな三相コー ラスを備えるなど、画期的コスパも発揮。
なお、DCOという言葉が使われているが、本来DCOとはピッチのみをデジタル制御させたアナログ・オシレータ ーを意味する。だがCASIOが言うDCOとは実はDCOではなく、フル・デジタル・オシレーターであり、すなわち DOとも言うべきもの。この混同が、他のDCOシンセをしてVCO原理主義者アナログ・シンセ警察から“音が薄 い”などと因縁を付けられる要因になったやも。よもやクラブ・ミュージックにおいてCZの音が“デジタルなのにあ ったかい”などと重宝されることになろうとは、一体誰が思い描けたことであろう。
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一連のCZシリーズを展開する傍ら、CASIOは史上初の16ビット・サンプリング・シンセFZ-1、高橋幸宏のタイ コの音を搭載した言わばシグネチャー・モデルみたいなサンプリング・リズムマシンRZ-1、同じく幸宏が開発にか かわったデジタル・ドラム・セットDZ、音符マークが付いたボタンまで搭載し分かりやすい単体シーケンサーSZ- 1、なんとMIDIスルー・ボックスTB-1に至るまで、一気に電子楽器ラインナップを広げた。CZ-101から4年後には 次世代モデル、それもフルモジュラーなiPD音源(interactive Phase Distortion Synthesis)搭載デジタル・シ ンセVZ-1や、同音源を搭載したギター・シンセPGシリーズまで投入。
さらにはアドバイザーだった冨田勲のために和製Synclavier的な巨大ワークステーション・システム“Cosmo Synthesizer”も制作している。これはCZ-101に先行する極めて大規模な実験機種であり、MS-DOSマシンを中核 とし、PD音源モジュール8基、サンプラー音源モジュール2基が組み込まれたラック・タワーがそびえ、波形も音 色もシーケンスも専用PCエディターで編集し制御するのであった。それを冨田勲さんはメディアアート・イベン ト“アルス・エレクトロニカ”の一環としてオーストリアはリンツのドナウ河畔で開かれた超巨大立体音響野外コン サートに使った。CZシリーズが別名“コスモ・シンセサイザー”と称されるのは、これに由来する。
最初にMIDI規格を立ち上げたときにはかんでいなかったCASIOが、さりげなくCZを4パート・マルチティンバ ー仕様にしてきたことも先を見越した鋭さであろう。MIDI制定にカシオは関与してこなかったのに、それでいてそ の本質を見抜いた慧眼(けいがん)はやはり初めからデジタルに強いメーカーならでは。先述のCZ-5000はマルチ 音源であることを利用し、KORG M1に先駆けたワークステーション・シンセとなった。このマルチティンバーを生 かした進化形には SD音源(Spectrum Dynamics Synthesis)を搭載したシンセHZシリーズからHTシリーズへ と進化した“自動伴奏シンセ”まであった。
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史上初のデジタル・シンセとして一人勝ちしていたYAMAHA DXシリーズ。勝ち誇るその牙城への最初の挑戦者 として立ちはだかったのは、だが意外なことに既存のシンセ・メーカーではなかった。YAMAHAに挑み、その好敵 手となったのは実は門外漢だったはずのCASIOであった。
得意のデジタル・テクノロジーでもってシンセ界に殴り込んできたカシオ。他社がデジタル化に乗り遅れうろた えているときに、逆にしょっぱなからデジタルで斬り込んできたCASIO。楽しく音楽するためには、必ずしもシン セは楽器でなくてもいいと見抜いていたCASIO。楽器たるしがらみにこだわったYAMAHAとは真逆に、楽器メーカ ーでは無いからこそお気楽に楽しめる別な楽器の世界があると知っていたCASIO。優れたプロダクション・テクノ ロジーでもって親しみやすさ分かりやすさを命題としたCASIO。お高くとまった楽器にきっついブローをかました CASIOは、その実フレンドリーな庶民の味方であった。
外様だったはずのCASIOが暗に掲げたのは、楽器の民主化であった。いや、外様だったからこそ楽器の民主化を 掲げたのであろう。CASIOが実現したのは既存メーカーがなし得なかった価格破壊だけでない。CZを踏まえて登場 した自動伴奏シンセを、だっさいなどと思うことなかれ。弾くのがややこしい伴奏もノー・プロブレム、マルチテ ィンバー音源とマルチトラック・シーケンサーとの組み合わせでもって、そうとは感じさせることなく機械が人間 を自然にアシスト。
人と機械との親密でフレンドリーで幸せな関係、それを理屈抜きで分かりやすく提示する。アトムやドラえもん がいる日本ならではの、機械が人間と共存する理想的な関係。いずれたどりつくであろうその未来はAI vs 人間で はない。AI が勝つのでも人間が勝つのでも無い。ポジティブな“ウィズ AI”。そんな未来に至ることになろう一歩 二歩を、エンタメ楽器ならではの切り口で分かりやすく平べったく描いたのが、市民感覚CASIOの楽器であった。 つまりそれは、楽器であることを棄ててもまだ楽器、おつむのおカタい楽器に一石を投じる新しい楽器の産声であ った。
CASIOは、えらい!
(2021年9月21日Sound&Recording公式サイト初出)
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yasumitani · 9 months
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KATOのコルク道床、真ん中にスリットが入っている意味、製品には説明書ついてないし(10個パックについてたりするの?)カタログにも説明ないような……。
個人サイトで見つけて理解しました。
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スリットに力を加えてペリペリと割っていくと、斜めに割れていきます。
片側をひっくり返すと道床が台形になります。
こうすると上辺は約25mm、下辺が約33mm。
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さて実際に道床を敷設します。自信ないので、半分の30°ずつ。
本曲線部分にR481曲線の外側を当て、片側15°あたりから徐々に離して、ケガいた緩和曲線始端に来るように形を整えます。
一度釘で固定して、全体の形を確認。たぶんOK。一度外して、裏にゴム系ボンドを塗って先ほどと同じように形を整え、また釘で固定して半日放置。
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うまく固定できたようなので反対側30°も同じように。
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たぶん大丈夫だと思いますが。あとはこの外側に1本ずつ合わせて固定していくだけですね。
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nocturnalllly · 10 months
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ペンを、語りましょう。
語らせてください。
なかなか寝れないのでブログでも書こうと思います。
超〜〜〜適当に自分の改造ペンのこだわり?というか気に入ってるペンについてだらだら書くだけの自己満記事です。ゆるくいきます、暇な方は最後までお付き合いよろしくお願いします。
▽α.BT
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・マジでこれ最強なんですよ……今まで人並み以上に色んなペンを回してきましたがこれが1番回しやすいです。1番好きです。てかこれしか回せないです。正直これ以外改造ペン必要ないです。
・仕様としては梟BTのチップをゴム付きのボールペンタイプ(←これ重要)のαゲルチップにするだけです。シャーペンタイプのチップを使うと回し心地旧ドクチップのBTと大して変わらなくなるので注意してください⚠️ もし詳しく知りたけ��ばDMまでどうぞ〜
・改造コテのあるくんもブログで言ってましたが、ボールペンタイプのαゲルチップと備長炭軸の相性が良すぎるんですよね…。
備長炭は軸自体に重さがあるので、オプトチップだと軽すぎるために軸の重さに負けてしまって遠心力が効かない感じがするし、逆にドクグリとかエアフィチップだと重すぎて指が死にます。あとドクグリチップは見た目がダサくなります。
なので重さがそいつらの中間くらいで、チップを付けたときの形も綺麗になるゴム付きのボールペンαゲルチップを使うと、ちょうど良いとこ取りができて最強になれるってわけです。(旧エアフィチップのBTもたぶんこんな感じだと思うので気になってます。回したことある方、感想聞かせてください。)
・今言ったBTのチップ問題、あるくんのブログにも同じようなことが書いてあるのでぜひ読んでみてください。🔗 『正解』に辿り着いたスピナーなので考えが完全一致してますね。嬉しい。
ごめんなさい記事消えてました…気にしないでください。
・気になった方はとりあえず作ってみてください〜ガチでオススメです🙌
▽Karo G-3
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自作G3です。こいつはこだわってる点っていうより裏話とか、遷移の歴史みたいなのを書いていきます。
① V1
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・初代かろじー。実はまにあさんのクズペンを作ろうとしてたら偶然ペン先が良い感じになったので、いっそのこと自作G3作っちゃおう!となって作った記憶があります。
・ただ見た目に極振りしてるので、ペン先があり得ないくらい脆いです。インフィするとペン先のエニボが吹っ飛びます。
・回し心地はそこまで重くないけど遠心力がしっかりかかるーみたいな感じだった気がします。そこまで回しにくいわけじゃないのがウケますね。
・作り方は……正直おすすめしないしなんと言っても黒歴史の塊なので、リンクは貼らないでおきます。どうしても気になるならネットの海を探してみてください。たぶんどっかに転がってます笑
② V2
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↑最近作ったやつ
↓オリジナル
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・2代目かろじーです。V1のペン先が脆すぎて発狂しそうになったので作り替えました。たしか。
ペン先があずきくんの自作丸パクリしたみたいな見た目になってますがガチで偶然です、信じてください。
・たぶんこれが自作G3の中では1番万人ウケする回し心地だと思います。重すぎず軽すぎず、長さも丁度いいし普通に回しやすいです。
・今手元にあるのは最近新しく作ったもので、オリジナルは今みくが持ってるはずです。ちなみにオリジナルはキャップ内のVPグリップにバーガンディーを使ってるのが地味にこだわりポイントです。
・作り方☞ https://www.tumblr.com/nocturnalllly/665291469917208576/%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%B0%E3%82%93%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%82%8D%E3%81%A7%E3%81%99%E6%98%8E%E6%97%A5%E6%9C%88%E6%9B%9C%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A9%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E4%BC%91%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A7%E5%84%AA%E8%B6%8A%E6%84%9F%E4%BB%8A%E5%9B%9E%E3%81%AF%E3%81%93%E3%81%AE%E5%AD%90-%E3%81%8B%E3%82%8D%E3%81%98%E3%83%BCv2%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%82%92%E6%9B%B8%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%84
③ V3
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・3代目のかろじーです。せなさんとオフしてるときに、たまたま事務キチで見つけたボールサインNXとかいうペン(のグリップ)がめっちゃ良かったので作りました。
・なんかやたら重いしそこまで長さがあるわけじゃないので、好き嫌いが分かれそうな回し心地です。そのうちチップ変えたりするかも。
・特に語ることはあんまりないです(ごめん)
・作り方☞ https://www.tumblr.com/nocturnalllly/713643066687356928/karo-g-3-v3-%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9
④ V4
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・4代目、今のところ最新のかろじーです。黒��しか回せない自分でも回せるG3が欲しい!てことで作りました。
・とにかく長くて重くて遠心力が強いです。重さは正義、ゴリ押し最強🔥
・それなりに好評で嬉しかったです。
・作り方☞ https://www.tumblr.com/nocturnalllly/721620837908856832/karo-g-3-v4-%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9
⑤ インサ
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・歴代のかろじーでは全てこのインサを使ってます、こいつらのアイデンティティみたいなインサです。普通の透明軸はもちろん、スモーク軸との相性が異常なまでに良いです。(スペースでとあるウマコテに全部同じインサじゃないほうが良いと言われたのは内緒)。
・元々ノーリスくんとトレードした時に貰ったものなんですが、流石にカッコ良すぎますよねこれ…
ノーリスくん本人から許可貰ったので、もしインサのデータ欲しい方がいれば自分のDMまでどうぞ〜
・本家は写真の通り、インサの一部の線をシグノのボルドーブラックで塗ってます。カッコ良く仕上げるコツは線を塗りすぎないことだと思ってます。ぜひ。
▽〆
・こんなクソしょうもない記事を最後まで読んでいただきありがとうございます、ガチで自己満すぎますね。
・需要とか絶対ないだろこんな記事‼️とか思いながらもやっぱブログ書くの楽しいですね〜〜〜
・何かの参考になれば幸いです。それでは。
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aya-ebina · 1 year
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2023/04/01
友人とお茶をする予定だったので、その前に文具を買いに梅田のハンズに行った。たまたま文具博をやっていて、消しゴムはんこ屋さんがその場で彫ってくれるというので、筆名の「絢」を入れたスタンプを作ってもらった。見本一覧にメガネがあったのでそれにしようかなぁと思っていたら、見本以外でも作れるということだったので「エビはできますか?」と聞いてみた。そうしたら既にエビ単体のスタンプがあるので、それに吹き出しをつける形でできるとのこと。この間詩集にサインを書く機会があって、わたしは楷書で署名をするので、何かひと味加えたいと思っていたところだった。つい、楽しくなって注文する。10分ほどで出来上がってびっくりした。ついでにスタンプ台もエビっぽい色を買ったのだけれど、インクをつける加減が難しく、速乾らしいのになかなか乾かないので、買い直したほうがいいのかもしれない。
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友人と合流し、本屋さんへいき、お茶を飲み、スリランカカレーを食べ、ジェラートを食べて解散。5時間くらい。基本的に会う時はお茶をして何かを食べている。
友人が映画館の優待券をあげると言ってくれたのだけど、わたしは常に割引料金で見られるのでお断りした。 障害者割引や障害者雇用というものに複雑な感情はあり、障害者ということで可哀想な弱い人と上から目線で見られているように思うのだけれど、使えるものは使っている。使えるものは使って、街に出て、社会に参画していくことが、障害者の立ち位置を健常者と同等にしていくためには必要だと思う。パラリンピックのメダリストのような特別な功績のある障害者ではなくとも、健常者と同じ人間である。ちょうど国際人権の本を読み始めたので、この辺の考えを深められたらいいと思っている。
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samantha-dan564 · 1 year
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とりあえず台車をタンデム台車に履き替えてコントをハイブリッドSiCにしたのでこれでいったんフィックスかな
1900形はN-QUALISということでまあ車体は日車の新しいレーザー溶接鋼体ということになってるんだけど、台車はどうせ彦電じゃあボルスタレス使えねえし、通常の台車でも構わんのだが、あえて日車謹製タンデム台車を履いてみた。以下うっぜー技術的なうんちく
タンデム台車の本質は何かを考えたとき、モナカプレス構造というのが挙げられるんですよ。モナカプレス構造ってーのは台車の横梁の構造なんですが、まあこれがモナカのようになってるわけなんです。んで、細かい話はザクッと省略しますが、この横梁がかなり剛性を上げることができる。横梁の剛性が上がると何がいいかというと、軸距を詰めても「ふんばり」が効くんですよ。彦電の軸距は1700mmで、一般高速電車の2100mmよりかなり短い。なのでカーブでの踏ん張りが今ひとつで、当然乗り心地も落ちるわけです。しかしモナカプレス構造で横梁をつくるなら、剛性を稼げる分踏ん張りがきいて振動特性がよくなる。つまり、タンデム台車にすることで乗り心地が(彦電においては)向上するわけな���です
ただね、彦電は前述のとおりボルスタレス台車を線形上採用できない。だから1900形の台車もボルスタ付きのインダイレクトマウント台車なわけで、横梁が踏ん張らなくてもボルスタががっちりと踏ん張ってくれるんですが、そうだとしてもタンデム台車のメリットはありまして、タンデム台車は軸ばねを軸箱の上と軸箱の横の2ヶ所に配置しているんですね。んで、横にある軸ばねはゴムブッシュの構造を変えることで自己操舵機能を持たせることができる。カーブが多くアンジュレーションもよろしくない彦電において、この機構はかなりアドなんです
標準化が進む中、あえて軸距1700mmに対応した自己操舵機能を持った台車をわざわざ日本車両が開発した理由はそりゃあもうひとつなわけです
もうおわかりですね。日本車両が開発したタンデム台車は、彦電の線形に合わせて開発された台車なんです。軸箱上のばねはアンジュレーション対策、横の積層ゴムは操舵機能を持たせつつ横方向の振動に対応。言っちゃあなんですがこんな機構、線路がしっかりしたJR中央本線や東海道本線じゃあ必要ないんですよ。建前はともかく本音はとしては、「N-QUALISは長年取引している彦電のために」開発されたと言い切っていいんじゃないですかね? 
ブロック構造の車体もタンデム台車も、技術的な視点でみればみんな彦電の方を向いているんです。日本車両製造と彦電の関係は、クッソ長い物語を書かなくてもちゃんと「現実の技術」が示唆してるんですよ
今回の架鉄でやりたかったことがだいぶ見えてきました。そう、「車両メーカーと鉄道会社の長い付き合いが車両の形になる」というやつですね。彦電は当然架空の鉄道会社ですが、日本車両は現実の会社。このふたつを結びつけるために車両技術をかみ砕き、さらに日車と彦電を結びつけるために「名鉄」という接着剤を間に挟んだ
日立でも総車でも近車でも川崎でも新潟でもアルナでも今回はダメだった。日車じゃなきゃ彦電は成立しなかったんですよ。各車両メーカーがもっている技術を落とし込んでいって日車と彦電がピタッと組み合わさった時、ゾクゾクしましたねえ。ただ何となくパートナーを日車にしたんじゃないんだぜ? 彦電には日車以外考えられなかったんですよ
こういう架鉄、やってみたかったんだよね。まあ俺以外に需要はないだろうけど逆に言えば「俺にしか作れない架鉄」じゃん? 俺の感性なんかロクなもんじゃないから、「オリジナリティ」なんかいくら出したところでゴミです。だけどそのゴミをそこそこみられるものに引き上げてくれるのが「理屈」です
俺は基本、自分の感性を全否定するので多くの人に俺の架鉄を理解してもらおうとは思いません。しかしパズルを少しずつ解いていくように車両をつくる面白さもあるんだってことは主張していきたいなと思います
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shiri1124 · 1 year
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自己否定を止める方法
(長いので分けようと思う)
・自己否定が始まった話
これは誰かの悪い癖を止めるためや、誰かを責めるための文章ではない。私自身が今心身ともに健康な状態の内に、次自分の心が曇ってしまった時の立ち直り方を示すためにここに残そうと思う。必ずまた来る絶望から抜け出すための方法を考え方を日記という形でここに残す。偶然この文章を読んだ方に私と同じように悩んでいる方がもし居てこの文章に少しでも救われれば嬉しいなって希望も少し込めて。 
 まず大前提として私はそれはそれはネガティブである。思い込みが激しい。こうでなくてはならない。人のためにならなくてはならない。人に迷惑をかけてはならない。失敗をしてはならない。看護師として仕事を始めた私は小さなミスを連発する。その度に先輩からこっ酷く叱られた。それはそれは丁寧に一つづつ紐解きながら、その中で「私はダメなんだ」という思いと「もう何一つとしてミスはできない」という思い込みが膨らんで行った。ミスのない人間などいない。それは今ならわかる。あんなに私に偉そうに言ってきた先輩も裏では私に叱ったのと同じミスをして、そして小さなミスだからと隠蔽している。普通の心理状況ならそれも見抜けただろうし言われてもそこまで気にしなかったと思う。でも当時の私は違った、死んでしまった方がいいんじゃないかとまで悩んでいた。それは何故かもちろん鬱傾向だった それもあると思う。でもそれだけじゃない。昔から自分を否定する癖があった。それに他人の否定が便乗して否定が二乗にも三乗にもなったからだと思う。看護学生時代も同様だった。そもそも高校生の時から自己否定が強く、そのせいで対人関係を築くのが苦手だった。今ならわかる、前の席の人が落とした消しゴムを拾って悪口を言われることはない言われるのは感謝だと。お前ごときが何私のもの触ってんだよなんて言われることはないと でも当時は本気でそれを恐れていたんだ。   
 社会人になっても同様の負の思考は続いた。他職種連携が必要な仕事であり、どうしても一人で働くことができない仕事だった。それが私にはどうしても辛かった。単純に向いてなかったんだと思う。でも三年間勤めなきゃ奨学金返済義務が発生するので意地でも3年は勤めてやると決めた。この時専門学生時代から付き合い始めていた彼がいた。彼は二つ年上のフリーター音楽家になることを夢見ていてとてもポジティブな人だった。もちろん売れていない。売れる兆しすらない人だった。彼と付き合い始めた時の私は彼が居ないと私は生きていけない。彼が居るから私はなんとか生きていられるんだ。本気でそう思っていた。   何故なら、彼と付き合い始めた時の私は20歳になったばかり。10代が終わるなら死んだ方がマシなのかもしれない。本気でそう思っていたんだから20代の自分があるのは彼のおかげだと思うのも無理はない話。彼は本当にポジティブで売れなくても、評価が伸びなくてもアッケラカンとしていた。私は彼のそれを才能だと思った。そして私にはポジティブな彼がいなきゃ無理だと思った。
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kennak · 1 year
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70歳近い人に何ができるの?ショックな一言 李石水さんは上級の学校に進むことができず、木工職人となり、長い間、息子と家族を養ってきた。息子が自立をし、結婚をし、経済的には余裕ができたが、李石水さんは仕事を辞めるつもりはなかった。 4年前にある工務店に勤めようと思ったが、「60歳以上の人は採用しない。もう70歳になろうというのに何ができるの?」と言われてしまった。ショックを受けたが、李石水さんは仕方なく引退生活を始めた。 最初は畑仕事をしていたが、やはり体力の衰えは隠すことができず、孫の世話をして暮らすようになる。 そして、新型コロナの感染拡大が始まった。外出することが少なくなった家族の中で、孫はストレスが溜まってむずがることが多くなった。そこで、李石水さんは孫のために木工職人の腕を活かして、玩具をつくることにした。 最初の作品はコオロギ車。孫は大喜び こうして生まれたのが、コオロギ車だ。ありふれた推し車だが、コオロギの後ろ足が後輪に連動をして大きく動く。このコオロギ車で近所を散歩すると、村の人から声をかけられ、孫も大喜びだった。 カニ車とアヒル車も大好評 李石水さんも喜んだ。久々に自分の仕事が人に喜ばれたのだ。木工職人の魂に火がつき、二作目としてカニ車を製作した。これも大好評だった。さらにアヒル車も製作した。車輪にゴム製のシートがつけられ、走るたびにこれが地面を叩き、ペタペタと音がする。 国慶節には戦車を制作 さらに国慶節には戦車車も製作した。紙を丸めた砲弾が飛び出すという機構も備えられている。 近所の子どもたちのために筋斗雲車も制作 また、近所の子供たちからも人気者となり、西遊記シリーズも制作をした。三蔵法師が乗る白龍馬を模した車は走るたびに全体が上下振動をする。さらに筋斗雲の車もつくった。 釘を使わない木製ロボットの制作に挑戦 李石水さんの木工作品の特徴は、釘を1本も使わないことだ。これが評判となり、近所の家からも分けてくれ、売ってくれという声があがるようになった。そして、李石水さんは大作に挑戦をした。100以上のパーツから成り、すべての関節が稼働をする、高さ70cmの木工ロボットだった。 制作には1ヶ月かかり、完成後は、抖音などが主催をした無形文化展覧会に出品をした。 さらに木製戦艦も制作 これが評判となり、中央電子台のニュースが取材にくるほどになった。さらに、李石水さんは次の大作に取りかかり、木製ロボット「墨子」と、三国志時代の戦艦を製作した。それぞれ40日、60日の制作期間が必要だった。 息子がSNS配信をすると大人気に 息子の李躍金さんは、父の活動を多くの人に知ってもらおうと、WeChatのチャネルズでの発信を始めた。木工職人としての活動だけでなく、日常の孫との生活なども配信をした。多くの人が、手づくり玩具をつくるおじいちゃんと、それで遊ぶ幼い孫の関係に、幸福な家族の姿を見て、視聴者数がどんどん増えていった。 李石水さんの活動は、香港の英語メディア「サウスチャイナモーニングポスト」も海外に発信をし、同メディアの紹介ビデオはYouTubeにアップロードされ、115万回再生されるという人気になっている。 SNSで発信したことで幸せな人生に 李石水さんは自分の人生は幸せだという。息子の李躍金さんは1年のほとんどを遠くの洋服工場などに勤めるため家を空けている。しかし、今は、李石水さんの活動を配信する仕事をし、その広告収入などで家計が賄えるようになっている。家族がみな一緒に暮らせるようになったのだ。 李石水さんの悩みは、若い人が木工技術を学ぼうとしないことだった。しかし、それも自分の発信により、興味を持ってくれる人が増えている。李石水さんは、自分の作品をSNSで配信することで、どうしてお金が入ってくるのか、詳しいことは知らない。しかし、SNSが存在したことで、自分の木工技術により、家族が再び一緒に暮らせるようになり、家族や近所の子供たちを喜ばせていることに満足をしている。
72歳の木工職人が木製ロボット「墨子」を制作して話題に。SNSがもたらした一家の幸福 - 中華IT最新事情
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oka-akina · 1 year
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新刊「イサド住み」 冒頭試し読み
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 おれは怖くてたまらない。おれにどうやら命みたいなものがあって生きているってこと、おれの体の隅から隅まで生き物で、心や記憶まであって、おれという生き物が死ぬまでずっと生きているってことが本当に怖いんだけどうまく言えない。怖い。べそべそ泣いている。おれの言いたいことわかるか。わかれよ。うまく言えなくてもわかってくれよ。あんたは怖くないのか。た��たますれちがった誰かの気まぐれな採点によりおれの発言の価値は決まってしまい、裁定はそうそう覆らない。おれは布団をかぶって絶望している。隠れている。おれの話は誰にも聞いてもらえない。  でも川と川が十字に交差しているところが好きだ。毎晩見に行く。十字の縦も横もとても静かで、川面に団地の明かりが揺れている。夜の運河は油膜を張っているみたいにとろりとして見える。流れているというよりあれはきっと震えている。実際、横軸の小名木川に流れはないようなものだ。隅田川と旧中川を結ぶ水路で、雨の後や風の強い日くらいしかはっきりした流れを見せないし、流れの向きもしばしば変わる。きっとここには始まりも終わりもない。  始まりも終わりもないけど階段がありエレベーターがある。扇橋閘門といって、二つの水門が並んでいる。閘門より東は海抜ゼロメートル地帯で、満潮時の海の高さよりも低い土地。川を遮断して水位を下げてあり、小名木川には段差がある。川底ではなく水面に作られた差。船が通るときは二つの水門の間に船を入れ、水位を上げ下げし、船は差を乗り越える。  夜の運河はにおいが濃い。潮のにおいとどぶのにおいが混ざって、三階のおれの部屋まで届く。水面にちらちら揺れる明かりは銀紙を丸めてまた広げたみたいな光で、夜の黒い水はそれらを飲み込もうとせず震えるだけ。水はとても静かだ。ねっとりと移動している。光もにおいも川の上にとどまっている。  さっき風呂から出たらスマホが震え、ムムくんからのLINEだった。昼間ムムくんからスタンプが飛んできたからおれもスタンプを投げ、スローペースの投げ合いが続いていた。おたがい焦らしあっていたというかはぐらかしあっていたというか、言いたいことはわかっていた。今日はムムくんが先に折れた。 「今くん明日ってひま?」  おれもそれを聞きたかった。ほっとした。続いて自撮りの写真も飛んできた。鏡に向かってスマホを向けていて、美容室の鏡だ。ムムくんのスマホケースはいつもステッカーとかチェキとか挟まっていて、折り畳んだ千円札も見えた。緊急用の金かな。靴の中に入れておくみたいな。ちょっと笑った。鏡の中の鏡には切ったばかりの後ろ頭も見えた。襟足とサイドがかなりさっぱりしていて、指でなぞったら気持ちよさそうだ。  自撮りのムムくんはマスクのゴムを一回くるりとねじっていた。きっともみあげにゴムがかからないようにそうしていて、おれも先月髪を切ったときそうやった。こうするといいですよと美容師さんが教えてくれた。コロナ禍に生まれた工夫、その共有。いつかぜんぶ収束したらこういうことは誰も思い出さないだろうか。  二〇二〇年が明けてすぐ、あれよあれよというまに世界中みんなが巻き込まれた感染症に関しておれから言えることはあんまりない。恐怖や混乱の波が寄せては返し、定まらない。ここ二、三か月かはなんとなく凪いだ感じになっている。か? わからない。なんとなくの雰囲気でそうだというだけ。慣れ。どうやら常識も見通しも変化し続けていた。おれは少し前の恐怖をほとんど思い出せない。おれは夥しい数の死者を忘れ、配られた十万円と二枚のマスクを忘れ、いまいま分かち合っているささやかな工夫を可愛がろうとしている。これもいずれぶっ壊れるとは知っている。死が数の話でもないのもわかっている。もしおれが、何か、たとえば呼吸器に疾患があったら、とてもこんな雰囲気任せではいられない。それじゃあおれには特権があるってことだ。  頭を拭きながら「髪切った?」と送った。明日がひまかどうかはすぐに返さず、といってもこれ以上拙い駆け引きや意地悪をしたいわけではなかった。なんとなく話の順序をいじくりたくなった。ムムくんとはアプリで知り合った。四つ歳下のゲイで、現状セフレの関係にある。そしてこれについては毎日、毎分検討しているけど、もう腹を括ろうと思う。おれはセフレのムムくんに恋をしている。そうしてムムくんには好きな人がいるからおれのこれは片思いだ。  聞け。おれの話を聞け。いや聞かなくてもいいか。どっちでもいいや。おれがここで話をしているってことだけ、おぼえていてくれたらいいや。べつにすごく話をしたいってわけでもないし、おれは話の糸口をつかみかねている。糸の端っこはここじゃない気がして手近なところをあれこれ手繰っている。とっ散らかっているし絡まっている。声の出し方だってうまくない。あーとかうーとか唸りながらともかくチューニングし続けていて、もうずっと、自分の出すべき声の高さを探っている。長いこと口ごもっている。でもこんなふうに音程にばかりこだわっているうちに歌い方を忘れてしまうんじゃないかってちょっと怖くなった。それでおれは手持ちのはさみで糸を切ってみた。とりあえず、ここから始めることにする。  ここはどこか? ここは運河沿いの歩道で、毎晩川面を見に行くのは犬の散歩のため。緑地公園を抜けて橋の下をくぐった。歩道の一部は艀になっていてこれも水位で高さが変わるが、おれと犬が歩くくらいではぜんぜん揺れない。 「台形、今日はたくさん歩いてるね」  おれは犬に話しかけた。小さい足を懸命に動かし、よちよち歩いている。ときどき立ち止まっておれを振り返り、そろそろ抱っこしてという顔だ。だめだよ台形、もうちょっとがんばろう。おれは話しかける。台形はふんふん鼻を鳴らしている。  台形というのは犬の名前で、白黒模様の狆。鼻ぺちゃ顔のか弱い犬だ。体の形が台形ですと誰かのブログに書かれていたのがなんだか気に入った。どうやって辿り着いたか思い出せない、知らない人の野良ブログで、たぶん「犬 飼い方」とか「狆 飼い方 コツ」みたいに検索していたらたまたま行き合った。  ほかのサイトや本では狆の体型はスクエア型とか四角とか書かれていて台形という語は見かけなかった。どこぞの誰かの語彙と気まぐれがお��の犬の名付けの根拠で、そういうめぐり合わせをなぜか素敵なもののように思った。おれはそういうものをとろうと思った。  そうして艀を歩いていたら、ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ……と音がした。魚かなと思ったけどぱしゃぱしゃはけっこう長くて、まさか誰か溺れているのかと思ったが、川には何も見えなくてとても静かだった。念のため柵に上って辺りを見回した。水面に乱れたところはなくいつも通りに見えた。人影も水しぶきも見当たらなかった。いつのまにかぱしゃぱしゃの音も止んでいた。 「台形、どう思う?」このどう思うは水音のことでもあったしおれの恋愛の話でもあった。  ムムくんから「髪切った?」の返事はまだ来ていない。といってもまだ何十分も経っていない。でも明日ひまかどうかをスッと送らなかったことを早速後悔していた。ひまに決まってんだろ。台形が立ち止まったのでベンチに座った。おれのために立ち止まってくれた気もした。「明日は夕方からなら平気だよ」とLINEを送り、続けて「早いと寝てるかも。今日はこれから仕事で、今は犬の散歩してる」「明日の夜は仕事休み」と送った。しゅぽん、しゅぽん、しゅぽん。散歩中だから返信が遅いんだよとアピールしたつもり。会話はキャッチボールというよりジャグリングだろうか。空中のお手玉は二つ三つと増えていく。  すぐに既読がついた。「わーい」というスタンプが送られてきた。「前髪短すぎた気がしてきた……」「じゃあ十七時くらいに家行きたい!」しゅぽん、しゅぽん、しゅぽん。しゅぽんのタイミングが心臓の音と重なる気がした。だいぶ間の抜けた音だ。おれの恋はこういう音なのか。  お手玉だからべつに落っことしても気にならないのにちょっとのことで一喜一憂し、いったいおれはどうしちゃったんだろう。明日の夜が休みというのは前回会ったときに話してあった。夕方からならひまだよとすでに言ってあった。ムムくんはそれをちゃんと覚えていて、でもちょっと焦らして、連絡してくれた。そう思うとかなりうれしかった。  台形が歩き出した。チャッチャッチャッチャッと地面に爪がこすれる音が好きだ。小さい体の細い足。まあでもさっきの水音は溺れているような音ではなかったなと思い直す。切迫した気配はなく、プールでゆったりと泳ぐみたいな音だった。背泳ぎのキック、ストローク。誰とも競争していないときの静かなバタ足。ああそうか。おれはむしろ、誰か泳いでいるんじゃないかって期待していた。運河はいつも緑色に濁っていてかなり深い。とても泳げるような川ではないんだけど、一瞬可能性を夢見た。溺れていたら大変だなんてほんとは思っていなかった? 自分の心の中なのにおれは嘘をつきそうになっていた? 「まあ、嘘っていうのもちょっとちがうんだけどさ」  おれは台形に言う。べつに言わなくてもいいようなことだけど声に出して言う。台形はおれの足をすんすん嗅いでいて、体が動くと尻尾もふわふわ揺れる。白くて豊かな尻尾だから暗がりでもよく見えるが、夜の散歩には光るハーネスをつけておく。蓄光オレンジ。リードもLEDでぴかぴか光るからやけに賑やかだ。パレードとかお祭りとか、あるいはクラブ遊び? 台形自身はとてもおとなしくて内気な犬だ。いやおとなしくて内気なクラブ好きはおおぜいいるけど……。ああ。ほらね。おれの思考は訂正と注釈の繰り返しでとんちんかんな思いつきばかりしている。そうして、クラブってもうずいぶん行ってないなと思う。熱心に通っていたわけではぜんぜんなかったけど、人生のある時期になにがしか意味を持っていた場所が、今ではとても遠い。人生が思ったより長い。  さっき声の高さを探っていると言ったけどあれは比喩であって比喩ではなかった。ほんとにおれは声変わりのさなかにあった。ホルモン注射によって声が低くなり、ひげが生え、肌も硬くなった。生理はほぼほぼ止まった。そろそろ声は落ち着いてほしいけどどうも安定しない。  性別移行のいろいろ。この水面にも段差がある。三週間にいっぺん注射を打ちにいくが金がかかって仕方がない。でもおれはこれをやりたかった。高校生の頃からバイトばかりしてきた。いろいろの変化は二次性徴をやり直している感じだなあと思っている。それならばおれはいま思春期をやっているのかもしれない。もうすぐ三十だけど。  おれは何か? 元女子ですという名乗りは正確でない気がしているが、面倒なのでそれで済ませることはあった。女子だったことなんてあったっけ。でも、じゃあ、本来の姿、正しい状態に戻りたいんですという言い方も、それはそれでしっくりこなかった。他の人はどうか知らないけどおれの場合は。うまい言い方がわからない。  十字の縦軸、大横川を下っていくと仙台堀川とぶつかってまた十字に交わり、やがて大きくカーブ、またまた十字路。これを東京湾側に折れて平久川に入ると今度は五叉路になり、網目のように張り巡らされた水だ。大潮の晩、運河はぶよぶよ膨らんでゼリーみたいだ。  台形がにゅうっと体を伸ばしておれのひざにまとわりついた。なんの音かなんてわかんないよと言っている気がした。首の下の白い毛がオレンジの光に染まっている。扇橋水門の赤信号。夜は門が閉まってランプがついている。あれもコンクリートの柱を赤く染めていた。毛の黒いところはそうでもなかった。オレンジの光を黒が吸い込んだ。そうだよな、おれもわかんないよと顎をなでた。 「まあ魚か何かだろうね」  おれは台形に言った。「そうでなければ空耳だよ」とも。台形に話しかけているのか、台形のせりふもおれが一人でしゃべっているのか、自分でもよくわからない。  ああそうだ。おれはわかりやすい語り方をいつも探している。誰かの受け売りをがんばって身につけ、しゃべり、それがときどき屈辱的だ。おれがこのようにあるためにはわかりやすい物語とその語りが必須だなんて、なんだか馬鹿にされている。どうして男になりたいんですか? いつからそう思っていたんですか? やっぱりスカートは履かなかったんですか? ときどきおれはめんどくさくなって「死ぬほど悩んでるんです」とか「死にたいです」とか、可能な限り暗い声で言う。暗い顔もする。会話を遮断する。そうしてそれは、必ずしも嘘をついているってわけでもない。 「でも魚って夜でも起きてるのかな……」  とつぶやいてみたら、すかさず反論を述べるみたいにどこかでからすがぎゃあーっと叫んだ。台形はびくっと震えた。鳴き声は川沿いの倉庫の壁に跳ね返り、わあああんと響いた。両岸に建物が並んでいるからトンネルみたいになるのだろう。川の向こうで誰かがくしゃみしたのも聞こえるくらいで、天井はなくても反響する。あー。はいはい。そうだとも。寝ているやつらが突然目を覚ますことはある。あるいはたまたま夜ふかしの個体はいる。  おれもそういう個体だと言ってみようか。クリーニング工場で委託のドライバーをやっている。ちょっと前から始めた仕事。夜にコンビニやロッカーを回って集荷と配送を請け負い、ほとんど昼夜逆転みたいな生活になった。  ドライバーデビューはAmazonの軽貨物配送だった。これはおもに昼の仕事で、アプリでオファーを選んで好きな時間に好きな量だけ働き、というとなんだか聞こえはいいが、割り当てられた荷物を時間内に配り切るのはけっこう難しかった。小さい箱物ばかりで、物自体はそんなに重たくないが量が多く、積み込みがパズルみたいにややこしい。時間指定に慌てたり、マンションの宅配ボックスで誤配したり、知らない細い道を走るのも怖かった。でも一人でやれる仕事はいいなと思った。車の中は自分一人の空間で、自分の体の延長だ。  それで求人サイトを延々スクロールしていたら、今やっているクリーニング工場のドライバーを見つけた。業務委託。夜勤。けっこうレアな仕事だ。たまたま見つけたおれはラッキーなのだろう。まあ深夜労働の割には大した収入にならないし、がんばればAmazonの方が稼げるんだろうけど、ルートが決まっているので安心感があった。それもコンビニやマンションと工場の往復だから、わりあい運転しやすい道が多いのもよかった。荷物は服で、それなりに重い。ただ持ち方のコツを掴めば腰は傷めないと同業者のnoteやツイートを読んだ。腕の力だけで持ち上げようとしない。両肩と両足を荷物の正面に置く。筋トレと思えばなんとかなると知らない誰かが書いていて、これまた知らない誰かの知識や気まぐれにおれはかなり助けられている。そして深夜の配送はAmazon以上に個人プレーの仕事で、ほとんど人としゃべらずに済んだ。それが何より気に入った。  べつにそこまで人嫌いというわけではなかった。前に働いていた工場で、配置替えやら班分けやらの話の流れで自分はトランスであるとほぼほぼみんなにカミングアウトする羽目になり、なんかもう個人事業主になりてえな、なっちゃおうかなと思っただけ。  いやちょっとちがうか。ホルモン注射を始めたら見た目や声に変化があり、おれの場合はけっこうわかりやすい変化だった。カミングアウトするしない以前になんかもうばればれだよなと思った。ばれるという言い方もなあとは思うし、周囲の人にいちいち事情を知ってもらう必要はないんだけど、何かしら説明が必要なことはあった。それは何か書類の提出を求められるとかではなく、素朴な疑問や世間話に応じ、遠慮のない視線を浴びるという形でだ。マスクをしているからひげは見えない。じゃあ、コロナ禍じゃなかったらもっと目立ったのか。そして思い出したから言うけど、いつかちんこ生えてくるって思ってましたか? って質問はなんだったんだ。  悪い職場ではなかったしあからさまにひどい奴がいたわけでもなかった。なんていうか……、人と関わるとその手のコンフリクトが生じることはままあり、しょうがないよなという気持ちと、くそったれという気持ちは日毎、いや秒単位で入れ替わり、おれに中古の軽バンを買わせた。  一応言っておくけど、どうしておれがこうなのかって話はあんまりしない。たぶんあんたが一番聞きたいことだとは思うけど、きっとおれは話さない。べつに勿体ぶっているわけじゃない。なんていうのかな、いちいち説明しないほうがいいんじゃないかって気がしている。これについてはあとで言う。言いたいことだけ言うから、言ったことだけ聞いてほしい。言ってないことは聞こえてないはずだ。聞こえたとしたら、それはあんたの想像だ。原則としてね。  今はクリーニング工場と、金がないときはAmazonもちょっとやっていて、ほんとにこれでいいんだかときどき不安にはなるが車を買っちゃったんだからやるっきゃない……のか? もうだめだやってらんないと思うたび居場所や人間関係を断ち切るみたいなことを繰り返してきた。おれはずっとこうなのか? 自問自答。決まった振り付けのダンスみたいにいつも同じことを考えている。  からすに驚いた台形はきゅうきゅう唸って伏せてしまった。ほんとに臆病で、前にドッグランに連れて行ったときも周りの犬にびびって縮こまっていた。おれはそういう台形が愛しくてたまらないし、内心ちょっとほっとする。おれも人目が怖いし、大勢の中で過ごすのは苦手だから。  びっくりしたよな、怖かったよなと台形のあたまをなでたらとうもろこしみたいなにおいがした。焼きたてのパンみたいなこともあるし、芝生みたいなこともある。においをかぐと落ち着く。おれも台形もおたがいにそうだ。マスクをちょっとずらして強く吸い込んだ。夜に散歩しているだけなんだからマスクなんてしなくてもいいのかもしれないが、顔を隠している方がリラックスできた。台形が臆病なのは��れの飼い方や生活リズムのせ���かもしれないと思うことは思うが、べつに怖がりだっていいじゃんかとおれはおれに反論する。  台形をあやしながらムムくんに「前髪短いの似合うよ」と送った。もしかして明日おれと会うから髪を切りに行ってくれたのかな。さすがにうぬぼれかな。「そういう髪型好きだよ」とも送った。虫が鳴いている。りんりんりんりん、短い叫びを繰り返し、鈴の楽器を振っているみたいだ。  きみのことが好きですと言いたかった。言いたいのだと自覚したらへんにドキドキして、なんでも話してしまいたくなった。さっき川で何かぱしゃぱしゃ音がしたんだ。一瞬、誰か溺れているのかと思った。でもすごく静かなぱしゃぱしゃで、まるで誰か泳いでいるみたいな音だったんだ。せっせと文章を打ち込んでみたがしっくりこなかった。だって音の正体はわからない。それがどうしたって話にしかならない。送るかどうか迷って結局消した。代わりに「夜だけどからすがすごい鳴いてる」とますますどうでもいい話を送ってしまい、送った瞬間後悔した。どうでもいい話以上に、今からすはもう静かになっていて、辺りを騒がせているのは虫だから。べつにうそをついてしまったわけではないけど正確ではないことを言ってしまった。既読になったかどうか見たくもないがこういうときに限って秒だ。すぐにムムくんから「からすって夜も鳴く気がする……」と返ってきて、ほんとに恥ずかしくなった。  さるすべりの枝が街灯に照らされて、ピンクのフリルみたいな花びらが明かりに透けていた。濃いピンク。夏っぽいなと思ったけどもう九月だ。おれは花を見上げ、花を見上げるおれを台形が見上げていた。丸い目玉がつやつやしている。抱っこ用のバッグに入れてやるととすっかりすました顔だ。台形の体とおれの胸がぴったりくっついて、こいつのために今日もがんばろうと思う。やけに殊勝なことを考える。だからおれにとっては夜が朝だった。  やがてムムくんから「あっちがうかも、からすは明け方かも」とLINEが届き、「今度おれも台形の散歩行きたい!」「仕事がんばってね」と来たのでちょっとほっとした。台形の写真を送った。散歩中の写真。おととい撮った写真だから今日の台形ではない。でも今送ったら、今撮ったみたいに見えるのかな。何も言わなければわかんないのかな。  ムムくんからは「カワイイ」というスタンプが二つ飛んできた。きっと大事なことは二回言う。あるいは単に指先のしくじりでダブってしまった。おれにはそれがどっちなのか判別できない。想像することしかできない。じゃあ、言ったことだけ聞いてほしい、言ってないことは聞こえてないはずだというのは、けっこう難しいのかもしれない。やっぱりおれはとんちんかんだ。うまいことが言えない。でも言いたいことはある気がする。意見を述べたいというよりは、おれに声を出させてほしい。長い話をしてみたい。すごくしたいってほどではないけど、しゃべりたい。誰にも聞いてもらえないから勝手にしゃべる。吠える。おれは遠吠えをする。
「イサド住み」
価格・ページ数未定。2022年11月20日文学フリマ東京新刊予定。
文学フリマwebカタログ
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冒頭8000字くらいを載せてみました。だいたいこういう感じの語りで、トランス男性が主人公のボーイズラブです。軽貨物ドライバーをやっている主人公と、アプリで出会った年下の男の子・ムムくん。そしてムムくんがベタ惚れしている既婚男性・優人さん。三角関係のお話です。
イサドというのは宮沢賢治の「やまなし」に出てくる言葉で、「もうねろねろ。遅いぞ、あしたイサドへ連れて行かんぞ。」のイサドです。この蟹のお父さんの言うイサドが何なのか、読者のわたしたちにはわかんないですが、この蟹たちにはわかっている……というような話を書いているつもり。
そうなの、なんとまだ書いているんですが…というかごちゃごちゃいじっているのですが、精一杯やっておりますのでどうか見守っていてください〜。文フリ東京のあとは、BASEでの通販、渋谷○○書店での販売を予定しています。イベント参加は1月の文学フリマ京都、4月のJ.Gardenを予定しています。よろしくお願いします…!
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