BlowUp 欲望
BlowUp(邦題 欲望)は1966年イギリス、イタリア合作のミケランジェロアントニオーニ監督作品。
スウィンギングロンドンの華やかな時代が背景。主人公トーマスはファッションモデルの撮影などに多忙の売れっ子カメラマン。自分のスタジオを持ち、毎日美しいモデルとアートに格闘している。
ある日のトーマスは夜勤の工場に忍び込み、労働者や工場などの背景写真を盗み撮りし朝帰りをする。
こっそりとカメラとフィルムを持ち戻り車に戻ると時計仕掛けのオレンジの中のドルーグの様な連中と仲良さげにたわむれる。
彼らはまだ若く、顔を白く塗り、流行りのロンドンファッションに身を包んでいつも連んで遊び呆けている。多分当時で言う不良みたいな感じだろう。
スタジオではペギーモフィットが同じように顔を白く塗り、近未来的なファッションでモデルとして登場する。フランス映画のポリーマグー、お前は誰だ?にも出演し、当時ペギーモフィットは売れっ子のモデル。
日常の写真を撮影しようと、公園に出かけた際にジェーンという女性と男が落ち合っている写真を撮る。撮影に満足しトーマスは帰ろうとするが、ジェーンに写真を公にしないで欲しいと止められる。
何とか別れ、スタジオに戻るとジェーンがまた現れ写真を返せと懇願して来る。偽のフィルムを渡し、ジェーンと過ごした後、ジェーンと男の写真を現像すると遠くの茂みに殺人現場が写っていた。
グルーピーにジェーンバーキンがキャスティングされているが、本来のジェーンからすると端役過ぎるし、とても地味な印象で残念。
トーマスがヤードバーズのライブに出かけるシーンもあるが、描写がいずれも地味で私には物足りない。
良い映画だとは思うけど、全編において物足りなさや思い切りのなさを感じる。女性と戯れるシーンは何故かスカートは脱がないし、音楽も途切れ途切れで足りない気がしてしまう。大胆なフランス映画の見過ぎかも。
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多様性についてジャズから考えて見た。というか、書き連ねたかっただけ。
アメリカの音楽が、語弊をまねかずに言えば、マイノリティの黒人が自分たちのアイデンティティを「声をあげること」で、存在を社会の中で確立していくための力強さで打開していったとしたならば、
イギリスは、そのマイノリティの黒人たちが、自分たちの「多様性」を武器に社会の中で存在感を放っていったのではないかと、ふと思った週末の夜。
1960年代のイギリスといえば、スウィンギングロンドンであり、ビートルズに代表される、アメリカから見れば「ブリティッシュインヴェンション」がスタンダードに見えるかもしれないけれど、
その根底も彼らイギリスからしてみれば、「発見」と「創造」だった。(もちろんアメリカが創造や発見をしていないわけではないので割愛)。
1960年代の音楽シーンを振り返ってみると、そこはロックを基盤とした数々の方法論の確率だった。
輝かしい白人達のいわば今でいう「リア充」達がtな楽しむためのティーンポップとして猛威を振るったロックンロール。これも黒人音楽から白人達が発見したものだけど、1967年にThe Velvet Under Ground、Frank Zappaの
Mothers Inventionが西海岸、東海岸で同時に1stアルバムをリリース。驚異的なテクニックに裏付けされつつも、アートとの創造性を融合させた複雑で緊張感あふれるその作品は、カルチャーをアートの域に押し上げた。
(リアルタイムで評価されたかは別。だけど、そんな空気がなかったら果たしてPet Soundsは生まれたのかな。ブライアンウィルソンならやりかねないと思うけれど。とりあえずこの作品を世の中に作り出してくれてありがとうブライアン。愛してる。)
ベトナム戦争の泥沼化に伴い発生したフラワームーヴメント隆盛、そして、ジョージハリスン、ロジャーマッギンのインド音楽��文化への傾倒から生まれたThe Beatlesのサージェントペパーズ、The Byrdsの5D。その作品達がサイケデリあの飛び水となったあの頃。
1966年〜69年はモダンミュージックにおける0→1の時代であったことは間違いない。
彼らがそこで行ったのは、「融合」だったのだと思う。すでに発明されていたロックンロール。確率されてつつあり、マイルづデイヴィスがその殻を破ろうとしていたジャズ。では、ロックバンドは?
社会性、アート性を持ち、あくまで補足でしかないけれど、ドラッグの影響や、レコーディング技術の進化に伴って、少なくとも彼らの頭の中にあった世界観が、実現できる環境が出来上がっていった事は間違いない。
例えば、ロバートワイアットが在籍していたSoft Machine。ジャズ出身のメンバーが主導して作り上げていった新しい方程式。アメリカではエレクトリックマイルスがフュージョンに進化していくのだけど、ことイギリスでは、
1977年にブリクストンから産まれたバンド、ヴィヴィアンウエストウッドによりコマーシャル的に産み出されたあの4人たちを筆頭としたパンクが全てを引き算し尽くすまで、ロックの世界のみならず、スタンダードな音楽世界において、
「足し算」としてひたすら加算法を行うことで進化していったのではないだろうか。
プログレッシブロックもそう。1969年に登場したキングクリムゾン。彼らだけではないけれど、この世界も加点の世界。つまりは、記号や文脈をテクニックやアイデアで足し算していった結果。
2010年代も終わる頃、アメリカでは、フライングロータスを筆頭としたブレインフィーダーやロバートグラスパーが、新世代のジャズ(これはもうヒップホップやエレクトロニカでしかないこれまでの文脈であれば)を牽引しているけれど、
ここにあるのは、いわば、60年代以前のアメリカの黒人音楽からの発展がそうであったように、いわば「正史」的な印象を受けた、流れに見える。
しかし、イギリスでは少しだけ空気感が異なっている。
脱線してしまったから元に戻るけれど、「多様性」の進化。つまりは「発見」と「融合」。1960年代前半のイギリス。アメリカからジャズと同時に流れ込んだリズム&ブルース、ロックンロールが流れこみ、港町リヴァプールでは、
ロックンロールを発見したファブ4が、マッシュルームカットとスーツ姿で「17歳のあの娘を見て僕は恋に落ちる」と歌い上げ、社会現象を作り出した。
ロンドンでは、偶然駅で再開したヴォーカリストと、ギタリストが、お互いが持っているレコードを見あって、そこにとにかくイケてる天才プレーヤーが加わり、ブルースロックから影響を受けて「我慢できない!」と土着的な空気何を
持ってロックンロールをその後50年以上も演奏し続けることになるバンドが産声をあげた。
そして、イタリアのスーツ、リーバイスの501やミリタリージャケットに身を包みながらも、ドラッグや喧嘩に明け暮れ「世界でいちばん最先端でイケてる」と自負する背の小さな若者たちが1つのモッズという文化を牽引していた。
話し始めたらキリがないくらいにストリートからカルチャーが生まれていくわけだけど、その根底にあったのは何か。
実は、ジャズだったのではないか。
アレクシコーナーという人間がいる。元々はフランスで産まれ、様々な国を引っ越した後に、1940年代にロンドンに移住してきた彼は、1950年代中期にブルースを演奏し始めるようになる。その後、60年代にブルース・インコーポレイテッドを結成。
初期の主要メンバーの一人は、後にコロシアムで活動するサクソフォーン奏者ディックヘクストールスミス。彼のバンドには、様々な若手ミュージシャンが入れ替わり参加していた。
それは、ミックジャガーやチャーリーワッツ。そこにたまたま参加したブライアンジョーンズと出会ったことが、The Rolling Stones結成の引き金の1つになっているのは、有名な話。そして、彼らはマディウォーターズなどのブルースと出会い、ミックジャガーとキースリチャーズが再開してRolling Stonesが誕生する。
他にも、彼の自宅やバンドに出入りしていたその後を担うミュージシャンは、数知れず。Eric Craptonと共に、Creamを結成して、ブルースロックの礎を気づいていくジャックブースもいた。いわば、60年代のロンドンを作り出す上で、
完全なるメディアとして、そして歴史を作る若手ミュージシャンの先生として機能していたのが、アレクシスコーナーだったのかも知れない。
ブルースロックの父と呼ばれているんだけど、これもある意味ジャズなのかなぁとか思ったりしています。
もちろん、ジャズの方法論は様々なロック、ポップに流れ込んでいて、ジョージフェイムや、ブライアンオーガーなどのモッズ、ブルースロックのキーボーディスト達はそのエッセンスを存分に取り入れている。
話題は、多様性に戻ります。彼の地で多様な音楽が現れたのは、理由があって、ジャマイカ、インド旧植民地出身者、移民の2世、3世が多いことも要因に現れているのは容易に想像がつくが、
彼らが活躍し始めたのも、1960年代後半から、70年代にかけてである。
ジャマイカ出身のハロルドマグアネア、ディジーリース、インド出身のジョンメイヤー(あれではない)、セントヴィンセント出身のジェイクキーン、南アフリカ出身のクリスマクレガーなどが活躍し、インド音楽とジャズの融合や、
フリージャズとアフリカ音楽の融合、アフロロックバンドのアサガイなどが、イギリスにアフリカ音楽を根付かせて行ったと言われている。
後年、英国音楽にカリブ方面の影響が現れるのはこの辺りがベースになっている可能性が高い。
1970年代中盤以降は、ソフトマシーンなどがフュージョン化して行き、70年代後半から80年代には、ライトオブザ・ワールド、イニングコートなどディスコ経由でのジャズファンクバンドが登場。
「ブリティッシュジャズインヴェイション:と呼ばれるムーブメントが音楽会を席巻する。
特にイニングコートは後にアシッドジャズムーブメントを支えることになる。
80年代以降は、ポールウェラーのスタイルカウンシルなどの白人音楽が流行すると共に、クリーブランドワトキンスらによるジャズウォーリアーズなどが活躍することになる。
ここで1つの重要なキーワードが登場する。「Tommorrow's Warriors」だ。
これは、現在のロンドンジャズシーンにも多大なる影響を与えているチームだ。
1つのUKジャズの重要なスタート地点の1つとされており、近年のUKジャズシーンにももちろん、多大なる影響を与えている。
南ロンドンをはじめとする周辺のジャズシーンには、ここの出身者が多い。
ザラマクラーフェン、モーゼズボイド、エズラコレクティブと行った、近年のロンドンジャズシーンのキーマンたちはここから出ている。
アレクシスコーナーのような存在なのか!?といえば、少し違うのかもしれないし、同じなのかもしrないのだけど、90年代以降のUKジャズシーンの1つの最重要起点であることは間違いない。
一体何者なのか・・・。
発端は、ロンドンのアーティスト開発プロジェクトの一環である。「ジャズの音楽教育を通じて、芸術活動全体に多様性を増加させる」という理念を持った、若手ジャズミュージシャンの育成期間ということになる。
学校などではなく、イベントやワークショップを通じて、先人たちの知識や、技術を伝達させ、ミュージシャンたちの交流の場を図るプラットフォームということになる。
年長の音楽教師や、ミュージシャンが楽器演奏の初期技術から、教養、理論を教えながらそれぞれの個性を活かし、才能を伸ばしていく無料プログラムだ。
1991年に設立。今や、黒人ジャズミュージシャンの活動の受け皿となっている。白人たちに比べ、機会の少ないアフリカンや、カリビアンなどの黒人ミュージシャンに教育機会を与えている重要な存在なのだ。
もちろん、白人も参加は可能。数々のミュージシャンがここから巣立っている。
2018年現在はどうなのか。ロンドンでは1977年のパンクムーブメントでのThe Clashの存在に代表されるように、移民の多いブリクストン地域で、レゲエをはじめとする音楽が融合し、彼の地でしか生まれ得ない、
ましてやアメリカではまず生まれないような音楽が生み出されている。
彼らの代表作、ロンドンコーリングなんて、まさに誰がパンクだと思うだろうか?単なるサウンド的には。
つまりは、これは、単にジャンルを音で選ぶのではなく、内面的な側面から1つのジャンルを表現していることになる。
これが1960年代の事象に見られるように、ロンドンの多様性を象徴する1つの出来事ではないだろうか。
この土壌がなければ、果たしてストーンローゼズはモータウンサウンドから西海岸フォークロックを経由して、あのクラブミュージックとも言えるバンドになり得ただろうか?
The Libertinesは単なるストリートのロックンロールヒーローではない、スキッフなどを取り入れた、音楽性を持ち得ただろうか?
じゃあ、blurやジャミロクワイ、Primal Screamは???甚だ疑問だ。
現在でも複数のアーティストがジャズを起点としながらもインディロックのキーマンとして活動している。
まさに2018年のインディスター、Rex Orange County、カリブミュージックを取り入れた歌姫、Zara McFarlane、Kamaal Williams、ポストダブステックからジャズ〜ブルースを起点としたインディスター、King Krule。Puma Blue。Cosmopyke、
現代のチェットベイカー、Bruno Major、個人的にはJames Blakeよりも全然こっちだろというJamie Issacなど従来のジャズの概念にとらわれない、2000年代のインディとクラブミュージックを通過したアーティストたちが多様性を見せている。
多様性と融合、発見からの創造。だから、1つの世界に固まることなく、混じり合うことで生まれる新しいカルチャー。
だから、多様性が市民権を得て、スモールコミュニティの集合体が、マスに見える今、文化的な融合と他者を認めることは、可能性を感じると思う次第なのです。
▼参考音楽
・1960's
Alexis Korner / R&B From The Roundhouse
https://open.spotify.com/album/7H3e3RUskEOkeuJrwd5MEQ?si=zQ15SU8pT2a63q7k5f2HSw
Brian Auger&THe Julie Tippetts / Encore
https://open.spotify.com/album/3h8sCH62z5hxnBsaX2ZeDX?si=IDkhdIWCRcSpxIPEaDA5vw
Georgie Fame
https://open.spotify.com/album/3MGdCtzNd66E1JTMJgw8hk?si=v7IMmGv_QJSwXjv6OmYynQ
The Beatles / ãµã¼ã¸ã§ã³ãããã¼ãº
https://open.spotify.com/album/2gUfkZ9jhhYinKIunu7wxo?si=3XwVOd3VRoOC7rLVbtfa2w
The Beach Boys / Pet Sounds
https://open.spotify.com/album/42oBdomfxF0DbKKMEqrnQW?si=nctlizTBSxGdoF73KbhiQg
The Byrds/5D
https://open.spotify.com/album/3dfPMayEO2G87wzXPMEvmb?si=mMs6FmPlTOmsTmdeoUjxOg
The Velvet Underground&Nico
https://open.spotify.com/album/4xwx0x7k6c5VuThz5qVqmV?si=p8F0r9aYSryenbPNl7f_4A
Small Faces
https://open.spotify.com/album/56tQ2ATbM60lD1YZ74mkEA?si=N4HejZn5SeyvD0f4ZH7z3w
Keith Tippett
https://open.spotify.com/artist/1cIhvCJakpOSg9nL8ftEVl?si=i0VZjH7-SqSMLcUX27UgPA
ã»1970's
The Soft Machine / Third
https://open.spotify.com/album/111J9nxmdhyHSLNHeAL1jO?si=p545l4COS2SlefEkpMRg2Q
THe Clash /London Calling
https://open.spotify.com/album/6FCzvataOZh68j8OKzOt9a?si=xLrTrt1LRJe1UxqUODeSPA
The Clash / Sandinistaï¼
https://open.spotify.com/album/2UxN3UKyS3Z5r0Sra8A5RF?si=gbewJlpkR6iRxoRYDvk37Q
ã»1980's
ã¤ãã³ã°ã³ã¼ã
https://open.spotify.com/album/5hdsLgOhTPsb8dbyhKeYuO?si=-jnMlYTXT4ONoFZPSQXywg
Jazz Warriors
https://open.spotify.com/album/0vVj3dGTnquf5sjh0u7Sks?si=ZPZVcwUxRZKgi7R6R407Ew
The Stone Roses
https://open.spotify.com/album/7a6KDMF6R0WU0b0XE9vtdq?si=NCT03RdVQEqYF4ph-8xZ3A
ã»1990's
ã¸ã£ããã¯ã¯ã¤
https://open.spotify.com/album/39j0mP1Vx1zRKMLMHhybw3?si=53Xx4-xbQ7uV4Y_ATGRh9Q
Gilles Peterson
https://open.spotify.com/album/3IAWFwYkMgksIXYEFfdiVU?si=jrDWbJr4TX-WZCmUhDeO_Q
ã»2000's
Rex Orange County
https://open.spotify.com/album/2NBVxjZcbH5H1N1Ab2ExDH?si=06xRxbrQRWG4z9BH1fJOvA
Zara McFarlane
https://open.spotify.com/album/3IF2OpdncG19xs3u1rInZh?si=BPBXHukGTjaJB7Fu_O3PZQ
Ezra Collective
https://open.spotify.com/album/2rsFmAGhQcuIMPnDYGB9TV?si=SUIE9opsS7yIlHiy6glJCA
Moses Boyd
https://open.spotify.com/album/0LZDROoC4N0RY8allD2D3v?si=4gCvB1wbTi-l9gmhruzfTA
Kamaal Williams
https://open.spotify.com/album/7fqMNcqOwZobEtkmRqKZsl?si=XQEfmzClT4an5RCNTkM2hw
ãã³ã°ã¯ã«ã¼
https://open.spotify.com/album/2Xx8ZUbuoyKnDgHh6Ot4xk?si=Q17NwfmNRC--_XgMGvv0yg
Puma Blur
https://open.spotify.com/artist/6lHO1eGthNnos9KP2BH0cG?si=bgqk2QRyQj6nIb2fMGpv4g
Bruno Major
https://open.spotify.com/album/5UFBJXQtytWA9vfaO2DxLx?si=i8JeabZqS161nS2mp-CjsA
Jamie Issac
https://open.spotify.com/album/5XhbDbOpFXYIfMd88G6bMY?si=h8tLCmhqSWKX62tC39BWFw
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