Tumgik
#乗越浄土
ashrhal · 2 months
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2024年4月8日
みなさん元気ですか?僕は今、東京の公園で小雨に打たれながらスーツ姿でハイボールを煽り指で鼻くそをこねているおじさんです。
ピーマンの汁が飛んだ。ブシャーっという効果音がこんなに似合う光景があるのかってくらい、俺が齧ったピーマンの汁が飛んだ。
月曜日。土曜日に今のクソの中のクソ、汚泥みたいな家から引っ越すべく奥さんと今の街の周辺を練り歩き、不動産屋を梯子して、条件に合いそうないい物件を見つけたり、生理特有のズンとした気持ちをほぐすために日曜日に高円寺にビリヤニを食べにいくなどして僕たちは楽しく休みを過ごすことができたが、朝6時に目を覚まして迎えた二週目の月曜日の朝は暗澹という言葉がここまで似合うのかというくらい濁っていて、瘴気の漂う電車に揺られ出社した。隣に座ったケバいOLが韓流ポップをこれでもかと音漏れしていてつらかった。
仕事は相変わらず、右も左も分からない。当たり前だ、まだこの職場に来て1週間なのだから。それでも仕事は止まらないからあれこれと降りかかってくる。わけもわからないままこうしたらいいかな、こういう考え方でいいかな、ここは上司に聞いた方がいいかな、と俺なりに考えて自分のできることを探して行動する。俺は本当によく頑張ってると思うが俺以外きっとそんなこと誰も思わない。作成した資料を上司に確認してもらうよう依頼する、ミスが見つかる。指摘される。そんなことわかるわけねえだろクソが手順書のどこにも書いてねえから自分で考えてやったんだろうがと思うが口にせずにっこり笑って「ありがとうございます」と伝える。これがサラリーマンだと理解はしていたが、サラリーマンはクソだということをこれまでもより強く理解する。そんなことじゃ俺はへこたれないぞ、と思いながらも心のどこかでストレスを蓄積してしまう俺は煙草が吸いたくなる。これまでの職場は、午前中には一回、午後には一回どんなに忙しくても必ず煙草を吸えた。しかし、他のチームのメンバーが血走った目でキーボードを叩く姿を見て新参者のペーペーの俺はタバコを吸いに行くことすらままならない。そのまま午前が終わり、痺れを切らして「昼休憩行ってきます」と憮然とした表情で伝え、喫煙所に向かう。喫煙所はビルに一つしかなく、毎日昼の時間は行列ができている。煙草を吸いたい煙草を吸いたいというはやる気持ちを押さえつけて20分並ぶ。ようやく据えた煙草は泥みたいな味がして喫煙室にいる人間全員殺すぞという気持ちと、この喫煙室にいる人間は全員こんな俺が抱いているような感情を乗り越えて毎日働いているんだという尊敬が生まれる。
昼飯はマズい食堂のラーメンを食い、午後の業務にあたる。「ここにこういう風に連絡すればいいから」と聞いていた通り連絡をすると「昨年度もお伝えしましたが、担当部署が変わっているのでここじゃないです」と言われる。クソがと思いながら、今後も関係がある部署かもしれないからごめんなさいの電話をしようと思うと何度かけても一向に繋がらず、俺の心は折れる。そんなこんなで「殺すぞ」と「ありがとうございます」の間を行き来しながら今日も朝の8:30から22:30まで元気に健やかに働いた。
昼休み俺に「仕事で失敗した」「死にたい」とLINEを送ってきた「帰るよ」と妻に連絡をすると、最寄駅のルノアールにいると伝えてくれた。今日の俺のつらさが浄化されるのではないかという淡い期待を抱き妻を居酒屋に誘い夜メシを食べに行った。そこは料理もおいしく酒もそこそこ安い価格で飲める、短い東京生活で憩いの場の候補の一つであったが、その店のメニューのひとつに出汁に浸したピーマンがあり、俺はそれを頼んだ。駅で会ってから、昼間の「死にたい」を引きずってる妻と、社会から受けた傷を舐め合って明日からまた元気に働きたかった。俺が一杯目のビールを飲み終えるか飲み終えないかでピーマンが卓に届く。「出汁が飛び出すんで注意してください」店員のそんな声を聞き流しながら、俺はピーマンに齧り付いた。
ピーマンの汁が飛んだ。ブシャーっという効果音がこんなに似合う光景があるのかってくらい、俺が齧ったピーマンの汁が飛んだ。
その汁は、テーブルの対面に座っている妻まで届き、妻が最近購入した水色のストライプが入ったワイシャツを盛大に濡らした。そこからは最悪だった。妻は落ち込みとブチギレの狭間で宙空を見つめ、俺は浄化できないつらさを抱えてそれを妻が拒絶することに傷つき宙空を見つめ、ほぼ会話もすることなく、俺が何かを投げかけても妻は一切歩み寄ってくれる気配もなく、ビール一杯とハイボール2杯を飲んで店をあとにした。
妻がつらい時、俺は優しくしてきたはずだ。他人に平等を求めること自体平等ではないとはわかっているが、今日の俺は妻に優しくして欲しかった。そんな俺の感情よりも自分の気持ちとスタンスを尊重して誰よりも損してしまう妻は終始俺に寄り添うことはなく、帰り道で俺を置いていく妻につらい気持ちをアピールするために壁を蹴ったり半泣きになりながら「なんでそんなにいつも攻撃的なの」と嘯いたり道路にしゃがみこんだりしていたら、妻が俺置いて家(ゴミ)に向かって歩いてどこかへ消えてしまった。
その結果、僕は今東京の名もない公園のベンチでコンビニで買ったハイボールを飲みながら、急に馬鹿らしくなって鼻くそをほじってこねてみたり、リリィシュシュを聴いて神妙な気持ちになってみたり、実は全然つらいことなんかないんじゃないかと思いながらもしっかりとつらさを感じて、小雨に打たれながら日記を書いています。誰か助けてくれ。できれば妻がいいけど。
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tutai-k · 5 months
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2023年が終わるらしい
2023年のはじまりは、3月から転職も決まっていたし、持病の悪化による日常生活への不安もあったので、2月いっぱいまで休職した。 療養もかねて尾道に一週間滞在したが、出発の日に地元が大雪ですっころび、カメラのレンズを破壊するという暗黒の始まりを告げるなど、つらいことがたくさんあった。 2月も、結局、休養することがないまま、次の職の仕事をずっとしていた。どこかで休みたいと思いながら、全く休めないまま、2023年が終わりそうだ。 意外だったのは、誰の力も金銭的援助も借りずに十年近くひとりでやってきたこと、というのは、なんだかんだ「使える」ということだった。通用するんだ、これが。というおどろきは大きかった。手応えがあったとか、結果が出たとか、そういう意味ではなく、するっと不安なくやっていける。いままでやってきた、他人の顔色をうかがい、他人の動作に合わせて平均的に働くというのとは違った。積んできたものが、無駄にならない機会に巡り会えてよかったと思う。 休みたいと思いながら、休めないでここまで来たし、年始の休みも8日まであるけど、いろいろと休めないことが多い。雇用契約のある労働は休みだが、個人的な仕事はいくらでもあるし、なんなら山積みになっている。九日間で終わるのだろうか…と思いながら一日目をもう半日終えてしまった。(2024年のしいたけ占いには、おまえはだいたい気づいたら働きまくっていて休んでない、みたいなことが書かれていてちょっと悲しかった)
毎年毎年、何を年間のまとめに書いていただろうかと思うわけで、今年も悩んでいるわけだが、全然答えが出ない。とりあえず、読んだ本とか作った本をまとめていたような気がするから、それをやる。
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★作った本★ 1月 『山梔の處女たち』 pixivのいつだったかの百合文芸で佳作をもらったオメガバース百合「首輪とロマンス」、恋愛/性愛から離れたところで手を取り合う少女たちの魔法学園小説「魔女の選択」収録の短編集。Kindle版は、いつだったかのKino-Kuni文学賞で大賞をもらった滅び行く漁村の女二人の物語「迎え火」も収録している。
5月 『けものと船乗り』 現代物、というか、現実世界の不均衡や理不尽に焦点を当てたものがたりを多く書いてきたな、という自覚もあり、あと「幻想文学はもう書かないんですか」とたくさん声をかけてもらったりもしたので、ひさしぶりに幻想文学らしい幻想文学を。 全ての船を沈めてしまうけものが棲むという「島」を望む岬でまちのひとたちにこれまた「けもの」と呼ばれている存在が、船乗りを拾って海へこぎ出そうとするお話。 『ヤールルカ』 写真家の女の短い物語。撮ること/撮られることの暴力を考えているので、そのこととかを中心に、これは短い物語だったが、もう少し長く書けたらいいなと思ってちょっとずつ書いてる。ひとつ、暴力的な経験を「してしまった」ので、それも書けるか…とすごくいやな気持ちになりながら思っており、だが、これは書くことでしか報復も抗議もできないという思いがあるので、この物語とは2024年以降きちんと向き合いたいと思う。
9月 『ゆけ、この広い広い大通りを』 日々詩編集室から出た本。二児の子持ちの専業主婦・バイクと音楽がすきなトランス���女性・都会で働けなくなったフェミニスト、三人の同級生が「地元」でささやかな試みをするお話。 「ちがいのある人がともに過ごせる共有地をつくる」をコンセプトにしている団体を母体にもつ出版社から出る本だったので、いろいろ考えたし、思っていた以上にいままで読んでくれていたひと以外のひとに受け取ってもらえてよかった。自分が持つ切実な課題とかもたくさん載せた物語だったので、ベストをつくしたし、2023年のベストだと思う。この物語に全力をつくしていたので、2023年は、ヨモツヘグイニナでは大きめの物語は作らなかった。 この本は、ヨモツヘグイニナの通販の他に、本屋lighthouseさんとか、シカクさんとか、mychairbooksさんとか、日々詩編集室とかでも買えるので、お気に入りの書店さんで買ってもらえるとうれしい。 『いづくにか、遠き道より』 再録短編集。たくさんたまっていたのでつくった。2014年に書いた小説とかをおそるおそる読み返したら、思っていた以上に「小説」だったのでほっとした。
11月 『アルバトロスの語りの果てへ』 売れない作家のノイと、そのパートナーで人気役者のターが、アルバトロスの繁殖ボランティアに参加するお話。 物語を自分自身が語るとき、そこには当然自分も含まれている物語のこともあるし、そうでないこともある。だけど、埒外にあっても内にあっても、ひとは、語ったり語られたりせずとも、勝手に他者に物語を見いだし、それを消費してゆく構造がある。『山梔の處女』収録の「魔女の選択」によく似た内面を持つ物語だと思うが、他者のふるまいや言動に「物語」を見いだすとき、「なにを見ているか」に自覚的になりたいよね…というようなことを考えながら書いていた。
12月 『浜辺の村の大みそか』 日々詩編集室で出た小さい本。『浜辺の村でだれかと暮らせば』の番外編みたいなやつ。いまから日和と八尋がやったような大晦日をわたしも過ごします。
★読んだ本とか観た映画そのほか★ 色々読んだけど、印象深かったものについて。 『銀河英雄伝説』全巻 銀英伝のコンセプトバーやカフェにいくので読んだ。相変わらずめちゃくちゃおもしろい。 『豊穣の海』全4巻 来年参加する八束さんのアンソロジー父親の死体を棄てに行くやつの資料(?)イメージをつかむのに読んだ。今西が金閣寺のように燃えて、それを本多が眺めている(『暁の寺』)がよかった。あと、大人になって読み返してみると松枝清顕……「全部おまえが悪いじゃん!」ってなるのがおもしろかった。勲に対しては共感するところも多かったし、あいかわらず『天人五衰』が一番好き。 『雨の島』 今年の1月1日に読み終えてた。呉明益の本、『歩道橋の魔術師』も読みたいんだけど、未訳のチョウチョのなんとか…?が読みたい。 『苦海浄土』 ネイチャーライティングをやろうとすると必ず出てくる石牟礼道子、の代表作。水俣へ3月と10月といくことになったし、石牟礼道子を筆頭に水俣関係の本をとてもたくさん読めた一年だった。とてもよかった。来年は『水俣病を旅する』『苦海浄土』(全3巻)を読みたい。 『アフターヘブン』 八束さんの本。めちゃくちゃよかった。 『フィリックス・エヴァー・アフター』 すっごくおもしろくて、何度でも読み返したい! 『鋼鉄紅女』 最高だった……「地獄へようこそ……」って武則天が宣言したところから、もう一気に読んだ。家父長制と、男女の二人の「ペア」というかたちに反旗を翻す最高のSF小説。 『私と夫と夫の彼氏』 2023年で読んだ中で、一番一番おもしろかった漫画!11巻が待ち遠しい! 『琥珀の夢で酔いましょう』 この漫画もめっちゃおもしろかった~! 『父の時代、私の時代』 堀内誠一の自伝的エッセイ。「ウッチェロ!!!!!!!」澁澤龍彦・瀬田貞二との思い出を添えて。めちゃくちゃ古本価格高騰していたので文庫で出してくれてありがとう! 『ガザに地下鉄が走る日』 ずっと読みたかったけど、なかなか読めずにいて(岡真理さんの本は『記憶/物語』を2020年に読み、もう一度これも今年再読した)やっと読む。見過ごしてしまわないように、何が出来るかを考え続け、アクションを取る、できることをやるしかないんだけど、「人間が人間として生活するということ」が、誰にでもある世界にたどり着きたい。 本だと、吉田育未さんの翻訳作品を井上彼方さん/紅坂紫さん編集の『結晶するプリズム』で知り、『聖なる証』『星のせいにして』を読む。めちゃくちゃおもしろかった!年越し読書本は『イエルバブエナ』。「このひとが翻訳している本ならぜったいおもしろい!」という翻訳者さんに出会えたのがうれしかった。 映画もいろいろみたけどとくに『バービー』『his』『ゲゲゲの謎 鬼太郎誕生』がよかったな~。結局体力がなくて窓際のトットちゃんを見に行けなかったのがちょっとさみしい。 さいたま文学館で開催されていた澁澤龍彦の展示にはいけた。パンケーキも食べた。 12/24にITOプロジェクトの『高丘親王航海記』を見に行く。それについてのくわしいことは静かなインターネットに書いた。
★旅行★ 「今年はいろんなところへ行ったんじゃないですか?」と言われたけど実はあんまり行ってなかったりする(さみしい) 1月 尾道 ライターズインレジデンス尾道でまたみはらし亭に滞在する。だいたい伊勢うどん食べてた。 3月 水俣 はじめて水俣へ。というか九州自体がはじめて。いろんなひとに出会い、いろんなことを学び、いろんなおいしいものを食べた。『常世の船を漕ぎて』を水俣病歴史考証館で買った。 5月 東京 行ったという記憶しかない。なにしたっけ…?なにもしてないのか…もしかして…。 9月 大阪 銀英伝のバー「海鷲」へ行く。ロイエンタールの透けてる板を買った。文フリ大阪も行った。 10月 東京 銀英伝のカフェ「イゼルローンフォートレス」へ行く。かおりさんと会う。ながいことSNS上ではお付き合いがあるのに生身で会うのは初めてで、だけど「すっぱいものきらいだもんね」とか長年付き合ってきた人間同士の会話ができてとてもおもしろかった。次の日は吉祥寺や多磨へいき、緑色のインコとオナガを見る。 水俣 ふたたび水俣へ。熊本市内も立ち寄ったが、土砂降りだったので熊本大学と、橙書店へ行く。島尾ミホと石牟礼道子の対談集というめちゃつよBOOKを買った!めちゃくちゃ楽しかった。 11月 文フリ東京。ヒマラヤ鍋を食べる。次の日は埼玉文学館へ。武蔵野うどんに衝撃を受ける。
★来年の予定とか★ 1月14日に文フリ京都。辰年なので澁澤龍彦のコラージュみたいな『兎島にて』という本をだします。こういう物語で「兎」って単語がでると、誰か特定の人をみんな思い浮かべると思うんですけど、その特定の人は卯年のわたしです。他の誰でもありません。 3月までに出さないといけない原稿がめっちゃいっぱいあるので頑張ってます。 オープンにしてるのは八束さんの家父長制アンソロだけだけど、そのほかもまた媒体に載るなどしたらお知らせします。 やりたいことは、三宅島・舳倉島・天売島、この三つのどれかの島にいきたい!2023年は労働が忙しすぎてぜんぜん鳥写に行くことがなかった(かなしい)一年になっちゃったから、2024年はちゃんと鳥写したいです。 あと、日々詩編集室から『ゆけ、この広い広い大通りを』もでたことだし、もうちょっと小説を書いて発表する幅みたいなものをひろげたいかなと思っている。つらいことがたくさんありすぎたから、アンソロは主催も参加もいやだったけど、そういうのとか……あと、書いたらお金がもらえるタイプの原稿とかも、書ける媒体があるのなら書いていこうかと思っている。 これはずっとそうなんだけど、賃労働をしながらほかにわたしの体力で「できる」ことが「小説を書く」ことしかなかったので……。タイミングや機会があれば、頑張ってみようと思っている。
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patsatshit · 7 months
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「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2018年14号から連載中の『呪術廻戦』が面白い。人間の負の感情から生まれる化け物・呪霊を呪術を使って祓う呪術師の闘いを描いたダークファンタジー。読者の予想を裏切りまくる展開で、数多の考察系YouTuberを幾度となく地��に叩きつける作者のイヤラシイ才能に惚れ惚れする。ストーリー、人物造形、魅力的な術式の数々、どこをとっても見どころ満載で語り始めたらそのまま夜を駆けて呪いに転じてしまいそうなんだけど、特筆すべき点をひとつ挙げるとすれば、主要なキャラクターのひとりである羂索という呪詛師の存在。他人の身体を乗っ取り、永い時を越え自らの野望を叶えるために存在する人物。この羂索が物語を牽引するから本作は特別なものになっている。どこまでも純粋に面白いことを追求する奴が真に面白いと思ったことだけを次々に実践していく訳だから、その内容が面白くならない筈がない。
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彼が目指すのは「呪力の最適化」である。 呪霊のいない世界でも牧歌的な平和でもなく、自らの生み出すもの以上の可能性を見つけること、つまりは呪術の力で新たな世界を創造しようとしている。 呪術師・呪霊・非術師、これらは彼曰く「人間という“呪力の形”の可能性の一つ」に過ぎないらしく、さらなる呪力の可能性の探求の為に、1000年もの間、様々な術師の身体を渡り歩いて暗躍を続けていた。 そして最終目標は日本全土を対象に人類への強制進化を成すため、人類と天元を同化させることである。 おまけに乗っ取った人物の身体能力、特徴だけでなく術式等の能力をもそのまま引き継ぐことができるのだが、本人の年齢及び本来の顔、性別も未だに不詳。ここまで書けば勘の鋭い方なら既にお気づきだろう。そう、これは完全にドゥルーズの生成変化である。生成変化とは他なる物事への複数の「外在的」な「関係」の付置それ自体としての、言うなれば「関係束」としての「自他」が組み変わることである。それは万象の渾然一体ではなく、互いに区別される関係束の多様な組み変わりである。ドゥルーズの動物論は、スピノザ的「生態学的倫理」として解釈されることが多い。要するに自己の「身体の能力」を開発し、他者のそれと絡み合わせ、自他が一緒に活力を増していく「強度の共同性」を拡大することである。まさに「闘争領域の拡大」というやつだ。そしてそれは数々の漫画作品からの場面引用と構図、展開等の組み合わせで『呪術廻戦』を構築する作者の意図としても汲み取ることが可能である。
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つまりは羂索≒芥見下々であると、わざわざ声を大にして僕は言いたい訳だが、これは世界とは、断片的な物事のあらわれを「想像」に於いて「連合」した「結果=効果」であり、そして世界のいたるところに、互いに分離した想像する「精神」があるというヒューム主義を独自に咀嚼した庵野秀明原作・監督によるオリジナルアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の概念を字義どおりに渡り歩いた芥見下々の巧みな筆捌きからも察することは容易い。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で作中人物の碇ゲンドウが目論んだ「アディショナルインパクト」をゲンドウ自身の言葉で要約すると「セカンドインパクトによる海の浄化。サードによる大地の浄化。そしてフォースによる魂の浄化。エヴァインフィニティを形作るコアとは魂の物質化。人類という種の器を捨てその集合知をけがれなき楽園へといざなう最後の儀式だ」ということであるが、これは羂索の最終目標である日本全土を対象に人類への強制進化を成す為、人類と天元を同化させようとする「超重複同化」と思想的にもかなり近しいものがある。『新世紀エヴァンゲリオン』は言わずもがな、他作品へのオマージュをふんだんに散りばめる『呪術廻戦』そのものが芥見下々なりの「アディショナルインパクト」であり「超重複同化」であり「生成変化」の一端であると言い切ってしまうのは、いささか暴論に過ぎるだろうか?
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『呪術廻戦』と同じく「週刊少年ジャンプ」で連載中のギャグ漫画『僕とロボコ』の第156話「オマージュとロボコ」と題された一話にはオマージュを最大の武器としている作者・宮崎周平の意図を盛り込んだ内容で、そのあまりにも大胆かつバカバカしい試みに失笑を超えて思わず仰け反った。「パクりはもう卒業しました!」と切り出す主人公ロボコは「複数の作品の良いトコロを参考にすれば、それはオリジナルになりうる!」と豪語する。そして数え切れないほどの他作品の「良いトコロ」をつまみ食いしてオリジナル漫画を描き上げては周囲を唖然とさせるも、本人は至って冷静に「オマージュの範囲内ですね」と嘯く。そしてキャリア2年目の編集者が編集長の目を盗んで本誌掲載に踏み切り、結果、見事に大炎上するという極めてメタメタで知的な内容だった。オマージュについては『リズム・サイエンス』(青土社)という書籍にも深い洞察が垣間見える。本書はヒップホップやジャズなどのブラック・ミュージックから現代音楽、果てはメタルまでを往還する境域のミュージシャンDJスプーキーが本名ポール・D・ミラー名義で上梓した渾身の音楽論である。前述のロボコが描いたオリジナル漫画のタイトルが『ドキ♡孫・D・炭太郎の青春‼︎大秘宝‼︎』であったことを鑑みれば、宮崎周平の目論見は明確である。ミドルネームの「D」それは単なる偶然にしては出来すぎた話ではないか。近/現代思想を核に、音楽、映画、小説、詩をサンプリングしながらも、「他人の思考を自分のものにするのは発明するのと同じくらい難しい」と天を仰いだその真意とは。彼の試みは確実にイギリスの批評家マーク・フィッシャーに受け継がれ、氏の没後は言うまでもなく……。
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東京を拠点に活動するラッパー、J.COLUMBUSが長野県松本市のトラックメーカーMASS-HOLEをプロデューサー���迎え、制作したアルバム『On The Groove, In The City』は、幾つもの言葉の断片が虚実の被膜ではなく、自己/他者の被膜をねっとりと愛撫するように言葉が置かれる。しかもそれらは決して打点を刻むことなく、じわじわと地中に溶解する。もはやJ.COLUMBUSの言葉とPAUL AUSTERの言葉に差異はない、否、具体的には決して交わらない他者と自己の言葉が混ざり合うことも溶け合うことも拒絶して地表に吐き捨てられる。これはストリートの詩情などという陳腐な戯れではなく、現前する意志を喪った風景を浮かび上がらせようとする稀有なる試みだ。因みに芥見下々は「パロディやオマージュの線引きは、自分の中では明確な基準がある」と明言している(コミックス16巻を参照)。ここまで記してきた僕の文章自体もWikipedia、ピクシブ百科事典、千葉雅也の論文「ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学」を渡り歩いたものに過ぎず、無論、オリジナリティは皆無である。
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nyantria · 11 months
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 中村氏は新型コロナのさまざまな問題点について、1時間40分ほど語った。21年6月24日の「新型コロナワクチンの接種中止を求める嘆願書」提出以来の自身の活動について「当時は風当たりが強かった」と振り返った。読売新聞の連載『虚実のはざま』やNHKの番組『フェイク・バスターズ』などで自身の言説が「デマ」とされたことに触れ、「今は違う。多くの人が少しずつ気づき始めている。これから多分、もっと研究されていくだろう」と展望した。
 主催が宗教団体であることについて「初めて。皆さんにお伝えしたいことがあった。マスクや社会的距離の確保に対して、宗教家の人に立ち上がってほしかった」と吐露した。「旧約聖書では病気イコール汚れと捉え、病人は隔離すべき対象だった。新約聖書では病人も神の愛に生きている人と解釈した。これは宗教家として理想の姿」と評じた。
 しかし、「オンライン礼拝」や「洗礼水鉄砲」などの奇行が実施されていたことを紹介し、「公衆衛生上の対策に宗教界の権威が一方的な考えを表明することは信者に大きな影響及ぼす」と警告。ローマ法王が「コロナワクチンは道徳上の義務」と宣告したことや、ロシア正教会も「ワクチンを打たないことは罪」と発言したことを問題視。ただし、「ワクチンは悪魔」との観念が根強く、接種率は低いまま。「信徒は偉かった」とたたえた。
 「病気の流行とプロテスタントの発生は密接な関係がある」と切り出し、「14世紀にペスト(黒死病)が猛威を振るった欧州では、人口の3分の1が亡くなった。マルティン・ルターは避難を拒否し、街の病人や教会員のケアに奔走した。プロテスタントにもこうあってほしい」と希望した。
 12~17歳のアフリカ系米国人の40%以上が未接種であることを伝える記事を示し、「黒人は秘密裏に梅毒の人体実験をさせられた苦い経験もあり、だまされにくいのだろう」と分析した。お寺や教会をワクチンの接種会場に使わせた例を挙げながら首をかしげ、「奈良の大仏は祈りで病気を退散させるため、国家事業として造った。祇園祭は病気払いの祭り。コロナで中止したのは本末転倒」と嘆いた。
 「オンライン法要」の写真を映すと、会場からどっと笑いが起こる。ダライ・ラマが「ワクチンを打て」とチベット仏教徒に促したことを取り上げ、「こうして政治の片棒を担いでいる。本性が透けて見える」と指弾した。
 イスラム教については、大事な金曜礼拝やメッカへの巡礼「ハッジ」を禁止しながらも、イラクやイラン、サウジアラビア、パレスチナ、マレーシアなどでは接種率が低かったことを挙げ、「比較的頑張った」と評価。一方で、イスラム教徒が体に入れてもよいとするハラル認証を「味の素」が受けながら、豚から抽出した酵素を使用していたことが発覚して問題になった「味の素事件」のように、「コロナワクチンがハラルかハラム(摂取してはいけないもの)かの考察があったのか」と問い掛けた。
 ワクチンの権威、ポール・オフィット博士は「ワクチンには中絶時の細胞が含まれている」と明言していることを紹介。「中絶を禁止しているカトリック教会のトップがワクチンを推進していることを問題視しなくていいのか」と提起した。コロナワクチンでも、ジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザー社、モデルナ社が中絶した胎児細胞を入れているとするナショナル・ジオグラフィックの記事を示した。
 天台宗は信徒向けの教化紙に「通常ならば使用可能になるまで何十年もかかるワクチンが1年足らずで使用できるようになったことに不安を覚えるのは無理もない」といぶかりながらも、「コロナ禍収束のためには1人でも多くの方の接種が望ましいのではないか」とつづり、接種を促していることを紹介。
 浄土真宗本願寺派は信徒向けの新聞で、「危険性と予防効果を考えて、打つかどうかを個人でも判断する必要があります」と自己判断を促す。
 大本教は、薬剤師でもある出口紅(くれない)教主が「長期の影響への不安が拭えない」と懸念を示し、「正しい食事と適度な運動、十分な睡眠、土、松、梅干しや梅肉エキスの力で免疫力を高めつつ、神に真剣に祈ることが大切」と教示している。中村氏は「正しい。宗教家はこうあるべき」と絶賛した。
 幸福の科学は、故大川隆法総裁が「法話、書籍、楽曲、祈願などにはウイルスを撃墜する力がある」と法話で説き、「コロナワクチンは当てにならない」「信仰心を持つことで免疫力を高め、コロナを乗り越える重要性は増すばかり」と締めくくっている。「正しい。こうあるべき。これが宗教の意義」と中村氏はたたえながらも、「ただし、大川氏は亡くなった。打っていないと思うが、タイミングや『急死』というのは怪しい」と疑問視した。
 この後中村氏は、接種すればするほど新型コロナにかかりやすくなっていることや、マスクに何ら感染予防効果がなく、心身共に弊害をもたらし、服従の印でしかないことを膨大な資料を基に、実証的に説明。大きな拍手を浴びた。
中村医師がチャペルで講演、「(コロナ下で)宗教家たちに立ち上がってほしかった」 2023/07/17
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bearbench-tokaido · 3 months
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三篇 下 その三
上方者は、 「ハァ、ソンナラお前のお馴染みは何屋じゃいな」 と、意地悪く問うと、 「アイ、大木屋さ」 と、弥次郎兵衛がいう。 「大木屋の誰じやいな」 と、上方者がさらに問うと、 「留之助よ」 弥次郎兵衛が答えた。 上方者が 「ハハハ、そりゃ松輪屋じゃわいな。 大木屋にそんな女郎はありもせぬもの。 コリャお前、とんとやくたいじゃ、やくたいじゃ」  (やくたい…上方言葉で、らちもない、とんでもない、よくない、など広い意味に使う)
弥次郎兵衛は、 「ハテ、あそこにもありやすよ。ナァ北八」  (大木屋は実在の大見世の扇屋のこと。松輪屋はやはり実在の松葉屋のこと。留之助は松葉屋の抱えの名妓の染之助のこと。したがってこのやり取りでは上方男の勝ち) 北八、面倒臭くなってきて、 「ええ、さっきから黙って聞いていりゃ、弥次さんおめえ聞いたふうだぜ。 女郎買いに行ったこともなくて、人の話を聞きかじって出放題ばっかり。 外聞のわるい。国者の面よごしだ」
弥次郎兵衛は、 「べらぼうめ、俺だって行くってんだ。 しかもソレ、お前を神に連れていったじゃァねえか」  (神…取り巻き、太鼓持ち。遊廓付きの本職ではなく、客が連れ込んだ遊びの取り巻き仲間。落語の野太鼓がこれである) 北八、思い出して、 「ああ、あの大家さんの葬式の時か。なんと、神に連れたとは、おおげさな。 なるほど二朱の女郎の揚げ代はおめえにおぶさったかわり、 馬道の酒屋で、浅蜊のむきみのぬたと豆腐のおから汁で飲んだ時の銭は、みんなおいらが払ったじゃねえか」  (葬式くずれで繰り込むなら安い店にきまっている。揚げ代二朱なら宿場の飯盛なみのごく安い女郎。馬道は吉原に通ずる町。そこの酒屋のぬたも汁もごく安い庶民的な食い物である)
弥次郎兵衛は、 「嘘をつくぜ」 北八も、 「嘘なもんか。しかもその時おめえ、さんまの骨をのどへ立てて、飯を五六杯、丸呑みにしたじゃねえか」 「馬鹿言え。お前が田町で、甘酒を食らって、口を火傷したこた言わずに」 「ええ、それよりか、おめえ土手で、いい紙入れが落ちていると、犬の糞をつかんだじゃねえか、恥さらしな」  (土手…吉原に入る途中の山谷堀に添った日本堤の土手八丁、金持ちなら土手八丁を四ツ手駕で飛ばし、貧乏人なら歩く、いずれも弥次郎の自慢が嘘だと、北八が暴露したかたち)
と、遣り合っている二人に、上方者が 「ハハハハハ、いや、お前方は、とんとやくたいな衆じゃわいな」 弥次郎兵衛が、 「ええ、やくたいでも、悪態でも、うっちゃっておきゃァがれ。 よくつべこべとしゃべる野郎だ」 上方者は、関わり合いにならない方がいいかと、 「ハァこりゃご免なさい。ドレお先へまいろう」 と、そうそうに挨拶して、足早に行ってしまう。 その後ろ姿をみながら、弥次郎兵衛は、 「いまいましい。うぬらに一番へこまされた。ハハハハハ」   この話の間に、三ケ野橋を渡り、大久保の坂を越えて、早くも見付の宿(磐田市)にいたる。
北八、 「アァくたびれた。馬にでも乗ろうか」 ちょうどそこへ、馬方が、 「お前っち、馬ァいらしゃいませぬか。 わしどもは助郷役に出た馬だんで、早く帰りたい。 安く行かずい。サァ乗らっしゃりまし」  (助郷…東海道の交通の確保のために、沿線の村々に幕府がかけた役務で、人馬の徴発を含めて重いものだった)
弥次郎兵衛は、 「北八乗らねえか」 と、問い掛けると、 「安くば乗るべい」 と、馬の相談が出来て、北八はここから馬に乗る。 この馬方は助郷に出た百姓なので、商売人の馬子でないから丁寧で慇懃である。
弥次郎兵衛は、 「そうだ、馬子どん。ここに天竜川の渡しへの近道があるんじゃねえかな」 と、思い出して、聞いてみると、 「アイ、そっから北の方へ上がらっしゃると、一里ばかしも近くおざるわ」 と、馬方がいう。 北八が、 「馬は通らぬか」 と、更にとうと、 「インネ、徒歩道でおざるよ」 と、ここから弥次郎は一人近道のほうにまがる。
北八は馬で本道を行くと、早くも加茂川橋を渡り、西坂の墳松の立場に着く。 茶屋女が声をかけてくる。 「お休みなさりやァし、お休みなさりやァし」 茶屋の婆も声をかけてくる。 「名物の饅頭買わしゃりまし」 馬方が、その婆様に声を掛ける。 「婆さん、おかしな日和でおざる」 「お早うございやした。いま新田の兄いが、一緒に行こうかと待っていたに。 コレコレ横須賀の伯母どんに、言いついでおくんなさい。 道楽寺さまに勧説法があるから、遊びながらおいでと言ってよう」  (道楽寺は遊びながらおいでにこじつけた架空の寺の名) 馬方は、 「アイアイ、また近うちに来るように伝えときましょう。ドウドウ」 と、いうと、また歩き出した。
「この馬は静かな馬だ」 北八は、珍しく乗りやすい馬なので、つい、そういうと、 「女馬でおざるわ」 と、馬方が、こたえる。 北八は、にんまりして、 「どうりで乗り心地がよい」 馬方が、問い掛けてきた。 「旦那は、お江戸はどこだなのし」 「江戸は日本橋の本町」 と、北が答える。 「はあ、えいとこだァ。わしらも若い時分、お殿様について行きおったが。 その本町というところは、なんでもえらく大きい商人ばかしいるところだァのし」 と、昔のことを思い出しながら、話してくる。 「オオそれよ。おいらが家も、家内七八十人ばかりの暮らしだ」 と、またまた、くちからでまかせ。 馬方もしんじているにのかいないのか、 「ソリャ御大層な。お神さまが飯を炊くも、たいていのこんではない。 アノお江戸は、米がいくらしおります」 「まあ、一升二合、よい所で一合ぐらいよ」 と、考えながら言うと、 「で、そりゃいくらに」 と、馬方は、よく分からない。 「知れたことよ、百にさ」 と、北八がいうと、 「はあ、本町の旦那が、米を百文づつ買わしゃるそうだ」 馬方は勘違いして、そういう。 北八、笑いながら、 「ナニとんだことを。車で買い込むは」 「そんだら両にはいくらします」 と、馬方。 「なに、一両にか。ああ、こうと、二一天作の八だから、二五の十、二八の十六でふみつけられて、四五の廿で帯解かぬと見れば、無間の鐘の三斗八升七合五勺ばかりもしようか」  (割り算の九九の二一天作の八は一二天作の五の間違い、途中から浄瑠璃の文句でごまかしている。米の値段も出でたらめ) と、何やら、難しそうな、計算をはじめる。 「はあ、なんだかお江戸の米屋は難しい。わしにゃァわからない」 馬方は、すっかりけむに負かれて、 「わからぬはずだ。おれにもわからねえ。ハハハハハ」 と、北八も自分でいっててわからなくなった。
この話のうちにほどなく天竜川にいたる。 この川は信州の諏訪の湖水から流れ出て、東の瀬を大天竜、西の瀬を小天竜と言う。 舟渡しの大河である。弥次郎は近道を歩いてここで北八を待ちうけ、ともにこの渡しを越えるとて、一首。
 水上は 雲よりい出て 鱗ほど 浪の逆巻く 天竜の川  (水、雲、鱗、浪、逆巻く、みな竜の縁語の竜づくしが趣向)
舟からあがって立場の町にいたる。 ここは江戸へ六十里、京都へも六十里で、東海道の振り分けになるから中の町(浜松市)というそうだ。
 傾城の 道中ならで 草鞋がけ 茶屋に途絶えぬ 中の町客  (ここを江戸吉原の中の町に見立てて、花魁道中の高足駄の代わりに草鞋、吉原の引き手茶屋と街道筋の茶屋、どちらも客が絶えぬと言う趣向)   それより萱場、薬師新田を過ぎて、鳥居松が近くなったころ、浜松宿の宿引きが出迎えて、 「もし、あなたがたァお泊りなら、お宿をお願い申します」 と、二人の呼びかける。 北八がそれに答えて、 「女のいいのがあるなら泊りやしょう」 客引きここぞとばかりに、 「ずいぶんおざります」 と、いうと、弥次郎兵衛が、 「泊まるから飯も食わせるか」 宿引き 「あげませいで」 北八、 「コレ菜は何を食わせる」 宿引き、 「ハイ当所の名物、自然藷でもあげましょう」 「それがお平の椀か。そればかりじゃあるめえ」 「 それに推茸、慈姑のようなものをあしらいまして」 「汁が豆腐に蒟蒻の白和えか」 と、北八が、客引きとやりあっている。
弥次郎兵衛が、 「まあ、軽くしておくがいい。その代わり百ケ日には、ちと張り込まっせえ」  (ここのやり取りは、宿引きの言うのが、野菜ばかり並べた精進料理なので、死人の法要の料理だと皮肉ったのである。法要では、当初と百ケ日には料理を張り込むのがしきたり) 「これは異なことをおっしゃる。ハハハハハハ。時にもうまいりました」 「オヤもう浜松か。思いのほか早く来たわえ」 と、弥次郎兵衛、ここで一首読む。
 さっさっと 歩むにつれて 旅ごろも 吹きつけられし 浜松の風  (松風の音の颯、颯と、さっさと歩くとにかけている。風に吹き送られて早く着いた意味も含む)
その横を宿ひきが駆け抜ける。
宿引きは、旅館に駆け込むと、 「サァサァお着きだよ」 と、置くに声をかける。 「お早くございました。ソレおさん、お茶とお湯だァよ」 それに、こたえて、この旅館に亭主が出てくる。 弥次郎兵衛が、 「イャそんなに足はよごれもせぬ」 と、いうと、亭主 「そんなら、すぐにお風呂にお召しなさいまし」 と、奥に案内しようとする。
つづく。
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tsuntsun1221ts · 4 months
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2024.01 木曽駒ヶ岳
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今年初の雪山は、去年も厳冬期に訪れ、登頂はしたものの天気予報に騙されてとんでもない天候だった木曽駒ヶ岳。今回は最高のコンディション!
お昼すぎに新宿発の高速バスに乗って駒ヶ根へ向かい、駒ヶ根プレモントホテルで前泊。このホテルだと最寄りのバス停が「文化センター北」となり、ホテルからだと徒歩10分くらい。素泊まりのため夕食は近くのお蕎麦屋さんへ。
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翌朝は快晴、これから登る木曽駒ヶ岳は奥にあって見えないが、その手前にある宝剣岳などは見える。始発バスが0800発なので朝はゆっくりできる。
駒ヶ根駅始発のバスは自分含めて6名しか乗せずに菅の台駐車場へ到着、ここでチェーン巻いたバスに乗り換える。駅組が乗り換えた後にマイカー組が乗車して出発するというシステムになっており、マイカー組は約70人ほどと、こっちが大多数。終点のしらび平からRWに乗り換えて一気に標高2600mへ。
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RW駅直結のホテル千畳敷から外へ出ると、白銀の千畳敷カールが眼前に広がり圧巻。雪のカーテンのよう。アリのように小さく見える先行者が列をなしてカールを登っている最中。
【コースタイム】ホテル千畳敷(0940)→乗越浄土(1020-1025)→中岳(1040)→木曽駒ヶ岳(1055-1120)→中岳(1135)→乗越浄土(1145)→ホテル千畳敷(1205)
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背中に日差しが差し、しかもカール内は無風のため、途端に非常に暑い。振り返れば麓に伊那市、奥には南アルプスの峰々と、その更に先に富士山が頭を少しのぞかせている。
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傾斜は強く疲れるが、去年来たときは視界がかなり悪い中苦労して登ったのに対し、今回はゴールが見えているためだいぶラクに・・・こんな距離しか無かったんだ。
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カール上部の岩がイカツクてとてもカッコいい(左に登山者)
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どんどん抜かし、後ろは渋滞気味。抜かせてよかった。左にホテル千畳敷が見えるが、やはり去年天候悪かったときと比べ断然と近く感じる。
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乗越浄土直下が最も危険。傾斜が非常に強いため蛇行して登るが、道幅が20cmあるかどうか。アイゼンの爪を効かし、ピッケルも雪に深く刺して注意深く通過する。
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40分で乗越浄土へ到着、ここまで登ればあとはかなりラクな道に。去年の悪天候時と比べ15分の短縮となった。この稜線上から先は偏西風が非常に強く吹きすさぶため、防風対策を万全に。素肌を見せた部分は寒さに耐えられなくなるため、顔も全て覆う。
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左手には朝麓から見えていた宝剣岳。あそこも登ろうとしたけど、もともと危険な道だし、風強いため今回はパスで。登るとしたら夏季にだな。
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いくつも山荘が並ぶ。左の宝剣山荘はこの日開いていた。中には入らなかったが、発電しているような音も聞こえたし、宿泊もやっていたのだろうか?冬季は不定休らしい(基本閉まっていると思うが)。
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宝剣岳への登り。かなり岩が露出している。登っている人もチラホラ見える。
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カールを登りきり次に向かうのは中岳(2925m)乗越浄土からすぐ近くであっという間に到着するが、とにかく風が強すぎて吹き飛ばされそう。標高もだいぶ高いので通常よりも1.5倍くらいは疲れる。
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乗越浄土から15分で中岳到着。
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振り返ってみてもほんの300mくらいしか移動してないように見える。右が宝剣岳。
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眼の前にはゴールの木曽駒ヶ岳が見える。ここの直下は岩が露出していて(風強すぎて雪が積もらない)、アイゼンの爪を引っ掛けて転ばないように注意は必要。アップダウンはそんなに大きくない。途中に見えるのが頂上山荘。
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中岳から15分、ホテル千畳敷からは75分で木曽駒ヶ岳に到着。半分以上はカールを登り切るための時間だった。奥に御嶽山。
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正面が少し冠雪した八ヶ岳連峰、麓に伊那市~箕輪市。
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北アルプス山脈。
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駒ヶ嶽神社。威厳がある。
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日差しがあって温かいが、たまに爆風が吹いてこんなかんじ
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右に見えるのが三沢岳?左奥が空木岳と思われる。駒ヶ岳から空木岳へは縦走してみたいと前々から思っていた。空木岳への非常に大きなアップダウンがとてもキツイんだとか。
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南アルプス連邦が並ぶ。富士山も頭だけ見える。
帰りのバスは予約していないからいつ下山してもいいのだが、翌日は仕事もあるので30分くらいして下山する。
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中岳へのアップダウン。
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カールを下る。やはり危険なのは非常に急角度な乗越浄土直下。とはいえアイゼンとピッケルを駆使すれば大きな問題はない。
乗越浄土からカールの下りはわずか20分(登りは40分)。傾斜が急なだけに下るスピードも早い。休憩含めわずか2時間強の行動時間だった。短時間とはいえ、雪山の道具に慣れてないと要所要所危ないし、偏西風の影響もあるため装備は特に大事。
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駅に着いたときには次発RWまで時間的余裕があったので(RWは1時間毎)、ホテル千畳敷にて昼食。カレー1800円とお高いが、まぁ山の上だし。レトルト感は無くけっこう美味しい。
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RWを下ってしらび平駅に着き、来たときと同様そこからバスを乗り換え駒ヶ根駅方面へ。去年もそうだったが、新宿行きの高速バスへの接続が1~2分差とわずかに合わず、今回も目の前で高速バスが行ってしまう。高速バスは1時間毎に出ているのでそこまで長時間待たないが、やはりどうにかしてほしいところ。そんなわけで時間つぶしのクラフトビールのお店が行きつけになりそう。駒ヶ根の地酒で、ぶどうを使ったビールが美味しかった。
他にも、昨日の夕食に入ったお蕎麦屋も美味しかったし(けっこうそばの量が多い)、そこで出された日本酒もとても美味しかった。信濃鶴という地酒で、ちょうどこの時期新酒が出るため、酒屋で1本買って帰るほど。毎年この時期、このお蕎麦屋さんに、このクラフトビールのお店に、お土産の日本酒のローテーションでいいかもしれない。
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shintani24 · 4 months
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2024年2月7日
大和ミュージアム改装へ 呉市が過去最大規模の新年度予算案を発表(朝日新聞)2024年2月7日
【広島】呉市は6日、新年度当初予算案を発表した。一般会計は1089億6千万円(前年度当初比2・5%増)で、2005年の広域合併以降で過去最大の規模だ。旧海軍の歴史を伝える大和ミュージアム(市海事歴史科学館)の改装工事費用を計上したほか、病児保育にも重点配分した。
歳入では、市税収入が295億2千万円と、前年度(304億5千万円)を下回る見込みとなった。新年度の定額減税に伴う個人市民税の減収などが見込まれるためという。
借金にあたる市債の発行額は、50億円を盛り込んだ大和ミュージアムの改装工事などに伴い、前年度比15・4%増となる133億6千万円。市債発行残高は2年連続で増加し、1158億円(前年度比25億円増)となる。貯金にあたる財政調整基金からは18億5千万円を取り崩す。24年度末の基金残高は63億円になる見込みだという。
歳出では、病児・病後児保育に重点配分。病児・病後児保育施設の増設(2カ所)や、施設の市民利用を県内で初めて一律無償化する事業、保育園などで体調を崩した児童を預かる施設の新設(11カ所)などに1億7千万円を計上した。
昨秋に事業停止した日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区について、跡地に適した産業を県と共同調査するための費用には1千万円を充てた。新原芳明市長は会見で「『日鉄がなくなるが、呉市は大丈夫か』という声をよく聞く」とした上で、市総合スポーツセンター跡に半導体製造装置メーカー大手「ディスコ」の工場が建つ計画に触れ、「従業員数や税収はいずれ日鉄呉を上回るのではないかと期待する」と話した。
予算案は21日開会の市議会定例会に提案される。
大和ミュージアムの改装工事では、既存施設を改修するほか、大型収蔵庫を設置する。来館者の混雑緩和や、収納しきれていない資料を保管するのが目的だ。
22年の基本計画段階での総事業費は約68億円の見込みだった。そのうち既存施設の改修は30億円だったが、資材高騰などで大幅に膨らみ、新年度予算案には50億円を計上した。収蔵庫の設置費も含めた総事業費はさらに増える見通しだ。
既存施設の改修工事では、混雑解消のためにショップと券売機を屋外に移す。3階を全面的に改修し、科学技術の変遷や戦闘機エンジンの仕組みがわかる模型などを置く。工事に伴い、今秋以降に休館する見通し。期間は未定だが、開館20周年となる25年度中の再開をめざす。
コロナ禍前の19年度は年間90万人が訪れた同館。休館中も客足が途切れないよう、市は3億6千万円を投じて対策する。近くのビューポートくれでの仮展示や、戦艦大和の10分の1サイズの模型を建物外からガラス越しに見られる観覧台の設置などを計画する。
新原市長は「大和ミュージアムは、世界でも有数の軍港になり、戦後は造船業で栄えた呉市のユニークさを体現する施設。世界に誇れる海事博物館にしたい」と話した。(興野優平)
呉市の主な事業
【企業誘致・観光振興など】
◆大和ミュージアムの改装工事(50億円)
◆大和ミュージアムの休館対策として「呉・大博覧会」を開催(3億6200万円)
◆日鉄呉地区の跡地利活用調査(1千万円)
◆呉市・広島大学Town&Gown構想の推進(1600万円)
◆市総合スポーツセンターの産業団地への転換など(3億2千万円)
【教育・子育て対策など】
◆病児・病後児保育などの充実(1億6900万円)
【都市基盤整備など】
◆天応西条第2公園(仮称)の整備(2億800万円)
◆RORO船(貨物用船舶)の受け入れのための阿賀マリノポリス地区整備(1億1400万円)
「死ぬことになればいい」安芸高田市議(59)をSNSで脅迫した疑い 元警察官の男(38)を逮捕 被害の市議「傷つく人がいる。家族がいることを自覚してほしい」 広島(RCCニュース)2024年2月7日
広島県安芸高田市議会の男性市議をSNSで脅迫したとして、広島県警は6日、栃木県の男を逮捕しました。
脅迫の疑いで逮捕されたのは、栃木県宇都宮市に住む自営業で元警察官の男(38)です。
警察によりますと、男は23年8月31日から9月2日までの間、3回にわたり、SNS上で「こいつら生きてる価値あるか?殺されても仕方ないよな?」「死ぬことになればいいなぁ」「死体が見つからない限り殺人にはならないのが日本の法律です」などと投稿し、安芸高田市議会の男性市議(59)に閲覧させ、脅した疑いがもたれています。
当時の投稿内容
調べに対し、男は「投稿したのは間違いないが、脅すつもりはなかった。衝動的に投稿してしまった」と供述し、容疑を一部否認しているということです。
RCCが入手した当時の投稿内容によると、男は「安芸高田市の問題市議会議員様」などと書いた上で、何者かが特定の会派を顔写真つきで批判した投稿を引用し、人が生き埋めにされるような動画も添付していました。
これを受けて市議会の会派は、警察に被害届を提出していました。
安芸高田市議会 大下正幸 議長 「逮捕されたので、ひとまず安心だが、XやYouTubeへの投稿は、気をつけてほしい。完全に恫喝ですから」
被害を受けた男性市議はRCCの取材に対し、「冗談半分でSNSに書き込む人もいるが、傷つく人間がいる。家族がいるということを自覚してほしい」とコメントしています。
男と男性市議に面識はないということで、警察が事件の詳しいいきさつを調べています。
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広島市2024年度当初予算案発表 広島駅南口広場の再整備は大詰め、新サカスタ隣接の広場エリア開業へ(中国新聞)2024年2月7日
広島市が7日に発表した2024年度当初予算案は、街の姿をどう変えるのか。主な大型事業をみた。
【地図と写真】広島市の主な大型事業と予算額
■広島駅南口広場再整備
JR広島駅南口広場(南区)の再整備が大詰めを迎える。前年度とほぼ同規模の予算を確保。25年春に開業予定の新駅ビル2階に高架で乗り入れる路面電車の新ルート「駅前大橋線」を完成させる。駅と周辺のビルをペデストリアンデッキ(歩行者専用橋)でつなぐ工事も続ける。
■エールエールA館改修
駅南口では新たに、商業施設「エールエールA館」へ中区から中央図書館と映像文化ライブラリーを移すため、改修工事に着手する。1、2、9階フロアの取得予算は23年度に確保済みで、24年度に地下2階の一部と8、10階も購入する。25年度分の予算枠をあらかじめ確保する57億6千万円の債務負担行為を設定。26年度の開館を目指す。
■新サカスタ隣接の広場エリア整備
一方、中区で22年から建設してきたサッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」が今月オープンした。24年度は、民間主導で隣接地に整備中の広場エリアのうち、公園施設となる遊具やトイレの買い取り費用を計上。エリアは8月に開業し、「ひろしまスタジアムパーク」が完成する。総事業費は約285億円に上る。
■広島城三の丸の歴史館建設
近くの広島城三の丸では、天守の収蔵品などを展示する歴史館の建設に着工し、26年10月の開館を予定する。先立って企業グループによるにぎわい施設の整備が3月に始まり、市中心部を巡ってもらう仕掛けを整える。
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【速報】福島第一原発の汚染水浄化装置から放射性物質含む水が漏洩 漏れたのは約5.5トン220億ベクレルと試算【福島県】(FCT福島中央テレビ)2024年2月7日
東京電力は福島第一原発で汚染水を浄化する装置から放射性物質を含む水が漏えいしたと発表しました。
東京電力によりますと7日午前9時前、汚染水を浄化する装置の排出口から水が漏えいしているのを作業員が発見しました。
装置は点検中で、ろ過水で洗い流す作業をしていた際、本来閉めなければいけない弁が16個中10個開いていたということです。
東京電力の試算では漏えいした水の量はおよそ5.5トンで、セシウムやストロンチウムなど220億ベクレルの放射性物質を含んでいる可能性があるということです。
漏えいした水は大部分が土へしみ込んだとみられますが、付近の排水路のモニタリングに有意な変動はないということです。
東京電力は水が漏えいした区域を立ち入り禁止とし、今後、周りの土を回収するなど対応を急ぐとしています。
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東電本社前に来ている。
カナダの島に謎の難破船が出現、19世紀のものか(AFPBB)2024年2月7日
カナダのニューファンドランド・ラブラドル州ケープレイの海岸で見つかった難破船(2024年1月30日撮影)。(c)Corey Purchase / AFP
カナダのニューファンドランド・ラブラドル州ケープレイの海岸で見つかった難破船からサンプルを回収する考古学者(2024年1月30日撮影)。(c)Corey Purchase / AFP
カナダ・ニューファンドランド・ラブラドル州ケープレイの海岸で見つかった難破船について説明する座礁船保全NGO「Shipwreck Preservation Society Of Newfoundland and Labrador」の代表(2024年1月30日撮影)。(c)Corey Purchase / AFP
【2月7日 AFP】カナダ最東部ニューファンドランド・ラブラドル(Newfoundland and Labrador)州でこのほど、19世紀のものと見られる全長約30メートルの船が打ち上げられた。
先週末には考古学者とボランティアのチームが調査のために現場を訪れ、船が海に戻される前に部品を一部回収した。
回収した木製の板や竜骨(キール)部分の金属製の外装材などは、分析のため研究室に送られた。
考古学者のジェイミー・ブレイク(Jamie Brake)氏は6日の記者会見で「木材の種類や年代、金属の組成などを特定したい。分析結果から、いつごろの船なのか、どこから来たのかなどを知るためのヒントが得られる」と語った。分析結果が出るまでには、数か月を要するという。
船は1月下旬、ニューファンドランド島南西端にある公園で発見された。付近の海は浅い水深に岩が数多くあることが知られており、これまでに多くの船が座礁している。州の考古学事務所によると、この海域には難破した古い船が数千隻ほどある。
ブレイク氏は、この海域では、数百年にわたり欧州の船が航行していたと指摘している。
今回打ち上げられた船ついては、2022年にカナダの大西洋沿岸を襲ったハリケーン「フィオナ(Fiona)」の影響で、海底から流されたとの見方も出ている。
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2月7日 20:59 震度4 震源:和歌山県北部 M4.1 深さ約10km この地震による津波の心配はありません。
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namiashi-diary · 7 months
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第54回護法大会 Lascia ch’io pianga ~私を泣かせ給へ~
11月10日(金)能勢浄るりシアターにて、第54回護法大会(主催:豊能宗務所後援:豊能檀信徒協議会)が開催されました。
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今年の護法大会は、ウクライナ人のオペラ歌手であり世界的なバンドゥーラ奏者であるオクサーナ・ステパニュックさんとピアニスト比留間千里さんをお迎えし、ウクライナ支援チャリティコンサートを開催しました。 コロナ禍以来、中止・縮小という変則日程を乗り越え、昨年に続き入場制限無しでの開催が叶い、会場には町内外より300人を超える檀信徒が集いました。
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近年においては、阪神淡路大震災や東日本大震災に代表される激甚災害が頻発し、またこの度の未曾有のコロナ禍の中で、人間の死生観というものが大きく変容しました。
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ついに今しがたまで、自分のすぐ側で元気に過ごしていた大切な人が、ある日突然大波にさらわれ、或いはウイルスに蝕まれて命を奪われてしまう・・私の大切な人は今生きているのか、死んでいるのか分からない。 頭で理解しようとしても、心がその死を認めることを許さない。そんな「曖昧な死」というものに苦しんでおられる方が、今でも大勢いらっしゃると聞きます。
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それでも、あの 得体の知れない、目には見えない ウイルスの脅威に怯え、唯々身を縮めてやり過ごすしかなかった初期の頃に比べると、仏天のご加護と共に、人類の英知を結集した結果、今ではこのように元の平穏を取り戻しつつあります。
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一方で、そんな 神仏の加護や人間の智恵を今最も必要としているのは、悲しいかな人間自身が引き起こした戦争、その戦時下で生きる戦争弱者の人々ではないでしょうか。 そのことには、先ほどの被災者の件と同じく、私たちは常に関心を寄せる必要があると思います。
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当管区眞如寺の植田観樹僧正も仰るとおり、今こんな時だからこそ何かをしなくてはいけない、直ちに何かに取り組まなきゃいけない、そんな思いに駆られつつ何もできないでいる自分を責める人がいらっしゃいます。
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しかし、大切なことは、その苦しみや悲しみに少しでも長く寄り添い、そしてその厳然たる事実をいつまでも忘れないでいること。 死者に二度の死を迎えさせないこと。 一部の人間のエゴのために、尊い命を犠牲にしなければならなかった多くの ウクライナ人、そしてロシア人を忘れることなく、その菩提を篤くお祈り申し上げたいと思います。
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そのようなコンセプトで、本年は遠く身延山久遠寺から豊田慈證布教部長にお越しいただきました。豊田僧正はこの護法大会開催に合わせ、15名からなる布教隊をお連れくださり、開会式に花を添えていただきました。
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ご法話の後には、オクサーナ・ステパニュックさんと比留間千里さんが、ウクライナ人の不屈のスピリットを音楽を通して伝えてくださいました。
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オクサーナさんは、昨年11月の当山御会式にてバンドゥーラ演奏を披露していただいて以来、2度目の能勢となります。 同日、オクサーナさんとともに見事なバンドゥーラ演奏を披露してくれたアナスタシアちゃんは、父が住む戦禍の故郷へ帰国しました。
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オクサーナさんは明日仙台へ移動、比留間さんも明日は埼玉でお仕事。大仕事の合間を縫って、小さなコミュニティーでの触れ合いを大切に思い我々の要請に応えてくださいました。
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音楽は素晴らしい!
素晴らしい音楽を、自在に奏でる選ばれしアーティストは誇らしい!「奏」という文字が伝えるとおり、音楽を万人にすすめ、演じ、成し遂げている方々の取り組みは誠に尊いと感じました。
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迦陵頻伽が舞い降りたかのような・・美しいコロラトゥーラ・ソプラノとピアノから奏でられる妙音。 時に歌い手に寄り添うように・・時に後押しするかのように・・ 互いを思い遣りながらの付かず離れずのイメージは、DNAの二重らせん構造のよう・・・ 門外漢には比喩的な例えしか思い浮かばなかったけれど、心地よい非日常のひと時に、私は舞台袖であふれる涙を拭うことさえ忘れました。
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そして、今この時も、土砂にまみれ、黒煙に遮られ、砲弾に傷つく戦禍の人々に届くこと叶わずとも、我々のようにアーティストのメッセージに奮い立った者一人一人が、たとえ小さな一歩でも踏み出すことで必ずやムーブメントになる。音楽にはそんな力があると、確信しました。 大切な人を失った戦地の人々を想い、私からのリクエスト「私を泣かせ給へ」をはじめ、アンコールを含む全12曲。 当に、魂のステージでした。
「汝、すべからく一身の安堵を思わば、まず四表の静謐を祈るべきものか」 私たち僧侶は、世界(四表)の安穏(静謐)のために祈り、行動して参ります。
   Слава Україні! Героям слава!
Program Note
Oksana Stepanyuk presents Charity Concert
ピ ア ノ : 比 留 間 千 里
🌻オペラ 「ノルマ」より  ベッリーニ作曲   清らかな女神よ
🌻オペラ 「リナルド」より  ヘンデル作曲      私を泣かせ給へ
🌻ピアノソロ 映画「ひまわり」より  ヘンリー・マンシーニ作曲   テーマ
🌻キーウの鳥の歌 ビラシュ作曲
🌻うぐいす クロピニツキー作曲
🌻私のところへ来ないで下さい ウクライナ民謡
🌻メロディー スコーリク作曲
🌻ミュージカル 「サウンドオブミュージック」より  リチャード・ロジャース作曲 サウンドオブミュージック
🌻ミュージカル 「マイ・フェア・レディ」より  フレデリック·ロウ作曲 踊り明かしたい
🌻ヴェニスの謝肉祭 ベネディクト作曲
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
🙏E N C O R E🙏
🌻見上げてごらん夜の星を
🌻ふるさと
全12曲
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awajibaikundo · 10 months
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仏様、人間お中元食べ物でさ迷わない
喜ばれるお盆のお線香ろうそくギフト
8月13日(日)
迎え火 新盆の入り〜
8月14日(月)から15日(火)
中日
8月16日(水)盆明け送り火まで
お盆には大切な先祖の霊が帰ってきて子孫と共に過ごすといわれます。親しかった人たちと一緒に、過ごすひととき。仏様なくならない、なくせない【日本の美しい風習】です。
お盆に仏様のお食事お線香乗せてお迎えする。
お食事照らすろうそく。
彩りの花。
おちついて過ごしてもらうお経。
仏様が帰ってきて沢山の仏様のお食事お線香が並んでいますと喜ばれます。
中でも仏様のご馳走願いを叶う神仏お好み甘茶香をおすすめ致します。
お線香ギフト
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線香ろうそくセット
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お釈迦様のように仏教徒は六道を越えて七歩む良い世界へ旅する仏様のお供えものにはもちろん仏様のお食事お線香。
お中元では中々いただけない、令和に相応しい厳しい寒さに紅白の花を新春1番に咲かせる梅を賞賛するような伝統の土台、高い存在に捧げるグルメなこだわりお線香。
さ迷ういけにえのような動物の肉ではありえない、失礼しないでつつしんで拝むお線香のような環境がいただけます。
奉拝、仏様のご馳走甘茶香は神仏お好み差し上げ良いご縁ができる。
その場を浄化し、つい内に魔が射す入るのを防ぐ盾の魔除け、外から寄ってくる悪霊退散させる剣となる内と外を御清め。
神仏に好まれる清浄、仏様の好物六根清浄をいただけます。
神仏お好み甘茶香は神道の方もお使いいただけ、神楽の振る舞いのように天上界から注がれる。
知らずについた厄・災難、不浄を洗い流す浄化のお清めお香になります。
仏教以外の人も邪魔臭い、面倒臭いと蓋をせずに、社寺にお参りする前に、お祀りする前に前もって甘茶香のお香浴で神仏に好まれる様みそぎをするのもしている人は上手くしている一手です。
家庭にお力を授かるパワースポットができます。
何かしてあげたい!どうすれば喜ばれるの?
今は亡きあの方へ
お世話になった彼の方へ・・・
いくら好物を供えてあげようと今はもう好きとも嫌いともご先祖様はいいません。
現在、生きている私達はお金を出して 好きな物を手に入れ、楽しみ、喜び、食する事をしています。
仏様の好物は何でしょう?
それは自分のことはいわず他に利する香・花・灯だそうです。
香は信心の使いといわれ、仏様を迎えるお盆に乗せるお力を授かるメインディッシュ。花は彩りの飾り、蝋燭は照らす明かり。
中でも【甘茶香】(アマチャコウ)は【仏様のご馳走】といわれ、相手に気と心を配る、使うそのお心遣いご配慮に心から有り難うと喜ばれ【願いを叶う】といわれます。
わがそのままのわがままな振る舞いに美しく化粧する神様も子孫も安心の伝統の土台、供養になる神楽の振る舞い。
ご仏前にお線香のお供えを差し上げてみてはいかがでしょうか。
不幸があった人にも一隅を照らすような良いご縁が広がります。
【全国の初盆・お盆の前にお線香をお供えしましょう】
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淡路梅薫堂
兵庫県淡路市江井2845-1
0799-86-0065
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tutai-k · 1 year
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年が明けた
大晦日の夜、日付が変わる前に就眠するようにしている。 これは高校生時代からの習慣だ。ホテルを中心とした接客業をやっていて、土日も年末年始もない暮らしをしていた。ずっと、土日や年末年始の休日があるひとがうらやましかった。休日の「楽しさ」や「癒やし」は、土日も祝日も年末年始もない暮らしをする人たちに支えられている。だけど、土日や祝日や年末年始の「ある」ひとたちは、土日や祝日や年末年始の「ない」ひとたちの生活にはじつは消費という形でしか直接的には関わっていなくて、「ある」ひとたちは、「ある」ひとたちを消費することで「楽しさ」や「癒やし」を得ている。 その不均衡を、わたしはやっぱり許せないと思うので、土日や祝日や年末年が「ある」ひとになってからも大晦日から元日の浮かれ騒ぎをこのましく思わない。 その時間に働いている人のことを思いながら(申し訳なく心苦しく思いながら)、さっさと寝るようにしている。
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30日は、新しい仕事の相談会に行っていた。 繰り返しになるが本を作る仕事をすることになった。本を作ること、(下手をすれば)人から原稿を預かることにすら慣れすぎているわたしにとって、「はじめて」のひとたちと接することは、いろんな発見と「思い出し」がある。大切に本を作っていきたいと思う。 おひるめしに用意してもらったキーマカレーがとてもおいしかった。ほんとうはおひるめしには予約が必要そうなのだが、予約の方法がよくわかっていないので、こんどちゃんと聞いてみて、必要なときは事前にお願いできるようにしておきたいと思う。
その後は、ウェブ会。ひさしぶりに顔を合わせる面々とおしゃべりを楽しんで、久しぶりに飲み過ぎた。 なんだかくだを巻きまくっていた気がするが、無礼なことを言ってしまっていないか不安すぎて不安だ。 「わたしたち、2016年のときには一緒に貝を焼いていたんですよ」とTwitterを遡って話をしていたのを覚えている。文芸イベントで出会って、一緒にお酒を飲んだりするような関係が六年も続く、それもイベントに出られなくなった情勢でも……と思うと、感慨深い。 飲み過ぎたので、通話を切ってからそのまま寝落ちしたようだ。目が覚めたら、弟たちが帰省してきたときのために用意していた蒲団と毛布にくるまっていて、目の前に空の酒瓶二本とパソコン二台、マクドナルドのゴミがあった。 前後不覚になって寝床にたどり着けないなんてのは二十台前半ぶりだ。あのときは外で酒を飲むのが普通だったので、家に帰り着けずに、家の前の空き地で目覚めたりしていた。蚊にめっちゃ刺されていた。
そんなだから大晦日の午前中は二日酔いだった。「墓参りくらいはしろ」と言われていた墓参りも免除されて、こたつで延々と寝ていた。 ケーキを買いに行く仕事があったので、それだけ頑張って起きてでかけた。数の子を買いに行った業務用スーパーでは、閉店三時間前で、店員さんが鮮魚にぺたぺた半額シールを貼っていた。その店員さんを、「めでたいかまぼこにもシールを貼ってくれ」とおいかける客のおじさんがいて、「まだ時間じゃないから無理」と怒られているのを、よこから鮮魚担当の兄ちゃんが「このムツめっちゃいいよ! ムツ買って」と半額シールを貼ってないムツを持って追いかけていた。年末年始だなあ……。ちなみにおととし、わたしは兄ちゃんの手練手管(?)にかかり、大量の牡蠣を買った。そのときは店員さんが半額シールを貼ってくれた。あのムツも半額にしてもらえたのかも知れない。
一日。 ミミズクとチョウゲンボウが出てくる夢を見ていたら、「集合~! 集合~! 浜に行きます!!」と父親にたたき起こされる。 寝る前に父親が初日の出を見に行くとかなんとかブツブツ言っていたような気がしたが、今年も行くのか…。もうお湯も沸かして完全防備の父親が「浜にいかないかん!」と大騒ぎしている。雨の日も風の日も嵐の日も一日一回浜を見に行かないといけない人間なのだが、年末年始は一日二回も三回も浜を見に行く。 母親もたたき起こされて全員で漁船に乗って薄闇のなか沖へ出港する。 白みはじめた水平線には雲がかかっていて、富士山は見えなさそう。タンカーが横切ってゆく。遠ざかってゆくと、蜃気楼のようにぼやぼやと喫水線の部分からぼやけて浮舟になった。 雲のせいで日の出が遅いので、卵スープを作って飲む。 若いウミネコが船についてきていたので、写真を撮っていたら日がではじめる。 去年も船から初日の出を見たが、そもそもわたしはあまり日の出にも日の入りにも魅力を感じない人間で、やっぱり2023年の初日の出にもあまり感動は感じなかった。鳥が飛ぶと鳥の方に夢中になる。
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朝にお雑煮、昼にそばを食べる。 おやつを食べたい気持ちだったので、初詣がてらでかける。 ぜんざいについていた芋ちっぷすがおいしすぎたので、お土産に買ってきて、帰宅してからは、本当は31日に読み終えるはずだった『雨の島』呉明益を読む。 ネイチャーライティング・フィクションというジャンルらしい。わたしが読みたいものであり、表現したいものがここにある。 終章のサシバの表現がとてもよかった。タカを数えるひとは、タカと目があう経験を、するものらしい。 読み終えたので、30日に買ってきた『苦海浄土』(石牟礼道子)を読みはじめる。本当は年越し読書本になるはずだったのに、読めずに年を越した本になっちゃった……。
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isshinotasuke · 1 year
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camango · 2 years
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22.10.15 - 16
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土曜日
朝食後、友人から借りている高圧洗浄機を使い家の外構を掃除した。今年は雨が多かったのか汚れが凄い。通路脇の砂利もかなり汚れていたので洗うことにした。大きめの植木鉢に砂利を掬い、水をかけてガラガラすると汚れが落ちる。三時間かけてピカピカにした。
ランチ後は車の掃除。BOSEのスピーカーからはSun Raが流れている。約一時間のルーティンでピカピカにした。
掃除を終えた後、妻とCOSTCOに行くことにした。多摩境店に到着したのは16時前。日用品や食料を購入して仙川に戻る。娘に電話すると一人で夕飯を用意して食べるというので僕らは近所の長崎ちゃんぽんで夕飯を食べることにした。どんだけカラシを使うんだよ、と突っ込まれる。
夜はstandardで散髪。散髪後は有間さんとアップで二人飲み。ししゃもが美味くて楽しい夜でした。
日曜日
6時半起床。7時半出発。小田原に向かう。今日は家族でアスレチック体験。山の中で100m越えのジップスライドやターザンスイングが出来るらしい。
東名高速に乗り小田原を目指す。途中、海老名SAに寄ると、駐車場をウロウロ彷徨う老人が一人。妻から声をかけるよう言われたので、車を止めた後、話しかけた。不思議な格好のお爺さん。腕に時計を4つ付けている。自分の車が見つからないらしい。車種やナンバーをしっかり説明出来たので一緒に探すことにした。駐車場の端から端まで見て回ったが見つからない。妻に電話し事情を話すとスタッフを連れてきてくれたのでバトンタッチ。大丈夫だったかな。
随分と時間をロスしてしまったが、気を取り直して小田原に向かう。お爺さんの車はなぜ見つからないのかという話。家族で協議した結果、お爺さんは両腕の時計を使ってタイムワープしてきたということにした。
フォレストアドベンチャーに到着。受付を済ましてビレイシステムを装着し、山に入る。スタッフがカラビナなどの使い方を説明した後、アドベンチャースタート。約二時間かけてコース上の様々なアトラクションを楽しんだ。三人とも泥だらけ。
着替えて箱根、山薬に向かう。14時半ごろ到着し、店に入ろうと思ったらなんと受付終了の看板。終わった、、と思ったら近くに2号店があると分かり速攻で向かった。
山薬2号店。入店してビックリ。回転寿司のようなボックス席がズラリ並んでいる。お茶や水はセルフサービス、注文はタブレット端末と完全に回転寿司。フロアを仕切るスタッフは1名のみ。勝手知ってる山薬と随分違うのでソワソワしながら待っていると席の奥側、間接照明と思っていたアクリル板がサーッと開き、料理がパッカーン登場した。家族で大爆笑。味は変わらず美味しい。凄い振り切り方で最高だ。18時半帰宅。楽しい一日でした。
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bearbench-tokaido · 3 months
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初篇 その十一
北八、悔しそうに、 ���ちょっと待て。弥次さんばかりがなぞなぞをだしては、不公平だ。 俺のなぞなぞにも答えてもらおう。」
北八、考え考え、 「俺のも、ちょっと長いなぞだぞ。簡単に言うとこうだな。 おいら二人の国と掛けて、これを豚が二匹、犬ころが十匹と解く。 その心は、ぶた二ながらキャン十もの。 これをまた、色男が自分の帯をとって、女にも帯をとらせると解く。 またその心は、解いたのに、また解かせるから。 と、掛けてなんと解く。」 弥次郎兵衛、苦笑いしながら、 「ハハハ、確かにこりゃ長いなぞだ。」 「どうだ弥次さん、判らないだろう。このなぞをどうとくね」 と、北八、得意満面。 「これは、物干し台のふんどしと解くんだ。」 「ほう、で、その心は。」 弥次郎兵衛が問い掛けると、北八、自慢げに喋りだす。 「その心は、解いては掛け、解いては掛け。」 二人は、顔を見合わせ、大笑いする。
と、二人は、高笑いしながら歩いていると、まもなく、曽我中村を過ぎて、小八幡の八幡宮も通り過ぎ、酒匂(さかわ)川に差し掛かった。 弥次郎兵衛、ここで一首詠む。
弥次北と 川越し二人で 四人は 酒匂の川で みなで酔うたり
これは、弥次郎兵衛と北八二人と、川越し人足二人で計四人をよったりというのと、酒の匂いに酔うたりの語呂合わせである。
二人は、この川を越えて行く。 その先には、小田原宿の客引きたちが早くも道に待ちうけている。
「あなた方は、お泊りでございますか。」 と、小田原宿の客引きの一人が弥次郎兵衛に話し掛ける。 「お前は、この宿場の旅館のものか。 俺らは、小清水か白子屋に泊まるつもりだ。」 「今夜は、両方の旅館とも、満室の様子でした。 どうぞ、私どもの方へお泊りくださいませ。」
<謎々> 弥次郎兵衛は、その客引きの身なりがこざっぱりしていて、物腰も穏やかなので、ちょっとからかってから、泊まるかどうか決めてやろうと、 「で、貴様の宿はきれいか。」 「はい、それはもう。ついこの前、建て直しました新宅でございます。」 「ほう、で、座敷はいくつあるんだ。」 と、弥次郎兵衛。 「はい。十畳と八畳、それに店が六畳でございます。」 客引きは穏やかに答える。 「ほう、で、風呂はいくつあるんだ。」 「はい。上と下に二つずつ、で、四つございます。」 「女は何人いる。」 「三人ございます。」 「その女たちは、美人か。」 「ええ、それはもう。美しうございます。」
弥次郎兵衛、ますます調子に乗ってきた。 「もしかして、お前さんが、その宿のご亭主さんか。」 「ええ、その通りでございます。」 「道理で、穏やかな物腰だと思った。で、結婚はしてるのか。」 客引きは、戸惑いながらも、 「ええ、結婚しております。」 「で、お前さんのところは、何宗だ。」 客引きは、さらに、戸惑いながらも、 「浄土宗ですが。」 「で、菩提寺は近所か。」 「いいえ、かなり遠方でございます。」 「で、葬式はいつだ。」 北八、客引きと弥次さんを見比べながら、 「おい、弥次さん、いいかげんにしないか。」 と、からかわれたと気が付いた客引きは、ムッとしている。 北八は、弥次郎兵衛を客引きから引き離すと、 「弥次さん、お前もひどいことを言うなぁ。」 「ハハハ、つい、口が滑った。」 と、二人は、大笑いする。
二人は、それよりさらに、歩いていくと、小田原の宿場の中心街に着いたのか、両側の宿の留め女が、いっせいに声を掛けてくる。 「お泊りなさいませ。お泊りなさいませ。」 やかましく呼び掛ける声を聞きながら、弥次郎はしばらく考えていたが、
名物の 梅漬け食ってる 留め女 酸っぱい口して 旅人を呼ぶ
さて、この宿場の名物には、梅漬けのほかにも、ういろうがある。 ここでいう、ういろうは、名高い丸薬で、喉の咳・痰の薬で、現代の仁丹のようなものである。
そのういろうを売ってる店の近くにきた二人。 「おやおや、こりゃえらく、でこぼこした店だ。」 感心している北八の横で、弥次郎兵衛、 「これが名物のういろう店、虎屋だ。」 「どれ、弥次さん、一つ買って見ようか。でも、美味いのかどうか。」 「美味いに決まってら。あごが落ちるくらいな。」 「おや、ういろうってのは、薬か。 俺は、また、名古屋名物のもちと同じかと思っていた。」 「ハハハ。だまされたな。」
ういろうを 餅かとうまく だまされて これは薬だと にがい顔する
と、やがて宿屋に着いたので、亭主は先に駆けだして家にはいりながら、 「さあ、お泊りだよ。おさん、おさん、お湯をとってきなさい。」 と、奥に、声をかける。その声に、奥からこの宿の女房走り来て、 「ようこそおいでくださいました。」 と、そこへ手をつく。
その後ろから、女中が、茶を二つくんで持ってくる。 その間に女中のおさんが、たらいに湯を入れて持って来る。 弥次郎兵衛は女の顔を横目にちらと見て、小声で北八に呼びかける。 「見てみろ。あの女中。なかなかだ。」 そういう弥次郎兵衛の声で、女中を見ると、確かにこれがいい女。 「ようし、今夜は、あいつをものにしよう。」 「ふん、どうだか。それは、こっちの台詞だ。」 と、弥次郎兵衛と北八は小声でやりあう。 「あれ、お前、草鞋もとかずに足を洗うか。」 と、言われて、北八自分の足を見ると、まだ、草鞋をはいたままだ。 「おっと、いけない。ちょっと焦った。ハハハ。」 あわてて、草鞋をとくと、 「いい湯をだいなしにした。」 と、ぼやきながら足を洗い、座敷へ通った。
つづく。
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kana-n2kana-n · 2 years
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旅の続きを投稿。 陸前高田、気仙沼に向かった翌日。 猊鼻渓の川下り船に乗りました。竿だけで進みながら、船頭さんが1時間半ほどで往復してくれます🛥お天気も良くて、めちゃくちゃ気持ち良かった���� そこを後にして向かったのは、待ちに待った世界遺産‼️中尊寺金色堂🤩 行ってみたかった‼️奥州藤原氏、すごいね‼️毛越寺もまた、浄土の教えから造られたという庭園がそろそろ色づき始めて綺麗に池に反射しています😍 話しかけたお坊さんが「金は極楽、幸せの象徴だから」って言ってました。 最後に、その日は仙台まで降り… 牛タンと、隣に座り合わせたおじさんに勧められた三角油揚げをいただきました😋 楽天イーグルスファンの店長さんと、隣に座ったおじさんと楽しい夜を過ごしました😝 つづく… (Ichinoseki, Iwate) https://www.instagram.com/p/Cjy1pv5v6keaPGQh9yEJgPzcdDBc-WnxONkYlU0/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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migeru82 · 2 years
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水戸・いわき旅行 9月8日-9日
弟が3枚余らせていた青春18切符を使い切るため、1泊で福島へ出かけた。当初は双葉町のあたりまで行って原発周辺を見学してくるつもりだったが、前日ほぼ一睡もできず体力に不安があり、そもそも車もないので断念。それは近々車が使えるときに行きたいと思っている。
ぎりぎり間に合う時間に家を出るも、パスモの残額不足という痛恨のミスで予定の電車を逃し、なぜか弟のみ乗車。なんとも言えない残念な気持ちで、北千住にて追いつき、その後水戸で合流。ここで原発は諦め、水戸、いわき旅行のプランに変更。
水戸は、弘道館、水戸城跡、偕楽園(好文亭)、徳川ミュージアムの順で回った。弘道館は、足利学校、咸宜園(日田)、閑谷学校(備前)と並んで、近世日本の教育遺産群ということになっているようだ。水戸学についてほとんど何も知らずに行��たが、徳川光圀の前期水戸学(『大日本史』)から、���川斉昭の後期水戸学(尊王攘夷)への流れを知り、俄然水戸学に関心が湧いた。それにしても、大阪の適塾もそうだが、開国前後の教育機関に感じられる当時のエネルギーには毎度感銘を受ける。
斉昭の方針として、文武一致を強く掲げているらしかったのが印象的だった。慶喜の教育でも、武術、弓術などが重視されたらしい。見学しながら考えた与太話だが、思うにこの文武一致というのには何か健康的で、近代日本の「捻れ」以前という感じがする。開国から終戦にいたる7、80年のなかで日本の武は最終的に粉々に砕かれた。「ペンは剣よりも強し」から「日本の強みは技術と知能のみ」まで、文武の乖離ないし文への偏重は、近代日本の捩れのひとつのあらわれのように思える。
偕楽園内にある好文亭で気持ちいい風を受けながら、しかし時間を気にしつつおやつ。美術館、歴史博物館など複数あったなか、残りの時間で行けるのはひとつだけ。選んだ場所は徳川ミュージアム、だったのだが、これが酷かった。水戸黄門の印籠がある! しかし、以上。で、入館料は破格の1800円である。徳川ミュージアムというくらいだから、歴史博物館的な役割も兼ねていて色々勉強できるのかと思ったが、それはなかった。代わりに最近流行っているらしい日本刀アニメとのコラボでやたら刀とキャラクターが飾ってある。おまけに、最後は職員の方が先にいなくなり(笑) 出ようとすると門が閉まっていた。呼んでも誰も出てこないので、仕方なく塀を飛び越え駅へ。まあ、いい思い出にはなった。
その後はいわきへ移動し、8時ごろ到着。夕飯は旬という魚料理屋。お酒やいわきの地酒だという又兵衛。料理は、ホウボウ、マコガレイ、カツオ、アイナメの刺身4点盛り、海鮮サラダ(ホウボウ)、タコの唐揚げ、どんこの煮付けメヒカリの唐揚げ、お茶漬け、など。全体的になんとなく魚が北っぽい。中でも印象的だったのはどんこで、若干グロテスクな見た目のあの魚がこんなに美味しくなるとは! かなり濃い目の色で出てきて煮方がよく、脂も乗っていた。あと、福島は鰹をいわゆるたたきにせず、皮をひいて刺身で出すっぽい。
翌日、いわきは、いわき市立美術館と白水阿弥陀堂の順で回る。美術館はアーノルド・ローベルの特別展で、これがすこぶる良かった。編集者が鉛筆を入れた原稿が数多く展示されており、言葉数の少ない絵本の文章が散文というよりも「詩」として扱われていることがわかる。言葉数を微調整し、語彙を多少でも平易にしようとしたり。英語圏の校正の入れ方も含めて、色々と興味深かった。Toad and Frogについては別投稿で。常設展は、20世紀後半〜21世紀の作品が20点ほど。素材か技術か、というコンセプト。
昼食は目に入ったところに決め、悩みに悩んだ末に鰹定食を頼むも、失敗。
白水阿弥陀堂は、平安末期の1160年、徳姫という人物によって亡き夫のために建立された御堂で、目の前には浄土庭園がある。周囲を山に囲まれ、お椀状の地形が全体として蓮に見立てられているらしい、という解説を読んだときはなるほどと膝を打った。それにしても建立の経緯がなかなかで、その後平安時代における(というかもはやそれに限らず)「恋」とは......という深淵な問いが芽生えしばし熟考。
見学後はいわきまで戻らず、その一個手前の駅まで歩いて戻り、唯一あった喫茶店(?)でアフォガードを食べ、旅の締めとする。横浜まで戻ったのが9時ごろ。うどんを夕食にして、10時ごろ帰宅。
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年8月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年5月7日 零の会 坊城俊樹選 特選句
金剛の粒となりけり薔薇の雨 和子 鍵穴を覗けば明治聖五月 きみよ 薔薇園のクレオパトラはまだ蕾 秋尚 ひざまづく職人の手に朽ちし薔薇 久 華やかに薔薇から離れゆく女 順子 旧家とは黴の匂ひと薔薇の香と 久 ダイアナと言ふ白薔薇にさみだるる きみよ 避雷針錆びて眠りし夏館 いづみ セルを着て館の手すり撫でてをり 季凜 棕櫚の花待つ洋館の灯は昏く 和子 この薔薇も名の幻を抱き続け 順子 罪深き身をつつみたる薔薇の風 和子
岡田順子選 特選句
セピア色かな夏炉の上の写真 光子 父と子の聖霊が触れバラ白に いづみ 緞通の褪せし撞球室に夏 光子 大滝の水のふたつの光る芯 三郎 裏木戸を守る閂とめまとひと 久 黴の世や蔵に遺作の絵が少し 同 薔薇の夜に抱かれて園の鳥となり いづみ いくつもの薔薇の名を呼びゐたりけり 光子 薔薇を売る男はそつと跪く 小鳥 金剛の粒となりけり薔薇の雨 和子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月9日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
観音の慈悲の眼差し春の雨 中山昭子 春愁や逝きたる友と病む友と ミチ子 奥院に鎮もる神や祭果つ 昭中山子 渓水の音も卯の花腐しかな 時江 田植機の通りて泥の日曜日 久子 幾何学も知らず蜘蛛の囲かけてをり 中山昭子 代掻くや鉄塔揺らし雲揺らす みす枝 仏壇の母と語りし母の日よ 信子 無人駅菜の花一輪挿しの卓 英美子 海色の風を運びて夏来る 時江 とりどりの駄菓子買ひ込み昭和の日 上嶋昭子 粽解く香りの中に母の顔 みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月9日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
北信の山々を背に鯉幟 貴薫 風を呑む園児手作り鯉のぼり 三無 新茶淹れ母と語らふ京都旅 せつこ そこはかと由緒ある家鯉幟 美貴 嫌なことすうと消えゆく新茶の香 美貴 故郷の新茶届きて長電話 史空 鯉幟男児誕生高らかに せつこ 新茶汲む最後の雫ていねいに 美貴 新茶の香部屋にすつきり立ち昇り せつこ 五人目にたうたう男の子鯉幟 あき子
(順不同特選句のみ掲載) …………………���…………………………………………
令和4年5月9日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
奥越の麻耶姫目覚め山若葉 令子 子どもの日少年その日句を作る 同 書き込みの多き譜面や夏浅し 登美子 駆け足も卯月の雨に追ひつかれ 紀子 肩ぐるま手を伸ばしをり藤の花 実加 二輪車のオイル残香夏に入る 紀子 菓子のやう小さなトマト頰張りし あけみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月10日 萩花鳥句会
句友とも会へぬコロナや夏に入る 祐子 育つ子に未来の風を鯉のぼり 健雄 ひとけなく今は昔の多越の藤 恒雄 葉桜や母と集ひしこのホテル ゆかり 甘夏の里は潮風吹くところ 陽子 葉桜を揺らす影なし廃校舎 明子 葉桜の土手お揃ひのユニホーム 美恵子
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令和4年5月12日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
ウクライナいつまで続く五月闇 由季子 母の日に思ふ後に父もゐて さとみ おしやれする気持ちかき立て更衣 同 麦秋や大河一筋地を分ける 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月12日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
湯の句会 第一回
ご機嫌の鶯老を鳴きにけり かづを 若葉風光となりて消えゆけり 同 雨意去りし故山に鶯老を鳴く 同 問ひかけに長い返事や暮れの春 和子 黄金の麦田後へ三国線 同 絹ずれの音や女将の裾捌き 雪子 群青の海深くして沖朧 希
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月13日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
湯の句会 第二回
境内に浄土思はす白牡丹 希 巫女が舞ふ白きうなじの祭髪 同 日本海見えゐる岬卯波寄す 同 夏立つや虹物語ある町の 匠 雑談に疎き耳なり宿浴衣 清女 宿の名に謂のありて花菖蒲 千代子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月13日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
チューリップ幼き我に連れ戻す 佐代子 海彦へ浜の茅花野風に伏す 都 廃線の駅名標に花菜雨 宇太郎 風を待つ鯉幟眼を天に向け 佐代子 葉がくれに花見つけたり朴散華 すみ子 虞美人の涙のかたち芥子坊主 美智子 配膳車筍飯の香を乗せて 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月14日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
野仏の錫􄼺の錆姫女菀 亜栄子 木陰抜け風の広ごる麦の秋 秋尚 枡形はなべて大樹や寺若葉 百合子 竹林を暗め卯の花腐しかな 秋尚 鯉のぼり色塗り分けて切り抜いて 白陶 母の日は父の寡黙の思ひ出も ゆう子 母の日の遺影の母は凜として 多美女 雨に濡れ向きそれぞれの竹落葉 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月15日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
頰杖の墓美しく新樹光 慶月 木の朽ちて大蛇めきたる翳り沼 文英 あぢさゐの色ととのはず人逝けり 葉月 黒南風や樹霊を浸す水の音 千種 蜘蛛の糸聖観音の背中より 慶月 鎌倉へ羽蟻を運ぶ蟻一つ 久子 青梅の転がる坂の下に句碑 要
栗林圭魚選 特選句
朴の花真白き命天に置き 三無 大空を水馬飛ぶ池の面 軽象 ひとつづつ落つる準備のえごの花 秋尚 稲毛氏の寺門はひそと朴の花 芙佐子 錆びゆくを天へ曝して朴の花 要 母の塔新樹の風に集ふ人 ます江 翡翠の帰りを待たず水流る 久
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
口笛の鳴る子鳴らぬ子揚げ雲雀 清女 一匹の蟻に従ふ千の蟻 英美子 魚釣る女子学生の夏帽子 千代子 三代も待ちし男の子や鯉幟 みす枝 新緑を塗り重ねたる昨夜の雨 かづを 金色の観音像や夏近し 和子 ロシアより卯波来るかと若狭湾 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月18日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
母の日や吾子は二人の母となり 千加江 葉桜や葉室麟よむ木陰あり 令子 早逝の友かと思ふ春の虹 淳子 母と子の二人だけなる鯉幟 同 花衣母の手を借り着たる日も 清女 麦秋の夕陽をあびて波立ちぬ 笑子 ぜんまいの萌ゆのけぞつてのけぞつて 雪 髢草少し癖毛でありし母 同 春日あまねし万葉の流刑地に 同 鶯や万葉の野を席巻す 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
一輪は少し小さく二輪草 雪 咲き倦みし十二単の紫も 同 人淋し二人静の花の名に 同 新しき鋏で薔薇の手入かな 同 人乗せてふらここと云ふ揺れ様に 同 永き日や動かして見る石一つ 同 人の世に二人静の花として 同 花冷と云ふ美しき夜の色 同 蝶知るや初蝶として待たれしを 同 虹立ちぬ私雨に軒借れば 一涓 町中の道に横切る蛇に遇ふ 中山昭子 羅やピアスに及ぶ愁ひあり 上嶋昭子 噴水のみどりの風に穂を揃へ 世詩明 風鈴を吊りて孤独を紛らはし 同 妊れる女片影寄り歩く 同
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令和4年5月22日 月例会 坊城俊樹選 特選句
十字架はエルサレムへ向け風光る いづみ 青葉蔭ひそと風神育ちつつ 千種 砲口は二度と開かず夏の雲 月惑 風見鶏よりゆらゆらと夏の蝶 炳子 ジーパンへ真夏の脚をとぢこめる 光子 白鳩は夏雲の綺羅として零れ 小鳥 肩上げて走る少年夏の雲 和子 行く先へ一瞬止まる瑠璃蜥蜴 政江
岡田順子選 特選句
花に棲む木霊らしきへ黒揚羽 俊樹 夏霞海峡の橋空に架く 裕章 ジーパンへ真夏の脚をとぢこめる 光子 磔刑のイエスへ舞はぬ黒揚羽 俊樹 舞殿の鈴の鳴るかにユッカかな 圭魚 蓮の葉はいまだ小人が乗る程度 俊樹 靖国の同期のさくらんぼ揺るる いづみ 􄑰􄑰を緋鯉呑みては金色に 俊樹 衛士は今休めの姿勢木下闇 梓渕 教会や十字架雲の峰を生む 和子
栗林圭魚選 特選句
桜の実踏み研修のバスガイド 順子 病葉を掃き寄せ森に戻しけり 梓渕 炎昼の影を小さく警邏立つ 光子 新樹萌え茶室を闇に誘へり 梓渕 万緑の闇に鎮みし八咫鏡 いづみ 山姥の齧り捨てたる桜の実 要 葉桜や雑念払ひ切れずをり 秋尚
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令和4年5月 ��州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
兵の死へ怒濤のごとき冬銀河 佐和 潮の香の茅花流しに出会ふ道 久美子 茅花流しみすゞの海の鯨墓 美穂 捩花や後ろの正面だあれ ひとみ 苺この光沢ベネチアングラス 勝利 夏潮の夕餉にぎあふ漁師飯 喜和 薬玉に風は平城宮より来 愛 茅花流し川向うより蹄音 成子 ビルの窓アルミホイルのやうな夏 ひとみ 離れ難くて飛ばしたる草矢かな 美穂
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令和4年4月6日 立待俳句会 坊城俊樹選 特選句
筍が十二単を纏ひつつ 世詩明 南方に行けば散りたる渡り鳥 同 巣つばめに留守を預けし駐在所 同 風立ちて赤き炎の野火走る ただし 霾るや大名町も片町も 清女 小屋の前若芽探るや茗荷汁 輝一 猫寺に春待ち顔の猫ばかり 洋子 三つ編の少女三人ふらここに 同 蕗の薹仏秘観音在す寺 やす香 乱心の如くさまよひ梅雨の蝶 秋子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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