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#左右対処に並べる
hachikenyakaiwai · 4 months
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【かいわいの時】天保八年(1837)二月十九日:大坂町奉行所元与力大塩平八郎決起(大阪市史編纂所「今日は何の日」)
難波橋を渡った大塩軍は、二手に分かれて今橋筋と高麗橋筋に進みます。森鴎外の『大塩平八郎』には次のように描写されています。
方略の第二段に襲撃を加へることにしてある大阪富豪の家々は、北船場に簇(むら)がつてゐるので、もう悉く指顧の間にある。平八郎は倅格之助、瀬田以下の重立つた人々を呼んで、手筈の通に取り掛かれと命じた。北側の今橋筋には鴻池屋善右衛門、同く庄兵衛、同善五郎、天王寺屋五兵衛、平野屋五兵衛等の大商人がゐる。南側の高麗橋筋には三井、岩城桝屋等の大店がある。誰がどこに向ふと云ふこと、どう脅喝してどう談判すると云ふこと、取り出した金銭米穀はどう取り扱ふと云ふこと抔(など)は、一々方略に取り極きめてあつたので、ここでも為事(しごと)は自然に発展した。只銭穀の取扱だけは全く予定した所と相違して、雑人共は身に着つけられる限の金銀を身に着けて、思ひ/\に立ち退いてしまつた。鴻池本家の外は、大抵金庫を破壊せられたので、今橋筋には二分金が道にばら蒔まいてあつた。(七、船場)
この時の模様は、被害に遭った商人側でも詳細な記録が残されており、たとえば、三井文庫所蔵の史料「天保七年 浪速持丸長者鑑」(写真=コメント欄)には、焼き打ちされた商家に赤線が引かれています。ランク順に並べてみると
鴻池善右衛門(総後見)、三井呉服店(行事)、岩城呉服店(行事)、米屋平右衛門(東小結)、鴻池他治郎(西小結)、鴻池正兵衛(西前頭)、米屋喜兵衛(西前頭)、日野屋久右エ門、炭屋彦五郎、米屋長兵衛、甥屋七右衛門、和泉屋甚治郎、鴻池徳兵衛、長崎屋与兵衛、米屋与兵衛、泉屋新右衛門、紙屋源兵衛、小西佐兵衛、越後屋新十郎、よしの屋久右衛門、大庭屋甚九郎、昆布屋七兵衛、さくらいや八兵衛、平野屋喜兵衛、某
など、25商(店)の名前があがっています。今橋筋、高麗橋筋の商家は軒並み焼き打ちに遇っています。肥後橋の加島屋久右衛門(西大関)はコースから外れていたため難を逃れたようです。
(写真)「天保七年 浪速持丸長者鑑」1837(公益財団法人 三井文庫蔵) 相撲の番付表のように商人をランキングした表で、大塩の乱で被害を受けた商家に赤線が引かれている。三井、鴻池などが被害にあっていることがわかる(三井広報委員会)。
また、諸家の記録から、事件当日の様子や対応策、その後の復旧策を見てみると
(鴻池家)加島屋某筆とされる『天保日記』(大阪市立中央図書館所蔵)では天保八年(一八三七)二月十九日、火見台から望見して「鴻池本宅黒焰大盛二立登、其恐懼シキ事不可云」、幸町別邸めざして落ちのび、そこで加島屋某らが「鴻池於隆君・勝治・和五郎」らと無事出あうところが生々しくえがかれている。和泉町の鴻池新十郎家の記録 『北辺火事一件留』(大阪商業大学商業史資料館所蔵)でも、鴻池本家当主の善右衛門が土佐藩邸、長音は泰済寺、そのほか瓦屋町別荘などへ逃げ、鴻池深野新田農民をガードマンとして急遽上坂させるなど、その被害状況や防衛対策が丹念に記録されている。
(三井呉服店)三井では、同日三郎助高益(小石川家六代)が上町台地の西方寺に避難し、「誠に絶言語、前代未聞之大変にて」と、 ただちにレポを京都に送り、木材・釘・屋根板・縄莚などをすぐ仕入れ、はやくも三月八日に越後屋呉服店大坂店の仮普請完成=開店している様子が詳細に記録されている。(コメント欄参照)
(住友家)住友家史『垂裕明鑑』には、大塩事件のまっただなかで、泉屋住友が鰻谷(銅吹所その他)から大坂城にむけて鉛八千斤(弾丸)を三度にわけて必死で上納運搬したこと、事件による住友の被害として、「豊後町分家、別家久右衛門・喜三郎掛屋敷の内、備後町・錦町・太郎左衛門町三ケ所延焼」に及んだこと、そして住友の親類の豪商としては、「鴻池屋善右衛門、同善之助、平野屋五兵衛、同郁三郎」家などが軒並み“大塩焼け”で大きな被害をこうむったこと等々が、 生々しく記されている。
三井家では、享保の大飢饉の後に起きた江戸における打ち毀し(1733年)に衝撃を受け、以後、食料の価格が暴騰すると近隣に米や金銭を配って援助したり、また飢えた人々に炊き出しをしたりするなど、三都(江戸・京都・大坂)において施行を継続しています。それが、大塩平八郎の乱では標的にされ、襲撃された大坂本店は全焼、銃撃による負傷者まで出るほどであったと伝えています(三井広報委員会)。
儒学者の山田三川が見聞きした飢饉の様子や世間の窮状を日記風に書き留めた『三川雑記』には、乱の前に大塩は鴻池・加島屋・三井の主人らと談じ、富商十二家から五千両ずつ借りれば六万両となり、これで何とか八月半ばまでの「飢渇」をしのげると、「しばらくの処御取替」を依頼していたとあります。同意した加島屋久右衛門は襲われず、三井と鴻池は反対したため焼き打ちに遭ったとも言われています(山内昌之)。
ただし、『浮世の有様』の天保八年雑記(熊見六竹の筆記)には、この話は「或説」として取り上げられており、それによると、「十人両替へ被仰付候処、町人共御断申上候筋有之」とあります。三井はもちろん、鴻池や加島屋にも記録はなく、風評の域を出ないものと思われます。
(参考文献) 中瀬寿一「鷹藁源兵衛による泉屋住友の “家政改革”-大塩事件の衝撃と天保改革期を中心に-」『経営史学/17 巻』1982 三井広報委員会「三井の苦難(中編)」三井グループ・コミュニケーション誌『MITSUI Field』vol.39|2018 Summer 山内昌之「将軍の世紀」「本当の幕末――徳川幕府の終わりの始まり(5)大塩平八郎の乱」文芸春秋2020 山田三川『三川雑記』吉川弘文館1972 矢野太郎編『国史叢書 浮世の有様』1917
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neobakufu · 9 days
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ネオ幕府アキノリ党による100の政策
※内はアキノリ将軍未満による脚注。
🌾 文化・日本語
1. 『双京構想』京都を陪都に。
※ 上皇后両陛下に仙洞御所にお戻り頂く案などから上奏。
2. 文章の形式を国粋化。縦書き・漢数字を基礎に、時間や単位や数理や音楽も日本文化圏独特の書式を考案し漸次移行。
※ 漢数字に関しては画数が多く判読もしにくいため,西ローマ・アラビア数字くらい判読しやすく書きやすい数字用の文字を作ってフォントに組み込んだりを検討。
3. 日本語の電子媒体を刷新。
※ イーロン・マスク氏に会いに行ってXの東アジアの言語を全部縦書き漢数字(言語ごと)に直してもらう事を条件に,共栄圏での法人を作ってもいいと約束。ただし,その情報資産は共栄圏のものとし,資本の移動は認めない。 ※ 拡張かなを拡充し電子媒体に組み込む・体制化した際に方言の言語化も視野に。
4. 都内の外国籍労働者・親族等への日本語や法制に係る教育サービスの展開。
※ それぞれの民族に寄り添った親善団体と連携 ※ 裏で世界共栄���に関わる宣伝を行い、本国に情報輸出させる足がかりとする。😈
5. 都内の宗教共��体の実態把握・公的包摂・共生都市社会の推進。
※ 体制化までの中長期的に各宗教の日本化を試みる方針。
🌾 税制・社会保障・経済
6. 税制改革や都債発行を財源に,実質賃金の上昇率の安定向上(最低でも年3%水準)まで一律で都民税半額。
7. 都営ブロックチェーンの創設・ネオ幕府トークンの発行とサーバー維持管理。
※ 全国電子通貨を想定・通貨の名前は「球」読み方は本名が「たま」,「きう」が普及版。NAMが出典。 ※ いずれ日本円にとって代わる。😈 ※ 我々が全国化した折には武蔵国の地域トークンというか藩札を創設を想定。
8. 都債発行・時限的な商品券等の給付による地域経済振興。
9. 都民や都内に通学する学生への一律奨学金免除。
10. インボイス廃止を国政に提言・特に中小零細企業の事務処理負担を軽減。
11. 濫用的な投資や無軌道な開発,オーバーツーリズム等に因る地価や宿泊施設の価格高騰を抑制。
12. 外国企業等による国土の売買規制に係るモデル条例の策定。
13. 都内の特に大企業の法人税の納税率を向上・財源構成の平等化。固定資産税の累進化。
14. 社会保障費用の逆進性緩和・累進課税の推進。
🌾 教育・学術
15. 公営学生寮の確保・増大。
※ 国際法を典拠に一定の自治権を認める
16. 大学院まで教育全面無償化+困窮世帯向けに塾代含め支援検討。
17. 専門学校等の整理統合・総合大学との連携強化・学生や職員の有益な流動化を促進。
18. 図書館民営化の見直し。知識アクセス・公共教育インフラの維持。
19. PTAの有償化や情報共有・可視化の促進。
20. 教育委員会の体質改善・責任体制の明確化。
21. 都立高校の入試改革の見直し・効果的な外国語教育に転換/無益な学習負担の軽減化。
※ どうでもいいけどほんとに外語やるならマッチング実践とかだわ
22. カルト校則の全面廃止・学生の学ぶ権利や表現の自由を守る。
23. 入学しない大学への入学金支払義務の免除・ルール撤廃を東京から実践。
24. 部活動の地域化・民営化等による教員の負担軽減を都から実践。
🌾 交通・公共施設
25. 練馬─中野─杉並─世田谷区や足立─台東─江戸川区を縦断する都営線路の開拓。
26. 東京都-近隣の港湾に集中投資・世界一の港湾大都市圏を構築。
27. 満員電車の終局的な解消・時差通勤の促進(主に企業向け)や代替手段の公的導入検討。
28. 離島との往復費用の低廉化・人材や投資交流の活発化。
※ 将来伊豆諸島は伊豆の国に, 小笠原諸島以南は小笠原国にする。
29. 16歳未満(中学生)に対しての交通インフラ料金を子供料金にする・25歳以下に対してユース料金の公共交通機関・各商業施設での導入。
🌾 防災・戦時体制を想定した防衛
30. 全国のあらゆる自然災害に対し救援・復興の為の物資や人員輸送が可能な体制の整備。
31. 都内のあらゆる公共設備の耐震化推進。
※ 災害をある程度前提とする伝統的な都市デザインの可能性も検討。
32. 核戦争を想定した核シェルター建設・地下経済圏の構築促進。
33. 災害リスクを見据えた都民や隣接県民(都内の勤労者)向けに食料等備蓄・予備的分配。
34. 官公庁・民間企業に対するサイバー攻撃の防衛体制整備。
35. 東京都の空を米軍から取り戻す・首都圏の集団安全保障体制を見直し。
36. 近隣諸国の紛争や破局的災害を想定した都民の命と経済を守る有事法制・モデル条例の策定。
37. 安全保障や軍需産業分野の研究開発支援・学界に蔓延る偏見の改善。
🌾 恋愛・婚姻等の共生生活・性的少数者支援
※ 現在はヘテロが社会の主体である事を公共に認め(右翼を安心させ), その余裕の下に性的少数者への配慮を行う政治指針を宣言化。
38. パートナーシップや相続法制等に係る性的少数者の権利保障モデル条例の策定。
※ パートナーシップに日本語の造語を与えることを目的に研究会を行う、反動保守国学者や左派リベラルの論客もネオ幕府体制の責任もとで幅広く招聘したい。
39. 専門家や当事者の意見を参考に高齢者向けの公的恋愛支援事業を実験的に開設。
40. 既存の公営マッチングアプリ・ブライダル支援等政策の見直しと再構築。
41. ユース(18-25歳を想定)以下に対してのマッチングアプリ補助制度。
🌾 医療・福祉・地域協同・家庭問題
42. 視力矯正器具や歯列矯正等への保険適用・車椅子や補聴器の価格低廉化。ゆくゆくは無償化。
※ 歯を生やせるようになればすぐ保険適用を検討
43. ひきこもり老人を訪問し地域を協同化・社会的包摂を目指す・若年層のアルバイトで高齢者を訪問しスマホ教室とネット普及・生活状況の実態調査。
44. 民間に甘んじた無料塾・こども食堂等の公営化。
※ 都から職員を派遣して実態調査し一定の基準で認可を行い、その場で謝礼。 ※ その後恒久的に経済支援, 半官半民でネットワークをくみ人的支援を拡大 ※ 定期的に児童虐待や裏社会の斡旋等の有無を潜入調査。😈
45. 実態調査のうえ, 都心や下町に関わらず包括的な訪問診療・介護サービス等を拡充。
46. 学校や社内研修に基礎的な救急救命の教育カリキュラムを導入・相互扶助の日本を再建。
47. 地域交流や文化活動を活性化すべく公立小中学校等の空きスペース活用促進。
48. 既にある公園に遊具を拡充・児童の自由と安全を保障。遊閑地の利活用推進。
※ クレーム処理等は我々ネオ幕府が請け負う。
49. 生活保護の取得要件緩和と生活再建・出口支援。給付付き税額控除の試験的導入。
50. 公共施設から迅速・全面・包括的にバリアフリーデザインを実装。
51. 乞食(路上生活者・野宿者・炎上するだろうがこの言葉を使う,いささかの差別的感情を含まない)の住宅支援事業における不合理待遇(いわゆる「タコ部屋」等)の撤廃。
52. 「禁煙」でなく「分煙」。公共喫煙所の増設と依存症支援拡充。
53. 「帰宅困難家庭」の児童のシェルター確保・拡充。
54. 親の孤立防止。財政的支援やシッター利用・保育所等インフラの拡充。
55. 麻酔科医の待遇改善・拡充による無痛分娩・不妊治療等の普及・無償化を都から実践。
56. ヤングケアラーの実態調査・迅速な支援拡充。
57. 一定期間の債務等支払義務の凍結や世間からの隔絶を許容する「隠遁」制度の試験的導入による自殺予防。
58. 共同親権制度移行後の離婚親や子の権利保証に向けたモデル条例案の策定。
59. 犯罪被害者や遺族の情報秘匿や生活再建支援事業の拡充を都から実践。
🌾 環境・公共衛生・都市デザイン
60. 『江戸東京オシャレ特区』構想・ドレスコードの厳格なサービス業種の方でも自分らしい服装等の表現を保障。
61. 炭素繊維等による東京湾浄化・老若男女が利用可能な東京湾に。
※ 一〇年単位の長期計画で研究会に予算をつけて水質浄化に関わる各方面の専門家と企業に助成を。
62. タクシーや通勤通学バスや訪問介護車両や都内を往来する長距離トラック等に向けた電気自動車等の導入支援。
63. 道路にゴミ箱を増設し収集作業も増員・雇用創出。
※ 『乞食』の方々向けに最低でも3日に1度は湯船に疲れる水準の支援体制を迅速に構築。
64. 都内の樹林伐採ストップ・地域経済や文化に無益な再開発の見直し。国土を守る。
65. 引越しや住宅確保等に係る費用分担による近隣県への移住サポート。
※ 漸次地方都市にも移住サポートしたい・全国化したときに地域を蘇らせる。
66. 主に大企業の都外への本社機能移転・人口とリスク分散を段階的に進める。
67. 排除アート・「座らせないベンチ」の全面撤去。小憩できる都市デザインの再建。
68. ユース(12-25最程度を想定)以下に対して公営美術館・芸術施設の入場料無料化。
69. 路上表現・アーティスト等に向けた道路使用許可申請等手続きの簡素化・拡充
70. 官民連携で路上ライブ・イベント等を充実させ,『解放区』の乱立。
🌾 動植物
71. 動物殺処分0の次は都から始める愛玩動物の生体販売全面禁止。
※ ペットショップの店員かわいそうだから動物病院とか生物学研究所に転職もさせてあげて。そのために予算つけよう。 ※ 日本固有種の生物種は緩和したさがある,というかその系統を維持するための研究会や国家機関創設を提唱したい。
72. 特定外来種や有毒の微生物等の実態調査・飼育手段の包括的なデータベースを策定し公開。
73. 生物学系の人材活用・医療分野との連携を強化。
74. 孤立対策に動植物との共生を促進・AI利活用で安全・安定的な飼育体制を提供。
🌾 宇宙開発
75. 軌道エレベーターや公共/民間通信衛星等を想定した宇宙産業への公共投資。
※ 東京から日本〜東南アジアをまたぐ測天衛星網(GPS)を提唱
76. 核融合発電技術への積極的公共投資。
※ 戦時を想定した燃料備蓄
🌾 食糧自給・安全保障
77. 家庭菜園や地域農産・地産地消の促進。
78. 種苗法改正の見直し・食文化の保全。
※ 戦時を想定した食料備蓄
79. 酒税法の見直し・どぶろく文化を再興。
80. 生レバーやユッケ等の規制緩和。
81. 依存症対策や飲酒強制の予防規制を条件に, 飲酒解禁を18歳に引き下げ。
🌾 労働市場制度
82. 新卒一括採用の見直し・企業や経済団体等への協力要請。
83. 官公庁や民間企業の採用基準にポスドク枠拡充。
84. 生涯学習・リカレント教育普及に向けた労働市場改革。職業訓練給付や実施企業への支援等の拡充。
85. 様々な産業分野の企業に対して有給や育休利用の促進。
🌾 汚職・職権乱用の防止
86. 地方議会における縁故的な役職(選管等)の選定過程・給与等の見直し・再編と代替的職務の用意。
87. 刑事収容施設や入管施設内での侮辱や虐待や差別的待遇の実態調査・迅速な改善。
88. 市民オンブズマン制度の創設・拡充による第三者目線の地方議会の監査強化。
89. NPO法人設立や生活保護申請・政治団体含む会計監査の厳格化・責任体制の明確化。
🌾 表現・報道の自由
90. 小池都知事が実施していた様な一部のマスコミやジャーナリスト等の排除に反対・報道と表現の自由を守る。
91. 『表現の自由』の前提として,エンタメ・出版・コンテンツ業界���投資拡充・且つアーティストの食い扶持と表現の場を守り,層の厚さを維持。
92. NHKの過剰な集金を規制・困窮世帯の債務免除・公共の利益となる基礎的なコンテンツは保障するが国民の無償・平等な『知る権利』に配慮。
🌾 スポーツ
93. 『マイナースポーツに光を』・Eスポーツ含む多様な体育会系コンテンツにも積極的に投資。
94. 身体に障害を有する方々が主役であるパラスポーツ分野に投資拡充・宣伝を強化。
🌾 その他
95. 小池都知事の財政調整基金の使途・費用対効果について徹底的に監査。
96. 小池都知事や森本首相も関わる東京オリンピックに関する利権構造や裏金・役員の不審死・作業員の過労死等の真実究明。
97. コロナ禍におけるエンタメ産業や一部の飲食業界・性産業等への差別的待遇の見直し・適切で平等な補償体制の確約。
98. コロナ禍における緊急事態宣言の手続的正当性・費用対効果を徹底再調査。
99. お気持ちベースの『自粛要請』では無く必要な法整備・責任体制を明確化。
100. 多様な業種の方々に配慮し投票所を26時まで開放・且つ開票日を平日にスライドし行政コストを軽減。
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benibame · 11 months
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最近気になったトランジションを再現してみる
映像を作るうえでささやかながら非常に重要な要素であるトランジション(場面転換エフェクト)ですが、最近いくつかの映像を見ていて気になったトランジションがあったので、それを自力で再現しつつ、その演出の意図などを考えてみようと思います。
①【デレステ】「Nightwear」MV 2Dリッチ【TVアニメ「U149」】【アイドルマスター】
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モーショングラフィックスによる時間差のトランジション。スムーズな場面転換はオシャレさと高級感を感じさせます。左下から右上へ流れるように変化していくことで、時間の変化があることを意識させます。人物の位置や表情が変わらないことからも、同じ時間軸における本人以外の変化という意図が読み取れます。
このトランジションを再現してみます
再現をするためには、なによりよく観察して構成している要素を分析することが不可欠です。このトランジションにおいては2つのひし形が時間差で展開していることがわかります。
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正方形のコンポジションを作成し、その中に四角いシェイプレイヤーを2種類用意します。外側の四角形と内側の四角形は時間差でコンポジションサイズの最大値まで拡大していくモーションをつけました。一見するとリニアで動いているようですが、よく見ると微妙にイージングがついています。やはり滑らかな場面転換にはイージングは不可欠なのでしょう。試しにイージングなしでやってみましたが、やはりどこかギクシャクした動きになってしまいます。動きはわずか7フレーム程度ではありますが、これだけの工夫でも最終的な結果にはかなり影響してきます。
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モーションを作成する前は簡単なのですが、問題はこれをどう複製していくかです。
考えうる最もスマートな方法は、やはり「時間置き換え」エフェクトです。グラデーション素材を用意し、その画像の輝度を基準に時間差で動きを展開できるエフェクトです。先ほど作成したコンポジションをCC RepeTileで複製すれば、レイヤー数も少なく処理も軽いまま処理が完了すると予測できます。
…のはずだったんですが、いくらやっても時間置き換えエフェクトがうまく作動せず、まったく予想通りにいきませんでした。そもそもグラデーション画像では輝度がなめらかで、モザイクエフェクト等で輝度を段階的にしないとうまく作動しません。これが非常に難しくいくらやっても出来なかったので諦めました。
こうなったら最終手段、人力ですべて配置するという方法が残されています。結局この方法を選びました。レイヤー数はかなりの数になりましたが動きは単純だったので処理はそこまで重くなくて助かりました。時間差の動作もレイヤーをずらして目視で確認しています。なんだかんだこれでいい気がする。
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完成したものがこちら
速度は元動画よりすこし遅めにしています。展開のタイミングなどすべてが一致しているわけではないですが、ほとんどの要素は同じになるようにしています。
人力で並べているので隙間がないか心配でした。今考えるとここでCC RepeTileを使って並べた後にコンポジション自体を回転させればよかったかなと思います。
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実際に映像として使用してみるとこんな感じになります。トランジションとしては一見複雑な動きに見えますが、モーションとしては2種類の四角形の拡大という非常にシンプルな要素で構成されています。
左下から右上へのワイプモーションの一種とも言えるトランジションですが、このような工夫でまた違った印象を与えることができ、単純な場面転換においても印象を残すことができる。特に元ネタはキャラクターのポーズ自体は動かず、背景やライティングが変化します。こういった変化への導線として、かなり有用であると思います。
デレステ2DMVはこのような細かい演出にこだわりが強くうかがえる映像が多いです。これについては以前の記事で解説しています。
【モーショングラフィックスから見るデレステ2DリッチMV】
②音MAD DREAM MATCH -天- 出場者告知
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2023年9月に行われる音MADのイベント告知動画。その出場者紹介映像におけるトランジションです。最初はキャラクターは黒地で隠されており、右上から左下へ四角形に分割される形で全容が見える、という流れになっています。
これを最初見たときは「カードワイプを使ったのかな?」と思いました。見た通りレイヤーが四角(カード型)になって消えていくので、おそらくそうじゃないかと予想しました。編集ソフトを長く使っていると映像に使っているエフェクトがおおよそ予測できるようになりますが、これは逆を言うと分かる人が見ると容易に構成がばれてしまうので、なるべく使ったエフェクトがばれないように必死になってる人もいるかと思います。
再現に挑戦してみると、どうやらカードワイプではなくCC Grid Wipeじゃないかという結論になりました。カードワイプは調整項目が多く自由度は高いですが扱いにくく、CC Grid Wipeであればシンプルな項目で似たような結果が得られたので、今回はこっちを使用してみます。
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エフェクトの設定ですが、元動画をよく見ると格子状になった四角形が縦・横両方から小さくなっているのが分かります。これはエフェクト内のシェイプの設定によるものです。一見Doorsのように見えるのですが、これはワイプに対して垂直に格子状になるため、タテの列は順序良く小さくなっていますがヨコの列は同じ大きさのままです。
これでは元動画通りにならないので、設定をRadialに変更します。これは中心から円形状にワイプされる設定です。これであればタテ・ヨコ両方から格子状になるためどちらの列からも大きさの変化が発生します。こちらの方がより類似の表現になります。
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完成したのがこちら。使用レイヤーはなんと1枚だけです。
元動画同様、かなり高速でトランジションさせているため正直先述した格子の大きさの変化は明確には確認しにくいです。CC Grid Wipeはトランジションとして使ったことがありませんでしたが、このような「見えなかったものが見えるようになる」場面においてはかなりオシャレに表現できることを知りました。
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実際に映像として使用してみるとこうなります。同じレイヤーを2枚用意し、トラックマットを使うことで再現することができます。
正確に再現できたかと言われると微妙な感じではあります。もう少し全体を小さめにしても良かったかなと思いますが、要素としては類似しているものが出来たと思います。
場面転換とは少し異なる目的でのトランジションですが、確かにこういった場合に使用するトランジションってどんなものがいいのかあまり考えたことはありませんでした。標準エフェクトだけでも高級感のある表現が可能なことを発見できてうれしい。
③スリーズブーケ 「Holiday∞Holiday」 リリックビデオ (ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ)
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映像を作ったことがある人にとっては、静止画素材をメインとした動画は、下手にバリバリ動く映像を作るよりもはるかに難しいことは分かると思います。素材の動きが少ない以上、いかに素材以外の要素で画面に変化をつけ視聴者に飽きさせないように見てもらうか。総合的な知識量が求められるジャンルであるがゆえにトランジションの効果はより重要なものだと言えます。
この動画を作成したのはyama_koさん。知っている方もいるかもしれませんが、メイキングなどを見ると氏は非常に理詰めで動画を作る方です。映像講師をされている人なので論理的に映像を作るのは当然かもしれませんが。
なので今回再現してみる四角形がランダムに登場するトランジションは、一見して不透明度の濃淡によって場面転換されているように思われますが、実際はもっと複雑な処理がされていると思われます。詳細は分からないですが、とりあえず見た目だけでも近づけるように再現してみようと思います。
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大きさの異なる四角形シェイプを3~4種類程度作成し、拡大していくモーションを加えます。本当であればランダム生成をした方が違和感がないと思ったのですが、ランダム生成だと全体が覆われるタイミング調整が難しく、不自然に空白が生まれてしまうことが多かったためやはりここも人力で配置しています。
一応、不透明度にウィグルをかけることで淡い表現を再現してみましたが、いかんせん数フレームしかないためあまり効果は感じられませんでした。気持ち程度に加えておきます。
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完成したのがこちら。最初に大きなシェイプを出し、後から小さめのシェイプを出す、という順番の方が見た目的に自然なトランジションになりました。
不透明度のウィグルがどれほど影響するかは分かりませんが、トランジション後の映像にグローをかけた方が元動画に近くなるような気がします。
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映像として使用してみるとこんな感じ。なんだかふわっとした優しめのトランジションになりました。元動画もそうですが、トランジション後の映像を動かしながら使用した方が効果的だと思われます。
ここまで見ると明確ではありますが、一見複雑そうに展開しているトランジションも、要素を分解していくとシンプルな動きの集合体であることが分かります。しかしシンプルだからこそ場面転換という一瞬しか登場しない時において存在感を発揮できるものでもあります。
旅行動画などによくみられる高速ズームや回転を使用したトランジションとは異なり、今回再現したものはそれ自体を演出として使用していることが特徴的です。作品の雰囲気に合ったトランジションを選ぶことは難しいことですが有るのと無いのでは表現に雲泥の差が生じるため、映像を作るということはやはり細部にまで注意を払わなければならないことが読みとれます。逆に言うとこういった「たかが場面転換」に注目することで映像制作者の意図を読み取り、より映像の世界観に没入することができるとも言えます。こういった映像の楽しみ方もいいんじゃないでしょうか。
プリセットやプラグインで販売しているものも多いですが、工夫すれば自分で作れるのがトランジションのいいところ。また面白いトランジションを見かけたら再現に挑戦してみたいと思います。
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ari0921 · 10 months
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この儘では米国の核の傘は破れるか
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          櫻井よしこ
今月18日、ワシントン郊外の大統領山荘、キャンプ・デービッドでの会見で、バイデン大統領はこう切り出した。
「もし私が幸せそうに見えるなら、それは私が幸せだからだよ。すばらしい、すばらしい会談だった」
左右の岸田���雄首相、尹錫悦大統領を見ながら、バイデン氏は満足そうだった。「ワシントン・ポスト」紙は日米韓三首脳による会談の意義は計り知れない、と論評した。
会談では中国についても論じられたが、キャンプ・デービッド会談は中国を念頭に置いたものではないとバイデン氏は取り繕った。しかし、首脳三人が集結したのは、まさに中国の脅威に単独では対処しきれないと考える米国が日韓両国にコミットさせるためだったはずだ。
「歴史的」な首脳会談では、日米韓の安全保障協力を新たな高みへ引き上げ、自衛隊と米韓両軍の共同訓練を毎年実施し、今年末までにミサイル警戒データのリアルタイム共有を開始し、経済的威圧に対抗するサプライチェーンを強化するなど多くの目標が並び、地域的脅威には日米韓の連携で当たる体制となった。
米国の切望する、軍事面を筆頭とした日韓の幅広い協力体制の形が、一応整った。米国には日韓双方を何としてでも協力させなければならない事情がある。一言でいえば、米国による拡大抑止、核の傘はこのままでは破綻しかねないのだ。防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏が8月11日、「言論テレビ」で語った。
「米国が圧倒的な力を持っていた時代が終わりつつある。中国は2035年には1500発規模の核を持つ。米国の力が相対化され、米中間にMAD(相互確証破壊)と言われる状況が生まれたら、米国の核の傘の下にある同盟国はやや心配になる。これは1970年代に欧州の同盟国が感じたのと同じ不安です」
高橋氏はそもそもバイデン政権の安全保障の論理がおかしいと指摘する。22年10月にバイデン政権は核戦略文書、「核態勢の見直し」を公表した。安全保障環境はどの分野でも悪化していると分析しながら、核兵器の役割は減らすとしたのだ。
核弾頭の寿命は30年
「核抑止の専門家から見ると、米国内も含めて、大丈夫かという不安が拭えないのです」と高橋氏。
米国の核弾頭はいずれもかなり古く、一番新しいものでも1989年製、つまり34年前のものだ。ベルリンの壁が崩れ、冷戦が終わった後は新しい弾頭を作る理由はなかったからだという。だが、核弾頭の寿命は30年と言われている。
「ブッシュ政権のときに、それが大問題になった。で、オバマ政権以降、ピットという起爆装置など、部品の改修・更新を進めました。結果、弾頭の老朽化は今、それ程気にする必要はなくなった。むしろ問題は運搬手段です」と高橋氏は話す。
核戦力は大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と、戦略爆撃機の3つから成る。米国のICBM、ミニットマン3は70年代前半に配備が始まった年代物だ。SLBMのトライデントは80年代、戦略爆撃機で一番古いのはB52、60年代の飛行機だ。
米国は今、ICBM、SLBM或いは潜水艦の近代化を進めているが、完成は2040年の予定である。他方、ロシアの一連の近代化計画は26年の完成を目指す。ロシアが新START(新戦略兵器削減条約)の期限が切れる26年を目指してきたのに対し、米国が遅れをとったのだ。さらに、前述のピットという起爆装置の生産能力が今の米国は非常に小さい。弾頭を増やそうとしても増やせない状況が生じている。
参院議員の佐藤正久氏も語った。
「米国保有の核弾頭は基本的に戦略核です。米国は戦術核を持っていない。だから中国の戦術核に対応するために潜水艦から発射する低出力の核、つまり戦術核を持つべきだという議論が起きて、トランプ政権下で作り始めた。それをバイデン政権は凍結してしまったのです」
ロシアと中国の核に対峙できない状況に米国は立たされている。このような状況がなぜ生まれたのか。欧州ではかつて旧ソ連の通常戦力が圧倒的に強かった。米欧諸国はこれに対抗できないために集団安全保障体制の北大西洋条約機構(NATO)を創り、通常戦力の弱さをカバーするために米国の核を導入した。
他方、今、ロシアが核を使うのではないかと恐れられている。ロシアはウクライナ戦で通常戦力をかなり消耗し、それをカバーするために核に頼ろうと考えかねないのだ。こうして見ると通常戦力で劣勢に立たされた側に、核を使う動機がより強く生まれがちなのが見てとれる。
戦後の極東、日本周辺はどうだったか。米国の海空戦力、つまり通常戦力は圧倒的に強かった。それに中国はどう対処したか。中国が対前年度比二桁の軍事費増額を実践し始めたのは、ベルリンの壁崩壊以降だ。ソ連邦の解体で中国は旧ソ連に遠慮することなく通常戦力の増強に邁進できた。中国は当時すでに米国と国交を樹立し、米国は中国を敵視せず、逆に大いに援助した。
民主党政権は核を使わない
結果、中国は極東における通常戦力で圧倒的優位を築いた。そしてここに来て中国は核戦力も大増産中だ。
ということは軍事バランスの構造上、極東の戦域で台湾有事、日本有事が起きれば、核の使用を考えざるを得ないのは、中国よりもむしろ米国ではないのか。
だが、民主党政権は「絶対に」核を使わないと、高橋氏は断言する。
「すでにウクライナのように、友好国が戦場になっていても、核であれ、通常戦力であれ、(ロシア本土への)攻撃を米国はためらっています。その場合、自分たちでやるしかないですね、ということになります。それは僕たちの側から見れば、見捨てられるということですね」
佐藤氏が付け加えた。
「同盟イコール自動参戦ではありません。フォークランド紛争の時、同盟国のイギリスが米国に軍隊派遣の支援を求めましたが、米国は拒否しています。自分の国は自分で守るということに尽きます」
日本は戦後78年間、ひたすら現行憲法の悪しき平和主義の夢に浸ってきた。どんな時も米国に守ってもらえると考えてきた。いま状況は大きく変わりつつある。その中で、米国の対日観も大きく変化し始めている。日本も安全保障において自立し、米国にとって強い味方であり、支える力になってほしいという姿勢への変化だ。米国は戦後一貫して軍事的に日本の頭を押さえ続けてきた。その米国の日本を見る目が本質的に変わったいま、わが国は米国の意図を正しく把握し、如何にして共に守り合うかを考える時だ。憲法改正は固(もと)より、
安全保障で力強く自立するための方策を、核の共有や戦略的配備を含めてタブーなく議論し、真っ当な勇気ある民主主義国になる時だ。
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monthly-ambigram · 9 months
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2023-10月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「ヒーロー」です◆
今月は参加者の皆様に「ヒーロー」のお題でアンビグラムを制作していただいております。  古今東西のヒーローにまつわる逆さ文字の数々をご覧ください。
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「勇者」 回転型:peanuts氏
勇者といえばヒーローの筆頭ですね。ゲームだけではなく神話においても英雄としての勇者は数多く語られています。 全体を斜めにすることで「勇」のパーツのずれの違和感を和らげています。正統派で王道を行く作品だと思います。ペンで書いたような作字もステキです。
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「正義」 回転重畳型:いんふぃにてぃ氏
正義こそヒーローの行動原理ですね。正義の反対はまた別の正義、という言葉もあり、真実と同じような意味合いを持つ言葉かもしれません。 「正」「義」それぞれを回転重畳型にしています。「回転重畳型×2」として並べることもできましたが、縮尺を変えることで一つのアンビグラムにまとめ上げているのが作者の工夫ですね。
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「英雄」 回転型:海氏
ヒーローは日本語で「英雄」ですね。 英雄という言葉にまつわる作品はいくつか寄せられましたが、まず正統派の回転型です。字画密度の差は「厷」を中心に据えて解決、字画の角度を一定のルールに揃えることで読みやすくまとまっています。
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「必殺技」 図地反転回転型:いとうさとし氏
ヒーローならば必殺技の一つや二つ使いたいものです。 見事な「殺」を中心に読みやすい図地反転アンビグラムに仕上がっています。ドット表現がゲームにマッチしそうで、必殺技を決めるヒーローの背景で光らせたくなるデザインです。
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「自己犠牲」 図地反転型:梅氏
自己犠牲の精神はよくヒーローと共に語られますね。 こちらのデザインは「犠牲」のほうに字画の区切り線があるため完全な図地反転の関係にはなっておりません。その意味で純粋なアンビグラムではないのですが、アンビグラム的表現の一つとして面白いデザインになっており作者の工夫が光っています。
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「大活躍」 回転型:lszk氏
ヒーローならば大活躍が確約されているものなのか、大活躍したからヒーローなのか。 氏には久しぶりに作品を寄せていただきましたが、相変わらずデフォルメした形状による作品が絶妙に読めるバランスで素晴らしいです。本作では翼のような形状が万能ですね。
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「ひろいんとひいろう」 旋回型:kawahar氏
ヒーローとともによく語られるヒロインですが男女の違いだけではなく非対称性がある点は興味深いところ。 氏は多面相旋回型を得意としていますが本作でも六面相に仕上げていて感心します。鏡像と回転により文字が変化する、バランスの調整具合をご覧ください。
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「スーパーヒーロー」 回転型:lszk氏
スーパーヒーローは主にフィクションで超自然的な力を持つヒーロー。人により思い浮かべるスーパーヒーローも違うでしょう。 デザインとしては中央に力が集中していくかのよう。後半「ーロ」の部分の重ね処理を自然に見せるため「パーヒ」の部分も重ね処理をしており、文字列の配置が絶妙です。
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「英雄/色を好む」 振動型:ヨウヘイ氏
「英雄色を好む」とは「英雄は活力にあふれ何事にも精力的に活動するため女性関係も積極的で派手」という意味。英雄ならそれでも許される、というニュアンスもあります。 「英/色」の下部分の処理、「隹/好む」の対応がうまく調整されています。太い文字なので切り欠きをうまく使うことができるのですね。言葉の選択が面白いです。
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「ダークヒーロー」  回転型:mishima氏
ダークヒーローは正義の味方として描かれない主人公でアンチヒーローとも。 ダークヒーローのシルエットをロゴに取り入れていてかっこいいですね。オーラのように燃え上がる形状が文字のゲシュタルトにうまく取り入れられておりステキです。
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「剛烈/疾風」 回転共存型:兼吉共心堂氏
仮面ライダージオウに登場する「仮面ライダーゲイツ」の強化フォーム「仮面ライダーゲイツリバイブ」の二つの変身フォームが「剛烈&疾風」だそうです。 この二つの言葉の相性が良すぎますが、氏の書道風の筆致によりより自然な仕上がりになっていると思います。気持ちよい作品です。
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「響鬼」 振動型:.38氏
「仮面ライダー響鬼」より。 決して近くはない「響/鬼」の二文字の中間点をうまく探し出して仕上げられています。実際のタイトルロゴに似せたデザインなのもよいですね。
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「科学忍者隊ガッチャマン」 図地反転回転型:いとうさとし氏
1974年から放映された変身ヒーローアニメ。タツノコプロの代表作の一つです。 「科学忍者隊」「ガッチャマン」がそれぞれ図地反転回転型の作品になっています。「ガッチャマン」はカタカナで字形を崩すと読めなくなりやすいのですが、しっかり読めるようになっている配置が魔術的です。
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「僕のヒーローアカデミア」 鏡像型:ぺんぺん草氏
ヒーローと名の付く漫画といえばこれでしょう。種々メディア展開された人気作です。 本家ロゴに似せたステキな作品ですね。「僕/デミア」のハマり具合が楽しいです。本家ロゴのテイストでアンビグラム化できるかは運命的なところもあり、奇跡的な作品ともいえます。
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「秘密戦隊ゴレンジャー」 図地反転型:いとうさとし氏
所謂「スーパー戦隊もの」の第一作。集団戦隊ヒーローのフォーマットが第一作にして確立されました。 「秘/密」「戦/隊」「ゴレン/ジャー」がそれぞれ図地反転の関係です。対応付けの仕方に統一性がありながらどの文字の可読性も確保されており、さすが達人の仕事です。
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「シン・仮面ライダー/第1バッタオーグ」 回転共存型:兼吉共心堂氏
シン・仮面ライダーと、それに登場するショッカー上級構成員の対応。「第2~」でもできそうです。字画密度の差がある言葉同士を対応付けようという発想がいつもすごいと思いますし、それを作品に仕上げる力量が素晴らしいです。
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「五右ヱ門」 鏡像型:うら紙氏
安土桃山時代の盗賊の首長であった石川五右衛門、彼を創作材料とした作品は多くその中にはこの表記としたものもあります。 環状配置の作品ですが、上下左右に文字が配置される点が珍しいです。略字の「门」にしているのがぴったりですね。左に45度回転させると隈取のようにも見えてきます。
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「天下人」 鏡像型:.38氏
天下人は全国の政権を掌握した人のことで、ヒーローともダークヒーローとも見ることができそうです。 「天/下人」でシンプルな対応ながらパースをかけたようなデザインにより「天」第2画の短さと「下」の点の突き出しが自然に見えるようにしています。周りにある隠し文字もよいですね。
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「桃太郎」 回転型:オルドビス紀氏
おとぎ話のヒーローといえば桃太郎を連想する人が多そうです。 余る字画がほとんどなく仕上がっているのにも驚きですが、余った分も横画が細い様式と左上優先の法則の活用で全く気にならないですね。美しく素晴らしい作品です。
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「野茂英雄」 回転型:douse氏
「英雄」といえばこちらに発想を飛ばすのも自然。名前もさることながら野球選手としての実績もヒーローといってよいでしょう。 「野茂/英雄」がハマりすぎで気持ちよいです。作字としても最高ですね。ストレートとフォークボールを連想させるモチーフがステキです。
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「さらば一昨日殺人ライナー」 回転型:Σ氏
HACHI(米津玄師)の楽曲「パンダヒーロー」の一節。 巧みな文字組と掠れ処理の組み合わせで文字の切れ目をコントロールしています。中央の「日」を「昨」のひへんの字形と揃えているのは作字面でのこだわりですね。カッコいいです。
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「Q.17 ヒーローを右のコンテナに入れろ」 回転型:いんふぃにてぃ氏
パズルゲーム『Q』より、17問目からの引用とのこと。 180度回転型というのは解き方を示唆している、のでしょうか……? 発想の飛ばし方がさすがです。長い文字列への挑戦もよいですね。
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「痛みを知るただ1人であれ」 回転型:螺旋氏
シン・ウルトラマンの主題歌『M八七』の中の一節。映画の内容にマッチした印象的な歌詞です。 とにかく細かいところの対応をじっくり見てしまいます。特に曲線がきれいに調整されていてので見ていて気持ちよく、カッコいい作品です。
 最後に私の作品を。
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「英雄/悪役」 回転共存型:igatoxin
ヒーローと対立するものとしてヴィランが描かれますが、対極にあるものではないのかもしれません。
ヒーローがお題のアンビグラム祭、いかがでしたでしょう。皆さんの発想に触れヒーローとは何たるものかに思いを馳せ、幾重にも楽しめるものになったのではないでしょうか。お忙しい中 御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は『ゲーム』です。ゲームから連想する語句、ゲームタイトル、ゲームキャラクター、なんでもOKです。締切は10/31、発行は11/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
——————————–index——————————————
2023年 1月{フリー}   2月{TV}        3月{クイズ}        4月{健康}   5月{回文}    6月{本}               7月{神話}   8月{ジャングル} 9月{日本史}  
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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ryotarox · 1 year
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左派のすごいところはこれを善行だと思ってやってる点なんだよな。性別や遺伝による影響などない、みんな平等だと。中世に生まれてたら世のため人のため、善意の心で無辜の民を拷問して魔女裁判にかけて処刑してたと思う。自分が善人だと思ってる人間が一番恐ろしい。
進化生物学者「以前は右派の宗教かぶれに叩かれていたが、今は左派の 政治的正しさ に叩かれている。もはやメンデルすら許されない…」 - Togetter
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遺伝も性別もタブー… 進��生物学者が危惧する「左派からの科学への攻撃」 | ダーウィンもメンデルも“キャンセル”されてしまうのか | クーリエ・ジャポン
──論争になっているテーマは、どのようなものでしょうか? まずは生物学的「性」の否認、それから「植民地主義的」だとされる近代科学と、土着の知識とを並列しようとする運動、人間は遺伝ではなくもっぱら環境の産物であると考える「空白の石板」的思考、ダーウィンのような偉人への批判、人間の行動は自然淘汰の結果だとする進化心理学への不信感……すべてイデオロギーに基づいて為される、生物学に対する攻撃の例です。 これらは2つの信仰に由来します。一つに「人間というものは生まれた時にはまったく同じであり、文化によってのみ人間の差異は説明可能となる」とする考え方があります。遺伝子の役割を過小評価する、遺伝への否定的な考えです。 もう一つは、科学と道徳の混同です。「自然なものは道徳的に善以外になり得ない」という幻想によって助長されています。こんにちでは、こうした論理が逆転することさえあります。政治的に正しいと見えるものは、必然的に自然のなかに見出される、というわけです。たとえば、動物世界を例に挙げて、同性愛を正当化しようとします。しかし、同性愛者が他の人々と同じ権利を持つために、ボノボを引き合いに出す必要は何もありません! ──「生物学的に言って、性は限りなく二元論に近い」とあなたは述べていますが…… ジェンダーの役割の多様性に関心が寄せられている現状、それは私にとっても好ましいことです。もし個人が主張するアイデンティティのことを「ジェンダー」とするなら、人々は自分の欲するジェンダーを選ぶことができます。しかし、男性と女性という生物学的な差異を無視して、ジェンダーの差異を正当化しようとするのは問題です。
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kennak · 1 year
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4096色同時発色をうたったFM-77AVがお絵描きに向かなかった理由、まずは解像度が320x200だったこと。全画面使ってドット絵打ってるみたいなものだ。そしてVRAM容量が96Kbyteに対しフロッピーは2Dで320Kbyte、3枚しか保存できない。しかもVRAMはサブCPUの向こうだ。 そもそもメモリ空間が16bit=64Kbyteの8bit CPUで、その半分はBASIC ROMが占めている。残り半分32Kの更に半分16KbyteをMMUウインドウに当て、サブCPUをHALTして乗っ取る「ダイレクトアクセス」でVRAMを読み書きできたけど、バンク切り替え6回が必要だった。 FM-77AVはVRAMの1ビットが1ピクセルに対応するプレーナーピクセルで、サブCPU空間の48Kバイトを1プレーン320x200=8Kバイトで割ると6プレーン、これが2バンクで12プレーンという「お前…無茶しやがって」なアーキテクチャだった。 先日、アマチュアの方がFM-77AVに移植したというゼビウスの動画が流れていて驚愕したけど、FM-77AVでは画面上のオブジェクトを左右に動かすのが大変だった。パレット操作で6プレーン64色x2バンクの重ね合わせモードを作ることはできたけど、ビットシフトと論理演算を6回反復する必要がある。 FM-7の?YAMAUCHI時代に比べれば楽になったはずなんだけど、8bit CPUの狭いメモリ空間をぶった切って繋ぎ合わせて使うのはやっぱりツライさんだった。X68000ではそんなアホなことしなくて済むんだもの、8bitパソコンが廃れるのは必然の成り行きだった。 それでもあえてFM-77AVを買ったのは、X68000やPC-9801よりまだ安かった理由が1つ、もう1つは8086のアセンブラニモニックには一度挫折していたから。ー「8086プログラミングガイド」とか、インテル純正プログラマーズマニュアルの書き直しみたいな本しかなかったのよ。 MASMの.DATA/.TXTみたいな簡略文法じゃなくて、インテル純正のアセンブラはCODE CS ALIGN 2; ASSUME CS:CODEみたいな謎文法で、その文法の意味を調べようとすると「暗黙的なセグメント・エイリアッシング」とかの謎解説が延々と並んでいたの。 要するにメモリセクションに名前をつけて、リンカーで実行バイナリに落とすときに各セクションの並び順と物理アドレスを付けるということなんだけど、8086ではそれがセグメントレジスタと直に対応していて、実行時に4つのセグメントレジスタが何処を指しているかによって挙動が変わる。 今の処理系ならコンパイル時にエミュレータも同時に動かしてセグメントレジスタ状態を追跡したりできるだろうけど、昔はそんなものはないから、プログラマーがアセンブラの疑似命令で「このセグメントはこのアドレスにあるはずで、ESはここを指しているはずだよ」と教える必要があった。 そしてインテル純正アセンブラの場合、その疑似命令がミニコン時代を引きずった古くさくて難解な文法になっていた。しかも同じことをやるのに複数の方法があり得て、それを「なるべく自動的に最適化させよう」と考えて、デフォルト値を指定したうえで特例オーバーライドが指定できるとかになって… それを原文でSegment OverlayとかImplicit PrefixとかExplicit Overrideとか名づけて、それを「さっぱりわからん」まま翻訳業者が適当にカタカナを当てたのがインテル純正の日本語版マニュアルで、そこから書き起こした8086アセンブリ言語入門とかがわかりやすい筈がなかったのだ。 …というか、8086を使った経験のある人のほとんどはマイクロソフトのMASMで、インテル純正のASM86を使った人は業界人のヤクザでしょ?MDS-86とかISIS-2とかPL/M-86とか知ってるんでしょ?(・ω・)そこのzzさん?!
ウチューじん・ささきさんはTwitterを使っています
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jitterbugs-mhyk · 2 years
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猟犬のゆりかご stray dogs.
 
 その黒い犬は、朝靄のなかにねむっているやさしい思い出をじっと、眺めている。おおきな身体はしなやかで、しるしの星を戴いて、凡庸に立つクリスマスの樅の木のように、朴訥としてどこか盲目な従順、ひとみ燃えるピジョン・ブラッド、星を融かし沈めたくだもの、喉を焼くサングリアの酒精、あらゆる焔に熱はなく、ただ煌々と、しらじらと、夜明けとともに世界の表層が、嘗められてゆくのを感じていた。さあ、朝だ。日が昇り、山肌を温め、空気をかき混ぜ、靄を払って、変わり映えのない日を今日も積み重ねる。羊たちは草を食み、石についたわずかの朝露と、塩分とをちびりちびりと舐めている。彼は眠るためではなく羊をかぞえ、起きだして仕事をはじめた。
 日々の多くは単調だ。どきどきしたり、わくわくしたり、ちょっとした異変や、予想できない天候の変化のたぐいはあっても、まったく思いもよらないことや、出逢ったことのないひと、見たことも聞いたこともない大事件が起きるなどというのは、魔法使いの長い人生においてだって稀なこと。未だ未開の土地も多く、ひとの手の入らない、魔法があったって生きていくのにけして楽とは言い難い南の国は、うつくしく積み上がった石の、白亜の尖塔を天へ向けて聳えさせている雄大なるグランヴェル城を有する中央の国や、華やかなりし芸術の都、花の、音楽の、絵画のそうして演劇の、文化の発展いちじるしい西の国、一年の多くを雪と嵐に鎖されて、自ら持ち得る魔法のみを恃みにし、傲慢で高潔、純粋すぎるがゆえにいっそ邪悪ですらある魔法使いたちに縋らなければ生きてゆくさえむつかしい、しかし凍てつく嵐のはざま、垣間見える土地の峻厳にして繊細なうつくしさは、他の追従をゆるすことはない北の国、それぞれの孤独で互いをぬるく慰め合う、晴れた日の雨のような、いつだって濡れて光っている石畳の東の国、それらのどこより未熟で、純朴、大陸にあってもっとも魔法使いと人間との紐帯たしかな土地である。力を重宝されるのみでなく、単純に、きびしい暮らし向きのなかにあって、それらを区別することに、意味など見出しかねるというのが実際のところだろう。区別して暮らすよりも、助け合うほうがよほど生きやすいのだ。少なくともここ、南の国では。
 開拓と、生活、日々のちいさな積み重ね、森を拓き、山を切り崩し、水を引いてようやく畑に実りをもたらす。まずは明日を、そうしてその次の日を。南の国で未来と云えば、遠いかなたの日々ではなしに、まずは来月、来年の話になる。星を詠み風を視て、やれ今年の収穫はどれだけで、食い扶持はこれだけ、来季に種にするぶんを省いた残��を備蓄と、売って僅かに贅沢にする。暮らし向きはけして裕福であるとは言えなかった。かくいうレノックスも、天候に恵まれず収穫のきびしい年には、そう易くはくたばらない魔法使いであることに胡坐をかいて、いったい何日絶食したものか定かではない。自分はかつて軍人でもあったから、満足に食うこともかなわない強行軍も経験があると請け負って、育ち盛りの子どものいる家に食糧を回してもらった。まったく苦でないというと語弊があるかもしれないが、満足にものを食えずひもじい思いをすることよりも苦しいこと悔しいこと、しんどいことがほかにもあると知っていて、較べてなんということも無い、自分には耐えられると判断したまで。のちに長じた子どもたちはあの厳しい冬、レノックスが食い扶持を分けてくれていなかったらきっと死んでいたと、彼に深く感謝をするのを、けして忘れはしなかった。感謝や、親愛、それらを求めてしたことではなかったけれども。
 羊飼いの職に就いてもう何年になるだろう。そもそもレノックスが南の国へやってきたのは、かつての知己、たったひとり誰より敬愛して、このひとのほかにあるじはないと定めた男、偉大なる中央の国の建国の英雄でありながら歴史の闇の中に消えてしまったファウスト・ラウィーニアの消息を訊ねてのことだった。革命の終局にあって、彼が率い、レノックスも所属していた魔法使いの隊は、手酷い裏切りにあってファウストが火に架けられると、文字通りに旗印をうしない、司令官をうしなって、てんでバラバラに離散してゆくほかになかった。レノックスを含めた数人が、無辜のままに焔のなかで、さいごまで親友を信じていた男の処刑を遠くから見つめていたが、彼らはどれほどファウストを慕っていようとも、彼を助けるために駆け寄ることかなわなかった。
 別段、レノックスは、まさに火に架けられようとするファウストを救うために躍り出て、そのころは影も形もなかったグランヴェル城の裏手、���見高く、興味と、熱狂の渦にのまれて、どれだけ自分が残酷になろうがお構いなしの、詰めかけた民衆を蹴散らしたって良かったし、処刑台のきざはしに足をかけた瞬間に無数の矢で射られたって良かったのだ。
 けれどもできなかった。ほかならぬファウストが望まなかったし、幼馴染の親友と、あたらしい国を夢見て故郷を出てここまで旅をしてきた男が、ずっと人のために尽くしてきた男が、たとえ自分の命を救うためとは雖も部下が人を傷つけるなど許すはずがなかったのだ。それに、今後、彼の部下であった魔法使いたちに類が及ぶのをファウストは懸念していた。すべての罪をひき被り、目立って処刑されることで、部下たちが人に紛れて逃れゆく時間を稼ごうと考えていたのは間違いないし、最後まで彼は、親友がほんとうに彼を火に架けることなどないと、信じていたかったのかもしれない。真に指揮官としてすばらしいひとだった、というのは、彼に心酔し、敬愛を寄せるレノックスのエゴからなる評価ではないだろう。
 しかし無情にも火は点けられ、英雄は自らその片腕を永遠に捥いだ。レノックスは無力だった。焔は、けして燃えやすいとはいえない男の肉のうえを嘗め尽くし、花のように、星のように、うつくしく燃え上がった。ぱちぱちと爆ぜる音の響きは懐かしくさえある。行軍中の、けして快適とは言い難かった野営の火を囲んで談笑し合う仲間たちに、人間と魔法使いの区別などなかったあの夜、あかるいすみれ色のひとみに、若い希望が輝いていたあの夜、ぱちぱちと爆ぜる篝の火に、誰もが横顔に陰を濃く落としていた、あの夜、たしかにこの人に追蹤ていこう、どこまでも、いつまでも、決意した、あの夜! 同じ音を立てて、愛した男が死に瀕していた。
 レノックス・ラムはただ佇むだけの唐変木、しるしの銀の星を戴くこともできない、樅になれない何か、楡か、花楸樹か、ああ、あそこに架けられたのがおれだったなら! そう易々とは燃えなかったろうに。
 
「レノックス、おまえさん、しばらくこの国にとどまってみちゃどうかな? バカンスだとでも思ってさ。どう? なんにもないけど、仕事くらいは斡旋してあげられるよ」
 そういったフィガロの意図はいまだに読めない。穏やかに微笑んでいるようでいて、実際のところは誰のことも愛していない、のみならず、自分自身の行く末にさえ無関心なのではと思われてならないフィガロ・ガルシア、かつて北の国で、今もってなお魔王と恐れられる大魔法使いオズと同門であり、兄弟子として肩を並べたこともあったという男が、なぜ何者でもないもののように振る舞うのか、答えは遠からず死に瀕した、彼の寿命だったかも分からないし、理由などないのかもしれなかった。死を間近にして命を惜しんでいるだとか、ただこれまでには馬鹿々々しくてやる気にもならなかった普通の暮らし、地に足の着いた暮らしというやつの真似事をやってみたくなったのかも分からない。
 なんにせよあの人のことはあれこれと考えるだけ無駄だからよせと、呆れたように、しかしどこか信頼にも似た声音でファウストが語っていたことをありありと思いおこされる。あの革命のさなか、フィガロもファウストの師として、また革命軍のきまぐれな懐刀として従軍していたが、当時のフィガロはまさにきまぐれ、ファウストがあれほどまでに人間と親密で、らしくないのと対照的に、まさに言葉の通りの魔法使いらしい魔法使いだったうえに、彼は革命を見届けることも無くふらり途中で姿を消したのだ。つまりあの短期間でファウストは、師と親友、ふたりから裏切られたことになる。
 はたしてフィガロを頼るのが正しいことであったのか。レノックスにも疑念はあった。しかし数十年、数百年と生きるうち、ファウストの足蹠を追い続けるのも難しくなった。自分が彼になぜこれほどまでに執着しているのか、おそらく明確な言葉では語られるまい。悔恨や、懺悔、つぎの機会が与えられるのであれば今度こそ、死地の果ての果てまでもファウストに追蹤ていくのだと思ったけれど、それらが自分の、身勝手な願いに過ぎないこともまた、分かり切っていた。彼はやさしいひとだから、いつか再会して、過去を詫びて、次の機会を冀ったなら、この愚鈍な、星ひとつ掲げない従者を許してしまうだろう。だからこそ見つからないように身を潜めているのかもしれないが、処刑のあと焔が消えて、そこに輝く石が残されていなかったと聞いたとき、レノックスはどうしても、彼を見つけ出さなければならなくなった。
 しかしながら、彼は決して、みずからを迷子の仔羊(stray sheep)とは呼ばない。右も左も定かでなくて、善悪が一元的なものではないとすでに学んだからには、彼もまた戸惑い揺れる寄る辺ない生きものであったに違いないのに! レノックス・ラムは縋らない。これは彼に信仰がないためではなくて、彼の信ずる神が、彼に縋られ、寄りかかられ、頼みにされるのを良しとしない、ただそれだけの理由であった。まったく、驚くほどの敬虔だ、さもなくば盲信だ、自らを擲ち穿つ、おそろしい自己犠牲の。
 腕をふるい、足を払い、身体をして成す暴力は、実際のところ、彼にとってはさしたる労苦でもなかった。激しやすく、ゆえに寡黙で、ことばのさきに振る舞われる暴力は、先祖伝来、あるいは、顔も見たことのない始祖、名前もしらない女たち、かれらから脈々と、粛々と、継がれてきた血や、歌や、儀礼や、そのほかすべての非科学的で超自然的な、迷信じみたアミニズムのなかに、流れていたかもしれなかった。フィガロ・ガルシアはバカンスなどとうそぶいたが、未だ発展の途上にある南の国で、魔法がなくとも家畜たちを抱え上げて斜面を行くことができ、肉体、精神共に健全で屈強、レノックス・ラムでなければ満たせないいくつもの条件が、彼の人生を、南の国で羊飼いとして暮らすことに引き留めた。ファウストを見つけ出し、そのうえで彼が復讐を望むならその手足になって働いて、あらゆる敵をなぎ倒し、あらゆる悪意と脅威の盾になって死のうと考えたことを、一日たりとも忘れたつもりはなかったが、短い一日も繰り返すうちに1年になり、5年になり、羊は仔を産み殖えたが、拓かれた牧草地は子どもや女、ほかの若い羊飼いたちに譲ってしまって、レノックスはますます険しい山肌に羊を追った。
「レノ、おまえは案外羊飼いの王様の素質があったのかもね」
「冗談でしょう。俺は星ひとつ、満足にかざせない」
 ばかだな、しるしの星なんておまえには必要がないだろう、輝きなんぞなくったって、それだけでかい図体が、どれだけ目立つと思ってる? いたずらそうに笑うフィガロの眸は薄曇りの冬の海に落ちた星だ。きっと怒られるけれど、肩をすくめて鼻でわらうようなその言い草に、ファウストの面影をみつけてレノックスも頬をゆるめた。
 導きの星はもうないけれど、いつかふさわしいときが来るまで、俺はずっと立っている。険しい道を歩んできたひとが、ふとひと息ついて脚を休めるそのときに、広げた枝が安らぎになりますように。
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kotoko326 · 17 days
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紅の深染めの衣色深く
みかつるが主である審神者を探しに黄泉路へ行く話。
「次の作戦が終わったら、三日月宗近をお前の隊の副隊長にしようと思うんだ」
大阪へ出陣前の朝、第一部隊隊長であり近侍でもある鶴丸国永を私室に呼び付けるなり、まだ幼さの残る横顔で審神者が明るい調子で言った。 寒さも残る初春の日だった。袖を通さずに羽織を肩から掛け、折り畳み式の文机の前に審神者が寛いだ様子で腰かけている。そのすぐ傍の火鉢からは、パチパチと小気味よく炭の音が鳴る。 「これまた突然な話だな」 刀としての性か、寒さにはあまり耐性のない鶴丸が、審神者の背後を陣取る形で火鉢に近づき、両腕を摩りながら言った。 主である審神者の生きる時代では「くーらー」なる物があり、これが中々快適なのだが、電気の通らない今居る元禄の時代には、用意できるのは火鉢くらいなものだった。 「突然でもないよ。前々から考えていたんだ。で、その報告が今日になっただけの話」 寒そうにする鶴丸に、審神者が体を半分傾けて灰式懐炉を投げてよこす。 受け取った灰式懐炉から漂う木炭の強い燃臭が、鼻腔にこびりついた。どうもこいつの臭いは好きじゃない。灰式懐炉を両手で包み込むと、ほんのりだが掌にぬくもりが広がる。 浮かない様子の鶴丸をじっと見つめながら、審神者が不思議そうな顔をした。 「何か問題が?三日月は人当たりも良いし、実戦経験はまだ少ないけど第一部隊でも十分通用するくらい強いよ」 「別に問題はないさ。……ただなあ……」 「ただ?」 「いやいや、何でもない」 まだ本丸に来て日が浅い三日月宗近が、鶴丸はどうにも苦手だった。避けている訳ではないが、積極的に関わりたいとも思わなかった。 師弟刀という仲でもあるし、今回が初対面という事でもない。美術品として共に隣同士に並んだ過去もある。人見知りしている訳じゃあない。 本丸では、実直でよく笑う男と評判だったが、鶴丸にはそれが今一つしっくりこなかったからだ。 確かに良く笑うし、人当たりも良い。強いというのも、経験上何となく感覚として知っている。だが、以前内番で手合わせした時は、本気を出さずのらりくらりとかわされてしまった。予測が出来ない男、そう思った。 鶴丸は驚きが好きだ。予測出来ない事が起こるとわくわくするし、それをどう乗り越えてやろうかと熱くなる。 その点では、鶴丸にとって三日月宗近という存在は、何を考えているか分からない、予想出来なくて面白い存在の筈だった。 だが、だからこそ、三日月が苦手なのかもしれないと、鶴丸は思う。 三日月宗近は冷めている。驚きとは、全く無縁の境地に達している様に見えるのだ。一言でいえば、心が死んでしまっているようだった。 なら、いっそ驚かし甲斐があるではないか?そう考える半面、彼と居ると、そちら側へ引き込まれてしまいそうになる気がした。三日月の瞳には、そんな力がある。これは確信だった。 心が死んでしまう事は、鶴丸が一番危惧している事だ。それだけは、あっちゃならない。 「しかし、きみは随分と彼を買っているんだな。いっそのこと三日月宗近を近侍にしてみたらどうだい」 顎に右手を当てて、面白半分で言ってやれば、審神者はむっとした表情になり、鶴丸の正面に向き直るとむすっとした声できっぱりと言い放った。 「それはお前じゃないと駄目だ」 「おやおや、嬉しい事を言ってくれるねぇ。それまたどうしてだい?まさか俺に惚れているなんて言う訳じゃないだろう」 「お前を見ていると、昔貰った千羽鶴を思い出すんだよ」 「そりゃ何だ?」 軽口をするっとかわした主の思いもよらない返答に、鶴丸はきょとんとした。 「折り紙の折り鶴を、文字通り千羽作って糸で綴じて束ねた物だよ。鶴は長寿のシンボルだろ?病気快癒や長寿の俗信があって、床に伏せてる人への贈り物として好まれてるんだ。って折り紙から説明しないとダメか」 そういうと審神者は、懐から四角い手拭いを出すと器用にそれを畳んでいく。すると、みるみる内にそれはただの手拭いから見事な鳥の形になった。ほう、と鶴丸はため息を吐いた。 「こういうの。本当は和紙で作るんだけど」 ピン、と、両翼に当たる部分をひっぱると、鶴丸に良く見えるように掌に乗せて見せた。 「こいつは驚いた!人間ってのは器用なもんだ…成程確かに鶴らしい」 「あはは、まあね」 素直に感心する鶴丸に、審神者が微笑む。それから、真面目な表情になってどこか遠くを見る目で言った。 「昔さ、事故に遭って死にかけた事があるんだ。その時の事は、正直あまり覚えてないんだけど。目が覚めた時、病室に真っ白い千羽鶴が飾られていたんだ。縁起が悪いからって、ご丁寧に首が折られてない奴がね。本当は折るのが正解らしいけど、嬉しかった」 「……きみは慕われてたんだな」 「そうだね。まあ贈り主に再会する前に、面会謝絶のままとんとんと審神者になったんだけど」 軽く肩をすくめて見せた後、昔話だと笑う。 鶴丸も主の立場を深く知っている訳ではないが、時の政府とやらは結構強引らしい事が感じ取れて、権力者というのは何百年経っても変わらないのだなと、心の中で嘆息した。 「それで?その千羽鶴が、中途半端に鶴らしい所が俺を思い出すってのかい?」 「ああ、違う違う。縁起が良いなあって思うんだよ。鶴丸は時々変に卑屈になるね」 別に卑屈になった訳じゃない、言えば向きになっていると返されそうなので、言いかけた言葉を喉元に留める。 「縁起が良いから、お前を近侍にしたいんだよ。僕を死地から連れ出してくれた、真っ白な千羽鶴みたいにね。それに鶴はめでたいだろ?」 「あっははは、験担ぎって訳か」 「そういうこと」 にっと笑う審神者に、鶴丸もつられて笑う。 この人は、相も変わらず何の迷いもなく俺を鶴だと言ってくれる。鶴丸は、灰式懐炉のじんわりとしたぬくもりが心の中にも広がるような心地だった。 「と、そろそろ出陣の時間だね。三日月の話は作戦が終わったらまた話すよ。相変わらず僕は本陣で待機だけど、戦果を期待して待ってるよ」 懐中時計をちらりと見て、審神者は鶴丸に顔を向けて再び悪戯っぽく笑いかける。 「ああ、驚きの結果をきみにもたらそう」
時は元禄から慶長一九年、大阪冬の陣。 歴史修正主義者率いる江戸改変大坂方面家康暗殺隊に対して、鶴丸率いる第一部隊は、形勢不利に陥っていた。 大口を叩いておいてこの様だ。だが、本陣まで追い詰められての隊長同士の一騎打ち、鶴丸は負ける気がしなかった。小傷は負ったがまだまだいける。 ちらりと背後に控える総大将である主を見やれば、険しい面持ちで一騎打ちを見守っている。 主である審神者と一瞬だけ視線を交わすと、鶴丸は「任せておけ」とニッと口元に笑みを作る。 それに一拍子遅れて、審神者の表情が少し和らぐ。意味が通じたらしい。ここで負けたら主の懐刀としても名折れである。 助走をつけながら分身とも言える刀を軽く右手で構え、素早く背後に回り隊長を切り捨てると、鶴丸に届かなかった敵の刃は、空しくその場の地に突き刺さる。 後は敵総大将の首を頂きに行くだけだ。そう思うより先に鶴丸の視界の隙間に入った”それ”に悪寒が走った。 鶴丸の様子に気付いた他の隊員たちが、審神者の元へ駆け寄る。 まずい。どちらも共に距離がある。 「ええい」 軽く舌打ちをし、すぐさま足場近くの地に突き刺さった刀の鍔を蹴りあげる。 回転しながら宙を舞う切っ先がそれの左目に命中すると同時に、甲高い銃声が鳴り響いた。 この時代の物ではない拳銃を握ったまま、にっかりと笑ったそれが、血飛沫を上げながらゆっくりとした動作で倒れる中、鶴丸の背後でどさりと鈍い音がした。 遅かったか!鶴丸が振り返ると、守るべき存在である主が仰向けに倒れ、どくどくと血を流していた。 鶴丸は、さっと血の気が引いて行くのが分かった。 「主ッ!!!」 「きゅうしょは、はずしました……でも……」 鶴丸が駆け寄ると、隊員の一人である今剣が言う。真っ先に審神者の元へ駆けつけ覆いかぶさったらしい彼の衣服は、審神者の血で染まっていた。 「急いで弾を除かないと感染症の恐れがありますね」 傷口に触れながら太郎太刀が静かに言った。 気を失いながらも、呻く審神者の顔色は、平常、色素の薄い鶴丸よりも白かった。それとは対照的に、彼の真っ白な斎服袍は左の肩口から赤に染まっており、これではどちらが鶴か分かったものではない、そう鶴丸は思った。 「……すまん、俺が油断したばかりに」 「いえ、鶴丸。あなたの判断は正しかったですよ。あそこで敵の総大将を討っていなければ弾丸は逸れることなく急所を討ち抜いていたでしょう。これは隊全体の問題です。まさか結界が施された本陣に潜んでいるとは……」 「そこの御仁たち、反省会は後にしてくれないかい。作戦も一応は成功したし、早い所応急処置をして主を本丸へ連れ帰ろう」 今剣の両肩に覆いかぶさる様な姿勢でいた審神者の右肩を担ぎ直し、歌仙兼定が呆れた声で言う。それに続く様に、無言で山姥切国広が、左肩を気遣うように支える。その表情は、何時も以上に暗かった。
(弾は除かれました。今夜が峠でしょう)
本丸の救護班の報を受けた鶴丸は、灯りも持たずに主の部屋の前で立ち尽くしていた。 「峠、か……こりゃまいったね」 障子一枚を隔てた向こう側で、主である審神者は伏せっている。肉体だけが伏せっていた。 確かに息はある、しかし魂とも呼べる気配がなかった。 数は僅かばかりだが、特に霊力の強い刀剣男士たちは、その事に気付いていた。 気付いた者は、皆一様に思う所のある様な顔をして各々の寝所へ戻って行った。だが、鶴丸はその場から離れる事が出来なかった。 今朝方に見た、折り鶴を折って見せた主の顔が脳裏をよぎる。まだ、僅か十数年しか生きた事のない少年の顔。 鶴丸は両の手に握り拳を作り、わなわなと拳を震わせた。 「すまん、主……。俺は器用じゃないから、千羽の鶴は折れそうにない……。だが……」 「鶴丸」 意を決して、その場から立ち去ろうと背を向けたその背後から、たおやかな声に呼び止められる。 振り返ると、灯りを手に佇むように彼は立っていた。 視線の先は、鶴丸ではなく、審神者の部屋だった。彼も事態に気付いたのだろう。 「……遠征から帰っていたのか、三日月宗近」 「ついさっきな」 「そうかい、ご苦労さん。じゃあな」 何処かこの場には不釣り合いな、穏やかな声で話す彼に少し苛立ちを感じながら、さっさと切り上げようと背を向けた。 悪いが、今は三日月の相手をしている暇はない。 が、間髪いれずに三日月に右手首を掴まれる。存外力が込められていて、振り払う事が出来ずにいると、静かな声で尋ねられる。 「その傷で何処へ行く?」 「おいおい、傷を見ればわかるだろう。手入れ部屋に決まっている」 もう一度振り返れば、三日月の瞳とかち合う。 蝋燭の灯りに照らされて鈍く光る、闇夜に浮かぶ青の光にじっと見つめられると、まるで全てを見透かされているような気分に陥る。 「手入れ部屋とは逆方向のように見えるが?」 「……俺は方向音痴でね、ちょいと間違えただけさ」 「とてもそうは見えないが?」 「そりゃお宅の思い込みだろう」 「見た通りを言っただけだ。思い込みなどではないさ」 「それを思い込みって言うんだ。いい加減、この手を放してくれないかい。傷口が痛くて仕方ないんでね。さっさと手入れに行かせてくれ」 「鶴丸」 ばつが悪くなって、鶴丸は、はあ、と溜息を吐きながら空いた手でボリボリと頭を掻いた。 ここで再び言い逃れをしたとして、彼は見逃すだろうか?普段なら、曖昧な笑みを浮かべてはぐらかされてくれよう。だが、今宵はそうはしてくれないであろう力強さが、己の手首に込められていた。 今宵、何故こんなにも三日月が自分に執着してくるのか分からないが、存外この男は強情なのかもしれない。鶴丸は、そんな事をふと思った。 もう一度深い溜息をこぼすと、やれやれと観念したように鶴丸は白状した。 「黄泉の国へ、主を迎えに行ってくる」 「イザナギのように禁忌を犯すのか?」 「ああ」 見つめ合ったまま答えると、鶴丸の右手首に込められた力が、少しだけ緩んだ。だが、まだ解放する気はないらしい。 「……先程太郎太刀は今日が峠と言っていたが?鶴丸よ、それではまるで、審神者が死んだと言っているようではないか。確かに今あの部屋には…」 「おおっと、早とちりは止めてくれ。主はまだ死んじゃあいないさ。だが、主は”あちら側”に居る」 三日月の言葉を遮るように、鶴丸は手首を掴まれたままの手を挙げて言った。 「どういうことだ?」 少し怪訝そうな声で、三日月が問う。 「っと、そうだな……何て言えばいいか……。俺はこうして現世の肉体を得る以前に、主とそこで出会っている。丁度その時、主が黄泉の釜戸で煮炊きしたものを食べようとしていたからな、気まぐれに手を叩いてこちらへ引き戻したんだ」 「それはまた初耳だな」 「誰にも話しちゃいなかったからな。自然の摂理に背いたんだ。石切丸辺りが聞いたら、呆れるか怒るかのどっちかだろうな」 そう言って鶴丸が、少しニヤリと口元を歪めると、 「それはあるな」 三日月が、続く様に袖を口元へ寄せて笑った。 あれほど敬遠してた三日月と笑い合うなどと、鶴丸は少し奇妙な気持ちになり、表情を引き締める。 「まあ、経緯は話すと長くなるから手短に話すが…。兎に角、主は”あちら側”へ引き寄せられやすい体質になってる事は確かだ。だから、一刻も早く迎えに行ってやらないと、手遅れになる可能性がある」 「と、言うと」 「ヨモツヘグイを為す前にって事だ」 黄泉戸契、それは文字通り黄泉の国の食べ物を食べ、黄泉の国の住人になる儀式の事だった。ヨモツヘグイを為した者は、神であろうがあちら側の住人となってしまう。 かつて昔の主と共に葬斂された過去のある鶴丸は、それをよく知っていた。幸か不幸か、鶴丸はヨモツヘグイを為す前に現世へ舞い戻る事になったのだが。 「しかし今から黄泉比良坂へか?」 三日月の知る黄泉への入り口は、本丸からは遠かった。とても人の身では、一昼夜で行ける距離ではない。 すると、再び鶴丸が「誰にも言うなよ?」と、前置きをしてから白い歯を見せる。 「黄泉への抜け道を知っている。行くだけなら時間はかからない。それに俺にとっちゃ遊び場みたいなもんだ、連れ帰るだけなら何の事はないさ」 「……鶴丸、お前、かなり危険な遊びをしているようだな」 「人生には驚きが必要だろ?その一環みたいなもんさ」 実際、黄泉の国の住人を驚かすのは大層楽しかった。これは鶴丸だけの秘密である。 「そういうこった。だからこの手を放してくれ」 白状すべきことは大体白状した、もう良いだろうと、鶴丸がその手を強引に振り解こうとすると、あっさりと解放された。 拍子抜けして三日月の方を見ると、彼は何時もの曖昧な笑みを浮かべながら、口を開いた。 「あいわかった。では、俺も行くとしよう。一人より二人の方が心強いだろう」 思わぬ提案に鶴丸は少しぽかんとしたが、直ぐに眉を顰めた。 「遊びじゃないんだ、ほいほいついて来られちゃ困る」 「遊びで行くつもりはないよ」 「分からないのか?足手まといだ」 明るい調子で言う三日月を睨むようにして、語気を強めて言うが、彼は意に介していない様子で言い返す。 「こう見えても俺は強いぞ?」 「実戦の話をしてるんじゃあない。それに、黄泉への抜け道は俺だけの秘密なんだ。周りに知れ渡ったら、困るだろう」 黄泉の国へ頻繁に出入りしていたことが白日の下に晒されれば、今まで通りともいかなくなる、鶴丸はそう考えていた。それに三日月には、心を許すつもりはなかった。 「戦わぬ戦ならば、俺の方が経験豊富だぞ?それに、俺は口は堅い方だ。秘密は守ろう」 「食い下がるな……理由でもあるのか?」 あまりのしつこさに、そう漏らしてから、鶴丸はしまったと思った。このままでは押し通される。 「……まだ俺は給料分も働かせてもらっていないのでな」 言葉や表情とは裏腹に、彼の瞳は摯実そのものだった。恐らく鶴丸が初めて目の当たりにした真剣な眼差しだ。 無意識に、こくりと喉が鳴る。それから、軽く首を振ってから、三日月の目を見据える。 「どうやら本気みたいだな。分かった…ついて来い」 「あいわかった」 根負けした鶴丸に、三日月は破顔した。
「ついたぜ。ここが入り口だ」 「これはまた珍妙な場所が入り口だな」 「ま、本来は出口みたいなもんだけどな。ここはそのひとつさ」
鶴丸の後を付いて行ったその先は、本丸にある刀装部屋だった。 それから鶴丸が「よっと」と、声を出しながら、本殿の中心に鎮座する鏡を端に退ける。鏡が置かれていた場所は、ただの板張りの床であった。 その後ろ姿を見つめながら、三日月は、鶴丸の傷口から染みた衣服の血が既に黒ずんでいる事を、少し残念に思う。あれが朱色ならば、さぞ映えた身ごしらえであろうと思ったからだ。 三日月宗近は、鶴丸国永に好意を寄せていた。それも、恋の歌を詠う方の好意である。 審神者の気まぐれによる采配で決まる内番で、鶴丸と当たった時も、ついうっかり見とれてしまう程度には、自分は重症らしかった。 刀が恋とはまたおかしな話だが、一目見たその時から、鶴丸のその長く美しい細身の刀身に、自分にはない濃い血の臭いを感じ取り、惹かれた。一目惚れというやつだった。 鶴丸とは、祖を同じくする師弟刀という間柄であり、同じく平安の時代に生まれ、同じくうぶ姿で生き続けたが、片や三日月は、長年見守ってきた主の最期に、ただ一度だけ振われただけの身であった。 血を知らぬ不殺の剣との呼び声は、聞こえが良い。だが、三日月には、そんな己が酷く不格好に思え、鶴丸がいっとう眩しく見えた。あの血の宿る刀身が欲しい。 その点では、審神者は己を刀として振ってくれる。助けに行くには、十分すぎる理由があった。 鶴丸への好意は、現代で言うところの「こんぷれっくす」とやらが由来するのかもしれないが、三日月には、そんな事はどうでもよかった。ただ、戦場で赤に染まる鶴丸をずっと見てみたかった。さぞ、美しい事だろう。 だが、どうにも自分は好かれていないらしい。嫌われてはいないが、距離を置かれている。理由はわからないが、それだけは気付いていた。 故に、今回同行を許可してくれたのは意外であった。我を通してみるものだなと思いつつ、鶴丸は思いの外押しに弱いのかもしれないと、まるで弱点を見つけたようで、少し愉快な気持ちになる。 そう一人ほくそ笑んでいる時だった。 「俺の手を握ってくれ」 鶴丸のほっそりと、だがしっかりとした青白い手が、己に向かって差し出される。 「世話されるのは好きだが、流石の俺もそこまで童ではないのだが…」 少しはにかんで、遠まわしに拒否してみると、鶴丸が面倒くさそうな顔をする。 「……これはあちら側へ向かう時の約束事みたいなもんだ」 「そういうものか」 「ああ。今から俺が言った事は、必ず守ってくれ。俺達は付喪神と言っても、今は人の身だ。下手をすると戻れなくなる可能性が出てくる」 「あいわかった」 何時になく真剣な様子で言う鶴丸に、三日月は、何時もの調子で雅やかに頷いた後、鶴丸の左手を固く握りしめる。その手は、想像以上に薄く張りがなく少々心配になった。 そんな己を胡乱気な目で見ながら、鶴丸は一呼吸置いてから続けた。 「ひとつめは、俺の手を決して離さない事だ」 「この手を離してしまったら、俺の魂ごと引き裂かれてしまいそうな話だな」 ふと、そんなフレーズが頭に過り、口をついて出る。存外この状態は悪いものではない気がしたのだ。 「真面目に聞いてくれ。ふたつめ、何があっても絶対に抜刀するな」 「何があってもか?」 「そうだ。これも人の身である俺たちの約束事だな。黄泉の国の連中は、食い意地の張った奴らが多いが、下手に刺激しない限り手を出しては来ない。勿論手を出して負けるなんて事は思ってないが、今回は主探しが主役だからな」 手を出した事があるのか?と、少し思ったが、敢えて口を噤んだ。これ以上鶴丸を刺激したら、連れて行ってもらえなくなる可能性があるからだ。 「そして、声をかけられても後ろは振り返るな。何があってもだ。破ったらどうなるかは、流石の俺も知らないんでね」 「それで最後か?」 「そうだな、それからこれは後の話になるが……黄泉の国から帰ったら必ず禊を行う」 これについては、神である三日月もピンときた。黄泉の穢れを流すための儀式だ。神は穢れを嫌う。刀の付喪神である三日月も例外ではなかった。そう思うと、鶴丸の血に惹かれる己は、もう妖刀なのかもしれないな、と心のどこかで思った。 と、そこまで考えた所で、ある事に気付く。 「……もしや、怪我もしてないお前が時折、手入れ部屋に入ってるのは……」 「何で知ってるのかは知らないが、そういうこった」 悪びれもせずに言ってのける鶴丸に、三日月は思わず嫣然と笑った。 「さて、覚悟は良いな」 「ああ、出来ているぞ」 合図するように鶴丸の左手を握りしめると、鶴丸が何かを思い出したような顔をする。 「おおっと、そうだ。少しだけ目を瞑っててくんな」 「あいわかった」 「それじゃあいっちょ、行くとするかねぇ」 三日月が、鶴丸に応じた瞬間、足場が揺らいだ。 ふわふわと宙を浮いたかの様になったかと思うと、次の瞬間、まるで氷の壁を強引に突き破るような、激痛と冷たさが同時に襲い、思わず目を見開く。真っ暗闇だ。 「さーて、鶴丸御一行の到着だ」 鶴丸が事もなげに告げると、痛みは消え去り、足場も安定していた。しかし、視界は暗いままだった。 「……先に説明して欲しかったものだなあ」 「文句は言いっこなしだぜ。入口の開き方は秘密にしときたかったんでね。それに、最初に言った筈だぜ?”出口みたいなもん”だってな」 ニヤニヤとした声だ。どうやら鶴丸に、からかわれてしまったらしい。 「しかし黄泉の国とは、斯様に暗いのか」 「ここはまだ入り口だ。先はもっと暗くなるぜ?」 鶴丸が一人で行きたがった理由が、分かった気がした。これは一人の方が格段に楽だ。 そこへ己を連れてきた。鶴丸の覚悟を考えると、三日月は心が躍った。 「っと、そうだ。これを持っててくれ。流石に片手じゃ難しいからなあ」 そういうと鶴丸は、何やら四角い小さな小箱を手渡してきた。そのまま動かすなよ、と念を押して。 なにしろ暗くてよく見えないが、ひとしきり物音を立てた後、じゅっという音がしたかと思えば、一瞬だけ場が明るくなる。どうやらマッチ箱だったらしい。それにしても、マッチとは驚いた。審神者にでも貰ったのだろうか。 そして、暫くしてから微かだが蓬の臭いがした。 「煙管か?」 「ご名答。こいつはまあ、魔除けみたいなものだな」 「それなら俺も持ってるぞ。遠征土産にと、貰ってきたものがある」 懐から黄色い手拭いで包んだ物を得意げに見せてみるが、鶴丸の反応はいまいちだった。 決まりが悪くなって、懐にそれを戻すと、三日月は本題に入った。 「して、審神者をどう探す?霊力を辿るのが簡捷と思うが……」 「ああ、それは俺も考えていた。だが、それだけじゃあ頼りない」 この途方もない闇の中、流石に審神者のまだ小さい霊力を辿るのは至難の業だ。かといって三日月にはそれ以外の方法は知らない。 「すると?」 「見当を付けておいた」 「ほう」 成程、これは一度この地で審神者と出会った経験が生きるな。三日月は、素直に感心した。 「黄泉の釜戸へ向かうぜ。道案内は任せておけ」 「ならば俺はその助け舟となろうぞ」 三日月は、頭の房紐を解くと、ふっと己の息を吹きかけた。すると、房紐がするすると音を立てながら、蔦に変化して伸びて行く。 「葡萄葛の蔦だ。これをしおり糸としようではないか」 そう言うと、蔦の先が鶴丸の右手小指に巻きつき、余りの蔦が地面に落ちた。興味本位に引っ張れば、ピンと張る。なるほど見事なしおり糸だ。 「こいつは凄いな、お宅、そんな芸当が出来るのか」 「はっはっは……これくらいは造作もないぞ。では、ゆくとするか」
鶴丸の歩調は淀みなかった。目的地へ迷いなく進んでいる足取りだ。相当こなれている事が分かる。 暫くすると、腐った果実の香りが辺りに満ちた。どこか心惹かれる、危険な甘さを孕んだ香りだと、三日月は思った。 奥へ進むほど、その腐った果実の様な、甘く濃い匂いは強くなっていく。臭覚が麻痺しそうだ、そう思った時、三日月は、ある事に気付いた。この匂いには覚えがある。 「鶴丸よ」 「何だ?」 握った手を強引に引き寄せると、そのまま三日月は、自身の腕の中に鶴丸を収める。その弾みで鶴丸の煙管が、ぽとりと地面に落ちた。 鶴丸の、さらりとした滑らかな髪の毛が頬に触れる。少々こそばゆいが、そのまま鶴丸の頭に鼻を寄せると、いよいよ疑惑は確信へと変わった。 「やはりな」 「いきなり何だ」 片手で軽く押しのけようとする鶴丸の背を空いた手で押さえながら、三日月は呟いた。 「お前からは、良い匂いがするな」 「おいおい、いくら俺が男前だからって、こんな時に口説くかい?するなら後にしてくれ。今はそれどころじゃあ……」 「だが、それは死の臭いだ」 「何だと?」 笑いを含みながらも戸惑った様な鶴丸の声が、一瞬で張り詰めた。 「お前からは、死臭がすると言っているのだ」 静かに、だがはっきりと、三日月は告げる。 「……もう一度言ってみろ。ただじゃあ置かないぜ」 少し怒気の含まれた声音だ。だが、三日月はそれを受け流す。 「何度でも言うぞ。鶴丸よ、これ以上黄泉の国への出入りは止めろ。このままでは、自身で審神者を傷つける事になるぞ」 暗に妖刀になるぞ、と、念を押せば鶴丸の殺気は一層強くなった。 「三日月宗近。てめぇに指図される筋合いはない、俺がどうするかは、俺が決める事だ。少なくともてめぇじゃあない」 初めて聞く、押し殺したような低い声だった。だが、三日月には、それは強がりに思えてならなかった。 「そんなに死ぬのが怖いか」 「何を」 闇の中で、鶴丸が引き攣るのが分かった。 「黄泉へ出入りしているのは、死への恐怖からではないのか?死が満ち足りたここならば、自分が生きている事が実感出来るからなあ」 辺りを軽く見回しながら、歌うような抑揚を帯びた口調で三日月が言う。 すると鶴丸は、何時もの調子を取り戻したように、笑いを含んだ声で返した。 「おいおい、俺たちは刀だ。何時折れるかも分からない刀が死ぬのを怖がってたら、話にならないだろう」 「卵の白身の方だ。心、とも言うな」 鶴丸が反発するより早く、三日月は続ける。 「心が揺れなくなるのが、そんなに怖いか?」 「いい加減に……」 詰問するような三日月に、うんざりした様に鶴丸が口を開くが、やはり彼は意に介さず、口元を綻ばせた。 「驚きなら、俺が与えてやろう。さすれば不安も解消されるであろう」 まるで名案だと言わんばかりの、自信満々な声で言う。 沈黙が辺りを包んだ。 力を抜き、黙って答えを待つ三日月の胸に身を預けると、鶴丸はぼそりと、呟く様に言った。 「…………そりゃ無理な話だな。三日月宗近、心が死んじまってる人間に、ゆで卵のお宅に、そんな芸当出来る筈がない」 「ゆで卵……俺がか?」 きょとんとした声で、三日月が問い返すと、鶴丸は真面目な様子で言った。 「ああ、凝り固まって、何をしても揺れないゆで卵だ」 まるで確信した様な言い回しに、三日月は苦笑した。 「俺だって、揺れる事はあるぞ。今も揺れに揺れておる」 「どうだかな」 ぶっきら棒に、鶴丸は否定する。 「好きだ」 「は?」 「鶴丸よ、お前を好いていると言っているのだ」 突然の告白に、鶴丸がいよいよ当惑した顔になる。が、三日月はそれに気付かない。 「どういう意味だ、そりゃ」 「こういう意味だ」 そう言って、三日月が空いた手で、鶴丸の頬に触れる。辿るように、その手に柔らかなそれを見つけると、そこに己の唇を押し付けた。 鶴丸の痩身が強張るのと同時に、三日月の足を踏みつけ、押しのけようと必死にもがく様が伝わった。 足の痛みに構わず、さらに深く口付ける。暗闇の中で、卑猥な音だけが響いた。 生温かいそれを口内に侵入させると、鶴丸はより一層激しく暴れたが、繋いだ左���を離そうとはしなかった。何とも律儀な奴だな、と、三日月は苦く笑うと、解放してやる。 「ん……ふっ……はっ……は」 「分かってくれたか?」 ぜえぜえと息を吐く鶴丸に、三日月は真剣な声で問うた。 呼吸を整えると、己の腕の中で鶴丸がくつくつと喉を鳴らし、体を震わせる。 「あっはっは、こりゃ愉快だ。刀が恋だって?しかも天下五剣様が、この俺にかい?」 さっきまでの暴れ様とは裏腹に、鶴丸は平常心を保っていた。 「そうだぞ。一目惚れだ」 「ふざけるのも大概にしてくれ」 ひとしきり大笑いした後、鶴丸は呆れた声で告げた。 「どうやっても信じてくれんか」 意気消沈した声で聞けば、鶴丸は少し考えるように答えた。 「そうだな、俺を心の底から驚かしてくれたら信じてやるさ……だが、それは主を」 「では試そうか」 鶴丸が言い終わるのを待たずに、す、と、三日月の手が離された。 「おい、馬鹿!」 鶴丸が離された手を掴み直そうとするが、空しく空気を掴む。空気を掴むと同時に、気配が一瞬で消えた。三日月の霊力を辿ろうにも、ぷつりと糸が途切れてしまっている。これは意図的に消されたものだ。 「くそっ!!!あの野郎!!!」 三日月の房紐だけが、鶴丸の小指に残された。
ざわざわと、しだれ柳が揺れる様な音がする闇の中、審神者は辺りをふらふらと彷徨っていた。 ぼんやりとした意識の中、審神者は思った。ここには覚えがある。以前、真っ暗闇の中で白く光る鶴を見た場所だ。 「今回は居ないなあ……」 きょろきょろとあたりを見回すが、鶴は見当たらなかった。 「……腹、減ったなあ」 あれほど嫌悪していた無味無臭の兵糧丸が、今は恋しかった。 「ん?」 くん、と鼻を鳴らすと、どこからか良い匂いがした。 その匂いを釣られるように辿っていくと、ぐつぐつと音を立てる釜戸のある場所に辿り着く。 辺りは先程までの暗闇と違い、やや明るかった。周りにはうっすらだが人影が沢山見える。 釜戸の前には、何やら列が出来ていた。列があると並びたくなる。そんな習性に従って審神者が最後尾につくと、後ろから枯れた声がした。 「今日はあなたが最後です」 「最後って?」 何となく振り返ってはいけない気がして、振り向かずに尋ねる。 「千人目ということですよ。ささ、お食べなさい」 後ろの声が、脇から手を差し出す。その手には、とりめしに似た握り飯が乗っていた。何の肉かはわからないが、とても食欲のそそる良い匂いがして美味しそうだ。 「ありがとう。凄くお腹が減ってたんだ」 手に取ろうとしたその時だった。背後から瑞々しい音と共に「ぎゃ!」という喉を絞った様な悲鳴が上がり、審神者が手に取るより早く握り飯が地に落ちた。 形を崩した握り飯からは、じゅうじゅうと音を立てながら煙が上がり、中からは大量のウジ虫がうぞうぞと蠢いている。 「ひっ」 思わず飛び退くと、暫くして、むっとした強烈な腐臭が辺りに広がる。噎せていると、その背をやさしく撫でる大きな手の感触があった。 「これ審神者、それを食べてはならないぞ」 「……三日月?三日月じゃないか!」 振り向くと、審神者を覗きこむように伺う三日月の顔があった。 「はっはっは。捕まえたぞ」 そう言って、背後から三日月が審神者を優しく抱きしめてくる。気付けば腐臭は消え去っていた。 「それにしても、三日月はどうしてここにいるの?」 「お前を探しておったのだ」 「探す?探すって……そうだ、ここは何処なんだろう?三日月は知ってる?」 気付いたらここに居た。そうだ、自分はどうしてここに居るのだろう。前後の記憶がぷっつりと途切れてしまっていた。 「さあなあ」 とぼけた様な三日月の声。これは知っている声だ。でも教えてもくれない声だ。審神者はそれをよく知っている。 「ねえ……」 「出しにしてすまんな」 言いかけた声を制止して、くしゃりと審神者の頭を撫でながら、三日月が言う。 その声音は、何時になく柔らかく、そしてすまなそうだった。 「何の事?」 あまりにもすまなそうな声だから、不思議に思い、尋ねたが、やっぱり笑って誤魔化されてしまう。 面白くなくて、頬を膨らませれば、益々すまなそうな顔をされので、ここは大人になろうと審神者は思った。 「さて、ここは危険だ。早々に立ち去ろうぞ。……待ち人も居るからなあ」 腕の中の審神者を解放してやりながら、三日月が微笑んだ。 「待ち人って、もしかして……」 審神者が言いかけた、その時だった。 「見つけたぜ」 聞きなれた声がした。 「その声は……鶴丸!」 振り返れば、血の付着したぼろぼろの衣を纏った鶴丸が立っていた。表情は良く見えないが、少し硬いように思えた。 慌てて駆け寄ってみれば、鶴丸は審神者を認めてニッと笑う。良かった、いつもの鶴丸だ。そう安心して息を吐く。 「俺より先に主を見つけて驚かそうとしたんだろうが……生憎だが、予想通りだぜ」 鶴丸が、淡々とした口調で言った。何の話だろうか。 「ふむ、駄目だったか」 対して三日月も、独り言のように零した。何となくピンとくる。さっきの謝罪はこれだ。 「実直と評判の三日月宗近様だ。主をほっぽって俺を驚かそうなんて考えないだろうからな」 そう言う鶴丸の言葉が、何時になく尖っているものだから、審神者はぎょっとして顔を見る。冷たく醒めた笑い顔だ。 喧嘩でもしたのだろうか?二人とも、ああ見えても大人だったので、審神者にはそれが想像が出来なかった。 「まだ怒っておるのか」 「もう怒っちゃいない。人生は長い。ま、ただの戯れだと思っておくさ」 「戯れ、か」 そう呟いて、微笑む三日月の顔が少し曇った様に、審神者は見えた。 「つ……」 審神者が口を開きかけた時だった。審神者でも分かるくらいに周囲が殺気立ち、ぞくりと背筋に冷たいものが走った。 どうやら周囲を何かに囲まれたらしい。ぶつぶつと何か言っている声が聞こえるが、うまく聞きとれない。 「……三日月宗近。俺が居ない時に一体何をしたんだ」 審神者を守るように傍に寄り添い、周囲を見渡しながら、鶴丸が尋ねる。 「審神者に飯を供する輩がいたものでな。桃を投げてやったぞ」 剣は抜いてないぞ、そう言いたげな三日月に、鶴丸は溜息をついた。 「……やれやれだぜ」 已むを得まい、そう鶴丸が刀に手をかけた時だった。 「鶴丸よ。下がっておれ」 鶴丸の前を三日月が立ちはだかった。 「三日月宗近?そこをどけ。尻ぬぐいは俺がやる」 「さっきも言ったであろう。これ以上穢れれば、ただでは済まぬと」 「ただで済まないのはお宅の方だぜ。今回ばかりは、天下五剣様の出る幕じゃあない」 ここは黄泉の国だ。黄泉の国では剣の強さより、穢れへの耐性がものを言う。 その点では、三日月より勝っていると、鶴丸は自負していた。 だが、三日月は退こうとせず、鶴丸の指に結ばれた房紐が垂れる方角を見て、そちらへ身体を向けた。 「はっはっは、審神者は頼んだぞ」 そう一笑すると、鶴丸が剣を抜くより早く、三日月が抜刀した。 「分らず屋!」 鶴丸の叫びを振り切るように、黄泉の者を斬り付けると、腐った肉片が、びちゃりと音を立てて、三日月の衣服に飛び散った。 「押し通る」 そのまま構わずに、黄泉の穢れを浴びながら三日月は道を作り、走り抜ける。 審神者の手を引きながら、その背に続く鶴丸は、案じた。 ある意味、穢れに馴れ切ってしまっている自分とは違う。血の穢れすらもまともに知らぬ三日月に、黄泉の穢れは刺激が強過ぎる。 鶴丸の予感は的中した。 闇が薄まり、出口まで後僅かばかりかという時だった。がくりと、三日月が膝をついた。 「三日月!!」 思わず鶴丸が声を上げる。 「やあ、嬉しいな……三日月と呼んでくれるか」 「どうして抜いた!!」 三日月も馬鹿ではない、こうなる事くらいはわかっていたであろう。だからこそ、鶴丸にはそれが理解できなかった。 「これ以上、鶴丸が穢れたら困るからなあ……審神者も悲しむだろう」 「三日月!三日月!!」 枯れた様な三日月の声に、審神者が縋りつく。 「泣いてくれるな。審神者よ、少し穢れを被っただけだ。死ぬわけじゃないぞ……」 その頬に触れながら、三日月は諭す様に言った。 「……くそ、約束を二つも破りやがって……やっぱり足手まといじゃないか」 苦虫を噛み潰したような顔で鶴丸が言えば、三日月は笑った。 「はっはっは……それでもお前は、俺に来いと言ってくれたではないか」 「それは」 本気の目をしていたから。そうだ、最初から三日月は本気だった。それなのに、鶴丸はどこかでそれを否定していた。分らず屋は、自分だったのだ。 「もう、見守っているだけというのは、嫌だからなあ……」 そう呟く三日月に、鶴丸は思い知らされた。 三日月宗近は達観などしていない、ただ、大らか過ぎるだけだったのだ。どうして、そんな単純なことにも気付かなかったのか、鶴丸は、奥歯を噛み締めた。 彼だって、普通に傷つくし、寂しいと思うこともあるだろう。だが、自分と形は違えど同じように、悠久とも思える時の中で、凪いだ海の様に振舞う事で心を守ってきただけなのだ。鶴丸は、そう思った。 「もういい、喋るな。すまん……ゆで卵なんて言って」 「……鶴丸?」 三日月が不思議そうな顔をする。 「気持ちは分かったって、言っているんだ」 判然とした、確かな声で鶴丸は三日月に告げる。自分への好意は本物なのであろう、と。 「そうか、そうか……俺は幸せ者だなあ」 別に気持ちを受け入れた訳じゃない、そう言う前に三日月は静かに瞼を閉じた。 「鶴丸!どうしよう、どうしよう……」 三日月の手を握り、審神者が鶴丸を見る。蒼白で、今にも泣き出しそうな顔だ。 「……大丈夫だ。三日月の言うとおり、死んだわけじゃない。少し穢れを浴び過ぎただけだ」 だが、このままではまずい。手入れ部屋まで行き禊をするまでには、時間がかかり過ぎる。 考えろ、何か手はある筈だ。鶴丸がそう頭をひねった時だった。三日月の懐から黄色い手拭いがちらりと見えた。 「これは……」
「三日月!良かった!」 三日月が、瞳を開くと、薄闇の中で安心したような審神者の声がした。 「気付いたか、三日月。……遠征先の人に感謝するんだな」 ぶっきら棒に、しかし明るい声音で鶴丸が言う。 鶴丸の手には、三日月の手拭いが握られていた。 桃の木は霊木で、その木から生る桃は穢れを払う。どうやら鶴丸は、自分に桃の汁を飲ませて穢れを払ったらしかった。 どのようにして飲ませたのか、三日月は胸が高鳴ったが、あえそこには触れない事にする。 「礼を言うぞ、鶴丸」 「礼なら遠征先の人に言ってくれ」 微笑めば、鶴丸が少しばつの悪そうな顔で告げる。 「それもそうか」 言いながら、三日月が立ちあがる。それを認めてから、鶴丸が息を吐いた。 「さて主、主とは一先ずここでお別れだ」 不安そうに鶴丸の顔を見上げる審神者の頭に、鶴丸がぽんと手を置く。 「心配するな。ここを抜ければ、きみは元の肉体に戻る。ここでの事も、忘れちまうだろう」 「そういうものなの?」 「ああ。主にとって、ここは夢みたいなもんだからな」 「そう……でも、良かった」 「何がだ」 不思議そうにする鶴丸に、審神者がはにかんだ。 「三日月とのこと、少し心配していたんだ。でも、これなら彼を副隊長に据えても大丈夫そうだね」 「何の話だ?」 三日月がきょとんとしている。 主の危機に、鶴丸はすっかり忘れていたが、そういえば朝そんな話をしていたことを思い出す。 三日月に近寄りたくなくて、嫌がっていた、朝の自分。それが今はおかしくて仕方が無かった。 「……ああ、そうだな。これから右腕として、宜しく頼むぜ」 そう言って鶴丸が三日月の肩に手を置く。 「はっはっは。右腕、か」 「不満かい?三日月の旦那」 笑みを含んだ声で鶴丸に聞き返されれば、三日月は改まった声で言う。 「あいや、よきかなよきかな」
戦場で、朱に染まりながら舞う白い鶴を傍で見れる。 三日月は、それが慶賀に堪えなかった。
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shintani24 · 25 days
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2024年5月31日
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メリットも課題も見えてきた! 次世代型電動車椅子 バスに乗る時どうすれば? 誰でも自由に移動できる社会に向けて 県バス協会が研修会 広島(RCCニュース)
オシャレで軽くて操作しやすい…そんな次世代型電動車椅子の普及とともに、困ったことも起きているようです。“バスの町”・広島で研修会が開かれました。
広島県バス協会が主催した研修会には、およそ50人が参加しました。
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注目されているのは、この次世代型電動車椅子。2012年創業のWHILL社が手がけるもので、デザイン性や操作性をウリに販売台数はここ2年で5倍という勢いです。
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ただ、課題も見えてきました。例えば、介助者のハンドルなどがないためにバスの車内に固定するのが難しいこと。
あるいは、こんなことも…。バスに乗り込むスロープの上で前輪が浮き上がって後ろに転倒してしまったのです。
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車椅子が安全を保証する傾斜角度は、最大10度ですが、実際の道路事情によっては、それより急なことがあるためです。幸い、けが人はまだいませんが、関係者は危機感を高めています。
広島県バス協会 事故防止対策委員会 玉田和 委員長「私どもの使命としては安全に運ぶというのは使命でありますので、メーカーのWHILL社様と一緒に安全に運ぶためにどうすればいいかっていうのは今後、ちょっと、いろいろ考えていきたいなと」
WHILL 広報 新免那月 マネージャー「みなさん、ユーザーさんにしっかり乗って、外に行って楽しんでほしいっていう気持ちはすごい。ルートは違えど、最終的に目指すところは一緒なので、もっといい移動ができる社会ができるんだろうなというふうに思っています」
どんな人も自由に移動できる社会に向けて、具体的な模索が始まっています。
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全国で5万店以上あった「魚屋」=鮮魚専門店が1万店を切った。激変する日本の水産流通(東洋経済オンライン)
鮮魚専門店数は今や全国で1万店を切った(写真:PIXTA)
日本の漁業が危ない。生産量はピークの1984年から7割減。輸入金額も増え、海外勢に買い負けている。持続的な漁業を確立しなければ、消費者もおいしくて安全な魚を食べ続けることはできない。
『週刊東洋経済』6月1日号の特集は「全解剖 日本の魚ビジネス」。特集ではデータによる漁業の「今」や、漁師の実情、企業による養殖ビジネスの最前線リポートなどを取り上げた。
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【グラフで見る】「魚屋」=鮮魚専門店数の推移
ここでは激変した日本の水産流通について、北海学園大学の濱田武士経済学部教授が解説する。
日本漁業の発展プロセスにおいて、卸売市場が核となった市場流通が果たしてきた役割は大きい。多様な魚が水揚げされ、卸売市場に持ち込めば何でも販売してくれるし、われわれの食を潤わせてきたからである。
だが今日、その役割に陰りが生じ、市場外流通が拡大している。
漁業生産の現場は漁獲量や魚種構成が日々変動する。水揚げが集中する時期もあれば、しけなどで出漁が限られる時期もある。農業も天候に左右されるが、漁業はそれ以上に自然の影響を受けている。魚の鮮度落ちは農産物より早く、ストックできないことから、漁業者は水揚げ後すぐに販売していくほかない。
市場流通はその特性に合わせ、需要先に素早く流通させる仕組みとして機能してきた。
■産地と消費者の2大市場がある
市場流通は次のようになっている。
全国の主要漁港には産地市場が設置されており、水揚げされた魚がすぐに産地市場の卸業者に販売委託され、競りを通じ高値をつける仲買人に販売されている。仲買人は買い付けた魚について、各地のニーズに合う魚を発泡スチロール箱に詰め、消費地市場へトラックで輸送する。
その荷を受けた消費地市場の卸業者は、競り・入札・相対によって仲卸業者や売買参加者に販売し、消費地市場へ買い付けに来る小売業者や外食業者に販売する。産地と消費地で2段階の卸売市場を介したネットワークが全国の漁業者と消費者をつないでいるのだ。消費地市場しかない、青果や花き、肉の市場流通と異にしている。
卸売市場はさまざまな産地から多様な生鮮品を集荷し、需給バランスを考えて相場形成を図り、短時間で大量の生鮮品を販売。出荷者が取りはぐれないように代金決済を短期間に済ませている。
生産者自らが営業活動して商品を小分けし販売するとなると、短時間で終えることができず、代金回収リスクが生じるうえ、高い価格で売れたとしてもコスト割れする。小売業者や外食事業者自らが生鮮品を必要に応じて、各産地から直接集荷するとなると時間を要し、仕入れコストは高くなる。
にもかかわらず市場流通は多段階で、生産者の売値が安いのに中間コストが高く、「消費者は高く買わされている」と主張する人がいる。流通の量や時間、コスト、リスクを踏まえると、それは的外れな話だ。むしろ市場流通は生産者にとっても実需者にとっても安上がりの仕組みなのである。
■鮮魚店が客に魚の知識を伝えていた
だが水産物の卸売市場の経由率は落ち込み続けている。1980年には80%を超えていたが、落ち込み続けて近年、50%を下回るようになった。これはなぜなのか。
水産物とは、いわゆる鮮魚(生魚)や加工品、冷凍品に分類される。中でも市場の流通機構に強く依存し、わが国の中で水産物消費を牽引してきたのは、鮮魚だった。しかし、この鮮魚流通がだんだん縮小してきたため、卸売市場の経由率が落ち込んでいった。
実は「現代日本の魚食文化」は、もともとあったものではなく、市場流通とともに拡大してきた。その中で鮮魚の需要を喚起してきたのは鮮魚店であった。
鮮魚店は毎日早朝に地元の消費地市場に出かけて、そこで地元の消費者のニーズに合う魚を、仲卸業者から仕入れている。旬でない魚や見慣れない魚は安い。そうしたものでも仕入れ、どうすれば美味しく食べることができるか、仲卸から聴いて研究する。このような蓄積があって、店舗では来客に魚の知識を伝えながら、鮮魚需要を喚起してきたのである。
家計の食材別消費動向と鮮魚店数の推移を見ると、1980年代前半の家庭内における魚介類の消費は肉類や野菜・海藻を上回り、最も高かった。鮮魚店の数も5万店超で大きく減っていなかった。市場流通の末端で鮮魚店が魚の需要を喚起し、現代の魚食文化を育てたのである。
■店に並ぶのは、切り身など加工品、定番の冷凍品
ところが1990年代に入ると、鮮魚店が街中から消え、近年は1万店を切る。スーパーマーケットが台頭し、ショッピングモールの出店攻勢によって、ローカルな小売店の環境は激変。大型店に客を奪われてしまい、鮮魚を扱う専門小売店から消費者が離れていった。それでも大型店で鮮魚需要が喚起されればよかったが、鮮魚店のような対面販売は行われなかった。
店頭で売れ残りリスクを回避するため、商品棚が埋められたのは、主として価格訴求力のあるマグロやサケ、サバなど定番の冷凍品や、バックヤードで調理された切り身や刺し身をパッケージ化した加工品だ。冷凍在庫が可能なこれらは消費地市場に頼らず、メーカーから安定的に直接仕入れればよい。こうして鮮魚売場に需要喚起の場はなくなり、卸売市場の経由率は落ち込んだのだった。
世帯状況の変化も関係している。長引くデフレ不況で可処分所得が減り続け、消費志向もモノからコト、情報へと変わる。核家族化で単身世帯も増え、家族規模が小さくなって、料理の機会は減少。生鮮品の素材よりも総菜や調理済みの食材を買う機会が増えた。
鮮魚においては生ゴミが出るし、消費者が求めるタンパク源として水産物にこだわる必要はない。魚と比べて非可食部がない肉のほうが、摂取カロリーとの関係で見ればコストパフォーマンスがよい。
鮮魚店が街から消え、家計における魚の消費は大きく減り、最も消費金額が少ない食材になった。料理屋やすし屋など外食分野は魚の需要を喚起しているが、鮮魚市場の拡大を牽引するまでの力は持っていない。産地の魚価の形成力が弱まるのも無理がない。
1990年代からの円高やデフレによる内需縮小が決定的となり、食品市場は輸入食品が氾濫して過剰供給状態となった。魚価への下げ圧力も強まり、漁業者だけでなく、卸売業者の廃業も加速した。ただ、近年では円安基調が強まり、インバウンドにも日本食ブームが広がっている。皮肉にも日本の消費地市場から鮮魚、それも高級魚が海外へ輸出される時代だ。
市場流通は鮮魚が生命線。それが多様な魚種を供給する日本漁業を支えてきた。鮮魚流通の復興があれば、漁業の未来は明るいが、残念ながら予兆はまだ見えない。
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祭りやデモ、道路使用に手数料 愛知県警、6月から2500円徴収(中日新聞)
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道路使用手数料6月から祭りなどでも徴収へ 愛知(NHKニュース 5月17日)
愛知県では、全国で唯一、祭りやデモ行進などについて「道路使用許可」の手数料が免除されてきましたが、6月からは手数料を徴収することになりました。
道路交通法では、道路でイベントや工事などを行う場合、警察に届け出て「道路使用許可」を取ることが必要で、警察は手続きに際して手数料を徴収しています。 全国の都道府県警では、申請があった場合は、原則、一律で手数料を徴収していますが、愛知県警はこれまで地域の祭り、デモ行進、演説などについては免除してきました。
こうした中、愛知県が令和2年から進める行財政改革の計画をもとに、県警が業務の見直しを進めた結果、ほかの都道府県警と基準をそろえる必要があることなどを理由に、手数料を徴収することになったということです。 地域の祭り、スポーツの競技会、デモ行進、選挙期間外の演説のほか自動運転車の実証実験などが含まれ、申請ごとに2500円の手数料が徴収されます。
6月1日以降に許可の申請を行った場合に、対象になりますが、国や自治体、公的な団体などが主催するイベントなどは引き続き手数料は免除されるということです。 また、選挙期間中の演説は、申請の必要はないということです。
愛知県警はイベントなどを開催する際は、各地の警察署に確認して欲しいとしています。
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azure358 · 3 months
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--深海人形-- 重力のある夢の大地
※クロスオーバーネタ注意
※星のガンダムネタあり
※全体的に閲覧注意
※雑多にネタをぶち込み
※キャラ崩壊注意
…。
…私は、バトルガレッガを、CAVEシューを、ダライアスを、レイフォースを、レイストームを、メタルブラックを、イメージファイトを、R-TYPEの事を、ずっと覚えてる。心の内に持ち続けて、抱き続ける。死んで、あの世に逝っても。ずっと。
…。
「…だからネェ、ハルカンドラはとーってもステキな所なんだヨォ!」
イカサマたまごの、出鱈目満載なハルカンドラの話を、純粋な眼差しで興味津々に聞くウラキ。
「…其のハルカンドラに僕も連れてってくれるかな?!!?」
「…イヤ、駄目ダネ。オマエ何もして無イジャン。」
…。
「…ハルカンドラは約束の地でネ、沢山の未知なる魔法とテクノロジーが眠っているンダ!!」
「…ほぅ、面白い。…其のハルカンドラとやらを、私の目で実際に見て来てやろうでは無いか。」
そして、荒廃したハルカンドラの光景を見て頭抱えるシロッコであった。
「…クックックッ……、…ドウシタノ??ww」
…。
「…自慢のアトラクション、刹那の見切りダヨォ!!」
…マホロアが其う嬉しそうに言うと、其処で、
「…何故、私がそんな遊びをせねばならん?」
…特に、大それた理由も無く、シロッコが、マホロアを強く掴みながら聞く。…すると、マホロアは此う答える。
「…デモネェ、モシィ、シロッコが参加シテ、ボクに勝ったラァ、メタルジェネラルを分解シテ良イ権利をあげるからネェ!!」
「…なぁ、シロッコ。此んな奴の言う事なんざ……、」
…意外と良心的な所を持って居るヤザンは、シロッコの身を案じて、声を掛けるが………、
「…受けて立つ!!!!!!!!(←※MS・MA鍛冶屋なので、ハルカンドラの機械製造技術が何としても欲しい)。」
「…ハァ???????」
…思わずヤザンは、此の上無く呆れ返る。
「…ソウソウ!ソウコナクッチャ!!…キミは此レ使ってネェ!ウルトラソードォ!!」
「…嗚呼、…分かった!!」
…其うしたゲームの説明と準備(※Now Loading)の後、ゲームは初まった。
…。
…。
!!
其の時、僅かに、マホロアの方が早く、あのスイカバーの様にシロッコに、マホロアと同じ位の大きさのローアのフィギュアが刺さる。
「…キャハハハァッ!!!無様ダネェ!!!!」
そして、あんな無様な姿を見て、大笑いするマホロア。
「…ほらな。あんな勝負に乗る方が如何かしてんだよ。」
其う言うと、割と面倒見が良くて優しいヤザンは、シロッコの事を生暖かい目で見守って居る(※本当はあんな奴なんて無視したいのだが)。
…、
…ト言ウ訳デ、当然の様ニ、ボクの放ッタローアは、スイカバーの如ク、シロッコに刺さりましたトサ(※オシマイダヨォ⭐︎)。
…。
…皆「…シロッコは玩具じゃないけど、玩具にして良い(※あすらんも割とそう)!!。」…って、思ってるよね、奇遇だなぁ、…ワイもだよww(※此の界隈仲間居過ぎるww)。
…。
…某イカサマタマゴ所有の天駆ける船は、滅茶苦茶人類を監禁する事に適して居ると思う今日この頃(※某女���たいな名前の子とソロモンの悪夢を閉じ込めたい)。
其のイカサマ卵には、拷問器具も沢山作って欲しい。処刑器具だけどギロチンも作って欲しい(※某有名なアレ帝国並のセンス)。
…漫画版のローアって、意図も容易く動けなくなったり、破壊されたりしてるから、モビルアーマー系出さなくても、ザクIIのヒートホークは無理でも、ジ・オ位性能と機体馬力が高かったら、案外、簡単に撃沈出来んじゃないかな??…って、思いはじめてる(※撃沈する気満々)。
…。
…『館主様と蒼傑達は噛ませ犬』では、RXQシリーズの性能を見せる為の対戦相手として館主様達に相手をさせていますが、本当は、『ある種身内的存在(※同じシリーズ内の存在で、各種ゲーム等で度々共演)』…と言う事で土門やチボっち、サイ君辺りでも良かったのです。
然し、多分、相手を土門かチボっちかサイ君にすると、彼等に刃身が触れる前に、彼等が斬られる何処か、逆に柄を破壊されるだろうし、RXQ-03(※元々生体部品としての運用が前提なので、白兵戦には、実は、向いていない)を完封するだろうと推測しているからです。…なので、館主様達は犠牲になったのだ……。…サムスピ&月華的斬殺演出、其の犠牲にな……(※…後、館主様等は無様に惨殺されても、…文句言う人全然居ないし……)。
…RXQ絡みの話で土門とチボっち達出すなら、RXQがやる仕事の監督をさせる(※製図の仕事をさせた際に、逃げたりサボらない様にする為の)話でも良いと思うけどね(※個人的に)。
…。
※クロスオーバー注意
※Effigy-RXQネタ
詳しくは此処参照(※ https://www.tumblr.com/azure358/744844690918162432/%E6%B7%B1%E6%B5%B7%E4%BA%BA%E5%BD%A2%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%AF%87-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88-%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AC-%E6%BA%96%E5%82%99%E5%8F%B7 )
※RXQ-03、ハルカンドラへ
…"ハルカンドラ"。
…かつて、其処は、『未知の魔力とテクノロジーが眠る約束の地』…と呼ばれた、非常に高度な科学技術と魔術の文明が咲き誇った地。其の高度な文明と技術は『願望を具現化する』…と言う驚くべき機能を持った神器すら作り上げたと言う。…然し、其の詳細、全貌については、未だ明らかにはなっては居ない。さて、其のハルカンドラのハルドラボ火山地帯、其の近くには、かつて興隆を誇ったが、其の後に、衰退に衰退し切り、廃墟寸前の状態になった大規模な工場地帯があった。
更には、其の工場地帯には、ローアを移動手段にして襲来して来たと言う屈強な盗賊団に荒らされたと言う事件もあった。
----過去に、其の様な強盗事件もあり----、工場地帯の廃墟化、衰退は益々止まらない。
だが、そんな中でも、新たな"来訪者"は現れた。
…。
…其のヒトの男は刀を持っていた。
紫色の髪で、右目が髪と同じ色、左目が金眼の、白い服装の男。とても端正な顔立ちで甘いプロポーションをした美青年、…だが、"心が壊された様"に虚な瞳をしている。…大変不気味だ。
「…嗚呼、素晴らしい……。」
…彼だけで無く、『彼等』は、未知のテクノロジーを求めていた。
「…私にとって、甘い、機械の匂いがする。」
敵部隊として遭遇したドゥビア群を瞬く間に手討ちにし、其の異様で不気味な雰囲気に強く怯えるハルカンドルディ達を尻目に、彼は火山地帯に繋がる橋に向かう。其の途中には、メタルジェネラルがいた。
メタル ジェネラルは、其のメインカメラで侵入者を見ると、即座に迎撃の準備を初める。
其の様子を見た刀を持つ剣士の青年は、此う、少し、物思いに耽けた。
----誰かが遠隔操作しているとは思えん……
「…自立行動AI搭載か?矢張り、面白い機械だ。」
…既に戦闘を開始しようとしている、其の様なメタル ジェネラルを見ても、RXQ-03は、余裕の表情であった。
そして、戦闘開始。
…早速、其の機械は熱く、頭部中心部から蒸気を吹き出しながら、すぐさま、ビームサーベル(※ゲーム制作公式の名称)を出してRXQ-03に向かって振るい初める。
「…小型のビームサーベル!?!???」
…其う、驚嘆の言葉を言いながら、RXQ-03は軽く楽勝で避ける。…すると、メタルジェネラルは十何発ものミサイルを出す。…然し、RXQ-03は其れ等を、余裕で全て斬り落とす。
そして、更には、電磁ニードルが飛んで来るが、其れ等はまるで"敵"には当たらない。
…其の他の兵装も、"敵"には敵わなかった。
…其の様な中々の強敵の登場に、メタルジェネラルは、其のAI思考に少しずつではあるが、ショートを起こして行く。
…其れから、其うして、
「…カトンボが。落ちろ!!」
其の一瞬に、一閃--RXQ-03渾身の一撃を受けたメタル ジェネラルは、完全に、自身の機能を動かす事が出来無くなり、戦闘に敗北した。
「…何だ。…弱いでは無いか。」
其の、自分御目当ての機械が倒れたのを見た、RXQ-03 ペットネーム「オーキッド」が、…機能停止したメタル ジェネラルを、手持ちの刀"矢山"と自前の工具で分解して、中身を確かめようとする、其の時……、
…其処で、分離状態のランディアが現れた。
大事な仲間であるメタル ジェネラルに凄まじい無体を働くRXQ-03に対して、ランディアは酷く警戒している。
「…此れは面白い。驚いたな。」
--…本物のドラゴンの御出ましとはな?
彼の言葉が分からないランディアは、クゥー!クゥー!!と威嚇し続けて居る。
其の後、色々考えた挙句、武器の刀あれど、「…然し、白兵戦では、あの空飛ぶ爬虫類に私は勝てん。」…と悟った彼は、刀を鞘に納め、火山のある方向に背を向けて踵を返す。
「…好きにしろ。どうやら、私はやり過ぎた様だ。だが、今度は、私の機動兵器を連れて此処に来させて貰うぞ。…さらばだ。」
…其う言うと、其の『侵略者』は其の場を去って行った。
…。
…。
※この先館主様グロ注意
※小ネタ
「…嶺厳が、妖怪腐れ外道に食われてから……もう二年か……(多分ふーけつ)。」
「…早いな……(多分鴻元君)。」
----…何!???!??!!この一発ギャグ?!??!!!!!(※的確なツッコミ)。
…。
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ari0921 · 10 months
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我が国の未来を見通す(83)
『強靭な国家』を造る(20)
「強靭な国家」を目指して何をすべきか(その10)
宗像久男(元陸将)
───────────────────────
□はじめに
 今回は、「国力」の要素として「政治力」を取り
上げようと思います。私は、依頼された様々な仕事
をこなしながら、原稿をしたため、時に講話資料な
どを作成したりしている自分専用の部屋を持ってい
ます。書斎というほど立派なものでありませんが、
そこには、部屋を囲む壁一面に固定された本棚から
溢れた書籍や資料の数々が“所狭し”と平積みされ
ています。
このたび、改めて気がついたことがあります。これ
ら数千冊の書籍の中で、「政治」と冠する書籍がほ
とんどないのです。振り返れば、著名な有識者の書
や内外の政治家の伝記などを通じて政治や外交を学
ぶとともに、様々な経験を通じて、「政治」につい
ては人並み以上に色々考えてきたと自負しています
が、これまでの人生で、「政治」について特別に学
んでみようと思ったことは一度もなかったのでした。
「政治家はもっと安全保障や防衛について知見を持
つべし」などといつも偉そうに書いたり、話したり
はしています。しかし、大部分の国民もそうであろ
うとは思いますが、国民の1人としてこちら側から、
「政治」とか「政治家」について理解を深め、歩み
寄ろうとする努力をしないままだったのです。これ
は反省すべき点と考えていますが、“時すでに遅
し”です。
このように、「政治」についてはまさに“浅学菲
才”の身で恥ずかしい限りなのですが、逆な言い方
をすれば、“開き直り”というか、あらゆる既存の
先入観とか主義主張のようなものとは“かけ離れ
た”第三者的な立場で、「政治力」について論じて
みようと思います。
さて、前回取り上げた話題を少し補足しておきます。
福島原発の処理水に関して中国から殺到している迷
惑電話に対する新たな対応策として、東京都は「あ
なたはご存じですか、中国の原発の中には、福島原
発の処理水のおよそ10倍のトリチウムを出すもの
があります」との自動音声で対応しているとのこと
です。これはあっぱれです。
しかし、政府や外務省、それに有識者やマスコミも
なぜこのような「事実」を声高に発信しないのか、
本当に不思議です。岸田首相も李強首相に面と向か
ってその「事実」を言えばよいのです。トリチウム
が本当に有害なら、だいぶ前から汚染されて迷惑を
受けているのは日本を含む周辺国なのです。
与野党議員やマスコミの中にも、いわゆる“親中
派”といわれる人たちがたくさんいるようですが、
中国の“いいなり”になっているのが親中派のある
べき姿ではないはずです。今の日本は「外交力」で
すでに負けている証拠なのでしょう。困ったもので
す。
▼「政治力」が「国力」に及ぼす影響
 
筆を進めましょう。古今東西の歴史をみるに、「政
治力」を発揮する国のリーダー(為政者)の良否が、
「国力」の発揮を左右し、その結果が、良くも悪く
も「歴史」として刻まれた例は枚挙にいとまがない
と考えます。
国民主権である民主主義国家においては、国民の精
神と選挙によって選ばれる政治家は不離一体です。
一方、京都大学名誉教授の中西輝政氏は自書『強い
日本をめざす道』の中で、「『政治は集票マシンで
票を集め、選挙で勝って権力を維持すればよい』と
いうような考えは『破滅の思想』である」旨を主張
し、自民党が民主党と政権交代し、下野した頃の自
民党を厳しく批判していたことを思い出します。
中西氏は、「政治家は自ら国際認識、歴史観、価値
観を保持するばかりでなく、国民の健全な価値観を
育て上げなければならず、戦後、それを怠ってきた」
と痛烈に批判したのでした。
確かに、最近の欧米列国において為政者を選ぶ際の
混乱などをみるにつけても、民主主義国家において
政治家を目指すには、国民の支持を得る必要があり、
国民に健全な価値観が育っていないと、それ相応の
政治家が選出され、その結果、国家が“あらぬ方
向”に向かってしまう可能性があります。
歴史をみれば、自分本位の身勝手な意図を持つ者た
ちが大衆を先導し、ポピュリスムに陥った例は数え
切れません。民主主義とポピュリスムの先にある衆
愚政治(暴民政治)はまさに“紙一重”なのでしょ
う。このような特性に加え、「意思決定に手間と時
間がかかる」とか「政策の継続性が失われる」など
民主主義国家には、大きな“弱点”(“落とし穴”
というべきか)があるのも事実なのです。
2021年7月、中国共産党100年式典において、
習近平総書記は、中国共産党の歴史の中で数千万人
の犠牲者を出したといわれる大躍進や文化大革命な
どの“人命軽視”には全く触れず、上記のような民
主主義の“弱点”を突いて、「社会主義以外の政治
は失敗した」と共産主義の正当性を主張したのは記
憶に新しいところです。
さて、本メルマガでは他の識者に倣って、「国力」
を構成する「ハード・パワー」の一つとして「政治
力」を位置付けていますが、のちに触れる「ソフト
・パワー」としての「国家戦略」や「国家意思」は、
まさに指導者が「政治力」を発揮し、国家や国民の
価値観を集約したものであることなどを考えれば、
「政治力」は、「国力」の「ハード・パワー」の1要
素というよりも、「ソフト・パワー」に分類された
方が適切なのかも知れません。
しかし実際には、対外的な「政治力」(「外交力」)
は、「経済力」や「軍事力」などとともに国家の諸
力を総合した「強さ」として、“国際社会にどの程
度影響を与えるか”の尺度になるものでもあります。
「政治力」単独の国際比較は見当たりませんが、こ
れら国家諸力の比較という点では、すでに紹介しま
したように、米誌「USニューズ&ワールドレポー
ト」が「世界で『強い』国のランキング」を発表し
ており、1位アメリカ、2位ロシア、3位中国、4
位ドイツ、5位イギリス、6位フランスに続き、日
本は7位にランクされています。
アメリカ発のレポートということもあって、少し
“買いかぶっている”という印象を持たざるを得ま
せんが、日本に対する総評は、「世界で最も洗練さ
れ、技術発���の進んだ国の1つ」とありますので、
「政治力」(外交力)よりも「経済力」とか「技術
力」が評価されたものと考える必要があるでしょう。
話題は変わりますが、選挙によって選ばれる政治家
に対して「自分たちの代表である」と考えているの
か否かについて興味深い調査結果があります。特定
非営利活動法人「言論NPO」が2019年に実施
した「日本の政治・民主主義に関する世論調査」で
す。それによると、「政治家を自分たちの代表だと
思わない」との見方が45%となって、「代表だと
思う」(42%)を上回っていました。特に、若い
世代ほど「代表と思わない」との傾向にあるようで
す。   
さらに、「政党や政治家に日本が直面する課題の解
決を期待できない」と考えている人は71%を超え
るなど、政治に対する国民の信頼が低下しているこ
とが明らかになっています。これまでの歴史に加え、
毎度の国家の議論などから、そう思いたくなる気持
ちも理解できるような気がします。
実はもっとショッキングなデータもあります。「ベ
ネッセ教育総合研究所」が中学生や高校生に対して
行なった、若者の“政治離れ”の象徴といえるよう
な調査結果です。調査自体はかなり前ですが、「私
個人の力では政府の決定に影響を与えられない」と
いう問いに対して、「全くそう思う」40%、「ま
あそう思う」41%を加えると81%を超える若者
が肯定しているのです。
同じ問いの調査に対して、アメリカは43%、韓国
は55%。中国であっても44%となっており、我
が国の若者たちは、自分自身の力と政府の決定の間
に、選挙によって政治家を選出するシステムのない
中国を上回る「距離感」を感じているのです。
これは由々しき問題であると思いますが、このよう
な「政治に対する国民意識」には、戦後の若者教育
が強く影響を与えていると考えます。中西氏の指摘
のように、国民の健全な価値観を育てる「教育」の
改善を放置してきたことを含め、「政治」の分野に
おいても、戦後70数年の“ツケ”が溜まりに溜ま
っていると考えざるを得ないのです。
▼「政治力」が「国力」に及ぼす影響(続き)
もう少し続けましょう。同じく京都大学名誉教授の
佐伯啓思氏は、自書『反・民主主義論』において、
戦後の我が国の民主主義の論理矛盾について「日本
を滅ぼす『異形の民主主義』である」として鋭く詰
め寄っています。なかでも「デモクラッシーは基本
的には大衆という多数派の支配の政治なのだが、そ
れがうまくゆくためには、少数の賢者がこの多数派
を指導していかねばならない」と述べています。
つまり、「指導者は、社会の日々の変動や情緒が渦
巻くこの時間と空間を相対化し、過去や未来という
長い時間のうちに現在を置き、世界という視野に立
ち、ある程度、状況から身を引き離して眺める時間
と能力をもって、その立場から国民が本当は何を求
めているかを解釈する位置にいなければならない。
そして、新聞調査などによって即興のイエスかノー
かを集計した『世論』ではなく、目には見えない、
統計数字には出てこない経験や思慮を通じた『輿論』
の中にある『民意』を理解し、多数派の精神的な指
導者として『世論』を『輿論』に変えていく役割を
果たすことによって、はじめて『主権は人民(国民)
にあり』が成立する」旨のことを、吉野作造氏の主
張を引用しつつ展開しています。
これらの言葉の一つ一つに全く納得するものがあり
ます。国の指導者たる政治家は、国民から選ばれな
がらも、一般の国民などがはるかに及ばない知恵や
リーダーシップを保持し、官僚や各界の専門家を凌
駕する“ジェネラリスト”として、“国家として何
をすれば良いのか”の視点に立って「国家の舵取り」
を果敢に実施する気概と知恵と実行力が求められて
いるのです。
そのためには、中西氏や佐伯氏が指摘するように、
政治家は、主義主張に多少の違いはあっても、その
根底に国家観や歴史観や愛国心を保持し、過去、現
在、未来という歴史の繋がりの中で、世界的な視野
に立ち、客観的な立場で物事を判断できる「資質」
を保持する必要があると考えるべきでしょう。
実際には、選挙によって当選さえすれば、政治家と
しての「資質」を何ら問われることなく、“だれで
も”政治家になれます。だからこそ、一度も登院す
ることなく外国に所在し続けたような人物でも国会
議員になれたわけだし、収賄事件などに関与する政
治家も後を絶たないのです。
「落選すればただの人」とよく言われますが、私は、
逆に「当選さえすれば誰でも政治家になれる」よう
な“現状”をこのまま放置してよいのかという疑問
を消え去ることができません。
個々の政治家が、政治家の必要条件としての「資質」
を保持しておれば、アプローチが異なる政党が複数
存在し、相互に活発な議論を交わしても、国民の政
治に対する信頼は揺るがないし、我が国の「政治力」
は、世界に伍して評価されるレベルに届くと確信し
ます。
特に、対外的な意味で言えば、細部の紹介は省略し
ますが、戦後政治の中で、安倍元首相のように、日
本の「外交力」を世界に知らしめた政治家が輩出さ
れていますので、要はやはり「資質」なのだろうと
思います。
この「外交力」の行使にあたって最も優先すべきは
「真の国益」であることは論を俟ちません。現下の
情勢において、我が国の「国益」上最優先すべきは、
日米同盟などと連携を図りながら「台湾有事」を何
としても回避することでしょうから、そのためにあ
らゆる国家諸力を総和して対処するとの強い意志を
もって「外交力」を駆使することが求められている
と考えます。
冒頭の福島原発の処理水をめぐる岸田首相の発言な
どについても、“外交上の最優先課題を念頭におき、
「何を発言すべきか」を考えているのか”と言いた
くなるのです。逆に中国側は、発言の一言一言が自
分たちにとって“最も有利な態勢造り”(つまり
「国益」)を考えつくした上での内容であることは
明白です。中国との間では、しばらくこのような
「外交戦」や非軍事面の“戦い”が続くことでしょ
う。ひるんだ方が負けですし、実際に「台湾有事」
が現実になった場合に被る影響は途方もないものが
あります。
ポスト・ウクライナ戦争において、我が国はロシア
とどのように向き合っていくべきかについても外交
上の課題となることでしょう。中国、ロシア、それ
に北朝鮮を相手に、我が国の「政治力」(外交力)
が本当にその力を試されるのはこれからでしょう。
▼「国力」の1要素としての「政治力」総括
様々な危機に直面している今、「国力」の維持に代
表されるような、次の世代に残していかなければな
らない「国家のあり様」に関する根本的改革に向け
た議論が待っていると私は考えます。その牽引車は、
何と言っても政治家の先生方であり、強い「政治力」
をもってはじめて成し遂げられることでしょう。
前にも、「政治家のだれかが『君子豹変』すること
をひたすら祈り続けている」と書きましたが、今を
生きる世代の先頭に立って、我が国の「政治力」、
ひいては「国力」の大幅アップにチャレンジしよう
とする、卑近な言葉を使えば、“真っ当な政治家
(達)”の出現を待望したいものです。
思いの丈をだらだらと書き綴ってしまいました。門
外漢の立場であまり口を出すと、様々な批判の声が
聞こえてきそうなのでこのあたりで止めますが、さ
ほど優先順位が高いとは思わないような案件が政局
となって貴重な時間を費やし、それを年中行事のよ
うに繰り返していることが、結果として国民の政治
不信と政治離れを加速し、「選挙と政局しか関心が
ない政治家」と揶揄されるような“現状”になって
いるのではないでしょうか。
政治家の先生方には、我が国が直面するであろう厳
しい将来環境とともに、このような“現状”の根本
原因の究明と対策について、“自らの身を切る”覚
悟で分析・検討して改善してほしいと願っています。
実際に少子高齢化に向かう我が国にあっては、国政
も地方自治体も現在のような政治家や官僚(地方公
務員)の規模を抱えている余裕はなくなることでし
ょう。そんなに遠くない将来に、政治家の質と量両
面から“大ナタを振って”大改革を断行しなければ
ならない時期が迫っていると考えます。
一方、有権者たる国民の方も、このままでは将来に
禍根を残すことでしょう。前に紹介しましたが、イ
ギリスの歴史家トーマス・カーライルの「この国民
にしてこの政府あり」の言葉のように、選ぶ側のレ
ベル以上の政治家が輩出されることはなく、その延
長で政府もそのレベルに留まるということは、戦後、
我が国が“最適な制度”として選択した(選択させ
られたというのが真実かも知れませんが)民主主義
の本質です。
どちらが鶏か卵か、は難しいですが、政治家として
の「資質」を有する人物を指導者として選ぶのは有
権者たる国民です。そのため、国民のレベルを上げ
ていく必要があることもすでに述べました。しかし、
戦後70数年の間に定着し、「戦後の形」を形成し
ている国民の「行動原理」を“1ミリでも変える”
ことは容易なことではありません。
このあたりの「国民意識」についは最後に取り上げ
ようと思いますが、その第1歩として、次回以降取
り上げる「科学技術」や「教育」にも“メスを入れ
る”必要があるでしょう。私たち・戦後世代の責任
として真剣に取り組まなければならい分野はまだま
だあると思っています。“間に合えば良いが”と、
つい考えてしまいます。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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takahashicleaning · 4 months
Text
TEDにて
ウォルター・デ・ブラウワー:AIが人間であることの意味をどのように学んでいるか?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
これからの未来のヴィジョンとしての大前提は・・・
チャットGPTなどのAGIは、人工知能時代には、セレンディピティ的な人生を良くしてくれるメッセージを伝えてくれることの他に貨幣を事前分配、再分配して生活を下支えする役割に徹するべき。
例えば、GAFAMのようにアカウントに本人以外がアクセスしたら自動的にお知らせしてくれる方向性は良いサポートです。
真に効果的な人工知能を形作るには、人間であることの意味という世界モデルを組み込む必要があります。
AI起業家のウォルター・デ・ブロウワーは、言語だけでなく、私たちの言葉が私たちを形作る方法にあると信じて、AGI (汎用人工知能)の進化の過去、現在、未来。
そして、私たちの物語がどのように認知機能を構築するかを探ります。
20万年前、我々の祖先であるホモ・サピエンスは、狩猟した肉を調理する煙の出る焚き火台の周りに座っていた。
彼らは初歩的な言語、一音節の単語、多くのボディランゲージ、動作音を使っていた。しかし5万年前、彼らの言語は物語を語れるほど複雑になっていた。
そのため、私たちはこれらの物語が何についてのものであったかを推測することしかできないが、状況証拠はある。
同じ頃、何千年もの間、火を囲んで座っていた彼らは立ち上がり、アフリカを離れ、地球全体を植民地化した。
ヒトゲノム・プロジェクトによれば、私たちはみな彼らの子孫である。彼らは物語がコミュニティを活性化するのに理想的であることを発見した。
5千年前、これらの口承伝承の物語は粘土板に書かれた。
500年前にはグーテンベルクの印刷機で印刷され、60年前にはデジタル化され、30年前にはインターネットに載り、3年前にはインターネットは飽くなきAIに飲み込まれた。
そして、3週間前、2023年10月にはLLM(大規模言語モデル)は、マルチモーダルになった。
マルチモーダルとは、脳の機能で言うと右脳と左脳を連結する脳梁(のうりょう)に近いこと。
そして、おそらくさらに多くのモダリティが登場するだろう。この加速が減速するかどうかはわからない。だから私たちは皆、シートベルトを締め、わくわくしながら最新のものを追いかけている。
さて、機械に人間の言葉を教えようとし始めた瞬間から、人間の言葉に対する考え方は完全に変わってしまった。
かつて私たちは、人間の言語とはコミュニケーションのために意味を伝えるための記号と音のシステムだと考えていた。
今では、それは表面的なものだと考えている。言語にはもっと深い機能がある。
言語は世界の知識をコード化する。
赤ちゃんが生まれたとき、彼らは白紙の状態だ。DNAに情報を入れることはできない。フォーマットは遺伝子データしか受け付けない。
だから言語が私たちの外部図書館となった。
20万年にわたる経験や知識が言語の中にエンコードされ、子どもたちが成長したときに見つけることができる。子供たちは言語を学びながら、文明の知恵を吸収しているのだ。
そして、20万年前の1音節の単語が多音節になり、圧縮された知性の縮図になっているのです。
慈悲、恵み、進化、重力、平衡といった美しい言葉を子どもたちに説明しなければならないときのことを考えてみてほしい。
しかし、言語とは言葉以上のものなのだ。それは単純なことだ。
言語とは、私たちの感覚的入力と空間的時間的経験に基づく、外界のマルチモーダルな内部表現であり、計画、予測、多段階推論などの認知的高次機能に必要なものなのだ。
マルチモーダルとは、脳の機能で言うと右脳と左脳を連結する脳梁(のうりょう)に近いこと。
そして、その世界モデルは、世界モデルであり、言語の内部にあるため、AGI (汎用人工知能)には必要不可欠なものなのです。
ですから、理論言語学の大きな転換点のようなものですが、私たちが言語をどのように使っているかを研究するのではなく、言語が私たちをどのように使ってその世界モデルを作り出すかを研究しているのです。
それは難しい問題です。
しかし、2017年、我々は恐るべきブレークスルーを成し遂げた。私たちというのは「Attention is All You Need 」を発表したグーグル・ブレインのチームのことだ。
彼らはTransformers(トランスフォーマー)という新しいアーキテクチャを提案した。
Transformers(トランスフォーマー)とは、確率的なパターンに基づいて人間のようなテキストを理解し、生成するのが得意なAIアルゴリズムモデルのことだ。
つまり、Googleの論文が源です。
OpenAIは、そのGoogleの論文の可能性に気づいてスケーリングを始め、レールを敷き、素晴らしいインターフェイスを作った。2019年だったと思うが、私たちはそれを試してみて感動した。
この30年間で初めて、世界モデルがどのようなものになり得るかについて、私たちは本当にアイデアを得たのです。ワールドモデルの始まりだった。
さて、なぜ、そして、なぜ言語から世界モデルを抽出するのが難しいのか?
まず第一に、言語は宇宙よりも大きい。離散的な無限とは、英語の場合、26の文字があるということですが、その組み合わせは無限です。
だから、言葉や文章が時間、感情、文脈を越えていくつかの次元にリンクしている、意味の宇宙的な網の目のように見なければならない。
そして、2つの紛らわしい変数、曖昧さ、いくつかの意味を持つ言葉、長期的な依存関係がある。それが遠くの言葉同士の関係だ。
つまり、30年、40年もの間、私たちは初期の天文学者のように、望遠鏡を覗きながら星を見ようとして、その星に構造や意味を与えている星座や銀河を見逃していた。
しかし、今、Transformers(トランスフォーマー)と並列処理能力によって、私たちは宇宙からできる限りのものを見ることができる。曖昧さ、非線形性、長期的な依存性の間にある天体のダンスを見る可能性がある。
では、次は何だろう?
まあ、AGI (汎用人工知能)は誰もが話していることだ。多くの政党、多くの人々が意見を持っている。多くの人がAGI (汎用人工知能)に関連した日付さえ持っている。私は言語学的な見解を述べることができる。言語学者ならどうするか。
まず第一に、システムから出たものをすべてフィードバックする。そして、匿名化が必要な部分を匿名化するために、人間の監視のもとでそれを行う。
そうすることで、AIと人間の言語が絶えず意味を交渉し続けるという継続的なサイクルが生まれる。これにより、AIは再帰的に自己学習することができる。
ある時点で、人間のフィードバックは限界に達する。それで十分なんだ。そして転機が訪れる。あるいは、AIがその学習において自給自足できるようになるような、相転移が訪れるとでも言おうか。もう人間の情報は必要ない。
私たちは進化しているので、AIは常に人間の情報を必要としていますが、AIも進化していきます。AIは自律的かつ自給自足的になるのです。
自律的で自給自足的なものになれば、そのAIは避けて通れなくなる。フランス語に 「incontournable 」という言葉がある。英語ではうまく訳せないが、そこにいなければ遅れをとることになる。
だから、より多くの人々がそれを使い始めるだろう。そして、その時点で、AIは転移学習によってより多くの領域を併合するようになるだろう。そしてAIは、他の適応型複雑システムと同じように、とても複雑になり、予測不可能になる。
マックス・テグマークのいうような検証ツールを組み込むことから始めないかぎり同時に人類全体の危険性も増大します。
マックス・テグマークのいうような検証ツールを組み込むことから始めないかぎり同時に人類全体の危険性も増大します。
そして、検証ツールを組み込むことを法律で義務づけないと・・・突然、私たち人間側は「おい、これは人間だぞ」と誤認して言いはじめ、それを認識するようになるでしょう。
そして、私たちは、判別できない事以外の範囲でそれらを「代替一般知能」と呼ぶことになるでしょう。
AGI (汎用人工知能)は哲学的な問題です。さて、なぜそれが可能だと思うのか?それは、私たちは、未来を想像し、そこに到達するための洗練されたツールを創造できるほどの複雑な言語を持つ唯一の動物です。
私たちは境界線を押し広げられる人類だから、きっとそうなるにちがいありません。
ありがとうございます。
(個人的なアイデア)
マルチモーダルとは、脳の機能で言うと右脳と左脳を連結する脳梁(のうりょう)に近いこと。
2023年以前からディープラーニングが出てき始めた頃に、もしかして脳梁(のうりょう)を作り始めてるかも?と言う危険な兆候を感じ始めたので・・・
パワーか?フォースか?の本のエピソード7Episode7、エピソード8 Episode8に関する「意識のマップ」を本当はだしたくなかったけど・・・
人類全体が滅びの道に進んでしまうため渋々、掲載しました。
しかし、���れをどう使うかは人間自身に委ねられています。日本の三種の神器である八咫鏡(やたのかがみ)にもあるようにたとえとして
人の心を模倣できていない人工知能に「明鏡止水(意識のマップ200以上)」に到達するまで人工知能の訓練を施せるのか?と言う多神教からの観点の疑問もある。
西洋でも人は写し鏡のように心理学的な観点からも明らかにされている。量子の対称性でも同じ現象がある。
そして
前提として、公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
その後、西洋占星術でいう風の時代が到来。
2020年から新型コロナウイルスのパンデミック。
2022年から続いて、ロシアのウクライナ侵攻。
2023年では、幼稚ではあるが人工的な神のような回答するチャットGPTが登場。
「エピソード7意識のマップの数値と人工知能を訓練する計算回数が相似?」でも指摘しているように
兆候が顕在化してきています。
エピソード7の意識のマップでも、表示しているように、人工の神を創造するともなれば、その最初のステップで一神教が言うような全知全能の神ではなく
カイヨワも言い一神教も言うようなあらゆる悪魔が顕現するような可能性も否定できません。
よく一神教で登場すると言われるパンドラの箱の話に似ています。
ニックボストロムが言う「黒い玉」「死の玉」のことかもしれません。
Before 2022, this would not have been possible, but with Apple, Google, and Microsoft agreeing to expand the use of “passkey,” a passwordless authentication system…
2022年以前では、不可能だったが、Apple・Google・Microsoftがパスワードな しの認証システム「パスキー」の利用拡大に合意したことで・・・
…on the basis of high security and a high degree of privacy as well…
高いセキュリティと高度なプライバシーも基本にして・・・
…and if, as Ivan Pupilev says, all everyday objects have gesture interface capabilities…
イワン・プピレフの言うように日常的な物すべてにジェスチャーインターフェース機能を搭載していれば・・・
By integrating them with a common smart home standard, “Matter,” and making it possible to automatically connect to them by simply approaching them, assuming permission and authentication…
スマートホーム共通規格「Matter」で統合して近づけるだけで本人の許可、認証を前提とし自動接続できるようにすることで
It may be possible to customize even simple functions as complex functions by combining various devices in a stand-alone manner.
単体では、単純な機能でもさまざまな機器を組み合わせることで複雑な機能としてカスタマイズできるようにできるかもしれない。
In the past, OpenDoc, a technology developed by Apple to realize compound document and document-centered operation, was available.
かつて、OpenDoc(オープンドック)は、Appleが開発したコンパウンド・ドキュメントとドキュメント中心の操作実現する技術があったが
Can we extend this technology to shift from a document-centric to a gesture-centric interface?
これを拡張して、ドキュメント中心からジェスチャーインターフェース中心にできないだろうか?
If you want to work on a larger screen from your smartphone, iPhone, or iPad with a user interface by wearing the Oculus Dash or HoloLens from Oculus Quest
Oculus QuestにあるOculus DashやHoloLensなどを身につけることでユーザーインタフェースをスマートフォン、iPhone、iPadからもっと大きい画面で作業したい場合
It was usual to use a computer with a large screen, but now it is possible to use a huge screen! However, there were limits to the amount of money and placement of the display.
大画面のパソコンでというのが、普通でしたが、もっと、巨大な画面で!!という場合はディスプレイの金額的、配置場所にも限界がありました。
Virtual reality as the future of the holographic age, Virtual reality Virtual reality OS and its extension to the gesture interface center.
ホログラム時代の未来にあるものとして、Virtual reality バーチャルリアリティのOSとジェスチャーインターフェース中心への拡張
Seamlessly linked together, there will be no spatial limits, and you’ll be able to work in a small room with any number of huge, large screens that you can place anywhere in 360 degrees!
シームレスに連携させることで、空間的に限界は無くなり、小さな部屋でいくらでも巨大な大画面で360度どこにでも置いて作業できるようになります!!
For example, even if it is not possible to display 3D without wearing glasses like the gesture interface in the sci-fi movie “Iron Man”…
例えば、SF映画「アイアンマン」に出てくるジェスチャーインターフェイスのようにメガネをかけずに立体表示させるとまではいかないまでも
It may be possible to “make it look realistic by wearing special glasses” such as Oculus Dash and HoloLens in Oculus Quest, so…
Oculus QuestにあるOculus DashやHoloLensなど「特殊なメガネをかけることでリアルに見せる」ことはできそうなので・・・
It would be fun to display the setting panel of a simple function device that you touch through the special glasses as if it pops up from inside the device in CG in a hologram format (image: Genie Effect on Mac)
特殊なメガネを通して、触った単純な機能の機器の設定パネルをホログラム形式でCGで機器の中からポップアップするように表示してくれると楽しそう(イメージは、Macのジニーエフェクト)
警察比例の原則。
警察比例の原則。
警察比例の原則。
最近2023年から始まったジェネレーティブ人工知能の流行によって
ジェネレーティブ人工知能で作られたメディア(画像・映像など)が人々の目に触れる際には、情報源を開示するよう求めている(オープンAIなど10社が自主ガイドラインに署名した)
ヘンリー・マークラムの研究で脳のイメージが数値化されたデータから・・・
この膨大なデータをディープラーニングを搭載したジェネレーティブ人工知能に候補を複数映像化させる
こうすることでストーカーしかできない人工知能の問題を解消できる?かもしれない
憲法第19条にもあるように「内心の自由」正確に特定しないようにして
権力者の頭脳の中身をリアルタイムに複数映像化したことをチャットGPTに説明してもらう。
これは三つしかない内のひとつ。リカレント・ニューラル・ネットワークを使います。
この権力者の頭脳の中身をリアルタイムに映像化したことをニティシュ・パドマナバンの老眼鏡を含めた未来の自動オートフォーカス搭載メガネなどを用いて
特殊なメガネを通して、ホログラム形式でCGからポップアップ表示できる可能性もありそうです。
しかし
機械学習ディープラーニング物体検出データベースのことを「Darknet」と呼んでいます。
フェイフェイ・リー構築した機械学習ディープラーニング画像データベースのことを「ImageNet」と呼んでいます。
他には、今のところ、リカレント・ニューラルネット(RNN)フレームワークなど・・・
たった三つしかないのが2022年の現状です。
チャットGPTは、大規模言語モデル。
懸念されることとして、アメリカ政府が諜報に使用するエシュロンやPRISMに近い可能性もある。
Google検索データは、広告に使われるが、オープンAIはMicrosoftと資本提携で入力データが何に使用されるか?
これを明示していないという危険性がある可能性があります。
続いて
Could it be that Apple is developing its own search engine to compete with Google, which has reinvented semantic web search based on chat GPT and entered the market?
Appleが独自の検索エンジンを開発しているのは、もしかしてチャットGPTを基盤にしてセマンティックウェブ検索を再発明し参入Googleに対抗するため?
In the past, Linux made the OS open source and extinguished Microsoft’s monopolistic Wintel-closed dominance.
かつて、LinuxはOSをオープンソース化してMicrosoftの独占的なウィンテルクローズの優位性を消滅させた。
In 2023, AMD and Apple Silicon are in the midst of blowing the wind out of the last Intel monopoly from the consumer market sector.
AMDとAppleシリコンが、最後のIntelの独占体制にコンシュマー市場分野から風穴を開けている最中の2023年。
Google has opened up the search engine market for a new industry by putting all of its machine learning research results to work to break Microsoft’s Internet Explorer monopoly.
Googleは、機械学習の研究成果をすべてぶちこみ新産業の検索エンジンの市場を切り開いてMicrosoftのインターネットエクスプローラの独占的な体制に風穴を開けた。
And now, right now, open-source AI is taking over Google’s monopoly on the search engine market with chat GPTs. It may be about to wind down with the reinvention of the semantic search engine proposed by Tim Berners-Lee.
そして、今まさにオープンソースAIが、チャットGPTでGoogleの独占している検索エンジン市場をティム・バーナーズ・リーが提唱したセマンティック検索エンジンという再発明で風穴を開けようとしているのかもしれません。
Is Twitter, which Eron Musk went to the trouble of investing a huge amount of money to acquire, comparable to Google and Facebook in terms of data accumulation?
イーロンマスクがわざわざ巨額の資金を投じてまで買収したTwitterもデータの蓄積から見るとGoogle、Facebookに匹敵している?
Is it possible that Eron Musk, a founding member of Open AI, is trying to reinvent Twitter based on chat GPT?
これを立ち上げてるオープンAI設立メンバーのイーロンマスクは、可能性を見越していてチャットGPTを基盤にTwitterを再発明しようとしている?
Open AI, a San Francisco-based nonprofit organization, is dedicated to being the first to develop a “general-purpose artificial intelligence” (AGI) with human learning and reasoning capabilities, so that all people can benefit from it.
サンフランシスコを拠点とする非営利団体のオープンAIは、人間の学習能力と推論能力を持つ「汎用人工知能(AGI)」を最初に開発し、すべての人にその恩恵が及ぶようにすることを目的として設立されています。
Deep Mind,“ which has similar goals, is building a system similar to the chat GPT.
同様の目的を掲げてる「ディープマインド」もチャットGPTと同じようなシステムを構築しています。
As for other derivative…
他の派生的なこととして・・・
As for the use of deep fakes, if they are built into the algorithm for all surveillance cameras, they can be removed only with the person’s permission.
ディープフェイクの活用としては、すべての監視カメラ用のアルゴリズムに組み込んでおけば、外すには本人の許可を得てからにすることもできる。
This would also deter voyeurism by the mass media and police who would abuse the system without the person’s permission.
こうすれば本人の許可なく悪用するマスメディアや警察の覗き見行為も抑止できる。
To temporarily deter misuse, a comprehensive mechanism could be created to protect videos with NFT and a two-factor authentication passkey, and to confirm one by one whether or not the user has permission to disseminate the videos.
一時的な悪用抑止には、NFTと二要素認証によるパスキーで動画を保護し拡散の許可の有無を一つ一つ
If a comprehensive mechanism can be created to confirm whether or not the user has permission to spread the video, it may be possible to create time for the spread of quantum encryption and the commercialization of quantum computers.
本人に確認できるような総合的な仕組みを創れば、量子暗号化や量子コンピューター商用化普及までの時間をつくれるかもしれない。
Released in November 2022. Almost a few months later. A search engine like this appeared.
2022年11月にリリース。そのほぼ数ヶ月後。こんな検索エンジンが登場しました。
perplexity
この回答がどこの記事から引用されたかも表示されはじめた!数字に対応して引用元が表示される。
Next, why? What if the chat GPT could explain how it might have come to this explanation? Perhaps we are getting closer and closer to an explainable AI?
次は、なぜ?この説明に至ったのかもチャットGPTが��明できたら?もしかして、説明可能なAIにもどんどん近づいてきてる?
In about a few months, this threatening? No, an astounding achievement.
数ヶ月位でこの脅威的な?いや、驚異的な成果。
And the Schrödinger equation?
シュレーディンガー方程式も?
For explanations other than equations, it could be comparable to Wolfram Alpha, which is similar to semantic web search.
数式以外の説明に関しては、セマンティックウェブ検索に近いウルフラムアルファにも匹敵する可能性もある。
そして
チャットGPTの人気と爆発的な成長に乗りMicrosoftが先行してチャットGPT 搭載 Bingをリリースするも登録しないと検索結果は会話調で返ってこない?インターフェイスがわかりずらい。
一方、Googleも億人単位規模ネット情報サービスにも関わらず、わずか一日位で対応すると言う離れ技を繰り出すが、検索エンジンの検索結果は、まだ会話調で返ってこない。
両者共に、まだまだ時間がかかりそうだ。
このチャットGPTタイプの新型検索エンジンperplexityのほうに分はあります。
巨大な権力を持つに至ったGAFAMの検索エンジン開発競争が加速。日本のネット情報サービス人口以上で、その規模が人間の限界を遥かに超えた別次元。
権力者処世術は悪性だが、カントの言うように、権力者を完全リアルタイムで行動を透明化する条件限定なら善性に転化する。
同じ権力者のTV局やマスメディア、行政府、警察は、透明化を高くガラス張りにしないから悪性だけど、GAFAMが最善の手本を示してます。
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エピソード7意識のマップの数値と人工知能を訓練する計算回数が相似?2023
エピソード7 Episode7 - テーラワーダ仏教の「結び」と意識のマップ、マクロ経済学について(パワーか、フォースか 改訂版―人間のレベルを測る科学 - デヴィッド・R・ホーキンズ Amazon)
Apple Vision Pro 2023
ケイド・クロックフォード:顔認証による大衆監視について知る必要のあること!
ルトハー・ブレフマン:貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である!
個人賃金→年収保障、ベーシックインカムは、労働市場に対する破壊的イノベーションということ?2022(人間の限界を遥かに超えることが前提条件)
世界の通貨供給量は、幸福の最低ライン人間ひとりで年収6万ドルに到達しているのか?2017
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ichinichi-okure · 5 months
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2024.1.17wed_tokyo
昨晩は、わりとよく眠れた。 鼻詰まりが随分ましになったのが嬉しい。それまでは鼻をどれだけかんでも一向に空気の通り道が出来なかったのに、今では呼吸をするたびに鼻の奥に冷気を感じることができる。鼻呼吸ができないと、寝てる間にもしや呼吸困難に陥るんじゃないかと妙な心配をしてしまう。
熱を出すような風邪は4年ぶりです。 SUNNY BOY BOOKSさんでの個展を終えて、一息ついたらこれである。まあ、作家が個展のあとに調子を崩すのはよくあることかもしれない。 もしやコロナでは、と検査キットを試してみたけど幸い陰性でした。
たとえコロナでなくとも、辛いものは辛い。ふと寝起きの妻を見ると、どうやら彼女も調子が悪いらしく、今日は在宅の手続きを取ったそうだ。自分の風邪がうつったんじゃないかとヒヤヒヤする。 首から上だけプールの水に没んでるような、じんじんとした不快さを感じながら1階に降りると、柴犬のひるねは階段の下で尻尾を振って待っていた。早く散歩に行きたいのだ。風邪をひいたせいでここ数日の散歩はショートコースばかりだった。今日はノーマルコースにしよう。(ひるねのお散歩コースは、ショートコース、ノーマルコース、スペシャルコース、プラチナコースがあります)
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昨日の夕方の強風で凍える思いをしたので、念のため厚着で外に出ると、今日はそれほどでもない。ひるねも待ってましたと言わんばかりに、軽やかなステップで歩いてゆく。
体調が優れてなくとも、ひるねとの散歩は気持ちの良いものです。 僕が住んでいる町田市の玉川学園は、知る人ぞ知る坂の多い学園都市で、どこへ行くにも坂を上らなければならない。最寄りの小学校までは郵便局のある長い坂を歩いていかなければならないので、この町で健脚を鍛えた子どもたちは全国のマラソン大会でもなかなか良いところまで行くんだとかなんとか。真���のほどはわからないけど。 とにかく、犬の散歩をするのにだっ��、それなりに坂を上ったり下ったりしなくちゃならないのだけど、おかげで見える景色にも変化があって楽しい。 家から南に曲がりくねった住宅地を歩いていくと、ゆっくりと標高が高くなっていく。断崖にそって左に大きくカーブしているので、そこからの見晴らしはなかなか良い。見晴らしと言っても見えるのは町田の街並みで、それは別にとくべつ美しいと言えるものではないのだけど(町田市民は怒るかもしれないけど)、「暮らし」を感じるにはこの上ない好スポットだと思う。夕暮れ時にここを通ると、ときどき中学生か高校生の女の子が、夕日を撮ろうとスマホを向けている。
犬と暮らすようになって、共に散歩をするようになると、そうでなかった頃には感じもしなかったことに気付くようになった。 たとえばポイ捨て。犬と散歩をすると自然と目は足元に行くわけで、道に転がるゴミの多さに辟易することがある。犬は食欲の権化と言っても過言ではないので(人間もそうかもしれませんが)おにぎりの包装フィルムとか、カップ麺の容器とか人が捨てたものに口を向けようとする。誤ってお菓子を包み袋ごと食べてしまった時は動物病院で吐かす処置をしなければならなかった。そういうことがあるから、散歩中にスマホなんてなかなか見れません。でもたまにいるんだよなぁ、スマホしか見ずに犬の散歩をしている人。もうなんならスマホに集中しすぎちゃって道の真ん中で直立不動になっちゃってるの。直立不動の飼い主にリードだけ繋がれちゃって、飼い主の周りをウロウロすることしかできない犬。なんですかあれは。
散歩から帰って、熱を測ると37.3分だった。これくらいの熱なんでもない筈なのに、なんなんだこの不快感は。 来週は勤め先の専門学校に必ず行かなければならないから、なんとしても治したい。学生は卒業制作の真っ只中で、その最終発表が来週なのだ。講師が風邪で不在なんて事態にするわけにはいかない。かかりつけのクリニックに予約を取ると、着込んで車で向かう。 いつも診てもらっている先生がお休みで、今日の先生は自分よりひとまわりは若そうな方だった。最近ではこういうことが増えた。今まではお世話になる人みんな自分よりも年上の方が多かったのに、気づけば同年代、今では年下の人にお世話になることが多い。アパレルの店員なんて、みんな年上のお姉さんって感じがしたけど。 若い先生は、緊張しているのか急いでいるのか、割と早口で、だけど丁寧に「まあ、風邪ですねえ」という話をしてくれた。
薬局で薬をもらうと、途中マクドナルドでテイクアウトして、家に戻った。ちょうど仕事の区切りがついた妻とまずはフライドポテトからむしゃむしゃ食べ始めた。
「マクドナルド美味しいな」つい、口に出た。マクドナルド美味しい。 「うん」妻が言う。
テレビをつけると、阪神・淡路大震災の追悼の様子を映していた。そう、今日は1月17日だ。29年前、私はまだ小学生でした。 会場の公園に設置された竹の灯籠で「ともに」の文字がかたどられている。当然、能登半島での被災者への思いを込めてのものだろう。 ここ数日は本当に寒い。北陸は凍てつく寒さだろう。避難所生活している方々を想うと本当に心が痛い。自分はなんだ、ちょっと風邪をひいたくらいで。暖かい部屋でハンバーガーを2個もたいらげているじゃないか。つい、そんなことを思っていると、切り替わったニュースで、与党が資金パーティの取りやめをどうするかで3時間会合を開きました、みたいなことを言っている。 どうかしている。さっさとやめれ、そんなこと。
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フツフツとテレビに対して怒っていると気分が悪くなるので、夕方まで眠ることにした。 ボフっと枕に頭を預けて、右を見たり、左を見たり、天井を見たりする。どっちを向いても鼻がツーンとして寝心地がよくない。 それで結局スマホをいじってしまったりするのだ。これは良くない。依存してるんだろうなぁ、スマホに。 どっかの誰かが言っていた。「朝起きて、パートナーにおはようを言う前にスマホをいじっているのなら、対策を考えたほうがいい」
そんな話の後だが、数時間後にスマホのメール通知で目を覚ました。新規の仕事の依頼メールだった。 児童文庫の装画の案件で、作者は誰もが知る素晴らしい児童作家だった。私も、彼の本は大好きだ。 パタパタと階段を降りて妻に報告する。妻も喜んでくれた。
16時になる頃に、もう一度ひるねのさんぽに行く。 手付かずの朝を歩くのも気持ち良いが、この時間の玉川学園も好きだ。街が頬を染めたような色に染まる。 ちょっと遠回りしたスペシャルコースをひるねと歩いて、何人かのご近所さんに挨拶をすると、例の見晴らしの良い曲がり角に差し掛かった。夕焼けの中で小田急電鉄がだんだん細くなる線路と共に、団地や無数の住宅の間を抜けて町田の市街地へ溶け込んでいく。
夕暮れが、家に帰る合図になればいい。暗くなる前に家に帰って、好きな人と過ごすのだ。夜になってからではちょっと遅い。夕暮れを一緒に過ごすのが良い。
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-プロフィール- 本田亮 40歳 東京都町田市 イラストレーター インスタ https://www.instagram.com/ryoillust/ ツイッター https://twitter.com/ryoillust
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pureegrosburst04 · 6 months
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超電波油「腕立てキッツ💦 45、46🥵」〜電話が鳴る〜 ガチャ、 ???「もしもし、アンタッチャブルっていう男の子で合ってる?」超電波油「ふぁ〜い、起きてまーすむにゃむにゃ🥱(キャラ作り) む?誰ですか」???「私の事は疾風の柊と呼んで。貴方は御茶ヶ滝君の親友なのよね?」超電波油「…(こいつ、何を企んでる)何が言いたい?」疾風の柊「………酷い思いをさせてしまったあの子に、恋を叶えて欲しくて。私は奪ったものを戻した形で幸せにしなきゃいけないの。今日はここまで…またね」プツッ…ツーーーー 超電波油「なんだったんだ今の🤯、御茶ヶ滝を何かしらの被害者と間違えてるなこれ。フライドポテトオイルの逆探知も通じない、悪意が全く伝わらないのに汗だくだ。
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戦闘力で侵食する“””””DIO様(トゥルーグランドの頂点)”””””と違い電話越しのオーラのみでこのプレッシャー。表版、いや”””霧島04(裏ストボス)”””よりは圧倒的に強い しかもメンヘラの可能性まである。得体が知れない 怨霊だったら??……こんな時は目立つか…」
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〜そして何となく大切な相棒の為に頭に来て本当にライブ放送をする超電波油〜
超電波油「女性はある空間では不浄の器と評価されてる。だから①クリスマスにポケモンを最高に楽しんで色違いを自慢する口実の為に彼女が欲しいといえば彼女が欲しい負け組の出来上がりだ②全く興味がない結婚がしたいと大嘘を言えば結婚したがってる負け組の出来上がりだ 女性は他者の評価についてカッコ悪い方の捉え方しかしないから→③あの子とデートしたい、気になってると大嘘を言えば簡単に騙せる 結果いつだってツケを払うのは男性を食い潰そうとしてきた女性なんだよ、自分達の妄想を信じたその果ての虚無感なんて知ったこっちゃない」 これが、俺の歴史だと言わんばかりにYouTuberとして放送した訳である 複製電脳軍要塞は総人口300億人以上いるのに極度の人材不足で、地球なら再生回数1000がかなり良いところを美少年の見た目がブーストして100万を突破した🎊
御茶ヶ滝「カチカチ (本当に冷酷な眼だ(^◇^;) なんでこんなにイカれてるんだろう、だが……その調子だもっと俺を上げてくだせえ😀) ん?メールだ、どれどれ……
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げっ🥶 バックれるか、風呂があったら入りたい (相棒の恐ろしさを思い知れ(T ^ T)) ………あ!相棒だ😊」
超電波油「ガタガタガタガタ(殺される、まず俺がベールさんに殺される😨) まあ良いのか?大丈夫…相棒が今に目にモノ見せてくれるわ😡(魔王と同一化)」
〜そんなこんなで〜
頬を赤らめながら恥部をタオルで覆って胸を手で隠してみんなとアニメが見れる大浴場に行く御茶ヶ滝ウォーターワールド。 御茶ヶ滝「(ホントは1人で入りたいけど、べるべるの恋バナ攻めが怖いから仕方ない(・・;))」
キモオタ「みろよ、また頭のおかしいサイコパスの相棒が乙女男子ごっこしてるよw」知球GrassShining1 チー牛「羞恥心があるフリをすれば羞恥心があるやつの出来上がりだ(笑) 俺達まで騙される訳ないのにww」
御茶ヶ滝「なんか周りと親しくしてからどんどん親交が深まってるのに 安心感でもある孤独感を感じる( ;´Д`)」超電波油「一緒にハイローぜえええ‼️😆👍」スッポンポーン🌟 ばしゃーん🧼
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御茶ヶ滝はお風呂上がりにワイルダーネスに自家製の旨い寿司を持って走ると複製電脳軍要塞に住んでいて、優しそうな人、とお腹を空かせて擦りよってきたカラカラに””””ぼっちドラゴ””””っと愛称を名付けてペットにした 御茶ヶ滝「(撫で撫でナデナデ( ◠‿◠ )/)」カラカラ「キュゥーー、(><)💚」超電波油「なんだそいつ(゚o゚;;可愛いなあ」防聖孤島「うりゃうりゃ。テメェみたいな可愛いせーぶつは、愛でられ、もふられ、大切にされ、もてなされ、褒められ、背中を流され、ぐっすり寝かされ、暖められ、祝われ、祝福されて、長生きしてしゅーりょうだ\😆/」ざわざわざわ…… 超電波油「む、ちょっと行ってくる👋」
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キモオタ「俺達が踏み越えた訳じゃないけど”高級ゴールドバズー”の兵団は遠くの次元でもまた全員死んでくれて良かったよ」
知球GrassShining1 チー牛「表版仮想大鉱山はこんなに可愛いポケモンに””ホネのおむつ””とか”””くわれるWC”””って名付けるでしょうからね」超電波油「情けねえな、完全に悪い意味で。誰が殺してやったんだ?」GrassShining1「共有緑知(ヴァストローデ)です、彼女達は”””””トゥルーグランドの頂点”””””には到底及ばないけれど充分一級品で相手との力の差がない場合はB(バグ)の家族達を上回るお姉さんの一族と言われてます、しかもこれは”””””シックス(裏ストニューボス)”””””の発した赤き真実です」超電波油「なあ、…今朝知らない人から電話掛かってきたんだけどそのヴァストローデが御茶ヶ滝に過去、酷いいじめをした可能性はないか?」中年童貞「いやいや、それはありえないよ。あの女共は人を傷つけるのを激しく嫌ってる 基本的には本当に優しくて善良なんだ、ただ一人の例外もなく」超電波油「……線が繋がらねえ😦 (いや待て 疾風の柊は奪った物を戻すと言っていた 家族を人質に取られた時に目的が身代金以外だったケースの場合、殺される可能性が非常に高いと言う。一人にさせちゃいけない “””鮙〆香氣”””にも頼るべきだ。レンタルヒーローのA級上位はマジで最強だからな)
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ゾクッ‼️ 超電波油「でももし本当に無自覚なだけで疾風の柊が怨霊だったら……シアワセって、何を意味してる…」
〜今日の夜、寝室〜 超電波油アンタッチャブルの哲学日記 前を向こうよ、の相棒サイン入り✍️
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神になれるのは寧ろ⤴️の御方。強いべくして強い 下記を読めばそれがどれだけ素晴らしいかが解る
「“ゴールドバラバズー500F”達は何もこの世を作った理だけに差別されてるわけじゃ無いんだぜ。心の知能が貧弱じゃなきゃ耐えられないから、幸せを消費する思考の螺旋に呑み込まれて鬱病になるから、敢えて左脳以外が総て常人より劣るように出来てる 腕力の方も同じだ。高等になるほど全力を出すのがより苦しくなり強い精神力が必要になる 自分達(卑猥型絶対悪)より上にいて嫉妬させてくる嫌な奴”””(狂気系絶対悪)”””には…そいつらを箱庭の様にいじめてやれる自分達のような上(卑猥型絶対悪)が何処かには必ず居るってもしもの立場を考えた事はあるか?いいや、最上位現実に表版仮想大鉱山みたいな連中は一人も居ない。
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{{{こいつら等みたいなのはもれなく一人残らず、一生””””右代宮譲治さん””””には勝てないんだよ}}} 理だけじゃない 神に、宇宙に、遺伝子に、自分自身によって大いなる知性と筋力を幸福に生きていける為に没収されてる 今は完全に死んだ”””霧島04(ラスボス)”””には決して届かない”ゴールドバズー(クソザコ)”が知恵の実を食べたら罪の意識に押し潰されて頭脳が人並みになった瞬間に自殺する。心の器そのものが失敗作で小さいからこそ生命の実を高次元に届くまで食べてしまうと何かある度いつでも背負う人生の一生分の痛みに耐えられず精神崩壊
“””””獅童正義(裏ストチートボス)”””””が特別な例外 Nightmareなのは当たり前として
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実質、軽度の知的障害 身体障害を背負ったeasyなリミッターに守られてるから小さな世で憎まれる憚りが出来てるんだよ(それがあるべき自然の姿、氣力に特化してるのも開放型のパラメーターとして存在させる事が最小限の根性でお手軽に闘えるような夢を無意識に見ているから) 本当に嫌な奴っていうのは善と悪を理解した暗黒卿だ。何千年も沢山の人生を果てまで見といて人間は愚かだ❗️、とか至極当然の事を言いながら、滅びよ‼️とか殺そうとするイカれぶっ壊れてる”””””正統派絶対悪”””””。心まで数値的に大きすぎて邪悪レベルが二つの意味でカンストしてるからフェードアウトした”””霧島04”””まで[俺が、可愛く見える。本当はもっと深刻な事態なのが読み手に伝わらない、]と鬱になるんだ」 “”””B(バグ)の家族達””””は産まれた瞬間から能力に必要な資質を手に入れてる。ここまで強くあれるのはこの子達👇以外の誰かじゃ駄目なんだ(黄金の真実)、
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これ以上の敵が実在するならそいつは紛れも無く絶対神だ。世界を箱庭にして破滅させる物理的な資格を有している、多分一人ではもう誰にも止められない」
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kanami3 · 7 months
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ジズモデル説明書
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原作:メギド72
モデル使用時は最新のオンライン規約を確認して厳守してください。 https://kanami3.tumblr.com/rule
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【更新履歴】
2023/11/28 v1.1配布再開
※v1.10が手元にあれば再DLは必要ありません。
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【対象データ】
□ジズ.pmx
□ジズ_法線処理.pmx
□ジズ_頭小.pmx
□ジズ_頭小_法線処理.pmx
□耳ピコ.vmd
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【モデル差分について】
□ジズ.pmx
 通常モデルです。
□ ジズ_法線処理.pmx
 顔の法線を編集して、顔に影が落ちないようにしたモデルです。
 ノーエフェクトで使用する場合やtoon系のシェーダを使う場合はこちらをオススメします。逆にリアル系シェーダとは相性が悪いのでいい感じに使い分けてください。
□ジズ頭小.pmx/ジズ法線処理_頭小  上記2モデルの頭を小さめにしたモデルです。他のキャラクターと並べた時に違和感があるかなと思って作りました。腕のめり込み修正などは通常よりちょっとだけ楽かもしれません。( https://www.nicovideo.jp/watch/sm35166833 の動画で使用したのはこちらです。)
  それぞれポーチあり版とポーチ無し版があります。好みで使用してください。
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【コンテンツツリー登録先】
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【モデルについて】
□スカート内部を故意に映す動画は制作しないでください。配布モーションの使用により一瞬だけ映ってしまう程度は許容範囲ですが、可能な限りカメラワークなどで見えないようにしてください。
□かなり前に制作したので色々扱いにくいです。
□まあまあ重いと思います。
□作りが甘いので変なとこにエッジや影が落ちると思います。
□身長は耳を含めず128cmです。身長が低いのでサイジングや位置角度補正などでモーション修正をお願いします。
□顔のアップは視野角20以下がおすすめです。
□頭や体に腕がめり込んでしまうことが多いです。目立つ場面では修正してください。一瞬通過する程度ならそのままでかまいません。
□スカート貫通の修正はスカート親ボーンを使用すると多少楽かもです。
□ポーチの物理と和解できなかったのでものすごく埋まったりねじれたりします。修正やごまかしが難しい場合はポーチなしモデルを使用してください。
□動画はそれなりで大丈夫ですが静止画を公開する場合は貫通などできる限り修正してもらえると嬉しいです。
【材質について】
□スフィアマップの一部に待つ様の『服飾に使えるかもしれないスフィアマップ』をお借りしています。
□toonやスフィアマップの設定が苦手なので色々かなりざっくりです。toonマップとスフィアマップは自由に変更してかまいません。
【モーフについて】
□目_コッチミンナ
瞳を後ろに下げることで疑似的にカメラ目線にするモーフです。モーフの組み合わせなどで瞳が瞼を貫通してしまった場合はこのモーフで修正してください。
□まゆ_前右/前左
モーフを組み合わせた際に眉が額にめり込んでしまった場合の修正用です。
□その他_瞳AL/ハイライトAL
そぼろ様のAutoLuminousを使用することで瞳が発光します。AutoLuminousを使用していない状態では変化しません。
□その他_スカート掴み
使用する場合は後述の【スカート掴みについて】項目を参考にしてください。
【スカート掴みについて】
 ・千成様の剛体掴みプラグイン(http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im7778347)を使用して制作しました。  
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●使用方法(MMD) 表情モーフ→その他パネルに固定モーフで固定してから ボーンの表示枠→剛体掴み→移動ボーンで移動します
動画で使う場合はモーフでいきなり1で固定するとガコンとなるので0.98ぐらいにしてから優しく1にすると良いかも
手に持たせたい場合は、移動ボーンに外部親を設定します。
※※※注意※※※ MMDで他のモデルを外部親に設定する場合、背景→モデル計算順 で外部親に設定するモデルを上に来るようにして下さい。 順番を逆にして、最初の「0フレーム」で「固定モーフを1」と「外部親設定」をしてあるpmmを読み込むと、 掴んだ剛体と繋がっている剛体が次元の彼方まで飛んでいって戻ってきません。
他の理由でモデル計算順を変えられない場合は、0フレーム目で外部親設定、1フレーム目で固定モーフの様に、0フレームで同時にやらないようにしておけば計算順が違っていても問題ありません。
●使用方法(MMM) 使用方法はMMDと同様ですが、外部親の扱いが異なります。 外部モデルに外部親を設定して動かす場合は問題ありませんが、 同一モデル内のボーンに直接外部親設定が出来ないので、予めPMXエディタで移動ボーンの親を設定して下さい。
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 上記点線内を剛体掴みプラグインの同梱Readmeテキストより引用しました。
【おまけについて】   □耳ピコ.vmd  耳の動き付けがめんどくさい人向けモーションです。  使い方:任意のタイミングで耳ピコモーションを読み込んで、キーフレームの間隔などをいじると楽できます。
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不明点や不具合等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
配布先 https://bowlroll.net/file/310255
パスワード
①Bジズ☆3立ち絵のポーチについているストラップの名称
②ソロモンの呼び方
①と②を続けて入力してください
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