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#競馬レース
enchanhakase · 1 year
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中山金杯 #中山11レース ◎7アラタ ◎12ウインキートス △14ワンダフルタウン 注4レインカルナティオ 注6スカーフェイス 注8カレンルシェルブル わからん。。笑笑😭 #えんちゃん博士 #競馬予想 #血統 #万馬券 #ギャンブル #粗品 #馬娘 #一口馬主 #コスパ最強競馬研究所 #馬は生き物ギャンブルは水物 #コスパが良い馬にローコスト投資 https://www.instagram.com/p/CnBZAf5PJdN/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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anken0820 · 2 years
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今日の番組的には、これが #メインれーすかな。 #清秋ジャンプS #清秋ジャンプステークス #ジャンプレース #障害レース #中山競馬 #中山競馬場 (中山競馬場) https://www.instagram.com/p/Ci4HMxpPPOg/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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1003zr · 2 months
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【スポーツ新聞】(実体験)2024-03-31
俺が高校生の頃のこと。
親父は、競馬やボートがある週末には
スポーツ新聞を買って来とった。
近隣のレース情報がメインの地方紙。
風呂上がり、パンツとTシャツで片膝立てて
床に広げた新聞に赤青えんぴつで印をつける。
予想に集中しとるからパンツの脇から
チンポが見えとっても気付かんから
俺は親父のチンポが見える位置に横になる。
腕を三角にして頭を起こしてテレビ見てる
フリして親父のチンポを見る。
パンツの脇からボロンと見える
ズルムケの黒い亀頭。
風呂場で何度も見てるけど、風呂場では
親父も俺もチンポをさらけ出してる事を
意識しとる。
でも、今は親父はチンポなんて意識しとらん。
まさか自分の息子が、父親のチンポ覗き見しとるなんて思ってないやろな。
ページをめくったり、端っこの記事を読んだりすると、体が動いてパンツの脇からチンポがはみ出る。
完全に萎えとるけど雁首がくびれてぷっくりと張った亀頭は、まさに大人の男、俺の親父のチンポって感じがして、そのまま親父の萎えたチンポ見ながらセンズリしたくなるくらい。
親父は予想が終わったら、予想したページを抜いて、いらんページは古新聞紙置き場に捨てるんやけど、俺はそのたびに古新聞紙から親父が捨てたスポーツ新聞を拾って部屋に持って上がった。
ギャンブル新聞やから、成人向けのエロページがあって、そのページのエロ記事や
「包茎・増大」の手術の広告でイラストや、症例写真とか、そういうのもズリネタになってたなぁ。
でも、そのエロページがある時はハズレやねん。
エロページが抜けてる時が当たりの時。
俺は親父がレース場に行った後に、親父の部屋に行ってゴミ箱を漁る。
そこには、グシャグシャに丸められた新聞紙がある。
その丸められた新聞紙を部屋に持って帰って、広げると
ザーメンと新聞のインクの混ざった匂いがモワッと漂ってくる。
丸まったザーメンティッシュ、そして、エロページにベッタリと付いたドロッとしたザーメンのかたまり。
俺はザーメンティッシュと、ザーメンが付いたページをビニール袋に入れて自分の机の引き出しに隠して、残りの新聞紙を丸めて親父の部屋のゴミ箱に戻す。
親父はレース場、母親も出掛けてる絶好のセンズリチャンス。
パンツを脱いで、あぐらをかいて新聞紙を床に広げる。
ベッタリと親父のザーメンがついた記事を読む。
【エロ記事】
まだ子供のいない若夫婦。
同居する義父が嫁マンコを生チンポで犯す話し。
夫が出張中、嫁に迫る義父。
嫁は諦めて、コンドームだけはと。
義父が、夫婦のベッドサイドの引き出しからコンドームを取り出すが、息子が使うサイズではキツいがなんとか装着。
嫁は義父のガチガチのチンポを握りコンドームを確認する
義父が嫁マンコにチンポを突き立てる
嫁マンコの中で更に固く大きくなった義父のチンポ。
ゴムの中でギチギチになる義父のチンポは、コンドームを破って生チンポに。
義父はチンポを抜くことなく、生の感覚に更なる欲求に走る。
「タケシのチンポとわしのチンポ、どっちがええか?」
嫁は旦那のタケシよりも明らかにデカく太い義父の生チンポで突かれ擦られ何度もイキそうになりながらも、決して義父のチンポがいいとは言わない。
もちろん、義父は嫁が何度もイキそうになっているのを分かっている。
義父は嫁マンコの具合を見ながらフィニッシュに向かう。
正常位で嫁の腰をガッシリと掴み、腰を激しく振り始める。
嫁は泣くように喘ぎ声を押し殺しながら耐える。
義父は嫁に覆いかぶさるようにして、耳元で「ゴムなんかとっくに破れとる。
分かってたやろ。
そろそろイクぞ、ええか、タケシよりも
奥に子種付けたるからな、ええか?
タケシのチンポやなくて、タケシの種やなくてええか?」
『お、お義父さん!』
嫁は耳元で言葉でも犯してくる義父の荒い息と掠れた声にやられた。
嫁は義父の逞しい腕にしがみつくようにしてのけぞる。
義父も更に腰振りを強めて打ち付けるように
「イクで、あぁ、出る、出る、あっ、あぁ」
義父は嫁がイクのを待ってギンギンの太マラからマンコの奥にザーメンを噴出させた。
「今夜、タケシ帰って来るやろ。
このまま中をあらわずにタケシとセックスしなさい。
ワシの種が入ったまま、タケシのチンポからも種が入れば、出来たとしても分からんやろ」
〈記事・終〉
俺は、読みながらチンポを握り、小説の中の挿絵のガチムチな義父のに親父を重ねて
小説の義父がイくタイミングで
「親父もここでイッたんやろか。
俺と同じようにガチガチのチンポ握って、小説の中の義父がイクのと一緒にイッたんやろか。
小説の義父、親父、そして俺が同じタイミングでザーメンを嫁マンコに出して
3人のザーメンでたぷたぷになったマンコに何も知らずに出張から帰って来たタケシが
「自分たちの子供を」
と思ってザーメンをぶち撒ける。
タケシとタケシの親父、俺と俺の親父。
4人の生チンポでタケシの嫁マンコを犯したようで凄く興奮したのを思い出す。
【後記】
エロ小説の大筋はよくある、義父と嫁のセックスでした。
単なる、夫婦のセックスならあまり興奮しなかったですが
息子のチンポと自分のチンポを比べさせたり、いつも息子の生チンポが突っ込まれてるマンコに
息子の親父の生チンポが突っ込まれる所とか、高校生の俺は想像が膨らんで興奮してましたw
長文な上、フィクションとノンフィクションの混在などややこしくなりました。
すみません。
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m12gatsu · 9 days
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無題
新婚旅行先の布哇から帰国したK師と痛飲した。土地のビールを2缶戴いた。うんと苦いよ、と仰っていた。沿線の大衆酒場に日曜の昼日中からしけこんで、ポテサラとハムカツと赤星の大瓶を誂えて、常夏の島とは名ばかりにひどく雨に降られたことや、日本円のザコっぷり、路傍に虚な目をしたホームレスがラリっていた話をきいた。思い出が灰色じみてますね、と俺はいった。師は、晴れてる時にまた行きたいなぁ、とごちた。この日は重賞レースの当日で、競馬新聞を広げた中年の一座が何組か、壁面のテレビで流れる中継を睨んでいた。めいめい顰めっ面で楊枝や煙草を咥えていたり、前歯がなかったり、鏡月のボトルと汗をかいたアイスバケツを囲んでげらげら笑っていた。テレビの音量が低かったのか、店内の喧騒に負けていたのかわからないけど、ファンファーレはきこえなかった。馬々が発馬機に収まっていくにつれて、全員がしぜんテレビの方を向き、店内はゆっくりと静かになっていった。俺も体を捻ってテレビを見上げた。ゲートが開いた瞬間、オォーという、嘆息なのか歓声なのか、よくわからない声をみんなが一斉に上げて、店内の密度みたいなものがグッと濃くなった。俺は体勢を保つのがしんどくなって正面へ向き直ると、師も気のない様子でテレビを見るともなく見ている。飲む打つ買うのうち、差し当たって俺も師も飲むことにしか興味がなく、特にこれといった感想もないまま、堀江敏幸が『いつか王子駅で』で競馬を書いていたよね、という話をした。あれのラストシーンが良いんですよね、と。たしか、走る馬の背中の、「光を浴びようとしていた」みたいなフレーズがあった。その時付き合っていた女の子と同じ名前の女の子が出てきた。馬々がスタンドに近づいてくるとまた店内の密度が徐々に上がっていって、嘆息みたいな、歓声みたいな、怒号みたいな声がふたたびワッと上がり、おっさんが立ち上がって、見て! これ! 見て! ほら! と周囲の人に得意げに見せつけているスマホの画面の光を、俺はいっしんに浴びようとしていた。
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longgoodbye1992 · 10 months
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サイドシートの君
ゆかは旅先で呼んだコールガール。
地元が近いのと趣味が合った事がきっかけで連絡先を交換した。
そしてお盆の帰省のタイミングで会う約束を決めた。
ゆかのいる町まで車で一時間ほど。
来るか来ないかは半信半疑だった。
約束を破るような子では無いと思ってはいたけれど、連絡の返信の遅さがちょっと気になっていて、来なければ来ないでいいやと思っていた。
約束の時間の十分前に待ち合わせ場所に着いて車を停めた。
ゆかに着いた事と車の特徴を書いたメッセージを送る。
来ても遅れるだろうと思い、二十分後に発走する競馬を予想して買った。
既読が着いたのは約束の時間を二分過ぎたあたり。
あと五分くらいで着くらしい。
少し安心した。
それから十分後にメッセージ。
車のナンバーはこれですか?と来て、車の後ろを振り向くと、こちらを見ているゆかと目が合った。
手招きをして助手席に呼ぶ。
ゆかが席に乗り込んでくる。
「すみません」
「久しぶり」
「お久しぶりです」
「元気だった?」
「はい」
「ありがとね、来てくれて」
「いえいえ」
「じゃあ行こうか」
プランを二つ提案した結果、神社に行って近くにある貝出汁のラーメンを食べることにした。
近くのコンビニでコーヒーを買う。
「そうだ、さっき競馬買ってたんだよね」
「そうなんですか」
「一緒に見る?」
「見ましょう!」
一緒に見たレースは見事に的中だった。
ゆかも喜んでいた。
車を走らせる。
車内ではゆかが同棲中の彼氏に薦められて見た頭文字Dの話を熱く語っていた。
今度聖地巡礼に行くらしい。いろは坂はあのまんまだよと言っておいた。
ゆかが今日着ている服はライトなロリータ風のワンピースで、童顔の彼女にはそれがとても似合っていたので伝えた。
嬉しそうに笑うゆか。ロジータというブランドらしい。
田舎道を走っているとひまわり畑を見つけた。
下りてみると一面ひまわりが咲き誇っていて、その後方にある風力発電のプロペラがまたいい味を出していた。
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夢中で写真を撮るゆかは無邪気な少女のようで、転んてしまわないか心配になるくらいだった。
車を再び走らせて神社へ向かう。
険しい階段を上って本殿でお参りをする。
「五円あった」ゆかが財布から硬貨を取り出す。
「俺は欲張りだから五円が十倍あるように五十円にするよ」
「なるほど!」
神様に祈ったことは今日が楽しく終わりますように。きつねの神様は俺を助けてくれるだろうか。
反対側に下りて行くと無数の赤い鳥居が並んでいる。何度来ても圧倒されるが、ゆかも同じだったようだ。
ここで少し雨が落ちてくるが気にせずに歩いていく。鳥居の中を歩いていくと横に水場がある。そこに咲く蓮の花を見つけたのでゆかに教えると鳥居から蓮にスマホを向けて撮影した。
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白い花びらが水から顔を出して咲く姿は可愛らしさだけではなく強さも感じた。何となくそれはゆかの姿にも重なった。
高台から鳥居が並ぶのを眺める。
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雨が本降りになってきたので木の下で雨宿り。
ゆかの持っている赤いバッグには傘が入っていないらしい。
「折りたたみもってくればよかった」
「雨降るなんて考えてなかったよ」
「県の真ん中の方は降るって聞いてたんだけどなぁ」
「しゃあないよ、ここ真ん中じゃないし」
しばらく経ってもやまない雨。結局少し濡れながら歩くことにした。
雨降りにも関わらず��な色の蓮の花を見つけて二人で写真を撮った。
階段を上って下り、おみくじをひいた。
天然石が入ってるおみくじで、パワーストーンが好きなゆかにはぴったりだった。
昼食の時間になったので店へ向かうが、時期や時間もあって行列ができていたので、同じく貝出汁のラーメンを出している別な店で食べることにした。
運良くすぐに座れ、ゆかとあれこれ話した。
ゆかは小学校から高校まで卓球をしていたらしい。
大学ではクラゲの研究をしていて、クラゲの生態にも詳しかった。
「一応理系なんで」
確かに同人小説を書き方を聞いたら実に論理的に話を作っているなと感じていた。
そんな話をしているとラーメンが出来上がって食べた。貝の出汁とバターの風味がうまくマッチしていて絶品だった。ゆかも気に入ってくれたようだ。
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店の外に出るとまたもや雨。
近くの公園にあった遊具も濡れていた。
「晴れてたらやりたかったのになぁ」
「これじゃ濡れちゃうね」
残念そうにするゆか。
ここの段階で時間は十三時をまわっていた。ゆかは十六時くらいまでならと言っていたので、次の場所を迷ったが、思い切って賭けに出ることにした。
市街地へ車を走らせる。
「あのさ」
「ん、なに?」
「夜の仕事、まだやってるの?」
「いや、しばらくやってない。昼の仕事で稼げるようになったから。このままやめようと思ってる」
「そっか、昼の仕事が順調ならいいね」
「うん、もう知らない人に会わなくてもいい」
「お疲れ様。よう頑張ったと思うよ」
「彼には絶対言えないけどね」
「体調もよさそうだね」
「うん、抗うつ剤は飲んでないし、元気になったよ」
「よかったよ」
ゆかの手に触れて握ると、握り返してくれた。
川沿いの堤防を走る。
カーステレオからは真夏の果実。
市街地にあるホテルへ入り車を停めた。
ゆかの表情は暗くて見えなかった。
「いい?」
「タダじゃ嫌」
「そっか」
その返答は予測していた。元々は金で繋がった関係だ。
「いくらくれる?」
価格交渉が始まるが、割とすぐにまとまった。
タッチパネルで安い部屋を選んで入る。横にあるシャンプーバーの香りが鼻についた。
部屋に入ってソファに座る。
唇を重ね、ゆかの胸に顔をうずめた。
その後の事は何となくしか覚えていない。何度もキスをして、何度も愛を囁いた。
そして二人並んで眠った。
ゆかの寝息を聞きながら時間を気にしていた。
リミットの時間はとうに過ぎている。
目を覚ましたゆかに聞いた。
「時間大丈夫なの?」
「ああ、うん。別に花火があるからそれまでに帰れれば。そんな花火見たいわけじゃないんだけど」
その日はゆかの住む町で祭りがあって二十時から花火が上がる日だった。
「そっかそっか。一緒に見る?」
「うーん、誰かに見られると嫌だから」
「だよな」
その後はゆかの書いた小説を読んだ。そしたら俺もゆかに自分の書いた物を見せたくなった。
「ゆかの事書いた作品があるんだけど見る?」
「えー!恥ずかしいからやだ」
「まあまあ、自分だと思って見なきゃいいからさ」
「うーん、ちょっと興味はあるんだけどね」
そしてTumblrに投稿してたコールガールを見せた。
時に笑いながら、時に考えながら読んでいた。
「この表現好き」
ゆかを花に例えた部分が気に入ったらしい。
「人の書いたもの見ると勉強になる。すごく読みやすかった」
「ありがとう」
「今日の事も書くの?」
「そうだなぁ、たぶん書く」
「めっちゃ恥ずかしい」
そんな事を話しながら、不思議な関係だなと思った。
現実で会った人にTumblrを見せたのは初めてだった。
彼女でもなければセフレでも無い。そもそも会って二回目の関係なんだから名前をつけようにもまだ難しいだろう。
それでもこの関係は何だろうと思いながら気づけば温くなった風呂に二人で入っていた。
洗面台で歯を磨くゆかに後ろから抱きついたり、服を着るのを邪魔してみたりした。
帰路につく。
夕焼けの時間だった。
この様子だとゆかの町に着くのは十九時くらいになりそうだ。
「今日さ」
「うん」
「何で来てくれたの?」
「えっ、うーん…誘われたし暇だったから」
「そっか。お金もらえるって思ってた?」
「いや、それはない。ただ会ったらするかもなとは思ってた」
「そうなんだ」
「うん」
途中の海辺で夕焼けの写真を撮った。
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「すごくいいね!あとで送って」
「いいよ、今送るよ」
すぐゆかに送った。
「ありがとう」
そっとゆかの手に触れた。自然と繋ぐ。
車は海沿いの道を駆け抜けていく。
町に着くと大勢の人で賑わっていた。
「どこで下ろせばいい?」
「真ん中は嫌だから…朝会ったとこ」
そこへ向かって車を進めると、警備の人が立っていて入れなかった。
「ちょっと入れないな…」
「うーん、どうしよう」
ぐるぐると町中を周る。
「やっぱ入れないよ」
「離れたとこなら一緒に見てもいい」
「えっ、あっ、そっか。じゃあそうしよか」
「うん」
「食べ物買いに行こか」
「屋台はダメだよ。知ってる人いるかもしれないから」
「そうだな。コンビニでいいか」
その町にある唯一のコンビニで食事を買った。
その隣りにある駐車場から花火が見えそうだったので、そこに停めて見ることに決めた。
花火が始まる。
ここでもゆかは写真を撮るのに夢中。
俺も撮ってみたけれど、信号が邪魔して上手く撮れなかった。
合間に見せてくれるゆかの写真は上手に撮れていた。
プログラムの間、ひたすらゆかはスマホをいじっている。その動きが止まると俺のスマホに通知が来た。
「アルバム作った」
開いてみるとトーク画面に日付が入ったアルバムが出来ていた。花火や蓮、ひまわりの写真がたくさんおさまっていた。
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「おー、いいね。ありがとう!」
「ふふっ」
ゆかはまた外にスマホを向けた。
「あの色はリンで…」
花火の色を見ながらそんな事を言っていた。
「覚えたことって言いたくなるよね」
ゆかが笑う。そうだなと俺も笑う。
あっという間に花火大会は終わった。
「帰ろっか」
「うん…」
帰りに降ろす場所を探しながら車を進めた。
「あっちに行くと公園がある」
「そこで降ろす?」
「いや、遠いからいい」
「行ってみようか?」
「うん」
公園に行くと暗くてよくわからなかったが、日中は眺めがいいだろうなと思った。
「あっちには小学校がある」
「行ってみよか」
何となくゆかの気持ちがわかった。
「あれだろ」
「なに」
「別れが惜しくなったんだろ?」 
笑いながら言った。
「でも明日は友達と遊ぶから泊まれない」
「もうちょっとドライブするか」
「うん」 
小学校へ入った。ゆかが通っていた小学校はかなりきつい坂の上だった。
「こんなのだからめっちゃ足腰鍛えられた」
「これは中々スパルタだな」
「でしょ」
小学校を後にして車を俺の地元方向へ走らせた。
「あれだよね」
「なに?」
「泊まっても寝ればいいじゃん」
「うーん」
「俺いびきかかないし」
「そうなんだ」
ゆかの右手に左手を重ねた。
「朝、めっちゃ早起きだよ?」
「いいよ。またここまで送るからさ」
「わかった」
「じゃあ、泊まろっか」
「親に連絡しとく」
コンビニでコンタクトの保存液とビールとほろ酔いを買った。
ホテルへ入る。今日二度目だ。
カラオケがついていたので酒を飲みながら二人で歌った。
夜は深くなっていく。
シャワーを浴びる。マシェリでゆかの髪を洗った。
洗面台でそれを乾かしてベッドへ入る。
互いに欲望のまま相手を求めあう。
眠っては起きて、キスをして、何度も何度も。
「俺に好きって言ってみてよ」
「言わない」
「いいじゃん、嘘でも言ってみなよ」 
「嫌だ言わない」
「そっか」
力一杯抱きしめて、それをゆかも返した。
俺は六月にあったことを話した。
自殺未遂のことも。
「ガチで死のうとしたんだね」
「うん、そうだよ」
「生きててよかったね」
「ほんとそう思う」
「今も彼女のこと好き?」
「いーや、全然」
「そっか」
「新しい好きな人いるらしいし」
「いなきゃ好きなの?」
「いや、そういうわけでもない。俺にはあわなかった」
「切り替え早いね」
ゆかの首筋にキスをして眠りについた。
結局は予定の時間にゆかは起きれなかった。
俺も軽くは起こしたけれど、別れを早くしたくないなんてエゴが出た。
「私ほんと時間にルーズなんだよね」
と言いながら、そんなに慌てないゆかが滑稽だった。
「私と付き合わない方いいよ」
「どうして?」
「時間守れないし、好きなこと話すと止まらないし」
「時間を守れないのはよくないな。でもそれはパートナーがちゃんとしてれば支え合っていけるんちゃうか?」
「うん…」
ワンピースを着ながらゆかは俺を見た。
「うしろのチャック閉める?」
「閉めよっか」
「自分でも出来るけど」
「いいよ、閉めるよ」
背中を向けたゆかの背中のファスナーを閉めた。
「上のボタンもかけて」
「はいはい」
ボタンを掛けて後ろから抱き締める。
「かわいいよ」
「ふふっ」
ゆかにかわいいと言うといつも笑う。
そんなとこはあざといのかもしれない。
「友達との待ち合わせ場所まで送ってくれるんでしょ?」
「うん、送るよ」
「やったー」
「そのかわり」
「なに?」
「お金は無しな」
「えー、少しも?」
「当たり前だろ。泊まったし送るんだし」
「ふふっ、そうだよね。わかった」
「交渉成立な」
「電車代浮いたからいいや」
「なんだよそれ」
ゆかが笑った。
ホテルを出てコンビニでコーヒーと朝食を買った。
予定時刻までに着かないのはわかっていた。
友達やら予約しているカラオケに電話をしながら、車の中でアイラインを引き、ルージュを塗った。
「ちょっとはおしゃれしないと」
「昨日と同じ服だけどね」
「それはしょうがない」
「そうだな」
「そうだ、スッピンどうだった?」
「あー、うん。可愛かったよ」
「ふふっ」
相変わらず笑う。
海辺を見ながらゆかは言った。
「普段海見ないけど、やっぱりこっちの海のが好き。向こうはなんか深くて怖いから」
戻ってこいよ。なんて言おうと思ったけど、別に俺がそれを言える立場じゃ無い。
「やっぱさ、十八年見た海は特別なんだね」
「確かにそうかもな」
「今回帰ったら、次見るのは冬か」
「その時も一緒に見たい」
「うん、いいよ。あっ、あとは会いに来てくれれば会えるよ」
「行きたいなとは思ってるよ」
海辺を過ぎて内陸へ入る。
あと五分で目的地。
信号で止まった時にゆかの唇を奪った。
信号の色が変わるのを感じで離れる。
ゆかの表情はどこか寂しげだった。いや、そう思いたいからそう見えたのかもしれない。
カラオケの前で降りる間際にもキスをした。
去り際にゆかは俺を見てこう言った。
「死なないでね」
短いけど重い言葉だった。
「そっちもな」
車を大通りへと向かわせる。
何度もゆかの耳元で囁いた言葉を思い出す。
車線を変えながら車を一台二台と抜いた。
「俺って本当に」
アクセルを踏んで帰路につく。
サイドシートにマシェリの香り。
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kennak · 27 days
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ナミュール、マイルCSで馬単取ったんだよ。大金を手にしてうれしかった。 藤岡の腕で取らせてもらった馬券だよ。 本当のイケメンって顔で好感があったのに。 あまりにも早い。早過ぎる。もっとあなたの魂の騎乗見たかった。 これから伸びていくジョッキーだったのに残念としか言いようがない。競馬なのでアクシデントはどうしても防げないのはわかってるが、こういう報道を聞くと言葉が出ない。人馬共に最後まで無事にレース終わることが理想ではあるけれどあらためて人も馬も命懸けで走ってるっと思い知りました。 もっと応援したかった。 本当に悔やまれる亡くなり方だと思います。 どうか天国で安らかに、皆さんを見守ってください。 ご遺族様にお悔やみ申し上げます 合掌
藤岡康太騎手が死去 35歳 6日に落馬、意識戻らず G1・2勝、JRA通算803勝(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
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myonbl · 29 days
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2024年5月6日(月)
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九連休が明けて、十日ぶりの出勤だ。世間では振替休日だが、大半の大学では授業が行われている。先ず窓を開けて換気、次にカレンダーをめくる。前期授業は今日から7月終わりまで12週間連続、何があっても休講などしていられない。というのも、今日のクラスは看護学科、彼女たちは前期授業終了後すぐに<早期体験実習>が待っている。予定通りに授業を終えて、気持ちよく実習に送り出してあげたいのだ。梅雨も猛暑もなんのその、お気楽おじさんは頑張るのだ。
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5時起床。
日誌は前夜に書いて予約投稿にしてあるので、定例Webサーフィンと新聞(もちろんWeb)をゆっくり読むことができる。
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洗濯。
朝食。
珈琲。
弁当*3。
一人で出勤する。
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道路は空いているが、燃費はあまり良くない。
今週の<スタディスキルズ>の資料作成と印刷。
午後の<情報機器の操作Ⅰ>の授業準備。
月曜3限・4限は<情報機器の操作Ⅰ(看護学科)>、やはり連休ということで、2クラスで3名の欠席者があった。今回からPowerPointの基礎、pc似慣れておらずタイピングに時間のかかるものがいるので、スライドの例題作成だけでもずいぶんと差が出る。
<ネットワークの基礎テスト>を実施、教科書に不備が多いのでプロトコルやパスワードなどの補足説明に少し時間を費やす。
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終了後すぐに飛び出したが、帰路は47分と好成績、もう少し燃費の向上が望まれる。
私が帰宅してすぐにツレアイも帰宅、一緒に夕飯を準備する。
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昨日の残りの牛肉に安売りベーコンを混ぜて暈を出し、かなり高級なジョージアの白を頂く。息子たちが終えてから、こっそりと禁断の<チキンラーメン昆布水仕立て>をいただく。
録画番組視聴、シャーロックホームズ。
第23話「銀星号事件」/ Silver Blazeシーズン 1, エピソード 23 競馬レースの本命馬、銀星号の調教師が殺され馬が行方不明に。馬主のロス大佐に捜査を依頼されたホームズは、ワトソンを連れダートムアに赴く。事件当夜、現場近くにいた予想屋に嫌疑がかかるが、ホームズは調教師の遺品から真犯人と馬の行方を推理する。
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枝雀落語大全第二十六集から、「軒づけ」。
片付け、入浴、体重は150g減。
パジャマに着替えて日誌書く。
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歩数は足りないが、何とか3つのリング完成。
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ndmnemosyne · 9 months
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2023.9.9
わたしのヒースクリフ、今日は重陽の節句。菊は他の花より遅れて咲くから花の弟と言うの。花の兄は梅、花の王は牡丹。
納品が二つ、でも量がかなりあったので午前中はそれの検収だけで手一杯になり、何度も頭の奥が再起動した。そのため今日の記憶はほとんどない。落ち着いている日は記憶があるかと言うと、そうでもない。今月は準備が多く、昨日は休みだったけどグッズ(と言うことにしておく)作りで一日費やした。休みの日もあまり休んだ気持ちにはならないから、四六時中しっぽを立てて耳をくるくる回しているリスになったような気持ちでいる。だから木の実を隠した場所を忘れるように、やり残したりやってなかったり、そもそもやることを完全に忘れてるんだろうな……。
定時までしか仕事はできないので残して帰るが、すっかり日の入りが早くなった。明日はセントウルステークス。秋ね。ヒースクリフがもし競馬を──一年間でもいい、ちょくちょく観に行けば(もちろん遊ぶ程度に賭けてもいい)、レース名で季節の訪れを感じることができるようになる。競馬に熱中するのが若ければ若いほど、生涯ずっと続く。
「もし、きみが、幸運にも、青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、それはきみについてまわる。なぜなら、パリは移動祝祭日だからだ」とヘミングウェイが書いたように。これは本当のことだよ。
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noritama0301 · 1 year
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中京競馬場
最終レースは暗いし雨降るしで手振れ補正ありでもはべりいますがり
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jaguarmen99 · 7 months
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25: ウィズコ��ナの名無しさん 2023/11/20(月) 08:55:50.57 ID:YCo1cktF0 タイマーにする必要ある?
痛いニュース(ノ∀`) : 3頭で落馬 うち1頭を安楽死…金沢競馬場でレース中に照明が全消灯 タイマーの設定に誤りがあったことが判明 - ライブドアブログ
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ari0921 · 9 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023)8月28日(月曜日)
    通巻第7885号
 中国の反日感情の間歇的爆発は政権への不満のガス抜き
  「処理水」よりギャンブル禁止が最大の原因ではないか
*************************
 中国には公設のギャンブルがない。パチンコも競馬も競輪も競艇もオートレースもない。博打大好きな庶民はどうしているか?
 闇博打が盛んであり麻雀はホテルの一室を借り切って「会議中」。あるいは舟を借り切る。庶民は朝から何処でもトランプ、もしくは賭け将棋。これらは賭け金が500円とか千円などで警察も見てみないふりをする。
 富裕階級はマカオへ行ってギャンブル三昧となる。
 マカオにはラスベガス御三家に加えて、地つきのリスボアホテルとスタンレー・ホーの娘らが創業のギャラクシーなど高層豪華なギャンブルホテルが林立している。ラスベガスと異なるのは家族連れが少なく、オトナの雰囲気に決定的に欠けていて、総てが即物的なのだ。
夫人子供用の娯楽設備が貧弱。しかしロビーではロシア美人にフィリピン楽団の妖艶な踊り。レストラン街はまだまだ貧弱で娯楽インフラが乏しい。
 このマカオに大陸から押し寄せるギャンブラーたちは蝗の大群、年間参千万人。サンズ、ベネチア、MGMなどのホテルに散って24時間賭け事、VIP部屋では億単位のギャンブルが展開される。低所得層はスロットマシンだ。
負けると身につけていたローレックスやルイビュトンの鞄を質屋に売って、また続けるか、借金を支払う。広東語で質屋は「押」である。ホテルの周りにたくさんある。
 さて世界のギャンブル王国は一位がマカオ(利益が4兆円)、二位がラスベガスで(1・4兆円)。三位は意外にもシンガポールで5000億円。日本人ツアーに大人気のマリ-ナベイホテル、トランプと会談した金正恩が突如、このホテルのバアに出没したが、じつは公認ギャンブル場である。
 
かくして日本と賭け事の文化、風習が異なるのは国家が違うから当然だが、中国共産党が公営ギャンブルに踏み切ると、マカオが衰退するばかりか反日運動も消滅するのではないか。
▼日本のパチンコはなぜ廃れたか
 ついでだから日本のギャンブル事情をまとめておくと、競馬、競艇、競輪、オートレースの四つが「公営」である。一番人気は競馬だが、新興のオートレースも人気拡大中である。
 他方、庶民の最大の遊びだったパチンコが廃れた。往時の四分の一、30兆円産業がいまでは14兆円に縮み、あちこちのパチンコ店が倒産、廃業している。廃業ラッシュは書店の廃業ペースに似ているかもしれない。
パチンコ人口は3000万人から710万人に激減しているのだ。原因は当局の出玉制限だが、おそらく最大の原因は賭場がスマホのゲームに移行したからだろう。
通勤電車をみるとわかる。日本経済新聞や文庫を読んでいる人って、百人に一人くらい。乗客の90%は携帯電話を見ているが、ときおり若者の画面をみると、漫画かギャンブルである。
 競馬は中央競馬会公認の馬場が全国に10ヶ所、地方競馬が15ヶ所で、3兆円産業だ。コロナ禍で一時は競馬人口が減ったものの、盛り返した。場外馬券売り場にひところは集まっていたが、携帯電話でも馬券が買える上、闇では電話による馬券屋アルバイト相場もある。
 競艇は90年代に2兆円規模だった。それが、2018年には1・4兆円規模に激減した。このため地方自治体は負担が増えて悲鳴をあげているところもある。売り上げの2・6%が船舶振興会へ上納される仕組みになっている。
 
 競輪はなぜか博徒が増えた。
2019年に6600億円規模だったが、22年には1兆円を突破した。23年予測は1
・25兆円。人気の原因はガールズ競輪という。
 新興のオートレースは現在五ケ所にあって600CCバイクのレースだが。22年には1075億円と「順調」な増加をしている。
 中国人に限らず日本人も賭け事が大好きなようだ。
 ▼外国ファンドは中国から全速で逃げた
 さてもっと大規模な賭場、むろん合法の賭場と言えるのが株式市場である。
 投資家、とくに禿鷹ファンドという、法律的には合法の投機集団は、換言すれば稀代のばくち打ちと言えないこともないだろう。
同時にかれらは情報通だ。原点はロスチャイルドの投資方法にある。早耳で仕入れた情報を市場操作に活用する。
 1815年のワーテルロー戦役で、ナポレオンが負けたことを、特別に雇用した情報員から誰よりも早く入手したロスチャイルドは、逆に英国公債(戦争費用をまかなった)を売り始めた。
コバンザメのようにロスチャイルドの投資を真似てきた周囲の投資家たちはそれを見て狼狽、投げ売りにはしった。
底値になったとき、総てを買い上げる。直後に公式ニュースが入って英国軍が勝ったことがわかり、今度は暴騰、ロスチャイルドは一夜にして大金持ちとなった。
 2015年以来、ファンドの中国株買いが続いていた。八年間、ずっと買い越しだったのである。2021年に外国ファンドの中国株保有は1・1兆ドルに達していた。この他に香港のオフショアとNYのナスダック市場では「ドラゴン某某」と名がつく「中国株インデックス」も取引されている。
 
 中国バブルが表面化し、繁栄は終わったとウォールストリートジャーナルがだめ押しする前から、禿鷹ファンドは売り越しに転じた。かれらは中国株を売り続けている。
 中国の成長とは借金の肥大化で成り立っていたトリックに気がつくと、外国ファンドは「全速力」で中国株の売りに走った。売って売って売りまくった。その一部が「安全」な日本株へ群がったのである。
「13セッション連続で107億ドルを売却した。売られた銘柄にはアリババ、テンセント、八月には貴州省マオタイ、招商銀行。ブームがとまった太陽光パネル企業(ロンジ・グリーン)株まで売られ、まさに一斉撤退の様相となった」(サウスチャイナモーニングポスト、8月24日)。
 売越額は9000億ドルと推計されている。
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itokawa-noe · 8 months
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「叫び」を執筆した経緯について
私の書いたSF掌編「叫び」が、第3回かぐやSFコンテストにて審査員特別賞を受賞しました。
私にとって、かぐやSFコンテストで最終候補に残ること、もしくはKaguya Planetに作品が掲載されることは、ひとつの大きな目標でした。それを上回る結果に驚きつつ、喜びを噛みしめています。
大賞を受賞された暴力と破滅の運び手さん(��マジック・ボール」推し作品でした!)、読者賞を受賞された牧野大寧さん、おめでとうございます。
他の候補作も素晴らしいものばかりで、この10作で最終レースを走れて幸せでした。『新月2』でまたご一緒できることが、光栄で、恐ろしいです。
***
以下の文章は、「叫び」を執筆した経緯について書いたものです。
いったん送り出した作品については、あまりコメントしないようにしています。作品の陰から糸川という人間が顔を出したところで、ノイズになることはあっても、プラスに作用することはない、余計なことはしゃべらず黙っとこ、という考えです。
今回、例外的にやってみようかな、という気になったのは、過去の二度のかぐやSFコンテストの際に、最終候補作の著者の幾人かが思考の過程をブログなどで明かしてくださったことを思いだしたからでした。それらの文章に、その向こうに覗く生身の人間のすがたに、技術面においても精神面においても、大いに助けられてきた。その一つひとつをふりかえっていたら、自分もなにか書いておきたくなりました。
長くなりますが、よろしければお付き合いください。
ーーー
・テーマ「未来のスポーツ」への率直な感想:
お題発表を受けての率直な感想は「むり」でした。
スポーツは苦手です。興味も、あるかないかで言えば、ありま��ん。
なんとか書けるかもしれないのは、経験のある水泳、持久走、バスケットボール?
あるいは(ここ数年の自分の関心事項のひとつが「人間以外の生き物との共生」なので)動物が関わる流鏑馬、乗馬、競馬、ドッグレースあたりならば、興味が持てるかもしれない。
そんなところからネタ出しをはじめたのですが、良い案が浮かばず、足踏み状態がつづきました。
ちなみに、オリジナルの競技を作ることについては、考えもしませんでした。4,000字の尺のなかにルール説明から競技シーンまでを収めるのは技術的に不可能だと思ったからです。この難題に果敢に挑んだ作品のひとつ「城南小学校運動会午後の部『マルチバース借り物競走』」の読者賞受賞は、嬉しく、気持ちのよいものでした。
ーーー
・「かぐやSFコンテスト」という場をふまえて:
「私たちは、”世界の人々に読まれる”という前提でSF小説を書いてもらうこと(略)で、日本のSFを更に前進させていきたいと���えています。」
コンテストのステートメントにあったこの言葉を、私は以下のように解釈しました。
「もしも世界中のひとと対話ができるなら、なにについて話したい?」
わくわくする問いかけです。遠くを見ようとすることで視野が広がり、ふだんの自分には書けないものが書けるような気がしてきます。
伝えたい、とか、訴えたい、とかではなくて、意見を交換し、語りに耳を傾けあい、それぞれの日常に戻ってからも考えつづけたい。そんな、私たちみんなにとって大切な話題ってなんだろう?
ただ、これに拘りすぎると、おそらく作品が押しつけがましくなってしまいます。
あまり意識せず、だけどふんわりと頭の片隅に漂わせておく。そのていどに留め、モチーフやテーマを探しつづけました。
ーーー
・はじめに書こうとした話:
デザインド・アスリート(競技をするために遺伝子操作で作り出された強化人間の意。造語)の女子短距離走選手が、事故によって心身に傷を負う。乗馬療法を受けるために訪れた牧場で、彼女は、今は存在しない競馬という競技のために作られた、サラブレッドという種の馬と出会う。役目を失い絶滅危惧種となったサラブレッドと交流するなかで、その姿に自分自身を重ねるようになり……
という話を考えていました。
ざっと書き、捨てました。
これじゃ、馬が人間を描くための道具になっている。
ーーー
・馬を描くなら馬の話を:
人間を描くための道具として、馬を使いたくない。そう思ったのは、私が日頃から人間中心主義を居心地悪く感じているからです。馬を出すならば馬の話を書こう。そう決めて、最初の案はボツにしました。
でも「今は存在しない競馬という競技」という切り口は、悪くないかも。その世界の競馬は、どうしてなくなったのだろう?
答えを探しつつ調べものをしてゆくうちに、徐々に「叫び」の原型が定まってゆきました。
人間を描くための道具として馬を使いたくないと書きましたが、馬を描いたことで人間の話にもなるのは、大いにありです。
結果的にはそういう話が書けたのではないかと思っており、また、感想のなかにもその部分を汲み取ってくださったものをみかけ、ありがたいなあ……と頭を下げました。
ーーー
・馬をどう描くか:
おおまかな形が定まってからも、考えることは尽きませんでした。
もっとも大きく、かつ根本的な悩みは、「馬と人間の関係」や「馬(をはじめとする動物)の倫理」というテーマの難しさでした。
この複雑で繊細な問題を、資料から得た知識しか持たない自分に扱えるだろうか。馬の関わる産業と文化を、覚悟をもったうえで馬とともに生きている人たちを、ただ雑に批判することになってしまわないだろうか。
また、語るための言葉をもたない相手の声を都合よく捏造して「代弁」するのは、暴力的な行為でもあります。
馬という、おそらく人間とはまったく異なる形をした心をもつ存在を、人間に寄せた形で描くことが、このテーマを扱う上で最適な方法だとも思われない。
にも関わらず書かずにいられなかったのは、改めて資料にあたればあたるほど、前々から気になっていた馬と人間の関係の不均衡性から、いよいよ目を逸らすことができなくなっていったからです。
人間とともに走ることを愛し、競走馬として生きることに幸福を感じる馬も、もちろんいるでしょう。
けれど、かれらの陰ではデビューに至らなかった馬や引退した馬がモノのように処分されている。その数は、日本だけでも年間七千頭と言われています。競走馬として脚光を浴びた馬であっても、レース中や調教中の怪我が原因で安楽死させられるケースは跡を絶ちません。過酷な日々を通じて身体に蓄積してゆく負担の大きさゆえに、寿命も短くなる傾向にある。
この状況を「そういうもの」として見過ごしていいのか?
私には、そうは思えませんでした。
馬と言語によるコミュニケーションをとることが現実的に不可能である以上、その「声」は想像することしかできません。それは代弁と紙一重の危うい行為であり、どこまでいってもエゴの域を越えられない。それでもなお、そういった試みがまったく存在しないよりは、マシなのではないか。少なくとも私自身は、一度作中で扱った問題に対して無関心でいられなくなる。ひとりの人間を変えることができるのであれば、その物語は、書くに値する。
こういった思考のすえ、「叫び」を書くことに決めました。
「叫び」は、馬と人間の対話の、単にひとつの可能性にすぎません。まだまだ、もっともっと、他の可能性も見てみたいです。作品としても、作品の外でも。この掌編がそのための呼び水となるのであれば、本望です。
ーーー
以上が、私が「叫び」を書くに至った経緯です。
「未来のスポーツ」というお題と真っ向から向きあったというよりは、テーマを足がかりに自分の書きたいものを書いた。それが率直な実感です。
このお題がなければ書けなかったものが書けたし、今の自分にできることを全力でやりきった。その点では満足していました。
でも、これじゃ受賞は無理だな、とも思いました。大賞や読者賞にふさわしいのは、もっと正面から未来のスポーツを描いた作品です。
だったら、「最終候補入り」は?
それならば、ひょっとしたら、あり得るかもしれない。
ふたを開けてみるまではわかりませんが、なんとなく、応募作には人間の競技者を主人公とするものが多いのではないかな、という気がしていました。
もしも最終候補に残った作品がぜんぶ人間の話だったら?
それよりも、9人の人間にまじって馬が1頭走ってる眺めのほうが、なんかよくない?
そんな光景が見たくない?
最終候補作が発表される前の数日は、そんなことをぶつぶつ言って、自分を奮い立たせていました。
が、いざ「叫び」が選ばれたと知ると、やってきたのは驚きでした。
ひとしきり騒いだあとで、じーんとしました。
あれを? 選んでくださったのですか? 未来のスポーツというテーマで? 本当に?
審査員方々の懐の深さに打たれ、清々しい敗北を喫したような、おかしな気分になりました。
それだけで十分に嬉しく、ありがたかったのに。まさか審査員特別賞という賞までいただけるだなんて。
審査員を務められた磯上竜也さん、井上彼方さん、岸谷薄荷さん、佐伯真洋さんは、いずれも作品や活動を通じて一方的に存じ上げている方でした。読み手としてだけではなく、人としても信頼できる方々。優しく誠実であろうとするがゆえの、シビアな目をお持ちの方々。そのようにお見受けしていたため、この4人に作品を読んでもらうのか……と思うと、わくわくするのと同じぐらい、胃が痛くなったものです。
選評を読む際は、緊張しました。
すべて読み終えてから、手紙みたいだ、と思いました。全力で書いた手紙に、全力のお返事をいただいた。そんな感覚です。
尽くしてくださった言葉から、「未来?」と戸惑い「スポーツ?」と疑問符を浮かべつつも、作品の声に耳を澄ませるようにして読んでくださったことが窺い知れ、「叫び」の肩をたたいてやりたくなりました。よかったねえ、こんなに真剣に、大切に読んでもらえて、お前は幸せものだねえ、と。
また、期間中の感想にはレギュレーション違反を避けるために反応できませんでしたが、みつけられたものはすべてスクショを撮り、何度も何度も読み返しています。
審査員のみなさん、読者のみなさん、読んでくださり、感想を言葉にしてくださって、本当にありがとうございました。
受賞はこのうえなく幸せなことです。
が、終わってしまえば、これもまた、ひとつの通過点にすぎません。
『新月』では何を書こうかと、今はそれで頭がいっぱいで、すでに胃がキリキリしはじめています。
ーーー
最後に。
冒頭にも書いたとおり、私にとって、かぐやSFコンテストで最終選考に残ること、もしくはKaguya Planetに作品が掲載されることは、ひとつの大きな目標でした。
Kaguyaにこだわる理由はたくさんあります。
そのうちのひとつが、Kaguyaは物語の力に対して自覚的な人たちが集まる場所だから、です。
SFには未来を引っぱってくる力がある。そのSFのための場を作る人たちと、そこに集う人たちの多くが「誰の足も踏まない」という意識を共有していることに、大きな希望を感じています。
その一員でありつづけられるよう、いっそう精進いたします。間違えることだらけの未熟な人間ですが、これからも見守っていただけますと嬉しいです。
ーーー
〈補足〉
作中にマヌエラという人物が登場します。説明不足で伝わらない部分があったようですが、私は彼女を女性として書きました。(「マヌエラ」は、女性に多くみられる名前だと認識しています)マヌエラとエバは、レズビアンのカップルです。
SFを書く際は、現実の社会にふつうに存在しているのに透明化されがちな人たちを「なんの必然性もなく」登場させるよう心がけています。善良でもなければ悲運を背負わされるわけでもない、ただふつうに生活していてふつうに恋愛をしてふつうに破局したのであろうふつうのカップルとして、二人を描きました。
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anken0820 · 2 years
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2022.7.2 #福島競馬 1R  #障害3歳以上未勝利 左 :1着馬 6号馬 #バルンストック   #小牧加矢太 騎手 障害レースしかない福島競馬場の左周りのレース #keiba #障害レース #pentax_k70 で撮影 #pentax https://www.instagram.com/p/CffgjaYP-yS/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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rikuria · 10 months
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2023/07/30 (日)
朝。完全に寝坊したので朝は存在しない。起きたら午前が異世界に流し込まれていた。許せん。
昼。競馬中継を聴きながら生活をこなす。今日は推したい馬が全然でなかったので馬券を買わなかったけれども、1レースだけモズマゾクを買う。12番人気単勝64倍の夢のある馬だけど、さすがに当たらなかった。がっくし。
夕方には完全にお化けになってしまったので髪を切った。わしは床屋や美容院に行かずに自分で髪を切る人間なんだけど、それを友人に伝えたら「茂木健一郎かよ!」と言われた。脳に良いんだろ。知らんけど。
夜。スーパーに言ったらウナギが売られていて今日が土用の丑の日であるということに気づく。もっと事前言ってくれればウナギの用意ができたのに……ウナギを食べたい気持ちだけが生まれて残念になる。その後は、youtubeでMCバトルを見てた。ラッパーが「なぁぜなぁぜ」と「腐れアバズレ」で完全韻を踏んでて感動で全身が震えた。最悪の感動。
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soranomahora · 11 months
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今、どハマりしているものに競馬がある。
ウマ娘をきっかけに競馬に触れて早2年。
人間、どんなものに惹かれていくか分からないというのは常々思っていたけれど、所詮ギャンブルだと悪い偏見を持っていたものにハマるなんて。
そもそもウマ娘だって、男のオタクばかりが群がる如何わしいゲームだと思っていた。そうじゃないことを教えてくれた弟には感謝しないといけない。
ウマ娘は、実在するめちゃ強い馬を擬人化(女体化)させてひたすらに強く育成し、ただただ走らせる…というゲームなのだけど、特筆すべきは各ウマ娘のストーリー。
史実に準えて進んでいくので、当然常に好調とはいかない。みんなそれぞれの困難を乗り越えていく。(それをものともしないウマ娘もいるけど)
こんなに大変な思いをして走ってるんだ、と知ってからウマ娘に登場するキャラクターをはじめ、競走馬についてwikiで調べたり、pixiv大百科でビハインドストーリーを読むのが好きになった。
背景を知ってから見るレース映像はすごく感動的だ。
いままではただ馬の競走とか、博打としてしか見たことがなかったのに、そこに至るまでの積み重ねや、携わる人たちの想いを知ってからは全く別物になった。
わたしがどうしようもなく好きなのはゴールドシップ。レース映像も、引退後の映像もこれでもかというほど見た。おちゃめで賢いゴールドシップは、120億を紙屑にしてもなお愛される個性的な馬だ。
初めて皐月賞のレース映像を見たときの衝撃は忘れられない。こんなことがあっていいのか、彼の度胸とその身体の強さに心底惚れ込んだ。後方からの追い込み一気。夢を見せてくれる馬だと思う。
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もう一頭挙げるならキングヘイロー。
血統から大きな期待を背負って生まれてきた彼だったが、最強の世代と謳われるライバルたちに囲まれ、なかなかG1タイトルを取れずに長く苦しんだ。
11度目の挑戦の末に掴んだ勝利、それを長く夢見た調教師の涙する姿は何度見ても心を打たれる。最後の直線でぐんと加速する末脚。血統の証明を諦めなかったキングヘイロー、本当に格好いいなと思う。
youtube
一生懸命に走る馬も、騎手も、それを支える人たちもみんな格好良くて、それで競馬が大好きになった。
趣味……というと昔のわたしみたいに偏見を持つ人が多そうだけど、馬や騎手を応援することは間違いなく今のわたしの楽しみのひとつ。
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longgoodbye1992 · 1 year
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コールガール
酒場で歌いほろ酔いで帰ったホテルのシングルルーム。
ふと誰かの温もりを感じたくなってしまった。
ネットで調べた番号に電話をかけると無機質な声で料金を言われ、それに応じて電話を切る。
部屋に来るまでの十分間で歯を磨いてパジャマに着替えた。
扉をノックする音。
静かに開けた扉から、中背で痩せ型若い色白の女性が姿を見せ、中へと招いた。
目元が可愛らしくマスクを外すと優しさを感じる顔立ちで少しあった緊張が解けた。
派手さは無いが例えるならマーガレットのようなしおらしい可愛さがある。
「あかりです」
鼻から抜けてどこに気持ちがあるんだろうという声質が耳に残る。
シャワーを浴びる。
恐らく仕事に慣れてないのだろうという手際。
「生まれは?」
「北の方」
「俺も北だよ」
「同じかもねぇ」
彼女の首筋に顔をうずめる。ボディーソープと頭皮の脂の香りが安らぎを与えてくれる。
タトゥーも自傷跡もない白く綺麗な体を抱いた。
話をしていくと、県は違うがとても近いところの出身だと言うことがわかった。そこは祖父とドライブでよく行っていた海沿いの街。
地元の進学校を出て東北の都市部に出た。普段はOLで、今は出稼ぎで来ているらしい。
話していてストレスなく返答や言葉が出てくるから、そこに頭の良さを感じた。
話の流れで連絡先を交換した。
本当の名前はゆかだった。
アイコンが馬の写真で背景が競走馬のぬいぐるみだった。
「競馬好きなの?」
「好きです」
そこから会話が弾んだ。
今流行のゲームより前にYou Tubeでオススメされたライスシャワーのヒストリーを見たのがきっかけだという。
ライスシャワーを簡単に説明すると、記録がかかったレースで対象馬をマークして勝つという、所謂ヒールと呼ばれる馬だった。
そんな中、ファンから一番人気で選出されたレースでようやくヒールがヒーローになる時に、レース中の怪我で命を落としてしまう。
それに感銘を受けて競馬にハマるという感受性に興味がわいた。
そんな中、一緒にいる時間も終わりに近づく。
「よかったらこの水あげるよ」
フロントでもらった水を冷蔵庫で冷やしていたからそれを渡した。
「ありがとうごさいます。嬉しい」
「よかったよ」
「もしね」
「うん」
「店長の気分が変わってなければこれで今日ラストなんです」
「そうなんだ」
「泊まってるホテルも近いし、よかったらお話しませんか?」
まさかの誘いだった。
「いいよ、ぜひ話そう」
「やった!競馬の話たくさんしてください」
店に電話してゆかは仕事の終わりを伝えて帰宅を許された。
夜ご飯を食べてないというゆかとコンビニへ向かった。甘いお酒とボンゴレビアンコ、おにぎりを買った帰り道。
「あのさ」
「なに」
「一生のお願い程ではないんだけど」
「うん」
「手繋ぎたい」
「これが一生のお願いなの」
彼女から手を繋いでくる。
「いや、違う。程ではないって言ったよ」
「ふふふ」
部屋へ戻って食事をとる彼女と話をした。
競馬の話。それに因んだゲームの話。ひとしきり話した後、彼女について聞きたくなった。
「彼氏は?」
「いるよ」
「だよね」
「同棲してる」
「よく出てこれたね」
「GWだからお互いに実家に帰るってなって」
「なるほど」
「こんな事聞くのもあれなんだけどさ」
「なんでこの仕事したのって?」
「うん、気になった」
「うつになってね、休職したんだ。その間はある程度給料で出てたんだけど、時短で復職したら全然お金貰えなくなって」
「そうだったんだ」
「同棲してるから家賃も生活費も半分ずつだし、それじゃあ足りないから…」
「彼氏は出してくれないの?」
「半分以上は出してくれないし、あんまり頼ると嫌な顔されるから。うつでしんどいときも家事はやらなきゃだったし、やらないと嫌味言われてさ」
恋人とか、パートナーとか、夫や妻って何だろう。
苦しいときに何かしてあげたいと思うのがそれらではないんだろうか。
去年俺が経験した事とも重なって、目頭に熱さを感じた。
「それでなんだ」
「それでもやっとなんだ。彼氏が仕事終わるまでに帰らなきゃいけないから長い時間できないし」
「彼とは病気の話はしてるの?」
「したけどあんまりわかってくれなくて。薬飲んでも変わってないじゃんって言われて。私が悪いんだよね」
椅子に座って机を見つめるゆかを抱きしめた。
「ゆかは悪くないよ」
「えっ」
「ゆかは全然悪くない。悪いのはまわりだ」
ゆかが俺の背中に手を回してふっと笑った。
「ありがとう」
「ほんとだよ、ゆかは悪くないから」
ゆかの髪に口づけて、顔を見合わせてキスをした。
シングルベッドの上で何度もゆかを求めて、ゆかも俺を求めた。
「一緒に帰ろうか?」
「帰れないよ」
「そうか」
「だって、まだ気持ちあるから」
「好きってなんだろうね」
「なんだろうね」
このままゆかを連れ去りたいけど出来ない。
そして離してしまうと二度と会えないこともわかっていた。
「会えたのって奇跡だね」
「なにそれ」
「ゆかがここに来なかったら、俺らは会ってないからさ」
「そうだねぇ」
変わらず気持ちがどこにあるのかわからない声だ。
でもそれが堪らなく愛しいと思った。
夜は更けて過ぎていく。
ゆかの推してるアニメキャラの同人の話を聞いて眠った。
ゆかがセットしたアラームが鳴って起きた。
六時だった。
ゆかはまだ眠っている。
気持ちよさそうに寝息を立てる顔を見て静かにシャッターを切った。
唇を重ねる。そこでゆかは目を覚ました。
「おはよう」
ゆかが頷く。
ベッドでゴロゴロして寝ぼけながら話をした。
「俺、バツイチなんだ」
「そうなの?」
「娘もいるよ」
「なんで別���たの」
「子供がお腹にいる頃にうつになって、仕事見つけられなくなって、そしたら別れを言われた。」
「辛かったね…」
「発達障害も見つかってさ。通院してるよ今も」
「私もある。ADHD。薬も飲んでるし」
「そっか、一緒だったんだ」
「うん、そうだね」
ゆかが俺の頭を撫でる。そのあと俺はゆかに抱かれた。
別れの時が近づく。
「今度帰ってきたら会おうよ」
「うち過保護だから夜は無理だよ」
「昼でいいよ」
「私の車ないから迎えに来てもらわなきゃいけない」
「どこにでも行くよ」
「ありがとう」
部屋からエレベーターまで手を繋いで歩いた。
下行きのボタンを押す。
「実はね…私六階なんだ」
「えー、���く言ってよ!」
「ふふっ」
上行きのボタンを押す。
「だからか、エアコンの効き悪いとか知ってたもんね」
「そういうことでした」
エレベーターの扉が何度も開いて閉じてを繰り返す間、最後に口づけをした。
「また会おうね」
「ありがとうございました」
手を振ってわかれた。
またいつか会えるといいな。
 
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