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#装飾付きタンクトップ
gallerynamba · 5 months
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◇ELISABETTA FRANCHI(エリザベッタ フランキ)◇タンクトップが入荷しました。 定価:66,000円(税込)⇒SALE価格:46,200円(税込) 弊社通販サイト商品ページ⇒http://www.gallery-jpg.com/item/12312047/ 2023年SPRING&SUMMER 素材:再生繊維(リヨセル)57%、シルク27%、ナイロン16% カラー:ホワイト サイズ:38 着丈 約36.5cm、肩幅 約20.5cm、バスト 約57cm、ウエスト 約46cm (平置きの状態で測っています。伸縮性があります。) ネックラインに細いメタルチェーンとタッセルの装飾を施したクロップタンク。 装飾部分はロブスター金具で取り外しが可能です。 細リブのハイゲージニットのタンクトップはジーンズ等、コーディネートに取り入れやすい万能アイテムです。 ※ご覧頂いている媒体により、色の見え方が多少変わる場合がございます。 ※店頭でも同商品を販売しておりますので、通販サイトの在庫反映が遅れる場合があり商品をご用意出来ない場合がございます。予めご了承頂きますようお願い致します。 Gallery なんばCITY本館1F店 〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波5-1-60 なんばCITY本館1階 【営業時間】11:00~21:00 【休館日】4月無休 【PHONE】06-6644-2526 【e-mail】[email protected]
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akage-ha-hitori · 1 year
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「貴方がつぎの人?、よろしくね。私の名前は---------」
2145年の大東京都渋谷一階層3丁目は
貧困区で昔ながらの風景がありながらも比較的都会だ
俺はもう何人目かわからないが どうやら次の家族に配属されて初日を迎えていた
家族は恐らく血の繋がりのある親戚もいて10人ぐらいだろう
屋敷が大きすぎて把握できない
俺に与えられた部屋は無機質なコンクリート壁の縦長で 奥にはデスクとPCが備え付けてある
「そろそろ食事だよ、お父さん待ってるから!」
さっきから話しかけてくる女が多分”候補”なのだろう
よれてはいるが清潔感のある白いタンクトップからは白く華奢な腕なのになぜかたくましかった
黒髪のボブにはっきりと凛とした顔立ち、純日本人でありながら英国の混血だと間違われるタイプだろう
確かに”候補”としてはなにか光るものを感じるが、しかしながら誘惑と謎もまだまだ多い
デスクには”前の人”との家族写真がまだスタンドに入ってる
部屋がデザインされている割にそこまで几帳面な性格でもないようだ
親の美意識の高さに家族ごと触発されて習慣になっているのであろう
リビングに向かうと昔ながらのコンロを食卓で囲み、家族らしき人たちが準備を始めていた
気は強そうだが美意識は高い金髪のこれまた英国混じりの顔立ちの姉であろうか
隣は”候補”であろう長髪縮毛の男、父親、母親
今夜の食卓はこれだけなのだろう
「まあ座ってよ!酒は?なにがいいの?ウイスキーでいいよね?」
続いてぶっきらぼうな父も口を開いた
「やあ赤毛くん、———をよろしくね。ところで映画は好きかな?”ミラサイケ”は見たかね、名作だな」
父は父、という典型的な恰幅の良い髭の親父で、なのにどことなくこれまたやはり紳士の品を感じる出立ちであった
「いえ、すみません映画は好きなのですが勉強中で」
本当のことを言うと知らなかった悔しさよりも部屋のあちこちにある姉妹の写真に目を惹かれていた
“TWO Star twins” 壁の写真にはそうロゴが入ったものが何枚か飾られてあった
家政夫さんが察して、小声で耳打ちしてくれる
「彼女たちはトースターツインズという姉妹のアイドルなのです、惹かれちゃいますよね。」
たしかに双子かとも思うぐらい似てはいるが、やや姉のほうが顔立ちはよりはっきりしていて、妹は少し甘えん坊というか奔放な印象は受ける
「来週から悪の祭典でして、女王が復活するんです!姉は1年に2度しか現れない、超貴重なアイドルなんですよ!女王の復活祭が楽しみですよね!」
家政夫もどうやらファンなのだろう、まだ20代そこそこの気さくで邪気のない青年だ
「赤毛くんは前の人、どんな人だったの?話したくなければいいけど」
姉は芯が通っていて、立派な女性なのだろう
俺のことを気にかけてくれて、初夜を穏便で円滑に進めようとはしてくれているようだ
質素な服装なのになぜこんなにも気品や強さを感じるのだろう
顔立ちだろうか
昔見た映画”レオン”のマチルダをあのまま24歳にしたような姉妹だ
滞りなく晩餐を終えて、引き続き晩酌を進める父以外の家族たちは寝室へと散り散りになっていった
“候補”の女はなにを考えているのかここまで全然読み取れていない
家族の人たちの波にかき消されて、そういえばほとんど話していない
「ねえ、赤毛くん。どうする?」
どうする?の意味がこれでもかというほど難解に思えた
話の脈略がまったくないのに、なんだろうこのぐいぐいと引っ張られていくというか
それは竜巻に手を引かれるような印象のほうが強かったのかもしれない
「そっか、まだわかんないよね。・・・いいよ!散歩しよ!?いくよっ!」
特に主張したいこともないので否が応でもその通りに事は進む
俺はこの家族に迎え入れられた初日の緊張で萎縮しているのか
どこかこの女に振り回されたいという願望があるのか
混沌としていた
「ほらなにやってんの、男は酒と煙草両方持って!」
そうだぞと言わんばかりの顔の父がそっと目を閉じながら缶酎ハイと煙草をこちらにスライドさせてきた
随分と偏った理想像も不思議と心地よくて、両手に退廃を持った2人は深夜の住宅街に繰り出した
深夜にも関わらず大東京は明るく、分厚い雲はサイケデリックな工場地帯からの煙と混じりあって空は見えない
遠くの繁華街の明かりが巨大な雲に反射して怪しげに光っていた
もうかつての高層ビルはなく、低い建物の住宅街の遥か上には上層階があるだけだ
空気は良くもなく悪くもない
サイバーパンクな夜は酒と煙草を嗜むには確かに丁度良かった
ベンチに座り、遠くの工場地帯で黄緑色のネオンが反射した横顔は 煙草がよく似合うほどに凛々しかった
「で、どうする?決めた?」
「いや、別に、」
「お父さんがミラサイケ知らないのがっかりしてたよ〜、名作なのにーって。前の人はね、つまんなかったな正直。夜も一緒に歩いてくれないからお酒足りないしさ。
でも赤毛くんなら結婚してみてもいいよ?なんか面白そうじゃん」
矢継ぎ早に展開していく会話にまたしても振り回されている心地よさと、まだこの女のなにひとつ知れていないミステリアスな部分も良かった
「俺で何人目?」
「んー、8人目ぐらいかなー。なんかロックじゃなかったんだよねーみんな。私は正直結婚とかどうでもよかったりするんだけどさ、
一応この国のルールじゃん?だったらどうせだったら面白い人がいいなーって思うの。なんかこう、2人がそれぞれ単独で成立してるっていうか、依存もせず独立してて
それぞれ活躍してるしテレビで見ても絶対結婚してるようには見えないのに、誰にも言わなくても絆は2人の間にしかわからない固さがあって。それは2人きりの時も特に口にだして確認するって野暮なことはしないの。すごく不安定そうに見えてでも確実に強固な自信はあるの。だから干渉もしないしどうでもいいんだけど、すっごいラブラブなの!お互いがお互いのファンっていうかさ、遠くで応援してますーって感じの!」
結婚に対する理想像だけは驚くほど一致していて、ほとんど自我を出していない初夜の俺なのに今までの”候補”と俺の違いを解っているこの女は、全て見抜いているとしか思えない
「じゃあさ、ひとつだけ約束してくれたら」
「え!なになに?いいよ!」
彼女は吸っていた煙草を中断してこちらに身を乗り出して弾んでいる
「ずっと俺が追いつけないように前にいてよ、俺も絶対追い付かれないように前で走ってるから」
「なにその多次元論!面白!わっかんないけどそれって、[わかったよ!そうなるよう努力するね!]って言ったらもう正解じゃないよね?だからわっかんないけど〜・・・・まあ好きにしてよ!」
そこまでも完璧な回答をされるともうこちらもお手上げである
俺は重い腰を上げて煙草をふかしなおす
こちらが返事をしなくても、彼女はなにも聞いてこない利口さがある
夜はどんどん加速して、2人は何億もの光と闇に呑み込まれていく
俺も彼女もまだ、アンニュイな中でそのほとんどがよくわからないにも関わらずだ
婚前準夜、渾然契約/赤毛はひとり
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kkagneta2 · 5 years
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無題
2735 グラム、――掃除中、ふいに出てきた写真を眺めているうちに思い出した数字である。写真の中にはまだ生まれて間もない女の子の姿が写っており、これがまさかあんなに可愛らしい少女へと育つのだと思うと、感慨深くもあり、懐かしくもあり、愛しくもある。彼女は物凄く活発な子で、俺のお下がりの遊び道具をめちゃくちゃにしては母親に怒られ、幼稚園で誰それを泣かせたとか何やらで先生に怒られ、話によると幼少期の俺よりも手がつけられなかったらしく、本当に今の姿と当時の姿を比べると唖然とする他ない。まだ彼女が物心もつかない頃には、俺もしばしば近くにある公園へ引っ張られたものであったが、目一杯暴れまわるものだから彼女の体は帰る頃にはすっかり砂と泥にまみれてしまい、いじめられたのではないのかとよく疑われていたものである。
妹とはもうその頃から何をするにも一緒であった。三才違いだから小学校へは三年間一緒に通ったし、中学校もほとんど小学校の横にあるようなものだからその後も手をつないで一緒に通学した。違う部屋を割当られていたけれども、家の中ではずっと一緒に居た。寝る時も、彼女が小学四年生に上がる頃までは一緒の布団に潜り込んで、何をするわけでもなく思い思いの体勢で夜を過ごしていた。
思えば妹が落ち着き始めたのも、若干距離が離れ始めたのも彼女が高学年へ上がってからである。先の一緒に布団に入らなくなったのは一つの例で、実はお風呂も一緒に入っていたのであったが、急に恥ずかしがるようになったかと思えば、それも直に無くなっていった。
だが、もしかすると当然かも知れない。というのも思春期特有の問題として、成熟し始めた体に心が追いついていなかったのであろう。特に問題だったのは彼女の胸であった。妹は昔からの習慣で自分の部屋で着替えをせず、わざわざ制服をこちらの部屋にまで持ってきて、寝ぼけ眼の目をこすりながら、
「んっ」
と言って、手をバンザイしてパジャマを脱がせようとしてくるのであるが、その時ジュニアブラを通して見えてくる膨らみがどんどん日を追うに連れて大きくなっていくのである。小学五年生に上がる頃にはぷっくりと先端の突起が現れていたし、小学六年生に上がる頃にはもはやジュニアブラでは覆いきれなくなったのか、可愛らしい刺繍の編み込まれた普通のブラジャーをつけるようになっていた。恐らくすでに彼女の握りこぶしぐらいの大きさであったかと思われる。
妹が自身の胸元をどんな思いで俺に見せていたのかは分からない。思うに単に寝ぼけていただけであろう。手をバンザイして来た時にそのまま放っておくと、パタンと布団の上に倒れ込んですうすうと寝息を立ててしまうほどに、妹は朝が弱いのである。何にせよ彼女の胸は、同年代はもとより大人の女性と比べても遜色ないほど、小学生にして大きくなっていた。
正直に言って男の俺からするとたまったものではない。手が伸びたことの一度や二度は当然ある。だが妹が小学生の頃に、実際に触れたのは一度だけである。確か大晦日の夜のことで、おせちやら何やらの準備で気の立った母親が、時間の節約と言う名目で、
「もう二人してダラダラするならさっさとお風呂入って来なさい、ほら、行った行った」
と言ってくるので仕方なしに立ち上がると妹も渋々立ち上がっている。トイレに行ってくると言う彼女を残して先に浸かっていると、ちょっとしてガラガラと音がして入ってくる。手で胸元を隠しながらかけ湯をして、そっと水面を波立たせないように足から浴槽に入って来て、こちらに背を向け、そのまま俺の足と足のあいだに体を潜り込ませ、ゆっくりと体を倒してくる。
しばらくは無言で互いの鼓動を聞き合うだけであったが、鼻に当たる彼女の柔らかい髪の毛がこそばゆくて、ついくしゃみをしてしまって以来、一年の終わりともあって色々と話がはずんだ。そうこうしているうちにすっかりリラックスした妹は、手も足も体もだらけさせてしまったので、溺れないよう俺は彼女を支えてあげていたのだが、うっかり手が彼女の胸に触れてしまう。――が、妹はピクッと体を震えさせてこちらを見てくるだけだった。そこには嫌悪感はなく、びっくりしただけだったようである。俺はさわさわと撫でるように触り続けた。手のひらにちょうど収まるおっぱいの心地よさは何物にも比べ難く、このままずっと触っていられそうであった。彼女は俯いて声が出るのを抑えているようで、時おりひどく色っぽい鼻息が漏れ聞こえてくる。思い切って先端にある可愛らしい突起を摘んでみると、
「お兄ちゃん、そこはダメ、……」
と言って弱々しい力で手を取ってくるが、やはりそこには拒絶はない。むしろ迷っているような手付きであった。だがその時、あまりにもお風呂の時間が長��ったために痺れを切らした母親の怒号が飛んできて、ドスドスと中にまで入って来てしまった。それきり俺たちは大人しく体を洗い、もう一度だけ一緒に浴槽に浸かると、お互い恥ずかしさのあまり静かに新年を迎えた。
  妹は俺と同じ中学には通わず、区内にあるお嬢様学校に進学することになった。あの大晦日の日以来、俺と妹との関係がどのように変わったのかは分からない。お風呂を一緒に入ると言うのもそれ以降しばらくなかった。はっきりと言えるのは会話が増えたことと、妹がどんどんお淑やかになっていくことと、逆に二人きりだとどんどん無防備になっていくことである。朝の着替えはもちろんのこと、お風呂から上がるとタンクトップ一枚になったり、バスタオル一枚をちょうど谷間が見えるように体に巻き付けたり、そもそも妹が中学校に上がってからというもの、お風呂に一緒に入ろうと誘われることが多くなった。しかもそれが机に向かっている最中に後ろから抱きついて、
「おにーちゃん! 今日こそ一緒にお風呂に入りましょ? んふふ、隠しても無駄だよ。ほら、行こう?」
と指を顔に這わしながらささやくものだから、頭を包み込んできそうなおっぱいの感触と、耳元のこそばゆさで俺はどうにかなってしまいそうだった。妹は兄である俺を誘っているようであった。そしてそれが実際に誘っていることは追々分かることになる。
しかし、今はそれよりも彼女のおっぱいについて語ることにしよう。中学生になっても成長の止まらない妹のおっぱいは、一年生の時点で俺の手では包みきれないぐらい大きかったと記憶している。当時俺は高校生であったが、同学年でも上級生にも妹より大きいおっぱいの持ち主は居なかった。時々本屋で目に飛び込んでくるグラビアモデルなぞも妹には敵わない。日々洗濯物としてベランダで干されて居るブラジャーは、もはや俺の顔を包めるほどに大きく、装飾は同年代の女の子のそれと比べると地味で、時々三段ホックのものが干されている時なぞは、彼女の兄であるにも関わらず心が踊った。妹はバスケットボールを部活でやっていたようだが、体操服にやっとの事で収めたおっぱいが走る度に揺れに揺れてしまい、手で押さえつけていないと痛くてしょうがないと言う。そもそも成長痛で始終ピリピリとした痛みが走っているらしく、俺と話している途中にも幾度となく胸元に手をやって、ストラップとかカップの位置を調整する。最も文句の多かったのは階段の上り下りで、殊に激しく降りてしまうとブラジャーからおっぱいが飛び出てしまうから一段一段慎重に降らなければならない。そういう時にはさり気なく手を差し伸べてエスコートしてやるのだが、失礼なことに妹はそうやっていたわってやると、
「えっ、やだ、お兄ちゃんがそういうことをするなんて、全然似合わないんだけど」
としごく嬉しそうに笑って、手すりから手を離してこちらにもたれかかってくる。その時すごいと思ったのは、上からチラリと見える谷間よりも下に広がる彼女の視界で、足先はかろうじて見えるけれども、階段の段差などは全く見えないのである。
「苦労してるんだなあ」
と呑気に言うと、
「ようやくお分かりになりまして?」
と澄ました顔で言うので、つい笑ったら頬を突かれてしまった。
さて、話を妹が俺のことを誘う誘わないの話題に戻そう。ある日のことである。彼女が中学二年生に上がって何ヶ月か経った頃、家族でどこか温泉でも入りに行こうと中々渋い提案を父親がするので、そっくり乗った母親と何やら良からぬことを企んでいそうな妹に流されて、家族総出でとある山の中にある温泉地へと向かうことになった。旅行としては一泊二日の極々普通な旅であったが、事が起きたのは夜も更けきって、良くわからない蛙だとか、良くわからない鳥とか、良くわからない虫が大合奏をし始めた時のことである。
泊まることになったペンションと言うのが中々豪勢で、温泉地の中にあるせいか各部屋ごとに備え付けの露天風呂があり、夜中に目を覚ました俺は、せっかくだしもう一回入っておこうと唐突に思うや、気がついた時にはもう温泉に浸かっていた。深夜に自然の音を聞きながら入る露天風呂はかなり良い。大学生になったら温泉巡りなども趣味に入れようかと思いながら、小難しいことを考えていると、カラリと言う扉の開く音が聞こえてきた。一応これほどにないまでこっそりと露天風呂にやってきて、かけ湯も極力音を立てないようにしたのに、家族の誰かが聞きつけたらしい。その者はそっと音も立てずにこちらにやってくると、まだあどけなさの抜けない顔をこちらに向けてしゃがみこむ。
「なんだ里穂か」
と言ってみると、
「なんだとは何です。お兄ちゃん愛しの里穂ちゃんですよ。となり良いですか」
彼女が裸になっていることに気がついたのはこの時であった。いつものように遠慮しようにも時すでに遅く、妹はするすると足から湯に浸かると、隣ではなく背を向けて俺の足の間に入って来る。――
しばらく無言が続いた。この時のことはよく憶えている。眠いのか船をこぐ妹を支えつつ耳を澄ませて山の音色を聞く。――それは何とも幻想的で桃源郷にいるような印象を抱いた。この時俺は彼女のお腹を抱きしめるようにして、彼女の体を支えてあげていたのだが、ちょっとでも腕を上へ滑らせると、ふわりと浮いているおっぱいに手が当たるのである。これが桃源郷でなくて何なのか。文字通り桃のような妹の膨らみは、最高としか言いようがなく、彼女が寝そうになっていることに調子付いて、何度も上へ下へ浮き沈みさせてその感触を楽しんだ。
するとのぼせそうになった頃合いに、突然目の覚ました妹がお尻をぐりぐりと動かして来た。しまったと思って手を引っ込めたけれども、途中で掴まれてしまった。
「んふふ、……いまさらどこに逃げようとしてるです?」
と、彼女は俺の手を自身の豊かな胸元へ。
「毎回毎回、ちょこちょこ触って来ては、こんなに固くして。……もう、お兄ちゃんのために大きくなったようなものなんですから、もっと触って良いんですよ? あ、でも、ちゃんと言ってからにしてくださいね」
そう言っているうちにも、妹はもにもにと俺の手を思いっきり動かして、自身のおっぱいを揉ませてくる。当然、ものの数秒で彼女の手は添えるだけになり、俺の手は自分の力で彼女の胸を揉みしだいていた。
この時聞かされたのだが、妹は全部知っていた。意外とうぶな彼女はあの大晦日の夜、俺がしたことをいまいち理解していなかったようだったけれども、今となってはそういうことだったのだと理解してしまっており、俺に逃げ道はもう残されていなかった。彼女の質問に頷きつつ、彼女のおっぱいを揉みしだき、彼女のお尻に大きくした〝ソレ〟を刺激される。最後から二番目の質問は、
「うわぁ、……ほんとうの変態さんだ。……じゃあ、こういうこともされたかったんだ?」
この言葉を言うや、妹はするりと拘束から逃れて、俺を温泉の縁にある岩場に座らせるよう促す。次に何が起きるのかはもはや分かりきっていた、彼女はすっかり大きくなった俺のモノを、ずっと大きな自身のおっぱいですっぽりと包むと、体を使ってずりずりと刺激してくる。行為の最中俺のモノは一切見えず、あの蠱惑的な谷間と頭の中がとろけそうな色っぽい声に、俺は一瞬で果ててしまった。
肉棒をずるりと抜き取ると妹は、
「気持ちよかった?」
と最後の質問を言ってきて、精液でドロドロになった谷間をゆっくりと広げていく。その顔には中学生の女の子のものではない、何か微醺を帯びたような一人の成熟した女性の持つ色香が確かにあった。
  こうして俺は妹の虜になり、果ては彼女の胸の中で種を放ってしまったのである。旅行の次の日には俺と妹は昔のように引っ付き合っていた。親から笑われようとも、帰って来ても、ずっと離れることはなく、久しぶりに夜をともにした。
以来、俺は妹のおっぱいを事あるごとに揉んだ。二人きりで居る時はもちろんのこと、外に出かけた時も周りを見計らって揉んだし、登下校中にも彼女が良いよと言ってくれたら隠れて揉んだ。そこから次の段階に発展するようなことはあまりないようなものの、胸でしてくれたり、手でしてくれたりするのはよくあることであった。
中学二年の終わり頃には、妹のおっぱいは世間では全く見られないような大きさに達しており、俺も驚けば本人も驚き、時々来る彼女の友達も私服姿を見てびっくりするなどしていた。ベランダで干されているブラジャーの大きさもどんどん大きくなっていき、とうとう俺の顔が余裕で包めるほどの大きさになっているのであるが、俺には女性の下着をどう見たら良いのか分からないからこの辺にしておくことにする。ただ言えることはめちゃくちゃ大きい。本当にこんなブラジャーがあるのかと信じられないぐらい妹のブラジャーは大きい。……
そう言えば中学三年の春、彼女がそのめちゃくちゃ大きいブラジャーをくれたことがあった。というのも、
「私が修学旅行に行っちゃうと、お兄ちゃん寂しがると思いまして。ですので、――はい、これ、プレゼントです。もう合わないから、お兄ちゃんの好きなようにしてください」
そんな馬鹿げた理由だったのだが、実のこと、この時くれたブラジャーは大学生になった今でも下宿先に持って行って、時おり寂しさを紛らわせているのは確かである。タグには32K と書かれているけれども、俺には良くわからないので、当時中学3年生だった妹のおっぱいがどれほどの大きさだったのかは聡明な読者のご想像にお任せする。
ただ彼女の大きな胸が、残酷な現実を呼び寄せてしまっていたことは伝えねばならない。まず痴漢は日常茶飯事であった。電車に乗れば四方八方から胸はもちろん、案外豊満なお尻にも手が伸びてくるので、必ず俺が壁となって彼女を守らなくてはならない。そもそもの話として男の視線そのものが嫌だと言っていた。そして一人にしておくと何かしら知らない男が近寄るので、おちおちトイレにも行けない。機嫌が良ければ、
「あの人、お兄ちゃんよりかっこよかった」
と言ってケロリとしているのであるが、そうでない場合はひどく面倒くさいことになってしまう。痴漢と言えば学校でもあるらしく、これは男よりも同性同士のじゃれあいで触られると言う。そして彼女が一番心を病めるのは同級生からの妬みであった。当然あんなに大きなおっぱいをしているものだから、妹はしばしば泣きはらした目で帰ってくることがあり、それとなく話を聞いてみると、
「今日も詰め物をしているんじゃないかと言われて激しく揉まれた、私だって好きでこんなに大きくしたんじゃない、あの子たちには全然おっぱいが無いから私の苦労をわかってもらえない、私の半分でもいいから分け与えてみたい」
と、ひとしきり文句を言って最後には、
「でもお兄ちゃんが満足してくれるなら何でもいいんだけどね」
と笑いながら言うのであった。
しかしこれらは彼女にとっては大したことではないかもしれない。妹が本当に心の底から泣きはらしたのは、彼女が中学三年の夏真っ盛りの頃、あれほどに悔しそうにしている我が妹は後にも先にも見たことはなく、恐らくずっと先の将来に渡ってもあの姿を見ることはもう無いだろう。先に彼女はバスケットボールを部活としてやっていたと言ったが、中学3年生の夏頃にもなると、胸が痛くてもはや激しく体を動かすことなんて出来なくなっていた。聞けば試合に出ては足を引っ張り、自分のせいで負け、幾度となく涙を流していたと言う。
彼女の最後の試合は見に行った。常に胸に手をやり、動いては胸を抑えて痛がるものだから、ボールが来ても反応が一瞬遅れてしまって折角のチャンスをものにできていない。兎に角ひどい動きだった。だが、当然とも言えよう、何と言ってもバスケットボールとそれほど遜色ない大きさで、バスケットボールとは比較にならないほど重たい膨らみが胸に二つも付いているのだから、むしろそれで試合に出て、あれほどまで体を動かせると言うのは、かつてやんちゃだった妹だから出来るのであろう。誰が称賛せずに居られようか。
迎えに行った時、彼女はバスケ部の同期後輩に囲まれて声を上げて泣いていた。意外とあっさり引き渡してくれた理由は考えたくもない。彼女にとっては最後だったけれども、三年生の試合としてはまだまだこれからという事実はさぞかし悔しかったであろう。その日は一晩中隣に居て、頭を撫でてやった。
そんな妹であったが、明くる日の朝には早くも復活して、
「次は受験だねー」
と飼っている猫に向かって呑気に言っていた。この時妹はボケててこんなことを言っていたけれども、彼女の通う中学校は中高一貫校なのだから何も心配はいらない。むしろ受験で大変なのは俺の方で、今度は俺が妹に頭を撫でられる羽目に���ろうことは目に見えていた。だが、彼女の危惧はそちらではなく、この一年間を終えると俺は地元を離れてしまうと言うことが、殊更気にかかっているようであった。何せ、
「実は合格してほしくないって思ってる。お兄ちゃんが居ない生活なんて私、嫌」
とまで言ったのだからよっぽどである。それでも俺は頑張った。決して妹を蔑ろにしたわけではないけれども、兎に角頑張った。気がついた時には彼女もまた応援してくれるようになっていた。
だから受験は上手く行って、俺は別に泣きはしなかったけれども、妹は泣いて喜んでくれた。その涙がどこから出来たのかは分からない。だが俺の顔をあの巨大な胸の谷間にすっぽりと入れて、何度も何度も背中を擦ってくれる。それはかなり息苦しかったけれど、これほどにないまで気持ちの良い抱擁であった。
そして実家で暮らす最後の日、俺たちは前々から約束していた通り次のステップに進んだ。自分以外何者の音も聞こえない深夜、彼女は震えながら俺の部屋へ来ると、まずはキスをせがみ、ゆっくりと服を脱いでいった。合う下着がないからと言って、おっぱいの溢れかえるブラジャーを取っ払い、綺麗に畳んで一糸まとわぬ全身を俺に見せる。――もはやそこには今まで見てきた妹は居なかった。よろしくおねがいしますと彼女は言った。俺も彼女の要求に答えて、手をしっかりと繋いでから、秘部に自分のモノを出来るだけ優しく入れた。これ以上は何も言うまい。最後に妹は目に涙をためながらこう言った。
「お兄ちゃん、どうか私のことを忘れないでください」
と。――
ところで、ここまで言っておいて何であるが、妹はその後何事もなく高校生活を歩んでいるようである。そして俺は突然初めた片付けが終わらずに嘆いているところである。妹の写真やらブラジャーやらを見つけて以来全く進まぬ。少し前に連絡が来た時には、彼女はあと15分くらいで着くからと言っていた。ならもうすぐである。俺は片付けの途中でむしろ汚くなった部屋を眺めてどう言い訳したらいいのか考え始めたが、あのしっかり者の妹のことだから言い訳なぞ通じないであろうと思うと、ベッドに横たわってさらに大きくなった胸元を頭に描きながら彼女の訪れるのを待つことにした。
  (終わり)
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theatrum-wl · 4 years
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【ダンス評】今を生きる真実を描くフィクション~誰かのために~
akakilike『眠るのがもったいないくらいに楽しいことをたくさん持って、夏の海がキラキラ輝くように、緑の庭に光あふれるように、永遠に続く気が狂いそうな晴天のように』 小泉 うめ
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〔撮影:前谷開〕 
これだけ長いにタイトルであるも関わらず、その作品は凡そ予めそこから想像するものとは全く異なるだろう。そして作品を観た後にも簡単にはなるほどと肚落ちしないかもしれないが、その記憶はまるで野ばらのつるの様に絡みついて付きまとい、忘れかけた頃に再びその棘を刺すかのような余韻を残す。
2020年~2021年という極めて特異な年末年始にわたって倉田翠が主宰するダンスカンパニーakakilikeと薬物依存症リハビリ施設京都ダルクのメンバーは1年前に創作したこのダンス作品を再演として埼玉と京都でツアー上演した。それは彼らの過去と現在を再構成したような舞台で、多くの人にとってはあまり馴染みのない世界の話かもしれないが、それなのに観る者の心に引っ掛かってくる棘のようなものを全編に尖らせている。そしてその刺激は観客にも自身の社会との関わりやそこからの疎外について否応なしに考えさせる。
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〔撮影:前谷開〕 
ゆったりしたダブルのスーツ、タンクトップに短パン、動物のプリントのセーター、ゴテゴテした装飾のある革ジャンとバラバラの衣装で舞台上に現れた男たちは舞台前面に用意された長机に向かって座る。総括的に言ってしまえばイカツいとかチャラいと言われそうな印象を受ける。もし街ですれ違うならぶつからないように特に注意するであろう人々のステレオタイプだと言えば分かり易いだろうか。おそらくそれはかつての彼らをイメージした服装だろう。そのようなことを想像させるのに十分な沈黙の時間を取った後で、彼らは普段施設で行っているミーティングのようにダルクの目的やその活動について書かれたリーフレットを順番に読み上げていく。
初演では最初のシーンは全員が白いシャツと黒いパンツ姿で登場した。そして当時彼らにとって大きな問題となっていた施設の移転に関する説明会で近隣の住民に必死になってその活動について話すシーンを再現して見せた。彼らがこの施設で暮らしているのはダンスの創作のためではない。そのため舞台作品の一回性というような問題ではなく、「その時の彼らの今」を描いた作品が再演不能であることは初演時から明白だったのだが、この冒頭部が差し代わっていることでいきなりそれをあらためて思い知らされる。
また同時に初演からの彼ら個人の変化についても想わされた。メンバーも9人がいなくなっており、2人が新規に入って��る。これは現在ダルクに所属するメンバーによって構成される作品であって、これからも彼らはどんどん入れ替わっていくだろう。この作品において初演に出ていたメンバーがもういなかったり今回初めて舞台に立つメンバーがいることは通常の再演で役者が入れ替わることとは著しく意味が異なるのである。
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〔撮影:前谷開〕 
そもそもダルクの活動の目的は、薬物使用を止め続けたい仲間を手助けすることとされており、決して依存症の人々が仲良く集う場所ではないし、ましてや営利目的の場所でもない。それを考えてみるとこの目的意識はakakilikeにかなり近しい。akakilikeはその組織をテクニカルスタッフと倉田翠のみで構成され、主に舞台作品を作る集団であると定義している。 結果的には両団体ともメンバーは「仲間」となって一応は円滑に運営されているようだが、決してその場で仲良くなることが目的ではなく、あくまでも本来の目的を達成することを最優先に活動している。
アートカンパニーが作品作りのために集まっているのはどこの団体にとっても当然だろうと言われるかもしれないが、実際それを遂行することは口で言うほどには簡単なことではないし、それが本当に徹底してできている団体は決して多くはないだろう。また逆に仲良し集団が必ずしも良い作品を創るわけでもない。そういうことをすべて承知の上で、akakilikeは最初に自分たちのことを、スタッフと出演者が常に対等であり、それぞれが確立して作品のためにやるべきことをするために集まった組織であると取り決めている。そこへのこだわりの強さは外部からは計り知れないが、少なくともそれを最初にわざわざ明示しているだけの意識が彼らにはあるはずである。
おそらく倉田が京都ダルクに深く溶け込めた理由は、薬物依存症の人々に対する関心や共感だけではなく、このような目的達成追求型の組織に親和性があったからであろう。そのように考えればそこからだけでもこの作品は一見倉田が京都ダルクのことを知り彼らと親しくなった関係性やその過程を描いたリサーチプログラムのように見えても、決してそれだけではないことも汲み取れる。倉田も彼らに合わせるかのように大きなスリットの入ったロングスカートをはいて派手なファーのコートを羽織って現れて彼らの後ろに座る。彼らに混じってその場に溶け込むような演出は彼女が既に彼らと「仲間」であることを示すとともに、これがダンス作品としてのフィクションであることを客席に宣言している。
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〔撮影:前谷開〕 
導入のシーンが終わり彼らが舞台前面に整列すると天井に隠されていた衣装が落とされる。すると彼らは着ていた衣装を脱いで下着姿になってその身体を客席に晒すかのように立つ。その身体のあちこちには刺青も見える。少し弛んだその身体は単に中年男性のそれというだけでなく薬物から離脱した結果としても窺え、薬物を使用することやそれをやめることの経過を語っているようにも見える。またここで倉田自身も着替えをするが、それについては彼女が彼らの仲間となったからだけでなく、それをしなければならない彼女自身の理由があることも今回の上演ではより明瞭に見えてくる。本作品で分かり易く踊っているように見えるのは倉田だけかもしれないが、この最初のシーンを観るだけでも出演者は全員ダンスしていると言うべきだろう。
それに続いて彼らは現在の普段着のTシャツやフーディ―にジーンズといったラフなスタイルにその身を包む。そして和やかな音楽に合わせて転換し、舞台後方に長机を組み合わせてテーブルを拵えて料理を始める。それがダルクでの暮らしであり、今の彼らの日常なのである。彼らは料理をしながら、ミーティングさながらに順番に自分のことを語り始める。その際には必ず最初に大きな声で自分が依存症であることを宣言して自分のニックネームを名乗る。するとメンバーも大きな声でその名前を呼び返す。
彼らのミーティングは発言者の自己開示とその他のメンバーによる傾聴と認識だけであって、その善悪を他者が訴求するようなことはない。この反復によって過去と現在の自己を理解し、未来へと少しずつ繋がっていくのである。彼らの回復プログラムには一足飛びの方法などはない。ただこうして粛々と薬物に依存しない日々を2年から3年積み重ねることによってそれは達成される。ダルクの活動は、スポーツやボランティア活動なども交えた共同生活の中で、1日に3回行われるこのミーティングと呼ばれるグループセラピーを軸に、昼には全員で料理をして食事をとるといった内容になっており、作品の中でそのような生活が再現されていく。
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〔撮影:前谷開〕 
薬物使用を繰り返している間にずっと家族と疎遠になっていた男は父親の七回忌にやっと参列できたことについて大きな鍋をかき回しながらしみじみと語る。彼は現在京都ダルクのスタッフとなって活動しており、母や親戚との関係もそれを機会に少しずつ取り戻しているらしい。新しいパートナーにも恵まれているそうで、このような人物の存在に少し安堵させられる。
今回新しくメンバーに入った男は、16歳の時友達とシンナーを吸っておかしくなっていたところでひょんなことからホストクラブの面接を受けることになったその後の顛末を語る。彼は作品の中でトリックスターの役割を果たしており、現在のダルクの中でそんなことのあった少年期に戻ったような振舞いをすることで過去の時間を呼び起こしていく。後半である曲をカラオケでフルコーラス歌い上げるのだが、その時劇場は完全に彼の青春の追憶の渦に巻き込まれてしまうことになる。
再犯を繰り返し家族に迷惑をかけ続けていることを悔やんで自殺をしようとしたシーンを初演で演じた男は、今は似顔絵師になる勉強をしているらしい。この公演では途中から客席の観客を1人選んで似顔絵を描く。その似顔絵がマスクをしていることが疫病禍の今を表していると同時に彼らが受けてきた社会的な扱われ方も想像させる。また彼の新たな社会との関わりをかつて彼が困らせた姉はとても喜んでくれているそうだが、それでもまだ完全に信用されているわけではなく元通りの関係には戻れていないらしい。そんな姉の感情も今は冷静に納得できる彼はそれを苦笑いしながら受け止めている。回復は一歩ずつ着実に進んでいるが、観客が作品を通して安易に応援する思いほどには彼らの現実は容易いものではないのだろう。
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〔撮影:前谷開〕 
その後で倉田は椅子をならべて最年長の男の話に耳を傾ける。彼は前回の公演の際に母の墓参りに行った話をきっかけに薬物に手を染めるもっと昔に振り返って、子どもの頃女手一つで育ててくれた母のことや仕事に出ている母に代わって自分の面倒をみてくれた姉のことを懐かしそうに語る。彼の述べる家族への感謝の言葉は、観客がつい自分たちとは違うと思ってしま��そうな彼らが長い年月を振り返ってみれば同じように生まれた人間であることに気づかせてくれる。
もう一人の新しく入ったメンバーは先に行われた埼玉公演で絶縁状態だった埼玉に住む兄に久しぶりに勇気を出して手紙を書いたところ、思いがけず公演を観に来てもらえた話をする。このようなことはあくまでも作品の副産物であって本来の目的ではないだろうが、この作品が単なる彼らからの搾取の上に成り立っているものではないことはこういう所からも伺える。彼は特に物静かな感じの男でこの話をしながらわかりやすく顔をほころばせるようなこともないのだが、その語り口からそれが心から嬉しかったことは確りと客席にも伝わってくる。
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〔撮影:前谷開〕 
このような話が繰り広げられる中で、倉田は一人でその周りで踊り続ける。それは彼らとそして彼女自身のこれまでと現在の苦悩や重圧を表現しているようで今にも爆発しそうなストレスに満ちている。この振付は筒井潤によるもので倉田自身のものではない。倉田はバレエの素養のある振付家なので身体を美しく見せる基本的な技術については十分承知しているだろうが、自身への振付では逆にシンプルに自分を美しく見せるだけの振付をすることをしない。そのため作品によっては観ていても本当に痛々しい気持ちになることも多いのだが、筒井のこの振付はそのような倉田のダンスを活かしながらも随所にその美しさも見せようとするものになっている。自分自身も何かに苦しみもがいていながらも、このダルクの環境の中で彼らに心を開いて子どものようにはしゃいでいるように見える瞬間があって少し救われるような所がある。それはダルクのメンバーが感じている彼女のイメージにも近いのではないだろうか。
観る者によってはダルクが上演する作品の中で倉田が踊っているように見えるかもしれないし、倉田のダンスのアンサンブルとして彼らがそこで演技しているように見えるかもしれない。そしてそれは上演が進む中で前景と後景が入れ替わるようにしながら流れて行き、次第に溶け合っていくようにも見える。
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〔撮影:前谷開〕 
今回の上演では途中で諸江翔大朗が演じるUber Eatsの男がやってきて倉田に牛丼を配達する。彼は疫病禍でフリーランスの仕事をしている人々が大打撃を受けていることを報道したテレビの特別番組で実際に密着取材も受けたのだが、実生活でも俳優・ダンサーとして活動する傍らで舞台大道具の仕事やUber Eatsの配達員の仕事をしている。彼が出演するはずだったakakilikeの春の公演も中止に追いやられており、それに対する悲しみや苛立ちにも倉田のダンスは重なって見える。
配達の後で今度は大道具さながらに諸江が脚立を持ち出すと1人の男がそれに登って自由に空が飛べる鳥が好きだという話をする。公園の鳩に餌をやって手懐けたり、その鳩を捕まえて施設の中に連れてきてスタッフから怒られたという他愛ない話なのだが、その時脚立を支えながらこの男を見上げる諸江の姿は神の説法にすがる宗教画のように見える。倉田は自らの作品に宗教的な意味を持たせることはないが、構図的に宗教美術にあるような配置はしばしば好んで使っており、このシーンからはどうしても生きることの苦悩と幸せの意味について考えさせられてしまう。そういう観点では倉田がダンスの途中でこの鳥が好きな男と2度ハイタッチを交わすのが印象的で、彼女が作品の中で彼らと触れるのはそれくらいなのだが、彼女がダルクに関わる過程において彼の話を聞いた機会の尊さが推し量られる。
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〔撮影:前谷開〕 
 一方そんなやり取りを遠くに感じながら、倉田は届けられた牛丼をかきこむように食べるが、口をいっぱいにしてはそれをビニール袋に吐き出すことを繰り返す。倉田自身には薬物依存の過去はないというが、彼女の過去には彼らと繋がる楔となるような経験はあるのであろう。彼女はとても冷静に彼らの一人一人と接しているが、同時に完全には他人事として客観視できない立場で彼らと関わっていることが伝わってくる。だから彼女は彼らを舞台に上げる時、自分自身も同様の姿で舞台に並んで立つ必要性を感じるのだろう。それは公平や公正を保つためなどではなく必然なのである。
やがて倉田は包丁を手に持って客席に背��向けて料理をするダルクの面々と正対して立つ。客席を背負って立つことでこの構造は観客をも巻き込んで、かつて倉田やダルクのメンバーが社会に対して抱いた感情や逆に彼らが社会から受けてきた処遇を観客に想起させる。人間がその道を踏み外すギリギリの線のような緊張感が漂うが、次の瞬間彼らは倉田を呼んで料理の手伝いに招き入れる。何気ないことではあるがそれは人と人との打ち解ける瞬間でもあって、このように彼女が彼らの「仲間」として認められる瞬間がきっとあったのに違いない。そしてこういうことこそがダルクという団体の存在意義なのであろう。社会復帰のプログラムの最中にある彼らと関わっていくことは誰にでもできることではないかもしれないが、同時に彼らにはその歩みの中でこのようにして関わってくれる人が重要であることも事実である。この後彼らは出来上がった料理を談笑しながら和気藹々と食べる。
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〔撮影:前谷開〕 
最後に、視聴者の依頼を叶えるテレビ番組を見たことをきっかけに妻とフォークダンスが踊りたいと言う男が話す。初演の時にはこの男は舞台に立っていたが今はもうダルクを卒業していてここにはいない。そのため今回は音声のみが流される。その話を受けて倉田は1人でパートナーのいないワルツを踊る。踊るのは倉田だがそのポジションを観ればそれが男性のもので妻とダンスを踊りたいこの男が1人で踊る淋しいダンスであることが分かる。それを観て観客はこの男の望みが叶うことを願うかもしれないが、そんなことが簡単に叶うものではなないこともまたダルクのメンバーも倉田もよく承知している。このダンスは彼らへの救いのように見えて本当は残酷な現実でもあるのだが、それも踏まえて誠実で優しさに満ちたラストシーンである。
作品が終わって暗転後再び明転すると倉田は客席に向けて微笑んで拍手を受ける。昨今の一般的な演出の感覚ならカーテンコールではこの重たい内容を受けて意図的にフラットな表情をキープすることが多いだろうが、逆にこれもおそらく意図的に分かり易く彼女は笑って見せる。人はそれぞれに自分の問題を抱えており、この瞬間に観客はきっとそれぞれ自分の人生の問題と照らし合わせてこの作品を受け止めているだろう。頑張って生きているのが舞台上の彼らだけではなく、客席に座っている観客も同じであることは彼女もよく理解している。だから自分たちの苦しみを客席に押し付けるようなことはせず、その日劇場に来た観客をこれで「仲間」と認めるかのように彼女は笑って見せるのだろう。
カーテンコールで出演者の知り合いの観客が妙に大きな拍手をしたり声をあげたりするのはどうしても興が覚めるものである。しかし殊この作品に関してはそのようなことを感じない。普段は劇場には来たこともないような出演者の仲間らしき人が声を上げるとむしろ涙さえ誘われそうになる。それはその声が本当の彼らの過去や今をよく承知してのものであって、では作品に対してではないのかというとそうでもなくて、作品で語られた「彼らの今」はそんな彼らの過去と繋がっており、そしてそれが幕が下りた後もまた続いて行くことへのエールであることを観客が理解するからに違いない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・小泉うめ 観劇人。観客発信メディアWLスタッフ。舞台感染対策。
関連記事: 【ダンス評】生きにくさを受け容れて生きていくために倉田翠(akakilike)『リディア』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
akakilike 『眠るのがもったいないくらいに楽しいことをたくさん持って、夏の海がキラキラ輝くように、緑の庭に光あふれるように、永遠に続く気が狂いそうな晴天のように』
演出|倉田翠 出演| タイチ チャル ハル ぺー ヨウジ よっちゃん 倉田翠 諸江翔大朗 他
スタッフ 演出助手|平澤直幸 照 明|魚森理恵(kehaiworks) 音 響|甲田徹 宣伝美術|岡南杏奈 制 作|黒木優花 舞台監督|大田和司 振付提供|筒井潤(dracom) 【埼玉公演】 日程| 12月26日(土)15:00 12月27日(日)11:00/15:00 会場|富士見市民文化会館キラリふじみ マルチホール チケット料金|一般:2,500円 U-25:2,000円  主催|公益財団法人キラリ財団 協力|認定特定非営利活動法人京都DARC-ダルクー 【京都公演】 日程| 1月8日(金) 14:00 1月8日(金) 19:00 1月9日(土) 11:00/15:00 会場|THEATRE E9 KYOTO チケット料金| 一般:前売3,000円 当日3,500円 U-25:前売2,000円 当日2,500円 高校生以下:前売・当日1,000円 主催|akakilike 提携|THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都) 助成|公益財団法人セゾン文化財団 協力|認定特定非営利法人京都DARC-ダルク-
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arakawalily · 5 years
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ジュエリータウン御徒町誕生の歴史‼️ 御徒町は江戸時代、江戸城や将軍の護衛を行う騎乗が許可されない武士である御徒が多く住んでいたことに由来しています。 宝飾品の街である『御徒町』のルーツを辿ると江戸時代にまでさかのぼります。 御徒町付近は、上野寛永寺、浅草寺をはじめとし、数え切れないほどの寺社がありました。 さらに、日本橋と浅草という江戸時代の二大商業地の中間にあった下谷から小石川(文京区)にかけて、浅草、吉原など色街が多くあり、そこに納めるための品物を作る様々な職人さんがいて、簪(かんざし)や櫛(くし)などの小間物(アクセサリー)を鼈甲(べっこう)、象牙、珊瑚や銀などで作る職人が多かったそうですね! しかし、明治の中頃になると、廃仏棄釈(はいぶつきしゃく)の流れにあって仏具職人は神道用具や小間物の職人に転向しましたし、刀剣の装飾を作っていた錺(かざり)職人も小間物や宝飾品へと対象を変えました。 その結果、指輪を製作、加工する業者が増えました。やがて、型を使用した量産技術が生まれ、御徒町は宝飾品の街として認知度を全国に高めていきました。 そんな歴史が続き、キラキラギラギラの御徒町ジュエルズで撮影いただきました‼️ ©︎村木まゆみ#村木まゆみ#荒川リリー#lilystudio#山手線ループライン#おかちまち #御徒町#タンクトップ女子 #UENO#セクシーデザイナー#lilyarakawa#作品撮り#御徒町ジュエルズ (御徒町駅前通り) https://www.instagram.com/p/B4ZAij_AxC9/?igshid=1idqvjxpi4sm0
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itocaci · 5 years
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装うという武装
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こんばんは。
明日はいよいよ夏至。
気づけば6月もあっという間に終わってしまいます。
それにしても美しい空でした。
黄昏時というやつですね。
明日もこれと同じくらいの美しい空が見れるといいなぁ。
さて、本日はずっとご紹介をさせて頂きたかったアイテムをご紹介させて頂きます。
ちょっと色々あり、ご紹介が遅くなってしまいましたが、今季かなり気合いを入れて買い付けたアイテム。
今季の当店を象徴するアイテムの一つでもあると思っております。
それがこちらになります。
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BANSAN : Hand knit seater (brown) ¥70,000 (+tax)
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BANSAN : Hand knit seater (light blue) ¥70,000 (+tax)
こちらの2着になります。
”BANSAN”の今シーズンの象徴とも言えるスペシャルなニットアイテムだと個人的には思っております。
色々と思いもあって今季こちらのアイテムを買い付けさせて頂きました。
まずはディティールをご紹介させて頂きます。
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まず、前提としてお伝えさせて頂きますが、こちらのニットは全て手編みによって生産されたスペシャルなニットとなります。
手編みだから凄いってのもまあ、嫌らしい話あるのですが、何が個人的に素敵だと感じたのか。
まずはこの、手編みだからだせるこのざっくりとした編組織に惹かれました。
ざっくりとしたローゲージのスリーブなので、ノースリーブのアイテムと合わせて肌を魅せたり、インナーに長袖のアイテムを重ね、そのレイヤードを楽しめますね。
そんな重ねを楽しめる点が素敵だと思います。
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続いては、袖をはじめ、異なる編組織を駆使し、抑揚あるデザインに仕上がっている点にも惹かれました。
”BANSAN”らしいモチーフや色を使いデザインされたニット。
複数の組織を切り替えながら立体的に作っているのですが、本当に絶妙なバランスだなと見入ってしまいます。
手編みだとどこかほっこりとした印象に引っ張られ、手作り感を感じてしまいそうですが、異なる編組織を使い分け、ほっこりと、そして野暮さも少し感じる点は残しつつ、引き締めるデザイン。
本当に”BANSAN”らしい素敵なニットに仕上げられております。
ちょうど1年くらい前にもすこし野暮という言葉に触れて”BANSAN”をご紹介したのですが、どこか野暮ったさを残し、それが本当に僕らの生活や装いの中でマッチする。
ハレの装いの中にももちろん使えるのですが、ケの中でもしっかりと使える。
そんな”BANSAN”の醍醐味を感じることがこのニットからも出来ました。
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このボリュームある袖に対して、短めの丈というのも素敵ですね。
ルーズな箇所はルーズに。でも締めるところは締める。妖艶さが垣間見えます。
まさに”粋なデザイン”だなと感じてしまいます。
ちなみに先ほど”ハレとケ”のお話を少ししたのですが、実はこのニット手洗いOKです。
組成は綿95%、シルク5%となっております。
以前、”BANSAN”とお話をしたのですが、ハレの舞台で着用して頂くのは、ブランドとしても、そして僕も大変嬉しいことです。
ただ、それ以外の場面。どちらかというと何も無い、ちょっとお出かけにという日など。僕らの生活ではそんな”ケ”の日や場面がとても多いです。
そんな日にもしっかりと着て頂けて、何気ない1日を、少しでも楽しくなるような。そんな服を届けたいという思いを共有させて頂く機会がありました。
全ての服がそうではないのですし、さすがにこのニットを着て小さい子供遊ぶというのもお勧めできませんが、ご自宅で管理はできるのでランチにいったり、買い物に行ったりする週末の日にもしっかりと使って頂けますよ。
むしろ何気ない日を、個人的な”ハレの日”に変えてしまうなんてコトも素敵じゃないですか。
そんな思いが十分に伝わってくるアイテムです。
さていくつか着画をご紹介させて頂きます。
まずはブラウンから。
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ブラウンは本当に”BANSAN”らしい色味ですね。
個人的にはダークトーンのアイテムと合わせて着用いただくのが良いかと思います。
(黒、ネイビー、エンジ、ダークブラウン、ダークトーンのブルー 等)
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中に着用するアイテムをノースリーブにすると湿度が高く不快な日にも気にせず着用いただけます。
続いてはライトブルーです。
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こちらが正面になります。
こちらはシャツワンピースと合わせてみました。
ライトブルーは白やブルー、グレー、淡めのイエローなど、トーンが明るめの色味と合わせて頂くのがオススメです。
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こちらはノースリーブのワンピースに合わせております。
ワンピースは色々と試してみたのですが、ウェストマークを作る着こなしがイチオシです。
丈が短いのでウェストあたりにワンピースでメリハリをつくると素敵だなと。
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こちらが背面になります。
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いかがでしょうか?
ものすごく素敵ですよね。
今回はワンピースとの合わせがメインになってしまったのですが、スカートやパンツとの合わせ、そしてインナーの合わせも色々と考えてみようと思っております。
個人的にはタイトスカートやハイウェストのパンツと合わせてみても素敵だなと思っております。
インナーもTシャツやタンクトップ、キャミソール等、合わせるアイテムでまた見え方も変わると思います。
そう思うと、インナーに入れるアイテム変えれば春から秋まで活躍するアイテムですね。
ぜひ一度店頭に見にきて頂けると幸いです。
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さて冒頭で、ちらっとお話をしましたが、今季の当店を象徴するようなアイテムだと。
この”BANSAN”だけではなく、当店のその他のブランドのアイテムでも結構そういったアイテムを随所に散りばめていたのですが、今季は合わせを考えれば考えるほど楽しめるアイテムを多くご用意させて頂きました。
このニットもそうですが、トップスとして単体だと使えないんですね。
ただ、今皆様も様々なお洋服を持っていらっしゃると思います。
そんな今持っているアイテムと合わせ新たな魅せ方が出来るのが服を着る醍醐味の一つだと僕は思っております。
飽きて最近場面が少なくなったアイテム。
でももしかするとこのニットと合わせるとまた素敵な魅せ方が出来るかもしれません。
そんないつもの服に花を添える。そんなイメージで今季はいくつかアイテムを買い付けさせて頂きました。
このニットもその一つです。
正直機能性より装飾。
装いのアクセントとしての服になります。
だからこそ、色んなアイテムと合わせることが出来ます。
一つではダメだからこそ、それ単体で着用は難しい。だからこそ色んなアイテムと合わせ色んな魅せ方が出来るのです。
今日は”装うという武装”というタイトルにしました。
先ほどハレとケの下りにも絡んできます。
色んなアイテムと合わせ時には晴れの舞台の装いに。
一方シンプルなアイテムと合わせ普段のお出かけのアクセントに。
装いが変わると少しハッピーになりませんか?
装いが決まればハレの日もケの日も気持ちいいですよね。
だから装いは武装でもあると。
そんな思いを込めて今季はそういったアイテムを多く買い付けさせて頂きました。
なので、いろんなアイテムと合わせて欲しいなと思います。
ちょっと最後は話が長くなってしまいましたね。
失礼致しました。
それでは次回もお楽しみに。
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kkagtate2 · 5 years
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無題
えっちだから注意。テスト。
2735 グラム、――掃除中、ふいに出てきた写真を眺めているうちに思い出した数字である。写真の中にはまだ生まれて間もない女の子の姿が写っておりこれがまさかあんなに可愛らしい少女へと育つのだと思うと、感慨深くもあり懐かしくもあり愛しくもある。彼女は物凄く活発な子で、俺のお下がりの遊び道具をめちゃくちゃにしては母親に怒られ幼稚園で誰それを泣かせたとか何やらで先生に怒られ、話によると幼少期の自分よりも手がつけられなかったらしく本当に今の姿からは想像も出来ない。まだ彼女が物心もつかない頃にはしばしば家の近くにある公園へ引っ張られたものであったが、ひとしきり暴れまわるものだから体中が砂と泥にまみれてしまいいじめられたのではないかとよく疑われたものである。妹とはもうその頃から何をするにも一緒であった三才違いだから小学校へは三年間一緒に通ったし中学校もほとんど小学校の横にあるようなものだからその後も手をつないで一緒に通学した。違う部屋を割当られていたけれども家の中ではずっと一緒に居た寝る時も彼女が小学四年生に上がる頃までは一緒に布団に潜り込んで、その日学校であった事を聞いているうちに気がつけば朝になっていた。思えば妹が落ち着き始めたのも若干距離が離れ始めたのも彼女が高学年へ上がってからである先の一緒に布団に入らなくなったのは一つの例で実はお風呂も一緒に入っていたのであったが、急に恥ずかしがるようになったかと思えばそれも直に無くなっていった。もしかすると当然かも知れないというのも思春期特有の問題として成熟し始めた体に心が追いついていなかったのであろう特に問題だったのは彼女の胸であった妹は昔からの習慣で自分の部屋で着替えをせずわざわざ制服をこちらの部屋にまで持ってきて寝ぼけ眼の目をこすりながら、「んっ」と言って手をバンザイしてパジャマを脱がせようとしてくるのであるが、その時ジュニアブラを通して見えてくる膨らみが日を追うに連れてどんどん大きくなって行くのである。小学五年生に上がる頃にはぷっくりと先端の突起が現れていたし、小学六年生に上がる頃にはもはやジュニアブラでは覆いきれなくなったのか可愛らしい刺繍の編み込まれた普通のブラジャーをつけるようになっていた恐らくすでに彼女の握りこぶしぐらいの大きさであったかと思われる。妹がそれをどんな思いで見せていたのかは分からない思うに単に寝ぼけていただけであろう手をバンザイして来た時にそのままにしておくと、パタンと布団の上に倒れ込んですうすうと寝息を立ててしまうほどに妹は朝が弱いのである。何にせよ彼女の胸は同年代はもとより大人の女性と比べても遜色ないほど、小学生にして大きくなっていた。正直に言って男の俺からするとたまったものではない手が伸びたことの一度や二度は当然あるだが妹が小学生の頃に実際に触れたのは一度だけである。確か大晦日の夜のことでおせちやら何やらの準備で気の立った母親が時間の節約と言う名目で、「もう二人してダラダラするならさっさとお風呂入って来なさい、ほら、行った行った」と言ってくるので仕方なしに立ち上がると妹も渋々立ち上がっている。トイレに行ってくると言う彼女を残して先に浸かっているとちょっとしてガラガラと音がして入ってくる手で胸元を隠しながらかけ湯をして、そっと水面を波立たせないように足から浴槽に入って来て、こちらに背を向けそのまま俺の足と足のあいだに体を潜り込ませ、ゆっくりと体を倒してくるしばらくは無言で互いの鼓動を聞き合うだけであったが、鼻に当たる彼女の柔らかい髪の毛がこそばゆくてついくしゃみをしてしまって以来、一年の終わりともあって色々と話がはずんだ。そうこうしているうちにすっかりリラックスした妹は手も足も体もだらけさせてしまったので溺れないよう俺は彼女を支えてあげていたのだが、うっかり手が彼女の胸に触れてしまう。妹はピクッと体を震えさせてこちらを見てくるだけだっただがそこには嫌悪感はなくびっくりしただけだったようである、俺はさわさわと撫でるように触り続けた。手のひらにちょうど収まるおっぱいの心地よさは何物にも比べ難くこのままずっと触っていられそうだった。彼女は俯いて声が出るのを抑えているようで時おりひどく色っぽい鼻息が漏れ聞こえてくる思い切って先端にある可愛らしい突起を摘んでみると「お兄ちゃん、そこはダメ、……」と言って弱々しい力で手を取ってくるが、やはりそこには拒絶はないむしろ迷っているような手付きであった。だがその時、あまりにもお風呂の時間が長かったために痺れを切らした母親の怒号が飛んできてドスドスと中にまで入って来てしまったそれきり俺たちは大人しく体を洗いもう一度だけ一緒に浴槽に浸かるとお互い恥ずかしさのあまり静かに新年を迎えた
  妹は俺と同じ中学には通わず区内にあるお嬢様学校に進学することになった。あの大晦日の日以来俺と妹との関係がどのように変わったのかは分からないお風呂を一緒に入ると言うのもそれ以降しばらくなかったはっきりと言えるのは会話が増えたことと妹がどんどんお淑やかになっていくことと逆に二人きりだとどんどん無防備になっていくことである。朝の着替えはもちろんのこと、お風呂から上がるとタンクトップ一枚になったりバスタオル一枚をちょうど谷間が見えるように体に巻き付けたり、そもそも妹が中学校に上がってからというものお風呂に一緒に入ろうと誘われることが多くなったしかもそれが机に向かっている最中に後ろから抱きついて、「おにーちゃん! 今日こそ一緒にお風呂に入りましょ? んふふ、隠しても無駄だよ。ほら、行こう?」と指を顔に這わしながらささやくものだから、頭を包み込んできそうなおっぱいの感触と耳元のこそばゆさで俺はどうにかなってしまいそうだった。妹は兄である俺を誘っているようであったそしてそれが実際に誘っていることは追々分かることになる。今はそれよりも彼女のおっぱいについて語ることにしよう。中学生になっても成長の止まらない妹のおっぱいは一年生の時点で俺の手では包みきれないぐらい大きかったと記憶している当時俺は高校生であったが、同学年でも上級生にも妹より大きいおっぱいの持ち主は居なかった時々本屋で目に飛び込んでくるグラビアモデルなぞも妹には敵わない日々洗濯物としてベランダで干されて居るブラジャーはもはや俺の顔を包めるほどに大きく装飾は同年代の女の子のそれと比べると地味で、時々三段ホックのものが干されている時なぞは彼女の兄であるにも関わらず心が踊った。妹はバスケットボールを部活でやっていたやうだが体操服にやっとの事で収めたおっぱいが走る度に揺れに揺れてしまい手で押さえつけていないと痛くてしょうがないと言うそもそも成長痛で始終ピリピリとした痛みが走っているらしく、俺と話している途中にも幾度となく胸元に手をやってストラップとかカップの位置を調整する最も文句の多かったのは階段の上り下りで、殊に激しく降りてしまうとブラジャーからおっぱいが飛び出てしまうから一段一段慎重に降らなければならないそういう時にはさり気なく手を差し伸べてエスコートしてやるのだが、失礼なことに妹はそうやっていたわってやると「えっ、やだ、お兄ちゃんがそういうことをするなんて、似合わないんだけど」としごく嬉しそうに笑って手すりから手を離してこちらにもたれかかってくる。その時すごいと思ったのは上からチラリと見える谷間よりも下に広がる彼女の視界で、足先はかろうじて見えるけれども階段の段差などは全く見えないのである「苦労してるんだなあ」と呑気に言うと、「ようやくお分かりになりまして?」と澄ました顔で言うのでつい笑ったら頬を突かれてしまった。さて話を妹が俺のことを誘う誘わないの話題に戻そう。ある日のことである彼女が中学二年生に上がって何ヶ月か経った頃、家族でどこか温泉でも入りに行こうと中々渋い提案を父親がするのでそっくり乗った母親と何やら良からぬことを企んでいそうな妹に流されて、家族総出でとある山の中にある温泉地へと向かうことになった旅行としては一泊二日の極々普通な旅であったが、事が起きたのは夜も更けきって良くわからない蛙だとか良くわからない鳥とか良くわからない虫が大合奏をし始めた時のことである。泊まることになったペンションと言うのが中々豪勢で温泉地の中にあるせいか各部屋ごとに備え付けの露天風呂があり夜中に目を覚ました俺は、せ��かくだしもう一回入っておこうと唐突に思うや気がついた時にはもう温泉に浸かっていた。深夜に自然の音を聞きながら入る露天風呂はかなり良い大学生になったら温泉巡りなども趣味に入れようかと思いながら小難しいことを考えていると、カラリと言う扉の開く音が聞こえてきた。一応これほどにないまでこっそりと露天風呂にやってきてかけ湯も極力音を立てないようにしたのに家族の誰かが聞きつけたらしいその者はそっと音も立てずにこちらにやってくるとまだあどけなさの抜けない顔をこちらに向けてしゃがみこむ。「なんだ里穂か」と言ってみると、「なんだとは何です。お兄ちゃん愛しの里穂ちゃんですよ。となり良いですか」彼女が裸になっていることに気がついたのはこの時であったいつものように遠慮しようにも時すでに遅く妹はするすると足から湯に浸かると隣ではなく背を向けて俺の足の間に入って来る。そしてしばらく無言が続いた。この時のことはよく憶えている眠いのか船をこぐ妹を支えつつ耳を澄ませて山の音を聞くそれは何とも幻想的で桃源郷にいるような印象を抱いた。この時俺は彼女のお腹を抱きしめるようにして彼女の体を支えてあげていたのだが、ちょっとでも腕を上へ滑らせるとふわりと浮いているおっぱいに手が当たるのであるこれが桃源郷でなくて何なのか。文字通り桃のような妹の膨らみは最高としか言いようがなく彼女が寝そうになっていることに調子付いて何度も上へ下へ浮き沈みさせてその感触を楽しんだ。するとのぼせそうになった頃合いに妹がお尻をぐりぐりと動かして来るのである、しまったと思って手を引っ込めたけれども途中で掴まれてしまった「えへへ、お兄ちゃんってほんとうにおっぱい好きですよね」と彼女は俺の手を自身の豊かな胸元へ。「毎回毎回、ちょこちょこ触って来ては、こんなに大きくしちゃって。大丈夫? 痛くないですか? お兄ちゃんのために大きくなったようなものなんですから、もっと触って良いんですよ?」妹はもにもにと俺の手を思いっきり動かして自身のおっぱいを揉ませてくる。この時聞かされたのだが妹は全部知っていた意外とうぶな彼女はあの大晦日の夜、俺がしたことをいまいち理解していなかったようだったけれども今となってはそういうことだったのだと理解してしまっており、俺に逃げ道はもう無かった彼女の質問に頷きつつ、彼女のおっぱいを揉みしだき、彼女のお尻に大きくした〝ソレ〟を刺激される。最後から二番目の質問は、「うわ、ほんとうに変態さんじゃないですか。じゃあ、こういうこともされたかった?」この言葉を言うや妹はするりと拘束から逃れて俺を温泉の縁にある岩場に座らせるよう促す。何が起きるのかはもはや分かりきっていた、彼女はすっかり大きくなった俺のモノをずっと大きな自身のおっぱいですっぽりと包むと体を使ってずりずりと刺激してくる行為の最中俺のモノは一切見えず、あの蠱惑的な谷間と頭の中がとろけそうな色っぽい声に俺は一瞬で果ててしまった。肉棒をずるりと抜き取ると妹は、「気持ちよかった?」と最後の質問を言ってきて精液でドロドロになった谷間をゆっくりと広げていく。その顔には中学生の女の子のものではない、何か微醺を帯びたような一人の成熟した女性の持つ色香が確かにあった
  こうして俺は妹の虜になり、果ては彼女の胸の中で種を放ってしまったのである。旅行の次の日には俺と妹は昔のように引っ付き合っていた帰って来てもずっと離れることはなく久しぶりに夜をともにした。以来、俺は妹のおっぱいを事あるごとに揉んだ二人きりで居る時はもちろんのこと、外に出かけた時も周りを見計らって揉んだし、登下校中にも彼女が良いよと言ってくれたら隠れて揉んだそこから次の段階に発展するようなことはあまりないようなものの、胸でしてくれたり手でしてくれたりするのはよくあることであった。中学二年の終わり頃には、妹のおっぱいは世間では全く見られないような大きさに達しており、俺も驚けば本人も驚き、時々来る彼女の友達も私服姿を見てびっくりするなどしていた。ベランダで干されているブラジャーの大きさもどんどん大きくなっていきとうとう俺の顔がすっぽりと包めるほどの大きさになっているのであるが、俺には女性の下着をどう見たら良いのか分からないからこの辺にしておくことにするただ言えることはめちゃくちゃ大きい本当にこんなブラジャーがあるのかと信じられないぐらい妹のブラジャーは大きいのである。そう言えば中学三年の春、彼女がそのめちゃくちゃ大きいブラジャーをくれたことがあったというのも、「私が修学旅行に行っちゃうと、お兄ちゃん寂しがるでしょうから。はい、これ、プレゼント。もう合わないからあげます」とそんな馬鹿げた理由だったのだが実のことこの時くれたブラジャーは大学生になった今でも下宿先に持って行って時おり寂しさを紛らわせているのは確かであるタグには32K と書かれているけれども俺には良くわからないので当時中学3年生だった妹のおっぱいがどれほどの大きさだったのかは聡明な読者のご想像にお任せする。ただ彼女の大きな胸が残酷な現実を呼び寄せてしまっていたことは伝えねばならないまず痴漢は日常茶飯事であった電車に乗れば四方八方から胸はもちろん、案外豊満なお尻にも手が伸びてくるので必ず俺が壁となって彼女を守らなくてはならないそもそもの話として男の視線そのものが嫌だと言っていた。そして一人にしておくと何かしら知らない男が近寄るのでおちおちトイレにも行けない機嫌が良ければ、「あの人お兄ちゃんよりかっこよかったね」と言ってケロリとしているのであるが、そうでない場合はひどく面倒くさいことになってしまう。痴漢と言えば学校でもあるらしくこれは男よりも同性同士のじゃれあいで触られると言うそして彼女が一番心を病めるのは同級生からの妬みであった当然あんなに大きなおっぱいをしているものだから妹はしばしば泣きはらした目で帰ってくることがあり、それとなく話を聞いてみると今日も詰め物をしているのではないかと言われて激しく揉まれた、私だって好きでこんなに大きくしたんじゃない、あの子たちにはあまりおっぱいが無いから私の苦労をわかってもらえない、私の半分でもいいから分け与えてみたい。と言って最後には、「でもお兄ちゃんが満足してくれるなら何でもいいんだけどね」と笑いながら言うのであった。しかしこれらは彼女にとっては大したことではないかもしれない妹が本当に心の底から泣きはらしたのは、彼女が中学三年の夏真っ盛りの頃、あれほどに悔しそうにしている我が妹は後にも先にも見たことはなく恐らくずっと先の将来に渡ってもあの姿を見ることはもう無いだろう。先に彼女はバスケットボールを部活としてやっていたと言ったが、中学3年生の夏頃にもなると胸が痛くてもはや激しく体を動かすことなぞ出来なくなっていた聞けば試合に出ては足を引っ張り自分のせいで負け幾度となく涙を流していたと言う彼女の最後の試合は見に行った常に胸に手をやり動いては胸を抑えて痛がるものだから、ボールが来ても反応が一瞬遅れてしまって折角のチャンスをものにできていない兎に角ひどい動きだった。だが、当然とも言える何と言ってもバスケットボールとそれほど遜色ない大きさの膨らみが胸に二つも付いているのだからむしろそれで試合に出て、あれほどまで体を動かせると言うのはかつてやんちゃだった妹だから出来たのであろう誰が称賛せずに居られようか迎えに行った時、彼女はバスケ部の同期後輩に囲まれて声を上げて泣いていた意外とあっさり引き渡してくれた理由は考えたくもない彼女にとっては最後だったけれども、三年生の試合としてはまだ序の口であるという事実はさぞかし悔しかったであろうその日はひたすら頭を撫でてやった。そんな妹であったが明くる日の朝には早くも復活して、「次は受験だねー」と飼っている猫に向かって呑気に言っていた。彼女はこの時ボケて居てこんなことを言ったけれども、中高一貫校なのだから何も心配はいらないむしろ受験で大変なのは俺の方で今度は俺が妹に頭を撫でられる羽目になろうことは目に見えていただが彼女の危惧はそちらではなくこの一年間を終えると俺は地元を離れてしまう、そのことが気にかかっているようであった何せ、「実は合格してほしくないって思ってる。お兄ちゃんが居ない生活なんて私、嫌」とまで言ったのだからよっぽどである。それでも俺は頑張った決して妹を蔑ろにしたわけではないけれども兎に角頑張った気がついた時には彼女もまた応援してくれるようになっていた。だから受験は上手く行って、俺は別に泣きはしなかったけれども妹は泣いて喜んでくれた。その涙がどこから出来たのかは分からないだが俺の顔をあの巨大な胸の谷間にすっぽりと入れて何度も何度も背中を擦ってくれる��れはかなり息苦しかったけれどこれほどにないまで気持ちの良い抱擁であった。そして実家で暮らす最後の日、俺たちは前々から約束していた通り次のステップに進んだ。外から何者の音も聞こえない深夜、彼女は震えながら俺の部屋へ来るとまずキスをせがみゆっくりと服を脱いでいった合う下着がないからと言って、おっぱいの溢れかえるブラジャーを取っ払い綺麗に畳んで一糸まとわぬ全身を俺に見せる。よろしくおねがいしますと彼女は言った俺も彼女の要求に答えて手をしっかりと繋いで秘部に自分のモノを出来るだけ優しく入れたこれ以上は何も言うまい最後に妹は目を潤わせながらこう言った。「お兄ちゃん、私のことを忘れないでください」と。ところでここまで言っておいて何であるが、別に妹はその後何事もなく高校生活を歩んでいるようであるそして俺は突然初めた片付けが終わらずに嘆いているところである妹の写真やらブラジャーやらを見つけて以来全く進まぬ少し前に連絡が来た時には彼女はあと15分くらいで着くからと言っていたならもうすぐである。俺は片付けの途中でむしろ汚くなった部屋を眺めてどう言い訳したらいいのか考え始めたが、あの妹のことだから言い訳なぞ通じないであろうと思うとベッドに横たわって彼女の訪れるのを待つことにした
  (終わり)
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yokiwi-k · 6 years
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25歳の夏休み
ヨーロッパでのバカンスについて、長くなりそうだけど、日を追って旅行の記録を残しておこうと思います。ちなみに旅程はパリ(ジヴェルニー)→アルル→ローザンヌという感じ。
9/15(土) 朝5時のアラームで目を覚ます。前日までバッタバタで仕事してたので、荷造り終わってなかったけどそのまま疲れて寝てしまったのでした。とりあえず5時に起きれば何でも解決すると思っている人間なので。 洗濯して、扇風機強風で乾かしながら、布団をしまって荷造りを終えて、だらーんとしていたらいつのまにか9時半になっていた。10時過ぎの新幹線に乗る前にタバコ買ってお金も下ろしておきたかったため、急いで掃除機をかけて家を出た。小雨が降っていたがバックパックから折りたたみ傘を出すのがめんどくさかったのでそのまま歩いたら、蒸し暑さで汗をかいてしまった。このあと40時間は風呂に入れないというのに。 旅行前でさえピシっと���きないわたし、なんだかまだ現実感がわかない。実は飛行機取れてないんじゃないかとか、本当に今日から休みでいいんだっけとか、ていうかパリってどこ?みたいな気持ちになりながらなんやかんやで成田に着く。チェックインも荷物検査も出国審査もいつもどおりスムーズに通って、搭乗ゲート前で積読してた小説を読んだ。倉橋由美子の「暗い旅」。旅行のおともにするには向いてなさすぎるタイトルである。。 成田から、乗り継ぎのバンコクまでのフライトが30分押しで離陸。乗り継ぎ時間にそんなに余裕がなかったので内心気が気じゃないけど、隣の席になった同年代くらいの女性と仲良くなって、お互い旅行好きということで今までいった場所の話で盛り上がった。めっちゃいい人だった。バンコクでの乗り継ぎはやっぱりぎりぎりで、その人が一緒にいてくれなかったらたぶんわたし泣いてたと思う笑。彼女はそのあとロンドン行きということで、荷物検査を通った後にさようなら。名前すら交換しなかったけど、またどこかで会えたらいいな~。
9/16(日) 予定時間より少し遅れて、パリのシャルルドゴール空港に到着した。空港では、SNSで知り合ったパリジャンのニコラと、ニコラの友達のユカさんと会うことになっていた。ニコラは思ってたより背が高くて、初めましてのハグとビズをしたときに云われた言葉が忘れられない。「ちっちゃいね^^」。 ユカさんはパリでワーホリ経験のある、フランス語もしゃべれる人。。ちゃきちゃきしてて私の憧れるタイプの方でした。とにかく私はまだ実感がわかなくてふわふわしてて、切符の買い方から二人に教えてもらってしまった。それぞれのホテルに荷物置いてから、バスティーユ広場のマルシェを歩いた。野菜も果物もパンもチーズもでかい。。。あと広場にあった、回転遊具のスピードが尋常じゃなくて、乗ってたちっちゃい子が泣いてた笑 絶対に絶対にオルセー美術館には行きたかったから、二人に美術館まで連れてってもらえてありがたかった。そこから別行動になってしまって、最初はびびったけど、後から考えたら美術館なんて一人で見た方がいいから、よかった。私の好きな絵も見れたし、初めて見るけど美しくて感動した絵もあったし、大満足でした。美術館のテラスから見えたモンマルトルがおもしろそうだったので、一人で地下鉄に乗って行ってみることにした。 パリの地下鉄はスリが多いって聞いてたけど、私は一人で乗ってても全然危ない目には合わなかったよ。たまに音楽鳴らしたり歌ったりして乗客にチップせびってる人はいたけどね。あ、そういえばチュイルリー公園でお土産とか水とか売ってる人もいた。なんかネジ巻いて飛ばすトリコロールの鳥のおもちゃが微妙に怖かった。どこ落ちてくるかわかんないから。 モンマルトルはそういえば、フランス語の先生の大おススメだった。「まじでMagnifiqueだから、まじで。」みたいに云われたのでちょうどいいや~と思い、地下鉄を待ちながらガイドブックをちら読みしたところ、映画「アメリ」のロケ地になったカフェがあるそう。ついでに探してみよ~と思いながら駅から出たら、ここにもマルシェが開かれていた。そうか日曜日か。 サクレクールの階段はなぜかおしっこのにおいしたけど景色は本当によかった。景色見てもどれがオルセーだかよくわからなかったけども。中に入ると壮大なモザイク画が天井を覆っていた。(撮影禁止だそうなので写真は撮っていません。構わず撮ってる人も多かったけど。) それからよさげな路地を見つけるたびに曲がったり下りたり登ったりを繰り返していたら道に迷った。アメルのカフェは結局見つからず。疲れて地下鉄の駅を探すも見つからず。やっと見つけた駅は最初に降りたところから2駅離れてた。疲れた。でもよかった。本当はそのあとエッフェル塔にでも行こうかしらと思ったけど、たぶんモンマルトルから見える景色とそう変わりないだろうなと勝手に納得してやめた。ただエッフェル塔は広場がとってもきれいらしいので次にパリに来たら絶対行こう。 夜はニコラとユカさんと合流して、ビルのテラスにあるカクテルバーに行った。夕日を背にしたエッフェル塔を見たときに、やっと自分がパリにいることを実感した。 次の日ジヴェルニーに行く約束してユカさんとお別れして、ニコラともう一軒だけ行って、ホテルの近くでバイバイした。
9/17(月) 目が覚めたら夜中の3時で、昨晩23時まで飲んでそのままベッドにうつ伏せになっていたことを思い出す。ぱりっぱりのコンタクトを外して、シャワー浴びながら服を手洗いして、ホテルの部屋にあった扇風機の最強にあててまた眠る。朝の6時半のアラームでまた目を覚まして洗濯物を確認したところまあまあ乾いてたのでちょっとうれしくなった。外のカフェで朝ごはんを待ちながら道行くパリの人々を眺めていた。歩行者は信号守らないんだなあなんて思いながら一服していたところ、トラックの運ちゃんに「マダム、一本ちょうだいシルブプレ」とか云われた。そう、こんな私でもフランスに来ればマダムと呼ばれるのです。 思った以上に朝食に時間がかかり、急いでチェックアウトを済ませてサンラザール駅に向かったけど遅刻は確実で、「ごめん、遅れる、本当にごめん」とニコラにメッセージを送るものの読まれた気配がなく、電話も出ず。おかしいな、これじゃ落ち合えないぞと不安になり、急いでニコラのインスタから辿ってユカさんのアカウントを発見し、メッセージを送るとまだサンラザールにいてくれていた。ていうかSNSってすごいね?? ニコラは寝坊したのでユカさんと二人でジヴェルニーに行くことにした。切符を買ってから発車までかなり時間があったので、私のアルル行きの切符を買うのまで付き合ってくれた。駅員さんにフランス語で色々聞いてくれたりして本当に頼りになる優しいお姉さん。。わたし朝遅刻したのに。。本当にありがとうございます。 ジヴェルニーにはモネの家を目的に行ったんだけど、もうその庭が、植物いっぱいですごくかわいくて、ユカさんが「女同士で来れてよかった」って言ってくれて嬉しかったし本当その通りだと思った。なんとなくね、男性と花とか見て「きれい」って言っても、どっか感じてる部分が違う気がするんだって。なんかわかるね。あとねモネの家見てたら自分の家建てたくなった。そういう変な話もできるの、同じ場所にいる同年代の同じ言葉の女性同士だからって気がしたな。 お昼に食べたクレープがめっちゃ多くてふたりで苦しい~って云いながら、それもそれでいい思い出です。クレープと一緒にたのんだニース風サラダとモネの庭が似てるなって思った。 食べながら、日本での仕事の話とか、ユカさんのワーホリの話とか、典型的なフランス人の性格とか、いろいろ聞かせてもらった。ほんと、いろんな生き方があるね。たった二日しか一緒にいなかったけど、ユカさんが大好きになった。 二泊目のホテルに荷物を移動させてからこの日こそはエッフェル塔へ!と思ったけど、やっぱり疲れてたし暗くなる時間だったのでおとなしく諦めた。タバコ吸う場所ある?ってスタッフのおじさん、サムに訊いたら、「君も喫煙者なの?僕のマルボロあげるよ、こっちの窓辺で吸ってごらん!あ、スーパーでビール買ったの?部屋で飲むの?よかったらここで僕のロゼでも飲みなよ。そうそう、キウイもあるけど食べる?君はどこから来たの?日本人って本当にいい人ばかりだけど君はベリーグッドだね!夜のパリって本当にロマンチックだと思わない?あ、マルボロもう一本どう?」みたいな感じでめっちゃもてなしてくれた。マルボロもロゼもキウイもおいしかった♥またパリに来たら絶対ここ泊まる。
9/18(火) アルル行きのTGVに乗るために、早朝にチェックアウトしたにもかかわらず、サムは嫌な顔ひとつせずまたねありがとうって手を振ってくれた。暗い時間の地下鉄は少し不安だったけど、やっぱり危ない目にはひとつも合わず、無事にパリリヨン駅に着いた。日本みたいに行先によってホームが決まっているわけではなくて、その電車ごとに電光掲示板に発着ホームが発表されるみたい。空港みたい。 私はアルルまで直通のTGVを予約していたから、そのホーム番号を確認して席に着いてすっかりリラックスしていたら、なにやらフランス語でアナウンスがかかり、みんな途中駅のサンテグジュペリ駅で降り始めた。「?」って顔してたら通路挟んで隣に座ってた若い男の子が「フランス語しゃべれる?アナウンスわかった?ここで乗り換えなきゃいけないんだよ」って教えてくれた。なんて親切なんだ。自分が逆の立場だったら同じことができただろうか。。。ありがとうムッシュー。しかし本当になぜ乗り換えなければいけなかったのか今となっては謎のまま。 そしてアルル駅を出た時の気持ちを決して忘れない。太陽と飛び交う言葉と土埃や建物の色。水の色。いよいよ一人旅が始まったんだなっていうのと、こんなに美しい場所に一人で来てしまってよかったんだろうかっていう思いと。もうもったいなさすぎて、友達にテレビ電話しちゃったよね。シェアしたさすぎて。あ、そう、思ったんだけど、一人旅でもネットが使えれば何にも心細くないんだなって!迷いそうになったらナビアプリもあるし翻訳アプリもあるし、シェアしたくなったらSNSもあるしね。 行先としてアルルは、まじでなんとなくで決めてたから何を見ればいいかわからず。。とりあえず一番目玉っぽい円形闘技場に行ってみたら、そのへんの遺跡とかミュージアムとか回れるパスが売られてたのでそれを買った。このこのへんからいよいよ一人旅が楽しくなってくる。パスと一緒にもらった地図を眺めながら、次はこの道を通ってここに行こうとか、おやちょっとこの路地が雰囲気いいから寄り道しようとか、時間が迫ってるけどもう一か所行けそうだから小走りで行っちゃえ!とか。うん。一人旅は楽しい。そしてアルルを選んでよかった。アルルのいいところはもうひとつ、パリと比べて英語が得意じゃない人が多いから、カフェのウェイターさんとか、こんなわたしにもフランス語で話しかけてくれるところ!下手くそでもフランス語通じて嬉しかったな。 人生初のドミトリーを経験したのもアルル。行く前は、他の人が部屋にいるのに洗濯物とかどうやって干せばいいんだろうって思ってたけど、開けた瞬間でっかいブラが干してあるの目に入って、その心配は吹き飛びました。でも部屋まで案内してくれた男性スタッフがちょっと気まずそうにしてた笑。同室の台湾人がめっちゃフレンドリーで、夕ご飯一緒に食べに行って、そのあとスーパーで次の日の朝ご飯と、ロゼを買い、フランスって水よりロゼが安いってほんとだねなんて言いながら、二人で円形闘技場の下で乾杯した。今までの経験したことのない特別な夜だった。おかげでロゼ、めちゃくちゃ好きになりそう。
9/19(水) 朝ご飯に、台湾人と一緒にオムレツを作った。日本にいる感覚で半熟卵にしちゃったけど、「台湾では卵に細菌がいるから絶対にしっかり焼いて食べるんだよ」なんて聞かされてからその日ずっと気が気じゃなかった笑。そんで午前中に急ぎ足でアルル観光の続き。ゴッホが病んで耳を切り落とした昔の療養所が意外と近くにあって、そこに寄ってポストカードを買った。療養所の庭はなんとなくモネのそれに似ていた。それからスーパーで適当にお土産用のお菓子を買い、レジ袋をもらえないので全部手にもってまた急ぎ足でゲストハウスに戻った。アルル、もっとゆっくりいたかったけど。でも次の目的地のスイスまではアルルから6時間かかるししかたないね。南仏は絶対またゆっくり遊びに来ようと心に決めました。いえ、円形闘技場に誓いました。その日が来るまで私の心はあそこに置き去りです。TGVの乗り換えで30分だけいたマルセイユもすごく眺めがきれいだった。海で遊びたいなあ。 6時間って、切符買ったときはすごく長く感じたけど、実際、電車に乗ってる間はそうでもなかった。移り行く景色がすごく新鮮で刺激的だったから。トウモロコシ畑!岩山!牛!羊!協会!赤い屋根!みたいな。スイスに入った瞬間は思わずナビアプリでスクショ撮ってしまった。 陸路で国境越えるときって入国審査とかどうするんだろうって思ってたけど、ジュネーブ駅からスイス鉄道に乗り換えるときにシェパード犬を従えた国境警察の前を通らなきゃいけなくて、そこで一人一人チェックすんじゃなくてランダムに呼び止めてIDを提示させてた。私は見るからに外国人だけどスルーされた。どういう基準だったんだろうか。スイス鉄道の車窓の景色もまた美しくって、あこがれのレマン湖をやっと望むことができて感動した。 ローザンヌのゲストハウスは丘の上にあって、バックパックをしょって歩くのはちょっとだけ大変だった。しかもスイス涼しいと思ってたから厚着しちゃってたし、汗かくし、喉渇くし。着いてみたらとってもきれいで近代的なゲストハウスだった。レセプションのお姉さんがちょっとそっけない感じだったけど毎日朝から晩までわけのわからない外国人相手に仕事してたらそうなるよね~しゃーないしゃーない。 荷物置いてちょっと休んで、スーパーを探したけど見つけられず、結局また坂を下って駅の売店で買った水が飲んでみたら炭酸入りでした。部屋に戻っ���らかわいらしい台湾人の女の子がいて、その子もまた人懐っこい感じで色々しゃべってくれた。「スイストラベルパス買ってないの?これさえあれば電車もバスも船も乗れるしミュージアムにも入れるしめっちゃお得だよ。」と教えてもらい、そこから必死にネットでお得に買う方法を検索する。どうやらローザンヌ駅で買うのが一番よさそうだと思ったので、朝一で窓口に寄ろうと決心して寝た。
9/20(木) 寝坊しないか心配だったけど、ワクワクしすぎて6時前に目が覚めた。ドミトリーだったので周りを気にしつつ、ひっそり身支度を整えているとわたしより遅く起きた昨日の台湾人の女の子が、わたしよりも先に部屋を出ていった。颯爽と。 ローザンヌ駅でまた下手くそなフランス語で「スイストラベルパスを買いたい」と伝えたところまあなんとなく通じて、無事にゲット~そのままモントルーへ向かう電車に飛び乗った。モントルーは何があるのか知らないけどまあとりあえずフランス語の先生があそこはめっちゃきれいだよ!って言ってたしとりあえず行ってみるという感じで、電車の中で観光地をぐぐっていた。進行方向右手にレマン湖、左手にブドウ畑と、たぶん目玉が4つぐらい足りないなあと泣きそうな気持ちをこらえる。 モントルーといえばこれしかないっしょみたいな観光地、シヨン城というところを目指すことに決め、とりあえずレマン湖畔にあるらしいことだけ確認したので湖沿いをぐるりと歩くことにした。モントルーはレイクリゾートで有名なエリアなので、高級そうなホテルが立ち並んでいる。早朝の人の少ない散歩道をすがすがしい気持ちで歩いていたのだけれど、一人、バスタオル一枚で湖畔にたたずんでいる女性がいてちょっとびっくりした。治安いいからな~(?) シヨン城見終わってからはバスでまたモントルー駅に戻った。そういえばスイスってバスも電車も乗り降りするときお金払ったりしない。ばれなきゃ無賃乗車もし放題。ただ、不意打ちでチェックされることもあるらしく、そのときチケット持ってなかったらけっこうな額の罰金を払わされるんだって。スイストラベルパスがあれば大丈夫なんだけど、その路線が有効かっていうのがわかりづらかったから、知らずに使えないやつ乗っちゃってたらこわいなあとは思いました。 バス降りてからさすがにおなかが減っていたので、ブランチにカフェでパニーニを食べたのだけど、中に入ってたトマトが白いTシャツにこぼれてしまい、天気よかったし気温も高かったので脱いでしまうことにした。日本だとタンクトップ1枚でって歩き回りづらいけど海外だと全然気にならなくなるのなんでなんでしょうね。両肩から指先にかけて空気にさわる感覚がとっても気持ちいい。パニーニ食べながら次どこ行くか調べて、グリュイエールという村に行ってみることにした。そこは牧歌的な景色の中にある小さい村なんだけど、映画「エイリアン」のデザイン?をしたHRギーガーの美術館がある。わりと気持ち悪い作品しかなかったけどあの景色の中にあるから逆にいいんだろうな~と感じた。そこからもう少し丘をのぼったところにグリュイエール城があったのでそこにも立ち寄って、テラスから見える景色とか庭とか、いかにもスイスっぽい空気を堪能しました。このときだけは、誰も自分を撮ってくれる人がいないという状況をもどかしく感じた。 この日、ゲストハウスに帰ってから、また台湾人の女の子とおしゃべりしたんだけど、「グリュイエールってどこ?なんで行こうと思ったの?」とか聞かれて何も答えられなかった、、笑 ほんとに理由なんてなかったから「ただ私の足が選んだの」みたいな。
9/21(金) 朝っぱらからブドウ畑を見に行った。これも、台湾人の女の子の話を聞いて、行かなきゃ!と思ったから。(ドミトリー泊っていいね。はまりそう。)朝8時過ぎだったからか、ここも観光客が誰もいなくて、斜面にぶわ~っと広がるブドウ畑と朝日を映すレマン湖を独り占めしていた。熟れたブドウが放つ少しつんとしたにおいが祖父母の畑のにおいを想起させて、そっかこのへんの農家さんにとってはこの景色が日常なんだななんて思ったりした。丘の上の駅から湖畔の駅まで下るコースを歩いたんだけど、ゴールの駅で電車を待ってる間に湖の波打ち際まで行ってみたらちょっとした海水浴場みたいなつくりになっていて、9月も半ばを過ぎたというのに泳いでいる人がいた。こんなにあったかいって知ってたらわたしもそのつもりで水着とかもってけばよかったな~。 そのあとはヴェヴェイという町にあるチャップリン博物館に行った。晩年にチャップリンが住んでいた邸宅を博物館として公開しているところ。等身大の人形とか、映画のワンシーンとか、アカデミー賞授賞式の映像とか、映画で実際に使われてた小道具なんかも展示されていて、ファンとしてはぐっとくるものがありました。団体さんは地元の小学生とか、欧米からのご年配とかが多かった。みんな、流れてる映像を見て声をあげて笑っていて、いいな~と感じました。なんとなくチャップリンが演出してる笑いの表現って日本人にはピンとこないものも多いというか、だから子どもがああいう感じで笑ってるのを見て意外に思いました。 ヴェヴェイから船でローザンヌに帰り、そういえばローザンヌって全然観光してなかったなと気づいたので、とりあえず遠くからでもよく見える大聖堂に行ってみることにした。近くまで行ってみたら、美術館と博物館が隣接してあったのでまずそこに入った。美術館でクレイアニメの展示やってて、そういうのって言葉がわからなくても楽しめるしラッキーでした。ちょうど近所の学校が終わったぐらいの時間だったのか、学生カップルも何組かいた。大聖堂はステンドグラスがすごかった。パリのサクレクールに行ったときも思ったけど、宗教って芸術を生み出す力があるよね。信じてなきゃあんな細かい装飾できないよ。 そしてこの日が最後の夜だったんだけどついにマックスに会うことができた。彼もニコラと同じSNSで親しくなった人。見た目も話してる印象も思ってた以上にいいやつだった。ビール飲んでごはん食べて、小雨が降っている中だったけどローザンヌを少し案内してもらった。いつもマックスが服を買ってる店とか、日本食のお店とか、好きなビールとかね。ローザンヌ駅で、わたしがお土産でもっていった上善如水を二人で飲んだ。彼は日本のアニメが大好きで、特にナルトがお気に入りらしいので、「カゲブンシンノジュツ」とか「シャリンガンとか「カトン・スイトン・ドトン」とか、そういう日本語よく知ってるらしい笑 「ちょっと影分身の術やってみせてよ」って言ったら一生懸命印結んでて純粋な人だなあと思いました。 ちょっと寒かったし、おそらくあのせいで軽く風邪ひいたけど、思い出に残る特別な夜でした。またいつか会えるのかな。「来年僕が日本に行くね。約束だよ」なんて正直あまり期待してないんだぜ。
9/22(土) 日本に帰るため、ローザンヌからチューリッヒへ。。だから朝からゲストハウスを出なきゃいけなかったんだけどあの台湾人の女の子の方が先にチェックアウトしてしまって、「Bye」とだけ短く交わした挨拶が今思い返すととても寂しくなる。 そこから先、電車も空港でのチェックインも搭乗もすべてがスムーズに進んでいった。マックスがくれたチョコを食べたり、ブレスレットをいじってみたりしてるとやっぱり寂しくなったので、絶対にわたしはまた来ようと決めました。だから英語もフランス語ももっと上手になりたい。今の職場で2年勤めあげたらヨーロッパに移る。そう考えたらとってもワクワクするし何も寂しくないって思えるね。いろいろやり方はあるだろうけどいちばん理想的なかたちを求めていけば間違いないはずです。
 ***
とにかく帰国してからの時間の流れが早すぎて、これを書きながら、あのとき確かにそう感じていたはずのこともこんなにも薄まってしまうのかと自分にがっかりしております。だから昨日フランス語のレッスンでも先生に軽く決意を伝えてみたりした。ていうか昨日知ったけど先生は今ワーホリビザで日本にいるからもうすぐいなくなっちゃうのね。やっぱり1年後とか2年後とか言わずすぐ行動できることを探さないと年齢制限あっというまに来ちゃうなあなんて、焦ったりしてます。
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gallerynamba · 1 year
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ama-gaeru · 6 years
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錯視上ブルーエンド⑤
5話:8月15日(午前10時32):団地x兄妹
 ひび割れだらけの黒ずんだ団地の階段を駆け足で上る。
 団地の中はいつも洞窟みたいに湿ってて、外よりも少しだけ空気が冷たい。
 踊り場には奥様連中が溜まっていて、団地の住人特有の言葉で今年の団地内夏祭りの相談をしていた。
 俺ん家(ち)含めて、この団地の住人の大半はブラジルから関西に移住してきた人々の末裔だ。末裔っつーと「織田信長の末裔」とか「西郷隆盛の末裔」みたいに何百年も前から続いてるような大げさな感じがすっけど、うちの場合は爺ちゃんの代からの移住だから、俺で3代めだ。なんか、3代めっていうと酒造の若旦那とか、料亭の若旦那とかっぽくなる気がする。関係ねーけど。
 爺ちゃんは長年関西の自動車工場で働き、親父がガキの頃に新しい仕事を求めて千葉のこの団地に越してきた。他の住人もそんな感じ。
 だからこの団地に住んでいる一定の年齢より上の人たちの言葉はちょっとばかし独特だ。関西の訛りがあって、時々ブラジルの公用語であるポルトガル語が混ざってる。
 顔見知りのおばさんが俺に「あら、おかえりさん。随分早いねぇ」と声をかけてきたので、「今日、半ドンなんで」と嘘をついて軽く頭を下げる。サボってんのはバレバレだろうけど、それ以上何か言われることはない。
 おばさんは奥様連中のお喋りに戻っていった。相手を気にはかけるけど、ベタベタはしねぇ距離感、俺は好きだね。
 「エステアーニョ(今年)のお祭りはインポッスィボ(無理やわ)。人が少なすぎやん。クリオンセス(子供ら)には可哀想やけど、規模を小そうして、みんなで山車(だし)でも引くんでええやろ。まだ共同倉庫にあるんやろ。飾りだけちょっと変えて、風船つければなんとかなるわぁ」とかなんとか。
 「お祭りよりもホームレスやんか、問題は。1階の空き部屋、誰かが勝手に住み着いてたらしいんやわ。うちの子が夜中に誰かがベランダから中に入ってくのを見たって。次にきたらポリィサ(警察)呼ばなきゃ。まぁ、役に立つかどうかで言うと立たんやろうけども、おらんよりマシやし、なんもせんよりもマシやろ? 本当に人が減っちゃってからトラブルばっかりで困ったもんやわ」とかなんとか。
 「男の人たちに見回りしてもらえんのかしら? あんたんとこの旦那さん、元ラグビー部やろ? それから管理人さんの息子さんもおっきな体しとるから、夜中にちょっと見回りしてもろたら、変なのも怖がって出て来ななるんちゃう?」とかなんとか。奥様連中は止まることなく喋り続ける。
 数年前まではこの団地にはもっと人がいて、団地内の公園でやる夏祭りはそりゃど派手だった。
 次々と焼かれる謎の肉。開けられる謎の酒。踊りまくる謎のおっさんとおばさん。どっからか出てきた謎のバルーンアーティストと謎の一輪車乗り。自転車で引っ張るタイプの異国風の山車。なんだかよくわかんねーけどとにかく楽しかった。山車に乗ってたのが「とっとこ名探偵ピカえもんマウス」としか形容しようがない紙人形だったのも、まぁ、それはそれで味があったんじゃねぇかと思う。
 団地の外の子供達とその親も遊びにきたりして、団地の中と外とを繋ぐぎこちないなりに平和な交流もあるにはあったんだ。
 それが今は静かなもんだ。
 何年か前にリーマンショックがなんたらかんたらって騒ぎになってたけど、親父が言うにはその影響がもろに出たってことらしい。
 アメリカのバカがやったバカなことのダメージが、巡り巡って日本の冷凍食品会社の脇腹をぶん殴って、労働者を口からゲロみたいに吐き出させたってこと。
 ほとんどの家族が「やってけねぇよ!」っつてブラジルに行っちまった。俺の団地のダチの大半もだ。
 この団地もシャッター通りと同じ運命をたどるんだろう。
 湿ったコンクリの臭いは、土地が死んでく臭いなんだ。
 2階と3階の間の踊り場には樹理(じゅり)と実華流(みげる)の神原(かんばら)兄妹がいて、子供用ビニールプールの側に「風呂のやつじゃ���」としかいいようのねぇプラスチックの椅子を置いて、それに腰掛けていた。
 プールの中には氷とスイカとタマリンドジュースの缶が浮いていて、樹理はビーサンを履いたままその中に足を突っ込んでいる。
 樹理はヒョウ柄のタンクトップとショッキングピンクのミニスカート。もちろん、ヒョウ柄というのは、ヒョウそのものの姿が描かれているというやつだ。イケてんぜ。
 実華流はシマウマ柄のタンクトップと迷彩柄のパンツ。もちろん、シマウマ柄というのは、シマウマそのものの姿が描かれているというやつだ。イケてんぜ。
 2人とも玩具のビーズで作ったブレスレットやネックレスをつけて、メッシュをいれた髪にラメったヘアピンを刺しまくっている。
 まさにヤンキーとファンシーの複合体。
 相変わらず超(スペリオール)オシャレで、超(アンキャニー)センスいい。こいつらの神がかったファッションセンスには脱帽するしかねぇ。あと2年くらいすれば、世界一ガルフィーとヴェルサーチの似合う兄妹になるんじゃねぇかと思う。
「お、コータ君じゃん。何、サ���り?」と樹理が言う。
 顔の右半分と左半分が別人だ。右はアイドルみたいな美少女で、左は高校球児。どちらも樹理の本当の顔じゃない。
「相変わらず怖ぇメイクしてんな、お前」
 最近いつもこんな顔してるから、元々の樹理の顔がどんなだったか忘れつつある。
「Tik Tok(ティックトック)で受けるんだよー。私(アッシ)のメイクテク、プロ級だからサー」
「暇なことしてねぇで中学(ガッコ)いけよな。今日、中学も登校日だろ? おめぇらこそサボりじゃねぇか」
「こんな日に学校とかねぇわー。俺、高校(コーコー)いかねーし。中学とか意味ねぇっしょ」
 実華流はだるそうに言う。またピアスが増えてる。
「高校は出とけよ。お袋さん泣くぞ。お前、勉強好きだろ。うちに遊びに来るたびに俺の宿題とか、数学のプリントとか勝手に解いてたじゃねぇか」
「あんなのただの暇つぶしのパズルだよ。ひーまーつーぶーしー。そんなのに学費払うのバカじゃん。それに中卒で働いた方が俺みたいなのにはお得なの。早めに金稼げるしさ。俺、工場に就職決まってっし。非正規(ヒセーキ)だけど月に16万だって。やばくね? 16万だぜ、16万。お年玉16年分だぜ? マジで富豪じゃん、俺!」
「はーい! 私ね、私ね、グリッターインジェクションズのアイシャドウ欲しい!」
「おうおう、お兄(に)ぃに任せときな!」
「お兄ぃ大好きー!」
「知ってるぅー!」
 2人は両手で指ハートを作って「イェーイ!」と叫んだ後、俺にも指ハートを向け「コータ君も大好きだぜぃ! イェーイ!」と叫ぶ。
 俺はビニールプールに手を突っ込んで「知ってるぅ」と怠く応えて社交辞令の指ハートを向けた。
 好きじゃない相手になら、いくらでもできるんだけどな。
 キャッキャキャッキャと騒ぎ続ける樹理と実華流を置いて階段を上がり、4階にある自分の家の鍵を開けた。 
 家には誰もいない。夏休みが終わるまで家にいるのは俺だけだ。最高の夏isスーパーカミン。
 爺さんの姉、つまり俺にとっては大叔母さん? にあたる人が観光客の乗った車に跳ねられて体中の折ったとかで、爺さんと母さんは大叔母さんの世話をしにブラジルに行ってる。大叔母さんはお年寄りだし、独身主義で家族がいないから身の回りの世話をしてやれる身内がいないと困るだろうって。
 俺も一緒に来るようにかなりしつこく言われたけど、そうやって親戚の事故の見舞いを装ってブラジルに連れて行かれて、だまし討ちみたいな形でその後もブラジルに住み続けることになった団地のダチがいたので、俺は絶対に首を縦にふらなかった。
 結局、大叔母さんは本当に怪我をしていたから、俺の心配はただの杞憂だったわけだけどな。2人が向こうについた日に包帯とギブスだらけの大叔母さんの写メが送られてきた。
 もしも叔母さんが札束で一杯になった風呂に入っていなくて、カニエ・ウエストみたいなサングラスをかけていなくて、こちらに向けてダブルピースとかしていなければ、もう少し神妙な気持ちになれたんじゃねぇかと思う。たまたま自分を跳ね飛ばした車の持ち主が、アラブの石油王である可能性って、一体何パーセントなんだろう。
 親父は夏休みが始まる前から、東北に新しくできたマルハラ食品の新工場の立ち上げ支援のための出張に行っていて、こっちに帰ってくるのは冬休みの終わり頃の予定だ。
 爺さんと母さんがブラジルに行ったこと、俺だけ団地に残っていることを電話で告げると、親父は「火の元栓と、戸締りにだけは気をつけろよ。それから女の子を連れ込むのはいいとして、母さんにはバレるなよ」と、「俺にはお前のやることは全てお見通しだ」風の声で言った。連れ込むような相手なんかいねぇし、連れ込みたいのは女の子じゃねぇし。
 歩きながら服を脱いで洗濯機に投げ込み、水のままのシャワーを浴びて汗を流し、タンスから引っ張り出した学校指定の水着を履く。
 学校の指定水着で海ってどうなんだ? って思うけど、これしか持ってねぇんだからしょうがねぇ。
 水着の上からジーンズを履いて、シャツを着て、気に入ってる青いアロハを羽織って、少し悩んでからネックレスを掛け、財布と鍵をポケットに突っ込んで玄関を後にした。スマホはいーや。濡れたら嫌だし。
 踊り場に戻ると樹理と実華流が手すりに体を預けて外を見ていた。樹理はおもちゃの双眼鏡を覗き込んでいる。
「あそこのクールビューティって、コータ君の友達でしょ?」
 樹理の指差す先には、団地の入り口の花壇の縁に腰掛けている先輩の姿があった。ほんっと、喋んねぇで黙ってると別人だな。
「あぁ。陸上部の先輩。前にテレビとか出てた人」
「ウッワー。テレビより全然美形じゃん。何、あの足! 長っ! ありえない! 何頭身だよ! 私、リアル8頭身、初めてみたよ! 気だるげな雰囲気超エローい。あ、汗拭いた。エローい!」
「団地から先んとこの人?」
 実華流の問いに俺が「そー」と答えると樹理は「そっかー」と言いながら双眼鏡を離した。樹理の目からスーッと興味が消えていくのがわかる。……。
「痛いっ! なんで髪引っ張んの!」
 さぁ。なんでだろうな。
「プールかたしとけよ。邪魔だからな」
 後付けで理由をでっち上げる。
「あ。コータ君、オシャレしてじゃん。ネックレスつけてるー。イケメンと歩くから気合いいれてんの?」と樹理がからかってくる。ウッゼ!
「うっせぇな、バァカ、オシャレじゃねぇよ、タコが」
「コータ君も、好きな人は好きな顔だと思うぜぇい。ほら、意外とウツボとかサメとか好きな女子って一定数いるから、そこ狙ってこうぜ。レッツ隙間産業!」
「うっせぇ! 捻り潰すぞ!」
「キャァー! コータ君が怒ったぁー! こわぁーい!」
 神原兄妹は南米に生息してる派手な色の小型の猿みてーな笑い声をあげる。ウッッッゼェ!
 2人のキャハハハキッキ笑いを背中で聞きながら、俺は階段を駆け下りた。
 団地の入り口に戻ると先輩が「お、きたきた。お疲れぇ」と手を振ってきた。
 俺がいない間に冷静さを取り戻したらしい。いつもの先輩だ。
「相変わらず西郷どんの私服のセンスはチンピラリティが高いな! なんだその骸骨柄は! 骸骨とコウモリと桜って! どういうアロハだ!」
「いーっしょ、別に」
 超(インクレディブル)カッケーのに。んでわかんねぇんだろ。
「身軽だねぇ? 水着とタオルは?」
「水着は中に着てるんで。暑いんだし、歩いてりゃ体なんか乾くでしょ」
「そりゃそうか。あ、そのネックレスはいいな。お前に似合ってるよ」
 先輩は俺のネックレスを指で摘む。顔が近づく。
「小さいドリームキャッチャーだな。インディアンのお守りだよな? 寝てる間にこの網の部分で悪夢を捕まえるっていうやつ」
 先輩の形のいい爪の先がドリームキャッチャーの網を突く。網の先端についた鳥の羽とトルコ石が揺れる。
「ふーん」
「ふーんって、知らんでつけてたのか?」
「トルコ石の青いのが気に入ってるだけなんで。由来なんかどうでも」
「あぁ。トルコ石ね。そういやお前の私物、じわじわ青いの増えてるよな? 前から青、好きだったっけ?」
「なンスか。悪いっすか」
 先輩は歯を見せて笑う。
「いーや。お前は明るいブルーがよく似合うよ」
「うっす」
 顔を太陽に向ける。顔が赤いのは太陽のせいだということにする。
 そのまままた坂道を登り、団地から先の住宅街に入る。
 ここにくると歩道は一気に広くなり、足の下はコンクリからパステルカラーのタイルに変わり、ボロい街灯は全て新しい物に変わる。
 全ての道が京都みたいに碁盤の目に走り出す。どの道も、どこまでも見通せる。地図だけでこの地区をみたら、さぞ立派でオシャレな場所に見えるんだろう。地図だけで見るのならな。
 この地区にある建物のほとんどが公営住宅だ。びっくりするぐらい人は住んでねぇ。あとはいわゆる「箱物」。この一帯だけ国営のなんたらかんたら支援センターやら、なんたらかんたら学習センターやらが乱立してる。
 そいつらは1つの例外もなく、ぜってーにいらねぇだろって広さの自転車置き場を備えていて、それらの自転車置き場には1つの例外もなく「希望」とか「光」とか「未来」とかいう凡なタイトルの変な銅像が備え付けられてる。それとツツジの花壇も。
 時々みかける一軒家は、どれも屋根と壁が錆だらけのトタンでできていた。窓ガラスには内側からベニヤが貼り付けられていて、人が住んでるのかどうか判別すらできねぇ。誰かが捨てたゴミが屋根の上に溜まっている。そういうのを見るたびに、胸が締め付けられる。
 不必要に広い歩道から伸びた細い路地からは、生ゴミとションベンの混ざった臭いが漂ってきた。路地には誰かが吐いたゲロや、ぶちまけられた生ゴミや、猫の死体が広がっていて、鴉のいい餌場になっていた。
 学校でも駅でも、最初に落書きされる場所ってぇのがある。
 体育館の裏側の壁とか、男子トイレの奥の個室とか。他の場所となんら変わりないはずなのに、ちょっと日陰になってるからとか、ちょっとだけ目につきにくいとか、そんな理由で悪意を持った落書きが集まってくる。最初は1つだけ。それが2つ、3つと増えてゆき、気がつけば『何を書いてもいい場所』になっていく。
 この住宅地はいわゆるそういう場所だ。それもずっとずっと昔から。
 今はとりあえず真新しいペンキを塗って、落書きを見えなくしたところ。だけど、それも長くは持たない。そんな気がする。
「俺ん家、超ボロいから西郷どんはびっくりすると思うぜー」
「そうっスか」
「西郷どんの憧れの先輩像が崩れちまうなぁー」
「憧れてねぇっスから」
 またしてもビシッと先輩は俺を両手で指差し、体をぐーんと横に傾ける例のポーズをした。
「素直になれよ! お前が俺を大好きなのはお見通しなんだぜ!」
 胃が痛い。
「……いや、そこまで怒ることはないんじゃないか。顔が怖いぞ、西郷どん」
「怒ってはねぇッス」
「人食いザメみたいなお顔で怒ってねぇって言われてもなぁ」
 先輩は笑い、背伸びをして俺の頭を撫でる。クソ。
「俺がいなくなったら西郷どんをからかう奴いなくなるなぁ。西郷どんは顔と態度が怖ぇから、またみんなから遠巻きにされちゃうんじゃねぇかなって、俺は心配よ?」
「からかってるって自覚はあったんスね」
「西郷どんは誤解されやすいタイプだからねー。繊細なのにねー」
「っせぇな! とっとと着替えてきてくださいよ! 行くんでしょ、勝浦!」
 先輩は俺の頭から手を離す。
「じゃぁ、ゆっくり駅の方に歩いててくれ。追いつくから。あ、路地には入るなよ! 道を聞かれても無視しろ! ワンボックスが歩道に寄せてきたら逃げろ! いいな! 日野原先輩との約束だぞ!」
「この時間ならいくらここら辺でもそんなことないでしょ。女子ならともかく、俺、男っすよ。つーか、家の前で待ってますよ」
「あー。ダメダメ」と先輩は顔の前で手を振る。
「言っただろう。俺の家はボロいのだ。だから、見せたくないんだよ」
「俺は気にしねぇっス」
「見せたくないと言っている」
 先輩の声が少しピリっとした。タレ目の陽気な顔つきという錯視が剥がれて、酷く冷たい顔が姿を見せ──たかと思ったらまた戻る。先輩は微笑んだ。
「西郷どーん。俺は嫌がっているのだよ? だからほら」
 シッシ! と先輩は手を振る。
「駅の方に歩いてろ。追いつくから」
 こうまで言われちゃどうとも言えず、俺は「うっす」と言って言われた通りに歩き出す。先輩は元来た道を駆け足で戻ってゆく。
 きっと、通り過ぎてきたボロ屋のどれかが先輩の家なんだろう。
「……俺は気にしねぇし」
 俺のこと全然わかってねぇし。俺のこと勝手に見限るから、そーゆーことがわかんねぇんだ。俺はあんたが思ってるよりずっと、良い人間なんだ。クソ。
 どんなに普通に話しているつもりでも、どんなに仲良くなったように思えても、先輩は俺のことを、見限ったまんまなんだ。
前話:次話
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kasego777-blog · 6 years
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リラクシーコーデで夏を涼しく♡だらしくならないゆるお洒落スタイル
夏は風通しの良いリラクシーな服装が持ってこい♪蒸し暑い季節は、素肌に張り付くタイトな服よりも、ボディーラインをゆったりカバーしてくれる服でノンストレスに過ごしたいですね。
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ntrcp · 8 years
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混乱する夫14
レンタカー屋に車をつけると、この時間に返しにきたことを店員が怪訝な眼で見ていたが、構わず店を出ると日中は喧騒に包まれた街がひっそりと静まり、遠くからクラクションの音と酔っ払いの喚き声聞こえる程度だった。 駅のシャッターは閉じており始発までにはまだ時間があった。 コインロッカーに向かうと預けていた荷物を取り出し、仕事のカバンの他荷物が多くなった事に億劫さを感じると公衆便所で着替えを済ませ、買ったばかりの衣類を処分した。 衣服を元通りとすると、妻の醜態を眺める以前の自分に戻ったようで、いままでの事が夢の出来事であったように感じた。 駅前で過ごす事に問題は感じなかったが、酷使した身体は休息を求めていた。 ファミリーレストランや24時間営業のファストフード店も選択肢にあがったが、その看板を見上げると雑居ビルに入るインターネットカフェが目に入った。 誰にも見られずに休みたいと思ったので迷わずそれに向かうと、偶然それは以前自分が会員券を作っていた店だった。 ここ最近良い出来事が無いところに僅かの幸運を得たことに喜ぶ自分を奇妙に感じたが、数刻のうちに体をリクライニングシートに横たえる事ができた。 帰りの電車の時刻を確認するため、休む前に目の前のpcを起こして検索する事にした。 すでに空が白み始める時間であったので、ここで休むことのできる時間はさほど多いものでは無かったが、旅程に目処をつけると画面を閉じた。 ふとデスクトップに目を遣ると画面に流れる店のタイトルにアダルトビデオが閲覧出来ることを知った。眠さもありマウスに伸ばす手も億劫だったが、画面は指の操作で簡単に開き、お勧めのタイトルが画面に並んだ。 どれも女優が淫らな姿勢をとったり、胸を露出したりなど男性をそそるものだったが、スクロールしたところに現れた画像に目が止まった。 それは、ジャンルとしては人妻に属するものであり、夫が望んで妻を他者に抱かせるものだった。 端正な顔立ちの30歳程度と思しき女性が無表情に両手をスカートに掛け、ショーツから腹が見えるまで捲り上げている様は、妻が先ほど性行為の前に犯人に見せていた画像と既視感を感じさせるものだった。 方向性としては妻と同じ位の背丈に比較的美人と言って良い端正な表情だったが、化粧っ気にない生活感のあるその顔は妙に生々しい印象を与えた。 視聴を開始すると映像が始まるまでの空白が疲れてすり減った忍耐力を試したが、苛立つ前には映像が始まった、 それは夫が妻を通常の性行為の途中で目隠しをして身体を軽く拘束しそのまま夫は傍に立つと、筋骨逞しい日に焼けた中年が気づかれないように妻に向かうものだった。 短編を集めたものなのか、プロローグなのかは分からなかったが、開始数分でその場面になったことはそれがあくまで男性の性欲に向けたもので通常の映像作品のように情緒のあるものでは無かったが、そのシチュエーションは自分が体験したことと重なった。 自分は妻を犯人の慰みに差し出した訳ではなかったが、結果的にそれを悪趣味に覗いて精を放ったことは画面で興奮気味に鼻息を荒くする夫と立場に大差は無いのかも知れなかった。 画面上の妻は男に背後から突かれてはだけた衣装から豊満な乳房を白く大きなブラジャーに隠したまま重量感のあるそれを揺らしていた。 その声は恥じらいなど無く快感を叫んでおり、それが犯人の責めに理性を失った妻を連想させた。 やがて男は妻の目隠しをとり、その眼前に顔を向けると貪るように妻の口をぬめぬめと粘体のような舌で舐めまわした。妻は男に戸惑っているようだったが男の成すがままとなった口を惚けたように慰みを受けていた。 恍惚然とした表情は胸や性器を映すでもなく自身の男性器をそびえ立てるに充分だった。 見惚れていた自分を叱咤すると、我に帰り痴態を映すpcをそのままに鞄からノートpcを取り出した。 それで妻の位置を検索すると、変わらずコテージにいるようであり不安と安心の入り混じった奇妙な感情が頭を占めた。 切迫感に襲われ過ぎ去った出来事にも関わらず犯人からの知らせが無い物かと犯人の指定したサイトを開いた。 それがある事を期待していたのか、それを拒んでいるのかわからないままに表示を待つとそこには犯人からのメッセージがあった。 日付をみれば昨日となっており、当然のように映像ファイルが添えられていることを見れば犯人は自分を苦しめるものを送ってから妻との行為に及んだのだった。 ダウンロードを始めると携帯端末の回線は自宅より相当に遅く、進行状況を示すスライダーバーは遅々として進まなかった。 犯人からのテキストにはなるべく目を通さないようにしていたのは、先程まで妻を快楽に狂わせていた犯人への嫉妬があったのかもしれない。自宅のようにダウンロードがスムーズに進めばそれを無視できたのかもしれないが、焦れったい程に遅い進行にそれだけに注意を払うことはできなかった。 机のpcからは変わらず嬌声が流れ続けており、目隠しの取れた女性は傍に腰掛ける夫が目に入らないかの様に乱れていた。 演技とは思っていても女性のくぐもった呻きは夫に遠慮する事なく快楽を享受する迫真の演技だった。ふとあらゆる女性は性的な刺激により同じ状態になってしまうのかと思うと、妻が犯人によって堕とされた事もそれは体だけの単純な反応だったかもしれないと感じられるのだった。 同時に犯される妻を眼前に股間を腫らしている夫に自分を重ね合わせると惨めさの中に、その事自体に性的な興奮を覚える自分を否定する事を意識してしまうのだった。 その音に耳を傾けている内に眠りこんでしまったようだった。視界は曇っていたが時刻を確認すると10時前となっていた。思いのほか睡眠を取れたことで頭は徐々にはっきりとしていったが、椅子に腰掛けた姿勢では疲労がとれたとは言い難い状態だった。 ノートpcのダウンロードは既に終わっており妻の所在を確認すると、自宅近郊の都市にいることが分かった。昨晩時点では山中にいたので朝早く戻ったものと思われたが、真っ直ぐに自宅に帰らず買い物でもしているのかデパートにいることが疑問だった。 自分の想像としては昨晩のように陵辱を受けたのなら自宅で心を癒すのではないかと考えていたが、開店直後のデパートで過ごす事は理解できなかった。 ノートpcのバッテリー残量の警告が表示され、通信端末の充電残量も少なくなっていた。コンセントから充電しておかなかった事に臍を噛んだが部下から携帯電話を受け取る事を考えればあまり長くこの地に滞在している事も得策とは思えなかった。 犯人からの映像を確認したい欲望はあったが、この先の帰宅までの行動を考えれば自身の欲望に費やすことのできる残量が過少である事を理解できる程度には冷静だった。あるいは昨晩体内にある精を放った事でそう考えられたのかも知れなかった。 ゆっくりと体を起こし精算を済ませて店を後にすると快晴の空の光が眩しかった。 少なくとも駅で妻と鉢合わせする危惧はなかったので、駅で妻が犯された記憶と共に残る発車メロディーを聞きながら電車に乗ると家路についた。 加速を体に感じた事が意識に残ったが、目を覚ますと電車が減速しているところだった。休日の昼では降車する人影もまばらでベンチに腰掛けると妻の位置を確認した。 妻は既に自宅に戻っておりその事実が暗雲がかった心を晴らしてくれた。 まだ睡眠を訴える体は自宅に戻ることを要望していたが、部下から携帯電話を受け取るまでは帰宅する訳にはいかなかった。 公衆電話を見つけることに苦労したが、駅のロータリーのバス乗り場の傍で数年振りに重い受話器を取り上げると部下に電話した。 数回の呼び出し音の後に部下は電話に出た。帰宅の時間を尋ねるとこちらを配慮してくれたが、折角の機会でもあり晩に駅で落ち合うことを約すると早々に電話を切った。 正午は過ぎていたのでそれまでの行動を考えたが、荷物を抱えたまま時間を潰す事を考えれば選択肢はあまり多くなかった。 出来ればノートpcを充電したいところだったが、それで映像を見るためにインターネットカフェに行くことはあまり体が休まなかった事から気が進まなかった。 あれこれと考えたが、駅にあるスーパー銭湯の看板に気が付くとそれが体の求めているものと合致し、ロータリーの先にあるタクシー乗り場に向かうと運転手に目的地を告げ入浴に向かった。 荷物を抱えて店に入ることはやや恥ずかしいものだったが、衣服を脱ぎ空いている浴槽に浸かり頭を天然石にもたれかからせると、疲労が溶け出してゆくようだった。 時折管内放送やドアの開閉の他は水音だけしか響いておらず頭を空白にしてリラックスする事ができた。 充分に温めた体を冷水に入れると数分で細胞の一つ一つが新品に交換されてゆくような爽快感が神経を抜けた。冷水から上がると急速に空腹感がこみ上げ、昨晩の軽食以降食事を摂っていない事が思い出された。 着替えは元々妻が用意してくれたもので、下着まで綺麗なものに変えるとこざっぱりとして飲食コーナーで蕎麦を流し込むと、休憩所の隅で鞄を枕に横たわった。 目覚めた頃には日も落ちており、周りに人が沢山いた中で眠り込んでいた自分に驚いた。 着替えたお陰で荷物を除けば周囲のリラックスした服装の人々に違和感があるものでもなく、門をくぐったところで丁度駅に向かうシャトルバスに乗る事が出来た。 駅でコインロッカーに荷物を預け、数十分待つだけで部下が改札から大仰な買い物袋を下げて出て来る姿を目にした。駆け寄ると部下は疲れた表情をさせていた顔を一変させ、懐から携帯電話を出すと自分に手渡した。 暫く抱えた戦利品について立ち話をしていたが、部下も自宅に帰りたい筈であり早々に話を切り上げるとその場を離れた。 携帯電話の着信をみると妻が自宅に帰った辺りの時間が表示されていた。上手く自己位置の欺瞞ができたかと思うと満足だったが、それと相反する事態を考えると急速にそれは収縮するのだった 電車を乗り継いで帰る事は億劫だったのでタクシー乗り場で並んで順番を待つと目的地を告げて流れる車窓に目を向けた。 特に意図は無かったが、自宅に程近い場所でタクシーを降りると、遠くに自宅の影を認め急速に重量を感じる鞄を手に自宅への道を辿った。 昨晩の経験から自宅の妻を覗こうとする欲望が芽生え、手近に自宅を眺められるポイントは無いか確認したが比較的新しいこの住宅地では高台もそばには無く、生垣を植えた事で容易く自宅を眺める事は出来そうになかった。 改めてその点を考えると、生活の秘密が保たれている事には安堵したが、反面仮に犯人が訪れたとしてもそれは自分がいない限りその自由になってしまう事に背筋が寒くなった。 妻との安寧を求めて購入した自宅が唯一安息の場である事に疑念を抱かせる場所に成ってしまったと思われ無性に悲しかった。 自宅に帰り着くと普段と変わらず妻は迎えてくれたが、その表情を直視することにやや躊躇いを感じてしまうのだった。 自分が不在時の様子を尋ねることは不審と思われるかと思ったので、出張先の様子など話せば妻はいつもと変わらず相槌をうち自分の話を丁寧に聞いてくれた。 その間も妻の手は止まらず、フライドチキンを主菜とした食事を整え、自分が食事をしている間に鞄から着替えた衣類を取り出し洗濯に出しておいてくれた。 何事もなかったような妻の仕草に昨晩の狂乱の女性との一致を疑うほどだったが、手洗いに立ちトイレのサニタリーボックス恐る恐る開けるとそこにはトイレットペーパーにくるまれた生理用品があった。 それは生理時に女性が着けるような厚手のものではなく、薄い素材のいわゆるおりものシートと���ばれるものだった。以前これを目にした際にはそれに疑念を持ったが、ボックスの中にあるそれらに汚れの後は無かった。 妻は生理の前後には用心のため生理用品を身につけており、当然その時期は夫婦の営みをする事は無かったので大体の周期は分かっていたが、この時期はそれにあたるものではなかった。 類推すれば、妻は経血以外のもので下着を汚さないためにそれを用いていたに違いなかった。 震える頭で居間に戻れば妻の手によって食器は片付けられており、ソファーで寛ぐだけとなっていた。 休日のこの時間には画面はバラエティー番組が面白おかしく写っていたが、それが目に入らないほど妻に真相を問う事を考えてしまうのだった。 食器の洗い物を終えた妻はエプロンを解いて自分の隣に座り茶を淹れてくれるのだった。 身体の線を強調するようなキャミソールに白のニットカーディガンを羽織った妻は清楚に写ったが、急須を手に屈んだ時に視界に入った胸の谷間を縁取る白に黒い装飾の施されたブラジャーとそれに張り付いた質量に満ちた白い肌は思わず息を飲むほどの隠微さを感じさせた。 ただ、普通ならブラジャーからの肩に掛かる紐が比較的派手な装飾をもって妻の白い首筋の奥に消えている事が奇異ではあった。 自ら問わない内に妻は昼に買い物に出かけた事を切り出した。天気も良く趣味でダイエットも兼ねてしているヨガのウェアを買いにいったのだが、買い物をする内に、セールの案内もありこれから夏を迎えるにあたり水着も買ったとの事だった。 水着であれば数年前に買ったタンキニがあった筈だが、妻が楽しげに買い物の様子を話す姿に先行きがわからなくなっていた。 子供が買ってもらった戦利品を見せびらかすように妻はニコニコと傍のショッピングバックから軽く伸縮性に富んだ生地の白いタンクトップを取り出した。 胸にあたる部分にはやや硬いカップがはまっていたが、それが水に当たれば透けて肌に貼り付いてしまうのでは無いかと思い、しげしげとそれを仔細に指で撫でてみたが、妻は悪戯っぽくこちらを見ていたことで妻の意図に気がついた。 自分が撫で回していたそれば水着ではなくヨガウェアだった。騙されている事に気が悪くなった訳では無かったが、何かを期待しているような妻の腹に一物ありそうな表情が可笑しく、妻の腕を取ると笑いながら自分の胸に抱き込んだ。 突然の自分の行動に妻は頭を自分の胸に収めながら体をバタバタを振っていたが、妻の頭に顔を当てて息を吸えば妻そのものの香りが鼻腔を満たした。このじゃれ合う雰囲気が妻との生活で求めていた安息だった。 相変わらず妻は拘束を逃れようと身を捩っていたが、それで妻が自分に触れる面積が増え体を動かすたびに豊かな胸が揺れる様に目を奪われていた。 僅かな間だったが、無言となった自分に妻は何かを感じたのか体の動きを止め、元からそうすれば容易に逃れでる事が分かっていたようにすっぽりと下に抜けると、床に膝を落としてソファーに色っぽくしなだれかかり、子供をあやすような口調で水着を見たいかと問うのだった。 空気に乗せられたのか、それと同じ調子に合わせ熱心に頷くと、妻はキャミソールに手を遣り胸を見えるようにした。 茶を入れてくれる際に目にしたブラジャーは水着であることがわかった。 考えてみればフルカップのブラジャーを着ける時には妻は前を閉じた服装をする事が常であり、キャミソールを合わせる場合には喉元から滑らかな素肌が伸び、それはハーフカップのそれに終わっている筈だった。 谷間の奥には両胸を覆うカップを結合する金属製のリングが見え、それが衆目に露出するものであることを理解させた。 いつになく大胆な姿に戸惑いを覚え、妻にその水着は派手ではないかと言ったが、相変わらず妻は自分にこの姿をみて興奮するのですか、と無邪気に返すのだった。 言い募ろうとする自分を留めるように妻はカーディガンを脱ぐとキャミソールも器用に取り外した。 膝立ちで自分の前に立つ妻は上半身に少ない布地で乳房を覆い隠すのみでそれ以外を全て露出していた。 妻をそのような姿で衆目に晒すなど思いもよらなかったが、一方では海に遊びに行った時など派手な水着に目を奪われ妻に窘められた事を思いだした。 海の家に飲み物を買いに妻と並んでいる時に、前に並ぶ若い女性の背中は小麦色に焼けた肌を細い紐が覆うのみで、下半身には裸と寸分たがわない線を写す水着に目が行ってしまい、隣の妻に不服を言われた事があった。 それを考えれば妻が女性としての対抗意識の為に自身の魅惑的な姿を見せたことは自分に原因があるとも言えたが、問題はそれをみる視線が自分だけに留まらない事だった。 妻は立ち上がるとスリットの入ったショートスカートの脇のファスナーに手を掛けると、パサリと衣擦れの音を残して妻は完全な水着姿となった。 腰骨に金属製の装飾の入ったバンドが僅かな食い込みを見せ、そこから妻の秘所を覆い隠す布の角度は急だった。 よく見れば、腰にかかるバンドは寸前で二手に別れ、装飾の中には妻の肌があった。それはこの細いバンドが裂ければ妻の股間が露出してしまう危機感と、その腰でさえ露出面積を増やすデザインに夫としての危機感が重なった。 妻はその自分の反応に満足するようにやや頬を赤らめながらモデルのようにすんなりとした動きではなかったが後ろを見せるために振り向いた。 さほど細くはないバンドが妻の優美な背中に通っている他は白く滑らかな肌を露出し、腰骨の辺りに食い込んだパンツのラインは妻の尻の柔肉を抱えるようにたっぷりとした質感をもっていた。 自分の視線からはパンツによって保持された肉がみっちりと張り出したあたりがそのまま奥に進むと妻の股間に張り付いた布地に接合している部分が克明に見え、体だけに注目すれば目の前の妻が自分専用のモデルのように感じられた。 ある意味その薄い水着に隠された中を知る自分としては奇妙な考えだったがそれは実用性があるものにあってさえ、裸より扇情的に写るのだった。 再び姿勢をこちらに向けると妻は自分を見下ろす視線で感想を求めた。 おそらく妻は自分が妻を見直したと述べることを期待しているのではないかと思ったが、引き締まりながらも柔らかさを感じさせる妻の下腹部を覆う布の小ささと腰から急角度で陰部に向かうラインを眼前にすれば妻に過激すぎるのではないかと言わざるを得なかった。 言いながら妻の表情を伺っていたが、妻は気を悪くするでもなくこの水着は自分にとってどう思うかを再度尋ねた。 そう言われては率直に返すしかなく、大変妻を魅力的に見せていることを告げた。 妻は表情をほころばせ、この水着は自分だけに向けて買ったのだと言うと、そのほぼ裸体に近い姿で自分をソファーに押し倒すように抱きつくと、店をいろいろみて回り際どいデザインではあったが、ただ自分の為だけにより魅力的に魅せられるものを選んだと耳元で囁いた それは内緒話のようであったが、面と向かってそれをいう事に照れている妻が愛おしく倒れかかる素肌に手を遣り強く抱きしめた。 しばらくそのまま睦みあっていたが、やがて妻は体を起こすと隣のソファーに掛け直しケーキを出すと言うと台所に向かった。 馬鹿馬鹿しいテレビに目を向けているとやがて釣られて顔をほころばせていると、これまでの出来事が雲散霧消するように平和でリラックスする気分が胸を満たした。 それを味わっている内に妻が水着のままケーキと紅茶を運んできた。普段は食卓で食べているので、ソファーに腰掛けて食べる事はあまり経験が無く妻が非日常的な姿で隣で食べている姿は奇妙なものだった。 テレビから目を離し、行儀良く紅茶を飲む妻の姿を見ていると妻が自分を誘っているのかも知れないと遅まきながら気付くのだった。 妻と交わる前に入浴しようと思い、食器を手に台所に向かうと妻が後から同じようについてきた。この程度であれば食洗機を使う程でもないと流しにカチャリと音を立てて食器を置き振り返ると妻は何か言いたげな表情でこちらを見ていた。 なにか声をかける前に妻は恥ずかしそうに下を見ながら自分を抱いて欲しいことを告げた。 ここまで妻が自宅で大胆な行動をとっていることに行動が遅れた事と、妻がここまで積極的になったことに驚きを覚えたが無言で妻の手を取ると階段を上がり寝室に向かった。 2階のカーテンは引かれておらず月明かりが妻の肌を白く照らしている中、妻を横たえるとその肌の表面積をできるだけ多く触れさせるように抱きついた。 妻の唇を吸うと、先ほどのケーキのクリームの甘い味覚が妻そのものの様に味わい、そのまま妻の首筋から耳元までところ構わず舐めまわした。 妻は自分のなすがままとなっていたが、これだけの刺激で甘い声をあげるようになっていた。 それを聞くと妻が犯人によって開発させている事が脳裏に蘇り、後頭部の奥底で凶暴な感情が沸き起こってきた。 ブラジャーであればホックが後ろであろうと前であろうと外した経験があったが、水着では勝手が分からず伸縮性に富んだ生地に手を掛けると下から一気に振り上げた。 圧迫されていた乳房は拘束を解かれたことでたわわな膨らみと先端の敏感な部分を露わにした。たまらず乳首に吸い付き、舌先で勃起している突起を捏ねまわしていると妻の声に熱が入り、自分の頭に妻の手が狂おしく当てられるのだった。 あとは妻の最も敏感な部分を探るのみとなり、そのスベスベとした触感の縁に手を掛けると、妻は自分の意図を悟ったのか自ら手を腰の裏に掛けるとしなやかに腰をくねらせてその存外小さな布地を足首まで引き下ろした。 乳房にしゃぶりついたまま妻の下腹部 に目を遣ると月明かりに照らされたそこには僅かな繁みもなく二つの太腿と腹の交わるあたりはすんなりとしたノイズのない滑らかな曲線だけで構成されていた。 頭に疑問符が浮かんだが、それを見越したように濡れた妻の声が響いた。妻が言うには水着を着る際に陰毛の処理をした時手元が狂いそれを全て剃り落としてしまったとの事だった。 急に行為の興奮が冷め、それが犯人によるものと明瞭に理解できた。妻の陰毛はさほど濃いものでなく性器の上端に疎らに生えているだけで水着を着るにあたってそれが出てしまう事など考えられない事だった。 口いっぱいに乳房を含んでいれさえ、それが犯人によって穢されてしまった肉体であることはやりきれない思いを込み上げさせた。 しかし、水着の事を考えれば、犯人によってなされた剃毛を精一杯隠そうとした妻の心遣いなのかもしれなかった。 今日の朝、妻がデパートにいたことは、下半身の事情に言い訳をするための妻の努力だったのかもしれない。 そんな事を考えていると、怒張した男性器に血が引いてゆくようだった。 妻が陰毛を喪失した事で自分との行為を拒否するでなく今のように誘ってくれている事は犯人によって陵辱された体を自分に清めてもらう意図と考えれば、今の自分にできることは精一杯妻に愛を注ぐ事なのだと理解できた。 既に妻の股間は充分に潤っており、指で小陰唇の奥底から愛液をすくい取りクリトリスに塗りつければ妻は期待通りの嬌声を上げた。 その我慢を取り払った声は犯人が妻を長時間嬲ってからでるものであり、昨晩の妻の声と現状を重ね合わせれば、妻が自分にだけ快楽を恥らうことなく示すことは妻と自分との繋がりの自信を起こさせた。 妻は夢うつつなのか、胸に手をあて乳首に指先をあてて弄っていた。その動きは犯人によって自慰の快楽を高める為の動きと思うと、今考えたばかりの自信も揺らいだが、それを否定するように一気に妻を貫いた。 手近にあった妻の脚のふくらはぎに顔を当てていると股間の抽送で得られる快感が増すように思えたが、それが犯人の行為と類似していると思うと内心忸怩たるものがあったが、それを辞めることはできなかった。 僅か数分で腰を震わせる快楽に耐えきれずに妻の胎内を埋め尽くすように精を放った。 避妊もせず行為に及んだ事、妻がそれに拒否しなかった事を考えていると、下半身を連結させたままの妻は腰が温かい事を呟き、赤ちゃんができるかもと嬉しそうに続けたが、妻の胎内に避妊具がある事を知っている脳裏ではそれも虚しく響くのだった。 果たして妻は自分を裏切っているのか、そうでないのか自信が持てないまま徐々に血が抜けた性器を妻から引き抜くと隣の妻が水着一つをはだけた姿が月明かりに神秘的に灯されていた。 行為の後は妻が股間から漏れ出る自分が放った液体について妖艶に股間を撫でていたが、ふと自分の視線に気が付くとそそくさと手洗いに向かった。 自分は普段ならこれで眠りにつくのだったが、昨晩からの断続的な睡眠に加えスーパー銭湯での長時間の睡眠によりまだ当面は覚醒していられるようだった。 自分が寝室から出る時に下半身の処理を済ませた妻とすれ違った。妻は出て行った時のほぼ全裸ではなく寝巻きをまとっていた。 妻は自分が寝るものと思っていたらしく階下に降りる自分を不思議そうに見ていたが、風呂に入ろうとする自分を引き止めて性行した経緯に思いが至ったのか、見ている前であれこれと表情を変え、まだ艶を含んだ目のままごゆっくりと声を掛けて寝室に入った。
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arakawalily · 5 years
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ジュエリータウン御徒町誕生の歴史‼️ 御徒町は江戸時代、江戸城や将軍の護衛を行う騎乗が許可されない武士である御徒が多く住んでいたことに由来しています。 宝飾品の街である『御徒町』のルーツを辿ると江戸時代にまでさかのぼります。 御徒町付近は、上野寛永寺、浅草寺をはじめとし、数え切れないほどの寺社がありました。 さらに、日本橋と浅草という江戸時代の二大商業地の中間にあった下谷から小石川(文京区)にかけて、浅草、吉原など色街が多くあり、そこに納めるための品物を作る様々な職人さんがいて、簪(かんざし)や櫛(くし)などの小間物(アクセサリー)を鼈甲(べっこう)、象牙、珊瑚や銀などで作る職人が多かったそうですね! しかし、明治の中頃になると、廃仏棄釈(はいぶつきしゃく)の流れにあって仏具職人は神道用具や小間物の職人に転向しましたし、刀剣の装飾を作っていた錺(かざり)職人も小間物や宝飾品へと対象を変えました。 その結果、指輪を製作、加工する業者が増えました。やがて、型を使用した量産技術が生まれ、御徒町は宝飾品の街として認知度を全国に高めていきました。 そんな歴史が続き、キラキラギラギラの御徒町ジュエルズで撮影いただきました‼️ ©︎村木まゆみ#村木まゆみ#荒川リリー#lilystudio#山手線ループライン#おかちまち #御徒町#タンクトップ女子 #UENO#セクシーデザイナー#lilyarakawa#作品撮り (御徒町駅前通り) https://www.instagram.com/p/B4ZAXPGAX9M/?igshid=14gyvg9fo55nw
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