#かさねフレアスカート
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一途な想いを捨てきれないで、私は深い淵に身を投じる気持ちで、水辺にへたり込んでいる。あの人ではなくてはならない。一緒になれないなら、刺し違えてもいいとさえ思った。あの人を殺めて、自分も死のうとすら考えた。それぐらい恋焦がれていた。しかし、私は実際のところ、あの人を深く愛していた。私の想い一つで、あの人の優しい眼差し、口から発する優しい言葉、紡ぎ出す詩や散文を、失いたくなかった。これから先の人の財産であり、癒しになる。
私は死ぬ前にあの人の作品を朗読していた。どの作品も、美しく繊細で、魂そのものの囁きだった。苦しいことも乗り越えた人だから、繰り出せる作品だった。
ひっそりと沼に身を沈めていく。まだ春になり切らない水温はまだ低く、すぐ死ねると思った。萌黄色のフレアスカートが水面に花のように広がり、中心にいる私は妖精だった。愛している想いもろとも死んでいく、優しい死だった。涙が溢れてきて、萌黄色のスカートも、へどろにまみれて、沈んだ色になっていく。
これで良かったんだよね?そう自問自答しながら沼の中に身を沈めて、呼吸が続かなくなって、ヘドロを思いっきり吸い込んだところで、誰かが私を沼から引き揚げてくれた。
それは愛する人だった。私は夢を見ているのか、もうこれは天国に来ちゃったのか、それとも死んでも報われない想いにさいなまれる地獄だろうか・・・そう考えているうちに、意識を失��た。
薄っすらと意識が戻ると、見慣れた天井が飛び込んできた。ここ知っている。私は裸のまま、誰かに抱かれている。それはどこまでも優しく温かだった。知っている肌の香り。全てが知っている感覚に満たされていて、幸せの絶頂にいると思った。彼は私の身体を洗って、ヘドロをぬぐい取ってくれて、ずっと自分の身体で温めてくれていたのだ。
一途な片思いに身を焦がしていると思い込んでいたのは私一人で、あの人はあの人で、私に片思いをしていたのだった。
汚れた萌黄色のスカートは、洗濯されて、干されて風に揺れていた。陽光がキラキラとスカートの生地越しに乱反射して美しく、私は虚ろに抱かれながら、ぼんやりと見つめていた。
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P3 Club Book Ken Amada short story scan and transcription.


天田乾子供化計画
「別にいいじゃないですか!順平さんには関係ないでしょ!?」
ここは月光館学園の施設、綾戸台分寮の1階。カウンターの方角から聞こえてきた大き��声に、ラウンジ��くつろいでいた面々が、何ごとかと目を向けた。声の主は、月光館学園初等部の天田乾。そのそばでは順平が、にやにやと意地の悪い笑みを見せている。
「いーや、関係あるね。いいか、天田。まだまだ子供のお前が、大人ぶりたい気持ちはよぉーっくわかる。オレだって覚えがある」
「別に大人ぶってるわけじゃ······!」
「まあ、聞けって。子供時代にちゃんと子供であることを十分に楽しめないと、やっぱ人間ってのは歪んじまうんだよ」
「······順平さんみたいにですか?」
「うぐっ、そ、そういうとこがガキらしくねえってんだよっ!」
どうやら、いつも大人びた天田の態度に対し、これまたいつものごとく順平が何かいちゃもんをつけているらしい。
「そもそも、順平さんの方が子供っぽすぎだと僕は思いますけどね。真田さんや美鶴さんの落ち着きを見習うべきなんじゃないかなあ?」
「オレはいいんだよ、オレは。つーかな、オレはホントに心配なんだよ······」
「心配?」
いつになく真面目な口調の順平に、不機嫌そうに顔を背けていた天田も、ようやく聞く気になったのか口調を和らげた。
「······どういうことです?」
「いや、お前さ、いつも学校終わってから寄り道もしないですぐ帰ってくるし、どこか出かけたと思ったらひとりで神社に行ってるていうじゃんか。フツーお前くらいの年だと、やっぱ友達と遊びまわったりとかするもんだろ?さすがに心配になってくるって」
「それは······」
順平の心配には、天田自身にも心当たりがあった。確かに、いまの彼には我を忘れて級友と遊ぶような、心の余裕はない。それは、亡き母に対して誓った、悲願を現実のものにするためのストイックな覚悟ゆえ。しかし、それを順平に教えるわけにはいかない。だから。
「別に、心配してもらわなくても平気です」
天田は、そう言うしかない。だが、それでも順平は諦めなかった。
「いかん。いかんよ、キミ!」
「な、なんですか」
「まったく、大人ぶってるくせに、そういうところはガキっぽいんだからな~」
かちん。
その言葉が、天田の心の中の何かを刺激する。
「······わかりました。別に子供っぽいと言われたからって訳じゃないですよ。それに、子供らしくないって言われたって平気ですし。それこそ、その程度でムキになるほど子供じゃないですから。でも、そこまで順平さんが言うなら、歳相応に見えるようやってみますよ。で、いったい僕は何をやればいいんですか?」
つい勢いで、順平に啖呵を切る天田。ラウンジの方では、ゆかりが「あーゆうとこ十分子供らしいよね?」と小声で言い、風花を始めとした面々もうんうん��肯定するが、そのやり取りは天田と順平のもとまでは届かない。 そして。
「よっし!よく言った!」
順平はそう大声を張り上げ、すっくと席を立つ。その顔には、しめた、といった感じの表情が浮かんでいた。ぞわり、と不吉な予感が、天田の背筋をかけのぼる。
「ちょ、ちょっと待······」
「男に二言は、ねえよなあ?」
「うぐっ」
引き返すには、やや遅すぎた。そして天田の予感は、最悪の形で的中していたのだ。
「で······何なんですか、これは!」
「くっくっく、よく似合うぜ~」
ラウンジの真ん中で、天田はすっかりさらし者になっていた。子供らしさはまず形から。そう主張する順平に言われるまま、天田は服を着替えさせられていた。真っ白なランニングシャツに、ちょっと古くなったデザインの半ズボン、頭には麦藁帽子という、昔懐かしの田舎の子ファッションである。どういうわけか、虫取り網に膝小僧のバンソウコという、オプションまでもがちゃっかり用意されていた。
「いや、実はこないだちょろっと実家に帰ったときにさ、オレが昔着てた服が大量に掘り出されてな。天田に着せたらどうなるかなー、とか思ってたもんで」
「要は······順平さんの暇つぶしなんですね? はぁ······満足ですか?じゃ、脱ぎますね」
それこそ子供らしくない深い溜め息をついて、天田はもとの服に着替えようと踵を返した。だが、その両腕をぐっと引き止める者がいた。
「しつこいですよ、順平さ······って、ゆかりさん?風花さん?え?」
引き止める手の主は、意外な人物。ゆかりと風花のふたりだった。何かをぐっとガマンしているかのような、やや紅潮した顔で、ふたりは声をハモらせて絶叫に近い声を出した。
「かわいいっ!!」
「え?え、えっ?」
予想外のリアクションに、天田はすっかり言葉を失っている。だが、盛り上がった女子ふたりのテンションは、間断なく上がり続ける。
「次、これ!これ着てみて!ちょっとストリート風のやつ!」
「ううん、こっちが似合うよ、ゆかりちゃん!ほらお坊ちゃんって感じのブレザー!」
「いえ、あのおふたりとも、落ち着」
「いやーん、何このピンクのベスト!順平、子供の頃こんなの着てたの?もったいない!天田くんに着てもらわないとっ!」
「ゆかりちゃん、ほら!黒のハイソックス、ハイソックス!これは外せないよっ!」
「わ、わ!勝手に脱がせないでくだ」
「た、岳羽······この袖が長めのハイネックなども捨てがたいと思うのだが······」
いつの間にか、美鶴までもが参加していた。
「まったく······ 女性というものは、幾つになっても着せ替え人形が好きなんだな」
「え······ええっ!?」
よりによって、憧れの真田にお人形さん扱いされ、天田の心に絶望感が押し寄せる。だが、脱力するにはタイミングが悪かった。抵抗が弱まった天田に、女性陣がこれ幸いにと群がって、あれこれと服を合わせ始めたのだ。
さすがに天田の人格を考慮してか、下まで脱がされることはなかったものの、次から次へと服を着せられ脱がされて、天田の心にもういいやという諦めの感情が芽生えかけたそのとき。
「ちょ、ちょっと待っててね」
風花がそう言うと、もの凄い勢いで上階への階段へ向かって走り去った。思考能力が鈍った天田が、ここで危険を察知し得なかったのは、一世一代の不覚だったと言えよう。やがてさほど時間を空けずに戻ってきた風花は、いくつかの紙袋を抱えていた。
「こ、これ!これ着てみてっ!!」
そこでようやく、鈍りきった天田の頭の歯車がカチリとはまった。
風花は女性→風花が服を持ってきた→持ってる服はおそらく女物→その服を着せられようとしている→自分は立派な男の子☆
神経回路がそれだけの情報を伝達し、最悪の事態を避けるために手足を動かす信号が発されようとしたときは、既に事態は終了していた。
「か、か、かわいいっ!!」
「うわ······めちゃくちゃ似合う······」
「あ、天田······写真を撮ってもいいだろうか?」
ややロリータ風味が入った、薄いブルーのブラウスと、それに色を合わせたフレアスカート。腰の部分には大きなリボンが添えられ、裾や袖などいたるところにフリルがあしらわれた、可愛いとしか形容できないドレスであった。
「ほぉ······」
「うわ、マジかよ?」
「山岸······やるな」
どうやら男性陣にも、かなり受けがいいようだが、それは何ら慰めにはならない。そして、無言でプルプルと震えるばかりの天田に、アイギスのひと言がトドメを刺した。
「大変、お似合いであります」
「うわあああああああああんっ!!」
見事な逃げっぷりだった。残像すら見えるかという勢いで、天田は2階の自室へと逃げ出したのだ。不覚にも、目には涙が浮かんでいた。
「あ······やば」
「ちょっと、調子に乗りすぎたかな?」
天田の慟哭に正気を取り戻したゆかりと風花を始めとして、そこにいる全員がやりすぎたという表情を見合わせるが、それは後の祭りである。たまだ、この事態の元凶である順平ひとりだけが、いまだに腹を抱えて笑っていた。
「ちょっと、順平。そんなに笑っちゃ悪いよ」
「くっくっくっく······。これが笑わずにいられるかっての。あの天田が泣いて逃げ出したんだぜ?いやー、あいつの子供らしいところが見れて、お兄さんちょっと安心したぜ」
「ホント、大人げないヤツ······知らないからね、天田くんに仕返しされても」
「ま、子供の仕返しなんざタカが知れてるから大丈夫だって。むしろ、オレにイタズラ仕掛けるくらいになれば、アイツも歳相応で余計に安心ってことなんじゃねえの?」
「そう······かなあ?」
周囲の心配をよそに、順平はまったく悪びれたそぶりはなく、むしろ善行を施したと信じている様子である。だが、順平は甘く見ていた。母の復響を胸に生きる小学生が、本気になったらどれほど恐ろしいことになるか、彼はまったく知らなかったのである。
「······っんだ、こりゃああああ!?」
翌朝、寮の中に順平の絶叫がこだました。あまりの悲痛な叫びに、すでに朝の準備を終わらせていた寮生たちが、いったい何ごとかと順平の部屋の前に集合する。
「順平?開けるぞ?」
代表してドアを開ける真田。散らかりきった順平の部屋が、彼らの前にあらわになる。そして、そこに皆が見た物はー。
色とりどりのペンで、顔中に落書きをされた順平の情けない姿であった。一瞬にして、全員が昨日の天田の悔しそうな泣き顔を思い出す。
「ぷぷっ!れさっそく仕返しされてんの!」
真っ先にゆかりが噴き出した。
「笑ってんじゃねーよ!これ、洒落になんねえぞ ······アイツ、全部油性で書きやがった」
拭いても拭いても落ちない落書きに、順平は心底弱りきった声を上げる。落書きの内容も、へたれ、根性なし、変質者、禁治産者、 などなど小学生としては高レベルなボキャブラリーを駆使している。トレードマークのアゴひげの部分には、矢印でポイントされた上に「カビ」とか書かれていた。センスもなかなかである。
「くっくっく、子供の仕返しはタカが知れてるんじゃなかったっけ?あんたさ、昨夜ひとりだけ天田くんに謝りに行かなかったでしょ?言わんこっちゃない」
「っくしょ〜!天田!天田はどこだ!」
「もう、 とっくに登校したわよ。あ、そうだ。もういい時間じゃない。アホの順平に構ってるヒマないわ。行こ、風花」
その言葉を合図にしたように、皆はそれぞれ登校するために散っていった。順平ひとりが自室に残り、天田に対する恨み言を呟きながら、ごしごしと必死に顔をこすっている。
「あの野郎······放課後に折檻してやるっ!」
逆恨み風味で、そう宣言する順平であったが、その言葉は実行されることがなかった。そう、本番はそれからだったのだ。
「だ、だいじょぶ順平?何が魂抜けてるよ?」
昼休み---ゆかりの心配そうな言葉どおり、順平はすっかり憔悴しきっていた。朝の騒ぎのあと、天田が仕掛けたさまざまなトラップが、連続で順平に襲い掛かったのだ。
まず、服を着てカバンを持ち上げようとしたら、机に接着剤で固定されていた。寮を出ようと靴���履いたら、靴先にマヨネーズが詰められていた。駅に着いたら、遺失物の掲示板に「パンツ 伊織順平様」と書かれ、道行く女生徒やOLが笑いを噛み殺していた。学校に着いて上靴に履き替えたら、今度はケチャップが詰められており、シャーペンには芯に見せかけた針金がつめられ、消しゴムにはシャーペンの芯が仕込まれ、教科書を開くと中に挟まれたエッチな写真が落ち、体操着はしゃがむと尻が破れるような細工がされていた。トドメについ先ほど、別クラスの顔も知らない女生徒から、「あのさ、こういうキモイ手紙やめてくれる?マジ迷惑なんだけど」と、 まったく出した覚えのなラブレターに関して、クラスメイトの目の前でなじられ、ついに順平は根を上げた。
「もう······オレ駄目······死にてえ」
ちょっとだけ、その子がチドリに似ていたのも、順平の落ち込みに拍車をかけていた。と、そのときだった。
「あの······伊織先輩、いますか?」
教室前方の入り口から、仕掛け人の天田本人が姿を現わしたのだ。
「あ、天田!てめえっ······!」
と順平が立ち上がろうとしたとき、 先手を打って天田がこう言ったのだ。
「い、伊織先輩······ご、ごめんなさい!」
「へ?」
「お、怒らないでくださいっ!ちゃ、ちゃんとパン買ってきました······から······ぐすっ」
「え?え?」
うっすら涙を浮かべる天田。予想外の事態に焦ある順平に、周囲からの視線が突き刺さる。
「え?もしかしてイジメ?」「うそっ、あんな小さい子を?」「伊織くんサイッテー」
どう見ても、 順平が悪人にしか見えない。慌てる順平は、急いで天田のもとに駆け寄り、小声でささやいた。
「わかった!オレが悪かった!もう勘弁してくれ!明日から学校来れねえよぉ······」
折檻してやると言った勢いはどこへやら、情けなく順平は許しを請う。それを見た天田は。
「僕······すごく傷つきました」
「う。わ、わかってるよ。マジ悪かったよ」
「······欲しいゲームソフトがあるんですよ」
「なっ!?てめ、こら、ゆする気かよ!」
「ごめんなさいー!ぶたないでー!」
「わ、こら、やめ、ちょっと、わかったよ!」
すっかり天田に翻弄される順平。
「くっそう······めちゃくちゃマジになりやがって······大人げねえぞ!······あ」
その順平の失言に、してやったりといった表情を浮かべて、天田はにこやかに言った。
「僕、 子供ですから」
その笑顔は、まさしく子供らしく、それゆえにけっこう恐ろしいものであった。
結論---天田は怒らせないほうがいい。
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交換された体、揺れる心【TSF、入れ替わり】
千尋(ちひろ)は鏡の前でため息をついていた。 フリルのついた可愛い服を着ても、自分の小柄な体型のせいで「子供っぽい」と思えてしまう。身長も低く華奢な自分が嫌だった。「どうして私はこんなに小さいの……大人っぽくなりたいのに……」そんなある日、いつものカフェでぼんやりと窓の外を眺めていると、ひときわ目を引く人物が視界に入った。 背の高い男性――いや、女性のような格好をした人だった。 ピンクのブラウスとフレアスカートを着ていたが、その仕草にはどこかぎこちなさがある。千尋がつい見つめていると、その人物――凌(りょう)が目を合わせてにっこり微笑んだ。「どうかしましたか?」彼が小首を傾げて聞いてきた。声は優しく、しかしやや高めだ。「あ、いえ、えっと……その服、似合ってますね」千尋が慌てて答えると、凌はふわりと笑った。「ありがとう。でも、やっぱりこういう服、ちょっと難しいのよね。体が大きいと、ど…
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2023秋コーデ:天気予報で薄手のジャケットを羽織ろうと出たら何を着ればいい?
秋は気温の変化が激しい季節です。朝晩は肌寒くても、日中は暑くなることもありますよね。そんな時、どんな服装をすればいいのでしょうか? 今回は、天気予報で薄手のジャケットを羽織ろうと出たら何を着ればいいか、2023年秋のトレンドを取り入れたコーディネートをご紹介します。 2023年秋のトレンドカラーは「赤と青」! 2023年秋のトレンドカラーは、なんといっても“目の覚めるような”赤と青です。ピリッとコーデを洗練させてくれる存在に。赤い衿つきトップスや、今注目すべきフレアスカートなどのボリューミーなスカートを合わせれば最旬スタイルの完成! また、秋冬にかけてグレーのアイテムも続々登場しそうです。落ち着いた色味でどんなコーデにも合わせやすく、大人っぽさを演出してくれます。 赤と青のコーデ例 赤いニットベストに青いワイドパンツを合わせたカジュアルコーデ。白シャツと白スニーカーで清潔感を…

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イメコンよもやま話
私は2018年頃イメコンにハマっていた。
イメコンにハマる少し前の時期、今よりおしゃれの解像度が低くて、ツインテール・リボン・ピンクなどが「��わいい」の全てだと思っていた。そのため、それらが似合わないのは容姿が劣っているからなのだとよく落ち込んでいた。
祖母と買い物に行くと、女の子らしい洋服の売っているお店に寄るのだが、試着しても全く似合わず、試着した姿を見せても祖母も家族も微妙な反応...。それを見てさらに落ち込み、なんだか申し訳ない気すらするのだった。
華奢で童顔でツインテールの似合う女の子になりたいなと思っていたが、なれないなとも薄々気づいていた。
そんな時にネットで見かけた「イメコン」。パーソナルデザイン診断(PD)というのを受診すると自分に似合うデザインが分かるらしい。もしかしたら、自分の容姿が劣っている訳ではなくて似合わないデザインの服を着ているだけでは?と思い、希望が持てた。
パーソナルカラー診断1回目
とはいえ、パーソナルデザイン診断を行っているのは個人のアナリストさんでなんとなく敷居が高いように感じた。値段も思いつきで出せる金額ではなかったし。
当時、パーソナルカラー診断(PC)が流行り出した時期だったので、デパートで比較的安価に診断してもらえる��いう案内を見かけ、まずはそれに申し込んでみた。
大人気だったので予約は大変だったが、なんとか予約することができた。窓のない部屋で蛍光灯の下ではあったが丁寧に診断していただき「ブルーベース」の「サマー」で、特にくすんだ青みのある色が似合うと診断してもらった。
顔タイプ診断
ただ、PCでは似合う色は分かるが似合う服の系統は分からない。今度は顔タイプ診断に行ってみることにした。やはり個人のアナリストさんに見てもらうのはハードルが高いような気がしてショッピングセンターの一画に常設しているところに行くことにした。
顔タイプ診断では、写真を撮ってもらい、理論に従って計算してもらった。計算結果は数値が中間だったのかすぐには分からなかったが、まあ「ソフトエレガンス」でしょうということだった。似合う柄など教えてもらった。しかしアナリストさんの「大学生みたいね」という何気ない一言に、当時年次は浅いが社会人だった私はなんとなく落ち込んでしまった。
そんなこんなで似合うものが分かったような分からないようなモヤモヤとした試行錯誤の日々が続いた。ドラッグストアで似合うと診断してもらったコスメを大量に買い、似合うと診断してもらった柄の洋服を買った。毎日Twitter(現X)を見ては自分と同じ診断結果の人がおすすめしているものを見ていた。でも、特におしゃれになった気はしなかった。
パーソナルデザイン診断、パーソナルカラー診断2回目
どうしたらいいんだと悩み、なんとなく弾みもついたので個人でやっているプロのアナリストさんの診断を受けに行くことにした(PC・PD)。抽選は1回外れてしまったが、2回目の応募で診断してもらえることになった。
すごく緊張しながら当日を迎え、しかし同時にワクワクしていた。知らない方とペア診断のはずだったが、その方は都合がつかなくなったとのことでマンツーマンで診断をしてもらった。
自然光のもと、パーソナルカラー診断をしてもらった。ドレープを顔にあててこの色は顔色が綺麗に見える、この色は顔色が暗くなると教えてもらったがあまりよく分からなかった。診断結果は「ブルーベース」の「ウィンター」だった。これは結構すぐに診断結果が出た。
次にパーソナルデザイン診断をしてもらった。雰囲気や体型など見てもらったが、かなり悩まれていた。
診断結果を教えてもらう前に自分では何が当てはまらないと思うか聞かれた。まず思いついたのは「キュート」タイプ。上記のように女の子らしい格好は似合わないと思ったから。正解です!とのこと。次に、見た目的に運動できなそうだから「ナチュラル」でもなさそうとのこと。
最初は、PD「ファッショナブル」で、サブ「グレース」と言われた。大きめのアクセサリーが似合うなど説明をしてもらった。
質問をしてもいいとのことだったので、家族で写真を撮りに行った際に、レースのワンピースを着たがなんとなくしっくりこなかった...ということを写真を見せつつ相談した。
そうしたところ、診断結果を改めさせてほしいと言われPD「ロマンス」で、サブ「ファッショナブル」という診断結果に変わ��た。割合としては「ロマンス」8:「ファッショナブル」2ということだった。
様々説明をしてもらい、メイクレッスンもしてもらった。黒いアイシャドウが案外馴染んで驚いた。
PDの診断に時間がかかったこと、結果が変わったことから私の印象ってあまり輪郭が無いのかなと思った。
その後は診断結果に従って服を選んだ。少し期間を置いて同じアナリストさんに買い物同行もお願いしたりしてかなり熱心にやっていたと思う。その恰好で友人に会って褒められたり嬉しいことが結構あった。服を選ぶ際も明らかな外れを引くことは無くなって楽になった。
(私はブルーベースで青みのあるものが似合うのだが、以前はオレンジの服を買ったり茶髪にしたり良かれと思ってしたおしゃれがしっくりこないことが多かった。)
サイズについて考える
それから少し時間が経って、新型コロナウイルスが流行り始めた頃。
その頃よく見ていた「ソーイング・ビー」(裁縫自慢達が集まって洋服を縫い、チャンピオンを目指す番組)でモデルの体型にあった服を縫えているかという審査基準があった。
モデルの体形に服が合っているかは、私のような素人でもよく分かり、やはり体形に合っている服は素敵だった。
ふと自分の持っている服は自分の体形に合っているのかが気になり始める。コロナ禍で運動量が減り太ったのと、私は日本人女性の平均身長より背が高いので服が小さいかも?と気づく。
「ソーイング・ビー」のように全身のサイズを測ってみる。そして、自分のサイズに合う服をネット検索してみる。あれ...ルミネに入っているようなブランドはサイズ合わないじゃん。特にボトムス。
UNIQLOやGU以外は、外資のブランドであればサイズがあることが分かったのでL.L.Beanをよく買うようになった。後は日本のブランドだとオンワード系列とワールド系列も結構サイズが豊富で助かる(組曲のフレアスカートとUNTITLEDのワンピースはかなり買ってよかったと思っている)。
サイズにこだわるのとPDにこだわるのはなかなか両立しなくて難しいが、ベーシックなアイテムはサイズに合うものを揃えて、アイコニックなアイテムでPDを意識するのがちょうどいいと感じるバランスなのでしばらくはこれで行きたいと思っている。顔タイプがソフトエレガントだから全てが派手だとなんか違うし...
(さらに最近のこだわりは洗濯機で洗える服が買いたい。なかなか服を買わなくなった。)
ファッション難しい
自分に似合う服を着たいのは、人から丁寧に接してもらいたいからという理由が大きい。だからか考え続けているとなんだか嫌になってきてしまうこともある。だって本当は楽な服だけ着ていたいし...
でも自分を客観視してどうすれば似合うか考えていくのは面白くもある。印象を変えられるのも面白��し。
これからも悩まなくてはいけないのだろうか...と嘆きつつ、友人と会う時の服をワクワクしながら選んでいる。
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鳥が飛んでるんだよ。 燕かな?なんだろう? この子、ボンボヤージュで初お披露目、イベントの詳細は6枚目の写真にて🤳 #かさねフレアスカート #カンガ #アフリカンファブリック #スカートコーデ #カンガコーデ #🎶 #overyou #ボンボヤージュ (別府市社会福祉会館) https://www.instagram.com/p/B8Ngjd2pU3X/?igshid=y1vy4h20upkv
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高橋に結婚したくないんだよね、と溢された。親身になって聞くふりをするのは、見た目からして嫌いな女のことをもっと嫌いになりたいから。
慶應の男だった。大学一緒なの、と問うと女子大、と返されて安心した。図るにお茶女ではない。インカレサークルでマネージャーをやっていた、女子大卒の事務員。馬鹿そうな女で良かった。
女の父親は東法卒の官僚らしい。千代田区在住。なんだか察しがついた。
指輪にティファニーを強請られたと聞いて、ティファニーを強請る女ってどんな趣味をしているのだろうと気になった。マッチングアプリ広告顔で、ブルーの箱に108本のバラを贈れば喜ぶような女。最低ラインSHIHARAでしょ、と思うけど誕生日に年齢のバルーンを飛ばしてるくらいだから相応しいなと思った。
あの甘ったるい顔、snidelとか着てそうと思って口を開きかけるとGU、と言われた。26歳で?GU?サンキで叩き売られてるフェルトみたいなコートに、ダイソーのカーテンみたいにぺらっぺらのフレアスカートでも纏うのだろうか。ELINもTOGAも、UNITED TOKYOさえも着ない。ましてやルミネエストですらないのかよ。2人で一生ファーストリテイリング着てれば?ユニクロとGUなんて、とってもお似合いじゃん。私はもうルミネエストには行けないけど。
今の彼女は清楚に見えるから親ウケが良いと言われる。おつむが弱くて安っぽいから簡単に手懐けられそうに見えるだけでしょ、と思ったけど黙っていた。稼げない男ってこぞって芋っぽい女を選ぶよね。
そしてその隣に並ぶのは女に親や友達を固められ、「情で結婚を決めた」と宣い、まだ遊びたい、絶対不倫すると元浮気相手の女にぼやく男なわけだ。だっさ。ぬるいこと抜かすな。自分の意思で守りきる覚悟も持てない男と関係を築いてきた、という事実に、自分の価値が目減りするようで身がすくむ。慰謝料って親への紹介済ませてたら���求できるんだって、女のインスタに旅館の浴衣着たツーショットでも送ってやろうか。
まあ多分幸せになれないだろうし婚約破棄すれば?という思いと、でもこの人たちが堕ちていくのを見たいという好奇心が揺れる。10年?いや、5年も持たないんじゃないかな。私はケーキのいちごは最後に食べる派。
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2022/11/19〜

11月19日 スーパーの半額のお豆腐の賞味期限が、11月20日日で「?」だったけれど、もう11月も19日だったとは!
今日は税関スタンプラリーのために横浜へ行った。横浜へ行く道のりや、横浜の街の位置感覚を少しずつ覚えてきている。新しい街の事を少しずつ知ることができている感覚が、久しぶりで新鮮で楽しい。 横浜は人が多かったけれど、海が広いからか、何かゴミゴミした感じがしなくて、ずっと開放的な気分でお散歩ができた。

カスタムくんファン(?)が思ったよりも多くて、スタンプラリーに参加してせっせとポイントを巡っている人たちを見て焦ってしまい、あまりスタンプポイントの施設をゆっくり見学することができなかった。また海上保安庁の博物館に行きたい。あと、山下公園の近くのシルク博物館が気になったのと、山下公園入り口のインド取水塔ご工事中だったので、次は見られるといいな。 なるべく芝生を歩いて、犬やシャボン玉をする親子やクラリネットの練習をするおじいさんに混ざって歩いた。 横浜はデートスポットのイメージがあって、1人で出かけることにどこか不相応な気後れがあったけれど、午前の時間だったからか、山下公園ではお婆さんたちがお弁当を食べたり体操を��たりしていた。 赤レンガではお祭りが開催されていて、たぶんその運営スタッフさんが、赤レンガ倉庫の際で海を向いて、たぶん崎陽軒のお弁当を食べていて正解な感じがした。

イチョウもとても美しく黄色く映えていた。
ふらっと1〜2時間お散歩だけした横浜。 こんな感じでたまに訪ねて、少しずつ街を知っていきたい気持ち。苦手意識が薄れてきている!
今日が返却期限の本を返しに図書館へ行き、乗り換え駅で切らしていた化粧品を買って、フィルム現像を出して、早めに帰宅できてえらい。
スタンプラリーを巡ったゴールでカスタムくんキーホルダーをもらったよ! ゴールの税関で職員さんにスタンプラリーカードを渡すと「キーホルダーとカスタムくん、どちらが良いですか?」と訊かれ「カスタムくんキーホルダーが良いです!」と答えてしまった。 昨日からちょっとしたディスコミュニケーションが続いているな…
サンタクロース村は、ステージとモニターが設置されていて、もうすぐクリスマスシーズン開幕のイベントがあるみたいです。

11月20日 雨が降りそうないい天気で、雨が降ってからはダメダメだった!��定を済ませて、掃除をして、フィルム現像をとりに行く。お花を買う。 少しずつ増える手荷物と折りたたみ傘で、腕も手も塞がるけれど、帰りにスーパーにも寄ってしまう。 焼魚が食べたい日々で、でも電子レンジ調理が限界のところで、レンジ焼き魚を作れる箱をamazonで見つけたので買ってみた。夏休みの自由研究みたい。今朝届いていた事をスーパーで思い出して、生魚を買ってみようとするけれど、もしかして塩とか酒とかも必要?と不安に色々考え始めているうちに、目を付けていた半額の鯖の切り身たちが、目の前でどんどん他人のカゴの中に入ってなくなってしまう。 もう少し余裕のある時に生魚を買おう、と、コンビニの焼き魚を買いに行くと今日に限って欲しいお魚がない。 もう一度スーパーへ戻り、さっき買ったものを片手にレトルトの鯖を持ってレジへ。 今日はこのスーパーで10%引きクーポンの配布だったので、ものすごく姑息な手段で2枚クーポンをゲットしてしまった感じで落ち込んだ。雨の日はダメだ。
これは私が摂食障害だから、スーパーとコンビニを行ったり来たりして、これしか食べたくないものに取り憑かれてこだわってしまうのかしら。みんな、鯖の塩焼きが食べたいけれど、赤魚の煮付けで妥協しているのかしら。

昨日の税関スタンプラリーを終えて、先の楽しみがすっかり分からなくなってしまった。 インスタグラムをみると、なんと!マンスーンさんも昨日このスタンプラリーに参加して、カスタムくんを手に入れていた!!
お花屋さんで、男性のお客さんが「紫の花で…」と花束のオーダーをしていたので、担当カラーが紫の推しに送るのかな、と思った。
11月21日 気がついたら16時だったし、とても居残りをしてしまい、逆にハイになって疲れがわ���らない。明日は研修なのに。
でも、その中でも、学生時代に憧れていた友人が目白でオフィスを構えて、そこで不定期でブックカフェを開いている事を知る。 近々目白に行く予定なので、場所を聞いてみようかメッセージをしようと迷い中。 こないだ夢に出てきてから、会いたい訳でもなく、ただいたずらにメッセージを送ったりしたい!と思っていたので、ちょうど良い。
お手洗いで、おしゃれな方から「黒の革のフレアスカート履いたりしない?」と、状態が良ければあげるわ!と言ってもらう。
1期下の方から弘前のお土産をいただく。 貯めたマイルで、ランダムに選ばれた旅行先へ行ってきたとのこと。ちょっと気になるので調べてみよう。
本の電子化の注文をして、配送用の段ボールを注文した!えらい!

11月22日 東京で研修。やっぱり東京は暖かくて、室内は暖房がよく効いていて、ぼーっとしてしまう。頭を頑張って稼働させて、目と脳が痛い。 懐かしい方々に会えて、とっても笑顔になったり、もう2度と会わないんじゃないか、な、全国津々浦々な方々に会って、名前を伝え合ったりして顔が疲れた。
絞り出す会話を、本当に絞り出しています!満載でやってくる人もいれば、スマートにやり過ごす人もいて、私は何も絞り出せずおどおどしていた気がする。
前の職場の方々にご挨拶をした。 みんな覚えていてくださっていて安心して、自分の苗字が珍しくてよかったね、と思った。 手土産に、と近江屋洋菓子店でマドレーヌを購入。平日の朝だからか、たくさんの種類のパンがあって、目玉焼きの乗ったラピュタみたいなパンがあるな〜と思ってみてみると“フレンチトースト”とプレートが立っていた。
研修の帰り道、とに��く疲れていて、1期下の方と上野公園までお散歩して帰った。とにかく疲れていたのに夜の東京さんぽがとても楽しかった。 東京で働きたい!と改めて思ったり、やっぱりこのままでいいのかも、と思ったり、クリスマス何しよう、と思ったり、でもとにかく疲れていて、自撮りをして適当にSNSを更新したりした。

11月23日 雨だ〜と、窓を少し開けて二度寝でうとうとしながら、たぶん現実のお隣さんの会話と、自分の夢の間を行ったり来たりした朝。 お隣さんは2単語しりとりをしていて”◯◯の××”みたいに意味の通じるワードでしりとりを続け“◯◯のやかん”と言ったところで「それはなしでしょ〜!」と笑い合っていた。私は、そもそも“ん”がついてるじゃない!と思っていた夢。

昨日の疲れを引きずって、たくさん薬を併用して外に出る。久しぶりにお友達に会えてとっても嬉しかった!お休みの日に誰かとお茶をするのが、とても久しぶりだった気がする。 嬉しくって、昨日の研修がとっても疲れたことから将来の不安までたくさん話してしまった。 友人は、私のコートとワンピースのボタンを付け直しながら話を聞いてくれた。お茶をしたデパートのクラシカルな喫茶店もとても良くて、注文したシナモンティーのビジュアルが2popだった! ボタンを付け直してもらったお礼に、ナインチェサブレを旦那さんと2人分渡すと、旦那さんはこうゆうキャラクターを模したお菓子を食べることに抵抗がある方だ、と教えてくれた。 それと、彼女たちは昨日が結婚記念日だったことを私が思い出し、よく覚えているな!と言ってくれた。 やっぱり今でも、友人が誰かと結婚して暮らしていることが信じられない時がある。
定期入れに昨日の研修でもらった全国津々浦々の名刺を入れっぱなし。愛知とか新潟とか青森とか。
年末になるとどうしようもなく寂しくなるのは、友人も同じらしく、誰かと暮らしたりすれば解消するのか?と思っていたのは、私のただの他力本願で、結局誰かといても気分が落ち込んでその相手に勝手に絶望するところでした!危ない〜。

11月24日 2回連続で職場の食事会をドタキャンしようとしている。もう気持ちがダメでちゃんと人と接するモードを保てる自信がなく、もちろん食事もできないし、お部屋の掃除をして寝るのが1番!の気持ち。 こんなにもドタキャンをしまくっても、有効的モードで社会でいられるようになれば、今後もやっていける気がするし、何より自分をダメにしてはいけない!誰か無理しないでいいよ、って言って!という気持ち。
髪を切ったら2週間、ネイルをしたら1週間は自分の体にしっかり馴染むまで時間がかかる傾向。
昨日久しぶりにアボカドを、ちゃんと皮を剥いて包丁で輪切りにして食べたら、それだけで美味しかった。
11月25日 上司がブラックフライデーでダイソンの送風機を買った話をしていて羨ましい。
今日の回はお断りしてお家で掃除と電子書籍化する本の配送準備をした。 ��けなくなった事を伝えると「わかりました!理由書いてもいいですか?」と、とっても明るく対応してくれて少しつらかった。 理由はないので、ちょっともうダメで…、と本音を伝えた。 午後になって「予定がないのなら、少しだけ、飲み物一派だけでも行きません?車で送りますし!」と言ってくれる。ちゃんと断って、今、おうちで日記を書きながらお香を眺めている。
なんというか、生まれつき元気がない人と生まれつき元気な人がいるよね〜、と思った日だった。
革のスカートをもらってくれないか、と言ってくれた方から黒のスカートをいただく。 切りっぱなしのフレアスカートでかわいい!ただデニムの上から試着しても腰下まで下がってしまうので「あ〜サイズがだめか〜」となった。でも何かしらの工夫で着たい!と思い、いただいて、帰り道でベルトを買ってみた。それと落としてしまったBluetoothイヤホンも買ってブラックフライデーをした。 「タンスの肥やしなので〜、ありがとう。」と、人に服をあげられる豊かさって良いな。 私も次は服を売ったりする準備をしたい。
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おしゃれについて
療養中で時間が有り余っているせいか、近頃はおしゃれのことで頭がいっぱいだ。明日は何を着ていこうか。目的地は病院なのだから着飾る必要なんてないのだが、せっかく私服を着る機会なのだし、と気合を入れてしまう。それにお気に入りの服を身に纏って外に出ると、少し気分が上がる気がするのだ。
私はファッションセンスがある方ではない。出身地がイオンが頼りの田舎だからというのもあるし、おしゃれに興味が薄い親に育てられたからというのもあるし、天性のものでもある気がする。病気で定職につけずにいたためにお金がなく、持っているのはプチプラのものばかりだ。
それでもコーディネートを考えるのは好きだ。クローゼットのものを取っかえ引っ変えし、好みの組み合わせを見つけた時には心が踊る。時々、感じを変えてみるのもいい。レースのスカートをヒョウ柄のものに変えるだけで、違う誰かになれた気がする。小さい頃にやった変身ごっこみたいだ。
巷では少し前から骨格診断、パーソナルカラー診断、顔タイプ診断なるものが流行っている。私も流行りに乗っかりセルフ診断をしてみた。結果は骨格ストレート、イエローベースのスプリング、顔タイプエレガントだった。やってみて納得、という感じだ。私は服を選ばないと着膨れてしまう。漆黒が似合わないし、丸っこいシルエットのものを着るとチグハグな印象になる(オーバーサイズ、好きなのでちょっと悲しいのだが)。骨格診断に縛られるのが嫌だと言う人もいるが、私はやってみてよかったなと思う。やらなければ未だにボーイッシュな服を着る女の子への憧れを引きずっていただろうから⋯⋯。骨格診断には3種類のものと7種類のものがあるらしい。7種類のものを試した結果、クラシックだった。トラッドのようなカッチリした品のある服が似合うらしい。
30代になり今まで着ていたものが似合わなくなったので、これはいい機会だと思った。どうせなら診断結果に沿ったものを着てみよう。ジャケットもヒールも敬遠していたが、着てみるとあら不思議。びっくりするくらい顔に馴染んだ。そういえば昔からガーリーやカジュアルを着ると顔だけ浮いてしまうという現象に見舞われていた。いくら着崩そうとも顔面からクソ真面目な雰囲気が漂うのである。ヤダー!と嘆いていたがなるほど、私のツラが求めていたものはジャケットだったのか。ベーシックな紺色のダ��ルテーラードジャケット。可愛いではないか、お前。羽織るだけでどんな服も真面目顔になってしまうところがいい。
ヒール。昔から苦手だった。履いて歩くと疲れるし、コツコツ音するのが高飛車で嫌な感じ。女性らしさが強調されるのもいただけない。と思っていたが、チャレンジしてみることにした。下駄箱に眠っていた黒いパンプスをジャケットに合わせて履いてみた。な、なんと。足が長く見える(当たり前だ)。短足でボトムスが映えないことに悩んでいたが、ヒールを履けば人並みのスタイルになれると気がついた。今まで敬遠していた分を取り戻すようにパンプスを履くようになった。
フレアスカートが似合わないことに悩んでいた。足が太く見えるのだ。それをタイトスカートに変えてみたら、おお、いけるじゃないか。ジャケットにタイトスカートにヒール、かっこいい。シャツを合わせるとフォーマルすぎてしまうので、ロゴ入りの長袖Tシャツで外すのがポイントなのだ。えーと、多分。
そう、ようやくカジュアルとフォーマルの見分けがつくようになってきた。今までコーデの成り立ちが全く分からなかったが、「自分にはフォーマルが似合う」と意識してから何となく理解できるようになった。「着崩す」だの「外す」だの、何を指してるのそれは、という感じだったんです。賢い人はもっと早くにコーデの成り立ちに気がついて、トレンドに振り回されない買い物をしていたんだろうな。若い頃から分かっていればもっとファッションを楽しめたのかもしれない。悔しい。ん? ちゃんと分かってるよ。スニーカーはカジュアルで、革靴はフォーマルなんでしょ? じゃあオーバーサイズシャツチュニックはどちらかと聞かれると⋯⋯フォ、フォーマルよりのカジュアル? じゃあヒール有りのビットが大きいローファーは⋯⋯や、やめてー。難しい。ファッション難しいよー。
避けていた服を試してみて思う。もしかして私は、人から真面目に見られることを避けてきたのでは、と。私は人からよく「真面目そう」と言われる。事実クソ真面目なので外れてはいないのだが、本当のことを言われるのってあまりいい気はしないものなのだ。何事にもかしこまりすぎる自分が嫌で、人の目を気にせず飄々と生きる女の子になりたくて、カジュアルな服を手に取ってきたのではないか。しかしフォーマルな、いわゆる「真面目な服」を身に纏うと、ウンウン頷いてしまうくらいしっくりくるのだ。カタブツな自分を受け入れられるようになってきたということだろうか。30代にしてようやくおしゃれの原点を見出した気がする。
ちなみに「服が好き」と言わないのは、その地点に到達していないからです。私はアウトレットモールすらない、8割の人間はユニクロやGUで服を買うような田舎に住んでいるので、いい品物を目にしたことがほとんどないのである。だからあのブランドはあんないいものを作っていて、と言われても、まあピンと来ない。だって見たことないし。車で4時間ぐらい走らなきゃハイブランドの店もないし。都会ではドリスヴァンノッテンやオーラリー、ヨウジヤマモトが流行ってることは(YouTubeで見たから)何となく知ってるけど⋯⋯。ヨウジヤマモト、うん、昔からある⋯⋯なんかダボダボしてて黒いんでしょ? 素材のこともよく分からない。コットンはシャツとかによく使われてて、ウールはあったかくてちくちくで、レーヨンは薄くてとろとろ、くらいの認識だ。ふ、服にまつわる一つ一つのストーリーを大切にする⋯⋯? ストーリーを知るためには店員さんに話しかけなきゃいけないよね? コミュ障にはハードルが高い。付き添いが必要なレベル。ね、ほら、駄目だよ。こんなんじゃ服好きを名乗れません。こないだまで古着屋に置いてあるコンバースが何で高いのか分からなかった人間ですから。
今のところお気に入りは、私を似合う服に導いてくれたテーラードジャケット。羽織っていて一番しっくりくる。古着屋で見つけたヒョウ柄のタイトスカート。履いていると強くなれる気がする。母からもらったダイヤの指輪。シンプルなデザインで可愛い。左手の薬指にしか入らないので、よく結婚しているのか聞かれる。んな人いません。まる6年彼氏いません。
次買うものも決まっている。地元の雑貨屋で見つけた真鍮のイヤーカフだ。シンプルな形で、表面に鱗模様が入っている。厄除けの意味があるそうだ。キラキラしていて強そうでかっこいい。ほしい。レースのシャツも試してみたい。スウェットから襟をのぞかせたらきっと可愛い。少ない古着屋を辛抱強く回り、いい出会いを待とう。
もうすぐ雪が降る。新しいアウターをおろすのが楽しみだ。誰も見ない私の服。大好きな私の服。
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HELMUT LANG 巻きスカート ¥1700+tax
はい、見た瞬間購入可決したデザインです。
初めて見たブランドだけどオーストリアの、メンズの方が有名なブランドなのね。
見てよこの人を戸惑わせる謎の怖い柄……禍々しすぎる。こういう線ぽいガサガサしたモノトーンの柄が好きすぎる。けど同じような柄のスカーフ巻いたら怖くなりすぎてそれぞれを単体で使うしかないみたい、がっかり。
下北沢の古着屋で買った。ジャージ素材なのかな?H&Mでよくある伸びる素材。
ウエストたるんでたので手縫いで詰めた。前はともかく後ろはかなりあからさまなシルエットである。
これ、何合わせたらいいのでしょうか?
今日いいな♡と思っている人の家でオズワルド のライブ鑑賞(あたらしいとうきょう)するんだけど、最初このスカート履いてこうとしてさすがになんか3回目のデートとしてはあからさますぎるかな……美容院で髪巻くし合わなさそう……と思ってやめてLilly brownの無難なフレアスカートに差し替えました。
髪を巻けないのに、ここまで伸ばしてきたのだから、という惰性で髪を伸ばしています。椎名林檎になりたいのでやっぱりショートに戻りたいよお。
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まさよちゃんはいつも可愛いスカートにブラウス着て正統派のおしゃれさんだけど、頑なにそのスタイルを崩さないので 「デニムもワンピースもきっと可愛いよ。まさよちゃんならなんでも似合うのに。」と余計なお世話を承知で言ったら
「あたし 呪いにかけられてんの。」 って。 呪い?
「男(笑)。昔恋人に 『まーちゃんはホントにフレアスカートが似合うね』って言われたの。30年前よ」
好きな人の言葉は 魔法にも呪いにもなるって話。
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孔雀の羽みたいに見えるんですが、どうなんですかね?? これも、カンガさん。 相変わらずお気に入りの水色地の赤小花。 そして、奮発する玉虫色のリボン🎀 生地がないもんで…この色合いはもう二度と出せません。 #孔雀 #孔雀の羽根 #赤い花 #かさねフレアスカート #スカートコーデ #ペタンコ靴 #水色コーデ #ootd #ファッション #🎶 #笑おう https://www.instagram.com/p/B7n1g59A1Um/?igshid=5pwgpaa29gfk
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#newarrival #india #longskirt #hellooctober🎃 . . 少し前にお店にUPした #ロングスカート ♥ 夏とはちがう ずっしり or しっとり系の レーヨン素材でおすすめです。 (表現力が乏しい…トホホ😅) . . 🌾🌾New Arrival🌾🌾 . ▓刺繍とストーンウォッシュ のフレアスカート . . 「綺麗な秋色にストーンウオッシュで 落ち着いた雰囲気をプラス♪フロント側は 可愛い刺繍がポイントになっ、ゆったり ロンスカです😉じっ〜くり見ないとわからない けど、それぞれの色ごとに刺繍のボトム デザインがちがうんです💜何を着たらいいのか やや迷うこの時期、けっこうおすすめです◎」 . . ✅5color ✅FREEサイズ ✅ALLシーズン対応item . . RealColor https://www.realcolor.shop/ ◼商品の詳細は画像をタップor プロフ下のURLよりどうぞ ◼お気軽にお問い合わせ下さい . . #リアルカラー #realcolor #新着アイテム #newarrival #エスニックファッション #ethnicfashion #エスニック #ethnic #大人エスニック #エスニックスカート #longskirt #スカート #ロンスカ #刺繍 #お花の刺繍 #embroidery #ストーンウオッシュ #エスニックファッションが好き #十人十色がいいよね https://www.instagram.com/p/CjSgXWgppPp/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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道路に飛び出した猫を助けようとして、亜美は事故に遭った。 なんて嘘みたいだけど、それは紛れもない事実で、亜美は左脛を骨折した。パパもママも、もちろん私もたくさん心配して、怒って、安堵した。当面仕事はキャンセル、ゆっくり休めるなんて亜美は言っていたけれど、その言葉が本心じゃないのはわかっていた。 だって、猫は助からなかったから。
今日���、亜美は病室に不在。けれど私も慣れたもので、病棟のナースさんへ愛想を振りまいてエレベーターへ乗り込む。庭園のある七階はラッキー・フロアだと言って亜美はパパに叱られていたけれど、私も本当はそう思う。こんな場所だからこそ些細な幸運も大事にしたいし、それが場違いな気持ちだとも知っていた。 亜美は、知っていてそれを言葉にできる。 ラッキー・フロアの自販機でホットレモンとココアを買って、庭園行きのガラス戸を開く。よく晴れた青空と、踏みしめるタータンの濃緑と、その間を区切る私の背丈の二倍はある無遠慮な金網。 亜美はそこで、いつもしているように、隅のベンチに腰かけ空を見上げていた。 やっほ、と声をかけ隣に腰を下ろしてはじめて、ベンチに昨日の雨が残っていたことに気付く。スカートに滲みた水滴は腿を冷やし、だけど幸いにも被害はそれだけで済んだみたいだった。 「……どったの?」 怪訝な表情を向ける亜美へ、なんでもないよと返す。昔だったら、なんて考えるのはきっと、心が弱ってる証拠だと思う。 (見てよ亜美、これ! もー、サイアクだよー) (んっふっふー、甘いぞ真美隊員、亜美なんかほら、おしりまで!) 揃ってデニムのミニから伸びていた、私の足はフレアスカートに包まれて、亜美はストレッチジーンズを履いたりなんかして(今はパジャマだけれど)。 「真美ー、どうかしたー?」 「どうもしてないよ。……たぶん」 隣から、亜美の声。私の返事は、上の空。 もしかして、緊張してるのかもしれない。金網が威圧的だから、亜美の横顔がすごく大人に見えたから、空が青いせい、ベンチの水滴のせい。どれも正しいし、だけど、どれも正しくないって思いたい。 「やっぱり、真美のほっぺは気持ちいいねー」 突然に、むぎゅっとつままれて、なぜられて、引っ張られて、私の頬は亜美の思うがままに形を変える。 「……だめだよ、亜美。真美のほっぺはみんなのものなんだから」 それと同じに、私の心もかたちを変える。亜美の望むまま、とはたぶん少しだけ違って、だけど私たちが好きなかたちになる。 「ごめんごめん、……じゃあ、用事思い出した?」 あらためて問われ、私は肯定を返す。うん、と言葉にして、頷いて、笑顔を渡す。これは、私たちの特別。他の誰とも違う、二人だけが知っている、この共犯の関係。 そうして私は、手にしたままだった、ふたつの紙コップを亜美に差し出す。 「ホットレモンとココア、どっちがいい?」 十代最後の春は、そんなふうにして始まったのだった。
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事務所からは一時間、家からも、だいたい同じくらい。 亜美が事故に遭った現場は、都心から���し離れた海沿いの街だった。 よく晴れていたその日と違って、今日の天気はご機嫌ななめ、風は強いけれど雨が降る様子はない。太陽がのぞかないせいで冷え込んだ空気に、私たちは並んで身を震わせた。 海岸線に並んで走る道路、強い風に並び立つ木々が揺れていた。海も当然荒れているらしく、サーフボード片手に白波に向かう人たちの姿が点々と見受けられる。 あの日とは、だいぶ印象が違うんだとか、そんなことをぼんやりと考えている。 「真美ー、まだまっすぐだっけ?」 赤信号の前で振り返り、亜美は私へ手を、松葉杖と一緒に振ってみせた。私は辺りをぐるりと見渡して、返事と一緒に青に変わった信号へ踏み出していく。 並んで歩く、亜美の速さで。 「この坂、ってことはもうすぐ?」 海岸道路へ下る、車線もないのにやけに広く、なだらかな坂を示す。 「うんにゃ、似てるけどこれじゃないね」 そばに学校があるんだよ、と右手側へ見えている古びたホテルを指さした。 「よく覚えてるね、一回来ただけなのに」 「ほら、亜美のが撮影先だったっしょ」 そうだったっけ、とこぼして亜美は口をつぐんだ。思い出しているのか、考え込んでいるのか、立ち止まって前髪を整える仕草からは、伺い知ることはできない。 実際、私が周囲を観察したのは待ち時間ではなく、事故の後だった。機材車で運ぶか救急車を呼ぶか決める間、救急車が来るまでの時間、私は周囲の気遣いによって亜美と近付けられたり引き離されたり、ともかくけっこうな時間をここで過ごしていた。だから、この辺りの風景も覚えているし、現場の混乱も覚えているし、亜美の朦朧とした表情も忘れられない。 「ここだよ」 そう、私が言うまでもなく亜美は理解したようだった。右手の学校、グラウンドに沿う側道をペースを上げて、松葉杖が刻む歩調は変拍子。亜美を避けた車が歪めたガードレールを気にも留めず、その視線は、側道が歩道と交わる一点へ向かう。 やがてたどり着いたその場所で、亜美は深く息を吐き出した。 「……これ、だよね」 歩道の先、綺麗に刈り込まれた草むらに、ぽっかりと穴が空いたような土の色。一度掘り返し、埋めて、上から心ばかりと草を被せ、立てられた枝は風雨で倒れてしまっていた。 「うん。間違いない」 これは、お墓。 亜美が助けようとし、助けられず、車に轢かれて命を落とした猫の墓床。あの日、出会ったばかりの白い猫は、近付く亜美をふっとかわして道路へ向かい、そのままこの世界から去っていった。 「あの、カメラマンさんにお礼言わなきゃ」 「作ったのは、アシスタントさんとメイクさんだって」 亜美は、膝を地面につけて松葉杖���手放した。私は、手提げから取り出した一掴みの花束を手渡す。 この花はきっとあの子に似合ったと、亜美はキンポウゲの黄色い花をお墓に供える。白い毛並、少しくたびれた純朴なその姿には、こんなささやかな花。 亜美は花を添え、両手を顔前で重ねるとただ一言、ごめんねと呟いて、瞳をそっと閉じる。私も亜美の隣で、小さく手を合わせて安寧を願った。 時間にすれば、どれほどだろう。決して短い時間ではなかったように思う。けれど、私が目を開いても、なお亜美は祈り続けていた。 それから、ややあって、瞳を開き空を見上げる。曇り空、手のひらは重ねたままで、その透明な視線は淡い光を反射している。 やがて祈りは終わり、私たちは帰途へ着く。言葉は少なく、わずかばかりの小さな声も、吹き抜ける風に溶けていく。 亜美は、何を祈り、どんな言葉を交わしたのだろう。 消えそうな背中へ、私は何も聞けずにいる。
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「亜美の様子が変って……待って待って、ちゃんと話してちょうだい」 芸術的な包装のチョコレートを開封しながら、りっちゃんは少し落ち着いてと私をたしなめた。湯のみから昇ったほうじ茶香る午後の事務所には、私たち以外の姿はない。 そういう時間を選んだのだから、当然。 「えっと、最近亜美が退院したんだけど……」 「それから、ってこと?」 その前、事故に遭ってからのこと、猫のお墓の前でのこと、そんなことを言おうとして、だけど口をつぐんだ。 久々に彼女に会えて、嬉しくて弱音をこぼしてしまったけれど、これは本当に話すべきことだろうか。何も考えず、思いついた順に話す。そんな子供はもう卒業すると誓って、数年が経っている。 「……うん。やっぱり、ヘンだと思う」 けれど、だからこそ大事なことは黙ってちゃいけないと思う。言葉の持つ力を知って、知りながら使いなさいと教えてくれたのは、他でもない彼女だった。 「なんていうかね、そこにいないんだよ」 元気がないのは当然。部屋にこもりがちになるのだって仕方ない。でも、前は、たとえばインフルエンザで寝込んでた時だって、隣の部屋に亜美を感じてた。扉を開けばそこに亜美がいて、すやすや寝息を立てていて、私はそっと毛布を直して飲み物をベッドサイドに置く。そう、自然にできてたんだよ。 けど、今は違う。もちろん顔も合わせるし、二人でゲームして、ご飯たべて、お風呂入って、たぶん前よりも一緒の時間は長いかもしれない。なのに、亜美がいる気がしないんだよ。扉を開けたら、亜美がいなくて、もしかして最初っからそうだったんじゃないかって、思っちゃうんだよ。 「……ねえ、りっちゃん」 一方的にまくし立てた私の言葉を、きっと一つも漏らさず受け止めて、彼女は足を組み直した。 「もしかして、私がおかしいのかなあ?」 午後の陽射しは、春の空気でくすんでいる。窓の外から遠慮がちに忍びこむ喧噪を追い出すような静寂と、その中を漂う、少し荒れた私の呼吸音。湯のみを掴もうとして、チョコをつまもうとして、やめる。 「少しもおかしくないわ。真美も、もちろん亜美も」 宙を泳ぐ、私の指先を掴むような強い言葉。もちろん指先は握られてはいないのだけれど、その代わりに、彼女の瞳は私の心を掴む。 「ただ、大きな階段を昇ろうとしてるだけ」 無責任だけどね、とため息混じりに加えるその声は、まるで言葉通りじゃない。言葉の重みをあえて軽い口調に溶かしてみせる、彼女の技術。 あるいは、そうあってほしいという彼女の願い? 「りっちゃんは、もう昇ったの?」 だから、私の疑問も一つの願いなのかもしれない。何十もの国を渡り歩いたその強い心ときれいな感情が、私の辿ろうとしている道の先にあってほしいと、願いよりは、これは祈り。 星空に向けて両手を重ねるような、ささやかな。 「真美、こっちおいで」 解答を放棄して、彼女は私を手招く。私は聞き返すこともせず、彼女のそばへ寄り、ソファに腰を下ろし、包むように抱きしめられる。 「やだ、大胆」 「うるさい」 軽口は一つだけ。目を閉じて、心を委ねる。 シャツのボタンが頬に触れてくすぐったい。息が少し苦しくて首をひねる。髪に触れて背中を撫でる、彼女の手のひらが、心臓に脳に、そのもっと奥に届いて、優しい。 ライブの日の夜、あったかいお風呂にたっぷりつかってから潜りこむ毛布の何千倍、もっと、何千万倍? 亜美と喧嘩をした夜の、お母さんの膝の上? もしかして、そのお腹の中にいた頃の感覚? 「あったかいね」 あらゆる思い出、記憶の何を尽くしても表現できずに、出てきたのはたったの一言。あまりに無力で、けれど本質的に思える小さな言葉。 「他人って、悲しいわ。きっと、一生の時間を費やしても、絶対的にわかり合えない」 私に触れる、彼女の指先に力が入る。その声は、心なしか震えているように聞こえる。 「でもね、真美。亜美と真美なら、できるのかもしれない。そんな気がするの」 それで、気付く。彼女の温もりが私の心に触れるように、私の温度も彼女の心に触れている。 私を抱きしめた、彼女に何を返す? 「亜美のそばにいて。あなたにしかできない」 その声が届くかどうか、彼女が言葉を終えて息を吸うその瞬間に、私は一息に顔を上げてその胸の内を離れる。さすがに驚いた、そんなふうに目を丸くした彼女へ、力強く無力な言葉と一緒に、いたずらを仕掛ける。 「そんなの、あたりまえっしょ!」 受け取って、りっちゃんは笑う。あんたって、そう呆れながら、抑えられないみたいに大きな声で。 私も笑う。抑える理由もないから、大きな口を開いて。 私たちのこの声が、大切な人たちへ響くように。
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日、暮れ行く帰り道。季節はまだ、少し寒い。地味で厚手な灰色のパーカーとワンピース、肩にかけた小さな黒のボディバッグ。もうちょっと考えればよかったと思い、あとは帰るだけだからと自分を納得させる。 何もかもうまくいく日もないみたいだと、知った日の悲しさを思い出した。 マンションのエントランスから、キーを差してエレベーターへ。顔見知りのおばあちゃんに声をかけられ、他愛ない言葉を交わす。何か嬉しそうねと言われ、他人って悲しいとその言葉を浮かべながら、わかっちゃうんだねと笑顔を返した。 ただいまと部屋へ帰ると、あるはずの気配はなくテレビの音も聞こえなかった。お父さんは当直だけど、お母さんはいるはずなのに、とそこで仕事で帰りが遅れるという��ッセージに気付く。冷蔵庫の食材を確かめて、残っていたスープと切り揃えられた葉物野菜、メインに何か一品で良さそうだと献立に検討をつけた。 あまり、空腹は感じていない。 亜美はどうだろうか、ずいぶん静かだけれど。リビングから亜美の部屋へ向かう、意図せず足音を立てないのは、柔らかいスリッパのせいか、怯えているからなのか。 壁のよごれ、マジックを消した跡だとか、削れた壁紙だとかを指でなぞりながら短い廊下を歩く。貼り替えちゃえばいいのに、と主張する私たちへ、これはそのまま残しておきたいんだとお父さんは笑って応えた。その気持ちが、お父さんとは違うかたちだとしても、今ならわかるような気がしていた。 ベッドの上、亜美は眠っていた。閉め切らないカーテンの隙間から差し込む、スポットライトみたいな夕焼けにくるまれて、安らかな寝息をたてている。横に向けた、体を小さくまるめて、まるで生まれる前の姿みたいに。 ドアを閉めて、亜美のうしろへもぐり込む。柔らかなベッドに招き入れられて、亜美の背中へ顔をくっつけ、目を閉じる。 ちょっとだけ、体温が高い。眠っているからだろう。規則正しい寝息は私より深く、胸の内から伝わる鼓動もゆっくりと続いていく。 心地良い、亜美のリズム。たとえばこれが、私と同じだったなら、私は亜美を感じることさえできない。 違うから、私と亜美は触れ合うことができる。 「夢を、見てたよ」 寝息の隙間から、亜美の声が漏れる。起きていたの、と無為な言葉が浮かんで消えていった。 「亜美と真美で、ユニットをしてた」 「うん」 「デビューして、ちょっとうまくいかない時期もあったけど、みんな愛してくれて」 「うん」 「ずっと、二人で活動してたんだよ」 「……いい夢だね」 「……うん」 背中から、首へ、手をまわして、私よりちょっとだけ小さな体を抱きしめる。亜美は私の手を掴んで、頬に触れさせて、鼻先でなでて、確かめるみたいに、そこにあることが信じられないみたいに、何度も、何度も。 上昇する体温は、もう、眠りのせいじゃない。 「真美」 私を呼ぶ、震えた声は。 「私、アイドル辞める」 産声に似ていた。 「……そっか」 「……驚かないの?」 「めっちゃ驚いてるよ、でも、亜美の方が大事」 「……真美は大人だね。私より、ずうっと」 「いやいや、ないっしょ。真美には、アイドル辞めるなんてできないもん」 「いやいやいや、続けてく方がずっと難しいんだって」 背中越しに、言葉を交わす。胸のつかえが取れたように、迷いはない。最初からこうすればよかった、そんなことを考えて、最初はどこにあったのか、わからなくなる。 なるようになる、そんな言葉は、私たちにはあまりに軽率に思えた。 「けど、辞めてどうするの?」 生まれ落ち、やがて別れ、再び出会い、別れ行く。いつか見た、真っ白な海鳥の姿を重ねた。意志と、偶然と、どちらが欠けても二羽の海鳥は、広大な外洋で二度と出会うことなく消えていく。 だから、りっちゃんは私を抱きしめたし、世界中に手紙を配り歩く。 「んー、宇宙に行く」 「……それ、いいね」 本心だった。亜美が目指すなら、それくらい遠い場所だろうと。 「うん。できるだけ、遠くに行きたい。どこでもいいけど、それってたぶん宇宙っしょ」 「……あの子のためかニャ?」 あの、亜美を変えた、もしくは亜美を見つけ出した、今はもういない猫のこと。 「うーん……違う、と思う。でも、きっかけをくれたのはあの子だから、そうなのかもニャ」 いや、そうじゃない。あの子は亜美にいて、私にだっている。 「宇宙かあ……もー、遠いよー」 「ね。真美も一緒に行く?」 「やめとくー」 「だよねー」 亜美は勢いよく体を起こし、でも聞いてよと一息に調子を変える。それからとくとくと続いたのは、宇宙飛行士になるのにどれだけ時間がかかるか、民間の宇宙旅行にどれだけのお金が必要か、つまり、宇宙に行くのがどれだけ難しいかっていう話。 けれど、亜美は一言も、ただの一言も諦めを口にすることはなく、私も、行かないでだとか一緒に行こうだとか、そんなことを望みはしなかった。 気がつけば太陽は沈み、私たちを包んだ夕焼けも、次の世界のために姿を消していた。 それは、ステージの終わりに似ていた。
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対流圏、私たちの暮らしている場所は、地面から17、000mくらいまで。上昇して、成層圏、中間圏、熱圏、で大体100、000m。地球と宇宙の境は、何を基準にするかで 異なるそうなのだけれど、おおむね50,000mから80、000mくらいらしい。 ちゃんと決めてよ、と本を片手に思いながら、そのふわふわした感じは私たちの距離に似ているのかも、なんて考えていたら亜美が微笑んでいた。 それが二日前、亜美の告白の日のこと。 今日の私は、事務所の屋上で空を見上げながら雲のかたちで遊んでいる。指輪、レモン、パンダ……たいがい暇だなあと思いながら、これがなかなかやめられない。 「やっほ」 そう、差し出されるダイナソーダ。振り返り、背中に太陽をまとった亜美の姿。その手にも、同じソーダの缶。これと離れるには、たくさんの勇気がいるのだけれど。 「どうだった?」 「一時休戦、って感じだね」 ゆっくりやるよ、そう言って亜美は手すりを背に体を伸ばし、悠然と空を見上げる。その瞳に、焦りはない。あるのは信頼と、決然とした意志と、別れの寂しさ、は私の心のあらわれかもしれない。 「あの雲、何に見える?」 ふと、亜美がつぶやき指し示すちぎれ雲。せーの、と目を合わせる。 「ねこ」 「にゃんこ」 私たちは、笑う。二人の距離、小さなズレ、別々のメロディを、この一つの世界を愛するように。 「亜美。私ね、この星で一番のアイドルになるよ」 「ほうほう」 「だから、どこに行って��私を見つけてね」 「さすがですな、真美隊員」 ふんふんと頷いてみせる、亜美の瞳から星が流れた。日の光を反射して、きらめき、大気の層で燃え尽きることなく、地上にこぼれ落ちる。 それは、綺麗だけれど、違う。星は空へ昇り、宇宙へ飛び出して、どこまでも、どこまでも遠くへ。私たちが、まだ誰も見たことのない世界へ。そうでなきゃ、私たちは、ずうっと孤独な星のまま。 「亜美、亜美」 呼びかけて、差し出す一輪の花。あの日捧げたのと同じ、キンポウゲ。あの子に似合う、同じように、私たちに似合うとずっと考えていた。 今日という日を、亜美は覚えていただろうか。答える代わりに、亜美は瞳を拭って、同じ花を私へ差し出す。 ハッピーバースデイ。 重ね合わせた言葉は、過ぎ行く春。十代の終わり。生まれ変わる私たち。そして、愛すべきこの世界。 全てに捧げられる、祝福だった。
*
一条の白い線が、地上を旅立ち空へ昇っていく。 その様子を、私はステージから見上げている。 私はマイクを下ろしていて、客席からは亜美への声援や別れの言葉。そうして、このささやきは誰にも聞こえることなく消えていく。 だから、これは秘密。 私と、亜美と、あの子だけの、約束。 マイクを持ち直し、左手を掲げ、私は歌う。 この星で、一番のかがやきを放つために。
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【ひらひら~】 . ●〇●〇●〇●〇●〇●〇● ・上品さと可愛さのある”シフォン生地” ・黒、茶、白の色柄が人気の西アフリカの泥染め〈ボゴラン〉柄 ●〇●〇●〇●〇●〇●〇● . 泥染め柄のシフォンプリントで、 ��代問わずいろんなシーンやコーディネイトにも合わせやすいマキシ・ロング丈のフレアスカートを5点製作しました💃 . . ■もともとのボゴランはその色柄に邪気を払うお守りの意味があったり、その素材や染色の質感が本当に美しい🤩■ . このスカートの素材はポリエステル100%のシフォンプリントですが、逆にオリジナルには出せない”軽さ””動き””柔らかさ”が素敵です✨ 負けじとかわいいですよ🎵 . →もともとのボゴランが気になる…という方は、 日本でも作家さんや取り扱っているお店があるのでぜひ調べてみてくださいね~😉 . 〈仕様〉 裏地つき&ウエスト総ゴム。 全5柄各1点ずつ。 . WEBSHOP に掲載しています💁♂️ . #シフォンスカート #泥染め #ボゴラン #マリ #西アフリカ #春スカート #アフリカンカジュアル #アフリカ雑貨 #イロのある生活 #kwamalogo #chiffonskirt #africaninspiredfashion #africanfashion #bogolan #mali #bambara #colorfullife (アフリカ雑貨&オリジナル 『kwa Malogo/クワァ マロゴ』) https://www.instagram.com/p/Ca1GRvCPlJh/?utm_medium=tumblr
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こんにちは。
gem sewingのtomokoです。
生徒さんの作品です。
KIDSコットンストライプフレアスカート #ライトブルー
ミニバッグ #ナチュラル #ブルーストライプ
お仕事が保育士の生徒さん、保育園で子どもたちがおままごとに使えるようにとフレアスカートとミニバッグを作成されました。
フレアスカートは最後にウエストゴムをいれたら完成です。ギャザーができてもっとかわいいスカートになると思います。バッグも持ち手のサイズや長さも子供たちが使いやすいようにと考えて作りました。
子どもたちが使ってたくさん遊んでくれるでしょうね。
ありがとうございました。
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