Tumgik
#散文
komichi-mado · 8 months
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朝方、雨が降っていた。そして、雷鳴が轟いていた。妻は窓辺で雷が落ちる様をずっと見ていた。僕が入れてあげたカプチーノも飲まずに、うっとりとカミナリが落ちる様子を見つめている。
カミナリが落ちるたびに、今のすごかったねと、うれしそうな顔で僕の顔を見る以外は。
妻は好きなものを見つけると本当に夢中になる。僕はそういうところが好きで、一緒に暮らしているのだから。カミナリをずっと見つめている姿も、もちろんかわいい。
僕はどこか冷めたところあって、何かに夢中になることなんてないから。自分自身のことですら、いつも第三者のような目で見ているところがあり、そのことを妻に指摘されると、恥ずかしい気持ちになる。
「一緒にカミナリ見ようよ」
そう誘われて隣に座っても、カミナリなど見ないで、妻の横顔ばかり見つめている。
カミナリが落ちるたびに、顔の様相が変わる。右の眉がひくひくと動いたり、ひんぱんに瞬きしたりする。口元も歪めてみたり、ぽかんと開けっ放しだったりする。
妻の良いところや面白いところいっぱい見つけているよ。僕が夢中になれるものがあるとしたら、妻のことぐらいかもしれない。
抱きしめるとほんのり冷たい身体や、ときどき子どもみたいに怒ったり笑ったりするところや、物事を見つめる真摯な姿や、タオルケットを恋人のように肌身離さず抱きしめて眠っているところ。
まるまま受け止めて、美しく切り取って見せよう。妻の空の下で、僕は生きようと決意したのだから。
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hello12610 · 1 year
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記憶
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tsumakoushika · 5 months
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ねぇ、この花はまるで君のよう・・・それは可憐だって、君に伝えたい。良いことがあると君の顔が思い浮かぶ。伝えたくて、伝えたくて、心が疼く。知らない曲で好きな曲を見つけると、心の宇宙に喜びが無限に広がるかのように、ヘビロテして聴いてしまうのに、君と知り合えて、知れば知るほどに、好きでたまらなくなって、片想いの淋しさなんて吹き飛んでしまうほど、君のことを考えている。雨が降っていると、何してるだろう?と気になる。寒くなると、風邪ひいてませんようにと気遣う。私の事なんてこれっぽっちも考えてないとしても、君が幸せならそれでいい。私の想いはきっと届いているはず。私は幸福だ。あなたと同じ時代に生きて、知り合って、顔が合うとほほ笑み合う・・・午後に降るあたたかい雨になって、潤すことができたらどんなにいいだろう。ありがとうの感謝を込めて。
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singamindscape · 6 months
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いつも
変わらない
優しさ
頃合いを見て
さりげなく
やって来ては
いつのまにか
さっと身を引く
そんな優しさ
2023.10.29
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sakuraironokaze · 2 months
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一途な想いを捨てきれないで、私は深い淵に身を投じる気持ちで、水辺にへたり込んでいる。あの人ではなくてはならない。一緒になれないなら、刺し違えてもいいとさえ思った。あの人を殺めて、自分も死のうとすら考えた。それぐらい恋焦がれていた。しかし、私は実際のところ、あの人を深く愛していた。私の想い一つで、あの人の優しい眼差し、口から発する優しい言葉、紡ぎ出す詩や散文を、失いたくなかった。これから先の人の財産であり、癒しになる。
私は死ぬ前にあの人の作品を朗読していた。どの作品も、美しく繊細で、魂そのものの囁きだった。苦しいことも乗り越えた人だから、繰り出せる作品だった。
ひっそりと沼に身を沈めていく。まだ春になり切らない水温はまだ低く、すぐ死ねると思った。萌黄色のフレアスカートが水面に花のように広がり、中心にいる私は妖精だった。愛している想いもろとも死んでいく、優しい死だった。涙が溢れてきて、萌黄色のスカートも、へどろにまみれて、沈んだ色になっていく。
これで良かったんだよね?そう自問自答しながら沼の中に身を沈めて、呼吸が続かなくなって、ヘドロを思いっきり吸い込んだところで、誰かが私を沼から引き揚げてくれた。
それは愛する人だった。私は夢を見ているのか、もうこれは天国に来ちゃったのか、それとも死んでも報われない想いにさいなまれる地獄だろうか・・・そう考えているうちに、意識を失った。
薄っすらと意識が戻ると、見慣れた天井が飛び込んできた。ここ知っている。私は裸のまま、誰かに抱かれている。それはどこまでも優しく温かだった。知っている肌の香り。全てが知っている感覚に満たされていて、幸せの絶頂にいると思った。彼は私の身体を洗って、ヘドロをぬぐい取ってくれて、ずっと自分の身体で温めてくれていたのだ。
一途な片思いに身を焦がしていると思い込んでいたのは私一人で、あの人はあの人で、私に片思いをしていたのだった。
汚れた萌黄色のスカートは、洗濯されて、干されて風に揺れていた。陽光がキラキラとスカートの生地越しに乱反射して美しく、私は虚ろに抱かれながら、ぼんやりと見つめていた。
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daidai-iro · 4 months
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私は3.11の被災者です。
もう随分前のことだけど、これは4年前に書いた日記
どうか無力を微力へと、もがくことはやめたくないんだ。
圧倒的なこの無力を
2020.3.11
プラットホームにいる人々は、突然に訪れた春の陽気と光の中にいた。その中にいる誰も彼もが、9年前の自分自身に会いに行くような、そんな穏やかで儚げな表情を浮かべているように見えるのは、気のせいだろうか。
今日はあの日とは随分と違って春の陽気がそこら中に溢れる。暖かくて気持ちがいいね と、君はポカポカ話しかけてくる。それに私が答えなくても、続けて私の頭を優しく撫でてくる。君の暖かさで私の髪が柔らかくなっていることに気がつく。
そんなに穏やかに笑うけど、あの日の荒れ狂う残酷な荒波だって君だろう? 喉までこみ上げてきた言葉を口にするには、私はまだ弱かったみたいで、きっとそれを言ったところで、泣いてしまうのは私のほうだった。
何も言わない。かわりに、君の陽気をゆっくりと深く吸って目を閉じる。会いに行くんだ。あの日の私に。あの日の続きを奪われたあの子に。あの子との未来を思い描いていた少年に。何度も何度も会いに行くんだ。
会いに行くんだよ。
圧倒的なこの無力の中で
いつまでも祈っているから
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niceage1993 · 1 month
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むかしのはなし
 消防士になることを夢見る青年の薄い腹には、横一文字に傷痕が走っていた。新しく形成された皮膚は桜色で、わずかに隆起している。その傷跡を指先でなぞると、引き締まった背中がにわかに丸まった。
 青年の生家と家族は、黒く冷たい波に押し流されたんだという。あとに残ったのは倒壊した家屋の木材とひしゃげた車と妹の千切れた左腕、それからこの腹の傷だけだったそうだ。その話が本当か嘘かなんていうのはどうだってよくて、わたしの感傷に触れるには十分だった。生意気を撒き散らし飲めもしない酒を煽る唇から紡がれるには、どちらにしろ繊細すぎる。
 とっくに塞がっているはずの傷からは絶えず悲しみが漏れ出していた。彼はいま歌舞伎町で、田舎者の女を風俗に売り飛ばす仕事をしている。
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むかしラブホテルのベッドの上で聞かされてさ、どんな顔して抱かれりゃいいのよと思ったよね。もう二度と会うことはないけど、元気でいてねと思ううちのひとり。
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geniusbeach · 1 year
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石の言葉
 名古屋を巡る車の中で、静岡に砂丘があることを友人から教わった。鳥取以外に砂丘が存在することは意外だったが、私はちょうど、ぼうっと眺めるだけで済む単調な風景を欲していたところだった。というのも、このところ雑事に追われていたせいで、精神は干された雑巾のように疲弊しきっており、何事に関しても乾いた考えしか浮かばなくなっていたからだ。友人に請うて予定を変更し、翌日足を伸ばしてみることにした。
  三月某日。朝から曇天。連休の中日であるせいか車道はしばしば滞った。昼過ぎにようやく浜名湖に着き、そばにある店で鰻を食べつつ、私は植田正治が撮影した写真を思い出していた。白い空と白い砂に二分された画面の中央に、黒い服を着た人物が立っている。現実から遊離した夢のような断片。まるでタンギーの時空にぽつんとある、マグリットのオブジェ。新しいのにどこか懐かしい、シンプルで強烈なイメージだ。そんな不思議な光景が、この先で待っているだろうか。重箱の蓋を閉め、肝吸いをすする。椀のなかにある黒い背景と白い肝のネガポジを反転すれば、近くて遠い異世界が現れるだろう。思いもよらぬ効果は、そのように簡単な操作で得られるのかもしれない。携えたカメラで何かを撮ってみよう。
 中田島砂丘は浜松の南部に位置し、遠州灘に面している。砂は、その東端が接する天竜川の上流から運ばれてくるそうだ。駐車場に車を停め、滑り止めが敷かれた小道を歩いて登って行く。林を抜けると視界が開けた。友人が声を上げる。空と、一面の砂が広がっていた。砂原へと続く急斜面を、足を取られながら興奮ぎみに降りる。すると、不意に下方から視線のようなものを感じ、私は立ち止まった。目を凝らすとそれは人でも動物でも虫でもなかった。石であった。坂の下に、じっとこちらを見つめている石があったのだ。遠ざかる友人をよそに、砂に顔を打たれながら、私はそれを見た。あたりにごろごろ転がる石とは何かが違う。風と波の果てしない響きのなかで、その石は白くきわだち、寂しそうだった。
 私たちにはどこか通じ合うものがあった。ルートを外れ、靴にざばざばと砂が入り込むのも構わず、石のもとまで無心で下って行った。拾い上げると、それは花崗岩であった。美しい卵型をしており、側面に少し平べったい部分がある。表面はチョコチップアイスを思わせる、白にわずかな黒のまだら模様。握ってみるとたしかな重みがあり、旧知の仲でもないのに、手にしっくりとなじんだ。持ったまましばらく考え、その石を散策の相棒にすることに決めた。
 石は、大人しい。しかしその性質はなかなか気難しい。浜を東へ歩いていく途上、こいつをどう扱おうかと悩んだ。ぐっと握りしめたり、持ち上げたり、掲げたり。ときに置いたり、立てたり、回したり。はたまた投げたり、落としたり、転がしたり。その全面が顔ともいえる、しかしいっさい動いてくれないカタブツをなだめすかしながら、何枚も写真を撮った。そのうち何やら、石の言葉が聞こえてくるような気がした。しかしその言葉とはいったいどんなものだろう。
 雨に濡れて。/独り。/石がゐる。/億年を蔵して。/にぶいひかりの。/もやのなかに。
 そう書いたのは詩人草野心平だが、なんでもない石について、石そのもののごとく簡潔に、そこに秘められた歴史と存在の必然性を言い表している。なおかつ映像的でもあり、事物を外部から見た限界ぎりぎりのところを巧みに描写している。とはいえ、それは石の発した言葉ではなく、あくまで人間から見た石の姿にすぎない。最終的にその主張を想像して汲み取るのは我々読者だ。詩人石原吉郎によれば、詩とは「沈黙を語るための言葉」だという。結局、我々が読めるのは「書かれた詩」でしかない。ほんとうの詩は事物と感興との沈黙の関係にあり、口にしたとたん霧消してしまうたぐいのものなのだ。ただしその意味で、カメラは言葉と同等に詩をつかみ得る道具となる。
 石の言葉の意味は石にしかわからないが、聞くことはできる。それは生成と漂着の場所にこだまする音に根ざしているはずだ。ここは砂丘。海と空と砂と風がある。それらを組み合わせて固めた言語が質量となって、いま手のなかにある。石の組成、つまりこの風土の中心に改めて石を据えてみようと思った。空へと放り投げて、あるいは、太陽と重ね合わせたシルエットに向けて、シャッターを切る。一連の試行錯誤の末、徐々に一個の石の多様な側面が見えてきた。浜にある無数の石の中、風紋を斜めに切る光彩と陰影の間、人の足のような流木の上、それぞれの関係性の中で石は表情を変え、異なる何か訴えかける。それは静かだが、熱のこもった対話であった。
 石のようになかなか動こうとしない私に友人はやきもきし、途中からどんどん先に進んでいった。帰りがけに走って追いついたところ、持って帰るつもりかと聞かれた。私は黙って首を振り、堆砂垣の向こうにそっと転がした。ホテルに戻ると、お気に入りを見つけたと言って、友人はポケットから小さな黒い石を取り出してみせた。彼は彼で写真を撮っていたらしい。そうしてにやりとしながら差し出されたカメラの画面には、私と石の出会いが切り取られていた。少し笑うと、名残惜しさが込み上げてきた。ふたたび永遠の海亀の卵へと還った石は、満月とともに夜を語り明かすにちがいない。ここちよい疲労に包まれてほんとうの石となった私は、夢幻のなかでその会話を聞いただろうか。
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reitomorisaki · 8 months
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※特別版
『二階には飛魚がいて』
〜本作のみ、自力の人力100%作です。(本作は過去に別名で発表、投稿されたことがありますが、ここでは創作の過程を説明するために再投稿します) AIにはあらかじめこのような自作短編を見せ、作品のスタイル、トーン、ボイスなどを学んでもらっています。その上で創作会議のブレストから一緒に作業を始めます。
 当アカウントの創作作品はAIとの共作としています。どの程度をAIが書いたかは作品によってまちまちで、AIが4割のものもあれば、1割未満という作もあります。ただ、それをはっきりと分けられないくらい、対話を繰り返し書き上げた創作物となっています〜
『二階には飛魚がいて』
 先週から家の二階に人がいる
 「お仕事してるんだから邪魔をしてはいけないよ」と 父様はいったけれど わたしには関係のないことだから 今日も覗きに行ってくる
 襖はいつも開いてて 机ひとつとペンと紙 ブルーブラックのインク壺
 それで自分を文士だなんていう
 バネ仕掛けのようにぴくぴく跳ねるペンを 白い紙に走らせながら 「今! この行の上で 全読者が居合わせているのです! 」と口走る
 文士さんの操るペン先は 跳ねる波頭の山を払い ぎらりぎらり 魚のように光りながら ぐんぐん紙面を進んでいった
「ほら ここ! ここを読んでる全読者が 同じ行の上にィ」
 インクは泳ぐ魚の影をなぞる
 原稿の桝に引っかかって跳ねると ヒレが紙面を引っ掻いて読点 着水すれば鋭く払われて 強い跡が残っていく
 ペンが 叩きつけられ 立ち上がった文士さんが叫んだ
「さァ見なさい 同行の人! 」
 その勢いのまま窓まで歩き 部屋の障子戸を開け放った とたん「あッ」という声だけ部屋に残し 姿が見えなくなる
 駆け寄ったわたしは ぽっかり開いた窓から 沈む陽の中へ落下していく文士さんの 小さな影を見つけていた
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reijimix · 1 year
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梅雨空に浮かぶ雲の隙間から 雨に濡れた街並みが見える
逆さまの街を見上げていた猫は 陽だまりの中でゆるやかに前足を畳んで丸くなった
雲の隙間では 逆さまの傘が水たまりを遮って 雲からの粒を受け流していた
逆さまの歩道に咲く紫陽花は一雨ごとに色を変えていた
一機の紙飛行機が空を行き来して 逆さまの街から 陽だまりの中に落ち パタリと倒れて猫の隣に並んだ
雲の隙間に女性がいて 砂時計のように見下ろしていた
逆さまのカフェには 口々に歌うピエロのクッキーが並び 通行人たちを揶揄するように合唱をしていた
傘を差したまま空を見上げる子どもらは虹を待っているのだろうが 見えているのは 陽だまりの猫と紙飛行機だった
それから逆さまの雨が止み 逆さまの街は幻想的な色合いに包まれた
街灯は上空で静かな夜を迎える準備を始めた
地上では 陽だまりの猫が自分の影に入り 静かな眠りを陽だまりの中へ分け与え始める
『陽だまりの猫』
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igumoaya · 7 months
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涙が溢れた
息が浅かった
さむかった
何も止まらず、ただ滞り
崩れ落ちそうになる
必死に見上げ、
その必死さに締め付けられた
殺されそうだった
同時に殺して欲しかった
終わってしまうかとその一瞬
一件の通知。
流れ出す人の心
血を取り戻し始め、苦しみへとかえった
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komichi-mado · 6 months
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『ひと筋の気泡』
深い沼からひと筋の気泡が立ち昇っていた。魚がいるのかな?こんな汚れた沼にでも魚は棲んでいるんだと木こりは横目で通り過ぎようとしたが、気泡からは何かメッセージ性のようなものを感じた。居ても立っても居られなくなって、異臭すら漂う沼に飛び込んで深く潜った。服やズボンや靴やら全て水分を含み邪魔だったが、木こりの持ち込んだ気泡と立ち昇ってくる気泡が混ざらないように、慎重に潜った。かなり深くて息絶え絶えになりながら、底に着いた。ロープでぐるぐるに巻かれて、人の���をした重たそうな汚れた物体から気泡が出ていた。木こりは担ぎ上げて、汚れた水を飲みながら浮かび上がって、岸まで運んだ。
ナイフで腐りかけたロープを切っていくと、中から悲しみと寂しさをまとった顔のお姫様が出てきた。意識を失っていて、どこの国のお姫様か分からなかったが、私の住処に連れて帰って、丁重に身体を拭き、介抱して寝かせて、食事を作り、口元まで運んだ。ほとんど喋ることができないほどショックを受けていたし、悲痛な顔でしたが、まるまる三年ほどお世話していくうちに、笑顔になり、柔和な顔になって行った。あなたに見つけてもらえて良かった。そう話して、心を寄せてくれた。
三年過ぎしばらくして話を聞きつけて、娘を取り戻しに来た父でもある王様は何度もお礼を言って、お姫様を引き取って行った。お礼の品は受け取らなかった。噂に聞いたことには、美男子で誰からも慕われている隣国の若き王に妃として嫁いだが、幸せにはしてもらえなかったそうな。挙げ句の果てに、沼に沈められたところで、絶命寸前のところを助けたのが、木こりだった。木こりは炭を焼いたり、その日暮らしの貧しい生活でしたが、心は豊かで炭で絵を描いたり、詩を詠んだり過ごしていた。
年齢を重ねて、耳寄りのない故に一人で死んだが、お姫様は木こりを丁重に葬り、何度生まれ変わっても、連れ添い、仲良く暮らせる一生を過ごしているそうだ。  
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hello12610 · 1 year
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きみとなら
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tsumakoushika · 5 months
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妻と出会えて、意識化に閉じ込めていた、素の生臭い自分を白日に晒し、天日干しして、いい味出せるようになりました。
結婚して一緒に暮らして、本当に幸せで、なんでも面白がってくれて、良いところを引き出してくれる。
逆に妻のいいところを引き出して、それは本当にキラキラしていて、誇りに思う。
誰のものでもない今日を自分の為に生き、周りの人たちに恩恵を与えられたなら、どんなに幸せだろう。
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singamindscape · 4 months
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年月が過ぎ
景色が変わっても
僕たちは
なにも
変わらないね
これからも
ずっと
変わらないね
2024.1.9
25回めの結婚記念日
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asoufuyu · 7 months
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九月の残暑に氷菓を頬張る僕達は小さな窓の内から不意に何処迄も行けることを知る、この足が縺れてもこの手が震えてもいつだって僕等は信じ切ることが出来る、美しい世界の陰と絶え間ないひかりにうたをうたう、手を叩いて先頭を行く僕で居よう、君も巻き込むよ、屹度ブラックホールを丁度抜けたところ、光の速度でこの道をゆかふよ
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